平成22年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成22年10月21日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    佐 藤   博
  議事管理担当課長 菊 池 達 也
  主任主査    岩 渕 伸 也
  主任主査    藤 原 由喜江
  主査    葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  県土整備部長   平 井 節 生
  副部長兼
  県土整備企画室長 菅 原 和 弘
  道路都市担当技監 若 林 治 男
  河川港湾担当技監 沢 口   央
  県土整備企画室
  企画課長    木 村   稔
  県土整備企画室
  管理課長    内 宮 明 俊
  建設技術振興課
  総括課長    渡 邊 健 治
  技術企画指導課長 高 橋 憲 康
  道路建設課
  総括課長    小野寺 徳 雄
  道路環境課
  総括課長    三 浦 賢 一
  河川課総括課長  松 本   中
  河川開発課長   及 川   隆
  砂防災害課
  総括課長    藤 原 健 二
  都市計画課
  総括課長    青 柳   天
  まちづくり課長  小田嶋 政 義
  下水環境課
  総括課長    岡 田 由紀夫
  建築住宅課
  総括課長    大 水 敏 弘
  建築指導課長   澤 村 正 廣
  営繕課長    西 尾 高 登
  港湾課総括課長  野 中   聡
  空港課総括課長  波々伯部  信 彦

  会計管理者    古 内 保 之

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 千 田   永
  監査第一課
  総括課長    奈須川 博 司
  監査第二課
  総括課長    小 原 一 信

  予算調製課
  総括課長    八 矢   拓
〇三浦陽子委員長 これより本日の会議を開きます。
 昨日の農林水産部審査において、斉藤信委員から申し出のあった知事の出席を求める件につきまして、本日、世話人会を開催し協議した結果を御報告いたします。
 申し出のあった知事の出席を求める件につきましては、これを求めないとの結論に至りましたので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成21年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成21年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部の質疑を行い、その後、決算15件について、意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇平井県土整備部長 平成21年度決算の内容について説明申し上げます前に、県土整備部所管の事務事業に係る主な取り組みについて、いわて県民計画アクションプラン政策編の政策項目ごとに御説明申し上げます。
 まず、産業を支える社会資本の整備についてでありますが、物流の効率化や広域的な観光への支援などを図るため、幹線道路ネットワークの構築、地域間の交流・連携の基盤となる道路の整備、港湾・空港の整備及び利活用促進に向けた取り組みを行ったところであります。
 次に、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備についてでありますが、地震や津波、洪水、土砂災害などから県民の生命、財産を守るため、海岸保全施設などの整備、土砂災害警戒区域の指定、住宅の耐震改修への支援などに取り組んだところであります。
 また、災害時の緊急輸送や地域医療を支援する道路ネットワークの構築のため、緊急輸送路における橋梁の補強に取り組んだほか、日常生活を支える安全な道づくりのため、通学路の歩道整備などに取り組んだところであります。
 なお、岩手・宮城内陸地震により全面通行どめとなっていた一般国道342号須川・真湯間は、早期復旧に努めた結果、本年5月に開通したところであります。
 次に、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりについてでありますが、豊かな自然環境と共生しながら、快適で心地よさを感じる暮らしを創造していくため、道路、汚水処理施設などの都市基盤の整備などに取り組んだところであります。
 次に、社会資本の維持管理と担い手の育成、確保についてでありますが、高齢化した橋梁などの社会資本については、予防保全型の維持管理により長寿命化を図るため、橋梁長寿命化修繕計画を策定し、また、道路や河川などの身近な社会資本については、草刈りや清掃など、県民との協働による維持管理に取り組んだところであります。
 また、講習会の開催などにより、経営革新に取り組む建設企業への支援に取り組んだところであります。
 県土整備部では、今後とも、社会資本の整備、管理、利活用を効果的に進めることにより、七つの政策の一つであるいわてを支える基盤の実現を目指して取り組んでまいります。
 それでは、平成21年度県土整備部関係の決算について説明申し上げます。
 なお、公共事業の一元化見直しにより、今年度から農林水産部に移管されました事務事業、6款農林水産業費の農道、林道、海岸施設整備などの各分野及び11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費2目林道災害復旧費につきましては、農林水産部の審査の際に御説明しておりますので、御了承願います。
 お手元の平成21年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。
 まず、一般会計についてでありますが、県土整備部関係は、6款農林水産業費3項農地費の一部、8款土木費、16ページの11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費であります。これらの予算現額の合計は997億4、904万円余りでありますが、これに対する支出済額の合計は830億7、420万円余となり、一般会計全体の支出済額に占める割合は11.3%となっております。また、翌年度繰越額の合計は161億966万円となっております。これは、計画調整や設計、工法の検討に不測の日数を要したほか、用地交渉が難航したことなどによるものであります。
 次に、一般会計決算の内容につきまして、便宜、平成21年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書の264ページをお開き願います。6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち当部関係の主なものは、備考欄下から4行目の農業集落排水事業費でありますが、これは、洋野町明戸地区の農業集落の汚水処理施設の整備に要した経費であります。
 次に、302ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など当部の管理運営に要した経費、国庫補助金確定に伴う返還、特別会計への繰出金などであります。2目建設業指導監督費は、建設業者の許可、指導監督及び支援などに要した経費であります。次に、304ページをお開き願います。3目建築指導費は、建築確認事務、木造住宅の耐震診断の実施などに要した経費であります。4目空港費の主なものでありますが、備考欄1行目の管理運営費は、職員の人件費など花巻空港の管理運営に要した経費であり、2行目の空港整備費は、花巻空港の平行誘導路の整備に要した経費であります。
 次に、306ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費など市町村道路事業の指導監督に要した経費などであります。2目道路維持費の主なものでありますが、備考欄2行目の除雪費は、県管理に係る国道及び県道の除雪に要した経費であり、次の交通安全施設整備事業費は、歩道、トンネル照明などの整備に要した経費であり、6行目の道路維持修繕費は、県管理に係る国道及び県道の維持修繕、路面清掃、草刈りなどに要した経費であります。次に、308ページをお開き願います。3目道路新設改良費の主なものでありますが、備考欄1行目の道路改築事業費は、一般国道106号宮古西道路など24カ所の道路整備に要した経費であり、6行目の緊急地方道路整備事業費は、一般県道水海大渡線釜石市女遊部など125カ所の道路整備に要した経費であります。また、下から3行目の直轄道路事業費負担金は、東北横断自動車道釜石秋田線などの改築などに要した国の経費に対する県負担金であります。4目橋りょう維持費の主なものは、橋りょう維持修繕費でありますが、これは、主要地方道花泉藤沢線、一関市北上川橋など93カ所の補修工事に要した経費であります。次に、310ページをお開き願います。5目橋りょう新設改良費の主なものは橋りょう補修事業費でありますが、これは、一般国道106号川井村大峠第一橋など54カ所の補修工事に要した経費であります。
 3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、備考欄1行目の河川水門管理費は、河川水門及び海岸水門の管理などに要した経費であります。313ページでございます。備考欄下から2行目の直轄ダム管理費負担金は、四十四田ダムなど5ダムの管理に要した国の経費に対する県負担金であります。2目河川改良費の主なものでありますが、備考欄2行目の基幹河川改修事業費は、滝沢村1級河川木賊川など4河川の改修工事に要した経費であり、5行目の総合流域防災事業費は、盛岡市1級河川南川など8河川の整備工事に要した経費であります。また、下から3行目の直轄河川事業費負担金は、北上川上流の改修費などに要した国の経費に対する県負担金であります。3目砂防費の主なものでありますが、315ページに参りまして、備行欄2行目の総合流域防災事業費は、土砂災害警戒区域などの基礎調査、土砂災害警戒情報を提供するために整備した機器の維持並びに砂防堰堤及び護岸工事に要した経費であり、6行目の災害関連緊急砂防事業は、岩手・宮城内陸地震により被害のあった一関市磐井川流域などにおける砂防事業に要した経費であります。また、備考欄下から4行目の直轄砂防事業費負担金は、国の一関市磐井川における特定緊急砂防事業などに要した経費に対する県負担金であります。4目海岸保全費の主なものは、備考欄3行目の津波危機管理対策緊急事業費でありますが、これは、田野畑村の嶋之越海岸など2海岸の防潮堤の改良などに要した経費であります。5目水防費は、水防警報施設の保守点検などに要した経費であります。次に、316ページをお開き願います。6目河川総合開発費は、簗川ダムなど3ダムの建設及び入畑ダムの堰堤改良などに要した経費であります。
 次に、318ページをお開き願います。4項港湾費1目港湾管理費は、大船渡港など6港の港湾施設の整備修繕などに要した経費であります。2目港湾建設費の主なものでありますが、備考欄4行目の港湾改修事業費は、大船渡港など4港の施設整備に要した経費であります。また、下から3行目の直轄港湾事業費負担金は、国の久慈港港湾改修などに要した経費に対する県負担金であります。
 次に、320ページをお開き願います。5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものでありますが、備考欄7行目の広域公園管理費は、花巻広域公園などの維持管理に要した経費であり、備考欄9行目の盛岡広域都市計画土地利用現況調査は、盛岡広域都市計画の現況図作成に要した経費であります。2目街路事業費の主なものは、備考欄3行目の緊急地方道路整備事業費でありますが、これは、盛岡南新都市地区など7カ所の都市計画道路整備に要した経費であります。次に、322ページをお開き願います。3目下水道事業費の主なものは、備考欄2行目の過疎地域公共下水道整備代行事業費でありますが、これは、過疎市町にかわり下水道施設整備に要した経費であります。
 6項住宅費1目住宅管理費の主なものは、備考欄3行目の公営住宅維持管理費でありますが、これは、県営住宅など5、196戸の維持管理などに要した経費であります。次に、324ページをお開き願います。2目住宅建設費の主なものは、備考欄2行目の公営住宅建設事業費でありますが、これは、松園東団地ほか2団地の高齢者対応改善などに要した経費であります。
 次に、少し飛びまして360ページをお開き願います。11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものは、備考欄1行目の河川等災害復旧事業費でありますが、これは、一般国道342号一関市祭畤などの災害復旧工事に要した経費であります。次に、362ページをお開き願います。2目港湾災害復旧費は、久慈港の災害復旧工事に要した経費であります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成21年度岩手県歳入歳出決算書の40ページをお開き願います。平成21年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額合計は3億9、908万円余であり、その主なものは、土地の売払収入であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額合計は3億9、906万円余であり、その主なものは、一般会計への繰出金及び県債の元利償還金に要した経費であります。
 以上で岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
 次に、46ページをお開き願います。平成21年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額合計は112億916万円余であり、その主な内容は、流域下水道の維持管理などに係る市町村負担金のほか、国庫補助金、県債であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額合計は100億7、634万円余であり、その主な内容は、北上川上流流域下水道の各処理区の建設に要した経費及び県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
 次に、50ページをお開き願います。平成21年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額合計は23億5、111万円余であり、その主な内容は、港湾施設などの使用料、一般会計からの繰入金及び県債であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額合計は22億4、224万円余であり、その主な内容は、大船渡港の埠頭用地造成に要した経費及び県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
 以上をもって県土整備部所管に係る平成21年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇三浦陽子委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間、おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木博委員 それでは、2点伺いたいと思います。
 まず、最初は建設業者の新分野への進出の状況について伺います。
 御承知のとおり、公共事業も随分減ってきましたし、民間事業の仕事も非常に少ないということで、今、県でも、建設業者に対して新分野への進出をいろいろサポートしているわけでありますけれども、まず、どういった分野に進出している状況なのか、現状についてお示しをいただきたいと思いますし、新分野に移行したからといって簡単にうまくいくわけでもないと思うんですが、その事業の状況、うまくいっているのかどうなのか、そのことについてもあわせてお知らせをいただきたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 まず、建設業の新分野進出状況についてでありますけれども、どのような分野に進出しているかということについてでございますが、全体で申し上げますと、農林業関係が半分以上を占めているという状況にあります。それ以外は環境分野、保健福祉分野となっております。相談件数も、農林業に係るものが新分野の中の六、七割を占めるという状況になっております。
 具体的には、農林水産分野におきましては、ホウレンソウ、イチゴ、菌床シイタケ等の生産物の栽培、これらが多くなっております。それから、環境リサイクル分野では、木質バイオマスや食用廃油のリサイクルといったものが行われております。それから、保健福祉分野におきましては、デイサービスセンターや保育託児所といったような事業に取り組まれているところであります。
 次に、新分野での経営状況についてでございますが、ことしの8月に、これまで新分野にさまざま取り組んでこられた企業に対してフォローアップ調査というものを実施しておりまして、その結果を御紹介したいと思います。
 回答がありましたのは83事業、企業にすれば59企業でございます。その中で、今後の事業方向について、事業拡大をしていきたいと回答した事業が37事業、全体の45%を占めております。その一方で、既に廃止または今後縮小と回答した事業が12事業、率にしますと15%ほどございました。
 それから、アンケートの中で、今後の支援策への要望についても聞いているわけですが、今後、県に求める支援施策として一番多かったのが、新分野への補助金が27社から要望が出されておりますし、それから販路開拓、マッチング支援については19社、それから新分野への貸付金について15社、この三つがかなり多かったということでございます。
 こうした回答結果を見ましても、新分野の事業が安定的に自立するまでにまだ至っていない企業が多いと感じておりまして、引き続き、こういったアンケート結果を参考にしながら、必要な支援に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇佐々木博委員 県でも建設業経営支援センターを設けて、コーディネーターも配備して、大変親身に相談に乗っていただいているという話を伺っております。ただ、一方、今のお話にもありましたけれども、農林業に進出しているところが相当数あるようでありますけれども、現実にはなかなか、人件費を払いながら農業経営あるいは林業経営をするのは非常に難しいといったお話も聞いておるところであります。
 今、いろいろフォローアップした成果、状況についてお話を伺いましたけれども、特にも農林業関係についてはどうだったんでしょうか。その部分に特化してお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 農林分野への支援の状況についてでございますけれども、アンケートの中でも大きな課題の一つであります販路開拓、マッチング支援という部分がまだまだ不足していると考えております。
 具体的な例で御紹介いたしますと、先日、盛岡市内のショッピングセンターで、建設業が取り組んでいる農林産品の販売とかその他の新事業も含めてプレゼンテーションをやったり、それから販売も行ったりというイベントを開催しているところでございますが、さらに、また最近、制度融資の部分で、現在の融資制度がございますが、それが林業分野では使えないというお話をいただいておりまして、そもそも制度の仕組みがそういった仕組みになっておりましたが、本来、農林業への進出をしたいというニーズが高いにもかかわらず、融資制度の支援が不足している部分も感じておりまして、この点につきましては、農林分野については現行制度の融資もございますので、そちらの情報提供をきちっとやっていくということは必要だと考えております。さらに、制度そのものの見直しも、関係する部局それから金融機関等も含めてお話を伺いながら、必要なものについては検討をしていきたいと考えているところでございます。
〇佐々木博委員 今、御答弁に制度融資の話が出されましたけれども、確かにこれが一つのネックになっていると私も実例を伺いました。
 一般の建設業者であれば、借り入れをするときは信用保証協会の信用売りをするとか、そういうのが通常なんですけれども、農林業に限って言いますと、信用保証協会の保証制度から外れるようなんですね。そのことを実は金融機関もよく理解をしていないところがあるようでありますし、それから県も、実は農林水産部にも問い合わせたんですけれども、余り制度融資についてはっきり理解をしているとは思えませんでした。
 それで、農林分野について言いますと、これは難しくて私も本当にびっくりしたんですけれども、例えばシイタケ栽培で、菌床栽培ですと製造業だということで信用保証協会の融資、保証制度が利用できるそうです。これが原木でやると、それは林業だということで信用保証協会の保証は利用できない。本当、おかしいと思いますけれども、現実にそうなんですね。
 ですから、建設業者は、当然新しい分野に進出するに当たってそういうことがわかりませんし、残念ながらコーディネーターの方々も余りそういったことについては理解をしていない。銀行に融資を申し込んで、銀行自体が、例えば信用保証協会を利用してくださいというお話が出ているぐらいなんですね。ですから、この制度ももっともっと改良していただいたほうがいいと思いますけれども、なかなか制度を変えると言いましても時間もかかります。ですから、まず、現行さまざまな制度融資があると思いますけれども、それを一覧の形でしっかりわかるようにしていただきたいと思っておりますし、それから、農林水産部とかそういったところともっともっと連携を密にしていただいて、新分野に進出したいという方々が混乱しないような状況を、ぜひとも今よりもっもっときちっとした体制でサポートしていただきたいと思うんですが、このことについていかがでしょうか。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 一番の課題と考えておりますのが、新分野へ進出しようという意欲ある建設企業の立場に立った支援がなされてきたかどうかというところであると考えております。その一例として、今回の融資制度の課題があったわけでございまして、基本は、県における部局間の連携という部分をきっちりと強めながら取り組んでいくということがまず必要と考えておりますし、我々も制度融資を含めてさまざまな支援策がございますので、その辺の勉強もしながら、最終的には窓口であります支援センターがきちっと的確に相談に乗れるような体制をつくっていきたいと考えております。
〇佐々木博委員 農林水産部と話をしてみて思ったんですけれども、例えば農協の組合員だとかあるいは森林組合もそうですが、組合員の方々がほとんど相談に行っていらっしゃるんだと思うんですね。こういった建設業から新分野に進出しようという新規の方というのは、余り農林水産部でも相談の事例が少ないんじゃないかなと実は思いました。だからいろいろお話をしてみて、やっぱりよくわかっていないんだなと、実はそういった思いを強くしたわけであります。ですから、そういったところも含めて横の連絡も緊密にしていただきながら、ぜひともサポート体制の充実を図っていただきますように御要望を申し上げたいと思います。
 次に、土木技術振興協会―土振協について伺いたいと思います。
 公益法人の制度が平成20年12月から新しくなりました。平成25年11月までに移行を終えなければいけないことになっておりますけれども、今の土振協はどういった状況にあるのか。平成21年度の受託件数、それからほかにも事業をやっているわけでありますけれども、その受託事業が収入の中のどの程度の割合を占めているものなのか、まずそのことについてお示しをいただきたいと思います。
〇内宮県土整備企画室管理課長 まず、平成21年度の土振協の受託状況でございます。
 受託状況の内訳といたしましては、県、市町村からの一般公共土木事業及び公共土木施設災害復旧事業に係る設計、積算業務などの受託が180件、額で申し上げますと4億3、019万円余。それから、県からの道路管理パトロールの業務が8件、8、073万円余。それから、県、市町村及び民間からの土木工事材料の品質試験業務が618件、4、727万円余となっておりまして、全体の受託収入は5億5、820万円という状況でございます。これら収入全体に占める割合といたしましては、94.4%という状況になってございます。
〇佐々木博委員 県内の市町村から受託している金額だけでも4億幾らということですから、軽く50%以上は超えているわけですね。新しい公益法人の制度では、収益事業が5割以上を超しているところについては公益法人に移行が難しいと言われております。今の土振協の内訳を見ますと、恐らく公益法人への移行は難しくて、一般財団法人への移行しかできないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇内宮県土整備企画室管理課長 土木技術振興協会では、平成22年1月に、外部有識者も加えた新公益法人制度改革に係る検討会を立ち上げまして検討を重ねた結果、一般財団法人に移行する方針を固め、今年5月の理事会で承認を得ているところでございます。
 その主な理由といたしましては、協会の主な収入は、県、市町村からの積算業務の受託によるものでありまして、災害発生の有無により受託する積算業務の件数が変わり、収支が大きく変動するということから、公益目的事業の収入額は、その費用を超えてはならないという財団認定の要件を継続的に満たすことが難しいと判断したことによるものでございます。
〇佐々木博委員 別に土振協だけじゃなくて、私が幾らかかかわっている社団、財団もそうですけれども、今まで県の何々協会と言っていたたぐいのものも、やはり収益事業の比率が高いところについては公益法人に移れないということで、大体平成23年度中に申請をしなければ、平成25年11月までに移管していないと廃止になってしまいますので、恐らく平成23年度中に方針を決めて申請することになろうかと思いますけれども、公益法人になれないというところがかなりあります。そして多分、土振協も今のお話のとおりで、そういった方針を固めたんだろうと思います。
 問題は、今まで土振協は、ほとんどすべて特命の随意契約で仕事の受託がされていたと思うわけでありますし、県土整備部長も非常勤の理事か何かに入っていますよね。これが一般の財団法人にもし移行するということになれば、今までと同様の特命の随意契約ができるのかどうか、ここが法的に一つ問題になってくるのではないかと思いますけれども、この辺いかがでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇内宮県土整備企画室管理課長 引き続き随意契約ができるかどうかというお尋ねでございますが、県では、協会に対し、業務を委託する場合には、それぞれ委託する業務内容にかんがみて、地方自治法施行令第167条の2に定める随意契約の要件を満たしているか否かを判断して契約をしております。したがいまして、一般財団法人に移行しても、随意契約が困難になるものではないと考えております。
 また、移行後の公益財団法人と一般財団法人の違いにつきましては、公益財団法人が、より税制面で優遇措置を受けられるという違いなどがありますが、その違いにより、随意契約の可否に影響を与えることはないと考えているところでございます。
〇佐々木博委員 県の考え方はわかりましたが、果たして本当にそれでいいのかどうか、もう少し幅広く、県だけではだめだと思うんですね。公のさまざまな方々から意見を聞いて、そして方向を固めていかなければいけないのではないでしょうか。一般財団法人になると、難しいのではないかという御意見も県内にはあるようであります。ただ、いずれ、問題は、特にも市町村がそうなんですけれども、土振協と業務委託ができなくなると、現実には技術の職員もいませんし、大変な混乱を招くと思うんですね。ですから、今の形態のままでいかなければ大変な混乱を生じますから、何とかして今のままの形で契約できることが望ましいとは思っておりますけれども、しかしながら、一般財団法人に移るということは、恐らくさまざまな角度から検討されて、そして本当に問題がないんだと。あるいは、もし問題があるのであれば、例えば県職員も今2名ですか派遣されています、現職もね。そういったこともそのままの状態でいいのかどうか。私はもう少し検討の余地が必要なのではないかと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
〇内宮県土整備企画室管理課長 市町村の関係でのお尋ねがありましたけれども、基本的には協会と県の関係、それから協会と市町村の関係、これは同様のものと考えております。したがいまして、市町村におきましても、委託する業務内容に応じて、まずは適切に対応すべきものと考えているところでございますけれども、公益法人改革によりまして、協会の法人の形態が変わっても、委託する業務内容自体が変わるものではないということですので、市町村におきましても、県と同様に、随意契約に影響は及ばないのではないかと考えております。
〇佐々木博委員 土振協の場合、市町村も出資していますので、この形態がもし変わるということになると、恐らく公共事業の発注も大変制約を受けてくるのではないかと思うんですね。そういった点で、今の形のままできれば望ましいと私も考えておりますが、この公益法人のあり方、一般財団法人のあり方については、今の見解も一つの見解だと思いますけれども、そうじゃない厳しい見方をしている方もおるということは間違いないので、ですから、その辺についてはもう少ししっかりと検討して、そして県の考え方というものをはっきりと明らかにしてほしいと思いますけれども、部長にそのことについての御所見を伺って終わりたいと思います。
〇平井県土整備部長 県ないし市町村が土振協と随契ができるかどうかということについて、それが一般財団法人になるか公益財団法人になるかということは、管理課長も答弁いたしましたとおり直接は関係ないということでございます。しかしながら、随契をし得るかどうかということにつきましては、地方自治法施行令167条の2に定める要件がございますので、これによるチェックにつきましては、引き続き厳格に行ってまいりたいと考えてございます。
〇平沼健委員 道路問題について2点お尋ねいたします。
 県北・沿岸振興という形で、まず第1は道路網整備といいますか、県都盛岡の時間距離を短縮するという形で、県内の重要港湾四つございますが、従来から90分構想ということで毎年整備をしていただいてきております。
 それで、お尋ねしたいのは、現在の状況で90分構想、久慈、宮古、釜石、大船渡、それぞれから県都盛岡まで90分という形のものが今どの時点といいましょうか、どの時間にあるのか、これをまず先にお尋ねいたします。
〇小野寺道路建設課総括課長 道路整備での90分構想の現在の状況についてでございますけれども、久慈から盛岡につきましては現在99分、それから宮古から盛岡につきましては104分、釜石から盛岡につきましては110分、大船渡から盛岡につきましては108分となっております。
〇平沼健委員 これを見ると宮古が一番時間が短いというか、かからないということのようですけれども、この四つ全部を聞きたいんですけれども、この時間はどこからどこまでなんですか、皆さん方がうたっている時間の場所というのは。
〇小野寺道路建設課総括課長 どこからどこまでかということでございますけれども、前の総合計画で示しております構想でございますけれども、起点につきましては県合同庁舎を基本としておりますけれども、宮古市の場合には合同庁舎が市の中心部よりも北側にございます。それから、釜石市におきましては西側にございますことから、宮古市、釜石市につきましては、それぞれ国道45号の近くにございます市役所を起点としております。
 それから、終点についてでございますけれども、盛岡市内での交通混雑の影響による到達時間の変動が少なくて県民の皆さんにもわかりやすい地点という考え方から、各地域から盛岡市街地への入り口部としておりまして、具体的には、久慈からの場合につきましては盛岡インターチェンジ、宮古からの場合につきましては国道106号の茶畑交差点、釜石市及び大船渡市からにつきましては、前の総合計画で現況の所要時間を算出した際には国道396号の南大橋交差点としておりましたが、横断道の東和インターチェンジから花巻ジャンクションまで完成した後につきましては、盛岡南インターチェンジとして所要時間を算出しております。
〇平沼健委員 これでは何か話が違うというか、それでは、宮古から盛岡というのは今96キロ、97キロですか、一般的にそう言われていますね。これはどこからどこまでなんですか。
〇小野寺道路建設課総括課長 宮古から盛岡までの距離につきましては、現在手元にある資料としましては、宮古市役所から106号の茶畑交差点までで92.7キロでございます。現況です。
〇平沼健委員 私が伺っているのはそうではなくて、それは皆さん方のそういうあれでしょう。ところが一般的には、例えばここからここは100キロですよというときには、昔から例えば市役所から市役所までとか、そういうのが県民みんなの一般的な常識ですよ。だから、それを何かおかしい形に考えていると私は思うんですけれども、今のお話を聞いていますと、インターまでとかあるいは盛岡の入り口までとか、それはちょっとおかしいんですよね。盛岡市内が時間帯によって込んで、時間がどうなるかわからないと、これは確かに理解できます。ただ、一般的な時間でいいと思うんですけれども、これは年々自動車がふえてきて込んでくる、時間帯によって込み合う、そういうこともあるでしょうけれども、市役所‐市役所間の距離にのっとって、それで例えば宮古‐盛岡間であれば、茶畑からここまでが時間がかかるようになってきているのであれば、それも加味して全体で90分という考え方が正しいんじゃないですか。そういう考え方はどうなんですか、ないんですか。
〇小野寺道路建設課総括課長 90分構想につきましては、前の総合計画で90分構想というものを示しておりまして、起点及び終点を設定する際に、先ほど申し上げましたような交通混雑の影響が及ばない地点ということで、そういう設定をしているものでしたということでございます。
〇平沼健委員 いや、困りましたね。考え方を直さないということなんでしょうね。であれば、先ほど伺ったそれぞれの99分、104分、110分、108分ですか、これが90分構想にマッチするのは大体いつごろを考えているんですか。完了というか完工というか、それはどうなんですか。
〇小野寺道路建設課総括課長 90分構想の実現の時期というお尋ねでございますけれども、いわゆる90分構想につきましては、広域的な幹線道路の長期的な整備計画でございまして、その実現につきましては、なお、時間を要するものと考えております。しかしながら、いわて県民計画アクションプランにおきましても、内陸と沿岸部を結ぶルートにおける都市間所要時間を指標として掲げるなど、幹線道路ネットワークの整備に注力していくこととしております。
 今後とも、東北横断自動車道など直轄事業の整備促進を働きかけてまいりますとともに、簗川道路や宮古西道路などの県の事業につきましても、着実な整備促進を図っていく考えでございます。
〇平沼健委員 県北・沿岸振興にとっては道路が一番肝心だというか、そういう思いで伺っているんですけれども、ぜひ幾らでも早く、この構想が完工するようにこれはお願いするほかないと思うんですけれども、くどいですが、起点の変更というか考え方、それは変えられないんですか。茶畑までじゃなくて県庁までとか、そういうようなのはとても考えられないということなんでしょうか、それが一つ。
 それから、先ほどの話で99分というのは久慈からでしたか。そうすると、90分という皆さん方が考えている範囲というかアローアンスというか、その辺はどうなんでしょうね。
 というのは、例えば場所によっては1分短縮するにも何十億円とかかるところもあるわけですね。非常にこれは1分、2分が大事なところなんです、私たちはですね。90分というのは90分でいいんですか。
〇小野寺道路建設課総括課長 まず、終点の位置についてでございますけれども、前の総合計画での位置としては、先ほど御説明申し上げました位置になっております。ただ、いわゆる指標が県民の皆様にとりましてわかりやすいということも非常に大事な視点かと思われますので、例えば今後何かしらの計画を策定するとかそのような際には、起点、終点の位置について、御指摘の御意見も踏まえて検討をしてまいりたいと考えております。
 それから、久慈から盛岡までの間が、現在で99分という御説明を最初に申し上げましたけれども、構想というのは90分なのか、99分でも達成なのかというような御指摘かと思いますけれども、構想自体はあくまで90分を目指すという構想でございます。それに対して、久慈から盛岡の場合は、現在が99分という現況でございます。
〇平沼健委員 わかりました。ありがとうございます。ただ、やっぱり宮古の場合が、何か市役所から茶畑の交差点までというお話、これが90分という。これ皆さん方はずっと理解はしているんでしょうけれども、ただ、地域住民というのはそうは思っていないですよ。先ほど言ったように、宮古‐盛岡間が単純に100キロと、市役所から市役所だなと。そうすると、県庁まで90分で行くんだなという考え方ですよ。それがちょっと余りにも乖離しているんですよね。だから、私は、私が言っていることが正しいと思って今言っているんだけれども、これは茶畑じゃなくて県庁までなんですよ、90分というのは。その辺はよろしくお願いいたします。
 それと二つ目が、これは伊藤勢至委員も再三話をしておりますが、宮古の北部環状道路の件です。
 これは山口地区から宮古病院まで県代行で道路を新しくつくるということなんですけれども、これは従来から宮古市が遺跡調査とか用地買収をやってきておりまして、やっと今年度で完了するということでございます。これは県立病院に行く道路が今45号1本なわけでして、しかも津波等があれば、北のほうがそれでもって浸水を受けて宮古病院まで行く道路がなくなるわけでして、それで地域というか、広域では迂回路も兼ねた北部環状道路に期待しているんですけれども、今まで増田知事それから現在の達増知事も宮古に来られて、そういう状況を理解して、宮古市が今まで一生懸命土地買収から遺跡調査をやってきたものですから、それでそれが終われば、速やかに県代行で道路をつくりましょうという約束をしているんですよね。みんな期待しているんですよ。これが今年度で終わる。新年度の23年度から県としてはどのような取り組みをこれにするのか、それをお尋ねしたいと思います。
〇三浦道路環境課総括課長 北部環状線についてでございますが、宮古市におきまして、これまで詳細設計や用地補償、埋蔵文化財調査などを進めてきており、今年度に完了する予定であると聞いているところでございます。
 県代行事業に着手するに当たりましては、用地補償等の事務を完了するとともに、県の公共事業評価を行う必要がありますことから、宮古市における作業の進捗状況につきまして、現在、確認作業を進めているところであり、平成23年度からの県代行事業の着手を見据え、事務を進めているところでございます。
〇伊藤勢至委員 今の北部環状線に関連してお伺いをいたしたいと思います。
 この道路、そもそも現在の県立宮古病院が現在地に移りましたときからの、宮古市内の医師会からの強い要望だったんですね。いろんな政治的判断で県立病院が現在地に移ったのはしようがないが、通院あるいは病院に行くための道路が1本しかない。これでは満足な医療行為が期待しがたいので、宮古市内から通ずるあと1本の道路を通してくださいと、これが平成6年6月、当時の中村知事が来ての祝賀会の際に、宮古の医師会長の道又先生から強くその場で要望された、言って見れば型破りの要望だったわけでございます。
 当時、私は市議会議員でございましたが、やはりこれは宮古の命の道路だということで、それからずっと追いかけてきたつもりであります。おかげさまで県議会に送っていただきましたので、それ以後もずっと追いかけてきました。
 平成12年12月のこの委員会だったと思いますけれども、当時の大石部長が、県代行も十分考えられるので検討していきたいと、初めて県代行という文言を出していただきました。これはもう、やる気が十分ある。ただ、そのときの条件は、用地買収と埋蔵文化財調査は宮古市が負担してください、約6億円。当時70億円かかるこの工事は、それが終わったらやりますという当時からの話で、これを当時の宮古市長に喜んで伝えたのでありますけれども、結果的に10年、用地買収、埋蔵文化財調査に日時を要してしまいました。ようやく今年度で終わる方向ということになってきたわけでありまして、増田知事そして達増知事、その前の中村知事のころからの、宮古市議会あるいは宮古市医師会としての要望だったわけでございます。したがいまして、10年かかったとはいえ、ようやく着工のめどがついてきたということで、昨年の議会でも、まだ当局は気が変わっていないかと私は聞いたわけです。気が変わっていません、47億円用意しています、こういうことでありました。今、また、気が変わっていないかどうか聞く気はありませんが、いずれ、ようやく宮古市のほうでも受け入れ態勢ができたということでありますので、これには遅滞なくぜひかかっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。経緯、経過について。
〇三浦道路環境課総括課長 宮古市で精力的に事務を進めておられる状況でございますので、宮古市と情報を共有しながら、緊密な連絡をとりながら事業化に向けた協議を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇千葉伝委員 先ほどの平沼委員の90分構想に関連してお伺いしたいと思います。
 確認ですが、久慈から盛岡までの99分の経路は、どういう経路で計算しているのか。その部分をいつごろ決めたのか。
〇小野寺道路建設課総括課長 90分構想におきます久慈から盛岡までの経路でございますけれども、久慈の県の合同庁舎から国道281号を通りまして主要地方道の戸呂町軽米線、それから主要地方道の軽米九戸線を通りまして九戸インターに乗ります。その後、八戸道で安代ジャンクション、その後、縦貫道で盛岡インターチェンジまでという経路でございます。
 この経路をいつ決めたかということでございますけれども、久慈から盛岡のただいま申し上げました経路につきましては、90分構想を策定した当初からのルートでございます。
〇千葉伝委員 高速道路の部分を使って99分という話は、私は途中から変わったんじゃないかと思います。前は、281号を使って今の久慈から旧山形村、葛巻町、そして岩手町、盛岡市という281号を使う格好での90分構想と私は理解しています。その時点では高速も何もない話で、高速ができるのを想定した格好で90分構想を立てたんですか、もう一回。
〇小野寺道路建設課総括課長 ただいま申し上げました経路につきましては、前の総合計画の際の90分構想の最初からの同じ経路でございます。
〇千葉伝委員 どうもそこが。であれば、例えば旧山形村、久慈市もそうなんですが、281号線の県のほうに要望している90分構想をぜひ実現してちょうだいということで、毎年ずっと県に要望していますよね。そうしたらば、葛巻町とか旧山形村は、90分構想の実現に向けてという表現は、全く関係ないところの要望をしているという話になります。私は、毎年皆さんにお願いをしていますよ。それが、今みたいな話になってくると、じゃ、久慈市とか旧山形村あるいは葛巻町といった市町村に、今の構想をきちっと理解してもらうようなやり方を過去にして、そして理解してもらっていますか。
〇平井県土整備部長 90分構想の経緯につきましては、大変申しわけございませんが、再度確認をして後ほど御報告したいと思います。
〇渡辺幸貫委員 私は平成3年に県議会議員になりました。そのころ、ちょうど釜石道をどこにつけるかという問題がありまして、90分構想というのは、まさに道路をよくしろというキャッチフレーズだったと思うんです。釜石道というのは、田瀬湖インターというのが間もなくできますけれども、江刺から花巻まで上って、大体の物流は東京に向かっていくんですよね。90分構想には貢献しているかもしらぬけれども、利用する方から見たら、沿岸のものをいっときも早く東京のようなところに、流通をよくしてその益を皆さんが受けるというのが本来の姿で、私が言いたいのは、90分構想にとらわれるよりも、どうあったらこの道路は一番役に立って皆さんにいいのかということをよく考えて、私は、その当時のことを反省しながら思って言っているんですよ。そういう視点をぜひ欲しいと。今さまざまな、山形村とかいろんなところから来る道路も必要だというキャッチフレーズの90分構想だと思うので、おのおのそれはこたえてやっていいと思いますけれども、どう使えばこの道路は一番いいのかという視点はぜひ忘れないでほしいという思いですが、その点について所感を伺います。
〇平井県土整備部長 いわゆる90分構想につきましては、県が策定し公表してきたことでございますから、重く受けてとめておる次第でございます。これについての経過報告とか、あるいはそれに向けての整備というのは一生懸命推進しなければいけないと考えてございます。
 ただ、ただいま委員が御指摘のございました、今ある道路をちゃんと使っていく、そのための整備の仕方というのはあるのではないかということにつきましては、それも大事な視点でございます。高規格道路を初めとした規格の高い幹線道路が本県はまだまだ整備半ばであり、それを有効に使っていくために、それを補完する道路をどう整備していくかというのが視点の例かと思いますけれども、そういうことについても一生懸命やっていきたいと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 関連してですけれども、先ほどの90分構想にかかわって、以前、予算でしたか、決算でしたか、私も聞いたことがあるんですよ。そうしたら、平成10年だったか平成11年に見直したと説明しましたよ。だから、当初は恐らく、先ほど千葉委員が言ったとおりのルートだったはずです。どこかの経緯で変わったと思うんです。確認すると言っていましたので、ちゃんと確認していただきたいと思いますけれども、県の発想は、90分だったらどこまで行けるかという発想じゃないですか。久慈から滝沢インターでおりれば90分になりますよ。発想がちょっと逆じゃないかと思う。だから、無理やり99分とかしなくていいから、実際にどれぐらいかかっているかというふうにやっていかないとおかしいですよね。多分、発想が違うと思うんですよ。どうですか。
〇小野寺道路建設課総括課長 平成11年ごろに見直したという部分につきましては、確認をした上で答弁をさせていただきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 それはそれでいいんです。発想の問題はどうかとお聞きした。つまり、さっき議論になって、前もしているんですけれども、要するに、久慈市の合同庁舎から盛岡インターまでで、あそこは、僕らからすると、これから大変だというところですよね。そうじゃないですか。皆さんが、それを常識じゃなく、何というか、疑問に思わないことに僕は疑問を感じるというか、不安を感じる。やっぱりちょっと発想が違う。考え直すべきですよ。もし、そういう感覚で県土整備の事業を進めているとしたら、根本から考え直すべきだと思います、あなた方の頭の中を。どうでしょう。
〇若林道路都市担当技監 今、多くの委員の皆様からお話をいただきました。一番大事なのは県民の視点がどこにあって、それを我々はどう説明していくかということだと思います。よって、従前は、平成11年ごろは非常にいい時代であって、とにかく県北・沿岸、内陸、盛岡まで何とか早く結びたい、時間短縮したいという構想をもとに一生懸命進めてきたわけであります。それは、ちょうど90分という中で見据えて、実現可能なところの区間を設定したというところだと思います。というのは、盛岡の渋滞がひどいので、そこで錯誤があっても困るなということであったろうと思いますが、現段階で、果たしてどういう区間をどういう時間で設定すれば皆さんに一番わかりやすいのかということにつきましては、改めて検討を加えたいと思います。よろしくお願い申し上げます。(「よし、この問題はよし」と呼ぶ者あり)
〇及川あつし委員 先輩諸兄から新たな視点が出されましたけれども、90分構想については、政策目標なのか、それともスローガン、キャッチフレーズなのか、これによって全然違うと思うので、改めてお答えいただけるということなので、私も楽しみにさせていただきたいと思います。
 私は、2点、道路維持管理費と直轄事業負担金について伺いたいと思います。
 まず、道路維持管理費に関連してであります。
 私もずっと議会運営委員会に出ておりまして、議会の始まる最初に、いろんな議案の中に報告事案としていわゆる損害賠償事案の報告がございます。平成21年度については、私の中でも随分多いなという印象が残っておりまして、これについては、道路管理者として適切な管理をしないと損害賠償事案になるということですので、適切な維持管理が損害賠償事案も減らすという関係にあると思うので、その意味から伺いたいと思っております。
 道路管理瑕疵というんですか、道路管理に瑕疵があった案件という意味だと思うんですが、ここ3年間の道路管理瑕疵の推移の状況について、まずお示しいただきたいと思います。
〇三浦道路環境課総括課長 道路管理瑕疵事故の状況でございますけれども、過去3年間の状況につきましては、平成19年度では12件、平成20年度では13件、平成21年度では23件発生している状況にございます。
〇及川あつし委員 平成21年に23件に、ある意味ばーんとはね上がったというような感じだと思うんですが、何か特定の増加理由があるんでしょうか。それとも、たまたまということなんでしょうか。
〇三浦道路環境課総括課長 平成21年度の発生件数の増加につきましては、西和賀町での落雪による事故が発生したこと、また、久慈市の地域で落石による事故が発生したこと、この二つの要因が数を多くした結果になっているものでございます。
〇及川あつし委員 そういう特定の事案によってふえたということで理解しますが、いずれ、道路管理についてはしっかりとした管理体制をつくっていかなきゃいけないなと思っているところであります。
 よく調べますと、これは直接一般会計からばーんと賠償になるのではなくて、道路賠償保険制度というものに入っているということで、どこの予算に入っているのかなと実は探したんですけれども、なかったものですから気づいたんですが、この保険制度を活用していると伺っていますが、その経過、あとは費用対効果はどのようになっているかお示しいただきたいと思います。
〇三浦道路環境課総括課長 道路管理瑕疵事故に対する賠償で保険制度を活用することについてでございますけれども、経過につきましては、県が管理する国県道につきまして、道路の設置または管理に関する瑕疵に基づく事故が発生し、国家賠償法第2条第1項の規定に基づく損害賠償責任を県が負うことになった場合に、その費用を補てんするために、昭和61年度から賠償責任保険に加入しているものでございます。
 その効果につきましてでございますが、加入いたしましたことにより、損害査定や賠償金の支払い事務が迅速に処理されているところでございます。
 また、その費用につきましてでございます。過去3年間の数字でございますが、平成19年度では保険料が485万7、000円、賠償額が675万6、000円、20年度につきましては、保険料が506万2、000円、賠償額が197万7、000円、21年度につきましては、保険料が488万7、000円、賠償額が620万円となっているところでございまして、この3カ年での合計でございますが、保険料総額では1、480万6、000円、賠償額が1、493万3、000円となっているところでございます。
〇及川あつし委員 よくわかりました。保険料と賠償額が大体ツーペイで、査定の事務も省けるということですから、これは非常にいいやり方だなと改めて思っておるところであります。
 パトロールの関係もちょっとお伺いしたいわけでありますが、この広い県土をどのような体制でパトロールをしているのかなといつも気にしているところでありますけれども、そのパトロールの状況がどのようになっているか、まずお示しをいただきたいと思います。
〇三浦道路環境課総括課長 道路パトロールの状況についてでございますけれども、4広域振興局管内で全25班体制によりまして、県内258全路線、4、205キロメートルとなっているわけでございますけれども、その路線数を週1回から2回の頻度でパトロールを実施し、道路の異常を迅速に把握することに努めているところでございます。
〇及川あつし委員 先ほど佐々木博委員の土振協の件で、8件委託しているようなお話もありましたけれども、もう少し、パトロールの体制がどのようになっているか示していただいていいですか。
〇三浦道路環境課総括課長 25班でパトロール体制を組んでいるところでございますけれども、15班が直営班でございまして、土振協に5班を委託しております。そのほかに5班、民間のコンサルに委託してパトロールを行っているところでございます。
〇及川あつし委員 そうすると、直営で15班やって、委託で10班、うち土振協に5班ということだと思うんですけれども、4、000キロ以上に及ぶ管理道路があって、25班体制が十分かどうかというのは、ちょっと私は肌感覚でわからないんですが、いずれにしても、県が直接パトロールするだけで道路の状況をすべて把握するというのは無理だと思うんです。
 そうした中で、県のほうでも県民計画の中で住民との協働による維持管理の推進というようなスローガンが掲げられておりますけれども、民間事業者との協力体制というのは非常に大切かと思っております。
 そこで伺いますが、現在の協力体制はどうなっているか、民間事業者から道路の破損状況等の情報提供はどうなっているか伺いたいと思います。
〇三浦道路環境課総括課長 民間事業者との協力体制の状況についてでございますけれども、道路の情報収集体制を強化するために、岩手県北自動車株式会社、岩手県石油商業協同組合加入のガソリンスタンドなどから御協力いただきまして、情報提供に係る協定を締結しているところでございます。
 また、その民間事業者の方々からの情報提供の状況につきましてでございますが、平成21年度には合計4件の情報をいただいているところでございます。
〇及川あつし委員 これにつきましては、過日、盛岡市内の市道の管理状況についてちょっと聞く機会がありまして、なるほどなと思ったのは、盛岡市の場合は郵便局、タクシー協会、トラック協会などなどに、通常の道路の破損等の情報を寄せていただくように依頼しているということであります。うちの県はどうなのかなということで今お伺いしたわけですけれども、確かに事業者との協力体制は一部できているのかなと思いますけれども、もう少し幅広い形で、平素の道路維持管理の情報提供について求めるべきかなと思っているんですが、いかがでしょうか。
〇三浦道路環境課総括課長 ただいまの御提案の件についてでございますけれども、今後も、道路利用者の安全性の向上を図るために、さきの団体に加えまして、御提案のありました岩手県トラック協会や岩手県タクシー協会、郵便局等も含めまして、民間事業者の方々からの御理解、御協力をいただきながら連携を図った上で、一層の情報収集体制の強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇及川あつし委員 そのようにしていただいて、大きな道路管理瑕疵事故が発生しないようにお願いを申し上げたいと思います。
 次に、国の直轄事業負担金に関して伺いたいと思います。
 この件については、大阪の橋下知事がぼったくりバーだと一言言ったことによって見直しが進んできているものでありますが、調べるところによると、戦後、知事会からも国に対して4回ほどきちっと提言もしていたようですが、なかなか進まなかった。橋下知事の発言力によって進むというのも、いいか悪いかわかりませんけれども、一定の方向性が出てきたかなと認識しているところであります。
 本県の状況について、その意味でお伺いしたいと思います。
 平成21年度の決算額で直轄事業負担金がそれぞれの款項目に出てくるわけですが、道路でも100億円、河川でも33億円、砂防で3億円、ダム31億円云々かんぬんと決算書上も見えるわけですけれども、平成21年度決算額で、県土整備部が所管するうち国の直轄事業負担金は総額幾らになっているか、内訳、概要もあわせてお示しいただきたいと思います。
〇木村県土整備企画室企画課長 平成21年度決算における直轄事業負担金についてでございますが、県土整備部関係の直轄事業負担金の平成21年度の決算額は総額で198億8、600万円余となっております。その内訳としましては、東北横断自動車道釜石秋田線等の整備や国道4号等の維持管理の部分も含めまして、直轄道路事業への負担金が、先ほど及川委員からもございましたとおり、100億3、800万円余となっております。それから、一関遊水地等の整備、北上川等の維持管理など直轄河川事業への負担金が33億800万円余、胆沢ダムの建設、四十四田ダム等の直轄ダムの維持管理などを含めまして、直轄ダム事業への負担金が43億7、700万円余となっている状況でございます。
〇及川あつし委員 全体で198億円、大体199億円ぐらいということで、県土整備部所管の予算に占める割合でも相当なものだなと改めて感じさせていただきました。
 この問題が惹起されたときには、内訳も示されないぼったくりバーだという表現と、中身が開示された後に、国の職員の退職金の分も入っていた、マッサージチェアの分も入っていた、施設の修繕費も入っていた、こういうところで問題が顕在化してきたわけでありますが、平成21年度において政府も一定の見直しに着手したと理解しておりますが、どのような影響があったのか、見直し内容、影響額、その内容についてお知らせいただきたいと思います。
〇木村県土整備企画室企画課長 平成21年度の政府の見直しによる影響についてでございますが、平成21年度の直轄事業負担金についての政府の見直し内容は、負担金の対象経費を見直したものでございます。従前までは対象経費とされていましたもののうち、業務取扱費の中の営繕宿舎費と職員の退職手当が対象経費から除外されたものでございます。
 この見直しによりまして本県への影響でございますが、営繕宿舎費が2、300万円余、退職手当が6、600万円余、平成21年度合計で9、000万円余の負担軽減になっているところでございます。
〇及川あつし委員 本来は200億円ぐらいあったものが、若干、9、000万円程度減ったというところで、全体の見直しの点から言うと、まだまだ平成21年度は緒についたばかりだなという感じがしております。改めて、何で国の退職金を岩手県が払わなきゃないとか、そういう問題も出てくると思いますので、平成22年度、またこれ以後の対応等についても伺っていきたいと思います。
 国では、いろんな経過から見直しの方針を出して、一部法律も可決して、今後の対応についても進めているようでありますが、平成22年度についても、またもう一歩進んださらなる見直しがあったと伺っております。同じく見直しの内容、影響額の内容についてもお示しいただきたいと思います。もう一つ、今後の政府の見直しの動向も一緒に示していただきたいと思います。
〇木村県土整備企画室企画課長 平成22年度のさらなる見直しによる影響についてでございますけれども、まず、平成22年度予算に係る見直しでは、直轄事業負担金制度の廃止への第一歩としまして、施設の維持管理費に係る負担金、業務取扱費―県事業で言いますと事務費に当たる部分ですけれども―に係る負担金が廃止されたところでございます。このうち、施設の維持管理費に係る負担金につきましては、今年度に限り、安全性の確保のために速やかに行う必要があるということで、特定の事業、具体的には修繕系の事業に要する費用について地方負担を徴収するとされたところでございます。
 この見直しによる本県への影響につきましては、負担金の対象外とされた費用の総額などが国から今年度示されないため、平成22年度予算における負担軽減額は算定できませんけれども、平成21年度の業務取扱費が約16億円程度ございましたので、同程度の負担軽減になったものと推定されます。
 また、維持管理費につきましては、負担の対象となる費用と対象外とされた費用の算定が平成21年度予算においてできませんことから、本県への影響額の算定は非常に難しい状況でございます。
 なお、参考としまして、平成21年度と平成22年度の維持管理負担金を申し上げますと、平成21年度の決算額は約48億円でございました。これは単純には比較できませんけれども、平成22年9月現計予算では約13億円になっているということで、両年度の維持管理費の総額に違いがあると推定されますけれども、平成22年度は平成21年度に比べまして、現時点では維持管理負担金が35億円少ない状況になってございます。
 それから、今後の政府の見直しの動向についてでございますが、政府におきましては、直轄事業負担金制度の廃止に向けまして、総務省、財務省、農林水産省、国土交通省の4省の大臣政務官をメンバーとするワーキングチームが、ことし1月14日に、平成23年度には維持管理負担金を全廃することや、平成25年度までにマニフェストに沿って現行の直轄事業負担金制度の廃止とその後のあり方について結論を得ることなどを盛り込んだ、直轄事業負担金制度の廃止に向けた工程表(素案)を決定したところでございます。また、本年6月22日に閣議決定された地域主権戦略大綱におきましては、平成25年度までに現行の直轄事業負担金制度の廃止とその後のあり方について結論を得ることが盛り込まれたところでございます。
 なお、維持管理負担金の全廃につきましては、平成23年度からの全廃等を定めました法律がことしの4月1日に施行されましたことから、今後は、直轄事業負担金制度そのものの廃止の動向を注視してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 一連の見直しによって一定程度の直轄事業負担金の問題が少しずつほぐれてきているかなという感じがしておりますが、問題は今後だと思うんです。平井県土整備部長も非常にお答えしづらい立場かもしれませんけれども、以下、伺いたいと思います。
 まず、直轄事業とか直轄事業負担金の考え方なんですけれども、これまでの制度を前提にすれば、直轄事業でやれば国が3分の2持ってくれて、県からの持ち出しは3分の1でオーケーだと。補助事業でやれば半分半分ということなので、直轄事業という部分についてもある一定の評価があったんだと思うんです。ただ、これから地方分権型社会における公共事業はどうなんだ、今の政権で言えば地域主権における公共事業はどうなんだ、出先機関をどうするんだ、地域における公共事業をどうするんだという大きな文脈で考えていかざるを得ないのかなと私自身は認識しております。
 そうした中において、現時点の認識になるかと思うわけですが、本県の直轄事業とか直轄事業負担金についての基本的な考え方はどうなのかお尋ねしたいと存じます。
〇平井県土整備部長 直轄事業とその負担金についての基本的な考え方についてのお尋ねかと思いますけれども、国土の保全とか全国的交通ネットワークの整備、あるいは大規模災害への対応ということについて、今、国が担っているということでございますけれども、これらの事業については、国が直轄事業により着実に実施するべきであると考えてございます。
 ただ、その直轄事業の負担金につきましては、国と地方の役割分担の明確化とか受益と負担のあり方を引き続き議論した上で、直轄事業制度の根幹を見直す必要があると考えてございます。
 具体的には、負担金について、地元の財政負担の軽減につながりますよう直轄事業の一層のコスト縮減を求めていく一方で、直轄事業負担金の制度の改善について、全国知事会等を通じて、また他の都道府県とも連携しながら国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 総論的に言えばそういうことだと思うんです。今までお尋ねした中身をもう一度レビューしたいんですけれども、結局、国でやるべきものは100%完結して国でやっていただく。地方でやるべきものとちゃんと仕分けをする。そうした中において、不透明な退職金だとかマッサージチェアだとか、いろんなものにいろんな理屈をつけて、高い公用車を買ったりとか、そういうものはもうなくしていくというところで、まず、一回きちっと透明化をしてもらいたいのと、今、部長から一部答弁があったように、この見直しの中で国の財政に悪影響が出ないように、しっかりと声を上げていく必要があるのかなという感じがいたしております。
 たびたび質問で引用して恐縮なのですが、先ほど、企画課長からの答弁でもマニフェスト云々という話がありましたので引用いたしますが、民主党の政権公約・政策集には大事な記載がございます。直轄事業の地方負担制度の廃止という項目で、廃止により各自治体に交付する地方交付税の額が減らないように措置します。これにより、自治体が従来負担金に充てていた財源の使途を自由に決定できるような効果も期待できますと、政権公約ではしっかりと明言されておりまして、ぜひこうならないと、何のための見直しかということにもなりますし、今やっと流れができてきた地域主権、地方分権の流れにもさおを差すことになるのではないかと私は思っております。
 今、見直しの経過措置の途中だと思うわけですが、民主党の公約どおりになっているかどうか、ちょっと検証させていただきたいと思っております。せっかくきょうも予算調製課の課長が来ておりますので伺いたいわけですが、先ほど来お伺いした直轄事業負担金の見直しによって、公約どおりとすれば、地方交付税の税額が減ってないと思うわけですが、財政上、どうなっていますか。平成21年度の影響について、また、今年度もどうなっているか、わかる範囲で結構ですのでお答えいただければと思います。
〇八矢予算調製課総括課長 御指名いただきましてありがとうございます。
 県土整備部からお答えがありましたように、平成21年度直轄事業負担金、維持管理に係る分として、これまでであれば9、000万円程度払っていた額が払わなくてよくなったということでございます。そのかわりに、例えば交付税が再算定されて、歳入として交付税が同額程度削減されるということであれば、県財政としては、入る分と払う分となくなってとんとんということでございますが、払わなくてよくなった一方で、その分、交付税が再算定されて減らされるということが行われておりませんので、平成21年度につきましては払う分だけがなくなったということで、マニフェストどおりかなと思っております。
 平成22年度につきましては、そもそも地方財政計画の総額を組むときに、地方として、直轄事業の負担金でこのぐらい払わないといけないですねという歳出の総額を決めまして交付税の総額を決めるわけですが、直轄事業の維持管理の負担金を払わなくてよくなったということは地方の歳出がその分減る、そうすると交付税の総額が減るということになりますが、直轄事業の負担金が減った分と同額を、その分、単独事業で使っていいですよということで、投資的経費の単独事業をその分膨らませておりますので、結果として、交付税の総額が減らないように措置されているということでございます。そういう意味では、歳入の自由度が広がったと言うこともできると思います。
 なお、この関係では、歳入の自由度は広がったんですが、あわせて、国の直轄事業負担金を払わなくてよくなったというのと同じように、国から公共事業等の補助金をもらう際には地方の事務費は国は見ませんということで、この分、若干減額されている分がございますので、財政的には、すべてこの分だけがプラスで、あとマイナス分がないということではないということをあわせて申し上げておきます。
〇及川あつし委員 見直しによって、現段階まではきちっと公約どおり来ていると理解をさせていただきましたけれども、いずれ、200億円近い直轄事業負担金にこれから大きなメスが入っていく中で、今までの経緯で言うと、政府もいろんなへ理屈をつけて、鉛筆をなめて、結果的に減額されてきたというような歴史もありますので、その都度、額も額ですので、地方財政に影響がないように、虫眼鏡を使ってでもしっかりと算定根拠を見ていくべきだと思いますが、改めて総括的に質問の趣旨も踏まえて所見を部長からいただいて、質問は終わりたいと思います。
〇平井県土整備部長 直轄事業の負担金が、部分的であるにせよ、軽減されている。その結果、予算調製課長からも答弁がございましたように、予算の自由度が上がっているということについては好ましいことであると思います。引き続き負担金に関する議論の中でこういう傾向になるとすれば、それが予算の自由度の向上にしっかりとつながっていくように、引き続き厳しくウォッチしていきたいと考えてございます。
〇千葉伝委員 及川あつし委員の質問の中で道路パトロールのお話がありました。もちろん、県土整備部では、整備あるいは補修ということで県下くまなくパトロールしているということであります。それについては、事故のないような対策ということでよろしくお願いしたいんですが、ちょっと確認ですが、私は車を運転していて、最近もですし、大分前から動物の死体が道路上にあるということで、これは当然ごみという処理でやらなきゃならないことにはなっていますが、県土整備部が道路を管理というのか、そういうことの中で、例えば市町村とか、警察も関係あるかもしれませんけれども、そういったことに対しての指導をしたりという何かの部分を持っているんでしょうか。指導する、管理上、そういったことが県土整備部に何かあるのかということです。
〇三浦道路環境課総括課長 ただいまの御質問は、県道を管理する私どもが、市道を管理する市のほうに指導する権限を持っているのかということの御質問かと思います。(千葉伝委員「道路全部」と呼ぶ)市町村道すべてということですか。管理する権限が、県道、市道、町道、村道それぞれ立場が違うものですから、それぞれの立場の権限の中で維持管理されているということで、直接指導するという立場にはございません。
〇千葉伝委員 当然、県は県道ということの対応だということですが、何で立ったかというと、死んだ死体が、皆さんも多分経験がおありと思います、飛び出してきたのを避けようとして事故を起こすこともあります。それから、やむを得ずひいてしまう。ところが、ひしてしまうと、そのまま放置していく。そうすると、次に行った車が、今度はそれを避けようとして事故を起こしかねないですね。私もよく急ブレーキとか何かということがあります。したがって、動物の死体の処理ということについては、私も獣医師ですので、生きている場合はということが私の義務でもあるんですが、例えば死体であっても、ほかの人たちがこれを処理しろとか、個人的にはほとんど触りたくない、見たくない、無残な姿という話になりますので、そういった場面では、とめて、わきに寄せたりはやるんですが、どうしてもみんなも避けて通る。そのときに事故を引き起こしかねない部分がある。したがって、言いたいのは、動物愛護の関係もあるんですが、そういったことを、当然、市町村の役場に連絡すればごみとして処理してもらえるということにはなっていますが、どうもその辺が、ずうっともう何台にもひかれたり放置されているような傾向が結構あると。県民、住民からすれば、連絡をぜひ早目にしてもらいたいなと思いますし、そういった処理のほうで、例えば県のほうが、私らは県道だけの管理だよということじゃなくて、道路全体もそういったことを考えて、指導まではできるかどうかということですが、そういった会議とか何かの場面で、迅速適切な処理をしてもらえるように、ぜひ、県のほうもそういったいろんな場面を通じてPRしていただきたいと思って質問させていただきましたが、今の私の考えについて。
〇三浦道路環境課総括課長 ただいまの動物の死骸の処理につきましてでございますけれども、これは、県道でも市町村道であっても、管理している者としてはなかなか難しい、厄介な問題だなととらえております。委員からの御提案のように、市町村との一緒の会議の場がありました折には、ぜひ共通の話題として、お互いに、利用される方々に迷惑をかけないような形で対応できるような方法をさらに検討してまいりたいと考えているところでございます。
〇中平均委員 私からは大きく3点。
 まず、その前に、先ほどは民主党の政策を御紹介いただきましたことに御礼を申し上げます。
 また、90分構想の件がありまして、先ほど、この議論はこれで終わりという意見がありましたけれども、私も一言だけ。
 若林道路都市担当技監のほうから、今後は地域が納得できる、県民に納得できるルートを示していかなければならないだろうというお答えがありましたので、それに尽きるのだろうと。そして、今までの整備してきた中で、久慈−盛岡間で言えば、高速を使ったルートに変更になった2年か3年ぐらい前でしたか、この予算特別委員会か決算特別委員会でやったような記憶がありまして、それから私も認識しておりましたが、そのルートじゃない、久慈で言えば281号線の戸呂町から盛岡までの区間の地域に関しても、外れたから、ルートじゃないからといって整備が進んでないというわけではなく、着実に進めてきたんだろうと認識しておりましたし、これからもされていくんだろうと。あえてここで箇所をどこをやってくれとまでは言いませんけれども、その点があったんだろうと思っております。ただ、この提示の仕方等にはやはり問題が大きくあったということを認識した上で、先ほどおっしゃられたとおりの方法でまた進めていっていただきたいということを言わせていただきます。
 それでは質問に入ります。
 最初に、まちづくりユニバーサルデザイン推進事業費についてお伺いをさせていただきます。
 まず、ひとにやさしいまちづくりの推進ということで、特定公共的施設における整備基準適合率とございます。これについて、今回、達成度Dということで、大変に低かったということがあります。この資料を見ると、整備基準に満たなかった、厳しい景気情勢を反映しているとありますけれども、ここをもう少し具体的にお示しいただきたいと思います。
〇澤村建築指導課長 整備基準適合率が低かった理由についてでございます。概括的には、厳しい経済情勢から整備基準すべてに適合させるために要する経費の確保が難しい、あるいは負担感が大きかったということが理由と考えております。また、ひとにやさしいまちづくり条例改正後に適合率が低下していることから、改正により整備すべき項目がふえたこと、完了検査制度を導入したことから、適合率を完了時点で把握するということになったことも影響しているものと考えております。
〇中平均委員 条例をつくったからこれが落ちたというのも、また、何というんでしょうか、本来の条例をつくった趣旨といえば、合わないことになってくるんじゃないかと思うんですが、適合率が落ちて、これを上げていくために、今後、じゃ、どうしていこうということを考えているのか。また、公共的施設の実績を、どういう施設にこういうことでやっているんだというのが今あれば、直近のものを一つ二つでいいんですけれども、示していただきたいと思います。
〇澤村建築指導課長 適合率を向上させるための対策につきましてでございますけれども、ただいまもお話がありました特定公共的施設につきましては、事前協議制度といいまして、工事に着工する前に工事内容を事前にお知らせしていただいて、建築確認サイドの部局におきましてその内容をチェックさせていただいて、必要に応じて指導を行っております。こういったことを年間大体200件前後協議してございますが、その際に、適合率向上のために、申請者や施主に対して、ユニバーサルデザインに資するような施設の整備を求めていくことにしてございます。
 それから、実績でございます。公共的施設といいますのは、ひとにやさしいまちづくり条例におきまして、不特定かつ多数の者が利用する施設を指しておりまして、一定規模以上のものにつきましては、公共的施設整備基準に適合させる努力義務を負うものでございます。平成21年度は協議件数が198件ございまして、すべての基準に適合したものは12件ということでございます。
 なお、県関係の施設でございますけれども、平成21年度からちょっと外れますけれども、平成20年度に完成した花巻空港旅客ターミナルビルが全適合施設となってございます。
〇中平均委員 198件相談があって、完全に適合したのが12件だったという御報告でございました。その中で、アクションプランにおいても、今後、マニュアル等を作成して向上に取り組んでいくと。実際、ユニバーサルデザインの考えでもってバリアフリーを進めていくというのは非常に大切な視点だ、やっていかなきゃないということなんですけれども、適合率がなかなか伸びないという理由に厳しい経済情勢とあるんですけれども、そういうふうにつくっていくことによって、費用的な面というのはやっぱりかかってくるということなので、そこが伸びないという今の説明だと思うんですけれども、実際、規模によっても違うんですが、何割ぐらいとかが、例えば今出た花巻空港であれば、やらなかった場合とやった場合でどれぐらいの金額の差があるかとか、わかればでいいですけれども、よろしくお願いします。
〇澤村建築指導課長 全体工事費が動きますと割合というのは変わってきますし、そのデータというものはちょっと持ち合わせてございませんが、平成21年度に予算をいただきまして、条例の概要をPRするパンフレットをつくりました。その際に、概略の工事費、大体これぐらいかかりますよというものを算定したものがございます。それで、例えば条例で付加しておりますオストメイト―人工肛門の方に対応できるようなトイレを改修でつくるとした場合、そのユニットが1カ所当たり大体140万円ぐらいかかりますというような試算がございます。あとは、例えばトイレにベビーベッドをセットしてくださいということになりますと大体15万円程度、あるいはオストメイトの施設がありますよということを建物の中に表示していただくというものは、ピンからキリまでございましょうけれども、試算では4万円程度といったようなものを例示としてパンフレットで表示しております。
〇中平均委員 そうしたら、去年、年間198件あって、この事業実施で協議していたと思うんですが、そのうち12件が完全適合ということでありますけれども、今、費用的な面も含めて、さまざま事業実施の団体、公共的なものだけじゃなくてあると思うんですけれども、198件あった中で、その説明を受けたり、実際の協議をしていると思うんです。そういった中で、ユニバーサルデザインをやりたいんだけれども、こういうことでできない、今の経費の面が一番多いあれでできないということがあったのか、それとも別のものが問題があったのか、そこの協議実態というものはどんなものだったのか、ちょっとお聞かせください。
〇澤村建築指導課長 協議におきまして、施設整備基準に適合できない理由として、主なものとしましては、予算上の都合で設備等の設置や整備ができない、あるいは利用者がある程度限定されていると考えると。基本的には不特定多数の方が利用されるものを整備してくださいという基準でございますが、建て主側からすると、限定されていますというような、解釈がちょっと異なるといいますか、限定されているので余り整備したくないということ、あるいは増築とか用途変更等の場合は設備等を設置するスペースがないとか、そういったことが主に挙げられてございます。
〇中平均委員 了解いたしました。これを進めて行くということで、今、パンフレットもつくって取り組んでいくということでございます。この中で、県のやる事業であり、公的な事業主体であれば、当然、最初からそのデザインをかけてやっていくということだと思うんですが、いわゆる一般の企業の方でやるとなると、今言った形の問題点等があってなかなか進まない。
 どうでしょう、これに対する制度融資的なものというか、そういうものはあるんですか。それとも、もしないとすれば、その辺、どうしても金銭的な面でいかないということであれば、今後、全額というのは無理なんでしょうけれども、そういうようなことも考えていってもいいんじゃないかなと私は考えるんですけれども、その点はいかがでしょうか。
〇澤村建築指導課長 ひとにやさしいまちづくり条例の上部法といいますか、新しいバリアフリー法がございまして、そちらの法律によりますと、かなり大規模な建築物ですけれども、法律上、そういった設備を設置しなければならないというものがございます。そういった建物に対する国の税制の優遇とか補助制度といったものはございますが、県条例で付加している部分につきましては、今のところ補助的なものは用意しておらない状況でございます。
 それで、平成20年度のデータでございますけれども、すべての基準に適合した施設のうち、大体半数が、協議時点で、最初は一部適合だったものを全適合にしていただいたというようなことがございましたので、早目に協議書を提出していただいて、早い段階で御指導申し上げて、できるだけ適合率を上げていただくというようなことを実施してまいりたいと考えてございます。
〇三浦陽子委員長 中平均委員の質疑の途中でありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 中平均委員、御了承願います。
   午前11時55分 休 憩
午後1時2分 再開
〇三浦陽子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇小野寺道路建設課総括課長 90分構想のルートについてでございますけれども、午前中の答弁の訂正並びに補足をさせていただきます。
 最初に90分構想というものを打ち出しましたのは、平成3年度に策定をいたしました第三次岩手県総合発展計画でございまして、この中で、沿岸と内陸部を結ぶ道路の高速化を進め、県都圏と県内各都市間を90分で結ぶ交通ネットワークの形成を目指すとあります。
 次いで、平成5年12月に策定をいたしました岩手県広域道路整備基本計画というものがございますが、この中で、県内90分構想の実現を基本的目標の一つとして掲げておりまして、この際に、久慈‐盛岡間につきましては、国道281号を基本とした構想でございました。
 その後、平成11年に策定をいたしました岩手県総合計画におきまして、時間距離の短縮プロジェクトを掲げ、その中で、久慈から盛岡など、沿岸4都市から盛岡までの現状の時間と目標の時間というものを示してございます。
 この時間の算定に当たっての起点、終点につきましては、午前中の答弁をいたしましたとおりでございますけれども、盛岡‐久慈間につきましては、国道281号戸呂町軽米線を通り、九戸インターから高速に乗って盛岡インターチェンジまでというルートで時間を算定したものでございます。
〇三浦陽子委員長 質疑を続行いたします。
〇千葉伝委員 私の質問に後で答えるということでの今の話ですよね。
〇三浦陽子委員長 はい。
〇千葉伝委員(続) ということは、私がまた質問できるはずですね。
〇三浦陽子委員長 はい。
〇千葉伝委員(続) 今、お話を伺いました。平成11年の前と平成11年に岩手県総合計画でルート変更をしたと、こういう理解でいいわけですね。
〇小野寺道路建設課総括課長 平成11年を境にしてルートを変更したというものではございません。90分の構想としましては、国道281号を基本としたルートで構想しているものでございます。ただ、平成11年の岩手県総合計画で掲げております現状で104分といった数字につきましては、時間を算定したルートは281号戸呂町軽米線、九戸インター、盛岡インターというルートでございます。
〇千葉伝委員 どうもそこの部分で私は理解できないし、それから、この281号の沿線の町村というか自治体があるわけですね。そのときに久慈から盛岡と。通常であれば、最短ルートを使って当然構想ができている話であって、先ほど281号を基本としてということからすれば、281号がどこを通っていますかという話であって、それが何で途中から高速道路の話まで行くのか、ここが私にはちょっと解せないし、さらに平成11年の変更になった時点で、先ほどの沿線の自治体に対しても、この構想はこういうことになりましたとか、何かそういう説明をして、わかりましたと、こういう話になっていれば私は何も言いませんよ。
 ところが、これまでも沿線の自治体から、何としても90分構想を、久慈から盛岡まで早期実現に向けて頑張っていただくことが地域の自治体あるいは住民にとっても、さらに盛岡なり久慈に行くといったことが地域の生活路線も含め、あるいは産業道路としても期待できるということでこれまで必死になって、私もですし柳村岩見委員、あるいはかなりの議員が、過去、一生懸命頑張っている。
 そうすると、281号の途中から戸呂町に行くと、葛巻町と旧川井村のところに平庭トンネルを今何とか実現しようということで、一生懸命頑張っていますよね。そういったあたりが、ルートが変更になったからそっちは要らないんじゃないかと、変に疑いをとられるということも出てきますよ。
〇三浦陽子委員長 千葉伝委員に申し上げます。
 関連質疑は冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう御協力をお願いします。
〇千葉伝委員(続) 了解。ということの部分まで、影響が大きいんです。ですから、私、必死になって今質問しています。そこの部分をもう一度説明してください。
〇小野寺道路建設課総括課長 現時点におきましても、構想としましては281号を基本としたルートで、ただ、現状を相当程度短くショートカットするようなことをしませんと、281号を基本としたルートの場合に、90分を達成するのは相当難しい課題ではございますけれども、構想としては281号を基本としたルートでございます。現時点で、久慈から盛岡までのルートで一番時間が短く通れるルートとして、高速道路を使うルートで現在99分と算定をしているというものでございます。
〇千葉伝委員 県の考え方はそのとおりかもしれない。でも、これまで県議会あるいは地域の自治体、そういったところに今の話はそれで通じるかどうか。私は詭弁だとしか言えませんよ。そういったことを考えれば、90分構想ということが一つの目標ということは、それは当然わかります。ただ、最初に進めたのが途中から高速道路を走らせて達成しましたみたいなことは、私は地域の皆さんには理解されないんじゃないかなと。
 今、ここで全部解決するわけにはいきませんので、そのことはきちっと指摘をしておいて、また機会があったらこれからも私は頑張りたいと思っています。
〇三浦陽子委員 質疑を続行いたします。
〇中平均委員 非常にやりづらいような雰囲気でありますけれども。
 引き続き質問をさせていただきます。2点目の県営建設工事に係る元請と下請の関係についてお伺いします。
 私が昨年の決算特別委員会総括質疑の際に、適正化を図っていくべきではないかという質問をさせていただきました。その際の答弁として、建設業を取り巻く状況が一層厳しさを増し、下請への不当なしわ寄せが懸念されておりますことから、新たにこの10月から、元請、下請関係の状況をより的確に把握することにより、工事品質の確保を含め一層の適正化を図っていきたい、という御答弁を昨年の決算特別委員会でいただいて、昨年の10月からそうするという答弁をいただいておりましたけれども、それから受けてちょうど1年がたちましたが、その結果といいますか状況、調査の方法を1億円未満と、そして元請主体の調査から下請のほうまで詳しく見ていくという御答弁だったと記憶しておりますが、そこの状況を含め、まずお知らせください。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 昨年の決算特別委員会総括質疑の質問をいただいて、それに対する回答についてどうなったかという御質問でございますけれども、昨年の10月、11月にかけまして、それまでの元請、下請関係の調査につきましては元請中心の調査であったものを、下請の実態を把握するためには、直接、下請に対して調査をしなければならないと考えまして、元請、下請関係さまざまありますので、匿名を原則とした、直接、下請に対する書面による調査を、抽出調査という形でやったところであります。
 対象にいたしましたのは、低入札工事の下請を、それで1億円未満と。1億円以上については追跡調査の制度がありますので、1億円未満についての低入札工事の1次下請を対象に実施したものであります。
 対象業者30業者を選んだわけですが、実際に回答をいただきましたのは19業者とサンプル数は少ないわけでございますけれども、その中から出てまいりましたのは、見積もり依頼、それから契約締結方法、下請代金の支払い時期など、やや不適正な事例が見受けられましたけれども、全体としてはおおむね適正だと。明らかな不法なしわ寄せというものは確認できなかったところであります。ただ、この調査、直接それも匿名という形で下請の企業の状況を聞く調査ということで、これまでにやっていなかったものでありますので、今年度につきましても、さらに対象を拡大しながらこれは続けてまいりたいと考えております。
 そのほか、法令遵守等の徹底を図るために、昨年の12月から新たに契約する事案につきましては、適正な元請、下請関係に関する法令遵守のリーフレットを県でつくりまして、それを配布するようにしております。
 今年度の話でありますけれども、国土交通省におきましても、建設業の取引適正化につきましては非常に重点課題だととらえておりまして、今年度から重点的に取り組むという方針が出されております。それと連携する形で、もう既に一つ実施しておりますが、守ろう建設業法という題でセミナーを9月に開催したところでありますし、それから、これからの取り組みでありますけれども、11月に1カ月間、建設業取引適正化推進月間というものを設けまして、その中で国土交通省東北整備局と県が連携して、その期間の中に行って立入調査を実施するという取り組みも行う予定としているところでございます。
〇中平均委員 今の状況をお伺いさせていただきました。まず、昨年は30社に送って、19社から匿名で回答をいただいたということでございました。ことしはもっと対象を拡大してやっていこうと。昨年の調査の結果では、不適正な事例は見受けられたものの、不法だということはなかったと。微妙な、明らかに不法ではないけれども、ちょっとというところがあったというところだと思うんですが、やや不適正だったというところは是正とか何とかはどうされるんですか。匿名でもらっているから、どこが元請かもわからないとは思うんですけれども、そこら辺の調査をやって出てきたのに関しての、今回やや不適正ということですが、もし不法なものとかが出てきた場合の措置等は、どういう形で行っていくのかという点をお伺いします。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 元請、下請関係の調査、これまでも建設業事務調査資料という形で毎年これは元請を対象にしてやってきている調査がございます。その調査におきまして明らかになりました不適正なものにつきましては、基本的に余り悪質ではない、不法とまでは言えないと。ただ、余り適切ではないと。ちょっと表現が微妙でございますけれども、文書指導をしていくと。さらに、悪質なものについては段階を踏んで指導、それから最終的には行政処分ということをやっていくものでございます。
〇中平均委員 まず、国と県と市町村、自治体等と組んで、また建設業法の適正な実行を求めていくということもやっていくと先ほど御答弁をいただきましたので、まず、今後そこはきちんとやっていただきたいと思います。
 低入札の関係については、さまざま問題がございますけれども、これは各委員からも出ていますので、私は今回、前回に引き続いての元請と下請の関係ということで質問をさせていただきました。
 では、次に最後ですけれども、県産材の利活用ということで、きのう農林水産部でもお聞きしましたが、改めて県土整備部でもお聞きしたいと思います。
 まず、昨年度の住宅着工戸数、経済状況が悪化しているということで大幅に減少したと出ておりますけれども、済みませんが、数字的なもので恐縮なんですが、過去3年の着工戸数の減少している推移と、その理由として経済状況とほかに何かまだあるのか、その点を含めてお知らせください。
〇大水建築住宅課総括課長 住宅着工戸数の減少の状況でございますけれども、平成8年度に1万6、300戸ということでピークでございましたけれども、その後減少傾向をたどってございます。平成15年度から18年度にかけては9、000戸台で推移してございましたけれども、その後さらに減少いたしまして、昨年度は4、903戸の着工戸数となってございます。今年度に入りまして、対前年度比でプラスに転じているという状況でございますけれども、その勢いはまだ弱く、いまだ着工戸数の回復という状況には至っていないということでございます。
 住宅着工戸数の減少については、住宅取得年齢層の人口減少のほか、近年の景気低迷による所得の減少、あるいは将来に対する不安等による住宅取得意欲の低下などが大きな原因ではないかと考えております。
〇中平均委員 了解です。昨年4、903戸ということでございますけれども、きのう農林水産部でも聞いたんですが、県産材証明制度で6万7、000立方メートルを活用しているということでざいましたけれども、担当課ではないので戸数まではわからないということでしたけれども、県土整備部でわかるのであれば、この県産材証明制度を使った着工戸数をお知らせください。
〇大水建築住宅課総括課長 県産材証明制度を利用した住宅戸数ということでございますけれども、なかなか利用実態を把握していくということは難しいところでございますけれども、県産材証明制度につきましては、6万7、000立方メートルの県産材について証明が発行されているということでございまして、仮にこの証明制度を使われたものすべて住宅が建てられるということになりますと、住宅1戸当たり二十数立方メートルの木材が利用されておりますので、おおむね3、000戸分の住宅に相当するという状況でございます。
〇中平均委員 全部使われていれば3、000戸分。ただ、実際のところは把握していない、数字的なものは追いかけていないのでわからないということですね。
 それで、利用促進というのを含めて、また岩手型住宅ということで元気のある工務店支援事業費情報交流事業、去年もやっております。多分この岩手型住宅のほうにも当然県産材の活用というものが入ってきていると思うんですが、昨年度工務店支援ということを行っていますが、これの成果をどうとらえているかお伺いします。
〇大水建築住宅課総括課長 工務店支援に関する状況ということでございますけれども、平成21年度は、岩手型住宅につきましてキャッチコピーの募集、決定を行い、あるいは岩手型住宅のフォーラムを開催したり、あるいは普及啓発のためのポスターやリーフレットの作成を行いまして、啓発活動を行ってきているというものでございます。また、ことしの1月からは岩手型住宅の賛同事業者の募集を始めておりまして、こうした省エネ性能にすぐれ、さらに県産材を活用するなどの岩手らしさを備えた住宅を岩手型住宅ということで定義づけるとともに、賛同をいただいている事業者さんに登録いただきまして、そのPRを行っているという状況でございます。
 ポスターなどもお目にしていただいていることもあるかと思いますけれども、こうした活動によりまして、岩手型住宅の取り組みや内容といったこと、あるいは県産材の活用の意義、地産地消ということでございますけれども、そうしたことで、環境にも配慮した住宅をつくっていただくということに対する認知度が少しずつ高まってきているのではないかと考えております。
〇中平均委員 では、その成果を受けて、今年度以降というんですか、これから県産材証明制度を活用していくという中で、どういった施策を取り組んでいくのか、その点をちょっとお伺いします。
〇大水建築住宅課総括課長 今年度以降の取り組みということでございますけれども、今年度から住みたい岩手の家づくり促進事業ということで、県産材を一定以上使用した省エネ住宅の新築あるいは増改築につきまして、金融機関から借り入れを行った場合に、その利子助成ということで、最大30万円ということでございますけれども、そうした制度を設けまして支援をしているという状況でございます。
 この制度につきましては、先ほど申し上げました県産材の証明制度を活用いたしまして、県産材の使用というものが証明されているものについて助成を行うということで、農林水産部と連携して展開しているということでございます。
 今後、さらに農林水産部やあるいは環境生活部など関係する部局と連携いたしまして、県産材を使用した住宅づくりが進むこととなるよう、さらに取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇中平均委員 岩手型住宅ということで助成を行ってきていると。そうすれば、ことし終われば、恐らくこの県産材を利用した家がどれくらい建ったかというのも数字としてもきちんと出てきて、より目標値を立ててそれに向かってどうしていこうかということが出てくるんだということですよね。その中で、今、岩手の家づくり促進事業をやっているということでありますけれども、やるというのは私も予算特別委員会のときでも聞いていたんですが、助成を新築と増改築と両方にたしか出していると思うんですが、その実績、今段階でどんな形で使われているのかとか、利用率はどうなっているのかというのはどうとらえていますか。
〇大水建築住宅課総括課長 住みたい岩手の家づくり促進事業の現在の状況でございますけれども、合計で26件の申請をいただいている状況でございます。このうち、新築が25件で増改築が1件という状況でございまして、合計で、助成金につきましては約600万円の補助を行っているということでございます。
 盛岡近郊の立地が多くございますけれども、沿岸からも申請をいただいておりまして、県内各地で申請をいただいているという状況でございます。
 増改築が1件ということでございますので、こちらのほうについてさらに周知を図ってまいりたいと考えております。
〇中平均委員 増改築が1件と少ないということでもありますし、そこら辺、新築も大切ですけれども、増改築も、今どちらかというとリフォームの需要も多い中で、そこをどうとらえて県産材を使ってもらっていくかということが、また今後の県産材利用につながっていくと思うんですが、そこを今後リフォームのほうも含めてどう制度を使ってもらうかと。その上で予算は限度があるんですが、制度を使ってもらうやり方を考えていくかという点をお聞きします。
 あと、最後に部長からお聞きしたいんですが、今、制度はこれからどうやっていくかというのを聞いたんですけれども、要は各部局が連携して、県土整備部だけでもだめですし、農林水産部の証明制度、あと省エネ関係をやっていくということで、新しい技術も出てくる中での、情報をとって連携していくことがここを進めていくところだと思うんでけれども、部局間連携をどう今後進めていくかを部長からお聞きして、私の質問を終わります。
〇大水建築住宅課総括課長 住みたい岩手の家づくりの状況でございますけれども、増改築が少ないということでございますけれども、今年度からスタートした制度でございますので、制度の周知に努めていくということに努力してまいりたいと思います。
 また、工務店あるいはユーザーの方からの意見などを踏まえて、できるだけ使いやすい制度にしていけるように、運用を考えて制度の広がりというものも出していきたいと考えております。
〇平井県土整備部長 県産材の利用につきましては、県産材利用促進計画とそれに関するワーキングが庁内にできているわけでございまして、それ等を十分に活用しつつ、農林水産部、環境生活部など各部局と連携し、今後とも、県産材を使用した住宅づくりが進むことになるよう、取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 初めに、先ほどの部長の説明で、林道とか農道が昨年からですか、今まではずっと県土整備部が、その後何でそうなったのか。何が違うのか、お聞かせ願いたいと思うんですけれども。
〇菅原県土整備部副部長兼県土整備企画室長 農林道整備事業を農林水産部と県土整備部でいろいろ所管をしてきたわけでございますが、もともとは、農林道は農林水産部、それから一般道につきましては県土整備部ということでございましたけれども、利用者の視点に立って、地域の実情に応じて道路ネットワークの整備を進めるという観点から考えれば、部局を一元化してやったほうがいいのではないかという議論がございまして、平成17年度には本庁体制、それから平成18年度は振興局体制におきまして、農林道整備事業を農林水産部から当部に移管して一元化したという経緯がございます。
 一元化した効果の面でございますけれども、住民要望等の窓口が一本化されて県として迅速な対応が可能になったとか、あるいは国県道と農林道の整備計画や事業実施の調整が円滑になったとか、あるいは道路ネットワークの形成に向けた関連事業採択、あるいは施工進度調整が円滑化されたといったような面はございました。
 ただ、一方で、課題として浮かび上がってきたこともございまして、農林業振興という面から考えますと、いわゆる生産部門とハードの整備部門、この連携が一層重要となってきてございますので、その生産部門と整備部門が別部局では、効率面に課題があるということがございました。また、国県道と農林道によります道路ネットワークの形成ということにつきましては、道路計画の調整はおおむね完了をしてございまして、今後の農林道事業というのは生産地域内での路網整備というのにだんだんシフトを重点化していくのではないかということがございました。また、国の技術基準、予算制度、これらが一般道と林道では法令等によって別立てになってございます。こういうことで、当初想定した以上に、事務処理が煩雑化したというのも実態としてございます。
 また、岩手・宮城内陸地震のような大規模災害が起きた場合ですが、災害査定等が結局省庁ごとに行われました結果、現場においての対応業務が過度に集中をいたしまして、迅速な現場対応に支障を来すといったことなどがありました。
 こういった成果もありましたが、いろいろ課題もございましたので、こういったものを踏まえまして、より効率的、効果的な道路についての組織体制はどうかということをるる検討いたしました結果、平成22年度、今年度から農林道整備事業を農林水産部に移管をしたといったような経緯でございます。
〇嵯峨壱朗委員 では、建設関連業務における条件つき一般競争入札についてお尋ねしたいと思います。
 これは教育委員会での極度の低入札という事実を受けて問題にしたわけですけれども、県土整備部の所管の部分においては今年7月から導入したわけですけれども、それ以前、一昨年、昨年からも一部やったわけですけれども、そういったものが入札制度を導入する以前はどんな状態だったのか、ここ数年の入札の状況をお聞かせ願えればと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 建設関連業務の県土整備部における入札の状況についてでございますけれども、委員おっしゃるとおり、昨年の7月に試行という形で、最低制限価格も含めて一般競争入札は部分的にではありますけれども導入いたしまして、この7月には全面的にいずれも導入したという背景がございます。
 それで、入札の状況でございますが、平成20年度の入札執行件数626件ございまして、その平均落札率は76.9%でございました。それが平成21年度につきましては、件数が931件で、平均落札率が80.7%となっております。
 さらに、御質問がありましたこの7月から本格実施をしたわけでありますけれども、本年7月以降9月まででございますけれども、平均落札率は78.5%となっております。
 制度見直しの前後の状況ということでございますけれども、最低制限価格制度、昨年の7月から、これは試行ではございますが全面的に導入したところでございまして、まずその前後ということで平成20年度、最低制限をやる前の最低落札率は18.8%というものがございました。20%台というものもございました。それが本格実施後につきましては、最低落札率は64.1%というものが最低だったわけでございまして、最低制限価格制度を導入した効果が顕著にあらわれていると考えております。
〇嵯峨壱朗委員 県土整備部の所管については、測量、地質調査、保証関係、コンサルタントは一昨年から、昨年は土木、建築。予定価格も、本年度から本格実施で100万円以上ということで厳格化したということで、一定の効果が出ているということがわかりました。
 それで、ことしの3月ですか、県営建設工事の設計業務等の委託料の積算の方法を改定したわけですけれども、その背景と内容についてお示し願いたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 県営建築工事の設計業務等委託料積算標準の改定の背景についてでございますが、これは平成21年1月に建築士法で定めております業務報酬基準というものが改正されております。これを踏まえまして、昨年の4月には、国土交通省の官庁施設の設計業務等積算基準が改定されたところでございます。その改定を受けて、本県におきましても、この4月から国土交通省の積算基準を準用した形で見直しを行ったものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 見直しによって、従来の算定よりも大分高く算定されたようになっているという話でしたけれども、それで理解はいいですか。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 この建築士法改定の背景には姉歯事件がございまして、そういった建築士の設計上の不法行為等を、多面的にそれを防止していこうという観点があったものと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 この基準の改定について、3月の段階で、県の部局そして各委員会、医療局等も含めて、全部署に改定についての通知をしているわけですね。これは実際通知をした結果、どう県土整備部側の部署では対応したのかというのをお聞かせ願えればと思いますけれども。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 全庁統一的な実施についてのお尋ねでございますけれども、県土整備部については本年7月から見直しを行っておりますが……(「そうじゃない」と呼ぶ者あり)
〇嵯峨壱朗委員 今のは、積算基準の改定ということを最初に各部署に通知しましたよね。それを受けてどう対応したかということです。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 4月の改定につきましては、その以前に先立ちまして、3月に関係部局に対しまして県土整備部の取り扱いについて通知をいたしたところであります。それを受けまして、医療局、企業局、教育委員会、警察本部、知事部局の関係部局も含めて、この基準で統一した取り扱いをしていると聞いております。
〇嵯峨壱朗委員 積算が変わってきているので金額も変わってきて高くなってきているんでしょうね、多分。つまり、先ほどの姉歯事件じゃないけれども、一定の品質を確保すると、そういう目的だったと思います。
 それで、算定基準の改定は県土整備部以外の全部局にも通知した。そして6月11日に、県土整備部では7月から先ほど来話しております一般競争入札を本格実施して、最低制限価格を導入するという通知をしたんですね。この際に、教育委員会とか医療局とか警察本部、企業局にはこの通知はしていないんですよね。ちょっと違うなと思って見ているんですけれども。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 今、委員から事前に関係部局にこの改定について通知をしていないというお話をいただいたわけですが、これは7月1日から適用されるということを、事前に関係部局全てに通知をしているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 この通知を見ますと、3月4日の基準の改定については、あて先が各部局、各委員会、全部入っているんですけれども、この競争入札を本格実施するというのがあて先には入っていませんよね。つまり、全部局で徹底して行われていなかったのではないかということです。それは事実じゃないですか。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 関係部局に通知はしたわけでございますけれども、関係する課、それぞれの部局の関係課の課長あての通知ということでございます。いずれ、関係するところについては情報共有を図りながらやっていくということをこれまでもやってきておりまして、それぞれ入札制度については部局ごとの判断で行っているところではございますが、県土整備部としての改善の取り組みを知っていただくために通知をしたものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 したかしなかったかと言っているわけじゃないんだけれども、問題は、要するに―いいんです。入札制度を業者から見ると、県というとらえ方ですから、恐らく医療局だから違うとか教育委員会だから違うとか、そういったのでは困ると思うんですが、全庁的に統一を図っていくべきではないかという観点で質問しておりますが、どうでしょうか、それについては。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 県として統一的に取り扱ったほうがいいのではないかという御質問でございまして、これについては我々もやはり統一的な運用が図られることが好ましいと考えているところでございます。
 今回、県土整備部の取り組みを参考通知という形で出したわけでございますが、時期的な部分も含めて統一的に取り扱っていくことが理想的でございまして、この件につきましては、今後の課題ととらえさせていただきたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 教育委員会では1月からやるということになっていますね。そして他の医療局、企業局、警察本部は、導入についてどういった実態というかスタンスなのか、お聞かせ願えればと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 他部局の取り扱い状況でございますけれども、医療局につきましては、現在、導入について検討していると聞いております。それから、企業局は、県土整備部それから農林水産部と同じタイミングで7月から導入をしたと聞いております。それから、教育委員会については、1月までにというお話をされているようです。それから、県警本部につきましては、現在、他部局の状況をちょっと見てという段階と聞いております。
〇嵯峨壱朗委員 品質確保という観点と、全庁統一的にやるべきだという観点で、どこまで県土整備部がかかわれるものなのかわかりませんけれども、やはりあるべき姿として、ぜひ連携をとって強く指導をしていっていただければと思いますけれども、部長からこれについての所感をお伺いして終わりにしたいと思います。
〇平井県土整備部長 入札制度につきましては、各部局で統一的な運用が図られることが好ましいと考えております。
 通知をしたところでございますが、各部局の対応は若干ばらつきがあるというところでございます。それはそれぞれに事情がある場合もございますので、そういうことについてはしっかりお聞きをしつつ、方向としては、統一的な運用を目指して各部局に対してお話をしていきたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 私は3点についてお伺いいたします。
 まず、第1点目は、お手元の事項別明細書の303ページの未登記土地整理費に関連してお伺いいたします。
 まず、県土整備部の所管の土地の未登記の内容についてお伺いをいたしますが、基本的には未登記ということはあり得ないことなんですが、なぜこういう土地の未登記が発生したのか、その原因なり理由をまずお聞かせ願いたい。そして、今現在、県土整備部所管での未登記がどのぐらいの件数で、もしわかれば、面積なり地目ごとにどういうあれなのか、お示しを願いたいと思います。
〇内宮県土整備企画室管理課長 まず、そもそも未登記がなぜ発生したかということでございますけれども、昭和55年ごろまで公共事業の推進を急ぐ余り、土地代金を全額前払いし、その後、取得用地の登記手続に至らなかったと、そのために多くの未登記土地が発生したものでございます。
 未登記のその後の処理件数ということで、昭和62年時点では8、476筆存在しておりましたけれども、平成22年9月1日現在では、2、564筆となっております。
 面積等につきましては、詳細な資料が手元にございません。申しわけございません。
〇高橋昌造委員 公共事業を急ぐ余りということで、なぜ昭和の時代の―やはり早く解決しなければ相続とかいろいろな問題が出てきて、ますます登記手続が難しくなると思うんですよね。計画的に未登記を処理する何かマニュアルみたいなものをつくって取り組まれてきたんですか。ただ、漠然と何となく処理するかと、整理していくかということでやられてきたのか。基本的にこういうものはイロハのイですから、だからその辺のところを今まで放置して、それで責任の所在をいずれ明らかにしなければ―今お聞きすると、まだかなりの件数が残っているわけですよね。まず、その辺のところを一つ。
 そして、もしこれから計画的に進めていくのであれば、どのような年次計画を立てて未登記の処理をしていくのか。
 それから、恐らくもう相続が発生しているのも出ていると思うんですよ。実際、登記ができないような状況下にあるのもあると思うんです。そういうものの件数というか実態はどうなっているのか、お示し願いたいと思います。
〇内宮県土整備企画室管理課長 県といたしましては、未登記の解消を図るため、昭和62年度から未登記の土地処理要領を制定し、随時5カ年計画を定めまして取り組んでいるところでございます。現在は第5次の5カ年計画ということでございます。
 その取り組みの内容といたしましては、非常に処理が困難なケース、なかなか難しいケースということで困難案件、それから、迅速に解決が図れる可能性があるものについて処理案件ということで分けまして、できるだけ処理が可能な処理案件につきまして、適宜、登記をしていくという形で取り組んでおります。
 その処理案件と困難な案件のおおよその内訳ですが、処理していこうという案件ということで約1、000件、それから、非常に困難なケースということでは約1、800件というような状況になってございます。
〇高橋昌造委員 それで、今ある土地の未登記の関係についてはスピーディに対応して、お金がかかってもいいから、これは相手方にも迷惑をかけることですから、まさかそういったものに固定資産税とか税が賦課されているというようなことはないかと思いますが、いずれ、こういうことはスピーディに対応していただきたい。
 そして、新規も、間違っても未登記にならないようにきちっとした処理マニュアルを策定して、そしてこれは県土整備部ではない、私、本当は総務部の管財あたりからあれしていただいて、いずれ、全庁的にひとつ取り組んでいただきたいということでございます。
 次に、第2点目でございますが、305ページの木造住宅の総合耐震支援事業費についてお伺いをいたします。
 まず、県は災害に強い県土づくりを推進するということで、その中で地震に強い住宅の普及ということで、平成21年度の当初予算では耐震診断が1、000戸と、それから耐震改修100戸という計画目標を立ててやられてきたわけですが、平成21年度のそれぞれの計画に対して達成度はどうなのか、実績とそして評価はどのようにしているのか、まずお伺いいたします。
〇澤村建築指導課長 木造住宅総合耐震支援事業の取り組み状況でございますが、平成21年度の耐震診断の実績は、計画が1、000戸に対しまして563戸、それから耐震改修の実績は、予算が100戸に対して73戸となってございます。
 耐震診断の実施戸数については、平成20年度比では83.1%、同じく耐震改修戸数は125.9%となっております。また、木造住宅の耐震相談の件数は141件となってございます。
 耐震診断の実施戸数につきましては減少傾向にありまして、一方、改修事業のほうは増加傾向にありますが、まだ戸数としては十分とは言えないような状況と考えてございます。
〇高橋昌造委員 それぞれ耐震診断、耐震改修の今までの実績。そして、今耐震診断をしなければならない、それから耐震改修しなければならない対象戸数に対しての、今までの足し算をして実績が全体の何%が済んでいるのか。果たして、本当に地震に強い住宅の普及度が高まっているのかどうか、そして県はこのことについてどのように認識しているのか、お伺いいたします。
〇澤村建築指導課長 これまでの累積戸数でございますが、木造の耐震診断は平成17年度から県が事業を実施しております。これが平成21年度までで3、280戸、それから耐震改修は平成20年度から開始しておりまして、平成20年、平成21年の2年間で131戸という状況でございます。
 それから、耐震診断をしなければならない戸数、あるいは改修をしなければならない戸数ということにつきましては、確実な数字の把握というのはなかなか難しいところでございますけれども、県がつくってございます耐震改修促進計画におきましては、平成18年度から平成27年度まで耐震診断合計1万戸、それから改修につきましては計画には盛り込んでございませんでしたので目標値というのはございませんけれども、促進計画を立てた際には、かなりの部分は既存の住宅の建てかえ等を期待しまして計画しておりました。ですから、この事業によって実数的にかなり全体のレベルアップという面では、直接の補助部分で上げていくというのはなかなか厳しい状況でございますけれども、こういった取り組みを通じまして皆さんの意識を啓発するといいますか、耐震に対する心構えを喚起して、地震に強い住宅の整備に取り組んでいただければと考えてございます。
〇高橋昌造委員 耐震診断とか耐震改修は心構えが大切だということですけれども、計画目標値を設定するときは、ある一つの根拠があって対応しなければ、ただ何となく1、000戸、100戸ではなく、今からでも遅くないわけですから、岩手県として耐震診断をしなければならない、そして耐震改修をしなければならない実態をいち早く把握すべきだと思います。今後、それは当局のほうでしっかり対応していただくようにお願いをいたしたい。
 そして、それに関連してなんですが、先ほどもお話があったんですが、325ページのいわて元気のある工務店の支援事業。私はこの工務店、非常にすばらしいことだと思うんですが、たった64万円ぐらいで本当に元気が出るのかと。今、工務店が非常に大変な状況にあるときに、どだい64万円はどういう中身なんですか。
〇大水建築住宅課総括課長 元気のある工務店支援事業でございますけれども、平成21年度につきましては普及啓発事業ということで、ポスターの作成やパンフレットということでございましたので64万円だったということでございます。あわせてキャッチコピーを募集したり、あるいは岩手型住宅の賛同事業者を募集するというような取り組みをしてまいったということでございます。
 なお、平成22年度には、住みたい岩手の家づくり促進事業ということで、実際に岩手型住宅を県産材を活用してお建てになるという場合の利子助成の制度を設けて、さらに推進しているところでございます。
〇高橋昌造委員 それでは最後に平井部長にお伺いいたしますが、平成21年度の当初予算の説明の中で、県土整備部の基本的な考え方が示されておるわけです。特にも、緊急課題として三つのことを掲げておるわけですが、その中で、地域経済の活性化について緊急課題として取り組まなければならないと。そこで部長は、取り組み結果、そして実績をどのように認識また評価をしていらっしゃるか、お伺いいたします。
〇平井県土整備部長 地域経済の活性化についての平成21年度の取り組みの成果ということでございますけれども、今、お話に出ておりました元気のある工務店事業等、岩手型住宅を促進する制度を平成21年度につくりまして、それはその運用で一定の効果を上げたと考えてございます。
 それから、地域経済の活性化ということにつきましては、大きな意味での産業の振興ということも含まれておりまして、例えば道路整備につきましては、直轄事業におきましてかなり事業費の縮減があったということでございます。それは、国土交通省の新規箇所を凍結するというような方針でありますとか、あるいは三、四年のうちでの完成とかについて重点的につけていくということがあった関係で、そうなってしまったということでございます。こういった状況につきましては、その分を県単事業をふやすということで、ほぼ前年並みの事業費を確保して道路の整備等に当たってきたわけでございまして、平成21年度につきましては、大変経済的にも厳しい中で、それなりに県土整備部としてできることをしてきたのかなと思っております。
〇熊谷泉委員 私のほうからは、大きく2点に分けてお伺いをいたします。
 まず、歩道の整備についてでございますが、ちょっと確認したいんですが、先ほどの決算の説明では、歩道の整備に関しては道路維持費の交通安全施設整備事業費というお話ですが、全部この中に含まれるのでしょうか、それをまず最初にお伺いいたします。
〇三浦道路環境課総括課長 歩道整備に係る事業のすみ分けでございますけれども、道路維持費の中で、交通安全施設整備事業で整備を進めている科目と、道路新設改良費の中における緊急地方道路整備事業において整備を進めている二つの予算がございます。
〇熊谷泉委員 それでは、平成21年度の歩道整備の実績についてどのような結果になったのか、お伺いをいたします。
〇三浦道路環境課総括課長 歩道整備についてでございますけれども、平成21年度の道路新設改良費における歩道整備の事業につきましては、緊急地方道路整備事業におきまして実施している分につきましては、事業箇所といたしまして13路線16カ所を延長16.2キロメートルで進めているところでございまして、平成21年度の整備実績につきましては、2路線2カ所で2.7キロメートルとなっているところでございます。
 また、道路維持費の交通安全施設整備事業におきましては、事業箇所は9路線9カ所で5キロメートルを実施しており、平成21年度の整備実績といたしましては、3路線3カ所で延長1.9キロメートルとなっているところでございます。
〇熊谷泉委員 県道も大変長いわけでありますが、今の実績ですと、なかなかこの事業は大変だなと思うわけでございますが、特にアクションプランの中でも―次に、通学路における歩道の実績についてお伺いいたします。一応Cとなっていますが、これはどういう実数のキロ数なんでしょうか。
〇三浦道路環境課総括課長 通学路における歩道の整備ということについての御質問かと思っております。
 先ほど申し上げました道路新設改良費における歩道整備の延長及び道路維持費における歩道整備延長につきましては、すべて通学路における歩道を整備しておるところでございまして、二つの事業で平成21年度に4.5キロの整備を実績として行っておるところでございますが、この4.5キロが全く通学路における数字となるものでございます。
〇熊谷泉委員 了解いたしました。
 各市町村にお邪魔すると、大体どこの市町村でも1カ所ぐらいは通学路の歩道整備の要望があるわけでございまして、この中で、現在取り組んでおられるものは平成20年度から平成24年度までの特定交通安全施設等整備実施計画に基づいてということで、これの計画でいくと、平成24年度で一つの区切りになるのかなと思いますが、それ以降の通学路における整備促進について、どのような配分というか、分け方で今なされているのか。ということは、以前にお伺いしたとき、朝の通学の時間帯で一定の通学児童の数を計測して、全部各学校ごとに全県マップに落として、ABCDランクというんですか、色分けして、まずそこを調査する。その優先順位からというようなお話もありましたが、その辺の絡みはどういうふうになっているのかお伺いいたします。
〇三浦道路環境課総括課長 歩道整備の計画についての御質問でございましたが、現在進めております歩道整備計画につきましては、平成20年度から平成24年度までの5カ年間につきまして、特定交通安全施設等整備計画ということで、延長33.1キロメートルの通学路の歩道整備を進めているものでございます。この計画の中で策定する際に、平成19年度に調査しているところでございますが、国、県、市町村道の区別なく、その道路を利用している児童数の実態調査を行い、その児童数が5人から9人、10人から19人、20人から49人、50人以上という四つのパターンに通学路の利用状況を区分して、それらの実態を把握したところでございまして、それらの中から重要度の高いものから整備を進める計画とし、これまで進めてきているところでございます。それで33.1キロメートルを計画しているところでございますけれども、平成21年度までの実績としましては13.9%の達成率でございまして、まだこれからも頑張らなきゃいかぬということになっているところでございます。
 さらには、平成25年度以降の計画についてどのようにするのかという御質問でございましたけれども、これまでも進めてきた考え方に基づきまして、平成25年度以降の計画につきましても、児童が安全に通学できますよう、小学校周辺の通学路の歩道整備を中心に、地域の実情を考慮しながら、重要度の高いものから優先的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇熊谷泉委員 では、もう一点確認させていただきます。
 アクションプランでは74.1%の目標に対して73.1%ということで、これは全体の整備が必要としているものにおけるパーセントなのでしょうか。それから、先ほど、4.5キロの平成21年度の実績があって、今の計画プランでは33キロを整備する予定で、その進度がCということは、今は13.9キロですが、順調にいけば、平成24年度までにこの33キロは整備がなされるという理解でよろしいでしょうか。
〇三浦道路環境課総括課長 実績値が73.1%という数値につきましては、通学路延長がございまして、通学路延長に対して整備済みの延長が幾らであるかということに対する実績値でございます。通学路が1、104キロメートルございまして、整備延長が807キロメートルとなっていることに対する実績率が73.1%となっているものでございます。
 それから、目標といたしております33.1キロメートルの整備につきましては、目標として掲げている数字でございますので、極力その数字を達成するような形で努力する所存ではございます。
〇熊谷泉委員 5年ぐらいで、そのパーセントがなかなか上がらないというのもわかりました。
 それで、時間帯による通学児童の色分けで、先ほど、50人以上の部分と、5人から9人ということなんですが、50人以上というところは大体整備なされたのでしょうか。今、取りかかっている段階は、どういう段階を整備なされているのかお伺いしたいと思います。
〇三浦道路環境課総括課長 整備の状況についてでございますけれども、児童生徒数の多い箇所のほうから優先的に整備を進めているところでございますけれども、平成21年度に市町村から66カ所の整備の要望を受けた状況でございましたが、そのうち7カ所での採択という実績でございまして、まだまだ十分整備が進んでいるという状況にはなっておらないと思っております。
〇熊谷泉委員 都市部においてはそういう状況のところが多くて、多分、そのほうから優先的になされたと思いますが、都市部は都市部でやっぱり事業費がかかるということで、どのように優先順位をつけられるのかはわかりませんが、私が思うには、大体広域振興局ぐらいで大きく分けて、その中である程度件数をまとめて優先度をつけるような方策がとられればと思いますが、その辺の御意見を伺いたいと思います。
〇三浦道路環境課総括課長 委員のただいまの御提案にありました地方部においても歩道を必要とする学校があるんだということに対して、そういう配慮をすべきではないかというお話かと思ってお聞きいたしました。
 私どもの事業を採択する上では、BバイCということで事業評価しながら、そのような児童数が、仮に決して多くない場所であっても、整備が必要だと考えられるものにつきましては、整備を進めていくようなことを検討してまいりたいと思っております。
〇熊谷泉委員 それでは、もう一点、下水道事業についてお伺いいたします。
 アクションプランの取り組みによりますと、本県の下水道整備面積及び汚水処理人口普及率は大体目標のDというランクになっておりますが、現在の岩手県のDの評価は全国ではどのぐらいの位置になっているのかお伺いしたいと思います。
〇岡田下水環境課総括課長 本県の平成21年度末時点の下水道整備面積と汚水処理人口普及率ということですが、下水道整備面積については2万588ヘクタール、全体計画は3万9、780ヘクタールを計画しております。下水道処理人口普及率に関しては52%、これは前年度が51%でしたので1ポイントの伸び、汚水処理人口普及率については71.9%、これは前年度が70.2%でしたので、1.7ポイントの伸び。ちなみに、全国は汚水処理人口普及率が85.7%で、平成20年度が84.8%ですので、0.9ポイントの伸びとなっております。
 全国との比較において、下水道処理人口普及率については全国で35位、東北では5位。全国の35位の位置は、ほかの県も努力していますので、この位置を大体行ったり来たりしているという格好です。それから、浄化槽や集落排水などを含めた汚水処理人口普及率についても、全国で35位、東北でも5位となっております。
〇熊谷泉委員 ある意味、暮らしの快適バロメーターということでありますので、東北での5位というのは、これからやっぱり頑張らなくてはならない順位なのかなと思いますが、県土の面積を考えれば、人口密度を考えれば、ある意味、仕方のないところかもしれませんが、今後、汚水処理人口普及率の向上に向けてどのような取り組みをなされていかれるのかお伺いいたします。
〇岡田下水環境課総括課長 この低い汚水処理人口普及率を上げるためにどのような取り組みをするのかということですけれども、御案内のとおり、汚水処理については持続可能な経営というのが非常に大事なものだと考えております。もちろん、整備率の向上も大事なんですけれども、さらに水洗化率の向上に着眼しております。水洗化率の向上に着眼するというのは、結局、水が入ってくると、それだけ収入が上がって、整備する担保もとれるわけですから、そういうことに着眼しております。今年度末策定予定の汚水処理に関する県構想いわて汚水処理ビジョン2010は、2004に引き続いてつくっているものなんですけれども、これに基づいて整備促進に努めるとともに、汚水適正処理推進会議とか汚水処理連携セミナーとか、下水道公社による出前講座などを通じて市町村を啓発して、汚水処理人口普及率向上のために取り組んでいきたいと考えております。
〇熊谷泉委員 市町村を通じて啓発ということでございますが、農村においては、大体農村集落排水というのはある意味完備されてきた部分が多いわけで、残っているのは、中山間地の集合処理が非常にコストがかかるということで、今、浄化槽に進めるほうに向かっているわけです。ここ最近、ことしもなかなか米がとれないということで、浄化槽の設置が当初考えたより普及率が非常に悪くなっていると聞いておりますが、昨年度、浄化槽の設備事業費補助は、同じ目標の31市町村ということで、それは達成度Aとなっておりますし、たしか1億1、700万円ほどの事業費だったと思いますが、これで大体どのぐらいの設置数になるのかお伺いいたしたいと思います。
〇岡田下水環境課総括課長 今、熊谷委員から御指摘のあった数字は個人設置型の浄化槽の場合なんですけれども、それが1億1、700万円余でございますが、813基の個人設置型の浄化槽が新設されたということになります。
 もう一つ、市町村設置型の浄化槽というものがございますけれども、それは702基整備しております。それの補助が9、700万円余でございます。
〇熊谷泉委員 個人のものと市町村のものが両方あるようでございますが、いずれにしろ、これからはもう大体どこの市町村も事業費があれで財政が圧迫されて、それだけで公債費比率が上がるということでなかなか進まないと思いますが、県に要望するのは、普及啓発をぜひ県も一緒にあわせてやってほしいという声がありますので、それについてのお考えを伺いたいと思います。
〇岡田下水環境課総括課長 先ほどの数字に戻りますけれども、岩手県は71.9%の汚水処理人口普及率に対して計画が77%で、浄化槽が、計画が15.3%で、実績が10.3%で、浄化槽の数字が一番悪いという形になっております。
 それで、今後、浄化槽に関して普及啓発をする取り組みとして、浄化槽を計画されている地域の小学校への出前講座などを継続して実施しております。もちろん、これは次の世代を含めた意識啓発に努めていくということにしているわけです。また、浄化槽の普及拡大について、事業主体である市町村がみずから補助金のかさ上げ補助や維持管理への補助を行うなど、市町村独自の取り組みを進めているところがございます。県としては、これらの取り組みについて、さまざまな機会をとらえて市町村と情報共有を行うなど、浄化槽の設置しやすい環境の整備に努めていくこととしております。
〇喜多正敏委員 私は、314ページの砂防費に関連してお伺いいたします。
 本県は、山岳とか里山とか急傾斜地、土砂崩落、地すべり等が危惧されている場所も極めてたくさんあるわけでありまして、昨日も集中豪雨の報道がなされております。
 それに関連して、県内で急傾斜地とか土砂崩落、あるいは土砂災害警戒区域、地すべり等、これは法律で決まっているかもわかりませんが、それぞれの警戒・危険箇所は何カ所ぐらいあるかお伺いしたいと思います。
〇藤原砂防災害課総括課長 本県の土砂災害危険箇所は、急傾斜地崩壊危険箇所や土石流危険箇所など1万4、348カ所ございます。
〇喜多正敏委員 アクションプランの139ページで土砂災害警戒区域の指定箇所は目標が2、417カ所、がけ崩れ危険住宅移転促進事業費の事業説明実施戸数は5、868戸となっているわけでありますけれども、先ほどの県内の危険箇所にかかわって、指定が必要な箇所数あるいは事業説明が必要な戸数はあとどの程度あるか、そして、これらは全体の危険箇所に比較してどういうような水準にあるのかお伺いしたいと思います。
〇藤原砂防災害課総括課長 ただいまの質問でございますけれども、1万4、348カ所に対してハード整備がどれぐらい行われているかという質問でございますね。整備済み箇所は473カ所で、整備率は11.3%という状況でございます。
〇喜多正敏委員 もう一つ、アクションプランで目標値が、例えば土砂災害警戒区域の指定箇所は2、417カ所と。これは全体で2、417カ所なのか。平成22年度までの目標値が2、417カ所と。全体の目標値はどうなのかということをお伺いしたいんですが。
〇藤原砂防災害課総括課長 土砂災害警戒区域の指定の全体は、先ほどお話ししました1万4、348カ所でございます。
 それで、平成22年度末の目標値の2、417カ所でございますけれども、これは、ハード対策が未整備もしくは被災履歴がある、要は緊急を要する箇所を選定しまして、平成22年度末までに2、417カ所を指定したいということで定めた目標でございます。
〇喜多正敏委員 それから、138ページの土砂災害警戒区域における指定箇所数は、平成22年度の目標に対して55.5%の達成率となっているわけでありますが、平成22年度もそろそろ半年しかなくなってきているわけでありますけれども、この目標の達成は可能なのでしょうか。どのように考えておられるでしょうか。
〇藤原砂防災害課総括課長 2、417カ所に対しまして2、025カ所でございますので、平成22年度にはこの2、417カ所を達成する見込みでございます。
〇喜多正敏委員 138ページの土砂災害警戒区域の指定箇所数が平成21年度で55.5%で、これは平成22年度までに達成できるということですね。(藤原砂防災害課総括課長「そうです」と呼ぶ)はい、わかりました。
 それから、こうした危険地域、警戒区域の情報や対応策について、地元住民や市町村を含めた防災関係団体へどのように周知が図られて、あるいは話し合いが行われているか。そうしたときに、いろいろ住民から、あるいは防災関係団体から、話し合いが行われた場合に要望とか意見が出されていると思いますけれども、主なものとしてどのようなものがあったか、それについて、課題ということでしょうか、そうしたことについてどのように対応したかお伺いしたいと思います。
〇藤原砂防災害課総括課長 危険区域の情報の周知等についてということでございますが、土砂災害危険箇所の情報につきましては、ホームページで公表しておりますほか市町村へもこれらの情報を提供しておりまして、地域防災計画へ掲載するなどの対策を講じているところでございます。また、毎年、土砂災害防止研修会や災害情報協議会を開催しまして、市町村の防災部局との災害情報の伝達やその活用について情報交換を行っております。
 なお、県では、危険地域の対応策としまして土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定を進めておりますが、これらの調査結果につきまして、地域住民を対象に市町村と共同で説明会を開催しております。この際に、市町村からはハザードマップ作成への支援要望や住民への避難指示等の基準策定等について相談を受けております。また、住民からは、土砂災害特別警戒区域の指定につきましては、建築行為等の制限がかかることから、建物の強化にかかる費用の援助、さらには土地にかかる固定資産税の免除等について要望があるということでございます。
 このような要望を課題としてとらえまして、機会があるごとに、他県との意見交換を行いながら、得られた情報を収集し、これら内容につきまして、国に対してその都度提言等を行っているという状況でございます。
〇喜多正敏委員 実は私の滝沢でも説明会が行われました。ところが、その前に、大変急傾斜地で、地元住民に何の説明もなく地権者―民有林なんですけれども、立木の伐採の作業が始まろうとしている。見るからに大変危険なので中止してほしいといったようなこともあったと聞きました。言うなれば、そもそもの住宅団地とか住宅を建てる際に、そういうところには本来ならば建てなければいいわけでありますけれども、土地とか価格の面でやむを得ずそうしたところも開発がなされ、あるいは知らないで建てるという場合もあったりするわけであります。
 ところで、そういう場所について、危険予防のために1ヘクタール以上は届け出をしなければならないというようなことはあるわけでありますけれども、こうした森林伐採とか土地区画形質の変更等への監視、あるいは農林水産部の所管にかかわることではありますけれども、保安林の指定であるとか、そうしたような手だてを講じて、予防について県としても他部との連携を図りながら対応していくということも一つの方法ではないかと思うわけでありますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
〇藤原砂防災害課総括課長 保安林については、土砂の崩壊、流出防備というような種類の保安林がありまして、これらが指定されますと、立木の伐採の制限でありますとか土地の形質の変更の制限が加えられるということでございますけれども、これらの種類については、国、要は林野庁の所管から指定するというんですか、主導的に指定していくという形になるということで、比較的時間がかかるのかなとは考えております。我々がすぐ対応できる方法としまして、急傾斜地の指定でございますが、これは事業というか、工事が前提になりますけれども、あとは砂防指定というものがございます。これらで伐採の制限もしくは土地の形質の変更の制限等はできると考えておりますけれども、多分、説明会では、土砂災害警戒区域の指定、レッドゾーン、イエローゾーンの指定の話であったろうと思いますけれども、これについては、土地の形質の変更の制限とか伐採の制限というのはできないということで、特にこれが課題なのかなとは考えております。
 それで、これら立木の伐採や土石の採取などの変更の監視につきましては、市町村と合同でパトロールを行っていましたので、それは行うほか、地元の情報をもらいながら適切に判断するなどの対応をしてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 森林も違法伐採というか、無届けの伐採があって、行って見て初めてわかるといった、我々もその経験をしたことがあるのでありますけれども、そうしたことについて、ホームページの発信もありましたけれども、ホームページを見ても、どこに書いてあるかなかなかわからない、ホームページを見ること自体が少ないというような特に高齢者もあるわけでありますので、ぜひ、そうしたことについては、わかりやすいチラシなどもつくりながら、あるいは表示をするとか、十分に地域住民に周知を図っていただきたい。要望的な面で、もちろん避難誘導も大事であるわけでありますけれども、ぜひお取り組みをいただきたいと思います。
 それでは、次に移ります。
 以前に質問したことがありましたが、県営工事の完成後、完了報告書をCDなどのデジタルで出すと。そうした場合は紙媒体の報告書では出す必要がないということで、県土整備部のほうから各公所にそうした二重の報告書の提出をしないように文書を出したということでありましたけれども、果たしてこれが徹底されているかどうか、その後、確認をされたかお伺いしたいと思います。
〇高橋技術企画指導課長 工事成果報告についでございますが、現在、平成18年度に策定いたしました電子納品ガイドラインに基づいて取り組んでいるところでございます。このガイドラインにおきましては、デジタル報告をすることとした工事の場合、工事書類の提出について、完成図書等は電子納品、また施工打ち合わせ書あるいは工事写真などは、受発注者間の協議により、紙資料あるいは電子データのいずれかで納品することとしておるものであります。
 なお、修繕等の小規模な工事に係る工事資料については、いずれかの納入方法をとるかということは、電子納入を義務づけておりませんで、受発注者間の協議により決定することとしておるものであります。
 それで、ガイドラインの運用を開始した当時でありますが、重複納入を求められる例があるという御指摘がありまして、県土整備部におきましては、各公所あてに電子納品ガイドラインの運用の徹底について周知を図ったところであります。その後、当課におきまして、当部各公所にガイドラインの運用状況の聞き取りを行いました。その結果、一つの工事資料に対して重複提出は求めていないという結果を得ているところでありまして、現時点におきましては重複提出はないものと認識しているところでございます。
〇喜多正敏委員 表面的には両者協議をしてどっちかということになっているんですが、さはさりながら、実際は紙でも欲しいというような話がまだあるようなんですよ。私は、必要であれば二つもらってもいいと思うんです。ただ、そのときに、二つもらうのであれば、人件費もコストもかかるので、その部分をちゃんと経費の中に織り込んでやればいいと思うんです。今、建設業は大変人手もなくて、収益状況もこのとおりなので、無駄な作業というか、必要であればちゃんと経費を払うということにして、犠牲を強いないでほしいと思っておりますので、引き続き、ぜひそのように運用していただきたいと思います。
 それから、先ほどの防災の関係ですけれども、なかなか地元では厳しい、急傾斜地も多いということでありますので、ぜひ、関係部とともに連携しながら、防災についてなお一層取り組んでいただきたいと思うわけでありますけれども、部長の見解を御披瀝いただきたいと思います。
〇平井県土整備部長 急傾斜地等における土砂災害危険箇所につきましては、砂防災害課総括課長から申したとおりの対策を立てていくわけでございますけれども、とりわけ土砂災害警戒区域の指定に当たりましては市町村との連携が重要だと認識しております。これは、単に危険箇所を示すだけではなくて、避難経路とか避難場所も示さなければいけないということでございまして、それには県の部局が地元としっかり話をすることと、市町村としっかり連携するということが非常に重要というか、必要になってきていると感じておるところでございます。このことを含めまして、土砂災害の防止につきましては、各部局とも適切に連携しながら鋭意進めてまいりたいと考えてございます。
〇喜多正敏委員 説明会があったときに、抜本的な対策は移転しかありませんと言われてがっかりしたと非常に暗たんたる思いで、毎日雨が降ると空をながめながら暮らしているということがありまして、やっぱり親身になって相談に乗っていただければなと。財政的にも厳しい状況はみんなわかっているわけなので、何か違う手だてを講じて、いろんなことで相談に乗ってほしいと思います。
〇高橋元委員 私からは2項目にわたってお伺いしたいと思います。午前中の佐々木博委員との重複も若干あるわけでありますが、よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、県内における建設企業の実態についてお尋ねしたいと思います。
 公共事業の減少や国内経済の低迷により、建設業を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。大手ゼネコンと言われる企業は海外に進出して大型プロジェクトを手がけておりますけれども、県内企業は体力勝負の様相となっているように感じ、また、絶叫に似た悲鳴が聞こえてくるわけでございます。
 そこでお尋ねしますが、平成21年度における企業倒産件数、負債総額、平均負債額、失業者数はどうなっているのか、また、平成22年度において直近の数値もわかるようであればお示しをいただきたい。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 県内建設企業の倒産状況についてでありますが、民間調査機関の調査結果によりますと、平成21年1月から12月でございますが、建設企業の倒産件数が29件、県の総数95件の30.5%を占めております。負債総額は98億1、100万円、1社平均にいたしますと負債額3億3、800万円となっております。さらに、従業員被害者数でございますけれども、339人ということでございます。
 また、平成22年に入ってから、1月から9月までの状況でございますが、倒産件数が21件、県総数58件の36.2%となっております。負債総額は29億2、000万円、1社平均にいたしますと1億3、900万円、従業員被害者数は198人という状況でございます。
〇高橋元委員 そこで、建設団体、企業からさまざまな支援策が求められていると思いますけれども、その一番大きなものは何とか仕事をくれということなのかもしれませんけれども、それ以外にどういうものがあるのか、また、それらにどのように支援、あるいはその対応策をとってこられたのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 建設団体、企業等から求められている支援策についてでございますけれども、直近で県内13地区で実施いたしました建設業地域懇談会におきましては、各地域の関係者の方々から、やはり公共事業の減少、加えて民間需要の落ち込みというものが加わって、昨年にも増して厳しい経営環境に置かれているというお話を各地区からいただいたところでございます。
 具体的には、要望でございますけれども、抜本的な低入札対策、広域振興局単位とか県北・沿岸振興の視点を取り入れた地元優先発注といった部分の徹底といったものについての要望がかなり多く出されたところであります。このほか、さまざま支援策に対する要望は、例えば新分野等のフォローアップ調査でも出てきておりますけれども、新分野に進出しようとする場合には、補助金とか、販路開拓のマッチング支援とか、貸付金等に対する要望もかなり多く出ているところでございます。
 こうしたさまざまな要望を踏まえまして、県土整備部のみで対応できる部分もございますし、関係する関係部局と連携してやらなければならない部分もあると考えておりまして、そういった直近の、特にこういった実態をよく把握しながら、必要な支援策をさらに検討を続けてまいりたいと考えております。
〇高橋元委員 ぜひ、新年度に向けてさまざまな支援策を御検討いただきたいとお願いをいたします。
 次に、302ページからの2目建設業指導監督費について何点かお尋ねしたいと思います。
 まず最初に、いわて建設業経営革新特別資金貸付金についてであります。平成20年度の当初予算で3億8、700万円、平成21年度当初予算で前年度に比較して1億1、960万円減額の2億6、502万円、その後、減額補正されておりますけれども、そうした予算編成された後、この決算額は1、820万円となっておるわけであります。当初予算と比較すると1割を切る大変少ない実績になるわけでありますが、これは、当初予算を組む段階でどのぐらいを見込まれて予算計上されたものか、また、その資金活用が低迷している要因をどのように分析しているのか、あわせてお伺いしたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 いわて建設業経営革新特別資金貸付金の当初予算と決算額の乖離についてでございます。これは、平成21年度当初予算におきましては、運転資金、設備資金が対象になるわけですが、各6社の新規貸し付けがあるということを見込んで予算計上していたところでございますが、実際、平成21年度新規貸し付けがありましたのは設備投資の1件のみという状況でございまして、当初予算と大きな乖離が生じたところであります。
 その資金の活用が低迷している要因についてでございますが、さまざま考えられるところでございまして、まず一つは、この制度資金の対象が新分野進出と新技術・新工法の開発に限定されている一方で、さまざまな県の融資制度があるわけですが、他の制度資金に比べて、金利とか保証料の部分で大きなメリットがない、逆に劣るというところもありまして、さらにそれに加えて企業の保証枠というものもあるかなと考えております。そういったことが原因で、なかなかこの資金が活用されていないのではないかと考えているところでございます。
〇高橋元委員 この貸付金についての建設業団体あるいは企業へのPRというのはどのようにされておったのかなということも若干気になりまして、その点についてもお尋ねしたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 関係団体、企業へのPRについてでございますが、年度当初におきましては、建設産業団体連合会とか市町村等を通じて周知を図る機会がございましたので、そういった会議等の場を通じて周知を図っております。さらに、経営革新講座とか建設業セミナーというものを年間を通して何度か開催しております。その中では、この資金のパンフレットを配布するなど、知っていただくような努力をしてきたつもりでございます。
〇高橋元委員 平成22年度、本年度の当初予算でも、これは2億6、500万円余りの予算も計上されておるんですね。これについては現在どのような状況で推移しておられるのか、もし、現段階でわかるのであればお尋ねしたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 なかなか活用が図られないという現状を踏まえまして、この4月からは、他の制度資金との劣る部分、メリットの部分で他の制度資金との差が生じないような貸し付け条件等の見直しを行ったところでございます。今現在のところを正直に申し上げますと、今現在で活用はまだ1件もないという状況でございます。
〇高橋元委員 それぞれに企業の体力がないのか、あるいは新分野に進出するというのはある面では大きな挑戦になりますので、その辺の意思決定がなかなかしにくいのか、その辺はあるのかもしれませんが、いずれ、制度が不十分で活用ができないという面が多々あるのであれば、もっともっと見直しをしていくべきじゃないかと思うところでございます。また、新年度の予算編成が出てくるわけでありますので、やはりその辺に向けて、他の制度との関係もあると思いますけれども、ぜひこの点も見直しをさらに進めていただきたいとお願いしたいと思います。
 次に、総合対策事業についてでありますが、建設業総合対策事業の内容としては、建設業の構造改革を推進するため、国や業界団体と連携し、技術力・経営基盤強化、新分野進出、合併、連携等、経営革新に取り組む県内建設企業の支援を行うとなっておりますけれども、平成21年度においてどのような支援がなされたのか、その内容についてお尋ねしたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 建設業総合対策事業の平成21年度の支援状況についてでございますが、大きな柱として、本業支援であります技術力、経営基盤強化というものがございます。それにつきましては、多面的な支援というものを考えてやってきておりまして、総合評価落札方式の試行の拡充とか、発注者の立場として、その企業の収益に資するような支援もやっていこうということで、前倒し発注はもちろんあれでありますけれども、三者協議、ワンデーレスポンス、いわゆる経費、コスト縮減の取り組みを支援するといったような取り組みもしてきております。さらに、技術力、経営力の強化に向けたセミナー等は継続して実施してきているところであります。
 次に、もう一つの柱であります企業合併・連携支援という項目がございます。これにつきましても、セミナー等のテーマで企業再編に関するテーマを設けて講座を実施しておりますし、この4月でございますけれども、企業再編の手法と事例に関する手引書というものを県で作成いたしまして、これを活用して、さらに皆さんに企業再編等の知識を身につけていただきたい、活用していただきたいと考えております。
 それから、もう一つ、柱として今まで一番重点が置かれていたかなとも思うんですが、経営多角化・業種転換支援ということで、いわゆる新分野等の支援についてであります。これは、やはり今求められておりますのは販路開拓等のそういった支援、フォーラム、セミナーはもちろんそうですし、経営相談の充実といった部分にも取り組んできているところであります。その他さまざまな、アドバイザー派遣とか雇用対策のための新分野進出等モデル創出事業等といったものにも取り組んできているところでございます。
〇高橋元委員 さまざまな支援の活動内容については理解できました。
 午前中にも少し佐々木博委員のほうからもありましたけれども、新分野進出に向けてのコーディネートというのが非常に大事ではないかと思っております。これについての現状の概要、そしてまた平成21年度における活動がどういうものがあったのかお尋ねしたいと思います。
〇渡邊建設技術振興課総括課長 新分野進出へのコーディネーターの活動概要等についてでございますけれども、これにつきましては、岩手県建設業協会で平成15年度から経営支援センターというものを設置しておりまして、そういった取り組みを続けてきております。これにつきましては、県でも事業経費の一部を補助するという形で、一緒に連携しながら取り組んできているところでございます。現在は4名体制ということでやっておりまして、平成21年度の活動実績につきましては相談対応件数が393件ございます。それから、新事業の立ち上げを支援した企業が6社などとなっております。そのほか、この支援センターでは、先ほど申し上げた経営革新講座とか企業セミナー等にも取り組んでいるところでございます。
〇高橋元委員 新分野というといろいろな分野があるわけでございまして、それに対して、業界が設置した支援センターにお願いするということが、今、柱であるということでありましたが、それについても、県としても、こういう分野があるんじゃないかと少し研究してくれとか、そういう働きかけも私は必要じゃないかなと思います。
 農業分野への進出でありますけれども、これは、例えば農作物の露地栽培あるいはハウス栽培、最近はそれに加えて工場をつくって、その中での栽培というものもあるわけであります。そういったところもやはり研究していただきながら、天候に左右されないというのは一番のメリットがあると思いますので、さまざまなそういう働きかけも必要じゃないかと私は思っております。ぜひ、そのことも含めて一体的に進めていただきたいと思います。
 時間が限られておりますので、もう一点、セミナー等の開催状況についてお尋ねしておりましたが、先ほどの説明でこれは十分ですので、割愛させていただきたいと思います。
 今までの質問の中で、私が言うまでもなく、建設業は古くから郷土の発展に大きく貢献してまいりましたし、昭和30年代、40年代あるいは50年代においては出稼ぎ対策としても大変大きな力を発揮していただいた。我が家のことも言いますと、私のおふくろも30歳ごろから60歳ごろまで建設作業員として働いて高校まで私も出していただいた、母には非常に感謝しておりますけれども、そういう形で建設業が果たす役割というか、果たしてきた役割というのは大変大きなものがあると思っております。そういうところで、経営低迷といえども困っている企業がたくさんありますので、ぜひ、今までの活動をさらに充実を図りながら、さまざまな経営支援をお願いしたい。
 そういうところで、最後に部長に一言、経営支援の拡充についての所感等がありましたからお尋ねしたいと思います。
〇平井県土整備部長 建設業に対する経営支援についてでございますけれども、先ほど、総合対策事業の中で御説明しました中で、技術力、経営基盤の強化ということについて、これが一番重要ではないかと思います。そのためには、収益を上げられる建設業ということでございまして、これについては、地域懇談会でも要望のあるような入札制度の改革を通じた低入札の防止ということ、一方で、建設業のほうでも一言で言えば近代化をしていかなければいけないということがあろうかと思います。それについては、セミナーですとか、あるいは受発注関係を通じた近代化ということで、三者協議とかワンデーレスポンスといったようなことを今までやってきているところでございます。こういった取り組みを支援しながら、今後とも建設業が地域において発展していけるように、あるいは雇用の受け皿として持続していけるように支援をしてまいりたいと考えてございます。
〇三浦陽子委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時59分 休 憩
午後3時17分 再開
〇三浦陽子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 それでは、住宅リフォーム助成の取り組みについてお聞きをします。
 県内市町村で、住宅リフォーム助成の取り組みが広がっておりますが、昨年度そして今年度、どういう実績になっているでしょうか、示していただきたい。また、経済波及効果もわかれば示していただきたい。
〇大水建築住宅課総括課長 本県の市町村におけます住宅リフォーム補助の状況でございますけれども、昨年度は、9市町村において補助が実施されております。それから、今年度は、本年10月からの一戸町を含めまして18市町村が、リフォーム全般に対しまして10万円から50万円の幅で補助する制度を設けてございます。
 事業費につきましては、平成22年度事業でございますけれども、9月末現在で、18市町村の申請戸数の合計が2、818戸、補助額は2億9、020万円、工事額は22億3、600万円となっておりまして、経済効果は約35億円と試算されます。
〇斉藤信委員 大変今、公共事業が減って仕事が大幅に減少しているときに、9月末の段階で22億3、600万円、経済波及効果だと35億円の仕事が市町村を中心につくられたと。私、これは大変なことだと思うんですね。
 それで、この9月県議会でも、岩手県に対して住宅リフォーム助成をぜひやってくれと、こういう請願が全会一致で採択をされた。既に県としてやっているのが秋田県ですが、秋田県ではどういう実績になっているでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 秋田県の状況でございますけれども、秋田県では、本年3月から緊急経済対策ということで、持ち家の増改築、リフォーム全般に対しまして、20万円を上限に、工事費の10%の補助を行っているということでございまして、8月末までの申請件数が8、901戸、補助額が12億5、600万円、工事費で194億6、000万円ということでございまして、この経済効果というのは約300億円と試算されます。
〇斉藤信委員 秋田県の取り組みは、私、参考になると思うんですよ。いわば県レベルでやれば194億円、経済効果は300億円だと。これは請願の全会一致の採択を受けて、できれば補正でも組んで今年度から具体化してほしい。県民が切実に要望しているけれども、この請願を受けた検討状況はどうなっていますか。
〇大水建築住宅課総括課長 請願が採択されたという状況でございまして、これについては、私どもとしても重く受けとめて対策を検討していきたいと思っております。
 岩手県におきましては、現在、県産材を活用した住宅の新築及び増改築について、住みたい岩手の家づくり促進事業という事業で、利子の助成制度ということを設けてございますけれども、新築が25件に対しまして、増改築は1件にとどまっているという状況でございますので、増改築における制度の活用が課題だと考えております。
 リフォームも含めて、住宅に対する経済波及効果ということも踏まえて、制度のあり方あるいはどのような形で普及を図っていけるか、あるいは改善をしていけるかということを検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 岩手の家づくり事業もいいんだけれども、使いやすい、そういう事業に実質的になっていない。県内では宮古市、これは9億円の事業になっていますよ。そして、県レベルでいけば秋田県のこの取り組みが大変参考になると思う。
 この質問の最後に部長にお聞きをしたい。岩手県における住宅リフォームのいわゆる市場規模はどのぐらいあるか、そして、今課長からは聞いたけれども、部長の決意をお聞きしたい。
〇平井県土整備部長 市場規模につきましては、後ほど答えさせていただきます。
 決意というところでございますけれども、これまで住みたい岩手の家づくり促進事業を実現してまいりまして、その運用を図っておるところでございます。それよりも、一般的ないわゆる住宅リフォームの事業に関する助成事業につきましては、その効果について幅広く検討を重ねた上で、総合的な見地から判断してまいりたいと思います。
 それから、住宅リフォームの市場規模でございますけれども、本県では、2008年度の推計でございますけれども、年間458億円(後刻「453億円」と訂正)というデータがございます。
〇斉藤信委員 市場規模でも要望でも実績でも、これは本当に求められている事業ですので、秋田県に負けないような具体化をできるだけ早く進めていただきたい。余りいいことをやっていない達増県政の中で、これをやったら受けますよ。
 第2に、簗川ダム、津付ダムのダム事業の検証、見直しの取り組みについて。
 国が、これはもう簗川ダムは見直し対象だと、こういうことで見直しの治水対策のあり方の基本方向も出されました。それで、これが中間とりまとめで、治水対策のあり方検討の内容を示したものですが、私は一言で言えば、治水対策のあり方というのは流域と一体となった治水対策、総合的な治水対策というのが提起されていると思うけれども、その中身はどうなっていますか。
〇及川河川開発課長 ダムの検証の取り組みについてでありますが、まず、検証、再評価の項目につきましては、国から示された評価軸として7項目ほどございます。安全度、コスト、実現性、持続性、柔軟性、地域社会への影響、そして環境への影響でありまして、これらの評価軸でおのおのの治水対策案を評価することとされています。
 また、複数の治水対策案の検討など現在の検証の取り組みにつきましては、国から示されましたダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目に基づきまして、26種類の治水対策手法の中から、簗川と気仙川のおのおのの河川への適用可能性等を現在整備している段階にございます。
 今後、国から示されました細目にしたがって、さらに検討を進めることとしています。
〇斉藤信委員 ちょっと違ったことを聞いたんだけれども、示された今後の治水対策のあり方、私はこの中の核心的な部分というのは、流域と一体となった治水対策のあり方を提起していることだと思うんですよ。流域と一体となった治水対策のあり方の中身は何かと聞いているんですよ。
〇及川河川開発課長 中間とりまとめによりますと、流域と一体となった治水対策に関する議論や提言、さらには部分的な試みについては過去40年にわたって行われてきてございまして、河川関係者の間では十分認識されているところではございますけれども、例えば土地利用規制とか、そういうさまざまな方策がございますけれども、法的規制のあり方、また、関係自治体や住民の意向なとど、技術的な問題や行政の中での連携の問題等、多くの問題がございます。しかしながら、治水対策といたしましては、流域と一体となった対策というのも非常に超過洪水対策等を考えれば重要であると考えておりますので、今後、検証の中で検討してまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 私、中間取りまとめをよく読んでいないんだと思いますよ、今の回答は。こうなっているんですよ。―今後の治水対策の一つのイメージは、流域全体で治水対策を分担し、河川への流出を極力遅らせることによって、洪水のピーク流量を軽減し、治水安全度の確保を図ることが重要である。その際、それぞれの地域で可能な限り自己完結的に洪水を処理し、河川への負担を軽減させることに重点を置くことが重要だと。ここですよ。
 それで、私はこの立場から言ったら、簗川ダムは全くこういう流域全体の治水対策を考えてこなかったんじゃないかと。いかがですか。
〇及川河川開発課長 国から示されました26の治水対策案、この中には、流域対策といたしまして、今、委員がおっしゃったように、河道への流出をおくらせる。例えば学校の校庭とかに貯留させるなり浸透させるなどといっておくらせるものも確かにございます。しかしながら、例えば簗川の流域に関しましては、そういうような流域の対策として浸透させるとか、そういう面積としてはそんなに大きくないということでございまして、確かにそういう対策は今後進めていくべきではございますけれども、河川の対策といたしましては、例えばダムであるとか河川改修であるとか、そういったものを中心として、補完的にそういうような流域対策というものもやっていくべきではないだろうかと考えております。
〇斉藤信委員 しどろもどろだけれども、そもそも簗川ダムは、ダム先にありきで計画されたんですよ。
 昭和53年4月―これは1978年ですけれども、県単費、予備調査に着手。34年前です。そして、建設事業として採択されたのが平成4年4月―1992年、20年前ですよ。だれも知らないときに、順番にダムをつくっていった。先にダムありきで計画されたんですよ。治水対策から出発したんじゃないんです。
 それで、次にお聞きしたいのは、流域一体の治水対策を考える上で、河川流域の特性に応じた治水対策の立案が求められますが、簗川の特性とは何でしょうか。
〇及川河川開発課長 簗川の流域の特性ということでございますけれども、簗川につきましては、上流部の地形は急峻であり、上流部から中流部にかけて狭隘な地形の中に人家や耕作地が点在しております。中流部から下流域にかけましては、背後に山が迫っている地形の中にあって、河川沿いに貴重な平地があり、そこに人家等が集中して市街地を形成しています。その市街地を貫流して、北上川本川に合流しているような状況にございます。また、河川沿いには、沿岸と内陸部を結ぶ主要な国道106号が通っているというような状況にございます。
〇斉藤信委員 私たちは、ダムの専門家に精密に簗川を調査していただきました。2度にわたって調査していただきました。
 その報告書によると、簗川の流域面積は148.3キロ平方メートル、そして簗川と根田茂川が合流する。実はその簗川の流域面積というのは35.1平方キロメートル、根田茂川流域は82.1平方キロメートル。根田茂川流域が2倍以上あるんですよ。そして、なだらかで長いのです。どういうことかというと、いわば集中豪雨が降ったときに、簗川の洪水が先に出るのです。根田茂川の洪水というのはゆっくり出てくるというのが、この簗川の特徴なんですよ。いわば、簗川の自然の特性で洪水のピークを調節している。しかし、あなた方の計画は合流したところにダムをつくるわけです。洪水を集めてしまうという最も不合理な計画だと。これが第1点。
 もう一つは、簗川の一番危険な、守らなくちゃならない部分というのは、葛西橋から北上川合流点の0.9キロです。ここに人口が集中しています。基本的には、ここは100年に1回の洪水を流せる幅があるのです。しかし、平成14年の台風で堤防が決壊しそうになった。一番問われているのは、流せるのに堤防が壊れた。私は堤防の強化があれば、基本的にここの人口密集地帯は守られる。そう思いますけれども、いかがですか。そして、その堤防の強化は何年の洪水に対応できるように災害復旧されましたか。
〇及川河川開発課長 簗川には根田茂川と簗川があって、その流路延長等が違うものですから、おのおのの川のピークの発生時刻が違うということに関してでございますけれども、おっしゃるように、簗川本川と支川の根田茂川流域につきましては流路延長が異なりますので、洪水到達時間が違います。ですから、雨の降り方によっては、当然ピークがずれて入ってまいります。しかしながら、簗川ダムにつきましては、その合流後の地点に建設しているものでございまして、前提として、ピーク流量がずれるという現象も織り込んでいるというような計画でございます。また、ダムの構造上、ダムに流入する流量を上回ってダムから放流することはなく、ダムによって直ちに危険になるというようなものではございません。
 堤防の強化についてでございますけれども、その堤防については、御指摘のように、平成14年7月の洪水のときに左岸側の堤防が一部決壊いたしました。また、破堤に至らなかったということで、住家への被害はなかったわけでございますけれども、その後、災害復旧等により堤防を盛土で戻して、さらに流水が当たっても容易に決壊しないよう護岸等を施工し、さらに覆土して植生をいたしたというところでございまして、現在では、被災当時よりは堤防の強度は高まっていると考えております。
〇斉藤信委員 平成14年の台風というのは335ミリなんですよ。これは、大体10年に1回の洪水でしょう。だから、何年に1回の洪水に対応できるように災害復旧したのかと聞いているんですよ。10年に1回対応できる程度じゃ困るんですよ。100年に1回対応できるんですか。そういう堤防の強化がやられているんですか。
〇松本河川課総括課長 災害復旧につきましては、崩壊しました堤防をそのまま復旧したわけですが、高さとしては100分の1(後刻「40分の1」と訂正)、北上川と同じような高さで復旧しておりますので、その安全度を持っているということになると考えております。
〇斉藤信委員 ちょっと課長の答弁違うと思うよ。災害復旧というのは、基本的にはその前のレベルに合わせるということ。100年に1回の洪水に対応できる堤防に強化されたというなら私は評価する。そこを厳密に後で答えてください。そんなものじゃないと思いますよ。
 それと、簗川の特性で言いますと、これを見てください。
 人口密集地帯は1キロまでですよ。4キロ以上はみんな農地なんですよ。だから、この農地を活用して流域全体の治水をとれば、本当にわずかな河川改修で済むということです。そして、0.9キロから上流は基本的に掘り込み河道。左岸側は山なんです。私はそういう意味では、本当に今度の見直し案をしっかり受けとめて、ダムを進めるための対案を絶対つくっちゃならないと。
 530億円に見直したときに河川改修案も見直したんですよ。倍以上にふやしたんですよ。私はこんなごまかしをしてはならないと思うけれども、ここだけちょっとくぎを刺しておきますが、いかがですか。
〇及川河川開発課長 ダムの事業費を増額したときに対案の河川改修事業費まで膨らましたというようなお話かと思いますけれども、ダム事業費を見直して増額するなり減額するというときには、あわせて同じ年の積算単価等で積算し直すということでそうなったのではないかと考えております。
〇斉藤信委員 一言言っておきますけれども、堤防の面積を2倍にしたんですよ。ところが、事業費は8倍になったんですよ。河川改修の試算というのは、あくまでも試算。ダムの建設事業というのは、これは積み上げで正確なものです。そういう途方もない試算をしたんだということだけ、私は指摘をしておきますよ。今度もそういうことをしちゃだめですよ。
 それで、簗川ダムについて、もしダム本体工事を中止するとしたら、どのぐらい節約できるでしょうか。そして、ダム事業による環境破壊の影響、動植物の希少種、どういう状況になっていますか。
〇及川河川開発課長 もし、簗川ダムを中止したらどれくらい事業費が節減されるかというようなお話でございますけれども、仮定の話ではございますが、中止するにしても、さまざまな後処理みたいな費用がかかることも想定されますので、それにつきましては、今回の検証の中で、その費用につきましてもできるものは積み上げてまいりたいと考えております。
 次に、環境への影響についてでございますけれども、自然環境保全対策の策定を目的といたしまして、平成5年度から環境調査を行うとともに、平成8年度に設置いたしました周辺環境調査検討委員会からの指導、助言をいただきながら、平成18年3月に、環境影響評価報告書として取りまとめたところでございます。
 環境調査は、その後も継続的に行ってきたところでありまして、その結果を毎年委員会に報告して指導、助言をいただきながら、自然環境の保全に努めていくこととしています。
〇斉藤信委員 全然リアリズムがないんだけれども、ダムの堤体の事業費は今の時点で幾らと予想されていますか。
 それと、環境問題なんですけれども、例えば簗川流域は鳥類で97種。そのうち重要種はクマタカ、ヤマセミなど31種。昆虫類は1、856種。そのうち重要種はゲンジボタルなど19種。本当に盛岡の中でも最も自然環境が豊かと言われるところですよ、ここは。私はダム事業でこうした貴重な自然環境を破壊すべきではないと。私はこの社会的、経済的な評価というのもすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 あわせて、津付ダムについては、一番の欠陥は30年に1回の洪水対策なんですけれども、ダムをやれば164億円かかる。河川改修なら94億円で済むというあなた方の試算ですよ。私はもう津付ダムはやめるべきだと。もしダムに固執するんだったら、その後さらに170億円かける、そして70分の1にやるというんだけれども、そんな根拠はどこにありますか。このことをお聞きしたい。
〇及川河川開発課長 簗川ダムの事業費、ダム本体に係る事業費ということでお話がございました。ダム本体に係る事業費につきましては、ダムの全体事業費530億円のうち340億円と試算しているところでございます。そのうち、これまで約半分程度使っている……(斉藤信委員「堤体の事業費を聞いているんですよ」と呼ぶ)縮減額という意味では30億円ということに、経過変更に伴って、そういう意味で……(斉藤信委員「違う。ダムの堤体の事業費は幾らかと」と呼ぶ)
 済みません、我々環境に関する費用対効果とかそういうものにつきましては、現在の我々治水経済調査マニュアルというもので試算しておりまして、それは治水の分しかございませんで、環境に対する費用対効果分析は現在ないことから、試算をしていないところであります。(斉藤信委員「答弁漏れだ」と呼ぶ)
 済みません。気仙川の治水対策につきましては、実現性が高い複数の手法の中から社会的な影響や経済性を考慮しまして、ダムと河川改修の組み合わせが最適であると判断して事業を進めているところでございます。今般、9月28日付で国より検証の要請があったことから、示されたダム事業の検証に係る検討に関する実施要領細目、これに基づいて検証を行うこととしたところでございます。
〇斉藤信委員 私が聞いたことに答えていない。しっかり質問を聞いてくださいよ。
 ダムの堤体の事業費は幾らですかと聞いているんですよ。そして、津付ダムは何で70億円も高いダム事業に固執するのかと。あなた方が70分の1と言うんだったら、ダムをつくってから170億円、河川改修にかかるんですよ、あなた方の計画は。そんなことあり得ないでしょうと言っているんです、私は。根拠があるなら示してくださいと。
 それと、あわせて、この間、中止、見直しとなった事業はどういうものがありますか。その事業費は、大規模事業に限って聞きますから示していただきたい。
〇及川河川開発課長 どうして津付ダムの事業を進めるのかということに関してでございますけれども、気仙川はたびたび洪水被害が発生しておりまして、流域住民の生命や財産を守るために事業の必要性、緊急性が高いと判断しております。
 気仙川の治水対策は、治水安全度70分の1と考えております。そういう河川整備基本方針―将来計画でございますけれども、これに基づいて70分の1の安全度としていることから、河川改修単独案とダムプラス河川改修案と比較した結果、ダムを含む案のほうが安価であるということの方針のもと、当面、二、三十年の河川整備計画の中で、ダムを先行することとしたものであります。
〇高橋技術企画指導課長 これまで中止、見直しになった事業はどういうものがあるかということでございますが、県土整備部において、平成10年度以降公共事業評価を実施し、中止、見直しとなった事業についてでございます。
 中止した事業につきましては、北本内ダム建設や村道安ケ沢線など4事業であり、中止時の事業費は北本内ダム建設で420億円、村道安ケ沢線で67億円などであります。
 また、見直しした大規模事業につきましては、津付ダム建設や簗川ダム建設など5事業であり、見直し前と見直し後の事業費は、津付ダムで202億円から141億円に、また、簗川ダムにつきましては、670億円から530億円などに見直ししたところでございます。
〇斉藤信委員 最後にします。花巻空港整備事業について、昨年度までの総事業費に対する事業実績はどうなっているか。当初の計画目標、そして利用客の推移、費用対効果から見ますと大変な赤字ではないか。赤字の実態をどう評価するか。平行誘導路がなければできないケースというのがあるのか。1県1空港で国際チャーター便の競争を競うということは、全国共倒れになってしまうのではないか。もっと、東北各県との連携を考えた花巻空港のあり方を考えるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
〇波々伯部空港課総括課長 花巻空港整備事業についてでございますが、まず、昨年度末までの総事業費は297億円でございまして、進捗率については95%となってございます。
 現在の花巻空港の収支についてでございますけれども、平成21年度のキャッシュフローベースで見ますと、維持運営に係る収支は3億6、900万円の赤字となってございます。
 これについての評価ということでございますけれども、空港については、産業振興や地域間交流において極めて重要な役割を担っておるところと認識しておりまして、県のほうでは、例えば平成19年度のこれは国際チャーター便だけの経済波及効果の試算でございますが、96便で約4億3、900万円の経済波及効果があると試算しておりまして、それだけでも、先ほど申し上げた維持運営分の空港収支の赤字を上回る効果があると認識をしております。このほか、定期便についてはそういった試算はしていないわけでございますが、それらも含めますと、航空機の運航が経済にもたらす波及効果というのは相当なものがあると考えております。
 次に、平行誘導路がなければできないケースでございますが、大型機材で運航したいという海外の航空会社のニーズに対応できず、チャーター便の受け入れを断念した事例が平成17年から以降、香港のキャセイパシフィック航空あるいは台湾のエバー航空、韓国の大韓航空のチャーター便の計画であったところでございます。
 今後も、東アジア地域の主要な航空会社においては、大型機の保有が主流という計画でございますので、今後、同地域からの国際チャーター便の誘致拡大を図る上で、これらの大型機の就航が可能となる平行誘導路の整備は必要と考えております。
 最後に、東北各県との連携でございますけれども、既に複数の空港を組み合わせたチャーター便の運航というものもかなり定着しておるところでございまして、それぞれの空港でこうした国際便の受け入れ環境を整えることが、東北域内の多様な観光ルートの設定を可能とするという意味で、東北全体での外客の受け入れ拡大にも資するものと考えております。
 今後とも、こうした複数の空港を組み合わせた広域観光ルートの開発ですとか、ブロック単位での誘客活動など、他県との間では必要な広域的な連携を強化してまいりたいと考えております。
〇三浦陽子委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 委員の質疑にかかわる時間が35分と、長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせを踏まえて質疑をされるよう、議事の進行に御協力お願いいたします。
〇斉藤信委員 今、終わろうと思ったんですけれども、今の答弁、私、極めて不正確だったと思いますよ。
 キャッシュフローで維持運営分だけ言って3億6、900万円と言いましたけれども、全体の収支では15億6、000万円の赤字じゃないですか。もっと正確に言わなきゃだめですよ。全然評価が違うんだから。
 そして、321億円のうち、今年度を含めてどのぐらい事業費がかかったか。そのうち、これは国が求めた事業じゃなかったんですよ。県が独自にやった。県負担分はそのうち幾らか。そのことを示していただきたい。
 私は当初の計画からもそして県民負担から言っても、この事業というのは、計画から乖離して利用客が大幅に減少した中で破綻した、計画が破綻しても事業だけが進められた、そういう事業ではなかったかと思いますが、いかがですか。
〇波々伯部空港課総括課長 今年度までの事業費でございます。これは今年度末までの見込みということになりますが312億円、進捗率にして99%となる計画でございます。そのうち、県の負担額につきましては、273億円ということになるかと思います。
 再度のお答えになりますが、空港のもたらす地域経済に対する波及効果などにかんがみまして、また、今後、アジアからの観光客の誘客というものを強力に進めていく上で、空港整備事業につきましては着実にその機能の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇平井県土整備部長 先ほど私が住宅リフォームの市場規模を458億円と申し上げましたが、読み間違いで453億円でございました。おわびして訂正いたします。
〇松本河川課総括課長 先ほど斉藤委員のお話の中で、治水安全度の話がございました。私、100分の1というお答えをしましたけれども、合流点から1キロ間につきましては40分の1の治水安全度でございます。ですから、河道の流下能力が少し、100分の1には足りない状況になっております。
〇伊藤勢至委員 簗川ダムに関しまして、国道106号の時間短縮の件について、それから宮古港湾の活用についてお伺いをしたいと思います。
 簗川ダムでありますが、時はまさに秋。いろいろなキノコがいっぱい出ておりまして、多分簗川のあたりにも出ているんだと思います。私どもの宮古では、危ないキノコを食うときはおまじないを三つ言う。曲がり鉄砲、曲がり鉄砲、曲がり鉄砲。当たらない。ところが盛岡の人たちは、気象台、気象台、気象台と言ってから食べる。当たらないんだそうです。したがって、気象台の天気予報はいまだに正確に当たらないんですから、ですから100年に1回どうのこうのと、だれもわからない。したがって、県民の最大幸福を願うあなた方は、やはり最大公約数のもので対応していく、それがベースだと思いますので、これは応援歌を言っておきたいと思います。
 それから簗川ダムでありますが、総工費540億円。この中の半分が国道106号の付替道路でございます。したがいまして、私はダムの効能、効果はともかく、国道106号の時間短縮について大いに期待をしているものでございますが、当初は平成22年度中の完成ということでしたが、それが平成23年度末と延びて今来ているわけでありますが、今のまま平成23年度末の開通ということでいいのでしょうか、確かめたいと思いまして伺います。
〇小野寺道路建設課総括課長 国道106号の簗川道路の完成時期でございますけれども、現在、完成予定時期が平成24年度となっております。平成22年度という段階もございましたけれども、現時点では平成24年度を目指して事業を進めております。今年度、事業の再評価の年にも当たっておりますので、これから再評価委員会のほうで御審議をいただくことになっております。
〇伊藤勢至委員 国の事情もあり、いろいろな事情から少しずつ延びていくのはしようがないと思いますが、小出しに延びないで、余り期待を持たせて、またがくっとさせないようにお願いをしたいと思います。
 それから、この国道106号につきまして、秋田県の国道46号と国道106号を一緒に国の直轄にすることによって、国直轄の仕事で早く改良したいという動きが実は三十数年前からあったわけでございます。しかし、長い時がたちまして、今この目的というか考え方で運動をしていくのが果たして理解を得られるかどうか、そういったことについて、今までやってきたからこのままこの運動を続けるんだということでやっていって果たしていいのかどうか。そういった部分について、また状況がいろいろ変わってきました。
 この1月1日に川井村と合併して、盛岡とすぐ接するようになりました。それから秋田県は、後で港湾にも聞きますけれども、今はっきり言いまして、日本海側は、いろんな物流等の関係から太平洋を見ていないんだと思います。したがって、状況が変わってきた中で、国道46号と国道106号を一緒にして2けた道路にして国の直轄でという議論が、これからも通っていくのかどうか。あるいはその辺を見直して、まず宮古と盛岡と、岩手県が中心になってここをやりながら一緒に乗っかってもらうというような方法がいいとお考えになるのか。その辺の方向性をちょっと、お考えをお示しをいただきたいと思います。
〇小野寺道路建設課総括課長 国道106号の整備につきましては、国道46号と合わせて秋田まで国で管理をしていただきたいということで指定区間に編入していただくように、活動を、要望を継続して行っているところでございます。今年度につきましても、8月に政府に同様の要望を行っております。
 そういうことで、国による整備、管理をこれからも国に対して働きかけてはまいりますけれども、今現在事業を行っております簗川道路ないし宮古西道路の整備については、今のルールの中で、県として事業の推進を図ってまいるように最大限努めてまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 今の国のお金がないあるいは再評価、BバイC、いろんなことが出てきた中で、30年もやってきたからということだけで果たしてやっていって説得力があるのかということがちょっと、時間さえかければ何とかなるということではないと思って実は伺ったのであります。
 これは宮古港の活用にも当然かかってくるわけでありまして、言ってみれば宮古港を整備する際には、当時の千田正知事がうたいました大県構想にのっとって、北上山系開発の中の夏山冬里酪農という点に乗っかりまして、そして宮古港にグレーンセンターをつくって、北上山系でベコを飼って、そして製品を輸出するということから始まってきたわけでありますが、そういったのが残念ながら途中で頓挫をしまして、グレーンセンターは釜石に行ってしまいました。その後で、今度は中国木材が進出をしてくるというようなことがあって、港湾活用に非常にいいなと思いましたが、これも頓挫をいたしまして、その結果、今宮古港には、国、県の目ぼしい施設が全くない状況でございまして、さて、どうしたもんかなと実は今思っているところでございます。そういう中で、先般、県は、大船渡港を重要港湾の中の上位に位置づけてこれから手当てをしていく。あるいは釜石も、トヨタ自動車の積み出し等の問題があるのでということになりました。
 本県には、大船渡、釜石、宮古、久慈と四つの重要港湾があるわけでありますが、大船渡と釜石には県の目が向いてきたと。ただ、これは両地域のこれまでの努力はやはりすごいものがあると思いますので、ただうらやんでいることではなくて、では、この時点にあって宮古港をどう活用していったらいいのかと、こういうことになってくるんだと思います。
 そういう中で先ほども申し上げましたが、ここ10年来、太平洋側の物流が全く変わってまいりまして、名古屋、神戸、横浜、東京、太平洋側の物流コンテナの移動ががたっと落ちていまして、これが全部日本海側にシフトしていると。つまり、これは韓国、中国、そういうところのハブ空港に、日本の物流を日本海側に集めて持っていったほうが安く世界に配達ができると、こういうことになってまいりましたので、秋田県は今太平洋側を見ていない。そういうときに、秋田、盛岡、宮古の道路という部分の訴えが足りないのではないかと思うところがございます。
 秋田は、仁川でありますとか上海、青島、大連等々のハブ空港に物を集めている。韓国、中国、あるいは今はロシアに船で持っていってウラジオストクに入れて、シベリア鉄道でロシア内まで運んでいくと、こういう状況にある中で、宮古港というものはこれからどう活用したらいいのか。もちろん、宮古市が主体で相談に来るべきだとは思いますけれども、県も指導する立場から、大船渡、釜石はまずこれで頑張れと。じゃ、宮古はこういうもので行こうというような御示唆なり何なりがあったら教えていただきたい。
〇野中港湾課総括課長 宮古港の活用ということでございますけれども、委員御指摘のとおり、物流の流れが大きく変わってきております。グローバル化をしておりまして、最近では中国、日本海側が非常に脚光を浴びている状況でございます。そういった中で、国のほうでは国際コンテナ戦略港湾ということで京浜港、阪神港を指定しまして、特に京浜港については、東日本の貨物を全部そこに集めるんだという取り組みを進めると聞いております。そういった中で、我々地方港湾がどういう役割を果たすのか、あるいはどういう戦略で進むのかということをまず注視してまいりたいと思っております。そういう意味で、私どもとしては京浜港との連絡も取り合っていくところでございます。
 大きなグローバルの流れとしては、そういう取り組みを進めたいと思っております。
 また、一方では、貨物の集荷については、地道な努力も必要だということで市と連携しながら、東北一安い港湾を目指すというような取り組みも市と一緒に考えておりまして、実際に、福島県の貨物が一時的に宮古に来ているという動きもございますので、そういったものを一つ一つとらまえていく方策も一方ではやっていきたいと考えております。
 あと、また、宮古は非常に自然に恵まれたところでございまして、クルーズ船が過去多く寄港しておりまして、ことしも初めて九州の民間会社が九州クルーズを宮古に持ってくるということで、飛鳥IIが2回、それから日本丸が計3回寄港する非常に人の交流の場でもある、発展性のある場でございますので、リアスハーバー宮古、あるいはクルーズ船の寄港、そういった交流の場としての発展も、市と一緒に連携しながら目指していきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 太平洋側のコンテナの輸送ががたっと落ちているという部分の象徴的なことが、ついこの間宮古港でありました。
 10年ほど前なんですけれども、中国の石材を扱う会社が岩手県に進出をしたいと。当時の堀口議長から、伊藤君、宮古はどうだと、こういうことでありましたので、いや、願ったりかなったりです、お願いしますということで、その会社に宮古港に来てもらいました。そして遊休地を県から借りまして、藤原埠頭の中で商売をしていたわけでありますが、このごろコンテナが頼んだように入ってこない。したがって、藤原埠頭の中にいても商売にならない。余り広いとは言えないところでしたから、そこでその会社は、宮古市内なんですけれども、ある病院施設が移転した跡地を取得しましてそこに移転をいたしました。それは、つまり、中国からの石材を酒田であるとか秋田であるとか、そういうところに入れて、そこから陸送で来て、そのほうが早く物が入って間に合うと、こういうことだったんですね。したがって、まさに宮古港という部分が、今、物流が完全に冷え切っているという状況にある中で、ある海運業者が、多目的クレーンが欲しいと要望されたと。クレーンがあれば荷物の積み下ろしがしやすいということで、平成18年度に2億7、000万円の多目的クレーンの予算を張りつけてもらいましたが、宮古市は要らないと言って断りました。そして、そのときには釜石港の組合かなんかは、1億5、000万円ぐらいで自前で買っているんですよ。せっかく予算がついたのを返すと、これもまたもったいない。
 そういう中で、また今度、ことしの県に対する要望に、またクレーンを上げようなんて言うから、それはやめてくれ、ちょっと格好悪いと。前回断った部分をもうちょっと埋め合わせてからじゃないとだめだと、こういうことを言ってきたんですが、そういう中で、実は宮古には意外と皆さんが気がついていない、いい点があると思っています。それは、県立宮古水産高校でありますし、あとは国立の海洋技術短期大学校、それから女遊部の国の栽培漁業センター、そういったものがありますし、豊間根の十二神山にはレーダーサイトがあります。そして仙台と大湊の中間がちょうど宮古で、そういったものも考えてですね、新しい展開を、そして旧田老のグリーンピアは11万坪、まだ残っております。世界の食料が足りないという中で、そういうものを活用した新しい宮古港の活用があってもいいと思うんです。
 それからもう一つ、重ねて伺います。
〇三浦陽子委員長 伊藤勢至委員に申し上げます。この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇伊藤勢至委員(続) はい。じっくりやるために最後まで待ったんです。斉藤委員の後にやっているんです。30分以内で終わります。
 それでですね……(発言する者あり)何ですか。(「決算特別委員会で何をふざけた話を聞いてんのや」と呼ぶ者あり)だから、起承転結をしゃべってから質問しているんじゃないですか。何言っているんですか、あなた。(「短く質問しろと言っているんじゃないか」と呼ぶものあり)だから、起承転結があると言っているんでしょう。(「ふざけんじゃないよ。何言ってんだよ」と呼ぶ者あり)何言ってんだとは何言ってんだ。
〇三浦陽子委員長 御静粛にお願いいたします。
〇伊藤勢至委員(続) あんたの質問するときだって黙って聞いてんだから、おれだって。(「まだ13分しかたってない」と呼ぶ者あり)(「何言ってんだよ、あんた」と呼ぶ者あり)(「まだ13分しかたってない」と呼ぶ者あり)何を言っているんですか。
 さて、まずまず。(「委員長、議事進行だよ、これじゃ」と呼ぶ者あり)何を言ってんだ。
〇三浦陽子委員長 御静粛にお願いいたします。
〇伊藤勢至委員(続) やりましょうね、ちゃんとね。(発言する者あり)あのね、質問をするってね、機関銃みたいにばらばらやったっていい答えが出ないんですよ。起承転結、だからこうでしょうね、ああでしょうねと、こういう質問のやり方があったって悪くはないと思うんですよ。
 したがって、宮古に大事な点が欠けている。それは、四つの重要港湾の中でただ一つ、宮古にだけ湾口防波堤がないんです。つまり、宮古の海は太平洋に向かって戸が開いた状況なんですね。(「何言ってんだよ」と呼ぶ者あり)あのね、聞いてくださいよ、北上のことも聞いてやっから、私も。(「ふざけるんじゃないよ」と呼ぶ者あり)何を言っているんですか。
〇三浦陽子委員長 御静粛にお願いいたします。
〇伊藤勢至委員(続) そういう中で、実は旧運輸省のトップクラス、あるいはお金を持っている課長さんたちにお会いをしたとき、宮古港はかつて安全のために湾内堤防かさ上げを選びました。完成をしましたが、今から湾口防波堤を欲しいと、こういうことはいかがなものでしょうと聞いたら、安全防災対策上は理論はかなうと、こういうことを言ってもらいました。したがいまして、最初の35年のチリ地震以来今まで、宮古湾内は数回、養殖施設が全滅する津波を受けています。その間にも、低気圧の被害を受けている。だから、漁民の人たちも、このごろは湾口防があってもいいなと、そうなってきています。したがいまして、宮古の重要港湾、宮古のただ一つ欠けているもの、湾口防波堤をやろうという指導を宮古市にしてもいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇野中港湾課総括課長 宮古地域の住民の安全・安心を確保するためには、現在進めている防潮堤の整備を推進すると。一方で、港湾の果たすべき役割をしっかりと担っていく必要があると考えておりまして、まずは、現在進めている竜神崎防波堤の延長をまず第一に進めていきたいと考えております。
〇三浦陽子委員長 ほかに質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
 県土整備部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、お諮りいたします。当委員会に付託されました決算15件につきまして、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇三浦陽子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため、暫時休憩いたします。
   午後4時13分 休 憩
午後7時48分 再開
〇三浦陽子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 当委員会に付託されました決算15件について、各会派の代表の方々で協議した結果を御報告申し上げます。
 認定第1号平成21年度岩手県立病院等事業会計決算については、次の意見、すなわち、医療を取り巻く環境が一層厳しさを増す状況にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
 平成21年度の経営収支は、恒常的な医師不足による診療体制の弱体化等に伴い、入院、外来患者数がともに減少している中で、入院基本料の上位施設基準取得等により医業収益が増加した。また、給与改定等により給与費が大幅に減少したこと等から事業費用は減少し、この結果、当期の純損失は前年度に比べ7億8、000万円余減少し、収支改善の兆候は見られるものの21億円余の純損失が生じ、当年度末の累積欠損金は189億円余となっている。
 このような中、各病院等では、医師の確保はもとより、県立病院間の診療応援や臨床研修の充実、さらには医師の勤務環境の改善等にも取り組んでいるが、今後も医師の絶対数の不足や医療資源の地域別、診療科別の偏在等が続くものと見込まれ、厳しい経営環境に置かれることが予測される。
 今後の経営に当たっては、引き続き、国に対し、公立病院等の運営や勤務医に配慮した診療報酬の改定や財政措置の強化、医師等人材の確保、育成支援、さらには就業環境整備の支援等を積極的に要請するほか、県民の十分な理解と協力のもと市町村との連携を着実に推進しながら、医師確保や医療資源の有効活用と累積欠損金の解消に向けたさらなる経営改善や、地域医療の中核としての県立病院改革への取り組みをより一層進め、安定した経営基盤の確立と良質で効率的な医療提供体制の構築を図り、もって、県民に信頼される医療サービスの充実、向上に努められたい。
 なお、無床化された地域診療センターについては、地元市町村や民間の力を借りた入院ベッドの復活等、空きスペースの活用方策が進められているが、これまでの経緯にかんがみ、県として、引き続き当該地域の医療の充実に特段の努力と支援を図られたいとの意見を付し、認定することとし、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第15号までは認定することといたした次第であります。
 また、認定第4号については、各会派の代表の協議では意見をまとめることはできないと判断されたため、委員会において採決を行うとの結論に至りました。
 これより採決いたします。
 お諮りします。認定第4号平成21年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、次の意見、すなわち、1、決算に対する全般的な意見。
 平成21年度における本県財政は、国の経済危機対策等により国庫支出金が前年度を上回ったほか、地方交付税と臨時財政対策債の合計額が6年ぶりに前年度を上回ったが、世界的な景気後退の影響を受け県税が大幅に減少したこと等から、政策評価結果等に基づく選択と集中により、施策の重点化、効率化を図ったものの、依然として非常に厳しい運営を迫られたものとなった。
 また、当年度末の普通会計における県債現在高は、前年度末に比べ264億円余増加し1兆5、072億円余と過去最高額となり、経常収支比率及び公債費比率も前年度を上回るなど、本県財政の硬直化は一層進行している。
 今後も、長引く景気後退によって税収の伸びが期待できないなど、歳入確保の見通しが厳しい中、主要3基金の残高が依然として低位に推移し、公債費も高い水準で推移することから、本県の行財政を取り巻く環境は極めて危機的な状況にある。
 今後の行財政運営に当たっては、引き続き地方税財政制度の改革を国に強く働きかけるとともに、年々増加する収入未済額の解消を図るなど、あらゆる角度から歳入確保に全力を傾けるとともに、県民視点に立った徹底した歳出の見直しを行うなど、安定した財政基盤の構築に努められたい。
 また、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けて、雇用対策や地域経済の活性化、地域医療の確保等、本県が直面する課題の克服に積極的に取り組み、計画に盛り込まれたさまざまな施策の着実な推進に努める必要がある。
 平成23年度予算編成に当たっては、以上のことを踏まえ、適切に取り組まれたい。
 2、いわて森のトレー事案に関する意見。
 いわて森のトレー生産協同組合をめぐる問題に関し、今般、訴訟において組合の請求が棄却され、組合が控訴を断念したことに伴い敗訴が確定したことは極めて遺憾である。今後の対応については、未回収債権の取り扱い等多くの問題点があることから、引き続き検証を継続するとともに、これまでの一連の経緯及び行政側の責任の所在に加え、債権の回収に全力を挙げることについて、県民に対する説明責任を十分に果たすことを強く求める。
 また、職員一人一人は、今回の結果を重く受けとめ、今回の事態の教訓を今後に生かし、厳正かつ適切な業務運営に万全を期されたい。
 さらに、今回明らかとなった現行の補助金制度の課題やその改善について国に対し強く働きかけられたいとの意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇三浦陽子委員長 可否同数であります。よって、委員会条例第14条第1項の規定により、委員長において認定することの可否を決定いたします。
 認定第4号については、委員長は可とすることと決定いたします。よって、認定第4号は、ただいまの意見を付し、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第1号については、先の意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇三浦陽子委員長 起立多数であります。よって、認定第1号については、先の意見を付し、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第3号及び認定第15号の2件について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇三浦陽子委員長 起立多数であります。よって、認定第3号及び認定第15号の2件については、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第2号及び認定第5号から認定第14号までの11件について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇三浦陽子委員長 起立全員であります。よって、認定第2号及び認定第5号から認定第14号までの11件については、認定することに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対し深く感謝を申し上げます。
 これをもって決算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
   午後8時2分 閉 会

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