平成20年2月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇18番(関根敏伸君) 民主・県民会議の関根敏伸です。
 会派を代表して、道路特定財源の一般財源化及び道路関係諸税の暫定税率廃止を求める意見書について提案理由を説明いたします。
 まず最初に、この意見書の求めるところは、硬直化した制度の是正により、真の地方の自立と大都市と地方の負担格差の縮小、そして減税効果による経済の活性化であります。
 道路特定財源制度は、54年前、道路が未整備で、緊急に道路をつくるためにできた制度であります。しかし、現在は、社会保障や環境問題など喫緊の課題が山積しており、道路を聖域化している特定財源制度は時代に合わなくなっていると言えます。また、地方分権が進む中、地方にとって必要なものは何か、地域の活性化や住民の生活福祉の向上に向けて確保された予算をどう使っていくのかは、地方の我々が主体的に決定すべきものであります。しかるに、現在の道路特定財源制度では、使い道の細目からつくる道路の基準、そしてどこにつくるか、つくらないかまで国が深く関与しており、地方のことは地方で決め、地方の工夫で自分たちの地域を発展させていくという地方自治の原点にブレーキをかけ続けることになります。
 岩手県内でも道路整備は必要だとの認識に変わりはありませんが、我々は、この道路特定財源制度を一般財源化することで、岩手らしいやり方で真の地方主権に基づいた予算配分と事業選択のあり方を目指さなければならないと考えます。
 一方、現在の自動車関係諸税は極めて逆進性が強く、地方と大都市との間に負担の格差を生じさせております。世帯収入と自動車等の維持に要する1世帯当たりの年間支出について平成18年のデータを見ますと、町村部は年間の世帯収入が456万1、000円で支出は27万8、000円となっているのに対し、東京都区部は507万6、000円の収入に対して支出は9万8、000円で済んでおります。世帯収入で下回る町村部が、自動車関係支出では都市部に比べて2.7倍も負担をしているのであります。自動車なしの生活が不可能な地方住民にとって、暫定税率の廃止は地方における世帯当たりの負担を軽減させ、格差の縮小につながるものであります。
 ちなみに、暫定税率を廃止した場合、我々の試算では、岩手県では1世帯当たりの軽減額は7万6、000円となり、全国平均の5万3、000円を上回る効果が出ることが見込まれております。
 またこれは、原油価格の高騰を初め、各種製品の値上げで生活防衛に懸命な多くの県民、特にも我が県の主要産業である農林漁業や物流部門にとっては実質的な減税効果をもたらす効果的な経済対策でもあります。
 以上述べてまいりましたが、この意見書は、後藤新平の自治三訣の精神にもある、自分たちのことは自分たちでという岩手の先人の教えに沿うものであり、今後の地方自治のあり方を問うものでもあります。そして、何より政治は国民のためにあるものであり、現下経済情勢で、国民生活優先の政治実現のためにもこの意見書を提出するものであります。
 議員各位におかれましては、何とぞ御賛同いただけますようお願いを申し上げ、提案理由の説明といたします。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、久保孝喜君。
  〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

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