令和5年6月定例会 第26回岩手県議会定例会会議録

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〇7番(高橋こうすけ君) 自由民主党の高橋こうすけでございます。今任期最後の一般質問の機会を与えてくださいました県民の皆様、そして、先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げ、質問に入ります。誠意ある御答弁をいただきますようお願い申し上げます。
 初めに、知事の県政運営について伺います。
 達増県政4期16年、長期にわたる県政の中で、東日本大震災津波からの復旧、復興や、新型コロナウイルス感染症拡大、エネルギー価格や物価高騰など、困難な対応が求められる中で、県政を運営してこられたことに敬意を表します。
 一方で、数値で見た実績はどうでしょうか。知事は、今任期の選挙において、いわて県民計画(2019〜2028)をマニフェストとして掲げて立候補し、多くの支持を集め当選されました。いわば、このいわて県民計画(2019〜2028)は県民の皆様との約束なのであります。
 いわて県民計画(2019〜2028)では幸福を追求していくことができる地域社会の実現を目指し、82の幸福関連指標が設定されていますが、昨年9月に公表された令和3年度主要施策の成果に関する説明書では、指標の46%がやや遅れ、または、遅れと、約半数の指標が年度目標値を達成できておらず、県民の負託に応えられていないというのが実態であるのではないでしょうか。
 そして、知事は、達増県政のこれまでの軌跡というタイトルで、今任期の実績としてデータを出し、いかにも成果が上がっているように見せていますが、この実績の数字に関して疑問を感じ、質問いたします。
 まず、高卒者の県内就職率について伺います。
 知事は、県内就職率が平成29年度の65.8%から令和3年度の74.1%に上昇したと実績として出しています。確かに、割合で見ればふえてはおりますが、実数にしてみると、平成29年度は1、977人、令和3年度は1、738人と数字はむしろ減っているのが現状です。人口が減っているということもありますが、このコロナ禍で地元志向が高まっているにもかかわらず、令和3年度の数字よりも最新の令和4年度は1、636人とさらに下がっています。これでも成果と言えるものなのでしょうか、知事に伺います。
 次に、県内の大学進学率について伺います。
 知事の実績として、大学進学率は平成26年に42.4%から令和4年には46.7%になり、進学率はふえているとなっていますが、文部科学省の学校基本調査によると、令和4年の全国平均は59.5%であり、全国で岩手県は下から4番目の順位であります。つまり、これは全国的にふえているだけのトレンドであり、知事の実績ではないと考えますが、知事の認識を伺います。
 次に、知事の実績の中に出てきている医師数についてですが、実績として平成18年の2、569人から令和2年には2、700人となっております。実数としては少しふえているというところであります。これを人口10万人当たりの医師数で見てみますと、厚生労働省で出している令和2年のデータでありますが、人口10万人当たりの医師数は全国で269.2人、岩手県は223人、全国で比べてみると42位で下位であります。また、10万人当たりの医師数の全国との差は、平成18年は全国より30.7人少なかったものが、令和2年には全国より46.2人少ない結果となっています。つまり、10万人当たりの指数でいうと、全国との差が実は開いている。相対的に見ると、医師の数は減っているというのが現状であります。
 医学部の定員がふえているということもあり、少し実数はふえているということもあると思いますが、これでふえたと言えるのでしょうか。知事に伺います。
 次に、県内における就業支援について伺います。
 私が学生時代の就職活動で、せっかく岩手県内の企業に就職したくても岩手県の企業の情報がとても少なく、苦労したという経験があります。大学、短大等へ進学を希望する県内高校生の約7割が県外へと進学し、また、ことし3月の新規高等学校卒業者の26.4%が県外に就職しています。進学や就職のために県外に出た若者たちが故郷に戻りたいと思い立った際に、そのニーズにしっかりと応える形で岩手県の就職情報を県外に発信していくことが重要と考えます。
 そこで、就職情報マッチングサイト、シゴトバクラシバいわての現状と課題について伺います。
 現在は9、000件を超える情報が掲載され、県内の求人情報に特化したサイトとしては最多であると聞いており、県の取り組みを評価しますが、令和3年6月定例会の一般質問において、このサイトでのマッチング件数を聞いたところ、サイトの立ち上げからの1年間で52件という答弁でした。その後のマッチング件数はどうなっているでしょうか。県はその件数をどう評価し、課題をどのように認識しているのか伺います。
 また、県外にいて就職活動をしようとしている方々に就職情報サイトの存在をもっと知ってもらわなければ活用してもらえないと感じています。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に移行され、さまざまな制限がなくなった中で、サイトによる情報発信に加え、対面でのPRの実施など、積極的なアプローチも必要ではないかと考えます。コロナ禍を経験した若者たちの地元志向が高まっていることもあり、取り組みを強化していくべきと考えますが、今後の情報発信やPRにどのように取り組んでいくのかを伺います。
 次に、一般的なサービス業、特にホテルや旅館業などでの人材不足について伺います。
 ことしはコロナ禍も明けて、盛岡市ではニューヨークタイムズ紙の効果もあり観光客がふえてきている中で、人手不足で手が回らない、予約をもらってもキャンセルせざるを得ないという切実な声を多く聞きますが、県の認識と今後の対応について伺います。
 次に、子育て支援について伺います。
 令和5年6月2日に公表された2022年の人口動態統計では、本県の合計特殊出生率が1.21となり、過去最低となりました。全国の1.26と比較し0.5ポイント下回ったことも初めてと聞いており、危機的状況に置かれていると言えます。
 これを踏まえて、県では、6月15日に岩手県人口問題対策本部を開催し、結婚支援の充実や若年層の仕事、収入の向上等に速やかに取り組むことに加え、施策検討に当たっての少子化要因の詳細分析を行うこととしており、しっかりと対応していただきたいと思います。
 少子化の要因は、未婚や晩婚化、働き方の変容などさまざま挙げられますが、産後の充実したサポートによる子育て環境の整備も重要であると考えています。出産後は身体的にも精神的にも不安定になることがあり、産後うつはおおよそ10%の罹患率があると言われています。また、産後うつになっているということがわかっているだけでも10%です。つまり、悩みを持っている人というくくりでいえば、たくさんの人が悩みを抱えているはずです。そのような不安を解消し、誰もが安心して産み育てられる環境の整備が出生率の回復につながっていくのではないかと考えています。
 そこで、産後ケア事業について伺います。産後ケア事業は、退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行い、産後も安心して子育てができる支援体制を確保することを目的としており、宿泊型、デイサービス型、アウトリーチ型のサービスが提供されています。
 本県では実施市町村が徐々に増加し、現在は31市町村で実施されていますが、提供するサービスにはばらつきがあります。例えば、宿泊型は1市、ショートステイ型は15市町での実施となっています。県民の皆様が平等に産後ケア事業のサービスを受けるためには、全市町村で事業を実施するとともに、各市町村が実施するメニューも拡充していく必要があると思いますが、県の認識を伺います。
 また、利用のしやすさにも課題があると考えています。特に、ひとり親家庭にとっては、育児をしながら市町村役場の窓口に利用申請をすることは大きな負担です。自治体によっては各種家庭訪問時に対面で対応したり、電話やオンライン申請で対応している事例がありますが、利用のしやすさを向上させていくために、県としてどのように取り組んでいくべきと考えるか、あわせて伺います。
 次に、産後ケア事業を担う助産師等への支援について伺います。
 県内における産後ケア事業は、市町村が民間の助産師や団体等に委託して実施している例も多くあると聞きます。以前、産後ケア事業を自治体から受託している助産師の方と意見交換をする機会があり、その助産師の方からは、1回当たりの受託料単価がサービスを提供できるぎりぎりの設定となっており、事業として成り立たせることは難しいとのお話をいただきました。
 産後ケア事業は国の補助事業により単価が設定されていることは承知していますが、今後も継続的に実施していくためには、委託先の確保、育成が重要です。事業として十分に成立させることができる制度設計が必要と考えますが、県の認識を伺います。
 次に、産後ケア事業の促進に向けた県の役割について伺います。
 いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランでは、令和6年度までに全ての市町村で産後ケア事業を実施することを目標としています。小規模自治体によっては直営での実施や委託先の確保が困難な場合も想定されます。目標を達成するためには広域連携による実施も視野に入れた検討も考えられ、県の広域的な調整機能の発揮も期待されるところです。
 市町村が効率的、効果的に産後ケア事業のサービスを提供していくために、県がどのような役割を担い、今後どう取り組んでいくべきと考えるのか伺います。
 次に、教育施策について伺います。
 まず、ICT教育の推進についてですが、私はこれまで一般質問の機会をいただくたびに、この問題について質問してきました。それは、将来の岩手県を担う子供たちにとって大きなメリットがあると考えているからです。
 それは、子供の学びへの興味、関心を引き、主体的に学ぶ力を育み、学習内容の理解を深めること、そして、一人一人がPC端末を活用することで、一斉授業と異なり、それぞれの理解度や関心に応じて、誰一人取り残すことのない個別最適化された学びを実現できることであり、ICT教育を一層推進していく必要があると考えています。
 そこで、教員のICT活用指導力について伺います。
 コロナ禍を契機としてGIGAスクール構想が加速し、1人1台端末等のICT環境の整備を前倒しで完了させることは評価するところでありますが、ICT機器を活用し、効果的な授業を行うためには教員の指導力の向上が不可欠であります。
 いわて県民計画(2019〜2028)第1期アクションプランでは、ICT機器を活用して効果的な教材研究や授業をすることができる高校教員の割合を具体的推進方策指標に設定し、令和3年度までに100%とする目標としていました。目標達成に向け、県では高校教員を対象とした各種研修の実施などに取り組んだと承知していますが、実績値を見ると、令和元年度が92%、令和2年度が90%、令和3年度が87%と年々低下し、取り組みの成果があらわれていないのが実態です。この実績値をどう評価し、課題をどう捉えているのか伺います。
 次に、GIGAスクール運営支援センター等による取り組みについて伺います。
 令和4年2月の定例会の一般質問において、私が教員のITリテラシーの向上について質問した際、GIGAスクール運営支援センターを令和4年度に設置し、教員研修の充実とあわせて取り組んでいくとの答弁をいただきました。
 教員のICT活用指導力の向上のため、GIGAスクール運営支援センターによる広域的な支援が期待されますが、活用状況はどうなっているのでしょうか。また、さきに伺った第1期アクションプラン期間中の実績値の評価を踏まえ、GIGAスクール運営支援センターによる広域支援のほか、今後どのように取り組んでいくのかをあわせて伺います。
 次に、不登校対策について伺います。
 本県の不登校児童生徒数は年々増加しており、過去5カ年の傾向を見てみると、その傾向はさらに加速しています。最新の統計である令和3年度の1、000人当たりの不登校児童生徒数は、前年度と比較して、小中学校では3.8人増加、高等学校では3.2人増加しており、それ以前の増加幅と比較すると数倍以上となっています。
 近年加速する不登校児童生徒の増加の要因として、私は、コロナ禍を経験したことが大きいと考えています。コロナ禍では、学校が休校となったりオンライン授業となるなど、生活のリズムが崩れ、学校に行きづらくなったことが想定されます。
 そこで、不登校児童生徒の増加への対応について伺います。近年、不登校児童生徒の増加が加速している問題をどのように認識し、また、今後どのように取り組んでいくのかを伺います。
 次に、民間との連携について伺います。
 県教育委員会では、スクールカウンセラーの配置や教育支援センターとの連携など、不登校対策に取り組まれていることは承知しておりますが、不登校児童生徒が増加する中、公立学校だけでは対応し切れないこともあると思います。実際に公立学校で不登校となってしまった児童生徒が民間の学校では登校できるようになったという事例を伺っています。不登校となってしまった児童生徒にはそれぞれの事情があり、多様な受け入れ体制を整えておくことが重要です。民間の学校や団体等との連携をさらに強化していく必要があると思いますが、県の見解を伺います。
 次に、消防の体制整備について伺います。
 消防団は、地域における消防防災のリーダーとして、平常時、非常時を問わずその地域に密着し、住民の安全と安心を守るという重要な役割を担っており、地域の実情をよく知っている消防団の方々は、地域コミュニティーには不可欠な組織だと考えています。
 しかしながら、消防庁の調査によると、令和4年4月1日現在の消防団員数は約78万4、000人となり、前年から2万人以上減少し、初めて80万人を下回りました。
 そこで、消防団の将来の担い手確保について伺います。県においては、機能別消防団員制度の導入促進や女性消防団員活躍の推進など消防団員の確保に取り組まれておりますが、消防団員の減少をとめられない現状となっています。将来の担い手を確保していくためには、子供のころから消防団という組織や役割について、しっかりと啓発していく必要があると考えます。
 県内の一部の市町村では、小中学生に対し、消防団活動を紹介する取り組みが行われていますが、効果を上げるためには、さらなる取り組みが必要であります。消防団員の方々は、昼間は仕事をしている方がほとんどのため、団員による啓発運動が広がらない背景があることは承知していますが、私は、消防団員の減少に歯どめをかけ、将来の担い手を確保するためには、例えば、小中学校のカリキュラムに組み込んでもらうなど、取り組みを強化する必要があると考えますが、県の見解を伺います。
 次に、消防団へのAEDの配備について伺います。
 消防団は地域に密着し、火災や災害発生時にいち早く現場に駆けつけ、対応できる強みがあります。県内の消防団におけるAEDの配備状況は、令和5年6月現在で、430分団に対し103台と配備割合は約4分の1となっています。各市町村の事情や財政状況もあると思いますが、火災や災害時に初動対応ができる消防団にAEDを配備することは、県民の救命率向上につながるため、県として配備を促進していく必要があると考えますが、県の見解を伺います。
 次に、県内業者の受注機会の確保について伺います。
 公共工事の発注に当たっては、多様な発注方式の中から適切な方式を選択されているものと承知しておりますが、近年は複数の工事種別を一括して発注する傾向があるように見受けられます。
 一括での発注は、工事の一元管理やコスト削減が期待できることなどメリットがありますが、県内の専門業者への受注機会がそがれることにつながる恐れも否定できません。
 私は過日、建設関係団体の会合に参加させていただいた際、公共工事が一括で発注されることが多くなり、受注機会が減少したとの話を伺いました。その団体では、技術力の研さんのために研修会を開催するなど、若手の育成等に一生懸命取り組んでいるが、成果を発揮できる場が少なく、技術、技能の検証ができなくなるのではと危惧をしているとのことでございました。
 県内業者への受注機会を確保することは技術力の向上を初め、地域経済の活性化や雇用の創出にもつながります。
 一部の自治体においては、地元業者の受注機会の確保を推進するため、公共工事における分離、分割発注に関する方針を定め、全庁的に取り組みを進めている事例もあります。
 本県においても、平成14年と平成15年の県議会において、公共工事の県内業者への優先的発注について決議したところであります。改めて、この決議の趣旨も踏まえ、公共工事を分離して発注するなど、県内業者の受注機会の確保を進めていくべきと考えますが、県の見解を伺います。
 次に、道路整備について伺います。
 一般県道大ケ生徳田線は、北上川の東側に位置する盛岡市大ケ生から一般国道396号を経て対岸の矢巾町西徳田までを結ぶ道路であり、盛岡市南東部の住民にとって、一般国道4号や矢巾町中心部、さらには、岩手医科大学附属病院へのアクセスルートとして非常に重要な路線となっています。
 北上川に架かる徳田橋の架けかえ工事は今年度の完成予定と聞いており、利便性の向上が期待されるところでありますが、大ケ生地区には、前後が改良済みで残された未改良区間があります。大ケ生地区の方々からは、この地区は大型トラックの往来が多いため、道が狭い未改良区間の通行は事故の危険性も高く、早急な整備を求める声が上がっています。これらが整備されれば、安全性の確保はもとより、地域の利便性向上や地域間交流の活性化も見込まれます。そこで、一般県道大ケ生徳田線の未改良区間の現状をどう認識しているか、また、今後の整備の見込みについてお聞かせください。
 次に、今後の公共施設等の管理と文化財について伺います。
 岩手県では、高度成長期から昭和50年代を中心に数多くの公共施設等を建設し、各種の公共サービスを提供してきました。現在、これら公共施設等の老朽化が進んでおり、今後、大量に大規模改修、更新の時期を迎え、多額の経費が必要となることが見込まれています。
 将来の人口減少や今後の財政見通しを踏まえ、将来にわたって県民が行政サービスを持続的に受けられるようにするためには、平成27年度に策定された岩手県公共施設等総合管理計画を着実に実行していくことが必要でありますが、県が保有する公共施設の中には重要な文化財も含まれており、別の観点で管理、保存を検討していくことも必要であると考えます。
 そこで、今後の公共施設等の適正管理について伺います。岩手県公共施設等総合管理計画は令和6年度に最終年度を迎えます。来年度は計画の見直し年度となりますが、多様化する県民ニーズに応えながら、持続的に行政サービスを提供していくため、現計画の取り組みを踏まえ、次期計画をどのように策定する方針か、現時点での県の考えを伺います。
 次に、岩手県公会堂について伺います。
 岩手県公会堂は、昭和2年、1927年に落成し、あと4年で100周年を迎え、現在も利用されている県保有の建物としては最古のものと聞いています。平成18年にはその歴史的、文化的価値が認められ、国の登録有形文化財として登録され、盛岡市民を初め、県民にとってのシンボル的存在として重要な施設であると考えています。
 岩手県公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画においても、その価値を踏まえ、修繕、改修をしながら保存していくこととされています。来年度の計画見直しについても施設の重要性を踏まえて今後のあり方を検討していただくことを期待していますし、県民の皆様と一緒にその価値を共有しながら、さらなる活用に取り組んでいくべきと考えています。
 そこで、落成から100周年を迎える節目として、その歴史的、文化的価値を県民全体で再認識するきっかけとして、記念式典等の開催などを企画するべきと考えますが、県の見解を伺います。
 改めて、4年間かかわってくださった全ての皆様に感謝を申し上げ、私の一般質問を終わります。答弁によっては再質問いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高橋こうすけ議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、高卒者の県内就職率についてでありますが、高校卒業生が県内にどの程度の割合で残るのかは県民の関心も高く、岩手労働局も毎年、高卒者の県内就職率を公表し、全国比較も可能であることから、これを目標値にしているところであります。
 県内就職率の向上を成果と捉えることは妥当と考えており、全国比較した場合であっても、平成29年度の39位から令和3年度は33位に順位を上げているものであります。
 一方、県内企業を含めて全国的な人手不足の視点から、高校を卒業して県内に就職する人数が減っているのは重要な課題であり、地元企業の求人に対応できるよう、引き続き、県内就職率の向上に努めるとともに、高校生の人数が減少していることから、U・Iターンの促進に向けた取り組みや企業の生産性向上に向けた取り組みの支援など強化しているところです。
 次に、大学進学率についてでありますが、近年の本県大学進学率は、平成26年は42.4%、平成30年は44.6%、令和4年が46.7%と着実に高まってきております。
 生徒が自己のあり方、生き方を考え、主体的に進路を選択し、進学や就職などの希望を実現できるようにしていくことが重要であり、本県では、いわて県民計画(2019〜2028)や岩手県教育振興計画に生徒の進路実現の推進を位置づけ、県教育委員会において、進学支援の充実などに取り組んでおります。
 また、これまでの奨学給付金の給付や学資等への貸与のほかに、今年度から進学に意欲がある高校生が経済的な理由から断念することがないよう、大学等の進学に要する費用を支援する奨学金制度を創設するなど、進学支援の一層の充実を図っており、これらの取り組みにより、多くの生徒が希望する進路を実現することを期待します。
 次に、医師数についてでありますが、国における平成20年からの医学部入学定員抑制策の転換を受け、本県においても、当時80名であった岩手医科大学医学部の入学定員は、現在、臨時定員増を含む130名まで拡大され、これに対応し、県では55名分の医学部奨学金貸付枠を設けて医師の養成を行ってきたところであり、この取り組みにより、県内の医師数は平成18年の2、569人から令和2年2、700人へと131人増となり、着実に増加しております。
 一方、平成16年度からの臨床研修のマッチング制度の導入や、平成30年度からの新たな専門医制度の開始などにより、研修医が症例数の多い都市部の病院を選択する傾向があるなど、都市部と地方の格差の拡大などの課題が顕在化してきました。
 こうしたことから、医師不足、地域偏在の根本的な解消には国レベルでの取り組みが必要との認識のもと、医師少数県で構成する、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会において、これらの解消に向けた実効性のある具体的な施策の実現を目指して活動を行ってきております。
 こうした地域偏在や診療科偏在の解消に向けた国の取り組みをさらに加速させるため、今年度においては、山梨県で今月開催される全国知事会議に合わせて地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会を開催するよう調整しております。
 今後も、臨床研修医採用数の大都市圏に対する激変緩和措置の廃止及び専攻医定員のシーリングの厳格化など、国に対する提言等を通じて、実効性のある医師不足、偏在対策の実現を目指してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、産後ケア事業の充実についてでありますが、妊産婦が身近な地域できめ細やかなケアを受けられる環境の整備が重要でありますことから、県では、全市町村での事業の実施を目標に掲げ、事例集の作成、配布や県独自の産後ケア利用料の無償化に対する補助などにより、市町村の取り組みが拡大するよう支援してきたところであります。
 こうした取り組みにより、産後ケアに取り組む市町村もふえてきており、中には、地元の宿泊施設を利用してデイサービス型事業を始めるなど、地域資源を活用した新たな取り組みも進んできております。
 また、利用促進に当たっては、議員御指摘の利用者の負担軽減や利便性向上も重要な視点であることから、各市町村で取り組んでいる事例について共有し、医療機関や助産師など地域の関係者とも意見交換を行いながら、利用者に配慮した事業のあり方についても議論を進めてまいります。
 次に、産後ケア事業を担う助産師等への支援についてでありますが、県では、市町村保健師等に対する人材育成研修などの取り組みを通じ、妊産婦の包括的な支援に取り組んでいるところでありますが、今後、利用者のニーズに対応した事業を継続的に実施していくためには、人的体制等を整備するための財源の確保も課題であり、政府予算要望において、助産師等による専門的な産後ケアの提供のために必要な財政支援の拡充について国に要望しているところであります。
 また、市町村が産後ケア事業を実施するに当たっては、委託先や人材の確保が課題であることから、各圏域の連絡調整会議の場などを活用し、人材や設備等の地域資源の実情や利用者のニーズに応じた事業展開等について意見交換を行う中で、協力いただける医療機関や助産師などの掘り起こしを行いながら、市町村の取り組みを支援していく考えであります。
 次に、産後ケア事業における県の役割についてでありますが、全市町村が産後ケア事業を実施するためには、単独での実施が困難な市町村においてもサービスの提供が可能となるよう、複数の市町村が一つの産科医療機関などを共同で利用する広域連携も有効であると考えております。
 広域連携を推進するため、各圏域の連絡調整会議の場などで利用者のニーズや活用可能な地域資源などの把握を行った上で、地域の実情に応じた事業展開について、圏域ごとに意見交換などを進めているところであります。
 県としては、妊産婦等が身近な地域できめ細やかなケアを受けられるよう、各市町村や関係機関との調整などにより広域的な連携を促進しながら、市町村の取り組みを支援していく考えであります。
   〔商工労働観光部長岩渕伸也君登壇〕
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、シゴトバクラシバいわてを通じたマッチング件数等についてでありますが、このシゴトバクラシバいわては、令和2年度から運用を開始しており、そのマッチング実績は、初年度が52件、令和3年度が107件、令和4年度が101件となっております。
 マッチング件数の増加には、求職登録者数と人材を募集する登録企業数の双方の増加が不可欠でありますが、各年度末時点で、求職登録者数は初年度が1、732人、令和3年度が1、771人、令和4年度が2、296人、また、登録企業数は、初年度が788社、令和3年度が910社、令和4年度が1、061社と令和2年3月のマッチングサイト開設以降、年々増加しており、その活用が徐々に広がってきていると受けとめております。
 今後、このサイトをさらに有効に活用して、U・Iターン者の増加に結びつけていくため、さらに幅広い業種の若者や女性に関心の高い企業に参加登録していただき、魅力の高いサイトとしつつ、首都圏に進学した学生等に対するPRを強化していきたいと考えております。
 次に、就職情報の効果的な発信についてでありますが、今年度から、大学生等のインターンシップの取り扱いが変更となり、一定の基準を満たしたインターンシップについては、企業が参加者の情報を採用活動の中で使用することが可能となるなど、インターンシップの重要性が一層高まっております。
 このため、シゴトバクラシバいわて内に、インターンシップのページを新たに開設したほか、岩手県で働く魅力、価値を紹介するコンテンツを新設するといったことによるサイトの魅力強化に努めているところでございます。
 また、引き続き、岩手おかえりプロジェクトを実施し、お盆や年末年始の帰省時期に県内の主要駅でUターンキャンペーンを行ってこのサイトへの登録を促進してまいります。
 さらに、コロナ禍で実施を見送っていた、岩手U・Iターンクラブに加盟する首都圏の大学訪問を再開するほか、ふるさといわて定住財団と連携して、首都圏等の学生との交流会も開催する予定としており、こうした機会を通じて、本県へのUターン就職希望者に情報が直接届くよう取り組んでまいります。
 次に、ホテルや旅館などの人手不足についてでありますが、県と観光協会が連携して、本年5月から6月にかけて実施したアンケート調査結果では、正社員については、約75%の事業所で不足、職種別では、フロント、接客、調理などが多くなっております。非正規社員につきましては、約61%の事業所で不足、職種別では、接客、清掃などが多くなっております。
 また、ゴールデンウィーク期間中の稼働や受け入れの制限については、約11%の事業者で制限をしたとの回答があったところでございます。
 このような状況を踏まえ、今後、ホテル、旅館関係団体や観光関係団体等と連携し、デジタル技術を活用した業務の効率化に積極的に取り組んでいくとともに、積極的に高齢者を雇用することで人手不足に対応できたといった声も聞いており、こうした事例の共有にも取り組んでいきたいと考えております。
 引き続き、関係団体との意見交換等を継続しながら、個々の課題の解決に向けた検討を行い、国内外からの観光客が増加しているチャンスを十分に生かすよう努めてまいります。
   〔復興防災部長佐藤隆浩君登壇〕
〇復興防災部長(佐藤隆浩君) まず、消防団の担い手確保についてでありますが、地域防災力の中核を担う消防団員が児童生徒への防災教育に携わっていくことは、消防団活動に対する理解や将来の地域防災力の担い手育成に有効と考えています。
 県内では、消防団員が児童生徒に対して防災教育を実施している市町村は少ないものの、消防団員による講話や防火、防災教育出前講座、放水などの火災防御訓練の体験学習など、他の市町村の参考となる取り組みも行われています。
 このような参考となる取り組み事例や県外の先進事例を県内市町村と広く共有し、その実施を市町村に働きかけていくなど、消防団員を活用した防災教育が地域の実情に応じて展開されるよう取り組んでまいります。
 次に、消防団への自動体外式除細動器―AEDの配備についてでありますが、消防団の装備の基準は国が定めていますが、平成26年2月の改正で、消防団が大規模災害に対応できるよう、分団等ごとに配備する救助活動用資機材の一つとして、AEDが明確に位置づけられたところです。
 市町村では、国の消防団設備整備費補助金を活用するなどしながら、高性能防火衣など消防団員の安全確保のための装備や、チェーンソー等の救助活動用資機材など、消防団個々の実情に応じて必要な装備や資機材の充実に努めていますが、AEDの配備は十分とは言えない状況です。
 県としては、AEDを初め消防団活動に必要な資機材等が国の基準に従って整備されていることが望ましいと考えており、消防団の資機材等の充実に向けた助言など、市町村の計画的な取り組みを促してまいります。
   〔県土整備部長加藤智博君登壇〕
〇県土整備部長(加藤智博君) まず、県内業者の受注機会の確保についてでありますが、地域の建設業は地域経済を下支えする重要な産業であるとともに、近年、激甚化、頻発化する自然災害や家畜伝染病への対応、社会資本の整備や維持管理の担い手として欠かすことのできない存在と認識しており、受注機会の確保などを通じ、経営力の強化を図ることが重要と考えております。
 このため、県営建設工事の発注に当たっては、入札時に地域要件を設定し、県内企業の施工が可能と認められる工事については、県内企業に発注することを基本とするとともに、コスト縮減を図る観点などから、適切な発注ロットを設定しつつ、分離して発注を行うよう努めております。
 県としては、今後もこのような取り組みを通じ、県内企業の受注機会の確保に努めてまいります。
 次に、一般県道大ケ生徳田線の未改良区間についてでございますが、本路線は、盛岡市大ケ生地区から矢巾町の中心部を結ぶ地域の生活に欠かせない道路であるとともに、矢巾町にある岩手医科大学附属病院へのアクセスルートとしても重要な路線と認識しております。
 このうち、大ケ生地区から国道396号までの約5キロメートルの区間については、これまで人家連担部を中心に約4.5キロメートルの拡幅整備などを行ってまいりました。未改良区間についても、安全な通行の確保を図ることが必要と認識しており、今後の整備については、公共事業予算の動向や道路の利用状況などを勘案しながら検討してまいります。
   〔総務部長千葉幸也君登壇〕
〇総務部長(千葉幸也君) 今後の公共施設等の適正管理についてでありますが、昨年7月に改訂した岩手県公共施設等総合管理計画では、将来の人口減少や今後の財政見通しを踏まえ、公共施設の維持管理及び行政サービスの提供を持続可能なものとするため、県の人口ビジョンを踏まえた施設規模、総量の目安と公共施設に係る県民1人当たりの負担額を数値目標化し、実現に向けた取り組みを進めております。
 具体には、耐用年数を超えた建築後50年経過の施設や利用度が低調な施設を抽出し、所管する部局ごとに集約化や転用、廃止など、今後のあり方の検討を進めているほか、財政負担の平準化と安定的な財源を確保するため、公共施設等適正管理推進基金を創設したところでございます。
 令和7年度からの次期計画の策定に当たりましては、公共施設の更新需要の増嵩が本格化することから、こうした取り組みに加え、業務のデジタル化や脱炭素化などの公共施設を取り巻く環境の変化も見据え、計画的な更新や長寿命化、施設配置の最適化、財政負担の軽減、平準化などにより、公共施設等の適正管理を一層推進してまいります。
   〔文化スポーツ部長小原勝君登壇〕
〇文化スポーツ部長(小原勝君) 岩手県公会堂の落成100周年を節目とした取り組みについてでありますが、岩手県公会堂は昭和2年に建設されて以降、県議会議事堂、会議や芸術、文化のイベント会場として県民に広く利用され、岩手県の文化と歴史の殿堂として長年親しまれてきた建物であります。
 県では、パブリックコメントを経て、平成15年度に県公会堂の利活用に関する県の基本的考え方を公表し、県公会堂を県都のシンボルとして全面保存し、県民の文化的な活動等に重要な役割を担わせていくなど、積極的に活用することとしたところです。
 この考え方に基づき、平成18年に国の登録有形文化財に登録されたことを踏まえ、岩手県公共施設等総合管理計画の個別施設計画において、修繕、改修を加えながら、施設サービスを今後とも維持する必要があるとされていることから、耐震工事などの長寿命化や冷暖房設備の設置などの環境整備を行い、利用促進にも取り組んでおります。
 このように、大切に維持改修を行いながら、令和9年6月に100周年を迎えることは、県公会堂の歴史にとって大きな節目と捉えており、県民が県公会堂の価値を再認識し、文化的活動に積極的に利用していただく好機となるような取り組みについて検討してまいります。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕
〇教育長(佐藤一男君) まず、教員のICT活用指導力の向上についてでありますが、いわて県民計画(2019〜2028)第1期アクションプランで指標としているICT機器を活用して効果的な教材研究や授業をすることができる高校教員の割合の実績値は、令和元年度から令和3年度まで低下傾向にあり、目標値の達成には至っていない状況にあります。
 要因としましては、いわて県民計画(2019〜2028)第1期アクションプラン策定後に国のGIGAスクール構想等による各高校への大型提示装置やWi−Fi環境、生徒1人1台端末などのICT機器の整備や、全県立学校の教員へのマイクロソフトアカウントの配付等が急速に進んだものの、新たに整備された機器や多様なソフト等を十分に活用できていないと感じている教員の割合が、目標値設定時の想定よりも多かったことによるものと捉えております。
 県教育委員会では、導入したソフトなどのマニュアルの作成や教員研修の実施などにより、教員のICT活用支援を行ってきましたが、今後、教員の研修機会のさらなる確保や教員をサポートする体制の充実、活用の好事例の積極的な発信などを行っていく必要があると認識しております。
 次に、GIGAスクール運営支援センター等による取り組みについてでありますが、GIGAスクール運営支援センターは、学校に整備された1人1台端末のICT機器を活用した新たな学びに対応するため、広域的に学校のICT活用をサポートすることを目的として、令和4年6月1日に設置したものでございます。
 令和4年度におきましては、県立及び矢巾町立学校、計87校を支援対象校としており、ICT機器のふぐあい等への対応件数332件、セキュリティー研修など学校訪問による研修実施回数90件、ICT活用事例紹介等を行うウェブサイトの閲覧数6、401件などの実績となっております。
 今年度におきましては、矢巾町に加え、新たに金ケ崎町、陸前高田市、山田町にも参画いただき、県立及び市町村立の107校を支援対象校としているところでございます。
 今後は、同センターが専門性の高い技術的な支援を安定的に提供できること、広域性を持った体制により知見の共有が可能となることなどの効果をお伝えしながら、さらなる市町村の参画を呼びかけていくこととしております。
 このほか、総合教育センターで行う基本研修や希望研修等、ICT活用研修に位置づけられる78講座の積極的な受講の奨励や学校DX支援リーダーの学校訪問による支援の充実等により、教員のICT活用指導力の向上に取り組み、学校教育の情報化による教育の質の向上を目指してまいります。
 次に、不登校児童生徒への対応についてでありますが、本県の不登校児童生徒数は、令和3年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によりますと、小中高等学校合わせて2、270人で、前年度より382人増加しており、不登校の背景や要因は、コロナ禍による影響のほか、多岐にわたり個々の児童生徒の状況も多様であります。
 いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランにおきまして、不登校などの未然防止、早期発見、適切な対応を推進するため、ICTを活用した教育相談体制の一層の充実や関係機関と連携した教育機会の提供等を掲げ、県教育委員会は、これまで魅力ある学校づくりによる未然防止、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置、24時間子供SОSダイヤル等の相談窓口の設置、ICTを活用した学習支援、フリースクールと民間団体との連携会議の開催などの取り組みを進めてきたところでございます。
 加えて、今年度は、いじめ対応・不登校支援等アドバイザーの常勤化、1人1台端末を利用した、こころの相談室の開設、市町村の教育支援センターのさらなる設置による相談、支援体制の強化などにも取り組んでいるところでございます。
 不登校児童生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒がみずからの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要があると考えており、今後も児童生徒一人一人の支援ニーズを的確に把握し、児童生徒の居場所が確保できるよう努めてまいります。
 次に、民間との連携強化についてでありますが、不登校児童生徒への支援につきましては、民間施設やNPО等においてもさまざまな取り組みがなされており、日ごろから情報交換や連携に努めていく必要があると考えております。
 そのため、県教育委員会では、令和3年度に、フリースクール等民間団体との情報共有の場として、岩手県不登校児童生徒支援連絡会議を設置し、これまで不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保に向けて、不登校児童生徒への支援や学校との連携のあり方、ICT等を活用した学習支援の取り組み等について議論を行ってきたところでございます。
 この間、この会議の構成員に市町村の教育支援センターを加えるなど、連携の幅を広げてきたところ、今年度はさらに私立学校の所管部局も参画することとしており、引き続き、一層の連携の拡大を図りながら、不登校児童生徒の教育機会の確保につなげてまいります。
〇7番(高橋こうすけ君) 御答弁いただき、ありがとうございました。知事の実績の評価について質問いたしましたが、再度質問させていただきます。
 達増県政これまでの軌跡という広報誌を出していらっしゃいますけれども、そこに載せている実績のデータとして、先ほど質問させていただいたとおり、実績と言えるものなのかというところでございます。例えば、先ほど質問した高卒者の県内就職率ですが、知事が出した広報誌では、平成29年度の65.8%から、令和3年度には74.1%まで上昇していると成果として上げていますが、確かに、率としては上昇していますが、いわて県民計画(2019〜2028)で設定された令和3年度の目標値は84.5%であり、達成できておりません。
 知事が選挙でこれをマニフェストとして当選され、これが達成できていないのに実績として出しているというのは少し疑問に感じているところでありますし、実数で見ても、年々減少している。そして、平成29年度から令和4年度で300人以上減少しています。そもそも生徒数が減少しているということももちろんあることはあるのですけれども、同じ期間の生徒数の減少率よりも県内就職者の減少率のほうが大きくなっているのです。また、大学進学率の成果も疑問としておりますし、平成29年から令和4年のデータを見てみますと、確かに、岩手県でも3.1ポイント上昇してはいるのですが、全国ではそれを上回る4.8ポイントの上昇となっています。
 私は何が言いたいかといいますと、知事が出している実績のデータ、数字は、見せ方を少し変えて、数字のマジックを使ったカモフラージュをしているのではないか。県民の皆様をだましているというように思えてなりません。県民に対してはっきりと、これが私の実績だということは言えるのでしょうか。改めてお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 幸福関連指標に関するデータは、毎年度、議会に対して評価とあわせて提出しているところでありまして、目標にどのくらい足りないとか、そういうところは議会に提出し、県民にも公表しているところです。
 御指摘の広報誌は、後援会のほうで議論等の資料として作成したもので、私も見ておりますけれども、達増県政の実績という標題のもとにさまざまな数字が書かれているという、その構成自体には何かをごまかそうとか、そういう問題はないと思います。達増県政の実績として、県の計画の目標に達していないけれども、まずふえてはいるという数字を提供して、それをさまざま見ていただいて、検討して、いろいろな判断をしていただく資料をそのようにつくったということについては、ごまかすとか、カモフラージュとかということはないと思います。
〇7番(高橋こうすけ君) 県民計画等の目標値等を公表しているのはもちろん承知しておりますし、ただ、書き方として、数字だけ羅列されているものでありますから、これは一般の方々が見たら、目標値には達成していないけれども、実績は出ているのだと書いてあればわかるのですけれども、そういうふうには書いておりませんので、私は、果たしてそれをはっきり実績と言っていいのかと疑問に感じていたので質問させていただきました。
 ぜひ県民の皆様にもわかっていただけるように、資料として残すのであれば、きちんとやっていただきたいと思っております。再度お考えをお聞きして、終わりたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 県として正式に県民計画に関する重要な指標でありますとか、また評価については明らかにしているところでありますし、それと別に、評価というのはものすごく大部の、何十ページにもなる冊子、本になるくらいの分量があるわけですけれども、1枚とか2枚の資料で過去4年間とか過去16年間とかを振り返る場合に要約された形で資料をつくり、それをさまざま参考にするということは、政治にかかわる人たちがいろいろな資料をつくって、そして、議論して、さまざま県をよくしていこうという営みの中にそういうものはあってもいいと思います。
〇議長(五日市王君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時11分 休 憩
   
出席議員(45名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 小 林 正 信 君
3  番 千 葉   盛 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 岩 城   元 君
6  番 上 原 康 樹 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 高 橋 穏 至 君
10  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時32分再開
〇議長(五日市王君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。千葉秀幸君。
   〔4番千葉秀幸君登壇〕(拍手)

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