平成23年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成23年3月3日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    佐 藤   博
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査    岩 渕 伸 也
  主任主査    藤 原 由喜江
  主査    葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  知事       達 増 拓 也
  副知事      宮 舘 壽 喜
  副知事    上 野 善 晴
  企画理事    藤 尾 善 一

  秘書広報室長   廣 田   淳
  首席調査監    木 村 卓 也

  政策地域部長   加 藤 主 税
  政策地域部副部長
  兼政策推進室長  工 藤 孝 男
  政策地域部副部長
  兼地域振興室長  佐々木 和 延
  政策監    大 平   尚
  評価課長     南   敏 幸
  市町村課総括課長 佐々木   信

  商工労働観光部
  副部長兼
  商工企画室長   高 橋   信

  農林水産企画室
  企画課長    小 岩 一 幸

  県土整備企画室
  企画課長    木 村   稔

  議会事務局長   宮   一 夫
  議会事務局次長  水 野 和 彦
  総務課総括課長  伊 藤 孝 栄
  政務調査課長   高 橋   徹

  総務部長    菅 野 洋 樹
  総務部副部長
  兼総務室長    小 原 敏 文
  総合防災室長   小 山 雄 士
  総務室管理課長  八重樫 一 洋
  入札課長     高 橋 宏 弥
  人事課総括課長  浅 沼 康 揮
  予算調製課
  総括課長     八 矢   拓
  法務学事課
  総括課長     紺 野 由 夫
  私学 ・情報
  公開課長     清 水 一 夫
  行政情報化
  推進課長     菅 野 義 克
  税務課総括課長  八重樫 幸 治
  管財課総括課長  吉 田   拓
  防災危機管理監  越 野 修 三
  防災消防課長   小野寺 文 也
  総務事務
  センター所長   平   哲 夫

  会計管理者兼
  出納局長     古 内 保 之
  出納指導監兼
  出納局管理課長  浅 沼   浩
  指導審査課長   南 舘 俊 則

  人事委員会
  事務局長     熊 田   淳
  職員課総括課長  及 川   明

  監査委員事務局長 千 田   永
  監査第一課
  総括課長     奈須川 博 司
  監査第二課
  総括課長     小 原 一 信
〇五日市王委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第2号から議案第22号まで、議案第27号、議案第29号、議案第30号、議案第32号から議案第35号まで、議案第38号から議案第40号まで、議案第42号及び議案第54号の以上33件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 これより、昨日に引き続き総括説明に対する総括質疑を行います。斉藤信委員。
   〔斉藤信委員質問者席に着く〕
〇斉藤信委員 それでは、先に、高過ぎる国保税の問題についてお聞きします。
 知事は、県民の国保税に対する負担感は年々増しているものと認識していると答弁がありました。盛岡市の場合、給与所得225万円の方の協会健保保険料は15万9、000円、国保税になると33万8、000円になります。国保税は異常に高過ぎる、負担の限界を超えていると感じますが、いかがでしょうか。
〇達増知事 国民健康保険税についてでありますが、先日答弁いたしましたとおり、県民の国保税に対する負担感は、年々増しているものと認識しております。
 市町村の国保財政も、平成21年度において単年度収支差し引き額が25市町村で赤字、市町村の財政調整基金は13市町村が5%未満、また、単年度決算補てんのために一般会計からの法定外繰り入れをした市町村は5市町村と、厳しさを増している状況にあります。
 こうしたことから、県としては、国の公費負担割合を拡大し、被保険者や地方公共団体の負担軽減が図られるよう、国に要望しているところであります。
 なお、国においては、国民健康保険制度の構造的な課題の解決に向けて、国と地方の代表者による協議の場を設けるとしており、この動向についても注視していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 高過ぎて払えない、滞納がふえている、こういう中で、実は12月に岩手県が広域化等支援方針を決めました。これは、払えないのに収納率を上げるという方針なんですよ。具体的にどういう方針が示されていますか。
〇宮舘副知事 広域化等支援方針についてでありますが、広域化等支援方針の収納率の目標は、収納率の低い市町村の底上げを図る観点から、被保険者数の規模別の四つのグループごとに、平均収納率を目標として設定いたしまして、目標を下回る市町村にあっては、その目標の達成を目指してもらい、既に目標を上回っている市町村にあっては、現在の収納率を下回らないようにしてもらうよう、無理のない目標として設定しているところでございます。
 収納率向上の具体的対策については、県と市町村によるワーキンググループで議論を行い、口座振替の促進や収納対策マニュアルの作成、滞納者の要因分析など、市町村が行っている平均的な取り組みをすべての市町村に取り組んでもらうことを基本として、支援方針に盛り込んだところであります。
 県といたしましては、この支援方針に基づき、市町村において、具体性のある収納対策が進められるよう、県の特別調整交付金を活用するなどにより支援していくこととしております。
〇斉藤信委員 具体的な収納対策を聞いているんですよ。
〇宮舘副知事 ただいま申し上げましたおり、県と市町村でワーキンググループをつくったり、あるいは口座振替を促進しているところでございますし、また、マニュアルを作成したり、滞納者の個々の要因分析を行いまして、その対策を具体的に、きめ細かく対応するということにしているところでございます。
〇斉藤信委員 そんなことないでしょう。ここの10ページにこう書いているじゃないですか。滞納防止対策、夜間における電話催告や訪問徴収、コールセンターなどによる督促、滞納処分の適切な実施、そして、短期被保険者証、資格証明書の適切な交付、これが中身じゃないですか。
〇宮舘副知事 資格証明書とか短期被保険者証、こういったものの実施も含んでおりますけれども、いずれにいたしましても、市町村に対しましては、滞納者個々の事情に十分配慮して、きめ細かな対応をするように通知しておりますし、また、会議等の場でも、この基本的な考え方に沿って適切に運用するように要請しているところでございます。
〇斉藤信委員 盛岡市に対する取り組み方針はどうなっていますか。
〇宮舘副知事 現在、私のところには個々の市町村に対する個別の方針については、ちょっと手元に資料がございませんが、いずれ、市町村ごとに個別に相談に応じながら対応しているところでございます。
〇斉藤信委員 質問を通告していて、きちんとここに書いてあることに答弁できなかったらだめですよ。だめです、そんな答弁は。
 それで、資格証明書、短期被保険者証が発行されていますが、その目的、そして無保険となる短期被保険者証のとめ置きの実態。私は直ちに是正すべきと思いますが、いかがですか。
〇宮舘副知事 資格証明書、短期被保険者証についてでありますが、資格証明書、短期被保険者証は、市町村が滞納者と接触し、窓口での保険税納付を直接働きかける機会を確保するために交付しているものでありまして、滞納者の生活実態など、状況をきめ細かく把握した上で交付しているところでございます。
 県におきましては、市町村に対し、滞納者個々の事情に十分配慮したきめ細かな対応をするように通知し、また、会議等の場でも、この基本的な考え方に沿って適切に運用するように要請しております。
 また、滞納者と連絡がとれないなどの理由から、短期被保険者証の未交付、いわゆるとめ置きと言っておりますが、こうなった場合については、県において、市町村に対し、滞納者が相談に来ない等を理由に窓口におけるとめ置きを放置することなく、電話連絡や家庭訪問等によりまして接触を試み、できるだけ速やかに手元に届けるよう通知しているほか、担当者会議等でも、適切に対応するように要請しているところでございます。
〇斉藤信委員 きょうの岩手日報にも、全国で昨年、全日本民医連傘下の病院、診療所で、受診おくれで71人が死亡したと。岩手県も1名、67歳の男性が無保険による受診のおくれで死亡したとありました。本当にこれは深刻な事態なんですよ。
 今、窓口全額負担の資格証明書、短期被保険者証をとめ置きされている数は幾らになっていますか。
〇宮舘副知事 平成23年度2月1日現在でございますけれども、資格証明書を発行しているのは874世帯となっております。それから、短期被保険者証につきましては、同じく1万5、571世帯となっております。
〇斉藤信委員 答弁漏れだ。とめ置きの数を聞いた。短期被保険者証が届いていない。きちんと質問にあるでしょう。だめだね。
〇宮舘副知事 未交付者、いわゆる短期被保険者証がとめ置かれている方は4、024世帯ということでございます。
〇斉藤信委員 2、473世帯、4、024人です。そして、資格証明書の発行が874世帯で、窓口全額負担は3、347世帯なんですよ。いいですか、無保険というのは、全額窓口負担しないと受けられないんですよ。こういう方々がこれだけいるのですよ。
 知事、これだけの方々が無保険状態になっていることをどう受けとめていますか。
〇達増知事 保険といいますのは、みんなでお金を出し合って、そして、いざというときにそのお金を使って、医療の場合であれば、医療を受けられるようにするという仕組みであって、その仕組みを維持していくために、みんなで協力し合っていくことが大事だと思っております。
 その全体としての額を確保していくということは、その仕組みを維持する上で、これはもう欠くことのできないことであると思いますけれども、ただ、みんなで協力し合うという中で、その個別の事情に応じて、ほかの人並みの貢献ができなくなる人に対しては、きめ細かく、お互いそこは譲り合って、困ったときはお互いさまという姿勢、これを行政の現場も失わないようにしていくことが大事だと思っております。
〇斉藤信委員 知事に2点お聞きしたい。
 国民健康保険法第1条は、国保は社会保障制度と書いているんですよ。保険制度じゃないんです。二つ目、3、347世帯が事実上、無保険状態でいい、仕方がない、こういうことですか。
〇達増知事 社会保障の中に社会保険と、それから公的扶助と大きく分けられる中で、医療保険については、これは、講学上は保険という位置づけなので、その収入に見合った負担をするという仕組みになっているのだと思いますけれども、一方、そこには公費を投入して仕組みを維持するという原理原則もあるわけでありまして、最初に答弁申し上げたように、国に対しても、その公費の充実を求めているところであります。
〇斉藤信委員 もう一つ、二つ聞いたでしょう。無保険状態でいいのかということを聞いたでしょう。
 委員長、答弁させてください。
〇達増知事 先ほど申し上げたように、みんなで助け合って制度を維持していく、その中で、ほかの人並みに貢献ができない人が出てきた場合には、それにきちんと配慮していく、それをまた、行政もそういう考え方をきちんと持っていくということが大事と思っております。
〇斉藤信委員 私は、知事の認識は間違っていると思いますよ。国民健康保険制度というのは、最後のセーフティネットです。憲法第25条に基づいて健康で文化的な生活を保障する、そういう制度じゃないですか。そして、3、347世帯が無保険状態でいいのかと私は聞いたんです。改めて、また聞きます。
〇達増知事 これは、公費投入も含め、他のさまざまな税金から賄うということも含めて、みんなで助け合って、そして、その中で、ほかの人並みの貢献ができない人に対しては、お互いそこは譲り合い、困ったときはお互いさまという考え方でやっていくことが重要と考えます。
〇斉藤信委員 相変わらず答弁漏れなんだけどね。やっぱり憲法第25条に基づく、だから、そこに国の責任、県や市町村の責任が出てくるのですよ。それを果たすべきだと。無保険状態に置いていいということにはならないと。
 それで、残念ながら岩手県の国保は、財産の差し押さえが急増しています。給与や年金まで差し押さえしたら、生活費まで奪われてしまうのではないでしょうか。学資保険まで差し押さえの対象になっているのでしょうか。命を脅かす差し押さえはやめるべきだと思いますが、いかがですか。
〇宮舘副知事 滞納処分は、税負担に関する公平性や安定した国保財政を確保するため、担税能力がありながら納付していただけない方に対しまして、市町村において、地方税法、国税徴収法等の法令に基づき、十分な調査を行った上で実施されているものと認識しております。
 給与や年金などについては、国税徴収法の規定の例により、1月につき、本人分として10万円、また、生計同一親族がいる場合は、これに1人当たり4万5、000円を加えた額までは、差し押さえができないこととされておりまして、一定の生活への配慮がなされているものと考えております。
 学資保険については、基本的には、差し押さえの対象とはなりますが、市町村においては、滞納世帯の生活実態を十分に把握しながら、慎重な取り扱いをしているところでございます。
 県といたしましては、滞納処分に当たっては、市町村が、支援方針に沿って滞納処分を行う場合にあっては、納税相談や財産調査などを適切に行った上で、分割納付を認めたり、担税能力がない場合においては滞納処分の執行停止を行うなど、生活困窮者に対して適切に対応するように助言しているところでございます。
〇斉藤信委員 年金差し押さえの場合に、どうやって生活費を確保するんですか。学資保険を差し押さえている例はあるんですか。
〇宮舘副知事 先ほど申し上げましたとおり、給与や年金などについては、本人分としては10万円、また、生計同一親族がいる場合は、1人当たり4万5、000円を加えた額までは、差し押さえはできないということになってございますので、一定の配慮はされていると考えております。
 それから、学資保険については、市町村にも聞いてみましたけれども、近年、差し押さえしている例はないと聞いております。
〇斉藤信委員 全国の都道府県で法定外の繰り入れをしているところの実情はどうでしょうか。県内ではどうなっているでしょうか。私は、岩手県も繰り入れして市町村を支援するべきと思いますが、いかがですか。
〇宮舘副知事 法定外繰り入れの状況についてでありますが、平成21年度の全国の法定外繰り入れは1、183市町村、これは全市町村の68.6%になっております。額にして3、592億円となっております。
 また、本県では、34市町村中7市町村、20.6%となっておりまして、額にいたしますと約2億90万円余となっているところでございます。
 国民健康保険税の税額につきましては、保険給付費の状況や収納率等に応じまして、市町村みずからが責任を持って設定すべきものであることから、県の独自補助による国保税額の引き下げを行うことは、適当ではないと考えております。
 県といたしましては、今後も、国民健康保険法に基づきまして、県の財政負担を着実に行うとともに、市町村からの求めに応じて助言等を行うことにより、国保財政が適切に運営されるように支援していきたいと考えております。
 また、被保険者や地方公共団体の負担が増加し、家計や国保財政を圧迫している状況にあることから、国の公費負担割合を拡大し、これらの負担の軽減が図られるよう国に要望しているところでありまして、今後とも、引き続き要望してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 実は、全国12都府県で独自の繰り入れをしています。
 達増知事に聞きますよ。あなたの選挙公報、所得が減少する一方で、医療、福祉、社会保障の負担は増大しています。多くの県民は苦しみ、悩み、不安を抱えています。危機を乗り越える理念と政策を持つことが必要ですと。あなたの危機を打開する理念と政策は何ですか。
〇達増知事 困ったときのために備えて、みんなでお金を出し合って、そして、医療が必要なときに、そのお金を使って、必要なときに、必要な医療を受けられる、そういう仕組みが重要なんだと思います。
 その仕組みが、特に最近のこの経済社会情勢の中で、自営業者が、仕事がうまくいかなくなるでありますとか、また、勤め人が、その職を失って、この国民健康保険の中に入っていくとか、さまざまな事情の中で、その仕組みがうまくいかなくなってきているということだと思います。
 そういう意味では、先ほどから申し上げているように、その仕組みを維持するための助け合いという工夫をお互いやっていくこと、その中で、ほかの人たちと同じような貢献ができなくなった人たちについては、きちっとそこは、お互いさまということで配慮するということに加えて、やはり経済全体の底上げ、雇用の下支えということが重要と考えます。
〇斉藤信委員 次に、住宅リフォーム助成への取り組みについてお聞きします。
 県内市町村の実績はどうなっているか、それをどう受けとめているか。
 秋田県の実績をどう認識しているか。
 秋田県に続いて、山形県が6億3、000万円、青森県が1億2、510万円で来年度から実施しようとしていますが、県として、これまでどう検討してきたのか示してください。
〇上野副知事 住宅リフォームにつきましての秋田県の実績に対する県の認識、それから、県内市町村の取り組みと実績についてでありますが、まず、秋田県が実施しております住宅リフォーム緊急支援事業につきましては、その事業規模の大きさ、それから包括性という観点から、地域経済の活性化という観点から考えた場合、即効性のある事業であると認識をいたしております。
 それから、本県内における市町村の取り組み実績についてでございますが、本県内では19の市町村が、リフォーム全般に対し10万円から50万円の幅で補助する、そういう制度を設けております。今年度は、1月末現在で、19市町村の申請戸数の合計が3、725戸、補助額は3億8、534万円、工事額は約30億3、000万円となっておりまして、一定の試算をいたしますと約47億円の経済効果があったと試算ができるところでございます。
 それから、次に、県としてのこれまでの検討についてでございますが、今申し上げましたように、リフォーム市場の活性化というのは、地域経済への波及効果などの観点から重要な取り組みと考えられておりますので、これまで、県では、ほかの県や県内市町村で実施している助成制度につきまして調査を行いまして、その事業規模あるいは効果等について検証してまいったところであります。その上で、本県における住宅リフォーム制度全般を対象とした助成制度の創設などにつきましては、総合的な観点から判断されるべきものだと思っております。
〇斉藤信委員 秋田県も県内市町村も大きな効果を上げているということですから、ぜひ、これは具体的な検討を進めていただきたい。
 次に、TPPの問題について。
 県が試算した農林漁業に対する影響のこの試算について、知事はどう受けとめているか。私の質問に、強行はけしからんと答弁がありました。これは反対する、こういう意味でしょうか。
〇達増知事 まず、農林漁業に対する県の影響試算について、どのように受けとめているかということについてでありますが、農林水産省が昨年10月公表した農林水産業の影響額の試算方法を参考にして、本県農林水産業の影響額を試算いたしました。農業では、米、酪農、肉用牛など7品目の生産額が1、469億円、林業では、合板生産額が22億円、水産業ではサケ、マス類、ワカメなど11品目の生産額が191億円、それぞれ減少する見込みであり、大きな影響が懸念されます。
 本県の農林水産業は、食料の安定供給はもちろん、その生産活動を通じて、国土、自然環境の保全や伝統文化等の保存、継承など、多面的な機能を発揮していますので、農林水産業、農山漁村の振興などが損なわれることがないようにすべきと考えております。
 そして、強行はけかしらぬという答弁についてでありますけれども、協定の内容そのものについて根本的に検討されておらず、最近もさまざま政府も広報等をしているようでありますけれども、その内容については見えてこない段階でありまして、反対の表明には至らないところでありますが、このまま十分な検討が行われずに、地域の声を反映した国民の合意が得られないような中で、多くの国民にとって不利な内容の協定参加に向けた動きが強行されるようなことがあってはならないという意味で申し上げたものであります。
〇斉藤信委員 TPPは関税撤廃が原則で、はっきりしているんですよ。だから、こういう試算ができるのですよ。政府がその対応策を示せないというのが現実で、だから、6月に決めると言っているんですから、こんなことを決められたら大変なんですから、決められないように県が対応すべきじゃないですか。知事は対応すべきじゃないですか。
〇達増知事 さまざまな2国間や、あるいはWTO、多国間のその貿易交渉に関しても、県は、今までも、それが地方の農業の生産、また農村の振興、そういったことに反しないようにということは、随時、訴えてまいりましたし、今回のTPPについても、これが、岩手の食料供給基地としての農業の生産や、また、内需拡大型のさまざまな6次産業化、農商工連携などで地域振興にもつながっていくような、そういう動きをとめてしまうようなことがあってはならないということについて、常に時宜に応じて訴えていきたいと思います。
〇斉藤信委員 総選挙のときの民主党の公約違反であり、私は、連合がTPPに賛成していますけれども、あなたが連合から推薦を受けているのは矛盾じゃないですか。
〇達増知事 去年の秋ごろ、連合のほうでTPPに関して出したコメントを見ましたけれども、単に賛成ということではなく、さまざまな議論を展開していると受けとめておりまして、このTPPということをテーマにしながら、我が国の経済、雇用や、また農業のあり方について、真剣な議論が行われることは好ましいと考えております。
 なお、TPP参加ということについては、国民の合意が得られないような形での参加というのは、慎重に検討すべきと考えておりまして、また、岩手としても、適時適切に国に対する提言などを行っていく必要があると考えております。
〇斉藤信委員 いずれ、最後まで歯切れが悪かったですね。
 次に、精神障がい者のバス運賃の割引問題について。
 障がい者への差別を禁止する条例が県議会で制定されました。私は当面、緊急に是正すべき課題として、精神障がい者に対するバス運賃の割引を実現することが重要だと考えますが、全国の状況、県内のこれまでの対応について示していただきたい。
〇宮舘副知事 まず、全国の状況についてでありますが、厚生労働省の調査結果によれば、平成22年12月現在、全県での実施が27都府県、また、一部市町村での実施を合わせますと、本県を含め37都道府県で運賃割引を実施しております。
 本県におきましては、奥州市、金ケ崎町、平泉町、野田村、洋野町の5市町村におきまして、精神障害者保健福祉手帳所持者に対し、福祉乗車券の交付や町村営バスの運賃無料化などを市町村独自サービスとして実施しているところであります。
 また、県内のこれまでの対応についてでありますが、平成18年10月に、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正によりまして、精神障害者保健福祉手帳の様式が改正され、写真貼付により本人確認が可能になりました。このため、県としても、県バス協会に対し、身体障がい者及び知的障がい者同様の割引が適用されるように働きかけを行い、バス運賃割引に向けての事業者間調整が進められた経過があります。
 しかしながら、県バス協会で検討した結果、各バス事業者間の調整が調わず、バス協会主導による割引実施は、実現に至らなかったところであります。
 県といたしましては、その後も継続して県バス協会や各バス事業者に対し、運賃割引を働きかけておりますが、いまだ主要バス事業者の了解が得られていない状況でございます。
〇斉藤信委員 3障がいの中で精神障がい者だけ割引の対象にならないと。私は、これは条例の精神からいっても、やっぱり直ちに是正すべき課題だと。障害基礎年金だけで暮らす私には、生きるために必要な割引ですと、こういう声も寄せられております。バスを使えば1日2、000円かかると。本当に大変な問題で、私は、知事として、バス協会に強く要請して実現を目指すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇達増知事 県においては、いわて県民計画に掲げる共に生きるいわての実現を目指して、障がい者の自立と社会参加や地域生活移行の支援など、障がい者が地域で自立した生活ができる環境づくりを進めております。
 お尋ねのあった精神障がい者については、通院や就労などの日常生活においてバスを利用することも多く、また、その社会参加の一層の促進のためにも、移動手段の確保は重要な課題であると考えております。
 県としましては、精神障がい者へのバス運賃割引が実現されるよう、今後とも、県バス協会及びバス事業者に対して要請を継続し、理解を求めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 ぜひ、ここは知事の出番だと思うので、よろしくお願いしたい。
 私学就学支援金の拡充について、これは一歩前進の事業でしたが、公私格差は広がりました。私学の授業料が基本的に無償化される生徒の数と比率は、この事業でどうなるでしょうか。
 県は、今年度、県単独の授業料減免の予算を8、200万円も削減しました。県が減額した8、200万円をこの授業料無償化の拡充に活用すべきと思いますが、いかがですか。
〇菅野総務部長 まず、今、委員から御指摘のありましたこれらの制度によりまして、授業料負担が実質的に無償となった私立学校の生徒の人数と比率につきましては、これは各月ごとによって変わりますので、平成22年7月時点で申し上げますと、人数では1、427人、比率では約18.6%と把握いたしてございます。
 次に、減免補助の拡充の関係でございますが、この制度をつくりました際に、私どもといたしましては、国の就学支援金のスキームができた。ただ、これができたことによって不利となる方が生じないように、これまで以上の支援が受けられるようにということでスキームをつくったということでございます。
 それぞれの事業について、固有の予算枠があるということではないわけなので、いずれ何が必要とされるかという観点から検討したところでございます。
 来年度におきましては、このような観点から、事業内容の一部を拡充いたしまして、生活保護世帯を対象として、私立高等学校等に入学する際の入学金について支援を開始したいと考えております。
〇斉藤信委員 結局、18.6%しか無償にならないのですよ。それなのに8、200万円も独自減免の予算を減らしたと。私は、これは拡充こそ求めるべきだと。知事、減額するのではなく、拡充に回すべきだったのではないですか。
〇達増知事 県では、国の高等学校等就学支援金について、公立高校生1人当たりの負担軽減額と同等の額を支給する、また、低所得者世帯については増額して支給するというスキームがつくられていますので、その国の考え方が相当の合理性を持つものと考えて、本県の授業料減免補助の制度設計を行ったところであります。
 なお、来年度は、新たに入学金に対し支援を行いたいと考えておりますし、また、私立学校に対する支援については、今後とも、さまざま検討していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 最後ですけれども、昨日の総括質疑で、あるマスコミの報道について、悪意に満ちた報道だと。これは自画自賛というやつですよ。私は、マスコミが県政批判するのは当然の精神だと思いますけれども、悪意に満ちた報道というのは撤回すべきじゃないですか、この発言は。
〇達増知事 悪意に満ちたという言葉はちょっと使った記憶がないんですけれども、さまざまインタビューで、こういったことについてはどうですか、どうですかと聞かれ、基本的に肯定的で前向きな答えをしたことに対して、特に、私が何かみんなの前に出て、すごいだろう、褒めてくれみたいな態度で話したわけではないのにもかかわらず、自画自賛という見出しをつけるのは、これは、だれがそういうインタビューに答えた場合であっても、国語の問題として、ちょっと悪意があるというふうに感じますので、悪意ある見出しのつけ方というような答弁をしたと記憶しております。
〇斉藤信委員 マスコミの批判に対して、私はインタビュー、これを読みましたよ。見出しは全くそのとおりだと思いますよ。そういうマスコミの報道に対して、悪意に満ちたという、知事が、権力者がそういうことを言っては、私はだめだと思いますよ。改めてもう一回聞きます。
〇達増知事 まず、私はそういう記事、また見出しとかについては、これは報道の自由であったり、また編集の自由でありますので、それについて何か差しとめろとか、書きかえろとか、反論を載せろとかということは全然言いません。報道の自由だと思っております。
 ただ、今の委員の質問もそうでありますし、また、きのうの質問もそうでありましたけれども、さまざま考え方が違う者同士の政治的な議論の中で引用されるわけでありまして、そういう質問があったから私も答えたので、その場合、私の発言にも政治的な色彩を帯びたかもしれませんが、それは、当然のやりとりの中でありまして、考え方の違い、感じ方の違いがそういう政治的な議論の中で出てくるのは、これは当然と思います。
〇斉藤信委員 時間が来たので終わります。
〇五日市王委員長 次に、小野寺好委員。
   〔小野寺好委員質問者席に着く〕
〇小野寺好委員 公明党の小野寺好であります。
 県民の生活の柱であります雇用問題を中心に伺います。
 最初に、人口減少について伺います。
 県内人口は、出生数よりも死亡者数が多いという自然減と、転入よりも転出が多いという社会減、双方に起因し、毎年1万人以上の減少が続いています。人口減により社会の活力が減退していくことを危惧しますが、これがいつまで続くのか、そして、最低人口はどこまで下がると推計しているか。また、出生数の増加には子育て環境の充実が求められますが、そのポイントは何であると考えているか、知事の所見を伺います。
〇達増知事 まず、県内人口の推計についてでありますが、いわて県民計画の中で、平成47年─2035年までの見通しを国勢調査速報値や、その推計値等を利用、活用して示しているところでありますが、それによりますと、平成47年まで一貫して人口が減少し、89万人から108万人程度になるという数字が出ております。
 現在のところ、この時点以降いつまで、またどこまで人口が減少するかという推計は、県としては見通しを持ち合わせていていないところでございます。
 それから、出生数増加についてでありますが、出生数の増加を図るためには、人口減少社会に対応した子育て環境の一層の充実を図っていく必要があり、県、市町村、ボランティア、住民組織、NPOなどが連携し、地域社会全体で子育て家庭を支援していくことが重要であります。
 県では、いわて子どもプランに基づく取り組みとして、個々の世帯に対しては、県の子育て応援ホームページでありますとか、また、子育て漫画情報誌でありますとか、さまざまな広報媒体を通じて、子育て支援情報の提供に努めております。
 また、地域におきましては、県内各地の子育て支援推進協議会を通じまして、多様な子育て支援活動の充実を図り、いわて子育て応援の店協賛店の拡充などによって、子育て環境の整備に努めております。
 また、若者が家庭や子育てに夢を持てる環境の整備が重要であり、未婚男女への出会い、交流の場の提供などの支援も行っていくことが重要であります。
 なお、本年2月の人口動態統計速報によれば、平成22年の本県の出生数は、平成21年と比較して509人の増加となり、減少傾向にあった出生数が、平成18年以来4年ぶりの増加になったことから、今後に明るい兆しも見えてきているのではないかと考えております。
〇小野寺好委員 仕事がなければ人口流出が発生しますが、本県では、どのような分野で雇用が失われてきているか、失業の原因をどうとらえているか伺います。
 失業率、失業者数、1年以上に上る長期完全失業者数はいかほどでしょうか。
 なお、前の政権においては、企業の急な業績不振にあっても、従業員の雇用を維持したいという場合には雇用調整助成金等を措置しましたが、その利用状況をお伺いします。
 また、社会減の要因の一つに高卒者、大卒者等の県外就職が挙げられますが、ことしの就職内定状況と、そのうち県外就職予定者数はいかがでしょうか。
 なお、高卒者、大卒者にとっての県内就職に関し、どのような業種が好調であったか、把握していれば、お示しいただきたいと思います。
〇上野副知事 まず、雇用が失われている分野についてのお尋ねでございますが、離職者全体の業種別のデータというのは持ち合わせてございませんけれども、岩手労働局によりますと、5人以上の解雇者がある場合に提出されることとなっております企業整備届け出というものがございまして、これは、すべての離職者をカバーしておりませんけれども、これで推しはかるということといたしますと、この届け出の状況では、平成22年4月から23年1月までの解雇者が1、649人でございまして、業種別に見ますと、製造業が893人で約54%、次いで、建設業が298人で約18%となっております。
 なお、製造業の中では、電気機械器具や電子部品、デバイス、電子回路などの業種で解雇者が多くなってございます。
 次に、失業の原因についてでございますが、県内の景気が、全体としてみれば持ち直しの傾向が続いてはおりますけれども、今申し上げましたように、製造業や建設業の分野では引き続き厳しい経営状況にあるということなどが、主な原因ではなかろうかと考えております。
 次に、県内の失業率などについてでございますけれども、総務省の労働力調査によりますと、平成22年10月から12月までのモデル推計値で、岩手県の失業率は4.6%、失業者数は3万1、000人となっております。
 なお、1年以上の完全失業者につきましては、県内のデータがないため不明でございますが、平成22年の労働力調査の結果によりますと、全国の失業者334万人のうち、1年以上の失業者は121万人となってございます。
 それから、次に、雇用調整助成金の利用状況についてでございますけれども、平成22年4月から23年1月までの雇用調整助成金の計画受理件数は、延べ4、013事業所、10万293人と聞いておりまして、前年の同じ時期に比べまして1、570件の減、約28%の減、それから7万9、834人の減、これは約44%の減となっておりまして、減少いたしております。
 雇用調整助成金の計画受理件数につきましては、リーマンショック以降の景気の急激な落ち込みによりまして雇用環境が悪化したため、平成21年度には大きく増加したところでございますが、平成22年度におきましては、景気の持ち直しの動きに合わせまして減少傾向にございまして、これまで、この制度が雇用維持に一定の役割を果たしているものと考えてございます。
 次に、県外就業予定者数などについてでございますが、岩手労働局によりますと、平成23年3月高校卒業予定者の1月末現在の内定率は89.7%、内定者は3、007人となっておりまして、そのうち県外就職者は1、326人、内定者の約44%であります。大学卒業予定者につきましては、内定率65.9%、内定者は1、260人となっておりまして、そのうち県外就職者は851人、内定者の約67%となっております。
 それから、県内就職の状況についてでございますけれども、県内就職の状況が好調であった業種、これは、好調であったという定義が難しゅうございますが、仮に求人数がかなりあって、かつ前年を上回っているものということで拾ってまいりますと、そういう意味で好調であった業種は、高校卒業予定者の求人につきましては、製造業、建設業、医療・福祉、卸・小売業などが挙げられます。
 また、内定につきましても、同じように内定者数がかなりありまして、前年を上回っているというものを好調だと定義いたしまして拾いますと、こちらにつきましては、県内外別の把握はできませんが、全体で好調だった業種は、製造業、サービス業、医療・福祉などが挙げられます。
 なお、大学については、業種別の統計がないことから、詳細は把握いたしておりません。
〇小野寺好委員 高卒、大卒、本当に県外就職、もったいないなといった気がいたします。
 次に、職業訓練校費が17億円余となっていますが、その目的とする中身、訓練校の需要と成果はいかがでしょうか。
 昨年、雇用・能力開発機構が廃止を発表し、関係者を困惑させました北上コンピュータ・アカデミーや地域職業訓練センターは、最終的にどのように活用されることになったか伺います。
〇上野副知事 職業訓練校費17億円余りでございますが、その目的、中身についてでございますけれども、平成23年度当初予算におきまして、その主なものは、第1に、産業技術短期大学校、高等技術専門校などの県立職業能力開発施設の職員に支払われる給与費などの管理運営費が7億3、300万円余、第2に、訓練に使用する教材費や光熱水費など訓練生の職業訓練の実施に要する公共職業能力開発費が4億600万円余、それから、第3に、離職者等を対象といたしましたパソコンや介護の資格取得に関する職業訓練や、不安定就労者などを対象とした職場実習を組み合わせた職業訓練などを実施する職業支援能力開発費が4億7、300万円余、この三つが主なものとなってございます。
 次に、訓練校の需要と成果についてでございますけれども、県立職業能力開発施設全体の入校総定員270名に対しまして、平成22年度は、応募者数が463人、入校者数が280人で、入校率は103.7%となっております。
 また、平成23年3月卒業予定者の2月24日現在の就職内定率は95.2%となってございます。
 次に、北上コンピュータ・アカデミー及び地域職業訓練センターについてでございますけれども、雇用・能力開発機構が保有しておりました北上コンピュータ・アカデミーの施設は、北上市が譲り受け、職業訓練法人北上情報処理学園が施設を運営する意向と伺っていることから、引き続き、情報処理技能者養成施設として活用される予定となっております。
 なお、これまで雇用・能力開発機構が負担しておりましたコンピュータリース料につきましては、激変緩和措置といたしまして、平成23年度から平成25年度までの3年間は、国が全額を負担するということになってございます。
 また、県内4カ所の地域職業訓練センターにつきましても、同様に、雇用・能力開発機構が保有しておりました施設を地元関係市─盛岡市、二戸市、一関市及び奥州市─が譲り受け、その運営は、地域の職業訓練法人が行う意向と伺っておりますことから、今後も、各地域における職業訓練の拠点施設として活用される予定となってございます。
 課題となっておりましたこれらの5施設の譲り受け後の大規模修繕費につきましても、激変緩和措置といたしまして、平成23年度から平成25年度までの3年間は、国が全額負担することとされております。
〇小野寺好委員 新卒者離職どめ対策ですが、最近は、せっかく就職しても、職務内容とか人間関係に悩んで、安易に離職する傾向が強いと聞きます。高卒、大卒の離職状況、防止のためのキャリア教育はいかがでしょうか。
 また、ニート、フリーターの原因と対策についてもお伺いいたします。
〇上野副知事 まず、新卒者の離職状況についてでございますが、岩手労働局による直近の統計では、本県の平成21年3月卒業者の1年目離職率は、高校卒業では17.7%、大学卒業では14.9%となっております。
 離職防止のためのキャリア教育についてでございますが、小学校から高校においては、教育委員会が策定いたしました、いわてキャリア教育指針に基づきまして、各発達段階に応じたキャリア教育を進めておりまして、特に高校におきましては、インターンシップなどの体験的な学習を通じまして、社会人、職業人としての責任感や忍耐力の基礎を養い、職場定着につなげております。
 大学につきましては、県では、ジョブカフェにおけるセミナーの開催や、岩手大学と岩手県立大学が共同で開催いたしております地元企業の情報発信と社会人としての基礎力養成のための講座への協力を通じまして、学生の職業意識の形成を支援いたしております。
 次に、ニート、フリーターの原因と対策についてでございますが、まずニート、いわゆる仕事についておられず、家事も通学もされていない方々などのことを一般的には言うようでございますが、その原因につきましては、不登校や高校、大学中退などの学校段階でのつまずきや、いじめ、引きこもりなどを契機として、社会になじめなくなってしまうということが挙げられるという調査結果もございます。
 県では、このような方々につきましては、御本人や家族に対する相談、家庭訪問、就労受け入れ企業の開拓、就労体験等の事業を通じまして、職業的自立支援を行っているところでございます。
 また、フリーターにつきましては、これは、主にパート、アルバイトとして働いている方々のことを一般的には言いますが、フリーターとなる原因につきましても、厳しい就職状況の中、やむを得ず、正社員以外の就業形態を選択し、その後も不安定就労が継続しているということなどが考えられます。
 こうした方々に対しましては、ジョブカフェいわてなどの就職支援施設におけるカウンセリングや各種教育機関などを活用いたしました職業訓練などにより、就業を支援しているところでございます。
〇小野寺好委員 先月発表されました県民経済計算速報値によりますと、平成21年度の県民所得は221万9、000円で、前年度比4万8、000円減となっております。個人の所得を正確に映し出しているわけではありませんが、近い数値になっていると思われます。
 今、デフレ経済とはいえ、社会保障関係費の負担増などで庶民の生活はさらに苦しくなっております。例えば、夫の給与所得を補うため、主婦が4時間程度のパートを複数かけ持ちしているという話をよく聞きますが、最近は、そのパート労働自体が少なくなってきています。
 現下の雇用情勢はいかがか、地域ごとの有効求人倍率の現状をお尋ねいたします。
 また、パート、アルバイト、派遣、契約社員など、非正規雇用が増加しているようですが、実態をどのように把握しているかお伺いいたします。
〇上野副知事 まず、地域ごとの有効求人倍率等についてでございますが、岩手労働局が発表いたしたところによりますと、平成23年1月の有効求人倍率につきましては、全県で0.49倍、地域別で申しますと、それぞれ、県央で0.54倍、県南0.49倍、沿岸0.53倍、県北0.35倍となっておりまして、雇用情勢は回復してきているものの、依然として予断を許さない状況であると認識いたしております。
 次に、非正規雇用の実態についてでございますが、総務省が公表しております平成19年の就業構造基本調査によりますと、県内のパート、アルバイト、派遣社員などの非正規雇用の割合は31.8%となってございまして、5年前の平成14年調査と比較いたしますと、非正規雇用の割合が4.3ポイント上昇いたしております。
〇小野寺好委員 病気や高齢化により、全国的に生活保護世帯が急増し150万世帯に近づいていますが、本県はいかがでしょうか。そのうち失業によるものはどうか。
 新年度予算には生活保護受給者就労支援事業費補助金が計上されていますが、その内容をお伺いいたします。
〇宮舘副知事 生活保護世帯数についてでありますが、平成23年1月末現在で1万475世帯が生活保護を受給しておりまして、前年同月と比較いたしますと、世帯数で957世帯、10.1%の増加となっております。
 昨年4月から本年1月までの10カ月間における保護開始件数1、608件のうち、失業を含む勤労収入の減少及び喪失を理由とするものが344件となっておりまして、開始件数の21.4%を占めております。これは、前年同時期よりも件数、割合とも減少しておりますが、依然として高い水準で推移していると考えております。
 それから、生活保護受給者就労支援事業費補助でありますが、これは、生活保護受給者の再就職などの支援を図るため、二つございますが、一つは、就労可能と判断される方を対象といたしまして、就職に向けた面接相談やハローワークへの同行指導などを行う就労支援相談員の設置に要する費用、それから、もう一点は、就労意欲が低い方などを対象といたしまして、職場体験や職業訓練など、就労意欲を喚起する事業に要する費用、これを補助対象経費として市に助成しているものであります。
 また、町村にお住まいの方に対しましては、県の広域振興局が、直接、支援を実施しております。
 県では、これらの取り組みを通じまして、生活保護受給者の一層の就労支援を図っていくこととしております。
〇小野寺好委員 製造業等の企業誘致は比較的安易な雇用の場でありましたが、工場の海外移転もあり、県内事業所においても撤退が散見されてまいりました。
 本県は、地価が安く、労働力も豊富であるということで、これまで県内市町村には工業団地が造成されてきましたが、近年の売却あるいは賃貸の状況はいかがでしょうか。
 改めて、過去5年ほどの企業誘致実績と撤退企業の数を伺います。
 また、郊外型大規模小売店が乱立しましたが、これは、雇用の受け皿であることに間違いはありませんが、既存商店街にとって脅威ともなっております。大規模小売店の従業員とそれ以外の小売店の従業員の数は、どのように推移してきているか伺います。
〇上野副知事 まず、工業団地の状況についてでございますけれども、本県における工業団地は、平成22年4月1日現在で159団地、2、254ヘクタールございまして、このうち賃貸を含めた分譲済み面積は1、623ヘクタール、分譲率は72%となっているところでございます。
 次に、平成20年4月1日時点からの2年間で比較をいたしますと、賃貸も含めました分譲済み面積は24.9ヘクタール増加いたしておりまして、分譲率も1.6ポイント向上いたしております。
 次に、誘致実績及び撤退数についてでございますけれども、平成18年から現在までの5年間の企業誘致実績は84件で、最終雇用計画数は3、085人でございました。これに対しまして、撤退企業は36件でございまして、これに伴う雇用の削減数は2、530人となっております。
 次に、大規模小売店の従業員の推移についてでございますけれども、商業統計によりますと、店舗面積1、000平方メートル以上の大規模小売店の従業員数は、平成16年の1万8、353人に対しまして、平成19年は2万1、003人でございまして、2、650人の増加、14.4%の増加となってございます。
 一方、大規模以外の小売店は、平成16年の6万7、856人に対しまして、平成19年は6万1、743人と従業員数が推移いたしておりまして、これは6、113人の減少、9.0%の減少ということになってございます。
〇小野寺好委員 農林水産業は、従事者の高齢化、担い手不足が大きな課題となっています。労働力が不足しているとはいえ、生活できるだけの収入が伴わなければ、従事者がふえないのは明白であります。
 県として、新規就業者の所得を保障するため、どのような対応策を考えているか伺います。
〇達増知事 県では、新たに農林水産業に就業される方々が、早期に経営を確立して、安定した所得を確保できるよう、その支援に取り組んでいるところであります。
 具体的には、就業フェア等の開催によるマッチング支援、就業希望者に対する現場実践研修や、就業から経営の自立に至る発展段階に応じた研修、農業改良普及センター等による経営指導といったことによりまして、必要な技術、経営ノウハウの習得や、資格の取得を支援しているところであります。
 さらに、資材、施設等の初期投資に対する無利子の就農支援資金の融通、社団法人岩手県農業公社等に設置する基金を活用した助成など、就業者の個別ニーズに応じた支援にも努めております。
 また、県内では、一部の市町村や農協等において、農林水産業に就業される方々に対して、生活や就業を支援するための助成を行っている例もありますので、今後とも、こうした取り組みなどを実施する市町村や関係機関、団体、さらに地域の生産者とも連携をしながら、新規就業者の方々の経営が早期に確立されるよう、取り組みを推進していくこととしております。
〇小野寺好委員 県の新年度雇用創出計画では、農林水産業の6次産業化を支援することによって雇用を生み出そうとしていますが、その内容を詳しくお示しいただければと思います。
 なお、県内の産直施設は売り上げを伸ばしているところがふえているとの報道がありますが、産直従事者数の内容、農業法人等における新規雇用の状況はいかがでしょうか。
〇上野副知事 農林水産業における雇用についてでございますけれども、まず、県では、平成21年度より国の雇用対策事業を活用いたしましたいわて農林水産業6次産業化チャレンジ支援事業を実施しているところでございます。
 この事業は、農林水産関係の法人や民間企業などが新たな雇用により生産者と連携して行う新商品の開発や販路の拡大などの6次産業化の取り組みにつきまして、県がモデル事業として選定し事業の実施を委託するものでございまして、これまでに70人の新規雇用が生まれているところでございます。
 来年度につきましては、6次産業化のすそ野を拡大するため、新たに創設いたしますいわて農林水産業6次産業化スタートアップ支援事業によりまして、法人等に加えまして、個人の生産者や集落営農組織などが新規雇用により行う6次産業化のモデルづくりにつきましても積極的に支援することといたしておりまして、40人の雇用を想定しているところでございます。
 次に、産直施設の従業員数についてでございますが、平成20年度の調査結果では、249カ所の産直のうち110施設で常用雇用480名、臨時雇用など380名、合わせて860名を雇用いたしておりまして、その他の産直につきましては生産者みずからが販売を行っているところでございます。
 その後、売り上げが増加した大規模な産直に確認いたしましたところ、売り上げの増加に伴う業務量の増加に対しまして勤務時間の延長等で対応している産直が多うございましたが、一部の産直では近隣農家等から新規雇用により対応しているところも見受けられたところでございます。
 さらに、農業法人等における新規の雇用状況につきましては、平成21年度では常用雇用が114人、非常用雇用が84人となっているところでございます。
〇小野寺好委員 公共工事の激減で、建設業者の皆さんは大変な苦境にあります。建設業は本県の基幹産業の一つでもありましたが、10年前と比べて、完工高、業者数、従業員はどのように推移しているか伺います。
〇上野副知事 県内建設業の10年前と比べました完工高、業者数、従業員数の推移についてでございますが、まず、国土交通省の建設工事施工統計調査による元請完成工事高で見ますと、平成10年度には9、450億円であったものが平成20年度には5、513億円に減少しておりまして、この間、減少額で3、937億円、約41.7%の減少になっております。
 次に、業者数の推移についてでございますが、建設業許可業者数で見ますと、平成11年度には5、112者であったものが平成21年度には4、538者まで減少いたしておりまして、この10年間で574者が減少、約11.2%の減少となってございます。
 さらに、従業員の推移についてでございますが、岩手県民経済計算による就業者数で見ますと、平成10年度には9万3、000人であったところが平成20年度には約6万3、000人まで減少いたしておりまして、この10年間で約3万人の減少、減少率で申し上げまして約32.2%の減少となってございます。
〇小野寺好委員 地震や台風等による災害の際、真っ先に復旧作業に当たるのが建設業者の皆さんですが、業務縮小による人材や機材の逸失状況はいかがでしょぅか。
 この冬は降雪量が多く、寒さも厳しいものがありました。行政の行うべき除雪、排雪の多くは建設業者への委託になっているものの、従業員や機材を抱えることが困難になってきており、除雪、排雪に関し、今シーズンの課題と将来展望はいかがでしょうか。
〇上野副知事 業務縮小による人材や機材の逸失状況についてでございますが、まず、人材につきましては、具体的な数値として把握はいたしておりませんけれども、従業員数が先ほど申し上げましたように減少いたしていることから見て、災害時に対応できる人材も減少しているのではないかと思われます。
 また、機材につきましては、本県における具体的な数値としては把握いたしておりませんが、全国の主要建設機械の推定保有台数を見ますと平成11年度をピークに減少傾向にございまして、先ほど申し上げました完工高の推移、完工高が減少してきていることを踏まえますと、本県においても同様に減少傾向にあるものと推測されるところでございます。
 次に、道路除排雪の課題と展望についてでございますが、年末年始の大雪では、湿った雪質で降雪量も多かったことから、グレーダーによる除雪が困難をきわめまして、多くの路線で除雪ドーザーやロータリー車など大型除雪機械による作業が必要となりました。また、雪による倒木のため各所で通行不能となり、県内66カ所で全面通行どめを余儀なくされるなど、近年にない豪雪でございました。
 今回の除雪業務におきましては、大型除雪機械やオペレーターの交代要員が不足したなどの課題を把握したところでございまして、県といたしましては、今後、計画的に大型除雪機械の配備を強化するとともに、建設業者が除雪業務を不安なく受注できるようにすることで、除雪機械やオペレーターを確保できる仕組みづくりが必要であると考えております。
 この除雪業務に係る受注環境の改善を図るために、これまでの作業別の単価契約方式から、歩車道の除雪や運搬排雪、凍結防止剤散布など複数の作業を一括した業務とし、除雪作業の実態に即した積算による総価契約、公募方式による除排雪業務委託の導入に取り組んでおりまして、昨年度は岩手土木センターなど2公所で、今年度は5公所で試行いたしております。
 今後も、受注業者を含めました建設業界などから幅広く意見を聞きながら制度の改善を図りつつ、県内全域で総価契約、公募方式を運用することにより、地域社会に貢献する建設業の存続を図り、冬道でも安全で安心な走行ができる除雪体制の確保に一層努めてまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 終わります。ありがとうございました。
〇五日市王委員長 次に、阿部富雄委員。
   〔阿部富雄委員質問者席に着く〕
〇阿部富雄委員 基礎自治体への権限移譲についてお聞きします。
 本県は、平成の合併により市町村数は平成22年1月1日現在、34となりました。これにより市町村では行政規模や能力の拡充が図られ、地域の将来を見据えたさまざまな取り組みが行われ、行政運営の効率化の取り組みも進められています。また、条例による事務処理特例制度の活用も進み、地域主権改革への取り組みが行われています。県と市町村との間の事務配分を市町村優先の原則に基づき見直しを行い、可能な限り多くの行政事務を住民に最も身近な基礎自治体が広く担うことが必要です。岩手県の事務を市町村が処理することとする事務処理の特例に関する条例に基づき移譲している事務数の状況、事務処理の特例を行っている市町村の状況をお聞きします。
 また、移譲している事務のうち、全市町村が行っている事務はどのような状況にあるのかお聞きします。
 同じ事務を県と市町村が行うことは二重行政となり、効率的とは言えません。移譲事務の拡大を進めることも必要ですが、市町村が歩調を合わせて取り組むことが必要です。すべての市町村へ移譲するもの、すべての市に移譲するもの、すべての町村に移譲するものに具体的に分けて市町村の事務処理の拡大を図ることが必要ですが、どう対応していくのかお聞きします。
〇達増知事 市町村への権限移譲の状況についてでありますが、平成12年度の条例施行から平成22年度までの移譲累計は、131法令、1、481条項、延べ1万2、228事務となっており、市町村によって移譲している事務は異なりますが、すべての市町村に権限移譲をしています。
 このうち、全34市町村を対象として移譲している事務は、農地法に基づく農地の賃貸借の解除の許可等に係る事務、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に基づくツキノワグマの緊急捕獲許可等に係る事務など11法令、49条項、1、666事務となっております。
 また、事務の性質上、移譲先が限られるものの、対象となる市町村すべてに移譲している事務は、都市計画区域が設定されている市町村に対する、駐車場法に基づく路外駐車場の設置等の届出の受理に係る事務でありますとか、保健所設置市に対する、医療法に基づく病床の種別等の変更の許可に係る事務などでありますが、28法令、139条項、1、586事務となっています。
 次に、市町村への移譲事務の拡大についてでありますが、これまで、必ずしもそれぞれの事務の移譲先を類型化して市町村の受け入れを促してきたわけではなく、市町村ごとに事務の移譲の状況にばらつきが生じておりまして、県、市町村を通じた事務の効率性の面で課題となっていることは事実でございます。このため、今後は、振興局管内で一部の市町村への移譲にとどまっている事務でありますとか、全県で既に多くの市町村へ移譲されている事務の移譲先を増加して、全体として事務の効率的な処理につなげていく必要があります。広域振興局を中心に、対象となる市町村に対して丁寧に働きかけていくこととしております。
〇阿部富雄委員 円滑な権限移譲に向けては、確実な財源措置、移譲事務の内容や取り扱い留意点の確実な周知、助言、市町村からの照会や相談に適切に対応していくことが必要です。県においては、庁内や市町村との間で推進体制の構築を初めとする環境整備や円滑な引き継ぎ、研修、職員派遣、自治体間連携の具体的手法の周知、助言などの必要な支援を行うことが必要です。どう取り組んでいくのかお聞きします。
〇加藤政策地域部長 県におきましては、権限移譲に当たりまして、広域振興局に市町村との協議、調整窓口を設置いたしまして、円滑な権限移譲及び市町村の支援に努めてきているところでございます。
 また、適時の事務引き継ぎ、事務別の随時相談窓口の明確化、事務処理の手引等の提供でございますとか事務担当者研修会の開催、職員派遣などによりまして、権限移譲いたしました事務の定着や適正な執行に資するよう市町村を支援してきたところでございます。
 こういったことをやってきたわけでございますが、今後におきましても、これまで同様にきめ細かく支援していく必要があると考えておりますので、市町村の意向も伺いながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇阿部富雄委員 地方主権を推進していくためには、県と市町村が行政の各分野で適切に役割を分担するとともに、自主性及び自立性を高めていく必要があります。そのためにも、県と市町村の関係は今まで以上に緊密さが求められます。県は、平成21年度まで実施してきた市町村要望を見直し、市町村からの要望と名称を改め、広域振興局が主体となって市町村と地域課題を共有し、その解決のために連携して取り組むこととしました。
 知事は、市町村の問題や課題、それに対して市町村がどう取り組もうとしているのかについてどのような形で把握され、施策に反映しているのかお聞きします。
〇達増知事 広域振興局体制の整備に伴いまして、地域のことはできる限り地域で受けとめて完結できるようにしたいという考えから、広域振興局長が市町村要望を受けることとしております。広域振興局長からは、庁議、また、広域振興局長会議など、それから管内情勢報告の場等、地域課題や市町村からの要望等の報告を受け、十分把握し、承知しているところであります。
 今年度の市町村からの要望については795件受理しておりまして、そのうち約6割については提言に沿って措置したもの、また、実現に努力したものとなっています。
〇阿部富雄委員 選挙で選ばれた首長の思いが知事に届かない、これは、知事が県政課題を直接、大臣に要望できないことと同じです。選挙で選ばれた者同士が協議することは重要なことです。広域振興局長が対応する市町村からの要望に知事も出席し、地域主権の推進、地方自治に重要な影響を及ぼす政策の効果的、効率的な推進、地域課題の解決を図り、自立と創造の地域づくりに努めるべきですが、対応をお聞きします。
〇達増知事 市町村要望の内容は私も把握するものでありますけれども、もともと夏ごろ一斉に市町村要望ということで、市町村の首長や幹部の皆さん、県議会議長初め議員の皆さんが県庁にやってきて関係部局を回って歩いて要望書を渡したり内容を説明するといったことが行われていたわけでありますけれども、市町村からの要望、いわゆる市町村要望というものは、大半が予算に関する内容であります。要望を受ける夏の段階では知事として正式に回答することが困難でありますので、まずは広域振興局長が対応することとしたものであります。
〇阿部富雄委員 地域主権改革というのは、国と地方公共団体が対等の立場で対話できる場、パートナーシップを築くということだと思うんです。これは、県と市町村の関係についても私は同じことが言えるだろうと思うんです。大変申しわけないわけですが、かつての歴代知事は、今の自治体数34の倍もある中にあっても、個々の市町村との対話に努めてそれぞれの課題を把握し、取り組んできたということがあるわけであります。やはり市町村との協力が県政の進展なり県民の生活向上が図られることに私はつながると思いますから、こうした姿勢あるいは対応というのはとるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
〇達増知事 予算に関しましては、夏の段階で私から各市町村にきちっとした返事をするのではなく、きちんと年が明けた1月、2月の段階で知事査定というものを行った上で、予算の内容を責任を持って決めていくという予算の調製の仕方がいいと考えております。
 また、県と市町村との連携については、これはふだんさまざま事業を共同でやる中で私も市町村長の皆さんと一緒に仕事をしておりますし、それから、例えば1月25日、低気圧等による農林水産被害に係る要望、このような緊急事態には関係する市町村長の皆さんと直接お会いして対応したところでありますし、また、市町村長の皆さんが地域の重要課題等について私に面会を希望する場合には、随時、対応しているところであります。
〇阿部富雄委員 次に進みます。
 基金の運用についてお聞きいたしますが、基金については、財政調整基金を初め、一般会計では41の基金を造成していますし、さらに県出資等法人においても運用益で事業を行うために基金造成をしておりますけれども、その運用状況についてお聞きいたします。
〇菅野総務部長 県の基金の運用につきましては、岩手県資金管理運用方針に基づきまして運用を行っているところでございます。
 具体的には、多くは繰りかえ運用により行っておりまして、一部は地方債などの有価証券等で運用している例もございます。
 県出資等法人の資金運用につきましては、元本が確実に回収でき、かつ安全な資金運用とするよう指導しているところでございまして、各法人において基金運用規程等を定めまして、国債等満期保有時の元本保証のある債券を中心とした運用が行われているものと承知いたしております。
〇阿部富雄委員 県は、平成17年6月に県出資等法人の資金運用に係る指導についてということで、所管部局長に、外国債券、外国債を組み込んだ仕組債による資金運用は行わないこと、それから、運用している場合については、元本が確実に回収できるような資金運用を行うこと、さらには、法人が資金運用を行う場合には、運用規程を策定、改定して外国債あるいは仕組債の運用を行うようにという指導を通知しているわけでありますが、外国債や仕組債による資金運用を行っている法人もあります。その実態というのはどのようになっているのか。この通知後においても外国債または仕組債を購入している法人がありますが、なぜこのようなことが起きているのかお聞きいたします。
 そして、将来、県に財政的負担が生じるおそれはないのかお聞きいたします。
〇菅野総務部長 県出資等法人のうち、いわゆる仕組債による資金運用を行っておりますのは、財団法人岩手県国際交流協会と社団法人岩手県農業公社の2法人と把握いたしてございます。これは、為替相場の変動状況において金利変動するものが中心でございます。
 県におきましては、今、委員からお話がございましたとおり、平成17年6月に県出資等法人の所管部局長に対しまして、当時の担当室長から、外国債券または外国債券等を組み込んだ仕組債による資金運用を行わないよう、所管法人への指導を要請したところでございます。
 しかしながら、事業実施の財源確保のため、いわゆる金利水準が下がっているという状況もあったと存じますが、仕組債の運用継続が必要であると判断し、指導通知後も新たに購入した事例があったため、県出資等法人の財産は、県と同様、県民から託された貴重な公金であることを強く認識し、財産の元本毀損は厳に回避し適正な運用を行うよう重ねて指導を要請した結果、平成20年度以降は、いわゆる仕組債等を新たに購入した法人はないものでございます。
 現在では、各法人においてより安全性の高い運用を行うよう基金運用規程等の見直しを行い、安全性の高い資金運用に努めているものと認識いたしてございます。
 なお、2法人が保有しているいわゆる仕組債は、いずれも元本償還が保証されております円建て債券でございまして、満期まで保有した場合には額面で償還されるということでございまして、現状では元本は毀損されるおそれがないということで、県に新たな財政負担が生じるおそれはないのではないかと考えているところでございます。
〇阿部富雄委員 元本保証は後で聞きますけれども、外国債券または仕組債をそれぞれ購入している法人にあっては、元本の回収が確実にできる際に回収し、より安全な資金運用を行うことについてはどのように対応されているのでしょうか。
 それから、法人の資金運用に当たっては、外国債券または仕組債による運用を行わないよう運用規程を策定、改定することについて、取り組みはどのようになっているのかお聞きします。
〇菅野総務部長 先ほどお話し申し上げました当時の出資等法人の担当室長から出された通知、これを回収できる際には、確実に回収を行った上で、また同じようないわゆる仕組債での運用を行わないようにという通知を行ったところでございまして、今後とも、これに基づきまして、元本が回収された際には仕組債による運用を行わないよう指導を強めてまいりたいと考えてございます。
 いわゆる仕組債、また基金運用規程の関係でございますが、ほとんどの法人については規程上明記しているところでございますが、ただいま申し上げました2法人については、現在、仕組債を購入しているという実情もございまして、この2法人につきましては規程上明記されていないところでございます。
〇阿部富雄委員 元本保証の体裁は整えているわけですけれども、仮に満期保有せざるを得ない場合、資金は金利がつかないまま塩漬けになって、他の運用の機会が失われてしまうということになります。元本の価値は目減りしますし、事実上、見せかけの元本保証になるわけであります。
 外国債券、または仕組債の運用はほとんどが30年償還、一部は20年償還となっています。昨年度の円高でさらに金利が低下するものと思われます。このままでは基金の運用益を活用した事業の実施は困難となり、結果として県財政に負担が生じます。販売元の証券会社に解約や売却を働きかけるよう県出資等法人を指導すべきですけれども、対応をお聞きします。
〇菅野総務部長 ただいま委員から御指摘ありましたとおり、いわゆる仕組債は、いろいろな条件で金利水準が変動する、かつ、その期間が長期にわたる、そこが非常に問題であろうと思ってございます。ただ一方で、これを期間前に解約した場合については、元本割れ、当時の水準に基づいて、かなり低額での売却にならざるを得ない、そこでの損も発生するおそれがある。したがいまして、この仕組債につきましては、幸い元本が保証されている。委員からの御指摘もございまして利率の問題はあるわけでございますが、少なくとも元本毀損はないということでございまして、それらを勘案いたしますと、直ちにこの仕組債、債券を売却して、現状、損を発生させるということもまた非常に難しいことではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたとおり、県出資等法人につきましては、確実な債券運用によりまして、県民からお預かりしている財産を毀損することのないよう、やはり今後とも私どもといたしまして出資等法人についての指導を強めてまいりたいと考えております。
〇阿部富雄委員 岩手県国際交流協会は2件、2億円で、1件、1億円が金利ゼロ、岩手県農業公社は13件、22億4、900万円を仕組債で運用、金利ゼロのものもある、こういうふうな状況にあるわけです。加えて、国際交流協会は、2、090万円の特定資産を元本割れのリスク証券に投資を行って、昨年9月に現金化して基本財産に組み入れている、こういう実態もあるわけであります。このような県出資法人等における資金運用の実態と、今後の対応方針について知事の見解をお聞きいたします。
〇達増知事 まず、県出資等法人というものは、県の施策を効果的、効率的に推進するために、県と一体になった取り組みが求められる非常に重要な存在であります。したがいまして、県出資等法人が保有する財産というものは、県と同様、県民から託された貴重な公金でありまして、その資金運用に当たっては、県民への説明責任を果たさなければならないということを強く認識すべきと考えます。
 そして、運用に当たりましては、その基本は、第1に安全性、第2に流動性、そして第3に収益性と。そして、財産の元本毀損は厳に回避した運用を行わなければならないと考えます。
〇五日市王委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め執行部の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでございました。
 これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、この際、午後1時まで休憩いたします。
   午前11時32分 休 憩
   午後1時2分 再 開
〇工藤勝子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間─おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性のあるもののみについて、短時間かつ簡潔に行い、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 本日は議会、総務部、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、議会事務局長から議会関係の説明を求めます。
〇宮議会事務局長 平成23年度の議会関係の歳出予算について御説明を申し上げます。
 予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明を申し上げますので、予算に関する説明書79ページをお開き願いたいと存じます。第1款議会費第1項議会費のうち、第1目議会費の10億2、198万円余は、議員48名分の報酬、旅費等の議会運営に要する経費でございます。次に、80ページにかけてでございますが、第2目事務局費の3億9、971万円余は、議会事務局職員33名分の人件費及び事務費等で、事務局の管理運営に要する経費でございます。次に、第3目議員会館費の2、118万円余は、議員会館の管理運営に要する経費でございます。
 以上で議会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇工藤勝子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川あつし委員 簡単にお伺いします。議員会館についてであります。今後の議論になると思いますので、あえて、ちょっと検討した経過があれば、それだけお知らせいただきたいという趣旨です。
 今、議員会館が盛岡の中心市街地の一角にありますけれども、官公庁一団地の中で位置づけられている建物でありますが、これから盛岡市内の中心市街地の中で、隣の消防本部、これが将来的に盛南開発地区に通信指令部の整備とともに移転されるということ、また、あと合同庁舎も、今回新たに盛南地区に移転されるということで、あの一角が空白的な状況になってくるわけですよね。
 その場合に、議員会館を今後、盛岡市内の中心市街地の一角でどのように位置づけて運用していくかというのが必要になってくる議論だと思うわけですが、これまで各関係方面から打診もいろいろあったかとは思うのですが、今後について、今回、もう議員会館の維持修繕費が補正等で計上されておりますが、事務局としては、議員会館をどのように位置づけていくという考え方なのか、その点だけ伺いたいと思います。
〇宮議会事務局長 今、御質問のございました議員会館の今後の部分でございますが、関係方面から特に、今現在、議員会館どうこうというお話は来てございません。
 事務局といたしましては、今、お話がございましたように、改選期に向かって、維持をしていくための補修費等も予算措置をしてございますので、当面は、このまま継続していくというスタンスでいるところでございます。
〇及川あつし委員 そういうことだろうと思うわけですが、近い将来、これは必ず課題になる問題だと思うので、事務局においても、情報収集と、将来的な課題として研究していただきたいと思うわけですが、その点だけ御答弁を求めて、終わります。
〇宮議会事務局長 今、委員からお話がございましたことにつきましては、今後、議員会館の運営等、さまざまあると思いますので、留意して対応させていただきたいと考えております。
〇工藤勝子副委員長 そのほかありませんか。
〇斉藤信委員 私は3点、それぞれまとめてお聞きします。
 一つは、政務調査費に係る昨年11月19日の盛岡地方裁判所の判決内容と、それへの対応についてであります。
 第1に、判決で違法支出とされた主な事例はどういうものか。第2に、県が控訴した理由は何か、県議会の意向はどのように把握したのか。第3に、県民の目線で、本来なら返還して政務調査費の改善を図るべきではなかったかと思いますが、いかがでしょうか。
〇宮議会事務局長 政務調査費の関係で3点御質問がございました。
 まず、盛岡地方裁判所の判決で違法支出とされたものの主な事例についてでございますが、金額の大きい項目で申し上げますと、1点目は、違法な人件費、2点目は、親族、関連会社からの事務所借り上げ費、3点目は、案分率50%を超える事務所費、内訳については、電話料等の通信費が主なものでございますが、この3点でございます。
 次に、控訴した理由についてでございますが、議員がいかなる政務調査活動を行うかは、議員の自主性、自律性が尊重され、政務調査費の使用に当たっては、議員の広範な裁量が認められていると解されているところでありますが、一審判決では、議員の裁量が限定的にとらえられているものがあること、また、今後、政務調査制度をより適切に運営していくとの観点から、上級審での判断を仰ぐことが必要であると考えたことが理由でございます。
 また、議会の意向につきましては、会派の代表者会議を開いていただきまして、意向については確認をさせていただいたところでございます。
 次に、3点目でございますが、返還をして政務調査費の改善を図るべきではなかったかということについてでございますが、本件訴訟で争われておりますのは、平成17年度の政務調査費についてでございまして、使途基準から見て明らかに逸脱しているものはないものと考えているところでありまして、また、どのような調査研究活動経費に政務調査費を充てるかにつきましては、使途基準の範囲内で、議員個々の広範な裁量にゆだねられていると解されているものであります。
 さらに、政務調査費の事務処理マニュアルは、議員が政務調査費のより適切な執行に資するよう、運用の目安として定められているものであります。
 このような観点から見て、明らかに違法な支出とされるものはないと考えております。また、今後の政務調査費制度をより適切に運用していく上からも、上級審の判断を仰ぐべきとの判断がなされ、控訴したものでございます。
〇斉藤信委員 私も、この裁判記録を全部見ました。盛岡地方裁判所の判決というのは、一件一件厳密に検討して、違法と認定するもの、そうでないもの、ですから、オンブズマンから指摘をされた4、000万円前後の問題については、423万円に限定して、これは違法支出だと。
 私はその中で、例えば欅の会の会費なんていうのもありますよ。これは、小沢一郎氏の政治活動を支援する、こういう会費が複数ありますし、飲食が中心の懇談会費、懇親会費、これは、今の政務調査マニュアルでも該当にならないものですよ。私は、かなり厳密なものだったのではないかと。
 今、事務局長は、その後、改定されたという話ですけれども、昨年提出された政務調査費なんかを見ましても、私はまだまだ、こういう政務調査マニュアルから見て、やっぱり問題だというものがあるのではないか。本来、これは自浄作用を発揮すべきだし、私たち税金を使っている身からすると、やっぱり県民の目線で少しでも疑惑を持たれているようなものは改善する、見直す、こういう姿勢が大事なんだと思いますよ。
 これ以上事務局長に聞いても、これは議会自身の自主性が問われる問題ですから、ここは指摘だけにとどめて、私は、本来、控訴しないで、もう自主的に返還して、政務調査費のあり方は抜本的に改善すべきだったと指摘をしておきます。
 二つ目、県議の海外視察について。
 全国の都道府県議会の一番新しい動向はどうなっているでしょうか。実施しているところはどれだけあるでしょうか。海外視察を岩手県が中止した場合、どれだけの予算の削減になるでしょうか。
〇宮議会事務局長 議員の海外行政視察についての御質問2点でございますが、全国の動向につきましては、平成22年6月の長野県調査による結果が手元にございまして、これを見ますと、実施中が28都道府県、それから、休止、自粛中というのが19府県となってございます。
 実施中としている28都道府県のうち、平成21年度に海外視察を実際行ったのは19県であると伺っております。
 また、海外視察を中止した場合の予算の節減額でございますが、先ほど御説明しました平成23年度の当初予算で見ますと、当初予算に12人分を計上してございまして、総額は1、080万円を計上しているところでございますので、中止した場合は、この額が節減額となるものと考えてございます。
〇斉藤信委員 民主党も、4年前は海外視察中止という公約を掲げましたから、これは私、4年間で中止できなかったのは極めて残念だと。こういうものこそ、みずから襟を正してやるべきだったのではないかと思います。
 最後ですが、県議の報酬削減問題について。
 知事部局は、これは給与条例で引き続き、幹部職員の場合は、給与並びに手当の削減というのが出ています。県議会がどう対応するかというのも私は問われたと思うんですが、これは代表者会議で検討されたと聞いていますが、それはどういうものだったのでしょうか。
 我々が住民アンケートをやりまして、やっぱり二つ大きな意見がありました。一つは、議員の定数を削減すべきだというのと、報酬が高過ぎると。私は、議員の定数というのは、広い岩手県土の中で、簡単に削減すべきではないと思います。
 同時に、報酬の問題について見れば、県民の目線からいったら、これは、やっぱり2割程度の削減は必要ではないかと。全国的な動向を含めて、やっぱりそういう検討が必要な時期になっているのではないかと思いますが、県議の報酬を2割削減した場合に、どれだけの節減となるかを示していただきたい。
〇宮議会事務局長 県議会議員の報酬の件でございますが、代表者会議におきましては、平成23年度の議員の報酬に関する検討が行われたところでございます。平成23年度の知事、副知事の特例減額、及び現在行われております議員報酬の特例減額の状況、あるいは東北各県の実施状況をもとに検討いたしてございます。その上で、各会派の意向も確認をいただきまして、改選後の協議にゆだねることが確認されたところでございます。
 2点目といたしまして、議員報酬を2割削減した場合の額ということでございます。議員定数48人で積算いたしますと、報酬総額が約4億4、500万円になりますので、2割削減をいたしますと、年間約8、900万円が節減になるものと積算されるところでございます。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇工藤大輔委員 ただ今、斉藤信委員の発言の中に、民主党が公約として海外視察凍結という趣旨で話したんだと思いますが、それを実践できなかった、襟を正すべきだという趣旨の発言があったと思いますが、それは、議会派遣の海外行政視察には行かないという趣旨でマニフェストの中には盛り込んだと思いますが、会派とすれば、実行をしていたというふうに思います。
 事実と違うようであれば、その発言の訂正を求めたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 私が先ほど述べたのは、4年前、民主党は、海外視察の凍結、中止を公約したと。しかし、残念ながら、県議会としては、これ成らなかったんですよ。1年間だけ凍結したんですよ。しかし、その後、これ、海外視察はオーケーということになってしまった。私は、それが民主党の公約に反すのではないかと。
 民主党の方々は行っていませんよ、それは。私は、そこまで全然否定していない。しかし、県議会として海外視察を中止する、凍結すると、この約束は果たされなかったのではないか、こう指摘したのでございます。全然事実関係、問題ないと。
〇佐々木博委員 それはちょっと事実関係が違うのではないかと思います。議会運営委員会で、民主党会派としては海外視察の凍結を提案したのでありますけれども、ただ、これは、議会運営委員会で反対があって決まらなかったわけでありまして、民主党云々というのは、ちょっと事実関係とは違うのではないかと思うんですけどね。
   〔「世話人会を開け」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子副委員長 後刻、世話人会を開いて協議したいと思いますので、御了承願います。
 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構であります。大変御苦労さまでした。
 次に、総務部長から総務部関係の説明を求めます。
〇菅野総務部長 総務部関係の議案につきまして御説明を申し上げます。
 まず最初に、平成23年度予算の編成に当たりましての総務部の基本的な考え方について申し上げたいと存じます。
 平成23年度の予算編成に当たりましては、総務部といたしまして、希望郷いわてを実現するため、岩手の未来をつくる七つの政策について、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現においては、地域防災力の強化、人材・文化芸術の宝庫いわての実現におきましては、岩手県立大学における教育、研究の充実及び特色ある私立学校の支援を重点施策として取り組んだところでございます。
 地域防災力の強化に関しましては、県民の主体的な避難力と備えなどの防災意識の高揚を図るための意識啓発に努めるとともに、災害時における情報の収集、伝達を迅速かつ的確に行うため、老朽化いたしました次世代衛星系通信設備の更新を図るなど、地域防災力の強化を進めてまいります。
 また、年末から年始にかけての大雪等による被害への防災対応につきましては、市町村、ライフライン関係機関及び県関係部局と連携しながら、さらに検証を行い、今後の対策に生かしていきたいと考えております。
 岩手県立大学における教育、研究の充実に関しましては、公立大学法人岩手県立大学の自主的、自律的な経営を尊重し、経営の効率化を促しながら、交付金を交付いたしまして大学の運営を支援することにより、地域の中核人材を育成し、岩手の活力を創出してまいります。
 特色のある私立学校の支援に関しましては、私立学校の教育水準の維持、向上を図り、特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費補助や授業料等の負担軽減のための助成など、各種の施策を展開することにより、私学教育の振興に努めてまいりたいと考えております。
 また、歳入につきましても、県税収入等の歳入確保に向けた取り組みを進めてまいります。
 自主財源の大宗を占める県税につきましては、岩手県地方税特別滞納整理機構の活動や各広域振興局における市町村との連携対応を強化しながら、個人県民税の収入未済額や未済率の縮減、課税捕捉調査に努めるほか、県有資産の有効活用など、さまざまな観点から歳入確保に向けた取り組みを進めてまいります。
 あわせて、成績評価結果等を踏まえ、事業効果や効率性等を検証し、事務事業の見直しや行政の簡素効率化に取り組むとともに、政策の優先度に応じた事業の重点化を進め、さらなる創意と工夫を凝らしながら、施策の展開に努めてまいりたいと考えております。
 以上が、平成23年度予算編成に当たりましての総務部の基本的な考え方でございます。
 続きまして、議案第2号平成23年度岩手県一般会計予算の総務部関係の歳出予算について御説明申し上げたいと存じます。
 なお、説明に当たりましては、金額の読み上げは省略させていただき、主な内容について申し上げさせていただきたいと存じます。
 では、恐縮でございますが、予算に関する説明書の81ページをお開きいただきたいと存じます。平成23年度当初予算一般会計の総務部関係の予算総額は、共通経費、予備費を含み1、703億円余となっており、前年度と比較いたしまして24億1、600万円余の増額となっております。
 2款総務費1項総務管理費1目一般管理費について、予算額18億8、070万円余のうち、総務部関係は、説明欄のとおり14億2、990万円余となっておりまして、その主なものは、職員の人件費や入札関係費、一般管理事務等の管理運営費でございます。
 なお、説明欄最後に記載の共通経費1億9、950万円余は、人事異動に伴う赴任旅費などであります。
 82ページに参りまして、2目人事管理費は、職員研修費や退職手当などがその主なものでございます。3目文書費は、法規審査事務や文書の収受、発送及び保存に要する経費のほか、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進に要する経費であります。83ページに参りまして、4目財政管理費は、財政調整基金などの積み立てがその主なものでございます。84ページに参りまして、6目財産管理費は、県庁舎や地区合同庁舎、職員公舎並びに通信施設の維持管理等に要する経費のほか、平成23年度におきましては、消防救急無線デジタル化整備及び次世代衛星系通信設備整備を進めてまいりたいと考えております。85ページに参りまして、7目情報システム管理費は、情報システムの管理等に要する経費、8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営に要する経費、9目公会堂費は、県公会堂の管理を指定管理者に行わせるための経費、10目恩給及び退職年金費は、恩給、退隠料及び扶助料等に要する経費であります。86ページに参りまして、11目諸費は、宗教法人設立認証事務や公益法人関係事務に要する経費及び共通経費でございます。
 少し飛びまして、90ページをお開きいただきたいと存じます。3項徴税費1目税務総務費は、税務関係職員の人件費などの管理運営費であり、2目賦課徴収費は、個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要する経費であります。
 また、少し飛んでいただきまして、97ページをお開きいただきたいと存じます。6項防災費1目防災総務費は、防災関係職員の人件費などの管理運営費のほか、航空消防防災体制強化推進事業費が主なものであり、2目消防指導費は、危険物の規制や消防学校の運営に要する経費、及び地域防災力強化プロジェクト事業費がその主なものでございます。
 次に、少し大きく飛んでいただきまして、221ページをお開きいただきたいと存じます。10款教育費8項大学費1目大学費は、公立大学法人岩手県立大学の運営に係る交付金を交付するものでございます。
 222ページに参りまして、9項私立学校費1目私立学校費は、私立学校等就学支援金交付金や私立学校運営費補助など、私学教育の振興を図るための経費であります。
 また、少し飛びまして、229ページをお開きいただきたいと存じます。12款公債費1項公債費1目元金960億9、940万円余のうち、総務部関係は、保健福祉部の44万円余及び商工労働観光部の4億5、000万円を除く956億4、900万円余となっており、2目利子は、公債管理特別会計へ繰り出した上で支出する内容となっております。3目公債諸費は、公債管理特別会計への繰出金及び銀行等引受債発行手数料がその主なものでございます。
 また、少し飛んでいただきまして、233ページをお開きいただきたいと存じます。13款諸支出金4項地方消費税清算金1目地方消費税清算金は、都道府県間での地方消費税の清算を行う経費であります。
 次の234ページの5項利子割交付金1目利子割交付金から240ページの11項自動車取得税交付金1目自動車取得税交付金までにつきましては、いずれも市町村に交付する交付金であります。
 241ページ、12項利子割精算金1目利子割精算金は、都道府県間で精算を行う経費であります。
 242ページ、14款予備費は、前年度と同じ3億円を計上いたしております。
 以上が議案第2号平成23年度岩手県一般会計予算の総務部関係の歳出予算でございます。
 続きまして、議案第10号平成23年度岩手県公債管理特別会計予算について御説明申し上げます。
 予算に関する説明書の366ページをお開きいただきたいと存じます。公債管理特別会計に関する予算の説明事項が366ページから掲載されておりますが、平成23年度の公債管理特別会計の歳入歳出のそれぞれの予算総額は1、972億420万円余で、前年度と比較いたしまして480億8、270万円余の増額となっております。368ページから371ページにかけてでありますが、この間は、公債管理特別会計の歳入となっており、その内容は、県債管理基金からの財産運用収入、一般会計及び県債管理基金からの繰入金及び県債が歳入となっているところでございます。
 続きまして、372ページをお開きいただきたいと存じます。公債管理特別会計の歳出となっております。公債管理特別会計の歳出は、県債の元金及び利子の償還、県債管理基金への積立金及び銀行等引受債発行手数料がその主なものでございます。
 続きまして、総務部の予算以外の議案について御説明を申し上げたいと存じます。
 恐縮でございますが、冊子がかわりますが、議案その3でございます。議案その3の1ページをお開きいただきたいと存じます。議案第22号岩手県職員定数条例の一部を改正する条例でございます。これは、より適切な職員数の管理を図るための知事の事務部局、教育委員会の事務部局、県立学校及び市町村立学校における職員定数を減じ、並びに警察官の増員を図るため、その定数を増加させようとするものでございます。
 続きまして、55ページをお開き願います。議案第30号岩手県県税条例の一部を改正する条例でございます。これは、納税者の利便性の観点等から、自動車税を賦課徴収する課税地について、主たる定置場の所在地から、納税者の住所地とし、住所地が県外にある場合にあっては、賦課徴収の事務を盛岡広域振興局に集約しようとするものでございます。
 続きまして、64ページをお開きいただきたいと存じます。議案第34号岩手県手数料条例の一部を改正する条例でございます。総務部に関係いたします部分は、64ページから65ページにかけての別表第1の改正でございますが、改正の内容につきましては、保険業法等の一部を改正する法律の一部改正に伴いまして、特定保険業の認可に係る事務が新たに発生しますことから、その申請手数料を徴収しようとするものでございます。
 以上で総務部の議案につきましての御説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〇工藤勝子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇吉田洋治委員 部局審査の早々で世話人会の招集ということですが、委員長、大変御苦労さまでございます。
 私は、県有地等の未利用資産の活用についてお伺いいたします。
 私は、さきの代表質問におきまして、今後の県財政を見直すときに、県債残高の高どまり、あるいは公債費の増嵩等について避けられない状況にあるとただしました。今定例会でも、多くの議員から議論が集中しているところでございます。そうした中で、県有地等の遊休資産の活用について、これは、強力に取り組んでいく必要があるのではないかと思っております。
 まず第1に、旧盛岡短期大学跡地についてお伺いします。
 これまで多くの議員の皆さんから御議論があったところでございますけれども、この地区は、県立盛岡第二高等学校、市立城南小学校、あるいはまた岩手大学附属小中学校など、文教地区にございまして、盛岡市内の中心部に位置してございます。同施設の活用策について、これまでもいろいろと御議論がございましたが、どのような検討状況になっているのか、まずお伺いいたします。
〇八重樫総務室管理課長 現在の旧盛岡短期大学の活用状況ですけれども、本校舎の一部を主に県の物品の保存庫としておりますし、それから、別館、図書館は、県の文書保存庫として活用しているところでございます。体育館は、県の体操協会の練習場として使用しているという状況になっております。
 跡地の利活用につきましては、県の各部局、それから盛岡市のほうに利活用について照会したところでございますけれども、特に現在のところ利用の希望がございません。それから、今後におきましても、県、市による利用等が見込まれない状況と思われますので、民間への売却も視野に入れまして、現在、検討を進めているところでございます。
〇吉田洋治委員 実は、この用地は、盛岡東警察署の仮庁舎をつくるときにさまざまな経過がございまして、12年前の平成11年11月に移転開始いたしまして、3年後の平成14年11月に東警察署が現在地に竣工したのでございます。
 改築に当たりまして、当時の計画案には、仮庁舎内に留置場を設置するという計画がございました。地元の町内会を初め多くの市民から、文教地区がゆえに、留置場設置の是非について反対の要望等が出されまして、県警本部と地域住民との数回にわたる懇談会等を通じまして、留置場は設置せず、今日の東警察署が存在している、このように私は認識しているわけでございます。
 この旧盛岡短期大学跡地の現状を見るときに、建物は非常に老朽化が著しい状態です。景観上の問題もございます。あるいは地元住民からも、防犯上からも、今後の対応等を求める声が強まっているという状況下にあるわけでございます。
 かつて、増田知事時代に、この施設跡地を福祉の総合拠点施設として活用する構想がマスコミ報道等でなされたこともございましたが、これまでそうした内部の議論があったのかどうか、そのことについて、まずお伺いしておきたいと思います。
〇八重樫総務室管理課長 これまで跡地利用に関しましては、総務部総務室のほうに相談がございました。一つは、ドクターヘリのヘリポートの候補地としてということがございましたし、それから、県療育センターの移転候補地につきまして御相談があったところであります。
〇吉田洋治委員 ドクターヘリが出てくるとはちょっと思いませんでしたけれどもね。実は、今、ドクターヘリが出てきたのでちょこっとお話ししますけれども、盛岡東警察署をつくる際は、東警察署の屋上に、実はヘリポートを設置しました。ヘリポートは、県の防災ヘリ等のヘリポートとしてあそこを活用していくと。その目的は、高度救命救急センターへの患者さんの輸送をスピーディーに行うということで、屋上からすとーんと1階までのエレベーターを設置するなど、そして、同時に、高度救命救急センターに患者さんを移送すると。このスピーディーな対応をするためのああいうヘリポートを設置したという経過があるんですね。
 今、ドクターヘリの話が出てきたので、総務部の関係なのか、あるいは保健福祉部なのか、その辺の議論はまた後にすることにしましても、そういう経過があったことだけはちょっとお話ししておきたいと思います。旧盛岡短期大学跡地にドクターヘリという話は、今、初めて耳にしたものですから、ちょっと今までの経過だけは話をしておきたいなと。
 私は、あそこは、まず第1には、公共施設として活用すべきではないかと。しかし、今、非常に財政が厳しい状況下にありますので、この辺も検討の対象になってほしいと思うんですが、このことが一つありますし、また、盛岡市との協議というのも私は大事なのではないか、このように考えております。また、先ほどお話がありましたけれども、民間への売却ということも今ちょっと触れられたわけでございますが、いずれにしましても、今後、早急にこの検討をする必要があるのではないかと。
 先ほど申し上げましたように、これは、平成11年11月に、あそこを東警察署の仮庁舎とするために移転をした経過があるんですよね。ですから、12年経過しているんですよ。もう少しスピード感を持ってこの問題にもぜひ対処してほしいと考えておりまして、これは、やはり横の連携の協議機関を設置するなど、そうした対応を私は求めたいと思いますが、総務部長いかがでしょうか。
〇菅野総務部長 おっしゃるとおり、盛岡市の中心市街地、ただ、一方で文教地区という性格を持った土地であります。したがいまして、盛岡市が将来、盛岡市のまちづくりとしてどういうビジョンを描くのかと。先ほど活用の見通しについてはお答え申し上げたところでございますが、市として、あそこを活用する計画はないということではございますが、ただ、一方で、盛岡市としてあの地区をどう位置づけて、どう盛岡市の発展にあそこの地区が役割を果たしていくのかということについては、やはり、あそこは広大な土地でございますので、盛岡市とよくよく御相談申し上げなければならないと思います。
 また、なかなか今、委員から御指摘がありましたとおり、財政状況厳しい中、新たな公共施設をつくるというのは非常に難しい状況にございます。ですから、市のまちづくりの中であの地区をどう位置づけるのか、それから、あとは地域住民の方々ともよくその辺の御理解をいただかなければならないと思っておりますので、いずれにいたしましても、やはり、まちづくりの主体を担うべき盛岡市と十分協議を進めながら、早急にあの地区のあり方、あの敷地のあり方については、方向性を出していきたいと考えております。
〇吉田洋治委員 ありがとうございます。
 今、まちづくりということでの御答弁がまずあったわけでございますが、地元課題でいま一つ、大変恐縮なんですけれども、2点目に、県民会館の隣に旧衛生研究所がございまして、このことについてもお伺いしておきたいと思うんですね。
 私も通勤のときにずっとあそこを通りまして、非常に何か老朽化しているような、あそこを今後どのように活用していくのか、これは県民会館の隣接地にございまして、見た目、景観上も非常によろしくないと。やはり、いずれ何らかの対応をしていかなければならんのじゃないかと日々思っているんです。
 県民会館でも多くの催し物がありまして、県内各地から多くの方々があそこにおいでになります。そして、県民会館の横の道路に、中津川沿いに多くのバスが駐車いたしますね。したがって、やはりあそこの施設をいつも皆さんが目の当たりにしているんですよ。そして、さまざまな御意見をちょうだいします。今後どうなるんでしょうか、何とかなりませんでしょうか、こういう問い合わせを私もいただくんですが、県当局のお考えをお伺いしておきたいと思います。
〇吉田管財課総括課長 旧衛生研究所についてであります。
 この施設は、衛生研究所が平成13年4月に環境保健センターに再編されました後、平成14年度から、埋蔵文化財及び県立図書館の購入図書の保管場所として使ってきております。ただ、その後、平成21年に、埋蔵文化財等は他の施設に移転しまして、現在は、施設は利用されていないという状況でございます。
 今後の対応策についてでありますが、現状では、委員御指摘のとおり、施設の老朽化が進んでおりまして再利用が困難なような状況になっております。建物の解体撤去あるいは新たな利用策ということにつきましては、所管する教育委員会において検討がなされていると聞いております。
 私どもといたしましても、相談を受けましたならば、いろいろな検討には加わってまいる所存であります。
〇吉田洋治委員 ありがとうございます。やはり県有の遊休資産について、早期にきちっとした対応方針を示していくことが、非常に重要な時期に来ていると思うんですよ。財政上も大変厳しい環境下にございますので、ぜひそのことの意見を付して、終わります。
〇小野寺好委員 関連。
 利用されていないのではないかと思われる県有財産の関係ですが、盛岡市高松二丁目に県自治研修所、こういった看板がついてありますけれども、かつては、本当に県職員の研修なんかに使われていたのですが、いつごろから使われなくなっているのか、あと、今後の予定をお聞きします。
〇吉田管財課総括課長 盛岡市高松二丁目の旧自治研修所、現在は岩手県庁舎第2分庁舎と申しておりますが、平成17年度まで、全国スポーツ・レクリエーション祭推進室として利用しておりましたが、その後、用途廃止して、現在は、ほぼ利用していないと。時々、地域の学校法人の行事の際の駐車場等に使う、そういった利用がなされているといった現状であります。
 委員もおっしゃいましたように、この施設も非常に老朽化が進んでおりまして、我々も管理には非常に気を使う施設になっております。雨漏り等もございまして、再利用は、ほぼ困難な状況ということでございます。
 今後、売却処分を進めていきたいと考えておりますが、いずれにしましても、解体撤去に多額の費用がかかるということが、課題となっておる建物であります。
〇小野寺好委員 分庁舎ですけれども、あと、盛岡市山王にも分庁舎があるわけですが、こっちはどうなんでしょうか。
〇吉田管財課総括課長 盛岡市山王の、これは岩手県庁舎分庁舎と申しておりますが、こちらのほうは、平成18年度まで、岩手県ろうあ協会ですとか、財団法人日本防災通信協会岩手県支部等の8団体が入居しておりましたが、現在は利用しておらず、最近は、売却資産として一般競争入札に付しております。
 今年度になりまして1件、個人の方から引き合いがあったんですが、条件面で折り合わず、売却に至っていないという状況であります。
〇小野寺好委員 もう一つ、盛岡市つつじが丘に警察の独身寮、こちらがあったんですが、これを解体して今、更地になっていますが、これはどうでしょうか。
〇吉田管財課総括課長 盛岡市つつじが丘の物件といいますと、旧つつじが丘独身寮という施設だったようですが、県警察本部におきまして、平成13年に解体撤去いたしております。そして、平成16年から一般競争入札に付しておりますが、こちらも応札がなく、売却に至っていないという状況でございます。
 私どもとしましては、未利用資産の売却は、収入確保の非常に重要な手段だと考えておりますので、今後とも、売却に努力をしてまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 知っている部分で今お聞きしたわけですけれども、県内各地に、恐らくもっとあるのではないかと。
 最後、部長に、苦しい苦しいと言いながら全然手をつけないで遊ばせている、こういった状況について、間もなく総務部長じゃなくなるんですけれども、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
〇菅野総務部長 お話のとおりでございまして、やはり県民の皆さんからお預かりしている財産をどう活用していくか、活用計画のないものについては、やはり売却をさせていただいて、民間等でその土地を有効に活用していただくとともに、県財政にも寄与させていただくということが、非常に重要だと思ってございます。
 これまでいろいろな、先ほど課長から申し上げましたとおり、一般競争入札で公募にかけたり、また、あとは、いわゆる宅建事業者の皆様方と御相談申し上げて、何とか売却先を確保しようということでいろいろやってございます。これまで幸い売れた土地もあるわけでございますが、なかなか条件の悪いところが残り始めているという実態にもございます。
 ただ、やはり各地方公共団体とも、その処理にはいろいろ頭を悩ませているわけでございますが、貴重な財産でありますので、いろいろな工夫を重ねながら、県で利用活用、もしくは地元市町村で利用活用計画がないものについては、売却させていただくということを基本に、これからもなお一層、いろいろな工夫をして努力をさせていただきたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 1点だけですけれども、昨年来、災害、低気圧等あったわけですが、それで、ことしの1月には、きのう来、議論もしていますが、災害警戒本部を設置したと。それで、本部長が総合防災室長だと。そして、災害対策本部は知事が本部長ということでしたか。この設置の違いというか基準というか、どうなればこうなるというのを、ちょっと説明してもらいたい。
〇越野防災危機管理監 災害警戒本部と災害対策本部の違いについてでございますけれども、まず、災害対策本部というのは、災害対策基本法に基づきまして、県の地域防災計画の中に規定しておるものでございます。設置基準は、例えば、津波警報あるいは震度5強、それから、噴火警戒レベルが4、こういう場合に即、災害対策本部、これは県知事が本部長になりまして設置することになっております。
 それから、災害警戒本部というのは、基本法には示されておりませんで、これは、県独自の災害警戒本部設置要領というものを昭和57年に設置しまして、これは、総合防災室長が本部長になっておりまして、これの目的は、災害対策本部の前段階、いわゆる災害に至るまでの間の情報収集だとか、それから被害の状況の把握だとか、そういうものが目的であります。それの災害の未然防止を図るために、県独自で設置をしているものでございます。
 これはどういうときに設置されるかといいますと、気象警報が出た場合、例えば大雨警報とか、それから高潮警報とか、そういうときにすぐ設置します。それから、津波注意報あるいは地震の震度4とか震度5弱、こういうときには、即設置をします。
 この警戒本部を立てて、被害が非常に大きくなった場合、こういう場合は、知事に了解を得て、対策本部に移行するかどうかお伺いを立てて、これは対策本部で対応しなければいけないといったときには、災害対策本部になります。
〇嵯峨壱朗委員 大体わかったというか、見ればわかると思うんですけれども、今回の低気圧の豪雪というか雪害ですよね。そうだとすれば、雪害の基準というのはあるんですか。今言われたのは、火山とか、雨とか、地震とかということでしたけれども、雪害についてはどうなんですか。
〇越野防災危機管理監 雪害におきましては、特にその基準というのは設けておりません。例えば、どのぐらいになったらというようなものは。ちょっと手元に資料がございませんけれども、積雪量が幾らということですと、例えば大雪警報が出た場合は、災害警戒本部を設置いたします。
〇嵯峨壱朗委員 そうすると、仮に大雪で対策本部を設置するといった場合には、どういう場合なんですかね。
〇小山総合防災室長 今回の警戒本部の設置に当たりましては、年末年始、大雪警報、波浪警報等の警報に基づいて警戒本部を立ち上げたものでございます。大雪の量というような形では、警戒本部の設置基準には特に定めてはございません。例えば、今回の場合、そういった形で人命等の非常に危険な状況とか、被害が拡大するというような状況がもしあった場合、先ほど越野防災危機管理監がお話をさせていただきましたけれども、災害対策本部に移行するというようなケースが考えられます。
〇嵯峨壱朗委員 この災害応急対策計画というんですか、これに大体示されていますけれども、見ると、やっぱり雪についての基準はないですよね。今回のことを経緯として、そうだとすれば、やはり人命にかかわるようなことになったら対策本部にするという発想でいいのかどうか、私はちょっと疑問です。そうではなくて、何万人もの人たちが、停電で、火のないところで過ごしたという人があるわけですから、そういったものは、やはりそれで、対策本部じゃないと言えばそれまでですけれども、何かしら基準をつくって対応すべきだと思うんですが、どうでしょうか。
〇小山総合防災室長 ただいまの嵯峨委員のお話、非常にもっともなことではございますけれども、雪の場合、幾らであるからというような形はなかなか、気象警報の場合、明確な基準化はちょっとしにくいものだとは考えております。
 よってもってと言うのはおかしいのですけれども、警戒本部を立ち上げまして、県内市町村からの情報を入手いたしまして、これは危ないなというようなときには、立ち上げるというような形にさせていただいております。
 例えば、警戒本部から災害対策本部に移行する、過去にも例があるんですけれども、山火事で、直近ですと平成20年度の釜石の際は、広がる、人家にも近づくというような状況がありましたので、警戒本部から災害対策本部に移らせていただいた。
 そういった状況を見きわめながらの対応ということを災害対応として、今後も、いわゆる情報収集に鋭意努めながら、おくれることのないように対応してまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 私が言っているのは、実際ことし、雪害で、大雪でひどかったわけじゃないですか。実際にあったわけでしょう。だとすれば、それは何センチ積もったらどうこうという話ではなくて、何らかの一定の、例えば道路が遮断したらどうこうとか、そういったものがあったわけだから、むしろ設置するという基準がないほうがおかしいのではないか。ないほうがというか、あった以上は、これからそれをつくるべきじゃないですか、どうですか。私は、そういうことを言っているんです。
〇小山総合防災室長 警戒本部の設置と災害対策本部の設置基準というのがあるわけでございますけれども、その中で、災害対策本部への移行につきましては、その他、本部長が特に必要と認めた場合というような基準もございます。こういった点で、実態に即しながら対応させていただくという基本的な考え方でございます。
 今回の場合、確かに委員おっしゃるとおり停電等長引いたわけでございますけれども、その実態を踏まえながら、自衛隊の派遣等を含め、市町村のほうにそういった緊急の要請みたいものはないのか現状を聞いたところでございまして、人命救助等のために緊急の対応をしなければならない、そういった実態がなかったということで警戒本部のまま状況把握に努めていたといったことでございます。
 いずれ、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、その状況を見きわめながら対策本部に移行するということで対応させていただきたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 じゃ、別の聞き方をしますけれども、大雪をこの基準に入れてはだめなんですか。入れられないんですか。そういうふうに聞こえますけれども、入れない方針なんですか。
〇小山総合防災室長 いえ、特にそういった方針ではございません。(嵯峨壱朗委員「そう聞こえますよ」と呼ぶ)申しわけございません。
 ただ、先ほど申し上げましたとおり、1メートルとか2メートルとかという数値的なもので、また、雪の場合、気象庁では大雪警報という形で出すんですけれども、現在幾らぐらいになっているかというのはなかなか即時的には難しいところがございます。また、今回の場合、例えば、ちょっと具体的な話になって恐縮ですけれども、葛巻町では、たしか31日から1日にかけて1メートル近くの、九十何センチだったと記憶しておりますけれども雪が降ったと。県下で観測所ではあそこが一番多かったんですが、そればかりで……(嵯峨壱朗委員「そういう話、聞いてないです」と呼ぶ)
 即その数値をもって災害対策本部に移行するというようなことはなかなか難しいのではないかと思っておりますので、現実的には難しいのかなと今思っております。
〇菅野総務部長 ただいま総合防災室長から御説明申し上げましたところでございまして、積雪深とか何かで一律基準をつくるのはなかなかやっぱり難しいと。積雪によって、今、嵯峨委員から御指摘がありましたとおり、どういう被害が生じており、どういう被害の場合に緊急な対応が必要かということについて、ただ、どうしても私どもというのは、今回、やはり秋田県、新潟県に比べますと、雪害に対する備えというのはまだ欠けるところがあったんじゃないかという印象を持ってございます。特にライフラインの連絡といいますか、そこらあたりとの情報交換をこれからもより密にしなければならない。
 そういった中で、今回を教訓に、雪害があった場合にどういった対応をとることが必要なのかということについて、単に雪がどのくらい降ったからということではなくて、県民の皆様にどういうふうな被害が生じ、なおかつ、先ほど室長が御説明申し上げました生命に危険が及んでいるような状態がある、どういった場合が想定される、その場合どういった対応をとるのかということについて、ちょっとこれは検証させていただきたいと思っておりまして、その中でいろいろと検討させていただきたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 別に災害対策本部をつくらなかったからどうこうという話をしているのではなくて、この基準の中にやはり、今回みたいなこともあったわけだから、何メートルとかどうこうというのも……。これで見ると、ありましたね、この警報が出た場合というのが、気象警報、高潮警報、波浪警報、洪水警報とか。大雪警報と入れてもいいんじゃないの、だったら。そういうだけの話なんです。
 つまり、実際にあったわけだから、警戒本部でもいいし対策本部でもいいけれども、今回を教訓に、改めてそれを入れ込んでやるべきでしょう、災害ですからね。だから、そういったことを考えるべきではないかということを言っているわけですよ。
〇菅野総務部長 先ほど申し上げました、警報が出た場合は警戒本部に移行するということでございますが、今回のは、委員御指摘のありましたとおり、一つの大きな教訓だろうと思っています。ライフラインがこれだけ切断され、具体的に申し上げますと、東北電力ですとかNTTとどう連携を図ってどう対応するべきなのか、いろいろ検証すべき課題があろうと思っておりますので、そういった中でしっかり検討させていただきたいと思っております。
〇及川あつし委員 私からは1点だけ伺いたいと思います。
 昨日、総括質問がございました。民主党・ゆうあいクラブの工藤大輔委員から、一部、国政においての関連法案が通らなかった場合の総括的な影響について質疑が交わされたところであります。答弁とすれば、何とか関連法案の早期の成立を期待するというような答弁だったと思いますし、あとは地方交付税、臨時財政対策債の減額について影響云々という答弁でありました。
 その具体をきょうは私は質問させていただきたいと存じます。
 予算の関連法案の関連で、いろいろと本県の予算の中でもあると思うわけですが、県財政、また市町村事務、また、何より県民の生活に一番影響もあり、今、関心があると思われる子ども手当の関連であります。いただいている資料では、115ページ、子ども手当・児童手当市町村支給費負担金27億円余であります。
 中身については保健福祉部の所管だと思うんですが、きょうお伺いするのは、県財政の運営上の影響、市町村事務への影響等についてでありますので、確認のため申し上げておきたいと思います。
 まず、27億円余が今回、予算計上されておりますが、この県費負担分の財源内訳について最初にお聞かせいただきたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 県として、予算上子ども手当があらわれている部分が2カ所ございまして、委員御指摘の部分は、一般の方が市町村から子ども手当を受け取る、それに対する県の負担分ということでございますが、県職員の方々に関しては都道府県から支給するということになってございまして、その部分も別途16億円ほど積んでございまして、本県の歳出予算では、子ども手当関係予算として合計43億8、000万円ほどの子ども手当が計上されているということでございます。
 財源内訳でございますが、子ども手当に関しましては、御案内のとおり、昔は旧児童手当というものがございました。3歳未満の方は月額1万円、3歳以上中学校修了まで、お子さんの数に応じて若干額が変わるというものでございまして、従来の児童手当部分については、従前、国、地方負担、事業主負担とあったわけですが、従来の児童手当部分の額についてはそのまま県の一般財源の負担が残っており、いわゆる子ども手当の中で1階部分の児童手当部分と、1万3、000円とか2万円という子ども手当と児童手当との差額については地方特例交付金により国費で措置をされているという状況でございます。
 ですので、県の歳出予算としている子ども手当につきましても、一定額、昔の児童手当相当額につきましては県の一般財源、その他の相当額につきましては地方特例交付金が財源ということでございます。
〇及川あつし委員 今、児童手当分と子ども手当分と2階建ての分でという説明だったんですけれども、額がわかれば教えてほしいんですけれども、従来の児童手当分と民主党政権になってからの子ども手当分について、それぞれの額がわかれば教えてください。
〇八矢予算調製課総括課長 明確に取り込んでいるわけではないんですが、平成21年度決算を調べますと、県が一般財源として負担していた部分が31億5、000万円ほどございますので、43億8、000万円のうち一般財源が31億5、000万円、その他の部分が地方特例交付金として措置される形になるかと思ってございます。
 意外と県費負担の額が大きいのではないかという印象をお持ちかもしれませんが、市町村に入る国費部分につきましては県予算を通らないで市町村に直接交付金として行きますので、そうした財源構成になっているということでございます。
〇及川あつし委員 そういう内訳になっているというのは今初めてわかったところであります。
 全国で、これまでも地方自治体とするといろいろな議論があったかと思います。当初私も、政権政党が選挙の際に子ども手当は全額国庫負担でと国民に約束してあったなという理解だったんですが、政権の財政運用上、自治体にも負担ということであるのかなと思っておりまして、その是非等についてはこの場で議論してもいたし方ありませんので、議論はいたしません。
 問題になるのは、その中で、報道によればですが、65余りの自治体が負担拒否、これは形式上の話だと思うんですが、形式上は負担を拒否するということで、平成23年度の予算計上をあえてしていない自治体等もあるやに伺っているところでありますが、参考までにお伺いしますが、岩手県内でそうした自治体があるのかどうか。
 これは参考まででありますし、あと、本県においても、この子ども手当の地方負担分をどうするべきかという議論が当然あったかと思います。どのような検討経過があって─何も検討しないでそのまま計上したのかもしれませんが─最終的に今回の予算計上に至ったのか、その2点をまず伺いたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 市町村課からの聞き取りになりますが、県として各市町村に予算計上しているかどうかという調査をしたことはないということでございますが、予算計上を結果的にしていないと聞いている市町村はないということでございます。
 本県の検討経過でございますが、予算編成上は全額国庫負担として途中までは予算編成を行っておりまして、県費の負担はないものとして考えてございました。ただ、昨年度の子ども手当の議論の際も全国的にありましたが、子ども手当を支給することによって児童手当に入っていた県費負担分がなくなるということで、県財政が丸々浮くか、地方の負担分が全部浮いて負担がなくなってしまうだけで終わるのではなく、子ども手当については全額国庫負担になりますが、例えば私立保育所の運営費だとか、ほかの歳出の国庫負担分が同額なくなって、手当については国庫負担分になる。私立保育所の運営費など、従来の国の補助が入っていた分が全部地方負担になる。そのかわり基準も外れて少し自由になるという制度改正が一緒に行われるものと理解してございましたので、子ども手当につきましても全額国庫負担として計上してございましたが、一部、児童手当相当額について県費負担が結局残ったままということになりましたが、それで大幅に余計にお金が必要になって歳入に穴があくとか、困ったということはないということでございます。
 それから、本県でも予算計上するかどうかといいますか、子ども手当の県費負担分についての予算計上の考え方につきましては当然議論を行ったものでございますが、児童手当相当額、昔あった部分がそのまま残ったと。県の負担がふえた、減ったというわけではない。地方側として県として求めていた全額子ども手当の国費負担というのは行われなかったわけですが、それでおしまいということではなく、平成24年度、新たにきちんと早期から地方の意見を踏まえて検討するといったようなことがございましたので、これを予算計上しないということは、県民の方々に対してサービスの低下といいますか、給付を求めている方もいらっしゃるだろうということで予算計上を行うという判断を行いまして、県予算に歳入、歳出とも計上したという経過でございます。
〇及川あつし委員 今の答弁は、今後について非常に大事なポイントだったのかなと思っています。一方で子ども手当の話だけされておりますけれども、今、八矢総括課長がおっしゃったように、現実的な議論は現物給付と現金給付とどうするんだと。それと、国と地方がどうするんだというのが本来の議論だと思うんですけれども、今、国会がこういう状況になって議論の先行きが不透明な中で、もらえるのかもらえないのかという議論が展開されていること自体が非常に残念な状況なんですが、本質的な、現金給付と現物給付のあり方と、地方と国のあり方、ここについて早く議論が展開されるように望んでいるところであります。
 一応部長に見解を伺っておきたいわけですが、昨年12月に、地方6団体、もちろん全国都道府県議会議長会も含めてでありますが、子ども手当に関する共同声明というのを出して、平成24年度以降のと前提はついていますが、子ども手当に関しての共同声明の中で、地方の理解が得られる形で制度改正が行われるよう求めるということになっていますが、現時点において、地方の十分な理解を得た制度改正の方向になっていると思われますか、どうですか。部長の見解で結構です、お答え願います。
〇菅野総務部長 先ほど委員から御指摘がありましたとおり、知事も記者会見で述べられていますが、やはり現金給付は理念的には国が担い、地方は現物給付といいますか、いろいろなサービスを行うべきであるという考え方をもちろん県は持っているわけでございます。そういった観点からしますと、やはり今回の子ども手当に関する議論は、そこの議論がまだ成熟していない。今、委員から御指摘がありましたとおり、本来、子育て支援に対して国と地方がどういう役割分担を持つのか、その議論がまだ十分なされないままに負担論だけが走ってしまったという思いを私どもは持ってございますし、これは地方6団体も同じ思いでございます。
 そういった意味では、負担云々より、子育て支援に係る根本的なサービスのあり方、現金給付のあり方、その辺の役割分担についての議論をしっかりやっていただくことを望んでいるところでございます。
〇及川あつし委員 きのうきょうでもいろいろ政府のほうでも、また、政権与党内でもいろいろな発言が出て、我々も今後1カ月以内に何が起こり得るのかわからない状況なわけですが、例えば今の子ども手当を児童手当に恒久法としてまた改正しようとかいろいろな動きがあるわけですが、報道によれば、関連法案の通過の見込みは極めて薄くなってきた、こういう報道もあるわけであります。
 しからば、きのうの答弁では総括的に関連法案の早期成立を期待していると。もちろん期待はするんでしょうけれども、現実は現実で進行してきて、もう時間が刻々となくなってきている。そうなった場合に、行政としてはやはり一日も遅滞なく事務は執行しなければいけないという立場であろうと思いますのでお伺いします。
 関連法案が通過しない場合、具体的にどういう影響が出てくるのでしょうか。今、巷間、市町村のほうで特に所得の確認とかシステムの改修費などで多額の費用と長時間にわたる所要の日数がかかって、児童手当に戻した場合でも支給開始が可能となるのは7月ということも伺っているところでありますけれども、現時点で、岩手県として関連法案が通過しなかった場合の具体的な影響をどのように想定されているか、その点についてお示しいただきたいと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 今後の影響ということでございますので、まず一般県民の方々からしますと、子ども手当の法律上のつくり方は、昔から支給していた児童手当が廃止されているわけではなくて、児童手当の制度が残ったまま、子ども手当を支給することによって児童手当にかえて子ども手当を単年度単年度、特例的に支払いますという構成になってございますので、子ども手当の法案がなくなってしまうと昔の児童手当が復活するということでございますので、子ども手当法案がもし仮に通らないということになりますと、児童手当がもらえる方だけが児童手当相当額だけもらえるということになろうかと思います。
 また、県財政の立場から申しますと、歳出の根拠がなくなりますので、子ども手当は支払いがなくなる。それから、確認はしておりませんが、地方交付税法等改正法案の中で地方特例交付金法の改正を恐らく行っておりまして、子ども手当相当額を地方特例交付金として支払うという内容が入っているのではないかと思いますが、子ども手当をそもそも支払う必要がなくなれば、地方特例交付金の歳入のほう、手当を払わなくてもいいのにお金だけ払うということにはなりませんので、そちらもなくなるということで、歳入、歳出両方とも落ちていって、旧児童手当額だけ支払うということで、県財政にとっては中立ということになろうかと思いますが、児童手当の所管課ではないので詳しいことは申し上げられませんが、児童手当は支給しないで、かわりに所得制限なしの子ども手当を支払うということで対応してございますので、相当な確認事務等々の混乱が予想されるものと考えてございます。
〇及川あつし委員 最後に相当な混乱というお話があったと思うんですけれども、私もそこを一番懸念しております。原因者はすべて国会にあるわけでありますので、我々地方自治体に関係するものは、その影響がないように最大限努力をやむを得ずしなければいけないということだと思うんですが、これは多分総務部が中心になりながらいろいろ情報を収集して各部局と連携をしなければいけないと思いますので、影響は避けられないにしても、影響が最小限に抑えられるように各般にわたる対策をお願いしたいと思います。
 具体に言えば、いろいろなデータがありまして、子ども手当は貯蓄に回っているというようなデータがありますけれども、私が県民の皆さんと直接やりとりした範囲では、1万3、000円とか2万円というのは物すごく大きいんですよね。今回、制度が改正になって関連法案も通って政府の原案のとおり執行されるとすれば、例えば給食費とか幼稚園の保育料、こういうものに保護者の同意のもとに振りかえができると。今、現実は、未納者、滞納者がざーっとふえていますよね。これが岩手県内の実態だと思いますので、総務部に関していえば私立学校の関係もあると思いますので、政府の予算の関連法案の通過状況も見きわめつつ、県民に対して、また、関連する事業者等に対しては的確な情報を提供していただいて影響を最小限に抑えていただきたいと思うわけですが、そのお願いをし、その点について所感があればお伺いして質問としては終わりたいと思います。
〇菅野総務部長 やはり本県の財政はどうしても国に大きく依存しているという状況にございます。今、委員から御指摘のありました個別の問題も含めまして、トータルでは交付税も含めて県の4月以降の事業執行をどうするかという非常に大きな問題も抱えてございますので、よく情報を収集しながら、関係部局と連携いたしまして、県民の方々、地方財政に支障を来すことのないよう、私どもとしてできる限りいろいろなことを考えてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 2点についてお伺いしたいと思います。
 まず1点目は、認定こども園に関してお伺いいたします。2点目は、入札制度についてお伺いしたいと思います。
 まず、以前に幼保一元化ということで大分いろいろな報道がなされたり国の施策が示されてきましたけれども、いま一つはっきりしないのがこの認定こども園だと思うんですが、一体認定こども園の今の県内の認定状況はどうなのか、それから、この制度に対する評価はどうなっているのかをまずお伺いします。
〇清水私学・情報公開課長 まず、本県の認定こども園の認定状況についてでありますが、平成22年4月1日時点で11園であり、東北各県と比較しても、秋田県の20件、福島県の12件に次ぐ認定件数となっております。
 本年度は、現在までに8件の認定申請がありますことから、ことし4月には19園となる見込みであり、順調に増加しているところであります。
 また、認定こども園の評価についてでありますが、国のアンケート調査によれば、認定こども園を利用している保護者の約8割、認定を受けた施設の9割以上が制度を評価しており、また、保護者の9割近くが制度を推進していくべきと回答しているところであります。
 制度を評価する理由といたしましては、保育時間が柔軟に選べること、就労の有無にかかわらず施設を利用できること、教育活動が充実していることなどが挙げられております。このため、保護者のニーズを満たすものとなっていると評価しているところでございます。
〇及川幸子委員 8割、9割というところで完璧に評価が高いと思うんですが、実際私は保育園とか幼稚園にお邪魔して、そのようには言っていないようですよ。国の施策ではこれは本当にいい施策だということで県に流しているようですが、残りの1割から2割の課題はあると思うんですけれども、その課題はどうとらえているんでしょうか。
〇清水私学・情報公開課長 課題についてでございますが、県では、認定こども園と行政関係者との情報交換会を開催し、現状把握や問題点等の把握に努めているところでございます。
 認定こども園の出席者からは、制度についての理解が保護者あるいは市町村に浸透していないこと、また、幼保施設間の職員の連携が難しいこと、保育料の設定に当たって、市町村ごとの制度の違いがあるため調整が難しいといった、主に施設者側からの課題でございますが、そういった課題が指摘されているところでございます。
 また、これらの課題につきましては、庁内関係部局によります幼保一体化検討会を定期的に開催し、諸課題について協議し、課題解決に努めているところでございます。
 また、県といたしましても、広報活動を通じまして、テレビ等による広報活動やコンビニエンスストアでのチラシの配布などを行いまして、今後とも制度の普及に努めてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 情報交換会などをしながら、意見を聞きながらやられているようですけれども、私は幼稚園にも保育園にもそれぞれお邪魔しておりますが、やっぱり目的が全然違うと思うんです、預けた場合。そういう中で、一体化ということで大丈夫なのかと懸念しますけれども、済みません、幼稚園や保育園に行って様子を見られたことありますか。
〇清水私学・情報公開課長 私も個人的に、保育所、幼稚園に子供がおりまして通っておりますので、行って見ておりますし、また、仕事上も関係者と協議していろいろ意見を伺っております。
〇及川幸子委員 現場を見られているということですが、先生方も全然違うと思うんです、保育園の先生と幼稚園の先生を比べた場合。そして、保育内容も全く違います。私も保育時間、何時間か見させていただいて、違うものがあるなと。やっぱり保育園というのは、親が働いているのでそのかわりですからかなり愛情を注ぎますけれども、幼稚園の場合はお遊戯をしたり歌を歌ったり切り絵をしたり、またちょっと違うのではないかと思うんです。
 それで、私もそういうふうに意見を言えるときには国に行ってそういうことも言っておりますけれども、国が決めたからどうこうじゃなくて、県としての考えをもっとしっかり持っていかなければ、今後においてうまくいかないんじゃないかと思うんです。これから手を挙げているところもあるようですけれども、県の今後の方針としては、国の方針に従っていくのかということをお聞きします。
〇清水私学・情報公開課長 委員御指摘のとおり、幼稚園と保育所の制度上の違いにつきましては、保護者の就労状況以外にも、保育年齢、保育時間と教育内容に大きな違いがこれまであったわけでございますが、現在、両施設の幼児の保育時間や教育内容の面におきまして、違いが以前よりも少なくなってきているところでございます。
 例えば、保育時間につきましては幼稚園では4時間が基本でありますが、ほとんどの幼稚園で延長保育が行われるようになってきておりますし、また、保育年齢につきましても、保育所は零歳児、1歳児は保育所でなければ対応できないものの、ほとんどの幼稚園において、子育て支援事業といたしまして2歳児の受け入れができるようになってきておるところでございます。
 また、こういった制度の改善等もございまして、認定こども園におきましては幼保一体的な運営が進められるものということで、制度的なものとしては、県として今後とも制度の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇及川幸子委員 これからの制度の進み方は大変注目されますけれども、建てる場合も、増築する場合とか改築する場合、やっぱり片方はお昼を食べてお昼寝の時間に入ります。片や幼稚園のほうはお母さんが迎えに来ます。そういうところのギャップですね。お昼寝する子供たちが、何でお母さんが迎えに来るのかなという、そういう寂しい思いをしないように、幼保の部分についてもっともっと検討していただきたいと思います。
 それから、入札制度についてですが、低入札の見直しということでかなり総務部でもいろいろなさっているとは思うんですが、県土整備部とのすり合わせはどのようになされているのかお伺いいたします。
〇高橋入札課長 今回、4月から行う低入札の見直しを決めたわけですけれども、その見直し案を決定するまでの間につきましては、事務レベルで検討している段階から十分に意見交換を重ねて内容をまとめたものでございます。
 今後につきましても、低入札対策に限らず、入札制度全般、両部で常に密接な連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 過日、県土整備部でいろいろ審査されましたけれども、やっぱりその中で70%を切っていた入札があって、落札をしたのが69.何%。かなり一生懸命意見を調整しながら県土整備部とやられているということですが、4月から改正するちょっと前の状況の中で69%というのは、全然努力はされていなかったんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょうか。
〇高橋入札課長 確かに、先日、議会で議決いただきました津付ダム建設トンネル工事は70%を切るという状況でございました。この1年間、私も県内各地区、意見交換、回りながら状況を見ましたし、あとは実際私どものところでやっている入札の状況も見て、数字も見てまいりました。そうしたことでこの低入札の状況を改善しなければならないと考えまして、この4月から、若干遅かったかもしれませんがやることにいたしました。
〇及川幸子委員 いろいろ建設業の方々から要望が来たり地域から相当要望が来て、今、踏み込まれる前だと思うんです、それは。4月、大変期待はしておりますけれども、4月の前の、本当にもうそこまで来ている入札制度の見直しの前に70%以下というのは、業者にとってどういうことなのか。やれる会社があるのかなと。やっぱり建設業の方々、首を絞められるんじゃないかと思うんですが、そういう建設業の方々の意見をどのようにとらえておりますか。
〇高橋入札課長 先ほども若干申しましたが、今年度1年間、夏から秋にかけて県内すべての地区を回らせていただいて意見交換に参加してまいりました。建設業の皆さんから、厳しい経営の状況あるいは入札制度の見直しに対する要望という御意見を伺ってまいりました。そうした御意見を伺いながら、やはり低入札対策を最優先で取り組まなければならないと考え、これまでその対策を検討して、やると決定したところでございます。
〇及川幸子委員 菅野部長にこうして質問するのは最後になろうかと思って、ちょっと力を込めて質問させていただきます。
 入札の担当が前は土木のほうにありました。しばらくこちらに移行されて、やっぱり不満は、もう一度この入札の部分を県土整備部に返すべきだという意見が大方あります。談合がここ二、三年で本当になくなったのか、その辺のところと、やっぱり総務部に入札部門があるのはおかしいのではないか、この二つについて、菅野総務部長、突然でございますが、お答えいただきたいと思います。
〇菅野総務部長 談合云々についてはなかなかお答えしづらいわけでございますが、ただ、御理解をいただきたいのは、入札制度はかなり透明性を持ってやらせていただいていますし、それに応じて各地区の建設業者の方々といろいろ意見交換をさせていただきますと、もうこういう面においては本当に皆一生懸命やっているんだと。みんなで仲間内で話し合ってどうのこうのということはもう今はみんな考えていないというお話をいただいていまして、それはそのとおりではないかと考えてございます。
 また、入札の所管の関係でございますが、今回の見直しに当たりましても、随分直接県土整備部長ともいろいろ意見交換をさせていただきました。県土整備部からもいろいろな御提案をいただきまして、総務部としてこういったことをやったらいいんじゃないかとかいろいろ申しましたし、県土整備部からも、いや、やっぱりもう少し踏み込んだらいいんじゃないかとかいろいろな意見をいただいて、今回の見直しは、県土整備部においても、うん、これならまず、俗な言葉ですが、いけるのではないかと。まずひとつ県全体としてその姿勢を示せるんじゃないかということで、その辺については県土整備部と随分話し合いをさせていただいて、お互い合意を持って取り組ませていただいたところでございます。
 したがいまして、いずれ同じ県でございますので、目標とするところは同じ。私どもも県土整備部も、良質な公共資産を、より県民の方々に理解いただけるような格好でつくりたいという思いは一緒でございます。そういう思いを一緒にしながら、県として両部一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 4月に大いに私どもも期待しておりますけれども、私どもも審査される大変厳しい戦いが待っておりますので、勝ち抜いて、本当にいい入札制度になるのか、低入札対策がどの程度図られていくのかを検証していきたいと思います。
〇佐々木博委員 私も1点だけお伺いしたいと思います。
 10款の教育費、私立学校費ですけれども、幼稚園の眼科検診については、学校保健安全法並びに同法施行規則に基づいて視力検査を含めた内容で実施されることが定められていると伺っておりますけれども、盛岡市内に限って言うと、幼稚園の実施率が非常に低いということを聞いております。そして県内全般についても多分そうではないかと思うんですけれども、まずこの実態をどのように把握されているか、そのことについてお伺いしたいと思います。
〇清水私学・情報公開課長 視力検査の実施状況についてでございますが、ことし2月に調査いたしましたところ、視力検査を実施している幼稚園は、県内の私立幼稚園86園中15園、実施率は17.4%という状況であります。日本眼科医会が平成20年に全国調査をいたしました私立幼稚園の平均31.9%よりも低い数字となっているところであります。
〇佐々木博委員 これは検診実施義務違反になるわけですけれども、罰則みたいなものはあるんでしょうか。
〇清水私学・情報公開課長 検診を規定どおり行えない場合についてですが、学校保健安全法には罰則規定がないところでありますが、各学校には法令を遵守していただく義務があるところでございます。
〇佐々木博委員 今、清水課長がおっしゃったとおり、去年の10月に日本眼科医会がこの調査を行ったんですね。その結果、非常に実施率が低かった。そういったことで、日本眼科医会のほうでは文部科学省の学校健康教育課長に対して何か要望を出したようであります。それを受けまして、文部科学省から全国の各関係部署に通知文書が出されたと伺っております。
 幼保一元ということでよく問題になる保育所ですけれども、保育所についてはほぼ100%これが行われていると聞いているんですが、そのとおり保育所については実施率ほぼ100%と考えてよろしいですか。担当部署は違いますけれども。
〇清水私学・情報公開課長 保育所における実施率でございますが、全県についてはあいにく承知しておりませんで盛岡市内についてのみでございますが、ほとんどの保育所、約98%において眼科医に委嘱して実施しているところと承知してございます。
〇佐々木博委員 同じ就学前の幼児の問題なわけでありますけれども、保育所に通っているか幼稚園に通っているかということで、このように差があるということは非常にうまくないことだろうと私は思います。
 私ちょっと調べましたら、当然、保育所は厚生労働省の管轄下にあるわけですけれども、児童福祉法第46条─保育所の場合はこの児童福祉法が適用になりますので─で、このことを実施しなければ、保育所の場合は業務の停止を命ずることもできる等の規定もあるんですね。ですから保育所については条件も厳しいということもありますが、実態は、よく伺ってみますと、保育所の場合は厚生労働省管轄下にあって、きちんとその分が補助金として予算が見られている。しかしながら、幼稚園の場合は文部科学省管轄下にあって、学校運営費補助金の中でそれがきちんと見られていないのではないかと。実施しているか実施していないかの一番の差が生じているのはそこではないかと関係者の方々は見ているようでありますが、いかがでしょうか。
〇清水私学・情報公開課長 保育所に関してですけれども、検診に特化した補助制度があるわけではなくて、保育所運営費の中で実施しておると聞いております。また、私立幼稚園に対しては、私立学校運営費補助により、経常経費の2分の1を上限に補助しているところでございます。
 幼稚園における実施が進まない理由といたしましては、委員御指摘のとおり、保育所は入所時の健康診断も義務とされているなど法的な位置づけの違いがあるということもございますが、幼稚園に対して、検査の必要性に係る周知不足があるものと考えているところでございます。
〇佐々木博委員 周知不足とおっしゃいましたけれども、関係者に聞いてみると大体はわかっていると。ただし、わかっているけれども縛りもないし、それから予算もないというのが実態なのかなと私は感じました。
 ただ、最近は就学前でも視力が悪くて眼鏡が必要な子供たちも実はふえていると伺っておりまして、この実態を放置するというのはやはりよろしくないだろうと思っているところであります。
 そこで、県のほうから国に働きかけていただきまして、運営費の問題、補助金の問題がやっぱり大きいのではないかと聞いておりますので、保育所と同等の、こういったことが対応できるよう県としても国に対して強く働きかけていただきたいと思うわけでありますけれども、部長、いかがでしょうか。
〇菅野総務部長 やはり就学前の子供さん方、特に今、委員から御指摘のありましたとおり、小学校段階、小さい段階から視力補正が必要なお子さんがふえている。そうしますと、やはり早いうちからそういうのを発見して、生活全般から見ての指導といいますか、いろいろなことをしていくということが将来非常に大事なんだろうと思います。そういった中で、今、委員からこういった検診が進まない理由、現状に即して御提言もございました。私どもといたしましても、先ほど課長が御答弁申し上げたところでございますが、よく学校関係の方々と意見交換をして、今、何が一体ネックになっているのか、そういったことを調査させていただきながら、どういったことをまず今、県としてやるべきことなのか精査させていただきまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 情報のセキュリティーについてお伺いいたします。
 申すまでもなく、情報ネットワークは常に攻撃の対象になっております。昨年、尖閣諸島付近で海上保安庁の巡視船が中国船と衝突した事件がありました。このとき、中国側の最大のハッカー組織が日本に抗議するために、9月12日から18日までの間、日本政府機関等が運営するインターネットサイトを攻撃する計画である旨の報道がありました。被害の状況としては、金沢大学附属高校のホームページが改ざん、警視庁のホームページも一時つながりにくくなった状態と聞いております。
 ついては、報道では、攻撃対象とする日本政府機関等の中に、公共機関、岩手県もその対象になったのかどうか。それから、その際に、いわゆるサイバーテロ予告に対しまして岩手県はどのように対応されたのか、まずお伺いいたします。
〇紺野法務学事課総括課長 サイバーテロ予告の関係でございます。
 中国最大規模のハッカー組織が、昨年9月12日から18日までの間、本県を含む日本の政府機関ですとか地方自治体が運営するインターネットサイトを攻撃するよう全世界に呼びかけているとの情報を9月15日に入手したところでございます。
 このため、直ちに庁内の関係課を通じまして、技術的対策が適切になされているかどうかの確認ですとか緊急時の連絡体制の再確認、被害確認時の報告の徹底を図ったところでございます。さらには、不測の事態に備えまして、情報を入手した当日─9月15日でございますけれども─9月15日から19日正午まで、当課の職員が24時間態勢で監視に当たったところでございます。
〇佐々木順一委員 即応されましたことに敬意を表したいと思いますが、いずれこのサイバーテロを初めとする脅威は、日々情報通信機器、技術が進展することに伴いまして、恐らく今後もそういう恐怖にさらされていくものと思っております。
 今日において、情報がいろいろな攻撃に遭いまして、情報が適切に届かない、あるいは情報が県民に共有されないままの状態が続くということは死活問題でありますので、ついては、こういった情報資産をさまざまな脅威から守るために情報セキュリティー対策は最も大事な要素でありますので、今般のこのサイバーテロ事案を初めとする脅威への対策を万全なものとするために、今後、県はどのような対策をとられるのかお伺いいたします。
〇紺野法務学事課総括課長 サイバーテロを初めとする脅威への対策についてでございますけれども、本県におきましては、日々高度化、多様化する脅威から県の情報資産を守るため、外部からの攻撃を遮断するファイアーウオールですとか、不正侵入を検知し通知する侵入検知システムを導入するなど、現在とり得る技術的対策をすべて講じているところでございます。
 また、情報システムに対する内部監査を定期的に実施いたしまして、万全な対策がなされているかどうかを確認しているほか、情報セキュリティーの基本方針等を定めております情報セキュリティーポリシーについても、適時適切な対策が講じられるよう、必要に応じ見直しを実施しているところでございます。こういったことを講じまして、情報セキュリティー対策に継続して取り組んでいるところでございます。
 さらに加えまして、去る2月21日でございますけれども、サイバーテロの未然防止、発生時の被害拡大防止を目的として岩手県警察本部が設立いたしました岩手県サイバーテロ対策連絡協議会にも参加いたしまして、横の連携強化を図っているところでございます。
〇佐々木順一委員 それでは、情報資産の流出についてお伺いいたします。
 昨年、警視庁公安部が作成したと思われる捜査資料のファイル共用ソフトによる流出や、それから尖閣諸島における中国漁船衝突映像の流出がありました。そして、こういった事案が、外交機密文書の流出など情報資産の流出が今大きな社会問題になっております。
 本県においては、機密情報を含む情報資産についてどのように今後管理されていかれるのか、また、適切に管理されていることをどのようにして確認されるのかお伺いいたします。
〇紺野法務学事課総括課長 情報資産の管理についてでございますが、本県所有の情報資産につきましては、情報資産の重要度に応じて管理を行っているところでございます。
 具体的には、情報資産の重要度に応じましてアクセス制限をかけるとともに、やむを得ず情報資産を外部に持ち出す場合には、所属長の許可を得てからということにしております。そのほかに、容易に情報が読み取られることのないように暗号化を実施しているところでございます。また、情報システムを所管する各室課等に対しまして情報セキュリティー監査を実施いたしまして、情報資産の管理が適切になされているかどうか定期的に確認しているところでございます。
〇佐々木順一委員 最後にしますが、先ほど申し上げました事案は、情報が漏れたか漏らしたかの差はありますけれども、いずれにしろ関係者の情報セキュリティーに対する認識の欠如が根本的な原因であると思います。ついては、本県において同様の事案が発生しないように今後どのような対策をとられていくのか確認をして質問を終わりたいと思います。
〇紺野法務学事課総括課長 情報セキュリティー対策の維持、向上のためには、やはり技術的対策だけでなく、情報資産を直接取り扱う個々の職員の情報セキュリティー意識の醸成がより重要であると認識しているところでございます。このため、新採用職員の研修時に意識啓発を図ったり、全職員を対象とした情報セキュリティー職員研修などを通じまして、情報セキュリティー対策に関する継続した意識醸成を図っているところでございます。
 また、個々の職員が情報セキュリティー対策について正しく理解し、情報セキュリティーポリシーに従って適切に行動しているかどうかについても、情報セキュリティー監査ですとか職員アンケートを実施いたしまして定期的に確認しているところでございます。
〇工藤勝子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時54分 休 憩
   午後3時15分 再 開
〇五日市王委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇三浦陽子委員 会派の及川幸子委員の質問にありました認定こども園につきまして、私も子育ての経験を通して、幼児教育、そして養育保育の重要性が、人間形成にとって大変大事なところだということを踏まえて、私からも質問させていただきたいと思います。
 まず、認定こども園のメリットとしてどんなものがあるか、改めてお伺いいたします。
〇清水私学・情報公開課長 認定こども園のメリットといたしましては、保護者からは、保育時間が柔軟に選べること、就労の有無にかかわらず施設を利用できること、教育活動が充実していることなどが挙げられているところであり、また、子供にとりましても、保護者の就労により保育所から出なければならなくなっても、同一敷地内の幼稚園に通園することで、友達と離れなくてよくなったことや、一定程度の集団が確保されることでの教育上のメリットがあるなどと聞いているところでございます。
〇三浦陽子委員 先ほども保護者の方が8割、それから施設のほうからは9割、まず評価されたということですので、多分そのあたりのメリットが非常に評価されたんだと思いますけれども、たしか平成18年の県の認定こども園の条例を認定するに当たって、まだまだ精査する必要があるのではないかということから、私は、もう少し考えたほうがいいのではないかという立場で、実はあのとき反対したんですが、その後、なかなかその認定こども園の設置が進まなかったという中で、最近、平成22年4月では11園で、ことしはふえて19園になるということですけれども、これまでの障害となっていた事項はどういうことなのか。また、施設、人員面でのハードルなんかは高くなり過ぎてはいないのかといういろいろと疑問があるわけで、広報活動をしっかりやると県のほうは先ほどおっしゃいましたが、この辺につきましてはどのようにお考えでしょうか。
〇清水私学・情報公開課長 施設の認定基準につきましては、認定に当たりまして、施設設備に関する認定基準ですとか、職員配置に関する認定基準、職員の資格に関する認定基準等がございますが、認定こども園の認定の基準を定める条例によりまして、それぞれ職員、施設設備、教育及び保育の内容について定められているところでございます。
 認定に当たりましては、条例で定める基準を満たしている必要があるわけでございますが、既存の幼稚園及び保育所に対しても配慮がなされているところであり、かつ、認定件数も順調に増加しておりますことから、現在、特に高いハードルとなっているとは考えていないところでございます。
〇三浦陽子委員 これから政府が進めようとしているこの(仮称)こども園と、それから認定こども園、この辺の関係については、どのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
〇清水私学・情報公開課長 平成22年6月に、国の少子化社会対策会議におきまして、子ども・子育て支援システムの基本制度案要綱を決定し、この中で、幼稚園、保育所等を一体化し(仮称)こども園を設けることを初め、子ども、子育て支援対策の財源の一元化などを進めるとしたところではあります。
 それ以降の国の検討状況につきましては、さまざまな案が検討されているところでございますが、まだ成案となっていない状況であります。
 認定こども園につきましては、その延長線上に、基本制度案要綱に定める幼稚園、保育所等の一体化による(仮称)こども園があるものと認識しているところであり、国における議論の状況を注視していきたいと考えておるところでございます。
〇三浦陽子委員 私たちも、このこども園につきまして、いろいろワーキングチームを組んで検討しているということは知っておりましたけれども、なかなかそれがまだ確定されないということにつきましては、県としても、今後の取り組みについて非常に大きな影響があると考えております。
 やはり私立幼稚園の連合会でも、非常にこれが大きな問題になっておりまして、実は昨日、岩手県私立幼稚園連合会の広報をいただきましたけれども、私も4人の子供を私立幼稚園に通わせた経験上、幼稚園教育と保育園との幼児教育のあり方は、やはり文部科学省という幼稚園の教育要領と保育園の施策はまた違うということから、例えば小学校に上がるときにも、幼小連携といって、幼稚園と小学校の連携を密にして、なるべく幼稚園から小学校に行くときはギャップを感じないように、スムーズに移行できるような取り組みが進められてきたと思いますが、保育園のほうでは、余りそういうことはなかったように思うのです。
 やはり、この幼児教育というのは学校教育の前段の大事な部分ですので、もちろん保育園の目的と、それから、本当に幼児教育としての幼稚園の役割は、またどうしても違う性質があると思います。その辺につきまして、岩手県として、幼稚園に通おうが、保育園に通おうが、それからまた認定こども園に通おうが、同じ子供たちですので、その子供たちが小学校に行くということも前提に考えたときに、このあり方についてどのように考えていったらいいか、今度、教育長になられるというふうに言われておりますが、それはそれとして、総務部の部長としても、この辺につきましてはどのようにお考えか、お伺いいたします。
〇菅野総務部長 やはり今、委員から御指摘がありましたとおり、小学校に接続する非常に重要な時期でございます。教育委員会におきましても、特に小学校、中学校9年間で、どう子供たちを育てるかという議論も実際始めてございます。
 さらに申し上げますと、もっと下に、今、委員から御指摘がありましたとおり、幼稚園、それから就学前教育、幼稚園、保育所を含めたそこからどう接続していくかというのは、非常に大きな課題だと思ってございます。
 どこに通ったかによりまして小学校に入ったときにギャップを感じることのないように、どういう連携をするのが一番いいのかというものは、庁内でも、私どもと、あとは市町村立の幼稚園を担当しております教育委員会、それから、保育所を担当している保健福祉部の中で、そういう協議組織をつくってございますので、そういった中で、お互い問題点を出し合いながら、さらに子供たちにとってよりよい就学前教育が図られるように、三者でよくよく連携してまいりたいと思っております。
〇三浦陽子委員 やはり、幼児教育、就学前教育につきましては、県庁内でしっかりと議論されて、よりよい制度設計をしていただければと思っております。先ほども及川幸子委員からもありましたように、岩手の子供たちのための幼児教育をしっかり考えていただきたいと思っております。
 それから、2点目は、防災関係につきましてお伺いいたします。
 本当にニュージーランドのような大規模地震があったということですし、本県におきましても、岩手・宮城内陸地震、それから岩手県沿岸北部地震がありました。本当にいつ起きるかわからないこの地震、震災ですけれども、予算に計上されておりますが、救急業務高度化推進費というものに当たるかどうかちょっと私もわからないので、その辺の内容につきましてもお伺いしたいんですが、こういう大規模地震や火災に対応する救命救急体制の確立というものが大変重要となっております。その体制づくりの現状と課題、そして展望について、お伺いしたいと思います。
〇小野寺防災消防課長 災害等に係る救急救命体制の確立ということでございますが、災害時のみならず、平常時における救急救命体制の確立を図ることは、非常に重要だということでございます。
 その中で、救急業務を高度化すると、特に、そのかなめであります救急救命士というものを養成することが、非常に大事だということを考えてございます。
 その救急救命士につきましては、平成3年に救急救命士法が制定されたという以降、平成15年からは除細動、それから平成16年から気管挿管、それから平成18年からは薬剤投与というように、救急救命士のやれる処置、できる業務が拡大されてきたということで、いろいろ救急救命士のレベルのアップが図られてきたということでございます。
 このような救急救命士の処置拡大、制度的な処置拡大に、県としては、救急振興財団九州研修所というような専門の研修機関がございますが、そこに消防機関の救急救命士を派遣するなどして、救急救命士の資質向上を図ってきたということでございます。
 また、現在、救急救命士につきましては349名という形で確保しているところでございますが、救急救命士の処置に当たりましては、やはり医師の指示のもとに適切に行うというのが基本になってございまして、特に、気管挿管など直接患者さんの体内にいろいろ器材を入れるという部分につきましては、必ず病院での実習を行うということになってございます。
 この病院実習が円滑に行われるよう、受け入れ実習機関と消防機関との協力が必要になってきているということでございますが、幸い、各圏域チームの地元には、各医療機関と地元医師会とで構成されます地域メディカルコントロール協議会というものが設置されてございまして、そこと連携を図りながら、救急救命士のレベルアップなり養成、確保に努めているところでございます。
 なお、今後のさらなる救命率の向上を図るためには、やはり応急処置のさらなる拡大が必要になってくるということがあります。県としましては、現在、国においても、その応急処置範囲の拡大については検討されていると伺っておりますので、その動向を踏まえながら、地元のメディカルコントロール協議会と連携を図りながら、その救急体制のかなめであります救急救命士の養成、確保を図りながら、確実な対応を図っていくというようなことを考えてまいりたいと思っております。
〇三浦陽子委員 確実に前進しているこの救急救命の体制づくりということは、県民にとっても非常に重要な、そして安心する部分だと思います。
 さきの地震で、DMATのことで私もちょっと質問させていただきましたけれども、このDMATにつきましての研修みたいなものとか、あと、消防との関連性とか、何かその辺の取り組みというのはあるのでしょうか。
〇小山総合防災室長 DMATの所管につきましては保健福祉部でございますので、詳細についてはまたちょっとあれでございますけれども、消防機関との連携につきましては、例えば、今年度の総合防災訓練におきましては、そういった大規模な災害を想定いたしました広域医療搬送、今回の場合、花巻から岩手県外に搬送するというような想定で、DMATと消防機関、救急救命士とか、機関が連携した訓練などをさせていただいております。
 いずれ、各消防本部でもDMATのチームとの情報交換なんかもさせていただいておりますし、そういった意味で、今後もそうなんですけれども、そういった取り組みを通じて、一層、災害現場における救命率の向上というものに取り組んでまいりたいと思っております。
〇三浦陽子委員 そこで、一般消防行政指導費というところでお伺いしたいんですが、消防行政の重要性にかんがみまして、本部と各地域における消防団との連携がより強化されていると思いますが、今の現状と課題についてお伺いいたします。
〇小野寺防災消防課長 消防行政におけます現状と課題ということでございますが、本県におきましても、近年、大規模な地震や津波、火災等の災害を経験しているということでございます。
 今後も、大規模な災害発生に備えて、やはり迅速かつ的確に対応できるように、消防におきましても、日ごろから、地域におきまして教育訓練や防災訓練などを通じまして、通常の消防士を常備消防と言うわけですけれども、常備消防と消防団との連携を図りながら、地域防災力の充実強化に努めているところでございます。
 現在、消防団につきましては、地域の安全・安心を担う中核という位置づけでございまして、確かに、少子化や地域コミュニティの変化などによりまして、全国と同様に、本県におきましても団員数が徐々に減少傾向にあるということは、事実でございます。
 そのため、やはり今後における消防団員の確保の部分が課題ということになってございますが、このため、県では、消防団を所管するのは市町村でございますが、市町村や県消防協会と連携しながら、広報やいろいろなメディア媒体を活用しまして、入団の促進活動をこれまで進めてきたということでございます。
 本年度は、特に、昨年末─12月からですけれども、IBCラジオを通じて、団員の募集等について集中的に行ってきたということでございます。
 今後も、市町村や関係機関と協力のもとに、さまざまな機会を活用しまして、県民に対しまして消防団活動を紹介して、消防団への理解を深めていただくという視点で、いろいろなPRをさせていただければと思っております。それを通じまして、消防団員の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員 地域住民にとっては、この消防団は本当に心強いものだと私も認識しておりますし、若い人たちが本当に入ってほしいなという地域がたくさんあると思います。
 本当に、平均年齢が50代、60代というところもあると聞いておりますので、何とかやはり若い方々を取り込むようなもっといいアピールの方法を考えていただきたいと思いますし、また、何で消防団に余り入らないのかということも、もう一回検証したほうがいいのかと思いますが、その辺につきましてのお考えはございますでしょうか。
〇小野寺防災消防課長 その辺におきましては、やはり、国のほうでも全国的な課題ということで、国の総務省の消防庁においても、いろいろ今後の消防団のあり方等について検討なされているということはありますし、県におきましても、やはり市町村と地元消防団の方々と意見交換をしながら、どういうことが課題になっているのかということを検証しながら、県でできる部分について、何ができるのかという部分を確認しながら、いろいろ検討していきたいと思っております。
〇三浦陽子委員 盛岡の消防団は、南部火消しという非常に長い歴史を持っておりましたし、私にとっても、こういう歴史があったんだと本当に最近知ったものですから、南部火消しという伝統をもっともっと市民も、それから県民も知ってもらいたいなと思いますので、やはりいろいろな取り組み方を通じて、消防団のあり方とか、それから、消防団がいかに大事だということを強くアピールしていただきたいと思っております。
 それから、観光地における防災対策と災害救助の取り組みについて、何か対策を考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
〇越野防災危機管理監 観光地におけます防災対策でございますが、各市町村においては、災害発生時における避難場所を示す避難誘導標識というものを設置してございます。これによって、地理の不案内な観光客等の避難にも配慮しているところでございます。
 また、ホテルや旅館における対策としましては、消防機関が行う消防法に基づく立入検査によりまして、施設の防火安全対策に努めております。
 さらに、国際観光ホテル整備法に基づきましたホテル、旅館が県内に41施設ございますけれども、それらのホテル等においては、非常時の安全確保に必要な事項を、日本語と外国語で記載した案内書を作成しまして客室に備えております。このほかに、複数の外国語によります案内標識の整備に努めているところでございます。
 なお、救出、救助に関しましては、観光客かどうかにはかかわらず、警察、消防あるいは自衛隊などの防災機関と連携をしながら、迅速な救出、救助に努めているところでございます。
〇三浦陽子委員 観光客も地元の方々ももちろん同じですけれども、この間のニュージーランドで日本人の方々、まだわかりませんが、本当に身元を確認するというのはなかなか大変だし、わかったとしても、病院に移送して、いろいろなことが考えられますが、そういう災害救助と、いろいろな情報等混乱して現場は非常に大変だろうと思いますので、個人情報とかいろいろなこともかかわってくるのかとは思いますが、やはり、できるだけ観光地において、よそから来た方々に対してもきめ細かく対応できるような、そういう取り組みが必要なのかなと思って質問いたしましたが、そのあたりについての御所見はございますでしょうか。
〇小山総合防災室長 ただいま三浦委員おっしゃるとおり、まさしく県内で起きれば、県民であろうと、観光客であろうと、逆にそういう取り組みが、観光立県という言葉もございますけれども、観光客の受け入れ、いっぱい来ていただくということにつながると思っております。
 どういったことがということにつきましては、基本的に、先ほど言いました地理不案内な観光客の方々という目線で案内標識、これも市町村によりましては、多言語で設置されているところもございます。そういった意味で、市町村と連携をとりながら、やはり現場におけるきめ細かな対応ということについて、今後、一層取り組んでまいりたいと思っております。
〇中平均委員 それでは、2項目について質問させていただきます。
 最初に、行政改革推進費についてお聞きします。
 資料もいただきましたが、これは、行政品質向上運動の流れを受けて、平成19年から行ってきているとお聞きしておりましたが、これの成果と課題について、まずお聞きしたいと思います。
〇浅沼人事課総括課長 行政品質向上運動等を含みます行政改革という部分で、成果というお話でございました。
 平成19年度から平成22年度までの4年間、集中改革プログラム及びアクションプラン改革編に基づきまして、広域振興局体制の整備、職員体制のスリム化、コンビニエンスストアとの包括協定締結、市町村への権限移譲の推進等、行政改革としての成果を上げてきているものと考えてございます。
〇中平均委員 それでは、課題についてお聞きしたかったのですが、改めてお聞きします。
〇浅沼人事課総括課長 これまでさまざま取り組んでまいりまして、その過程での課題認識という部分でございますが、大きく2点申し上げたいと思います。
 厳しい行財政環境の中にありまして、質の高い行政サービスの提供というものが求められておりまして、引き続き、簡素合理化、簡素効率化などの取り組みが求められているのではないかという部分、もう一点は、これまでのさまざまな取り組み成果につきまして、これまで以上に県民にわかりやすく説明し、十分な理解を得るよう努力していく必要があるのではないか。このような点が大きな課題であると認識してございます。
〇中平均委員 ただいま、質の高い行政サービスを今後、財政的に厳しい中で進めていく、また、成果をわかりやすく説明するとありました。それを受けて今回の予算もついていると思うんですが、それを、具体的に平成23年度どういうふうな形でこの予算を使いながらやっていくと考えているのか、この課題解決に向けた具体的な取り組みというところをお聞きしたいと思います。
〇浅沼人事課総括課長 今後の行政改革の取り組みの方向性につきましては、これまでの成果、課題を踏まえまして、いわて県民計画長期ビジョンにおけます県政運営の基本姿勢の四つの柱を実現する取り組みを、次期アクションプラン改革編に盛り込んでいくこととなります。一般質問等でもいろいろ議論はしていただいたと思ってございます。
 具体的な取り組みという部分につきましては、今後の検討という部分になります。現時点では、事務的に各部局に対しまして、これまでの改革編の取り組みにつきまして、課題とその要因の分析を依頼してございまして、取りまとめを行っているところでございます。それに基づきまして、次期アクションプラン改革編の方向性、具体的な取り組みについて検討を進めていくことになると考えてございます。
 また、厳しい行財政環境の中で、今後、社会経済情勢の変化によりまして、ますます公共サービスへの期待が高まるものと考えられます。県の行政改革の取り組みについて、県民の皆様に、よりわかりやすい情報提供に努め、理解していただく方法、これも現時点で具体的にこれというものはございませんけれども、検討していかなければいけない、こういう考えでおります。
〇中平均委員 具体的なものはこれからだということでありますが、予算案で出してきているということは、使う当てがあって出てきていると思うんですが、そこら辺を含めてちょっと教えていただけませんか。
〇浅沼人事課総括課長 今回、予算案に計上させていただいております部分につきましては、その中でも行政品質向上運動という部分につきまして、これは継続的に取り組んでいきたいという考えでございまして、職員等への研修に係ります経費、さらには講師の報償費、さらに知事と職員との意見交換─意思統一を図っていくための意見交換、こういったようなものに係ります旅費、会場使用料、報償費、報酬、そのような経費を計上させていただいているところでございます。
〇中平均委員 今の行政改革にしましても、今の職員の皆さんの行政の品質向上という点につきましても、つまるところ、県民サービスをどういうふうに維持して発展させていくかということに尽きると思うんですね。
 行政改革の具体的なものはこれから落とし込んでいくということでもございました。一番求められているのは、もともとこの行政品質向上運動ですか、これの一番最初は、もう大分前のことだと思うんですけれども、もともとは県民のほうを向いたサービスを行っていこうということが、最初の根底にあったんだと思うんです。それが、一時期ちょっと行き過ぎたきらいがあったところもあったのかなという気がしますけれども。
 それを今、こういう形でまた継続をしていきながら、実際に、変な話、よりそこに特化し過ぎるということではなくてやっていくということで、今回もまた継続して、また今後も継続していくんだろうと思うんですが、この県民を向いた行政サービスのあり方ということについて、どこまでやって終わりということはないと思いますが、今、具体的にここまで、資料もいただいて、今、御答弁もいただいたところはありますけれども、今やっていく中で、ここを一番問題にとらえていて、これをまずことし、平成23年度ですか、ここでクリアしていきたいというものがあるのではないかと思うんですね。不断の取り組みをしていく中でもというところはあると思うんですが、その県民のためのこの行政サービスのあり方ということについて、どういうふうに考えていらっしゃるか、その点を含めて教えていただきたいと思います。
〇浅沼人事課総括課長 これまでも、行政品質向上運動ということでさまざま取り組みをさせていただいておりました。ここ数年のスタンスといたしましては、システム的に、各個人、職員にいろいろやってもらうということではなく、各組織での自主的な、自律的な取り組みを優先的に考えていこうというスタンスでおります。
 その取り組みの中で、県民サービスという部分になりますと、やはり岩手県職員憲章という部分がございます。職員憲章の中でも、1番目に県民本位という部分を掲げさせていただいております。そこに掲げます考え方が、職員一人一人の意識の中にしみ渡って、それが各現場で県民と接する際に具体的な行動となってあらわれる、そこが目指していきたいところでございます。
 なかなか難しい問題ではあるかと思っておりますけれども、各部局職員のいろいろな知恵を集めながら、一つ一つ取り組んでいきたいと思っております。
〇中平均委員 わかりました。まず、行政改革、また行政品質向上という点につきまして、これからもたゆまぬ方向を示していっていただきたいと思っております。
 続きまして、防災費についてお伺いいたします。
 前回の定例会において、防災条例を議員発議ということで制定させていただきました。そういった点を踏まえて、平成23年度予算案において、その条例を受けて、施策なり予算化というものをどういうふうに考えていらっしゃるのかお伺いします。
〇越野防災危機管理監 新年度当初予算については、いわゆる骨格予算になっておりまして、新たな事業などの計上はしていないところでございますけれども、本条例制定の目的であります自助、共助の促進については、従来から地域防災力強化プロジェクト事業として、例えば家具転倒防止対策の促進、それから、小中学校教職員を対象とした講習会の開催による防災教育の促進など、自助の意識の醸成に努めておりますし、共助の観点からも、自主防災組織の育成強化や消防団の充実強化などに取り組んできているところでございます。
〇中平均委員 骨格予算ということもあり、また、防災条例、まず理念条例というところもあるので、そういったお答えかとは思うんですけれども、この6月補正ですか、そういった点も出てくると思うんですが、その中でも、条例の中で表彰制度のあり方であるとか、あとは、先ほど三浦委員から、観光客とか、他県から、また外国の方とか、そういうところの対応の仕方等を条例等でも記載しておりますので、そういった点を含めてどういうふうに、今おっしゃった、基本的にはもう組み込んであるというのはそうだと思うんですが、そのほかに今回、今まで組み込んであったとしても、予算的にはふえる、ふえないは別にしても、その条例を受けて新たに特出しでやっていかなければならない点というものもあるのではないかと思っております。
 また、条例のほうでも、定期的にホームページ等で、この条例を受けてどういうふうにやってきたか公開していくとも規定させてもらった関係もありますので、そういった点を含めて、今年度、今後どういう取り組み、方針を持っているのかお伺いしたいと思います。
〇越野防災危機管理監 今、6月補正に向けまして検討している新事業としましては、自助の観点で、今までいろいろ自助の事業をやってございますけれども、啓発のためには、防災教育と銘打ってやっていることがほとんどでございましたので、そうではなくて、いろいろなその地域の社会教育、こういう場でも防災教育を実施していこうというような取り組みをしようと考えております。
 それから、共助の観点では、防災リーダーとか、地域防災活動の担い手、いわゆる人材をどのように活用しようかということで、例えば、今、防災士とか、それから岩手の防災リーダーというものがございます。それから、警察あるいは消防のOB、自衛隊のOBも含めまして、そういう方々をいかに活用するかという活用の要領等についても検討したいと思っています。
 委員おっしゃるように、表彰につきましては、表彰基準、どういう基準で表彰するかとか、どういう活動を各市町村の自主防災組織がしているのかということもあわせまして、これからは、検討課題ということでやっていこうと考えてございます。
〇中平均委員 最後にしますけれども、まず、条例の制定の趣旨等も打ち合わせ等で話をさせてもらっていますので重々承知だと思いますので、その点を含めて進めていっていただきたい。
 あと、やはり各自治体の防災担当であり自主防災組織の皆さんと、なかなか全体で話す機会がない、意思疎通するところをもっとほしいというお話は、この条例制定のときの各地域に赴いての話の中によく出る話でございました。
 前もって伝えておりますが、改めて、この間、1回集まっていろいろやられたという話も聞いておりますけれども、今後も継続してやっていただきながら、実態に即した、また、県と自治体、各地域の防災的な活動を担われている方々との連携といったものが、今後まさに重要になってくると思いますので、その点、今後も引き続きやっていただきたい。当然やっていかなければならないことだろうと思いますので、その点、今後もどういうふうにやっていくか、そこら辺の連絡体制のとり方であり意識の共有のあり方をどう考えているかお聞きして、質問を終わります。
〇越野防災危機管理監 まず、自主防災組織の連携は、今年度初めて、県内の自主防災組織の連絡調整会議というものをやりました。それによりまして、各自主防災組織の悩みとか、これからどうやって活性化していこうかとか、いわゆる活性化のための情報交換、意見交換、こういうことをやりました。それによりまして、自主防災組織間の連携というものが非常に重要だということも、各自主防災組織の中でも認識いたしました。
 それと、各市町村の取り組みについて、来年度4月に各市町村の担当課長等を集めまして、この条例の趣旨なり、いろいろな事業について推進するようにということで、県のほうとしても指導していきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 私は、大きく3点についてお伺いいたしますが、まず最初に、総合評価落札方式の本格実施についてお伺いしてまいります。
 私は、この本格実施については、非常にいい方向に進んでいるなと思っておるんですが、確認のため質問させていただきます。
 この本格実施における資料を拝見いたしますと、これまで対象工事、試行期間は、原則、設計金額1、000万円以上の農林水産部、県土整備部の工事の中から半分をやる、こういうことで試行がされてきた。これが本格実施される平成23年度、新年度からは、原則1、000万円以上の工事で、工事所管課等の長が必要と認めた工事、これは、工事技術的難易度評価の基準によるのだそうでありますけれども、これをやると。これはいいことだと思うんですが、その下に1行ありまして、建築及び設備等の工種については試行となっております。つまり、全業種ではなくて、これを読みますと、建築と設備等の工種は別だよと読めるのでありますが、これはどういう意味でしょうか。本当に試行なんでしょうか、全体に係るものではないでしょうか、確認させてください。
〇高橋入札課長 この建築及び設備関係の工事については試行という趣旨でございますけれども、これまで、総合評価落札方式を5年間試行してまいりました。対象は農林水産部と県土整備部の二つの中でございます。どうしても対象工事の中心は土木系の工事がほとんどでございまして、建築及び設備について、その工事の検証の実績の積み重ねが非常に不足していたということで、さらに、今回やろうとしている対象工事選定のための技術的難易度判定の基準づくりですとか、実際、評価する場合の評価基準の検証ですとか、その辺のところをもうちょっと確かめていく必要がある、そういう趣旨で試行としておりますが、総合評価そのものを含めて、建築工事等も含めて実施していこうという趣旨については、そのとおりでございまして、決してそこを除いていこうという考えではございません。
〇岩渕誠委員 やはり県営建設工事の入札において、工種を、種目を区別することなく、共通でいかないと、この工事はよくて、この工事はだめなんだというのは、これはやっぱりちょっとまずいと思います。
 件数の問題とか、それで検証もまだだということですが、まだ時間がありますから、これを積み上げていってやっていただきたいと思いますし、例えば、今までやってきた土木関係では5割を試行するということになっていますけれども、これは建築とか設備等の工種について、やはり片方で本格実施をしていて、片方で試行ということはバランスを著しく欠くと思いますから、これ、5割という目標を、何か数字的な目標をつくるのであれば、50%というよりは、やっぱり80%とか、相当やるんだということを明確に入札担当のほうで示さないと、これは意味があるものになっていかないと思うんですが、どうお考えですか。
〇高橋入札課長 試行ということで、その対象工事は、任意に何らかの目標設定した上で実施していくという予定で考えております。ただ、今、委員御指摘のとおり、それが非常にやりやすいように、件数が非常に選別されるようなことがあってはならないと考えておりますので、その辺につきましては、関係部局、県土整備部におきましても、県営住宅あるいはそのほかの建築設備系工事がございますし、あるいは件数の多いところでは、教育委員会ですとか、総務部管財課とか、建築系工事を主に持っている所管課もございますので、そういったところと打ち合わせをしながら、目標を設定して、実施していくように進めてまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 なぜ私が建築とかということのお話をするかというと、91者問題の発端は、建築のいわゆる親睦会というところからスタートして、いろいろな問題が出てきたわけです。そうすると、そのいろいろな処分が終わって、いざ入札に参加できるといったときに、その部分だけが、今先行している、これからやろうとしているものから漏れたとすれば、やはり、これはちょっとおかしいのではないかと。そういうものから先に入札制度をきちんと改革をして、県としてもしっかりやっているんだという姿勢をぜひ示していただきたいと私は思うのでありますが、いかがですか。
〇高橋入札課長 委員おっしゃるとおりでございまして、入札制度の公平性、透明性につきましては、またさまざまな方策でも取り組んでおりますが、なお、この総合評価落札方式という中にも、そういった趣旨もありますし、それに加えて、価格競争のみならず、技術力の評価という要素も含めて、これまでの試行の中でもさまざまなメリットが見えておりますので、ここは、建築設備系の工事についても、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 私は、この総合評価落札方式というのは、まさに評価をしているのでありますが、もう一つの問題点は、実施の時期が平成23年7月1日以降に入札公告する工事から適用する、こういうようなことになっています。しかしながら、当然、新年度予算が可決されますと、恐らく一番大きく出てくるのは、6月に工事の発注が出てくると思いますが、その場合に、7月1日からやるんだよと言っていて、6月の入札では総合評価はやりませんという話になると、たった2週間とかそのあたりでやらないということになると、僕はちょっと事実上、1年間おくれるようなものだと思うんですが、この7月1日にあわせて発注をする、あるいはその前であっても、総合評価落札方式をほぼ適用するというようなことがなければ、せっかくこれをやるといった意味が、効果が薄れてしまうと思うのですが、その辺の対応をどうお考えですか。
〇高橋入札課長 7月としましたのは、さまざまな新しい要素もございますので、その準備をしっかりして円滑に進めたいという考えで7月としたところでございます。
 今、委員から御指摘のあったようなことがございますけれども、極力、制度の適用でありますとか、準備、考え方、制度の趣旨を周知していくという、技術職員にそういった中身をきちんと普及させていくという準備期間も必要ではございますが、そういったことを進めながら、どうしても7月以降、対業者さんへの周知の都合もございまして、7月からということにしておりますが、工事がそれを避けるような形での発注はすることのないように、制度をうまく活用していく方向で進めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 周知とかという話がありましたけれども、これは、試行を5年やっているわけですね。確かに新しい制度になりますから、一定の周知というものは必要だと思います。しかし、業者側からすれば、やってきているわけですから、業者側は対応可能だと思います。
 はっきり申し上げれば、この総合評価落札方式で一番事務量がふえるのは県の職員ですよ。結局、県の職員の都合によって、この総合評価落札方式が7月1日までだということだとすれば、これのほうが問題であって、それは、内部のところはきちんとやって、新年度予算にかかわる入札に関しては、やっぱりやるんだということ、これを入札当局として打ち出していただきたいと思います。それじゃないと、県土整備部と農林水産部はそのとおりやるんだけれども、ほかはちょっと間に合わないからやめましたというのは、部局によって差が出てしまったりするケースも想定されるわけですから、その辺はしっかり取り組んでいただきたいと思うのですが、これは部長に聞きましょうか。
〇菅野総務部長 確かに、県土整備部、農林水産部にはかなりの蓄積がございます。したがいまして、7月1日施行といたしましても、県営建設工事の8割を占める県土整備部と農林水産部については、今までの試行を継続するということになりますので、かなりの部分が総合評価落札方式に移行するだろうと。
 ただ、やはり私ども検討した中で、ほかの部局から不安を随分言われています。県土整備部、農林水産部のように、技術職員がそれほど多数いるわけではないと。そうした中で、そういうノウハウの蓄積のないところでどうやっていくんだといろいろ不安も述べられています。
 ただ、一方で、やはり今、岩渕委員から御指摘のありましたとおり、よりベターな方式に移行するためには、総合評価落札方式は避けて通れない。そのためには、やはり県土整備部も、部としてほかの部局に対して全面的に支援する、建築系も含めて、持っているノウハウを生かしながら他部局に対して支援をするというお話もちょうだいしていまして、全庁挙げてこの方式に取り組んでまいりたいと思いますし、いやしくも、今、岩渕委員からお話のありましたような疑惑を県民の方々に招くことのないよう、私ども入札担当部局といたしましても、技術を担当いたします県土整備部とよくよく連携しながら、各部局を支援し、この制度の円滑な実施に努めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、公文書の管理についてお伺いしてまいります。
 来月1日から、国のほうでは公文書管理法という法律が施行になります。これは、薬害の肝炎の問題、あるいは外務省の機密の問題、それから年金の問題等で、非常にずさんな文書管理が行われたという反省のもとで、時の福田内閣のときに非常に旗振りをしまして、全会一致でこれは法律として決まって、ようやく施行になる、こういうようなものでありまして、非常に画期的な法律だと思います。
 ここを引用しますけれども、この第1条の中で、公文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものと位置づけるということで、非常に価値があるわけでありますが、翻って、岩手県の公文書の管理の状況は、今、果たしてどうなっているでしょうか。どういう管理スペースで、例えばデータベースはどういうふうに進めているのでしょうか、お示しいただきたいと思います。
〇紺野法務学事課総括課長 県の公文書管理の現状についてでございますが、まず、現在、10年以内の一定期間保存する有期限保存文書につきましては旧盛岡短期大学図書館に、また、重要な内容で10年を超え長期間保存する永年保存文書につきましては盛岡地区合同庁舎の文書保存庫に保存しているところでございます。
 また、データベースということですが、現在、公文書自体をデータベース化しているということではございませんで、明治以前から順次、目録をデータベース化して、県民の検索の用に供するということで、目録についてデータベース化しているというような状況でございます。
〇岩渕誠委員 実は、調べましたら、国の府省にある、省庁にある行政文書ファイルの数は1、714万ファイルなのだそうでありまして、これをこれから公文書管理法に基づいて、これは重要な行政文書で、いつまでレコーディングするのかという問題をやって、さらには、歴史的な文書については、それを歴史的文書として評価をして、国立公文書館、国会図書館ですか、そちらのほうに入れるということになっております。
 ちなみに、この公文書管理法第34条、最後の章になりますけれども、地方公共団体は、この公文書管理法の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、実施するようという努力義務が課せられてあるわけでありますけれども、県としては、今、旧盛岡短期大学とか盛岡地区合同庁舎にあるということですが、今後ますます膨大化する書類に対して、この公文書管理法の趣旨に照らして、どのような対応策をお考えなのでしょうか。
〇紺野法務学事課総括課長 公文書管理法につきましては、2点大きな柱があると認識してございます。一つは、行政文書のライフサイクルを通じた管理のルール、もう一つは、委員御指摘のように、歴史的な公文書等の保存、利用のルール、この二つが大きな柱になっているかと思います。
 前段の行政文書の管理につきましては、私ども、今まで行政文書管理規則等々、起案から、作成、保存、廃棄まで一連の厳密な手続を定めまして、また、保存年限、どういった文書が永年保存文書になじむか等々を詳細に定めた規定で、行政文書としての管理を適正に行っているところでございます。
 一方、歴史公文書等の保存という観点からは、私ども研究が足りないというせいもございまして、そこのルールを今後どうしていこうかというところが、今後の課題になっていると認識してございます。
〇岩渕誠委員 ありがとうございました。公文書の管理をめぐっては、岩手県では、公文書館を整備するのだという計画がありましたが、増田知事時代に、財政難でこの計画が凍結されていると。今もなお凍結をされているという事態でありますから、今もその状況は変わらないと思います。
 したがって、歴史的文書をどうするかという問題、これをまた今後、考えなければいけないと思いますし、それから、どういうふうにしてアクセスをして、その仕分けをどうするかという、国のほうでは地方の条例化というものをかなり期待しているということがありますので、それは、ぜひ検討していただきたいと思います。
 いずれ、諸外国の例を見ますと、情報公開法の前に文書管理法というものがあって、公文書管理法というものがあって、こっちが先なんですね。これがないと情報公開にならないわけですから、ようやく二本立てのセットが出てきたということですから、岩手県もその観点から、おくれのないようにお願いしたいと思います。これは指摘にとどめます。
 最後に、岩手県立大学の状況についてお尋ねいたします。
 12月定例会で県立大学の中期目標を議決いたしました。それに基づいてお話をいたしますが、2月末日に中期計画というものが大学から提出されていると思います。県立大学の建学の大きな目標は、当時の工藤知事もおっしゃっていましたけれども、岩手県内でとにかく高等教育を受けられる人たちを多くつくって、やっぱり教育立県を目指そうという大きな目標があったと思うんです。
 そうした中で、今度の中期目標の基本姿勢の中の1番目に、学生を主人公とした教育というもの、そして2番目に、岩手の活力を創出するという地域目線で、地域の中核人材を育成して、活力創出に貢献する大学ということをうたっているわけでありますが、そういった中で、この県立大学の県内からの入学者の推移と今後の目標、それから、どういった形で掘り起こしていくのかということ、それから、これは県内の地域に貢献する大学という側面と密接に関係していますが、県内就職率の推移と今後の目標について、この中期目標との関係でお教えいただきたいと思います。
〇八重樫総務室管理課長 県立大学への入学者のうち、県内の高等学校出身者の占める割合でございますけれども、開学時は57%でございました。平成22年度、今年度につきましては65.7%でございまして、近年、6割から7割程度で推移しているという状況でございます。
 県立大学の次期中期目標におきましては、岩手県内の子弟を中心に広く学生を確保するように大学に対して指示しているところでございまして、大学で策定しております中期計画におきましても、入学者の受け入れ方針を明確化し、大学の魅力を広く情報発信するということ、それから、オープンキャンパス等によりまして、県内の高校などによる県立大学への理解を深めて、高等学校と強固な協力関係を構築して、高校と大学の連携強化をするということなどを含めまして、県内の高校からの志願者を確保していくこととしておるところでございます。
 それから、県内の就職率の推移等でございます。
 県立大学の卒業生のうち、県内の企業等に就職する学生の占める割合は、4年制大学で、平成19年度が32.6%ということで低かったわけでございますけれども、それを底にしまして、現在4割程度で推移しております。平成21年度では40.7%でございます。
 県立大学におきましては、学生の県内就職を促進するために、企業に対しましては、就職支援のための特命課長を昨年度から設置しておりまして、企業訪問とか、ニーズの把握、就職先の開拓を行っております。
 学生に対しましては、県医療局の説明会とか県内企業との就職懇談会、それから、県内IT企業に関しますシンポジウムを開催したり、地元企業とか関係団体と連携した県内企業関係者による公開講座などを実施することなどによりまして、学生の県内就職への理解促進に努めるなど、さまざまな学生の県内就職を促進するための取り組みを行っているところでございます。
〇岩渕誠委員 懇切丁寧にありがとうございました。
 就職率の関係でいいますと、これは学部によって非常に隔たりがありまして、社会福祉学部、あるいは総合政策学部でありますと半分以上が県内だと。しかし、看護学部は3割程度で、ソフトウエア情報学部に至っては1割から2割ということで、非常にばらつきがある。
 特にもソフトウエア情報学部に関しては、もちろん県内の産業構造という問題もあるわけですけれども、産学官をやっているにもかかわらず、学生が定着しない、県内の企業に行けないということ、これはもっと真剣に考えなければならない。頭脳流出ということも十分にあると思いますので、そこは指摘をしておきたいと思います。
 そして、最後になりますけれども、就職率を上げるということにおいて、県立大学の中期目標の中で非常におもしろいなと思って拝見しているのは、県内へのUターン就職を支援するということがうたわれております。これはなかなかおもしろい取り組みだと思っているんですが、これを具体に新年度どのようにお進めになるのか、お示しいただきたいと思います。
〇八重樫総務室管理課長 地域で活躍する有為な人材を県内に確保していくということを考えますと、一度、県外に就職した経験を積んだ後、岩手に戻ってくるという県立大学の卒業生を県内に確保していくということは、非常に大事なことだと認識してございます。
 県立大学におきましては、昨年も行ったんですが、東京都で開催したんですけれども、岩手県U・Iターンフェアというものがありまして、これに参加するなどしまして、地元に戻ってきて就職したいという卒業生へ情報提供しております。これも引き続き行っていくこととなっております。
 それから、県内へのUターン就職希望者、再就職の状況につきましても、大学に対する電話紹介とかOBからの情報などがありまして、これを把握しているところでございますし、それから、全国に県立大学の同窓会支部を設置しようということで、今、進めてございます。こういった卒業生のネットワークを構築しまして、就職などの情報提供を行うなど、今後も引き続き行っていくこととしております。
〇斉藤信委員 最初に、今の県立大にかかわって関連質問させてください。
 県立大学の看護学部で養護教諭養成の取り組みをやめるのではないかというので不安の声が新聞等でも出ていましたが、この養護教諭の養成について、県立大学はどう取り組まれるのか最初に質問します。
〇八重樫総務室管理課長 県立大学では、看護学部に養護教諭1種免許状を取得できる教職課程を設けておりまして、引き続き養護教諭養成課程を継続するものであると聞いてございます。
〇斉藤信委員 わかりました。
 それでは、本質問に入ります。
 岩手県の県財政の状況について、県債残高、後年度負担比率、基金残高等、決算額の総額に対する比率、全国的な順位はどうなっているか。
 県税収入、地方交付税収入が来年度はふえるということになっていますが、平成21年度の決算では、県税収入184億円減、法人事業税が127億円減となっていました。平成22年度の見込みも含めて、どのように推移するか、来年度どこまでふえるのか示していただきたい。
 そして、厳しい財政状況の中で、事業の選択と集中、これは具体的に何を選択して何に集中するのか、どういう予算になっているのか示していただきたい。
〇八矢予算調製課総括課長 まず、県財政の全国的な位置づけということでございます。
 決算総額との比較ということでおっしゃいましたが、例えば貸付金等々、各県によって、身の丈と比べてやっているサービスがかなり増減ありますので、標準財政規模と一般財源の、標準的な人口、面積であればこのぐらいの一般財源の規模だと示されているものがございますので、それとの比較ということで御答弁させていただきます。当初予算額でいいますと、当初予算の規模は、全都道府県中、標準的な財政規模に占める割合で申しますと大きいほうから23番目ぐらいの大体中位ぐらい、県債残高の標準財政規模の比率は大きいほうから5番目、財政調整基金及び減債基金の基金残高は大きいほうから24番目でございまして、後年度の負担比率といたしまして、県民の実質的な後年度の負担の状況を示す健全化法上の平成21年度の将来負担比率は高いほうから3番目ということでございます。
〇八重樫税務課総括課長 県税収入についてでございますが、県税収入の平成22年度決算見込みにつきましては総額で1、008億円を見込んでおりまして、平成21年度、前年決算額に比較しましてマイナス49億円の減と見込んでおるところでございます。
 法人二税は、平成22年度決算見込み167億円と見込んでおりまして、平成21年度決算に比べましておよそ12%の減と見込んでいるところでございます。
 平成23年度の県税収入は、個人県民税等で減収が見込まれますものの、企業収益の一定の回復によりまして、法人県民税、事業税の法人二税で増収が見込まれることによりまして、平成22年度当初予算と比較して2.5%増の1、004億円と見込んでいるところでございます。
 この法人二税の税収見込みにつきましては、各企業の中間決算の状況や大口企業への個別照会をもとに見込んだものでありまして、特にも機械、電気機械等の製造業において増収となる見通しであることから、平成22年度当初予算と比較して33億1、200万円、22.6%の増となるものであります。
〇八矢予算調製課総括課長 地方交付税等の見込みについて御説明申し上げます。
 まず、平成22年度─今年度の当初予算との比較でございますが、国の経済対策の一環といたしまして、交付税原資が1兆3、000億円ほど、国税収入の増に伴いまして交付税の原資もふえたと。そのうち3、000億円を平成22年度中に各地方公共団体に追加で交付をする。残りの1兆円を平成22年度から23年度に回しまして、平成23年度の交付税の原資にするといったような措置がとられた結果、本県分の交付税といたしましておよそ30億円ほどが追加交付されたということがございます。
 そうしたこと等を踏まえまして、今回、先般可決いただきました2月補正の額といたしまして交付税52億円ほどの増を見込んでございます。
 それから、平成23年度の見込みにつきましては、平成23年度の地方財政対策の結果といたしまして、国の一般会計からの別枠加算の維持、それから、先ほど申し上げました繰越金の活用等によりまして地方交付税額が総額としてふえた。
 それから、ことし1月25日に全国都道府県財政課長・市町村担当課長合同会議がございまして、その際に交付税の見込み方が毎年総務省から示されるということで、個別算定経費、包括算定経費それぞれ指示伸び率、あるいはこういう計算で積算してくださいといったような細かな資料がございますので、本県分の数値をいろいろ当てはめて試算をした結果、平成22年度の当初予算と比較いたしまして約2.6%増の2、268億円余を見込んだところでございますが、地方全体の総額といたしまして臨時財政対策債が相当減少したということでございまして、本県の財政的な影響のトータルといたしましては、平成22年度、23年度を比較いたしますと、県税収入と地方交付税等と、あと臨時財政対策債を合計いたしますと46億円の大幅な減収を見込んでいるものでございます。
 それからもう1問、選択と集中に関しまして、どういったものを縮減してどういったものに充てたのかという御質問でございますが、本県として、大まかな政策分野としてどこを削る、例えば福祉分野を削って産業振興に充てるとか環境分野を削るとか、そうした分野を削るというよりは一つ一つの事業を細かく地道に削ったというのが回答でございまして、予算のつくり方といたしましては、まず、来年度どういう事業が本当に新規事業として必要なのかということを知事を初め副知事及び関係部局長で何度も議論をいたしまして、では、こういう事業が今、県民にとって望まれているのではないか、効果があるのではないかということで、新規事業または来年度の事業の方向性について議論し、実際、予算要求の段階でも、新規事業についてプラスアルファでたくさん要求してくださいということではなく、既存事業をスクラップして、きちんとほかの事業をやめて新しい事業をつくるということで、トータルでふえないようにまず予算要求をいただく。予算要求いただいたものを、要求段階で既にスクラップされているんですが、要求されたものを、さらに我々の側が一つ一つ地道に、本当にこの額が必要なのか、どういう必要性があるのか、ほかの方法ではだめなのかということを全事業について細かく筆を入れさせていただいたり議論させていただいてスクラップをしたと。それによって生み出した財源を新施策に振り向けたということでございまして、新たにどのようなものに措置したのかというものにつきましては、骨格予算でありますが、いろいろ県民生活を守るために早期に着手しなければいけない事業、あるいは平泉だとかDC─デスティネーションキャンペーンの準備だとか、そういったものを新たに措置させていただいたところでございます。
〇斉藤信委員 簡潔に聞いた割には何かぐだぐだした答弁で、もっと簡潔に答えてください。
 岩手県の財政状況というのは、予算調製課総括課長の回答でも県債残高では全国5番目、後年度負担比率では全国3番目と。実は、総務省が都道府県の姿ということで2010年版でまとめている。これは決算総額費で地方債現在高の割合というのは全国2位なんですね。なかなか私は大変厳しい県政の状況だと。そこで具体的な選択と集中を聞いたんですけれども、よくわかりませんでした。
 2番目に、こういう厳しい財政状況の中で、滞納整理機構の取り組みについて私はお聞きしたい。
 滞納整理の実績、その中身と処理状況。その中での国保税の滞納の比率とその処理。生活費まで差し押さえ処分をしているのではないかと思いますが、いかがですか。
〇八重樫税務課総括課長 平成22年度における滞納整理機構の整理対象額は、個人住民税や国民健康保険税等の市町村税の総額で、今年度の市町村からの引き受けが4億500万円余、前年度からの繰越分が3億5、500万円余ございますので、それを加えまして合計7億6、000万円余となっているところでございます。
 この整理対象額のうち、平成22年11月末において差し押さえの換価により徴収したものは1、900万円余、任意の納付があったものは6、200万円余であり、納付誓約中のものが8、100万円余、差し押さえ継続中のものが8、600万円余となっているところでございます。
 次に、滞納整理機構の引き受け分の平成22年11月末現在の未納額は5億8、500万円余となっておりまして、そのうち国保税は2億3、500万円余となっており、未納額に占める国保税の比率は約40%となっているところでございます。
 滞納整理機構では、個人県民税及び個人住民税などを初めとした市町村税の大口滞納事案や徴収困難事案を引き受けし、整理しておりますけれども、複数の税を滞納している者から徴収した税の振り分けは市町村ごとに市町村長が行っているため、処分徴収した金額の国保税への配当については把握していないものであります。
 また、給与や年金などにつきましては、国税徴収法の規定の例によりまして、生活の保障の配慮から一定の金額までは差し押さえができないこととされておりまして、滞納整理機構におきましては、これまでこうした差し押さえ禁止財産を差し押さえたことはございません。
 また、滞納処分の実施に当たりましては、滞納者の個別的、具体的な実情を踏まえて、滞納者の生活を著しく困窮させるおそれがあるときなどにおきましては、その執行を停止することができるとされているところでありまして、個々の滞納者の状況も踏まえまして、県においては適切に対応してきているものであります。
〇斉藤信委員 私は先ほど総括で給与、年金まで差し押さえしていると。給与は会社で差し押さえするから生活費を差っ引けるんですよ。年金は振り込みで出されて、預貯金になって、全部これ生活費含めて差し押さえになるんじゃないですか。これ、2月2日のNHKの特集で、16万円の年金を差し押さえられてゼロという残金がありました。そういうことはないのか。年金の場合、どのように生活費が確保されるのか。
 それともう一つ、こういうケースがありました。これは自動車税でしたけれども、滞納していたと。派遣の労働者で、8万円そこそこですよ。預金通帳に入ったら残額ゼロですよ。生活費が全くなくなってしまった。私、こういう差し押さえは間違いだと思いますよ。こういうのは間違いじゃないですか。
〇八重樫税務課総括課長 総括質疑でもお答えしましたが、1人当たり10万円ですとか、あるいは同一生計の親族がいる場合に1人当たり4万5、000円を加えた額というのを差し押さえ禁止額として計算をしまして、それを差し引いた上で差し押さえ可能額を計算します。
 さらには、源泉徴収をされております……(斉藤信委員「具体的に年金を聞いているんだ」と呼ぶ)今のは給与の例でありますが、年金につきましても、この給与の例に準じて差し押さえ可能額を計算した上で処分をしているものでございますから、年金についても給与と同様の取り扱いをしているものでございます。
 また、先ほど自動車税についての事例がございましたが、本県ではそういった事例がないと。個々の滞納者の状況を踏まえて、適切に、生活困窮者等に対してはさまざまな納税相談ですとか、あるいは財産調査などを行った上で、分割納付等も認めた上で対応しているものでございます。
〇斉藤信委員 自動車税の問題は盛岡広域振興局の例なんですよ。全国の例じゃないんですよ。岩手県の例、盛岡市の例なんですよ。それで生活費なくなっちゃったんですよ。
 年金は振り込まれた段階で、生活費、引かれるんですか。預貯金になるんじゃないですか。そこを答えてください。給与は会社で差し押さえるから生活費を差っ引けるんですよ。しかし、年金は振り込まれたら預貯金になっちゃうんじゃないですか。その振り込まれたところから生活費が引かれるんですか。
〇八重樫税務課総括課長 年金につきましても、預貯金の例に準じて、生活費であるとか、あるいは生活の維持のための費用も認められておりますので、そういった計算を行った上で差し押さえ可能額を計算しているものでございます。(斉藤信委員「自動車税は」と呼ぶ)
 自動車税の例が盛岡広域振興局の事例だという御指摘がございましたので、もし今申し上げたような生活困窮者に対してそういった滞納処分をしていたということであれば、それにつきまして調査をした上で適切な対応をさせていただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 ぜひやってください。
 次に、県庁施設の全面禁煙の取り組みについて、県庁は来年4月から全面禁煙に取り組むと。その取り組み状況はどうなっているでしょうか。
〇平総務事務センター所長 昨年9月に職員安全衛生管理委員会において決定いたしました岩手県職員受動喫煙防止対策基本方針に基づきまして、既に実施している庁舎を除き、県庁を初め各地区合同庁舎と単独庁舎につきましては、各庁舎管理者において、屋外に新たに喫煙場所を確保するなど建物内での全面禁煙に向けて準備を進めているところでございます。
 この結果、本年4月には、遠野地区合同庁舎を除くすべての庁舎において建物内の全面禁煙を実施する予定でございます。
 遠野地区合同庁舎につきましては、敷地内に新たに喫煙場所を設置することについて、諸事情から調整がつかないため、引き続き庁舎内完全分煙を継続して受動喫煙防止に努める予定でございます。
〇斉藤信委員 それでは、防災対策についてお聞きします。
 昨年のチリ地震津波からちょうど1年、そして、岩手・宮城内陸地震もありました。こうした教訓を踏まえて、来年度の防災対策はどう取り組まれるのか。
 この間、去年のチリ地震津波のさまざまな問題点、教訓として、公的避難所への避難率が低かった、車での避難が多かった、避難所の運営に問題があった、防災教育の必要性などが指摘されていますけれども、来年度の取り組みを示していただきたい。
〇越野防災危機管理監 チリ地震津波、それから岩手・宮城内陸地震への対応の教訓を踏まえまして、県としては地域防災計画の修正を行うとともに、地域防災力強化プロジェクト事業の一層の展開を図りながら地域防災力の強化に取り組んでいるところでございます。
 委員おっしゃいましたことに関しましては、特に岩手・宮城内陸地震等につきましては、例えば具体的に申しますと、職員の参集状況が、電話が通じなかったことで、今まで電話でやっていたものを自主参集にしたとか、それからDMATとの連携が悪かったので、DMATを地域防災計画の中に取り入れて、訓練も重点的にやっている。あるいは、ヘリの運用が21機と多数運用しましたので、ヘリ運用調整要領というのを整備しました。それから、災害対策支援室の体制強化を図りました。あるいは孤立化の対策の推進等をやってございます。これは岩手・宮城内陸地震の教訓を含めて、逐次、防災計画等によって改善しております。
 チリ地震津波につきましては、アンケート結果によりまして、例えば途中で帰った人とかおりました。これはやはり津波に対する正しい知識が不足しているということで、正しい知識の普及、啓蒙をより一層図るような対策を今、推進中でございます。
 それと、自主防災組織の組織率の高いところは避難率もいいということで、お隣、御近所、誘い合いながら避難をしたということもございまして、自主防災組織の育成強化を図っているところでございます。
 それから、委員おっしゃいましたように、要援護者の支援体制の整備というのも保健福祉部と連携をしながら実施しているところでございます。
 それから、車で避難したということに関しては、これは私どももかなりの問題意識を持ってございまして、これはもうあくまでもやっぱり知識、車で逃げたら危険なんだというようなことを正しく認識させる必要があろうということで、これも徹底させたいと思っております。
 それとあと、避難所の居住環境の整備もいろいろ問題になりまして、これについても逐次、各市町村と連携しながら整備を進めているところでございまして、なかなかこれは予算上の都合がありまして進まないところが現状でございます。
 あと、もろもろたくさんございますが、逐次整備を進めているところでございます。
〇五日市王委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇五日市王委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
 総務部の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでございました。
 次に、出納局長から出納局関係の説明を求めます。
〇古内会計管理者兼出納局長 それでは、出納局関係の予算について御説明申し上げます。
 予算の内容につきましては、恐れ入りますが、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、予算に関する説明書81ページをお開き願います。第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係は、説明欄の中ほどより下にございます2億5、124万円余であり、これは、出納局職員の人件費であります。次に、83ページをお開き願います。5目会計管理費4億5、891万円余でありますが、これは、一時借入金の利息など、管理運営に要する経費及び収入証紙売りさばき手数料等でございます。
 次に、大きく飛んでいただきまして、373ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計でありますが、予算額は、歳入歳出ともに49億686万円余であります。
 歳入の主なものは、375ページのほうにございますが、県税に係る証紙収入が26億1、693万円余であり、その内訳は、自動車税、自動車取得税等に係るものであります。
 また、使用料及び手数料は22億8、992万円余であり、その主なものは、運転免許申請及び食品衛生指導等に係るものであります。
 次に、377ページをお開き願います。歳出でありますが、これは、証紙により収入した県税、使用料及び手数料を一般会計のそれぞれの歳入科目に同額を繰り出すものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇五日市王委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇五日市王委員長 質疑がないようでありますので、これで出納局関係の質疑を終わります。
 出納局の皆様は退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
 次に、人事委員会事務局長から人事委員会関係の説明を求めます。
〇熊田人事委員会事務局長 人事委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、101ページをお開き願います。2款総務費8項人事委員会費のうち、1目委員会費の694万6、000円は、委員3名分の報酬、その他、委員会の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の1億4、072万1、000円は、事務局15名分の人件費、事務費など事務局の任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要する経費でございます。
 以上で人事委員会関係の予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇五日市王委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇五日市王委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
 人事委員会の皆さんは退席されて結構でございます。
 次に、監査委員事務局長から監査委員関係の説明を求めます。
〇千田監査委員事務局長 監査委員関係の予算について御説明申し上げます。
 お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、103ページをお開き願います。2款総務費9項監査委員費のうち、1目委員費の予算額2、060万2、000円は、監査委員4名の報酬、給与及び監査委員の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の予算額2億3、615万5、000円は、事務局職員21名の人件費等事務局の管理運営に要する経費でございます。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇五日市王委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇五日市王委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。
 監査委員の皆様は御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時49分 散 会

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