平成23年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成23年3月9日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    佐 藤   博
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査    岩 渕 伸 也
  主任主査    藤 原 由喜江
  主査    葛 西   貢
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  教育委員会委員長 八重樫   勝
  教育長    法 貴   敬
  教育次長兼
  教育企画室長   高 橋 嘉 行
  教育次長兼
  学校教育室長   佐々木 修 一
  参事兼
  教職員課総括課長 及 川 伸 一
  教育企画室
  企画課長    石 川 義 晃
  予算財務課長   泉   裕 之
  学校施設課長   宮 野 孝 志
  学校企画課長   高 橋   勉
  首席指導主事兼
  義務教育課長   多 田 英 史
  首席指導主事兼
  高校教育課長   高 橋 廣 至
  首席指導主事兼
  特別支援教育
  担当課長    鈴 木 長 幸
  主任指導主事兼
  生徒指導担当課長 田 村   忠
  高校改革課長   上 田 幹 也
  首席指導主事兼
  産業教育担当課長 佐々木   淳
  生涯学習文化課
  総括課長    錦   泰 司
  首席指導主事兼
  文化財・世界遺産
  課長    中 村 英 俊
  首席指導主事兼
  スポーツ健康課
  総括課長     平 藤   淳
  首席経営指導主事
  兼小中学校人事
  課長    菊 池   宏
  首席経営指導主事
  兼県立学校人事
  課長    中 山   敏

  警察本部長    樹 下   尚
  警務部長    森 本 敦 司
  生活安全部長   千 田 敏 信
  刑事部長    佐 藤 英 憲
  交通部長    矢羽々   諭
  警備部長    佐 藤 善 男
  警務部参事官兼
  首席監察官    吉 田   修
  警務部参事官兼
  警務課長    小野寺 憲 一
  警務部参事官兼
  会計課長    川 村 邦 光
  生活安全部
  参事官兼
  生活安全企画課長 菊 池 昭 一
  生活安全部
  参事官兼地域課長 米 澤   崇
  刑事部参事官兼
  刑事企画課長   伊 藤 広 務
  交通部参事官兼
  交通企画課長   佐 藤 哲 夫
  交通部参事官兼
  運転免許課長   板 垣 修 一
  警備部参事官兼
  公安課長    工 藤 義 彦
  総務課長    高 橋 恵 市
  給与調査官    武 田 正 則
  会計課
  指導監査室長   八重樫 博 美

  予算調製課
  総括課長    八 矢   拓
〇五日市王委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第2号から議案第22号まで、議案第27号、議案第29号、議案第30号、議案第32号から議案第35号まで、議案第38号から議案第40号まで、議案第42号及び議案第54号の以上33件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会及び警察本部関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、教育長から教育委員会関係の説明を求めます。
〇法貴教育長 教育委員会関係の平成23年度岩手県一般会計予算について御説明申し上げます。
 初めに、教育委員会における予算編成に当たっての基本的な考え方でありますが、いわて県民計画に掲げる学校教育、生涯学習、文化芸術、スポーツの分野ごとに説明いたします。
 まず、一つ目は、家庭、地域との協働による学校経営の推進であります。
 目標達成型の学校経営の一層の質的向上を図るため、全教職員、保護者の参画のもとに策定する学校経営計画に基づき、学校評価を生かした学校経営を推進してまいります。
 また、いわて型コミュニティ・スクール構想と教育振興運動との連携を図るとともに、そのつなぎ手となる学校と地域の協働推進事業を進めながら、家庭、地域への理解促進を図ってまいります。
 二つ目は、知、徳、体を備え調和のとれた人間形成であります。
 学習面、生活面における基礎、基本の確実な定着など、学校教育の充実を一層推進するため、児童生徒の学力向上、豊かな心をはぐくむ教育の推進、健やかな体をはぐくむ教育の推進、特別支援教育の充実に力を入れてまいります。
 特に、学習定着度状況調査などの結果を活用し、児童生徒一人一人の状況に応じた取り組みを進めるとともに、授業改善や教員の授業力向上に取り組んでまいります。
 また、児童生徒の学習習慣の定着に向け、すべての学校において、授業と連動した家庭学習の取り組みを充実させてまいります。
 三つ目は、生涯を通じた学びの環境づくりであります。
 県民一人一人が、生涯にわたる学びを通じて郷土への誇りを持ち、愛着を深められるよう、学びの場いわてとしての環境整備を進めるとともに、10月に開催される全国生涯学習ネットワークフォーラム岩手大会を通じて、県民の学習意欲や学びの成果が地域で生かされる環境づくりを推進してまいります。
 四つ目は、文化芸術の振興であります。
 平泉の文化遺産については、本年6月の世界遺産登録が確実なものとなるよう、さらに国、関係市町との連携を密にしながら、対応に万全を期してまいります。
 また、文化芸術活動への支援につきましては、文化振興基金を効果的に活用し、文化芸術をテーマとした住民参加型のまちづくりなどを進めてまいります。
 五つ目は、豊かなスポーツライフの振興であります。
 本年7月から8月にかけて北東北3県で開催する全国高等学校総合体育大会の円滑な大会運営に努めてまいります。
 さらに、平成28年の岩手国体に向け、平成23年度からの3年間を育成期と位置づけ、各競技団体と連携しながら、競技力向上のための取り組みを一層強化してまいります。
 続きまして、一般会計予算案について御説明申し上げます。
 お手元の議案その2の8ページをお開き願います。議案第2号平成23年度岩手県一般会計予算ですが、第1表歳入歳出予算の歳出の表中、教育委員会が所管する予算は、10款教育費1項教育総務費から7項保健体育費まで、9ページの11款災害復旧費のうち、3項教育施設災害復旧費を合わせて総額1、356億8、849万円になります。これを前年度当初予算額と比較しますと5億4、248万円、率にして0.4%の減となっております。
 各項目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。予算に関する説明書の202ページをお開き願います。
 なお、金額は省略させていただき、主な事項を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費です。202ページから203ページにわたる2目事務局費は、事務局の管理運営に要する経費、関係県等が共同で設置している日本の次世代リーダー養成塾の負担金及び外国語指導を行う外国青年招致事業に要する経費です。3目教職員人事費は、教職員の健康診断など人事管理に要する経費のほか、子ども手当、退職手当などに要する経費です。204ページをお開き願います。4目教育指導費は、教職員の研修や学校教育に係るソフト事業に要する経費であり、その主なものは、5行目の児童生徒健全育成推進費であり、不登校やいじめなどの学校不適応に対応するため、スクールカウンセラーをすべての中学校と県立高校において活用できるよう配置し、専門的な相談機能の充実を図ります。また、携帯電話やインターネットなどによる問題行動の減少を目指して、情報モラル教育の充実や保護者などへの啓発活動などを行うものです。中ほどの特別支援教育推進事業費は、共に学び、共に育つ教育を目指すいわて特別支援教育推進プランに基づき、障がいのある児童生徒が充実した学校生活を過ごすことができるよう支援員や看護師を配置するほか、幼稚園から高等学校までのすべての学校において特別支援教育の充実強化を図るものです。2行飛びまして、学校、地域の協働によるキャリア教育推進事業費は、社会人、職業人として自立する能力を養うとともに、地域を担う人材を育成するため、専門高校における実践的な教育活動の支援を行うものです。次の、いわて未来創造人サポート事業費は、家庭、地域と協働して、岩手の特色ある産業、文化を支える人材を育成するなど、生徒個々の進路実現に向けた各学校の取り組みを進めるものであります。次に、いわて進学支援ネットワーク事業費は、生徒の進路希望達成を支援し、将来の岩手を支える人材を育成するため、外部講師の講座や各学校の進学指導の取り組みに要する経費であります。1行飛びまして、中高連携英語力向上推進事業費は、中学生及び高校生を対象とした英語能力判定テストの実施や指導改善研修会の開催により、生徒の英語力及び教員の授業力の向上を図るために要する経費であり、1行飛びまして、指導運営費は、理科支援員の配置や学習定着度状況調査の実施に要する経費のほか、文部科学省からの研究委託事業などの実施に要する経費です。204ページから205ページにわたる5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費、6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等です。
 206ページの2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費などであり、また、すこやかサポート推進事業費は、少人数指導のため引き続き非常勤講師を配置しようとするものであります。
 207ページの3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費、旅費などの経費です。
 なお、1行目の教職員費には、中学校1年生への35人学級の試行の継続、理科、数学の授業時間数増への対応などに必要となる教員の配置に要する経費、及び生徒指導や学習定着状況などで課題のある学校への非常勤講師などの配置に要する経費などが含まれております。
 2目学校管理費は、併設型中高一貫教育校として、一昨年4月に開校した県立一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要する経費です。
 209ページをお開き願います。4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費などの経費のほか、説明欄の3行目、高等学校教育改革推進費は、再編統合に伴うバス運行費補助及び新しい県立高校整備計画の検討などに要する経費であります。また、2目全日制高等学校管理費、210ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれの管理運営などに要する経費です。211ページの4目教育振興費は、高等学校における教育用備品の整備、農業及び水産業教育などの実験実習に要する経費のほか、中ほどの高校奨学事業費補助は、高校生向け奨学資金などを財団法人岩手育英奨学会に対し補助するものです。211ページから212ページにわたる5目学校建設費は、高等学校などの建設等施設整備に要する経費です。校舎建設事業費は、盛岡商業高等学校校舎などの改築を行うものであり、212ページの体育館建設事業費は、杜陵高等学校奥州校及び一関第一高等学校附属中学校の体育館の新築工事を行うこととしております。校地整備事業費は、岩谷堂高校において工事を継続して行うこととしております。次の校舎大規模改造事業費は、水沢高等学校ほか5校において、校舎や屋内運動場の耐震補強工事などを行うこととしております。このほか、校舎、教職員住宅などの整備、維持管理に要する経費を計上しております。6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費です。
 213ページの5項特別支援学校費1目特別支援学校費は、特別支援学校教職員の人件費などの管理運営に要する経費、及び各校の維持管理に要する経費です。
 215ページをお開き願います。6項社会教育費1目社会教育総務費は、社会教育関係職員の人件費のほか、子供の読書活動の推進及び児童生徒の安全・安心な居場所を設置する放課後子ども教室への補助など、生涯学習推進に要する経費などです。特に、各地域に定着している教育振興運動の推進に要する経費と、一番下の指導運営費中、学校と地域を結ぶコーディネーターを配置する協働推進事業により、学校、家庭、住民などが総ぐるみで、地域の教育課題の解決に取り組んでまいります。また、全国生涯学習ネットワークフォーラム開催事業費は、本年10月15日から17日にかけて開催する全国生涯学習ネットワークフォーラム岩手大会に要する経費であります。215ページから216ページにわたる2目文化財保護費の主な内容としては、216ページの1行目、文化財保護推進費は、指定文化財の保存、修理への補助、民俗芸能の伝承を促進するほか、北海道、北東北の縄文遺跡群及び九州、山口の近代化産業遺産群の世界遺産登録に向けた取り組みの推進に要する経費です。柳之御所遺跡整備調査事業費は、国指定史跡柳之御所遺跡の学術調査を行うほか、史跡公園として整備、公開に要する経費であり、一つ飛んで、世界遺産登録推進事業費は、平泉の文化遺産について、世界遺産登録への対応を行うとともに、遺産の保存管理の重要性や価値についての周知を行うための経費であります。216ページから217ページにわたる3目芸術文化振興費は、青少年へのすぐれた芸術鑑賞機会の提供、中高校生の芸術文化活動の支援、岩手芸術祭の開催に要する経費などの芸術文化振興に要する経費のほか、県民会館の管理運営に要する経費などです。217ページの4目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費及び課題解決型支援サービスの充実のため、専門職員を配置したビジネス支援コーナーの設置に要する経費、5目博物館費は、県立博物館の管理運営に要する経費です。218ページをお開き願います。6目美術館費は、県立美術館の管理運営に要する経費。
 219ページの7項保健体育費1目保健体育総務費は、保健体育関係職員の人件費、県立学校学校医や児童生徒の検診その他保健管理に要する経費及び指導運営に要する経費です。219ページから220ページにわたる2目体育振興費は、生涯スポーツの振興に要する経費、国民体育大会への本県選手団の派遣経費、児童生徒の体力、運動能力の向上対策に要する経費、各種体育大会への選手派遣に要する経費への補助及び競技力向上のための事業実施に要する経費です。その主な内容としては、2行目の生涯スポーツ推進費は、総合型スポーツクラブ及び指導者育成のための経費、高田松原野外活動センターでの研修事業の実施などに要する経費、下から2行目、児童の体力向上推進事業費は、小学校体育指導者の授業力の向上のための研修を行うとともに、小学校体育や中学、高校部活動に地域のスポーツ人材を派遣するために要する経費です。220ページの中ほど、競技力向上対策事業費は、国民体育大会出場選手や中学、高校生選手の強化対策及びジュニア選手─いわてスーパーキッズの早期発掘と育成などの実施に要する経費です。3行飛びまして、第71回国民体育大会選手強化事業費は、平成28年に本県で開催される国民体育大会に向け、競技団体と連携して選手強化を図るほか、全国中学校体育大会及び全国高等学校総合体育大会出場の旅費を全額補助することとしております。また、全国高等学校総合体育大会推進事業費は、本年7月28日から8月20日にかけて北東北3県で開催する全国高等学校総合体育大会に要する経費です。3目体育施設費は、県営体育施設の管理運営及び県営体育施設の施設整備などに要する経費です。
 なお、国体選手強化施設整備事業費は、スポーツ医・科学理論に裏づけされたサポートを受けながら、継続的にトレーニングができる多目的屋内練習施設の整備に要する経費です。
 次に、ページを飛んでいただきまして、228ページをお開き願います。11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立学校施設に災害が発生した場合に備えた復旧経費です。
 次に、債務負担行為について申し上げます。
 議案その2に戻りまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、教育委員会で所管する事業は、13ページのナンバー41の校舎建設事業の1件であり、盛岡商業高等学校の校舎、産振棟改築工事が翌年度にわたることから、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、条例議案について御説明申し上げます。
 議案その3の64ページをお開き願います。議案第34号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、教育委員会関係は、別表第8であります。これは、特別支援学校の教員の臨時免許状に新たに教育領域を追加して定める場合の手数料を徴収しようとするものであります。
 以上で予算関連議案の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇五日市王委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑がおおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇工藤大輔委員 それでは、質問させてもらいます。
 まず初めに、部活動の設置の関係についてお伺いしたいと思います。
 小学校も中学校も、人口、子供の数が減少していくことによって、各地域で統合の状況が見受けられます。そういった中で、小学校でせっかく一生懸命スポーツ活動、また文化活動をしていながら、中学校に上がったら、なかなかその受け皿がないというような状況が数多く見受けられましたが、その現状について、どのような認識に立っているのか、また、それらを改善するために、県内では、特設部などを設置しながら新しい取り組みをしている中学校等もありますが、現状についてお示しください。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 本県の中学校の部活動につきましては、生徒数の関係などから希望する部で活動できる現状が必ずしも備わっているとは言えません。特設部活動につきましては、水泳やスキーなど期間を限定して活動するものと、校外での活動を部活動として認める形態のものがございます。
 現状では、生徒の興味関心、地域の特性などを考慮しながら、学校長が、その活動を認めているところでございます。
〇工藤大輔委員 学校長の判断にゆだねられているという答弁がありました。現状では、県内で何校ぐらいそのような取り組みをし、生徒の希望にこたえている学校があるか、その数がどのぐらいあるかということをお示しいただきたいと思います。
 現在の状況からすると、やっぱり、いずれかのクラブに入ってくださいという中で、5時ぐらいまでは学校で活動すると。入りたくなくても、まず、そこのどこかに入ると。そして、それ以降に、本来自分がやりたい部活動について、スイミングスクールであったり、その他のスポーツ関係でも、別の場所に行って練習をしながら競技力を維持しよう、また、大会に向けて練習をしているというのが現状であります。
 このような状況が長く続くことは、本来の生徒のスポーツ能力の向上とか、あとは、県内のみならず、東北、全国との競争という観点からいくと、どうしても劣ってしまうのではないかと思います。
 先ほど来、教育長から、新年度予算の中で岩手国体というような予算も今後充実をさせていこうという中にあって、せっかく優秀な成績を残していても、部活がないためにやめなければいけないとか、思ったほどの成果を発揮できないということであっては、国体の成果もなかなかいいものを期待できないと思いますが、その認識についてお伺いします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 現状についてでございますが、期間を限定した活動については、ほとんどの学校で実施されておりますし、先ほど委員から御指摘のありました校外での活動を認めている部活動につきましては、現段階では二つの学校について把握してございます。
 それらにつきましては、保護者と学校の合意のもとに校外での活動を行いまして、大会の際には、学校から担当者が引率するなどの対応をしております。
 今後につきましては、生徒の希望する活動ができるように、地域の方々などの御理解、御協力を得るよう進めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 期間を決めての部活の設置も非常にいいと思いますが、ただ、期間を決めると、要はかけ持ちになってしまうということもあります。大会や発表会など、時期が重なってしまったら、一体どっちをとらなければいけないのかということになると、団体のものであればあるほど、今入っている通常の部活のほうを優先しなければならない。例えば音楽関係に入っていますといった場合に、1人が抜けることによって全体のハーモニーが崩れてしまうというようなことも考えられますし、また、より大会、発表会が近いと、5時までの練習を延長して練習をするという場合も見受けられます。
 そういった場合に、本来自分がやりたいんだ、こっちの大会に出たいんだというものについて、なかなか希望どおりに練習すらしづらいというような状況があるのではないかと思いますが、それらの改善に向けて、現場にどのようなことを求めていこうとするのか、または求めていくべきと考えているのか、お示しください。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 かけ持ちの形態となる特設部活動などについてでございますが、これにつきましては、ほかの競技のシーズンオフ、例えば、駅伝であれば冬とか、そういうところで実施されてございますので、大きな支障はないと考えております。
 ただ、個人などの問題がございますので、それにつきましては、中学校体育連盟などの関係団体と検討を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 最後のほうの答弁がちょっとよくわからなかったんですけれども、例えば、水泳を事例に挙げたいと思います。ある中学校では水泳部はありません。例えば、いずれ何らかの部活に入ってくださいと学校側は指導します。実際に何らかに入るわけですけれども、目の前に、例えば、今であれば市町村立の立派な屋内の温水プールもあったり、練習する環境は非常に整っているにもかかわらず、そこでも練習がなかなかできないという事例もあったり、要望もあると思います。
 それ以外にも事例はあるんだと思いますが、例えば、季節限定ではなくて、校外活動もやはりクラブの一環だと認めなければ、認める学校が多くならなければ、なかなか生徒の希望にこたえられないのではないかと思います。
 県内、現状2校ということですが、今後、これをやはりふやしていく方向が必要ではないかと思いますが、見解をお伺いします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 委員おっしゃるとおり、個人の活動の問題は大きな問題でございます。現在、季節を限定しない特設部というところで二つ実施しておりますが、これにつきましては、水泳やスキーなどの学校に部がないものを、外の活動を学校の部活動として認めるというような動きが出てございます。
 こういう情報につきまして、中学校体育連盟などと連携しながら、情報伝達していきたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 国体の開催時期も迫ってきております。これから選手強化も一層、お金や、また人員をかけながら進めていくという中にあって、県内で立派な成績を残している子供さんたちが、さらに一層飛躍できる、そのような環境は、やはり学校現場でつくるべきだと思いますので、これについて積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 また、先ほどスーパーキッズの事業の説明もありました。これは、何年も前からこの取り組みをしており、当時小学校だった生徒も中学校に上がったりしていると思いますが、当初のスーパーキッズの目的は、今、現状でどのように生かされているのかどうか、また、スポーツ連盟という答弁も先ほど来ありましたが、各競技団体とどのような形で連携が進んでいるのかどうか、お伺いします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 スーパーキッズについてでございますが、今、一番最初に発掘いたしました1期生が、一番上の子供たちが中学3年生になってございまして、高校進学ということにはなっております。
 実績につきましてですが、スーパーキッズそのものの実績につきましては、この冬の全国中学校スキー大会で、3位入賞という実績を上げたスーパーキッズの1期生がございます。そういう形で、選手の力はついてきていると認識してございます。
 それから、競技団体との連携ということについてでございますが、高校に入る段階で、新しい競技を続ける者、あるいは今やっている競技を続ける者というような形での進路選択といいますか競技選択がございます。これにつきましては、高等学校で競技を続けられる環境にある者、あるいは競技団体の実施する強化事業で力をつけていく者というような形がございます。競技団体での一貫指導体制の確立もあわせながら、スーパーキッズの事業を進めているところでございます。
〇工藤大輔委員 それぞれ成果は出ているということなので、これについてまた深く質問はしませんけれども、いずれ、せっかくこのように長く取り組んできたものも、次なる受け皿がなければとか、さらなる練習機関がなければ、取り組んできた事例は全く効果がなかった、あるいは十分な成果を発揮できないというような状況になり得ますので、いずれ、前々から取り組んできたこと、また、今、学校現場で個々にも頑張っている生徒に向けて、学びプラス、そういったスポーツや文化活動等が、より一層活躍しやすい状況をつくっていただきますように、教育長からも見解をお伺いしたいと思います。
〇法貴教育長 スーパーキッズに限らず、国体に向けてどういう選手強化をやるかということについて、さまざまな計画を立ててまいりました。今言ったように、個々人の能力に応じた一貫教育をどう進めていくかということも、今、計画を策定中でございます。
 中学校の体育で、例えば陸上競技で1位をとったとかというのは、全学校の枠を外れて、チーム岩手として指導した結果が、そういう成果があらわれていると考えておりまして、いずれ、あらゆる工夫をしながら競技力向上に努めてまいりたいと思います。
〇工藤大輔委員 次に、高校再編の関係についてお伺いしたいと思います。
 県ではこれまで、各地域に出向きながら、地域検討会議、また地域懇談会などを数多く実施してきたと思いますが、全般的に何回ぐらい、どのような形でやってきたのかどうかという点が1点。
 また、これまで40人学級から少人数学級へというような要望であったり、あとは、適正規模が、果たして県教委で定めているものが適切かどうかという考え、また、小規模校の位置づけ等についてさまざま意見があったと思いますが、回数を重ねるごとによって、それらの声がどのように変化していったのか、また、新しい要望等がどのような形で出てきたのかどうか、重立ったもので結構ですので、お示しください。
〇上田高校改革課長 高校の整備計画、次期計画でございますが、それに関しての取り組み、あるいはさまざまな場面で地域の方々から意見をいただくという機会を設けておりましたけれども、その内容についてのお尋ねかと存じます。
 まず、地域検討会議という会議を設置して御検討いただきました。これは、各市町村の首長、あるいは教育長、それから産業関係団体の代表の方々、あるいは中学校のPTAの方々等でございますけれども、これを、県内9ブロックを基本単位といたしまして3回、ですので、計27回やっております。
 それから、同じく県内9ブロックを単位といたしまして、一般の県民の方々が自由に御参加いただける地域別懇談会を2回開催しております。9ブロックでございますので、計18回ということでございます。
 その中ではさまざまな議論がございました。その中でも、特にも地域検討会議、第3回目が最終でございましたけれども、各ブロックでこれまでいただいた意見等の集約等をしていただきました。
 その中では、例えば地域のセンター校、進学等を希望する生徒が多く集まる高校といったところの機能の維持、さらには小規模校の存続、それから専門学科がございますが、こういった専門学科の充実、さらには、さまざまな課題を抱える生徒が在籍しておりますので、こういった生徒への対応などといった、それぞれの地域の実情と将来等を見据えた多くの貴重な御意見をちょうだいしたところでございます。
 次に、議論の中でどういった新しい視点とかが出てきたかというお尋ねでございますけれども、回を重ねるごとに議論が重ねられ、そして、さまざまな議論といったものが収れんしていたと感じておりますが、一貫してございましたのは、やはり小規模校の維持ということかと存じますし、さらには、センター的機能を備えたセンター校の機能の維持、こういったものが必要じゃないかということの議論が深まっていったと感じております。
 さらには、最後に触れさせていただきました、さまざまな課題を抱える生徒がかなり在籍しておりますので、そういった子供たちへの対応といったところが、議論としては深まっていったと感じております。
〇工藤大輔委員 大きく分けて、小規模校、あとは地域のセンター校の機能、あとは、さまざまな状況を抱えた生徒さんへの対応、この三つが示されたわけですが、前の計画の中では、分校の位置づけも、地域の希望があれば残すという形で進んできたわけですが、新しい計画を策定する際は、その分校はつくらないんだという中で検討してきたのではないのかと思いますが、現状の中で、小規模校の存続、あるいはそういった中で、今後、分校というものをどのようにとらえていくのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇上田高校改革課長 分校に関する考え方等についてのお尋ねでございますけれども、委員から御指摘がございました分校はつくらないという、恐縮でございますが、そういった考え方ではございません。
 まず一つ申し上げますと、こういった学校の学級編制、あるいは学校の規模等につきましては、高校標準法─略称でございますけれども、その中で標準が定められております。その中では、本校では、全校の定員が240名、それから、分校についての規定もございます。分校については、全校の定員が100名を下らない、こういった規定がございます。
 法律でそのような定めがございますので、分校というのは、制度的に認められているものと認識をしておるところでございます。
 さらには、分校をどうするかということでございますけれども、基本的な考え方といたしまして、9ブロックでの意見交換の場を設定し、意見交換をさせていただいたというお話をさせていただきましたが、そのブロックを基本単位といたしまして、中学校の卒業生が、さまざまな選択、これはもう生徒一人一人が興味関心、あるいは適性能力とかがございますので、そういったものをわかった上で選択ができる、そういった配置が望ましいものと考えておりまして、これは、3月にお示しいたしました高校教育の基本的方向の中でも、お示しさせていただいたところでございます。
 そういった各ブロックでの高校の配置、学校の配置等について、今後、検討させていただきますけれども、その中では、分校の設置等についても、検討から外すということはせずに、総合的に検討してまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 わかりました。
 また、2点目の地域のセンター校の位置づけということで、これはもう先生方の配置というものをかなり重要視していると思いますが、きょうも入試ですか、試験をやっていると思いますが、ことしの全日制の志願状況、調整後の最終状況を見ると、これは、盛岡地区は基本的に倍率が1倍を超えている。そして、ほかの地域でも、花巻北、黒沢尻北、水沢、一関一、大船渡、宮古と、地域のセンター校としての位置づけを果たしているところは、おおむね1倍を超えているというような状況にあります。
 しかし、一方で、県北、沿岸のセンター校としての位置づけの高校は、大きくその倍率を下回っているというような結果になっておりますが、これらの状況が、今後、クラスの適正数とか、学校の適正規模とか、そのようなものに反映していくのかどうか、検討の中ではどのように加味されるのかどうか、現状の考えをお伺いします。
〇上田高校改革課長 委員から、志願状況等が明らかになった中で、特にも志願の段階でも定員を大きく下回るような高校があるが、どう考えるのかという御質問でございますけれども、本日、高校入試が行われております。その後で、例えば欠員等が多く生じた高校につきましては、再募集ということで、また生徒募集をさせていただくということでございますので、志願の段階で例えば入学者数がどのぐらいというのは、まだちょっと早いといいますか、不透明な部分がございます。
 今後どうするかというお話でございますけれども、再募集まで含めました入試の状況等を見させていただいて、そういったものも加味しながら、次期計画案、来年度の第4・四半期(後刻「第1・四半期」と訂正)をめどに案をお示ししたいと考えておりますが、そういったところを参考といたしまして、案について、その作成に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 個別の高校名を挙げれば、福岡もそうですし、久慈もそうなんですけれども、前も何度も1倍を下回るということがあったわけです。地域のセンター校が1倍を下回るというのは、これは募集の段階でですよ、果たしてこれがセンター校かというような位置づけが私は考えられると思うんですね。本来であれば、やはり1倍を超えて、みんな選ばれる形で選択されていくというのが、センター校としての教育的な役割であったり、また、センター校から輩出したい生徒の育成像だと思うんですけれども、現状とは全く違う、だれでも入れる進学校になってきているということはいかがかと思いますが、それらについてどのように考えているんでしょうか。
〇上田高校改革課長 センター校についてのお尋ねでございますが、その前にちょっと訂正させていただきたいと存じます。
 先ほどの次期計画案の策定の時期でございますが、私は第4・四半期とお話し申し上げたようでございますが、第1・四半期の間違いでございます。第1・四半期と御訂正いただきたいと思います。
 それから、センター校の規模に関してでございますが、各高校への入学につきましては、それぞれの子供たち、あるいは保護者の方々が、やはり選択の上で、それで結果的にそういった高校を選び、入学していく、こういうことかと存じます。
 ただ、御指摘がありましたように、一部のいわゆるセンター校でございますけれども、倍率が低いといったような状況が、今の志願状況を見ておりますとそういった実態がございます。
 まず、学校側での対応でございますが、やはり地域の中学校等、あるいは子供たち、保護者に対して、その学校の特色なり、あるいは成果なりというものをお伝えして、ぜひ入っていただきたいというような取り組みをかなり一生懸命やっておるかと存じております。
 その上で、今後どうなるかというところでございますけれども、やはりブロック、各地域によりまして、中学校の卒業者数にかなりばらつきがございますし、ふえたり、減ったりといったブロックもございますので、短期的と申しますよりも、中長期的に、どういう子供たちの志願の方向性なのかというのは、見きわめなければならないと考えております。
 そういったことを勘案しながら、先ほど申し上げました次期計画案なりを検討してまいりたいと考えております。
 ただ、一般的なお話でございますけれども、特にも大学等への進学を希望する生徒が多く入学するような高校につきましては、やはり、かなり各普通教科についての教員が厚くおりませんと、各生徒へのきめ細かな指導の面では、なかなか難しい面が出てこようかと考えております。
 できる限り、こういったいわゆるセンター校につきましては、一定の規模は確保し、そして、教職員を十分に配置した上で、生徒の進路希望が実現できるように、きめ細やかで手厚い、そういった指導をしていくことが大事だろうと考えております。
〇工藤大輔委員 県北、沿岸等、人口が少ない中、また、子供の数が少ないという事情もある中で、やはり県下一率の適正規模というものがこの県内でなじむのかどうか、各ブロックごとに、それが適切なのかどうかということは、強く指摘をしたいと思います。
 また、そういった中で、今後、高校再編等していくと、その案をどういう出し方をしてくるか、分校を残すような出し方、あるいは総合的にということなので、先ほど、事実上、分校は残すのかなというように見受けられますが、ただ、分校を設置すると、数年後には、希望数ががた落ちして存続がなかなか難しいというような状況も、他の地域でも見受けられます。
 そうすると、どうしてもおのずと集約されていくというような状況に進んでいくことも想定されると思いますが、やはり、それぞれの学校の位置づけを余りぼやかさないで、しっかり成果を残すには、進学校、普通校であったり、あとは専門学科を要した高校とか、その目的をしっかり明確にして、進学の状況がどうなのか、また、生徒の学びの環境がどうなのか、あるいは資格等の取得状況はどうなのかということを総合的に勘案して、各ブロックそれぞれの判断のもとで、考えのもとで、実情に合った配置が望ましいと思います。
 そのような形で高校再編が進んでいくことを期待したいと思いますが、今言った内容についての考え、また、今後、どのようなスケジュールでこの再編計画を出し、いつの段階で成案としてまとめたいかどうか、今後の流れについてお伺いします。
〇上田高校改革課長 まず、案の中身でございますが、現在、検討中でございます。先ほど触れさせていただきました、さまざまな機会を通じてたくさんの御意見をちょうだいいたしました。そういったものを現在、整理をしておりますので、そういったものも十分に参考とさせていただいて、案をつくりたいと考えております。
 その案の作成に当たりましては、ただいま委員から御指摘がありました点についても、ぜひ勘案して、作成について取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、今後のスケジュールについてでございますが、先ほど若干触れさせていただきましたけれども、来年度のおおむね第1・四半期を目途に、ですから、6月までのところで、私ども次期計画の案をお示ししたいと考えております。この時期につきましては、先ほど申し上げましたが、平成23年度の入試結果を見させていただいて、それを含めていろいろな推計等も行いますので、やはりその時期になろうかと考えております。
 その後、この案に対しましてのパブリックコメント、それから、各地域での説明会等も開催いたしまして、また、この案に対しての御意見を各地域の皆様からちょうだいしたいと考えております。その上で、おおむね上半期を目途に─来年度の上半期でございますが─成案をまとめてまいりたい、このようなスケジュールで策定作業を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 上半期ということは、大体9月ごろまでが一つのスケジュールのあたりかなと想定されますけれども、これまで同様に、例えば前期計画、後期計画という形で10年計画のような形で出していくのかどうかも、あわせてお伺いしたいと思います。
 質問は、時間ということなので、以上とさせていただきます。
〇上田高校改革課長 次期計画の中身のお話でございますけれども、この計画の中でのアクションプランというものは、おおむね10年を今、想定はしております。その中で、前期5年、後期5年と分けさせていただいて、前期5年間分については、具体的な内容を盛り込んでまいりたいと考えておりますし、後期5年については、その方向性等をお示ししたいと考えております。
 もちろん、前期5年間の間での状況変化等、こういったものを加味しながら、後期計画の中身については検討させていただくということでございまして、御指摘がありました計画の内容については、前期5年、後期5年という内容で、10年計画のアクションプランということでお示ししたいと今現在では考えております。
〇樋下正信委員 私からは、予算に関する説明書の220ページ、体育施設費のところでお聞きしたいと思います。
 先ほども説明があったわけでございますが、平成28年度の国体に向けて多目的練習施設の整備が行われるわけでございます。平成25年の完成を目指して、今、どの辺まで進んでいるかわかりませんけれども、現在、設計に取りかかっていると認識しておりますが、この建物について、木材の利用推進ということで、どの程度利用されるのか、そこをまず聞きたいと思います。割合を。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 多目的屋内練習施設の木材の利用がどの程度になるかというお尋ねでございますが、現在、基本設計から実施設計に移る段階でございまして、実施設計の中で数量等は出てくるとは考えております。現段階では、まだ数値を申し上げる段階ではございません。
〇樋下正信委員 設計屋さんに任せっ放しなのか、発注する側として、どの程度組み込んでほしいというようなお願いの仕方というものはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 当該施設の整備につきましては、県の岩手県公共施設・公共工事木材利用推進行動計画の趣旨を踏まえまして、これからの実施設計におきまして、工事期間あるいは建設費との調整を図りながら、小アリーナや健康科学センターの諸室など、内部構造に可能な限り木材を使用するという考えで、実施設計に入っていただくことになってございます。
〇樋下正信委員 数字的なものはないというようなお話でございますが、今も御説明がありましたけれども、国では、昨年10月に公共建築物等における木材利用促進法が施行されております。それで、先ほど説明があったように、岩手県では、それに先駆けて、副知事をトップとして、公共施設・公共工事木材利用促進行動計画というものをつくって、推進本部をつくっているということでございますので、ぜひ、こういうところにかんがみながら、岩手県は、御存じのとおり森林県ということでもございますので、ぜひとも、この体育施設に限らず、この利用がなされる方向に行動といいますか、そういう状況に持っていきたいということでございますが、その辺の考え方をお聞きしたいと思います。
〇法貴教育長 教育委員会で所管する建物は、これまでもできる限り木質化ということで、先ほど委員御指摘の行動計画の目標達成率も175%ぐらい行って、できる限り使ってきているところなんですけれども、ことしというか、平成23年度以降に建てる盛岡商業高等学校などについても、できる限り木材を使っていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 私からは、キャリア教育について何点か御質問させていただきます。
 学校の授業などで職業観などを学ぶキャリア教育ですが、県内のキャリア教育のこれまでの取り組みの現状、小学校、中学校、高校の取り組み状況と成果と課題について、お示し願います。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 今、キャリア教育の取り組みについての御質問でございましたけれども、本県では、平成22年3月にいわてキャリア教育指針、そして、8月にはいわてキャリア教育の手引きを策定して、すべての学校が、教育活動全体を通してキャリア教育の視点で見直して、キャリア教育の全体計画を作成しまして、計画的、組織的に取り組むこととしているところでございます。
 小・中・高の成果と課題ということでございますが、今年度、小中学校を対象にしました平成22年度キャリア教育の推進に係る現状調査をいたしましたけれども、それによりますと、キャリア教育に取り組むことの成果としまして、コミュニケーション能力、人間関係調整力、あるいは勤労観、職業観は向上したと挙げる学校が多くなっておりますけれども、その反面、基礎学力や問題解決力の向上につながるかという問いに対しては、評価が低いということが課題として挙げられております。
 なお、高校にあっては、先ほど申し上げましたとおり、キャリア教育指針、手引等を平成22年度に作成いたしましたので、実質的には平成23年度からの実施ということになります。
〇吉田敬子委員 小学校、中学校では今年度実施されたということで、高校は来年度以降、具体的に実施されるということですね。
 具体的な小学校、中学校、高校での数をお伺いいたします。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 実施したということについてのお尋ねでございますが、高等学校におきましては、指針に基づいたキャリア教育というのは平成23年度から実施ということで、それは全校で実施するということになります。
 それから、小中におきましては、一部、学校独自の考えに基づいてキャリア教育を推進している学校もございましたし、中学校においても同じようにやっております。
 ですから、同じように小中においても、本県の示すキャリア教育指針に基づいて実施するのは、平成23年度から全校において実施するということでございます。
〇吉田敬子委員 それに加えまして、では、市町村の教育委員会におけるキャリア教育の取り組み状況についてもお伺いいたします。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 市町村の取り組みについてでございますけれども、先ほどお話しいたしましたキャリア教育の推進にかかわる状況調査等で進めているところではありますが、実際の市町村のキャリア教育ということにつきましては、市町村の教育委員会の考えに基づいて実施しているということでございます。ただ、平成23年度からは、県で示したキャリア教育の指針、もしくは手引を参考にしながら進めていっていただくということを周知しているところでございます。
〇吉田敬子委員 先ほど、高校生は平成23年度以降からということですが、平成22年度、ことし、もう高校生のインターンシップ等の取り組みはされているかと思うのですが、その辺に関しましてお答え願います。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 インターンシップにつきましては、平成21年度の実施状況でございますけれども、22年度は、まだ集計中でございます。普通科を設置している学校におきましては6割程度、総合学科では50%、それから、専門学科においては100%という状況でございます。
〇吉田敬子委員 私も、実はこのキャリア教育なんですが、以前、一度、自分自身も小学校に伺って、社会人の一人としてお話しさせていただいた機会がありました。私自身、このキャリア教育というのは大変重要だと考えておりまして、核家族化、または地域等の希薄化も進んでいる中で、たくさんの大人と接する機会がない子供たちが多いという子供のアンケート調査もありまして、やっぱり豊かな人間性や社会を把握する能力をはぐくむ機会として、大変重要だと考えております。
 小学校、中学校では、引き続き続けていっていただきたいと思うんですが、特に、私は高校生、高校でのキャリア教育がもっと大事だと思っておりまして、やはり、最近では若者の非正規雇用の割合も増加しておりますし、新規学卒者の求人状況も悪化しております。また、若年層のフリーターの数もふえている中で、高校生でのキャリア教育というのは大事だと思っております。
 来年度以降、高校でもしっかり取り組んでいかれるということなんですが、具体的には、インターンシップの取り組みは職場体験としていいとは思うんですが、これだけではなくて、やっぱりたくさんの社会人の方に触れて、自分自身の今後の進路を決めるために、たくさんの大人の、社会人の意見を聞く機会をふやすことも私は大事だと思っているんですが、実際に、来年度以降の高校のキャリア教育の具体的な中身を教えていただけますでしょうか。
〇佐々木首席指導主事兼産業教育担当課長 高等学校におけるキャリア教育の具体的中身ということでございますけれども、先ほどお話し申し上げましたとおり、まず、県の教育指針というものを3月に出しまして、それから8月に手引を出したというところでございまして、高等学校においては、現在、平成23年度に向けての準備をしているということでございます。
 具体的には、キャリア教育の全体計画というものを学校に作成させまして、そして実際に全体計画に基づいて実施してもらうというふうに考えております。
 それから、委員からお話しありましたとおり、インターンシップというような、あのような体験的な学習というものがキャリア教育のすべてではございません。指針にも書いてはおきましたけれども、学校教育活動全体において、キャリア教育の視点に基づいて指導するというのがキャリア教育の指針の根幹でございます。そういうことで、日常の教科、科目の学習はもちろんですけれども、特別活動とか総合的な学習の時間等を使いまして外部講師を呼んでの講話であったりとか、あるいはOB等の講話であったり、あるいはボランティア活動であったり、さまざまな活動を通して、多くの社会人、職業人と会って、いろんな体験をするというものが重要であると考えております。そのようなことで、高校のキャリア教育は具体的に進めていきたいと思っております。
〇吉田敬子委員 最近の若い人たちは、大学を希望するけれども、その後の具体的な設計というものがなかなかできていない人も多いように私は感じておりますので、大学進学希望者に対しては、大学で何を学んで、その後どうするかというものをキャリア教育の中でぜひこれからも進めていっていただきたいと思っておりますが、教育長に、今後のキャリア教育も含めまして御所見を伺って、以上といたします。
〇法貴教育長 キャリア教育の進め方ということを考えたときに、過去、さまざまな通達とかいろんなものが出ていたんですね。それで、各省庁からさまざまなものが出てきて、岩手県の教育というのは、では、それに基づいて何をやればいいのかということで、先ほど課長から申し上げました、平成22年3月に、岩手県のキャリア教育というのはこういうものなんですということを指針としてお示ししました。そういうものに基づいて、全学校で、キャリア教育指針に基づいて計画を立てて実践活動をやっていくということですので、そういう取り組みが次第次第に定着していくことによって、キャリアとか職業観の育成とか、それから、自分が社会に出てどういう生き方をするかみたいなことを発達段階に応じて身につけていってくださればいいなと考えております。
〇三浦陽子委員 私から4点お伺いしたいと思います。
 ちょっと前後いたしますけれども、先ほど工藤委員のほうから、高校再編についての質疑がありまして御答弁いただきましたので、本県の高校の今後のあり方の検討状況については先ほどお伺いしてわかったところでございますが、その中で、中高一貫教育導入への取り組みについてお伺いしたいと思っております。
 中高一貫教育というのは、一関の中学校、高校のところでも取り組まれて、その成果もきっと出てくると思いますけれども、中高一貫教育校の特色としては、6年間接続して、6年間の学校生活の中で計画的、継続的な教育課程を展開することによって、生徒の個性や創造性を伸ばすことを目的として、平成13年度から導入されていると認識しております。このことからも、岩手県においての中高一貫教育が、より充実することを大変希望しているところでございますが、少子化における、特に中山間地域における岩手県の高校教育というものに関しては、先ほどいろいろと検討課題の中に入っていると伺いましたけれども、今のような特色を生かした教育が、中山間地域においてもっと進められるべきではないかと思っておりますけれども、その辺につきましての今後の取り組みと、それから、今いろいろ検討に入っていると思いますけれども、その辺の状況をお示しいただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 中高一貫教育でございますが、形態として大きく二つございます。
 一つは、連携型の中高一貫教育でございます。これは、中学校それから高校の設置主体が別々で、そこで連携をしながら6年間の教育を進めていくというものでございまして、本県では、軽米地区それから葛巻地区で導入させていただいております。高校あるいは中学校、地域それから行政が一体となりまして、この6年間を見据えました計画的、継続的な取り組みが行われておりまして、基礎学力の定着あるいは生徒指導の面に大きな成果を上げていると存じております。
 ただ、一方で、連携型高校でございましても、先ほど御指摘がございましたとおり、入学者の減少がやはり進んでおりまして、こういったことが一つの大きな課題ではないかと考えております。
 今一つの形態が併設型というものでございまして、これは中学校、高校、それぞれの設置主体が同じというものでございます。平成21年4月に、一関第一高校附属中学校を開校いたしております。したがいまして、高校は一関第一高校になりますけれども、設置主体はどちらも県ということとなります。来年度におきまして3学年すべてがそろうというところでございまして、建物という意味ではなくて、中学校としては、これから完成ということでございます。これから3年生が高校へ進学してまいります。その時期を迎えるということになりますので、円滑な、よく接続という言葉を使いますけれども、それがどうあればいいかということで、今きめ細やかな検討を、私ども県教委でもそうですけれども、学校でも検討をしているということでございます。
 この併設型の中高一貫教育につきまして、今後の展開について申し上げます。
 一関第一高校附属中学校でございますが、お話し申し上げたとおり、まだ出来上がって途中でございますので、完成年度もこれからということでございます。そういった導入の成果、課題等を検証しながら、今後の方向性について検討してまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 軽米町とか、今、住田町のほうでも非常に関心が高まっていると聞いておりまして、私もちょっと知り合いの方からいろいろお話を伺ったところ、高校のあり方というのは、そこの地域の活性化にも非常につながるということもありますし、先ほど中山間地域における中高一貫教育の取り組みの事例が文部科学省のほうからも示されておりまして、例えば山口県立高森高等学校と高森みどり中学校の併設とか、いろいろさまざまあると思うんですが、実は北海道のほうでも鹿追町というところの取り組みがありまして、それを参考に、住田町でもいろいろシンポジウムにその話を伺う機会をつくったと聞いておりますし、また、文部科学省のほうからも、今の中高一貫教育の現状と課題についてというお話がされたと伺っておりますが、県教委のほうとしては、その辺につきましての何か情報が─情報といいますか、それも一つの参考になるかと思いますけれども、その辺のことについて御所見をお伺いしたいと思います。
〇上田高校改革課長 委員からお話がございましたとおり、住田町の主催で、住田町中高一貫教育推進講演会という名称かと存じますけれども、講演会が開かれたと聞いております。県教育委員会からは出席はしておらないものでございますが、御指摘がございましたとおり、他県での事例発表等があったと聞いておりまして、学力面あるいは進路の面で一定の成果が出ているといったような御報告、ただし一方で、連携する高校では定員割れ、欠員が非常に多く出ていると、そういった状況についても報告があったと聞いております。
〇三浦陽子委員 先ほど工藤委員のお話の答弁に、例えば、分校は100名を下らないものとするというようなことが適正な配置及び規模に関する規定の中の法律、標準法にあると伺いましたけれども、平成22年の6月22日の閣議決定におきまして、地域主権戦略大綱というのが示されて、その中では、公立高等学校の生徒の収容定員の基準は廃止すると決定されているように思っておりますが、その辺につきまして、県教委としてはどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
〇上田高校改革課長 いわゆる高校標準法の改正についてのお尋ねでございますけれども、そのような検討がなされているということは承知しております。ただし、まだ現に、改正法案として国会に提出されているわけではございません。そういったところでは、今後の動向について注視してまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 この法律は昭和36年につくられたもので、当時の人口と今の人口では大分違っています、地域的なことも。やはりこれから地域主権ということですので、国の法がきちっと示していただければ一番いいわけですけれども、そういうことをもっともっと推進するためには、岩手県からも、国のほうに、いろいろと状況を説明して声を上げていく必要があると思いますけれども、その辺については教育長、どのようにお考えでしょうか。
〇法貴教育長 高校標準法の改正は今課長のほうからお話ししたとおりですけれども、定数の改善要望とか学級編制、さまざまなところの改善要望は、毎年、全国教育長協議会とか委員長協議会とか、さまざまな面で改善要望を出しているところでありまして、その法律がどうなるかわかりませんけれども、どういう基準が一番いいのか、それとも本当にばらばらの基準でいいのかということについても、国の動向などを十分注視してまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 実は私、1月に文部科学省のほうに出向きましていろいろとお話を伺ってまいりました。そのときに、昨年の10月から、都道府県の意見交換や幅広い方面からのヒアリングを行っていると伺いまして、岩手県からどのような声が上がっているかなと思ったんですけれども、余り届いていないようなことを伺いました。やはり文部科学省としても、もっと地域の実態に合ったことを進めていきたいという気持ちはあっても、要望がなければなかなか対応ができないという話でしたので、ぜひ岩手県からも、今の現状をもっと国のほうに、文部科学省のほうにも訴えていただきたいなと思います。これは私の要望でございます。
 いわゆる中高一貫教育の特色と、あと、いろいろこれからも課題もあるかと思いますが、これが岩手県にとっていい方向に行くことを私は望んでいるところでございます。
 では、続きまして、岩手県の文化財推進事業費につきましてお伺いいたします。
 岩手県は、郷土芸能や本当に伝統芸能の宝庫と言われておりますが、岩手県の無形民俗文化財指定の現在の状況と、今後の方向性についてお示しいただきたいと思います。
〇中村首席指導主事兼文化財・世界遺産課長 本県の無形民俗文化財の県指定の状況でございますけれども、これにつきましては、市町村教育委員会から推薦のあったもののうち、芸能の由来や伝承、演目の内容などが調査によって明らかであって、また、保存会の伝承活動も活発に行われている芸能の指定を進めてきたところでございまして、現在、24件の芸能を指定し、32の団体を芸能の保持団体として認定したところでございます。
 今後の方向性でございますが、県内では、少子高齢化によりまして郷土芸能の伝承が難しい地域がふえてきております中で、県指定を進めていくことは、地域の結びつきを強め、郷土芸能の保存、伝承の一助にもなりますことから、今後とも、市町村教育委員会などと連携しながら調査を実施して、積極的に県指定を進めていきたいと考えております。
〇三浦陽子委員 頑張っていてもなかなか継承していただけない地域もあると思いますけれども、本当にすばらしい無形民俗文化財ということで、この取り組みがどんどん広まって、少なくとも、今ある現在の文化財が消えないように守っていただきたいと思います。
 続きまして、放課後子どもプランについてお伺いいたします。
 放課後子どもプランにつきましては、国、県、市町村がいろいろ取り組んでいると思いますけれども、現状と成果と課題について、また、今後の方針についてお伺いいたします。
〇錦生涯学習文化課総括課長 まず、現状を申し上げますと、平成22年度現在、市町村におきまして、県内では放課後子ども教室は26市町村、134教室で展開されているところでございます。国及び県は、これらの市町村の取り組みにつきまして、補助金という形で支援をしているところでございます。また、県は、放課後子ども教室の指導員等に対する研修会等を実施しておるところでございます。
 成果でございますが、数字が出そろっております平成21年度の状況について申し上げますと、放課後子ども教室の実施状況といたしましては、27市町村、141教室が運営され、年間、延べ18万691人の希望する児童が参加したことで、子供たちの居場所が確保されたところでございます。また、その中では、自然体験活動、家庭学習支援、工作等の創作活動、スポーツ、郷土芸能体験、世代間交流など、地域住民の協力を得ながら、充実した豊かな体験活動を展開したことによりまして、その地域の教育力の向上というものも図られたと考えてございます。
 課題と今後の方針ですけれども、県内では、まだ公的な居場所が小学校区に確保されていないところもございますので、今後とも、放課後児童クラブを運営しております保健福祉部と連携しながら、市町村の理解を得て、安全・安心な公的な居場所の設置を促していく必要があると考えております。
 また、より多くの地域住民の協力をいただき、体験的活動や交流的活動の充実を図っていく必要があることから、PTA、婦人・女性団体等の社会教育関係団体、こういった地域の多様な方々の具体的な協力を得られるよう、県のホームページ等を通じまして、事業の周知に努めていくことが課題であると考えております。
〇三浦陽子委員 そういう子供の居場所が確保されていない地域もまだあるということですので、安全な環境、そしてまた豊かな体験ができる、そういう環境を県としても一日も早く促していただきたいと思いますし、また、PTAとか社会教育団体の方々の協力が私も必要だと思います。
 先般、岩手県の青少年会館で、課長もおいでいただきましたし、また、八重樫教育委員長にもおいでいただきまして、そういう団体の方々と交流をしていただいたと。私もその場所に少しいさせていただきましたが、この社会教育団体の取り組みについて以前にも質問をいたしましたけれども、こういう方々が半ばボランティアでやっていらっしゃると思います。そういう方々に対する施策もしっかりと取り組んでやっていただきたいと思いますけれども、その辺につきましての御所見がございましたらお願いいたします。
〇錦生涯学習文化課総括課長 この放課後子ども教室事業は、地域の方々に支えられている事業でございまして、例えば例を申し上げますと、地域の方々が郷土の料理のつくり方を教えるような取り組みをしている教室もございますし、老人クラブの人が参加して子供たちと触れ合い、昔話を語ったりですとか、そういった取り組みをされているところもございます。ですので、こういった地域の方々が属しているような社会教育関係団体、こういったところの会合等に我々呼ばれましたときには、この事業の趣旨ですとか事例などを御紹介するなどして、こういった方々に積極的にこの事業に御協力いただくように促していきたい、お願いしてまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 脈々と地域に伝わっているいろんなすばらしい伝統文化とか、また、スポーツやいろんな活動を通して、子供たちに生きる力というものを実感してもらえる取り組みというのは、これからとても大事なことだと私は思います。学校教育、そして地域の教育、家庭の教育力というのが今落ちているとは言われますけれども、親もそういうところに参加して、子供とともに教育力を高めていくということがこれから大きな課題といいますか、これからこそ必要だと思いますが、教育委員長、恐れ入りますが、その辺につきましての御所感があったらお願いいたします。
〇八重樫教育委員会委員長 今、三浦委員のお話にあった社会教育団体との懇談会といいましょうか、教育団体の発表の場に私も同席させていただきました。知事もいらっしゃいました、喜多委員、三浦委員ですけれども、ボーイスカウトとかガールスカウトとか、県婦協、婦人団体、青年団体、その他もろもろの社会教育団体の方々が、まさに岩手の子供たちを支えるために、あるいは健全育成のためにやってくださっていること、本当に私はありがたいと思っておりました。
 家庭の教育力とか地域の教育力がないと我々は一言で言いますけれども、本当にそうかと。結構、地域の力で子供たちが育っているんじゃないかなと思いますし、我々行政に携わる者も、そういう人たちの活躍、頑張っている様子をきちんと把握する必要があるし、何らかの形でバックアップする必要があると思いますし、まさにボランティアでやってくださっているので、そういう人たちの活躍、活動をぜひ我々も見守りながら、支えながら、県民挙げて健やかな子供たちを育てることは非常に大事だと思いますし、ありがたいことだと思っております。
〇三浦陽子委員 心強い、本当に教育委員会、教育委員長が、しっかりその方々の活動を見守り、支えていただくということが、皆さんにとって大きな力になると思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 そこでまた、今、いろんな経験、体験というのは必要だと思いますが、スポーツに対する県の考え方、先ほどクラブ活動などについての御所見もいただきましたけれども、総合型地域スポーツクラブというものが県内にあるということですが、その現状と成果と課題につきましてお伺いいたします。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 県内の総合型地域スポーツクラブの現状と成果についてまずお答えいたします。
 平成23年3月現在で、29市町村に67の総合型地域スポーツクラブが創設済みまたは創設準備中となってございます。
 成果についてですが、平成22年度に文部科学省が行いました実態調査の中では、住民のスポーツ参加機会がふえた、あるいは地域住民間の交流が活性化した、そしてさらには、世代を超えた交流が生まれたなどの成果を実感していると報告されておりまして、本県におきましても同様の傾向にあると認識してございます。
 課題につきましてですが、県といたしましては、平成22年度末までに全市町村に少なくとも一つは創設、育成することとしておりますが、現在、5市町村が未創設のままでございまして、早期の育成を図っていかなければならないと認識してございます。
 また、活動中のクラブにおきまして、活動をより一層充実していくためには、会員の確保、財源の確保、指導者の育成などが今後の課題として残っていると認識してございます。
〇三浦陽子委員 私の地域にも、この総合型地域スポーツクラブが開設されまして、体育協会の方々などが一生懸命頑張っていらっしゃるように見受けられますが、そことあわせて、学校の部活なんかにもそういう外部からの指導者が必要かと思っておりますが、そういうところとの連携とか、そういうものというのはあるのでしょうか。学校を中心にしたスポーツクラブのかかわりなどについてもお伺いしたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 学校の部活動の指導に関する基本的な考え方でございますけれども、基本的には、教職員が顧問として指導を行っている状況でございます。ただ、部活動に専門的な指導ができる教職員がいない場合につきましては、学校の判断で、教職員ではない地域の方々を外部指導者として依頼して、学校と連携しながら、部活動の指導をお願いしている状況でございます。
 今後におきましても、総合型地域スポーツクラブの指導者などを含めた地域の方々に外部指導者として御協力いただきまして、学校と地域が連携を図りながら、部活動の充実を図る必要があると認識してございます。
〇三浦陽子委員 学校によっては、伝統的にどこどこのクラブが強いとかというのがあって、それを何とか維持したいと思って一生懸命取り組んでいるところもあると思うんですけれども、専門に外部から入っていただくときは、例えば野球が強いとかバスケが強いとかという、いろんな分野においての、どういうところに頼めばそういう方に来ていただけるかというのがなかなか難しいところだと思うんですけれども、その辺につきましては教育委員会のほうでは何かお考えはございますでしょうか。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 指導者の紹介の機能ととらえてよろしいですね。─その機能につきましては、市町村の教育委員会あるいは県の教育委員会のほうで、スポーツリーダーバンクを持ってございます。そこで紹介することがございますし、先ほど委員おっしゃいましたように、総合型の地域スポーツクラブがそのような機能を持っていく可能性も秘めておりますので、身近な地域の指導についてのシステムといいますか、そういうものも検討させていただきたいと考えます。
〇三浦陽子委員 スポーツを通してその地域の一体感も生まれますし、子供たちも目標を持って頑張るというすばらしいスポーツの力をもっともっと発揮して、岩手県全体のスポーツ力向上につなげていただけることを念じまして、終わります。
〇関根敏伸委員 私からは、次期高校再編新整備計画につきましてお尋ねをいたします。
 先ほど工藤大輔委員からの質疑の中で明らかになった部分は、重複部分は割愛をして質問をさせていただきたいと思いますが、まず冒頭、各ブロックごとに地域住民の方々を交えながら、丁寧な次期整備計画に向けた手順を踏んでいらっしゃることにつきましては、心から敬意を申し上げたいと思いますし、ぜひ成案に向けましても、こういったスタンスの中で進めていただきたいということを冒頭申し上げておきたいと思います。
 その中で、ブロックごとに地域別懇談会、検討会議の開催回数等も示されましたが、出前説明会等も地域要望の中であったかと思います。出前説明会等も含め、どの程度のこういった会議が行われ、参加された延べ県民数、どの程度になっているのか、把握されていらっしゃればお示しをいただきたいと思いますし、また、インターネット等も通じてパブリックコメント等も寄せられていらっしゃると思います。意見提出数はどの程度になっているのか、お聞きをさせていただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 まず、意見交換をさまざまな場面でさせていただいておりましたが、その回数でございますけれども、地域検討会議、これが県内9ブロックで3回、計27回でございました。それから一般県民の方々を対象といたしました地域別懇談会を2回開催しております。これが計18回。また、御指摘がございました地域の要望に応じまして出前懇談会、これも十数回開催させていただいているところでございます。
 参加人数につきましては、地域検討会議におきましては824名の方々、それから地域別懇談会では539人、それから出前懇談会でございますが、主催が私ども県ではございませんで、地元の地域の、例えば市町村なりあるいは団体ということでございますので、正確な数字は押さえておりませんが、おおむね680人程度ではないかと思っております。合わせますと約2、000名ぐらいの方々に御参加をいただいたのではないかと思っております。
 それから、インターネット等での御意見があったのではないかという御質問でございますけれども、特にパブリックコメントということで御意見を募っているということではございません。そういうことですので、はっきりした数字とかというものはないんでございますけれども、個人的にこういったことでの意見があるといったものでお電話でちょうだいするケース、そういったもの等々はございます。こういったものにつきましては県の仕組みにのっとりまして、県政提言ということで、お答えをホームページなどでお返しをしているということでございます。
 正確な件数はわからないというお話をいたしましたけれども、いろいろな個人あるいは団体、さまざまなレベルで、恐らく10件弱ではないかと思っております。
〇関根敏伸委員 延べ2、000名近い方々の御参加のもとに、こういった意見懇談会等が進められていらっしゃったわけですが、その中で私は小規模校の扱いに限って、どういった意見が寄せられたのかを改めてお聞きをさせていただきたいと思います。
 学校規模のあり方でありますとか、学級数あるいは学級定員、こういった部分に関しての関心が相当程度あったのではないかと思いますけれども、こういった小規模校の扱いに関してどういった意見があったのか、主な意見等をお示しいただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 ただいま御紹介をいたしました意見交換の場面、できる限りたくさん設けさせていただいたところでございます。その中で、さまざまな視点から多くの貴重な御意見あるいは御提言をちょうだいしたところでございますが、小規模校に関しての御意見、非常にたくさんちょうだいしております。特に、小規模校につきましては、地域の実情を踏まえて、まず、ぎりぎりまで存続をしてほしいと。各ブロックを単位に地域検討会議、それぞれ3回開催させていただいておりましたが、その検討会議の第3回目の最終のところでは、委員の皆様から、それまで1回、2回と重ねて検討していただいた議論を踏まえて、そのブロックごとの会議としておまとめをいただいておりましたけれども、そんな部分を、先ほど申し上げました小規模校について、まず可能な限りぎりぎりまで存続してほしいといったような御意見の集約をされたブロックが多ございました。
 小規模校についての御意見ということでございますが、こういったような状況でございました。
〇関根敏伸委員 それで、これから具体的に実施計画の策定が行われようとしております。先ほどスケジュール等につきましては明らかになりましたので理解をいたしましたが、これから6月を目途に実施計画の案が示されると。案が示された後に、パブリックコメントあるいは地域懇談会等を踏まえながら9月を目途に成案に結びつけると、こういったスケジュールであろうかと思いますが、6月まであるいは9月までのスケジュールの中で、どういった作業を想定していらっしゃるのか。教育委員会内部だけの作業になるのか、あるいは全庁的な視点から高校の意義等も含め、作業部会をどう設けようとしているのか、あるいは今後の高等学校教育の基本的方向についてに盛り込まれた地域の意見を伺いながら検討するという旨の記述があったかと思いますが、これが作業等の中でどのように生かされるのか、こういった部分についてお考え等をお聞かせいただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 来年度におきましての次期計画案の策定後のスケジュールをどう進めていくかと受けとめさせていただきましたけれども、もちろん、まだ案も作成しておらない段階でございますので、詳細については今後検討を進め、詰めてまいりたいと考えております。
 特に案を示してから成案を得るまでの間の進め方についてでございますが、まず、お尋ねのありました一つ目、内部の作業はどうなるのかと、県内部という御趣旨かと存じますけれども、県教育委員会と知事部局の関係部局のそれぞれの担当課レベルで、昨年の6月になりますけれども調整会議を設けさせていただきまして、これまでも意見交換あるいは情報共有なりをさせていただいたところでございます。こういった組織がございますので、そういったチャンネルを使いながら、また、あるいは個別の課題については各部局と御相談をさせていただきながら、成案の策定に向けた検討は進めさせていただきたいと考えております。
 それから二つ目、御質問がございました地域の意見をどう反映するかということでございますけれども、まず案をお示しした後、パブリックコメント、これをできる限り長い時間とらせていただきたいと考えております。今の仕組み、規定でございますと1カ月以上となっておりますけれども、それよりも長い期間、十分にパブリックコメントの期間を設けさせていただいて、県内各地域の方々から広く御意見をいただきたいと考えております。
 それと並行いたしまして、恐らく県内9ブロックを基本単位とすることになろうかと思いますけれども、ブロックごとのその案に関しましての説明会を開催させていただきたいと。そういったところでさまざまな御意見をちょうだいするかと思いますけれども、そこでの意見交換を十分にさせていただきたいと考えております。
 成案の作成に当たりましては、こういった御意見を十分に参考とさせていただいて、成案の取りまとめを進めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 ちなみに、県庁内部で行われる調整会議にはどういった部局が参加されるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 さまざまな観点からの広い御意見をいただきたいということで、かなり広範囲にメンバーにはお入りをいただいております。
 構成の課名あるいは担当ということでございますと、まず予算調製課にお入りをいただいておりました。それから私学の関係がございますので法務学事課、交通等の関係、通学支援の関係がございますので交通課、地域振興関係がございますので地域支援室の県北沿岸・定住交流担当、産業の人材育成ということでは商工企画室、科学・ものづくり振興課、農林水産企画室、農業普及技術課、林業振興課、水産振興課、雇用の関係もございますので雇用対策・労働室からもメンバーを出していただいております。さらには、さまざまな学科等のあり方の中で福祉の関係等もございます。そういったことから、保健福祉企画室からも御参加をいただいておりました。合わせて12の課、室等で、教育委員会も合わせまして、この調整会議を構成し、意見交換なりを進めさせていただいているところでございます。
〇関根敏伸委員 まさに教育という観点はもちろんなんですが、この調整会議等において、全県的、全庁的、総合的な視点で高校のあり方、小規模校のあり方、これをぜひもんでいただきたいと思うんですけれども、それでさまざまな小規模校に対する御意見が地域から寄せられてあったんですが、その中でなるほどなと思われる声がございます。小規模校の正当な評価というのもここでする必要があるのではないかという観点がございました。積極的な小規模校の評価と役割を正当に評価し、地域に結びついた小規模校の位置づけを明確にすべきではないかと。これは本当にそのとおりだと思います。
 また、小規模校のデメリットというのは当然あるわけでございまして、先ほど来、質疑の中でも明らかになったとおり、専門教員が不足するとかあるいは部活の制約が出てくるとか、こういったデメリットをあえて理解した上で、地域として小規模校を受け入れるあるいは選択をすると、こういう地域での選択と、こういった方向もあるのではないかという御意見もあったかと思っておりまして、こういった考え方についてはなるほどなと思っております。小規模校に対しての積極的な評価と、小規模校を受け入れるということに関して、あり方に関して地域で検討し、地域で選択をすると、こういう可能性が今後どう生かされていくのか、生かされる可能性があるのか、庁内でどうもまれているのか、こういったこともちょっとお示しをいただきたいと思います。
〇上田高校改革課長 小規模校についてでございますが、確かに積極的な評価が必要ではないかといったような御意見、先ほど御紹介申し上げました地域検討会議などでもたくさん意見をちょうだいいたしました。地域検討会議を3回開催したと御説明申し上げましたけれども、その中で、平成20年になりますけれども、外部の有識者からなる長期構想検討委員会でのいろいろさまざまな視点からの検討をいただいておりまして、その中での小規模校の評価をちょうだいしておりました。そういったことで、客観的な評価ということで、こういったものについて資料として御提示をいたしまして、地域検討会議それから地域別懇談会でお示しの上で御説明、そして御意見をちょうだいしたところでございます。
 その中では、小規模校については、生徒一人一人に対応したきめ細やかな指導ができる、そして地域との連携によって進路あるいは部活動の成果など一定の業績を上げている、このような評価があったと御説明をさせていただいております。ただ、一方で、先ほど委員からも御指摘がございましたけれども、生徒の科目選択の幅が少なくなります。これは教職員の配置が少なくなるからでございますが、多様な進路希望を生徒はそれぞれ持っておりますので、そういった希望への対応あるいは学習内容の質の確保が問題になるとの課題が示されております。
   〔地震のための中断〕
 恐縮でございます。答弁を続けさせていただきます。
 ただいま申し上げたような視点も含めて、さまざま地域の方々と意見交換をする場では、資料をお示しの上、御説明申し上げたところでございます。
 ただいま委員からお話のございました、例えば地域での選択等について、そういったものが反映できるような内容でできないかという御趣旨かと存じました。これから内容について検討を進めてまいりますけれども、委員から御指摘のあった点を含めまして、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇五日市王委員長 関根敏伸委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 関根敏伸委員、御了承願います。
   午前11時48分 休 憩
   午後1時3分 再 開
〇工藤勝子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 なお、高橋高校教育課長は、地震対応のため欠席となりますので、御了承を願います。
 質疑を続行いたします。
〇関根敏伸委員 質疑に先立ちまして、今、総務部長から地震の被害状況、対応状況等のお話がございましたが、委員長にお願い申し上げたいと思いますが、今後も適時適切な時期を見計らいまして、この当局の対応部分につきまして、当委員会において御報告いただけるよう申し入れをしていただきたい、こういうことを冒頭申し上げておきたいと思います。
 それでは続けますが、午前中の質疑であらかた理解はいたしました。何度も申し上げましたが、今後の実施計画案の策定に向けて、あるいは成案の策定に向けての作業におきましては、この地域の声を十分に酌み入れながら、取り入れながら、丁寧な対応をしていただきたい、このことをお願い申し上げたいと思っております。
 最後に、八重樫教育委員長がお見えでございますので、この件について所感をお聞きしたいと思います。
 本会議におきまして、八重樫教育委員長から演述が行われたわけでございますけれども、いわゆる岩手の教育の本質と申しますか、地域というものも何度も文中に取り入れられながら、岩手らしい教育を進めていかれるといった内容の演述だったかと思っております。
 初めの部分では、このように書かれてあります。教育に求められるものとして、学びを通じて地域の活力向上に寄与していくことで、支え合う共生社会の形成を求められてきている。そしてまた、結びにおきましては、人づくりは、地域ではぐくまれる共同作業であり、これを岩手の学びのかたち、岩手の教育のよき伝統として守り、育て、受け継いでいくことが大事であると考えております。このように結ばれてあると承知をしております。
 ぜひ、教育委員長におかれましても、今後の県立高校の再編におきまして、小規模校のあり方、あるいは新計画を策定するに当たっての作業の進め方、こういった部分につきまして、この演述を踏まえた、どうあるべきか、どう作業を進めていくべきか、所感をお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
〇八重樫教育委員会委員長 午前中にも担当課長から、地域の声を十分に反映してという答弁がありましたし、私も、質問の中ではそういうお答えをしております。
 なお、さかのぼりますと、1年前に小田島委員から、東和高校の閉校に当たってのいろいろな質問もありました。閉校式に行ってまいりました。人数は少ないけれども、子供たちは、そこでしっかりと学んでいたなということを思って、手順を踏んだとはいえ、閉校するということになりますと、胸の痛む思いをしたのは事実でございます。
 でありますので、地域にとっては、やっぱり学校は中核といいましょうか、文化、集会の中心であると思います。火が消えたようになるというのも、それもまた事実です。これは、必ずしも県立高校だけじゃなくて、小中学校においても同じようなことがあるわけですので。
 ただ、子供が少なければ教育も充実できないという側面もないわけじゃないということを考えて、できるだけ住民の声を生かしながら、これは、課長と違った答えになってはまずいんですけれども、ある程度の人数がいれば、住民の声を生かしながら、何とか火が消えたまちにならないような、そういういい形をこれから皆さんの知恵をかりながらつくっていきたい、そう思っております。
〇岩渕誠委員 私からは、大きく2点お伺いをしてまいります。
 まず最初に、特別支援学校整備の状況についてお伺いしてまいりたいと思います。
 インクルーシブ教育というのが叫ばれておりまして、障がいのある子供とない子供が、同じ場でともに学ぶことができるという方向には進んでいる。また、そういうような整備を進めている一方で、やはり、特別支援のあり方としては、そういう学校というものも当然必要になってくるという中で、いろいろ整備を進めておられると認識しております。
 私は、県議会議員になって初めて、特別支援学校にちょっとお邪魔をさせていただいたときに感じたんですけれども、特別支援学校においては、やはり、ほかの一般の学校に比べて教育環境が非常に悪いということを以前にも御指摘しました。図書館だったところから、本を廊下に出して、そこに子供が入っている、あるいは、教室をカーテンで間仕切りをして、同じ教室で二つ学級があるというような非常に環境の悪いところでやっているなというところがあったわけでありますが、現在、そのように教室不足というものが岩手県内においてどの程度まだ残っているものなのか、まず、その現状についてお聞かせいただきたいと思います。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 特別支援学校の教室不足の状況と受け取りましたけれども、現状につきまして、まず、お話しいたします。
 現在、特別支援学校は、県立でございますが14本分校ございます。その中で、私たちの調査では、9校について教室不足の状況があります。その中で、うち3校については、その数が多いということで、深刻といいますか、そういう状況になってございます。
 それにつきましては、これまで可能な対応を図ってきておりますし、それから、やはり今後の在籍児童生徒の推移というものが大きくかかわってきていることでもございますので、それについて、今、今後の推移について計算をしたり、あるいは、御承知のように、今、国の制度改革が動いておりますので、その辺の状況等も十分踏まえまして、今後は、そういう基礎資料をもとにして、全県的な視野に立って、計画的に整備していくよう検討していかなければならないと考えているところでございます。
〇岩渕誠委員 具体にお聞きしますが、今、現状で、岩手県内で、この特別支援学校の中で教室不足しているのは何教室、そして、今、特にひどいとおっしゃった学校はどことどこで、それぞれどれぐらいの不足数があって、現状どういう対応なのかお示しください。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 不足数は、全部で68教室でございます。
 68教室については、どういうふうにしているかといいますと、まず、間仕切りによって教室数を確保している状況、それから、特別教室を通常の教室に転用している方法、それから、人数が少ない学級につきましては、2学級を一つの教室で使っている方法という形で対応しているところでございます。
 それから、3校といいますのは、一関清明支援学校の本校舎、前沢明峰支援学校、そして、盛岡みたけ支援学校でございます。
〇岩渕誠委員 その三つにつきましては、恐らく不足教室数は2けたあるんだと思いますけれども、この三つの学校の教室の不足数について、今後、具体にどのような形で解消を進めるつもりなのか、お示しいただきたいと思います。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 非常に大きな問題でございますけれども、まず、今、具体的に進めているものにつきましては、御承知のとおり、前沢明峰支援学校と一関清明支援学校の2校につきまして、一関清明支援学校に、一関地区の知的障がいの高等部生徒を受け入れるということで、それで課題を解消すべく、現在、校舎整備に入っているところでございます。
 それから、盛岡みたけ支援学校につきましては、今般の冒頭の代表質問にもございまして、お答えしたところではございますけれども、今後、盛岡地区の実情、盛岡地区には複数の特別支援学校がございますので、その辺との関連も含めて、大きい校舎を建てることで必ずしも解決するのかどうか、あるいはもっと受け皿を用意するほうがいいのか、その辺も含めて検討してまいりたいと思っているところでございます。
〇岩渕誠委員 いずれ、教育を受けさせる義務と教育を受ける権利というものがございます。言うまでもありませんが、その観点で、障がいを持つ子供さんたちが不利益にならないようにといいますか、私は、環境的に今、非常に不利益な状況だと思っておりますので、整備を進めていただきたいと思いますが、特にも、その一関清明支援学校につきましては、教育委員会の御英断もありまして、校舎整備のほうが進んでおりますことには、大変感謝を申し上げたいと思います。
 今もお話がありましたけれども、前沢の過密な状況をカバーするという形で、一関のほうに来年4月に高等部の開校ということになるんですが、これは余り知られていませんけれども、今度のその高等部というのは、東北で唯一の4障がいに対応した高等部とお聞きしております。これは、全国的に見ても、4障がいを受け入れる高等部というのは、極めてまれなということだと思います。
 それゆえに大変期待も大きいわけでありますけれども、実際に今、中学生を持つ親御さんからすれば、高等部ができるそうなんだけれども、具体にどういうものができて、一体その4障がいと言うけれども、どこまで対応してくれるんだろうかと。その内容、カリキュラムについては早く示していただきたい。場合によってはそこにも行くし、あるいは普通高校に行って頑張りたいと。それにしても見きわめがつかなければ何ともできないんだ、こういうことなんでありますけれども、その辺の内容については、いつごろまで、どういう形でお示しをするおつもりなんでしょうか。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 一関清明支援学校の本校舎の整備につきましては、平成23年度─次年度でございますけれども、増築部分の工事を行うこととしておりまして、そして、引っ越しに十分な準備時間が確保できるように、可能な限り早く完成させて、準備をしたいと考えています。
 それから、知的障がいを対象とする高等部課程が開設するわけですので、やはり、そこには特色を持った学校にしていくということが重要でございます。そこで、担当教員が専任で準備に当たることができるように、来年度、加配の教員を配置する予定にしているところでございます。
 そして、県教育委員会と当該校とで推進体制とスケジュールを既に2月に確認しておりまして、例年、学校説明会や体験入学等が行われる時期がちょうど夏休みころになります。そのあたりには、学校関係者、保護者等にきちっと学校の内容を周知するように、そして、円滑な開設に向けた準備を進めるように予定しているところでございます。
〇岩渕誠委員 中教審の初等中等教育分科会の特別支援教育のあり方に関する特別委員会の論点整理を拝見いたしますと、この障がいのある児童生徒の就学決定については、これからは、保護者とか、あるいは本人の意向を酌んだ形で、非常に丁寧に決めるということがうたわれております。
 しかしながら、丁寧にやるということは、当然時間もかかることですから、今おっしゃったような夏休みごろでいいのかどうか、あるいはもう少し、決められるものをもっと前倒しにしないと、私は、丁寧に自分たちの思いを酌んだ形での就学決定ということを考えますと、できるだけ早くやっていただくのがいいかと思います。そのことをお聞きしたいと思います。
 一方で、この4障がいに対応するということ、それから、前沢に今まで行っていたところを引き受けるということになりますと、非常に広範囲から今度は高等部のほうに集めるという格好になるんですが、実は、これはどこの特別支援学校でも同じことでありますけれども、保護者の皆さんの最大の悩みというのは、やはり通学の送り迎えですよね。ここについてきちんとしないとなかなかいいような形にいかないと思うんですが、この辺はどのようにお考えでしょうか。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 もう少し早く準備を、周知を図ったほうがいいという御質問でございましたけれども、細かいスケジュールになりますが、6月あたりには、それぞれの関係機関等に周知をしたいと。そこから情報を保護者、あるいは現在在籍している学校のほうに確実に流すようにと予定しているところでございます。
 それから、二つ目ですが、広範囲の生徒が集まってくるということに、これも私たちは想定しているところでございます。特に知的障がいの高等部の生徒の人数が結構多いですので、通学範囲も広くなってくると想定しておりまして、これにつきましては、現在、一関清明支援学校で通学バスを運行してございます。それにつきまして、もう一便拡充できないかというところで、これも当該校と一緒に準備の段階で詰めていくという項目の一つにしておりますので、それについても十分検討してまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 ぜひ万全を期していただきたいと思うのですが、そこで確認をさせてください。その広範囲という中には、岩手県の子供さんたち以外、宮城県の子供さんたちも受け入れる用意があるのでしょうか、ないのでしょうか。今、現状では、宮城県からの生徒を受け入れていると承知をしておりますが、この高等部においては、どのような対応になるのでしょうか。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 他県の生徒さんを受け入れるということにつきましては、これは、その該当の県と私たちとの十分な話し合いがまず基本になります。それで、それが必ず必要なのかどうかということの視点に立って、そして、やはりその子供さんのことを第一に考えて、お互いに受け入れるような状況もつくっているということでございます。
 したがいまして、県南にある一関清明支援学校につきましても、そういうケースがあった場合には、ケースごとに対応していくということで、何回も申しますが、子供のことを考えた対応をやはりしていきたいと思います。
〇岩渕誠委員 教育に県境はないと思いますので、ぜひ、そこは広い気持ちで取り組んでいただきたいと思いますし、岩手県の対応については、今までもそうだったと思います。非常に度量の広いところだと思いますが、翻って、宮城県では、岩手県から必要があって特別支援学校に通う場合に、極めてハードルの高い措置を求めております。すなわち、通学したければ、住所を変えて宮城県の学校に入れなさい、こういう指導がまかり通っております。これは4年前から指摘をしておりますが、依然、宮城県はかたくなな姿勢に終始をしております。
 教育のことでございますし、ましてや社会的な弱い立場にある方の教育という観点からすれば、岩手と宮城、あるいは反対側の県境の青森ということでも、やっぱり機会均等ということを、この際、宮城県に強く申し入れをしていただきたい、このように思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇鈴木首席指導主事兼特別支援教育担当課長 今の御指摘につきましては、以前にもお話いただいているところでございますけれども、各県において、教育環境がやや、それぞれ違っておりまして、画一的にやっていくということについては、まだ、いろいろ整備上の課題もあるということは踏まえなければならないと思っております。
 やはり、一昨年でしたか、私も宮城県の教育委員会のほうに実情をお話しする機会がございまして、じかに行ってきたところでございますが、やはり現時点では、宮城県では、住所を移していただく、その上で入っていただくという形にしているということでございましたので、これらについては、私ども、青森県との関係は結構良好でございますので、その辺のところで、こういうことで私たちはやっているのでということで、御説明申し上げてきたところでございます。
〇岩渕誠委員 ぜひ、その辺は広い心に立って、解決の道を働きかけていただきますよう要望したいと思います。
 それでは、次に、県立中学校の整備についてお伺いいたします。午前中、中高一貫というお話の中でややお話が出た部分もありますが、改めてお聞かせをいただきたいと思います。
 県立の一関一高附属中学校につきましては、新年度で全学年がそろい、学校経営もいわゆる通常の形になろうかと思いますが、これまでの成果、そして課題について検証するというようなお話がありましたけれども、現状でどのようにとらえておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 3年生まで全学年そろう中で、これまでの成果と課題ということのお尋ねでございますが、県立一関一高附属中学校において、学習面では、特色ある教科の開設として、思考力、判断力や応用力を育てる教科、あるいはコミュニケーション能力をはぐくむ教科の開設をしております。また、生活面では、中高一貫ならではの中学校、高等学校合同の異年齢集団による諸活動を通して、豊かな人間性をはぐくんでいるところであります。
 このような取り組みによって、遠くから通う生徒もいる中、不登校などの生徒指導上の問題は起こっておらず、生徒は、日々の学習や生活に意欲的に取り組み、落ち着いた雰囲気の中で学校生活を送っております。
 また、課題についてでございますが、平成23年度は3学年がそろい、初めて高校に進学することもありまして、中高一貫教育の趣旨、接続という観点から、円滑な高校生活に結びつけることなどが、課題として挙げられております。
〇岩渕誠委員 私も、地元でありますのでさまざまお話を聞いておりますけれども、中高一貫という中で、前半部分ではありますが、生徒たちも意欲的に取り組んでいるということで、学力的にも極めて高いレベルが維持をされ、また、成長しているというように聞いておりますので、ぜひそこは伸ばしていただきたいと思うんですが、今、お話に出ませんでしたけれども、全学年がそろうということでありましたが、やはり、前も本会議で指摘をしましたが、これは、体育授業、部活動の問題、まだまだ解決をしていないということだと思います。
 おかげさまで、新年度予算では、中学校の体育館の建設ということに踏み出すことになりましたことは、これは、非常に心より感謝するところでありますけれども、ただ、1年間については、この大変な状況というのは変わらないわけでありますし、むしろ、今までよりも、人数が80人ふえるということで、体育の関係、それから部活動の関係は、非常に課題を多く抱えながら1年経営をする、こういうことになろうかと思うんですが、この辺については、どのように問題を認識し、どのような解決策をとっていかれるおつもりか、お示しください。
〇多田首席指導主事兼義務教育課長 体育館については、今、建設整備中ということでございます。その間、増加した体育についての授業ということでございますが、高校の授業との調整を図りながら、それから、場所等についても、アリーナの使い分け、それからグラウンドの、校庭の使い分け等、工夫しながら、やりくりしながら、その部分について、完成まではそのようにクリアしていきたいと考えております。
〇上田高校改革課長 ただいま義務教育課長から学校の体育の授業に関してのお答えをさせていただきましたが、私は、部活動についてお話を申し上げたいと存じます。
 やはり体育館は、高校生と、特に中学生とが共同でクラブ活動ということとなりますと、競技によりましては、体格なり、あるいは技量なりにかなりギャップがございました。特に中学校1年生、2年生ということでございましたので、そういったことで、なかなか中高一緒になった部活動等について、もちろん一緒にやれることでのメリットは多くございますけれども、実際面ではなかなか課題が多く、その課題も一つ一つ解決しながら今まで進んできたと聞いております。
 根本的には、先ほど御指摘がございました、新しい中学校の体育館、これは2階建てになるものでございますけれども、建設のめどが立っておりますが、この間につきましては、やはりクラブ活動で必要な、特に中学生が専用で使うということが必要な場合がございますので、他の体育施設等をお借りする、あるいは、同じ県立でございますので、一関清明支援学校の体育館にあいた時間がございます。特に、放課後の部活動ということでございますので、そこの体育施設をお借りしながら部活動を進めているところでございます。
 なお、一関清明支援学校までは距離がございますので、そこの足として、バスを一関第一高校に配置いたしまして、中学生の安全な移送といいますか移動に関しても、そういった状況を確保しているというところでございます。
〇岩渕誠委員 依然として、放課後の教室をやりくりして卓球部などはやるというのがまた1年続くんだろうと思っております。ぜひ早期の解消をお願いしたいわけであります。
 私が何でこの問題をずっと取り上げてきたかというと、やはり併設型中学校、この2校目をどうするかという議論が今後あることを想定して申し上げるのでありますが、やはり、走り陣立てというのはいろいろありますけれども、学校の開設に当たっては、しっかり陣を立ててやらないと、結局、子供たちがそういう苦労をするということになるわけですよ。
 やっぱり今回の一関一高の併設型中学校について、いろいろな議論があって、成果が上がっていること、それは確かに大事なことなんですが、根本部分として言えば、学校整備をどうするかというところの設計図がないままに、ちょうどあそこは建て直すからどうなんだというような話の中で進んできたのが実態だったのではないかと思います。
 やはりグランドデザインというものをきちんとかいた上で整備を進めないと、結局しわ寄せが教育現場に行ってしまう。こういうことは、もし2校目の併設型中高一貫を検討されているのであれば、ぜひ、大いに反省材料にして学んでいただきたいと思うわけでありますが、御所見があれば、教育長、お願いしたいと思います。
〇法貴教育長 学校を開設するというときには、必要な環境整備というものは必ずあるわけでございまして、たまたま走りながら考えたという形になっているわけですけれども、これを反省材料にして、中高一貫校だけに限らず、学習環境の整備については、しっかりとした対応をしてまいりたいと考えています。
〇岩渕誠委員 いずれそういう中で実際に進んでいるわけでありますが、最後、結局ここで育った子供たち、1期生が、1年後には高校生になって、いよいよ本当の中高一貫の成果というものが、どういう形であらわれるかというのが問われるわけであります。
 その中で、開設のときに内進生、外進生の扱いについて、これは取り決めといいますか方針があったと思うんですが、場合によっては、やはり一番教育成果が上がる形でカリキュラムあるいは編制を見直すということも、これはある程度必要なんだろうと思うんですが、現状でどのようにお考えなのか、最後に聞いて、終わります。
〇上田高校改革課長 お話がございました内進生と外進生という言葉を使っておりますけれども、附属中学校から引き続き高校に進学する者を内進生、それから、試験を受けまして高校から入る者を外進生と呼んでおりますが、高校進学後の体制といたしまして、この内進生と外進生、別々のクラスとしていくクラス別型、それから、一緒にいたしまして新たなクラス編制をしていくという混成型、こういったようなやり方が二つございます。
 どちらがいいということに関してはさまざま御議論あるところでございますが、本県におきましては、この内進生と外進生が分かれることなく、学習あるいは学級活動、学校行事、部活動等においても、同一の環境のもとで、生徒が社会性をはぐくみながら、お互いに刺激し、高め合うことが期待できる、そういった混成型のほうが適正であると考えております。
 この考え方につきましては、議会、特に委員会等でも御説明をさせていただいたところでございますし、進学していただく生徒さん、それから保護者の方々に対しましては、学校の説明会の機会がございますので、そういった内容についてはお伝えしているところでございます。ここは詳しく御説明させていただいております。このため、生徒の方々あるいは保護者の方々については、こういった方針については御理解をいただき、その上で御入学いただいているもの、このように承知をしているところでございます。
〇久保孝喜委員 それでは、私からは1点だけ、県立高校再編についてお尋ねいたします。既に午前中来の質疑で私の通告した分はほとんど回答をいただいておりますので、関連して何点かに絞ってお聞きしたいと思います。
 冒頭説明、いろいろ質疑の中でもありましたように、県内で行われた9ブロックの地域検討会議や懇談会には、大変たくさんの県民の皆さんが参加をされた。その点では、非常に意味のあった取り組みだったと思っております。
 私の参加したある懇談会では、県教委が用意した資料が大幅に足りなくて、コピーをし直すとかという事態もございましたように、大変県民の関心が高い課題であることは間違いないわけです。
 先ほど来、こうした県民の声というものを一定の集約をされたお話がございましたが、検討会、懇談会ともに、集約されたものを今度の計画策定に生かすという説明がなされているわけですが、先ほど整理された3点ないし4点の課題が、そのまま計画策定のポイントということには当然ならないわけでしょうが、計画をつくる際に、こうした声をもとにして、何をポイントにしてつくろうとされているのか、まず、そこからお尋ねしたいと思います。
〇上田高校改革課長 ただいま委員からお話がございましたけれども、今まで地域の方々との意見交換なり、そういったことをさせていただく機会を数多く設けさせていただいたところでございました。
 その中でもさまざまな意見がございましたけれども、特に地域検討会議でお取りまとめいただいた中では、地域のセンター校の機能の維持、あるいは小規模校の存続、専門学科の充実、それから、さまざまな課題を抱える生徒への対応、そういったような取りまとめをいただき、各ブロックの会議の中での検討の大体総括的なまとめとして、私ども受けとめさせていただいているところでございます。
 こういった御意見はもちろん十分に参考とさせていただきながら、今後、どういったポイントでというお話がございましたけれども、次期計画を策定してまいるかということを検討してまいりたいと考えております。
 ただ、基本となりますのは、少子化が進むのはちょっととめることはできませんので、こういった少子化が進む中にありまして、子供たちにとってよりよい教育環境をどのように提供していくかということが、一番大きな視点だと考えておりまして、このような考え方のもとで、計画策定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 少子化の問題は避けて通れない課題であるということの認識は非常によくわかるわけですが、私も参加させていただいた検討会議なんかの議論で、今回の再編計画の中で、当然、該当するであろう高校を抱える市町村の首長さんたちの発言というのは、非常に重いものがあったと私は思っています。
 特にも、その地域の高校がなくなった場合の、今お話のあった子供たちの教育権の問題もさることながら、一方では、さまざまな教育以外への波及というものを、非常に危機感を持って受けとめていると私は感じたんですが、その点では、県教委は、教育以外の部分への波及ということを、これらの検討会議、懇談会などを通じてどのように受けとめたのか、その点をお聞きしたいと思います。
〇上田高校改革課長 委員御指摘のとおり、特に市町村を代表する方々からの御意見をたくさんいただいた中で、高校がなくなることによります、特に地域の活性化への影響といったことが懸念されるといった御意見をたくさんちょうだいしたところでございます。
 私ども教育委員会といたしましては、やはり子供の教員環境を第一に考えるという基本的な考え方をしておりますけれども、さまざまな要素が、こういった高校の配置を考える場合には出てまいろうかと考えております。
 そういったことでは、先ほど御質問がございまして、お答えを申し上げましたけれども、さまざまな視点からの議論を深めるということで、庁内の調整会議等も設置しているところでございまして、さまざまな御意見なり御提言をいただきながら、計画を策定してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 答弁としては非常に不満なんですが、次に移りますが、そういう庁内の検討で、先ほど答弁あった12課室の広い部局横断での政策調整をしながら計画策定をするということについては了解いたしましたけれども、1年間にわたる2、000名を超える方々の声の中で、かなり先ほどの市町村長さん方の危機感というものも感じましたが、その中で言われたものに、やっぱり地域の経済損失という言葉があって、私はどきっとしたんですね。つまり、高校が持っている価値あるいはその役割ということを考えるときに、教育的環境の問題だけじゃなくて、まさに地域の中の経済損失という観点をきちんと入れないととんでもないことになる、そういう話をされた方があって、これはすごいことだなと改めて感じたわけなんです。
 考えてみると、小規模校が仮に再編の対象になった場合の通学の問題、あるいはそれに要するさまざまな経費の問題、県民所得がこれほど低迷している中にあって、計画によっては、いわば家計支出をどんどんふやさざるを得ないということも想定されるわけですね。
 したがって、そういう意味では、その点の直接の経済損失もありますが、もう一方では、お話のあった活力、子供たちの姿が見えなくなるという有形、無形の損失というものも、実はかなり重いものとして地域では考えられているということだろうと思います。
 そこで、かつて本会議で知事の答弁にあったんですが、地域に高校がなくなる場合には、家計にとって無視できないような負担ということがあり得るという答弁をされておりました。
 この問題は、これまでも、この高校再編の問題を語る場合にたびたび持ち出される課題でありますけれども、県教委として、こういった観点で、例えば高校生を抱える家庭の家計支出、あるいはその中の通学費とか下宿料とかを含めてどんな推移になっているかということを、実態把握に努めたことがあるのでしょうか。あるいは、第1次の高校再編の結果を受けて、そうした観点で検証されたという実態があるのかどうか。そして、さらに言えば、今回の新たな計画策定の際に、そういう県民負担に関してどういうスタンスで臨もうとしているのか、ここをまとめてお尋ねしたいと思います。
〇石川教育企画室企画課長 高校生のいる世帯の家計支出の実態についてでございますけれども、県内の高校生の子供を持つ世帯の家計支出を網羅したような統計はございませんが、関係する指標といたしまして、総務省が実施しております全国消費実態調査のものがございます。
 この結果によりますと、本県在住の夫婦と子供1人で、その子供が高校生という世帯の1カ月当たりの教育費について申し上げますと、平成16年が2万8、292円であったのに対しまして、平成21年につきましては3万4、895円となっておりまして、6、603円増という形になってございます。
〇工藤勝子副委員長 済みません、県民負担についての答弁も。
〇上田高校改革課長 第1次高校再編─いわゆるでございますけれども、その期間なりを通じまして、例えば、家計支出にどのような影響があったかということにつきましては、算定とかが非常に困難であろうとは思います。私ども、そういったことに関してのデータは、持ち合わせておらないものでございます。
 それから、お尋ねがございました計画策定に当たっての、特にも、例えば家計負担とかということから見たスタンスはどうかというお尋ねかと存じます。
 例えば通学費について、やはり家計の負担が大きくなる。例えば、学校の統合等が前回の再編計画に基づきまして行われたわけでございますが、その際には、例えば、地元で通学バスを走らせる必要があるといった場合には、地元市町村とお話し合いをさせていただきまして、現在、その運行経費の2分の1に関して補助を行っているというところでございます。
 これは、私ども、本県の県土は非常に広うございます。そういった中で交通事情が、非常に恵まれているところもございますけれども、そうでないところもやはりたくさんあるということから、通学がなかなか難しい、困難になるという事情を勘案いたしまして、このような支援をさせていただいているということでございます。
 今後の計画づくりのお話でございますが、その中では、そういった生徒に対しての、例えば通学とかの支援についても、ぜひ、可能な限り具体的に盛り込んでまいりたいとは考えておりますが、例えば、経済的な理由によりまして高校への就学といったものが制約を受けることがないよう、まず、学校、学科の配置について考えてまいりたいと思っておりますし、また、通学費等の支援のあり方についてもあわせて検討してまいり、可能な限りでございますけれども、計画の中に盛り込ませていただきたいと考えております。
〇久保孝喜委員 今、家計支出の問題で数字を示していただきましたけれども、この5年間でもかなりふえているということですよね。同じ統計から、各県の県庁所在地の家計に占める教育費の割合を示したランキングがあるんですが、その中では、例えば、岩手県の場合は盛岡市ということになりますが、盛岡市の高校生がいる家庭の家計支出に占める教育費、これが全国の都道府県県庁所在地の中でトップなんですよね。つまり、それほどに教育費の中、特にも高校生の問題は、私は、地域経済という観点からしても非常に大きな課題になっているんだということを改めて感じさせられているわけなんです。
 そこで、こうした高校再編にかかわって、地域経済やそういう家計支出の問題を無視できない要素としてとらえていくために、上田課長の答弁の中に就学支援という言葉がありましたけれども、従来の支援とは違う枠組みで新たな計画の中では考えるというようなことがあるのかどうか、その辺の腹づもりを含めてお尋ねしたいと思います。
〇上田高校改革課長 さまざまな方法が想定はされるものだと存じておりますが、すべて、やはり予算措置等の裏づけがありまして初めてそういった施策、事業なりができるものだと考えております。そういった意味では、さまざまな面での調整とかを経た上で、そういった事業あるいは取り組みの具体化を進めてまいらなければならないと考えております。
 さまざまな方策があるだろうというお話はさせていただきましたけれども、現在行っております通学バスを地元で運行した場合に対しての補助、これを基本と考えさせていただきたいと思いますが、これに限らず、先ほど申し上げましたさまざまな方策がございますので、そういったものを総合的に考えさせていただいて、それで、先ほど申し上げた必要な調整はございますけれども、できる限り、その具体化に向けて努力してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 さまざまに総合的に考えていただきたいと思います。
 ちょっと違う観点で、もう一つお尋ねしたいと思います。
 今回の再編計画に限らずですが、学校標準法の問題とこの再編計画というのは密接な関係にある。しかも、この標準法のとらえ方、受けとめ方についても、この1年間、各地域でいろいろな声が上がっていたわけですね。言うまでもないことですが、人口密度の低い岩手県、全国で2番目に低い岩手県、そして、過疎地域を多く抱える岩手県が、全国一律の標準でいいかどうかというその論点は、午前中来、何人かの委員の方からもお話がありました。私もそう思います。
 そこで、標準法という一定の制約のある法律に基づいて高校再編を考えると、どうしても再編縮小の方向に当然向かざるを得ないという環境があります。
 しかし、先ほどの教育委員長のお話にあるように、一定の規模の人数があったら、そこに高校がある、学校があるというようなことが望まれているということは、一方で厳然としてあるわけですね。地域の声もそうです。
 そこで、そうであるならば、岩手県として、あるいは教育委員会として、この学校標準法なるものに対してどういう意見具申をしてきたのかということが、実は問われるわけですよね。
 その点に関して一部質疑がありましたけれども、過疎地域を多く抱える岩手県が、この標準法に対してどういう態度あるいは国に対する要望を行ってきたのか、改めてお聞きをしたいと思います。
〇法貴教育長 標準法というのは、教職員の数、あるいは学級編制のやり方などについて取り決めがあるわけですけれども、従来から、職員の定数改善について充実を求める要望、あるいは学級編制についても、さまざまなところから少人数学級などの取り決めなどを入れてほしいということもありまして、かろうじて義務教育では、少人数学級の方向に向かっているということもあります。
 いずれ、機会をとらえて、実情に合ったような学級編制ができるものかどうか、それは、教員の数も含めてやっていけるかどうかということについては、十分国の制度とも照らし合わせてやっていかなければいけないこともありますので、そこについては、先ほど三浦委員からは、岩手県の部分は全然意見がないのではないかみたいな話をされたんですけれども、文部科学省から、教育委員全員から、それから高校の重立った校長先生から意見を聞きたいという話もあって、それをペーパーで出してくれという話がありましたので、2月中だったんですが、そういうところで、各委員からは、地域の実情に応じたような学級編制ができるようなこともあるべきじゃないかという意見も出されているところでございます。
〇久保孝喜委員 意見具申はしているということなんですが、しかし、それが、今回の一連の地域の話し合いの中でも、例えば標準法という法律が国においてある、それによれば、こういう学校規模、学級規模になっていくんだという説明はあっても、それに対する県としての姿勢が全く示されない中で、地域からは、そういう一律の基準をもとにしてだけ話をしていいのか、県としては、県教委としてはそれでいいんですかという問いかけが、何度も何度も繰り返し出されたわけですよね。したがって、だから私は聞いているわけですよ。県教委として、あるいは県として、国に対してそういう働きかけはなかったのか、こういうことなんですね。
 そういう課題認識にかかわって言えば、同じように過疎地域をいっぱい抱えている県で、実は、過疎地域の小規模校における教育環境の整備について、提言をまとめて国に出している県もあるわけですよ。これは、例えば今年度から新たな過疎法の延長がありましたけれども、そういう法律の改正に伴って、県として取り組んで、提言書にまとめて出している県も実はあるわけなんですよね。そこでは、小規模校で、なかなか現在の国の基準では維持しがたい部分があると。しかし、それを守りたいから特別な措置を求めるというような提言なんですね。
 そういう姿勢が見えればこそ、私は、地域の中でも、これからの学校をどうしていくかという議論がもうちょっと一歩深まるのではないかと思ったものですから、お聞きしているわけです。
 したがって、岩手県が持つ特性である人口密度の問題や中山間地が多いという実態を踏まえて考えると、この国の持っている法律と県の実態との乖離というのは明らかなわけですから、その点を教育委員会こそ発信をすべきだろうと私は思うんですが、その点に関して、最後に教育長の見解を求めます。
〇法貴教育長 学級編制基準のことについては、さまざまな御意見があるし、どういう教育が一番いいのかということにも、さまざまな議論があるわけでございます。
 その中で、一応のスタンダードというものがなければ、どこから発射点にすべきかということも、また一つの理屈もあるわけですので、一応の基準として、今のところは標準法というものがあるわけです。
 その中で、すべてをそのままやっていくかどうかということについては、それは、やはり地域の実情を十分踏まえて、それを参考にしながら案をつくり上げるという姿勢にしておりますので、ぜひとも40人学級、35人学級が、絶対40人学級なんだ、35人学級なんだと、今のところでスタンダードは40人、それから、望ましい学級規模は4から6ですよという有識者の話を聞いて、それをスタンダードにしてお話を続けているわけですので、今後、計画策定する場合については、そういうさまざまな意見があったことを踏まえて計画を策定していくというふうに考えております。
〇郷右近浩委員 私からは、多目的屋内練習施設について若干教えていただきたい、質問させていただきたいと思います。当該委員でもあり、また、今定例会においては一般質問、そして、常任委員会での質疑等させていただきましたが、その中で、やはり納得のできない部分、それから理解がちょっとできていない部分がありますので、その部分について質問させていただければと思います。
 そもそも現在、基本設計、実施設計の期間ということでありまして、そうした中でありますが、現在の進捗状況、そして今後のスケジュール等について、どのようになっているか、まずお伺いさせていただきたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 現在の進捗状況及び今後のスケジュールについてでございますが、現在、基本設計がほぼ終了した段階、実施設計に取り組み始めているところでございます。
 また、実施設計につきましては、この6月末までに完了いたしまして、その後、工事契約の締結に向けて準備をしていくこととしてございます。完成は、平成25年8月末を予定しているところでございます。
〇郷右近浩委員 先日、常任委員会の質疑の中でですけれども、基本設計につきましては、先月の末をもって大体提出されるであろうというような形の答弁をいただきまして、その後、私は、その設計図を拝見させていただきました。
 もちろん、外側のパース図的なものも若干拝見させていただいたわけですけれども、それは、これまで私を含め数名の議員で主張してきたような、この岩手の県産材であり、そして木材を使った、岩手らしい、そうしたものを配慮に入れていただくような施設とはちょっとほど遠い、物すごく近代的なすばらしい施設ができるであろう、そうしたような図面でございました。
 そうしたことにおいて、私自身の確認でございます。午前中の樋下委員の質疑でも出てありましたけれども、結局、この基本設計から実施設計、この中で、どのようなところまで変化ができるのか。樋下委員の質疑に対しましては、結局、実施設計のところでの例えば木材の使用割合等が出てくるといったような説明ではございましたけれども、この基本設計が変更する点とかというものも出てくる可能性があるのか、基本設計はもう基本設計として、あくまでその中に、例えばオーバーラッピング的になり木材を使う、そういったような考え方であるということなのか、その点についてお聞かせ願いたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 実施設計の中でどの程度まで変更が可能かということでございますが、レイアウトあるいは諸室の編成、それから持っている機能についてはそのまま、基本設計どおりということになります。また、加工につきましても、基本設計のとおりにいくことになります。
 したがいまして、諸室でどこにどのように木材を使っていけるかというレベルの実施設計段階での調整が可能であるということでございます。
〇郷右近浩委員 改めて確認します。ということは、もう完全にあの躯体であったりとか、例えば業界団体、木材のさまざまな産業にかかわる方々が求めてきた屋根材等に木材を使用する、そうしたようなものということは、もうこれで考え方としてはなくなったということでよろしいでしょうか。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 躯体構造につきましては、基本設計のとおりでいくということでございます。
〇郷右近浩委員 それは、屋根材も躯体に含まれるということで考えてよろしいんですね。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 屋根材と申しますと、屋根の覆いにつきましては幕構造になりますが、はり部分の加工部分につきましては、鉄骨造ということで基本設計を上げてございます。
〇郷右近浩委員 そうしますとなかなか、平成21年9月、12月定例会あたりから、さまざまな議員から、木材の使用をなるべく高めてほしい、もしくは躯体までといったような、そうした部分が、結局は何の形にもならなかったということで、とても残念な思いでありますし、本来であれば、まだまだ何とかなんていうことで、実はこの場でもお話ししたいものではありますけれども、では、そうした中でですが、なぜそのような形になったか、ちょっと教えていただきたいと思います。
 といいますのは、多目的室内練習施設等整備基本構想検討委員会、こちらのほうで3カ年ほどの練習期間を準備したい、使用期間を準備したいということでこのような方向性になっていった、そうしたことで私の認識としてはとらえております。
 しかしながら、そもそもこの計画自体のスタートが遅かった、その中でさらにおくれる要素がいろいろあった。そうした中で、どうしてもこの3カ年というものにこだわらなければいけなかった理由、そうしたものについてお聞かせいただければと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 この施設につきましては、選手強化あるいは競技力向上を主とする目的の施設でございまして、できるだけ早期に整備して、国体選手強化本部が選手強化の飛躍期として位置づけている国体開催前3年間の利用を目指したために、この3年間ということになってございます。
〇郷右近浩委員 せっかくつくる施設でございます。そうした中で、一体どのような種目が使用できる施設として目しているのか、その点についてお知らせください。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 どのような種目ということでございますが、一つは多目的屋内練習施設、ドームのかかったほうのグラウンドでは、国体競技で言いますと、正式のコートがとれますのがサッカー、ソフトボール、テニス、ホッケーというところになりますし、正式なサイズにはなりませんけれども陸上競技の100メートル直走路、あるいはラグビーの練習、野球の練習というものができまして、屋外競技につきましてはほぼカバーできると考えてございます。
 さらに、この施設にはスポーツ医科学機能を持ったセンター機能を持たせますので、そのセンターにおきましては、すべての競技種目の競技力向上が図られることになってございますし、さらに、その施設には、バスケットコート1面のサイズではございますが、体育館も附属でつくという形になってございます。
〇郷右近浩委員 今、さまざまな種目を読み上げていただきましたけれども、その中でなんですけれども、さらにこの中の使用によっては、さまざま強化する種目、そうしたものが出てくると思います。例えばサッカーとそれからホッケー、そうしたものが同じような使用の部分で使えるとはとても私には思えないものでありますけれども、そうした中で、何の種目の強化、これをメーンにやっていこうと、そうしたような考え方というものがあるんでしょうか、お聞かせください。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 基本的には、岩手県において冬期間で外で練習ができない競技の強化を行うということを主眼に置いてございます。サーフェスにつきましては、多くの競技が使えるような形の床面を検討しているところでございます。
〇工藤勝子副委員長 申し上げますが、当該委員は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇郷右近浩委員 わかりました。委員長、済みませんでした。
 それでは最後に、そうしたことで、国体の成績の順位が本当によくなることを期待いたすものではありますけれども、そうした中で、私はせっかくいいものをつくるのであれば、そのような50億円ほどの予算のものをつくっていくといったことであれば、3年間の練習期間を確保する、そうしたものではない、きちんとした今後につながるものをつくっていただきたいと思いますし、また、そうした中で、これから、では、せめてやれる中での木材の使用、そうしたものを含めて、農林水産部林業振興課との連携をしっかりしてほしいと考えますが、このことにつきまして御所見をいただきたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 しっかりした施設をつくらせていただきたいと考えております。
 農林水産部林業振興課との連携、協議につきましては、これからの実施設計に向けまして、当該施設に可能な限り木材を使用するということにつきまして、関係者等を含めた協議などを実施していく予定にしてございます。そういう形で、木材の使用について検討させていただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 簡潔に3点聞きますので。
 一つは、子供、生徒が置かれている深刻な状況をどう認識して子どもの権利条約、国連子どもの権利委員会の勧告を岩手の教育に生かしていくか、これは教育委員長にお聞きをします。
〇八重樫教育委員会委員長 権利委員会の勧告についてお答えいたします。
 私が今定例会の委員長演述で申し上げましたとおり、本県が進める学校教育の目的は、知識や技能を習得させるためだけの学力形成にとどまらず、自立した社会人になっていく、そのための総合力を身につけることであり、知、徳、体の調和のとれた人間形成にあると考えております。そのために、社会を生きていくために求められる基礎、基本を児童生徒一人一人に確実に定着させ、社会人になるということの意義を発達段階に応じて教えることであり、どんな困難に直面しても、強くたくましく生きていく力を育てることにあると私は考えております。したがって、全国的な学力テストの順位などが毎年のように発表になります。そしてまた、そのたびに岩手が下位だという批判もありますし、しかしながら、そのテストの順番とかテストの結果だけに着目するのではなく、本県の学校教育が進めている、それは本県が進めているのではないと、そういう意味で、過度な競争主義の環境にはないと答弁したところでございました。
 今後におきましても、勧告の趣旨を尊重しながら、学校のみならず、家庭、地域、行政が一体となって、児童生徒の個性と能力に応じた学校づくり、一人一人を大切にした教育に引き続き取り組みながら、岩手の教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 子供の置かれている実態を、私、率直に言いますよ、では。
 いじめは151校、438件、不登校は小中高で1、491人、高校中退386人。このゆがみは、私は極めて深刻だと思いますよ。例えば、高校中退だったら高校1校分ですよ、毎年。これが子どもの権利委員会が指摘している競争主義的な教育その他で発生していると指摘をしているわけですよ。
 勧告の中にはこういう指摘もあるんです。驚くべき数の子供が情緒的幸福度の低さを訴えている。これはユニセフの調査で、日本は30%の子供が孤独感を感じている。ほかの国は全部10%以下ですよ。私はそういう今の子供が置かれているこういう深刻な実態をリアルに見て、本当に子供に最善の利益、そしてゆがめられている教育を是正していくという、そういう基本方向が必要ではないかと思いますが、もう一回。
〇八重樫教育委員会委員長 いじめや不登校、中退の問題につきましては、その問題が過度な競争主義的な環境の結果、そうなったと認識はしていないというのが私の一貫した考えでありまして、ただ、それぞれの問題、背景、原因によっては、あるいはないとは言えないかもしれません。いろんな理由があるわけですので、不登校にしても、いじめにしても、高校中退にしても。斉藤委員おっしゃるとおり、中規模校の学校が1校なくなるくらいの生徒がやめていくわけですので、深刻な問題だと思っています。いずれ、これらについては、すべて生徒指導上の本県の重大な課題だと私もとらえております。現場の先生方には精力的に取り組んでいただいておりますけれども、なお一層、先生方に頑張っていただきながら、我々もいろんな策を講じながら、子供たちが不幸にならないような状況をつくっていくように努力したいと思います。
〇斉藤信委員 私は本会議の答弁が極めて不十分だったから、改めて、教育委員長がここにおられるので聞いているんですよ。勧告を読まれたのでしょうか。(八重樫教育委員会委員長「読みました」と呼ぶ)勧告の70項にはこう書いているんですよ。
 高度に競争主義的な学校環境が就学年齢にある子どもの間のいじめ、精神的障害、不登校、登校拒否、中退および自殺に寄与しうることを懸念すると。
 これは日本政府の報告、NGOの報告、そして日本の高校生が直接訴えて出された勧告なんですよ。3回目、同じ勧告が3回出されているんですよ。そこをどういうふうに受けとめていますか。これは間違っていると受けとめているんですか。
〇八重樫教育委員会委員長 日本全体としては、そういう現象とか実態はあると思います。実際に自殺をしている小学生、中学生、高校生もいますので、そのたびに我々も岩手ではあってはならないということで通知をしたり、それぞれ指導したりはしておりますし、先ほど言いましたけれども、岩手にも全く皆無とは言われないと思いますけれども、この勧告については日本の国全体に対する勧告として言われたのであって、岩手だけ特定として言ったわけではないと私は認識しておりますので、ですから、ただ、委員が指摘のとおり、そういう実態が岩手にも皆無ではないと私も思っておりますので、そういうことが今後も起こらないように努力していくと、それしかないわけですので、そのようにしてまいりますので、よろしくお願いします。
〇斉藤信委員 かなりかみ合わないところがありましたが、今後も引き続きそれは議論していきたいと思います。
 高校再編問題について、3回にわたる地域検討会議の内容、これは2月末にまとまったものを私も読ませていただきました。本当に多様な意見があったと思いますが、共通した意見と言えば、地域と結びついた小規模高校の維持存続、高校にも35人学級など少人数学級の導入を求める。地域のセンタースクールのあり方、地域の産業と結びついた専門高校のあり方、そして特別に支援の必要な生徒への支援というのが、これが共通して出されたのではないか。
 そこで、私は今後再編案を考える上で、地域と結びついた小規模校をどう維持するのか、どういう視点で検討するか。そして35人学級は、青森県で26校、秋田県で30校、福島県で4校実施されていますよ。私はこれも具体的な課題として検討すべきではないか。そして長野県では、県立高校再編は県議会の議決事項になっています。これは議会の意向を確認して進めるということが必要だと思いますが、いかがですか。
〇上田高校改革課長 委員から地域検討会議での議論の内容について、こういった議論があったのではないかという御指摘がございましたが、まさにおっしゃるとおりでございます。さまざまな観点からの議論がございましたけれども、そういった中での地域検討会議でのまとめの一つとして、小規模校については地域の実情等を踏まえ、ぎりぎりまで維持をしてほしいというのが、ほぼ共通した御意見ではなかったかと受けとめております。
 これから計画の策定に向けた検討を進めてまいりますけれども、特にも、小規模校をどういう扱いにするか。具体的に申し上げますと、各ブロックの中で、高校、学科をどのように配置していくか。その中で、非常に大きな要素ではないかと考えております。その中で、議員御指摘があったような点も踏まえて、これから検討を進めさせていただきたいと思います。
〇工藤勝子副委員長 35人学級の関係で。
〇及川参事兼教職員課総括課長 小中学校の場合になりますが、少人数教育の……(斉藤信委員「そんなこと聞いてないぞ」と呼ぶ)失礼しました。
〇工藤勝子副委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 斉藤信委員は当該委員でありますので、世話人会の申し合わせを踏まえて簡潔に質疑されますよう、御協力をお願いいたします。
〇斉藤信員委員 私は時間を気にして簡潔にやっているんですよ。これは最後の質問なんです。
 35人学級の拡充について。これは教育長にお聞きまします。
 2月21日に、7万3、741人の署名が知事に寄せられました。小学校3、4年生、中学校2年生、高校生にも拡充してほしいと。この7万3、741人の署名の重みをどう受けとめているのか。
 もう一つは、この席上で知事はこう答えているんですよ。
 教員が子供と向き合い、一人一人にきめ細やかな指導ができるよう国に引き続き求めていき、県においても適切に対応していきたいと。ぜひ適切に対応していただきたい。どう署名を受けとめ、対応するのかをお聞きしたい。
〇法貴教育長 多数の署名をいただきました。35人学級編制については、国が順次改定して続けていくということですので、できれば本当は前倒しでやるということも可能であればやるんですけれども、斉藤委員御存じのように、加配教員を減らしながらの学級編制基準となっていますので、財政負担の状況が非常にあいまいなままに進められているという状況がありますので、御理解を賜りたいと思います。
〇工藤勝子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 1点質問したいと思います。
 教職員の長期休暇の状況についてお伺いしたいと思います。
 身体とか精神的理由で長期休暇をとられる教職員の状況と、その指導はどうなさっているのか。また、回復後、再び担任を受け持つ教職員が他の学年に移る状況はあるのか、その動向をお知らせいただきたいと思います。そしてまた、その先生方に対しての指導はどうやっているのか、お伺いいたします。
〇及川参事兼教職員課総括課長 まず、身体あるいは精神疾患で療養している教職員の状況でございますが、平成22年度、今年度は1月末現在で、事務局、小中学校、県立学校合わせましてちょうど100人の休職者がございます。そのうち、精神的な、精神疾患のほうで休職をとっておる職員が75人でございます。
 ちなみに申し上げますと、平成21年度の1年間では全体で120人の休職者がございまして、そのうち精神疾患での休職者は84人でございました。
 こういう職員につきましては、もちろん休職中につきましては健康相談事業をやっておりまして、本人もそのとおりですが、家族の方それからその療養者を抱える学校の管理職の先生、そういった方々との相談、こういったものが今年度1月末現在で37回、延べ82件の相談事業をやっております。
 それから、そういう方が復職されてからなんですが、復職前には職場復帰訓練というのをやって、授業等になれながら職場に復帰するという訓練をやっておるわけなんですが……(「簡潔に」と呼ぶ者あり)これが今年度、職場復帰訓練を受けた者が47人おります。
 それで、復職後につきましても相談事業等をやっておりまして、これは今年度1月末現在で25回、88件の復職後の相談事業に対応しております。
 こういう方々が復帰された後、すぐ担任を担当できる場合も、もちろんよくなってそういう方もいらっしゃいます。ただ、やはりその辺は校務分掌、学校内での事務の分掌等の負担を軽減しながらやっていただく、あるいは必要に応じて通院をしていただくというようなことをやっていただいております。学校によっては、状況が落ちつくまで副担任を置いたり、あるいは管理職の方が必要に応じて面談をして、状況を把握しながら支援をするというような対応をしております。
〇及川幸子委員 大変重要な問題と思って取り上げましたので、簡潔になんていう野次は飛ばさないでください。
 この結果、100人中75人が精神的な疾患で病院にかかっていたということ、大変恐ろしい数字だと思っております。そういう担任を持った子供たちがどのように成長していくか。
 私は孫が1年生、5年生、6年生がおりますので、授業参観に訪れました。1年生はなるほど、おとなしく、明るく元気に先生の言うことを聞いておりました。5年生、6年生になりますと、先生の声が全然聞こえないような授業も見受けられました。そういう中で、先生が心を大変痛めていくという過程がどんどん続いていくんだと思いまして、その中で、生徒が変わってきます。しかしながら、家に帰ってきて、先生がやめられたからという、そういう悩みは割と親には言わないんですよ。後から気づいて、ああ、やっぱりそういう時期があったのかなということがあるものですから伺ったわけですけれども、復職される前の、職場復帰される相談をしっかり受けとめて、やっぱり無理な先生は無理なんだなという結論に達しなければならないと思っております。成長過程で、ずっとずっと子供たちを指導していく先生ですので、やっぱりそういう精神的面を徹底して指導していただきたいと思います。
 その中で、授業をどのようにして先生がなさっているかを定期的に指導、教室に向かわれているのか、足を向けてそういうところを見られているのか、まずお聞きします。
〇及川参事兼教職員課総括課長 校長先生方あるいは管理職の方々には定期的に授業を見て、学校の状況を把握する、教員の状況を把握するということは常々お願いしております。
 状況調査等をいたしますと、必ずしも十分ではない校長先生というのも確かにいらっしゃいました。それについては、各ブロックごとのあるいは全体の会議等でも、状況を把握するためには校長先生方によく授業をごらんいただいて、学校の状況、先生の状況というのを常々把握していただくように、特に今年度になって強くお願いしておるところでございます。
〇及川幸子委員 教育委員会委員長、最後にお尋ねします。
 教職員の動向が生徒に大きく左右するということを、私、質問いたしましたが、教育委員会としても、担任としてその先生がふさわしいかどうか、適時適切に教室を見回ることの強化が必要だと考えますが、最後にその御所見をお伺いいたします。
〇八重樫教育委員会委員長 教職員、だれが担任か、だれが教科担任かということで、子供に多大な影響を与えると私は思っております。でありますから、校長先生方、あるいは今、及川課長からも話がありましたけれども、必ずしも病的なものだけではなくて、ふだんの教員の指導力、あるいは学級をどう把握しているかについては常に校長先生方には見ていただいて、指導していただきたいと思っております。
 定期的に教育委員会、教育事務所も訪問しておりますし、その結果については私ども県教委にも報告をいただいております。また、県教委の学力向上プロジェクトチームとか、指導主事も適時といいましょうか、定期的に学校を訪問しながら、指導力だけではなくて、担任としてあるいは教師としてどうかの評価も交えて指導したり状況を把握したりしております。ですから、その中で、先ほどありましたような、いわゆる指導力不足教員というのも発見して─発見するという言い方はおかしいですけれども、見つけて、場合によっては教育センターに派遣して、そこで再教育をすると。実際に教育を受けているのもいますし、復帰できるのもいますし、進路変更と、いい言葉で言えば進路変更ですけれども、やめていただくという教員もおります。教育は人なりと申します。やっぱりいい教員によっていい教育がなされるように今後も努めていきたいと思います。
〇工藤勝子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子副委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会の皆さんは退席されて結構です。大変御苦労さまでございました。
 次に、警察本部長から警察本部関係の説明を求めます。
〇樹下警察本部長 平成23年度における警察本部関係の予算につきまして御審議をいただくに当たり、まずもって、平成22年中の治安情勢の概要について御説明を申し上げます。
 平成22年中の刑法犯の認知件数は7、400件と、前年に比較して840件減少し、平成9年の戦後最多時、この際は1万5、925件でありましたが、そのときと比べますと2分の1程度となりまして、ここ数年続いております減少傾向が定着しつつあります。しかしながら、犯罪の総数が減少傾向にある一方で、殺人、強盗、人質立てこもり等の県民が不安に感じる凶悪犯罪が発生をしているほか、子供、女性を対象とした性犯罪や社会的に弱い立場にある高齢者をねらった振り込め詐欺事件が依然として発生をしており、憂慮すべき状況が続いております。
 また、交通事故につきましては、死者数が67人と前年に比較して14人減少し、昭和48年のピーク時、この際は219人の方が亡くなっておられますが、そのときに比べまして3分の1程度となりましたほか、人身交通事故件数も減少しておりますが、交通事故死者数に占める高齢者の割合が依然として高いなど、予断を許さない状況にあります。
 こうした情勢を踏まえ、県警察では、治安再生の道筋を確実なものとし、さらに県民が安全と安心を実感できるよう、県警察の総力を挙げ、各種施策を推進してまいりたいと考えております。
 それでは、平成23年度岩手県一般会計予算のうち、警察本部関係について御説明を申し上げます。
 お手元の議案その2の8ページをお開き願います。第1表歳入歳出予算の歳出の表中、警察本部が所管する予算は、第9款警察費283億8、854万4、000円であります。これを前年度当初予算と比較いたしますと、金額で2億2、152万円、率にいたしまして0.8%の増となるものであります。
 各項目ごとの内容につきましては、お手元の予算に関する説明書により御説明を申し上げます。
 予算に関する説明書の196ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略をさせていただき、主な内容について簡潔に御説明申し上げますので、御了承願います。
 第9款警察費第1項警察管理費第1目公安委員会費でありますが、その内容は、公安委員会の運営に必要な活動経費及び委員報酬であります。第2目警察本部費の主なものは警察行政運営費でありますが、その内容は、警察職員の給料、交番相談員等の非常勤職員報酬、庁舎光熱水費、警察情報機器の維持管理経費など、岩手県警察の運営に必要な経費であります。197ページをお開き願います。第3目装備費の主なものは、まず、自動車等維持費でありますが、その内容は、車両、警備船、航空機の燃料費や修繕費などの維持管理経費であります。次に、ヘリコプターテレビ中継システム整備費でありますが、その内容は、老朽化したヘリコプターテレビ中継システム機器を更新するための経費であります。第4目警察施設費の主なものは、まず、警察署庁舎整備事業費でありますが、その内容は、老朽化した自動車整備工場を新築するための経費であります。次に、財産管理費でありますが、その内容は、警察施設整備に従事する職員の人件費、警察署等の庁舎及び設備の維持管理経費などであります。198ページをお開き願います。第5目運転免許費の主なものは運転免許試験場等運営費でありますが、その内容は、自動車運転免許の取得、更新などの運転免許行政のための経費であります。199ページをお開き願います。第6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助費等であります。
 200ページをお開き願います。第2項警察活動費第1目一般警察活動費の主なものは警察活動運営費でありますが、その内容は、通信指令及び警察通信維持費、地域警察活動経費など、警察活動運営に必要な経費であります。第2目刑事警察費の主なものは、まず、少年非行防止対策及び保安警察費でありますが、その内容は、少年の非行と保護対策、高齢者、女性の犯罪被害防止活動、インターネット犯罪の捜査などに必要な経費であります。次に、犯罪捜査取締費でありますが、その内容は、重要犯罪、重要窃盗犯等の検挙、組織犯罪対策の推進などに必要な経費であります。201ページをお開き願います。第3目交通指導取締費の主なものは、まず、交通警察費でありますが、その内容は、交通指導取締活動や高齢者の交通安全意識の高揚など、公通安全活動に必要な経費であります。次に、交通安全施設整備費でありますが、その内容は、交通管制区域の拡大整備、交通信号機の改良、老朽施設の更新など、交通事故の防止と交通の円滑化を図るための経費であります。
 平成23年度当初予算に関する説明は以上であります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇工藤勝子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 1点のみをお伺いいたしたいと思います。お伺いというよりもお願いを含めて質問をさせていただきます。
 つい先ほども、ひょっとしてこれは大きな地震になるのかなという地震が参りましたが、事なきを得たようでございまして、大変よかったと思っております。今のところ、10センチか20センチ程度の津波ということにとどまっているようでありまして、よかったなと思っていますが、実はこれが60センチ以上の津波ということになりますと、3回目の沿岸は相当な壊滅的な被害を受けたのではないかと心配をしたところでございます。よかったと思っています。
 ところで、昨年の暮れから正月にかけましての低気圧の暴風雪による大きな被害、警察当局におかれましても、年末年始を返上しての交通規制等に当たられたと思っておりまして、おかげさまで社会インフラの復旧、特に電力関係、早かったと思っていまして、大変ありがたかったと思っております。
 そういう中で、今回の年末年始の暴風雪、また、大きな農林、水産、特にも水産、漁業の被害が大きかったわけでございます。90億円になんなんとする被害でございまして、これが明けて一昨年は、宮古の重茂半島から陸前高田までの南がやられた。今回は重茂半島から洋野町までの北がやられたと。沿岸が3年の中に全滅的な壊滅を受けたわけでございます。
 そういう中で、昆布とかワカメといいますのは1年物でございますので、春に植えてといいますか、前の年にまいたものを春に収穫する。これが全くゼロ、ほとんどゼロという状況にございます。したがいまして、ことしの漁業収入がゼロ、そういう方もいらっしゃるようでありまして、そうなりますとまさに生活が大変です。そうなりますと、時期的には次はウニとアワビに期待をするしかないんだと思います。
 そこで、昨年の決算特別委員会でもお聞きをしましたしお願いをいたしましたが、アワビの密漁取り締まりについてでございます。
 3月は人事異動の時期であるということから、これまで釜石に派遣をしていただいておりました1人の警察官が、人事異動があってかわられるようでありますが、各漁協の組合長さん方が注目をしておりましたのは、これを機会に引き揚げられてしまいはしないか、そういう危惧があったようでありますけれども、その点につきましてはしっかり補充をしていただいたと、ありがたいと、こういうことを言われたところでございます。
 さらにもう一人ということは、きょうはまた別の場にいたしまして、実は昨年度あたりのアワビの水揚げ金額、トンでいきますと、平成22年度は28億、沿岸全域で揚がっているわけです。そして平成21年が25億と、こういうことでございます。そういう中で、次なる魚介物で期待されるアワビが、昨年も言いましたように、水揚げ量と同じくらいの量が密漁されているのではないかと、こう言っている方もいらっしゃいますので、この際、警察におかれましては、こういった部分を未然に、陽動作戦でも何でもいいんですが防いでいただく、そういうことになりますと、ただでさえ水揚げが激減をした漁業家の水揚げ増に、簡単にしゃべれば、ぴたっと取り締まれば倍額に上がると、こういうふうにも言えるのかと思いますが、そういうところに今度こそぜひ積極的にお取り組みをいただいて、漁家の大変な部分を助けていただきたい、こういう要望を聞いているところでありますが、いかがでございましょうか。
〇千田生活安全部長 密漁対策につきましてお答えいたします。
 平成22年中の県内のアワビの密漁事件の検挙状況は2件、2名でございます。
 密漁事犯につきましては、主に沿岸を管轄する警察署を中心といたしまして、密漁アワビの陸揚げをねらった要撃的な夜間、早朝の検問あるいは張り込み、また、いろんな情報収集による分析を行っているほか、警備船やパトカーによる海岸線のパトロールを実施して取り締まりを強化してまいっております。
 また、今後とも、各漁協を初め海上保安庁、県の漁業取締事務所等関係機関との情報交換の連携を密にいたしまして、密漁の警戒それから取り締まり活動を徹底して推進してまいる所存でございます。
〇伊藤勢至委員 実際に取り締まりをやっていただくのが一番効果的で、検挙なり何なり、対応なりをするのが一番効くくと思うんですが、青森県、岩手県、宮城県などが3県合同で取締本部をつくって、やるぞ、やるぞ、やるぞという、そういう情報を発信するだけでも、彼らはおさまるという話もあります。これはまさに陽動作戦というのかもしれません。ただ、何回まで効くかちょっとわかりませんが、いずれ、そういったことでもいいので、何とか漁業家が困って収入がないという中で、しかも今回の津波、それごとに違うのかもしれませんが、アワビの貝もウニの殻も相当浜辺に打ち上げられていました。どういうメカニズムかわかりませんが、全く貝だけになった状況で上げられております。したがって、アワビ、ウニが通常の状態でそこにあるのかどうか、これはダイバーが入って調べなきゃわからないようでありますが、相当被害を受けているかもしれません。そういうときにありまして、余計に密漁の取り締まりというのにぜひ重きを置いていただきたい。
 沿岸漁民を代表いたしまして、たった1人、伊藤勢至からのお願いにしておきます。よろしくお願いします。
〇工藤勝子副委員長 答弁はよろしいですか。
〇伊藤勢至委員 はい、いいです。
〇嵯峨壱朗委員 警察犬についてちょっとお伺いしたかったんですけれども、最近、報道映像とかを見ると、いろんな事件現場等の鑑識活動が流されたりしていますけれども、そういったものが公になってきて大分警察の広報も変わったなと感じておりますが、その中でも、よくわからないのが警察犬制度というか、去年の映画の世界でも、きな子って言いましたか、見習い警察犬の物語、そして香川県警に採用されたと、そういった話題もありました。そうした中で、警察犬制度の実態をちょっとお尋ねしたいと思っていました。
 私の知る限りでは、警察が直接運営している警察犬と民間に嘱託をしている警察犬があるように聞いております。当県の場合は、嘱託警察犬のみだと伺っておりましたけれども、その運用実態というか、活動の実態についてまずお尋ねしたいと思います。
〇佐藤刑事部長 警察犬の運用と活動実態についてお答えいたします。
 平成22年中は、県下全域におきまして合計36頭を警察犬として嘱託し、出動件数が71件で、その出動の内訳は、事件出動が30件、行方不明者の捜索が41件となっております。また、被疑者の逃走経路の確認、行方不明者の生存発見等の効果的な活用事例は、71件のうち14件という状況でありました。
 今後も引き続き、警察犬の活動が必要な場合には迅速に出動を要請し、積極的な活用を図ってまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 何で警察犬の話を聞いたかというと、私がいぬ年なわけでもないんですけれども、地元で指導手というんですか、ちょっといろいろ情報提供を受けてですけれども、71件ということで、多いのか少ないのかちょっと判断できませんけれども、行方不明者等の捜索などの場合に指導手が犬を引っ張っていくというのか、犬についていくのかわかりませんけれども、そういった場合に、結構、危険な場所とかそういった場に遭遇することもあるかと思われます。そういった場合に、万が一、事故とかが起きた場合にその補償、そういった制度はあるのかどうかお尋ねしたいと思います。
 また、この嘱託警察犬、犬を飼っているわけですからえさ代もかかるだろうし、そういった意味で、報酬はどうなっているのかということも聞かせてもらいたいと思います。
〇佐藤刑事部長 指導手が事故に遭った場合の災害補償についてお答えいたします。
 指導手の災害補償につきましては、出動中に万が一死亡したり後遺障害を負った場合には、保険により補償することとしており、その保険料は警察において負担しております。補償金額は、死亡・後遺障害では上限2、000万円、入院保障は日額1万円、通院保障は日額5、000円であります。このほか、警察犬が出動中に第三者を負傷させたり、物を損傷させた場合に補償する第三者傷害保険、これを契約しております。この保険料も警察において負担しており、対人で上限1億円、対物で上限100万円が補償されております。
 なお、これまで指導手等に対して保険金の支払いに至った事故は発生しておりません。
 続きまして、警察犬が出動した場合の報酬についてお答えいたします。
 警察の要請により、警察犬と指導手が出動した場合は、出動の都度、警察犬借上謝金を指導手に支払っております。この金額は、犯罪鑑識関係諸謝金の支払い基準により、出動時間と出動距離に応じて定められているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 保険、補償制度があるということでそれは安心しましたが、これは出動がなくてもえさ代とかがかかるんですね、飼っていればね。犬が好きで、趣味で飼っているからと言えばそれまでなんですけれども、岩手県の場合は、直接ではなくて嘱託に依存しているということですから、ちょっとその辺も何らかの配慮が必要かなと思っているところであります。
 そして、聞くところによりますと、出動の際の服装も個々ばらばらだと聞いていました。ジャージーはないかと思うんですけれども、作業衣なのかわかりませんけれども、ですから、ある程度危険防止とかのためにもそういったものを配慮するべきかなという気がしておりました。聞いてみて初めてわかったんですけれども、その都度、その人によっても違うということでした。なかなか民間人に対して警察の備品を支給とか貸与というのは難しいらしいんですけれども、やはり危険防止のためには何らかの手だてがあってもいいのかなと思っております。国費からの出動謝金もどうかと思うんですけれども、いずれ、岩手県の場合は嘱託でそれを維持しているということですから、麻薬の捜査とか凶悪なのはないんだと思うんですけれども、警察に対する経費というのは国費で支弁されていることは理解していますけれども、この制度は22名ですか、そういった方々に依存しているわけですから、そういった意味で言うと何らかの配慮、もう少し処遇改善等があってもいいのではないかと感じているところであります。そういった要望もあるようでありますので、ぜひ配慮していただきたいと思いますが、これについて何かあったら。
〇佐藤刑事部長 警察では、先ほど申し上げましたとおり、保険による災害補償はもとより、指導手等の事故を未然に防止するため、現場の状況に応じましてヘルメットを貸与いたしましたり、夜間であれば反射チョッキ、これを着用してもらうなど、安全の確保を図るように努めているところであります。しかしながら、委員御指摘のとおり、今後とも危険防止の措置等につきまして、指導手の意見や要望を踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時52分 休 憩
   午後3時12分 再 開
〇五日市王委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 3月4日の秘書広報室審査の際に提供することとしておりました資料については、お手元に配付してありますので、御了承願います。
〔参照〕
                           予算特別委員会資料
                           平成23年3月9日
                           秘書広報室広聴広報課
   都道府県知事のツイッター開設状況について
 47都道府県中、ツイッターを開設・運営している知事は下記のとおり。
               記
北海道、新潟県、長野県、愛知県、大阪府、広島県、高知県、佐賀県、大分県、宮崎県、沖縄県、本県
※以上、12道府県知事。
 ただし、本県知事以外は、非公式(政治家・個人)としての使用であるもの。
 質疑を続行いたします。
〇高橋博之委員 まず、駐在所の駐在所員のあり方について質問いたします。
 平成22年度末の駐在所在勤年数ごとの人事異動について、それから、人事異動の平均年数についてお示しください。
〇小野寺警務部参事官兼警務課長 平成22年度末の人事異動におきまして、駐在所から異動あるいは退職する予定の地域警察官の在職年数についてお答えいたします。
 県下の駐在所158カ所ございますけれども、ここで勤務している地域警察官202名のうち、今年度末の異動におきまして駐在所から異動する予定の者及び退職する予定の者が、合わせて61人おります。今年度末時点の在職年数を申し上げますと、駐在所在勤が1年の者が13人、2年の者が17人、3年の者が10人、4年の者が9人、5年の者が9人、6年の者が2人、7年の者が1人ということになっておりまして、平均の在職年数は、おおむね3年となってございます。
〇高橋博之委員 県議になって5年なんですけれども、地域を歩いていて2回、駐在所員の方からお話をいただきましたし、地域住民の方からも結構言われるんですが、早いと言うんですね。
 やっぱり犯罪を未然に防止するためにも、地域住民の皆さんと交流して、信頼関係をつくって、常に入りやすいようにしておくと。そして、現場の方も一生懸命頑張っておられるんですが、信頼関係ができたあたりに、1年、2年でやっぱり交代をしてしまう、いかがなものかという話を住民の側からも、また、駐在所員の方からも何度か伺ったんです。階級制との兼ね合いもあってなかなか簡単な問題ではないと思いますが、そのあたり何とか融通できないものかと思いまして、その点について何とかうまくできないのか、いかがですか。
〇小野寺警務部参事官兼警務課長 駐在所勤務員の人事につきましては、当該地域とか、あるいは駐在所の実情、あるいは環境を踏まえた上で、警察官個々の駐在所への適任性、あるいは家族負担の状況、それから、警察署内の全体の総合力の発揮の観点から総合的に検討して、適材適所の配置を行っているところでございます。
 駐在所に配置後の状況でございますけれども、現在、県警内におきましては、いわゆる団塊世代の大量退職期の状況にございまして、ベテラン警察官が多く退職する一方で、毎年、多くの新人の警察官が警察署に新規配置されるなど、大変入れかえが多くなっている現状にございます。
 そうした中で、一方では、駐在所で勤務する警察官が、刑事とか、あるいは交通等の専務係に登用されるとか、あるいは、入れかえが多い関係で、昇任試験の合格によって駐在所を出るという人間もございまして、短期になる場合もございます。また、家族の病気とか、あるいは介護等、警察官が抱える個別の事情もございまして、異動を余儀なくされる場合もございます。
 しかしながら、一方では、地域実情とか警察活動の必要性等から勤続が長期に及んでいる者もございまして、一概に何年が妥当なのかということは、申し上げかねるところでございます。
 こうした状況でございますけれども、やはり、地域密着性のある駐在所の重要性にかんがみまして、できる限り過早異動を避けるなど、適正な人事配置と駐在所機能の強化に今後とも努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋博之委員 いずれ、駐在所の本来の役割機能を考えたときに、1年でかわってしまう、しかも、それが昨年度13人いたということですけれども、ぜひ、そういった駐在所の性格もしっかり、当然認識されていると思うんですが、今、御答弁いただいたように御対応いただきたいと思います。
 続きまして、孤独死と在宅死について、あわせて、まとめてお尋ねいたします。
 昨年度の孤独死の件数、これまでの傾向、過去の10年、20年のデータがあれば傾向。それから、孤独死の形態ですね、亡くなった後、家族または親類に連絡がついた件数。それから、遺骨の引き取りを拒否された件数、死者の県内外の出身別件数、犯罪性がない死亡と即断できずに、現場に出向いて状況を調べた件数、傾向、犯罪の疑いがあるとされる変死体の件数、近年の傾向、検視官が現場に出向いて調べる臨場率の近年の傾向。最後に、司法解剖と行政解剖が実施された遺体の数、現場で調べた遺体数に占める割合、近年の傾向について、お示しをいただきたいと思います。
〇佐藤刑事部長 まず、孤独死の件数でありますけれども、孤独死につきましては定義が確立されていないという状況にございまして、警察において数値として統計的にまとめておりますのは、警察の取り扱う死体のうち、65歳以上の高齢者の死体取扱数とその高齢者に占める独居者、ひとり暮らしの方の数という形で数値をまとめております。
 過去20年間のデータということでありますが、過去5年間の統計しかありませんので、それで申し上げますと、まず、順番に申し上げますと、平成18年は、65歳以上の高齢者、この亡くなった方が1、135人、それから、そのうち、ひとり暮らしの御老人が185人、平成19年ですと、65歳以上の高齢者の方で亡くなった方が1、235人、そのうち、ひとり暮らしの方が228人、平成20年ですと、65歳以上の方が1、217人、ひとり暮らしの方が248人、平成21年は、65歳以上の方が1、231人、ひとり暮らしの方が197人、昨年、平成22年ですと、65歳以上の高齢者で亡くなられた方が1、308人、そのうち、ひとり暮らしの方で亡くなった方が218人ということになりまして、平均いたしますと、65歳以上の高齢者で亡くなった方のうち17.6%の方が独居者、つまりは、ひとり暮らしされていた方ということになります。
 続きまして、孤独死の形態ということで御質問ございましたけれども、まず、家族、親類に連絡がついた件数についてであります。平成22年の統計でいいますと、65歳以上の高齢者で亡くなった方が1、308人おられまして、そのうち218人の方がひとり暮らしでありましたが、この218人の方すべて連絡がついております。
 また、遺骨の引き取りを拒否された件数ということでお尋ねがありましたけれども、平成22年中は、拒否された方が6事例ございます。
 それと、亡くなった方の出身地の県内、県外別の件数ということでお尋ねがありましたけれども、うちのほうで把握している内容を申し上げますと、他県から来られて独居生活をしていた方で亡くなった方、そういう方はございませんでした。
 続きまして、犯罪性がない死亡と即断できずに、現場に出向いて調べた件数というお問い合わせでありましたが、警察の取り扱う件数は、すべて現場等に臨場し、遺体等を確認して調べております。したがいまして、臨場して犯罪性があるかどうか調査いたしますことから現場に出向いた件数とすれば、すべての取扱死体ということになりますので、平成22年で言えば、全取扱件数の1、998体、つまり1、998名の方が亡くなられて、警察官が臨場して調べたという状況になります。
 この件数でありますが、傾向につきましては、毎年わずかながら増加傾向にあるという状況にございます。具体的には、平成18年が1、863名の方、平成19年が1、892名の方、平成20年が1、946名の方、平成21年が1、982名、平成22年が1、998名ということで、わずかながら増加傾向にあるということであります。
 続きまして、犯罪の疑いがあるとされる変死体の件数、近年の傾向ということでありますが、死体取扱総数に関しましては、高齢者という枠で統計は作成しておりませんので、亡くなられた方の総数ということでお答えいたしますと、先ほど申し上げましたとおり、平成22年中は1、998名の方が亡くなって、調査しておりまして、そのうち犯罪死体であったのが4名の方、犯罪による死亡原因があった方が4名の方、それから検視死体、これは犯罪の疑いがあるんではないかと思われた死体ですが、これが292名の方、それから見分死体、これは行政的な手続になりますけれども、532名(後刻「1、702名」と訂正)の方となっております。
 これにつきましても毎年増加傾向にありまして、検視死体の数で申し上げますと、平成18年は119名、平成19年が124名、平成20年が185名、平成21年が256名、平成22年が292名の方がそれぞれ亡くなられて、傾向的には増加傾向にございます。
 それから、最後に、検視官が現場に出向いて調べる臨場率はどうなっているかということでしたが、これも過去5年間の統計しか把握しておりませんので、申し上げますと、平成18年につきましては、亡くなられた方が1、863名に対して、臨場が216名の方ということで、臨場率が11.6%、平成19年が1、892名の亡くなられた方の総数に対して臨場率が11.4%、平成20年が1、946名の亡くなられた総数に対しまして臨場率が16.4%、平成21年は1、982名の方が亡くなったのに対して臨場率が21.7%、平成22年が1、998名の亡くなられた方に対して26.6%ということでありまして、検視係を実は平成21年以降増員しておりますが、それ以降、臨場率が高くなっている傾向にあります。
 なお、独居者に係る臨場率の統計はございませんが、特に高齢者の独居者では、死亡してから発見されるまでに日数が経過したり、独居のため、ふだんの体調などもわからないということから、検視官、つまり本部の専門官の臨場の割合は高くなっているという状況にございます。
〇高橋博之委員 御丁寧にありがとうございました。
 一つお願いをしたいのが、孤独死のデータなんですけれども、65歳以上ということでお示しをいただきましたが、今、40代から65歳までの男性の孤独死というのもふえているようであります。この孤独死は今、社会的な大きな問題ですから、このデータがなければ他部局もこれから対応できないと思いますので、ぜひ、このデータもやはり収集をして、示せるようにしていただければと思います。
 それから、先ほどの臨場率も上がっている、それから、司法解剖あるいは行政解剖の遺体の数もふえているということだったんですが、先ほど御答弁の中にもありましたが、孤独死の場合は日数も経過していると。その事件性があるのかないのかというのを調べるために、やはり検視官の数もふやさなければいけないということでふやしたという話だったんですが、解剖医のほうも、何年か前に質疑の中でもあったかもしれませんが、これから、残念ながら孤独死がふえていくという傾向にあると思うんですが、この解剖医の今の現状、何人いるのか、これからの見通しについてお示しいただきたいと思います。
〇佐藤刑事部長 解剖医の方につきましては、岩手県ということに限定いたしますと、岩手医科大学の法医学教室に教授、准教授と2名の方がおられます。
 あと、解剖の必要性があった場合に、県内でだけ解剖するとは限りませんので、例えば、東北大学の医学部に依頼するですとか、秋田のほうに依頼するですとか、そういうことで、他県の先生からもいろいろと協力をいただいて行うということもございます。
 それで、見通しということでありますけれども、先生の数につきまして、私たちは、残念ながら、医大ですとか、例えば東北大学の医学部等の関係になりますので、把握してございません。
 ただ、解剖数がふえるかどうかという観点の見通しですと、平成22年中の死体解剖数は実は143体ありまして、司法解剖が142体、遺族の承諾を得て解剖する行政解剖が1体という状況になっておりまして、過去5年間の傾向を見ても、司法解剖の割合は明らかに増加しております。
 ですので、今後、検視官の増員予定ということでもお話ししましたが、年々解剖件数が増加する見込みにあるのではないかと予想しております。
〇高橋博之委員 警察庁のほうでも、大学の医学部などを所管している他省庁と協議をして、解剖医について、これからやはり増加するのではないのかということで、今後、協議をするというような話も伺っておりますが、ぜひ医療局等とも、すぐに解剖医をふやそうと思っても、このとおり、お医者さんの話ですから、今後、御検討いただければと思います。
 それから、在宅死についてなんですが、これもかなり言われるんですけれども、在宅でみとると、みとりでなぜ検視なんだと。パトカーが来てですね。この話は本当にたくさんされます。
 お医者さんが診療してから24時間以内であれば、そのうちに行かなくても死亡診断書を出せるということだったんですが、その24時間を過ぎたものについては、お医者さんのほうでも、すぐ警察に電話しなさいという指示をされるそうなんですが、あるお医者さんから、それは医師法第20条の誤解であって、24時間を過ぎたものについても、お医者さんが実際診て対応することができるんだと。
 遺族の側からしても、皆さんも、これはお仕事ですから仕方がないと思うんですけれども、最後、終末期を在宅でということで、終わったときに電話したら、警察にということで、パトカーが来て、取り調べを受けて、とても後味の悪い終わり方になってしまったという話もたくさん聞きますし、あと、皆さん方のほうも、これからふえていくと思うんで、そのたびに、すべて24時間以上のものに対応していたら結構大変だと思うんですね。
 なので、ぜひ一度ここは整理する必要があるのではないかと思っていまして、医療局とも協議をして、この24時間ルールというものについて、大分お医者さんの中でも誤解されている方が多いですし、これから岩手県でも在宅医療を進めていこうという話をしていますので、そこはぜひ協議が必要だと思うんですが、御所見をお願いいたします。
〇佐藤刑事部長 まず、在宅死について、警察で在宅死という言葉を定義づけしておりませんので、一般のインターネットの検索サイト等で調べてみますと、もう入院したくないという方が、死の時と場所をみずからの意志で決定し、人生の最後を住みなれた家で迎えること、これを在宅死としてとらえているようでございます。
 警察で扱う死体のうち、在宅死かどうかという統計につきましては、警察では把握していないというのが実態でございます。
 先ほど、在宅死をなぜ警察が調べるのかということでの御質問でありましたが、医療を受けつつ、その病気で亡くなった場合、つまりは、原則として医師にみとられず亡くなった場合には、刑事訴訟法等の規定によりまして、警察が死因を調査することとしております。
 医学界いろいろあるんですけれども、学会によっては、24時間以内でしたらば、自分で診断書を書きますから警察に臨場してもらわなくてもいいですよという学会もあります。あと、もう少し期間が長くても診断書を書きますから臨場しなくてもいいですよという学会もあります。しかし、その一方で、いや、私は診ていないから1時間後でもだめですよという学会もこれ、あるのは事実であります。
 ですので、そのお医者さんが属している学会によりまして異なる、もしくは、そのお医者さん個人個人で異なる。解釈の問題という、お医者さんの解釈にゆだねられているというのが実態でございまして、こちらのほうとしましても、医師会を通じて、統一的な見解を協議してはということで働きかけ等をしておる実態にあるんですが、委員御指摘のとおり、今後さらに、知事部局のほうともそこら辺の働きかけをいたしまして、統一を図るような格好で、県独自ということが可能かどうかわかりませんが、国全体の、例えば厚生労働省の見解とかを決めなければ細部的なことは決まらないということは、もしかすればあるかもしれませんが、いずれにせよ、委員御指摘のとおり、そこら辺を協議して、整理してまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 よろしくお願いします。
 この件は最後にいたしますが、知人の納棺師の方から、この警察の臨場について、仕事なんでこれは仕方がないと思うんですが、淡々と進められると思うんですけれども、余りにも機械的で、遺体を、物じゃないですが、そういう形で扱われて、とても傷ついている遺族の方がたくさんいるという話を伺ったものですから、その際の対応について、どういう指導をされているのかと思いまして、その点について少し聞かせてください。
〇佐藤刑事部長 まず、失礼な事例があったということでお伺いいたしましたが、そのような事例がもし万が一あったといたしましたらば、おわび申し上げたいと思います。
 ちなみに、警察部内では、くれぐれも死者に礼を失することのないよう、これは教育いたしておりまして、例えば、現場に臨場した際には、必ず死者を拝んで、礼を尽くして、それで取り扱いをすると。例えば、身体を見分するということはありますけれども、その場合には、家族の方から見えないように、警察関係者だけで、閉めて、遺族等の目につかないような格好で見るとか、そういう配慮をしておるつもりでありますけれども、そこら辺、再度、教養を徹底させていただきたいと思います。
 今、自殺者ということで限定してよろしいんでしょうか。対応。
〇高橋博之委員 限らない。
〇佐藤刑事部長 限らないですか。
〇高橋博之委員 わかりました。
〇佐藤刑事部長 よろしいですか。
 あと、もう一点、訂正があるんですが、先ほど犯罪の疑いがあるとされる変死体の数を、見分死体が532名の方が亡くなったとお答えいたしましたが、これは数をちょっと読み間違えまして、正確には1、702名の方が亡くなったということでありますので、これを訂正させていただきたいと思います。
〇高橋博之委員 ぜひ、その指導のほうは徹底していただきたいと思います。
 最後ですが、自殺者の遺族あるいは未遂者に対する対応についてお尋ねいたしますが、先日来、この問題については、他部局でも質疑等交わされているわけですが、この警察の部分もやはり大変大きいだろうということでお尋ねをいたします。
 遺族の方で後追い自殺をされるケースもたくさんあると伺っておりますが、最初に接するのが警察ということが多いと思うんですけれども、こういう方々に、これまでは保健福祉部がつくったパンフレットを配っていたということだったんですが、これがモデル事業で終わってしまったと。今、残部を渡しているというような状況らしいですけれども、ぜひ、モデル事業が終わったからもういいということではなくて、この点についても、保健福祉部と協議をして、皆さん方が最初に対応されると思います。遺族の方や未遂者の方も、話をしたくないという方がいらっしゃると思いますから、そういう方に丁寧な、こういうときには、こういうところに窓口があるよというような、やはりパンフレットのようなものをお配りできるような体制をつくっていくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
〇佐藤刑事部長 パンフレットの配布につきましては、平成18年以降、自死遺族支援体制モデル事業事務局というところからの要請によりまして、遺族の方々の時間的、精神的負担を増加させることのないよう配慮しながら、遺族にリーフレットを交付する形で協力させていただいております。
 なお、モデル事業につきましては、委員の御指摘にもありましたが、平成21年3月末をもちまして岩手県のモデル事業を終了して、民間事業者に委託されたという状況にありまして、警察といたしましては、残部、それから、新たな印刷等も含めまして配布活動を継続いたしまして、自殺遺族支援事業に引き続き協力してまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 残部が切れたらどうするんですか。
〇佐藤刑事部長 立派なものを配布できるかどうかわかりませんが、先ほど申し上げましたモデル事業事務局はもうあれですので、保健福祉部でつくったパンフレットをもらえるのであれば、もらって配布いたします。もらえなければ、カラー刷りとはいきませんが、例えば白黒で印刷する等して配布するように。いずれ、遺族の方がどうすればいいのかわかるような方向性を示すという意味からも、いずれかの形でパンフレットもしくはリーフレットを配布させていただくように努めてまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 お願いします。終わります。
〇及川幸子委員 交通指導取締費についてお伺いいたします。
 まず、交通事故の状況と、それに対しての取り締まり状況と今後の対策をお示しいただきたいと思います。
〇矢羽々交通部長 平成22年中の県における交通事故発生状況は、発生件数4、097件、前年比マイナス293件、6.7%の減少、死者数67人、前年比マイナス14人、17.3%の減少、傷者数5、125人、前年比マイナス278人、5.1%の減少と、発生件数、死者数、傷者数とも減少しております。
 また、交通取り締まり件数は9万4、172件で、前年比マイナス5、512件と減少したところでありますが、これは、主に速度規制の見直しにより、最高速度違反の取り締まり件数が減少したことによるものであります。
 なお、取り締まり件数の内訳は、最高速度違反が3万1、287件と最も多く、全体の3分の1を占めているほか、酒酔い運転13件を含む飲酒運転は391件の検挙でありました。
 交通事故は減少傾向にありますが、全交通事故死者のうち、高齢者の占める割合は58.2%と高いほか、依然として飲酒運転による交通事故も発生しており、県警察といたしましては、高齢者の交通事故防止対策、薄暮時、夜間の交通事故防止対策、飲酒運転等悪質、危険性、迷惑性の高い違反取り締まり等の強化、シートベルト着用向上の被害軽減対策、自転車の安全利用対策を重点に、自治体を初め、関係機関、団体と一体となった活動を推進しております。
〇及川幸子委員 減少傾向にあるということで、本当に取り締まりをなさっている姿が見られますけれども、高齢者の死亡事故も大変多いと思いますが、幼児とか高齢者、特に高齢者の方々には、どのように指導徹底をなさっているんでしょうか。
〇矢羽々交通部長 まず、高齢者につきましては、ドライバー、いわゆる運転免許を持っている方と持っていない方と大きく分けてやっております。
 ドライバーにつきましては、一時的な免許更新時等の更新時講習がありますし、あるいは、それに伴いまして、いろいろな適性検査等ありますので、それで対応しております。
 それから、運転免許のない方、いわゆるこういう方は、なかなか交通安全教育を受ける機会がないということから、一番大きいのは在宅家庭訪問、受け持ち警察官が、地域の交通安全母の会の会員等ボランティアと一緒になりまして、一軒一軒回りまして交通安全指導を行っております。
 そのほか、現在やっておりますのは、高齢者が集まる福祉施設あるいは医療機関等に出かけまして、反射材を直接貼付する活動等を行って対応しております。
〇及川幸子委員 ありがとうございます。
 まず、私の地元奥州市でも、痛ましい交通事故で小学生が亡くなりまして、その地区から横断歩道の設置、それから信号機の設置、いろいろ要望がありまして、それがかなったわけですけれども、県内から交通事故防止のために要望がいっぱいあると思いますが、どのように対処しているのかお伺いいたします。
〇矢羽々交通部長 交通事故防止につきましてはいろいろな要望がありますが、交通安全施設の整備、交通規制の実施等のほか、指導取り締まりなどの要望もありますことから、道路環境や交通実態、事故の発生状況等を勘案して、交通事故を防止するため最も適した方法や施設の整備等を進めることとしております。
 また、道路管理者等関係機関と連携し、道路環境等の整備等も進めております。
 なお、平成22年中の交通安全施設整備等の要望受理件数は86件で、そのうち当該年に措置できたものは24件となっております。
〇及川幸子委員 事故が多くあって、いろいろ要望されると思います。86件に対して整備されたのが24件、引き続きその整備をやっていただきたいと思うんですが、ことしは例年より多い積雪でございました。接触事故、スリップのための物損破損事故等、大変多かったのではないかと思いますが、この件についてお伺いいたします。
〇矢羽々交通部長 本県の物件交通事故件数につきましては、平成22年12月から平成23年2月までに9、544件発生し、昨年の同期間と比較しますと1、420件の増加となっております。
 物件交通事故の統計につきましては、事故の原因ごとに整理しておりませんが、昨シーズンと比較して約18%増加している状況から、積雪によるスリップなども増加の要因と考えられます。
 警察では、気象状況に応じまして、交通情報板などを活用した道路情報の提供や交通安全広報を行うほか、道路管理者に対する歩道の除雪を申し入れるなど、関係機関、団体と連携した雪道の交通事故防止にも努めております。
〇及川幸子委員 大変多い交通事故だったと思いますが、そういう歩道を通りながら交通事故に巻き込まれる児童もあると思いますが、学校の生徒、児童に対して交通指導はどのようになさってきたのでしょうか。
〇矢羽々交通部長 平成22年中、中学生以下の子供が関係した事故は、発生件数が243件、これは前年比でマイナス50件、マイナス17.1%、死者数が2人、前年比マイナス1人、これはマイナス33.3%、傷者数が286人、前年比マイナス42人、マイナス12.8%となっております。
 子供の交通事故の特徴としましては、道路に飛び出す事故、あるいは自転車乗車中に交差点で出会い頭に衝突する事故が多いことが挙げられます。
 そのため、警察では、関係機関、団体と連携し、低学年の児童に対しましては、正しい歩行や横断の仕方、信号機の見方などを重点とした交通安全教室を開催しているほか、自転車を利用する機会が多くなる児童生徒に対しては、基本的な交通ルールを身につけるための実技型の自転車教室等を開催しているところであります。
 警察といたしましては、引き続き関係機関、団体と連携し、子供に対する基本的な交通ルールを身につけさせるための交通安全教育や、街頭における保護、誘導活動を推進してまいります。
〇及川幸子委員 すみません、私の通告では、小学校、中学校の自転車の使用時の事故はどうかというのを入れていたんですが、先にお答えになったようですが。
 実は、低学年は1人では自転車に乗ってはだめだという決まりがあるんです。高学年は買い物には行けますが、6年生ですか、6年生以下は、自転車に乗って1人で買い物に行ったり、遊びに行ったりしてはいけないという決まりがあるんですけれども、学校に行って、そういう交通指導の徹底はなさっているんですか。1年生から6年生まで。
〇矢羽々交通部長 まず、平成22年中における小学生及び中学生の自転車乗用中の交通事故は、59件発生して、58人が負傷、1人が亡くなっております。
 それから、自転車の指導につきましては、主に4月、5月に、各学校で交通安全教室が開催されますことから、そこに警察官を派遣しまして、それから、地域の交通指導員あるいは交通安全のボランティアの方々と一緒に指導を行っております。
〇及川幸子委員 ありがとうございます。4月、5月に向けて指導を徹底されて、児童にとって、交通事故が本当にないようにしていただきたいと思います。
 最後の質問になりますが、シートベルトの着用が義務づけられておりますけれども、シートベルト未着用のために交通事故に遭ったという事例はないか。また、着用徹底のため、どのような指導を行っているのか、最後にお聞きいたします。
〇矢羽々交通部長 平成22年中、県内で自動車乗車中に交通事故で亡くなられた方は27人で、そのうち11人、40.7%が、シートベルトを着用しておりませんでした。
 シートベルトを着用せずに亡くなられた方について、乗車位置別で見てみますと、運転席が6人、後部座席が5人となっており、そのうち運転席の4人、後部座席の2人が、シートベルトを着用していれば助かったものと推定されます。
 また、昨年10月、警察と日本自動車連盟が合同でシートベルト着用率を調査したところ、本県の着用率は、運転席及び助手席は、一般道、高速道路等ともに95%を超えているのに対しまして、後部座席につきましては、一般道が25.5%、高速道路等が78.8%と大変低くなっております。
 シートベルトの着用につきましては、車両の衝突時における衝撃を和らげる効果があるほか、車外放出を防止する効果もありますことから、特に着用率が低い後部座席を重点に、すべての座席におけるシートベルトの着用が徹底されるよう、関係機関、団体と連携し、非着用の危険性や被害軽減効果に関する交通安全教育、これらを行うほか、引き続き交通指導取り締まりを強化してまいりたいと思っております。
〇及川幸子委員 95%ですから、これが100%になるために努力していただきたいと思うんですが、後部座席がシートベルト未着用者が大変多いようですが、定期的にパトロールしているんでしょうか。余り見ないような気がするんですけれども。
〇矢羽々交通部長 パトロールというよりも、シートベルトの着用の取り締まりにつきましても、各警察署には、その指導も含めまして定期的にやるように指示はしております。
〇及川幸子委員 どうぞ、指示が徹底されるように全職員に言っていただきたいと思います。
〇高橋元委員 私は、サイバー犯罪対策と自主防犯活動の推進、2点についてお尋ねしたいと思います。
 まずもって、治安の維持、それから犯罪防止、交通安全対策と、日夜、県民の安心・安全の生活のために活動されておられますことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
 また、このたびは暴力団排除条例というものを、長年にわたって県民も待ち望んでいたのではないかと私は思うんですが、これもようやく上程していただきまして、より安心・安全な生活ができるものと期待いたしております。この件についても、お礼を申し上げたいと思います。
 それでは、サイバー犯罪対策についてお尋ねしたいと思います。
 平成22年中のサイバー犯罪の検挙状況等というものが、3月3日、警察庁から発表されているようでございます。これによりますと、平成22年中のサイバー犯罪の検挙件数は6、933件、前年比243件、プラス3.6%、統計を取り始めてから過去最多という状況が報告なされているわけであります。
 こういう犯罪がふえている中にあって、本県における実態はどういうものか、それから、日常、この防止に向けた取り組みあるいは対策等はどのようにとられておるのか、この点をお尋ねしたいと思います。
〇千田生活安全部長 サイバー犯罪につきましては、一般的に、コンピューターとか、あとネットワークを利用した犯罪が代表的でございますけれども、あとは、不正アクセス禁止法違反という法令違反もございます。具体的には、詐欺罪とか、児童ポルノ法違反、あるいは著作権法違反という法律違反に該当する犯罪でございます。
 当県におきましても、さまざまなサイバー犯罪を検挙しております。平成22年中、昨年中は、インターネットオークション詐欺、インターネットを利用して海賊版ソフトを販売した著作権法違反、あるいはファイル共用ソフトを使いまして、児童ポルノをインターネット上に公然と陳列した児童ポルノ法違反など、59件検挙している状況にございます。
 検挙件数につきましては、岩手県の場合には昨年より1件減少ということですが、ほぼ高原状態でございます。
 次に、サイバー犯罪の防止に向けた対策につきましては、いわゆるゲームサイトを介した子供たちのいろいろな被害、あるいはインターネットオークション詐欺などの被害防止対策として、児童生徒と保護者を対象としたサイバーセキュリティーカレッジというものを開催しております。
 そして、その中で、メールマガジンの配信により、携帯ネットのフィルタリングの普及啓発活動、あるいはワンクリック詐欺の防止対策など、いろいろな啓発活動を推進しているところでございます。
 一方、児童ポルノ事犯とか、あるいは著作権法違反などの悪質な犯罪につきましては、サイバーパトロール等の捜査活動は強力に実施して、徹底した検挙を行いまして、被害の未然防止を図っているところでございます。
〇高橋元委員 全国的には増加傾向にある中で、本県は横ばいのような状況という今の報告でございました。
 サイバー犯罪対策室というものがあるというふうな、インターネットで県警のホームページを見ますと、そういうものが出てくるわけでありますが、この対策室の体制というものは、こういう犯罪がふえている中で十分なのかとちょっと心配しておるんですが、例えば、この陣容とか、あるいはさまざまな技術研修とか、高度化しておりますので、この辺の取り組みはどうなっているのか、ちょっと様子を、聞ける範囲内で構いませんので、お伺いしたいと思います。
〇千田生活安全部長 サイバー犯罪対策室につきましては、現在、室長以下、警察官、それから、あとは技術職員の方々で体制をつくっておりまして、人員的には、東北6県の中では、他県と比較しても遜色はございません。
 大きな人員の変動等は特にございませんけれども、その技術レベルにつきましては、やはりその道のプロといいますか、そういう本当にコンピューター犯罪、それから、ネットのいろいろな不正アクセス等含めて、技術的に非常に高度なものを持っておりますので、この対策室をこれからフルに活用して、こういう悪質事犯の徹底検挙、あるいは未然防止を図っていきたいと思っています。
〇高橋元委員 万全な取り組み体制ということで、安心したところでございます。
 次に、サイバーテロ対策についてでありますが、岩手県サイバーテロ対策協議会というものが先ごろ設置され、会長に県警警備部長が選出されたということをお伺いしたわけでありますが、県警としての同協議会へのかかわり、あるいはテロ対策の取り組み、標的になるような県内の重要なインフラ等々、どの程度あるのかなと、そんな思いをちょっといたして心配しておりましたけれども、この辺の状況についてお尋ねしたいと思います。
〇佐藤警備部長 お尋ねの重要インフラに対する電子的攻撃、いわゆるサイバーテロが発生した際は、例えば、電力会社の送配電のシステムがダウンして広範囲かつ長期的な停電になったり、あるいは銀行のシステムがダウンして金融取引が行えなくなるなど、いずれ、県民生活や社会経済活動の大混乱を引き起こすことが予測されます。
 このため県警察では、平成15年4月、部門横断的なサイバーテロ対策プロジェクトを設置し、重要インフラ事業者等への個別訪問、サイバーテロ対策セミナーを開催するなど、サイバーテロ対策に取り組んできたところであります。
 サイバーテロの驚異が現実のものとなりつつある中、岩手県サイバーテロ対策連絡協議会は、本年2月、県民生活または社会経済活動に重要な役割を担う重要インフラ事業者等と岩手県警察が、より緊密な連携のもとに、サイバーテロ等に関する各種情報交換及び情報共有を行い、サイバーテロの未然防止と発生した場合の被害拡大防止について、これまで以上に徹底を図るために設立したものでございます。
 テロ対策の取り組みについてでありますけれども、同協議会のもとに、サイバーテロに関する各種情報交換及び情報共有を行い、同協議会の会員への個別訪問、サイバーテロ対策セミナー及びサイバーテロ対策連絡協議会の開催、サイバーテロを想定した重要インフラ事業者等との対処訓練を行い、官民の緊密な連携強化に努めてまいる所存であります。
 標的となり得る事業体の関係についてでありますけれども、サイバーテロの対象となり得る重要インフラ事業者は、情報通信、金融、航空、鉄道、電気、ガス、地方公共団体、医療、水道、物流の10分野でありまして、このたび設置した岩手県サイバーテロ対策連絡協議会には、県庁を初めとする8事業者に参加していただいているところであります。
 重要インフラ事業者は相当数ありますが、今後、基幹システムを有する重要インフラ事業者に対して同協議会への参加を求め、サイバーテロ対策の推進を図ってまいりたいと思っております。
〇高橋元委員 国際的なさまざまな紛争とか、そういうことも今、多発しておりますし、それに伴って、国内でも重要施設に対するテロ攻撃、あるいは、こういうネットを使ってのサイバーテロというさまざまな攻撃が予測されるという話もたくさん今出てきておりますので、ぜひ、この取り組みについては、今後においても万全を期していただきたい、このようにお願いしたいと思います。
 それから、二つ目に、自主防犯活動の推進についてであります。
 地域安全安心ステーション事業というものにこれまで取り組まれたということで、これは、お伺いしたら、平成21年度でこの事業は一区切りということで、その後は、この事業を受けて活動されているというお話も伺ったわけでありますが、平成22年度の取り組み、あるいは新年度におきます取り組み、そしてまた、自主防犯活動の推進に当たっての課題等をお尋ねしたいと思います。
〇千田生活安全部長 警察庁の地域安全安心ステーションモデル事業につきましてお答えいたします。
 このステーションモデル事業とは、先ほど委員お話のとおり、平成17年から開始いたしまして、平成21年度まで実施しております。この中身につきましては、地域の公民館とか、あるいは駐在所などを活動拠点とする防犯団体が行う地域の防犯パトロール活動、あるいは通学路における子供の見守り、犯罪被害防止に関するいろいろな啓発活動などを行う自主防犯団体に対して、積極的な支援を行う事業であります。
 警察庁から、このような団体に対しまして防犯パトロール用品を無償貸与されまして、県警察では、地域安全情報の提供あるいは防犯講習会、合同パトロールの実施等を通じた自主防犯活動のノウハウの教示を、各支援団体に実施してきたところでございます。
 これまで岩手県におきましては、5年間で16地区が警察庁の指定を受けておりますけれども、現在も各団体におきまして、モデル事業で実施した活動の成果を踏まえた積極的な活動が継続されております。
 そういう状況でございますので、警察としても、団体に対するいろいろな地域安全情報の提供、あるいは防犯パトロールに対するノウハウの教示、それから、団体が開催する防犯講習会での講習などの指導を行っているところであります。
 今後とも継続的に活動ができるよう、ノウハウの教示等の支援を続けまして、活性化を図っていきたいと思っております。
 次に、課題でありますけれども、全国的に防犯ボランティア団体構成員の高齢化とか固定化が、自主防犯ボランティア団体を活性させていく上で障害となっております。
 平成22年度は、警察庁におきまして、若い世代の参加促進を図る防犯ボランティア支援事業を実施しておりまして、当県におきましても、花巻市の富士大学の学生が中心になって結成されましたヤングボランティア団体、花巻ハンズ to ハンズという名前の団体でございますが、警察庁から指定を受けまして、通学路における子供の見守り活動などに現在も積極的に取り組んでおります。
 また、平成23年度は、現役世代の参加促進を図る環境づくり支援事業を実施することとなっておりまして、当県においても、この支援事業に参加する予定であります。
 今後も、警察といたしまして、このような自主防犯団体の支援を積極的に行いまして、若い世代とか現役世代の方々が、こういう地域活動に参加されやすいいろいろな支援活動を、これからも続けてまいりたいと思っております。
〇高橋元委員 このモデルの16地区のボランティア団体数というものが、これはネットで調べた資料なんですが、371団体、構成員2万2、049人、青色回転灯149、運用者の車両が518台。これは昨年12月末時点の数字ということなんですが、この団体数とか構成員数、あるいはこの青色回転灯の装着数というのは、以前と比べてふえている傾向にあるのか、それとも横ばいなのか、その辺はどうなんでしょうか。この自主防犯組織、県内全域への広がりというものはどういう状況なのか、直近の推移等も、もしおわかりであればお尋ねしたいと思います。
〇千田生活安全部長 防犯ボランティア団体の組織的な趨勢につきましては、若干、過去5年間の状況、統計は私どもとっておりますけれども、結論から申しますと、かなり大幅に増加しております。
 昨年、平成22年からさかのぼって5年間を見ますと、5年前は83団体でございましたけれども、昨年は371団体と約4.5倍にふえております。それからあと、活動なさっているボランティアの方々につきましても、平成17年当時は5、500人という数字を私ども把握しております。ところが、昨年を見ますと2万2、000人ということで、活動家の方々も約4倍ということで、急激にふえておる状況でございます。
 あとは、いろいろな、青色回転灯とか、その他、子ども110番の家とか車とか、いっぱいボランティアの方々がありますけれども、すべて増加している状況にございます。
〇高橋元委員 県内では5年間でかなりふえているということであります。東北6県の中での比較ですと、団体数では残念ながら最下位、それから構成員は下から2番目と。青色回転灯を装備した自動車は東北6県の中では1番目と、こちらのほうは非常にいい活動になっているようです。
 非常に広大な県土を有しておりますので、警察力だけでは防犯についての取り組みとか、あるいは犯罪が起きたときのさまざまな情報の収集とか、これは、ふだんの活動の中でいろいろな知識があれば、この捜査にも役立つと私は思うんですけれどもね。
 そういったものを含めると、まだまだこれからも多くのボランティア団体なり構成員を拡大していかなければならないと思っているところでありますし、先ほど課題として年齢分布もお話がありましたが、これもちょっと資料によりますと、60代が51.6%と半分ぐらいで、次に多いのが50代、22%、その次40代、14%ということで、40代、50代のところがちょっと、元気なところが少ないような気がしたわけであります。
 これらのことも含めて、ぜひ、この自主防犯組織の組織化なり育成なり、こういったものに今後も取り組んでいただきたいと思います。
 平成23年度に実施する主要事業ということで、6項目が予算の中にあったんですけれども、残念ながらソフト事業は3項目で、一番多いので200万円の予算ということで、そういう意味では、もう少し自主防犯組織とかこういうところの厚みを増すようなところに予算があってもよかったのかなと私は個人的に思うんですが、この辺の自主防犯組織の今後の拡大や育成に対する取り組みについて本部長の御所見を伺いながら、私の質問を終えたいと思います。
〇樹下警察本部長 自主防犯活動についてのお尋ねでございますけれども、冒頭、平成22年度の犯罪の認知件数等々について御説明をさせていただきましたけれども、昨年の認知件数が7、400件ということで、大幅に減少した背景には、こういう自主防犯ボランティアの方々の活動によりまして、例えば自転車盗でありますとか、あるいは万引きの減少が非常に大幅なものであったということが大きく貢献をしていたのではないかと思っております。したがいまして、こういった防犯ボランティアの方々の活動を支援するということは極めて重要なことだと思っております。
 また、例えば昨年末からことしにかけての大雪での高齢者宅の除雪のボランティア活動でありますとか、あるいは他県の事例でありますけれども、噴火活動が続きます新燃岳周辺での火山灰の除去ボランティアの状況を見ておりますと、若者の中にもボランティアに参加したいと、公的な部分にかかわっていきたいというような意欲というのは相当あるんじゃないかなと思っております。一方で、そういう意欲があれども、どこに相談していいのか、あるいはどういった方々が望んでおられるのかということについての情報が十分ではないというところで、マッチングのミスというのが生じているのではないかと思っております。そういったところをよく見きわめつつ、自主防犯活動のすそ野の拡大に努めてまいりたいと思っております。
〇小西和子委員 簡潔にお伺いします。
 子供を犯罪から守る対策についてお伺いいたします。
 子供が犯罪の被害に遭うということは、社会的に本当に大きな影響を与えています。3月の上旬も、熊本で3歳の女の子がとうとい命を奪われるということがありましたし、実は盛岡市内でも30年ほど前、市内の小学校の6年生の男の子が、顔見知りに車で連れ去られて命を奪われたという事件がありました。未然防止対策を進めてきましたけれども、登下校の確保と犯罪から子供を守るための対策がいろいろ行われてまいりました。その中の一つといたしまして、子ども110番の家の活動状況についてお伺いいたします。
 地域ぐるみで子供の安全を守っていくボランティア活動であります子ども110番の家の岩手県の登録状況、活動状況、活動上の問題点とその対策について簡潔にお伺いいたします。
〇千田生活安全部長 県内の子ども110番の家のボランティアの現状についてお答えいたします。
 委員お尋ねの子ども110番の家は、平成22年12月末現在で、県内に1万3、980カ所ございます。統計を開始しておりました平成17年から見ますと、約3、000カ所増加しておりますし、子ども110番の車のほうは1万7、146台で、約1万3、000台の増加を見ております。
 子ども110番の家、あるいは子ども110番の車として防犯ボランティア活動に取り組んでおられる方々には、警察での防犯ボランティア研修を通じまして、事件、事故、声かけ事案を認知した際の適切な110番通報について御協力をお願いしていますが、場合によっては、犯人から被害児童を一時的に保護するという役割も担う場合もございまして、警察としてはこの活動に大きな期待を寄せております。
 子ども110番の家からの通報件数につきましては、このような子ども110番の家であるということをお話しせずに通報されるケースもございますので、残念ながら正確な数字でお示しすることはできませんが、平成22年の4月、盛岡市のみたけ地内で発生しました小学校の女の子、女児の腕をつかむなどの事案で、付近の子ども110番の家であるクリーニング店にその女の子が駆け込んで、店員に110番通報をしていただいた事例がございます。
 子ども110番の家の防犯ボランティアの方々には、防犯ボランティア研修を通じまして、御協力をいただいたこちらの方でいただきたい事項を伝えるとともに、防犯活動に関する意見交換を行っている中で、110番の家等であることを表示していても、子どもが知らない人の家の中に駆け込むことは難しいのではないかという意見も出されましたことから、子供がちゅうちょなく、遠慮なく安心して駆け込めることができるようにするために、防犯教室あるいは登下校での指導を通じまして、子ども110番の家への訪問活動とか、あるいは地域によってはスタンプラリー等を開催いたしまして、顔の見える地域づくりと相互の交流に努めているところでございます。
〇小西和子委員 やはり顔見知りじゃないと、ちょっと飛び込めないですよね。そういうことはあるかと思います。
 それでは次に、子供に対する声かけ事案の実態についてお伺いいたします。
 平成21年、平成22年の認知件数、発生場所、発生時間帯、対象児童、遭遇時の児童の行動、それから被害の内容についてお伺いいたします。
〇千田生活安全部長 子供に対する声かけ事案の認知件数につきましてお答えいたします。
 まず、平成21年についてでございますけれども、認知件数は132件で、下校時間帯の発生が92件、道路上での発生が116件、小学生を対象としたものが74件となっております。
 具体的な内容といたしましては、車で送迎する、送っていきますなとどいった甘い言葉を用いるものが67件、肩に触れたり腕をつかむなどの身体的接触を伴うものが14件となっております。
 昨年、平成22年につきましては認知件数は182件で、一昨年から比べますと50件の増加でございます。下校時間帯の発生が102件、道路上での発生が157件、小学生を対象としたものが88件となっており、この傾向は前年とほぼ同じであります。
 具体的な行為としては、甘い言葉を用いるものが68件、腕をつかむなどの身体接触を伴うものが40件となっております。
〇小西和子委員 小学生が多いわけですけれども、中には中学生、高校生も対象になっているものもあるようですけれども、男女比ですとどのように、どちらのほうが多いということで結構ですので、おわかりでしたら。
〇千田生活安全部長 学年別等につきましては、やはり一般的には小学生が非常に多いということ、それから男女別で言いますと、女性が圧倒的に被害に遭うという形でございます。
〇小西和子委員 声かけ事案が平成22年は50件もふえているわけですけれども、改善するための取り組みをお伺いいたします。
 それから、犯罪に対する抵抗力の乏しい子供の安全というのは、地域社会が一体となって守っていくことが最も重要であると考えます。そこで、子供を犯罪から守る対策についてお伺いいたします。
〇千田生活安全部長 まず、声かけ事案の急増とその対策についてお答えいたします。
 声かけ事案につきましては、強制わいせつあるいは誘拐、最終的な凶悪事件であります殺人といった、こういう凶悪事件の前兆事案と私どもとらえておりまして、早い段階で適切な処置を講じまして、重大事件の発生を未然に防止するために学校等の関係機関と連携して、保護者あるいは地域の方々に声かけ事案の積極的な通報を語りかけてきたところであります。その結果として、保護者や地域住民に適切な危機意識を持っていただくことができまして、昨年、一気にこういう通報件数がふえたと私ども考えております。
 警察におきましては、声かけ事案に適切に対応するために、平成21年3月に、警察本部内に声かけ事案の捜査を専門的、継続的に行う子ども・女性安全対策係を新設いたしまして、平成22年3月には、専門の係として専従的な体制を強化したところであります。この係を中心としまして、声かけ事案の行為者を特定して、犯罪に該当する行為があれば法令違反として検挙し、犯罪に該当する行為がない場合であっても、指導、警告を行って犯罪の発生を未然に防止する、いわゆる先制・予防的な活動を推進しております。
 また、あわせて、インターネットを通じた発生情報の発信、あるいは発生地域におけるパトロールの強化を図るなど、県警察を挙げて、子供と女性を犯罪から守る取り組みも強力に推進しているところでございます。
 次に、子供の安全を守る対策についてでございますけれども、警察では、これまで、学校などの関係機関との情報共有、それからインターネットを通じた声かけ事案の発声情報の発信、それから子供見守り隊などの自主的な防犯ボランティアに対する帽子あるいはベストなどの貸与、電池などの消耗品の支援、あるいは東北では一番台数が多い青色パトカーとの合同パトロールなど、関係機関と連携して子供の安全対策を推進してきたところでありまして、今後とも引き続き連携を図りながら、地域の実態に応じた安全対策を推進してまいりたいと思います。
 また、保護者とか防犯ボランティアに、直接、迅速、適切に情報を提供するため、まちコミ等の携帯電話の情報発信サイトの活用を図っております。また、あわせて、大学生など若い世代とか現役の世代のボランティアの活動への参加促進とか、あるいは防犯ボランティアの研修会を通じた団体相互の連携を図りまして、地域の実態に応じた安全対策をまた一層進めてまいりたいと思います。
〇小西和子委員 多くの方々との連携でいろいろ取り組んでいらっしゃるということが本当によくわかりました。子供たちが安心して登下校できるような、そして外でも伸び伸びと遊べるような、そんな環境をと願っております。
 今後も、子供たちの安全確保に向けて、なお一層、御尽力いただけますよう要望いたしまして終わります。
〇斉藤信委員 岩手県暴力団排除条例案について最初に聞きます。
 県内の暴力団の実態と活動、資金源、これはどうなっているのか。今回の排除条例で、具体的にどういう取り組みで暴力団を排除することができるのか。第20条では、事業所等に対して、文書もしくは口頭による説明を求め、または資料を求めることができるとされているが、文書、資料の範囲はどうなっているか。乱用されるおそれはないのか。
〇佐藤刑事部長 まず、県内の暴力団の実態につきましては、平成22年12月末現在、15団体、約400名の暴力団構成員等を把握しており、その勢力は依然として衰えを見せず、暴力団の潜在化、資金獲得活動の巧妙化が顕著となっております。
 暴力団の検挙実態からその活動状況について説明いたしますと、暴力団幹部による風俗営業等適正化法違反事件、児童扶養手当の不正受給事件が摘発され、さらに、傷害、暴行等の粗暴犯罪や覚せい剤等の薬物犯罪での検挙が高水準で推移しているなど、県民にとって大きな脅威となっております。
 県警察といたしましては、このような厳しい暴力団情勢に対処するため取り締まり体制を強化し、事件検挙に全力を挙げているところであります。
 また、暴力団の資金源につきましては、恐喝、ヤミ金融、薬物の密売などのほか、飲食店等からのみかじめ料の徴収、無届けの無店舗型性風俗特殊営業、いわゆるデリバリーヘルスなどを資金源としております。
 このように、暴力団は、資金獲得のため、その手口を巧妙化させている現状にあることから、資金源に着目した取り締まりを強化しているという状況にあります。
 続いて、具体的にどういう取り組みで暴力団を排除することができるのかという御質問でございますが、本条例におきまして、暴力団による不当な影響や脅威に対して、県及び県民等が一体となって暴力団排除活動を展開するため、県及び県民等の責務を明らかにいたしますとともに、暴力団排除の具体的な取り組みにつきましても、1点目が、公共工事の発注、物品の購入、その他の県の事務全般から、暴力団を初め暴力団員等と密接な関係を有する者を排除すること、また、債権取り立てのために暴力団に金品を供与することを禁止すること、さらに、暴力団事務所として利用されることを知って不動産譲渡契約をすることを禁止することなどによりまして、暴力団排除を推進していくものでございます。
 続きまして、文書、資料の範囲はどうなっているのかという御質問でございますが、本条例案では調査、いわゆる捜査と同じような調査の対象となる違反行為として、1点目が、債権取り立てのため暴力団に現金を供与するなど事業者による暴力団の威力利用を目的とした暴力団への利益供与ということで、これは第14条第1項に定めております。
 次に、用心棒料の提供等暴力団に協力する目的で暴力団に金品を供与すること、これは14条第2項に定めております。
 最後に、暴力団事務所利用を知っての不動産譲渡契約等、これは第18条第2項ということで定められておりますが、これらを禁止し、違反する行為をした疑いを認めるときには、公安委員会規則で定めるところによりまして、調査の手段といたしまして、説明や資料の提供を求めることができるということにいたしております。
 また、説明、提出を求める文書、資料の範囲につきましては、条例におきまして、その違反事実を明らかにするため必要な限度においてということで規定している状況にあります。
〇斉藤信委員 暴力団排除は大いに進めていただきたい。ただ、私、第20条の問題を言ったのは、調査に当たって権力の乱用にならないように、そのことだけ指摘をして、それでちょっと関連をしてお聞きしますが、昨年11月29日に、雫石町で立てこもり事件というのがありました。この容疑者は暴力団と関係はなかったのかどうか、これが第1点。
 第2点は、報道等によりますと、これは盛岡西署に20件程度の相談が2006年からあったと。そして、昨年9月の雫石町の町議会でもこの問題が取り上げられ、警察などと連携し毅然たる態度で対応すると町長が答弁しているんですね。私は、雫石町からも、西署、県警に要請があったと思うんです。対応が私はまずかったんではないかと、結果論として。これはいかがでしょうか。
〇佐藤刑事部長 まず、雫石町の人質立てこもりの被疑者が暴力団と関係するかどうかということでしたが、これは個人情報保護法の関係がございまして、個人が暴力団に所属するかどうか、これについては現段階ではお答えできないということでお願いしたいと思います。
〇森本警務部長 雫石町の立てこもり事件に関しましての事前の警察安全相談の関係でございますが、ただいま手元に資料がございませんので、件数等についてはちょっと答弁を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、継続してこの者に係る警察安全相談があったということは事実でございます。その都度、適切に対応してきておるということでありますけれども、ただ、継続しての住民トラブルということがあったようでございまして、結果としてこういう事件になったということでございまして、警察といたしましては、引き続き長期にわたるトラブルがありましたときには、組織的な対応でありますとかあるいは引き継ぎの徹底といったことによりまして、適切な対応に今後も努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 1月6日には、殺人未遂容疑で再逮捕しているわけですね。これは殺人未遂で起訴する予定ですか。これはどうなっていますか。
 それと、私は町議会、町長の答弁も紹介しましたが、これは町長から、西署なり県警に要請がなかったんですか。
〇佐藤刑事部長 殺人未遂で再逮捕して起訴したかどうかというお尋ねでありますが、これは既に起訴をしてございます。
〇森本警務部長 先ほどの関係でございますけれども、継続した相談の中で町からの連絡というのもございましたし、町とも連携しながら対応をとっておったという状況でございます。
〇斉藤信委員 今度の暴力団排除条例が、これはまだ制定、実施されていないので、しかし、これが制定されたら暴力団も個人情報で隠されるんですか。そんなことをしたら排除できないんじゃないですか。わかったら明らかにして排除するというふうにしないと、効力を発揮しないんじゃないでしょうか。
〇佐藤刑事部長 応援のお言葉をいただきまして、ありがたいと思います。我々も実はそうしたいんですけれども、個人情報保護法の関係がございまして、警察の立場ではそのような行為をすることができないという状況にあります。ただし、民間では、例えば暴力団追放推進センターということで、民間の団体が設立されておりますが、そういうところでは、日常から全国の暴力団員の新聞の切り抜き、これを集めております。これは公の資料ですので、その資料をコンピューター等に蓄積いたしまして、一般の方から紹介があった場合は、その公のものをアドバイスするということで、補助的といいますか、民間の方に努力してやっていただいていると。
 我々はちょっと個人情報保護法に抵触することは実施できないということでございますので、その点、御理解をお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 暴力団排除と言って、だれが暴力団だかわからないというのでは、なかなか私は片手落ちではないのかなと。そこら辺の法律がありますから、法律を越えることはできないと思うけれども、そこのところをひとつ合理的にやっていただきたい。
 次に、私は一般質問でも取り上げ、昨年の決算特別委員会でも取り上げましたが、裏金工作を苦にして失踪して、遺体で発見された会計係長の問題です。
 昨年2月15日に、裏金を苦にして自殺をほのめかす置き手紙を残して失踪した会計係長が、4月15日に遺体で発見をされました。私が指摘した置き手紙について、県警の答弁は、昨年3月の予算特別委員会では、手紙等については関知しておりませんとの答弁でありました。昨年10月の決算特別委員会では、置き手紙については把握していない、こういう答弁でした。2月24日の一般質問に対する公安委員長の答弁では、置き手紙は発見されていないという報告を受けていると。これ、みんな違うんですよ。一つの事件で、置き手紙というのは、自殺だったら自殺の動機、私が指摘している裏金の疑惑があるんじゃないかと、それを証明する重大なものですよ。去年の予算特別委員会、ことしの本会議の答弁がこんなに違った答弁で、あなた方はどういう捜査をしているんでしょうか。なぜこういう答弁が微妙に変わっているのか。そして決算特別委員会のときには、死因や背景については捜査中だということでしたが、この捜査の結果は出たんでしょうか。
〇吉田警務部参事官兼首席監察官 委員の御質問にお答えいたします。
 委員の質問に対して微妙に答弁が変わったとのことでございますけれども、置き手紙については、当初から発見されていないという趣旨で答弁しているものであります。
 それから、先ほど決算特別委員会のときにお話しした背景とかについて捜査はどうなっているんだということでありますけれども、そのときもお話ししておりますけれども、捜査に関すること、詳細につきましては、答弁を差し控えさせていただきたいということであります。
〇斉藤信委員 これは私に寄せられた情報で、上司から裏金工作を求められて、3年間ですよ、それでそれを苦にして失踪したと、置き手紙を置いて失踪したと、こういう情報だった。だから私は取り上げたんですよ。それに対して、最初は関知していない。ないなんて言っていないんですよ、関知していない。去年の決算特別委員会では把握していない。そしてついに、今度の一般質問の本会議では、発見されていないと。初めて発見されていないと出てきたんですよ。私ね、こんな歯切れの悪い答弁はないんだと思うんですね。
 それで、捜査中なんですか、これは捜査が終わったんですか。この処理は自殺だったんですか、何だったんですか。あのね、1人の命がなくなっているんですよ。その理由があるでしょう。あなた方、どう考えているんですか、これについて。
〇吉田警務部参事官兼首席監察官 自殺するとするならばその理由は何かという委員の質問でありますけれども、警察といたしましては、自殺と断定したものではありません。事故、自殺など、あらゆる面から捜査をしており、現在も捜査中でありますので、詳細は捜査中につきお答えできません。
〇斉藤信委員 捜査中ということなので、ぜひ徹底して捜査してください。1人の県警職員が、命を断ったのかまだわかりませんけれども、私は重大な事件だと思うので。
 最後です。県警職員のサービス残業についてお聞きをいたします。
 県警職員の超過勤務時間は平均335時間、これは平成21年度です。超過勤務手当の支給は194.4時間、140.6時間、実に42%がサービス残業になっていますが、これは県警職員の平均でどれだけの額となるんでしょうか。そして、県警全体の総額ではどのぐらいの額になるんでしょうか。
〇森本警務部長 職員の超過勤務の時間数及び時間単価には個々に差がありますことから、1人当たりの額及び全体での総額については、一概には算出をいたしかねるところでございます。
〇斉藤信委員 警察の平均職員の単価で計算しますと、1人当たり年間37万5、000円ですよ。37万5、000円。それで、いいですか。平成21年の超過勤務手当の支給額は11億6、970万円でした。この42%というのは実に4億8、000万円ですよ、出された額の42%って。私はもっと多いと思うけれどもね。1人当たり37万5、000円が不払いで、総額5億円近いサービス残業ですよ。
 本部長、本部長は昨年の決算特別委員会でこう言っていました。
 答弁したとおりの時間の差があるということについてしっかりと受けとめていく必要があるものと認識しています。必要に応じ所要の措置を講じるなど、適切に対応していきたいと。
 どう適切に対応したんですか。来年度予算で超過勤務手当はふえていますか。
〇樹下警察本部長 超過勤務のあり方についての御質問でございますけれども、やはりそもそも長時間にわたる勤務実態、職員の勤務環境を考える上で大きな課題だと考えておりますので、まずは不要不急の事務を削減するとともに、事務の効率化を図るなど、できる限り超過勤務を縮減していくことは重要であると考えております。各種会議での指示等を通じまして、今後とも引き続き超過勤務の縮減に取り組んでまいります。
 平成23年度における超過勤務手当の金額は増額したのかということについてのお尋ねでありますけれども、やはり予算にも限りがありますので、青天井で要求するということはなかなか難しかろうと思っております。ただ、来年度につきましては、統一地方選挙が予定をされているということもございますので、若干の増額をお願いしているところでございます。
〇斉藤信委員 毎年毎年、実は超過勤務手当の支給総額が減っているんですよ。42%も不払いで、突発的にこの年だけサービス残業がふえているんじゃないんです。サービス残業は大体40%を超えてずっと推移して、1人当たり37万5、000円、総額5億円近いお金が不払い同様になっていると。これは社会的犯罪行為なんですよ、訴えられれば。私はやっぱりこの問題について、一気に全額とは言わないけれども、来年度も2割、3割改善しましたとかいうことがなかったら、全く姿勢が変わらないということになりませんか。
 県警本部費の超過勤務手当は11億5、290万円ですよ。これはふえているんですか、本当に。減っているんじゃないですか。
〇森本警務部長 平成23年度の当初予算におきましては統一地方選挙が行われますことから、同選挙違反の取り締まり活動によりまして、超過勤務手当の予算の不足が見込まれることがございますので、それを補うための予算を計上しているところでございます。(斉藤信委員「ふえているか減っているか聞いているんだよ、具体的に」と呼ぶ)平成23年度の超過勤務手当の総額でございますが、22年度と比べてふえております。(斉藤信委員「幾らふえているの」と呼ぶ)219万円余りふえております。
〇斉藤信委員 統一地方選挙があるというのに、たった219万円しかふえていない。警察職員もふえているんですよ。増員しているんですよ。こういうのはふえているうちに入らない。
 本当に42%、1人当たり37万5、000円、総額5億円近いサービス残業の根絶に向けて、最後、本部長、改善に努力すると言えますか。
〇樹下警察本部長 繰り返しになりますけれども、予算にも限りがございます。超過勤務につきましては、これに相当する手当を支給すべく、不要不急な超過勤務を抑制するとともに、業務の効率化、合理化などにより、その縮減に最大限取り組んできたところでございますけれども、今後とも、引き続き必要な縮減に取り組んでまいります。
〇五日市王委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇五日市王委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆様は御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時47分 散 会

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