平成8年9月定例会 決算特別委員会(企業会計)会議録

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平成8年9月30日(月曜日)
   

1開会 午前10時4分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 村上勝治
議事課長 及川宣夫
議事課長補佐 西田幸男
主任議事管理主査 駿河 勉
議事管理主査 中澤 悟
議事管理主査 上柿 聡
議事管理主査 南 敏幸

1説明員
医療局長 吉田敏彦
医療局次長 福岡勝夫
参事兼経営指導室長 吉川達男
参事兼システム管理室長 田高則男
管理課長 千葉 弘
職員課長 加藤善教
業務課長 山内 茂
医師対策監 高橋隆治
 
監査委員 源新義弘
監査委員 橋本光男
監査委員事務局長 川村禎佑
総務課長 小野寺 禎 夫
監査課長 山瀬宗光
 
財政課長 佐藤 勝
   

〇村上議会事務局長 御承知のとおり、委員長が互選されるまでの間、委員会条例第7条第2項の規定によって、年長の委員が委員長の職務を行うこととなっておるので、年長の委員を御紹介申し上げる。出席委員中、藤原哲夫委員が年長の委員であるので御紹介申し上げる。藤原哲夫委員、どうぞ委員長席に御着席をお願いする。
   〔年長委員藤原哲夫君委員長席に着く〕

〇藤原年長委員 ただいま紹介された藤原哲夫である。何とぞよろしくお願い申し上げる。
 それでは、ただいまから決算特別委員会を開会し、直ちに本日の会議を開く。
 これより委員長の互選を行う。委員会条例第7条第2項の規定により委員長互選の職務を行う。
 お諮りする。委員長互選の方法については指名推選の方法によりたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原年長委員 御異議なしと認める。よって、互選の方法は指名推選によることと決定した。
 お諮りする。指名の方法については、当職において指名することにいたしたいと思う。これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原年長委員 御異議なしと認める。よって、当職において指名することに決定した。 決算特別委員長に藤倉正巳君を指名する。
 お諮りする。ただいま当職において指名した藤倉正巳君を決算特別委員長の当選人と定めることに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原年長委員 御異議なしと認める。よって、ただいま指名した藤倉正巳君が決算特別委員長に当選された。
 ただいま当選された藤倉正巳君が委員会室におられるので、本席から当選の告知をする。藤倉委員長、委員長席にお着き願う。
   〔決算特別委員長藤倉正巳君委員長席に着く〕

〇藤倉委員長 ただいま委員各位の御推挙によって決算特別委員会委員長を御指名いただいて大変光栄に存じておる。
 委員各位の御協力によって職務を全うしたいと存じておるので、各位よろしくお願いする。
 引き続いて副委員長の互選を行いたいと思うが、御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤倉委員長 御異議なしと認め、さよう決定した。
 これより副委員長の互選を行う。
 お諮りする。副委員長の互選の方法については、指名推選の方法によりたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤倉委員長 御異議なしと認める。よって、互選の方法は指名推選によることに決定した。
 お諮りする。指名推選の方法については、当職において指名することにいたしたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤倉委員長 御異議なしと認める。よって、当職において指名することに決定した。
 決算特別副委員長に樋下正光君を指名する。
 お諮りする。ただいま当職において指名した樋下正光君を決算特別副委員長の当選人と定めることに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤倉委員長 御異議なしと認める。よって、ただいま指名した樋下正光君が決算特別副委員長に当選された。
 ただいま当選された樋下正光君が委員会室におられるので、本席から当選の告知をする。
 樋下副委員長、ごあいさつをお願いする。

〇樋下副委員長 ただいま委員各位の御推挙により決算特別副委員長に御指名をいただいて大変光栄に存じているところである。
 委員長を補佐して、各位の御協力をいただきながら円滑に運営できるよう、皆様の御協力をお願い申し上げる。(拍手)

〇藤倉委員長 お諮りする。当決算特別委員会に付託された決算3件についての審査の方法であるが、本日は医療局関係について、10月1日は企業局関係についての説明を求め、質疑を行うこととし、決算3件に対する意見の取りまとめと採決については10月1日の企業局関係の質疑が終わった後、各会派の意見調整を経た上で行いたいと思うが、これに御異議ないか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤倉委員長 御異議なしと認め、さよう決定した。
 これより議事に入る。認定第1号平成7年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第3号平成7年度岩手県工業用水道事業会計決算までの3件を一括議題とする。
 これより医療局関係の審査に入るわけであるが、北陽病院事件に対する最高裁判決について医療局長から発言を求められておるので、発言を許すこととし、引き続き認定第1号平成7年度岩手県立病院等事業会計決算について医療局長の説明を求める。

〇吉田医療局長 平成7年度決算の御説明を申し上げる前に、昭和61年に発生した北陽病院の入院患者が無断に離院し、横浜市において私服で通勤途上の警察官を刺殺した事件について、先般、報道があったとおり、最高裁判所から県に管理上の過失があるとの判決があった。精神医療を理解してもらえない判決結果となったが、改めてお亡くなりになった被害者の方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族の方々に衷心からお悔やみ申し上げるものである。
 医療上の見解はともかくとして、県立病院における事件発生後の対応については、速やかに職員の教育及び作業療法の業務基準の見直しなど、再発防止のための方策を講じてまいったところであるが、今後においても、このたびの判決を尊重しながらも、精神障害者の人権と開放的な方向に進んでいる精神医療が後戻りとならないよう、従来にも増して最新かつ適切な医療の確保を図るなど、県民の信頼にこたえてまいる所存である。
 それでは、認定第1号平成7年度岩手県立病院等事業会計決算について御説明を申し上げる。
 県立病院等事業の運営に当たっては、地方公営企業法第3条に規定する経営の基本原則並びに県立病院等の設置の本旨、県議会の審議を通じての御意見、県営医療審議会及び監査委員の御意見の趣旨を踏まえて、まことに厳しい医療環境ではあるが、事業の効率的な運営と経営の健全化に配意しながら、公的医療機関としての使命である県民の医療の確保に努め、さらには保健福祉と連携し、その向上に努めてきたところである。
 事業の概要としては、良質で効率的な医療供給体制と、これを支える安定した経営基盤の確立のため、長期経営計画に掲げる目標の実現に向けて多様な取り組みを展開してきたところである。
 まず、診療活動の面においては、年間延べ634万7、000人に及ぶ患者さんの診断、治療に当たってきたほか、県民の健康の保持増進のため、関係機関との連携のもとに、健康診断や予防接種、健康指導あるいは疾病予防等の保健衛生活動についても積極的に推進してきたところである。
 次に、診療体制及び施設等の整備についてであるが、医師については、岩手医科大学を初め、東北大学及びその他関連大学との連携を密にしながらその確保に努めてきたところであり、今後においてもなお一層の努力をしてまいりたいと考えておる。また、医師以外の看護部門等の職員についても、新看護体系への移行などに対応するため、所要の増員を行ったところである。
 施設の整備については、増大かつ複雑多様化する医療需要と、医学・医術の進歩等に的確に対応するため、千厩病院移転新築工事及び東和病院移転新築工事を完了したほか、江刺病院増改築工事に新たに着手し、また、前年度に引き続いて胆沢病院移転新築工事及び久慈病院移転新築工事も施工しているところである。
 医療器械については、全身用コンピューター断層撮影装置、ディジタル・サブトラクション・アンギオグラフィ装置等の放射線設備及び各種検査機器等の整備を行ったところである。
 以上、業務の概要を申し上げたが、御案内のとおり、人口の高齢化の進展や社会経済情勢が急速に変化する中で、我が国の医療は大きな転換期を迎えようとしており、医療をめぐる環境は今後一段と厳しさを増すものと受けとめているところである。医療局としては、こうした時代の変化と要請に的確に対応しながら、今後とも創業の精神を事業運営の基本に据え、公的医療機関として、県民医療の確保のため、強い使命感と高い倫理観のもとに患者さんへのよりよいサービスに努め、特にも医療事故の未然防止に配意し、県民の皆様からより信頼され、愛される病院づくりに職員一丸となって全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えておるので、県議会並びに関係各位の一層の御指導をお願い申し上げる次第である。
 それでは、お手元の決算書に基づいてその概要を御説明申し上げるが、決算報告書は予算に対する決算という性格上、消費税相当額を含めた金額で作成するものであるが、損益計算書及びその他の財務諸表は消費税抜きの金額で作成することとなっており、金額に相違があるので、あらかじめ御了承をお願いする。
 決算書の1ページをお開き願う。決算報告書の収益的収入及び支出であるが、収入の第1款病院事業収益は、予算額1、008億1、800余万円に対し、決算額は1、003億700余万円である。次に、支出であるが、第1款病院事業費用は、予算額1、006億6、700余万円に対し、決算額は1、000億9、300余万円である。
 2ページをお開き願う。資本的収入及び支出についてであるが、収入の第1款資本的収入は、予算額178億5、900余万円に対し、決算額は171億4、400余万円である。その主なものは、第1項企業債146億5、600万円、第2項出資金2億3、600余万円、第3項負担金19億3、300余万円などである。
 次に、3ページに参るが、第1款資本的支出は、予算額215億6、900余万円に対し、決算額は210億7、500余万円で、その主なものは第1項建設改良費が166億8、100余万円で、千厩病院移転新築工事、東和病院移転新築工事、胆沢病院移転新築工事及び医療器械等の整備に要した費用である。
 第2項企業債償還金41億4、800余万円は施設等の整備のために借り入れした企業債の償還金である。
 なお、資本的収入が資本的支出に不足する額64億6、000余万円については、前年度からの繰越工事資金2億7、400余万円及び過年度分損益勘定留保資金31億9、100余万円等で補てんし、残りの29億8、700万円は、当年度許可済未発行企業債で措置するものである。
 次に、損益計算書について御説明申し上げる。4ページをお開き願う。医業収益であるが、892億4、100余万円で、前年度に比較して46億8、300余万円で、5・5%の増加となっておる。収益の主なものは、入院収益502億2、200余万円と外来収益345億6、700余万円である。次に、医業費用は937億3、400余万円で、前年度に比較して38億5、800余万円、4・3%の増加となっておる。費用の主なものは、給与費501億1、400余万円、薬品を主な内容とする材料費が312億9、500余万円、光熱水費、修繕費、賃借料、委託料等の経費が85億1、800余万円、減価償却費33億2、900余万円などである。
 また、医業外収益は107億5、500余万円で、前年度に比較して4億100余万円、3・9%の増加となっておる。医業外収益の主なものは、一般会計補助金24億8、000余万円と、一般会計負担金のうち医業外収益として繰り入れした負担金交付金74億1、600余万円などである。5ページに参るが、医業外費用は57億9、300余万円で、前年度に比較して5億900余万円、9・7%の増加となっておる。費用の主なものは、支払い利息及び企業債取り扱い諸費41億3、300余万円と仕入れ控除できない消費税11億8、500余万円を含む雑損失13億2、000余万円などである。
 また、特別利益2億5、700余万円は、中央病院用地の一部を道路用地として売却した利益及び旧東和病院用地を売却した利益であるし、特別損失5億2、100余万円は、旧大船渡病院の建物取り壊しなどの費用及び千厩病院並びに東和病院の移転等に要した費用である。
 この結果、平成7年度の病院等事業会計の損益は、診療報酬の改定はなかったものの、患者数の確保に努めたこと、医療器械の導入による医療の高度化を進め、患者さんへの医療サービスの充実を図ったこと、薬品等、医療材料の廉価購入に努めたことなどの経営努力を行ったところ、昭和63年度以来、6ページの剰余金計算書のところに記載しておるとおり、7年ぶりに当年度の純利益が2億500余万円となったものである。この結果、当年度末の未処理欠損金、いわゆる累積欠損金は87億400余万円となるものである。
 以上、事業の概要、決算報告書、損益計算書について御説明を申し上げたが、剰余金計算書及び貸借対照表、その他の事項については説明を省略させていただきたいと存ずる。 以上で説明を終わるが、よろしく御審議を賜るようお願い申し上げる。

〇藤倉委員長 これより質疑に入るわけであるが、北陽病院事件の質疑は決算審査の質疑の後にしていただくようお願いする。
 なお、世話人会の申し合わせにより、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いする。
 また、関連質疑については、質疑冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を求めているものであるので、その性格上、関連性のあるもののみ短時間に簡潔に発言されるようお願いする。
 なお、過去の特別委員会において、関連質疑ということで発言し、要望のみで終わる例があったので、そういうことのないよう御協力をお願いする。
 ただいまの吉田医療局長の説明に対し質疑ないか。

〇村田委員 冒頭発言させていただく光栄に浴したが、暫時よろしくお願い申し上げたいと思う。
 まず、質問に入る前に、先般逝去された中村直元知事のみたまに深く哀悼の意を表するものである。
 中村先生は、83年の御生涯を常に県政の第一線に置かれ、特にも初代の医療局長として、国分県政の当時であったが、今日の県営医療を生み育てられたという御努力、御功績に敬意を表する次第である。医療局においては、県営医療の発展などに功績のあった病院や職員に対して、先生の功績をしのび、中村賞を創設し、毎年表彰していることなどは記憶に新しいところである。
 それでは質問に入らせていただく。
 まず、平成7年度決算の特徴についてお伺いするものである。ただいまの医療局長の決算説明にもあったように、平成7年度決算は、平成6年度決算に比較して3億6、000万円余収支が好転し、昭和63年度決算以来7年ぶりに2億500万円余の黒字決算となったところである。例えば医業費用については、前年度898億7、600余万円、7年度については937億3、400余万円となっており、4・3%の費用の伸びが見られるわけで、その中でも給与費などの義務的経費を除くと、薬品や診療材料などの医療材料費が大きな割合を占めているところである。その医療材料費を分析すると、前年度が289億9、500余万円、32・3%の全体の会計に占める構成比であるが、7年度の構成比を見ると297億1、400余万円となっておって、31・7%と構成比が小さくなっている。これは、効率的な運営に多分に御努力を願ったということで、大いに評価してよいのではないかと思うわけである。御存じのように、地方公営企業は常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営せられなければならないと定められておって、このことから言っても、病院事業が黒字決算となり、さらに県民の健康を守るために努力をされたということは大変力強いことである。また、県立病院の傘下にある職員が大いに誇りを持っていることではないかと存ずる。
 そこで、医療局では、この1年間の事業運営を通じて、平成7年度の決算の特色、特徴というものの性格をどのようにとらえておられるのか、その点についてまず局長の御所見を承りたいと思う。

〇吉田医療局長 平成7年度の医療局の決算の特徴と性格ということのお尋ねであるが、おかげさまをもって2億余の黒字決算をいただいたけれども、これはやっぱり県民の皆さんの県立病院に対する深い理解と信頼のたまものだというふうに考えておるし、そしてまた、病院の職員が一生懸命経営基盤の改善等、あるいは患者さんへのサービス等に努力した結果によるものと、そしてまた、一般会計からの御支援等もあったことなど、こういったことが要素として出たものと受けとめているところであるが、その内容を申し上げると、特徴というか、入院患者さんの数から申し上げると、入院の面からいった場合には、患者さんは横ばいの状態である。入院患者さんの数は年間198万7、000人余りで、約200万人、前年度に比較して2万6、733人、1・4%の増加である。前年度、いわゆる平成6年度であるが、6年度は4、509人、0・2%の増であったが、それに比べると大幅に増加になったということが言えるわけである。1日平均患者数で申し上げると、1日平均58人、1・1%の増加で、前年と比べた場合には、前年度が12人で、割合は0・2%であったことから、患者さんの数は増加している。ただ、大きな流れからいくと入院患者さんは横ばいの状況にある。ふえたけれども、横ばいの状況にあるということである。
 それから、外来患者さんの関係であるが、外来患者さんの数は過去最高となっているところである。年々ふえ続けておるが、平成7年度は過去最高ということで、年間延べ435万9、902人ということで、前年度に比較して7万4、508人、1・7%の増加ということである。6年度は840人であった。5年度と6年度を比べた場合にはほとんど伸びがないという状況である。これが7年度は大きく伸びて、過去最高の患者さんの数となったということである。ただ、伸び率は昭和62年度がピークで、その当時は6・2%の伸びということで、外来患者さんの伸びも鈍化してきている。伸びてはいるけれども、鈍化しているということである。
 それから、診療報酬の構成の関係であるが、外来患者さんの割合は申し上げたように高いわけであるが、診療報酬は、制度上どちらかというと入院にシフトされておるということで、県立病院の場合には、診療報酬のウエートは入院が高いということになっているところである。
 県立病院の患者さんの動向は、入院患者さんに対し外来患者数の割合が高くなっておって、平成3年度対7年度で比較すると、平成3年度は208%が入院に対して外来患者さん、それが7年度においては219・4%、いわゆる倍以上ということで、3年度に比べた場合には10・7ポイントの増加ということである。半面、今申し上げたように、診療報酬は入院にシフトした形になっておるということである。
 それから、病床利用率であるが、病床利用率は比較的高い状況になっておって、ことしは88・8%であったが、6年度は89・1と、ほぼ同率だということである。男女差とか、あるいは重症度あるいは救急対応などを考えると、比較的高い利用率となっているというふうに考えているところである。
 これは患者さんの動向から見た場合であるが、収支の面から見た特徴を申し上げると、創業以来初めて1、000億円台に乗ったというのが大きな特徴、46年目にして1、000億円の大台に乗ったということである。
 それから、各病院が患者さんの対応によく努めた結果、病床の効率的な利用ができたというふうに考えておるし、医療の高度化や適時適温給食の導入などの経営努力によって、患者さん1人当たりの収益が入院、外来とも増加しておる。入院、外来収益をあわせた料金収入が前年と比較すると45億1、600万円ほどで、対前年5・6%の増加となったところである。
 支出の大宗を占める給与費の件であるが、給与の関係は、改定が低率であったということで、定期昇給所要額などが増額であったが、その額が比較的少なかったわけである。前年度に比べて、給与費は総体とすると26億9、400万円ほどで、5・7%の増加である。給与改定は低率で1・02%、6年度の場合は1・29%であったが、給与改定は3億6、500万円程度で済んでいるわけである。一方、定期昇給が9億3、800万円ほど増額している。それから、退職給与金が6億2、700万円ほどということで、退職者が多かったということである。
 それから、職員が増加いたしておって、正規職員の採用の92人の増加があったということである。この増加の主なものを申し上げると、看護婦さんが61人増加になったということ、それから医師が13人増加したということなどが給与費の増加の原因となっておる。
 それから、材料費であるが、患者さんの伸びに伴うわけであるが、診療内容の高度化とか、あるいは新規開発製品の使用などに伴って、一般的に見ると薬品等の材料費は増加傾向にある。ただ、廉価購入に努めたために、平成6年度決算時の対前年度伸び率の3・3%よりも低い伸びに抑えることができて、2・2%の伸びとなり1ポイントほど低く経費を抑えることができたということである。
 もう1つであるが、一般会計からの負担金である。これは、6年度と比較した場合には5億8、000万円余の増加となっておるが、これは大幅なルール改正はなかった。ただ、繰入金算定の基礎となる企業債利息の増加そのものが大きくなっているということで繰り入れが多くなった。それから、地方財政計画の単価の引き上げが若干あったということ。そういうことで、6年度に比較して5億8、300万円、5・1%の増加になっているということが特徴として挙げられる。
 そういうことで、この結果、収支では2億500万円余の黒字となったわけで、累積欠損金を若干でも減らすことができたということである。この結果は、先ほど申したように、県民の皆さんの御理解、御支援と、それから、職員の努力によるものというふうに考えておるところである。

〇村田委員 中身のバランスシート、その他の表にあらわれてまいった数値は初めての1、000億円台を実現したということ等々、さらにまた、今お聞きすると、一般会計の繰り入れの5億8、000万円の伸びということの主なる要素は救急医療に対する対応というようなこと等によるもので、その点についても大変御努力願っておる。また、一般会計の繰り入れについての考え方についても敬意を表する次第である。
 次に、今後の事業運営についてお伺いするわけであるが、医療を取り巻く情勢は、医療法の改正や医療費抑制策など、国の政策と相まって今後とも大変厳しさが続くものと考えられる。医療局として、平成8年6月に従来の長期経営計画の見直しを行って、新たに平成12年を目途にしてヒューマニティー21計画という計画を策定したところである。その実施の今後の方針というか、もう実施の年次に入っておるわけであるので、今後この病院の事業というものを総合的に見て、どのように重点を置き、どういう配慮をしながら実施に移されていくお気持ちであるのか、御所見を承っておきたいと思う。

〇吉田医療局長 長期経営計画の今後の展開の方向というお尋ねであるが、医療をめぐる環境の変化というものは、委員御案内のとおり、最近の少子・高齢化社会やあるいは医学・医術の進歩あるいは疾病構造の変化など、あるいは科学の進歩に対応して医療のシステムも大きく変化しておるところである。そしてまた、そういった変化に対応して国の医療政策も変わろうとしている、あるいは変わった部分もあるということで、診療報酬の体系もいろいろな改革と申すか、変化と申すか、そういった形で推移してきているということなわけであるが、今後どのような変化をするのかをできるだけ可能な限り見通しを立てて、それに対応していかなければならないわけであるけれども、このヒューマニティー21という副題をつけた長期経営計画の平成12年までの5カ年の取り組みであるが、これについては、県立病院が将来とも県民に良質で最適な医療サービスを安定的かつ継続的に提供していくということがまず必要なわけで、御指摘のあったように、公営企業はいわゆる県民の医療の確保という公的使命と、一方では経済性も求められるということで、その両方を満たすべく努力していかなければならないというふうに考えているところである。
 具体的には、限りある医療資源を効率的、効果的に活用するということで、28病院あるスケールメリット、これを生かしていかなければならないということで、連携のネットワークを組んでいかなければならないというふうに考えているところである。それからまた、県民の医療の確保は県立病院だけではなくて、市町村立の病院あるいは診療所あるいは開業医さん等、もろもろの分野で相協力し合いながら県民の医療の確保に当たるわけであるが、そういった関係のところと連携を密にしながら地域の医療を確保し、それと関連しながら保健とか福祉と連携して幅の広いサービスが展開をしていけるように進めてまいりたいと考えているところである。
 さらに、職員が一丸となって心の通う患者中心の医療の展開に努めるということで、職員のさらなる意識啓発、それから、環境の変化に柔軟に対応できる活力ある組織づくりを目指してまいりたいと思っておる。そのためには、このヒューマニティー計画に書いてあるような事柄について具体的な検討をさらに進め、着実に計画の実現を図って安定した経営基盤の確立を目指して、そして今後とも県民の県立病院に対する期待にこたえてまいりたいと考えているところである。

〇村田委員 大変力強いことであるが、ヒューマニティー21計画、なぜここにヒューマニティーという言葉が出てきたのか。やはりこれは人間愛の問題である。これを基本に据えていこうじゃないかと、こういう医療の、保健の県民に対するアピールではないのかなと思うにつけても、今後の実際に当たっての御配慮、御努力が大変期待されるところである。
 そこで、次に承りたいのは、救命救急センターの整備についてである。
 県においては、広大な県土の救急体制を確保するために、盛岡市の岩手県高次救命救急センターに加え、大船渡地区と久慈地区に県立病院と併設をして救命救急センターを整備するものと承っておる。救急に関する政策医療であるので、事業の主体は環境保健部で実施するものであると思う。しかしながら、県立病院に併設するということであるから、医療局が建設をし、完成後も医療局が運営を主体的に行っていくものであると想像されるわけである。救命救急センターの整備に当たっては、ハードの面では、医療局がこれまでの病院づくりの実績を踏まえつつセンターの建築を進めるのはまことに結構なことであるが、センターがうまく運営されるためには、ソフトの面をどうするかということが大きな課題ではないかと思われる。県からセンターの建設や事業の運営を引き受けるお立場の医療局として、今後のこの事業の取り組みについてのお考えを承りたいと思う。

〇吉川参事兼経営指導室長 救命救急センターの整備についてであるが、県立大船渡病院と久慈病院に救命救急センターの設置ということである。広い県土を抱える本県で、救急医療体制の確立は重要な課題である。その施設あるいは運営体制の整備に当たっても、設置目的を十分に果たし得るように、また、有効に機能を発揮できるものとすることが肝要であると考えておる。現在、これを効率的に運営するために、業務内容あるいは業務量の推計、さらに、病院本体とセンターとの機能分担というようなこと、あるいは24時間体制を支える医師あるいは看護婦、医療技術などのスタッフの体制ということもあって、現在、具体的な検討を進めている段階である。
 医師については、妥当な必要人員を岩手医大等の協力を得て新たに確保したい。さらに、看護婦についても、看護体制の維持が可能な人員について確保しなければならないというふうに考えておる。
 それから、経営面であるけれども、救急医療が不採算部門であるので、いずれ一般会計による適切な支援ルールづくりも含めて、今後検討することとしておる。
 これは、関係部局との密接な連携のもとに体制の整備を図っていきたいというふうに現在進めているところである。

〇村田委員 お話のとおり、救急体制については24時間体制で支えていかなければならない、そして、その場合のスタッフの確保ということ、そしてまた、それが機能的に敏速かつ慎重に誤りなく動いていくということが大変大切であると思うが、お説のように、医師の確保、特に外科系の麻酔科あるいは外科のお医者さんの確保、それから看護婦、薬剤師、放射線科の技師等々技術職の方々の確保、これはどうしても避けて通れないわけであるので、さらに御努力をお願いしたいと思うわけである。
 なお、岩手医大の協力を得てというお言葉もあるが、この点についても十分なひとつ支援体制をしいていただけるように要請をしたいと思うわけである。
 運営面では、救急医療はもともと採算のとれない部門であるけれども、それだけに一般会計では医療局との詰めが常に必要ではないのか。所要の経費を負担していただくというための中身の詰めが必要ではないのかと思うわけであるが、さらに、救急医療は県民にとって重要かつ切実な問題でもあるし、特にも環境保健部と十分な協議をされて、この事業が円滑に県民に信頼される施設として、御努力を切に希望しておきたいと思う。これは要望である。
 次に、28病院の中で、中核病院でない部分、例えば県立大迫病院のような小規模病院の地域的な立場に立っての保健医療における重要性ということをいつも考えさせられるわけであるので、特に大迫病院を例に引かせていただいて質問を二、三したいと思うのである。
 大迫病院では、日常の病院での診療業務はもちろんであるが、それ以外にも、住民が在宅で血圧測定を受けられる在宅成人病対策あるいは正規の勤務時間外に診療を行う、特にもサラリーマン、そういう方々を対象にしての夜間診療など、院長を初め、職員が一丸となって地域に密着した病院を目指し日夜努力をされているわけで、敬意を表するわけである。一昨年は中村前知事を迎えて大迫病院の50周年をお祝いし、さらに昨年は在宅ケア10周年をお祝いしたところである。
 そこで、こういう時代的背景と地域課題を背景としての大迫病院というものがどういう宿題を抱えておるのかということについて伺いたいと思うわけである。大迫病院では、先ほど申し上げたように、日常の病院での診療業務のほかに、地域住民の健康を考え、いろいろな医療活動を行っているところである。医師や看護婦など、それらの活動に従事する者の体制が今の状態でいいのかということである。特にも医師については、本年3月に1名の医師が退職して以来、臨時の医師の派遣で間に合わせておるということを聞いておるのであるが、医師の確保について、大病院であってもなかなか難しい現状であると聞いてはおるけれども、大迫病院のように、地域にあって地域住民のために町村等の末端自治体と密接に連携した保健医療を行っておる病院に対しては、ある程度優先した医師の充足対策があってしかるべきではないかと思うのであるけれども、大迫病院の医師の確保についての見通し、あわせて中核病院とのネットワーク体制、特にもヒューマニティー21計画の中にある中核病院とのネットワーク体制というものをさらに充実をさせていただく、それらの見通しについて承っておきたいと思う。

〇高橋医師対策監 大迫病院の医師確保についてのお尋ねであるが、委員御指摘のとおり、内科医師がことしの3月に退職して、内科は現在院長1人になるということから、関係大学に後任の要請をしてまいったけれども、大学自体でも今すぐには派遣が難しいということで、後任の正規医師の派遣が得られなく、地域住民の方々に御不便と不安をおかけしておる。また、病院にも大変御苦労をおかけしているところである。4月から東北大学から3カ月交代で常勤の臨時医師の派遣を得て、診療に支障がないようにということで努力しておるが、来年の3月までは今の状態が続くものと思っておる。今後も引き続き関係大学に派遣を強く要請してまいりたいと、このように考えておる。
 なお、従前からであるけれども、内視鏡等の消化器の診療を週2日あるいは日当直を週2ないし4回関係大学等からの応援を受けて診療に当たっておるけれども、これについても引き続きお願いしてまいりたいと思っておる。
 また、中核病院とのネットワーク体制の充実についてというお尋ねであるが、ネットワークについては、先ほど委員おっしゃるとおり、ヒューマニティー21の中でもお示しのとおり、いわゆる診療上の人的なネットワークということと、それから、情報通信網を使ったネットワークというようなことが考えられるものであるけれども、大迫病院については、まず、人的な面では、現在中央病院から整形外科、耳鼻咽喉科、北上病院からは小児科がそれぞれ週1回診療応援しておるが、さらに、今年度、情報面で中央病院へCTの画像を伝送して、中央病院の放射線科の専門医からCTの画像診断を受けるというような画像伝送システムの導入も予定しているところである。

〇村田委員 今、そういう絶対数というか、そういう点で医師の確保、診療科によってもまたばらつきがあるようであるけれども、どうにもならぬという現状も理解できるわけであるが、それだけにネットワーク計画というものは、今、情報のホットライン、そういうものの強化もお願いしたいところであるし、また、人的な派遣の問題としても、週1回にとどまっておるということでなく、それを2回にするとか3回にするとかというような御努力もまたぜひともお願いをいたしておきたいと思うわけである。
 次に、大迫病院の経営の成績であるが、平成7年度の大迫病院の決算は1、400余万円の赤字決算であったが、これは前年度の5、300余万円の赤字決算から実に3、800余万円も収支が改善されたということになるわけである。このように、地域に密着したさまざまな活動を行っているほかに、経営面でも努力をしておるということについては医療局ではどのように評価されておるか、御参考までに承っておきたいと思う。

〇吉川参事兼経営指導室長 大迫病院の経営成績の評価であるが、大迫病院の経営収支では、委員ただいまお話のあったように、7年度決算で約1、400万円の赤字とはなったのであるけれども、6年度決算よりも約3、900万円ほど事業が好転をしたということである。大きな要因としては、6年の11月から3交代制というか、看護体制の強化をしたところである。それとあわせて、院長初め、職員スタッフの努力というものがあったものと考えておる。
 それから、大迫病院は、地域病院としての特性を生かして、さらに地域住民と密着した、実は62年の9月からであるが、大分になるわけであるが、県立病院としては初めて夜間診療に取り組んだという病院である。もちろん訪問診療あるいは訪問看護にも取り組みをする一方、多種多様な活動を行っているところである。平成3年度には、これらの活動が認められて中村賞を受賞するなど、県立病院の創業の精神を具現化しているものと評価をいたしているところである。

〇村田委員 地域医療保健、特にも保健所法の改正に伴う環境保健行政の立場からして、保健所の再編が行われるというような現在、現状が変化している。そういう意味において、地域保健というものとの連携、さらに局長がさっきおっしゃった福祉との連携という問題が今後問われていくだろうと思うわけであるが、それだけに医療局行政という立場というものがますます重かつ大であると存ずるので、今後とも県民に親しまれ、そしてまた信頼される医療行政が展開されるよう、また、地域の保健行政、福祉の問題の中核としての立場等も考え、さらに一層の御精進と御努力を期待いたして質問を終わりたいと思う。

〇谷藤委員 それでは、私の方からも平成7年度の決算についてお伺いをいたしたいと思う。
 質問に先立ち、先日、県民医療の充実のために御尽力をいただいてまいった、故中村直先生に対して感謝を申し上げながら、御冥福をお祈りいたすものである。
 それでは、質問に入らせていただきたいと思う。
 まず、平成7年度決算であるが、赤字から黒字に転換をしたわけであるけれども、この要因についてお伺いをしたいと思う。
 今、村田委員の方からも質問等あり重複するところがあると思うけれども、局長からその辺についてのお考えをお伺いしたいと思うわけである。
 平成7年度の決算をお見受けすると、2億500万円余の黒字決算になったところであるけれども、平成6年度では1億5、000万円余の赤字であったということであるから、前年比でいくと3億5、500万円余の努力結果があらわれたということにもなろうかと思うわけである。これらは、医療を取り巻く環境が国の医療費の抑制策等もとられている関係で、非常に診療報酬が据え置かれて厳しい状況もあるけれども、そこの中で大幅な増収というのは本来は余り期待できない環境だったろうと思うけれども、その中でこういう黒字にもっていく努力をされたと、これを高く評価をするものである。医療局としての黒字決算になった要因というもの、先ほど村田委員の方にも答弁された部分もあるけれども、重複を避けて局長の方からの御所見をお伺いしたいと思う。

〇吉田医療局長 平成7年度の黒字要因についてのお尋ねであるが、1つには、患者さんの増加があったことがまず挙げられる。先ほど申し上げたように外来患者さんがふえておるし、それから入院患者さんがふえているということであり、それに関連するわけであるが診療単価が、これは医療器械の整備とかあるいは医療給食の水準を高めたとかなどにより、単価が上がっているということも1つの要因である。例えば、対前年比で見た場合であるが、入院の場合には1人1日当たりの単価が4・1%の伸びがあった。944円という単価である。それから外来が4%、これも大体同じ伸びであり303円の増ということであった。それから、こういう単価が上がった原因は申し上げたように、医療器械の整備などによる高度なあるいは専門的な医療を実施したことにあるわけであるが、そのほかには看護基準の引き上げを行ったところである。いわゆる患者さんの数に対する看護婦さんの数を、割合を高くしたということが1つあるわけである。
 それから、栄養の方、給食の方であるが、いわゆる適時適温給食ということで、今は全部ではないが、大方のところが6時配膳ということで、ライフサイクルに合ったような形で時間の給食をやっている。それからまた、温めて食べていただくものは保温給食と、それから冷たいものは冷たい状態でという形で、適時適温の給食を行っていろんな努力をしたということである。
 それから、その他もろもろ給食関係はたくさんあるわけであるが、この程度にとどめておきたいと思う。
 それから、経営研究会といったものを病院と医療局と一緒になって協議しながら、病院ごとにどこにロスとかあるいはむだとかそういったものがあるのかということをお互いに協議し合うということで、平成7年度の場合は8病院といろいろ協議を重ねたということで、改善の仕方をどこに置けばいいのかと、どこに留意すればいいのかということでいろいろ各病院がそれぞれ努力したし、本庁ともいろいろ協議させていただいたということなどがあろうかと思うわけである。そういったことが単価にはね返ったりあるいは収入の動向にはね返ったというふうなことと存じておる。
 それから、またもう1つには、一般会計の繰り出しのルールの改正は先ほど申し上げたようになかったが、企業債利息がふえたことで、それに対する交付税の増ということで繰り出しが多くなったということがあるし、それから先ほど申し上げたが、村田委員に申し上げたことと重複するが、繰り出しの単価が上がったということ、これも大きな要素ということで考えておる。

〇谷藤委員 いろいろ御努力をされてこういう数字が出てまいったと思う。
 今後ともぜひ、またこれからの時間の中でいろいろな医療機器、高度医療というものが非常に重要になってくるであろうし、創意工夫の中でいろんなまた改善をしていかなければならないところも出てくるだろうと思うけれども、ぜひ、さらなる御努力を期待いたすものである。
 次に、こういうことで平成7年度については黒字という形で計上されたわけであるけれども、今までの累積欠損金ということを考えてみると、平成7年度末で87億400万円余というような累積欠損金が出ておるわけである。非常にこれは多額だなと思うけれども、これらが事業に及ぼす影響というのは相当大きなものがあるだろうと思うけれども、これについてどのように思われておられるのか、まずお伺いをいたしたいと思う。
 それから、先ほど国の医療費抑制策というか、そういうことでの大幅な増収が期待できないと申し上げたわけであるけれども、今後、診療報酬の改定があったとしても大幅な収入の増加が期待しにくい環境だろうなと思うわけである。そんな中で、費用は年々増加するという状況もあると思うし、この累積欠損金を解消していくとすれば、ことし2億500万円余ということでおおよそ2億円と計算しても、欠損金を解消していくということになると四十数年もかかるというような気の遠くなるような年数であるけれども、医療局としてこの累積欠損金の解消ということについてどのように考えておられるのかお伺いをいたしたいと思う。

〇千葉管理課長 累積欠損金のお尋ねである。
 委員御案内のとおり、7年度末の累積欠損金が87億400万円ということである。以前の累積欠損金のピークと申そうか、平成6年度末が過去最高であり約89億円である。それから、それ以前のピークが昭和57年度末で88億8、800万円であった。この累積欠損金の額はいずれ非常に多額なわけであるけれども、その時々の料金収入に対する割合と事業規模に対してどの程度かということで見た場合であるが、昭和57年の88億8、000万円というのは、その年の料金収入が約405億円であるので21・9%になる。それから、7年度末の87億400万円というのは、料金収入848億円に対して10・3%ということで、事業規模がかなり膨らんでいる割には額はふえていないということで、何と申そうか、総体的には減少しているということも言えるかと考えておる。
 それから、事業に及ぼす影響であるけれども、いずれ多額な累積欠損金ではあるけれども、減価償却費など内部留保がある。そういう意味で、現金ベースでは事業運営上、直ちには支障を来さないと考えておる。
 それから、今後の累積欠損金の解消の見通しであるけれども、委員お話しのとおりまさにそのとおりであり、国の医療費抑制という基調の中で診療報酬の改定には多くを期待できない。それから一方において、建設投資、これからも続けていかなければならない、医療器械も買わなければならない、それから、患者さんのサービス向上にも経費がかかるといったようなことで、費用の増加というのも避けられないという事柄を勘案すると、その累積欠損金の解消というのは、正直申し上げて容易にはめどが立たないと感じておる。したがって、当面、今後においては収入の確保、例えば病床利用の効率化あるいは診療報酬の調定漏れ、査定減の防止と、さらに経費面では薬品の廉価購入であるとか経費の節減とか、そういったことを積み重ねて当面は各年度各年度、単年度収支の均衡というのを目指して努力してまいりたいと思う。

〇谷藤委員 非常に厳しい環境の中ということは十分わかっておるし、かといって医療サービスの低下を招くようなことであってもいけないし、手抜きをするようなことであってもいけないということで大変だろうとは思うけれども、改善をまだ要するところもあるとすれば、それに向けて大いに努力もしていただきたいし、そこの中でさらなるこれもまた努力目標にしていただきたいと思う次第である。
 次に、先ごろ策定された経営計画についてお伺いをいたしたいと思う。
 まず、県営医療の経営基盤の確立についてであるが、計画の基本目標の中に、良質な医療サービスを支える安定した経営基盤の確立という目標が掲げてある。いろいろ施策が列挙されておるわけであるけれども、しかしながら医療局では、過去においても多額の赤字が発生したり、経営の問題を議論する際には必ず経営基盤の確立という言葉、これがしょっちゅう出てくるわけであるけれども、経営基盤の確立という言葉がしょっちゅう出てくるということは、要するに確立されていないということである。そういうことで、非常になかなか難しい時代の中で経営基盤を確立していくという御苦労はわかるわけであるけれども、その辺考えたときに、まだまだ確立されていないんじゃないかと思うところがある。なかなか数量的にあらわせない性質のものもあろうかと思うし、大変難しいことだろうと思うけれども、経営基盤の確立のためにこれまでにやられてきたことと、その成果をこれから今後の具体的な施策にどのように生かしていくのか、展開をどのようにしていくのか、その辺のことについてお伺いをいたしたいと思う。

〇吉田医療局長 経営基盤の確立について今までやってきた経過とその成果についてというお尋ねであるが、その前にちょっと訂正させていただきたいと思うが、先ほど1億円台に乗ったのが46年目にしてと私申し上げたようであるが、45年目であるので訂正させていただきたいと存ずる。失礼した。
 それから今のお尋ねであるが、経営基盤の確立をするためにいろいろ45年間、46年間、ことし入れると46年間であるが、それぞれの立場にある人がその時々においていろいろ努力してきたわけであるが、世の中が変化していくものであり、なかなか今確立したというふうには言えないという環境にあるわけであるが、それにしても確立するということが大事なことだと考えており、今まで取り組んできたわけである。
 それで具体的にどんなことをやってきたかと申すと、例を挙げると、例えば材料費の経費の節減というか余りかけないように、あるいはむだをなくするとか、あるいは材料費を統一して使うとか、あるいは薬も同種同効で使うとか、そういったこともやってまいった。先ほどの御質問にもあったようなことにも当たるわけであるが、7年度決算で言うと、材料費が6年度に比べると、患者さんが伸びていれば本当はそっちの方が伸びが高くなるはずであるが、6年度が3・3だったのが7年度は2・2というふうに、患者さんが伸びたにもかかわらず材料費は2・2に抑えられているということであり、これは努力の成果と、いろんな廉価購入とか薬の廉価購入、あるいは器械の廉価購入、あるいはいろんな面の努力ということで材料費を抑えることができたということである。そういったこととか、あるいは経営改善委員会というものを病院内に設けて、その中で平成3年、4年あたりに単年度赤字が十数億、15億ぐらいということもあったときもあったものであるから、緊急収支1%達成運動といったものに取り組んだこともあった。それから、引き続き経営改善委員会といったものを今でも続けているところである。
 それから、職員の経営意識とか参加意識、そういったものを大事にしようということで職員提案を実施しておるし、先ほど来お話があった中村賞を設けたりして意欲を高めているとか、あるいは経営研究会を先ほど申し上げたように設けたところである。
 それから、何よりも先ほど申し上げた経費の節減という点では、これは人件費は当然職員の給与条件にかかわる問題であるしなかなか落とすとか何とかというものではなくて、やっぱり必要なものはきっちりやっていかなければならないということである。材料費の廉価購入をしなければならないということである。
 それから、マンパワーとか施設整備の計画的な整備というようなことはやっぱりやらなければならない。一律に1回にどっとやるということになると、計画的な経営基盤ということにならないものだから、この長期計画をやっていったりあるいは次のことを目指したりしながらやっていきたいということである。
 それから、繰り出し基準の改正も、これも交付税の改正等々と相まって繰り出し基準の適正化を図ってまいったということも1つの今までのやってきた経過ということである。これは国に対して要望など続けてまいったが、自治体病院協議会を通じてあるいは開設者協議会を通じたりなどして改正要望をして、それが実現を見た面もある。それから、資金の適正な運用ということで、今低金利時代であるが、適正な運用にも努めてきたということである。
 その他あるが、大体こんなところであるし、その成果はそれなりに上げてきたということであり、今後においても診療報酬の大幅な増というのはちょっと期待はなかなかしにくいという環境にあるので、さらに引き続きこういった点あるいはもっと大きな点にいろいろ創意工夫を凝らしながら、経営基盤の安定に取り組んでまいりたいと存ずる。

〇谷藤委員 今後とも頑張っていただきたいと思う。
 次に、経営計画の中で、県立病院のマンパワー計画についてお伺いをいたしたいと思う。
 経営計画の中の県立病院マンパワー計画では、平成8年度から平成12年度の5カ年で273人増員するという計画になっているようである。273人の内訳を見ると、医師と看護部門がそれぞれ155人増員するほか、薬剤部門や放射線部門などコメディカル部門が若干増員する計画となっているようである。一方で、事務管理部門では52人の減員、臨床検査部門では7人を減員する部門も計画されておるわけであるけれども、増員する部門については増員するのであるから問題ないだろうと思うけれども、減員する部門について実際の病院業務がなくなるわけではないと思うので、業務にどのように対応していくおつもりなのか、その辺の減員されていく部分についての対応の仕方、その辺についてお伺いしたいと思う。

〇加藤職員課長 マンパワー計画についてのお尋ねであるけれども、議員御指摘のとおり、確かに増員する部分と減員する部分があるわけである。ただ、事業は人であるので非常に重要なものと理解しておるし、このマンパワー計画における人員配置の基本的な考え方としては、心の通う患者さん中心の医療の展開、それから職員がより専門性の高い業務に専念する体制を確立したいというような考えを持っておるし、それから収支バランスにも配意しながら民間活力の導入も図っていきたいと、そのようなことを考えながら、必要なマンパワーの配置をすることというふうにしておるものである。したがって、今お話のあった減員する部門については、病院運営に支障を来さないように十分に配意しながら、電算システムの開発等による業務の集約化あるいは効率化を図っていきたい。今、申し上げたように民間活力の導入も図っていきたいと。そのようなことをしながらさらに職員の職務環境の改善を図り、職員がより専門性の高い業務とかあるいは新たな職務へ従事できるような体制を整備してまいりたいと、そのように考えておるものである。

〇谷藤委員 次に、初診時負担額の導入実績についてお伺いをいたしたいと思う。
 本年4月の診療報酬の改定で、医療機関の機能分担を促進することを目的として、200床以上の病院にあっては非紹介患者から初診時の負担額を徴収できることとなったわけである。本県の県立病院でも、これを受けて、8月から14の病院において初診時負担額を徴収しているわけであるけれども、まだ導入しておよそ2カ月ほどしか経過してはおらないけれども、正確な分析はなかなかは難しいと思う。しかし、その導入実績がおよそどのように今なっておるのかということをお伺いしたいと思う。
 それから、8月からの導入も、各実施病院において患者さんから不満とか不平などの声や混乱などはなかったのかどうか、その辺のことについてお伺いをしたいと思う。

〇山内業務課長 紹介外初診時負担額の導入実績がどのようになっているかという御質問であるけれども、14病院の平成8年8月の実績を見ると、初診患者数が2万3、330人のうち、紹介外初診時負担額を算定した件数は1万2、903人、算定率で見ると55・3%になっておる。また、外来患者数の動きを前年同月と比較してみると6、811人、2・5%であるが増加しておるけれども、初診患者数では前年8月が2万4、926人に対して本年は2万3、330人であるので、その差1、596人、6・4%であるが減少しているという結果になっておる。
 なお、紹介状を持参した患者は1、340人であるが、中央病院の紹介患者の紹介率を見ると、前年同月と比較したところ、前年8月では10・9%であったけれども、本年は16・4%、5・5ポイントの増となっておる。
 それから、不満や混乱がなかったかという御質問であるけれども、実施後の各病院においては窓口やあるいは電話での問い合わせあるいは照会があったけれども、特段の問題はなかった。
 なお、8月の実施以前に医療局の本庁の方にであるが、問い合わせあるいは反対の電話、それからはがき等が5件ほど寄せられた経過がある。

〇谷藤委員 いろいろ厳しい環境の中で努力をされているということは感じ取らせていただいたわけであるけれども、いずれ、四国4県に匹敵するこの広い県土の中で、全国でも圧倒的に多い県立病院28を抱えておるわけである。それは県民の立場からすると津々浦々に医療機関が設置されているということで非常に喜ばしいことだろうと思うわけであるが、これからの高齢化時代に向けて、やはり民間のかかりつけのお医者さんとのさまざまな今度連携関係も必要になってくるだろうと思うわけである。そういうことで、民間医療との連携を深めながら県民医療の充実のためにさらに御努力を賜りたいと思う次第である。

〇伊沢委員 私の方からも、今回の認定に当たって何点かお伺いをしたいと思っておる。 平成7年の経営収支において、昭和63年以来だと思うが7年ぶりに純利益を生じられたということで、今までの御説明にあったが、医療局全体の職員の努力の成果が大きいものであったと思うわけである。その御労苦に対して、まずもって敬意を表したいと思う。しかし、この純利益を生じた要因は一般会計の繰り入れの増加、さらには入院及び入院患者、通院患者さんの伸びに支えられているということを考えれば、これまでも御答弁あったように、さきに策定をした県立病院ヒューマニティー21計画の基本理念、これに掲げてあるとおりの質から量へということではなくて、量から質へである、失礼をいたした--質の転換を図っていきながら、県民により信頼をされ愛されるこの病院づくりが必要であると考えているところである。
 さて、4点ほどに分けてお伺いをさせていただきたいと思う。
 まず、経営計画における建設改良所要額と財源の見通しについてお伺いをしたいと思う。
 本年度見直しを行った県立病院施設整備計画、ヒューマニティー21計画の中に県立病院のこの施設整備計画があるわけであるが、これまでの計画に加えて、磐井病院、福岡病院の移転新築計画が加えられておる。そんな中で、病院施設のさらなる充実を目指しているとうたわれているわけである。老朽さらには狭隘化をしている病院を改築していくことは、さきに述べたように、充実をした県民の医療を確保するという視点から私も大いに賛成をするところである。しかし、その反面、医療局の経営が本当に大丈夫なのかと心配をされるところでもあるわけである。先ほど若干の黒字を出したと申し上げたけれども、先ほど来話題になっておるように、累積欠損金が減ったとはいえ87億ほどあるわけである。現在、建築中の県立胆沢病院で約120億円の投資が必要になると、こう伺っておるところでもある。そこで、今年度から12年度の計画期間中に建設改良にどれだけの所要額を見込んでおられるのか、また、それに要する財源として何をもって充てていくのか。また、これらの投資が今後の事業運営に本当に影響がないものかどうかお伺いをしたいと思う。

〇吉田医療局長 経営計画の建設改良所要額等財源見通しの御質問であるが、今後の経営に支障はないかというお尋ねである。平成8年度の建設改良費は約216億円ということである。平成12年までの5カ年の総額は約774億円余りということを予定しており、今後も多額の建設投資が計画されているということになっておる。財源の見通しであるが、これについては基本的には企業債を充てるということにいたしておる。その企業債を充てた場合の償還の問題が生ずるわけであるが、この償還に対しては国の繰り出し基準があり、一般会計からの負担がそれに関連して出てまいる。それから、いわゆる減価償却に関連する内部留保資金、これがあるので、これも充てることができるということである。それから事業収益を、こういうものを充てるというふうなことになるわけであり、主に一般会計の繰出金あるいは内部留保と、こういったものでこの774億円余には対応できるものと、事業運営には支障がないものと考えておるが、特に経営の計画運営の推進に当たっては、お尋ねのような経営に支障を来すことのないように、経営状況を見ながら計画的な推進に努めてまいりたいと思っておる。
 内部留保の使用可能額は、大体40億円程度は毎年今後見込めるんじゃないのかなと考えており、これらを原資にしながら計画的な移転新築等を行ってまいりたいと思っておる。

〇伊沢委員 計画を立てて不安があるという答弁は多分ないと思ってお伺いをしたわけである。現在でも診療収入に対する元利償還比率というのは7年度で9・8と資料で見ているわけであるけれども、これらが本当に今後の伸びの中で減っていけばいいなと私も思っているわけであるけれども、経営努力ということがさらに必要になると思うので、そういった形で計画の安全性を見ながら進めていただきたいと思う。
 次、2点目として、医療局に働く職員の皆さんの時間外勤務の状況についてお伺いをしたいと思う。
 先ほど来、マンパワーの確保を含めてこの計画の中でもいろいろあると、谷藤委員も多くの方々がふえていくということを含めて質問をされているわけであるが、今、国の中で勤務時間の関係、労働省の間でも年間1、800時間ということを目標に、週40時間制の導入などさまざまな施策が展開をされてきているわけである。病院事業の主体は、何といっても医師そして看護婦などの医療に従事する人の力によるところが大きいわけであり、入院患者さんの世話や救急患者への対応など、24時間体制でこの勤務体制が要求されていると言っても過言でないと思う。こんな中で、職員に対する負担は他の職種に比べて大変大きいものがあると思っているわけである。そんな中で、各病院の院長先生を初めそれぞれの診療科目に当たられる医師の皆さんは、24時間体制を含めて、待機も含めて大変努力をされているということがあると思う。そういう部分、推測ができるわけである。しかし、私はそういう職員の負担、さらにはボランティアというか、いずれ働いていくという、医師だけに支えられていく部分はなかなか難しい面が今後出てくるんではないかなと思うわけである。これらの方々の勤務条件の改善を考えること、そして人を生かしていくということを考えなければ、本当の意味で患者さんに接したときに、いい看護なり施策ができてこないんではないかと思うわけである。この際、医療局職員の勤務条件、特に通常の勤務時間を超える時間外労働というのがどのような状況になっておられるのか、また、その改善のために医療局としてどのような努力をされているのかお伺いをしたいと思う。

〇加藤職員課長 時間外勤務の状況についてであるけれども、平成7年度の時間外勤務の状況は、職員1人1カ月平均11時間59分となっておる。これは平成6年度に比較すると、わずかではあるけれども13分、平均で減少しているという状況である。今、委員お話のとおり、各病院では救急患者さんに対応するために、医師を中心として各職員が一体となって、勤務時間の内外を問わず業務に従事しておるわけである。病院という特殊な職場環境を考えると、時間外勤務も行わなければならない場合があると、そういうこともやむを得ないところではないのかなと考えておるところである。しかし、御指摘のように、可能な限り時間外勤務は縮減することは必要だろうと考えておるし、そのために、これまでにも医師の理解と協力を得ながら、例えば病棟回診時間を早めるなどの改善、あるいは再来患者自動受付機とか外来診療費収納機などの各種省力機械の導入、さらにはオーダリングシステムなどの業務のシステム化、これらを通じて時間外勤務の縮減を図ってきたところである。しかし、先ほど申し上げたように、平均で申し上げると減少はわずかということもあるので、今後とも時間外勤務の縮減に関して公務能率向上のための業務改善の観点、それから職員の勤務条件の改善の観点、この両面から引き続き検討を進めてこの時間外勤務の縮減に努めてまいりたいと、このように考えておる。

〇伊沢委員 平均で11時間というのは全体の職員だと思うが、技術的というか看護婦さんだけのを取り上げた平均値というのはお手元にないであろうか。

〇加藤職員課長 看護婦については、平成7年度は9時間36分であり、18分の短縮となっておる。

〇伊沢委員 1日は24時間で3交代という形がとられていると私は了知をしており、原則からいけば、交代がぴしっといけば、これは言ってみれば残業というか超過勤務がないものと、こう思うわけである。深夜そして準夜を含めて働いてこられた方が引き継ぎも含めてやるという形になると思うけれども、ぜひ短縮というか人が足りない部分、目に見えている部分があると思うけれども、今後ともそういった部分を含めての御努力をぜひお願い申し上げたいと思う。
 次に、先のお二人方からも出ていたが、マンパワーの確保の関係で、特に医師の確保についてお伺いしたいわけである。
 大迫病院の例を挙げて村田委員が御質問された。東北大学の方からもお願いをしながら、3カ月の交代で来ていただいているという実態、さらには155人を含めたこのマンパワー計画、ヒュマニティー21の中で、医師総体を155人ふやしていくということでの谷藤委員からの発言もあったわけである。こんな中で、大変多くの方々が必要になるわけであるが、現状を見れば、医大そして東北大含めてお願いをしながら、臨時を含めて来ていただくという状況が大変あると了知をしているわけである。こんな中で、決算書を見せていただいている中で、7年度の事業報告の中に、県立病院等の医師確保のための奨学資金の貸し付け状況の一覧表があった。いっぱい借りているんだろうなと思って見たわけであるが、平成元年からの部分であるが、継続をして7年度まで実績がゼロという数字が見えたわけである。これらについてどのように考えておられるのかお伺いをしたいと思うし、私も当該委員ということで大船渡病院も見せていただいた。診療科ができて立派な器械が入っている。これもお医者さんに来ていただかないとなかなか難しいということで、東北大からのお医者さんの要請をされているというふうにも聞いてきたわけである。今後、770億円を含めた計画があると、財源的には問題がないと、こう言ったわけであるが、器ないしは医療機器を含めて大変すばらしいものが今後出てくると思う。そんな中で、診療科目も整備をしていく。こうなっていくと、医師の確保というのはますます難しくなるんじゃないかなと思うわけである。奨学資金制度というのは、言ってみれば縛りつけるということを考えると余りよくないわけであるけれども、県内の医師不足を解消すると、医師を目指す方々にやっぱり県として、医療局としてもお手伝いをするという視点で大変有効な手段ではないかなと私は思っているわけである。これまでどのような基準で貸し付けを行ってきたのか、さらには今後この実績がない部分について、対策等についてどのようなお考えがあるのかお示しをいただきたいと思う。

〇高橋医師対策監 医療局の奨学資金の貸し付け制度であるが、昭和25年から開始して、最近では特に特殊診療科のドクターが足りないということで力を注いできたという経過もあるが、開始以来今まで346人に貸し付けして、義務履行した者あるいは現在履行中の者があわせて256人、74%になる。今までの医師確保の経過を見ると、やはり奨学資金貸付制度により県立病院の医師確保というのは多大な効果があったと、そのように認められるところである。平成元年度を最後に、今委員御指摘のとおり、新規の貸し付け実績がなくなり6年度をもって終わったものであるから、7年度の決算ではゼロという数字が出たわけであるが、当時の医師確保の見通しあるいは関係大学との連携により、制度に関係なく増員の実績があったというようなことから、最近は予算化していなかったというのが実情である。しかしながら、先ほど御説明申し上げたように、鈍化しているとは言いながら患者が毎年増加しているというようなことから、結果的に充足率が思うように高まらないと。例えば、6年度と7年度の比較で、先ほど御説明申し上げたように患者数が10万1、000人ほど増加したと。これをドクターの数で医療法上の計算をすると12人に相当する。そうすると、結局医者をふやしてはいるけれども患者数もふえているということで、なかなか充足率が上がらないというのが実態であり、今後もなお不足状態は5年から10年ぐらいは続くものではないかということを思っておる。当面の医師確保とその対応として、今年度、8年度に大学院生のドクターを対象として5人分だけ予算化したところであるが、さらに9年度、来年度には在学生も含めて再度予算化をして実効性を高めてまいりたいと、このように思っているところである。

〇伊沢委員 実績の中で256人の方が県内で働いていただいているという部分で74%であろうか、大変驚きなわけであるが、やっぱり施設の整備計画をやっていく上では、今医師の充足率というのも同時並行で考えなければならないという形になると思う。特殊の診療科目、特殊の診療をやる方たちだけに奨学金をやってきたということであれば、これはやっぱり広げて医師を目指す方、そしてすべての診療科の中でやっていただけるというふうなことも含めて、今後ぜひ検討をいただきたいと思うわけである。
 時間がないので、もう1点やらせていただいてよろしいであろうか……。
 給食についてお伺いをしたいと思う。
 先ほど局長の方から、愛される病院づくりということで適時適温給食ということも含めて御説明があった。県内ですべてのところではないが、何カ所かで週に何回か希望に沿った給食、選択メニュー制の導入を努力しているとも伺っているわけであるが、そういうところでは入院患者さん、大変喜んでいるとお伺いをしているわけである。病院で入院患者さんに提供する給食というのは、治療の根幹ということもあるし、また、患者さんにとっては入院生活の中で数少ない楽しみの1つではなかろうかと思っておる。そういった中で、午後6時以降の配膳ということも含めて生活体系に合ったような、そういう改善努力をしていることについては私もいいことをやっているなと思っているわけである。いろいろ指摘があって問題になった時期もあったわけであるから、そういう意味での御努力に敬意を表したいと思う。そんな中で、適時適温給食と選択メニュー制の導入状況、県立病院内のところを教えていただきたいことと、県内の県立病院以外の実施状況がもしわかれば教えていただきたいし、全国の中でこれらが行われている状況についても教えていただきたいと思うわけである。また、先ほど担当者というか職員の方の残業時間、超過勤務を聞いたわけであるけれども、これらを導入する適時適温給食選択メニュー制の導入が患者さんには喜ばれるけれども、それを実施するために給食職員、関係する職員の方々の負担になっていないのかという懸念もあるわけである。このような形について、職員についての配慮状況についてもあわせてお知らせをいただきたいと思う。

〇山内業務課長 適時適温給食と患者さんの選択メニューについてということであるが、県立病院においては適時適温給食は25の病院で実施しておる。残りの3病院についても、今年度中の移転新築等に合わせて実施する予定でおる。また、選択メニューについては、28全病院が週1回以上実施しておる。そのうち、週2回以上実施している病院が8病院ある。残り20病院が週1回実施しておるということになっておる。
 それから、県立病院以外の県内の病院の実施状況についてであるが、県内28病院を除いた病院、82病院であるが、適時適温給食を実施している病院は27病院ある。それから、選択メニューを実施している病院は43病院と聞いておる。したがって、県立病院を含めた県内の病院の実施状況は総数110病院になるが、適時適温給食は52病院、パーセントでいくと47・2%、それから選択メニューについては71病院、64・5%の病院が実施しているということになる。それからさらに、全国の状況についてであるけれども、これは平成7年4月の全国自治体病院協議会の調査資料であるけれども、調査対象病院が727病院のうち、適時適温給食を実施している病院は306病院であり42・1%。選択メニューの方の実施は150病院であり20・6%となっておる。県立病院を含めた岩手県内の病院は、給食サービスにおいては全国的に評価されていると考えておる。
 なお、県立病院においても、今後もよりよいサービスの提供に努力してまいりたいと考えておる。
 それから、適時適温給食と選択メニュー制を導入することにより、業務上の工夫あるいは改善についての配慮についてであるけれども、県立病院においては栄養管理業務の効率的な執行を図るために、県立病院栄養管理業務検討委員会というものを設置しておる。この委員会は、業務の改善あるいは県立病院には栄養管理業務基準というのがあるが、これを随時見直しするなど、常に県立病院全体の業務改善に努力しておるし、それから、現在28病院に共通した基本献立を作成するということも考えておるし進めておる。それから、作成することにより、より多くの食材の共同購入や業務の標準化を図って調理の効率化を図っていくことなども検討しておる。また、栄養管理システムの導入とかあるいは下膳洗浄業務の委託、それから調理師の増員などにも配慮しているところである。さらには、各病院には栄養管理運営委員会というものがあるけれども、患者さんの嗜好調査の結果に基づき食事を検討するなどをしておるし、それから郷土食それから正月、七夕などの行事食、それから誕生日とか出産、退院などの祝膳、それからおやつのサービスなども取り入れるなどして、栄養士あるいは調理師の創意工夫によって病院一体となって患者さんに喜ばれる食事の提供に心がけているところである。特に、選択メニューの実施に際しては、栄養士あるいは調理師が病棟を訪問して患者さんから直接聞き取りをするなどしておるし、これらの栄養士あるいは調理師からは、忙しい中でもサービスをして、患者さんの喜ぶ顔を見られるとうれしくなり励みにもなりさらに頑張ろうという気持ちになると、これからも喜ばれるサービスを目指して努力していきたいというような感想も届いている。

〇伊沢委員 病院給食の有料化を含めて大変な論議の中で進んできた。そういう意味で、今かなりの率で頑張っていらっしゃるということを聞いて安心をしたわけであるが、今後も今御答弁をいただいたことを含めて、ぜひ御努力を願うよう要望申し上げて、私の質問を終わらせていただく。

〇藤倉委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩をする。
   午後0時1分 休 憩
 
   午後1時6分 再 開

〇樋下副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 医療局関係の説明に対する質疑を続行する。
 なお、各委員にお願いする。質疑は本特別委員会設置の趣旨にかんがみ、平成7年度決算に関するものとするよう御協力をお願いする。
 あわせて、質疑、答弁とも簡潔明瞭とされるよう重ねてお願いする。

〇水上委員 質問の前に一言、医療行政に多大な貢献を残されてくださった初代医療局長元中村県知事に対し心から御冥福をお祈りするとともに、御功績に感謝しながら質問させていただく。
 3点について質問させていただくので、よろしくお願いする。
 1点目は、診療報酬改定の効果についてお伺いする。
 平成8年4月1日から診療報酬請求点数表、いわゆる診療報酬が改定されたが、同時に薬価基準も引き下げられたと聞いている。国では国民総医療の抑制策を引き続き継続していることから、大幅な改定は期待できないものと考えられているが、診療報酬が病院収入の大部分を占めていることを考えると、大幅な改定は期待できないでは済まされないことではないかと考えられる。そこで、今回の診療報酬の改定が当県の病院事業にどのような影響を与えたのかお伺いする。
 また、これまでの診療報酬改定の経過を見ると、厚生省で発表する改定率と実際の改定率に大きな差が生じているが、今回の改定ではどのようなっているか。改定率に大きな乖離--隔たり--があるとすればそれはなぜかをあわせてお伺いする。
 時間節約のために、もう1つ続けて、次に、医療法の改正への対応についてお伺いする。
 国においては数次にわたり医療法の改正を行って、特定機能病院の指定制度や療養型病床群制度など、それぞれの病院の機能分担が進められているところである。この制度を病院に適用することにより、診療報酬上の特別な加算などもあるように聞いているが、これらの制度を直接県立病院に当てはめることができないものかお伺いする。
 また、今後の改定でさらに病院の機能分担を進めるものと聞いているが、国の今後の医療法の改正の方法と、医療局として今後の改正にどのように対応していくつもりなのか、この2点をとりあえずお聞きする。

〇吉田医療局長 第2次医療法の改正が平成4年度にあって、医療法の改正に対応しようとしているわけであるが、平成4年の改正の内容というものは、一般病院を3つに区分したのが第2次の平成4年の改正であった。その内容は、今、委員からお話があったとおり、特定機能病院と療養型病床群というふうに2つに両極に分けて、その真ん中に一般病院を置くという形の改正であった。
 その中で、特定機能病院というものはどういうものかと申すと、要件であるが、医療法に定める必要な医師数の2倍程度の医師がおらなければならないということなどで、中央病院が仮にこれをクリアするとすれば、現在よりもあと30人ほど医師の確保が必要だということになる。したがって、現時点で特定機能病院に転換することは中央病院の場合は困難であるが、現在、特定機能病院となっているものは、医師の数も多くて、そして、研究教育の体制が整っている、例えば国立循環器センターなどのナショナルセンターである。それから、大学の本院、いわゆる附属病院、こういったところが特定機能病院ということで指定されているところで、全国で75施設が指定されておる。
 療養型病床群というのは、一般病院あるいは一般病床と異なって、長期入院患者を入院させているのが療養型病床群で、主に慢性疾患の患者さんに対応するのが療養型病床群ということである。
 この療養型病床群とか、あるいは特定機能病院あるいは一般病院の対応であるが、療養型病床群については、医師の数が一般病院に比べて少なくてもいいという反面、一方で、看護の体制などについては看護補助者が多くてもよい、いわゆる免許を持っていない看護補助者が多くてもいいということなど、メリットがある。ただ、これの本県への導入については、地域の実情とか、あるいは患者さんの疾病構造とか、そういったものを十分に考えながら導入していかなきゃならないものというふうに考えておる。今後、県立病院の中でどのように対応していけるのか、あるいはいかなきゃならないのか、今、これから、現在もそうであるが、今後鋭意検討していくというところである。
 それから、その中間にある一般病院については、第3次あるいは4次の改正があると言われておるが、具体的にどのような改正がなされるかまだ明らかにされていないところで、国の審議の状況あるいは厚生省の方針の動向、そういった動向に留意しながら、医療局としてどうあるべきかということを十分に考えていきたいというふうに存じておる。
 診療報酬の効果の関係については業務課長から答弁させる。

〇山内業務課長 本年4月の診療報酬改定による改定率と、それから、県立病院事業に与える影響についてであるけれども、厚生省の発表については、厚生省発表の改定率は、診療報酬は医科で平均3・6%の引き上げで、それから薬価基準で2・6%の引き下げということで、実質的には1・0%の引き上げと公表されておる。県立病院においては、改定前の平成8年3月分と改定後の4月分の患者1人1日当たりの平均単価を比較して影響率を算出したが、その結果、入院では1・2%の増、外来では0・3%の減、全体で、入院、外来あわせてみると0・6%の引き上げというふうになっておる。これを平成7年度決算額から影響額を推計してみると、4億9、900万円ほどの増収が見込まれておる。しかしながら、平成8年度の給与改定が行われた場合であるが、増収分のほとんどが吸収されることになりそうである。さらに、材料費の伸びなどを勘案すると、厳しい経営環境は変わらないのではないか。引き続き経営努力が必要ではないかと認識しておる。
 なお、公表された改定率と実質の改定値で0・4%ほどの乖離が見られるわけであるが、厚生省の積算の方法が明らかにされておらないので原因を深く追求することはできないが、改定内容からいえば、一般病院から療養型病床群への転換を促進する措置あるいは付き添い看護を解消するための措置などが、これは県立病院では算定できないもので、厚生省発表の改定率とは一致しないものというふうに思われる。

〇水上委員 委員長にちょっとお伺いしたいと思う。
 先ほど7年度の決算についてとお話があったが、7年度の決算ではないが、今、建設中で、これから若干関係があると思うので、久慈病院のことで質問してもいいかどうかお伺いする。

〇樋下副委員長 どうぞ。

〇水上委員 3番目として、県立久慈病院に併設する救命救急センターについてお伺いする。
 久慈病院については、現在、移転新築工事が進められておる。この移転新築工事にあわせて、環境保健部の所管する救命救急センターの工事も施工されるものと聞いている。救命救急センターの整備については、昨年久慈地区と大船渡地区に県立病院に併設することで方針が決まったことから、急遽久慈病院の移転新築工事に組み込まれたものと伺っている。当初の計画では、この救命救急センターの整備については、現在の一般病床数350床に緊急用病床20床を加え、全体で一般病床数370床で整備をするように聞いていたが、最近の情報では、緊急用病床20床を含めて、全体で一般病床数350床となるように聞いている。本来は本事業を所管する環境保健部に聞くべきと思うが、この際、完成後にこのセンターの運営を担うとされる医療局にお尋ねするので、よろしくお願いする。

〇吉川参事兼経営指導室長 県立久慈病院に併設する救命救急センターの病床の関係であるが、医療法に基づく必要病床数というのがあって、久慈保健医療圏の場合は、現在病床が超過となっておる。救命救急センターの病床もこの一般病床に含まれるために、いわゆる増床規制というのがあって、その対象にまずなる。久慈病院の新築移転に当たって、特定の病床として必要病床数に加える、20床加えていただきたいということで環境保健部が中心となって厚生省の方に協議を進めてきたところである。厚生省からはまだ了解を得るに至っていないけれども、現状では難しいと言われているようであるけれども、医療局としては、やはり何としても増床については継続して協議し、あるいは増床について要望してまいりたい、このように考えているところである。

〇水上委員 よろしくお願いする。
 1つ、質問ではないが、今何かあれば失敗したのを騒ぐ方が多いわけであるが、私は、県立病院に患者さんを見舞いに行ったとき、看護婦さん方が、例えば1つの例を挙げると、重症患者でも、全く意識不明なおばあさんであったが、それを交互に時間、時間に来て声を一々かけ、両方に寝返りを打たせてくれたり、私だったら意識がなかったらさぼって黙っているのだけれども、年はとっていたけれども本当に白衣の天使を見た思いであるので、どうかこれからそういういい方の部類を医療局からも褒めて、これからそういうのをふやしていっていただきたいと思う。

〇千葉(浩)委員 4点ほど質問させていただく。
 まず、平成7年度の決算に関連して、今後の経営収支の見通しについてまずお伺いをしたいと思う。
 平成7年度の決算については、先ほど来ずっといろいろと論議されているように、2億500万円というような黒字決算となった。実に7年ぶりの黒字決算である。ここで県立病院職員の各位の御努力に対して、まず敬意を表しておきたいと思う。
 さて、今後の経営収支の見通しであるが、平成8年度は3億7、000万円余の赤字予算を組んでおる。さらには、経営計画の収支見通しでは、平成9年度と平成10年度も赤字の見通しとなっておるようである。経営計画の収支見通しには、診療報酬あるいは給与改定、そして、来年度に予定されておる消費税の改定等は見込んでいないような気がするわけであるが、今後の実際の収支見通しというか、どういうふうになっておるか。そして、ことしようやくできた黒字決算というようなものは今後見込めないのか、そういうものについて、まずお伺いしたいと思う。

〇吉田医療局長 今後の経営収支の見通しについてであるが、ことしは、今、御指摘のとおり3億円余の赤字予算を組んでいるわけである。今年度の8月末現在で見ると、まだ途中、半分いかないが、入院外来の収益を前年対比で見てみると4・5%の伸びになっておる。額にして約16億円というふうな数字で、当初予算では3%の伸びの25億円を見ていたわけである。そういう点から申し上げて、4・5%の伸びであるから、当初予算で見込んだよりは伸びているという現状になっておる。ただ一方、費用についてであるが、薬品等材料費、これは6・7%の増加ということになっておって、患者さんが伸びておるということで、やはりどうしても診療材料とかというものは伸びざるを得ないということになるわけであるが、6・7%の伸びとなっている。それから、給与費は退職手当を除いて4%の伸びになっている、定昇とかベアがあって。それから、経費等も若干2・9%ぐらい伸びているということで、いい方向に推移はしているわけであるが、必ずしも予断を許さない状況だということである。今後9月以降の3月までの実績がどうなるかということで心配しているわけであるが、当初予算で見込んだ赤字の額ができるだけ多く解消というか、少なくなるように、できれば黒字になればいいわけであるが、できるだけ少なくなるように努力してまいりたいと考えているところである。
 今後の収支見通しであるが、8年度はそういうことであるけれども、9年度、10年度も長期経営計画ヒューマニティー21ではいわゆる赤字を見込んでいるわけである。これには、御指摘のとおり、消費税とか、あるいは給与改定は見込んでおらないものである。したがって、これが実際面になった場合どうなるかということは確かにあるわけであるが、これは、ひとつには診療報酬の改正がどうなるかとか、あるいはいろいろな繰り出しの問題とか、そういったことにかかわってくるわけで、これが黒字になるということはちょっと申し述べにくいところである。現在のところはそういった要素があるので、赤字というものは解消は直ちにはできないという計画になっておる。ただ、それにしても、計画は消費税とかそういったものは除いておるが、実際の経営に当たっては、28病院の先生方あるいはスタッフの皆さんと一緒になって、あるいは医療局本庁も当然英知を絞りながら、できるだけ赤字が少ないように、できれば黒字になるように、努力して健全な経営が達成できるようにやってまいりたいというふうに存じておる。

〇千葉(浩)委員 今、局長のお話を聞いたが、病院事業というのは公営であるから、大きな黒字を出すということも大変なのであるが、赤字、赤字で来ると、これもやっぱり県財政に大きな負担がかかってくるのは必定である。そういう意味で、今、大変努力してやっているというお話であるが、ぜひひとつより一層御努力を願いたいというふうに思っておる。
 次に、県立病院における医療と保健と福祉の連携の問題についてちょっと質問させていただく。
 医療と保健と福祉の連携であるが、この経営計画においても地域のケアシステムの整備促進や在宅サービス、こういうものを推進していくということを掲げておるわけであるが、医療と保健と福祉の連携を進める場合、ハード的な面では地元の市町村の老人保健福祉施設やデイサービスセンターと併設してやっていけると思うが、有機的に図れるというふうには思うが、ソフトの面で、やはり人手の問題が問題になろうというふうに思うわけである。私も今しょっちゅう病院に通っているが、職員の方々は暇もなく一生懸命やっているのを私は目の当りに見ているわけであるが、現在病院が手いっぱいだという実態だと思う。そういう中で、果たして地域のケアシステムや在宅サービス、こういうものは人手がかかる事業であるが、果たしてできるのかというような危惧もしているわけである。今後、高齢化社会がどんどん進展してまいる。事業が年々増加してまいることが予想されるわけで、本格的な在宅サービスの継続を進めていく上で、その事業に専念できる人員、これをぜひ確保していかなければ、私はこれはできないんじゃないかというような気もするわけである。医療局としては、将来の需要の増加、そういうものに対して、医療と保健と福祉の連携というものの推進についてどういうお考えなのかお聞かせを願いたいと思う。

〇吉川参事兼経営指導室長 医療と保健と福祉の関連であるけれども、見えない部分が非常に多いということが1つある。今後の高齢化社会への対応のあり方としても、高齢者が住みなれた地域社会の中で、保健から福祉に至る一貫した、きめの細かいサービスを最も適切な形で受け入れられるよう、保健、医療、福祉の連携による総合的なサービス体制が確立されなければならないと、こういう考え方になっているわけである。
 県立病院としては、これまでも御案内のとおり、例えば紫波病院の多目的ホールに接続された紫波町のデイサービスセンターや特別養護老人ホームあるいは東和病院に接続した東和町の老人保健施設や保健センター、総合福祉センターなどが整備されたわけである。そのほかにもあるけれども、このように、病院の新築整備時に市町村の各施設の併設など、病院機能と保健、福祉との有機的な連携を図ってきているわけである。さらに、日常的には、診療活動のほかにも、家庭療養中で寝たきりあるいは通院困難の患者さんや退院後の継続診療あるいは看護を必要とする患者さんについて、訪問診療とか訪問看護あるいはリハビリということを実際に行ってきているわけであるが、そういう状況で推移しておるが、今後どういう形でということになるだろうと思う。これからは、高齢者もそうであるが、あるいは障害者とか、あるいはまた、今言われている介護保険というのもだんだんこれが見えてくるだろうと思う。そういうかかわりの中で県立病院をどういうふうにしていくかということになるわけであるが、今まで再三御論議いただいているように、県立病院は地方公営企業法を適用し、いろいろな面での経営をやっておる。それからもう1つは、やはり診療報酬という1つの関係も出てくるので、そういうことであるので、これらを県立病院だけで全部対応できるのかというと、これはちょっと無理だと考えておる。したがって、市町村はもちろんのこと、関係機関とか、あるいは団体などと理解し合いながら、あるいは相協力し、そういうことで初めてできるんじゃないかというふうに1つは考えておる。それぞれの地域の実情を踏まえながら、研究会あるいは検討組織の設置等について、市町村や関係機関、団体にこちらからも働きかけるというか、そういう形も1つあろうかと思う。その地域に最もふさわしい連携のあり方というものをこれから協議をしながら、高齢化社会に対応した総合的なケアシステムの整備促進ということに向けて、医療のかかわりの中で、できれば県立病院の持てる、例えば医師等の、あるいは専門的な技術的なノウハウがあるので、それらを活用して、連携のもとに積極的な役割を果たしていけるんじゃないか、果たしていきたいということである。

〇千葉(浩)委員 これからの大変な課題である。県病の中では積極的にこれをとにかくやろうと、こういう意欲を持ってやっておる病院もあると聞いているわけである。ぜひひとつ県の今後ますますの御指導をお願いしたいと思う。
 次に、処方オーダリングシステムというものの導入についてお伺いをしたいと思う。
 県立病院では、患者サービス向上の一環として処方オーダリングシステムの導入を進めていると聞いておるわけである。県病の中の数病院はこのシステムをもう既に導入して稼働していると聞いているわけであるが、このシステムはどのように患者サービスの向上に貢献するものなのか、まずお伺いをしたいと思う。
 また、患者サービスの向上に大いに貢献するということであれば、このシステムの導入を積極的にこれから今後進めてもらいたいと私は思うが、今後の導入計画等があったら、あわせてひとつお答えを願いたいと思う。

〇田高参事兼システム管理室長 処方オーダリングシステムの導入についてであるけれども、外来処方せんを発行する外来処方オーダリングというものは、医師が処方の内容をコンピューターに入力すると、その結果が処方せんとして薬局に出る。それから、事務には会計データが送られてくるというふうなシステムである。これが7年度末現在で、胆沢とか宮古、久慈、中央など、現在10病院で動いておる。このシステムの効果としては、会計とか薬局の待ち時間、具体的に申し上げると、平均的にであるが、会計では33分の待ちだったのが16分程度に、薬局では39分が17分程度に縮んだということで、約半分程度に縮んだものというふうに考えておる。
 また、そのほかに、これに伴って、薬局では服薬指導というか、そういうふうなことができるようになったとか、診療科では介護の時間が少し多くとれるようになったとかというふうなことで、患者サービスの向上に役に立っているものだというふうに認識しておる。いずれこの処方オーダリングシステムは、今お話ししたような患者サービスもそうであるが、そのほかに業務の省力化とか効率化にも役立つというふうに理解しておるので、現在積極的にその推進を進めているというところである。
 例えば今年度であるが、今年度は花巻厚生病院で先週から動き始めた。この後は釜石、山田病院を今年度中に動かしたいということで、鋭意現在その準備を進めているところである。今後においても、病院の規模だとか患者数の動向、費用もかかるので、そういう導入経費等も見きわめながら推進していきたい、拡大していきたいというふうに考えておる。

〇千葉(浩)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思う。
 最後である。
 胆沢病院の経営状況についてお伺いをしたいと思う。
 村田委員が午前中にやったので、私は胆沢病院ということでやらせていただきたいと思うのであるが、胆沢病院については、皆さん既に御承知のとおり移転工事が進められて、もうすぐ今週には落成、こういうことの運びになっておって、今年になるか来春になるか開業と、こういうことの運びになって、地元の1人として、大変首を長くして今まで待ちに待った病院が今度でき上がるということで、大変心待ちをしている次第であるが、この工事の進捗に非常に努力をいただいて、医療局あるいは県の関係の方々に対してまず心から敬意を表したいというふうに思う。
 さて、胆沢病院の経営状況であるが、決算の資料がここにもあるが、この中を見ると、胆沢病院の経営成績というか、7年度決算では4億8、000万円、これは1位ということで、大変な好成績である。また、平成5年度、4年度もここに載っているわけであるが、これを見ても、毎年4億円以上というような黒字を計上しているということで、毎年コンスタントに経営成績が上がっている。私、累積黒字が70億円を超えたという話を聞いているわけであるが、県の医療の累積赤字が87億円ある中で、胆沢が70億円を超える黒字がある。胆沢の黒字がなかったらこれはどうなったんだろうというようなことまで思ったわけであるが、病院によっては大きい病院、小さい病院、地域の格差、いろいろな問題がやっぱりあると思う。特に水沢というところは非常に病院が激烈な地域である。非常によその地域と違って、そういう激化の中でこういう営業成績をおさめているわけであるが、いろいろ要因はあると思う。今まで古かったから固定資産税の償却が少ないとか、いろいろの問題がやっぱりあると思うが、私はそれじゃなく、何かがやっぱりあるんじゃなかろうか。何だろう、こういうふうに私は思っているのであるが、医療局として、その要因についてどういうふうに把握して分析されているか。胆沢病院の経営について、ちょっとお伺いしたいと思う。

〇吉川参事兼経営指導室長 胆沢病院の経営状況についてである。
 胆沢病院は、胆江保健医療圏内の約15万人を対象に、高度医療や2次医療救急などを積極的に実施しておる中核的医療機関として地域医療に重要な役割を担ってきているというふうに考えておる。
 経営収支であるが、こういう厳しい状況の中で、昭和38年以降30年余り黒字を続けてまいっている病院である。御案内のとおり、平成7年度決算では4億8、000万円ほどの黒字、累積剰余金も70億7、000万円余と、立派な経営成績を残しておる。このような成果が評価されて、平成5年度であったが、優良病院として自治大臣賞というのを受賞しておる。
 黒字経営の要因ということであるが、さまざまな創意工夫に満ちた先駆的な経営努力というのも続けておられる。若干の例示を申し上げると、徹底した病床の効率的な運用、薬品等の徹底した廉価購入、それから、コスト意識の徹底した経費の節減、それから、医療の分野であるけれども、まず、医療情報の先取りということが挙げられると思う。それから、早期からの肺がん対策の取り組み、それから、チーム医療というものの展開あるいは実践など、徹底した患者本位の病院づくりというものを進めてまいったというふうにも考える。それから、病院長の管理運営の手腕というか、そして、職員の一体となった病院運営の取り組みが一貫して継続されていることによるものではないかというふうに考えておる。胆沢病院は、これまで県立病院における経営改善の1つの優良モデル病院ということであったが、しかし、現在、新病院が建設されておる。今後減価償却の増加も見込まれる。今後とも職員が一体となって経営改善に努め、引き続き県立病院の経営面でも模範となるように期待しているところである。

〇千葉(浩)委員 いろいろ要因はいっぱいあると思うが、突き詰めていくと、地域住民の信頼が胆沢病院に集中している、私はそう思う。そういう方々、お医者さんもある、看護婦さんもある、いろいろ職員もある。いろいろの関係はあるが、長年、これは本当に私は驚異的だと思う。驚異的なそういう経営をしてきたということに対して、私は、県病全部でいろいろ経営会議もやっているそうであるが、そういうことを踏まえて、いろいろなよいところ、長所、短所、みんなあると思うが、そういうものをお互いに研究しながら、話し合いながら、より一層県病全体がそういう形になっていただくように要望して終わる。

〇藤原(泰)委員 午前中から、そしてまた今、千葉浩委員からそれぞれあったわけであるが、私は、若干重複する面もあるが、千葉委員とは逆な面のこともあるので、質問させていただく。
 まず1つは、前段にもあったように、県立病院は地域医療に大きく貢献しているわけで、医療、保健、福祉というものは、千葉浩委員からもるるお話あったわけであるが、そうした3本柱のもとに我々の命が守られておるわけである。特にも病院経営については、ただいま胆沢病院は非常に立派な黒字経営ということで御披露あったわけであるが、私は、地元の県立病院は赤字の最たるものだということで、逆な面から若干述べさせていただくが、1つには、前段申し上げたようなことで、県立病院の場合はそれぞれの役割が大きいわけである。特にも、私らの地域紫波においては民間医療もたくさんあり、あるいはまた盛岡あるいは花巻のそれぞれの大病院があるという中で県立病院があるわけであるが、規模が小さいということで住民の医療に対する信頼感も若干は薄れたのかなという感じもするが、ただ、1つには、やはり民間医療の場合には、特にも行政の場合もそうであるが、レセプト点検とかということでいろいろトラブルのある場合もある。そういう面では、県立病院の医療体制というのは私は非常に期待しておるわけであるし、また、地元でもそのような期待を持っておるわけである。ただ、前段、午前中にもあったように、県立病院の経営収支の面から見ると、約90億円近い累積赤字を抱えておるわけである。その中で県立紫波病院の場合は非常に累積赤字が多いということから、病院長を初め、看護婦さん方あるいは事務の職員の皆さん、大変御苦労なさっておる。全般的に決算の段階から評価されるというと必ずしもいい結果ではないというふうなことで、非常に私も心痛めている者の1人である。ただ、非常に苦労されている、努力しているということについてはひとつ局長にも十分御理解いただきたいという上に立って、赤字経営されているとはいえども、前段申し上げた3本柱の中で重要な役割を果たしておるこの県立病院の今後のあり方について、収支の関係もあるが、その柱としての考え方をお伺いいたしたいと思う。

〇吉田医療局長 紫波病院のことを念頭に置きながら、いわゆる地域の規模の小さい病院のことについて述べたいと思う。
 広域中核病院とか、あるいは中央病院みたいなそういった病院、そこの病院と、それから地域の、いわゆる比較的規模の小さい病院との機能分担、役割というのはまた違った面があるというふうに考えているところで、そういう点から申すと、赤字というか、そういったものは決していいわけではないが、やむを得ない事情のあるところもあるというふうに考えておるところである。僻地医療とか、あるいは不採算部門を持っておるとか、あるいはいろいろな要素があってどうしても黒字になれないというところもあるわけである。これはやむを得ないところで、やむを得ないというか、何とかしなければならないのであるが、そういう結果になっておるということである。
 そうは言いながらも、やっぱり地域病院は、今委員からお話があったとおり、保健とか福祉との連携という関係で、保健、福祉、医療、この3つが一体になって住民の健康を守るという点からいくと重要な柱になっている面が極めて大きいということである。先ほど室長から申し上げたように、医療局の場合は公営企業法が適用されておって、公的使命も担っておるが、経済性もよく考えろというふうに法律上そうなっているものであるので難しい面があるわけであるが、しかし一方で、やはり経済性のほかに公的使命も持っているんだと。公共性も十分に担えというふうになっているものであるから、その辺を勘案しながら、保健、福祉等と連携しながら、あるいは市町村あるいは福祉の関係団体等と相協力しながら、住民医療の、あるいは保健、医療、福祉との連携、そういったことを確保してまいりたいというふうに思っているわけである。そうは言いながらも、機能の充実も必要であるが、先ほど来御答弁申し上げているように、28の病院が全部中央病院みたいになればいいわけであるが、必ずしもそうはいかないという現状の中で、いわゆるネットワークを組んで機能分担して、あるいは医療の情報化を進めて、センター病院とか広域中核病院が持っている機能を画像伝送、その他の方法によって地域の病院に連携しながら導入し、そのノウハウとか、あるいは連携をしながら住民に還元するという形で持っていかなきゃならないというふうに思っているわけである。その中で福祉、保健との関係を可能な限り充実してまいりたいというふうに考えておる。

〇藤原(泰)委員 次に、医療局では1、000億にも及ぶ収支の経営をなされているわけであるが、相当な業務の中で、委託されているものもあると思う。その中には競争入札によりがたいものもあるであろうし、そういったような委託の関係の大きいのだけ若干お知らせいただければ幸いだと思う。

〇山内業務課長 県立病院における業務委託の状況ということであるけれども、最初に、業務委託の基本的な考え方についてであるが、業務委託に当たっては、経済性もそのとおりであるが、経済性のみならず、質の確保を基本に、効率的で効果的な業務を推進するとともに、職員が専門性の高い業務に専念できる体制を確立するといったようなことも含めて業務の全般的な見直しを行い、民間活力の導入を図るという考え方に立っているものである。
 現在委託しておる業務の内容であるが、平成8年度においては、診療報酬請求事務であるとか、検査業務、害虫駆除、医事業務のオンライン、清掃、下足、下膳、食器洗浄、給与計算とか試算表作成とか、こういった業務を中心にして51種類ほどの業務を委託しておるところである。
 それから、業者の選定であるけれども、指名競争入札に係る県の指名競争入札参加資格者名簿というものがあるが、これに登載されている業者の中から、資力、能力あるいは業務実績、そういった信頼度とか安定供給などを勘案して指名するということにしておる。

〇藤原(泰)委員 今の委託の中では特にも金額も大きいものがあろうと思うが、その中で、例えば寝具類とか、そういうクリーニングというものについてはお話がなかったが、そうしたものは委託はしておらないわけか。

〇山内業務課長 平成7年度の実績から拾ってみると、契約金額の多いものということになるが、清掃業務、これは28病院で委託しておる。それから、医事業務、中央監視業務とか物品管理業務、これらについても委託しておる。それから、基準寝具については、これは28病院でそれぞれ契約しておるが、これは賃貸借契約ということで契約して、28病院で実施しておる。

〇斉藤委員 日本共産党の斉藤信である。
 医療局職員の皆さんが日夜県民の命と健康を守るために御奮闘されていることにまず敬意を表しておく。
 私は、大きく5つの項目で質問するけれども、1つ1つやらないから、1項目まとめてお聞きする。
 第1に、県立病院の今度のヒューマニティー21計画にもかかわるけれども、初診料の特別徴収についてお伺いする。
 8月1カ月分の特別徴収の実態は先ほど答弁があった。初診患者が2万3、330人で、負担した患者が1万2、903人、55・3%、負担額は1カ月で1、329万円と、こういうことであった。1年間にすると、これは1億5、000万円を超える大変な額になる。病院ごとの負担率を見ると、高いところは7割、低いところは4割と、病院ごとにかなり格差がある。徴収率のこの違いは何なのか、これが第1点である。
 第2点は、全国的な自治体病院の実施状況はどうなっているのか。岩手県は何番目に導入したのか。
 3番目、特別徴収の目的は具体的にどう果たされているのか。私の調査では、私は、この間、県立病院、中央、福岡、久慈、遠野病院等、視察をしてまいった。当局からも労働組合からも患者からもお話を聞いてまいった。ほとんど知らない間に取られているというのが現状である。だから苦情も来ないのである。ほとんど知らない間に取られているというのが現状であった。私は、こういう現状というのは、6月県議会で医療局長が答弁したけれども、病院の機能分担には何ら今効果が出ていないんじゃないか。取られっ放しじゃないかという感じがするが、いかがであろうか。
 特別徴収の理由、口実について改めてお聞きする。なぜ200床以上の病院すべてで実施したのか。200床以上と以下の病院の位置づけが天と地ほど違うと思うけれども、21計画と矛盾するのではないか。
 除外規定について。眼科、耳鼻科だけ除外ということになったが、例えば私が遠野に行った場合、遠野地区では、病院と名のつく病院は精神病院以外遠野病院だけである。福岡地区はみんな県立病院である。そうすると、県立病院以外の病院はないのである。私は、こういう中で、県立病院は1つ1つがその地域で大変身近な、病院として親しまれ、また、信頼もされている。最初からそういう病院に来るなということになりかねない。私は、この点で、200床以上すべての病院で初診料の特別徴収を行ったということは、県立病院の創業の精神に反すると思うけれども、いかがであろうか。

〇山内業務課長 一番最初の、14病院の中でも格差があるのではないかというお話があったけれども、8月の実績を見ると、御指摘のとおり、やはり病院によって格差はある。これは、委員からお話あったとおり、その病院の診療科の設置の状況とか、そういったものに起因して格差が出ておる。
 それから、全国の実施状況であるが、8年の9月現在で調査した結果であるが、既に実施しているところは12都府県である。26・1%である。それから、実施予定あるいは検討中を含めると、35都府県である。76・1%になる。岩手県は何番目というお話であったが、岩手県は8番目に導入した経過がある。
 それから、特別徴収の目的が機能分担に何ら効果がないのではないかというお話があったけれども、中央病院の初診患者については、前年同月と比較した結果、725人、19・9%の減少になっているわけであるが、紹介率で見ると、平成8年度は10・9%であったが、本年は16・4%ということで、5・5ポイントの増。若干ではあるが、紹介患者が増加しているという結果が出ておる。このことが直ちに目的とする200床以上の病院と、あるいは200床未満の病院、診療所との機能分担と連携が進んだとは必ずしも言えないかもしれないが、今後の推移を見守っていきたいというふうに考えている。
 それから、特別徴収の理由、口実についてということであるが、制度の趣旨は、200床以上の病院と200床未満の病院及び診療所との機能分担を推進しようとするところにあるわけであるが、これらを踏まえて、本年4月の診療報酬改定で200床以上の病院に認められた制度である。したがって、県立病院では、圏域内の医療機関の状況あるいは診療科の状況を勘案して、特定の診療科を除外するなどの措置を講じた上で200床以上の病院すべてで実施することとしたものである。例えば小児科においては、同一月内に2回目以降の初診があった場合には1回しか算定しないとか、あるいは特定診療科の病院、その地域内に県立病院以外に例えば眼科あるいは耳鼻科以外の診療科がないような病院においては算定しないといったような措置も講じたものである。
 それから、ヒューマニティー21と矛盾するのではないかというお話もあったが、これは先ほど申し上げたとおり、診療報酬の改定の趣旨に基づいて、200床以上の病院で算定することにしたものである。

〇斉藤委員 全国8番目で日本一の県立病院がこの初診料特別徴収を実施した。私はこれは極めて重大だと思う。それで、200床以上の問題で、私もう少しお聞きしたい。
 6月県議会の質問に答えて、医療局長はこう答えた。200床以上の病院は、外来患者さんの診察はもとより、主として入院を必要とする患者さんを受け入れ、24時間体制で高度な設備や高額な機器及び十分な人的体制などを必要とする医療を行う。一方、200床未満の病院及び診療所においては、必ずしも重装備による医療サービスが求められているわけではなく、申し上げるまでもなく、入院もあるが、主として外来や在宅での医療が期待されているところであると。そうすると200床で区切られて、位置づけが天と地と違ってくる。いいであろうか。最近皆さんがまとめた21計画は、センター病院、広域中核総合病院、地域総合病院、地域病院、精神病院と、こう分けている、こう位置づけている。それぞれの位置づけにきちっと立派に書いている。しかし、200床以上の病院はこうだと、だから特別初診料を取るんだということになると、皆さんが決めた病院の位置づけというのも違ってくるんじゃないだろうか。私は、これは極めて乱暴だ。診療報酬は選択制である。特別初診料は取ってもいいと。取らなくてもいい。だから、全国的にはまだ12病院しか取られていないわけであろう。私はそういう点で、皆さんがもう本当に、医療局全体の英知を結集してまとめた21計画を、まとめた途端に特別初診料の徴収でこの位置づけをみずから踏みにじるということがあっていいのかと、このことを改めてお聞きする。
 それと、この特別初診料問題は矛盾が多いから、いろんな除外規定をつくった。しかし、私先ほどちょっと聞いたが、例えば遠野のように周りに病院がない、福岡のように県立病院以外に病院がない。こういうところでやっぱりまともな病院に行きたいというのは、これは当然の県民の気持ちである。胆沢病院が黒字だというのは、先ほど言ったように県立病院に対する信頼のあかしだと言ったけれども、私は全くそうだと思う。外来患者がふえているのは、県立病院に対する県民の信頼のあかしである。私はそういう点で本当に--例えば遠野病院は小児科専門医はいない、併設はあるけれども。江刺だって、江刺以外に病院はない。であるから、そういう点で私は200床以上、県立病院の半分にわたる14病院で全部取るというやり方が、本当に県立病院のこの間の創業の精神、基本理念、基本方針、こういう点で私は本当に問題が多いと思うけれども、改めてこの点についてお聞きする。

〇吉田医療局長 200床以上の初診料の14病院全部いただくことにしたのは、いわゆる病院の類型と矛盾するのじゃないかというお話であるが、この類型はいわゆるセンター病院、広域中核病院それから地域総合病院、地域病院と、それぞれ規模とか診療内容とかによって分類したものであり、そして機能連携していこうと、そしてスタッフの整備あるいは器械の整備などをいろいろやっていこうという考えで分類したものである。一方、初診料の導入については、御案内のとおり、診療報酬の改定により200床以上については、患者さんから直接おいでになった場合にはいただくことができるというふうに診療報酬制度が改正になったものであるので、全国の自治体病院の協議会等においても、200床以上については1、000円から2、000円と、厚生省では5、000円未満というお話であったわけである。その中で、医療局としては地域病院のところでお話のようなことは考えたが、もし仮に例えば地域総合病院の中で200床以上あるけれども、初診料をいただかない病院をつくったりすると、これは、また同じ200床以上の病院にかかる方でありながら初診料をいただく方といただかない方と両方出てしまうと、これも矛盾になってしまうということもあって、やはりそうだとするならば制度に乗っかって初診料をいただくということであるから、制度に乗っかるということで全14病院いただくことといたしたところである。

〇斉藤委員 論議がかみ合わないから一言だけ言ってこれで終わるけれども、全国を見ると一律に取っているところだけじゃない。例えば特別料金に差をつけているところもある。まだ取らないところもある。民間病院を含めたら特別料金を取っているところが2割、3割程度である、まだ。私はそういうときに、選択制なのに、日本一の県立病院が真っ先に悪乗りして200床以上全部取るというやり方が私はいかがなものかと改めて指摘をして、次の問題に入る。
 2番目は、入院給食費の患者負担、消費税の負担額についてである。
 入院給食費は現行1日600円であったが、10月1日から菅厚生大臣のもとで改悪されて1日760円と一方的に引き上げられた。その一方的に引き上げられた根拠は何であろうか。そして患者負担は1日600円の場合95年度で幾らで、760円になった場合にこれはどのぐらいになるのか、これが第1点である。
 第2点は、消費税の負担額。
 具体的に95年度どうなっているであろうか。消費税導入以来の累積負担額はどうなっているであろうか。これが消費税5%になった場合に、診療報酬上の対応は明らかにされているんであろうか。その影響額はどうであろうか。

〇山内業務課長 入院給食費の患者負担額についてであるが、7年度の決算において、入院給食費の患者負担額は28病院全体で9億2、000余万円となっておる。それで10月から改定された根拠ということであるが、この制度がスタートした平成6年の10月の時点で、政府案は一般分で800円となっていたわけであるが、これが経過措置で600円ということで推移してきたわけである。今回の改定では、平成7年の家計調査の一般世帯の食費、これに平成7年7月から措置期限が切れる今年9月までの間の物価上昇率を掛け合わせるということで、この間の家計の変化を踏まえた数値ということで760円に、800円が760円に減額されて修正されたと認識しておる。
 それから、患者負担額の見込みであるけれども、7年度実績の低所得者分の入院の割合が明らかでないので明確な答えが出ないわけであるけれども、一般分の改定率だけから単純に計算してみると、28病院全体で先ほど申し上げた9億2、000余万円が11億6、500余万円程度になるのではないかと見ておる。ただし、今回の改正は患者負担分の引き上げであり、食事療養に要する診療報酬の平均的な額1、900円となっておるわけであるけれども、この1、900円は改正されておらないということで、病院の収入そのものは全体的には変わっておらない。

〇千葉管理課長 消費税の負担額についてお答えする。
 平成7年度の決算ベースで申し上げるが、まず収益収支では消費税法上診療報酬非課税ということで、費用に要した消費税分を控除できないという部分がある。それがいわゆる仕入れ控除できない消費税が、平成7年度決算で11億8、500万円である。
 それから資本的収支分であるが、これは例えば建物を建てる、器械を買うといった場合でも消費税を負担する。これを翌年度以降、6年ないし10年間で繰り延べ償却するが、その分で償却した分が平成7年度で1億9、000万円である。
 それから、平成元年に消費税が導入された時点で診療報酬が臨時改定されておる。これはいわゆる消費税分として改定されておるが、厚生省の発表で0・76%、これは診療報酬ベースであるが、これを県立病院に置きかえると当時0・94%と算定されておる。これをその後2年置きに診療報酬が改定されているわけであり、これを診療報酬の改定率を乗じて、便宜元年度をベースにして平成7年度に補てんされたであろうという消費税額を推計すると7億7、500万ということになる。これを差し引いたとすると、7年度決算ベースで約6億円の実負担ということになる。この実負担額を元年度から累計すると約28億6、500万。
 それから、5%になればどうなるかということであるが、現在の今の仕組みのままで5%になるということになると3分の5を掛ければいいわけであるので、いわゆる収益収支分の仕入れ控除できない消費税というのは11億8、500万が19億7、500万、7億9、000万の増となる。それから資本的収支分については、翌年度以降繰り延べ償却するので、7年度ベースではお答えできない。
 それから、お尋ねにもあったけれども、5%になった場合診療報酬での対応が明らかにされているのかということであるが、それが現時点で明らかにされておらないので、診療報酬での補てん額も不明である。したがって、実負担額も不明である。

〇斉藤委員 入院給食費は本当に悪政中の悪政であり、9、202万円の患者負担、これが760円になるとお話あったように11億6、500万である。本当にこれは医療費のほかに取られるわけであるから、本当に入院患者さんがこれで悲鳴を上げているというのが実態である。同時に、消費税が今大きな政治の争点になっているけれども、県立病院の経営を考えても消費税の負担額が7年度で14億円だと。診療報酬補てん額というのは推計で本当にそうなのかと疑われるんだけれども、それ8億円引いても6億円の負担で、この7年間で実に29億円だと。だから87億円の累積赤字だというけれども、その約30億円は消費税負担である。私はこの消費税を、これから5%に上げようとしている人がいたらとんでもない話だと。県立病院の健全経営のためにも、本当にこれは率直に指摘をしておかなければならないと思う。
 次に3番目、久慈と大船渡病院の救命救急センターについてお聞きをする。
 水上委員もお聞きをしたのであわせて、1つは、救命救急センターの体制がどうなるのか。これは環境保健部が出していると思うので、今明らかにされている例えば病床数、医療従事者、人員、そして夜勤体制、これを第1点お聞きする。
 第2点は、恐らく40名近い体制になると思うけれども、久慈、大船渡でこの40名近い体制をもう1年、2年で確保するというと大変なことである。あわせて70名を超える人員を確保しなければならないと。できてからでは確保できないわけで、私はこの点で、この救命救急センターの人員は21計画には入っていない人員だと思う。であるから、当然、医療局の定数とするなら別枠で定員増が必要だと思う。同時に、財源はばっちりこれは県の一般会計で対応されるべきだと思うけれども、今の現状、話し合い状況はどうであろうか。
 3番目、久慈病院の視察に行ってまいった。水上委員のお話しあったように、私も聞いてびっくりしたけれども、救命救急センターの予定される20床が現在の350床の枠の中になりそうだということで、私大変びっくりをしてきたわけである。というのは、久慈病院というのは古い病院で、2人部屋が使えない。そして丘の上にあるものだから、駐車場が狭くて十分対応できない。それでもベッドの稼働率8割である。であるから8割が低いと見るのか、ああいう本当に老朽化した病院で健闘して8割で頑張っていると。私は建設現場も見てまいった。大変交通の便のいい、駅にも近い。もし新築で整備されたら、確実にこれは患者数ふえるだろう。病院に聞いたら、約10%ぐらいが八戸に逃げているというか通っていると。恐らくそれも吸収できるんじゃないかという話をしておった。であるから、私は医療局はぜひ具体的な根拠を持って、350床の一般診療とあわせて救命救急センターのベッド数を断固として確保すべきだと思うけれども、いかがであろうか。

〇吉川参事兼経営指導室長 久慈病院における救命救急センターの体制であるけれども、病床数については20床ということで、そのうちICUを6床程度整備すると。それから、医療従事者及び人員については医師、看護婦、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、事務員の配置が必要となるわけである。それぞれの人数については、救命救急センターとしての機能の確保と効率的な事業運営ができるように、現在、その業務内容あるいは業務量等の推計を行いながら、内部で現在詰めをしている段階である。
 それから夜勤体制と、体制の問題であるけれども、現在、業務の状況に応じて交代制とかあるいは当直体制あるいは待機制ということが考えられるわけであるが、これらについても現在検討している段階である。他県施設の例を見ると、およそ看護婦については交代制、それからそれ以外については当直制をとっているのがまず一般的である。
 それから、職員の増と財源についてであるけれども、定員増についてはセンターとして機能するために必要な体制、あるいは現在病院に配置されている人員では到底対応できるものではないので、病院本体とセンターとの機能分担あるいは連携を図るという観点で、今環境保健部と協議しながらこの必要人員というものの確保について検討を加えている段階である。また、その財源であるけれども、人件費だけではない、薬品とか診療材料等経費もある。基本的には診療報酬も入ってくるわけであるけれども、救命救急医療という事業の性格上、いわゆる不採算というか努力しても採算割れとなる部分が明らかになっておる。したがって、企業経営の健全性を維持するという観点で、一般会計による適切な新ルールも含めて今後検討を進めるという段階であるので、御理解をいただきたいと思う。
 それから、20床の増床の関係であるが、前にもお答え申し上げたように、厚生省と協議を進めているところでまだ了解を得るに至っていないということであるが、それは引き続き要望してまいる。
 もう1つの稼働病床ということである。現在、許可病床数というのは350床であるけれども、今委員の御指摘のとおり、2床室を個室に使うとか4床室を2人部屋にするとか、6床室も4床室にすると、いろいろ術後患者やあるいは介助を要する患者さん、あるいは器械の必要な患者さんと、こういうことで病室がすごく狭隘になっておる。そういう関係で、その日にもよるけれども、おおむね20床以上は常時使えないというか利用できない状態が続いているというのが現状である。したがって、350からまず大ざっぱであるけれども20床を引いた330床で計算すると、稼働病床利用率というか、それが細かな数字になるけれども88%、約90%。公表されている数字では、現在は7年度実績では83・4%であるから、その辺のギャップがある。こういう事情についても、るる厚生省にも理解が得られるように今後とも努力してまいりたいと思っておる。

〇斉藤委員 次に進む。
 2人夜勤体制の解消と看護婦増員問題について。
 2人夜勤体制の現状はどうなっているであろうか。何病院、何病棟となっているであろうか。
 中央病院で私、視察してまいった。前院長さんが2人夜勤体制は解消すると約束をしておった。これは労働組合にである。これはどうなっているであろうか。
 胆沢、久慈の新病院では、当然、私は夜勤体制は3人体制になると思うけれども、この新病院の体制はどうであろうか。2人夜勤体制の解消に必要な人員増というのはどのぐらい必要なんであろうか。
 2つ目、年休、生理休暇の取得状況はどうなっているであろうか。
 年休を請求すると非番がつけられる、こういう声がたくさん寄せられたが、これは改善すべきと思うけれどもいかがであろうか。
 生理休暇の申請は、申請もできない深刻な現状だと訴えられた。実態を明らかにして、その改善の見通しを示していただきたい。
 3番目、久慈病院ではザールの待機が月10回から11回もある。そのうち月7回は招集されると。であるから、家に帰っても休んだ気にならない。ポケットベルを置いておふろに入らなければならないと深刻な話である。これはどういうふうに改善できるんであろうか。
 胆沢病院で導入しようとしているPPC看護方式とはどういうものであろうか。これは他県、他病院の実施状況はどうなっているであろうか。労働組合との話し合い状況はどうであろうか。

〇加藤職員課長 まず、2人夜勤体制の現状についてお答えを申し上げる。
 全県立病院28病院で94病棟あるわけであるけれども、25の病院で3・2または2・3体制を含めて45病棟ある。3・2または2・3体制をしいておる病院が13病院で22病棟、それから2・2体制は17病院で23病棟ということで45病棟ある。
 それから、中央病院で前院長が2人夜勤体制の解消を約束したという件についてであるけれども、前院長がそのような考え方を持っており、かつ、そのようにしたいということの要望は聞いておる。しかしながら、夜勤体制については中央病院のみならず全病院について、いわゆる2・8体制を基本として患者数の動向あるいは重症度などを考えながら2人体制なり3人体制なり4人体制というものをとっているものである。ちなみに、中央病院だけを申し上げれば、現在は2・2体制が1病棟、それから2・3または3・2体制が4病棟、13病棟のうち5病棟が何らかの形で2人夜勤の部分があるということである。
 それから、胆沢、久慈の新病院の夜勤体制についてということであるけれども、先ほども吉川参事の方から救急の関係でもお話し申し上げたが、胆沢、久慈については患者数あるいは患者の重症度等を勘案しながら現在検討しておるということである。
 それから、2人夜勤解消に必要な人員増ということであるけれども、それぞれの病棟部門における看護婦の必要人数については再三申し上げておるように、夜勤体制とか基準看護等に要する人員、さまざまな要因によって人員を算定しておるので、一概に単純計算することは非常に困難であるので、これは差し控えさせていただきたいと思う。
 次に、年次休暇あるいは生理休暇の取得状況についてということであるが、職員1人当たりの年次休暇から申し上げるが、平均取得日数は平成6年が1年間で平均9・2日である。平成7年は1年間で9・5日であった。それから1日平均の生理休暇人員は平成6年、1年間で1・3人、1日平均、それから平成7年は1・4人であった。年次休暇については、原則として職員の請求する時期に与えなければならないものと認識しており、今後とも適切に対処していきたいと考えておるし、生理休暇についても、休暇の趣旨を踏まえて今後とも適切に対処していきたいと考えておる。

〇斉藤委員 この2人夜勤体制というのは大変深刻である。重症患者たった1人いると、夜勤1人の看護婦はその患者さんにつきっきりになってしまうと。あと何かあると、ナースステーションはだれもいなくなる。そういう点で、私はもう本当に3人体制は急務だし、これから新しくつくる久慈や胆沢は、文字どおり県立病院のパイオニアとして立派な黒字も出している病院があるようだから、そういう充実した体制でやっていただきたい。
 実は私、中央病院の事務局長さんにお話を聞いた。患者がふえている要因は何かと言ったら、開口一番、看護婦さんをふやしたからだと。これ中央病院の事務局長さんの話である。安心して受け入れられるんだと、看護婦の体制をよくしたから、こう言う。私はだから、そういうふうに人をやれば金がかかるだけではなくて、安心して患者さんを受け入れられるようになるという、私はこの話、大変感動を持ってお聞きした。
 それで、少し看護婦さんの生の声を私は紹介したいと思う。これは中央病院である。
 夜勤体制を3・3にしてほしい。個室は常に重症者で、準夜勤2人では定時処置をこなすだけで大変である。これは放射線の病棟である。産婦人科の病棟では、夜間、お産があるとナースステーションが空っぽになったりする状況である。手術室。手術が長引くと日勤、準夜、深夜と働き、1日だけ休んでも40路に手が届く私には疲労が募るばかりである。日勤、準夜、深夜と稼ぐと。驚くべき状況である。
 あと1つで終わるが、これは現在、土、日、祝日の準夜は2名となっている。指定の処置に追われるばかりで、土、日の準夜を嫌うスタッフがほとんどである。土、日、祝日の準夜も3名としてゆとりを持って患者とかかわっていきたい。いわば、土、日、祝日は患者さんが減るという発想で2人体制にしているんだけれども、仕事は減らないということである。いわば、センター病院である中央病院の実態が本当にこういう深刻な状況であるから、私は去年、血の通う改善を求めたけれども、残念ながらまだ血が通わない。そこの改善を求めておく。特に、それが象徴的にあらわれているのが、年次休暇と生理休暇の取得である。年次休暇がたった9・5日と、職員平均20日は保証されているであろう。半分も消化できない。であるから、それが繰り越しになる。ほとんどの職員が40日持っている。40日持っていたって9・5日しか消化できないから、この分は買い上げてくれないかという声が出るくらいである。私、半分以下しか年次が消化できないというのは異常な事態だと思う。ぜひ、私が言ったように、年次を要求すると非番がつけられるという、これを改善するだけでも年次の取得はふえるから具体的な改善を図っていただきたいし、生理休暇が1日1・4人。県立病院に何人看護婦いると思うか。大変なことである。いわば、私は直接聞いたけれども、申請できる状況じゃないという、スタッフが少ないから。自分が休めば皆さんに負担がかかる。だから、生理休暇が権利として認められているんだが申請もできないと。私はやっぱりここを含めて、ひとつここが改善できるように、本当に血の通う体制をとっていただきたいと思う。
 これ最後である。
 岩手県立病院の事業経営計画、いわゆるヒューマニティー21計画にかかわって幾つかお聞きする。
 医師、看護婦など155名、それぞれ定員増を見込んだということを私は評価する。ぜひこれは前倒しでどんどんやっていただきたい。その上で、1つこの計画に盛り込まれた具体的中身についてお聞きする。
 大胆な発想の転換、システム全般にわたる構造的改革、新たな視点、こういうのが強調されている。その具体的中身、内容は何であろうか。事務局長に聞いたら、今度の計画は何が変わったのか新しいのかよくわからないと、こういうことを言っておったが、これは言葉だけなのか、中身があるのかお聞きする。
 2つ目、新たな勤務体系を検討すると言っているが、新たな勤務体系とは何であろうか。
 3番目、今後における施設配置の基本方向として、施設の再編成や機能の統合が提供されている。病院の統廃合ということであろうか。病院の類型化をしたこの類型化と矛盾すると思うが、どういう中身であろうか。
 4番目、病院給食と業務委託について。
 県病の病院給食は大変評判がいい。私も調理場も見てきた。大変情熱を持って取り組まれて、温かいのは70度以上に、冷たいのは5度Cぐらいに、私これもすばらしいものだと思って、学校給食でもやれないかと思ってきたぐらいであるが、計画では業務委託なんという話も出ている。私はこれだけ評判のいい病院給食は充実こそすれ、業務委託すべきでないと思うけれども、いかがであろうか。
 5番目、メディカルサポートを育成強化すると言っている。メディカルサポートの実態、構成はどうなっているのであろうか。役員体制はどうであろうか。メディカルへの委託状況はどうなっているであろうか。医療局がいまだに出資している理由は何であろうか。私は、このメディカルサポートというのは、県内の薬品会社、医療機器メーカーのトップが集まった、そして医療局がここにいろんな仕事を委託する。情報が筒抜けになる。そしてそこには、医療局OBが今取締役社長である。私はこれは医療局との癒着、天下りの危険が強いと思う。その点で、これを育成強化することはいかがなものか答弁を求めるものである。
 最後に、胆沢や久慈病院の医療機器の購入問題について。
 私は去年の9月、県立大船渡病院の入札問題について取り上げた。8割が随契というものはいかがなものかということで具体的な資料を指摘をしてやったが、ぜひ胆沢や久慈病院の医療機器の購入は公明正大な入札を徹底していただきたい。その点で答弁を求める。

〇樋下副委員長 先ほどの質問に答弁漏れがあったので、山内業務課長。

〇山内業務課長 先ほど久慈病院のザール、手術室の待機の問題と、それから新胆沢病院のPPC看護方式について、まだお答えしておらないので改めて申し上げる。
 久慈病院の手術室についてその実態を調べてみたわけであるが、本年の7月から8月までの実態を見ると、1日平均の手術件数は7・8件ある。それから配置看護婦は13人である。それから、平均の待機日数であるが、13人で待機しているわけであるが、7・2日と伺っておる。それから、これらの職員の呼び出し件数であるが月に11・6回、1人平均で見ると0・9回というふうに伺っておる。
 それからもう1つ、胆沢病院のPPC看護方式のことであるが、PPC看護方式と申すのは、1957年にアメリカのマンチェスター記念病院というところで試みられたものである。看護の内容によって、集中ケアあるいは普通ケア、セルフケア、それから長期ケア、ホームケア、外来と、こういった6段階に分けて、病気の程度と患者が必要とする世話の程度に従って各病棟に割り当てるという看護方式である。他県あるいは他病院の実施状況であるけれども、このPPCと言われる看護方式を採用している病院は、国立の筑波大学附属病院で実施していると聞いておるが、そのほか全国的にはPPC方式をそれぞれの病院に合った形で運用している病院もあると聞いておる。2月オープン予定になるわけであるが、胆沢病院の看護体制については、新胆沢病院に合った方式でのPPC方式、PPC看護方式を採用するということで、今病院内の職員で検討中ということである。

〇吉田医療局長 施設の再編成や機能の統合の関係であるが、限りある医療資源を有効に活用して住民あるいは県民に還元するということが大事だと思うので、機能分担とか連携を基本にこれは考えていかなければならないと。そういうことで、県民の医療確保の観点から県立病院あるいは民間の病院、あるいは診療所等々、あるいは保健福祉の面の関係と連携しながら医療を確保していかなければならないと考えているわけであるが、その過程の中で再編成あるいは機能の統合ということも実際問題としてはあり得るかもしれないと。ただ、しかし、今回のヒューマニティー21においては、現在の病院でいくということにいたしておる。ただ、この計画だけでも明らかにしておるとおり、一戸病院と北陽病院の統合はこれはやるという計画にしており、その考え方は従前多分申し上げていたことと思うが、一般医療と精神医療との有機的連携ということで境界領域の医療機能の充実という観点から考えたものであるし、それから痴呆性疾患の患者さんの高齢化社会に対応した医療機能の充実と、そういった面などから統合を必要とするものである。また、機能の統合については、これはやっぱり時代の変化あるいはいろんな社会経済環境の状況の変化によっては機能の統合ということもあり得るのかと思っておる。ただ、前段申し上げたとおり、現時点においては今の計画のままで平成10年までは推移したいと考えているところである。

〇吉川参事兼経営指導室長 私からは、計画上新たな視点の具体的内容は何かということについてである。
 国においては、医療法の改正あるいは保健医療制度など構造的な改革を強めてきておる。こうした変化に対応して、県民に良質でかつ適切な医療を提供するためには、どうしても企業としての安定した経営基盤を確立する必要があると、これが大前提になるわけである。そのために、従来のシステムを見直すことがぜひとも必要だと、こういう考え方に立っておる。限られた医療資源の中で、個々の病院が単独ではなく、その機能に応じて地域の中で相互に分担、連携を行ういわゆる連携ネットワークの形成の推進というのが重要になってくるだろうと思う。病院で働く30以上にも及ぶ専門職それぞれが現在の体制にとらわれることなく、より適切に効率的に能力を発揮できるよう、業務のやり方、果たすべき役割、そして全体の仕組みの見直しということを考えておる。21世紀に向けた県営医療の基盤づくりをこれで進めたいと。具体的に列挙すると、例えば県立病院間の連携ネットワークの形成とかあるいは医療情報ネットワークのシステムの整備とか、地域連携システム、さらには効率的な職員の配置というような、病床の効率的な活用というようなことまでいろいろと多種多様に考えているところである。

〇加藤職員課長 新たな勤務体系を検討するということはどういうことかというお尋ねであるけれども、ヒューマニティー21プランに掲げてあるように、心の通う患者中心の医療という展開とそれからゆとりある労働環境の創出のためには、患者さんの生活リズムというものも考えなくてはいけない、あるいは職員のライフサイクルという病院の業務との調和を図りながら、従来の勤務体系にこだわらない、新たな勤務時間とか勤務体制などについても検討する必要があるのじゃないかということで考えているものである。

〇山内業務課長 病院給食と業務委託ということに関してであるが、委員御質問の趣旨は、院外調理業務の外部委託の件と理解してその趣旨でお答えさせていただく。
 県立病院としては、病院給食は医療の一環として患者に提供されるものであり、病棟で栄養指導とかあるいは個人に対応を行うことなど、食事の質の向上を図り、喜ばれ満足度の高い食事の提供がより重要視されるべきものと考えて、これまでもそのように進めてきておる。このようなことから、院外調理業務については、現時点では県立病院においてはいろいろ課題も多いことなどから、慎重に取り進めてまいりたいと考えておる。
 それからもう1つ、胆沢、久慈病院の医療器械の購入の件であるが、公明正大な入札を徹底すべきということであったけれども、医療器械の購入方法としては、原則的には岩手県の指名競争入札参加者名簿に登載されおる業者の中から選定して、指名競争入札を原則としておるものである。また、WTOに基づく政府調達に関する協定の適用を受ける医療器械、1件2、800万以上のものになるわけであるが、これらについては原則として一般競争入札によるということにしておる。胆沢の医療器械の購入においても、例えばリニアックであるが、これは岩手県報に事前に公告をして、一般競争入札の手続を行っておる。そういった経緯もある。それから、さらに特例として随意契約を行うこともあるが、この主な具体例としては、購入を予定する器械の販売店が1社しかないといった場合、あるいは既存の既に整備してある器械に機能を負荷するような場合、その負荷する機能を持ったメーカーが、器械を取り扱い業者が1社しかないといったような場合に随契を行うといった例が出てきておる。今後においても、競争原理を働かせた方法によって医療器械の購入を行ってまいらなければならないものと認識しておる。

〇千葉管理課長 メディカルサポートについてお答えする。
 まず、会社の構成、役員体制であるが、会長、社長のほか取締役5人、監査役1人、計8名の役員体制である。その個々を見ると、御指摘のとおり県職員OB、その他企業の方々で構成されておる。
 それから、2点目のメディカルへの委託状況であるが、7年度で見ると、中央病院初め4病院に対して中央監視管理業務及び医事業務など6つの業務を委託しておる。
 それから、医療局が出資した理由と申そうか、いまだに出資している理由は何かということであるが、今日の医療を取り巻く環境が非常に多様化してきていると、そういったいろんな医療上の拡大、多様化といったようなことで、それらに対応する設立の趣旨を持った会社ということで、その趣旨に賛同して当初から株式を取得しているものである。
 それから、いまだに出資しているのはなぜかということになるけれども、会社設立の趣旨あるいは基本的な精神、それらを受けて業務の種類が、会社の業務が何種類かあるが、各種管理システムの開発、医療関係の研究研修あるいは業務マニュアルの開発とかいろんな業務の受託、人材派遣といったような業務があるが、やはり内容的には受託人材派遣等以外の部分については現時点でも必ずしも十分ではないというふうな認識をしており、今後においても、私ども一株主として当該会社の育成に関与していく必要があろうということで、ヒューマニティー21計画にも記述しているものである。
 それから、天下り危険云々ということであるけれども、メディカルサポートに対する医療局の退職者の再就職については、当該会社は独立した民間会社である。職員の任命等、その会社の人事については会社がみずから行っていると認識いたしておる。
 それから、このメディカルサポートとのいろんな取引についてであるが、それぞれの業務の内容によっていずれも法令規則等に従い、厳正に処理していると認識しておる。

〇斉藤委員 これが全くの最後である。
 今、メディカルサポートの話、会長がこれは県のトップの薬品会社会長である。そして社長が県庁OB--医療局OB、さらには設計会社の伊藤喜三郎建築研究所が取締役である。これは岩手県内の企業じゃない。そして県立病院の新築の設計も請け負っている企業である。そして医療機器メーカーは県立病院で圧倒的なシェアを占めている。私は、こういう企業の集まりが一民間企業なのに、県も出資して県もかかわって、実際に業務実績表を見てみると、久慈病院の整備に伴う基本構想の策定とか宮古病院移転整備に伴う調査とか、そういう大事なことをやっている。だから筒抜けである。私はそういう点で、そういう一部の業者が集まった民間会社に対して、なぜいまだに医療局が出資しなくちゃならないのか、私はここは育成強化じゃなくて、もう育成し過ぎたんじゃないか、もっと公平にこれはやられるべきじゃないかということをこれは指摘をして、最後に、これは私が視察して頼まれたことがあったからお聞きして終わる。
 福岡病院について、院長先生が泌尿器科、放射線科、麻酔科がどうしても欲しいと。21計画を見ると、広域中核病院のこれ基本診療科である。これはぜひそういう位置づけもされているので、ぜひ早く実現をさせていただきたい、その見通しはどうか。
 遠野病院は、ネットワークを見ると線がついていない。どこにも連携しないということになる。であるから、その点では広域中核に準じた体制が必要になってくるんではないかと思うが、これをお聞きして終わる。

〇吉田医療局長 メディカルサポートの関係であるが、もういいんじゃないかというお話であるけれども、さっき管理課長から御答弁申し上げたように、本来の業務として幾つか抱えているわけであるが、委託の方についてはある程度やってきていると。ただ、本来の医療関係の研究とか研修とかあるいは各種管理システムの開発とか、そういった面のところがまだ十分に育っておらないということがあるし、業務マニュアルの開発と、そういうのも同じである。今、斉藤委員から漏れている云々かんぬんのお話があったが、設計等はメディカルサポートにはやらせていないというかやっておらないので、そういったことはあり得ないことであり、特に県から行ったからといってそれは別問題であり、先ほどの答弁者が申したように、医療器械の購入についてもあるいは薬の購入についても、それはメディカルとは別な形での話であり、厳正に入札等を通じてやっておるものであり、御了解賜りたいと存ずる。

〇高橋医師対策監 福岡病院の泌尿器、麻酔科それから放射線科であろうか、診療科の設置の要望があったということであるが、おっしゃるとおり、広域中核病院はこの3科とも設置する計画になっており、ただ、福岡はこの3つともないが、同じようにまだこの3科のつくっていないところも結構あり、これからの課題であると認識しておる。御案内のとおり、平成12年に設計に入る福岡病院、そういう計画になっておるので、その時点でというように思っておったが、今のお話であると早めてと理解すればいいであろうか、いずれ公式にまだ聞いていないので、大変難しい診療科であるのでいつということは申し上げられないが、病院と具体的な対応策を協議しながら、大変難しいけれども設置に向けて努力してまいりたいと、このようにお答えしたいと思う。

〇吉川参事兼経営指導室長 遠野病院の関係で申し上げたいと思う。
 現在の位置づけとしては地域総合病院という形であるけれども、広域中核病院に準じた整備というようなことを考えておる。

〇伊藤(勢)委員 通告をしておらなかったけれども、1つだけお伺いをさせていただきたいと思う。
 私は、終わり終わりと言って4つも聞かない。ただ1つであるからよろしくお願いしたいと思う。
 決算の委員会であるから、当然数字を追いかける委員会であろうと思う。ただ、県民がひとしく中核病院に期待をするのは、高度な医療技術あるいは技能というか、そういった部分を期待しておるわけであるが、いろんな中核病院に、例えば中央病院の、中枢の中央病院から各科の医科長さんがそれぞれの中核病院に院長先生として転出をされていく。そうした場合に、院長であるから経営者の性質を帯びてくるわけであるが、この決算の中で数字を追いかけていくということは、当然組織の長である方のということになるから、せっかく各科の、例えば脳外科とかあるいは循環あるいは呼吸、消化、泌尿、いろんな部分があるわけであるけれども、そういう部分で、大変に県内でも有数なトップクラスのお医者さんであるという方々が地域の病院に来られたときに、どうしても経営者という感覚から入ってまいると、実際に患者と接する機会が少なくなっていっているのではないのか。そうすることは決して県民が要望している高度な、しかも県内でトップクラスの各科長さんの診療、診察を受けるという部分がどんどん消えていってしまうのではないのかと。これは本来の県民に対する医療のサービスという部分と相反する部分があると思う。であるが、これは経営という部分もあるから、そういう中にあって当然機関の長としての院長の部分があるであろうが、やはり院長先生というのは医学の道でその道をきわめてこられた、しかもプロパーであるから、その先生方にはどうしても診療機会という部分を多くこれからも持っていただくようにするべきだと。そういう中で、副院長という部分もお医者さんであるから、この際、各病院の事務長さんを事務方の副院長ぐらいにするような形にして、院長先生の、例えばいろんな県の当局あるいは医療局に来て、院長みずからが陳情してあの器械が欲しい、この器械が欲しい、そういった部分は省いて、事務方の副院長さんにその部分はお任せをして医療の部分の全般を院長さんが見るという、こういう部分の方が地域の住民の期待が大きいものと思うが、その辺に関してのお考えをお示しいただきたいと思う。

〇吉田医療局長 やはり中核病院の院長先生は、今御指摘があったとおり優秀な先生が院長になっておる。それは医師としてもそれから管理者としてもという意味であるが、そういう意味で確かに持っている知識、経験といったものを診療に生かすことも大事である。ただ、第一義的にはやっぱり院長職という職は、診療病院全体の責任を負うということであるので、院長の職務というのは病院によっては、中核病院だと30近くの職種のある職員を、多くの職員の業務を全体として統括しなければならないという立場にあり、なかなか外来で診療を行うという時間がとれないというのが実態である。ただ、委員のおっしゃる意味もよくわかるので、その辺のところは病院の実態に応じてできるんであれば、毎日とはいかないかもわからないが、週に1回とかということでできるんであれば考えていい場合もあるかもわからないので、これは個々に検討しなければならない問題だと考えておる。
 それからもう1つ、患者さんとの接触という面では、これは院長の努力次第でやっている方がたくさんある。外来には行かないけれども、院内を見回って患者さんと常に接触したりあるいは院長回診を行ったりということでやっている病院も結構ある。そういった点もお含みおきいただければ大変ありがたいと思うし、それから副院長の活用については、中核病院だけじゃなくて副院長制度というものを十分に活用しておる。
 それからもう1つは、事務局長のお話があったが、事務局長については従来から院長の補佐役として、事務部門の補佐役として重要な役割を占めておるところであり、病院で言えば私どもいわば3役と申しておるが、院長、事務局長、総婦長ということで重要な役割を占めておる。ただ、事務局長も例えば医局の先生方と一緒に医局に入っていっていろんな話をしたり、あるいは話を聞いたり、そして院長からの指示を受けて本庁に来たりという形でやっておるが、御提言の趣旨を踏まえてさらに事務局長の役割について充実と申そうか、積極的な取り組みをするような指導をしてまいりたいと存ずる。

〇藤倉委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤倉委員長 質疑がないようなので、これをもって医療局関係の質疑を終わる。
 次回は10月1日午前10時から開会いたすので、よろしく御協力のほどお願いする。
 本日はこれをもって散会する。
   午後3時5分 散 会


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