平成19年9月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(嵯峨壱朗君) 私は、自由民主クラブを代表し、以下の理由により、発議案第12号テロ対策特別措置法の事実上の延長に反対し並びにイラク特別措置法の廃止により自衛隊の撤退を求める意見書に反対する立場から討論いたします。
 その理由のまず第1に、先ほど採択されたテロ対策特別措置法の延長に反対する請願の要旨と発議案の内容にそごが含まれている点にあります。請願要旨は、平成13年11月2日施行された法律第113号テロ対策特別措置法の延長をしないことを求めております。現行法の期限は11月1日に失効することになっており、この請願の趣旨が一部失われており、本発議案の根拠となった延長阻止については既に達成されていることとなっております。また、現在、本発議案で指摘されている根拠であるところの現行テロ特措法におけるその活動状況や具体的成果、海上給油のイラク作戦転用の有無を含めて、現在、国会において新テロ特措法の審議を通じて真剣に検討されているところであり、むしろ、新テロ特措法の充実をもって今後の防止を担保すべきものと考えます。
 第2に、各種報道機関の世論調査によると、残念ながら本県県民のみに対する調査は行われてはおりませんが、インド洋上での自衛隊による給油活動継続等について、8月から9月半ばまでに行われた調査では、すべての調査で反対が賛成を上回っておりましたが、直近の調査では、朝日新聞など一部報道機関の調査を除いて、逆の結果が出ております。本県県民についても全国調査と同様の世論の動向が推測され、世論は拮抗していると思うところであります。県議会の総意として、国会や関係行政庁に意見書を提出することは、私ども岩手県議会の重要な役割の一つでありますが、県議会においても、世論調査においても賛否が大きく分かれているのみならず、極めて国家的、国際的な問題であり、地方議会の意思表示としてはなじまないものであると言わざるを得ません。
 第3に、本年9月19日に国連安保理に採択された決議1776号では、海上阻止の要素を含むOEF―不朽の自由作戦に参加する多くの国の貢献に対する謝意を表明しております。また、潘基文国連事務総長は、9月24日、海上自衛隊による給油活動について、日本の努力に感謝したい、引き続きインド洋で自衛隊が補給するよう協力をお願いしたいと述べ、活動継続への期待を表明しております。また、インド洋は、日本で利用する原油の9割が通る重要なシーレーンであります。天然ガスの9割、小麦などの食料も、テロリストがばっこするこの危険な海洋を通って日本に輸入されております。言うなれば、エネルギー政策や食料政策など日本のライフラインが他国の活動によって守られている事実も忘れてはなりません。これらの国連決議や国連事務総長の発言は、国際社会の総意として受けとめるべきであります。
 現行法の期限は11月1日となっており、日本国として何の活動もせず傍観するのでは、国際社会への日本に対する信頼は大きく損なわれるものと考えます。もちろん、新法による給油給水の支援行動がすべてではなく、現実的な判断をしながら、最善のアフガン、イラクの復興支援策を求めることは当然であります。
 以上の理由によって、この発議案に対しての反対の討論とさせていただきます。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、関根敏伸君。
   〔17番関根敏伸君登壇〕

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