平成18年9月臨時会 第20回岩手県議会臨時会会議録

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〇1番(高橋博之君) 無所属の高橋博之でございます。
 2点お尋ねいたします。
 初めに、地方公共団体が競馬という公営ギャンブルを運営する目的についてお尋ねをいたします。
 競馬という公営ギャンブルを県が運営するに当たり、これまでは地方財政を支えるという、それ相当の正当な目的がありました。競馬法第23条の9によると、都道府県は、その行う競馬の収益をもって、畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行うのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとすると明記をされております。実際、戦争で疲弊した各地方自治体の財政を救ってきたという歴史もあり、本県におきましても、岩手競馬の収益から407億円の配当金が拠出され、県財政を支えてきました。しかしながら、時代環境の変化に伴って、現在、県財政を支えるどころか、むしろその足を引っ張ってしまっているような状況であります。競馬という公営ギャンブルが本来の目的を果たせなくなってしまった以上、二つの選択肢しかないと考えます。一つ、廃止。一つ、目的を変えて存続。存続の場合は、例えば60年近い歴史で日本独自の競技スタイルを築き上げ、戦後の日本文化の一つになってきたこと。あるいは、本県の馬事文化を継承するといった観点から、存続する道を探ることも一つと考えますが、この場合、最低でも収支均衡が必要になるものと考えます。県は、競馬を存続していく考えでありますが、そのためには、新たな目的を設定する必要があると考えます。一体、地方公共団体たる県は何のために競馬をやるのか、県民が感じている素朴な疑問もまさにここにあります。その目的について、改めて知事のお考えをお伺いしたいと思います。
 次に、岩手競馬を存続する場合の構成団体の負担の必要性についてお尋ねをいたします。
 これまで、岩手競馬再生に当たり、売り上げ拡大を模索しながらやってきましたが、今年度4月8日から8月28日までの延べ65日間で前年度比94%と、売り上げが思ったように伸びておりません。今後もこれ以上の売り上げ拡大が期待できないので、更なる経費の削減に取り組みながらも、売り上げ収入の25%の枠内で事業をしていくという、事実上の戦略転換を行おうとしております。しかし、実際は競馬組合が抱えている累積赤字137億円分、これが足かせになることは目に見えており、25%以内の枠内でやりくりしていくのは現実的に考えて難しいと私は考えます。県としてこの累積赤字分を負担する考え、覚悟はあるのか。また、他の構成団体である盛岡市、奥州市に対して、同様に負担を求めていくことはあり得るのか。さらに、累積赤字を解消した上で、それでもなお単年度赤字になるのであれば、廃止という基準を設けることを提案したいと思いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか、知事のお考えをお伺いしたいと思います。
 以上をもって質問を終わります。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 高橋博之議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、岩手競馬を運営する目的についてでございますが、近年は長期的な発売成績の低迷などによりまして収支が悪化をして、平成11年度からは利益金の配分が困難となっているわけでございますが、この岩手競馬、過去からの累積で見れば財政競馬としての役割を果たしてきたと、このように認識をしております。また、地方競馬が所在する地域にとりまして、財政競馬としての役割のほかに、雇用の場の提供や地域経済への貢献という面でも大変重要な役割を果たしておりまして、特に本県におきましては、馬事文化の継承や馬事振興という側面も担ってきているわけでございます。岩手競馬は、当面、単年度の収益を構成団体に配分するという財政競馬の役割は難しい状況にございますが、廃止した場合の影響を考慮しますと、収支が均衡して、赤字が拡大しないということを条件に競馬事業を継続することが雇用の場の提供や地域経済への貢献につながるもの、このように考えております。
 次に、競馬事業を継続する場合の各構成団体の果たすべき役割ということについてでございますが、競馬事業を継続していくために、収支が均衡して、赤字が拡大しないことが条件であるというふうに申し上げました。このため、収支均衡を基本とした事業存廃の基準を設定するということを再三申し上げてきました。その際に構成団体がどのような役割を果たすべきかということにつきましては、まず、競馬組合が最大限の自助努力により経営改善に取り組んだ上で、将来に向けた見通しや計画見直しに係る競馬組合議会、各構成団体議会での議論も踏まえながら検討すべきもの、このように考えているところでございます。
〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって緊急質問を終結いたします。
   
   議員派遣の件
〇議長(伊藤勢至君) 次に、お諮りいたします。この際、議員派遣の件を日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(伊藤勢至君) 御異議なしと認めます。よって、この際、議員派遣の件を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。
 議員派遣の件を議題といたします。
   
〔参照〕
議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期 間派 遣 議 員
第63回三陸沿岸国道並びに鉄道完遂促進協議会宮城県
仙台市
平成18年
9月7日
 
吉 田 昭 彦 議員
佐々木 順 一 議員
嵯 峨 壱 朗 議員
田 村   誠 議員

   
〇議長(伊藤勢至君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました1件についてでありますが、会議規則第114条の2第1項の規定により議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(伊藤勢至君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
   
   閉 会
〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第20回県議会臨時会を閉会いたします。
   午後 5 時 6 分 閉 会

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