平成20年2月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 発議案第13号に賛成の討論を、発議案第14号に反対の討論を行います。
 道路特定財源問題の核心は、向こう10年間で59兆円の税金をつぎ込む道路中期計画、いわゆる総額先にありきという方式で、際限のない高速道路をつくり続けるのか、その仕組みをやめるのかにあります。
 道路特定財源は、そもそも、1953年に道路財源臨時措置法として制定され、以来、3年、5年と、臨時暫定措置をずるずると積み重ねてきたものであります。暫定税率は1974年に、2年間の時限措置として導入されたものであります。それが34年間も、ずるずると延ばされたものであります。
 国会での論戦で明らかになったことは、道路中期計画には1万4、000キロの高規格幹線道路に加えて、7、000キロ近い地域高規格道路が含まれています。その候補路線には、東京湾口にもう一本の海峡横断道路をかけるなど、全国で六つの海峡横断道路計画などもあることが明らかになりました。これが採算も見通しもない無謀な計画であることは明らかであります。さらに、旅費丸がかえ旅行、米軍住宅11戸に28億2、000万円の無駄遣い、1、000億円をかけた駐車場経営の破綻など、無駄遣いは目に余るものがあります。
 国も地方も深刻な財政危機に直面しています。その最大の原因は、世界に例のない規模で無駄と浪費の大型開発、公共事業を推進してきたことにあります。さらに、今後10年間も道路にだけ59兆円も税金を投入し続ける道路特定財源を維持する理由は全くありません。
 道路特定財源は一般財源化して、国民が求める医療や福祉、教育などに使えるようにすべきであります。また、地方自治体が自主的に使える財源とすべきであります。暫定税率は、道路特定財源をさらに上乗せして、無駄な道路をつくり続ける加速材となりました。廃止することは当然のことであります。国民の世論も、道路特定財源の一般財源化と暫定税率の廃止を強く求めています。
 3月17日報道の共同通信による世論調査では、道路特定財源の一般財源化に60%近くが賛成、暫定税率の維持には61%が反対しています。3月24日の日経新聞の世論調査でも、52%が暫定税率の廃止を求めています。3月22日付の河北新報による東北アンケート調査では、道路特定財源の一般財源化と暫定税率の廃止に7割が賛成しています。国会での審議が進めば進むほど、この流れは強まっているのであります。国民の声は明白であります。
 日本共産党は、党の基本路線を定めた綱領で、無駄な大型公共事業をただし、国民の暮らしと社会保障に重点を置いた財政・経済の運営を目指すことを明記しています。この立場から、四つの改革を提案しています。
 一つは、道路特定財源は一般財源化すること、二つ目に、無駄な道路建設を加速している暫定税率は廃止すること、三つ目に、道路中期計画は撤回すること、四つ目に、二酸化炭素の排出量を考慮した環境税の導入を提案しているのであります。こうした立場から、私は、発議案第13号の採択を強く求めるものであります。
 発議案第14号は、道路特定財源の一般財源化に全く触れず、暫定税率の廃止にも触れていません。これは、政府修正案と同質、同類のものであります。また、それ以下のものであります。これは、まさに、国民、県民の願いに背を向けるものだと言わなければなりません。
 以上申し上げ、私の討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、発議案第13号道路特定財源の一般財源化及び道路関係諸税の暫定税率廃止を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立少数であります。よって、発議案第13号道路特定財源の一般財源化及び道路関係諸税の暫定税率廃止を求める意見書は否決されました。
 次に、発議案第14号道路関係諸税の暫定税率見直しと地方道路整備の財源確保に関して慎重且つ十分な国会審議を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、発議案第14号道路関係諸税の暫定税率見直しと地方道路整備の財源確保に関して慎重且つ十分な国会審議を求める意見書は、原案のとおり可決されました。
   日程第74 議員派遣の件
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第74、議員派遣の件を議題といたします。
〔参照〕
 議事日程第8号中 日程第74 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期間派遣議員
全国自治体議会議会改革推進シンポジウム2008三重県
桑名市
平成20年4月11日から平成20年4月12日まで新居田弘文 議員
高橋  元 議員
柳村 岩見 議員
高橋 博之 議員
阿部 富雄 議員

〇議長(渡辺幸貫君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました1件についてでありますが、会議規則第114条の2第1項の規定により、議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
   閉 会
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第5回岩手県議会定例会を閉会いたします。
   午後4時26分 閉 会

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