平成14年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇31番(藤原泰次郎君) 自由民主クラブの藤原泰次郎でございます。
 ただいま議案第5号循環型地域社会の形成に関する条例の修正案に反対の立場からの討論がございましたが、私は賛成の立場から、以下、賛成理由を明確に述べて討論を行います。
 議案第5号循環型地域社会の形成に関する条例は、環境首都・いわてを標榜する本県が策定した岩手資源循環型廃棄物処理構想の目指す循環型地域社会の形成に向けた具体的な仕組みとして、廃棄物の発生抑制から適正処理に至る制度を全国に先駆けた施策を各般にわたり含んだ条例案となっております。そのねらいの中には、廃棄物の減量化、リサイクルの促進に向けた環境産業の育成があります。具体的には、条例案中第3章の再生利用の促進にその内容がありますが、この制度は既に三重県、岐阜県、宮城県などで実施されているものであり、先行して平成9年にこの制度を導入した岐阜県では、既に昨年末に70余りの製品を認定し、環境産業の育成等に大きな成果を残しているものとうかがっており、本県におけるこの制度の導入はかねてより期待されてきたものであります。
 その意味では、今回上程されております議案第5号に、再生資源利用製品認定制度が盛り込まれたことには大いに賛意を表し、原案についてもおおむね是とするところでありますが、過日行われました連合審査会において、自由民主クラブの及川敦委員より修正案が提出されたところであります。その内容は、第10条第1項に、より公平で公正な認定を担保しようとする認定に当たっての第三者からの意見聴取を、第2項には、より幅広く認定申請者の対象をとらえるために製造予定者を申請者に含めることを、第5項には、率先利用購入者として県の購入及び使用状況の公表、第6項には、県営工事における表示、第7項には、市町村への使用促進のための技術的助言の義務を課することを追加したものであります。
 原案においては、県が率先して認定製品を購入、使用するよう努めることを規定しておりますが、加えてその購入、使用状況の公表等、県が率先して利用しその促進を図っていくという、これら修正内容はいずれも環境首都・いわてを標榜する本県の取組姿勢としては、まことに重要な事項であり、本県のより積極的な姿勢を条例で明記することにより、市町村、県民、事業者の認識が一層喚起される効果が期待されるものでありまして、修正案を是とするところであります。
 なお、審査の過程で、修正提案部分について、規則、要綱の対応で十分であるとの意見がございました。通説として、規則への対応を委任する場合は、社会、経済情勢等の変化等に即応し機動的に見直しをしていかなければならないなど、合理的理由がある場合を除き安易に規則に委任せず、その内容をできる限り条例に直接規定するようにすべきであります。また、規則に委任する場合、委任する範囲がどこまでか条例において限定的に規定するよう留意する必要があり、白紙委任はすべきでないものであります。要綱を活用する場合については、相手方の任意の協力により行政目的を実現することが適当な場合、新しい施策を実験的に行う場合、一時的な対応、緊急の行政需要への対応を行う場合であります。条例、規則、要綱の関係から申し上げれば、自治体の自己決定、自己責任、公正の確保、透明性の向上といった視点から、県にとって重要な事項は条例に規定すべき事項であります。条例の意義につきましては改めて申すまでもなく、直接公選された住民の代表による合議制の機関である議会が審議を経て成立する自立自治立法における最も基本的な法形式であり、政策決定主体の県として意思決定、方向づけが求められる事項を条例化することにより、ルールと当局の方針の明確化が図られ、法治、行政の観点からも、より望ましいものであることは強く申し上げておきます。
 以上の観点からも、修正提案された内容を条例化することは適当と判断いたすことからも、修正案に賛成する次第であります。近年の地方分権の推進により、地方公共団体がみずから決定し実行する範囲が拡大しまして、地方自治体の自己決定権が拡充したことは、政策立案能力などの優劣により自治体間格差が拡大し、自治体の浮き沈みが明確になるということでもあります。執行部と車の両輪に例えられる県議会は、住民の代表機関、意思決定機関としてこれまで以上に住民の意思を反映した活動を積極的に行わなければならず、執行機関を批判、監視、政策を立案し当該団体の意思を決定する地方議会のその役割と責任は、より重要になっていることは、各位御案内のとおりであります。
 今回、議員提案により、環境首都・いわてをより具現化し、環境産業の育成の推進を図る目的で執行部提出の原案に修正案が提出された深い意義につきましても、議員各位に再度御理解を賜り修正案に御賛同くだされば幸いであります。
 以上で私の賛成討論を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(谷藤裕明君) 次に、小原宣良君。
   〔36番小原宣良君登壇〕

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