平成15年9月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇20番(川村農夫君) 異常気象農作物被害対策に関連して2点お伺いいたします。
 私も、自由党岩手県総支部連合会の異常気象農作物被害対策本部が去る18日、19日の両日実施しました現地視察に同行し、県内各地の水稲の生育状況を調査し、農家の方々の生の声を伺ってきたところであります。その結果、現地の実情は、平成5年の大冷害に匹敵する非常に深刻な状況であることを改めて認識したところであります。
 今後の対策としては、被災農業者の所得補てん対策としての農業共済が非常に重要であり、大きな被害が予想される本年においては、各農業共済組合で例年以上の体制を組みながら、適切な損害評価に当たる必要があると考えられます。
 そこでお伺いしますが、適切な損害評価が実施されるよう、県としてどのように対応されるのかお示し願います。
 また、今回の視察により、水稲の生育状況には地域や品種によって相当ばらつきがあるということを実感いたしましたが、中でも、本県の水稲作付面積の約4分の1を占めるあきたこまちの被害が、全県的に顕著であることが特徴と思われます。各地域、地形条件や気象条件から、あきたこまちに切りかえたところの結果もあると思いますが、作付の奨励方法について見直すべきと考えますが、今後どのような対応をお考えなのかお伺いいたします。

〇農林水産部長(佐々木正勝君) 2点ございましたが、最初に、被災農業者の所得補てん対策についてでございますけれども、被災農業者の減収所得の補てんにつきましては、農業共済の適正な損害評価とあわせまして、共済金を早期に支払うことが必要だと認識しているところでございます。
 このため、県といたしましてもいち早く、9月の初めでございますけれども、指導通達を出しまして、農業共済組合等に対しまして損害評価の体制をつくってほしいということと、共済金の早期支払いについて万全を期するよう指導したところでございます。
 今後、具体的に損害評価に係る事務費の増額、あるいは国費の導入状況等を見きわめながら、県としても、必要な支援について検討してまいりたいと思っております。
 それから、あきたこまち作付の見直しについてでございますけれども、議員からお話がありましたように、ことしは特に地域、品種にばらつきがございまして、その中でも、あきたこまちが全体の4分の1を占めているわけでございますが、この品種は耐冷性が中ということでございます。それから、原穂分裂期が全く7月下旬の低温に遭遇したということで、例年以上に不稔が発生しておりまして、県中南部を中心に多大な被害をこうむったところでございます。
 あきたこまちにつきましては、良食味品種ということで実需者から大変好評でございまして、需要が堅調なところでございます。そういうことで、県といたしましても売れる米づくりを進めるという観点から、本県の主要な品種に位置づけまして、適正な作付による安定生産を推進してきたところでございますけれども、本年の厳しい気象条件下では、残念な結果になったと思っております。
 県といたしましては、ことしの作付状況と被害の実態を改めて検証いたしまして、次年度以降の品種配置あるいは栽培管理の徹底を図ってまいりたいと考えておりますが、今後における県産米の安定生産を図るために、耐冷性が強く食味のいい品種開発に、さらに力を入れてまいりたいと考えております。

〇議長(藤原良信君) 次に、工藤篤君。
   〔47番工藤篤君登壇〕(拍手)


前へ 次へ