平成15年9月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇39番(佐々木一榮君) 自由・県民会議の佐々木一榮でございます。
 昨年12月定例会での質問の検証を含め、通告に従い順次お尋ねいたしますので、知事初め関係部局長には誠意ある積極的御答弁を期待するものであります。
 まず初めに、増田知事に2期8年の総括と春の統一地方選挙で約束された今後の任期4年の公約――マニフェストについてお伺いいたします。
 今から8年前、知事は、平成7年、全国最年少知事として、出馬表明から厳しい4カ月の選挙戦を経て初当選されました。当選の弁では、岩手は21世紀に向けた重要な時期であり、全国に誇れる県土を築きたいと、その意気込みを話されております。2期目の選挙では変革と創造の4年間を訴え、環境、ひと、情報の3要素をしっかり整え、今までの行政の流れにとらわれず行政改革を行いたいと述べております。
 そこで、まずお尋ねいたしますが、県財政も破綻が視野に入ったとも言われる今日、国の経済対策に呼応した財政運営を続けてきたことの是非なり評価を今現在どのように認識されているのかお伺いいたします。
 知事の描いている全国に誇れる夢県土いわての実現がどのくらい到達したと検証されているのでしょうか。
 具体的にお尋ねいたしますが、県総合計画みんなで創る夢県土いわては、1999年から2010年を全体計画とし、その前期計画は2005年度となっており、7カ年で343事業、総事業費約4兆2、000億円を盛り込んでおります。総合政策室によりますと、2001年度末で事業着手率こそ94.8%ですが、事業費ベースでは39.4%にとどまるとされています。この計画は、全国でも珍しい県民参加型の策定手法を取り入れ、実際に4、000件を超える県民の意見、提言を募り、計画発表の際は増田知事みずからが県内の各地方振興局に出向き、管内の市町村長、議会、そして地元選出の県議会議員等にプロジェクターを用いて知事御本人が直接説明したと記憶しております。当時は99年度当初予算の県債残高は1兆1、716億円でありましたが、増田知事は、盛り込んだ事業は財政的な裏づけを考えて選んだと述べておられます。県総合計画の進捗状況をどのように認識されているのでしょうか。また、当時の財政的裏づけは今もなされているのでしょうか。
 知事は、4月の選挙での3選を、時代は動いており、自分のやってきたことを厳しく断ち切れるかが問われている、新しい目で県政運営を担当し、県民の負託にこたえたいと述べられ、あわせて、すべての面で一度白紙に戻すとも述べられています。また、(仮称)自立した地域社会形成に向けた行財政構造改革プログラムの具体についても近々発表されるようでありますが、県総合計画と行財政構造改革プログラムの整合性はどのように進めていかれるのでしょうか。
 県内市町村では、それぞれが総合計画を策定しているところも数多くあります。市町村計画に与える影響はどのように認識されているでしょうか。私は、早い機会に県総合計画の見直しと行財政構造改革プログラムの県民への周知が必要と考えます。この際、増田知事が今選挙で示した二つの緊急優先課題と七つの重点施策を盛り込んだマニフェストとの県民が理解しやすい形での整合性を図るべきと思いますが、いかがでしょうか。
 この9月定例会には政策等の評価に関する条例案も提案されております。私は、条例案には賛成でありますが、前段申し上げましたように、岩手県総合計画、そして知事のマニフェストとの整合性をまず早急に進めませんと、政策、公共事業それぞれの評価委員会に所属された委員の方々も戸惑いを覚えると思うのですが、いかがでしょうか。知事のおっしゃる白紙の状態とは、どこまでが白紙なのか明確にしないと県民に正確な説明責任を果たせないと思うのですが、お考えをお尋ねいたします。
 あわせて、自立した地域社会の形成の観点から、現在、来月末に結論を出すとのことで検討されている3年で87億円節減の県の補助・負担金について総務部長にお尋ねいたします。
 これまで県では、地域活性化事業調整費や総合補助金など、ある程度地域の裁量に任せ補助金なり負担金を支出してまいりました。各部局の検討では、来年から3カ年で一般財源ベースで補助金84億4、700万円、負担金は2億7、700万円程度削減できる見通しとなっていますが、この試算の根拠となる部局ごとの削減額及び廃止対象とした事業、外郭団体の運営費補助、また、負担金の見直しについて総務部長にお伺いいたします。
 また、削減は来月策定の行財政構造改革プログラムに反映されますが、対象となる市町村や団体との調整はどのように進めておられるのでしょうか。タイムスケジュールもあわせてお伺いいたします。
 次に、知事の多選禁止についてお伺いいたします。
 御案内のとおり、増田知事と同じく改革派知事と呼ばれる長野県の田中康夫知事は、昨年12月定例県議会に、知事の多選に伴い行政運営が硬直化する等の弊害が発生するおそれにかんがみ、知事は連続して3期を超えて在職しないよう努める旨を定める長野県知事の在職期間に関する条例案を県議会に提案いたしましたが、2回の委員会で継続審査となり、3月に統一地方選のため廃案、再度7月定例会に提案、委員会及び本会議で否決となりました。この間3月に、人口50万8、000人の杉並区で全国初の区長任期3期までの条例が成立しております。かねてから増田知事も多選の弊害についての意識の必要性を述べられ、任期の上限について、3期ないしは4期と議会でも答弁されております。三重の北川知事は2期で勇退され、秋田の寺田知事はぜひ制定してほしいと述べ、千葉の堂本知事も、米国の大統領は3選禁止、それが選挙や政治を活性化していると発言しています。増田知事は、この多選禁止の条例についてどのようにお考えでしょうか。みずから御提案の意思はあるのでしょうか。あるいは県議会から提案してほしいという期待感はあるのでしょうか。また、知事は12月の会見で、せいぜい4期が限度、5期以上もいるが、知事としてはそれはやってはだめと発言されていますが、だめだとする根拠は何でしょうか。
 あわせて、条例の場合、本人だけではなくてその後の人にも続けて制約を課すわけで、そういう論点からも少し考えてみたいと述べられていますが、6月定例県議会に提案された資産公開条例案の提案の折には、今後、知事になる方に制約を課すこの条例についてどう考えられたのでしょうか。みずからに課すという観点で時限的条例案の検討はされなかったのでしょうか。6月定例議会の指摘を受け、趣旨を損なわない範囲で修正可能か内部検討していると伺っておりますが、検討状況についてお伺いいたします。
 次に、増田知事が副代表を務められている新しい日本をつくる国民会議、いわゆる21世紀臨調についてお尋ねいたします。
 21世紀臨調は、国民が主役となる新しい日本をつくるため、自立、選択、責任、連帯を合い言葉に、国のかたちの再構築、政治の仕組みの再構築、暮らしの再構築を目指し、1、脱官僚、2、脱無党派、3、脱中央集権のスタンスで、日本の閉塞状況を打破する本格的な政治改革運動を推進する目標でスタートされたと伺っております。来週月曜日にも予定されると伺っておりますが、知事・市長連合会議の座長である増田知事にお伺いします。
 まず、21世紀臨調の結集しようとする改革派知事・市長とはどういう方々を具体的に指すのでしょうか。改革という言葉に新鮮味が欠けてきているとも思われる現在、改革派の定義をどのように位置づけているのでしょうか。
 また、脱無党派、政党の立て直しとのスタンスを掲げており、6月の会見で知事は、政党がきちんとした役割を果たして本来的な機能を発揮していくことが望ましい姿で、政党が多くの国民から余り十分な信頼感を得ていない現実の問題があると述べています。知事は、今選挙は政党推薦を要請していませんが、平成7年には新進党、11年には共産党を除く各政党の推薦を受けています。過去2回の選挙で推薦を受けた政党の立て直しにどのように関与されるのでしょうか。現存する政党を立て直しするには、みずからがその中に入り改革するか、もしくは知事御自身が新党を立ち上げた方が実効性は上がると思いますが、いかがでしょうか。
 関連して、全国知事会会長選挙についても知事のお考えを伺います。
 全国知事会の活性化として、従来の話し合いから投票による選出を目指した会長選びは、立候補が梶原岐阜県知事1人となり、実質無競争就任となりました。そこでお尋ねいたしますが、21世紀臨調副代表の増田知事は、なぜ立候補されようとしなかったのでしょうか、その理由をお尋ねします。
 また、8県知事による地域自立戦略会議の9兆円の国庫補助負担金の廃止と8兆円の税源移譲について、幾つかの県だけで提案する動きはおかしいと批判する知事もありますが、増田知事は梶原会長の推薦人でもあり、他県知事にも積極的に働きかけたと伺っておりますのでお尋ねいたしますが、闘う知事会への期待と21世紀臨調の目指す改革派知事の結集の動きについてどのように今後を見据えていらっしゃるのでしょうか。
 次に、道州制についてお伺いいたします。
 県議会での道州制議論は平成12年から活発化していますが、最近の知事の発言及び青森、秋田との連携の観点からも、現状と今後の進め方についてお尋ねいたします。
 昨年12月25日、青森、秋田、そして本県の北東北広域政策研究会は、17年3月の市町村合併特例法の期限から、5年から10年後に合体して東北州への移行を提言する記者会見を青森県庁で行いました。3県での合同事務所や共同県債の発行、産業廃棄物税など連携の効果は確かに認めるところですが、まず最初に、この議論には、県職員はもちろんのこと、それぞれの県民の理解と合意がなければ絵にかいたもちにすぎないと考えます。3県研究会の報告書には、行政サービスや公共施設の機能分担や3県の長期総合計画の策定、都道府県合併関連法令の制定提唱など、この後通告しています市町村合併でさえ大変な課題を抱え努力している最中に、どのようにこの道州制を視野に入れた進め方をお考えでしょうか。青森県の職員は、岩手県の増田知事の意向が大きいとも述べており、現在は北東北3県広域連携検討組織の設置が合意されておりますが、本当に3県知事の議論の歩調はとれているのでしょうか。
 さきには北海道・北東北知事サミットで、道州制を視野に入れた都道府県のあり方を意見交換する(仮称)北からの分権改革検討会を9月定例議会終了後に設置することとしたようでありますが、これら二つの検討組織の必要性についてどのようにお考えでしょうか。また、前段質問いたしました21世紀臨調や地域自立戦略会議等、知事が積極的に携わっている研究会とはリンクしないのでしょうか。すべてが最終的には国会の議決を経なければ実現不可能と考えますし、全体像から見ますと、広域連携や共通課題の解決協議などはともかく、3県あるいは4道県での道州制議論は場当たり的にしか考えられないのですが、いかがでしょうか。舞台を全国知事会の部会なりに移行してもいいのではないでしょうか、お考えをお尋ねいたします。
 次に、市町村合併についてお尋ねいたします。
 さきに質問させていただきました道州制と市町村合併は、鶏か卵かではなく、市町村合併が当面の大きな課題と認識しております。全国を見ましても、それぞれ昭和の大合併のときの事情はあるにしても、本県は現在、法定協議会設置はゼロで、東京、神奈川、宮崎と並び最低に位置しています。期限内に合併しなくても新たな法律が制定されるだろうと楽観している面もあるやに聞いておりますが、それでは、汗をかいて苦難を乗り切って合併した自治体はどうなのかということも考えなくてはいけないと思います。道州制について議論を進める相手としている青森は、23の市町村で五つの法定協議会と28の市町村で五つの任意協議会を設置し、また、秋田県では、35市町村による八つの法定協議会と16の市町村による五つの任意協議会と、本県に比べますと格段に進んでおります。
 そこでお尋ねいたしますが、県は、単独で合併交付金制度を創設したり、総務大臣が来県してのシンポジウムなど県民の議論の醸成を図っておりますが、なかなか効果があらわれないように思います。現状として、今後残された期限までの18カ月をどのように進めていかれようとお考えなのかお尋ねいたします。具体的に新たな市町村の動きがあればあわせてお伺いいたします。3万人特例の1年間延長や地域自治組織の制度化の流れを新たな議論の契機として進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、総務省では、市町村が県境をまたいで新設合併しやすくするよう、合併手続を簡素化する方針を固め、都道府県の枠にとらわれない合併ができる環境を整備する目的から自治法改正か新法を提出する準備を進めているとのことでありますが、例えば、本県の県境地域において、前向きに検討しようとする市町村を県はどのように把握しておられるのでしょうか。
 あわせて、せっかくの機会でありますので、一関地方任意協議会への平泉町の不参加について知事の認識をお尋ねいたします。
 率直に知事は、現在の状況をどうお考えでしょうか。かねてより知事は、市町村合併は住民の意思が第一であるとおっしゃっていますが、住民アンケートでは任意協議会参加を支持する町民が多数の状況でも、議会は2度否決しております。議会も合併は避けて通れないとの認識の中で、枠組み議論が全くかみ合わない状況であります。知事は今月2日の会見で、町当局も議会もお互い身動きがとれない形になりつつあり、頭を冷やすのにちょうどいい時期でもあると思いますと述べています。頭を冷やすということは、この問題が感情論に発展しているとの認識からでしょうか。知事みずから町当局、議会に対し任意協議会参加への働きを進めてこられましたが、今後どうリーダーシップをとっていかれるお考えでしょうか。
 また、今回の件で、会見では東山、川崎にも触れられ、東磐井の他4町村との議論についても話されておりますが、現段階での知事の発言として真意をはかりかねるのですが、どのような合併の姿を知事は想定して発言されているのでしょうか。前に私がこの問題についてお聞きした際、当時の地域振興部長からは、とりあえず第一弾として平泉も参加した5市町村の合併後、次に環境が整えば両磐が一つにというお話もいただきました。いずれ平成17年3月に向けそれぞれが努力しているわけで、今、知事は、会見で期間延長を視野に入れての発言をなさっていますが、かえって当事者には混乱が生じかねないと考えますが、いかがでしょうか。いずれ市町村にもっと積極的にかかわっていただくことを私は期待いたします。
 次に、財政問題に関連して総務部長にお伺いいたします。
 行財政改革プログラム策定中ですが、その中でも県税の滞納者対策と経費削減についてお考えをお伺いいたします。
 県の14年度県税決算見込みは、前年度10.8%減の1、096億9、985万円で10年前の水準に落ち込み、減少は過去2年連続、下落幅はこの10年で最大となる見込みであります。この要因については現下の状況から理解できるところでありますが、県税の徴収率はどうなっているのでしょうか。自動車税だけでも5億円を超えるとお聞きしていますが、市町村税も含め、その状況と徴収率向上対策についてお尋ねいたします。
 茨城県の、滞納者の税金を市町村にかわって取り立てる茨城租税債権管理機構が注目を集めています。県主導により、県内全市町村が参加して市町村税と県民税の滞納整理を目的として一昨年4月に設立され、その成果は目をみはるものがあります。発足以来2年間の視察者は843人で、3回訪れた三重県では来年度全市町村参加で滞納整理組合を立ち上げると伺っておりますが、本県ではこのような動きをどう認識されておられるでしょうか。このような管理機構の立ち上げについて検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 あわせて、県も財政品質向上運動をスタートさせましたが、経費節減の観点から、県及び市町村の公共施設の民間への管理委託の今後の取り組みについてお伺いいたします。
 さきの国会で改正地方自治法が成立したことにより、全国の自治体が設置した福祉施設、病院施設、体育施設、文化施設、公園等の管理運営が株式会社などの民間企業に委託できるようになり、総務省では、導入が広がれば行政サービスの向上や新規産業の創出につながるとしています。まさしく民間企業に効率的経営を行わせて行政コストを削減できるとともに、民間が自由な発想を生かすことで従来できなかったサービスを期待できるという利点があります。
 そこでお尋ねいたしますが、法改正を受けての県、市町村の現在の取組状況はいかがでしょうか。私は、可能な限り民間に委託を進めるべきで、ぜひ外部の有識者、一般県民も含めて検討委員会を立ち上げ、全県に広げるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 報道によりますと、高知県では旅費事務を民間に委託することに決定し、年間削減効果は1億2、000万円と試算しておりますが、本県での導入はいかがお考えでしょうか。
 次に、介護サービスに関連して保健福祉部長にお尋ねいたします。
 厚生労働省は、訪問介護などすべての介護保険サービス事業者に対し外部の客観的評価を義務づける制度を導入することを決定いたしました。本県においても、近年、社会福祉法人等のさまざまな事件が発生しており、時宜を得たものと理解しています。提供するサービスごとに事実上の格付をすることにより利用者が質の高いサービスを選びやすくすることが目的で、来年はモデル事業とし、数年以内に全事業者を対象にするとのことですが、本県の今後の取り組みについてお伺いいたします。
 また、現在も県内のサービス事業者に対し指導されていると思いますが、制度が導入されるまでの問題点についてもあわせてお伺いいたします。
 次に、青森県境産業廃棄物不法投棄問題について環境生活部長に3点、簡潔に伺います。
 青森県の環境基準を下回る堆肥や汚泥は埋め戻し用に利用する方針についてでありますが、本県は全量撤去の方針ということでありますが、現在の協議はどうなっているのでしょうか。
 また、青森県は、汚水の河川流入を防ぐため、撤去に先立ち遮水壁を設置するとしていますが、本県は、早急に全量撤去すれば汚水対策は問題ないとしています。この方針に変わりはないのか改めてお尋ねいたします。
 3点目といたしまして、青森県は、田子町から要望のありました処理施設について、施設建設に約600億円という巨額の費用がかかることから困難としておりますが、本県での現地処理計画は現在どうなっているでしょうか。
 あわせまして、先月末八戸市で開いた県主催の説明会で、本県側の現場から出た廃棄物を県内3カ所の施設ですべて自県内処理すると説明されておりますが、当初は、秋田、青森の民間施設も対象となっていたようでありますが、県内で全量処理できるという説明で間違いないのか、確認のためお伺いいたします。
 次に、岩手県ごみ処理広域化計画についても環境生活部長にお伺いいたします。
 県は、平成11年、ダイオキシン類の削減と処理コストの削減をねらい、ごみ処理広域化計画を県内6ブロックに分け計画を策定いたしましたが、まず、現在の進捗状況についてお尋ねいたします。
 当時は、大型処理施設日量最低100トン以上、できる限り300トン以上の施設で統合化を平成29年までに全県で対策完了するとのことでありました。これは、小規模施設ではダイオキシン発生の危険性があるためと理解しておりましたが、現在は技術も進歩し、大型施設でなくてもその処理が可能とお聞きしております。一昨年の北海道・東北6県議会議員研究交流大会でも話題となったのでありますが、本県のように広い県土を持つ地域で、何でも施設規模に合わせるという当時の広域化計画が果たして現在どうかという議論が必要と考えます。現に、7月末開かれた胆江、両磐地区のごみ処理広域化県南地区市町村会議でも異論が出たところであります。事務局の水沢地方振興局では、計画自体の見直しも含めて協議していくとしています。平成9年の厚生省通達では届け出により改定可能とのことでありますが、県は、広域化計画の見直しについてどのような地域事情の基準で協議していこうとされているのかお伺いいたします。
 次に、高速通信網整備について知事にお伺いいたします。
 御案内のように、先月、NTTドコモは、次世代の第4世代携帯電話で光ファイバーを使った家庭向け最高速インターネットサービスと同じ毎秒100メガビットの超高速通信実験に成功したことを明らかにし、4年後に実用化のめどを立てる考えを発表いたしました。まさに日々IT革命は進んでいると実感いたします。しかし、本県を見ますと、いまだにブロードバンドネットの普及率は約10%、全国41位で下位に位置している現状であります。知事公約でもありますが、県では、情報の森づくりプロジェクトで高度情報化戦略を策定し、2年後には全県に高速通信網を整備することとしています。
 そこでお尋ねいたしますが、本県のように住宅密集地の少ない地域性では、ADSLは電話局からせいぜい六、七キロでしか利用不可能で、実際全県普及率の向上にどの程度貢献できるかという具体的調査が必要と考えますが、県としての調査の取り組みについてお伺いいたします。
 総務省では、この7月、このような問題に対処するため、高周波数帯の電波のあきを活用して、自治体が無線による超高速インターネット通信網の整備をできるようにする方針を固めました。省令改正を行い、今年度中にも自治体が導入できるようにするとのことでありますが、本県にはまことに時宜を得た省令改正であり、通信網整備のコストダウンにも大きく貢献するものと考えますが、県としてどう対応していかれようとしているのかお伺いいたします。
 次に、公立学校の運営について伺います。
 東京都教育委員会では、来年度からすべての都立高校でバランスシート、貸借対照表などの作成を義務づけ、各年度の収支状況を説明するキャッシュフロー計算書、行政コスト計算書、各学校の資産と負債の状況を示すバランスシートを公表し、授業料などの収入に比べ教員給与や施設維持費などがどの程度かかっているかなどを数字で示し、教育委員会が各学校別に審査して学校経営診断書をつくり、評価や次年度への課題を明記することとしています。少子化の中で私立学校も厳しい経営環境に置かれている現状からも、幾ら公立とはいえ、こういった経営感覚の醸成は必要だと考えますが、教育長は導入のお考えがおありでしょうか。また、教育委員長はどのような見解をお持ちでしょうか。
 あわせて、札幌市教育委員会では、市財政の厳しさから、市立の小・中・高が節約した光熱費の半額を還元し物品購入費に充てるなどの取り組みをしていますが、現在、生徒の意識改革も含め、県教育委員会ではコスト削減対策はどのように指導されているのでしょうか。
 文部科学省では、都道府県、市町村が設置した公立小・中・高の管理運営を株式会社など民間に全面委託する公設民営学校を認める方向で、高校は早ければ2年後にも認められる可能性があります。いずれ中央教育審議会での検討ということになりますが、教育委員長は、この公立学校の管理運営、民間委託についてどのようなお考えをお持ちでしょうかお尋ねいたします。
 最後に、農林水産部長に異常気象農作物被害対策についてお伺いいたします。
 先週、18、19日の2日間、自由党県連調査団は、県内のほぼ全域の12カ所の圃場視察を、県、市町村初め関係機関の御協力をいただき実施いたしました。圏域別、品種別のばらつきが大きく、被害の大きさを目の当たりにしてまいりました。
 そこでお尋ねいたしますが、今後の農家に対する刈り入れまでの指導や共済金の年内支払いによる所得補償など課題は多いと考えますが、県としてどのような積極的対応をお考えでしょうか、お尋ねいたします。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 佐々木一榮議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、財政運営の関係で、景気対策、国の経済対策に呼応した本県の財政運営を続けてきたことについての是非を問われました。
 これについては、まず、プラスの面の評価もあります。社会資本の整備がこのことによってスピードアップして進んできたということ、それから、それをベースに県民生活の向上も図られてきた、こういうふうなプラスの面の評価もしておりますが、一方でマイナス面の関係が大きくて、結果として、かなり短期間に多くの事業を行ってきましたので多額の県債残高を抱えた。結果として景気がどのようになったかと言いますと、これは国全体に通じて言えることでありますが、目立った回復がなされていない、起きていない。それから、そのことが現在の県財政の疲弊ということに結びついてきているということがございます。
 それから、こうした事業を公共事業などを中心にして行ってきたということは、やはり、どうしても財布を握っている中央省庁の基準ですとか、そこの各係の意向を優先するということがありますし、そういったことが積み重なると、どうも安易に霞が関スタンダードを受け入れる、県民の方を見ないで中央省庁ばかりを見ているというような、県職員の意識をそういう方向に向かわせてきてしまったのではないか。いろいろございまして、やはりマイナス面が非常に大きいと思っているわけであります。
 こうしたことによって、さっき言いましたように、県民生活の向上が図られたと言いましたけれども、一たん、かなり無理した財政運営でこうしたサービスを膨張させると、今、大変苦労しているわけですが、縮小させるのに大変痛みが伴うといったこともあるので、やはり身の丈以上のことをやり過ぎてきたなと。これは私の最終的な責任が大変大きいと思っております。そういう意味で、今、ハンドルを大きく切りかえていく必要があるだろう。やはりマイナス面が非常に大きかった、こういうふうに評価をしているところであります。
 それから、総合計画についてお尋ねがありましたけれども、今の総合計画の状況を申し上げますと、あそこには五つの社会を掲げてあるんですが、そのうちの快適・安心社会とネットワークの関係、個性が生かされ、共に歩む社会、この三つについては、今現在までは指標をベースにして到達度をはかりますと、まあまあのところまで来ていますので、この三つの社会についてはおおむね順調に進んできていると思っています。
 それから、到達度がよくないのは、やはり産業の関係ですね。創造性あふれ、活力みなぎる産業が展開する社会です。それから、自然と共生し、循環を基調とする社会。ごみの排出量なども多くなってきておりまして、この二つの社会については指標の進捗状況も余り芳しくない。
 それにしても、今までは全体としてはおおむね順調に推移をしてきたと評価しているんですが、後で御指摘ございますように、これから財政運営が非常に逼迫してくるので、これからが本当にこの総合計画を達成させる上で試練の時期と考えております。
 それから、この総合計画について、今策定中の行財政構造改革プログラムとの整合性をどのように進めていくか、これは今議員御指摘のように、きちんとした整合性をとらないといけないわけで、私はこう考えているんですが、総合計画の中の考え方、理念、これは基本構想や大どころの基本計画にあらわれているんですが、私は、これはこれからの時代も正しいものだと。それで、そこは変える必要がないので、こうした総合計画の基本的な部分というのは、これからも踏まえていきたい。
 ただ、現実の具体の実施計画、あともう一つ、地域計画というものがあれにあるんですが、これについては、やはり財政悪化の影響をどうしても受けるわけでございまして、全体としてペースダウン、スローダウンさせないといけないと考えております。
 さらに、事業を厳選して実施していく。その事業を厳選するものが、先般の選挙のときに私が申し上げましたマニフェスト、その中に、こういう分野に重きを置いていきますということを掲げたつもりでございまして、そのマニフェストに掲げている政策ごとに、具体的な目標や期限を設定する作業を今内部で行っております。これはできるだけ早い時期に県民の皆さんに示したい。目標は来月中と考えておりますが、これを数十の政策に分解して、きちんとした目標でお示ししたいと思っております。こういう作業の中で、総合計画の中でさらにまた特に厳選する事業を明らかにしていって、そして、それを中心に総合計画の考え方を実現していきたい、こういうことを考えているわけであります。
 知事演述の中で、白紙の状態に戻ってと言っていますが、これは、すべての事務事業について聖域を設けずにゼロベースで見直す、こういう趣旨でございまして、考え方自体は、私は知事演述の中でも同じようなことを申し上げておりますが、総合計画のあの考え方というのは、21世紀に通ずる本県の考え方だと考えております。
 それから、多選禁止の条例でございます。
 これは、改めて申し上げますが、私はやっぱり多選というのはいろいろな弊害があると思っております。問題はこれを条例化するかどうかということなんですが、私は、この多選禁止を条例で定めるのは憲法上問題がある、それから今、その憲法を受けた公職選挙法とか地方自治法などがありますが、これに違反するだろうということで、もしこういった多選禁止ということを条例上で制約することに問題ないというのであれば、恐らく条例として出していたと思います。私は、そういうことで、憲法上も問題があると考えておりました。
 自粛条例というのが、今でき上がっているのがあるんですけれども、私は、これは余り意味がないのではないかと思っています。というのは、次の資産公開条例の方にも関係しますけれども、自粛するかどうかというのは、やはり個人の意思、意向が大きく左右するわけです。それをずうっと制度として歴代の候補者というか当事者に制限を課するかどうかということが、そのこととして問題になってくるだろうと思っています。
 多選の時期、何で5期なのかという話なんですが、私は多少個人差はあると思います。御本人の能力とか実力、今までの歴代の先輩の知事を見ても、最高で8期ぐらいやられた方がいるんじゃないかと思いますが、1期目からずうっと見て、3期目、4期目、5期目ぐらいから、やっぱりいろいろな弊害が出てきたと私は見ていまして、3期か4期ぐらいがボーダーだと思っているんです。個人差はありますけれども、明らかに5期以上はもう許容範囲を超えているという意味です。
 じゃ、4期がだめで5期はいいのか、5期がだめで6期かとか、これは切りがない話なので、私はもうそこは5期とすべきだろうと思っているわけです。
 それから、資産公開条例なんですけれども、先ほど言いましたように、これは私は制度としてやるべき話であって、さっきのような、自粛するかどうかは本人の意思が左右するので、これは条例というものにはそもそもなじまないのではないか。それで資産公開というのは、知事という職にある者がいかに透明性を確保するかということで、これはまさしく制度の問題と思っていますので、条例で提案したわけですが、見事否決されたという結果であるわけです。
 ですから、制定の過程の中で、これを期限つきにするかどうか、修正ということがひょっとしたら議会の方から出てくるかなと思いましたけれども、私自身は、期限つきということは考えないで、制度として提案したものであります。
 それから今、あの場ではいろいろ議員の皆さん方から御意見があったので、どこまでそういった御意見を反映できるかを中で検討しております。特に、配偶者と扶養する子のプライバシーの関係、これは条文修正という形の中で何かできないかということで、これは論点が非常に多岐にわたるので少し時間がかかるんですが、今その修正を行っておりまして、その結果として、先般、6月定例会で提案したもの、あれはもうストレートに真っ正面から書いた条例でありますが、それとどちらがいいかということを改めてまた考えていきたいと思っています。
 21世紀臨調の関係について幾つかお話がありました。まず、あそこで行動をともにしている知事、それから今度、市長を仲間に加えたいと思っておりますが、これについてどういうことかというんですが、先ほど議員からもお話があったような改革のスタンス、いわゆる脱官僚、脱無党派、それから脱中央集権という三つのスタンスに共鳴をしていただく。そして、それぞれの地域で実際にそれを実践している首長さん方と行動をともにして、私は、いわゆるマニフェストのような明確な、いわゆる政権公約と呼ばれておりますが、ああいうものを軸にして、これからの社会を国民の信頼に足るものに変えていければと。特に私の立場は、地方分権、三位一体の改革の推進役としてこれを使っていきたい、こういう思いで行動しているものでございます。
 この改革のやり方は、確かに今議員がお話になったように、政党の中に入ってやるやり方もあるでしょうし、それから、私自身は外からやる改革もあると思うんです。内からの改革と外からやる改革ということがあって、私はこれについて、外からの改革が時間としても一番手っ取り早く、そして、今の私の立場からも一番やりやすいものと判断しております。
 21世紀臨調自体が、特定政党を支持したり、特定候補者を擁立するということでない考え方でみんな集まっているわけですが、私も外から、やはり政党がしっかりとした政権公約、マニフェストを掲げて国民の信を問うような、そういう世論づくりをして、その上できちんとした政権、そして信頼に足る政策を国として実施していただきたい。そういう意味で、私も脱無党派ということを申し上げておりますが、政党の役割というのは大変重要であり、もっと国民もその掲げるマニフェストに関心を持って、一つ一つ自分なりに考えていくべきだと思うわけであります。
 それから、全国知事会の会長選挙についてでありますが、何で立候補しなかったのかという話ですが、私は、今会長になりました岐阜県の梶原知事が47人の中では最も適任者であると判断をして、その推薦人にもなりました。そのもとで知事会活動を展開していくことがいいのではないか、こういうことでそういう行動をとったものでございます。
 それから、この知事会が今後どういうふうに活動すべきかということですが、梶原会長が選ばれたその場ですぐに、新会長が多数決原理というものを中に導入しました。今までは、知事会は任意組織でありまして、この任意組織というのは今も変わりませんが、多数決ではなくて、全員一致で行動するというのが今までの行動原理であって、したがって、全員一致ですから大変時間もかかるし、全員が一致するところでしか物事を言えないということで、行動についても大変制約があった。今回は多数決の原理ということで、これからスピーディーに行動していこうということでありますので、より知事会としての意向が明確になると思います。そこに大いなる期待感を持っておりますし、それから、21世紀臨調のような活動も、今後一層知事会と連携・協力していく必要があると。むしろ、21世紀臨調ではなくて、知事会でやれるものは知事会の方に積極的に取り入れた方が、影響力が大きいですから、そうやっていきたい。
 ただ、先般の6県知事の提言のように、とにかく概算要求に間に合わせるということに意味があったりという、タイミングが大切なものは、やっぱりそういうもので行動していくということも当然あり得るだろうと思っています。
 それから、道州制についてでありますが、これは、私はこういった統治機構のあり方にかかわるものは、県民の中でのしっかりとした議論が不可欠である、やはり県民議論をしっかりしないといけないと思います。実は、このことについては県内ではまだ余り行っておりません。これは大変大きな統治機構のあり方に関するものですから、さあ、議論を始めましょうと言っても、よく言いますように、学者のような議論にしかなり得ないということもありますし、やはり行政が先頭に立って議論の土壌づくりを進めていかなければならないということもあります。
 最近、総理もこのことに急にいろいろなところで言及し始めました。それから、民主党もこのことについては従来から大変意欲的で、盛んに道州制、道州制ということを言っていて、今度の総選挙の大きな論点になる可能性もあるということもございます。
 当然、議員がお話のように市町村合併が先行するわけでありますが、市町村合併の中でも、じゃ、都道府県の役割をどうするのかということが当然議論として出てくるわけで、今言ったような総理や民主党のような動向もございますし、自民党の中にも大変積極的な議員もおられるわけです。そういった議論を国レベルの議論に任せておくのは大変危険だなと。国の都合のよい形で決められる可能性がありますし、国の地方制度調査会でもまともにこの問題を議論し始めましたので、北海道も入れたところで意見交換を十分しておく必要があるだろう、そこに意味があると私は思っております。
 こういう道州制検討の組織ですけれども、先般、北海道で行われた4道県のサミットで、意見交換の場をつくろうということで、これは北海道が11月までに、総理からの御下問もあるので提言をまとめるということですから、そこで行われるのがモデルとして一番ふさわしいと私自身も思っているんですが、そこでの意見交換を積極的に北東北でもやっていく必要があるだろうと思って、そういう検討会を立ち上げたいと思っています。
 北東北3県の広域連携検討組織は、北東北のグランドデザインなどについて検討しようというもので、これはもう少し具体の玉をやるですとか、今まで地方債の共同発行ですとか、産廃の共同税とか、そういう税財政のところまで進んできていますが、もっとグランドデザインのところをしっかりと形づくっておきたいということを考えております。
 こういう道州制について、当然、全国知事会でも話がなされるべきで、7月の知事会のときは、総会でも議論があって、知事の間でも温度差がありまして、まだ時期尚早とする人もいますが、こういうのは当然議論すべきだという知事も大変ふえてきました。先ほどの政府の地方制度調査会のそういう議論もあるので、知事会の中の地方制度調査委員会の中で、当然これから取り上げていくことになるわけですが、私が後で言いますように、こういった一国多制度というものが地方自治の組織の場合に大事だと思いますので、こういった検討組織を県レベルでやるのも意義があると思っております。
 それから、市町村合併についてですが、最近の動向は、宮古市、田老町、新里村で新たに任意合併協議会ができたということで、県内でも動きが活発化してきている。ただ、任意協議会のレベルですから、これを早く法定協議会に移行して、平成17年3月の期限までにその合併がなされるように、これは県としても全力で支援をしていきたいと思っています。
 それから、3万市の特例、これはもう既に市町村にかなり周知を繰り返しておりますので、皆さん十分周知してくれていると思っていますが、あと、地方制度調査会で、旧村単位でつくる地域自治組織の動きがあるので、これもうまく有効に活用すれば、合併に向けての促進役になり得ると思いますので、これについて市町村に必要な情報提供をしていく。いずれにしても、まず特例法期限内で合併を目指すものについては、県として全力でそれを支援していくという立場で考えております。
 それから、都道府県の枠にとらわれない県境を越えているものですが、これは、特例法の期限内では県内でそこまで考えている市町村はないと思っておりますが、将来構想としては、当然うちの県南と宮城県北、あるいは八戸市の方をにらんだ岩手県北の地域でもそういうものが出てくる可能性はあるだろう。そのときに手続をどうするかという問題はあると思いますが、今、やはり特例法期限内での動きを加速させるということにまず一番意を尽くすべきだと思っておりますので、その段階ではこのような形での市町村はないと思っております。
 それから、一関地方任意協議会でございますが、これは平泉のことが中心になってくるわけですが、私、少し頭を冷やしたらどうかと言いましたが、やっぱり物事は冷却期間というのが大事で、押すばかりでなく、時には引いてみるということが必要だと思います。
 議論の経過も随分、直接町長さんや議長さんからも聞きましたし、地方振興局長からも報告を受けていますが、感情論だというふうに思っているのかというお尋ねがあって、感情論ではなくて、やっぱり皆さん冷静に将来のことを心配しているんだろうと思います。しかし、やはり、先般のアンケートのような形でなくていいですけれども、もう一回住民の皆さんとそれぞれの地域で話をされるとか、少し冷却期間を置いた方がいいのではないかということで、ああいうことを申し上げたわけであります。
 やはり、住民の意向というのは特に大事だと思うんですね。アンケートでもああいう結果が出ていますし、それをまたもう一度それぞれの地域に帰って、一人一人がそのことを考えた上で、また議会で執行部と議論をするといったようなことで、やみくもに走っていくだけでもないと思います。
 特例法の期限のことを言ったんですが、要は、期限が、もうスケジュールがないから、余裕がない、余裕がないということで拙速にやってはいかんと私は思うので、スケジュールについては特例法の関係で若干余裕が出るというのは、そういう意味で申し上げております。ただ、これは本当にわずかな期間ですから、手続が多少、それまでに合意だけできていればいいよということぐらいですから、余り決め手にはなりませんが、やっぱり議論をしっかり尽くすということをやっていただきたい、冷静にやっていただきたいという意味で申し上げておきました。
 この東磐井を含め、両磐全体の姿ですが、やはり私も段階的にこれは考えていくべきで、地方財政がこれから一方で悪化する、それから、市町村の役割というのはこれからますます重要になってきて、やるべき仕事も大変大きい、住民からもそれだけのことが期待されるわけであります。だから、将来的には、今の一関地方任意協議会の構成市町村だけではなくて、当然、東磐井全体、あるいは両磐全体をにらんだ自治体として、国はおろか、県からもいろいろ、ああだ、こうだ左右されることなく、自分たちでいろいろな物事が決められるぐらいの強い自治体になっていただきたい。特に、岩手の入り口のところですから、ぜひそうあるべきだと私は思っております。
 そのときに、やはり今の枠組みというものはまた大事でありますから、平成17年3月までに、今の枠組みを最大限生かして、それで成果を出していく。それから、将来構想に向けてさらに休むことなく動いていっていただきたいということで、ほかの4町村ございます、東磐井でも4町村ございますが、ここも今いろいろ地域で議論されておりますけれども、その議論は継続して真摯にやっていただく必要があるだろうと。県も当然その中に入って、しっかりやりたいと思っております。
 それから、最後に高速通信網整備についてでございますが、無線の超高速インターネット通信網で、これは岩手のような地形を抱えている県にとっては大変朗報であると考えております。担当のところに聞きますと、技術的な問題も多少あるやに聞いておりますけれども、本県のような地域では、大変役立つ部分が多いのではないか、こういうとらえ方をしておりますので、これから具体的な基準、それから運用コストについてもっと情報収集を行った上で、効果的な活用方法について中で検討していきたい。
 いずれにしても、岩手県も各地域の特性が非常に違っておりますので、ケーブルテレビをうまく活用した方がいい地域ですとか、ADSLをうまく活用した方がいい地域ですとかございますし、今言ったような無線方式を活用した方がいいというところもありますので、これらを組み合わせて整備促進していきたいと考えているところでございます。
 その他の御質問については、関係する部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕

〇総務部長(時澤忠君) まず、補助金・負担金についてでありますが、県では、行財政構造の抜本的な改革を進めまして、今後4年間に見込まれます歳入歳出ギャップの解消が図られますよう、あらゆる分野において、一切の聖域を設けず徹底的に洗い直しを行うこととしておりまして、その一環として、県単独で実施しております補助・負担制度についても全面的な見直しを行っているものでございます。
 この見直しに当たりましては、単なる歳出削減のために補助金・負担金を一律に廃止、削減するというものではなくて、個々の補助制度につきまして、事務事業評価結果に基づき、その目的、効果等を検証し、なお、地域の実情も踏まえながら、交付先の自立性を高める観点からの見直しを行っていくというものでございます。
 例えば、補助金につきましては、一定の目的を達成したと思われるもの、あるいはその政策誘導効果が薄れて単なる財源補てんとなっているもの、これらにつきましては廃止の方向で見直しをする。あるいは、各種負担金につきましても、県が加入している効果が小さいものは、脱会を検討するというような観点からの見直しを行っているというものでございます。
 現在、各部局の検討結果をベースにいたしまして見直しの作業を進めているところでございます。行財政構造改革プログラムの公表の際に、歳入歳出ギャップの解消に向けた補助金・負担金の削減見込み額をお示しすることになるということで考えております。
 なお、個々具体の補助金・負担金の廃止、縮減につきましては、最終的には平成18年度までの各年度の予算編成において決定することとなるというものでございます。
 市町村、団体等との調整につきましては、行財政構造改革プログラム策定に関して、7月から8月にかけまして県内13カ所で県民、市町村等を対象とした説明会を実施しております。その中で補助金・負担金の見直しの考え方につきましても説明を申し上げておりますが、それに対して参加者の中から、補助金の削減は県民への影響に十分配慮して行うべき、あるいは地域によって事情は異なりますので、全県一律に補助金の削減を行うべきではないというような意見もいただいております。
 したがいまして、今後、個々具体の補助金・負担金の廃止、縮減を決定するに当たりましては、市町村、団体等にまず改革の趣旨を十分に理解していただきながら、なおかつ、その意向なども踏まえて調整をしていきたいと考えております。
 次に、県税、市町村税の徴収率の状況でございます。
 県税の平成14年度におけます徴収率の見込みでございますが97.8%でございまして、平成13年度と比べて0.4ポイント低下いたしております。平成7年度が99.1%でございまして、低下傾向にございます。
 市町村の平成14年度の県平均徴収率の見込みも92.3%で、平成13年度に比べて1ポイント低下しております。平成7年度の96.3%から、これも低下傾向にあるということでございます。
 これまで徴収率向上対策につきましては、個人県民税につきましては、県と市町村の税務職員による共同での滞納者への訪問等、徴収応援などの手段を講じてきております。また、自動車税につきましては、地方振興局の税務職員全員によります滞納の初期段階での集中催告、そして、自動車税の滞納者向けのポスターの掲示などによります啓発を行っております。さらに、滞納者への預金・給与等の差し押さえ等の実施も行っているところでございますが、今後の対策といたしまして、地方振興局に滞納整理特別対策本部というものを設置いたしまして、土曜日、日曜日等の開庁によります納付窓口の開設、あるいは職員によるローラー作戦での臨戸徴収の機会の強化、さらには、滞納整理に当たる職員の勤務時間の割り振りの弾力化等も検討しているところでございます。
 次に、租税債権管理機構でございます。
 茨城県では、租税債権管理機構といったものを設置いたしまして、市町村税の滞納整理に当たった結果、平成13年度でございますが、引き受けた43億円のうち5億円を徴収し、6億円の納付約束というような直接効果、さらには、間接効果といたしまして、市町村が未納付者に滞納額を債権管理機構に移管するというような予告をしたことによりまして、16億円の納付効果があったと伺っておりまして、私ども非常に注目しているところでございます。
 本県市町村の最近の滞納事案につきまして申し上げますと、都市部におきましては大口の滞納、あるいは高度な徴収技術を要する事案が増加しております。また、町村部におきましては、狭い地域内で差し押さえなどの滞納処分による徴収がしにくいというような理由から、滞納が累積していくような傾向もございます。このような事案に対しまして、先ほどの租税債権管理機構のような徴収専門の第三者組織というものの効果も非常にあるのではないかという認識をしております。
 一方で、本県の市町村税の平均徴収率は全国で9番目と比較的上位にありますし、町村によっては100%近い徴収率を維持しているところもあるということで、町村によって徴収率に大きな格差がございます。県内市町村を構成員として徴収専門組織を設立することとした場合には、費用対効果の問題、あるいは必要性の認識が市町村で一律ではないというようなこともございますので、さらに検討すべき課題もあるのではないかと考えております。
 こうした管理機構は、全市町村が加入する一部事務組合で、県は支援をするというような立場でございますが、県としましても、市町村が市町村民税とあわせて徴収しております個人県民税の滞納縮減の方策となるということもございますので、強い関心を持っているところでございます。さらに、市町村との意見交換を行いながら、検討をしてまいりたいと考えております。
   〔総合政策室長照井崇君登壇〕

〇総合政策室長(照井崇君) 公共施設の民間委託については、民間事業者の合理的な経営手法の導入によってコストの削減やサービスの質の向上が図られるほか、新たな雇用の創出にもつながるものと考えられますので、これに積極的に取り組むこととし、現在、株式会社やNPOなどの民間事業者への委託について具体的な検討を行っているところであります。また、市町村においても民間委託について検討を行っていると承知いたしてございます。
 今後も、どうすれば県民にとってもっと利用しやすい施設になるのか、サービスの向上を図るためにはどうすればよいのかなどについて、外部の有識者やNPO、利用者の方々などからも御意見を伺うとともに、広域的な視点に立って、市町村とも十分な連携を図りながら、全県に公共施設の民間委託が広がるよう取り組んでまいりたいと考えております。
   〔出納局長水本紘一君登壇〕

〇出納局長(水本紘一君) 旅費事務の民間への委託についてでありますが、岩手県では、財務会計システムを構築しまして民間の方に今委託をやっているわけでございますけれども、旅費関係の事務につきましても平成4年度から委託をやっているところでございます。
 議員御指摘の高知県における旅費の関係につきましては承知しておりますが、岩手県におきましては、現在、財務会計システムを更新する予定になっておりますことから、旅費制度の見直しとあわせまして、今後、各部局とも一緒になって検討してまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長長山洋君登壇〕

〇保健福祉部長(長山洋君) 介護サービスの客観的評価の制度導入についてでありますが、介護サービスの質の評価は、利用者みずからが良質なサービスを選択する上で極めて重要であると認識しております。痴呆性高齢者のグループホームにつきましては既に昨年度から第三者評価が導入され、さらに、御案内のように厚生労働省では、平成16年度予算の概算要求において、介護老人福祉施設等7種類の介護サービスの第三者評価モデル事業の実施を掲げております。
 県としましても、これら評価制度の導入に向けて積極的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 また、制度導入までの問題点についてでありますが、県内においても、サービス提供時の事故やホームヘルパー等サービス従事者による不祥事等も発生しております。こうした状況を踏まえまして、県では、これまでも地方振興局、保健所等において、すべての介護サービス事業者を対象として実地指導を計画的に実施しているほか、従事者の研修の充実に努めております。今後、新しい評価制度の導入とあわせまして、適正な運営の確保に努めてまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長中村世紀君登壇〕

〇環境生活部長(中村世紀君) 青森県境の産業廃棄物不法投棄問題についてでございますけれども、去る6月28日に、両県で設置いたしました青森・岩手県境不法投棄事案に係る合同検討委員会から、原状回復につきましては、現場の地形や不法投棄の形態が青森県と岩手県でそれぞれ異なることから、両県の特性に合った対策をそれぞれ講じるべきであるとの提言をいただいております。現在、両県におきましては、この提言に基づきまして、特別措置法――特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法でございますけれども――に基づく実施計画の策定に向けた作業を進めておりまして、不法投棄産業廃棄物の撤去の具体的な内容、手法等につきましては、この実施計画に盛り込まれることになると考えてございます。
 なお、実施計画の策定に当たりましては、両県、事務的に連絡をとり合って進めているものでございます。
 次に、汚水処理対策についてでございますけれども、本県におきましては、かねてから汚水源となる産業廃棄物を早期に全量撤去することが根本的な汚染拡散防止につながる最も効果的かつ効率的な対策であると考えてきておりまして、それに加えまして、廃棄物の撤去作業開始から最終的に現地の安全が確認されるまでの間につきましては――早期全量撤去期間中でありますけれども――表面の遮水――キャッピングを行いまして雨水の地下浸透を防止し、集排水の設備を整備することや、必要に応じて、例えば鋼矢板方式によります遮水壁を設置するなど、万全の汚染拡散防止対策を講ずることとしているものでございます。
 次に、現地に処理施設を建設することについてでございますけれども、経費面や処理期間等を考慮いたしますと、現地処理施設を建設して処理を行うよりも既存の廃棄物処理施設に全量搬出処理する方が適切と考えられますことから、現地処理施設の建設は考えておらないところでございます。
 また、搬出いたします廃棄物処理の受け入れ先といたしましては、三つの要件を考えてございます。一つは、確実に適正処理を行う能力があること、二つ目は、廃棄物の受け入れにつきまして地元の理解を得られること、三つ目は、処理コストの面で折り合うこと。この三つの条件に適合する施設でございますれば、早期全量撤去に向けまして、県内の全施設を基本としつつ、北東北のエリアにも処理をお願いしたいと考えているものでございます。
 次に、岩手県ごみ処理広域化計画についてでございますけれども、まず、これまでのところ、県内6ブロック中、広域化を完了いたしましたのが1ブロック、それから、一部事務組合を設立してこれからやっていこうというのが1ブロック、それから、広域化のための推進組織を設け具体的な協議を行っているところが1ブロックございます。そのほか、広域化に向けた検討協議会等を設置し、検討中のところが3ブロックとなってございます。
 平成11年3月に策定いたしましたごみ処理広域化計画でございますけれども、これは、御案内のように、平成29年度までにダイオキシン類を99%以上削減することを目標にしておったわけですが、それのみならず、廃棄物の焼却に伴う熱エネルギーの有効利用やスケールメリットを生かした廃棄物処理経費の削減、さらには広域化によるリサイクルの一層の推進を目指し、ブロック内の全市町村と協議の上、策定したもので、これに沿った広域化を推進することが最適の方法であると考えているものでございます。
 ただ、今後、ブロックの区域を越えた市町村の合併でありますとか、あるいは廃棄物の発生量に大幅な変動があるとか、新しい技術が進展したとか、いろいろな理由によりまして計画の見直しをもし行うとした場合には、複数の焼却施設を設置しても先ほど申し上げましたダイオキシンの削減等所期の目的を達成することが本当に可能であるかどうか、そういうことにつきまして、まずブロック内で十分な協議、検討が必要であると考えてございまして、県といたしまして、現時点で直ちに計画の変更をやるというものではないと考えているところでございます。
   〔地域振興部長大沼勝君登壇〕

〇地域振興部長(大沼勝君) 高速通信網の整備に関する調査についてでありますが、この件につきましては、平成14年度におきまして、県内における高速インターネット環境の整備の手法につきまして市町村ごとに調査をしてございます。調査の結果、投資を抑え、かつ短期間で普及を図るためには、地域に現在ありますケーブルテレビあるいは電話網を活用したADSL、そして公共ネットワーク、こういったさまざまのインフラを最大限に活用することが有効であること、また、中山間地域等におきましては、ほとんどの世帯をカバーするためには、既存のインフラに加えまして無線を併用することが効果的であるとの方向性が整理されているところであります。
 高速インターネットの利用環境は、現在、39の市町村の中心部で利用可能となっており、いまだ19の町村では利用できない状況となっております。県といたしましては、平成17年度までにすべての市町村の中心地等で利用可能な環境をADSLあるいは無線等によりまして整備を促進することを目標といたしておりまして、先般、情報の森基盤整備事業を実施することとしたところでございます。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐々木正勝君) 異常気象によります農作物被害対策についてでありますが、本年6月下旬以降の低温等の記録的な異常気象によりまして、水稲につきましては県下全域に大きな被害をこうむったところでございます。既に一部の地域では稲刈りが始まっておりますが、特にもことしは稲の生育にばらつきがあり、刈り取り適期の見きわめが極めて難しいことから、現地でのあぜ道指導会の開催などにより、きめ細かな指導を行っているところであります。
 また、水稲などの農作物被害に対応し、総合的かつ効果的な対策を講ずるため、今月2日に副知事を本部長といたします岩手県農作物異常気象災害対策本部を設置し、被災農業者の減収所得を補てんするための農業共済金の早期支払い、天災融資法の発動による天災資金の融通、農業制度資金等の償還条件の緩和などについて検討しているところでありますが、これらの対策の実施に当たりましては国の支援が不可欠でありますので、去る16日には農林水産省へ要望したところであります。また、今後、北海道・東北地方知事会による要望活動を行うこととしているところであります。
 県といたしましては、今次の災害によりまして農業者の営農意欲が損なわれることのないよう、また、次年度の営農に支障を来すことのないよう、市町村や関係団体との連携を図りながら、被災された農業者の支援対策に万全を期してまいりたいと考えております。
   〔教育委員会委員長船越昭治君登壇〕

〇教育委員会委員長(船越昭治君) ただいま御指摘ございました公立学校における経営感覚の醸成という問題でございますが、公立学校の運営に当たって何より重要なのは学校と家庭、地域との信頼関係であって、その信頼関係を裏づけるのは、学校運営のあり方が家庭、地域に開かれている状態であると認識しております。そのために、まずもって地域や児童生徒の実態、それに保護者等の意向を十分踏まえた組織的かつ計画的な教育活動を展開することが出発点であります。
 県教育委員会においては、県民への説明責任を果たし、県民との信頼関係のもとに公立学校を運営していくために、すべての県立学校で教育課程や進路指導などの項目について自己評価を行いまして、その結果は保護者等に公表するなどの取り組みを行っているところであります。
 今後とも、開かれた学校づくりの推進に向けて多様な施策を講じてまいることとしておりますが、その取り組みに当たりまして、議員御指摘の経営感覚の醸成ということを視野に入れることは大変意義深いものと考えております。
 次に、公立学校の管理運営の民間委託ということでございますが、公立学校の公設民営ということは、公立学校という形を残しながら、学校の運営、つまり教育の事業そのものを外部に委託をするということであって、公共性を担保しながら民間活力を生かすという意味で、今後の教育が向かう多様化の一つの方向であると考えております。公設民営につきましては、現在、国において検討が進められているところでありますが、その推移について注視してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、公設民営方式を導入するとすれば、公教育の水準の確保、質の保障といった教育的な観点からの議論をきちんとしていく必要がある、このように認識しております。
   〔教育長佐藤勝君登壇〕

〇教育長(佐藤勝君) 公立学校における経営感覚の醸成についてでありますが、公立学校を適切に運営していくためには、学校の情報が地域に対して開かれているということが重要であります。近年、例えば、例として挙げられた東京都教育委員会におけるバランスシートの手法によった学校経営診断などの取り組みも、開かれた学校づくりの流れの中で、学校運営のコスト面について、地域住民の目から見てわかりやすくしようとする手段の一つとして実施しているものと理解いたしております。
 県教育委員会におきましても、学校運営の透明性の確保に向けたすべての県立学校の学校評価及び評価結果の公表、学校の経営品質向上のための学校長及び教頭を対象とした管理職マネジメント研修、さらには民間人校長の登用など、学校経営へ極力民間的な経営の感覚を生かすための取り組みを積極的に推進しているところであります。
 今後におきましても、学校運営に要する行政コストやバランスシートの作成など、その具体化や実現性に向けての調査・検討も含め、現在進めている開かれた学校づくりの一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、公立学校のコスト削減対策についてでありますが、本県におきましては既に、特定の経費についてでありますが、効率的な執行により節減した予算額について翌年度の予算に加算して要求できることとされておりますが、教育委員会におきましても、県立学校に対しましては、コスト意識の徹底を図りながら、予算の計画的かつ効率的な執行、節減合理化に努めるよう指示しているところであります。
 今後におきましても、引き続き節減に向け取り組んでまいりたいと考えております。

〇39番(佐々木一榮君) 御丁寧な答弁ありがとうございました。
 もう1時間経過いたそうとしておりますので、簡潔に質問いたしますので、簡潔な御答弁をお願いしたいと思います。
 まず、行財政改革プログラムについてでありますけれども、先週の土曜日、報道を見てびっくりしたのでありますが、NHKの――朝、昼の放送でありましたが――ニュースで、この構造改革プログラム、例えば地方振興局の統合ですとか県立大学の独立行政法人化だとか、そういうことが流れておりました。
 そこでお尋ねしますが、現在そういう中間的な具体についてもう既に報道されておりますが、議会ではそういう御説明がありませんので、これにつきまして総合政策室長にお答えをいただきたいと思います。
 それから、関連いたしまして、県職員の給与削減の問題であります。これは平行線ということで、組合側は白紙撤回を求めるということでありますが、今後の見通しについてお尋ねしたいと思います。これは知事にお伺いしたいと思います。
 それから、負担金・補助金の見直しで、補助金が一般財源ベース84億4、700万円、負担金2億7、700万円の削減見通しについて御答弁いただきましたが、この根拠について、部局ごとのものは結構です。この計算根拠について総務部長に改めてお尋ねいたします。
 それから、これも知事にお尋ねいたします。来週月曜日でしょうか、県議会はちょうど医療局の審査があるわけでありますが、知事・市長連合会議が東京であるようでございます。そこで、そのメンバーでありますが、東北の知事ではどなたが参加され、また、市長さんではどなたが参加されるんでしょうか。岩手県内の改革市長で参加する市長さんという方はどういう方が参加されるのか、参考のためにお尋ねしておきたいと思います。というのも、実は、私自身は、この21世紀臨調に非常に期待を持っております。地方分権、地方分権と言いながら、最近の流れは中央集権に逆行しているように私は思っております。ぜひ地方からの声を増田知事にリーダーシップをとってもらってという意味での、さっきの知事会の質問もそうでありますし、頑張っていただきたいという意味から質問をしておりますので、ぜひ次は全国知事会の会長を目指す中で頑張っていただきたいと思っております。
 それから、道州制についてでありますが、確認のためにでありますが、昨年の12月の会見で、5年から10年後に合体して東北州、これは北東北3県ということでありますが、宮城、山形、福島の東北のほかの3県についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
 それから、これは地域振興部長にお尋ねします。けさの新聞報道だと思いますが、種市、また、大野、山形は独立という記事がありましたが、総務省の今度の地方自治法改正によりますと、例えばあちらですと八戸圏域ということになろうかと思いますが、こういうことについて、県では広域化計画というのをもうつくってありますけれども、この辺について地元の首長さんたちのお考えを再度お聞きになるお考えがあるかどうか確認したいと思います。
 それから、これも知事に再確認であります。平泉町の頭を冷やすいい時期だということでありますが、枠組み議論もあるわけでありますが、知事としては、冷却期間を置いた後の理想形は、平泉町がやはり一関の任意協議会に入るべきだとお考えか、再度確認させていただきたいと思います。
 それから、出納局長に確認いたします。私、本県での導入はいかがかというのは、これは可能かどうかということです。他部署との調整ということでありますが、あくまでもこれは出納局ですので、この確認でお伺いいたします。
 それから、二戸の問題でありますが、県北にたしか第2クリーンセンターという計画もお伺いしておりましたけれども、そうしますと、先ほどの答弁では現地処理計画はもうないということでありますので、県北のそういう処理施設の計画はなくなったものと判断してよろしいでしょうか。
 最後になります。高速通信網につきまして地域振興部長にお尋ねいたします。
 総務省は、早ければ今年度中にも自治体に無線のものを入れてもいいということです。今、武居前部長さんがその担当でいらっしゃると思いますが、この情報の森プロジェクトの実施計画の変更について、時期を定めてやるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

〇知事(増田寛也君) 何点かございましたので簡潔にお答え申し上げますが、給与削減については、これからも引き続き組合の皆さん方あるいは職員皆さん方の御理解を得るように話し合いを進めていきたい。私も当然そうした話し合いの中で皆さん方に御理解いただけるように入っていきたいと思います。
 それから、21世紀臨調ですが、県では、東北の方では私の岩手と宮城、それから今回、北海道・東北知事会長の新潟の平山知事さんにもお入りいただこうと思っております。それから、市長の会議もあわせて立ち上げて例の補助金整理をすぐにやっていただきたいと思っていますが、それについては、県内では宮古市長さんに――福祉が大変詳しいものですから――お入りいただきたいということで、今、市長さんも大変入りたいという話をしておりますので、そういう方向で動いていくことになろうかと思います。これは、市長さん同士の話がまたいろいろありますので、そちらの方で進めていただければと思っています。
 それから、南東北の宮城、山形、福島、道州制の関係でございますが、これについては、産廃税については宮城の方でも我々と同じような税制をつくり上げるといった報道もされておりますし、これからさらに共同してやるような事業が出てくるのではないか。やはり、そうした具体的に共同する事業をいろいろ現実に進めていくという、その積み上げが大変大事でございますし、もっと県境の垣根を取ってやるべきものがあるんだろうと思いますので、そういうものの見きわめをこれからさらにしていきたい。私も、特に宮城県になりますが、山形、福島も含めて、南東北の3県の知事さんにもいろいろお話を申し上げていきたいと思っています。
 それから、最後に、平泉の合併でございますが、これは、町長さんも議会側も、合併を目指すというところは同じ方向を向いていると思いますので、私は、その上であれば、一関の任意協議会のメンバーの皆さん方がいますけれども、そうした一関の方に入って合併を目指すというのがいい姿ではないかと思っております。
 これは時期の問題が今大変微妙なわけですね。ですから、平成17年3月までかどうかといったようなところ、ここは地元での住民の皆さん方との真摯な話し合いによって決まるだろうと思いますが、私は、将来のことも含めて考えて言えば、やはりそちらの方と一緒になって、それで大きな市を目指していただきたいということを考えております。

〇総合政策室長(照井崇君) ただいま検討中の行財政構造改革プログラムの中身なんですが、この6月にお示しした骨子では、県の組織体制を見直すということになっているんですが、現在、各関係する課長レベルでの検討チームにおいて、この地方振興局がどうあればいいのか鋭意議論しているところです。まだ、具体的にこれからどういう姿になっていけばというところまでお示しする段階には至っておりません。いずれ、10月の下旬に予定している策定の時期までに、その辺を具体に詰めていきたいと考えております。

〇総務部長(時澤忠君) 補助金・負担金のお話でございますけれども、補助金・負担金につきましては、先ほど言いました一定の目的を達成したもの、あるいは政策誘導効果が薄れたもの、それに加えまして、例えばあらかじめ期限が設定されておりますようなもの、これも廃止というようなもの等、各部局からいろいろと削減案を出していただいております。
 議員が御指摘になりました84億4、700万円、これは途中段階での数字が新聞報道でなされたものと認識いたしております。現在まだ数字は刻々と動いておりまして、現在は、そういった各部局の検討結果を出していただいておりますものを、さらに統一的な観点、あるいは事務事業の見直しを並行して行っておりますので、その事務事業見直しによる削減、あるいは出資等の法人の見直しによる削減、今後そういったものも含まれてきますので、そういったもろもろを行った結果、プラン策定にあわせて最終的な数字が固まるとお考えいただきたいと思います。

〇地域振興部長(大沼勝君) 久慈地域の地元首長さんの考えを聞く考えはないかということでございますが、確かに現在、久慈地域、地元の方では合併の研究会等、さまざまな勉強がなされてございます。そして、地域によりましては任意協議会に移行しようとする動きも見られるところでございます。
 こうした各自治体の動きにつきましては、地方振興局等を通じまして、いろいろ中に入って一緒に勉強しているところでございまして、これからもさまざまな機会をとらえながら、各自治体の意見を聞いていきたいと思います。
 それから、無線による通信網の件でございますが、確かに現在、総務省では制度改正の作業を進めてございます。早ければ10月中には告示がなされるのではないかと思われます。
 岩手県といたしましては、これは積極的に導入の方向で考えたいと思いますが、ただ、何分にも制度改正の内容がまだ不明なところがございます。改正の内容、それから、特に電気通信事業法等、法令改正の中身もまだちょっと不透明なところがございますので、まずこれらの詳細を把握することが先ではないかと思っているところでございます。

〇環境生活部長(中村世紀君) 青森県境の不法投棄産業廃棄物を処理するための現地処理施設、これは現在、そういうものを建設する考えはございませんけれども、それとは別に、前から計画してございました盛岡以北に資源循環型モデル施設を建設する、いわゆる第2クリーンセンターでございますが、これにつきましては、産廃とは別に、早期に建設をしていきたいと考えておるわけでございます。
 これが完成いたしましたならば、当然、せっかくできる施設でございますので、県境の不法投棄廃棄物につきましても、その施設でも処理をしていきたいと考えているものでございます。

〇出納局長(水本紘一君) 現在も委託をやっている部分もありますけれども、制度の見直しをやることによって、もっといい委託をすることが可能ではないかと考えております。


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