平成23年4月臨時会 第21回岩手県議会臨時会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 東日本大震災で亡くなられた方々に対し心から御冥福をお祈りするとともに、被災された皆さんにお見舞いを申し上げます。
 東日本大震災、巨大津波による被害は、26日現在で、死者4、216人、行方不明者3、479人、建物被害1万8、811棟など、戦後最悪の規模となりました。被災者の救援と被災地域の復旧、復興に不眠不休で取り組んでいる皆さんに、心から敬意を表するものであります。
 本日の県議会臨時会に、東日本大震災の救援と復旧、復興のための2、255億円余の補正予算が提案されています。被災者の皆さんの実態と切実な要望にこたえるものとする立場から、議案第1号から第3号までの補正予算の内容について質問いたします。
 第1に、被災者、避難者の2次被害を絶対出さない緊急対策が必要であります。
 避難者は、4月24日現在、363カ所に4万1、521人、うち避難所で避難生活を強いられている方々が1万8、864人、通所避難者が2万2、857人となっています。私はこの間、各地域の避難所を訪問してきましたが、1カ月半が経過した現在も、毎日の食事がおにぎり3個とパン1個、敷布団もなく座布団を敷布団がわりに寝ている、体育館の避難所で毛布を敷布団がわりにしているなど、劣悪な状態にとどまっているところも少なくありません。
 知事に質問します。
 復興に向けた基本方針では、被災者の人間らしい暮らし、仕事を確保し、一人一人の幸福追求権を保障する、犠牲者のふるさとへの思いを継承することを二つの原則としています。この原則は、被災者の救援の取り組みにこそ生かされるべきと思います。
 救助費の補正に1、321億円余が盛り込まれていますが、避難所の食事には温かい御飯とおかず、汁物が出されるように直ちに改善すべきではないでしょうか。必要なら、給食のための臨時職員の採用や業者への委託も行うべきではないでしょうか。
 布団で寝られるように、すべての避難者に布団を提供すべきではないでしょうか。
 プライバシーを確保するまともなパーテーションを確保すべきと思いますが、実態を含めて答えていただきたい。
 第2に、被災者の生活再建にとって、あらゆる制度の活用とその拡充が求められています。
 補正予算には、災害弔慰金負担金107億8、300万円余が計上されています。主たる生計維持者が死亡した場合500万円、その他の死亡の場合は250万円が支給されるものであります。この対象となる人数と、いつまでに支給される見通しか、示していただきたい。
 災害弔慰金は被災市町村の負担が4分の1と重く、陸前高田市では約23億円余の負担になると指摘されています。被災市町村の負担軽減策が必要ではないでしょうか。
 義援金の第1次分は、全壊、死亡・不明の場合は50万円になります。この支給状況はどうなっているでしょうか。被災者生活再建支援法による支援金の支払いの見通しはどうなっているでしょうか。一刻も早く、これらの制度の活用を徹底すべきと思いますが、県の取り組み状況を示していただきたい。
 第3に、被災者の避難生活も1カ月半を経過し、障がい者、要介護高齢者、乳幼児や災害弱者の対策が特別重要になっています。
 災害弱者の実態と福祉避難所や一時避難などの対応はどうなっているでしょうか。短期の一時避難の取り組みも県単独事業で行われる予定であります。日帰り入浴サービスの実績を含めて示していただきたい。
 第4に、全国からの医療支援チーム、保健師・看護師チームの取り組みと今後の見通しはどうなっているでしょうか。
 仮設診療所設置への補助を21カ所分、3億8、850万円の補正予算が計上されています。被害を受けた医療機関の状況と復帰、再開の状況はどうなっているでしょうか。県立病院の被害状況と入院ベッドの減少、仮設診療所の計画はどうなっているでしょうか。住田地域診療センターなど、活用できるベッドを最大限活用すべきではないでしょうか。
 第5に、仮設住宅の建設は切実な課題であります。
 1万8、000戸の建設計画となっていますが、仮設住宅への応募状況はどうなっているでしょうか。希望者が全員入居できる計画となっているでしょうか。
 用地の確保はどこまでいっているでしょうか。これまでの地域の近くで集落単位に入居できるよう取り組むべきと考えますが、どうなっているでしょうか。
 県は、県内業者に2、000戸以上の建設を公募していますが、もっとふやすべきではないでしょうか。年間新築5戸以上という要件は緩和すべきではないでしょうか。住田町の木造による仮設住宅など、在来工法の仮設住宅をもっと推進すべきではないでしょうか。
 第6に、漁業と中小企業の再建について知事に質問します。
 水産業と漁業関係の被害額は3、137億円に及びます。今回の補正予算には、漁港災害復旧事業費110億円余、産地魚市場緊急支援事業費1億円余、漁場復旧支援事業費1億7、790万円余が盛り込まれていますが、被害額から見て極めてわずかなものであります。
 知事は、国家プロジェクトで水産業の再建を国に求めています。賛同するものでありますが、国家プロジェクトの具体的な内容を示していただきたい。
 海の瓦れき等の撤去、浜の清掃、漁業の再建の取り組みに被災した漁業者を活用するなど、漁業者に仕事をふやすことが求められています。今回の補正、今後の計画ではどうなっているでしょうか。
 中小企業、地場産業の再建も喫緊の課題であります。今回の補正では、新規の補助事業も提起されています。しかし、中小企業が最も切実に求めているのは、マイナスからの出発ではなく、せめてゼロからの出発にしてほしいということであります。既往債務の5年程度の凍結や免除が求められています。未曾有の危機だからこそ、これまでにない対策が必要だと考えますが、国への要望を含めて県の対応をお聞きいたします。
 第7に、災害廃棄物処理対策であります。
 多数の行方不明者の捜索もあり困難をきわめていると思いますが、一時保管する仮置き場の確保、分別、焼却、リサイクルの中間処理の対策はどうなっているでしょうか。
 仙台市や宮城県では、コンクリートの破砕機や焼却場、中間処理施設の建設も検討されているようであります。岩手県の取り組みはどうなるでしょうか。
 県代行は6市町村となっていますが、その他の被災市町村の取り組みは進んでいるのでしょうか。県内業者、地元業者を最大限活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第8に、河川、港湾の災害復旧事業費が合わせて180億円余となっています。県内でも地盤沈下が起こっていますが、地盤沈下の状況と港湾、河川の災害復旧はどう進められるのでしょうか。
 最後に知事に質問します。
 今後の被災地の復興に当たっては、被災者の生活再建と地域社会の再建を土台に今回の津波の教訓を踏まえるとともに、あくまでも地域住民の議論と合意を踏まえて新たなまちづくりを進めるべきだと考えますが、復興の基本方針についてお伺いいたします。
 以上でありますが、答弁によっては再質問いたします。
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答えいたします。
 まず、避難所の実態と生活環境の改善についてでありますが、4月中旬に実施した実態把握調査結果によりますと、毎日温かい食事が提供されていると回答した避難所が71.2%、いまだに毎日おにぎりやパンのみの食事であると回答した避難所は0.3%あり、また、プライバシー確保のための間仕切りなどが全くないと回答した避難所が33.1%に上っておりました。現在、市町村等と連携しながら早急な改善を図っております。
 また、寝具類については、毛布などの要望にこたえてきたところでありますが、今後、よりきめ細かくニーズを伺い、対応していく必要があると考えております。
 さらに、避難所の実態に応じた快適さや利便性の向上など、よりよい生活環境の整備を図る上で必要なものを県のほうからも積極的に提案し、被災者の皆さんの人間らしい暮らしの確保に努めてまいりたいと思います。
 次に、水産業の再建と漁業者の雇用の確保についてでありますが、壊滅的な被害を受けた本県水産業の復興を図るためには、生産から流通、加工に至るすべてを再構築する必要があります。そういう中で、漁業と流通、加工業の一体的な再構築に向けまして、1、漁業協同組合を核とした漁業、養殖業の構築、2、産地魚市場を核とした流通、加工体制の構築、3、漁業再開に必要な漁港、漁場、漁村機能の早期復旧、4、漁業者に対する生活支援、これらについて国が総力を挙げ、国家プロジェクトとして全面的に支援するよう、機会あるごとに関係省庁等にその実現を働きかけているところであります。
 また、漁業者への生活支援については、今回補正予算に盛り込んだ漁場復旧支援事業における漁場の海底状況調査などを通じて、漁業者の雇用の場の確保を図ることとしていますが、今後とも、緊急雇用創出事業等の活用により、漁業者の生活支援に努力してまいります。
 次に、中小企業の再建についてでありますが、県では発災後、直ちに、既に借り入れをしている県制度融資の返済に支障を来たしている中小企業者に対し、最長3年間の返済期間の延長ができるよう措置いたしました。一方、国では、中小企業金融円滑化法の期限を来年3月末まで1年間延長し、金融機関が中小企業者の貸付条件の変更等に柔軟に対応するとともに、経営課題の解決策の提案や経営再建計画の策定支援などのコンサルティング機能を発揮して、中小企業支援を強化するよう期しています。県としては、国に対し、手厚い金融支援策を要望しておりまして、今後とも、現場の実情を十分に踏まえながら、必要に応じ国に要望してまいりたいと思います。
 次に、被災地の復興の進め方についてでありますが、被災地については、まずは被災者の目線に立った生活再建支援を進めることが重要であり、その上で、復旧から復興へとコミュニティの維持、再生や、地域社会の再建に向けて未来を見据えた取り組みを着実に進めていくことが必要と考えています。
 県が策定する復興ビジョンと復興計画については、津波防災等の専門家の技術的な意見、提言などを基本とし、被災市町村の住民の方々を初め、県内各界、各分野の有識者による復興への幅広い議論をいただきながら、科学的、技術的な必然性と社会、経済的な必要性に立脚した計画づくりを進めていくこととしております。
 また、被災市町村が策定する復興計画等についても、県の復興ビジョンにおいて提示する復興の考え方なども参考にしていただきながら、それぞれの地域住民の議論等を踏まえて策定されるものと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁をさせますので御了承をお願いします。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 大きく4点お尋ねがございました。
 まず、災害弔慰金等についてのお尋ねでございます。
 災害弔慰金の対象者でありますが、4月12日現在で死亡が確認された方は3、834名となってございます。その支給の見通しについてでございますが、一部、支給事務を開始している市町村があるものの、被害が甚大であった市町村にありましては、支給時期について見通しが立っていないところもございます。
 なお、災害弔慰金の市町村負担分につきましては、その全額が特別交付税の算定対象とされており、既に特例交付が行われているところでございます。
 次に、義援金の支給についてでございますが、本県の義援金配分委員会で4月18日に決定された第1次配分方針に基づきまして、国レベルの義援金101億5、255万円、県が集約した義援金43億945万円、合計144億6、200万円を23市町村に対して配分をしたところでございます。市町村におきましては、現在、対象者への支給手続を進めておりまして、これまで野田村及び久慈市において申請受け付けが開始され、宮古市、大船渡市では本日から申請受け付けを開始したところでございます。その他の市町村につきましては、支給事務の体制が整い次第、順次、受け付けを開始すると伺っております。
 次に、被災者生活再建支援法による支援金の支払いの見通しについてでございますが、4月26日現在で511件の申請を受け付け、支給事務の実施機関であります財団法人都道府県会館に、順次、進達をしておりまして、これらにつきましては5月初旬から支給される見通しでございます。
 なお、被害が甚大であった市町村に対しましては、申請受け付けの迅速な事務処理が困難であるということでございますので、県といたしましては、市町村が迅速に支給事務を行うことができるよう、各地区において説明会を実施して事務処理方法の改善等について周知をしているほか、必要に応じて職員の派遣や事務機器の調整等の支援を行っているところでございます。
 次に、2点目でございます。災害弱者の実態と福祉避難所等の対応についてでございます。
 入所施設の損壊等により介護を必要とする高齢者については、県の調整によりまして104人、障がい者につきましては64人を他施設に移送したところでございます。また、支援を必要とする高齢者や障がい者、乳幼児等に配慮した福祉避難所につきましては、盛岡市において2カ所、北上市において4カ所設置されたとの報告を受けてございます。
 避難所におきましては、施設入所の必要までには至らない障がい者の方が約2、000人いらっしゃいまして、行政機能が損なわれるなど被害が甚大な陸前高田市、大槌町、山田町につきましては、関係機関で構成する障がい者相談支援センターの職員等が障害者手帳の発行や舗装具の交付等の相談支援業務を行っているところでございます。また、高齢者は、3月下旬の県調査によりますと約1万人と推計され、医師や保健師が医療、保健面からのケアを行っているところでございます。
 乳児がいる避難所では、授乳スペースの確保や簡易間仕切りの提供を行ったところでございます。
 また、一般の避難所に避難されている方のうち希望者1、820人につきましては、避難所として指定する内陸の宿泊施設等に移っていただき、地元市町村と連携しながらケアを行っているところでございます。
 さらに、入浴設備のない避難所における入浴支援について、釜石市などにおいて近隣の入浴施設等を活用した入浴サービスが行われているほか、県としても、避難所生活が続く被災者の心身のケアのために、内陸の宿泊施設等へ短期間移転し休養させていただく被災者心身ケア事業の実施に要する経費について、本議会に提案をさせていただいているところでございます。
 次に、3点目でございます。
 本県に派遣された医療チーム等の取り組みと今後の見通しについてでありますが、4月25日現在、医師や看護師等を構成員とする避難所等への医療救護チームが46チーム、保健師による巡回が49チーム、災害派遣ナースが12チーム活動しており、これらのチームが相互に連携しながら避難所や周辺住宅を巡回し、保健活動、初期診療、慢性疾患への対応等を行っており、5月末までは現地の医療ニーズに対応したチーム数を確保しているところでございます。
 今後は、必要なチーム数を確保しつつ、ライフラインの復旧や仮設住宅の建設、さらには地域医療機関の診療の再開により徐々に全国からの救護医療チームが縮小し、地域医療機関を中心とした医療提供体制に移行していくものと考えているところであります。
 また、保健師チームの活動につきましては、今後、避難所等に加え、新たに仮設住宅入居者への保健活動についても継続して実施していくことといたしているところでございます。
 最後になりますが、医療機関の被害状況等についてでございますが、被害を受けた医療機関とその復帰、再開の状況でございますが、地震及び津波により、4月15日現在、県内で42の病院、107の診療所、85の歯科診療所が被害を受け、そのうち、病院にあっては3カ所、診療所にあっては37カ所、歯科診療所にあっては48カ所が施設の全半壊等により、当該施設において診療を休止している状況でございます。
 これらの被害を受けた医療機関にあっては、付近において移転できる建物等を利用し、応急の診療所等を設けて診療を再開しているものも複数あり、徐々に医療提供体制が回復しつつある地域もありますが、特に甚大な被害を受けた沿岸地域におきましては、被災した医師の活動の場を早急に確保し、被災地における医療提供体制の再生を図ることが必要とされておりまして、今般の補正予算に、被災地医療確保対策緊急支援事業費補助を盛り込んでいるところでございます。
 以上でございます。
〇医療局長(遠藤達雄君) 県立病院の被害状況などについてでございますが、県立病院の主な被災状況は、高田病院は全壊、大槌病院はほぼ全壊、山田病院は施設設備の大半が損傷、釜石病院、大東病院は建物の一部損傷となっております。これらの病院では、釜石病院の246床を含めまして、全体で517床の入院ベッドが使用できないという状況となっております。このうち、外来、入院機能ともに失われた高田、大槌、山田の各病院につきましては、早期に診療拠点を整備する必要がございますので、外来機能を中心とした仮設の診療施設を設置することとし、大槌病院につきましては、去る4月25日から上町ふれあいセンターを活用いたしまして開設したところでございます。高田、山田の2病院につきましても、設置場所等につきまして地元の市町と現在調整を進めているところでございます。
 また、被災した地域の入院患者の受け入れにつきましては、二次保健医療圏の基幹病院を中心として圏域内の民間医療機関、それから内陸部の遠野病院、千厩病院などの県立病院と連携をいたしまして対応をしているところでございます。
 今後とも、引き続き被災した地域の医療の確保におきまして、内陸被災地域を含めまして、県立病院一丸となって対応してまいりたいと考えております。
〇県土整備部長(若林治男君) 応急仮設住宅の建設状況でございます。
 県では、7月末までに1万8、000戸の応急仮設住宅の建設を終えることを目標に取り組んでおります。入居要件を満たすすべての希望者に住宅を提供することといたしております。
 応募状況につきましては、釜石で3、200戸、大船渡市で1、500戸以上の申し込みがあるなど、各市町村において入居地区の希望などもあわせた受け付けが行われております。
 また、建設用地につきましては、現在までに1万2、500戸分の用地確保にめどがついたところであり、残りの用地につきましても、市町村と連携をとりながら、5月中旬までには確保の見通しを立ててまいります。
 応急仮設住宅の入居に当たってはコミュニティへの配慮が必要であり、できる限り従前の居住地に近い場所を仮設住宅用地として確保するとともに、地域ごとにまとまって入居できるよう、市町村に配慮を求めているところであります。
 県内の建設事業者等に対する公募につきましては、2、000戸以上の募集戸数としております。応募状況等を踏まえ、建設戸数を決定してまいりたいと考えております。
 応募要件につきましては、短期で集中的に工事を行う必要性から、昨年4月以降、5戸以上という供給実績を求めているところであります。
 公募においては、在来木造工法を想定いたしました標準仕様としているところでありまして、地域の工務店などによる建設を促進してまいります。
 次に、地盤沈下の状況についてであります。
 今回の地震に伴い、国土地理院が基準点の解析調査を行ったところ、県内のほとんどの地域で地殻変動が確認され、とりわけ、沿岸部では、最大で陸前高田市小友町におきまして84センチを初め、いずれの観測点でも顕著な地盤沈下が発生しております。
 このような状況下における港湾、河川の災害復旧の進め方についてでありますが、現在、被害状況の詳細を調査中であります。今後、調査結果を踏まえて、岸壁等の利用に支障がある場合や河川堤防を洪水が越流する懸念がある場合は対策工法を検討し、適切に対応してまいります。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 災害廃棄物処理対策についてでございますが、現在、被災市町村におきまして災害廃棄物の撤去作業が進められており、今後、撤去の進捗状況によりまして仮置き場の不足が懸念される市町村にあっては、県におきましても必要な支援を行っているところでございます。
 また、廃棄物の受け入れについて、処理施設の設置者等と調整を行っているほか、分別を行う場所の確保につきましても、市町村と協議を行っているところでございます。
 災害廃棄物の撤去状況でございますが、市町村におきましては、まずはその撤去に全力を挙げているところでございます。状況といたしますと、比較的被害が軽かった岩泉町以北につきましては、一定程度の進捗が見られているところでございます。一方、被害が甚大でありました宮古市以南の各市町村につきましては、行方不明者の捜索などとあわせながら実施しているということもありまして、県北部と比べますと、おくれが見られるところでございます。
 また、被災市町村におきましては、被災者の雇用の確保を念頭に、地元業者を優先して活用していると伺っておりまして、今後、県が行う分別、処理などにつきましても、可能な限り地元業者や県内業者を活用していく考えであります。
〇38番(斉藤信君) では、再質問いたします。
 避難所、避難者の救済の問題なんでありますけれども、毎日温かい食事が提供されているというのが71.2%と回答がありました。これは1日1回でもカウントされるんですね。そして、お昼のパンには牛乳がつかないんですよ。それが7割です。あとの3割はそれ以下でということです。
 宮城県の調査では、避難所の9割が栄養不足で、平均1、546キロカロリーだったと。2、000キロカロリー以上必要なのに、岩手県の場合も大体こういう状況になっているんじゃないか。ぜひ、こうした食事の実態調査をして、本当に人並みの温かい食事を直ちに提供できるような対策をとってほしいし、もう一つは、いまだに毛布を敷布団がわりにしている。布団の支給をぜひやってほしいんですよ。遠野市のボランティアが足湯サービスをやりながら話を聞いたら、いや、布団に寝ていないんだと。この話を聞いて、70組の布団をすぐその避難場所に送ったと。私、遠野市はそういう支援活動をやっているのだと大変感心しましたけれども、そういう実態はわかるわけだから、せめて劣悪な状態にいる中でも、最低限の人並みの生活ができるように。
 パーテーションもピンからキリまでありまして、パーテーションと言って、ただのダンボールが届いたというところもあるんですよ。そんな心のないようなことではなくて、まともなパーテーションが行くようにひとつしていただきたい。
 それと、被災者カルテを整備する必要があると。遠野市でも450人、住田町でも、いわば親戚等に避難している方々の状況をきっちりカルテで把握していました。支援物資も届けていました。これは西宮方式というのがあって、そうしますと、避難所だけでなくて全体を把握できますので、そういう対策を改めて聞いて終わります。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 2点ございました。1点目の温かい食事の関係それから布団の関係、これは知事からお答え申し上げましたとおり、早急な改善を図るということで取り組ませていただきたいと思います。
 それから、2点目の被災者カルテの把握についてでございますが、どういう形で押さえていくかということを確認いたしまして、できるだけ被災者の自治体がきちんと把握をでき、それに対してきちんとフォローできると、そういう体制をとっていきたいというふうに考えております。
〇議長(佐々木一榮君) 次に、工藤大輔君。

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