平成15年9月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇39番(佐々木一榮君) 自由・県民会議の佐々木一榮でございます。
 私は、各会派を代表して、本日提案いたしました発議案第1号県行政の基本的な計画の議決に関する条例について御説明いたします。
 本格的な地方分権の時代が到来し、地方の自己決定、自己責任が強く求められている昨今、議会としては県の将来ビジョンや中長期の主要な施策の実施について、制度上県民や議会のチェックを受けることなく、実質的に予算が議会に提案される前に方向づけがなされる総合計画等のあり方に疑問を持つところもあります。確かに平成11年に策定されました現行の岩手県総合計画は、1万7、000人余りの県民が参加した意向調査などをもとに、委員100人による五つの社会ごとの小委員会で審議を尽くすなど、増田知事の新しい考え方のもとに、従来の本県の総合計画とは比べ物にならないほど透明性の確保と策定過程への参画がなされたところであります。しかし、これも増田知事独自の考え方に基づくものであり、今後も同様な方法がとられるかどうかは制度的な保障はないのであります。
 そのような折、統一地方選挙後、にわかに県財政の危機が叫ばれるに至り、これまで以上に県の基本政策としての総合計画等の位置づけが重要となっており、県民や議会によるチェックと参画がますます必要であるとの認識を改めて強くしているところであります。この条例は、このような認識のもとに総合計画を初めとする県行政の基本的な計画を議会の承認事項として、立案段階から県民と議会が積極的に参加し、わかりやすく実効性の高い計画の策定を図ることにより、県民の視点に立った効果的な県政の推進を図ろうとするために制定しようとするものであります。
 主な条例案の内容としては、一つは、総合計画や部局の部門別計画等を議会の承認事項とすることにより、県行政の透明性向上と議会のチェック機能の充実強化を図るものであること、二つ目として、計画立案段階で事前の議会報告、説明と県民へのパブリックコメントを条例により義務づけることにより住民参加の促進を図るものであること、三つ目、総合計画策定の承認に際し、財政見通し等の資料の提出を義務づけるとともに、策定後の総合計画の進捗状況を毎年度議会に報告、公表することにより、計画のわかりやすく実効性ある推進を図ることなどであります。
 よろしく御審議の上、原案に御賛成くださるようお願いいたします。
 最後に、統一地方選挙後、本県議会も新しく生まれ変わり、分権時代にふさわしい議会として各種の改革に取り組んでいるさなかのこの時期に、本県議会が昭和25年以来の本格的な政策的議員提案条例を全会派共同で提案することができましたことは、まことに意義深いものであり、策定に当たり御尽力をいただきました各会派の議員諸君の努力を多とするものであり、心から敬意を表し、提案理由の説明とさせていただきます。

〇議長(藤原良信君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております発議案第1号県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例は、総務委員会に付託いたします。
   散 会


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