平成19年12月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。議案に対する質疑を行います。
 議案第1号と議案第19号は、県公会堂の指定管理者の指定、それにかかわる債務負担行為を行う補正予算であります。
 第1に、指定管理者に移行した3年間の実績、成果、問題点についてお聞きします。利用者、施設の利用状況、独自の企画事業、従業員の労働条件はどうなっているでしょうか。
 第2に、県公会堂の最大の問題は、歴史的建造物として保存の方向が定まったものの、必要な改修を行うことなく指定管理者に委託していることであります。施設の雨漏りの状況や修繕はどう行われているでしょうか。保存するためにも、必要な修繕・改修は、県の責任で直ちに行うべきと考えますが、具体的な対策があるかどうかお聞きします。
 第3に、会議室などの利用にとって問題になっているのは、声が聞き取りにくいという問題であります。これは、カーテンなどの設置でかなり改善できるものでありますが、問題意識を持っているでしょうか。この程度のことは直ちに改善すべきではないでしょうか。
 議案第2号岩手県保健所設置条例の一部改正は、盛岡市が中核市に移行することに伴う保健所の設置にかかわるものであります。
 第1に、盛岡市に保健所が設置されることによる市民の利便性は、具体的にどう改善されるのでしょうか。旧競馬会館が盛岡市の保健所となりますが、駐車場の確保などはどうなるでしょうか。
 第2に、盛岡市の保健所の体制、人員と県の派遣、支援は、具体的にどうなるでしょうか。
 第3に、これまでの盛岡保健所は県央保健所となりますが、人員などの体制はどうなるでしょうか。
 議案第3号岩手県の事務を市町村が処理することとする事務処理の特例に関する条例の一部改正は、盛岡市が中核市に移行することに伴うものであります。1、830事務を移譲することになりますが、そのことによる県、盛岡市への人員、財政への影響と県の対応はどうなるでしょうか。
 議案第9号は、社会福祉研修所を廃止しようとするものであります。社会福祉研修所におけるこれまでの研修の実績と今後の研修のあり方、福祉人材の育成の取り組みはどうなるでしょうか。社会福祉研修所の施設の活用の見込みはどうなるでしょうか。利用者にとっての利便性はどう改善されるのでしょうか。
 議案第13号は、県立住田病院を診療所化しようとするものであります。
 第1に、これまで診療所化された病院の外来、入院、救急患者数の推移と収支は、それぞれ診療所ごとにどうなるでしょうか。
 第2に、診療所化の場合、医師3人、看護師17人を確保するという約束でしたが、常勤医師の確保を含め、実際にはどうなっているでしょうか。住田病院の場合の医師確保の見通しはどうでしょうか。
 第3に、住田病院の場合、昨年度、訪問診療が93回、延べ476人、訪問看護が37回、延べ88人と、県立病院の中でも3番目に多い積極的な取り組みが行われています。これは、地域にベッドを持っている効果があると言われています。診療所化で、訪問診療、訪問看護は従来どおり維持されるのでしょうか。
 議案第16号は、県営住宅の家賃滞納者に対して県営住宅の明け渡し等請求訴訟の提起の議決を求めるものであります。滞納者11人が訴えの対象となっていますが、ほとんどの方々が、月の所得が10万円以下で、無職の方も含まれています。客観的に見て、支払い能力がなく、他の滞納も疑われる状況であります。生活保護の対象にもなり得ると考えられる状況であります。単に県営住宅家賃の滞納解決ということだけでなく、県民の生活を守るという立場から、多重債務の解決や生活保護への誘導・支援も含めた部局横断的な対応が求められているのではないでしょうか。これまでの訴えの提起による解決の実態を含めて示していただきたい。
 議案第20号、21号は、平庭高原体験学習館と自然交流館の指定管理者を指定するものであります。県立で施設を整備し、管理運営は全面的に丸投げしようとするものであります。本来、県立の施設として整備する必要性がないものと思われますが、それぞれの施設の収支計画、利用者数と利用料の計画はどうなっているでしょうか。自然交流館の場合、入浴料が主な収入でありますが、これまでの実績と計画に大きな乖離があるのではないでしょうか。赤字となった場合は指定管理者の責任となると思いますが、いかがでしょうか。途中で指定管理者の契約を破棄するということもあり得るのでしょうか。
 以上でありますが、答弁によって再質問いたします。
〇総務部長(川窪俊広君) 公会堂の3年間の実績、成果、問題点につきましては、本年度分は現在進行中ですので、平成17、18年度分で申し上げますと、大ホール、会議室の利用実績は計画を250万円ほど上回っており、指定管理者による柔軟な運営、また民間ならではの発想などにより、利用拡大が図られていると評価しております。
 80年を経過した歴史的な建造物でありますので、ユニバーサルデザイン化などの面で問題点があると認識しておりますが、文化財であることなども勘案いたしまして、価値や景観を損なわないような対応方策を考えていきたいと存じます。
 利用者、利用状況、独自の事業、従業員の労働条件につきましては、まず、開館時間の延長、備品の充実、指定管理者独自の運営委員会の設置など、利用者の声を反映させる取り組みなどにより、本年8月のアンケート調査においても、利用しやすくなったとの回答が多く、満足度は高まっていると考えております。
 また、企画事業としては、花壇の植栽整備のためのボランティアですとか、公会堂アートショウ、開館80周年記念の資料展示、シネマショーなど、指定管理者に工夫を凝らしていただいているところであります。
 現在の指定管理者はNPO法人でございますが、法人の一事業部門として公会堂の指定管理業務を行ってございまして、法人内部の労働条件については把握してございません。
 次に、施設の雨漏りの状況、修繕の状況でございますが、9月の大雨被害の際に、2階の特別室に雨漏りが発生いたしましたが、当該部分については、指定管理者において、11月に防水補修工事を行って応急処置済みでございます。強風を伴う場合に壁面のひび割れなどを伝わって雨漏りしていることも考えられますが、実際の降雨の時期でないと調査が難しいため、今度の春に、箇所の特定や原因調査を行う予定であります。
 指定管理者導入後の小修繕につきましては、指定管理料に修繕費を含めて積算しておりまして、配管の取りかえ、壁面・玄関の補修など、毎年200万円から300万円程度の小修繕を指定管理者において実施していたただいているところです。
 保存のための必要な修繕・改修に関しましては、県といたしましては、西側の歩道の整備に関します盛岡市への敷地の貸与ですとか、駐車場の整備などを行いまして利用促進に努めておりますが、公会堂本体の本格的改修に関しましては、相当の事業費が見込まれることもあり、中長期的課題として検討してまいりたいと存じます。
 最後に、カーテンでございますが、特に面積の広い会議室でございます21号、26号の会議室におきましては、声が聞き取りにくい構造という指摘があることを承知してございます。
 21号の会議室につきましては、さきに民間団体からカーテンの寄贈を受けまして設置をしたことにより、音響の改善が図られております。
 その他の会議室につきましてはブラインドでございますけれども、会議室と調和したカーテンに変えていくことにつきましては費用がかさむこともあり、直ちに整備するのは難しい状況でございますが、利用環境の改善につきましては、順次、努力してまいりたいと存じます。
〇保健福祉部長(赤羽卓朗君) 保健所設置条例に関してでございますが、まず、盛岡市の保健所設置に伴う市民の利便性についてでございますが、これまで県が行ってきた保健予防、生活衛生、食品衛生における技術的・専門的分野につきましても、市が一貫した体制で取り組むということになりますので、保健・医療・福祉の連携が図られるなど、市民サービスの向上が期待できると考えております。
 それから、駐車場の確保でございますが、新しい盛岡市保健所の敷地内の駐車スペースは7台と伺っております。このうち、1台が障害者用というふうに伺っております。このほか、これまでの市の指定契約駐車場など、近隣の民間駐車場を御利用いただくことになると伺っております。
 次に、盛岡市の保健所の体制と県の支援についてでございますが、現時点でも調整中のこともございまして未確定な部分もございますが、盛岡市の保健所の体制につきましては、従来の保健センター機能と新たな保健所機能を担うということで、4課80人程度の体制というふうに伺っております。
 県の支援についてでございますが、平成18年度から県と市の人事交流を実施しております。それから、平成19年度、今年度には、盛岡保健所を中心に─これは県の保健所でございますが、市職員の長期研修受け入れでありますとか、業務分野に応じ、短期の実務研修を実施してきているところでございます。こうした中で、保健所運営のノウハウを学んでいただくというふうなことをしております。平成20年度から、盛岡市の要請に基づきまして、獣医師や薬剤師などの専門職の派遣等について検討を行っております。
 それから、県央保健所の体制についてでございますが、当然のことながら、盛岡市に移譲する業務に相当する部分について人員を縮減するということで、残る部分の業務の円滑な遂行のために、必要な人員については配置するように調整を行っております。
 次に、社会福祉研修所の廃止についてでございますが、これまでの研修の実績でございますが、平成18年度には37の研修講習を行っておりまして、延べ3、378名の方が受講されております。
 廃止後の研修のあり方あるいは福祉人材の育成の取り組みについてですが、県が直接実施したり委託するもの、あるいは民間による実施といったものも含めまして、保健福祉企画室におきましては、主に行政職員を対象とした人材育成、研修を行っていきたいと考えております。
 それから、各課におきまして、それぞれ福祉業務を担当している専門分野に応じた人材の育成、研修の実施を、直接もしくは委託の形で行いたいと考えております。
 それから、社会福祉事業者それから県の社会福祉協議会におきまして、従事者の人材育成、研修をこれまでも行ってきておるところでございまして、今後とも実施していただくということになると思っております。
 こうした三つの研修体系で、それぞれ担う役割分担のもと、人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、次に跡施設の利用でございますが、これにつきましては、社会福祉の推進に寄与するものとして有効な活用方法がないのかといったことを、現在検討しております。
 それから、利用者にとっての利便性の向上でございますけれども、ニーズに対応して的確な研修を行っていきたいと考えております。これまでは、どちらかと言えば、毎年同じようなスタイルで研修を行って、特に座学中心でございました。そうしたことを適時適切にタイミングをとらえながら、テーマを設定いたしまして研修を行って、より福祉人材の資質向上を図っていきたいというふうに考えております。
〇地域振興部長(藤尾善一君) 盛岡市の中核市移行に伴う人員面での影響でございますけれども、平成20年4月1日から、盛岡市が中核市に移行することが決まったところでございまして、移譲される1、830事務のうち、法定分が1、713事務、特例条例によるものが117事務でございます。
 これに伴う人員面での影響でございますけれども、県においては、保健衛生分野を中心に、二十数名程度の縮減が見込まれるところでございます。
 盛岡市においては、新たな保健所設置や民生関係、環境関係を中心に、50人程度の増員を図る予定と聞いてございます。
 財政面での影響でございますが、県においては、平成17年度決算をベースに試算したところでは、これは一般財源ベースでございますけれども、歳入で10億9、900万円の減、歳出で11億1、700万円の減でございまして、今後、平成20年度当初予算編成作業の中で精査していくこととなります。
 一方、盛岡市におきましては、同様に、歳入で21億3、100万円の増、歳出で13億1、000万円の増、差し引き収支8億2、100万円の増と試算しているところでございます。
 財政面では、中核市移行に伴い、必要な額が地方交付税の基準財政需要額で割り増し措置されるものでございまして、また、事務処理特例条例による移譲分につきましては、市町村事務処理交付金により、必要な額として約450万円を交付するものでございますことから、盛岡市に特別な負担が生じることはないものでございます。
 県の対応についてでございますが、移行に当たっては、例えば保健所における専門職種の配置等につきまして関係部局と調整し、必要な人的派遣、人事交流等の支援を行うなどにより、盛岡市の中核市移行を円滑に進めてまいりたいと存じております。
 次に、平庭高原体験学習館等のお尋ねでございまして、まず、施設の収支計画及び利用者数等についてでございますが、指定管理者候補者からの申請によりますと、平庭高原体験学習館につきましては、周辺施設も含んだ全体の来場者を約7万人とし、そのうち、当該施設の有料利用者数を約2万人、収入を約4、200万円と見込んでございます。利用料金は、一例として、そば打ち体験が500円、ヤマブドウ収穫体験が1、200円などとなってございます。
 また、平庭高原自然交流館につきましては、年間利用者数を約3万人、収入を約1、800万円と見込んでおり、利用料金は、大人500円、小学生250円としております。
 なお、両施設とも、収支はおおむね均衡するものと考えているところでございます。
 次に、自然交流館の計画が実績と乖離していないかについてのお尋ねでございますが、周辺施設の18年度の利用状況を見ますと、平庭山荘への宿泊客は年間約1、600人、コテージ利用客は約2、400人などとなっておりますが、そのほかに日帰り入浴やレストラン、宴会利用客も含めた平庭山荘全体の利用者数が約1万8、000人であり、スキー場利用客、イベント利用客なども含めますと、年間約3万人程度の見込みがございます。これに加えて、近年、地元で力を入れている体験・教育旅行者数の伸びが期待できること、今回整備する自然交流館と、葛巻町まで含めた周辺施設との相乗効果を高めることなどにより、見込んでいる年間利用者数につきましては、確保できるものと考えております。
 次に、赤字となった場合の指定管理者の責任についてでございますけれども、これは、指定管理者の責任において対応することとしております。
 次に、契約期間中における契約の破棄についてでございますけれども、今回の指定期間はいずれの施設も3年間としておりますが、当該指定管理者による管理を継続することが適当でないと認められるときは、この期間内であっても指定を取り消し、または業務の停止を命じることがございます。
 なお、具体的には、今後、指定管理者との間で締結する協定書の中で規定することとなります。
〇医療局長(法貴敬君) 診療所化された病院の外来、入院、救急患者数の推移と収支についてでありますが、平成19年9月末累計の紫波、花泉、大迫、九戸4地域診療センターの平均の1日入院患者数は11.4人、病院当時と比較して16.8人減少し、同じく1日平均外来患者数は84.5人で34人減少し、救急患者数は1.9人で1.3人減少しておりますが、特徴的なのは、花泉病院の外来患者数が120人から60人ぐらいに減少しているということです。それに伴い、収支については、花泉地域診療センターが悪化した以外は、いずれも収支が改善しております。
 次に、医師、看護師の確保と、住田病院の医師確保の見通しについてでありますけれども、医師は、非常勤を含めた4月1日の現員がおおむね4人から5.5人、看護師は、正規、臨時を含めて常勤職員がいずれも17人となって、この体制は変わっておりません。診療所化の基本方針である医師平均3人以上の勤務と、看護師17人の配置による職員体制を確保しております。住田病院の診療所移行後の診療体制についても、常勤、応援を含め、平均3人以上の医師を確保していくこととしております。
 次に、お尋ねのあった住田病院の訪問診療、訪問看護の維持についてでありますけれども、地元からも強い要望があることから、これにこたえるためにも訪問診療は引き続き実施するほか、地域の実情を踏まえながら、訪問看護にも取り組んでまいりたいと考えています。
〇県土整備部長(西畑雅司君) 県営住宅の明け渡しについてでございますが、今回訴えの提起をしようとする11名の方は、再三の督促にもかかわらず支払いに応じず、また、面談を拒絶したり広域振興局等の呼び出しに応じないなど、納入に全く誠意を示さない方々でございます。家賃の滞納は、単に県財政を圧迫するだけでなく、家賃等をきちんと納入いただいている方や、真に県営住宅に入居することが必要な方との間の不公平感を増大させることにもつながるため、やむを得ず訴えの提起に至ったものであります。
 県としては、家賃を滞納している入居者で、失業や低収入で家賃の支払いが困難な方には、減免を勧めたり分割納入について説明しながら、納入指導を行っております。また、収入が著しく低い場合には、生活保護の受給の相談を勧めたり、他の公共料金の滞納や消費者金融からの借入など多重債務が判明した場合には、県民生活センターや広域振興局等に設置してある消費生活相談室に相談に行くよう誘導するなど、入居者の事情に応じた対応を行っております。今後とも、生活保護や生活相談の関係部局と連携を図りつつ、対応してまいります。
 次に、これまでの訴えの提起による解決の実態でございますが、平成11年度から平成18年度まで訴訟件数は53件であり、うち、42件が住宅の明け渡しをしております。入居している11件につきましては、現在係争中である1件を除き、訴訟中に和解の勧告を受け和解締結しております。
 訴訟対象者からの滞納家賃等の支払い合計額は、1、092万円余となっております。
〇38番(斉藤信君) 私、知事に再度伺いたいと思います。
 県公会堂の指定にかかわる問題ですけれども、この県公会堂の問題につきましては、保存について、これは第三者機関での検討を踏まえて、こういう方針を出しました。
 岩手県の文化と歴史の殿堂として県民に長年親しまれてきた建物であり、県都のシンボルとして全面保存し、県民の文化的な活動等に重要な役割を担わせていくなど、積極的に活用すると。これが県の方針なんですね。
 達増知事は、さらに岩手ソフトパワー戦略ということで、岩手の文化や岩手の心を積極的に情報発信して、国内外にその評価を定着させていくという、地域経営計画を案として打ち出していると。
 ところが、肝心の県公会堂は、1927年に建設されてちょうどことし80年です。当時は、東北随一の近代洋風建築と言われた。今、雨漏りさえ修理できない状況ですよ。私、これだけの近代的で岩手の文化を象徴するような建物が、雨漏りさえ修理できない。カーテンを備えつければ一定程度の音響の改善はできるのに、それもできない。私、こんなことではソフトパワー戦略、泣いてしまうんだと思うんですよ。
 行財政構造改革プログラムでは、18年度までこれは凍結されましたが、私は直ちに達増県政のもとで、県が必要な改築・改修をしながら、岩手を代表する近代建築の文化の象徴として対応すべきではないか、このことを知事にお聞きします。
 もう一つ、知事にお聞きしたい。それは、今、県土整備部長から答えられた県営住宅家賃滞納の問題であります。私も、この11人の方々の実態調査に取り組みました。
 実態を言いますと、本当に月所得が、多い方で9万円、少ない方で3万円、無職の方がこの中で2世帯ありますよ。こういう方々が県営住宅家賃だけではなくて、私は、その他の県市民税とか国保税とか、いろんな滞納をしているのではないかと思わざるを得ない状況でありました。また、それだけではない多重債務の危険性さえ持っているのではないか。だから、こういう窮地に陥った方々というのは、支払いを前提にした相談というのは乗りにくいのですよ。これは行政の側から見ると悪質かもしれないけれども、貧困に陥っている方々を見たら、本当にもう逃げ道がないような状況なんですね。だから、私は、福祉分野などを含めた部局横断的な対策が必要だと。盛岡市は、多重債務者に親身になって解決をして、過払いなども解決をして、納税にも役立てているということが全国的にも紹介されていますが、こういう方々は県営住宅から出されたら、生活の基盤を失うのではないか。そういうことも含めて、私、この解決策というのは、単に退去を求めるだけではない、部局横断的な、本当に心のこもった対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、医療局長にお聞きをします。
 診療所化がされました。昨年度の実績で言いますと、紫波、花泉で言いますと、花泉は5、500万円赤字がふえました。紫波は4、100万円改善しました。トータルで1、000万円、赤字をふやしたんですよ。これが診療所化の実態ですよ。
 ことし、診療所化された大迫、九戸を見ますと、改善されているのがわずか大迫で221万円、九戸で1、711万円。ところが、大幅に患者が減っているのですよ。だから、私は、この程度の赤字圧縮では、病院にかかれない、こういうリスクを抱えたら何のプラスもなかったんではないか。私はここを冷厳に見て、本当に地域に必要な医療を確保するという対策は必要なんではないか。
 住田の病院に限って言いますと、院長さん、こう言っていましたよ。診療所化になって一番困るのは医師の確保だと。私は、今の医師を基本的に維持する、訪問診療、訪問看護を継続するというんであれば、本当に今の医師を確保して対応することが必要だと思いますが、この医師確保について医療局はどういう責任を持つのか、この点を最後にお聞きをしたい。
〇知事(達増拓也君) 県公会堂についてでありますけれども、ことし80周年を迎え、新しいアートの企画等活用新機軸も行われているところでありますが、過去には県議会議事堂としても利用され、昨年、国の登録有形文化財となるなど、価値ある歴史的文化遺産であると思います。そうした文化的価値もありますことから、指定管理者の選定に当たっても、審査基準の一つに、歴史的・文化的価値を理解した上で、利用に生かす提案かどうかを含めたところでございます。
 また、公会堂前には原敬の胸像もあり、岩手の自治そして民主主義の発展に、それを象徴する岩手の道義的信頼を高める効果も有する、非常に強いソフトパワーを持つ施設だと思います。私も、県公会堂の中で演説をしたり、あるいは表で演説をしたことがございますけれども、そのたびに、その文化とそして自治、デモクラシーの、民主主義の象徴という力を与えられる思いがしているところでございます。
 本格的な改修につきましては、歴史的な景観、県民や利用者の公会堂に対する思いを大切にしながら、財政状況を踏まえつつ、中長期的な利活用のあり方とあわせて、その必要性や方策を検討してまいりたいと思います。
 次に、県営住宅における家賃等滞納者への配慮についてでありますが、これまで家賃の納入指導とあわせ、家賃滞納者に対しては、個々の状況に応じて減免の実施や、生活保護または生活相談窓口に相談するよう促してきているところでありますが、今回訴えの提起をしようとする11名については、再三の督促にもかかわらず支払いに応じてくださらない方々であり、家賃の滞納による県財政の圧迫だけではなく、他の入居者等との公平性確保の観点から、やむを得ず訴えの提起をするに至ったものでありますが、県としては、今後とも、家賃滞納者に対し、個々の状況に応じた納入指導や、また、生活相談にも対応する等、きめ細かな対応を行うこととしております。
〇医療局長(法貴敬君) 診療所化後に収支が抜本的に改善していないんじゃないかということもありましたけれども、診療所化になると、入院の単価ががくんと下がるんです。同じことをやっていても入院単価が下がる。総務省からこれから示されるであろう公立病院ガイドラインでも、例えば70%の病床利用率が下がった場合には診療所化しなさいと。診療所化すると、今のような診療報酬単価の矛盾が出てくるということも一応あるので、そういうことにならないようにというふうには、国には要望をしております。
 それから、医師確保ですけれども、病院全体で非常に難しくなっているんですけれども、診療所化するときの約束がありますので、全体の中で非常に厳しい中でも、3人以上の体制を整える、それに向けて確実に確保してまいりたいというふうに考えています。
〇議長(渡辺幸貫君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第22号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第4回県議会定例会 平成19年12月7日)
総務委員会
1 議案第1号中
   第1条第1表中
    1追加
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第19号
5 議案第20号
6 議案第21号
7 議案第22号
環境福祉委員会
1 議案第1号中
   第1条第1表中
    2変更
2 議案第2号
3 議案第6号
4 議案第7号
5 議案第8号
6 議案第9号
7 議案第10号
8 議案第13号
商工文教委員会
1 議案第5号
2 議案第11号
3 議案第15号
県土整備委員会
1 議案第12号
2 議案第14号
3 議案第16号
4 議案第17号
5 議案第18号
〇議長(渡辺幸貫君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時52分 散会

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