平成19年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成19年3月12日(月)
1開会  午前10時5分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事課長   切 金   精
  議事課長補佐 千 田 利 之
  主任主査   保 原 良 和
  主査     小 船   進
  主査     石木田 浩 美
  主査     佐々木 ユ カ
  主査     菊 池 芳 彦
  主査     渡 辺 謙 一
1説明員
  農林水産部長      高前田 寿 幸
  農林水産企画室長    東大野 潤 一
  農政担当技監      齋 藤   恭
  林務担当技監      千 田 壽 光
  農林水産企画室特命参事 宮   一 夫
  農林水産企画室特命参事 沢 田   修
  農林水産企画室企画担当課長 杉 原 永 康
  農林水産企画室管理担当課長 小 原 敏 文
  団体指導課総括課長   松 岡   博
  指導検査担当課長    平 澤 政 敏
  流通課総括課長     佐々木 和 延
  農業振興課総括課長   及 川 傳 弘
  担い手対策担当課長   平 賀 勇 志
  農業普及技術課総括課長 宮 下 慶一郎
  農村計画課総括課長   佐々木 雄 康
  農村建設課総括課長   須 藤 勝 夫
  農産園芸課総括課長   小 原 利 勝
  水田農業担当課長    山 田   亙
  畜産課総括課長     樋 澤 正 志
  振興・衛生担当課長   三 浦 牧 夫
  林業振興課総括課長   西 村 和 明
  森林整備課総括課長   及 川   修
  整備担当課長      石 川 敏 彦
  森林保全課総括課長   藤 原   繁
  森林保全課特命参事   藤 沼 豊 頼
  水産振興課総括課長   大 森 正 明
  漁業調整担当課長    渡 部 茂 雄
  漁港漁村課総括課長   佐々木   敦

  参事兼
  予算調製課総括課長   菅 野 洋 樹
〇及川幸子委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第32号から議案第35号まで、議案第37号から議案第40号まで、議案第45号、議案第46号、議案第48号、議案第59号、議案第60号及び議案第82号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、農林水産部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、本日の農林水産部の審査につきましては、3月5日の当委員会で決定したとおり、第1部、第2部及び第3部に分けて審査することとし、第1部では農業関係分野について、第2部では林業関係分野及び水産業関係分野について、第3部では競馬組合関係についてそれぞれ審査することになっておりますので、御了承願います。
 それでは、農林水産部長に農林水産部関係の説明を求めます。
〇高前田農林水産部長 農林水産部関係の平成19年度の予算関係議案等について御説明申し上げます。
 予算の説明に入ります前に、平成19年度における農林水産部の施策推進に当たっての基本的な考え方について御説明申し上げます。
 農林水産業を取り巻く経済社会情勢は、WTO交渉などによりグローバル化が進展し、輸入農産物が増加する一方、本格的な人口減少・少子高齢化社会への移行を迎えるなど社会構造が大きく変化している中で、国は、品目横断的経営安定対策などの農政改革を推進しているところであります。
 また、地域経済の低迷が続き、農山漁村の活力の低下が懸念される一方、農山漁村が有する豊富な地域資源の活用や環境の保全に対する関心が高まっているところでございます。
 このような状況のもと農林水産部としては、第1に、本県の農林水産業をリードする担い手の育成に重点的に取り組み、平成19年度を担い手育成元年と位置づけ、農業は19年度から開始される品目横断的経営安定対策をてことした個別経営体・集落営農組織を、そして林業は、地域の森林経営を担う地域牽引型経営体を、漁業は、地域営漁計画を実践する漁業経営体をそれぞれ対象として、集中的な支援を進めてまいりたいと考えております。
 第2は、昨年11月までに策定いたしました産業成長戦略並びに県北・沿岸圏域における産業振興の基本方向に基づき、地域経済を支える基盤となる農林水産業の確立を目指して、産地づくり等の施策を展開してまいりたいと考えております。
 次に、こうした考え方に基づき、具体的には、生産者から経営者へのレベルアップを目指した農林水産業の担い手育成、消費者・市場を重視した競争力ある産地づくりの強化、食ビジネス、バイオマスなどのアグリビジネス関連産業の育成、農地・森林等の生産基盤を保全する活動の促進、この四つのポイントに施策を重点化して、これらの施策を推進する予算事業を編成したところでございます。
 それでは、予算関係議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成19年度岩手県一般会計予算についてでありますが、議案その1の7ページをお開き願います。第1表歳入歳出予算の歳出の表中、農林水産部関係の予算は、6款農林水産業費の623億5、374万7、000円のうち、県土整備部移管分を除きます552億1、727万7、000円及び9ページの11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費の26億2、750万8、000円のうち、同じく23億5、043万2、000円を合わせまして575億6、770万9、000円となるものでございます。これを前年度当初予算と比較いたしますと、金額で135億6、285万4、000円、率にして19.1%の減となるものでございます。一般会計の予算総額に占める割合は8.3%となるものでございます。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、新規事業を中心に主な事業を簡潔に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の136ページをお開き願います。6款農林水産業費1項農業費であります。農業総務費は、農政関係職員の人件費や国土調査等に要する経費であります。次に、137ページの農業金融対策費の主なものは、農業近代化資金等の貸し付けを行う農協などの融資機関に対し利子補給等を行うほか、説明欄下段の集落営農組織育成緊急支援資金貸付金は、平成19年度以降の品目横断的経営安定対策の導入に向けて、特定農業団体及びこれと同等の要件を満たす組織の育成を図るため、短期運転資金の貸し付けを行う金融機関に対し、その原資の一部を預託しようとするものでございます。農業構造改善対策費の主なものでございますが、説明欄三つ目の強い農業づくり交付金は、経営構造対策事業費とあわせて、地域の実情に即した経営体を育成するため、農業近代化施設の整備に対し交付金を交付しようとするものでございます。次に、138ページをお開き願います。農業改良普及費の主なものは、農業改良普及センターの管理運営に要する経費のほか、説明欄下段の農山漁村いきいきチャレンジ支援事業費は、農山漁村の活性化を図るため、女性や高齢者が意欲を持って、能力を発揮できる環境の整備及び地産地消に対応した農林水産物の生産・加工・販売の支援に要する経費でございます。農業振興費の主なものでございますが、説明欄三つ目の生産振興総合対策事業費は、環境に配慮した持続的農業を広く普及させるためのエコファーマーの育成や耕種と畜産の連携による土づくり等の環境保全型農業の推進に要する経費でございます。139ページの中段の食の新ビジネスモデル構築事業費は、県産農林水産物等の素材を発掘し、消費者のニーズにマッチする商品の開発、新たな流通チャネルの開拓等の推進に要する経費でございます。次の農業経営基盤強化促進対策事業費は、効率的かつ安定的な農業経営の確立のため、認定農業者の育成及び集落営農組織、農業法人の設立の支援、農地の流動化・利用集積の促進等に要する経費に対する補助等でございます。一番下の段の埋設農薬適正処理事業費は、過去に埋設処理を行った農薬について、安全・確実に最終処理を行うために要する経費でございます。次の県北・沿岸「元気な農業」確立特別対策事業費は、県北・沿岸圏域において、活力と元気に満ちた地域農業を確立するため、生産性の高い冬春野菜等の生産モデルの構築に要する経費に対する補助等でございます。農作物対策費の主なものでございますが、生産振興総合対策事業費のうち、いわて純情米トップブランド事業費補助は、説明欄下段の強い農業づくり交付金とあわせて、多様なニーズに対応した特徴ある米づくりを推進するために、本県産米の品質向上や低コスト化を図る共同利用施設を整備し、品質重視の生産販売体制を強化しようとするものでございます。次に、140ページをお開き願います。畑作振興費の主なものは、花きセンターの管理運営に要する経費のほか、三つ目のいわての園芸産地ステップアップ事業費は、輸入野菜等に対抗するため、低コスト・安定生産技術の普及を促進するいわて純情野菜産地リーディングファームの設置に要する経費等でございます。北上奥羽山系開発費の主なものは、緑資源機構が北上・奥羽山系地域で実施した広域農業開発事業における地元負担金の償還金でございます。植物防疫費は、病害虫の防除指導のほか、農作物生産者及び農薬販売業者に対する農薬の適正使用、適正販売の指導・検査等に要する経費でございます。141ページにお移り願います。農業協同組合指導費及び農業共済団体指導費は、各組合の指導監督に要する経費でございます。農業研究センター費は、同センターの管理運営等に要する経費のほか、説明欄下段のいわて型水稲直播技術確立対策事業費は、稲作の規模拡大に必要な水稲直播栽培技術を開発し、苗立ち率の向上や収量の向上・安定化に係る栽培体系を確立しようとするものでございます。次に、142ページをお開き願います。農業大学校費は、同校の管理運営に要する経費でございます。143ページの蚕業費は、県産繭の高品質化とブランド化を推進するとともに、養蚕農家の経営安定と産地の活性化を図るため、農家への3齢配蚕に要する経費に対する補助等でございます。
 次に、144ページをお開き願います。2項畜産業費であります。畜産総務費は、畜産関係職員の人件費等でございます。畜産振興費の主なものでございますが、説明欄二つ目の家畜改良増殖対策事業費は、短角牛肉の安定的な生産供給及びブランド化を推進するため、粗飼料多給肥育技術による高付加価値牛肉の生産を進めるとともに、優良な遺伝資源を活用した種雄牛の造成に要する経費等でございます。145ページにお移り願います。説明欄下段のバイオマスの環づくり交付金は、地域内で発生する鶏ふんを肥料化し、バイオマス資源の利活用による地域循環型社会を実現するため、家畜排せつ物処理施設の整備に対し交付金を交付しようとするものであります。草地対策費の主なものでございますが、畜産基盤再編総合整備事業費は、飼料基盤に立脚した効率的な経営体の重点育成及びこれを核とした畜産主産地の整備を行うため、草地の整備改良や畜舎等の整備に要する経費に対して補助しようとするものであります。次に、146ページをお開き願います。家畜保健衛生費の主なものでございますが、説明欄三つ目の牛海綿状脳症防疫対策事業費は、24カ月齢以上の死亡牛のBSE検査等に要する経費でございます。農業研究センター費は、畜産研究所の管理運営等に要する経費であります。
 次に、148ページをお開き願います。3項農地費であります。農地総務費は、農地関係職員の人件費等でございます。土地改良費の主なものでございますが、説明欄五つ目の経営体育成基盤整備事業費は、高性能機械の導入による農作業の効率化や水管理の省力化を図るとともに、担い手への農地利用集積を促進し、高生産性農業の実現とそれを担う経営体を育成するための水田の大区画化や用排水路、農道等の生産基盤の整備に要する経費であります。次に、中段の農地・水・環境保全向上対策事業費は、農地・水・環境の良好な保全と質的な向上を図るため、自治会やNPOなど多様な主体の参画を得て、地域ぐるみで農地や農業用水等を守り、施設の長寿命化に向けた取り組みなどの共同活動の支援に要する経費であります。149ページにお移り願います。農地防災事業費は、農地・農業用施設に対する洪水被害等を防止するための防災ダムや老朽化した水利施設の整備等に要する経費であります。次に、150ページをお開き願います。農地調整費の主なものでございますが、農地保有合理化促進費は、農業経営の規模拡大、農地の集団化等を促進するため、岩手県農業公社等が行う農用地等の売買、賃貸借等の業務に要する経費に対し補助しようとするものであります。
 次に、152ページをお開き願います。4項林業費であります。林業総務費の主なものは、管理運営費の森のトレー訴訟関係費用や林政関係職員の人件費のほか、県有林事業特別会計への繰出金等でございます。次に、153ページの林業構造改善対策費の主なものでございますが、林業・木材産業構造改革推進事業費は、林業構造改革事業等により施設導入を行った事業体の経営指導に要する経費に対する補助等でございます。林業振興指導費の主なものでございますが、説明欄中段の県産材利用促進総合対策事業費は、県産材利用拡大の普及啓発及び県産材を利用した教育関係施設等の整備に対する補助や木材の安定供給体制の取り組みを推進するために要する経費でございます。次に、154ページをお開き願います。二つ目の地域森林経営担い手対策事業費は、地域森林経営の担い手となる地域牽引型経営体を育成するため、意欲ある林業事業体等を対象に意識改革を図るセミナーを開催しようとするものであります。下段のいわての森林づくり推進事業費は、森林環境を保全するため、公益上重要で緊急に整備する必要がある森林について、混交林誘導伐の実施に要する経費等であります。一つ飛びまして、強い林業・木材産業づくり交付金は、未利用木質資源の有効利用を図るため、林業団体が整備する高性能林業機械の導入に要する経費等に対し交付金を交付しようとするものであります。次に、森林病害虫等防除費は、松くい虫などの森林病害虫の防除と被害拡大の防止に要する経費でございます。155ページにお移り願います。造林費は、森林の公益的機能の維持増進と森林資源の充実を図るため、森林の育成管理や広葉樹林の整備に対する補助等であります。林道費は、公共事業の一元化に伴い、県土整備部に移管となっているものでございます。156ページをお開き願います。治山費は、山地災害を未然に防止し、県土の保全を図るため、治山や地すべり防止、保安林の管理、整備などに要する経費であります。157ページにお移り願います。林業技術センター費は、同センターの管理運営等に要する経費であります。
 次に、159ページをお開き願います。5項水産業費であります。水産業総務費は、水産関係職員の人件費や水産科学館の管理運営等に要する経費でございます。漁業構造改善対策費の主なものでございますが、水産経営総合改善事業費は、160ページの強い水産業づくり交付金とあわせて、効率的かつ安定的な漁業経営を育成し、流通の衛生管理向上を図るため、漁船巻揚機や鮮度保持タンク等の関連機器整備に要する経費に対する補助等でございます。水産業振興費の主なものでございますが、説明欄中段の地域営漁計画推進特別対策事業費補助は、零細経営体のグループ化や効率的な養殖システム導入等を内容とする漁業協同組合の地域営漁計画の実行に必要な養殖施設、及び養殖共同作業船の整備に要する経費に対し補助しようとするものでございます。一つ飛びまして、ナマコ産地づくり推進事業費は、投資効率の高いナマコ増殖モデルを確立するため、ナマコの種苗量産技術を開発するとともに、種苗放流・操業試験を通じて、種苗放流効果の実証に要する経費であります。二つ飛びまして、さけ・ます増殖費は、161ページの強い水産業づくり交付金とあわせまして、サケ・マス資源の維持安定を図るため、施設の整備や人工増殖事業を推進するために要する経費であります。次に、水産業協同組合指導費の主なものでございますが、説明欄中段の漁業協同組合組織緊急再編対策事業費は、合併等を行う漁業協同組合の組織・事業基盤の強化を図るため、漁業協同組合が岩手県信用漁業協同組合連合会から借り入れた資金の利息に対し利子補給を行うとともに、合併の推進に要する経費等に対し補助しようとするものであります。漁業調整委員会費及び162ページの漁業調整費は、海区漁業調整委員会等の開催や漁業調整などに要する経費であります。漁業取締費は、漁業取締事務所の管理運営等に要する経費であります。163ページにお移り願います。水産技術センター費及び内水面水産技術センター費は、各センターの管理運営等に要する経費であります。次に、164ページをお開き願います。漁港管理費は、県管理漁港の施設の維持管理に要する経費であります。漁港漁場整備費は、安全・安心な水産物供給体制の構築、生産・販売の増大と産地競争力の強化、豊かで潤いのある漁村環境の整備等を重点とした、水産業の振興のための漁港・漁場・漁村の水産基盤施設の総合的な整備に要する経費であります。
 次に、大きく飛びまして219ページをお開き願います。11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費であります。農地及び農業用施設災害復旧費のうち、農地等災害復旧事業費及び団体営農地等災害復旧事業費、それから220ページをお開きいただきまして、治山災害復旧費及び漁業用施設災害復旧費、それから221ページの漁港災害復旧費は、いずれも過年災害と現年災害の災害復旧事業に要する経費であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、8社団法人全国農地保有合理化協会が社団法人岩手県農業公社に融通した資金について元利金の償還がない場合の不足額の損失補償から、13ページの26ため池等整備事業までの19件でございます。その内容は、社団法人岩手県農業公社の事業資金の借り入れに係る損失補償が2件、岩手県漁業信用基金協会が行う信用保証契約の履行に伴う損失補償が1件、農林水産業関係の各種資金の融通に伴う利子補給が8件、平成19年度から翌年度以降にわたって施行される工事に係るものが8件でありますが、いずれも、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、特別会計予算について御説明申し上げます。
 22ページをお開き願います。議案第3号平成19年度岩手県農業改良資金特別会計予算についてでございますが、予算の総額を、歳入歳出それぞれ1億7、943万7、000円とするものであります。
 23ページにお移り願います。第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでありますが、1款繰入金は、一般会計からの繰入金であり、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
 次に、24ページをお開き願います。歳出の主なものでありますが、1款農業改良資金貸付費は、新たな農畜産物の生産や加工を開始、または販売方法を改善するなど、農業経営の改善を図るため、農業者等に対し無利子資金を貸し付けようとするものであります。
 25ページにお移り願います。議案第4号平成19年度岩手県県有林事業特別会計予算についてでございますが、予算の総額を、歳入歳出それぞれ32億5、746万7、000円とするものであります。
 次に、26ページをお開き願います。第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでございますが、1款国庫支出金は、県行造林、模範林の整備及び公営林造成に係る国庫補助金、3款繰入金は、一般会計及び県有林造成基金からの繰入金、5款諸収入は、立木処分に係る売却収入等でございます。
 27ページにお移り願います。歳出の主なものでございますが、県有林事業費は、県行造林造成事業等の維持管理・保育及び県債の償還等に要する経費であり、岩手県林業公社が管理する公営林について、これを一元化の上、事業を実施しようとするものであります。
 次に、28ページをお開き願います。第2表債務負担行為でありますが、公営林を県に移管することに伴い、同公社が農林漁業金融公庫に有している債務について、県が承継し、これを負担しようとするものであります。
 29ページにお移り願います。第3表地方債でありますが、県有林事業に充当しようとするものであります。
 次に、30ページをお開き願います。議案第5号平成19年度岩手県林業改善資金特別会計予算についてでありますが、予算の総額を、歳入歳出それぞれ6億2、590万7、000円とするものであります。
 31ページにお移り願います。第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでございますが、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
 32ページをお開き願います。歳出の主なものでありますが、1款林業改善資金貸付費は、林業経営の改善を図るため、林業者等に対し、無利子資金を貸し付けようとするものであります。
 2款木材産業等高度化推進資金貸付費は、森林組合等に低利の運転資金を融通するため、その原資を金融機関に預託しようとするものでございます。
 次に、33ページにお移り願います。議案第6号平成19年度岩手県沿岸漁業改善資金特別会計予算についてでありますが、予算の総額を、歳入歳出それぞれ2億223万9、000円とするものであります。
 34ページをお開き願います。第1表歳入歳出予算の歳入の主なものでございますが、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等でございます。
 次に、歳出の1款沿岸漁業改善資金貸付費は、沿岸漁業の経営改善を図るため、漁業従事者等に対し、無利子資金を貸し付けようとするものでございます。
 続きまして、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 まず、負担金徴収に関する議案でございますが、65ページをお開き願います。議案第15号農業関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでございますが、これは、かんがい排水事業等に要する経費の一部を受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、74ページをお開き願います。議案第18号水産関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでございますが、これは、地域水産物供給基盤整備事業等に要する経費の一部を受益市町村に負担させようとするものでございます。
 次に、予算関係の条例議案について御説明申し上げます。
 議案その2の98ページをお開き願います。議案第33号森林整備地域活動支援交付金基金条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の森林整備地域活動支援交付金制度の実施期間の延長に伴い、条例の有効期限を平成24年3月31日まで延期しようとするものでございます。
 次に、99ページをお開き願います。議案第34号公営林造成基金条例でありますが、これは、岩手県林業公社事業と県有林事業の一元化に伴い、県が林業公社から引き継いだ公営林の造成を行うとともに、林業の振興、災害の復旧その他特別の事件に要する経費の財源に充てるため、公営林造成基金を設置しようとするものであります。
 次に、127ページをお開き願います。議案第40号林業開発資金に関する損失補償条例を廃止する条例でございますが、これは、岩手県林業公社が平成19年5月末での解散を予定しているため、条例を廃止しようとするものでございます。
 152ページをお開き願います。議案第46号農業大学校条例の一部を改正する条例についてでございますが、これは、農業大学校の授業料の額を県立高等学校全日制の授業料に準拠して変更しようとするものでございます。
 次に、議案第59号平成18年度岩手県一般会計補正予算(第4号)でございますが、薄い冊子でございますけれども、議案その3の3ページをお開き願います。岩手県競馬組合の経営の改善と構成団体の健全な財政運営に資するために必要な資金の貸付事務を円滑かつ効率的に行うため、岩手競馬経営改善推進基金を設置し、当該基金への積み立てに要する繰出金297億5、000万円を計上したものでございます。
 次に、4ページをお開き願います。議案第60号岩手競馬経営改善推進基金条例でありますが、これは、岩手県競馬組合の経営改善及び県を除く岩手県競馬組合を構成する地方公共団体が、岩手県競馬組合に貸し付けを行う場合における当該団体の健全な財政運営に資するために、必要な資金の貸し付けに関する事務を円滑かつ効率的に行うため、岩手競馬経営改善推進基金を設置しようとするものであります。
 以上で予算関係の議案についての御説明を終わります。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇及川幸子委員長 ただいまの説明のうち、第1部の農業関係について質疑はありませんか。
〇工藤大輔委員 それでは、1点のみ質問させていただきます。産業成長戦略の中での農林水産業の位置づけの点についてお伺いします。
 この産業成長戦略、これは、つまり総合政策室の所管ということはわかっておりますが、その中で、農林水産業の目標産出額が示されています。これの中身についてなんですが、本会議の中でも嵯峨壱朗議員から、県北・沿岸の農林水産業の産出額がどんどん減っていっているということが指摘されており、特にも、例えば県北の方では、全体で見ても、平成元年のあたりと比べると第1次産業の純生産額が150億円ぐらいは減少している。また、沿岸圏域においても約200億円は減少しているという状況にあり、そういった中、今後10年後に県全体で農林水産業の目標産出額を100億円ふやすんだという目標設定となっています。
 これまでの減少ぐあいから比べると、この目標設定を低いととらえるか、大体このぐらいなんだととらえるかなんですが、今後、特にも県北・沿岸で第1次産業を振興するといった中で、この100億円というのがどういう位置づけなのか、そしてまた、この100億円を県下全体で、しかも農・林・水だとした場合に、農・林・水それぞれどれぐらいの割合なのか、また地域においても、例えば県北・沿岸あるいは内陸・県央といった位置づけの中でどのぐらいの配分になるのか、大まかで結構ですのでお答え願いたいと思います。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 産業成長戦略の関係で、10年後までに100億円という目標で、少ないではないかという話でございますけれども、農林水産業の目標設定につきましてですが、本県農林水産業の産出額は、米の生産数量の調整、製材用木材需要の低迷によりまして素材生産量の減少、それから秋サケの回帰率の低下に伴う漁獲量の減少などによりまして、平成12年から17年までの5年間に限りましても約430億円減少しているところでございます。
 このため、本戦略の策定に当たりましては、まずもって、現在の減少傾向に歯どめをかけることに重点的に取り組む、その上で増加に転ずる目標を設定したというところでございます。
 内訳でございますけれども、大まかでございますが、農業分野におきましては、米の消費減退が当面続くことによりまして、生産減少分を園芸、畜産の拡大でカバーするということで、まず約40億円程度の増加を見込んでいるところでございます。それから、林業につきましては、高次加工施設への県産木材の供給拡大によりまして約20億円の増加、水産業につきましては、サケ、ワカメ、それから需要が増加しておりますナマコなどの生産拡大によりまして約50億円の増加を見込みまして、農林水産業分野全体で、産出額でおよそ100億円の増加目標を設定したところでございます。
〇工藤大輔委員 そうすると、今の説明でいくと、今後も現存のものは減っていくんだといった中で、新たなものを今このように変換させたり、あとは取り組みによって今の数字が出されたわけなんですが、例えば、食産業を今後構築していくんだといった中で、例えば雑穀クラスターだとか、山ブドウクラスター、短角牛、海藻、イサダ、ツバキ等のクラスターを形成していきながら連携させていくんだといった中で、これらについても、原材料等は当然地域で多くつくっていくんだということになると思います。そういった中で、今のふえる分野の中で余り説明もなかったわけですが、位置づけをどのようにとらえてやっていこうとしているのかどうかについて、そしてまた、水産において50億円ということになっておりますが、確かに目標数値の中で見れば、1経営体当たりの生産額、平成15年が378万円から平成22年にはまず660万円に持っていくんだという、これは数字が示された形で水産業については示されています。ただ、県北の漁場環境と、また沿岸圏域の漁場環境、これは当然、遠浅の外海に面している漁場環境と、また湾の中の静穏域にある漁場環境、これは養殖関係でも明らかに違ってくると思いますが、その辺についても、県北・沿岸圏域では同じ数値の目標設定となっておりますが、これで果たして正しいのでしょうか。その見方について、目標設定についてお伺いします。
〇高前田農林水産部長 今大きく2点御質問いただきました。まず、最初のクラスターの関係でございます。
 当農林水産部としても、商工労働観光部と連携を図りながら食産業のクラスターを形成していくということで、今後積極的に取り組むということでございまして、委員御指摘のとおり、そういった中で、当農林水産部としては、食産業に対して安定的な原料供給という役割を担っていると思っております。安定的に、かつ良質な原料を供給することが重要だと認識いたしておりますが、そういったような中で、具体的な、例えば雑穀、それからツバキとか、そういったようなものについて細かい内訳はちょっと今持ち合わせておりませんけれども、いずれにいたしましても、いわゆる食産業というのは、生産額は、いずれ食料品製造業ということでカウントされますことから、そちらの方に計上になります。それから、原料供給部門も当然入ってまいりますので、そういったようなことについてもこれからきちんと取り組んでいきたいと思います。いずれ今、具体的な内訳は持ち合わせておりませんので、御了承いただければと思います。
 それから、2点目でございますが、委員御指摘のとおり、沿岸といっても、県北、それからそれより南の部分の静穏域を抱える地域と違うのではないかということでございまして、そういったようなところについては、当然、そういった漁場環境の中で成り立つ水産業というものが違ってまいります。そういったようなことをきちんと認識した上で、これから水産業の産地づくりというものに取り組むということにいたしておりまして、例えばナマコでありますと、やはりこれは適地といったような面ではいろいろと制約が出てまいると承知いたしております。そういったような地域特性を踏まえたいろいろな水産物の産地づくりということに、これからきめ細かく対応していきたいと考えております。
〇工藤大輔委員 最後にしますが、先ほど数値が示されたわけですが、これを検証していくと、現状かなり厳しいということは、恐らく共通認識だと思うんです。そういった中で、やはりつくるものを変えていくんだといった場合には、当然それなりの作物転換、生産するものを転換するに当たってのサポートが何よりも必要だといった中で、どうしても県の中でも予算的に制約も出てくると思うんです。
 そういった中、果たしてこれがうまく進むかどうか、十分な予算を確保できるかということは、今後も大きな悩みの一つになってきます。いずれ県内の第1次産業、これは第一義的にとらえてやっていかなければならないわけですので、そういった制度や、また地域に応じての制度のつくり方、特にも所得の高い、低いがある中で、同じ制度、同じ補助率ということになると、明らかにスタートラインが違ってくる中で、地域の産業振興をしなければならない。また、平地の多いところ、また中山間地のところでは、やはりそこでも生産の物というか、あとは進め方においても苦労が違ってきます。いずれそれぞれの地域において、第1次産業を担われる方が、それぞれ所得を向上していくんだという目標をしっかり立てて、今後とも一層取り組んでくださいますようお願い申し上げたいと思います。
〇菊池勲委員 2点だけ聞かせてください。
 最近は、岩手の牛肉も、前沢牛に続いて一般の、私の住んでいる北上牛も大変人気が出てきて喜んでいる生産者がいっぱいおります。これも県農林水産部の指導のたまものと感謝申し上げたいと思います。
 しかし、農業行政もさま変わりしまして、繁殖牛を肥育する農家がだんだん減ってしまっている。肥育農家は、高い子牛を買って肉を生産するんだけれども、なかなか手取りが目減りしてしまって、これから先はちょっと困るのではないかという話を先般されまして、きょう質問をするわけであります。
 私は、農業を離れてもう30数年なものだから、農作業はしておったんだけれども、中身は全くわからないので、受精卵移植でホルスタインのメス腹をかりて和牛の子供を生産できるんだそうですね。それで、酪農家もそれで乳をしぼれるわけでありますから、ホルスタインのオスも肥育の素牛にはなるけれども、これはまた値段が安くて、結果的に肉にしても安いということでありますから、やはり和牛は高級な牛肉だから、それをつくる方法はどうなんだろうかという話がありました。
 私は素人で、すっかり忘れたけれども、聞いてみるという話になったので、岩手は、畜産県の岩手でもあり、食料供給の岩手でもあるわけですから、こんなことが将来の和牛肥育農家の助けと、それから乳牛をやる酪農家の所得向上にもつながるのではないかというお話があったので、この点はどうなんでしょうか、教えてください。
〇樋澤畜産課総括課長 ただいま受精卵移植についての御質問でございました。
 受精卵移植の技術を活用した乳用牛への肉用牛卵の移植につきましては、優良な肉用子牛の生産拡大はもちろんでございますけれども、委員御指摘のように、酪農家の所得向上を図る上でも有効な取り組みと考えております。県内におきましても、千厩地域でありますとか、奥中山地域におきましては、受精卵移植技術を活用した肉用子牛の生産に意欲的に取り組んでいる地域もございます。
 しかしながら、県内の受胎率は、目標としている60%に対しまして49%といったようなことでございまして、移植を受ける牛の適正な飼養管理、あるいは移植技術者の技術レベルの向上などを図っていく必要があると考えております。このため、県といたしましては、受胎率の向上に向けまして、引き続き、受精卵の安定生産など移植技術の開発や普及定着に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇菊池勲委員 これは、受精卵を入れるから1回で済むかと思ったら、今の課長の答弁ではそうじゃないみたいだね。半分以下だとなれば、2回か3回移植しないと子供は産んでもらえないということなのかな。そういう意味だと思うんだけれどもね。とにかく、今はまあまあ何とかなっている。だけれども、あと10年、15年たったらば、恐らく肥育農家も素牛を調達するのが難しくなるだろう。そうすると、いやがおうでもやめざるを得ない。もちろん、そのときは私も年取るだろうからという話になっていました。それは、後継者がなければそれで終わりなんだけれども、私は、経営がよければ後継者も出るわけだから、農業は捨てたものではないんだということで、こういう質問になるわけだ。例えば、今ある場所でやっているけれどもと。やはり県の農林水産部として、全県という組織になるのかどうかわからんけれども、畜産公社でも使いながらやれる方法はないのかと思って、そんな気持ちはどうなんですか、部長。
〇高前田農林水産部長 受精卵移植の関係につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、受胎率が半分に届いていないということで、まだ技術的な課題が多いということでございまして、そういった意味でも、畜産研究センターを中心として、今いろいろな技術的な課題に取り組んでいるところでございます。
 委員御指摘のとおり、それとあわせて、関係する団体とか、関係機関とも、いろいろ連携を図りながら取り組んでいく必要があると考えております。
〇菊池勲委員 この点はそれで理解したいと思います。ひとつよろしく御指導賜りたいと思います。
 平成18年度から農林水産省が新しい制度、我々農家に対する制度、農地・水・環境保全向上対策事業というものがスタートしたと聞いておりました。私も農林水産省、特に県の農林水産部の指導を得ながら、和賀中部の国営の1期工事を平成18年度からスタートさせていただいて、まことにありがとうございます。
 実はそのときに、私も役員を連れて東北農政局に陳情に行きました。去年の暮れだと思ったけれども。そうしたら、新しい制度を導入したんだけれども、岩手県に29カ所の導入をお願いしておったが、3カ所しかとってもらえなかったという逆陳情をもらいまして、それから1年近くなるわけです。おかげさまで農林水産部もそのことを気にしたのか、それともまた財布の中が幾らかよくなったのか─よくなったからだと思うんだけれども、今回の予算では大変大きな予算を配分してもらって、我々改良区に携わる者としては、大変ありがたいことだと思って感謝申し上げながら、平成19年度は4万7、000ヘクタールほどの要望があると聞いておりました。
 私のところは和賀川土地改良区という名前なんですけれども、うちの若い職員を叱咤激励しながら、約3、704ヘクタールをこの事業に乗せてお願いしたいということで、今鋭意努力している最中であります。職員を2人張りつけまして、毎晩のように地区の説明会をしながら、大方まとまったようでありますので、よろしく御指導を賜りたい。
 実は先ころ、私ども県議会でやっている農村推進議員クラブの中で、3カ所のモデル地域のスライドなども見せてもらいました。全くすばらしいことでありまして、我々農家にすれば、自分の力で直せる範囲は限界がありますので、こういう事業を導入しながら、農村の環境をひとつ整備していきたいというのが私どもの気持ちであります。
 聞くところによれば、国の制度ですから、国の縛りと県の縛りで多少違いがあるという話なんですね。例えば、この補助事業で懇親会の費用を出そうなんていう気持ちは毛頭持っていないんだけれども、やはり地域が集まって作業をするわけでありますから、当然、終わったら反省会も必要であります。そのときには、ただ水を飲んで反省会というのは、なかなかさまにならない形でありますので、でき得れば費用の一部に使えるものがもしあるとするならば、ある程度御配慮賜ればスムーズな活動ができるのではないかという気がしてこんな質問になるわけですけれども、そんなぐあいはどうなんですか、教えてください。
〇佐々木農村計画課総括課長 全県的に、改良区を初めとして、新たな取り組みをいただきまして、現在4万7、000ヘクタールほどの要望が上がっているというところでございます。
 先ほど御質問がありました、効果ある取り組みをするためには反省会も必要かというお話でございますけれども、これは、国においてもこういったものについての使途はだめだということになっておりますので、出し出しでひとつ頑張っていただきたいと思っております。
〇菊池勲委員 課長、これは気持ちがいい話なんだけれども、実にこれにたかって飲もうという気は私も持っていないんだ。だけれども、やはり地域は一人でできるものじゃない。ましてこの制度は、個人的にできなかったから、この制度を国がつくってくれて、あなた方もそれに賛成して、平成19年だからね。去年はたった3カ所しかつくらなかったんでしょう。面積は幾らかわからないけれども、一つで100ヘクタールといえば300ヘクタールしかない。それが4万7、000ヘクタールにふやすというんだから、制度はそうであるということだけれども、厳しくやると、これは事務処理が難しくなる。
 ですから、私どもは3、700ヘクタールを、これはうちの改良区だけの面積なんだけれども、職員を1人入れて今盛んにやらせているが、うちの事務局に言わせれば、これは1人ではやれないね、理事長と言うから、じゃ、幾ら使うのかと言ったら、2人か3人使わなければだめだと。ちょっとそれは無理だよと。職員の給料もこれから出すことは不可能だよね。ですから自前でやらなければいかんということだから、そのために環境整備したのに国も2、200円出す、県も1、100円、市町村も1、100円出すという話だったから、すごくいい制度なんだけれども、余りにも厳し過ぎる。ただ飲まず食わずでやれということの意味は書いていないけれども、中身はそうとらざるを得ないということでこんな質問なんです。
 もう一回課長、同じことなんだけれどね。
〇佐々木農村計画課総括課長 特に、土地改良区の活動、指導につきましては、活動に対する助成金がないということでございますけれども、実際、活動組織の中で、いろいろな面で改良区に対して援助いただいたときには、事務的な手数料といいますか、そういったものも融通しながらといいますか、改良区もその中の活動組織の一員として活動できますので、その辺は、前にも会議等ではお知らせしておりますが、必要であれば、改良区の定款を改正しながら、そういった取り組みをお願いしたいというところでございます。
〇菊池勲委員 だんだんよくなってきたね。
 もう一つお願いなんだけれども、これは小さいこと、私ども、各地区ごとに地区委員会を設けて、そこで問題点を毎年、もうとっくに終わっているんだけれども、作業が始まる前に、どこでどんな、例えば土手が崩れたとか、水路が詰まったとか、それを取り上げて、それを地区の予算でやっているものだからなかなか前に進まないわけです。この制度が入ると大方これで処理できると思っているんだ。ところが、これは小さいことだよね。大きいものもいっぱいあるわけだから、その残った分、この制度と今までやってきたお金でどうしてもやれないところがいっぱい出てくる。例えば、極端に言えば1、000万円以上のものと言っているんだけれども、それをひとつ、残ったものに補助事業を導入したいというお願いをしたいと思っておるんだ。それは何カ所あるかわからん。これをひとつ県の農林水産部ができるだけ温情に取り上げてくれれば、我々農家の基盤整備は、本年の基盤整備はもう終わっているんだけれども、小さいところはこれできれいになるんだ。そういうお願いをしたときにどんな対応をしてくれるか、お願いしたいと思う。
〇佐々木農村計画課総括課長 委員御指摘のとおり、確かに共同活動というのは、特に、主に水田周りの漏水している水路の目地詰め、あるいは、早く言えば毎年やれるような部分的な作業に対して支援するということでございまして、特に、本県でも水路等の老朽化が激しくなってきているということは認識しておりますが、そういった大規模な補修につきましては、事業のそれぞれの要件を勘案しながら、補助事業でできるだけ対応していきたいと思っているところでございます。
〇野田武則委員 農業の担い手対策につきましてちょっと質問したいと思います。1点だけ質問いたします。
 品目横断的経営安定対策がいよいよスタートする、こういうことでございますが、平成18年12月末現在の取りまとめで396組織となっていると伺っております。しかし、沿岸地域においては、大船渡と久慈地方振興局管内合わせて5組織だけが設立済み、または設立確実とお伺いしていますが、釜石と宮古管内では組織化がゼロ、こういう状況にあるとお聞きしております。
 そこで、釜石及び宮古管内において組織化ができなかった原因はどこにあったかということについてお伺いしたいと思いますし、あわせて今後の組織化への見通しをお伺いしたいと思います。
〇平賀担い手対策担当課長 釜石及び宮古管内で集落営農の組織化ができなかった原因についてでありますけれども、品目横断的経営安定対策は、販売を目的とする米、麦、大豆など土地利用型作物を対象とするものでありますが、両管内では、米については飯米農家が多いということ、また販売目的の麦・大豆も作付されていないなどから、現時点では、本対策の対象となる集落営農組織の設立に至っていない状況にあります。
 次に、今後の組織化の見通しについてでありますけれども、現在組織化に至っておりませんが、釜石地域を例にとってみますと、平成17年度に集落ビジョン大賞を受賞した大槌町の上亰集落であるとか、平成18年に設立しました、機械の共同利用活動を開始しております下金沢機械利用組合、これらを重点的に、今後こうした集落を市町村や農協等と連携を図りながら経営や技術面の指導を強化し、集落営農の組織化を促進してまいりたいと考えております。
〇野田武則委員 どうもありがとうございます。
 こういう地域は、集落営農組織でも、個別経営体でも、面積要件のハードルが非常に高いということでなかなか組織化ができないということでございまして、こうした沿岸地域の組織化というのが、果たして農業振興にどれだけのメリットがあるのかということを、まず一つ疑問に思っているところでございます。
 そういうことよりも、実は、耕作放棄地の方が随分増大されておりまして、非常に懸念されるところでございまして、こうした耕作放棄地の方に力を入れてはどうかということで、今、質問させていただきたいと思っておりました。
 まずそこで、耕作放棄地の現状はどのようになっているのかについてお伺いしたいと思います。
〇及川農業振興課総括課長 本県の耕作放棄地の状況でございますけれども、高齢化あるいは労働力不足によりまして、農地の耕作者といいますか、受け手の減少などによりまして年々増加してございます。2005年の農林業センサスによりますと、5年前の2000年から約12%、面積にすると1万2、574ヘクタール増加しております。全耕地面積に占める耕作放棄地の比率といいますと9.7%という状況でございます。
 特に沿岸部、あるいは中山間地域の市町村で耕作放棄地の比率が高い傾向が見られております。
〇野田武則委員 そういうわけで非常に増大しているということが、特に沿岸地域におきましては、農業振興の最大の課題になっていると思っておりまして、県北・沿岸振興にも取り上げているところでございますが、一層の支援をお願いしたいと思っております。
 そこで、何か具体的な支援策を本当はお願いしたいところなんですが、今後の取り組みについてお伺いして、終わりにしたいと思っております。
〇及川農業振興課総括課長 耕作放棄地に対する基本的な考え方あるいは取り組みでございます。
 農地は、御案内のように、本県を支える基盤でございます。県土の保全の観点からも、かけがえのない地域資源でございます。そういうことで、まずもって農業委員会による実態把握と農地のあっせんを促進してまいりますし、あと、中山間地域直接支払制度の活用による耕作放棄地の防止あるいは復旧、それから遊休化した農地を活用した市民農園の開設など、これまでも支援してきたところであります。
 さらに、今般の品目横断的経営安定対策を契機といたしまして、集落営農の組織化を進める中で、農地の利用集積を通じて、耕作放棄地の防止をするというようなことを進めてまいりたいと思います。特にも、耕作放棄地の比率の高い沿岸圏域におきましては、農業委員会と認定農業者協議会が、遊休化した農地でのソバの栽培や、あるいは不在村地主の農地の管理等を進めている具体的な山田町の事例等がございます。それから、関係機関・団体が、耕作放棄地対策の検討を立ち上げました釜石地域の取り組みなどの事例がございますので、こうした地域の実情に応じた積極的な取り組みを全域に波及させながら、関係機関・団体と一体となって、耕作放棄地の解消と発生防止に努めてまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 農業振興についてですが、先ほど工藤大輔委員からもございましたけれども、農業産出額をふやしていくということですが、一般質問でも聞きましたけれども、ずっと下がってきているわけです。そうした中で、今年度、特にこういった事業を持っているというのがあれば説明していただければと思います。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 農業関係の予算編成の関係ですけれども、品目横断的経営安定対策など、国の担い手支援策を最大限に活用して、本県農業をリードする個別経営体や集落営農組織の育成を図ることというのが1点。それから、岩手らしさを生かした新たな作物・技術の導入を支援しまして、消費者市場を重視した競争力のある産地づくりの強化を図るということなどを重点化しまして、予算編成に取り組んでいるところでございますけれども、県北・沿岸の新規事業ということでございますが、県北・沿岸「元気な農業」確立特別対策事業というのがあります。この事業は、県北・沿岸地域における促成アスパラガスのリレー栽培や四季なりイチゴの養液栽培など、冬春野菜等の生産モデルの導入を進める事業でございます。
 それから、いわて短角和牛産地強化対策事業というのがございます。粗飼料の給与割合を高める新たな肥育技術によりまして付加価値の高い牛肉の生産普及に努める、こういった新規の事業を計上しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 いわて短角牛生産地強化対策、これ新規ということですけれども、昨年度も同様の予算がついていますね、2、400万円ですけれども。強化している割には、今年度1、000万円になっているんですよね、予算ですけれども。暫定と言えばそうなのかもしれませんけれども。求めていることと実態と違うという感じがしていますけれども、この辺は説明を願えればと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいまいわて短角和牛産地強化対策事業についてお話がございましたが、確かに当初予算では1、000万円余の予算額の計上ということになってございます。これは、この事業の内容といたしますものが、飼料用トウモロコシ、これを多給肥育、多給給与いたしまして、こういったデントコーンを活用した肥育技術を確立しようということで新たに実施するものでございまして、当初予算におきましては飼料用トウモロコシの作付、それから種つけ費といったようなこと、それから畜産研究所のえさ代のみを当初予算で計上させていただいておりまして、この後の6月補正で、また残りの部分についても、予算措置を行おうとしているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 そうであれば、大変いいことだと思います。この短角牛というのは、消費者からの需要は非常にどんどん強くなっているという背景、そういうことがありながらも、実際に生産現場からすれば、なかなかふえないという実態があるようですけれども、この辺の背景というのをどう把握しているか、お聞かせ願えればと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 ただいま委員御指摘のように、近年、安全・安心、ヘルシーな牛肉として、実需者側から強い取引要望が出ていることは確かでございます。しかしながら、生産面からすれば、高齢化でありますとか、あるいは一時BSEの影響等がございましてかなり価格が低迷した時期がございまして、生産サイドからかなり生産減退といったようなことがありました。ただ、最近そういったような実需者側の要望が強くございますので、生産農家の方々も、またてこ入れをしていくといったような空気がございますので、先ほど申し上げました事業等を活用しながら、今後、短角牛振興に力を入れてまいりたいと考えているところでございます。
〇高前田農林水産部長 ただいま畜産課総括課長から答弁したとおりでございますが、若干補足をさせていただきますと、この短角牛、非常に最近需要が伸びておるという背景は、一つは、申し上げましたように非常にヘルシーだと、安全・安心だということがございますし、そういったようなことを背景に、特に外食産業から非常に注目をされております。ホテルでございますとかレストランチェーンといったようなところからも非常に注目を浴びておりまして、そういったような需要が大きく強まってきているということが背景にはございます。
〇嵯峨壱朗委員 特に県北地域にとっては非常に重要な分野ですので、ぜひ力を入れていただきたいと思います。
 子牛がなかなかとれないということ、そして高くて、実際肥育後の販売と差があって、なかなか難しいという話も聞いておりますが、その辺もぜひ何らかの形で対策をとっていただきたいと思うんですけれども、それだけ聞いて終わります。
〇樋澤畜産課総括課長 昨年秋の子牛市場では、23万7、000円ほどということで、近年、価格は上昇してございますけれども、子牛価格を幾らかでもカバーできるような形で、地域で生産していくといったような考え方からすれば、圏域内でありますとかあるいは地域内、あるいは農協の部会内におきまして、地域内一貫生産というのを進めてまいりたいと考えておりまして、そのことによって、子牛生産農家も肥育農家も、ほどほどの所得が得られるといった状況にあると思いますので、その方向で進めてまいりたいと考えておりました。
〇千葉伝委員 今の嵯峨委員の短角振興の部分について、ちょっと関連で質問させていただきます。
 短角、黒、肉用牛の振興と、こういうことで、県農林水産部では、毎年毎年地域の畜産振興という大きい立場で頑張っていただいていると思います。
 そこで、短角が、今、子牛の価格が上昇傾向にあるよと、こういうことも含め、あるいは和牛と同様に、地域での優良な種牛をつくっていこうと、こういうことで進めていただいております。ただ、県内だけの対策、それから、県外あるいは北海道といった大きなところでこの短角に目をつけて、岩手から、子牛だけじゃなくて親牛も欲しいというような話が、去年あたりから出ていると聞いています。
 聞きたいのは、そういった優良な繁殖の短角牛あるいは優良な子牛を生産するといったものを、やはり生産者にしっかりと保留すると、ここがまた大事じゃないかなと思います。そういった観点から、今年度、肉用牛の振興に力を入れますよと言っている農林水産部でありますので、そこの対策の部分をお聞きしたいと思います。
〇樋澤畜産課総括課長 短角牛につきましては、御承知のとおり、岩手県が、本県が随一の産地でございますので、私どもとすれば、先ほど申し上げました、まさに遺伝資源を活用した雌雄牛造成といったようなことで、国が雌雄牛造成を中止するというような動きもございますので、そういったような貴重な遺伝資源を導入しまして、さらに遺伝形質の幅を広げているといったような考え方が一つございます。そういったような取り組みをしてまいりたいというのがございますし、それから保留の関係につきましては、先ほど申し上げましたように、やはりそれぞれの地域でもって子牛生産者あるいは肥育牛生産者、それぞれがお互いに利益が得られるような形の保留事業といいますか、地域内一貫生産になりますけれども、そういったような保留で進めてまいりたいと考えておりました。
〇千葉伝委員 短角というのは、県で旧来から進めた部分が大分頭数が減ってきている、こういうことで、希少価値の部分で高くなるということじゃなくて、しっかりと今の体制の中で保留も進めると、そこをそれぞれの部署部署での進め方はもちろん進めるということでありますが、ぜひ、そこを県がしっかりと推進していく立場として指導していただきたい、引っ張っていっていただきたいと思います。要望であります。
〇関根敏伸委員 私は、農業農村整備事業に関連いたしまして何点かお聞きをさせていただきます。
 農業農村整備事業のうち、圃場整備などのいわゆる農業生産基盤の事業費のここ数年の推移はどのようになっているでしょうか。また、県予算全体に占める割合、公共事業費に占める割合はどのように推移をしているのか、まずお聞きかせいただきたいと思います。
〇須藤農村建設課総括課長 農業農村整備事業費の推移についてでございますが、県の当初予算額で見ますと、農業農村整備事業費は平成9年度の556億3、500万円をピークに、その後は減少してきております。特に、平成15年度以降は、行財政構造改革プログラムによる公共事業費の削減方針のもとで減少しておりまして、平成18年度では235億900万円と、ピーク時の42.3%になっております。
 県全体の予算に占める農業農村整備事業費の割合は、平成9年度では6.3%でございましたが、18年度では3.2%と、ピーク時の2分の1程度までその比率が低下しております。また、県全体の公共事業費に占める割合は平成9年度で22.5%となっておりますが、その後も大きな変動はございませんで、18年度で22.3%と、ほぼ横ばいで推移しております。
〇関根敏伸委員 そんな中で、2月にいわゆる県の包括外部監査の農業農村整備事業に関する報告書が出されているわけでございますが、この中にさまざまな指摘がありまして、事業評価の必要性、あるいは事業費の当初予算額からの増嵩傾向などさまざまな指摘がございましたが、この報告書に対しての所感がございましたらお聞かせをいただきたいと思いますし、また、今指摘がありましたさまざまな面に対しての取り組み方向など、決まっておりましたらお聞かせいただきたいと思います。
 また、さらに、圃場整備を進めることの本来の目的でございますが、農業生産基盤事業、いわゆる農業生産性あるいは農業所得、労働時間短縮効果など、さまざまな本来の目標、目的に沿った事業効果をどのような形で把握をされておるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
〇佐々木農村計画課総括課長 包括外部監査報告に対する所感でございますけれども、これまでも農業農村整備事業の執行に当たりましては、関連法令・規則等に準拠し、適正に執行してきたところでございますし、また、事業の効率性や経済性、有効性の観点からも効果の発現に努めてきたところでございますが、このたびの監査報告における指摘事項等につきましては、本庁並びに現地機関がその趣旨をひとしく理解して、なお一層の適正執行に向けた業務プロセスの点検や改善に取り組み、行政品質向上に努めていく必要があると考えているところでございます。
 また、特に御指摘をいただきました事項につきましては、その内容をよく検証した上で、例えば事業評価につきまして、対象地区の選定基準あるいは効果算定手法につきましては、関係部局と現在検討を始めております。
 今後、本格的にそういった事後評価について取り組むよう努めていきたいと思っているところでございますし、また、事業費の増嵩につきましては、計画策定時の各種調査を充実させ当初計画の精度向上に努めるなど、改善すべき点は適時・適切に改善に取り組むとともに、ソフト事業の推進など評価をいただいた点につきましては、さらなる工夫を凝らしながら、事業を推進してまいりたいと考えているところでございます。
〇須藤農村建設課総括課長 基盤整備事業の推進とその効果との関連についてであります。
 農業農村整備事業の中で最も重点的に推進している圃場整備事業についてみますと、最近では、年間約500ヘクタールの水田整備を実施しておりまして、現在、全体の水田整備率は17年度末で61%と、ほぼ5カ年で約5ポイント増加しているところでございます。圃場整備完了地区におきまして、担い手への農地利用集積率は53%となっておりまして、実施前に比べて40ポイント近く上昇し、経営規模の拡大が着実に進展しているところでございます。また、大型機械の導入などによりまして、稲作労働時間は6割の短縮、また、米の生産コストは3割低減するなど効率的な営農が可能となりまして、認定農業者や集落型経営体など、地域農業を支える担い手が育成されているところでございます。
 さらに、それによって生み出された労働力を活用いたしまして、産直や農産物の加工販売、新規作物の導入などによりまして、所得向上に向けた新たな産業分野への取り組みも始まっているところでございます。
 このように、圃場整備を中心とした基盤整備の推進は、本県農業を担う意欲と能力のある経営体の育成や、効率的、安定的な農業経営の実現のために、大きな役割を果たしているものと考えております。
〇関根敏伸委員 このような形で、圃場整備が進むことによりまして、労働時間の短縮ですとかコストの削減ということで、生産性が向上しているという実例がはっきりされておるわけでございますが、そんな中、たびたび取り上げられておりますが、品目横断的経営安定化対策が導入され、そして農地・水・環境保全向上対策が導入されということで、さまざま新たな取り組みが進んでくるわけでございますが、こういった新たな取り組みの中で、岩手県の農村整備計画はどのような方向性に移行されようとしているのか、その方向性につきましてお聞かせをいただきたいと思っております。
 また、先ほど公共事業の中に占める農業生産基盤事業費の割合、ほぼ同一割合で低減しているわけですが、割合としてはずっと同じ推移で来ておるわけでございますが、この公共事業全体の中での割合、これはこの部署でお答えできるものかどうかわかりませんが、どのような方向になっていくという見通しを立てていらっしゃるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思いますし、また、この基盤整備を進める中で受益者の意向、考え方といったものがさまざま変化をしてきていると思います。いわゆる今申し上げましたさまざまな新しい事業でありますとか、新しい農政の導入によって、農家の考え方も多様化していると思うんですが、その受益者の整備事業に対する意向というのはどのように変化をしてきているか、どのように把握をされているのでしょうか。
 あと、新たな取り組みとしていわてスタンダードの導入による整備でありますとか、アドプト制度というものがソフト事業として指摘をされておりますが、この辺についての取り組み方法についても、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。
〇須藤農村建設課総括課長 今後の農業農村整備事業の方向性についてでございます。
 品目横断的経営安定対策や農地・水・環境保全向上対策などの農政改革は、農業従事者の減少や高齢化、それから耕作放棄地の増大など、農業生産構造の脆弱化が進行する中で、多様な構成員からなる地域農業を、担い手を中心として地域の合意に基づき再編しようとするものでございます。このため、本県の農業農村整備事業は、営農の効率化や担い手への農地利用集積を一体的に進める圃場整備事業に一層重点化するとともに、農地・農業用水等を保全する地域ぐるみの共同活動への支援など、維持管理事業のシェアを拡大いたしまして、選択と集中を徹底していく必要があると考えております。
 次に、今後の事業費の見通しについてでございます。
 農業農村整備事業費は、これまで公共事業費の2割強の割合で推移してまいりました。今後、どうなるかということにつきましては、県全体の事業の中で重要性、緊急性に応じた配分をしていくと思いますので、ここではっきりとは申し上げられませんが、いずれ、農業農村整備事業を含む公共事業全体が、これからも厳しい状況が続くものと見込んでおります。
 次に、受益者の意向についてでございます。
 圃場整備について見ますと、今後5カ年間の新規採択の希望地区、これは51地区に上っております。地元農家からは、農業農村整備事業の推進を強く望まれている状況にございます。このため、限られた予算の中で事業効果の早期発現を図る必要がありますので、いわてNNスタンダード─ローカルスタンダードでございますが─これを活用したコスト縮減への理解を得ながら、効率的な事業推進に努めているところでございます。また、平成15年度から取り組んでいるアドプト活動につきましては、今年度アドプト推進計画を策定いたしましてその取り組みの拡大に努めておりますが、これまでに45の協定が締結され、地域住民や地元企業が一体となった環境保全活動が進むなど、着実に理解が深まっていると考えております。
〇関根敏伸委員 そのような方向性で進んでいるということは理解をいたしますし、この事業というのは、広い意味で岩手の地場産業ということでもございますし、ひいては、最終的に県民所得を向上させること、県税収入を上げることという意味におきまして、いわゆる選択と集中の中でも、集中化を進めていくべき方向性の事業かなと考えております。
 そんな中で、総務部のときにも質問をしたわけですが、県の厳しい財政環境の中で一律公共事業が減っている、義務的経費の割合がどんどんふえているという中で、総務部に予算のあり方ということで質問をさせていただきましたが、明快な御答弁はちょっといただけなかったわけですが、先ほど申し上げました県民所得向上、地場産業の活性化と県税収入の向上という意味合いにおきまして、農村整備事業の公共事業の中での割合というものをある意味、同じ割合で一律に厳しいという中で減らしていく方向がどうなのかということも含めて、その辺、部長の御所見などがありましたらお聞かせをいただきたいと思っております。
 そして、これは通告をしていなかったんですが、最後に1点だけ。
 先ほど菊池勲委員からも話がありましたが、新しく導入される農地・水・環境保全向上対策の中で、要件、縛りの部分が触れられておりました。私も1点機会があったら聞こうかなと思っておりましたが、この要件の中で、地域の共同活動を推進する中で、基礎的な人件費というのが縛りの中で除外されると説明を受けておったわけですが、これははっきりはわかりません。聞くところによりますと、国の要件ではこれは認められている要件であると。ただ、岩手としては、これが縛りをかけられて要件から外されるということを聞いておったわけですが、これがなぜ岩手、このような形で縛りをかけているのか。また、共同作業の中で、農家ではない非農家の方々の活動というものも一体として進めていくことになるわけでございますので、その辺、非農家の方々の共同作業に対しての理解がこういう縛りの中で得られると考えていらっしゃるのかどうか、この辺についてちょっとお聞かせをいただいて、質問を終わりたいと思います。
〇高前田農林水産部長 私の方から、農業農村整備の関係をお答えさせていただきまして、農地・水・環境保全向上対策の関係は、農村計画課総括課長の方からお答えさせていただきます。
 まず、今後の基盤整備事業に対する所感ということでございますけれども、これからも農業生産の振興を図っていくということを考えますときに、重要なものは私は三つあると思います。
 一つは人材の育成と、担い手でございます。そして二つ目が、施設それから農地といったような生産基盤をしっかりと整備すること。そして三つ目が、技術だろうと思っております。そういったような中で、特に二つ目の重要な要素である農地の基盤といったようなものについて、しっかり取り組んでいく必要があるだろうと考えるわけでございますが、中でも御指摘のとおり、財政環境が非常に厳しいという事情もございます。したがって、これまでと同じような農業農村整備というものはなかなか難しいということでございますので、私どもといたしましては、農業生産振興、担い手の育成に直結するといったような圃場整備に重点化をするということで、そういった農業農村整備の中でも、圃場整備を中心に取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木農村計画課総括課長 基礎的な支援に対する交付金の使途の関係でございますけれども、全国的、国を基準とすれば、基礎的活動に対する人件費の使途については認められておりますけれども、本県におきましては、これまでも各地域で取り組まれております水路の清掃あるいは草刈り活動につきましては無償といいますか、皆さんの出役でもって活動を行ってきたところでございますので、そういう活動を引き続き続けていただきたいという意味で、基礎的活動に係る部分については無償で行っていただきたいというのが考えでございますし、非農家につきましては、本年度3カ所のモデル地区で実施した結果を見ますと、無償でお願いをしたわけでございますけれども、数多くの非農家が参加して効果のある取り組みがなされたということでございますので、そういったものを評価して判断したところでございます。
〇関根敏伸委員 1点だけ。最後に、この要件につきましては、これ5カ年の事業だと思うんですが、これは5カ年継続してこの要件は変更しないということなのでしょうか。それとも、1年ずつさまざまな取組事例を踏まえた上で、この要件も1年ごとに見直すことができるのでしょうか、これだけ聞かせてください。
〇佐々木農村計画課総括課長 基本的な要件につきましては、5年間引き続いてやっていただきたいと考えているところでございますが、取り組みの中でいろいろと課題が出てくれば、また市町村あるいは関係団体、それから国とも協議しながら、検討してまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋比奈子委員 環境にやさしい農業の推進について伺います。どうぞよろしくお願いいたします。
 県は、純情産地として環境にやさしい農業の普及推進に積極的に取り組んできていると、これまでの私の質問への回答をいただいているところです。日々の御活動に大変敬意を表しております。
 国では、農業生産全体のあり方を環境保全に貢献する営みに転換していくという基本的な考えのもとで、平成19年度から、農地・水・環境向上対策や有機農業の推進に関する法律により、環境に負荷の少ない農業の推進を図るとしています。一方、安全・安心な農作物を求める消費者の声を受けて、本県の生産者の中でも特別栽培や有機栽培など、化学肥料や農薬の使用量を減らす努力が以前からなされていますが、その努力の割に価格が低いことや、除草などの労力負担が大きいことなど、その取り組みには非常に苦労をされていらっしゃいます。環境にやさしい農業を積極的に推進している県としては、生産者の皆さんが、意欲を持って環境にやさしい農業に取り組むためにも、新たに始まる国の政策を好機ととらえ、環境にやさしい農業をさらに推進し、本県農業の振興を図ることが必要だと考えております。
 そこで伺いますが、県における環境にやさしい農業への取り組みについての現状をお示し願いたいと思います。
 もう一つは、今後、この環境にやさしい農業、資源循環型などの農業の推進をどのように取り組んでいかれるのか、この2点、あわせてお示しをお願いいたします。
〇宮下農業普及技術課総括課長 それでは、環境にやさしい農業の取り組みについてお答えしたいと思います。
 まず、現状についてでありますが、本県が純情産地として地位を揺るぎないものとしていくためには、すぐれた自然環境を生かしながら、消費者に安全・安心な農作物を提供していくことは不可欠であると考えております。そのため、県といたしましては、環境にやさしい農業の推進というものに積極的に取り組んできたところであります。
 その結果でありますが、一つは、土づくりと化学肥料、あるいは農薬の低減を一体的に行うエコファーマーを認定するという制度がございますが、これが現在7、701名になっております。この人数は、全国で第3位の人数となっております。また、化学肥料や農薬を慣行栽培の半分以下に節減する特別栽培、これの面積なんですが、これは平成17年度の統計しかございませんが、およそ1万ヘクタールということで、この数字は、東北で昨年の時点では第1位と、全国的にもトップクラスにあるのではないかと思っています。このように、今までの取り組みによって、環境保全型農業の取り組みというのは、着実に成果を上げているのではないかと考えております。
 それから、今後の取り組みですけれども、特別栽培などの環境保全型農業、これを一層推進することが本県農業を振興するために重要な施策と、委員御指摘のとおりなんですが、そう我々も考えております。
 平成19年度には、今までの取り組みに加えまして、農地・水・環境保全向上対策の環境保全に向けた先進的な営農活動への支援、これを視野に入れながら、環境負荷低減の取り組みが地域にとどまらないで全県的な取り組みとして推進されて、岩手らしい環境保全型農業がさらに展開される、そういった仕組みをつくっていきたいと考えています。
 県といたしましては、こうした取り組みの実施で、本県の純情産地としてのイメージアップをさらに高めて、他の競合産地との差別化を図りながら、特別栽培あるいは有機農業などに取り組んでおられる生産者の皆さんの生産意欲につなげると、そういった取り組みを進めて、安全・安心な岩手らしい特色のある産地づくり、これを進めていきたいと考えております。
〇高橋比奈子委員 大変前向きだと思っております。県内の農家の方々がこの有機農業の推進法を受けて、早くも動き出したという情報をいただいております。今月末に環境にやさしい農業の第一人者の方々や農林水産省の室長などとともに、2日間の勉強会が県内で行われます。12月の一般質問でも非常に積極的な御答弁、きょうもいただいておりますが、今後、農家、民間の方々やつくったものの販路などのあらゆる面での御指導とお力添えをさらにお願いをしたいと思っております。
 私は、岩手県は、農業、水産、畜産という、こういう食料をしっかりと提供する、健康にもつながるという、この部分をしっかりしていくということが、県の持っている一番の資源を本当に生かすものだと思っております。
 部長の御答弁をいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
〇高前田農林水産部長 環境にやさしい農業への取り組みということでございますけれども、委員御指摘のとおり、国の方でも有機農業の推進に関する法律が制定されたと、それから新しく農地・水・環境保全向上対策の中で、いわゆる環境支払いという制度も立ち上がるということで、まさにそういう意味では、迎えます平成19年度が、こういった環境にやさしい農業のスタートにふさわしい年になってくるんじゃないかと考えております。私どもといたしましては、そういった国の法律であるとか制度、そういうものはやはり最大限有効に活用しまして、何とか岩手らしい産地づくりということを積極的に取り組んでいきたいと。
 委員御指摘のとおり、なかなか今まで有機農業に取り組んだ方、そして一生懸命特別栽培といったような取り組みを行われている方の声をお聞きしますと、なかなかそういった努力が価格に反映できていないという部分がございますので、そういったようなところを私どもとしては農業団体と一体となって、そういった産地の差別化をどうアピールしていくかというようなことをこれから検討してまいりたいと思っておりますし、先ほど民間の勉強会の立ち上げの話もございましたが、私ども行政の方としても、既に農業関係団体とかそういうところとの連携のもとに、19年度を見据えたそういう取り組みの方向について検討に着手いたしておりますので、今後とも、農業団体それから関係の機関とも連携を図りながら、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 農地・水・環境保全向上対策に関係する幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど菊池勲委員あるいは関根敏伸委員からもあったところでございますけれども、重複しないようにお聞きをしてまいりたいと思います。
 まず、最初に、この農地・水・環境保全向上対策に係る基本的なねらいやあるいはこれからの取組方針など、基本的な部分についてのお考えを部長からお聞きをしたいと思います。
〇高前田農林水産部長 農地・水・環境保全向上対策の取り組みの基本的な考え方という御質問でございます。
 この対策は、農地・農業用水等の資源を、将来にわたって保全するためのいわゆる地域振興対策として推進するものでございまして、効率的、安定的な農業構造の確立を図る品目横断的経営安定対策といわば車の両輪をなすものと認識をいたしております。
 最近の本県の農村の現状を見ますと、高齢化それから混住化といったようなものが進行いたしておりまして、集落機能が低下してございます。なかなか農業者だけではこうした資源の保全管理というものは難しくなりつつあると私ども認識をいたしておりまして、こうしたことから、県といたしましては、農業者だけではなくて、地域住民の多様な主体が参画して、農地であるとか農業用水等の資源、それから農村環境の保全と質的な向上を図る農地・水・環境保全向上対策、これを19年度から実施することといたしたところでございまして、地域住民の皆様の御理解、これを得てこの施策の普及推進が図られるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 昨年3カ所選定をされた地域に、私どもの地域が一つ入っておるわけでございますけれども、昨年1年、この取り組みについてずっと見てまいりましたけれども、農家、非農家を問わずに、非常にいい形で農村資源を守るという意識が見られたということは大変結構なことだと存じます。そういう中で、新年度から進めていくに際しましての課題、問題について若干お聞きをしたいと思います。細部にわたる質問になろうかと存じますけれど、御了承を賜りたいと思います。
 まず一つは、対策の支援体制についてでございます。
 この対策につきましては、市町村や土地改良区が支援するということになっているわけでございますけれども、中でも、市町村の支援というのは、非常に不可欠なものだと私は思っております。しかしながら、県内の市町村を見ますと、相当の温度差もあると聞いておりますけれども、それに絡んで二、三お聞きをしたいと思います。
 一つは、非農家の把握などで、行政区長や自治会など、行政の組織の協力をいただかないとなかなか進められないという点がございます。また、改良区は、田の権利者は把握できておりますけれども、畑についてはできないという面もございます。そういう中で、行政の、農業委員会等の協力も不可欠と存じますけれども、こういう点で、県は市町村に対してどういった指導をしているのか、あるいは協力要請をしておられるのか、その点についてちょっとお聞きをしたいと思います。
〇佐々木農村計画課総括課長 市町村に対する農地・水・環境向上対策に係る取り組みの指導でございますけれども、本対策につきましては、市町村と活動組織が協定を締結して共同活動を行うということで、そういったものに支援するものでございまして、この対策が十分に効果を発揮するためには、地域により密着した市町村の協力と支援が欠かせないということは私どもも認識しております。このため、県としては、市町村などを対象に個別の意見交換や説明会を開催し対策の周知を図るとともに、集落の組織づくりや活動計画書の作成の支援に当たっては、市町村と県の現地機関、それから関係団体が連携して取り組んでいるところでございます。
〇小田島峰雄委員 確かにそのとおりだと存じます。私どもの所属する市町村が非積極的だと言うつもりはございませんけれども、これの対策を進める上で、市町村の果たす役割というのが非常に大きいということでございますので、意見交換などを進めながらやっていくというお話でございますけれども、ぜひ、より積極的な御指導をお願いできればと存じます。
 二つ目の質問でありますが、事業実施上の問題点について多少お聞きをいたしたいと思います。
 交付金総額の2分の1以上を農地・水向上活動に充当して、長寿命化対策を推進しようとしておられるんでありますけれども、現場においてこれを見てまいりますと、特に非農家を中心に、農村環境向上活動に対する需要が非常に多いと考えられます。
 そこで、この際、誘導部分の農地・水向上活動あるいは農村環境向上活動の仕切りをなくして、区分をなくして一体的に実施をすることが、より効果が出てくるものとも考えられますけれども、このことに対する御所見をお伺いいたしたいと思います。
〇佐々木農村計画課総括課長 事業に係る交付金の課題でございますけれども、本対策は、農地・農業用水等の良好な保全と質的向上を目的としておりまして、特に本県におきましては、管理体制が脆弱化する中で農業用水利施設の老朽化も進んでおりまして、その保全管理が大変重要な課題になっているというところでございます。そのため、原則、支援総額の2分の1以上を農地・水向上活動に充当することをお願いしているところでございますが、本対策により、水路等の長寿命化に重点的に取り組むこととしているところでございます。
 農村環境向上活動につきましては、委員御指摘のとおり、非農家におきましては、景観形成や集落の環境整備などといった取り組みに高い関心を持っているものと理解しておりますが、農地・水向上活動の2分の1要件を踏まえた中で、地域の実情に即した農村環境向上活動にも、積極的に取り組んでいただきたいと考えているところでございます。
〇小田島峰雄委員 大体はわかりました。施設の保全が非常に重要なんだというお考えは十分理解できます。しかしながら、厳格な50%以上、そういった数値でもって絞ってしまいますと、なかなか地域の特殊事情によってさまざまな状況があるかと思いますけれども、それを、おおむねなり多少融通し合えるような緩やかな基準を設けていただくと、より動きやすいというか、使い勝手のいい交付金になるんだと思いますが、その点についての、必ず50%以上という縛りがございますけれども、それを柔軟に運用するお考えはないのか、もう一度お伺いをしたいと思います。
〇佐々木農村計画課総括課長 地域によってはいろいろと資源の状況が違っておりますので、その辺につきましては、当然我々といたしましては、そういった農地・水の保全というものをまずはしっかりやっていただくというのが一つの前提でございます。その中で、他の環境向上活動というものにも取り組んでいただくということになります。
 いずれ、地域の資源の状況に応じて、その辺は柔軟に考えていきたいというところでございます。基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございます。
〇小田島峰雄委員 最後に、実施活動上の問題点等についてお伺いをいたしたいと思います。
 極めて短期間のうちに取組組織の立ち上げ等が行われておりまして、一部は地域が混乱している部分もあるようでございます。結果として、地域農家、地域住民が十分議論して共通認識のもと、事業推進できる環境が整っていない面もございます。したがって、本当の目的であります地域コミュニティー、農地利用集積の促進につながらないという懸念もあるわけでございますけれども、こういった点についての御所見もお伺いをしたいと思います。
 二つには、実際に4月、来月から活動が始まるわけでありますけれども、資金力のない組織が非常に多いというのが現状でございましょう。そういう中で、迅速な資金交付が必要だと思いますけれども、どういった形でこの資金交付が行われるのか、それについてもちょっとお聞きをしたいと思います。
 ついでに、組織の立ち上げなど、今地域の方々が手弁当でやっているんでありますけれども、この点について、一定の金銭的な支援も必要ではないかと思いますけれども、それについてのお考えもあわせてお聞きをしたいと思います。
〇佐々木農村計画課総括課長 活動に係る環境の整備ということでございますけれども、本対策は5カ年を一つの期間として実施するというところでございまして、地域コミュニティーや農地利用集積の促進などといった対策の効果については、毎年の継続的な話し合いや共同活動を通じて徐々にあらわれてくるものと考えております。このため、スタートに当たりましては、地域の実情に即して、多くの地域住民が参画できる活動内容にするということや、組織のつくり方も工夫していただきたいと思っておりますし、県としても、そうした事業開始に向けた地域の話し合いをお手伝いしているというところでございます。
 それから、円滑な活動のための交付金というお話でございますけれども、共同活動が円滑に行われるということが大変重要なことでございますので、県といたしましては、前払い制度の活用について改めて関係団体に通知し徹底を図るとともに、前払いを必要とする活動組織に対しましては、できる限り速やかに交付できるように対応していきたいと思っているところでございます。
 それから、地域で、今、手弁当でいろんな組織づくりあるいは立ち上げに向けての活動をしていただいておりますけれども、そういった必要な経費につきましては、今はなかなかできないところでございますけれども、4月以降、いわゆる市町村と協定が締結された以降につきましては、そういった事務的な経費についても、活動交付金の中から充当していただければと思っておるところでございます。
〇小田島峰雄委員 農地・水・環境保全向上対策については、非常に非農家、農家を問わずに関心の高い対策でございます。今、いろいろお聞きをしてまいりましたけれども、ぜひ積極的に県の指導なり支援をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
〇及川幸子委員長 この際、昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
   午前11時53分 休憩
午後1時4分 再開
〇亀卦川富夫副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部より発言を求められておりますので、これを許します。
〇及川農業振興課総括課長 先ほど野田委員から御質問がございました耕作放棄地の現状に対します答弁の中で、5年前の2000年から約12%増加して1万2、574ヘクタール増加となっており、と申し上げましたけれども、これを、1万2、574ヘクタールになっており、と訂正させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
〇亀卦川富夫副委員長 それでは質疑を継続いたします。
〇斉藤信委員 では最初に、私は、品目横断的な経営安定対策についてお聞きいたします。
 この品目横断的な経営安定対策については、こういう農家の声が出ています。農家をリストラの対象にする首切り計画だ。これほど差別的な対策だとは思わなかった。農家の現実を知らない対策だと、かなりシビアな声が現場から出ています。
 それで、一つは、加入経営体、集落営農組織の加入見込みと農家数、農地面積とその農家と農地に対する比率はどうなっているか。
 二つ目に、集落営農の5要件は、私は、まさに地域農業の実態に合わないものだと思いますが、法人化した場合、法人税、消費税がかかるのではないか。農地を集積して一部の担い手に集中すれば、集落営農といっても二、三人の担い手だけで済んでしまって、逆に集落営農にならないのではないか。
 そして、三つ目に、大型化・大型機械化で新たな負担が必要になってくるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇平賀担い手対策担当課長 平成19年産における品目横断的経営安定対策への加入見込みについてでありますけれども、平成19年1月末現在の調査によりますと、経営体数では、個別経営体が2、544、集落営農組織が386となっておりまして、加入農家数で見れば、集落営農の構成員と個別経営体合わせて1万9、497戸、また、加入面積は2万6、005ヘクタールとなっております。
 加入見込み農家数は、米の販売農家に対しまして37%、加入見込み面積については、販売農家の米、麦、大豆の作付面積の41%となっております。
 次に、課税の問題についてでありますけれども、経営状況によってさまざまなケースがあることから、一概には言えませんが、一般的には、農地の利用集積が進んでおりますオペレーター型の法人においては、オペレーターの賃金に給与所得控除が適用されることなどによりまして個別経営に比較して税負担が軽減されるケースが多いが、余り集積が進んでいないような集落ぐるみ型、あるいは共同作業タイプの場合には、消費税の課税対象となることなどによって税負担が増加する場合もあります。
 このため、5年以内とされております法人化するまでの期間に、米、麦、大豆等の土地利用型作物部門のコスト低減、園芸作物の導入や加工部門への進出など、新たな取り組みなどによりまして、集落全体の所得控除が図られるよう、集落営農組織の経営管理能力の向上に向けた個別具体的な支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、農地の集積に関してでありますけれども、米や麦・大豆などの土地利用型作物については、コストの低減を図ることが喫緊の課題であることから、集落営農組織の主たる従事者に基幹産業の集積を図ることが重要であります。
 これに加えまして、小規模・兼業農家、女性や高齢者がやりがいを持って参加できる野菜、花卉などの園芸作物や加工などの新たな部門の導入を図り、それぞれの役割分担のもとに、集落全体として発展していけるような集落営農を推進してまいりたいと考えております。
 大型機械化についてでございますけれども、集落営農組織においては機械利用の合理化が不可欠でありますが、まずは集落内の機械の賦存状況を踏まえまして、既存機械の有効利用を図っていくことが重要と考えております。
 その上で、農地の利用集積によりまして、米、麦、大豆などの規模拡大が進み、新たな大型機械の導入が必要になることも想定されるところであり、その際は、過剰投資とならないよう、計画的・合理的な機械・施設の導入について、個別具体的に指導・支援してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 それで、今、個別経営体と集落営農の農家戸数は1万9、497戸、これは販売農家のわずか37%で、そして農地の41%だと。半分以上が対象にならないわけですね。半分以上の対象にならない方々はどうするんですかということなんですよ。こんなことで農業生産は拡大できませんよ。これだと縮小ですよ。これが一つ。いわば、対象にならない人たちの対策をどうするのか。
 二つ目の問題は、今、私は法人税、消費税の話をしました。消費税なんか1、000万円を超えるともうかかってしまうんですよ。そして、集落営農にしたら人も配置しなければだめなんです。人件費もかかるんです。オペレーターだけじゃないんですよ。米価が下がって、人を配置して、法人税、消費税を取られて、どうしてやっていけるか。あなた方は、そういう試算を示さなかったら集落営農のメリットは見えませんよ。モデル経営体で出してください。
 そして、大きくなれば大型機械もまた必要になってくる。だから、集落営農というのは、あくまでも自主性の原則でやらなければだめなのです。やれるところから一つ一つやるというのが、協業協同組合化の原則なのですよ。国が要件を決めてそれを押しつけたら、破綻したロシアの集団農業になるんです。こんなの常識ですよ。そういうことをやってはならない。その点で、そのことについてやっていただきたい。
 それと、県と農協が今まで県内の集落ビジョン大賞というのを表彰してきました。地域の本当にすぐれた集落組織を表彰してきた。この3年間でどれだけ表彰して、その中で、表彰された方で法人化されているところはどのぐらいあるか。私は、何も法人化しなくたって立派な集落営農をやっているところは県内にたくさんあると思うんです。そういうものを奨励し支援するということが、県の農業政策の仕事ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇及川農業振興課総括課長 まず、今回の品目横断的対策の対象とならない農家と農地の対応をどうするかということでございますけれども、これにつきましては、今盛んと加入推進をやっておりますが、それでもなおかつ、平成19年産から対象とならない農業者等につきましては、さらに関係機関・団体等と連携を図りながら、引き続き、平成20年産からの品目横断的安定対策への加入を促進するとともに、担い手以外の農家を対象に米の価格下落時の価格補てんを目的といたしました平成19年度から新設されます稲作構造改革促進交付金、それから転作作物の産地づくりを促進します産地づくり交付金、さらには平場と中山間地域との農業生産条件の不利を補正いたします中山間地域等直接支払交付金などを活用いたしまして、推進してまいりたいと考えております。
 もう一つ、集落ビジョン大賞、集落の実態ということで、法人化、あるいは経理の一元化ということでございますけれども、これまで集落ビジョン大賞を受賞いたしました27集落・組織につきまして、受賞時点で見ますと、既に法人化になっていたものが7組織ございます。それから、経理の一元化を行っていたものが11組織となっております。また、一部の担い手への農地の集積状況につきましては、正確な状況は把握できておりませんけれども、ビジョン大賞の審査調書等によりますと、集積率が50%以上のものが6組織となってございます。
〇斉藤信委員 答弁漏れがあるね。恐らく答えられないのかもしれませんが。
〇齋藤農政担当技監 集落営農の自主性の原則と言われましたが、まさに私どもも、集落営農をつくるためには自主性を重んじなければならないと思っているところであります。そのため、モデル経営体というようなものは余り提示いたしませんで、その地域、地域の人と話し合いながら、それぞれの具体的な地域の集落営農の姿を設計しながら、それぞれ進めているところでございます。
 それから、もう一つ、例えば1、000万円になると消費税がかかるということは、これは個人経営でも同じことであります。ですから、それ以上に収益が上がるような組織として活動できるように、中身を充実していきたいと思っております。
〇斉藤信委員 私が指摘したのは、いずれあなた方が集落営農組織、いわば品目横断で対象にしているのは、農家も農地もたかだか4割です。だったら、あとの6割はどうするか。いわばそういう法人化しなくたって、立派に集落営農大賞を受けている集落があるじゃないですか。そういうものを私は岩手型集落営農として岩手が独自に推進しなかったら、食料供給基地になんかなりませんよ。だから切り捨てだと言われるんですよ。国に追随していたら、これは切り捨てですよ。そのことを改めて私はお聞きしたい。
 それで、一番重大なのは、5ヘクタール以上になったらうまくいくかということなんです。最近の新聞でこういうのがありました。5ヘクタール以上の農業所得は364万円。これ、1人当たりの労賃にしますと167万円ですよ。ワーキングプアですよ。5ヘクタール以上で1人当たりの労賃は167万円。岩手のデータがあったら示していただきたい。
 農林水産省はこういうデータも出しています。米の生産費調査で、1日当たりの家族労働報酬は、1日当たりですよ、3、428円。これは助成金を入れてです。ワーキングプアどころじゃないですよ、1日3、428円なんて、もうやっていけないわけです。米価が下がって、ことしは恐らく1、000円以上下がっているでしょう。これもデータを示してください。
 米の値段はどんどん下がる、そういう中で規模拡大だけやってもやっていけないじゃないですか。私は、そういう意味でいけば、本当に身の丈に合った、家族経営を中心にした取り組みが必要だと思いますが、いかがですか。
〇及川農業振興課総括課長 こういう集落営農の実態の中で、やはり岩手型の集落営農とか、そういうものがあるじゃないかということの御質問でございますけれども、これにつきましては、やはり今回の対策は、希望する農家すべてが加入できるような形にならないものと考えておりまして、個別農家とか、その事情によりますが、例えば大型機械を所有する大規模農家は、主に耕起とか、代かきとか、稲刈りなどの機械作業を中心になって担う、あるいは小規模でも労働力のある農家は、園芸や加工を担当する、あるいは兼業を収入の柱とする農家や高齢農家は、畦畔や水管理などを受け持つなど、それぞれの経営志向に応じた、労働力に応じた役割を担いながら、農地、機械・施設あるいは労働力を効果的に生かせるような組織運営について集落の方々が十分話し合っていただく、そんなことをやりながら今回の対策に加入を進めていきたいと考えております。
〇齋藤農政担当技監 今、米価の値下がりということで言われましたが、それは委員御指摘のとおりでございます。ですから、我々といたしましては、今までのように、例えば5ヘクタール、4ヘクタールの中ではなくて、土地利用型の経営については、やはり20ヘクタール、30ヘクタールというような規模で考えなければならない時代だろうと思っているところであります。そのかわり、その中で、ただそれだけでは農村から人がいなくなってしまいます。そうではなくて、より多くの人がそこで働けるような、例えば、ハウス園芸なり、あるいは加工なり、畜産なり、そういうものでの経営の転換を図っていかなければならないと思っているところであります。
 それから、集落営農につきましては、我々は既に国より早く、一歩先んじて、例えば地域ぐるみ農業というような形で専業農家も兼業農家も一緒になって、そこで力を出せるような、お互いに最大限の力を出して営農ができるような仕組みを追求してまいりました。これは、決して品目横断だからということで始まったわけではございません。ですから、それについては、今、品目横断につきましては、水田地帯を中心に土地利用型作物ということになってございますが、そうではなくて、畑作地帯では、例えば野菜とか、あるいはたばこを中心とした形で、そういう集落営農の組織をつくっていきたいと思っているところであります。
〇斉藤信委員 及川課長は、幾ら聞いても岩手型を進めると言わないんだね。やはり必要なら予算もつけてやらなければだめですよ。あなた方が言うのは、品目横断にどうやって乗せるかですよ。それは、結局4割しか対象にしないという農政になるのですよ。それだったら、岩手の農業も日本の農業もだめになるでしょうと言っているのです。
 あともう一つ、及川課長が言った集落営農の姿というのは、法人化しなくたってできるのですよ。やっているのです。二、三人の担い手に集中しなくたってできるのです。二、三人に担い手を集中したら、今の及川課長の言うようなことは、逆にできないんですよ。だから、5要件というのは全く現実に合っていないということを言っているんです。私は、そういう改善をやはり国に強く求めていかなければだめだと思いますよ。立派にやっている集落営農があるわけだから、それを岩手として推進するし、そして国の押しつけについてはその改善を求めていく、こういう対応をすべきではないでしょうか。
 それで、あわせて私はお聞きしたいんだが、岩手の農業予算、これは農林水産合わせてお聞きしたいんだけれども、公共事業、土木事業の額と比率は幾らになるか。それと、オーストラリアとの自由貿易協定─FTA、これは日本と岩手の農業の存否にかかわります。農林水産省は、これを全面自由化したら8、000億円の影響があると。北海道庁は4、400億円の影響を受けると。岩手県はどのぐらいの影響が推計できるかお示しいただきたい。
 それと、農業の問題で、先ほど10年間で100億円農業生産をふやすと言いましたね。私は、全然根拠がないと思いますよ。大体、5年間で430億円減ったんでしょう。5年間で430億円減って、今度は100億円さらにふやすと。この減らした原因は何なのか、それに対してどういう対策をとれば本当に100億円ふえるのか。大体、アスパラを冬につくれば40億円なんかふえませんよ。ナマコで50億円ふえますか。目標を掲げることは間違っていない、しかし、それに根拠がなかったら、いいですか、5年間で430億円減っているんですよ。これを本当に減少を食いとめて、さらに100億円ふやすといったら、農業予算を減らしていく中でできますか。もっと具体的な施策がなかったら、これは全く絵にかいたもちにもならないと思いますが、いかがですか。
〇高前田農林水産部長 私の方から、今、一番最後に御指摘いただきました農業生産額の関係についてお話をさせていただきます。
 委員御指摘のとおり、先ほども工藤委員の方から御指摘があったわけでございますけれども、この100億円の増加というのは、農林水産業トータルでということでございますが、中でも農業につきましては、今御指摘がございましたように、ここ数年間で大幅な落ち込みとなってございます。この原因は、やはり先ほどお話し申し上げましたように、米の生産調整が一番大きく効いてきているということでございます。委員からもお話がございましたように、この生産額の減少に歯どめをかけるということが、まずもって重要なことだと。
 しからば、その方策としてどういうことを考えるかということでございますが、米の生産減少を補うものとしては、やはり園芸、畜産、こういうものに力を入れて施策の推進をしていくということで、まずは、生産額の減少に歯どめをかけるということを私どもとしては志向しているところでございます。畜産で具体的に申し上げますと、肉牛の生産振興でございますとか、そういうことを中心とした取り組み、それから園芸でございますと野菜、果樹といったようなものがございますが、特にも野菜の生産振興というものに力を入れて、何とかまずは歯どめをかけたいということで取り組むこととしているところでございます。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 農林水産業予算の中での公共土木事業、価格・所得補償額の比率とEPAの影響の2点についてお答えさせていただきます。
 まず、公共事業の比率でございますけれども、農業関係201億1、800万円余で比率は51%ということになっております。林業関係ですけれども、28億6、400万円余で比率が27%でございます。水産業の関係でございますが、44億6、400万円余で比率は58%ということで、農林水産業全体では274億4、700万円余で比率は48%という状態でございます。
 価格・所得補償関係ですけれども、2億4、400万円余ということで、昨年0.3%の位置づけだったんですが、0.4%に上がっている、若干増加しているというところでございます。
 それから、EPA─経済連携協定の影響額ということで、昨年12月に日本全体で8、000億円程度影響があるということなんですけれども、それを本県の関係の影響額で試算してみたところでございます。
 これは、肉用牛と酪農、これは乳製品向けの関係で酪農、それから麦類の関係の影響を算定したところですけれども、肉用牛は、3等級以下の黒毛和種に影響がある。あとは日本短角種と乳用種ということで、産出額の201億円に対して62%掛けまして125億円程度影響が出てくるだろう。それから、酪農につきましては、乳製品向けということで、加工原料向けの乳製品の割合を産出額の208億円に掛けまして100億円程度、それから麦類につきましては、ほぼ99%影響が出てくるだろうということで5億円程度ということで、産出額に対する影響としては合計230億円程度出るのではないかと予測されるところでございます。
〇斉藤信委員 今の最後のところ、これは自民、公明がオーストラリアと自由貿易交渉をやっているんです。これがまとまったら、今言ったように230億円の大打撃を受ける。これは、生産額をふやすどころじゃないです、壊滅的打撃ですよ。私は、これは自民、公明に本当に性根を据えてやっていただきたいし、県も、本当にこれ、声を上げてやらなければだめですよ。これは指摘だけにとどめておきます。
 最後ですが、ワタミファームの肥料工場建設計画について。
 来年度予算のところにバイオマス環づくり交付金というのが1億8、674万円余計上されています。これは恐らくワタミファームなんですね。九戸村に肥料工場をつくるというので約半額補助という異例の補助、癒着しているのではないかと思うぐらい異例の補助ですが、これはどういう計画になっているでしょうか。どういう補助事業を導入するのでしょうか。全国に実例はあるのでしょうか。何をつくるのでしょうか。どこで使うんでしょうか。
 私は、商工労働観光部でも指摘しましたが、これは北海道留萌市でやって、悪臭が出て工場閉鎖した、こういう経過があるんですね。実は、この企業誘致は、留萌市で工場閉鎖を9月にやった後、11月に知事とワタミの社長と、九戸村の村長と、にこやかに記者会見で発表したんですよ。ワタミにだまされたのではないかと思うような発表の仕方でしたね。こうした経過も含めて示していただきたい。
〇樋澤畜産課総括課長 ワタミファームの肥料工場建設計画の内容でございます。
 これは、ブロイラー生産が盛んな九戸村で排出される鶏ふんを有機肥料化しまして、地域内外で有用資源として利活用するものでございます。肥料製造には、水熱反応という新しい技術を利用しまして、施設の建設費は、概算でありますけれども、3億7、200万円ということで、その2分の1につきましては、農林水産省のバイオマスの環づくり交付金事業の交付を見込んでいるところでございます。
 それから、全国の実施例につきましては、バイオマスの環づくり交付金の関係ですと、本県での導入例は、雫石町でのバイオガス施設、それから住田町の鶏ふん炭化施設など5施設がございます。そのほか、東北管内では、過去2年間で5カ所のバイオマスの利活用施設に本交付金が活用されると伺っております。
 なお、今回、九戸村で計画されております施設は、鶏ふんに水を加えて高熱・高圧処理するという水熱反応ということでありますけれども、これで有機肥料化するという新しい技術を導入するものでありまして、全国的にも余り例はないものと伺っております。
 それから、次に、北海道留萌市での工場閉鎖につきましては、お聞きしますと、鶏ふんの肥料化の過程で発生する悪臭に対して周辺住民の苦情がありまして、工場の移転を余儀なくされたと伺っております。ただ、九戸村の立地に際しましては、この悪臭対策を含めて、適切な環境対策を講ずるように指導してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 鶏ふんの活用というのは、恐らくこれは地元の要望なんですね。それは私は評価しますけれども、しかし、このワタミというのは、北海道の留萌市で工場閉鎖になりながら、県には何も教えないでやってしまった。北海道では補助金1億円返還ですよ。そして、実際に今工場移転をやっているんですけれども、工場移転の成果を見て、全額返還になるかどうかということで、今言ったように、全国実例がないことをやるわけですから、私は、本当にこの点については、地域住民に対する悪影響がないように、計画を精査してしっかり対応していただきたい。
 終わります。
〇工藤勝子委員 通告いたしておりましたので、簡潔・明瞭な答弁をお願いしたいと思います。
 厳しい財政の中で、各部局におきまして重点化・効率化、集中と選択ということにおいて予算配分されたと思っております。その中で、前年対比19.1%という、135億6、200万円余マイナスとなることから質問したいと思います。
 農林水産部のほとんどの事業費が減額となっておりますが、この選択と集中とする中で、どのような事業を中心に重点的に配分されたのかお尋ねいたします。
 また、大きくマイナスとなる要素は何であったのか、お尋ねしたいと思います。
 また、新規事業も幾つかありますが、農林水産部として、この減額の予算の中で廃止した事業はどのくらいあるのかお尋ねしたいと思います。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 選択と集中により重点化する事業についてお答えします。
 平成19年度の当部予算編成に当たりましては、担い手の育成と産地づくりの強化を最重要課題と位置づけまして、これら課題解決のための事業に重点化を図ったところでございます。
 まず、担い手の育成対策につきましては、品目横断的経営安定対策など、国の支援策を最大限活用しながら、担い手育成ビジョンに位置づけた経営体を支援することとしまして、農業では、認定農業者への農地利用集積などを図るための農業経営基盤強化促進対策事業、林業分野では、地域牽引型林業経営体の育成を図るための地域森林経営担い手対策事業、漁業では、担い手への漁場集積を図るため、新たに地域営漁計画推進特別対策事業などの予算を計上しているところでございます。
 それから、産地づくりの強化対策についてでございます。
 産業成長戦略の実現と県北・沿岸圏域の振興に向けまして、岩手らしさを生かした新たな作目・技術の導入を支援することとしまして、農業分野では、水稲の規模拡大に向けた新たな栽培体系を確立するための、いわて型水稲直播技術確立対策事業、また促成アスパラガスなど冬春野菜等の生産モデルの導入を進めるための県北・沿岸「元気な農業」確立特別対策事業、それから、粗飼料多給肥育によります付加価値の高い牛肉生産技術を普及するための、いわて短角和牛産地強化対策事業などの新規事業を実施することとしているところでございます。
 また、林業分野でございますけれども、大口需要者への合板等素材の安定供給を図るための県産材利用促進総合対策事業を実施するとともに、水産分野におきましては、需要が増加している新魚種の増殖技術開発のために、新たにナマコ産地づくり推進事業などの予算を計上したところでございます。
 また、公共事業につきましても、担い手の生産基盤を整備するための経営体育成基盤整備事業とか、あとは漁港・漁場整備事業に予算を重点配分するとともに、農業水利施設等の維持管理を図るため、新たに農地・水・環境保全向上対策事業を計上したところでございます。
 それから、大きく減った要因ということでございましたけれども、対前年比で19.1%のマイナス予算となったところでございますが、これは、まず一つは、前年度の競馬組合に対する経営改善資金貸付金や、それから環境保健センター用地と交換するための旧盛岡競馬場跡地の再取得に要する経費等による一時的な増加要因等がなくなったことが影響しているものであります。
 あと、事業数ということでございますけれども、ちょっと手元に数字がありませんが、30事業等が減少しているところでございます。
〇工藤勝子委員 御説明ありがとうございました。そういうことで、産地づくり、いろいろと予算を重点的に配分したようでありますけれども、余りにも前年対比で大きいなという思いから質問させていただきました。この広い県土におきまして、ものづくりとか自動車産業と言っていますけれども、県下では1次産業がほとんどなわけでありまして、命の糧となる食料の生産、また食料基地を目指すとする中で、年々減少するこの予算に対して、今後の岩手農業の方向について、部長のお考えをお聞きしたいと思います。
〇高前田農林水産部長 農林水産部関係の予算の減額と今後の、特に農業の振興の方向ということでございます。
 まず、確かに厳しい財政状況のもとで当部の予算が減少してはおるわけでございますけれども、そういった中でも、先ほど御説明させていただきましたように、例えば担い手の育成対策であるとか、産地づくりであるとか、そういうことには重点的に予算を配分したということがまず一つございます。
 こういったようなことを通じまして、やはり本県農業を足腰の強い農業生産ということに進めていきたいと考えているわけでございますし、何よりも、そういったことを進めていく上では、重要なのは人材の育成、それから重要な生産要素の農業生産基盤、施設整備といったようなこととあわせて、技術というこの三つの要素、これをしっかりと当農林水産部としては取り組んでいきたいと考えております。
 厳しい予算ではございますが、私どもの農林水産部には優秀なスタッフもございます。特に、普及センター等の職員もございます。そういったものを最大限に活用しながら、そういう経営資源を有効に活用して、本県の農業を何とか振興していきたいと考えております。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 恐れ入ります、先ほどの廃止した事業数というところでございますけれども、平成18年度当初が310事業に対しまして、19年度当初が278事業ということで、32事業が廃止した事業数ということでございます。
〇工藤勝子委員 それでは、32事業が廃止になった中で、1点だけお尋ねいたしますけれども、これは、例えば事業として必要がないとみなしたものなのか、予算として取れなかったものなのか、その点だけお聞きしたいと思います。
 また、今、部長からお話がありましたように、今後の農業振興においては、担い手の育成、基盤整備、そして人材、指導技術者というようなお話がありました。その中におきまして、農業者としても今後、やはり自立を目指す、そういうものも必要になってくるんだろうと思っておりますが、その中において、やはり指導力というのでしょうか、マンパワーの充実が農業者にとって最も必要とするところだと思っております。
 その中におきまして、団塊の世代の退職におきまして専門技術員の先生方が非常に大きく退職するのではないかと思っておりますけれども、この中で、退職される人数と、今度新しく技術者として採用する人数の比率というのでしょうか、その辺のところ、こういう部分に人材の重点を置きたいという中で、その辺のところの御説明をお願いいたします。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 32事業減っているという中身の話でございましたけれども、これは、見直しながら、やはり重点的に必要なところについては配分するような形で、限られた予算の中で工夫してやっているところでございます。
〇宮下農業普及技術課総括課長 技術系の職員の退職者数ですけれども、農業関係では、今年度7人が想定されております。これに対して採用の人数が、ちょっとこちらの人数は、今のところわかりかねるところであります。
〇齋藤農政担当技監 今、団塊の世代の大量退職によって専門技術員等の力が落ちるのではないかということでございましたが、それにつきまして、今度15日に普及職員のOBあるいは農協指導員のOBが中心となりまして、農業指導あるいは農村指導、一般に、例えば農産加工も含めて指導、助言するという組織をNPO組織として立ち上げることにしてございます。そういう形で、指導力は決して落とさないようにしていきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 今後いろいろな品目横断的な取り組みなどありまして、水田を担い手の方に移すというようになったときに、今度は、自分たちの住んでいる地域の特性を生かして、どんな作物を、水稲はまずお任せしたよとなった中で、今度は持っている農地の部分で、じゃ、自分たちが生きていくためにどうすればいいのかとなったときに、今、特性を生かして山菜をつくろうかとか、山ブドウとか、ブルーベリーということになって、新しい作物に移ってきている部分がよく見られます。
 その中で、今度JA、農協が広域的な合併で大きくなることによって、JAの指導部門がかなり落ちている。農協離れが農家の人たちから起きたのは、この指導力が落ちたことに原因があるのではないかと思っております。そうすると、やはり県の人材の指導力、専門技術員たちの指導というものが農家にとって非常に力になるものだろうと私は思っております。
 それで、今後、そういう特性への取り組み、安全・安心の取り組み、さらには地域を引っ張るリーダーをつくってほしい、そういうことを要請する部門、担い手の育成も含めまして、今後もう少し検討して、そういうOBのほかに、きちんとした人を養成する中で、例えば農業大学校などで養成した中で、そういう技術員を増員しながら、県の指導が落ちないようにしていくというこの計画についてお聞きして、終わりたいと思います。
〇宮下農業普及技術課総括課長 県の指導的な職員につきましては、先ほど、農業者の自立を目指すということもあったんですけれども、より高い技術あるいは経営の指導、そういうことが十分できる専門職員の養成が必要だと考えております。
 現在、農業普及職員の発展段階に応じて、農業大学校等、農業研究センター等のマンパワーを活用して専門的な研修を実施しております。このほかにも、個々の農業普及員が、能力が十分発揮できて、かつ地域課題の解決に当たれるようにということで、普及センターの中でチーム体制を構築して、今、普及活動を行っているところです。
 今申し上げましたように、体系的な研修に加えて、現場活動を通じて、高度化・多様化する農業生産現場のニーズにこたえていく、そういった専門的知識・ノウハウを身につけた指導者、農業普及員の養成・確保に努めていきたいと考えております。
〇亀卦川富夫副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇亀卦川富夫副委員長 質疑がないようでありますので、これで第1部農業関係の質疑を終わります。
 次に、第2部林業水産関係についての質疑はありませんか。
〇工藤大輔委員 いわて森林づくり県民税についてお伺いします。
 森林の水源涵養や山地災害の防止、二酸化炭素の吸収による温暖化防止機能など、森林の持つさまざまな公益的機能の重要性にかんがみ、県民の共有財産である森林を県民みんなで守り育てるという取り組みが重要という認識のもとに、昨年4月から森林づくり県民税が創設されました。これに関し、税収の面は総務部ということになると思いますが、わかる範囲で結構ですので、お答えできればお答えいただきたいと思います。
 新税に対する混乱がなかったかどうか、また、2月補正において、事業費の中でマイナス補正が組まれております。そういった中、新聞等の報道によると、事業者への理解が深まっていないため、間伐に関して県と結ぶ協定について森林所有者から同意がもらえなかったということなど、事業の成果が問われていると思います。具体的にどのようなところがネックとなってきたのか、また、森林税を活用する事業の課題や今後の見通しについてお伺いします。
〇西村林業振興課総括課長 まず、いわての森林づくり県民税の税収の見通しでございますけれども、平成18年度は5億5、700万円になる見通しと聞いております。
 あと、新税に対する混乱でございますけれども、新税の導入に当たりましては、県民の理解と協力が不可欠ということでございますので、その必要性や使い道といったことについて、県民への広報に力を入れまして、また税の窓口でも十分に説明を尽くすよう努めたところでございまして、課税あるいは納税に当たっての特段の混乱は生じていないといった認識でいると聞いているところでございます。
 次に、いわて環境の森整備事業の実行に当たりまして、その課題と今後の取り組み方向という御質問でございますけれども、いわて環境の森整備事業の実施に当たりましては、例えば、保安林に指定されれば伐採ができなくなるのではないか、あるいは長期間の協定─これは協定を結んでいただくことになっておりますけれども、そういったことで森林の経営が拘束されるのではないか、あるいは強度の間伐によって雪害などの災害が起きやすくなるのではないか、そういった事業に対する不安を示される森林所有者もいるところでございます。
 したがいまして、こうした事業に対する不安を解消するため、まず、保安林や、あるいは20年といった協定の期間中でも、間伐などの通常の森林施業が可能であるといったこととか、あるいは強度の間伐というものは、小径木あるいは被圧木、そういったものを中心とした伐採でありますので無理な間伐ではないといったことについて、きめ細かな説明に努めて、森林所有者の十分な御理解を得ることがまずもって課題と認識しているところでございます。
 そういったことを踏まえまして、今年度は事業の初年度ということで、年度途中からの着手といったこともありまして、森林所有者に対する制度の周知あるいは事業の内容に関する説明、そういったものが必ずしも十分ではなかったと考えられますので、来年度、平成19年度におきましては、年度の当初から、県の広報媒体を活用した計画的な広報といったことを実施いたしますとともに、今年度施行地での、既にやったところを見ていただくといった現地説明会を開催いたしまして、森林所有者の皆様に事業の内容について十分理解していただきまして、計画どおりの事業実施に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 というと、説明が不十分というか、あとは理解を得られなかったというところが最大の要因と今の話では聞かれるわけですが、実際、本当にそれだけだったのかと。私は、やはり森林所有者の同意をさらにもらいやすくするようにするには、要件の緩和とかといったものも必要ではなかったのかと思うんです。これらをしていかなければ、県民の方々から貴重なお金を集めさせていただいて、そして、当初の目的となる事業効果を最大限発揮するには、早期に要件の見直しも含めて検討して事業効果を高めるべきと思いますが、改めて所見をお伺いしたいと思います。
 次に、森のトレーの関係についてお伺いします。
 総括でも聞かせてもらったんですが、この問題については、当時話をされた増田知事がやめられる、そしてまた、当時の林野庁長官が宮崎県知事選に立候補して、いないということもあります。当時話されたトップ同士の方々がいなくなる中で、今後、この延滞金が免除されるということがどのような形で引き継がれていくのか。これはしっかりとした形で引き継がれていかなければ、この先どうなっていくのかあいまいなままになってはよくないので、改めて免除される要件について御説明願いたいと思いますし、この基準が不明確だとすれば、いつかの時点ではっきりと明確化させるべきではないのかと思いますが、どのようにお考えかお伺いします。
〇西村林業振興課総括課長 まず、いわて環境の森整備事業の要件の見直しについてのことでございますけれども、この事業は、先ほど委員御案内のとおり、森林の公益的機能の維持・増進を目的に、森林所有者にかわりまして県が森林整備を行うというものでございますので、整備後においても、公益的機能が持続的に発揮されるよう、保安林の指定あるいは一定期間─これは20年ですが、その皆伐の制限を行うといった協定の締結を事業実施の要件としているものでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、こうした要件に対して不安を持っている所有者も少なくない状況でございます。そのため、今後におきましては、まずもって、こうした要件あるいは強度間伐に対する不安を解消するための、先ほど申し上げました現地説明会の開催などによりまして、本事業に対する森林所有者からの理解が得られるよう努めることとしているところでございますけれども、来年度以降の事業の方向性につきましては、今年度事業の結果あるいは森林所有者の皆さんの御意見、さらには有識者で構成する事業評価委員会を今年度から既にやっておりますけれども、この委員会の意見といったことも踏まえて、必要に応じ、事業内容を見直すなど適切に対応して、森林環境の保全に努めてまいりたいと思っているところでございます。
〇千田林務担当技監 森のトレーの関係でございますけれども、まず、平成15年11月に、当時の林野庁長官と増田知事がトップ間で会談を行ったわけでございますが、この際に林野庁長官の方からは、前任の長官から─当時、その前の6月に知事が前任の長官と協議を行っておりまして、11月の会談のときは石原長官だったわけですが、その際に石原長官の方から、前任の長官からしっかりと引き継ぎを受けている、仮に自分たちがいなくなったとしても、林野庁の考えは変わらないというお話をしっかり承ってございます。知事の方も、県として裁判等を時間がかかってもきちんとやりますというお話を申し上げたところでございます。
 したがいまして、知事、それから長官がかわりましても、このときの話し合いの結果については変わらないと認識してございますし、また、この長官と知事の協議の後に、翌年1月でございますけれども、林野庁の方から延滞金の減免取り扱いにつきまして文書をいただきました。その中で、何点かございますけれども、基本的には、免除の手続につきましては、延滞金の額が確定した段階で手続を行うことが可能であるということ。それから二つ目は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律におきまして、やむを得ない事情があると認められるときは、その全部または一部を免除できるという規定がありますということ。それらの規定を適用するためにも、補助金の早急な返還等につきまして、林野庁としては岩手県に定期的な報告を求めますという文書をいただいてございます。
 それに基づきまして、本県におきましては、2月から定期的に報告してございますし、また、訴訟等で動きがあった際には、林野庁の方からも照会が来てございますし、私どもの方からも報告してございます。
 そのようなこともございますので、林野庁の考えは変わらないと思いますし、また、当方の考え方もいささかも変わってございません。
 したがいまして、要件ということでございますけれども、この要件につきましては、また同じ会議の際に、補助金の一部返還と補助金回収の裁判に全力の投球をすれば、延滞金の免除につきまして林野庁としてできる限りの対応を行うという考え方を同じときに示されてございます。したがいまして、私どもは、今の段階でも林野庁の方はこの考え方に従って対応していただけるものと理解してございます。
〇工藤大輔委員 今の話を聞けば、相当な高い確率というか、まず確実に林野庁の方ではそのような対応をとってくださるという話に聞こえます。そうであるとすれば、やはり、例えば双方の合意の確認書だとか、そういったものも私は結べるのではないかと思うんです。
 裁判がどのぐらい今後かかるかわかりません。もし見通しがわかればお示ししていただきたいと思いますが、そういった中で、延滞金というのはどんどん高額になってくる。そういった中で、今の金額の何倍にもなった段階で、例えば10億円を超えた、20億円を超えたといった段階で、果たしてそういった免除がなされてくるかどうか。額が大きくなると、今度は世論の動きとか、公になれば、本当にそれでいいのかという声の中で一転してということになるのが、私は非常に心配なんです。ですから、しっかりと今の段階で確認書等を結びながら、将来において問題ないんだという確約をとっておいた方がよりよいのではないかと思いますが、それについて所見をお伺いします。
〇千田林務担当技監 森のトレーの訴訟につきましては、現在のところ弁論準備手続ということで、お互いの主張を裁判官の訴訟指揮のもとでいろいろと主張させていただいているわけでございます。まだその見通しにつきましては、はっきり、いつごろ一審が結審するということはわかりませんけれども、県といたしましては、できるだけ早く結審できるように、これからも裁判に全力投球してまいりたいと考えてございます。
 それから、確認書の関係でございますが、これは、県といたしましては、林野庁の最高のトップと本県のトップがお互いに協議をして、そこで合意したということでございますし、その後、事務的にはそれをフォローするような形でやりとりをさせていただいておりますので、仮に延滞金がどれだけの額になろうとも、私は、きちんと対応していただけると考えておりますので、今の段階で確認書等の取り交わしの考えはございません。
〇工藤大輔委員 しつこいようですが、改めて、そこまで合意ができているとすれば、お願いしてもいいのかと思うんです。なぜそこでその方向にないのかというのは、ちょっと私は疑問なんです。どちらかが嫌っているとすれば、合意はしているけれども、このままでいいのではないかという流れで、将来大丈夫だからという話になるかもしれませんが、お互いそこまで合意しているとすれば、やはり結んでおいた方が私はいいと思うんです。
 要らないというのであれば、例えば、方針転換がなされたときに、その当時の方が責任をとらされると私は思うんです。また問われなければならない。そういったことがないように、今後、県民、また県政においてさらなる課題とならないように、できることはしっかりとやっておくべきだと思いますが、改めてお伺いします。
〇千田林務担当技監 改めて申し上げますけれども、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、確認書を取り交わさなくても、林野庁の方ではきちんと対応していただける、そのように考えてございますし、その後の林野庁とのやりとりを考えましても、そのような方向で対応していただいているものと考えております。
〇平沼健委員 林業と、それから水産関係についてお尋ねいたします。
 まず、林業の方なんですが、ただいまも話がありました森林整備についてお尋ねしたいと思っております。
 国も県も従来から大変な財源を使って日本国の森林整備をしてまいりました。そのような中で、聞くところによると、国としては何か新年度から、平成19年度から6年間かけて、京都議定書の問題があると思うんですけれども、単年度で765億円という膨大な財源で森林整備をするということが出ております。こういうことが出てくると、従来から岩手県もやっておりますこの森林整備に、また大変な財源を投入してきておりますが、その辺の関連というかリンクづけというか、そういうことをどのように考えておられるのか。また、そのときに、今回の765億円という単年度の財源がどのような条件で考えていけばいいのか、その辺からまず一つお尋ねしたいと思います。
〇及川森林整備課総括課長 地球温暖化対策の森林整備事業の国と県の事業関連ということでございますけれども、森林整備につきましては、通常の森林整備事業の枠の中で、この地球温暖化対策を行うとしてございます。その765億円がどのような条件かということでもございますけれども、これも今私どものところでは、通常の森林整備事業の補助条件と同じ内容で運用されると聞いております。
〇平沼健委員 従来の形ということだと思いますけれども、そのときに間伐が主だというようなことのようなんです。従来からお願いというか訴えてきたんですが、従来の森林整備の場合の補助金、間伐あるいは除伐、これをやったときに、今大分、日本国内の木材相場が上向いてきていますので、国産材を利用する国内のいろんな業者がたくさん国産材を利用してきております。そういう意味ではいい方向に来ていると思うんですが、間伐をして山土場にそのまま倒しておく。付加価値があるものはそのまま集材して、そして利用者のところに持ってきて販売するということで、これは利益がとれるというか、そういうものは従来からそういう形でやってきておると思うんですが、ただ、やっぱり間伐したものは100%原料として利用されて、初めてそういう補助金が生きるというか、そういうことだと私は思っております。
 何を言いたいかというと、せっかく間伐したものを集材してそしてしかるべきところに持っていく、その労賃とか運賃まで考えると、なかなかこういうことはできないというのが従来の形だったと思うんですよ。だから、新しいこういう補助金とか何かというときには、最後まで利用するというか利用させるというか、そういうようなところまでの補助金という形をとっていかないと、せっかく切ったものが、付加価値が多少低いものだから山にそのまま放置されて、今度はこれが例えば台風とか大水のときに災害をまた誘発するとか、そういうことを過去に何回も繰り返してきたわけでして、そのようなことで、総体の100%というか、何ぼでも利用するというか、原料として使うというような形のところまで、これからの補助金というものはあるべきだと思うんですが、その辺お答えをいただければありがたいんですが。
〇及川森林整備課総括課長 森林整備事業におきましては、山で木を倒しまして、それから運ぶところまできちんと、県単もですが、補助対象になっております。委員御指摘のとおり、問題は、そこからどの程度利用されるかということでございますけれども、現実の間伐材の利用率は、今、平成17年度実績で44%でございます。これを何とかもっと利用するようにしたいと考えておりまして、それはやはり岩手県の所有規模が小さいですから、所有規模が小さいところを集約化して、あと路網整備等で低コスト化を図ると。あと、市場まで運んでくるところは、林道等と関連を持って路網整備を進めまして、より利用するところが多くなるようにという施策をしていきたいと考えております。
〇平沼健委員 ただ、やっぱり枝というか細いところ、極端なことを言うと葉っぱというか─葉っぱはちょっとあれですけれども、本当に細いところまで今は利用できるというか、粉砕をしてチップにさえすればまたこれが製品になるというか、物さえあれば、今は本当に100%利用できるという形が出ておりますので、ぜひその辺も引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 次に、説明書の154ページの森林病害虫防除費について1件お尋ねいたします。
 きのう、きょう、大変雪が降って寒くなりましたけれども、本当に暖かい、雪がない、そういう冬だったと思います。こういう暖冬のときに、松くい虫というのはどうなんでしょうというのはおかしいんだけれども、虫害が拡大するという心配がないものかどうなのか、それが一つです。
 それから、特に南の方の振興局には、おのおの松くい虫の監視員という方が相当な人数で配置されております。これ、監視員ですから監視するんでしょうけれども、その辺の松くい虫の今までの防除というか、どのような形で実施されてきたのか、お答えをお願いいたします。
〇及川森林整備課総括課長 松くい虫の関係の暖冬の影響ということでございますけれども、これは、ことしのような暖冬については、松くい虫対策として今まで経験がないものでございます。それで、研究者に尋ねましても、その影響を正確に予測することは困難となっております。ただ、やはり暖かいと、虫ですから早く発生するようなことがないかと考えまして、発生予察調査というのを毎年やっておりますけれども、それを今年度は1カ月ぐらいは早めたいと考えております。
 あと、松くい虫対策ですが、どのようにということでございますが、松くい虫の被害は、市町村とか振興局、森林組合で被害木を探します。被害木を探したり森林を巡視したりするときに、松くい虫被害防除員というのが県内35名、被害地域に配置してございます。あと、そのほかに、今まで松くい虫の被害がぽんと飛んだような場合にはアカマツ材が移動されたと、その移動に伴ってふえたというようなこともございますので、被害がまだ届いていないような振興局につきましては、松くい虫防除推進員、監視員ではなくて推進員を配置いたしまして移動を監視いたしますとともに、被害拡大の防止の普及啓発に努めてございます。
 あと、事業の実施については県から市町村に補助を出しまして、苦情対策、予防対策を進めているところでございます。
〇平沼健委員 わかりました。ありがとうございます。
 次は、水産関係について4点ほどお願いしておりましたので、これは一気にお尋ねいたします。
 一つは、アワビの密漁防止。これはきのうの日報の論説にも出ておりました、密漁の罰則強化ということで。そういうことで、特に近年はアワビの密漁というのが組織化されて、何件か摘発されております。ただ、漁民とか漁協が昼夜監視体制を通年で続けておるわけでして、本当に大変な思いで監視を行っております。今回、罰則を重くするというようなことが出ておりましたけれども、県でも昔から密漁防止というか監視というか、そういうことがなされておりましたが、それをお聞かせ願いたい。
 それから、2番目の問題なんですが、これは私たちの会派の佐々木大和議員が代表質問でも取り上げておりました、カキのノロウイルスの風評被害についてなんですけれども、これは生食用のカキのノロウイルスの風評被害が、本当にこれでもって産地が大変な被害を受けました。今でも受けております。これはカキが売れないということなんですが。
 従来からカキの産地では、漁民とか漁協がウイルス検査をして、そして安全を確認して出荷してきているというようなことでございます。今回、たまたま二枚貝の代表というか、それでもってカキが映されてというか、そういうことで、カキが原因ではないんでしょうけれども、カキ自体が大変な風評被害を受けてしまったと、こういうことだと思います。こういう場合、大変な被害なんですけれども、共済というかそれがどういう形になっているのか。あるいは、この風評被害の原因と言ったらいいんでしょうか、どうしてこんなことになったのか。最終的には、県として今回のこういう風評被害をどのようにとらえて、今後何か対策を打とうとしているのか、その辺をお聞かせ願いたいと思っております。
 それから3番目が、従来から問題というか取り上げられておりました漁業問題の沖出しについて伺っておきたいと思っております。
 沿岸漁業と底びきというかトロールというか、その辺の区域の問題なんですけれども、水産資源の保護ということもあって線引きされておるわけでして、私、たまたま今は底びきは10マイル以東というか、そういうような感じでいたんですけれども、実際は5マイルだとかという話も聞きました。5マイルというのは、半島から半島を海図で線を引いて、そういうことだと思うんですけれども、海底の資源保護ということで、沿岸漁業をしている方々からは、特に最近は2そうびきのトロールがあるわけでして、そういうこともあって何ぼでも沖出しというか、トロールを遠くの方でというような要望が出ていると思います。その辺を踏まえて、岩手県としてどのような調整をしようとしているのか、伺っておきたいと思っております。
 最後に、サケの増殖ということについてお尋ねいたします。
 漁獲量が、サケが減っているわけでして、これは売価が上がりましたから生産高がふえたんですけれども、回帰率がなかなか上がらないということもあって、岩手県でもいろんな事業をここに投入して今までやってきていただいております。このふ化放流事業の予算額とか、あるいは施設が大分古くなってきているところもあります。それで、このふ化放流事業あるいは稚魚のふ化施設の整備費とか、その辺がここ数年間どのような変化をしているのか教えていただければと思っておりますし、最後に、サケの漁獲量をふやすのに対して、県がこれからどのような取り組みをしていくのか、この四つをあわせてお聞かせ願いたいと思います。
〇大森水産振興課総括課長 私の方から、カキとサケについてお答えいたします。
 初めに、カキのノロウイルスの風評被害でございますが、昨年の12月の前半ごろまでは比較的順調な出荷が続いておりましたけれども、12月の後半になると前年の2割まで減少して、この傾向が1月以降も続いていることから、今漁期の生食用カキの出荷量は前年の約6割になると思っております。この原因としましては、昨年の秋から流行したノロウイルスによる感染性胃腸炎が、ほとんど人から人への感染であったにもかかわらず、カキが原因の一つであるとされたこと、それから、この冬の異常なほどの暖冬により、カキの需要が低下したことなどもあるのではないかと考えております。
 県といたしましては、今後とも、県漁連それから関係の漁協、市町村と連携を図りながら、生食用カキの検査体制や衛生管理の一層の安全確保といいますか、充実させるとともに、本県の安全管理の取り組みを消費者や実需者にしっかりと情報発信をしてまいりたいと考えております。
 また、養殖カキの共済加入については、人数のベースが100%、金額ベースで75%加入になってございます。共済の支払いにつきましては、カキの共済期間の終了が6月末がほとんどであるということから、査定の終了後、早期に支払いがなされるように関係団体に要請してまいりたいと思っております。
 それから、次にサケ・マスの増殖についてでございます。
 県のさけ・ます放流事業費は、平成17年度以前は3億円台を維持しておりましたが、18年度は2億5、000万円、平成19年度は1億5、000万円となっております。
 なお、県の事業費は減少しておりますが、平成18年度から新たに社団法人岩手県さけ・ます増殖協会にサケ稚魚買い上げ放流のため直接国から補助金が交付されており、県のさけ・ます放流事業費と合わせますと、平成17年度以前を上回る事業費が確保されておりますことから、サケふ化放流事業は維持され、資源増大は図れるものと考えております。
 また、サケのふ化場の施設整備についてでございますが、年によって事業の実施している箇所、それから整備の内容が変わりますが、おおむね2、000万円から5、000万円の範囲で推移しております。
 最後に、サケの漁獲増大に向けての取り組みにつきましては、かつて回帰率─サケが戻ってくる率ですが─3%から5%で推移しておりましたが、近年、2%台に低迷しておりまして、回帰率の向上に向け、国の研究機関と連携し、標識をつけたサケ稚魚の大量放流により、放流直後の移動、分布、それから成長、えさの関係などの調査を広域的に進める一方、ふ化放流事業の最も基本である健康な稚魚の生産、それから適期・適サイズの放流など、各さけ・ますふ化場の飼育技術の改善を指導してまいりたいと思っております。
〇渡部漁業調整担当課長 アワビ等の密漁防止についてお答えをさせていただきます。
 アワビ等の密漁防止につきましては、取り締まりの強化とともに、罰則の強化が重要であると考えておりまして、取り締まりの強化につきましては、県の漁業取締船を初め、警察の警備艇、海上保安部の巡視艇や漁協の監視船も含めた密接な協力体制を構築し、関係機関との連絡会議などを通じた緊密な情報交換に努めるとともに、合同訓練などを実施しているところでございます。
 また、罰則の強化につきましては、今国会で漁業法を改正しまして、6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金から、3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に引き上げると伺っており、改正後、具体的な内容が明らかになった時点で、県漁業調整規則の改正を検討してまいりたいと考えております。
 県といたしましては、今後とも、関係機関との連携を強化いたしまして、アワビ等の密漁防止体制の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、沖合底びき網漁業の沖出しについてでございますが、本県の沿岸海域では、小型漁船漁業と底びき網漁業との操業区域がふくそうしているため、小型漁船の漁具に被害が発生しておりますことは、県といたしましても、漁業調整上の重要な課題と認識をしているところでございます。このため、資源管理の推進や小型漁船漁業の振興の観点から、平成19年度の大臣許可漁業の更新に当たりましては、底びき網漁業の操業禁止ラインを現行の5マイルよりも沖の10マイルに設定するよう、国に要望したところでございます。
 また、沿岸漁業と底びき網漁業の操業区域の調整につきましては、漁業者間の話し合いによって操業ルールが確立されるよう、県といたしましては協議の場を設定するなど、両者の意見の調整に努めてまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫副委員長 先ほどの平沼委員の松くい虫対策についての答弁に関して、執行部から発言を求められておりますので、発言を許します。
〇及川森林整備課総括課長 先ほど被害地域に松くい虫防除員とお話し申し上げましたが、正しくは松くい虫被害防除監視員でございました。
 大変失礼いたしました。
〇伊沢昌弘委員 2点ほどお伺いをしたいと思います。
 まず、木質バイオマス利用について予算も計上されているんですが、過日の商工労働観光部の際に、中平委員の方からペレットストーブの普及状況、次の日の新聞には、ペレットストーブ普及、なかなか厳しいと、こういう見出しでの報道もあったわけですけれども、これに関して質問させていただきたいと思います。
 利用拡大を図るために、林業の担当部の方では、ことし、ペレットの補助金を採用してきたところであります。私も、前から言っていますがおととしつけて、こういう補助がありますよということで御案内をいただきました。御丁寧なことだと思いました。
 そこで、私自身、100円掛ける60枚ですから6、000円分の補助をいただきまして、既にそれを使い果たして80袋を使うところまで今来ております。こんな状況で2年目を使っているところでありますけれども、これからもいわば拡大のための努力が必要だろうと思っている視点で、以下お伺いをしたいと思います。
 ペレットの販売店、ことしはこれらも含めて増加をしたようでございますけれども、増加数等について、もし把握していればお知らせをいただきたいと思います。
 2点目は、今申し上げました補助シールの部分でありますが、利用状況、シールの請求状況だと思います。販売店で使ったやつが最終的に県の方に来て、販売店の方にこれは補助として出すというふうになると思いますけれども、シールの請求状況についてお示しをいただきたいと思います。
 3点目は、ペレットの供給体制を確保すること、これが今後の利用拡大、影響があると思っております。過日の審査の中では、約2、000基ほどのペレットストーブがつく、それをもくろんできたけれども今は1、000弱だと、こういう形になっていると思います。本当は、つけた人が将来ペレットがなくなれば、これ使えなくなるわけでありますので、生産者が継続的に生産をすることも必要だと思っています。そこで、生産者に対する補助事業というのはないのでしょうか。この辺のことについて、まずお伺いをしたいと思います。
〇西村林業振興課総括課長 ペレットについての御質問がございました。まず、ペレットの販売店の増加についてでございますけれども、本年度、平成18年度におきまして、ペレットの販売体制の強化あるいはペレットの流通システムの定着ということを目的といたしまして、木質ペレット流通対策事業、いわゆるクーポン事業を実施したところでございます。その結果、ペレットの販売店、これは平成17年度の47店舗から18年度は71店舗と24店、約5割増加したところでございます。この中には、宅配を主な業務としております運送会社の参入といったこともございまして、ストーブを使っているユーザーの利便性の向上が図られたものと、そのように考えている次第でございます。
 それと、割引クーポンの利用状況でございますけれども、平成19年、本年2月末現在のクーポンの発行実績は、公共施設を除きましたいわゆるプライベートなペレットストーブユーザー677件のうち、75%の方に利用されているところでございます。発行部数は3万2、000となっておりまして、販売店の方からのその請求はまだいっぱい残っているわけですけれども、2月末現在での請求は、大体1万629枚となっているところでございます。
 3点目のペレットの生産者に対する補助事業はないかということでございますけれども、ペレットの生産施設を整備する場合、ペレッタイザーとかペレットをつくる施設を整備する場合には、森林組合等そういった協業体、そういったものであれば国の助成制度、これは強い林業・木材産業づくり交付金とか、そういったものがあるわけでございますけれども、そのほかに製材企業等を対象とする低利の融資制度がございます。これは農林漁業信用基金、そういったものでございますけれども、具体的には、例えば平成15年度には、県南の木材加工の協同組合がペレット製造施設の整備に対して国庫の助成を受けているところでございます。
 また、平成16年度からは、ペレットの生産者あるいはその販売店等流通業者、そういった方々で構成される連絡会議を開催しておりまして、ペレットの需要動向あるいはユーザーからの御意見、御要望、そういった情報提供を行っております。こういうことを通じまして、ペレットの生産者が計画的な生産、そういったことに取り組めるように県として支援して、こういったことがペレットの低価格化につながればということを目指して行っているところでございます。
〇伊沢昌弘委員 10キロで100円の補助クーポンですか─シールと呼んでいたんですけれども─いただいて買ったところ、昨年よりも割高になっているというのがありまして、販売店によって違うということも含めてあったようであります。私も2カ所で買ってみました。1カ所は1袋当たり600円で、100円のクーポンで500円になったんです。これは30キロで1、500円。去年までは、15キロで1袋700円でしたので、30キロで1、400円。クーポンをいただいても100円の割高でございました。もう1カ所は、10キロ当たり520円で販売をするというところがございました。かなり差があるなと、こう思った部分がありますので、これらは新年度でも多分予算化をされていると思いますので、もっといわばPRをしながら進めるということでの対策を講じていただきたいと思います。新年度にかかってことしの成果を踏まえて何か変わることがあれば、これらも含めてお示しをいただければと思っております。
 2点目ですが、先ほど工藤委員の方からもいわての森林づくり県民税に関連して質問がございました。今年度導入をして、県内の森林再生に利用するということで進めてきたわけであります。税金の使途等についても、導入時点から議会でもかなり論議がなされ、多くの方々が伐採材木の利用を図るべきだということ等々の意見もいっぱいあったわけでありますけれども、これらは今後の課題であると私自身考えているところであります。
 以下、1年間の実績を踏まえた状況について、先ほども議論があったところでありますけれども、重ねて若干お伺いをしたいと思います。
 一つ目は、いわての環境の森整備事業について、今年度の整備の状況はどうなっているんでしょうか。当初計画した部分から、言ってみれば理解度が得られなかったというお話もありましたけれども、計画をした部分の面積等の進捗状況はどうなのかというのが1点目です。
 もう一つは、森林整備の作業について、いろんな方々が手を挙げて入札といいますか、そういったことでもやってきたんじゃないかなと思っているんですが、どのような事業所の方々がこの事業に参画をされてきたのか、お示しをいただきたいと思います。
 2点目は、県民参加の森づくり促進事業、これは県民の森林に対する関心を高めるために、それぞれ特色に応じた森林整備を行ってきたと思うわけでありますけれども、具体的に実施された事業内容とか、これにNPOの皆さんとかいろんな県民も参加をしたと思うわけですが、参加された人数等を把握していればお示しをいただきたいと思います。
 3点目、最後でありますけれども、この1年間の税投入の取り組みを踏まえて、新年度事業にどのように取り組まれていくのか、方針についてお示しをいただきたいと思います。
〇西村林業振興課総括課長 初めに、ペレットの来年度の取り組みについてでございますけれども、やはり先ほどもお話ししましたとおり、ペレットの計画的な生産、そういったものが価格の安定化につながると思います。先ほど申し上げました、新規の1年前から5割ふえたわけですけれども、そういった方々の取り扱い方がなれてくれば、かなり価格も一定したものになると考えているところでありますけれども、何にも増して、計画的な生産というものも一つ大きなポイントだと思っております。そのために、我々としては、先ほど申し上げました生産者とあとは売る人と、そういった方々が今どういうニーズがあるかとか、そういった情報をきちんと伝えるということが一番大事だと思っておりますので、我々はそういった場を来年度も設けまして、それは生産者にとって計画的な生産に結びついて、そういったことから安定的な値段といったものにもなると思いますので、そういったものにつながるよう、一層努力してまいりたいと考えております。
 それとあと2点目の、いわての森林づくり県民税の御質問がございました。
 まず、1点目の、今年度の整備の状況でございますけれども、いわての環境の森整備事業、本年度の整備状況につきまして、計画が1、000ヘクタールというものに対しまして、753ヘクタールについて事業を着手しているところでございます。
 それと、森林整備の作業を行っている事業者についてでございますけれども、本事業は事業の透明性、それと、より質の高い事業の実行を確保するということを大きなポイントとしておりますので、指名競争入札により実施しているところでございます。入札には、森林整備の技術者を有するといった一定の要件を備えた森林組合とか、あるいは事業協同組合とか、あるいは企業に参加をいただいているところでございます。これまでのところ、地元の森林組合、それと森林整備事業を行う事業協同組合で受注をしているところでございます。
 2点目でございますけれども、県民参加の森林づくりの促進事業の事業内容と参加人数でございます。
 これにつきましては、主な参加の主体、そういったところに従って整理をして申し上げますと、まず一つはNPO法人、そういったボランティアの方々による森林の間伐とか枝打ち、そういった作業がございまして、これは四つの団体で応募して実行しております。これは延べで287名の参加をいただいておりますし、2点目には、地域住民による里山林。要するに、地元の親しまれている里山林、そういった山の整備、それについて三つの団体で事業を行っていただいています。延べで422名の参加をいただいております。
 三つ目には、生徒あるいはPTAあるいは地域住民、そういった方々が一緒になって学校林を整備するというパターンもございまして、これが1団体で行っていただいております。参加者が延べで156名でございます。
 四つ目には、これは先ほどと似ていますけれど、子供や親子、学校とは違った地域の親子、子供、そういった方を対象にして、間伐、枝打ちなどを行って、森林作業の体験をしてもらうと、そういったことでもって参加していただいた事例がございます。これは二つの団体で、延べで233名の方に参加をいただいております。これまで全部で10団体、延べ人数で約1、100人の参加をいただいているところでございます。
 それと、この事業の平成19年度における取り組みの方針でございます。先ほどの工藤委員に対するお答えとちょっと重複しますので勘弁いただきますけれども、まず、いわて環境の森整備事業についてですけれども、先ほど申し上げましたとおり、今年度が初年度であったということで、年度途中からの着手でございまして、森林所有者に対する説明が必ずしも十分でなかったということがございましたので、来年度は計画的な広報を行うということと、それとあとは、今年度施行した山を見ていただいてこういうことですよと、こういうふうにきれいになりますよと、そういうことを実際体で感じてもらうと、そういった現地の説明会を開催すると、そういったことによりまして、所有者に十分内容を理解していただくということに努めたいと思っておりますし、あとは、県民参加の森づくりにつきましても、今年度は途中からでしたので春の植樹といったものに間に合いませんでした。平成19年度はさらに多くの団体に参加していただくために、まず春の植樹活動にも対応できるように、そういった体制にしようということで、既に1月から企画の募集を行っております。今のところ、応募いただいた16団体の企画につきましては、今月の中旬に開催予定の評価委員会で、既にその審査を行おうということにしているところであります。また、こういった県民参加の森づくりの今年度の取り組みの事例を県のホームページに広く紹介いたしまして、こういったことであれば私もやりたいといった方もさらに募ってまいりたいということで、県民の皆さんの関心を高めてまいりたいと、そういったことに努めてまいりたいと思っています。よろしくお願いします。
〇伊沢昌弘委員 目標、今年度は1、000ヘクタールが700ちょっとということだったようでありますが、事業そのものの当初の計画は年間1、500ヘクタールということで、次年度以降の部分で拍車をかけないといけないなと思っていますので、それらをきちんと対応していただきたいと思っています。いずれ、地球温暖化問題も含めてバイオマスの利用、これはみんなで意識を持ってやらないとなかなかふえないと思います。本当は森林がCO2を吸収するというものもあって、最終的には削減目標にこれは加えられるわけですが、基本的には排出をする方を削ると。緑が補足をしていく分については、あくまでも補助の形で温暖化ガスの削減にしなきゃならないなという思いを私は持っているところであります。それにしても、大変厳しい状況でありますけれども、国産材含めて価格がだんだん持ち直してきている。業として成り立ち、それが進む方向性をきちんと対応していただきたいと思っているところであります。
 時間があればもっと県有林と林業公社の合体問題も含めてやりたいと思うんですけれども、課題は多く抱えていますけれども、ぜひ木を扱う部署でございますので、余り気を長くしないで、それでもしっかりした対応をお願いしまして、質問を終わります。
〇新居田弘文委員 林業公社事業と県有林の関係で1点お伺いします。
 まず最初に、県有林の特別会計がございまして、予算説明書ですと315ページ前後にありますが、その中の主な内容を見ますと、歳入面については一般会計からの繰入金を27億円、そして歳出の主なものは支払い部分として18億円、そして管理費委託料ということで県行造林に4億円余り、模範林に1、900万円、公営林1億円余ということでそれぞれ計画に沿って計上されておりますが、この支払い方法を見ますと全部委託料ということなんですが、森林管理の委託料だと思うんですけれども、一般に建設業でありますと競争原理とかいろいろやっておりますが、森林の場合は、特定の例えば森林組合とかそういうところに委託しているのかなと想像しておりますが、その辺についての実態を教えていただきたいと思いますし、それから、毎年こういう形で一般会計から繰り入れし、あるいは起債の償還に充てるということだと思うんですが、もしわかれば、今まで県有林関係の実績というようなことで、面積とかあるいは一般会計の繰り入れの金額等について、まず教えていただきたいと思います。
〇藤原森林保全課総括課長 事業の実施について、委託料で実施していることについてのお尋ねでございました。
 県有林事業につきましては、みずからの森林を経営管理していくという観点でございまして、例えば下刈りですとか除間伐だとか、さらには間伐、主伐まで一連の事業がございます。そういう一連の経営の中でありますので、請負みたいな形でそれで終わりということではなくて、県が継続的に関与してやっていくんだという意味もございまして、委託で実施しております。他県でも、ほぼ同様に委託で実施している状況にございます。
 それから、一般会計繰入金についてでございますけれども、これまでの実績ということでございました。県有林事業の一般会計からの繰り入れでございます。手元に平成14年度からの数字を持っておりますので、それで御紹介したいと思います。
 平成14年度が21億3、100万円、平成15年度が20億1、700万円、平成16年度が21億2、700万円、平成17年度が23億8、600万円、18年度は20億200万円というような状況になってございます。
〇新居田弘文委員 委託についてはわかりましたが、多分、直接雇用ということじゃなくて、委託料ですから、どっかで契約を結んでやっているのかなというような思いで聞きました。そう理解しています。
 それで、次にその関係で林業公社と今度は公社事業、県有林事業の一体化といいますか、一元化するという方向で、林業公社は平成19年の5月に解散するという予定で進んでいるようでございますが、今までの借入残高が624億円ということで、膨大な数字、もちろんこれは利息を見込んでございますが、そんな数字になっております。私どもが平成15年の10月ですか、行財政構造改革プログラムで示された際に、いろんな特殊法人等の見直しについて示された、その一環だと思うんですが、これだけの膨大な借入金を抱えた中で、その15年以前にこういう議論が県庁内部といいますか、議会等もあわせてですが、そういう議論があったのかなかったのか。あるいは、あったとすればどのような議論になってきたのか。
 といいますのは、余りにも膨大な借金をずっと引っ張ってきたまま、時間をかけ過ぎたのではないかなという視点でお聞きしたいと思います。
〇藤原森林保全課総括課長 これまでのこのような膨大な借り入れが生ずるまでに、いろんな検討がされたんではないかということでございます。
 これまでもさまざまな節目がございますけれども、例えば平成5年以降、段階的に造林面積を減少させまして、平成13年度からは新規造成を中止しているわけでございますけれども、こういったその時々におきまして検討をしてございます。
 例えば平成5年以降のお話ですけれども、やはり木材価格が継続的に下落している中で、収益が悪化してきているというようなことで、事業計画の見直しなどの検証をしてきたところですし、それから、そういう中で、県、市町村では、貸付金につきましても、かなり高い金利で貸し付けをしておったわけですけれども、そういったものの金利の見直しだとか、公社の負担軽減に向けて取り組んできております。そういった中で、平成14年2月には、包括外部監査の指摘を受けたところでございまして、この中では、木材価格の著しい低迷、借入金の増大、さらなる事業資金の必要性等も踏まえ、これ以上の財政悪化を防ぐためにも、早急に支援策を検討すべきだというような指摘がございましたし、その後、森林整備のあり方に関する検討委員会、これ平成15年2月でありますが、これは林業公社事業、県有林事業の両事業の一元化を含む組織体制の見直しなど、抜本的な経営改善の必要性を指摘されております。そのほかに、市町村等からの要望等もございまして、一元化に向けて取り組んできたところでございます。
〇新居田弘文委員 いろいろ検討された経過がわかったんですが、それで今回、これ一元化の方針に基づいて進められておりますが、端的に言って、この一元化のねらいとその結果の期待、まとめて結構でございますから、その辺について説明をいただきたいと思います。
〇藤原森林保全課総括課長 一元化に当たりまして、今回県有林事業、林業公社事業、同様の事業を実施してきているわけですけれども、これを一元化することとあわせまして、一元化をした中で、一つは長伐期施業によります大径材生産による収入の増、それから高齢級の間伐補助事業の導入によります収益の増、それからその他施業林を解約することによりまして事業費の縮減、それから解約による農林漁業金融公庫資金の繰り上げ償還を行いまして、今後発生する利息の縮減を図っていくと。
 なお、その他施業林というのは、気象災等の災害を受けまして今後良好な生育が認められない、見込めないといったものを区分して管理していこうというものでございます。
 それから、これまで事業費に係る資金手当てを農林漁業金融公庫からの借り入れに頼っていたわけでございますけれども、これをできるだけ自己資金、これは一般財源の活用になるわけですが、そういったものに向けていきたいと。ただ、これにつきましては、その時々の県の財政事情もございますので断定的には申し上げられませんが、できるだけ有利子資金を少なくして、今後の借り入れを抑えながら、しっかりと償還に向けてまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員 いずれ、今までの借入金等を伺いますと随分高い金利を使っているということで、内部資金で手当てしたいということで、なるべくその事業のリスクを少なくするというお話もいただきまして、そのとおりだと思います。ただ、前に示されたいろんな長期の経過を見ますと、将来の木材価格に頼る部分も結構ありますので、収支的にはまだその結果になってみないとわかりませんし、しかもそれが55年とか遠い将来、子供、孫の時代の話までずっと行きますけれども、それにしてもその辺の改革をきちっとやってほしいなということと、あわせまして、今回、林業公社の職員の処遇についてということでこの間説明を受けましたが、私ちょっと奇異に感じましたのは、今競馬問題もいろいろ議論されている中で、待遇の問題についてもいろいろ指摘があったり議論のあるところでございますが、一方、林業公社の職員の処遇についても、このくだりを見ますと、県の退職手当に準じて退職金を割り増し支給ということで、実際、職員にはその責任があるわけじゃないと思うんですけれども、同じ組織人として、それが本当に正当に評価されるのかなという、ちょっと疑問もありますので、その辺について所感などありましたらお願い申し上げたいと思います。
〇藤原森林保全課総括課長 公社職員の処遇についてでございますけれども、県の方で県職員として引き継ぐということも考えられないことではなかったかと思いますけれども、行財政構造改革プログラムの中で、現在、職員を削減している中でなかなかそれは難しいということで、私どもと林業公社と連携を図りながら、森林組合系統や林業関係団体、林業関係企業等約40事業体について延べ60回にわたりまして情報収集を行いました。その中で、採用の意向を示した14件の情報を含めて公社に提供するなど、雇用確保に向けた取り組みを行ってきたところでございます。また、県といたしましても、県有林事業と林業公社事業の一元化後の経営改善を円滑に進めるため、希望する職員については一定期間、非常勤職員として任用する方向で詰めているところでございます。
 職員処遇に係る現在の状況についてでございますけれども、公社職員11名のうち、再就職を希望している職員は8名、うち7名につきましては、林業関係の団体や企業などへの再就職の見通しが固まりつつあります。残りの1名につきましては、独自で求職する意向を示しておりますけれども、本人の意向を確認しながら、できる限り再就職を支援してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 各委員からも質問がありましたので、簡潔に質問したいと思います。
 いわての森林づくり県民税におけるいわて環境の森整備事業でございます。
 10団体、1、100人の県民が参加して753ヘクタールの整備が行われたとあります。その点におきまして、この10団体に補助金交付決定額というのがありまして、これを面積で割ってみますと、平均1ヘクタール約6、000円。これを遠野市の事業で見ますと、98ヘクタール、40万円となっておりますが、これを1ヘクタールで割ってみると2、300円ぐらい。この交付する基準額となっているものは何なんでしょうか。また、団体における要望額との差はあるものでしょうか、お聞きいたします。
 それから、今後、このいわての森林づくり県民税の活用における県としてのPRをどのように進めようとしているのか、お聞きいたします。
〇西村林業振興課総括課長 今委員御質問ありましたいわて環境の森整備事業につきましては、先ほど申し上げましたとおり、現在の進捗は753ヘクタールでございますけれども、先ほど10団体というお話は、いわて環境の森整備事業という、これは間伐を主体にした森林整備事業ですけれども、それとは別の県民税で行われるソフト事業─公募事業であります県民参加の森づくり、要するに、地域の特色を生かした森林づくりを公募いたしまして、その公募した内容について補助を行うというものでございまして、それの公募を受けて採択されて行った団体が10団体ということでございます。
 その10団体の皆さんが取り組んだ内容については、先ほど御質問のあったとおり、例えばNPOの皆さんが地域での森林づくりをやるとか、あるいは学校林の整備をするとか、そういったことを行ったわけです。それに対する補助金というのが、先ほどの約410万円というものでございまして、ちょっとそこを誤解なさったと思うんですが、いずれ先ほど10団体というのはそういうことでございます。
 それと、今後のPRをどうしていくのかということでございますけれども、このPR、例えば平成18年度は情報いわてに載せるとか、そういったことをやっておりますけれども、テレビ、ラジオ、新聞、そういった媒体を使いまして行っていくこととしているところでございます。
〇工藤勝子委員 もう一度確認のつもりでお尋ねしたいと思います。
 つまり、これは先ほど言いましたように、公募した里山づくり、NPOなり、いろいろ団体が10団体あるわけですけれども、その公募した内容によって予算額がというんですか、交付する金額が決まったということなんでしょうか。
〇西村林業振興課総括課長 結論を言いますと、公募した団体が、こういったお金でこういったことをやりたいというふうにして応募してきますので、それについて、それは大したいいことだと、それでは、そういうことでやってみてくださいということで、決まったお金─ですから、個々に団体のやる内容によって、メニューによって、そのお金は全部違います。違いますが、それは我々の趣旨に合ったものであればよしとして、補助金を出すというようなものでございます。
〇亀卦川富夫副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時59分 休憩
午後3時18分 再開
〇及川幸子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇野田武則委員 それでは、林業と水産の二つにつきまして質問したいと思います。
 まず、林業につきまして質問いたします。
 県におきましては、県有林事業と林業公社の一元化に取り組んでいるところでございますが、平成19年度以降の経営改善策といたしまして、県行造林については、新たな森林管理への転換として、良好な生長が見込まれ、収益が期待できる長伐期施業林と、それから収益が見込まれないその他の施業林の二つに区分するとしておりますが、このことについて質問したいと思います。
 まず、この収益が見込まれないその他の施業林は約2割程度と試算しているようでございますが、この施業林は、契約を解約して所有者に返還するということのようでございます。
 そこで、その2割程度と試算している面積というのはどのくらいになっているのか、それから、こうした返還が所有者の合意を得るため、今後、説明等を行うということになっているようでございますが、所有者の合意というのは得られるのかどうか、その辺の御所見をまずお伺いしたいと思います。
 それから、収益が見込まれないということで返還をするということでございますので、まず、県の分収割合といいますか、全部そのまま所有者に返すということでございますので、所有者にとっては特に異議もないかという思いもしますが、その返還される林木の価格によりましては、不満なところもあるような感じもいたすわけでございます。
 そこで、これは一方的に県が解約をするということになるわけでございますが、そうした場合、単に返還するだけでなくて補償ということもあるのかどうか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
〇藤原森林保全課総括課長 ただいま、その他施業林の面積についてのお尋ねがありました。県行造林の人工林面積は約4万9、700ヘクタールございまして、うち約2割に相当する9、900ヘクタールが、その他施業林として考えてございます。
 それから、土地所有者の同意についてでございますけれども、このその他施業林の解約につきましては、今後、農林漁業金融公庫借入金の支払い利息や管理費の軽減など、経営改善に大きくつながるものでありますことから、土地所有者に対して丁寧に説明し、理解を得るよう努めてまいりたいと考えております。
 それから、その他施業林の解約に伴う補償についてのお尋ねでございましたが、その他施業林は、県が定めた施業基準に基づき善良な管理を行ってきたものの、自然災害等により良好な生育が見込めなくなったものでありますこと、また、分収造林契約は将来の収益を保証したものではないことから、補償することまでは考えていない実情でございます。
〇野田武則委員 わかりました。それで、補償もなしに返還された後でございますが、先ほどお話がありましたとおり、今まで公的な県行造林ということで、県の方で一生懸命施業してきたわけでございますが、土地所有者にそれが返還された後、土地所有者の方でそれ相応の施業といいますか、間伐とか除伐とかを進めればいいわけですが、なかなかそういう余裕もない場合は、そのまま放置される恐れがあるのではないかと思うわけです。そうしますと、今までかなりの資金を投入して整備してきたその県行造林が、その時点で放置されるということになると思いますが、そうした場合、それでいいのかどうかといいますか、県としてどういう対応をとるのかということを、まずお伺いしたいと思います。
 それから、今までの県行造林の契約等につきまして、特に異存がなければ、それは問題がなかったと思うんですが、権利関係が不明確な場合、例えば境界線で紛争している場所とか、あるいは地上権がまだ設定になっていないとか、いろいろな要件があろうかと思いますが、いずれそういうところで、伐期が来ても土地の所有者に分収交付金が支払われていないというものがあるとお聞きしているところでございますが、そうした金額というのがいかほどになっているのか、お示ししていただきたいと思います。
 それから、お話をお聞きしますと、県行造林そのものの分収割合もこれから変更するんだということでございますが、他県との関係の中で、どのような分収割合の変更を検討しているのか、その点につきましてもお示ししていただきたいと思います。
〇藤原森林保全課総括課長 まず最初に、その他施業林の返地後の管理につきましては、土地所有者に行っていただくものでありますことから、県としては、土地所有者に対して、森林整備事業等の補助事業の活用、それから森林組合等への管理委託などを勧めまして、適切な森林管理を促してまいりたいと考えております。
 それから、2点目、分収交付金を支払いしていないその金額についてということでございますが、現在、土地所有者に対して未払いとなっている分収交付金は42件、約368万円でございます。その大部分は、契約当初の土地所有者が死亡し、相続登記が未了のため、権利関係が確定されずに支払いできない状況となっているものでございます。
 それから、分収割合の変更についてでございますけれども、本県の分収割合は、基本的には県と土地所有者の割合を6対4としておりまして、この分収割合は全国的にも同様となっておりますが、この分収割合の変更につきまして、これは具体的な検討はこれからでございます。経営改善の観点から、分収割合の見直しに取り組んでいる他県の事例を調査した上で、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇野田武則委員 続きましてちょっと質問したいと思いますが、先ほど県行造林のことで、伐期の到来地の話がありましたけれども、伐期到来地は立木を処分して土地所有者に県から分収金を交付して、こういうふうになるわけでございますが、その立木を伐採した後、再び造林して、いわゆる持続的な林業経営を実施するということが本来の趣旨だろうと思うわけでございますが、伐採した後、そのまま放置されている例が多いとお聞きしているところでございます。そういう点では、いわゆる植栽が義務づけられている林分については、森林法というものに抵触しているのではないかということがちょっと疑問に思うわけでございまして、その点、県としてどのようにお考えなのかお聞きしたいと思います。
 それから、入札制度が今回、平成19年度から始まるということでございまして、先ほど新居田委員からも御質問がありましたけれども、平成19年度の予算の中には、県有林事業特別会計の中に委託料というものがあるということでございますが、一方では、今お話ししましたとおり、入札制度が導入されるということでございまして、類似事業であります治山事業、それから、いわて環境の森づくり事業、そしてまた、この県行造林という入札の関係、その中身につきましてお示ししていただきたいと思います。
 入札ということになりますと、いろいろな業者がたくさん入ってくるんだろうと思うわけですが、ただ、今までは、やはり山仕事のプロということで、地元の作業員が大方そうした作業に従事していたという例が多かったと思うんですが、もしそういうふうになりますと、作業員がかわるということになりますから、境界もわからない業者が山に入ってくるということになりますと、どうも山がますます荒れるのではないか、こういう心配があるわけでございます。できれば森は地域の住民が守り育てるべきではないか、あるいはまた、過疎対策にも有効ではないかという考えもあろうかと思いますが、その辺の御所見をお伺いしたいと思います。
 続いて質問させていただきますが、昨年、県行造林の土地所有者の総会というものに、私もお招きいただきまして参加させていただきましたが、そういう中でいろいろな御意見がありまして、県の方といたしましても、森林の重要性というものを情操教育として子供たちに、小・中学生にいろいろと指導していると。にもかかわらず、現実は、もうつるに絡まれた状況のままで山が放置されているところが多い、こういうお話がございまして、県行造林の手入れ不足というのが課題になっているというお話でございました。
 やはり県行造林は、適切な手入れを実施して地域林業の模範となるべきではないかという意見が多数を占めておったようでございますが、その辺の御所見をお伺いして、林業については、これで終わりにしたいと思います。
〇藤原森林保全課総括課長 まず、伐採跡地をどうするのかというお尋ねでございました。県行造林につきましては、造林木を伐採した後は、土地所有者へお返しする、それで土地所有者が管理をするということが基本になっておりまして、土地所有者に対しましては、森林整備補助金等を活用した森林管理を行っていくよう支援してまいりたいと考えておりました。
 なお、県では、大面積の伐採跡地が生じないように、契約期限到来時の立木分収に際しましては、県の持ち分まで含めて土地所有者に立木を買い取っていただく方法や、それから、土地所有者の持ち分を立木で分収する方法などによりまして伐採を最小限に抑えるなど、伐採時期の平準化に努めてまいりたいと考えております。
 それから、植栽が義務づけられている林分についてのお尋ねでございました。これは、保安林に指定されている森林で、伐採後植栽の要件が付されている箇所につきましては、伐採の翌年から2年以内に植栽することが義務づけられておりますことから、このような要件を付されている県行造林につきましては、土地所有者と分収方法の協議を行う際に、伐採後の植栽義務がある旨を説明し、理解を得た上で処分するようにしているところでございます。
 それから、植栽を必要としないよう、立木買い取りによる方法や現地の状況から確実に広葉樹の生育が見込まれる場所においては、植栽義務の要件緩和の手続を行ってから返地するなど、土地所有者の負担を軽減する措置なども講じてまいりたいと考えております。
 次に、入札制度の導入に伴いまして、その作業内容等についてのお尋ねでございました。
 まず、治山事業は、保安林整備に係る事業でありまして、その内容は、植栽、下刈り、本数調整伐などでございます。一方、いわて環境の森整備事業と県行造林事業は、立木本数の密度を調整する間伐等が中心となっております。また、いわて環境の森整備事業は、林地残材の整理、片づけまで作業に含まれておりまして、治山事業におきましても、現地の状況に応じて同様の作業を実施しているところですけれども、県行造林事業は、そこまでは規定してございません。
 設計内容につきましては、治山事業といわて環境の森整備事業は、作業を県営工事として位置づけ、受注者に施工計画書や施工管理図等の書類作成など、責任施工を求めておりますことから、請負で実施しております。
 県有林事業につきましては、みずからの森林の経営が目的でありますことから、委託事業で実施し、現場の仕上がりを重視して施工管理を簡略化することとしております。このため、県行造林においては、歩掛かりは、県有林育林工程表など、独自の仕様で実施したいと考えております。
 それから、同様に、競争入札制度の導入によって山が荒れるのではないか、あるいは山村の森は地域住民が守り育てるべきではないかというようなお話でございました。
 県が発注するいわて環境の森整備事業及び治山事業の森林整備事業につきましては、昨年9月から指名競争入札制度を導入しており、事業の実施に当たりましては、技術士法で規定する技術士、それから社団法人日本森林技術協会が実施する養成研修を修了した林業技士など、森林整備の技術者を有している事業体を、あらかじめ登録した上で、入札に参加していただいているところでございます。
 県行造林事業につきましても、これら登録された業者を指名し、県が作業の設計から実行、完成まで一貫して管理することとしておりますので、入札制度導入後においても、これまでどおり適切に施業を実行できるものと考えております。
 また、いわて環境の森整備事業では、これまで半数が地元の森林組合、残りの半数が森林整備事業を行う事業協同組合─これは岩手県造林事業協同組合でございますけれども、こういったところが受注しておりまして、いずれも地域と深いかかわりがある事業体が実施しております。したがいまして、県行造林事業においても、地元の事業体が中心となって事業が実施され、地域の対策に結びつくものと考えているところでございます。
 それから、最後に、県行造林の手入れ不足のお話がございました。
 県では、平成16年度から18年度にかけまして、経営改善の一環から森林の現況調査を一斉に行ったところでございます。この調査の結果、早急につる切りが必要な箇所としては53事業区、約130ヘクタールと見込んでおります。これらの箇所につきましては、平成19年度以降、優先的に事業を実施するなど、適切な手入れに努めてまいりたいと考えております。
〇野田武則委員 どうもありがとうございます。130ヘクタールも手入れが行き届いていないところがあるということでございますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、水産業の方に質問したいと思います。
 岩手県におきましては、漁業担い手ビジョンというものを策定いたしまして担い手の育成に努めているということでございますが、御案内のとおり、平成15年では、男子漁業就業者のうち、60歳以上の方が45%を占めておりまして、今後10年以内にほとんど引退や廃業をするという趣旨のことが書かれております。今後10年以内に男子の就業者はほぼ半減と、漁業生産に大きな影響を与えるということになっておりますが、県といたしましては、10年後の漁業の姿というものをどのように認識なされてこれからの漁業振興に取り組まれていこうとしているのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
 それから、このビジョンにおきましては、平成22年度における沿岸漁家1経営体当たりの生産額を、平成15年度が378万円でしたので、これを660万円まで増加させるということを目標として掲げております。この目標につきまして、この具体的な取り組みと成果はどうなっているのか、今後における県の支援策について、あわせてお示ししていただきたいと思います。
〇大森水産振興課総括課長 初めに、担い手の10年後の漁業の姿でございますが、漁業就業者が大幅に減少しているわけですが、このような流れでいきますと、近年の新規就業者が年間40人ぐらいしかございません。すると10年後には、当然60歳以上の方がもう70歳以上になるわけですので、ほぼ半減することが予想されますし、経営体数についても、近年の減少の傾向の度合いから推測すると、10年後には、やはり7割まで減少すると思われます。
 それで、沿岸漁業への影響ですが、ほとんど家族経営体で営まれておりますので、経営規模の拡大の取り組みや機械化・システム化のおくれもありまして、就業者や経営体の減少が、そのまま生産量の減少につながっていくものと思われます。このまま何も施策を講じないで放置すると、10年後には漁業生産は現状の7割から5割程度まで減少する。また、漁業就業者が半分になるという大幅な減少ですので、同時に、漁協の経営や漁村の社会の維持に影響が出るものと想定されます。
 それから、ビジョンをつくって今取り組んでいるわけですけれども、養殖の盛んな16の漁協を対象に、養殖漁場の生産性の向上を図るというために、今年度から2カ年の予定で地域営漁計画の策定を支援しているところであります。
 加えまして、平成18年から漁業者グループや漁協の販路開拓の支援、それから漁業者と水産加工業者との連携による水産物の付加価値の向上を支援しております。
 平成19年度につきましては、新たに養殖施設や共同作業船の整備を支援するための新しい県単事業を実施し、零細な経営体の協業化、あるいは意欲ある担い手の漁場集積を促進してまいるとともに、水産加工業者との連携強化の取り組みを引き続き支援してまいりたいと考えております。
〇野田武則委員 まず、県におきましては、県北・沿岸振興本部を立ち上げていただきまして取り組まれております。本当に感謝をしているところですが、ただいまのお話にもありましたとおり、県北・沿岸の主要の産業というのは、やはり水産業でございまして、この水産業が衰退するということは、大変大きな打撃をこうむることになると思いますので、どうぞひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 引き続き質問したいと思いますが、養殖業を営むためには、漁業協同組合の正組合員の資格が必要となっておりますが、半数近くの組合では、慣習として1世帯1組合員制となっております。若い漁業者や女性の漁業者が正組合員になることができず、そうした方々の意見が組合の経営に反映されない現状があります。
 また、意欲のある漁業者にとって、養殖漁場が均等配分であり、経営規模の拡大ができなかったり、それから共販制度のもとでしか販売できないというようなこともあって、付加価値をつけて直接消費者に販売できない、こうした多くの課題を抱えております。
 農業におきましては、品目横断的経営安定対策というものがスタートいたしまして、意欲と能力のある担い手に支援を集中していくという制度がとられてきているわけでございますが、漁業においても、今後、こうした方向で取り組まれていくのではないかと思うわけでございまして、いわゆる意欲と能力のある担い手への漁場集積や漁場の配分ルールなど、こうしたものの見直しが必要かと思います。
 そこで、平成20年度が漁業権の切りかえの時期だというお話をお聞きしているわけでございますが、こうした漁業権の切りかえのスケジュール、それから、ただいま申し上げましたいわゆる担い手への対策につきまして、どのようなお考えをお持ちなのか、部長の方からちょっとお願い申し上げたいと思います。
〇高前田農林水産部長 まず、漁業権の切りかえのスケジュールの関係でございますけれども、平成20年度の漁業権の切りかえ、これは、サケなどを漁獲する定置漁業権と、それからワカメ、カキ、そういった養殖を行う区画漁業権、これが対象となってございます。
 大まかなスケジュールを申し上げますと、切りかえに当たってどのように漁場を利用させていくべきかという県の考え方を方針として、ことしの8月ごろをめどに示させていただきまして、その後、漁業協同組合等から漁場計画の要望を募り、内容を調整した上で、海区漁業調整委員会に諮って、平成20年3月ごろに漁場計画を作成・公示するといったようなスケジュールとなってございます。その後、漁業協同組合から免許申請を受けまして、海区漁業調整委員会において適格性や優先順位の審査を経た上で、平成20年9月に区画漁業権、そして平成21年3月に定置漁業権の免許をするということになってございます。
 それから、今お話ございました地域営漁計画の関係でございますが、これにつきましては、先ほど総括課長の方から御答弁申し上げましたように、今年度と来年度の2カ年間で16の養殖漁業の盛んな漁協において地域営漁計画を策定するということでございますので、県としても、これを今積極的に支援いたしているところでございます。
 具体的には、今後、平成19年度から、その地域営漁計画に基づくいろいろな取り組みをスタートいたすところも出てまいります。そういったようなことも踏まえまして、漁業協同組合といったようなところから区画漁業権の要望が出てまいりました段階で、担い手育成の観点ということから策定いたしております地域営漁計画の実効性が確保されるように、柔軟に対応してまいりたいと考えております。
〇野田武則委員 続きまして、漁協の合併問題につきまして御質問したいと思いますが、まず、県内の27の漁協は、平成19年度末までに県内1漁協体制の構築を目指す、こういうことで今取り組まれていると認識しているところでございます。その取組状況につきましてお示ししていただきたいと思います。
 あわせて、1県1漁協のメリットというものはどういうものがあるのかどうか、お示ししていただきたいと思います。
 あわせて質問しますが、漁協の決算状況はどのようになっておられるのか、その数値がおわかりでしたらばお示ししていただきたいと思います。合併の推進の支障になっております欠損金は、どのように解消しようとしているのかお伺いいたします。
〇松岡団体指導課総括課長 まず、漁協合併の件でございます。
 取組状況でございますが、平成16年に漁協系統組織の方で漁協組織強化計画を策定いたしまして、ことしの3月までに11の拠点漁協、そして19年度末に県1漁協、これを目指して合併に取り組んできたわけでございますけれども、漁協間の経営状況が、なかなか格差が大きいという状況がございまして、ことしの1月に期限内の合併は難しいということで、各漁協からさまざま意見・意向を調査いたしまして、そして、去る3月6日に県下の漁協の組合長会議を開催いたしまして、この平成16年度の合併計画を見直したというところでございます。
 新しい見直しの計画でございます。これは、平成19年度から21年度までの3年間は、地区合併は引き続き継続する。それとあわせて、まず合併の大きな阻害要件となっております財務改善をしていこうということで、黒字体質の漁協構築を平成19年から21年度までの3年間にやるということにしてございます。そして、第2段階として、平成22年度以降は、この3年間の進捗状況を踏まえて、県1漁協も視野に入れた形での新たな強化に取り組んでいくという計画の見直しになって、それに向かって進んでいるところでございます。
 県1漁協になった場合の利点ということでございますけれども、御案内のとおり、漁協の現状というのは非常に厳しいところがございます。ですので、県1漁協体制ができることによりまして、例えば、規模拡大によりまして効率的な漁協経営が可能になることとか、販売事業が集約されることによりまして、市場への安定供給ができますし、あとはブランド化というものも推進される。そういうメリット、いわゆる経営基盤が強化されていくということになって、それが組合員の負担を軽減していくとか、それからサービスの向上につながっていく。そして、さらには水産振興とか、沿岸圏域の振興につながっていくものかと考えているところでございます。
 次に、漁協の決算の状況でございます。
 平成17年度の状況でございますけれども、27の漁協のうち、当期欠損、単年度赤字を計上した漁協が10組合、37%となってございます。それから、繰越欠損金、累積赤字を抱えている漁協が15の漁協、大体6割弱、そういう状況になって、厳しい状況でございます。ただ、平成17年度は、結構、漁協が非常に経営改善に取り組みまして、当期損失、単年度赤字の漁協は平成16年度の14から10に減っているというような状況にございます。それから、平成12年度以来、黒字の漁協と赤字の漁協を足したその差っ引きはずっと赤だったわけですけれども、17年度は5年ぶりにそれが黒字、プラスに転じた、そういう状況になってございます。
 この漁協の欠損金の解消の関係でございますけれども、繰越欠損金の解消のためには、まず何よりも……(「簡潔に」と呼ぶ者あり)はい。漁協経営が黒字体質になるということが、まず大事だということでございますので、これまで県漁連、信漁連、それから系統の農林中金などと連携いたしまして、漁協の経営改善に取り組んでございます。引き続きこれを強化いたしまして、財務改善の指導をしてまいりたいと考えてございます。
 それから、平成6年度以降、多額の繰越欠損金を抱える漁協に対して、そして財務改善に取り組んでいる漁協に対しまして、その欠損金見合いの借入金に対する利子補給補助というものをやってございます。さらに、さきの定置網被害等々につきましては、償還期限が長くて無利子融資の定置網復旧支援資金などを創設するなどして、できるだけ漁協の負担を軽減するような形で、この漁協の繰越欠損金の解消というものにつなげてまいりたいと考えているものでございます。
〇野田武則委員 かなり改善されてきている様子がございましたが、今後もまたよろしくお願いしたいと思います。
 最後になります。漁協によっては、海岸近くの住民と共同で定置漁業権を保有しているところもあるとお聞きしておりますが、こうした合併後の権利関係はどうなるのか、それから1漁協への再編というのは、先ほど申し上げましたそれぞれの地域の担い手対策への支障にならないのかどうか、その辺をお伺いして、質問を終わりにしたいと思います。
〇渡部漁業調整担当課長 漁協合併後の権利関係と地域の担い手対策についてでございますが、サケなどをとります定置漁業権では、地元の漁協と地元の漁業者とが共同所有している例がございます。
 合併後の定置漁業を具体的にどのように経営していくかにつきましては、合併協議において、組合員の意見を求めながら枠組みを検討していくことになるものと考えております。
 次に、1漁協への再編と担い手対策についてでございますが、ワカメなどの養殖を行う区画漁業権とアワビなどをとる共同漁業権につきましては、漁業権ごとに、実際に漁場を利用しております地元の組合員による部会を設けまして、この部会が漁業権に関する総会での権限というものを行使することができますので、漁協合併が、地元が進めている担い手対策にとって大きな支障になるということにはならないのではないかと考えております。
〇阿部敏雄委員 今の野田委員の関連で、今の漁業協同組合のことを私が代表質問で先日話したら、3日後に新聞に3年延期すると上がりましたね。その中身は、組合長会議ですんなり行ったんですか、何か議論はなかったですか。合併した部分のその定置網の漁業権をどうするかということで、組合長同士の議論があったように聞いていますが、ただすんなりと経営だけがだめで3年延期するというのは、今の県漁連という大きな組織があるわけですよね。そして今、漁協の単協の組合長が全部役職についていますね。漁船保険の理事長とか、組合長が。そして、その団体に県漁連というものがあるわけです。そして、今、漁業組合が苦しい、困ったということで、県当局にお願いして合併をしなければならないというとき、いとも簡単に、組合長会議を開いたら、また3年延期するという、私はそこが非常に、本当に真剣に組合長等がこの打開をするために県当局の力をかりてやるという意思があるのかないのか。
 そして、組合長の任期が長いですよね。長い人はもう何十年とやっているわけです。ですから、本当に組合長の意向によってその組合が動いているようにも、漁民の意想にして、本当に今、漁業権の問題等も真剣に、野田委員が言うとおり、担い手育成のために、将来カキの養殖場を少なくなったら与えるとか、ワカメ養殖場と、みんなワカメの組合があり、カキの組合があり、ホタテの組合があって、絶対それに対しては組合の人たちが動かないのが事実なはずです。
 ですから、3日後に組合長会議が開かれて、いとも簡単に3年延期すると。これは、県の意向に漁業協同組合が本当に真剣に取り組んでいるかということは、一般漁民も疑問に思っているんですよ。ですから、本当に大きなリーダーシップを持って組合長等に指導しなければ、いとも簡単に、おれたちが反対すればどうもならないのよというような意思表示をするような組合長もいますから、やはりそこは、組合の合併がまた3年おくれて、部長、団体指導課の課長もしましたが、今後をどう思っているか、それを私はちょっと聞きたいと思いますが、答弁をお願いします。
〇高前田農林水産部長 ただいま漁協の合併の関係の御質問をいただきました。
 確かに、1県1漁協の目標時期を延期するという話し合いが、この間、県下の組合長の集まりで議論されたということは承知いたしております。基本的には、漁業協同組合の合併ということにつきましては、まずもって、系統組織の中でしっかりとした議論をしていただくということが基本だろうと考えております。
 ただ、そのときに十分御留意いただかなければならないのは、今後の経済社会情勢がどうなるかということを見据えて、漁協経営の基盤をどうしていくかということをしっかりと議論していただきたいということでございまして、私どもといたしましては、そういったような、現在の本県の漁業であるとか、漁協経営をめぐる状況というものをしっかりと漁協の皆さん、それから県漁連の関係の方々にお話をして、そういう問題意識を持っていただくことがまずもって重要だろうと思います。その上で、まずは系統組織の中できちんとした議論をしていただくということが基本だろうと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 漁業振興についてお伺いいたします。
 午前中にも工藤大輔委員の方から議論もございましたけれども、その中で、総合計画の中で目標年、平成22年に50億円プラスを目標とするという話がありましたが、基準値が平成10年と理解していいのか。その基準値、平成10年518億円の生産高があった、それで平成17年度を見ると376億円になっていますね。この理解でいいかどうかですけれども、そうした中で、目標を既にこれでどんどん割っているわけですが、今年度どんな、いわゆる主な事業、達成に向けて新しいものを考えているのか。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 平成19年度当初予算の新規事業という視点でございます。
 まず、水産業関係の予算編成に当たりましては、担い手を確保育成しまして、養殖漁場の生産性を回復することを内容といたしました漁業協同組合が策定いたします地域営漁計画の実現を図ることに重点化して予算編成に取り組んだところでございます。
 この中で、当初予算に計上しました新規事業を申し上げますと、まず、地域営漁計画推進特別対策事業というのがございます。この事業につきましては、担い手への漁場集積や零細経営体のグループ化、協業化による効率的な養殖システムの導入を図るために、カキ養殖施設、養殖共同作業船の整備を支援するものでございます。
 次に、ナマコ産地づくり推進事業にいてでございますけれども、中国市場をターゲットに需要が増加しているナマコの増殖技術を開発するために、種苗の量産化技術の開発や種苗放流の試験及び適地漁場の調査、それから漁具・漁法の開発などに取り組むものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 つくり育てる漁業ということで、やはりそちらに重きを置いていくという施策だと思っているんですけれども、先ほどサケのお話が出ました。サケも、種苗放流というのは、その量に比例して何か年度の漁獲高・量も減っているというふうに見えていたんですけれども、それで県からの補助金も減っているということを聞こうと思ったんですが、国の方から直接交付されているということで、同額の手当てはされているということでございました。
 同様に、アワビですけれども、これもかなり、いわゆる漁民にとっては現金収入として非常に貢献度の高い品目ですが、これも、ずっと補助金が減っているような気がしております。いわゆる種苗放流の補助ですね。例えば久慈の場合で見ても、平成12年度88トンだったのが、今、久慈管内ですけれども、53トンにまで平成17年度の場合減っているんですが、これもやはりそういった予算措置の影響もあるのではないかと私は思っているんです。その辺はどうお考えでしょうか。
〇大森水産振興課総括課長 アワビの放流への補助の件でございますが、このアワビの放流費の補助については、平成の早い時期からずっとやられておる事業でございまして、投資効率、つまり放流に係る経費と、4年なり5年後でもいいんですが、放流しているアワビは殻のところに緑色のマークが残りますので、それを削って、放流したアワビがどのくらいとられているというのがわかるわけでございます。そういった調査をしておりますから、どのくらい放流したものが、どのくらいとられているということがわかるわけでございまして、その投資効率が1を上回っていればいいということで、事業が成立するわけでございます。
 ところが、アワビの放流効果について、早い時期は余り効果がなかなか出なかったということで、それを軌道に乗せる、つまり自立させていくために補助事業があったわけでございます。それで、近年は、アワビの投資効率、直接経費、つまり密漁関係とかは含めないで、放流に要する経費と漁獲に占める放流貝の金額の割合で見ますと、もう1.5を超えまして2近くまで投資効率が上がってきてございます。
 結局、投資効率が高いということは、だんだん自立しているということで、補助に頼らないで、漁業者みずからがアワビの経費を捻出し放流する。放流して数年後の放流貝の漁獲から、また放流貝の経費を捻出するという、自立した栽培業の取り組みを進めていくべきではないかと思っております。確かに、平成18年度の予算と本年度の予算では、アワビについての放流費の補助はかなり減っております。
〇嵯峨壱朗委員 自立的にやっていくべきでしょうね。ただし、やはり見ていると、平成12年度のアワビの放流量129万7、000個ですか、それからどんどん、ピーク、平成14年144万個とかと─これは久慈管内だけで見ていますけれども、資料として持っていないもので─そのピークですが、どんどん減っていって、平成17年度は105万個という放流になっているんですね。数年後どうなるかというのはわかりませんけれども、先ほど説明したとおり、やはり比例して漁獲量も減っているんです。自立的と言いながら、やはりその分減っているような気がするので、漁獲量で見ると、補助の割合とある部分比例しているのではないかという気がどうしてもするんですよ。どうでしょうか、間違っているかな。
〇大森水産振興課総括課長 確かにそういった関係といいますか、平成17年度の例を示しましたが、17年度につきましては、海況条件等が悪くて非常にとれなかった年であったということも事実で、18年度は、逆に海況条件が功を奏しましてアワビの漁獲量がすごくふえていまして、年変動しておりますので、単純に17年度の数字だけで減っているというふうには、なかなかそれには当たらないものと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 恐らく全体的に予算が抑えられている結果で、こういったつくり育てるというところにも影響が行っているのではないかという視点で聞いているわけですけれども、さほど因果関係はないという説明ですので、うまくとれていればそれに越したことはないんですが、全体の目標数値からすると、どうしても、本来1次産業を食料基地として進めていこうとしている岩手県としては、総じて、どうも生産拡大に進むような方向に予算づけしていないような気がして。これだけにかかわらずですね。
 だから、その辺について、ちょうど菅野課長がいるんですけれども、予算編成上、プログラムの実現とかそういった面で、こういった1次産業とか、今のような事業についての予算づけというのはどういうふうに考えているのか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。
〇菅野参事兼予算調製課総括課長 昨今の厳しい財政環境のもと、予算規模が毎年縮小していまして、一方、義務的経費が増大しているという現実がございます。これによりまして、各部局がある程度自由に使える政策経費がその分圧縮されているというのは、確かにおっしゃるとおりでございます。
 ただ、こういった中にありましても、議会で御議論いただきながら、やはり必要な事業、何を優先すべきかというのは、全庁的な観点からしっかり議論して予算措置されなければならない。その議論に当たっての一つの大きい考慮されるべき要素として、ただいま委員から御指摘がございました各種のプログラムですとかといったものがあるのではないかと思ってございます。
 財源、歳入を所掌する総務部といたしましても、極力そういう政策的な経費により財源が回るように、財源確保により一層の努力をしてまいりたいと思ってございます。
〇嵯峨壱朗委員 ぜひ考慮していただきたいと思います。
 こういった食料供給基地岩手を目指すという立場で言うと、雇用という側面からもそうですけれども、先ほど、どんどん漁業者が減っていくというお話もありましたが、労働移動という言葉が適切かどうかわかりませんが、いろいろな形で、そういった面も含めてこういったところにぜひ前向きに考えていってもらいたいと思います。最後に部長、見解があったら一言お願いします。
〇高前田農林水産部長 今お話ございましたように、本県は総合食料供給基地を標榜しているということでございまして、そういった産地づくりということは、非常に重要なテーマでございます。したがいまして、今年度の農林水産部の重点としても、その産地づくりということを掲げさせていただいて、例えば、水産で申し上げますと、ナマコであるとか、そういうことで新しい産地を目指していこうという取り組みを始めたわけでございます。
 いずれにいたしましても、限られた予算の中でございます。できるだけその将来を見据えた上で、有望な産地というものを形成すべく、今後とも努力していきたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 一つだけお尋ねいたします。通告いたしておりました松くい虫関係については、先ほど議論がございましたので、いたしません。
 雪害木の処理についての御質問でございます。
 御承知のとおり、昨年の大雪で大量の雪害木が発生したわけでございますけれども、まず、この平成18年度中に処理した雪害木の材積、あるいは事業費等についてまずお尋ねしたいと思いますし、19年度予算の中での計画あるいは予算について、あわせてお聞きしたいと思います。
〇及川森林整備課総括課長 雪害木処理の平成18年度の実績ということでございますけれども、国庫補助事業の森林整備事業によりまして、材積が1、134立方メートル、事業費は392万6、000円、県単独事業の気象災害跡地整理事業で材積4、248立方メートル、事業費5、385万4、000円となってございます。
 平成19年度でございますけれども、平成19年度につきましては、引き続き、国庫補助事業の森林整備事業の活用によって処理を行いたいと考えてございます。
〇小田島峰雄委員 先ほどお聞きすればよかったのでありますけれども、この平成18年度に処理した雪害木の材積をお聞きしましたが、これは、全体に対しては何割ぐらいに相当するのかということをまずお聞きしたいと思います。
 そしてまた、昨年6月議会におきまして質問いたしたのでありますけれども、その答弁が、雪害による倒木対策は、被害地域全域を対象といたしまして、国の森林整備事業等を優先的に導入し被害木の処理を行っている、こういうお答えでございましたが、この答弁に基づいて処理した結果が先ほどのお答えと理解してよろしいのでしょうか、お聞きいたします。
〇及川森林整備課総括課長 材積でございますけれども、このほかにも、自力でやったもの、市町村単独とか、森林所有者単独のものの材積を把握し切れておりませんでちょっとお示しできなかったのですが、面積についてだけは把握してございます。雪害被害面積全体で135ヘクタールでございますけれども、森林整備事業、気象災害跡地整理事業とか、市町村とか、自力とか全部合わせまして合計47ヘクタール、全体の35%の実施でございます。
 ちょっと少ないように思われますけれども、これは全部、松くい虫被害防除監視帯の中で行われておりまして、監視帯の中の被害面積は62ヘクタールございますので、監視帯内の処理状況といたしましては76%の処理状況となってございます。
 もう一つ、雪害木処理の範囲でございますけれども、気象災害跡地整理事業においては、松くい虫被害防除監視帯の中で、雪害木が松くい虫被害木に近接していて、感染の危険性が非常に高いものを処理してございます。その事業対象外となったものとか監視帯の外の雪害木につきましては、監視のための誘引器というものがございますが、これの設置箇所を25カ所追加して調査してございますし、松くい虫被害防除監視員による監視日数でございますが、これも280日ふやすなど、監視帯内外の監視については大変強化していると考えてございます。
〇小田島峰雄委員 全体としては35%程度、しかしながら、松くい虫の監視帯エリア内だと76%、こういうお答えでございました。
 監視帯内に相当被害木があるわけでございますけれども、監視帯の中、外を問わずに、やはり被害木は早急に処理をしていくべきかと思いますが、その点についての御所見をお伺いいたしたい。結局、去年から、また来年─来年も行うわけでございますけれども、何年もそのまま被害木が放置されるという状況は好ましくないと考えますが、これについてもお答えいただきたいと思います。
〇及川森林整備課総括課長 被害木、雪害木については、監視帯の外では監視を続けておりますので、残っているということでございますが、松くい虫の被害の感染が確認された場合には、市町村と連携して、直ちに処理をしているわけでございます。
 今後についても、そのように市町村と連携して迅速に処理してまいりたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 監視帯以外については、松くい虫の被害が発見されなければそのまま放置するという認識でよろしいですか、そこをもう一度お願いしたいと思います。市町村の予算とも関連するものでございまして、私は、県と市町村が連携の上に、早急に処理すべきだという観点で申し上げているものでございますけれども、もう一度お願いいたします。
〇及川森林整備課総括課長 放置するということではございませんで、平成18年度から森林整備事業をもって処理していきたいと考えておりまして、監視帯内外を問わず、来年度も森林整備事業を活用して、できるだけ処理をしてまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 私はまとめて聞きますので。一つは、県産材活用の取り組みと実績について。
 公共施設、小・中学校の木造建設や木質化、民間住宅への支援など、森林県にふさわしく進めるべきだと思いますが、どういう取り組みになっているでしょうか。来年度の予算の中身を含めて示していただきたい。
 次に、水産業の振興の課題について。
 ノロウイルスによる感染性胃腸炎が大流行となりましたが、県内のカキ養殖漁家に対する影響・被害状況をどう把握しているでしょうか。抜本的なノロウイルス対策が求められていますが、県の取り組みはどうなっていますか。
 山田町は、山田産カキのデータベースと出荷基準づくりを支援していますが、県としても取り組むべきではないでしょうか。
 カキ、ホタテ、ワカメ、昆布の共済への加入状況はどうなっているでしょうか。市町村の補助状況はどうでしょうか。県としても補助すべきではないでしょうか。
 今年度の秋サケ漁の実績と不漁対策の調査研究の状況はどうなっているでしょうか。
 山田町織笠漁協で粉砕したカキ殻を使って、紫波町のエコセンターで良質な堆肥をつくっていますが、漁業系廃棄物の再資源化、リサイクルの取り組みはどうなっているでしょうか。
〇西村林業振興課総括課長 県産材の活用についての御質問でございました。
 県では、率先して県産材を活用するため、平成15年12月に岩手県公共施設・公共工事木材利用行動計画というものを策定いたしました。その中で、部局横断的に公共施設あるいは公共工事での利用に取り組んでいるところでございます。
 平成18年度の実績の見込みでございますが、推進目標7、600立方メートルに対しまして5、649立方メートル、達成率74%となっておりますし、これは16年度からの3カ年の計画でございますけれども、3カ年の全体で申し上げますと、目標の2万980立方メートルに対しまして1万8、162立方メートルで、達成率が87%の見込みとなっているところでございます。
 また、市町村等に対する支援策といたしましては、いわてやすら木施設整備事業によりまして、教育施設等の木造化、内装の木質化、あるいは学校の机、いす、そういったものの整備に対しまして助成を行っているところでございます。18年度の実績は、小学校2校の学校の机・いす250セット、幼稚園あるいは保育園、合計3施設の内装の木質化や木製遊具の設置の整備に対して支援したところでございます。また、このほか、県内の金融機関2行に御協力いただきまして、17年度からは県産材活用住宅に対して、金利を優遇する住宅ローン商品の発売が行われているところでございます。
 こういった施策とあわせまして、県産材の利用を一層促進させるために、県産材を集成材工場やあるいは合板工場へ安定的に供給するシステムを構築、さらには木質バイオマスエネルギーの利用拡大に取り組んでいるところでございまして、今後におきましても、こういった取り組みを通じまして、本県の豊かな森林資源が生かされるよう、県産材の一層の需要拡大に努めてまいるところでございます。
 なお、例えば先ほどのいわてやすら木施設整備事業につきましては、19年度は700万円という予算でもってお願いをしているところでございます。
〇大森水産振興課総括課長 初めに、ノロウイルスの関係でございますが、平沼委員の質問で答えましたが、簡単に説明させていただきます。
 加熱用のカキにつきましては、昨年の9割にとどまっております。それから、生食用カキについては、昨年の6割ということで差がついております。
 それから、抜本的なノロウイルス対策ということですが、これは研究による技術開発があるわけですが、本年度から国や他道県と連携を行っております海域におけるノロウイルス分布実態等に関する調査、それから沖合海域への移動による浄化試験などを引き続き行っております。その成果を、今後、ノロウイルス対策に生かしてまいりたいと思っております。
 それから、山田町が行っている山田産のカキのデータベース化と出荷基準づくりについてでございますが、これは、水産技術センターと宮古地方振興局の水産部が山田町と連携して、カキの成長の調査それからグリコーゲンの調査などの成分分析を実施しているものでありまして、今後、その成果がカキの生産性の向上の取り組みに反映されるように、関係漁協を指導してまいりたいと考えております。
 それから、次に秋サケの今期の実績と不漁対策への取り組みでございます。
 秋サケの平成18年度の沿岸漁獲量は約2万5、000トンと、対前年の93%にとどまっておりますが、金額が国内外の需要増加などから単価が上がりまして約96億円ということで、前年を30%ほど上回っている状況にあります。
 調査研究につきましては、回帰率がかつて3%から5%であったものが、最近2%に低迷しているということもありまして、その原因を解明するため、国と連携しまして、サケ稚魚の耳石に、温度標識を施した稚魚の広域調査を進めておりまして、平成18年度がその回帰の初年度となることから、データの解析と取りまとめを行っているところでございます。
 それから、漁業系廃棄物の再資源化についてでございますが、カキ殻については、年間6、000トンから7、000トン発生しますが、このうち3、000トンから4、000トンぐらいが養鶏用のえさやそれから果樹園等の土壌改良材に利用されております。また、ワカメ、昆布等の残滓についても、年間6、000トンから7、000トン発生しておりますが、約4、000トンぐらいがアワビ、ウニのえさとして漁場へ投入することが行われております。
 県といたしましては、これらのことにつきまして、引き続き県漁連と連携しながら、廃棄物の再資源化の活用の取り組みを強化し、関連する施設それから機器の整備等に対しても支援してまいりたいと考えております。
 それから、大沢漁協の実証試験についても御質問ありましたが、これはカキ殻を牛ふん等の堆肥と混ぜて発酵させて得たものについて成分を分析したところ、通常の堆肥と同等の成分で、堆肥として利用できるという結果が得られたと聞いております。
〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、県産材の活用について例えば、平成18年は……。
〇及川幸子委員長 斉藤委員、ちょっと答弁漏れがあるようです。ちょっとお待ちください。
〇渡辺漁業調整担当課長 漁業共済の加入状況でござますが、養殖生産物の漁協別の加入状況につきましては、カキでは、養殖を行っております13漁協中の13漁協で100%の加入、ホタテガイでは、17漁協中11漁協で65%、ワカメでは、21漁協中21漁協で100%、昆布につきましては、12漁協中11漁協で92%となっております。
 また、市町村の掛金の補助の関係につきましては、カキでは養殖を行っている6市町中5市町、ホタテガイでは8市町村中5市町、ワカメでは11市町村中8市町村、昆布では8市町村中4市町で行われております。
 それから、県の掛金の補助につきましては、既に国の方で3分の1から2分の1程度の高率な補助が行われていることですとか、農業など他分野とのバランスなどを考えますと、県としての助成は難しいものと考えております。
 県といたしましては、消費者ニーズに対応した養殖技術の普及指導や補助事業による災害に強い養殖業への転換などを確実に進めまして、漁業者の経営安定に向けた県の役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 県産材の活用について、先ほど平成18年度は5、690立方メートルですか、3年間で1万8、160立方メートルと。これ、具体的な、どういうものに県産材が活用されたのかリアリズムで言ってください。そして、いわてやすら木施設補助ですか、700万円、余りにもささやかじゃないでしょうか。そして民間住宅に対する利子補給、やめたんでしょう、もう。私、全国有数の森林県が、こんなけちくさい話ではだめだと思いますよ。本当に公共施設から民間住宅から、ガードレールから何から、それこそ林業技術センターとか工業技術センター総動員して県産材を活用すると、この点では私は日本一を目指していいと思うけれども、そういう取り組みをすべきではないか。
 それと、産業成長戦略で、林業では10年間で20億円生産額を伸ばすと言っていますが、この具体的根拠を示してください。
 あと、漁業の問題では、ノロウイルス対策で、カキは加熱用は90%、生食用は60%ということで、これは生産額でいくとどのぐらいの打撃になりますか。これは大変深刻な影響を受けたんだと思うんですね。ちょうど出荷の時期でした、ノロウイルスを理由にした感染性胃腸炎が流行したのは。大変タイミングが悪かったと思いますが。最後ナマコだけ聞いて、ナマコ、これからやるというんだけれども、成長戦略では水産業が50億円、一番たくさんふやすという計画になっているんですよ。私は、ナマコだけではとてもできないんじゃないかと思うんだけれども、ここも含めて、これで最後ですから。ナマコ対策と産業成長戦略の50億円の根拠、示していただきたい。
〇西村林業振興課総括課長 公共施設あるいは公共法人に係る木材の利用の実績、具体的なものとしてでございますけれども、これは先ほど申し上げましたとおり、庁内各部が連携して県産材の利用に取り組んでいるものでございまして、例えば地域振興部におきましては、西口の複合施設には、平成17年度にそういったものを使っております。あるいは環境生活部におきまして、国立公園あるいは公園施設ですね、自然公園施設の休憩施設ですとかあるいは避難小屋の床材、内装材、そういったものに使っているところでございます。また、保健福祉部についは、県立松山荘に17年度、18年度使っていると、そういったこともございます。それと、県土整備部では河床の木工沈床工あるいは護岸工、土どめ工、木さく工、そういったものに使っておりますし、あとは農林水産部ではやはり治山工事におきます土どめ工事とかあるいは木さく工、そういったものに使っているわけでございます。この中で、農林の方におけるものも使っているところでございます。
〇大森水産振興課総括課長 カキの影響の金額ということなんですが、まだ出荷が全部終わっていないんですが、一応これは推計でよろしいでしょうか……。
 加熱用で1億8、000万円ぐらいで、生食用で6億3、000万円、合計8億円。多分、カキ、年度ごとに変動しますけれども、平均すると30億円ぐらいの産業になっておりますので、この程度になるのではないかと思っております。
 それから、ナマコについてでございますが、ナマコの増産は平成19年度から新たに県単事業により種苗の量産技術の開発を行うということ、それから意欲的な漁協と連携しながら放流効果の検証、それから資源の分布状況の把握、漁具・漁法の開発などにより、ナマコの増産に努めているということでございます。
 それからもう一つ、50億円の中身でございますが、ワカメで5億円今よりプラスする、これは17年より5億円、それからアワビで19億円、サケで27億円、合計50億円。それから、確かにナマコで50億円は上がりませんで、数億円ということで、3億円程度ということで53億円としております。
〇杉原農林水産企画室企画担当課長 林業関係の20億円の内訳でございます。27年目標でございますけれども、合板ですけれども、国産材の需要量14万1、000立米、現在が11万立米ということで、供給可能量が3万1、000立米ということで、立米当たり9、000円を掛けて2.8億円、それからLVLの関係でございますけれども、需要量15万立米、県産材のシェア40%ということで、6万立米掛ける立米当たり9、000円ということで5.4億円、それから集成材関係でございますけれども、供給の増加量を先ほどのように17年素材需要が14万2、000立米なんですけれども、伸び率50%掛けまして、供給増加量が7万1、000立米ということで、立米当たり9、000円で6.4億円、それから木質バイオマス関係でペレット生産1、800トンということで、伸び率50%見まして、供給増加量900トンで、キログラム当たり20円で0.18億円、目標年次27年度で概ね15億円、木材関係ですね。それから干しシイタケ関係の生産量280トン、これ現状維持なんですが、単価を立米当たり4、000円から4、500円上げた分と、それから、木炭の関係で、これも16年あたり、キログラム133円という単価でございますけれども、それを140円に単価が上がると、そういうことと、生産量が平成16年に4、644トンから5、000トンに生産量も若干上がると、単価と生産量で上がる、そういう形で全体では17億円なんですが、20億円程度ということです。
〇及川幸子委員長 斉藤委員、よろしいですか。
〇斉藤信委員 いいです。
〇及川幸子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇及川幸子委員長 質疑がないようでありますので、これで第2部、林業水産業関係の質疑を終わります。
 執行部の方々の入れかえが済むまで、しばしお待ちいただきたいと思います。
 ただいま配付いたしております資料は、先週お配りしたものと同じものでございます。後ほど執行部から説明がありますので、御了承願います。
   [3月9日配付資料「議員説明資料と新計画の元金償環と支払利息」参照]
〇及川幸子委員長 これより第3部、競馬組合関係の質疑に入るわけでありますが、世話人会の申し合わせにより、指名、発言に当たっての当該委員であることの制限等は行いませんので、御了承願います。
 この際、執行部より発言を求められておりますので、これを許します。
〇東大野農林水産企画室長 3月6日の総務部の審査の際に、先般、私どもの方で、議員の皆様にお配りしました330億円の構成団体融資の必要性という資料の元金利息と、それから、新計画の中に掲げてございます元金償還と支払い利息を示す表との数値の違いの御指摘がございました。それで、3月9日に、今お配りしましたこの表を配付させていただきましたけれども、改めて今お手元に配付させていただき、それによって説明させていただきたいと思います。
 まず、資料でございますけれども、資料の左側の議員説明資料というところの上に、四角囲みで書いてございますけれでも、それの1、構成団体融資対象債務の償還・支払時期、この表と、2の各年度の起債元利償還額と構成団体負担額試算、この2表が330億円の構成団体融資の必要性ということで、先般、議員の皆様方に配付させていただいた資料に掲げてあった表です。これの元金、利息の部分ございますけれども、これと今度は右側の方に参りまして、新計画3、構成団体融資効果試算例という表がございます。これの支払利息、元金償還、それぞれ括弧書きのところに、これについては平成19年以降6.2億円から23年4.6億円まで掲げてございますし、あと元金について21年度以降、17億円、18億円と掲げてございますけれども、それぞれ利息、元金と、2に掲げてございます元金、利息が一致しないという御指摘でございます。
 それで、4のところを見ていただきたいのですけれども、まず、元金につきまして、議員説明資料の元金償還額というのがございます。ここの点線で囲った分が、2にある元金をそのまま移して、単位がちょっと違ってございますので、15.2というような表示になっていますけれども、そのまま移記したものがここでして、これに経営改善債というのを発行してございました。それが従前の計画どおりに、経営改善債16年から20年まで5年間発行できて、かつ、一時借入金もございますけれども、これも繰り返し借りかえられるという設定で、新計画で試算したものがこの新計画融資効果試算例の元金償還という金額、ずっと横に行って元金の欄の一番右側になりますけれども、この数値です。この数値が、3の方の元金償還の21、22、23に載っている数値でございます。
 同じように、利息でございますけれども、やはり議員説明用資料につきましては、19年度以降に支払い期限が到来する起債部分だけの利息でございました。新計画では、そのほかに経営改善債分、それから一時借入金分、合わせての利息が掲げてございましたので、その分だけの違いが出ているということでございますので、よろしく御了承いただきたいと思います。
 あと、もう一点、おわびでございます。
 実は、2の表の19年度の利息、ここに3億2、400万円とございますが、私どもの入力の手違いで、従前お渡しした資料に、ここ4億円と表示してございます。800万円と入力すべきところを8、400万円と入力してしまいましたので、数字が違いました。それで、ここに掲げてございます3億2、400万円、19年度の利息3億2、400万円が正しい数字でございます。
 おわびして訂正させていただきます。どうも失礼しました。
〇及川幸子委員長 これより質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
〇渡辺幸貫委員 最初に、質問の趣旨を理解していただくために、資料の配付をお願いしたいのですが、その許可を委員長に求めます。
〇及川幸子委員長 ただいま渡辺委員から、質疑に際して資料の配付を認められたい旨の発言がありましたが、審議を深めるためにこれを認めることとし、事務局をして配付させたいと思いますので、御了承願います。
〔参照〕
  計画目標と達成状況の概要
 項   目 目  標達 成 状 況
発売額17年度:29、930百万円
18年度:32、690百万円(H18事業計画)
17年度:29、640百万円
18年度:28、264百万円(見込み)
コスト削減コスト削減(単位:億円)
項目/年度H17H18
削減額163
コスト削減(単位:百万円)
項目/年度H17H18見込
削減額1、643336
営業の拡大発売収入(単位:億円)
項目/年度H17H18
削減額299327
      (H18事業計画)
発売収入(単位:百万円)
項目/年度H17H18見込
削減額29、64028、264
事業運営の
効率化
1.組織の一元化と共同運営
・競馬組合・競馬振興公社の組織一元化
・競馬組合・競馬振興公社職員数、120名を80名に縮減
2.職員の意識改革
・目標管理の導入
・改善提案運動の展開
・教育の実施
1.組織の一元化と共同運営
・16年度:職員数78名に縮減
・17年度:競馬組合職員を競馬振興公社に派遣し一元化
2.職員の意識改革
・目標管理導入(対象:課長以上)
資産売却資産売却(単位:億円)
項目/年度H17H18
削減額178
資産売却(単位:億円)
項目/年度H17H18見込
削減額163
経営見通し経営見通し(単位:億円)
項目/年度H17H18
売上高合計318347
経常損益-13-7
当期純損益41
借入金残高284294
      (H18事業計画)
経営見通し(単位:億円)
項目/年度H17H18
売上高合計315299
経常損益-18-25
当期純損益-3-221
借入金残高284295
単年度収支
(純損益)
17年度:437百万円
18年度:82百万円
17年度:△314百万円
18年度:△2、167百万円(見込み)

 収支計画(新計画と平成19年度予算との比較)
(単位:百万円)
項   目新 計 画平成19年度
予算
増  減増 減 理 由H18年度見込
発売額自場発売18、31319、5181、205H19予算の積算:自場発売(19、098)[159、150千円×120日]、水沢開催の増(72)[H18:盛岡59・水沢66→H19:盛岡48※11日減・水沢72※6日増]、種市場外JRA発売効果(438)、街中場外影響額(△90)20、489
街中場外発売285271△14開催日の数の減[126日→120日]
0
広域委託販売7、0676、247△820金沢競馬の開催日程変更による減(△1、020)[H18:日火→H19:日月 ※月曜日の岩手発売不可]、NRS新設場外(200)
6、882
インターネット発売1、5081、436△72開催日数の減[126日→120日]893
計(A)27、17327、472299 28、264




広域受託協力金1、8641、676△188各主催者との調整結果[岩手開催中155日、冬期間77日(計232日※新計画238日)、サイマル及びナイターの減745
その他868811△57公営企業金融公庫還付金(△56)915
計(B)2、7322、487△245 1、660
売上高計(C)
=(A)+(B)
29、90529、95954 29、924
売上原価(D)(75.0)
22、425
(75.4)
22、583
158自場発売の増(221)広域委託協力金等(△70)23、106
売上総利益(E)
=(C)-(D)
(25.0)
7、480
(24.6)
7、376
△104 6、818







章典費(8.1)
2、418
(8.1)
2、418
0  3.322




施設
・情報システム費
(6.5)
1、944
(6.4)
1、923
△21電光掲示表示盤のリース料の削減2、262
開催労務費(2.6)
792
(2.6)
792
0 715
営業販売費(1.0)
306
(1.0)
306
0 312
人件費(1.6)
468
(1.6)
468
0 509
その他販売・管理費(4.1)
1、237
(3.9)
1、172
△65開催日数の減による光熱水費、消耗品等の減1、576
小計(15.9)
4、747
(15.5)
4、661
△86 5、374
計(F)(24.0)
7、165
(23.6)
7、079
△86 8、696
営業損益(G)
=(E)-(F)
315297△ 18 △ 1、878
営業外費用(支払利息)(H)(0.3)
99
(0.4)
111
12 610
経常損失(I)
=(F)-(H)
(0.7)
216
(0.6)
186
△30 △ 2、488
特別損失(勧奨退職者退職手当)(J)△ 200△ 164368名分321
当期純損益(K)
=(I)-(J)
16226 △ 2、167
注 上段( )数値は、売上高に対する割合(%)である。

〇渡辺幸貫委員 それでは、配付している間に、審議を早めるために質問を一つだけしたいと思います。
 過去2年間の報告が先月にございました。その中で、売上費用など計画どおりである。つまり、売上額だとかコストだとか、営業拡大だとか資産売却だとか経営見通し、全部平成17年度などは計画どおり、目標どおり達成された。ところが、結果的には7億円ほど減益しているというずさんな計画。結果的に、そうだったんじゃないかということを確かめたいということが一つ。
 あと、もう一つは、100億円の影響額というのが盛んに言われていますけれども、現在かなりコンパクトな経費という部分に変わってきているんだと思いますから、改めてその影響額、二つをお答えいただきたいと思います。
〇宮農林水産企画室特命参事 過去の計画ということでございます。
 前回の改訂実行計画の平成17年度の損益が7億円減益しているということでございまして、17年度の改訂実行計画に当たりましては、17年度の損益を純利益で4億3、700万円と見込んだところでございます。しかしながら、実績は3億1、400万円の損益ということで、その差が7億5、100万円、計画よりも下回ったということでございます。
 その主な原因でございますけれども、収入につきましては、発売収入が3億円減少いたしまして、売上総利益が7、000万円減少したこと。それから、JRAの受託発売を計画しておりましたけれども、受託が不調に終わったということ。それから、資産売却でございますけれども、競馬会館の売却が18年度に移行したことなどによりまして、財産収入が1億円減少したものでございます。
 このようなことで、収入が計画より3億7、000万円減少したというものでございますし、一方、支出の方でございますけれども、冬季の特別開催を実施したことによりまして、経費が2億7、000万円増加したこと。それから、一時借入金の利息につきまして、金利の引き下げ交渉が不調に終わったといったようなことから、支出が計画よりも3億3、000万円増加したといったようなことから、計画よりも7億5、000万円下回ったという経過でございます。
 それからもう一点、廃止影響額、地域への影響額を約100億円と見込んでおるわけでありますが、現在の状況ということでございますが、この100億円につきましては、18年度の当初予算をもとにして積算をしてございますので、今現在につきましても、同じ影響額があると認識しているところでございます。
〇渡辺幸貫委員 それでは、今配付いただきました収支計画の中で、広域受託協力金という欄がございます。いわゆるこの欄は、実は純利益の数字じゃないかと思っております。純利益だとすれば、100分の15の逆数が売上高じゃないかと思います。売上高という意味での発売額は幾らなのか。上の方が売上高になっていますから、そういうことで平成18年度の見込み、それとあと新計画、平成19年度の予算のこの欄の数字を教えてください。
 また、岩手競馬商圏内での発売額もお示し願います。
〇宮農林水産企画室特命参事 今お尋ねのありました広域受託協力金でございます。
 この広域受託協力金と申しますのは、他の地方競馬主催者が発売しているものでございまして、それを当競馬組合の方で受託をして発売をしているというものでございます。この資料につきましては、広域受託協力金ということで得られる協力金の収入を挙げているところでございます。
 お尋ねのありました発売額でございますが、平成18年度の見込みにつきましては50億4、500万円、新しい計画につきましては124億8、900万円、19年度の当初予算につきましては111億8、900万円をそれぞれ見込んでいるところでございます。
 それからもう一つ、岩手競馬商圏内の発売額についてのお尋ねでございます。
 岩手競馬商圏内の発売額と申しますのは、自場の発売額と今お話をいたしました広域受託発売額、これを足したものでございます。18年度の見込みにつきましては255億3、400万円、新しい計画につきましては310億8、700万円、平成19年度、当初予算におきましては309億7、800万円を見込んでいるところでございます。
〇渡辺幸貫委員 今、報告されたように、岩手競馬の売り上げということを実際に見ていきますと、最後の岩手商圏内だけでもことしの見込みは255億円だと。それで計画のところは310億円だと。うんと上がらなきゃだめなんですね。今の売上高、計のところも今言われた数字を足してくると、例えば396億円、400億円に近い計画が今度の売り上げ計画だと。ことしの見込みは333億円だと。かなりの乖離があると思います。いろんな説明の中で、330億円の説明でも、計画と実績の乖離がそのまま赤字になっている構造を断ち切ると。そして、よりコンパクトなという表現で、現状認識をそういうふうに思って今度の計画を立てるんだと言っているんだけれども、数字にこんな大きな矛盾があると思いますが、その点についてお答え願いたいと思います。
〇宮農林水産企画室特命参事 今、矛盾があるというお話でございましたが、広域委託発売額につきましては、先ほどお話をしました広域受託協力金の逆でございまして、岩手競馬が行っているときに、他の地方主催者の方で発売をしているという形になるものでございます。競馬組合は、先ほどもお話しした、策定した改訂実行計画での売り上げと経費の見通し、それから売り上げ経費、それぞれの目標を実現できるように取り組んできたところでございますけれども、売り上げが目標に到達しないような場合にさらなる経費の節減を行いまして、赤字を発生させない仕組みが不十分であったと認識をしているところでございます。このようなことから、新しい計画におきましては、事業を継続する場合であっても、新たな赤字を発生させずに累積債務がこれ以上増加しない仕組みが不可欠であるとの認識に立ちまして、今後、売り上げがさらに減少する可能性も織り込みながら、新たな赤字が発生しないような仕組みとして、収支均衡を基本とする競馬事業存廃の基準を設定いたしまして競馬事業を運営していくと、こういう考え方でいるものでございます。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇藤原良信委員 議事進行いたします。
 先ほどの質問者数の数を見ますと、相当数に上っておりますけれども、事前にこれは通告している質問が多々あると思うんですけれども、ただいまの質問は事前通告していると思いますが、今、文章を読んでいますから。これは委員長、文章を最初から最後まで読んでいると相当な時間になってしまいます。したがいまして、これは趣旨をお答えするような方向で、当局の方で対応してもらいたいと思う。このままだと、延々とかかりますから。ですから、コンパクトに結論だけ言ってください。事業の中身とか何かの説明はしなくていいんです。わかっていることが多々ありますから、私どもは。ですから、結論だけ話してください。
〇及川幸子委員長 質問者にお伺いしますが、それでよろしいのでしょうか。
〇渡辺幸貫委員 私が了解しても、たくさんの方がおられるでしょうから今後の審議に影響すると思います。ですから、今の議事進行の取り扱いを一応決めてもらっておかないと、不満が出るんじゃないかと思いますが。
〇藤原良信委員 円滑な議事運営をするために話しているんだよ。何、語っているんだよ。それはお互いに努力しないと。コンパクトにまとめて答えていただきたい。そういうのがスムーズな議事運営だと私は思います。
〇及川幸子委員長 この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇渡辺幸貫委員 今、宮さんがお答えになったのは、数字では売り上げが下がるんだと、言葉で今おっしゃったじゃないですか。ところが、さっき発表された数字は上がっているんですよ。矛盾じゃないんですか。それを聞いているんですよ。
〇高前田農林水産部長 ただいま御指摘をいただいたのは、特に平成19年度の広域受託発売の関係のお話だと認識をいたしておりますが、これにつきましては幾つか御理解いただきたい点がございます。
 一つは、19年度の広域受託発売の見込みに当たって、発売日数、これが18年度の135日から19年度は232日に増加をしているということでございます。それから、発売額の大きい南関東地区の主催者の発売日数、これを増加させたと。それから、発売曜日、時間帯を拡大したということでございまして、この増加を見込んだものでございます。その中で、御議論としてあるのは、いわゆる岩手競馬の商圏内で本当にこれだけ売れるのかということだと思います。これに関して、私どもいろいろとそういう問題意識のもとで分析をしてみました。これに際しまして問題となるのは、広域受託発売が自場発売にどの程度影響があるのかということ、それから受託日数の増加が発売額の増加に本当につながるのかと、この2点かと思います。
 これについて検証をいたしてみました。私どもが持っております岩手競馬のデータ、これを使いまして16年度から18年度の実績、これを分析いたしてみました結果、まず一つは、広域受託発売、これが自場発売に与える影響というものがどうかということでございますけれども、岩手競馬発売期間中の広域受託発売日数が多い期間とそれから少ない期間、これの自場発売額を比較してみました。相関の分析をしてみましたけれども、その差はほとんどなかったということでございまして、広域受託日数と自場発売額の間に、明確な相関関係が見出せなかったということでございます。したがいまして、何が言えるかというと、広域受託発売の日数の増加が自場発売に与える影響というのは、明確に見出せなかったということが一つございます。
 それからもう一つ、広域受託日数の増加が本当に広域受託発売額の増加につながるのかということでございまして、これにつきましては、16年、17年の実績、これのデータをとってみまして、この相関分析を行ったところでございます。その結果、同一年度内では、発売日数の増加が発売額の増加に結びついているという傾向が明らかに見られるということでございます。つまり、相関が見られたということでございます。特に、具体的な数字を申し上げますと、18年度の岩手競馬の1月の開催終了後、2月末までの広域受託発売の動向、これを前年度と比較してみました。そうしますと、これは発売日数が29日から40日に増加をいたしておりますけれども、1日当たりの発売額、これは4、800万円ということでございまして、昨年度と同水準で推移をいたしております。発売累計は13億5、000万円ということで、これは前の年に比べて4割ほど増加をしているということでございます。これから、程度の問題はあるということでございますけれども、発売日数の増加が発売額の増加につながっているということが、データ上は明らかになったと考えております。
 これはどういうことかということでございますけれども、発売曜日によって異なる客層の方、これがお見えになって購買が生じているのではないかということでございます。それから、発売日数を増加させることで、来場機会の拡大とか新しいファンの獲得にもつながっているというようなことではないかと、背景として想定をいたしているところでございます。
 こういったようなことから、広域の受託発売の見通しについては、今お示ししているようなものを考えさせていただいているということでございます。
〇渡辺幸貫委員 今までもそうことを言いながら、インターネットをしたり広域受託などをやってきたんですね。そして数字がふえるんだと言ってきた。ところが、今回の表現は、とにかく実績を中心にしてよりコンパクトだと言ってきたんですよ。それとこの数字が余りに、255億円と310億円じゃ違うじゃないですかということを言っているんですよ。だけれども、ここ1カ月、2カ月のことで、大丈夫見込めますとあなたがおっしゃるのと、言葉は違うということですよ。まず、それを1点指摘しておきます。
 次の質問にいきます。
 今回の融資は、一部事務組合とは自治体と一体をなすことから、その支出は改めて融資案件としてふさわしくないと思うのですが、法的に地方自治法など、どの法に基づいているのか、お聞かせください。
 また、その性格上から、先日明らかになった、昨年9月の岩手銀行への借り入れの際の、県副知事、奥州市長、盛岡市長連名の要請文は、ほかの金融機関の借り入れも望めずとありますし、今回その更改が望めないということは、一部事務組合は自治体と一体をなすことから、岩手県や両市は、既に融資を受けられないと心配もするんでありますが、その辺はどうなのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 2点お尋ねございました。まず第1点、分賦としないで融資としたということでございますけれども、今回の新計画では、構成団体からの資金拠出ということが必要になったのですけれども、今回の構成団体の融資という形の仕組みにいたしましたのは、赤字なき継続が廃止よりも県民負担が少なくなるということから、そのための再生のスキームとして適切な手法であると考えたことが1点でございますし、分賦とした場合は、競馬組合は債務を返済する義務がなくなるということで、自助努力を促すといった面が出てこないと考えられたことなどから、将来、黒字からの返済がルール化されていることも含めて、県民の負担を最小にできるスキームということで判断して、融資という提案をしているものでございます。
 それで、法的な関係でございますけれども、今回の県から競馬組合への融資というのは、地方自治法第241条1項の規定による、定額資金を運用するための基金として設定する新たな基金によって融資を行うものでございまして、市町村へ融資している自治振興基金と法的な根拠については同じでございます。
 2点目でございますけれども、県、両市でございますけれども、既に融資を受けられないような状態ではないかと解釈できるのではないかという御指摘でございます。
 競馬組合は、御指摘の平成18年9月の償還分7億円のつなぎ融資を金融機関に要請した時点で、既に組合として従前のような売り上げの拡大計画をやめるといったような方針にありました。また、存廃基準のもとで赤字を出さないと、運営に切りかえるといった方針も示してございました。そういったことから、金融機関から新たな借り入れや借りかえは困難な状況であったものと考えてございます。したがいまして、18年度末に構成団体融資に切りかえる方針であることを前提として、18年度末までの期間に限ったつなぎ融資を受けることとなったものであります。しかし、構成団体である県や両市は、競馬組合とは別個の地方公共団体であります。また、融資を受けることが困難になった場合の組合の債務については、構成団体の有している資金を充てることとしており、その部分について、構成団体が金融機関からの借り入れを行うものではないことから、御指摘のあったような融資を受けられないといったような状態にあるとは考えてございません。
〇渡辺幸貫委員 今、あなたの説明の中で、売上額は望めずという部分もあったんですね。その辺がさっきのお答えとちょっと矛盾するところですよ。ただ、今の融資のための基金の関係については、同僚議員がまた突っ込んで話があると思いますから、次に進みたいと思います。
 地全協─地方競馬全国協会は、発売収入の規模によって3億3、000万円から4億円、我々岩手競馬は払ってきました。それで、本県への戻しが、畜産補助金だとかでいろいろあってその何分の1かは戻ってきたんではありますが、現実は、赤字の中でそういうものに払っていくということは私は違法ではないかと。どうせ払わなければならないなら─払ってきたんだという説明だろうと私は予測するんでありますが、この法律は、こう書いてあるんです。
 競馬法の23条の2で、競馬事業の収支が著しく不均衡な状況となること、収支が著しく不均衡な状況が引き続き1年以上の場合、交付の期限の延長を農林水産大臣に協議し、その同意を得なければならないとありますが、その辺どうなのか。
 次に、交付金の特例が23条の4では、3年の範囲内で定めなければならないとあります。平成12年、11年からですけれども、赤字があって繰り上げ充用は12年ですけれども、とっくに超えていますが、違法な事業継続ではありませんか。
 23条の5では、今のようなことを経て農林水産大臣の同意を得た場合でも、事業収支計画に従って競馬事業を実施しなければならないということになっているんですね。計画は、23条の2の第4項で、当該県市町村の議会の議決を経て、農林水産大臣にこの計画を出すということで書いてあります。改訂実行計画は、競馬組合議会の議決のみで、県、両市の議会の議決がなされていないという現実だろうと思います。ですから、地全協のこの競馬法の趣旨は、やっぱり赤字になったら、今私が言った法律の条文に基づいて繰り延べをして、あと、そういういろんな審議をし計画を立ててちゃんとやりなさいと、こういう趣旨だろうと私は思っているんですが、この辺の解釈についてお聞かせ願いたい。
 なお、その指示はだれがして今日まで延びてきたのか。私は繰り上げ充用をかつて指摘をしてきました。それと同様に、これをしなかったことが赤字をもっと膨らませた、大変な悲劇を生んだ原因ではないかと私は思うのですが、いかがですか。
〇宮農林水産企画室特命参事 お尋ねのありました競馬法23条の2の規定でございますけれども、この規定は地方競馬全国協会、いわゆる地全協への交付金について定めているものでございます。23条の2におきましては、地方競馬主催者が、事業収支の改善を図るため事業収支改善計画を作成し、農林水産大臣の同意を得た場合には、地方競馬全国協会への交付金の一部の交付を猶予する旨、規定されているところでございます。岩手県競馬組合は、これまでこの制度を利用してまいりませんでした。
 その利用してこなかった理由でございますけれども、交付金のこの猶予、これはあくまでも交付金の支払いの先延ばしでございまして、抜本的な収益の改善とはならないということが1点でございます。また、この交付金の猶予を受けた場合には、各地方競馬主催者が共同で実施をいたします競馬連携計画に基づく事業に参画ができなくなりまして、地全協からの補助が受けられなくなるということから、このような猶予を受けなかったというものでございます。
 競馬組合につきましては、23条の2で規定する事業収支改善計画の作成や、農林水産大臣との協議はそのようなことから行っていないというものでございます。
 それから、23条の4でございますけれども、交付金の猶予あるいは延長できる期間を定めているものでございますが、競馬組合は猶予の制度を利用していないことから、該当しないものでございます。
 それから、23条の5でございますけれども、交付金の猶予を受けた主催者は、同意を得た事業収支改善計画に従って競馬事業を実施しなければならないことを規定しているものでありまして、同じくこの制度を利用していないものから、該当しないというものでございます。
〇渡辺幸貫委員 今の御意見に反論したいと思いますけれども、競馬法の第1条は、競馬をできるのは、その財政上の特別の必要を考慮して、総務大臣が農林水産大臣と協議して指定するものが競馬を行うことができるとされているんですね。しかし、知事は、財政競馬としての意義は終わったと。何回かそれに似た答弁をなさっていますよね。そうすると、今の話は、細かいことをあなたが今答えたのは、各競馬場との連携だとか、そういうのにのれないとか何とかというのは細かいことであって、大上段に振りかざしたときには、やはりこの競馬法の順序に従って処理するのが至当だと考えますが、いかがですか。
〇東大野農林水産企画室長 競馬組合がこの交付金の猶予制度を利用してこなかったということですけれども、これはあくまで自助努力での赤字解消という方針で今まで来たということで、後年度に負担をそのまま残るようでは計画の立案が難しいということで、猶予制度を利用してこなかったと理解してございます。
〇渡辺幸貫委員 今年度とか何とかじゃなくて、330億円の融資の必要性で各会派とかみんなに説明した内容を見ても、もう平成6年から赤字がぽつぽつ出ていて、11年からずっと連続してきょうまで来ているんですよ、赤字が。そんな単年度だとか何とかという問題じゃないんじゃないんですか。大上段で私は聞いているんですよ。部長のお答えを願いたい。
〇高前田農林水産部長 ただいまの御指摘でございますけれども、いずれ、この交付金制度の猶予のお話につきましては、平成17年1月から適用されているということでございまして、岩手競馬もそれ以降は、競馬法に定める競馬事業の収支が著しく不均衡な状況と、これに該当している可能性があるので、先ほど猶予制度を使ってこなかった理由ということを申し上げましたけれども、そういったデメリットとの関係も踏まえつつ、御指摘の点についてはさらに検討していきたいと思います。
〇渡辺幸貫委員 じゃ、今17年から法ができたというのだから、認めざるを得ないですよね。まず、それを1点言いたい。
 その次です。次に移ります。
 民間会社である東北映像の28億円余の借り入れに責めがあるとの文書を金融機関に出しているが、行政が一民間機関に責任を負う文書を出した例があるでしょうか、お答えください。
 管理者は保証人にならないと主張していましたが、裁判で責めがあると判断されれば、損害賠償事案になると思います。
 私は、市長、首長に対する損害賠償事件で、平成17年3月10日、最高裁の下関の第三セクターの関釜フェリー会社が立ち行かなくなった問題に対する市からの補助金支出が地方自治法232条の2、公益上必要がある場合には寄付又は補助することができる。
 長又は議会であるが、この認定は全く自由裁量ではないから客観的にも公益上必要であると認められなければならないと、こういう注釈もその判決文に書いてあるんですけれども、そう判断されています。
 この問題は、一審や二審ではもう賠償しなければならないと、そういう判決も出てきたものを最高裁が判断した例でありますが、そこで、競馬組合が従事者の雇用や自治体の影響の大きさは私も心配するところではありますけれども、公益上必要であると、私を初め多くの県民は思っていないんじゃないでしょうか、競馬そのものを。まして、テレビ企業傘下の東北映像は公益上の相手ではないと思うのですが、部長はどう考えますか。
〇高前田農林水産部長 まず、行政が一民間企業に責任を負うような文書を出した例についてということで、ほかにあるかというお尋ねでございますが、これについては、具体的には、ほかにあるかどうかについては承知をしていないところでございますが、この合意書についてでございますけれども、合意書に記載してある責めがあるということを認識しているとは、賃貸借契約について、貸し主が金融機関に確実に借り入れを返済することができるよう、競馬組合としては貸し主との賃貸借を継続するために最善を尽くすということが必要であると、信義則上の責務があるというような認識を示したものでございまして、契約継続が困難になった場合であっても、このような記載があることで、組合が具体的な債務を負うことではないと認識しておりまして、このことは、地方公共団体が会社に対して債務保証を行うことが法律で禁じられておりますこと、それから競馬組合が債務負担行為、これを設定していないということからも、明確であるのではないかと考えております。
〇渡辺幸貫委員 損害賠償の請求事案になるかならないか、今補助金の規定も私も調べました。ただ、そういうことをきちんと想定をして、万が一最高裁の今私が言ったようなことと抵触しないかといったようなことを十分審議されてこの文書が出ていたのかどうか、もしそういうことをきちんとやっていないで、今一生懸命縄をなっているのであれば無責任だと思いますが、その辺はちゃんとやってこられたかどうかを確かめたい。
〇高前田農林水産部長 具体的にこういった合意書を締結する際に、今申し上げたような具体的な責務があるかどうかということも十分認識した上で、この合意書の締結をしたものと私は考えております。
〇渡辺幸貫委員 最後に一つだけ聞きます。
 かつても発言がありましたけれども、住民監査請求の対象について伺います。
 地方自治体の長、一部事務組合の管理者はもちろん対象になっていますが、国会議員は、議会内で行った演説、討論、表決について責任は問わない免責特権があるが、一方、特権のない私たち地方議員は、議会の議決に基づく公金の支出の問題で、この議決が違法なものである。さっき私は幾つか法に準拠しないんじゃないかということを指摘しておきましたけれども、そういうときに、地方議員は住民監査請求の対象者になり得ると思うが、当局はどう判断しているのか、この点をお聞きしたい。
〇東大野農林水産企画室長 住民監査請求の関係でございますけれども、最初に、住民監査請求は、住民が違法もしくは不当な公金の支出等がなされたと認める場合に、監査委員に対してなされる請求ということでございますけれども、これで議会の行為が違法又は不当な場合であっても、それだけでは監査請求は行うことはできないということでして、議会が議決した条例なり議決した議案なりに基づいて、執行機関で具体的な行為が行われる段階で、初めて請求の対象になり得るものと承知してはございますけれども、執行機関ではない議会の行為については、監査請求の対象にはならないのではないかと考えてございます。
〇渡辺幸貫委員 一つだけ指摘しますが、今実際に行為が、この融資額について私たちは議決をしていくんですよね。その辺について私たちも不安に感じるからそうお聞きしたんです。重ねてよく審議、検討をいただくこともあわせて申し上げながら、質問を終わります。
〇柳村岩見委員 3月5日に総括質疑をさせていただきましたが、その際に時間が足りなかったのであります。そこで、岩手競馬に関する部分の最後の何点かについて質問することができませんでした。ここでさせていただきます。
 私が今疑問に思っているのは、私にとっては、もう新しい計画の内容については余り興味がない。もう何回もはぐらかされてきましたから、余り中身について正すつもりはありません。一体、岩手県と県指定金融機関とはどういう関係なものでしょうか。それは、農林水産部はお金を使うところで、借りるところでありませんということにはならんと思いますし、それから、部局長たるもの、県と県指定金融機関とはどういうことだということを答えられると思いますし、また、通告もいたしましたから調べることもできたんだろうと思います。そのことについて答弁をまずお願いしたいと思います。
 次の話ですが、きょうの広告であります。真ん中辺のところの、赤字の見通しの場合は競馬事業は廃止という基準というところの文書になっているところ、見出し以外の1、2、3の、金融機関から新たな融資を受けることはできません。どなたが行って融資を受けることができないということを聞いてきましたか。どなたでしょうか、岩手県庁の。聞いてきたのは。お貸しすることはできませんと言われてきたというから、だれに言われてきたかというよりも、だれが聞いてきたかということ。こっち側の問題ですから、県庁の問題ですから、金融機関の問題じゃないので。
 その次に、借入金の減免を金融機関に求めることは不可能ですと。不可能ですというのは、一部事務組合の説明を聞きましたから不可能と思います。しかし、頼んでみたのかどうか。頼むことができないと思っているのか。そのやりとりの結果として不可能だと言ったのか。もうお願いも何もしないで、テーブルにも着かないで不可能だと思ったのか、そこのところを答えてください。
〇東大野農林水産企画室長 指定金融機関についてのお尋ねでございますけれども、指定金融機関は、自治法の規定に基づいて、公共団体が公金の収納又は支払いの事務を行わせるために、議会の議決をいただいて指定した金融機関と存じてございます。
 それで、もう一つ、指定金融機関として果たすべき役割でございますけれども、県と指定金融機関ということよりも、私ども競馬組合を担当してございますので、競馬組合に置きかえて答弁させていただきますけれども、競馬組合の日々の公金の取り扱い業務のほかに、返済する計画に沿って累積債務、繰り上げ充用に当たる資金を引き受けてきたところであります。今回は売り上げの見込み的な内容によって新計画が今までの方針と異なった内容となったことから、新たな融資は今難しいと考えてございます。
〇高前田農林水産部長 まず、債務の減免についてでございますけれども、これまでも御説明をさせていただきましたとおり、競馬組合、これは地方自治法に規定する一部事務組合ということでございまして、これは他の地方公共団体と同様でございますが、金融機関に対して、民間企業の再建等で行われているような債務の減免を求めることは制度上想定されていないということでございます。したがって、地方公共団体である競馬組合が、金融機関に債務の減免を求めることは、現行の地方財政制度上できないということでございます。
 それから、だれがその融資をしないということを確認してきたのかというお尋ねでございます。これにつきましても、これまでもお答え申し上げておりますとおり、現在、競馬組合は非常に累積赤字を抱えている状況でございまして、現在の事業運営の中で、明確に金利を払って債務を償還していくということが困難な状況でございます。それとあわせまして、現在お示ししてございますように、新しい計画のもとでも、これまでの計画とは違って、売り上げの拡大でその返済をできるというようなことは望めないような状況でございます。そういったようなことから、金融機関からの融資の適格性ということが問題になるということ。
 もう一つは、やはり事業存廃の基準というものを明確に設定させていただきました。これが、これまでの計画とは明らかに違う点でございまして、言ってみれば、毎年度、毎年度、場合によっては四半期ごとにこれを明確に検証して、赤字が出れば事業を廃止するということを明確に打ち出した事業存廃の基準がございます。こういったようなことから、こういった基準のもとでは金融機関からの融資は受けられないということで考えているものでございます。
〇柳村岩見委員 大分はっきりしてまいりました。実は、二つの後半の質問について、どなたにも、金融機関にお願いしたのでもなければ、尋ねたことの結果でもなければ、要するに、一部事務組合というものはそういうことであるという理解のもとに不可能である、このように言ってみたり、あるいはまた新たな融資というものは今の新しい計画においては受けることができないと自分たちが御判断をされた、こういうことになると思います。
 そこで、私は、さきに岩手県に対して、県の指定金融機関というのは何なのだということをお尋ねしましたが、それはそれなりにお答えは、そうやって決められるということでありますけれども、しかし、決められた後のことについて、事岩手競馬の330億円融資を県なり奥州市なり盛岡市が、その基金をつくって貸さなければならない、金融機関にはそういうことをお願いすることができないという事態のときに、あるいはまた一歩間違えば廃止になるというこの事態に、指定金融機関の銀行がテーブルに出てきませんか、これは不思議でしようがない。出てこないのが。出てくる要請はされましたか。
〇高前田農林水産部長 具体的な金融機関との交渉、それからその対応がどうかというお尋ねかと思います。これにつきましては、実は委員もう御存じのとおり、昨年9月の借りかえのときにも、私ども借りかえの交渉をさせていただきました。そのときに、皆さんにお配りしているような、ああいう念書というものを出す形で借りかえができたという状況がまずございます。したがいまして、ああいった借りかえについても相当難航したという事実がございます。
 それから、もう1点でございますけれども、実は、債務の減免、それから償還期間の延期といったようなことにつきましては、これは、後でも委員の方からも御質問が予定されているようでございますが、奥州市議会が1月末に岩手銀行の方に要請に行っておるわけでございますが、その際に、組合が破綻した場合は、また長期の償還スキームを検討しますといったようなことを岩手銀行側が回答したといったような報道がなされましたことから、私どもの方でも、たしか2月6日だったと思いますが、私が直接岩手銀行側に確認をさせていただきましたところ、そういったようなことを話した事実はない、岩手銀行としては、全く償還のルールどおり返済をしていただくものですということを、明確に向こうから回答をいただいているところでございます。
〇柳村岩見委員 私は日ごろこのように思っておりまして、それを今の答弁のほかに申し上げておきたいと思います。
 岩手県は、リスクをゼロ、その状態で1%後半の利息でお金を借りる、こういうことであります。そのこと自体に私は間違いもあると思っているんです。リスクがゼロ、1%後半、そして次に申し上げたいのは、使う人と借りる人が違う。県庁の場合、借りる交渉をしてくれる人と使う人と違うというケースが多い。私たちは使う人、私たちはお金を借りてあげる人、だから払えなくなる。リスクがゼロで1%後半だったら借りやすいから借りる。私だってたくさん借りると思います。払えなくなってしまう。それが今の岩手県の状況ですよ。
 だから、ある場合においてはリスクはあった方がいい。怖さを感じながら経営をするということが大事だし、あるいはパーセンテージが高い方が、利息が高い方が、お金を借りるということに対して律せられるかもしれない。その方がいい場合がある。皆さんのお金の借り方は間違い。だから、県というところ、こういう自治体というところは借金が非常にふえていく。そのことを私は申し上げておきたい。
 本当は、そんな考え方、方針というものについても答弁を求めたかったんですけれども、それはいたしません。
 最後に、こういうふうに思うところであります。
 金融機関に対して、後で行って確かめましたという部分はありました。しかし、融資を受けることができない、あるいはまた減免をお願いすることは不可能だ、こういうふうな話ですが、私は、どのように経過をたどっていったとしても、岩手競馬というものが時代の中に認知をされないというのであれば、やはりここ1年、2年存続いたしたとしましても、廃止という事態が来るのであれば、当然ながら、今、別な方法での提案が議案として出されておりますけれども、しかし、私は、もしこの議案というものが通らない形になった場合は、指定金融機関は即座にテーブルに着く必要があると思います。その御認識だけ最後にお尋ねして、私の分の3月5日に残した部分の質問を終わります。
〇高前田農林水産部長 ただいま指定金融機関との関係でいろいろ御指摘をいただきました。
 今回これだけの赤字が膨らんだということについて、特に、県はリスクゼロで借りたからこうなったのではないかという御指摘でございますけれども、そういったような御指摘については、やはり重く受けとめる必要があるだろうと考えております。
 ただ、私どもとすれば、今回の融資案というものは、御指摘のような問題、これに対する深い反省に立って考えた仕組みであるということでございまして、いわゆるこれ以上の赤字を絶対にふやさないということのために御提案申し上げている案でございますので、その点を御理解いただきたいと考えております。
〇柳村岩見委員 立つつもりはありませんでしたが、答弁漏れでありますから。
 銀行が、仮に廃止されるときには指定金融機関は即座にテーブルに着いて、その廃止の後のスキームについて議論していく必要があるとの御認識だけお尋ねしました。その部分、短くて結構です、御答弁ください。
〇高前田農林水産部長 競馬事業が廃止された場合に、即座に金融機関が、指定金融機関である銀行が協議のテーブルに着くべきだろうということでございますが、それにつきましては、まずは廃止の場合に、構成団体間での協議というものをしっかりとした上で、その延長線上に金融機関との話し合いというのは当然あるかと思いますけれども、最初からテーブルに着くということではないと考えております。
〇小原宣良委員 私からも競馬問題について伺います。
 この問題の中心をなしているのは、競馬事業を継続した場合と廃止した場合のどちらの対応策が県民への負担が少なくて済むか、この1点にかかっているものであります。もちろん雇用を含めた地域経済への波及効果や馬事文化の振興などの課題も存在いたします。
 県が今議会に提案している330億円の構成団体融資案に対して、県民の理解が十分高まったとは言いがたい状況にあります。その理由は大きく三つあると私は考えております。
 第1は、330億円に及ぶ巨額の負債を残すに至った経営責任が明らかにされていないことです。
 第2は、今回提案されている融資案にかわり得る案があるのかという点であります。
 第3は、今年度末に返還期限を迎える215億円に対応しなかった場合、競馬事業が廃止・倒産となり、その場合、構成団体は負債整理等、事業閉鎖の手続に入ることになることが明確に県民の皆さんに伝わってこなかったこと。加えて、廃止の場合、雇用問題、県経済に多大な負の影響を与えることなどが挙げられると思います。
 そこで、お伺いいたします。
 第1は、経営責任についてであります。今日時点で直接的には県財政に損失は与えておりませんが、増田知事は、県競馬組合の最高責任者として、経営悪化に至った責任を明確な形でとるべきであります。具体的に指摘いたしますと、先ほども議論ありましたが、多額の単年度赤字が発生したため繰り上げ充用の措置をとった平成12年度において、規約に基づいて損失負担を構成団体が直接行う措置をとるべきであったことが挙げられます。
 大事なことは、こうした措置をとっていたなら、競馬事業の経営実態が、県議会、盛岡、水沢両市議会に直接伝わったであろうし、情報公開も進んだでありましょう。この措置をとらなかったことは、結果として情報公開を阻害したことになります。この責任は重大であります。
 これらの責任問題については増田知事に直接伺いたいので、あすの予算特別委員会最終日に知事の出席を求めます。委員長のお取り計らいをお願いいたします。
〇及川幸子委員長 執行部に答弁を求める前に、ただいま小原委員より発言のありました、あすの当委員会に知事の出席を求める件についてでありますが、この後に質疑の予定もありますことから、本件については、第3部の審査終了後、世話人会を開き、その取り扱いについて協議いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
〇小原宣良委員 はい、いいです。
〇及川幸子委員長 それでは、そのようにしたいと思います。
〇小原宣良委員 先ほどのお取り計らいについては、よろしくお願いいたします。
 第2は、330億円融資案にかわる救済、支援策はあるかについてであります。改めて私からも伺っておきたいと思います。
 金融機関にも貸し手責任があるので、債務減免、長期・低利に切りかえての解決策があると指摘する向きがあります。これは実現可能な対策なのでしょうか。金融機関とこうした対応策について協議した事実があるとすれば、その内容を含めて明らかにしていただきたいと思います。先ほどもそれは説明ありましたが、私からも改めて伺っておきます。
〇高前田農林水産部長 先ほど柳村委員の御答弁でも触れさせていただきましたが、金融機関との関係につきましては、これは、破産とか民事再生などの仕組みがないということでございまして、債権の放棄とかカットがあり得ない地方公共団体の貸し付けについては、民間企業等に貸し付けた場合と同様な対応を金融機関に求めることについては、無理があると考えてございます。
 具体的に、債務減免につきましては、先ほどとまた繰り返しになりますけれども、競馬組合は一部事務組合であるということでございまして、制度上こういったようなことは想定されていないということでございまして、金融機関に債務の減免を求めることは、現行の地方財政制度上できないものであるということでございます。
 それから、次に、長期・低利資金への借りかえの関係でございます。
 地方公共団体が支払い時期を遅延し延滞するということは行ってはならないものであることから、仮にあり得るとしても、その支払い時期における借りかえが可能かどうかという議論になるかと考えております。しかし、競馬事業存廃の基準を設定したことによりまして、借りかえとか融資条件の変更を含めた新しい融資を金融機関から受けることはできなくなるということから、支払い時期の猶予を求めることは、やはり難しいものと考えております。
 なお、先ほどもお答えを申し上げましたように、こういったようなことにつきましては、奥州市議会が1月29日に銀行側に対して要望を行った際の回答があるという件でございますけれども、これは、私が2月6日に銀行側に確認したところ、そのように回答した事実はないと聞いてございまして、当該銀行は、借入金の長期弁済を否定しているというところでございます。
〇小原宣良委員 可能なこと、不可能なこと、これは認識として我々もきっちり持っていかなければいけません。でないと事柄が混乱します、混同しますからね。そういう意味で、今の部長の説明は、そうした事実があったという点で重大に受けとめておきたいと思います。
 第3は、330億円融資関連議案が否決となった場合の対応策についてであります。
 関連議案が否決になったからといって、直ちに競馬事業が破産・倒産するものではありません。問題は、先ほどあったように、新たに金融機関からの融資が望めない以上、構成団体から組合に対して、融資にせよ分賦にせよ、何らかの形で資金を拠出しない限り、競馬組合はその時点で資金不足となり、競馬事業は今年度末をもって廃止することになります。
 そこで、以下5点について区切って伺いますので、委員長、お許しをいただきたいと思います。
 1点目は、関連議案が否決となった場合、今年度末までに返済期限を迎える215億円は、だれが支払うことになるのか伺いたいと思います。県、奥州市、盛岡市の3団体が今月末までに返済金額を工面することになるのか、それとも県がとりあえず215億円を支払うことになるのか。その際、臨時県議会はいつ開いて補正措置をとることになるのか、明らかにしていただきたいと思います。否決の場合は、避けられない事実としてこうしたことは起きることになりますので、明確にお答えいただきたいと思います。
〇高前田農林水産部長 関連議案が否決となった場合の年度末の支払いについてでございます。
 仮に議案が否決された場合、これは、競馬組合に係る債務の処理について速やかに構成団体間でまず協議をするということになります。その上で対応するということになるわけですが、県といたしましては、競馬組合が約定日に返済できない場合は、構成団体に延滞利息の支払いが求められるということがございます。それから、延滞の発生は地方公共団体への信用不安が生じて大きな損失を招くといったようなことなどから、平成18年度内に支払いを要する215億円のうち、構成団体から融資を受けていた37億円を除く178億円については、期限内に金融機関等へ返済する必要があると考えております。
 この場合、この178億円につきましては、競馬組合規約に定めますいわゆる不足額に当たると考えられますことから、この規約に基づいて、県は、この必要な支払い額の55%の98億円を支払うことになると考えております。県としては、既存の規約上の分賦として、責任のある額を至急支払うという対応をとる以外にないと今のところ判断しているところでございます。
 一方、この考え方でいけば、両市は、これは単純に規約で計算するということになりますけれども、奥州市が約45億円、盛岡市が約36億円の支払いが必要となりまして、特に奥州市は、その財政規模からいたしますと、重大な問題が生じるのではないかと懸念されるところでございます。
 この支払いのために、県は、平成18年度補正予算を措置する必要がございます。競馬組合の債務の支払い日までに県から競馬組合に支払うことになると考えております。また、既存の構成団体融資37億円でございますけれども、これにつきましては、競馬組合から構成団体への返済ができないということでございますので、37億円のうちの県の融資額27億円ございますけれども、これと、両市がそれぞれ5億円ございます。これについては、平成18年度の歳入欠陥といったようなものになると考えているところでございます。
 なお、臨時県議会の開催といったようなことについてお尋ねがございました。現時点におきましては、明確な考え方を持っているわけではございませんが、間近に迫っているこの債務の支払い日までに起債償還を行うためには、直ちに平成18年度補正予算を編成する必要があります。したがいまして、日程的には相当困難でございますが、総務部でございますとか構成団体と相談しつつ、臨時議会の開催について至急検討を行った上で、議会に御相談させていただくことになると考えております。
 なお、臨時議会の日程といたしましては、3月20日に競馬組合の起債の支払いの予定があるということでございますから、それに間に合う日程を検討する必要があるということで、非常に厳しい日程ということになるかと想定いたしております。
 また、もし仮に平成18年度に競馬事業を廃止する場合、これは、既にもう19年度に向けた開催準備ということで、馬資源の確保でございますとか、他の地方競馬とのさまざまな日程の調整を行っているといったことから、非常に厳しい対応がまた迫られるということでございまして、直ちに競走馬の他の主催者への転籍といったような対応が求められるとか、それから広域発売の受託・委託の解消、グレードレースの取りやめ等、他の地方競馬主催者等関係団体との事業廃止処理も求められます。それから、厩務員等、関係者への見舞金でございますとか従事員の雇用等への対応が必要となるものと考えております。
 なお、競馬組合は、このように競馬事業の廃止処理業務への対応が迫られてまいるということでございまして、そういったようなこととか、さらには事業運営資金の確保も難しくなるということでございまして、場合によっては、3月24日から予定されております特別競馬の開催も難しくなるのではないかと懸念いたしているところでございます。
〇小原宣良委員 37億円を引いた178億円について、基本的に分賦であるという認識が示されました。
 そこで、2点目でありますが、分賦によるということになった場合に、これは私、本会議の一般質問で知事の答弁をいただいたわけでありますが、確定した負担金、要するに分賦によって確定した負担金に県が融資できるか、両市にお金を貸すことができるかと私はお尋ねいたしました。それに対しては、なかなか困難であるということでありましたけれども、この年度末においても178億円の返済に向けて、これはもうすぐ、緊急性を伴うものでありますが、県が98億円55%、奥州市45%、盛岡市36%、これを分賦という形で対応せざるを得ない、こういうことです。
 私は、それはなかなか無理だと思うので、県が一時それを両市にかわって立てかえることはないかと先ほどお聞きしました。改めてそこは確認しておきます。同時にまた、お聞きしましたように、この両市に対して分賦の負担を確定した額について県が融資できるか、できないとすれば、その根拠を明らかにしていただきたい。これは法的な部分もあろうかと思いますので、できない根拠を明らかにしていただきたい。2点です。
〇東大野農林水産企画室長 奥州市、盛岡市両市の分賦の負担に対して県は融資できないという理由についてでございますけれども、前にも知事から御答弁差し上げた内容と重複しますが、今回の融資スキームは、あくまでこれまで共同して運営してきた競馬事業に生じた債務を構成団体からの融資に切りかえるという趣旨で、それでもって事業の再生を図るということであるので、事業廃止を決定した場合のような、最終的に確定した責任負担額、すなわち分賦すべき不足額に当たらないと考えられることから、あくまでも共同運営してきた競馬組合の再生のためのスキームとして、両市への融資を含めた仕組みを御提案差し上げているということでございます。
 一方で、分賦として構成団体が負担するという金額でございますけれども、これはもう構成団体の確定した負担ということになってしまいますので、他の市町村の通常の収支不足、あるいは財政難とかと同様の性格になってしまうと考えられますので、両市が賄い切れない部分につきましても、それに対して県が貸し付けるということについては、難しいといった考えをしております。(小原宣良委員「立てかえはできるか」と呼び、「難しいでは答弁にならないんだよ。できないかどうか聞いているんだ」と呼ぶ者あり)
〇及川幸子委員長 静粛にお願いします。
〇東大野農林水産企画室長 今の部分につきまして、貸し付けというようなことについて、それは難しいと考えてございます。
〇小原宣良委員 そうすると一時立てかえはできるんでしょう。私がお聞きしているのは、今年度末の215億円の債務に対して、これは37億円を引いて178億円、この部分は、分賦の考え方を基本にするということになると、先ほど説明あったように、県は98億円です、奥州市は45億円です、盛岡市は36億円ですと。しかし、両市は今年度末─今月末ですよ、今月末までに45億円、36億円準備できますかと。したがって、その場合は県が一時立てかえということになるのではないですかとお聞きしているんです。どうですか。
〇東大野農林水産企画室長 一時立てかえという形ではありますけれども、その期間がどこまでということがございますので、貸し付ける場合と考え方は同じになってしまうものと思われます。
〇小原宣良委員 貸し付けることはかなり困難だということですね。出してもらうということですね。そういうことです。これは大変なこと。
 3点目は、平成19年度以降、来年度以降ですが、償還すべき債務の額と支払い時期を明らかにしていただきたいと思います。あわせて、これらの返済に遅滞することのないように、県、奥州市、盛岡市の3団体で速やかに負担のあり方を協議すべきと考えますが、いつまでにこの協議が調う必要があるのか、返済期限にあわせてお伺いしたいと思います。
 結局のところ、廃止になった場合、資産処分を含めた最終的な損失処理の見直し、すなわち廃止スキームが必要になると思いますが、どうお考えでしょうか。質問の最初に私が申し上げたとおり、どちらの対策が県民負担が少なくて済むかという点で重要なポイントでありますから、明確にお答えください。
〇東大野農林水産企画室長 平成19年度以降に償還すべき債務の額と支払い時期でございますけれども、19年度以降に返済期限が到来する起債の総額は111億円となっております。このうち19年度は、約定どおりであれば、9月20日に元利合計で9億2、400万円、それから平成20年3月20日に9億2、000万円となっております。
 なお、議案の否決に伴いまして、今年度末に事業が廃止された場合には、このうち民間金融機関分の58億円については、事業廃止時に直ちに支払うといったような約定の内容になってございます。また、廃止に伴う処理コストといったものが発生してきます。これらも含めますと、平成19年度早々に協議を開始しなければならないということになるかと考えられます。
〇高前田農林水産部長 私の方から、構成団体間での負担のあり方の協議についてと、それから廃止のスキームについて、この二つについてお答え申し上げたいと思います。
 まず、協議のあり方についてでございますけれども、平成19年度以降分については、約定通りの場合の起債は、19年9月20日が当面の支払い期限ということでございまして、廃止に伴う起債の一括償還、それから廃止の処理コストも早急に支払う必要が出てくると見込んでおります。
 なお、今年度末に支払いが必要になる215億円、これは、構成団体融資の37億円を除けば178億円でございますが、これについての議論と同様、県としては、競馬組合規約に定められた分賦割合による額を支払うという対応をとることになると想定されますが、それらの支払いとあわせて、競馬組合の資産の取り扱いなどについて構成団体間協議も重大であると想像されるところでございます。これは相当な難問であるということでございまして、この協議は、相当な難航が予想されるということでございます。
 なお、次に、競馬事業廃止の場合のスキームについてでございますが、仮に、現時点で競馬事業の継続が困難となりまして事業を廃止するといったような場合には、廃止に伴うコストがその時点で生じることは、これは避けられないと考えております。その上で、最終的な組合資産の処分等を含めた廃止の場合の負担の流れにつきまして、なかなか口頭では説明が容易でない部分もございまして、可能な範囲で一応ペーパー化した資料を作成しておりますので、委員の御了承が得られれば、お配りして、この資料により説明させていただきたいと考えておりますが、委員長において、お取り計らいをお願いしたいと思います。
〇及川幸子委員長 ただいま執行部から、答弁に際して資料の配付を認められたい旨の申し出がありましたが、審議を深めるため、これを認めることにいたしたいと思います。
 小原宣良委員、御了承願います。
 事務局から資料を配付させます。
   〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇斉藤信委員 廃止スキームということになると、先ほど高前田部長が岩手銀行に行ったという話の真意が問われるのです。いいですか、私は、奥州市議会が岩手銀行に行ったときの回答を聞いていますよ、文書で。これは奥州市議会特別委員会に報告されています。それをぜひ求めていただきたい。テープもとっているんですよ、岩手銀行の常務がどう答えたかということは。
 2月8日には、公営企業金融公庫に行って、これは公営企業金融公庫の回答もいただいていますから、この二つを奥州市議会からもらってください。そして皆さんに配ってください。
 よろしくお願いします。
〇及川幸子委員長 ただいま小原宣良委員の質問の答弁中でありますので、ただいまの斉藤信委員からの申し入れについては、その後に協議して決定したいと思います。少々お待ちいただきたいと思います。(「それは逆だ。議事進行が先だ」と呼ぶ者あり)
 暫時休憩いたします。
   午後5時54分 休憩
午後6時35分 再開
〇及川幸子委員長 再開いたします。
 世話人会の協議結果を報告いたします。
 先ほど斉藤委員からの議事進行において要求のありました資料につきましては、現在、執行部において照会、確認を行っており、その結果を待って改めて委員会に報告することとして、質疑を続行することといたしましたので、御了承願います。
 小原委員の質疑を続行いたします。執行部の答弁を求めます。
〇高前田農林水産部長 それでは、お手元にお配りいたしました資料によりまして、いわゆる廃止スキームについて御説明させていただきます。
〔参照〕
  岩手競馬を廃止した場合の負担について
〇高前田農林水産部長 まず、資料をごらんいただきたいのでございますけれども、資料の左端をごらんいただきたいと存じますが、競馬組合は、平成18年度末で330億円の債務を抱えてございます。
 次に、競馬事業を廃止した場合において、廃止した年度において330億円の債務に事業整理関係費用として、水沢競馬場のスタンド等の施設の解体撤去費用や関係者への見舞金などの費用が加わりまして、合わせて372億円を構成団体が負担しなければなりません。
 なお、この費用につきましては、盛岡競馬場の処理費用は含んでおりませんが、資産処分のあり方とあわせて次に御説明させていただきます。
 競馬事業を廃止した後には、組合の資産処分のあり方につきまして構成団体が協議を行う必要がありますが、特に、競馬場施設の処分の方法について検討する必要があると考えてございます。
 競馬場施設の処分方法としては、大きく分けて、一つは売却等により処分する方法と、それからもう一つが専用場外発売施設として利用する方法が考えられます。
 まず、競馬場施設を売却等により処分する場合には、資料の右側に四つのケースをお示ししておりますが、いずれも大まかな仮定の話でございまして、実際には、売却の目的、すなわちその後の利用の用途、こういったようなことなどによって大きく異なりますが、ケース・は、資産処分により200億円の収入が発生した場合、つまり施設の売却によって200億円のプラスが生じた場合でございます。この場合の構成団体の最終的な負担は、試算しますと172億円となります。
 同様に、ケース・では、資産処分により100億円の収入が発生し、最終的な負担が272億円となる場合でございます。
 次に、ケース・は、売却価格と処分に伴う関連費用が同程度となった場合でございまして、この場合は最終的な負担が372億円となります。
 最後に、ケース・は、施設を売却したにもかかわらず処分に伴う関連費用が売却額を100億円上回ってしまった場合でございまして、この場合は、最終的な負担額は472億円となるわけでございます。
 なお、このうちケース・やケース・のように売却でプラスの金額が出てくるのは、現実には構成団体、例えば県が何らかの公共施設に転用するために買い取るような場合ではないかと予想されております。しかし、そのような場合にも、右上の四角で囲んだ中に書いてございますように、組合の負担はその分だけ小さくなるわけでございますけれども、資産を買い取った構成団体にとっては、資産の取得費、それから整備等に伴う費用が別途発生することとなります。
 次に、競馬場施設を専用場外施設として利用する場合について、資料右下にお示ししてございます。他の競馬主催者の場外発売施設として利用するとした場合、競馬事業をみずから実施しなくなりますことから、競馬組合を解散する可能性が非常に高い中で、一つは、施設の所有や維持管理をだれが行うのか、それから収支をどう見込んでいくかといったような課題について構成団体間で議論を行う必要がございます。議論の結果によって、その後の収支や負担は変わることになりますが、それ以前の構成団体の負担額は、おおむね372億円前後の数字のままということになります。
 以上、岩手競馬を廃止した場合の処理について御説明申し上げました。非常に概略的なお話ではございますけれども、現時点では、組合資産の処理や転用の見込み等が具体的に立てられなかったために、廃止スキーム等具体的にお示しすることは困難であったものでございまして、御理解いただきたいと思います。
 なお、今回の構成団体融資は、仮に将来事業廃止という事態に至った場合でも、こうした資産処分等について、落ちついて一定の時間をかけて協議し、最善の結果を出すことができる条件整備にもなるということでございます。
〇小原宣良委員 極めて不十分ですね。これは、やむを得ないと言えばやむを得ないんですが。この財産処分にかかわっては相当の時間を要するわけです。これは、半年や1年で競馬場を売却するとか、そういうことは考えにくいわけなので、結局は、分賦の額というものが確定するまで相当の時間を要すると思われます。
 先ほどお伺いしましたように、その間に返済期限を迎える返済金がございますから、それにどう対応するかということが、常にその都度都度、構成団体は求められるということになるんだと思うんですね。
 今年度末におきましても、先ほど部長の答弁のとおり、分賦の考え方によって対応せざるを得ない。今年度末対応ですらそうですからね。だとすれば来年度以降の111億円についても、これは、その償還期限が到来した都度、各3構成団体は、その負担割合を決めて拠出しなければならない。
 一方で、この廃止スキームによって、最終的な分賦による清算というのでしょうか、負担、これらを決めていくというスキームを細かく3団体で協議していかなければならない、こういうことになるわけですね。これは実に大変荒っぽい話です。
 ただ、この融資スキームを最初に提起したということですから、この廃止スキームについては、そうそう考えていなかったし準備もしていなかったということなら、私は、構えとして不十分だったと思いますよ。330億円の債務というものが現実にある。215億円の償還が現実に今年度末に到来するということはわかり切っているわけですから。そうしますと、融資スキームが否決になった場合には、たちまちそれを構成3団体でどうこれを配分・分担するかという議論の必要性は、当然出てくるものです。とすれば、融資スキームだけではなしに、この廃止した場合の負担のあり方、いわゆる廃止スキームもあわせてあなた方は提起しなければならないし検討しなければならなかった。むしろ、そのことが前面に出て、規約に言う損失が出た場合の負担のあり方、いわゆる分賦、これを前提として考えるべきではなかったんですか。
 これは、3団体に極めて困難な現実が目の前に到来する。したがって、それを回避し、かつ継続の可能性を秘めている融資というものをあなた方はつくったし、責任を持って提示した、こういう順序じゃないですか。部長、どうですか。
〇高前田農林水産部長 私ども考えておりますのは、やはり赤字を出さないで継続するということ、これが、再三申し上げておりますように、県民負担を最小にするという考え方に立っておりまして、そういったような理念の中で、今御提案を申し上げているような融資案というものを御検討いただいているということでございまして、御指摘のとおり、万が一議案が否決された場合、実際廃止といったようなことになった場合には、今委員御指摘のとおり、構成団体間での相当な、大変な議論が必要だろうと思っております。
〇小原宣良委員 あなた方の説明能力と言っては大変失礼なんですけれども、県民にわかりやすい説明力というのは、私は、きょうのきょうまで不足しておったと思います。否決の場合は、3団体が年度末で215億円を負担しなければならない、こういう状況に立ち至るということもあわせて考えながら、むしろ廃止スキームを前提に置きながら、これは実に困難な事態が到来する、こういう危機感の中で、この融資スキームが最善策であるという位置づけをしなければならない。そうであれば、県民の皆さんも、あるいは我々も理解はかなり違っておったのではないでしょうか。
 融資、融資と言いますから、返せないときはどうするんだという議論がそこの中には存在するわけです。そもそも存在し得ない局面が現実の中にあるんだということを前面に据えたスキームをあなた方は資料として出してこなかったし、その前提の上で融資スキームがあるのですという説明をすべきだったと思いますが、改めて伺います。どうですか。
〇高前田農林水産部長 今回のこの融資案につきましては、委員御存じのとおり、これまで新しい計画の策定、それから、それ以降のコスト削減の交渉、それから構成団体間の協議といったようなそれぞれのステージがあったわけでございますけれども、そういったようなステージの中で、それぞれ節目節目に、記者会見でございますとか、県民説明会、さらには新聞等を活用した広報、そして説明資料の作成といったようなことで、できる限り県民の皆さんにわかりやすく説明するといったことで努力をしてきたつもりでございます。ただ、御指摘のとおり、果たして県民の皆さんに十分そういったような考え方が伝わっているのかといったようなことについては、やはり私どもの力不足であるとか、努力不足といったような面もございまして、今の御指摘は、真摯に受けとめざるを得ないと考えております。
〇小原宣良委員 最後に要望しておきますが、申し上げましたように、この対応策といいますのは、この競馬事業を継続した場合、皆さん方は継続を前提に融資案を出しておられる、それで、廃止ということも意見としてはある。しかしながら、それは、いずれが県民への負担が少なくて済むのか、ここがポイントだということです。
 そういう意味で、私は、融資案以外に現状なかろうと判断いたしますけれども、しかし、その説明の過程においては、まだ議論が続きますから、しっかりとした説明の中でここの理解を深めていく努力を一層してほしい、このことを申し上げて、終わります。
〇佐々木博委員 私も何点かについて質問したいと思います。
 今、小原宣良委員も話されましたけれども、問題は、どういうスキームが県民負担が一番少なくて済むのか、そこがメルクマールになるだろうと思います。
 それで、ちょっと確認させていただきたいわけでありますが、本議会一般質問並びにこの予算特別委員会等で何人もの議員が競馬問題について質問し、答弁があったわけでありますが、その答弁の中身、特に売り上げについて、今、この岩手競馬商圏内の売り上げが非常に下がっている。したがって、売り上げを抑えた計画だということを何回も何回も答弁があった。
 しかしながら、先ほど渡辺幸貫委員が言ったとおり、現実には、受託の部分というのは15%の売り上げだけ計上されていますから、それを本当の馬券の売り上げで計上すれば、ことしより来年度は55億円も売り上げがふえなければならないような数字になっているわけであります。
 私は、思い出しますけれども、2年前、平成17年度、この議会で構成団体に37億円の融資を求められたときにもいろいろ大きな議論がありました。そのときにも売り上げが過大じゃないかという意見がかなり強かったということは御承知のとおりであります。あのとき増田知事は、100%達成の自信があるから2年間だけやらせてくれ、こういう話だったんですね。だけれども、1年もたたないで、当然売り上げは達成できなかった。
 そして去年、平成18年度は、やはり売り上げが過大だ、ですから第1・四半期ぐらいにでもすぐ見直しをするべきだと、議会では、競馬再生の最後のチャンスととらえろといった附帯意見すらつけられた。しかしながら、その見直しもすっかりおくれてしまって、20数億円の経常赤字が見込まれていますよね。要するに、本当に見通しが甘い。これは我々だけじゃなくて、多くの県民がそう思っているんですよ。
 何回も何回も計画をつくっても、今まで1回も達成してこれなかった。今度のこの計画の売り上げについても、私は非常に過大だと思っています。なぜかといいますと、競馬ファンは同じ財布の中から馬券を買うんですね。今、岩手県の消費あるいは所得、どこから見てもそんな甘い状態ではないと私は思います。これが私は、本当に売り上げが現状維持とか、幾らかそれよりも厳しく見ているような計画であれば、これは可能性があると言うかもしれませんが、少なくとも今の時点で、こんなに売り上げが伸びるような計画が、私には到底達成できると思えない。
 そこで、まず一つ伺いたいわけでありますが、存廃の基準を定めたから赤字が出ないと言っていますけれども、これは違うのではないですか。存廃の基準を定めたから赤字が出ればやめるという話で、どうして存廃の基準を定めれば赤字が出ないのか、まず、そのことについて御説明いただきたい。
〇宮農林水産企画室特命参事 存廃の基準の設定でございますけれども、実現性についての御指摘ということでございます。
 競馬組合では、新計画において、発売収入の25%の事業収益ですべての経費を賄うということにしてございまして、平成19年度につきましても、このルールのもとで関係者の了解を得て経費の見通しを立てたものでございます。
 また、売り上げにつきましても、現実を踏まえたものにしておりまして、仮に売り上げが低迷し見込みを下回る傾向になった場合でも、今回は新計画に基づきまして、岩手県競馬組合運営協議会でコスト調整を行いながら赤字の発生を防ぐルールが設定されておりますことから、今後、こうしたルールに従いまして収支の均衡を図ることとしているものでございます。
〇佐々木博委員 高知競馬が、同じような方式で、売り上げに合わせて経費を削減して運営していますけれども、本当に大変厳しい状況にそれでも追い込まれている。
 それで、この存廃の基準を設定したと言いますけれども、岩手県競馬組合運営協議会、馬主会とか調騎会とか厩務員会等で構成する協議会をつくって、売り上げが足りなければ経費の削減をして何とか合わせるというわけでしょう。しかし、若干の売り上げの減ぐらいだったらそれは微調整できるかもしれませんよ。微調整の範囲を超えたらどうなるんですか。やはり55億円ことしより売り上げを伸ばすというのが、私は微調整の範囲を超えて、途中でだめになってしまう確率が非常に高いのではないかとすごく危惧するんですよね。いかがですか。微調整ならそれはできるかもしれません。しかも、これは競馬関係者だけで、この中に情報関係なんか入っていませんものね。そこだけで経費の削減を求められても関係者も大変なのではないでしょうか、いかがでしょうか。
〇高前田農林水産部長 まず、売り上げについてでございます。
 財布は一つじゃないかということで御指摘をいただいておるわけでございますけれども、これは先ほどもお答えさせていただきましたが、私どもも同じような問題意識を持っておりまして、それで、その平成16、17年のデータを使ってさまざまな要素の相関の分析をしてみたところでございます。
 その結果、広域受託日数の増加と発売額の相関は、これはある。それから、広域受託の発売額が自場発売に与える影響はデータ上は見られなかったということを踏まえて、今回こういう計画を立てておるわけでございます。
 それから、もう一つ、実績といたしまして、今年度、広域受託の関係で大分日数をふやしてございます。1月以降その発売額を、1月の開催終了後ですけれども、2月末まで広域受託発売の動向をデータとして見ておりますと、この発売日数が29日から40日に今年度増加いたしておりまして、その中で1日当たり発売額は4、800万円でほとんど同じということでございます。これは昨年度と同じ水準でございまして、発売累計が前年比4割ぐらいふえているといったようなことを踏まえまして、こういったような売り上げの見通しというものを策定いたしたところでございます。
 それから、高知競馬の例も御指摘いただきました。私どもも、高知競馬の取り組みというのは非常に関心を持って見ております。それで、確かに委員御指摘のとおり、厳しい運営をしている、売り上げが非常に低迷している中で経費の節減に努めているということでございますが、この高知競馬は、実は平成15年に私どもと同じようないわゆる存廃基準といったような考え方を導入いたしまして、平成18年ですからことしで3年目といったような形で、具体的にそういう存廃基準で運営してきているという実例もございます。こういったようなことから、私どもとしては、こういった存廃基準をきちっと運営していきたいと考えております。
〇佐々木博委員 高知は、私も行っていろいろ話を聞いてきました。正直言って、こんなやり方は勧めません、夢も何もありませんよ、そういうお話でした。本当に大変厳しい。
 それから、売り上げの見通しは、今、部長はそうおっしゃいましたけれども、今までの例からいっても、本当に間違いのないところまで絞り込んだもので出さないと、やはり信憑性が得られないですよ。そのことだけは指摘しておきたいと思います。
 それから、私は申し上げたいんですが、今回の財源ですけれども、財政調整基金、県債管理基金、そして公共施設等整備基金、現実には、基金は本来の目的に使って、その分浮いたいわゆる一般のお金で基金を積み立てる、したがって条例に違反しないと言っていますが、金に色はついていませんからそういう詭弁はできるかもしれないけれども、現実には、やはり基金を取り崩して積むという話ですよね。
 それで、この基金条例すべてについて書いてあるわけですけれども、例えば、現金歳計に繰りかえて運用する場合にしたって、確実な繰り戻しの方法、期間及び利率を定めてと記載されていまして、この競馬組合への融資というのは、はっきり言えば返済の計画ってあってもなきがごとしですよね。何年になるかわからない。今の返済のスキームですと、利益を出しても1億円までは内部留保、1億円以上は2分の1ずつでしょう。そうしたら3億円の純益が上がらなかったならば1億円の返済もできないようなスキームですよ。それで330億円だったら、3億円ずつ純益を上げても330年もかかるようなスキームですよね。
 これだけ基金に対して厳しい条件を課していながら、たとえそれがところてん方式で、条例違反ではないと言ったところで、本当にそういった運用が県民の理解を得られるのかどうか、私には相当な疑問があります。
 特にも私が申し上げたいのは、407億円を構成団体に競馬組合で配分していただいた。確かに構成団体はその配分をいただいて、それなりに有益に使っていたことは間違いない。ただそれは、いわば我々の世代は恩恵をこうむったかもしれませんが、300年先の世代なんか恩恵をこうむらない、ただただその負担だけもししょわされるのであれば、私は、やはりこれは究極の先送りのスキームだと思うんです。そして、やはりこんなに時間のかからない、もっともっといろいろなスキームを考えるべきですよ。
 私は、さっきのお話に出たけれども、銀行の短期融資の借りかえだとか、いろいろな方法があると思いますし、やはり経営者は、いろいろ交渉する義務があるんですよね。
 あなたたちの発言は、借りたときに、事業を廃止すれば一遍に返さなければいけない規約になっている。それは、何でも金を借りればそういう規定になっているのは当たり前です。だけど、規定はそうであっても、実際それはできないわけだから、それを乗り越えるためにいろいろ頑張るのが経営者たるものですよ。そういった努力が全く足りないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇東大野農林水産企画室長 金融機関に対する努力だと思いますけれども、今回基本となるのは、県民の負担を最小にするということでのスキームと認識してございます。したがって、これ以上赤字を拡大させないということで事業存廃の基準を設定いたしましたので、通常、企業は永続性を持って活動していく前提で金融も受けているものと認識しております。今回の競馬組合の場合は、その永続性というものを、事業存廃の基準を設定してということで、いわば否定しながら事業を継続しようというところでございますので、金融機関から融資を受け続けるという点は、非常に難しいものと認識してございます。
〇佐々木博委員 基本的には、この損失というのは本来分賦すべきだったんですよ。これは競馬組合の負債になっていますけれども、構成団体の負債ですよ。だから私は、競馬組合が融資を受けるのは難しいかもしれないけれども、構成団体が全然痛まないスキームでやるというのも間違っているのではないかと思う。構成団体も、どうせ分賦を受けるんだから、応分の負担で、構成団体が短期で借り入れして、返済した分ずつ更新しながら返済していったらどうなんですか。例えば、そういうスキームだって考えられるじゃないですか。あなた方は、損失についての起債は認められないというけれども、起債がだめだったら、短期の更新であるいはどうかとか、やはりいろいろそういったことを、私は道を探るべきだと思います。
 それからもう1点、これで最後にしますけれども、いろいろな議論の中で1場体制の話もあったんですね。1場体制で規模を縮小してやれないかという話もありました。1場体制については、はっきり申し上げて余り真剣に検討されたとは思いませんが、多分その理由は、これはあれでしょう、1場体制にするということは、構成団体がどこか一つ抜けるということに例えばなれば、その段階で精算の義務が生じるから、したがって、そこについては余り真剣に検討されなかったということじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇東大野農林水産企画室長 短期資金を活用しながらの事業継続についてでございますけれども、それを選択しなかった理由として、先ほどの答弁と重なってしまいますが、事業存廃の基準を設定してあるということが1点でございますし、あともう1点は、収支ベースになって競馬組合の金利負担を軽減したいという点もあったので、一般金融による短期資金の繰り返しの、反復の借り入れという方法によるものというのは避けたいと考えたのでございます。
 あと、1場体制の関係でございますけれども、委員御指摘のとおり、今、片方の競馬場を閉鎖した場合には、閉鎖された競馬場のある市というのは構成団体たり得なくなります。そうしますと、今までの事業についてどのように取り扱うとかという点で、構成団体間で非常に困難な話し合いといったものが必要になるかと存じます。そういったこともあり、今提案しているように、今の新計画では、2場体制を維持したままで、競馬組合の運営の先行きを見定めつつ、その先の段階において検討する余地も出てくるのではないかといったような考え方に立っております。
〇佐々木博委員 いずれ、継続にしろ、廃止にしろ、やはり何百年もかかるようなスキームというのは、全然県民の理解は得られないと思います。
 今どういう話になっているかといいますと、一例を挙げますと、民間の経営者は、景気がよかったときにいっぱい税金を納めた、今企業の景気が悪くなったときに、昔納めた税金を返してくれという話と一緒じゃないかというような話まであるんですよ。本当に、やはりなかなか厳しく見られています。本来分賦して、それぞれ毎年構成団体が負担してこなければいけなかった負担なわけでありますから、それぞれの構成団体だって私は無傷では済まないと思う。やはり応分の負担をすることも考えながら、いずれ、どちらにしても余り長期じゃないスキームでこの問題は対処していかなければいけないのではないかと思っています。
 終わります。
〇樋下正信委員 もう大分、皆さんから質問が出ておりまして、私からは、きのうの日報の広告で、岩手競馬は372億円の廃止の負担よりも赤字なき330億円の融資をということなんですが、新たな赤字を発生させない不可欠な仕組みとして、赤字が見込まれる場合には、年度途中でも廃止という基準を設定しましたと。これは、どの程度の額が赤字と見込まれた場合は廃止ということになるのかというのが1点でございます。そうすると、細かい話ですけれども、372億円以上の赤字になるのではないかというのが一つでございます。それについての御見解をお願いしたいと思います。
 それから、これも先ほど来話が出ていますけれども、平成19年度から長期債務が111億円の返済の期限が来るということでございますが、要は、今回パルソも平成18年度の赤字も、23億円見込まれている部分も全部ひっくるめて330億円を一括して償還するということが、私は、やはり県民から理解が得られないのではないかと。去年あたりから330億円という数字は出てきてはいるんですけれども、その辺の、唐突と言ったらいいんでしょうか、先ほど来それこそ話が出ていますが、例えば今やっているような50億円を融資して転がす方法、これが50億円じゃなくもう少し大きな額になっても理解の得られるような方策がなかったのかと私は考えております。
 それからもう一つ、先ほども小原委員、そして小野寺好委員が本会議でも質問していましたけれども、先ほども質疑があったんですが、オンブズマンから賛成した議員に対して返済を求められるということが本当にないのかあるのか、そこをはっきりお聞きしたいと。今までの全国での事例も含めて、あるのかないのか、そこもはっきりお聞きしたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 まず1点目の、どの程度の赤字で廃止になるのかというお尋ねでございますけれども、新計画では、経常収支段階で黒字または収支均衡見通しの場合に継続するという基準でございますので、経常収支段階で赤になりますと、構成団体長が集まって協議し、最終的に決定するといったような段取りになると考えてございました。
 それから、330億円の融資が、額をもっと減らせないのかといったお尋ねでございましたけれども、今議論になっていますとおり、今年度末で支払いを求められる期限になっている借入金あるいは債務が215億円でございます。これについては、存廃基準を決定して、赤字になったら廃止するといったことを掲げた以上、金融機関から、これの借りかえ、さらに来年度も貸してくださいといったような対応というのは、新たな借り入れということになると思いますので、これは難しいと考えてございますし、あと、残る起債111億円ございますけれども、これについて従前御説明申し上げていると思いますが、ここ数年は元利で18億円返していかなければなりません。これについて、競馬組合の計画の中では、18億円の元利を返していけるだけの収益は見込めないと考えてございますので、ここが構成団体の負担になってくることとなります。これを単純に構成団体3団体で負担していくと申し上げましても、県はともかく、両市にとっては非常に重い負担になるということで、今の融資スキームを御提案申し上げているということで、御理解願いたいと思います。
 それから、訴訟の点に関しましては、先ほど渡辺幸貫委員の御質問にお答えしましたけれども、ルール上は先ほど申し上げたようなルールになってはございますが、事案について、どのような事案になるかということもございます。ここではっきり対象になる、対象にならないということは判断しかねますので、申しわけございませんけれども、そういうことで御了承願いたいと思います。
〇飯澤匡委員 私は、総括でも知事に直接お伺いしましたが、今の段階での融資案否決、廃止、そして分賦という形に、この短期間では極めて問題が多いと思っておりまして、これを前提にして伺います。
 それで、廃止となった場合の影響について4点ほどお伺いしますので、まず、2点ずつお伺いします。
 競馬事業廃止が地域経済に与える影響について。県経済に与える影響額は約100億円との説明がございましたけれども、この約100億円の算出根拠を具体的に示していただきたいと思います。
 それから2点目、今年度末に廃止になった場合、直ちに競馬関係者の雇用問題が発生いたします。退職金の手当てはどうなるんでしょうか。再就職等の生活支援対策をどう図ろうとしているのか、お尋ねいたします。
 既に、突然廃止となった新潟県競馬、上山競馬、いまだに退職金、見舞金の決着がなされておらず、社会問題としてくすぶっておると聞いております。廃止になる場合においても、私は周到な準備が必要と考えますが、いかがでしょうか。
〇宮農林水産企画室特命参事 2点お尋ねがございました。
 競馬事業を廃止した場合の影響額100億円の内訳ということでございます。これにつきましては、従事員等への賃金の支給分が7億円、それから報償費の支給額ということで、これにつきましては馬主あるいは調教師、騎手、厩務員等への報償費の額でございますが、これが33億円、その他、開催経費といたしまして、光熱水費でありますとか、競走馬の輸送費、あるいは各種業務の委託料並びにその使用料、賃料、こういったものが約44億円と考えてございます。その他、来場者に対する飲食等の経費、あるいは駐車場の経費、こういったものを入れまして13億円ということで、都合100億円を影響額として試算しているところでございます。
 もう1点の、退職金あるいは就職支援等々の関係でございますが、仮に廃止になった場合の対応でございますけれども、競馬関係者のうち退職手当につきましては、それぞれの関係規定の定めるところにより支給されるものと考えてございます。また、これまで廃止になった主催者では、厩舎関係者に対して見舞金等を支払っている状況でございます。
 また、就職支援、生活支援についてでございますけれども、これまで廃止になった主催者におきましては、就職あるいは生活相談の窓口を設置いたしまして、再就職等に対して対応しておるということでございます。当県においても、そのような対応になろうかと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 新潟県競馬、上山競馬は、岩手競馬の大体半分ぐらいの規模でしたけれども、大変な社会的な、経済影響もさることながら、さまざま問題が発生していると聞いております。
 次、3点目と4点目を続けてお伺いします。
 廃止となった場合に、他の主催者競馬団体に少なからず影響を与えると考えます。特に岩手競馬と深い連携をしている佐賀、荒尾、金沢は、相互発売において岩手発売額の方が断然多いと聞いておりまして、連鎖倒産も危惧されますが、そうした心配はないと見てよろしいか、お考えを伺います。
 それから、現在、国において地方競馬全国協会(地全協)を改組して地方共同法人化を目指して立法化を進めていると聞いておりますが、岩手県競馬事業の廃止がこれらの動きにどう影響すると認識しているのかということを伺いたいと思います。
〇宮農林水産企画室特命参事 1点目の他の地方競馬に与える影響でございます。
 現在、全国の地方競馬主催者は、自場発売が低迷する中で、それぞれの主催者が全国の発売を行う、いわゆる広域発売によって連携いたしておりまして、年々その依存の割合を高めているというのが実態でございます。岩手競馬におきましても、この広域発売に大きく依存してございまして、岩手発売額に占める他主催者への委託発売額、これは現在23%になっているところでございます。
 また、他の主催者の競馬を岩手施設で行う受委託発売も、委託発売の拡大にあわせまして年々増大しているということでございます。特に、長年相互発売を行ってきてございます九州の2主催者─これは佐賀、荒尾でございます─それから金沢主催者につきましては、岩手での発売額の占有率が非常に高いところでございまして、岩手競馬廃止に伴う影響が相当大きいと思われるところでございます。仮に荒尾でありますと、年間発売額の20%を岩手で発売しているということでございます。
 こういったことから、仮に岩手競馬の廃止といったようなことが起きますと、それぞれの主催者に大きな影響を与えるということで、直接あるいは間接的な影響も含めて、大きな影響が及ぶものと考えているところでございます。
 それから、地全協の改革の件でございますが、岩手競馬は、地方のシェアでは全国で5位という大きな位置を占めてございます。南関東の4場に次いで大きなシェアを占めているということでございます。今、全国協会の共同法人化ということで、開催日程あるいは番組の調整、それから地方競馬主催者の施設の共同利用といったような新たな項目の追加を検討しているところでございまして、そういった観点から申し上げますと、仮に岩手競馬が廃止になるといったようなことになりますと、この連携事業にも大きな影響があるものと想定してございます。
〇飯澤匡委員 今度、新聞報道等に上げられております地全協の改革というのは、競馬番組の日程、開催の調整であるとか、直接的には岩手競馬に大きな前進の影響というのは私もないと思うんです。ただ、やはり今、生産者、それから全国の地方競馬をどのようにしていくかということについては、真剣に国の方で議論なされていると伺っております。というのは、日本中央競馬会だけが存在しても、生産者の方々については、やはり地方競馬の受け皿がないとこの生産会自体が干上がってしまう、まさに北海道の農協、それらについても多大な影響が出るということが、今懸念されていると聞いております。
 恐らく、未確認な情報でありますけれども、次の地方競馬救済の第2弾というような形にいかにこれを乗せていくかということが、実は県民の最小の負担につながるということの可能性を考えながら、競馬事業というものを、右肩上がりには私もならないと思いますけれども、縮小の方法であれ、やはり時間を、推移を見ながら、そのような外的なものにも乗っていくというチャンスをうかがうということが必要であるのではないかと考えますが、それらについての御所見をいただきたいと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいま地方競馬改革の今後の推移、見通しということでお尋ねがございました。
 委員御指摘のとおり、競馬の関係につきましては、JRAを頂点とする、いわゆるピラミッド型の構造というのが一番望ましいだろうと。やはり地方競馬も、しっかりとした基盤として形成していく必要があるだろうと考えております。
 こういったようなことを考えますときに、岩手競馬の今後のあり方ということになるわけでございますが、やはり今回御提案申し上げております融資案というものによりまして、何とか岩手競馬の再生の道筋をつけて、県民負担を最小にしながら競馬事業を続けていくということが、最善の方策ではないかと考えております。
〇亀卦川富夫委員 今の飯澤委員御指摘の地方共同法人化について、関連でお伺いいたします。
 今、岩手競馬の新計画案、これによりますと、売り上げの25%以内の経費構造ということになっているわけでありますが、これがなかなか達成が難しいのではないかという議論があります。
 私はこの場合、賞典費が8%というのは妥当な数字だろうと、しかし、運営費は12%ぐらいが妥当だとよく言われておりますが、今回の経営改革案ではまだ16%であります。これが地方共同法人が設立されて、岩手競馬がそれに委託した場合に、私は、この情報といったものを含めて運営費がかなりコストカットに寄与するものだろう、このように思っておりますが、この辺の御所見をお伺いしたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 地方競馬、中央競馬全国協会の共同法人化につきましては、今国会に上程されるということで聞いてございましたけれども、具体的なスキームというか内容については、まだほんの外枠しか明らかにされておりません。具体的にどんな事業が展開されるのかといったところが明らかになってございませんので、今、委員お話の内容が実現されるかどうかというところもわかりません。ただ、前回の改正では、少なくても連携事業が創設され、それで今、各地方競馬は連携をとりながら事業を展開しているといった実態もございますので、それらを踏まえて次の、今回の改正を目指す競馬法はつくられていると認識してございますので、さらにそこを一段と進めたものというのが期待されると考えてございます。
〇高前田農林水産部長 ちょっと補足させていただきますと、委員御指摘のいわゆる経費の配分についてでございます。
 私どもは、今回のその25%ルールの中の費用配分につきましては、岩手競馬が過去に最盛期と言われたころの経費配分でございますとか、他場の経費配分、こういうものを踏まえて今お示しをしてございます。
 しかしながら、これが将来にわたって適切なのかということにつきましては、今後、運営協議会等を設置いたしますことから、そういったような中で十分議論して、適切な費用配分というものをまたこれから議論していく必要があると考えております。
〇新居田弘文委員 先ほど小原委員からの質問に対して、岩手競馬を廃止した場合の負担についてということでこういう資料をいただきました。それで、私もこれを見ながら思ったんですが、これは、競馬組合自体の流れについてはよくわかるんですけれども、問題は、前段別な委員から質問がありましたように、仮に融資が実現しなかった場合の構成団体の負担について質疑がありまして、身近なところで紹介しますと、仮に奥州市の場合は45億円が年度末に欲しい、それから既に融資してある5億円分についても歳入欠陥ということで、合わせて50億円ぐらいの3月末の手当てが必要だという話に聞こえたわけでございます。この3月末に手当てする分ということでそういう数字なんですが、問題は、構成市がそれだけの支払い能力があるかどうかということがありますし、あるいは赤字になった場合の市の財政がどうなるかという視点でお伺いいたします。
 一つは、奥州市の場合は、今予算規模で560億円ぐらい、それから標準財政規模が約340億円という中で、今回の215億円、あるいはそれが、奥州市の負担分が45億円プラス5億円、こういうものが現実になった場合、今よく夕張市の例が紹介されて、いろいろ財政問題が問われておりますが、奥州市の場合、赤字転落ラインと今回の負担の関係について、まずお伺いしたいと思います。よろしければ予算担当課長の方からでも説明いただければ助かりますが。
〇菅野参事兼予算調製課総括課長 赤字再建団体の転落ラインのお話がございまして、これは非常に機械的な計算でございますが、競馬を構成している3者、本県と盛岡市、奥州市でございますが、それぞれ標準財政規模に対して、県はその5%、市町村については20%の赤字が生じると、一応起債が制限されます。基本的に起債が発行できなくなりますので、そうしますと財政運営に非常に支障を生じますので、実質的には、いわゆる財政再建団体となりまして、国の承認を得て、起債を発行しながら運営していくということになります。それが夕張市の問題でいろいろ注目されているわけでございますが、その転落ラインを考えますと、本県で大体単年度で185億円程度の赤字、それから盛岡市ですと122億円、奥州市ですと68億円程度の赤字が出ますと、そういった県債の発行が制限されるということになります。
 本県に翻って考えますと、再建団体になるかどうかは、最終的に基金をどのくらい持っているか、赤字が出ても、いろいろ御指摘ありましたが、基金でやはり一たん埋めますので、それで赤字再建団体を回避するということになりますが、たまたま本県の場合は基金がございますので、これだけですとダイレクトに赤字再建団体になるということはございませんが、もし仮に基金がゼロの段階で競馬の負担が一挙に、例えば二百何十億円生じた場合においては、本県の財政規模からいっても、当然、本県の赤字再建団体というものが視野に入ってくるということになります。
 したがいまして、いろいろやり方はあろうかと思いますが、現在の基金を持っている段階において、競馬組合に対する対応についても何らかの対応をしておく、それが次の世代に本県として迷惑をかけない最善の方法ではないかと思ってございます。
 同じ奥州市につきましても、先ほど申し上げました68億円の単年度赤字が生じると、機械的には再建団体になるということでございますので、奥州市の現在持っている基金の規模、それから当然、現在の財政運営状況について、詳細は承知してございませんので確定的なことは申し上げられませんが、そのくらいの単年度赤字が生じるとそういう事態に陥りますので、やはり競馬問題に対する対応、最終的な負担、もしくは今年度末をもって生じるおそれとなる負担については、奥州市にとっても非常に重要な問題ではないかと思ってございます。
〇新居田弘文委員 今説明あったんですけれども、市町村が持っている基金のぐあいによってその辺はいろいろあるようでございますが、私の承知している範囲では、奥州市については、そんなに持っていないといいますか、かなり厳しい状態でいるというようなことで、そういうことを避けるためにも、今回の競馬組合に対する融資が、競馬問題のことでもあるけれども、構成団体の、いわゆる存亡と言えば極端ですが、大変な状態を回避するかどうかというような視点も、今回の判断材料に大きく関係するのかと、自分はそう思っております。
 そういう中で、いろいろ説明ありましたが、今回のスキーム、それから、どちらが県民のために、あるいは市民のためにプラスか、そういう判断が求められると思います。そういう意味では、若干、きのうの日報の広告についても、この間の総括質問、あるいは総務部質問の中でも指摘された部分について、こういう形でいろいろ県民の理解を得るためにも、そういうことで広告を出したとは思うんですが、その辺について若干私も物足りないといいますか、もう少し親切な内容があっていいのではなかったかと、そんな思いをしております。
 それで、さっき破綻の話を紹介したんですけれども、今回仮に何とか乗り越えたにしても、ただ、国も新しい自治体健全化法案が準備されているということになりますと、現状プラス、第三セクターとか病院とかさまざまなものを含めて、新しい法制下で未然に予防するとか、あるいはなった場合の手当てを迅速にスピード化させるとか、そういう趣旨も含めて新しい法律が準備されているのでないかと思います。今、先ほど話がありましたように、基金の状態にもよりますけれども、かなり財政的に厳しい状況だという中で、今回の新しい法制化の関連について、ちょっと説明いただきたいと思います。
〇菅野参事兼予算調製課総括課長 言葉として必ずしも私は適切だと思っていないんですが、いわゆる破綻法制と言われているものが現在検討されております。これは、今の制度が俗に言う財政再建団体制度しかなくて、とにかく通常で運営している団体か再建団体の二者択一という格好の制度化になっておりますので、それは余りにも乱暴ではないか、その再建団体に至るまでの間、やはり地方財政の運営について、黄色の信号が点滅した場合については、国が何らかの関与をいたしまして必要な是正措置を講じるべきではないか。今は、完全な青信号と赤信号だけの区分になっておりますので、それは余りにも危険だろうということで、その黄色信号を制度化として入れようというのが、今回の主なスキームだと思っています。
 その具体的な内容については、まだ必ずしも法案という格好で結実しておりませんので、明らかではないんですが、その財政再建制度と通常の運営制度の間に何らかの早期是正措置を織り込みまして、一定の、県であれば国の関与、それから市町村であれば県の関与ということになるのかもしれませんが、そういったことで、いわゆる財政運営の適正化を図っていこうという動きが進んでございます。したがいまして、その中では、本県は、例えば病院事業会計ですとか各種の企業会計を持ってございます。当然、病院会計については、起債も含めて累積赤字を持ってございますので、それらも当然、本県の財政運営の中で加味される格好になりますので、一般会計よりは、本県の財政状況については国からかなり厳しく見られてくるだろうという認識は持ってございます。
〇新居田弘文委員 次に進みます。
 今、競馬組合問題で330億円抱えた内容でいろいろ議論しておりますが、これの原点を探っていきますと、盛岡に新しい競馬場、いわゆるオーロパークをつくった。当初の237億円が410億円まで2回の変更で膨れ上がった。その償還金とその後の景気低迷等によりまして売り上げの減少、これがここに絡んできて、その結果が今の状態になっていると思います。
 それで、今さら昔のことを引っ張り出すつもりはありませんが、その時点でも、我々の代表である組合の議会議員とか、あるいは水沢、盛岡市の選出された議会議員が、いろいろ検討した結果、当局の案をよしとして多分進んできたのではないかと思うんです。したがいまして、いろいろ前段質問の中でも厳しいやりとりがありましたが、実は、我々もその責任の一端を持っているのではないかというような思いがしておりまして、これはみんなで考えて、それこそ最善の策をどう導き出すかという視点で議論しないと、ただ目先の融資するかしないかというよりも、もっともっと本質の部分でのいろいろな皆さんの意見なり質問が妥当ではないかと思っております。
 したがいまして私も、先ほど来、部長以下いろいろ説明しておりますが、二つに一つの選択肢しかないとすれば、不本意であっても、責任追及は一方ではしなければなりませんが、やはり最善の策として、今求められている融資も選択肢として十分あり得るのではないかということで、当局におかれましても、その辺の説明をよりきちんとやってほしいということで、所感をお伺いします。
〇高前田農林水産部長 今回御提案申し上げているこの融資案が最善の選択肢なのかということについて、明快に説明しろという御指摘だろうと思います。
 これについては、この委員会の場でも先ほど来御説明させていただいておりますけれども、やはり競馬組合は、今年度末までに330億円の債務があるということでございまして、そのうち少なくとも今年度末に返済期限を迎える借入金、今年度末までに支払いを要する経費215億円、これについては、新たな金融機関からの融資が見込めないという以上、どうしても今年度末時点で構成団体が負担することが避けられないものであると考えてございます。
 残る111億円については、構成団体が元利返済を補助するという方策も、これはございますけれども、先ほど来御説明させていただいておりますように、今後数年間は、各年度で巨額の負担が生じてしまうということでございます。
 これを構成団体が毎年補助し続けるということになりますと、これは赤字を出さないというルールを崩すことになってしまうということでございまして、それが一つでございますし、それから、構成団体の財政運営にとっても、やはり相当な重い負担になるということでございます。
 こういったようなことから、この111億円についても今年度末の融資に含めて対応することが適当と考えているところでございます。こういったようなことを御理解いただきまして、私どもとしては、県民負担を最小にする現時点での最善の選択だと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
〇平沼健委員 私も、重複しますけれども、お尋ねをいたします。
 330億円の構成団体融資の必要性についてという、こういう説明書をもらいました。これの6ページなんですが、先ほどもお話がございましたけれども、今回のこの新しい計画、売り上げ収入についてちょっとお尋ねしたいと思います。
 2年前からいろんな場で指摘して、売り上げをふやしちゃいけませんよという話を皆さん方としてきました。ところが、やっぱりどうしても300億円という売り上げに近づけたいという思いなんでしょう。そういうことで、ここ2年間、大きく赤字が膨らんだわけですね。今回も、新計画を精査したんですけれども、同じようなまた繰り返しをやっているんですね。先ほども佐々木博委員からも指摘がございました。こういう今回のような最後の形というか、やるんだというときにはなおさら─民間企業であれば、実際の数字を使って、それに経費を合わせるという形なんですよ。ところが、毎回見ている皆さん方の数字は、予想数字なんですね、売り上げ。
 例えば、広域委託発売にしても、あるいは先ほどのインターネット発売、あるいは広域受託協力金、これがみんな膨らんでいるわけですね。これはこれでいいんです。こういうような目標でやるということでいいんですよ。これもプラスアルファの部分なんですよね。だから、私が申し上げたいのは、自場発売は、平成19年度はレースの編成が減りますから落ちますよと。これはこの数字を使ってもいいでしょうけれども。あとは、実際の例えば平成18年、今回の数字を使っていってそれでトータルで売り上げが何ぼになるかという、そういう形だと思うんですよ。それに向かってコストを下げるというか、経費を減らすというか、それで見合うんであれば私はもう何というか、信用したというか、そういう形にもなったと思うんですが、今回のも相変わらず予想数字なものですから、私はちょっとこれは信用できない。こういう予想数字で19億2、200万円という、そういう大きな数字に膨らんでいるわけですよね、売り上げが。くどいんですけれども、プラスアルファというのはそれはそれでいいわけですから、やっぱり実際の数字を使って、270億円そこそこのものを想定して、それに見合う経費削減をすると。経費削減するというのが一番つらいというか、仕事からいけばきついんですよね。それはどこもそうです。売り上げを上げる予想というのは、これは簡単なわけですよ、書けばいいわけですから。そういうようなことで、やっぱりこれはどうも信用できない。ただ、皆さん方が言っている330億円を融資するのが県民が一番損害が少ないんだということを知事もずっと言ってきました。その根底にあるのが、19年度の収支はうまくいきますよという、そういう想定なわけですよね。だから、私はここが大きな間違いだということを指摘したいんですよ。そこまで何か反論がありましたらば。
〇宮農林水産企画室特命参事 ただいま実績数値に基づいた収支改善を行うべきだという御指摘がございました。新計画におきます発売収入の見込みでございますけれども、自場発売につきましては、平成19年度の年間発売見込み額を18年度の第1四半期の発売額、あるいは8月末の結果、これらを見まして、傾向値で下方修正をして作成をしているということでございます。また、レース数の減といったような影響も勘案をした結果というものでございます。
 また、広域委託発売についてもお話がございました。これにつきましては、各主催者別の18年度の1日平均発売実績、これに19年度の発売日数を乗じて使用しているというものでございますし、広域受託発売につきましても、他の主催者との調整といったものを十分経た上でこのような数字を積算しているものでございます。
 19年度の予算編成に当たりましては、新しい計画に基づきまして、19年1月までの自場での発売実績、あるいはその後の開催日程の確定でありますとか、金沢競馬の開催日程の変更に伴う影響、そういったようなものを織り込みながら実効性の高い発売額となるよう、極力、実績を反映した積算としたところでございます。
 また、コストカットについてもお話がございました。新しい計画につきましては、19年度に向けまして、18億円のコストカットに取り組みまして、それらも関係機関と調整を経た上で、このような計画にさせていただいているところでございます。
〇平沼健委員 ですから、言っていることはそのとおりでしょうけれども、ただ、実態が伴ってこないわけ、この2年間。平成17年、18年。そういうようなつもりでやってきたけれども、今年度、18年度も21億円強の赤字になっているわけです。だからやっぱり、その辺が、考え方の違いと言えばそれまででしょうけれども、これはなかなかこの数字だけを見せられても信用できないというか、理解できないというか、そこに私はあると思っておりました。
 また、もう一つちょっと確認させてください。
 先ほども話が出ました。去年からいろんな合意書とか念書とか契約書だとかあります。一部私ももらっておりますけれども、先ほど何か責めがあることを認識しているということは関係ないというか、責任は負わなくていいんだという話がありましたけれども、そこ本当なのかどうなのか。
 これ、額が大きいものですからちょっと確認したいんですが、合意書の第2条なんですが、甲というのは競馬組合です。乙というのは東北映像なんですよ。甲は─岩手県競馬組合は、乙のテレトラック4施設に係る末尾に記載の金融機関からの借り入れ─これは五つの金融機関から28億3、700万円ですか、このくらいの額になっているんですけれども─これの借り入れに関し責めがあることを認識しているという、こういうような合意書ですね。増田管理者と東北映像ですね。こういうような文書で全然関係ないというか、責任がないんだというようなさっき話があったと思うんですが、本当にそうなのかどうなのか。それが一つ。
 それから、同じ合意書の第1条にあるんですけれども、ある期間減額してもらいましたと。例えば今回は東北映像から12億何ぼが8億何ぼ、4億1、000万円協力してもらうと。これを数年間やってもらった。そしてこれを見ると、平成21年度からは前の形に返しますよと。これはあると思うんですよ、そのときの状況によって。ただ、私がちょっと不思議に思うのは、せっかく協力してもらった額、それから数年間のもの、それを21年度から返しますというようになっているわけでしょう。私の認識が違いますか。間違っていますか。なぜそのようなことが出てくるのか。この二つ教えてください。
〇宮農林水産企画室特命参事 最初の質問でございますけれども、責めがあるという部分につきましては、賃貸借契約について、貸し主が金融機関に確実に借り入れを返済することができるよう、競馬組合として貸し主との賃貸借を継続するために最善を尽くすことが必要であるという、信義則の責務があるとの認識を示したものでございます。
 それから、平成21年度以降ということでございますが、この合意書につきましては、平成18年3月29日に、当時の17年度のコストカットの取り組みの一環として行われましたものでございまして、この時点で、合意書と同時に変更契約を結んでおるわけでございますが、その変更契約で、17年度から20年度まで減額した分につきましては、21年度以降、両者協議の上、支払いをするという内容になっているものでございます。したがいまして、今回4億1、000万円の減額の交渉をした部分は、この合意書とは関係ないものでございます。
〇平沼健委員 とりあえずわかりました。ただ、ここにある合意書、これは額が違うんでしょう。ただ、この意味は、例えば今まで100円だったものを80円にしてもらったと。その後、何年間か80円で走ってきて、協力してもらって、そして平成21年度からはまた100円に返しますよと、こういうことなんでしょう。ただ、21年度から100円にするのはいいんだけれども、今までの協力してもらった20円掛ける何年間を返しますということなんでしょう、これは。なぜそういうような発想が出てくるんですか。そういう認識は間違いですか、これは。普通はこれ考えられないんですよ、こんなこと。
〇東大野農林水産企画室長 合意書の内容についてでございますけれども、一定期間の賃貸借料を減額するということと、今お話のあったように、減額分を先々支払っていくといった内容になってございますけれども、その支払い方につきましてはその合意書で全く触れておらず、先々の状況で、両者話し合って決めるというような内容になってございますので、当方の認識としては、その時々の収支状況に応じて両者合意できる点で賃貸料は決定していくもの、そういった認識であったと考えてございました。
〇高橋比奈子委員 今、東北映像さんのお話が出ましたけれども……(発言する者あり)
〇及川幸子委員長 静粛にお願いいたします。
〇高橋比奈子委員(続) 東北映像さんの私ちょっと調査をしたときに、自己計画でこういう整備をしたいということを話したら、組合側から、いや、絶対こっちでいってくれと、責任を持つからという最初のそういう話があって計画を立ててきたということで、もしこれは競馬がつぶれた場合、廃止になった場合、この東北映像が持っている借金は、全部こちらが肩がわりするということになるんでしょうか。そこをまず1点。
 それから、廃止した場合に、盛岡市、奥州市の分賦金に対して、先ほど融資は難しいとおっしゃいましたが、できないとはおっしゃらなかったんですが、ウルトラCでできる方法があるとすれば、ぜひお知らせいただきたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 まず最初に、テレトラック整備の経緯でございますけれども、テレトラック整備に当たっては、両者で協定書を結んでテレトラックを整備してございます。ですので、基本的な認識としては、両者がそれぞれ整備するあるいは利用するということを協定で認識した上で整備が進められたと認識してございますし、競馬組合がそれに当たって債務負担行為自体をしていないということは、基本的に債務を負担するつもりはなかったと認識するのが適当かと考えてございます。
 それから、もう一つでございますけれども、融資について難しいということを申し上げましたのは、仮に歳入の不足に対して融資が実行できるのであれば、歳入とか財政難に苦しんでいる市町村には、すべて融資が可能だという取り扱いになりますけれども、果たしてそういったような対応が県としてとれるのかどうかというところは、大変議論のあるところだと思います。
〇高橋比奈子委員 それでは、再度確認なんですが、ということは、東北映像が全部かぶるということになるんですか。そこの確認。
 それから、その分は結局税金というか、分賦団体とかには入らないのかという確認です。
 それからもう一つ、もし廃止をする場合ということも今回いろいろと負担についてとか出てきましたけれども、実際に構成団体と、そうなった場合のことも話し合いのテーブルでの協議があったはずなんですね。ですから、もし廃止となった場合、奥州と盛岡のそれぞれの市が分賦金を用意するとすれば、資金をどうするかということをお聞きになっていらっしゃると思うんですが、これをお示しいただきたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 最初に東北映像、賃貸しているテレトラックの件でございますけれども、答弁重なってしまいますけれども、基本的に債務負担を起こして東北映像の借入金について補償するといったような手続を競馬組合は全くとっておりません。従って、基本的に契約を解除した場合に、それをもって競馬組合が借入金を負担するという形にはならないかと理解しておりました。
 それから、2点目の両市、奥州市、盛岡市について、分賦金について融資できないのであれば、両市がどのような対応をするかについても話し合ってしかるべきといった御指摘だったと思いますけれども、いずれ、分賦ということになった場合の認識については、従前からお話し申し上げていたとおり、融資は難しいという基本的な認識でございまして、県としては、そういう対応をせざるを得ないというところでございまして、あと、その後の両市の対応についてまでのやりとりというのはございません。
〇高橋比奈子委員 恐れ入ります、そうなると、ほかにもきっと、東北映像のように契約していて、廃止になった場合に、そちらの方が全額最終的に負担を負わなきゃいけないというようなものがもしあるとすれば、これは大変なことにもなると思うので、もしそういうのがあるとすれば、ぜひお知らせいただきたい。
 それからもう一点、たしか私は部長からだったと思うんですが、現状として廃止になった場合、盛岡が用意できるのが17億5、000万円なので、2億5、000万円ずつ返すという融資スキームでなければ難しいというようなことを内々でお聞きしたような気がするんですが、こういうお話などとかでは全くそういう話は出ないんでしょうか。盛岡はきっと、奥州市もですが、もし廃止になって分賦金を用意しろといった場合に、先ほど夕張の話が出ましたけれども、とんでもない、生活をしている市民が非常に迷惑をこうむって、これまで迷惑施設と言われてきた競馬場を引き受けてきて、たくさんの分賦金を県などに払ってきたということへの貢献度もあるはずですけれども、その市二つが大変な思いをするということになると思うんですが、その点だけ簡潔でいいので答弁お願いします。
〇高前田農林水産部長 ただいま委員御指摘の盛岡市の17億5、000万円の負担ということは、これは今の融資スキームで、県から両市に融資した際に、盛岡市が自主財源で用意できる財源が17億5、000万円ということでお話をさせていただいたところでございます。
〇東大野農林水産企画室長 競馬組合が廃止された場合に返済を求められるもの、金融債務以外にというお話だったと思いますけれども、競馬組合で昨年度コンピューター整備をしたときに、債務負担行為でリース契約を結んでコンピューターを整備してございます。それの残余が今年度末で、ちょっと数字後で報告させていただきますけれども、そのリースについては途中解約という格好になりますけれども、それの返済は求められると考えてございまして、それについては372億円の中の内数として含んでございます。─失礼いたしました。7、900万円でございます。7、900万円をリース残として見込んでございます。(高橋比奈子委員「ほかにはないんですか」と呼ぶ)
 失礼しました。7億9、000万円でございます。訂正いたします。申しわけございません。
〇及川幸子委員長 他の部分でもあるのなら、お知らせくださいという部分に答弁ください。
〇東大野農林水産企画室長 このリース残のみと承知してございます。
〇及川幸子委員長 先ほどの新居田委員の質問に対する答弁について、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇菅野参事兼予算調製課総括課長 先ほどの答弁中、不適正な箇所がありましたのでおわび申し上げます。
 先ほど、地方公共団体の破綻法制につきまして、法案化されていないということを申し上げましたが、調べましたところ、3月9日、先週の金曜日でございますが、地方公共団体の財政の健全化に関する法律案ということで、衆議院に提案されております。
 おわびして訂正させていただきます。
〇平野ユキ子委員 先ほど来お話を聞いていまして、また、今月、私、一般質問でも競馬についてお伺いしたところですけれども、そのときも申し上げましたけれども、存続か廃止かということでどちらも地獄なんですけれども、どちらの地獄を選ぶのが県民負担が少ないかという、それで存続スキームは出ているけれども、廃止スキームは出ていなかったので、372億円とかその後の影響とかについて御説明のありました100億円のほかに、実はもっと影響が出るのではないかとお伺いしました。2次的産業連関表による地方経済における影響というようなものを算出しておりますでしょうか、ありましたらお示しください。
〇東大野農林水産企画室長 新計画でお示ししております廃止の場合の影響、波及効果についてでございますけれども、そこは100億円ということで、内容が従事員への支払い賃金、賞典費、委託料等の競馬開催費、あと来場者の飲食等となってございます。これを岩手県の産業連関表がございますけれども、これに当てはめて試算いたしますと、昨年の3月も御説明させていただいた機会があったかと存じますけれども、これを平成17年度の決算数値を用いて開催による経済効果を試算しますと、開催に伴う直接的な波及効果が331億円、競馬関連産業への間接的な波及的な効果が104億円、それから、消費需要の拡大から生じる波及効果が56億円、こういった効果が見込まれまして、合計で約491億円の経済波及効果というものが見込まれます。
〇平野ユキ子委員 この491億円の経済波及効果というのは、マイナスですよね。マイナスの、やめた場合のマイナスの経済波及効果ですよね。
〇東大野農林水産企画室長 大変失礼しました。今申し上げましたのは、現在の競馬組合が経済活動としてやっているときに生じる経済効果でございます。
〇平野ユキ子委員 やめた場合には、それがなくなると考えてよろしいかと思いますが、そういう前提でお話しさせていただきます。もし間違っていたら御指摘ください。
 そういう前提でお話しいたしますけれども、非常に大きいです、491億円。私は前に600億円とも聞いたことがあるんですけれども、そういった経済活動が失われるということですから、まちが冷え込むのも無理はないと思いますが、いかがでしょうか。
 一般質問で私がお話ししましたのは、上山に行ったときに、廃止した直後、まるで人けがなくて、ゴーストタウンという言葉は使いませんでしたけれども、実はゴーストタウンのように感じたんですね。その人けのないまちのありようというのは、私は経済効果500億円近い経済喪失を考えれば、無理ないものではないかと思います。その後、上山に行った人がおりまして、お話を聞きましたら、温泉地の上山は宿泊料が競馬をやめてから5割増しになっているそうです。前は1万円そこそこで泊まれたのが、今1泊1万5、000円。それで、その人は3人で行ったそうですけれども4万5、000円、3万円のつもりが4万5、000円だったので帰ってきたと聞きました。宿泊料が高くなったので泊まらず帰ってきたということは、旅館の方にすれば、お客さんが少なくなった分、高い宿泊料でないとやっていけないから高くすると。すると、ますます客足は遠のくという、観光地の上山はマイナスの経済効果のスパイラルに陥っているのではないかなと思いますし、競馬をやめなければよかったとの声が聞こえるそうです。競馬をやめたことによるまちの冷え込みのあらわれの最たるものではないかと思います。
 これから本県は、平泉遺産登録を控えて県南と、それからテレビドラマの「どんど晴れ」、この「どんど晴れ」には、馬産地として岩手も紹介されるのではという話も聞いております。その効果で県央の盛岡に観光客を呼び込んで、全体の経済の活性化を図ろうとするとき……(発言する者あり)岩手の文化財産である馬を支えてきた競馬事業が……。
〇及川幸子委員長 発言中です。御静粛にお願いします。
〇平野ユキ子委員(続) 停止するというのは、何とも寒々するものがあります。
 そこで、そういった効果について考えておられるかということをお伺いします。
 マネーフローということを言いましたので、競馬の売り上げが、電話投票を除く県内の売り上げが225億5、000万円です。全体では佐賀とか荒尾を含めてなんですけれども296億4、000万円。赤字とはいえ、これだけのマネーフローがあるということです。
 その数字だけですと私もぴんとこないので、盛岡市の商店街の年間販売額を比較してみました。中心街の肴町、大通一丁目、二丁目、三丁目を合わせても年間販売額は176億5、100万円、競馬一つの売り上げよりもずっと低いです。馬券の県内売り上げ225億5、000万円に匹敵するのには、今挙げた肴町、大通一丁目、二丁目、三丁目商店街の販売額に、さらに中央通商店街32億4、700万円、南大通第一商店街12億2、700万円を足しても足りません。馬券売り上げ全体額の296億4、000万円に匹敵するには、さらに南大通第二商店街、材木町商店街、開運橋商店街、東大通商店街、これを加えなければこの額には達しません。もちろん、条件が違いますから、単純に比較はできませんから、若干乱暴な比較ではあるかと思いますが、これらの商店街が一斉に活動停止する状況を想像してみてください。やはり、マネーフローがなくなりますから経済的に冷え込むとは考えられますが、どうでしょうか。上山で経験した経済的冷え込みというのは、これから見ても想像できるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇東大野農林水産企画室長 御指摘のあったとおり、先ほど申し上げた規模の経済体でございますので、それが経済的な活動をとめるということになれば、その地域の経済活動には相当の影響は及ぶものと考えてございます。
〇及川幸子委員長 平野ユキ子委員に申し上げますが、質問を簡潔にお願いいたします。
〇平野ユキ子委員 そして一方、視点を変えて私は文化を継承するという意味から言っているんですが、実は競馬は大変広い影響力を持っていることがわかります。
 岩手にいれば気がつかない部分で影響があるんですね。農耕馬ですけれども、南部曲り家とかチャグチャグ馬コなどの民俗文化など、競馬から波及しているものが多いです。日本のサラブレッドの発祥の地は実は小岩井であって、教育や観光面など、さまざまな面で岩手は馬の恩恵を受けています。近年は、特に医療面でもアニマルセラピーと言って、医療面に犬や馬を使って自閉症を治すなど、療法ですけれども、これが盛んになってきていますが、馬にいやされる人々、馬との触れ合いを学習面に取り入れたり、教育面でも生徒たちにもよい影響を与えているところもあると聞きます。こうした有形無形の影響を広く検証、調査したのでしょうか、伺います。
〇宮農林水産企画室特命参事 馬事文化の継承についてのお尋ねがございました。
 現在、競馬組合とかかわりがあってやっておりますのは、水沢競馬場におきまして、2階建て厩舎の1階を岩手県馬術連盟の方に貸与しているところでございまして、常時、乗用馬が18頭繋養されているところでございます。日曜乗馬教室等が開催をされまして、生涯スポーツ振興に寄与しているということでございます。
 また、岩手県体育協会とも連携を図り、数多くの選手の養成の場にも活用され、国体を初めとする各種馬術大会で相応の成績をおさめているほか、岩手競馬に出走した競走馬の一部が当連盟に移りまして、訓練馬にも使用されている状況がございます。また、競馬開催の本場では、ポニーの展示、あるいはポニー馬車の運行などを通じて、馬との触れ合いの場を提供しておりますほか、競馬組合の開催補完業務を行っております岩手県競馬振興公社におきましては、ポニースクール岩手を県から施設の貸与を受けまして、平成13年度から運営を行っているところでございまして、青少年の健全育成、馬事文化の振興等の普及に努めているという状況でございます。
 岩手の馬事文化、本県にとってかけがえのないものと考えてございまして、貴重な地域資源であると認識しております。
 今後とも、馬事文化の継承あるいは馬との触れ合いを求める新たな動きにも貢献できるよう、努めていくことが重要と考えているところでございます。
〇平野ユキ子委員 馬事文化の継承ということで力強いお言葉をいただきましたけれども、やっぱりここまでなったことに私は非常に不満を抱いております。
 もともと競馬の存続については、県議会で決める問題ではないと承知をしているところであります。しかるに、今回このような議案が出されたために、いかにも県議会の決定が競馬存続のかぎを握るかのように様相を呈してしまいました。このことについて、当局はどのように責任を感じておられるのか、お伺いいたします。
 さらに、これはこれまで何度も言われてきたことでありますけれども、こういう議案を最終議案として出すのであれば、もっと早く、例えば乾坤一てきという言葉が出たときとか、副管理者が変わったときとか、ああいったときになぜ出してこなかったのかと、本当に何度も悔やまれます。あのときであれば、分賦という手も使えたかもしれません。この点、どのようにお感じでしょうか、責任としてお感じかどうかをお伺いいたします。
 そしてもう一点、競馬組合の一部事務組合として、この1個の地方公共団体という特殊な性質であるがゆえに、だれも口出しできなかったところがあって、しかしながら、逆にそれを利用して、だれにも手出しをさせなかったという部分があったと思います。その隠ぺい体質が今日を招いたと言えるのではないかと思いますが、構成団体たる県は、もっとしっかりと対応すべきではなかったか。そして管理者たる知事は、ここまでほうり出しておくことなく、管理者としての責任を果たすべきではなかったかとの声がありますけれども、この点いかがお感じか、見解をお伺いします。
〇高前田農林水産部長 今回の議案の提案の時期についてまず申し上げさせていただきます。
 競馬組合、これまで平成12年、それから17年2月ということで組合の改革計画、これを策定いたしまして経営改善に取り組んできたところでございます。しかしながら、目標とした売り上げの回復、これは実現できず、結果としてそれが毎年度の赤字となって累積をするということで、累積債務が330億円に達してしまったと。今の状況は、これ以上の赤字の累積はとても許されないという状況でございます。このため、今回はこれまでの反省に立ちまして、再三申し上げておりますように、売り上げ見込み、これを現実を踏まえたものということにさせていただくとともに、事業存廃の基準のもとで売り上げ、発売額の25%の範囲内でこの経費を賄うといったような、新たな赤字を発生させない仕組みに展開するという段階に至ったものでございます。
 私といたしましても、ここに至るまで、何とかもう少しやりようがなかったのかという思いもございますが、そういったようなことで、議員の皆様には難しい御判断をいただくということになったことについては、非常に心苦しく存じておるところでございます。
 それから、次に構成団体としての責任についてでございますが、これまで組合に任せっ放しにしてきたのではないかといったような御指摘でございます。競馬組合につきましては、今申し上げたような経営改善の取り組みということで努力をしてきたわけでございますが、やはり結果として、こういったような赤字を生じてしまってきているということでございまして、構成団体である県としても反省しなければならないと考えておりまして、御指摘については真摯に受けとめをさせていただきたいと思っておりますが、今回の新しい計画につきましては、これまでの反省と、それから県民負担の最小化ということを最重点ということで考えて策定をいたしたものでございまして、今回の融資案は、御指摘いただいたような問題に対する深い反省に立って組み立てた仕組みであるということについて、ぜひ御理解を賜りたいと考えております。
〇平野ユキ子委員 私自身は、馬事文化、岩手ならではのもので、これ一回失ったらもう取り返しがつかない。岩手には一戸から九戸まで名称がありますけれども、あれはすべて馬の牧場なんですね。牧場の跡です。一説には、遠野は10番目だという説もありますけれども、これは真意は定かじゃないんですが、そういった馬とかかわってきた岩手が、非常に今残念な思いでおります。存続か廃止かということで、否決か可決かという、今選択を迫られていて、第3の方策を今おっしゃった委員もいますけれども、今何といっても時間がないんですよね。30日までに支払い期限が迫っているものがありまして、時間がないとき、第3の道を選択するだけの時間があるだろうか。なければ、この二つを選択、どちらかを選択するしかないという厳しい状況です。もし否決すれば、先ほど来るる出ておりますように、奥州市は標準財政規模から言って─標準財政規模は340億円ですけれども、それから考えて赤字転落ラインが68億円なんですね。でも、否決した場合、分賦でかぶると93億円、これ4月の分も含めてなんですけれども、93億円という負担をかぶらなければらなくなる。盛岡市も同じように、赤字転落ライン122億円のところ74億4、000万円かぶる。非常に財政的に危機に瀕するわけです。ですから、非常に時間がない中、こういう厳しい選択を迫られている私たち県議会の立場にとりましては、いつも同じように、これは新しい計画で絶対になんていうことを言われても、その都度その都度、それが違ってきているのでは非常に─存続はしてほしいという思いはありますが、非常に消極的にならざるを得ません。先ほど新居田委員がおっしゃったように、黒字経営を続けていくというような確証は得られないものでしょうか。
〇高前田農林水産部長 ただいま収支均衡についての見通しということでお話をいただきましたが、これにつきましても再三御説明をさせていただいておりますとおり、まず、コストの面につきましては、これまでの計画と異なりまして、これまで大分時間を要したわけでございますけれども、競馬関係の団体の合意それから関係の企業の合意ということを取りつけて、コスト削減についてはほぼ明確な見通しが立っているというところでございますし、それから、売り上げにつきましても、自場発売といったようなことも見直しをしておりますし、広域委託につきましても、過去の実績等を踏まえたデータをもとにして検証を加えた形での売り上げ実績といったようなことを踏まえて計画をしたものであるということでございまして、そういったような中で、収支の均衡の見通しが出てきているということでございますし、さらに、もう一つ御理解を賜りたいのは、これまでの計画とまず異なるのが、事業存廃の基準の設定であるということを御理解いただきたいと思います。これが結局、売り上げが目標達成しなかったという場合にあっても、結局、売り上げに応じてコストを縮減するというスキーム、仕組みを今回は競馬事業の運営の中にきちんと盛り込んでいるということでございますので、こういったようなことを通じて、収支均衡の見通しは立っていくと考えているところでございます。
〇平野ユキ子委員 確かに今部長がおっしゃるように、今回は存廃基準というものが定められました。ですから、年度途中であっても赤字の見込みが、収支均衡が保たれなければ、即廃止です。ということは廃止になるわけです。継続を前提にして融資をして、その融資の方が比較すれば絶対分賦よりはいいに決まっています。私たちはわかっていますけれども、継続を前提に融資して、途中で廃止になった場合は、県民の受けとめ方はそうではないと思いますよ。税金をむだにしたとしかとらないと思います。そこが問題なんです。県議会の決定で330億円を融資して、私たちはこれが一番いいと思って決定しているのに、もし廃止になった場合は、県民はそうはとらない。そのように思いますが、いかがでしょう。
〇高前田農林水産部長 融資を行った後の廃止ということでございますが、私ども先ほど申し上げましたように、この事業存廃の基準というものはただ単に、競馬を廃止するということを目的にした基準ではなくて、何とか赤字を出さずに継続をしたいんだということで設定をしているものでございます。売り上げの25%の枠の中で経費を賄っていくということをこのルールとして貫徹することによりまして、必ずや競馬事業の継続というのは成り立っていくであろうと思います。ただ、確かに、先ほど佐々木委員からも御指摘がございましたように、高知競馬の例を見ると非常に厳しい道のりではあると思いますが、いずれにいたしましても、赤字を出さないで継続をしていけるということが、今回のこの存廃基準それから新しいルールであるということについて御理解を賜りたいと思います。
〇平野ユキ子委員 何度聞いても結局そうなるしかないんだろうと思いますが、今結局時間がないんですね。今年度中に払わなきゃならないもの。だから第3の方法があって、そしてそれをやれる時間があればいいんですが、恐らく二者択一しかないだろうと思います。ですから、それを迫られている私たち県議会の立場も御理解いただいて、もし融資が通ったときは本当に死に物狂いでやっていただきたい、このようなお話でとどめておきます。
 そしてまた、新居田委員もおっしゃっていましたけれども、競馬議会に議員を派遣してきたのは私たち県議会もそうなんですね。ですから、そういった点は真摯に反省する点はあろうかと思います。そして今一度、岩手の持つ価値ある文化を支えていった競馬事業再生に向けて何とか努力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇関根敏伸委員 重複する部分もあろうかと思いますが、答弁をお聞きしてどうしても理解できない部分が私もあるものですから、単刀直入にお聞かせいただきたいと思います。
 私、前提といたしまして、融資による収支均衡というのはやっぱり非常に実現が難しいと、このような理解を私はどうしてもぬぐい去ることができません。その前提の上でお聞かせをいただきたいと思います。
 まず、県民負担を最小にするという比較の中で融資が絶対いいのだと、この根拠がよくわからないのでありますが、今競馬組合の資産評価につきまして小原宣良委員の質問の中で出てまいりましたが、極めて不十分ということがございましたが、全くそうだと思います。この競馬組合の資産評価についてさまざまなケースがありますが、現実的にどの程度の資産価値があると見込みを立てていらっしゃるのか。それがどの時点ではっきりするのか、これがまず1点でございます。
 同時に、競馬組合の負債につきまして、先ほど来さまざま借入金それから起債の償還のことは触れられておりますが、それ以外にも、例えば372億円のうち、こういった金融負債を除いても約70数億円の負債があろうかと思いますが、これらの負債についての圧縮の可能性があるのかないのか、これらは冷静に比較検討をすることが、県民負担が最も少ないと明確に言い切れる根拠になろうかと思うのですが、これがどうしてもはっきり私には理解ができません。これにつきましてまずお聞かせをいただきたいと思います。
〇宮農林水産企画室特命参事 競馬組合の資産の評価についてでございます。
 競馬組合が保有する資産につきましては、平成17年度末時点で、盛岡競馬場等の土地が単純に地価動向調査をもとにした評価額で132億円、競馬場及びテレトラックの建物・工作物、これにつきましては、取得価格から減価償却費を控除した評価額で167億円、手持ち現金が7億円などで、総額309億円となっているものでございます。
 なお、競馬事業のための施設はその用途が特定されておりまして、特殊な構造物が多く転用が難しいという実態がございます。売却先を探すことが困難と考えられておりまして、現時点で、実際に処分できる時期等を具体的に見通すことは非常に難しいという状況でございます。例えば、盛岡競馬場を他用途に転用するといった場合、設備投資等の新たな負担が必要になるといった問題もございまして、民間に売却して金銭的にプラスになるような形で資産処分を行うことは、極めて難しいという状態でございます。廃止した場合の債務あるいは廃止に伴う費用として見込まれます372億円を軽減する方向を想定することは、困難と考えているところでございます。
〇東大野農林水産企画室長 負債等の減免可能性についてでございますけれども、負債の減免可能性については、金融機関からの借り入れについては先ほど来申し上げておりまして、大変恐縮ですけれども、競馬組合が一部事務組合ということで民間企業の債権で行われるような債務減免、これについては制度上想定されていないので、金融機関にこの減免自体を求めることができないと認識してございます。
 あと、支払いの猶予といった方法も考えられますけれども、ただ、支払いの時期を遅延するということになりますと、公共団体が延滞ということになりますので、そういった方法はとり得ないものと考えますし、仮にあり得るとしても、その支払いの時期における借りかえという形での内容になるのではないかと考えてございました。ただ、厳然として存廃基準を設定したということがございますので、借りかえとか融資条件の変更を含めた新しい融資というのは、金融機関から受けることはできなくなるということで、支払いの時期の猶予を求めることはやはり難しいのではないかと考えてございます。
 あと、3点目でございますけれども、金融債務以外、いわゆる330億円以外の部分ですけれども、残る部分については、スタンドの撤去費とか競馬関係者への見舞金のたぐい、そういった内容でございますので、それは圧縮可能性がないかと問われると、圧縮できる可能性はあるとお答えするものだと思っております。
〇関根敏伸委員 では2点目、これはたびたび質問をされておりまして、御答弁をいただいているわけですが、私なりにこのように理解したのでありますが、それでいいのかどうか、お聞かせをいただきます。
 仮に分賦となった場合、盛岡、奥州、両市への県の融資ということでございますが、これは結局のところ、融資を不可能とする法的根拠はないと、このように私は理解したわけでございますが、それでいいのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 融資を制限する法令の規定があるかというお尋ねだと理解しますけれども、分賦されたものについて融資の対象にしてはいけないという法令の規定はないかと存じます。
〇関根敏伸委員 そのように理解をいたしました。
 それでは次です。
 さまざまこれは判断するときに、雇用、地域経済それから県民負担、それから構成団体への影響ということが複雑に絡み合っているわけでございまして、これが私ども並びに県民の判断を非常に難しくしていると、このようなことになろうかと思いますが、それでお願いというか御提案でございますが、あすもまた競馬の審議があると。15日の採決までまだ時間があるわけです。(発言する者あり)失礼しました。さまざままだ時間があるということを考えたときに、雇用ですとか地域経済、あるいは構成団体への財政の影響、これらさまざま資産評価それから負債の扱い、これらにつきまして、より具体的な資料を提示していただけるということが最善の判断をする前提になろうかと思うのですが、これに対しての取り扱いについてはいかがお考えでしょうか。
〇高前田農林水産部長 ただいま負債それから具体的な資産の詳細な資料ということのお話だと理解をさせていただきましたが、私ども、今御説明できる範囲で最善の資料として御説明させていただいていると理解しておりまして、具体的に委員の方から、こういう資料ということで私ども用意できるものがあれば、それは最善の努力をさせていただきたいと考えておりますが。
〇関根敏伸委員 それでは、後ほどそれにつきましては要望させていただきたいと思います。
 それから、次でございますが、たびたびこれは取りざたされております存続意義ということにまた再度戻るわけでございますが、この競馬組合の持つさまざまな雇用とか地域経済の影響は重々理解をしているわけでございますが、やはり私なりに考えるところによりますと、法的な存在根拠ということになりますと、財政競馬ということがどうしても外すことができないということに私は思うわけでございますが、民間融資の道を絶たれた時点で、あるいは一歩譲って、構成団体から37億円の融資、これによって経営改善がなされなかった時点で競馬の本来的な存続意義は失われていると、私はこのように理解をいたします。また、県民からさまざまな競馬に対してのマスコミなんかの調査なども載っておりますが、競馬はできれば存続してほしいと。ただし、税金投入はしないでほしいと。これは極めて明快な県民の意識であると、このように考えておりますが、これも競馬の存在意義そのものにまさに的を射た県民の理解じゃないのかなと私は考えておるわけでございますが、この競馬の存続意義、存在意義につきまして、再度御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 競馬事業の存在意義ということでございますけれども、現在の岩手競馬が委員御指摘のあったとおり、民間金融機関からの融資を受けることがもう困難になっているという事実については重く受けとめなければならないと考えてございましたけれども、競馬事業を現時点で廃止した場合に、330億円の債務に、それにさらに廃止に伴うコストが加わって、合わせて372億円の負担が構成団体に生じるということが見込まれます。それよりも、新たに赤字を発生させないような、そういった仕組みのもとで競馬事業を継続することが構成団体、ひいては県民の負担を最小にすることにつながると考えてございます。収支均衡を基本とする事業存廃の基準を設定して新計画を策定したといったのも、そういった点からでございますので、そういった意味で競馬事業を継続していくことが、今とり得る最善の策かと認識してございます。
〇関根敏伸委員 最後に1点だけお聞かせをいただきます。
 たびたび競馬の存廃基準が言われておりますが、収支均衡ということでございます。今も次年度の売り上げ等々についての質疑が行われておるわけでございますが、この質疑の経過の中で、仮に平成19年度の収支均衡見込みが立たないと、このような判断に至るということなったときには、来年度に向けてのスタートは切れないと、このように理解をしてよろしいのでしょうか。これについて最後に御見解をお伺いいたします。
〇高前田農林水産部長 平成19年度の収支見通しについてでございますが、委員御指摘のとおり、新計画におきましては、収支均衡の見通しを踏まえて19年度の事業の存廃を決定するということにいたしております。したがいまして、19年度の収支均衡の見通しが立たないままに今年度末を迎えたとするならば、競馬組合の新計画の基準に従いまして、今年度末をもって競馬事業を廃止するという結論にならざるを得なかったと考えているわけでございますが、しかし、実際には新計画に沿ってコスト削減、これ18億円でございますけれども、この交渉を進めてきた結果、昨年末までに関係者の合意、これができたところでございます。
 それから、構成団体融資のこの今御議論いただいております議案、これが実現を前提といたしますと、金利負担が軽減をされます。そういったようなことで、19年度の収支の均衡の見通しが立つものと考えてございます。
〇五日市王委員 私は任期1年足らずで、この問題に白黒をつけなければいけないという立場にありまして、先ほど部長からも心苦しいというお言葉がありましたが、私も非常に心苦しい立場にあるということを、まず申し述べたいと思います。
 それで、先ほど来ずっと議論があるわけでございますが、私も関根委員がおっしゃったように、まず財政競馬としての存在意義がもうなくなってしまったというところに、まず一つ指摘しなければいけない。
 そこで、先ほど来、じゃ、何のために存続するかというと、県民負担が最小であるとか、廃止による影響が大きい、構成団体が大変だと、そういったような議論に終始しているところは非常に私は残念だと思います。せめて、もう一度財政競馬として立て直すんだと、そういった意気込みが全然感じられない。まず、その辺は指摘をしておきたい、そのように思います。
 それで質問ですが、いずれ、県民の方のいろいろお話を聞いておりますと、やはり一番言われるのは、そもそもなぜここまでほうっておいたのかということなんですね。つまり、過去の検証と責任の所在が明確になっていない、このことが私一番の問題だと思っております。つまり、謝るべきは謝る、処分すべきものは処分すると、そういったことがなければ今回の融資、私は県民の理解は得られない、そのように考えております。
 まずは、その点についてどのような見解か、お伺いをいたします。
〇高前田農林水産部長 ただいま、過去の検証と反省に立ってしっかりと対応すべきじゃないかということでございます。
 今回の新計画は、これまでの類似の計画の反省、これをしっかりと踏まえて、それでいわゆる事業の存廃の基準、赤字を絶対に発生させないということを至上命題として計画をいたしたものでございます。まず、その点を御理解いただきたいと思います。
 それから、財政競馬としての意気込みが足りないということでございますが、私どもといたしましては、まずもって、これまでこの330億円にまで累積してきた赤字、この発生をまず食いとめるということを至上命題として考えてございまして、岩手競馬を、赤字を発生しないで継続できるような体質に改善した暁には、何とか財政競馬としての意義が見出せるような運営を目指していきたいというものでございます。
〇五日市王委員 先ほど来、反省反省という言葉が聞かれているんですね。ほかの委員が言っても反省と言われています。これまでの反省、あるいは深い反省に立ってと言われているんですが、私が聞いているのは、反省ではなくて検証です。反省の前に検証があるべきだと思うんですね。その検証がなかなか出てこないんです、はっきりとした。確かに新聞報道などでも、オーロパークの問題があったりいろいろ言われています。だけれども、それをきちんと競馬組合で検証したかということなんです。特にも、第三者機関なんかできちんと私は検証するべきだと思っています。それをなぜやらないのか。というか、それをやる考えはございませんか。
〇高前田農林水産部長 ただいま過去の検証をしっかり行ったのかという御指摘でございますが、実は競馬議会の方でもこの点は大分議論になっておりまして、過去の計画、それから特に改訂実行計画等の検証というものをしっかりやるようにということでございまして、競馬組合の方にそういったレポートも提出をさせていただいておりまして、そういったようなことも踏まえて、再三申し上げて恐縮でございますが、新しい計画の中にそういう検証結果、それから反省といったようなことを踏まえた内容として、今回御提案させていただいているものでございます。
〇五日市王委員 いずれ続けた場合、また一部事務組合で存続していくということだと思います。私は、この一部事務組合での存続、競馬ですから、総務部でも聞きましたけれども、地方自治体しかできないということなもので、であれば、やはりこの一部事務組合の中に、そういった検証をするとか、責任の明確化をうたうとか、そういった規約をきちんと盛り込んでやらないと、もし続けた場合に、また赤字が出て、また税金投入になりましたといったときには、私はまた同じような議論をずっと繰り返していくと思うんですね。だから、その辺は規約の中にきちんと盛り込んでいくべきだと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
〇東大野農林水産企画室長 競馬組合の規約の見直しのお話だと伺いました。
 競馬組合規約では、組合の執行機関となる管理者につきましては、岩手県知事の職にある者を当てるという規定になってございます。構成団体の議会の議決を経て、競馬組合規約を改正すれば、管理者を知事以外の者として、その職を専門に担当するような方を管理者とすることは可能ではございますけれども、競馬組合が一部事務組合ということでございますので、構成団体である地方公共団体の事務を共同で行う組織といった性格上から、最大の構成団体である県の知事が、組合の執行機関である管理者となっているものだと理解してございました。
 なお、仮に管理者を例えば知事以外の方にした場合に、民間の出身者を選任するというようなケースは考えられますし、成功報酬的な給与体系とするとか、業績の悪いときは無給としたりするといったことは、制度的には検討は可能だと考えられますけれども、経営悪化の責任をそれ以上追及するというような管理者の置き方は、なかなかできないものではないかと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 330億円の融資の是非を考える場合に、今の競馬組合が存続に値する現状になっているか、これが私は第1の問題だと思うんです。それでお聞きしますが、経常損益で見ると赤字はいつから、累計で今年度末まで幾らの赤字になっているか、これが一つ。
 二つ目に、2年前、私は何度も言いますけれども、増田知事が乾坤一てきと言って再建計画に取り組んできた。その結果はどうだったのか。必ず達成できると言明したのは知事と農林水産部長ですよ。当時の農林水産部長も必ず達成できると言ったんですよ。この責任はどうなるんですか、まずここから行きましょう。
〇東大野農林水産企画室長 私の方からは、経常損益の御質問と、あと改訂実行計画の結果についてお答えいたします。
 最初に、経常損益でございますけれども、経常的な収支が単年度で赤字になったのは平成11年度からでございます。また、その後の経常的な収支段階での赤字を合計いたしますと、今年度末の見込みも含めて166億100万円といった見込みとなります。
 次に、改訂実行計画の結果についてでございますけれども、平成17年2月に策定いたしました改訂実行計画については、コスト削減の徹底や三連勝式の賭け式、インターネット発売の導入など、設備投資を伴わない売上拡大によって、競馬組合の自助努力で債務が解消できるようにという経営改革に取り組んだところでございますが、平成17年度につきまして、コスト削減はおおむね計画したものに近い内容で実現はできましたが、発売額は、計画した299億円に対しまして296億円ということで、計画を下回りました。また、純損益で見ますと、資産売却の未達成等の要因で、当初計画4億3、700万円の利益と見込みましたけれども、結果、それを7億5、100万円下回る3億1、400万円の損失となったものでございます。
〇高前田農林水産部長 知事と農林水産部長の責任ということについてでございます。
 構成団体である県としても、これまで競馬組合と一体となりまして経営改善に努力してきたわけでございますが、結果として、委員御指摘のとおり、赤字の解消は実現できなかった、こういった赤字が拡大につながったということについては、構成団体である県としても反省しなければならないと考えております。
 再三申し上げて恐縮でございますが、こうしたこれまでの反省ということを踏まえて、今回の新計画では、事業存廃の基準といったようなものを御提案申し上げて、新しい取り組みというものをやっていきたいと考えているところでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 8年連続で166億円の赤字ですよ。聞けば聞くほど赤字がふえてくるんです。これは本当に恐るべき事態ですね。
 この2年間で経常損益で幾ら赤字をつくりましたか、これが第1点。
 それで、部長、謝れば済むという話じゃないんですよ。実は2年前の実行計画は、佐々木博委員も言ったように、議会の多数は、あんな莫大な売上増計画なんか根拠がない、そういうふうに指摘されても、必ずできると言ってやった計画なのですよ。経済情勢を見誤ったなんていう問題じゃないですよ。
 それで、この計画を担ったのは、やめた副管理者でした。このやめた副管理者は、やめるまで退職金を含めて幾らもらいましたか。
 農林水産部長は、各会派に説明文書というものをつくりました。私は後でもらっただけですが、この文書の中に驚くべき表現があります。こういう表現なんです。現時点では、まだ累積の収支は黒字であり、財政競馬として存在してきた価値を何とか見出せる。本当にこう考えているんですか。利益を上げるから財政競馬として存在意義があるんですよ。8年間赤字だったら存在意義はないじゃないですか。私は、こんな説明文書を書く感覚がわからない。いかがですか。
〇高前田農林水産部長 私の方から、先般お配りさせていただきました説明文書についてお答え申し上げたいと思います。
 財政競馬の役割ということでございますけれども、岩手競馬の存在意義について申し上げますと、新たな利益を今後も構成団体に配分し続けることが望ましい姿ということではあるわけでございますが、一方で、今回の新計画のもとでは、大きな黒字を生み出すことは当面難しいと見込まれることも事実でございます。
 このような状況におきまして、新たな赤字を発生させずに競馬事業を継続することは、廃止することとの比較におきまして、県民負担を少なくするという意味において存在意義が認められるのではないかと考えております。
 なお、御指摘の部分は、過去の経緯からも、これ以上の赤字は許されないという点について御説明申し上げているところでございます。
〇宮農林水産企画室特命参事 平成18年度の途中で辞任した常勤の副管理者の在職期間中の給与の総額でございますが、期末手当、退職手当を含めまして3、608万7、000円でございます。
〇東大野農林水産企画室長 平成17年度、18年度の合計の経常段階の収支でございますけれども、17年度が18億2、100万円の経常的段階の損失、それから今年度の見込みですが、24億8、800万円の損失、合計で43億900万円の損失ということになります。
〇斉藤信委員 まず、計算が違っていると思いますよ。私がもらっている平成17年度の経常損益は24億2、200万円です。平成17年度だよ。経常損益で計算すれば、それに今回の24億8、000万円というのが足されるのではないの。私はそれを聞いているんだから、まずそこをきちんと言ってください。
 それと、部長、私は丁寧に引用したつもりですよ。現時点では、まだ累積の収支は黒字であり、財政競馬として存在してきた価値を何とか見出せます。これは間違いでしょうと私は言っているのですよ。真正面から答えてください。こういう感覚だから、あなた方は現状認識を誤るんですよ。8年間赤字をつくって166億円ですよ。現段階では存在意義がないということでしょう。財政競馬としては、完全にその意義を失っているということじゃないですか。
〇高前田農林水産部長 存在意義の点についてでございますけれども、先ほどもお答え申し上げましたとおり、新たな赤字を発生させずに競馬事業を継続するということは、廃止することとの比較におきまして、県民負担を少なくするという意味において、存在意義が認められるということで考えたところでございます。
〇東大野農林水産企画室長 先ほど私が申し上げましたのは、平成17年度の決算の経常段階の損益ということで申し上げました。お手元の資料との数字の違いについては、後ほど確認させていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 農林水産部長、あなたが書いて、皆さんに渡した文書ですよ。あなたはそんな回答をしていたら国語零点だよ。今後の話を書いているのではないんですよ。いいですか、現時点ではと書いているんですよ。だから、こんなあなた方の書き方は間違いだと。一言で言って、現状というのは破綻した公営ギャンブル、競馬事業です。破綻した競馬事業、公営ギャンブルに県民の税金を投入していいのかどうかというのが問われている。税金投入の対象にならない、これがまず第1点です。
 次に、第2点、新たに赤字をつくらないとあなた方は言っています。しかし、これには全く根拠がありません。これは誇大広告です。うそとごまかしと言ってもいい。まず、この誇大広告に幾らかかったか、後で教えてくださいよ。
 それで、この見出しが、岩手競馬は、「廃止」よりも「赤字なき継続」を!と書いています。しかし、赤字なき継続というのは永続的な継続ではないんですよ。真ん中のところにこう書いています。新たな赤字を発生させない不可欠の仕組みとして、「赤字が見込まれる場合には、年度途中でも廃止」という基準を設定しました。年度途中で廃止になるのです。だったら372億円になるじゃないですか。問題の先送りでしかないということですよ、これは。これは全く数字のごまかしですよ。今廃止すれば372億円、赤字なき継続だったら330億円の融資で済む。これは今瞬間の話。継続して半年たって、やはりだめだった、廃止だ、これは372億円をみんな県民にかぶせるということです。本当にこういう単純なごまかしなんです。
 それで、今までも議論になったので、私もちょっとおさらいのつもりで言いますが、来年度の事業計画の売り上げの根拠について、この自場発売と広域受託発売の売上額というのは、私は極めて重大だと思っているんです。それで、私はこの間の推移をお聞きしたい。いいですか、自場発売と広域受託の売り上げの推移はどうなっていますか。
〇宮農林水産企画室特命参事 売り上げの根拠と推移ということでございます。
 来年度の事業計画の売り上げの根拠でございますけれども、自場発売につきましては、全国地方競馬の状況等を勘案いたしまして、前年度を維持するということを基本といたしまして、発売額を確保するために、水沢の開催を多くする、あるいは日本中央競馬会がテレトラック種市において6月から勝馬投票券を発売することとしている集客効果等による売り上げの増、あるいは街中場外発売所の売り上げ等を見込んだものでございます。
 また、広域委託発売につきましては、平成19年度において全国15の主催者の発売を基本といたしまして、18年度を維持できるという環境が整っているところでございますが、金沢の日程の変更等を加味いたしました。また、一方で南関東地区主催者に対しまして、これまで以上の岩手発売の要請をしてまいったところでございます。こういった部分を委託発売で見ているというものでございます。
 それから、最後に受託発売でございますけれども、平成18年度135日間の受託発売を行いましたが、19年度につきましては97日間増加いたしまして232日間を計画しているところでございます。発売額が見込める大井競馬場を中心とした南関東地区主催者との調整を行ってきました結果、受託発売を行うことについて了解を取りつけているところでございます。また、南関東地区では、11月上旬までナイター競馬を開催しているということもございまして、このナイター競馬の受託発売にも積極的に取り組むといった形で、年間の受託発売額を見込んだものでございます。
 それから、自場発売、受託発売額のこれまでの推移ということでございます。自場発売でございますが、平成15年度は305億8、500万円、平成16年度につきましては258億4、600万円、平成17年度は229億6、500万円、平成18年度は204億8、900万円でございます。
 それから、受託発売額の方でございますけれども、平成15年度79億1、500万円、平成16年度58億8、600万円、平成17年度52億7、100万円、平成18年度、見込みでございますが50億4、500万円という推移でございます。
〇斉藤信委員 今の新しい岩手県競馬組合改革計画に何と書いているか。いいですか、この1ページですよ。岩手競馬商圏内での購買力は、改訂実行計画策定時の予想を超えて大幅に低下し、現状では、平成18年度計画の達成は困難な状況にあります。岩手競馬商圏内の購買力は予想を超えて大幅に低下した、だから計画を見直すんだとあなた方が書いた。いいですか、実際にそうなんですよ。
 今、自場発売と広域受託発売額を言ってもらいました。本当はその合計も言ってもらいたかった。合計しますと、平成15年度377億円、平成16年度317億円、平成17年度282億円、平成18年度255億円です。これが岩手県の商圏ですよ。ところが、来年度の事業計画は、これを54億円上回って309億円の売り上げになるのですよ。看板で言っていることと出している計画が全然違うじゃないですか。岩手商圏の購買力は大幅に低下したと言いながら、実際にこう下がっていながら、何で54億円も売り上げが伸びることが出せるのですか。
〇高前田農林水産部長 今、岩手競馬の商圏内の売り上げについての御指摘でございます。これにつきましては、特に御指摘いただいているのが広域委託、それから受託の関係でございます。これにつきましては、再三お答え申し上げておりますとおり、一つは、これまでの実績のデータを分析してみたということで、それぞれの発売額についての相関を詳細に分析したところでございます。その結果が、結局、広域受託につきましては発売日数と売り上げの相関が明らかに見られるということでございますし、それから自場発売の影響についても、これもデータの分析を行う限りにおいては明確な相関が見られない。そういったようなことを踏まえて、それぞれ発売日数、それから今年度の発売実績を踏まえた形での売り上げの見込みという形でお示しさせていただいているところでございます。
 それから……(斉藤信委員「だめだ、こんなのは。言ってることとやってることが全然違う」と呼ぶ)
〇斉藤信委員 余りにも支離滅裂ですよ。あなたが書いたものを私は引用しているんですよ。岩手県の商圏は大幅に低下したと。そして、今売上額を言ったように大幅に低下しているのですよ。ところが、破綻した状態で再建を目指そうという岩手競馬が、来年度は岩手商圏で50億円売り上げをふやすんですよ。こんなことだれが信用できますか。言っていることと出している計画が全く違うんだ。私は、本当にお粗末だと思う。わずか2年ぐらいちょこっと計算して、10年間で計算してみてください。10年前は537億円の岩手商圏だったんですよ。それが255億円です、半分ですよ。こういう冷厳な事実からやらなかったら再建なんかならないでしょう。売り上げが7割、8割でも何とかなるというのだったら幾らか説得力がある。破綻した状態で50億円も売り上げを伸ばすなんていう計画を出すから、だれも信用しないのですよ。これはもう残念ながら完全に破綻した。だから、継続したら赤字がふえないなんていうことには全然なりませんよ。破綻必至だと。
 私はいろいろな方々から聞いた。競馬を存続してほしいという思いは理解できるけれども、そういう方々が、この計画だったら半年しかもたないと言っているんですよ。これは事実ですよ。そのことは指摘しておきます。もうかなり明確になったと思います。
 それで、まだまだ破綻が明らかなのは、来年度事業計画で盛岡の開催を8回に減らして、水沢は13回。盛岡は、やはり採算が悪いということをあなたは認めているのではないですか。この盛岡と水沢の経費、売上率、これを示していただきたい。
 JRAとの事業連携の具体的内容と収益改善の理由。種市でJRAを売ったら1%しかお金が入ってこないんですよ。これで何で収益改善になるんですか。
〇宮農林水産企画室特命参事 盛岡、水沢の経費ということでございます。
 平成17年度の施設別の資料で御説明いたしますと、盛岡競馬場につきましては、売上高が89億9、900万円、売上原価が71億7、900万円、開催経費が16億9、600万円ということで、施設別の損益では1億2、400万円という黒字になります。それから、水沢競馬場でございますが、売上高につきましては93億2、200万円、売上原価が73億6、200万円、開催経費が10億2、900万円で、施設別損益9億3、100万円という数字になります。
 なお、この売上原価については、賞典費の分を含んでいないという数字でございます。
 それから、JRAとの連携の件でございますが、平成19年度、JRAとの連携事業を要請いたしまして、平成19年6月からテレトラック種市でのJRA発売を計画しているところでございます。19年度につきましては、土曜日、日曜日を中心にいたしまして、1日2から3レースを年間60日間発売することを予定しておりまして、2月上旬に農林水産大臣の承認を得て、現在、施設の一部改修をJRAの方で行っているところでございます。
 増収効果でございますけれども、平成19年度につきましては、種市でのJRA発売によりまして来場者が増加するというプラスの効果、それから購買単価の減になるマイナスの効果、こういったものを勘案いたしまして、年間の発売額として4億3、000万円余の収入増の効果を見込んでいるという内容でございます。
〇斉藤信委員 4億3、000万円ふえるという根拠が私にはわからないのですよ。JRAは売れると思いますよ。しかし、JRAというのは協力金が1%しか入ってこないのです。売れた分、自場発売は売れませんよ。だから、あなた方が4億何千万円という計算を出してみてください、そんな甘いものではない。JRAは売れるけれども自場発売は売れない。JRAは売れてもたった1%しか入ってこない。
 そして、盛岡市の街中場外の設置についても、私は、いつ破綻するかわからないときに、盛岡の商店街にこんな街中場外はつくるべきじゃないと思いますよ。設備費に幾らかかって、幾ら売り上げるか。恐らく売り上げた分は、みんな自場発売が減ります。こういう無謀なことはやってはならないと思いますが、いかがでしょうか。
 そして、コスト削減策についても皆さんから指摘されたので、これは来年限りの計画です。東北映像の4億1、000万円は1年限りですよ。2年やったら東北映像が倒産します。だから、事業計画は来年限りの計画にしかなっていないのです。2年目、3年目持ちこたえるという見通しはないのです。競馬場というのは、人も馬もいる、施設もある。いつまでもコスト削減できないのですよ。来年度以降の見通しはありますか。
〇宮農林水産企画室特命参事 盛岡市内に計画しております小規模場外発売所の設置でございます。
 設置費につきましては、今回、競馬組合の補正予算に出してございます4、200万円という設置費でございます。売り上げにつきましては、発売額が2億7、100万円、広域受託協力金を7、900万円と見込んでいるところでございます。管理費、売上原価等を除きまして、収益については1億1、000万円を見込んでいるところでございます。
 それから、コスト削減が来期限りの計画ではないかという御指摘でございます。
 新計画につきましては、発売収入の25%の事業収益ですべての経費を賄うこととしてございます。平成20年度以降につきましても、競馬組合みずからの努力はもとより、関係者の理解を得ながら、現実の売上見込みに応じまして、このルールのもとでそれぞれの経費を適切な額に定めていくことによって、達成が可能と考えているところでございます。
〇斉藤信委員 私はリアリズムで言ったつもりなんですよ。情報関係の4億1、000万円というのは来年限りです。これを2年も続けられる保証は一つもありません。競馬組合から言われて場外を設置して、それが28億円残っているんです。ことし存続しなければだめだというので4億1、000万円には協力した。しかし、皆さんとの合意があるように5億8、000万円、4年間のいわば削減額は、4年目以降復元なんですよ。全くこれには根拠がありませんよ。
 そして、人も馬ももちませんよ。売り上げが減ったら、50億円減ったらその分コスト削減しますなんて、盛岡競馬場の損益率は本当に悪かったけれども、あれば毎日整備しなければだめなのですよ。そこで競走馬はレースがなくても練習するのですよ。そういう維持管理費はかかるのです。手を抜いたら事故が起こるのですよ。競馬場というのは装置産業なんです。だから、あなた方が机の上で計算しているように25%ルールをやればいいなんて、だれも信じていませんよ。小さい高知競馬だったら何とかなるかもしれないけれども、盛岡の立派な競馬場だったらそうはならないのです。
 私は、330億円の融資というのは、返済の見通しもないし、返済期間もないし、これは融資に値しない。これは指摘だけにとどめておきます。
 最後に私は、廃止してこそ県民の負担は軽減されるということを指摘しておきたい。
 実は、廃止した場合、金融機関は、長期の償還スキームを検討することになると答えています。公営金融公庫は、一括でなく分割で返された例がある、補償金はなくなると言っているんですよ。貸している方が長期の償還スキームを検討すると言っている、分割払いでいいと言っているときに、何でない金をはたいて200億、300億円返さなければだめなんですか。こんなでたらめなことはないじゃないですか。
 金融機関が融資をして、相手が破綻したら金融機関の責任なんですよ。全額戻ってくるなんていうことは、普通、金融機関は考えないんです。だから、そのときには償還スキームを変えるのです。そうやって幾らでも回収するのです。これが金融の常識ですよ。もし岩手銀行が岩手県から全額取ったら、金融機関の笑い物ですよ。年間100億円の利益を上げている岩手銀行が、競馬組合から100億円のお金を巻き上げたなんていったら、これは本当に未来笑い物になるぐらいの話なんですよ。だからこういうふうに言っているのです。
 いいですか、これは─私が求めた文書は出ないんですか。
〇及川幸子委員長 今調査中ですので、ちょっとお待ちください。
〇斉藤信委員 これは公開された文書だから、私は、名前もわかっていると思うけれども、これは岩手銀行の常務ですよ。きちんと話している、こういうふうに話しているんです。これは奥州市議会の事務局長が一緒に行ってまとめた文書です。そして特別委員会に報告した文書です。だから、隠したものでも何でもない。
 こう言っているんです。競馬組合が破綻した場合の償還について、長期の償還スキームを検討することになると思う。債務免除はあり得ない。なお、協調融資している公営企業金融公庫においても条件変更に対応すべきだと思う。岩手銀行だけじゃなくて、公営企業金融公庫にも対応してほしい、こう言っているんです。これが金融の常識なんですよ。
 それで、公営企業金融公庫もそう言ったんです、分割払いでいいですよと。だから、今あわてて一括で返さなければだめだとあなた方は言っているけれども、相手はそう思っていないのです。そういうスキームをやったら20年、30年で、いいですか、岩手銀行にもう30数億円の利息を払っているでしょう。公営企業金融公庫には70数億円の利息を払っているでしょう。これをまけろと言わなくても、20年、30年でこの200億円を返させてくれというぐらいのことは言えるじゃないですか。
 そして、オーロパークはどうせ売れないから、テレトラックをやればいいんです。水沢競馬場は、テレトラックをやるか、1場体制をやるか、私は検討の余地があると思っているんですよ。さっき言ったように、水沢は損益率が高いからね。私は、そういう検討の余地はあると思う。そういう形で、いいですか、100億円なり何十億円という利益を上げて年間返していったら、県民に負担がかからないじゃないですか。廃止スキームというのはそういうものなんですよ。何でそういうことをあなた方は考えないのか。廃止したら372億円だなんていうオオカミが来るみたいな非現実的な話をして、金融機関の責任も常識も考えない、おかしいのではないですか。
〇高前田農林水産部長 先ほども斉藤委員の方から岩手銀行の長期償還スキームのお話がございました。私も、先ほどお話し申し上げましたとおり、1月29日に奥州市議会が要望を行ったということを踏まえまして、2月6日に直接御本人に対して、そういうことがあるのかということを確認させていただきまして、御本人からは明確に、そういうことを回答した覚えはないというお話をいただいております。したがいまして、先ほどああいうお答えをさせていただきました。いずれこの点につきましては、奥州市議会の方にまた資料を求めるというようなお話もあるようでございますので、ここは、これ以上お話をすることはいかがかと思うわけでございます。
 一方、公営企業金融公庫の借入金につきましても、これは、場外発売施設、それからそういった施設を競馬関連施設として活用する場合、これは検討が必要という回答を得ているところでございまして、その場合には、場外発売施設としての採算性を十分検証いたしまして、融資対象である盛岡競馬場をどのように処分・活用するかによって、これは繰り上げ償還の要否が判断されるものと認識いたしております。
〇斉藤信委員 新聞報道でもこう書いているんです。これは奥州市議会が岩手銀行に申し入れたときの記者会見の記事です。高橋常務は、競馬組合の経営破綻時は、一括返済ではなく、長期分割返済を考える余地があると述べたと。新聞記事でどこの会社も書いていますよ。あなたは何で、奥州市議会の要請なら奥州市議会に問い合わせをしなかったんですか。奥州市議会がやったことです。そして、こういうふうにその日のコメントで出ているのですよ。
 もう少してんまつを言いましょうか。実は、こういうふうに発言した常務が、どこからか圧力がかかったんでしょう、この回答を撤回したいと市長まで行ったんですよ。市長は、市議会がやったことだから私は会わないと、こういうてんまつまであったんですよ。だからあなたにうそを言ったんでしょう。だめですよ、あなたは念書をとられているから。岩手県は副知事の念書をとられていますから、一切請求しないという念書なんですよ。しかし、破綻した場合には違うんです。破綻した場合には、堂々と佐々木博委員が言うような交渉をしなければだめだ。そして最大限債務を圧縮する、最大限県民負担を軽減するような対策をする、これは当たり前じゃないですか。最終的には構成団体が払うんだから、絶対岩手銀行はこれ以上損しないんですよ。利息が入らないだけです。そういう対策をとれば、あなた方が言うように372億円なんていうことにはならない。
 私はそういう意味で、あなた方の計画というのは本当に根拠のない、いわば330億円融資をすれば、知事も責任をとらない、金融機関も責任をとらない、もう歴史的な、まさに無責任な問題先送りの解決にしかならないし、継続して破綻したら、372億円もみんな県民に犠牲を押しつけるという最悪のものになりますよ。これがあなた方の言っているごまかしなのです。330億円の融資を認めたら、だれも責任をとらないで、最後に372億円を県民に押しつけるというものです。そういう点で、こんなものを3月定例会に出すべきじゃない、12月で決着をつけないとだめな話ですよ。ここまで引きずったあなた方の責任も重大だ。
 最後に、部長、広告料を答えていないじゃないですか。部長の見解を問う。
〇及川幸子委員長 答弁、広告料について。
〇東大野農林水産企画室長 3月11日の広告のための費用ですけれども、岩手日報紙と岩手日日紙の2紙に掲載してございます。合わせて89万2、500円でございます。
 先ほどの、企業会計方式をとっている資料と勘定会計方式をとっている資料の違いでございますけれども、水沢の耐震工事の過年度未払いと、あと津軽の売却の際の映像装置の取得等にかかわるものがありますので、その差が18億円と24億円の差になってございます。(斉藤信委員「企業会計方式で言ってくれよ。166億円というのはそうだろう。あとは最後、部長の答弁だ」と呼ぶ)
〇及川幸子委員長 ちょっとお待ちください。
 答弁をもう一度お願いします。
〇東大野農林水産企画室長 私の認識としては、18億円が企業会計方式と認識しております。
〇高前田農林水産部長 大変厳しい御指摘をいただいておるわけでございますけれども、私どもといたしましては、赤字を出さないで岩手競馬を継続するということがやはり最善の選択だという認識でございますので、この赤字を出さないで継続するというスキームを何とか実現したい。そのためには、まず事業存廃ルール、それから25%ルールといったようなものを厳格に運用しながら、それの根拠となる構成団体融資を何とかお願いしたいと考えております。
〇及川幸子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇阿部富雄委員 それでは、簡潔にお伺いいたします。
 まず第1点は、330億円を融資することによって、平成19年度は収支が均衡もしくは黒字になる、こういう見通し、自信があるとはっきりここでお話できるのでしょうか。もしそういう自信があるとすれば、それはどういう担保によってできると自信があるのか、お尋ねしたいと思います。
〇高前田農林水産部長 ただいま330億円の融資の根拠となる収支均衡の見通しということでございますが、これにつきましても、一つは、コスト面の裏づけ、それから売り上げの見通しというものを踏まえた収支均衡の見通しが、現時点で、その構成団体融資を前提といたしますと見通しが立つと見込んでおりまして、そういうことから330億円の融資を御提案申し上げているものでございます。
〇阿部富雄委員 そこで、今までもそういう言い方、実行計画、改訂計画、さらには新しい計画も、3回とも皆さん方がつくった中身については実現できないで来た。こういうことがあった中で信じろということ自体が、私は、県民はなかなか納得しないと思いますし、私も、3回も失敗していて、これを認めてくれということにはなかなかならない。やはりきちんとこれを裏づける担保というものを示すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
〇高前田農林水産部長 計画を達成できる担保というお話でございます。
 これにつきましては、赤字をとにかくこれ以上ふやさないということで事業存廃のルールというものを新たに仕組みとして盛り込んだところでございまして、これがこれまでの計画とは全く違うポイントでございます。こういったようなことをもって、この赤字を発生させないで競馬を継続していくといったような取り組みを、今後努力していきたいということでございます。
〇阿部富雄委員 存廃のルールが担保だと、こういう話ですけれども、それはちょっと、私は担保にはならないと思います。いずれこの部分については、あす知事を呼ぶかどうかも含めて検討するそうですから、知事に聞く可能性もあるわけですからこれで終わりますが、ただ、存廃基準の中でやっている発売額の25%以内におさめるというルールですけれども、これはこれでいいと思うんですが、運営協議会に入っている方々とは、売り上げが伸びなかった場合には、その25%の範囲内の協議はいい。先ほど来から言われているように、情報系の方々とは、どこにも協議する場がないんですよね。平成19年度には4億1、000万円削減するということは合意しましたけれども、これは19年度単年度限りですよ。20年度以降などについても、この25%ルールということをこうした情報系の方々も受け入れてもらった、確認したということですか。
〇高前田農林水産部長 東北映像とのコスト削減の交渉の関係でございますが、今回、昨年末の合意に至る交渉の中におきましても、こういった新しい計画の存廃基準、それから25%ルールということをしっかりと説明させていただきまして、そういうことを踏まえた上で、ああいう昨年末の4億円余の削減の合意ができたということでございます。当然、来年以降につきましても、こういったような存廃基準、それから25%以内で経費を賄うといったようなルールについては、十分御認識いただいた上で、必要に応じた経費の調整を行うようにと考えております。
〇阿部富雄委員 それは、そういう考え方というか、理解しているということでありますから、あとはこれ以上は平行線ですからやめますけれども、私は、本当にそうあってほしいと願っているということだけであります。
 次は、財政競馬としての貢献はどう見込めるのかお聞きします。
〇東大野農林水産企画室長 財政競馬としての貢献についてでございますけれども、今の岩手競馬を取り巻く状況から見て、収支が見合うというところがいっぱいではないかということで、そこで構成団体融資をお願いしている状況にございます。したがって、その中で岩手競馬が継続されることによって、将来的にそういったことにもつながっていくのではないかと考えてございます。
〇阿部富雄委員 将来的に貢献ができるだろうということですけれども、現在の競馬法というのは将来を保障しているんですか。そんなことを言っているのではないでしょう。少なくとも今答弁された中身で行けば、法に抵触する形で競馬を存続させる、こういうことにしかならないのではないですか。
〇東大野農林水産企画室長 競馬法に抵触するというお話でございますけれども、現在、地方競馬は赤字で運営しているところが多いという状況からかんがみまして、赤字であるから競馬法に抵触するといった解釈ではないのではないかと考えてございます。
〇阿部富雄委員 それも見解の相違ということで、これ以上言っても同じことの繰り返しでしょうから、これも知事に聞ける機会があれば聞きたいと思います。
 そこで、330億円の構成団体融資の必要性についてという皆さんがつくった文書の中では、こういう言い方をしているんですね。現時点で競馬事業を廃止することについても選択肢の一つとしている。ただ、平成19年度中、例えば11月とか1月に収支均衡を達成する見込みがない場合は、廃止ということになるわけですよね。
 そこでお聞きしますが、現時点で廃止することと、平成19年度中に収支均衡を達成する見込みがなく廃止する場合とでは、どのような違いがあるんですか。
〇高前田農林水産部長 現時点で廃止する場合と平成19年度中に廃止する場合のコストということでのお尋ねかと思いますが、現時点で廃止した場合、372億円といったような試算があるわけでございますけれども、平成19年度中にもし仮にこれを廃止したといった場合に、私どものスキームによりますと、赤字を拡大させないといったようなスキームを仕組みとして盛り込んでおりますので、そのスキームどおり事業運営を行うことを前提といたしますと、廃止に伴うコストというものは、やはりその時点でも、恐らくその372億円に極めて近い数字になっていると考えております。
〇阿部富雄委員 私の聞き方が悪かったんですが、私はコスト面からお聞きしたのではなくて、競馬事業全体の中でどういう違いが出てくるか、そういうことをお聞きしたかったわけです。
 じゃ、もっと具体的にお聞きしますと、例えば、先ほど配られた廃止した場合の負担について、施設解体費、事業整理費用42億円と書いていますね。ところが前に、新しい競馬組合改革計画の中で見ますと、こうなっているんです。事業整理関係費50億円、スタンド等撤去費15億円、都合65億円。そうすると、ここに23億円の差が出るわけです。その事業整理費用ということを私は重要視したいわけですけれども、要するにここは見舞金だとか補償金ということになると思うんですが、この部分などの対応を、例えば330億円融資して存続させる中できちんと対応していくんだという答弁が私は部長から来るのかと思ったんですが、そういう答弁ではない。コスト面ということから答弁いただきました。
 私が一番心配するのはここですよ。当初つくった金額よりもはるかに、23億円も減らしている金額になります。競馬関係者2、500人だと言っていますけれども、新聞紙上等で見ると、競馬組合関係者が言っているのは1、800人の雇用だという言い方をしている。なぜこういう違いが具体的に出ているのかお聞きしたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 1、800人の雇用という数字についてお答えいたします。
 計画では、馬主も含めて2、500人という数字で説明差し上げておりますけれども、恐らく馬主を除いた数が約1、800人になりますので、馬主の方を除いた、それが岩手競馬において雇用されている方だといったことで1、800人という数字になるのだと思います。
〇高前田農林水産部長 先ほど事業整理関係費用ということで50億円を計上しているがということでございますが、これは、先日お配りさせていただきました資料の2ページにございますとおり、この50億円に対応いたします費用といたしましては、過年度未払い金、それから公庫の繰り上げ償還補償金、そして平成18年度の純損失その他ということでございまして、これらの総額が50億円になるというものでございます。
〇阿部富雄委員 そうしますと、きょういただいた、廃止した場合の負担について、事業整理費用が、解体費を除く金額ですから42億円から15億円引いた金額になりますね。具体的に積算したと思うんですが、この見舞金についてはどういう積算をされたんでしょうか。
〇宮農林水産企画室特命参事 見舞金の積算につきましては、これまで廃止になった地方競馬主催者の例を参考にしながら、一定の試算をさせていただいたというものでございます。(発言する者あり)
〇及川幸子委員長 発言中でありますので、御静粛に願います。
〇阿部富雄委員 他の廃止されたところを参考に一定の金額で算定したということですけれども、一番大事なのは、私はここの部分だと思っているんですよ。今度の330億円の融資にかかわる部分でもね。じゃ、具体的に、その一定の基準というのはどういう基準を指しているんですか。ほかのところはどういうふうにやっているんですか。そこを明らかにしてください。
〇高前田農林水産部長 大変恐縮でございますが、今手元に積算資料を持ち合わせておりませんので、後ほど資料として配付さていただきたいと思います。
〇阿部富雄委員 じゃ、最後にしますけれども、廃止後の対応は、廃止が決定してから対応するということですか。
〇高前田農林水産部長 廃止後の対応につきましては、私どもといたしましては、この競馬事業の継続を前提として全力を尽くしておりまして、その詳細な廃止後の対応については、いまだ中身が十分詰まっておりません。
〇阿部富雄委員 私は、それでは330億円をやはり認めるということにはならないんですよね。やはり330億円は認めてもいいけれども、想定ですが、平成19年度中に廃止ということだって考えられるわけですよ。11月なり、明年の1月に廃止だ、その時点で対応を決めるんだと、そういうことにはならないでしょう。やはりそれなりに廃止のことも考えながら存続させていく、そういう考え方に立つべきじゃないですか。
〇高前田農林水産部長 廃止後の対応につきましては、現時点でわかる限りのことにつきましては、先ほど小原宣良委員の質問の際にもお答えさせていただきましたが、さまざまな雇用対策の問題、それから各地方競馬主催者との調整の問題、それから現在場房に入っている馬の移籍の問題等々、さまざまな課題があると認識いたしておりまして、非常に困難な業務が短時間で発生してくるということは、現時点で見込んでいるところでございます。
〇阿部富雄委員 仮に廃止すれば、短時間でそういうさまざまな問題が発生してくるということでしょう。ということは、その時点では対応が不可能に近いということでしょう。ですから、あらかじめそういう対応についても十分検討しておくということが必要ではないんですかと私は言っているんです。廃止してから対応を決めるんだったら、1年、半年という時間が必要になってくるでしょう。どうですか。
〇高前田農林水産部長 私どもも、これまで地方競馬で競馬事業を廃止した事例というものの情報等は収集いたしておりまして、そういったようなものを拝見いたしますと、大体、廃止の決定から実際に競馬事業が廃止になる、つまりレースが行われなくなるというまでの間は、最低でもおおむね半年といったような期間はあると承知いたしておりますし、そういったような廃止の事例の調査といいましょうか、そういうことはもう既に情報収集等は行っております。
 ただ、委員御指摘のように、具体的に岩手競馬でどういうことになるのかというところまでの検討というのは、まだ十分でないという状況でございます。
〇中平均委員 今のに関連して、私も本当に少しだけ、1点。
 私も、この融資案が今回例えば通ったとしても、今、阿部委員からお話があったように、来年途中の廃止というのは当然想定できることだと思うんです。そういった面を含めて、本当に今回通ったとすれば─通ったとすればですけれども、そのときの、当然、今いろいろな資料を収集していると言いますが、本当に、通ったとして、黒字になればいいでしょうが、そうじゃなかった場合のこれはきちんとやっていく、もうスキームという面で慌てない、今回みたいな出し方をしなくても済むような形のものに進めていくべきということも見据えてやっていくことが必要ではないかと思うんですが、その点、1点だけ聞かせてください。
〇高前田農林水産部長 確かに、委員御指摘のとおり、さまざまな可能性というものがあるわけでございまして、そういったような備えという意味におきましても、現在集めている情報とかデータ、資料、そういうものをきちんと整理して、しっかりと検討する必要があると思っております。
〇伊沢昌弘委員 総務部のときにも私はお伺いしたんですが、今議論している330億円の融資というのは、競馬議会で12月にこのような計画でやるということを決めた上で、構成団体の県と盛岡市と奥州市に分賦といいますか、融資の枠、スキームをやってきたと私は承知しているわけです。今、廃止の議論がなされているわけですが、廃止を前提とした競馬組合の議会ないしは岩手競馬組合の執行部の方で、一部事務組合としてのそこで議論を詰めた話ではないと私は承知しているんですが、今議論しているのは、競馬組合が議会に諮って、計画として平成19年度運行のスキーム、25%枠の中で赤字を出さない、こういう前提で構成団体に要請したことでやっていると私は承知しているんですが、その件についてどうでしょうか。
〇高前田農林水産部長 ただいま委員御指摘のとおり、昨年11月に新しい計画を競馬議会の方で承認いただきまして、それを踏まえて構成団体に融資をお願いするということで現在その検討が進められているということでございます。先ほど来、廃止の話がいろいろ出ておりますけれども、私も、冒頭申し上げさせていただきましたとおり、あくまでも、私どもとすれば赤字を出さない形での競馬の継続ということで、この融資の案を御提案申し上げているということでございます。
〇伊沢昌弘委員 そうしますと、通る、通らないの話も含めて、小原委員も含めていろいろな影響等やってきたわけですが、改めて、きょうは事務局長が来ていますから、これが廃止というときに、1年後なり半年後の話も今出ました。しかし、年度内に資金ショートも含めてあるというところの部分を含めて、部長の方からは、改めて補正予算も含めてやらなければならない、議会もということになったんですけれども、手続上、もう一度確認だけさせてください。
 否決になりましたと、例えばですよ。競馬組合議会の方で、どのような形を、議会でも議決をしてさらにそのことに基づいて存続をするのか、馬が走らない形で、テレトラックを含めてやりながら、融資の先送りなり年次割りでやっていく等々を含めての部分があるんですけれども、これは岩手県議会が決めることではなくて、競馬組合の方で、一部事務組合としての人格を持っているところで議決をした上で、私どもの構成団体に諮る必要があると私は承知をするんですけれども、その手続のことだけについて確認をさせていただきたいと思います。
〇東大野農林水産企画室長 この融資議案が仮に否決された場合の競馬組合の方の対応でございますけれども、これは今平成19年度事業、当初予算につきましても競馬組合議会で審議中でございます。その取り扱いも含めて、構成団体の長が協議して方針が決定されるということになると考えます。
〇伊沢昌弘委員 融資をした以降の収支見通しを含めて収入、売り上げ見通しを含めて議論がありました。最終的には、売り上げの25%の中でいろいろやっていくということなので、部長は再三再四にわたって、赤字を出さない、そういう協議をすると、こういうことを表明されています。290何億円かの売り上げ目標でありますけれども、腹を割って今お伺いをいたしますが、それぞれのところでこの25%の枠、賃金も含めていろいろな方々の費用負担があります。それから、委託の部分もございます。4億1、000万円をまけてもらうということも含めて話をしてきたとあるわけですけれども、25%をもし割り込むとしていった場合、分岐点というのがあると思います。過去のいろんなデータの中には、要するに収支の分岐点というのがあって、400幾らしか売れていないけれども赤字になったと。そのときの分岐点は500幾らだったという部分も当然赤字の場合あるわけです。下がっていって、今の考えられる分岐点というのは、290何億円売り上げなければだめなのか、もしくは何%か引き下げることが可能なのか、その辺についての御検討はされているのか。今の時点では、売り上げの中で若干のプラスだというふうにしかないと思いますけれども、余力はあるのかということだけちょっと確認をさせてください。
〇東大野農林水産企画室長 余力ということですけれども、19年度計画では、2、200万円の利益ということで見込んでございますので、それが余力ということになると考えます。
〇及川幸子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇及川幸子委員長 それでは、小原委員より発言のありました知事の出席を求める件について及び斉藤委員から議事進行のありました件について、世話人会を開催し協議したいと思いますので、暫時休憩いたします。
   午後9時38分 休 憩
午後10時3分 再 開
〇及川幸子委員長 再開いたします。
 ただいまの世話人会の協議結果を報告いたします。
 まず、小原委員から申し出のありました知事の出席を求める件については、あすの当委員会に知事の出席を求めることといたしました。
 また、審査対象案件は、岩手県競馬組合融資関連議案、議案第59号及び第60号とし、審査はあすの企業局審査終了後に行うこと。知事のほか、農林水産部長、総務部長及び関係室・課長の出席を求めること。質疑は自席で行うこととし、小原委員及び質疑を希望する委員に順次指名し、発言を認める。以上のとおりとするとの結論に至りました。
 また、斉藤委員から配付要求のあった資料につきましては、執行部から奥州市議会に照会、確認いたしました結果、奥州市議会が、金融機関に対し要請を行った際の記録という形で公文書として存在するとのことでありました。また、奥州市議会では、公文書の開示請求があればお出しすることは可能である。ただし、この資料のみでは誤解を生じる懸念があるので、補足資料を付したい。この補足資料の調整などには、内部的に1日程度の時間を要する。
 以上のとおりでありました。このため、直ちに配付するのは困難な状況であるとの結論に至りましたので、御了承願いたいと存じます。
〇斉藤信委員 私が要求した文書は、奥州市議会特別委員長に私が今連絡した結果、これは公表していいということで、議会事務局にファクスいただくことにしましたので、あした配ってください。
〇及川幸子委員長 了解いたしました。
 お諮りいたします。あす、3月13日に知事の出席を求めることとし、ただいま申し上げた方法により、審査を行うこととすることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇及川幸子委員長 御異議がありませんので、さよう決定いたします。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後10時6分 散会

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