平成17年9月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇22番(樋下正信君) 自由民主クラブの樋下正信でございます。順次質問をさせていただきますので、よろしくお願いします。
 まず、建設業の振興対策についてお聞きいたします。
 本県における公共事業は、平成4年度からの国の景気浮揚対策に呼応し増加傾向を示していましたが、平成10年をピークに年々減少してきています。こうした中、40の政策を推進するための行財政構造改革プログラムで、公共事業費を平成15年度と平成16年度の2年間で30%削減し、さらに、平成17年度当初予算においては前年度対比マイナス4.6%となるなど、県内建設業にとっては極めて深刻な状況と受けとめています。このような公共事業の予算削減が進む中で、県営建設工事の発注状況はどのように推移してきたのか、過去10年間の状況をお示しください。
 また、建設業を取り巻くこのような状況は、これまで公共事業に期待してきた県内建設業にとってまことに厳しい事態であるだけでなく、地域経済や雇用の面においても深刻な影響を与えるものと受けとめているところであり、今後のさらなる公共事業費の削減が、建設業からの労働移動や倒産の増加につながることが懸念されるところであります。こうした中で建設業者が他の産業分野へ進出するケースも見受けられますが、そうした分野においても厳しい競争環境にあるものと推測されるところであり、そのため県は建設業者がさまざまな経営体質の強化に取り組めるよう、岩手県建設業協会がみずから設置した経営支援センターに対する支援を行っているものと聞いております。
 そこでお聞きしますが、県内建設業者が取り組む新分野・新事業進出など他分野産業へのシフトなどの状況がどのようになっているのか、お示しください。また、今後、公共事業の増加が見込めない中で、県内建設業の振興対策について、県としてどのように考えているのか、お聞きいたします。
 次に、木賊川の洪水対策についてお聞きします。
 近年、大規模な災害が世界各国で発生しています。先月も、ジャズの都として名高いアメリカ・ニューオーリンズではハリケーン・カトリーナが、日本においても台風14号が北九州地方を中心に大きなつめ跡を残したところであります。本県においても、平成11年の軽米町での大雨による洪水災害や、平成14年には東山町で洪水災害、釜石市においては土砂災害により2名のとうとい命が失われております。また、ことしに入ってからは沢内村で記録的な大雪が降り、田畑の雪解けがおくれて農作業に大きな影響が生じたところであります。県においても、除雪や排雪など農家の方々に協力されたことに感謝申し上げるところです。さらに、去る8月15日には盛岡市周辺の局地的な大雨により市内各所に浸水被害をもたらし、特にも木賊川沿川のみたけ地区から上堂地区において、家屋等の浸水被害や河岸決壊等が発生したところです。
 そこでお聞きしますが、県として、木賊川の洪水対策としての早急な取り組みが必要と思われますが、その取り組み状況についてお示し願います。
 次に、盛岡市中央卸売市場の運営についてお聞きします。
 盛岡市中央卸売市場は、従来の市場になかった小売支援機能、安全・安心な生活食料品供給、地域や市民に開かれた卸売市場を目指し、平成13年5月に新市場の業務を開始しました。盛岡市羽場に新市場が移転して4年になりますが、これまでは旧市場の使用料を考慮して減免措置が行われております。この減免措置がなくなると、卸売業者や仲卸売業者は大変なやりくりを強いられ、経営を圧迫する要因にもなり、市場運営に悪影響を及ぼすことを懸念するものであります。
 そこでお聞きしますが、県は盛岡市中央卸売市場の運営についてどのような認識を持ち、盛岡市に対してどのような指導をしているのか、お示しください。
 次に、遊休農地の活用方策についてお聞きします。
 近年、人口の減少、少子・高齢化が進んでおり、これに伴い、私の母校であります盛岡市立太田小学校でも最盛期には500人から600人の児童が在籍しておりましたが、現在は1クラス10人前後で、全校生徒は100人強となっております。そこで、学校の存続が危ぶまれる状況であります。このことは、農業振興地域整備計画、いわゆる農振法の農用地区域内にある土地は一定の要件を満たさないと住宅等が建設できないというような現状にも、その原因の一端があるのではないかと思うところであります。
 一方で、農用地区域内にも農地として使われることなく遊休化している農地が散見されるところであります。こうした遊休農地あるいは農用地区域内にあっても、一団の農地から離れているなど農地として利用価値の低い農地の農地以外への活用方策など、将来の地域振興を見据えた有効な土地利用に関し、地元住民または自治会等の意見を聞くなどの取り組みが必要と考えますが、県では、このような取り組みを把握している事例がありましたらお示しください。また、県では市町村に対しどのような指導をしているのか、お聞きします。
 次に、第2クリーンセンター設置についてお聞きします。
 江刺市にある公共関与の産業廃棄物処理施設いわてクリーンセンターは、県内企業の産業廃棄物の処理需要にこたえる施設として順調に稼働し、県内の産業活動の基盤を支えております。さらに、産業廃棄物の自県内処理を一層推進するため、県では初のPFI事業により、県北の九戸村に第2の公共関与による産業廃棄物処理施設である第2クリーンセンターを設置する方針を定め、その整備に向けた取り組みを進めていると聞いております。このような状況を踏まえ、第2クリーンセンターの早期の完成が望まれますが、進捗状況はどのようになっているのか、お示しください。また、第2クリーンセンターの事業内容についてもお示しください。
 次に、害鳥駆除についてお聞きします。
 毎年、県内において、シカ、カモシカ、クマなどによる人や農林業への被害が報じられていますが、特に近年はカラスによる果樹や野菜などの農作物が食べられる農業被害や、私たちが出したごみをカラスがあさり、至るところでごみや残飯が散乱しているとか、ねぐらでの騒音などの環境被害の話をよく耳にします。県は、このようなカラスによる被害の状況をどう把握しているでしょうか。また、県としてカラスによる被害に対してどのような対策を講じているのか、お示しください。
 また、9月13日の新聞には、カラス被害が深刻だった韓国・ソウルでは、強精効果があるとしてカラス料理が一大ブームとなり、被害が激減したという記事が掲載されています。本県でも食用の目的でカラスを捕獲することができるのか、お聞きします。
 次に、健康づくりについてお聞きします。
 心身の健康は、県民一人一人の人生充実のための大きな柱であると考えます。近年は多様な運動やスポーツ種目があり、健康づくりのためにウオーキング、ジョギング、水泳、ゴルフ、ゲートボール、グラウンドゴルフ、登山、ダンス、エアロビクス等に多くの県民が親しみながら取り組んでいることをうれしく感じているものであります。
 一方、健康づくりには栄養、運動、休養をバランスよく取り入れていくことが重要とされていますが、平成16年2月に内閣府が行った体力・スポーツに関する世論調査によると、ふだん運動不足を感じている人は6割以上に上っているとのことであります。また、平成15年度の国民健康・栄養調査では、男性の肥満者が昭和58年度に比べ、いずれの年代においても増加しているとのことであります。私は、これらの調査結果を見ると、運動を中心とした健康づくりが今後ますます重要と考えます。
 本県においては、これまで、健康いわて21プランを中心として県民の健康づくりの取り組みを進めてきているものと認識していますが、今後、どのように取り組みを進めようとしているのか、お聞きします。
 また、東北、北陸、北海道においてもそうですが、とりわけ本県岩手においては、約半年ぐらいは残念ながら雪のため屋外での健康づくりが制限されます。私は、健康づくりのためには1スポーツ、1カ所オールシーズンで健康づくりができる施設があってもよいのではないかと思うのであります。例えば、ふれあいランド岩手に設置されているテニスコートを室内練習場として年間を通して健康づくりができるようにする考えはないのか、お聞きします。
 次に、少子化対策・子育て支援についてお聞きします。
 戦後、日本はGNP世界第2位まで成長し、コンビニやコインランドリーが普及し、便利で豊かな生活ができるようになり、結婚しなくても一人で生活ができる世の中に変わってきたと思いますが、反面、晩婚化が進み、少子化につながっていることも事実と思われます。私は、少子化対策・子育て支援を進めるに当たって重要なことは、小さい子供を育てる親が、子供をはぐくむ家族や地域のつながりを大切にし、子供と一緒に過ごす時間を確保しながら働いていける展望が持てるのはもちろんのこと、特にも若い時期でも経済面で子供を産み育てていく見通しが立てられることが重要であると思います。県は、これまで少子化対策・子育て支援対策として保育所の待機児童をゼロにするための保育所の整備拡充や、小児科・産科医療の体制整備などに取り組んでこられているようですが、現在、どのようなところまで支援されているのか、まずお聞きします。
 さきにも述べましたが、私は、若い時期でも経済面で子供を産み育てていく見通しが立てられるように、少子化対策・子育て支援をもっと積極的に行うべきと思います。例えば、子供に係る医療費は中学校までは無料にするなど思い切った政策が必要と思いますが、知事の考え方、今後の対応をお知らせください。
 次に、地方振興局の統合、見直しについてお聞きします。昨日も質問がありましたが、私からも質問させていただきます。
 昭和61年の地方振興局設置以来、それまでの縦割り行政から脱し、県の出先機関が一体となったいわゆる総合事務所として、市町村や県民と連携しながら地域の実情に応じた地域振興へ取り組んでこられたことに対し評価しているものであります。また、今日の地方を取り巻く情勢の大きな変動の中で、いち早く次代の要請を見通し、我が郷土岩手の一層の発展を図るべく、基礎自治体である市町村の果たすべき大きな役割を念頭に置きながら、県としての果たすべき役割を再構築するため、広域生活圏の見直し、地方振興局の統合再編に着手した点については一定の理解を示すものであります。しかしながら、市町村等への説明会で素案の提示が唐突と言われていると伝えられたように、県民、市町村等への十分な説明がなかったことは残念なことであります。この上は、より多くの説明機会を持ちながら、市町村を初め多くの県民の理解を得られるよう、今後、より一層努めていただきたいと願うものであります。
 去る9月20日に総合政策室の方から素案の3広域生活圏を4広域振興圏にくくり直し、それにあわせて将来の地方振興局の姿も現在の12振興局から4広域振興局にくくり直す旨の説明がありました。当日もさまざまな意見が出されたところですが、地方振興局の統合見直しについて、私は次のことをお聞きします。
 まず、ここ一、二年の間で構わないが、今回の本県の統合案のように総合事務所の数を減らして、より広域化を進めた、または進めようとしている県があると思うが、どう承知しているのか。また、統合再編を全県で一斉に実施するのではなく、段階的に実施した、または実施しようとしている県はあるのかどうか、まずお聞きします。
 次に、現在、県内に12ある地方振興局は今後どのような仕事をすることになるのか。また、局舎を存続させるのか、させないのか、知事にお聞きします。
 次に、岩手は四つの広域振興圏にくくるという案ですが、今までの守備範囲から大きく拡大されることになりますが、住民に対しての対応は十分に満たされるのか、知事の所見をお聞きします。
 次に、私の住んでいるところの盛岡地方振興局管内では、来年1月10日に盛岡市が玉山村と合併して人口30万2、000人の中核市を目指しております。中核市になったら新盛岡市に県からどんな仕事が行くことになるのか。それに伴い、県あるいは振興局の役割も変わってくるのではないかと考えられますが、どのようになるのか、知事にお聞きします。
 最後に、覚せい剤などを初めとする薬物事犯の実態等についてお聞きします。
 9月21日の新聞報道によりますと、元民主党衆議院議員とその私設秘書が覚せい剤を所持・使用した疑いで愛知県警察が3名を逮捕したとあります。私は地方の議員でありますが、同じ議員として、ついに政治の世界まで薬物の波が来てしまったのかという思いで、この報道に大きな衝撃を受けました。薬物乱用、よく聞くフレーズなのですが、しかし、私どもはその実態を余り理解できておりません。薬物乱用ダメ、ゼッタイであるとか、覚せい剤やめますか、人間やめますかといったキャンペーン標語等には記憶はあるのですが、薬物という言葉をどうしても身近に感じることができません。この事件を受けて、私は、財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター、これは厚生労働省の委託を受けて運営している法人ですが、ここのホームページにアクセスしてみたのですが、その恐ろしさを改めて実感しました。薬物といっても、その種類は多岐にわたり、また、身体、精神に与える影響や中毒症状もそれぞれ異なるようですし、また、脱法ドラッグと呼ばれる数種類の薬品を化学合成してつくられる薬物もあり、アダルトショップ等で合法ドラッグとして販売されているのもあるそうです。これは海外ルートで暴力団が持ち込み、さまざまな経路をたどり、今や中学生、高校生にまで蔓延するような危機的状況にあるとされ、このような状況に対して、国では厚生労働省と警察庁がタイアップして、その乱用防止に取り組んでいるようです。
 そこでお聞きしますが、当県における薬物事犯の実態はどのような状況にあるのでしょうか。また、県はこのような薬物の乱用防止に向けどのような取り組みをされているのか、お示しください。
 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 樋下正信議員の御質問にお答え申し上げます。
 子育てについてのお尋ねでございますが、特に子育ての経済的支援についてお尋ねがございました。各種の調査によりますと、理想の子供数を持たない理由の1番目に、子育てや教育にお金がかかることというものが挙げられております。こうしたことを背景にいたしまして、幾つかの県におきましては経済的負担の軽減を主眼にした各種の子育て支援策を実施しているわけでございますが、多くは奨励的で効果も限定的なもの、このように聞いているところでございます。これは単独の自治体の財政力では経済的な支援というものには限界がございまして、その効果もおのずから限定的にならざるを得ないもの、このように考えております。こうした中にございまして、国では少子化対策の充実のために、社会保障給付の中で大きな比重を占めております高齢者の関係給付をこの際見直しをして、次世代育成支援の推進を図ることも検討課題とされている、このように聞いているわけでございますので、こうした国での動きを注視していきたいと考えております。
 それから、議員の方から子供の医療費の中学校までの無料化について御提案がございました。乳幼児医療費助成事業についてでございますが、これは昨年の10月から、従来の入院に加えまして新たに入院外につきましても就学前まで補助対象を拡大したところでございます。この改正は将来にわたって制度が持続可能なものとなるように見直しを行ったものでございまして、県としては、対象年齢のさらなる拡大や医療費の無料化は考えていないものでございます。
 今後の対応でございますが、県では、これまでの子育て支援策の検証や見直しを行いまして、本年の3月に、その結果をもとに新たないわて子どもプランというものを策定いたしました。内容は3つの視点で書かれておりまして、社会の視点では、家庭や子育てを社会全体で支えていく地域社会づくり、それから、親の視点からは、安心して子供を産み育てられる環境づくり、さらに子供の視点からは、子供が健やかに育っていける環境づくり、こういう3つの視点で内容を構成しているものでございます。当面はこのプランに基づいて、男性を含めた働き方の見直しによる子育てしやすい雇用環境の整備などを重点に、関係団体などと連携してこのプランの推進を図っていきたいと考えております。
 次に、地方振興局の統合についてのお尋ねでございます。
 まず、12地方振興局は今後どのような仕事をするのかということでございますが、それから、局舎活用の問題のお尋ねがございました。
 まず、県南の広域振興圏は平成18年度から広域振興局体制の移行を開始するわけでございますが、その中では、広域的な視点から産業振興や雇用対策、社会資本整備、環境保全、災害対策といったものに取り組みたい。とりわけ中でも産業振興の一層の強化に取り組みたいと考えています。沿岸・県北それから県央地域では、当面、現状の地方振興局を維持するわけですが、そこでは市町村合併や権限移譲による市町村の強化、このことが大事な仕事でございます。そのほか1次産業の高付加価値化や体験型観光の推進など、広域的な観点からの産業振興などに取り組んでいきたい。そして、現在の振興局の庁舎についてでありますが、これは今後もすべて使用していく考えでございます。そして、おおむね10年後には、原則として広域振興圏ごとに一つの広域振興局と、それから必要な行政センターを配置する、そういう予定でございますが、それらの配置を決定していく中で、庁舎の活用を検討していく考えでございます。
 それから、住民のサービス、対応は十分かどうかというお尋ねでございますが、県と市町村の役割分担を見直して新しい役割分担をつくり上げるわけですが、その中で、県が広域的、専門的なサービス、それから市町村は住民に身近なサービスを提供する、こういう二つに分かれるわけですが、両方が協力関係をさらに強化する必要は当然ございますし、それから公共サービスを提供するNPOとの協働などもさらに進めて、全体としてその質を高めていく考えでございます。
 また、県南広域振興圏では、県からの権限委譲の進展によって、市町村が住民に身近な行政サービスの大部分を担うようになるまでの間は、総合支局や行政センターを配置して、そしてサービス水準を維持する、こういう考え方に立っております。
 10年後は、原則として1広域圏1広域振興局体制を目指す、こういうことでございますが、必要な県の機能は行政センターとして配置をして住民サービスを確保する、こういう考え方に立っております。
 それから、盛岡市、中核市を目指しているわけですが、そこと地方振興局の関係についてのお尋ねでございます。
 盛岡市が中核市に移行することになりますと、保健所が設置されることによりまして、養育医療給付、育成医療給付、飲食店営業等の許可、診療所の開設許可が盛岡市に移行いたします。それから、福祉関係では、養護老人ホームの設置認可、身体障害者手帳の交付といったものがございます。都市計画では、開発行為の許可、宅地造成工事の許可、環境保全行政につきましては、ばい煙発生施設や一般粉じん発生施設の設置届け出、これは代表例でございますけれども、こうしたことで広範な事務が県から市の方に移管をすることとなります。
 こういうことになるわけですが、地方振興局の機能や役割ということについては、これは盛岡広域の中でほかに多くの市町村がまだ存在するわけで、他の市町村との関連で、その地方振興局の機能や役割は当面、大きな変更はないと考えております。
 それから、将来的には、中核市を中心とする市町村主体の広域行政の展開も想定をされますので、今後、盛岡市が中核市としてどの程度機能強化がなされていくのか、その状況を踏まえながら、改めて県央圏域での広域行政の体制について検討していきたい、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承お願いします。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕

〇総務部長(時澤忠君) 県営建設工事の発注状況の推移でございます。
 平成7年度から平成16年度までの普通会計でございますが、この発注状況を落札ベースで見てみますと、平成7年度の2、093億円をピークに減少傾向にありまして、過去3年間で申し上げますと、平成14年度1、461億円、平成15年度1、057億円、平成16年度が693億円となっておるものでございます。
 次に、地方振興局統合に関しまして他県の状況についてのお尋ねがございました。
 私どもの調査によりますと、最近、総合出先機関の広域化を進めましたのは、山形県や京都府、徳島県など7府県、今後計画をしておりますのは、北海道や秋田県など5道県と承知をいたしております。
 統合・再編の段階的実施状況についてでございます。
 徳島県で、ことしの4月から特定の地域をモデルに出先機関の広域化と再編をスタートさせまして、平成20年度までに全県での再編を完了するという計画があると承知をしているものでございます。
   〔県土整備部長橋本義春君登壇〕

〇県土整備部長(橋本義春君) 建設業の振興対策についてのお尋ねについてでありますが、まず他分野産業へのシフトの状況についてですが、県内建設業の新分野への進出の状況につきましては、各企業から相談を受け、経営支援センターがかかわった案件のうち、具体的に他分野への事業に着手したものは、ホウレンソウやイチゴ生産などの農業分野、また、プラスチックリサイクルなどの環境分野など、本年9月20日現在で19件となっております。
 次に、今後の県内建設業の振興対策についてですが、県としては、県内建設業の技術力を適正に評価し、入札参加機会の拡大を図るとともに、下請の選定に当たっては、県内企業を優先活用するよう請負契約の付記条項に明記し、受注機会の確保に努めているところでございます。
 また、新分野進出等に意欲的に取り組む企業に対しましては、経営支援センターと連携し、経営革新講座への参加促進やアドバイザー派遣など、それぞれの企業の状況に応じた支援に努めているところでございます。
 さらに、業界のこうした動きを活発化させる必要がありますことから、今年度から、新分野への進出等に意欲的に、また、先進的に取り組んでいる企業を表彰することにしております。
 また、各企業が独自に開発した新技術、新工法や新製品につきましては、その販路の拡大につなげるために、今年度、県営工事でモデル的に使用することといたしまして、先般募集を行いましたところ、16社から25件の応募がございまして、現在これらにつきまして審査をしているところでございます。
 今後もこうした新分野進出などの経営体質の強化に積極的に取り組む企業に対し、重点的に支援し、育成に努めてまいりたいと考えております。
 次に、木賊川の早急な洪水対策についてでございますけれども、本年8月15日の降雨量は、木賊川流域の近傍にあります国土交通省の四十四田ダム地点におきまして、1時間に50ミリ、3時間で97ミリを記録する非常に強い雨でございました。そのため、都市下水路や道路側溝などから水があふれますとともに、木賊川におきましても、みたけ地区では河川が満流となり、上堂地区では溢水するなど、家屋への浸水や河岸決壊等の被害を受けたところでございます。
 このため、県では木賊川に緊急対策として植生土のう――これは芝が生えてくる土のうでございますけれども――これによる堤防のかさ上げや、洪水の流下に影響を与えておりました取水堰の改善などを実施しまして、これにつきましては9月上旬に完了したところでございます。
 また、被害を受けた、みたけ地区及び上堂地区の9カ所につきましては、災害復旧を行うべく国への申請作業を進めているところでございます。
 あわせまして、抜本的治水対策であります木賊川の基幹河川改修事業につきましても、引き続き積極的に進めてまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長今泉敏朗君登壇〕

〇農林水産部長(今泉敏朗君) 盛岡市中央卸売市場の運営についてのお尋ねについてでありますが、盛岡市中央卸売市場は、近年の生鮮食料品流通の広域化、多様化などにより卸売市場の取扱量は減少傾向にあるなど、その経営環境は厳しいものがあります。
 このような中にありまして、昨年6月の卸売市場法の改正により、卸売市場流通におきましても、出荷者や実需者のニーズに即して、自由に買い付け集荷や相対取引などが可能となったところであります。例えば、中卸業者が農業の産地側に消費者情報を伝え、こだわり商品を開発し販売するというようなことができるようになったわけであります。したがいまして、県といたしましては、盛岡市中央卸売市場の卸売業者や中卸業者が法改正の趣旨を最大限に生かしまして、経営基盤の強化に取り組んでいただくことを期待しているところであります。
 なお、盛岡市に対する指導につきましては、卸売市場法により国が監督権限を有しており、県が直接指導する立場にはありませんが、盛岡市中央卸売市場運営協議会の委員として、必要に応じて助言をさせていただいているところであります。
 次に、遊休農地の活用方策についてであります。
 農振整備計画の農用地区域内の農地は、遊休化あるいは耕作放棄されているだけでは農用地区域から除外することができませんが、市町村が事業主体となって集団的な優良農地を確保しつつ、分散した遊休農地等を一団の土地としてまとめることによって、農用地区域から除外できる交換分合という制度がございます。これは、交換となる土地は農用地だけではなく、必要に応じて農用地と非農用地の交換、例えば、農用地区域から出たい人が所有している農用地と、農用地区域に入りたい人の所有している宅地の交換も可能というものでございます。
 全国的には、工業団地の創出や農業公園の建設などを目的とした交換分合、農業経営の規模拡大と分家住宅の建設を組み合わせた交換分合などの事例があり、地域の農業振興と農村活性化に利用されているところであります。本県では、交換分合計画を定めるためには権利者会議の議決など、地域の合意形成や土地の権利調整が煩雑なことなどから、この制度の活用が敬遠されていたものと承知しております。
 この制度は、優良農地の集積と遊休農地の有効活用に効果的な手法でありますことから、今後におきましては、市町村担当者を対象とする研修会や農振整備計画の見直し担当者会議などを通じて、その周知を図ってまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長千葉弘君登壇〕

〇環境生活部長(千葉弘君) まず、九戸村に設置することといたしております第2クリーンセンターの整備についてでありますが、いわゆるPFI法に基づき、民間資金を活用した新たな手法により進めることといたしてございます。7月から参加事業者を募集してまいりましたが、9月9日までに廃棄物処理のプラントメーカーなどで構成する二つの企業グループから企画提案への参加の表明がございました。
 今後、これらの企業グループからの企画提案書の提出を受けまして、学識経験者、地元住民及び自治体職員により構成する第2クリーンセンター(仮称)整備検討委員会におきまして審査し、来年2月には優先交渉権者を決定いたします。その後、選定した企業グループと企画提案に沿った具体的な事業計画や災害などを想定したリスク分担など詳細な詰めを行い、平成18年度早い時期に事業契約を締結し、平成21年度中に稼働するスケジュールで進めてまいりたいと考えてございます。
 また、第2クリーンセンターの事業内容についてでありますが、溶融機能を有する焼却施設、おおむね日量80トン程度を想定いたしておりますが、これを整備し、特別管理産業廃棄物の処理ができる施設を基本としております。発電、余熱利用などその他の事業の内容につきましては、事業者からの提案を待って決定することとなります。
 次に、カラスによる被害についてでありますが、まず農作物の被害でございますが、農林水産部が調査いたしております平成16年度、県内全体で豆類、水稲、果樹など2、152万円でございます。また、カラスによる騒音あるいはごみの散乱等環境被害につきましては、住民からの苦情等に対して市町村が主に対応いたしておりまして、県として集計したものはございませんが、被害の多い6市町村への聞き取りによりますと、1市町村当たり年間数件から10数件程度の苦情が寄せられているとのことでございます。
 被害対策でございますが、農業被害につきましては、農家などにおきまして自主的に防護ネットの設置、爆竹等による追い払いなどを実施しておりますが、なおかつ被害が絶えない場合には、鳥獣保護法に基づく有害捕獲を実施しております。この有害捕獲につきましては、カラス被害に迅速に対応するため、平成9年度からこの許可事務を市町村に移譲いたしておりまして、昨年度は県内全体で約1万4、000羽のカラスが捕獲されてございます。
 また、環境被害でございますが、平成13年度になりますが、例えばごみ対策として、ごみを減らす、あるいはとられない工夫をする、また、騒音対策として、カラスがいじめられたときに発する悲鳴の声、これを録音して流す、あるいは回転灯を設置するといった対策のマニュアルを市町村に配布し、市町村の取り組みを支援しております。
 また、食用目的での捕獲ができないかということについてでございますが、カラスといえども鳥獣保護法での保護の対象となるものであります。一方でカラスは狩猟鳥獣でございますので、狩猟期間中――11月15日から翌年2月15日まで――であれば、食用の目的でカラスを捕獲することは可能でございます。捕獲頭数といいますか、捕獲羽数の制限はございません。しかし、狩猟期間外におきまして、有害鳥獣捕獲による捕獲はできますが、食用を目的とした捕獲は認められないものでございます。
   〔保健福祉部長赤羽卓朗君登壇〕

〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 今後の健康づくりの取り組みについてでございますが、現在、国におきましては、国民健康づくり運動でございます健康日本21の中間評価に取り組んでおりまして、今後の健康づくり対策といたしまして、特に栄養、運動の分野を中心とした生活習慣病予防に重点化して取り組む方向が示されております。
 県におきましても、こうした国の取り組みと並行した評価を行っておりまして、現在、平成16年度県民生活習慣実態調査に基づき、健康いわて21プランの中間評価を行っておりまして、これまでの分析によりますと、一層の運動習慣の普及を図る必要性が明らかとなっているところでございます。
 こうしたことから、今後、国が生活習慣病予防対策として示す予定となっております個別具体策の動向を踏まえながら、運動習慣を含めた県民の総合的な健康づくりの支援策を検討してまいりたいと考えております。
 次に、健康づくりのためのテニス屋内練習場の整備についてでございますが、ふれあいランド岩手では、テニスコートや屋内プールのほか、体育館、陸上競技場などを備えまして、障害者、高齢者も含めた県民に、多種多様なスポーツに年間を通じて楽しんでいただいているところでございます。
 こうしたことから、現時点では、冬季においては既存の屋内施設を活用した多様なスポーツに取り組んでいただいているところでございまして、テニスコートを屋内練習場として整備することは予定していないところでございます。
 なお、テニスコートにつきましては、厳冬期である一時期を除きますと、条件が許す限り通年利用していただいているところでございます。
 次に、少子化対策・子育て支援についてでございますが、特に保育所待機児童についてでございますが、待機児童の解消策につきましては、これまでも待機児が発生している市町村に対しまして解消計画の提出を求め、これに基づく施設整備や定員の見直し、あるいは分園の設置などの取り組みを支援してきたところでございます。こうした取り組みによりまして、平成14年度からの3年間に1、568人の定員拡大を図ったところでございますが、本年7月現在でもなお8市町村で102人の保育所入所待機児が発生している状況にございます。
 県といたしましては、待機児童の解消に向け、引き続き既存保育所の定員見直しや保育所分園の設置を促進するとともに、平成18年度に予定されております幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ総合施設の導入などの新しい取り組みについても支援してまいりたいと考えております。
 次に、小児科医療体制についてでございますが、本県では、小児科医師が不足する中で、子育て中の保護者の不安解消や突発的な発熱等への対応など小児医療の充実が課題となっております。このため、県内のどこに居住していても必要な治療や相談を受けられる体制を確保するため、政策形成プロジェクトとして次のような事業を実施しているところでございます。
 まず、県内17病院を対象に、その病院の当直医等が画像通信機器を用いて小児科専門医の診断助言を受けられる小児救急医療遠隔支援システムを岩手医科大学を中心として運営しているところでございます。
 また、小児を抱える家族からの相談を午後7時から11時までの間に、小児科経験のある看護師が電話で受け付け助言する、こども医療電話相談を県医師会の協力を得て実施しているところでございます。
 さらに、他の医療圏から盛岡医療圏に小児救急患者を受け入れるため、空きベッドを確保する民間病院に対しその経費を補助しているところでございます。
 県としては、今後ともこうした事業の円滑な運営に努めてまいりたいと考えております。
 次に、産科医療体制の整備についてでございますが、安心・安全なお産の確保を図るため、平成12年度に岩手医科大学に整備いたしました総合周産期母子医療センターを中核とする、県内各医療機関との連携による周産期医療システムを構築いたしまして、重度妊娠中毒症などリスクに応じ、母体や新生児を適時的確に高次の医療機関に搬送するための体制を整備しているところでございます。
 地域によりましては産科の休止等により、地域住民に深刻な不安が広がっている中で、県としては、県医師会とともに本県における産科医療のあり方を検討しているところでございます。その内容といたしましては、産婦人科医と助産師の分担と連携の新たな仕組みとして、当面、モデル病院における助産師外来を導入することを検討しているところでございます。
 なお、将来における院内助産システムの導入についても視野に入れながら、段階的に検討してまいりたいと考えております。
   〔警察本部長山内正和君登壇〕

〇警察本部長(山内正和君) 薬物事犯の実態と薬物の乱用防止に向けた取り組みについてお答えいたします。
 初めに、薬物事犯の実態についてですが、本年8月末現在の覚せい剤事犯については、検挙件数は47件、前年対比で15件の増、検挙人員は30人、前年対比で6人の増と、いずれも前年を上回り、依然として厳しい情勢にあるところでございます。
 特徴としましては、検挙人員のほぼ半数を暴力団関係者が占め、依然として暴力団の深い関与が認められるほか、少年2名、前年対比で2名の増、女性7名、前年対比で3名の増を検挙しており、低年齢層や女性層への蔓延が懸念されるところでございます。
 そのほか大麻事犯についても、検挙件数が5件、前年対比で2件の増、検挙人員が2名、前年対比で1名の増と増加したほか、麻薬事犯では、全国的に極めて問題となっているMDMAなどの錠剤型合成麻薬事犯は、本年はまだ検挙はないものの、昨年は過去最高の押収量となるなど、本県への流入と拡散が懸念されるところでございます。
 次に、薬物乱用防止に向けた取り組みについてですが、覚せい剤常用者や末端乱用者の取り締まりにより乱用者の拡大防止と薬物供給源の遮断に努めるとともに、教育委員会、薬剤師会と連携した中・高生等に対する薬物乱用防止教室の開催、薬物対策用広報車かがやき号を活用した街頭広報などを推進しているほか、地域防犯団体などと共同し、覚せい剤乱用の恐ろしさを訴えるリーフレットを配布するなど、関係機関、団体と連携して、薬物乱用防止に向けた機運の情勢に努めているところでございます。

〇22番(樋下正信君) 御答弁大変ありがとうございます。2点ほど再質問したいと思いますけれども、1点目は県土整備部長の橋本部長にお聞きしたいんですけれども、先ほどの木賊川の件でございますけれども、昨日も柳村岩見議員の方からも質問があったわけでございますけれども、あそこの木賊川は毎年のように少し雨が降ればはんらんするというような河川でございまして、現在、上流の方に遊水地等の計画もあるということでございます。私は、その木賊川もそのとおり、断面をできれば大きくすれば一番いいのかなとは思っているんですけれども、密集地なり国道4号バイパス、東北本線、東北新幹線も通過しながらという河川ということで、なかなか大変だということも承知しております。ただ、木賊川の周辺の河川の整備、これによって幾らかでも、諸葛川に分水するということも計画しているんですけれども、また別な川に対しての分水といいますか、分散といいますか、そういうふうな計画があるのかないのか、1点お聞きしたいと思います。
 それから、農林水産部長にお聞きしたいんですけれども、先ほどの農振地域の件でございますけれども、私、各市町村で地元の方々とか地元のそういういろんな団体とか、お話をした経緯があるかないかということもちょっとお聞きしておったんですけれども、答弁がなかったように思いますけれども、その辺、事例があるのかないのか。県内でも県外でもいいんですけれども、そういうふうな地域の方々と一緒に入ってそこのところについての議論があったのかないのか。でなければ、進めていくというような先ほどの答弁ですけれども、その辺をお聞きしたいと思います。

〇県土整備部長(橋本義春君) 木賊川の諸葛川への分水のほかに分水できる河川がないのか、あるいはそういう考えはないかというお尋ねでございますけれども、木賊川そのものはもともとは用水路でございまして、御案内のとおり天井川になっていますし、また、そこからとった取水によって、近隣が当時農地であったことから使われているものでございまして、その農地は今、宅地化してございます。したがいまして、その木賊川から分水しますと宅地の方へ流れてきているような嫌いもありますので、現在考えられますのは、既に整備が一応の完了を見ています諸葛川が最適であるということと、上流部にありますので上流に抜くことが一番下流に対しての負荷がかからないということでございます。そういうことから現段階では諸葛川に抜く以外のバイパスについては考えていないところでございます。

〇農林水産部長(今泉敏朗君) 交換分合の件についてでありますが、私どもが承知しているのは、県内ではまだこの事例はございません。全国的に見ても、私どもで今調査した段階では6件程度ということで極めて件数が低いです。と言いますのは、先ほど御答弁申し上げましたように、交換分合計画を樹立するわけでありますが、そのときに権利者会議の議決を得なくてはいけないとか、あるいは非農用地も含めて、交換分合計画を立てるときには、関係者のその同意を得なくてはいけないとか、非常に手続のところがどうしても煩雑だということが、多分県内ではこれまでこれを試みられなかった理由ではないかと考えておりますし、全国的に見ても事例が少ない理由なのではないかというふうに考えています。
 これをやるためにはどうするかというと、手続的には、これは土地改良法にも同じような交換分合という制度がございまして、土地改良法に基づく手続とほぼ同様というふうに定められております。したがいまして、地元の方でまずこういったことをやりたいということをやっぱり発意していただくということが先なのではないかというふうに考えています。先ほども答弁の中で御紹介いたしましたように、工業団地の創出に伴って交換分合を行ったケースとか、農業経営規模の拡大あるいは分家住宅の建設に伴う交換分合を行ったケースというのがございますけれども、これらはいずれもそういったことをやっていきたい、交換分合をやることによってそういった用地を生み出して、地域の振興を図っていきたいということが恐らく地元の方から上がって、それが市町村との協働となって実現したのではないかというふうに考えております。

〇議長(伊藤勢至君) 次に、千葉康一郎君。
   〔18番千葉康一郎君登壇〕(拍手)


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