平成21年2月定例会 第10回岩手県議会定例会 会議録

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〇24番(及川あつし君) ただいま無所属、及川あつしでございます。
 復帰後、2回目の機会であります。通告に従い、順次質問いたします。当局には、誠意ある御答弁をお願い申し上げます。また、議員諸兄には、大いに叱咤激励をお願い申し上げる次第でございます。
 初めに、知事演述についてでありますが、冒頭、昨年の2度の大地震に言及がありました。昨年来の被災者支援、復旧事業や風評被害対策などの一連の対応を了といたしますが、さらなる取り組みを、演述で示されたとおり、お願い申し上げる次第でございます。
 そこで、阿部議員に引き続き、風評被害について伺います。
 まず、風評被害についてですが、観光客の入り込み状況では、昨年7月から9月期は前年対比で約133万人減少、県内経済波及効果は約140億円の減少となっており、この点だけから見ても甚大な被害でありました。風評被害は、一面、避けられないところもございますが、風評被害を拡大させる要因を取り除くことも重要で、被害実態をリアルタイムで提供し続けることが大事であります。正確な情報提供についてはどのような取り組みをしてきたのか、まずは伺います。
 私のもとへある県民から、災害の命名に問題があるとの声が届きました。知事も演述で、岩手・宮城内陸地震と表現されましたが、この名称のイメージは、岩手県の内陸全体に起こった大規模な災害というものであり、災害実態とはかけ離れたもので、その結果、全県的な風評被害の拡大を招いたのであります。
 顕著な災害を起こした自然現象の命名については、気象庁本庁で決定し県として意見を申し上げる仕組みにはなっていないとのことでありますが、命名についての改善要望を風評被害の実態に照らして強く申し上げるべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
 次に、演述で触れられた不適切な事務処理、いわゆる不正経理についてであります。
 今般の知事演述では、県民の信頼を損なったことは極めて遺憾とだけ述べられ、知事責任について多くは触れられておりません。議案となっております特別職の給料の減額でも、責任の明確化とだけ提案理由にありますが、改めて、県民に対して、知事としてどのような責任があるのか明確に御説明いただきたいと存じます。
 関連して、次に伺うのは、県と市町村間の今後の対応についてであります。
 県内10市町村で発覚した不正経理は、不正額を独自調査で割り出しているものでありますが、返還額の算定等に混乱があると伺っております。その中には、県を経由して市町村に交付された国庫補助金や県単独補助事業等もあると伺っておりますが、今後、返還に際してどのような対応となるのでしょうか。調査で明らかになっている実態、今後の県の市町村への対応の具体についてお伺いいたします。
 次に、知事の政治姿勢について、政策決定過程の透明化、議会との合意形成、県民への説明責任、そして政治資金についてお伺いいたします
 知事は演述の終盤で、来年度内に新しい長期計画を取りまとめることとし、ぜひ、一緒に岩手の未来を考えてまいりましょうと呼びかけられました。また、結びで、議員の皆様の一層の御協力と県民の皆様の県政や地域づくりへの積極的な参加を心からお願い申し上げると演述を終わられました。
 その言葉を聞いて私は、知事が、本当に県民が一丸となることや県民の力を結集するよう県政を運営しているのだろうかと率直に感じたところであります。私たち議員に対する協力のお願いとは、知事の決定事項に唯々諾々と従うことを意味しているのではないかという思いもございます。
 ここ1年の知事の政策決定手法は、多くの議員が指摘しているように、病院、診療所の無床化問題や県営運動公園競技場の問題などの例に見られるように、初めに政策を一方的に決定し発表、政策決定過程や理由については後から次々に小出しに説明する。反対があると、合理的ではないなどと、反対意見を持つ者をいわばなじる。あげくの果てに、批判されると、批判の矛先を変え、聞き捨てならないなどと議場で述べる。
 私が知事にお願いいたしたいのは、度量を持って事に当たられたいということであります。多様化する県民ニーズにこたえることは並大抵のことではございません。意見集約を図ろうにも、結果として意見が割れることもままあるとは理解いたしております。一方で、時代の変化は時に速く、トップリーダーとしての即決も求められる、まことに御難儀なお立場であろうとは思います。
 しかし、達増知事の県政運営で時にかいま見られる、まことに幅の狭い政策決定手法には、違和感を覚えるものですし、今後にも不安を抱くものであります。万機公論に決すべしという姿勢をもう少しお持ちでもよろしいのではないでしょうか。
 そこで伺いますが、政策決定過程の透明性、県民や議会との合意形成のあり方、説明責任をどのように考えているのか、基本姿勢をまず伺います。
 特に、演述で言及された新しい長期計画策定でありますが、計画策定に当たってどのように合意形成を図るおつもりなのか、向こう10年の政策推進の骨格となるものであることから伺うものであります。
 次に、計画の枠組みでありますが、地方分権推進委員会で現在、国と地方のあり方について議論が交わされており、今後、都道府県の役割も大きく変容するものと思われます。
 また、長期計画の立て方について、以前、佐々木順一議員からも御提案がありましたが、急激に変化する時代において、果たして10年に及ぶ計画をつくる意義があるのか、私も疑義を感ずるものであります。再度、計画期間の考え方について御所見を伺います。
 次に、政治資金の問題についてお伺いいたします。
 昨日、知事が尊敬してやまない、政治的にも深い関係のある民主党小沢一郎代表の公設秘書、昨日、知事は会見で、立派で、改革の同志という表現をされておりましたが、残念ながら、政治資金規正法違反容疑で逮捕され、ただいま社会の耳目を集めているところでございます。
 真相は現段階で不明でありますが、報道によれば、本日、小沢一郎先生の水沢事務所、または民主党の第4区総支部、また岩手県の民主党の県連に家宅捜査が入ったとのことでありますが、まずは知事に、この事件に関して率直な所感をこの場においてお伺いいたしたいと存じます。
 また、昨日も質疑が一部ございましたけれども、知事御自身がこれまでかかわった政治資金についてでありますが、西松建設から献金などや、また事務所費などの政治資金で問題等がなかったかどうか、現在の御認識を改めてお示し願います。
 次に、盛岡市中央卸売市場について伺います。
 同市場は、開場以来、県内唯一の中央卸売市場として盛岡市内はもとより県内全域をカバーし、生鮮食料品の安定供給や地場産品の消費などの役割を果たしてまいりました。しかし、その現状は目を覆うばかりであり、取扱高の減少傾向は歯どめがきかない状況であります。青果部、水産部のピーク年と平成19年度の取り扱い金額を比べると、この15年余りで約190億円余の取り扱い額が減少いたしております。
 このような状況下、農林水産省は、平成16年6月に卸売市場法を改正。その大きな改正点に手数料の弾力化があり、本年4月から施行されますが、盛岡市は、昨年2月に市場活性化ビジョンを策定いたしました。この点については、昨年の予算特別委員会で高橋昌造委員からも質疑が一部交わされたところでありますが、その中で、地方卸売市場への考察という活性化ビジョンの章があり、地方卸売市場への転換についての検討は、委託手数料が弾力化される平成21年4月に大きな状況変化が予想されることから、JA全農の各県本部の動向、さらには他市場の状況も勘案しながら、時期を逸することなく進めることが重要であるとされております。
 また、時代の変化に即応し柔軟な対応が可能な市場形態を選択するため、地方卸売市場への転換も視野に入れ、積極的に場内協議を継続すると記載されております。全国でも、平成18年4月から地方卸売市場になった釧路市場や大分市場、函館市も本年4月から転換、室蘭市も平成21年度中の転換予定と伺っており、時代の趨勢も感ずるものであります。
 これまで本県農林水産部は、盛岡市中央卸売市場に対する指導は、卸売市場法により国の農林水産省が監督権限を有することから、県が直接指導する立場になく、県として盛岡市中央卸売市場運営協議会の委員として、必要に応じて助言をしてまいりたいとの姿勢であります。しかし、もはやその姿勢から大きく転換するべきときで、盛岡市の動向を注視しつつ、地方卸売市場への転換も含めた近い将来を見据えた具体的対応を検討すべきと存じます。
 そこで伺いますが、全国の中央卸売市場の地方卸売市場への転換の動向をどのようにとらえておるのでしょうか。
 また、盛岡市中央卸売市場に対する現状認識、今後の具体的対応についてお伺いいたします。
 2点目は、地場産品の販路拡大と中央卸売市場の活性化についてであります。
 来年度予算案には関連事業を盛り込んでおりますが、私は、盛岡市中央卸売市場を県内各地に点在する農林水産加工物などの流通拠点として位置づけ、中央卸売市場が持っている全国レベルでの流通機能を生かしていく方策をさらに推進し、地方卸売市場の活性化もあわせて必要と考えますが、来年度事業との関連も含め御所見を伺います。
 次に、児童福祉と幼児教育並びに待機児童についてであります。
 待機児童は、さきに小野寺好議員の答弁等にあったとおり、昨今の経済不況の影響もあり、家計を支えるために仕事に出たい母親が急増していることも一因でありますが、この年度途中の入所希望児童の増加にいかに対応するかも重要な取り組みであると考えられます。私が調査したところ、盛岡市の2月末のゼロ歳児の待機児童は177人もおり、今、早急な対策が求められているところであります。
 私は、待機児童の解消や保育、幼児教育の充実については、認定こども園制度の普及も肝要と考えており、制度導入以来注視をしていたところであります。しかし、その普及は全国や本県でも進んでいないと聞いておりますが、本県と全国の認定こども園の状況をお示し願います。
 課題についてでありますが、このたび内閣府の認定こども園制度の在り方に関する検討会がまとめる認定こども園普及促進策の素案には、こども園を2011年度までに2、000カ所以上にふやす目標を掲げ、施設の認定基準の見直しを含めた二重行政の解消や財政支援の充実を盛り込んでおります。
 私がこれまで見聞してきた課題は、幼稚園は教育の場、保育園は親が働いている子供のための場という世間的な常識が変わらないこと、また、税務面、事務的な面での繁雑さなどがございます。現在では、幼稚園部分と保育園部分の会計を別々に計上しなければならず、認定こども園には二重の事務負担になっております。
 また、保護者の面からは、幼稚園の保護者は、平日の日中でも園に来て行事のお手伝いなどをすることができますが、保育園の保護者には無理、保護者の間からは、同じ園の保護者なのになぜ出る人と出ない人がいるのか、こういった不満が出ているようであります。同じ年齢の子供を親の就労条件に関係なく一緒に保育するという一見理想的な制度も、まだまだ改善の余地があると存じます。
 そこで伺いますが、県として制度導入以来の課題をどのようにとらえ、また、今後どのように認定こども園を普及していくのか、児童福祉担当課との連携も含めお示しください。
 次に、教育委員長演述について伺います。今次は、情報モラルに関する指導と国体、県営運動公園についてお伺いいたします。
 まず、情報モラルに関する指導でありますが、演述でその取り組み姿勢が示されたところであります。
 法貴教育長は昨年12月19日、記者会見で携帯電話について、すべて原則禁止ということも第一かもしれませんが、文明の利器なので、あるものを使うなと言っても難しいと思いますので、ルールをしっかり決めて、適正な使用、あるいは保護者たちの子供に対する与え方というものをみんなで話し合っていければいいと述べてまいりました。
 しかし、文部科学省は本年1月30日、小・中学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止することを各都道府県教育委員会に通知いたしました。これを受け、本県教育委員会は、報道にあったように、3月1日に原則禁止の通知を出されたとのことでありますが、原則禁止通知を出すに至った経過をお尋ねいたします。
 教育長の昨年の記者会見の発言は何だったんでしょうか。国が決めたからやむなく市町村に通知したとしか理解できませんが、私は、他県の事例にあるように、事態を深刻にとらえ、文部科学省通知に先立って対応すべきだったと思いますが、記者会見発言と通知の真意及び経緯について明確にお示し願います。
 次に、指導についてでありますが、文部科学省は2月25日、小・中・高生の携帯電話に関する初の利用実態調査結果を発表いたしました。その内容はまことに驚くべき実態で、中学2年の約2割が1日に50回以上メールの送受信を行っており、100通以上やりとりする小学生もおるそうです。入浴中や食事中も携帯電話を放せない子供もおり、子供の携帯依存が進んでいることも改めて浮き彫りになりました。
 一方で、児童売春に悪用されているというプロフという自己紹介サイトについて、約7割の保護者がよく理解しておらず、悪質サイトの閲覧を制限するフィルタリング機能も、保護者の半数以上が理解しておりませんでした。
 私は、この問題は、まず親が実態を知り、危険性などをみずからが認識し、子供に説明して、子供が携帯を使う様子に気を配ることが大切であると存じます。また、携帯を持つ前の低学年から指導に力を入れるべきとも思います。しかし、小学校においては、学校全体で計画的に携帯利用に関する教育に取り組んでいるのは、全国でたったの2割弱であるとのことであります。
 本県教育委員会は、どのようにこの問題を認識しているのでしょうか。まずは、本県のその実態について、県警察本部が実施したアンケート結果もありますが、小学生の実態や保護者の認識について早急に独自調査を実施し、深刻な事態に対する認識を深めるべきと存じます。
 調査の必要性に対する御認識と情報モラルに関する指導の充実、及び保護者への啓発活動の推進の具体の取り組み、特に低学年での指導についても伺います。
 また、私は昨年の予算特別委員会で、県警に対し、出会い系サイトなどが介在する犯罪について、被害防止にかかわる県警察と県教委との連携の必要性も申し上げましたが、取り組み状況についてあわせてお伺いいたします。
 次に、2巡目岩手国体と県営運動公園陸上競技場に関して伺います。この件に関しては、これまで6名の議員の質疑を踏まえ、以下、各点について、知事並びに教育長に伺います。同僚諸兄の議員の皆様におかれましては、何とぞ要望趣旨を御理解くださり、特段の御協力を伏してお願い申し上げる次第でございます。不肖、私、及川あつしも、他地域の重要案件については、微力ながら御協力をこの場においてお約束申し上げる次第でございます。
 まず、国体の開・閉式、陸上競技会場の決定についてでありますが、できるだけ早期に決定することが、準備期間の関係から望ましいとの答弁がありました。準備委員会等では平成22年度までにとされておりましたが、私は、まだ議論の時間もあると認識しております。議論の余地の時間的有無と期限についてお伺いいたします。
 県営陸上競技場の整備については、1種施設の維持をしない理由として、平成15年のアンケート調査結果を上げました。しかし、一方で、樋下議員のパブリックコメント等による県民意見の募集の提言に対しては、客観的、専門的な観点から最も適した場所を選定するとされましたが、それは明らかな論理矛盾であります。県民意識が明らかに変わっており、5年も前のアンケートに頼るのは問題があります。再度アンケート調査やパブリックコメントを行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 多目的屋内練習施設の整備については、競技団体から熱望されていたとしておりますが、みたけの県営運動公園施設内との要望はなかったと私は記憶しております。計画内容は、規模、内容、場所などから見て、要望とは似て非なるものではないかと聞いております。要望内容と計画の関係についてお示し願います。
 全国大会規模の利用実績に関しては、要望では、Jリーグサッカー、ラグビーフットボール等の国際大会を開催できる総合施設として整備されたいとございます。しかし、教育委員会は、過去40年余りで3回しか全国規模大会がないとする根拠は要望趣旨とは違わないのか、見解を求めます。
 地元市町村長の要望に対する回答についてでありますが、平成20年9月1日、盛岡広域8市町村長は、知事に正式な要望書を提出しております。しかし、その後は十分な協議と説明のないまま、2月3日に盛岡市副市長に対して、説明ではなく、一方的な方針の伝達が行われ、2月4日に報道にて計画が発覚、10日に正式に方針を表明と承知いたしております。
 盛岡広域8市町村長の要望を受け、なぜ他の市町村長には説明ないしは通告をせず、方針決定前に盛岡広域8市町村長と協議する手続を踏まなかったのでしょうか。地元の民意を代表する各首長の重要な政策要望に対し、要望を受けっ放しで何らの協議も説明もないまま重要な政策方針を一方的に決定し、公表するという手法は、到底受け入れられるものではございません。政策決定の方法として、無床化問題同様、落ち度があると思いますが、見解を求めます。
 また、政策決定に関しては、時に知事部局、時に教育委員会と、互いに責任の所在をすりかえて責任ある説明を回避してきたとの印象もあります。政策方針の決定と要望者への対応について、詳細なる経緯を御明示願います。
 次に、財源論については、大宮議員が一般質問で、盛岡市等が応分の費用負担する場合の方針について再質問で2度もただされました。しかし、答弁はかみ合わないままであります。
 方針決定の理由に、厳しい財政状況等を総合的に勘案したと何度も述べておりますが、盛岡市等の費用負担は、財政状況判断の前提が大きく変わるものであります。昨日は、20億円余りの費用負担をするとの本会議における盛岡市長の答弁もございました。盛岡市等から応分の費用負担する場合には、既定方針に対して再検討と協議の余地がないのかどうか、改めて伺います。
 財源論の2点目は、地元住民の熱意についてであります。
 2月23日開催された2巡目岩手国体の主会場を盛岡に誘致する会では、民間により目標1億円の募金運動が既に自発的に展開されていることが表明され、私も胸を打たれた思いであります。
 教育委員長は演述において、国体に関し、県民意識の高揚を図ると述べられておりましたが、私は、この募金運動は、まさに県民意識の高揚の象徴ではないかと思っております。かつてないこの運動に水を差すべきでないと強く思いますが、知事並びに教育委員長の募金運動に対する御所見と今後の方針の進め方に対しての影響について伺います。
 競技会場の決定については、施設状況、選手団の輸送、交通、宿泊等の観点から決定するともされておりますが、地元競技団体の意向はどのように位置づけられるのでしょうか。
 陸上競技については、岩手陸上競技協会は、盛岡市県営運動公園で陸上競技の開催を要望しておりますが、どのようにとらえているのか、御所見を伺います。
 貴重な土地を提供された地域住民への思いについてでありますが、樋下議員への答弁で、多目的屋内練習施設の整備を進め、運動公園のさらなる充実を図り思いにこたえるとしておりますが、土地提供者や寄附をした盛岡市も、これでは思いへの答えにならないと断言しております。改めて御所見を伺います。
 また、昭和40年3月に提出された土地の寄附に当たっての寄附条件には、寄附目的たる用途を廃止した場合は、寄附者に無償譲渡することとなっておりますが、現在の県の進め方は、寄附者の理解を得られず、寄附条件違反とも問われかねないと懸念するものでありますが、御認識をお示し願います。
 18年後の改修についてでありますが、できる限り現在の施設を維持、改修しながら有効に活用していきたいと答弁がありました。18年後まで現在の施設を維持、改修しながら有効活用するには、どの程度の費用を見込まれているのか、また、維持・改修で何年後まで現在の施設が耐え得るものなのか御明示ください。
 また、その中長期の維持、改修の費用も今回の方針決定に当たっての比較材料に加えたのかもお示し願います。
 いずれにせよ、知事の政策決定は、今後数十年先にわたり県民生活へ大きく影響を与えるものであります。特に、危機を希望に変えるとした達増県政の課題の軽重が問われるものであります。いかなる方針になろうとも、孫子の代まで通じる十分な理由を示すべきであります。
 例えを一つ申し上げます。現在の方針が貫かれたら、未来を担う子供たちは、私たち大人に必ず問うでありましょう。なぜJリーグの試合を岩手県で見られないんですか。サッカー全国大会で優勝した盛岡商業高校を輩出した我が岩手県。そこでJリーグに進むチームも育てられないし、ましてや試合も見ることができない。なぜですか、知事、お答えを願います。
 権威ある岩手県議会のこれまでの質疑では、私には到底説明ができません。私は、県民の熱意と英知を結集すれば、まさに危機を希望に変えることはできると確信しております。後世に対して耐え得る御答弁を切に切にお願い申し上げる次第でございます。
 最後に、警察行政について伺います。
 岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例の制定を契機に、警察と住民が一体となった防犯、交通安全活動が、県内各地で活発に展開されております。交番、駐在所のお巡りさんは、こうした活動の核であり、私たちの最も身近なところで平穏な生活を守っていただいているまことに心強い存在であります。
 実は、地元の方から、このようなことを言われました。長年交番のお巡りさんと連携して地区の防犯活動に取り組んできたが、犯罪が減少すると、交番のお巡りさんの数が減らされる。せっかく一生懸命やってきたのに、交番の体制が弱くなっては、また犯罪がふえるのではないかと不安になると伺いました。
 確かに、管内の犯罪件数の多寡が交番勤務員の配置数を決める上で大きな要素になるというのは理解できるのですが、まちでお巡りさんが姿を見せることそれ自体が、犯罪や交通事故の大きな抑止力となるわけであり、地区のお巡りさんが減らされることは、住民にとって大きな不安であると思います。
 交番・駐在所勤務員の配置の考え方について、改めてお伺いたします。
 今議会に警察官11人の増員を内容とする定数条例案が提案されておりますが、それでも本県の警察官1人当たりの人口負担率は、長野県に次いで全国2位と高く、適正配置には、県警本部長も大変御苦労されていると存じます。しかし、地域との協働を訴えるのであれば、地域の声、要望といったものを吸い上げ、住民に十分な説明をしてコミュニケーションを図っていくことも警察行政の根幹であると考えます。県下すべての交番、駐在所には、地域の意見、要望を協議検討する場として交番、駐在所連絡協議会が設置されており、私も地元で参加しておりますが、十分に機能しているのかどうか、運用実態についてもお知らせ願います。
 以上をもって私の一般質問を終わらせていただきますが、答弁によっては再質問させていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 及川あつし議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、災害の命名についてでありますが、現在、顕著な災害を起こした自然災害の名称については、気象庁において、一定の基準により命名しているところであります。御指摘のように、今回の地震の名称は、岩手県内陸部全域に被害が及んだようなイメージを与えた一因とも考えられますので、今後の災害の命名については、名称に付す地域を細分化するなど、全県的な風評被害が及ばないような命名のあり方について、国へ検討を申し入れたいと思います。
 次に、不適切な事務処理についてでありますが、このたびの不適切な事務処理は、県政に対する県民の皆様の信頼を損なうものであり、県政の最高責任者として大変申しわけなく感じており、今後、二度とこうした問題を起こさないよう再発防止を徹底してまいります。
 この問題の責任については、問題の発生を把握し、防止し、完全に解消するという管理監督の責任、管理監督の役割を果たすことができず、会計検査院の検査を受けて、初めて必要な対応を開始することになったという管理監督の不手際が管理者層の責任の本質であると認識しておりまして、知事は、管理監督者の中のトップに位置する者でありますことから、私に最も重い管理者責任があるものと考えております。この問題に関しては、私の給料の減額や必要な職員の処分、負担などの対応を行うこととしておりまして、再発防止策を徹底することとあわせ、県民の皆様の信頼回復に向けて、職員とともに全力を傾けてまいります。
 次に、政策決定過程等における私の基本姿勢についてでありますが、私は、地域で暮らす人々の豊かな生活を実現していくことが私に課せられた責務であるとの考えのもと、知事の仕事は知ることという姿勢で県内を回り、県民の皆様の声に耳を傾けながら、県民のために何ができるか、どうすれば課題が解決できるのかを考え、その時々でベストと考える政策判断を行ってまいりました。また、いわて希望創造プランに開かれた県庁の推進を掲げ、パブリックコメントの実施や県政情報の積極的公開などを通じて、政策決定過程の透明性、県民への説明責任の確保に努めてきたところであり、県議会に対しても、審議や議決に必要な説明や資料提供等を行ってきたものと考えております。今後においても、政策決定過程の透明性を確保するとともに、県民や議会に対する説明責任を果たし、県政への御理解と御協力をいただきながら、県民のための県政運営に一層努めていきたいと考えております。
 次に、新しい長期計画策定に当たっての合意形成についてでありますが、私は、この計画は県民一人一人が10年後どうありたいかを考え、それぞれの希望に向かって行動していく羅針盤としての性格を有する、いわば岩手県民計画というふうにしたいと考えております。こうした考え方に基づいて、現在、県内各地における県政懇談会を初め、希望王国いわて文化大使との意見交換会の開催や未来のいわて作文・論文コンクール、県民に対するアンケート調査の実施などを通じまして、仕事や暮らしの現場にいる方、岩手にゆかりのある方、次代を担う学生や若者などから幅広く御意見を伺っているところであります。こうした取り組みにより得られた県民一人一人の希望を束ねるとともに、計画案に対するパブリックコメントの実施や地域住民に対する説明会の開催などを通じて、一緒に岩手の未来を考えながら計画づくりを進めていく考えであります。また、議会に対しても中間段階から説明申し上げ、御理解をいただきながら策定していく考えであります。
 次に、長期計画の期間の考え方についてでありますが、グローバル化の進展など社会経済情勢が目まぐるしく変化し、先を見通しにくい時代でありますからこそ、本県の長期的な将来像を県民の皆様と共有し、その実現に向けて、ともに努力していくことが重要と考えます。また、短期間の計画では緊急的な課題への対応が中心になりがちであり、人づくりを初めとした長期的な視点で取り組むべき政策課題も多いことから、おおむね10年を計画期間とする新しい長期計画を策定することとしたものであります。
 なお、この新しい長期計画は、この岩手の地において、県民一人一人が10年後にどうなっていたいか、それぞれの希望を実現するために地域社会がどうあるべきかということを、現在置かれている状況の中で発信していくものであり、どのような地方自治制度になっても意味のあるものだと考えております。
 次に、民主党・小沢一郎代表の公設秘書が政治資金規正法違反の疑いで逮捕されたこと等に対する所感についてでありますが、きょうの午前中開かれた小沢代表の記者会見によりますと、何らやましいことはない、いずれ嫌疑は晴れるということですので、そういうものと理解しております。
 私自身にかかわる政治資金については、政治資金規正法に基づき適切に処理し、報告しているとおりであります。
 次に、国体についてでありますが、開・閉会式と陸上競技の会場の決定については、現在、県準備委員会の検討組織である総務企画専門委員会において、開・閉会式会場等として想定される施設の状況、式典運営、選手団の輸送、交通、宿泊等の観点から調査、検討しているところであります。今後は、総務企画専門委員会での検討をもとに、決定組織である常任委員会において、現地調査も実施しながら総合的に検討し、決定することとしています。
 開・閉会式会場の決定は、会場となるかならないかにより、その会場で実施する競技の決定が影響を受けますことから、また、平成22年度に行われる中央競技団体による競技会場の正規視察までには決めなければならないことなどから、平成21年度前半のできるだけ早い時期に行われることが望ましいと考えております。
 次に、盛岡広域市町村長の要望に対する政策決定についてでありますが、盛岡広域市町村長による要望の際には、引き続き施設整備等について検討する旨をお伝えし、本年2月3日に、要望の中心となっている盛岡広域を代表する盛岡市へ、今般の整備の趣旨をお伝えしたものであります。
 予算の策定は、市町村などのさまざまな意見を十分に勘案しながら作成されるものであり、県としては、県営運動公園陸上競技場の整備について、県内における体育施設の整備状況、本県における全国大会の開催実績、競技力の向上の観点などから総合的に検討して、今後は、第2種公認の陸上競技場として維持しつつ、県営運動公園内に、競技団体からかねてから熱望されていたスポーツ医・科学センターを備えた多目的屋内練習施設の整備を新たに進め、国体に向けた選手強化に加えて、県民の健康増進の拠点として県営運動公園のさらなる充実を図ることとし、予算化したものであります。
 また、要望のありました開・閉会式会場等については、今後、第71回国民体育大会岩手県準備委員会において、県内の施設整備の状況等を踏まえながら、式典運営、選手団の輸送、交通、宿泊等の観点から総合的に検討し、選定されていくものであります。
 次に、主会場誘致を目的とする募金運動についてでありますが、国体は、特定の都市が中心となって開催されるものではなく、開・閉会式については県で担当するほか、陸上競技、水泳など38の競技は、会場地となる市町村が主体となって運営し、県内各地で県民総参加により開催されるものであります。したがって、主会場という用語は国体になじまないものであり、日本体育協会が定める国体開催基準要綱など、国体に関する公的な文書では使用されていないものであります。国体は、県内の各会場が、選手、役員の受け入れや競技の運営などの役割をそれぞれ担い、連携することによって、県を挙げた大会として開催されるものと考えておりまして、そうした国体の趣旨に沿って県下全域で運動が展開され、国体の盛り上がりが図られるよう努めていく考えであります。
 次に、Jリーグについてでありますが、Jリーグの試合は、原則としてホーム・アンド・アウェイ方式で試合が組まれており、Jリーグチームが不在の本県にその試合を誘致することは容易なことではないと伺っております。したがいまして、まずは全国の舞台で継続的に戦えるチームの育成が必要であると考えているところであり、今般の整備を礎として、本県の競技力の向上を図りながらスポーツ大会でのすぐれた成績を残すことにより県民に夢と感動をもたらし、危機を希望に変えていくことができるものと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) 震災についての正確な情報提供の取り組みについてでございますが、今回の2度の大きな地震の際には、被災状況、復旧状況及び災害への対応状況について、被災市町村や関係機関と連携を図りながら情報収集に努め、特にも、発災直後には県庁や広域振興局等から現地へ職員を派遣し、被災状況の詳細な把握に努めたところであります。その情報につきましては、発災直後から報道機関に対して関係資料を配付し、記者レクを実施したほか、順次、県のホームページに地図情報や写真情報を交えながら情報の提供に努めたところでございます。
 しかしながら、情報の把握の仕方やわかりやすい情報の提供のあり方など、課題もさまざまございましたことから、今後におきましては、被災市町村や関係機関等とさらに連携を深め、迅速かつ正確でわかりやすい情報の提供ができるよう改善を進めてまいりたいと考えております。
 次に、保育と待機児童についての関係でございますが、全国における認定こども園の認定数は、国が掲げております2、000件以上という目標に対しまして、平成20年4月1日現在では229件となっており、各都道府県別に見ますと、全く認定されていない団体や、あるいは認定が一、二件にとどまっている団体も20程度あるという状況にございます。本県におきましては、制度が発足した平成18年度に早速第1号の園が認定されて以来、平成21年2月末現在で六つの園が認定こども園に認定されており、東北地方の中では、秋田県に次いで2番目の認定数となっているところでございます。
 この認定こども園制度の課題についてでございますが、県としては、認定こども園や市町村に対するアンケート調査を実施し、また、さらに現場の声を直接お聞きするために、認定こども園と行政関係者との情報交換会を開催したところでございますが、ここで提出されました意見等を踏まえ、課題といたしましては、御指摘いただきましたように、認定申請手続が煩雑であるということですとか、会計事務処理が複雑であるということ、これらに加えまして財政支援が十分でないこと、また、制度の普及が進んでいないことなどがあると認識しております。
 今後の認定こども園の普及についてでございますが、国においては、昨年5月の地方分権改革推進委員会の第1次勧告におきまして、制度が複雑であり、改善を早急に実施する必要があるとの指摘があったこと等を受けまして、これまでに複数の検討会を設置して、総合的な財政支援や制度の運用改善について検討を進めており、一部新たな財政支援を創設するなど、順次、制度の普及促進に取り組んでいるところでございます。
 県におきましても、関係部局との連携を図りますため、庁内関係課、これは児童家庭課、総務室、学校教育室でございますが、これら関係課による幼保一元化推進検討会を設置し、県における認定申請手続の簡素効率化や、広報媒体等を活用した制度の普及啓発に取り組んでいるところでございます。県といたしましては、現在国が取り組んでいる総合的な財政支援や制度の運用改善等の動向を注視しながら、幼稚園、保育所等の関係施設あるいは市町村に対しまして、国が取り組んでいる運用改善等の情報を提供し、その活用を促進いたしますとともに、今後とも、関係部局との連携を図りながら、認定申請手続の一層の簡素化や制度の普及啓発に取り組み、この認定こども園制度がさらに普及していくように努めてまいりたいと存じます。
   〔地域振興部長藤尾善一君登壇〕
〇地域振興部長(藤尾善一君) 市町村における不適切経理についてでありますが、県内35市町村が行った調査の結果につきまして、2月1日現在で照会いたしましたところ、市町村が不適切と認めた経理処理が、盛岡市など10団体の国庫補助事業等におきまして、事業費ベースで合計約1億1、700万円あったところであります。
 今後の対応についてでありますが、国庫補助金の返還につきましては、市町村が不適切と認めた経理処理に係る国庫補助金分の額となると考えておりますが、返還額の確定や返還時期につきましては、補助金を所管する省庁の判断が必要となりますことから、県としては、所管省庁との協議ができるだけ速やかに進むよう努めてまいる考えであります。
 また、県単独補助金の返還につきましては、現在、関係部と当該団体との間で返還に向けた協議を行っているところでございます。
   〔農林水産部長高前田寿幸君登壇〕
〇農林水産部長(高前田寿幸君) 盛岡市中央卸売市場についてのお尋ねでございます。
 まず、地方卸売市場への転換についてでございますが、野菜などの消費量の減少や市場外取引の拡大等による取引数量の減少などを背景に、平成16年に、国から、地方卸売市場への転換を含む中央卸売市場の再編基準が示されたことなどから、これまでに全国で9市場が地方卸売市場に転換し、平成22年度末までにはさらに5市場が転換を予定していると承知いたしております。
 盛岡市中央卸売市場につきましては、ピーク時と比べ取り扱い金額が約3分の2まで減少し、今後とも厳しい運営が継続するものと見込まれますことから、平成19年2月に策定されました市場活性化ビジョンに基づき、開設者である盛岡市と市場関係者が十分に議論を重ねた上で、改革の方向性を見出すことが重要であると考えております。県といたしましては、これまで市場運営協議会などの場において必要に応じて助言をしてきたところでございますが、今後は、新たに盛岡市に対し、市場関係者との定期的な情報交換の場の設定を働きかけ、全国的な卸売市場の改革の動向や支援施策等の情報提供などを通じて、盛岡市中央卸売市場の主体的な取り組みを支援してまいりたいと考えております。
 次に、盛岡市中央卸売市場等の活性化と新年度事業についてでございますが、食品の流通、消費動向が大きく変化している中で、盛岡市中央卸売市場を初め県内の卸売市場が今後とも集荷、分荷の拠点機能を発揮し、生産と消費をつなぐ県内の流通拠点としての役割を担っていくためには、消費者や小売店はもとより、生産者のニーズにも積極的に対応した改革を推進することが重要と考えております。このようなことから、全国的には、卸売業者等が主体となり、他市場との共同集荷や量販店の販売支援サービスなど、流通・消費動向の変化に対応した先進的な取り組みが既に展開されており、盛岡市中央卸売市場におきましても、市場活性化ビジョンに基づき、開設者と市場関係者とが連携した新商品の開発などに取り組んでいるところでございます。県といたしましては、新年度から実施いたします農商工連携・地域資源活用推進事業や、いわて6次産業チャレンジ支援事業等を活用して、市場関係者が連携した主体的な取り組みを積極的に支援し、県内の卸売市場の活性化を図ってまいりたいと考えております。
   〔総合政策部長菊池秀一君登壇〕
〇総合政策部長(菊池秀一君) 国体の競技会場の決定についてでありますが、競技会場地は、準備委員会事務局におきまして、市町村及び38の競技に係るすべての競技団体から希望をとり、ヒアリングや現地調査などを行って検討しておりますが、市町村と競技団体の意向が合わないなどの競技があり、双方の意向の調整を図りながら選定作業を進めているところであります。
 陸上競技につきましては、岩手陸上競技協会から県営運動公園陸上競技場での開催要望を受けており、その熱意は受けとめておりますが、陸上競技は第1種公認陸上競技場で行うこととされておりますので、県営運動公園陸上競技場が第2種公認として維持される場合には、要望に沿いかねることになりますことから、引き続き調整を図っていく必要があると考えております。
   〔教育委員会委員長箱崎安弘君登壇〕
〇教育委員会委員長(箱崎安弘君) 募金運動についてでございますが、先ほど知事が申し上げました国体の開催につきましては私も同じ認識でございますが、地元の熱意は重く受けとめてまいりたいと考えております。
 教育委員会といたしましては、競技力の向上を図り、国体を初めとする各種大会におきまして優秀な成績をおさめることにより県民に大きな感動と希望を与え、県民意識の高揚を図っていきたいというふうに考えております。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) まず、小・中学校における携帯電話の原則禁止の通知を出すに至った経過でありますが、携帯電話等の指導については、従来から、情報モラル教育の充実を重視する取り組みを進めてきているところであり、携帯電話の持つ危険性や適切な使い方の指導を推進するとともに、小・中学校においては校内への持ち込み禁止などの指針例なども示してきているところであります。
 今般、1月30日付で文部科学省から、学校における携帯電話の取り扱い等について指針が示されたところであり、本年1月に調査を実施したところ、持ち込みを原則禁止にしている学校の割合は、小学校で74.9%、あとの二十数%の小学校は、もともと携帯電話の不感地域にある小学校ということであります。それから、中学校では98.4%になっていることから、各学校の実態を踏まえて、本年2月、各市町村教育委員会に対して、小・中学校の携帯電話の校内持ち込み原則禁止の取り組みを進めること、高等学校においては校内での使用制限を進めること、また、全校種において情報モラル教育の充実を図ること、家庭や地域に対する啓発活動を推進することなどについて通知したところであります。この携帯電話は、校内の持ち込みは原則禁止としているものの、校外における使用の方法が課題となっておりますので、情報モラル教育をますます推進していくことが必要だと認識しております。
 次に、携帯電話の実態の把握と啓発活動についてでありますが、実態調査につきましては、平成20年4月に実施した全国学力調査の質問調査での携帯電話の使用にかかわる調査結果、あるいは各市町村等で実施しております児童生徒の実態調査などの結果をもとに、実態把握に努めているところであります。
 また、保護者の意識調査の実施につきましては、現在、県PTA連合会とも連携し、実態把握の方向について検討しているところであります。
 情報モラル教育の指導や保護者への啓発活動は、これまでも、各学校では児童生徒に対して講演会や非行防止教室などを通じて情報モラル教育の推進を図ってまいりましたが、来年度から県内4地域で保護者を対象とした地域フォーラムを開催し、啓発活動の取り組みを進めてまいります。フォーラムでは、総合教育センターが開発した教材システムを活用して、携帯電話などの情報機器の危険性を体験的に理解していただくとともに、シンポジウムなどを通して課題意識の共有化を図ってまいります。あわせて、授業参観日に情報モラル指導を行うほか、保護者懇談会などのときにDVDなどを使って説明したりするなどの取り組みが各学校で行われておりますので、その支援を行いながら啓発活動に取り組んでまいります。
 さらに、小学校低学年の指導については、新しい学習指導要領におきましても、総則において、各教科等の指導の中で情報モラルを身につけることということが明記されておりますので、学校教育全体の中で取り組むよう指導してまいります。
 また、県警との連携についてでありますが、生徒指導主事等の研修や学校警察連絡会議において、携帯電話にかかわる犯罪の状況などについて県警からの講義や説明を行ったり、フィルタリングにかかわる保護者向けリーフレットを県警と連携して作成してまいりましたが、来年度からはさらに地域フォーラムにおいて県警と連携して保護者への啓発を行ってまいります。
 次に、県営陸上競技場の整備に関してでありますが、県営陸上競技場の整備については、本施設に係るこれまでの要望等を十分踏まえつつ、県内の体育施設の整備状況、全国大会の開催実績並びに競技力向上のあり方などを総合的に勘案し、国体に向けた競技力の向上を目指し、優先整備の観点から、東北大会まで開催できる第2種公認の陸上競技場として維持しつつ、スポーツ医・科学機能を備えた多目的屋内練習施設を整備することについて、予算案として本議会に御提案しているものであります。
 次に、多目的屋内練習施設の整備についてでありますが、多目的屋内練習施設の設置場所を県営運動公園内にしたことについては、開催県にふさわしい成績を目指すという目標達成のために、7年間という限られた期間の中で選手強化を早期にかつ効果的に進めるためには、既存の体育施設との連携により相乗効果が期待できる県有地の運動公園内に整備することとしたものであり、その整備内容は、平成15年3月13日付でスポーツ振興議員連盟から示された要望や、スポーツ関係者からの要望内容にほぼ沿うものだと考えております。
 次に、全国大会規模の利用実績についてでありますが、利用実績については、陸上競技について申し上げたものであり、あえて他の競技についても申し上げるならば、Jリーグの試合が2度開催されております。
 次に、盛岡市等が応分の費用を負担する場合についてでありますが、さきに三浦陽子議員への再質問に対してお答えしておりますけれども、第71回国民体育大会における教育委員会の使命は競技力向上であります。残されたわずか7年の間で最大限の効果を図っていくためには、競技力向上に向けたソフト事業を大幅に増加させることが必要であること、施設については、インターハイ以来、県内にスポーツ施設のインフラが整っていることなどに伴い、その有効活用を図ることとしたものであり、大分国体においても惜敗する競技が多く、医・科学的機能や通年にわたる練習が不可欠であるとの思いから、医・科学サポート機能を備えた多目的屋内練習施設を最優先に整備したものであり、財政状況のみを勘案して整備方針を決めたものでないことを御理解いただきたいと思います。
 次に、土地を提供した地域住民への思いについてでありますが、県営運動公園は貴重な土地を提供いただいた地域住民の思いが詰まった施設であることは重く受けとめています。今後とも、多目的練習施設を整備することにより、御寄附をいただいた目的である運動公園用地として利用してまいります。
 次に、県営陸上競技場の維持、改修についてでありますが、耐用年数に関する財務省令によれば、県営陸上競技場の耐用年数はあと18年となっておりますが、定期的に点検等を行いながら、施設の維持、改修に努めているところであります。施設の維持、改修の費用や耐用年数の延長の度合いについては、どの時期に、どの程度の改修を行うかにより相違することから、現段階では明確にできませんが、過去10年間で申し上げますと、改修実績として約5億7、800万円、年平均で約5、800万円程度、大規模改造を行いました平成10年の3億6、400万円を除けば、年平均で2、400万円程度かかっております。県営運動公園を選手強化の拠点として位置づける考えであり、今後とも、県営陸上競技場を第2種公認の施設として丁寧に活用して維持していきたいと考えています。
   〔警察本部長保住正保君登壇〕
〇警察本部長(保住正保君) 初めに、交番・駐在所の地域警察官の配置の考え方についてでありますが、交番は、原則として都市部の地域に設置し、交代制の地域警察官により運用しており、24時間体制で各種事件、事故等に対応しております。
 また、駐在所は、原則として都市部以外の地域に設置し、駐在制の1名の地域警察官により運用をしております。
 交番、駐在所の地域警察官の配置に当たっては、管内における犯罪や交通事故の発生状況に加え、管内の人口、世帯数、面積等を勘案し、全県的視野に立って所要の人員の適正配置に努め、その機能を十分に発揮できるよう運用しているところであります。
 次に、交番・駐在所連絡協議会でございますが、交番、駐在所の受け持ち区域において、地域住民の日常生活に身近な犯罪や交通事故、災害等の未然防止、被害の拡大防止や的確な検挙を図るため、住民の方々の御意見、御要望等を広く聴取して、相互に検討、協議することを目的に設置しております。
 県内には201の連絡協議会が設置され、地域住民の方々からの具体的な要望等を踏まえつつ、登下校時の児童の見守り活動、あるいは交通安全教室の開催などを行っております。
 今後とも、安全・安心なまちづくりのため、地域住民の方々と連携を深め、連絡協議会活動の活性化を図ってまいりたいと考えております。
〇24番(及川あつし君) それぞれ御答弁ありがとうございました。たくさん申し上げたいことはあるわけですが、ちょっと納得いかない部分について、再度御質問申し上げたいと思います。
 まず、教育長、国体と県営運動公園の陸上競技場についてですけれども、私の理解では、まず財源論が一方にあって、もう一方には競技力向上と。今、答弁を聞いて、まことにロジックがひどいなと思いました。財源論を追求していくと教育力向上の話をする、教育力向上の施設について問題があると財源論の話をする。これじゃ、皆さんの権限の中で強引に通そうとしても、僕は、盛岡周辺の皆さんは理解できないと思いますよ。
 ですから、私が申し上げているのは、今の方針をもちろん全面的に変えてもらいたいですけれども、何で協議しなかったのか、協議する余地はないのかと。大きな論点の一つである財源論が、きのう盛岡市長が20億円出す覚悟があるよと……(「もっと出すって言った」と呼ぶ者あり)もっと出すという話もあるかもしれません。市民団体も1億円を目標に募金しますよと。
 きのう市議会においては、例えば県営運動公園のシートについて、ネーミングライツ、命名権で募金を集めたら財源が出るのではないかとか、ポールに対してもネーミングライツをやったらお金が出るのではないか、工夫すればできるじゃないですか。何でこういう市民、県民の声を検討材料に加えて協議の場に立とうとしないのか。この姿勢が病院の無床化問題と全く同じでありまして、私はいかんと思いますよ。
 改めて伺いますけれども、最低、地元の代表である8市町村長のそれなりの要望に対してきちんと説明して、県の考え方はこうですと改めて協議することができないか、再協議です。今の方針を持ちつつも協議できないか。知事の答弁でも、方針決定はおおむね平成21年度前半と言っていますから、まだ20年度の末であります。平成21年度の前半まで時間的な余地があるということでありますので、ぜひ、再協議ができないか改めて御見解をお示しいただきたいと思います。
 それで、もう一点申し上げますけれども、今、7年しかないとまた新しい論理を持ち出されました。であれば、我々が申し上げたいのは、じゃ、何でここまで引っ張ってきたんですかということです。病院のときもそうであります。何でたった何カ月かの余地がない段階で、検討を重ねて苦しかったとか言いつつ、急に原因が変わったとか、到底理解できないわけですね。我々も理解できなければ、多くの県民の皆さんは理解できない。理解できなければ県政の運営ができないということを何度も申し上げたいと思います。
 方針を最終的に決めるのは知事及び教育長でありますので、ぜひ私の申し上げた趣旨を御理解の上、御答弁を再度いただきたいと思います。
 次に、政治資金の問題であります。
 この問題については、私は、きのうは突然のことでありましてこういうことになっておりますけれども、これからも、報道等によれば、他党の大物政治家も云々というようなこともございますので、一政党とか、一政治家の問題としてではなくて、やはり政治倫理の確立とかそういう観点から冷静に議論していかなければいけないなということも考えております。
 私もきのうああいう事態になりましたので、項目のところで、追加というよりも、絡めてまたお話をした関係もありましたので、不十分な答弁は承知の上でありますので、もう少しお聞きしたいと思います。
 私は、この事件については、私も政治家の端くれでありますので、大変に残念なことだなと思いますし、私自身も、改めて襟を正さなければいけないなと思っております。
 県議会は、知事を監視しなければいけない、監視するという義務がありますので、責任もありますので、あと、私のこれまでの政治経歴もいろいろありますので、知事に対してお伺いしますので、御理解いただければと思うところでございます。
 まず、私は、この問題に関して私なりに大きく総括をしますと、まず、献金先やパーティー券の購入先、これについて経験上から申し上げれば、例えば私のもとに突然大きい額の政治献金が入ってきたら、これは一体何なんだろうなと、その献金の趣旨を多分代表者であれば感ずると思いますし、違法性がないかなというのが極めて自然だと思うんですね。しかし、それ以外であれば、不特定多数、多くの皆さんから浄財をいただいているという午前中の小沢代表の内容についても、一般的には理解できるわけであります。私も、その都度調べるということはないということは、経験上から申し上げられると思います。
 その意味で言うと、私は、この問題については、まず、大きな額について事前に確認をしたか、しなかったかという問題があると思いますし、また、後日、献金をいただいた先とかパーティー券を買っていただいた先に何か問題が起きたというときに、事後的にしっかりと対応したかどうかという、ここがポイントだと私は理解しておりまして、その点を大前提として、確認の意味できょうはお伺いしたいと思います。
 まず1点目は、いわゆるこのダミー団体、2団体あると言われていますが、当時、民主党の県連代表だったということであります。きのう斉藤信議員からも質疑がございましたが、返金についてどうなんだということについて、知事は、現在の民主党県連が考えるべきものという答弁でありました。しかし、事態はまたあの段階よりも進んできておりますので、当時の会長としての立場も踏まえて改めて伺いたいと思います。
 知事は、堂々と党籍を有して頑張っているというようなことも常々言っておりますので、全く別人格のように申し上げるのもどうかと思いますので、事態の進展も踏まえて、改めて当時の会長として御見解をいただきたいと思います。
 次に、今申し上げました、大前提で申し上げましたが、2003年から2006年の4年間に、いわゆるこの問題の2団体から1、100万円という多額の献金があったとされておりまして、その当時、知事は県連の代表だったということであります。多い年ですと総支部連合会のほうに400万円とか、300万円とか、200万円が入ってきたわけでありますけれども、まず、この献金の事実を御存じであったかどうかお伺いしたいと思います。御存じであったとすれば、代表者として、違法性とか献金趣旨等をその時点で確認作業を行ったかどうか、そこについてお伺いします。
 御存じなかったとすれば、それはなぜかということなんであります。もちろん、私も若干、自民党にいたことがありますので、例えば、菊池勲議員が県連会長としてすべての県連のお金を見ているかどうか、これは私はよくわかりませんが、いずれ会計上は県連会長も代表者でありますので、会計について、最低1年に1回は報告を受けているはずであります。知らなかったとすれば、それはなぜかということをお伺いしたいと思います。
 返金については先ほど申し上げたとおりでありますので、再度、御見解を求めたいと思います。
 次に、この新政治問題研究会、未来産業研究会、いわゆる西松建設のダミー団体と言われておりますけれども、私はこの存在、実態というのは全然知りませんでした。知事は当時、これについて存在と実態を知っていたかどうか、その点についても確認の意味でお伺いしたいと思います。
 次に、党の問題ではなく、一部党にもかかわりますけれども、知事が代表者であった、また今もある資金管理団体及び第1区総支部の支部長だったと思っておりますが、その点についてであります。今回、西松建設が海外からの不正なお金の持ち込みをして、それについて違法な献金をしていたのではないかということで、今、社会で騒ぎになっているわけでありますけれども、この問題が起きた段階で、両団体から知事の資金管理団体とか、第1区総支部の支部長時代、献金とかパーティー券の購入があったかどうか、実態を調べたかどうかについてお伺いしたいと思います。
 答弁の内容次第でまた再々質問をさせていただきたいと思いますので、まずは、今、以上申し上げた点について御答弁いただければと思います。
〇知事(達増拓也君) 民主党岩手県連に対する西松建設関係団体からの献金についてでありますが、民主党岩手県連に寄附があったことにつきましては、最近の報道で知ったところであります。
 知らなかったとすればそれはなぜかということでありますが、私は、民主党岩手県連の代表の立場にありましたが、県連の収支の一つ一つを把握することは物理的に不可能であったと認識しております。担当者からは、収支報告書について、政治資金規正法に基づいて適切に処理し、報告している旨の報告は受けておりました。
 また、返金については、きょうの小沢代表の記者会見によりますと、小沢代表の政治団体が、指摘されている二つの政治団体から受けた献金について、献金の原資または献金する側に違法性が確定された段階で返却すると述べていますので、民主党岩手県連においても、それに準じた対応がなされるものと思います。
 次に、新政治問題研究会及び未来産業研究会についてでありますが、両団体の存在と実態は、最近の報道で知ったところであります。
 次に、私の資金管理団体及び民主党岩手県第1区総支部への両団体からの寄附等についてでありますが、私の資金管理団体及び私が代表をしていた当時の民主党岩手県第1区総支部に対して、両団体から献金やパーティー券購入を受けた記憶がありませんでしたので、当時の秘書にも話を聞きましたところ、やはりないという報告を受けております。
〇教育長(法貴敬君) 県営陸上競技場の整備方針は、さきに申し述べたとおりでありまして、本議会に予算案としてお示ししているものです。各地域の住民の代表である本議会において、十分に御審議いただくようお願い申し上げます。
〇24番(及川あつし君) 教育長、今の答弁、大事ですよ、重大ですよ。後世まで残りますからね、今の答弁は。つまり、議会に議案を出せば、それで全部足りるという答弁ですからね、今のは。今審議してるだろうという意味ですよね。
 今の答弁に修正があるのであれば、修正できるかどうか、また、再度協議できないかと言っているんです。方針を撤回しろと言っているんじゃないです、私は。もう一度、ひざを交えて、前提条件が変わったから協議できないかということを伺っているわけでありますから、今の答弁の中身について再度精査をして、方針を変えろと言っているわけじゃなく、再協議できるかどうかということでありますので、ぜひ、よくお考えの上、再度御答弁いただきたいと思います。
 知事に伺います。
 政治資金の問題、いろいろお答えをいただきました。きょうは本会議の質疑でありますので、また予算特別委員会の総括等もございます。詳細はそちらに譲りたいと思うわけでありますけれども、4年で1、100万円という大きな額、例えば1年に400万円ぐらいばーんと来ると、私だったら、何の団体なのかなと実は思うと思うんですね。つまり今の御答弁は、私もテレビの記者会見を見ておりましたけれども、小沢代表は、今回、容疑者として残念ながら逮捕されてしまった大久保さんに全面的に委任をしていたというようなことでありましたけれども、私は、県連という組織の中で400万円とかという大きなお金だったら、この団体は何だろうなと思うと思うんです。
 今、答弁を確認の意味でお伺いしたいのは、収支報告については、最終的なバランスシートだけ見て、個々の献金の中身については一切見ていなかったということでよろしいか、確認の意味でお伺いしたいと思います。
 御自身の資金管理団体、民主党の第1区総支部については、なかったということでありますけれども、再度、早急に調べて、この場も公表の場であると思いますが、パーティー券については、20万円以下の分については公開義務がないわけでありますが、その部分の調査と、公表する意思があるかどうか、この点についても再度お伺いしたいと思います。
 詳細については、あとは予算特別委員会の総括へ譲りたいと思っております。よろしくお願いします。
〇知事(達増拓也君) 民主党岩手県連に対する問題になっている団体からの献金については、当時、その事実関係を承知しなかったということであります。
 それから、自分の政治資金管理団体、また代表を努めた政党総支部のほうの件については、これはもうなかったということで御理解いただきたいと思います。
〇教育長(法貴敬君) 国体の開・閉会式場、陸上競技場の選定そのものは、国体の準備委員会のほうで今検討が進められておりますし、そういう検討を進める中で再協議しろという御命令があれば、そちらのほうで再協議させていただきたいと思います。
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
   日程第2 議案第1号平成21年度岩手県一般会計予算から日程第75 議案第73号岩手県立図書館の指定管理者を指定することに関し議決を求めることについてまで
〇議長(渡辺幸貫君) この際、日程第2、議案第1号から日程第75、議案第73号までを一括議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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