平成10年6月定例会 第14回岩手県議会定例会会議録

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〇5番(佐々木一榮君) 自由公明県民会議の佐々木一榮でございます。
 本定例会におきまして、先輩、同僚議員の皆様の御配慮によりまして一般質問の機会をいただき、感謝申し上げる次第であります。
 それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきますが、今回も一般質問最後の登壇でありますので多少重複する点もあろうかと思いますが、誠意ある御答弁をお願い申し上げます。
 初めに、増田知事は、知事就任3年を振り返って、岩手の置かれている現状をどのように認識され、新しい本県の総合発展計画を策定するに当たり、県民意向をどのように具現化されるお考えでしょうか、まず、お尋ねいたします。
 先ごろの県民アンケートでは、21世紀の岩手のイメージとして、温かいやゆとりを望む県民が多く、次いで飛躍、活力・元気を望む県民も多かったようであります。経済企画庁が先月発表した1998年版新国民生活指標、いわゆる豊かさ指標では、都道府県順位で本県は総合17位となり、昨年より3ランク上がり、領域別では、住むが5位、育てる7位と、高い水準にあったようであります。総合順位の上位5県を見ますと、1位の福井県を初め、石川県、長野県、山梨県、富山県と北陸地方がトップグループを占め、東北地方では、12位の山形県、そして岩手県、21位の秋田県までが平均以上で、青森県42位、福島県43位、宮城県44位と、下位グループに位置しています。この指標によりますと、本県はかなり豊かさを感じる県ということになりますが、一方、指標の計算根拠を見ますと、交通事故発生件数や公害苦情処理件数が住むという領域のポイントを上げた要因のようであります。また、育てるの領域では、人口に比して高等学校数や児童館数が多いこと、1人当たりの校地面積が広いことにあるようですが、逆にこのことは過疎化の進行をあらわしているという面も考えられます。
 私自身は、順位で一喜一憂することなく、本質を見きわめることが肝要と思いますが、この新国民生活指標を県としてどのように認識されているのでしょうか、お伺いいたします。
 秋田大学の吉岡尚文教授の全国調査によりますと、自殺率、すなわち人口10万人当たりの自殺者数は、平成8年は秋田県がトップで、続いて岩手県、島根県となっております。これは、自殺率の低い神奈川県や千葉県の倍以上の状況であり、これは豊かさ指標の順位とは決して同じ傾向とは言えません。本県においては、昨年の自殺者は男性275人、女性131人で、計406人と、5年連続で増加している状況であります。原因は、病苦が圧倒的に多く、特に65歳以上では自殺者137人のうち71・5%がそうであり、まことに残念なことであります。
 前段申し上げました豊かさ指標、そして、県民が望む岩手のイメージを実現するためには、こういった現状も把握され、行政として背景を調査し、防止する対策を民間とも一緒に検討すべきと思いますが、このような現状をどう認識され、どういう手だてを打っていかれるのかお伺いいたします。
 次に、総合経済対策についてお伺いいたします。
 御案内のとおり、4月の全国の失業率は4・1%と昭和28年調査以来最悪の数字となり、290万人が職につけないでいます。内容を見ますと、解雇や倒産で失業に追い込まれた人が91万人、約3分の1であります。この1年を見ますと、増加した完全失業者59万人のうち、約70%の41万人がこのような人々です。
 県内に目を向けてみますと、民間調査機関の発表ですと、1月から6月までの半年間の企業倒産は前年同期30件に対し70件と、既に昨年1年間の72件とほぼ並ぶ高水準であり、負債総額も前年を大きく上回っている状況にあり、有効求人倍率も4月0・67倍で、11カ月連続の低下であります。新規求職申し込み件数が前年同月比24・6%増と大幅に増加しているのに対し、新規求人数は10・3%減という厳しい雇用情勢であります。個人消費や住宅建設の不振が続き、生産活動も落ち込んでいる状況で、停滞の度合いが強まっております。
 このような県内の経済状況の中にあって、今回の国の総合経済対策を受けて編成された596億円の県の補正予算は県内経済にどの程度の効果を発揮するとお考えでしょうか、お伺いいたします。
 県においても県債を195億円充当するわけでありますが、恐らく市町村では9月議会での対応と思われます。本年度は大方の市町村で厳しい本予算を組んでいるわけであり、県としてどのような指導をされていかれるのかお尋ねいたします。
 関連して、中小企業対策、いわゆる貸し渋りについてお尋ねいたします。
 県では、先月15日、ことし2回目の金融機関や商工団体との中小企業対策協議会を開催され、金融機関、信用保証協会に対し、積極的な融資について商工団体等と協議されたところであります。日銀盛岡事務所の調査によりますと、企業の金融関連判断では、資金繰りが苦しいが大幅に拡大しております。また、金融機関の貸し出し態度も厳しいが大幅に拡大しており、先行きも厳しいとする先が増加しております。
 そこでお尋ねいたしますが、県として、現在、貸し渋りがあると認識しておられますか、それとも貸し渋りはないと認識しておられますでしょうか、お尋ねいたします。
 県内3行の3月期決算を見ますと、4月からの早期是正措置導入に伴って不良債権処理をしたために経常利益の伸びは鈍っているものの、本来業務のもうけである業務純益は各行とも過去最高であり、自己資本比率も国内基準の4%を超えており、健全な経営が示されています。
 そこでお尋ねいたしますが、県として、これら県内3行の決算状況をどう評価されておりますかお伺いいたします。
 最近の円安傾向により、外貨建ての資産が円換算で膨らみ、銀行が貸出資産の圧縮という貸し渋りに拍車をかける可能性もあり、企業向け貸し出しを回収することが最も有力な手段とするとの銀行幹部の声も聞かれます。今後の予測をどのようにお持ちでしょうか。また、そうだとすれば、ますます厳しい環境に置かれる中小企業のための対策をどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、地方分権推進計画に対する本県の今後の対応についてお伺いいたします。
 国と自治体が対等で新しい協力関係を築くことなどを柱とした地方分権推進計画が閣議で決まり、政府は関連法案を来年の通常国会に提出し、実施に移す運びとなりました。この計画では、知事や市町村長を国の下部機関とみなして事務を実施させる機関委任事務制度の廃止を明記しております。私は、県議会に席をいただいてから4度目の一般質問になりますが、毎回このテーマを取り上げさせていただいております。知事がこれまで答弁されましたとおり、地方への権限委譲の結果、県の役割は大きくなり、また一方で、まちづくりや福祉の充実の観点からは、住民に一番近い市町村を強化していくことが欠かせないと思いますし、いずれ近い将来には、国や都道府県から市町村への権限委譲も加速すると考えます。
 今、地方分権はようやく議論から実行へという過程に入ったように思いますが、実際には地域づくりに必要な財源が確保されておらず、自治体が望んでいる一般財源の拡充については十分でありません。地方分権推進法は5年間の時限立法であり、あと2年で分権を軌道に乗せるとすれば、行政改革、財政構造改革との兼ね合いもあり、大分困難な道のりとも考えられますが、県としては、分権推進の観点から権限委譲や地方一般財源の充実のためにどのように対応されるのかお伺いいたします。
 関連いたしまして、市町村合併に対する県の認識と役割についてお尋ねいたします。
 私は、昨年6月の定例会でもこの問題を取り上げましたが、御案内のとおり、第25次地方制度調査会は市町村の合併に関する答申をまとめ、首相に提出いたしました。具体的方策としては、有権者の50分の1以上の署名で合併協議会の設置を請求する住民発議が成立した場合、関係市町村長は協議会設置を議会に諮ることを義務づけ、住民発議制度を充実させる姿勢を示しました。国、都道府県においては、国は、現行5年の合併特例措置期間の延長や地方交付税の合併算定がえの拡充、財政上の誘導策を講じるとし、都道府県知事は、合併の機運が高まっていると判断し、必要と認めた場合、関係市町村に合併協議会の設置を勧告できるなどを打ち出しています。これらは、まさに地方分権が具体化してきていることによるものと考えます。また、少子・高齢化という人口と質の変化も考えられます。介護保険制度が機能するか否かは市町村の能力に負うところが大きく、介護サービスは選択肢の多さと質が要求され、行財政面のみならず、人材面でも一定の規模が必要となります。
 私は、もし明治、昭和の大合併のように市町村の数を大幅に減らす自治体再編をするのであれば、自主的な合併スタンスでは難しいと考えます。しかしながら、市町村合併は嫌でも検討を進めなければいけない重要な課題であると考えます。四国4県に匹敵する広い県土を有し、中山間地も多く、また、市町村財政も厳しく、過疎化に悩んでいる地域が多いわけでありますから、都市圏のような合併論争にはならないとしても、県版行政改革と言われる地方振興局への権限委譲や機能強化を進めている知事として、今後のあるべき地方自治の方向を多くの県民に理解してもらうことを考えなくてはならないと思いますが、いかがでしょうか。岩手の若きリーダーとして、ぜひ他県に先駆け、具体的に行動を起こしてほしいものと期待いたします。
 次に、地方分権に関連いたしまして、情報公開に対する考え方をお尋ねいたします。
 地方分権が進み、権限委譲が国から地方自治体に行われることは、今まで以上に住民に身近な自治体の情報公開は避けて通れない課題であります。知事は、4月20日の定例記者会見において、県公文書公開条例を大幅に改正する方針を表明されました。改正を検討するのは、公安委員会と出資比率の高い県の出資法人を条例の対象機関に入れる、また、知る権利と、行政は行政情報を積極的に住民に説明する責任を負うとする説明責任を条例上明記するなど、全国的にも岩手県の姿勢は注目されていると思います。県議会の情報公開には触れておられませんでしたが、私は、議会も早く公開に踏み切るべきと考える1人であります。
 特にも公安委員会を対象機関と打ち出したことは全国でも初めてでありますが、6月25日付の新聞報道によりますと、県公文書公開審査会において、警察本部の意見として、公安委員会を実施機関に加えるためには、最低限国の情報公開法案との整合性が確保されなければならないことなど、条件整備の必要性を挙げております。つまり、実際の業務に支障がない範囲でおさまるように、犯罪の予防、捜査などの公共の安全や秩序の維持に支障があるおそれのある情報については公安委員会の第1次的な判断が尊重されるような仕組みが必要ということであろうと思われます。現在、警察本部で検討されている考え方をお示し願います。
 また、出資比率の高い法人とは、具体的に何法人でどこを指すのでしょうか、あわせてお尋ねいたします。
 また、県では、本年度より公共事業評価システムを実施することとし、これは、費用対効果分析手法はもとより、21世紀における岩手の発展可能性をも視野に入れた評価指標や判断基準を盛り込んだ評価手法を取り入れ、本評価システムによる評価結果や評価指標の公表を通じ、県民に対し透明性の高い事業執行を確保できるものとしていることは高く評価したいと思います。しかし、この結果によって、都市部あるいは特定の圏域が優先され、郡部や過疎地域の生活環境整備が立ちおくれることはないものと考えますが、具体的に評価指標や判断基準をどのように設定されるのかお伺いいたします。
 政策決定過程を公表する動きはそれぞれの自治体でかなり検討されているようであります。東京都では、7月から懇談会や審議会、起草委員会などで協議した内容や提出資料、各部局が練る中長期計画の概要を策定途中でも無料で閲覧できることといたしました。三重県においては2月から予算編成の基礎資料を公開し、約3、200の事業ごとに目的や成果、問題点などを記入した事務事業目的評価表を公表いたしました。三重県の北川知事は、政策の途中経過を明らかにすることで県民の関心や参加意識を高めることとしておりますが、ここまでオープンに県が進めていくと、当然その県の市町村も対応を迫られることになろうと思います。このような他の自治体の動きをどのように認識されているのでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、大規模小売店舗法、いわゆる大店法廃止による県内商業への影響と対応についてお伺いいたします。
 御案内のとおり、大店法にかわり大規模小売店舗立地法と中心市街地活性化法が成立し、2年後には新しい枠組みの中でことし11月に施行予定の改正都市計画法とともに商業界に新たな時代が到来しようとしています。県商工会議所連合会など経済4団体の実施した平成9年度の商店街実態調査によると、県内の商店街数は259で、3年前と比べ18の商店街が減り、6年前と比べると78も減っており、空き店舗を抱える商店街は74・5%の187という現状であります。原因として、大型店の影響や駐車場不足を挙げています。商店街を取り巻く環境はますます厳しく、自治体や地元商工会議所、商工会のソフト事業の展開にもなかなか活路が見出せない状況であります。
 このたびの法律では、国から地方自治体に権限が大幅に委譲され、地域主導のまちづくりの道を開くもので、国の制約をなくし、身近な行政、経済界、地域住民の選択で進められることは、ある意味で大きな前進と考えられます。しかし一方で、権限委譲によって責任も問われるという認識を持たねばならないのは事実であります。今回の法改正は目的そのものが転換されており、小規模店舗保護から生活環境保全にスタンスが移行したということであろうと思います。改正都市計画法では、大型店の立地を規制できる中小小売店舗地区のような特別用途地区も設定できると伺っております。
   〔副議長退席、議長着席〕
 これら自治体のまちづくりは、医療や福祉施設、そして学校など公共施設の立地をも視野に入れた、ある意味では専門的見地も必要不可欠と考えます。法施行に合わせ、県として市町村や商工団体などの関係機関とどのように取り組んでいかれるのか、また、どう指導されていかれるのか、お考えをお尋ねいたします。
 さらに、例えば今回の盛岡市郊外の飯岡地区のように住民の意見が分かれた場合、県はその決定過程を明らかにしなければならないと考えますが、どう対応されるのか、あわせてお伺いいたします。
 また、通産省では、今年度、スーパーマーケット等の郊外移転などにより中心市街地で増加している大型空き店舗を市町村が買い取る際に助成する事業を始めることになりました。この事業は、購入した空き店舗を公共施設に転用したり、新たに店を開業する人に貸し出しをすることなどにより周辺に活気を取り戻そうとする、地方にとっては時宜を得たものと考えております。助成額は費用の2分の1、上限は15億円で、補正予算に80億円計上され、全国16カ所で実施予定と聞いております。私の地元におきましても駅前のショッピングセンターがまさにこのような状況であるのですが、市町村が取り組もうとした場合、この事業が適用される条件とはどのようなものでしょうか。また、県として、この事業に該当する市町村はどの程度あるとお考えでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、少年非行対策についてお伺いいたします。
 県警少年課の発表によりますと、昨年の刑法犯で補導された少年少女は前年比29・2%増の1、758人であり、特にも女子は52%増の503人ということであります。また、強盗や恐喝、傷害も増加傾向であり、万引き行為による補導も48・4%増の1、183人と急増しております。これは全国的傾向とも言われておりますが、県警察本部としてこのような状況をどうとらえ、今後はどういう対策が必要とお考えでしょうか、お伺いいたします。
 厚生省国立公衆衛生院の調査によりますと、中高生の喫煙調査では、禁煙や分煙が広がる中、高校3年生男子の4人に1人が毎日たばこを吸い、高校3年生女子の7人に1人が喫煙が習慣になっており、喫煙習慣の低年齢化に歯どめがかからない状況にあると発表しております。警察庁では、重大な非行の前兆とされる夜遊びや飲酒、喫煙などの問題行動の段階で少年の立ち直りを支援する専門組織、サポートセンターを各都道府県に設置するなどの政策プログラムをまとめ、北海道警察本部、大分県警察本部では、試験的に既にスタートしているそうでありますが、具体的内容はどのようになっているのでしょうかお尋ねいたします。
 次に、地域課題にかかわって2点お伺いいたします。
 まず、ごみ処理の広域化についてでありますが、ダンイオキシンをめぐる不安が全国各地に広がり、国内のダイオキシン類の総排出量の90%は廃棄物焼却施設が原因との説もあります。日本においては、焼却設備に対する規制は昨年からであり、国内における摂取量は10ピコグラムでありましたが、WHOは5月に数値を見直し、4ピコグラムといたしました。この数値から摂取限度を超える国民が相当数いることになります。いずれ、日本もこのWHOの新基準を採用することになり、今後一層厳しいダイオキシンの規制がなされるものと考えられます。
 この問題で多くの自治体がごみ処理の広域化計画を最重要課題としております。本県においても、平成29年までに現在の22施設を6ブロックにするとのことであります。1市2町で構成する一関地方衛生組合では、県より提示された2案のうち、平成14年稼働を目指し単独施設を建設し、29年から胆江、東磐井とともに集約する方向を選択したようでありますが、建設地住民の強い反対もあり計画が進まない状況下にあります。県として、施設建設に時間を要する場合、もう一方の案、即ち平成12年からの胆江との集約について地元関係市町村との話し合いを進めるのでしょうか。新施設建設には市町村の財政負担もかなりの金額になります。適切な連携と指導体制をとっていただきたいと思いますが、見解をお伺いいたします。
 また、東磐環境組合については、厚生省でもゴーサインを出し、平成11年稼働という計画であったようでありますが、住民の反対が強く、住民団体が公害審査会に公害調停を申し立てております。今後の対策及び計画に与える影響をどのように認識されているのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、県立磐井病院及び南光病院の併設問題と今後の医療局の方針をお伺いいたします。
 御案内のとおり、両病院は岩手県南、宮城県北の中核医療機関として大きな役割を果たしています。磐井病院の患者数のうち一関市民の占める割合は50%、南光病院は30%であり、ほかは宮城県北を含む両磐町村の方々であります。今地元では、建設場所決定の過程を含め、県医療局と市当局の方針の違いに強い関心が寄せられております。県と市の行政間の連携不足露呈とも報道され、先月には地元の市民団体が、それぞれの考え方をもとに医療局長に対し陳情も行われたところであります。医療局では、両病院の併設計画を平成7年12月から市に対して打診してきたとし、市側は、ことし4月10日に磐井病院の隣接地に南光病院を移転改築するとの協議の正式申し入れがあり、平成8年、磐井病院内定の前後に隣接地移転の話があったときは、急な話で困惑したとしております。さきの市議会全員協議会では、まず磐井病院を先行着手すべきとしています。このような3年間にわたる経過をどう認識されているでしょうか。打開策をどうお考えでしょうか、お尋ねいたします。
 私は、一日も早い施設の開院を多くの地域住民が期待していることとは思いますが、一番重要なことは、急速に進む少子・高齢化時代の中で、今後数十年先を見据えた、本当に住民の生命を守る中核拠点としてのあり方をオープンに議論できる環境をつくることと考えます。急ぎ過ぎるために十分な議論も納得も得られず事業を推進し、後世から悔やまれることのないようにしていただきたいものです。併設と単独では、その計画策定過程で基本的に違ってくると考えます。昨年は、磐井病院の用地費を計上され、2月補正ではその額を増額し、今年度は南光病院の用地費も積極的に計上をしていただきましたが、これは併設を前提での予算計上と思いますがいかがでしょうか。ぜひとも医療局におかれましては、関係する医師会や各種団体、そして関係圏域住民の意向も考慮され、自信を持って住民の最適な医療機関を目指していただきたいものと期待いたします。
 そこでお尋ねいたしますが、今後の計画策定を初め、両病院の開院を何年と見込んでおられるのかお伺いいたします。
 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。言葉足らずの点やお聞き苦しい点もあったかと思いますが、お許しいただきたいと思います。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 佐々木一榮議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、岩手の現状認識と県民意向の新しい総合計画への具現化についてお尋ねがございましたが、人々の価値観、そして生活様式が現在大きく変化をしてきておりますし、地球時代、また人口減少・高齢化時代、高度情報化時代が本格的に到来しつつございまして、こうした動きに対応した社会の新しい仕組みづくりが求められているものと、このように考えております。一方で、この岩手には四季折々の変化に富んだ自然、特色ある歴史、固有の文化など、いわゆるこの日本の中での良質な部分がしっかりと残されているわけでございまして、無限の可能性を秘めたフロンティアであると、このように考えております。
 また、県内各地に私も出かけまして、地域づくりや生産活動、ボランティア活動などに真摯に取り組む県民の皆様方の姿に接して、改めて県政の主役は県民であることを強く意識をし、感じたところでございます。新しい総合計画の策定に際して、県民の皆さんからさまざまな形でいただいております御意見、御提言につきましては、新しい時代に対応した地域社会のあり方や、岩手のこの21世紀に向けての可能性を念頭に置きながら、地域や県民の視点で行政が何をなすべきかしっかりと見きわめ、新しい計画に反映させていきたいと、このように考えております。
 次に、地方分権推進計画に対する本県の今後の対応についてでございますが、私は、地域や住民本位を基本とする、いわゆる分権型地域社会におきましては、住民に最も身近な先端行政を担う市町村の果たすべき役割がますます重要となってくるものと、このように考えておりまして、その役割が住民福祉の増進に向けて十分に果たされるためには、地方がまずみずからの選択と責任のもとに活力ある地域づくりを展開していけるよう、適切な権限の委譲とともに、これに合わせた十分な税財源が安定的に確保されることが極めて重要であると、このように認識しております。ただいま議員御指摘のとおり、この地方分権推進計画では、国と地方との税源配分のあり方が今後の検討に委ねられておりまして、不十分な面もありますことから、より積極的な権限の委譲や地方税、地方交付税などの地方一般財源の充実などについて、速やかに適切な措置を講ずるよう、引き続き国に対して強く要望してまいりたいと考えております。
 また、県におきましては、これまでにも県民サービスの向上の観点から、住民に身近な市町村が執行することが望ましい項目につきまして、計画的に権限を市町村に委譲してきたところでございますけれども、今後とも所要の経費を措置するなど、その円滑な執行にも配慮して、市町村の御理解を得ながら積極的な委譲を進め、住民に身近な行政が地域での主体性と完結性を持って展開されるよう努めていく考えでございます。
 次に、地方自治の方向性と、また市町村合併についてのお尋ねでございますが、21世紀を間近に控えて、少子・高齢化の進展や情報化などの社会経済情勢の変化、多様化・高度化する住民ニーズに的確に対応して、県民一人一人が真に豊かさを実感できる地域社会を築いていくためには、地域の総合的行政主体である市町村みずからが、こうした分権時代に対応した行政体制の整備や財政基盤の強化を図って、自主的、自立的な行政を展開していくことが必要であると考えております。また、このためには、合併や広域連合などの広域行政の推進が有効な方策であると、このように認識しておりますが、合併は、住民の生活に大きな影響を及ぼすものであって、地域のあり方はまさに地域が決めるという地方自治の基本的な考え方を踏まえつつ、自治の担い手である住民が、地域の現状や課題をともに考え、将来の望ましい姿を描きながら、まさに自主的に判断することが重要であると、このように考えております。したがって、市町村においては、地域の現状や内外の情勢など、地方自治を取り巻くさまざまな環境を踏まえて、まず地域住民に行財政に関する的確な情報を提供して、望ましい行政体制についての議論が行われるよう、住民自治の意識を高めていくことが最も重要であると、このように考えております。
 県でも、機会あるごとに広域行政の重要性について広く議論を深めていただけるよう機運の醸成に努めてきたほか、本年度は、本庁に広域行政専任組織を新たに設置いたしましたし、地方振興局の充実・強化を図るなど、体制を整備したところでございまして、市町村におけるこうした広域行政の取り組みを積極的に支援していく考えでございます。
 次に、県が本年度から実施をすることとしております公共事業評価システムについてでございますが、このシステムは、県土の均衡ある発展と県民生活の向上を図る上で重要な役割を果たしている公共事業の一層の効率化・重点化を図りますとともに、その実施過程の透明性を確保することを目的とするものでございます。本システムによる評価は、新規に着手しようとする事業はもとより、既に実施をされている事業につきましても、事業採択後相当の期間が経過をしている場合等には、継続の適否を含め再評価を実施するものでございまして、その対象は、県の農政部、林業水産部、そして土木部が事業主体となって実施をする国庫補助事業、そしてこれに類する県単事業のうち、いわゆる維持管理に係る事業を除くすべての事業とすることとしております。
 評価に当たりましては、県内各地域それぞれの特性や社会資本の整備状況などに十分配慮しながら、事業実施に伴う費用対効果分析、さらには、事業をめぐる社会経済情勢のほか、特に再評価の場合にありましては、事業の進捗状況やコスト縮減の可能性などを基本的な視点として具体的な評価指標等を定めることとしております。また、学識経験者など第三者で構成される事業評価委員会を設置して、より幅広い観点からの御意見をいただくこととしておりますことから、客観的で、かつ総合的な評価ができるものと、このように考えております。
 次に、政策決定過程を公表することについての認識についてでございますが、地方がみずからの選択と責任で地域づくりを担っていく、いわゆる分権型地域社会の到来に備えて、県民の視点に立った行政サービスの提供や県民が行政に積極的に参加できるようなシステムを構築することが肝要であると思っております。このため私は、行政はこれまで以上に外部に対してオープンになり、また行政施策の立案・実施の過程における情報を公開することによりまして、県民に対する説明する責務を全うし、その上で県民の皆様方と自主的、そして有益な議論をかわして県勢の発展につなげていくための基盤をつくることが大事であると、このように認識をしております。こうした考え方に立ちまして、例えば新しい総合計画の策定に当たりましては、中間報告の形で県民の皆様の前に案をお示しをし、それをもとにさまざまな御議論をいただくこととしておりますが、今後におきましても、とりわけ計画策定や審議過程などのいわゆる政策決定過程情報、あるいは意思形成過程情報につきましては、あとう限り積極的に、かつ多くの県民の皆様にわかりやすい形で公表・公開をして、県政への参加を一層促進してまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁をさせますので、御了承お願い申し上げます。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) まず、新国民生活指標に対する認識についてであります。
 いわゆる豊かさ指標において、本県は、住環境が良好である点や子育ての環境がすぐれている点などが高い評価を受けているところであります。一方、県民の余暇活動の状況などを示す指標である遊ぶや、交流活動・社会的活動などを示す指標である交わるにつきましては、いずれも全国に比較して低い水準にとどまっている面もあります。豊かさ指標は、生活にかかわる144項目を総合化したものであり、項目によりましては、一部県民の実感にそぐわないものや、議員御指摘のとおり、多面的なとらえ方ができるものもあると感じております。本来指標とは、一定の情報を体系的に整理し、これを数量化したものであり、それ自体数字としての意味を持つものではありますが、何よりも重要なのは、議員御指摘のように、その背景にある本質的な意味についてしっかりとした把握に努めることであり、また、例えば本県の誇り得る四季折々の美しい自然でありますとか、歴史、文化、人情などのように、必ずしも数量化しにくいが大変大きな意味を持つ場合もあることも承知しているところでありまして、豊かさ指標についても、このようなことも踏まえながら、今後県民生活の向上を図る上での一つの目安として活用してまいりたいと考えております。
 なお、御案内のとおり、現在新しい総合計画の策定を進めているところでありまして、県民意向を把握するためのさまざまなアンケートを実施してきたところでありますが、豊かさ指標についても、アンケート調査とあわせ新しい計画の審議に活用してまいりたいと考えております。
 次に、補正予算が県内経済に与える効果についてでありますが、今回提案しております一般会計補正予算額約596億円のうち、総合経済対策関連額約534億4、000万円に、特別会計補正予算額のうち、同じく総合経済対策関連額約24億2、000万円を加えた合計の総合経済対策関連額は、約558億6、000万円となります。これから用地費などを除いた経費約468億円について、平成5年岩手県産業連関表を用いて試算いたしますと、公共事業等に係る直接効果及び各種資材などの生産、流通を通じて他産業に及ぼす間接効果を合わせた第1次生産波及効果が680億円程度、さらに、この第1次生産波及効果によって増加する雇用者所得を通じて消費需要が高まり、生産を誘発することによる第2次生産波及効果が101億円程度であり、これらを合わせると、当初経費の1・67倍に相当する781億円程度の県内生産額が誘発されるものと推計されるところであります。
 次に、国の総合経済対策への市町村の対応についてであります。
 市町村においては、財政改革指針を定めるなどにより、歳出抑制や事業の重点化などを柱とする全般的な財政運営の見直しに取り組んでいる現状にありますが、今般、国の総合経済対策が打ち出されたことに伴い、市町村が現在進めている財政改革の取り組みを継続しつつも、現下の経済状況にかんがみ、当面景気回復が重要な課題であることから、市町村にあっても国、県と呼応して対策を講じる必要があると認識しております。県といたしましては、これまで国の総合経済対策に関する通達を市町村に速やかに伝達したほか、市町村財政担当課長会議や地方債講習会を開催して趣旨の周知徹底を図るとともに、事業実施に当たっての財源措置等について市町村の相談に応じ、適宜助言を行っているところであります。現在、市町村においては経済対策に係る予算措置等について鋭意取り組みを行っているところでありますが、今後とも景気対策の緊急性と重要性にかんがみ、市町村が個々の実情を十分に踏まえて、節度ある財政運営を基本としつつ、事業の適切な選択と優良な地方債の導入に一層努めながら適切に対処するよう、指導・助言を行ってまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長緒方剛君登壇〕
〇保健福祉部長(緒方剛君) 自殺の現状についての認識と防止対策についてでありますが、人口動態調査によりますと、平成8年の自殺による死亡率は、全国が人口10万人当たり17・8に対し、本県は26・1と秋田県に次いで第2位であり、地域的には県北地域が高く、また年齢階層別には、ほとんどの年齢階層で全国平均を上回っており、残念であります。秋田大学の吉岡教授を中心とする研究によれば、本県における自殺の背景は、若年層や壮年層では精神疾患が多く、対人関係がこれに次ぎ、高齢者では病苦とともに、疾病を原因として生じる同居家族に対する心理的負担も要因であると指摘されております。
 県としては、これまで精神保健福祉センターや保健所を中心として、心の健康づくりに関する普及啓発を実施するほか、専門家の協力も得ながら、精神保健相談、訪問指導などを充実してきたところであります。また、職場のメンタルヘルスについては、産業保健分野で取り組みが進められるとともに、民間においても、いのちの電話による相談が実施されているところであります。特に高齢者については、生きがいづくりを促進するとともに、高齢者のさまざまな相談に応じるセンターの充実や援護を必要とする場合の適切な福祉サービスの充実に努めているところであります。
 今後、この課題については、各関係機関との連携のもとに、新しい保健医療計画の基本的方向で提起された医療の場における心理面での対応や地域保健と職域保健の連携も含め、よりきめ細かな対応について検討していきたいと考えております。
   〔商工労働観光部長小野寺修君登壇〕
〇商工労働観光部長(小野寺修君) まず、いわゆる貸し渋りと中小企業対策等についてでありますが、いわゆる貸し渋りにつきましては、明確な定義はないわけではありますが、一般的には、企業業績に変化がないにもかかわらず、反復して融資を受けられなかったことを貸し渋りと言うというふうに言われているところであります。県におきましてはこれまで、本年1月から実施している特別相談窓口や5月から6月にかけて実施した巡回総合指導等により136件の企業からの相談を受けておりますが、これらの場におきましては貸し渋りに関する相談は寄せられなかったところであります。しかし、業績が悪化して反復する融資を受けられなかった、あるいは与信限度を引き下げられたことについて貸し渋りによるものとする相談は数件受けております。このような状況となっている背景といたしましては、本年4月から早期是正措置が導入され、金融機関がみずからの責任において資産を査定し、必要な償却等を行うとともに、不良債権をディスクローズし評価を市場に任せるという仕組みとなったことから、金融機関ができるだけ健全経営を志向するためであると言われております。
 県としましては、この景気が停滞する中で、企業側には業績の悪化への対処、また、貸し手である金融機関側には健全経営の要請という、双方にとってそれぞれ厳しい現実への対応があるという実情に配慮し、新たに無担保で低利の融資制度として、いわて緊急経済対策資金を創設するとともに、岩手県信用保証協会に対し損失補償を行い、この融資制度の円滑な運営を図っていくほか、増大する補償需要に積極的かつ弾力的に対応できるよう、同協会の財政基盤を強化し、広く中小企業の支援を行うこととしているものであります。
 また、円安の影響でありますが、本県の地銀3行の保有する外貨建て資産につきましては、県はその内容を把握しておりませんので影響の有無についてはわかりかねますが、各行とも国内基準である4%以上の自己資本比率を達成していることを明らかにしていることから、円安による貸し渋りに限っては、その理由はないものと考えられます。
 なお、県内3行の決算状況につきましては、県は直接指導監督する立場ではなく、詳細を把握できませんので、コメントできないことを御了承願います。
 次に、大規模小売店舗法の廃止による県内商業への影響と対応についてでありますが、国におきましては、今般大型店に関する政策を、いわゆる大店法による商業上の利害調整から、地域社会との融和を促進する社会的規制へ転換するとともに、今日的な課題であります中心市街地の活性化に取り組むため、関連3法について所要の法的整備を行ったところであります。県といたしましては、これらの法律に基づき県内の各地域において、個性豊かで将来を見据えた計画的なまちづくりが住民参加のもとで主体的に展開されるように、市町村や商工団体等と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、都市計画法の改正の趣旨を踏まえ、市町村が大型店の立地の可否をあらかじめきめ細かく決めるなど、地域独自の考え方に基づくまちづくりに取り組むことができるよう、適切な指導、助言を行ってまいりたいと存じます。
 また、このような計画的なまちづくりに密接に関連する中心市街地活性化法の活用につきましては、現在、市町村のまちづくり基本計画の策定などのための現地協議に取り組んでいるところであり、今後、その計画の実施に当たりましては、国の助成制度の導入を図りながら積極的に支援してまいりたいと考えております。
 大規模小売店舗立地法につきましては、大型店の出店に伴う交通渋滞や騒音への対応など、大型店と周辺生活環境との調和を図るという法の趣旨に沿って、国が定める手続等に従い、地元住民や市町村の意見を幅広く聞くなど、個別ケースごとに地域の実情に応じた運用を行ってまいりたいと考えております。
 なお、この運用に当たりまして、住民の意見が分かれた場合の対応につきましては、住民の意見の内容を含めた手続の経過等を公告、縦覧により明らかにしながら、公正かつ透明な手続によって調整してまいりたいと考えております。
 さらに、お尋ねのありました大型空き店舗を市町村が買い取る際の国庫補助事業につきましては総合経済対策の一つとして国の補正予算に盛り込まれておりますが、詳細につきましては、現在、国において検討中であり、まだ明らかになっておりません。したがいまして、事業採択条件に当てはまる商店数はわかりませんが、県といたしましては、一関市などにおきまして市街地に大型空き店舗が発生している状況にかんがみまして、事業採択条件等が明らかになり次第、地元市町村等の意向を踏まえながら積極的な活用を促進してまいりたいというふうに考えております。
   〔総務部長吉田敏彦君登壇〕
〇総務部長(吉田敏彦君) 県の出資比率が高い法人の情報公開についてでありますが、県出資の法人は県行政の代替的機能を果たしている場合が多く、公共性や公益性が高く、事業内容も県行政や県民生活と密接な関係を有していることから、その保有する情報の公開がさらに推進される必要があるものと考えております。しかし、これらの法人は県の出資割合や事業目的などがさまざまであり、かつ独立した法人格を有していることから、それぞれの法人の出資割合や設立趣旨あるいは自立性に配意しつつ、法律上可能な範囲内で情報公開を進めていくことが必要と考えております。したがいまして、どのような法人を対象とすべきなのか、また、どのような仕組みが考えられるのかということにつきましては、岩手県公文書公開審査会に客観的かつ専門的な立場から調査、検討をお願いすることとしておりまして、その報告を受けて適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) ごみ処理の広域化についてでありますが、広域化の基本的方針につきましては、本年3月末に開催されました市町村の助役等で構成する岩手県ごみ処理広域化計画策定検討会で、平成29年度をめどに、段階的に県内を6地域に広域化する方向で了承をいただいたところであります。
 胆江地域と両磐地域とで1ブロックを形成することとしている県南地区におきましては、既に新たに整備された施設や更新に向け準備に着手している施設等があることから、関係する市町村の実情や意向を十分考慮し、具体的な施設の集約の方法や時期について、広域化の基本的な方向に沿って早期に合意が得られるよう、関係市町村による協議の場を通じ、地方振興局と緊密な連携を保ちながら積極的に調整に努めてまいりたいと考えております。
 また、東磐環境組合のごみ焼却施設についてでありますが、東磐環境組合では、現有施設の老朽化が進んでいたことから平成5年度から施設更新のための準備を進め、ダイオキシン類の新しい規制に対応した施設として平成10年3月に着工したものであります。その後、建設予定地周辺住民から建設反対の調停申請が提出され、現在、岩手県公害審査会で審査されておりますが、当事者双方の誠意のある話し合いにより問題の解決が図られることを期待いたしております。
 ごみ処理の広域化計画に与える影響につきましては、調停の推移によっては施設の集約過程に調整を要する場合も考えられますが、現時点では、県南地区の基本的方向には影響のないものと考えております。
   〔医療局長佐藤文昭君登壇〕
〇医療局長(佐藤文昭君) 県立磐井病院と南光病院の併設問題と今後の方針についてでありますが、かつて平成3年6月に策定しました県立病院等長期経営計画の中では、南光病院は現在地での新築を、また、磐井病院については、一部新しい部分もありますことから、現在地において改築を進めることとしたものであります。しかしながら、磐井病院は、その後増改築等によりまして敷地が一層狭隘化し、駐車場の確保や将来の改築への対応が困難になったこと。また、高齢化社会を迎えまして、合併症や痴呆性疾患、さらには社会的、家庭的あつれきからきますストレスによる心身疾病患者が増加している。これらに機敏に対応するためには、一般医療と精神医療が有機的に連携することが望ましいこと。一方におきましては、エネルギー施設や給食施設などを共用することによりまして物的、人的資源の効率化が図られることなどメリットが大きいことから、両病院を同一敷地内に併設をしまして可能な限り後世の負担を軽減することが最善であると判断、平成8年6月に前段申し上げました計画の後期計画に盛り込んだものであります。こうした考えのもと、議員御案内のとおり、両病院の改築の予定地として、一関市から推薦のありました前堀地区を選定しまして用地取得の予算化を図ったところであります。
 これまで一関市との協議を進めてきた中で、両病院を併設するという方針につきましては、市当局からも基本的には御理解をいただいているものと認識いたしております。ただし、市からは、両病院の併設について、関係者の理解を得るためには時間を要する旨の報告を得ているところであります。
 県といたしましては、引き続き市との連携を密にしまして、両病院ができるだけ早期に同時着工できますよう努力してまいりたい、このように考えております。
   〔警察本部長篠宮隆君登壇〕
〇警察本部長(篠宮隆君) 最初に、情報公開についてお答えいたします。
 現行条例の制定時には、警察業務の全国的斉一性、一体性などから、公安委員会、警察は実施機関とされなかったものであります。現行の条例の枠組みのもとで警察の保有する情報を公開することは捜査力の低下を招くおそれなどがあり、警察業務に多大の支障が生ずると考えております。
 現在、国会で継続審議されておりますいわゆる情報公開法案におきまして、犯罪の予防、捜査、その他公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるかどうかについて、行政機関の長の第1次的判断を裁判所が尊重する考え方に立った仕組み、あるいは開示請求に対し、文書が存在しているか否かを答えるだけで開示すべきでない情報を開示することとなるときには、当該行政文書の存否を明らかにしないで開示請求を拒否することができる仕組みなどが提案されております。
 警察といたしましても、警察業務の遂行に支障を招かないようにするため、最低限情報公開法及び政令、省令などによって定められる仕組みと同様の仕組みを条例においても新たに設ける必要があると考えております。したがいまして、十分な時間をかけ、慎重に検討すべきものと考えております。
 次に、少年の非行防止対策についてお答えいたします。
 平成9年中における刑法犯少年は、女子の非行や本格的な非行の入り口となりやすい万引きが著しく増加しております。さらには、ナイフにかかわる事案もこれまでは年間数件の発生でありましたが、平成9年には17件、本年は既に7件に達しております。このように、県内の少年非行情勢は凶悪化、粗暴化が一層進んでおり、議員御指摘のとおり、極めて深刻かつ憂慮すべき状況であると認識いたしております。
 県警察といたしましては、非行を行った少年に対しましては、悪いことは許されないとする認識を持たせるべく、悪質事案に対しては厳正に対処しております。
 一方、少年の健全育成のため、岩手っ子すくすくネットワークを昨日発足させましたほか、少年サポートセンターの設置につきましても検討をしております。このセンターは、非行の前兆行動などに対する少年の指導や家庭に対する支援などを進めるためのものであります。
 県警といたしましては、既に進めております少年相談業務をボランティアの皆様の力をおかりするなどして組織的にも強化、充実を図り、少年の心と行動の問題解決に取り組むこととしております。関係する皆様の御理解と御協力をいただきながら実現してまいりたいと考えております。

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