平成17年6月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇8番(高橋雪文君) 自由民主クラブの高橋雪文です。以下、通告に従いまして質問いたしますので、当局の誠意ある御答弁をお願いいたします。
 今まさに、新しい宮古市の将来像を掲げながら宮古市長選挙が行われております。また、県都・盛岡でも、2人の同僚議員の辞任に伴って、7月15日から県議会議員補欠選挙が開催されます。
 近年の投票率を顧みると、都市部を中心に年々低下の傾向があり、県民の政治参加意識が低くなっていることがわかります。特に、平成14年に岩手選挙区で行われました補欠選挙の投票率は37.25%と大変低く、盛岡選挙区の補欠選挙においても低投票率が予想されるところです。
 この投票率の低下は、民主主義の原則を著しく低下させ、民主的な国家運営を妨げる重大な問題であると言えます。この背景には、私たち政治に携わる者への不信感や努力不足もあると言えますが、民主主義の意義や政治の本質を学ぶ機会が少ないことや、社会の主人公が有権者であるという意識が余りにも希薄であると言えます。
 しかしながら、イラクの普通選挙までの歩みを報道で知るにつけ、また、台湾における民主政治の獲得の経緯を知るにつけ、いかに民主的な投票行為が重要であり、住民参加の政治が重要であるかが理解できます。そのために、アメリカでは初等教育から投票の意義を時あるごとに体験し学ぶ工夫が随所に導入されていますし、ヨーロッパの国の中では、投票を棄権した国民には50ドル程度のペナルティーを科しているところもあるようです。
 そこで質問いたしますが、増田知事は、今日の投票率の低下をどのように分析し、どのように考えておられるのでしょうか。また、学校現場ではどのように政治参加の重要性を伝え、投票行為の重要性を教えているのでしょうか。選挙管理委員会の投票率向上の努力は認めるものの、実質低下している現状に対し、今後どのような取り組みをするのでしょうか。
 さらに、報道機関などの協力や公職選挙法の改正をも視野に入れ、投票率向上に取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか。
 増田知事は、3期目の知事選に、いわゆるローカルマニフェストを掲げて選挙を戦いました。問題点も多く、県議会でもたびたび論議されたことですが、先駆けて政策本位の選挙を断行しようとしたことは、評価されるべきことだと言えます。
 選挙の公約は住民との約束ですが、日本の政治風土においては、情緒的な公約が多く、その実効性や検証にたえられるものが少なかったと言えます。政治本来の理想から言えば、政策こそが候補者を選択する最大の要因であるところですが、結局は、地盤、看板、かばんと言われるように、基本組織がどれだけあるのか、知名度がどれだけあるのか、活動するお金がどれだけあるのかが大きな要因になって、代表者が決まっているのが現状のようです。
 その突破口の一つが、首長選挙におけるマニフェスト型の選挙の導入であると考えます。政策をより具現化するために、目標数値、財源、実行計画を明らかにし、候補者の政策の違いを明確にする。さらに、公開討論会を実施し、その中でディベートを行い、その実効性や人間性を有権者が判断していくことが重要です。
 知事は、このローカルマニフェスト導入についてどう考えておられるのでしょうか。公開討論会の意義をどのように評価するのでしょうか。政党の存在意義もここにあると思いますが、どのような位置づけを考えておられるのか教えてください。
 また、22日に開催されましたローカルマニフェスト型公開討論会について、どのように評価されているのでしょうか。
 また、この導入には、越えなければならない点があります。まず、現行の公職選挙法によって、選挙期間中にマニフェストが配布できないこと、また、公開討論会が期間中に開催できない点です。これらについて国に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、このマニフェストを評価する機関の育成の必要があります。この点についてどのように考えておられるか、お知らせください。
 次に、環境首都いわての取り組みについて質問いたします。
 21世紀の大きな課題は環境問題であることは間違いありません。人も地球の一部であり、共存共栄する持続可能な循環社会を生み出すのは急務であり、私たち人類の死活問題です。経済成長を遂げた日本が、この問題に世界のリーダーシップをとっていくことは、まことに有意義であり、世界の信頼を得る最大の仕事であろうと思います。
 しかしながら、日本のCO2排出量は、京都議定書の提案時より拡大し、目標数値の6%減をはるかに超え約12%の排出量削減を2008年から2012年までに果たさなければならない現状下にあります。
 国ではこの3月、新たに省エネルギー法を改正、民間事業者に強く温暖化防止のためのプログラムの義務を与えました。また、今月9日には、岩手県は地球温暖化対策地域推進計画を作成し、さらなる実行段階へと向かっています。この中で、環境マネジメントシステム(EMS)の育成が重要であると考えますが、この短期間でどのように人材育成し、さらに普及拡大をしていこうとするのでしょうか。
 また、県内の民間事業者で省エネルギー法によりエネルギー管理指定工場の対象となる事業者がありますが、それはどれぐらいに上るのでしょうか。この導入のためには、中期計画や報告書作成義務などの専門知識を備えたエネルギー管理士の資格を保有した人材の確保を含め、数百万円の新たな投資が必要であり、ランニングコストも増大するという悲鳴に似た声を聞かされました。
 そこで、導入に当たり、新たな人件費、コンサルタント料、認定に係る経費、施設改善のための経費、ランニングコストなど、どれだけの経費がかかるのか。また、それに対し県はどのような支援をして対応するのでしょうか。
 ハイブリッド自動車の導入を今後段階的に進めるということも同計画には記載されております。基本的には依存はないものの、もっと次世代を見据えた導入を図るべきではないかと感じます。燃料電池や天然ガス、バイオエタノールによる自動車を政策推進し、実用までの筋道をつけるリーダーシップこそ、県が進める政策ではないでしょうか。御所見をお聞かせ願いたいと思います。
 また、木質バイオマスを見直し、ペレットストーブの推進に県は多額の予算を投入しました。これは、増田県政のみの一過性ではならないと思うのですが、事業の進捗状況並びに関連事業所の運営状況、今後の課題が何であるかお知らせください。
 さらに、このような新エネルギー政策推進の中にあって、国直営の地熱を利用したエネルギー利用は廃止の危機にあります。先進的な施設として今後有用視されるはずの事業ですが、その割に県の働きかけが十二分とは言えません。環境首都いわてを標榜し、日本でも先駆け的な取り組みをしてきたにもかかわらず、地元で有用転用ができないのも、取り組みの稚拙さを感じざるを得ません。
 また、松川発電近郊では、温水を造成して地元に供給するなど恩恵も多く、温泉運営そのものができない状況に危機感を感じているということであります。この状況に対し岩手県はどのような対応をするのでしょうか。岩手県の有用転用策がないか、質問いたします。
 次に、豊かな死、尊厳ある死を迎えるための政策についてお聞きいたします。
 昨年の10月定例会で、ホスピス設置を願う会から岩手県議会に、岩手県での緩和ケア等の医療の充実と施設整備の促進を求める請願が提出され、全会一致で採択されました。御存じのとおり、岩手県内の死因の3割ががんによる死であり、ホスピス機能を持ち合わせた医療の充実は、日々高まっていると言えます。
 医療局の方々の努力もあり、磐井病院を初め、今後進める県立病院には、ホスピス機能を有する病院の整備が進められることになりました。しかしながら、県都・盛岡、そしてその広域には、いまだホスピスを専門とする施設はなく、緩和ケアについてもインフラのおくれが顕著になってきていると言えます。
 私事ながら、私の妹は、この2月にがんで他界いたしました。29歳でした。このとき実家の近くでみとりたいと調査をしたわけですが、適当な施設はなく、知人の医師を頼って、ある病院を紹介され、院長の御配慮によってホスピス機能に近い治療を受けさせていただきました。
 その中で、本人の要望が強かった、かわいがっていた飼い犬を病室に入れさせていただくなど、一般病棟にはない対応をしていただきました。しかし、若くして死を迎える者にとって、死に対する準備はなく、精神的にも、どのように死を迎えていけばいいかわからず、その道標は、家族が手探りで対応したものでした。結果として、豊かな尊厳ある死を迎えたものだと私は実感しています。
 しかし、このような恩恵を受けられる患者は実は少数なのだと私は感じました。だれもが、豊かで、そして尊厳ある死を迎えたいと望んでいると思います。
 そこで質問いたしますが、ホスピス機能を有した施設の要望は、どのように上がり、どのような対応をしているのでしょうか。また、緩和ケアの必要性をどのように認めておられるのでしょうか。
 盛岡市にある中央病院は、県のがんセンター的な位置づけとしての見直しにあるとのことですが、緩和ケアに対してどのように考えておられるのか。早期の施設整備や患者への柔軟な対応はできないものか。さらに、精神的な部分をどのように支えているのでしょうか。
 また、財源的な視点からは難しいのはわかりますが、全県的な視点から、その対応施設の必要性が県都にはないのか。さらには、医師会との連携から、ホスピス機能を持った施設の試みがないか、質問いたします。
 また、緩和ケアに携わる専門医は何人いるのでしょうか。ホスピス認定看護師は現在何人いて、今後どのような緩和ケアに対する人材育成を考えておられるのか、質問いたします。
 次に、現在、国会で議論されている障害者自立支援法について質問いたします。
 当法案は、障害者が自立して普通に暮らせるまちづくり、地域に住む人が、障害の有無、老若男女を問わず自然に交わり支え合うまちづくりを主眼に置いて制定されるものであります。これまで身体、知的、精神、児童福祉法としてばらばらであったものを、障害者自立支援法に一元化してわかりやすくするもので、市町村でまちまちなサービスであったものにも基準ができ、さらに、精神障害者にも対象の枠が広がるなど、概してよい法案と言えます。
 しかしながら、その改革の根拠に、今日までの財源確保の仕組みが弱く、利用者が急増する中で国の予算が追いつかないという側面もあり、その負担は、原則として1割負担というサービスを受ける側に与えられることになるようです。
 障害者の多くは負担能力はありません。その中で応益負担をするのは間違いであるという指摘があります。また、負担を軽減する際、生計を一にする世帯全体の負担能力により設定するとされ、障害者を持った親、兄弟、子供にも負担を求めることになっており、自立にはほど遠いものになっております。
 さらに、障害者の働く場所が社会福祉施設も多く、福祉サービスを受けている立場なので、働く場でその利用料を支払うことにもなります。
 これらの指摘について、県はどのように把握されているものでしょうか。仮にこの法案が成立し、現実に1割負担が増大すると、その影響は多大なものになります。自立支援が自立を妨げる可能性が残されております。そのとき、県ではどのように考え、県独自の保障制度を考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、市町村に財源もサービスもゆだねられることになります。その点について、県ではどのように指導し、今後どのように支援をしていかれるのでしょうか。
 また、小さな自治体では十分なサービス提供が難しいとも思いますが、人材の確保、地域連携など、どのように取り組むおつもりなのかお示しください。
 さらに、自立支援で重要なのは、働く意思ある障害者の雇用問題です。この点は、県内の景気の低迷から、民間企業採用率は低下していると感じています。県は、今後どのようにして雇用を確保していくのか。さらに、起業しようとNPO法人を立ち上げている障害者もふえてまいりましたが、その方々にどんな支援をするのか。自立への筋道についてお知らせください。
 次に、スポーツ振興について御質問いたします。
 Jリーグチームを盛岡の地から育てようと昨年度出発したグルージャ盛岡が、東北2部リーグで善戦し、首位で後半戦に臨むことになりました。ザスパ草津に代表されますように、地域を巻き込み、地域の活性化と若者の夢を創造する目的で着実に力をつけていると言えます。
 先日開催された盛岡ゼブラとの地元対決では、およそ3、000人が集まり、地域リーグではトップクラスの集客人数になりました。この後勝ち続ければ、来年にはJFL、そして最短で再来年にはJリーグ入りを果たす可能性もあります。民間主導で地域を盛り立てるために頑張っているわけですが、ここにも大きな課題があります。それは、1万5、000人を収容しナイター施設を持ったスタジアムです。
 また、今、盛岡市では、ラグビーのシーウェーブス釜石とも連携し、ラグビーの普及拡大を図るために、日本ラグビー協会が名乗りを上げたワールドカップラグビーの誘致に、地元盛岡開催を求め動き始めました。スポーツ立県を掲げた谷藤盛岡市長も、その趣旨に賛同し、近く誘致推進委員会が民間主導で組織されるそうであります。
 ここでも問題となるのはスタジアム問題です。国際試合を誘致するための、3万人を収容しナイター施設のある施設がないことであります。民間では土地を提供しても構わないという方や、これまでの行政に頼るやり方を改善し、PFI方式による整備促進を図るなど、工夫や提言もしているところであります。
 昭和45年に開催された国体の2巡目の議論も各自治体で上がっていきているところです。また、その当時建設された県営陸上競技場も、改修もしくは再建時期にあります。玉山村や矢巾町では、その誘致に長く働きかけている歴史もあります。
 そこで、プロもしくは国際競技にもたえ得る競技場の整備について、県はどのように把握しておられるのでしょうか。また、前回、平成16年6月の質問からその要望はないか、お示しください。
 また、民間主導の整備や協力について、県はどのようなお考えがあるのか、お示しいただきたいと思います。
 サッカーワールドカップの会場となったソウルの競技施設は、いつも人であふれ、黒字経営なそうです。その理由は、スポーツジムやショッピングモールをスタジアム内に入れ、利用されていないときにも人の往来を確保し、生活の一部にしているからだそうです。
 また、日本の球場でも、企業名を入れて運営をするなど、施設整備への無限の可能性を秘めていることがうかがい知れます。発想の転換を視野に入れて県民要望にこたえる時期と思いますが、いかがでしょうか。
 次に、次世代の人材育成について質問いたします。
 昨今の日本の現状を見て、昔より社会がよくなったと考える人は少ないと思います。経済は一流だとおだてられていた時代もありますが、大人社会のモラルの低下や政治や官僚、経営者などの社会のリーダー層に信頼が置けない時代になってしまいました。ある統計によると、ニートと呼ばれる層は64万人、フリーターとして定収入を持たない青年人口も214万人もおり、周辺アジア諸国の急速な経済発展や若者のやる気と比較すると、将来、日本は間違いなく衰退をたどると感じます。
 学生時代旅先で、あるインド人の若者と話す機会がありました。その当時は神戸の酒鬼薔薇事件があり、その友人もよく知っているようでありました。日本は経済大国であり、今は豊かかもしれない。しかし、100年後はわからない。インドは今貧しい。しかし、100年後は日本より豊かになっていると話されたのです。その背後には、常識を逸脱するような、しかも少年が起こした非道徳的な事件が、規範を失っている国、倫理観を持たない国と映ったのでしょう。その後も低年齢の凶悪犯罪も後を絶たず、水と安全はただという日本の神話が大きく崩れようとしております。
 これを立て直すには、20年、50年、そして100年の長期的な視点を持って、教育界、さらには政治、経済、社会全体が取り組まなければならないと思います。そして、明確な人格像などのビジョンと強い意思がなければならないと考えるわけでございます。
 そこでお聞きいたしますが、教育長は、今日の社会状況をどのように考え、将来期待すべきビジョンについてどのように考えておられるのか、御所見をお聞かせください。
 また、ニートと呼ばれる若者について、何が原因と思われますか。さらに、少しでも減らすためにもどのような教育施策で臨みたいとお考えなのでしょうか。
 さらに、産業界、地域社会とどのような連携をとって、どのように施策を進めていきたいとお考えなのでしょうか。
 また、男女共同参画社会形成は、21世紀の日本のあり方にも重要です。21世紀のこれからの担い手である人材を育成する教育機関は、その啓蒙と普及に重要であることは間違いありません。ところが、学校現場での教育指導の中に、一部、男女の性差に全く配慮されていない指導がなされていることがわかりました。2年前の私の一般質問に対する知事答弁の、「私も男らしさ女らしさというものを否定するつもりは毛頭ございません」に明らかに反するものであり、また、政府見解にも反することが教育現場で行われているのはなぜでしょうか。
 教育長は、この実態についてどのように把握されているのでしょうか。
 また、ジェンダーチェックシートやジェンダーかるたなど、まさしく男女の性差を否定することを暗示させる教材なども男女共同参画社会の勉強で使われていると言います。その内容について、どのように把握し、どのように指導されているのでしょうか。
 私は、家庭生活でも、社会生活でも、先輩方が築き上げた知恵も、今後の男女共同参画社会形成では重要であり、足りないものを補う姿勢が大切であると考えます。育児や家事を平等にしなければならないという指導よりも、家庭を大切にし、子供にとっては、父性や母性を発揮し互いに支え合うことが大事であろうと考えます。男女共同参画社会形成に当たって、どのような御所見があるかお知らせください。
 昨年から学校現場での性教育について問題提起をし、議会内の認知度も増しているところでございます。その後の各学校への指導がどのように行われているか、その概要をお知らせください。
 また、夏休み前に休み期間の過ごし方について生徒指導が行われますが、その中で性についてどのように御指導されているのか、お知らせください。
 私は、中学校、高校では、父兄を含めた細やかな個別の指導が必要と感じますが、その指導体制についてどのように考えておられるのか、お示しください。
 次に、中学校教科書採択について質問いたします。
 昨今、中国共産党政府や韓国政府から、日本の教科書をめぐって、歴史問題が外交上の争点になっているようであります。ところが、中国は、御存じのとおり、民主的な政治の原点である普通選挙が実施されていない国であり、民主主義の原点でもある言論の自由が十分確保されているとは言えない国であります。
 そんな一党独裁政権下の中国で使用されている教科書は、すべてが国が発行する歴史教科書であり、特に、天安門事件から、江沢民政権によって愛国主義による歴史教育が強調されてきた経緯があります。
 また、韓国でも、教科書は日本の検定制度のようなものではなく、あくまでも国定教科書であり、韓国政府の政治スタンスと歩調を同じくするものであり、また、韓国国内でも、歴史分野の親日的な書籍はすべて危険文書として指定を受けるという、いまだ未成熟な言論の自由の国であります。
 両国とも、この歴史問題を日本との外交の一つのカードとして利用しているということは、大人であればわかることであり、子供たちの教科書が政治戦略に翻弄されていると言えます。
 町村外務大臣は、先日行われた中国の李外相との対談で、中国共産党政府の一方的な歴史教科書への批判に対し、侵略を否定し、美化している教科書を読んだことがあるのですか。その記述とはどれですかと質問した際、抗議をした外相が、その教科書を見ても読んでもいないままに批判していることが明らかになりました。余りのそのお粗末な対応にも驚かされましたが、日本の教育、そのもとになる教科書がさらされている現状に危機感を覚えた次第です。
 このような状況下ですので、特に教育委員会並びに関係者には、情緒的な対応や海外や一部団体からの外圧に左右されない厳正な選定作業が行われることを切に望みます。
 そこで質問いたしますが、教科書採択は県内10採択区協議会の選定委員会の権限で選定されるのは間違いありませんでしょうか。また、その採択に当たっては、学習指導要領の指針に基づいた内容をもとに比較検討されるべきと思いますが、いかがでしょうか。その選定委員は、教科書をどれほどの時間をかけ、内容を読み、比較検討するのでしょうか。父兄などに安心感を持ってもらうために、選考基準の公表や採択後の審議録などの速やかな公開も不可欠ですが、いかがでしょうか。
 今日、私たちが享受している豊かさは、日本の歴史を築いてきた先輩方の汗と涙、そのおかげであることは言を待ちません。感謝こそすれ、単に現在の価値観で先人が歩んだ歴史を一方的に裁くような歴史教育は、日本の歴史とは言えません。ぜひ心ある教育関係者には、日本を担う子供たちに、日本本土にしっかり根を張った教育を推進するための教科書を選定いただきたいと改めてお願い申し上げます。
 次に、岩手競馬について質問いたします。
 岩手競馬存続を願う者の一人でありますが、現状は、予断を許さない状況下にあります。先輩議員よりたびたび指摘されますように、県が進める計画に現時点でもずれが生じているように感じます。
 そこで質問いたしますが、増田知事は、不退転の決意で臨むと議会でも主張しておりますが、その意味するところは、競馬事業は決してやめないという意味でしょうか。それとも、裏を返して、競馬事業を断念することは、みずからの辞任の覚悟であるという意味なのでしょうか。
 また、増田知事は以前、平成18年度までの経営状況を見て継続、廃止を判断すると話しておられましたが、それは現時点でも生きているのでしょうか。
 私は、現状で考えるに、中央競馬との連携を強め、中央競馬に競馬事業そのものをお願いして継続させるのが現実的ではないかと考えます。また、廃止を見据えた事業計画も一方で必要なのではないかとも考えます。急速に廃止に至れば、岩手経済も大きなダメージを受けます。また、岩手県、盛岡市、水沢市、そして市中銀行も大きな負債を抱え、県民サービスのますますの低下も想像できます。ソフトランディングする事業計画も一方で必要だと思いますが、いかがでしょうか。そのほかの模索をしているシナリオについてお聞かせいただきたいと思います。
 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 高橋雪文議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、最近の選挙における投票率の低下についてのお尋ねでございます。
 統一地方選挙などを見ましても、投票率はこのところかなり低下してきております。県選管が平成15年の統一地方選挙後に実施いたしました実態調査結果では、投票しなかった理由といたしまして、ほかに用事があった、だれを選んでも政治はよくならない、こうした項目が上位に挙げられておりますほか、若年層における投票率が低い、このような傾向になっております。
 私も、投票率の低下は、民主主義の原則を揺るがしかねない大きな問題である、このように考えておりまして、特に、次代を担う若い皆さん方が選挙を棄権することは非常に憂慮すべきことである、このように考えます。ぜひとも、こうした特に若年層の皆さん方に、今の社会、またはこれからの社会は自分たちが築いていくという意識を強く持っていただきたい、このように考えます。
 そのためには、私を含め、今、政治に携わっている者が、国民あるいは住民に対して政治をより身近なものに感じさせるための努力をすることが必要である、このように感じております。その一つの方策として、実態調査の結果では、政治に関心を持たない大きな理由として、ほぼ各年齢層とも、個人の意見が政治に生かされることがない、こういうことが挙げられていることから、やはり候補者がより具体的な政策を有権者に明確に示して、有権者が自分の考えを生かしてくれる候補者を選ぶことができるような仕組みがしっかりと構築されれば、これが投票率の向上につながるもの、このように考えているところでございます。
 次に、ローカルマニフェスト導入の意義と公開討論会についてであります。
 私は、首長候補者が、将来のビジョンや政策について、いわゆるローカルマニフェストによりまして、目標、財源、期限などを住民の皆さんに具体的に示す一方で、住民はそれを手がかりに選択することが望ましい選挙のあり方であると考えております。また、有権者が、各候補者のこのようなローカルマニフェストに基づく政策に耳を傾けて、それぞれの政策を比較することができる公開討論会は重要な場でございまして、このローカルマニフェストと一体となって地方政治を活性化させる有力な手段だ、このように考えます。国政レベルでは、既にこうしたマニフェストを掲げた選挙が実施されておりますが、地方議会の政党・会派におきましても、政策論争や政策立案を行うなど、地域の実情に合った政策提言機能を果たすことを期待するものでございます。
 今月22日に開催された宮古市長選挙立候補予定者の公開討論会では、当初の見込みを大きく上回って500名を超える市民が参加している、こういう実態がございます。こうしたローカルマニフェストに対する関心は高まりつつありまして、公開討論会が市民意識を大きく変える契機になる可能性を持っている、このような印象を持っております。したがって、今後予定されている県内の首長選挙でも、ぜひ公開討論会が開催されることを期待しております。
 公職選挙法改正の問題でございますが、公職選挙法の中で、現行法におきましては、マニフェストの頒布が限定的であるということがございまして、こうした点を改正するために、私が副代表を務めております21世紀臨調では、ローカル・マニフェスト推進首長連盟と手を携えて、公開討論会の開催や首長選挙におけるローカルマニフェストの頒布の解禁を内容といたします公選法の改正を超党派の国会議員に呼びかけているところでございます。また、地方団体でもこのような取り組みを進めていくことが重要であると考えておりまして、近々に全国知事会の中でもこの点について議論を行いまして、こうした法改正が実現されるよう政党に働きかけていく考えでございます。
 それから、マニフェストを評価する機関の問題でございますが、この評価・検証する第三者機関については、中立性、公平性の観点から、行政が育成するということではなく、NPOなどの民間団体が自主的、自発的に取り組んでいただくべきもの、このように考えております。
 一方で、その中で行政が努めなければいけないのは、予算や決算を初めとして、施策の具体的執行状況などについて一層情報公開を行う、そして、先ほどの第三者機関に対して客観的な評価・検証ができる環境を提供していくことであると考えております。先月発足したローカル・マニフェスト推進ネットワークいわては、大学の教員やNPO関係者、企業関係者等約40名のメンバーから成る市民団体でございますけれども、ローカルマニフェストの普及・促進のみならず、評価・検証にも取り組まれる、このように聞いておりますので、こうした取り組みの輪が広がることを期待しております。
 次に、競馬についての問題でございますが、私は不退転の決意ということを申し上げているわけですが、この不退転の決意の意味合いは、岩手競馬の再生を目指す改訂実行計画に掲げております目標を実現できるように最善の努力を尽くしていく決意である、こういう意味で申し上げたものでございまして、これは、さきの2月定例会でその意味で申し上げてございますが、この決意は現在も変わるものではないものでございます。
 それから、継続、廃止の判断の時期についてでございますが、これは、さきの2月定例会で答弁させていただいておりますとおり、改訂実行計画は、平成17年度は準備期間、18年度からインターネット発売などの新たな取り組みを本格化する、このような計画でございまして、この2年間で岩手競馬の再生を方向づけ、その中で判断したい、このように考えております。この改訂実行計画の実現にそうした意味で全力を挙げて取り組んでいく、このような考え方でございます。
 その他の模索しているシナリオということでございますが、岩手競馬のあり方につきましては、御提言のございましたような中央競馬と連携した競馬事業との考え方も選択肢として想定でき得るものでございます。今後もさまざまな選択肢の検討は行ってまいりますが、現在取り組んでおります改訂実行計画を着実に実現していくことが岩手競馬にとりまして今一番必要なことである、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承お願いいたします。
   〔環境生活部長千葉弘君登壇〕

〇環境生活部長(千葉弘君) まず、環境マネジメントシステムの普及についてでございますが、県では、地球温暖化へ対応するため、環境管理の国際規格であるISO14001の認証をみずから取得するとともに、企業等への啓発を行ってまいりました。平成12年2月に県の本庁舎の認証取得をしたのを皮切りに、警察本部庁舎、14の合同庁舎へと順次拡大し、さらに、平成14年度以降、工業技術センターなど三つの試験研究機関、平成16年には、胆沢病院を初めとする県立病院10病院が取得したところでございます。なお、民間企業、他の自治体を含めた県全体の取得の状況は、平成11年度末54件でございましたが、本年3月末では264件へと拡大いたしております。
 今後におきましても、環境マネジメントシステムの導入などを推進するため、エコスタッフの養成セミナーを実施するとともに、エコスタッフの常駐あるいは環境マネジメントシステムを保有する地球温暖化対策に積極的に取り組んでいる事業所をいわて地球環境にやさしい事業所として認定する制度を本年2月に創設するなどしたところでございまして、この制度を活用するなどして、さらにこのシステムの普及・拡大あるいは人材の養成に努めてまいりたいと考えております。
 次に、エネルギー管理指定工場の対象となる事業所数についてでございますが、現在、国は、熱または電気の消費量により区分して指定しているエネルギー管理指定工場の基準を一本化しまして、一定規模以上のエネルギーを使用する工場等はすべて規制対象とするとする、いわゆる省エネ法の一部改正案を国会に提出しているところでございます。この改正省エネ法案が施行された場合におけるエネルギー管理指定工場の増加数は現時点で正確に把握することはできないところでございますが、東北経済産業局が見通している増加率――これは20ないし30%でございます――から推計すれば、県内、現在100社指定されておりますが、少なくとも20社程度は増加するものと見込んでいるところでございます。
 また、エネルギー管理指定工場として新たに指定されることにより発生する経費についてでありますが、その企業の業種、工場の規模、現有設備の状況あるいは取り組む省エネの方法によりそれぞれ異なることから、一概には言えないものでございます。管理指定工場が省エネ設備導入する場合にあっては、国――新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOでございますが、これらの助成制度や県の低利融資制度の活用が可能でございます。県といたしましては、このような制度の情報を提供するなど、支援をしてまいりたいと考えてございます。
 また、エネルギー管理者の配置についてでございますが、県南の指定されているある企業からの聞き取りでございますけれども、エネルギー管理者の資格については国家資格でございますけれども、1週間程度の講習受講で比較的簡単に取得できる。それから、新たに有資格者を雇用するのではなく、現在いる設備の管理担当者などに取得させ、対応できるということでございます。
 次に、燃料電池車等の導入についての取り組みでございますが、燃料電池車は、走行中に水しか排出しないため、将来的にはクリーンエネルギー自動車の主軸と考えているところでございますが、現在は、燃料補給1回当たりの走行距離が比較的短い、車両価格が1億円以上と非常に高いということで、今後さらなる技術開発を期待するところでございます。
 また、天然ガス自動車でございますが、CO2の排出量が石油よりは二、三割少ないということで、天然ガススタンドが普及している首都圏を中心に導入が進んでいると承知いたしてございます。いずれ、本県でこれを導入する場合にありましては、天然ガスステーションを設置する必要があり、現段階ではなかなか普及に結びつかないところでございます。また、バイオエタノールにつきましても、化石燃料の代替燃料として注目されておりますが、燃料の供給安定性あるいは経済性等に課題がございます。
 いずれにいたしましても、現段階におきましてそれぞれ課題があるものと考えてございまして、平成22年を目標年次といたします地球温暖化対策地域推進計画におきましては、当面、県といたしまして、ハイブリッド自動車などの低公害車を率先して導入していくことといたしてございます。御指摘の燃料電池車等につきましては、比較的中長期な視点に立ちまして、引き続き情報収集に努めながら実用化の方策を検討してまいりたいと考えてございます。
 最後に、雫石地域の熱水供給事業についてでございますが、雫石地域の地熱熱水供給事業につきましては、その有効利用を図るため、国の委託事業終了後におきましても、県として、これまで原熱水の直接利用の可能性調査あるいはコスト縮減による経済性確保のための調査などを行ってまいりました。この時点で今後新たに行うべき調査項目がないと判断したところでございまして、現在の調査期間が終了する今年度末で実証調査を終了することとしたところでございます。
 また、実証調査終了後の事業化につきましては、施設が著しく大規模であることに比較しまして利用者が少ないことから、事業としての採算に乗せるためには、現在の熱水協力金――利用料でございますが――を大幅に上回る料金設定が必要となるということで、利用者の理解を得られないということから、平成18年度以降の事業化につきましても断念せざるを得なかったところでございます。
 今後におきましては、こういったクリーンエネルギーの利活用という観点から、小規模な地熱発電あるいは県内のほとんどの地域で利用できる地中熱ヒートポンプなど、それぞれの地域に適した地域資源の利活用についていろいろ検討してまいりたい、促進してまいりたいと考えてございます。
   〔商工労働観光部長酒井俊巳君登壇〕

〇商工労働観光部長(酒井俊巳君) ペレットストーブに関するお尋ねですが、まず、ペレットストーブの普及事業の進捗状況でございますけれども、このストーブにつきましては、平成15年度から業務用ストーブ、また、昨年度から家庭用ストーブの販売を開始いたしております。ストーブの普及促進につきましては、昨年度から一般家庭等への設置補助を実施し、平成15年から18年度までの4年間でございますが、県内に2、000台を普及させることを目標としているところでありますが、平成17年3月末、つまり16年度末の累計の普及台数は542台でございまして、目標の約3割弱というところでございまして、進捗はおくれぎみと認識しているところでございます。
 次に、関連事業所の運営状況ということでございますが、ペレットストーブを生産しているのは県内の2業者、それから、燃料となりますペレットについては3業者によって生産されております。それから、ペレットの流通につきましては、県内4事業者により、配達サービスも含め、ほぼ全域を網羅する体制は構築されてございますが、まだまだその密度は薄いという状況にございます。
 今後の課題についてでありますが、普及台数が伸び悩んでいる大きな原因は、やはりストーブそのものの認知度がまだ低い、県民に十分浸透していないことがございます。それから、いわゆるストーブ及びペレットの価格が石油等に比べて割高であることがやはり伸び悩んでいる大きな原因と考えております。
 このため、ストーブの認知につきましては、民間事業者と連携をいたしまして、新聞、テレビの広告回数をふやすなど、改めて県民の皆様の理解を深めていきたいと考えております。また、ストーブの価格につきましては、現在、メーカーの方で材質等の見直しによるコストの削減を検討してございますし、ペレット価格につきましては、民間レベルで配送のシステムの見直しによるコスト削減を検討しているところでございます。県では、こうした取り組みに対して適切に助言を行うとともに、県もまた、二酸化炭素削減効果など環境面での効果、あるいは補助制度のPRを図りながら、より一層ペレットストーブの普及に努めてまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長赤羽卓朗君登壇〕

〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 豊かな死を迎える政策についてお答えいたします。
 まず、緩和ケア施設への要望についてでございますが、平成15年度に岩手にホスピス設置を願う会及び北上近郊のがん患者と家族の団体から、署名とともに知事に対して緩和ケア病棟の整備などの要望があったところでございます。
 緩和ケア病棟につきましては、現在新築中の新磐井病院のほか、平成20年度完成予定の花巻厚生・北上統合病院に整備することとなっております。なお、久慈、釜石及び二戸病院に緩和ケアに対応できる病床を整備しておりまして、療養環境面での配慮を行っているところでございます。現時点では、こうした病棟等の運営の動向をまず見ていきたいと考えております。
 次に、緩和ケアの必要性についてでございますが、がんの末期症状におきましては、身体的、精神的な苦痛を伴いますことから、患者さんはもとより、家族をも支え、残された人生の質の向上を図る緩和ケアは非常に重要と認識しております。こうしたことから、盛岡地域においても緩和ケアの機能は必要と考えておりますが、これまでのところ具体的な施設整備の動きはないところでございます。ただ、県立中央病院におきましては専従の緩和ケアチームの取り組みが始まっておりますし、平成14年度から県が実施いたしました在宅緩和ケアモデル事業を一つの契機といたしまして、盛岡市医師会が中心となり、病院と往診診療医等との連携を図りながら在宅での緩和ケアの推進が図られているところでございます。
 次に、緩和ケアに携わる人材の育成についてでございますが、緩和ケアの専門医につきましては現在のところ認定制度はないということで、そうした面からの数的な把握はできておりませんが、それぞれの医療現場におきまして、がん治療に携わる医師等に実践していただいているところと考えております。また、緩和ケアに関するより高い専門性を有するホスピスケア認定看護師、これは全国で百数十人ということでございますが、この7月で県内に2名となる予定と伺っております。
 緩和ケアに携わる人材の育成につきましては、精神的なケアも含めた患者、家族へのケアという観点から、医師はもとより、看護師の役割が非常に重要でございまして、平成16年度から緩和ケアに係る看護職員研修を県として実施しておりますほか、医療局におきましても、看護師を日本看護協会の実施する緩和ケアナース養成研修に計画的に派遣しているところでございます。今後とも、こうした取り組みを進めながら、引き続き関係者の御意見とか御協力をいただき、在宅緩和ケアを含めた緩和ケアの推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、障害者自立支援法に関してでございますが、県内の障害者や保護者などから、新しい制度において応益負担となりますことや、あるいは移動介護などのサービスが十分に提供されないのではといった不安の声が県にも寄せられているところでございます。こうした声を受けまして、県といたしましても、低所得者への配慮でありますとか地域生活支援事業の適切なサービス量の確保を本年4月26日、国に要望してきたところでございます。
 一方、この法案では、本人主体のサービス利用という観点から個々のニーズや特性に応じたサービスメニューが拡大されることなどについて、障害者や関係者からも評価がなされているところではございます。一部に不安の声があります応益負担につきましては、その仕組みが十分には明確になっていない部分もありまして、国会での審議等を見守る必要があると考えておりますが、減額認定や雇用型の就労支援にありましては、雇用調整金等を活用した事業主による利用料の減免などにより負担軽減の配慮がなされる予定となっておりますので、今のところ県独自の軽減策等は検討していないところでございます。
 次に、市町村に対します支援方策でございますが、これまでの支援費制度におきましても、既に市町村にサービス提供の実施主体となっていただいております。新たな制度のもとにおきましても、市町村における支給決定事務の多くは、これまでに蓄積されたノウハウを活用していただくことが十分可能と考えております。また、財政面におきましても、居宅介護等の給付費について、これまでの予算補助が義務負担になるなど、サービス提供に係る市町村財源はより確固としたものとなるのではないかと考えております。
 なお、本県では、支援費制度開始時に他県に先駆けまして給付費の審査・支払いシステムを構築いたしまして、市町村や事業者の事務負担の軽減を図っているところでございます。これらのシステムも活用しながら、引き続き市町村支援に取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに県では、各圏域に相談支援のコーディネーターや障害者の地域生活支援センターを設置しているところでございまして、また、関係者から成る連絡調整会議を各圏域に設け、市町村と関係機関との連携の仕組みづくりも行ってきたところでございます。これらを活用しながら、人材の確保とか地域連携を一層進めることとしております。
 次に、障害者の雇用対策についてでございますが、県内には、みずから働いて自立したいという願いをお持ちの障害者が多数おられます。県としても、これまでもチャレンジド就労機会拡大事業などを実施いたしまして、働く意欲や能力のある障害者に対する支援に取り組んできたところでございます。今回の障害者自立支援法では、福祉施設から一般就労への移行を進めるための就労移行支援など訓練等給付がメニュー化され、働きたいという障害者を支援するためのサービス体系が整えられるところでございます。あわせて、障害者の雇用促進関係の法律の一部改正案には、精神障害者の雇用対策強化でありますとか、在宅で働く障害者への支援方策等が盛り込まれたところでございます。今後、こういった新たな仕組みも活用し、障害者の就労を支援することとしております。
 起業を目指す障害者への支援についてでございますが、地域密着型ビジネスの立ち上げを目指します個人、NPOに対して――この対象には当然のことながら障害者も含まれるわけですが――コミュニティ・ビジネス育成補助金による支援を行っておりまして、こうした支援策を活用していただくことによって障害者の起業等も支援することができるのではないかと考えております。御相談があった場合には、関係部局などと連携しながら支援に努めてまいることとしております。
   〔医療局長法貴敬君登壇〕

〇医療局長(法貴敬君) 中央病院における緩和ケアについてでありますけれども、緩和ケアの形態は、施設基準にのっとり専門病棟で行うもの、専従チームにより行い、ある一定の基準を備え、診療報酬上、緩和ケア診療加算が行われるもの、診療報酬加算はないものの、病院独自の運営によるものなどさまざまな形態があり、県立病院においては、多くの職種によるチーム医療として緩和ケアを実施してきているところであります。
 中央病院にあっては、緩和ケア医療の重要性にかんがみ、平成17年4月から常勤医師4人及び看護師1人から成る専従の緩和ケアチームを結成し、患者や家族の個別のニーズに柔軟に対応するなど、きめ細やかなケアに積極的に取り組んでいるところであります。
 その緩和ケアにおいては、緩和ケアチームの精神科医や看護師が中心となって、常に患者や家族の声に耳を傾け、不安等の解消に努めるなど、療養のための良好な環境づくりに取り組むほか、地元医師会や往診クリニック、訪問看護ステーションなどと連携を図りながら在宅緩和ケアの推進に努めるなど、患者と家族の精神的な部分を支えているところであり、当面、これらの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
   〔教育長照井崇君登壇〕

〇教育長(照井崇君) まず、学校現場における政治参加と投票行為の重要性に関する教育についてですが、主権者である国民が、選挙を通じて政治に参加することは、国民の意思を政治に反映させ、国民の自由と豊かな生活を保障するという意味で極めて重要であります。そして、投票行動は、主権者として政治に参加する最も基本的な手段であり、国民としての重要な責務であります。
 このため、小学校においては、選挙権の行使の大切さを、中学校においては、政治参加と選挙の意義や国民の自由と生活の保障を、また、高等学校においては、民主政治における世論形成と政治参加の意義や民主政治の前提となる個人と国家の関係について、生徒の発達段階に応じて、公民としての必要な能力と態度を身につけるように指導しているところであります。
 次に、競技場の整備についてですが、総合計画においては、国際的・全国的な規模のスポーツ大会などの開催が可能な総合的スポーツ施設の整備を図ることとしており、スポーツ施設のあり方に関する懇談会から、平成14年3月、今後、第1種公認陸上競技場、総合体育館などの4施設を整備することが適当であるとの提言をいただいております。
 県では、この提言をもとに検討を進めることにしておりましたが、行財政構造改革プログラムにおいて、大規模な施設の整備については平成18年度まで凍結することとされたことから、この競技場の整備につきましては、平成19年度以降、財政状況なども勘案しながら、その具体的な検討を進めることとしているところでございます。
 国際大会の開催が可能な競技場の整備については、2011ラグビーワールドカップ日本招致に伴い、先ごろ関係競技団体から、県に対し要望があったところです。
 今後、施設整備の検討に当たりましては、PFIなどの民間の力の活用も含め、さまざまな事業手法の中から最適な方法を選択していくことが必要であると考えております。
 また、健全な施設経営ができるよう、例えば、複合施設としての整備やネーミングライツの活用など、民間との協働なども十分視野に入れながら、総合的に検討してまいりたいと考えております。
 次に、次世代人材育成についてですが、近年の教育を取り巻く環境は、家庭においては、少子化や核家族化により、親の過保護・過干渉やしつけへの自信喪失、情報機器の普及に伴う子供たちのコミュニケーション能力や読解力・理論的思考力の低下などが、また、地域においては、都市化や過疎化によるコミュニティー機能の低下、人間関係の希薄化、大人社会のモラルの低下などが見られるところです。このような問題が複雑に絡み合って、家庭や地域の教育力が低下し、学校においても、児童生徒の学習意欲の低下や不適応行動を引き起こしているものと認識しております。
 このような状況の中で、次代を担う本県の子供たちには、一人一人が学びの世界を開き、確かな学力を身につけるとともに、他者への思いやりや共感、美しいものや自然に感動する心など、豊かな人間性と困難に立ち向かう意思や勇気、健康、体力など、心身ともにたくましい力を備えた人材となるよう育ってほしいと考えております。そのためにも、学校、家庭、地域がそれぞれの役割と責任を明確にし、より一層連携を密にしながら、一体となって人づくりを進めることが重要であると考えております。
 そして、私は、岩手の子供たちが、グローバルな視点で、いつも大きな夢を抱き、強い信念と気概を持ってその夢に向かって積極果敢にチャレンジし、あすの岩手を築いていってほしいと願っております。
 次に、ニートについてですが、いわゆるニートと呼ばれる若者がふえている要因としては、今日の産業・経済の構造的変化や雇用の多様化・流動化などを背景として、就職活動で失敗し勤労意欲を失う、人づき合いなど人間関係を結ぶのが苦手である、働かなくても経済的に親に養ってもらえることなどがあると言われております。
 こうしたニートを少しでも減らすために、学校の教育活動全体を通じて、これまで以上に、児童生徒の発達段階に応じて人間としての生き方やあり方を指導していくとともに、小学校段階から、組織的・系統的にキャリア教育を推進し、児童生徒一人一人のしっかりした職業観・勤労観を育成していきたいと考えております。
 さらに、産業界と一層連携を密にしながら、社会人を招聘した進路講演会、職場見学、インターンシップなどを進めるとともに、保護者に対しても、家庭が果たす役割を理解していただくよう積極的に働きかけながら、児童生徒の進路指導の充実を図っていきたいと考えております。
 このように、今後、産業界、地域社会、さらには家庭との連携を一層深めながら、児童生徒一人一人の進路希望が実現できるよう適切に指導してまいりたいと考えております。
 次に、学校における男女共同参画社会の形成に関する指導についてですが、小・中・高等学校では、それぞれ学習指導要領に基づき、家庭科や社会科、特別活動や道徳などにおいて、人間として男女は平等であるという意識の醸成や、男女相互の理解と協力の重要性などについて理解させるよう努めているものと認識しております。
 教科書以外の教材の選択に当たっては、文部科学省の通達において、児童生徒の発達段階に即したものであるとともに、不公正な立場のものでないよう十分留意することとされていることから、適正に取り扱う必要があるものと考えております。
 教科書以外の教材はさまざまなものがありますが、作成者によってそれぞれの作成の趣旨や意図が異なることから、その選択に当たっては、指導の目的と内容に照らし、事前に十分吟味するよう指導しているところです。
 次に、男女共同参画社会形成についての所見ということですが、男女がともに人権を尊重して、対等な立場で相互に協力しながら、性別にかかわりなく、その個性・能力を十分に発揮することができ、そして、喜びや責任を分かち合う社会を形成することは、極めて重要なことであると考えております。そのような社会の実現に向け、学校教育においては、児童生徒の発達段階に応じて、男女の相互の理解と協力について適切に指導するとともに、男女がともに各人の生き方、能力、適性を考え、主体的に進路を選択する能力・態度を身につけるよう、指導の充実に努めていきたいと考えております。
 次に、学校現場での性に関する指導の状況についてですが、平成17年度に入ってからの学校に対する性に関する指導については、4月初めに開催した教育事務所の保健体育主事会議において、児童生徒の視点に立ち、その発達段階を考慮し、保護者の十分な理解を得ながら計画的に進めることなどについて指示したところであります。
 その後、各教育事務所は、管内の校長会議や養護教諭研修会などにおいて指導しているところであります。
 次に、夏休み前の性に関する指導についてですが、夏休み中における児童生徒の性非行や性被害を未然に防止するため、各学校においては、夏休み前に、誘惑や危険を回避することや不健全な男女交際をしないように、また、風俗営業店や遊技場への出入りはしないよう指導の徹底を図っているところでございます。
 また、生徒に対しては、人間としての生き方やあり方に関する指導を行うとともに、個別指導が必要な生徒については、問題行動の背景や状況がそれぞれ異なるため、生徒一人一人の実態に応じたきめ細かな指導を行う必要があります。その場合、特に保護者に対し、問題行動の状況や学校としての指導の方針などを十分説明し、その理解と協力を得ることが何よりも大事であると考えております。また、その際、学校においては、担任、学年団、養護教諭、スクールカウンセラーなどが一体となって対応することや、外部の関係機関などと連携を図りながら指導することが大切であると考えております。
 次に、教科書採択についてですが、まず、市町村立学校で使用する教科書の採択権限は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づき、市町村教育委員会にあります。また、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律により、自然的、経済的、文化的条件が同じ地域は、同一の教科書を使用することが適当であるとされていることから、同じ地域の市町村教育委員会は、教科書の採択について意思統一を図るため、地区教科用図書採択協議会を設置しているところです。
 この地区教科用図書採択協議会は、どのような教科書がその地域の子供たちにとってふさわしいか協議するに当たって、地域の多様な意見を反映させるために、保護者や学校関係者などから成る選定委員会を設置して協議しているところです。
 地区教科用図書採択協議会は、この選定委員会の意見を踏まえて、その地区で採択する教科書について協議しております。
 市町村教育委員会は、地区教科用図書採択協議会の協議結果に基づき、当該市町村立学校で使用する教科書を決定しているところでございます。
 次に、地区教科用図書採択協議会においては、学習指導要領で定めている各教科の目標に照らして、教科書が生徒にとってわかりやすい表現になっているか、あるいは基礎的・基本的な内容がしっかりと身につくよう工夫されているかなどについて、総合的に比較検討しているところです。
 次に、地区教科用図書採択協議会の選定委員が、実際にどれほど時間をかけて教科書を読み、比較検討しているかは、選定委員によりさまざまであると市町村教育委員会から伺っているところです。
 次に、教科書採択結果の公表についてですが、地区教科用図書採択協議会及び市町村教育委員会の教科書採択の考え方やその結果及び議事録などの公表については、各市町村教育委員会が判断することであると考えております。県教育委員会としては、教科書採択に関する県民の関心にこたえるため、各市町村教育委員会に対して、こうした情報については、積極的に公表するよう指導しているところでございます。
   〔選挙管理委員会委員長野村弘君登壇〕

〇選挙管理委員会委員長(野村弘君) 各選挙におけます投票率の低下は、全国的な傾向でございますが、本県におきましても低下傾向が認められるところであります。
 このため、県選挙管理委員会では、平成15年4月の統一地方選挙からは、県議会議員選挙においても選挙公報を発行、全戸配布し、候補者情報の不足の解消に努めており、投票率の向上に一定の効果があったものと考えております。
 また、県選挙管理委員会としましては、期日前投票制度活用の呼びかけ、明るい選挙推進運動のリーダー養成研修などの各種啓発活動の充実に努めるほか、特に若年層の投票率が低下していることから、成人式へのメッセージの送付など、若い世代に向けた投票参加の呼びかけに努め、投票率の向上を図ってまいりたいと考えております。
 報道機関等に対しては、選挙の啓発や実施に関する情報を適時提供しているところであります。
 公職選挙法の改正につきましては、これまでも、投票時間の延長や期日前投票制度の導入など、投票環境の向上のための見直しが行われてきており、今後も、投票率向上のために必要な環境の整備について、国民各層で十分に議論していくべきと考えております。

〇8番(高橋雪文君) それでは、大きく三つについて再質問をさせていただきます。
 まず最初に、ホスピス機能の件でございますが、先ほども赤羽部長の方から、県民要望が上がっているということでありますけれども、その中で、在宅ケアに力を入れていくというような話がございました。これは、環境福祉常任委員会の方でも何度かやりとりして、そういう方向なんだろうなというのはわかっているわけでありますけれども、やはり県民要望がかなり上がっているというところを、もっとしっかりと考えていただきたいという思いがあります。
 在宅ケアの場合、確かに医師会や県立病院の連携などをやって推進していくということはよくわかるんですけれども、例えば、私の妹、29歳、非常に体力もある、そして精神的にも参る。いつ痛くなるかわからない、そして、いつ不安に襲われるかわからない。こういう環境下で、実は家庭で、家の中で介護していくというのは、非常に難しいというのが実際なところであります。そういうときこそ、県の施設もしくはそういうホスピス機能がある病院で何とかケアをしてもらいたいということが、私は、体験としてよくわかったわけであります。そういう面から見ての県民要望がかなり上がってきているというところをよく理解いただきたいと思っているわけであります。
 今、確かに財源的に非常に厳しいというところで、これはもうよくわかります。ただ、やはり県民要望があって、しかもその対象となる病気の死因の3割ががんである。しかも、若い人も、年配の方もそういう可能性がある。これは、非常に大きな県民要望なのではないかと思うわけであります。そういった意味で、財源的な部分からだけではなくて、医師会と協力したり、あとは民間主導で設置しているところも全国ではあると聞いております。そういうところをぜひ調査していただいて、そして、一刻も早くその対策を持っていただきたいと思うんですが、再度お聞かせいただきたいと思います。
 また、次に、競馬について少しお話を聞かせていただきたいと思うんですけれども、実は、今議会の盛岡市議会の総括質問の中で、テレトラックの契約について非常に不鮮明な部分があるということが出されました。そして、そのテレトラックの契約書をぜひとも公開してもらいたいという要望があったわけでありますけれども、実はいろいろやりとりがありまして、知事の答弁もあったようなんですが、副管理者もその契約書を見ていないというような話もあったと聞いておりました。
 業者との契約書というものが見られるかどうかわからないんですけれども、私は、やはり公にこの競馬問題を議論している中で、秘密裏にいろいろなことが推進されている。それで、その進捗状況が、我々27億円の融資をしている県議会の人間も見られない。もしくは構成団体の人間も見られない。それでは、やっぱりこの競馬を県民の問題として考えるには情報が不十分なのではないかという思いをするわけであります。
 確かに、増田知事は不退転の決意で、それは、増田知事の責任において事業を模索していただくというのは当たり前でありますけれども、その推進の過程の情報公開はしっかりと約束いただかなければ、やはり私たちの意思も競馬の運営について反映できないのではないかと思うわけであります。
 その情報公開についてお聞かせいただきたいと思いますし、その業者との契約書、これは公開できないものかどうか、それもお聞かせいただきたいと思います。
 そして、最後になりますが、教育長にお聞きしますけれども、るるお話を聞かせていただきました。非常に誠意ある答弁とは、私は感じないわけでございますが、例えば、民主主義をどのように子供たちに伝えていくかというものについても、確かに公民の教科書でやっているというのはよく理解しました。しかし、それだけではだめなんじゃないですかという問題提起なわけであります。その問題で真意とするところの答えをいただかなければ、やはり議論にならないというところです。本当に今の答弁で、例えば来年度から若者の投票率は向上するとお思いなんでしょうか。非常に失礼な聞き方かもしれませんけれども、それを非常に思った次第であります。
 そしてもう一つ、教科書採択に関してでありますけれども、教科書採択、各採択協議会ごとにその情報公開については任されている、県としては指導するということでお話をいただきました。昨年、平成16年の私の6月の質問の中でも同じような答弁がありました。
 しかしながら、岩手県の10採択区のうち、例えば、審議内容を公表しているところは一つもありません。これでは、私はやっぱり納得しない。やはり審議内容とか、選定基準とか、そういうものをきちんと公開していただく。それが父兄にとっても、また、この問題に関心のある者にとっては非常に重要であろうと。
 教育長が四つの大きなテーマを掲げてこれから教育行政を進めると。その中の重要なものに、いわゆる情報公開というものがあるわけでして、全国的にも、例えば東京都では、選定基準もオープンにしていますし、審議内容も、実はインターネットでも見られるようになっている。そして、栃木県でも、審議内容は原則公開として審議をしている。こうやって開かれた教育行政を進めているときに、岩手県が、情報公開、情報公開といって、何も進展していないということは、やはり大いなる不満なのであります。その点についていかがお考えか、お知らせいただきたいと思います。

〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) ただいま県民要望をしっかり受けとめるようにというお話をいただきましたが、先ほど、ややお答えが不十分だったかもしれませんが、在宅ホスピスだけでいくとかといったような考え方ではなくて、施設ホスピスの必要性についても、当然、御要望を受けとめているつもりでございます。
 在宅ホスピスを進める上でも、あなたはもう在宅なんだから、病院では診ないんだということではなくて、進められている先生は、病棟内の空きベッドなども確保しながら、家庭で大変なら、いつでも病院で受けるよといったような形で、病院と在宅とのうまい連携を築きながら取り組んでいただいているというのが現状でございます。そういったことももう少し御説明すればよかったかなと、今は思っております。
 いずれにいたしましても、県民の要望があるということはわかっておりますし、そういったことを受けとめて、今後、関係者とも検討してまいりたいと思いますが、医療計画上の問題も実はございまして、いわゆる病床が新たに現在以上ふやせないといったこともあります。そういった面も含めまして、いろいろ関係者とも研究させていただきたいと考えております。

〇農林水産部長(今泉敏朗君) 競馬組合の業務の情報公開についてのお尋ねでございますが、特に、テレトラックの契約について公開できないかということでございますが、私どもとしても、なるだけ情報公開は、やっぱりできる限りやっていきたいという考えでおりますけれども、テレトラックの契約につきましては、まだこれからの交渉というか、これからのこともございますので、余り詳しい中身が出ていくということは、そういった交渉に支障が出るということで、これについての公表だけは、公表できないということについて御理解いただきたいと考えております。

〇教育長(照井崇君) まず、1点目の子供たちへの投票行為の重要性に関する指導ですけれども、やはり、小さいうちから政治に参加すること、具体的行動として、みずからの意思を投票によって示すこと、これが将来、自分たちの豊かな生活につながるんだということを、きちんと小学校の段階から教えていきたいと思います。それが、大人になって結局帰ってくるといいますか、そういうことの大切さ、これをしっかりと教えていきたいと思います。
 それから、2点目、教科書採択の審議経過等の情報公開については、そういうことで、今、市町村教育委員会等を指導しているところですが、残念ながら、今御指摘のような点もございましたので、引き続き、やはり情報公開というものが地域の信頼を得る一つの手法でありますので、ぜひそうした経緯等については公開するよう、引き続き指導してまいりたいと考えております。

〇8番(高橋雪文君) 関連して、増田知事に二つお聞かせいただきたいと思います。
 いわゆる、今問題になっているのは情報公開というものでありまして、増田県政が最も進めてきたのはこの情報公開であろうと思います。今の各部長のお話を聞いて、増田知事はどのように考え、どのような指導をされるのか、まず1点お聞きしたいと思います。
 もう一つは、先ほどのホスピスの設置の件でございますけれども、いわゆる私が聞きたいのは、やはり決意といいますか、一緒になって考えて、一緒になってその打開策を探っていくんだという決意が、実は行政当局には感じられない。これがもしあれば、私たちサービスを受ける側は、少しでも希望を持ちながら、そして何かアイデアを出しながら、何か手を打てるのではないかと思います。その決意についてどのようにお考えなのか、お知らせいただきたいと思います。

〇知事(増田寛也君) お答え申し上げますが、まずは、第1点目の情報公開の関係でございますけれども、今、情報公開については、大きな流れとしては、できるだけ行政の情報については公開する中で、公開できないものについては、その理由を明確にして、それで、個人情報保護の流れもございますし、それから、全体としては保護すべきその保護法益をはっきりさせて、守るべきものは守る、そこを明確にするような、そういう流れになってきています。
 ですから、私も、今競馬の関係、あるいは教科書の問題について話がございましたけれども、それぞれ契約の問題についても、教科書の問題にしても、恐らく明らかにできる部分と、それから、そうじゃない部分とがあるだろうと――今後のことについてもですね――思いますので、そこのところを、明らかにできないものについては、どういう理由で明らかにできないかということをはっきりさせて、それで、議員あるいは県民の皆さん方にお答えするように、そういうことで担当のところに指示をしておきたいと思います。
 それから、緩和ケア病棟、ホスピスの問題、これは、私も直接要望を承っておりますし、それから、県内にもそうした観点でさまざまな運動をしておられる皆さん方が多数おられることも重々承知をしております。
 ハード施設の整備についての問題も、もちろんこれはありますけれども、今お話がございましたとおり、これは総合的にいろいろな立場の人が皆、そうした終末期医療の際の患者さんのケアという意味で、気持ちを一つにして総合的な立場で取り組んでいくものだ、こういうふうに理解しております。
 もちろん県も、この問題については、当然、率先して今までもやってきていると理解しておりますが、まだそういった地域の皆さん方の声に十分でないことも、一方では厳然とした事実で、私もそのことは強く認識しております。
 ですから、そうした皆さん方の御要望、特に、大都市に比べてこうした面での対応がまだまだ不十分な問題があって、これは、地方のこういう県が抱える大きな構造的な問題にもかかわってくる部分もあるなと一方では思っているんですが、やはり地域の皆さん方が、少しずつお互いに協力し合ってこうした問題を解決していく必要がございますので、今まで以上に、こうしたホスピスの設置あるいは緩和ケア病棟の設置の問題について、熱意を持って真剣に取り組んでいきたい、また、そうしたことを、特にまず我々行政関係者の中で同じ認識に立ってこれから取り組んでいきたいと思います。

〇議長(伊藤勢至君) 次に、中平均君。
   〔2番中平均君登壇〕(拍手)


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