平成19年2月定例会 第23回岩手県議会定例会会議録

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〇知事(増田寛也君) 本日、ここに第23回県議会定例会が開催されるに当たり、今後の県政運営について、私の所信の一端を申し上げます。
 このたびの議会は、私にとりまして、平成7年4月に知事に就任して以来、3期12年間の最後の定例会であります。
 この間、県議会並びに県民の皆様から賜わりました数々の御厚情と御支援に対しまして、まずもって、衷心より感謝を申し上げる次第であります。
 私の知事としての12年間は、20世紀から21世紀への橋渡しをするという大きな節目に当たり、また、我が国が構造改革を進める中、地方分権が推進されてきた変革の時代でもありました。
 このような変革の12年間において、私が目指してきた岩手らしい地域の自立のための県政運営とその成果、そして今後の課題について申し上げます。
 国際情勢を振り返りますと、東西冷戦終了後の不安定な状況が続く中で、平成13年の米国同時多発テロ事件以降、世界各地においてテロが続発し、イラクの治安もいまだ回復をせず、また、北朝鮮の核実験やイランのウラン濃縮停止の拒否などにより、世界平和に対する脅威は増大をしております。
 これまでにも、多くの悲しみの歴史を繰り返してきた民族間や宗教間の対立が、一日も早く解決し、平和な国際社会が実現するよう望むものであります。
 一方、経済のグローバル化は急速に進展をし、中でも中国の成長は目覚ましく、経済規模はこの10年でおよそ3倍に拡大するなど、世界経済に大きな影響力を持つようになりました。
 また、日本、中国、ASEAN諸国など、東アジア・大洋州地域の16カ国は、将来の経済統合に向けた検討開始に合意し、総人口30億人市場の創設へ向けて、その一歩が踏み出されました。
 このような背景のもと、我が国経済は、中国を初めとしたアジア圏との結びつきをますます深める傾向にあり、また、本県経済もアジア圏という大きな枠組みの中で、今後の方向性を見出していく時代になっております。
 国内に目を向けますと、1990年代初めのバブル経済の崩壊と、その後の金融不安などの大きな経済的危機に直面した、いわゆる失われた10年と言われる厳しい時期を経て、平成14年から緩やかな景気回復が始まり、その拡大期間は昨年の11月で、戦後最長であったいざなぎ景気を超えるに至りました。
 この間、県内においても、企業の倒産や誘致企業の相次ぐ撤退、有効求人倍率の低下など、長く厳しい低迷の時期が続いてきましたが、国の景気回復の動きに追随する形で、現在では、全体として緩やかな持ち直しの基調が継続しております。
 また、我が国は、平成17年から人口減少社会に突入しましたが、本県では、既に平成9年から人口が減少に転じ、経済や財政へのマイナスの影響が懸念される中、このような環境変化に的確に対応する行政運営が求められてまいりました。
 私が県政の責任者であったこの12年間は、地方が主体的に地域経営を担う分権型国家を目指して、これまでの中央集権的な行政システムを変革する地方分権改革が進められた時期でありました。
 平成7年の地方分権推進法の成立により本格的に動き出した地方分権改革は、平成12年に施行された地方分権一括法において、機関委任事務の廃止など、国と地方の関係が、制度の上では対等・協力の関係になりましたが、補助金改革や税源移譲は進まず、国と地方の二重行政の姿は依然として改善されませんでした。
 その後、国庫補助負担金の廃止・縮減、それに伴う税源移譲及び地方交付税の見直しをセットで行う、いわゆる三位一体改革によって、初めて3兆円規模の本格的な税源移譲が実現されたものの、これも、国の財政再建に軸足が置かれ、地方分権の推進という所期の目的を実現する観点からは不十分な内容でした。
 このような状況の中、昨年12月には、地方分権改革推進法が成立し、3年以内のいわゆる地方分権改革一括法案の国会提出に向けて、国と地方の役割分担や国の関与・義務づけの抜本的な見直しなどについて、早急に検討を進めることが求められております。
 また、中・長期的には、地方分権型社会を構築するという観点から、基礎自治体である市町村を中心とした行政システムの構築を前提としながら、広域自治体のあり方、いわゆる道州制について、国民的な議論を喚起し、検討を進めていく必要があります。
 改革に終わりはありません。私たちは、今後も、分権型国家を実現するという強い信念を持って、みずからも厳しく律しながら、改革の努力を継続していかなければなりません。
 このような地方分権改革の大きな流れを背景に、私が絶えず目指してきたものは、岩手の美しい自然や豊かな資源、世界に誇れる歴史や文化、厳しい環境の中ではぐくまれてきた生活習慣や結いの精神など、岩手ならではのすばらしい財産や可能性を生かして、岩手らしい地域の自立を実現することでありました。
 岩手の大地には無限の可能性が秘められております。私は、県民とともに、これを見つけ、引き出し、生かしていくことこそが、岩手の明るい未来につながるものであると確信をしております。
 このためには、県民の地域づくりに向けた力を最大限に発揮できる仕組みをつくることが最も大切であり、まず、県民に、県政が目指す姿やその実現のための取り組みを十分に知っていただくために、情報公開条例の制定や審議会の原則公開など、徹底した情報公開の推進による透明性の高い行政の実現に取り組んでまいりました。
 また、県内各地域の現場に足を運び、直接、県民一人一人の御意見をお聞きすることにより、信頼関係を深めながら、現場の知恵や感覚を行政に取り入れてきました。
 さらに、県民とともに政策を形成し、評価をしていく仕組みとして、パブリックコメント制度や県民参加型の外部評価システムを導入してきました。
 地域の自立を実現していくためには、県民一人一人が地域を見つめ直し、そこから新たな価値を創造していくことが極めて大切であります。このため、地域からの発想や地域の個性、そこにしかない文化や資源を大切にし、岩手らしい地域づくりを追求していくいわて地元学を実践するとともに、がんばらない宣言の提唱により、これまでの経済的な利益や効率性のみを追求する画一的な価値観からの転換を県内外に発信してきました。
 県政への参画と協働を進めながら、地域の自立を進めるためには、現場主義の視点に立って、できるだけ住民に近いところで意思決定ができる行政の仕組みへと改革していくことが必要であります。
 このためには、住民に最も身近な行政体である市町村が、住民に密接な業務を担っていく市町村中心の行政システムに移行していくことが重要であります。
 そのためには、まず、市町村の行財政基盤の強化を図ることが必要であることから、合併の支援を初め、権限、財源、人材の3点をセットにしたモデル的な権限移譲など、市町村への権限移譲を大胆に進めてきましたが、来年度は、7市町村に14人の県職員を派遣し、市町村への支援を強化する予定であります。
 また、現場主義の視点に立った県の体制を構築するため、県民に身近な地方振興局を地域振興の総合的な拠点として位置づけ、県庁からの大幅な権限移譲を初め、人員の拡充、企画調整機能の強化、市町村総合補助金の創設などを進めてきました。
 さらに、市町村中心の行政システムを一層強化・拡充し、県の役割を産業振興などの広域的な政策へと重点化させていく観点から、これまでの九つの広域生活圏を四つの広域振興圏に再編するとともに、より完結性の高い広域行政の推進を目指し、広域振興局体制に移行することといたしました。
 県民の参画と協働による現場重視の県政を実現していくためには、従来のように国を見て仕事を進めるのではなく、現場において県民と向き合い、物事をよく見きわめ、そこから新たな価値を生み出していくという姿勢へ転換することが大切であり、行政品質向上運動や迅速な意思決定、業務執行を図るための組織のフラット化など、県としての仕事の進め方や組織の見直しにも力を入れてきたところでございます。
 経済のグローバル化の進展などに伴う地域間競争の激化や、生活圏や経済圏の拡大に伴う広域的な課題の増加などにより、県を越えた広域的な連携の重要性が高まってきました。
 このため、歴史や文化、自然環境や産業構造などに共通点を持つ青森、秋田の両県知事と平成9年に知事サミットを開催し、平成13年からは北海道も参加して、4道県の共通する課題について、トップダウンにより連携して取り組む道筋をつけてまいりました。
 昨年で10回を数えた知事サミットでの合意事項は122となり、地方債の共同発行や、大阪、福岡などへの県事務所の共同設置など60の事業が既に実現を見たほか、平成17年には、北東北のグランドデザインにより、今後の北東北の進むべき方向を示したところです。
 これまでの取り組みにより、3県の内外において一つの顔を持った広域圏としての認知が深まり、民間の連携の動きも活発に見られるようになりました。
 また、北海道、東北の知事と経済界のトップによる北海道・東北未来戦略会議を設立し、広域的な観光振興に向け、抜本的な強化の方向づけを行うなど、官民一体となった広域連携を進める基盤づくりに取り組んできました。
 一方、本県経済は、成長が著しいアジア圏域という大きな枠組みをも視野に入れながら、今後の活路を見出していくべきものとの認識に立ち、ソウルとシンガポールには北海道・北東北3県との共同の事務所、また中国の大連市には宮城県との共同事務所を設置するなど、県内中小企業のアジアへの展開や国際観光の推進などのための体制を整備してきました。
 このように岩手らしい地域の自立に向けた取り組みを進めてまいりましたが、一方で、本県の財政は非常に厳しい局面に立ち至ることになりました。
 バブル経済崩壊後の国の景気浮揚対策に呼応して、緊急性のある社会資本整備に取り組み、東北新幹線盛岡以北の延伸などを進めてきましたが、他方で多額の県債残高を抱えるようになり、また、長引く景気の低迷による県税収入の落ち込みや、いわゆる交付税ショックによる地方交付税の大幅な減額などが相まって、県財政は極めて厳しい状況に陥り、予算編成も困難を極めるなど、まさに悪戦苦闘の状態が続いてきたところであります。
 このような事態を打開するために、平成15年10月に、向こう4年間の行財政構造改革プログラムを策定し、各政策分野における施策の選択と集中の徹底により、職員数の削減等による総人件費の抑制や投資的経費の見直しなどに取り組んできました。
 あわせて、指定管理者制度の導入などによる民間の柔軟な発想を生かした行政サービスの実施や建設企業の新分野進出への支援などを進めてきました。
 この結果、平成18年度において、プライマリーバランスの黒字化を達成し、県債残高を初めて減少させるなど、安定した行財政基盤の構築に向けて、一定の道筋をつけることができたものと考えております。
 次に、この12年間の私の政策について、概括的に申し上げます。
 この12年間の前半は、安全で快適な県民生活の実現と産業の発展のための基盤づくりを視野に入れ、これまでおくれていた社会資本の整備を重点的に進めてきたところであります。
 産業の振興や地域間交流の推進のために、東北横断自動車道や仙人峠道路、さらには釜石港の整備、東北新幹線盛岡以北の工事促進など、高速交通網と物流ネットワークの整備を進めてきました。
 また、県内産業を支えていく研究開発とその成果の活用のため、農業研究センターを初めとした各分野の試験研究機関の再編・整備を推進してきました。
 さらに、広い県土を踏まえた県民生活の利便性の向上を図る観点から、いわて情報ハイウェイを構築し、防災、医療、教育などにおける情報通信技術の活用を進めてきました。
 また、12年間の後半は、それまで整備を進めてきた社会資本を活用しながら、産業振興を中心としたソフト面の施策に取り組み、自動車関連産業を初めとした地域産業の強化を進めたほか、ご近所介護ステーションのような地域力を生かした福祉施策など、民間の活力や地域の潜在力を引き出す取り組みを重点的に進めてきました。
 さらにこの4年間は、厳しい財政状況のもと、選択と集中を進める観点から、知事選挙でのマニフェストを踏まえ、数値目標を示した誇れるいわて40の政策を策定し、政策評価を徹底しながら、実行に移してきました。
 以下、各政策分野ごとのこれまでの主な取り組みと成果について、申し上げます。
 産業の振興は、地域の経済的自立を進め、県民の暮らしを支える基本であります。私は、グローバル化の進展や地域間競争の激化を踏まえ、本県の特色を生かした産業を育成し、地域の優位性を高めていくことを最重点施策として位置づけてきました。
 本県では、北上川流域に集積する電気・電子産業が主体となり、県内産業を牽引してきましたが、企業の撤退や出荷額の減少などにより、新たな対応が求められるようになったことから、産業の力強い柱をつくるため、これまでのすぐれたものづくり技術の蓄積を踏まえ、自動車関連産業の育成、集積に全力を挙げて取り組んできました。
 具体的には、完成品メーカーの立地とその後の増産を軸として、関連部品メーカーの進出、県内中小企業の技術力の向上による自動車関連分野への参入を促進してきました。
 また、東北一帯を、世界を視野に入れた自動車関連産業の一大拠点として育成するため、平成18年にとうほく自動車産業集積連携会議の設立を呼びかけ、愛知県豊田市で合同商談会を開催するなど、東北全体のものづくり技術の総力を結集する仕組みづくりを推進してきました。このような取り組みにより、本県の輸送用機械産業の製造品出荷額と雇用は着実に伸びてきているところでございます。
 さらに、自動車関連産業を含めた本県のものづくり産業の強化を図るため、産学官の連携による北上川流域ものづくりネットワークを立ち上げるとともに、工業高校に2年制の専攻科を設置するなど、優秀な人材を継続的に育成する仕組みを構築してきました。
 農林水産業は、豊かで多様な自然を有する本県にとって、基幹となる産業であり、また、農山漁村は、生産の場であるとともに暮らしの場でもあります。
 農林水産業を取り巻く環境には、厳しいものがありますが、本県が我が国の総合食料供給基地として発展するためには、これまでにも増して、市場競争力のある産業としての自立を目指すことが基本であるとの認識に立ち、担い手の確保・育成と経営基盤の確立、地域資源を最大限に生かした産地づくりを推進してきました。また、中山間地域への直接支払制度の導入などにより、農山漁村の活性化にも取り組んできました。
 こうした取り組みにより、本県農業をリードする個別経営体や集落営農組織が育成されてきました。また、林業では、集成材加工施設の整備などにより、近年は県産木材の利用が拡大し、水産業では、全国有数の生産額を誇るサケ、アワビ、ワカメを中心としたつくり育てる漁業の推進により、品質の高い水産物の安定的な供給システムが整備されてきました。
 さらに、消費者の食の安全・安心への関心が高まる中、全国に先駆けた地産地消推進運動の展開やトレーサビリティーシステムの導入など、岩手ならではの取り組みを進めてきました。
 観光振興については、国内外に誇れる自然や歴史・文化など豊かな財産を持つ本県にとって、地域の雇用や所得を支える産業の柱の一つとして育成するという観点で取り組んできました。これまで、地域資源を活用したグリーンツーリズムなどの体験型観光や県を越えた広域連携による東アジアからの観光客誘致など、新しい視点での取り組みを推進し、産業としての発展の基盤づくりを進めてきました。
 雇用対策については、全国に比べて厳しい情勢にあった本県の喫緊の課題としてとらえ、将来にわたり安定的な雇用・就業環境を確保していくため、県独自の取り組みとして岩手県総合雇用対策を策定し、産業振興や企業誘致などの取り組みを強化してきた結果、平成14年からの5年間で3万6、000人の雇用を創出する目標を、昨年の12月に達成したところです。
 また、特に対策が必要な若年層については、ジョブカフェいわてとそのサテライトセンター6カ所の設置、エリアジョブコーディネーターの各地域への配置などに取り組み、就業を支援する仕組みを構築したところであります。
 地域づくりの基本は、人づくりであります。人づくりは、将来を見据えた確固たるビジョンを持ち、時間をかけて取り組むことが大切であり、この成果が必ずや地域に還元され、地域の自立へと結びついていくものと考えております。
 平成10年4月に開学した岩手県立大学は、実学・実践重視の教育の実施により、進取の気性に富み、新しい時代を創造できる人材の育成を目指し、これまでに多くの卒業生を輩出するとともに、大学の附属施設である地域連携研究センターでは、産業界との研究交流により、地域社会への貢献活動を推進してきました。
 学校教育においては、子供たちの確かな学力、豊かな心、健やかな体をバランスよくはぐくむことが大切であり、学校・家庭・地域がそれぞれの役割と責任をしっかりと果たしながら、一体となって取り組みを進めることが重要であります。
 これまで、小学校1年生に35人学級を実現するとともに、授業を補助するすこやかサポート非常勤講師の配置など、少人数教育を充実したほか、学習定着度状況調査により明確になった課題を踏まえながら、授業の改善や教員の指導力の向上などを進め、学力の向上に取り組んできました。
 また、少子化の進展に伴い、活力ある教育環境を整え、生徒の多様なニーズに対応するため、総合学科高校の配置など高校再編を進めるとともに、県立高校の校長に民間企業経験者を採用するなど、時代の変化に対応できる教育の基盤をつくってきたほか、特色ある私学教育の振興にも努めてまいりました。
 地域に根差す歴史や文化は、私たち県民に共通の貴重な財産であり、次の世代に確実に伝えていくべきものです。
 その一つである平泉文化は、世界に誇れる貴重な文化遺産です。県民の世界遺産登録へ向けての盛り上がりの中で、昨年12月には、日本政府からの推薦書がユネスコに受理されたところであり、平成20年の登録に向けて、着実に準備を進めてまいりました。
 また、本県出身の芸術家の作品を含め、美術鑑賞の機会を県民に提供するために、平成13年に県立美術館を開館するとともに、昨年5月には、盛岡駅西口地区に設置したいわて県民情報交流センター内に県立図書館を移転、整備し、これまで多くの方々に利用されております。
 豊かな環境を将来にわたって伝え、その中で人々がゆとりある生活を続けていくことは、何より重要であり、このため、岩手県環境の保全及び創造に関する基本条例を制定し、今後の環境政策の基本的な理念と方向を定めるとともに、自然と人間の活動が調和し、資源やエネルギーが循環する社会を目指してきました。
 新エネルギーの中でも、本県の地域特性を生かした木質バイオマスの活用では、ペレットストーブの開発など、民間と協力した先駆的な取り組みを推進し、全国から先進県として注目されております。
 また、県民の御理解を得て岩手の森林づくり県民税を創設し、循環型社会の形成の視点から、森林環境の保全に努めてきました。
 青森県境における産業廃棄物の不法投棄事案については、廃棄物の全量撤去による原状回復と排出事業者などの責任追及に全力を尽くし、平成22年度までの全量撤去に向けて取り組んでおります。これを教訓として循環型地域社会の形成に関する条例など3条例を制定し、北東北3県が連携した広域産業廃棄物対策などを推進してきました。
 本格的な高齢社会の到来を踏まえ、すべての県民が安心した生活を送るためには、質の高い医療・福祉サービスを提供できる体制を整備することが何より重要であります。
 医療体制の整備には、医師の確保が重要な課題であり、この解決に向けて、地方自治体や関係機関が連携した取り組みを進めてきた結果、昨年8月に国の新医師確保総合対策が策定され、岩手医科大学医学部の医師養成数の増員への道が開かれました。
 本県では医師確保対策アクションプランの推進により、全国から集まった臨床研修医の8割の方が本県にとどまることになり、また、医師確保対策室を設置し、県外在住の医師の招聘活動に取り組んできた結果、徐々にその成果があらわれてきているところであります。
 また、県立病院施設の整備により、高度医療の充実や療養環境の向上を進めるとともに、限りある医療資源のもとで、良質な医療を持続的に提供していくため、県立病院改革に着手して、病院間の連携の強化や規模の適正化を推進してきました。
 社会的要請がますます高まってきた福祉分野については、福祉団体やNPO、ボランティアなど地域の力を生かし、行政と一体となった取り組みを進めていくことが大切であります。
 これまでご近所介護ステーションやモデル介護支援ハウスの設置など、高齢者や障害者の地域での生活を支援する仕組みづくりを進めてきたところであり、また、高齢者への配食サービスなど、地域住民やNPO、民間団体によるさまざまな取り組みが見られるようになりました。さらに、子育てサポートセンターやいわて子どもの森の整備など、子育て環境の整備や児童の健全育成のための取り組みを推進してきたほか、障害児の早期療育体制の充実に努めてきました。また、ひとにやさしいまちづくりの推進により、民間におけるバリアフリーの取り組みが進むなど、ユニバーサルデザインの考え方が定着してまいりました。
 本格的な人口減少や高齢社会の到来、グローバル化の進展など、時代は、今後、さらに大きく変化しようとしており、この12年間の取り組みと成果を踏まえつつ、岩手らしい地域の自立に向けて、なお一層の取り組みの強化が求められております。
 このような観点から、今後の幾つかの課題について申し上げます。
 まず何よりも、市町村中心の行政システムの構築を初め、NPOなどの民間活力を生かしていく取り組みの強化など、岩手の自立に向けてこれまで築いてきた、県民が主役となる参画と協働の仕組みをさらに定着させていくことが大切であります。
 また、地域経済の基盤の強化は最も基本的、かつ、重要な課題であり、とりわけ、北上川流域においては自動車関連産業を中心とした産業集積が進み、有効求人倍率の向上などが見られたところでありますが、さらに、ものづくり基盤技術の高度化と集積を進めるとともに、半導体関連産業などさらなる核となる産業の振興により、産業基盤をより強固なものとしていく必要があります。
 一方で、多くのすぐれた資源が存在する県北・沿岸圏域においても、潜在する地域力を十分に発揮させる観点に立って、産業振興の取り組みを強化することが喫緊の課題であることから、昨年1月に県北・沿岸振興本部を設置し、市町村長や地域の産業関係者の方々と現地で対話を重ねるとともに、産業振興の基本的方向を定め、取り組みを推進してきました。
 さらに、9月には県の体制を強化し、農林水産業、観光産業、食産業、企業立地の6分野の振興チームを設置したところであり、既に、企業誘致などで成果が得られています。
 今後、ものづくり産業や港湾物流などにおける内陸部との連携の強化、さらには産業人材育成の取り組みの充実などの視点を踏まえ、県北・沿岸圏域の持続的な発展のための地域を挙げた取り組みを一層強化していくことが必要であります。
 また、県民が安心して暮らしていくためのセーフティネットを充実する観点に立ち、引き続き医師確保対策を強力に推進し、即戦力となる医師を確保しながら、医師の地域偏在や特定診療科の医師不足の解消を図るほか、地域に密着した介護サービス拠点を整備するなど、高齢者や障害者が安心して生活できる環境の整備にも継続して取り組んでいく必要があります。
 さらに、防災については、今後、高い確率で発生が予想される宮城県沖地震・津波への対策として、自主防災組織を育成するなど、地域における防災力の一層の充実強化が重要であります。
 教育は国家百年の計、人づくりは地域の自立を進めるかなめであります。そのため、未来の岩手を担う、郷土に愛着と誇りを持つ有為な人材の育成について、引き続き地域が一体となって取り組んでいくことが大切であります。
 また、岩手県競馬組合については、昭和39年の設置以来、利益金を構成団体に配分するとともに、雇用の場の提供や地域経済への貢献、さらには本県の馬事文化の継承、馬事振興などの面で重要な役割を果たしてまいりました。
 しかしながら、長期的な発売額の減少や盛岡競馬場等の設備投資負担などを要因として、平成12年度から資金収支不足になるなど、厳しい運営状況に至ったことは、ファンの動向など諸情勢の認識が不十分であったためと考えております。
 このような状況にある岩手競馬再生の道筋をつけていくためには、競馬組合の債務全額を構成団体融資に切りかえるとともに、赤字が拡大しないことを条件に競馬事業を継続していくことが、構成団体ひいては県民の負担を最小限にとどめる最善の方法と考えており、その実現に向けて、全力を尽くしてまいる考えであります。
 今回提案した平成19年度当初予算案は、本年4月に行われる統一地方選挙を控えていることなどから、義務的経費及び経常的に要する経費を中心としたいわゆる骨格予算として編成したところでありますが、県北・沿岸圏域の産業振興や地域医療の確保など、緊急に着手する必要のある事業については、当初予算として計上し、速やかな対応を図っていくこととしております。
 なお、予算編成に当たりましては、極めて厳しい財政環境下において、プライマリーバランスの黒字を維持しつつ、限られた財源の重点的、効率的な活用に努めたところであります。
 今という時代に、岩手で暮らす私たちが生活の豊かさを享受できるのは、これまでの幾多の先人の方々が、多くの試練に立ち向かい、困難を克服しながら、発展の礎を築いてきたたまものであります。
 先人の方々から引き継いだこの岩手を、次の時代を担う子供たちに、自信と誇りを持って引き継いでいくことが、今を生きる私たちの世代に課せられた責務であります。
 もとより、岩手の長い歴史の中で、私が取り組み、なし得たことは、小さなことではありましたが、私としては、この岩手の大地に、やがて未来に向かって大きく伸びていく木々の苗を、県民の皆様とともに植えることができたものと考えております。
 時あたかも、20世紀の岩手から21世紀の岩手へという新しい扉をあける節目のときに、時代が私に求めた役割を、私自身、精いっぱい果たしてきたつもりであり、また、その役を担わせていただいたことを光栄に思っております。
 これもひとえに、県議会議員の皆様を初め、県民の皆様の御理解、御協力のたまものであり、深く感謝を申し上げます。
 岩手らしい、自立した地域を築き上げていく最大の原動力は、県民一人一人が、自主・自律の強い意志を持ちながら、実践を継続させていくことです。
 花巻市の花巻新渡戸記念館には、急がず、しかし休まずという意味であるHaste not、Rest notと英語で書かれた、新渡戸稲造博士の額が掲げられてあります。これも、物事をなし遂げるときに、たとえゆっくりであっても、休むことなく、着実に歩み続けることの大切さを述べたものであります。
 また、新春の全国高校サッカー選手権大会において、県立盛岡商業高等学校は、本県代表として初めて全国4、080校の頂点に立ち、県民に大きな喜びと深い感動を与えてくれました。このことは、雪国のハンディキャップを乗り越えた、岩手県民らしいたゆまざる努力がなし遂げた偉業であります。
 ふるさとのために、何ができるのか、子供たちのために、何をすべきなのか、改めて、県民一人一人がみずからに問いかけ、岩手らしい地域の自立に向けて、手を携え、力を合わせて、力強く歩み続けていくことを念願してやみません。
 以上をもちまして、私の最後となります所信表明を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   教育委員会委員長の演述
〇議長(伊藤勢至君) 次に、この際、教育委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。安藤教育委員会委員長。
   〔教育委員会委員長安藤厚君登壇〕
〇教育委員会委員長(安藤厚君) 第23回県議会定例会が開催されるに当たりまして、平成19年度の教育行政推進の基本的な考え方と施策の大要について申し上げます。
 近年、我が国の教育を取り巻く社会環境は、倫理観、使命感の希薄化による規範意識、道徳心、自律心の低下、さらには、家庭や地域の教育力の低下など大きく変化しており、子供たちの学力の低下やいじめ問題の深刻化など多くの課題が指摘されております。
 国におきましては、教育再生が内閣の最重要課題として取り上げられており、昨年末に教育基本法が改正されるとともに、現在、教育再生会議で教育改革についてさまざまな議論が続けられております。
 本県におきましても、昨年、高等学校における必履修科目の未履修問題により、関係者や県民の皆様に多大な御迷惑や御心配をおかけいたしましたが、平成19年度は、もう一度原点に立ち返って、地域や学校の現状と課題をしっかりとらえた上で、生徒や保護者、地域のニーズにこたえ、地域に根差した教育行政を推進していくことで、公教育の信頼・信用を回復してまいる所存であります。
 私は、岩手県で生まれた子供たちには、豊かな人間性を持ち、多様な個性や価値観をお互いに尊重し認め合いながら、たくましくみずから新しい時代を切り開いていってほしいと考えております。
 そのため、子供たちに確かな学力、豊かな心、そして健やかな体をバランスよくはぐくむことにより、生きる力を身につけ、何事にも積極果敢に挑戦する若者に育てていく必要があると考えております。とりわけ、子供たちに生きる力を身につけさせる学力向上は、本県の最重要課題の一つであると認識しており、基礎・基本の着実な定着と、目指す進路を達成できる学力を身につけさせるためのさまざまな施策を展開していくとともに、子供の発達段階に応じた勤労観・職業観の育成を目指したキャリア教育の推進などにも重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以下、教育施策の重点事項について御説明申し上げます。
 第1は、学校教育の充実についてであります。
 まず、児童生徒の学力向上についてでありますが、これからの変化の激しい時代において、子供たちが社会に対応し、自立した若者に成長していくためには、まず、基礎的、基本的な知識・技能を徹底して習得する必要があると考えております。そして、それらの基礎・基本を活用しながら、みずから考え、主体的に判断して行動し、よりよく問題を解決する資質や能力を、さらには希望する進路を達成するための学力を、確実に身につけさせる必要があります。
 そのために、市町村教育委員会と連携しながら、子供たちが身につける基礎的な学力などの目標を掲げ、学校、保護者が共通の意識を持って子供たちを育てていく学びフェストの取り組みを広げていきたいと考えております。
 その上で、個々の子供たちの理解や習熟の程度に応じた指導を徹底させるため、少人数指導、少人数学級、すこやかサポート非常勤講師の配置による少人数教育に取り組むとともに、総合教育センターと宮古教育事務所の体制を強化し、指導主事がそれぞれ内陸部と沿岸部の学校を直接訪問することにより、教員の指導力向上を図ってまいります。また、小学校・中学校においては、基礎・基本を習得するために、放課後を活用した学習の機会の提供に取り組むほか、高等学校においては、医師確保等の県政の課題に対応した人材育成の取り組みを行うなど、学力向上に向けて、全力で取り組んでまいります。
 次に、キャリア教育の推進についてでありますが、近年の雇用の多様化や流動化など職業を取り巻く環境は大きく変化しており、また、若者の勤労観、職業観の未成熟により、職業人としての基礎的資質や能力の低下が指摘されております。
 私は、子供たちが、いつも大きな夢や目標を抱き、強い信念と気概を持って、その夢や目標を実現できるように努力することが何より大切であると考えております。
 また、子供たちにそれぞれの地域の産業を理解させ、将来の地域産業の担い手を育成するという視点も重要であると考えております。
 そこで、主として小学校においては職業に対する興味や関心を高め、将来の夢や目標を持つよう、中学校においては職場見学や職場体験などを通じて職業を正しく理解して、目標を確かなものとするよう、高等学校においては勤労・職業への理解を深め、自分の将来を設計し、進路計画を立てることができるよう、子供たちの発達段階に応じた組織的・体系的なキャリア教育を産業界の御協力をいただきながら全県的に推進してまいります。
 次に、学校不適応対策の推進についてでありますが、昨年は、全国でいじめによる痛ましい事件が続発いたしましたが、私は、すべての子供たちが、どの子もどの子も、毎日、元気に明るく登校し、充実した学校生活を送ることができるよう環境を整えていくことが最も大切であると考えております。
 いじめは、どの学校でも、どの子にも起こり得る問題ではありますが、いじめは人間として絶対に許されないとの意識を、学校教育全体を通じて、児童生徒一人一人に徹底してまいりたいと考えております。
 そこで、いじめや不登校などへの対応については、これまでの心の教室相談員や学校適応相談員を統合し、適応支援相談員として中学校に配置し、小学校と連携をとりながら対応するとともに、新たにすべての高等学校でカウンセラーを活用できるようにするなど、相談から訪問による指導まで、柔軟に対応できる体制を整えてまいります。
 次に、特別支援教育の充実についてでありますが、私は、障害のある子もない子も、すべての児童生徒の学力の向上や豊かな心の教育の充実を目指していく上で、特別支援教育は、障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立って進める必要があると考えております。
 そこで、盲・聾・養護学校については、学校教育法の改正に伴い、平成19年度から障害の種別を超えた特別支援学校へと転換いたしますが、地域における特別支援教育のセンターとしての機能の一層の充実を図るとともに、小・中学校の通常の学級に通う障害のある児童生徒や養護学校の医療的ケアを必要とする子供たちに対する支援を行ってまいります。
 今後、障害のある児童生徒に対する教育・支援は各地域で、生涯にわたって、社会全体が一体となって展開されることが求められており、各特別支援学校の役割はこれまで以上に重要となってまいります。そこで、特別支援学校の再編整備計画をまとめ、平成19年度からは、その計画に従って、各地の特別支援教育の充実に努めてまいります。
 第2は、家庭・地域の教育力の向上についてであります。
 近年、全国的に、下校時に子供が巻き込まれる事件事故の発生、地域活動に参加する住民の減少、子育てに悩み自信が持てない親の増加、食生活や生活リズム等子供の基本的生活習慣の乱れ、児童虐待の深刻化などの問題が指摘されております。また、最近では、学校給食費の未納問題が大きく取り上げられております。
 そこで、家庭や地域の教育力の低下、保護者の規範意識の低下などへの対応については、すべての親を対象とした学習機会の提供、電話やメールを活用した相談などを通じ、家庭教育・子育てに関する支援を行うほか、児童生徒の放課後の安全・安心な居場所を設置し、地域の大人の方々の参画を得て、さまざまな体験の場づくりなどを進める市町村の取り組みを支援していくなど、家庭での学習習慣、規則正しい生活習慣等の確立や食育の推進に向けて、学校・家庭・地域が連携した教育活動を推進してまいりたいと考えております。
 第3は、文化・スポーツの振興についてであります。
 まず、平泉の文化遺産の世界遺産登録推進についてでありますが、平泉の文化遺産は、岩手が世界に誇り得る貴重な文化遺産であり、県民共有の財産として、世界遺産登録の実現をなし遂げることは、私たち県民の一層の自信と誇りにつながるものと考えております。
 世界遺産登録に向けた推薦書は、昨年12月にユネスコに正式に受理されておりますが、平成19年度においては、秋ごろにICOMOS―国際記念物遺跡会議の現地調査が予定されているところであり、平成20年の登録に向けて、遺漏のないよう万全な準備を進めてまいります。
 また、世界遺産の登録には、国民の、とりわけ岩手に住んでいる私たちの、文化遺産はもとより、その周辺の景観も大切にし、守っていこうとする姿勢が大切であることから、今後も県民の一層の機運の醸成に努めてまいります。
 次に、競技スポーツの強化についてでありますが、全国高校サッカー選手権大会における盛岡商業高校の優勝を初めとし、全国中学校軟式野球大会の福岡中学校の優勝や、インターハイにおける不来方高校カヌーの4冠などスポーツにおける岩手の子供たちの活躍は、岩手県民に夢と感動を与えるとともに、大きな自信と誇りとなりました。このような感動を与えてくれるスポーツの強化のため、今後は、特に、ジュニア層の強化に取り組んでいく必要があると考えております。
 このため、スポーツ医科学理論に裏づけされたサポートを基盤として、ジュニア選手の早期発掘と育成に取り組むとともに、指導者のレベルアップや、高等学校における指導者の同一校への長期間の配置を行うことなどにより、競技力の一層の向上を図ってまいります。
 結びになりますが、今回の盛岡商業高校の優勝を初め、福岡中学校、不来方高校などの快挙は、いろいろな制約がある環境のもとで、それに打ちかってなし遂げた偉業であり、岩手の子供たちに、大きな自信と励みを与えてくれました。そして、高い目標を掲げ、その目標に全力で取り組めば、夢がかなうことを大きな感動をもって教えてくれました。
 また、盛岡商業の齋藤重信監督に、全国制覇のお祝いを申し上げたとき、岩手県の教員になって本当によかったと思っていますという言葉をいただきましたが、その使命感に感激いたしました。
 このような岩手の教員の使命感を大切にしながら、子供たちが、強い意志を持って、学問をきわめる人、技術・技能を身につける人、スポーツで頑張る人など、それぞれの分野で、果敢にチャレンジし夢を実現できるよう、学校、保護者、地域、企業、行政が一体となって、すべてのいわてっこの輝く未来のために全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 以上、平成19年度の教育行政推進の基本的な考え方と施策の大要について申し上げましたが、本県の教育の一層の充実と発展に向け、議員の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
   日程第8 議案第1号平成19年度岩手県一般会計予算から日程第70 報告第3号道路の管理に関する事故に係る損害賠償事件に関する専決処分の報告についてまで
〇議長(伊藤勢至君) 次に、日程第8、議案第1号から日程第70、報告第3号までを一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。川窪総務部長。
   〔総務部長川窪俊広君登壇〕
〇総務部長(川窪俊広君) 本日提案いたしました各案件につきまして御説明いたします。
 議案第1号は、平成19年度岩手県一般会計予算であります。
 今回提案した平成19年度当初予算につきましては、本年4月に行われる統一地方選挙を控えていることなどから、義務的経費及び経常的に要する経費を中心とし、緊急に着手する必要のある事業等を加えた、いわゆる骨格予算として編成したところであります。
 また、予算編成に当たりましては、政策評価の結果等を踏まえ、優先度に応じた重点的、効率的な事業の実現に向けて、施策や事業の見直しについて積極的に取り組んだところであります。
 以下、この当初予算の概要について御説明いたします。
 第1条は、歳入歳出予算の総額を、それぞれ6、965億3、376万7、000円と定めるものであります。
 これを前年度当初予算と比較しますと、5.9%の減となっております。
 次に、歳入の主なものにつきまして御説明いたします。
 第1款県税につきましては、1、294億2、400万円を計上しており、前年度当初予算と比較しますと、所得譲与税による財源措置から税源移譲に切りかわることによる個人県民税の増を中心に、191億1、300万円の増となっております。
 第5款地方交付税につきましては、2、361億6、417万円余を計上しており、前年度に比較して、21億482万円余の増となっております。
 第9款国庫支出金につきましては、793億9、036万円余を計上しており、前年度に比較して、102億9、592万円余の減となっております。
 第12款繰入金は、205億4、381万円を計上しておりますが、これは、自治振興基金、財政調整基金、県債管理基金等から繰り入れを行うものであり、前年度に比較して、131億7、785万円余の減となっております。
 第15款県債につきましては、1、153億2、700万円を計上しておりますが、前年度に比較して、66億1、800万円の減となっております。
 次に、歳出の主なものについて御説明いたします。
 第2款総務費につきましては、309億円余を計上しておりますが、その主なものは、合併市町村自立支援交付金14億4、000万円、自治振興基金繰出金5億円等であります。
 第3款民生費につきましては、554億8、766万円余を計上しておりますが、その主なものは、障害者介護給付費等負担金28億9、296万円、介護給付費等負担金121億2、003万円余、国民健康保険事業安定化推進費107億9、016万円余等であります。
 第6款農林水産業費につきましては、623億5、374万円余を計上しておりますが、その主なものは、中山間地域等直接支払事業費41億1、655万円余、畜産基盤再編総合整備事業費7億5、943万円余、経営体育成基盤整備事業費68億5、148万円余、治山事業10億8、663万円余、広域漁港整備事業費17億8、833万円余等であります。
 第8款土木費につきましては、643億3、311万円余を計上しておりますが、その主なものは、道路改築事業費61億8、500万円、緊急地方道路整備事業費73億3、300万円、基幹河川改修事業費8億8、040万円、砂防事業費6億4、300万円、港湾改修事業費3億9、500万円等であります。
 第10款教育費につきましては、1、579億7、829万円余を計上しておりますが、その主なものは、すこやかサポート推進事業費2億7、522万円余、公立大学法人岩手県立大学運営費交付金44億6、631万円余、私立学校運営費補助48億4、514万円余等であります。
 第12款公債費につきましては、1、515億5、806万円余を計上しております。
 第13款諸支出金につきましては、603億4、987万円余を計上しておりますが、その主な内容は、公営企業負担金182億155万円余、地方消費税交付金132億6、376万円余等であります。
 第2条債務負担行為は、岩手県火災共済協同組合が行う火災共済契約の履行に関する損失補償ほか40件について、債務を負担しようとするものであります。
 第3条地方債は、道路新設改良事業ほか46件について、限度額、起債の方法、利率及び償還の方法を定めようとするものであります。
 第4条一時借入金及び第5条歳出予算の流用は、それぞれ所要の措置を講じようとするものであります。
 議案第2号から議案第11号までは、平成19年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算ほか9件の特別会計予算でありますが、これらは、それぞれの事業計画等に基づき、その所要額を計上したものであります。
 議案第12号から議案第14号までは、平成19年度岩手県立病院等事業会計予算ほか2件の公営企業会計予算でありますが、これらは、それぞれの事業計画に基づき、収益的収支及び資本的収支の所要額を計上したものであります。
 議案第15号から議案第20号までの6件は、建設事業等に要する経費の一部を受益市町村に負担させることに関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。
 議案第21号から議案第53号までの33件は条例議案でありますが、これは、職員の大学院派遣研修費用の償還に関する条例、公営林造成基金条例、岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例等を新たに制定するとともに、林業開発資金に関する損失補償条例及び都市計画法施行条例を廃止するほか、岩手県部局等設置条例、岩手県職員定数条例、岩手県の事務を市町村が処理することとする事務処理の特例に関する条例等の一部を改正しようとするものであります。
 議案第54号は、遠野第2ダム建設工事の請負契約の締結に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第55号は、権利の放棄に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第56号は、全国自治宝くじ事務協議会への新潟市及び浜松市の加入並びにこれに伴う同協議会規約の変更協議に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第57号は、関東・中部・東北自治宝くじ事務協議会への新潟市及び浜松市の加入並びにこれに伴う同協議会規約の変更協議に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第58号は、包括外部監査契約の締結に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第59号は、平成18年度岩手県一般会計補正予算であります。
 議案第60号は、岩手競馬経営改善推進基金条例であります。
 この2議案は、岩手県競馬の経営改善及び構成団体の健全な財政運営に資するために必要な資金の貸し付け事務を円滑かつ効率的に行うため、基金を設置するとともに、当該基金への積み立てに要する繰出金297億5、000万円を増額補正し、貸し付けを行おうとするものであります。
 報告第1号は、職員による自動車事故に係る専決処分について、報告第2号及び報告第3号は、道路の管理に関する事故に係る損害賠償事件に関する専決処分について、それぞれ報告するものであります。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださるようお願いいたします。
〇議長(伊藤勢至君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後2時15分 散会

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