平成9年12月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号、第10号、11号、12号、並びに受理番号10号の請願の採択に反対討論を行います。
 議案第1号家畜保健衛生所条例及び地域農業改良普及センター設置条例の一部を改正する条例は、農業改良普及センターを17カ所から12カ所に統廃合し、22カ所の市町村駐在をすべて廃止するなどのものであります。これは、少なくない市町村から、農業改良普及センター、市町村駐在の廃止に反対の要望が強く寄せられたことに示されるように、地域の農業と農家に密着した農業改良普及員活動の後退を危惧させるものであります。特に、農業改良普及センターを12の振興局単位に統廃合することは機械的であり、岩手の農業の実態にも合わないものであります。本会議での質疑でもただしたように、昨年3月策定された新いわて農業確立計画後期推進計画では、地域農業の特徴に応じて県内18の農業地域に区分され、計画が立てられたのであります。ところが、今回の統廃合では、紫波、江刺の二つの農業地域には農業改良普及センターも地域普及所も設置しないことになっております。紫波、矢巾地域は、農業改良普及センターが設置される釜石、大槌地域と比べて農業粗生産額で13・4倍、江刺の場合は8・7倍であります。振興局単位という機械的統廃合ではなく、地域農業の実態と特徴に合致した農業改良普及センターの配置を再検討すべきであります。さらに、統廃合の結果、センターの事務所の狭隘さなど物理的問題、普及員の活動上でも新たな問題が出ております。合理性を欠いていると言わなければなりません。増田知事は本会議での私の質疑に対し、農業改良普及員は増員すると答弁いたしました。私はこれを高く評価するものであります。農業改良普及員の増員が地域農業の振興と結びつくよう、その具体化を求めるものであります。
 議案第10号、11号、12号は、マルチメディア創造センター(仮称)をマリオスの7階を借り上げて整備するために、グラフィックスーパーコンピューター、衛星データ処理システムワークステーション、ノンリニア編集機を4億57万5、000円で購入しようとするものであります。マリオス自身がバブル時代の計画で、今後のあり方が問われていますけれども、マルチメディア創造センターもまたどのように県内の企業、産業振興に結びつくのか極めてあいまいなものであります。専門家の配置や今後の管理運営についても不明であります。本当に必要とするなら県立大学や工業技術センターに設置すべきではないでしょうか。今、行革の中で各事業の事業効果が厳しく問われています。バブル時代に計画された事業の再検討こそ必要だと考えるものであります。
 受理番号10号「夫婦別姓」制の導入反対についての請願を採択することは、男女平等の前進を求める国民、県民の多数の世論に背を向けるものであります。この請願は神社庁の要請に基づくものであります。請願では、我が国における夫婦同姓制度は明治維新以来採用されたものであるが、国民生活に支障なく定着してきたとしていますが、これは歴史の事実に反する時代錯誤であります。明治民法は、妻は婚姻によって夫の家に入るとされ、女性には選挙権もなく、法律上無能力扱いされていたのであります。戦後の新憲法によってすべての国民は個人として尊重される、すべての国民は法のもとに平等であるとうたわれ、結婚など家族に関する法律は、24条で個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならないとされたのであります。戦後の憲法と新民法の制定によって、新しい夫婦と家族の関係が確立したのであります。選択的夫婦別姓制の導入は、この憲法の精神に合致し、女性の社会進出と真の男女平等を求める世論にこたえるものであります。さらに、世界の流れにも夫婦別姓、選択的別姓を認めているのが現実であります。既に法制審議会が答申を出し、自民党を除く我が党も、そして新進党も民法改正案を出しています。中央と地方で態度が違っていいでしょうか。政党のあり方が問われる問題であります。
 夫婦別姓に反対する請願を採択することは、男女平等の実現にも、時代の流れ、世界の流れにも逆行するのであることを強く訴え、反対の討論といたします。

〇議長(那須川健一君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第1号及び議案第10号から議案第12号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、議案第1号及び議案第10号から議案第12号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第10号「夫婦別姓」制の導入反対について請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(那須川健一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第10号「夫婦別姓」制の導入反対について請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第9号まで、議案第13号から議案第20号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(那須川健一君) 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第9号まで、議案第13号から議案第20号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第25 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件

〇議長(那須川健一君) 次に、日程第25、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
  地域の安全施策について
環境福祉委員会
受理番号  件名    
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受理番号件名
財団法人新渡戸基金に対する出捐協力について請願
17学童保育制度の整備・充実を求めることについて請願
18「岩手県すこやか保育等プラン」を実効あるものにして学童保育に対する助成策を拡充することを求めることについて請願
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商工文教委員会
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受理番号件名
25岩手県新総合運動公園建設について請願
13「サッカーくじ」法案(スポーツ振興投票の実施等に関する法律案)の廃案と国のスポーツ予算の大幅増額を求める請願
19増田知事の私学振興公約の早期実施を要望することについて請願
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農林水産委員会
 グリーンツーリズム(農山漁村でゆとりある休暇を)の推進について
土木委員会
 新しい道路計画について
   

〇議長(那須川健一君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(那須川健一君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   
日程第26 認定第1号平成8年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第37 認定第12号平成8年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計歳入歳出決算まで

〇議長(那須川健一君) 次に、日程第26、認定第1号から日程第37、認定第12号までを一括議題といたします。
 各案件に関し委員長の報告を求めます。長谷川決算特別委員長。
   〔決算特別委員長長谷川忠久君登壇〕


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