平成21年2月定例会 第10回岩手県議会定例会 会議録

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〇15番(亀卦川富夫君) 政和・社民クラブの亀卦川富夫でございます。
 それでは、会派を代表して、さきに通告しております項目について順次質問いたします。
 まず、岩手県の雇用対策についてお伺いします。
 100年に一度とも言われる金融危機が世界の実体経済に大きな打撃を与え、不況が深刻化しております。岩手県内も、企業の減産や統合による閉鎖など極めて厳しい経済状況にあります。雇用への影響も甚大で、昨年12月からの派遣社員や契約社員等の非正規雇用の雇いどめ、契約打ち切りなど失業問題が深刻な状況になっています。さらに、2月になってからは直接雇用の労働者の解雇も多く発生しています。今後は、正社員への賃金などの労働条件の大幅な後退やリストラによる解雇等が危惧されます。また、労働者派遣法の2009年問題や、雇用保険の受給期間の6月からの終了が相まって、さらに厳しい雇用状況が予想されます。このような緊急事態に対応し、雇用対策の実施が急務であります。
 私は、まず、緊急の対応については、以下のことが望まれていると考えております。
 1、新たな採用が見込まれる企業については、採用を前倒しするなど雇用の拡大に努めるよう最大限の働きかけを行うこと、2、緊急雇用対策として、関連予算、補正予算を措置するなどさまざまな施策を講じ、可能な限り雇用の維持安定に努めること、3、関係機関と連携し、離職者早期再就職支援に向け、職業訓練等の機会を設けること、4、関係機関との連携を図り、緊急雇用創出事業、ふるさと雇用再生特別交付金などの有効な活用を図り、雇用の創出に努めること、5、ハローワークや市町村との連携を強め、あらゆる施策を講じ、雇用の維持安定に努めること、6、中小企業経営安定資金や中小企業緊急雇用安定助成金などの活用を図り、可能な限り労働者の解雇を避け、維持安定に努めるように指導を行うことなどであります。これらを緊急的な雇用施策として、関係機関と連携しながら雇用維持や就業支援に取り組む必要があると考えますが、県の取り組み方をお伺いいたします。
 次に、安定的な雇用の創出に結びつく施策についてお伺いします。緊急の対策として、つなぎ雇用機会の創出は必要でありますが、一方、安定的な雇用の創出に結びつく地域経済の回復、雇用関係の改善に資する施策が中期的な対策として必要であります。考えられるものに、人手不足が問題となっている介護福祉や教育分野の職種がありますが、これらの分野における対応についてお伺いいたします。
 さらに、県では、雇用創出につながる産業振興として、岩手の広い県土や自然を生かしたいわて6次産業チャレンジ支援事業、いわゆる農林水産業の6次産業化の事業開発を示されております。これには、行政や関係機関が積極的にかかわる産学官金労の総合的支援のもと一体的に進めることが重要です。さらに加えて技術指導、職業訓練などが大切です。6次産業化に向けた岩手県の強いリーダーシップと、県民の理解と協力による施策展開についてお伺いいたします。
 雇用対策の最後に、国に対する雇用要請についてお伺いします。
 一つは、労働行政の強化であります。地域のハローワーク、岩手においては陸前高田、千厩と沼宮内、遠野の出張所が統廃合される予定ですが、現状の雇用環境にかんがみ、当面、延期等の措置を講じること。二つ目は、労働者派遣法の抜本改正。三つ目は、雇用、就業形態の多様化に対応した雇用保険制度への改革。四つ目は、雇用調整助成金の要件緩和や支給日数の延長など、企業の雇用維持に対する支援であります。これらの国に対する要請の進め方についてお示しください。
 次に、自立する岩手の産業についてお伺いいたします。
 2月16日に内閣府が発表したGDPは、年率換算で実に12.7%と2けたの下落となりました。これは、日本経済の認識を一変させるものであります。マイナス成長の要因は、海外需要の低迷に伴う輸出の減少であります。外需頼みの成長モデルは、世界経済が成長しているときはうまく回りますが、逆回転が始まったときは打撃も大きく、とりわけ経済を牽引する輸出が一部の産業に偏っていると経済への急ブレーキになることが今回明らかになったわけであります。しかし、これからも日本が工業製品の輸出によって国を立てていくとするのであれば、これまでのように完成品メーカーを頂点に、その下に部品メーカー、素材メーカーがピラミッドのように縦に並び、連携してものづくりを行うという産業構造から、中小企業が海外の需要と直接結びつくなど、従来の枠を越えた新しい産業構造のあり方が問われております。これは、岩手県の中小企業の進むべき道を示唆しているように思われます。グローバル時代、今日の世界的な経済構造の変化により、中小企業をこれまでの完成品メーカーの下請企業としての育成にとどまるのではなく、高度なものづくり基盤技術や固有の地域資源、大学などの技術資源など、本県の産業ポテンシャルを生かし、新たな技術に立脚した成長力のある産業への取り組みが望まれます。
 そこで、お伺いする第1点目は、本県のものづくり産業の展開についてであります。県では、ものづくり産業分野において、これまでの自動車関連産業や半導体関連産業の集積を進めるとともに、今後、新たに医療機器関連産業の創出に取り組むと聞いていますが、本県のものづくり産業の展開をどのような方向にもっていこうとされているのか、その中で岩手県の中小企業が活性化されていくのか、知事のお考えをお聞かせください。
 第2点目は、県内中小企業に対する思いと経営支援策についてであります。国内にはおよそ420万社の企業がありますが、そのほとんどが中小企業であります。中小企業が日本や岩手県の経済や地域を支えていると言っても過言ではありません。岩手県中小企業家同友会が、昨年12月に会員350社に対して実施した調査によれば、多くの企業が赤字に陥るおそれがあるなど厳しい予想を寄せておりますが、業績悪化に伴う人員削減や、その可能性については68%の企業が考えていないと回答しております。私は、この数字こそが、地域に根差し、人、従業員を大切にして地道に経営していくという中小企業の経営者の高い志を何よりも物語っていると思うのであります。県は、力強い支援に基づく育成策をとるべきです。知事の県内中小企業に対する思いをお聞かせください。また、今回の急速な景気悪化により中小企業の資金繰りが懸念されます。確実に資金が供給される積極的な対応が求められておりますが、県の経営支援策をお示しください。
 第3点目は、県が立ち上げたファンドの展開であります。県では、今般新たに地域の基幹産業である農林水産業と商工業などの産業間での連携を強化し、地域経済活性化を図るため、いわて農商工連携ファンドを創設しますが、既存のいわて希望ファンドとあわせ、県内産業振興にどのように生かしていくのか、知事の御所見を伺います。
 第4点目として、中小企業の振興により地域の活力増進を目的とした中小企業振興基本条例があります。今後、本県としても取り上げるべきだと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
 次に、本県の基幹産業である農業についてお伺いいたします。
 日本は、戦後、すぐれた技術力や商品開発力を背景に工業製品を生産し、海外にそれらを輸出して食料を輸入するという加工貿易国家をつくり上げてきました。しかし、これまで日本がとってきたこうした方策は今や岐路に差しかかっております。工業製品を高い価格で輸出して食料や資源を安く輸入する経済環境が崩れた以上、最も基礎となる食料を確保するためには、産業構造の転換に加え食料自給力を向上させる取り組みが必須になります。このため、国を挙げた農業改革への取り組みが始まったところであると思います。しかし、農業集落数や、何より農業の従事者数が減少していくという問題は、10年も20年も前から指摘されていながら、そして、そのためのさまざまの施策が行われながら、何の変化もあらわれてこなかったことも事実であります。そこから言えることは、農業問題については単なる対症療法的な対応をすべきではないということであります。国内産業としてどのように育成し、保護していくのかという大局的な観点に立って農業問題を論じる姿勢が不可欠であります。そのためには、国の省庁の縦割りを超えた総合的な取り組みが不可欠であります。農業を一つの産業として持続性を持たせること、食料安全保障の問題、また、地域政策を一つのパッケージとした総合的な施策の展開が必要だという指摘がなされております。農林水産省も農政改革関係閣僚会合を設置して連携をとる動きが出ております。待ったなしの今回の農政改革を、ぜひそうした方向で実行してもらいたいものと切望しております。
 以上申し上げた我が国の農業に対する知事の御所見を第1点目としてお伺いいたします。
 お伺いする第2点目は、本県固有の問題と独自の取り組み方についてであります。国の取り組みと並行して、地域の実情等に応じた地域独自の取り組みも重要です。この岩手県内を見ただけでも、都市近郊型の農業、中山間地の農業、平場の米作等の専業地帯の農業というように、農業といっても置かれた条件のもとでの多様性を有しております。また、これからの農業経営体は、必ずしも規模の大小ではなく、技術力に加え経営感覚にすぐれ、企業家マインドを有していること、販売ネットワーク、マーケティング等の経営管理を実践できることが不可欠であり、それらを武器にみずからの創意工夫によって、高い付加価値と収益力のある農業経営を行うことが大切であると指摘されております。そうした経営体をつくり出し、活躍の場を与えるためには、これまでのような全国一律の対応を改めることが避けられません。また、今回の農政改革においては、その具体策の実行は地方の裁量にゆだねるものでなければならないと考えております。その意味では、県独自でモデル的に農家の所得補償の試行に取り組む新潟県や、農地集積のための県独自の補助制度を設ける宮城県の取り組みは、その先駆けとなるものであります。本県でも、県の固有の問題に対して独自の取り組みを行う考えはないでしょうか。
 お伺いする第3点目は、農地の規模拡大についてであります。北上市の農業生産法人が20ヘクタールの水田を利用して養鶏企業家向けに飼料米の生産を行うという記事が掲載されておりましたが、養鶏企業だけでなく、規模の大きい酪農家や養豚業の多い岩手にとって、こうした取り組みは意義あるものでありますが、そこで問題となるのが、農地の規模拡大とその集積であります。いわゆる平成の農地改革法案においては、大規模化を実現するために所有から利用へ考え方を転換し、利用については原則自由にするなど、さまざまな施策が打ち出されました。これを活用すれば、1生産者当たり50ヘクタールあるいは100ヘクタールの農地、しかも団地化された農地を利用して飼料用作物等を大規模に生産することができます。本県としては、今後、農地の面的な集積にどのように取り組まれるのか、お示しください。
 第4点目に、農業を産業として育成するための方策についてであります。日本国際フォーラム政策委員会は、本年1月に、グローバル化の中での日本農業の総合戦略と題するレポートを発表しましたが、その中で重点的な規模拡大と農業投資を奨励する食料基地の設置を提言。特定地域で規制を緩和する構造改革特区制度を活用し、農地の所有や利用を全面的に自由にすべきであると説いております。岩手県が自立していくための一つの方策として、農業を軸に、農商工連携など他の産業と連携を図りながら、これを持続性のある産業に育成していくことが不可欠であると考えておりますが、そのための課題と解決をどのように考えておられるのか、その手法として、こうした特区制度の活用のお考えはないのか、知事の所見をお伺いいたします。
   〔副議長退席、議長着席〕
 次に、医療改革の進め方についてお伺いいたします。
 県立病院の新しい経営改革については、無床化が迫られている地域を初め多くの県民から反対の意見や疑問の声が上がっております。このような状況下、我々政和・社民クラブは、大迫地区でのタウンミーティングを初め議論を積み重ねてまいりました。その上で代表してお伺いするものであります。
 1点目は、医療改革の問題点についてであります。
 まず、岩手の医療の特徴として挙げられるのは、本県の医療制度は医療局が総括していると言っても過言ではない実態であります。そして、その問題点は、一つに医療財源の不足、二つ目に医師不足、三つに患者の要求増大、そして四つに県営医療、すなわち医療局の体質に要約されると思います。この問題点を分析して処方せんを講じなければならないはずです。しかし、今回の計画は、計数、コスト論が先立ち、かつ医師不足の解決を無床化に求めたものと映ります。問題点のとらえ方をお伺いいたします。
 2点目は、県民の意見集約と地域自治体及び住民との合意形成のあり方について十分であったのかどうか、お伺いします。県民には同時期に公立病院改革指針案も示し、この指針について、二次医療圏を中心に地域的ネットワークを形成できるよう、また、県としてはプラン策定に民間を含めた機能と役割分担を踏まえた指針の反映を期待するとしております。だとすれば、まず議論されなければならないのは地域医療のあり方ではないでしょうか。地域からは建設的な提案がなされておりますが、当局からの反応がないようであります。分権の理念からも大切なことと思いますが、いかがでしょうか。無床化を迫られた地区にとって、まさに寝耳に水といった今回の計画案が拙速であるとの批判に対する考え方もあわせてお伺いいたします。
 3点目は、県政に対する反発であります。過日、県町村会は、医師奨学金の負担金について直接支出しないことを決めました。その理由は、医療改革について県には町村の話を聞く姿勢が見られないとしております。この町村会の決定に対する批判もありますが、今回のような手法により県政を進めるなら、県民の行政不信を招き、ひいては県政課題の停滞につながるのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 4点目に、医療現場の声についてであります。私たちの調査では、勤務医の方々にも医療改革に対しさまざまな声があります。もっと現場に入っての総合的な見地での改革案を練る必要性がまだまだあるのではないでしょうか、お考えをお聞かせください。
 5点目は、県議会ではこれまでも地域医療の確保を求める決議を上げるなど、医療問題について指摘をしてまいりました。平成17年12月定例会では、当時進められていた県立病院改革の実施に当たって、地域における医療機関相互、さらには介護施設などとの連携を十分に図りながら、地域医療の確保に努めるよう求めるものである旨の決議を上げております。以後、今日まで間、この決議をどうそしゃくし、対応してきたのでしょうか。決議に対するこれまでの具体的対応をお伺いいたします。
 6点目は、今後の進め方であります。当局は今回、8項目の反映事項を取り入れました。その中に地域との協議の場の継続、市町村連絡協議会の設置がありますが、今日の状況は、地域住民も病院の実態を理解し、地域医療関係者からは建設的な提言も出始めております。ここは一たん立ちどまり、設立以来約60年になる医療局体制をみずから検証するなど、岩手の医療問題の根本的な見直しを速やかに行い、オール岩手体制でのよりよい改革案を進めるお考えはありませんでしょうか。岩手県の医療改革のあり方、進め方は全国的な関心を呼んでいると思います。今回の論議を奇貨として十分な検討の上、真の医療改革を目指した岩手の医療を世に問うならば、逆に岩手の現場で頑張ろうという医師の魂に迫ることが可能ではないでしょうか。
 同極異路という言葉があります。どうは同じ、きょくは北極、南極の極、いは異なる、ろは路であります。同極異路、これは例えば江戸から京都に上るのに、東海道を進むのか、中仙道を選ぶのか、進む道は違っても目的地は同じであることを意味します。同極異路とは、つまり目的が同じでも進める方法が複数あることであります。選択の幅があるとでも言いましょうか。今日の県医療をめぐる論議も、地域医療を守り抜きたいという点では変わらないことと思うのでありますが、いかにも進む道の選択が異なるのであります。ここは、知事が為政者、トップリーダーとして幅広く、懐深く、温かく考えることが肝要と思うのでありますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、リニアコライダー国際研究所計画への対応についてお伺いします。
 日本の基礎科学は世界的に評価が高く、中でも、ニュートリノので小柴博士や、昨年の南部・小林・益川博士のノーベル賞受賞など、素粒子物理学の分野は群を抜いております。素粒子物理学は、物質の起源の究明を通じ宇宙の成り立ちを追求するものでありますが、その研究の高度化、施設の大型化に伴い、近年では国際協調により推進する時代となっており、スイスのジュネーブには円周27キロもの地下トンネルを有するLHCと呼ばれる実験施設が建設され、昨年から稼働しております。
 このような状況下、以前から素粒子物理学の次世代の実験施設である国際リニアコライダーを国際協調によって世界にただ一つ整備しようとする計画が研究者間で進められておりました。リニアコライダーとは、直線を意味するリニアと、電子と陽電子を衝突させる装置である加速器、コライダーのことで、長さが31キロメートルから50キロメートルに及ぶ地下トンネルに設置するものであり、かたい安定した岩盤が絶対的必要条件であります。本県の北上高地も有力な候補地になっております。この計画については、東北大学総長だった元県立大学学長の西澤潤一先生が、科学に通じた故椎名素夫参議院議員に対し、候補地なども説明して日本誘致への支援を要請し、当時の高エネルギー加速器研究機構長菅原寛孝氏等が椎名氏に陳情したことから具体化へ動き始めたと聞いております。椎名氏は平成11年6月、自身が主宰していた国際経済政策調査会の中に加速器科学研究会を設置、ノーベル賞受賞者の小柴昌俊氏や、昨年のノーベル賞受賞者の高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授小林誠氏といった科学者を講師に招いて研究会を開催。日本誘致推進の状況を熟成するために、産学官の連携など地道に進めてこられました。これは現在も続けられており、先日、第56回目の研究会が仙台において開催されました。この講演で、山下了東京大学素粒子物理国際研究センター准教授が、勢いを得た国際リニアコライダーと題して現在の進捗状況を述べられました。科学者の世界で日本の実力に対する評価は高いとした上で、政治の場でも超党派の国会議員による議員連盟が設立され、昨年10月のノーベル賞受賞を契機に、河村官房長官が、日本政府としても本格的に取り組むときが来たと前向きな発言をするなど、その計画推進は実現性を帯びてきております。2月19日には、東北大学と高エネルギー加速器研究機構の間で共同研究や人材交流を進める連携協力協定が結ばれました。近く、東北経済連合会や東北大学の主導により、仮称ではありますが、東北加速器基礎科学研究会の設立がなされる予定と聞いております。このような最先端の国際研究所の立地は、岩手県はもとより東北地方全体にとっても、学術の振興のみならず、国際化の進展など地域の活性化に多面的な効果が得られるものであります。国際研究所の規模は、当初1、000名とも言われる世界の頭脳が集まり、家族を含めれば、将来、数千名の大きなものと予想されます。これを 中核とした国際研究都市構想など周辺のまちづくりに根本的な影響を与え、その波及効果、経済効果ははかり知れないものがあると存じます。
 私は、リニアコライダー国際研究所計画は、宇宙の起源究明など、人類のあくなき挑戦の一翼を担う大きな夢のある計画であると同時に、加速器科学と、その技術が多くの分野に多大な貢献をするものと期待いたします。実現のためには乗り越えなければならない多くの課題、問題がありますが、社会に対するリニアコライダーの周知、理解と、その支持を受けることも大切であります。県としては、どのように受けとめ、対応されているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 最後に、岩手の厳しい状況の中、県民に対する知事のメッセージについてお伺いします。
 きょう2月26日は、今から73年前、後に昭和史の岐路とも言われた二・二六事件の勃発、水沢出身の斎藤實が凶弾により非業の最期を遂げた日であります。自力更生という言葉があります。これは、昭和7年、五・一五事件によって暗殺された犬養首相の後を受け、斎藤實が内閣を組織した際にラジオを通じて国民に訴えたスローガンであります。当時は、昭和初めの金融恐慌やニューヨーク株式市場の暴落から始まった世界大恐慌の波が日本を直撃し、農村における餓死者、娘の身売りの続出など、目を覆うばかりの悲惨な状況が、その当時、東北はもとよりこの国の各所で発生しておりました。斎藤實は自力更生のスローガンをもって国民精神の高揚を図り、その難局をしのぐ力強いメッセージとして国民を勇気づけました。打ち出した政策は、岩手にもゆかりがある高橋是清大蔵大臣とともに行った公共事業を柱とした農村救済策や産業振興の政策実施であります。政策は功を奏し、世界に先駆けて経済危機は脱しました。ちなみに、アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール政策は翌年の昭和8年、1933年であります。
 一方、目を今日に移せば、昨今の我が国は100年に一度の経済不況と呼ばれる未曾有の危機に見舞われ、失業、倒産、社会弱者の貧困化など、昭和大恐慌を想起させる大変な社会状況であります。今ほど、当時、斎藤實が掲げたような人々を勇気づけるリーダーの力強いスローガンや政策が求められているときはないように思われます。グローバリゼーション時代の今日、地方経済は世界経済に直結し、お互いが影響し合うことは周知のとおりでありますが、地方経済の自立は容易ならざるものがあります。地方分権時代の試練でもあります。
 本県リーダーである達増知事には、そのような状況を十分かんがみ、具体的で県民が自信を持って危機を希望に変えられるような発信をぜひ行っていただきたいと存じます。決して事後の対処療法に陥ることなく、他県に先んじた政策を打ち出し、この難局打開のために、なお一層の力強いリーダーシップを知事には発揮していただきたいと思います。
 県民に対するメッセージを含め、御所見をお伺いし、政和・社民クラブを代表しての質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 亀卦川富夫議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、緊急的な雇用対策についてでありますが、厳しい雇用情勢を踏まえ、県民の暮らしと雇用を守るため、昨年12月に岩手県緊急雇用対策本部を設置し、雇用維持、雇用創出、就業支援などを柱に取り組むこととしたところであります。
 まず、雇用維持につきましては、ハローワークや市町村と連携して産業団体等への要請活動を行ったほか、企業に対しては、雇用調整助成金の周知、中小企業経営安定資金の融資枠の拡大や公共事業の前倒し発注など、緊急の対策を実施してきたところであり、引き続き、企業に対しては、雇用を維持するための国の助成制度の周知、活用を働きかけるほか、制度融資の円滑な執行により中小企業の経営安定を下支えし、雇用の維持を図ってまいります。
 雇用創出につきましては、緊急雇用創出事業臨時特例基金とふるさと雇用再生特別基金の二つの基金や、地域の特性を生かした産業振興等により、平成21年度においては2、700人の雇用を創出することとしております。
 また、就業支援につきましては、ハローワークとの連携により求職者総合支援センターを設置し、求職者に対する総合的な就業、生活支援を行うほか、民間職業訓練機関等の協力を得て、離職者の早期再就職を支援する職業訓練の機会を提供することとしております。
 今後とも、国や市町村、関係団体等と連携を密にして、雇用の危機に的確に対応してまいります。
 次に、安定的な雇用の創出に結びつく施策についてでありますが、介護福祉分野におきましては、平成21年度から23年度までの第4期介護保険事業支援計画期間内に、特別養護老人ホーム等の整備により400人程度の雇用の創出を見込んでおります。
 また、既存の介護施設等においては、サービスの質をより高めるために増員を図りたい施設等もあることから、ハローワークや岩手県社会福祉協議会に設置している福祉人材センターを通じて、求人情報の提供や就職のあっせんを行ってまいります。
 教育分野におきましては、学校と地域の協働推進事業による地域コーディネーターの活用や、スクールカウンセラー配置事業の拡充により15人程度の増員を図るほか、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して、就職支援相談補助員や職業支援指導員を雇用するなど、地域人材や専門性を有する外部人材の活用を図りながら、雇用の創出に努めることとしております。
 県といたしましては、産業振興のみならず、介護福祉分野や教育分野を含め、幅広い分野で安定的な雇用が創出されるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、農林水産業の6次産業化の施策展開についてでありますが、本県地域経済を活性化し雇用を創出するためには、基幹産業である農林水産業が食品加工や外食産業等との連携を強化し、農林水産物の高付加価値化を図ることが重要と考えており、これまでも、産学官の連携による新商品の開発や、民間ノウハウを活用した販路拡大の取り組みなどを支援してきたところであります。
 今後は、県内金融機関との連携のもと、本年3月に創設するいわて農商工連携ファンドを活用した商品開発や、新たに実施するいわて6次産業チャレンジ支援事業による生産サイドの流通・加工分野への進出などを積極的に支援し、2次、3次産業と有機的に連携した農林水産業の6次産業化を促進してまいります。
 次に、国に対する県としての要請活動の進め方についてでありますが、公共職業安定所出張所について、統廃合により、地域住民に対する職業紹介等のサービスが低下することがないよう岩手労働局に対して要請を行ったところであり、労働者派遣法の改正については、全国知事会を通じて、国に対して要請してきたところであります。
 今後、これらについて引き続き要請を行うとともに、雇用保険制度の改革や企業の雇用維持に関する国の助成制度の充実についても、全国知事会を通じた要請や岩手労働局への要請などを行ってまいりたいと考えております。
 次に、本県ものづくり産業の展開についてでありますが、自動車関連産業や半導体関連産業の集積を通じて、県内企業の技術力向上や競争力強化に努めてきた結果、金属部品加工や超精密金型技術、先端的表面処理技術などで、独自の強みを有する中小企業が育ってきております。
 こうした企業においては、大手企業との直接取引や試作開発段階から新製品開発に参画するなど、大手企業のパートナーとして全国的な評価を得ていることから、県としては、独自の技術提案ができる中小企業の育成をさらに進めてまいりたいと考えております。
 このため、今後、こうした企業と密接な取引が期待できる研究開発型企業の誘致にも努めるとともに、産学官連携による独創的な技術開発や高度技術人材の養成を進め、ビジネスパートナーとして設計開発段階から提案ができる自立した中小企業の育成に、積極的に取り組んでまいります。
 次に、県内中小企業に対する思いと経営支援策についてでありますが、私は、本県の地域経済活動や雇用面において中小企業の果たしてきた役割は極めて大きいものと認識しており、今後においても、県内中小企業の安定的経営が図られるよう、雇用の維持、金融の円滑化、経営支援など、総力を挙げて支援していきたいと考えております。
 このような考えのもと、1月の県議会臨時会においては、中小企業経営安定資金の融資枠を400億円に拡大し、増加する資金需要に迅速に対応したところであり、来年度当初予算においても、前年度を大幅に上回る300億円の融資枠を設けたところであります。
 また、中小企業からの個別の相談にきめ細かく応じるとともに、昨年末から重ねて中小企業金融連絡会議を開催し、会議を通じて、金融機関に対して円滑な資金供給を強力に要請しているところであり、今後においても、関係機関と密接な連携をとりながら、中小企業への支援に努めてまいります。
 次に、いわて農商工連携ファンドといわて希望ファンドの活用についてでありますが、いわて希望ファンドは、地域資源活用型産業やものづくり産業及び中心市街地活性化に取り組む中小企業者等を支援するものであり、また、いわて農商工連携ファンドは、農林水産業と商工業との連携により新たな地域産業の創出を促し、本県の質の高い農林水産物を活用した食産業の展開などを推進するものであります。
 県としては、これらのファンド支援事業を今後10年間継続して実施し、意欲ある商工業者や農林漁業者のニーズに幅広くこたえ、岩手から世界に挑む地域産業育成の起爆剤となるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、中小企業振興基本条例についてでありますが、県内の中小企業は、本県の経済活動や地域社会を支える重要な役割を担っており、現在の厳しい経済環境の中で新しい局面を切り開いていくため、県として、中小企業の持続的な発展が可能となる環境を整えていく必要があると考えております。
 このため県は、これまで中小企業基本法、いわて希望創造プランに基づき、中小企業に対するさまざまな施策を推進し、中小企業の振興に努めてきたところであります。
 今後、さまざまな支援策の推進に当たり、御提言のありました中小企業振興基本条例を制定することにより、これまでの施策の実効性がさらに高まるかなど、既に制定している先進道府県の事例も参考にしながら、調査検討してまいりたいと考えております。
 次に、農業についてのお尋ねでございます。
 まず、我が国の農業に対する所見についてでありますが、我が国の農業は、暮らしと命の根幹にかかわる食料の安定供給のほか、国土、自然環境の保全や文化の伝承といった多面的な機能を発揮するとともに、地域の経済、社会を支える重要な産業であると認識しております。
 近年、安全・安心な食料の安定的な供給に対する不安の増大や生産構造の脆弱化、さらには、農村地域の活力の一層の低下など、さまざまな課題が顕在化しておりますが、私は、こうした我が国農業が直面する課題に的確に対応し、農業者が自信と誇りを持って取り組むことのできる持続的な農業の確立による食料自給力の向上、さらには、農村の振興による地域経済の活性化や農業の多面的な機能の発揮が図られることが重要と考えております。
 次に、県独自の農業施策についてでありますが、私は、食料の安定供給の確保や農業農村の多面的機能の発揮等、国民生活等に直接かかわる施策については、国の施策として実施することが基本であり、また、地域特性に応じた農業振興施策については、国との適切な役割分担のもとに、地方の裁量で実施することが望ましいと考えております。
 このような考え方のもとに、本県の実情を踏まえた施策や地方の裁量の拡大のための税源移譲などを国に提言するとともに、地域にマッチした園芸産地づくりのための施設整備や短角和牛の生産振興など、本県の地域特性に応じた独自施策を展開してきたところであり、今後とも、こうした考え方に基づき、国への施策提案や本県独自施策の充実に努めてまいります。
 次に、農地の面的な集約についてでありますが、今国会に提出が予定されている農地改革関連法案では、市町村に新たに設置する公的な信用力のある機関が、多数の農地所有者から農地の貸し付け等についての委任を受け、農地の利用者へ面的にまとまった形で貸し付けを行う仕組みを導入するとともに、あわせて、集積した面積に応じて、交付金を交付する措置も講じられることとなっております。
 この制度の創設等により、大規模な農地集積の進展が期待されており、県といたしましては、市町村・関係団体との連携のもと、こうした新たな制度や事業の普及とその適切な運用に努め、意欲ある生産者への農地の面的な集積を促進してまいります。
 次に、農業を産業として育成するための方策についてでありますが、私は、担い手農家の減少、高齢化が進む中で、本県農業を産業として育成するためには、他産業からの企業参入も含め、多様な担い手を確保することが重要であると考えております。
 現行の農地制度のもとでも、農地の貸借による民間企業の農業参入は可能となっておりますが、対象地域が耕作放棄のおそれのある地域に限定されるなどの制約があり、参入が十分に進展しない状況になっております。
 このようなことから、国は、今国会に農地改革関連法案を提出し、農地を適正に利用するという条件のもとに、優良農地も含め農地の貸借規制を廃止するなど、民間企業の農地の利用を大幅に緩和することとしており、県といたしましては、こうした新たな制度が本県農業の振興につながるよう、農地改革の趣旨の徹底とその的確な運用に努め、民間企業の農業参入を促進してまいります。
 次に、医療改革の問題点についてでありますが、県立病院の現状は、医師不足が危機的な状況になっているほか、国の医療費抑制政策により診療報酬のマイナス改定が続き、平成18年度にはマイナス3.16%と大幅な改定が行われるなど、病院経営を取り巻く環境は、現在の県立病院改革プラン策定時の5年前には予想もつかないほど、極めて急速に悪化してきております。
 こうした中で、これまでと同様の機能や規模を維持していくことは困難であり、本県の医療提供体制の崩壊を招きかねない状況にありますことから、県立病院の新しい経営計画を取りまとめたものであります。
 次に、県民の意見集約と合意形成についてでありますが、これまで、地元の開業医の方々から御提案いただいておりますが、まず、当直応援の提案については、病院や有床診療所として維持するには、かなりの回数の当直応援が必要となることから、開業医の方々に過大な負担を強いる懸念がありますこと、また、入院に特化した運営の提案については、経営収支がこれまで以上に悪化するといった課題があるものと考えております。
 今後とも、地域から提案があれば、それぞれの地域において協議してまいりたいと考えております。
 また、新しい経営計画は、昨年11月に公表、パブリックコメントの実施、地域説明会の開催、リーフレットの全世帯配布などを行い、本年2月19日に決定いたしましたが、県立病院の現状は、深刻な医師不足など、一刻の猶予もならない状況に置かれていますことから、経営改革は、できるだけ早く実行する必要があると考えております。
 次に、県政課題への姿勢についてでありますが、新しい経営計画については、昨年11月の公表以来、限られた時間の中で、さまざまな機会を通じ計画案の説明と意見の把握に努め、地域の皆様から出された個別具体の課題については、入院患者の受け入れ先や交通アクセスの確保、当面の病床の休止扱いなど8項目について、計画へ反映させてきたところであります。
 今回の計画策定の進め方に対して御批判があることは承知しておりますが、一方で、現在の医師不足の危機的な状況の中で、疲弊した医師の業務の負担を一刻も早く軽減し、勤務医の離職に歯どめをかけるためには、地域診療センター等の無床診療所化はやむにやまれぬ判断であったことを、県民の皆様に御理解いただきたいと考えております。
 次に、総合的な見地での計画案の策定についてでありますが、計画策定に当たっては、まず、各病院への意向調査を行い、それをもとに、直接病院現場へ出向いて状況を把握した上で、病院長を初めとする医師、看護師、薬剤師など各職種の代表で構成する検討委員会を6回、そして全病院長会議を5回開催し、十分議論を重ね、さらに、事務局長や総看護師長とも意見交換を行った上で決定したものと承知しており、その過程の中で現場の声を反映してきたものと認識しております。
 また、私自身、病院長や医師の代表で構成する団体との懇談等を通じて、現場の生の声を直接聞き、改革の必要性を強く感じたところであります。
 次に、平成17年12月の県議会の決議に対するこれまでの対応についてでありますが、地域で完結する医療提供体制の構築や地域医療の確保に向け、二次保健医療圏の核となる県立病院の救急医療や高度、専門医療機能の充実強化を図り、地域の県立病院、診療所が、プライマリーケアや慢性期医療を担うことで、二次保健医療圏ごとに完結性の高い医療を提供できるように取り組んできたところであります。
 また、がんや脳卒中など4疾病6事業を中心とした医療連携体制の構築や、地域連携パスの拡大などによる機能連携を進めてきたほか、地域医療福祉連携室を中心として、県立病院と開業医との患者の紹介、逆紹介の推進や介護保険施設との連携にも努めてきたところであります。
 次に、県立病院の新しい経営計画の今後の進め方についてでありますが、今回の新しい経営計画は、まさに現在の医師不足の危機的な状況を踏まえて策定したものでありますことから、計画は本年4月から実施する必要がありますが、無床診療所へ円滑に移行するための取り組みの検証と移行後新たに生じる課題に対応していくため、地域診療センター等懇談会の設置を継続するほか、県立病院と市町村等との連携がこれまで必ずしも十分でなかったことから、市町村と連携した病院運営につなげるための情報交換の場として市町村連絡協議会を設置するなど、市町村を初め地元関係者との連携を強め、地域の理解を得ながら、協働で病院運営を行っていくよう取り組んでいくこととしております。
 次に、県営医療をめぐる論議についてでありますが、今、本県の地域医療は、まさに崩壊の危機に瀕しており、一刻の猶予もならない状況となっております。その最大の原因である深刻な医師不足は、いましばらく続くと見込まれ、限られた医療資源の中で県民の生命を守るためには、脳卒中や急性心筋梗塞など生命にかかわる救急医療や、高度専門医療を担う中核的な病院と身近な医療を提供する地域の病院や開業医等との役割分担と連携を進め、医師の集約化や勤務環境の改善に取り組むことにより、二次保健医療圏ごとに、地域全体として必要な医療を提供する体制づくりを進めるとともに、県民の皆様一人一人が、みずからできることに取り組んでいくことにより、みんなの力を医療の力にしていくことで、この危機を乗り越えていかなければならないものと考えております。
 次に、リニアコライダー国際研究所計画についてでありますが、この計画は、31キロから50キロメートルに及ぶ直線の地下トンネルにおいて、電子と陽電子をほぼ光の速度まで加速し正面衝突させることにより、宇宙の成り立ちや物質の根源を探求しようとする、素粒子物理学の分野における高度な学術研究プロジェクトであり、世界に1カ所建設されることとされております。
 現在、世界の研究機関で構成される国際委員会のもとで技術的検討を行っている段階と承知しており、花崗岩岩盤を有する本県の北上高地も、その建設候補地であると聞いております。
 政府として本格的に取り組む動きがありますことから、県といたしましては、関係機関の調査検討を支援するため、建設に必要な地質条件などに関する調査や資料提供などに協力していきたいと考えております。
 また、東北経済連合会においても、国際リニアコライダーの研究内容や学術的意義に関する調査研究や普及啓発などを行う研究会の設立に向け検討していることから、連携を密にし、まず、このプロジェクトに対する社会の理解が進むよう、研究会の活動に積極的に協力していく考えであります。
 次に、危機におけるリーダーシップについてでありますが、今、本県には大きな逆風が吹いています。私は、県民の皆さんが、この逆風をしっかり受けとめ、目指すべき方向を見失うことがなければ、逆風に吹き飛ばされることなく前に向かうことができると信じております。
 この逆風、すなわち危機は、地方が主役となる内需拡大型の真の構造改革を行わなかったことに起因するものであり、既に岩手を初め地方に訪れていた危機が、今、国、そして世界規模になったものと考えております。
 そうした意味において、昨年度策定したいわて希望創造プランは、日本や世界が今取り組もうとしている経済社会の危機の克服を先取りし、岩手の目指すべき方向を示したものであり、このプランに掲げる施策を着実に推進していくことが、この危機を希望に変えていくことができることにつながると考えております。
 また、こういう変化が激しく、先を見通しにくい時代であるからこそ、岩手人かくあるべし、岩手かくあるべしというビジョンが必要であると考え、来年度内に、県民が夢や希望に向かって進んでいく羅針盤としての性格を有する新しい長期計画を策定することとしたところであります。
 私は、こうした岩手の進むべき方向を県民に示すとともに、危機を克服するためには、県民の総力を結集することが必要であることを呼びかけながら、その先頭に立ち、希望に満ちた黄金の國いわての実現に向かって進んでいくことがリーダーとしての努めであると考えております。
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時20分 散 会

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