平成20年12月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 発議案第15号に賛成の討論を行います。
 達増知事の答弁問題は、きょうの議会が、開会が4時におくれた最大の理由となりました。この達増知事の答弁は、議会のルールにも、議会の品位にもかかわる重大な問題でありました。私は、やむにやまれず議事進行を出したのであります。そして、きょうの議会運営委員会で議論され、議会代表が達増知事と話したにもかかわらず、この問題は解決されなかったのであります。民主党会派を除いて、すべての議員が、やむにやまれずこの発議案を出したというのが、この間の経過であります。
 第2に、内容の特徴と問題点について触れます。
 高橋雪文議員の質問のポイントは、危機のときこそしっかりとしたリーダーシップをとって、率先垂範しながら難局に立ち向かうことで、達増知事の哲学も共有され、県民もその方向に向かっていけるのではないでしょうか、ここに質問の核心があります。しかし、知事の答弁は、庁議で議論した答弁から外れた、激高した答弁でありました。
 知事はこう答弁しました。議員は質問の最後のところで、民主主義や草の根という言葉とともにその主体が県民に転換され、よくわからなくなってきているというのが実感というふうに述べられましたが、これは聞き捨てなりません。質問に答えないどころか、質問した議員に対して聞き捨てならない。聞き捨てならないというのを辞書で調べますと、聞いて黙ってはいられないと。異常な答弁であります。そして、質問もしていないこと―昨年の知事選挙を取り上げて、次点となった候補者の考え方、比較などを述べて、議員にはぜひ民意というもの、そして選挙というものを大切に考えていただきたいと注文をしたのであります。質問には答えず、質問した議員には、こういう誹謗と注文をつける、議会のルールに反した答弁であります。
 さらに、ぜひ、議員には草の根の中に積極的に入っていって、県民の声に耳を傾けていただきたいと思います。将来ある若い政治家である議員であるからこそ申し上げさせていただきたいと思います。これが答弁でしょうか。質問には答えず、質問した議員に対して注文をつける、議会のルールに反した問題であります。その後には、麻生総理が岩手に来ることはいいんですかと、聞かれていない問題まで取り上げています。
 議会のルールについて、こうなっています。標準地方議会委員会条例会議規則解説、かなめは、説明員の議会への出席は、地方自治法第121条の規定によって、議長の出席要求があって初めて出席できるもので、しかも、議会の会議での説明も、議長や議員からの説明要求があって初めて行うことができる。質問されたことに答えるというのが議会のルールです。だからこそ、私たちは、議会のあり方調査特別委員会で反問権の問題を議論したのじゃないですか。質問の趣旨を確かめるという点で反問権を認めると。これが、先ほど議会のあり方調査特別委員長が説明した基本条例の中身であります。その特別委員長が、議会ルールも理解もせずに、達増知事のこういうルール違反の品位を欠いた答弁を認めることは、極めて重大であります。
 さらに、高橋雪文議員の再質問にも達増知事は答えませんでした。そのときにも、聞き捨てならないと2度にわたって答えたのであります。
 この間の経過と知事の対応を見ますと、私は、この時点で知事が真摯になって、この誤りを、不適格さを改めるということが最大の解決の道だと考えるものであります。将来性のある若い知事だからこそ、誤りがあれば正す勇気を持っていただきたい、そういうやむにやまれぬ思いでこの発議案が出されているのであります。
 以上をもって賛成討論といたします。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、発議案第15号知事の発言に関する決議を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、発議案第15号知事の発言に関する決議は、原案のとおり可決されました。
   閉会
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第8回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後6時52分 閉会

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