平成14年6月定例会 第14回岩手県議会定例会会議録

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〇42番(佐藤正春君) 自民党の佐藤正春でございます。枚数が少し余計でございますので、早口になることを御容赦願いたいと思います。
 知事、あなたは岩手の誇りでございます。私は最近、東京に行くと古い友人から、おまえのところの知事は大したもんだなと言われます。また、他県の県議会議員からも、岩手の増田知事さん、なかなかやりますね、こう言われます。三重の北川、高知の橋本、宮城の浅野知事と並び、売れっ子知事でございます。
 2001年2月発行岩波新書717号、公共事業は止まるか、日本経済新聞、地域を変える、1月4日岩手日報新春インタビュー、同1月4日河北新報、改革と痛み座談会、同朝日新聞、地方自立「がんばらない」への発想転換、4月7日放送NHKスペシャル、徹底討論・地方発・構造改革、その他もろもろ、都道府県展望への寄稿などを拝見すると、学者の論文かと錯覚するほどでございます。
 しかし、それぞれの内容を比較・吟味してみると、岩手県政に携わる一人として、何か空虚なものを感じ、胸にすとんと落ちるものが感じられないのでございます。大方の県職員も同じ思いではないでしょうか。その原因は、理論のみが先走り、県政の実態とかけ離れているためであり、言行不一致のそしりを免れないのでございます。現職の知事であるあなたは、高名な理論家だけであってはならないのです。結果を出して何ぼでございます。北川知事、浅野知事のように結果を出してください。
 最近のあなたは、常に何かしら新しいことをやっていることを内外に示さないと、改革に取り組んでいないのではないかというような強迫観念に取りつかれているのではないでしょうか。だとすれば、それは政治ではございません。高い理想はもちろん大切でございますが、毎日毎日の現実に取り組まなくては政治家とは言えないのでございます。
 日経の県庁解体論から始まる道州制、県庁の分社化、がんばらない発想への転換、NHK討論と、岩手県は何がどう変わっていくのか、これからどうすればいいのか、一向に見えてこないのでございます。これでは部下も知事の言動についていけません。知事は、何をやろうとしているのですか。岩手県民のためですか。日本国家再生のためですか。ならば、国会議員になったらいかがでしょうか。
 以上のうち、要点のみを伺います。
 まず、さきの2月定例会における一般会計予算への附帯意見は、的確な政策評価結果に基づく事業の厳選、そして、自主財源確保を図る財政健全化を求めております。知事、これはあなたの政策室を中心とした新しい政策評価システムに落第点をつけられたということになります。
 さらには、自主財源の確保を示すために、三役の報酬の10%カット、管理職の手当カットをしたことは、財政健全化とはほど遠い、財源確保のためのパフォーマンスにすぎないのでございます。
 まず、県庁解体論。総合政策室を中枢に、ここに政策立案と政策評価の担当を置いて、新しい県政の機能を果たすと言っています。地方百年の計、市町村中心の行政こそ理想。増田知事の論文を拝見いたしました。まさに理想論でございます。果たしてその機能を果たされましたか。特に、政策評価、公共事業評価は全くと言っていいほどの悪評でございました。それは、この新しいシステムが知事のひとりよがりだったからなのでしょうか、それとも、初代の佐藤兵衛政策室長が無能であったからなのですか、お伺いいたします。
 また、2代目室長藤勝さんは、自分は攻めるタイプであって、調整型とは思わない。計画・実行・評価を繰り返し、県政に上昇の渦を生み出したいと、こう述べております。そうしますと、さきの佐藤兵衛室長と手法が大きく違ってきます。これは知事がそのように指示を与えているのですか、伺っておきます。
 知事は、県庁解体論の延長版・道州制実現を目指し、昨年11月に提言をまとめております。道州制の本質は機能分担ととらえ、仙台を州都とせず、抽象論ではなく、具体的な連携の成果をもって取り組んでいくと述べておられます。これこそ抽象論ではございませんか。具体的にはどういうことなんでしょうか。
 青森、秋田の知事も道州制に賛意を示し、広域新税の導入も検討に上がっていると聞いております。知事、この道州制をあなたの任期中にどこまでおやりになるのですか、お伺いいたします。あなたの政治の師・小沢党首は、この道州制に反対しております。
 次に、地方振興局の役割について、見直しについてひとつ伺います。
 知事は、県民が盛岡に来なくても地方振興局で用が足せるようにとして、人材を配置し、活性化調整費などの財源をつけた結果、昭和61年の発足当時に比べると、機能、財源、人材とも充実してきております。また、地方振興局の独立性は高まり、以前のように本庁の分室のようではなくなりました。知事が言うように、現場重視、振興局の機能・役割を強化する目的ならば、今の体制をなぜ見直さなければならないのですか。見直すとすれば、予算の増大と地方振興局の自由裁量を高めることではないでしょうか。
 そこで伺います。1、地域特性に応じた組織体制見直しとは何ですか。2、現在12ある地方振興局は減らすことが命題でございましたが、その後どうなっておりますか。これは知事のおっしゃる解体論と矛盾しませんか。3、職員の倫理条例が施行されてから、地方振興局職員と市町村職員を含む地域の人たちのつき合い、交流が極端に減っております。さきの予算特別委員会では、総務部内の届け出件数は数例にすぎません。これでは知事の言う県民との対話・交流ができないのではないでしょうか。
 さらに、知事は1月21日の定例記者会見で、今後は人材、財源、権限をセットで市町村に移譲する、県の事業評価を平成14年度試行実施する、こう発表しております。大東町と大船渡市では試行実施となりました。人材と財源、権限の市町村への移譲は初めてのことでございます。私はその決断には非常に敬意を表します。しかし、せっかく力をつけた地方振興局との整合性はどうなっているんですか。また、試行後、将来は全58市町村で実施する考えですか。
 かつて、専門的人材が不足する市町村では、新しい事業を起こすときに、県にお願いして、助役、部長、課長を派遣してもらう、そしてその事業の完了するまで予算をつけてもらい、終了後、本庁に戻ってもらうというやり方をたびたび行ってまいりました。これとどのように違うんですか、お示し願いたい。
 次に、2月定例会の附帯意見にあるとおり、財源確保についてお伺いいたします。
 これは予算特別委員会でも課題となった産業廃棄物税あるいは私からも御提言申し上げました水源税、これらについてまだ検討中ということですが、いつごろ具体化するんですか。
 6月20日の定例記者会見で知事は、県境の産廃の不法投棄の処理について、原状回復については県費の投入は不可避、こう発言されている。そうしますと、民間業者の失敗を、ミスのしりぬぐいを県がやるのですか。そういうことになりますね。県南の某業者の不法投棄については、ただいま回収作業中でございます。この業者はことしの10月4日で許可免許が切れると私は聞いております。そうしますと、その後は県費でこれを行うことになるんですか。
 財源について、納得いく財源と納得のいかない財源と、こうございます。生活費の一部でございます管理職手当を削ることは、その趣旨からして原資のとり方が本末転倒ではありませんか。何の相談もなく、物言えぬ部下の懐からピンはねするようなことは、弱い者いじめでございます。知事、本当に痛みを分かち合うならば、あなたがたった2人で住んでおられるところのあの広い知事公舎を、東京都の石原知事のように開放して、賃貸施設として使うなり、公館は式典や会合に使ってみたらいかがでしょう。そのおつもりはございませんか。
 ちなみに、平成14年度の知事公館・公舎の管理費は3、227万5、000円、うち人件費は1、028万2、000円となっております。この人件費というのは何でしょうか。
 一般職員の宿舎家賃は、御存じでございますか。月二、三万円程度でございます。知事の家賃は幾らなんですか、お尋ねをいたします。
 伝えたいことを言葉で表現することは非常に難しい、それを理解することはもっと難しい、こう言われます。知事は、朝日新聞の私の視点で、「がんばらない」への発想転換の一文を載せております。私はこの際、失礼を省みず申し上げるならば、この見出しを見て理解のできる県民は何人いるでしょうか。私は議員を40年やっておりますが、毎日つき合う相手は庶民でございます。難しいことをわかりやすく説明し、実行するのが議員・政治家の仕事であると心得ております。
 今まで歴代の知事が、頑張れ、頑張れ、おくれている岩手よ追いつけ、追い越せ。うちに帰ると、今度は親から、頑張って早く世の中のために出なさい、一人前になりなさい、人に尊敬される人になりなさい、こう言われてきました。その価値観をあなたが言われる頑張らなくてもいい価値観にどのように発想転換するんですか、ひとつ教えてください。
 新渡戸稲造の著書にある地方(じかた)学などは、県民の何人が理解できるでしょうか。あなたは盛んに言っておられる。あなたが言われる健康院構想は、県内で一番早く私が取り上げ、健康の郷構想として現在一関地方で実施中でございます。健康院の構想というものは、かつて中屋敷議員も質問したことがございますが、これは大変でございます。何のことかわからない。現在、他の地域ではどこでやっているんでしょうか。計画・実施している地域があったらばお示し願いたい。なければ、その理由を伺っておきます。
 平成14年4月7日、NHKスペシャル、徹底討論・地方発・構造改革のスイッチをひねると、増田知事が画面から私を見据えて、正春議員、よく聞いてください――そう言っていました。私はね、阪神が好きですから、阪神タイガースを応援するような気持ちで見ていた。期待して見ておりました。がっかりしてしまいました。
 増田知事も大阪の太田知事も、ちまちました抽象論ばっかりでございまして、片山大臣を目の前にしては、ああ、無理なのかな、やっぱり優秀な役人でも無理なのかなというような、かいま見たような気がいたしました。討論なのでございますから、なぜ知事は日ごろの持論を堂々と大臣に切り込まなかったのでございますか。北海道ニセコ町長の方が勇気を持って自己主張をはっきり述べ、地方からの発信に大いに期待を込められておりました。
 知事は、地方自立の中で、受益と負担をはっきりさせるとし、身の丈に合ったものをやるし、身の丈に合わないものはやらない、こう発言しておりました。ならば、かねてから私が申し上げてまいりました盛岡競馬場、花巻空港の拡張は、身の丈に合った事業でございますか。
 また、西口の複合ビルは220億円もかけて今年度より着工するわけでございますが、さきの予算特別委員会では、私の質問に対し、政策室長も総務部長も、政策評価の中で、費用はわかるが効果は不明。法貴首席政策監は――法貴さん、聞いていてくださいよ――ただいま勉強中と答えております。効果のわからないもの、勉強中のものをなぜあわてて着工しなければならないのですか。これではせっかくの政策評価が絵にかいたもちになりませんか。
 さらに、知事は補助金について、県単については市町村に任せていろいろとアイデアを出してもらって応援する、国からは、ビジョンを見て必要と思われるものは補助金を受けるが、必要のないものは補助金を断るつもり、こう述べております。このことは、事業によってはせっかくついた国からの補助金を断ると私は理解しますが、本当にその勇気がおありなんですか、ひとつ明確にお答え願いたい。
 また知事は、地方における税目について、地方財源を見つけることは不可能に近いと発言しております。前段で申し上げた産廃税、水源税などは最初からやる気はないんですか、あるんですか。だとすれば、部下の背中を押して、ずぼんのすそを踏んでいるということになりませんか。これも一つ確認しておきたいと思います。
 言葉の国、中国の革命政治家小平は、白い猫でも黒い猫でもネズミをとる猫はよい猫だと、こう言っているんです。まことにわかりやすい。県民はわかりやすい言葉、わかりやすい政治、そしてその結果を望んでいるんです。いい政治をやってもらいたいんです。この点についてもお伺いいたします。
 次に、男女共同参画推進条例について伺いをいたします。
 この条例の制定に熱心でございました阿部静子議員の熱意もむなしく――一生懸命やってこられたね――6月の提案を見送るとの懇談会の結論でございます。問題は、この条例案には罰則がないということです。これでは関係者の心構えにすぎないものになるのではございませんか。まさに今、本県の教育現場では女生徒に対するセクハラが堂々と行われているときに、罰則を含んだ条例制定をすべきだ、私はそう思いますが、部長、教育長、どのようにお考えですか。
 知事、私たちの年代では、男は仕事、女は家庭、男はお勝手に立つななどと言われてきましたが、知事はこの言葉をどのように理解して、増田家ではどのように実践しておりますか。
 懇談会の吉野先生は、男性がどれだけ理解し、行動するかが重要。女性に任せがちだった家事や育児・介護などの価値を認め、既得権の組みかえをして互いの負担を減らすことにより、女性がこれまでに進出していなかった分野で能力を発揮することになるだろうと、この共同参画時代の男の生き方というものを示しております。そうでしたね。男は黙って仕事一筋、これはもう通用しない時代になってまいりました。
 まず、足元からお伺いいたします。プランをつくっている青少年女性課は、課長以下9人ですが、女性は2人でございます。なぜなんですか。こういう重大なプランをつくるのに女性は2人しかいない。
 人事院では、国家公務員の女性の採用・登用をふやすために、各省庁が2001年中に独自に策定した採用・登用拡大計画をまとめております。本県における女性職員は何人で全体の何%に当たりますか。本県でも同様の計画をつくるお考えがございますか、お答えをいただきたい。
 労働基準法、男女雇用機会均等法では、男女差別を禁止しております。まだ職場、転勤、賃金の面で、差別まではいかないが区別されております。このことに対して対策はどうなっておりますか。
 2001年度厚生労働省調査によると、管理職に占める女性の割合は7.8%、大卒の男女の昇進については、男性が早いは30.5%、女性が早いは0.3%でございます。県庁ではこれはどうなっているでしょうか。
 政府は18日、2002年度版の男女共同参画白書を閣議決定しました。これによれば、本県の女性管理職の割合は2.5%で全国41位です。随分低いですね、これ。全国41位です。
 4月1日から母子保健手帳の内容が変わりました。知事、おわかりですか。子育ては母親任せではだめだということですが、現実には子育て時の夫の就業時間が長く、働き盛り時期の育児休業の取得状況は、母親の56.4%に対して父親は0.42%となっております。知事はまだお子さんがおられないので、ちょっと失礼かな、これは。
 父親の育児、すなわち男女共同参画を実現するためには、男性が育児休業をとりやすい環境をつくることが必要だと思いますが――ねえ、そうですね――県職員の状況はどうなっておりますか。
 ちなみに、イギリスのブレア首相は育児休暇をとったことで有名でございます。男女共同参画推進条例は、既に全国35都道府県で制定されたと聞いております。しかし、各県独自の県民性、地域性も無視できません。まず、本県の女性労働者に占める第1次産業従事者率は、1995年調査によると18.7%、全国一でございます。本県の農・林・水産業に携わる女性は、昔から夫に仕え、おしゅうとさんを介護し、子供を育て、そしてなお労働に従事し、炊事、洗とまさに苦労の一生でございました。そうですね、本当にそれは苦労の一生でございました。それをいかに解放し、社会に参画、進出させるかでございます。まず、女性に負担を強いてきた過重な労働、家事からいかに解放させるのか、具体的にひとつお答え願います。具体的に。
 次に、説明会で最も質問が多かったのは、苦情処理やDVに対する対応であったと聞いております。いわゆるDV(ドメスティックバイオレンス)防止法――難しいんだ、これは。ややこしいことでございます。この法律ができて8カ月たちました。この条例案には罰則がありませんから、主としてこのDV防止法、雇用機会均等法、あるいはセクハラなどによるわけでございますが、本県における最近の違反件数は何件ございましたか。
 警察は被害者の身の安全を守るためにどのような措置をとっておられるのか、これもひとつお伺いしておきます。
 また、緊急的な被害の場合は警察に駆け込むわけでございますが、夫婦間、恋人間の問題は警察がなかなか手を出せないのが現状だと思います。つまるところ傷害、殺人まで行くケースがテレビなどでたびたび報道されておりますが、事前の防止でなければこの条例の意味がございません。この点について、部長の見解と事件発生時の警察側の対応についてお伺いをしておきます。
 次に、県政の今日的課題でございます。
 先般、県では平成12年度決算ベースで財務諸表を発表しました。県予算だけでなく、県が支出する財団や公社などを含めた連結決算まで行っていることが特徴となっております。これは全国の都道府県では初めてでございまして、この点については知事の英断も評価いたします。
 私は、褒めるときは褒めるんだからね、知事。評価するところは大変評価します。
 問題はその内容でございます。関係団体の隠れ借金について点検しますと、林業公社430億円を初め、住宅供給公社66億円など、約4、100億円、1世帯当たり87万円の負債となる。1世帯87万円ということが明らかになっております。
 また、これと時を同じくして、森林整備のあり方に関する検討委員会というものの初会合がございました。私からもかねて指摘しておりました、昨年度の県の包括外部監査で運営・経営の甘さを指摘された県の林業公社、県有林特別会計の改善策を協議するために開催されたわけでございますが、この点は県としては、この内容を見ますと、もう打つ手がないんですよ。なくて、いわば農林漁業金融公庫からの借入金を見直してもらう、もっとわかりやすく言えば、値切ってまけてもらうしか方法がない、こういう意見だった。この委員会に何を検討事項として諮問し、どのような報告をもらい、県は具体的にどのように取り組もうとしているのか、これは重大でございますから、この点についてお伺いしておきます。
 もう1点は、隠れ借金を明らかにした法人・団体の範囲でございます。資料によりますと、毎年6月に議会に経営状態の報告書が出され、県出資率などが50%以上のものを対象としたとありますが、これも私が議会でただしておりましたが、肉牛生産公社などは対象外となっているんです。10億円単位の負債を抱える団体を対象外としていいんですか。隠しているのではないですか。この点についてもひとつ明確にお答えを願いたい。
 昨年、花巻空港で2万5、000通の郵便物が盗まれました。犯人は平成14年4月に逮捕されましたが、受取人からの通報があって知ったとあきれた話でございました。なぜそれまでわからなかったんですか。かぎもなく、ずさんな管理の責任者はだれなんですか。
 今、日韓ワールドカップサッカーが開催されております。こういうときに、空港がテロにねらわれているときに、空港拡張を進めている当局が、お客さんの生命と財産を守ることに予算を使わないという理由は何ですか。これの対策はどうなっておりますか。
 また、警察本部長は、このようなずさんな管理体制にある花巻空港、こんなことでいいんでしょうか。警察のテロ防止対策について説明願うと同時に、ひとつ厳重に空港の方に申し入れていただきたい、こう思うわけでございます。
 次に、五十嵐教育長は、今回の一連の不祥事にかんがみ綱紀保持を訴えておりますが、これらの不祥事件と、特に水沢市内で起きた集団リンチ事件の報道の実態、心構えについてお伺いいたします。
 98年度から2000年度における県立病院の医療事故の発生件数は25件と聞いております。内閣府情報公開審査会は本年1月、医療事故の公表は社会的要請と、内容の開示をするべきだと答申を行っております。なぜ発生病院、事故の発生月日、あるいは担当医、病名など発表できないんですか。現に私は、予算、決算において今までも事実をつかんで発表しております。私は予算特別委員会でも申し上げましたが、県民の命と医師の確保はどちらが大事ですか。事故の実態を明らかにし、対策をひとつお示し願いたい。
 次に、県内の盛岡、高田、一関市では、今時食糧費や市長交際費の不正、不適正支出が問題になっております。各市の状況と対応のあり方、結果責任、あわせて県の指導についてもお伺いしておきます。
 次に、千厩の東磐高等職業訓練校の不正受給問題でございます。
 県は5月30日、処分を発表いたしました。何の目的で不正受給が計画されて、実行されて、そのお金はどこに使われたんですか。明確にひとつお答え願いたいと思います。これは下手すると事件ですよ。事件になりますから、この協会と事業所が結託してやったということになるわけでございますが、この点についてもひとつ明確にお答え願いたい。
 以上をもって私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
 なお、この後再質問をいたします。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 佐藤正春議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、政策評価システムの機能についてでございますが、この政策評価システムといいますのは、合理的かつ的確に政策や個々の施策を評価して、そしてその評価結果を、その後の政策の立案や個々の施策の展開に反映をさせるということと、それからあと一方で、限られた資源を有効に活用しながら、県民の皆さんにとって満足度の高い、効果的で効率的な行政運営を行うということを目的にした制度でございます。
 その評価結果につきましては、対外的には県のホームページやパンフレット、そして各種広報媒体を通じて、評価の過程も含めて逐次県民の皆さんに公表するなど、透明性の高いシステムとして構築することに努めますとともに、県の内部では、施策の重点化方針の策定への反映や事業の見直し、実施箇所の重点化など、予算編成への反映を通じて、満足度の高い行政運営の実現に向け、一定の成果が得られたものと考えております。また、こうした評価の仕組みを通じて、職員の中にも成果重視への意識改革が進むなど、県行政の中に着実に新しい行政システムへの考え方が定着しつつあると、このように受けとめております。
 一方で、この政策評価システムは、導入後まだ間もないということもありまして、県民の皆さんからもさまざまな御意見を実はいただいております。政策評価委員会で専門家の皆さんの御意見なども伺いながら、今後とも、より的確な制度となるよう、積極的に改善を積み重ねていきまして、評価結果が的確に施策に反映されるシステムとなるよう努めていく考えでございます。
 なお、総合政策室には、こうした政策評価と政策立案機能に合わせて調査統計機能や情報公開機能、さらには、県民との情報共有化を積極的に進める広聴広報機能を一体的に集約したところでございます。そういう組織にいたしましたので、こうした機能を十分に発揮させて、成果重視の行政運営の視点に立って、政策の優先度を見きわめながら施策や事業の重点化を図って、総合計画の着実な推進に努めているところでございます。
 それから、次に道州制についてでございますが、国の方では、去る6月6日に行われました第27次の地方制度調査会、この専門小委員会におきまして、都道府県合併や道州制等今後の審議における論点整理が行われまして、第2次の分権改革に向けて具体的に動き出したところでございます。こうした中で、地方としても、みずからそのあるべき姿を考えてやはり主体的な取り組みを進めていく必要があると、こういうふうに考えております。
 この地方の自立のあり方としての道州制などの議論を進める上で重要なことは、学術的な論理というものにとらわれるのではなくて、まず、これからの地方のグランドデザインを考えて、それを実際に形づくっていく上でどうした制度が望ましいか、どのような制度が望ましいかと、こういう観点に立って議論を進めることであると、このように考えております。
 同時に、現実に広域連携というものが今行われているわけでありますが、こうした広域連携の実績を積み重ねて、住民の皆さん方にそのメリット、デメリットを十分に示して、幅広い議論に基づく共通認識を醸成しながら、実体論としての地方のあり方を示していくことも必要であると考えております。
 現在、北東北3県において、産業廃棄物の不法投棄など、県をまたがる広域的な課題への対応や広域観光など、地域のそれぞれの状況や特徴を踏まえた具体的かつ実践的な広域連携に取り組んでいるところでございますが、今後とも、こうした広域連携の具体的な実績というものを積み重ねながら、地方主権の確立に向けた国、地方を通じての幅広い議論が行われて共通認識が醸成されていくように、この北東北の地から積極的に情報発信をしていきたいと、このように考えております。
 次に、がんばらない宣言についてでございますが、これは従来の経済成長一辺倒の社会のあり方というものを反省して、一人一人がより人間的にそしてより自然に、素顔のままで生きていけるような取り組みを始めると、こういう意味を込めてあえて提唱したものでございまして、これまでは開発それから大規模そして一極集中といったような言葉であらわされるように、経済的な利益や効率性を追求して、物事が本来持つ多様な側面を見逃しがちだったと、そういう社会であったというふうに思われるわけでございます。
 そこで、時間ですとか余裕と安らぎですとか自然環境など、これまでは従来の尺度で評価し切れなかったものを大事にするという、そういう価値観のもとで地域の個性というものがさまざまございますが、そうした個性を十分に生かした地域づくりを進めることが必要であると考えております。
 これから地域で生活する人たちが、みずからの発想によって、この各地域にある大いなる資産をその幸せのために十分に活用していくこと、例えば、今県内で取り進められておりますが、これまで経済的な側面、その尺度から言えば、十分な活用というものがなかなか考えづらかった間伐材あるいは林地残材、こういったものを利用した木質バイオマスエネルギーの開発と。これはそのことによって、大局的には林業の再生ですとかあるいは地球規模での二酸化炭素の削減、温暖化対策と、有効な武器になるといったような、そういう大きな目的を果たすということでありますし、また、生活の大きな妨げとなってきたこの雪というものがありますけれども、これを克服してその利活用を図る。冷熱エネルギーとして利用しようとしている沢内村の雪っこトンネルなどがございます。こういったものも、従来の経済的な尺度のみからは必ずしも有効活用というものが考えづらかったような事例でございます。
こうしたものが県内各地域にさまざまあるわけでございまして、今申し上げましたのもそういったものの具体的な実践例の幾つかというふうに思っております。こうしたことを実践として積み重ねていくことが、県の総合計画に掲げております自立・参画・創造という、地域づくりの理念に通じていることであるというふうに考えておりますし、地域の自立ある発展をもたらすものと、このように考えております。
 次に、男女共同参画推進条例についてでございますけれども、先ほど議員の方のお話にございました、男は仕事、女は家庭、そして男はお勝手に立つなという言葉がございますけれども、こうした言葉がまさに性別による固定的な役割分担意識から出てくるものであると、このように理解しております。
 個人の尊重と法のもとの平等は日本国憲法にうたわれているものでございまして、男女平等の実現に向けたさまざまな取り組みが行われて、女性の社会進出というものは一定程度進んできたわけでございますが、国民の意識の中には、依然として、昔からの性別による固定的な役割分担意識が残っているのではないかと、このように考えております。
 社会経済情勢の急激な変化に的確に対応していく上でも、このような意識を改革して、男性も女性も、ともに仕事と家庭を両立できる生活に転換していかなければならないということでございまして、まさに今この時期、男女共同参画社会の実現が強く求められていると考えております。
 我が家のことについてお尋ねがございましたが、私は妻と2人で生活をしてございますけれども、家事についてはできるだけ時間を見つけて分担をするようにしておりまして、相互の協力の中で毎日を送っているわけでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁をさせますので、御了承願います。
   〔総務部長小原富彦君登壇〕

〇総務部長(小原富彦君) まず、地域特性に応じた地方振興局の組織体制の見直しについてでありますが、地方振興局については、地域課題に適切に対応できるようこれまでもその強化を図ってきたところであり、今回は、より一層、現場主義の立場に立って、これまで以上に市町村や住民の方々との連携を深めながら、特色のある地域づくりを進めていくことができる体制を目指しまして、地域計画に掲げる各種施策をより効率的・効果的に推進するための内部組織となるよう、見直しを行うこととしているものであります。
 また、地方振興局の再編については、地方分権の推進に伴い、県と市町村の担うべき役割の変化や、17年3月のいわゆる合併特例法の期限に向けた市町村合併の動向などを踏まえ、総合計画における広域生活圏の調整等が必要となるものと考えられることから、今後、県民、市町村などの意向も確認しながら、これらの状況を見きわめ検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、県事務の市町村への一括事務移譲の試行と地方振興局の強化等との整合性についてでございますが、地方分権を実現していくためには、市町村中心の行政システムに転換していく必要があり、地方振興局の役割も、市町村への支援や広域的な調整に変わっていくものと考えております。
 県事務の市町村への一括移譲は、このような市町村中心の行政システムへの転換の手法の一つとして、市町村の自立性を高めるための支援ということで試行しており、それぞれの市町村の主体性を基本に協議を行いながら進めようとするもので、全市町村での実施を前提としているものではなく、また、人的派遣につきましても、従来の職員派遣とは趣旨を異にしているものであります。
 次に、地域との交流についてでありますが、職員倫理条例は、特に透明性の確保が求められる利害関係者との夜間における飲食に限り届け出を義務づけているものであり、この条例に基づく届け出件数の多寡をもって地域との交流の程度を推しはかることは難しい面もあるところでありますが、今後とも、職員倫理条例による明確なルールのもとで、地域の方々との対話や一体的な活動の取り組みなど、さまざまな機会をとらえ、積極的な交流を図り連携を強めてまいりたいと考えております。
 次に、地方財源の確保の方法としての法定外税新設の考え方についてでありますが、使途を特定せずに一般経費に充てることとされている法定外普通税については、全国的に見ましても、核燃料関係税や臨時特例企業税といったものがあるだけで、本県においてはこのような財源を見出すことは難しい状況にあります。
 一方、特定の政策目的達成のため必要な費用に充てることとされている法定外目的税については、受益と負担の関係を明確にし、県民の理解を得た上で導入を図るべく検討をしているところであります。具体的には、産業廃棄物税と水源税について、現在、北海道・北東北知事サミットの合意事項を踏まえ、3県または4道県の税務課長会議等を開催し、事務担当者レベルでの検討、研究を行っております。
 産業廃棄物税については、産業廃棄物がリサイクルされる場合や他県で一たん課税された産業廃棄物が本県に搬入される場合についても課税対象にするか、あるいは税率を幾らにするか、徴収方法を排出事業者による申告納付とするか、あるいは処理業者による特別徴収にするかなど、具体の課税方法や徴収方法について、8月の知事サミットにおける3県合意を目指して鋭意検討しているところであります。その合意を踏まえ、排出事業者や処理業者など関係者に対して十分説明し、理解を得た上で今年度中に制度化をしたいというふうに考えております。
 また、水源税についてでありますが、いわゆる水源税は、水源の涵養機能を有する森林を保全するための財源確保の一つの方法として広く県民に負担を求めようとするものであり、まずは県民一人一人に十分御理解をいただくことが必要であることから、慎重かつ十分に検討しなければならないと考えております。このため、現在、例えば水道料金に上乗せする形で水道利用者に新たな税負担を求める方法や、県民税の均等割に上乗せする形で既存の税の追加負担を求める方法が実現可能かなど、4道県で連携をして事務的な研究を行っているところであります。これについても、8月の知事サミットにおいて研究成果についての中間報告を予定しており、さらに議論を深めてまいりたいと考えております。
 次に、管理職手当の削減についてでありますが、現下の逼迫した経済雇用情勢等を踏まえ、県民と痛みをともにすべきとの観点に立って、三役の給料の減額と合わせ管理職手当を減額することとしたものであります。対象となる管理職の職員に対して、各部局長、各任命権者を通じて、その趣旨や考え方について周知するとともに、知事から直接職員に対してその趣旨を説明したところであり、県内の諸情勢を踏まえた措置として理解は得られているものと考えております。
 次に、女性職員の配置と職員数についてでありますが、職員の人事配置に当たりましては、適材適所を基本として、職員の勤務意欲の高揚と公務能率の向上を期するため、多様な業務に従事できるよう配意しているところであり、青少年女性課につきましても、このような考え方のもとで人事配置を行った結果、男女共同参画主査のうち2人が女性となっているものであります。
 また、女性職員についてでありますが、知事部局における女性職員数は本年4月1日現在で860人、全職員に占める割合は17.7%で、その割合は年々高まってきており、特に最近の新採用者に占める女性の割合は3割を超えていることから、今後におきましても、女性職員の割合が着実に増加するものと見込んでいるところであります。
 このような状況にあることから、現時点では、女性職員の採用等に係る拡大計画を策定することまでは考えておりませんけれども、本県におきましても、国の拡大計画の基本的な考え方となっております、女性も安心して職務に専念し、その能力を発揮できるような職場づくりに引き続き努めてまいりたいと考えております。
 次に、管理職に占める女性の割合等についてでありますが、女性の視点による新たな発想や価値観を県政に生かし、バランスのとれた質の高い行政の実現を図るため、これまでも意欲と能力のある女性職員について積極的な登用に努めてきたところであり、この結果、管理監督の立場にある係長級以上の女性職員は、本年4月1日現在で332人、係長級以上の職員全体に占める割合は10.5%となっております。
 今後におきましても、職員の昇任に当たっては、男女の別なく、職員一人一人の意欲と能力を総合的に勘案して、創造性とチャレンジ精神に富む有能な人材の登用を図ってまいりたいと考えております。
 次に、県職員の育児休業の取得状況についてでありますが、昨年度の育児休業取得者数は493人であり、このうち男性職員は1人となっております。働きながら子供を産み、育てる県職員が、仕事と家庭を容易に両立させ得るよう、これまで以上に男女の別なく、育児休業を取得しやすい職場環境づくりに鋭意努めてまいりたいと考えております。
 次に、連結決算の対象となった法人の範囲の基準についてでありますが、平成12年度決算の財務諸表におきましては、平成11年度分で連結した地方公共企業会計に加え、法定地方公社とともに、地方自治法で県議会に経営状況の報告を義務づけられている50%以上の出資団体等について、新たに連結することとして取り組んだものであります。
 県が出資等を行っている団体については、これを行政と一体のものとして見るか民間として見るか、また、会計基準が株式会社と異なる公益法人についてはどのように整合性を持って会計処理するかなど難しい問題もあり、民間における連結の基準が50%であることも参考にしながら連結の対象としたものであります。しかしながら、県の外部団体の一部には負債等財政上の問題がある団体もあり、問題のある法人については、説明責任の観点からも個別に連結を検討する必要があることから、連結の対象等につきまして今後さらに研究してまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長時澤忠君登壇〕

〇環境生活部長(時澤忠君) まず、産業廃棄物の不法投棄の処理についてでありますが、本県におきましては、従来から不法投棄された廃棄物の処理につきましては、事業者責任の原則に基づき廃棄物処理法に定める立入調査や報告徴収、措置命令などにより原因者や排出事業者を特定し原状回復措置を命ずるなど、強い姿勢で臨んできたところであります。
 県境の不法投棄事件につきましても、原因者の財産を仮差押えをして一部の廃棄物撤去や調査を行わせるなど、事業者責任の原則に立った可能な限りの取り組みを進めてきたところであり、今後も引き続き原因者の責任追及を進めるとともに、排出者責任の追及にも取り組んでいきたいと考えているところであります。しかしながら、本事案につきましては、住民の健康被害を防止する必要があること、原因者が破産または清算の手続に入っていることなどから、原状回復への県費投入も避けられない状況になりつつあるものと認識をしておりますが、青森・岩手県境不法投棄事案に係る合同検討委員会における検討も踏まえて、改めて判断をする必要があると考えております。
 お尋ねのありました事案につきましては、一関市で発生したものと存じますが、この事案につきましても、事業者責任の原則に基づき、業者による廃棄物の撤去・分別作業を進めているところであり、これまでの経過を見る限りでは、場内浸出水の水質については今後改善を要するものの、作業自体は順調に進んでいるものと認識をしております。
 廃棄物処理業の許可期限以後の対応につきましては、現在、業者側から許可更新の意向が明らかにされておりませんが、県としましては、更新の有無にかかわらず、事業者による措置命令の履行を求めてまいりたいと考えております。
 次に、男女共同参画推進条例について罰則を含んだ条例を制定すべきとの御質問でありますが、現在検討しております条例案につきましては、県、市町村、事業者、県民、皆が力をあわせて男女共同参画社会を実現していこうというものでありまして、根底にある意識を変えなければ男女共同参画社会の実現は果たされないと考えておりまして、基本的には、男女共同参画は罰則を定めて強制していく性格のものではないのではないかと考えております。この条例が制定されることにより、県民一人一人が男女共同参画の重要性を改めて認識し、それぞれの立場から積極的な取り組みが進むものと考えております。
 条例の実効性につきましては、県民からの苦情、相談について、的確に対応することで確保してまいりたいと考えております。
 次に、労働条件における男女区別に対する対策についてでありますが、岩手労働局では、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律に基づきまして、女性労働者が職業生活において性別による差別を受けないよう、県内事業所に対する助言・指導等を行っているところであり、また、県といたしましても、岩手労働局等関係機関と共催をして、男女雇用機会均等セミナーや労務管理セミナーを開催するなど法の趣旨の周知に努めるとともに、男女労働者間の格差を解消するため、企業の積極的な取り組みを促進しているところであります。
 次に、本県における配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法でありますが、これの違反件数についてでありますが、DV防止法施行以来、被害者からの申し立てに基づいて裁判所が発した保護命令は13件であります。さらに、この保護命令に違反して検挙された件数は1件でございます。
 また、平成13年度の雇用機会均等法上の相談についてでありますが、岩手労働局が受けた相談件数は83件であり、そのうち25件、約30%がセクシュアルハラスメントでありました。
 なお、雇用機会均等法に基づいて行われた助言・指導は合計で70件で、そのうち68件がセクシュアルハラスメントということになっております。
 次に、DVの事前防止についてでありますが、県におきましては、DV被害の防止のためには、何よりも早期の対応が重要であると考えておりまして、広く相談機関の所在や被害者保護の手続等、DV防止法の内容等の周知に努めているところであります。また、平成14年4月、県福祉総合相談センターをDV防止法に規定します配偶者暴力相談支援センターに指定し、また、夜間・休日における相談体制の充実にも努めるなど、体制整備を図っているところであります。
 今後とも、関係機関との連携を図り、早期の迅速な対応に努めてまいりたいと考えております。
   〔総合政策室長藤勝君登壇〕

〇総合政策室長(藤勝君) まず、知事公館及び公舎についてでありますが、これまでも叙勲伝達式や県勢功労者表彰式などの式典を初め表敬や各種会議に使用しておりますが、今後ともこれまでと同様に、大切なお客様をお迎えする場として、また、式典会場として利活用してまいりたいと、このように考えております。
 また、知事公館及び公舎の管理費の人件費は、施設の維持管理や公館の来客応接に従事する技能員及び非常勤職員計2名の給料及び手当に加えまして、事業主負担の共済費を含むものであります。
 なお、知事公舎の公舎料は月額4万5、360円となっております。
 次に、盛岡駅西口複合施設の評価等についてでありますが、政策評価で行っている主要な事業の評価は、成果重視の視点に立って事業実績を評価する仕組みといたしております。このことから、具体的な成果があらわれていない整備期間内の事業は、評価内容が調書上記載されない結果となっておりました。盛岡駅西口複合施設や花巻空港の整備のような大規模な事業は、検討委員会などによりまして、多面的な観点から種々さまざまな検討を重ね整備を推進しているものではありますが、しかしながら、今日の厳しい財政環境の中にありましては、これらのような多額の財政負担を伴う施設の整備に当たりましては、これまで以上に透明性を持った的確な判断と説明が求められている状況でもあります。
 公共事業を除く大規模な施設整備に係る評価につきましては、費用対効果を数値であらわす費用便益比の算定手法が、いまだ現在、全国的にもこうした評価に取り組んでいる事例が見受けられなく、確かな評価手法が確立されておらず困難な状況にあります。しかしながら、今年度におきましては、政策評価委員会の意見も伺いながら、盛岡駅西口複合施設を含む一定規模以上の施設整備事業について、従前の評価調書に新たに付表を追加し、費用対効果や費用便益比を可能な限り明らかにするよう、試行的に評価への取り組みに着手したところであります。
 また、国庫補助金についてでありますが、県の事業は県の総合計画の効果的な推進の見地から、毎年度、政策評価システムによる効果の検証を行い、重点化を図りながら実施しているところであります。どのような事業を実施すべきか、また、どのような財源が活用できるのかを種々検討いたしまして、その過程におきましてその事業の必要性や優先度を見きわめながら、取捨選択をしていく考えであります。
   〔地域振興部長飛澤重嘉君登壇〕

〇地域振興部長(飛澤重嘉君) まず、いわて健康院構想についてでありますけれども、この構想は、健康に関する本県のすぐれた資源や特性を積極的に活用しながら、県内外の人々が岩手の自然、文化、農業等の営みや人情などに触れ、心身をいやし、健康の維持、回復に役立てることができるような仕組みを通じて、地域づくりを推進しようとするものでございます。
 県内の事例といたしましては、健康の郷構想に地域が一体となって取り組んでおります一関地方を初め、東和町では、健康と長寿の里を目指し、花壇づくりなどを通じて高齢者のリハビリを行う園芸療法のほか、園芸活動による世代間・地域間の交流に取り組んでおります。また、湯田町では、ヘルシーな食事、適度な運動、健康に関する知識を学ぶ、食・動・学健康院事業により、温泉浴や農業体験等を組み合わせた健康ツアーなどを実施しているところでございます。
 今後におきましては、これらの取り組み事例の紹介や構想の普及啓発を図るとともに、地域活性化事業調整費などによりまして支援を行いながら、県内各地域において健康をキーワードとした地域づくりが展開されるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、盛岡駅西口複合施設の着工についてのお尋ねでございますが、本年度の当初予算におきまして工事請負費を計上させていただいているところでございまして、現在のところ、年度内の着工に向けて実施設計などの準備を取り進めているところでございます。
 次に、盛岡市等の食糧費及び市長交際費についてでありますが、平成13年度における3市の退職職員に対する記念品や食事会の状況は、盛岡市と一関市がいずれも公費負担、また陸前高田市は、記念品が公費負担でありますが、食事会は平成12年度まで一部公費負担であったものを、現在は全額職員負担としたと伺っております。また、陸前高田市においては、過去5カ年の公費分の食事会経費も既に返還済みとのことでございます。
 今後におきましては、盛岡市と一関市が対応を検討中と聞いておりますし、陸前高田市が記念品の廃止を決めたと伺っております。
 県といたしましては、これらの公費負担の妥当性につきましては、社会通念に照らして各市において適切に判断されるべきものと考えておりますが、必要に応じて助言を行ってまいりたい、そのように考えております。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐々木正勝君) まず、農林水産業に携わる女性の労働軽減と社会参画についてでありますが、農林漁業の労働は、機械化や作業環境の改善などにより以前に比べかなり軽減されてきておりますが、農林水産業の特質でもありますが、繁忙期があり、この時期には特に労働過重になっておりまして、グリーンヘルパーなど、労働力支援システムの活用を促進し、一層の軽減を図ってまいりたいと考えております。
 一方、家事・育児・介護の役割に対する考え方は、時代の変遷とともに徐々に変わってきているものと認識しておりますが、生産と生活の両面にわたる男女のパートナーシップを発揮するための、家族経営協定の締結などを一層推進してまいります。
 また、女性の社会参画につきましては、女性ならではの感性を生かして、農家レストランや産地直売所への取り組みのほか、食の匠としての活動など、県内各地ではつらつと活躍する女性がふえております。
 今後とも、こうした起業活動への取り組みを積極的に支援するとともに、農業委員や各種審議会委員などへの登用が図られますよう、女性組織の活動を支援するなど、農山漁村の男女共同参画を目指した環境づくりに努めてまいる考えであります。
 次に、森林整備のあり方に関する検討委員会についてでありますが、林業公社事業及び県有林事業の実施によりまして、これまで合わせて約8万2、000ヘクタールの森林を造成し、木材生産はもとより、森林の多面的機能の発揮、山村地域の雇用機会の増大などに大きな役割を果たしてきたところであります。
 しかしながら、近年における木材価格の大幅な低落により、多額の借入金を抱えるなど厳しい状況にあり、また、本年2月の包括外部監査結果報告において、岩手県林業公社に対する県の貸付金の回収及び県有林事業の借入金の返済の可能性などについて指摘を受けたところであります。このため、本年5月、外部の有識者から成ります検討委員会を設置したところであり、この委員会では、森林の持つ多面的機能の維持増進を図ることを基本として、森林の実態に応じた管理の方向性、事業内容の見直しによる改善方策、さらには、これらを踏まえた構ずべき対策のあり方などについて検討をいただくことにしたものであります。
 なお、これまでに本委員会を2回開催し、1回目は、これら事業の現状と課題などについて御説明申し上げ、2回目は、先般現地におきまして、森林所有者など関係者から分収林の実情について御意見を承ったところであり、本年10月には中間報告を、年内を目途に最終報告をいただくことにしております。
   〔県土整備部長猪股純君登壇〕

〇県土整備部長(猪股純君) 花巻空港における郵便物の盗難事件についてでありますが、空港の入場につきましては、花巻空港管理条例により制限区域を設け、関係者以外の立ち入りを禁止して、県の責任において厳重に管理を行っております。
 事件が発生した場所は、この制限区域の外で、県が航空会社に占用を許可し使用させている施設でありまして、今般の事件の対象となった航空郵便の管理につきましては、郵政事業庁との郵便物運送委託契約を締結した当該航空会社が責任を持って行っているものでございます。
 事件は、その関連会社の者の犯行であり、岩手郵政監査室が内定していたことから、当部での掌握が困難であったというものでございます。
 県といたしましては、事件の再発を防止するため、4月16日に空港内の関係機関等に注意を喚起したところであり、航空会社においても施錠の徹底等、所要の再発防止対策を講じたところであります。
 また、県ではこれまで航空機の安全な就航及び空港利用者の安全を確保するため、ハイジャック等防止検査警備員に対する補助、手荷物検査用エックス線機械の貸与などを行ってきております。
 今後におきましても、定期的に対策会議を開催し、挙動不審者の発見、通報など、保安対策の一層の強化を指導して、再発防止に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔医療局長長山洋君登壇〕

〇医療局長(長山洋君) 医療事故の公表についてでありますが、これまでも本年2月の事故の例のように、過誤によって死亡または重大な障害が発生した場合は、事前に患者、家族等に御説明し、同意を得た上で公表しているところであります。
 先般の開示請求につきましては、患者プライバシーの保護の観点から、特定の個人が識別され得るものとして、患者情報及び病院名、発生月日、事故関係者、病名などを非開示といたしました。しかしながら、非開示部分が多いとの御指摘等や、国の答申が示されたことなどを踏まえ、先般、医療局内に外部の有識者を加えた検討委員会を設置し、本年10月をめどに、今後の開示に向けた基準を取りまとめたいと考えております。
 また、医療の安全確保を図るためには、事故の原因を究明し、その防止のための組織的な対策を講ずることがより重要と考えております。これまで医療局と各病院に設置した医療安全対策委員会において、医師を初めとする職員スタッフから報告されたヒヤリとした事例、あるいはハッとした事例を分析・共有化し、各職員に事故防止マニュアルの見直しの徹底を図るなど、類似のトラブル未然防止に鋭意取り組んでいるところであります。
   〔商工労働観光部長照井崇君登壇〕

〇商工労働観光部長(照井崇君) 東磐職業訓練協会の不正受給についてでありますが、これまでの調査によれば、その目的は、協会として他の協会に引けをとらないよう、また、前年度を下回ることのないよう訓練実績を確保することを目標にしていたことや、一部事業主とともに、雇用保険未加入により補助対象とならない従業員等に対しても訓練の機会を確保しようとしたためとされております。
 そのため協会は、補助対象外の訓練生を補助対象訓練生として装うことにより、あるいは架空の訓練生を訓練したとして申請を行い補助金を、また、協会の会員事業主等は、給付対象外の事業主等に名義を貸して給付対象訓練生を装うなどにより、あるいは架空の訓練生を派遣したとして申請を行い給付金を、それぞれ不正に受給したものであります。
 このようにして協会が不正に受給した補助金については、協会の会計に計上され、訓練に要する経費として支出されております。
 また、訓練生を派遣した事業主に対する給付金については、事業主から委任を受けて代理受領した協会において、訓練生会費や事務受託料などを控除の上、残額を事業主に渡しており、事業主の多くは、みずからの事業会計に入れ事業経費に充てたとの回答を得ております。
   〔教育長五十嵐正君登壇〕

〇教育長(五十嵐正君) 不祥事件の報道の実態と心構え等についてでありますが、県立高校教諭による体罰・セクシュアルハラスメント等の一連の不祥事件が発生し、県民の教育に対する信頼を大きく損ねたことはまことに遺憾であり、心から深くおわびを申し上げます。
 これらの不祥事件につきましては、報道等において、公表や処分のおくれなど、その対応について多くの御批判をいただいたところでありますが、県教育委員会といたしましては、これを真摯に受けとめ、社会的に影響の大きい事件は処分前であっても公表するほか、体罰、セクシュアルハラスメント等の処分基準を策定し公表するなど、不祥事件の再発防止により一層努めるとともに、万が一このような不祥事件が発生した場合には、厳正かつ適切に措置することとしております。
 なお、県教育委員会では、このような組織内部の処分基準を定めたところでありますが、男女共同参画推進条例に罰則を設けるかどうかにつきましては、当該条例の所管部局において適切に対処されるものと考えております。
 また、水沢市内で発生した集団暴行事件についてでありますが、学校では、事件直後の昨年11月以降、被害生徒や保護者と連絡をとりながら、入院中の精神的なケアや退院後の学校復帰に向けた学習面でのサポート、体育の授業等における配慮や進級に向けた特別指導など、被害生徒の体調等を考えながら対応してきているところであります。
 県教育委員会といたしましては、今後とも各学校における教育相談体制の充実を図るなど、一人一人に応じたきめ細やかな生徒指導に努めるとともに、地域や警察等の関係機関と連携しながら、再発防止に万全を期してまいりたいと考えております。
   〔警察本部長熊崎義純君登壇〕

〇警察本部長(熊崎義純君) ドメスティックバイオレンス、いわゆる夫婦間の暴力行為についての質問にお答えいたします。
 まず、夫婦間の暴力行為について警察に相談や通報があった場合の対応でございますが、夫婦間における事案ということを考慮しながら、被害者の状況などを両者から正確に聞き取りをした上で、必要な警告・指導を行い、また、その内容によっては、暴行、傷害罪など、事件として措置する場合もあります。しかし、被害者が処罰を望まず保護を求めるといったときには、DV防止法に基づく対応をとっているところであり、その内容は、県福祉総合相談センターの利用でありますとか、裁判所に対する保護命令の申し立ての教示などであります。
 次に、被害者に対する保護措置についてでありますが、DV防止法に基づく接近禁止命令や退去命令が出された場合は、関係機関と連携をとりながら、速やかに被害者、加害者の双方に面接をしまして防犯上必要な措置をとっており、被害者に危害が加えられるおそれがあるというような場合には、警察官を近辺に配置するなど、状況に応じた必要な措置を講ずることとしております。
 また、加害者が保護命令に違反をしたときには、罰則が定められておりますので、直ちに検挙措置を講じております。
 県警察といたしましては、今後ともこの種の事案に対しましては、被害者の立場に立って相談の段階から保護、さらには検挙に至るまでの一連の対応を適切にとってまいる所存であります。
 次に、テロ防止対策についてでありますが、県警察といたしましては、関連情報の収集を強化するとともに、テロリストを国内、県内に入れない、拠点をつくらせない、テロを起こさせないとの観点から、花巻空港保安関係機関や出入国管理局との連携強化、不審者の動向把握、ハイジャック防止や重要施設の警戒警備などの総合的な対策を実施しているところであります。
 今後とも、これら関係機関と連携を密にして、テロの未然防止の徹底を図ってまいる所存でございます。

〇42番(佐藤正春君) 御答弁ありがとうございました。
 ただ、議長に申し入れておきますが、部長で、意識的に答弁漏れする人がいるんだよ。厳重に注意してください。特に、総合政策室長なんかだめだよ、意識的にやっているから。
 さて知事、あなたは頑張らなくてもいいと言うけれども、私は頑張るから、来年もまた出るから。頑張ってやるから。
 特にこの中で、地方振興局の見直し、あるいは産廃の不法投棄、これは知事が県費負担はやむを得ないと言っているんだからね。あなたがおっしゃったことだよ。それから、国からの補助金は本当に断れるのかどうか。まあ、内容によるけれどもね。こういうのは、やっぱり部下じゃだめなんだよ、知事が直接言わないと。あなたがおっしゃったことなんだからね。だから、あなたが今答弁できないならば、副知事、あなたは知事の右腕なんだから、しかも、地方振興局とか、こういう県の組織にあなたは詳しいんだから、長いこといるんだから、あなたが答弁しなきゃだめでしょう。黙っていたってだめだよ、あなた。だからそれ、副知事なり、知事でもどっちでもいいから答弁しなさい。補助金が来たのを断ると知事が言っているんだから、これは大変なことですよ。
 それから、地方振興局の再編についてもひとつ伺いたい。
 さて、知事、道州制について今伺いました。そこで、知事は北東北3県で目に見える成果を上げ、議論の速度を上げることが必要と言っている。その導入目標を知事は2010年に設定しているようですね。その目標設定とそれまでの手順についてひとつ伺いたい。
 また、今の補助金制度をやめて、いわゆるその道州になったときのブロック全体で自前の税収を上げ、税率をみずから設定できる課税自主権を主張している。これは大変難しいけれども、立派なことだ。しかし、住民が一番反対する直接負担を何に求めるんですか、今のうちから伺っておきたい。
 男女共同参画推進条例を審議し、DV防止法を論議する中で、事もあろうに県立大学の渡邊元教授なる者が、セクハラ問題を起こしてやめた。何事ですかこれ、県立大学の教授が。本人は否定をしておりますが、その真相はどうなんですか。これでは県立大学の恥ではないですか。このセクハラ問題の基準を示し、今回の委員会の認定内容をひとつ明らかにしてください。場合によっては、これは決算に西澤学長を呼ばなくてはならない。こんなことではとってもオショスくていけない。
 知事はよいことも言っている。人間は失敗体験がないとなかなかわからない、県の不祥事を隠すことを我慢して、できるだけ表に出す。そして、たたかれるとやめようという方向に行く、まさにそのとおりですよ。知事、そのとおりですよ。そのたたく役を、知事に頼まれたわけではないが、私がやっている。
 五十嵐教育長、あなたは今回の不祥事件の責任をとってまずやめなさい。やめるべきですよ、あなた、責任をとって。あなたが教育センターの所長のとき、鳩岡盛岡四高校長、その部下のT教師――名前も知っているんだけれども、言わないだけだからね――水沢高校の物理教師――黒北の放射線事故、水沢のリンチ事件、皆あなたの部下で、あなた自身が承知の上でかばったんじゃないですか。みんなあなたの部下でしょう。私は聞いて歩いたんだから。知っていてかばっているんじゃないですか。
 それから医療局長、なぜ医療事故は公表できないのですか。我々県民や患者には病院や医師を選ぶ権利があります。先ほどの答弁では、検討して、検討委員会をして、将来そういう方向に行きたい、こう答弁がございました。これは一歩前進だけれども、予算特別委員会で質問した磐井病院医療ミスの死亡事故、その後の警察の調査結果はどうなっていますか。千厩病院のM君の医療ミスの示談はどうなりましたか。まだほかにもたくさんありますよ。これは医療局審査でやりますから、がんがんやりますからね。
 それから、磐井病院医療事故のSさんは、長山医療局長、あなたの努力でこれは解決しました、3年がかり。30万円から200万円で3年かかってやっと解決しました。これは事務長から報告がございました。この補償金額の算定基準はどうなっているんですか。今後はこの算定が前提となるんですか、お示しいただきたい。
 知事、あなたは県立病院の開設責任者となっている。かつて私の質問に答えて、全国に先駆けてカルテを患者に開示したのはあなたですよ。医療事故の公表は知事の手でやるべきではございませんか、どうですか。全国に先駆けてやったんだから、今度もやるべきだ。今、委員会検討中なんて言うけれども、それはそれでいいが、これは知事の決断です。
 次に、千厩の職業訓練の補助金不正受給、これはいわば公金詐取ですね。また、新たに雇用・能力開発機構からも約1、800万円の補助金を不正に受け取っている。もうほかの地域にはございませんか。不正受給の金が一部協会や事業所の私的な会合、飲食に使われたとの投書が私のところに来ております。そのことを言っておりますから、調査しましたか。本来、この補助金の支給を受けられるのは、補助資格を証明する雇用保険証書の存在と給付金を受領できる事業所――これは5人以上です――が要件となっているんですが、これが調査・確認されていない。担当者の怠慢、手抜き、あるいは、場合によっては共犯ではございませんか。事業所ごとの調査など全然行っていません。その責任はだれがとるんですか。
 不正に受給した金と雇用・能力開発機構からの補助金は一括して協会に入り、経費や手数料を差し引いて21カ所の事業所に、現金か振り込みで支払われております。私の追跡調査によりますと、協会はもちろん、21カ所の不正受給の実態は、賃金未払い、名義貸し、会社の運転資金として流用されております。全く私的に流用されている。この実態を把握しておりますか。把握していたらお示しください。私の方ではこれを把握していますよ。事業所に支給された金は認定訓練派遣等給付金であって、これは事業主のものではございませんよ、部長、御存じのとおり。
 また、処分後15日以内に不正受給金額を返還することになっております。期限はそうしますとさかのぼると6月15日ですが、返還した事業所と協会の返還金額をひとつお示し願いたい。また、補助金のうち、回収不能となった金は、だれが、どのように弁済するんですか、これもお答え願いたい。

〇議長(谷藤裕明君) 執行部に申し上げますけれども、答弁漏れのないようにひとつよろしくお願いします。

〇知事(増田寛也君) ただいま何点かお尋ねがありましたのでお答え申し上げます。
 まず、道州制についてでございますけれども、この地方自治制度、これにつきましては、市町村合併特例法の期限というのが2005年の3月ということになっておりまして、これまでの間に地域のそれぞれの事情によると思いますけれども、市町村合併が進む部分がございます。市町村の自主性とか自立性がかなりそれまでの間に高まるように、それぞれの地域でも、そして国、県でも、いろいろな手だてを講ずるということでございますが、こうしたその市町村の自主的な合併が進むという、そのことと並行して、国と地方のあり方全般をあわせて議論をしておかなければならないと、こんなふうに思っておりますし、それが2005年3月末というのが一つ転換点になると、こんなふうに認識をしております。
 ちょうどそういったこともあってのことでございますが、地方制度調査会の方で、市町村合併というその先を見据えた国と地方の制度設計をどうするかということでの議論が始まったわけでございますが、そういった議論の動向等も勘案しなければならないと思っておりますけれども、その2005年からさらに5年後というものが次の一つの節目になっていくのではないか。地方制度調査会で今の時点から議論を始めていますので、そのもっと前の時点でいろいろ議論というものが展開されるわけでございますが、遅くとも2010年あたりは一つのそういった議論についての目安をつける時期だと、こんなふうに思っておりまして、現実にはもっと早く進む可能性もございますけれども、そういう意味で、2010年あたりを一つの目安として地方制度全体についてトータルな議論を進めていく必要があるのではないかと、こんなふうに思っているわけでございます。その際には、やはり国と地方の権限配分、役割配分、機能分担、そういったことだけではなくて、地方の自立につながる税財源の話というのが一体不可欠のものでございます。その際に、やはり地方の自立につながる課税自主権というのはそれぞれの独立した自治体としてまさしく生命線でございます。
 今後、国と地方の役割分担を議論していく中で、国庫補助金制度ですとか地方交付税制度、それから税源移譲のあり方というものが議論の中心になっていくわけでございますが、先般も片山総務大臣の方が、国税としてのいわゆる所得税を地方税である個人住民税の方に移管をすると、税源移譲をするといったような具体的な案も提示をしているわけでございますが、やはりそうした地方が独自の税源を持って、そして自主的な自治を展開していくということが地方自治の基本であろうというふうに思っておりますので、そういう観点で、今申し上げました課税自主権といったようなことも大きな制度の中で総合的に検討されるべきものと、このように考えております。
 それから、医療事故の関係でございますが、医療事故の公表についてはぜひ進めていくべきと、透明性を高めていくべきと、このように思っているわけでございますが、一方で、プライバシーの保護ということとの微妙な接点もございますので、先ほど医療局長が答弁申し上げましたように、有識者を集めて、その具体的な進め方について有識者からの意見をいただいておくと。その上で、それにのっとって進めていくということが必要ではないかと、こんなふうに思っているわけでございます。事柄の性格上、ゆっくりしているわけにもいきませんので、ことしの秋を有識者からの報告をいただく期限というふうにしているところでございまして、そういう医療現場という特殊性を踏まえた開示の基準について十分に検討するよう指示したところでもございますので、その検討の結果を見た上で、またこの問題について適切に対応していきたいと思っています。
 それから2点、補助金の問題と地方振興局の問題がお話しございましたが、やはり補助金というものは国が政策誘導するときの手段として設けているものでございますが、それは全国一律の基準で設けられているものが大変多いわけでございますが、やっぱり地域の実情を踏まえていくということが必要でございます。したがって、たとえ補助制度というものがあるとしても、それに無理やり地方の実情を合わせるような形でその補助金を使うというそのことをやめて、地域の実情に合った行政をしていくという視点から、場合によっては国のそういう補助金というものを断るぐらいの勇気を持っていかないと、これからの地方自治というものは進んでいかないと、こんなふうに思っているところでございまして、その補助金の内容をよく吟味して、そしてさらに地域での事業の優先度というものを勘案した上で国としっかりとした折衝をしていきたいと、こんなふうに思っています。
 それから地方振興局の関係ですが、これは県の行政というのもできるだけ現場に近いところで実質的な決定が行われるようにしていくべきと。そしてまた市町村、これも一番住民に近い行政体でございますから、そこでできるだけ多くのことが決められるように市町村にさまざまな仕事を自主的にしていただくと、こういった視点が必要だろうと思います。したがいまして、今、地方の中でも、県そして市町村というこの2層制を当面維持していくわけでございますが、その中では県の行政のあり方としてもできるだけ住民に近いところにさまざまな仕事を移していく。それから、その地方の中で基礎的自治体である市町村が住民に最も近い自治体として、そこで多くの決定が行われるように、そんな視点で、そういう考え方で、地方振興局のあり方も市町村に対してよきパートナーとしての位置づけで中身をよく見ていく必要があると、こんなふうに思っております。来年にかけまして、またさらにそうした地方振興局のあり方について議論を深めて、地方振興局の見直しに取り組んでいきたいと思っております。
 以上でございます。

〇総務部長(小原富彦君) 県立大学におけるセクシュアルハラスメント問題でありますが、県立大学では、12年の4月にいわゆる男女雇用機会均等法をもとに、岩手県立大学セクシュアルハラスメントの防止及び対策に関する規程を定めており、その中でいわゆるセクハラについて、就学や就労上の関係を利用して、相手方の意に反する性的な言動を行うことによって、相手方に不快感を与えることまたは不利益を与えることもしくは就学や就労上の環境を悪化させることと定義しており、また、この規程の中で、セクハラの防止等を推進するための防止対策委員会の設置を規定しているところであります。
 今回の問題は、13年9月、セクハラの苦情申し立てが同委員会に提出され、これを受けて同委員会は、調査部会を設け調査を行い、いわゆる被申立人による肩などをさわる、数回食事に誘う、服装を褒めるなど、一連の行為をセクハラに該当すると認定したものであります。これらの行為について、被申立人は一部を除き否定をしておりますけれども、同委員会は、特定女性に対して数年にわたり行為が継続されたということを総合的に判断した結果であるとしております。県立大学では、再発防止のため、学部長などで構成する部局長会議で学長から注意を喚起するとともに、学生に対して、不安の解消のため、相談員のカウンセリングの活用などについて周知したところであります。
 大学で今回のような問題が発生したことは、人生において極めて重要な時期を送っている前途有為な青年に与える影響も大きく残念なことであり、大学には教職員や学生へのさらなる意識徹底を図って、こうした問題が起きないよう万全を期すようお願いしたところであります。

〇医療局長(長山洋君) まず、磐井病院の事故に対する警察の調査結果についてでありますが、現在も調査継続中と伺っております。
 次に、千厩病院の件についてであります。
 救急対応として最善の手を尽くし、治療したことを御家族に御説明をしておりますけれども、先般、御家族の代理人の弁護士から和解・協議の要請がありましたので、話し合いを進めてまいりたいと思います。
 また、磐井病院の示談についてでありますが、患者のプライバシーにかかわることでもございますので具体的な説明は差し控えますが、補償金額は、事故による障害等の程度及びその後の身体的・精神的な状況等を考慮するなど、総合的に勘案し決めたところであります。
 今後につきましては、個々によって状況に大きく差があるものでございますので、ケース・バイ・ケースで対応してまいるべきものと考えております。

〇商工労働観光部長(照井崇君) 東磐職業訓練協会の不正事件についてお答えいたします。
 まず、このたび東磐職業訓練協会において不正受給が明らかになったことから、現在、他の協会及びその会員事業主において同様の不正受給がないか調査を進めているところでございますが、その結果につきましては、まとまり次第公表したいと考えております。
 次に、私的な会合・飲食についてでありますが、協会の食糧費について現地調査を行ったところ、不正に受給した補助金が、明らかに私的な会合や飲食に使われたという事実は確認できませんでした。しかし、補助対象外の経費の中から、講師の接待や外部との懇談会、内部の会合等への飲食代の支出が認められたところであります。また、不正に受給した給付金の使途について、事業主に対し個々に聞き取り調査を行いましたが、私的な飲食に使ったかどうかの明確な回答は得られませんでした。
 次に、担当者の責任についてでありますが、補助金及び給付金の審査は、それぞれの事務処理要領などに基づいてヒアリング及び書面審査により実施してきたところでありますが、今回のような不正受給を見抜けなかったことは、事業主への実地調査を欠くなど県の審査方法が十分でなかったと言わざるを得ず、まことに遺憾であり深く反省いたしております。今後、細心の注意を払い、的確かつ厳正に交付事務を進めるよう全地方振興局に対し指示をしたところであり、二度とこのような事態が起きることのないように努めてまいりたいと考えております。
 次に、協会が不正に受給した金額の明細と受給事業所の名前及び金額についてでありますが、今回の調査では、関係書類が保存されていて、確認できる平成7年度から12年度までの訓練実施分について調査対象としたところであります。
 協会が県から不正に受給した補助金の総額は1、588万2、000円余であり、そのうち340万3、000円余については時効が成立しており、返還請求額は1、247万9、000円余となっております。また、協会が機構から受給した助成金については、県の返還請求に対応する分を不正受給による返還対象とされ、その額は322万6、000円余であり、県及び機構分の返還請求額の合計は1、570万6、000円余であります。
 一方、事業主が県から不正に受給した給付金の総額は1、250万1、000円余であり、そのうち151万3、000円余については時効が成立しており、返還請求額は1、098万7、000円余となっております。また、事業主に対する機構からの助成金については、県の返還請求に対応する分を不正受給による返還対象とされ、その総額は1、477万7、000円余であり、県及び機構分の返還請求額の合計は2、576万5、000円余となっております。このうち、協会が控除した額は1、108万2、000円余であり、その内訳の主なものは、訓練生会費が594万8、000円余、事務受託料が280万5、000円余、雇用保険料が110万5、000円余などとなっており、給付金の返還財源に充てるため協会に留保されていた206万1、000円余を除き、残りの1、262万円余が各事業主に渡されております。この事業主に渡った給付金の使途につきましては、把握いたしております。
 次に、返還期限及び返還した事業所と協会の返還金額についてですが、返還期限は6月13日としたところであり、既に全事業所及び協会から全額返還されたところであります。
 次に、回収不能となった金額の返済についてでありますが、不正受給額のうち補助金340万3、000円余及び給付金151万3、000円余については、交付決定取り消し権の消滅時効が成立していることから、請求できないものであります。

〇教育長(五十嵐正君) このたびの一連の不祥事件につきましては、その対応についてさまざまな御批判をいただいたことから、私はこれを真摯に受けとめ、この4月以来、学校評議員制度の導入などによる開かれた学校づくりを推進し、学校等を透明性の高い組織にするとともに、厳正かつ適切な人事管理に努めているところであります。
 このような取り組みを着実に進めながら、早急に県民の教育に対する信頼を回復することが私の最大の責務であると考えております。そのために、最善の努力を傾注してまいる所存でございます。

〇42番(佐藤正春君) 知事から重大な答弁をいただいた。国からの補助金が内容によってはこれは辞退すると、断るということです。そうしますと、我々議員が地域の課題を持って一生懸命何年もかかってそしてやっとついた補助金も、内示を受けた段階で知事から断られるということもあるわけですね、これは。どうなんですか。副知事、あなたは長年県庁におられた。知事は逆に国から、補助金を出す方にいたんだから、だから副知事からこの点について聞いておきたい。
 それから今答弁がなかったんですが、産廃の不法投棄で知事ははっきり記者会見で言っているんですよ。県費の投入もやむを得ないと、こう言っているんですよ。さっきの部長の答弁では、これから検討するというんでしょ。どうなんですか、これは。検討して間に合うんですか。しかし、一方では、民間業者がさんざん金もうけをしてぶっ散らかしたやつを、県が一々しりぬぐいをして金を払うんですか、どうなんですか。
 具体的に言えば、一関市では10月5日で切れるんですよ、業者の任期が。切れたらだれがやるんですか。県がやるんですか。これはどなたでもいいです、明確にお答え願いたい。
 それから教育長。あなた教育者でしょう。責任とっておやめなさい。国会の政治家と違うんだから、あの周辺のね。教育者というのはやっぱり恥を知らなければいけないですよ。だれが責任とったんですか、この一連の事件で。事件を起こしたら当たり前でしょう、これは、警察事件になっているんだから。最高責任者である教育長が責任をとらなければいけない。どうなんですか、これ。お答え願いたい。

〇副知事(高橋洋介君) 補助金についてのお尋ねでございますが、御案内のように補助制度、これは事業の必要性とか優先度、重要性、そういうものを勘案しながら、当然、地方振興局等の実際に実施をする現地の意見も十分に踏まえた上で判断をし、その上で国に申請をしていくと、こういうようなことになるわけでございまして、先に内示があってそれでやめるなどということは、これは決してないわけでございます。補助金を採択するかどうかというのは、その事業をやるかやらないかという段階でおのずと決まってくると、こういうような仕掛けになっているものでございます。

〇環境生活部長(時澤忠君) 産業廃棄物につきましてでございますけれども、県境の事例につきましては排出者責任というものを追及するという前提に立ちましても、なお破産あるいは清算に入っている状況もございますし、不法投棄されたものの中には有害廃棄物もありますので、住民の健康被害を防止する必要があるという観点からいたしますと、原状回復への県費投入も避けられない状況になりつつあるというふうな認識をいたしておりまして、これは知事が記者会見で申したことと同じでありますが、ただ、これにつきましては、現在、青森・岩手県境不法投棄委員会に係る合同検討委員会の検討の中で、その手法なり費用負担の話も含めて御検討をいただいておりますので、その結果を踏まえまして、改めてそこの時点で判断をしていきたいというふうに考えているものでございます。
 一関市の事案につきましては、10月に許可期限が切れるということでございます。現在、順調に撤去作業を進めていただいておりますけれども、許可期限が過ぎ、申請が出てくるかどうかまだ不明でありますけれども、許可の有無にかかわらず、その事業者による措置というものは履行をしていただくというふうに考えております。

〇教育長(五十嵐正君) 先ほど申し上げましたとおり、県民の教育に対する信頼を早急に回復するように努めること、また、4月以来取り組んでいる教育行政の諸施策を着実に推進することが、私の最大の責務であると考えております。そのために、最善の努力を傾注してまいる所存でございます。
〔佐藤正春議員「議長、議事進行。答弁漏れあり」と呼ぶ〕

〇42番(佐藤正春君) 照井商工労働観光部長、先ほど不正受給の問題について、事業主の使途の行き先について、私の調査、これ行っているでしょう、あなたの方に。その説明がなかった。この21カ所ほとんど皆、私的に流用されているんですよ。あなたの方に行っているでしょう。時間がないから詳しく言わなくてもいいけれども、どうなんですか、これは。告訴するんですか、しないんですか。私的流用されているんですよ、21カ所が全部、事業所が。ほとんどが使われていないんだ。皆、会社の運営に使ったとか何に使ったとか、運転資金にしたとか事業の経費に使ったとか、ほとんどそうでしょう。認めていますか、どうですか。そのことだけでいいです。認めますかどうですか。認めれば告訴せざるを得ないでしょう。

〇商工労働観光部長(照井崇君) 事業主に渡った給付金につきましては、先ほど答弁申し上げましたように、その多くは事業経費として使用したということであります。(佐藤正春議員「告訴するのかどうか聞いている」と呼ぶ)
 告訴についてでございますけれども……、(「指名していないぞ、議長は」と呼ぶ者あり)

〇商工労働観光部長(照井崇君) 告訴についてでございますけれども、関係した協会、事業主とも不正受給の調査に応じており、また、請求した不正受給額については既にその全額が返済されていること、また、事案の公表によりまして関係者は社会的な制裁を受けていること、さらに、責任者の解任あるいは役員報酬の大幅減額、職員全員の減給を行って、今後、業務の改善に取り組んでいくということから、現段階では告訴は考えておりませんが、これからの業務改善計画の策定やその履行状況などを見きわめた上で判断してまいりたいと、このように考えております。

〇議長(谷藤裕明君) 次に、折居明広君。
   〔44番折居明広君登壇〕(拍手)


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