平成18年2月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇9番(高橋比奈子君) 自由民主クラブの高橋比奈子です。たくさんの方々のお力添えで、親子3代、ここに立たせていただきました。心から、心からの感謝を込めて質問に入らせていただきます。
 知事、当局の皆さんの、簡潔でそして前向きな御答弁をお願い申し上げます。
 まず、食生活と子育て支援に関連して、食育の推進について伺います。
 県では、食育基本法を受け、岩手のよさを生かしたすばらしい岩手県食育推進計画を今月発表しました。また、子育て支援策もさまざま展開しています。
 私は、29年前、母親の病気をきっかけに、食と農業と環境と、そして健康が大きな輪でつながっていることに気づかせていただきました。食、空気、水が、私たちの体の細胞のすべてをつくってくれる自然の循環。それから、無我夢中で自分の至らなさを感じつつ学び続けています。そんな中で、食生活が、健康はもとより、子供のやる気、ノイローゼ、不登校、怒り、いらいらなど、また、幼児虐待、家庭内暴力、働く意欲のないニートなどに影響すること、また、加工食品の多用は化学調味料、食品添加物などで精神障害を起こすこともあるなどを知り、ボランティアで、また、市議会でも取り組みを提案してまいりました。
 この間、アメリカ上院議員学業問題特別委員会が、家庭内暴力の多くは食べ物に原因があったと発表していますし、世界じゅうで、食生活やゲーム、映像などが引き起こす問題点の提起が行われています。日本でも、スナック菓子、インスタント食品、加工食品、ファストフード、清涼飲料水と病気やキレることなどとの関係を初め、さまざまな情報やデータがホームページでも検索できます。
 情報の中には、私が長年提言してまいりました牛乳と日本人についてのデータベースでの情報提供があり、乳糖不耐性が85%もあると言われている日本で、牛乳を毎日飲むことを勧めていることなどの疑問点も含め、カルシウムを野菜、海藻、小魚などからとってきた日本食のすばらしさとともに、今後の食育の進め方の参考にしていただきたい。ゲームソフトや画面が子供に与える影響なども、しっかり県民に周知していただきたい。
 ここで、盛岡市議会平成12年9月の定例会の総括質疑の抜粋を紹介させていただきます。
 一般質問でも取り上げましたが、少年非行と食生活という茨城県の警察本部の発表があり、この中で、実際に非行群に見られる傾向として、朝食、夕食を1人でとっているとか、食べ物の偏りがあるとか、夜更かし、朝食抜きなど不規則な生活態度があるなど、はっきり食べ物と非行の関係が出てまいりました。それから、テレビと暴力の関係が郵政省のアンケートで発表され、テレビの長時間視聴グループが短時間視聴グループに比べて暴力の行使経験が多く、暴力を認知する度合いが非常に高い。また、暴力の行使経験が多いというのは、暴力的番組の嗜好度の高いグループがそういう傾向にあると。また、子供のテレビ視聴と保護者との役割では、テレビを親と一緒に見ることが多い子供や、親が何らかのテレビ視聴に関する指導を行っている子供は、暴力の行使経験が少ないことなどを明記しております。
 食べ物と少年非行やテレビと少年非行の問題、暴力などの問題などを見ているときに、関連する日本で起きている子供たちのさまざまな事件を思ったとき、これはもう、行政が食生活やテレビに関してもいろいろなところでお話をしていかなければならない時代になってしまったんだなと。なぜなら、おじいちゃん、おばあちゃんたちがやってきたすばらしいことを私たちが伝承していないなと。そういう思いも一つ含め、これからは残念なことでもありますが、行政がやっていかなければならないことの一つではないかと。
 また、平成13年6月定例会一般質問では、これまでも申し上げてまいりましたが、郵政省の子どものテレビとテレビゲームへの接触状況に関するアンケート調査報告書、茨城県警察本部少年非行と食生活アンケート分析結果、子供の生活リズムと食生活研究プロジェクトチーム研究報告、岩手大学大沢博元教授の調査、WHOや朝ごはん実行委員会のアンケートなどからも、子供を取り巻く環境、食生活、そして大人の生活態度がいかに子供たちに影響を与えるかがよくわかります。環境を変えるのは大変ですが、食生活は、自分たちの選択により、100%変えられる自己責任だと。アメリカのスミソニアン博物館に殿堂入りし、アメリカの和食ブームを引き起こしたとも言われるマクガバンレポートにかかわった久司道夫氏は指摘しています。
 今、あちこちで驚くような事件が起きています。食生活と健康、食生活がつくり出してしまう行動、この重要な観点から対処療法ではなく、根本を見据える必要性を感じております。異常行動、今はやりのキレる、プッツンする、これらの原因は、生理上は活性酸素がふえ、過剰になることが大きな原因と指摘されています。農薬、化学肥料、清涼飲料水、ファストフード、インスタント食品などが取り上げられ、これらの摂取により、キレるという統計がはっきり出されています。
 盛岡市議会議事録から抜粋で紹介をさせていただきました。
 今のわらしゃんどは、本当にわがねと言う方がいらっしゃいます。子供がわがねんでしょうか。今の先生方わがね、そうおっしゃる方がいます。夜、遅くまで電気がついている職員室の先生方が悪いんでしょうか。子供は大人の背中を見て育ちます。
 政府のニートの親への対策も必要という報道も数日前あり、母親として、大人として、子供たちへ伝承すべきことが何かをしっかり把握し、襟を正し、伝えなければと思うのは私だけではありますまい。食育として国が方針を出さなければいけなくなった根本的な原因を見きわめ、健やかな子供たちが育つよう、また、日本の伝統食に誇りを持つような食育を着実に実践すべきと思います。
 スローフード、また、知事の食育の考え、本当に私は、全国で増田知事はすばらしいということを言って歩かせていただきました。知事は、前述の件も踏まえ、岩手の食育をどのように推進しようとしているのか、お示し願います。
 次に、地産地消について伺います。
 私は、身土不二という言葉で、健康面も含めこれまでテーマとしてまいりましたが、ここでは県が推進している地産地消と言わせていただきます。
 この地産地消、県の食育計画にも明示され、学校現場でも日にちを決め、地域色豊かな給食が取り入れられています。県内の食堂や食品製造業での地産地消の状況はどうでしょうか。例えば、県庁や関係団体の食堂はどうなっているでしょうか。特に、県庁の食堂は、私の祖母横田チエが創設者のため、大変関心があります。市町村が関係している施設での給食はどうでしょうか。私は、福祉施設の給食や外食産業、食品製造業などでは、かなりの量の輸入野菜が入っているところもあると聞いております。また、冬の地産地消は無理だという人もいらっしゃいますが、岩手には、雪の中で野菜を保存する技術、技能や、寒干し大根などの伝統食があります。大切にすべき文化だと思っています。
 地産地消の考え方がかなり定着してまいりましたが、このような運動は、継続することで大きな成果に結びつくものと考えます。
 そこでお伺いしますが、県では、今後の地産地消をどのように進めようとしているのか、お示し願います。
 次に、食料・農業・農村基本法と岩手県の農業政策について伺います。
 平成11年の基本法の制定に当たっては、国民が農産物の安定供給等に不安を覚える事態が生じたことが背景にあったと聞いております。この基本法を受け、県は、施策の展開に当たりどのような点に重きを置いてきたか、簡潔にお示しください。
 この基本法では、農業の自然循環機能の維持・推進を図るため、農薬及び肥料の適正な使用の確保、家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進等を進めていくこととしております。世界的にも、環境に配慮した農業が進められているという方向性となっており、私も、世界や日本の目指すべき農業は、資源を適切に循環させ、環境を蘇生させることのできる農業を理想とすべきと考え、ボランティアやNPOで活動してまいりました。
 ところが、おととし、県の地方振興局に有用微生物群を使って農薬を減らしたいという農家が相談したところ、やめた方がいい、これまでどおりでいいと指導したと、私の所属するNPOにその管内の役場の職員からお話がありました。このNPO、地球環境共生ネットワークは、県内では平泉の無量光院の松くい虫対策、えさし藤原の郷の池の浄化など、県外では日本橋の川の浄化、兵庫県では県と連携してヨットハーバーの浄化を初め、善循環の輪と称し全国100以上の団体や行政と連携をとり、資源循環の農業も進めています。
 私は、食の先進県を目指す本県としても、未来の子供たちのために、このような農業を着実に推進していくことが絶対必要だと思います。農家やNPOなど、さまざまなグループ、団体と連携し、資源循環型農業をさらに力強く推進していく知事の意気込みをお示しくださいませ。
 関係者、消費者、生産者の方々の要望が高まっている今こそ、岩手のよさをしっかり見据えながら、全国にPRしてきた増田知事ならできると確信しております。こうした資源循環型農業に取り組んでいる農家の方々は、大変な御努力をしていらっしゃる。この方々が頑張ってきてよかったと思う農政を進めていただきたい。農業は、健康、環境、経済、国の防衛までにも影響する根本であるという認識を持って対応すべきと要望します。
 次に、防災対策についてお伺いします。
 24日の一般質問で、会派の先輩佐々木俊夫議員が防災対策の必要性の質問をされ、取り組みや研究について前向きな御答弁がありましたので、私は、災害弱者の方々への対策の観点からお聞きいたします。
 私は、これまで市議会で、また、7月に県議に当選させていただいてからも、さまざまな形で災害時の要援護者の避難対策について調査し、発言もしてまいりました。それによりますと、県は、市町村に熱意を持って当たってもらいたいとのことで、他事例の資料を提供しております。最近では、平成17年4月に、国からの通知を受けて、集中豪雨時等における情報伝達及び高齢者等の避難支援について、市町村及び各消防本部長に通知しておりますが、通知には、災害時要援護者の避難支援ガイドラインが示されております。
 ところで、盛岡市は、以前私の要望に対し、個人情報の問題などで対応が難しいと言っておりましたので、県内の災害弱者への対応マニュアルがしっかりしているのは、宮古広域のみと予測されます。
   〔副議長退席、議長着席〕
 昨年11月、防災対策特別委員会で三重県を視察した際、災害弱者に対しての質問をさせていただいたところ、現在、三重大学と連携して検討委員会を立ち上げており、今年度中に報告するとのことで、地域住民のための災害時要援護者避難対策マニュアル作成指針や作成手引、「(仮称)社会福祉施設等における災害時、要援護者避難対策マニュアル」などを成果予定としています。岩手県も、三重県にまさる地震、津波などの災害への対策に万全を期さないといけない地域というのは、だれもが承知の事実です。国でも検討を行っていますが、先月、政府の中央防災会議が大規模地震の被災想定を発表し、佐々木俊夫議員が内容を紹介しておりましたので、あえて申し上げませんが、いつ、このような災害が起こるかわかりません。熱意を持って市町村に当たってもらうよう通知するだけでなく、早急に市町村と連携して対応すべきと考えますが、災害時の要援護者に対する支援について、知事の方針をお示しください。
 また、県独自でも災害時の要援護者に対する情報提供への取り組みは可能です。例えば、QRコードで位置情報が表示され、携帯電話からメールで簡単にタクシーを配車してくれるK-CABシステム、携帯で登録すれば災害時に確保されている回線で安否情報の確認ができるサービスや、県や市町村で発信する防災も含めた情報を配信するいわてモバイルメールなどがあります。このような情報がありますよというお知らせは、職員の方々の御協力で可能と思いますので、取り組まれるお考えはないのか、お伺いします。
 県における災害時の飲料水の確保について確認をさせていただいたところ、給水計画により、水道の確保、復旧、飲料水提供車などで対応したいとのことでした。私の調査では、埼玉県入間市が飲料水等の協定書をサントリーフーズ株式会社と昨年交わしております。この協定には、ペットボトルの飲料水、お茶などの優先提供とあわせて、その飲料水が届くまで緊急時飲料提供自動販売機の機内在庫品の無償提供も盛り込まれています。これは、企業の社会的責任履行のよき一例でしょう。担当の方にお話を伺うと、地域の企業の皆さんのお力でこれまでやらせていただいているので、困っているときは社を挙げて応援しますと話され、岩手県との協定も考えていいですとのことでした。飲料水の確保や防災対策は民間との協働も重要です。ぜひ、御検討いただきたいのですが、いかがでしょうか。
 防災対策の最後に、学校での防災教育について伺います。
 恐るべき津波の苦しい体験を踏まえ、佐々木俊夫議員が全体的な御質問をされ、宮古での取り組みの紹介など前向きな御答弁がございました。私は、内陸生まれで津波に対する知識が希薄だったのではと思い、全県での防災教育の必要性を訴え、一つの提案を申し上げます。
 先日、防災対策特別委員会の調査で、東北大学大学院の今村教授が、スマトラ沖で、イギリスの小学生が学校で津波の勉強をしていたため、周りの人々に避難を呼びかけ、そのグループは助かった事例など話され、防災教育への課題、そして県が取り組む場合は、映像などの提供もしてくださると話されました。非常にわかりやすく、総合学習などの機会にみんなで学習できる内容でした。ぜひ、東北大学大学院災害制御研究センターの今村教授などと連携をとられ、情報提供などをしていただきながら、未来を担う子供たちが防災対策をしっかりできるよう取り組みをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、歯と全身とのかかわりから、歯科保健対策について伺います。
 医療制度改革により、平成20年から生活習慣病対策がスタートする予定で、これに向け、県の計画策定準備が始まることと存じます。御存じのように、糖尿病による医療費は年間1兆8、000億円、それによる合併症はおよそ4兆円とお聞きしております。糖尿病予備軍と言われている人口を含むと、国が本腰を上げるのが遅過ぎるとも思っております。この対策として、歯周病を改善すると糖尿病の数値が減少し、医療費の抑制にもつながる。これまで、全国の歯科医師会で、歯と医療費削減の関係を訴え続けてきていると県歯科医師会からお聞きしました。かむこと、口腔ケアの重要性は、昨年9月16日に開催された県議会議員の政策研究会でも報告があり、歯周病対策の必要性はだれでもが認知しているところです。
 そこで伺いますが、県が今後策定される生活習慣病対策の中に、歯周病検診を組み入れていただけないか、御検討をお願いしたい。
 次に、高齢者や障害者の方々の歯科検診について伺います。
 これまでは、来院できる方々を対象とした治療がほとんどでしたが、高齢者がふえ、寝たきりや障害を持った方などの治療が今後特に必要とされてきます。これに対応するため、県では、寝たきりの方と健康な方の治療に違いがあることを認識し、歯科医師のさらなる研修のため、県歯科医師会と連携し県の補助事業をスタートさせています。今後、歯科大学でも修習プログラムも組まれていくと思いますが、その方々が卒業するまでの間を考えますと、少なくとも5年間は継続が必要と思われます。現実に、高齢者で寝たきりの方などの入れ歯のつくり方など、口腔ケアに大きな違いが多く、ますます歯科医療の充実が必要と考えますが、これに対しての知事の方向性と今後のお取り組みをお示しいただきたい。
 アメリカやヨーロッパは入院日数が大変短く、いいか悪いかはここでは論じませんが、日本も、今後、入院から在宅や施設へという流れが予想されます。改正介護保険制度には、医師と看護師との連携の必要性が明示されていますが、歯科医師との連携も、歯と全身とのかかわりの重要性から本来考えていかなければなりません。現場でどう対応するか、超高齢化社会で、かめる、口腔ケアにかかわる政策が必要となるのは当然です。
 岩手県歯科医師会は、全国に先駆け、14支部が地域要望により、施設や在宅ケアにおいても治療が受けられる取り組みを始めています。私は、全国に先駆けたこのすぐれた姿勢に感動し、何としてもこの取り組みをしっかりサポートし、高齢者や障害を持った方々が、岩手に生まれてよかったと、そう思うよう御支援をお願いしたいです。これに対し、県が市町村や関係機関と連携をとっていけるよう、県が指導またはお力添えをしていただけないか、知事にお伺いします。
 次に、産学官連携について伺います。
 先輩議員の方々がさまざまな質問をしていらっしゃり、全国でも岩手県は進んでいるとお聞きしております。来年度スタートさせる食産業支援強化プロジェクトなど期待するところが多いですが、産学官との連携は県内に多い中小企業、製造業などの支援や地域おこし、雇用の創出にも大いに力を発揮できると存じます。今後、産学官連携により、どのような成功例をつくっていくかを含め、産学官連携の成果と今後の取組方針について知事にお伺いします。
 産学官連携を進める場合の問題点として、行政の人事異動により、大切な人的ネットワークが構築されにくいことが挙げられています。徳島県では、本人の希望確認が必要ですが、選択により、5カ年など長いスパンで担当できる例もあり、産学官連携ではありませんが、担当者を継続させている例として、本県の北上川流域市町村連携協議会もあります。産学官連携における人的ネットワークの構築についてのお考えもあわせてお知らせください。
 なお、御答弁により再質問をさせていただくと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 高橋比奈子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、食育の推進についてでございますが、不規則な食事や栄養の偏りから生ずる生活習慣病の増加、さらには食品の安全性への信頼の低下、伝統的な食文化の喪失など、食生活をめぐるさまざまな問題が指摘をされているところでございます。県では、食に関する知識と選択する力を習得し、健全な食生活を実践することのできる人間を育てるこの食育の推進が重要であると考えまして、食育を総合的、かつ、計画的に推進するための岩手県食育推進計画というものを策定したところでございます。これは、2月16日に策定をしたものでございます。
 この計画の基本的な考え方でございますが、全国有数の食料生産県でありまして、地産地消運動や学校給食での県産食材の利用、さらには豊かな伝統、食文化など、岩手の特性を生かした食育を推進する。また、こうした食料生産県としての特性を生かすとともに、全国に先駆けて取り組んでおります食の安全・安心に支えられた食育を推進する。特に、子供に焦点を当てまして、乳児期、幼児期、小・中・高校生など、子供の発育段階に応じた食育に取り組む。子供をはぐくむ中心は家庭でありますけれども、家庭を学校が、さらにその学校を地域が支援することが必要でございまして、学校、家庭、地域が連携をした食育を推進する、こうした考え方にのっとってつくられました計画でございます。
 この計画では、すべての県民が、生涯を通じて心身ともに健康で生き生きと暮らしていくことを目標として掲げておりまして、一人でも多くの県民が参加できるように、岩手の食育を県民総参加による県民運動として展開をしたい、このように考えております。
 次に、農業関係でありますが、食料・農業・農村基本法は、国民生活の安定向上、そして国民経済の健全な発展に寄与する、こういう目的で平成11年に制定をされたわけでありますが、その後、平成13年9月のBSEの発生などを契機として、消費者の食の安全・安心への関心の高まりをとらえまして、県として、本県の変化に富む気象や立地条件などの恵まれた生産環境を高度に活用し、消費者の求める安全・安心な農産物の安定的な供給を通じて、国民への食料供給の一翼を本県がしっかりと担っていくことが重要である、このように県として考えているわけであります。
 このため、まず消費者から信頼と支持を得る安全・安心な農産物の安定的な供給に向けて、生産者と消費者の間の顔の見える関係というものを構築することが必要でございまして、こうした観点で地産地消、そして食育というものに取り組んでおります。
 また、他方で、消費者の思いをしっかりと受けとめるということで、高い技術力や経営意識を持ち、安全・安心な農産物を安定的に生産できる体質の強い経営体を確保、育成することが必要でございまして、集落ビジョンで明確化された担い手のいわゆる主業型農家や集落経営体への形成に加えまして、今、岩手大学と連携したいわて農業者トップスクールの開設などによりまして、さらに創意工夫に富んだ農業経営体の育成にも取り組んでいるところでございます。
 その上で資源循環型農業の推進についてのお尋ねでございますが、農業というのは本来、自然界の資源の循環によって成り立っているわけでありまして、これを増進する機能もあわせ持っている、こういうことがございます。したがいまして、農業が持っているこうした資源循環機能を有効に活用することによって環境に負荷も与えない、また環境と調和のとれた農業生産を進めるということが今求められている、このように考えております。
 ちょうど本県は全国屈指の畜産県でありまして、家畜由来の豊富な有機資源を有しておりますし、気候も冷涼なため、農薬の使用量が極めて少なくて済む、こういうことでございまして、まさに資源循環型農業の適地でございますので、こうした条件を生かした岩手らしい農業を進めていく考えでございます。
 そのため、県では、平成12年度から土づくりと化学肥料、化学農薬の低減を一体的に行うエコファーマーの認定を進めてきておりまして、その数、今7、000人を超えているわけです。全国第2位の数字になっていますが、7、000人を超えるところまで育ってきております。最近は、こうしたエコファーマーの中から、消費者の皆さん方のさまざまなニーズ、減農薬ですとか無農薬へのこだわりがございますが、そうしたものに対応するさまざまな先駆的な取り組みが行われているわけでございまして、今後もこうした岩手の恵まれた自然条件、それから耕畜連携等のこれまでに培ってまいりましたシステムというものがございますので、これを生かした資源循環型の農業を基本としながら、一方で生産者が岩手らしい特色ある農業を県内各地で展開をし、消費者の多様なニーズにこたえていく、そのような取り組みを支援していく考えでございます。
 災害対策についてでありますが、災害時における要援護者に対する支援は幾つかの課題があるわけでございまして、要援護者や避難支援者に対する伝達体制が十分に整備をされていない。要援護者情報の共有、活用が進んでいない。要援護者の避難支援者が定められていない。こういった課題があると認識しております。
 県では、これまで障害者の団体から意見を聞いて、障害のある人々の災害対応マニュアルをつくりましたり、聴覚障害者に日常生活道具としての通信装置の給付を行うなど障害者を中心として支援を行ってきたところでございます。
 一方、国では市町村の避難支援計画策定などを支援するために、昨年3月にガイドラインを定めておりまして、県でも市町村に対して具体的な避難支援の取り組みを要請してきたところであり、一部の市町村では自主防災組織と連携して積極的に取り組んでおります。まだまだこれは広げていく必要がございますので、今後とも、より多くの市町村でこうした要援護者のきめ細かな支援が図られるように、そして要援護者の把握から、自主防災組織の育成や消防団との連携など、その体制づくりのために市町村とともにしっかりと努力をしていきたい、このように考えております。
 次に、歯科保健対策についてでありますが、高齢者や障害者への歯科医療や口腔ケアというものは、疾病予防や介護予防の観点から重要でございまして、県の歯科医師会の方でもこれを専門的に担える歯科医師を養成することとしておりまして、県でもこのような取り組みに対しまして、本年度、歯科治療ユニットや器材など研修事業の立ち上がりに対する経費について補助をしたところでございます。
 県の歯科医師会の方では、さらに今後、介護予防の観点から高齢者等に対する口腔機能向上支援プログラムを策定して、市町村や介護施設等に対してこれを提供するなどの新たな取り組みを考えておられますので、県では、県の方で造成をして長寿社会振興財団が運営をしている高齢者保健福祉基金の活用などにつきまして、今、岩手県歯科医師会の方に助言をしているところでございます。今後こうした取り組みについて引き続き支援をしていきたい、このように考えております。
 また、来年度からの改正介護保険制度におきましては、新しい予防給付として口腔機能の向上のメニューが新たに盛り込まれるなど、予防の方に重点を置いた制度となっておりますので、この新しい予防給付が地域において適切に展開されるためには、医療と介護のネットワークがしっかりと形成をされている必要がございます。そのために県として県歯科医師会等関係団体とも連携しながら、市町村においてのこうしたネットワーク形成について支援をしていきたい、このように考えております。
 次に、産学官連携と今後の取り組みについてでありますが、まず産学官連携でありますけれども、大学が有する研究シーズを活用して、企業の抱えております課題の解決や、大学等と企業の共同研究を通じて、新技術や新産業を創出しようとするものでございまして、本県の産業振興を図る上で大きな柱の一つと認識をしています。本県を代表する産学官連携組織としては、岩手ネットワークシステム──INS、これが代表例でございますけれども、ここでは会員数約1、030名を有しておりまして、産業界からは、さまざまな業種の中小製造業を初め、サービス業、農林水産業などからも多数参加しておりまして、まさに自由で開放的な産学官連携の土壌を形成しております。平成15年度には全国の産学官功労者表彰で経済産業大臣賞を受賞するなど、全国的にもこの組織は高い評価を得ているものであります。
 県では、このINSを産学官連携のいわばプラットフォームとして、産学官連携事業というものを推進してまいりました。その結果、これまでの共同研究企業数199社を数えておりまして、また、その中で大学発ベンチャーが17社設立されるなど、着実な成果を上げてきている、このように考えております。
 今後の取り組みになりますが、こうした産学官連携の成果が早期に実現をされることが必要でありまして、そのために新技術や新産業の創出に向けたプロモート機能の一層の強化を図るほか、商工団体や中小企業支援機関との連携のもとに、さらに多くの県内中小企業が産学官連携の仕組みに参加できるような、そのような取り組みを進めていく考えでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので御了承お願いします。
   〔農林水産部長今泉敏朗君登壇〕
〇農林水産部長(今泉敏朗君) 地産地消についてのお尋ねについてでありますが、県では、平成13年度から地産地消を県民運動として推進してきた結果、この運動の認知度や学校給食での県産食材の利用割合は高まってきております。ただ、一方この間、消費者の皆様からは、県産品がなかなか手に入らない、特に冬場に見つけるのが難しいとの御指摘や、県内の食堂やレストランなど外食でも、もっと県産食材を使ってほしい、あるいは県産農林水産物を原料とする加工食品をふやしてほしいなどの要望が出されるようになったところであります。
 こうした声にこたえるため、生産者が産直施設を訪れる消費者や学校給食からの要望に応じて、新たな品目の生産や販売期間の延長、地元産農林水産物を利用した加工品開発などに取り組む事例が増加してきております。また、これまで自家消費にとどまっていた雪中保存の野菜や寒干し大根、雪納豆などの伝統的な食品を復活させ販売する動きも出てきております。
 こうした取り組みに加え、さらに産直施設が連携して、それぞれの産品を交流し合う動き、レストランなどの外食産業や食品製造業者が県産食材の利用を拡大するため、生産者との間で契約取引を行う動きなどが出始めてきております。他方、公共施設での地産地消は、学校給食から県立病院にまで広がってきており、最近はさらに幼稚園や福祉施設の一部にも広がりを見せてきております。
 今後におきましても、地産地消の取り組みをさらに拡大し、しっかりと定着させていくとともに、地域特産的な作物や地域の伝統や文化を反映した食を地域の宝として育て上げる、そのような運動にまで発展させてまいりたいと考えているところであります。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕
〇総務部長(時澤忠君) 災害時要援護者に対する情報提供の取り組みについてでございます。
 県では、県内全市町村に対しまして災害情報の迅速、的確な伝達のために、行政災害情報ネットワークや情報ハイウェイ、こういったものの整備を行いまして万全を期しておりますし、携帯電話を利用いたしましたいわてモバイルメールやインターネットを利用いたしまして直接県民に災害情報を提供しております。こうした活用につきましては、関係団体に周知するとともに県広報誌、広報番組あるいはホームページにおいて周知を図ってきたところでございます。
 御提言のありました携帯電話による通信手段につきましては、県の整備いたしましたモバイルメールのシステムを活用して災害を含む情報提供をいたしておりますのは、県のほかでは、現在のところ盛岡市を含め4市町村にとどまっております。
 県といたしましては、情報提供する市町村がふえることによりまして、利用者の大幅な拡大につながるということもございますので、未実施の市町村に情報提供を強く働きかけているところでございます。また、実施しております市町村では、住民に対する広報とともに、職員あるいは関係団体を通じて利用の案内をしているところでございます。
 しかしながら、この通信手段におきましても地形等によりカバーし切れない面がありますし、要援護者自身によります情報確認に困難を伴う場合もございます。また、あるいは確認ができたといたしましても避難行動に移せない場合、こういったこともございますので、県では、地域消防力の強化や自主防災組織の育成強化、こういったことの支援を行い、市町村によります消防団や自主防災組織、あるいは従来からの地域防災の中心となっている団体、こういった要援護者の周りにおられる方々によります共助や支援体制の整備、こういったものを促進してまいりたいと考えているところでございます。
   〔環境生活部長千葉弘君登壇〕
〇環境生活部長(千葉弘君) 災害時の飲料水確保についてでございます。
 災害の発生に際しまして、電気、ガス、通信、水道などのライフラインの確保は急務でございます。中でも飲料水は被災者の生命維持にとって、まず何よりも優先して必要となる物資でございます。本県の地域防災計画では、地域で水道事業などを行っている市町村が飲料水の供給業務を担当しており、災害時に備え給水車などの応急給水資材の整備に努めているところでございます。
 また、被害が大きく被災市町村だけでの対応が困難な場合に備えまして、県内の全市町村が参加し、大規模災害時における岩手県市町村相互応援に関する協定を締結しているほか、全国の水道事業者が会員となっている日本水道協会というものがございます。この岩手県支部では、非常災害が発生した場合に備えまして、相互応援計画要綱を定め、県内市町村等の会員が相互に応援活動を行う体制を整備しております。
 この日本水道協会岩手県支部の活動の事例といたしましては、平成11年10月に発生した軽米町の水害で、盛岡市など5市町村の支部会員がこの要綱に基づき給水車39台、職員91名を派遣し応急給水や復旧活動に従事したところであり、大きな成果を上げたところでございます。
 自然災害はいつ何どき、どのような形で、どういう規模で発生するか予測しがたいものでありますことから、不測の事態に備えて複数の対応手段を持つことは非常に重要なことと考えます。御紹介のありました埼玉県入間市の事例なども参考としながら、災害発生時初期の対応としての対応を、今後、市町村を含めて幅広く検討してまいりたいと考えてございます。
   〔保健福祉部長赤羽卓朗君登壇〕
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 生活習慣病予防対策と歯周病検診についてでございますが、県では、これまで口腔保健を健康いわて21プラン推進に当たっての重要領域の一つとして位置づけ、市町村への支援を含め、歯周病対策を推進してきたところでございます。歯周病検診につきましては、老人保健事業等により市町村を実施主体として既に取り組まれておりまして、いわゆる8020運動の観点から重要な取り組みであると認識しております。
 県といたしましては、歯周病を含めた口腔保健対策は、今般の医療制度改革により策定することとなります健康増進計画においても重要な課題の一つと認識しております。しかしながら、生活習慣病予防における歯周病検診のあり方については、現段階では新たな健康増進計画における位置づけや内容が国の策定指針の検討過程において必ずしも明確にされていない状況でございます。今後の国の動向あるいは最新の研究成果等を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長酒井俊巳君登壇〕
〇商工労働観光部長(酒井俊巳君) 産学官連携における人的ネットワークについてのお尋ねでございます。
 産学官連携を進める上で、いわゆる産業界と学のつなぎ役としての官の果たす役割は大きいものというように考えてございます。県では、幾つかの産学官連携事業を実施しているわけでございますが、こういった事業の中で官側のいわゆるつなぎ役といたしまして、民間企業経験者などをその専門人材ということで活用しておりますほか、県の工業技術センターには、技術系の専門職員を連携研究主幹ということで配置しているところでございます。
 また、岩手大学の地域連携推進センターには、技術に詳しい県職員をリエゾン担当教授ということで継続的に派遣をするなどいたしまして、産学官の連携の推進に係る体制を組織的に構築しているところでございまして、人事異動などによって産学官連携事業に支障が生じないように配慮しているところでございます。
 なお、先ほどの知事の答弁の中にございました岩手ネットワークシステム──INSでございますが、約150人の県職員が所属、職務内容というものにかかわりなく、個人の資格で入会をし、幾つかの研究会の代表を務めるなど、積極的に活動しているところでございまして、本県の産学官連携の人的ネットワークの構築に大きく貢献をしていると考えているところでございます。
   〔教育長照井崇君登壇〕
〇教育長(照井崇君) 学校における防災教育についてですが、災害時にみずから適切な行動をとれるようにするためには、学校における防災教育を充実し、子供の時期から正しい防災知識を身につけていくことが大切であると考えております。各学校においては、地域の実情に応じて、特別活動や総合的な学習の時間などの中で、消防署などと連携し、危機意識を高めるための地震体験や消火訓練、危険を予測して安全に避難するための訓練などを通して、児童生徒が災害時において適切に行動できる能力の向上に努めているところです。
 また、市町村が独自に作成した教材などを活用して、社会科などの教科の中で災害がもたらす暮らしへの影響などを学習し、防災意識の高揚を図っているところです。
 さらに、小・中学校や高校の教職員を対象とした防災教育研修会を実施し、大学の研究者などの専門家を招いて、シミュレーションビデオなどを活用しての地震や津波に関する防災教育、災害時や事後の児童生徒の心のケアの大切さなどの啓発に努めているところです。現在、津波の仕組みや被害の実際などをビデオなどで学べる教材が開発されており、今後はこうした教材を積極的に活用していきたいと考えております。
 御提言のありました、東北大学の今村教授は、津波防災の研究に先進的に取り組んでおられる方とお聞きしておりますので、一度学校における防災教育に対する先生の御意見を伺い、先生の御協力をいただければ、教職員に対する研修会などにお招きしお話をいただく機会を設けることや、先生が開発された教材を防災教育に活用することなどについて今後考えてまいりたいと思っております。
〇9番(高橋比奈子君) ただいまはそれぞれの項目に対しまして、大変御丁寧な御答弁をありがとうございます。
 再質問では3点なんですが、まず私、食育推進計画、2月16日のものを全部読ませていただきました。非常にすばらしいですし、本当にこれはベストなんですが、先ほどお話をしました非行とかニート、暴力とか、そういうものとの食生活の関係というデータ的ベースをしっかりとお知らせをして、なぜ大事なのかというところの裏づけまで教えていただきたいと思うんですよね。その必要性をちょっとお話しさせていただきました。保健福祉部の方にゲームソフトの関係、それからテレビの関係、食事との異常問題の関係などをちょっと検索してもらっただけですごい分量なんですね。こういうものをぜひ、関係するところたくさんあります、福祉も教育も関係ありますし、そういう関係のところの方々が、こういうことが起きるということも踏まえて食育に当たっていただきたいと。子育て支援にも、テレビ画面の幻想と弊害という本がございますけれども、むかつく、キレる、不登校のかなたにあるものという点から、テレビ視聴、これが子供たちの危険性に対するいろいろな問題点、脳が疲労するとか、睡眠に対する障害を生むとか、笑顔を奪うとか、それから言葉のおくれの観点とか、非常にきちんとした提言を世界的にもいろいろこの点では行っているんですね。
 問題点としては、テレビとか、それから画像とかというのは非常にいい面もあるわけですよね。ですから、大人がどういうふうに導いていくかということが非常に大事であると。この点を郵政省のアンケートを初め、すべての方々が食育に関してと、それからこういうテレビ画面、またはゲームソフト、さまざまなものへの子育てに対する支援として具体的な例を挙げております。これを関係部局、また、教育委員会がしっかり把握をしていただき、そしてこの食育を推進していく上で、こういうデータベースとしてさまざまな問題点があるから本当に必要なんだよという裏づけとして活用していただきたいという点。これをまず1点目に、これは恐れ入ります、知事と教育長とに伺いたいと思います。これは全部に関係するという点で知事の御答弁をお願いします。
 それから、農業の点なんですが、知事から非常に前向きにそういうのは必要だということ、これまでももちろんやっていらっしゃいましたし、私も必要だと思うのでさらにぜひお願いしたいという御要望でしたので、おっしゃることが非常に、私も、ああ、よかったなと思ってお聞きしておりました。その中でいわて農業者トップスクールのお話がありましたが、平成15年度から取り組んでいるこのトップスクールの卒業生、今144名ということで若い方も多く、岩手の農業の未来を熱く語ってくださる卒業生がたくさんいらっしゃいます。すばらしい事業をしているなと思っているんですが、この方々が販売する会社などを立ち上げながら、とにかく岩手の農業を本当に引っ張っていきたいんだというような気持ちを持っているという要望書をいただきまして、この計画が夢と終わらないようなぜひ御支援の輪を広げていただきたい。
 あわせて、この卒業生の中から有機農業への取り組みが岩手県はおくれているような気がするという、岩手県の農政についての提言をいただきまして、その中には、農業改良普及員の特別チームを編成して、有機農業の先進地に行って研修をして技術を学んで岩手県下に普及していただきたいと考えているという要望書が参りました。有機農業と資源循環農業というのをちょっと別個にそれぞれいろいろ進めていかなければいけないとも思っておりますが、取り組みたいと言った場合に、県の方でこれだけの取り組み事例が県内にあるわけですから、情報提供をしていただきたい、この点が一つ。
 それから、今、高知では、有機の学校というのを県も絡みまして立ち上げまして、来年度から土佐自然塾ということで生徒を募集しているんですね。こういう事例。
 それから、先ほど知事、堆肥の点をおっしゃっていました、畜産県ということで。堆肥のことをお話ししていましたが、この有機農業に取り組んでいる方々が、堆肥のできのことをちょっといろいろ話しておりまして、堆肥を使いたいと。でも、いい堆肥が少ないというようなお話もされていたんですね。青森県が蝦名副知事を先頭に、有用微生物を使って畜産は取り組むということをしっかり提言していまして、県の中に、この取り組みに対しての指導とかに対するお金を出したりとか、いろんなことを今やっているんですね。いい堆肥をつくるということに対しても取り組みや情報提供、また、お隣の青森県などの情報もしっかりとお聞きいただきながら、確実にいろいろいい堆肥をつくろうと思って頑張っている人たち、たくさんいらっしゃいますので、そういう方への情報提供を含め、資源循環の農業をバックアップしていく、さらにバックアップしていくというシステムをぜひお願いしたいという点も御答弁をお願いしたいと思います。
 それから、先ほど非常に前向きな御答弁を、教育長、防災教育についてお話をくださいましたが、私、内陸でこそ津波の情報が必要だと。これは、私のお友達がこの前、防災教育の大事さの話をしていたときに、内陸で津波に対する知識がないんで、30センチというとどれぐらいかと思って見に行くとか、そういうことを言っている方もいたんですね。この勉強会の中では、30センチの津波の怖さというのもしっかりとお知らせを映像でしてくださいまして、やはり津波は、伝承は沿岸の方々は行われている部分も非常に多いと思うんですが、内陸の人たちの津波に対する知識というのは、私だけでしょうか、本当に少ないということを痛感、最近しております。全県での防災はしっかりやっていらっしゃるということですが、津波に対してのこともあわせて要望させていただきたいと思います。
 なお、前向きな御答弁には心から感謝を申し上げ、再質問を結ばせていただきます。
〇知事(増田寛也君) お答え申し上げますが、まず、食育の関係でありますけれども、今、議員の方からお話がございましたゲームソフトやテレビが幼児に与える影響といったようなこともいろいろ深刻な問題があろうかと思います。お話のように、県の方の担当する部局も大変多岐にわたるわけでありますが、今お話がございましたようなことも含めて、どういう形でどのような食育教育の場で実現をするのか、また担当部局の方によく研究をさせて、少しでも食育の充実を図っていきたいというふうに思います。
 それから、農業者の関係でございますが、実は農業者のトップスクールは私も2度ほど話しに言ったことがございまして、大変意欲のある農業者が育ってきているなというふうに思っております。頼もしく思っておりますが、やはり大事なことは、その後のフォローといいましょうか、その人たちが地域で本当に活力ある農業を展開できるかどうかということでございますので、これは開始をして今3回生までが出たところかと思いましたが、今後、そうした卒業生に対してどういうフォローをしていくのかがまた課題となりつつありますので、そういう皆さん方にマネジメントの面でどういうバックアップをするのか、情報提供の面でどうバックアップをするのか、農林水産部の方によく検討させて、そしてその充実を図りたいというふうに思います。
〇農林水産部長(今泉敏朗君) 資源循環型農業の推進につきまして、取り組みにつきましては、私どもといたしましても、岩手農業の厚みと広がりを持たせる上で必要な取り組みだと思っておりますし、これは推進していかなくちゃいけないと思っております。
 いずれ、農業改良普及センターの方につきましては、そういった方々が来られた場合には、情報提供も含めてしっかりと対応するようにということは、私の方からもきっちり申し伝えておきたいと思っております。
〇教育長(照井崇君) 今後は、先ほどの食育推進計画に基づきまして、食育というのを、児童生徒の理解力に応じて学校の年間指導計画の中にしっかりと位置づけて進めていきたいというふうに考えています。その場合に、家庭とこれまで以上に密にしまして、ただいま話のありましたような点、こういったこともしっかりその中に紹介して、子供たち一人一人が正しい食事のあり方であるとか、そういう望ましい食習慣をつけるように、そして自分で自己管理ができるように指導してまいりたいと思います。
 それから津波防災教育、これについては全沿岸に限らず、やはり内陸の方においても、海に出かけることもございますので、いずれ、県下のすべての学校でそうした津波の恐ろしさとか、そういったものを理解できるよう、先ほど紹介のありましたようなビデオなどを活用しながら、指導してまいりたいと思います。
   
日程第 2  議案第64号平成17年度岩手県一般会計補正予算(第 7号)から日程第31 議案第93号リアスハーバー宮古の指定管理者を指定することに関し議決を求めることについてまで
〇議長(伊藤勢至君) 次に、日程第2、議案第64号から日程第31、議案第93号までを一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。時澤総務部長。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕
〇総務部長(時澤忠君) 本日提案いたしました各案件について御説明いたします。
 議案第64号は、平成17年度岩手県一般会計補正予算(第7号)であります。これは、国の補正予算に対応するほか、国庫支出金の決定及び事業費の確定に伴う整理並びに事業執行上、今回計上を要するもの等について総額129億2、917万4、000円を減額補正するなど、所要の補正を行おうとするものであります。
 増額補正の主なものは、介護給付費等負担金4億7、400万円余、松山荘施設整備費5億300万円余、除雪費23億8、300万円、公債費42億8、100万円余等であります。
 また、減額補正の主なものは、商工観光振興資金貸付金16億1、000万円余、中小企業経営安定資金貸付金19億900万円余、河川等災害復旧事業費50億7、400万円余等であります。このほか、歳入におきましては、社団法人岩手県肉牛生産公社に対する貸付金の年度内の回収は見込めなくなったことに伴う諸収入から一般財源への財源振替16億5、200万円余を計上しているところであります。
 次に、繰越明許費は、特別養護老人ホーム施設整備費補助ほか、119事業に係る予算を翌年度に繰り越して使用しようとするものであります。
 次に、債務負担行為の補正は、公の施設の指定管理者の指定に係るものなど20件を新たに追加するとともに、3件の事業についてその限度額を変更しようとするものであります。
 また、地方債の補正は、知的障害者援護施設整備など2件を新たに追加するとともに、3件の事業について起債の限度額を変更しようとするものであります。
 議案第65号から議案第78号までは、平成17年度の岩手県母子寡婦福祉資金特別会計等11特別会計及び3企業会計の各補正予算でありますが、これらは、それぞれの事業計画等に基づいて所要額を補正しようとするものであります。
 議案第79号から議案第82号までの4件は、建設事業に要する経費の一部負担及びその変更に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第83号は、国営土地改良事業負担金等徴収条例の一部を改正する条例でありますが、これは、平成10年度に完了した農地開発事業に係る負担金の徴収期間を延長しようとするものであります。
 議案第84号から議案第87号までの4件は、公の施設に係る指定管理者制度を導入する等のため、それぞれの施設設置条例の一部を改正しようとするものであります。
 議案第88号は、工事の請負契約の締結に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第89号から議案第93号までの5件は、公の施設の指定管理者を指定することに関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願いいたします。
   
〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後 4 時54分 散 会

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