平成18年2月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 県民の暮らしと福祉を守り、切実な要求を実現する立場から質問いたします。
 第1に、社会的格差の拡大と若者の雇用問題についてお聞きします。
 小泉内閣が進める構造改革路線、いわゆる規制緩和万能と市場原理主義、弱肉強食の経済路線のもとで、今、県内でも深刻な貧困と社会的格差が広がっています。生活保護世帯と人員は、この5年間で5、274世帯から7、455世帯に、被保護人員でも7、493人から1万627人に1.4倍と急増をしています。就学援助を受けている生活保護に準ずる水準の児童生徒は4年間で5、376人、3.97%から7、568人、6.15%に、人員で1.4倍、割合では1.55倍となっています。国保税の滞納世帯は3万6、973世帯、13.88%と7世帯に1世帯という深刻な状況であります。全国的にも貯蓄ゼロ世帯が23.8%、貧困率は15.3%で、OECD25カ国の中で5番目に高い実態であります。
 増田知事は、こうした貧困と社会的格差の拡大を具体的にどう認識されているでしょうか。社会的格差の根本には、人間らしい雇用の破壊とも言うべき事態があります。政府による労働法制の規制緩和と大企業によるリストラと新規採用の抑制、正社員を減らし、派遣や請負、パート・アルバイトなど非正規雇用への置きかえによって、労働者の3人に1人、若者の2人に1人が非正規、不安定雇用のもとに置かれ、極端な低賃金と未権利状態に苦しめられています。
 私は最近、青年労働者と懇談して実態を聞きました。派遣会社に登録して働いている青年は、1日8時間働いて6、000円、毎日働く現場が違います。月20日働いたとしても12万円の収入であります。これは20代、30代の単身世帯の生活保護基準12万3、000円より低いものであります。国保税は納めているが国民年金は親に負担してもらっているとのことであります。大手電気店に派遣されていた青年は、3カ月も仕事がなく家で待機して連絡待ちをしている。タクシー乗務員の青年は、1日16時間勤務して基本給10万円、月36万円以上稼がないと歩合給も出ない。血眼になって客を奪い合う状況ということでありました。青年の雇用問題は、青年の現在と未来にかかわる問題であるだけでなく、岩手と日本の将来にかかわる重大な問題であります。
 増田知事に質問します。
 こうした県内の青年の状況について把握されているでしょうか。小泉内閣の5年間で正社員は323万人減少し、非正規社員は337万人増加しましたが、県内ではどうなっているでしょうか。県内の派遣・請負、パート・アルバイトなどの不安定雇用の実態をどう把握しているでしょうか。ジョブカフェいわても視察をしました。就職難に悩む青年の相談機能として重要な役割を果たしています。しかし、最大の問題は就職に結びつける出口の問題と指摘がありました。どう改善強化を図るのか示していただきたい。
 若者の雇用問題の解決のためには、大企業、県内誘致企業で正規社員の採用を拡大することであります。関東自動車の誘致と30万台生産体制の確立は産業の振興にとって大きな期待を持たせるものですが、正規職員、非正規職員の状況、県内からの正規職員の採用状況はどうなっているでしょうか。この5年間の誘致企業による雇用拡大、正規職員の拡大はどうなっているでしょうか。増田知事は関東自動車に対して正規職員の拡大について強く求めるべきと考えますが、どう取り組まれてきたでしょうか。
 県内の従業員の85%を占める中小企業に対する対策は雇用確保にとっても重要であります。県内中小企業の訪問調査で実態と行政への要望を把握し、融資だけではない技術支援や企業間の連携など具体的な支援を抜本的に強化すべきではないでしょうか。
 第2に、介護保険の問題について質問いたします。
 昨年改定された介護保険制度によって、10月から施設入所者に対して食費、居住費が全額負担となり、4月からは軽度要介護者に対して、介護予防の名のもとに、介護サービスの縮小、切り捨てが行われようとしています。
 私は、盛岡市内の特別養護老人ホーム、老人保健施設、在宅介護サービス事業所を訪問して実態を聞いてまいりました。ユニット型個室の特養ホームでは、所得段階3段階、いわゆる非課税世帯でありますが、介護度5で月3万円、年間では36万円の負担増、4段階の高齢者は利用料が月15万2、200円で6万円の負担増、年間では72万円の負担増となっていました。一方で施設の方も年間1、000万円を超える減収となっております。ユニット型個室の老人保健施設では、所得第3段階で月4万円の負担増、年間48万円の負担増であります。4段階では月8万円、年間では96万円の負担増という実態であります。高齢者にとって耐えがたい負担増であり、行き場のないのに退所せざるを得ない、利用料を払えず滞納がふえている深刻な状況も聞いてまいりました。
 県はこうした負担増の実態、経済的理由で退所せざるを得ない実態を、居宅サービスを含めてどういうふうに把握しているでしょうか。経済的理由で退所せざるを得ない高齢者を出すことは、介護保険制度の破綻を示すものと思いますが、市町村と協力して負担増を理由に退所せざるを得ない高齢者に食事代、居住費代の助成などの特別の対策を講じるべきではないでしょうか。
 特養ホームの待機者は、昨年3月末で、在宅で2、059人、施設入所者等を含めますと全体では5、409人となっています。知事は介護度3以上の重度要介護者の待機者の半分を解消すると公約しましたが、現状は逆行しているのではないでしょうか。具体的解消策を示していただきたい。
 軽度要介護者の実態と介護予防に移行させられる高齢者の推計はどうなっているでしょうか。全体の利用者の中での比率も示していただきたい。新たに要介護度1から要支援に認定される高齢者は、3年間の経過措置後は介護施設に入所できなくなります。退所を迫られる入所者はどうなっているでしょうか。来年度から介護保険料が改定、引き上げられます。盛岡市の場合は月993円、年間では約1万2、000円の引き上げとなります。県全体では現段階の推計でどれだけの引き上げとなるでしょうか。4月以降、保険料、利用料の軽減を実施する市町村はどうなっているでしょうか。
 第3に、昨年障害者団体の強い反対の声に背を向けて小泉内閣が強行した障害者自立支援法への対応について質問いたします。
 一つは、障害者の福祉サービスが、4月からこれまでの応能負担から応益負担に変えられます。障害の重い人ほど負担がふえる応益負担はそもそも憲法と福祉の理念に反するものではないでしょうか。これまでホームヘルプサービスは79%の利用者が無料でしたが、4月以降の負担増は具体的にどうなるでしょうか。東京都や京都府、横浜市や京都市などでは、国基準の負担額を半減もしくは減免する助成策が講じられる見込みですが、県としても市町村と協力をして軽減・減免の対策を講じるべきではないでしょうか。また、身体障害者への更生医療、育成医療、統合失調症やうつ病などの精神通院医療が原則1割負担になりますが、負担増の予測と東京都や山梨県のように軽減・減免の助成策が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 二つ目に、10人以下の小規模作業所も新制度への移行が求められています。小規模作業所はこれまで家族の方々の並々ならない努力でつくられ、維持されてきたものであります。それだけに新制度への移行も簡単ではありません。移行できない小規模作業所への助成はどうなるのか。助成が減るということはないのか。移行を目指す作業所への支援策はどうなっているか。小規模作業所の実態を含めて示していただきたい。
 次に、教育問題についてお聞きします。
 来年度から小学校1年生でついに35人学級が実施されることになりました。心から歓迎するものであります。私は初当選以来11年間、一貫して30人学級の実現を求めてまいりました。30人学級の実現を求める運動は県内各地に広がり、これまでに18万5、000人を超える署名も寄せられました。県議会の請願も採択をされました。今回の措置はこうした県民の願いにこたえるものであります。大きな決断でしたが中身は小さな一歩と言うべきものであります。
 そこで、知事に質問いたします。
 一つ、小学校低学年で少人数学級は効果的と県教委自身が評価したのにかかわらず、小学校1年生にとどめたのはなぜでしょうか。2年生までは次年度実施するということでしょうか。
 二つ、30人学級とせずに35人学級としたのは財政的理由でしょうか。
 三つ、今年度試行した1年生を初め、試行した学校、学年については35人学級の対象にすべきではないでしょうか。
 四つ、総額裁量制によって35人学級を実施するということですが、30学級増に必要な教員増となるのでしょうか。私は、引き続き30人学級、少人数学級の拡充を強く求めるものであります。
 教育委員長に質問します。
 学力向上の課題が重視されていますが、その中身は学力テストを小学校3年生から高校1年生まで広げることや、予備校との連携を強める進学校への対策となっています。学力向上と言うならOECDによるPISA調査で世界トップレベルの好成績をおさめているフィンランドの教育に学ぶべきではないでしょうか。フィンランドでは、競争ではなくすべての子供に平等に質の高い教育を保障しています。小学校の学級規模は20人程度で、算数や英語はその半分で授業をしています。教育を担う教師改革を重視して大学院修士課程修了を基礎資格としています。フィンランドは教育改革に当たって日本の教育基本法を参考にしたとも言われています。最近、愛知県犬山市教育委員会は、みずから学ぶ力は学力調査の正答率によって測定できるものではないなどの理由から学力テストへの参加を取りやめる方向を示しました。教員評価制度についても、他者による画一的な評価ではなく、教師自身の自己評価と同僚性に基づく相互評価で授業改善の取り組みを進めるとしています。こうしたフィンランドや犬山市の取り組みをどう評価されるでしょうか。
 また、教育委員長は、昨年の教育の日の式辞で、教育の目的は、人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をとうとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な人間をはぐくむことにあると述べました。これは教育基本法に明記されたものであります。今、教育基本法を国家主義的立場から改正しようとする動きがありますが、教育基本法は改正ではなくその全面的実施こそ求められているのではないでしょうか。
 第5に、農業問題について質問をいたします。
 今、農家が一番危惧しているのは、国の経営安定対策、品目横断的経営安定対策への対応であります。これは、これまでのすべての農家を対象にした価格支持政策を全廃し、一定規模以上の農業経営以外を農業の担い手から排除する、家族経営を全面的に破壊する政策を推し進めるものであります。対象となる4ヘクタール以上の田畑を耕作する農家は県内では5、567戸で、販売農家6万7、511戸のわずか8%であります。9割以上を切り捨てる政策で岩手の農業も農村も維持できなくなるのではないでしょうか。1、589の集落営農ビジョンが作成されていますが、品目横断的経営安定対策の要件にかなうものが幾らあるでしょうか。数、比率を示していただきたい。ビジョンの取組状況はどう分析されているでしょうか。国の基準をクリアできる集落営農はどれだけと見込んでいるでしょうか。対象とならない大多数の農家、集落営農への対策はどうなっているでしょうか。国の画一的基準の集落営農ではなく、地域の状況にかみ合った多様な集落営農を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第6に、簗川ダムや津付ダムなど大型開発の見直しについて質問します。
 来年度末1兆4、000億円の県債残高にあらわれている県財政の危機的状況をつくった最大の要因は、予算の規模を超えた大型開発、不要不急の大規模公共事業を推進してきたことであります。問題は、現在でも大型開発が継続、推進されていることであります。事業費530億円の簗川ダム建設事業は、昨年11月18日の大規模事業評価専門委員会で関係者からの意見聴取を行いました。そこではダムに関する専門家から基本高水流量の妥当性、簗川の特徴にかなった治水対策、河川改修などの代替案との費用比較などについて、具体的な対案と言うべき意見が出されました。知事はこの中身を承知しているでしょうか。ところが、専門委員会では、こうした意見について十分議論することなく、このままでダム事業をやめるというわけにいかないとして、要検討、見直し継続は妥当とした答申を出しました。調査権を持った専門委員会としては極めて不十分な審査のように感じますが、今後何をどのように検討されるのでしょうか。また、来年度の事業内容はどうなっているでしょうか。
 津付ダム建設事業は、当面30分の1の治水安全度で事業が進められます。なぜ河川改修より70億円も過大な160億円のダム建設事業を進めるのでしょうか。深刻な財政状況のもとでダム建設を進める理由は何でしょうか。
 花巻空港ターミナルビル建設が2年間延期となりました。これは利用客が減少しているもとで当然のことであります。知事は、利用客が増加すること、事業費を15億円まで縮小することを事業実施の条件としているようですが、具体的根拠は何でしょうか。国際チャーター便のためなら過大なターミナルビルの建設を進めるべきでありません。海外からの観光客誘致と言うなら、東北各県との連携した取り組みこそ強化すべきではないでしょうか。
 次に、大型店問題とまちづくりについて質問します。
 イオングループを初めとする大型店の無秩序な出店によって、県内でも商店街の衰退、中心市街地の空洞化を招いています。平成16年の商業統計調査によれば、事業所数、従業員数、年間商品販売額が減少している中で、売り場面積だけが8万3、012平米、5%の増加になっています。大店立地法施行以後の大型店の出店状況とイオングループの出店状況は、売り場面積、比率を含めてどうなっているでしょうか。現在、出店計画はどう把握されているでしょうか。内閣府の世論調査では、6割の人が大型店の規制が必要と答えています。政府も、今国会に都市計画法の改定案を提出し、土地の利用規制を強化して、大型店の郊外出店の抑制を図る方向を示しました。
   〔副議長退席、議長着席〕
 福島県など自治体レベルでの大型店出店の規制、調整の条例化などの取り組みも全国で広がっています。県は、中心市街地活性化研究会を設置して検討を重ねていますが、対応が遅く、今後目指そうとする方向も中間報告では抽象的な感じがします。どのように大型店の出店を規制して、総合的なまちづくりを進めようとしているのか。人口減少時代を迎え、これまでの都市化の拡大から縮小・管理を目指すスマートグロース、コンパクトシティーの方向も示されていますが、具体的にどう進めようとするのでしょうか。盛岡市も人口減少が既に進行しています。コンパクトシティーを目指すと言うなら、新たな都市化を目指す盛南開発は見直すべきということになるのではないでしょうか。
 次に、競馬組合問題について知事に質問いたします。
 知事はみずから管理者を務めてきた競馬組合を破綻状態に追い込み、昨年おくればせながら再建を目指す競馬組合改訂実行計画を作成し、27億円の融資の提案を行いました。その際知事は、乾坤一てき、計画の内容は達成可能と明言しました。しかし、今年度の実績は、営業利益で10億9、000万円の赤字、特別損益を入れても3億円余の赤字となっているのではないでしょうか。計画の何がなぜ達成できなかったのか、知事の努力と責任を含めて示していただきたい。
 さらに、来年度は30億円も売り上げを伸ばす計画となっていますが、JRAも他の地方競馬も売り上げを減少させている中で、30億円も売り上げを伸ばす客観的根拠はどこにあるのでしょうか。インターネット発売も条件が変わりJBCの開催もできず、コスト削減計画も破綻しています。こういう状況で、改訂実行計画を見直しもせず27億円を融資することは全く認められないと言わなければなりません。赤字をふやすだけと言うべきですが、県民の理解が得られると考えているのでしょうか。
 次に、給与構造改革について人事委員会委員長に質問いたします。
 県人事委員会は勧告で4.8%という大幅な賃金の引き下げを求めました。
 一つ、これは県職員の利益を大きく損なうものであり、人事委員会の役割を放棄するものと言うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 二つ、岩手県における民間賃金との格差は3.78%でありました。4.8%も賃金を引き下げるその根拠は何でしょうか。
 三つ、地方公務員にとって今回の給与構造改革は、ほとんどが賃金の引き下げとなり、国家公務員の場合は、地域手当の調整であり人件費総額は変わらないとしています。これでは国による地方財源の一方的削減と言うべきものではないでしょうか。
 四つ、公務員賃金の引き下げは、それを理由とした民間賃金の引き下げにつながりかねないものであります。賃金引き下げの悪循環をもたらしかねないことをどのように検討したでしょうか。
 五つ、青森県や秋田県、福島県では経過措置期間中の昇給抑制については勧告しませんでした。地域手当に関係ない岩手でなぜ勧告したのでしょうか。
 六つ、公務職場の能力成果主義の導入、勧告では査定昇給制度、勤勉手当の格差支給の拡大を進めるべきとしていますが、民間職場においても富士通に見られるように問題が多いと指摘されているものであります。どのような検討の上で、利益追求でない公務職場に導入すべきとしたのでしょうか。
 総務部長に質問します。
 県内の民間格差以上の賃金引き下げについて検討されたのでしょうか。職員団体との十分な協議、交渉と合意はどうなされているのでしょうか。
 憲法制定60年を迎え、県国民保護計画について質問をいたします。
 ことしは憲法が制定されて60年の記念の年であります。知事に質問します。
 戦後、日本が憲法9条をつくった際、そこには日本が二度と戦争をする国にならないという不戦の誓いとともに、戦争放棄と軍備禁止という恒久平和主義を極限にまで踏み出すことで、戦争のない世界への先駆になろうという決意が込められていました。ところが、憲法9条は日米同盟の邪魔者というアメリカの圧力のもとで、自民党はこの憲法9条を改変して、自衛軍の保持を明記し、自衛隊が軍隊としてアメリカの戦争に参戦できるようにしようとしています。憲法9条をめぐる動向は21世紀の日本の進路を左右するばかりでなく、世界とアジアの平和秩序にもかかわる重大な課題となっています。改めて憲法9条に対する知事の見解を求めます。
 県は、1月、岩手県国民保護計画を策定しました。その内容は、着上陸侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃など、あり得ない武力攻撃事態を想定して、それに備える訓練や体制を構築しようとするものであります。これは平時に県民を戦争準備体制に動員するものであり、戦争の放棄を明記している憲法にも反するものと言うべきですが、知事はどう認識されているでしょうか。
 武力攻撃事態の可能性、攻めてくる仮想敵国はどこでしょうか。根拠があるのでしょうか。計画では三陸海岸はゲリラや特殊部隊、または武装工作員を密かに潜入させるといった目的に対しては適した地形と考えられることから、的確に対応することが重要とされていますが、どう対応されるのでしょうか。戦争準備の訓練は、情報公開に逆行し軍事優先の暗黒の体制づくりとなるものであります。具体的に計画をどう進めようとしているのでしょうか。市町村に対して計画の策定を強制すべきではないと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、県警察本部の捜査費、捜査報償費について質問いたします。
 捜査費、捜査報償費はこの間、どう推移しているでしょうか。平成16年度の捜査報償費は1、380万円余で、前年比1、681万円減の45%の実績でした。これほど一気に大幅な減少となった具体的理由は何でしょうか。今、全国の警察で問題になっているように、実際には目的どおりには使われない裏金だったのではないでしょうか。また、来年度の捜査報償費は2、167万円計上されています。平成16年度の実績と比べて787万円増額、1.57倍となっているのはなぜでしょうか。具体的理由を示していただきたい。また、捜査報償費は何に使われているのでしょうか。
 県公安委員長に質問します。
 捜査費、捜査報償費の支出状況には余りにも不自然な急激な減少が見られます。公安委員会として正規に支出されているのか、調査、検証はされたでしょうか。検討はされてきたのでしょうか。
 代表監査委員に質問します。
 警察本部の捜査報償費を平成17年度の監査の重点項目としていますが、監査の結果と特徴はどうなっているでしょうか。情報提供者への謝礼は捜査報償費の中でどれだけの支出、割合となっているでしょうか。情報提供者の氏名、住所は開示されたのでしょうか。開示されたとしたら実際に受け取っているか確認されているでしょうか。
 以上で質問を終わりますが、答弁によっては再質問問をさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、社会的格差の拡大ということでありますが、生活保護や就学援助を受けている世帯・人員の増加につきましては、これまでの我が国の景気の低迷や本県を含む地方へ景気回復の波が十分に及んでいないことなどが主たる要因である、このように考えております。こうした被生活保護世帯・人員の増加は、ここ10年来、全国的な傾向として続いてきておりますが、こうしたことが小泉内閣の進めてまいりました構造改革に起因して拡大をしているものなのか、判断することは困難であると考えております。
 規制緩和などを進める構造改革は、企業活動の活発化や生産性の向上を促すなど一定の効果も認められ、また、市場経済を重視する社会におきましては、競争によりある程度の格差が生じることとなると考えられるわけでありますが、重要なことは、所得格差が固定化することのない柔軟な社会が維持、継続されるとともに、生活保護などの社会保障制度がしっかりと維持されることでありまして、とりわけ市場経済のみにゆだねることができない医療、福祉などの分野、市場が形成されていない地域があることなどを考えますと、社会的に弱い立場にある人を地域全体で支えるようなセーフティネットを構築していくことが極めて重要である、このように認識をしております。
 次に、若者の雇用問題についてであります。
 県が行っております労働相談やジョブカフェでのカウンセリングなどによりますこうした状況の把握と、私自身も実際に就職活動をしている若者の実情などを聞いているところであります。そして、正規、非正規別の本県データにつきましては、5年に一度の国の就業構造基本調査がそのデータの根拠となっておりますが、これによりますと、平成9年から平成14年の間におきまして、本県の15歳から34歳までの雇用形態は、正規職員の方は2万9、800人の減少、非正規職員は1万9、600人増加、このような数値になっております。
 また、同じ平成14年の就業構造基本調査によりますと、本県の15歳から34歳までの雇用形態、正規職員が73.7%、これは率で、平成9年比較で11.2ポイント減、それから非正規職員が26.2%、平成9年比較で11.1ポイント増、このようになっているわけであります。
 平成16年度における県内の派遣労働者数は、国の調査によりますと2、540人となっておりまして、前年度より38.2%の増となっております。また、平成16年における全従業員に占めるパートタイマーの割合でありますが、県の労働条件等実態調査によりますと13.8%でございまして、前回の平成13年調査よりも5.2ポイント上昇、このような数値になっております。
 また、ジョブカフェいわてについてでありますが、これは、平成16年7月の開設以来、これまでに約6万7、000人の若者に利用され、うち約2、000人が就職に結びついております。来年度は、新たに若者と企業との接点をふやして、一人でも多くの若者が就職できますように、中小企業と若者を結ぶネットワーク構築事業の導入を図りまして、ハローワーク等との関係機関と連携しながら、いわゆる出口部分での支援に重点的に取り組んでいく考えであります。
 次に、関東自動車岩手工場の生産拡大、そして工場増設でありますが、これまでトヨタグループ首脳などに対しまして、機会あるごとに要請してきたところでありまして、このたびの第2ライン増設の実現や従業員の大幅な増加に結びついたと考えております。
 今後とも、私からもトヨタグループの首脳との面談の機会などを設けて、同工場のさらなる生産拡大や正社員の採用拡大などにつきましても、引き続き要請をしてまいりたいと考えております。
 次に、特養ホームの重度の在宅待機者でありますが、平成15年3月末では1、013人でございました。待機者解消の一環として平成15年度から17年度の3年間で、新たに19施設696床分の増床をいたしまして、おおむね計画的に整備を行ってまいりました。
 こうした特養ホームの入所者の半数以上が老人保健施設や病院からの入所者であることなどから、在宅の待機者の半減とはなっていない状況でございます。
 平成17年3月の特養ホームの重度の待機者は、在宅で待機している方が1、161人、老健施設や病院などの施設で入所待機をしている方が2、549人、このようになっておりまして、引き続き、計画的な施設整備、在宅サービスの拡充、入所指針による必要度の高い方の優先的入所などに努めていくこととしております。
 次に、教育関係で、少人数学級についてであります。
 まず、今回の少人数学級導入は小学校の1年生にとどめたのはなぜかということでありますが、本県の小学校では、原則的に小学校1年から2年生に進級する時点で学級がえを行わないということを基本としておりますので、導入に当たりましては、まず、小学校1年生から実施するとしたところでございました。
 平成18年度に35人学級編制を導入するわけでありますが、その対象となる1年生が2年生に進級する際に学級がえをすることがないように、その次の19年度から小学校2年生に拡充することについて検討していきたいと考えています。
 また、35人学級とした理由でありますが、これは、幼稚園の学級編制基準が35人でございまして、小学校生活へのスムーズな移行が可能となるということ、また、導入後は、すこやかサポート非常勤講師の配置と相まって、県内の小学校1年生の全学級で、実質30人以下規模の学級が実現することとなります。また、児童同士の切磋琢磨の機会を確保できる、こういったこともございまして35人としたものでございます。
 今年度、今、試行的に少人数学級に取り組んでいますが、その1年生を初め、試行した学校、学年は35人学級の対象とすべきではないか、こういうお話でございました。今年度、この試行を実践した学校につきましては、2年生に進級する際に、原則として学級がえを行っておりませんので、平成18年度も引き続き研究校として教育委員会の方で指定を継続していく、このように聞いております。
 また、1年生以外の学年でございましても、来年度、少人数学級編制を延長したいという市町村教育委員会がある場合には、できるだけ弾力的な学級編制の希望に沿えるように対応していく、このように聞いているところでございます。
 また、必要な教員増につながるかどうかということでございますが、その関係につきましては、35人学級導入に伴います30学級増分の教員数についてでございますが、これは、標準法によって措置されている教職員定数を、総額裁量制の導入に伴いまして、その財源を有効に活用して弾力的に取り扱うことが可能となりましたことや、定数の配当を工夫すること等によりまして、少人数学級導入のための教員数を確保することとしたものでございます。
 次に、大型開発で、まず、簗川ダムの関係でございますが、簗川ダムについての大規模事業評価専門委員会で、関係者から意見を聴取いたしました。その中で、基本高水流量が過大ではないかとか、破堤しない堤防の強化策の提案でありますとか、代替案の費用がふえた理由などの意見があった、このように聞いているところであります。
 次に、今後、何をどのように検討するかということでありますが、今後は、答申に附帯意見がついておりますので、その附帯意見の基本高水流量につきましては、河川工学の専門家に確認していただきまして、必要がある場合には、追加検討を行うとともに、この確認や検討結果をわかりやすくまとめて公表するなど、流域住民等に、より一層理解を深めていただくように努めていきたいと考えております。
 また、来年度の事業内容でありますが、来年度予算の中では14億500万円を計上しております。これは、主な内容は、付替国道106号の橋梁工事と付替県道のトンネル工事となっているところでございます。
 それから、津付ダムについてでありますが、こちらについても、河川改修よりも70億円過大なダム事業を進めるのか等、何点か御質問がございました。
 この津付ダムがございます気仙川ですが、この気仙川は、過去に多くの洪水被害が発生しておりまして、流域住民の生命や財産を守るため、治水対策の必要性と緊急性が高いと判断いたしておりまして、目標とする治水安全度を70分の1とする河川整備基本方針を策定しているところであります。気仙川は70分の1となっております。
 こうした気仙川の治水対策は、この基本方針を踏まえて今行っているわけでございまして、ダムや遊水地、あるいは河川改修等、さまざまな方法の中から、ダムと河川改修の組み合わせが社会的・経済的に最適であると判断いたしておりまして、当面の整備計画では、下流全川にわたりまして早期に、効果的に治水安全度を向上することができるこの津付ダムを先行して整備しているものでございます。
 次に、花巻空港新ターミナルビル建設についてのお尋ねがございます。
 いわて花巻空港新ターミナルビル建設につきまして、今後、利用促進については、これまでの旅行商品の企画や販売などの取り組みに加えまして、ダイヤ改善について強く航空会社に働きかけるなど、取り組みを強化していく考えであります。
 また、新ターミナルビルの整備につきましては、空港ターミナルビル株式会社の将来にわたる自立的経営を見通せることが極めて重要でございますので、建設事業費をできる限り縮減する必要がございます。
 また、海外からの観光客誘致につきましては、東北各県との連携が必要と考えており、また、いわて花巻空港の利用促進に努めていくことが重要と考えているところであります。
 次に、競馬組合問題であります。
 今回の計画達成できなかった理由でございますが、主な計画目標のうち、売り上げは、11月時点までは計画比で99%まで達成しておりましたけれども、12月の例年にない降雪も影響いたしまして、特別開催4日間を残して、計画いたしました299億円に対して291億円と厳しい状況になっております。
 また、コスト削減は、内容で過不足はございますものの、総体としては目標とした水準を達成いたしました。
 資産売却は、テレトラックつがる等は実現するなど一定のめどは立ったわけでありますが、競馬会館の売却は平成18年度になるものと見込まれておりまして、当初計画どおりの実現は困難になっている、こういう状況にございます。
 私としても、節目節目で競馬組合職員に思いを伝えるなど、競馬関係者も一丸となって取り組んだ結果、一定の成果を上げることはできましたものの、まだまだ努力が不足していたものと受けとめているわけでございます。
 平成18年度は、インターネット発売の導入などの新たな取り組みを展開して、ぜひとも岩手競馬の再生に向けた道筋をつけられるように全力で取り組むことが、私の果たすべき使命と考えているところであります。
 また、売り上げを伸ばす根拠についてでございますが、平成18年度、インターネット発売の導入、新たなかけ式の追加、広域場外発売の拡大、こういう主に三つの発売関係の新たな取り組みを展開いたします。最近、インターネットや電話投票会員数が増加しておりますことや、同様のかけ式を追加した際の他主催者の実績から見まして、売上増加が期待できるものと考えているところでございます。
 また、県民理解についてのお尋ねがございました。
 先般策定しておりました改訂実行計画でありますが、これにつきましては、先般開催されました競馬組合議会におきまして、議員の方々から、改訂実行計画を見直すべきなどの御意見をいただいたことを重く受けとめまして、競馬組合に適切に見直すよう指示をしたところでございます。
 平成18年度の競馬組合の計画及び予算は、改訂実行計画の平成17年度の進捗等の諸状況を踏まえながら、修正すべき点は修正をして立案したものでございまして、インターネット発売や新たなかけ式の導入など新たな取り組みを着実に推進して、再建の道筋を見せていくことが、県民の皆様方の御理解を得る方法、このように考えているところでございます。
 次に、憲法9条についての見解でございます。
 憲法第9条は、さきの大戦における唯一の被爆国として、戦争のもたらす悲惨さを痛切に体験したことを踏まえまして、再び戦争の惨禍が起こることがないようにすることを強く決意して、深く恒久の平和を念願して制定されたものでございまして、我が国憲法の特色である平和主義を具体化した極めて重要な規定であると認識しております。そして、そこに具現化された精神は、制定後60年を迎える今日も変わることなく、むしろ、混迷を深める国際社会におきまして、ますますその意義、重要性を増しているものと考えております。
 次に、国民保護計画についてでございますが、国民保護法制は、我が国に対する外部からの攻撃から、国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活及び国民経済への影響を最小とするために、武力攻撃事態等における関係者の責務、必要となる措置等の事項について、所要の規定を設け、国全体として万全の体制を整備し、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するための法制でございます。
 我が国の平和と安定の確保のためには、日常における諸外国との対話、交流、協力を通じた信頼関係の増進が第一でございますが、知事として、県民の生命、身体、財産を守るという大変重大な責務がございます。万が一の有事に備えて、その対処方法や手続などについて、あらかじめ法を整備しておく必要があるという考え方から、有事法制や国民保護法などの必要性は認めるとしてきたところでございます。
 しかしながら、国民保護法制は、いわば有事における対症療法に当たるものでありまして、法律が発動されることがないように、国において、外交に重点を置いた予防に全力を尽くすことが大事である、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔商工労働観光部長酒井俊巳君登壇〕
〇商工労働観光部長(酒井俊巳君) まず、関東自動車の雇用状況についてでございますが、関東自動車工業岩手工場の従業員数につきましては、本年1月11日の第2ライン完成披露式の公表資料によりますと2、680人となってございます。第2ラインの増設などにより、増設前の平成16年4月と比較しますと、従業員で約1、000人増加しているという状況でございます。同工場の従業員は、正社員、期間社員あるわけでございますが、この内訳については公表されていないというところでございます。
 それから、同工場への県内からの正規職員の採用の状況でございますが、これも数字は公表されてございませんが、5割ぐらい、5割は超えていると聞いてございます。
 それから、過去5年間の誘致企業による雇用拡大の状況でございますが、平成13年度から今年度の現時点までに67件の企業立地がございましたが、立地決定時に企業から公表された雇用計画によると4、377人の従業員が雇用される予定となっております。ただ、現状の数値については、正確には把握してございません。
 次に、中小企業の支援強化についてでございますが、日ごろから、当部職員等による企業訪問あるいは各種アンケート調査等を実施しているところでございまして、企業の経営状況の把握に加えまして、取引支援、設備導入、技術指導等の要望を把握しております。その上で、それぞれの施策に具体的に反映させているところでございますが、今後とも、県内中小企業の声を直接伺うという姿勢を大切にするよう、さらに職員に徹底しながら、企業ニーズを十分に踏まえた施策の充実・強化に努めてまいりたいと考えております。
 大型店の出店状況等についてでございます。
 大店立地法施行以降の大規模小売店舗の出店状況は、大店立地法による届け出件数で、本年2月末現在49件となっております。
 また、イオングループの出店状況でございますが、イオン直営店舗などを含む商業施設は、現在、県内15カ所で営業しているわけでございますが、平成16年商業統計調査時点で、イオングループが本県小売業売り場面積の9.3%を占めているということでございます。
 それから、大型店の出店計画の把握でございますが、大規模小売店舗の今後の出店につきましては、大店立地法届け出のうち、今後開業予定のものが14件と承知してございます。
 そのうち、イオン直営店舗などを含む商業施設の開業予定は、2件と承知してございます。
 それから、大型店の出店規制と総合的なまちづくりについてということで、今後どう大型店を規制し、総合的なまちづくりを進めようとしているかということでございますが、大型店の規制につきましては、今般、抜本的な見直しとなるまちづくり三法に関する改正法案では、集約的な都市構造を実現するという観点から、大規模集客施設の適正立地を誘導する制度が盛り込まれておりまして、今後の持続的なまちづくりに向けて一定の役割、効果を果たすのではないかと考えております。
 県といたしましては、当面、この見直しとなるまちづくり三法の仕組みを活用しながら、総合的なまちづくりを進めることが適当と考えてございますが、いずれ、こういったまちづくり三法は、あくまでもまちづくりのためのツールであります。このツールをどううまく活用してまちづくりをするかということを行政、事業者、住民が協働で考え、実行していくことが大事だと考えております。
 今後、新年度に設置を予定しております有識者等による懇話会などで、こうした議論を行いまして、また、中心市街地活性化支援策の検討などもこの有識者懇談会の中で行いながら、本県の地域事情に即した総合的なまちづくりを進めていきたいと考えております。
   〔保健福祉部長赤羽卓朗君登壇〕
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 介護保険制度についてでございますが、まず、負担増の実態等でございますが、昨年10月に行われました見直しの影響について、平均額を一部のサービスを例に申し上げますと、特別養護老人ホームユニット型個室の1カ月当たりの居住費・食費は、第1段階の方で5、534円、第2段階の方で2、788円、第3段階の方で3万309円、第4段階では4万1、807円の増となっているところでございます。
 また、居宅サービスでは、1食当たり、通所介護では213円の増、通所リハビリテーションでは260円の増となっております。
 なお、施設サービスにつきましては、いわゆる補足給付を含んで算定してございます。
 居住費・食費の負担増加を理由に施設を退所した方は、平成17年10月から本年1月末日までの間で合計49人となっております。
 次に、負担増への県の対応についてでございますが、今般の改正に伴い、補足給付の創設といった利用者負担の軽減が行われているところでございます。
 平成17年9月に県が行いました調査では、10月の制度改正時の補足給付対象者は、特養利用者の約83%、老健入所者の49%となっているところでございます。
 県としては、こうした軽減策が着実に行われるよう市町村を指導していくこととしており、特別の対策を行うことは予定していないところでございます。
 次に、軽度要介護者の実態と介護予防に移行する高齢者の推計についてでございますが、現在の介護度区分による要介護1の方は、平成18年度には約1万9、000人と見込まれておりまして、そのうち要支援の対象となる方は9、900人と見込んでおります。52%ほどの方が、いわゆる介護予防対象者になるものと推計しているところでございます。
 こうした方々の介護サービス利用者全体の中での占める割合でございますが、ごく粗い試算でございますが、約27%と見込んでおります。
 次に、要支援に移行する高齢者の退所についてでございますが、現在、特別養護老人ホームに入所している要支援の方はいらっしゃいません。要介護1の方は298人いらっしゃいます。これは――大変失礼しました、平成16年度末でございます。その後の要介護度の変更もあり得るところでございまして、このうち何人の方が経過措置対象となるかは、現在のところ把握してございませんが、こうした方々に対しては、市町村から早期に事前の説明を行っていただくとか、利用者やその家族の状況を見ながら、必要な在宅サービスの確保とか居住型施設への移行などについて、市町村や施設などが連携して適切に対応するよう指導してまいりたいと考えております。
 次に、介護保険料の引き上げについてでございますが、現在精査中でございまして、確定値ではありませんが、県平均額につきましては、現在の3、018円から約20%強の増、金額的には3、700円程度になるのではないかと見込んでございます。
 それから、保険料・利用料の軽減を実施する市町村についてでございますが、平成17年度におきましては、保険料の独自減免を行っている市町村は29市町村ございます。利用料の独自減免については17市町村となっております。
 平成18年度以降、これらの市町村が引き続きこういった減免を行っていただけるのではないかと考えております。新たに独自減免を行う保険者については、承知していないところでございます。
 次に、障害者自立支援法への対応についてでございます。負担増についてのお尋ねでございますが、県としましては、法に基づき県民の福祉向上を図るという観点から、市町村やサービス提供事業者とも連携し、障害者自立支援法が求める理念の実現に向け努力してまいりたいと考えております。
 ホームヘルプサービス利用者の4月以降の負担増についてでございますが、平成17年10月時点での居宅介護等支援費の利用料が無料であった方は、身体障害者では約79%でございました。知的障害者あるいは障害児も加えた全体では、80%の方が無料となっております。この平成17年10月の費用負担区分と利用状況をモデルに、この4月以降の負担を推計いたしますと、約91%の方に負担が発生することとなってまいります。そして、現在無料の方1人当たりの月額の平均負担額は、身体障害者と障害児が約5、600円、知的障害者が2、600円程度と見込んでおります。
 県としての独自の軽減・減免策でございますが、障害者自立支援法におきましては、利用者負担の軽減策として負担上限額の設定、高額障害福祉サービス費、社会福祉法人減免等の措置を講ずることとしております。県としましては、これらの軽減策が、各市町村や事業所において適切に運用されるよう努めてまいりたいと考えておりまして、独自の軽減策は予定していないところでございます。
 次に、精神通院医療費等の負担増の予測と独自の軽減策でございますが、大まかな試算では、1人当たり年額1万4、000円程度の負担増等を見込んでございます。自立支援医療につきましても、負担上限額の設定による負担軽減策が講じられますほか、重度障害者につきましては、県単独の医療費助成事業の対象ともなりますことから、軽減策として、これらの適切な運用を図ってまいりたいと考えております。
 次に、小規模作業所についてでございますが、まず、実態でございますが、現在、小規模作業所は県内に59カ所ございます。利用されている方は約760人となっております。利用人員が10人未満のものは23カ所となっております。
 小規模作業所への助成についてでございますが、平成18年度当初予算案におきましては、従来どおりの運営費補助の考え方により、通年分を予算計上しているところでございます。
 しかしながら、平成18年10月の障害者自立支援法の本格的施行以降、小規模作業所につきましても、安定的に運営可能な方向にできるだけ移行していただくことが望ましいと考えております。具体的に申し上げますと、障害者自立支援法に基づく地域活動支援センター、あるいは生活介護や就労系の事業所に移行し、地域における障害者福祉サービスの提供主体の一つとしての役割を果たしていただくことを期待しているところでございます。
 今後、市町村とも連携いたしまして、また、作業所関係者の御意見も伺いながら、法の本格的施行時期前ごろまでには、それぞれの作業所の方向が明確になるよう支援していきたいと考えております。
 なお、移行を目指す作業所への支援策でございますが、平成18年度当初予算案では、移行に当たり必要となる備品の購入費等の補助、あるいは地域特性を踏まえた移行計画の推進支援のためのコーディネーターの派遣事業といったものを盛り込んでおりまして、ハード、ソフト両面から、移行を支援してまいりたいと考えております。
   
〇議長(伊藤勢至君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
   〔農林水産部長今泉敏朗君登壇〕
〇農林水産部長(今泉敏朗君) 農業問題についてお答えします。
 品目横断的経営安定対策と本県の農業・農村の維持についてですが、集落ビジョンで明確化された担い手を主業型経営体へ育成するとともに、小規模・兼業農家も含めた集落営農の組織化を図ることで、明確化された担い手としての集落型経営体へ育成していくことで、活力ある農業・農村の維持に努めてまいります。
 次に、品目横断的経営安定対策の要件にかなう集落営農ビジョン数についてでございますが、品目横断的経営安定対策の集落型経営体に該当するための要件は六つございまして、一つが経営規模で、農地面積が20ヘクタール以上であること、農用地の利用集積目標を定めること、組織の規約を定めること、経理の一元化を行うことなどなど、六つございます。このうち面積要件に関しましては、ビジョンを策定したすべての集落が、その要件を満たしております。
 なお、現時点でこの六つの要件すべてを満たしている経営体が存在する集落ビジョンは20ビジョン、率でいけば1.3%となってございます。
 次に、ビジョンの取り組み状況についてでございますが、ビジョンを策定した集落は1、589ございますが、その約半数の46%に当たる731が集落営農実現に向けた合意形成など具体的な動きが出てきてございます。
 次に、国の基準をクリアできる集落営農数についてでございますが、具体的な動きがある731のうち、熟度が高い約400の集落営農組織を先行して誘導すべき対象としてリストアップしたところでございます。国の対策の対象となるためには、まずもって、面積要件のほかに規約の作成と経理の一元化の要件をクリアすることが必要でございますことから、組織化を支援する集落コーディネーターの派遣や経理の一元化を指導する税理士の派遣など、この実現に向け具体的に支援していくこととしております。
 次に、対象とならない農家、集落営農への対策でございますが、平成19年産に対象となる個別経営体と集落経営体以外につきましても、当然引き続き育成に取り組み一つでも多くの経営体が対象となるように努めてまいりますが、本対策の対象とならない場合でありましても、水田農業に取り組んでいる農業者に対しましては、生産調整のメリット措置である産地づくり交付金などの対象となるよう支援してまいります。
 また、現状におきましても、野菜、果樹、畜産などにつきましては、品目別対策が講じられていますことから、これらを活用し、価格安定対策の対象となるように支援してまいることとしております。
 次に、多様な集落営農の推進についてでございますが、今後におきましても、農業者みずからが地域の特性を生かしながら、集落の将来の姿を描く集落ビジョンの取り組みを支援するとともに、国の対策をてこにして、基幹となる主業型農家と小規模・兼業農家が、それぞれの経営志向に応じた役割を担う集落経営体を育成してまいる考えでございます。
   〔県土整備部長橋本義春君登壇〕
〇県土整備部長(橋本義春君) 人口減少時代を迎えて、どのようなまちづくりを進めるかということでございますが、平成16年に県が策定しました岩手県都市計画マスタープランにおいて、コンパクトな都市づくりを基本理念の一つとして掲げております。
 県としては、今後、住民や市町村等が各地域において、この理念を盛り込んだ人口減少時代に対応した特色あるまちづくりが実現するよう関係機関・団体等とさらに連携を深め、積極的に支援をしていきたいと考えております。
 次に、盛南開発についてでありますが、盛南開発は、県都盛岡が北東北の拠点として都市機能の充実を図るために、産業構造の変化や都市間競争に対応できるよう整備を進めているものであります。昨年末には国道46号西回りバイパスの一部が開通するなど交通機能が強化されるとともに、市立病院や隣接する中央公園の整備と相まって良好な住宅の建設など、魅力ある都市の形成が進みつつあります。県としては、今後とも盛岡市や都市再生機構と連携を図りながら、その整備に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕
〇総務部長(時澤忠君) 給与構造改革のうち、まず賃金の引き下げについてであります。
 職員の給与につきましては、これまでも人事委員会の勧告を最大限に尊重して改定を行ってきたところでございます。今回の勧告の内容は、法に定める給与決定の諸原則に従い、県内民間従業員の給与とともに、国及び他の都道府県の給与その他の諸事情を総合的に勘案して行われたものでございまして、県といたしましては、勧告の趣旨を十分に踏まえ、条例案を提出したものでございます。
 次に、職員団体との協議についてでありますが、昨年10月の人事委員会の勧告以降、2月議会におけます条例提案に至るまで、職員団体と8回の会見を重ね、十分に説明を行った上で、関係条例案を提出しております。
 平均で4.8%の給与水準の引き下げ等を内容とします給与構造改革は、職員の生活へ与える影響が大きいということもございまして、その趣旨や必要性について、引き続き十分に職員及び職員団体に説明してまいりたいと考えております。
 次に、国民保護計画に関しまして、まず武力攻撃事態の可能性でございます。
 我が国を取り巻く安全保障環境につきましては、冷戦終結後10年以上経過をいたしておりまして、我が国に対します本格的な侵略事態が発生する可能性は低下しておりますものの、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、国際テロ組織の活動等、新たな脅威が発生をしております。
 国民保護法制は、特定の国からの武力攻撃をあらかじめ想定しているというものではございませんので、万が一の事態が発生した場合に備えまして、国民の生命、身体、財産を保護するための体制をあらかじめ整備をしておくというものでございます。
 ゲリラ・特殊部隊による攻撃への対応でございます。
 国におきまして武力攻撃事態もしくは緊急対処事態といたしまして事態認定をされ、対策本部を設置すべき県として指定されました場合には、県警察や消防機関等、関係機関との連携を図り、攻撃や被害の状況確認を行った上で、県の計画あるいは市町村の計画、さらに市町村が策定します避難実施要領に基づきまして、住民の避難に関する措置を実施することとなります。
 また、武力攻撃災害を防除し、及び軽減するために消火、応急措置等の必要な措置を講ずるということにもなります。なお、事態認定される前における対応も必要となるわけでございますが、事態認定される以前におきまして、現場からの情報などによりまして、事態の発生を把握した場合には、県として的確、迅速に対応するために、岩手県危機管理対応方針等に基づきまして初動体制を構築するとともに、事態に応じて関係機関により講じられる応急措置につきまして、情報を収集、分析をいたして、被害の最小化を図ることとなるものでございます。
 次に、訓練についてでございます。
 警報の伝達や避難指示の作成など、武力攻撃事態に特有の措置につきましては、県国民保護計画や今後策定をいたしますマニュアル等に基づき図上訓練を行いまして、その内容や手順等を検証していくことといたしております。また、住民の避難、避難所の運営など、防災のための措置との間で共通する訓練につきましては、あくまでも従来の防災訓練として行っていくものと考えております。
 市町村計画の策定でございますが、市町村におけます国民保護計画は、国民保護法第35条の規定に基づきまして、県の国民保護計画に基づき作成しなければならないものとされております。国からは、平成18年度をめどに作成するよう通知されておりまして、県といたしましても、市町村国民保護計画研究会などの場を通じまして、市町村の国民保護計画作成を支援しているところでございます。
   〔教育委員会委員長安藤厚君登壇〕
〇教育委員会委員長(安藤厚君) 学力向上についてのフィンランドや犬山市の取り組みに対する評価についてのお尋ねでございますけれども、フィンランドは、国が教育課程の基本的枠組みを決め、全国的な教育水準の確保や、教育の機会均等を図った上で、地方自治体や学校がそれぞれ一定の裁量のもとに特色ある教育課程の編成に取り組んだり、教員の質の向上を図っていることなどがPISAの好成績にもつながっているものと考えております。
 また、犬山市の国の全国学力テストへの不参加の表明や教員の授業改善への取り組みについては、犬山市の教育の実態や課題等に応じて、市独自の考え方のもとに進められているものと存じております。近年、地方分権や教育改革などの進展により、地方がそれぞれの地域の教育の現状や課題等を踏まえながら、地域の教育はどうあるべきか、そのあり方をみずから考え、それに基づき地域独自の教育施策を展開していくことがこれまで以上に求められております。
 本県におきましても、地域や学校の現状と課題をしっかりとらえた上で、生徒や保護者、地域のニーズにこたえ、地域に根差した独自の教育行政を推進していく必要があるものと考えております。とりわけ子供たちに基礎・基本の徹底を図り、生きる力を身につけさせる学力向上は、本県の最重要課題の一つであることを認識しており、学力向上プロジェクトを中心に、さまざまな施策を展開しているところでありますが、来年度は特に、小・中学校、高等学校を通じての授業改善のための教員研修の充実や医師確保等の県政の課題にこたえるための人材育成等、本県独自の取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。
 次に、教育基本法についてのお尋ねでありますが、教育基本法は、第1条の教育の目的において、教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならないとしておりますが、この基本理念は普遍的なものと考えております。
 一方、社会の病理現象とも言うべき倫理感、社会的使命感の喪失による規範意識や道徳心、みずからを律する自律心の低下、そして物や金などの物質的な価値観への偏重や快楽主義の横行、責任感の欠如、それを反映するような青少年の凶悪犯罪の増加など憂慮すべき事態が進行しております。そうした教育をめぐる今日的課題に的確に対応していくことも重要であると認識いたしております。
 中央教育審議会は、御案内のとおり平成15年3月、教育基本法改正の答申を出しており、改正論議は早晩立法の場に移ることになりますが、現行法の普遍的な理念を大事にしながら、今日的な課題を十分踏まえて幅広い観点から論議されることが必要であると考えております。
   〔人事委員会委員長及川卓美君登壇〕
〇人事委員会委員長(及川卓美君) 人事委員会勧告に関する御質問にお答えいたします。
 まず、人事委員会の役割についてでありますが、地方公務員の労働基本権制約の代償措置として、給与勧告制度や給与決定の諸原則が設けられており、本委員会としてはこれまで社会一般の情勢に適応した給与勧告等を行うことにより、その役割を果たしてきているものと認識しております。
 次に、給料表水準の引き下げの根拠についてでありますが、過去の勧告におきましても、本県の公民較差と改定率には若干の乖離がございます。これは、給与勧告が県内民間とのバランスを唯一、絶対的な基準として行うものではなく、情勢適応の原則や、国及び他の地方公共団体、民間との均衡、その他の諸事情など法に定める給与決定の諸原則を踏まえ、本委員会として中立、公正な視点から総合的な判断のもとに行ってきたことによるものであり、給与構造改革を含む本年度の勧告においても、給与勧告を行うに当たっての諸事情を踏まえ総合的に判断したものであります。
 次に、給与構造改革と地方財源との関連についてでありますが、人事院勧告における給料表水準の引き下げの趣旨は、地域における民間の実情をより適正に反映させる観点からとられたものと聞いており、国からは、議員御指摘の趣旨があるということは聞いていないものであります。
 次に、民間賃金への影響についてでありますが、県職員の給与制度が県内市町村初め、多くの団体や民間企業の給与決定上の参考とされていることは承知いたしておりますが、基本的に民間企業等の給与は、当該企業の業績や社員の勤務成績等を踏まえ、労使交渉などの場を通じて決定されているものと存じております。
 今般の措置が地域経済に及ぼす影響を否定するものではありませんが、本委員会としては、職員給与に対する県民の高い関心をも考慮に含めつつ、給与決定上の諸情勢を総合的に検討し、その結果、極めて厳しい措置ではありますが、事情やむを得ないものと判断したところであります。
 次に、経過措置期間中の昇給抑制についてでありますが、御案内のとおり民間との較差を埋めることを基本とする人事院勧告と人事委員会勧告とでは、法的な給与決定の諸原則に相違があることから、国に準じた今般の抑制措置のあり方については慎重に検討を行ったところであります。他県においては、抑制措置を講ずるところと講じないところ両者ございますが、本委員会といたしましては、昇給抑制を含めた給与制度全般について、基本的に国の制度に準ずることによって県民理解が得られると判断したものであります。
 次に、勤務実績の給与への反映についてでありますが、これまでも昇給、勤勉手当制度については成果主義に基づく運用が基本とされておりますが、その運用が画一的との批判を受けていた実情等を踏まえ、今般の人事院勧告にその見直しが盛り込まれたところであり、本委員会においても、職員の勤務意欲のさらなる向上や、給与制度の適切な運用を図る観点から勧告を行ったものであります。
 民間企業における実情について、さまざまな見解があることは聞いておりますが、いずれ職務給の原則に基づく適正な運用がこれまで以上になされるよう、任命権者側に成績判定の尺度の例示や判定基準を具体的に示し、その制度構築に努めてまいりたいと考えております。
   〔監査委員一戸克夫君登壇〕
〇監査委員(一戸克夫君) 平成17年度の捜査報償費の監査は、警察本部7課については平成16年度決算、8警察署については平成16年度決算及び平成17年度執行分を対象に実施しております。監査の実施に当たりましては、事前に警察本部に対して関係資料の全面開示を求めるなどの協力を要請した上で実施したところであります。その結果、特定事案の情報提供者等の住所、氏名が捜査活動に特段の支障が生ずるとの理由で一部非開示とされたものの、ほとんどの支出関係書類が開示され、その内容について不適正なものは確認できなかったところであり、おおむね良好としたところであります。
 次に、情報提供者への謝礼の支出・割合についてでありますが、平成17年度の定期監査における捜査報償費については、抽出により監査しているものであり、捜査報償費全体に占める情報提供者への謝礼の支出額やその割合については把握しておりません。
 次に、平成17年度の監査における開示状況についてですが、捜査活動に特段の支障が生ずるとされた事案を除き、情報提供者の住所、氏名についても原則開示とされたところであります。
 また、事実確認につきましては、他の監査と同様、開示された支出証拠書類により実施したほか、執行捜査員から執行状況について聴取したほか、情報提供者等の所在確認を行ったところであります。
   〔公安委員会委員長元持勝利君登壇〕
〇公安委員会委員長(元持勝利君) 当公安委員会においては、県警察による会計監査、県監査委員による監査などの結果について逐次県警察から報告を受けており、その際、不適切な取り扱いの有無についても確認を行っているところであります。
 また、平成16年度の捜査費などの執行額が減少した理由等についても説明を受けており、県警察において予算は適正に執行されているものと承知しております。このような状況から現段階では調査などを指示することは考えておりません。
   〔警察本部長山下史雄君登壇〕
〇警察本部長(山下史雄君) 捜査費、捜査用報償費の決算額の推移についてでございますが、過去3年分について申し上げますと、県費である捜査用報償費については、平成14年度が3、219万円余、15年度が3、061万円余、16年度が1、380万円余となっております。参考ではありますが、国費である捜査費につきましては、平成14年度が5、237万円余、15年度が4、557万円余、16年度が3、304万円余となっております。
 平成17年度の決算見込みにつきましては、捜査用報償費、捜査費とも16年度を上回るのではないかと考えております。
 次に、捜査用報償費の執行額の減少理由につきましては、捜査を取り巻く環境の変化や、その年度の事案発生状況などの要因が考えられます。具体的には、権利意識の変化、都市化の進展等により情報収集が困難化していること、警察相談業務の増加により捜査以外の業務が増大をしていること、司法手続の精密化により事務的業務が増大していることなどが考えられるところであります。
 次に、捜査用報償費の予算額につきましては、前年度実績及び事件等の発生状況、今後予想される事件などを総合的に勘案して要求しております。来年度の捜査用報償費の予算額は、ただいま申し上げた捜査を取り巻く環境の変化等を踏まえつつも、犯罪が広域化、組織化、巧妙化の傾向にあること、本年度の執行実績が昨年度に比べ増加傾向にあることなどにより要求額を決定したものであります。
 それから、捜査用報償費の使途についてお尋ねでございますが、情報提供者に対する謝礼、情報提供者との接触に際して必要となる交通費等、聞き込み、張り込み、追尾等の活動に際して必要となる交通費、通信費等などでございます。
〇26番(斉藤信君) 幾つか再質問させていただきます。
 最初に、社会的貧困、貧困と社会的格差の拡大の問題について、知事もその実態は認めるという答弁でありました。しかし、構造改革の効果もあると、セーフティネットの構築は必要だと。私ここがちょっと違うんだと思うんですよ。社会的な格差の拡大というのは、いわば構造改革路線、いわゆる大企業の経済的行動を自由化するという、そのために市場経済に任せる、規制を緩和するという、これが弱肉強食と言われるやり方です。その結果、1部上場の大企業は今内部留保200兆円を超えているんです。83兆円のいわば余剰資金までため込んでいるんですよ。トヨタは1兆円を超えた。銀行もそれを上回る利益を上げている。大企業はまさにこれは完全に利益を上げる構造になりました。しかし、圧倒的な国民労働者は、絶対的な貧困、雇用報酬の後退という事態になっているわけです。だから、私はそういう点では、構造改革にもいいことがある。それは企業が本当に今まで以上に利益を上げる構造をつくった。しかし、増田知事が言うように、セーフティネットの構築はされていないんですよ。介護保険料も上がる、医療費も上がる。増税だ。セーフティネットどころか負担増、負担増、増税、増税なんですね。私はそういう点では、この構造改革路線の転換を求めなければ、この貧困と社会的格差の拡大というのは解決できないのではないか、これをまず、最初に知事にお聞きします。
 それで、では社会的格差の根本にある問題として私は雇用の問題を取り上げました。いわば貧困と社会的格差の根本問題として、青年の雇用の困難さ、この問題が出ている。岩手県内でどのぐらい正規職員が減って非正規がふえたかというのを知事から答弁がありました。34歳以下で2万9、800人正規が減って、非正規は1万9、600人ふえた。全体で言いますと5万9、000人正規が減って、3万2、700人非正規がふえたということになるんです。全体で見ますとね。そして、正社員の求人倍率はどうかというと、有効求人倍率は昨年12月0.70となりましたけれども、そのうち正社員の有効求人倍率は0.34です。3人に1人分しか正規社員の求人はないのです。ここにやっぱり一番大きな問題があると思うんですね。その点で平成15年版の国民生活白書、それはどこに問題があるのかということを、企業側の要因が大きいと、いわば企業側が正職員を採用するのではなくて、派遣とか請負とか、こういう雇用体制に移行しているというところに一番の問題がある。だから私はそういう点で、今、大企業が、賃金は大体3分の1ですよ、派遣とか請負というのは。これをふやして史上最高の利益を上げている。だから今、とりわけ県内の関東自動車や県内大手の企業、誘致企業に対しては正規職員の採用を拡大すべきではないかというふうに私は聞いたのです。そうしましたら、肝心の関東自動車でも正規職員の数がわからないと、非正規の求人の状況がわからない。驚くべきことですよ。県政の重点課題にして今30万台生産体制だと言っていて、どれだけ正規職員がいるかわからないなどというのは、まさに雇用問題に真剣に取り組んでいないと言わなければなりませんよ。
 私は水沢の公共職業安定所へ行ったときに、正規は半分もいない、こういう話を聞いてきました。そしてこの間、関東自動車は、生産体制拡大するというので1、000人、一昨年の9月求人しました。去年の12月200人補充しました。期間工ですよ。この期間工というのは、これは関東自動車の期間工ですよ。最初2カ月です。その次は6カ月の雇用を5回続けるんです。そして、3年間働いて正規の職員に採用されるのは1割弱と言われているんですね。同じ仕事をして。私はそういう点では、この関東自動車を大事にしながら、やっぱり県内の優秀な人材については正規雇用を拡大していただく。県内の企業のモデルになっていただく。そして、県内の大手の企業、ここも派遣・請負が急速に拡大しています。派遣事業者は今170社、1年前は100社そこそこでした。たった1年で1.7倍ですよ。どんどん派遣・請負が拡大をして、その中心は北上なんです。いわば誘致企業の多いところで派遣・請負がふえているんです。ここの打開に今真剣に取り組まなければならない。そういう点で知事の認識、今後の取り組む決意をお聞きしたい。
 それと、じゃ、派遣労働者の実態を私、紹介しましたが、賃金でいいますと、これは派遣事業報告書による平成16年度の実績ですよ。派遣労働者の平均1日賃金は7、669円です。20日間、8時間丸々働いたとして――こういうケースは珍しいんですよ、20日間丸々8時間働くというのは――15万3、380円です。これが派遣労働者の月収なんですよ。もう本当にこれは、ここに深刻な社会的格差、青年が結婚もできない深刻な事態があるわけであります。
 少子化問題ともかかわって、例えば、労働政策研究・研修機構の調査によれば、年収100万円から149万円の青年の場合、結婚率は15.3%、年収500万円から599万円、この青年は52.7%。このぐらい結婚率が違っているんです。いわばフリーター、不安定雇用というのは、結婚もできないという深刻な事態になっている。だからこそ私は、この問題に県政として真剣に取り組んでいただきたい。このことを改めて知事に求めたいと思います。
 雇用の問題でもう一つ、私は、行政として雇用拡大に取り組むというのがもう一つあると思うんですね。例えば、35人学級は小学校1年生で実施しました。30人学級を実施すると70学級必要なんですよ。2年生までやると140学級必要になって、大体140人以上の教員増になるんですね。私は、こういう教育条件の拡大が雇用の拡大にも結びつくと。
 特養ホームの待機者を解消する。特養ホームの整備を本当に必要な形でやれば、福祉介護にかかわる雇用も拡大することができる。
 防災の問題でもそうです。消防力の基準人員まで1、000人足りませんから、計画的にこういうものを拡大するというのは、行政でやらなければならない課題ではないか。そういうことにもっともっと真剣に取り組むべきではないか。
 雇用を拡大するもう一つの問題は、今、サービス残業と長時間労働なんですよ。正社員の実態はどうなっているかといいますと、20代の前半で週60時間以上働く、月80時間以上残業している人の比率というのは20.5%です。30代前半になりますと23.5%。80時間というのは、健康を害すると厚生労働省が言っている基準です。100時間を超えますと過労死ラインと言われるんですね。いわば、それに近い労働が青年労働者に強いられているというのが実態です。
 岩手県は、年間1、800時間という労働時間を目標にしていますから、これを達成したら約3万人の雇用を拡大できるのではないでしょうか。去年、平成17年にサービス残業を解消したという形で是正した額は1億5、000万円になっていますよ。私は、本当にこういうところに対策をとれば、それだけでも雇用拡大に結びつくのではないか。こういう点で、県が本当に青年の雇用の拡大に全力を挙げて取り組むようにしていただきたいし、大企業、誘致企業に対しては、正規職員の拡大を強く求めていただきたい。
 大きな二つ目に、少人数学級の問題で、35人学級を進めると。すこやかサポートを含めると小学校1年生はほぼ30人規模学級になるという話がありました。これは私、教育長に具体的にお聞きしたい。
 何ですこやかサポートと一緒にやると全体が30人規模になるのかと。少人数学級ならわかるけれども、すこやかサポートというのは2学級に1人非常勤講師を配置するんですよ。これは、だから30人規模学級にはならないんですよ、すこやかサポートの配置では。なぜ、そういう答弁になるのか。
 それと、35人学級で30学級がふえますが、これ、ここに30人の教員の配置が必要ですね。総額裁量制で対応したというんですが、30人学級の分の教員増になったのかならないのか。いわば定員内の教員で対応したのかどうか。私は、ここを改めてお聞きしたいと思います。
 介護保険の問題について部長にお聞きします。
 この間、負担増で49人が退所した。私は、本当にこれは深刻な事態だと思うんです。特養ホームに行っても、老健の施設に行っても、第4段階は15万円を超える負担なんですよ。このほかに医療費がかかる、雑費がかかるんですよ。だから、20万円ぐらいの年金の収入がなければ入れない。私は、本当にこれは大変な負担増だと思うんですね。
 ところが、行き場がないというんです。行き場がない。特養を出て行き場がないんですと。老健からも本当に行き場がないんです。私は、そういう中で退所せざるを得なかったというのは、本当に深刻な事態だと思いますね。私は、そこをよく考えていただいて、そういう実態をよく踏まえた対応をやるべきではないのかというふうに思います。
 それで、新型特養の問題なんですが、実は、この個室ユニット型の新型特養というのは高いわけです。国は、これを特養ホーム全体の75%にするんだと言っていますね。そうすると低所得者は特養に入れなくなってしまうんですよ。私は、こういうやり方というのは、やっぱり進めるべきではない、低所得者も入れるような特養の整備というのを進めるべきではないか。国のこういう方向とあわせて、やっぱり今後県が整備する特養については、すべての方々が入所できるようにするべきではないのかというふうに思います。
 それと、県警の捜査報償費にかかわって監査委員にお聞きします。
 住所、氏名などは原則開示されたということでありました。しかし、全国の事例で大事なことは、住所、氏名が明らかになって、そこを確認したら、ほとんど100%もらっていなかったというのが事実なんですよ。北海道でも、愛媛でも、わかったところを確認したら、だれも受け取っていなかったというのが実例です。私は、だから、せっかくそこまで開示されたら、監査委員として確認したらいいと思うんです。それでこれ、白黒はっきりつくんですよ。そういう点で、せっかくそこまで開示されているというなら、きちんとこれは確認をしていただきたい。
 県警本部長、平成16年度、いいですか、45%に捜査報償費が減ったんですよ。それまで3、000万円単位で使っていたものが、16年度1、380万円です。特別の理由がなければこんなに減らないんです、普通は。しかし、あなたの答弁、特別な理由が見当たらないんですよ。刑法犯の認知件数だってそんなに減っていないし。本当に、そういう点でいけば、今まで使っていなかったのではないかと、そう考えるしかない。そういう点で、45%に激減したというのは、これ、平成15年から16年の経過ですから、そこをしっかり具体的根拠を示していただきたい。
 人事委員会委員長に最後にお聞きします。
 私が一つだけ聞きたいのは、いいですか、民間賃金との較差を県は独自に調査していながら、岩手県の民間賃金との較差以上の賃金引き下げを答申するというのは何事かということなんですよ。それよりも下げて答申するということは、県職員の利益を考えてあり得ますよ。岩手県が調査した賃金較差以上の4.8%の賃下げを答申するというのは、完全に、私は人事委員会の役割を超えているんじゃないかと思いますよ。そのことをお聞きします。
〇知事(増田寛也君) 構造改革についてお尋ねがございましたが、格差をどうとらえるかというのは、なかなか難しい問題があると思います。私が申し上げましたのは、御質問にもございましたように、生活保護や就学援助を受けている世帯が最近ふえてきている、そういう現実があるわけでありまして、これが、小泉内閣が進めてきた規制緩和等とどういう関係があるかということについては、判断することは困難だ、こういうふうに申し上げました。
 ただ、いずれにしても、官の非効率さということについてのやはり厳しい御指摘もあるわけですから、民間の力をできるだけ生かすということを最大限行っていくという、これはまた大変必要なことであって、そのことによって、企業の活発化とか生産性の向上ということが図られるわけでありますので、そうしたことを行いつつ、やはり余りにも市場経済一辺倒でそちらにゆだね過ぎますと、それによる弊害というものもあるので、いろいろな政府の大きさでも、やはりそれに合ったような形の大きさを維持することが大事だと私は考えております。
 ですから、できるだけそういう民間の活力を維持しつつ、必要な社会的なセーフティーネットを構築していくということが極めて重要なわけでありまして、地方自治の現場で、特に、岩手ではさまざまなコミュニティー活動があるわけですから、そういったものをぜひ生かしていきたい、そういうふうに考えております。
 その中で、やはり雇用の場を確保するというのは大変大事なことでありまして、しかも、それができれば、当然のことながら、正規職員で、正規の社員でそういったことが賄われることは、これはもう、それが目指す姿でありますので、もちろん関東自動車に対してもそうですが、常に雇用拡大と、それから、特にそれを、正規職員でぜひ拡大してくださいということをそれ以外の企業の皆様方にも申し上げているわけです。
 私どもも、そうした雇用を拡大するに足るだけの地元としての産業支援ということが必要だと思います。それに努力をすると同時に、今まで以上に、そうした正規社員の雇用拡大ということを強く要請していきたいというふうに思います。
 先ほど具体的に、また雇用確保の、若者の雇用ということで、30人学級、35人をまたさらに30人に引き下げたり、福祉の場での雇用の拡大ということもありました。それも、当然のことながら、またそういうことにつながるかと思いますが、やはり政府そのものじゃなくて、政府部門の大きさということを一方で考える必要がありまして、30人学級まで引き下げるかとか、福祉をどうするかというのは、教育力ですとか、福祉ですとか、その本来の政策目的との関係で考えていくべき話で、雇用を拡大するためにという、そちらが余りにもでかくなり過ぎますと、やっぱり大きな政府につながってしまうわけです。
 そういったことも含めて、いずれにしても雇用拡大には全力を挙げていきますけれども、今はいろいろな改革の時期でございますので、さまざまな構造改革を行いながらも、やはり特に若い人たちに希望が持てるような、そういう政策を実施していきたいと考えております。
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 負担と退所者の関係についてでございますが、自宅に戻っておられる方が多いという実態は把握しているわけでございますが、ケアマネジャーでありますとか、施設関係者のお話もさらにお伺いしながら、実態を把握してまいりたいと考えております。
 次に、ユニット特養の整備についてでございますが、必要なサービスをだれでも受けられるということは、非常に大事なことだとは思っておりますが、ユニット特養の整備の趣旨もあるわけでございまして、それまでの多床室の反省に立ってユニット特養を整備しようという動きがあったわけです。ただ、そうした中で、負担の問題も当然出てきているわけでございます。そうした実態についても、これまでも把握してきたわけでございますけれども、さらに、いろいろお話を伺いながら、どういった形での整備がいいのかといったことも、検討はしていきたいと思っております。
 また、今度、地域密着型の小規模特養といったものも出てくるわけでございますので、そうした整備のあり方も含めて、施設でのサービスといったものはどうあればいいかといった観点からも、検討していかなければならない課題だというふうに考えております。
〇教育長(照井崇君) まず、平成18年度から1年生に35人学級を導入するわけですが、その場合、30人を超える学級が出てまいります。この31人から35人までの学級については、すこやかサポートの非常勤講師を配置することにしております。つまり、31人から35人の学級には、教員と非常勤講師の2人が子供たちを担当することになります。つまり1人当たりで言えば、20人以下を受け持つというようなことで、実質的には20人以下といいますか、そういうことが実現するということです。
 それから、総額裁量制との関係でございますが、総額裁量制の導入に伴いまして、それぞれの学校の課題等に応じまして、常勤の職員よりも非常勤講師を配置した方が、例えば効果的とか、それによっても学校の運営に特段支障を来さないような場合、こういった場合には、教職員の定数を柔軟に非常勤の講師に振りかえることが可能となりました。
 具体的には、例えば職員1人の定数を非常勤講師に振りかえることによって2人の非常勤講師を任用することができるとすれば、これを活用しますと、ちょっと一つの例ですけれども、生徒指導困難校の40校に40人の教員を配置している場合に、その教員定数40人のうちの半分の20人を活用して40人の非常勤講師を任用することができるようになるわけです。つまり、40人の教員定数を活用して、20人の常勤教員と40人の非常勤講師、合わせて60人を確保することが可能となります。こうしたことによって、その生徒指導困難校の40校には40人の非常勤講師を配置して対応し、そして、20人の教員定数を少人数学級に振り向けることができるということでございます。
〇人事委員会委員長(及川卓美君) 先ほど給与月額マイナス4.8%引き下げを勧告するとは何事か、こういうおしかりを受けましたけれども、先ほども申し上げましたとおり、国及び他県、民間の動向や実情を総合的に判断した結果でありますが、加えて、現給保障等の激変緩和措置も同時に講ずる勧告を行っており、事情やむを得ないものと考えております。
〇監査委員(一戸克夫君) 皆様御案内のことと思いますけれども、警察は、正義感の強い組織であり、遵法精神に満ちて、社会の悪を取り締まる集団であります。
 捜査報償費は、今さら言うことでもないのでありますが、県民の税金を使って執行される予算であり、その透明性の確保は、納税者である県民に対する義務であります。
 一方、捜査員は、捜査協力者に対して、警察に協力している事実を漏らさないという前提で協力を得ているものであります。その信頼関係があってこそ、情報提供を初めとする各種の協力を確保できている、そのように承知しております。
 こういう観点から見ますと、今現在、岩手県で裏づけのある十分な確証ある内部告発があるというようなことでもありませんし、宮城県警の捜査報償費の公開訴訟、これに対する仙台高裁判決が平成17年10月27日にございますけれども、その中で、捜査協力に消極的な人がふえるのも容易に推察されるというような文言もございますので、他の監査対象機関と同じように、先ほど答弁したようなことでやっております。
 電話帳か地図を確認しているわけではありますけれども、協力者に直接確認したらということでございますが、そのようなことには慎重にならざるを得ないというのが、現段階でございます。
〇警察本部長(山下史雄君) 平成16年度における捜査報償費の減少理由について、さらに具体的に申し上げますと、警察改革を踏まえました警察安全相談業務の件数が、平成16年中におきましては前年を上回る3万4、000件余りということで増加いたしました。その内容も、時代の流れを反映いたしまして、最近における悪質商法に関する相談が非常に多いということで、これは1件1件その相談をきちんとお受けして、それに対して解決策等々を教示するということで、正直申し上げて、大変な労力がかかっております。
 そういった内容も含めまして、相談内容も非常に複雑多岐にわたっておるということでございまして、現場におきましては、こういった相談に対応することが非常に大きな負担となっておりまして、いわゆる捜査活動あるいは情報収集活動に専念するための時間が、なかなかとれないというような声も聞かれております。
 また、刑法犯認知件数も、平成16年は依然として高水準で推移してきております。犯罪認知後は、直ちに初動捜査をいたさなければいけない。その結果、継続的な捜査が十分にできないというきらいもございまして、いわゆる情報源の開拓を行う時間が少なくなった等々の捜査を取り巻く環境の変化がございます。こういったことから、捜査報償費が減少いたしたものというふうに考えております。
 なお、私ども県警察では、適正な会計経理の保持というのは当然、非常に重要なことだと思っております。これまでも、部内における各種指導教養を徹底するとともに、内部監査につきましても、訓令によりまして監査体制を強化して、計画的な、厳正な監査を実施いたしております。
 また、御答弁ございました県の監査委員の監査にも、可能な限り誠実に対応させていただいております。これまで捜査費を含む会計経理、予算については、適正に執行しているところでございますが、今後とも適正な会計経理の保持につきまして、その徹底を図ってまいりたいと考えております。
〇26番(斉藤信君) 最後ですけれども、私は、青年の雇用拡大で関東自動車の話を聞きました。実態はわからないと。ぜひ、これは正規職員、非正規の状況を把握して、関東自動車を初め、県内誘致大企業、こういう状況を把握して、正規採用の拡大のために全力で取り組むようにしていただきたい。
 最後に知事にお聞きして、終わります。
〇知事(増田寛也君) 関東自動車内の正規雇用、非正規職員の数については、企業情報だと思いますが、県としては、その正規職員の拡大に今後とも努力をしていきたい、このように考えています。
   
〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後 5 時46分 散 会

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