平成12年6月定例会 第6回岩手県議会定例会会議録

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〇47番(及川幸郎君) 及川幸郎でございます。
 久方ぶりの登壇でございまして、ただいま大変な緊張感を覚えてございます。私のことでございまするから、今回もまた、幼稚なお伺い、そして的外れの分多々あろうかと存じますが、お許しのほどお願いを申し上げておきます。
 さて、今世紀最後と言われました選挙戦も過日終結をいたしました。その結果も公表に相なったわけでございますが、人それぞれ、見方、考え方があろうかと存じます。知事は、この結果を見てどのような感想をお持ちなのか、お伺いをいたしたいところでございますが、それはさて置き、今回の選挙戦におきまして、どの政党も、どの候補者も一様に言われましたことは、不況克服、景気回復にあっただろうと存じ、そして、地方分権、地方の確立にあっただろうと私なりに想像いたしてございます。
 中央では、何かしら明るい見通しを表現されてございました。しかし、末端にある自治体住民は、深刻に受けとめておるというのが今日の実態でございましょう。大型な国債発行、そして県債、年々増嵩するところの公債比率等々、大きな課題を抱えまして、やがて21世紀を迎えなければならんことに相なるわけであります。
 このようなことから、分権の確立についてお伺いを申し上げてまいりたいと存じます。
 御承知のとおり、今年4月、地方分権一括法が施行されましたことは御案内のとおり。国と地方は、上下、主従から協力、対等の関係に踏み切ったと言われてございます。地方の自治に不可欠な自治体への財源委譲は先送りをされ、地方交付税や補助金の配分によるところの国の関与が引き続くことが懸念をされておるところでございます。このようなことから、分権の確立には国からのさらなる権限委譲と自治体独自の財源確保が必須条件と一般的に考えられてございます。
 このような状況の中で、知事は、自治省が設置した地方分権時代における地方税財政基本問題懇話会のメンバーに選任されたと伺ってございます。この懇話会における検討内容、そして成果は、今後の地方財政問題にどのように反映をされるものでございましょう。
 また、地方分権時代における地方財政のあり方に関し、どのような基本認識を持ちながら、そして、この懇話会にどのようなスタンスで臨もうとするものやら、あわせてお伺いをいたすものでございます。
 さらに、地方分権が本格化する前提に立つならば、財政運営の一層の健全化を図るとともに、より県民の視点に立った透明性の高い財政運営を推進していくための具体的な方策として、県債依存度を縮小するとともに、三基金の合計残高をより一層確保することが肝要であろうと存じます。県が中期財政見通しを作成した当初考えられた目標の現時点における達成見込みをも、後日のためにお聞かせ願いたいと存じます。
 今、地域の話題の一つに行政推進があろうかと思ってございます。つまり、広域行政であります。県では、去る5月に岩手県広域行政推進指針が公表になりました。指針は、市町村間の調整を図る広域的な地方公共団体としての県の立場から、広域行政の必要性について提示し、広域行政の推進に向けた機運の醸成を図ろうとするものでございましょう。
 また、公表を契機として、関係市町村の合併をも含めた広域行政全般について、多様な議論が積極的に行われることを期待するものであり、そのたたき台といたしておるところでございます。まさにそのとおりであろうと思いますし、指針において例えとして示した合併に関するメリット等についても、一般的な総括的なものと私なりに思っておるところでございます。しかしながら、啓発用の市町村合併を考えるQ&Aの内容は、県民にデメリットを感じさせないような、意図的、誘導的な表現で掲載しているのではなかろうかとの声も聞かれるところでございます。
 例えとして、県内9地区の市町村合併の組み合わせを示されましたが、より県民の視点に立った、透明性の高い、真に多様な議論のたたき台であるとするならば、首都圏1都3県に匹敵する広大な面積を有する本県における合併のデメリットも示されるべきでございましょう。
 いずれ、県では今日まで各地域で説明会を開かれたと思ってございますが、その反応をお伺いいたすものでございます。
 また、県は説明会での反応を踏まえ、この計画推進の実現にどう取り組まれるものでございましょうか、あわせてのお伺いをいたすものでございます。
 今、社会問題の一つに、循環型社会の形成があろうかと思ってございます。国においては昨年9月、循環型社会を形成するため、平成22年度を目標年次とし、一般廃棄物と産業廃棄物の減量化の目標を設定しております。
 また、国会においても、国全体としての循環型社会の形成の構築を目指すとした、循環型社会形成推進基本法が成立をいたし、ほか、食品製造業や外食産業、スーパーなどから排出される生ごみなどを分別し、飼料化や肥料化を進める食品循環資源再利用促進法が、さらには、建設廃棄物のリサイクルを進める建設工事資材再生資源化法等、個別の循環型社会の関連法が成立をしたところであり、あわせて、現行の廃棄物処理法が改正され、資源有効利用促進法が整備をされるなど、国挙げての循環型社会への取り組みが本格化する情勢であります。県においては、昨年度に策定した総合計画や環境基本計画の中で、循環型地域社会の実現に取り組むといたしてございますが、知事は、本県における循環型社会のあるべき姿をどのようにとらえ、その達成のために基本的な方向につきまして、どのように示されようといたしているものでございましょう、お伺いをいたします。
 また、これからの循環型社会におきまして、これまで焼却あるいは埋め立てられていた廃棄物をできるだけ再使用や再利用することにより、可能な限り資源として有効に活用することが強く求められております。こうした観点から、本県における循環型社会を実現するためには、廃棄物の減量化・リサイクルを図ることが最も重要であると考えます。今後の廃棄物対策をどのように進めようとするのか、あわせてお伺いをいたす次第であります。
 次に、今日話題に相なっております問題に介護保険制度があろうかと存じます。
 本県は、21世紀初頭には4人に1人が高齢者という超高齢化社会を迎えるわけでありますが、これまで家族を中心にして担ってきた高齢者の介護を社会全体で支える新たな仕組みとして、今年4月から介護保険制度がスタートし、はや3カ月に相なろうかといたしてございます。平成9年12月の介護保険法が成立以来、膨大な準備作業に追われてきた県や市町村を初め、関係機関の方々の御努力に敬意を表するものでございます。介護保険は、丹羽厚生大臣の言葉を借りれば、世紀の大事業であり、日本社会保障制度の歴史に特筆すべき出来事として刻まれることになると思いますが、知事は、制度がスタートしてから今日までの状況についてどのような所感をお持ちでございましょう、お伺いをいたすものでございます。
 また、いわていきいきプラン2005によりますと、県においては、本年度の県内における在宅の要援護高齢者と介護保険施設の入所者あわせて3万人余りと見込んでおりましたが、介護保険制度がスタート以来、この3カ月間の要介護認定の状況、介護サービスの利用状況等はどのようになっているものでございましょう、お伺いをいたします。
 約40年前の国民皆保険制度改革の際は、制度の定着に10年を要したとも言われておりますが、そうした視点で見ると、介護保険もスタートはいたしましたが課題も多いようでございます。新聞報道を見ますと、利用料負担のためサービスを減らした、あるいはショートステイの利用が減ってベッドが空いている、痴呆症の方の要介護度が低い等の指摘がされており、今後、制度の定着に向けて何らかの対応が必要と存じます。県では制度実施上の課題、問題点を把握するために、過般、市町村に対し、介護保険の運営状況に関するヒアリング調査を実施したと聞いております。いかなる調査結果と相なったものでございましょう。
 また、県は、この調査結果を踏まえて制度の安定的な運営と定着に向けて、今後どのように対応なされていくものでございましょう、あわせてのお伺いをいたすものでございます。
 次に、本県の広域観光振興でございます。
 本県の観光客の入り込み数は、数年4、000万人で横ばいの状態にあると伺ってございます。今後、その拡大を図るために、国内はもとより海外旅行が一般化している今日、海外観光地も含めた地域間競争に勝ち抜くことが前提となりましょう。そのためにも、1県単独で取り組むことには限界があり、観光客にとって県境があるわけではないこと等からしても、広域連携による観光客の誘致が必要であり、それが本県の観光振興にとって極めて有効な方途ではないかと考えられます。この場合、岩手、青森、秋田の東北3県の連携は、観光流動の面から見ても広域観光の推進を図る上で重要と考えます。北東北は、白神山地、十和田湖、八幡平など日本でも有数の自然景観に恵まれ、ねぶた、竿燈、さんさ踊りなど全国に名だたる祭りも数多くあり、日本の心のふるさとと呼ぶにふさわしい風土を共有いたしてございます。加えて、平成13年度は秋田県でワールドゲームズが開催され、また平成15年には青森県で冬季アジア大会が開催されるなどビッグイベントを控えており、内外から多くの観光客が押し寄せるものと見込まれます。
 また、平成14年中の開業を目指して東北新幹線盛岡以北の準備が進められており、この完成により首都圏と北東北の交流が拡大し、北東北への関心も高まるものと期待されております。こうした条件を考えますときに、今まさに広域観光を推進し、北東北への観光客を誘致する好機ではないかと考えるものでございます。今後、秋田県、青森県との一層の綿密な連携のもと、観光振興に取り組んでいただきたいと思うのでございますが、県は、広域観光の振興についてどのように取り組んでおられるものやらお伺いをするものでございます。
 最後に、農業問題であります。
 岩手の基幹産業は農業である。したがって、農業の振興、発展なくして岩手の繁栄、発展はあり得ないと今日までも申し上げてまいりました。さらには、21世紀の花形産業は農業であるとの識者のお話をも過去申し上げた記憶がございます。
 御承知のとおり、食料・農業・農村基本法が成立をいたし、21世紀の我が国農政の基本理念が示されました。食料の自給率向上を最重要課題とし、我が国の農業総力を挙げて取り組む決意が伝えられております。しかし、現実には農業者の減少、生産額の低迷に見られるように、農業構造そのものの脆弱化が進行し、地域農業は今大きな岐路に立たされているといっても過言ではないでありましょう。
 こうした中にあって、県は、昨年10月、農業・農村振興大会において総合食料供給基地宣言を行ったところであります。かけ声だけで終わらせず、地域農業に光明が見出せるような施策の展開を、より一層御努力を切に希望するものでございます。知事もまた、積極的に農村部に出向き、田植え、稲刈り、そしてキャベツの定植あるいは収穫と、体験をされながら農業者を激励されております。私も農業者の1人といたして心強く感ずる次第であり、敬意と感謝を申し上げます。しかし、あの作業はほんの一部分であり、それ以上に準備、管理が大きなウエートを占めることを御理解願っておかなければなりません。知事は、現在の県農業が置かれている困難な状況は十分に御理解を願っていると思うのでありますが、この状況は今後とも劇的に好転することはまず考えられません。こうした農政を取り巻く状況を踏まえ、21世紀の岩手の農業を展望するに当たり、岩手の農業について知事の基本的な認識をお願い申し上げますし、岩手の農業者に対し、勇気、自信を与える答弁を期待いたすものであります、お聞かせください。
 次に、稲作の直播き栽培であります。
 御承知のとおり、米の生産調整も昭和45年開始以来30年を経過いたし、減反、水田転作の言葉は全国津々浦々まで広く知られるように相なりました。
   〔議長退席、副議長着席〕
 その間、豊作になればさらなる減反強化、また平成5年のように冷害になれば復元を迫られ、農業者はやり切れない矛盾を感じながらも減反に協力をいたし、期待と落胆を繰り返しておるのが今日の実態であります。こうした中で、国は、平成11年10月、需要に応じた米の計画的生産と水田を活用した麦・大豆の本格的生産を柱とする、水田を中心とした土地利用型農業活性化大綱を決定し、これに基づいて実施期間を平成12年度から5カ年とする水田農業経営確立対策が開始されたところでございます。しかし、農業者は制度はどうあれ、年々減少する農家所得に苦慮いたしておるところであり、この打開策の一つとして生産コストの削減があることから、農業者も懸命なる努力をいたしているわけであります。例えば不耕起栽培、紙マルチ栽培等努力はいたしておるものの決定的なものではなく、今後、大幅な省力化が期待されるとするならば、その一つは直播き栽培にあろうかと存じます。いかがなものでございましょう。
 幸いにして、技術者、試験場も整備がなされ、大きな期待を寄せるものでありますが、今日までの研究成果と今後における技術開発の見通しをお聞かせ願いとう存じます。
 さらに、麦・大豆への転作に伴う対策でありますが、前段においても申し上げましたとおり、水田農業経営確立対策の名のもとに国が自給率の向上を図るということで、麦・大豆の栽培を促してございます。これとて、転作田における畑作物の栽培の良否は、土壌改良、排水対策にあろうと存じます。また、機械化体系、団地化の推進等の課題があり、そして、いかに省力化を進めるかが最大の課題であります。県の対応策をお伺いいたします。
 さらに、最近話題の一つに中山間地域等直接支払制度がございますが、地域の活性化対策にとって極めて重要な施策であります。この制度の対象となった地域やあるいは農地等につきましては、特定農山村法など八つの法律の指定地域内の急傾斜農地などが定められているほかに、地域の実態に応じて知事が特認基準を定め、対象とすることができると承知をいたしてございますが、中山間地域の住民の方々はこの基準に強い関心を持っておるものでございます。ついては、この制度において、知事が定める特認基準とはどのような仕組みに相なるものでございましょう、お伺いをいたします。
 また、今後はこの制度を積極的に活用しながら、地域の活性化に向けた努力を行政と住民が一体となり、緊密な連携のもとに精力的に行っていくことが重要であると考えますが、県は、この制度の定着に向けてどのような指導・助言を行われるものでございましょう、あわせてのお伺いをするものでございます。
 次に、地域農業を一層振興する手段として、農業生産法人があろうかと存じます。
 申し上げるまでもなく、組織は効率的な生産単位を形成する上で重要な位置づけを占めるものであると同時に、農業生産法人等の組織経営体への発展母体として重要な位置づけを持っており、オペレーターの育成、受委託の促進を図ることにより、地域営農の実態に応じた生産組織の育成が必要であろうと存じます。効率的、かつ安定的な農業経営と小規模な兼業農家、生きがい農業を行う高齢者農家、土地持ち非農家の間での補助労働力の提供等による役割分担等を明確化しつつ、地域資源の維持管理、農村コミュニティーの維持が図られ、地域全体としての発展に結びつくような生産組織の育成であります。本県における農業生産法人の現状と今後の育成策をお伺いいたすものでございます。
 次に、家畜排せつ物の処理でございます。
 平成11年度に成立した家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律、平成16年11月から牛馬10頭、豚100頭、鶏2、000羽以上の家畜業を営む農業者に対し、排せつ物の処理保管施設の構造設備等を内容とする管理基準を適用し、家畜排せつ物の野積み、素掘りを禁止すると伺ってございます。本県の畜産経営者約1万9、000戸のうち、この基準の対象となる農業者はどの程度と推測されるものでございましょう、お伺いをいたしておきます。
 既に、各自治体、団体等において整備されたもの、また進行中のもの、これからのもの、ばらつきがあろうかと存じますが、時間的制約もあり、整備を推進する必要があると思います。これとて畜産農家の新たな負担増となり、資金難、後継者不足等で経営存続を危惧する農業経営者もあらわれているのが今日の実態であります。農家不安解消のための対応策をお伺いいたします。
 次に、家畜伝染病、特にも口蹄疫の防疫対策であります。
 今年3月、そして5月にも牛の口蹄疫が発生し、厳しい防疫対策、農家等の苦悩が報じられてございます。この口蹄疫は極めて伝染力が強いことから、国際的に最も恐れられている家畜伝染病の一つと伺ってございます。本県における発生は何としても阻止をしなければなりません。本県における口蹄疫を初めとする家畜伝染病の防疫体制はどのようになっているものでございましょう、お伺いをいたします。
 また、今回の発生農場では、飼料として給与された中国産麦わら、台湾産稲わら等が感染源ではないかと疑われてございますが、本県におけるこれらの使用状況等をお伺いいたします。
 肉用牛、特に肥育経営においては、稲わらを初め、粗飼料の自給体制の構築がぜひとも必要であります。県は、県内産稲わら等の粗飼料の確保対策についてどのような考えを持っておられるものでございましょう、お伺いをいたすものでございます。
 さらに、よく執行当局、農業団体からお伺いする言葉の中に、高品質、適地適産、生産コストの低減、減農薬、総作付面積、総販売金額、産地間競争等々の言葉がよく聞かれるところでございます。私は率直に申し上げまして、何かしら指導機関と現場とのギャップを感じてならんところであります。例えて申し上げますならば、生産コスト削減といっても具体的にどうすればよいのか、減農薬といっても病害虫の発生による品質の低下もありましょう。総販売金額の問題もさることながら、農家所得がどう相なっているかも、私は行政としても団体としても把握をいたしておかなければならない課題ではなかろうかと思うのであります。こうしたギャップを感じる農業者は多いのではないかと思うのでありますが、所感があればお聞かせをいただきとう存じます。
 以上、もろもろ申し上げたところでありますが、今日我が岩手がこのような姿を描き出し得ましたこともいろいろの要因があろうかと存じますが、今日までの執行当局の長年の御指導、御協力に感謝を申し上げ、今後もさらなるところの御努力をお願い申し上げまして、私の一般質問を閉じるものでございます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 及川幸郎議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、地方分権時代における地方税財政基本問題懇話会──これは、私がメンバーになっているものでございますが──これについてのお尋ねでございますが、この懇話会は、この先10年程度の期間におきます地方分権の推進に伴う地方税財政制度のあり方と、そして地方財政の健全化のあり方を基本テーマといたしまして、今後、おおむね2年程度の期間で自由な議論を行うために設けられたものでございまして、自治省ではこの懇話会での議論を踏まえながら、地方分権時代にふさわしい関係制度の構築に向けての考え方を打ち出すと、このように伺っているところでございます。
 次に、地方分権時代における地方税財政のあり方に関しての私の基本認識についてお尋ねございましたが、この地方分権時代あるいは地方主権時代といってもいいかと思いますが、こうした時代にありましては、地方公共団体がそれぞれ自己決定、自己責任という地方自治の本旨に即した行財政運営を行い得る財政基盤の確立が何よりも必要であると、このように認識をしております。現状では、国・地方間で歳出と税収の大きな乖離が生じているわけでございますので、これを国から地方への財源移転により埋めていると──地方交付税、補助金などによって埋めていると、これが現在の現状でございますが、地方主権時代におきましては、こうした現状を変革して、打破をして、国と地方公共団体のそれぞれの役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図ることが基本となるべきと、このように考えております。具体的にはどうすればいいかといいますと、地方への税源の移譲、そして地方交付税の安定的な確保、国庫補助金の一般財源化などを一層推進していく必要があると、このように考えております。
 したがいまして、今後の懇話会におきましては、こうした認識に基づきまして、私自身、現在の制度を前提とした議論だけではなくて、より長期的な視点からの国と地方のあり方、そしてそれぞれの役割分担についても考えをまとめながら、地方公共団体が分権型社会に応じた自主的、自立的な行財政運営を行うために必要な制度のあり方などにつきまして積極的に意見を申し述べていきたいと、このように考えております。
 次に、循環型社会の形成についてでございます。
 私は、これまで大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会からの転換を図って、いわゆるゼロエミッションの考えのもとに、大切な資源とエネルギーを将来の世代に引き継いで、健全な経済が持続的に発展する社会を構築することが重要と、このように認識をしております。こうした循環型の地域社会を目指す上では、環境を重視する価値観を持って県民の参加とパートナーシップのもとに、環境への負荷の少ないライフスタイルを定着させて廃棄物の発生を抑制いたしますとともに、生産、そして流通、消費、廃棄のそれぞれのすべての過程で、可能な限り再利用、再資源化、リサイクルを促進する必要があると、このように考えております。その上で、なお、どうしても埋め立てや焼却などの処理が必要な廃棄物というものが出てくるわけでございますが、こうしたものについて環境への負荷が最小限となるような適正な処理の仕組みをつくることが大切であると、このように考えております。
 特に、廃棄物の適正処理や再資源化の推進につきましては、本年度に策定を予定しております資源循環型の廃棄物処理構想というもの、この中におきまして、県民の皆さんや県内の事業者の御意見をお聞きしながら、農林水産業など本県の特性を踏まえた基本的な方向をこれによってまとめていきたいと、このように考えております。
 次に、介護保険についてでございますが、この制度は、老後の最大の不安要因でございます介護を、国民の共同連帯の理念に基づいて社会全体で支える新たな仕組みとして創設されたものでございます。この新制度施行に当たりまして、市町村を初め関係の皆さんには大変な御努力をいただきまして、また県におきましても、市町村などへできる限りの支援を行ってきたところでございます。制度の施行後、もう間もなく3カ月になろうとしているところでございますが、私自身、その本県での実施状況につきまして、県内の市町村などの皆さん方から御意見を今伺っているところでございますが、要介護認定におきます一次判定ソフト、このソフトの見直しがどうも必要であるということや、低所得者対策などほかにもいろいろございますけれども、やはり大きな点でも制度定着に向けて課題があると、このように認識をいたしております。
 介護保険制度は、制度が始まって実際にはまだ間もない時期でございまして、その実施状況を随時今申し上げましたように検証して、課題をどんどん抽出していきたいというふうに思っておりますし、そうしたことによって抽出をされました課題につきましては、国、市町村など関係者の連携のもと順次改善を図りながら、こうした制度が県民生活の中に適切に定着するように、特に柔軟な姿勢で対応していくことが必要であると、このように考えております。
 県ではこのような対応をとりながら、本年3月に策定をいたしました、いわていきいきプラン2005というものがございますが、このプランに基づいて市町村などを支援して、制度の円滑な実施に努めていく考えでおります。
 次に、岩手の農業についての基本的な認識についてでございます。
 今、我が国の農業は、議員御指摘のように大変大きな転換期にございまして、本県におきましても農業従事者の急速な減少・高齢化、そして中山間地域の活力の低下が懸念されるなど、本当にさまざまな課題に直面をしているわけでございます。こうした状況に対処するためには、まずもって本県の基幹産業としてこの農業を位置づける、そして農業の地位確立ということが肝要でありまして、特にも主たる農業従事者が他産業の従事者と遜色のない所得が得られると、やはりその農業によっての生計が十分立てられる、そういった農業を構築するということに尽きると思っております。こうしたことを実現するために、岩手県の農業・農村基本計画──これは、先般つくったものでございますが──この計画に基づいて、意欲ある担い手の育成など、いろいろその中で事業を掲げてございます。そうした施策を展開していきたいと考えております。
 具体的には幾つか申し上げますが、やはり主業型農家いわゆるプロの本物の農業者というものに農地の利用集積を促進しながら、そうしたところに施策を重点的に投入していく、そして地域の主体性を尊重した地域ぐるみ農業の一層の展開を図っていきたいというふうに考えております。
 また、広大な農地──これは、我が国の中での比較ということになるわけですが──本県の場合には広大な農地、そして四季折々変化に富む自然状況というものがございます。本県の持っている多様な資源がございますので、そういったものを生かして、さらに米、園芸、畜産のバランスがちょうどよくとれているというのも本県農業の優位性になってございますので、こうした優位性を生かした総合産地形成に努力をしていきたいというふうに思っていますし、一方で、販売流通面での工夫も必要でございますので、こうした今申し上げましたようなすぐれた生産環境を積極的に消費者の皆さん方に示しながら、消費者の求める安全で安心な農産物、岩手の農産物というものを安定的に供給していくということを行いたいと思っております。
 さらに、農業・農村の持つ役割や機能というものに対しての県民の皆さんの理解を得る、特に公益的な機能ということについての他産業従事者の皆さんからの幅広い理解ということが必要だろうと思いまして、広く県民の参画のもとに新しいむらづくり運動というものを展開していく考えでございます。
 こうした取り組みによりまして、くらしといのちを支える農業・農村というものの創造が達成されまして、名実ともに岩手県が我が国の総合食料供給基地というその地位を確立できるものと考えております。
 この目標の達成に向けて、農業者の皆さんとともに、私自身も先頭に立って、こうした活力ある岩手県農業・農村の未来を切り開いていきたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いいたします。
   〔総務部長武居丈二君登壇〕
〇総務部長(武居丈二君) 中期財政見通しについてでありますが、昨年新たに策定いたしました中期財政見通しは、県総合計画・前期計画の着実な推進を可能とする財政運営の道筋を示すものとして、財政健全化目標、歳入・歳出ギャップの総額とその解消方策などを定めておりまして、その期間である12年度から17年度までの間は、この目標を基調とした健全な財政運営を目指していくこととしているものであります。
 本年度当初予算におきましては、中期財政見通しと比較した場合、見通しを策定した時点では見込み得なかった国の平成11年度第2次補正予算の編成や平成12年度地方財政計画の決定など、その後の情勢変化の影響により、若干数値上の違いが生じておりますが、見通しにおきまして、平成12年度について掲げた指標につきましては、県債依存度は、見通しでは9.9%に対しまして当初予算では9.4%、主要三基金の本年度末合計残高は、見通しでは700億円程度に対しまして現時点では約945億円と見込まれるなど、見通しの数値をクリアしており、全体の基調としては、おおむね中期財政見通しに沿った編成であったものと考えております。
   〔企画振興部長佐藤徳兵衛君登壇〕
〇企画振興部長(佐藤徳兵衛君) 広域行政の推進についてでありますが、岩手県広域行政推進指針の策定に当たりましては、市町村合併を進める上での障害や消極的理由となるいわゆるデメリットにつきましても、市町村長や市町村議会の代表者との面談調査等を通じてさまざまな御意見を伺ったところであり、指 針にも可能な限り反映させているところであります。
 現在までに開催した説明会の場では、広大な面積を有する一方で、市町村数が比較的少ないという本県での合併の必要性に対する疑問、広域市町村圏を越えた組み合わせの可能性などの意見や所感をいただいたところでありますが、今後、地域の実情に即した議論が具体化する過程において、個別・具体的なメリットやデメリットがさらに浮き彫りにされてくるものと考えております。
 このため、今後、地方振興局を中心に、地域の実情を踏まえた議論を深め、広域行政を進める上での具体的な課題とその対応についての検討を進めるほか、各地での取り組みの状況や情報を相互に提供し合うとともに、県の施策についても、広域行政推進の観点から、部局横断的な連絡調整を図るなど、市町村の自主的な取り組みが円滑に行われるよう、県としての役割を積極的に果たしてまいりたいと考えております。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) 循環型地域社会を実現するための今後の廃棄物対策についてでありますが、廃棄物をできる限りゼロに近づけるゼロエミッションの考え方に基づきまして、廃棄物を資源としてとらえて、再使用、資源化・リサイクルを核として進めてまいりたいと考えております。
 具体的には3本の柱がございまして、まず第1に、廃棄物の発生抑制につきましては、買い物袋持参運動等の強化による日常のごみの減量化やゼロエミッション型産業の誘致、環境関連産業の育成、また、第2としまして、再利用やリサイクルの促進のためには、リサイクルに関する情報の収集と提供の仕組みの構築、リサイクルショップやフリーマーケットなどの普及、北東北3県の連携による家電リサイクルシステムの構築、建設副産物の再生品の利用などを促進してまいります。
 その上で、なお資源化・リサイクルが不可能な廃棄物というものが出てまいるわけでして、第3の柱として、適正な処理でございますが、一般廃棄物ではごみ処理の広域化を促進しまして、ダイオキシン類の発生の抑制を徹底するとともに、廃棄物発電など、焼却時の余熱エネルギーの有効利用の促進、また、いわてクリーンセンターを活用した産業廃棄物の適正処理の誘導、不法投棄や不適正処理を未然防止するための県民ぐるみの監視強化などに、一層取り組んでまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕
〇保健福祉部長(関山昌人君) まず、介護保険の要介護認定の状況についてでありますが、制度施行直前の3月末現在では、要介護または要支援と認定された方は、施設、在宅合わせて2万9、610人でありましたが、5月末現在では2、460人増の3万2、070人となっております。
 また、介護保険サービスの利用状況につきましては、4月の利用実績は、施設サービスでおおむね9、000人、在宅サービスでおおむね1万7、000人の、合わせておおむね2万6、000人程度であります。
 次に、市町村における介護保険の運営状況の調査につきましては、介護保険制度が県民生活の中に適切に定着するため、制度発足間もないことから、その実施状況を随時検証しながら、改善すべき事項に的確に対応していく必要があると考え、5月に全市町村を対象として調査を行ったところであります。その結果、要介護認定における1次判定ソフトの見直し、低所得者対策、短期入所サービスの利用回数制限の緩和、利用手続や市町村事務の簡素化など、延べ502件の問題点や課題、利用者の声などが寄せられております。
 県では、この調査結果を受け、制度定着に向け改善すべき事項については、既に去る6月14日に国に対して強く要望したところであります。
 また、来月の政府予算統一要望におきましても、重ねて国に要望することとしております。
 一方、調査結果のうち、県や市町村で対応すべきものについては、現在、整理検討しているところであります。
 今後とも、介護保険制度が県民生活の中で適切に定着できるよう、10月から始まる保険料徴収に向け、県民の方々に対して制度の周知徹底を図るとともに、本庁及び九つの高齢者保健福祉圏域単位に介護保険協議会──仮称でございますが──を設置し、いわていきいきプラン2005に基づく実施状況の点検・評価等を行い、さらに、保険料徴収開始後に再度市町村における実施状況の調査を行うなど、随時検証しながら、国、市町村等関係者の連携のもと、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長鈴木清紀君登壇〕
〇商工労働観光部長(鈴木清紀君) 広域観光の振興についてでありますが、共通の観光資源を有する青森、岩手、秋田の北東北3県が広域的な視点で連携して取り組むことが、観光客の誘致拡大により効果的でありますことから、平成9年度の北東北知事サミットの合意のもとに、北東北文化観光振興アクションプランの策定、九州地域で観光・物産情報を発信するみちのく夢プラザを福岡市に開設するなど、3県一体となりまして観光振興に取り組んできたところであります。
 具体的には、このアクションプランに基づきまして、3県のイメージを組み合わせたシンボルマークと北東北観光キャッチフレーズ、「透明な日本、見に行こう。」を公募によりまして策定いたしまして、このシンボルマークとキャッチフレーズを活用しながら、北東北の統一的な観光イメージの形成に努めているところでございます。
 また、3県共同のホームページの開設、観光総合パンフレットの作成、大手旅行代理店やJR東日本とのタイアップによります北東北観光キャンペーン、これらを展開するなどいたしまして、全国に向けて共同で情報発信してきているところであります。
 今後におきましても、例えば、城下町などの歴史的な町並み、みちのく特有の郷土芸能、四季折々の花や温泉、あるいは雪祭りなどの北東北ならではの冬をテーマといたしました3県をめぐる周遊型の旅行商品を開発してまいりますし、さらには、3県共同で台湾、韓国などを対象とした外国人観光客の誘致拡大などに一層力を入れてまいりたいと考えております。
 また、東北新幹線盛岡以北の開業を見据え、青森、秋田両県や関係機関との連携を強化するとともに、一方で、宮城県などとの一層の連携をも視野に入れまして、地方振興局と一体となって広域的な視点に立った新しい観光ルートの形成や滞在拠点のネットワーク化など、広域観光の振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔農政部長佐藤克郎君登壇〕
〇農政部長(佐藤克郎君) まず、稲作の直播き栽培についてでありますが、この栽培方法は、育苗作業の省略による大幅な省力化と低コスト化、また、労力分散による規模拡大にも極めて有効な方法でありますが、本県のような寒冷地におきましては、初期の生育が不安定であり、収量の確保が課題となっております。
 この解決のため、県農業研究センターにおきましては、酸素供給剤でコーティングした種子を播種する、いわゆる湛水土中直播と呼ばれる栽培法の確立に取り組んでおりまして、現在、移植栽培の8割から9割の収量が確保できる段階まで至っております。
 また、現地での事例調査では、10アール当たりの労働時間は移植栽培に比べて約3割、経費では1割の縮減効果が確認されているところでございます。
 今後におきましては、一層の栽培安定化に向けまして、複数の種子を点播する方法などの技術開発に取り組むとともに、各地域に実証圃を設置いたしまして、その実用化に努めてまいる考えでございます。
 次に、麦・大豆への転作に伴う対策についてでありますが、御指摘がございましたとおり、麦・大豆等の生産と経営の安定を図っていくためには、団地化や排水の対策など、さまざまな課題を解決していく必要があります。このため、国の農業生産総合対策事業を積極的に導入するほか、本年度からは、新たに県独自の支援措置といたしまして、地域ぐるみ団地化緊急促進事業を創設いたしまして、団地化を促進するとともに、新いわて農業再編総合対策事業を拡充いたしまして、小規模・簡易な排水改良に対する助成を講じたところであります。
 また、汎用コンバインや乾燥施設など農業機械・施設の導入に対しまして、低利な融資制度を創設し、作業の省力化を支援しているところであります。
 今後とも、こうした県独自の対策と国の事業を組み合わせるなどして、総合的に支援してまいりたいと考えております。
 次に、中山間地域等直接支払制度における特認基準についてでございますが、この特認基準は、国のいわゆる通常基準に該当しない地域の中の生産条件の不利な農地について、耕作放棄の発生を防止していくため、知事が地域の実態に応じて、社会的、経済的、そして自然的条件等を考慮した一定の基準を設定し、直接支払いの対象とするものであります。
 本県におきましては、特認基準に係る国のガイドラインに該当する地域に加え、法指定地域に隣接した地域であって、農林業従事者割合が10%以上、人口集積地区がないこと、そして市町村の財政力指数が0.42以下であることなどの要件を満たす地域の急傾斜地等を対象とする特認基準を設定することとし、現在、国と協議を進めているところであります。
 また、中山間地域等直接支払制度は、集落機能の発揮を前提としていることから、この制度の導入を契機に、集落における十分な話し合いが行われ、農地の適正な維持管理はもとより、加工・直売活動などの新たな事業展開も含めて継続的な農業生産活動ができるよう、市町村、農業団体と連携をとりながら、中山間地域の活性化に向けた指導・支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、農業生産法人の現状と今後の育成策についてでありますが、現在、農業生産法人の数は164法人でございまして、形態別には、有限会社と農事組合法人となっており、経営別の割合は、畜産が36%、次いで果樹25%、水稲15%の順となっております。
 本県におきましては、昨年度策定いたしました岩手県農業・農村基本計画におきましても、主業型農家、女性農業者、農作業受託組織とともに、この農業生産法人を地域農業の主要な担い手として位置づけまして、地域ぐるみ農業の中核、農地利用集積の受け皿としての役割を期待しているところでございます。
 県といたしましては、主業型農家や協業経営組織に対しまして、経営の合理化、信用力の向上、そして雇用の確保など、法人化のメリットが生かせるよう、県の農業会議や農協中央会と連携しながら、農業法人育成支援事業を積極的に活用し、農業法人化への誘導や、また設立後の経営指導に対する支援等をしてまいる考えでございます。
 次に、家畜排せつ物の適正処理についてでありますが、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律によりまして、管理基準の対象となる飼養規模の畜産農家の数は、平成11年3月末現在で、本県畜産農家全体の約27%に当たる5、300戸程度が見込まれております。この管理基準の対象農家で施設等が未整備となっている約1、900カ所を対象にいたしまして、堆肥舎などの施設整備のほか、営農集団や農協を中核として新たに堆肥センターについても整備を進めることとしております。
 これらの具体的な施設整備に当たりましては、国の畜産環境対策関連事業とか、あるいはリース事業などを導入するほか、農家の負担軽減を図るために、新たに県独自の支援措置といたしまして、貸付金利を1%に軽減する畜産環境保全特別支援資金利子補給補助を創設したところでございます。これらを有効に活用しながら、施設整備を促進してまいりたいと考えております。
 次に、口蹄疫等の家畜伝染病の防疫体制についてでございますが、防疫に係る常備体制といたしましては、4カ所の家畜保健衛生所に69名の職員のほか、97名の診療獣医師を非常勤職員の地区家畜防疫員として配置し、防疫等に当たっているところでございます。特に、口蹄疫や豚コレラ等の甚大な影響が予測される悪性伝染病の発生時におきましては、岩手県家畜防疫体制整備要綱等に基づきまして、県農政部に家畜伝染病防疫対策本部を、また、家畜保健衛生所に現地防疫対策本部を設置いたしまして、関係機関、そして関係団体と密接な連携のもとに、総力を挙げて迅速かつ広域に防疫対策を講ずることとしており、有事に備えての即応体制に万全を期しているところでございます。
 次に、今回の口蹄疫発生で問題となりました中国産麦わら及び台湾産稲わらの使用状況についてでございますが、平成11年7月から平成12年3月までに県内畜産農家20戸に約240トンが入荷されておりましたが、未使用分につきましては、飼料及び敷料としての使用を中止し、堆肥化等に仕向けるよう指導したところでございます。
 また、県内産稲わら等の粗飼料確保対策についてでありますが、現在利用されている粗飼料の県内自給率は75%程度となっておりまして、稲わらについてみますと、畜産農家で利用している稲わらの約97%が県内産ということになっております。
 これまでも粗飼料の安定的確保を図るため、草地の積極的な整備などに取り組んできたところでございますが、このたびの口蹄疫の発生に伴い、県内での粗飼料の自給が一層重要となっておりますことから、県産稲わら等緊急確保対策協議会を設立し、畜産農家と耕種農家とのネットワークづくりを促進するとともに、また、水田利用等による国産粗飼料増産緊急対策事業の積極的活用や公共牧場の採草利用を図るなどにより、県産稲わら等粗飼料の安定的供給体制を確立してまいる考えでございます。
 次に、指導機関に対するギャップを感じる農業者が多いのではないかとのお尋ねでございますが、現地指導機関におきましては、個々の農業者の意向把握に努めながら、農業者の主体的取り組みを基本として、関係機関等との密接な連携のもとで営農活動に対する支援を行っているところでございます。
 また、地域農業の維持発展を図るために、主業型農家を中心といたしまして、副業型農家、そして自給的農家が、地域の合意に基づいて機械あるいは施設等を効率的に共同利用しやすい仕組みを整えるなど、地域ぐるみ農業を通じて、それぞれの経営志向に応じた支援にも力を入れているところでございますが、今後とも、農業者の方々との情報交換等を一層密にしながら、営農活動に対する支援を行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
   
〇副議長(吉田洋治君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時34分 休 憩
   
出席議員(51名)
1  番     及 川   敦 君
2  番     飯 沢   匡 君
3  番     樋 下 正 信 君
4  番     照 井 昭 二 君
5  番     柳 村 岩 見 君
6  番     小野寺 研 一 君
7  番     吉 田 昭 彦 君
8  番     工 藤 大 輔 君
9  番     川 村 農 夫 君
10  番     佐々木 順 一 君
11  番     佐 藤 力 男 君
12  番     阿 部 静 子 君
13  番     阿 部 富 雄 君
14  番     田 村   誠 君
15  番     岩 城   明 君
16  番     中屋敷   十 君
17  番     千 葉   伝 君
18  番     佐々木 大 和 君
19  番     及 川 幸 子 君
20  番     阿 部 敏 雄 君
21  番     川 口 民 一 君
22  番     小野寺   好 君
23  番     斉 藤   信 君
24  番     伊 沢 昌 弘 君
25  番     田 村 正 彦 君
26  番     上 澤 義 主 君
27  番     瀬 川   滋 君
28  番     水 上 信 宏 君
29  番     藤 原 泰次郎 君
30  番     船 越 賢太郎 君
31  番     谷 藤 裕 明 君
32  番     菊 池   勲 君
33  番     佐々木 一 榮 君
34  番     伊 藤 勢 至 君
35  番     高 橋 賢 輔 君
36  番     小 原 宣 良 君
37  番     長谷川 忠 久 君
38  番     千 葉   浩 君
39  番     吉 田 洋 治 君
40  番     工 藤   篤 君
41  番     菅 原 温 士 君
42  番     佐 藤 正 春 君
43  番     山 内 隆 文 君
44  番     折 居 明 広 君
45  番     村 上 惠 三 君
46  番     藤 原 良 信 君
47  番     及 川 幸 郎 君
48  番     菊 池 雄 光 君
49  番     佐々木 俊 夫 君
50  番     那須川 健 一 君
51  番     吉 田   秀 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後3時54分 再 開
〇副議長(吉田洋治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第4、一般質問を継続いたします。瀬川滋君。

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