平成11年6月定例会 第2回岩手県議会定例会会議録

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〇32番(佐々木一榮君) 自由党の佐々木一榮でございます。
 改選後初めての本定例会におきまして、先輩、同僚議員の皆様の御配慮によりまして一般質問の機会をいただき、感謝申し上げる次第であります。それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきますので、誠意ある答弁をよろしくお願い申し上げます。
 増田知事におかれましては、過去の知事選挙で最多の68万票という多くの県民の支持を得て2期目の県政に臨まれるに当たり、1期目の4年間をどう総括されておられるのか、まずお尋ねいたします。
 また、これからの県政運営に当たって最小のコストで最大の行政サービスを提供することが最大の課題と述べられていますが、一番重要視すべき観点をどうお考えか、お尋ねいたします。
 知事は選挙期間中、右肩上がりの経済成長を前提とした行政の仕組みの見直しを強調し、特に経済政策面では公共事業に依存した産業構造の転換を訴えてまいられました。4月12日の記者会見では、公共事業を資産価値として判断できるような企業会計に似た仕組みをつくりたいと新たな評価システムの導入を強調されております。1期目には着工済みの北本内ダムや奥産道を凍結されました。また、公共事業評価システムも導入されております。知事の2期目の政策のキーワードである環境、ひと、情報を8月に最終策定される新しい県総合計画に盛り込まれると期待しておりますが、こういう厳しい環境の中、21世紀の夢県土いわてを知事自身どう描かれているのでしょうか。
 次に、地方分権についてお尋ねいたします。
 93年6月の宮沢内閣において衆参両院が地方分権推進法の制定決議以来6年目の現在、国会において地方分権推進法が審議されておりますが、法案では、国と都道府県、都道府県と市町村は、それぞれ対等・協力関係にあると規定しております。地方自治体に国の事務を代行させることで長年、中央集権体制を形づくってきた機関委任事務を廃止し、うち約4割を法定受託事務、残り6割を自治事務と区別しております。これらの事務は、法令に根拠がない限り、国が地方自治体に関与することができないことといたしました。これは、御案内のとおり地方分権推進委員会の第4次勧告までの関係であり、財源問題についてはまだまだ議論を国、地方一体となってすべきと私は考えます。そこで、何点かにわたって質問いたしますが、まず、機関委任事務だったものが自治事務に移ることにより、都市計画や1学級の生徒数など学級編制基準、また、国が法律や通達により、義務づけてきた必置規制も大幅に緩和されますが、県は今後これらについてどう検討されていくのか、お尋ねいたします。
 また、法案の中では、財源の充実策として自治体が独自に税を課す課税自主権を拡大しております。財源問題を根本的に解決するためには、国税を地方税に移したり、新たな地方税を検討するなど先ほど申し上げましたように議論を深めていく必要がありますが、この課税自主権の拡大により、自治体が新しい税--法定外普通税--を創設する場合、現在の自治省の許可制から事前協議に変わり、自治省の同意は必要であるが、協議内容は減り、創設しやすくなるとお聞きしておりますが、県として環境目的税など何か現在検討を進められているのでしょうか。また、現在検討されていないとすれば何か今後検討される予定があるのか、お尋ねいたします。
 また、法案には地方公共団体の行政体制の整備・確立ということで大きく四つの改正が盛り込まれております。一つには自主的な市町村合併の推進、二つには地方議会の活性化及び議員定数の見直し、三つには中核市の指定要件の緩和、四つには特例市制度の創設でありますが、本県に特にも関係いたしますのは、市町村合併と特例市に該当する盛岡市の問題であろうというように考えます。そこで、まず市町村合併について知事の考えをお尋ねいたします。
 自主的市町村合併の推進施策として、住民発議制度の拡充、都道府県知事による合併協議会設置の勧告、普通交付税の算定の特例の期間の延長、合併特例債の創設、地域審議会の設置、市となるべき要件の特例など国としては暗黙のうちに市町村合併を助長するような動きにあることがうかがえます。そこでお尋ねいたしますが、知事は合併協議会設置の勧告をすることが可能なわけでありますが、来年スタートする介護保険の準備状況や県内各地で開催された県政懇談会等を通じ、県内の現状をどう把握され、また、知事は合併に積極的に取り組んでいかれるのか否かをお尋ねいたします。
 あわせて自治省行政局長の私的研究機関である市町村合併研究会では市町村の自主的取り組みを重視しつつも、都道府県に積極的な役割を期待して、遅くとも2000年中に想定される合併パターンを盛り込んだ要綱を策定するよう求める報告書をまとめておりますが、現在どういう検討状況になっているでしょうか、お伺いいたします。原則としてすべての市町村を念頭に置いて作成すべきとしていますが、本県では地理的にも非常に難しいケースもあろうかと考えますがいかがでしょうか。
 次に、今後の財政運営についての基本的考え方についてお尋ねいたします。
 財政の健全化は今さら申し上げるまでもなく国、都道府県、市町村を問わず大きな問題であり、先ほど来の地方分権とも密接な関係にあります。長期債務残高は99年度末には国、地方合わせて国内総生産--GDP--を100兆円上回る600兆円に達する見通しであります。地方交付税特別会計の借金も30兆円に達する見込みであります。本県においても県債残高が99年度末で1兆1、157億円の見通しであり、前期比約778億円の増額であります。バブル経済崩壊後の平成4年以降、国の経済対策に連動したことにより年々増額傾向にあります。本年度は260億円の財政調整基金の取り崩しも行っており、基金の残高922億円もこのままの状況下ではあと三、四年で底をつくことになりそうな現状であります。全国の都道府県の指標を見ますと決して本県のみが突出しているわけではありませんが、交付税依存度が全国でも高いこともあり、厳しい状況に変わりはありません。国の財政構造改革の凍結と景気回復策に呼応し、県も迅速かつ機動的に対応してきた影響と理解しております。県議会もその予算執行、決算を承認してきたわけでありますが、今後の財政運営に対する基本的方針をお伺いいたします。
 次に、県政運営評価結果についてお尋ねいたします。
 昨年、民間企業の経営診断と同じ視点で社会経済生産本部が県政運営を部局別に審査した結果、全庁的には1、000点満点中、430点と民間企業平均値とほぼ同じ、5段階評価で下から2ランク目という高い顧客サービスを提供する経営の仕組みがあるものの、その実践は全体的に初期の段階と結論づけられたようでありますが、この結果をどう分析し、本年2月に策定された岩手県行政システム改革実施計画に反映されていかれるのか、お尋ねいたします。
 また、結果を見ますと、トップの農政部と最下位の土木部では200点近い開きがありますが、どう分析なさっているでしょうか。あわせて、各部局を通じ県民満足度、民間で言いますCSI--顧客満足度--の成績が低かったようでありますが、今後の取り組みについてどうお考えか、お尋ねいたします。
 この審査では12の地方振興局のうち宮古、遠野、北上の三つの地方振興局が対象であったようでありますが、岩手日報社の統一地方選挙直前の県民世論調査によりますと、県、地方振興局を身近に感じるかとの問いに、余り身近に感じない43・6%、全く身近に感じない29%と男女とも地方振興局を自分たちの暮らしから遠い存在ととらえているとの結果が出ました。県としては中央に先駆け県版行革として地方振興局に積極的に権限委譲、機構改革、人事交流などを行い住民に一番近い自治体である市町村との連携強化を図るとしてきましたが、まだまだ県民へのPRが足りないようであります。本定例会本会議も各地方振興局県民室でテレビ中継が行われておりますが、どのくらいの県民の方々にテレビで傍聴していただいているのか知りたいところでもあります。この調査結果につきまして、現在アイシーエス社長で当時の総務部長の吉田氏は、21世紀は地方分権と広域行政の質が問われる。地方振興局は、市町村単位ではできない地域の将来を見据えた独自性を発揮しなければならない。企業感覚、積極的な情報発信が大切とコメントされておりますが、県と市町村の中二階ともやゆされる地方振興局でありますが、今後どのように県民に近く、開かれた行政を目指していかれるのか、お尋ねいたします。
 次に、県公会堂を初めとする県有資産の管理運営についてお尋ねいたします。
 まず、昭和の遺産である県公会堂についてでありますが、この問題につきましては、私どもの先輩であります折居議員の最も得意とする分野でありますが、今回は登壇の機会がないようでございますので、私より質問をさせていただきます。幾度か公会堂についての議論があったわけでありますが、その都度当局からは、議員の提言を含め、さまざまな御意見を賜りながら、県庁舎との関連あるいは類似施設との関係等、総合的に勘案しながら検討してまいりたいと考えているとの答弁をいただいておりますが、いよいよその方向性を示す時期に来たようであります。近々、耐震診断を行い、結果を受けて維持する際の費用対効果、解体撤去した場合の跡地利用を具体的検討に入るとお聞きしておりますが、調査結果は結果として、現在まで維持補修費用もこの25年間で1億8、000万円かかっている現状でありますので、これまでの庁内での検討状況についてお伺いいたします。また、今後の検討スケジュールについてもあわせてお伺いいたします。
 岩手日報直球変化球では、赤れんがの国鉄盛岡工場や一ノ倉邸に触れ、歴史的建造物を21世紀へとの提言もあり、県民の期待に、そして理解の得られる形で開かれた検討を要望するものであります。また、市内大通りの県の所有する未利用地を初め、特にも市街地に所有する県有地について県民からさまざまな指摘がありますが、どう対処なさっていくのか、お尋ねいたします。所有資産であっても有効利用されない場合は処分するなど活性化施策が必要と考えますが、県として現在見直しはどの程度検討なされているのでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、県出資法人の今後のあり方についてお伺いいたします。
 自治省は経営難に陥っている官民共同出資の第三セクターの整理を進め、自治体負担を減らすとの目的から第三セクターに関する指針をまとめました。この中では経営状況などの情報公開の必要性や累積欠損が自己資本以上の債務超過の場合の事業の見直しを迫っております。そこで、お尋ねいたしますが、県が資本金の25%以上出資している46の第三セクター、また特別法による6法人についてどのように分析、検討されているのでしょうか。あわせて今後の方向性区分の三つのランクについてはいつごろを目途に検討される予定でしょうか、お伺いいたします。
 県では新事業創出促進法に基づき県高度技術振興協会と県中小企業振興公社を統合する方向で検討に入り、これは県出資法人の整理統合を推進する目的もあると伺っております。お隣の宮城県では28の団体を2001年度までを重点推進期間として統廃合を進めるリストラ案を発表いたしました。内容を見ますと、具体的には経営難のグリーンピア岩沼など3団体を廃止・解散の検討対象とし、県文化振興財団、県社会福祉協議会、県観光連盟、農業公社、仙台空港ビルなど25団体を類似する団体などとの統合の検討対象といたしました。この検討団体は民間企業と競合していたり、設立目的と事業内容が設立当時と違ったり、逆に設立目的が他団体と類似しているとの点から判断がされています。そこで、お尋ねいたしますが、本県の行政システム改革実施計画によりますと、県関係者役員の出資法人への就任の縮減は平成10年度より、また統廃合等ガイドラインは本年度より実施のスケジュールになっておりますが、現況についてお伺いをいたします。
 関連いたしまして、三陸鉄道の資産譲渡問題とグリーンピア田老の2点についてお尋ねいたします。
 三陸鉄道につきましては、三つの対応策のスキームを踏まえ、資産の無償譲渡を来年3月までに行うことと決定いたしました。同様な他県の第三セクター鉄道3社も既に昨年6月には無償譲渡受け入れを決定しているとのことから、本県の対応もいたし方ないと考えますが、今後の三陸鉄道経営は多難な道のりであります。昨年度の乗客は155万人で目標の164万人に約9万人不足している現状であり、毎年2万人ずつの上積み目標は最近の景気を見ても厳しいものがあります。沿線自治体負担も不足額が大きくなれば財政を圧迫いたします。今後の経営計画及び見通しはどうなっているでしょうか。
 私は過去の観光客誘致の質問の際も申し上げましたが、県民がまず自分たちの住む岩手を知る。特にも次代を担う子供たちにと考えております。新県総ではいわて地元学を強調されておりますし、沿線住民のみならず、県民のマイレール意識の高揚が重要と考えます。県としてもさまざまなイベントなども検討されていると思いますが、単発的なものでなく継続性のある修学旅行や野外研修など県教育委員会や民間団体などと協議できる場を設けてはと考えますがいかがでしょうか。
 次に、グリーンピア田老についてお尋ねいたします。特別委員会でも昨年質問させていただきましたが、平成10年度は赤字決算となり、積立金より7、069万円補充されましたが、今年度の見込みはいかがでしょうか。また、年金福祉事業団廃止閣議決定により、今国会で審議予定と伺っておりますが、施設の譲渡問題について事業団とは現在どういう話し合いが行われているのでしょうか、お尋ねをいたします。
 次に、環境首都を目指す本県の環境施策についてお伺いいたします。
 現在、9月の環境基本計画策定に向け、鋭意御努力いただいていると存じますが、現在の検討状況をお知らせ願いたいと思います。また、ISO14001の年度内認証取得へ向けての準備状況についてもお尋ねいたします。
 あわせてダイオキシン対策と温暖化ガス削減対策についてお伺いをいたします。平成14年12月より施行されるダイオキシン類排出の新基準によりますと、施設の処理能力により異なりますが、0・1ナノグラムから10ナノグラムに強化されます。先ごろ完成いたしました東磐環境組合と住民との関係を見ましても、県民のダイオキシンに対する不安には大きなものがあります。国自体の対策のおくれもありますが、環境首都として本県の対策と認識を新たにしなくてはと考えます。県内で稼働している市町村の一般廃棄物焼却場21施設のうち、3年後の規制値に適合しない施設は現在どの程度あるのか、お示しいただきたいと存じます。
 また、民間の許可を受けた産業廃棄物処理場の実態はどう把握されているのでしょうか、お尋ねをいたします。現在、施設の新設や改修を検討もしくは既に着工している市町村もあろうかと思いますが、県内を6ブロックとする県の広域化計画に準じている組合はどの程度あるのでしょうか、お尋ねいたします。
 私の選挙区におきましては、現在県立病院と同様、建設場所の問題で新設着工について議論されておりますが、県の示した広域計画では、29年度に向け二つの案を提示されました。胆江地区広域行政組合では焼却能力に余裕があるとして、一関地方衛生組合に対して共同処理を申し入れたわけでありますが、平成21年まで処理が可能ということであったが、一関・胆江を合わせたごみの処理能力が18年には限界に達し、処理ができなくなった場合の対応を総合的に判断し、共同処理を断念したとしていますが、県ではどういう報告を受けているでしょうか。
 また、過日稼働を開始した東磐環境組合とも将来一緒になるわけでありますが、東磐環境組合と胆江地区広域行政組合の処理能力を合わせた場合でも限界となるのでしょうか。検討経過についてお知らせいただきたいと思います。
 あわせて、十分な能力があっても1市2町の組合が独自の焼却施設を持つ必要性を県としてどうお考えでしょうか、お伺いいたします。
 次に、温暖化ガス削減対策についてでありますが、97年12月の地球温暖化防止京都会議では、日本は2010年をめどに温暖化ガスの排出量を90年比で6%削減することが決まりましたが、実際には現状の排出量より15%近い削減をしなければ達成できないとも言われております。本県の90年の排出量は炭素換算で364万トン、県民一人当たりでは約2・5トン排出し、全国平均の2・4トンとほぼ同水準でありますが、東北6県では最も多いとされております。95年では90年比9・2%増の397万トンと推計されております。そこで、お尋ねいたしますが、2010年に国より高い削減目標である現時点から10%以上の削減を9月策定の環境基本計画に盛り込むとのことでありますが、企業や一般家庭の全体的努力がなければ難しいと考えます。人工林の間伐対策など県民が一体となって取り組む姿勢が最も重要と思いますが、目標達成へ向けての方針についてお伺いいたします。
 次に、日米安全保障体制をより機能的にとのねらいを持つ日米防衛協力のための指針--ガイドライン関連法についてお尋ねをいたします。
 指針法をめぐる議論は内政問題ではないことから、この場での質問にはなじまないと考えますが、一方において自治体や民間企業の協力を要請する内容についても含まれておりますので、この点からお伺いしたいと思います。法案成立により周辺事態--我が国周辺における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態--に後方地域での輸送支援や捜索救助活動などの日米間の防衛協力が可能となりました。周辺事態法は法が発動される際には地方自治体の首長に必要な協力を求めることができるとし、これは一般的協力義務で正当な理由がない限り拒むことはできないという政府見解でありましたが、小渕首相は、できる限りの協力は期待するが、強制するものではないとも衆議院本会議で答弁をなさっております。県民の多くは協力の内容も住民の役割もはっきりしないことに大きな不安を抱いております。そこでお伺いいたしますが、政府が示している想定協力項目例は、港湾や空港の使用、病院への患者受け入れ、人員・物資輸送の運送業者の協力など自治体と民間合わせて11項目の例示にすぎないわけでありますが、実際には1、000項目以上とも言われております。現在示されている11項目について県としてはどう対応していく認識をお持ちでしょうか。指針法の成立は日本の危機管理の完成を意味したものではなく、あくまで法律は紙に書かれた段階であり、議論はまだまだこれからでありますので、増田知事におかれましては、政府からの待ちの姿勢でなく、積極的に全国知事会や県内関係市町村に開かれた議論の場を働きかけてはと考えますが、お考えはいかがでしょうか。
 次に、雇用対策関係について2点お尋ねいたします。
 5月の完全失業率は4・6%、334万人に達しました。男子の失業率も4・9%と悪い状況が続いております。県内の有効求人倍率も0・48と依然低調な状況下にあります。政府は都道府県や市町村に公立学校での臨時講師の採用や中高年の非自発的失業者を成長分野の企業が前倒しして雇う場合に国が奨励金を払う制度や、さらには雇用を受け入れた企業への助成金制度など緊急雇用対策をまとめましたが、東北の自治体は雇用・維持拡大策は認めるものの、行政改革や財政再建の一環で定員の適正化を図っており難しいとの声も聞かれますが、本県における対応についてお伺いいたします。
 また、民間企業や非営利組織--NPO--に業務を外部委託する地方自治体に対し、一定規模の金額を特別交付金として設置し、全国一律でなく希望する自治体に補助金を出す構想を検討中であり、NPOの扱う範囲は医療から環境保全、教育と多様で地域ごとにも事情が異なるため、どういう業務を外部委託するかは国でなく自治体に任せるとのことでありますが、本県においても既にNPO法認証団体も誕生していることから、県としてはどういう対応を検討しているのか、お尋ねいたします。
 2点目でありますが、県単独のいわて緊急経済対策資金、国の中小企業金融安定化特別保証制度資金は、3月末現在、合わせて1万件で1、458億円、うち県単分は3、041件で392億円と、景気低迷の中、中小企業の資金繰り緩和に大きな役割を果たしたと考えておりますが、特別保証資金の据置期間は1年であり、この秋から返済の始まる企業もあるわけでありますが、その返済見通しについてどう分析しておられるでしょうか。また、一方で平成10年の県内の賃金不払い事件の新規受理件数は前期比50・8%増の181件、被害労働者数は986人となり、賃金不払い総額は3億5、077万円と10年間で最悪とのまとめが岩手労働基準局よりあったわけでありますが、これらの関連性をどう分析されておられるでしょうか、お伺いいたします。
 最後になりますが、地元で大変な問題となっております県立磐井・南光病院問題について、毎回で恐縮でありますが質問させていただきます。詳細につきましては常任委員会等もありますので、1点のみお伺いをいたします。
 県は候補地について一関市より当初の候補地と比較検討して住民の理解の得られる場所の推薦を受けて決定するとの方針で7月を期限としておりますが、さきの一関市の6月定例議会では市長推薦場所に市議会が反発するなど進展されておりません。2月定例会予算特別委員会において9月補正予算で対応と答弁いただいておりますが、一関市よりの候補地の推薦がおくれた場合、決定した段階で対応いただくと理解してよろしいでしょうか。医療局長にお尋ねをいたします。
 以上をもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 佐々木一榮議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、1期目の総括についてでございますが、私は、知事就任以来、県民に開かれたわかりやすい県政を基本姿勢として掲げまして、可能な限り県民の皆様の活動の場に出向き、また、さまざまな機会を通じて県民の皆様との直接の対話に努めますとともに、情報公開の徹底など、県民との情報の共有化や地域の課題に総合的かつ迅速に対応する現場重視の地域経営、地方振興局の機能強化を図る県行政の分社化などを推進してまいりました。これらの取り組みは、いずれも生活者主権、地域主権の社会への道筋に位置づけられるものでございまして、こうした改革をさらに推し進めることによりまして、県行政と県民一人一人との距離を縮める顔の見える県政を進めてまいりたい、このように考えております。
 次に、県政運営に当たって重要視すべき観点についてでございますが、県行政は県民への最大のサービス提供者でございまして、いわば県庁株式会社として、効率的に質の高いサービスを提供する役割を担っているとの自覚を持ちながら、従来の行政の考え方や方法にとらわれない柔軟な発想と創意工夫によりまして、住民の信頼にこたえる行政を推進していくことが重要である、このように考えております。このため、新しい総合計画においても、この新しい時代に対応した県行政の基本姿勢といたしまして、県民と行政が互いの信頼関係のもとに進める、県民とともにつくる開かれた県政の推進、住民の生活実感を大切にする生活者の視点に立った県政の推進、現場重視の地域経営を強く意識した地域の視点に立った県政の推進、社会環境の変化に的確、迅速に対応する機動性と柔軟性を重視した県政の推進、これを四つの方針として掲げることとしておりまして、これらを私を含め職員一人一人がしっかりと心に刻み、新しい岩手づくりに向け取り組んでいく考えでございます。
 次に、21世紀の夢県土いわてをどう描くかについてでございますが、環境への意識の高まり、ボーダーレス化や少子・高齢化などの時代の大きな変化の中で夢県土いわてを実現していくためには、生活者や地域の視点で社会の仕組みや行政のあり方を見つめ直す必要がございます。8月に策定予定の新しい総合計画では、このような観点を踏まえながら、夢県土いわての具体的な目標となる私たちが実現したい岩手の将来像を、自然と共生し、循環を基調とする社会、創造性あふれ、活力みなぎる産業が展開する社会など五つの社会として、生活者の視点に立った指標を用いてわかりやすく描き、その実現に向けて環境、ひと、情報の三つの視点を踏まえ、優先的、重点的な事業の選択に配意しながら、さまざまな施策を着実に実行してまいりたいと考えております。こうしたことによりまして、私は、県民一人一人が可能性の翼を広げ、その夢にチャレンジし、それを実現することによりまして、生きる喜びを実感することのできる社会をこの岩手につくり上げていきたいと考えております。
 次に、市町村合併についてでございますが、広大な県土を有する本県におきましては、地理的・歴史的事情から、合併に関する考え方も地域によってさまざまでございまして、県内の幾つかの地域で合併に関する議論がなされるなどの動きがあるものと承知しているわけでございますが、介護保険を初めとする新たな行政需要への対応や地方分権に対応した行政体制の整備を考えました場合には、地域の実情に応じた合併を含む広域行政の推進は、時代の要請であると認識しております。県では、市町村合併に関して的確な情報の提供や助言を行いますとともに、合併協議会の設置に当たりましても、合併関係市町村や住民の意向を踏まえながら、地域からの要請がある場合にはこれに参画するなど、県としての役割を積極的に果たしてまいりたいと考えております。
 次に、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドライン関連法についてでございますが、周辺事態安全確保法第9条では、周辺事態に際し、国は法令及び基本計画に従い、地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができるものとされておりまして、また、地方公共団体を含む国以外の者に対し、必要な協力を依頼することができるものとされているところでございます。これまで協力項目として11項目の例が示されているところでありますが、これらの例示のみでは、実際は不明な点が多くて、国から地方公共団体への協力の内容いかんによっては、住民生活や地域経済に少なからぬ影響を及ぼすことが懸念されるために、北海道東北地方知事会から全国知事会に対して、地方公共団体への協力に関する項目については、できるだけ協力要請の内容・手順等を具体的に示すよう要請を行いました。これを受けて、全国知事会を通じ、関係省庁にこの点に関し強く要望したところでございます。
 今後、関係省庁からより具体的な説明がなされるものと期待しているところでありますが、その説明内容にさらに不明な点があれば、これは全国共通の課題でありますので、全国知事会を通じて、それぞれの関係省庁に対しさらに照会するなど行いまして、地方公共団体としての対応の前提となる国の考え方をしっかりと把握して、県としての適切な判断をしてまいりたいと考えております。
 なお、国からの情報につきましては、今後とも各市町村へ適時・適切に提供してまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので、御了承お願いします。
   〔総務部長武居丈二君登壇〕
〇総務部長(武居丈二君) まず、地方分権の推進についてでありますが、現在審議中の地方分権一括法案の成立により、機関委任事務が廃止され、自治事務とされるものにつきましては、法令の範囲内におきまして、地方公共団体が地域の実情や住民ニーズに応じて条例を制定することが可能となり、また必置規制が緩和されるものにつきましては、行政サービスの提供に当たっての組織等の総合化や効率化が、地方公共団体の権限と責任においてできるようになります。このように、分権型社会におきましては、地方公共団体の自主性・自立性が高まり、自己決定と自己責任の原則のもとに、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることが可能となることから、機関委任事務の廃止などへの対応につきましては、生活者主権・地域主権の視点に立った新しい岩手づくりに向けて具体的な施策を展開することができるよう、本県の特性や地域の実情を十分に踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、法定外普通税についてでありますが、地方分権一括法案では、課税自主権を尊重する観点から、許可制を廃止し事前協議制に改めることとされているところであり、この制度改正は、地方分権時代の国と地方団体の対等・協力な関係のあらわれと認識しております。この制度の実際の運用に際しては、国、地方を通ずる税体系との整合性等との関係で現行の許可制と同じ条件が付されているため、現状においては、本県で法定外普通税を導入することは難しいものと考えております。
 なお、地方分権が推進され、国、地方を通ずる税体系のあり方についても一層論議が深められ、地方税の課税自主権がさらに緩和されることを期待しており、このような中で法定外普通税の導入可能性も広がってくるものと考えているところであり、地方分権一括法成立後の実施状況を注視してまいりたいと考えております。
 次に、今後の財政運営の基本的方針についてでありますが、本県財政は、御指摘のとおり極めて厳しい状況が続くものと見込まれておりますことから、今後の財政運営に当たりましては、当面の財政の健全化に向けた歳出規模の抑制などの三つの目標達成に努めるほか、歳出面では、行政評価システムの効果的な活用を基本としながら、施策の重点化等により、限られた財源の重点的・効率的な配分に努めるとともに、さらには施設の建設時期の調整を図ることなどにより、歳出の年度間の均衡にも留意していく考えであります。また、歳入面では、県税の徴収率の一層の向上や未利用県有地の処分、使用料・手数料の適時・適切な見直しによる自主財源の確保に加え、国庫補助金の効果的な導入に努め、県債の導入に当たっては、緊急性と重要性を見きわめ、後年度の元利償還に交付税措置のある県債の有効な活用を図るなど、将来の財政運営の健全性にもこれまで以上に配意していく考えであります。
 次に、県政運営に対する評価結果についてでありますが、民間企業と比較しまして、ビジョンとリーダーシップの明確性、事務事業の実施プロセスの確実性などにつきましては一定の評価を得ておりますが、全庁を通じて、体系的・組織的な行政運営のための仕組みづくりや職員の能力を最大限に発揮するシステムが不足していると受けとめております。このため、本年2月に策定した行政システム改革大綱実施計画におきましては、診断の中で示された約60項目にわたる改善方向に関する推進事項を盛り込むなどして、職員一人一人が県民へのサービス提供者であるという視点に立って改革に取り組むこととしております。
 部局別の結果につきましては、施策の展開に当たって部局全体としての事業計画があるか、事業実施に当たって県民と直接接する部門であるか、また県民ニーズの把握がどのように行われているかなど、部局ごとの業務の性格が反映されたものと受けとめておりまして、今後それぞれが互いにすぐれた点や弱点を学び取りながら、その改善に努めていく必要があるものと考えております。
 また、県民満足度の向上に関する取り組みにつきましては、県民の視点に立って行政運営やサービスなどに関する情報の提供を十分に行うとともに、本庁、出先機関を通じたあらゆる県民との接点において、県民の声を積極的にくみ取り、日々の業務に反映させることにより、県民満足度の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、地方振興局における県民に身近で開かれた県行政の推進についてでありますが、生活者や地域の視点に立った住民本位の地域経営を展開していくためには、県行政の分野においても、住民に身近なところで必要なサービスを受けられるシステムがますます重要になってくるものと考えられます。こうしたことから、今後はこれまで地方振興局が果たしてきた役割をさらに進め、県の行うサービス窓口の総合化や市町村サービスとの連携等により、住民が同じ場所で同時に複数の行政手続や公的サービスを受けることができたり、みずからの生活にかかわる情報を手軽に手に入れることができるなど、地方振興局における県民サービス機能の向上を図るとともに、その周知に努め、県民に親しまれる地方振興局を目指してまいりたいと考えております。
 次に、岩手県公会堂に関する検討状況と今後のスケジュールについてでありますが、昨年10月、庁内の関係課から成る岩手県公会堂検討委員会を設置し、築後72年が経過し、利用率の低下や老朽化が進んできた県公会堂のあり方について検討を行っているところであります。外部に委託して調査した耐震診断結果によりますと、今後、将来にわたり継続して使用していくためには耐震補強工事が必要であり、概算工事費としておおむね12億円が見込まれるとの報告を受けたところであります。県公会堂の今後のあり方につきましては、例えば、現状のままなるべく手をかけず使えるところまで使うケースや、抜本的な耐震補強を行い使用を継続するケース、さらには、今後の新しい岩手づくりの方向性を踏まえ、将来に向けてより有効な跡地利用を図っていくケースなどさまざまなケースが想定されますが、いずれの場合においても解決すべき課題等が多々あるものと考えられますことから、今後は、想定されるケースを分けて、それぞれについて論点整理を行い、外部の有識者を含めた県民の皆様からも御意見をいただきながら検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、未利用県有地についてでありますが、昨年度の未利用地の実態調査によりますと、未利用地は全体の0・6%に当たる約57ヘクタールとなっております。この中には、施設の建設が見込まれることから継続して保有しているもののほか、組織再編により庁舎が利用されなくなったり、施設が移転したため空き地となっているもの、かつての職員公舎の跡地など、その態様はさまざまであります。未利用地については、これまで極力公用、公共用の用途に充てるなど、遊休地とならないように努めてまいりましたが、厳しい財政状況の中で、今後新しい総合計画に基づく各種事業を実施していくためには、未利用地自体の有効活用や財源の確保のためその処分が一層求められてくるものと考えられます。したがいまして、新しい総合計画の視点も踏まえ、新たな観点で一斉点検を行い、この秋にも取りまとめる予定の中期財政見通しに反映させるとともに、計画的な管理、処分の推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県出資法人の今後のあり方についてでありますが、お尋ねのありました県出資法人の経営状況につきましては、平成10年度の県出資法人の調査結果では、累積欠損を計上したものは8法人となっており、主な原因といたしましては、将来的には収支が均衡する見込みはあるものの、当面収益が上がらない事業や事業の性格上採算性が低い事業を施策推進上行っているケース、設備投資による借入金の支払利息や減価償却費の増加が原因となっているケース、事業の利用率が低下していることが原因となっているケースなどがございます。本年度におきましては、平成10年度決算が出そろった段階で、自治省から示された指針も参考にしながら経営状況の分析を行うこととしております。
 県出資法人の統廃合等ガイドラインにつきましては、本年2月に策定した行政システム改革大綱を踏まえ鋭意検討を行っているところであり、この策定を待って、本年度の県出資法人の経営状況の分析結果も参考にしながら、個々の県出資法人について、統廃合等の方針を検討してまいりたいと考えております。
 なお、行政システム改革実施計画に基づく県出資法人の県職員の役員についてでありますが、平成10年度は10法人で12人の縮減を図ったところであります。
   〔企画振興部長渡辺勲君登壇〕
〇企画振興部長(渡辺勲君) まず、市町村合併に係る要綱の策定についてでございます。
 自治省の市町村合併研究会の報告書では、お話のとおり、都道府県は原則としてすべての市町村を念頭に置きつつ合併パターンを作成することとして、人口規模と地域の特性との組み合わせによるパターンを提示してございます。本県におきましては、地理的・歴史的事情等がさまざまでありますことから、各地域における実情を十分踏まえながら、合併パターンをも盛り込んだ広域行政推進指針を策定するため、県立大学の協力を得て調査・研究事業に着手しているところでございまして、今後、市町村や地域住民が必要とする情報を的確に提供しながら、合併を含む広域行政推進の機運醸成を図るなど、市町村の取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えてございます。
 次に、三陸鉄道についてでございます。
 三陸鉄道を取り巻く環境は、モータリゼーションの進展、沿線人口の減少、少子化等によりまして、利用者は減少の一途をたどるなど、厳しい状況にあるところでございまして、この傾向は今後も続くものと見込まれます。このような経営環境の中、沿線住民の足であり地域振興に重要な役割を果たしている三陸鉄道の経営の安定化を図っていくためには、さらなる経費節減や修学旅行の利用誘致等、積極的な営業活動の展開に努めるとともに、沿線地域の振興と一体となった特色ある列車の運行等によりまして、マイレール意識の一層の高まりを喚起しながら、新規需要を掘り起こしていくことが何よりも重要でございます。このような認識のもと、本年度は、沿線市町村のイベント等と連携し、内陸部との交流を促進する企画列車の運行、仙台直通列車リアス・シーライナーの八戸までの延伸運行を行うとともに、昨年度に引き続き利用者補助制度を活用するなど、会社、市町村、県、そして住民が一体となって、適切な役割分担のもとで経営改善に向けた利用促進に積極的に取り組んでまいります。
 また、継続的な利用促進につきましては、本年度で10回目となる青少年ふるさと体験学習事業銀河鉄道の旅や沿線各地での健康ウォーキング大会等を実施してございますが、今後さらに、議員お話の三陸鉄道沿線の自然や歴史、文化など地域資源を再発見する、言わばいわて地元学の実践につながるような旅行機会の拡大と一層の利用促進につきましても、関係機関と連携しながらその支援に努めてまいりたいと考えてございます。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕
〇保健福祉部長(関山昌人君) まず、グリーンピア田老の今年度の運営見込みについてでありますが、5月末現在の利用状況は、日帰り利用者が前年同期を若干上回っているものの、宿泊利用者が約84%にとどまっており、今後の景気動向や天候等の不確定な要素もありますが、ここ数年の陸中海岸中部地域の観光客の入り込み状況を踏まえると、引き続き厳しい運営になるものと見込まれることから、財団法人グリーンピア田老においては、新たな企画商品の開発や経費削減など、健全運営に向けその改善に努めているところであります。
 次に、施設の譲渡についてでありますが、今年2月に年金福祉事業団から資産譲渡についての中間的な意向確認があり、県としては、行財政改革を推進中であることなどから、譲渡引き受けは困難であるが、引き続き検討する旨の回答を行っております。
 なお、関係法案はいまだ国会に提出されておらず、国の具体的な考え方が示されていない状況にありますが、引き続き他の大規模年金保養基地の所在道県と連携を図りながら、今後とも国の責任において存続するよう要望してまいりたいと考えております。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) まず、環境基本計画の検討状況についてでありますが、これまで計画の基本的方向に対する県民の皆さんからの御意見を踏まえ、環境審議会計画委員会において計画の素案を取りまとめ、これを公表し、広く意見を募集したところであります。今後、こうした県民意見等をもとに、最終答申に向けて環境審議会で審議をいただき、9月中には計画を策定いたしたいと考えております。
 次に、ISO認証取得の準備状況についてでありますが、5月には知事を環境管理総括者とする全庁的な推進組織を新たに設け、またISOについての職員研修を終了し、現在、環境負荷の軽減に取り組むべき事務事業の調査等を進めているところであり、今後、調査結果を踏まえ、環境マネジメントシステムを構築し、年度内の認証取得に向け10月からシステムの運用を開始したいと考えております。
 次に、廃棄物焼却施設のダイオキシン対策についてでありますが、5月末時点で、平成14年12月から適用される廃棄物処理法に基づく新しい排出基準値に適合できていない市町村の一般廃棄物焼却施設は5施設となっております。また、産業廃棄物焼却施設については、現在稼働している39施設のうち8施設が、新たに適用される排出基準値を満たしていない状況にあります。
 次に、ごみ処理広域化計画についてでありますが、平成29年度までに6ブロックとする計画に既に対応できているのは、宮古地区広域行政組合となっております。県南地区においては、胆江地区広域行政組合のごみ処理実績に余裕があったことから、一関地方衛生組合との共同処理の可能性を検討したものの、両地区のごみ処理量の増加に対応できないとの結論を得て、共同処理を断念したと聞いております。また、東磐環境組合の焼却施設は本年9月から稼働するもので、処理量については実績がないことから、現時点で具体的に共同処理を検討しているとは、現在のところ聞いてございません。ごみ処理施設の統合には、広域化を進める過渡的な段階で、既存の施設の更新時期に差があり、改修などで調整する必要があることなどから、一つのブロックに複数の焼却施設が建設されることもあるものと考えております。
 次に、温暖化ガス削減対策についてでありますが、温暖化ガスの9割を占める二酸化炭素については、県全体の排出量の削減目標を本年9月策定予定の環境基本計画に盛り込むこととし、現在、目標値について鋭意検討を進めているところであります。また、県として削減実行計画を定め、みずからが率先して具体的な取り組みを進めてまいります。
 さらに、議員御指摘のとおり、温暖化防止対策においては、行政、事業者、県民などそれぞれの主体が一体となって取り組む必要があることから、市町村、事業者の削減実行計画の策定を促進・指導するとともに、12月の温暖化防止月間におけるフォーラムの開催、環境家計簿の普及、ボランティア等による森林づくり、緑化活動への参加促進など、啓発事業を積極的に進めてまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長合田武君登壇〕
〇商工労働観光部長(合田武君) まず、緊急雇用対策についてでありますが、国におきましては現下の厳しい雇用情勢に対応するため、産業構造転換・雇用対策本部において、6月11日に緊急雇用対策を決定したところであります。この中におきまして、国、地方自治体においても、積極的な雇用、就業機会を創出することが重要との観点から、公立学校での臨時講師の採用、民間企業や非営利組織、いわゆるNPOへの業務の外部委託などを実施する自治体に対する緊急地域雇用特別交付金--仮称でありますが--の創設が盛り込まれ、現在、交付方法や対象事業など、詳細について検討がなされているところであります。厳しい雇用情勢の中、本県におきましても、雇用の創出・安定が緊急の課題との認識から、これら国の働きに的確に対応するため、6月18日に庁内関係各課長等による緊急雇用対策及び産業競争力強化対策推進連絡会議を設置し、国の検討内容に関する情報収集を可能な限り行うこととしたところであります。
 県といたしましては、まずもって、具体的な対象事業や規模など制度の詳細を把握することが肝要と考えておりますが、今後この特別交付金の受け皿となる基金の設置など、所要の措置が必要となりますことから、国の制度が固まり次第、早急な対応が行えるよう体制の整備を図るとともに、岩手県行政システム改革大綱など県施策との整合性に配慮しつつ、適時適切な雇用対策に努めてまいりたいと考えております。
 次に、中小企業金融安定化特別保証制度資金の返済見通しについてでありますが、この制度は、1年以内の据置期間を置くことができますが、企業においては、月々の返済額を軽減しようとの考えもあり、据置期間を設けない利用者が、件数で81・3%、金額で74・8%となっており、現在、計画的な返済が行われている状況であります。この秋以降も、おおむね同様に推移するものと考えておりますが、国が発表した平成10年度中の賃金不払い件数のように、長引く景気低迷を反映して増加したものもあるなど、依然として厳しい経営環境にあり、県といたしましては、資金供給の円滑化の観点から、今後とも中小企業の経営状況や資金繰りの状況を注視しながら、適切に対応してまいる所存であります。
   〔医療局長佐藤文昭君登壇〕
〇医療局長(佐藤文昭君) 県立磐井・南光病院問題についてでありますが、県立磐井・南光病院の移転候補地につきましては、一関市に対し、県が内定しました前堀地区と比較しまして、よりすぐれた候補地があるならば、7月末あたりをめどに推薦をいただき9月補正で対応したい旨、申し入れをしているところでございます。現在のところ、一関市からはまだ報告がございませんが、市当局と市議会の間で、移転候補地の問題について鋭意協議を進めている段階であるものと理解をしております。したがいまして、7月末をめどに、市から何らかの意思表示があるものと思われますので、今後の対応につきましては、それを十分考慮した上で、望ましい方向性を見出してまいりたいと考えております。
〇32番(佐々木一榮君) 御答弁ありがとうございました。簡潔に3点再質問をさせていただきます。
 まず、ダイオキシンの関係で、平成14年12月の新基準に21施設のうち5施設が対応できていないということですが、今後の対応についてその見通し、これについてお伺いしたいと思いますし、適合させるためにどの程度の財源が必要とされるのか、これを第1点としてお尋ねいたします。
 それから、第2点としまして第三セクターの関係についての再質問でございますが、2001年から企業会計方式ということで、第三セクターも連結の貸借対照表と損益計算書を作成して民間並みの透明度を高めるということで、非常にこれについては賛意を示したいと考えます。その中で、この例は全国でも初めてというように伺っておりまして、つくりましても他県との比較ができないと思いますが、今後、他県にはどういう働きかけをされていくお考えか、お尋ねいたします。
 それから、最後にガイドライン関連法でありますけれども、本県には全国で一番と言われる28の県立病院もありますし、また港湾、空港、こういったものがございます。先ほど御答弁いただいたわけでありますが、現在からさまざまなことを想定しながら、せめて庁内だけでも検討委員会などをつくって、今後の対応についての準備というものを進めてもいいのではないかというように考えますが、いかがでしょうか。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) いわゆるガイドライン関連法案についてのお尋ねについて私の方から申し上げたいと思いますが、やはりまず地方公共団体としての対応の前提となる国の考え方、これをしっかりと把握することが最優先の問題でございまして、特にも、協力要請でございますとか依頼の内容・手順が具体的にまず示されるべきと思っておりますが、いずれにいたしましても今、議員がお話しになりましたように、庁内におきましても、関係部局が非常に多くの部局にまたがっておりますので、県の対応としても全体の窓口を明確にいたしますとともに、関係部局の連携とそして情報の共有化を図りながら、起こり得るさまざまな諸課題に対応できるよう準備をしてまいりたいと、このように考えております。
   〔総務部長武居丈二君登壇〕
〇総務部長(武居丈二君) 企業会計方式につきましての御質問でございますが、本年度は、一般会計に特別会計を加えました普通会計につきまして、まずそれを対象に試算を行いまして、平成13年度からの本格的な導入に向けて諸準備を進めてまいりたいと考えておりまして、そういった準備に合わせまして、これらのその後のステップとして、県の財務状況の透明度を一層高めるという観点で、第三セクター等の連結決算を進める必要があると考えております。このため、私どもといたしましては、まず第1段階としては公営企業会計、次の段階としましては、土地開発公社等の地方公社、それから第三セクター等と、順次、準備が整った段階で決算の連結を進めてまいりたいと考えております。このうち第三セクターにつきましては、県の出資比率が50%以上のものを対象として検討してまいりたいと考えてございますけれども、公会計、いわゆる公の会計における連結決算につきましては、種々解決すべき課題が予想されますことから、いずれにしましても今後これらの課題を解決しながら、段階的に進めていこうと考えております。
 なお、他県との整合性につきましては、本県の財務状況の客観的な評価を行えるように、考え方を同じくする三重県でありますとか、高知県と共同で基準づくりを行う方向で現在検討を進めているところであります。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) 平成14年12月から適用されます廃棄物処理法に基づく構造基準及び維持管理基準というのがございますけれども、これに適合できていない一般廃棄物焼却施設は13施設ございます。21施設のうちの13施設ございます。このうち6施設につきましては既に施設の改造、更新などの計画が具体的に定まってございまして、残りの7施設については、各地区の広域計画推進協議会というものがございますけれども、現在この中で検討中というふうに報告を受けております。したがいまして、その推移を見守ってまいりたいと思っております。
〇議長(山内隆文君) 次に、中屋敷十君。
   〔16番中屋敷十君登壇〕(拍手)

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