平成8年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成8年3月18日(月)

1開会    午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
  事務局長       渡邊勉
  議事課長       小国平二
  議事課長補佐     西田幸男
  主任議事管理主査   駿河勉
  議事管理主査     吉田徹
  議事管理主査     小原敏文
  議事管理主査     中澤悟
  議事管理主査     木村稔

1説明員        
  商工労働部長     古館敏男
  商工労働部次長    小野寺修
  商政課長兼岩手ブランド推進室長     小瀬川紀夫
  中小企業課長     山火弘敬
  工業課長兼地域産業高度化対策室長    畑野浩朗
  企業立地課長     大沼勝
  観光課長       相馬直人
  労政能力開発課長   千葉洋志
  職業安定課長兼人材確保対策室長     遠藤雅仁
  雇用保険課長     瀬川英二
  
  医療局長       中村盛一
  医療局次長計画推進室長事務取扱     福岡勝夫
  参事兼業務課長    吉川達男
  管理課長       千葉弘
  職員課長       加藤善教
  システム管理室長   田高則男
  計画推進室企画管理監          大川正裕
  計画推進室経営管理指導監兼医師対策監  高橋隆治
  
  地方労働委員会事務局長         藤田博信
  総務課長       山崎宏一
  審査調整課長     仙石隆夫
  
  財政課長       佐藤勝

〇那須川委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第23号、議案第27号から議案第33号まで、議案第40号及び議案第41号、以上31件を一括議題とする。
 本日は、商工労働部、医療局及び地方労働委員会関係を終わるように進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 なお、説明、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、議会運営委員会の申し合わせにより、効率的に審査が進行するよう御協力をお願いする。
 最初に、商工労働部長から商工労働部関係の説明を求める。

〇古館商工労働部長 平成8年度の商工労働部関係の予算について御説明申し上げる。
 まず、一般会計予算であるが、議案その1の7ページをお開き願う。
 第5款労働費のうち、第3項労働委員会費を除いた73億9、387万6、000円と、第7款商工費の531億9、392万4、000円の合わせて605億8、780万円が商工労働部関係の予算総額である。これは、一般会計予算総額に対して約7・5%の構成比となっておる。また、前年度の6月現計予算に比較して、額で80億1、618万7、000円の増であって、率にして約15・2%の増である。一般会計予算額の増加率が4・4%であるので、それを大きく上回っておる。
 各項目ごとの内容については、便宜、お手元の予算に関する説明書によって御説明を申し上げる。
 予算に関する説明書の145ページをお開き願う。主な事業について御説明申し上げる。
 第5款労働費1項労政費1目労政総務費の2億5、043万7、000円は、労政能力開発課の管理運営のほか、中小企業の労務改善や労使関係の安定促進に要する経費である。2目労働教育費の748万8、000円は、岩手勤労学園の開設など、労働教育に要する経費である。次に、146ページ、3目労働福祉費2億5、191万4、000円の主なものは、岩手労働金庫及び岩手県勤労者信用基金協会に対する貸し付けなど、労働者の福祉向上に要する経費である。次に、4目雇用促進費の4億7、221万6、000円の主なものは、障害者雇用対策費、中高年齢者など、雇用対策費及び出稼労働者対策費など、雇用の安定に要する経費である。さらに147ページに参って、財団法人ふるさといわて定住財団出捐金は、勤労者にとって魅力ある雇用機会の創出、地域の発展を担う人材の定住、定着を促進するための施策を総合的に実施するために、同財団に基金の原資を出捐しようとするものである。また、地域障害者雇用推進総合モデル事業費は、重度障害者などの雇用促進のため、雇用部門の保健衛生、福祉部門の連携を図りながら、各種情報のネットワーク化を進めるために要する経費である。
 次に、148ページ、2項職業訓練費1目職業訓練総務費の10億8、177万8、000円は、技能労働者の育成と技術水準の向上を図るための認定職業訓練、技能向上対策のほか、職業能力開発推進事業などに要する経費である。次に、2目職業訓練校費の53億3、004万3、000円は、公共職業能力開発校などの管理運営や施設整備及び技能労働者の向上訓練などの実施に要する経費のほか、さらに149ページに参って、より高度な技能・知識を有する技術者を養成する県立職業能力開発短期大学校の開設に向けて、建設工事及び設備機器の整備を進めるとともに、指導員の特別研修を実施する経費などである。
 次に、飛んで200ページをお開き願う。7款商工費であるが、1項商工業費1目商工業総務費の23億2、645万6、000円の主なものは、運輸事業振興費補助のほか、テクノポリス推進事業費は、民間能力活力特定施設、いわゆる盛岡地域交流センターへの建設費補助など、テクノポリス計画を推進するために必要な経費である。北上川流域高度技術産業集積推進費は、盛岡地域から一関地域に至る北上川流域における高度技術産業の集積を促進するための経費である。情報サービス産業振興拠点整備事業費は、本県地域産業へのインターネットの普及と利用拡大を図るため、インターネットの整備方策などについて調査しようとするものである。次に、いわて新産業創造支援事業費は、新たな地域産業の創出を図るため、ベンチャー企業などへの投資事業のための基金を財団法人岩手県高度技術振興協会に造成するとともに、同協会に委託し、起業家養成研修事業を実施しようとするものである。
 次に、201ページに参って、2目中小企業振興費の378億2、064万8、000円の主な事業について御説明申し上げる。商工業小規模事業対策費は、各商工会や商工会議所などが行う経営改善普及事業などに対して、また、組織化指導費補助は、岩手県中小企業団体中央会が実施する組織化指導など、商工業振興のための各種事業に対して、それぞれ助成しようとするものである。また、201ページから202ページにかけて記載されておるが、地場産業の振興を図るため、地域特性を生かした新商品開発などへの助成を行うほか、岩手ブランドの確立、販路拡大などを行おうとするものである。次に、貸付金関係であるが、商工観光振興資金貸付金は、中小商工業者の設備の改善のほか観光施設などの整備充実に要する経費に対する貸付金である。また、小規模企業振興資金貸付金は、比較的融資の機会に恵まれない小規模企業の振興を図るための貸付金である。中小企業経営安定資金貸付金は、経営の安定に支障を来す恐れのある中小企業に対して、運転資金の融資により健全経営を図ろうとする貸付金である。次に、203ページに参って、創造的中小企業支援資金貸付金は、中小企業者に対し、新技術、ノウハウの研究開発及びその成果の事業化に必要な資金の融資により、新たな事業分野の開拓、起業化を図ろうとする貸付金である。また、信用組合経営基盤強化資金貸付金は、地域金融の円滑化を図るため、岩手信用組合に金融支援する貸付金である。次に、工業振興の関係であるが、同じく203ページの中小企業技術改善費補助は、中小企業が行う新製品や新技術開発などの経費に対して助成を行うものである。次に、204ページに参って、3目企業立地対策費の85億7、805万2、000円の主なものとしては、工業団地整備事業費補助は、市町村が行う工業団地の整備事業に対して助成を行うものであり、工業立地促進資金貸付金は、県内の工場適地などに工場などを建設する誘致企業や県内企業に対して、長期低利の設備資金を融資することにより、工業立地の促進を図ろうとするものである。次に、企業立地促進奨励金は、県北・沿岸地域などの比較的工業集積の低い地域への企業立地を促進するため、それらの地域の市町村が誘致企業に助成する経費に対して、その一部を助成しようとするものである。同じく、204ページと205ページにかけて記載されておるが、4目中小企業経営指導費の3億8、497万4、000円の主なものは、財団法人岩手県中小企業振興公社に委託し、商工業研修事業を行う経費や、同公社が行う中小企業地域情報センター事業に対する補助などに要する経費である。次に、同じ205ページであるが、5目貿易振興費の1、722万円は、県産品の輸出拡大など経済の国際化を促進するために、日本貿易振興会盛岡貿易情報センターの情報運営の経費の一部を負担しようとするものである。次に、6目計量検定所費の1、659万6、000円は、計量器の検査や指導監督に要する経費である。次に、206ページに参って、7目工業技術センター費の11億4、785万4、000円は、岩手県工業技術センターの管理運営経費や広域共同研究推進事業などの試験研究などに要する経費である。次に、207ページ、8目大阪事務所費の4、672万5、000円、9目北海道事務所費の3、793万5、000円、208ページに参って、10目の名古屋事務所費の3、776万9、000円は、それぞれの事務所の管理運営に要する経費である。
 次に、209ページに参って、2項鉱業費1目鉱業総務費の1億4、866万2、000円は、工業課の管理運営に要する経費である。また、2目鉱業振興費4、721万6、000円の主なものは、中小鉱山が行う探鉱事業の促進を図るために、その事業費の一部を助成しようとするものなどである。次に、209ページと210ページにかけて記載されておる3目鉱害対策費の9億4、337万1、000円の主なものは、旧松尾鉱山の鉱害防止のための発生源対策工事、新中和処理施設の維持管理、及び和賀郡湯田地区などにおける休廃止鉱山の発生源対策工事の実施に要する経費などである。次に、210ページに参って、4目銃砲火薬ガス等取締費の555万7、000円は、火薬類、高圧ガスなどの取り締まり、保安指導等に要する経費である。
 次に、211ページに参って、3項観光費1目観光総務費の8億3、250万7、000円の主な事業について御説明申し上げる。観光宣伝費は、全国に向けて詩情ゆたかな岩手路キャンペーンなどを実施し、観光客の誘致を積極的に推進するための経費であり、北東北三県観光立県推進事業費は、広域観光を推進するため、岩手、青森、秋田の北東北3県共同で各種観光宣伝事業を実施しようとするものである。また、全国菓子大博覧会推進費負担金は、平成10年に本県において開催される第23回全国菓子大博覧会開催経費を負担しようとするものであり、宮沢賢治、石川啄木の生誕記念事業実行委員会負担金は、宮沢賢治生誕百年、石川啄木生誕百十年記念事業を展開するとともに、県内外に向けて情報発信する経費を負担しようとするものであり、また、第4回地域伝統芸能全国フェスティバル実行委員会負担金は、平成8年6月に本県で開催される同フェスティバルの開催経費を負担しようとするものである。次に、観光施設費8億238万2、000円の主なものとしては、212ページに参って、オートキャンプ場施設整備事業費は、陸前高田市に整備を進めておるオートキャンプ場の造成工事などを行おうとするものである。
 以上で一般会計歳出予算の説明を終わって、次に債務負担行為について御説明申し上げる。申しわけないが、再びお手元の議案その1の11ページをお開き願う。
 第2表債務負担行為のうち、事項欄の7から10までの4件が当部関係のものである。 7は、岩手県火災共済協同組合が行う火災共済契約の履行に関する損失補償であり、これは、8億円を限度として損失補償をしようとするものである。
 8は、財団法人岩手県中小企業振興公社が貸与した設備に係る被貸与者からの償還金の納入がない場合の不足額の損失補償であり、これは、6億6、200万円を限度として損失補償をしようとするものである。
 9は、市中金融機関が、財団法人岩手県観光開発公社に融通した資金について、元利金の償還がない場合の不足額の損失補償であり、これは、融資総額9億円を限度として、元本及びその約定利息に相当する額以内の額について、損失補償をしようとするものである。
 10は、岩手県信用保証協会が信用保証した創造的中小企業支援資金について、元本の償還がない場合の損失補償であり、これは、損失補償総額900万円を限度として、元本の10%に相当する額以内の額について損失補償しようとするものである。
 次に、特別会計について御説明申し上げるが、議案その1の33ページをお開き願う。 議案第7号平成8年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算についてであるが、これは、歳入歳出それぞれ93億8、808万6、000円とするものであり、歳入及び歳出区分は、34ページ及び35ページの第1表のとおりとするものである。
 次の、第2表地方債は、歳出予算の事業費に充当するものであるが、この限度額は43億1、935万円としようとするものである。
 詳細については、再び予算に関する説明書により御説明申し上げるので、予算に関する説明書の382ページをお開き願う。
 歳入歳出の合計については、ただいま申し上げたとおりであるが、まず、歳入について御説明申し上げる。383ページをお開きいただく。1款繰入金1項一般会計繰入金1目一般会計繰入金の20億7、633万2、000円は、中小企業高度化資金の貸付原資として一般会計から繰り入れるものである。
 次に、384ページの2款繰越金1項繰越金1目繰越金の4、000円は、前年度からの繰越金を予定するものである。
 次に、385ページに参って、3款諸収入1項貸付金元利収入1目貸付金元利収入の29億8、826万8、000円は、中小企業設備近代化資金などの貸付償還金である。
 次の386ページ、2項預金利子1目預金利子の300万円は歳計現金の利子である。 387ページに参って、3項雑入1目雑入の113万2、000円は、違約金収入などである。
 次の388ページ、4款県債1項県債1目県債の43億1、935万円は、中小企業高度化資金の貸付原資の一部として中小企業事業団から借り入れしようとするものである。 次に、歳出であるが、389ページをお開き願う。1款中小企業近代化資金貸付費1項貸付費1目設備近代化資金貸付費の5億4、000万円は、設備の近代化を促進しようとする中小企業者に対して、所要額の2分の1以内で、4、000万円を限度に無利子で貸し付けしようとするものである。また、2目設備貸与資金貸付費の5億9、000万円は、中小企業の設備の近代化を促進するため、財団法人岩手県中小企業振興公社が行う設備貸与事業に要する資金の2分の1以内を無利子で貸し付けしようとするものである。次に、3目高度化資金貸付費の82億2、434万6、000円は、工場など、集団化資金貸付金などの貸付金及び中小企業事業団に対する償還金などである。
 次に、390ページに参って、2項貸付事務費1目貸付事務費の3、374万円は、貸付事務及び資金の回収などに要する経費である。
 以上で商工労働部関係の予算についての説明を終わらせていただく。
 続いて予算以外の議案について御説明を申し上げるが、恐れ入るが、議案その2の23ページをお開き願う。
 議案第31号産業文化センター条例の一部を改正する条例であるが、これは、産業文化センターの使用料の額を改定し、平成8年4月1日から施行しようとするものである。
 以上で商工労働部関係の予算並びに予算以外の議案についての説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇那須川委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇佐々木(一)委員 私からは、大型店対策についてお伺いをしたいと存ずる。
 4点ほど御質問させていただく。最初に、4点続けて御質問させていただくので、その後に御答弁をお願いしたいと思う。
 まず第1点は、現在の県内への大型店の出店状況予定、これについてお伺いをしたいと思っておる。
 それから第2点、中小企業体質強化資金の貸付金の大型店進出対策資金、これの前年度の実績、また、この資金と緊急経営支援資金、この違いについても御説明をいただきたいと思う。
 それから、3点目として、県内の小規模小売店の新規開店、また、廃業・休業状況についてお伺いしたいと思う。それらの御答弁いただいてから最後に、今県内の小規模の商店街がどこの地域も非常に厳しい経営状況にあるわけである。現在、商工労働部の方で県として、商工会、また商工会議所等のさまざまな事案に対しての補助は行っておるわけであるが、その1つ上の考え方として、県全体として、これは各県全国的な問題であるが、ますますこの規制緩和が進む中での大型店と地元の商店街との共存共栄、これらをどのように県としてお考えか、これについてお伺いしたいと思う。以上4点である。お願いする。

〇古館商工労働部長 私からは、最後の4点目のものについて答弁させていただくが、御案内のとおり、県としてはこれまでも商店街商業基盤施設整備事業などによって、商店街のアーケードや駐車場あるいは街路灯などの整備を進めてきたし、また、中小企業活性化事業によって商店街のにぎわい創出やらいろいろな、あとは後継者対策、そういうものを進めてまいっているわけである。特に、地域の個性を生かした魅力ある商店街づくりというか、そういったものをバックアップしているのが実態であるわけである。もとより商店街の活性化のためには、やはり個々の店舗というか、経営者努力というものが、これは要請されるわけであるが、これに当たって顧客のサービスの充実あるいは専門店化など、特色ある店づくりというものが肝要であると、このように考えておるわけである。そういった中で、大店法と中小の小売業者が一体となった地域の振興の結びつきというものがなければならないんじゃないかと思うわけである。大店でもやっぱり中核として、それらとの相乗化を得ながら、共存共栄するということも必要なわけである。特にも、最近では総合的なまちづくりの支援というものを我々は積極的に進めておるわけであり、その商業集積を高めて、やはり商店街の集客の核となる共同店舗というか、そういうものを整備する必要があるんじゃなかろうかと、また、それとあわせて、ポケットパークの駐車場あるいはその街路などの共同施設、商業施設の一体的な整備を図る総合的な、いわゆるただ物を売るというんじゃなくて、そのコミュニティーというか、そういう消費者の憩いの場となるような魅力あるまちづくりというものを進める必要があるであろうと、このように考えているものである。なかなか個店だけの努力では難しいわけであるので、商店が一体となって消費者に魅力あるコミュニティーというか、憩いの場というか、そういった魅力あるまちづくりを必要とするということが、一体となって進める必要があるであろうということで、8年度からそういった市町村、公共団体がこの事業に対しても補助対象にしていきたいと考えておるわけである。今後においても、今、申し上げたように、単に商店街が買い物の場としてではなく、やっぱり地域コミュニティーの中心施設として、憩いの場としての一体的な整備を進めてまいって、大型店とやはり中小の店舗が一体となった結びつきを持った地域振興というものを図っていきたいと、このように考えておるわけである。その他のものについては、担当の課長からお答えする。

〇山火中小企業課長 体質強化資金の中の大型店進出対策資金とその実績、それから緊急経営支援資金との違いについて御説明する。
 大型店進出対策資金については平成6年実績1件あり、金額2、000万である。平成7年度については今のところ融資実績はない。
 次に、緊急経営支援資金であるが、これは、国の総合経済対策において平成4年からつくられた制度であるが、一時的に売り上げが減少して状況が悪化したと。しかし、中長期的には業績が回復できると、そういうことが見込まれる企業に対して融資する制度であり、1企業当たり3、500万、設備資金期間が10年、運転資金については7年となっておる。

〇小瀬川商政課長兼岩手ブランド推進室長 まず、大型店の出店状況であるけれども、平成6年に大店法の改正があり、その後増高傾向にあるわけであるが、第1種で申すと、平成6年は10店の申請がある。平成7年が9店ある。第2種の方で申すと、平成6年が25件ある。それから平成7年が、これは2月現在であるが21店ある。なお、届け出の中でまだ調整済みであるが、まだ未開店の大型店、そういった今度の開店予定であるけれども、第1種大規模小売店舗については10店ある。それから、第2種の店舗については14店と、そういうふうなことになっておる。なお、まだ審議会等で調整中というものが、そのほかにまだある。

〇小野寺商工労働部次長 商業の小売業の開廃率についてのお尋ねについてお答え申し上げる。
 平成6年のデータであるけれども、商業統計が3年ごとに実施しておるわけであるが、この商業統計によると、いわゆる本県の小売業については平成3年に比べて店舗数で約1、200店、率にして6・2%減少をしておるところである。小売業の業態ということで主なものを申し上げるが、一番数で多いのはやはり飲食料品小売業、これが店舗数にして866となっており、その中には飲食料品であるので、さまざまな業種があるわけであるが、ひっくるめると今申し上げたとおりである。中でもお菓子とかパンの小売業が、ただいま申し上げた866のうちの約半分となっており、減少ということで申し上げたいと思う。増加ということについての詳細な数字はちょっと持ち合わせておらないので、概要についてお答えする。

〇佐々木(一)委員 それでは今の御答弁について、ちょっと最後に御質問させていただく。
 この大型店の進出対策資金、今、利用率のお答えがあったわけであるが、現状、今の御説明を聞くと、地元の中小、非常に厳しい経営環境にあるかと思う。この緊急経営資金というものもあるわけであるが、意外に思ったより利用されてないなというように感ずるわけであるが、平成6年に2、000万1件、また平成7年はゼロということであるけれども、これは何か利用されない理由というか、この辺について県の方で何か御見解の方があったらお答えいただきたいと思う。

〇山火中小企業課長 平成7年度については公定歩合が0・5という水準であり、市中金利が非常に低い水準であったということがひとつ挙げられるかと思う。その中で体質強化資金については国の方で一定の利率を定めてまいるので、比較して利用率が低かったのではないかと思っておる。しかしながら、大型店進出、先ほど御質問のとおりであるので、制度として引き続き存続させていきたいと考えている次第である。

〇菅原委員 200ページの北上川流域高度技術産業集積計画についてお伺いをする。
 本県の工業発展の歩みを振り返ってみると、昭和62年の北上川流域テクノポリス開発計画を1つの転換期と認識することができると思うのである。東北新幹線や東北縦貫自動車道などの整備を背景に先行的に整備された工業団地や工業用地、豊富な労働力などを武器として北上川流域沿いに先端技術産業を初めとする本県工業をリードする一大産業集積拠点を形成したところである。本県の重要課題である経済基盤の確立に大きく貢献してきたものであり、まことに喜ばしい限りである。しかしながら、経済のグローバル化の比較的発展経済構造の高度化の進展など、近年の産業立地をめぐる目まぐるしい経済社会情勢の変化の中で、国においてはテクノポリス構想、頭脳立地構想など、産業立地政策の抜本的見直しを行っているとうかがっておるところである。
 私は、昨年9月の定例議会において、北上川流域高度技術産業集積計画の策定状況を質問した。県当局からは計画の対象地域として、それぞれの広域生活圏を念頭に置きつつ検討をしておる旨の答弁があったところである。一方、我が東磐井地域の人口は、昭和32年をピークとして減少を続けておる。北上川流域沿いの地域と一体となった地域振興、とりわけ新たな雇用を創出する工業振興の進展が望まれてきたところである。今般、テクノポリス圏域を核としつつ、県独自のいわゆる県単計画である北上川流域高度技術産業集積計画を策定することは県内工業の高度化対策のみならず、従来テクノポリス圏域以外であった両磐地域にとっても、大きな起爆剤としての効果が期待されるところである。計画策定を進めている県当局に対して、これから敬意と感謝をささげる次第である。
 この圏域に指定された町村は、工業団地の造成や企業立地等々、企業誘致等々、積極的な展開をする努力をしなければいけないわけである。これは申すまでもないわけであるけれども、そこでお伺いするけれども、その関係市町村に対する今後の指導を含めて、計画推進に当たっての県の基本的な考え方があったらひとつお示しを願いたいと思うものである。

〇古館商工労働部長 御案内のとおり、我が国の産業構造を大きく転換する中において、本県においても蓄積されてきた技術や人材などを活用した内発型の産業振興を図っていくことが、今後の工業振興にとって極めて重要であると認識しているところである。このため県としては、委員御指摘のとおり、テクノポリス構想あるいは頭脳立地構想を包含する県独自の計画である北上川流域高度技術産業集積計画というものを策定して、本県産業の高度化を推進してまいることとしておるわけである。その基本方向としては、従来の企業誘致と地場産業の育成を柱とした工業振興施策に加えて、事業意欲の高いベンチャー企業の育成など、新たな地域産業の創出を目指すこととしておる。特に、両磐地区においては、研究開発型工業団地の整備について現在検討を進めているところであるし、また、岩手県南技術研究センターを中心とする産学官共同の研究開発を推進し、西磐井地区あるいは東磐井地区が一体となった内発型の工業施策の推進を進め、事業化ということで進めておるわけである。県としては今後についても、今申し上げたテクノポリス構想、あるいは頭脳立地構想を包含した県独自の北上川流域高度技術産業集積計画に基づいて、高度技術産業の振興、集積に努めてまいりたいと、このように考えておるわけである。

〇菊池(雄)委員 今、県内で開設、開業しておるスキー場、ゴルフ場の数がどのくらいあるか。それから、開発予定をしている箇所はどのくらいあって、その開発の傾向はどういうふうになっているのかということをお尋ねする。

〇相馬観光課長 ただいまのスキー場、ゴルフ場の数であるが、スキー場については29が開設されておるし、ゴルフ場については22となっておる。それから、開発予定であるが、新聞等でも御案内のとおりであるけれども、七時雨山ろくのスキーリゾート計画については開発主体の方から断念したいというお話が出ておるし、稲庭岳の総合開発計画についても、経済情勢を理由にしてその作業が中断しているということである。現在、大規模開発スキー場といったような開発が進んでいるものはないと聞いておる。

〇菊池(雄)委員 ゴルフ場はどうであるか。
 それから、ここ5年間ぐらいで結構であるが、その利用客、集客数の傾向はどういうふうになっているか。

〇相馬観光課長 スキー場の利用客数であるけれども、ここ5年間ということであるが、平成3年が370万人回ということでどんどん伸びてきたわけであるが、それ以後経済の低迷であるとか、あるいは阪神・淡路大震災といったような面などの影響、三陸はるか沖地震というものもあったわけであるが、そういう影響等もあり、平成6年の実績では338万4、000人回ということで減ってきているような傾向となっておる。
 それから、ゴルフ場についてであるが、ゴルフ場は伸びてきており、平成2年が62万3、000人ほどの利用客であったが、平成6年においては73万人ほどということで、ゴルフ場の方は増加傾向となっておる。

〇菊池(雄)委員 スキー場については岩手と競合するエリアとしては、青森、北海道があると思う。要するに、スキーの集客数というのは関西とか九州、そっちの方まで伸びておると思うので、競合するエリアというのはそういう状況で、この青森とか北海道の開発状況をもし調査しておったらお知らせを願いたいと思う。
 スキー場の利用客は、今お話あったように減少していると。ゴルフ場はふえておるが、さっきのゴルフ場の現在の数、それから開発予定の箇所、これはもちろん商工労働部では全体枠が把握できないと思うけれども、これは多分条例による県の事業協議、事前協議を申し入れている地域をさっき計画中というふうにお話したと思うんであるが、かなりあるんじゃないか、その予定している箇所というのは。いずれも、スキー場もゴルフ場もこれ以上増設すると、いわゆる共倒れになる危険性があるんじゃないだろうかと、そんなことを私は懸念するわけであるがどうなんであろうか。

〇古館商工労働部長 今、委員がおっしゃたように、開発許可は企画調整部の担当になっておるので、どの程度上がっているかちょっと数字は把握してないが、今、委員おっしゃたように、確かにスキー客はもう頭打ちになっておるわけである。ゴルフはまだ若干ふえているようであるけれども、これもそろそろもう頭打ちになるんじゃないかと思う。いずれ当部とすると、観光振興の面からは優位なものであるけれども、そういった全体的な頭打ちの中で今後どうしていくかということになるわけであるが、余り大きな数というものはこれから望めないであろうと思っておる。いずれ開発にしても、自然環境との調和に配慮した適正な開発というものがなされていかなければならないであろうと思っておる。今、計画も新聞紙上等にも出たり今度はするわけであるし、実際に開発許可の手続がどの程度とられておるかということについては、ちょっと把握しておらないので御了承いただきたいと思う。

〇菊池(勲)委員 1点だけお尋ねしたいと思う。中小企業の情報化対策支援についてお伺いする。
 今日、情報化を取り巻く状況はコンピューターのダウンサイジング化、高制度化、低価格化、マルチメディア技術の開発、さらには世界規模での情報ネットワーク・インターネットの急速な普及など、目まぐるしく変化しておる。こうした状況のもとに、企業においては情報機器をこれまでの合理化、処理化のために導入する段階から、経営上の最も重要な手段として導入を図る段階にあると言われておる。今まで中小企業にあっては、情報処理要員などの不足等により十分な情報処理システムの活用は難しかったのであるが、昨今のダウンサイジング化、低価格化、ソフトウェアの標準化など、情報化環境の整備により中小企業の情報化のための条件は急速に整いつつあると思う。しかしながら、さまざまな情報を蓄積、加工したデータベースの活用や通信網等の情報ネットワークの活用については、中小企業は大企業に比べ大幅におくれていると言われておる。したがって、中小企業者に対し、その必要とする情報の提供やネット化により経営の高度化、合理化を支援することが情報化分野での大企業との格差の是正に不可欠であり、中小企業者に対する情報化支援機能の強化、支援策の充実が強く求められているところである。ついては、今後中小企業の情報化を支援するため、どのように対応していく所存かお伺いをする。

〇山火中小企業課長 中小企業の情報化対策についてお答えする。
 県では、中小企業の情報化の進展に対応して昭和63年財団法人岩手県中小企業振興公社内に産業情報センターを設置して、平成5年から情報ネットワークシステムの運用を開始するなど、情報化のための本格的な支援を行ってきたところである。しかしながら、委員御指摘のとおり、近年ダウンサイジング化、機種間の互換性の向上、ソフトウェアの標準化など、情報化を進める環境も改善されておる。情報化の環境整備が急速に整いつつあると考えておる。
 平成7年5月に実施したコンピューター利用実態調査によると、県内中小企業の64・5%の企業がコンピューターを導入しておるが、情報の蓄積、データベースの活用、通信ネットワークの活用といった面では対応が難しくなっているとされておる。したがって、今後とも、県産業情報センターにおいて実施しておる電子計算機利用促進診断、情報化アドバイザーの派遣等により中小企業の情報化を支援するとともに、パソコン通信ネットにより中小企業者のネットワーク化、地域固有データベースの整備や商用データベースとの接続を通じて、経営上必要とする各種情報の提供を行うなど、引き続き情報化を支援していくこととしておる。さらに、平成8年度からは新規事業として、情報化モデル企業育成事業を導入して、ハードの助成とあわせてソフトに関する指導を継続的に行って、情報化の模範となる中小企業を支援していくこととしておる。

〇谷藤委員 最初に、いわてまるごとキャンペーン事業についてお伺いをしたいと思う。 昨年、本県では総合的なPRのためということで首都圏の地下鉄や私鉄のサイドなどにスキー&スパいわてという題でポスターをそれぞれ張ってPRをした。これは、かなりこのポスターは立体的なものでかなりほかの自治体では取り組んでいないようなすばらしいポスターという評価も受けているとうかがっているけれども、これらは積極に取り組まれたことを評価するものである。それでこのキャンペーンの事業を行った上で、どのように分析をして、どのように評価されているのか、お聞かせをいただきたい。

〇相馬観光課長 今のまるごとキャンペーンの件であるけれども、今御質問あったように、首都圏等のJRの車両であるとか、あるいは私鉄の地下鉄の車両などにポスターなどを張って、本県のイメージアップ等についてPRしたわけである。実績としては、平成5年度からやってきておるが、平成7年度においては延べ16日間張られて、車両数にすると1万2、000車両に車内ポスターが掲載されておる。これの効果ということで、これを定数的に把握するということはなかなか難しいところではあるけれども、例えばいろんなポスターに張ったイベント等の反響を見ると、その張ったことによってイベントに参加する人の数が増加している、あるいはそれに関連した問い合わせが増加しているということで、そういうふうに大きな反響があったと思っているところである。非常にこのポスターについては県産品の販路拡大であるとか、あるいは企業誘致あるいは観光及び誘致ということでよりその効果が期待できるので、今後ともこのキャンペーン活動については展開をしていきたいと考えているところである。

〇谷藤委員 今後ともぜひ頑張ってこれらを継続して、岩手のPRをぜひお願いをしたいなと思うわけであるけれども、これらを継続していく上で、やはり今も評価いただいたわけであるけれども、ちょうど分析をしていく必要もあるんじゃないかなと、相当な金額を投入してやっていくわけであるから、ぜひ効率のいいPRをお願いしたいなと思うわけである。やはり、どういう客層を対象にしてPRしていくか、それから、PRする時期というものもあると思う。16日間やったというけれども、今度は何にターゲットを絞って、売り込む、そういう時期も検討していかなきゃないだろうと思うんであるけれども、特にも今、花巻空港の利用客をふやしていこうということで、一生懸命県の方でも取り組んでおられるわけであるけれども、この花巻空港との利用増進を含めた形での取り組みというものが、これからのそういうキャンペーンなりPRの中で必要になっていくんだろうと思うんであるけれども、その辺について何か特別な企画等をお考えなものがあるかどうか、お知らせをいただきたい。

〇相馬観光課長 花巻空港利用促進のキャンペーンということであるけれども、花巻空港の利用促進をすることは県政の重要課題であると思っており、我々も企画調整部の方と連携をとりながらいろいろと進めているところである。例えば、旅行会社の方々を招待するとか、あるいは雑誌記者等を招待をしながら本県の魅力についてわかっていただいて、それらを関西圏の方でPRしていただくということを考えておるし、特にも、冬場の観光客も落ち込むわけであるので、そういった面で大阪においてスキースパリゾートいわての夕べといったようなキャッチフレーズのもとで、大阪圏の若い人を対象にしてキャンペーン等を展開をしているところである。
 これらも平成5年から続けてきているわけであるが、ちなみに平成8年の2月までの大阪線の利用状況を見ると、前年比で127・8%ということで、こういったものも効果ということでこれが数字になっているのかなと思っておるところである。今後とも、こういうようなものについては継続してやっていきたいと思っておる。

〇谷藤委員 ぜひ積極的にやっていただきたいなと思う。特に、本年度の場合は、宮沢賢治、石川啄木の生誕祭ということで、全国に向けたキャンペーンが相当必要になっていくんだろうと思うわけであるけれども、全国に向けたキャンペーンの張り方というか、その辺どういうふうに考えておられるのか。

〇相馬観光課長 宮沢賢治の生誕百年にちなんだキャンペーンであるけれども、平成7年からこれも取り組んできておってことしから、今年度から取り組んでおるわけであり、本年度においては首都圏であるとか大阪圏において、いろんな書店を利用したとか、あるいはツアーエキスポを利用してキャンペーンを展開してきているところである。そのほかに今年度も予定されておるものとしては、4月早々には旅フェアというものが幕張メッセで開催をされる。そういうようなものにも賢治、啄木の生誕祭をPRしたいと思っておるし、また、物産観光展、これは大阪とか名古屋とか東京とかで開催されるが、そういう物産展を利用したものを考えているところである。そのほかにも、県内のテレビ局の方において、記念の番組を全国的に展開するといったようなことも予定されているところである。そのほかには、エコーはがきを発売するとかあるいは賢治の8月27日生誕に合わせて記念切手が出されるとか、そういったようなことなどもあるけれども、いずれ、できるだけの手段、方法を使って賢治生誕祭のPRをしていきたいと考えておる。

〇谷藤委員 ぜひあらゆる機会をとらえてPRをしていただきたいと思う。スキーとかゴルフとか、そういうのと違ったまた文学的な意味での関心を持っておられる方が本県を訪れるというような形にもつながっていくんだろうと思うので、今までとまたちょっと違った視点でも、そういうPRの場所ということを考えられるんじゃないかと思うので、その辺も積極的にお願いしたいと思う。
 次に、人材確保対策についてお伺いしたいけれども、ふるさといわて財団でも積極的にいろんな機会をとらえて就業の機会というか雇用の確保、その辺、新卒者に向けてのいろんな機会をつくっていると思うけれども、その辺の実態と、それとあわせて雇用の創出ということにつながるため、どうしても企業立地課サイドでそういう仕事をつくっていくようなことを一生懸命やらなければならない。卒業生はどんどん出てくるし、働く場所をつくっていかなければならないということもあるから。すると、そこに当然企業立地課サイドでも頑張っておられると思うが、その連携というのはどうなっておられるか、その辺お伺いする。

〇遠藤職業安定課長兼人材確保対策室長 ふるさといわて定住財団では、主として大学等の卒業予定者等に対して人材確保の事業を行っており、県としては、この財団との連携のもとに就職ガイダンスや求人説明会の開催などにより、まず地元大学等の学卒者の県内定着を促進するとともに、東京にある岩手県Uターンセンターにパソコンを設置しており、県内の求人それから生活環境についての最新情報を提供したり、Uターン、Iターンフェアの開催やUターン情報誌の発行等により、本県出身の技術者や大学等のUターン及び本県出身以外の方で本県出身を希望する方の本県就職を促進するなど、人材確保に努めているところである。
 雇用機会の創出については、御指摘のとおり、企業誘致、これは大変効果的であると認識しておる。今後とも、優良企業の誘致に積極的に取り組んでまいることとしておるが、その際に誘致企業で求める人材を円滑に提供していくことが大変重要であるので、職業安定課と企業立地課の連携を一層強めて、企業誘致のニーズを踏まえながら、公共職業安定所での人材のあっせんや県で登録を行っておるUターン、Iターン求職者の情報の提供などの対応に努めてまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 次に、財団法人の盛岡コンベンションビューローについてお伺いしたいと思うけれども、県は設立に際して、かつてたしか7、500万出捐していると記憶しているけれども、全体の目標というのは3億円か何かに設定されておったと思うけれども、今の出捐状況というのはどうなっておられるのか。それからまた、その財団の事業の目的はコンベンションの誘致とか主催者に対する支援とかいろいろ観光資源の広報宣伝などにあったと思うけれども、その成果と評価をお伺いする。

〇古館商工労働部長 盛岡コンベンションビューローの出捐状況であるが、基本財産の最終目標年度は平成8年度であるわけであり、目標額が約3億ということになっておるが、2月末現在の実績では2億9、648万となっておるところである。この3月までの出捐確約というものを言うと、この3億円は目標どおり今年度末で達成される見込みである。成果であるが、ビューローでは平成6年8月の設立以来、緑の少年団全国大会から明年度予定されておる日本文化デザイン会議など、計8件ばかり誘致をしているところである。活動の実績を見ると、運営はどちらかというとボランティアの支援によるコンベンションサポーターといおうか、そういう関係の派遣を考えているわけであるが、平成6年度は56件の実績があるようであるし、それから平成7年度2月末で75件見込まれているところである。徐々に実績を上げてまいっておるわけであるが、県としても今後とも各種スポーツあるいは文化等の大会や会議の促進というか、関係団体等の連携を密にしながら実績が上がるように努力してまいりたいと、このように考えておる。

〇谷藤委員 それなりの成果を上げながら今進めておるようであるが、今後とも継続的に活動できるような形で県の指導もよろしくお願いをしたいと思う。
 次に、国際的文化イベント基本構想の策定の部分についてお伺いをしたいわけであるけれども、本県の高度かつ豊富な地域伝統芸能を活用した国際的な文化イベントを開催するために、本年度は実施計画の策定や実行機関を整備して、いよいよ平成8年度にこれを事業実施という運びとお聞きしておるわけであるけれども、現在の取り組み状況、これらについてお知らせをいただきたい。

〇相馬観光課長 国際的文化イベントということであるが、伝統芸能を活用したイベントということで、本年度地域伝統芸能全国フェスティバルといったようものを開催することにしているわけである。時期であるが、6月14日から17日までの4日間であり、盛岡市とそれから滝沢村の方で開催することにしており、国内の北は北海道から南は九州、沖繩までであるが、その著名な芸能団体のほかに海外からも芸能団体を招聘して公演をするということで、滝沢村の産業文化センターを使った公演、それから盛岡市内でのパレードなどいろいろと考えているところであり、にぎやかなお祭りにしていきたいと思っておるが、そのほかにも地域伝統と地域活性化を考えるシンポジウムなども開催して、伝統芸能の振興に努めていきたいと思っているところである。

〇谷藤委員 最後になるけれども、さわやか岩手イメージアップ大作戦、これ非常にすばらしい計画であり、本当に取り組みに対しては大いに敬意を表する次第である。非常にこれらの休憩施設とか主要観光地のトイレが水洗化されて、非常にさわやかな感じになったと思っておるわけであるけれども、これからが維持管理という分野、これら整備されてきて、今度市町村にその管理というものが移されていっているんだろうと思うけれども、ただ、その市町村に任せたからもういいんだというような形で果たしていいのか、その辺ちょっと思っている。せっかく県の方でそういう取り組みをされて、管理、維持、その辺を含めても、今後とも県の方でさわやかに継続的に管理まで取り組んでいくということも必要じゃないかと思う。その辺で、今後の整備後の取り組みというのはどう考えておられるのか、その辺をお伺いする。

〇古館商工労働部長 このイメージアップ、さわやかトイレについては、御案内のとおり、市町村が観光地に設置した旧式のトイレを県が整備したという経緯がある。そういった面で基本的な、大きな修繕とか、そういうものについては当然県がしてまいるけれども、一般的な運営費については、市町村にやっていただくということで進んでいるわけである。非常に皆さんから評価も高いわけであるので、今後もこれをどのように進めていくかについては来年度以降検討してまいりたいと、こう思っておる。

〇久保田委員 1項2目の中小企業振興費の中の信用保証協会の出捐金にかかわって、ここだけに絞って質問をする。
 1つは、信用保証の現状についてであるが、保証承諾とか債務の残高、代位弁済、この状況が平成3年と比較した今日的な状況についてまず御報告いただきたいと思う。

〇山火中小企業課長 信用保証協会の保証実績についてであるが、平成3年度保証債務残高1、143億8、000万である。代位弁済はこの年で6億3、300万であった。現在、平成7年度進行中であるが、保証債務残高は1、672億1、700万、代位弁済については2月末で17億8、400万となっておる。

〇久保田委員 お答えによると、代位弁済が急激にふえているわけであるが、この特徴はどういう内容であろうか。

〇山火中小企業課長 御案内のとおり、今年度倒産が件数、金額とも大幅に増加しており、業種別に申すと17億8、400万のうちであるが、製造業が56・7%、小売業が12・9%、運送倉庫業が12%などとなっておる。

〇久保田委員 代位弁済がふえておること自体は、保証協会の運営にとって大変心配されることではあるが、代位弁済している内容は、不良債権として回収できる見通しはどうなのかについて伺う。

〇山火中小企業課長 御案内のとおり、信用保証協会が保証する際に、中小企業信用保険公庫に保険料を払って再保険に付すわけであるけれども、企業が倒産するとそれに伴って協会が代位弁済するが、通常その7割は信用保険公庫からてん補をされる。そのうち3割については、協会の経理基準上の当該年度に代位弁済した額から中小保険の回収があるが、回収がされたものを差し引いてその33%を中小保険償却準備金ということで積み立てることになっておる。

〇久保田委員 保険からのあれは8割じゃなかっただろうか、7割であろうか。

〇山火中小企業課長 無担保保険については8割であるが、通常一般保証については70%のてん補率である。

〇久保田委員 次の質問に入るが、第3期経営計画というのがあって、今回の1億4、500万の本県の出捐金、それに基づいてなされるものと思うのであるが、協会の本来の使命である目的は十分に達成されることになろうか。そこで、この計画の全体計画はどういうものになっておるのか、この機会にお聞かせをいただきたいと思う。

〇山火中小企業課長 信用保証協会では、平成8年度を初年度とする平成第3期経営計画を策定中であるが、基本的な考え方は、県内中小企業に対する積極的な支援、それから協会みずからの経営基盤の強化、これを骨子として平成10年、最終年度には保証債務残高を2、500億(後刻「2、300億」と訂正)にするということで計画していると聞いているところである。

〇久保田委員 本県の保証協会のことについてはいろいろ問題の指摘もあるようであるが、業務の課題については本県の場合浸透度が低い、言うなれば企業間における信頼度が低いのではないかとの指摘があるわけであるが、このことについてどういう見解をお持ちであろうか。平成7年12月末現在における企業の浸透度を調べた資料があるが、事業所数6万8、883のうち、利用事業所が1万2、486、18・13%の浸透度と言われておるが、この数値をどのように理解をすればいいのであろうか。

〇山火中小企業課長 先ほど御説明した平成第3期経営計画の中において、最終年度の保証債務残高の目標を2、500億としているわけであるが、現在の企業浸透度18%、これを20%まで高めるということで数値が成り立っていると聞いているところである。

〇久保田委員 市町村の中小企業者の中には、保証協会の対応に対して必ずしも好感を持っていない事業者がおるようである。言うなれば不満を持っておるようであるが、なぜそういう声が出るのか、どのような実態の把握をされておるのか、この際お聞かせいただきたいと思う。

〇古館商工労働部長 信用保証協会が保証等の相談を受けた場合においては、一定の保証条件、貸付条件というものがあり、それらを踏まえながら可能な限り貸し付けするような方向にはいっているわけであるけれども、審査内容の保証人等の関係で協議が整わない場合もあるわけである。ということで、結果として貸し付け実行がなされないような、保証ができないような場合があるわけである。であるが、中小企業者が置かれている厳しい環境というものは十分承知しておるので、できるだけ応じるようにはしておるけれども、先ほど申し上げたように、最低限度整えていなければならない条件があるわけである。そういうことになると、貸す側と借りる側というものの立場の違いも出てくるだろうと思うが、いずれは県単融資というような性格を十分考えながら、できるだけ対応するように努力はしているところであるし、今後においてもそういう方向で持っていきたいと、こう思っておる。

〇久保田委員 利用したい側から言うと、担保力を求められるとか連帯保証を求められるということで、借りたい側にとっては最も困難な状況に立ち至った場合の悩み事があるわけであるが、そのところに問題を絞られると、ほとんどにっちもさっちもいかないということになってだめと。よって、利用度が低いということになりやしないのかということで考えられるわけである。先ほど報告があったように、代位弁済もどんどんふえているという状況の中では、そういう厳しさというのは当然出てくるような気がする。しかし、浸透度が低いという実態があるわけであるから、そこのところをぜひ適切な御指導をいただきたいと思うのである。本県から出向されて行ったりOBの方が派遣されておるわけであるが、経営のあり方について硬直をしていないのかという心配もあるわけであるが、そうしたことについて御感想をお持ちではないだろうか。人事のあり方、派遣の。

〇古館商工労働部長 難しい御質問であるけれども、県から職員が派遣されたから厳しくなるとかならないとかということは次元の違う話だと私は思うので、やはり貸付金なり保証なりの性格というものを十分踏まえながら、どなたがやっても公平に行われるということが望ましいことであろうと思うし、そのようにやられているだろうと思っておる。

〇久保田委員 本県もそうであるし、県内の市町村が出捐金を拠出しているわけであるが、その状況は東北6県あるいは全国的に見てそのランクづけはどういう状況になっているだろうか。

〇山火中小企業課長 御質問にお答えする前に、先ほど平成10年の最終保証債務残高の目標、2、500億と申し上げたけれども、2、300億の間違いであるので訂正させていただく。
 全国の市、町の状況については把握しかねておるが、東北6県で申すと、市、町の出捐については、本県は3、000万であるが、青森県で3、400万、宮城県で3、600万、秋田県5、000万、それから山形で4、000万、福島で2、500万等となっておる。

〇久保田委員 最後である。要望になるわけであるが、保証協会のあり方については体質の強化もあろうし、経営基盤の安定のための努力もおのずから求められなければいけない点もあろうかと思う。そこには、常に指導機関である商工労働部の存在があるわけであり、適宜適切な御指導に意を注いでいただいて万全を期していただきたいと、こう思っておるので、最後の意見になる。

〇斉藤委員 それでは何点かお聞きする。
 最初に不況対策について、私本会議でも詳しくお聞きしたので具体論でお聞きをする。 岩手県商工団体連合会が、中小業者の営業と暮らし実態調査を行った。841業者のアンケートである。それによると、昨年に比べ売り上げが減少したと答えたのが58・9%、約6割が前年比売り上げが減少した。それで、借入金の借り入れ先であるけれども、第1位が国民金融公庫43・1%、第2位が地方銀行35・8%、第3位が信金、信組28・1%、第4位が金融業者、ノンバンクになるであろう、11・3%、第5番目に自治体融資9・9%である。それで、私、本会議でも聞いたんだけれども、せっかく県単融資制度、枠を拡大し利率も下げて制度としては大変立派なんだけれども、中小零細業者である、実際の借り入れ先で5番目である。私これで質問したら、部長の答弁はこういう答弁であった。貸し付け条件の改善に努めるなど、県内中小企業者ができるだけ利用しやすい制度となるよう努めてまいりたいということで、現実に自治体融資は借りにくいものとなっているが、県単融資の改善について具体的にどう検討されているかお聞きする。

〇山火中小企業課長 県単融資制度については、中小企業者のニーズにこたえるため逐次改善を図っているところであるが、平成7年度においては今までに既に2回金利の引き下げを行ったほか、特別小口資金それから普通小口資金の貸付限度額の引き上げ、特別小口資金の貸付対象者の拡充、さらには信用保証料の引き下げを行ってきているところである。平成8年度においては、貸付限度額、貸付期間、据置期間の改定を予定しており、貸付限度額については商工観光振興資金の設備資金を5、000万から7、000万に、運転資金を3、500万から5、000万に引き上げするほか、貸付期間については商工観光資金の設備資金を10年から15年に、運転資金を7年から10年に、中小企業経営安定資金の貸付期間であるが10年から15年に延長することにしておる。
 なお、据置期間については、中小企業経営安定資金について2年から3年に延長することを予定しておる。
 なお、今後とも、県内中小企業者ができるだけ利用しやすい制度になるよう改善に努めてまいりたいと思っておるので、御了承いただきたいと思う。

〇斉藤委員 そういう枠の拡大とか限度額だとか利率も私改善されていると思う。これは私評価している。しかし、窓口でこの制度が借りられないというのが最大の問題である。
 それで私立ち入って聞くと、信用保証協会の場合は初めて来る人についてはやっぱり厳しくなると。何回もつき合っていると大体事業実績もわかってそれなりになるんだけれども、初めて困って来る人については厳しくなるということである。だから、日ごろからつき合ってほしいという話もあるけれども、これは調子のいいときはやっぱり銀行から気軽に借りると。私はそういう点で、今5年目の不況であるから、久保田委員も今信用保証協会の問題を取り上げたけれども、こういうときだからこそ初めて信用保証協会への相談がふえてくる。だから、そのときに厳しく審査という側面もあるけれども、やはりよく面倒を見て、せっかくの県単融資が活用できるような窓口の対応、ぜひ私は強力に改善をしていただきたいと思う。それだけでかなり私、融資実績を引き上げることができるんじゃないかと、こういう感じを持っておる。県から優秀な方が再就職しているわけであるから、ぜひそういう対応を強く求めたいと思う。あわせて、来年度の融資枠は7年度に比べてどうなるか、これを教えてもらいたい。

〇古館商工労働部長 今、委員おっしゃったようなことについては、今後も十分努力していかなければならないものだと思う。御案内のとおり、県単融資制度そのものは金利、期間等の条件を有利にすることによって民間の金融機関の融資を補完するという性格もあるわけなので、できるだけ中小企業者が利用しやすいような改善を今後も可能な限り行ってまいりたいと思っておる。しかし一方、法的な制度とは言っても、やはり貸し付けに係る一定の諸条件というものがあり、借りる側においてもそれを整えるように努力していかなければならないものがあろうかと思う。今後ともお願い申し上げたいと思う。

〇山火中小企業課長 平成8年度の県単融資制度の融資枠であるが、総額で345億5、000万を予定しておる。平成6年度最終枠が296億9、500万であった。

〇斉藤委員 次に、大型店問題についてお聞きをする。
 佐々木一榮委員からもこれ指摘があった。西根町の商工会が郊外型大型店の来客調査を行った。これは西根ツィンプラザというのであるけれども、日曜日の利用者総数が7、439人、家族連れが8割であった。平日が2、260人。利用者の内訳は、地元西根町が41%、松尾村が18%、安代、岩手町、玉山、それぞれ6%ないし8%。それで、地元商店街に行く回数に変化があったのか、この問いに対して大幅に減った、26・4%、少し減った30%、あわせて56・4%が地元商店街に行く回数が減ったと答えている。これは大変重大な影響だと私は思う。一方で、地元商店街に対してこういう声も出ている。鮮度がよい。いい商品は地元で買う。また、接客態度が悪い、商品陳列が悪いなど、積極面と同時に、こうした率直な注文も出ているようである。それで私は、地元商店街への影響が大きい西根町で県政懇談会が開催された際、行政として地元商店街への支援策を求める意見、提言が出された。これは知事出席の県政懇談会である。これを県はどう受けとめ対応しようとしているか。西根ツィンプラザは年商20億円の目標、西根町の小売売上高の何%にこれはなるか。大型店に対応する地元集合店構想はどうなっているか。借金の見通しがなく、参加希望者がほとんどないと聞いているが、いかがであろうか。

〇小瀬川商政課長兼岩手ブランド推進室長 まず、西根町の商店街の支援、対応についてである。
 県としては、これまでもハード、ソフトの両面から商店街の活性化を支援し、地域の個性を生かした魅力ある商店街づくりを推進してきたところであるが、平成8年度においては、さらに集客力の向上を図るためのポイントカードの導入など、商店街のカード化を助成することとしておるし、さらにまた魅力ある商店街整備事業を拡充して、空き店舗対策や市町村が商店街のために実施する公共施設の整備についても助成することとしておる。西根町においては、特定商業集積法に基づくまちづくりに向けて、平成6年度に特定商業集積基本構想等の作成調査というものを実施しているところであり、商店街の集客の核となる共同店舗化やコミュニティー施設、駐車場、街路などの公共施設と商業施設の一体的な整備を図る総合的なまちづくりを目指しておることから、これらを積極的に支援してまいりたいと考えておる。
 次に、西根町ツィンプラザの目標年間売上高についてであるが、平成6年度商業統計による西根町の年間小売販売額については177億であり、およそ占める割合は11%と見込まれるところである。
 次に、地元集合店構想についてである。
 地元の商店街組合が中心となり共同店舗を計画しており、平成11年のオープンを目指していると聞いておる。現在は高度化事業を導入するために、町や岩手県中小企業団体中央会等の指導を得ながら事業計画の検討を行っておる。県としても実施に向けて指導、支援してまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 西根町の場合、こうである。
 地元の商店街、実は西根ツィンプラザに入ろうとした、テナントで。ところが5、000万から1億借金しなければならない。もう既にあそこは中型店が進出するときに、それに対応するということで一度借金をしている。今度大型店が来たからといってまた借金をして、そういう対応ができないというのが現状である。私はだから、そういう点で行政が地元の商店街を支援しないと資金力で太刀打ちできない、これ現状である。今、大更駅前の商店街整備計画などもあるようであるから、私は地元商店街の意欲とかというだけでなくて、実際に資金力で対応できない場合、行政がどうまちづくりの問題を含めて対応するかが問われていると思うので、これは西根の件については要望しておく。ぜひ、そういう検討を県政懇談会でも出た意見であるから、積極的に行政が支援策を検討していただきたい。
 それで、次に大型店の具体的な問題についてお聞きするが、大型店の売り上げは減少している。2月28日付日報を見ると、これは前年比1・8%、1、355億円減少である。ところが、大型店の売り上げが減少しているにもかかわらず、どんどん進出している。結局どうなるかというと、地元商店街との共存共栄どころか、大型店同士の激しい競争、死に物狂いの競争になっているのが現状である。それで、私はその点で大型店の進出状況、売り場面積に占める割合、地元商店街との関係がどうなのか、具体的にこういうことを聞く。決算特別委員会で、全県的な小売面積に占める割合は44・6%と、こう答弁いただいた。50%を超える市町村はどうなっているか。それぞれ高い方から、売り場面積の占める比率をお知らせいただきたい。そして、地元商店街との関係についてどう見ているかお聞きをする。

〇小瀬川商政課長兼岩手ブランド推進室長 まず、大型店の進出状況であるが、これは前にお答えいたしておるけれども、平成6年度においては第1種が10店ある。第2種が25店。平成7年度は3月1日現在であるが、第1種9店、第2種が21店となっておる。 次に、大型店の占める占有率というか、小売業面積に占める大型店の占有率であるが、これは県平均がおっしゃるとおり44%であるが、高い方から申すと北上市が70・6である。続いて前沢町が66・7、それから一関市が56・7、それから金ヶ崎町が55・2、盛岡市が54・9と、このほかにもあって、全部で10市町が50%を超えておる。 次に、大型店進出による地元商店街とのかかわり、影響についてということであるが、平成6年の商店街実態調査によると、各商店街が当面している課題としては、駅前に立地した大規模小売店の影響というのが大宗を占めておる。これは労働サイドや郊外などの商店街の地域以外に進出した大型店の影響を受ける傾向が強くあらわれており、商店街の現状は厳しい状況となっておる。

〇斉藤委員 今お話しあったように北上はもう7割を超えると、そして前沢町は66・7%と、もう本当に限界点を超えているという感じである。私はその点で、例えば今紫波町に6つ目の大型店問題が出ている。紫波町は現状は52・6%なんだけれども、このツィンプラザが出るとこれは6割になる。それで新聞報道によると、1982年408店あった商店が94年340店で、64店既にこんなに減少している。これ本当に大変である。だから、私は大型店の進出に一律に反対ではない。地元商店街とのそういう共存共栄の関係になれば私賛成なんだけれども、しかし実態はもう共存共栄ではなく大型店同士の競合、そして地元商店街が駆逐されていくということになっている。
 私、それでお聞きしたいのは、こうした大型店進出にかかわる地元商店街や地域まちづくりの影響について、県として調査を行うべきだと思うけれども、いかがであろうか。

〇小瀬川商政課長兼岩手ブランド推進室長 影響調査についてであるが、これは商店街の実態を把握するために関係団体と一体となって、先ほど申し上げたが岩手県商店街実態調査、それから岩手県消費購買動向調査、そういったものをそれぞれ3年に1度実施しているところである。平成6年に実施しておる。

〇斉藤委員 私もその商店街実態調査を見て決算でお聞きした。問題は、やっぱり具体的な問題である。西根の商工会がやったように、西根ではどういう影響があるのか。例えば北上なんかの場合は7割を占めるわけであろう。北上ではどういう影響があるのか、総体論ではなくて。私は特に6割、7割を占めるようなところは本当によく調査をして、そこでの商店街の振興策を真剣に考えていかなければならないと思う。私そういうことを聞いたので、やったことをもう1回やれと言っていることではないので、ぜひその点を踏まえてやっていただきたい、どうであろうか。

〇古館商工労働部長 ただいま委員がおっしゃるように実態把握というものは重要なことだと思うので、今後前向きに検討してまいりたいと思う。

〇斉藤委員 次に、県北の工業団地問題についてお聞きをする。
 二戸、久慈に工業団地が岩手県土地開発公社によって造成をされている。地元の自治体から地元の負担が大きいと、こういう声がある。
 それでお聞きする。工業団地の造成事業費、そして地元自治体負担分はどうなっているか。団地造成に伴う関連道路、水道などの地元負担額を県は把握しているか。

〇大沼企業立地課長 工業団地の造成事業費と地元負担であるが、まず二戸地区の工業団地の総事業費は、概算見積もりであるが約15億円である。このうち、地元市の負担額は2億7、000万ほどと見込まれておる。また、久慈地区の工業団地の総事業費は、こちらは設計額で約17億円である。うち、地元負担額は約3億8、000万円と見込んでおる。
 一方、団地外の関連道路あるいは上水道等の公共事業については、団地周辺地域の一体的な環境基盤の整備を行っており、これをあわせてこれから行うので、二戸市については約20億、久慈市については約2億円の事業費と見込まれておる。

〇斉藤委員 今お話しあったように、例えば二戸の場合は、15億8、000万というのが事業費総額で、そのうち2億7、000万円の地元負担がある。これ団地内の道路そして公園、こういうものが地元自治体負担である。そしてそのほか二戸の場合は22億8、669万円、水道を通す、アクセス道路を通すのでこういう負担がある。だから、総事業費よりも団地をつくるので関連の負担がもっと自治体が大きくなると、こういう大変な事態である。
 それで私お聞きしたいんだけれども、二戸、久慈の場合、以前に造成した一関東工業団地造成の場合と条件が違っていると思うけれども、どう違っておるであろうか。

〇大沼企業立地課長 一関東工業団地の造成に当たっては、団地内の道路の用地についても公社が取得した。そしてその後一括造成を行ったものである。県北も両工業団地の場合はこれとも一部異なっておる。それは、県北の両団地の場合は分譲価格を低減し、また、競争力を高めるという観点から、オーダーメイド方式によって造成することとした。そのためには、道路を先行して整備する必要があるので、この整備を市道として市が行うこととしたものである。

〇斉藤委員 ここに覚書がある。東工業団地の場合、主要進入路については買い取りは自治体であるけれども、土地開発公社が設計、盛り土工事、施工すると、これ進入路である。そして、これは団地内の連絡道路についても用地は自治体が取得するけれども、設計と施工は土地開発公社がやると。上水道については、これは土地開発公社が設置する受水槽、ここに市が給水すると。下水道の問題についても、敷地内にこれは土地開発公社が施設すると。いわば東工業団地の場合は、工業団地の中も含めて土地開発公社が基本的には責任持ってやったと。ところが、条件の悪い県北になると、公園から道路から水道から全部自治体である。久慈の場合は本当にひどくて、久慈の平沢団地というのは30・5ヘクタールあるんだけれども、県の土地開発公社が買った土地はたった8・6ヘクタール、いわば工業用地にするところだけ買った。だから、地元ではこれはせんべいの耳だと言っている。いわば使うところだけ県が買って、あとは、30ヘクタールの工場用地は残されたものは自治体持ちと、大変な差別であり、本来県北にこういう工業団地をつくろうというのであれば、もっと県や土地開発公社が県南よりも条件をよくやるべきだと思うけれども、いかがであろうか。

〇大沼企業立地課長 御案内のとおり、久慈地区の工業団地で公社が取得するのは8・8ヘクタールである。これは久慈地区の場合は現在の用地が久慈市の所有地である。公社としては、工場用地として分譲可能な8・8ヘクタールのみを購入することとして、残りの部分、これは道路であるとかあるいは公園、その他公共施設用地であり、引き続き市が利用することとなっている部分である。したがって、その部分は購入する必要がないものである。

〇斉藤委員 県から見ればそうなるんだろうけれども、地元は決してそうじゃない。ほとんど利用するようなところがない、造林の地帯しか。
 それで私聞くけれども、久慈の場合は港湾整備計画で既に6ヘクタールの工業用地が造成されている。港湾整備の計画ではさらに47ヘクタールの工業用地を造成する計画である。そのほかにまた工業団地をつくる。私は、商工労働部が土木部と連携してやっているのか、こういう企業誘致の見通しを持ってやっているのか大変疑問であるが、いかがであろうか。

〇大沼企業立地課長 久慈地域の場合は、県央、県南地域に比べて雇用の場が少ない。若年層の流出も多い現状である。こういった観点から、優良企業の導入を図るべく、その受け皿として拠点工業団地の整備を今計画し進めているところである。一方、久慈湾の港湾計画においても、工業用地の計画があることは承知しておる。私どもとしては、今後とも土木部との連携を図りながら進めてまいる所存である。

〇斉藤委員 実態を言うと、久慈の工業団地はかなり厳しいと恐らく皆さん受けとめていると思う。ところが、港湾整備でもさらに40ヘクタールの計画がある。私は何でこれが成功されないのか。私はそういう点で今からでも遅くないので、そういうもっと整合性を持って厳しい地域なんだから、本当にそういう工業団地、工業用地が必要なのかどうか吟味して、やる場合には地元の負担を本当に軽減すると、こういう立場でやっていただかないと、新たに自治体に水道を通したけれども来なかったら住民の負担になるから、私はそういう点で自治体負担の軽減策をとる必要があると思うけれども、いかがであろうか。

〇古館商工労働部長 今委員から御指摘あったように、久慈の港湾整備計画でも工業用地の造成計画であるけれども、御案内のとおりあれは湾口防波堤との関連があり、もっと先のことだろうと思っておるわけである。そういう面で、その前にある程度企業誘致をし地域の活性化を図りたいという意味で商工労働部、うちの方で手がけたという経緯がある。したがって、今後の動向を見ながら港湾整備の方とは連絡をとりながら、密にしながら、その辺は今後検討していく課題だろうと、こう思っておる。
 それから、いろいろな負担軽減の話があったが、市町村がやる場合にはできるだけ良質な起債を入れてあると、あるいは国庫補助の導入を図っていくという支援をしているわけである。今般、御審議をお願いしている中に、県北、沿岸についての工業誘致については、県は立地する際に必要な資金について市町村が補助した場合は特に県も補助するという新たな制度を設けたわけである。いずれは県土の均衡ある発展という面から、今後も1つの方策として新しい補助制度を設けたわけであるので、今後も努力してまいりたいと思う。

〇千葉(浩)委員 古館商工労働部長には、この3月をもって県を勇退されると伺っておるので、私から送別の言葉を述べさせていただく。
 古館商工労働部長には、昭和31年に岩手県総務部統計課勤務を振り出しに、39年余りの長きにわたり県の職員として歩んでこられ、この間数々の要職を歴任された。特に、アジアで初めて開催された平成2年のアルペンスキー世界選手権大会の実質責任者として、国際大会の開催準備に全力を傾けられた。この国際大会の開催はだれもが初めての経験であり、開会準備から開催に至るまでの御苦労は、並大抵ではなかったものと拝察するものである。大会は、季節外れの大雨と極端な異常気象に見舞われたが、古館商工労働部長の卓越したリーダーシップのもと、役員やボランティアを初めとする大会関係者が一丸となって最大限の努力と情熱を傾注し、この試練を乗り越えられ、大会史上最多の42の国と地域の参加のもと、盛岡・雫石大会を成功に導くことができた。
 このような逆境を乗り越える献身的な御努力は、岩手県民のたくましさと誠実さを国内外に強く印象づけ、大会運営に対する高い評価につながったところである。この大会を通じて、本県が国際的なビックイベントを立派に開催できることが実証され、この成功によって得た自信と大会に向けて結集された県民の熱意は、岩手のさらなる発展の大きな財産として、必ずや今後に生かされていくものと確信をしておる。
 この大会の成功は、ひとえに古館商工労働部長のお人柄と卓越した識見によるものと高く評価する次第である。また、平成5年4月には、持ち前の調整能力が評価されて岩手県議会事務局長に就任され、激動する時局の中にあって誠心誠意務められ、議会運営の円滑化に多大の貢献をされた。さらに、平成7年4月に商工労働部長に就任されたが、持ち前の揺るぎない信念と情熱を持って本県商工業の振興、労働施策の推進に当たられるとともに、8年度から始まる3県総後期計画の策定に積極的に取り組まれ、部長在職わずか1年にして、商工労働行政の基本路線を確かなものにされるなど、その卓越した仕事ぶりに改めて敬意を表するとともに、心から感謝を申し上げる次第である。
 後進に道を譲り勇退される御英断に、古館商工労働部長らしさを感じるとともに、その行政手腕に惜しみ余るものを感じるのは、私1人にとどまるものではない。
 夏目漱石の草枕に、智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だという言葉が出てまいる。普通の人間はこのバランスが難しく、また、俗に公務員はどこか融通がきかないかたいところがあるものであるが、古館商工労働部長におかれては、この3つの最高の次元でよく調和されておった。優秀であるのみならず、人間味もあふれ、かつ、主張すべきところはきちんと主張され、非常にすばらしい、かつ、真に努力の方であったと思っておる次第である。
 部長におかれては、新たな道に進まれても御健勝の上、県勢の発展のため、なお御尽力くださるようお願い申し上げ、送別の言葉とする。
 なお、この際、部長の所感をお聞かせいただければ幸いと存ずる。(拍手)

〇古館商工労働部長 ただいまは、身に余るような多分なお言葉をちょうだいいたして恐縮に存じておる。
 顧みると、私が県庁に入ったのは、正式に採用されたのは33年である。というのは、当時の岩手県は財政再建団体に指定されており、職員採用もままならない時代であったわけである。今、考えてみると、当時の財政規模も恐らく130億前後だったろうと思っておるが、今は8、000億を超えるような大きな規模になっておる。この数値の違いを見ても、いろいろな深い歴史があるように思えてならないわけである。御案内のとおり、最近の商工労働行政は非常に厳しい環境に置かれておるわけである。特にも、バブルの崩壊そして円高の進展、あるいは規制緩和等自由化との問題があり、かつて経験したことのないような厳しい環境にあるわけである。特にも、今後はますます国際的な自由化の中で、日本が生きる道というのは非常に厳しいものもあるだろうと思う。それは、当然地方にも振りかぶってくるだろうと思う。
 私は、このたび37年間の公務員生活を終わらせることになったが、本当に皆様方にはお世話になった。今後は、一県民として県政に微力ながら御協力をできればと思っておるので、今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げる。ありがたかった。(拍手)

〇那須川委員長 これで商工労働部関係の質疑を終わる。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午後0時2分 休 憩
   
   午後1時3分 再 開

〇水上副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 医療局長から医療局関係の説明を求める。

〇中村医療局長 平成8年度岩手県立病院等事業会計予算の説明を申し上げる。
 予算の御説明を申し上げる前に、県立病院の事業運営に当たっての基本的な考え方について申し上げたいと存ずる。
 御案内のとおり、医療をめぐる環境は大変厳しい状況にあり、病院経営についても容易ならざるを得ない状況にあると受けとめているところである。国においては、21世紀の本格的な長寿社会に耐え得る医療システムを確立するため、医療供給体制の改革を進めているところであり、医療法の改正や診療報酬体系の改革など、国民医療全般にわたる改革が進められており我が国の医療は大きな転換期を迎えているところである。このように医療環境が大きく変化する中にあり今後の県営医療の展開方向としては、国の医療政策や県民の医療需要の動向を見きわめながら、それぞれの地域において県立病院が果たしている役割を踏まえ、県民医療の確保のため的確に対応していかなければならないと考えておる。このため、現在見直しを進めておる新しい経営計画の策定に当たっては、病院機能の分担と連携を基本に、将来を展望した良質で効率的な医療供給体制の整備と、これを支える安定的な経営基盤の確立を目指してまいることとしておる。
 平成8年度の事業運営に当たっては、このような基本認識のもとに、県下にあまねく良質な医療の均てんをという県立病院創業の精神に立脚しつつ、新たな経営計画の着実な実現に全力を挙げて取り組んでまいる所存である。また、医療事故の防止については、病院長会議等あらゆる機会をとらえ指導徹底を図っておるが、今後とも、職員の意識啓発及び最新の医療知識と技術の修得に努めるとともに、患者へのインフォームドコンセントに十分配慮しながら事故防止に万全を期してまいる所存である。
 それでは、予算の説明に入らせていただく。議案その1の49ぺージをお開き願う。
 議案第13号平成8年度岩手県立病院等事業会計予算について御説明を申し上げる。
 まず、第2条の業務の予定量であるが、病床数を6、338床と定め、年間延べ患者数を入院は197万3、000人、外来は435万5、000人と見込むものである。
 次に、病院の建築工事であるが、胆沢病院については平成9年度春の開院を目指し、また、久慈病院については平成10年春の開院に向け、それぞれ平成7年度に引き続き工事を進めようとするものである。一戸北陽病院については、用地の取得費、造成費実施設計料を計上するなど、それぞれ所要の事業費を計上したものである。
 なお、県の行政施策として、救命救急センターを大船渡、久慈両県立病院に併設することとなり、実施設計料等を計上しておる。
 また、医療器械の購入としては、49億5、000万円余りを予定しておるが、その主なものは、超電導式磁気共鳴画像診断装置(MRI)などである。
 次に、50ぺージに参って、第3条の収益的収入及び支出と、第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容については、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げる。
 続いて、51ページである。第5条の債務負担行為であるが、これは、高田病院の増築工事、福岡病院の合同公舎新築工事及び高田病院の附帯設備改修工事について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものである。
 第6条の企業債であるが、病院建築及び医療器械整備の財源として、起債の限度額を190億9、600万円とするほか、その償還方法等について定めようとするものであり、第7条は一時借入金の限度額を193億と定めようとするものである。
 次に、52ページに参って、第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものである。
 第9条は、薬品、診療材料等のたな卸資産の購入限度額を定めようとするものである。 第10条の重要な資産の取得であるが、1件が2万平方メートル以上で、取得予定額が7、000万円以上と見込まれる土地及び購入予定価格が7、000万円以上と見込まれる医療器械及び備品の取得を予定したものである。
 それでは予算に関する説明書の444ページをお開き願う。
 平成8年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画について御説明を申し上げる。
 まず、収益的収入であるが、第1款病院事業収益は1、042億3、500余万円で、7年度の最終予算と比較すると34億1、600余万円、34%の増加となっておる。
 第1項医業収益は916億9、000余万円で、1目入院収益は510億7、400余万円、2目外来収益は362億2、500余万円である。また、3目のその他医業収益は43億9、000余万円で、その主なものは健康診断料等の公衆衛生活動収益である。
 第2項医業外収益は115億4、600余万円で、その主なものを申し上げると、3目負担金交付金の106億5、200余万円は、高度医療や不採算地区病院等の経費に係る一般会計からの負担金であり、5目のその他医業外収益5億3、500余万円は、不動産貸付料等である。
 次に、445ページの第3項特別利益は、大船渡病院跡地等の売却益である。
 次に、支出についてであるが、第1款病院事業費用は1、046億500余万円で、7年度の最終予算と比較すると39億3、700余万円、3.9 %の増加となっておる。
 第l項医業費用は986億7、300余万円で、その主なものは1目給与費519億5、500余万円、2目材料費338億1、600余万円、3目経費は91億円余、5目減価償却費32億1、200余万円である。
 446ページをお開き願う。第2項医業外費用は52億9、700余万円であるがその主なものは、1目の企業債等に係る支払い利息47億900余万円である。
 第3項特別損失6億2、900余万円は千厩病院の旧建物の除却費などや胆沢病院の移転費用等である。
 以上、病院事業収益の合計額1、042億3、500余万円に対して、費用の合計額は1、046億500余万円で、収益収支差し引きで3億7、018万7、000円の純損失が見込まれ、結果平成8年度末の累積欠損金は91億2、891万5、000円となるものである。
 次に、資本的収入及び支出について御説明申し上げる。447ページである。
 資本的収入の総額は219億3、600余万円であるが、その主なものは、第1項企業債190億9、600万円で、これは、先に業務の予定量で御説明申し上げた、胆沢、久慈病院などの移転新築を初めとする病院等の施設整費及び医療器械の整備費に充てるものである。
 第2項出資金3億500余万円は、施設整備及び企業債の償還に充てるための一般会計からの出資金であり、第3項負担金23億2、700余万円は同じく施設整備等に充てるための一般会計からの負担金である。
 次に、資本的支出であるが、その総額は261億8、500余万円である。448ページをお開き願う。
 資本的支出の主なものは、第1項建設改良費は216億9、000余万円でその内容は、先ほど申し上げた病院の建築費等で、2目の建物費14億100余万円及び3目医療器械費49億5、000余万円などである。
 第2項企業債償還金は42億2、500余万円、4項の開発費は、情報処理システム等の開発費2億6、100余万円である。
 なお、449ページ以下の資金計画、給与費明細書及び財務諸表については説明を省略させていただく。
 以上で説明を終わるが、よろしく御審議くださるようお願い申し上げる。

〇水上副委員長 ただいまの説明に対し質疑はないか。

〇瀬川委員 医療局長、のっけから経営の厳しさをお話されて、本当に大学病院も売却しなければならないとか、そういう病院もあるようである。そういう中で御努力を重ねながら、県民の医療を全力を挙げて守っていただいておることに心より敬意を表する次第である。
 まず最初に、平成8年度の当初予算についてお伺いする。
 本議会に提案された平成8年度岩手県立病院等事業会計予算案においては、3億7、000万円余の赤字予算となっておる。しかし、先日議決した平成7年度岩手県立病院等事業会計補正予算においては、1億5、000万円余の黒字予算を計上しているところである。であるから、残念ながら少しは減らしたものの、平成8年度末で累損が91億という額に上るわけである。平成7年度の調子で経営の健全化を図ってもらいたいところであったが、平成8年度当初予算に赤字予算を組まざるを得なかった理由をお伺いする。

〇中村医療局長 平成8年度の予算の編成に当たっては、国の医療費抑制基調など、厳しい環境の中にあって良質な医療を提供するために診療体制の充実、収入の確保、あるいは、胆沢、久慈病院等の施設整備の促進と患者サービスの向上を柱に効率的運営に配慮しながら編成したものであるが、残念ながら赤字を組まざるを得なかったというものである。具体的には収入の面に参ると、入院、外来とも患者の大きな増加は認められない、あるいは現段階で診療報酬改定の影響がどれくらいになるかということが非常に予測することが難しいものであるので、その影響度を今回見込んでおらないものである。したがって、それによってあるいは若干改善されるのかなという感じもしておる。この結果、7年度の最終予算と比較して入院収益では0.9%、外来収益では4.9と見たものの収入の大幅な増加は難しいというものである。一方、費用であるが、40時間勤務制あるいは施設整備による増員などによって、最終予算に対して3.7%の増加となっておるし、また、薬品等材料については可能な限り廉価購入に努めておるところであるけれども、この医療の高度化に伴って年々増加傾向にあるということであり、これも最終予算について4.1%の増を見込まざるを得なかったと。その他経費について光熱水費あるいは燃料費、あるいは支払い利息の増加などを見込んでおるものである。また、特別損失としては、旧千厩病院の解体費用、除却費用または胆沢病院の引っ越し費用等を計上させていただいているところであるが、この結果、費用では7年度の最終予算に比較して3.9%の増加と見込まれるが収益の伸びは3.4と費用の方がそれを上回るような状況から、こういうような3億7、000万円余の赤字予算となったものである。いずれ、現在経営計画を策定中であるが、今後とも良質で効率的な医療供給体制を確立するためには、これを支える安定した経営基盤の確立が必要であるということから、病床の効率的運用あるいは調定漏れ、査定減の防止などの収入の確保を図るとともに、医薬品と材料の廉価購入あるいは在庫管理の効率化、あるいは光熱水費等の節減等を図るとともに、職員の経営意識の高揚を図りながら一層患者サービスの向上に努めて、経営の健全化に努力してまいりたいと考えておる。

〇瀬川委員 ただいまの診療報酬の改定は見込まれていないと、収入に、そういう話であった。それから薬等の廉価購入、私はこれはある意味では限界というのがあると思う。それから今度は薬価基準の引き下げ、それが新聞報道されておるけれど、そういうものが実施された場合、こういう赤字の範囲で診療報酬が改定されて収入に反映されれば改善されるという話であったけれど、そういうものを織り込んだ場合でも改善の見込みがあるのかお伺いする。

〇中村医療局長 平成6年度の改定の場合は実質2.6であった。県病に対する影響度は大体1%くらいということで、今年の4月の実質的な発表は1%ということであるから、そうするとどれくらいになるかなということで、そういう面からも厳しい状況だろうということで、もう少し推移を見なければわからないなという感じのために、そういう処置を取っておる。廉価購入については、確かに薬価基準が下がってまいるので差益も少なくなってまいるので、これも年々厳しい状況にある。

〇瀬川委員 今1%くらいの影響という話であったけれども実際入院患者がふえたとしても2%そこそこ、外来は恐らく横ばいか下がるかだと思う。そういう状況で見通しは甘くないか。この程度で押さえれるか。

〇中村医療局長 そういう意味で、逆に堅く見込んだつもりである。なお、入院等については、今後ともそういう病床の利用率の向上などを図って頑張っていきたいと思っておる。

〇瀬川委員 それでは、今の長期経営計画とかそういうものの検討委員会等が開かれていると聞いておる。
 次に、今後の県営医療の事業の展開についてお伺いする。
 医療局においては、長期的展望に立って県営医療のあり方と今後の発展方向を示すものとして、平成3年度に岩手県立病院等長期経営計画を策定し、その中間年度に当たる平成7年度中に見通しを行うものと伺っておる。現在の医療を取り巻く環境は、国の医療費抑制等のもとで苦しい経営を強いられており、そういう状況の中で急速な高齢化や医療需要の多様化などへの対応か求められるなど、事業運営も厳しさを増すものと考えられるところであるが、医療局としては、今後の県営医療の事業の展開をどのように進めていくつもりなのかお伺いする。

〇中村医療局長 医療を取り巻く環境は、委員御指摘のとおりであり、人口の高齢化あるいは医学医術の進歩、医療ニーズの多様化など医療を取り巻く環境は大きく変化しておるし、国においても医療法の改正だとか、診療報酬体系あるいは医療保険制度の改革など転機を迎えようとしているところであり、事業の経営に当たっては大変厳しい状況だろうと認識しておる。したがって、県立病院が将来とも県民に良質で最適な医療サービスを安定的に供給をしていくということのためには、やはり限りある医療資源を効果的、効率的に活用した医療システムの整備が必要であるし、また、それを支える経営基盤の確立も必要である。そのためにそれらを回避するために課題とされておる、この県立病院の施設を十分に整備して、この病院間の連携システムというか、そういうネットワークの形成、あるいはこの地域の医療機関相互の連携と機能分担のシステム、あるいは長寿社会に向けて保健医療、福祉の連携による総合的なサービス体制の促進、あるいは内部的には職員の勤労意欲の向上あるいは組織の活性化あるいはこの経営意識の醸成なとを課題として職員一丸となって積極的に取り組んで、県民に信頼される患者中心の病院づくりを目指してまいりたいと考えておる。

〇瀬川委員 今の答弁聞いていると、平成6年度決算の事業運営の展開とそう違いがないように私は聞いておった。そういう中で本当に何というか、例えば減価償却とかそういうのがあって、資金的には内部留保の額もあるので、そういう話も決算では答弁いただいたわけであるけれど、やはりこうやって予算を審議する場合例えば一般会計からの負担とか、そういうものが入った上での予算審議をしているわけであるから、赤字解消、それから累損解消、そういう姿勢を県民に理解していただかなければ、やはり民間病院等からは非常な、何というか、どうなっているんだとか、そういう話がでているのが実情である。であるから、まだまだ長期経営計画検討委員会等そういう報告書があって、これから踏み込んだ話になると思うけど、新しい年に向かって、医療局長、今度で異動なされるわけであるけれど、もっと踏み込んだ事業展開のお考えがあったらお知らせ願いたいと思う。

〇中村医療局長 病院の経営については、日ごろ一般会計から応援をさせていただいておるので、そういう中においてできるだけ健全経営と申すか、そういうものに職員一丸となって経営意識を持ちながら、そしてまた、先ほど申し上げたいろんな節減だとかをしてまいりたいと思ってるし、一方、内部留保資金があるが、これらは今後相当この病院の整備計画、あるいは高度、医療器械による充実等もあるので、そういったものに充てるためにもそちらの方の資金の確保というか、そういったものも図りながら、地域の皆さんから要望されておる施設整備に充てていきたいと考えておる。

〇瀬川委員 最後に、やはり費用の中で人件費の占める割合というものが非常に多いわけであるけれど、そういう中で業務委託についてお伺いする。
 最近は、医療の周辺にかかわる業務については、十分に民間の企業でも対応できると考えられる業務がふえてきておる。さきには厚生省においても、入院患者に影響する病院給食についても外部委託にすることを認めたということも聞いているところである。これにより、今後とも公私の病院を問わず、病院業務の委託がますます拡大することが考えられるところである。
 そこでお伺いする。県立病院においても、これからは業務委託を拡大し、民間活力を利用できるものは積極的に利用するという姿勢が、人件費の増大などの経営上の問題を解決する方策としても必要なことと考えられる。業務委託の拡大についてどのように考えておられるのか御所見をお伺いする。

〇吉川参事兼業務課長 業務委託の拡大についてお答えをする。
 業務委託は厳しい医療環境のもとで年々増加する業務量に対応するための方策として、診療に直接影響を及ぼさない定例的な業務等を、まず1つは、患者サービスに十分配慮しながらそれから経営の効率化とか職員が専門性の高い業務に専念できる体制を確立すると、このような考え方で民間活力の導入が必要であると、こういう認識のもとに今までも積極的に進めて推進してまいった。厚生省においても病院給食の外部委託を認めるなど、医療を取り巻く情勢も変化してきておる。今後においても従来からの委託業務の見直し、それから委託になじむ業務の掘り起こしなどをして委託業務の推進、拡大を図ってまいりたいと、こういうふうに考えておる。
 一例を挙げると、平成8年度には、胆沢病院の維持業務あるいは中央監視業務の委託を予定しておる。病院給食の外部委託である院外調理については、現有職員あるいは施設、さらには特別職、個人対応の食事等が病院サイドの留意事項として、また受け入れ業者の体制整備なども十分検討しなければならないのではないかと、そういうこともあるので、慎重に取り進めたいと考えておる。
 なお、業務の委託に当たっては、医療法等の関係法令がある。それから、それらを重視し、また監督官庁の指導も得ながら進めてまいりたいと考えておる。よろしくお願いする。

〇山内委員 実は質問しようと思っていた点について、ただいま瀬川委員の方からお話があった。途中を省略するけれども、いずれ、今の瀬川委員の質疑の中で大変経営が厳しい環境にあるということだけははっきりしているわけである。こういった中にあって、新しい病院を一方ではつくっていかなければならないという新たな財政負担も求められていっている。こういったことで、新病院の建設というものが今後医療局の経営状況、病院の経営状況についてどのような影響を及ぼしていくのかな、そういったことを第1点に質問させていただくが、同時に91億3、000万円近い累積欠損が平成8年度に生じる見込み予算なわけであるが、これをどう解消していくのか、その見通しについてまず2点お知らせをいただきたいと思う。

〇中村医療局長 病院の経営についてであるが、先ほど職員の経営の意識改革ということで、瀬川委員のときにちょっと一言つけ加えるのを落としたんであるが、実は2年前から各病院において経営研究会というのを開いており、そしてその現状と、それからどういう点をもう少し検討すべきかというのを類似の病院等の資料と比較しながら、そしてまた、事務的にも査定減がせっかく診療をしながら調定漏れだとか、査定減がなくなるようにということもあわせて研究会を開いてきておるわけであるが、これについては、今後もまた、そういう職員の経営意識の向上を図る上でやってまいりたいと思っておる。
 そこで、この経営に及ぼす影響であるが、委員の御指摘のとおり、当初の計画では平成3年から12年までの10ヵ年で約1、200億円の建設投資を予定しており、前期では大体6、000億ほどであるが後期では若干膨らんで1、200 億をちょっと超えるんじゃないかなとこういう感じで現在検討中である。この建物を整備する財源についてであるが、大宗としては企業債であるし、そしてこれに一般会計からの繰入金、そして内部留保資金を充当して賄っておるわけであるが、企業債については、これは予定どおり今後も確保してまいりたいと思っておるが、建設後の償還については繰り出し基準に基づいて一般会計からの出資金負担金を財源とし、また内部留保資金を財源としておるわけである。そのうち、内部留保資金については、現在8年度当初案において、使用可能額が114億8、900万円ほどあるが、このうち8年度の補てん財源として42億4、900万円を使用する予定としておる。したがって、8年度末の残高では72億4、000万円を見込んでおるわけであるが、これまでの内部留保資金の推移を見ると、毎年の使用可能額が大体90億前後ぐらいと安定してきておるので、今後見込まれる補てん財源としては、特にも建設のための財源あるいは起債の償還のための充当については確保をできると考えていて、現段階では運営上そんな無理しなくても何とかなるんではないかと考えておる。しかし、今後そういう厳しい状況にあることから、経営改善を引き続き行って安定的な財源の増勢もしてまいりたいと。そういう中で、病院の整備についてもできるだけ対応していきたいと考えておる。
 それから、累積の解消についてであるが、これはできるだけそういう見通しとなってもなかなか厳しいわけであるけれども、そういう経営意識を持ちながらみんなで努力してまいりたいということでよろしくお願いする。

〇山内委員 累積の解消についてはおっしゃられるとおり、なかなか見通しをつけるのが難しい状況にあるわけである。そういった中で県民の皆さんの中には、これだけの累積を抱えて大変だなと、これは、公営企業の仕組みを理解していただいていない部分もあってのそういう指摘があるんだろうと思う。そういうふうにしてそういう中で新しい病院をどんどんつくって大丈夫かなと、こういった心配する向きもあるので、あえてお伺いをしたわけであるが、今のお答えの中で内部留保資金、毎年度大体90億円くらいで、これから安定していくんだろうと、こういうお話であったので県民の医療需要にこたえるためにもつくるべきはつくると、こういった姿勢を堅持していただきたいと、このことをお願いを申し上げておきたいと思う。
 それから、通告はしておらなったので大変恐縮なんであるが、先ほど瀬川委員の審議、質疑を通じて感じたことがある。それは、新たな需要医療の掘り起こしといったものも一方では必要になってくるのかなとこれが直ちに経営を改善する新たな医療需要というものだけではないと思うんであるけれども、いずれ、新たな医療需要の開拓ということも、攻めの経営姿勢ということになると思うんであるが、そういったところも必要だと思っておる。
 そこで3点について聞きたいんであるが、1つには末期医療---ターミナルケアの問題についてである。これについては、県のさまざまな識者の間にもいろいろな議論があるところであるけれども、いずれ、ガン等の対策の中でターミナルケアという考え方、これは大変重要な考え方だと私は認識をしておる。これらの基本的な考え方は、本来環境保健部でいろいろ議論をされるべき問題であるけれども、県内の中核的な役割を担っている県立病院としても、ターミナルケアという部分についてさらに認識を深めていただきたいとこう思っておるので、考え方についてまずお知らせをいただきたいと思う。
 それから第2点であるが、高度口腔外科についてである。この問題についても、私はかねてよりいろいろ提起をさせていただいてまいった。高齢者、特にも寝たきりの方々あるいは痴呆性の御老人の方々の歯科治療、あるいは重度障害者の方々の歯科治療、こういった点については余り今まで注目をされておらなかった部分だと思う。それと同時に、例えば交通事故等による緊急冶療時における口腔外科というか、顎関節等を考慮した応急措置と、こういったところについて、やはり地域地域に高度口腔外科治療施設とその体制が整えられる必要があるんじゃないのかなと、こう思っておる。盛岡医療圏においては民間の方でお力添えをいただいて第一歩を踏み出したようであるけれども、他の地域、本県全般を見ると、まだまだ不十分だと思っておる。
 そこで、例えば今度、久慈地域と大船渡地域に救急センターが開設をされるという方針が決定をされたわけである。こういったところに、口腔外科の高度治療というものを張りつけていく役割をこういうところに担わしたらどうかなと思っておる。そういうところで県立病院としても、こういった救命救急センターみたいなところと連携を図りながら御努力を願いたいとこう思っているんであるが、この点についてのお考えをお聞かせをいただきたいと思う。
 それから、高度特殊新医療についての第3点目はリハビリテーションである。これは、リハセンが雫石の方に建設をされたわけであるが、これの第2次展開ということで、やはり地域に降ろしていくという作業が必要であろうと思っておる。先ほど瀬川委員のお話の中に、長期経営計画検討委員会という委員会が設けられて、今後の医療についてさまざま検討しているみたいだという御指摘があった。この中にもリハビリについても触れているわけであるけれども、県立病院、医療局として、リハビリセンターというものに対して地域展開をどうしていけばいいのか、そして、県立病院がその中でどういう役割を果たしていけばいいのかという点についてお考えを聞かせていただきたいと思う。

〇中村医療局長 1つはターミナルケアの関係であるが、これについては、現在県立病院においてはそれぞれ対応できるドクターがいるところで対応しているわけであるが、全体となってまいると、それは政策的な医療ということで、よく他県では中間センターのような施設を整備しておるわけであるが、本県においては、そういう患者さんもおられることから、今度現在整備しておる久慈病院においては、そういったホスピスの病室も充実して、末期における患者さんのケアに対しても適切な指導ができるようにしてまいりたいと考えておる。
 次に、口腔外科の関係であるが、現在、中央と久慈において歯科の関係で技術的にも高い冶療をさせていただいておるところであるが、これもそういう技術のあるドクターがおることからやっているが、これらも、改めてやるとなれば政策的なものになろうかという感じがしておるので、これらはそういった現在計画を、策定をしようとしている計画の中でも、関係部局とも、相談しながら取り組んでいきたいと思っておる。
 それからリハビリテーションについてであるが、現在、雫石にあるセンター、それから県病では大東病院にその施設として充実したものをつくっておるわけであるが、今後においては、できれば今の岩手リハビリテーションセンターと有機的な連携を図る上からも、沿岸にどこか必要ではないのかなという感じがしておる。いずれその計画の中で、その辺についても検討していきたいと考えておる。

〇山内委員 末期医療、高度口腔外科医療については御努力いただいているわけであるけれども、ぜひとも県南部、高度口腔外科について、確かに医師の確保という重要なポイントがあるんであるけれども、これは県南部の方においても、要するに大船渡地区であるけれども、そういったところにあわせて、救命センターとあわせて機能できるように、これからも御努力をいただきたいと思っておる。
 それから、リハの関係であるけれども、この長期経営計画検討委員会の報告書、本年1月に出されたものであるが、リハについては県内4カ所ぐらいということで書かれているようである。病院名もこの中には括弧書きで書かれているわけなんであるけれども、これらの括弧書きの病院がそれぞれその地域のリハセンの役割を果たしていくという方向になるのか、あるいはまた、この報告書の中にあるというところの広域中核病院9つが想定されているようであるけれども、そういったところまで展開を私はすべきだと、こういうふうに思っておる。この点についてはお答えがちょっと難しいのか、うんと言っているのでちょっとやめるが、いずれ、私は9つのこの中核的、広域中核病院というところにリハビリ施設というものを展開をしていくべきだと、こういうふうに思っておることをこの際お伝えをしておきたいと、このように思う。
 そこで、この長期経営計画検討委員会の報告書の中に、1つには、県全体を1つの医療圏とするセンター病院1つというふうに述べておる。それから広域の中核病院が9つ--これは盛岡医療圈を除く8つの医療圏に9つということである。そのほかに地域総合病院というのが2カ所、それから地域病院が14、そして精神病院がlカ所と報告書ではなっているようである。この報告書を受けて、これからいろいろ今検討中だと思うが、その中で地域病院14というふうに想定されておるけれども、その中を見ると、この地域病院は原則として基本診療科は内科、外科、それに加えて地域に特に必要な診療科と、こういうふうになっているわけである。こうなった場合、平成4年に第2次医療法が改正されたわけであるけれども、その中でこの法改正によってこれから病院を、1つには特定機能病院--これは、高度医療になる病院と位置づけられると聞いておる。その特定機能病院と、それから病状が安定した長期入院患者を対象とする療養型病床群、要するに、もう安定期に入った方々を面倒を見ていくという、比較的---余りといっては失礼である、平易な技術でもっても治療ができると、こういった患者さんを対象にもっていくというのが療養型病床群だということになるんだろうと思う。そこでこの2つのことを考え合わすと、地域病院というのは、いうところの療養型病床群になっていくのではないのかなという、私は危惧の念を持つわけである。今まで県立病院28病院あったわけであるけれども、それは精神科を除いて26病院それぞれ地域にあって中核的な役割を果たしてきた、これがそういった療養型に変容していくのではないかなという危機感を持つわけなんである。そこで、そういうことはないというお答えをぜひお聞きしたいわけなんであるが、現段階でお話できる部分で結構であるけれども、どういった方向に持っていこうとしているのか、この点についてお考えをお知らせいただきたいと思う。

〇中村医療局長 現在、医療法によっては、私言うように両極をとらえている状況である。それで今後、中間の機能分担をどうするかということについては、現在検討しているやに聞いておるわけであるが、県立病院のこれからのありようとして、どっちかと---特定機能は、これは大学病院とか高度医療であるからあれであるが、療養型の方じゃなく、この中間に位置づけるような形で今後とも地域医療を確保していきたいと考えておる。

〇久保田委員 私は、4点である。
 1つは長期経営計画、今、山内委員お話になったことと関連する内容である。2番目は病院移転新築計画にかかわってのことである。3つ目は医療品の購入について、第4番目に救急体制について。以上4点であるが、まず、今もお話があったが、長期経営計画なるものは私ともの手には公式には入っておらないが、これの経営計画検討委員会なる委員会の目的と報告がなされておるその性格づけについて、まずお伺いをしたいわけである。

〇中村医療局長 これは、いずれあらかじめ県の方から局の考え方、あるいはどういう方向にあるべきだというのを明示して検討委員会にかけるということではなくて、いずれ病院長を含めながら10の職種の人たちに今後の県営医療のあり方について議論していただくという形で設置したものである。

〇久保田委員 ということは、しょせんこれは内部的な組織だろうなと思う。したがって、内部のことであるから外に出なくたって結構なことであるが、少なくとも先ほど以来の話を聞いていると、検討委員会からの報告というものが今後の経営計画に対して大きなウエートを持った発言力になるのか、その報告の尊重するべき立場に立たざるを得ないのかなどのことが心配される---心配というか、そういう性格を持っているものと思うのであるが、検討委員会の報告書に対する医療局の受けとめ方はどういう受けとめ方になるわけであるか。

〇中村医療局長 検討委員会で報告されたことについて、そっくりそのまま計画にのせるということではない。現在も病院長からも意見を聴取したり、あるいは今の病院の運営協議会等でもいろいろ御要望なり御意見をちょうだいしておるので、さらには関係市町村からも要望なんかもあるので、そういったものを踏まえながら充実した医療を目指した計画をつくっていきたいと思っておる。

〇久保田委員 ちょっとしつこい聞き方であるが、当該委員会の報告は後期計画に対して、どう報告内容が反映をされていくものなのかということである。これは、局長が委員長たちから、病院長たちが検討した内容を御無理ごもっともだと受けとめるのか、いやそうは言ったってそうじゃないと、大局的に見ればそうはいかないということが包含されて、整合性を持って最終的なものになるものと思うものであるが、それらの検討委員会の報告が持つこの重みというものに対して、どういう最終的な判断が下されるわけであるか。

〇中村医療局長 中身的には当面厳しい状況のものもあるので、そういったそういう報告も含めながら、また議会あるいは当委員会でのいろんな御意見やら御提言もいただきながらつくってまいりたいと考えておる。

〇久保田委員 私、申し上げたいのは、私らは正式には検討委員会の内容を正式には示されてない。どちらかといえばひとり歩きをしているという感じにも受けとめられるわけであり、そういう意味では、いずれ長期計画の策定することに対しては、私は大変関心を持つわけである。少なくとも県立病院の存立の歴史的経過を知る者とすれば、どうしても地域住民あるいは地域の各界の人たちの意見を聞きながら、そういう提言を受けながらこれを反映すべきものでなければいけないと思うわけである。県議会議員の人たちは大概当該県立病院の運営協議会のメンバーになっているはずであるが、少なくてもそういう場面において問題が事前に提示されて意見を聴取されるような、そういう機会があるのは当然ではないのかなと思うのであり、そういうことからすれば、現在出されておる検討委員会の報告だけでこのものをまとめるということについては疑義がある。そういう意味で、幅広い意見や提言を受けとめて策定することが当然だと思うし、そのことが必要だと思うのであるが、局長の御見解を伺っておく。

〇中村医療局長 検討委員会の経過、その報告については私も入っておらないし、その検討経過についても入っておらない。したがって、そういう中でどうあるかというのを検討していただいたものであるので、実際に我々として病院を運営していくにどうあるべきかというのは、今までの運営協議会やら病院長の意見やらあるいは申し上げたように当委員会の御意見だとか、そういったものを踏まえながら検討してまいるということで、これだけがひとり歩きしてこのように決まってしまうんだということではない。十分検討してよりよい医療を提供するということで頑張っていきたいと思うので、よろしくお願いする。

〇久保田委員 次の質問に入るが、今のお答えに関連するが、委員の構成はどういう構成になっているだろうか、この後で答えてもらいたい。
 次に、病院移転、新築等の場合における基本的な考え方について伺う。
 平成8年度の予算計上では、6病院が新築等の整備のことが述べられておるわけであるが、今後に予定される移転、新築の当該病院というのは幾らあるのであろうか。そして、移転する場合の一定の条件があると思うわけである。これまでの経過からしても、場所が変更になったり内容が変わったりするわけであるが、今後の移転や新築する場合の基礎的条件が示されてあればこの機会に伺っておく。

〇大川計画推進室企画管理監 委員の構成はどうなっているかというお尋ねについてお答え申し上げる。
 検討委員会は18人の委員となっておるが、内容的には病院長がお三方、それから副院長がお三方、そのほか医師2名と、そのほか事務、薬剤、レントゲン、臨床検査、看護、医療社会事業士、栄養管理部門、リハビリなどの代表の方を委員とする合計18人の委員会である。

〇千葉管理課長 県立病院の新築整備についてのお尋ねである。
 まず、県立病院は新たに新改築する場合であるけれども、現在地での例えば十分な駐車スペースが確保できるか、そういったこと、あるいは不足する場合、隣接地での買い増しができるかどうかといったようなことがあろうかと思う。また、診療を継続しながらの改築が可能かどうかということも考えなければならぬ。
 それから、駐車スペースのみならず歩いていらっしゃる方、すなわち公共交通機関を利用して来る患者さんの利便性も十分に考えなければならぬと思う。あるいは当該市町村の将来のまちづくりとの関係、あるいは保健、福祉との連携といったようなこと、これらは総合的に検討して判断してきていると考えておる。また、お尋ねの中に、今後の移転新築病院はどこかというお尋ねであるが、病院整備については長期計画に沿って順次整備を進めてきておる。
 今後のことについてであるけれども、それぞれの病院について個別に慎重に検討しながら判断してまいりたいと思う。よろしくお願いする。

〇久保田委員 次に、医薬品の購入についてであるが、これはミドリ十字という話題の医薬品製造会社があるが、あるいは納入する問屋なわけであろうが、ここの薬品を県病はどういう契約のもとにどの程度納入をしておるのであろうか。問題になった血液製剤の購入はなかったのかどうか、この点について伺う。

〇吉川参事兼業務課長 ミドリ十字から購入している実態についてお答えする。
 県立病院では、ミドリ十字社が関与する血液製剤を数種類購入しておる。これらはすべて厚生省の承認を受けた製剤である。エイズ感染者の発生は見ていないところである。新聞報道されておる問題の加熱血液製剤が承認された後の非加熱血液製剤、これの使用については、現段階では、入手している情報からでは購入の実績は認められていない。

〇久保田委員 まだ答えていない部分もあるようであるが、血液製剤についてのことはないということであろう。そういうことでわかったが、その他の医薬品の購入についてはどういう状況になっているだろうか。一連の問題が指摘されておるものだから、そうであっては好ましくないわけであり、言うなれば、チェック体制がきちっとなっているかどうかということが大事なことであり購入の実績をお伺いしたいわけである。

〇吉川参事兼業務課長 購入の実績であるが、現在取り扱っているミドリ十字からの品目数は約40品目程度ある。購入額は月約2、700万程度となっておる。購入ルートは、ミドリ十字社から問屋を通じて県立病院は一括購入あるいは病院購入、この方法になっておる。購入に際しては、承認された内容であるか、包装単位にそれぞれ品名とか規格とか製造番号、それから中に添付文書が入っておるので承認番号というのを全部チェックをして、さらに薬価基準に登載されていることを確認の上で購入をしている状況である。

〇久保田委員 ミドリ十字からの購入についてすべて問題があるという指摘をするつもりはないが、少なくとも今社会問題を起こしておる会社であるとすれば、その購入に当たっては極めて神経を使う必要があると思う。そういう意味での購入に当たっての現状での認識をお伺いしたいわけであるし、今後一連の薬品購入等に当たって、どういうチェック体制をとっていかれるのか、そういう基本的な考え方をお伺いしておく。

〇吉川参事兼業務課長 チェック体制においては、まずただいまもお話し申し上げたとおり、まず厚生省が承認しているかどうかのチェックを行う。そのほかに必ず購入事務に当たっては、検収事務というのがある。それは、物品を発注し本庁よりも病院に直接納品されるものであるので、薬剤課長を薬品の企業出納員として任命をしておる。したがって、薬剤課長の責任において全部これをチェックすることになる。それを今までもやっておるけれども、今後も何項目かあるのでそれらを周知徹底、この際であるので再度確認と周知徹底を図りたいと、このように考えておる。

〇久保田委員 くれぐれも十分な体制をとっていただきたいことを要望しておきたいと思う。
 最後になるが、救急体制のことである。
 かつて私、救急患者の搬送の仕事に携わったことがあるが、現場を見て思ったことがある。県病でなかったのであるが、救急患者を送り込んだ際に、時間には担当の看護婦さんがただ1名しかおらないために、大変救急への対応が不十分だということを目の当たりに見ておるわけであるが、県病においては救急体制に件うところの看護婦の配置状況はどうなっておるであろうか。

〇吉川参事兼業務課長 看護婦の救急体制にお答えしたいと思う。県立病院においては、医師及び看護婦等の救急医療体制については、県立病院救急医療運営要領というものを制定し対応しているところである。特に、看護婦の休日、夜間の救急医療体制については、病院の規模それから救急患者の実績等を勘案して、さらに時間帯もあるので、それらを考えて1名から3名の日当直体制、夜間ばかりでないけれども日当直体制に、さらに1名から3名の待機制あるいは呼び出し等を組み合わせて対応しているところである。例えば、救急患者数の多い中央とか宮古、大船渡、久慈病院に当たっては、休日、夜間は看護婦数を2名とし、待機制との組み合わせで対応しておる。
 十分かというお尋ねであるけれども、休日、夜間に重症の救急患者が来院するといった場合であるが、通常、事前に消防署等から通報がある。その内容を当直医師の判断により、必要に応じて看護婦等にオンコールなどをし迅速に対応しておる。さらに今後は、救急患者の多い病院について当直制から交代制に体制の強化をも現在検討しているところである。

〇久保田委員 最後の発言になると思うが、要するに看護婦さん1名から3名ということであるから、1名の場合に問題になると思う。常に複数が必要だと思う。そこで、もちろん常に救急患者が入ってくるということはないわけであり、いつ起きるかわからない状態であるが、そこに待機させることに対する判断が難しい面もあっていろいろ検討が必要なんであろうが、言うなれば、複数の看護婦さんは常に救急体制の中には配置されておる必要があるのではないかと思うわけである。今のお話になると、例えば県立花巻厚生病院について言えば1人だけなんだろうと思う。そういう意味では、市民に安心を与える体制になっているかと言えば、そうでないと。これでは困るわけであり、救急体制によって必要な経費も多分にかかると思う。とすれば、それは一般会計から繰り出しをしてもらうとか関係の市町村が応分の負担をするとか、1つの安心料であるから、そういう体制を考えていって、十分な受け皿をつくっておくことが必要ではないかと思うわけであり、今後の検討課題にしていただきたいと思うが、局長、いかがであろうか。

〇中村医療局長 承知した。

〇千葉(浩)委員 今までいろいろ質疑があったわけであるが、経営計画について重複すると思うが、大事なことであるので私からも質問させていただきたいと思う。
 ちょうど中間年度であるから、今盛んに作成中だと思うが、先ほど来検討委員会の内容について種々あったわけであるが、ひとり歩きしているという話もある。私も見させていただいたし、いろいろお話も聞かせていただいたわけであるが、その中でやはり私が一番心配したと申そうか考えたことを申し上げたいと思うが、あの答申のとおりになると、地域医療というものが非常に弱体化するというように私は感じ取ったわけであるが、地域の医療の後退、これは何としても避けていかなければならない間題だろうと思う。したがって、経営計画の策定に当たって、地域医療の充実ということについて、医療局としてはどうこの地域医療の充実について考えているか、御所見をお伺いしたいと思う。
 それからもう1点は、経営計画を最終的にいつころまでに決定するつもりなのか、その時期についてお伺いをする。

〇中村医療局長 地域医療弱体化あるいは後退させないようにということであるが、地域医療の充実については、先ほど来報告ということがあるが、現在の病院の機能を踏まえながら、それぞれの地域で一般医療を担っていく病院とそれから高度医療を担う、あるいは施行していく病院をバランスよく配置しながら、そういう病院間のネットワーク化を図って、相互に連携しながら地域全体として可能な限り地域で完結するような医療供給システムにしていきたいと考えており、委員あるいは皆さん方が御心配の現状より悪くなるんじゃないかというようなことは考えておらないところであり、できるだけ診療科についても充実していきたいと思っておる。
 それから、時期についてであるが、現在いろいろ意見を聞いたりしておるし、また、講演会でのお話なんかも十分配慮しながらということで、それから関係部局との協議ということで、6月議会かその前後あたりに、県医療審議会の方にもお諮りしながら8年度の早期に決めさせていただき、そして推進をしてまいりたいと考えておる。

〇千葉(浩)委員 地域医療は絶対後退させないという局長のお話であるが、検討委員会の内容がいろいろ我々に衝撃を与えているわけである。いろいろ高田---うちの会派にも高田の委員がおるが---高田だとか江刺だとかいろいろと話題が出てきて、総合病院が何だかそういう形に変わっていくんじゃないかという気持ちを持った委員方いっぱいあると思う。そういうことはないんだという、地域病院はますます充実していくんだと、こういう局長の御答弁をいただいたから一安心したわけであるが、そういうことで今後も十分ひとつ取り組んでいただきたいということをお願い申し上げる。
 それから病院の経営について、瀬川委員とか山内委員、いろいろお話あったから、私はこの長期計画の中で病院の建設、山内委員も申されたし、そういう中で長期に病院の経営というものの、例えば職員の方々の意識であるとかいろんな問題があると思うが、そういう問題をどうこの長期計画の経営の中でやっていくおつもりかまず1点お伺いするし、それから職員の定数の運用、この問題についてもちょっとお伺いしたいと思うが、何せ人がほとんどである。お医者さんと看護婦さんとそれに携わる方々で病院というのは経営しているわけであるから、人という問題が非常に大事になってくるだろうと思っておる。経営を盤石にしていくのには、何としてもそういう人的問題が大事になってくるわけであるが、何で見て、経営が絶対大事かということになると、やはり患者さんのサービス、県民のサービスが第一義だと私は思っている。そういう意味で、幾ら人手があっても足りないという問題もある。そういうことで、職員の定数の運用、これをどうやっていくおつもりなのか、経営と患者、非常に難しい問題であり、今私の家内もお世話になっているが、大変看護婦さんにお世話になっているが、やはり大変なことになっている状況もある。私も毎日行って見ているわけであるが、大変なことだなと。経営も考えればこれも難しい。そういう非常に問題があるので、この運用についてどうお考えになっておるであろうか、ぜひひとつ患者さんのサービスというものを基本にして、何とか運用してもらいたいということをお願いしたいと思う。

〇中村医療局長 委員御指摘のとおりであり、幾ら県立病院だと言っても、しょっちゅう赤字だけということで、赤字のつけを県民の皆さん方に御負担いただくということは大変心苦しいことで、できるだけ経営努力というものに気を配っていかなければならないという気がする。そういうことで、ぜひ職員1人1人に自覚をしていただくということがまず第1であるし、新しい経営計画の作成に当たっても、まずもって委員がおっしゃったサービスが大事だということから、県民に良質で最適な医療サービスを安定的かつ継続的に供給すると、そういう上ではやはり経営基盤も両立させていかなければならないものだと考えておるので、先ほど申し上げた経営研究会ということで現在病院長を初め職員の経営意識の高揚に努めておるし、今後ともそういう中であるいは研修会等で、経営意識とあるいはそういうリーダーシップを含めた経営意識の醸成を図っていきたいと思っておるし、いろんな分野においてむだを省きながら、できるだけ生産性の高い事業運営を推進していきたいと考えておる。特にも、人の集約されたのが病院運営ということであるから、できるだけライセンスを持っている方にはより専門性の高い仕事に従事してもらうような方向で、一方では委託も進めながら、いずれ今後とも、県民の皆さんの応援をいただけるような病院の運営に心を1つにして頑張ってまいりたいと思う。

〇佐々木(一)委員 1点だけお伺いする。
 私も長期経営計画の策定に関する質間であるが、実は昨年の12月に、私ども岩手県の県境議員と宮城県の県北の県議会議員、そして厚生省出身の浅野知事を加えて仙台で例会があった。その折に、宮域県県北では中核的な病院がないということで、大変岩手県にお世話になっておるというようなことで御礼をされたわけであるが、過日、県病の運営協議会でも局長とお話をしたところであるけれども、宮城県から入院または診療に見えている方が県境の中核病院の場合、大体1割から1割5分の方々がいらっしゃるということである。それで、経営計画策定に当たり、ほかの県もまたぐ問題であるが、県レベルでの長期のこういった計画についての協議というものは行われておるのかどうか、これについてお伺いする。

〇中村医療局長 県境の関係の医療の確保ということであるが、お話しの実態であり、県境にまたがって1つのそれぞれ生活圏が形成されておるわけであり、その中で相互に行ったり来たりしているということから、整備に当たっては、そういう県境の皆さん方もお互いに行ったり来たりするということも踏まえながら整備をしておるわけである。幸いなことに、県境に接する地域には一般病院として県南には磐井病院と大船渡があるし、県北には久慈と福岡という中核病院があるので、そういった整備あるいは診療体制についても充実させているところである。現在、特に県境の病院だとか何かとは話をしていない。そういう協議と申そうかそういう場はないが、委員がおっしゃったようなそういう議員との関係でそういう協議の場が今後ともあるとすると、そういう中にこういう病院というか入れていただき、お互いにいい充実した医療を提供する上の連携は大変ありがたいと感じておるが、全体とすると医療だけじゃなく、福祉あるいは保健のいろんな施設等の関係もあるであろうから、広く行政の中でそういった役割をしていく組織があれば大変いい方向にいくのではないかという感じをしている。

〇佐々木(一)委員 逆に室根村の方では公立の気仙沼病院にお世話になっておるというような状況にある。それで、今後の計画の中で、仮に改築等の問題があった場合に今の1割から1割5分の他県の患者さんが宮城県北にはそういう病院がないということでどんどん岩手県の方にいらっしゃる可能性というのも非常に大きいかと考える。そういった意味で、今局長から議員間のというお話があったけれども、この医療については県レベル、岩手県の方が進んでおるということを宮城県でも認めておるので、ぜひ県と県でこの辺のどこの県民であっても医療は平等に受けるべきと思っておるので、何とか早くにお隣の県とのそういうレベルでの意見交換からでも始めていただいて、生活圏が今県境を越えて一緒になっているわけであるので、その辺についても御要望申し上げて私の質問を終わる。
よろしくお願いする。

〇谷藤委員 2点についてお伺いをしたいと思う。
 もう1問やろうと思ったけれども、いろいろお話も出たけれども、いずれ平成8年度の経営計画というかそこの中非常にまだまだ厳しい状況にあるというお話があった。ひとつ県民医療向上のためにも頑張っていただきたいと思うところである。
 各部署ごとにもちょっと阪神・淡路大震災の教訓受けて、防災とのかかわりのことを皆さんのところにお伺いしてまいったけれども、今回は病院間の災害応援協定についてお伺いをしたいと思っておる。
 阪神・淡路大震災にあっては、病院間の災害応援協定がなかったために、自発的に応援に駆けつけた医療チームの受け入れに手間取った。せっかくの応援医療が手際よく生かせなかったということが、阪神・淡路の震災の中で聞かれたわけである。そこで、兵庫県ではこのたびこれを教訓として、県内の41の自治体病院で災害の初動時に迅速に対応できるよう、被災地からの要請がなくても応援出動できるよう、災害初期時総合応援協力に関する協定というのを締結されたようである。その協定では、災害が発生した場合、被災地に隣接する病院が自主的に情報を集め、自治体病院間の調整を行う総合調整担当病院に報告して、情報を集約した上で医療救護チームの派遣、それから患者の受け入れ、医薬品の提供等を、協定に加わっている病院の要請等により行うことにしているそうである。本県では、そういうことで病院間のそういうお互いの情報を交流していく、それからまた災害のときにそういう応援に駆けつけた医療団、その辺をどのように受け入れる体制とか、あるいは民間の病院との関係も出てくるのかと思うけれども、その辺について医療局が中心的役割をとっていく必要があるのじゃないかと思うわけであるけれども、その辺についての御所見をお伺いする。

〇千葉管理課長 県立病院の災害時の位置づけなり他病院との連携というお尋ねである。 御承知のとおり、先般、県の防災計画が新しく制定されたわけであるけれども、その中での県立病院の位置づけを若干申し上げると、仮に非常時が発生した場合、県立病院においては幸い県下に28の病院を抱えておるので、本庁、各課と一体となって、県立病院班として医療部を形成するということになっておる。また、それぞれの病院ではそれぞれの地方支部の県立病院班として活動するという仕組みになっておる。その各医療班については、現時点では基本的に各病院1班、中央病院については2班、そういった合計29班の医療班を編成するという仕組みになっておる。
 お尋ねの他病院との連携についてであるけれども、県立病院は防災計画の中では、各医療圏ごとにいわゆる地域災害拠点病院という形で9病院が指定されておる。その連携については、現在見直しておる長期計画の中で、いわゆる圏域ごとの連携ネットワークというものを構想しているわけであるが、それぞれの圏域ごとにネットワークを活用した災害時の対応というのもやはり考えていく必要があるんじゃないかと思っておる。
 それから、お尋ねの中になかったが、県外病院との連携ということについては、やはり防災計画策定の前段階であったけれども、東北・北海道8道県での協定が結ばれており、それぞれの要請に応じて応援をするという仕組みになっておる。さらには、県内の他病院との連携、これは公立もあるし私立もあるわけであるけれども、これらについても基本的には県病28あるので、その連携をいかにするかということで私ども今考えておるけれども、今後、環境保健部とも十分協議しながらその辺を組み立てていきたいと思っておる。

〇谷藤委員 ぜひそういう取り組みをお願いしたいと思う。
 次に、県立大学の看護学部設立に関する質問であるけれども、これは平成10年の4月に開学の予定ということで進めておるわけであるが、そのときに90人程度の看護学科が予定されていると伺っておるが、このときの教員の確保とか開学後の実習等が必要になってくると思うけれども、そのときには医療局の協力が不可欠じゃないかと思うわけであるけれども、目下の県立大学への協力状況というのはどのようになっているのか知らせてもらいたい。

〇加藤職員課長 県立大学の教員確保というお話であるけれども、この教員確保については、直接的には県立大学整備室の担当ということになっておるわけであり、詳細については承知しておらないわけであるが、ただ、既に県立病院の看護婦が看護系大学院に合格して看護教員への道を歩んでいるという例があるように、これらもそうしたお話があれば積極的に対応してまいりたいと、そのように考えておる。

〇谷藤委員 いずれ積極的に、やはり医師団もあるわけであるし看護婦さんたちもたくさんおられるわけであるし、そこの中で協力できる環境というのは一番整っているのが県病の立場だろうと、実習等も兼ねる場合でも非常にそういう場所が求められてくるんだろうと思うので、その辺の体制もひとつ協力体制という意味でお考えをいただければと思うわけである。
 そこで、その後4年を経過して卒業してきた場合のことをちょっと心配するけれども、当然、医療局においても受け入れることとなるんじゃないかと思うけれども、大体何人程度採用するようなことになっていくのか。ところが、普通の看護婦さんとちょっとまた違う立場になってくるわけである。そのときどういう対応になるのかというのがちょっとわからないところがあり、その辺をお知らせいただきたい。

〇加藤職員課長 卒業生の受け入れについてはどうかということであるけれども、医療技術の高度化とかあるいは医療に対するニーズの多様化、これらに伴って看護というのはより高度の専門性が求められると考えておる。ただ、単に専門性だけではなく、より広い人間性を備えた人たち、さらにはゆとりを備えた方々こういう方々が県立大学を卒業されるということを期待しておるわけであるが、そういう卒業生の受け入れについては積極的に対応してまいりたい。今、数字は申し上げかねるけれども、積極的に受け入れていきたいと考えておる。

〇谷藤委員 ぜひ、せっかく県費を投入してこういうすばらしい学部をつくったわけであるので、せっかく県費を投入して県外に流出していくようなことにばかりなるのであれば、全く意味をなさないということになっていくのじゃないかと思うので、最も受け入れやすいのが医療局じゃないかなと思うので、ひとつその辺前向きに、まだ卒業までにはちょっと時間があるから、その間に準備を整えていただきたいと思う次第である。

〇藤倉委員 谷藤委員の救急体制についての質問についての関連であるが、今までは救急車で病院に運ぶあるいは防災ヘリで運ぶ、大変すばらしいことだと思うがこれから申し上げるのは今から25年前になろうか、自衛隊機と全日空機が衝突して、雫石の安庭で百六十数名の犠牲者が出た。そのとき私も当選したばかりで現地に行ってまいったが、医師は集まるけれども看護婦はどうしようもなかったと、こういう経過が過去に例があった。そこで、看護学校とも連絡をとりながら事前に協議をしておくべきだなという話を後で聞いたことがある。
 そこで、25年前と今では大分違うであろうが、いずれよそに緊急の発生が出たときに、医師、看護婦の動員のお考えはどのようになっているであろうか、それだけお尋ねする。

〇千葉管理課長 災害時のいわゆる職員の応援体制ということである。
 お尋ねの中であった昭和46年の雫石の自衛隊機との衝突事故の際には、資料を見ると、中央病院ほか5病院で、県立病院関係で70名の医師、看護婦を派遣したということがあった。その当時、足りなかったかどうかというのはちょっと今私承知いたしておらないが、いずれ今後、防災計画に沿ったいろんな、先ほどのお尋ねあった協定の見直し、あるいは現在病院ごとの災害時の行動マニュアルというのを何とか急いで整備しようということを検討いたしておる。その中で、自病院での対応あるいは被災地なり他病院への応援といったようなものも想定したマニュアルをつくってまいりたいと考えておる。

〇小原委員 1点お伺いする。
 医療廃棄物の処理対策であるけれども、これは医療の高度化とかいろんな面でかなり量が多くなっているんではないだろうかと思うが、そうした医療廃棄物の量というのはどういう―私は年々多くなっているんではないかという感じはするが、どんなものであろうか。同時にまたこの処理対策、これらどのようになされておるかお伺いをする。
 あわせて、院内での焼却施設の整備である。それぞれお持ちだと思うが、最近は高性能あるいはコンパクトな処理施設というものも開発をされていると思うけれども、院内での処理施設の整備はどのようになされておられるかという点をお伺いする。

〇吉川参事兼業務課長 院内の廃棄物の処理の状況であるが、まず基本的には院内から排出される産業廃棄物については、敷地内に設置している焼却炉がある。これは大体基準では800度以上という、大体感染廃棄物も処理できる性能と、こういうことになろうと思う。現在すべてが高性能ではないけれども、まだ若干古いのが残っているが、20病院でそういう施設を設置しておる。そのうち、医療廃棄物焼却炉として有用な機能を持つ高性能の焼却炉を設置しているのが7病院。今後も、こういう高性能の焼却炉をできるだけ更新時には考えていきたいというのが1つにある。それから廃棄物の量であるけれども、今手元にある資料であるけれども、これ6年度に調査したので大変恐縮であるけれども、全体で1、140トン。それから処理の方法であるが、自己処理をしているのが103トン、約9%。それから市町村にお願いしている、委託しているというのが14トンぐらい、1%強ぐらいである。それから、業者に委託しているというものが1、021トン約90%ぐらいは業者に委託している。前段申し上げたように、第1次処理を院内敷地で、焼却炉でやった場合は、燃え殻という形で最終処分の方にお願いしていると、こういう現状である。

〇小原委員 1つは自己処理、院内の高度の焼却施設、高性能の。これは平成8年度、新年度、これは更新時ということであるから、必ずしも来年度で何基整備するということにはなるかならないかわからないが、これは新年度で高性能を備えているのは7病院ということなものだから、これは将来的には全部普及していくという考え方であろうか、その点がまず第1点。それから平成8年度、新年度でこれら更新にかかわるものが幾ら予定をされておるかをお伺いする。それから民間に処理を委託しているというわけであるが、これは例えば江刺の産廃処理施設、ここのところとのかかわりはどうなっているのであろうか。2次的に利用されるということであろうか。直接持ち込むということがあるものかどうか、この点をお伺いする。

〇吉川参事兼業務課長 第1点目は、高性能の焼却施設であるが、平成8年度、現在考えているのは胆沢病院の移転新築に伴って整備したいと考えておる。それから江刺、県がつくった焼却施設に対しては、7年度も既に病院では契約を取り交わした後だったものだから、平成8年度でどう考えるかということになるわけであるが、できるだけ江刺は活用できるのではないか。それから、後の病院は搬送にちょっとコストがかかるものであるから、その点いろいろ相談をさせていただいているというのが現状である。

〇小原委員 搬送コストという点で難があるということであるが、やはり物が物だけに、医療廃棄物の処理というのは万全を期する必要があるんだろうと。そういう意味では若干コスト高ということが、ほかのものと比べた場合には、多少の部分はあるいは認められるのかという感じもあるわけであり、それらは十分現地の方でも、病院側の方でも、医療廃棄物の処理という部分については多分御苦労なさっているのではないかと思う。そういう意味で、医療局としてもそれらを十分計画的に対応していただきたいと思う。

〇伊沢委員 医療系廃棄物で1点だけ関連質問させていただきたい。
 業者に1、020トン御依頼をしているということなようであるが、この1、020トンの中に感染性廃棄物ということで引き渡しているのはどの程度あるのであろうか。また、院内で感染性のものを内部で滅菌処理、殺菌処理を含めてお渡しをする場合もあると思うけれども、それらもしおわかりであったらお示しをいただきたいと思う。

〇吉川参事兼業務課長 大変申しわけないけれども現在、資料を持ち合わせておらないので後ほど、よろしいであろうか。

〇伊沢委員 常任委員会の方でお伺いする。

〇水上副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩する。
   午後2時58分 休 憩
   午後3時13分 再 開

〇那須川委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 医療局関係の質疑を続行する。この際、吉川参事兼業務課長から発言を求められておるので、発言を許す。

〇吉川参事兼業務課長 午前中に感染性廃棄物の量についてお尋ねがあった件について598トンとなっておる。今まで申し上げた廃棄物の数量であるが、これは6年の---私、先ほど6年度と申し上げたが、計算上は6年7月分を調査をして、年間分12倍したものであるので、御了承、御理解をいただきたいと思う。

〇伊沢委員 半分強が感染性廃棄物だと、こうなると、もう一度後でということになるかもしれないが、現在マニフェストというか積み荷目録の関係で、産廃のこの医療系廃棄物については義務づけが課せられているわけであるけれども、処理についてはクリーンセンターの方にこれから考えると、こういう御発言であったが本来からいけばマニフェストを含めて最終的な処分まで排出者が責任を負うということを考えれば、きちっとした処理を行う、唯一のといえば語弊があるけれども、センターができた関係でそちらの方に委託をさせていくというのが妥当だと思うわけであるが、現状までのこのマニフェストは全部やっていると思うんであるけれども、どういう状況なのか、もし把握していればあわせてお伺いをしたいと思う。

〇吉川参事兼業務課長 このマニフェストでの処理の仕方については28病院、全病院で実施をしている現状である。 

〇藤原(泰)委員 私からは長期経営計画の検討委員会の報告ということで、それぞれの委員方から御発言あったわけで、御質問あったわけである。私からは、この地域を絞った中での委員会報告というかかわりについてお伺いするものである。
 まず、長期経営計画の検討委員会報告と、地元であるが県立紫波病院の診療体制とのかかわりについてをお伺いする。
 医療局では、現在策定しておる岩手県立病院経営計画についてお伺いするわけであるが、医療局としては長期経営計画の見直しということで、それぞれ今までも御質問あり、また医療局からのお答えもあったわけであり、その状況については十分私も承知しておるわけであるが、ただ、それらの中でこの検討委員会の報告が出たものということであるわけである。その中で紫波病院については内科、そしてこの外来を中心とする診療、もしくは人間ドック及び健康診断等を取り扱う医療器械の変更などということで、従来の位置づけより下がっているという感じもしておるわけである。
 この位置づけが下がるというと、どこの地域の地域差あるいはその利用される方々にとっても大きな不安を感ずるわけであるが、特にも申し上げたいのは、紫波町としては地元のことで何であるけれども、人口の増加、あるいはまた、それらに対応するための紫波病院の今まで診療科の充実とか、特にもこの周辺には小児科とか、あるいは眼科という医院がないわけである。いわば花巻市内の病院、あるいはまた、盛岡市内の病院というところに行かなければそうした診療はできないという状況であり、非常にそういう面では不便をかこっている地域でもあるわけである。そこで、県立病院事業が平成8年度の赤字ということについては、今までもいろいろ御説明の中でお伺いしておるわけであるが、今回の委員会の報告を受けて医療局としては、この計画の策定に当たって地域のこうした要望との整合性をどのように考えられておるか、その辺をお伺いする。

〇中村医療局長 紫波病院については、この報告では地理的に非常に近いし、県にも医療機関が充実してきているということのようなお話を伺っておるが、いずれ局としては、紫波病院については現状の診療科の充実を図っているところであるし、また、御要望いただいておる小児科あるいは眼科については、大学の医局自体がこの医師不足ということであるので常勤化というのは難しいわけであるが、当面中核病院からの診療応援で対応をしてまいりたいと考えておるし、また、それ以外の整形だとか脳神経なんかについても、現在中央病院からも診療応援している状況であるので、そういう患者さんのニーズに合ったように努力していきたいと思っている。

〇藤原(泰)委員 今のお話で安心する部分もあるわけであるが、いずれそうしたことで非常に地域医療についての紫波の場合をとっても、何となく谷間のような感じもするわけである。もちろん距離的にいうと、日赤とかあるいは医大とか、中央病院ということで距離的には近いような感じもするが、しかし、そうした大病院におけるこのベットの利用状況を見ても相当なこの利用率が高いわけである。そのことは1つには、高度の医療がなされた後に、いつまでもそのベットをあけるわけに、満床になるわけにはいかないということから、いろいろ地方というか、そういう地域の病院に回される場合もあるわけである。そうした面では、県立紫波病院の場合もいろいろ大病院から回されるケースもあるわけであるので、この位置づけについてはひとつこれからの検討の中でも十分配慮していただきたいということを御要望申し上げて、終わる。

〇斉藤委員 それでは、私も皆さん質問あった長期経営計画の見直しについて質問をする。
 長期経営計画検討委員会報告について医療局長は、私の本会議の質問に対して報告の趣旨も踏まえ見直すことを表明をした。きょうの審議を聞いていると、千葉浩委員の質問に対して現状より悪くはならないと地域で完結する医療を目指すと、こういう答弁であった。これは、長期経営計画検討委員会報告とのかかわりで見ると、極めて矛盾するものである。私はその点で具体的にお聞きする。
 ネットワークの確立と連携の名のもとに、28県立病院の新たな類型化、差別化を提案をしている。特に地域総合病院から一戸、高田、大槌、山田、江刺の各病院が地域病院に格下げ報告となっているが、先ほどの答弁から見れば、これはすべて現状どおりと理解してよろしいんであろうか。

〇中村医療局長 現状でもって充実する方向でいきたいと考えておる。

〇斉藤委員 それで私はこの検討委員会報告の性格---これも指摘あったけれども、であるとすれば、この検討委員会報告は何だったのかということになると思う。実は、これは医療局の広報紙である---かけはし、ここにこう書いてある。長期経営計画検討委員会が検討結果を局長に報告、1年余の時間をかけて検討した結果が委員会報告としてまとめられ、去る1月22日、小山田委員長から医療局長に報告された。これを受けて、現在計画推進室が中心となって新計画案を取りまとめ中である。医療局の広報紙、1つの既成事実になっているわけである。そして、私もこれを熟読してみたけれども、この報告の中心中の中心が、いわゆるこの病院の類型化、差別化であり、ネットワークの確立と連携の名のもとに格下げされた病院に対して中核病院から医師を派遣するということである。これ医師の配置にもかかわる極めて重大な問題である。だから、先ほどの医療局長の答弁からみれば、この検討委員会報告は採用しないと、こういうことになるか。

〇中村医療局長 検討委員会の報告はその部分だけじゃなく、全般的にもいろいろあるから踏まえてというのはそういう趣旨である。

〇斉藤委員 その踏まえが問題なんである。じゃ私具体的に聞く。地域医療については採用しないと、こういうことで確認してよろしいかどうか。

〇中村医療局長 病院のその機能別については現状で検討していきたいということである。

〇斉藤委員 中央病院は紹介型病院として外来は原則として紹介型、紹介患者のみと報告は提起をしている。その場合、新たな診療報酬の改定によると、特定療養費に基づく特別加算を導入することができることになる。200床以上の病院でこの特別加算ができることになるが、中央病院は紹介型の病院で特別加算を初診療として取るのか。また200床以上の県立病院の場合どうするのか。

〇中村医療局長 中央病院についてであるが、かなり設備的には高いレベルでもって整備しておるので、そういう専門の割合の高い治療というのは可能なわけであるが、全く紹介型というのも1つの選択肢ではあろうかと思うが、そのためにはいろんな関係機関、あるいは団体とのこの取り組みを必要と感じているので現時点では困難であると感じておる。 また、200床以上のこの病院の関係であるが、これについては、今度の4月からの厚生省の診療報酬の改定の方針の中で負担をしてもらうことができるとあるわけであるが、これについては厚生省の施策として大病院への患者の集中を改善し、地域の診療所の利用を促進するため、紹介患者については新たに紹介患者加算が診療報酬上で新設されたということで、200床以上の病院にあっては紹介状を持たない初診の患者さんについては、診療報酬で定められた初診料以外に新たな加算部分について全額自己負担の特別料金を徴収できるということになったものである。医療局としては、中央病院を含めて14病院が該当することになるわけであるが、これは、政策的に病院と診療所との機能分担の推進、あるいは紹介患者と紹介状を持たない患者との負担の均衡から判断して徴収はやむを得ないのではないかと考えておるが、しかし実施に当たっては、今後他県の状況もはっきりしておらないので、他県の状況だとか県民への周知期間等を勘案しながら慎重に対応してまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 この特定療養費、特別加算は結局県民に新たな負担をもたらすものであるから、局長は慎重に検討と言っていたので、私は県立病院の創業の精神に立って、ぜひそういう県民、患者に対する負担のしわ寄せにならないようにひとつこれは御検討をお願いをする。
 それで、午前中の質問にもあったけれども、給食の外部委託について私も一言お聞きする。
 そもそもこの給食の外部委託というのは、入院給食費の有料化とセットであった。給食業界が厚生省官僚を接待して海外旅行に連れて行って、そうして入院給食費が有料化された。そして、有料化された入院給食費を今度は業者が受け持つという、こういうシナリオでやられたものである。私は、これは本当に給食そのものが医療活動の一環であるから、安易なこういう方向、これは取るべきじゃないと思うがいかがであろうか。

〇吉川参事兼業務課長 給食業務委託についてお答えするが、基本的には厚生省はそういう動きだろうと思うけれども、現状を見ると、いろいろたくさんの課題がある。やはり患者ニーズにも個別対応がたくさん導入されてきておるので、それから、その受け入れ体制というか、業者の方の受け入れ体制というのも課題であるので、今後慎重にそれは対応を考えていかなくてはならないというふうに考えておる。

〇斉藤委員 慎重にの中身ちっともわからないので、これはぜひ県民の立場でやっていただきたい。
 次に2つ目、一戸と北陽病院の統合問題についてお聞きをする。
 この統合問題は、昨年9月突然の発表で、地元の町民にも知らされた。最近、短期間に一戸町内で4、000名の署名が集められている。その要求項目は、1、ベット数削減の撤回、2、両病院の充実、単独での新築、3、常勤医師の各増員、救急体制の充実、こういう中身である。約1万5、000名の有権者の中で、短期間に4、000名の署名がこういう形で集められてた。このことを医療局はどう受けとめているか。

〇中村医療局長 庁内でそういう署名の動きがあるやの情報は聞いておる。いずれ一戸、北陽については今までも申し上げておるわけであるが、両病院の担っておる現在の医療機能を充実強化してまいりたいと。特にも、この一般医療と精神医療の有機的な連携のもとに総合的な医療を提供することを目指しており、それに必要な体制も十分整えていきたいと思っているし、現在、両病院においても合同の新病院建設の検討委員会を開催しており、よりよい病院づくりを目指して検討を重ねておるところである。

〇斉藤委員 私は2月の1日に一戸病院の視察を行ってまいった。一戸病院は外来で1日約700人待ち時間が長いと問題になっておった。ところが入院患者が少ない。この少ない入院患者を理由に、28床のベット数の削減が統合問題と絡めて提案をされているわけである。外来患者がふえているのに、少なくないのに、なぜ入院患者がこのように少ないのか、その理由を医療局はどう見ているんであろうか。

〇中村医療局長 いろんな要素があると思うが、外来がふえてきたというのは、医師の配置が最近では最も多い状況になっておるし、入院との関係については高齢化の進展に伴って、老人保健施設も整備されてきておるし、あるいはそういう道路整備と相まって患者ニーズの対応、あるいは中核病院とのこの連携の促進などもあって悩んでおるものというふうに認識しておる。

〇斉藤委員 実は、一戸病院の問題について1、115人の方々のアンケートをとった。そのアンケートの中身を見ると、こうなっている、診療体制について。常勤の医師がいない。診察行くたびに医師が違う。1回の診療で3回通院し、3人の医師から診ていただいたことがある。私はやっぱり地域の住民は地元の病院に期待をして、外来では決してこの患者は減っていない。ところがやっぱり入院となると、少し難しい専門医がいないということてすぐ福岡病院に回される。私は地域住民の期待にこたえて、こういう診療体制を充実すれば、決してこの入院患者のベット数の回転数というのは現状より大幅に改善できるんじゃないかという感じがする。その点で統合問題とあわせて28床のベット数の削減というのは、やはり一般診療の縮小ということにならないか。どうであろうか。

〇中村医療局長 ベットの実際の現在のこの利用率は、委員御存じのとおり、年々減ってきておるし、その背景にはいろんな人口の減少やらあろうと思うし、一方では、この診療体制については、3月1日現在では常勤医11人、さらに、この1月1日からは小児科の常勤も配置しているところであり、そういう体制の中での配置と、またベットの減とは充実とは別に考えて体制を整えていきたいと思っている。

〇斉藤委員 先ほど局長は、地域医療を完結型にしたいと言った。私はこれが本当に実施されるなら、外来患者もふえ入院患者も必ずふえると思う。実は、高田病院の記事がここにあるが、高田病院も同じなんである。外来患者は年々ふえている、ところが入院患者は減少していると。良心的な医療のあかしだという記事がこう書いているけれども、在宅治療が進んだと、こう書いているけれども、私はやっぱり地域完結型の診療体制を充実すれば、本当に地域の住民の期待にこたえた病院として、さらに充実強化されるんではないか。実は、長期経営計画それ自身がそのことを提案をしていたわけである。その長期経営計画は、地域医療の問題について地域に根差した地域社会からの信頼の確保、地域に根差した病院づくりということを提案をしていた。私は、ぜひ後期経営計画の見直しでは、このいいところを受け継いで充実させるようにしていただきたい。
 それで統合問題について、あとまとめてお聞きする。
 老人性痴呆疾患センターを設置するとあるけれども、これは120床の一般病床で行うのであろうか。
 人工透析の台数をふやすとあるが、看護婦増員の見通しはどうであろうか。
 精神病院は報告では---これは検討委員会報告であるが、国、県に移管を提案をしているが、一方では統合を進める、この報告の趣旨と統合のかかわりはどう理解すればいいんであろうか。

〇中村医療局長 老人性痴呆センターの関係であるが、これは、老人性痴呆疾患に関する相談に応じながら、適切な指導・診断、あるいは処理方針等を行うということで、精神科を有する総合病院、または精神科のほか内科系、外科系の診療科を有する病院に設置することとしており、これは、l床以上のあきベットを確保するということが条件なわけであるが、今回の統合においては、この統合後の370床の中で対応を考えていきたいと考えておる。
 それから人工透析の関係であるが、入工腎臓など人工透析の医療体制の充実をしてまいりたいと考えており、現在10台で対応しておるが、これをプラス何台にするか検討中であるが、増設に当たっては必要な体制は確保してまいるという考えである。
 それから、県立病院については、従来から全病院一丸となって県民医療の確保に努めてまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 残念ながら、これまともな答弁になってなかった。老人性痴呆疾患は一般病床で対応するのか、精神病床で対応するのか、これ大変重大な問題である一般病床は28削減されているのだから。そのことをぜひお答えいただきたい。
 精神病院の問題については、私は北陽病院も視察をして院長先生から話も聞いてまいった。院長先生は、大変外来中心の医療に脱皮する絶好の機会だと情熱を持ってお話をしておられた。それで結論的にこう言っている。日本でもまだ少ない精神科主体の総合病院であると。そういう位置づけになるんであろうか。

〇中村医療局長 センターの病床についてはいずれ、これはいろんな検討委員会現在やっているので、そういうところで検討して対応したいと思っているし、それから現在、センターは県内では岩手医科大学の附属病院にある。それと現在の遠藤先生は非常に前向きで熱心にいろんな提案をされておるので、検討委員会の中でくみ取りながらいい病院づくりにしていきたいと思う。

〇斉藤委員 肝心なところに答えられないと、恐らく都合が悪いのかどうか察するところであるが、ぜひ一般診療のさらなる縮小にならないように対応していただきたい。
 次に、2人夜勤体制の解消の問題について質問する。
 2人夜勤体制の現状、実態はどうなっているであろうか。

〇加藤職員課長 夜勤体制の関係であるけれども、県立病院の各病院の夜勤体制については、看護婦が準夜あるいは深夜とも2人が勤務する二・二体制をとっておるのは、全病棟94病棟の約31%に当たる29病棟で二・二体制をとっておる。ちなみにその他の関係についても若干触れさせていただくが、準夜、深夜のいづれかについて3人の看護婦が勤務しておる、いわゆる、二・三、または三・二の体制をとっているのが22病棟で23%に相当する。さらに、看護婦が準夜、深夜とも3人が勤務する三・三体制は33病棟、35%である。残りの病棟が準夜、深夜のいずれかについて4人の看護婦が勤務するいわゆる四・三、または三・四体制あるいは看護婦が準夜、深夜とも4人勤務する四・四体制、このようになっておる。

〇斉藤委員 今の答弁であると、二・二が29で二・三もしくは三・二が22ということである。そうすると、51病棟が2人夜勤でやっている。2人夜勤というのは、50人から60人の患者を対象にして、1人が病状に変化があればそれにつきっ切りにならなければならない。
 あとたった1人で五、六十人の患者を見るという、こういう体制である。本当に事故があったらどうなるか、と、看護婦さんは本当にそういう点では緊張の連続というか、ぎりぎりのところでやっておる。県立病院で94病棟中51が2人夜勤体制というのは、私は県民が安心して医療を受ける、入院をするという点では早急な改善が必要だと思うけれどもいかがであろうか。

〇加藤職員課長 夜勤体制については、それぞれの病棟におけるベット数とかあるいは患者の重症度等の業務量を総合的に勘案して看護の質と量に応じた勤務体制、このようになるように運用してきておる。患者さんに良質の医療を提供する上で、必要があると判断される場合には、適宜、その体制の見直しを行っているところであるし、今後ともそのように考えて進めてまいりたいと思っておる。

〇斉藤委員 私は現状からいくと必要があると思う。
 問題は定員であろう。私、9月の医療局の決算のときに増員計画であと78名残っていると。早くふやして、こういう体制を改善してほしいということを求めておった。ぜひ、増員計画がまだあるわけだから、早く増員措置もとって、2人夜勤体制の改善を図っていただきたいとお願いをしておく。
 看護婦さんの労働条件の改善について、特に病院内の研修、これが勤務時間内、休み時間、時間外などに実施をされて、今でも大変な労働条件の中で大きな負担になっていると私聞いた。これは必要な研修もあるであろうけれども、こういう状況を改善すべきと思うけれどもいかがであろうか。

〇加藤職員課長 看護職員に対する病院内での研修が負担になっていないかとの御指摘であるが、複雑多様化する医療需要やあるいは医学、医術の進歩に対応するためには、やはり常に職員の研修あるいは職員みずからが自己研修を行う、こういう必要があろうかと思っておる。そういうことから、病院では特に技術の習得等、直接業務に密着した実務研修を行っており、看護技術の向上に努めておる。しかし、看護婦という職業柄あるいは交代制勤務等もあるので、研修会に参加することが困難なこともあると、そういうことは認識いたしておる。そこで、現場の総看護婦長等を通して無理のない、また、参加しやすいような短時間での実施とか、あるいは同じものを繰り返し実施するという配慮と工夫をして実施するよう指導しているところである。さらに、機会あるごとにこういう指導を加えてまいって、改善すべきは改善してまいりたいと、そのように考えておる。

〇斉藤委員 今のは大変私前向きの答弁だと思うので、ぜひそういうふうに改善すべきは改善すると、実態にかみ合ってやっていただきたい。
 最後である。異常な超過勤務の改善について最後にお聞きする。
 県の医療局労働組合は3月15日、岩手労働基準局長あてにこの超過勤務の改善の申し入れを行った。私も実態を聞いて本当に驚いた。一戸病院の場合、これ事務職員であるけれども、レセプトの期間である、1週間で33.3時間から45時間超過勤務している。臨時の方も1週間で19.3時間。磐井病院の場合は1週間で18時間から20時間それぞれ超過勤務している。大体40時間なんというのは、1週間で2週間分働いているということである。異常なことである。もちろん、ここには、女性の職員も入っている。それで、実態を医療局はどう把握しているか。女性労働者の場合の残業はどう規制されているか。改善の見通しはどうかお聞きする。

〇加藤職員課長 超過勤務の実態と改善の見通しはどうかということであるが、平成7年の4月から平成8年の1月までの時間外勤務の状況を見ると、職員1人、1ヵ月平均11時間54分である。これは平成6年度の同じ時期に比較して24分減少しておる。このうち、事務部門については1人、1ヵ月平均25時間36分であり、平成6年度の同時期に比較して1時間24分減少しておる。しかし、今委員御指摘のように、今年度から稼働しておる新オンラインシステムの導入直後に、当初想定し得なかった初期トラブルが発生したり、あるいはそれが診療報酬請求明細書の作成時期に重なったというようなこともあり、一時的に時間外勤務が多くなった病院があったことは承知しておる。しかし、これは新システムになれないという点もあるから、この新システムになれるに従って状況は落ちついてきていると受けとめており、新システムが軌道に乗ることによって改善されるものと、そのように考えておる。

〇斉藤委員 女性労働者の残業の規制について答えがなかったけれども、私はそう落ちついてくるという、そんな甘いものじゃないと。毎月毎月レセプトやっているわけで、そんなに甘いものじゃない、課長知っているように、実態は。だから、これは全然さっきの答弁と違って居直り答弁だけれども、ぜひ労働基準局長にまで訴えられるような事態なわけだから、誠意を持って改善をしていただきたい。お願いして私の質問を終わる。

〇那須川委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇那須川委員長 質疑がないようなので、これで医療局関係の質疑を終わる。
 次に、地方労働委員会事務局長から地方労働委員会関係の説明を求める。

〇藤田地方労働委員会事務局長 地方労働委員会関係の予算について御説明申し上げる。 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げるので、説明書の150ページをお開き願う。
 第5款労働費第3項労働委員会費のうち1目委員会費3、454万9、000円は、委員の報酬及び委員会運営に要する経費であり、2目事務局費1億2、671万8、000円は、事務局職員の人件費等事務局の管理運営に要する経費である。
 以上で、地方労働委員会関係の予算についての説明を終わる。よろしく御審議のほどお願いする。

〇那須川委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇那須川委員長 質疑がないようなので、これで地方労働委員会関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。本日はこれをもって散会する。
   午後3時55分 散 会


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