平成12年2月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇17番(千葉伝君) 自由民主クラブの千葉伝でございます。本定例会において、一般質問の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げます。
 知事は、本定例会冒頭の所信表明において、新しい千年紀を迎え、21世紀を見通したとき、時代の変化が一層早まる中、これからの社会がどう変わっていくのか予測が難しく、まさに海図なき新たな航海に旅立つという思いを述べられております。一方で、その先は決して暗く冷たい海ではなく、希望と活力に満ちた輝かしい未来であり、新しい風をしっかりととらえながら、そのかじ取りを行い、豊かで魅力にあふれる岩手づくりに、誇りと自信を持って取り組むという決意を表明されました。
 この例えを私なりに申しますと、航海に当たって変化する社会情勢が天候であり、岩手県総合計画がその海図となるものと思いますことから、天候を見きわめ、海図により進むべき針路を検証、確認し、順風満帆といかないさまざまな障害を乗り越え、県民という乗客としっかり手を携えて、その針路の先として、知事の述べる21世紀の岩手像、夢県土いわてに向け、着実に進められますことを強く期待するものであります。
 もとより、議会制民主主義の基本原則のもと、私は進展する地方分権時代を念頭に、地域の声、県民の声に真摯に耳を傾け、議会の中にあって果たすべき役割、すなわち進むべき道筋の検証をすることが、地方自治、県政の健全な発展につながるものと思う次第であります。
 今後、我が自由民主クラブは、県政全般にわたり、県民にとって何が必要で何をなすべきかという視点を持ち、地方分権時代に合わせ、行政と議会とのそれぞれの役割を改めて強く認識して、緊張感を保ち、会派みずからの政策を建議して、県民のために邁進してまいりたいと思う次第であります。
 こうした思いで、以下、順次質問をいたしますのでよろしく御答弁願います。
 まず最初に、並行在来線対策についてお伺いします。
 私を含め県議会議員の有志は、去る2月25日に、新幹線建設並びに並行在来線の状況を視察してまいりました。今回の視察によりまして、私どもは改めて東北本線の実情を肌で感じ、東北本線が東北地域の大動脈であること、そして地域住民にとってかけがえのない路線であることを再認識いたしました。一方、沼宮内駅周辺やローカル列車の窓からは、新幹線のいわゆる明かり部分の工事を目の当たりにし、いよいよ県北地域にも新幹線開業時期が近づきつつあることを実感したところであります。
 今後、新幹線の建設工事が順調に推移しますと、並行在来線の経営分離までの残された時間は既に3年を切ることとなり、新年度はその対策の実現に向けていよいよ正念場を迎えるものと存じます。
 そこでお伺いしますが、知事は本年1月、お忍びで好摩駅などを視察されたと伺っておりますが、どのような目的で視察されたのでしょうか。また、実際に視察をされてどのような所感を持たれたのでしょうか、お伺いします。
 次に、並行在来線に関する基本方針策定後の検討状況についてお伺いします。
 昨年10月の基本方針策定以来4カ月が経過し、大分検討も深まっているものと存じます。並行在来線についてはさまざまな検討課題があるものと存じますが、このような課題のうち、特に会社の規模、使用する車両、会社の拠点施設の設置場所、列車運行本数及び運賃水準について並行在来線の経営分離後の状況がどのようになるのか、県民の関心は高いものと思われます。知事は、現時点でのこれらの検討の方向性について、どのような見解をお持ちなのか、お示し願います。
 次に、企画振興部長にお伺いします。
 昨年7月の岩手・青森両県知事会談において、両県は鉄路の一体性及び両県県民の利便性の確保・向上に努める旨を合意されましたが、具体的にどのような連携を図っていくこととしているのか、お示し願います。
 また、いよいよ正念場を迎える並行在来線対策を円滑かつ確実に推進し、期限に間に合わせるためには組織・体制の整備が欠かせないものと思われます。昨年の12月議会の際、渡辺企画振興部長は体制の充実を図っていくと答弁されましたが、新年度、県はどのような体制で検討を進められるのか、また、平成12年度のスケジュールをどのように考えておられるのか、あわせてお伺いします。
 次に、並行在来線対策に関連して沼宮内駅周辺の整備についてお伺いします。
 東北新幹線盛岡以北の整備につきましては、関係機関の積極的な取り組みにより各地で工事が進み、先月の27日には、岩手県と青森県の両県にまたがる金田一トンネルが貫通したことや、岩手トンネルのレール敷設工事が始まったことなど、開業に向けて着実に工事が進められているところであります。盛岡以北においては、二戸駅、沼宮内駅の2カ所に新幹線駅が併設されることとなっており、県北地域の振興のため、重要な意味を持つものと大いに期待するものであります。この新幹線駅の機能を十分に発揮させるためには、アクセス道路や関連する駐車場等の整備が不可欠であると存じますが、沼宮内駅周辺の駅広場、駐車場、道路をどのように整備されるのか、また、県としてどのような取り組みを行っているのか、お伺いします。
 次に、農業に関する諸課題についてお伺いします。
 まず、いわて農業純情度の目標達成のための具体的な取り組みについてお伺いします。
 近年、地球温暖化やオゾン層の破壊、野生生物の減少、さらにはダイオキシン類や環境ホルモンなどの化学物質による環境汚染など、地球的規模での環境問題の顕在化に伴い、環境保全や食品の安全性に対する人々の関心が高まっていることから、今後は農業の分野においても環境に負荷を与えない生産のあり方が問われていくものと考えます。
 また、国においては、昨年制定した食料・農業・農村基本法において、自然循環機能の維持増進の必要性を打ち出すとともに、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律を初めとするいわゆる環境三法を制定しており、農業の多面的機能を発揮するとともに、環境に優しく安全で安心できる農産物を安定的に供給することが、これまで以上に求められているところであります。
 このような状況の中で、県では新しい岩手県農業・農村基本計画において、本県の農業・農村をあらわす指標としていわて農業純情度を設定し、本県のすぐれた自然環境や農産物の品質、安全性の高さなど、産地の姿や努力を消費者にアピールしていることは、まさに時宜を得たものと評価するものであります。
 また、環境に優しい農業生産技術として、農薬の使用量の削減などの具体的な数値目標を示されたことは、一方では、今後ますます消費者の注目を浴びることになるものと思われます。
 そこでお伺いしますが、産地評価の一層の向上を図るためにも、その目標達成に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お示しいただきたいと思います。
 次に、本県農業の基幹の一つである畜産部門の中で、黒毛和種の振興方策についてお伺いします。
 本県の黒毛和種の生産は、繁殖牛においては稲作等との複合経営の作目として振興が図られてきたものであり、農家所得を確保する上で重要な役割を果たしてきていると認識しているところであります。しかしながら、飼養の実態を見ますと、年々飼養戸数、頭数とも減少している状況にあります。このような減少傾向は、農家所得にも少なからず影響を及ぼしているものと思われ、危惧の念を抱いているところであります。
 黒毛和種は、高級牛肉として牛肉の輸入自由化による影響も少なく、比較的安定した価格の維持がなされていると伺っております。また、生産者においても、市場価格の高い良質牛の生産に意欲的であると認識しており、本県における肉用牛の振興を図る上で心強く感じているところであります。
 そこでお伺いしますが、黒毛和種の飼養戸数、頭数が減少している要因は何か、そして子牛市場の価格形成はどのようになっているのでしょうか。また、すぐれた資質を有する種牛が求められていることから、県は種雄牛造成等改良事業に取り組んでおりますが、生産者の期待にこたえるような成果は上がっているのでしょうか。今後、黒毛和種の振興のため、どのような施策を講じていかれるのでしょうか、あわせてお伺いします。
 次に、家畜排せつ物の適正処理と利用促進についてお伺いします。
 本県は、我が国の総合食料供給基地を目指し、特に畜産振興に力を入れているところであり、今後、農業立県として、これまで培ってきた産地のイメージを損なうことがないように、家畜排せつ物の堆肥化と土づくりについて、適切かつ確実に推進していく必要があるものと考えております。昨年11月から、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律が施行されておりますが、県内の畜産農家の中には、処理施設の不足などにより、家畜ふん尿を処理できずに野積み、素掘りといったいわゆる不適切なケースが見受けられるところであります。これらの農家につきましては、法律の施行により、今後、5カ年以内に適正処理のための施設整備が義務づけられたところであります。
 そこでお伺いしますが、県では家畜排せつ物の適正処理と利用の促進を図るため、法律に基づき定めることとしている県の計画にどのように取り組んでおられるのか、お示し願います。
 次に、環境基本計画についてお伺いします。
 平成11年8月に策定された岩手県総合計画において、環境に関する課題についての認識として、今後、地球環境問題が大きく意識される中で暮らしのあり方を見直すとともに、産業活動のあり方を考え、豊かで多様な自然環境の体系的な保全や環境教育の充実などが求められているとされております。このような認識を踏まえ、総合計画では、環境を、ひと、情報とともに21世紀の岩手の可能性の扉を開くかぎと位置づけて、環境施策を積極的に推進することとしております。私は、豊かさやゆとりを実感できるような、これからの地域社会を目指していくためには、広大な大地や豊かな自然といった本県のすぐれた財産である環境の維持、活用を図るという、環境を重視した施策の方向が重要であるという認識に賛意を表するものであります。このような総合計画にも示された考え方を踏まえて、昨年9月、環境基本計画が策定されました。
 この計画は、環境と共生した持続的発展が可能な地域社会を築き、その良好な環境を将来の世代に継承していくことを目標としており、まさに新しい岩手づくりの出発点であり、その道筋を示す岩手県総合計画の環境部門の推進のための重要な計画であります。この中には、県民、事業者、行政のそれぞれの役割や施策の基本的方向などが述べられているほか、特に重点的に取り組むべき施策として、環境パートナーシップ形成プロジェクトなどの五つのプロジェクトが掲げられております。
 そこでお伺いしますが、この環境基本計画の推進に際して、平成12年度において五つのプロジェクトにどのように取り組んでいかれるのか、その具体的方策をお示しいただきたいと思います。
 次に、自然環境を活用した地域振興という観点から、平庭高原地域の整備についてお伺いします。
 平庭高原地域は県立自然公園に指定され、日本一とも言われるシラカバの美林やカタクリの群落、あるいはレンゲツツジなどのすぐれた自然景観に恵まれるとともに、こうした自然と山里に培われた豊かな生活、文化が息づいている地域であります。県では、平成8年度にこの地域のすぐれた資源を活用し、エコミュージアムの視点を取り入れながら、葛巻町・山形村両町村の連携と地域住民の参加を中心としたエコパーク平庭高原の整備構想を策定したところでありますが、その後、施設の構成や管理運営のあり方など、地元両町村や地域住民などからの意見を踏まえながら、今般、基本計画を策定したと伺っているところであります。本事業は、地理的条件が悪く、財政力の弱いこの地域においては、地域の活性化の起爆剤となるものと大いに期待されているところであります。
 そこでお伺いしますが、この計画の策定並びにその推進に当たっての県の基本的な考え方をお示し願います。また、今後の事業化スケジュールはどのようになっているのでしょうか、あわせてお伺いします。
 次に、県立大学の大学院整備についてお伺いします。
 県立大学は平成10年度に開学したところでありますが、昨年12月22日には、早くも文部大臣から大学院の設置認可を得て、本年4月にはソフトウェア情報学研究科の博士課程と総合政策研究科の修士課程からなる大学院が開設されるとのことであります。大学院の開設により、本県における高等教育の一層の充実が図られることとなり、県民ともども喜びにたえないところであります。
 開学3年目の大学院の設置は、国公立の大学では初めてのことと聞いておりますが、県立大学の開学直後から検討を進めてこられた知事を初め、西澤学長以下の諸先生方の御尽力について深く敬意を表するものであります。また、先日のテレビ番組では、知事が県立大学の学生に岩手県総合計画について講義している模様を拝見いたしました。岩手の未来を切り拓く、環境、ひと、情報の三つの視点から総合計画の遂行にかける知事の意気込みと、特にも21世紀の岩手の可能性を託す県立大学での新しいひとづくりに込められた期待のほどをかいま見た思いがいたします。
 県立大学の大学院整備については、総合計画においても主要な事業として位置づけられており、大学院の開設により、これまで以上に高度な教育研究が展開されるものと存じます。
 そこでお伺いしますが、4月から大学院で展開される教育研究の内容や特色なども含め、知事はどのような大学院を目指しておられるのか、御所見をお聞かせいただきたいと存じます。
 また、ソフトウェア情報学部、総合政策学部ともに卒業生が出る前の大学院設置ということであり、大学院への入学者の確保が大変難しいのではないかと考えますが、入学者の確保にどのように取り組まれているのか、お示し願います。
 さらに、県立大学の4学部のうち、看護学部と社会福祉学部に係る研究科の設置が残されておりますが、これらの学部の大学院整備について今後どのように進めるお考えでしょうか、あわせてお伺いします。
 次に、スポーツにおける競技力向上についてお伺いします。
 昨年開催された岩手インターハイにおいては、本県の代表選手は地元開催に向けた選手強化事業が功を奏し、県のスポーツ史上に残る見事なまでの活躍を見せ、県民に大きな夢と感動を与え、大成功のうちに終了しましたことは、大会が開催されて半年が過ぎ去ろうとしている今でも鮮やかに思い出されます。
 過般の岩手インターハイでの本県選手の活躍は、県民のスポーツ、とりわけ競技スポーツに対する意識をますます高揚させてくれました。もとより、競技スポーツの振興は県民のスポーツへの関心を高め、生涯スポーツの振興に寄与するものであり、青少年を初め県民に夢や感動を与えるなど、活力ある健全な社会の形成に大きく貢献するものであります。私は、今後も岩手インターハイで得られた競技力向上という貴重な成果を継続して維持できるよう、選手の強化策を積極的に実施していくことが大変重要であると考えております。
 そこでお伺いしますが、せっかく根づいた競技力を維持しさらに向上させるために、今後どのような選手強化対策を講じようとしているのか、お示し願います。
 また、競技力向上のためには、科学的トレーニングセンターなどの施設の早期整備が必要と考えますが、どのようにお考えか、あわせてお伺いします。
 さらに、競技力向上対策とともに、県民が一流選手の競技に触れる場としてもスポーツを見て楽しむ機会を県民に提供することや、同時に、本県において子供のころから強化指導を受け、育成された優秀選手が活躍できる場を提供することは、今後の競技スポーツのさらなる振興のために大変意義深いものと考えます。
 本県においては、これまで平成5年の世界アルペン大会や平成10年の冬季完全国体、そして昨年の岩手インターハイなど大規模な競技大会が開催され、心のこもったスムーズな運営により、そのすべての大会を成功に導いてきた実績を有しております。
 そこでお伺いしますが、今後の本県における大規模な大会誘致の予定はどのようになっているのか、お示しいただきたいと思います。
 次に、盛岡以北の道路整備に係る課題及びその対応についてお伺いします。
 県は岩手県総合計画において、各地域が、地域の持つ特色を生かし地域が自立することが大事であり、その支援としてのハード、ソフトの各施策を広範囲に展開することにより、夢県土いわての実現を目指すこととしております。また、知事は今議会の演述においても、これからは地域の個性や魅力が重要な意味合いを持つと述べられたところであります。
 私は、地域がまさに個性や魅力を発揮し自立を図るためには地域の交流や連携が不可欠であり、それを支える社会基盤の整備が重要であると考えております。このことは、盛岡以南の北上川流域の各都市を見れば明らかであり、盛岡市から一関市まで都市は帯状に連結し、都市群を形成し、周辺町村も含めて発展しております。その発展理由を考えてみますと、新幹線、高速道路に加え、国道4号バイパスや各交通拠点を結ぶ県道などの道路整備が進み、まさに北上川流域の発展は、これら社会基盤整備の効果によるところが大きいものと考えられます。しかしながら、盛岡以北を見ますと、東北新幹線の八戸までの工事は順調に進んでおりますが、東北縦貫自動車道は西に大きく迂回し、また、国道4号の盛岡以北についてもその整備は容易に進んでいない状況にあります。現在、二戸市においては、新幹線の盛岡以北の開業に合わせ、さまざまな社会基盤整備が進んでおります。県は、東北横断自動車道釜石秋田線や三陸縦貫自動車道の高速交通ネットワークの整備を促進することとしておりますが、地域的な課題として、盛岡市から北部地域において特色ある地域づくりを行い、生き生きとした地域活動を図っていくためには、国道4号を初めとし各町村を結ぶ道路整備がぜひ必要であると考えます。県では、今後、これら道路整備についてどのように取り組んでいくおつもりなのか、お伺いします。
 以上を申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 千葉伝議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、並行在来線の現地視察についてお尋ねがございましたが、去る1月11日に、東北本線と花輪線のちょうど分岐点となっております好摩駅を視察いたしまして、その後、盛岡駅まで実際に普通列車に乗車いたしました。また、盛岡ではJR盛岡支社にお伺いしまして、列車の運行管理を行う総合指令室を見学したところでございます。これは、花輪線を含め、東北本線盛岡以北を利用されております地域の皆さんの状況、それから列車走行の実態とこれを支えております運行管理の現場をこの目でじかに確認したいということで行ったものでございます。
 実際に好摩駅のホームに立ちまして、高速で通過いたします重厚長大な貨物列車の振動ですとか風圧を身をもって体感したところでございます。これは旅客と全く違うものでございますし、また、待合室で1本の列車をじっと待っておられるお年寄りの方や学生の姿、さらには列車内の乗客の皆さんの様子を肌で知りまして、東北本線が貨物輸送の大動脈であるということと、それから、いかに県民の日常の暮らしに密着した生活路線であるかということを実感したところでございます。
 私は、この視察を通じまして、鉄道貨物が走行する場合には、旅客列車だけが走る場合と異なりまして、その維持に多額の経費が伴うであろうこと、また、並行在来線運営に当たっては、JR東日本と一体となった運行管理が必要であると。盛岡支社のところで花泉から以北の青森まで全体の運行管理をやっているわけですが、その中で、今回の第三セクター分の盛岡・八戸間だけの指令設備を切り離して運行管理をするということは無理で、やはり全体がPRCという装置で一体となって全部運行されていますので、そうした運行管理が絶対に必要であるということを認識いたしました。こうしたことから、この路線を将来にわたって維持していくことの重要性と、そして、一方で難しさというのを改めて痛感したところでございます。
 次に、並行在来線の主要課題の検討方向についてでございますが、まず、会社の規模でございますが、初期投資額を勘案し、新会社が安定的に経営を維持し得る資本金を確保したいと考えておりますほか、少数精鋭による効率的な業務執行を目標に、社員数の検討を、今、進めているところでございます。
 車両につきましては、東北本線で現在使用されている電車、701系という車両でございますが、この車両を引き続き活用することを基本に、JR東日本に対してその譲渡を、今、申し入れているところでございます。また、本社は、列車の運行管理に伴うJR東日本との連絡調整の利便を考慮して盛岡市内に置くのが適当ではないかと。それから、線路等の保守点検を行う拠点、工務区と呼ばれるわけですが、こうした保守点検の拠点は、施設規模や地理的条件を考慮すれば玉山村に設置するのが適当ではないかということで、その方向で、今、検討を進めているところでございます。
 それから、列車運行本数につきましては、地域の皆さんの利便性の向上と並行在来線全体の利用促進を図るため、相当数の増発を検討いたしております。それから、盛岡・二戸間におきましては、現在の特急はつかりの所要時間と遜色のない55分程度で結ぶ快速列車の運行。これはもちろん快速列車ですので特急料金は不要になるわけですが、こうした55分程度で結ぶ快速列車の運行ということを、今、検討しております。ぜひ、そうしたものを運行したいと考えております。
 また、運賃水準につきましては、輸送サービスの向上に努め、それに見合った水準とすることを基本に、経営の健全性を確保しつつ、可能な限り低廉な水準とするよう努める方針でございますが、具体的には新会社全体の運営経費を見きわめないと判断できませんので、そうした全体の運営経費を見きわめた上で判断したいと考えております。
 並行在来線対策は、これらの課題に加えまして、線路形態の決定や鉄道貨物問題、また、新駅の設置などによる利用促進方策など重要な課題が数多くございますことから、沿線市町村や青森県との連携を図りながら、ことしの秋の経営計画概要の策定に向けて、精力的に検討を進める考えであります。
 次に、県立大学が目指す大学院についてでございますが、本年4月に開設するソフトウェア情報学研究科は、この分野では我が国でも先端となる大学院でございまして、基盤情報と知能メディアの二つのシステム領域を対象として、実際のソフトウェアシステムなどの構築を通じて、創造的、実践的な研究手法や自立的な研究能力を学生に修得させ、コンピューター・通信情報関連分野を中心に、いわゆるソフトウェアシステムの設計、開発などの専門的技術者や実践的研究者の養成を目指しているところでございます。
 また、関東以北では初めての総合政策系大学院となります総合政策研究科の方でございますが、こちらは、行政・経営系と環境・地域系の二つの政策領域を中心に、政策過程の基本構造の理解と総合的かつ実践的な課題解決能力を修得させ、行政機関、教育・研究機関、NPO団体などの民間団体や企業において、総合的視野から公共政策やさまざまな政策課題、さらには経営方針などに参画する担い手や研究者となる人材の養成を目指しているものでございます。
 私は、県立大学の大学院において、時代の要請や地域に根差した実学・実践的な教育研究を一層推進するとともに、世界に開かれた学術研究の拠点として、これまで以上に大学の有しておりますポテンシャルの活用や教育研究成果の地域への普及、還元など、10年先、20年先を見通しながら、21世紀の岩手の人づくりを進めていく考えでございます。
 次に、盛岡以北の道路整備についてのお尋ねでございますが、盛岡市から北部の地域は、岩手山や八幡平などの魅力的な自然環境に恵まれておりますけれども、その一方で高齢化が進む中山間地域が大半を占めておりまして、生産面などの環境整備が課題となっているところでございます。本地域は、東北新幹線盛岡以北の整備などの高速交通体系が順次整備されていく中で、これらを活用した新たな交流拠点の形成を図るとともに、こうした地域への定住化や産業を育成する地域社会を創造する上では、これらの高速交通体系と一体となって機能する広域的な幹線道路網の整備が必要であると、このように考えております。
 その具体的な取り組みについてでございますが、国道4号の既に工事に着手しております茨島跨線橋や渋民バイパスにつきましては一層の整備促進を働きかけますとともに、茨島から分レ間については、道路計画について、地域住民なども含めた合意形成を図って、早期事業着手がなされるよう国に、今、要望しているところでございます。
 このほか、国道281号の難所となっております大坊峠でございますが、この改良工事については現在その工事を進めているところでございまして、平成12年度に完成供用を図る予定でおります。それから、国道282号の西根バイパスにつきましては、平成14年度の暫定供用を目指すこととしてございます。また、新幹線関連でございますが、新幹線沼宮内駅へのアクセス道路となります県道岩手西根線、西根町の竹花踏切の関係ですが、この踏切のJR花輪線との立体交差工事につきましては平成14年度の完成供用を目指してございます。同じく主要地方道岩手平舘線の岩手町大町地区の街路事業がございますが、この街路事業につきましても鋭意その進捗を図っているところでございます。
 厳しい財政状況下ではございますが、今後とも、高速交通ネットワークを補完する主要な県道も含め、体系的な道路整備になお一層努めてまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承お願いします。
   〔企画振興部長渡辺勲君登壇〕

〇企画振興部長(渡辺勲君) まず、並行在来線に係る青森県との連携についてでございます。
 両県において、これからそれぞれ設立され、運行に当たる会社相互の旅客輸送サービスの向上と両社の経営合理化を図るという観点から、両県の連携は極めて重要であると考えてございまして、列車の相互乗り入れはもちろんのこと、運賃の乗り継ぎ割引、列車運行指令業務、車両の運行などを共同で実施する方向で検討を進めているところでございます。
 今後におきましても、旅客輸送サービスの向上や円滑で効率的な運営に向けまして、青森県との一層の連携に努めてまいります。
 次に、並行在来線対策の新年度の体制、そしてスケジュールについてでございます。
 平成12年度の体制につきましては、当企画振興部内に部内室として並行在来線対策室を設置し、次長級の専任の室長を置くとともに、JR東日本からの派遣職員を含め15人ないし16人の職員を配置するなど、開業に向けた準備態勢を強化することといたしてございます。
 また、平成12年度のスケジュールにつきましては、今月下旬に県と沿線市町村等で構成する岩手県並行在来線経営準備協議会総会を開催し、新年度における同協議会の事業計画及び予算を決定する予定でございます。新年度に入ってからでございますが、10月ころをめどに、会社規模、線路形態、ダイヤ編成方針、運賃水準、収支等を取りまとめ、経営計画概要として決定し、公表したいと考えてございます。この後、鉄道事業許可申請に向けた詳細経営計画の策定に着手いたしますとともに、平成13年5月の会社設立を目指し、出資要請先や出資金額などの検討を進めるなど、平成14年末を開業目標としてございます東北新幹線盛岡・八戸間の建設状況をにらみながら、並行在来線の開業準備に万全を期してまいります。
 次に、平庭高原地域の整備についてでございますが、葛巻町と山形村にまたがる地域を計画区域とするエコパーク平庭高原──仮称でございますが──の基本計画は、岩手県総合計画において、21世紀の可能性の扉を開く三つの視点の一つとして掲げております環境の視点に立ち、その美しいくにづくりプロジェクトを具体化する先駆的取り組みを行うことを目的として策定したものでございます。
 この計画におきましては、エコパーク平庭体験館やシラカバの湯、コテージ、オートキャンプ場などの中核施設は基本的に県が、その周辺のワインの里やそばの里、高原スポーツエリア等の関連施設は両町村がそれぞれ段階的に整備し、両町村全域をネットワーク化したエコミュージアムとして形成していくことといたしてございます。
 また、その整備に当たりましては、自然の地形や植生をできるだけそのまま生かした造成であるとか、クリーンエネルギーの導入など環境重視の先進事例となり得るような施設整備を進めますとともに、地域の資源を生かしたこれまでの活動を発展させながら、地域住民や来訪者の皆様など多様な主体の参画を得て、みんなでつくり育てるエコパークとして形成してまいりたいと存じております。
 なお、県が整備することとなる中核施設の整備スケジュールでございますが、平成12年度から環境影響評価調査に着手し、以降、財政事情等を勘案しながら、おおむね平成18年度のオープンを目指して事業を進めてまいりたいと考えております。
   〔土木部長中山隆君登壇〕

〇土木部長(中山隆君) 沼宮内駅周辺の整備についてでございますが、東北新幹線の延伸によります効果を広く波及させるためには駅へのアクセス性の向上が不可欠でありますので、県といたしましても、これまで新幹線関連道路整備事業などを推進してまいったところでございます。
 また、沼宮内駅前の幹線道路でございます都市計画道路犬袋新町線の整備は緊急を要するため、平成11年度から国庫補助による街路事業を新規に導入し、現在、県と岩手町がそれぞれの管理区間を分担しながらその整備に取り組んでいるところでございます。
 このほか、岩手町におきましては、今年度から新幹線駅の東側に町道沼宮内東線を新設するとともに、約100台の駐車場を整備中であり、さらに、平成12年度の国の新規施策でございますまちづくり総合支援事業の導入を図り、駅広場と周辺の道路整備を行うこととしております。
 県といたしましても、新幹線の開業に向けまして、岩手町と連係を密にしながら、予算の重点配分や新規要望事業の採択などにつきまして積極的に取り組んでまいる考えであります。
   〔農政部長佐藤徳兵衛君登壇〕

〇農政部長(佐藤徳兵衛君) まず、いわて農業純情度の目標達成のための具体的な取り組みについてでありますが、環境に優しい農業生産技術の数値目標達成のため、大きく二つの取り組みを行うこととしております。
 一つは、耕種と畜産の連携により、県内の豊富な有機質資源を活用した土づくりを強力に推進することとしており、具体的には、地域ごとに堆肥生産利用促進協議会を設置し、耕種農家の要望や堆肥の品質を明らかにしながら堆肥需給マップを作成するとともに、土づくり交流会や堆肥の生産運搬から散布までの流通実証などを行い、地域内の需給調整を支援することとしております。
 また、二つ目には、化学農薬や化学肥料の使用量の削減に向けて、これらの資材にかわる技術開発と普及のための取り組みを行うこととしております。例えば、化学肥料の使用量を2ないし3割削減可能な新しいタイプの肥料や有機質肥料の施用技術の開発、普及を図ることとしております。また、農薬については、天敵や性フェロモンなどを組み合わせた総合的な防除技術の普及を図りながら、一層の削減を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、こうした取り組みを総合的に推進するため、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律に基づき、土づくりや農薬、化学肥料の使用を極力少なくする技術を積極的に導入する農家を認定し、これにつきましては、既に長野県においては、この認定農家を信州エコファーマーと名づけることとされたようでありますけれども、こうした農家に対し、農業改良資金の償還期限を延長する優遇措置や補助事業の優先配置などを行い、環境に優しい農業の推進と純情産地いわての評価向上につなげてまいりたいと考えております。
 次に、黒毛和種飼養農家あるいは飼養頭数の減少要因についてでありますが、平成3年の牛肉の輸入自由化に端を発し、子牛及び枝肉市場価格が低落いたしまして農家の飼養意欲を減退させたこと、また、畜産農家の高齢化、後継者難による労働力不足などが重なったことによるものと考えております。
 次に、子牛市場における価格形成要因についてでありますが、子牛価格は、枝肉価格の変動状況や市場に上場された子牛の血統などが主な価格形成要因となっております。
 次に、種雄牛造成等改良事業の成果と今後の振興方策についてでありますが、本県では昭和62年度から黒毛和種牛群育種改良推進事業に取り組み、これまで14頭の県産種雄牛を造成し、約12万本の精液を供給してきているところであります。この間、平成9年度に本県で開催された第7回全国和牛能力共進会において県産種雄牛第5夏藤の産子が内閣総理大臣賞を獲得したほか、昨年10月の全国肉用牛枝肉共励会では、本県出品牛が4年ぶり9回目の名誉賞を受賞しております。また、ことし1月に開催された第10回いわて牛枝肉共励会においても、枝肉評価4等級以上の上物格付率が88%と、全国平均の45%をはるかに大きく上回る成績をおさめ、質量兼ね備えた肥育素牛の県内生産と、肥育技術が着実に向上していることが実証されたところであります。
 一方、種雄牛の造成においても、今年度実施された産肉能力検定成績で、県産牛の福利桜や糸美徳のほか、遠野地方農協の福鶴藤が脂肪交雑やロース芯面積においてこれまでの成績を大きく上回り、本県黒毛和種の生産振興に大いに寄与するものと期待されているところであります。
 県といたしましては、鹿児島、宮崎の主力産地を視野に入れ、今後とも、肉質にすぐれ増体能力をも兼ね備えた種雄牛の造成に取り組むとともに、改良の基礎となる育種価の高い優良な繁殖雌牛を早期に確保するため、新たな県独自の支援措置として今後5年間で1、000頭の優良雌子牛を保留することとし、補助単価も4万7、000円から20万円に増額するための予算措置を講じたところであります。
 なお、種雄牛管理の一元化による優良精液の広域利用体制につきましては、関係機関・団体の理解と協力のもとに、できるだけ早い機会に実施できるよう取り組んでまいる考えであります。
 次に、家畜排せつ物法に基づく県計画についてでありますが、この計画は、平成20年度を目標に、環境に配慮した持続的農業の推進を図る観点から、健康な土づくりの貴重な有機質資源として、完熟堆肥化による農地還元を行うことを基本としており、現在、国と協議を進めているところであります。
 具体的には、現在の家畜排せつ物量約423万トンのうち約70%の298万トンが堆肥舎などで処理され、残る約30%の125万トンが、いわゆる野積み、素掘り、あるいは堆肥盤に堆積する処理を行っており、当面、これら野積みなどの状態を解消するため、平成16年10月までに1、879カ所を対象として、堆肥舎や尿だめなどの施設整備のほか、営農集団や農協などを中核として、新たに堆肥センターについても整備を進める計画であります。
 これらの具体的な施設整備に当たりましては、畜産環境対策関連の補助事業やリース事業のほか、新たに県独自の支援措置として、畜産環境保全特別支援資金利子補給補助、これは末端金利を1%に軽減しようとするものでありますが、こういう利子補給補助を創設し、これらを有効に活用しながら農家の負担軽減を図ってまいる考えであります。
 また、こうした家畜排せつ物の適正処理と利用の促進を図るため、農協、営農集団、市町村、地方振興局などで構成する堆肥生産利用促進協議会を早急に結成し、堆肥の需給マップの作成や堆肥散布作業の請負あっせんなど、耕種と連携する有機物リサイクルネットワークの整備に努めてまいる考えであります。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕

〇生活環境部長(村上勝治君) 環境基本計画についてでありますが、計画では、すべての県民の参加、連携、協力による環境への負荷の少ない循環型地域社会の形成を目指して、優先的に取り組む必要のある施策を五つのプロジェクトとして取りまとめております。
 平成12年度には、プロジェクトに対応する主な事業といたしましては、まず、一つには、県民、事業者、行政が対等なパートナーシップのもと、自発的かつ積極的に環境に配慮した行動をすることを促進するため、環境ミレニアムフォーラムの開催やいわて環境地元学推進事業などを実施いたします。
 二つには、地球温暖化対策につきましては、環境家計簿の利用などによる地域での省資源、省エネ行動の推進に向けたモデル事業を実施するなど、その普及・啓発を図ります。
 三つには、絶滅のおそれのある野生生物の保護に資するため、県版レッドデータブックを作成いたしますとともに、種の保存条例制定に向けた検討を開始し、自然との共生を目指します。
 四つには、ダイオキシンや環境ホルモンなどの化学物質については、大気、水質等の環境調査を充実するほか、シンポジウムの開催などにより、化学物質のリスクに対する情報の共有化を図ります。
 五つには、総合的な廃棄物対策でございますが、廃棄物の減量化や資源化などを進めるため、木くずや廃プラスチックの再利用、適正処理などに向けて取り組むほか、不法投棄や不適正処理を未然に防止するため──いわゆる産廃Gメンでございますが──を6名に増員いたします。
 県といたしましては、このような事業に優先的に取り組んでいくことにより、本県の恵み豊かな環境を将来の世代に引き継いでいきたいと考えております。
   〔総務部長武居丈二君登壇〕

〇総務部長(武居丈二君) 県立大学の大学院の入学者確保と今後の整備についてでありますが、まず、大学院への入学者の確保につきましては、県内の自治体、民間企業等さらに東北地区の関係分野の学部を有する大学などに対しまして、昨年の秋以降、積極的に情報提供を行うとともに、インターネットや大学広報誌などを活用して広く周知に努めてきたところでございまして、設置認可後は速やかに学生募集要項を関係先に配布するなどしまして、積極的な広報活動を展開してまいりました。その結果、ソフトウェア情報学研究科につきましては、博士前期課程及び後期課程をあわせまして、募集人員25名に対しまして38名の応募がございました。また、総合政策研究科の修士課程につきましては、同じく10名の募集人員に対しまして20名の志願があるなど、全体としまして募集人員35名に対しまして58名ということで、1.7倍の志願者になっているところでございます。このうち社会人が37名、それから外国人留学生が2名含まれておりまして、一般学生を加えましてさまざまな職業分野の社会人など、多彩な志願者が、先般、入学試験を受験したところであります。
 また、今後の大学院整備の進め方についてでありますが、平成14年度における看護学と社会福祉学の二つの研究科の修士課程の設置を目指しまして、平成12年度は具体的な教育研究内容やカリキュラム案の検討を進めまして、また一方で、教員の確保や入学者動向等の把握調査など、平成13年度の認可申請に向けた諸準備を進めることとしております。また、総合政策研究科、それから看護学、社会福祉学の両研究科の修士課程に続く博士課程につきましては、修士課程の充実を待ちまして段階的に整備できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
   〔教育長大隅英喜君登壇〕

〇教育長(大隅英喜君) スポーツにおける競技力の向上についてでありますが、まず選手強化につきましては、ジュニア期から成年期までの一貫した取り組み、とりわけジュニア期の強化が重要であるとの考えから、'99岩手総体の成果を踏まえ、引き続き競技力の維持向上を図るため、中央から優秀な指導者を招いてのアドバイザリーコーチ招聘事業や、県外優秀チームとの交流事業を継続して実施することといたしております。また、指導者の資質の向上を図るために海外から優秀な指導者を招致するスポーツ国際交流員招致事業や、県内の優秀指導者を海外に派遣する競技指導者海外派遣事業を継続するとともに、新たにトップアスリート指導者の国内研修事業を実施することといたしております。このほか、平成12年度において、'99岩手総体を記念し'99岩手総体記念地域スポーツ振興事業を実施することといたしております。
 今後とも、体育関係団体等と緊密な連携を図り、一層、競技力の向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、科学的トレーニングを行う施設の整備についてでありますが、すぐれた指導者の養成や優秀選手の育成強化を図るためには、スポーツ医・科学を取り入れた科学的なトレーニングや実践体験を行うことのできる複合的な研究・研修施設の整備が必要であると考えており、平成12年度から行うこととしている総合的なスポーツ施設についての調査・検討の中で議論を進めてまいりたいと考えております。
 次に、本県における大規模な大会の誘致についてでありますが、国際的、全国的競技大会の開催は、一流選手の競技に直接触れることにより、県民に夢と感動を与えスポーツに対する関心が高められるとともに、地域の活性化にも大きく寄与するものであると考えております。
 平成12年度においては、全日本マスターズ陸上競技選手権大会や全日本選抜ゲートボール大会が開催されることとなっており、また、平成17年度には全国スポーツ・レクリエーション祭の開催が予定されているほか、未確定ではありますが、冬季スポーツに係る全国大会の開催も見込まれるところであります。
 今後とも、市町村、県体育協会、競技団体等と連携を密にして、大規模な大会の誘致に取り組んでまいりたいと考えております。

〇17番(千葉伝君) 私の質問に対し知事以下、各部局長初め御答弁いただきました。ありがとうございます。いろいろ再質問をしたいわけですが、特に1点に絞り再質問させていただきます。
 増田知事、先ほど並行在来線の関係で、ちょっと私の表現、お忍びという表現を使わせていただいたんですが、この在来線の部分については、私ども議員の方でも、それぞれ地域あるいはさまざまな観点で今後とも頑張ってまいりたいと思っております。今度視察するときは、堂々とテレビから新聞から、知事が先頭に立って頑張っていただければ大変ありがたいなというふうに思います。
 それで、再質問させていただきます。その並行在来線対策に関してであります。
 昨年10月28日に並行在来線に関する基本方針が決定されて以降、県と沿線市町村は共催で合計7回にわたり、各市町村ごとに基本方針についての住民説明会を実施されました。私も、岩手町、玉山村で開催された説明会に出席させていただきました。出席して私が感じたことは、もちろん、基本方針の段階ですから、並行在来線の将来の姿がまだ見えてこないということもあったのでありましょうが、住民の皆さんからの発言は一般論が多く、あるいは並行在来線の将来に対する漠然とした不安がにじんでいるというふうな感じがしたわけであります。ただいまの御答弁により、並行在来線対策については、新年度、体制を強化され、さらに検討を進め、その熟度が深まっていくものと存じますが、その検討の中において、実際に並行在来線を利用している住民の意向を反映させること、あるいは途中経過であっても、検討の方向について住民の理解を得ていくことが大切ではないかと考えております。そういった意味におきまして、県として今後こうした住民・利用者への周知、意向把握についてどのように対応していこうと考えておられるのか、企画振興部長の御所見をお伺いします。
   〔企画振興部長渡辺勲君登壇〕

〇企画振興部長(渡辺勲君) 並行在来線についての沿線住民・利用者への周知と意向把握ということでございますが、これまでも県・沿線市町村連絡会議であるとかあるいは岩手県並行在来線経営準備協議会、こういった会議を公開で開催してまいりましたし、また、お話しのとおり、沿線市町村において住民説明会を開催してまいったところでございます。さらに、並行在来線に関する基本方針について、その内容や住民説明会の状況等、そういったものについて県のホームページに掲載するなどしてその周知を図り、住民の意向把握に努めてきたところでございます。
 今後におきましても、この並行在来線対策の検討に当たりましては、関係の会議を公開で開催してその検討内容を公表いたしますとともに、経営計画、概要など並行在来線についての重要事項等々につきまして沿線市町村において改めて住民説明会を開催するなど、住民・利用者への周知とその意向把握に鋭意努めてまいります。

〇17番(千葉伝君) いずれ、この並行在来線の対策については、先ほどの知事以下の御答弁ありがとうございます。解決すべき課題というものがそれぞれかなり残っているわけでありますけれども、開業までの期間、それぞれその間に進むべきタイムスケジュール等があるわけで、そういった部分に合わせて、先ほどの御答弁がありましたが青森・岩手両県の連携、そしてまた県内の沿線市町村、地域住民、いろんな多くの県民の意向をできるだけ反映させていただき、最終的には地域あるいは県民のマイレール意識というものの高揚を図っていく必要もあると思いますし、私どももそういった意味におきまして、今後とも頑張ってまいりたいと思うわけでありますが、いずれ開業に向けた諸作業に対して県の方の御努力をさらに頑張っていただきたいということを御要望申し上げまして、再質問を終わらせていただきます。

〇議長(山内隆文君) 次に、斉藤信君。
     〔23番斉藤信君登壇〕(拍手)


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