平成17年12月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇29番(佐々木博君) 民主・県民会議の佐々木博であります。
 議案第10号及び第92号について賛成の討論をいたします。
 議案第92号は、岩手県総合計画の基本構想に掲げる9広域生活圏を、県央、県南、沿岸、県北の4広域振興圏に改めようとするものであり、議案第10号は、これに伴い、地方振興局を再編し、4広域振興圏のうちの県南広域圏について、他に先行して県南広域振興局を設置しようとするものであります。
 広域生活圏の見直しと県南地区の広域振興局1局体制については、本年の6月3日にその素案が公表され、その後、パブリックコメントを経て、9月28日に3広域圏を4広域圏に変更した見直し案が公表されましたが、その後も、なお多くの県民や市町村から幾つかの問題点が指摘されてきたところであり、本議会においても、6月、9月、そして今定例会と、多くの議員がそのことを問いただしてきました。しかしながら、現時点においても、なお幾つかの疑問点や懸念が解消されてはいません。
 その第1は、今回の改革は、本県にとって昭和48年以来の大きな広域行政組織の改革であり、制度として定着するのに相当の年数を要することが想定される中、知事の任期があと1年数カ月となったこの時期に、あえて急ぐ必要があったのかということであります。知事は、4選への出馬を明言されておりませんが、任期に余裕のある時点で提案すべきではなかったでしょうか。
 第2は、この改革の素案が市町村等と一切協議することなく県のみで策定されたということであります。今度の改革の大きな骨子の一つは、県から市町村への権限移譲による市町村中心の行政システムの確立であります。しかるに、日ごろから市町村との対等なパートナーシップを標榜する県の、市町村との協議を経ない今回の進め方は適切さを欠いたのではなかったでしょうか。
 第3は、権限の異なる振興局ができることによって生じる二重構造についてであります。1広域圏にとどまらず、県内一円を対象として活躍する人は県内外を問わず多数おりますが、振興局によって対応が異なるとなると混乱を招き、不便を与える懸念はないでしょうか。
 第4は、県北・沿岸地域の振興についてであります。本定例会で、本庁に副知事を本部長とする県北・沿岸振興本部を設置するとの知事発言がありました。唐突との印象はありましたが、県土の均衡ある発展のためには、県北・沿岸地区の発展は喫緊の課題であり高く評価するものであります。しかしながら、今後ますます財政が厳しさを増す中にあって、具体的に何ができるのかという不安もあり、速やかに具体策を明示すべきであります。
 以上、幾つかの疑問点や懸念について申し上げましたが、一方では、県内でも市町村合併が進展し、本年度末に59市町村が35市町村となる見込みで、一関市のように二つの地方振興局が存在する市や、振興局の圏域に匹敵する奥州市や花巻市、遠野市が誕生することや、将来さらに市町村合併が進展することを考慮すると、広域圏の範囲や振興局の見直しが避けて通れないことは事実であります。また、地方自治の中心は住民に一番身近な市町村が担うべきであり、市町村中心の行政システムを確立していくことは時代の趨勢でもあります。
 加えて、さきに公表された県の中期財政見通しによると、平成19年度から22年度までの4年間での財源不足は、合計で2、354億円、単年度平均で約600億円弱と、予算編成が可能なのかと思えるほどの危機的な状況になることが見込まれており、現在の4、700人体制を4、000人までスリム化する必要性があると言われるなど、これまで以上に徹底した行財政改革が求められております。
 産業振興については、人口減少、少子・高齢化に対応するため地域経済を強化し、地域の自立による県民生活の維持・向上を図るため力点を置いていかなければならないことはもちろんで、特にも、県北・沿岸の底上げを図りながら、県全体のレベルアップを図らなければなりません。
 このような観点からは、本議案2件は、岩手が進むべき方向を示しているという点で評価できるものであり、さきに述べた疑問点や懸念の解消のため、市町村との協議を十分されることや、産業振興に当たっては、あくまで主役は民間で、県はわき役の立場であるという前提で、民間の意見を十分に取り入れて産業ビジョンを策定されることを強く要望するとともに、総務常任委員会での附帯意見に速やかに対応することを求めて、議案第10号と第92号に賛成いたします。(拍手)

〇議長(伊藤勢至君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第59号岩手県立花泉病院の充実を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第59号岩手県立花泉病院の充実を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第19号、議案第20号、議案第23号、議案第29号、議案第34号、議案第35号、議案第38号から議案第43号まで、議案第51号、議案第52号、議案第55号、議案第67号、議案第76号から議案第79号まで及び議案第82号から議案第87号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、議案第19号、議案第20号、議案第23号、議案第29号、議案第34号、議案第35号、議案第38号から議案第43号まで、議案第51号、議案第52号、議案第55号、議案第67号、議案第76号から議案第79号まで及び議案第82号から議案第87号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第10号、議案第14号、議案第33号、議案第44号、議案第75号、議案第90号から議案第92号まで及び請願陳情中受理番号第66号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、議案第10号、議案第14号、議案第33号、議案第44号、議案第75号、議案第90号から議案第92号まで及び請願陳情中受理番号第66号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第8号、議案第9号、議案第11号から議案第13号まで、議案第15号から議案第18号まで、議案第21号、議案第22号、議案第24号から議案第28号まで、議案第30号から議案第32号まで、議案第36号、議案第37号、議案第45号から議案第50号まで、議案第53号、議案第54号、議案第56号から議案第66号まで、議案第68号から議案第74号まで、議案第80号、議案第81号、議案第88号、議案第89号及び請願陳情中受理番号第69号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(伊藤勢至君) 起立全員であります。よって、議案第8号、議案第9号、議案第11号から議案第13号まで、議案第15号から議案第18号まで、議案第21号、議案第22号、議案第24号から議案第28号まで、議案第30号から議案第32号まで、議案第36号、議案第37号、議案第45号から議案第50号まで、議案第53号、議案第54号、議案第56号から議案第66号まで、議案第68号から議案第74号まで、議案第80号、議案第81号、議案第88号、議案第89号及び請願陳情中受理番号第69号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第87 委員会の閉会中の継続調査の件

〇議長(伊藤勢至君) 次に、日程第87、委員会の閉会中の継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
 いわて銀河鉄道線青山駅の整備状況について
環境福祉委員会
 障害児療育のあり方について
商工文教委員会
 学校施設等におけるアスベストの使用状況と今後の対応策等について
農林水産委員会
 林業公社の一元化に向けた取組み状況について
県土整備委員会
 一般国道455号(仮称)北山トンネルについて

〇議長(伊藤勢至君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(伊藤勢至君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。
日程第88号 議案第93号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについて

〇議長(伊藤勢至君) 次に、日程第88号、議案第93号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを議題といたします。
 提出者の説明を求めます。竹内副知事。
   〔副知事竹内重徳君登壇〕

〇副知事(竹内重徳君) 本日提案いたしました人事案件について御説明いたします。
 議案第93号は、収用委員会の委員であります小野寺金彦氏、佐藤克郎氏及び津志田武氏、同じく予備委員であります東海林寛子氏の任期が12月24日で満了となりますので、佐藤克郎氏、津志田武氏及び東海林寛子氏を再任し、新たに小泉寛氏を任命するため、議会の同意を得ようとするものであります。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。

〇議長(伊藤勢至君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は、人事案件でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(伊藤勢至君) 御異議なしと認めます。よって、これより、議案第93号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第93号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(伊藤勢至君) 起立全員であります。よって、議案第93号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
日程第89 発議案第1号岩手県議会会議規則の一部を改正する規則から日程第96 発議案第8号地域医療の確保を求める決議まで

〇議長(伊藤勢至君) 次に、日程第89、発議案第1号から日程第96、発議案第8号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派共同提案及び委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(伊藤勢至君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第6号及び発議案第8号を一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(伊藤勢至君) 起立多数であります。よって、発議案第6号及び発議案第8号は原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第1号から発議案第5号まで及び発議案第7号を一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(伊藤勢至君) 起立全員であります。よって、発議案第1号から発議案第5号まで及び発議案第7号は、原案のとおり可決されました。
   閉 会

〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第17回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後2時17分 閉 会


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