平成19年9月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇24番(及川あつし君) 請願陳情受理番号第10号に反対の立場から、反対討論いたします。
 当請願の内容は、国に対し、各自治体に検査費用の補助金を出し、BSE全頭検査を継続することとし、地方自治法第99条に基づき意見書の提出を求めること、また県には、国が補助を打ち切った場合でも、単独で20カ月齢以下のBSE検査の継続を求めるというものであります。
 私は、本会議一般質問の答弁にもあったとおり、BSE検査は、本質的に国の責任のもと全国1本の形で進めるべきものであり、議会として意見書を提出する点については賛同するものであります。同時に、県当局にも、国に対し強くその実現を求めていただきたいと思う次第であります。
 しかしながら、当請願で求められている本県単独による20カ月齢以下の牛のBSE検査継続については、環境福祉委員会の質疑でも多くの問題があることが明らかになりました。主要な問題内容を列挙しますと、第1に、県内のスーパー等の店頭で他県で屠畜されたBSE検査未実施牛肉と岩手県で屠畜処理されたBSE検査実施牛肉が混在することにより消費者の混乱を招きかねず、県内消費者の安心感の醸成には必ずしも結びつくものではありません。
 第2に、畜産県岩手の立場から考えても、本県産牛は、東京初め県外においても屠蓄処理されている状況にあり、本県が単独で全頭検査を継続した場合にあっても、岩手県産牛の信頼確保という点で余り効果を期待できるものではありません。平成17年度の成牛出荷と処理状況では、県内からの出荷頭数は3万6、915頭、うち県内処理は1万335頭、わずか28%であります。残り72%の2万6、580頭は県外へ出荷されているのであります。主な出荷先としては、出荷総数の29%に当たる1万707頭が東京都へ出荷され、これは県内処理頭数を上回っているものであります。さらに、県外から本県の屠畜場への入荷も3、736頭あり、委員会質疑中で県内・県外産牛の屠畜場での仕分けは不可能という答弁もございました。
 第3点に、肥育農家がBSE検査対象とするため21カ月齢以上になるまで肥育期間を延長することも考えられ、この場合、生産者にとって生産コストの増加になることが懸念されますが、このコストを販売コストに上乗せすることは困難と思われます。
 第4点は、消費者がBSE検査済み牛肉を選好することになれば、BSE検査を実施しない牛肉の消費が減少し、結果として全体としての牛肉価格の下落が生じ、肥育経営に悪影響を及ぼします。
 第5点は、国が補助を打ち切り、地方が新たにその分の経費負担をすることになれば、国から地方への新たな負担転嫁となる可能性もあります。
 第6点には、現時点で余りに性急に本県単独実施を表明してしまうことは、各県ばらばらの単独実施表明競争に拍車をかけることにもつながりかねず、都道府県負担で単独実施という流れをつくってしまうおそれもございます。
 以上の6点の理由などから、請願の趣旨には賛成するものの、結果として請願趣旨である消費者不安の解消、県産牛肉の安全性を打ち出すということにつながらないことから、本請願のすべてを採択することには反対するものでございます。
 改めて申すまでもなく、そもそも議会において請願を採択するということは、議会として採択後は、その請願内容を実現するため積極的に努力する責務があります。また、執行部は、議長から送付された請願を尊重する必要があります。私は、そのような観点から、当請願については、本来的には、一部を採択し意見書を国に送付し、まずはその実現に向かって議会としても努力することこそが、現時点における最良の政策選択であると確信をするものであります。
 現時点で本県単独による20カ月齢以下の牛のBSE検査継続について岩手県議会として賛意の意思を示すことは、多くの問題を将来的に生じかねないと考えることから反対するものであります。議員各位の御理解をお願いいたします。
 以上であります。
〇議長(渡辺幸貫君) 以上で、通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第5号食の安全と地域農業を守る請願のうち、項目の1、安全・安心な県内産の農産物の安定的な生産・提供のために、価格保障制度など、県独自の支援策を充実していくことを採決いたします。
 本件に対する委員長の報告は不採択であります。本件を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立少数であります。よって、受理番号第5号食の安全と地域農業を守る請願のうち、項目の1、安全・安心な県内産の農産物の安定的な生産・提供のために、価格保障制度など、県独自の支援策を充実していくことは、不採択とすることに決定いたしました。
 次に、受理番号第5号食の安全と地域農業を守る請願のうち、項目の2及び項目の3を採決いたします。
 各件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、受理番号第5号食の安全と地域農業を守る請願のうち、項目の2及び項目の3は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第25号岩手県立学校設置条例の一部を改正する条例を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、議案第25号岩手県立学校設置条例の一部を改正する条例は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第19号及び議案第26号から議案第29号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、議案第19号及び議案第26号から議案第29号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第10号BSE全頭検査の継続を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、受理番号第10号BSE全頭検査の継続を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第18号まで、議案第20号から議案第24号まで、議案第30号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第18号まで、議案第20号から議案第24号まで、議案第30号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第32 委員会の閉会中の継続審査の件
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第32、委員会の閉会中の継続審査の件を議題といたします。
〔参照〕
環境福祉委員会
受理
番号
   件             名  
3海に、空に、放射能を流さないことを求めることについての請願
152008年4月実施の「後期高齢者医療制度」の凍結・見直しを求める請願

〇議長(渡辺幸貫君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査の件につきましては、先ほど環境福祉委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。
   日程第33 発議案第1号BSE対策の堅持を求める意見書から日程第42 発議案第10号タクシー事業の規制緩和の見直しを求める意見書まで
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第33、発議案第1号から日程第42、発議案第10号までを一括議題といたします。
お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第1号から発議案第10号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、発議案第1号から発議案第10号までは、原案のとおり可決されました。
   日程第43 発議案第11号年金保険料を年金支給以外の費用としないことを求める意見書
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第43、発議案第11号年金保険料を年金支給以外の費用としないことを求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。関根敏伸君。
   〔17番関根敏伸君登壇〕

前へ 次へ