平成19年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成19年3月9日(金)
1開会  午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員  
  議事課長   切 金   精
  議事課長補佐 千 田 利 之
  主任主査   保 原 良 和
  主査     小 船   進
  主査     石木田 浩 美
  主査     佐々木 ユ カ
  主査     菊 池 芳 彦
  主査     渡 辺 謙 一
1説明員
  教育委員会委員長       安 藤   厚
  教育長            照 井   崇
  教育企画室長         小 川 明 彦
  学校教育室長         遠 藤 洋 一
  教育企画室企画担当課長    大 友 宏 司
  予算財務担当課長       鈴 木 清 也
  学校施設担当課長       佐 野   淳
  学校企画担当課長       佐 藤   新
  高校改革担当課長       藤 原 忠 雄
  首席指導主事兼
  義務教育担当課長       越   秀 敏
  主任指導主事兼
  高校教育担当課長       熊 谷 英 範
  主任指導主事兼
  特別支援教育担当課長     及 川   求
  生涯学習文化課総括課長兼
  県立埋蔵文化財センター所長  齋 藤 憲一郎
  文化財・世界遺産担当課長兼
  県立埋蔵文化財センター副所長 中 村 英 俊
  スポーツ健康課総括課長    川 口 仁 志
  教職員課総括課長       青 木 俊 明
  小中学校人事担当課長     熊 谷 雅 英
  県立学校人事担当課長     酒 井 長 治
  教職員課特命参事       佐々木 景 一

  警察本部長         三 枝   守
  警務部長          瀬 戸 隆 一
  生活安全部長        一ノ渡 康 男
  刑事部長          小野寺 英 一
  交通部長          小川口   弘
  警備部長          細 田 敬 一
  警務部参事官兼首席監察官  菊 地 啓 一
  警務部参事官兼警務課長   小 舘 欣 康
  生活安全部参事官兼
  生活安全企画課長      米 沢 義 弘
  生活安全部参事官兼地域課長 及 川   弘
  刑事部参事官兼刑事企画課長 船 野   透
  刑事部参事官兼捜査第一課長 遠 藤 貞 造
  交通部参事官兼交通企画課長 中 村 照 美
  警備部参事官兼公安課長   渡 辺 一 好
  総務課長          吉 田 尚 邦
  会計課長          元 吉 尚 登
  指導監査室長        米 澤   崇
  参事兼予算調製課総括課長  菅 野 洋 樹
〇及川幸子委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第32号から議案第35号まで、議案第37号から議案第40号まで、議案第45号、議案第46号、議案第48号、議案第59号、議案第60号及び議案第82号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会及び警察本部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、教育長から教育委員会関係の説明を求めます。
〇照井教育長 平成19年度における教育委員会所管予算につきましては、地域や学校の現状や課題とニーズ、また政策評価結果や県が平成19年度に特に重点的に取り組む政策の方向などを踏まえて調整を行ったところです。
 平成19年度教育施策の重点事項は、学校教育の充実、家庭・地域の教育力の向上、そして文化・スポーツの振興の3点を主要な柱とし、これらの施策の着実な実施によりまして、すべての子供たちに豊かな教育が行き届き、心豊かでたくましい人づくりを推進してまいりたいと考えております。
 まず、重点事項の一つ目の大きな柱である学校教育の充実では、特に、児童生徒の学力向上、キャリア教育の推進、学校不適応対策の推進と特別支援教育の充実に力を入れてまいります。
 二つ目の大きな柱は、家庭・地域の教育力の向上です。
 保護者を対象として、家庭教育・子育てに関する支援を行うほか、児童生徒の安全・安心な居場所の設置を支援します。
 三つ目の大きな柱は、文化・スポーツの振興です。
 文化の振興については、特に平泉の文化遺産の世界遺産登録を最重点施策として取り組むこととしております。スポーツの振興については、特に競技スポーツの強化対策として、ジュニア層の強化を重点に競技力の向上を図ってまいります。
 以上が教育施策の重点事項の概要でございます。
 次に、平成19年度岩手県一般会計予算のうち、教育委員会関係につきまして御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の8ページをお開き願います。議案第1号平成19年度岩手県一般会計予算ですが、第1表歳入歳出予算の歳出の表中、教育委員会が所管する予算は、10款教育費の1項教育総務費から7項保健体育費までと、9ページの11款災害復旧費のうち3項教育施設災害復旧費を合わせた総額1、482億4、776万円余です。これを前年度当初予算額と比較しますと45億1、746万円余、率にしまして3.0%の減となっております。
 各項目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。予算に関する説明書の197ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事項を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費です。197ページから198ページにわたる2目事務局費は、事務局の管理運営に要する経費、保護者等を対象とした広報紙の発行などの教育広報活動に要する経費、関係県等が共同で設置している日本の次世代リーダー養成塾へ高校生を派遣するための経費及び外国語指導を行う外国青年招致事業に要する経費です。また、いわて教育の日推進事業費は、いわて教育の日の記念行事等の開催に要する経費です。198ページをお開き願います。3目教職員人事費は、教職員の人事管理に要する経費のほか、児童手当、退職手当等に要する経費です。
 198ページから199ページにわたる4目教育指導費は、教職員の研修、児童生徒の不登校や問題行動などへの対策、特別支援学校の特別支援教育及び高校生の就職支援対策並びに学習定着度状況調査などの学力向上対策などに要する経費です。その主な内容としては、199ページの説明欄の1行目の児童生徒健全育成推進費ですが、いじめや不登校などへの対策について、これまでの心の教室相談員や学校適応相談員とを統合し、適応支援相談員として中学校に配置し、小学校と連携をとりながら対応するとともに、新たにすべての高等学校でカウンセラーを活用できるようにするなど、相談から訪問による指導まで、柔軟に対応できる総合的な体制を整えようとするものです。説明欄の中ほどの特別支援教育推進事業費は、通常学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の充実を図るため、特殊学級が設置されていない小中学校への非常勤職員の配置に要する経費や医療的ケアを必要とする幼児児童生徒のために、特別支援学校への看護師の配置に要する経費のほか、小中学校でのLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症などの児童生徒への指導充実に要する経費です。次の小中高キャリア教育地域ぐるみ推進事業費は、児童生徒の勤労観・職業観を育成するため、小学校から発達段階に応じた組織的・系統的なキャリア教育を学校、産業界、関係行政機関が一体となって推進するため、研究指定校における進路講演会や職場体験の開催などに要する経費です。次の高校生キャリアアップ支援事業費は、就職を希望する生徒に対する職業観・勤労観の育成や、ビジネスマナーの習得などのキャリアアップのための3講座を実施するとともに、保護者の就職に対する意識向上を図るため、保護者向けの講演会などを実施しようとするものです。3行ほど飛びまして、県政課題貢献人材育成事業費は、県政課題である地域医療を担う医師や弁護士、研究者など、将来の本県を支える人材を育成するため、進学希望者の特に多い県立高等学校6校を対象として、生徒の医学部や難関大学・学部への進学希望を実現できるよう、各高校の取り組みの支援に要する経費です。次の県北沿岸地域人材育成事業費は、県北・沿岸地域の特に大学進学希望の多い県立高等学校5校を対象として、将来の県北・沿岸地域の産業振興や地域づくりを担う人材を育成するため、高い専門知識を習得するための大学進学等が実現できるよう、各高校の取り組みの支援に要する経費です。次の地域おさらい教室支援事業費は、児童生徒の学力向上を図るため、小学校、中学校のモデル校において、地域のボランティアの皆様方の御協力をいただいて行う課外授業の実施に要する経費です。次の新規事業のものづくり人材育成推進費は、ものづくりを支える将来の専門的職業人及び地域産業界のニーズに応じた職業人を育成するため、工業高校と地域産業界が連携した、ものづくり人材育成のための事業の実施に要する経費です。次の指導運営費は、学習定着度状況調査の実施に要する経費のほか、文部科学省からの委嘱事業などの実施に要する経費です。199ページから200ページにわたる5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費です。200ページをお開き願います。6目幼稚園費は、こまくさ幼稚園の管理運営に要する経費です。200ページから201ページにわたる7目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等です。
 202ページをお開き願います。2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費などのほか、初任者の校内研修や校外研修を実施する際に、授業を代替するための非常勤講師の配置に要する経費です。
 なお、説明欄の1行目の教職員費には、35人学級を小学校2年生に拡大するために必要となる教員の配置に要する経費が含まれております。また、少人数指導のためのすこやかサポート推進事業費は、引き続き非常勤講師を配置しようとするものです。
 203ページの3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費、旅費などのほか、初任者の校内研修や校外研修を実施する際に、授業を代替するための非常勤講師の配置に要する経費です。
 204ページをお開き願います。4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費などの経費のほか、説明欄の3行目の高等学校教育改革推進費は、併設型中高一貫教育校の設置に向けての準備及び平成17年度に策定した県立高等学校新整備計画(後期計画)に基づき、県立高等学校の整備推進に要する経費です。204ページから205ページにわたる2目全日制高等学校管理費及び3目定時制高等学校管理費は、それぞれ各高等学校の管理運営に要する経費等です。205ページから206ページにわたる4目教育振興費は、高等学校における備品設備などの整備充実、農業及び水産業教育等の実験実習に要する経費のほか、206ページの6行目の高校奨学事業費補助は、独立行政法人日本学生支援機構から交付される貸付原資をもとに、高校生を対象とした奨学資金及び事務費等への補助であり、財団法人岩手育英奨学会への補助に要する経費です。206ページから207ページにわたる5目学校建設費は、高等学校の建物など施設整備に要する経費です。説明欄1行目の校舎建設事業費は、一戸高等学校及び釜石南高等学校の改築工事を実施するほか、高等学校の再編整備関係では、新たに、仮称、江刺地区高等学校、同じく仮称、気仙地区総合的専門高等学校、同じく仮称、釜石地区総合的専門高等学校の改築工事に着手、また、仮称、一関第一高等学校附属中学校の改修設計などに着手することとしております。次の校地整備事業費は、盛岡第二高等学校において工事を継続するほか、新たに一関第一高等学校及び大船渡高等学校において工事に着手することとしております。次の校舎大規模改造事業費は、釜石工業高校ほか6校において、校舎や屋内運動場の耐震診断を実施することとしております。このほか、校舎、教職員住宅などの整備、維持管理に要する経費を計上しております。207ページの6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費です。
 208ページをお開き願います。5項特別支援学校費1目特別支援学校費は、特別支援学校教職員の人件費等の管理運営に要する経費、初任者の校内研修や校外研修を実施する際に、授業を代替するための非常勤講師の配置に要する経費、松園養護学校の高等部設置に伴う施設整備に要する経費や維持管理に要する経費です。
 なお、平成18年度までは5項特殊学校費1目盲聾学校費、2目養護学校費としていたものですが、地方自治法施行規則の一部を改正する省令により特別支援学校費となったものです。
 211ページをお開き願います。6項社会教育費1目社会教育総務費は、社会教育関係職員の人件費のほか、子供の読書活動推進及び広域学習サービス体制整備など、多様化・高度化する県民ニーズに対応する生涯学習推進に要する経費、次代を担う子供たちを心豊かでたくましい人間として育成するため、学習情報の提供や電話相談などを実施する家庭教育推進に要する経費、児童生徒の安全・安心な居場所を設置する放課後子ども教室に要する経費、生涯学習推進センター並びに青少年の家管理運営及び施設整備に要する経費です。2目視聴覚教育費は、視聴覚教育の指導者養成等に要する経費です。211ページから212ページにわたる3目文化財保護費は、指定文化財の保存・修理への補助などの文化財保護の推進や特別天然記念物カモシカの食害防止対策及び県立埋蔵文化財センターの管理運営に要する経費等です。212ページをお開き願います。説明欄の中ほどの柳之御所遺跡整備調査事業費は、国指定史跡柳之御所遺跡の史跡整備を推進するため、学術調査を行うほか、史跡公園整備のための設計等に要する経費であり、柳之御所遺跡土地公有化事業費は、遺跡地内の民有地の取得に要する経費です。次の世界遺産登録推進事業費は、平泉の文化遺産の平成20年の世界遺産登録に向けて全県を挙げて機運の醸成を図るため、パネル展の開催など各種普及啓発事業などを行うとともに、秋ごろに予定されているイコモス─国際記念物遺跡会議の現地調査に要する経費です。4目芸術文化振興費は、青少年へのすぐれた芸術鑑賞機会の提供、全国高等学校総合文化祭参加への補助、県中学校総合文化祭開催への補助などの芸術文化振興に要する経費、岩手芸術祭の開催に要する経費、高校生の文化部活動の技量向上を図るための技術講習会などを開催する高校生カルチャーキャンプ事業の実施に要する経費のほか、県民会館の管理運営に要する経費等です。213ページの5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費です。213ページから214ページにわたる6目博物館費は、県立博物館の管理運営及び施設整備に要する経費です。214ページをお開き願います。7目美術館費は、県立美術館の管理運営に要する経費です。
 215ページの7項保健体育費1目保健体育総務費は、保健体育関係職員の人件費のほか、児童生徒の保健管理に要する経費や指導運営に要する経費です。215ページから216ページにわたる2目体育振興費は、生涯スポーツの振興に要する経費、国体への本県選手団の派遣経費、児童生徒の体力、運動能力の向上対策に要する経費、各種体育大会への選手の派遣に要する経費の補助及び競技力向上のための事業実施に要する経費です。その主な内容としては、説明欄の2行目の生涯スポーツ推進費は、県内市町村に総合型スポーツクラブの創設・育成を支援するための経費や、高田松原野外活動センターでの研修事業の実施に要する経費等です。次の全国スポーツ・レクリェーション祭参加推進事業費補助は、9月に青森県で開催される第20回全国スポーツ・レクリェーション祭への選手・役員を派遣する岩手県生涯スポーツ推進協議会に対する補助に要する経費です。216ページをお開き願います。説明欄の下から6行目の競技力向上対策事業費は、国体選手等強化対策、ジュニア選手強化対策や新たにスポーツ医科学理論に裏づけされたサポートを基盤としたジュニア選手の早期発掘と育成などの実施に要する経費です。3目体育施設費は、県営体育施設の管理運営に要する経費及び県営スケート場Aリンク改修工事ほか2工事など、県営体育施設等の整備等に要する経費です。
 次に、ページを飛んでいただきまして224ページをお開き願います。11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立学校施設に災害が発生した場合の復旧に要する経費です。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 議案その1に戻りまして14ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、教育委員会で所管する事業は、No.39の校舎建設事業からNo.41特別支援学校施設整備までの3件です。No.39の校舎建設事業は、仮称、江刺地区高等学校、同じく仮称、気仙地区総合的専門高等学校、同じく仮称、釜石地区総合的専門高等学校の校舎の改築等、No.40の校地整備事業は、一関第一高校及び大船渡高校のグラウンド整備、No.41の特別支援学校施設整備は、松園養護学校高等部設置に伴う施設整備であり、これらは、いずれも工期等が翌年度以降にわたることから、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものです。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 議案その2の112ページをお開き願います。議案第37号県立学校授業料等条例の一部を改正する条例についてですが、これは、国の地方財政計画の基準等に沿って、県立高等学校の授業料等を増額しようとするものです。
 次に、114ページをお開き願います。議案第38号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、教育委員会関係は別表第8であります。こちらが116ページでございます。これは、教育職員免許法の一部改正に伴い、教育職員の普通免許状の新教育領域を追加して定める場合の手数料を徴収しようとするものです。
 以上で予算関連議案の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇及川幸子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇工藤大輔委員 それでは、質問させていただきます。
 まず最初に、発達障害の支援員についてお伺いしたいと思います。
 国の方でこの支援員の増員の方針を決めた結果、来年度大幅に支援員がふえていくということとなるようですけれども、現在の県内での必要数はどのようになっているのか、また、その配置数の予定はどのようになっているのか、見通しをお伺いしたいと思います。
 また、県の方でも2005年から特別支援教育かがやきプラン推進事業を行って40名の配置をしておりますが、その成果について、簡単で結構ですので御答弁願いたいと思います。
 次に、給食費についてお伺いします。
 給食費の未納状況が最近よく報道等で流れるわけなんですが、県内における未納の状況、児童生徒の割合の全国比であったり、あとは人数、総額、また市町村がとっている対応についてお伺いしたいと思います。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 特別支援教育支援員についてお尋ねがございました。
 まず、県内の特別支援教育のための支援員の必要数といいますかニーズについてでございますが、小中学校の通常学級の状況で申し上げますと、平成18年5月1日現在、通常学級に在籍する障害のある児童生徒は254名、それから、このたび県が実施いたしました実態調査によりますと、そのほかに、知的障害等知的発達におくれはないものの、学習面や生活面で特別な支援を必要としている児童生徒が全体の4.5%いるということが明らかになってございます。こうした状況から、今後も特別な支援を必要とする児童生徒は、どの学校、あるいはどの学級にも在籍しているということが言えるところでありまして、支援員のニーズは今後も増大していくと考えているところでございます。
 平成19年度の支援員配置の見通しでございますが、現在のところ、従来から市町村で配置しておりました支援員等に加えて、県が行います特別支援教育かがやきプランによる支援員、それから先ほど御質問の中にありました、今回の国によります地方財政措置の活用による支援員の増員というようなことを見込みますと、全体で150名程度が4月段階から配置されるのではないかと見込んでございます。その数は、学校数でいいますと、全部の小中学校の4分の1ぐらいに配置されるのではないかと存じております。
 それから、輝きプランのこれまでの成果ということでございますが、平成18年度までは40校に40名の支援員を配置してございまして、18年度の例で申し上げますと、40人の支援員を配置したことによって、個別の対応を受けることができている子供の数は75名ということになってございます。その中には、LDやADHDの子供たち、あるいは知的障害の子供たちなど、さまざまな障害のある子供たちが含まれてございます。
 その成果ということですが、最も多いのが、そうした子供たちが授業に集中して取り組むことができるようになったという学校、それから学習の内容の定着が図られるようになったというところ、それから友達関係など対人関係の改善が図られたといったような成果が見られているところでございます。
〇川口スポーツ健康課総括課長 給食費につきまして2点の質問がございまして、1点目の、平成17年度の学校給食費の未納状況についてでありますが、本県の未納の児童生徒数は1、795名、1.5%で、全国では1.0%でありました。また、未納総額でございますが、4、932万1、000円、1.0%で、全国では0.5%でありました。
 2点目の質問でございますが、本県の市町村がとっている対応についてでございます。電話や文書による説明、督促は該当校の49.9%、家庭訪問による説明、督促は該当校の28.6%、このほかPTA会合の場などを通して保護者へ呼びかけなどを行っている状況でございます。
〇工藤大輔委員 発達障害支援員の関係ですけれども、来年度150名、そして4分の1の学校ということのようです。例えば、国の方で現在約1万3、000人の支援員の方がいらっしゃるといった中、また今後2年間で3万人にふやすといったような方向からすると、ちょっと少ないのではないかという思いがします。予算的に見れば、全小中学校に必ず1人は配置できる数が予算化される方向だそうですけれども、実際それからいってもちょっと少ない。それは、例えば何か原因があるのかどうか、4月以降に何らかまた補充されるのかどうか、今後の県内の見通しについてお伺いしたいと思います。
 また、給食費の関係なんですが、これは、基本的に学校給食法に基づく中で、市町村が基本だということは承知しておるわけですけれども、全国的な取り組みの中では、例えば督促状を送ったり、あとは給食停止をするという自治体があったり、また連帯保証人つきの支払いの確約書を親に求めたりというような自治体も出ているといった中で、県内では、まだそこまでの例がないようでございます。また、一方では少子化対策の一環として無料化を図るような自治体も出るということで、今後あらゆるケースが県内でも出てくるのかと。そういった場面が出た場合に、例えば生徒の気持ち、心の問題であったり、それが何らかの問題に発展するケースも考えられるわけです。そういった上で、県では、基本的に今後どのような指導をやっていくのか。当然これは未納がない形で取り組まなければならないわけですが、それについて何かいい方法とか、今後こうすればさらに未納額が減るということになる、そういった方策があればお示し願いたいと思います。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 特別支援教育の支援員の問題でございますが、先ほどの御質問の中にもありましたように、国の方では平成19年度に全国で2万1、000人の支援員が配置できるように地方財政措置を行うということを公表したところですが、現時点では、その財政措置額の算定基準など具体的な内容がまだ示されておらないという状況にございまして、多くの市町村におきましては、具体的な配置の計画そのものがまだ立てにくいという状況にあると伺ってございます。
 県教育委員会といたしましては、昨年12月に国からそうした計画について公表がありました時点で、すぐに市町村にそうした情報を周知するということ、あるいはことしの1月には市町村の教育委員会教育長会議の場等を通じて、こうした情報提供をするということで、今回の国による財政措置が、着実に支援員の配置につながるようにということを指導してきたところでございます。
 今後とも、さまざまな機会を通じて支援員の配置を拡充するよう、それは年度に入って補正予算のような対応になることも考えられますが、少しでも支援員の数がふえるように強く働きかけてまいりたいと考えてございます。
〇川口スポーツ健康課総括課長 督促等の取り組みの事例についてでございます。
 未納解消の取り組みとしましては、まず、保護者に対しまして、学校給食の意義・役割及び学校給食費の重要性や、経済的に困難な保護者に対して教育扶助や就学援助の活用等の周知の徹底を図ることが重要であり、その取り組みにつきましては、市町村の実情に応じて対応することが必要であります。
 しかしながら、学校給食は、日常生活における食事について正しい理解と望ましい習慣を養うこと、学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと、食の自己管理能力や望ましい食習慣の育成を図ることなどの目的のもと、教育の一環として実施しておりますことから、給食停止は望ましくないと考えております。
 今後におきましては、調査結果を分析するとともに、他県の取り組み例などを参考に、給食費の未納問題に関しまして市町村に対し情報提供、指導を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 支援員の関係です。そういうことは、国では方針が決まってはいるんですが、予算が決まっていないということなんですよね。例えば年度途中に補正が組まれるかもしれないという話があったわけですが、そうすると、やはり年間通じてとか、あとは教育効果については、成果が十分なものとはならないわけですよね。それについて、早急に予算化されるべきものなのかどうか確認をした上で、市町村にしっかりと通達していただきながら、早期に確保される予算があるとすればやっていただかなければ、まず現場の教育効果が高まらないということにつながりますので、それについては徹底してやっていくべきだとお願いしたいと思います。
 また、給食費ですが、今の答弁では、はっきりこれだというものはなかなかないんだなという感じがしました。ただ、確かに教育現場において強制的なものがなじむかどうかというと、決してこれはなじむものではない、私もそう思います。ただ、父兄の方からは、給食費として取るからいけないのではないか、給食もすべて教育の一環ですということで、一括で何らかの形でほかに徴収するものと一緒に徴収することがいいのではないかという声もあるんですが、どういう形で、それについてはどのように考えているかお伺いしたいと思います。
 次に、別の質問に入ります。体罰についてお伺いしたいと思います。
 先ごろ、文部科学省から体罰に当たらないという七つの事例が出たわけですけれども、この中身を見ると、当たり前だなと思うことが、ほとんどそうなわけですが、教育委員会において、今回文部科学省から示された体罰に当たらない事例について、実際どのように評価しながら運用していこうとするのかお伺いしたいと思います。
〇川口スポーツ健康課総括課長 委員御指摘のお話がございましたけれども、先ほど申し上げましたとおり、保護者に対しまして、学校給食の意義・役割、それからその重要性というものを理解していただくということが最も重要なことでございます。それを理解した上で、保護者としての責任を果たしていただくというようなことが大事だと考えております。
 方法につきましてはいろいろあると思いますので、先ほど申し上げましたとおり、今後も研究を続けてまいりたいと思います。
〇佐藤学校企画担当課長 体罰についてでございますけれども、文部科学省通知で示されました学校教育法11条の関係の懲戒・体罰についての基準ということで2月に示されたわけでございますが、体罰というのは、いかなる場合においても行ってはならないということですが、どのような行為が体罰に当たるかというのは、機械的になかなか判断できないというようなこともございます。それで、例えば子供の年齢、健康、身体の状況など諸条件を総合的に考えながら、その事案ごとに判断する必要があるということが言われてきたところでございます。
 委員御指摘のとおり、七つほどの事例がございましたが、これは、過去の基準に沿った内容でございまして、それを整理して、そして新たに示したということでございます。その中で、特に今、例えば授業中にメールを打つなどの場合、携帯電話を一時的に預かるというような部分については今日的な対応ではないかと思いますし、暴力を振るう子供から身を守るためにやむを得ず力を行使する、あるいは制止するといったものについても、この基準の中で認められるという解釈がございます。
 こういったことで、学校がこうした問題行動に適切に対応し、生徒指導の一層の充実を図ることができるのではないかと考えているところでございます。
 また、運用についてでありますが、これについては、早速通知を各市町村あるいは県立学校に出しましたので、この周知を図っていきたいと考えておりますが、年度初めにあります教育委員会教育長会議あるいは県立学校長会議などにおいて、改めてこの運用について指導してまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 この七つの事例を見て、先ほど申し上げましたように、特に文部科学省が通知しなければならなかった内容なのかどうかというと、これを通知しなければならない内容だとすれば、私は非常に残念でならないと思うんです。そしてまた、現場の先生方が、これを見て、果たしてどのように思ったか。当然ですと思ったのか、おう、そうなんですかと思ったのか。私は前者の方ではないかと思うんです。
 これまでも体罰の基準がどこなのか、どこからが体罰なのかというのは難しい問題だとは思いますが、やはり現場の先生が萎縮しない形で教育をするんだということ、それらをする場合、私は、この中身では不十分で、しかも先ほど述べられたとおり、子供の年齢や身体の発達状況を踏まえて、その場その場で適切に判断すると、いわば、また現場の先生に投げた格好になっているのではないかと思うんです。県として、そういった萎縮しないような形で先生と生徒の関係を見据えながら、じゃ、どのような形の基準をつくるかどうかもあるのですが、指針というか、そういったものをさらに踏み込んだ形で提示していく必要が私はあるのではないかと思うんです。
 今回示された文部科学省のこの七つについては、私は全く不満に思うわけですが、今後、県としてそういった先生方に対する指針等をどのように進めていこうとするのか、また適切な教育を行うためにどのようにしようとするのか、お伺いしたいと思います。
〇佐藤学校企画担当課長 この懲戒・体罰の運用についての教職員への指導ということでございますが、従来から、生徒指導の先生方を対象とした協議会、あるいは研修会というものを定期的に開催しております。ブロックごとに開催したり、あるいは一堂に会してやったりしておりますので、その場で十分この内容について協議する形で運用を図っていきたいと考えております。また、教職員の研修、初任者研修、あるいは5年、10年という経験者研修がございますので、その中に新たに生徒指導の内容も盛り込むこととしておりますので、その中でこの運用について指導し、あるいは協議していきたいと考えております。
〇工藤大輔委員 この中身において、これが体罰だと言う親がいるとすれば、私は、家庭の中の教育でも非常に心配に思います。ですので、先生、生徒の関係をしっかりとりながら、また家庭教育、先ほど教育長からもあった、そこにも取り組んでいくんだということですので、その三者の関係をしっかり構築していただきながら、まず第一に生徒を考え、そして現場の先生方がその仕事をしっかり果たせる環境をぜひつくっていただきたいと思います。
 最後に、学力についてお伺いしたいと思います。
 平野ユキ子議員からも本会議で質問されてきたわけですが、やはり学力向上に取り組んでいる中で、センター試験での平均点が一番低かったということは、非常に残念な結果であったと率直に思います。また、きのうマスコミで報道された、合同のテストの結果では一定のいい成果が出ていたような報道だったわけですが、そのセンター試験の結果と、今回の学力合同テストの結果を踏まえて、これはよくなっていっているととらえていいのか、悪くなっていっているととらえていいのか非常に難しいわけですが、教育委員会としてはどのような判断をされているのかお伺いします。
〇熊谷主任指導主事兼高校教育担当課長 さきに報道のありました大学入試センター試験のデータは、受験生の自己採点結果を大手予備校が集計したものであります。そのデータによりますと、本県は全国の下位グループであります。このことは、生徒が進路実現を図るのに十分な学力が身についていないことが大きな要因であると考えております。そこで、生徒一人一人が進路希望を実現するために必要な学力を身につけさせる取り組みが必要であると考えておるところでございます。
 その対策といたしましては、授業改善といたしまして授業力ブラッシュアッププラン、さらには、特にも本県の課題であります英語、数学につきましては、指導主事の学校訪問指導による中高連携等を行ってまいりたいと考えております。さらには、県政課題貢献人材育成事業、県北沿岸地域人材育成事業、こういった大学進学支援事業を推進してまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 取り組む内容についてはわかったわけですが、結果として、私は、今回の結果は非常に難しい判断だと思うんです。片や成果が出ている、片や最下位ということは、私はこの結果をどうとらえていいのか、非常に難しく思っています。
 そこで、一方で県立総合教育センターの2006年度の学校教育調査によると、わかりやすい授業をしてほしいという生徒の数が、数年前の調査よりもふえているという結果が出ております。先ほど答弁でもございましたように、生徒が必要なものを身につけていないという結果、点数が低かったという見方もあれば、一方では今度、わかりやすい授業という生徒側の要望が高まっているということも言えるわけです。教育委員会とすればこれはどういった位置づけなのか、先生の指導力が低下しているのか、不足しているのか、それとも子供たちの学習意欲がなかなか上がっていないのか、そこをどのようにしていくかということが私は大切だと思いますが、その評価についてどのようにとらえているのか。
 そしてまた、最後に、あとこれ以上聞きませんので、最後に、例えば今回センター試験で点数が低かったということになったわけですが、県内でも塾のあるところ、塾のないところといった中で、やはり親御さんは小学校からでも塾に入れておきたい、入れられるのだったらそうして、そこの場でも学ばせたい、その方が安心だという調査結果も出ているわけです。一方で、塾のあるところ、ないところ、所得が高い低いによって、入れられるところ、入れられないところ、それぞれの事情があると思うんです。今後、地域性も出てくるのだろうと思うわけですが、それについて、塾がない、所得が低いといったところについては、公の教育がその任に当たるということも必要なのではないかと思うんです。
 ですから、高校の方では、例えば昨年からお医者さんだとか、またそれぞれの地域を担う人間を育てるための取り組みはされているわけですけれども、同時に、今は小中学校でも必要な時代に入ったんだと思うんです。それについて今後どのように取り組むのか、最後にお伺いして、質問を終わります。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 学力についてのお尋ねでございますけれども、昨日、統一学力テストの結果が発表になりましたが、小学校に比べて中学校がだんだん低下してきているというのは事実でございます。
 それから、委員から御指摘もありましたが、我々が昨年10月に実施いたしました小学校3年生から中学校2年生を対象にいたしました意識調査におきますと、授業がわからないことが多い、あるいはほとんどわからないと回答した児童生徒が、小学校で9%、中学校で23%でありまして、わかる授業へ改善していくことが必要だということでございます。
 さらに、家庭学習時間についてでございますけれども、30分未満、あるいはほとんどしないと回答した児童生徒の割合は小中学校ともに18%ありまして、学習時間の確保というのが非常に課題となっているところでございます。
 このような実態から、児童生徒が学習がわからないというのは、教師の指導力不足、あるいは学んだことを反復練習したり補充学習するための時間が不足していること、あるいは学習の必要性を、例えば将来の仕事などと結びつけて考えていく児童生徒が少なくなってきているなど、さまざまな要因が複雑に絡んでいるものと考えております。
 先ほど委員から御指摘もありましたが、県教委におききましては、小中学校におきましても、学校で習ったことは学校で身につけさせるということで、放課後の時間を利用いたしまして地域おさらい教室事業というのを本年度より展開してまいりましたが、来年度は、県内すべてのところにおきまして、放課後においてそのような事業をやってまいりたいと考えております。そういうことによりまして、例えば塾等にも行けないというようなところにも、わずかながらでも対応してまいりたいと考えているところでございます。
〇藤原良信委員 関連いたします。
 今の工藤大輔委員の質問の中で塾の話が出てまいりましたけれども、教育委員長と教育長に見解をお尋ねしたいと思うんですが、ぜひぜひお示しいただきたいと思うんですが、本来、学校教育で本来の教育というものに到達されることが、目的がそこにあるんだと思うんですけれども、残念ながらといいますか、今、塾が相当数出ていて、またこれもそれなりの意味合いを持ってきていて、教育の補完体制につながっている、これも事実でございます。
 その中で、まさしくこれも現実なんですけれども、塾に行って、学習レベルといいますか、学力のレベルが上がっていること、これも全く事実でございます。それでもなおかつ、塾の中でも授業料のいいところといいますか、高いところはそれなりの質を持っていて、全くこれが反映されている、これが事実でございまして、今、工藤委員の話の中で所得の差と言いましたけれども、まさしく所得の差というのは教育の差に結びついている、それから優秀な塾があるところとないところで、これまた差がついている、これが現実でございます。
 これらの現実をきちんと認めていかなければならないことも大切なことなんですけれども、しかしながら、前段で申し上げました、教育というのは、学校教育で目的が到達されるのが本来の姿だと思うんです。県教委は、岩手県全体の教育の行政の責任のところなんですけれども、本来の学校教育のあるべき姿というのは、教育委員長と教育長は、それをどう御認識され、お考えを持って対応されていこうとしているのかお示しを、ぜひぜひお聞きしたいと思います。
〇安藤教育委員会委員長 今のお説は、全く私どもの心にしみるお話をいただいたわけでございまして、基本的に申し上げますと、教育は、とにかく人間を育てていく最も基本になるものでございます。したがって、基本的には、今度の改正教育基本法の10条にもございますように家庭教育が最も根幹になる。しかしながら、これは家庭だけでできるものでは当然ないわけでございまして、13条では、家庭、学校、そして地域が連携して進めていかなければならないと、全く教育の根幹を示す法の改正も行われたわけでございます。
 そういうことで、具体的に、それでは各学校はどうしていけばいいのかということになるんですが、結局、今のお話にもございましたように、経済力の差が教育力の差になってはまずいわけでございますので、そうならないために、本県も昭和40年代の教育振興運動以来、努力を進めてきておるわけでございます。したがって、今一朝一夕になかなか効果は上がらないわけでございますけれども、先ほど課長の答弁にもありましたように、放課後のおさらいをやる時間、場所を確保していきたいという話もありました。そのような形で、学校で学んだことは、とにかく学校で身につけて帰る。それを受け取って、家庭の方でもまた、足りない部分については、親が教える場合もあるわけでしょうし、補習的な意味を持った塾に通う、そういう場面もあろうかと思うんですが、連携してやっていく以外に方法はない。こうすれば完璧にうまくいくという方法はちょっと考えられないのではないか。したがって、地道な努力を続けていくしか方法はないし、また、我々はそう努めていかなければならん、こんなふうに考えておるところでございます。
〇照井教育長 ただいま委員の御指摘の点については、私も基本的にそのように考えております。やはり学校教育というのが基本で、そして、今委員長からも申し上げましたけれども、家庭や地域を巻き込んでといいますか、一緒になって、連携して子供を育てていくということが大事であろうと考えています。
 先ほど地域的な条件、あるいは経済的な条件で、子供たちのそうした教育に、いろいろ違いといいますか、それが出てくることに対する御指摘がございましたけれども、やはりそんな状況等現実を私どもも直視して、それで何とかそうした地域あるいは経済的な状況等から、なかなかしっかりとその辺の環境の整っていない、そういったところには、先ほど具体的に例としてお示しした地域おさらい教室、それから今度新たに始まりますけれども地域子どもプラン、こういった中で特に学習面、これを重視してその辺の補完をしていこうと、今、取り組んでいるところでございます。
〇藤原良信委員 御提言を申し上げます。
 全体的な教育というのは、学力あるいは人間形成、モラル、バランス感覚、さまざまとらえて全人教育になっていくんだと思いますけれども、家庭の持つ役割、家庭教育の持つ役割というのはおのずと当然あるわけでありまして、学校教育はやっぱり主体は学力になっていくんだと思います。そして成長過程の中で、十二分な人間形成のさまざまな分野でのそういうものも教えていくんだと思いますけれども、主たることはやっぱり学力になっていくんだと思います。
 そこでなんですが、提言と言いましたけれども、私は能力のある、対応能力のあると言った方がいいんだと思いますけれども、そういう教師にめぐり会った子供は幸せなんですよ。そうでない教師にめぐり会った子供は不幸でございます。これは事実なんです。
 そこで、今、予算審議なんですけれども、来年度予算に向けまして、こういうことが大切なんですけれども、教員を養成する充実度を高めていくことが必要だと思いますね。これは、おのずと差がつきますよ。能力のある─塾もそうなんです。同じ塾でも、同じ塾といいますか、塾に同じ時間帯行っていても、まさしく先ほど所得の差と言いましたけれども、比べてみて料金の高いといいますか、そういう塾の教え方といいますか、差が出てきます。これも事実なんです。ですから、私は学校の先生、教師もこれは能力の差がありますが、どう高めていくか。差をなくして、これらが塾にも行かないで済むような、今教育委員長がお話しのように、本来、学力は学校で完結できるようなことであれば、おのずと地域差がなくなるんだと思うんです。そういうことを念頭に置いて、教育行政をつかさどっていただきたい、そう念願するものでありますけれども、教育長、所感をお願いいたします。
 以上でやめます。終わります。
〇照井教育長 やはり教育は、それを担う教師にかかっていると言っても過言でないと思います。この教師、特に優秀な教師の育成確保、さらに資質向上、これに今取り組んでいまして、特に採用面で昨年から見直しをしまして、特に専門的にそういう能力とか、それがたけている、もちろん、人物も重視していますけれども、そういった優秀な人材を確保するように努め、そして採用後は、特に資質向上を図るために、研修はもちろんですけれども、上司である校長、教頭等が、日ごろ教員といわば面談、対話をしていろいろ指導助言するとか、いずれそういった取り組みを始めていまして、これは教師サイドの方からも大変そういう取り組みによって意欲も高まってきているし、授業力、これの向上等にもつながっているという、そういう評価もいただいていますので、いずれ、そうした採用から採用後の育成支援、これにさらに一層努めて、まさに子供たち、保護者、地域から信頼される、そういう教師を育成してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員長 斉藤委員に申し上げます。
 当該委員でもありますので、簡潔にお願いいたします。
〇斉藤信委員 当該委員だから関連するのですよ。商工文教委員会ないんです、あとは。
〇及川幸子委員長 簡潔に。
〇斉藤信委員(続) 簡潔に聞きます。
 特別支援教育は、教育のあり方を根本的に問われる問題だと私は思いますが、出現率が4.5%というのはおよそどのぐらいの子供の数になるのか。そして、国が全国2万1、000人の特別支援員を配置すると。これは推計でいいのですが、2万1、000人というのは、岩手県においては、ほぼどのくらいの支援員の配置になるのか。そして、この財政措置が必要になるのかどうか。必要だとすれば、6月ということになるのかどうか。これが第1点です。
 第2点は、給食費未納の問題なんですけれども、私はちょっと悪しきキャンペーンが今されているのではないかと思うんですが、未納に関する意識調査というのを県教委もやられて、経済苦が大きいと、こういうふうに私は受けとめているけれども、どういう理由で未納に至っているのか、どういう調査でそれをやったのか。そして先ほどの回答にもあったけれども、就学援助、私はこういう制度を最大限活用すべきだと思うんですよ。給食費未納というのは、それ以外にも未納があるということなんです。ですから、そういう点では、私は就学援助の改善を今年度求めたけれども、修学援助についてのお知らせや中身については市町村でかなりばらつきがあって、そういう改善を県は調査してそのモデル例を示しましたが、来年度この就学援助というのはどう改善される見通しか。
 最後、センター試験の結果ですけれども、自己採点結果を大手予備校に報告するということ自体、私はいかがなものかと思うけれども、これは、本当に客観的なものなんでしょうか。参加校やその中身や、余り騒ぐほどのものではないんじゃないか。私は岩手の高校生、そんなに成績悪いと思いませんよ。そういう自己採点結果をどれだけの学校が報告して、予備校が明らかにするなんていうことに一喜一憂する必要はないんじゃないかと思いますけれども、その客観性、科学性、どういうものなのか、お知らせください。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 御質問の今回の調査による、いわゆるLDとかADHDが含まれると思われる通常学級における特別な教育支援をする子供たちの数ということですが、先ほどの4.5%というのを現時点での通常学級の在籍者数に当てはめますと、県内全体で5、275人。さらに単純計算ですが、これを小中学校ですので9学年で割ると、各学年1学年当たりで586人という、そうした人数が算出されるということでございます。
 それから、支援員の配置の計画についてですが、国の方では平成19年度で2万1、000人、20年度で3万人ということで、そうしたことで、すべての公立小中学校に相当する人数について、市町村分として財政措置を予定するということでございますので、ただ、先ほど申し上げましたように、その中身がどのような形で各市町村に配分されるかというのはまだ明確になっていないという条件がつくわけですが、もしもそうした単純な計算でまいりますと、それがすべてかなえば、岩手県であれば、少なくとも400校近くについては支援員が配置されるような財政措置がなされるのではないかという予測をしているところでございます。
〇川口スポーツ健康課総括課長 学校給食の未納の調査につきましては、文部科学省がことし11月に、保護者が学校給食を未納している問題について、各学校や市町村教育委員会等が対応に苦慮している事例が多く伝えられているというようなことから、全国的な調査を行ったものであります。本県の調査も、それに呼応したものでございます。
〇佐野学校施設担当課長 就学援助制度につきまして、これは教育の機会均等を保障する上で非常に重要であるという認識に立ちまして、本年度前半に各市町村の実態調査を行ったところでございます。それを踏まえまして、各市町村に対しまして、その制度の周知を適切に行ってほしい、あるいは適切な制度の運用をしていただきたいという形でお願いしたところでございます。
 平成19年度においてどのように改善されるかということでございますが、現時点では、各市町村において予算審議の途上でもあり、制度の概要が確定しておらないということで、当方ではまだ把握しておりません。
〇熊谷主任指導主事兼高校教育担当課長 大学入試センターでは、県別の正式集計をいたしておりません。実際に大手予備校の集計率でございますけれども、大体70%ぐらいの集約だと聞いておるところでございます。確かに、そのデータによりますと、全国の下位グループにあるということは事実でございます。先ほどもお話ししましたけれども、これは生徒が進路実現を図るのに十分な学力が身についていないことが大きな要因であると考えますので、一人一人の進路希望を実現するためにも、取り組みが必要であると考えているところでございます。
〇斉藤信委員 私、2回立つつもりなかったけれども、答弁漏れがあるので。
 特別支援の問題については、財政措置について聞いたんですよ。これ10分の10、国が負担して、2万1、000人配置するということであればこれはあれでしょうけれども、これは直接市町村に行くものですか、その場合は。
 あと、給食費未納で、私は経済的理由はどうなっているかと聞いたわけですよ。どういう調査をして、経済的理由で未納になっている人が多いんではないかと私は聞いたのですよ。きちんと聞いてください。
〇及川主任指導主事兼特別支援教育担当課長 先ほどの地方財政措置の問題ですが、地方交付税という形で市町村に措置されるというふうに……(斉藤信委員「10分の10で」と呼ぶ)そうした形で伺っているところです。
〇川口スポーツ健康課総括課長 大変失礼いたしました。
 今回の調査は、未納の原因について質問の項目が用意されておりまして、保護者の経済的な問題というところが一つ、それからもう一つは、保護者の責任感や規範意識というような項目が一つ、その他ということで、三つの大きな項目を設けたアンケート調査でございました。したがいまして、保護者の経済的問題の細部にわたりましては、把握しておりません。
〇斉藤信委員 私があなた方からもらった資料では、この聞き方が私は正確じゃないと思いますよ。三択になっているけれども、事実上二択ですよ。規範意識がないというのと経済的理由だと。小学校では経済的理由でというのが47%。中学校では52%になっているじゃないですか。これ、かなり深刻な数ですよ。給食費というのは学校教育費の中ではかなり大きな比重を占めるのですよ。だから、国保も滞納している、そういう中で、こういう給食費の滞納というのが起きているので、規範意識という、実際に聞いてみたら経済的理由だったという例がたくさんあるんですね。私はだから、そういう深刻なワーキングプアと言われるこういう状況の中に子供たちが置かれているので、課長は給食停止などということはあってはならないと言っているから、私は大変正しい対応をしていると思うけれども、本当に子供に犠牲がいかないように、こういう経済苦の中で子供たちが教育を受けているという側面もしっかり受けとめて対応していただきたい。
 終わります。
〇平野ユキ子委員 関連といいますか、先ほど斉藤委員の……。
〇及川幸子委員長 関連ですね。
〇平野ユキ子委員(続) 関連といいますより、質問ではないんですよ。先ほど斉藤信委員の質問に対しての県の教育委員会の……(斉藤信委員「関連じゃないとだめだよ」と呼ぶ)じゃ、関連します。関連にします。
〇及川幸子委員長 じゃ、議事進行にしてください。
〇平野ユキ子委員(続) 教育委員会の御答弁では、多分、斉藤信委員は納得しないのではないかと思いまして……。
〇及川幸子委員長 では、関連ということで。
〇平野ユキ子委員(続) 答弁を補足しながら、では関連質問したいと思います。
 先ほど斉藤信委員が、センター試験の集計結果について、民間の調査機関であって、受験生が一喜一憂する必要はないのではないかということをおっしゃいました。それに対する答弁で、確かに一部合っています。入試センター試験というのは、確かにセンター試験を行う場所ですが、公的機関ですが、ここでは決して結果を発表しません。公表しません。
 受験生がなぜ民間の機関に頼ってこのように集計してもらうかといいますと、自分の位置がわからなければ次の進学校が決められないのです。先ほど集計度は70%と言いましたけれども、進学希望の人は全員これに参加します。それによって、自分の成績がどこにあるかによって、2次の大学を決めなければならないのです。そういう状況が控えておりますので必ず参加します。そして、民間と言いましたけれども、これは大手4社くらいが行っております。ですから、ほぼ確実な数字であると言えます。受験生にとっては、一喜一憂どころか、この集計結果が自分の次の進学先を決める大切なものなのです。これは教育委員会ではお答えできないことなので、私、現場を知る者としてお話しいたしました。そして、ですから、なおのこと、教育について、学力について、向上ということを先ほどおっしゃっていました。そしてまた、工藤大輔委員そして藤原良信委員からもお話がありましたが、塾がある、ない、そういった地域格差がある岩手県において、経済格差が学力格差に結びつかないようにするためには、やはり教育委員会、公的機関である学校が一番の学力を、岩手の学力を担うところだと思います。
〇及川幸子委員長 平野委員に申し上げますが、質問をしてください。
〇平野ユキ子委員(続) 今質問します。そこで、もう一度お伺いいたします。
 教育委員長並びに教育長のこれからの学力向上へかける意気込みといいますか、そういったものをお聞きしたいと思います。
〇安藤教育委員会委員長 今の御質問にお答えをいたしますけれども、先ほども申し上げましたとおり、経済力の格差が学力の格差になってはならないわけでございまして、そのためにこそ、公立学校というものが存在しているのだと、こんなふうに理解いたしておりますので、その線で今後も努力してまいりたいと、このように考えております。
〇照井教育長 やはり子供たちには、将来、心豊かでたくましく時代を切り開いていってほしいと私は思っています。しっかりとした目標を持って、自立していくということでございますが、そのためには、何といっても生きる力の中心である確かな学力、これをしっかりと身につけることが大事であるということで、学力の向上というものを、県教育委員会としては最重要課題ということで位置づけて、それであらゆる手だて、いろんな方策を講じて、今学力の向上に学校、地域、家庭、すべて連携して全力で取り組んでおりますので、御理解をいただきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 まず、少人数学級の導入についてですけれども、平成19年度、小学校2年生まで拡大していくということ、大変結構なことだと思います。それで、68人の教職員の増を想定しているようですけれども、この給与費の総額というものを概算でいいですけれども、示していただければと思います。
 それと、導入した場合に、対象となる学校ですけれども、それぞれ地域によって大きい学校小さい学校ありますので、そういった地域別の状況等がわかれば示していただきたいと思います。
 それと、今後さらに、3年、4年と拡大する考えはあるのかどうか、あわせてお伺いしたいと思います。
〇熊谷小中学校人事担当課長 小学校1年生、2年生への少人数学級の導入に伴いまして、68名程度の教員の確保が必要となります。その場合の教員の給与費等の概算は、5億8、000万円程度が見込まれております。
 また、35人学級編制に伴う地域別の教員配置数の見込み数ですが、教育事務所別に申し上げますと、盛岡28、花巻6、北上7、奥州9、一関5、大船渡2、釜石4、宮古1、久慈4、二戸2となる見込みでございます。
 次に、今後の方向についてでございますが、小学校の入門期においては、基本的な生活習慣、学習習慣の確立に効果があるとの研究報告をいただいておりまして、今年度から1年生に導入したわけですが、大変効果があるという評価をいただいておりまして、来年度2年生にも拡大をするということですが、その成果を踏まえて、その後も小学校1、2年には35人学級を継続したいと考えております。
 また、小学校3年生から中学校においては、習熟度別指導やチームティーチングなど、一人一人に応じた指導が可能な少人数指導に取り組んでまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 まず、この68名ということは、1年生、2年生で35人学級をふやした場合に、両学年でふえる数という理解ですか。2学年分の教員増という理解ですかね。既に今ある人はカウントしていないということですかね。そう理解していいのかどうか。
 それと、今の答弁ですと、少人数指導で対応していくと、3年以降は。これは、教育委員会全体としての方針なんでしょうか。それとも、そういったものでやっていくと決めているのでしょうかどうか、その辺はどなたが答えるかわかりませんけれども、お伺いします。
〇熊谷小中学校人事担当課長 68名が見込まれるというのは、今委員がお話しされたように、増員の数ということでございます。1年生、2年生で35人を超える学級が68予想されると。そこの分を増員するということでございます。
 今後につきましては、来年度2年生を考えているわけですが、その成果を踏まえてということでありますが、とりあえず1年生、2年生については継続をしていきたいと。それから、それ以上については、これまでも本県は少人数指導を中心に進めておりますので、それを継続したいと考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 今聞いたのは、教育委員会として、全体としてそういう方針をとるのかということを聞いたのです。現場として。これ教育長なのかわかりませんけれども、どう考えているか、少人数指導と少人数学級。私はできれば年次、3年生、4年生というふうにやっていった方がいいのではないかと思っているんです。それが恐らく先ほどの議論も含めてですけれど、中学校、高校までつながっている基礎学力を高めていくという、それがベースになって初めて、進学も含めてなっていくと思うんですよ。ですから、すべきだという思いがあるんですけれども、それについてぜひ考えをお聞かせ願えればと思いますけれども。
〇照井教育長 少人数指導についてのお尋ねでございますけれども、教育センターで、この少人数学級の研究指定校の成果を分析したところ、小学校の低学年の場合には生活面それから学習面、両方について効果が上がったが、3年生以上の場合は、少人数学級よりは少人数指導の方が効果が高いという、そういう報告をいただいています。それは、やはり少人数指導の場合は、一人一人の子供の学習の到達度とか習熟度が違うわけですが、そうした子供たち一人一人にきめ細かに対応できる。それはチームティーチングだったり習熟度別というようなこと、そういうことだということから、特に本県の場合は、先ほどから取り上げられております学力向上というのが最大の課題ということでございますので、その学力向上に特に効果的な少人数指導、これを3年生以上を中心に据えて取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 いずれ、少人数学級のよさ、また少人数指導のよさというのはそれぞれあるかと思うんですけれども、そういったものをぜひ検証していただき、より有効な─理想的には組み合わせればいいんですよね。少人数学級にして少人数指導をすればいいんですよね。ぜひそういった方向で前向きに検討していただければと思います。
 それと、昨年も議論しましたけれども、県北沿岸地域人材育成、県政課題貢献人材育成、進学目標達成推進という、そういう事業があります。私はこの名称はいまだに疑問がありますけれども、ここではそれは取り上げませんが、一定の効果が恐らくあったという評価で継続していると思うんですけれども、その割には予算が減額されているということはどういうことなのかということ。それぞれの三つの事業、それぞれまた減額されていますけれども、その理由について説明願えればと思います。
〇熊谷主任指導主事兼高校教育担当課長 3事業の減額についてお話ししたいと思います。
 厳しい財政状況にあることから、それぞれの事業の見直しを行いました。さらには、各学校の意見をも取り入れながら、特にも生徒への波及効果が大きかったもの、さらには、次年度につなげることによって、より効果が上がると思われる取り組みを精選いたしておるところでございます。
 具体的な内容といたしましては、生徒一人一人に事業効果を一層還元できるような合同企画事業、さらにはサテライト講座を初め、進学関係のソフトや図書の充実に来年度は努めてまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 私は一部の声しか聞いておりませんけれども、学校側としては非常に助かったという声があるように聞いております。よかったと、いい事業であったと。それぞれ名称はともかくとして。そう言っているのも事実です。ですから、先ほど来の話と関連すると、こういった部分を充実することによって、いわゆる塾がないところも含めて、より学校のシステムの中だけではできない部分をフォローアップできるんではないかと思うんですよ。そういう点からすると、予算が多ければいいというわけではないんでしょうけれども、ぜひこの辺を、発想としてはいい、そしてまた結果がどうかこれからまた出てくるんでしょうけれども、拡充してやっていくべきではないかなと思うんですが、その点はどうなんでしょう。
〇照井教育長 大学進学を目指す子供たちの進路希望、これを達成できるように、その支援の取り組みをこうした3事業を通じて今進めてるいところですが、やはり委員からもお話がありましたように、現場から大変好評でございまして、教師、生徒、双方から、本当にこういう取り組みをいただいて、生徒たちの意欲も高まりまた熱心に勉強している。それからまた、先生の方も、取り組みの中には、予備校の講師を招いてのそういった講義等もあるわけですが、自分たちも負けていられないということで教師自身も啓発されて、意欲的に授業の改善に取り組んでいるということで、この事業については、そういうことでかなり─具体的な効果はまだ1年目ですのでこれからなんですが、教育委員会としてはこれをぜひ継続して、子供たちの進路の実現を支援していきたいと考えております。
〇伊沢昌弘委員 私も199ページの今の課題貢献、それから沿岸人材育成、たしか難関大学突破という言葉もこれには付随をしていたと思うんですね。具体的に難関大学ってどこだと。医師、弁護士、それからいろんな法律も含めてと、こういうことでのお話あったんですが、難関大学というには目標があるのかなと、こう思いますので、その辺をお示しいただきたい。
 今、大変効果があったということでありますが、ことしの受験すべてが終わったわけではないとは思います。難関大学をまさに目指した方々が、昨年に比べてふえているんでしょうか。それが合格率が上がれば、これは効果があったと、こういうことになると思うんですけれども、この認識について改めてお伺いをしたいと思います。
〇熊谷主任指導主事兼高校教育担当課長 難関大学の定義でございますけれども、一応想定しているのは、東北大ぐらいからかなと考えておるところです。
 例えば東北大学ですとか、北海道大学、そしてあとは東日本でございますと筑波大学、さらには東京大学等を一応考えております。医学部はどこも非常に難しいので、医学部に関しては、すべての私立、国公立の医学部と考えております。
 きのう、岩手大学と県立大学の合格発表がございましたけれども、ちょうど前期の2次試験の合格発表の最中でございます。今後、後期試験がこれから行われますので、最終的にこの事業に参加した高校の成果が判明するのは、3月末ととらえております。
〇伊沢昌弘委員 意地悪な質問のつもりではなくて、認識をお伺いしたと。岩手大学に合格をするということでも、これは大変なことだと認識をするわけです。難関大学に加えたらいかがですか。
 それと、私、12月議会で、合格率とそれから受ける人たちの数の問題で論議したことがありました。今、経済的な問題も含めていろいろあると思うんですが、学力があってもなかなか受けられないという人たちもいるのではないかと。小中学校を含めて学力調査、4県やってきて一定程度の成果はあると。しかし、高学年になって問題がありますよと。さらに、高校に入って難関大学突破のためのこの予算がついていると。先生方も好評だということであるわけですけれども、本当の意味で子供を育てるのは何だと。同じ199ページの上の方には、就職支援相談員も含めたキャリアアップの支援事業もあるわけです。高校生の過半数は、就職ということにもなるわけでありますので、その分野との言ってみれば整合性。学校を分けて、あなたの学校は進学ですよと。そして進学ができなければ、言ってみれば言葉は悪いですけれども、落ちこぼれみたいな形にするとかではなくて、いろんなところでそれぞれの持ち分をやって社会人として成り立つような、そういう教育をするというのが、小中高を通じた一貫ではないかなと私は思っているところなんですけれども、この就職支援も含めて、この間予算化をしてやってきていると思うんですけれども、これについての御所見といいますか、成果といいますか、その辺について、もしあれば教えていただきたいと思います。
〇小川教育企画室長 今の御質問の関係、予算の全体的な考え方に絡みますものですから、私の方から御答弁させていただきます。
 学校とかそれから教育委員会の役割の一つとして、児童生徒、子供たちの進路実現ということが重要な役割だと思います。その進路実現の支援の内容といたしまして、先ほど来話が出ておりますが、低学力問題が一つございます。それは、おくれている子供の部分もございますし、大学入試と進学が十分に果たせないというところもございます。それから、二つ目として、生活習慣とかそういうことがまだしっかり身につかない。それから、社会規範、そういうルールを守れる、守れない、そういうところが十分にいかない。さらに大きい課題としまして、勉強と将来の仕事が結びついて勉強されていない。勉強が好きとか、そういう割合が非常に下がっている。そういういろんな課題がございます。そういう子供たちが、またいろいろございます。
 こういう問題に対しまして、例えばおくれている部分、そういうことを何とか取り戻そうということにつきましては、先ほど申し上げました地域おさらい支援教室、これ今年度から着手しておりますが、来年は全県的に展開したいと。それから、進学目標が十分に果たせない、こういうものにつきましては、昨年から県政課題人材貢献とか県北沿岸人材という格好で各学校に支援し、そこにほかの学校の生徒も来てやれるような格好をとり始めております。
 さらに、生活習慣とか社会規範をどう守っていくか、そういうものにつきましては、一応各市町村教育委員会の方に、学びフェストというような、これは仮称でございますが、それぞれの学校においてよく保護者等と話し合いまして、例えば朝ごはんを食べるとか、家庭でどの程度勉強するとか、そういうことをやっていただきたいと。これは直接的予算には出ておりませんが、そういうことを働きかけております。さらに、勉強と将来の仕事が結びついていないとか、勉強が好きとか楽しいという割合が下がっているという問題につきましては、小中高が連携した形でキャリア教育を全県で展開すると。これは昨年一部地区で始めましたが、今年度からは、各市町村の首長さんと直接お会いいたしましてお願いしてまいりました。そして、地域を支え、地域の産業を受け継ぐ、そういう人材の育成に注力していきたいというような形で、今の課題をそれぞれ分解いたしまして、それぞれについてきちっと対応していこうという格好で予定しております。
〇伊沢昌弘委員 これは幼稚園から小学校、中学校と全部続く問題だと思いますので、教育の課題だろうと思いますので、ぜひ続けて、いろんな意味での社会で役立つ人間をつくるという視点を忘れないでほしいと思います。
 そこで、今先生方の資質の問題も話題になりました。1年ぐらい前から、教職員の給与構造の見直しという部分が検討されていると思います。去年の10月末からは、この新制度の導入に向けて試行を行うために、新給与制度実施要領を教育委員会の方で策定をして今実施していると、試行を行っていると承知をしているところであります。教職員の皆さんの合意形成について得るためのものだと思うんですけれども、現時点で、まだ試行の途中だとは思うんですけれども、関係労働組合の皆さんも職員を対象に組合員、非組合員を問わずにアンケートを行ったということで、手元に私も見せていただきました。ほとんどの方々が、シートのつくり方から面談の方式、さらにはこの制度そのものに問題があるんじゃないかということで言っている部分であります。確かに国の制度、条例の中ではこれは決めた部分でありますけれども、知事部局は先行しているものの、教育現場になじまないということでいろいろ御努力をされていると思うんですが、現時点までのこの試行を行っている部分で、校長先生や副校長さん、教頭先生等々とのいわば協議はやっていると思うんですけれども、教育委員会としてどのような御所見をお持ちでございますでしょうか、教えていただきたいと思います。
 また、昇給制度については、合意形成がなされない状況では本格実施に移行すべきじゃないと、こう私は思っているわけでありますけれども、この辺についてはいかがでしょうか。また、全国では、既に導入しているというのは東京都だけだと私は聞いているわけでありますけれども、新年度もしくはこの間において、導入を予定している道府県はあるのでしょうか、この辺についてお示しをいただきたいと思います。
〇青木教職員課総括課長 新昇給制度の試行に関連してのお尋ねでございますけれども、試行につきましては、現在までのところ、各学校現場において順調に試行の作業が行われていると承知をしてございます。また、職員団体が過日アンケート調査を行ったというようなことを伺っておりますけれども、その中で、そのまま本格実施につなげることについて賛成をしないというような教職員が多かったということについても聞いているところでございますけれども、県教育委員会といたしましては、その職員団体が行ったこのアンケートにつきまして、その制度趣旨や内容が十分に理解された上で実施されたのかどうかということについてまでは、私の方としては確認をしていないところでございます。
 それから、本格実施に向けてのお尋ねでございますけれども、現在、試行の結果について集約をしているところでございまして、今後、この結果の検証を行った上で、必要があれば、運用方法ですとかその内容について見直しや改善を行い、できるだけ早い時期に本格実施できるように努めていきたいと考えているところでございます。
 それから、全国の実施状況についてでございますけれども、この給与制度改革に伴う新昇給制度につきましては、私どもで聞いている範囲でございますと、大阪、和歌山で、全職層で本年度から本格的に導入していると聞いておりますし、北海道、高知県では、管理職層に本年度から実施しており、また、鳥取県では管理職層に4月から導入すると聞いているところでございます。
 ただいま東京都についてのお話もございましたけれども、東京都につきましては、普通昇給に当たる部分についても勤務の状況等を評価しながら決定するという仕組みでございまして、この制度につきましては、今回の給与構造改革以前から実施しているものでございます。現在、全国的に導入が進められております昇給制度につきましては、勤務成績が特にすぐれている職員を対象に、特別に昇給させるということができる特別昇給につきまして、これまで順繰り的な扱いがあるということを見直して、きちんと勤務成績を評価しながら行うというものでございますので、東京都の制度とは異なるものと私どもは認識しているところでございます。
〇伊沢昌弘委員 制度が始まる前に東京都は差別、選別といいますか、そういった形でやってきて、教育についても、都知事そのものが大変強硬姿勢をやりながら、国旗、日の丸では裁判まで起きていると、こういう状況でありますので、まず別格だと思いますが、各県進んでいる中身で、いろいろ問題を整理しながらやってきたんじゃないかなと思うわけであります。
 アンケート精査をしていないということですが、私が受け取ったものでは、試行についてのいろんな要綱をつくってやってきたと。内容について十分理解できているかという中には、そう思わないが38%、余り思わない27%、合わせて65%の方々が思っているわけであります。
 それから、今回の試行の形で本格実施された場合、制度の目的は何かというと、教職員の勤労意欲、学校の活性化を図ると、こういうのが目的にあると思うんですけれども、これが図られるかという問いに対しては、何と、そう思わないという方々が67%、余り思わない19%、合わせて86%であります。中身を含めて自分で記入するシート、さらには面談をしながらいろんなことを評価されると、これに対するいろんな問題点も指摘をされる部分があるわけでありますので、この辺も精査する必要があると思います。
 今の御答弁では、試行について検討し、内容について精査をしながら早い時期に行いたいと。どういう形で精査をするんでしょうか。どなたの御意見を含めてやるのでしょうか。職員の皆さん、いわゆる現場の先生方との話し合いというのは、この間、試行以降やっていないと私は聞いているところでありますけれども、そういう方々等の御意見もいわばこのアンケートも含めた、そういう中身を含めて合意形成をすべきだと、こう私は思うわけでありますけれども、その辺についての計画、思いをお示しいただきたいと思います。
〇青木教職員課総括課長 この新昇給制度につきましては、これまでもしばしば、ルールですけれども各地区におきまして説明会ですとか研修会等を行ってきたところでございまして、その制度の趣旨、内容等についての理解、周知に努めてきたところでございます。
 今お話のございましたようなアンケート調査の結果ということもございますが、今後とも、私どもとしても、教職員に対するこの制度の導入、趣旨、内容について、理解、周知に努めてまいりたいと考えてございます。
 それから、試行につきましては、各学校長、それから各市町村教委からも試行の結果についての御意見等も今いただいているところでございます。そういった御意見にあわせて、このアンケート調査、内容も、私どもとして今後の検証の作業の中で参考にしてまいりたいと考えております。
〇伊沢昌弘委員 これでやめますけれども、学校長や教育長を含めて、市町村でも大変これを導入するときに話があって苦労されていたという話も私も聞いてきました。それは十分にやっていただきたいと思います。
 また、先ほどの関連の中でも藤原委員の方から、いい先生に会ったとき、それから、不幸だという部分も含めてありました。先生を評価するのは校長であり、教頭であり、教育委員会であると思うわけでありますけれども、最終的には、学校で、卒業したときに、あの先生はよかったなと思うのは、これは生徒が一番の立役者だと思うんですね。採用についてもきちっとした方をとるために、成績優秀で、面談をしながらやりますと、これも正しいと思います。しかし、頭がよくて、小中高、大学まで難関大学を突破して進んできた先生が私の先生であったら、私は不幸だったなと思うんです。何となれば、理解をできない子供の気持ちを、その先生は理解しないのではないかということもあるわけです。逆に、教えるときには、すばらしいことも教えるかもしれません。しかし、苦労をしていろんなことを悩みながら育っていった先生も私は知っています。この話も何回かやったことがあるんですけれども、そういう先生を見抜くというのは、このシートをつくって、そして自分が目標を立ててその成果をあらわして、それに基づいて面談をして、校長先生、教頭先生が授業の内容も四六時中見ているわけではない、それの形の中で評価されるということ、学校現場の中で差別ができる、そのことに対する責任があると思うんです。十分な形でやるべきだと思いますし、早急な導入はしないということ、合意形成まできちっとした対応をするということを私は求めたいと思うんですけれども、この件についての教育長さんの御見解を賜って終わりたいと思います。
〇照井教育長 この新昇給制度の試行につきましては、ただいま課長から申し上げましたとおり、現在その集約をしているところでありますので、これからそれを分析してまいります。いろいろ現場の方からは、校長、市町村教育長からも御意見が出ているようでございますので、それらを子細に点検、分析しながら、そして必要があれば改善とか見直しをしまして、その見直した案をまた教育関係者にお示しして、いずれ理解をいただいた上で本格実施できるように進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 お昼ちょっと前でありますが、1点だけ関連させていただきます。
 今、県政課題の解決、人材育成の難関校の質問、伊沢委員からありましたが、これ高校入学してから10年スパンぐらいで実際に医師、弁護士になるまで時間がかかると思います。その中で、今までの審議でも医療局、保健福祉部では、医師不足が非常にテーマとなっておりましたけれども、県教委の方で支援プロジェクトがあるわけですが、県全体として、この県政課題人材育成プロジェクト10年後を見据えた全庁的な形が私は必要じゃないかと。
 先ほど、北大、東北大学が難関校というお話がありました。例えば医大であれば私学も難関校に入れると。そこに入っても、その子たちが岩手県に戻ってこない限り、岩手県政課題、解決しないわけでありまして、例えば修学資金を貸し付けるとか、要は高校入学段階からある程度その子供の将来の人生というか、仕事を決めるわけでありますから、それを県政課題というものの解決のためだよということであれば、子供を県が育てるということでありますから、何か特別な制度でもつくって、その子供たちに大学卒業後資格を取った後、当然ながら岩手に帰ってきてもらう。そういう政策も一緒になってやっていかないと、仮に北大に何人、東北大学に何人、これが県教委としては目標達成できた。ところが、全然戻ってこなくて、みんな東京、仙台どまりだということになったら、せっかくこういう支援事業もどうなのかという思いがあるんですが、その辺教育長、いかがでしょうか。
〇照井教育長 ただいま取り組んでいる大学進学支援事業でございますけれども、これにつきましては、教育委員会独自の事業ということではなくて、県全体のプロジェクトの中の一環でございます。それで、私どもからすれば、子供たちの進路の実現、希望をかなえることができるような支援、一方では、地域からただいまお話のありましたような医師不足とか研究者の不足、そういうことがございますので、そういった地域の声にもこたえられるということでございますので、必要な情報とかは、知事部局の関連部署などとも情報交換あるいは調整しながら、いずれこれは進めているところでございます。したがいまして、医師を例にとりましたけれども、例えばことしの入試でこういう方々が医学部の方に進学できましたというような情報は、医師確保対策室などに提供する、また、私どもも、学校で例えば岩手県は医療上こういう問題、課題があるんだよと、例えば将来医学部に進学するのであれば、ぜひ地元に戻って地域医療に貢献してほしいとか、そういういわばマインドの醸成などもこれであわせて進めているところでございます。
〇佐々木一榮委員 これで終わりですが、例えば医療局ですと、院長先生は岩手医大、東北大学、自治医科大学、大体そういう出身の先生なんですね。先生方も、医学部もある程度大学が偏っているというと失礼ですが、大体決まった大学の先生たちがいます。そうしますと、これ逆に言うと、県政課題でありますから、知事部局の方からきっちりとしたこういう人材を育ててほしいと。それから、どういう大学に入れてもらうことによって医療局に医師が派遣できるか、弁護士の数もそうでありますが、逆に教育委員会としては、そういうものを知事部局の方から具体的に指示というとおかしいんですけれども、提言というか、そういう骨格を示してもらった方が、指導しやすいという考え方でよろしいですか。
〇照井教育長 特に医師を例にございましたけれども、いずれにしろ、そうした県の大きな課題でございますので、知事部局の関係部局とはこれまで以上に一層連携を密にして、相互にそうした意見交換、情報交換、調整しながら、課題が解決できるように取り組んでまいりたいと思っております。
〇及川幸子委員長 この際、昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
   午前11時57分 休憩
午後1時4分 再開
〇亀卦川富夫副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 去る3月6日の総務部審査の際、後日配付することとした競馬関係の資料2件については、お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 なお、配付した資料のうち、議員説明資料と新計画の元金償還と支払い利息にかかわる資料につきましては、3月12日に予定されている部審査の際、改めて説明をいたしたい旨、執行部より申し出がありますので、そのように取り計らうことといたします。
〔参照〕
  基金の繰替運用について(説明)
  議員説明資料と新計画の元金償還と支払利息
〇亀卦川富夫副委員長 質疑を続行いたします。
〇平野ユキ子委員 それでは私の方から、先ほど工藤大輔委員からの質疑、学力の向上、それから藤原委員の関連などなど、大きな問題としての学力の向上を取り上げた質疑、それに対して私も関連させていただき、学力の向上ということで先ほど大きく取り上げましたが、その大きな部分を支える個々の部分について、これから2点ほど質問いたしたいと思います。
 先ほど御説明いただきました予算の説明書199ページの県政課題貢献人材育成事業1、260万円と計上されている事項についてお伺いしたいと思います。
 嵯峨委員や伊沢委員からも質問があったところでございますけれども、私もちょっと視点を変えて質問させていただきたいのですが、これは、御説明がございましたが、県政課題である人材育成、医師ですとか弁護士、あるいは高度で専門的な研究技術者など、本県の将来を支える人材を育成するため、難関大学への進学希望を実現できるよう高校の取り組みを応援するとの目的で、既に今年度、つまり昨年から始まったものです。
 これについて、結果は、先ほども少々話が出ましたけれども、国立の後期がこれから始まって、結果が出るのは今月末になります。ですから、補欠も入れますと4月にならないと正確な数値としての結果は出ないということは私もわかっておりますので、結果というよりは、成果というのは数字では出てこない部分でしょうが、1年たった現在におきまして、その経過と効果、あるいは影響などをお伺いいたします。
 先ほど若干出ておりましたが、実は、県北・沿岸地域の方の高校あるいは人材育成事業との連携が見られてきているというようなことも聞いたので、どんな効果があったのか、影響があったのかということもお伺いしたかったところでした。地元の声としては、いい影響が出ているように先ほどちょっとお伺いしましたけれども、その辺のところもあわせて、もうちょっと詳しくお話いただければと思います。
〇熊谷主任指導主事兼高校教育担当課長 県政課題貢献人材育成事業についてお話ししたいと思います。
 この事業の内容は、大きく分けまして、6校が連携して実施する合同企画事業と、あとは各校が単独で実施する学校企画事業から成り立っております。そんな中で、特にも合同企画事業におきましては、実施校6校のみならず、県北沿岸地域人材育成事業の実施校5校、さらにはその他の学校からも参加して、例えば、今年度の場合は、県内の学校15校、延べ1、700人が参加して合同事業に取り組んでまいりました。
 その成果、影響でございますけれども、大学進学実績等は3月もしくは4月に食い込むと思われますが、その他の成果として、この1年間実施してまいりまして見られたことは、6校を中心に、自分の学校の生徒だけでなく、岩手の子供たちの進路を実現しようという機運が高まってまいりました。また、生徒にとりましては、県内の教員や予備校の一流の講師による授業を他校の生徒とともに学ぶ機会が得られたことに非常に刺激を受けております。また、講師を務めました教員にとりましても、緊張感と責任感を感じる授業実践と授業研修の場になったという報告を受けております。
〇平野ユキ子委員 実は、これがいいか悪いかは今後の推移を見ていかなければならないところもあるかと思うところです。というのは、全く新しい試みですので、教育というのは1年や2年では結果が出るものではないと思いますので、全く新しいことを始めるときには、何かと批判も出るものと認識しております。ですから、やり出したからには自信を持って進んでいただきたく思っておりますが、ただいまのお話を聞きますと、非常に評判はいいということで、そしてまた、学力の向上並びに教育の向上には、教員の資質の向上ということも大切だというお話もありましたところ、そういう教員研修のプログラムもあるやに今お伺いしましたので、大学進学に関して、対象校の6校のみならず、県内全般にわたっての志望校入学達成への動きにつながったというのは、聞いていても非常にうれしいところでございます。
 聞くところによりますと、こうした連携に対して他県からも若干反響があるということをちらっと伺いましたが、いかがでしょうか。
〇熊谷主任指導主事兼高校教育担当課長 ほんの一例でございますけれども、例えば、隣の宮城県の方から、様子を伺いたいといったような形で調査に見えたということがございます。
〇平野ユキ子委員 いずれ、よい成果が出ますことを期待しております。
 また、今現在は、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、民間の集計に基づきまして、受験生がこれから後期とか2次の対策で、受験生のみならず、先生方も非常に真剣に今対策に取り組んでいるところであろうと推察するところです。いい結果が出ますことをここで祈念いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 次にお伺いするのは、小学校英語教育条件整備推進プラン、2、670万円ということで議案の説明会の資料には出ているのですが、先ほど御説明いただいたところですと、10款教育費1項4目の中に入っているのではないかと思いましたが、見当たらなかったんですが、これ、予算づけはこれからになるんでしょうか。ただ、予定議案の説明会資料の中にはしっかりと2、670万円と計上されているんですが。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 小学校英語活動についてでございますが、委員御指摘のとおり、約2、670万円で計上されているところでございます。
〇平野ユキ子委員 ただ、私の単純な疑問なんですけれども、199ページの10款教育費1項4目教育指導費のところに出ているのかな、ここに書くべきではないかと思ったのですが、出ていないんですが。これは単純な疑問なんですけれども。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 指導運営費の中に、いろいろな項目として含まれているところでございます。
〇平野ユキ子委員 いずれ手続がまだ、別に細部の問題だと思いますので、この指導運営費の中に含まれているということですね。
 それでは、小学校英語教育条件整備推進プランというのが、実はかなり大きく書かれておりますので、これについてお伺いしたいと思います。
 小学校から英語を始めるということで、この推進プラン、文部科学省の方針によって進められるのだろうと推察するわけですけれども、小学校から英語を始めるということには賛否両論があるわけですが、小学校で英語教育を始めるということが認められたのは平成12年からで、ことしで7年になるわけですか。その総合学習における国際理解教育の一環として実施するようになってから、本県における現状というのはどのようなものでしょうか、まずこの点を伺います。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 委員御指摘のとおり、本県におきましては、小学校第1、2学年では特別活動で、それから第3学年以上につきましては総合学習の国際理解教育というところで英語活動を実施しておりますが、6年生だけちょっと見てみますと、平成12年度は481校中66校、14%の小学校で英語活動が実施されていたのに対しまして、平成18年度は432校中423校、98%の小学校で英語活動が実施されているところでございます。
〇平野ユキ子委員 現状というのはそういう意味ではなくて、実施校がどういう状況かというか、数を聞いても余りよくわからないのですけれども、そういう意味でお伺いしたのではないのですが、今の数をお伺いしただけでも、66校から420何校でしたか、98%の小学校でやっているということは、かなり普及されてきているかと思います。
 来年度、平成19年度の新規事業として小学校英語教育条件整備推進プランというのがここに2、670万円で出されているわけですが、この事業を通して目指すことというのは何なんでしょうか。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 先ほど実施校数を御報告申し上げたところでございますけれども、年間35時間、すなわち週1時間ぐらい実施している学校というのは9校のみでございます。このように実施校数にはばらつきがございますので、来年度から実施いたします小学校英語教育条件整備プランにつきましては、地域ごとに拠点校を指定いたしまして、英語活動に係る指導方法の確立を図るとともに、当該地域の英語教育の推進を図ろうというものでございます。
〇平野ユキ子委員 当該地域の英語教育の推進と英語への理解を深めるとおっしゃったのでしょうか、それをお伺いして、聞く限りは、なるほどいいのかなといったような漠然とした印象を持ちますけれども、果たしてどの程度今おっしゃったことが地域に浸透するのか、お伺いしていてちょっと疑問に感じました。というのは、この事業は、文部科学省がそもそも小学校から英語教育を取り入れようというねらいによって、将来、小学校における英語教育を義務づける、そういう方針があって示されたと聞いております。
 ところが、先ほど申し上げましたように、批判もかなりあって、というのは、英語よりは国語力をしっかりつける方が先だという意見が多々出たわけなんですね。その意見によりますと、結局、現在の日本の子供たちの学力低下がかなりのものだとさきのOECDの学力テストの結果出たわけなんですけれども、中でも読解力の低下、8位から14位に転落したとか、ちなみに数学は1位から6位なんですが、この数学が1位から6位に落ちたのも、実は問題を読み解く読解力が低下したからだという議論も出て、まず国語力をつける方が先ではないかという意見が言われたわけです。
 いずれ各所から批判が出て、今回の小学校から英語教育を進めようという文部科学省の方針というのは、かなり鈍ってきたことは事実だろうと私は認識しております。予算化も、最初は38億円予定されていたところですが、最終的に示されたのは6億2、000万円。その中の一部が岩手県に来ているわけでしょうけれども、このように当初の6分の1強になったところを見ても、かなりの鈍りを感じるところです。
 そこでお尋ねいたしますが、この事業ですが、果たしてそのような成果が期待できるものでしょうか。今御説明いただいた事業内容を見ますと、年間35時間、週1時間とおっしゃいましたけれども、年間にならせば週1時間もないんですね。今おっしゃっているのは夏休み、冬休みが入っての週1時間でしょうから、週1時間にも満たない時間数で一体どのようにして外国語を教えるということなんでしょうか。そして、中学校で英語を習うんですが、そこにどういうふうにつなげていくということなんでしょうか、お伺いします。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 先ほど地域と申し上げましたけれども、10教育事務所の管内に、何校になるかはまだ、文部科学省の要領が出ておりませんので流動的ではございますが、拠点校を設けて取り組んでまいりたい。
 ただ、小学校の英語活動につきましては、中学校の英語教育と違いまして、遊びやゲーム、あるいはごっこ遊びというのでしょうか、道案内とか、買い物とか、そういうようなところで、なれ親しむ活動を目指しているものでございまして、中学校で読み書きというような英語教育とは若干異なるものでございます。ただ、いろいろな英語指導助手が指導している姿を見ますと、子供たちは非常に解放されて、表現力が豊かになっているというのも事実でございます。
〇平野ユキ子委員 おっしゃることはわかるんですけれども、中学校の英語とは違うと言いますが、英語は英語です。やはり中学校へつなげていくものでないとすると、一体どこへつなげるのかと思います。非常に中途半端な感じを私は受けるのですが、つまり、やるならやるで徹底してやればいいんです。国語力もつける。英語だって、小学校5年、6年とやるんだったら、この2年間で会話ぺらぺらとまでは行きませんけれども、物すごい、ああやったなという、はたから見ても実力が上がったと思うような成果を上げるような取り組み方をすればいいのではないかと私は思います。そうすれば他県から、それこそどうやってやっているんだろうというような見学者が押し寄せてくるかもしれません。中途半端に文部科学省の方針に従うところが、やったかやらないかわからない、一体成果はどこに出たんだといったような形に終わるのではないかと思いますが、この点についていかがお考えでしょうか。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 委員御指摘のとおりでございまして、すべての小学校で英語活動が必修化されたならば、中学校とどのような関連を保っていくのかということが考えられなければならないと思っております。
 現在のところ、委員からは文部科学省に頼っているということでございますけれども、文部科学省の委託事業で、ごく一部の小学校しか取り組むことができないという状況ですので、そういうなれ親しむ英語活動を行っているという状況でございます。
〇平野ユキ子委員 私は一般質問でも申し上げたんですけれども、いずれ猫の目のように変わる文部科学省の学習指導要領に従っていると、ろくなことにならないのではないかと思っております。例えば東京の学校でも、東京の都立学校でも、これは公立ですから文部科学省の指導要領に従って学習レベルをどんどん下げていったために、学力低下を招いて、結果、学校が荒れる、あるいは非行、犯罪が多発という現象を招いています。一方、有名私立と言われるところは、文部科学省の学習指導要領は歯牙にもかけないといいますか、レベルの高い学習指導内容を保持していって、結果、今どうなっているかといいますと、お受験といったような異常とも思えるような状況が出ているわけです。
 ですから、学習指導要領を策定されたからといって、未履修ということはあれですけれども、ただ、あれも、実を言うと、個々に見ますと文部科学省の必履修科目の中にはおかしなところがいっぱいあるんですよね。ですから、未履修はともかく、過履修はしたって文句は出ないかと思います。ですから、やるからにはそういう徹底したやり方、お茶を濁すようなやり方ではなくて、しっかり結果が出て、他県の模範になるような取り組みにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。教育長、御所見を伺います。
〇照井教育長 小学校からの英語教育については、さまざまな議論があることは十分承知いたしてございます。本県の場合、英語というのが課題になっているということは再三申し上げているところでございますが、昨年、岩手県学力向上プランというのを策定いたしまして、そのプランに基づいて、今さまざまなそうした学力向上施策を展開しているところですが、その中に、各科目ごとに、小学校、中学校、高校をどううまくつなげていくかというのを掲げてございまして、先ほど課長から答弁申し上げましたように、小学校では、やはりまず聞くこととか話すことを中心とした、まさに英語になれ親しむ、ここを特に重点的に進めて、中学校にそこをうまくつなげるようにしているところでございます。
 いずれ、今るる御指摘がございましたけれども、本県では英語教育の小・中・高一貫した指導方針、指導方策をつくりましたので、今後そうした方針に基づいて、小学校から中学校、中学校から高校へ、ここが円滑に、スムーズにつながって英語の学力の向上になるように努めていきたいと考えております。
〇平野ユキ子委員 おっしゃることはわかりますが、結局、教育というのは学力の向上だけではないのですから、学力だけが教育ではないということを当然のこととした上でお話ししているところです。ただ、そういうところはもちろん誤解なさらないでいただきたいと思いますが、学校というのは、本来学び舎としての使命があって、親がやはり子供を学校に入れるときには何を望むかというと、子供たちが知識をつけてほしい、学力を上げてほしいということで学校に上げるわけです。
 先ほど、工藤大輔委員や藤原委員が指摘なさいましたように、経済格差が学力格差に結びつくような状況が出てきている。これは私も申し上げたところでございますけれども、学校教育、特に岩手のような地域では、人材を育成する上で、経済格差が学力格差に結びつかないようにすることが大切であると思います。それがあっての学校ということですから、もとをきちんと押さえていただきたいと思います。御所見があれば、お伺いいたします。
〇安藤教育委員会委員長 今のお説は全くそのとおりだと思います。ただ、午前中にもお話し申し上げましたけれども、教育の本旨については、去る2月16日の委員長演述の中でも申し上げているわけでございますが、確かな学力、それから豊かな心、そして健全な体、これのバランスのとれた民主的な国家社会の形成者を養成するというのが本来の趣旨でございますので、それに役立つものについては、貪欲にいろいろなものを取り入れていくということが必要な姿勢だろうと思います。
 ただ、今お話のように、やるからには、やはり徹底した形でやっていくというのも一つのお考えだと思いますけれども、何しろ学校で使える時間というのは限られているわけでございますので、その中での必要性の高いものと言ったらいいでしょうか、そういうものには当然順番もつきますので、それらを勘案しながら、建設的な取り組みの仕方をしていかなければならないのではないかと思います。
 先ほど課長が申し上げているわけですけれども、1、2年生でやっている内容というのは、歌とかゲームとかごっこ遊びということで、それを通じて、大変表現力が豊かになってきているという話があるわけでございます。本県の子供たちにとっては、そういう部分というのは非常に育成していかなければならない部分だと思いますので、結論的には、やはり総合的に考えながら取り組んでいかなければならない課題だろうと思っております。
〇平野ユキ子委員 これで最後です。
 真摯な御答弁をいただきましてありがとうございます。私も、岩手の子供たちの学力を上げたいと思う者の一人でございます。そして、統一学力テストとか学習定着度テストの結果を見ますと、低学年では断トツにいいんです。ところが、学年が上がるに従って学力が低下するというのをどうとらえるか。これは検証すれば、実は能力はあるということを示しています。もともとの能力はある。途中でそれが伸びなくなるというのはどのようなことを示しているのか、それをよく考えていただきたいと思います。
 岩手の人材育成及び将来のために、教育は本当に大切なものですので、よろしくお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
〇高橋比奈子委員 通告しておりますので、平泉の史跡について簡潔に伺います。
 決算特別委員会でも質問させていただきましたが、国際専門家会議で指摘された史跡地内の鉄塔の現状はどのようになっているでしょうか。今後の方向性も含めてお知らせいただきたいと存じます。
〇中村文化財・世界遺産担当課長 昨年6月、一関市で開催いたしました国際専門家会議の折に指摘されました史跡地内の鉄塔でございますけれども、我々の現状の認識といたしましては、やはり世界遺産の登録の審査において指摘される懸念はあるのではないかという認識を持ってございますけれども、一方、鉄塔は、生活に欠かせない電力を安定供給する設備でもあると考えてございます。
 これまで、この鉄塔の取り扱いにつきましては、地元平泉町や文化庁と協議を続けてまいりましたけれども、現在、事業者である東北電力の方に、移設や埋設といったものが技術的に可能かどうかということを相談申し上げているところでございます。
 今後、このような事業者の考え方をお示しいただきながら、できれば年度内を目途にその方向性を固め、さらに地元の平泉町や文化庁と協議しながら最善の方法を検討してまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋比奈子委員 登録に向けての御努力に敬意を表しながら、イコモスの日本の委員の方の、今答弁いただいたような、当時のままということと、そこに現在の生活者もいるなどということのコメントも、先日新聞でも報道しておりました。ですが、今お話いただいたように、また私も申し上げておりますように、こちらは平泉の要望でもあり、また佐々木一榮議員も12月定例会の一般質問で取り上げており、平泉を世界遺産にと願う人々の思いとこの鉄塔の問題は合致しているとだれもが思っているところと存じます。
 今お話のように、イコモスの現地調査までに方向性をしっかりお示ししていただければということを念じておりますので、ぜひ、もう一度早急に事業者との協議をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇中村文化財・世界遺産担当課長 今、事業者と鋭意交渉を続けているところでございますけれども、今御指摘ございました本年秋に予定されておりますイコモスの現地調査におきましては、この鉄塔についての我々の現状認識と、それから事業者との折衝の状況、今後の取り扱い等を十分御説明申し上げて、御理解いただきたいと考えております。
〇木戸口英司委員 昨日の保健福祉部においても質疑がありました放課後子どもプランにつきまして、状況をお伺いしたいと思います。
 先ほども学力向上の質問の中で、放課後子ども教室のあり方ということで若干触れられたところでありますが、放課後子ども教室推進事業、文部科学省の事業と、厚生労働省による放課後児童健全育成事業、いわゆる放課後児童クラブ、学童クラブの子供の放課後の居場所づくりと、それから先ほど指摘がありました学力向上も含めた教育の場づくりということを教育委員会が主導して、福祉部局との連携のもとで推進していくということ、これが来年度からスタートするということで認識いたしております。
 その中で、原則全小学校に設置していくものということの目標が立てられているわけでありますが、この中で、国、県、市町村が事業費を3分の1ずつということでさまざまな事業費も発生することから、いろいろ厳しい部分もあるということで、さまざまな状況をまずお聞きしてみたいと思います。
 地域子ども教室ということで、これまで国の全額補助ということで、試験的にと言っていいのでしょうか、04年から本年度まで進められてきた事業でありますが、本県におきますこの設置数、全体の数から、その割合的なところもお聞きしたいのです。あと、小学校の施設を使った場合と外部の施設を使った場合と、それぞれ学校によっていろいろあるようでありますけれども、これの状況、設置数。あと、現状の中で放課後児童クラブや児童館等も含め、これが未設置であり、またこの地域子ども教室の取り組みもまだされていない小学校が全県的にあるのか、あるとすればどの程度あるのか、その点を確認させていただきます。
 また、これまでの取り組みの中で、どの程度設置の日数、開催の日数、平均的なところで結構ですけれども、また地域子ども教室の行われてきた主な内容、そのスタッフといいますか、ボランティアが中心だろうと思うんですが、どういう方々が担い手としてかかわってこられたのか、また、その利用した生徒数の平均的な状況について。また、これまでこの地域子ども教室は全額国の補助ということでありますが、どの程度の事業費がかけられてきたものなのか。これから展開していく上で一つの指針になるだろうと思いますので、その点をまず確認させていただきたいと思います。
〇齋藤生涯学習文化課総括課長 平成16年度から本年度まで行ってまいりました地域子ども教室の状況について、幾つか御質問がございました。
 まず、設置数でございますけれども、県内全435小学校区中109校区、25%において実施しております。一つの校区で複数実施しているところもございますので、計112教室ということでございます。
 それから、場所でございますけれども、小学校内への設置が59教室、小学校外、公民館ですとか児童館ですが53教室で実施しております。
 それから、子ども教室、放課後児童クラブ、児童館等も含めた未設置の数でございますけれども、これは平成18年度189校区、43.4%となってございます。
 それから、平均の開催日数でございますが、平成18年度当初の計画でございますけれども、106日ということになってございます。
 それから、主な活動内容といたしましては、異なる年齢の子供たちの仲間とのさまざまな体験活動や自由遊び、自主的な活動、昔遊びなど、各教室において工夫して実施しているところでございます。読み聞かせですとか、昔のおもちゃづくりですとか、おやつづくりですとか、伝承遊び、ドッヂボール、バドミントン、そういったものが活動内容として挙げられてございます。
 それから、スタッフでございますけれども、各教室に安全管理員、これは参加児童の安全を確保するためのさまざまな分野の指導者でございますけれども、この安全管理員を配置しておりますほか、地域のボランティアの方々にも参加いただいているところでございます。
 それから、総利用者数でございますけれども、平成18年度当初計画によりますと大体20万7、000人ということで、1教室1回当たりの参加者数は約17人ということになってございます。
 それから、総事業費でございますけれども、地域子ども教室に係る部分につきましては約4、800万円という状況でございます。
〇木戸口英司委員 かなりな参加があるようであります。今議会に放課後児童クラブの拡充を求める請願、これは環境福祉委員会、保健福祉部ということでありますが、これはここ数年、毎年出されていると記憶しております。それだけやはり今、子供の居場所づくりというものが大変課題であること、これは教育委員会でもそういう認識であろうと思いますし、それをこの放課後子ども教室との連携で補っていこうという部分は大きいんだろうと思いますが、当然、役割の違いというものはあるんだろうと思います。
 そういうことで、ことしから、来年度いよいよ始まるわけでありますけれども、その中で放課後子ども教室の事業ですが、市町村で計画を立てて、そして県と国の事業費を入れてということでありますが、市町村からの設置要望数、それからそれに伴う事業費、そして今回予算計上されているわけですが、決定した事業費等の関係、これは新聞報道でもあったわけですが、県の予算組みの厳しさから市町村の要望がそのとおり通らなかったという報道があったわけであります。このあたりのかかわりを、また箇所数につきましても確認させていただきたいと思います。
 また、開催予定日など、市町村が要望するものになかなかそぐわなかったのではないかという部分もあるわけでありますが、この辺、各市町村からの要望をある意味選定していく部分で、またその判断基準となったものが何かあるのか、その辺も確認させていただきたいと思います。
 また、今いろいろ内容についてもあったわけでありますけれども、先ほど、学力向上という部分でも若干触れられたようでありますが、こういった視点の取組内容というものがこれから展開される予定はあるのかどうか。あと、それに対する指導員、ボランティアの状況について、この辺も来年度の取り組みとして確認させていただきたいと思います。
 また、この放課後子どもプランにつきましては、市町村でそのプランを策定するということでありますけれども、現状の策定の状況、また市町村では運営委員会を設置するということになっておりますが、この状況等についてはいかがかと。また、県においては推進委員会を立ち上げるということになっておりますが、この現状についてお伺いしたいと思います。
 また、各小学校区にコーディネーターを配置していくと、これがまた市町村の運営委員会と共同して事業を推進していくということだろうと思うんですが、この配置状況についてお伺いしたいと思います。
〇齋藤生涯学習文化課総括課長 来年度より行われます放課後子どもプランのうち、文部科学省教育委員会サイドで実行いたします放課後子ども教室の関係でお答え申し上げます。
 県教育委員会におきまして予算要求の調整をしてまいりましたが、その過程において市町村の設置要望数を確認してきたところでございます。2月13日時点でございますけれども、その段階では23の市町村で129教室、総事業費にいたしますと約9、400万円、こういった要望がございました。
 そういう状況をもちましていろいろと予算を調整してまいったところでございますけれども、厳しい財政状況ということをお伝えして調整した結果、現在におきましては、あくまで現時点でございますが、22の市町村で計119教室、総事業費にして約4、300万円の予定をしているところでございます。
 厳しい財政状況のもとで市町村の希望に十分沿う形での予算の確保というのは難しかったわけでございますけれども、市町村に対しましては、放課後の子供たちの安全・安心な居場所の確保、あるいは地域の方々に参画いただいてさまざまな体験活動、学習活動を行う居場所づくりというこの事業の意義、重要性にかんがみまして、県教育委員会といたしましては、実施主体であります市町村に対して、事業の内容、それから内容の工夫、例えばですけれども、事務局的な経費であります運営委員会がございますが、これに係る経費の削減、あるいは安全管理員、学習アドバイザーに、なるべくボランティアの方々に御協力をいただくといった工夫によりまして、何とか教室の数を減らさないように実施していただくようお願いしているところでございます。
 それから、学びの視点ということでございますけれども、経済的な理由で塾に通えない、そういった子供たちに対する学びの場という目的もこの放課後子ども教室にはございます。したがいまして、スタッフの中に学習アドバイザーの配置を予定してございます。具体的には、教職を目指す大学生、あるいは退職教員、社会教育団体の関係者等々、こういった方に御協力いただくようお願いしているところでございます。
 それから、実施する市町村が策定する放課後子どもプラン、事業計画でございますけれども、今後、各市町村で運営委員会を設置いたしまして、そこで検討の上、策定される予定でございます。実際の策定状況につきましては、年度明けになるものと考えてございます。
 同じく、市町村に運営委員会を設置することとしておりますけれども、これも、先ほど申し上げましたように、プランの策定、それから活動内容、ボランティアの確保等を検討するための委員会でございます。設置の時期は年度明けということでございます。
 それから、県におきましても推進委員会を、これは実施主体であります市町村で円滑な取り組みが図られるよう設置するものでございます。県におきます放課後対策事業の実施の方針、安全管理方策、広報活動方策、指導者研修等、こういった企画、県内放課後対策の総合的なあり方を検討するものでございますけれども、これにつきましても、実際に設置されるのは年度明けということを予定しております。
 それから、コーディネーターの配置でございますけれども、各放課後子ども教室の円滑な実施、あるいは放課後児童クラブとの円滑な連携を促すためのコーディネーターにつきまして、国におきましては全小学校区配置を目標としてございます。県におきましては、平成19年度、来年度は1校当たり平均0.36人の配置を予定しているところでございますけれども、このコーディネーターには、生涯学習インストラクター、あるいは民生委員・児童委員等、地域に根差した活動をされている方を想定しているところでございます。
〇木戸口英司委員 わかりました。いずれ財政が厳しい折ということで、市町村の要望に一部こたえられないものがあったということでありますが、そこを踏まえて、今後の県の考え方、取り組みということを何点か確認してみたいと思います。
 先ほど申し上げましたとおり、この放課後子どもプランの中で、放課後子ども教室と放課後児童クラブということが連携をとりながらということでありますが、いずれ役割の違いということは、先ほど私も触れさせていただきました。そういう中で、やはり各小学校区に両方そろった形が一番望ましいんだろうと思いますが、なかなか一回にはいかない。先ほど、両方ないところがまだ43%と。これが改善されていく方向ではあろうと思うんですが、これを徐々に解決していくということ、これをどちらかずつでもつくっていくという方向性もあるんだろうと思います。
 そういう中で、県教委として、この放課後学童クラブのあり方というと保健福祉部になるわけですが、教育行政をつかさどる教育委員会としての学童クラブのとらえ方を踏まえて、この連携という観点、そして同プランをどうこれから県教育委員会の中で方向づけていくかということ、まず基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
 また、今、市町村ももちろんそれぞれの事業に事業費が発生するということもあるわけですが、やはり各父兄の方々やら学校現場からのいろいろな要望の声もあるんだろうと思います。そういう意味で、市町村の意向、利用者の意向を現状どのようにとらえておられるのか、また今後どのようにそれを聴取されていくお考えか、この取り組みについてお聞きしたいと思います。
 また、当然予算の厳しさということはあるわけでありますけれども、今後、やはりこれに取り組んでいく上で、予算額を確保していくということも大事であろうと思います。先ほど課長がおっしゃられたとおり、基本的に学校の施設や公民館の施設、これは放課後子ども教室の方でありますけれども、そういった施設を利用していくということであれば、お金をかけないということも大きなこの施策の方向性だろうと思っております。こういった観点で、これから県教委としてこの目標に向けてどういう考え方に立っていくかお聞きします。
 また、当然これは、先ほどコーディネーターやら、ボランティアやらということで、市町村が一義的に取り組むものであろうと思いますけれども、市町村だけではなかなか取り組み得ないものだと思います。そういう意味で、このマンパワーの拡充、それからスキルアップということ、この辺を県教委としてどのように考えていくか、ここをお聞かせください。
〇齋藤生涯学習文化課総括課長 放課後子どもプランの今後の方向性についてということでございますけれども、いわゆるすべての子供の対象事業であります放課後子ども教室と、それからいわゆる放課後児童対策事業であります放課後児童クラブ、これは、両者ともに放課後の児童対策として重要な事業と考えております。これまで別々に行われてきたところでございますけれども、今後、連携協力を図ることによりまして、さまざまな交流によって、参加する子供たちの充実感が増すなど、多くの相乗効果が期待されるところでございます。
 県教育委員会といたしましては、保健福祉部と連携を図りながら、当面は、原則として全小学校区において、放課後子ども教室、児童クラブ、児童館、児童センターなどのいずれかの公的な居場所を設置することを目指してまいりたいと考えておりますし、将来的には、各小学校区におきまして、放課後児童も含めたすべての子供たちに安全・安心な居場所が確保されるよう支援していきたい、努力していきたいと考えております。
 それから、市町村あるいは利用者の方の意向の反映ということでございますけれども、県といたしましては、これまでさまざまな機会、本年度も実際に地域子ども教室をやっているところもございますが、その利用者等、さまざまな意見を聞きながら、また意向を把握しながら予算調整をしてきたところでございます。今後におきましても、住民のニーズ、あるいは市町村等の意向を随時把握しながら、実施に向けて努力していきたいと考えております。
 それから、予算の確保ということでございますけれども、厳しい財政状況というのも一方でございます。さまざまな工夫により、何とかできるだけ多くのところで居場所を確保できるよう努力してまいりたい、支援していきたいと考えておりますし、今後とも、各市町村と連携を図りながら、各小学校区それぞれの実情に合わせて、さまざまな工夫を凝らしながら子供の安全・安心な居場所を確保できるよう努力していきたいと考えております。
 それから、マンパワーの拡充、スキルアップということでございますけれども、この子ども教室は、当然のことながら、地域のボランティアの方々の協力を得ながら、さまざまな体験・交流活動、学習活動を実施しているものでございます。その過程で、多くの地域の住民の方々が子供たちと触れ合うことによりまして、いわゆる地域の教育力といったものも向上していくと考えてございます。こういったことから、PTA、婦人団体、老人クラブ、あるいは各企業等々、さまざまな地域の方々から協力が得られるようこの事業の周知に努めていきたいと思っておりますし、今後設置いたします県の推進委員会が行います指導者合同研修会といった場を通じまして、教室にかかわる安全管理員等、指導者のスキルアップを図ってまいりたいと考えております。
〇木戸口英司委員 わかりました。いずれこれから始まる新たな取り組みということでありますので、居場所づくり、学力向上、また子供の安心・安全、子育て支援、まず大きく連携される施策であろうと思います。県の取り組みを期待するところでありますが、教育長、改めてこの事業、これから県の役割、また市町村の役割、この連携のあり方、教育委員会と保健福祉部の連携、役割分担、こういう観点で今後の取り組みについてお聞きして、終わりたいと思います。
〇照井教育長 やはり子供たちが社会の中で心豊かに、健やかにはぐくまれる環境づくりということが大変大事であると考えています。そういうことで、この子供たちの安全・安心な居場所づくりというものを、ただいまありましたように、市町村、それから県の方で言えば保健福祉部と十分この辺、連携協力しながら、確保して、岩手のすべての子供たちがこうした居場所で、今申し上げたように健やかに育っていくよう支援してまいりたいと考えております。
〇中平均委員 私からも2点お聞かせ願いたいと思います。
 最初の方でも出ていますけれども、改めてお聞きしますが、児童生徒健全育成推進費の中のカウンセラーの件について、通告していますが、お聞かせ願いたいと思います。
 従前、このスクールカウンセラー配置事業ということでは90校90人の配置ということで、これは継続ということで、以前いただいた資料でいうと平成18年とほとんど同じ配置かと。そして、今回新規事業ということで、小学校の方で55校70人という配置と高校のカウンセラー配置5人ということで、これは新規の事業で来ていますが、この中学校は今までずっとやってきて、改めて聞きますが、今回小学校、また高校というところに関してカウンセラーを配置していくということについて、例えばいろいろな地域、各小学校、高校からさまざまやっていたと思うんですが、それをあえて今回予算化してやっていくという、そういうふうに至った経緯を改めてお聞かせ願いたいと思います。
〇佐藤学校企画担当課長 カウンセラーの配置につきましては、今まで中学校へ配置するという国の補助事業でやってきたところでございます。しかしながら、全部の中学校に配置できないというような状況もありまして、そこについては、学校の状況を見ながら配置してきたというのが現状でございます。
 一方、高校につきましては、県の単独事業で今回予算化をお願いしているところでございまして、高校についても、さまざまな問題行動を起こす生徒の相談ということで、外部のカウンセラーといったものをぜひ置いてほしいというニーズが強く出されておりまして、中にはPTA費などを使って配置しているところもあるように聞いております。
 そういったことを踏まえまして、高校について、5カ所に全域拠点校を置きまして、そこの箇所から、そこの地域のニーズに応じて学校に配置、あるいは訪問していただくという形態をとりたいと考えているところでございます。
 なお、小学校につきましては、中学校に配置した中で、ある程度小学校で要請があれば、柔軟に、要請を受けて中学校からカウンセラーが行くという体制をこれまでもとってまいりましたので、それを引き続き続けてまいりたいと考えております。
〇中平均委員 そうすると、国の補助で90校90人の事業をやってきていて、今回、県の単独事業で高校のカウンセラーの分と、この55校70人の分も県の単独事業ということなんでしょうか。一応、確認させてください。
 その上で、こちらの90人と70人に対して、どっちも中学校学区を基本に置くという説明でしたので、そうすれば全県的に、今のところ160人で小学校、中学校をカバーしていくという、大まかに考えればそういう考え方でいいのかという点、これが2点目。
 あと、高校の拠点校5校といいますけれども、これはどういう感じで、具体的に、どの辺に、地域割をするというのがもう決まっているのであれば、そこもお知らせください。
〇佐藤学校企画担当課長 まず最初の、中学校に配置して小学校の方にも訪問するというものにつきましては、適応支援相談員ということにしておりまして、スクールカウンセラーというのは、臨床心理士の資格を持った方を任用して相談を受けるという相談体制でございますが、この適応支援相談員というものにつきましては、そういう資格はなくて、例えば教員OBでありますとか、教育相談の経験のある方々をお願いしまして、特にスクールカウンセラーだけでは対応できないような学校について、その相談員の経験を生かして相談業務に当たってもらおうという考え方でございます。したがいまして、スクールカウンセラーといたしましては、中学校に90校、それから高校に5人というような形でございまして、相談員の方は、70人につきましては、スクールカウンセラーの資格とは別の方々をお願いする予定でございます。
 また、高校についての配置につきましては、この予算が決まった段階で、早速高校を決めていきたいと思っておりますが、全県バランスを考えて、どこからでも対応できるような場所ということで、幅広く全県をカバーできるような場所を選定してまいりたいと考えております。
〇中平均委員 わかりました。小、中、高と全部にそういうふうに配置していくことによって、今さまざまな問題になっていることに少しでも進展といいますか、対応していくということで、事業としても、今回、特に高校とか、地元の要望があったところを新たに県の単独事業で予算化して進めていったということは、非常に価値のあることかと考えていました。
 その中で、そこまで行った中で質問しづらいところもあるんですけれども、今お話があった、例えば高校で、PTA会費からカウンセラーを頼んで、週2回何時間と呼んでいる高校があるというお話でしたが、どうなんでしょうか。今、例えばそれが全県下の高校の中でどれくらいあるとか、そういう数字とかもわかっているのであれば、ちょっとお示し願いたいと思ったんですが。
 そして、そういう実態がある中で、やはりこれはやっていかなければならないという予算のつけ方での今回の事業かと思うんですが、今回この5校、5人のカウンセラーを高校の方に配置していったとして、それで、例えばPTA会費から負担している学校がどれぐらい減るような感じとか、そういうところまで計算とかはもう終わっていたんでしょうか。その点、わかっていればお知らせ願いたい。
〇佐藤学校企画担当課長 PTA会費等でスクールカウンセラーを配置している学校数でございますが、これは、調査時点が9月ごろだったものですから、ちょっと数字が動いているかもしれませんが、28校ということで、3分の1ぐらいと把握しております。
 ただ、その配置については、月1回であったり、2カ月に1回であったりと必ずしも一致していないという状況でございます。そういったことから、今回配置します高校のカウンセラーにつきましては、PTAで配置している状況も勘案しながら、あとは、配置していない高校を優先的にやるというような選定基準を設けまして対応してまいりたいと考えております。
〇中平均委員 わかりました。28校、PTA会費とかそういう形で、県の予算とは別枠で、親御さんたちがお金を出してお願いしていたという形だったんだと思います。
 そして、今回選定の基準をつくるということでございますけれども、恐らくやっていく中で、濃い地域と薄い地域とか、各高校に不公平感が出ないように当然やると思うんですが、その点を踏まえていっていただきたいというのと、やはり実質やってみて、5人で地域割りをしてやるということになると、実態は、やってみれば多い少ない、もっと本当はあった方がいいんじゃないかとか、やっても結局そっちでは足りないからPTA会費をまた入れて、今まで1週間に2回だったのを1週間に1回にするとかという高校も出てくるのかなと。それは地域なり学校事情はあると思うんですが、そこら辺を勘案しながら、今回やっていった上での効果なり検証というのをきちんと踏まえていきながら、今後のものに持っていくことが必要じゃないかと思いますが、その点を踏まえて今後も、高校に限らず、今回小学校の方もそうだと思うんですけれども、実際の相談件数なり何なりというのを踏まえていった形での途中でのまた見直しの仕方とかあると思いますので、その点は続けてやっていただきたいと、そのように思います。
 これは終わりまして、次に、今度高校再編整備事業についてということでお伺いしたいんですが、今回何校か資料をいただいていまして、先ほどの説明でもありましたけれども、新規着手というところもあって、これは改築だと聞いていたんですけれども、その中で改築の高校もあれば本当に新しくつくる高校というのも今まであったと思うんですが、何というんでしょう、私もいろいろ見させてもらって疑問に思うのは、新しく高校ができましたと。そして、次の年には今度は再編計画で1クラス減ですよとか、そういうアンバランスな動き方がある。それだったら最初からクラスを減らしてつくれば安く上がったんじゃないのかなとか。あと、今経費削減ということで、例えば廊下の電気は全部消しますよとか、各高校もやっているんですけれども、それを見ていると、じゃ、何で設計の段階でもっと廊下とかに自然の光が入るような設計を、特に施工なりをできないのかなと。つくってしまってからランニングコストがかかるので、それを減らすようにして、つくってしまってから人が来て感知する例えば電灯をつけるとか、そういうことが往々にして、これは学校に限らずあるとは思うんですけれども、そういった点についてつくる、例えば改築していくということと、その先に来るランニングコストなり、学校自体のクラスをふやしたり減らしたりという中での関連性をどう考えてやっているのかという点をお聞かせください。
〇藤原高校改革担当課長 高校の学校規模、すなわち学級数の決定につきましては、各ブロックごとに中学校の卒業予定者、あるいは高校の志願動向、各高校の定員充足状況等を勘案しながら調整してきているところでございます。しかしながら、特にも校舎の改築に当たっては大変重要な問題でありますので、将来の状況をも十分見越して検討し、慎重に計画を策定してきているところでございます。
〇佐野学校施設担当課長 学校建設の設計に当たりまして、先ほど委員御指摘のようなランニングコストの面につきましては、インハウスといいますか、組織内におけるVE─バリュー・エンジニアリングの検討などを行いまして、できるだけ機能品質の向上ですとか、建物の長寿命化あるいは環境に対する負荷の軽減、あわせて先ほどお話のあった省エネのような観点も踏まえまして、いろいろな配慮をしているところでございまして、今後とも、そういった観点で進めてまいりたいと考えております。
〇中平均委員 わかりました。本当に気をつけてやっているんだとは思うんです、いろいろ考えて。ただ、実際に終わってみれば、非常にむだなことをもう一回やらなければならないということがあって、しかも高校は順次整備計画でやっていると思うんですよね、耐用年数が来たら建てかえる、建てかえると。そう言っている中で、何で同じ問題みたいなのが発生するのかというのが問題だと私考えますので、その点に関してもっとこれからやっていく中で、もうこういう失敗を繰り返さないような方針を持っていってやるべきだと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
〇藤原高校改革担当課長 御指摘のとおりと存じます。
 後期計画がスタートいたしました平成16年を基点としますと、5年後の21年には10%、さらに5年後には18%と大幅な生徒減、こういったことがありますので、自然に生徒数は減っていき、また、学級数も減っていくということはございます。しかしながら、その後、統合によってまた学級数が満たされるという事態も想定されることでございますので、その辺も含めて長期的なスパンで計画を進めてきておりますし、また、今後も進めてまいりたいと考えております。
〇中平均委員 まず、本当に今までやってきたと、そう言わざるを得ない立場だとは思うんですけれども、実際は、そういうむだなことが重ねてになりますけれどもありますので、本当に統合する、本当に統合がいいのか、そういう別の問題もありますけれども、生徒数は出生率とかでもうわかっているわけですよね、地域の。そういった中で、どうしてできてすぐに募集が1クラス減になってしまうのか、そういう整備計画というか再編計画自体がおかしいのか、それとも学校を整備する計画を変えられないままいってしまっているものなのかと、非常に疑問を感じるわけですよ。そういった点を踏まえて、これからのこの厳しい財政と言っている中でやっていかなければならないのかなと思いますので、その点は重ねて強く意見を言わせていただきまして、私からの質問とさせていただきます。
〇小野寺好委員 学校建設費について、関連して伺います。
 業者さんとの建設請負契約において、完成に向けた履行保証はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。場合によっては、工事費が多い、少ないとか、建設内容によってそういったものまで担保させないものかどうか、その辺伺いたいと思います。
〇佐野学校施設担当課長 工事における契約の履行保証についてですけれども、契約に当たりましては、通常、入札によりまして落札者が決定した際に、落札者に対して、五つのパターンの中から一つ、必ず出していただくという形でお願いしております。
 一つは、契約保証金という形で、契約金額の10%相当を納めていただく。二つ目は、契約保証金にかわる担保となる有価証券類を出していただく。三つ目としては、債務不履行による損害金の支払いを保証する金融機関等の保証に係る保証書を出していただく。四つ目は、債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証をしていただく。五つ目は、債務の不履行により生ずる損害をてん補する履行保証保険契約を出していただくということで、この五つの中のどれかによって、履行保証あるいは損害の保証をしていただくという形にしております。
〇小野寺好委員 具体的にお伺いします。
 契約に当たってはきちっとした業者さんであるかどうか、ちゃんと調べているかとは思うんですが、盛岡二高について、校地整備かと思うんですけれども、途中でストップしてしまっていると。県教委に聞きましたら、請け負った会社が破綻してしまったからどうにもなりませんよと、そういった回答だったんですが、そんなことでいいのかということを感じましたので、その辺どうなっているのかお聞きしたいと思います。
〇佐野学校施設担当課長 盛岡第二高等学校のグラウンド整備工事でございますが、当初は平成18年度予算をいただきまして、18年の8月から本年3月までの工期で工事を進めていたところでございますが、請負業者が10月3日でしたけれども、人員整理に入ったということで破綻したということでございます。その時点で、建設工事ができなくなったという履行不能届を受理しております。これに伴いまして、契約を解除したところでございますが、これにつきましては、5、300万円ほどの工事費でございましたが、4割の前払いとして2、100万円を前払いしておりました。これにつきまして、前払いの契約保証会社、東日本建設業保証株式会社というところから、出来形相当を除く部分の返還をいただいております。前払い金はそれで整理しております。さらに、契約解除に伴います違約金、これにつきましても保証会社から保証をいただいております。
 それから、前払い金に係る返還利息についても保証会社からいただいております。合わせて、違約金の一部ですけれども、破綻した当該会社が県営建設工事、ほかの現場を持っておりましたので、そちらの方の出来形相当と一部相殺したという形のところもございます。これによりまして、県には一切、損害のない形で処理されております。
 なお、この工事につきましては、10月に中断したわけですけれども、これから冬に入るということで、工事の続行が年度内にはなかなかかわりの業者を見つけるということが困難であろうということで、その時点で中断しておりまして、先般、2月補正予算をいただきまして、それで債務負担行為という形でゼロ県債、18年度ゼロで19年度にすぐ工事にかかれる手はずを整えて、今契約手続を進めておるというところでございます。
〇小野寺好委員 金銭的には損害はなかったというお話ですけれども、実際に利用者に支障を来たさないような、そういった速やかな対応ができなかったものなのか、いかがでしょうか。
〇佐野学校施設担当課長 先ほど申し上げましたように、冬にかかるという工事でして、ことしは非常に暖冬で結果としてはよかったわけですけれども、そういったこともあるということも踏まえまして、年度内にかわりの業者を選定してもすぐには工事にかかれないということもありまして、春から速やかに着工できるようにしようということで、進めているものございます。
〇斉藤信委員 私、35人学級の取り組みの成果についてできるだけ具体的にお聞きしたい。35人学級の取り組みが成果を上げていると、こういう答弁がありました。来年度は2年生まで拡充されると、これは歓迎したいと思いますが、いいものならもっと全学年に進めるべきだと、こういう立場で、今年度実施した学校の校長、教員の評価は具体的にどうなっているか。
 二つ目に、先ほど嵯峨委員の質問に対して、68人の教員を来年度確保するんだと、5億8、000万円だと。私、定員の中でこれ対応するんだと思うんですよ。だから、新たな財源措置はないものと思っていますが、いかがでしょうか。
 三つ目、今、県教委は3年以降は少人数指導、習熟度別指導をやるんだと。しかし、習熟度別指導というのは、できる子、できない子を分けて教育を進めるやり方で、教育格差を拡大、固定化させる。子供たちの心を踏みにじる、私は大変重大な問題を持っているんだと思うんですね。こういうものは見直すべきではないでしょうか。
 学びフェストで来年度、教育委員会はさまざまな学力向上の目標などを数値化してやろうとしていますが、この数値化というのは教育に市場原理主義を持ち込むものですよ。教育に本来なじまないものです。わずかな、一部の目標を掲げたらそれが学校全体の中心的な課題になって、本来、子供の人格形成を目指す教育がゆがめられると、こういうものは私はやってはならないと思いますが、いかがでしょうか。
〇熊谷小中学校人事担当課長 35人学級の具体的な評価についてでございますが、総合教育センターが実施いたしました少人数学級実施校のアンケート結果によりますと、すべての学校で、学習、生活の両面において指導の効果が上がっていると回答をいただいております。
 具体的には、学習面においては、個別指導のための時間がふえているとか、それから集中して授業を受けるようになったという効果、それから生活面においては、落ちついた学校生活を送ることができるようになった、教師の児童理解が図られるようになってきたなど、成果が挙げられているところであります。
 二つ目の財源措置でございますが、これは給与費の中、つまり、国からの標準法定数の中におさまっておりますので、新たな財源措置ということではございません。
 それから、3点目でありますが、少人数指導をやっているわけですが、いわゆる習熟度別であるとかチームティーチングを、複数の教員が指導に当たっております。つまり、一人一人の児童生徒の状況に応じた指導を可能にしていると。1人の教員が指導する一斉指導に比べて、きめ細かに指導ができると考えております。習熟度別について、グループ編成については、子供たち自身が学習コースを選択するなど、子供たちの意向を生かすように配慮して指導をしており、自分に合った速度で学習が進められることから、学習意欲にもつながっていると報告をいただいております。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 学びフェストについてでございますけれども、学校では、知育、徳育、体育の面におきまして、さまざまな目標を掲げて教育活動を展開しております。それらの目標をさらに具体化いたしまして、例えば九九を唱えることができるようになる、あるいは25メートルをどんな泳法でもいいから泳ぎ切ることができるようになる、あるいは校内だけでなく、どこにおいてもあいさつをきちんとできるようになる、あるいは朝ごはんを必ず食べてくるなど、それぞれの学校の実態に合った目標を立てまして、児童生徒、保護者、教職員がそれらの目標を共有し、そして一体となって取り組むとともに、教師側では、これらの目標が達成できたかどうかの判断基準となる数値を目標の中に合わせて取り入れるということが学びフェストと考えております。したがいまして、学びフェストで設定される具体的な達成目標につきましては、児童生徒の実態を踏まえ、各学級及び各学校におきまして、最低限どのようなことを身につけさせるかということを設定するものでございます。また、数値目標の達成のみをねらいとするものではなく、目標に向けた具体的な取り組みと、その取り組み過程を重視するものでございます。
 このようなことから、各学校及び学級においては、一人一人の取組状況などに焦点を当てた指導が行われると考えておりますので、一人一人に行き届いた教育が実施されるものと考えております。
〇斉藤信委員 これで私終わりますが、最後に、教育長にお伺いしたい。
 今、私、35人学級の成果をお聞きしました。学習面でも生活でも、すばらしい成果が上がっていると。例えば学力の問題で言いますと、校長先生が、児童の学力が向上しているというのは91%ですよ。いわば、これだけ成果がやってみてはっきりしたら、小学校全学年に拡充して当たり前じゃないでしょうか。小学校3年生以降は、少人数指導の方が効果的だなんていうのは、極めて恣意的なあなた方の考え方ですよ。実際に35人学級なんて、こういう成果が明らかになっているわけだから、これを全学年に拡充すべきだと。
 習熟度別の問題で、フィンランドがPISAの教育で世界一です。70年代に習熟度別をやめたのですよ。そして、少人数学級と学び合いの教育で世界一の学力を達成したんですね。今、国内では愛知県の犬山市がこの学び合い、少人数学級の教育をやってすばらしい成果を上げていますよ。私はそういう点では、この少人数学級、まだ1年生だけれども、こういう成果が明らかになっているんだとすれば、国内的にもそして国際的にもはっきりしている少人数学級を、岩手でも全学年でやるべきではないでしょうか。
 それと、これは本当の最後なんですが、教育長に、先ほど伊沢委員から新昇給制度の質問がありました。教育長は、今まで教職員の理解を得て進めると言ってきた。しかし、先ほどアンケートが紹介されたように、7割方これに危惧、不安、反対の声がはっきりしている。校長先生の危惧も強いものがありますよ。
 私、教育長が言明した教職員、教育関係者の理解で進めるという、この立場はこれまでどおりですねと、そのことをお聞きしたい。
〇照井教育長 少人数学級でございますが、この点につきましては先ほど御紹介したとおり、小学校の低学年の場合は学習面、生活面でも、そういうことで非常に効果があると。3年生以上といいますか、低学年以外はやはり一人一人の到達度等に応じた指導、つまり、一人一人の状況に応じた指導ができる少人数指導の方が学力向上の面では効果があるということから、まず、小学校の低学年に少人数学級を導入し、そして、3年生以上については、少人数指導というものを中心に据えて学力向上に取り組んでいくということにしております。
 それで、実は私、先ほど教育センターの研究の成果を御紹介したわけですが、2年間にわたって現場の校長先生といろいろ意見交換等をする場がありました。それで、率直にその辺をお聞きしますと、やはり現場にもいろいろ声があるんですが、やっぱり中学年以上はそうしたチームティーチングなり習熟度別のように、複数のそういう目で見る方が、特に学力面では効果があるということを御報告いただいています。したがいまして、まず、当面、今のような考え方で進めていきたいと思います。
 それから2点目、新昇給制度につきましては、先ほどもお話し申し上げましたように、試行の結果を集約しておりますので、これから分析、検証しまして、必要があれば運用方法や内容について改善、見直しを行いまして、その見直した内容をもう一度関係者にお示しして、理解をいただいた上で本格実施できるように努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私はフィンランドの話もした、犬山の話もした。東北でいくと、山形県は小学校全学年、中学校1年生まで少人数学級やっているんですよ。福島県は小中全学年でやっているんですよ。私たちは福島県にも調査に行ったけれども、学力の向上に成果があると言っているんですよ。全学年でやっているところがですよ。
 県の教育委員会2年かけてやったというのは、35人学級実施する前の調査です。分厚い報告書出て、私も全部読みましたけれど、参考文献を見ると、文科省の少人数指導の参考文献ばっかり。最初から文科省の方針に基づいて研究調査をしたんですよ。そして、実際に少人数学級の試行というのは大変少ないんですよ。岩手県やったのはほんの少ししかやっていない。今回は35人学級、1年生ではやったわけですね。30数校の成果が明らかになったわけですよ。東北でも成果が上がっている、犬山でも上がっている、世界でも上がっている少人数学級を、私は岩手だけが3年生以降は少人数指導の方がいいなんていうのはドグマですよ、これ。
 そもそも、少人数指導、習熟度別というのは、国語、算数、英語でしかやっていないんですから。少人数学級というのは、全科目で成果が上がるのですよ。いじめだとか、学力の格差拡大だとか、今深刻な問題が起きているときに、一人一人に行き届いてそして確実に一人一人に学力を向上させる保障は、この少人数学級じゃないでしょうか。そういう点で、改めてこういう全国の成果を、東北の成果をどう見ているのか。2年前にやった調査というのは、あくまでも35人学級実施するためのあなた方の本当にわずかな調査じゃないですか。いかがですか。
〇熊谷小中学校人事担当課長 今、山形県の例も出ましたが、いろいろ議論のあるところではございますが、山形県では今委員御指摘のあったように、小中すべてのところに少人数学級を導入したと。ただ、その後、少人数学級は自主性をはぐくめるのか疑問が残るとして、その効果について今検証が逆に始められたとも聞いております。
 それから、学級の人数を少なくしたとしても、例えば40人を35人にしたとしても、やはりその学級には、その時間内でなかなか1人の、一斉の指導の中ではついていくことが難しいという子供も何人かいるわけです。その40人の学級を35人にしても、やっぱり何人かはいるわけです。そのときに、やっぱり授業として難しい、算数の授業とかで2人の教師がつけば、一斉の指導と、それから、ここ細かく教えてほしいなというときに、2人がいる方がいい場合がある、教科によっては。そういうこともあって、いろいろ検討して、3年生以上は少人数指導がよろしいのではないかという結果といいますか、方向に今なっているところでございます。
〇佐々木一榮委員 平泉の世界遺産に関連してお尋ねしたいと思いますが、まず、現在県内の小中、もしわかれば高等学校もでありますが、修学旅行なり遠足でも結構ですけれども、平泉への訪問件数はどの程度、学校数がわかればお知らせいただきたいと思います。
 それから、世界文化遺産登録を見据えた子供たちの学習機会について、県教育委員会はどういうお考えをお持ちでしょうか。
〇越首席指導主事兼義務教育担当課長 小中学校の平泉への修学旅行、遠足についてでございますが、平成18年度の統計によりますと、小学校で400校修学旅行を実施しているわけですが、そのうち平泉を主な行き先としているのが46校、12%ございます。中学校は、残念ながら95%ぐらいが関東方面ということで、平泉はございません。また、遠足につきましては、県教委として統計はとっておりませんので、御了承願います。
〇中村文化財・世界遺産担当課長 平泉の文化遺産の世界遺産登録に向けた子供たちへの学習機会の提供ということでございますけれども、全く委員御指摘のとおり、世界遺産を守り伝えていくためには、子供たちへの学習機会が何よりも大事だというような認識でございまして、県の教育委員会といたしましては、平成16年度に、平泉の文化遺産の価値を理解してもらう児童生徒向けのビデオを作成いたしまして、これを県内の小中高全校に配布させていただいたところでございます。それから、今年度は児童生徒向けのガイドブックを3万4、000部今作成してございまして、来年度の小学校の5、6年生全員に配布する計画でございます。
 今後とも、世界遺産を将来にわたって守り伝えていくためには、若い世代からの意識啓発が必要であるという観点から、学校教育と連携しながら進めてまいりたいと考えているところございます。
〇佐々木一榮委員 安藤教育委員長にお尋ねしたいと思いますので、よろしく御答弁をお願いします。
 今、世界各地で戦争なり紛争なり、また、学校ではいじめ問題があります。今回の平泉の世界文化遺産登録の最大のテーマは浄土思想、安寧の平和という部分が非常に大きな中心になっていまして、どうしても議論されるのが、観光の発信だとか商工労働観光部、また、ハード面がどう進んでいるとかという議論が多いんですけれども、実際には、その部分に私は光を当てなければだめだと。そういった意味では、今質問させていただいたのは、これからの子供たちの成長過程、人間形成の中で平泉文化のそういった部分、これはやっぱり十分理解してもらう必要があるんじゃないかと私は思っております。
 それで、ぜひ教育委員長のお考えをお伺いしたいと思いますが、市町村の教育委員会と連携して、岩手にこういった思想のすばらしい平和思想の浄土があるんだということを私は子供たちに伝えていく、これは非常に私は大事だと思いますが、今後市町村の教育委員会と連携して、修学旅行なり研修の機会なり、それからお寺の和尚さんに法話をいただくでもいいでしょうし、そういう機会が私は必要だろうと思います。これについてどう思われるか。また、これが今度は子供たちが大人に成長したときに、他県に出て行ったときに、自分たちの生まれ育った岩手にはこういうところがあるんだという、これまた自信につながって私は非常にいい効果を生むんじゃないかというように思いますが、御見解をお伺いしておきます。
〇安藤教育委員会委員長 ただいまの御質問でございますけれども、私も全く同感でございまして、実は私は県のユネスコ協会連盟の会長を務めておりまして、かねて、県民挙げて平泉文化遺産の世界遺産登録には取り組まなければならぬということを、折に触れて申し上げてきている立場でもございます。
 平泉の文化遺産の正式な名称が、平泉―浄土思想を基調とする文化的景観ということに決まったわけでございますね。この浄土思想ということの原点になるのは、これは釈迦に説法なわけですけれども、清衡公の言うなれば非戦、戦を否定する、そういう考え方に基づいて中尊寺というのは建てられていると。したがって、世界遺産に登録をされた暁には、まさに岩手県から非戦の思想を全世界に発信できるという、今の時代に最も日本として大事な使命を果たす機会になるのではないかと、そういうことを期待しておりますので、今お話しいただきましたように、地元はもちろん真剣に取り組んでおりますし、県ももちろんやっているわけでございますので、市町村の教育委員会等にもそういう機会をとらえて、今お話しのあったようなことを岩手県民として考えていってほしいと、協力していってほしいということを、啓蒙というのはちょっと言葉が悪いと思いますので、共感をいただけるように努力をいたしてまいりたいと、こんなふうに思います。
〇佐々木一榮委員 大変ありがとうございました。
 それでは、照井教育長から、現場の部分で、今後の市町村の教育委員会と今の教育委員長の御発言を受けて、どう対応されていくのかお伺いして、質問を終わります。
〇照井教育長 今、委員長からもお答え申し上げましたけれども、岩手の地から世界に向けて平和主義、そういうメッセージを発信するということは本当に大変意義のあることで、歴史的にこの岩手の地で800年前、いろんな戦いがあって、そこに藤原清衡公がそういう浄土をつくるんだと、そしてこうなってきたという、そういったものを社会なりいろんな学校教育の場で子供たちにきちんと教え、そして先ほどもありましたけれども、それが私は子供たちが将来大きくなったときに、まさに岩手県に生まれてよかった、岩手県に育ってよかった、岩手県で学んでよかったという、そういう誇りとまさに自信につながっていくものと思いますので、市町村教育委員会と十分その辺を連携しながら、世界遺産、平泉の歴史、文化について、学校教育の場で指導を徹底してまいりたいと思います。
〇阿部富雄委員 昨年の予算委員会で指摘しておりました恒常的に暴力を伴う指導の是正については、どのように対応し、改善されているのかお伺いをいたします。
 そして、これを事例とした教育現場への指導はどのように行われ、現場ではどういう実践がされているのかお尋ねをします。
 それからもう一つは、県教委が緊急に実施したいじめの電話相談、これについては暴力的指導についての相談も結構寄せられていると聞いておりますけれども、その実態と対応はどのようになされているのかお聞きします。
〇酒井県立学校人事担当課長 前半の方を私がお答えしたいと思います。
 昨年度の予算委員会以後、県教育委員会といたしましては、特に該当の学校に対して、生徒のケアを中心に、生徒が充実した学校生活を送れるように指導してまいりました。その中で、学校現場では、4月と9月でございますけれども、教育相談アンケートというものを行いまして、特に該当の生徒に対して、特に部活動との絡みで退部とか転部とか、それから進路変更した生徒を掌握して、現在の心境─具体的に言えば、学習に専念できているかとか、悩んでいることはないかとか、それから相談したいことはないかなどということを、教育相談を実施いたしました。それで、その中で4月と9月という形ですけれども、その中でどちらも特に該当というか問題がないということで生徒のアンケートをいただいております。ただ、学校では、その中で、本来的に学校で依頼している教育相談員がいるわけですけれども、その方に教育相談のケアをお願いしようとしましたけれども、特に必要性はなかったという報告を受けております。
 それから7月ですけれども、3年生は三者面談─三者面談といいますのは、担任それから保護者、それから生徒です。それから2年生に関しては二者面談、担任と保護者です。その間に、これ2年生、3年生全員行いました結果、特に何ら問題なく充実した学校生活を送っているという報告がなされております。
 県の教育委員会といたしましては、特にいじめの問題がありましたので、10月17日付けで、教育長名でいじめ問題に関する指導の充実という通知を出しまして、教職員の何げない言動が生徒に影響力を与えますので、特にコーチングとかコミュニケーション、これを十分校内研修を行うよう指導を行いました。それから各種の会合、特に校長会議のときには、県の教育委員会の方からも、そういう教職員の何げない言動がいじめにつながる場合もあるということで、いろんな形で指導してまいりました。
 ただ、こういう中で、先ほどのふれあい電話の関係でございますけれども、12月20日、21日、それから26日、3回にわたりまして、部の顧問の行き過ぎた指導に対して、例えば暴言とかそういうものがありまして、そういう行き過ぎたものを改善してほしいという、高校生らしい人からの3件の相談がありました。早速、私らは情報を入手しましてから、該当の高校に校長を通じて調査を依頼し、その結果、該当の教員に関しては学校長が直接、それから、その生徒に対しては他の教諭等が当たって調査した結果、同時並行でやりましたけれども、特に電話であったような該当する事項はないという報告を我々は受けています。ただ、こういうことが起きていますので、こういう電話が来ていますので、我々は今後とも学校現場と連携をとりながら、適切な指導をしてまいりたいと思っています。
〇佐藤学校企画担当課長 いじめ相談電話とふれあい電話の件数でございますが、いじめ相談電話は12月から設置したわけでございますが、合わせて253件の相談がございまして、そのうち、教師による暴力というのは特に統計上とっているわけではないんですが、拾ったところ4件報告されております。いずれの案件につきましても、学校をお聞きしまして、そして教職員課と連携をとりながら、速やかに学校長に連絡し、指導の改善に向けて指導するように依頼しているところでございます。その後、そういった形で、継続してその相談が来るというようなことがないと聞いております。
〇阿部富雄委員 そこで、生徒へのケアは行ったというのはわかりました。その部分だけが強調されまして、問題は、暴力的指導を行ったと思われるそういう教員であるとか、あるいは学校全体の問題としての取り組みについては、私は不十分ではないのかなと今聞いたわけです。
 昨年の予算委員会以降、私は沿岸の高校の方からも相談を受けました。やっぱりこれも暴力的なことです。きょう、そこを取り上げるつもりはありませんけれども、具体的なものを持っていますから言ってもいいんですけれども、まず、そういう実態があるということ。
 それから、先ほど答弁の中では、12月に入って、3回にわたっていじめ電話を活用した暴力的指導の相談あったと、こういうことですから、やっぱり依然として県内の高校の実態というのは、改善されていないと見ていいんじゃないでしょうか。
 確かに、いじめ電話の部分については、学校の方に連絡したけれども、その事実は確認されない。じゃ、何のための電話なんですかね。いや、何というんでしょうね、ただ、相談して受け付けしたというだけなんでしょうか。恐らく中身については、ある程度具体的な中身で私は相談されているものだと思うんですよ。そうであれば、どういう状況かということは、どこの学校でどういう状況が起きているかということは、その電話の内容、相談の内容からして、私は把握できると思うんですよ。そういうことをしなければ、具体的対応をしなければ、何のためにこんなことをやるんですか、電話なんていうのは。やる必要ないでしょう。学校長は、調べたけれども何もありませんでしたと。何ですか、これは。そういうやり方はやっぱり間違っているということですよ。ですから、その辺きちっとまず指導する側、学校側が一体どういう対応をしてきたかということをやってください。
 というのは、私昨年の予算委員会以降、当該校の校長と副校長に、保護者の方から会ってくれと言われましたから会いました。会って話をしたら、学校長、副校長とも、そういう関係書類は一切ありません。引き継ぎもありません。県教委の方からも何も話、指導もありません、こういうことでした。これが実態ですよ。こういう中で、現場で幾ら文書流したって、何ができるんですか。
 私がなぜこのことを今取り上げたかというのは─具体的に私の方から言わせないでくださいよ。言わなくたってわかるでしょう、言っている意味が。そういうことを踏まえて、今までの対応と、これからどういう対応をされていくのか、もう一度お尋ねします。
〇青木教職員課総括課長 相談をいただいたケースにつきましては、高校の場合ですと県立学校、私どもを通じて、県立学校長を通じて実態を調査いたしておりますし、小学校、中学校の場合ですと、教育事務所を通じて、市町村教委を通じて、実態を把握しながら事案の内容をきちんと確認、調査するよう進めているところでございます。その結果、その指導が行き過ぎたもので、それは体罰であるというようなことで認められるというケースもございます。そういったケースにつきましては、私どものこれまでの事例等を踏まえながら、厳正な処分、例えば文書訓告等処分をするという対応をしてきているところでございます。処分については、そういうことでございますし、教職員の普段の指導につきましては、先ほど高校人事担当課長から申し上げましたけれども、指導の充実を図るという観点からの研修の充実はもちろんですけれども、繰り返しますが、コーチングコミュニケーション、いわゆる生徒とのコミュニケーションをきちんととれる、すぐ訴えを受けとめることができる、そういうスキルを向上させる、そういう意味での資質向上に一層努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇阿部富雄委員 私は処分しろなんていうこと、一言も言っていませんからね。そこを誤解しないでくださいよ。そのことを私は求めているんじゃなくて、例えば今答弁されましたけれども、生徒とのコミュニケーションを図るように─図れないからこういう問題が起きているんですよ。何でそこわからないんですか。コミュニケーションが図られていれば、こういう問題なんて起きないんです。そういう状態がないから暴力的な指導が行われているんですよ。ですから、もう一度私は原点に返って、こうした実態について─生徒側のケアをやったということはわかります。わかりますけれども、教える側の先生、教師が、本当にそういう意識改革がなっているのかどうかということですよ。そこをきちっと対応してくださいということを私は言っているんです。どうですか。
〇照井教育長 学校における部活動、これはやはり当然教育活動の一環でございますので、生徒の人間形成に果たす役割は、当然大きいわけです。それで指導する教員、これは生徒の能力、個性、そういうものを引き出して、そして十分持っている力を発揮できるように、そういう立場なわけですが、それが例えば暴力的、そういう行動等をとるということはこれは論外でございまして、昨年の件については、私から後任の校長にしっかりその辺の、去年のそれを踏まえて、部活動に当たる教員を指導するように注意したところです。しかし、今お話のあったようなことが依然としてあるとすれば、私としても再度そこは改めて、特に校長に対して職員の指導の徹底を図るようにしてまいりたいと考えています。
〇阿部富雄委員 教育長ね、あるとすればという仮定の話じゃないんです、あるんです。わからないのは教育委員会だけですよ。現場というか、地域のマスコミなんか皆わかっているんですよ。それがたまたま明らかにされないからこういう問題にならないだけであって、そういう実態があるということをとらえて、そして対応してください。いかがですか。
〇照井教育長 御指摘の点については、厳粛に受けとめ、指導の徹底をしてまいります。
〇亀卦川富夫副委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇亀卦川富夫副委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時50分 休憩
午後3時15分 再開
〇及川幸子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 警察本部長から警察本部関係の説明を求めます。
〇三枝警察本部長 警察本部所管の予算等の御審議をいただくに当たり、警察本部の平成19年度予算編成の基本的な考え方について御説明いたします。
 昨年の県内の治安情勢を顧みますと、犯罪抑止総合対策の推進など、各種の取り組みにより、刑法犯認知件数が毎年減少し続ける中、昨年も前年に比較し10.6%減少するなど、一定の成果を上げたところでございます。しかしながら、治安がよかったと実感された昭和50年代初頭に比べれば依然として高い水準にあり、また、昨年は、一関市や洋野町での強盗殺人事件など、本県ではかつて例を見ない社会を震撼させる凶悪事件が相次いで発生するなど、現下の治安情勢は、極めて憂慮すべき状況にあると認識しております。
 また、交通事故死者数につきましても、昨年は46年ぶりに2けた台にとどまったものの、高齢者の関係する死亡事故が高い水準で推移しているなど、依然として予断を許さない状況にあります。
 このような情勢を踏まえ、警察本部では昨年12月、今後、平成22年度までの4年間を目途に、緊急かつ重点的に取り組むべき各種治安施策を取りまとめた岩手県警察総合治安対策プログラムを策定したところであり、平成19年度当初予算案は、これに掲げる施策の重点的推進を柱に編成しております。
 それでは、予算案の内容について御説明いたします。
 まず、お手元の議案その1の8ページをお開きいただきたいと思います。第1表歳入歳出予算の歳出の表中、警察本部関係の予算は、第9款警察費295億9、817万6、000円であります。これを前年度当初予算と比較いたしますと、金額で1億5、311万9、000円、率にいたしまして0.5%の減ということになっております。
 事業等の内容につきましては、お手元の予算に関する説明書により御説明いたします。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主なものについて簡潔に説明させていただきますので、あらかじめ御了承をお願い申し上げます。
 それでは、予算に関する説明書の192ページをごらんいただきたいと思います。第9款警察費第1項警察管理費第1目公安委員会費でありますが、その内容は、公安委員会の運営に必要な活動経費及び委員報酬であります。第2目警察本部費でありますが、その内容は、岩手県警察の運営に必要な経費であり、警察職員の給料、職員手当、交番相談員、警察安全相談員等の非常勤職員報酬、共済費などの人件費が主なものでございます。193ページをごらんください。第3目装備費でありますが、その内容は、犯罪捜査、災害対策などに的確に対応するための警察装備に必要な経費であり、車両の購入費及び車両・警備船・航空機の維持管理費が主なものであります。第4目警察施設費でありますが、その内容は、治安の基盤をなす警察施設の整備、維持管理に要する経費であります。この中には、老朽・狭隘化が著しい機動隊庁舎を移転するための経費、交番等の建設事業費及び警察署、警察待機宿舎の修繕費などがあります。194ページをお開き願います。第5目運転免許費でありますが、その内容は、自動車運転免許の取得、更新、行政処分などに関する運転免許行政のための経費であります。この中には、道路交通法の一部改正による運転免許種別細分化に係る運転免許証作成システムの改修経費、運転免許証のIC化に係る追記装置導入経費が含まれております。第6目は、恩給及び退職年金費であります。
 195ページをごらんください。第2項警察活動費第1目一般警察活動費でありますが、その内容は、通信指令、警察通信維持費、地域警察活動経費、機動隊活動経費など、警察活動運営に必要な経費が主なものであります。この中には、災害が発生した場合に備えるための東北管区内広域緊急援助隊による総合訓練経費が含まれております。第2目刑事警察費でありますが、その内容は、少年非行防止及び銃器、薬物事犯対策等保安警察に必要な経費並びに犯罪捜査に必要な経費であります。この中には、安全・安心なまちづくり推進事業として、地図による犯罪情報提供システム整備費、スクールサポーター制度の整備事業費及び交番相談員の増員経費などが含まれております。196ページをお開き願います。第3目交通指導取締費でありますが、その内容は、交通指導取締活動、交通安全施設整備など交通警察に必要な経費であります。この中には、違法駐車対策事業としての放置駐車確認事務委託費などが含まれております。交通安全施設整備につきましては、総合的な計画のもと、交通管制区域の拡大整備、交通信号機の改良などを行い、交通事故防止と交通の円滑化を図ってまいります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の議案その1に戻っていただきまして、14ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、警察本部で所管する事業は、38番の機動隊庁舎整備事業の1件であります。これは、機動隊庁舎の移転整備に要する債務であり、工期が翌年度にわたることから、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上御説明申し上げましたとおり、警察本部では、次世代に託せる安心して暮らせる地域社会の実現のため、平成19年度岩手県警察運営重点の基本姿勢を県民のための力強い警察と設定し、さらに活動重点の基本として地域社会と連携した総合的な治安対策の推進を掲げ、地域社会との連携を一層強固なものとして、総合的な治安対策に取り組んでまいる所存でございます。
 続きまして、予算に関連する議案についてでありますが、議案その2の118ページをお開き願います。議案第39号岩手県公安委員会の管理に属する事務手数料条例の一部を改正する条例案について御説明いたします。
 改正内容は、大きく分けて、探偵業の業務の適正化に関する法律の施行に伴うものと道路交通法の一部を改正する法律の施行に伴うものとなっております。
 まず、探偵業の業務の適正化に関する法律の施行に伴うものでございますが、探偵業を営む者が、営業所に掲示することとされた届出証明書の交付等について、新たに手数料を徴収しようとするものであります。
 次に、道路交通法の一部改正の施行に伴うものでございますが、中型自動車免許に係る運転免許試験等について、新たに手数料を徴収するほか、あわせて所要の改正を行おうとするものであります。
 施行期日につきましては、それぞれの法律の施行日に合わせ、探偵業法関係が本年の6月1日、道路交通法関係が同6月2日とするものであります。
 以上、警察本部関係の平成19年度当初予算及び関連議案説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇及川幸子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇平野ユキ子委員 今御説明のございました今議会に出ております議案第39号岩手県公安委員会の管理に属する事務手数料条例の一部を改正する条例案についてお伺いいたします。2点ございますので、2点についてお伺いいたします。
 まず、探偵業法の関係で質問させていただきます。
 この法律は、ただいま御説明がございましたが、昨年6月の国会において議員立法で可決成立したもので、法律制定の背景には、いわゆる探偵業には法規制がなく、悪質な業者と依頼者とのトラブルが続発、増加しているという社会背景があると伺っております。この法律の施行により、探偵業を営む者には公安委員会への届け出が、今御説明のとおり義務づけされたほか、探偵業務の適正化を図るためのさまざまな規定が設けられることになったと聞いております。
 そこでお伺いいたしますが、まず、そもそもこの探偵業とは、探偵業と聞くと何となくイメージとしてはわくのですが、昔の興信所ですとか、ただ、探偵業とは、この法律の中でどのように定義されているのか御説明いただきたいと思います。
 その上で、本県における探偵業者の現在数、そして増加傾向にあるのか。ですから、数年間にわたって現在数をお示しいただければ、近年増加傾向にあるのか、そしてその実態、この法律の制定の背景となった悪質な探偵業者とされる業務の実態をまずお示しください。
〇一ノ渡生活安全部長 いわゆる探偵業法は、本年6月1日に施行される新法であります。
 探偵業務とは、他人の依頼を受け、特定人の行動について情報を面接などの実地の調査により収集し、その結果を依頼者に報告する業務と定義づけられております。
 これまで探偵業は、業としての法的規制がなされていなかったことであり、近年、業者数が急増し、それとともに全国的に料金トラブルや契約に関する苦情、さらには調査対象の秘密を利用した恐喝事件等が増加したことなどを背景として、その業務運営の適正化を図る目的として制定されたものであります。
 次に、県内の探偵業者の実態等についてでありますが、法の施行前で確定数として把握しているものではございませんが、平成18年12月末現在、県内において探偵業者が組織する任意団体については3団体を把握しております。また、その団体に所属している探偵業者は22業者を確認しています。
 このほかに、これらの任意団体に属せず、単独で営業しているものが県内に15業者ほど確認しております。
 増加傾向にあるのかというお尋ねでございますが、現在のところ横ばいではないのかと受けとめております。
 また、県内の探偵業者による探偵業務をめぐる警察安全相談につきましては、平成17年に17件、平成18年には14件を受理しており、その内容は、探偵業者との契約上のトラブルが主な内容となっておりますが、苦情の程度の相談でございます。したがいまして、事件、検挙したものは、現在ございません。
〇平野ユキ子委員 この法律では、公安委員会への届け出が義務づけられているわけですけれども、これに違反した場合の罰則はどのようなものか、そして県警としては、横ばいとおっしゃいましたが、社会的な問題でちょっとトラブルにもなっていたところですので、そういった悪質業者への取り締まりについてどのように対処するのか、その取り締まりの方針などを伺います。
〇一ノ渡生活安全部長 まず最初の、違反行為等の罰則等につきまして御説明申し上げます。
 法では、探偵業の無届け営業違反者は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金となっておりますし、名義貸し禁止違反につきましても、同様の6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。また、重要事項の説明義務違反、これが一番トラブルの原因になるのですが、これにつきましては30万円以下の罰金などが規定されております。
 今後、法の施行に伴いまして、県警といたしましては、探偵業の実態把握に努め、適正な届け出を励行させるなど、関係規定を遵守させる指導を強化する方針でございますし、また、これに伴う違法行為を看過することなく、厳しく対処してまいる方針でございます。
〇平野ユキ子委員 本県では、伺うところによれば、それほど悪質なものはないということでちょっと安心しておりますが、これが探偵業といいますか、昔、興信所と言ったようなところもあるんですけれども、届け出しなくても開業できていたというところを、実は初めて知ってびっくりしたようなところでした。ですから、これからは、何かあった場合は取り締まっていただけるのだなということで、よろしくお願いします。
 次の質問でございますが、この議案の2点目、道路交通法の一部改正に伴う中型免許制度について質問いたします。
 これまで運転免許制度というのは大型と普通と2種類に区分されていたところなので、この区分というのは、積載人員ですとか車両総重量といった形で、あるいは年齢ですとか、そういったところで区分されていたと認識しております。ここに新しく中型が加わることとなったものですが、確認の意味を含めて、この中型免許という新しく加わることになった免許制度の定義、区分などを伺いたいと思います。
〇小川口交通部長 中型免許制度の定義についての質問でございますので、お答えします。
 これまで運転免許の種類は、普通及び大型の2区分であったものを、貨物自動車の事故防止対策として新たに中型免許を加え、普通、中型、大型の3区分とするものであります。中型免許により運転できる車両につきましては、車両総重量5トン以上11トン未満、最大積載量3トン以上6.5トン未満、乗車定員11人以上30人未満の自動車となります。また、中型免許の受験資格につきしては、満20歳以上、普通免許を受けていた期間が2年以上の方が該当になります。
〇平野ユキ子委員 車両の基準ですとか、年齢などのこの中型免許取得の条件が変わるとお知らせいただき、そのように認識したわけですけれども、今は大型と普通になっているわけなので、大型の方は問題ないでしょうが、普通免許のところがちょっと、大型にもダブりますけれども、大型の人はダブっても構わないんだと思いますが、普通免許を現在既に所有している者への対応というのはどうなるんでしょうか。経過措置など。
〇小川口交通部長 現在、普通免許を既に取得、所有している方への対応はどうなるかという御質問でございますが、これまで運転することができた自動車と同じ範囲の自動車を運転することができることとされております。具体的には、現在、普通免許を受けている方にありましては、従来どおり、車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満、乗車定員11人未満の自動車を運転することができます。
〇平野ユキ子委員 そうしますと、既に取っている者についてはこれまでどおりの状況になるということですが、ちょっと細かいですけれども、この制度が導入される日時が今度6月2日と決まったばかりのようなんですが、そのとき免許取得中だった者へはどのような対応になるのでしょうか。
〇小川口交通部長 導入されるときに免許取得中の者はどういう対応になるのかという質問でございますが、施行日であります6月2日を境として、1日までに免許交付を受けた場合にはこれまでの制度が適用され、2日以降に免許交付をされた場合には新しい制度が適用になることになります。
〇平野ユキ子委員 では、現場で混乱が起きないように周知を徹底させる必要があるのではないかと思います。
 あと、今のように変わるとなると、これまでは高校を卒業してすぐに、そういった5トンから11トン未満の積載重量の運送業務には従事できたわけですけれども、これからはできなくなる、あるいは専門学校とか短大などを卒業して免許を取っても、二十歳になっていても、取ってから2年という経過措置を見なければならないようですので、また、やはりすぐに従事できないというデメリットといいますか、雇用する側からもデメリットになるか、あるいは雇われる若者にとっても非常にそういったデメリットのような事態が出来するのではないかと思いますが、その点に対していかがな御見解をお持ちでしょうか。
〇小川口交通部長 高校を卒業してすぐに運送業に従事できない等のデメリットにどう対応するかという御質問でございますが、この中型免許制度が貨物自動車の事故防止という趣旨から導入されたわけでございますので、やむを得ないものと考えております。
〇平野ユキ子委員 対応というより、見解とお伺いしたところでございますので、どのような御見解をお持ちかということとあわせて、それでは県内の事故状況、先ほども貨物自動車の事故防止のためにこれは導入されたというような御説明がありましたので、県内の中型免許に該当する車両の事故状況はどうなっているでしょうか。
〇小川口交通部長 中型免許の対象となる車種の県内の交通事故の状況についての質問でございますが、昨年までは大型、中型を区別した統計をとっておりませんので把握しておりませんが、本年1月中の中型免許の対象となる車両の事故につきましては42件発生しており、全事故に占める割合は10.07%であります。ちなみに、この42件中36件は、従来の普通免許によって運転できる自動車、車種による事故であります。
〇平野ユキ子委員 交通事故状況によりこういう中型免許制度というものが導入されたという社会背景のようですので、これからの推移を見て、そしてまた事故の状況なども推移を見ていきたいと思いますが、いずれ事故が起きないことが一番ですので、この法律が施行されたことによって事故率が下がるというのであれば、期待したいと思っております。
 最後に、本県に最近赴任なされたばかりの三枝本部長にお伺いします。
 今御説明いただきました警察本部の来年度予算のポイントは、安全な暮らしの実現ということでした。岩手県警察総合治安対策プログラムは、次世代に託せる安心して暮らせる地域社会の実現を目指してということで、主要事業も生活安全部の事業が多く、安全・安心に傾注している姿勢を感じます。また、今議会に環境生活部の議案で、岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例案が出されているところでもございます。
 この背景には、本県においては、これまで全国に比べて犯罪が少なく、比較的安全で安心な地域社会が維持されてきたとされていますが、実際、犯罪の発生件数は減少してきたとはいえ、先ほどの御説明にもありましたとおり、平成14年から連続減少しているとはいいますけれども、平成18年の事故件数は1万90件と1万件を超えているという高水準であるということで、近年の犯罪状況、社会現象を反映して予断を許さぬ状況になっていること、そして、県民の意識調査によって、犯罪の少ない地域社会に対する県民の意識が高いことなどから、警察による取り組みとあわせて、行政、県民、事業者が一体となり、全県を挙げて持続的に犯罪の未然防止に取り組むことが必要であるとしてこの条例が制定され、今議会に提案となっているものです。
 ですから、これと連動させてどのように、岩手においでになられた本部長に、岩手の安全・安心を託された者としての意気込みといいますか、どのように岩手の安全・安心をこれから確保していこうと決意されているのかお伺いいたします。
〇三枝警察本部長 岩手の安全・安心にかかわる意気込みという御趣旨の御質問でありましたのでお答え申し上げますが、私は岩手県に赴任して、豊かな自然と住む人の優しさにあふれた、地域のきずな、それから結いの精神が息づいているすばらしい土地だということをいろいろな方からもお聞きしております。そうした土地柄であるからこそ、いわゆる首都圏なんかではほとんど失われてしまった地域コミュニティーが今もしっかり息づいていると思いますし、委員御指摘にあったように、そういうような土地であるからこそ、犯罪率から見た岩手県の治安が全国でもトップクラスにあるのだと思います。
 ただ、先ほど申し上げましたけれども、現下の治安情勢は、刑法犯の認知件数がここ数年減少傾向にあるといっても、比較的治安がよかったと実感された昭和50年代初頭と比較すればいまだに高い水準にある、これは先ほど申し上げたとおりであります。また、本県においても、例えば来日外国人による犯罪や振り込め詐欺、インターネットを利用した犯罪などのように、県外から当県に入ってきたり、それから遠隔地から通信手段等を利用して犯罪を敢行するというような新たな形態も、多くなっているという状況にあると思います。
 こうした情勢を踏まえて、本県では、岩手県警察総合治安対策プログラムのスタートの年として、県警察の総力を挙げて諸施策を着実に推進するとともに、ただいま県議会に上程されております岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例をよりどころとして、行政、県民、事業者等との協働による各種対策を講じていくことが肝要であろうと認識いたしております。
 今御指摘にあったように、県の実施した意識調査においても、犯罪や交通事故の少ない社会の実現を強く期待している県民の思いがあらわれておりますので、私は、こうした県民の声をしっかり受けとめて、次世代に託せる安全で安心して暮らせる地域社会の実現のために、精いっぱい頑張って職務を遂行してまいりたいと考えております。
〇平野ユキ子委員 岩手のいいところを御指摘いただきましてありがとうございます。自然が豊かで人情、それから結いの精神、地域コミュニティーがまだ生きているという岩手をしっかり守っていただきたく、そしてまた、岩手のおいしいものもたくさん味わっていただければと思いますので、どうぞ頑張ってください。
〇樋下正信委員 私からは2点ほどお聞きしたいと思いますけれども、最初は、近年発展の著しい盛岡市の本宮・向中野地区、そして仙北町も一部入っていますし、太田地区も一部入っている、いわゆる盛南地区という地区がございます。そこの治安の基盤整備についてお尋ねするわけでございますけれども、かつては田畑が大部分を占め幹線道路の幅員も狭かった本宮・向中野地区は、1990年から始まった大規模な区画整理、再開発により、大型ショッピングセンターを中心に、一大商業地域、住宅地域に一変いたしました。
 県警においても、同地区の人口の増、経済活動の活発化に伴い、予想される犯罪、交通事故などの増加に対処するため、昨年、二つあった駐在所、本宮と太田にそれぞれ駐在所があったわけでございますけれども、これを廃止し、新たにおおみや交番を設置したところでございます。勤務員も4人から7人に増員するということで、そのほかにも相談員も置いていただいているところでございますけれども、そういった治安の基盤強化を図ってきていただいているところでございます。
 しかし、盛南地区の発展は、現在もなお予想をはるかに超えたスピードで住宅やマンションの建設が進み、もちろん市立病院等もございますけれども、その中にあって人口もかなり増加しておりますし、今現在のこの人員の体制でいつまで対応できるかが不安だという声もございます。また、地域の住民の方、そして自治会の方々からは、交番の施設が狭いのではないかというようなお話とか、もう少しで1年になるわけでございますが、まだ1年もたっていないわけでございますけれども、こういったような地域住民からの要望とか不安の声があるわけでございます。
 このようなことに対しまして、県警は、地域の安全・安心ステーションとして、この交番がどのように機能を果たしていけるとお考えでしょうか。また、将来的な勤務員の増員等についても御検討されているのかお伺いいたします。
〇瀬戸警務部長 交番庁舎整備の場合は、配置人員等を基準として算出した建築面積などをもとに新築を行っております。
 盛南地区につきましては、委員御指摘のとおり、大型店舗の出店による周辺環境や盛岡西バイパスの開通などによる交通環境の変化により治安情勢の悪化も懸念されます。そのため、自動車警ら隊等のパトカーによる重点的な警ら活動のほか、交番相談員の勤務日を休日にシフトするなど、地域の実態に合った弾力的な運用を図り治安維持に努めているところであります。
 おおみや交番の勤務体制につきましては、今後とも、治安情勢を勘案しながら、交番勤務員の増員及びそれに伴う交番施設の拡充整備について、検討してまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員 よろしくお願いします。
 次に、そのおおみや交番のパトロールしている範囲というんですか、そこの地域での出来事でございますけれども、近ごろ、空き巣、忍び込み─この忍び込みというのは、人が住んでいるところに入って何か盗むのが忍び込みということらしいんですけれども─が発生しているというお話を聞いております。
 実は、私の知り合いの方もその忍び込みに遭って、財布を盗まれて、免許証だけが道路に捨てられてあって被害に遭ったのが初めてわかったというようなことがあったようでございます。地元の自治会またその町内会では、そういう内容の回覧をしながら、空き巣とか忍び込みに遭わないようにと言ったらいいんでしょうか、戸締りをするようにということだと思いますけれども、そういうふうに呼びかけているということでございます。
 県警では、今のようなお話をどのように─多分聞いていると思いますけれども、認知しているのか、そして今後どのような対応をとっていくのかお知らせ願いたいと思いますし、岩手県全体でも言えることかもしれませんが、今、私が話している地区で何件ぐらい発生しているか、わかればお知らせ願いたいと思います。
〇小野寺刑事部長 おおみや交番は、盛南開発地区に昨年3月1日に設置されました。平成18年中の当交番管内の全窃盗犯、泥棒の認知状況なんですが117件あります。そのうち侵入盗犯と言ってうちの中に入ってやるのが全部で19件ありました。忍び込みというのは、先ほどお話があったように、夜間に人のいるところに忍び込んでやるのが忍び込み、昼に入るのは空き巣、人がいれば居空きと言います。それと、乗り物盗が30件で、非侵入盗が68件で、合計、さっき言った117件となっておりました。
 ことしは3月8日現在、きのう現在、管内で28件の盗難事件、窃盗事件を認知しております。その内訳は、空き巣が2件、忍び込みが2件。これは4件とも無施錠です。かぎがかかっていないという状況です。それから、事務所荒らしが1件、更衣室荒らしが1件、それから乗り物盗が9件、そのほかに非侵入盗が13件ということで、合計28件ということになっています。
 県内は、無施錠で被害に遭っている事案が非常に多い。特に忍び込み盗については、昨年の状況を見ても8割以上がかぎをかけていない。ですから、夜、かぎをかけないで休んでいる方が非常に多いということです。
 そういうことから、県警察といたしましては、捜査活動を強化する一方、交番速報や各種会合等を通じて、かぎかけの励行などタイムリーな広報活動を行って、そのほかに、パトロール活動を通じて犯罪の未然防止と検挙活動を強化しております。
〇樋下正信委員 いずれ空き巣とか忍び込み程度─程度と言えばちょっとあれですけれども、その泥棒が入っていて、たまたまおうちの方が帰ってきたとか、そのときにばったり会ったときに、さっきも本部長が言っていましたが、去年の洋野町ですか、ああいう殺人事件とかにならなければいいんですが、その辺をかなり私は危惧しているものでございまして、いずれ今後とも治安維持向上のために御努力をお願いしたいと思います。
〇ザ・グレート・サスケ委員 本予算のポイントでもある安全・安心なまちづくり推進事業のうち、地図による犯罪情報提供システム整備560万円とスクールサポーター制度事業460万円に関連して、地図と学校という観点からお尋ねいたします。
 愛知県警が7月をめどに防犯少年団を設立することに決めました。管内に小学校のある44の警察署ごとに一つずつ設立する予定で、そのメンバーは、5年生の男女5人ずつ10人で結成されるとのことです。これは、児童をねらった犯罪や非行防止の従来型の取り組みにおいて決定的に欠けていた子供の目線という部分に着眼したものだと思います。
 実際に、子供たちはスクールサポーターのような大人たちがいないところでねらわれています。また、犯罪に遭わないためには、子供たち自身で守る自主防犯、つまり受け身の姿勢ではなく、自主的に防犯に取り組むことが大事であります。
 この愛知県警の防犯少年団の事例の場合は、期間は2年間ということで、児童にはおそろいのスカーフと首から下げる団員証を配布し、地域安全マップの作成や下級生への防犯指導に携わってもらい自主防犯に取り組ませる試みだそうです。本県においても大いに参考にすべきと思いますが、同様の取り組み等考えられていますでしょうか、お尋ねいたします。
〇一ノ渡生活安全部長 愛知県におけます防犯少年団に関する御質問にお答えいたします。
 本県においても、愛知県警で予定されている警察署ごとの防犯少年団に類似する活動を行うものとして、一部の警察署管内において、小中学生、高校生等による通学路における見守り活動などに取り組んでいる団体がございます。例えば、奥州市の真城少年防犯隊など6団体が活動を実施しているところでございます。
 このような自主的な活動等は、小さいころから防犯意識を育てるとともに、地域における少年非行の防止や社会参加活動を促進することにつながる意義深いものと承知しております。
 今後、地域の実情に応じて、このような活動がさらに拡大するように、警察といたしましても支援していきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 信号機の設置についてお尋ねしたいと思います。
 新仙人トンネル上郷道路がこの3月18日に供用開始ということになります。地元から信号機をぜひ設置してほしいという要望が出されたわけですけれども、新しい道路ができますと事故が起きる可能性が大きいと思っております。それにおきまして、この設置の見通しについてお尋ねしたいと思います。
 それから、各警察署から交通規制課に信号機の設置をしてほしいという要望が多分出て、上がってきているんだろうと思いますけれども、その要望に対して何%ぐらいの充足率になっているでしょうか、お尋ねしたいと思います。
〇小川口交通部長 最初に、新仙人トンネルの上郷道路の赤川橋たもとに信号機設置の予定があるのかという御質問にお答えいたします。
 仙人峠道路及び上郷道路の供用開始に伴い、信号機2カ所、横断歩道8カ所を整備し、加えまして速度規制などを実施しております。
 御質問の赤川橋たもとにつきましては、上郷道路の供用開始に伴い、赤川橋から現在の国道283号の交通量は著しく減少するものと予測しており、現時点では早急に信号機を設置する必要はないものと判断しておりますが、供用開始後の状況を見ながら必要性を見きわめてまいりたいと考えております。
 なお、今後とも、限られた予算の中で、効率的かつ効果的な交通安全施設整備事業を推進してまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
 次に、県内において地元から要求されている信号機数は何基かという御質問でございますが、県内の各警察署において、住民の皆様方からの信号機設置要望につきましては、地元住民など各方面の代表者の方々で構成しております交通規制対策協議会におきまして、交通規制計画案が検討され、公安委員会に上申されます。平成18年中における信号機の設置要望は61基、これに対する平成19年度新設信号機計画基数は18基で、要望に対する実施率は29.5%であります。
 今後も、交通実態、地域住民の要望等を踏まえ、全県的な観点から総合的に検討の上、効率的かつ効果的な交通安全施設の整備を推進してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 交通量が少ないから事故がないとか、多いから事故があるという問題ではないのではないだろうかと、私はそのように思っております。まず、29.5%というこの低い実施率、今後こういうところにきちんと予算をとって地元の要望にこたえるような方向、さらにはまた、古い道路、例えば283号、かなり交通量が少なくなるだろうというようなことで、そこの信号機を取って新しい道路の方にという説明もあったわけですけれども、例えばそういう古いところでも、小学校があり、中学校があり、公共的な施設があって、地元の人たちが必要に応じて設置要望して設置されたわけです。ですから、そういうところから移動するという考えではなくて、特にこの上郷道路というのは、仙人道路の高速道路からおりてきて一般道路に入って、非常に交差点が多いということに気がつきます。そういう面で、その交差点すべてにつけろという要望ではありませんので、特にも危険と思われる赤川橋付近、そういうことについて、よく事情を見た上で、きちんと設置しながら交通事故防止に努めてほしいと思うんですけれども、もう一度、移動するというこの考え方についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇小川口交通部長 委員からお話の移設するという話、あるいは移動するという話ですか、それはちょっと私の方では確認しておりません。そのような話し合いがあったということかもしれないと思っております。
 それから、やはりまだ供用開始前でございますので、供用開始後の交通の状態をよく確認して検討を加えまして、信号機の必要性について考えていきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 死亡事故等が発生するようなことのないように願っておりますので、ぜひ、危険と思われるような箇所には今後きちんと、岩手県のどの道路においても、こういう信号機を設置する方向で検討していただければと思います。
 もう1点、車両購入費についてお尋ねいたします。
 決算でもお話いたしましたけれども、予算概要の中でミニパトカーの2台の購入費が予定されております。県内における駐在所において、ミニパトカー、それからまたパトカーが配置計画されてきていると思っておりますけれども、今後、すべての駐在所にこのパトカーが配置になる見通しについてお尋ねいたします。
〇瀬戸警務部長 交番・駐在所へのパトカーの配備状況についてのお尋ねでございますが、本県は、管轄区域が広く、また山間地帯や豪雪地帯を管轄する交番・駐在所が数多くあることから、管内における犯罪の未然防止や事件・事故発生時の早期対応など迅速かつ的確な警察活動を行うため、小型警ら車─通称パトカーでありますが─の整備に努めているところであります。
 平成19年3月1日現在、県内171カ所の駐在所のうち158カ所に整備しており、その整備率は92.4%となっております。
 なお、御審議いただいております、委員からも御指摘がございましたが、平成19年度岩手県予算におきましても、小型警ら車2台の増強経費を計上しているところでありまして、今後とも、管轄区域の諸情勢を考慮しながら計画的な整備を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 地元にパトカーが配置になりました。駐在所長さん、非常にうれしかったんだろうと思うんです。広大な範囲を、峠まで含めて自分の車で回っていたわけですよね。各行政区長を回って、パトカーが入った入ったと言って歩いたんだそうです。本当にです、事実です。それも中古だと。中古でいいと思うんです。そういうことで中古だったんですけれども、それでいいと思うんですが、結局まだ入っていない箇所もあるわけです。そういう形で、ぜひ今後、例えばこの車両購入費の中で、老朽化した警察車両14台の更新等整備計画とあるわけです。説明の中にあります。ですから、新しくなる部分もあるでしょうけれども、まだ使えるパトカーを配置する、そして整備して使ってもらう、そういう配置の考えはないでしょうか。
〇瀬戸警務部長 委員御指摘いただきましたように、それにつきましても、今後検討してまいりたいと考えております。
〇高橋比奈子委員 少年非行防止対策関連でお尋ねいたします。
 先ほどの御説明にありました当初予算、スクールサポーター制度事業、経費は457万円余り、非常勤職員2名を配置とのことです。このスクールサポーターについては、岩手県警察総合治安対策プログラムに関する説明で、学校における非行防止、犯罪被害防止教育の支援、学校にかかわる地域安全情報の収集・提供などを学校からの応援要請により対応する制度で、昨年逮捕された高校生の多くが、中学時代に何らかの非行歴を有しているとの資料提供もその際ありました。
 私も、同年代の子を持つ親として大変関心を持ち、少し調べてみました。このスクールサポーター制度、全国では平成13年以前から導入しているところもあり、平成17年度末では20都道府県が導入済みです。他県の運用例として、教師にあいさつすらしなかった生徒が徐々にあいさつするようになったとか、喫煙する生徒が減った、いじめ問題の改善が図られた、校内暴力が減少したといったすばらしい効果が紹介されておりました。
 一方で、制度導入に当たり、教育関係者、保護者などからは、教員が最初から警察の力をかりて校内暴力の鎮静化を図る行動に出るのではないかとか、学校の対応を困難視し、警察力に依存することにより、学校に対する生徒の不信が増幅するのではないかといった懸念もあるようです。
 今回、本県で導入するに当たっては、県警においても、これら先行県の状況を十分に踏まえて岩手の地域性にマッチした制度をお考えのこととは思いますが、具体的内容について3点質問させていただきます。
 まず、1点目です。平成19年度非常勤職員2名を配置するということですが、どのような方をどこに配置される予定なのか。今後の配置計画などもあわせてお示しいただきたいと思います。
 2点目です。スクールサポーターの具体的業務内容、配置により期待される具体的効果をお示しいただきたいと思います。
 3点目、他県では、要請のあった学校に一定期間スクールサポーターを派遣して、教員や生徒、保護者などに直接指導、助言などを行うような活動もあるようですが、岩手でもそういったことを想定しているのでしょうか。仮にそうなのであれば、警察職員が教育現場に派遣されることについてのPTAなどとのコンセンサスについてどのようにお考えでしょうか。
 以上3点、お答えをお願いしたいと思います。
〇一ノ渡生活安全部長 スクールサポーター制度の導入についてお答えいたします。
 県警では、昨年、緊急活動で重点的に取り組むべき各種治安対策として、岩手県警察総合治安対策プログラムを策定したところでございます。その中で、委員御指摘のとおり、少年非行防止対策の一環として、スクールサポーター制度を導入することとしております。
 昨今の少年非行の現状は、悪質化・低年齢化が顕著でありまして、特にも中学生による非行が深刻化しております。こうした中で、特に注意を要する中学校に対して、学校との連携や関係者への支援を継続的に行う必要性が生じており、このために、スクールサポーターを配置して、中学校における少年非行対策を強化することとしたものであります。
 そこで、御質問の1点目の配置箇所と今後の配置計画等についてお答えします。
 まず、初年度につきましては、2名の退職警察官を盛岡東警察署と北上警察署にそれぞれ1名ずつ配置することとしております。今後の配置計画では、主要な警察署に、新年度から4カ年計画で10名のスクールサポーターを配置することを目標としております。
 2つ目のスクールサポーターの具体的な業務内容と期待される効果でありますが、その業務内容は、少年の非行防止及び立ち直り支援、学校等における生徒の安全確保対策、非行・犯罪被害防止教育の支援、地域安全情報等の把握及び提供等であります。
 その具体的効果といたしましては、学校と警察との連携をより一層強化することができること。スクールサポーターの知識と経験を生かした効果的な非行防止・犯罪被害防止教育が実現できること。また、地域安全情報のタイムリーな提供・共有が促進され、教職員、生徒、保護者に安心感を与えることができるなどの効果を考えております。
 3点目の警察職員を教育現場に派遣することについてのPTAとのコンセンサスについてでありますが、スクールサポーターの派遣につきまして、学校がPTA等とコンセンサスを図った上で要請してくるものと認識しております。県警といたしましては、学校の意向を十分尊重しながら、派遣に際しては的確に対処してまいりたいと考えておりますし、こうした活動を通じ、スクールサポ―ターが学校や地域社会と連携した少年非行防止活動において、一定の役割を果たすものと考えております。
〇高橋比奈子委員 御答弁ありがとうございます。
 県内でこれから要望があると思われる学校は何校ぐらい、早くていつから派遣ができるようになるんでしょうか。
 それから、スクールサポーターの得た情報はどのように取り扱われて、学校や地域など、具体的にどんな形で連携していくかがもしお決まりであれば、お知らせいただきたい。
 それから、今、退職OBということでしたので、服装はどういう形で学校に入ってくるのか。もしお決まりとか、これからこういう形で進めたいということがあれば、まだ予算段階なので、決まっていなければ決まっていないということで、今後の検討はこういうふうにしたいというのがありましたら、お示しいただきたいと思います。
〇一ノ渡生活安全部長 現在審議中でございますので、具体的な計画につきましては検討はしております。したがいまして、県内の学校の中で、まさにスクールサポーターを派遣して、学校の先生方と一緒になってそうした活動をするという数校は考えておりますが、これにつきましても、地教委、関係者と十分協議した上で、派遣について検討してまいりたいと思っています。
 また、退職OBの服装でございますが、現在のところ私服で、違和感のない形でやりたいと思っていますが、こうした具体的な活動の方法等につきましては、今現在検討中でございます。よろしくお願いします。
〇斉藤信委員 それでは、最初に捜査費、捜査報償費等の執行状況、来年度予算額についてお聞きします。
 国費の捜査費、県費の捜査報償費、国費旅費、県費旅費の5年間の執行状況、平成13年-17年の比較はどうなっているでしょうか。
 大幅に減額になっている具体的理由、改めてお聞きします。
 来年度の捜査報償費予算額が2、547万円となっているのは、これまでの減額から見ると多いように思いますが、なぜでしょうか。
〇瀬戸警務部長 まず、捜査費の5年間の執行状況についてお答えします。
 国費捜査費の執行額につきましては、平成13年度が5、544万円余、平成14年度が5、237万円余、平成15年度が4、557万円余、平成16年度が3、304万円余、平成17年度が3、305万円余となっております。
 次に、捜査報償費の執行額につきましては、平成13年度が3、258万円余、平成14年度が3、219万円余、平成15年度が3、061万円余、平成16年度が1、380万円余、平成17年度が1、383万円余となっております。
 続いて、旅費についてお答えします。
 国費旅費の執行額につきましては、平成13年度が7、109万円余、平成14年度が8、491万円余、平成15年度が6、750万円余、平成16年度が7、902万円余、平成17年度が7、672万円余となっております。
 次に、県費旅費の執行額につきましては、平成13年度が3億3、476万円余、平成14年度が2億6、489万円余、平成15年度が2億2、881万円余、平成16年度が2億2、525万円余、平成17年度が2億2、135万円余となっております。
 次に、捜査報償費の執行額の減少理由についてお答えいたします。
 捜査報償費の執行額の減少理由につきましては、捜査を取り巻く環境の変化、あるいはその年度の事案発生状況など、いろいろな要因が考えられるところであります。大きな要因としましては、権利意識の変化、都市化の進展等による情報収集の困難化、警察相談業務の増大による捜査以外の業務の増大、司法手続の精密化による事務的業務の増大などが考えられ、いわゆる捜査を取り巻く環境の変化というものが、年々厳しくなっているところであります。
 具体的に申し上げますと、安全相談についても、これは件数が以前に比べてふえていることに加えまして、相談内容がその時々の時代を反映して、年々複雑多岐にわたっているということであります。
 例えば、大変多かった相談の一例としまして、架空請求事案、いわゆる振り込め詐欺につきましては、年々手口が悪質、巧妙化してきており、公的機関をかたったり、あるいは複数の者が役割分担をして請求するといった状況にあります。このような相談を受けると、相談内容について関係者を一人一人確認するとか、事件化のための措置、解決のためのさまざまな教示といった一つの相談に膨大な時間をとられるということがあります。このような相談の量的な変化のほかに、質的にも大変困難化しているという実情があります。犯罪の種類としましても、振り込め詐欺のほか、インターネットを利用した犯罪というものが大変ふえてきています。
 また、刑法犯認知件数も依然として高水準で推移しており、犯罪認知後は直ちに初動捜査をしなければならず、その結果、継続的な捜査が十分にできないため、情報源の開拓を行う時間が少なくなっております。また、情報収集というものが非常に難しくなってきており、捜査報償費を使って情報収集をしようと思っても協力者が獲得できない、あるいは拒まれるといったことがあります。こうしたことなどが、捜査報償費の減少理由として挙げられるのではないかと思っているところであります。
 次に、来年度の捜査報償費予算額は2、547万4、000円となっているのはなぜかということについてお答えさせていただきます。
 捜査報償費の予算額につきましては、前年度実績及び事件等の発生状況、今後予想される事件などを総合的に勘案しまして計上しております。来年度の予算額は、ただいま申し上げた捜査を取り巻く環境の変化等を踏まえつつ、犯罪が広域化、組織化、巧妙化の方向にあること、本年度の執行実績が昨年度に比べ増加傾向にあること、来年度は統一地方選挙に伴う違反取り締まりが行われることなどを勘案し、計上したものであります。
〇斉藤信委員 捜査費、国費ね、これは13年度と比べて59.6%ですから4割減です。そして捜査報償費、今、県費いろいろ説明ありましたけれども、劇的に減ったのは15年度から16年度ですよ。3、061万円から1、380万円。徐々に治安情勢が悪化したんじゃないんですよ。ここで劇的に半減したんですよ。いろいろしゃべったけれども、全く根拠なかったね。それはやっぱり世論の反映でしょう。そして、実際には使っていなかったと、全国で問題になっている裏金の疑惑を私は事実上示すものではないかと思いますよ。6割減ですからね。捜査報償費が6割減。そして、国費の旅費は13年度と比べると107.9%なんです。国費の捜査費は6割台に減って、国費の旅費は何で減らないんですか。少しおかしいんじゃないですか、これ。そして県費の旅費は66.1%ですよ。3億3、400万円から2億2、100万円。1億1、000万円も減っていますよ。これは何でしょうね。今のようにいろいろ捜査やっているんだと言ったら、こういう形にならないでしょう。この県費の旅費というのもむだがあったんじゃないですか、1億1、000万円も減るというのは。この具体的理由を示してください。
〇瀬戸警務部長 国費旅費は減っていないのに、国費捜査費が減額している理由でございますが、国費旅費につきましては、警察法施行令第2条及び旅費法第3条の規定のいずれにも該当する場合に支出されるものであります。
 一方、国費の捜査費につきましては、警察法施行令第2条に規定する犯罪捜査等で、緊急性または秘匿性が認められた場合に支出されるもので、旅費と捜査費の執行は相対となるものでありません。
 具体的に申し上げますと、旅費の支給を受けて出張捜査を行うに当たっては、被疑者を逮捕するためであったり、裏づけ捜査のためであったり、その捜査目的は千差万別であり、出張捜査をしたからといって必ずしも捜査費を執行するというものではありません。したがいまして、捜査費が減ったから旅費も減る、逆に、捜査費がふえたから旅費もふえるということにはならないと承知しております。
〇元吉会計課長 県費旅費の執行額が減っている理由は何かということでございます。
 平成14年度に旅費の支給に関する規程が改正されまして、行程40キロメートル未満の近距離旅行については、現地経費─日当が支給されないこととなったほか、現地経費の支給額も2、200円から1、500円、公用車利用の場合は1、100円から750円に引き下げられております。これが、執行額が減った大きな理由だと考えております。
〇斉藤信委員 いずれにしても、劇的に国費の捜査費も捜査報償費も減額をしていると。たくさん説明あったけれども、残念ながら説得力はなかったと指摘をしなければなりません。
 時間の関係で進みます。
 安全・安心なまちづくりの推進事業1、800万円余が計上されていますが、主な事業の内容、簡潔に示していただきたい。私、特にここで交番相談員の問題、これ3交番だけで増員配置になっているんですよね。今、県民が安全・安心で一番警察に求めているのは、交番駐在所のパトロール強化ですよ。たった3人配置するだけでいいんですか。この間の交番・駐在所の配置人員の推移、そして今後の配置見直しの計画について示していただきたい。
〇一ノ渡生活安全部長 安全・安心なまちづくり推進事業の件につきましての質問にお答えいたします。
 簡潔に申し上げますと、本年4月1日から施行予定しております岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例の制定に伴いまして、犯罪のない安全で安心なまちづくりを県民運動として展開していくために、警察本部として取り組む事業でございます。その中に地図情報による犯罪情報提供システム事業、あるいは空き交番対策、今、委員が指摘された交番相談員の関係もございますし、スクールサポーター制度事業、さらには高齢者、女性の安全確保対策推進事業など5事業がございます。その中で、二つ目の空き交番対策事業につきましては、事件・事故の取り扱いの多い交番に交番相談員を配置することにより、まさにパトロールの強化や空き交番の解消に対処するというものでございます。
 また、交番相談員の関係におきましては、現在、39交番中24交番にそれぞれ1名を配置しているところでありますが、これに加えて、平成19年度予算で3名の増員を図るものでございます。
 交番相談員の配置は、交番だけでいいのかという御質問でございますが、交番に相談員を配置することによって、地域における生活安全センターとしての交番機能を強化するものであります。
 なお、国家公安委員会規則であります地域警察運営規則によりまして、交番相談員は交番に配置することとなっておりますので、駐在所への配置にはなっておりません。
〇斉藤信委員 もうちょっと聞いたような気がしましたけれども、それで─答弁漏れありましたね、推移がありませんでしたね。交番・駐在所の推移がなかった。これはちゃんと言ってください。恐らくふえていないんですよ。結局、警察官を増員したでしょう、定員を。ところが一番県民が求めている交番・駐在所の配置はふえていないとしたら、私はこれはちょっと違うんじゃないかと。そして結局、交番と駐在所を統合して幹部交番をつくったり交番つくったりしていますね。強化になっていないんですよ、人員がふえなければ。私はそういう点で、ちょっと正確に推移を示して、ふえていないとしたら、ふやさなくていいのかと。地域の安全パトロールができるような体制が本当に必要なんではないか。さっきはミニパトの話もありましたけれども、私は人員の問題でお聞きしたい。
 あと、この安全・安心の問題で、先ほど中学生の非行が深刻化しているという話がありましたが、これちょっと具体的に示していただきたい。そして、警察としてはこの間どう対応して、どう解決しているのか。もちろん、私は中学生、生徒の問題というのは、基本的には教育的に解決すべきだと思っていますし、そういう意味でいけば、警察の対応というのは限定的でなければならない。しかし、警察は警察として果たしている役割もあるので、その具体的な中身を示していただきたい。
〇一ノ渡生活安全部長 まず最初に、交番の設置数等の推移でございますが、交番・駐在所の箇所数等につきましては、平成18年度は交番39カ所に勤務員252名でございます。駐在所は、先ほど御説明したとおり171カ所、勤務員が218名でございまして、ここ数年間の統廃合により施設数の増減はありましたが、勤務員につきましては、若干名増員になっております。
 また、交番の見直し等につきましては、治安情勢等総合的に勘案して対処しておりまして、具体的な考え方につきましては、市街化進展地域の駐在所を統合している交番にする。例えば先ほど来話題になりましたおおみや交番等がございます。また、市街地周辺の駐在所を交番に統合して体制を強化するということにつきましては、雫石交番など5交番がございます。また、駐在所の勤務員を強化するということにつきましては、紫波西部あるいはさんりく駐在所など4カ所ございまして、それぞれ機能を強化していると考えております。
 次に、中学生の非行の実態等につきまして御説明申し上げます。
 昨年の非行少年の実態でございますが、補導総数は1万7人で、前年に比べまして1、806人減少しております。15.3%ほど減少しています。このうち、罪を犯した刑法犯少年は954人でございまして、前年比28人減、2.9%減っております。また、特法犯少年が23人、前年比9人ほど減少しております。さらには、不良行為少年の補導が9、024人で、前年で1、772人ほど減少しております。しかしながら、総体として総数は減っているものの中身が大変心配でございまして、殺人や強盗などの凶悪事件で検挙した者が16人と、前年比9人増加しております。こうした中で、中学生の非行につきましては、補導総数1万7人のうち中学生は1、052人でございまして、10.5%を占めております。また、昨年は火炎びん処罰法や強姦未遂事件などによって8人を逮捕しており、過去5年間を見ますと大幅な伸びになっているところでございます。また、高校生による逮捕事案におきましては、20人中9人は中学生の時代に非行歴を有しているなど、中学生に対する非行対策が急務になっているということでございます。
〇斉藤信委員 中学生の非行の深刻化というのも、私は正確に言うべきだと思いますよ、全体として件数が減っているなら減っていると。その中で凶悪犯罪は、しかしこの件数はそんなに多いわけじゃないんだから、増加していると言っても。もう少し、何か大変だ大変だという、これ、リアリズムに欠けていると思いますよ。もっと正確に。減っているのは減っていると示してやって、正確な対応が必要ですよ、警察は。県民の不安をあおるような取り組み、だめですよ。正確にひとつ言っていただきたい。減らしているのはあなた方の取り組みの成果かもしれない。
 それと、交番・駐在所の警察官、私がもらっているのは、これは470人というのは定員で変わりがないんじゃないんですか。それとも、これからふえているんでしょうかね。これ正確に言ってください。
 それと、3番目の問題に移りますが、パトカー追跡巻き添え事故訴訟について。
 仙台高裁の判決が出ました。遺族側の控訴は棄却となりましたが、予見可能性については、男女をそのまま放置すれば、車両火災によって死亡などの重大な結果が生じるかもしれないと予見すべきと指摘をされています。救護義務についても、警察官は、追突した少年の救護、身柄確保に関心を集中し、各自の行動に意見交換もしないまま、男女の車に注意を振り向けなかったと厳しく指摘をしています。かなり重い判決、指摘だと、こういう評価もありますが、私は県警としてどうこれを受けとめているのか、そしてこの事件の教訓をその後の活動にどう生かしているのか、示していただきたい。
〇瀬戸警務部長 パトカー追跡に絡む交通死亡事故に係る損害賠償請求事件についてでありますが、まず初めに、亡くなられたお2人の御冥福を心よりお祈りいたしますとともに、お2人の御遺族の皆様方に対しまして、心よりお悔やみ申し上げます。
 本件判決内容につきましては承知しておりますが、現段階では確定しておりませんので、この件に関する答弁は差し控えさせていただきます。
 次に、パトカー追跡に絡む事故防止につきましては、パトカー乗務員については必要な資格審査をし、運転技能、訓練等を実施しております。また、パトカーの緊急走行については、岩手県警察職員の交通事故防止に関する訓令に基づく運行基準等で運用しているほか、平成14年3月からは、違反車両追跡時の受傷事故防止チェックリストにより、道路・交通状況に応じた運転、交差点通過時の安全確認、乗務員相互の安全呼称の励行、追跡の打ち切りと組織対応などの徹底を図っているほか、警察署等にあっては、無線による追跡実施時の的確な指揮について指導しております。
 今後とも、必要な運転訓練を行うとともに、第一線でパトカーによる追跡行為を行う一人一人の警察官に対し、追跡の開始、継続及びその方法について指導教養を徹底していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 この事件は本当に年数がたって、仙台高裁が途中で和解勧告もして2回も協議をして、私は、県警はこの和解勧告を受け入れるべきだったと思いますよ。これは残念ながら最高裁まで行きましたけれども、これ指摘だけにとどめます。
 最後です。県警本部における成果主義賃金制度の導入問題とサービス残業、昼休み時間の問題についてお聞きをします。
 県警における成果主義賃金制度の導入は、私は仕事の中身から言って導入すべきではないと思いますが、どういう内容でどう進めようとしているか。極めて良好と良好では、1年間にどれだけの給与と一時金で差が出るのか。
 警察官の超過勤務時間、超過勤務手当の支給はどうなっているか。県警本部の中で、私はサービス残業というのは許されないことだと思うけれども、1人当たりどのぐらいの金額のサービス残業になっているか。サービス残業を放置して成果主義賃金の導入は成り立たないと思います。いかがですか。
 警察官の昼休み時間、これはどういう検討を踏まえて決められたのでしょうか。
〇瀬戸警務部長 成果主義賃金制度の導入についてのお尋ねでございますが、昇給制度は、努力して実績を上げた職員を正しく評価し、的確に処遇に反映させることにより、職員の士気を確保し、組織の活性化を図るためにも、適正な人事管理を推進する上で必要な制度と考えております。
 警察本部におきましては、平成18年4月から施行された一般職の職員の給与に関する条例等及び昭和36年制定の岩手県警察職員の勤務評定に関する訓令に基づき、昇給制度を運用しているところであります。運用に際しては、職員の仕事の実績や取組状況、職務の適正などについて勤務評定を実施し、昇給に反映させることとしております。
 次に、職員の極めて良好と良好の1年間の給与と勤務手当の差についてお答えします。
 公安職給料表適用者の平均給料月額をおおむねのベースにして、昇給と勤務手当につき、従来の普通昇給に相当する良好の評価区分と、最も高い評価である極めて良好の評価区分を比較した場合の差は、20万円程度になるものと思われます。
 次に、超過勤務の支給実績につきましては、12月末現在で、1人当たり月平均16.9時間であります。前年同期の16.5時間に比べ2.4%の増となっているところであります。委員御指摘の額につきましては、年度途中であること、また、職員の超過勤務の時間数及び時間単価に差があり算定が困難であることから、一概にはお答えできませんので、御理解願います。
 次に、サービス残業を放置して成果主義賃金の導入は成り立たないのではないかというお話でございましたが、昇給制度は、努力して実績を上げた職員を正しく評価し、的確に処遇に反映させることにより職員の士気を確保し、組織の活性を図るためにも、適正な人事管理を推進するために必要な制度と考えております。
 今後とも、現在実施している勤務評定制度を基準としまして、引き続き仕事の実績や取組状況、職務の適性などを適正に評価し、昇給制度を運用してまいりたいと考えております。
 他方、超過勤務につきましては、今後とも引き続き事務の合理化、効率化による超過勤務の縮減に努めるとともに、突発的な事案、事件・事故が発生した場合には、所要の措置を講じるなどして、実績に見合った手当の支給に努めてまいりたいと考えております。
 最後になりますが、警察官の昼休み時間につきましてです。
 警察職員の勤務時間については、このたびの職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例の一部を改正する条例により休息時間が廃止されたことに伴い、通常勤務の職員の休憩時間いわゆる昼休み時間は、午後零時から午後1時までの1時間に見直ししております。
 なお、これに伴い、勤務終了時間を15分間延長し、午後6時までとしております。休息時間の廃止に伴う勤務時間の見直しにつきましては、警察本部内各所属に対して照会した結果、現在の勤務時間に対する賛成意見が多数を占めたという結果も踏まえ、決定したものであります。
〇斉藤信委員 県警が昼休み時間1時間にしたというのは、私は常識的な判断だったと。
 アンケートをとったと思いますけれども、そのアンケート結果はどうだったんでしょうね。これは本庁も聞いているから、しっかり答えていただきたい。
 それと、今、私超過勤務手当を聞きました。平成17年度で、警察官1人当たりの超過勤務は363時間ですよ。今、支給実績、月16.9時間。これ年間にしますと202時間です。そうすると、140時間サービス残業なんですよ。私ね、県警本部の中でこういうサービス残業を、こんな大規模に温存されていていいのかと。働いてもこれ出ていないわけだから。
 いいですか、こういう超過勤務手当も出さないで成果主義なんて成り立たないでしょう。私は警察の業務そのものが複雑で犯罪が定期的にあるわけではない。本当に突発的な仕事が多い。そしてチームワークも求められる。そういうときに、5段階に警察官を選別して、評価されるのは25%ですよ。75%は評価されないのですよ。いわば75%の警察官は評価しないという、こういう制度を導入したら警察官の士気にかかわるんじゃないですか。まず成果主義賃金導入の前に、140時間分の超過勤務手当出すべきですよ。
 これは県警本部長にお聞きしたい。こういうサービス残業を温存していいのか。私、公安委員長に本会議で聞いたんですよ。全然ピンぼけの答弁で残念だった。しっかり答えていただきたい。
〇瀬戸警務部長 先ほど委員の御質問のアンケートをとった結果という話でございますが、本部内各所属の75%が賛成意見であったといったことでございます。
〇三枝警察本部長 今、斉藤委員からの御質問にありますように、確かにそういった時間の差というものがやはり我々としてもしっかり受けとめなければならないと思っておりまして、先ほど警務部長が申し上げましたように、まず、我々としては、現在の勤務の実態というものをもう少しよく見て、勤務員に余りにも過酷にならないような勤務形態ということができるのかどうか。例えば、みんなそれぞれ必要があって残っているわけですから、その中でも、帰れるときには早く帰してやるとか、それから例えば土曜、日曜なんかも、出勤せざるを得ない場合というのはあるわけですが、そのときには代休をとるとか、そういうような代替措置、それと勤務自体の軽減、こういうことを図るということがまず第一だろうと思います。それとあわせて、やはり実際に、本当に実績に見合った超勤の支給ということについては、もちろんこれは予算の範囲内という問題があるわけですので、それも十分踏まえながら、所要の対応はとっていきたいと考えております。
〇及川幸子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇及川幸子委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。警察本部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時44分 散会

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