平成10年6月定例会 第14回岩手県議会定例会会議録

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〇49番(堀口治五右衛門君) 佐々木一榮議員の貸し渋りの質問に関連しまして、知事と吉永副知事に答弁をいただきたいと思います。
 政府の経済政策の失政といいますか、かつてない大不況。我々デフレというものを余り経験したことがない、こういう背景の中で、いわゆる貸し渋りという、さっきの商工労働観光部長の答弁では、この貸し渋りの定義というのはないと、こう言っておりましたけれども、渋りということは、貸そうか貸すまいか渋ると、こういう意味にもとられますけれども、小野寺公明党議員のお話では、最近の県内の金融機関の状況は、貸し渋りではない、こういう状況は貸し出し拒否だというふうに言っております。さすが公明党の情報、福祉の公明と言われるだけあって、これは的確な情報だろうと思いますけれども、こういう状況の中で、本県の金融界というものは地元銀行のシェアが高いものだから、この金融機関ににらまれますと他行の方に行かれないというふうな本県特有の金融界の体質があるわけでありまして、私は、関連で貸し渋り質問で少し地元銀行を攻撃したいと言ったら我が会派でだれもする人がない。やっぱりそれぞれ融資を受けているからどうも銀行は攻撃しにくいと、こういう状況であったわけでありますけれども、あえて知事にお伺いします。
 知事は3年間すこぶる評判がいいんです。県民に選ばれた県政最高責任者として、今回の県内の金融界の貸し渋り状況について、やっぱり知事が地元金融機関の代表者、責任者を呼んで、ひとつ強力に貸し渋りの解消を要請していただきたいと思います。特に岩手県は地元金融機関の大株主でありますし、それから指定金融機関と、こういう関係にもございますから、これはひとつ知事室に地元金融機関の最高責任者を呼んで、県民から選ばれた県政の最高責任者として強力に貸し渋り解消を要請していただきたい、こういう御要請を申し上げたい。
 この機会に、県の指定金融機関も複数にしたらいいだろうと、こういうふうに思います。これもひとつ御検討をいただきたいと、こういうふうに思います。
 それから、大蔵省から派遣された吉永副知事、あなたは大蔵省から本県に派遣された最後の副知事として歴史に残る、一つのけじめの副知事と、こういうことになろうと思いますけれども、あなたは、この3年間副知事として増田知事をサポート--支援--して、県勢発展に大きく貢献されたすばらしい副知事であったと改めて称賛をしたいと思います。特にもあなたの人柄、豚を愛すという、動物愛護という優しい人柄。それから、昨年は一緒にドイツを旅行して、あなたの国際認識というものをすごく評価をします。個人的には我が娘婿と東大同期という、これまた個人的にもプライベートでいろいろ御交誼をいただきました。まことにありがたいと、こう思っております。どうかあなたの人柄、今度は関東国税局長に栄転されまして、ますます豚を愛しながら、健康で頑張っていただきたいと、こう思います。
 あなたの豚に飾られた副知事室、記念にあのまま残したいんだけれども、そういう気分で、大蔵省から派遣された最後の本県の副知事として、立派に本県県政に残る存在であったということを改めて感謝を申し上げまして、関連質問だから、あなたにはこの貸し渋りに対する大蔵省の派遣副知事としての認識を答えながら本県の副知事としての3年間の感想を述べていただきまして、この本会議がきょうあなたは最後の出番ですので、胸を張ってひとつ答弁をしていただきたい、こう思います。
 以上です。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 今、議員の方からお話ございましたが、指定金融機関の問題については、これは、いわゆる議員からお話のございました貸し渋りとは少し論点が違いますので、御要望というふうに受けとめさせていただきまして、中小の資金繰りの関係の方について御答弁申し上げさせていただきます。
 この問題につきましては、県では、去る6月15日に金融機関や商工団体の幹部を集めまして、所管の部長から一層の金融の円滑化について強く協力要請を行ったところでございます。また、今回、この本議会に、新たに無担保で低利の融資制度といたしまして、いわて緊急経済対策資金の創設を、今、御審議をお願いしているところでございますのと、また、岩手県の信用保証協会の財政基盤を強化して、広く中小企業を支援するための補正予算も審議をお願いしているところでございます。
 したがいまして、こうした関係の金融機関への協力要請などがこれからどのように効果が出てくるかといったようなことを十分に見たいというふうに思っておりまして、今、こうした対策の効果を見きわめる考えでございますが、今後、さらに県内の中小企業の資金繰りが悪化するようであれば、再度金融機関等に要請することも必要になってくる、このように考えているところでございまして、今後の情勢を十分に注意いたしますとともに、必要な場合には、直接私が要請することも十分考慮して検討していきたいというふうに思っております。
   〔副知事吉永國光君登壇〕
〇副知事(吉永國光君) 貸し渋りの問題でございますが、これは非常に難しい面が二つございまして、金融機関の健全さを維持するということ、これも非常に現在の経済対策の一つの大きな柱となっておりまして、他方、金融機関が健全性を維持するために、もし貸し渋りのような、あるいは貸し出しを抑制するような方向に走っているとしたら、それはまた抑制しなければならない、そういう二律背反的なことを同時に追いかけなければならないという非常に難しい面があることはまず事実としてございます。
 その中におきまして、金融界の本来持っている役割というのは、その企業が必要とする資金を潤沢に供給するというのが最も基本的なところでございまして、その方向においていささかでも欠けるようなところがあれば、これはいろいろな場でそういうことがないように働きかけていくことが必要なことでございます。
 何より、資金繰り上非常に困っております中小企業が十分に資金が受けられるような、そういう仕組みというものは、これはきちっとつくっていく。非常に厳しい担保を要求されたり、あるいは保証人をさらに要求されたり、そういうことによりまして資金が潤沢にいかないというような、そういう事態はまず避けなければならないということで、今回御審議いただいております補正予算の中に一つの制度を設けているわけでございます。いわて緊急経済対策資金として、これは非常に今までの制度から踏み込んでやったものでございます。これまでのいろいろな制度とあわせまして、どういうふうに働くかということをまず見ていくべきではないかと思っております。そして、その中で、企業がなおかつ資金を受けるということにおいて、あるいは金融機関側--資金を供給するという側--において何らかの障害があるというような事態がありましたら、これは知事が今おっしゃいましたとおり、遅滞なく何らかの新しい働きかけを知事として行う、そういうことではないかと考えている次第でございます。
 それから、私の3年間のごあいさつでございますが、これは議会の最後にやることになっているかと思うわけでございますが、まず一言申し上げたいのは、私自身この3年間に賜りました皆様方の御厚意、それによりまして、本当に微力ではございましたが、非常に充実した全力投球の3年間、そういうものを与えていただいたということに対しまして深い感謝の念を持っている次第でございます。本当にその点におきましては私の一生の中で最も充実した3年間だったと、これは胸を張って言えるものでございます。
 それから、私自身、岩手県に参りましたのは、というよりも東北地方に参りましたのは生まれて初めてでございまして、盛岡駅におり立ちましたのはここに赴任してきたときが初めてでございました。そういう意味においては全くの未知のところでございましたが、この3年間に岩手県が本当に大好きになりまして、私の心は岩手県に残すという、本当にそういう感じでございます。こうなりましたのも、皆様方の励ましと本当に温かい御配慮だったと、これは本当に感謝し尽くせないほどのものを持っているものでございます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
〇議長(那須川健一君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
   
日程第2 議案第1号平成9年度岩手県一般会計補正予算(第6号)の専決処分に関し承認を求めることについてから日程第31 議案第31号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関する議決の変更に関し議決を求めることについてまで
〇議長(那須川健一君) この際、日程第2、議案第1号から日程第31、議案第31号までを一括議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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