平成17年2月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇30番(及川幸子君) 民主・県民会議の及川幸子でございます。
 質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げながら、順次質問をさせていただきます。
 まず、平成17年度予算についてお伺いいたします。
 国においては、昨年暮れに、一般会計総額82兆1、829億円、前年度対比0.1%増の政府案が示されました。あす、衆議院を通過する方向のようであります。しかし、私たちの暮らしへの影響は、増税、社会保険料アップなどと、改革の痛みが伴う結果のようであります。岩手県に及ぼす影響も大きく、総額7、671億6、500万円で、前年度当初より1.6%の減で、4年連続で前年度を下回り、予算規模としては11年前の1994年度並みの水準となっております。また、本年度末の県債残高は、過去最高の1兆4、137億400万円となり、県民1人当たりの借金は、赤ちゃんからお年寄りまで99万8、000円に達し、昨年より2、000円増額いたしました。
 そこで、知事にお伺いいたしますが、歳出では硬直化した財政状況が続く中、マニフェストに基づく40の政策を推進する事業に169億800万円を計上、重点化を図ったとされておりますが、打ち出したこの額で、公約の道のりはどの程度の成果が出せるのか、お示しください。
 国の予算編成に当たり、国民の痛みの伴う部分が感じられた中で、知事は、財源不足の多くを庁内で消化し、県民にできるだけ痛みを与えないような編成をしたと、県民にとってはとても明るい改革推進予算ともうかがえますが、果たしてそうでしょうか。2006年度、221億円の財源不足が生じることを踏まえての編成がなされたのか、お伺いいたします。
 また、緊縮予算が続く事態に、県民サービスの低下が懸念されておりますが、増田知事は、質の高い行政サービスを提供するため、さらにスマートな行政体を目指したいと強調されましたが、このスマートとは、むだなぜい肉を削り、伸ばすところを伸ばした予算の編成であり、実際、人件費や公共事業費削減を確実に進めた県民泣かせのやり方ではないのか、危惧を抱くものであります。この点はいかがでしょうか。
 予算案の重点事項は、地震や津波などを想定した災害に強い地域づくり、学校教育や職業教育に重点を置いた人材育成、自動車産業を核とした産業振興等に力を入れておられますが、歳出の半分近く、48.4%を占めている義務的経費のうちの人件費26.5%については、職員カットや給与削減を強力に推し進めており、人件費56億4、900万円、2.7%減という数字の裏には、教職員を含めた県職員400人規模でのカットや、寒冷地手当の見直しなどの実施にあり、涙を流した犠牲があったことは事実であります。この点についての御見解をお聞かせください。
 また、三位一体改革が及ぼす地方財政への波及が大きい中、増田知事は、財政の立て直しを完全に図れる時期をいつごろと見られているのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、県政における知事の姿勢についてお伺いいたします。
 去る19日の新聞報道の記事、県議会レポートの欄に目を落とした私。全国知事会長選の結果に対する記事であります。勇気ある戦いだったと評価する人。岩手が全国に認識されたと、またまた高い評価の人。最後、三人目。落選はよかった。中央ばかりに目が向くより、県政をもっと見てほしいと厳しい指摘の人。これは私であります。しかし、知事、私は、取材の中で、この地方から全国知事会に立候補した点については、絶賛の言葉を述べております。が、私がとても懸念した点は、岩手県の抱える問題が余りにも多い中で、知事会長になったとして、1週間に1度は中央に出向き、県庁不在の日々が多くなることに不安を抱いたことです。
 そこでお伺いいたしますが、知事会長に挑んだ一番の思いをお聞かせください。
 県民の中には、岩手の知事は、岩手のトンネルを越えると中央の人になっていると思っている人もおりますが、県民の選んだ知事は、常に岩手の将来像を胸に据え、知事会に臨んでおられると確信するものですが、知事の岩手に対する熱い思いをお聞かせください。
 また、選挙に臨む者は、必ずや勝利を目指して戦うことが必要なのですが、選挙後の報道に、なったらなったで大変だ。正直、ほっとしたところもあるという知事の弁がありましたが、どんな思いからその発言がなされたのか、お伺いいたします。
 また、知事演述の中で、岩手らしさにこだわり、とことん岩手らしさを追求していくと述べておりますが、県政運営に当たっての基本的な考えのこの取り組みに対して、知事は、県土の岩手らしさを、その目で、その耳で、どれほどの地域に足を運び、今後、とことん岩手らしさを育てていかれるのか。とことん岩手らしさの追求のためには、多くの県民が地域から、知事さんやーい、おらほさも来てけらいやーいとの声が上がる、本当の意味での身近な県政を望むものであります。知事の御所見をお聞かせください。
 また、昨年、知事が県内に足を運ばれたいわて出前授業、地域の人々とのふれあい懇談会の成果と、その地域を選択する基準はあるのか。地方振興局がその地域を把握している中で、地区選びにも関与されているのか、お伺いいたします。
 昨年、11月10日の地域の文化に誇りをという記事を読みました。市、中心部を流れる河川について、県庁所在地で清流が流れるまちは盛岡のほかはなく、大きな財産。盛岡の自然空間のすばらしさを、行政、市民が再認識し、精神的なものを含めた地域の豊かさを高めていくことが求められていると、地域づくりに対する知事の熱弁が紹介されておりました。
 今、県内において、地域の人々が自分たちの力で、活力ある地域づくりに懸命でありますが、夢のある目的に向うためには、ある程度の財源の確保も必要とされておりますが、緊縮財政の市町村においては、その活動費用も途中で打ち切りとなったり、予算計上もままならぬ現状であります。手づくりの地域づくりも、ある程度の限界を感じるのですが、県としての支援策をお示しください。
 次に、農業問題についてお伺いいたします。
 日本農業の将来を見るとき、基幹産業であったはずの農業が、米価格の低迷で先行き不透明とさえ言えます。昨年は作柄良好としながらも、相次ぐ台風被害で、農作物被害も既に491億円、米の在庫も大量に抱え、米政策では過剰分は加工用に区分出荷されるなど、担い手育成の思いも途中で断ち切れてしまいます。自給率も近年40%で横ばいであり、目標である45%にはなかなか届かないようであります。2月21日の報道によりますと、食料自給率45%は10年後と、目標の先送りを打ち出しました。私は、自給率を伸ばすため、食生活の見直しを進める食育の推進と、需給に即した国内生産の増大を図るべきと考えますが、このことについての県の自給率向上の状況と取り組みをお示しください。
 先進国として、自給率40%が最低であることの要因は、生産者が幾ら努力しても、いつの間にか国外に頼っている食生活にあるのではないでしょうか。今こそ、安心安全な、岩手ならではの農産物の生産に全力を注ぎ、岩手から自給率向上に向けた施策を打ち出していただきたいと考えます。安心安全な地産地消の取組状況をお示しください。
 次に、圃場整備についてお伺いいたします。
 省力化、効率化を高めるための整備計画は、生産者の協力のもとに推進されておりますが、近年、財政の悪化の影響もあり、年度によっては計画を休むことさえあり、農家にとっては最大の不安を抱いているところでもあります。東北6県中、本県の整備率は最下位で、東北で一番整備が進んでいる山形県よりも、24ポイントも下回っている状況であります。県平均59.3%の整備率より下回っている水沢、一関、千厩、大船渡、釜石、宮古、久慈、二戸。県平均を上回っている盛岡、花巻、北上、遠野。この現状をどうとらえ、また、この整備率と米の出来高がどのように反映されているのか、お示しください。また、17年度予算における取組状況をお示しください。
 次に、交通安全対策について2点ほどお伺いいたします。
 昨年、道路交通法が改正され、運転中の携帯電話使用について、従来は危険を生じさせた場合が違反であったものが、使用そのものを禁止することとされました。この法改正は、たしか11月1日施行と記憶しております。法の施行日には、改正法の趣旨徹底を図る目的であったとは思いますが、早朝から多くの警察官が街頭に立ち、徹底した指導・取り締まりを行っていたのは記憶に新しいところであります。確かに、この改正により、その数は減っていると思いますが、いまだに平然と携帯電話を使用している運転者を見かけます。また、警察の目立った取り締まり活動を見かける機会も減っているように感じます。
 3年前になるでしょうか、息子の友人の弟、二十の青年が、運転中、彼女と携帯電話で通話中、対向車と激突。将来の夢を抱きながら、話し終えぬ携帯電話を残し、死に至ったのであります。事前に防ぐことのできた事故だけに、残念でなりません。私は、このような経験から、運転中の携帯電話の使用は注意力散漫となり、運転上、非常に危険な行為であると認識しております。県警察には、ぜひ徹底した取り締まりを継続して実施していただき、根絶を図っていただきたいと考えているところであります。
 そこで伺いますが、昨年の法改正以後、運転中の携帯電話使用の取り締まりはどのような状況になっているのでしょうか。検挙件数の推移などをお示しの上、お答え願います。
 また、県警察として、その傾向をどのように分析されているのでしょうか。改正法の趣旨徹底により違反が減っているのか、徹底した取り締まりにより一時的に減っただけなのかなど、その実態はいかがでしょうか。そして、これらの分析に基づき、県警はどのような対応をされているのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、違法駐車対策についてお伺いいたします。
 平成17年度当初予算に、違法駐車対策事業として8、940万円余が計上されております。予算に関しての説明では、平成18年6月までに施行される道路交通法の改正に対応するもので、放置違反金システムの開発と、違反確認事務を民間委託するための講習等を行う費用とされておりますが、改正法の趣旨としては、具体的にどのようなものになるのでしょうか。
 この法改正に基づく違法駐車に対する県警察の対応は、従来とどのように変わってくるのでしょうか。また、違法駐車取り締まりの一部を民間に委託することによる効果を、どのように見込んでおられるのでしょうか。
 私も駐車場出入り口に車をとめられ、自分の車を出せなかったという経験があるのですが、歩道上や横断歩道、曲がり角など、違法駐車は町じゅう、いたるところで見かけます。そして、道路ではないのですが、スーパーなどの駐車場に設けられた身体障害者駐車スペースにも、平然と身体障害者マークのない車がとめられている光景や、駐車枠のない通路上への駐車は、恐らく違法駐車と同類の非常識なドライバーのしわざでしょう。この法改正を契機に、モラルの欠如したドライバーに、より一層の厳しい対応がとられることを願ってやみません。
 次に、公共事業費削減についてお伺いいたします。
 国の公共事業費は3.6%減となり、国土の均衡ある発展、都市と地方の格差是正の点で、その目標がある程度達成されたとの国土交通省の見方のようであります。果たしてそうでしょうか。県の公共事業費3.9%抑制は、事業実施799カ所で、前年度より58カ所の減少、ピークだった平成7年度の約38%まで減少しております。
 増田知事が打ち出した公共事業の施策は、一昨年、昨年と2年間で30%削減。これは既に達成されましたが、これに伴い、4、000人の雇用が失われると言われておりましたが、一体どんな結果になったのでしょうか。
 4、000人削減を打ち出したときは、建設業に携わる人々の悲痛な訴えが、県内各地より聞こえてまいりましたね。その叫びを知っても、県財政の逼迫を理由に強行に推し進めてしまいました。建設業の方々の新産業への転換、育成は順調なのでしょうか、その状況をお示しください。
 先日、中部国際空港が愛知万博開会に向け開港されました。国内外を結ぶ拠点として、大いに期待されるところであります。建設中の中部国際空港、愛知万博会場を昨年視察し、空港建設に400社の参加業者では足りず、国外から10社の支援を得、忙しく動き回る重機、人々に、私は、どんどん中央ばかりがよくなり、地方は疲弊するばかりと感じたものであります。地方から中央へ工事を求めていくのは困難であると言われますが、逆に、中央から地方へ攻められるのは安易なことであります。地方発注に向けての対応策とその成果をお示しください。
 次に、防災対策についてお伺いいたします。
 県内の土石流、がけ崩れ、地すべりが想定される危険箇所は、全国で15番目に多い1万4、348カ所、危険箇所の住宅は、延べ7万1、530戸と多い数字が示されております。これらに対応するために、将来的に移転等を考えておられるようですが、宮城県沖地震が近い将来、高い確率で発生すると言われる中での予算措置は、万全と言えるのか伺います。
 次に、県内の交通危険箇所についてお伺いいたします。
 警察庁と国土交通省から、昨年7月に、事故危険箇所と指定された8カ所それぞれに対策が講じられているようですが、1カ月ほど前の報道、声の欄に、82歳の安代町の方から、国道282号の国道に歩道がなく、通るたびに大型車両の速度や雪道に命がけで通行。往復4キロの道に、一日も早い歩道の設置をという投稿を見て、都市と地方の格差を痛切に感じたものであります。地域の人々の真の声を受けた歩道づくりがなされているのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、福祉対策についてお伺いいたします。
 新聞に目を通し、その記事に憤りを感じ、目を途中でそらしてしまう報道。それは、児童虐待という恐ろしい言葉であります。何と、全国に寄せられる件数が、2003年度で過去最大の2万6、569件と報告され、実数はその10倍とも言われております。親の意識が全く欠如し、自分たちの欲望、気持ちのうっぷんを晴らすため、生後間もない子供を殴り殺す、熱湯をかけるなどと非情な人間性を見るときに、何が原因なのか、これほど虐待件数が年々増加する要因は何なのかと問われております。早期発見で未然に虐待を防ぐことが求められている今、児童虐待の防止等に関する法律による子供の人権に配慮した立入調査の確立と、家族支援や強制保護等を徹底し、安心して子育てができる環境をつくっていただきたいと思うのですが、県内の状況と今後への対応策についてお示しください。
 次に、在宅老人の介護状況とその対応についてお伺いいたします。
 先日、胆沢町において、88歳のおばあちゃんを道連れに、東京に住む二男である息子さんが、無理心中をした報道がなされました。町の福祉担当職員と、今後の介護方針について相談し合った日の翌日の出来事だけに、何とか手だてがなかったのかと、要介護に直面したさまざまな問題があることを痛感したところであります。寝たきりで、ひとり暮らしの生活に、訪問介護で食事の世話、おむつの交換などを受けていたとのことであります。
 県内におけるひとり暮らしの要介護者の実情はどうなっているのでしょうか。施設に入所したくても、満員で入所できない状態が県内でどのくらいあるのでしょうか。安心して老後を送るための施設整備の新年度の計画をお示しください。
 次に、教育問題についてお伺いいたします。
 今、文部科学省では、総合学習の見直しを検討しているようでありますが、教育現場から、生きる力を身につけるための処方せんだったはずとの声が上がり、小中学校への導入から、わずか3年での見直しは、多くの反発が予想されているようであります。中山文部科学大臣は、授業時間数が減っていて学力が向上するはずはない。教えていても時間が足りず、中途半端と述べておりました。
 OECDの調査によりますと、学力と授業時間とは比例しないフィンランドの例が出されております。この国が学習到達度調査でトップグループであることを知るとき、授業をしっかり聞く、家に戻ると発展的な課題の取り組みをする。つまり、授業時間ではなく、授業の質こそ問われるべきと言われております。教育長の総合学習見直しに関する御所見を伺います。
 次に、県立高校新整備計画の後期計画についてお伺いいたします。
 県教委としては、計画案をもとに各地域で意見交換をしてきたところですが、果たして、その地域の声を十分に取り上げ、納得のいく説明がなされてきたのか、まことに疑問であります。
 去る2月18日、県教委に対して、住民の署名を添えて、水沢商業高等学校の単独存続を求める陳情をいたしました。
 教育長、あの日、11時30分から12時までの30分間、現地から22名訪れたにもかかわらず、その席にいらっしゃいませんでしたね。前々から、その時間、予約であったはずです。教育長は、地方の方々の意見、要望を受ける気はないのではありませんか。水沢商業高等学校は、全国大会においても優秀な成績を誇る専門高校であります。タイプ・ワープロ競技大会も、毎年優勝している学校でもあります。少子化に伴う将来的な計画はわかりますが、ならば、なぜ県内に盛岡商業高等学校のみ残すのでしょうか。他県では例のないことです。まず、この2点について伺います。
 また、当初の説明では、水沢工業高等学校を水沢商業高等学校に移行する考えを示しておりましたが、余り日のたたぬうちに、それが逆になぜ変更になったのですか。私は、初めから、狭い敷地の水沢商業に、工業が統合されるのは無理だと述べたはずです。そのとき、県教委の答えは、大丈夫、狭くありませんと言ったじゃないですか。一転、二転の計画にはとても納得いきませんが、この件についてお示しください。専門校を併設するやり方は、専門性が薄れるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 合併を進めている胆江の5市町村は、今後、13万余の人口を抱え、県内一、二位を争う工業、商業、農業圏として充実を図っていく必要性がある中で、専門校のあり方が大変重要であります。
 関東自動車においても、工業高校としてのさらに質の高い技術力を高めた生徒が望まれております。水沢商業高校、水沢工業高校の単独存続を切に求めるものであります。岩手における専門高校のあるべき姿をお示しください。
 最後に、岩手競馬の問題についてお伺いいたします。
 古い歴史と伝統を持つ岩手県競馬組合は、平成3年度をピークとして発売額の減少に苦しみ、昨年度末では104億円になる繰り上げ充用額、いわゆる累積赤字を抱えるに至っております。この一方で、入場者数は減少傾向にありますが、それでも、16年度で200万人を超え、多くの競馬ファンの実在がうかがえます。
 このような中で、競馬組合は、岩手県競馬組合改革改訂実行計画を策定し、岩手競馬再生への道を探っている状況にあります。今回のこの計画においては、民間活力の導入によって、テレトラックなどの施設の売却や賃貸なども経営改善策の大きな柱となっておりますが、この計画は、競馬が継続されてこそ初めて成り立つものであり、万一、資金の行き詰まりによって競馬開催が不可能になった場合は、施設の処分も含めて困難な状況となり、負債処理の規模は膨大なものになってしまうことが懸念されるのですが、知事は、この点についていかがお考えでしょうか。
 岩手競馬は、発売額、入場者数にこだわり過ぎて、地域に根差し、県民、市民に親しまれる岩手競馬の原点を見失っていたのではないかと思われます。その結果が、建設費が予定額の2倍の405億円の盛岡競馬場の新設であります。また、売り上げ減の中でつくり続けたテレトラック11カ所の設備費、これらずさんな計画の反省に立ち、大きな改革のもとに改善策が出されることを願うものであります。
 そこで、計画の中で、地域に密着した競馬事業を目指すとの方向が示されておりますが、具体的にどのような事業の展開をなさるのか、お伺いいたします。
 また、計画の中の増収策の見通し、特にインターネット販売による増収の見通しを、具体的な形でお示しください。また、将来的に2場体制が維持できるのか、お伺いいたします。
 最後に、岩手競馬が廃止されたとして、県民への影響はどうなるのでしょうか。続けるも地獄、やめるも地獄と言われる岩手競馬。2、800人余りの雇用、岩手競馬のために走り続けた馬たちの命を思うとき、収入が減ったとはいえ、今も300億円という経済効果の中、私は、岩手競馬の存続を心より願うものであります。負けても負けても走り続けたハルウララの姿、私は、決して忘れない。
 御清聴ありがとうございます。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 及川幸子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、40の政策の達成状況についてでございますけれども、平成17年度の当初予算におきましては、この40の政策関連の事業について約170億円ほど計上しているわけでございます。平成17年度といいますのは40の政策の推進の折り返しの年度に当たっておりまして、掲げた目標を確実に達成していくための、まさに正念場、重要な年である、このように認識しております。
 この40の政策の達成状況でございますが、初年度はややおくれているという政策評価結果になっておりまして、2年目は、現在、そのおくれを取り戻すべく実施中でございますが、来年度の当初予算におきましては、初年度おくれていると評価されました分野を中心に、選択と集中を図りまして具体的な事業を積み上げたところでございます。自動車関連産業の集積促進、産学官連携による新産業の創出などさまざまな事業をその中に盛り込んだわけでございますが、今後、より一層創意工夫を凝らしまして、しっかりとした進行管理を行って、着実にこの施策の目標を達成することができるよう全力で取り組んでいく覚悟でございます。
 次に、財源不足を踏まえた予算編成についてお尋ねでございますが、予算を編成する前の時点での一番最新の中期財政見通しは昨年の7月に試算したものでございまして、その段階では、平成17年度から18年度までの2カ年における財源不足額を526から764億円と推計したものでございます。これに対しまして、平成17年度の予算編成過程の中で、歳入につきましては、県税収入の確保、県有未利用資産等の活用などを盛り込みました。また、歳出につきましては、職員数や各種職員手当の見直しなどによる総人件費の抑制などを盛り込みまして今回の予算編成に至ったものでございます。
 こうした予算編成を経まして、ことしの2月に改めて財源不足額を推計いたしましたところ、平成18年度における財源不足額は約221億円程度と見込んだところでございます。この221億円の財源不足につきましては、今後1年間をかけてその対応を考えていきたいと思っておりまして、今後、歳入歳出を的確に見積もりますとともに、より一層の財源の確保と、歳出削減に取り組むことによりましてその解消を図っていく考えでございます。
 それから、平成17年度予算が県民のしわ寄せになっていないかどうか、こういうお話でございます。
 平成17年度予算の大きな特徴は、まず、重点4分野、すなわち、災害、人材の育成、産業育成、さらには豊かな暮らしという重点4分野に特に取り組むこととしたところでございますが、そのほか、公共事業につきましても、所管部局を超えて、快適、安全、農林水産基盤、こうした分野への重点化を図ったところでございます。また、県民サービスに直結いたします扶助費、さらには介護保険関連経費、福祉施設や学校などの光熱水費などにつきましては、経常的経費の削減率を15%ということで予算編成をしたわけでございますが、こうした数値目標による削減目標の対象外といたしまして、今申し上げましたようなものについては必要額をそのまま計上するということにいたしましたほか、各種福祉施設の整備や補助制度の改善などにも配慮しながら所要の措置を講じたところでございます。こうしたことによりまして、県民の視点に立った行政運営が実現できるよう、財源の重点的かつ効果的な活用を図った予算編成に努めたもの、このように認識しております。
 次に、人件費の抑制がいわば職員泣かせになりはしないかというお話でございます。
 まず、職員数の削減でございますけれども、職員数につきましては、そもそも仕事が、県が行っていくべき仕事なのか廃止すべき業務か、さらには民間に委託すべき業務なのかどうか、こういった視点で事務事業の見直しを行って仕事の全体量を一度減らすと同時に、組織のフラット化など、さらには大幅な権限委譲と仕事のやり方を大幅に見直すことによりまして組織としての業務効率を上げることを目指しておりまして、可能な限り職員に負担がかからないように進めているものでございます。
 また、管理職手当の減額なども行いましたけれども、これも職員団体と協議し、理解を得た上で実施期間を限定して行うこととしたものでございます。
 また、寒冷地手当の見直しでございますが、これは、人事委員会の勧告を受けて実施するものでございますが、支給決定方法につきましては、職員の生活実態に合致するように中での改善等も図っているところでございまして、今後も、こうした点につきましては職員の協力のもとに進めていきたい、このように考えております。
 もう一点、財政の立て直し時期についてのお尋ねでございます。
 昨年11月の政府・与党合意では、平成18年度までの改革の内容は明らかにされておりますけれども、それ以降の部分については不透明な状況にございます。三位一体改革に伴う地方税財源措置の見直しや今後の景気動向など不確定要素が大きいわけでございまして、現時点では、将来の、すなわち平成19年以降の県財政を正確に見通すことは極めて困難であると認識してございます。一方で、今年度の交付税の大幅な削減にも見られるように、地方財政というのは国のさじ加減一つで大幅に変動を受けるということでございまして、先ほど言いましたように、国の方針が平成18年度までしか定められていないということもございますので、その先の見通しが非常に困難だということでございます。
 しかし、県税等の収入に見合った適正規模の歳出となるように財政構造を転換していく必要があると認識してございまして、まず、県債発行の抑制に努めて平成18年度の県財政のプライマリーバランスの均衡を達成することが第一でございまして、これをまず達成するとともに、将来を見据えて、持続可能な行財政構造の構築に向けて改革の取り組みを一層強化する考えでございます。
 次に、先般の全国知事会長選挙の関連につきまして何点かお尋ねがございます。
 まず、私が立候補した思いからでございますけれども、これについては、一つは、多くの知事から推薦をいただいたということがございますが、もう一つは、こういう非常時の中にある知事会については、前会長のもとで、例えば三位一体改革の案の取りまとめを行ってきた経験などが生かせるのではないか、会長として私がお役に立てるのではないか、こういう思いであえて立候補したところでございます。
 私の岩手に対する思いについてお尋ねがございました。岩手への思いにつきましては多分野にわたるわけでございますが、中でも、何人をも温かく受け入れる岩手の人の心遣いといったものにたびたび各地域で触れているところでございまして、これまで何度そうした岩手の皆さん方にいやされ、勇気づけられたことかわからないほどでございます。今回の知事会長選挙への立候補といいますものも、こうした岩手の皆さん方に対して、知事会でかち取った地方分権改革等の成果を少しでも皆様方に還元したいという思いがあったからにほかならないところでございます。
 選挙後のインタビューで、今、議員からお話がございましたとおり、多少ほっとしたという感想を申し上げたところでございます。これは、今回の会長選挙で、一番最後の段階でございましたが、所信表明をする機会がございました。私自身、思いのたけは全部そこで申し上げた、主張すべきはすべてそこで主張いたしましたし、全力を尽くして戦い抜くことができました。私への投票は過半数とはならなかったわけでございますけれども、全力でやるべきことはやったという思いから多少ほっとしたという感想を申し上げたところでございまして、選挙戦にしたということで知事会自体を国民にアピールできた、今回のプロセスも含めて、率直に申し上げまして満足しているところでございます。
 次に、岩手らしさの追求ということでお話がございました。岩手らしさの追求でございますが、県民の皆さんが改めてそれぞれの地域や暮らしを見詰め直して、地域の特性や資源、潜在力をうまく生かした、岩手ならではの新たな価値創造をしていくことが大切である、このように考えております。
 こうしたことを具体的に実現していくためには、私自身もみずから可能な限り県内各地域に足を運びまして、現場の皆様の御苦労や創意工夫の話によく耳を傾けて、そのお話からいただいたヒントやノウハウをうまく他の地域の取り組みに生かし、その営みが大きく花開き、実を結ぶように全力で支援していくことが必要だと考えております。
 次に、いわて出前授業とふれあい懇談会についてのお尋ねでございます。
 まず、出前授業につきましては、昨年6回実施いたしました。岩手の将来を担う児童や生徒に直接語りかけまして、このことによって、岩手や自分たちが暮らす地域の将来のあり方について子供さんたちが考える契機になったものと受けとめております。
 なお、訪問先につきましては、同じ地域がダブらないように、市町村教育委員会から推薦をしていただきました特色ある教育活動に取り組んでいる学校を選んでいるところでございます。
 それから、ふれあい懇談会、これはふれあいトークと申しておりますが、11回懇談を開催いたしまして、その中でいただいた御意見、提言を地方振興局がそれぞれの団体と協働しながら実現に向けて取り組んでいるものでございまして、この懇談を契機に、地域づくり活動がより意欲的に展開されるようになってきているものととらえております。
 こちらにつきましても、訪問先については、各地方振興局ごとにダブりがないように地域バランスを考えて決めてございまして、その中で地方振興局から推薦のあった特色ある活動を実践している団体を選定しているものでございます。
 最後に、岩手競馬についてでございますが、岩手競馬の負債処理につきましては、競馬事業の継続が今直ちに不可能となった場合には、雇用機会の喪失など地域経済に与える影響が大変大きいと考えておりまして、これに加えまして、競馬組合が発行しております地方債や一時借入金の返済、施設の撤去、関係者への補償などへの対応がさらに必要となってまいります。資産の処分による補てんができた場合でございましても、なお多額の負債の発生が懸念されるところでございます。この場合の負担は、競馬組合規約の規定にのっとりまして構成団体の負担で処理されるものと理解いたしておりまして、このことは、結果といたしまして、県民の皆様方、市民の皆様方に大きな負担を強いることとなるわけでございます。
 このような事態を避けるべく最善の努力をすべきものでございまして、県といたしましても、今回の改訂実行計画は達成可能なものと考えておりまして、この計画の確実な実現による自助努力を基本とした岩手競馬の再生を他の構成団体――水沢市、盛岡市――と一致して支援していくことがぜひとも必要である、このように考えておるところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いいたします。
   〔地域振興部長山口和彦君登壇〕
〇地域振興部長(山口和彦君) 地域づくりに対する支援策についてでありますが、本県は、雄大な自然空間や豊かな農林水産資源、平泉を初めとする歴史・文化など岩手ならではのすぐれた資源を有しており、それらの資源を地域の方々が認識し、有効に活用することにより個性豊かな地域づくりを進め、ひいては地域力を高め、自立していくことが重要であると考えております。
 そのような地域づくりを側面から支援するため、それぞれの地域の文化や資源を見詰め直し、それを育てていく取り組みであるいわて地元学や、岩手の自然、文化に触れることで心身をいやすいわて自然健康院など、岩手らしさに着目した取り組みを推進するとともに、地域づくりを進めるに当たっては、地域振興局、市町村を通じ、地域活性化事業調整費や市町村総合補助金により支援しているところであります。
   〔農林水産部長今泉敏朗君登壇〕
〇農林水産部長(今泉敏朗君) 農業問題についてのお尋ねでございますが、本県の食料自給率をカロリーベースで見た場合、平成13年度は101%、14年度は102%と、冷害年を除いて100%を超える高い水準を維持してございます。一方、我が国の食料自給率は、昭和40年度に73%あったものが平成10年度には40%となり、現在に至っております。
 食料自給率が低下した主要な原因は、米の消費減少や畜産物、油脂類の消費増大など国民の食生活が大きく変化したことによるものでありまして、食料自給率の向上のためには、地産地消や食育と連動した国産農産物の消費拡大が重要と考えております。
 このため県は、平成13年度から地産地消推進運動を全県的に展開しており、とりわけ平成14年度におきましては全国初の地産地消全国の集いいわて大会を開催し、生産者と消費者相互の信頼と共生関係の構築を全国に向けて提起したほか、本年度からは首都圏における出前食育交流を実施しているところでございます。
 先般公表されました国の食料・農業・農村基本計画の原案におきましては、食育と地産地消の全国展開が盛り込まれておりますが、これは、こうした本県の全国に向けた取り組みが国の政策に反映された結果と考えているところでございます。
 今後におきましても、これまでの取り組みに加え、地産地消につきましては、さらに地元の観光施設や飲食店などにおける利用拡大を重点的に促進するとともに、食育につきましては、教育関係者や地域の食生活改善団体との連携によりまして、食に対する理解醸成を図りながら食料自給率の向上に努めてまいりたいと考えております。
 また、生産面におきましても、集落水田農業ビジョンで明確化された担い手を育成するとともに、消費者ニーズに即した適地適作を基本とした転作作物の拡大等により、我が国の総合食料供給基地として食料自給率の向上に寄与してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、圃場整備についてでございます。
 米政策改革を踏まえた担い手の育成が県農政の最重要課題となっている中、圃場整備につきましては、担い手への農地利用集積の促進を目指して重点的に取り組む必要があると認識してございます。
 その推進に当たりましては、主要な水稲の生産地域であるにもかかわらず、整備率が県内平均を下回り、担い手への農地利用集積がおくれている県南の穀倉地域の整備を重点的に進めるとともに、地域の実情に応じた創意工夫によるコスト縮減に努めていくこととしております。
 厳しい財政状況にはございますが、圃場整備につきましては、平成17年度予算におきましても対前年比109%の事業費で実施することとしており、今後ともより一層の重点化、効率化を図りながら事業を推進してまいります。
 次に、地域に密着した競馬についてでございますが、競馬組合は、改訂実行計画で、市民、県民からの理解と参加による地域に開かれた競馬場を掲げ、競馬施設をより多くの市民、県民に利用してもらえるよう、馬ぞり試乗会や歩くスキー大会など、年間を通して、幅広い年齢層に親しまれ、家族、友達と誘い合って参加できるイベントの開催や、競馬施設・敷地の地域への開放を進めることとしております。また、実際に競馬を体験したいという希望のある方が親しみやすい環境をつくるため、競馬の楽しさを実感してもらう競馬探検隊や競馬入門教室の開催、さらには、発売収入の一部を復興支援に寄附した中越災害復旧競馬のような社会貢献活動などに取り組み、地域に密着した岩手競馬を目指すこととしてございます。
 次に、インターネット発売についてでございますが、改訂実行計画では、インターネット発売収入を平成18年度の10億円から順次増加させ、平成22年度以降は80億円と見込んでいるところでございます。
 中央競馬JRAは、既にインターネット、携帯電話等のネット発売を行っておりますが、これは、全体発売収入約3兆円のうち40%強の発売割合となっております。また、JRA全体の購買者の中心が40代、50代であるのに対して、この中のネット発売だけの実績を見ますと20代から30代が全体の5割を占め、購買年齢層に違いが見られる、こういう状況にございます。このような状況にあるインターネット発売に新たに岩手競馬が取り組んだ場合、既に全国17の他主催者の地域で岩手競馬の投票券を発売していることもあり、岩手競馬の購買者が全国に面的に広がること、さらに、先ほど言いましたように、購買年齢層の拡大が期待できるものであり、発売等の業務を委託する民間事業者の発売促進のための新たな発想・手段の活用とあわせて、改訂実行計画に掲げるインターネット発売収入の実現可能性は十分あるものと考えているところでございます。
 最後に、2場体制の維持についてでございますが、今回、改訂実行計画は、新たな投資を伴わない水沢、盛岡両競馬場の2場体制を前提としており、計画実現のためにもこの体制は維持されるものと理解しております。
   〔県土整備部長橋本義春君登壇〕
〇県土整備部長(橋本義春君) まず、公共事業削減についての御質問にお答え申し上げます。
 建設業の雇用に与えた影響についてでありますが、建設業からの離職者数は、岩手労働局の従業員5人以上の企業を対象とした企業合理化に伴う離職者状況の調べによりますと、平成15年度は771人、平成16年度は、12月まででございますが472人となってございます。また、この間の建設業の倒産件数は、株式会社東京商工リサーチの調査によりますと、負債総額1、000万円以上の企業倒産は、平成15年は42件、平成16年は41件となっております。
 このような状況にありますが、県内建設業団体等との懇談会の場におきまして、会員企業が雇用する技術者や技能工等をこれまでの水準で維持することが年々困難になってきているとの切実な声を聞いており、建設業の経営環境は厳しさを増してきているものと認識しているところであります。
 建設業者の新産業への転換、育成についてでありますが、県内建設業の新分野への進出の状況については、平成17年1月末時点で、環境分野に14社、農業分野に3社、福祉分野に1社など、計21社となっております。
 新分野に進出する建設企業の育成につきましては、建設業協会が設置した経営支援センターと連携しまして、経営革新講座への参加促進やアドバイザーの派遣など、それぞれの企業の状況に応じた支援を行っておりまして、こうした支援を受けて取り組む企業もこれまで29社となっておりまして、徐々にではありますけれども成果が見えてきているものと認識しているところであります。
 今後も、こうした新分野進出による経営体質の強化に積極的に取り組む企業に対して重点的に支援し、育成に努めてまいりたいと考えております。
 次に、防災対策についてでありますが、県内の土砂災害危険箇所は1万4、000カ所以上に及んでおりまして、緊急を要する箇所から計画的に対策工事を行ってきたところでございますけれども、整備には多額の費用と長い期間を要するため、その整備率はまだ低い状況にありますことから、今後ともコスト縮減に努め、着実に整備を進めてまいります。
 また、これらハード対策とあわせて、危険箇所を示す看板の設置や、居住している方々にふだんからの心構えや有事における警戒避難を周知するダイレクトメールを送付するとともに、県、市町村等による危険箇所を点検するための合同パトロールを定期的に実施しているところであり、加えて、本年度から住宅の移転支援を含めた方策について検討を進めているところであります。
 今後とも、これらハード、ソフトを組み合わせた総合的な土砂災害防止対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県内の交通危険箇所についてでございますが、県では、県民生活の安全・安心に向けた取り組みの一環として歩道の整備に取り組んでおりますが、県内各地から多くの要望があり、その中から交通事故の危険性が高い箇所や、幼稚園、小学校の通学路など緊急性が高い箇所から優先的に整備を進めているところです。このため、都市部に比べて歩行者が少ない地域の歩道整備はなお相当の時間を要するため、御質問にあった箇所などにつきましては、冬期に路肩部を広目に除雪を行うなど、歩行空間の確保に努めているところであります。
 また、地域の意見等を反映した歩道づくりを進めるため、地域住民や交通安全協会、障害者の方々と合同で交通安全点検を実施するなど、引き続き利用者の皆様の声をお聞きしながら交通安全に向けた取り組みを行ってまいりたいと考えております。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕
〇総務部長(時澤忠君) 地元発注に向けての対応策とその成果についてでありますが、平成14年8月には、条件付一般競争入札におきます入札参加資格要件の緩和、平成15年8月には、下請契約におきまして県内企業を活用するよう要請する請負契約書の付記条項の制定、平成16年1月には、一般的な舗装工事におきます県内業者を選定する上限額の引き上げ、このようなことを行ってきたところでございます。また、特殊な工事や専門工事などの入札におきましても、施工実績のある県内建設業者のみでも競争性が確保できると認められる場合には県内建設業者に発注するよう努めているところでございます。
 この結果、県内建設業者の受注割合を普通会計の金額ベースで申し上げますと、平成14年度には76.0%、平成15年度76.8%、平成16年度は、1月末でございますが81.0%となっております。中でも、土木工事、建築一式工事、電気設備工事、管設備工事及び舗装工事の主要5業種について見てみますと、平成14年度81.0%、平成15年度84.5%、平成16年度90.5%と伸びているところでございます。
 今後とも、県営建設工事の発注に当たりましては、県内企業の育成、地域経済の活性化、雇用確保の観点から、県内業者で施工可能と認められます工事は、県内優先発注を原則といたしまして、公平性、透明性、そして競争性を確保しながら、県内建設業者への受注機会の拡大に努めてまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長佐藤敏信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐藤敏信君) それでは、児童虐待の状況について御説明いたします。
 児童虐待の相談受理件数でございますが、平成17年の1月末現在で191件となっておりまして、これを前年同期155件と比較いたしますと、23.2%の増加となっております。私ども、平成15年度の200件をピークに沈静化の傾向と考えていたわけですけれども、この1年間の状況だけ見ますと、再び増加に転じたものと見ることができようかと思います。
 その児童虐待の種別で見ますと、同じく昨年同期と比較いたしまして、身体的虐待の割合はやや減少しているんですけれども、ネグレクトと言われますいわゆる育児放棄は61件ということでして、やはり対前年同期で比べますと35件でしたものですから、大きく上回りまして、74%の増加となっております。
 今後の対応策でございますけれども、私ども、まず第1に、県内3カ所の児童相談所における対応職員の量的・質的充実を図ることとしております。
 具体的に申しますと、まず量的な問題としましては、児童福祉司につきましては新たに6人を増員するほか、内部の業務体制の見直し等を進めまして、国が示している基準を超える程度まで配置を予定しております。
 また、質の部分でございますけれども、児童福祉司などに対しまして、ケース指導や進行管理を的確に行うため、スーパーバイズ体制と呼んでおりますが、指導体制を充実したいと考えておりますし、このほか、複雑難度の高い相談に対してはチーム対応、それから、国レベルで行われる専門研修には派遣をするなどして、スキルアップを図りたいと考えております。
 対応の二つ目は、関係機関とのより一層の連携強化を図ることと考えております。
 従来からの学校、警察などとの連携は言うまでもありませんけれども、今般の児童福祉法の改正によりまして、市町村が新たに通告先となりましたことから、児童相談所と市町村と有効に連携をいたしまして、積極的に支援に努めてまいるところと考えております。
 それから、続きまして、在宅老人の介護状況とその対応についてでございますが、まず、ひとり暮らしの要介護の方の実情でございます。
 県では、毎年、介護保険運営状況調査というものを実施しております。これは、要介護認定者の5%無作為抽出ということでございますが、これによりますと、在宅の単身世帯は11%と見込んでおりまして、ここから推計いたしますと、県内の在宅での単身の要介護認定者数は約5、500人ぐらいいるのではないかと考えております。この方々の実情については、県といたしましても直接把握しているわけではございませんけれども、市町村や在宅介護支援センターといったところで、個々に、詳細に状況や状態というものを把握して、必要なサービスの提供に努めているものと認識しております。
 施設の入所希望者数についてでございますが、平成16年の9月末現在の在宅での施設入所希望者数を見ますと、特別養護老人ホームが1、991人、介護老人保健施設が494人、介護療養型の医療施設が11人となっております。
 こうした入所希望者数に対します新年度の整備計画でございますけれども、新年度、平成17年度におきましては、特別養護老人ホームについては、創設5カ所、計294床、それから増改築2カ所、130床を予定しております。
 いずれにいたしましても、現在進めておりますいわていきいきプラン2008におきまして、平成15年度から19年度までに、特別養護老人ホームを含めまして、2、000床増床することとしておりまして、計画達成に向けて引き続き整備を進めていきたいと考えております。
 また、これ以外の施設でも、高齢者が住みなれた地域で生活ができるよう、ご近所介護ステーションの設置やモデル介護支援ハウス整備の推進などにより、在宅介護というものについても一層推進していきたいと考えております。
   〔教育長佐藤勝君登壇〕
〇教育長(佐藤勝君) まず、総合的な学習の見直しについてでありますが、総合的な学習の時間は、子供たちに、みずから課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力、これを育てることなどをねらいといたしております。既存の教科等の枠を越えた横断的、総合的な学習や、子供たちの興味、関心等に基づく学習などが実施できるよう、現行の学習指導要領から始められたものであります。
 県内の学校では、総合的な学習の時間において、国際理解教育の一環としてALTを活用した英語活動や、職場体験を通して進路を考える学習などの体験的な学習を初め、特色あるさまざまな教育活動を展開しているところでございます。子供たちの生きる力をはぐくむために、基礎・基本のしっかりとした定着の上に、知識や技能を相互に関連づける体験活動を充実させることは、すべての教科の学力向上にも寄与するものであり、総合的な学習の時間の基本的な考え方やねらい、そのものに誤りがあるとは考えていないところであります。
 現在、国におきましては、総合的な学習の時間の評価、検証を含め、学習指導要領についての見直しが進められていることは承知いたしておりますが、その動きを注視してまいりたいと考えております。
 次に、県立高等学校新整備計画の後期計画についてでありますが、まず、要望等に対する私の姿勢についてであります。
 本計画につきましては、その理念となるところを申し上げたり、あるいは皆様方から貴重な意見をちょうだいする場となることから、これまでも、できる限り積極的に対応してきたものであります。
 御指摘の件につきましては、他に別用務がございまして、やむなく出席できなかったものであります。私自身、非常に残念に思っております。
 なお、御要望の趣旨につきましては、対応した職員から詳細な報告を受けているところであります。
 次に、なぜ盛岡商業高等学校のみを残すのかについてでありますが、専門教育は地域の産業との連携を強め、複合化し高度化する産業活動に貢献できる人材の育成を目指しております。そのため、一層その専門性を高めることがまず必要と考えます。あわせて、多様化する生徒たちの進路動向、受け入れ側の企業経営者の要請などをも十分に踏まえて、必要に応じ、他の関連する専門分野の教科・科目を選択して学習できるようにするとともに、望ましい学校規模にすることによって、より活力ある教育環境を可能とするような整備が必要であります。このような観点から、水沢地区、気仙地区、釜石地区、宮古地区に複数の専門学科をあわせ持つ、総合的な専門高校を整備しようとするものであります。
 盛岡地区にあっては、各専門高校の学校規模が比較的大きいことなどから、この方向での実施については、なお条件を整備する必要がございます。そこで、この地区にあっても、学校間の連携であるとか、単位の互換などの工夫を凝らし、漸次、その理念の実現に向けて、いろいろ工夫していかなければならないものと考えております。
 次に、さきにお示しした調整案についてでありますが、胆江地域にあっては、将来にわたり、地域産業の振興が大きく見込まれております。これに対応するため、これまでも地域産業を支えてきた工業教育、商業教育の重要性が一層増すものと考えられます。したがいまして、専門性がより以上に高く求められる、深く求められてくるということから、当初の工業学科2学科、商業学科3学科を、工業学科3学科、商業学科3学科の総合的な専門高校に整備することとしたものであります。そのためにも、校地はより広い水沢工業高校を活用することにより、よりよい学びの環境に整備することとしたものであります。
 次に、専門性が薄れるのではないかというお尋ねでございますが、これからの産業構造の変化や経済社会の変化に柔軟に対応できるよう、工業、商業、それぞれの専門教育をしっかり行い、希望する資格については確実に取得できるような教育課程を整備するとともに、他の専門分野も必要に応じて学習できるようにするものでありまして、専門性については十分に確保できるものと考えております。
 次に、岩手県における専門高校のあるべき姿についてでありますが、本県の専門高校にあっては、必要とされる知識・技能の習得はもとより、望ましい勤労観、職業観の育成や豊かな感性、創造性を養う総合的な人間教育を通して、産業社会に貢献できる人材育成の役割を担っているものと考えております。
 今後においては、大学などの高等教育機関、試験研究機関、あるいは企業との連携を深めながら、必要とされる基礎的、基本的な知識や技能を確実に身につけさせるとともに、望ましい勤労観、職業観を培い、社会人として必要なコミュニケーション能力を育成することなどが一層必要となってきております。そのためには、多様化する生徒のニーズにこたえ、各地域の産業の特質を踏まえ、他の専門教育とも横断的、総合的な連携が可能となる複数の専門学科を併設した総合的な専門高校など、本県らしい特色ある専門教育を推進してまいりたいと考えております。
   〔警察本部長山内正和君登壇〕
〇警察本部長(山内正和君) 初めに、携帯電話の使用禁止違反関係の御質問にお答えいたします。
 県警察におきましては、改正法施行前から自動車運転中の携帯電話等の使用禁止を重点として、改正内容についての広報・啓発活動に努めるとともに、11月中を特別期間として、街頭における指導・取り締まりを推進した結果、284件の違反を摘発したところであります。このため、12月に入り、違反の検挙は113件と大幅に減少したところでありますが、本年に入り、1月の取り締まり件数は190件とやや増加傾向を示しており、いまだに走行中の携帯電話使用の危険性や、交通ルールを遵守するということについて、十分に認識されていない方が多いと言わざるを得ない現状にございます。
 また、昨年、県内において、携帯電話の使用による死亡事故が2件発生していることにかんがみまして、引き続き各種講習会など、あらゆる機会を通じて広報・啓発を行うとともに、街頭における指導・取り締まりを推進することにより、携帯電話使用による交通事故防止に努めてまいりたいと考えております。
 次に、違法駐車改正関係の御質問についてですが、初めに改正の内容についてお答えいたします。
 第1点は、使用者責任の拡充であります。
 車両の運転者が、車両を離れて直ちに運転することができない状態にある放置駐車違反について、運転者が反則金の納付をしないときは、自動車検査証の名義人など、車両の使用者に対して、放置違反金の納付を命ずることができることとされました。
 第2点は、確認事務の民間委託であります。
 違法駐車が常態化している地域について、放置車両の違反確認と標章の貼付を行う事務を民間に委託して、放置駐車違反の取り締まりを行うことができることとされました。
 次に、効果につきましては、治安情勢が厳しさを増す中、限りある警察の執行力を、より悪質、重大な警察事象に振り向けることができることと、違法駐車が常態化した地域において、駐車違反の取り締まりを、より効率的に行うことができるという効果が期待されております。
 なお、今後も、駐車違反の事故誘発の危険性やその迷惑性について広報・啓発し、駐車違反をしないという県民の意識を高めていくとともに、指導・取り締まりを通じて、より良好な駐車秩序の確立に向けて努めてまいりたいと考えております。
〇議長(藤原良信君) 次に、千葉伝君。
   〔34番千葉伝君登壇〕(拍手)

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