平成15年9月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇47番(工藤篤君) 自由民主クラブの工藤篤でございます。
 本会議に登壇するのはちょうど1年ぶりでありまして、増田知事が3選されて初めての質問でありますから、これからの4年間で岩手県をどう導いていこうとするのか、その基本姿勢と課題について質問してまいりたいと考えておりますので、誠意ある答弁を期待しております。
 具体的な質問に入るに先立ちまして、去る5月の臨時県議会において、知事は県議会に対し、意思決定機関である議会の場におけるオープンで活発な議論を大切にしながら、合意を形成していく努力が一層重要になるものと考えており、議会と執行部が県政推進の車の両輪としての緊張関係のもとに、議員各位と互いに切磋琢磨しながら県政論議を一層深めていくと述べておられました。
 それを受けて6月定例会では、一般質問は項目のみを執行部に通知することとなり、結果、執行部の答弁も、用意した答弁原稿の種類が多かったのか、何を答弁していいかわからなかったのか、長々と答弁する場面が多々見受けられ、議会運営上、支障があったような気がするのであります。
 知事は、さきの県議会での執行部の答弁などの議会運営をもって、執行部と県議会との緊張関係のもとに政策論争が一層高まった議会であった、これでよいのだと認識しておられるのか、まずお伺いをいたします。
 また、我々が質問や提言したことについて、検討すると答えた事項について、その検討結果を公表することになったようでありますが、このような積極的な姿勢については高く評価いたします。これまで私も、例えばミニ公募債の発行について、県民が県政運営の一役を担っているのだと思えて、なおかつ県財政の運営に役立てばと思い提言したことがあります。1年前には検討しますとの答弁でありましたが、発行してくださることになり、今は名称も北東北未来債と決まったようであり、提言の趣旨が生かされてよかったと思っております。
 知事の発案であったと伺いましたが、大変よい制度であると思いますので、今後とも、質問へのフォローはしっかりやっていただきたいと希望するものであります。所感がありましたら、述べていただければと存じます。
 また、答弁に当たって、県の幹部の中には、前回6月定例会は質問が事前によくわからなかったから、答弁の質が落ちたと思うと述べられた方もいらっしゃるようであります。そのようなことがないよう、私は質問項目ごとに質問要旨をできるだけ詳しく書いておきましたので、これが執行部の答弁の模範であると言われるような簡潔明瞭、しかも前向きで誠意ある答弁を期待し、質問を続けさせていただきます。
 まず、知事の県政運営の姿勢についてであります。少し辛口になりますが、御容赦願います。
 知事は最近になって、このままの財政運営を行えば、あと2年ぐらい先には財政再建団体に転落するおそれがあると述べておられます。しかしながら、財政状態がそこまで悪かったことは、これまで一度もおっしゃってこなかったのであります。本当は、県財政が大変なことになっているということは、みんな知っていたことではありませんか。予算の公債費の伸びや県税収入の減などを見れば、あるいは県議会でも、むだな公共事業ではないかと問題になった盛岡駅西口の県ビルなど、不要不急と思われる公共事業をばんばん進めている状況を見れば、県民はだれだって、県財政は危うくなるであろうことは簡単に想像がつくのであります。
 しかしながら、知事が統一選挙の選挙公約や任期前の今年2月の定例会においても、4年間の県政回顧と今後の課題の中で、限られた資源を最大限有効に活用しながら、経済社会情勢の変化に的確、迅速に対応した行政運営に努めたとか、よくやったことはありますが、県財政の悪化及び悪化をもたらせた知事の行政責任については全く触れられていないのであります。しかし、それが選挙が終わったら突然、このままではあと2年で財政再建団体になってしまいますと公表した。このことは選挙民に対する裏切り行為ではありませんか。なぜ今まで公表しなかったのですか。今度の選挙までは何とか隠しておきたかったということだと思います。選挙が終わるまではという気持ちはよくわかりますが、私は、非常に問題だと思うのであります。
 県の複数の財政にかかわった幹部からもある程度聞いていますが、あなたがまだ公表するなと言ったという事実はなかったのですか。この際、これまでの誤った財政運営が今日の県財政の悪化を招いたこと、そして、悪化していたことをこれまで県民にはっきりと公表してこなかったことを謝罪する必要があるのではありませんか。知事のお考えと、もしこの場をかりて県民に対し何かお話しすべきであるとお考えになったのであれば、おっしゃっていただきたいと思うのであります。
 次に、知事は、前期2年間で最優先に取り組むべき課題として、青森県境産業廃棄物不法投棄事案への対応と雇用対策を挙げておられます。そこでまず、県境産業廃棄物への取り組みについてお尋ねします。
 去る9月5日に、岩手、青森の両県知事がこの県境産廃問題について会談したと報じられております。会談の内容は詳しく報じられておりませんので、詳細はわかりませんが、地域住民が最も危惧することは、本当に青森県が全量撤去するのかということと、和平牧野の方にも不法投棄されている恐れがあるから調査してほしいという点であります。和平牧野の方は、岩手県でも申し入れしていただいているようであり、青森県の9月補正予算に5カ所のボーリング調査事業が盛り込まれているとのことでありますから、引き続き早期に全21カ所の調査をしてくれるよう働きかけていただくことをお願いいたします。
 全量撤去については、青森県はこれまで、全量撤去を基本とするが、再利用できるものは住民の理解があれば現地に残すと言ったり、増田知事との会談後は、全量撤去するが、撤去の過程で再利用できるものが出てきて、住民から使わせてほしいと言われたときに使えるように、言葉として余裕を残す意味で言っていたのであると述べたとの報道もあります。どちらの発言が正しいのですか。青森県知事との会談を終えて、増田知事は、青森県は岩手県民が要望しているとおり、名実ともに全量撤去をすると認識されたのですか、お尋ねいたします。
 また、岩手県はいち早く全量撤去の方針を表明され、県民は、ならば一刻も早い撤去をと望むわけでありますが、国の基本方針も今月中には示されるようであります。鈴木前環境大臣の御尽力もあったと思いますが、今後は一刻も早く県の実施計画をつくって、キャッピングをしたり、撤去を始めていただきたいと希望するものであります。
 また、今年度予算は28億円もとってありますが、消化できるのか心配しております。実施計画の承認の時期や撤去作業の今後のスケジュールをお示しいただきたいと思います。
 また、責任追及についてでありますが、1万700社の排出事業社のうち、いまだわずかに6社しか措置命令が出ておりません。三栄化学のマニフェストが、青森県の怠慢により焼却されてしまって、作業が大変なことはよくわかりますが、今後どうされるのか見通しをお聞かせいただきたいと思います。
 また、私は以前、青森県や大量に排出していた首都圏の公共団体の責任も追及すべきであるということを申し上げ、たしか時期が来たらしかるべき対応をしたいと伺っていたと思いますが、岩手県が行政責任を検証し職員を処分したのに、県南衛生に処理業の許可を出しながら適正な指導を怠って本県に多大な損害を与えている埼玉県に何もしないというのは、どう見ても県民感情として納得できないとの声が強く寄せられています。許可業者の監督責任を果たさなかった両県への責任追及について、そろそろ決断すべき時期と思いますが、どのように責任追及されようとしているのでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、少し気になる記事が掲載されましたので、お尋ねいたします。
 花巻地方振興局長が、花巻で問題を起こしている化製場を、二戸市に建設される予定の第2クリーンセンターに持っていくような発言をされております。地域振興部長にお聞きしますが、花巻地方振興局長はどのような場で、いかなる権限があってこのような発言をされたのでしょうか。
 また、農林水産部長にお聞きしますが、この化製場は畜産振興上必要な施設でありますが、今後のあり方について所感をお伺いいたします。
 次に、本題の第2クリーンセンターについてでありますが、県ではその候補地を選定すべく、二戸・久慈地域の助役会議を開いたり、立地調査をされておりますが、第2クリーンセンターに県境産廃の処理もさせるとのことであれば、輸送コストや搬送中の安全を考えれば、当然現場に近いところに立地すべきであります。
 また、本県の条例によれば、48トン未満の産廃処理施設なら環境アセスが要らないのでありますから、早期に不法投棄産廃を撤去する観点から、現地に1基、あるいは必要であればさらに現地に近い地域に1基早急に整備し、医療系や特別関連産業廃棄物などの既存処理施設で処理しにくいものを中心に処理すれば、輸送中の事故など、県民の不安も解消されるのであります。今年から着手できれば、平成17年度には稼働できるのですから、早期に全量撤去しながら、撤去後は第2クリーンセンターに移行させるのが最もよいと思うのでありますが、いかがでしょうか。長年不法投棄産廃に苦しめられてきた地域住民の強い要望でもありますので、御検討いただきたくお願いするものでありますが、いかがでしょうか。
 次に、二つ目の課題である雇用対策についてであります。
 これは全国的な問題であり、近年の我が国の経済がグローバル化したことにより、製造業の生産拠点の海外移転などが進み、岩手県においても、アイワやアルプス電気の撤退などに見られるように、国内工場の集約や大規模なリストラが進められており、一方では、従来はリストラされた受け皿として一定の役割も果たしていた建設土木業等も、長期化している景気低迷により、雇用吸収力が落ち込んでいるのみならず、本県では、知事が公共事業の3割削減などを打ち出していることにより、今後ますます建設業などの倒産はふえると思います。現に、建設業の倒産件数の割合は高くなってきております。権限の多くを国が握っていながら、何もしていないために起こっていることは県民もよく知っているのでありますが、そうばかりも言っておれませんので、何とか県民の雇用の確保を図っていけないかと思うのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 幸い、岩手県では、さきに総合雇用対策局を設置し、全庁挙げて雇用対策に取り組む強い姿勢を示されました。しかし、一方では雇用対策に力を入れながら、一方で公共事業の3割カットなどという県内景気を確実に後退させ、建設業などの倒産もやむなし、失業者の増加もやむを得ないという矛盾した政策をとっているわけであります。
 知事は、この矛盾をどう解決していかれるのかお尋ねします。
 離職者が求めているのは安定した雇用であると思います。臨時・応急的な雇用の場づくりは、緊急雇用対策事業などにより実施されてきましたが、御案内のとおり、余り成果は上がっていないようであります。大企業の一方的な事情により撤退されてしまわない、自主内発型の経済構造への転換を急ぎ、ベンチャーやコミュニティ・ビジネスなどの新産業、新事業を育成、支援していくことが必要かと思います。
 また、雇用の受け皿を拡大することも肝要であります。フリーター200万人時代と言われていますが、若年労働者が希望の持てる環境の整備も急がれます。
 また、最近の傾向として、障害者の解雇者が多くなっていると聞いております。これら若年者やチャレンジドの就職や就業支援も力を入れていかなければならないと思うのでありますが、県としてどのような対策をとっていかれるのか、また、その結果雇用状況はどう改善されるのかについてお尋ねいたします。
 次に、財政見通しについてであります。
 今年6月現在の本県の予算を見てみますと、自主財源の割合が34.8%で前年度より0.2ポイント下がっており、県税も対前年度比で5.9ポイントも下がるなど、財政調整基金などの取り崩しによって、やっと予算を確保したような状況になっております。交付税が6%減で、県債は当然6.3%の増になっているなど、財政の硬直化が現実のものとなっております。
 県は、このような状況をどう見ておられ、どう改善されようとしているのかお尋ねいたします。
 特に、県税収入の減については、税の総額の減もさることながら、徴収率が下がっていることが大いに懸念されます。私が聞いていることは、税の滞納者に対する督促は、勤務時間後の相手が帰宅してからになることが多いとのことであります。ところが、超過勤務はするなの号令がかかっており、超過勤務をつけずに頑張っているとのことですが、それとて限度のある話で、滞納整理が進まないことの一因であろうと思います。特に、自動車税は10年で滞納額が10倍にもふえており、昨年だけでも37%もふえるなどひどいようでありますが、滞納処分をためらうことなく、納税者の意識向上と税務職員のやる気を促し、納税整理が進むようにしなければ税収を確保できないと思いますが、税収確保にどう取り組むお考えかお尋ねいたします。
 次に、県立大学についてであります。
 知事、ちまたでこんな言葉がはやっていることを御存じですか。県庁つぶれても県立大残る、こう言われているのであります。だれが言い出したのかわかりませんが、言い得て妙だと思いませんか。今の県立大学は、私が設立当初に心配したとおり、少なくとも県北の県民にとってはほとんど地域の役に立っていません。それが年間62億円の県費を使っているのであります。県が一生懸命行政評価だ行財政改革だと言っているときに、どうして県民の役に立つように県立大学にメスを入れないのですか。おくればせながら大学内部で独立法人化に向けた検討委員会を設置するようでありますが、国立大学は来年度から独立行政法人になるのです。そんな時期に、今さら内部委員会をつくって何を検討するのですか。直ちに独立法人化し、真に県民の役に立つ大学を目指させるべきであり、それができなければ廃止して、跡地を建物ごと誘致企業に貸し出すか売ってしまった方がよほど地域振興に役立つと思いますが、いかがですか。
 県当局はもう既にいろいろ調べていると思いますが、県立大学の実態は本当にひどいものです。断固早急に改革すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、行財政構造改革プログラムについてであります。
 県では、このままの行財政運営を続けたとすると2年後には財政再建団体に転落するおそれがあるとして、10月に行財政構造改革プログラムを策定するとのことであります。県の責任についてはさきに述べましたから省略しますが、問題は、このプログラムの中身であります。財源不足の解消手段として、公共事業の30%削減、県職員給与の切り下げ、市町村等に対する県の単独補助や負担金の削減など、見過ごすことのできない、県民に負担のみを課する、改革ではなく改悪ではないかと思われる事項が含まれております。知事は、この行財政構造改革プログラムの内容を県民にどのように説明し、納得してもらおうとしているかお伺いいたします。
 また、今まで実施してきた公共事業は継続事業が多いと思われますが、これらを30%削減でどう扱うお考えなのか、削減の内容をお示し願います。
 また、県職員給与の切り下げでありますが、多くの県職員は、今回のこの時期に、財政状況の悪化を理由にした切り下げに対し非常に反発しているように見受けられます。その一つには、知事が4月の任期終了後に受け取った退職金問題があります。当然財政状況の悪化は以前からわかっていたことであり、本来は県民に対し当初予算のときにその状況を説明し、この財政危機を招いたみずからの責任を認め、まず、御自分の退職金を返還するべきではありませんでしたか。御自身は4月に退職金を、聞くところによると5、000万円受け取ったとのことであります。この知事の退職金の返上については、議会でも質問があるたびに次の改選時に検討すると言っておられますが、県民は、御自分の取り分はしっかり先にもらっておきながら、県職員の給与を削るというのに怒っているのではないでしょうか。また、報道によると、県職員の退職手当も1人当たり150万円余りを減額したいようでありますが、今回とろうとしている給与減額が退職金にもダブルではね返らないのですか。
 県職員も財政悪化に伴う節減の痛みは分かち合うとは思いますが、県民からは、知事はさきに否決された資産の公開条例といい今回の給与削減といい、御自分に余り痛みの来ない分野で成果を上げようとしているように見えて仕方がないという意見を多く聞きます。
 昔の中国に呉子という兵法書がありました。呉子には、国を治め軍を治めるには、兵に礼と義を教え込み、恥の意識を持たせねばならないという名言が残されております。まさにこの恥の部分が欠けていたのではありませんか、御所見を伺いたいと思います。
 また、同じ構造改革プログラムの県単独補助金や負担金の削減についてであります。
 県では、来年度から3年間で、一般財源ベースで補助金を84億円強、負担金を2億7、000万円程度削減することを検討しているようであります。このことが県内の各市町村や農林漁業団体などに与えた衝撃ははかり知れません。特に、県北地域はもともと財政基盤が弱く、内陸部との格差も依然としてありますので、こうした市町村や団体に対する影響をできるだけ低く抑えていただきたいと思います。どのような観点から削減されようとしているのかお尋ねいたします。
 次に、農業問題についてであります。
 県の発表によれば、今年の夏の異常気象によりまして、県北地区の米の不稔歩合が実に6割にもなっているとのことであります。大冷害が予想され心配しておりますが、いかなる対策をとられるのかお尋ねします。
 また、県営畑地帯総合整備事業の舌崎地区は、一部で埋蔵文化財の本調査が必要になったとのことでありますが、この地域は、県北地域におけるリンゴを中心とした農業振興の拠点となっており、損害を防ぐためにも早期の整備が望まれておりますので、一部地域の供用だけでも開始できるよう特段の御配慮をお願いするものでありますが、いかがでしょうか。
 次に、広域観光の推進についてであります。
 新幹線二戸駅が開業し、二戸地域では、久慈地域や地方振興局と連携し、新幹線の波及効果を観光や地場産業を中心とする産業振興に結びつけていくべく、観光リンゴ園やそば打ち体験などの体験型観光ツアーやカシオペア文化財展などを実施し、首都圏からの誘客や圏域23市町村30万人の交流拡大を図ってきているところであります。八戸や青森では、八戸駅を中心に空前の観光ブームとの話も伝わってきますが、県としても、もう少し二戸駅を中心とした県北地域の広域観光振興に力を注いでもよろしいのではないかと考えるものであります。どのような取り組みをされ、成果はどうだったのか、今後の取り組みなどについてもお尋ねいたします。
 最後に、教育についてであります。
 教員の不祥事、それも公然わいせつなどという考えられない事件等を起こして懲戒免職処分された教員が今年度は6人も出ております。管理すべき校長が飲酒運転で人身事故を起こすなど、言語道断であります。県教委は何をしていたのですか。教員の不祥事は県議会で取り上げられないことはないような状態であります。不祥事防止にどう取り組んでいくのかお聞きします。
 以上で質問を終わります。答弁次第では再質問をさせていただきますので、誠意ある答弁を願います。
 御清聴ありがとうございます。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 工藤篤議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、6月議会での議会運営の認識ですが、やはり毎議会毎議会進化をしていかなければならないと思っています。6月議会では、初めての試みで要旨のみの通告をしていただいて、そして、こちらで答えるということでございましたけれども、私自身は、やはり十分な論戦というところまではいってなかった、それをまた直すべきところは直して、今議会でさらにいい方向に持っていかなければならない、こう思っております。やはり執行部と議会は車の両輪ということで適度な距離感がないとだめだと。緊張感、距離感がないと、両者がべったりでは両輪ということでもなくなるわけでありますので、そういう緊張感というのをこれからも保持してやっていくように、私自身あるいは執行部、部局長にも指示をしておりますし、やはり議員の各位と切磋琢磨しながらこれからも努力を進めていきたいと思っております。
 それから、質問や提言がその後フォローされていないといけないということで、6月議会分は10月上旬を目途に公表することにしております。それから、今後のものについては、終了後1カ月以内程度を目途として、できるだけ早くその後の処理状況を公表に持っていきたいとしております。先ほど冒頭で毎回毎回進化していかなければならないということを申し上げましたが、今議会から提出予定議案の説明会なども開催させていただくことになりましたし、これから、より議会との政策論議を深めるための努力を積み重ねていきたいと思っております。
 次に、財政状況、特に財政運営悪化ということをきちっと前もって言っていたのかどうかという観点からの御質問がございましたが、この財政悪化については、本年2月に、県税収入が2年連続で前年度を下回る異常事態、これは昭和25年の地方税法施行以来初めてという大変異常な事態ですが、県税収入が大変予想より下回っているということ、それから、交付税や国庫支出金の大幅な減収が見込まれるということで、中期財政見通しの想定を著しく超える事態となっている、財政運営が一層厳しさを増していくことが見込まれるということを申し上げたところであります。また、そのために、平成15年度中に中期財政見通しを全面的に見直して、本県の自立の道筋を明らかにしたプログラムを策定するということをお示ししたところでございます。その後、6月補正予算の編成過程でいろいろ財政見通しを試算してもらった結果、例の今後4年間で約1、750億円の財源不足が発生する、こういうことが判明したものでございまして、それで6月に補正予算の内容とあわせて、行財政改革プログラムの、本当に骨子ですが、それを策定して公表した、こういう経緯をたどったところでございます。
 こうしたことでございますので、これからやはりプログラムの内容をしっかりと県民に周知徹底させる必要があると思いますけれども、できるだけそうした状況を包み隠さず明らかにして具体的な行財政構造の改革につなげていきたいと考えております。
 それから、青森県境の産廃の不法投棄事案についてでございますが、この関係については、今月5日に青森県知事と会談を行ったわけであります。その前に青森から全量撤去を基本とするという方針が示されたわけでありまして、当日の会談の中でも、私の方から青森県の方針を知事に直接お聞きしたわけでありますが、青森県は全量撤去を基本とするという話を向こうの知事がされて、会談の中では再利用の話は全く出なかったところでありますので、私は、青森県も名実ともに全量撤去すると受けとめているところでございます。
 それから、雇用対策についてでありまして、これは、一方で建設業に甚大な影響を及ぼす公共事業の3割カット、それから他方で雇用対策に全力を尽くすということでの政策の整合性を問われたわけであります。これについては、公共事業の発注量を今後もこの数年の量を維持していくのは困難で、こういう選択肢はとれないと判断しております。そのことは早晩財政に大きな穴をあけることになりまして、例の財政再建団体、それはかえって建設業にも悪影響を及ぼすということで、もっと早目に手を打って絞っておくべきではなかったかどうか、ここについては私も十分な責めを負わなければならないと思っていますが、いずれにしても、今、建設投資額が平成8年をピークに減少してきておりますけれども、許可業者数はそれほど減少しておらず、建設投資額とのバランスが崩れている状況にある。今後なお一層そのバランスが崩れていく、こういう見通しでございますので、建設業の構造改革というのをできるだけ早目に手を打っていかなければならないと認識しているわけであります。
 今議会で、建設業について、遠野市における構造改革特区による建設業の農林業への参入を支援するモデル的な仕組みづくりについて予算審議をお願いしているわけですが、こうしたことなども大いに参考になると思いますし、これから農林水産業を初め、福祉、環境など幅広い分野で雇用の受け皿となる仕組みをつくっていかないといけない。特に建設業協会が設置しております経営支援センターの経営アドバイザーの派遣等に対して県も助成をしていきますけれども、こうした新分野・新市場開拓などに取り組む企業を積極的に支援して、一刻も早くこうした建設業の構造改革を図っていく必要があると考えております。
 そのほか、入札制度への対応、それから、不良・不適格業者への対応、そうしたさまざまな対策を建設業全体として総合的にとっていく必要がありますが、その中の一環として、今後とも、雇用の問題に大きな悪影響を及ぼさないような手だてを全庁的に考えて、そして実行に移していきたいと考えております。
 県立大学について何点かお尋ねがございましたが、特に県北地域にとって非常に厳しい見方をお示しされたわけであります。この県立大学は、大きく言うと三つの使命があると大学自身も理解しておりまして、教育、研究、それから三つ目が地域貢献、これを三本柱として、そのために貢献するような大学を目指しているわけであります。
 教育については、進学機会の提供ということで、入学定員のおおむね3割を目途に県内高校生の推薦入学枠を確保して、現実にその枠を使って県内の高校生が進学しておりますし、地域貢献についても、研究成果の還元や公開講座の開催、受託研究、講演会講師の派遣といったことに努めているわけでありますが、お話がありましたように、今、大学をめぐる環境も大きく変化しているところでありますので、大学の中で、教育研究、地域貢献、それから評価、組織運営の4項目を柱とした大学改革のアクションプランをつくる委員会を設けて、そこでアクションプランを今、策定中であります。これからも県立大学について、住民本位、成果志向に立って、本当に地域に貢献できる大学づくりを目指して十分な見直しを行っていきたいと考えております。
 大学の独立法人化についてお話がございましたが、これは、大学が抱えております課題の解決のために有力な選択肢であると考えておりますので、今、大学の中でも、こうした新しい制度も当然視野に入れながらアクションプランの策定、検討を行っているわけでございます。一方で法律が16年4月――来年の4月には施行されるので、早期に結論を出して、そして大学改革に向けて取り組みを進めていきたいと考えております。
 それから、行財政構造改革プログラムでございますが、これは、お話がございましたとおり、県民への説明、御理解、周知徹底は不可欠のことでございます。事前にも事後にも繰り返し丁寧にやっていく必要があると思っておりまして、今までそういったことを、お話できる場、県政懇談会や銀河系いわてモニター懇談会などで、できるだけ私自身も説明をし、理解を求めてきたつもりでございますが、今後ともこうしたことを繰り返し行っていきたい。
 地方振興局単位で県民への説明会を今まで延べ13回開催したり、それから、特に関係の部局が関係の深い団体や市町村などに行って個別の問題について説明を始めているわけでございますが、こうしたことを徹底して、そして県民の皆さん方に、痛みでございますのでなかなか十分な納得というところまでいくかどうかという問題がございますが、やはり御理解、御納得を十分いただくということを目標にこの問題に当たっていきたいと考えております。
 それから、その関係で公共事業の削減についてお尋ねがあったわけですが、これについては全体的な量を絞るということでございますので、その結果として、新規箇所については極力抑制をしていきたい。
 継続事業をどう取り扱うかということでお尋ねがございましたが、必要性、緊急性の高い継続事業を重点的に整備する、そして効果をできるだけ早く出す、こういう方向で今後取り扱っていきたいと考えております。その結果として、事業によっては事業期間をさらに延ばしたり――ペースをスローダウンさせるということですが――、一時的にお休みをする箇所――一時休工の箇所――など事業の見直しを行うことも考えられるわけでありますけれども、やはりこうしたことがどうしても必要になってきます。全体的に継続事業を重点的に整備する、こういう考え方で、県民ニーズに合った社会資本の整備に努めていきたいと考えております。
 それから、この構造改革プログラムの中で県職員の給与の切り下げについて盛り込むこととしているわけで、これについて2点あって、私自身の退職金の問題について御指摘がございました。この点については前議会でも御指摘がございまして、今の議員の御指摘も私自身十分に頭に入れてこの問題を考えていきたいと思っているわけであります。
 最後に、呉子兵法書を引用されて、今後の県職員給与の切り下げについてのお話がございました。私も、こうした中国の古典の中に世に通ずる真理が隠されていると思いますからよく勉強したいと思っておりますが、やはり県職員でありますので、県民の痛みを分かち合う、こういう意識を持つことが必要であります。私も行政の最高責任者でありますので、私自身が率先して職員の理解を求め、そして、職員みんなが痛みを分かち合いながら、続いて県民に御理解いただく、こういうことで、ぜひこの行財政構造改革プログラムをなし遂げていきたいと考えております。
 その他の答弁については関係部局長より答弁をさせますので、御了承お願いします。
   〔環境生活部長中村世紀君登壇〕

〇環境生活部長(中村世紀君) 青森県境産業廃棄物不法投棄事案についてでございますが、まず最初に、実施計画等に係ります策定作業、今後のスケジュールでございます。
 本県では、国の基本方針がほどなく策定・公表される見込みでございますので、早急に実施計画案を作成いたしまして、早期撤去作業着手に向けまして、10月中旬にも国に対して協議をしたいと考えてございます。しかし、国――環境省ですけれども――が、青森県、岩手県両県合同というか、同じ時期に同意を目指すということになった場合には、青森県の作業スケジュールとの関連も出てまいりますことから、国の同意時期がいつになるかなかなか見きわめが難しいという状況になっておるわけでございます。それを受けましての実際の作業の実施というのもあくまでも実施計画の同意を得た上でのことでございますので、なかなか難しい場面も、もしかしたら出てくるかもしれない、そういう状況になっているところでございます。
 次に、排出事業者等への責任追及の問題でございますけれども、現在、1万社以上の事業者を対象にいたしまして青森県と連携して調査追及しているものでございまして、撤去命令済みの6社に加えまして、次の措置命令の発出に向けまして作業中でございます。
 措置命令に向けました調査は、全部終わるまでに相当の時間を要すると見込まれておりますけれども、一方で、本県では早期に現場の原状回復を目指しておりますので、必要な手続が済み次第、いわゆる特定産業廃棄物に関する特別措置法の枠組みにおける補助金ないし地方債を活用し、県が行政代執行によりまして原状回復措置に取りかかることとしているわけでございます。代執行に要した費用につきましては、不法投棄を実行した廃棄物の処理業者や、今後解明していきます違法な委託等を行っていた排出事業者に求償していく考えでございます。
 また、関係自治体の責任問題につきましては、県における行政代執行着手後に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、現地処理施設と第2クリーンセンターとの関係でございますけれども、いわゆる第2クリーンセンターは、一般廃棄物と産業廃棄物を一体的に処理するモデル施設と位置づけておりまして、その規模といたしまして、1日当たりの処理量が200トン程度の溶融施設を想定しているものでございます。一般廃棄物と産業廃棄物の共同処理を行うことによりまして、スケールメリットによります整備費なり運営費の大幅なコスト低減が図られるなど効率的な運営が期待できると考えてございます。
 一方で、仮にということでお話のございました1日当たり処理量48トン未満の小規模な施設を複数整備するといたしました場合、これは、先ほど申し上げました特別措置法の補助対象にされないとなってございます。それから、複数の施設を整備して稼動していくことになるものですから、一つにまとめた単独施設に比べまして整備費なり運営費などの大幅な増加が避けられないのではないかというデメリットもございます。
 したがいまして、現地処理施設をつくって県境産廃を処理する、その後にこれを第2クリーンセンターにということではなくて、第2クリーンセンターをつくって、そこで県境産廃も完成後には処理していく、こういう形で進めてまいりたいと考えてございますので、御理解をいただきたいと思います。
   〔地域振興部長大沼勝君登壇〕

〇地域振興部長(大沼勝君) 花巻地方振興局長の発言についてでございますが、これは、8月7日、県議会のある会派の花巻市現地調査におきます意見交換の場において、化製場の移転問題に関する質問があって、それに答えたものと承知しております。
 花巻地方振興局長は、花巻市からフェザーの原料発生地のそばである県北に設置される第2クリーンセンターでの処理を要望されているけれども、レンダリング事業は民間で実施されているものであって、公的関与での処理は難しいものであります。移転問題はいろいろな部署との関係があるので、関係当事者間の中で検討していかねばならないという旨の答えをしたものと聞いております。
 花巻地方振興局長といたしましては、管内の事業場に関することについての質問に答えたものと理解しております。
 なお、このことにつきまして、新聞での報道内容が事実と相違しておりましたことから、花巻地方振興局で抗議したところであると承知しております。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐々木正勝君) 化製場についてでありますが、化製場は、畜産副産物を処理し、飼料や肥料の原料を生産しておりまして、畜産振興上必要な施設であると認識しております。
 花巻市の化製場につきましては、本年5月に施設改善が図られたと聞いておりまして、今後とも、法令を遵守し、処理能力に応じた適正な処理が行われるべきものと考えております。
 この化製場は民間会社で経営されており、県がどうすべきということについては申し上げかねるところであります。
 次に、冷害対策についてでありますが、ことしの異常気象によりまして、水稲につきましては、県下全域に被害をこうむったところでありますが、特に、県北・沿岸部のほか、県南部におきましても、山沿いや標高の高いところで大きな被害となっております。
 こうした被害の実態を踏まえまして、被災農業者の支援対策について、現在、農業共済金の早期支払いや資金融通対策、借入金の償還条件の緩和などのほか、減収所得を補てんするための冬春期野菜の代作などについて検討しているところであります。
 また、次年度の種子を確保する必要がありますが、かけはし、いわてっこにつきましては、一般圃場産の種子を含めて確保することとしておりますが、あきたこまちにつきましては、県内産だけでは相当量の不足が見込まれますことから、秋田県に種子の供給を要請しているところであります。
 県といたしましては、今時の災害によりまして、農業者の営農意欲が減退することのないよう、市町村や関係団体との連携を図りながら、被災されました農業者の支援対策に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、県営畑地帯総合整備事業舌崎地区についてでありますが、本地区は、リンゴの生産性向上や霜害防止などを目的として、幹線水路につきましては国営かん排事業で、支線水路やスプリンクラーなどの末端施設は県営畑総事業により一体的に整備する計画となっております。
 本年度には、本地区の受益面積の約3分の2を占める舌崎工区において、国営事業による幹線水路が完成する予定となっております。県営畑総事業につきましても、並行して舌崎工区の整備を重点的に進めているところでありまして、平成16年度、来年の春には、一部区域で防霜用水を含めた水の供給が可能となる見込みであります。
 埋蔵文化財の発掘調査は、平成17年度までに終える予定でありますので、厳しい予算状況にはありますが、今後とも可能な限り早期の供用開始を目指して、順次、パイプラインの整備を進めるなど、事業の一層の推進に取り組んでまいる考えであります。
   〔商工労働観光部長小原富彦君登壇〕

〇商工労働観光部長(小原富彦君) 新産業の育成と若年者やチャレンジドの就職支援についてでありますが、新産業の育成支援は、雇用の受け皿づくりの面からも重要であり、起業家やベンチャー企業の創出に努めております。
 若年者の就職対策については、新規学卒者に対し、就職面接会、職業講習、インターンシップ等を実施し、また、既卒の未就職者に対しては、新規高卒未就職者を雇い入れた事業主に対する人件費の一部助成や1カ月程度の就業体験事業等を実施しております。
 さらに、情報提供や専門的なカウンセリングを行う、(仮称)若年者就職支援センターを設置するための補正予算を今議会にお願いしているところであり、このセンターで職業紹介までもワンストップで行うことができるよう、岩手労働局と調整を進めてまいります。
 障害者の就職促進対策については、チャレンジド就業支援センターを核にした障害者の雇用支援を行うとともに、障害者の職場定着を図る就業支援サポーターの派遣、あるいは職業能力開発のための委託訓練を実施しております。
 今後、若年者雇用については、89.1%と低迷している新規高卒者の就職率や51.2%と上昇している新規高卒就職者の卒業後3年経過での離職率、これらについて、関係機関と連携を図りながら改善を図るべく努め、また、障害者雇用については、昨年度1.66%でありました県内障害者雇用率を、法定雇用率の1.8%に近づけていくよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、二戸駅を中心とした県北地域の広域観光振興についてでありますが、新幹線盛岡-八戸間開業に当たり、地元のカシオペア連邦観光推進事業実行委員会等と連携しながら、首都圏における観光キャンペーンの実施、観光素材集の提供、観光客誘致説明会の開催など、さまざまな機会をとらえて県北地域の観光宣伝に取り組んできたところであります。
 しかしながら、この7月までの二戸地方振興局管内の観光客入り込み状況は、対前年度比約5%程度の微増にとどまっており、また、新幹線二戸駅の乗降客数は、当初予測の1日900人を若干上回る程度で、入り込み数は伸び悩んでいるという状況にあります。
 こうしたことから、今後におきましては、地元市町村との連携を一層深めながら、十和田湖を結ぶ観光ルートの充実や雑穀文化の振興など、他の地域と差別化した観光資源の活用・発掘に努めるとともに、首都圏のみならず、近場の仙台圏からの誘客にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕

〇総務部長(時澤忠君) まず、財政状況でございますけれども、本県の財政は、自主財源の割合が低く、国の財源に依存せざるを得ない脆弱な歳入構造でございます。特に、県税、地方交付税は平成2年度決算と類似した額となっておるなど、非常に厳しい状態でございます。
 一方で、歳出面は多額の県債残高を抱えまして、義務的経費である公債費が累増するなど、財政構造の硬直化が進行している状況でございます。
 今後、県財政を取り巻く環境でございますけれども、これは、税収の大幅な伸びが期待できない中で、少子・高齢化の進展に伴う歳出増加の圧力が予想されますし、三位一体の改革によりまして、国からの依存財源に頼らない地方分権時代に対応した自立した財政構造の構築が必要になってくるということで、これまでとは大きく違った状況になっていると考えております。
 今後、人口減少あるいは低経済成長のもとではありましても、自立した地域社会を目指しまして、持続可能な財政運営が可能となるよう、行財政構造改革プログラムの策定にあわせまして、歳入歳出のあらゆる分野において徹底した見直しを行い、平成18年度までにはプライマリーバランスの均衡を達成するとともに、将来の世代に過大な負担を残すことのないような財政構造の構築を目指していきたいと考えております。
 この財政改革に当たりましては、歳入に見合った歳出規模となるよう歳出の抑制を図っていくということを基本といたしますが、財政改革は、単なる歳出の一律削減や収支の均衡を図るといったものではなくて、県の体制のスリム化・効率化など、行財政構造改革と一体となって取り組むことによりまして、これまで以上に質の高い行政サービスを提供できる体制に変えていくというものを目指しております。
 また一方で、新たな政策推進枠といたしまして、一般財源を4年間で200億円を生み出しまして、特に県民からの施策の充実が求められております環境、雇用、福祉、教育、そういった分野に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、県税収入についてのお尋ねでございました。
 県税の滞納整理、これは、いわゆる行財政構造改革プログラムの中でも喫緊の課題と位置づけているところでございます。これまでも、各地方振興局で数値目標を設定しさまざまな取り組みを行ってきているわけでございますが、新たな対応をしたいということで、現在検討を進めております。例えば、土曜日、日曜日に開庁をいたしまして納付窓口の開設をいたす、あるいは職員によるローラー作戦によります臨戸徴収の機会の強化、さらには、滞納整理に当たります職員の勤務時間の割り振りの弾力化、こういったことについても現在は検討しているところでございます。
 また、納税者の意識向上も大事だと考えておりまして、これまで県民の税に対する理解、協力を得ますために、リーフレットの策定あるいはきめ細かい納税相談を実施してきておりますけれども、今年度は、滞納解消に向けた強い姿勢を示したいということで、自動車税の滞納者を対象といたしました啓発ポスターを作成いたしまして、滞納者の意識向上を図っているところでございます。
 また、税への職員の士気高揚という観点から、例えば、県税事務におけます優良取り組みの事例を取り上げまして表彰する、あるいは意欲のある職員に対しては、専門研修の受講機会を拡充する、そういったことによりまして、意識高揚にも士気高揚にも配慮していきたいと考えておりまして、県税収入の確保にさらに努力をしていきたいと考えております。
 次に、県職員の給与の引き下げについてのお尋ねがありました。
 今議会に一般職員の退職手当の引き下げに係る条例案を提案しております。これは、総務省が行いました民間企業退職金実態調査の結果によりまして、官の方が上回っているということから、国家公務員の退職手当法の改正が行われまして、これに準じて措置をするというものでございます。したがいまして、退職手当の算定は、本来の給料月額を基礎として行うというものでございます。
 今回、職員団体に提案しております給料減額措置についてでございますが、これは、労働基本権制約の代償措置としての給与勧告制度の趣旨あるいは職員の負担といったものを踏まえまして、期間を区切った、あくまでも例外的な措置として行うというものでございますので、減額につきましては、給料月額そのものにとどまるべきでございまして、退職手当を含めて他の手当に反映させるものではなく、手当の算定は、減額前の給料月額を基礎として行われることとなるというものでございます。
 次に、補助・負担金の見直しでございます。
 これは、単なる歳出削減のために一律に廃止、削減するというものではございませんで、行財政構造改革の抜本的な改革を図るため、個々の補助・負担金制度につきまして、目的、効果、そして必要性の度合い、さらには地域の実情、他の制度による補完の状況、こういったものを検証の上、交付先の自立性を高める観点からの見直しということでございます。
 具体的には、所期の目的を達成した補助金あるいは政策誘導効果が薄れているものについては廃止をする、事業実施の期間が到来しているもの、継続して実施する必要性が乏しいような補助金は縮減、廃止をするというような考え方で見直しを行っているものでございます。
 個々の補助金・負担金の廃止、縮減につきましては、今後、市町村、団体等にこの改革の趣旨を十分理解していただくと同時に、そういった団体の意向も踏まえて調整を行っていきたいと考えておりますので、最終的には平成18年度までの各年度の予算編成において、補助金・負担金の取り扱いについては決定していくこととなるものでございます。
   〔教育長佐藤勝君登壇〕

〇教育長(佐藤勝君) 教職員の不祥事についてでありますが、この不祥事を未然に防止するため、これまでも、研修や会議などにおきまして繰り返し指導してきたところでありますが、その指導が一人一人の教員に十分に浸透していなかったのではないかと考えております。
 このようなことから、県立学校につきましては、私からのメッセージを教育情報ネットワークを通してすべての教職員に送信し、教職員一人一人の自覚を求め、また、私自身、現場に直接赴きまして、教職員から不祥事の防止についての生の声を聞くため、県立学校の教諭と意見交換をいたしました。
 また、小・中学校につきましては、市町村の教育長に対し、各学校現場の教職員に直接語りかけるなどの取り組みを行うよう要請し、さらには、初任者研修や教職経験者研修、あるいは校内における研修や各種会議等において指導を徹底するなど、これらを通じまして、教員としての使命と責任を自覚させるなど、不祥事の未然防止に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

〇47番(工藤篤君) まず、県立大学の独立行政法人化などの改革についてですが、どうも県は、大学教員の実態をきちんと把握していないような気がしております。私が調べた範囲で申し上げますと、国立大学の1人の教員が持つ平均の講義コマ数は1週間で約5講義だということを聞いております。しかし、驚いたことに、県立大学には1週間に1コマしか持っていない教員がいます。また、ゼミに至っては、学生が一人もいないゼミさえあります。こういう教員を県民に押しいただいている必要は全くないのであります。
 また、県立大学での講義は少ないのに、それ以上の時間で他の大学に非常勤講師として行っていたり、他県への講演にせっせと通って、県立大学にはほとんどいない教員など、数え上げれば切りがありません。
 県は、こういう実態を把握しているのでしょうか。独立行政法人以前の問題であり、早急に調査して、大改革を断行すべきであると思います。調査を伴う質問ですから、しっかり調べて公表していただきたいと思います。この場では、このような実態を頭に入れて、改善に向けてどう取り組んでいくのか、総務部長にお聞きします。
 次に、県教育委員会関係の不祥事についてでありますが、教育委員会では最近、県立高校の校長を2名民間から募集すると報道されていますが、今のままの状況では、校長を2人民間から入れるぐらいで教育改革がなされるとは思いません。教育委員会の体質に問題があるのではありませんか。かえるべきは校長ではなく、教育の不祥事を何ら改善できない教育委員会の組織体制にあると思います。抜本的な改革が求められると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、産廃問題でありますが、先ほど部長から答弁がありました。第2クリーンセンターに産廃をいっぱい、日量100トンなり200トンの施設を云々という答弁があったわけでありますが、私は、その関係は環境アセスに大変な時間がかかると考えております。恐らく数年はかかるだろうと思います。というのは、御案内のように、特措法で七、八年から10年で処理するということになっているわけでありまして、そういうことでさらにお尋ねしたいと思います。
 今月21日付の岩手日報に、北上の産業廃棄物処理業のクボタリテックス北上資源化センターという会社が、県境不法投棄廃棄物の処理を目指して溶融炉などを増設するとの記事が掲載されました。この会社は、県の環境条例で規定する環境アセスメントを逃れるために、48トン未満の47.5トンの処理施設を建設中であると聞いております。しかるに、さらに増設するのであれば、現在建設中の施設も合わせて環境アセスメントをさせるべきではありませんか。どうもアセス逃れの脱法行為のような気がするのでありますが、いかがですか。
 既に環境生活部と協議しているとのことでありますが、県は、法違反まがいのこのことを認めるのでしょうか、お聞きします。
 また、不法投棄の現地に溶融炉施設を建設してはとの提案に対して、コストの面で困難であるとか、既存の処理施設で処理するとか言っておられますが、この既存の処理施設の中に増設を検討しているクボタリテックスが入っているとすれば、現場に設置しないでクボタリテックスに処理させる説明をきちんとしていただきたいと思います。クボタリテックスが建設するものと同じ47.5トンの処理施設をなぜ現地につくれないのですか。どうしても現地が無理なら、近くの土地も示しているのです。脱法的な方法を許してまで、輸送費をかけてまで北上のクボタリテックスに持っていく理由と、現地処理がどのくらいコスト高になるのでしょうか。
 また、先日の措置命令を履行した4社の撤去状況をテレビで見ましたが、大船渡の太平洋セメントで処理するには10キログラムの袋詰めにするようであります。太平洋セメントは、医療系はだめだとか、いろいろ条件をつけてコストを引き上げようとしているとも聞いております。県が撤去していく際にも、そんなにコストをかけて処理をさせるのですか。どう考えても医療系や特別管理廃棄物を処理する48トン未満の現地処理施設をまず早急に設置して処理した方が、経済的で効率的であると思うのでありますが、部長、再検討していただけないかお伺いいたします。
 また、常に住民の側に立って物事を判断されておられる知事に、率直な感想で結構ですから、御所見を賜りたいと思います。

〇知事(増田寛也君) 最後の産廃の処理の関係でございますが、そのクボタリテックスなるところでどういう形で処理をするか、私も、今のところは担当部から詳細を聞いておりません。したがって、今るる御指摘がございましたので、早急に担当部から状況を聞きまして、その上で、この問題をどういうふうに取り扱うか判断したいと考えております。

〇環境生活部長(中村世紀君) 今、現地処理施設、処理規模の小さいものの建設処理につきまして、北上市の処理業者の施設との関連で再質問いただいたわけでございます。
 先ほど佐々木議員の御質問がございまして、私は、三つの要件が折り合えば、県内で処理できる業者を総動員してでもやりたいと回答したわけでございます。一つは適正処理の問題、二つ目がコストの問題、三つ目が――逆でしたか、現地の地域の方々に受け入れを認めてもらえる、この三つの条件が整えば、総動員してでもと申し上げました。
 その総動員してでもと考えております処理施設の中には、今お話をいただいたクボタリテックスも対象の一つというか、可能性があると思っておりますが、増設ではなくて、実は10月1日から今の施設を稼働させると言っておるわけでございまして、現時点ですぐ使える施設を総動員してという認識をしておるわけでございます。北上市に増設したからそれを使うのであって、そっちを使うから現地処理施設は要らないということを考えているものではありません。この点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 これは、私どもが総動員の中で考えているわけでございまして、条件が折り合わなければ、これはまた、外れるところも出てくるというものでございます。
 それから、小さいものを二つ継ぎ足していけば、アセスメントが要らないのではないかというような御指摘もございました。アセスの条例、文字をそのとおりに解しますれば議員の御指摘のようなことにも読み取れます。それで、それでいいのかどうかという解釈の問題が別途あるわけでございまして、その辺につきましてはケース・バイ・ケースということで、具体的にどういう形でその増設なるものが行われるのか、これを個別に見ながら、アセス条例の対象になるのかならないのかということを個別に判断していくべきものかと考えてございます。
 ちなみに、環境アセスは環境アセスといたしまして、産業廃棄物の処理施設をつくる場合には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、いわゆる廃棄物処理法の規定によりますところの環境調査というものが、これはアセス条例とは別個にきちんとやっていただくということになっているものでございますので、無論でございます。

〇総務部長(時澤忠君) 県立大学の改革につきましては、先ほども知事の方から、現在アクションプランを策定中ということで、教育、研究、そして地域貢献、評価、組織の運営、こういったことを柱にして検討していると申し上げました。その中で独立法人化も一つの選択肢ということで、視野に入れて検討しております。
 独立行政法人化になりますと、目標をきちんと立てて業務管理をする、そして、それをきちんと評価する、そしてその実績に基づいて、給与等の仕組み、人事管理制度を行う、あるいは積極的な情報公開を行うというのが趣旨でございます。したがいまして、先ほど議員から指摘がありましたような実態、これは、現在の実態をきちんと把握した上で、その実態のもとにアクションプランをきちんと立てまして、問題があれば、その中で、先ほど申し上げましたような業績、そして情報公開、そういったものの趣旨もきちんとありますので、そういう観点から見直しをしていきたいということで、真に県民に貢献できるような大学づくりというものになるようなアクションプランとしていきたいと考えております。

〇教育長(佐藤勝君) 今進めております民間人校長の登用の前に、現在の学校の組織全体といいますか、教育全体を見直してはどうかというお話でございますが、ただいま御指摘があったように、今現在の教育行政あるいは学校現場そのものの実態、これをとらえて、今躍起になっていることは、まず、開かれた教育行政、あるいは開かれた学校づくりをということで専念いたしておりまして、これは行政も、あるいは学校現場も一丸となって取り組んでいるところであります。
 それは、とりもなおさず学校の地域、あるいは学校と地域、学校とその対象となっている児童生徒との関係、これらをどういうふうに透明性を高め、あるいは開かれたものとするか、そういう観点からいろいろな方策を練っているわけであります。その一つの中に、民間人から、あるいは民間で十分に経験を積んだ方に学校現場に来ていただいて、そこで新しい風といいますか、新しい息吹といいますか、それを吹き込んでもらう、そういう一つの方策であるということで今進めているわけであります。
 したがいまして、議員からお話のあった組織をまず直してはどうかということでありますから、私ども、まず組織を十分に見つめ直して、そして、その組織のどこが不透明であるのか、あるいは、その組織の何が県民の皆さんからいろいろ御指摘を受けているのか、そういうことを真摯に受けとめて、あわせて、民間からの新しい校長に登用する方々の発想というものもまた期待したいと考えております。

〇47番(工藤篤君) 総務部長に、最後に県立大学のことについてお尋ねして終わりたいと思いますが、十分この内容についてまだ理解をされていないようであります。いろいろ調べてみますと、県立大学の教員に対しまして研究費が出ているわけでありますが、岩手大学の先生の約2倍出ております。県からは補助金で出ているわけでありますから、県の監査も受けていないという中身でありまして、例えば、1人で毎年パソコンを買ったり、そういうような教員もいると伺っております。備品台帳なんかもあるわけでありますから、そういうものもきちんと調査をしていただきたいと思うわけであります。
 それから、中には毎年同じ資料をコピーして、研究成果として報告している教員もおる、実はこういうふうにも聞いております。そういうことで、こういうパソコンなんかも不正にもつながる可能性もあるわけでありまして、きちんと調査をしていただきたいと思うわけであります。
 あわせて、やはり独立法人化、私は、これは急がなければならないと思っております。そして、やっぱり県民に期待される透明な運営の大学に転換していくべきだと思っておりますので、最後に答弁をお聞きして、終わります。

〇総務部長(時澤忠君) 御指摘にありました県立大学の研究費につきましては、さまざまな御指摘がなされておりまして、県立大学の方でございますけれども、それを踏まえまして、現在、平成10年から平成14年までの5年分につきまして、すべての研究費を対象といたしまして、これが適切に執行されているかどうかという検証を行っているところでございます。何分、平成10年から14年度までの件数でございまして、かなりの件数に上りますので、現在95%の調査が進んでおりますけれども、できるだけ早く調査を終了していきたいと思っております。
 なお、現在、例えば1次調査という形で行っておりますけれども、疑義がある場合には2次調査を行うということで、2次調査を12月までには終わらせて、本調査を終了させたいということで進めているところでございます。その中で不適正な使用が明らかになった場合には是正措置を講じたいと考えておりますし、さらに、再発防止に向けた改善策というものを検討していきたいと考えているところでございます。
 なお、独立法人化につきましては、当然、それを視野に入れた形で現在アクションプランを議論しておるところでございますので、早急に結論を出していきたいと考えております。

〇副議長(菊池勲君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時9分 休 憩

出席議員(49名)
1  番 亀卦川 富 夫 君
2  番 中 平   均 君
3  番 ザ・グレート・サスケ 君
4  番 木戸口 英 司 君
5  番 関 根 敏 伸 君
6  番 野 田 武 則 君
7  番 平 野 ユキ子 君
8  番 高 橋 雪 文 君
9  番 嵯 峨 壱 朗 君
10  番 工 藤 勝 子 君
11  番 平 沼   健 君
12  番 平   澄 芳 君
13  番 柳 村 典 秀 君
14  番 飯 澤   匡 君
15  番 田 村   誠 君
16  番 大 宮 惇 幸 君
17  番 千 葉 康一郎 君
18  番 新居田 弘 文 君
19  番 工 藤 大 輔 君
20  番 川 村 農 夫 君
21  番 樋 下 正 信 君
22  番 照 井 昭 二 君
23  番 柳 村 岩 見 君
24  番 阿 部 静 子 君
26  番 斉 藤   信 君
27  番 田 村 正 彦 君
28  番 佐々木 順 一 君
29  番 佐々木   博 君
30  番 及 川 幸 子 君
31  番 阿 部 敏 雄 君
32  番 吉 田 昭 彦 君
33  番 小野寺 研 一 君
34  番 千 葉   伝 君
35  番 小野寺   好 君
36  番 伊 沢 昌 弘 君
37  番 瀬 川   滋 君
38  番 吉 田 洋 治 君
39  番 佐々木 一 榮 君
40  番 伊 藤 勢 至 君
41  番 渡 辺 幸 貫 君
42  番 高 橋 賢 輔 君
43  番 藤 原 良 信 君
44  番 佐々木 大 和 君
45  番 藤 原 泰次郎 君
46  番 菊 池   勲 君
47  番 工 藤   篤 君
48  番 小 原 宣 良 君
49  番 及 川 幸 郎 君
51  番 佐々木 俊 夫 君

欠席議員(2名)
25  番 阿 部 富 雄 君
50  番 佐 藤 正 春 君

説明のため出席した者
休憩前に同じ

職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ

午後4時28分 再 開

〇副議長(菊池勲君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。佐々木博君。
   〔29番佐々木博君登壇〕(拍手)


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