平成11年6月定例会 第2回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(及川敦君) 政和会の新人、及川敦でございます。
 早々に質問の機会をいただきましたことに心から感謝申し上げますとともに、その御高配にこたえるべく全力で質問してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、通告に従いまして、私が選挙戦を通じ、県民の皆様に訴えたものを中心に順次質問させていただきます。御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。
 6月23日の知事演述では、環境分野において全国に先駆けた取り組みが行われ、環境に関してのさまざまな情報が集まり、発信する日本の環境首都を目指してまいりますと増田知事は力強く述べられました。環境政策の充実を選挙公約の重点として掲げ、議席をいただいた私としては非常に心強く、また、微力ながら環境首都構想の実現に向け、議員として全力を傾注する決意を新たにしたところでございます。
 それでは最初に、環境政策の中心となると私が考える資源・環境対策に関し、基本となる国の施策の方向について知事の御見解をまず伺います。
 現行の日本の資源・環境対策の法律体系は、まず、廃棄物処理法が基本にあり、その上に個別リサイクル法である容器包装リサイクル法と家電リサイクル法がございます。廃棄物の減量を図り、再利用を高め、環境循環型社会の構築を法律では一見目指しているように見えます。しかし、その法律体系のもと、施策を推進してきた私の地元盛岡市の現状を4年間市議会議員として見てまいりましたが、その法体系の不備に由来するさまざまな問題を抱える現状に違和感を持たざるを得ませんでした。盛岡市議会においても資源・環境対策に関し何度となく発言し、私自身ドイツで1カ月視察、調査し、国の現在の制度の欠陥につき、桑島市長へ国への働きかけを求めてまいりました。
 ちなみに、環境先進国であるドイツの基本法は循環経済法であり、廃棄物は資源と位置づけられております。そして、リサイクルできにくいものほど処理費用を高く設定し、また、最終処分場に捨てる方法が最もコストがかかる制度で、生産段階から事実上の規制がございます。また、リサイクルの責任はあくまで汚染者と受益者で、費用はそれぞれが分担します。一方、我が国の基本法である廃棄物処理法では、廃棄物の減量とリサイクルを掲げているものの、その内容は、法律の名称のとおり、廃棄物をごみイコール廃棄物ととらえ、いかに処理、処分するかということにこれまでは主眼が置かれてまいりました。その処理コストは最終処分場に捨てる方法が最も安く、国民の間に本質的問題から目をそらさせる結果となっております。そして、財政困難の今日、トータルコストが高くつく施策を展開し、自治体に処理費用の負担がかかるなど、結果としてリサイクルの悪循環に陥っております。
 全国市長会の廃棄物政策に関する意見でも、第1に、社会経済構造やライフスタイルを根本的に見直し、資源循環型社会を構築していくことの必要性。第2に、今後は、発生抑制、リサイクル、適正処理を一元的にとらえ、資源循環・廃棄物法のような総合的な法律の整備を新たに行うべきであること。第3に、汚染者負担の原則及び拡大生産者責任、いわば製造販売事業者も責任主体の役割を担うべきであること。第4に、幅広い経済的な措置も活用する必要があること。第5に、研究開発は、国の責任のもと、特段の充実強化を図ること。第6には、通常の処理施設へ安全に処理できるものを第1種廃棄物、有害物質を生成する可能性があり、高度な公害防止装置を有する施設において処分する必要があるものを第2種廃棄物、有害性が高く、特別な管理が必要なものを特別管理廃棄物というような区分に整理すること。都道府県と市町村の役割分担のあり方についても、第2種廃棄物の処分については都道府県が事業主体となる方途を設けるなど、再検討の必要があるとしており、現行の法律体系の抜本的見直しと施策の充実を強く求めております。
 環境首都を目指す本県としては、単独の事業展開で環境首都を実現する姿勢は重要でありますが、根本に横たわるゆがんだ資源・環境・廃棄物政策を転換するべきと私は考えております。基本となる国の施策の体系と今後の施策について増田知事はどのような認識であるのか、そのあるべき姿についての御所見をお聞かせください。
 次に、ダイオキシン対策と産業廃棄物対策について生活環境部長に伺いますが、この質問に関しては我が会派の田村誠議員の質問で既に出ておりますが、関連し、より詳細にお尋ねいたします。
 環境庁のダイオキシン排出抑制対策検討会の報告によれば、一般廃棄物の焼却、産業廃棄物の焼却、未規制小型焼却炉分の排出区分の合計であるダイオキシン推計総排出量は、平成9年度の段階で全国で約6、300グラムでありましたが、平成9年以降の規制強化等により、平成10年では約2、900グラムと半減しておりますが、本県の実情はどのようになっているのでしょうか。
 厚生省、環境庁は、平成9年、10年度の予測ダイオキシン排出量を公表いたしましたが、本県でも各対策のもと、削減が進んでいるものと推察されます。一般廃棄物の焼却、産業廃棄物の焼却、規制対象外の小型焼却炉によるダイオキシンの総排出量とおのおのの焼却区分による排出量の数値はどの程度であったのかお知らせいただきたいと存じます。
 本県の産廃の施策としては、昨年夏に産廃施設のダイオキシン類排出濃度調査を行い、調査結果を受け、県内全施設について立ち入りを行い、施設改善や焼却管理を指導してきており、1月末の現状が予算委員会の御答弁で明らかになっておりますが、現時点での状況はどのようになっているのでしょうか。県内の産廃施設の設置数及びダイオキシン排出状況並びに測定未実施となっていた9施設のその後についてお知らせください。
 また、本年度からは、不法投棄等の未然防止を図るため、いわゆる産廃Gメンを4名配置するなどの対策を進めておりますが、予定していた業務の推進状況と効果はどのようになっているのか。また、産廃Gメンの配置数について、今後、増員すべきとの声もございますが、どのように予定されているのかお知らせください。
 国では、3月30日にダイオキシン対策推進基本方針を閣僚会議で決定し、今後4年以内に全国のダイオキシン類の総排出量を平成9年に比べ約9割削減するという目標を掲げ、今後、各施策の充実を検討しております。本県としても、知事は、地球温暖化防止対策として国の目標数値を上回る数値を設定し、対策を推進する旨の方針が示されておりますが、ダイオキシン対策も、現在、策定中の環境基本計画にダイオキシン排出削減目標数値を実態と照らし合わせ盛り込むべきと考えますが、ダイオキシン排出削減対策を今後どのように進めていくお考えなのか基本的な御所見を伺います。
 現在、削減が進みつつあるダイオキシンの総排出量はいまだ欧州各国の数倍から数十倍に上り、今後一層の対策の推進が求められ、具体的施策の拡充が本県としても可能であります。今後、その裁量は、国の施策として都道府県にゆだねる方向にもございます。一般廃棄物については、岩手県ごみ処理広域計画を中心にダイオキシン類削減プログラムの忠実な実行が県行政として求められておりますが、今後は、産業廃棄物の焼却によるものと未規制の小型焼却炉によるものについて特に排出削減策を促進することが重要となっております。産業廃棄物は、平成8年度の全国の総排出量は約4億500万トンで一般廃棄物のおよそ2・3倍にも上り、本県の平成7年度排出量は355万トンに達します。国の施策は、現在、ダイオキシン対策推進基本方針において、従来、民間任せで整備されていた産業廃棄物施設の設置や運営について国や都道府県の関与の必要性が認められ、方針の中でも新しい制度を速やかに構築するとされており、6月中には取りまとめの予定であります。本県は、国のこの動向に先駆け、平成7年から公共関与による産廃モデル施設であるいわてクリーンセンターを整備し、適正処理の推進を図ってきたことは高く評価されることであります。稼働状況を見ても、1日当たりの受入量も平成10年度では119・1トンとなり、また、昨今では、処理能力限度に達する受入量があるようであります。
 そこで、提言も含めお尋ねいたしますが、本県の平成7年度排出量約355万トンで、そのうち再生利用に供されているものは約14・3%のわずか51万トンであります。今後は、適正処理の推進とともに産業廃棄物の再生利用が重要課題となっており、環境基本計画の中間報告でもうたわれておりますが、いわてクリーンセンターにリサイクル施設を増設していくことなども検討課題として考えるべきでありますし、また、国の施策として産廃処理の公共関与の方向も考え、リサイクル施設を持つ第2の産廃モデル施設の建設も検討課題となると存じますが、御見解をお伺いいたします。
 次に、規制対象外の小型焼却炉については、時間当たり200キログラム以下の処理能力施設と1日当たり100キログラム以下の廃プラスチック焼却施設は実態がいまだ明らかでなく、その実態調査と規制の強化が必要であります。6月21日に報告された厚生省の小型焼却炉からの排出実態調査結果では、サンプリング調査した47施設のうち、最大で1立方メートル当たり130ナノグラムの測定値を記録するなど規制対象炉の排出基準を上回るものもあり、平均で18ナノグラムが排出されておりました。環境庁の調査でも、100施設の実測データをとり、全国で未規制の小型焼却炉から325グラムから345グラムが平成10年度1年間で排出されていたと推計されておりますが、この数値も、設置状況の把握しやすい事業所分の1万7、000基分だけの推計であり、全国に8万から9万基あると言われている全体を推計値に含んでおらず、実態はこれ以上のダイオキシンが排出されているものと容易に推定できます。
 県としては、規制対象外の小型焼却炉についてどのように現状をとらえているのでしょうか。現状を把握できていれば、その実態をお示し願います。
 全国の平成10年の推定ダイオキシン排出量の最低約11%以上を占める規制対象外の小型焼却炉を今後規制対象としなければ抜本的対策にはならず、県民の不安は解消しないものと存じます。国の施策としては、今国会で成立見通しの議員立法によるダイオキシン類対策特別措置法案で、都道府県知事が総量削減計画を定め、既存施設に対してより厳しい規制も可能となるようです。埼玉県では、時間当たり30キロ以上の焼却炉を指定ばい煙発生施設とし、また、時間当たり100キロ以上の焼却炉に排出基準を設定するなどの内容を公害防止条例に追加し、国を上回る規制をしておりますが、国や他県の動向を踏まえ、御見解を伺います。
 次に、県警の環境犯罪の取締強化策について伺います。
 4月5日、警察庁は、通達で、産廃を不法投棄する末端業者だけでなく、排出源業者の責任追及のための広域捜査体制の強化を柱とした取締強化を全国の警察に出しましたが、通達に基づく今後の取り組みについて県警察本部長に伺います。
 次に、農業用廃プラスチックの適正処理についての具体的取り組みについて伺いますが、この問題も、昨日、千葉伝議員が質問いたしましたが、より詳細に改めて伺います。
 農業用廃プラスチックは、御答弁にもありましたとおり、その使用量は年々増加しております。県の9年度実施した調査では、排出量が2、670トン、その処理方法については、焼却が55%、埋め立て17%、農家保管などその他が25%で、適正処理につながる専門業者の回収は、費用や認識不足などの理由からわずか3%であり、焼却処理のうち、個人焼却が約70%に上るといい、ダイオキシンの発生が大変懸念されております。
 ちなみに、盛岡市の平成9年7月から10年6月までの1年間の農業用廃プラスチック類は、両農協の調査によれば51・5トン排出され、その処理方法は、農家による保管が62%、盛岡紫波地区環境施設組合が焼却した分も含めた焼却処理が36%、埋立処理が2%となっており、市の対策として、農業用廃プラスチック類は、市及び農協の広報や営農座談会を通じ農家に周知を図るなどしておりますが、その対策に大変苦慮している状況であります。また、このような状況は県内各市町村も同様であり、適正処理の推進が緊急の課題となっております。
 県の対応は、岩手県農業用廃プラスチック適正処理基本方針に基づき、適正処理推進協議会の設立支援や委託処理の推進や代替資材の実用化検討などの施策を行っておりますが、基本方針に検討するとある再生処理施設の設置が究極的には回収方法の確立とともに必要であります。平成8年以降はいわてクリーンセンターでも塩ビの農業用廃プラスチック類の受け入れをやめている現状で、各市町村協議会で回収体制を確立しても、最終的には処理が問題となります。報道によれば、水沢地方振興局も構成メンバーに加わる胆江地方農業用廃プラスチック適正処理推進会議は、徳島県に輸送し処理するというモデル事業に取り組み、輸送費用の問題などがあったようでありますが、園芸が盛んな群馬県、高知県、宮崎県、茨城県、千葉県では県や農業団体がリサイクル処理施設を建設しておりますし、民間運営で北海道、岡山、徳島、宮崎、鹿児島にその施設がございます。農業用廃プラスチックの適正処理の早期の体制確立を求めるものでございますが、リサイクル施設の建設も含め、具体的取り組みにつき農政部長にお伺いいたします。
 次に、自然環境保全策について、その具体的対策として、まず、緊急の課題として早池峰山問題についてお伺いいたします。
 早池峰山は、世界の希少遺産とも言うべき山であります。特に、亜高山帯の上部に発達する特異な植物群落は、人類の想像を超える長い地史によってはぐくまれたものであり、その植物相が持つ遺伝子資源は、二度と人類の手によって創生することのできない貴重な地球的財産であります。しかし、1、000万年以上の歳月が生み出したこの地球的財産をここ何十年という短期間で人間が破壊しつつある現状に対し、早急な抜本的保全対策を進めるのは当然のことであり、この問題は、まさに増田知事の掲げる環境首都構想のかなえの軽重を問われる問題と言っても過言ではございません。環境首都の名にふさわしい対策を強く要望するものであります。
 私は、早池峰山を愛する方々などの関係者の方から多くの声を聞き、また、6月6日にボランティアの方々のし尿の担ぎおろし作業に同行し、現地の早池峰山の調査を行いました。また、その現地調査と文献調査、多くの関係者の声をもとに、今、必要である対策につき総合的にお尋ねいたします。
 まず、現在、当面する県政の課題として掲げられている山頂避難小屋のトイレの改修についてでございますが、この問題は現在の地下浸透式の処理方法にあることは事実ではありますが、より根本的には、霊峰早池峰山に関し、いかにして保全していくかという総合対策が求められているにもかかわらず、山頂のトイレ問題について先に手をつけたのが問題の本質からかけ離れた手法であり、手順の違いであったのではないでしょうか。その結果として、6月18日に自然保護団体の会員等で構成する早池峰フォーラム実行委員会から、これまで共催のシンポジウムを開催するなどしてきても、結果、公開質問状を受けてしまうなど、いまだに県が計画している山頂トイレのTSS方式に理解を得られていない状況になっております。
 6月21日、岩手日報論壇に山瀬自然保護課長が投稿し、その中で、自然浄化式汚水処理システム--TSS--の導入について早池峰フォーラム実行委員会の出している対案との比較をし、結論として、年間3万人以上も登る早池峰にはやはりトイレは必要ですし、県の案はより現実的で環境に優しい案であると述べております。そして、トイレ問題を契機に早池峰の保全について考えていただければ幸いですと結んでおりますが、私は、この主張に代表される対策が問題の本質にあると考えております。つまり、早池峰保全対策はトイレ問題を契機に考えるのではなく、人間と早池峰との基本的かかわりから論じ、その結果として山頂のトイレ問題の結論が出てくるべきものであり、最初に年間3万人以上も登ることを当然の前提として出される山頂トイレの方式はしょせん皮相的なものにならざるを得ず、関係者の納得も得られず、環境首都の名にふさわしくない政策決定手法と私は思います。現在の地下浸透式の処理方法に問題があることは事実でありますが、一たんTSS処理方式導入計画の執行を停止し、総合的保全対策を策定し、対策を講ずるまで、荒れ果てた早池峰の植生回復のためにも一時入山禁止措置等の対策をとるべきと考えます。
 現状の問題を一部列挙すれば、元来崩壊のしやすい蛇紋岩の残丘である早池峰に年間3万人以上の登山者があること。明らかに登山道が拡大しつつあり、植生の変化や踏みつけ等による個体数の減少が見られること。登山ルール、マナー、そしてモラルも持ち合わせていない多くの登山者がいること。特定日に登山者が集中すること。そして、小田越コースに登山者が集中していること。早池峰山系内の車道の開設に伴い、沿道の立ち枯れ樹木等が明らかに増加していること。小田越付近の車道化により、貴重な植物の盗掘が増加し、樹木だけでも年間100個体以上と推定され、管理員に摘発されるものだけでも年間20件程度あること。自然公園保護管理員に捜査権限がないこと。また、身分も不十分であり、人数も適当でないこと。市場において本来あるはずのない希少植物が売買されていること。登山道沿道沿いにごみが捨てられていること。山ろく部のトイレの整備がおくれていること。山頂トイレが登山者たちのごみためと化しており、ティッシュペーパー、生理用品、ポリ袋などが大量に捨てられているなど、問題は山積しております。
 早池峰山の現状は、このように貴重な自然資源の保護という観点からは多くの問題を含んでおり、一つの問題を取り出し解決、改善する問題ではありませんし、また、不可能なことであります。ついては、早池峰山問題に関しては早急かつ抜本的対策が求められておりますが、この際、総合的な抜本対策を望むものであります。
 増田知事も、5月17日の記者会見で、具体的に対策を講ずるにも資するような調査をやはり総合的に行う必要があるのではないかと思っている。調査手法の検討は今年度中に行い、総合的な調査検討を早池峰山について行いたい。そのための具体的な調査方法は、今年度いろいろ整理し、少し時間をかけてでも早池峰地域全体の自然環境の状況変化、それから原因、そういったものを総合的に把握するための調査を行っていきたいと思っておりますと述べられております。抜本的対策を強く望む立場から、知事の早池峰保全に対する基本的考え方と今後の具体的対策について伺います。
 あわせて、知事みずからが現地に調査に赴くお考えはないのかもお尋ねいたします。
 次に、市町村合併についてお伺いいたします。
 市町村合併については、その必然性は既に論をまちません。市町村行政の現状と将来の見通しは、行政の広域的対応の必要性、地方分権推進による行財政基盤充実の必要性、少子・高齢化の進展等による財政需要の増大、国、地方の膨大な債務残高による財政構造改革の必然性などから見ても既に市町村行政の構造改革は待ったなしの状況であり、市町村合併による対応はもはや猶予の許されない緊急の課題となっております。
 これまで本県は合併促進のためのパンフレットを作成したり、地方振興局中心に広域行政の調査、研究を行い、11年度には広域行政のあり方を県立大学と共同調査、研究し、広域行政推進指針を策定する予定となっております。増田知事も、あらゆる場の発言において積極姿勢を示してまいりました。
 都道府県の役割については、地方制度調査会答申や閣議決定の地方分権推進計画で都道府県による要綱の作成や知事の関係市町村への合併協議会の設置勧告についてなどが示され、審議中の国会において、地方分権一括法案には合併特例法の改正として財政措置の拡充策など必要な制度改正が盛り込まれております。また、市町村合併推進案を検討している自治省の市町村合併研究会は、5月24日、都道府県の積極的な役割に期待し、合併パターンの判断材料として人口規模別に五つの類型を示し、遅くとも平成12年度中には合併パターン等の内容から成る要綱を作成することが必要であるとし、市町村の規模が最低でも1万人以上になるように提言いたしております。これを受け、今後、政府は推進のための指針を作成し、都道府県に要綱をつくるよう要請することとなり、本県も要綱策定に向けた取り組みが必要となります。つまり、遅々として進まぬ合併の推進に風穴をあけるべく、より深く具体的に、かつ先導的な役割が、今後、都道府県に求められることとなったのであります。
 知事は、自治省の市町村合併研究会の報告についてどのような所感を持たれたのか、また、今後求められる県としての取り組みについての基本姿勢についてお尋ねします。
 次に、県は、県立大学の広域行政研究会の調査報告に基づき、広域行政推進指針を策定する予定とのことでありますが、指針に盛り込まれるその内容、また、策定のスケジュールはどのようになるのかお知らせください。
 次に、岩手県独自の合併促進策事業の創設についてでありますが、合併を本県としてより一層推進するために、県単事業の創設も重要になると考えております。
 例えば、茨城県では、平成6年、市町村合併特例交付金制度を創設し、5億円を限度に財政支援を行っております。さらに、合併市町村まちづくり支援事業を新設し、市町村建設計画の中の県事業をおおむね10億円の事業実施を保証しております。市町村の要望を受けて、合併後の将来像や合併効果を調査し、提示する市町村合併ケーススタディー事業も創設しております。また、そのほか、アドバイザー制度、合併功労者表彰制度などもあり、可能な限り県単事業を導入し、市町村合併の推進に努めております。
 現在、本県では、地域活性化事業調整費により合併推進のソフト面での支援が地方振興局の判断でできる状況でありますが、より具体的に茨城県のような対応が合併機運の醸成には役立つのではないでしょうか。今回の市町村合併研究報告書にも都道府県の合併市町村への財政支援などの支援策の重要性が盛り込まれておりますが、県はどのようにお考えなのでしょうか、県単独推進事業の導入について御所見をお伺いいたします。
 以上、知事並びに関係部長にお尋ねし、質問といたしますが、今回の県議会初質問は、まことに意を尽くせぬ内容でございましたが、先輩各位の御清聴に心から感謝を申し上げ、後ほど議員各位から御批評賜れれば幸いでございます。よろしく御答弁をお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 及川敦議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、資源・環境対策に関する国の施策の体系と、そして今後の方向についてのお尋ねでございますが、基本となります廃棄物処理法では、焼却して、そして埋め立てるという基本的な考え方に立っておりますことから、ダイオキシン問題や最終処分場などの立地問題への対応が、現在極めて困難となっているところでございます。私は、環境の世紀と言われる21世紀に向けた資源循環型社会を構築していくためには、廃棄物の減量化やリサイクルを重視して、廃棄物を再生可能な資源としてできる限り活用できる方向に転換し、さらには、公共関与の仕組みや一般廃棄物と産業廃棄物の区分の見直しなどを検討する時期に来ていると、このように考えております。
 県では、今年度から2カ年で廃棄物の資源化を徹底して、可能な限り資源としてとらえ、健全な物質循環を確保するとともに、環境に負荷をかけない、地域の実情に沿った資源化や再生利用の方向を示す資源循環型廃棄物処理構想を策定することとしてございます。この構想は、平成10年度に策定いたしました岩手県のごみ処理広域化計画について、今後市町村が具体化を進める上での参考となるものでございますし、また、来年度策定予定の第4次の岩手県産業廃棄物処理計画に基づきまして、事業者が資源化や再生利用を進める際の道しるべになるべきものと、このように考えております。
 次に、早池峰山問題についてでございますが、北上山地の最高峰である早池峰山とその周辺地域は、北上山地の代表的な山岳風景地を形づくっておりまして、また、この地域は原始性が保持され、ハヤチネウスユキソウなど数多くの貴重な高山植物が生育して、我が国における高山植物の宝庫になっているところでございます。これらの貴重性から、この地域は自然環境保全地域、国定公園、特別天然記念物、鳥獣保護区、森林生態系保護地域にそれぞれ指定されておりまして、保護が図られてきたところでございますが、私は、この早池峰地域は全国に誇り得る貴重な地域の一つでございまして、この地域を良好に保全し将来に引き継いでいくことは、私どもの重要な責務であると認識しているところでございます。
 しかし、過去の記録からも、登山道の拡張、高山植物の盗採などが報告されておりますし、荒廃が進んでいると、このように言われておりますことから、長期的展望に立った保全を図るために、早池峰地域の動植物などの自然環境の変化の状況やその原因などを調査することとしているところでございます。その調査結果なども勘案しながら、地元市町村、そして自然保護団体など関係者とも十分に相談の上で、早池峰地域の保全のための総合的な対策を講じていく考えでございます。
 また、あわせて登山者のマナー向上対策など、早急に実施すべきものにつきましては、その対策を急ぎたいと、このように考えております。
 なお、機会を見つけて私も早池峰に出向きまして、その貴重な自然の現状を確認したいと、このように思っております。
 次に、市町村合併研究会の報告書についてでございますが、この自治省の報告書におきましては、市町村が合併の推進に果敢に取り組んでいくことを強く期待しておりまして、さらに都道府県におきましても、市町村合併をみずからの問題としてとらえ、合併に対する取り組みを積極的に支援することを望むと、このようにしておりますけれども、現在の地方行政を取り巻く状況を踏まえますと、まさに時代の方向性を示すものと、このように受けとめております。
 また、報告書では都道府県に対して、原則としてすべての市町村を念頭に置きつつ合併パターンを作成することを要請しております。広大な面積を有する本県におきましては、その実態を見るとき、自然的・歴史的事情などが異なりますことから、合併に関する意識も地域によりさまざまなものとなっておりまして、現在策定に着手しております広域行政推進指針に盛り込むこの合併パターンを作成するためには、こうした地域ごとの事情に十分配慮することが必要と考えております。地方分権が実行段階を迎え、また住民の日常生活や経済活動の範囲が一層拡大しつつある今日におきまして、市町村合併を含む広域行政の推進に向けて、県自体がその役割を十分に果たしていくことは極めて重要であると考えておりまして、広域行政推進指針など、市町村や住民が必要とする情報を的確に提供しながら、今後とも市町村の自主的な取り組みを積極的に支援していきたいと、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承願います。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) ダイオキシンの排出量についてでありますが、本県における排出量は、主要な発生源である一般廃棄物焼却施設について、平成8年度で年間26・5グラム、平成9年度では16・9グラムと推計いたしております。また、産業廃棄物焼却施設や小型焼却施設の排出量は、現在のところ把握いたしておりません。
 今後、推計方法等について、国の指導を得ながら、できるだけ早期に把握するように努めてまいりたいと考えております。
 また、産業廃棄物焼却施設の状況についてでありますが、5月末現在で設置されているのは46施設であり、このうち7施設が休止、39施設が稼働いたしております。稼働中の施設については、いずれも平成10年12月から適用されているダイオキシンの排出基準値80ナノグラム以下となっております。
 なお、平成10年12月1日時点の調査結果を公表した際に、休止中で測定未実施であった9施設については、3施設が3月までに測定を終了し、いずれも80ナノグラム以下、4施設が休止、2施設が廃止しているところであります。
 次に、産業廃棄物適正処理指導員、いわゆる産廃Gメンの業務の推進状況についてでありますが、不法投棄や野焼き等を防止し適正処理の推進を図るため、本年度新規事業として、5月に4名の指導員を盛岡、一関、宮古、二戸の4保健所に産廃Gメンとして配置し、専用の指導車を用いて県下全域の巡回指導を行っているところであります。
 業務の状況につきましては、産廃Gメンは約1カ月間の研修を経て6月から本格的に指導業務についたばかりでありますが、保健所にはさまざまな不適正処理の情報が寄せられているなど、住民の不法投棄防止に対する関心が高まってきていることから、今後の成果が期待されるところであります。
 さらに、市町村、警察署、公衆衛生組合等の関係機関等と連携を密にしながら、合同パトロールの実施や事務所の巡回指導等の業務を強化してまいりたいと考えております。
 なお、産廃Gメンの配置のあり方につきましては、当面は、現在の業務の実績を見守ってまいりたいと考えております。
 次に、今後のダイオキシンの排出削減対策でありますが、現在策定中の環境基本計画に、主要な発生源である一般廃棄物焼却施設のダイオキシン排出削減目標を設定の上、引き続き早期に平成14年12月からの基準に適合するよう、恒久的な削減対策の指導を強化してまいります。
 また、環境中のダイオキシン類の継続的な監視を行うとともに、目標の達成に向けて、現在建設中の仮称環境保健センターにおいて、ダイオキシン類の削減等に関する調査研究等を実施してまいりたいと考えております。
 次に、いわてクリーンセンターにリサイクル関連施設を増設することやリサイクル施設を持つ第二センターを検討してはとの御提言についてでありますが、いわてクリーンセンターのリサイクルの現状としては、焼却施設の余熱を利用して、隣接の温水プールや公衆浴場に蒸気の供給を行っているところであります。
 今後の廃棄物対策としては、発生量を減らし、かつ資源として循環利用することが強く求められてきていることから、本県における廃棄物の資源化の可能性や、資源循環を確保するために必要な施設を広域的に検討することとなっております資源循環型廃棄物処理構想の中で検討してまいりたいと考えております。
 次に、廃棄物処理法の設置許可を必要としないいわゆる小型焼却炉の状況についてでありますが、岩手県公害防止条例の届出対象となっている小型焼却炉及び産業廃棄物処理業者が設置する法律対象外の小型焼却炉については把握しており、その数は71施設となっております。これらにつきましては、保健所の立入検査の際に焼却方法等について指導を行っているところでありますが、ダイオキシンの排出については、測定の義務が課せられていないこともあって、その排出実態については、現在のところ把握が困難な状況にあります。
 次に、未規制小型焼却炉の規制についてでありますが、これまでのところ、県内においては他県の一部に見られるような大気環境の指針値を超えるダイオキシン汚染や廃棄物焼却施設が集中している地域は見られないところであります。また、県の公害防止条例におきましては、従前から法の規制対象を超えて1時間当たり150キログラム以上の焼却能力を有する小型の廃棄物焼却炉を届け出対象としており、ダイオキシンの排出に関連が強いばいじんについて規制してきております。しかし、御指摘のとおり政府の対策推進基本指針や対策特別措置法案等において、小型焼却炉の排出削減対策の必要性が指摘されており、県といたしましても、引き続き環境調査等を実施し、今後設定が見込まれる各種環境基準との適合状況や新たな法制度の動向等を踏まえながら、規制対象をさらに拡大することの必要性等について検討してまいりたいと考えております。
   〔農政部長佐藤徳兵衛君登壇〕
〇農政部長(佐藤徳兵衛君) 農業用廃プラスチックの適正処理の具体的な取り組みについてお答えいたします。
 プラスチック資材は、農業の生産性の向上と安定にとって必要不可欠なものでありますが、環境問題が重視されてきている今日、その適正処理は緊急かつ重要な課題であると認識いたしております。このため県といたしましては、まずもって排出者責任の原則や適正処理の徹底を図ることが大切でありますので、ポスターの作成やパンフレットの全戸配布を行うなど、農業者に対し意識啓発に努めるとともに、市町村や農協等を中心とした回収処理体制の確立や処分業者への処理委託などについて指導を強化してきたところであります。
 お尋ねの塩化ビニールのリサイクル施設につきましては、現在開発されている施設の採算性を確保する適正処理量が少なくとも5、000トン以上であるとされておりまして、本県の排出量は1、000トン程度でありますことから、県といたしましては当面、塩化ビニールについては、低コストかつ効率的な処理が可能な移動式破砕洗浄装置による再生処理を、またポリエチレン類については、セメント工場の燃料資源として再利用を進めることとし、本年8月から実施することといたしております。
   〔企画振興部長渡辺勲君登壇〕
〇企画振興部長(渡辺勲君) まず、広域行政推進指針についてでございます。
 この指針の主な内容となる市町村の合併パターンを考えます場合に、各地域の実情についてのきめ細かな調査に加え、学術的・専門的視点からの検討も必要と考えられますことから、現在、県立大学の協力を得て調査・研究に着手しているところでございます。これまで40を超える市町村を訪問し、各市町村長や議会の代表者、さらには地域住民の方々から、地域の実情や今後の市町村のあるべき姿などについて御意見を伺ってきたところでございます。
 今後におきましては、これらの調査結果をもとに、合併のみならず、広く広域行政を推進するという観点から、それぞれの地域の地理的・歴史的事情などを十分に踏まえつつ、この指針を平成11年度中をめどに策定したいと考えております。
 次に、合併市町村への県単独の支援措置についてでございます。
 これまでも合併市町村が実施する施設整備に対する自治振興基金の無利子貸付の特別枠の創設や地域活性化事業調整費による財政支援、さらにはシンポジウムの開催など、広域行政推進のための啓発事業を実施するなど、積極的に対応してきたところでございます。
 今後におきましても、今回の合併特例法の改正案におきましても、市町村合併に関する県としての役割がより明確にされることにもかんがみまして、現在実施している調査・研究事業を通じて、地域のニーズを十分に把握しながら、市町村の自主的取り組みが円滑に進められるよう、県としても市町村合併の環境の整備に向け、支援制度の創設なども含め広く検討を進めてまいりたいと考えております。
   〔警察本部長篠宮隆君登壇〕
〇警察本部長(篠宮隆君) 環境犯罪についてお答えいたします。
 環境を守るための取り組みの強化を求める国民の声が高まっているにもかかわらず、産業廃棄物の不法投棄や野生動植物の不法採捕など、悪質な環境破壊行為が後を絶たず、大きな社会問題となっております。このようなことから、本年4月5日、警察庁から環境犯罪対策推進計画が示されたところであります。県警察といたしましては、環境犯罪対策は関係機関・団体との連携が不可欠であるということから、県担当課との連絡会議、あるいは岩手県産業廃棄物協会と県担当課との3者連絡会議を開催して情報交換を行うとともに、合同パトロールなどを行うなど、環境犯罪の未然防止活動を推進しております。
 また、葛巻町における牛の糞尿不法投棄事犯並びに軽米町におけるオオルリの密猟事犯を検挙するなど、取り締まりを推進しているところであります。
 現在、県下17警察署に環境犯罪捜査班を編成したところでありますが、今後とも関係機関・団体との連携を密にし、産業廃棄物の不法投棄などの未然防止と環境犯罪の検挙に努めてまいりたいと考えております。
〇1番(及川敦君) それぞれ御答弁、本当にありがとうございました。
 再質問では、早池峰山関係と、やはり産廃の小型焼却炉の対策について、せっかくの機会でございますので、もう少しお尋ねさせていただきたいというふうに思います。
 まず、早池峰の件に関しましては、今、知事から御答弁いただいて、そういう御認識で早池峰山対策に取り組まれるということであれば、私もまずもって安堵したところでございますけれども、御答弁の中で、基本的にいろいろな調査を進める中で、今後総合対策に努めていきたいと。そしてもう一つは、緊急にやるべきものについては緊急に対処すると、そのような御答弁趣旨であったかというふうに思うわけでございますが、まず、総合対策として今後調査研究をしてやるということ、それは是といたしますけれども、既に今年度予算、平成11年度予算の中に6、000万円の予算計上がされておりますこのTSSのトイレの設置については、予算が通っておりますので、設置するのは予算上は問題ないんでしょうけれども、総合対策の中でやられていく御予定なのか、それとも、もう既に予算措置がとられているので近々に設置する予定なのか、まずこの点についてお聞きしたいと思います。と申しますのは、私、質問の中で申し上げましたけれども、なぜ総合対策の中でトイレ問題でしか解決しないと申し上げましたかといいますと、全体の登山者の総体の数をある程度推定した後に、山頂においてどの程度のトイレが必要なんだとか、どういった方式が必要なんだというのであればわかりますけれども、全体として早池峰の現状をとらえて、登山者が1年間にどれぐらいであればいいかといったような観点からも総合的に考えた中でトイレ問題が出てくるのであれば、私もある程度は理解できたのでありますが、いきなり山頂のトイレの部分から改善するというのは、ちょっとどうなのかなと私は思っておりますので、その点も踏まえ、この6、000万円の予算計上されている方式について、予算執行をどのようにするのかお尋ねしたいというふうに思います。
 もう1点は、早急にとらなければいけない対応、今知事は御答弁の中で、まだ、向上等ということで御答弁ございましたけれども、早急にやらなければいけないものについては早急に対応するという御答弁でありましたが、私はもう1点早急に対応する必要があるのは、今警察本部長からも御答弁ありましたが、盗採、盗掘の問題に対して、これは早急に対応しなければいけないのかなというふうに思っております。一度盗掘された現場は、ほぼ二度と戻らないということをおっしゃる方もいらっしゃいますし、盗掘がある程度日常茶飯事な状況になっている。私も調査に参ったときに、県道、主要地方道ですか、あの道路沿いに路上駐車をして、車の中に盗採したものが積んである、そういった車も、私がちょっと行っただけでも見られる状況でありました。取り締まり強化策をやるのも当然だと思いますけれども、もう一つは、他県の対策としてやられている種の保存条例というんですか、つまりそういった貴重な動物を捕らえたり、植物を盗採したり、それを禁じるのはもちろんですが、市場において売買する場合においても、登録制をとるなどして事実上の規制をしているという条例を広島、山梨、熊本、兵庫などでやられているようであります。私も中身を検討させていただきましたが、聞くところによれば、本県では今、レッドデータリストですか、つまり県内の希少動植物の調査をして、その調査の実態が明らかになった後に、こういった種の保存条例についても検討するというようなお話も伺いましたが、私は、例えばハヤチネウスユキソウとかナンブトラノオとか、何かいろいろあるようですが、そういった希少植物等について、既に明らかになっている分野について、早急に保全策をとるためにも、条例制定ということも考えなくちゃいかんのかなというふうに思っておりますが、その点についていかがお考えなのか、お尋ねしたいというふうに思います。
 もう1点、未規制の小型焼却炉の問題についてでありますが、御答弁にありましたように、実態がわからないという御答弁でありましたが、やはりわからないのが一番問題であろうというふうに私は思っております。150キロ以上の処理能力を持つ施設については登録制ということで、いろいろと実態を、細かくダイオキシン濃度調査をしろと、義務を課することはできないにしても、ある程度の構造基準等からでダイオキシンがどの程度出ているかというのも外見的に判断できるものと私は思っておりますので、その強化をきちっとやっていただきたいというふうに思っております。
 規制対象になっている産廃の施設についても、これも委員会のいろいろな議事録を拝見させていただきましたが、規制対象になっている産廃処理施設についても、自主的に自己測定をして県に報告するというのが義務づけられておりますけれども、私は、今いろいろ調査して伺っているところですと、例えば調査の段階で、あえてダイオキシンの出にくいものをそのときに燃やして、また、ふだんは600度とか500度とかで燃やしている焼却条件を、その測定のときには温度を上げてダイオキシンが出ないようにするということもやられているようでありますし、また可能なようでありますので、こういった燃焼管理とか測定条件、これが きちっと守られているのか--これはきちっとした基準がないわけですが、ある程度そういった基準づくりも考えながら、今問題とされている産廃施設並びに未規制の小型焼却炉のダイオキシン対策について、質問でも申し上げましたけれども、環境首都の名にふさわしい対策を早急にお願いしたいと思っているわけですが、この点につきましても再度お伺いいたしたいと思います。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) まず、早池峰山頂のトイレの問題でございます。
 6、000万円の予算執行についてのお話だと思いますが、私たち県としましては、引き続き自然保護団体と話し合いを続けてまいりたいと考えてございます。これまでの状況、それから、今後の見通しを踏まえながら、その取り扱いについては今後検討してまいりたいと思っております。
 それから、早池峰山の盗採の問題につきましては、県だけで監視をするということは非常に困難でございます。したがいまして、今後、監視のあり方についても、関係ボランティアの方々あるいは自然保護団体の方々とともに検討してまいりたいと思っております。
 それから、種の保存条例についてでありますが、先ほど議員御指摘のとおり、4県ほどで条例を制定しているところでございます。県としましても、レッドデータブックができてからということではなくて、ほぼめどのついた時点、レッドデータブックは12年度完成ということにしておりますけれども、そのめどのついた時点で種の保存のあり方について考えて検討してまいりたいと思っております。
 それから、ダイオキシンについてですが、今回、国の方でダイオキシンの量について発表しているわけですけれども、この計算方法がなかなかわからない状況になってございます。したがいまして、今後、そのダイオキシンの量につきましても、厚生省の方あるいは環境庁の方の指導を仰ぎながら、その計算方法を入手しまして試算はしてみたいと思っております。
〇1番(及川敦君) ちょっと御答弁漏れもありましたので再度お伺いしますが、未規制の小型焼却炉についてのより一層の対策と、あと、燃焼条件をきちっと規制対象の産廃施設に対して指導していただきたいということで御見解を伺ったんですが、その点、再度御答弁いただきたいと思っておりますし、あと、今、御答弁あった種の保存条例、状況が見えてきたら制定するということですが、いつごろこれは状況が見えて対策をとられるのか、時期をきちっとお示しいただきたいと思っております。
 ダイオキシンの問題に関しましては、今の部長の答弁では、ダイオキシンの推定排出量を算定するに当たって基準がないということのようでしたが、私、質問の中にも入れましたけれども、サンプリング調査をして、そのサンプリング調査の中から平均値を出して数を掛けたという単純計算だと生活環境審議会の議事録の中に出てますけれども、そういった方法であろうというふうに思いますので、そういった手法もとりながら、実態を早急に把握していただきたいと思いますが、再度その点御答弁を求めまして質問とさせていただきます。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) 答弁漏れがございまして、大変失礼いたしました。
 未規制焼却施設につきましては、お話ございましたとおり、今後、実態の把握に努めるように努力してまいりたいと思います。
 それから、種の保存条例の問題でございますが、レッドデータブックにつきまして、現在、専門家の皆さんの意見を聞きながら取りまとめ中でございます。一応条例をつくる上で、何を保存するのかということをやはり明確にする必要があるのではないかという意味から私申し上げたんですけれども、そのめどがいつかということでございますが、今時点でいいますと、今年度いっぱいかかるのではないかなというふうに思っております。
 それから、サンプリングによる計算方法につきましては、御指摘のありましたとおり努力してまいりたいと思います。
〇議長(山内隆文君) 次に、及川幸子さん。
   〔11番及川幸子君登壇〕(拍手)

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