平成22年6月定例会 第16回岩手県議会定例会 会議録

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〇48番(小野寺好君) 公明党の小野寺好であります。
 議案第11号岩手県食の安全安心推進条例について伺います。
 安全でおいしい食品はだれもが求めるもので、県も条例を制定し、積極的にこれにかかわろうとする姿勢は高く評価したいと思います。その上でお伺いいたします。
 1、食にかかわる大きな事件、事故が、近年、県内で発生したわけではないと思いますが、この時期にこの条例案を出した理由を伺います。
 2、これまでの岩手県食の安全安心委員会の果たしてきた役割、成果はいかがであったか、新しい条例案の委員会はこれまでのものとどう違うか、伺います。
 3、どなたも経験していると思うんですけれども、スーパーの食品売り場、ここには原材料の産地が不明で、どこで、だれが製造したものかわからず、販売者のみが記載されているもの、また、原産国のみ表示され、どこで、だれが製造したのか不明で、輸入業者のみ表示されているものなどが見られます。これらは各種法律の規制をクリアして店頭に並んでいるものと思いますが、この条例案は、こうした状況に変化をもたらすものかどうか、上位規範である法律との関係を伺います。
〇環境生活部長(松川求君) 岩手県食の安全安心推進条例についてでございます。
 まず、条例案の提案理由についてでございますが、平成19年以降、全国的に食品の偽装表示等の事案が相次いでおりまして、そういった中で、県民からのアンケート調査でも、食品に不安を感じている方の割合が60%を超えるなど、県民の食の安全・安心の確保に対する要請が高まっております。このような状況を踏まえ、食品の安全性と食品等に対する県民の信頼を確保するという県の方針を条例として示し、食品関連事業者、県民及び行政の3者がそれぞれの役割を果たしつつ、相互に連携、協力しながら食の安全・安心の確保を総合的に進めるため、この条例を制定しようとするものでございます。
 岩手県食の安全安心委員会の果たしてきた役割、成果についてでございますけれども、この委員会は知事の附属機関として食の安全・安心の確保に関する施策等について審議、評価する機関として平成15年3月に設置され、平成15年度の岩手県食の安全・安心に関する基本方針の答申や、岩手県食の安全・安心アクションプランの策定に向けた提言、プランに掲げる施策の毎年度の評価を通じて、専門的な見地から食の安全・安心の推進に貢献していただいております。
 今回の条例におきましても、引き続き委員会の設置の規定を第3章に盛り込んでおりまして、今後、条例に基づく基本計画の策定等、食の安全・安心確保のための施策の調査審議、評価を所掌としているところでございます。
 次に、上位規範である法律との関係についてでございますが、食品表示に関する法律といたしましては食品衛生法やJAS法などがあり、食品衛生法では、原則として、製造者、輸入者または加工者の住所、氏名を必ず記載しなければならないこととなっておりますが、例外的な規定として、販売者氏名、住所にあらかじめ国に届け出た製造所固有の記号を併記して表示することができることとなっております。条例案では、食品表示の基準に関する規定は設けておりませんので、現在のこうした表示の方法に変化をもたらすものではございませんが、食の安全・安心の確保を図っていく上で重要な分野であり、食品の表示に関する普及啓発などについて規定しているところでございます。
〇48番(小野寺好君) 専門家しかわからないような記号というのはいかがなものかなと、そういった疑問があります。
 そこでちょっと踏み込んでお聞きしたいと思うんですけれども、条例をちょっと変えて、県内の食品製造業者あるいは食品加工業者、こういった方たちの名称とか住所、電話番号とかを条例で記載するように義務化することはできないものなんでしょうか。法律で禁止されていることを県条例で緩めるということはあり得ないことなんですけれども、こうした製造者、加工業者を明示すれば、非常に県内の信頼度が高まっていいんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
〇環境生活部長(松川求君) この条例でこの業者の方々、加工業者の方々、製造業者の方々をどういった形でリストにして公表するかということはいろいろあろうかと思います。例えば、食品衛生法上私ども公表する場合には、食品衛生法上に抵触する商品が出てそれの回収命令を出すとか、そういった場合には名称を出しまして公表するということがあるわけでございますけれども、そういった取り扱いが今までなされてきておりますので、例えば業者の方々を単にリストにして出すということがそういった風評被害に結びつく可能性もあるものでございますから、そのリストのつくり方については、その必要性をよく考えて取り組んでまいりたいと思います。
〇議長(佐々木一榮君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第20号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第16回県議会定例会 平成22年6月30日)
総務委員会
1 議案第1号
2 議案第2号
3 議案第3号
4 議案第4号
5 議案第5号
6 議案第6号
7 議案第7号
8 議案第9号
9 議案第13号
10 議案第14号
11 議案第15号
12 議案第16号
13 議案第19号
環境福祉委員会
1 議案第8号
2 議案第10号
3 議案第11号
4 議案第12号
5 議案第18号
商工文教委員会
1 議案第20号
県土整備委員会
1 議案第17号
〇議長(佐々木一榮君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時36分 散 会

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