令和5年9月定例会 決算特別委員会会議記録

前へ 次へ

令和5年11月1日(水)
1開会 午前10時1分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 昆 野 岳 晴
議事管理担当課長 藤 平 貴 一
主任主査 佐 藤 博 晃
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 及 川 雄 也
主査 阿 部 真 人
主査 堀 合 俊 彦
主査 三 浦 訓 史
1説明員
県土整備部長 加 藤 智 博
副部長兼
県土整備企画室長 小 原 由 香
道路担当技監 上 澤 和 哉
河川港湾担当技監 大久保 義 人
まちづくり
担当技監 菅 原 常 彦
参事兼建築住宅課総括課長 高 井 知 行
県土整備企画室
企画課長 高 橋 正 志
県土整備企画室
管理課長 大 野 貴 洋
用地課長 岩 渕 貞 美
建設技術振興課
総括課長 沖 野 智 章
道路建設課
総括課長 小野寺   淳
道路環境課
総括課長 高 瀬 文 明
河川課総括課長 馬 場   聡
砂防災害課
総括課長 戸 来 竹 佐
都市計画課
総括課長 小野寺 哲 志
下水環境課
総括課長 乙 部 智 明
建築指導課長 佐 藤 英 明
港湾空港課
総括課長 君成田 忠 伸

会計管理者 木 村   久
会計課総括課長兼
会計指導監 今 雪 博 貴
監査委員 五 味 克 仁
監査委員 中 野 玲 子
監査委員事務局長 藤 澤 良 志
監査第一課
総括課長 及 川 博 英
監査第二課
総括課長 佐々木 良 生

財政課総括課長 佐 藤 直 樹
〇柳村一委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第22号及び議案第23号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部関係について延べ10名の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしました。
 また、関連質疑の扱い、換気のための休憩につきましては、これまでと同様でありますので御協力をお願いいたします。
 なお、委員各位御承知のとおり、本日、県土整備部の審査の後、決算15件及び議案2件について、意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので御了承願います。
 初めに、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇加藤県土整備部長 令和4年度の県土整備部関係の決算について御説明を申し上げます。
 初めに、当部関係の事務事業の総括的な取り組み状況等について御説明いたします。
 当部では、東日本大震災津波からの復旧、復興に最優先で取り組むとともに、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる施策の推進に取り組んでまいりました。
 まず、復興関係についてでございますが、海岸保全施設は、大船渡港海岸茶屋前水門などが完成し、当部が整備を進めてきました73カ所のうち71カ所が完成いたしました。
 復興道路等に関しましては、令和4年7月に一般県道丸森権現堂線下船渡工区などが開通し、計画していた全ての箇所の整備が完了いたしました。引き続き、残された社会資本の一日も早い完成に向け、整備を進めてまいります。
 次に、政策推進関係でございますが、激甚化、頻発化する自然災害に備え、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算も活用した河川改修等のハード対策に加え、洪水浸水想定区域等の指定や、新たな土砂災害が発生する恐れのある箇所の抽出、公表などのソフト施策を推進しました。
 災害に強い道路ネットワークを構築するため、また、物流の効率化や観光振興、交流人口の拡大等を図るため、国道455号乙茂工区の道路冠水対策や、国道107号白石峠工区の事業化など、岩手県新広域道路交通計画に位置づけた道路等の整備を推進いたしました。
 社会資本の老朽化への対応につきましては、長寿命化対策を推進し、予防保全型対策への転換に取り組みました。
 また、建設業の振興につきましては、建設企業の経営基盤の強化に加え、ICT技術の導入などDXの推進に取り組むとともに、地域の建設企業が地域から期待される役割を将来にわたって果たしていけるよう、いわて建設業振興中期プラン2023を策定いたしました。
 これらの施策に加え、県営住宅の空き住戸を活用した移住、定住の機会創出やグリーン社会の実現に向けた岩手型住宅の普及等に取り組みました。
 今後におきましても、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランに掲げる人口減少対策の実効性を高めるため、安全、安心な地域づくりに資する社会資本の整備などの着実な推進を図ってまいります。
 続いて、令和4年度当部の決算について御説明いたします。令和4年度岩手県歳入歳出決算書の20ページをごらん願います。
 一般会計につきましては、当部関係は、6款農林水産業費3項農地費の一部及び8款土木費、続いて22ページをごらんください。11款災害復旧費4項土木施設災害復旧費及び8項住宅施設災害復旧費でございます。
 特別会計の決算は、48ページが岩手県土地先行取得事業特別会計、58ページが岩手県港湾整備事業特別会計となります。
 資料にはございませんが、一般会計、特別会計を合わせた当部の予算現額の合計は1、492億7、300万円余、支出済額の合計は1、021億5、400万円余となります。翌年度繰越額の合計は448億6、600万円余、不用額の合計は22億5、100万円余となります。
 続いて、令和4年度岩手県流域下水道事業会計決算の9ページをごらん願います。
 岩手県流域下水道事業会計の決算は、経常利益及び純利益がいずれも同額の2億4、100万円余となります。
 以上、当部所管に係る令和4年度決算の説明となります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事の進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇関根敏伸委員 おはようございます。きょうはよろしくお願いいたします。
 私からは、県内でさまざま行われております市街地の再開発事業に対します県の支援のスタンス、あるいは手法について、お聞かせいただきたいと思います。
 先般の、当会派の軽石義則議員の一般質問の中で、盛岡市で現在進められております中ノ橋地区の第一種市街地再開発事業に対しての県の支援が明らかになったわけでありますが、この詳細について、お聞かせいただきたいと思います。
〇小野寺都市計画課総括課長 盛岡市で行われています盛岡市中ノ橋地区の再開発事業に対する県の支援状況でございますけれども、盛岡市中ノ橋通地区は、旧来から公共交通の結節点であるとともに、肴町商店街などを含みますにぎわいの拠点という形になっています。現在、持続的なにぎわいと魅力ある都市空間の形成を図るため、老朽化した建築物やテナントビルの集約化等による市街地再開発事業が行われていると承知しているところでございます。
 この事業におきましては、観光情報の発信や県産品販売を行うmonakaなどを整備し、中心市街地の活性化ですとか価値向上を図るとともに、新たに建設されました盛岡バスセンターと一体となりまして、県内外の人や物が行き交う広域的な拠点を目指していると承知しているところでございます。
 この整備によりまして、県内全体の交流人口ですとか関係人口が拡大するということですとか、観光や経済面など県内全ての市町村への波及効果が期待されることから、令和3年度から県といたしまして財政支援を行っているところでございます。
〇関根敏伸委員 非常に魅力的な空間になるだろうと思って私も期待して見ておりますが、具体的に、令和3年度から交付金を支給されているということでございました。年度ごとの支給額を教えていただきたいと思います。
 この事業は令和9年度まで続くのかと思っているのですが、令和5年度以降の継続的な支援ということも知事答弁の中で明らかになっておりますので、その額の見込み。あわせて、この支給額の根拠、全事業に対してどの程度の割合の支援が行われるのか、また、補助スキームについて、詳しく教えていただきたいと思います。
〇小野寺都市計画課総括課長 県といたしましては、盛岡市と県内市町村との連携推進を支援するということのため、この再開発事業におきまして、広域的な公益性を有する施設を整備するという目的がございますので、広域的都市機能支援交付金によりまして、令和9年度までの7年間におきまして、総額4億円の支援を行うと考えております。
 令和3年度からこれまで約2億5、000万円の支援を行っておりますけれども、年度ごとの支援といたしましては、令和3年度が3、643万2、000円、令和4年度が1億3、806万8、000円、令和5年度が7、780万円となっております。
 補助のスキームといたしましては、まちづくり、再開発ということで、建築物を建築するというような形に合わせまして、公共空地ですとか公共的な空間をつくるというような事業に対しまして国費が入っております。この国費の負担分に合わせまして盛岡市が支援する、その上に県が支援するというようなスキームになっておりまして、事業費の約10分の1を県が支援しましょうということで、今のところ、約4億円という形で支援するスキームになっているところでございます。
〇関根敏伸委員 根拠と補助スキームについては、そのとおりかと思います。一般的に市街地再開発の事業を行う場合、いろいろな手法があるようでございますけれども、基本的には、今、答弁いただいたような土地の整備でありますとか共同施設の整備に対しまして国が3分の1を補助する、それに自治体が3分の1、残りは事業者で負担をするという形がつくられていると思うのですけれども、今回の補助スキームは、いわゆる盛岡市が本来負担すべき3分の1に対して県が応分の負担をするというスキームで成り立っているものなのかどうか。あるいは、それとは別に県が直接的な負担を入れるという形になっているのか、少し立ち入ったことでありますけれども、教えていただきたいと思います。
〇小野寺都市計画課総括課長 今回の支援事業のスキームという形になっていますけれども、盛岡市の負担に対して支援するかというところでございますけれども、こちらの再開発事業につきましては、国の事業を活用いたしまして、関根敏伸委員から御紹介がありました事業者、盛岡市、それから国という形の三者でやるようなスキームになっております。盛岡市が負担する分につきまして、先ほど御答弁申し上げましたとおり、盛岡市と県内市町村との連携推進を支援するというような形で、盛岡市に対して県が支援するというスキームになっているところでございます。
〇関根敏伸委員 まさに答弁にもありましたとおり、盛岡バスセンターも整備される中で、広域的な観光への貢献でありますとか経済的な貢献、全県的に波及するものという視点の中でこのスキームが立ち上がっていると思っておりまして、私は支持したいと思っております。ぜひそういうスタンスで今後も臨んでいただきたいと思っております。
 その中で、県内でも市街地再開発の計画が今、持ち上がっていると思いますし、東北各県でもいろいろな市街地再開発が行われていると承知しております。私がいただいた資料の中では、東北6県の中でさまざまな市街地の再開発が行われておりますが、そのうちの秋田県、宮城県、山形県、福島県の4県につきましては、先ほど申し上げました補助スキームの中で、本来、市町村が負担すべき3分1負担に対して、県が応分の負担をしながら再開発を県が広域的に支援をするというスキームが形づくられているようですけれども、これらの東北各県の取り組みについて、県は現在どのような把握をされておられますでしょうか。
〇小野寺都市計画課総括課長 市街地再開発事業に対します東北各県の補助事業ということでございますけれども、宮城県など4県につきましては補助があり、本県と青森県の2県については、補助がないというような状況は把握しているところでございます。
〇関根敏伸委員 現在、monakaに対して行われているスキームは、東北4県で行われている補助スキームとはまた違うという形の理解でよろしいですね。
〇小野寺都市計画課総括課長 本県が行っています市街地再開発事業につきましては、東北4県で行っているものは、毎年行っているものという形の事業と承知しておりますけれども、私ども県が行っているスキームにつきましては、盛岡市が行う市街地再開発事業に対して支援を行うという形ですので、東北のほかの県が行っているものとは基本的には異なる。県がこの事業に対して盛岡市に対して支援するというようなスキームになっていますので、少し違うという認識でございます。
〇関根敏伸委員 そんな中で、今後の県の市街地再開発に対しての取り組みの方針、新しいスキームをつくられて、今回、盛岡市の事業に対し広域的な観点から後押しをする。これはぜひ賛成したいと思いますし、この手法にこだわらず、さまざまな形で基礎自治体の取り組み、事業者の取り組みを応援していただきたい、このように考えております。
 そんな中で、地元案件になって恐縮ではありますが、北上市では令和4年度より重点要望として、さまざまこれから予定しております市街地開発事業に対しましての支援を2カ年連続して行っているわけでございます。現在いただいている県のスタンスとしては、市がこれから策定をする未来ビジョンの具体的な事業手法の検討をしていると認識しており、今後の動向を注視してまいりますと、こういうスタンスだと思っております。
 今、北上市では北上駅東口が、これらのスキームとはまた違う形で、市の公有地を利用した再開発が完了いたしました。いろいろな形で今後まちの魅力化に取り組みを順次進めていくと計画をされているわけでございますけれども、改めて、市が行おうとしている市街地再開発に対しましての県の支援の方向性、現在どういう段階にあるのか、今後どういう方向性を検討しようとしているのか、お伺いさせてください。
〇小野寺都市計画課総括課長 北上市が現在行おうとしています市街地再開発事業の補助ですけれども、エリアがまず広いということと、いろいろな事業を組み合わせて、現在行われているというような状況を把握しています。ちなみに今年度から、国の事業であります都市構造再編集中支援事業というもので、歩行空間の整備ですとか北上駅東口広場の再整備を実施しているほか、都市再生支援事業というものを利用いたしまして、コンサル業務、いわゆる検討の段階ということで、今後、まちづくりをどのように進めていくかという検討している状況ということで把握しております。
 北上市に対します再開発事業としての支援の方向性ということでございますけれども、先ほど関根敏伸委員から御紹介いただきましたとおり、まちづくりに関しましては、今さまざまな事業のメニューがございます。北上市で、今、どのような事業をどのような形で盛り込んでいくかというところがまだ私どもも把握できていないところもありますので、要望の際には、今後の動向を注視していくという形で回答させていただいたところですけれども、今後、北上市がどのような考え方、それから、事業者がどのような考え方を持って、どのようにまちづくりをしていくか、そして、最後に、でき上がった形、まちとしての効果、その辺を一つ一つ聞き取りしながら、今後、どのような支援、当然、市街地再開発事業にかかわらず、建築物だけの補助ですとか、そういう補助もありますので、どういう補助が一番いいのか、なかなか財政も厳しいという中でございますので、その辺を意見交換しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 ありがとうございます。前向きな御答弁をいただけたものと思います。さまざまな手法があるようでございますし、北上市の検討状況も踏まえながらということはそのとおりだと思います。
 いずれ、今後の再開発に対して、県は積極的に関与すべきではないかという意見を私は持っております。このmonakaの事業に対しても、商店街のにぎわいに対してのニーズが高いという県民意識調査といった結果も踏まえて、商工労働観光部では、県土整備部とは別個の補助制度を設けながらいろいろ支援を行っていると思います。まさに市街地のにぎわい、中心市街地の活性化ということは、先ほど御答弁があったとおり、都市機能を更新し、魅力化させ、都市価値を向上させるということになります。これはまさに一つの市町村だけの都市機能、都市価値ではなくて、エリア全体の価値が向上するということになろうかと思っております。盛岡市の場合も、エリア価値が向上することで、マンションを含めさまざまな民間投資が活発に行われてきていると承知しておりますし、そのことは、結果として不動産が流動化して、不動産取得税を含めた県税の向上にもつながろうと思っております。
 何にも増して、北上市を含め県南地区の場合、北上川バレープロジェクトという大きなプロジェクトの中で、岩手県の先導的な地域にしていくのだという政策目標が掲げられております。
 そういう中では、暮らしの魅力化、暮らしやすさを広めるためのゾーン全体の魅力化、あるいは、産業集積を進める上で、今、住宅が不足しているという地域の実情を解決する手段としても、私は有効な手段だろうと考えております。
 そういう意味において、県土整備部だけにとどまらず、まさに商工労働観光部、まちづくりの観点からのふるさと振興部、政策の大きなプロジェクトをまとめるという政策企画の観点からも、ぜひ今後とも、岩手県で進められる基礎自治体の再開発事業について、大きな観点を持って支援のスキームをつくっていただきたい、このようにお願いするわけでございますけれども、最後、県土整備部長に所感をいただいて終わりたいと思います。
〇加藤県土整備部長 まず、市街地再開発事業につきましての御質問でございますけれども、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を目的に、敷地の統合ですとか共同建築物の建築、広場、街路等の公共施設の整備等を行うものとして、やはりにぎわいの創出ですとか中心市街地の活性化が期待されると認識しております。
 これまでも県におきましては、市街地再開発事業が着実に進められますように、市町村の行う高度利用地区や市街地再開発事業の都市計画決定に係る協議を円滑に行うほか、事業主体となる組合の設立認可、国の補助金に係る事務手続等に必要な指導、助言をしてまいったところでございます。
 きょう最初に御質問いただきましたけれども、盛岡市中ノ橋地区におきます市街地再開発事業につきましては、県内全ての市町村への波及効果が期待されるという観点から県として財政支援をしているところでございます。こういう県内全体への波及効果というのはとても大事なことかと思っておりますが、まずは、北上市につきましては、どういうものを考えていくかというのをしっかりと意見交換しながらやっていきたいと思っていますし、その中で他部局と連携しながら、県としてどのようなことができるかをしっかりと検討してまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 それでは、私から、宮古―室蘭フェリーについてお伺いしたいと思います。東日本大震災津波からの復興のまさにシンボルであった宮古港と北海道室蘭港との定期フェリーが実現をしておったという過去形でありますけれども、そういった中で休止をして、再開を望む声がたくさんある。これまで県のほうでもいろいろな形で活動していただいておりました。このコロナ禍にあってなかなか活動が制限される中であって、いろいろな活動はされたと思うのですが、その活動の実績はどのようになっているのかお伺いします。
〇君成田港湾空港課総括課長 宮古―室蘭フェリーの活動の実績についてでありますが、宮古―室蘭フェリー航路の再開に向け、三陸沿岸道路等の利便性や機能の強化の状況、内陸部の大規模物流拠点の整備状況等を先月開催しました宮古―室蘭フェリー航路連絡調整会議において共有するとともに、今年度は企業訪問の対象を首都圏まで拡大いたしまして、荷主企業等26社に宮古港の優位性などをPRしてまいったところでございます。
〇城内愛彦委員 この間、室蘭港では青森港と航路を再開しております。我々の地域とすれば、もっと利便性がある、これまで課題だった返しの荷物を、今おっしゃったとおり、大分営業はしてもらっているようでありますが、そういうことも含めて、室蘭港だけではなくして苫小牧港であったりというのも含めて、宮古港を利活用したフェリー航路というのを私はするべきだと思っています。物についてはいろいろな課題があるというのも知っていますが、今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
〇君成田港湾空港課総括課長 今、他のところへの誘致というお話がございましたが、県といたしましては、まずは、当該フェリー航路の就航を契機とした室蘭市や室蘭商工会議所等との交流、あるいは、室蘭市と一体となった活動が重要と考えていることから、フェリー航路の再開に向け、まずは室蘭市、宮古市と連携いたしまして、フェリー運航会社に働きかけていくことが大事だと認識しております。
 現在、物流業界においては、2024年度からのトラックドライバーの時間外労働の上限規制と働き方改革、脱炭素化に向けた取り組みの対応が求められておりますことから、今後、陸上輸送から海上輸送へのモーダルシフトが進んでいく可能性があると捉えております。
 また、今般、国が我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議において取りまとめました物流革新緊急パッケージにおいても、フェリー等の輸送量を今後10年程度で倍増するという取り組みも示されていることから、これらを踏まえまして、北海道と本州間の物流動向等の変化について注視してまいりたいと思っております。
〇城内愛彦委員 ぜひそうなってほしいと思っています。今、条件は整いつつあると思っているのですが、この間、東日本大震災津波で被災して、まだ三陸沿岸道路が開通する前にこの航路は開通いたしました。その際、当時の赤沼社長に、なぜこんなに早くやるのですかという話をお伺いしたら、先行投資だという話をされました。あ、そうなのだと思って期待をしておったのです。
 宮古港と北海道を結ぶフェリーの有益性というのは、北海道胆振東部地震があった際にもすぐ支援に行けたという意味では、広域連携、海をまたいで隣の県が北海道なのだというのが一目瞭然にわかった事例だったと思っています。そういう連携というのは今後必要になってくると思うし、ただ、難点なのは、北海道から出る荷物というのはたくさんあって、受け手というのはどこでもあると思うのです。こちらから返しの荷物を出すというのがなかなか難しい。
 もちろん、2024年問題のドライバーの時間の関係もそれはそのとおりであるのだけれども、その辺をしっかりと、我々としても準備をしていかなければならないし、重要港湾が四つある中の一つでもあります。ぜひその辺を前向きに検討してほしいと思うのですが、県土整備部長、どうですか。
〇加藤県土整備部長 今、御指摘ございましたとおり、今、2024年問題等も含めて、物流の動向がかなり変わるものと承知しております。こういう契機をチャンスに、しっかりと荷主企業を初めいろいろな方々のところに働きかけること、とても大事だと思っています。
 加えまして、先ほど港湾空港課総括課長からの話もありましたけれども、国全体として、今、物流の変化に対応するような取り組みを進めているところでございますので、国とも意見交換をしながら、どういうことができるかというのをしっかりと考えてまいりたいと思います。
〇城内愛彦委員 休止になった最大の理由は何ですか、わかりますか。
〇君成田港湾空港課総括課長 休止いたしました最大のポイントは、船会社のほうからお聞きしているところによりますと、収益の柱でありますトラックの乗船台数が当初見込みより大幅に下回ったというところだと認識しておりますので、繰り返しになりますが、貨物の集荷拡大というところが最大のポイントと認識しております。
〇城内愛彦委員 これは、実は当初からわかっていたことですよね。三陸沿岸道路が開通する前に休止をしてしまったという事実もあるわけでありますので、船会社のほうにもしっかりとした働きかけ、そして、荷物の掘り起こしというのは続けてやっていただきたいと思います。
 次に移ります。県管理の道路における整備、管理についてお伺いしたいと思います。
 携帯電話、ラジオの不感地帯というのがあります。私がよく使う国道106号もそうですし、国道340号もそうですけれども、特に、民家、人家のない地帯に不感地帯があるわけであります。これは本来であれば、携帯電話の事業者がやらなければならないという話はするのですが、私は総務委員会でもお話をさせていただきましたけれども、担当の所管である総務部でもしっかりとこれは対応してほしいし、今後できるだろう道路については連携して、フルスペックできちんと整備をするという話はしていただいていますが、今、現存として残っている不感地帯があるわけです。まだ緊急事態が起こっていないので免れているのではないかなと思っているのですが、その辺の解消の状況、今後の見通しというのは、県のほうでどのように準備、考えているのかお伺いしたいと思います。
〇高瀬道路環境課総括課長 県管理道路における携帯電話の不感地帯解消状況の今後の見通しでございます。山間部を通る道路等の携帯電話の不感地帯の解消については、県民や来訪者の安全、安心の確保の観点から重要な課題と認識しており、県では、これまで国や通信事業者に対し不感地帯の解消を要請してきたところです。
 道路トンネル内の携帯電話の通信設備については、公益社団法人移動通信基盤整備協会が総務省の補助事業等を活用し整備を進めており、国道106号では宮古市の上川井トンネル、片巣トンネルの二つのトンネルが令和6年1月までに、また、国道340号では宮古市の立丸第一トンネル、立丸第二トンネルの二つのトンネルが令和6年5月までに整備が完了すると伺っております。
 道路管理者としましては、今後も国や事業者に働きかけるなど、引き続き道路の通信環境の確保に努めていきます。
〇城内愛彦委員 これまで国道106号などは1キロメートルに満たないトンネルしかなかったのですけれども、今は3キロメートル、4キロメートルというトンネルが何本も通っています。そういう環境が激変していますので、それにしっかりと対応していただければと思います。特に、今後起こるかもしれない地震、大規模災害の際に連絡がとれないということがあってはいけないし、緊急事態というのはいつ起こるかわからない、そのための準備はしてほしいと思いますので、この点については、引き続きよろしくお願いします。
 そこで、これは環境生活部でも農林水産部でも話題になっている鹿等による事故、動物による事故が道路でたくさん起こっています。三陸沿岸道路で鹿とぶつかったというのが第1号の事故でありました。鹿がふえているというのも実は問題なのですけれども、頭数が減ればそれは激減するのだと思うのですが、事故の状況というのは県のほうで管理者として捉えているのかお伺いしたいと思います。
〇高瀬道路環境課総括課長 鹿等による事故の状況についてです。県警察本部からは、過去3年間で車両と鹿が衝突した交通事故を県管理道路以外を含めた県内全域で約1、260件確認していると聞いております。
 また、県管理道路においては、過去3年間で動物の死骸等に関する処理が確認できた範囲で9、800件発生しており、このうち鹿と確認できたものが660件となっております。
〇城内愛彦委員 率直にお伺いしますが、こういう事態を道路管理者としてどのように感じているのかお伺いしたいと思います。
〇高瀬道路環境課総括課長 率直に、今回、数字を調べて非常に多いという感想があります。我々としましては、鹿にかかわらず動物の死骸につきましては、道路パトロールで発見した場合や通報を受けた場合には、早急に安全措置を講じるなど、道路利用者の安全確保に取り組んでいるところでございます。また、必要に応じて警戒標識を設置するなど注意喚起を行っております。
〇城内愛彦委員 注意喚起の標識はたくさんふえて、いいなと思っています。それは皆さんの努力の賜物だと思うのですが、基本的には事故が減らなければ何の意味もないという言い方は変ですけれども、そういう意味では、皆さんの立場からも環境生活部などに働きかけをして、まさに横の連携というのは必要だと思うのです。これだけ大変な、県民に不利益が生じている事態が起こっているということを話してもらわないと、本来やらなくていい新たな仕事が、余計な仕事がふえているわけです。ぜひそういう点についても、しっかりと取り組んでほしいということですし、まさに、県民の安全、安心を守るためには、あってはならない事故ですので、これが重篤になると大変です。鹿も熊もたくさん出ていますので、ぜひその点については、検討も含めて連携を深めてほしいと思うのですが、最後、県土整備部長に感想をお伺いします。
〇加藤県土整備部長 道路管理者としては安全な通行の確保というのが第一でございますので、まずはそれをしっかりやるとともに、今、御指摘のとおり、こういう事故がどのぐらい発生しているか等については、関係者としっかりと共有して、少しでも安全な道路空間の確保に努めてまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 ひとにやさしいまちづくり条例にかかわる建築物等の取り組みについてお伺いいたします。
 不特定多数が出入りするところを公共的施設として、また、公共的施設でも特に重要なところとして特定公共的施設としておりますけれども、それらの整備の状況について、整備基準に対する取り組み、実績を県としてどう評価しているかお伺いしたいと思います。
 特定公共施設の整備には、事前協議を義務づけておりますが、令和4年度の整備基準への適合率は65.9%、過去も60%台で推移しております。これに対する県の所感と、適合率を上げるためにはどのような取り組みをしてきたのかお伺いします。
〇佐藤建築指導課長 公共的施設整備基準への適合率についてでありますが、ひとにやさしいまちづくり条例では、多くの人が利用する公共的施設に対して、全ての人が安全、円滑に利用できるようにするために整備基準を定めております。
 県では、整備基準への適合率向上のため、これまで特定公共的施設に対する事前協議の際の指導のほか、事業者や県民等を対象にしたセミナー等を開催し、制度の周知に向けた取り組みを実施してきたところであり、特定公共的施設における整備基準への適合については、一定の普及が図られてきたものと認識しております。
 さらなる適合率向上のため、引き続き、これらの取り組みを充実させるとともに、関係部局が連携して、事業者への周知や働きかけなどに取り組むことが必要と考えております。
〇吉田敬子委員 研修、セミナー等をやってきていると思います。保健福祉部との連携でやられてきていると私も認識していますけれども、一定の普及が図られているという御答弁ではありますが、保健福祉部がやっているアンケート調査だと、施設についてバリアを感じているという人が一定数、8割程度いらっしゃる中で、私はまだまだ、社会福祉施設については適合率が高い状況で、商業施設については少し低かったりすることが多いこともあるのかと思っています。
 事業者と建築関係の方々への研修をもう少ししっかりやっていく必要があるのではないかと思っておりますので、セミナーについては、今、一定の普及ということですが、私はまだまだもう少し、広くいろいろな方に参加していただけるような研修のあり方を保健福祉部と一緒にやっていっていただきたいと思っておりますので、これについては要望として、今後も注視させていただきたいと思っております。
 次に、公園や公園の遊具についてお伺いしたいと思います。県内のインクルーシブ、障がいがあってもなくても遊べる遊具の整備状況と、インクルーシブ遊具、公園の必要性、重要性についての県の認識をお伺いしたいと思います。
 決算特別委員会の総括質疑で、まちづくりユニバーサルデザインガイドラインについては、方針について検討を行っていきたいということで御答弁をいただいて、感謝はしているのですけれども、こちらのガイドラインについては、遊具についてまでは言及はされていない状況です。県の認識をお伺いしたいと思います。
〇小野寺都市計画課総括課長 県内のインクルーシブ遊具の整備状況ということでございますけれども、県内の都市公園におきましては、障がいがあっても、そうでない方も一緒になって遊ぶことができる遊具であります、いわゆるインクルーシブ遊具につきまして、一関市の一関遊水池記念緑地公園と宮古市のうみどり公園に設置されているものと認識しております。
 インクルーシブ遊具の設置の必要性につきましては、全国的にも徐々に導入の公園がふえてきているという形で承知しておりまして、今後、遊具の更新などを行う場合には、おのおのの公園の状況に応じまして、利用する方々の潜在的なニーズ等を踏まえるとともに、インクルーシブなどの新しい視点を取り入れていくことも必要と認識しております。
 まちづくりユニバーサルデザインガイドラインへの記載につきましては、現在、記載されていないということで、吉田敬子委員からも御指摘ありましたとおり、ひとにやさしいまちづくり推進指針の策定を来年度行うということで、ガイドラインの見直しも検討していくという形になっておりますので、インクルーシブの考え方もガイドラインの中に取り入れながら、遊具を含みます公園につきましても、同様の考え方のもとに検討してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 やっと遊具も含めてガイドラインに検討していただけるということで、本当に感謝しております。
 その中で、県土整備部が所管する公園という名前が、都市公園だけでなく河川、海岸、ダム、砂防、港湾空港の中にも河川公園だったり港湾公園というものもあって、私はこれまで都市公園、御所湖広域公園だとか花巻広域公園、今も老朽化している遊具を更新していただいていて本当に感謝しているのですが、そこだけでなく、港湾、河川の公園にも遊具が設置されている状況です。県土整備部が所管する公園の整備と、ひとにやさしいまちづくり条例との関連についての認識をお伺いしたいと思います。
〇小野寺都市計画課総括課長 私ども県土整備部が所管しておりますのは広域公園4カ所を管理しているところでございますけれども、吉田敬子委員から御指摘がありましたとおり、河川公園ですとか港湾公園といった公園があります。また、公園の種類といたしましては、街区に居住する方々の利用に供することを目的といたしまして、街区公園、町なかにあるような小さな公園ですとか、都市住民の休息、散歩、運動等、総合的な利用に供することを目的といたします総合公園、少し大きな公園といったもので、さまざまな公園があると認識しているところでございます。
 こちらにつきまして、ユニバーサルデザインの考え方というものは既に導入済みとは考えておりますけれども、インクルーシブ遊具の導入につきましては、まだまだ周知が足りないと考えているところでございます。こちらの導入を進めていく中で、管理者、私どもは広域公園ですけれども、街区公園ですと市町村という形になりますので、市町村の公園担当者の方々にもインクルーシブの考え方の周知が必要ということも考えまして、ことしの9月に、インクルーシブ遊具を設置しております宮古市のうみどり公園におきまして、市町村の都市公園事業担当者を対象といたしまして、事例研修会、見学会を開催いたしまして、16の市町に参加いただいております。
 このような取り組みを通じまして、私どものみならず、市町村の担当者におきましても、インクルーシブの考え方が広まっていくような取り組みを続けてまいりたいと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 本当にありがとうございます。私も宮古市のうみどり公園のほうで研修をされたというのは今初めて知りまして、本当に感謝しております。16市町が参加されたということで、公園の整備の中で、障がいがあってもなくても、子供たち、御家庭が遊べるという公園がもっともっと岩手県の中にも広がっていっていただきたいと思っておりますので、今回、決算特別委員会の総括質疑に続いて県土整備の部局別審査でも、さらに踏み込んだ御答弁をいただけて本当にうれしく思っております。
 花巻広域公園は来年度―今年度でしたか―に向けて更新、そこにはもしかしたら間に合わないのかもしれないですけれども、県当局としてはインクルーシブの視点の遊具が重要だということでありますので、ぜひ可能な限りインクルーシブの視点の遊具の更新で花巻広域公園も進めていっていただけたらと思っております。
 最後に、こちらは県土整備部長にお伺いさせていただきたいのですが、県土整備部における少子化対策についてお伺いしたいと思います。昨日は農林水産部でも同じように、農林水産部長に少子化対策についてお伺いさせていただきました。
 いわてで生み育てる支援本部で決定する取り組み方針に基づいて、県土整備部で所管している少子化対策に関連する事業は何か、どのように取り組んでいるのかお伺いしたいと思います。
〇加藤県土整備部長 県土整備部における少子化対策の取り組みについてでございますが、県では、令和3年12月に知事を本部長とします、いわてで生み育てる支援本部を設置しまして、全庁を挙げて、結婚や子育てなどのライフステージに応じた取り組み等を推進しているところでございます。
 吉田敬子委員お尋ねの、同支援本部における取り組み方針に基づく県土整備部関係の事業としましては、令和4年度は、住宅ストックリノベーション事業ですとか、県営住宅入居収入要件の緩和など、結婚や子育てに寄与する取り組み等を実施してきたところでございます。
 これらの取り組みに加えまして、今、都市公園を初めとする多数の社会資本を県土整備部として有しておりますので、本年9月に県土整備部における人口減少対策につながる取り組み事例集、子育て編というのを取りまとめまして、整備したストックの事例や効果などを県民の皆様に知ってもらい、そして、利用していただく取り組みを通じまして、子育て世帯等を応援しているところでございます。
 引き続き、社会資本の整備などを通じまして、安心して子供を産み育てられる社会の実現に向け、取り組んでまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 私も今、県民室でパネル展をやられているということで行ってまいりました。子供を連れた遊びや散策にぴったりの80カ所を掲示したということでありますけれども、こういう充実した子育て関連施設として、公園、河川、海岸、港湾のいろいろな公園等を掲載してパネル展示をあしたまでやられているということです。
 きのうも農林水産部でお話ししたのですが、今年度から少子化対策を全庁的にさらに取り組むために、農林水産部と県土整備部には少子化対策監が配置されていないのは私は違和感があって、実質的にこういうふうにされているのは評価はするのですけれども、全庁的にというのであれば、少子化対策監がいてもよかったのではないかと思っているのですが、こういう形で公園等も含めた子育て関連施設、充実をしていきたいという意気込みでこれを掲示していただいたと思いますので、これからさらに、インクルーシブの視点も含めて、積極的に加藤県土整備部長を先頭に頑張っていっていただけることを期待して、終わりたいと思います。ありがとうございます。
〇柳村一委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午前10時53分 休憩
午前11時7分再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇飯澤匡委員 それでは、端的にお伺いします。国道343号の整備促進についてであります。今日まで大原バイパス並びに渋民バイパス、順次整備をいただきまして、住民の生活基盤の整備に大変役に立っていただいていまして、心から感謝を申し上げます。
 それで、残っているのは新笹ノ田トンネルの建設でございますが、去る2月の予算特別委員会で、田中県土整備部長からも新笹ノ田トンネルの建設については大いなる意欲を感じて、それを表明していただきました。そこで、検討会議が既に設置されておりますけれども、技術検討会議ということでしょうけれども、その進捗状況について、まずお伺いします。
〇小野寺道路建設課総括課長 国道343号笹ノ田地区技術課題等検討協議会の進捗状況についてでありますが、本年9月28日に開催した第2回検討協議会においては、3月に開催いたしました第1回検討協議会の意見を踏まえまして、地形、地質の検討を深め、破砕帯等の脆弱化した地質の分布など、技術的な課題が多いことを確認いたしました。
 また、地域経済の専門家もお招きしまして、県南地域と陸前高田市の物流、観光、それから防災面の観点から対策の必要性と効果の検討を行いまして、物流事業者などの道路利用者への意見聴取の結果も踏まえ、災害リスクや冬期間の迂回発生などの課題解消をするため、信頼性の高い道路ネットワークや広域周遊観光に必要なアクセス性の確保などが必要であることを確認したところであります
〇飯澤匡委員 今後の会議の予定、そして、終結に向けたスケジュール等はどうなっていますでしょうか。
〇小野寺道路建設課総括課長 今回、第2回検討協議会でいただいた意見の整理や、さらなる検討等を行った上で、次回の検討協議会では、整備方針案の検討と技術的課題の整理を行う予定としております。
〇飯澤匡委員 それは大体いつごろを予定しておりますか。来年度予算にどの程度反映されるのか、その見通しについてもお伺いします。
〇小野寺道路建設課総括課長 現在、検討協議会で示された意見を踏まえまして、詳細な技術的課題の検討などを進めているところでございまして、次回の検討協議会の開催時期をお示しすることはできないのですが、できるだけ早期に開催したいと考えております。
〇飯澤匡委員 了解しました。
 それでは、少し先走って質問してしまいましたが、問題となるのは財源の確保なわけですが、この点について、いかなる検討状況であるかお知らせいただきたいと思います。
〇小野寺道路建設課総括課長 財源の確保についてでありますが、国道343号笹ノ田峠に新たなトンネルを整備することにつきましては、大規模な事業となることが想定されることから、国費など公共事業費の安定的な確保が課題になると考えております。
 県では、道路を初めとする社会資本の計画的な整備を進めていくため、令和6年度政府予算案提言・要望において、公共事業予算の安定的、持続的な確保を国に要望したところであり、今後ともさまざまな機会を捉えまして、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策も含めた公共事業予算の確保を国に働きかけてまいります。
〇飯澤匡委員 わかりました。これは、これからも中間管理をさせていただきたいと思います。
 関連してですが、ただいま渋民バイパスのことを少し申し上げましたが、道の駅の来年の秋の開設に向けて一関市との協議も進んで、既に地権者との協議も進んで、工事も入っているというように聞いておりますが、防災道の駅についても一関市は非常に積極的に考えていますが、その点、県との協議の状況はどうなっていますか、お知らせください。
〇高瀬道路環境課総括課長 国道343号渋民バイパス沿線に整備している(仮称)道の駅だいとうの、令和6年秋の開設に向けた一関市との協議状況についてですが、まず、進捗としましては、県では令和4年度に道の駅事業を新規事業化し、一体型の道の駅として、市が進める全体の工事のうち、駐車場、トイレなどの休憩施設や道路情報提供装置の整備に対し費用負担するとともに、右折レーンの設置工事を進めるなど進捗を図っているところです。
 現在、市発注の建築工事や外構工事、県発注の右折レーン設置工事等が契約となっており、県、市及び関係する工事受注者で工程会議を実施して、開業に向け随時協議、調整しながら工事を進めているところです。
 市では、本道の駅の防災道の駅選定を目指しているところですが、防災道の駅の選定には、県の地域防災計画等において広域防災拠点への位置づけが要件の一つとなっていることから、令和5年9月には、道路管理者、一関市及び関係部局で防災道の駅や広域防災拠点の指定等に向けた考え方や手続等について打ち合わせを実施するなど、関係部局間で情報を共有しているところです。
 今後も、令和6年秋の開業に向けて、市と連携しながら取り組んでいきます。
〇飯澤匡委員 わかりました。それでは、引き続き円滑なる協議を進めていただきたいと思います。
 次、2点目ですが、希望郷いわて、その先へ。たっそ拓也マニフェストプラス39について。39の施策のうち30番、沿岸部と内陸部を結び、安心・安全を支え産業の基盤となる道路ネットワークの整備ということで、これまでなかったように、具体的に北岩手・北三陸道路、それから国道343号、ただいま申し上げました新笹ノ田トンネル、それから国道107号、国道340号、この三つをもう具体的に明記しております。マニフェストに書いたということは、これは有権者との約束ですから、実現に向けてやらないとならない、私はそういう認識ですが、まず、県土整備部はどういう認識で検討しているのかお知らせください。
〇小野寺道路建設課総括課長 道路ネットワークの整備の検討状況についてでありますが、構想路線であります(仮称)久慈内陸道路及び(仮称)大船渡内陸道路については、全国的な高規格道路ネットワークにおける必要性や緊急性の検討とあわせて、大まかなルートや道路構造等の調査から進めているところでございます。
 まずは、こうした検討状況について、沿線の市町村と丁寧に意見交換しながら調査の熟度を高めるとともに、早期に効果が発現されるよう、国道281号の久慈市案内―戸呂町口工区や国道107号の大船渡市と住田町間の白石峠工区の整備を推進してまいりたいと思っております。
〇飯澤匡委員 技術的にはそういう検討をされているということは理解いたしましたが、マニフェストに係る県土整備部の使命感といいますか、そこら辺はどういう受けとめ方をしているのか、これは県土整備部長にお伺いしたいと思います。
〇加藤県土整備部長 まず、このマニフェストに掲げられました3路線の認識ということでございますけれども、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げました各分野の政策を力強く推進していくためには、あらゆる社会経済活動や県民の安全、安心な暮らしを支える道路等の社会基盤を強化していくことは重要だと考えております。
 この中で、広大な県土を有する本県におきましては、東北道や三陸沿岸道路の縦軸、釜石道や宮古盛岡横断道路の横軸に加え、これらの道路を補完し、また、代替となる道路が一体となって機能することが必要と考えております。
 そのような中、私どもが作成しました岩手県新広域道路交通計画におきましても、二つの構想路線、国道343号線などの一般広域道路のほうを位置づけさせていただいているところでございます。構想路線につきましては、将来的に高規格道路の一部を担えるよう、高規格道路化を見据えた企画により、着実に整備を進めながら調査の熟度を高めていきたいと思いますのとあわせまして、国道343号につきましても、笹ノ田峠に新たなトンネルを整備する必要性や効果、技術的課題などについて、引き続き、検討協議会での検討を着実に進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 大体予想された答弁なのですけれども、いずれ、我々はマニフェストという実現性を高めることについて、その政治の信頼性であるとかそういうのは求められる中で選ばれてきているわけでございますので、これはしっかりとこれからも中間管理をさせていただきたいと思います。
 本会議場のやりとりの中で、代表質問で我が会派の佐々木努代表が、これらの財源についてどうするのだというお話の中で、検討なくして着手なしだとか、今、県土整備部長が言われたのとは別の熟度を高めるというような知事の答弁があったのですが、これでは、書いたからにはやっていただかないと、これは4年間のマニュフェストですから、意気込みではないわけですので、その点は私たちもしっかり見定めていかなければならないと思います。
 財源についても、先ほどの新笹ノ田トンネルと同様の答弁が返ってくると思うのですが、最後にもう一回確認させていただきたいと思います。たっそ拓也マニフェストプラス39に掲げた30番の財源について。
〇加藤県土整備部長 このマニフェストに掲げた道路を初めとします社会資本の計画的な整備につきましては、国費などの公共事業の確保が必要であると考えておりますので、まず、令和6年度政府予算提言・要望におきまして、公共事業予算の安定的、持続的な確保について、国に要望してきたところでございます。今後もさまざまな機会を捉えまして、公共事業予算の確保を国に働きかけるとともに、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算も活用しながら道路整備等を推進していきつつ、防災対策や産業振興など、幸福の追求を支える社会基盤が整っている岩手県の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 わかりました。多分それ以上の答弁は出ないのだと思います。しかしながら、新笹ノ田トンネルについては、沿岸部や内陸部の住民の方、9万筆に及ぶ署名もあるということも加藤県土整備部長も御存じだと思いますので、ここはしっかり、これからも進めていただけるようにお願いをして、きょうの質問は終わります。ありがとうございました。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、まず、県営住宅のことについてお伺いいたします。
 移住、定住の政策を進めるとか、それから、若者を支援するとかという意味でも県営住宅を活用するということでありますし、また、福祉的な観点からも県営住宅というのは大きな意義があるわけですけれども、県営住宅の入居率がどうなのかと思っていましたけれども、80.2%の入居率だと資料をいただきました。管理戸数6、860戸で入居率80%。この入居率が大体同じような入居率で、微減ですけれども、そういう推移をしているという資料をいただきました。
 それで、移住、定住の政策を進める中で、いわてお試し居住体験事業というのが始まったわけでありますけれども、この中で、子育て世代枠を設けたり、一般世代枠を設けたりということで、家電を整備した県営住宅を低廉な家賃、家賃1万円で貸し出しする事業が行われているということで、画期的なことをやり出したわけですけれども、募集戸数、入居状況、定住に至った世帯数など、それから、SNSでも発信していくということだったようですけれども、その成果と課題はどうだったかお伺いいたします。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 いわてお試し居住体験事業の成果と課題という御質問でございます。令和4年度においては、募集戸数全30戸活用していただいたところでございます。また、今年度におきましては、令和5年9月末までに募集戸数全40戸のうち25戸の募集を行っているところですが、現時点で7戸の入居が決定し、また、その後複数の申し込みをいただいているところでございます。
 定住状況については、令和5年9月末までに18戸が退去し、うち11戸が引き続き県内で生活をしていただいているところでございます。
 また、SNSでの情報発信ということでございますけれども、県公式フェイスブック、いわてのわというのがございますが、移住してきた経緯や生活の状況についてなど、移住者の生の声を発信することで、本県の魅力発信に貢献いただいているところでございます。
 今後も関係部局及び市町村等と連携の上、より県内での定着につながるように取り組みを強化していくことが課題と考えているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。これは1年ですよね。もっと住み続けたいということもあるかもしれないですけれども、まず、退去しなければならない。その中で11戸は県内に定住しているということで、一定の成果があるのだろうとお聞きいたしました。
 私が見るに、SNS、フェイスブック、ツイッターなどの発信はあるのですけれども、少し少ないという印象を受けました。また、この事業を継続するに当たっては、さらに発信していただけるようにお願いしたいと思います。
 次は、県営住宅活用促進モデル事業ということで、若い人たちに入ってもらう事業で、若者支援でもありますし、また、住宅内でのコミュニティーを充実させるためにということで募集をかけたわけです。募集戸数、入居状況、それから、自治会などのコミュニティー活性化の取り組みの参加状況などお伺いいたします。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県営住宅活用促進モデル事業の成果と課題ということでございます。
 県営住宅活用促進モデル事業の実績でございますが、30戸枠を用意しておりまして、令和5年9月末時点で7戸が入居しているという状況でございます。
 各入居者においては、草刈りとか雪かきや盆踊り等、自治会活動等に積極的に皆さんに参加していただいているということで、自治会からは、そういう活動に対して好意的な意見もいただいているというところでございます。
 このような若い世代の入居者が自治会活動等に参加することにより、県営住宅のコミュニティーの活性化にもつながっているものと考えているところでございます。
 本事業については、入居者のほうから住環境とか家賃等について満足だという回答は得ているのですけれども、30戸の枠に対して7戸ということで、利用がまだそこまででございませんので、より多くの若者世代に活用していただくように、事業の魅力発信も含めまして、先ほど委員からも御指摘がありました、さらに情報発信に努めていくことが課題だと考えているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 住みやすい住宅に改装して、Wi-Fiもつけて募集をしたわけですけれども、7戸というのは少ないかと。あと、県営住宅の場所にもよるのでしょうけれども、なかなか難しいという印象を受けました。
 それから、県営住宅を運営している中で、困難事例というのもたくさんあると思っております。滞納もあるでしょうし、それから、県営住宅に入っている方々は単身者が結構多いのですよね。一般の公営住宅では3割ぐらいが単身者で、災害公営住宅だと5割を超えている単身者がいらっしゃるようですけれども、単身者の中でも多分、女性が多いのではないかと私は想像しているのです。元気なうちはいいのですけれども、急変して、体調が悪くなって入院したり、お亡くなりになったりする中で、全国的に遺品整理がつかなくて大変困っている事例があるということを目にしました。相続をされる方もいない。相続権利者がいても相続放棄をするという中で、遺品整理ができなくて、次に貸し出すこともできずに大変困っている例が全国でもあるのだということで、そんな状況は県内ではどうなのか。
 それから、ごみ屋敷状態にしているという事例もあるように聞いているのですけれども、そういう困難事例は県内の住宅ではどうなのでしょうか、お伺いいたします。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県営住宅の困難事例という御質問でございます。今、御紹介がございました単身者、死亡後の遺品整理の問題ですとか、いわゆるごみ屋敷といった問題、やはり数件発生しているところで、単身者死亡後の遺品整理の件でいきますと、14件くらい把握しているというところで、いろいろと対応しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 今、14件、遺品整理に困った事例があるとお聞きしたのですけれども、他県の例では、勝手に整理できないので、遺品を整理する部屋を設けて、そこに集中的に集めて、遺品を回収、引き取ってくれる人が出るまで待っている。それも満杯になって困っているというような例もあったのですけれども、ここはどういうふうに管理しているのでしょうか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 遺品整理の問題でございます。我々もいろいろと対応を続けているところでございますが、県営住宅のほうでも一時的に空き部屋に保管しておくというような対応をしておりまして、先ほど委員からも御紹介がございました、死亡後の遺品の整理につきましては、法定相続人が行うことになりますけれども、法定相続人が所有権を放棄した場合、また、法定相続人が存在しない場合等においては、裁判所に申し立てた上で相続財産管理人を選任することが必要になるということですが、これには多額の費用がかかるということで、我々も今、そういう対応についても検討しているところでございますが、まさにいろいろと我々のほうでも考えている問題でございます。
〇佐藤ケイ子委員 お一人で暮らしている方、元気なうちはいいのですけれども、いつ何どきどうなるかわからない。入居するときは保証人もつけているのでしょうけれども、保証人もかわっているという事例もあると思うのですね。委託している管理会社がやるかどうかもですが、定期的に巡回をして、健康状況とか、もしものときは管理してくださる方がいるのかというようなことの把握作業をしていただきたいと思っております。お願いします。
 それから次は、長寿命化計画のことについてでございます。県でも県営住宅の長寿命化計画ということで、令和4年3月で冊子を出しておりまして、大変詳しく今後の管理計画を出しているし、また、県営もですし、市町村営の住宅も含めて、住宅ストックとか老朽化の問題も捉えているのだということを知りました。
 それで、今、宮城県で県営住宅建てかえのことで多くの問題、不満が出ているわけです。宮城県は県営住宅の建てかえはしない。しかも、同じエリアでは建てかえをしないということで、今住んでいらっしゃる方が立ち退きしなければならない。また、そのやりとりの中ですごく不適切だというか、情報がなかなか出てこなかったとかで大変問題になって、これも宮城県議会議員選挙の焦点にもなったのですけれども、こういう中で、本県の県営住宅の建てかえはどういう方針で進めていくのかということをお伺いいたします。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県営住宅の長寿命化計画についての御質問でございます。
 県では、令和4年3月に県営住宅の長寿命化に関する基本方針や事業手法等を定めた、岩手県公営住宅等長寿命化計画を改定したところでございます。
 この計画において、全ての県営住宅について、長寿命化やバリアフリー化等に資する改善工事、予防保全的修繕及び用途廃止の事業手法を定めたところでございます。
 このうち用途廃止については、入居者の意向確認などを踏まえて、ほかの県営住宅への移転などにより、居住の安定が確保できるように丁寧に対応していくということでございます。
〇佐藤ケイ子委員 この県営住宅には低所得の方々がたくさん住んでいらっしゃる。建てかえとか廃止とかと計画がある場合には早めにお知らせいただいて、今後の生活が安心して行えるように、しっかりと対応をしていただきたいと思うのです。
 宮城県では説明会をするのも非公表で行うということがあって、それもかなり問題になっていたようなのですけれども、入居者説明会も早めに、そして、一人一人の問題に対応できるように、時間をもって進めていただきたいと思っております。
 次は、除雪のことについてでございます。令和4年度の除雪費は60億円でしょうか。ホームページを見ますと、令和2年度は41の共同企業体、115の企業に委託をしながら3、840キロメートル、253路線除雪をしたということであります。直営と委託の状況、それから、オペレーターの人材確保の状況などはどうなっているのでしょうか。そして、委託事業者からの要望がありましたらお知らせください。
 また、県民からの苦情の状況はどうでしょうか。市町村道との相互連携はどうなっているのでしょうか。お伺いいたします。
〇高瀬道路環境課総括課長 道路除雪における直営と委託の割合でございます。
 直営除雪は、県内14公所のうち1公所で行っており、西和賀町及び北上市の一部において行っております。
 令和4年度は除雪延長3、880キロメートルのうち、直営除雪による除雪延長は61キロメートルであり、割合は約1.6%となっております。
 除雪オペレーター人材確保の状況ですが、昨年度は直営除雪のオペレーターとして27名を募集し、所要人員を確保しました。
 また、委託業務として153社の企業と契約し、オペレーターを確保いただき、除雪体制を確立しております。
 除雪受託業者からの要望ですが、令和2年度末に実施した除雪企業を対象としたアンケート調査では、回答があった企業のうち約75%が除雪オペレーターの確保が問題であるとしており、県としても課題と認識しております。
 また、アンケート調査で、県に取り組んでほしいこととして最も多かった意見が、除雪の訓練環境の提供に係るものでありました。このことから、県では、冬期通行どめ路線等において、熟練オペレーターが除雪機械に同乗し、若手オペレーターに対し機械操作の指導を行うなど、除雪オペレーターの育成支援の取り組みを行っているところでございます。
 県民からの苦情ということですが、令和4年度は、県民の皆様から約250件の除雪に関する苦情、要望をいただいており、内訳としましては、路面状況や幅員などの除雪状況に関するものが約90件、路面凍結や凍結抑制剤の散布に関するものが約90件となっております。
 いただいた苦情、要望については、内容を確認した上で状況に応じて対応し、安全、安心な冬期通行の確保に努めているところです。
 市町村との相互連携ですが、県では、市町村と連携し、それぞれが管理する道路のうち除雪区間の一部を交換し効率的に除雪を行う、いわゆる交換除雪を実施しております。令和4年度は市町村道45路線で約40キロメートルの路線を県で実施しているところです。
 今後も、効率的な除雪体制の拡大に向け、市町村と連携しながら取り組んでまいりたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員 今、建設業の働き方改革、時間外労働の規制も入る中で、除雪の時間、労働者が確保できるのかという問題、それから、物価高騰などもあって委託費もかなり高額になるのではないかという問題もあろうかと思います。ぜひ新年度予算については、余裕を持った、適切な予算配分をお願いしたいと思っておりますし、県道の中でも管轄エリアが違うと、すぐ除雪の差が出てくるような路線もあるので、平準的にしっかりと除雪できるように、排雪もよろしくお願いいたします。
〇松本雄士委員 私からは、初めに、下水道事業についてお伺いいたします。
 令和4年度の流域下水道事業会計の決算、また、これまでの近年の推移を見ますと、おおむね順調に推移しているものと考えられますけれども、将来、人口減少や施設の老朽化と取り巻く環境は厳しくなっていく。また、さらに一層厳しさを増す県財政の状況等を考慮しますと、当該下水道事業の持続可能性の検証や、さらなる合理的経営の検討を進めていく必要があると考えます。
 ついては、流域下水道事業経営戦略を平成28年から令和7年まで10カ年の計画を策定されておりますけれども、当該経営戦略の策定目的である流域下水道事業に係る持続可能性の検証について、今現在の状況についてお伺いいたします。
〇乙部下水環境課総括課長 流域下水道事業の持続可能性の検証状況でございますけれども、将来にわたって安定的に事業を継続するための中長期的な計画である流域下水道事業経営戦略は、現在、見直しを進めておりまして、この見直しに当たりましては、投資、財政計画について、関連市町と情報共有をしてございまして、負担金の引き上げにつきましても、関連市町と確認を行いながら進めております。
 また、経営戦略の見直しに向けては、県では、長期間かつ複数パターンの投資試算を実施して、これも関連市町の確認を受けながら、持続可能性の検証を行っているところでございます。
〇松本雄士委員 関係市町村と共有しながら見直しを進めているということでありますけれども、今現在、経営戦略は10年ということで進めていますが、社会的インフラで多額の投資が必要になるというものに対して、もっと長期間での計画見通しというものが必要と考えるのですけれども、その辺については、いかがでしょうか。
〇乙部下水環境課総括課長 先ほどの答弁でも、長期間かつ複数パターンで投資試算をしていると答弁させていただいたのですけれども、このパターンにつきましては、施設の標準耐用年数で更新した場合、あとは、耐用年数から少し引き延ばしたパターン、現在の事業規模に応じて更新したパターンなど、複数パターンで試算しておりまして、こういうところも考えながら、今、経営を継続できるのかということで検証しているところでございます。
〇松本雄士委員 長期間で、さらにいろいろなパターンでということですが、長期間というのは何年ぐらいを想定してやっていますでしょうか。
〇乙部下水環境課総括課長 この長期間というのは、100年程度を見越してパターンをつくっております。
〇松本雄士委員 100年というのはかなり長いのですけれども、中長期の展望に立って見通すということが必要で、かつ重要であると考えていまして、複数パターンの投資試算、今後どういうお金がかかっていくのかという情報開示等については、どのように考えていますでしょうか。
〇乙部下水環境課総括課長 複数パターンの開示というか、この資料につきましては、内部資料ということで関係市町との情報共有はしておりますけれども、公表ということはしておりません。我々が公表している資料といたしましては、投資・財政計画、あとは経営戦略をホームページで公表しておりまして、今、新たな投資・財政計画、経営戦略を作成している途中ですので、これができたら、また新しい計画を公表していくという形になっております。
〇松本雄士委員 わかりました。
 続いてでありますけれども、今、見直しを進めている経営戦略においてであります。今、公共施設においては、民間的経営手法の活用というのが積極的に導入されておりますけれども、今後見直す経営戦略において、民間的手法の活用に係る検討状況について、お伺いしたいと思います。
〇乙部下水環境課総括課長 民間的手法の活用に係る検討状況についてでございますけれども、民間的手法の活用につきましては、関係機関であります岩手県下水道公社も含めた検討会で検討を行っておりまして、検討の結果、条件不利な地域では効果額が少額であるなどのことから、現在、我々がやっているのは、一関浄化センターのみで民間的経営手法を活用しているという状況でございます。
〇松本雄士委員 その民間的手法の活用検討を県と公社だけで今、しているということでしょうか。
〇乙部下水環境課総括課長 現状としましては、そのとおりでございます。
〇松本雄士委員 民間的手法の活用検討でありますので、ぜひ活用検討にも民間を入れて検討を促進していただきたいと考えるところであります。
 また、続いてでありますけれども、令和2年度から当該下水道事業会計におきまして、地方公営企業法の一部適用ということで会計を独立させて、より経営状況の適切な把握に資しているというところでございますが、今後、地方公営企業法のさらなる適用について、どう考えているかお伺いいたします。
〇乙部下水環境課総括課長 地方公営企業法の適用の範囲の考え方でございますけれども、地方公営企業法の適用につきましては、法の全てを適用する全部適用と、財務規則のみを適用する一部適用がございます。
 流域下水道事業への法の適用につきましては、全部適用と比較しまして、人員及び経費の増加を最小限にとどめられるということ、現行の組織体制で汚水処理事業全般を一体的に推進できること、流域構成市町の全ての意見を反映しているということで、一部適用というものを適用している状況です。
〇松本雄士委員 一部適用、全部適用による得失、メリット、デメリットがあるかと思うのですけれども、全部適用をした場合に、さらなる類似公営企業等との統合のような選択肢も出てくるかと思うのですが、そういうところの検討状況はどうなっていますでしょうか。
〇乙部下水環境課総括課長 類似公営企業ということで、多分、企業局のことを言っているのかと思いますけれども、今後、経営戦略を見直す際には、企業局の経営統合についても検討していくのですが、いずれ、今の状況がどうなのかというのも見ながら、あとは、全国的な状況はどうなのかというのも見ながら検討していきたいと思っております。
〇松本雄士委員 今、いろいろ経営戦略の見直し策定で一部だけ聞いているのですけれども、ほかの要素も踏まえての経営戦略の見直し、今後どういったスケジュール感で進んでいくのでしょうか。
〇乙部下水環境課総括課長 今の経営戦略ですけれども、令和7年度までの経営戦略になっていますので、作業状況としては令和8年度以降の経営戦略に向けて、今、作業を進めている状況でございます。
〇松本雄士委員 そうしますと、10カ年の経営戦略の期間を踏まえてということで、前倒しで進んでいくとか、そういうことは特にないということでしょうか。
〇乙部下水環境課総括課長 実は、今の経営戦略というのは、特別会計のほうの経営戦略になっておりまして、企業会計の経営戦略を今、鋭意作成しているという状況ですので、できるだけ早く経営戦略を新しいものにしたいと思っております。
〇松本雄士委員 ほかの公共施設、社会的インフラにも共通することなのですけれども、広くステークホルダー、利害関係の人が関係してくる。そして、多額のお金が、資金財政が必要になるということで、検討には長期間を要するということであります。そういう中で、中長期の見通し等、また、民間的な考え方の活用、そして、今回の水道の場合は地方公営企業法の全部適用での組織統合というのは一つなのですけれども、あらゆる選択肢を排除しないで、早くに、そしていろいろな選択肢を持って検討を進めていただきたいと。下水道というのは公衆衛生であるとか、今後、未利用資源のところで農業との連携というところもあって、非常に重要になってくるかと考えますので、下水道事業の将来のあり方の検討のところ、そういう要素を踏まえて検討していってもらいたいと思います。
 続いてでありますけれども、橋やトンネル等の予防保全型の維持管理についてお伺いいたします。
 令和4年度の早期に修繕が必要な橋梁の対策完了数というのが目標116橋に対して実績は95橋、また、令和4年度だけの取り組み状況を見ますと、早期に修繕が必要な橋梁が44橋に対して23橋となっております。かかる要因についてお伺いいたします。
〇高瀬道路環境課総括課長 早期に修繕が必要な橋梁の対策につきましては、いわて県民計画(2019〜2028)第1期アクションプランにおいて目標数値を定めております。
 令和4年度までの対策の完了数は、松本雄士委員御指摘のとおり、目標値が累計で116橋であるのに対し実績は95橋であります。この差の主な要因としては、詳細調査の結果、想定以上に損傷が著しく、補修設計及び工事、あと、資材の調達に時間を要したことや、関係機関との協議に時間を要したことが挙げられます。
 今後は、法定点検業務の発注時期のさらなる前倒し等により、関係機関協議や設計、施工期間を確保し、対策の進捗が図られていくよう努めてまいります。
〇松本雄士委員 想定以上に損傷が著しかった資材等、どの程度の見通しで早期に修繕が必要なというところの目標設定をされたのでしょうか。
〇高瀬道路環境課総括課長 目標設定につきましては、過去4カ年の点検において、要対策と点検結果が出た橋梁を全て次の4カ年で整備するという目標設定になっております。
〇松本雄士委員 早期に修繕が必要であるという認識のもとで目標設定されていると私は捉えますので、ぜひともこの目標に対してしっかりと完了が進むように進んでいっていただきたいと思います。県民の日常の安全、安心を支える道路、橋、トンネルは重要であると考えますので、ぜひともお願いいたします。
 それで、今後の見通しでありますけれども、令和4年度未達だったところの今後の見通しについてお伺いいたします。
〇高瀬道路環境課総括課長 残る21橋につきましては、現段階で、21橋のうち多くが令和5年度までに修繕工事には着手しております。引き続き、早期完成に向けて工事を進めてまいります。
 なお、一部長大橋につきましては、工事規模が大きく時間を要することから、しっかりとした進捗管理を行い、現場状況の変更等による受注者からの協議にも速やかに応じてまいりたいと思います。
〇松本雄士委員 早期の完了をお願いいたします。
〇佐々木朋和委員 先ほど飯澤匡委員からもございましたけれども、私からも国道343号笹ノ田地区技術課題等検討協議会についてお伺いしたいと思います。
 令和4年度第1回の協議会がございまして、その中で、現状の確認をした上で、次回の協議会では、周辺地域の観光交流や産業の状況等の面から現状の課題を確認し、対策の必要性、効果を検討するとされました。令和5年9月28日の第2回の協議会において、対策の必要性、効果について、どのようにまとめられたのか。また、県としてはどのように受けとめたのか、まずは伺いたいと思います。
〇小野寺道路建設課総括課長 対策の必要性、効果についてでありますが、9月28日に開催いたしました第2回検討協議会において、法面防災や交通計画の専門家等に加え、地域経済の専門家もお招きし、県南地域と陸前高田市間の物流、観光、防災面の観点から対策の必要性と効果の検討を行ったところでございます。
 その結果、対策の必要性といたしましては、信頼性の高い道路ネットワークの確保、二つ目として、広域周辺観光に必要なアクセス性の確保、三つ目としまして、沿岸地域と内陸地域を結ぶ安全で円滑な交通の確保を確認いたしました。
 さらに、対策の効果といたしましては、防災力の強化、二つ目として周辺観光の促進、三つ目といたしまして、地域間の交流の活性化ということを期待するということで取りまとめたところでございます。
〇佐々木朋和委員 県としての受けとめということもお聞きしました。次回の協議会に向けた主な意見の中で、整備の必要が感じられたというような文言もあります。県としては今回の協議会のまとめによって、さまざま課題はあるにせよ、トンネル化、事業化についての必要性を確認したということでよろしいのでしょうか。
〇小野寺道路建設課総括課長 これらの御意見を踏まえまして、対策の必要性と効果を認識したところでございます。次回の検討協議会では、これらの意見を踏まえまして、整備方針案の検討と技術的課題の整理を行っていきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 必要性が感じられ、まとめられたということ、一歩前進だと思っております。
 また、この必要性と効果について、私はさらに人口減少対策としての通勤の道、先日の商工労働観光部での議論でも、県南広域振興局以外はほかの圏域に約20%が県内就職でも流出しているということがありました。いくらでも各地域において人口減少対策ということで社会減対策をしていくためには、通勤できる道を確保していくことが必要だと思っておりますし、次期保健医療計画についても、広域の高度医療、特にも脳卒中等については、通院のほかにも救急の道としても必要性が高まっていると思います。そういう部分でも検証を踏まえて、必要性、効果について補完をすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇小野寺道路建設課総括課長 佐々木朋和委員御指摘の通勤、あるいは通院、救急搬送等ですけれども、これらにつきましては、日常生活を支える役割といたしまして、安全で円滑な交通の確保が必要であるということで協議会でも確認したところでございます。いわて県民計画(2019〜2028)の中でも、それらについては具体的な推進方向、指標として設定しておりますので、協議会の中でも確認していったということで認識しております。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございます。了解いたしました。
 一方で、課題の面で、技術的なところで、地質、破砕帯等の部分について課題を指摘されておりますが、これは具体にどのようなことが工事に向けて懸念されているのか教えていただきたいと思います。
〇小野寺道路建設課総括課長 地質の課題についてでありますけれども、本年3月の第1回検討協議会において、法面防災の専門家から御意見をいただいたところでございます。笹ノ田峠の周辺につきましては複数の断層が確認され、いわゆる破砕帯が存在している可能性が高いということを確認しております。
 これらについては、過去に岩盤の亀裂の発達等を起因としまして補修中の法面が崩壊し、通行規制が生じたということもあることから、異常気象時における通行規制等の懸念がされます。工事におきましても、それらを踏まえまして、丁寧な施工が必要になってくると考えておりますので、今後、慎重な検討をしてまいります。
〇佐々木朋和委員 何か工法的に特別なことが必要だとか、そういう懸念ということも出てきているのでしょうか。今の話ですと、交通に際しての工事という話でしたけれども、その点について、もう一度答弁をお願いしたいと思います。
〇小野寺道路建設課総括課長 検討協議会の中では、既存の地質の資料、あるいは、第1回検討協議会で法面の防災の専門家から御意見をいただきました航空レーザー測量のデータを活用した解析などを行っております。工事に際しましては、それらについて、脆弱な法面だというような課題が想定されますので、仮にトンネルの施工をしていく際には、例えば、掘削していく切羽の崩壊であったり突発的な湧水とか、それらについて懸念されますので、慎重な検討が必要だと考えております。
〇佐々木朋和委員 わかりました。次回までにまた詳しいところが出てくると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 今回、ホームページにも内容の概要版を載せていただきまして、この協議会ではいわて県民計画(2019〜2028)等の取り組み方向に関連させながら、この対策の必要性と効果について確認されておりました。道路整備の優先度について、BバイCでありますとか交通量というところが大きく注目されてきたわけですけれども、これらいわて県民計画(2019〜2028)などと書いてありますから、恐らくふるさと振興総合戦略等も含まれるのだと思いますが、取り組みの方向性との関連性についても、道路の整備の優先度については緩和されているのか伺いたいと思います。
〇小野寺道路建設課総括課長 道路整備の優先度といわて県民計画等の取り組みの方向性との関連性についてでございます。
 道路整備につきましては、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる防災対策や産業振興などの幸福の追求を支える社会基盤が整っている岩手の実現に向けて、災害に強い道路ネットワークの構築や日常生活を支える安全・安心な道づくり、それから、都市間や主要な観光地を結ぶ道路の整備を進めることとしております。
 整備の優先度の考え方については、県民計画等を踏まえながら、公共事業評価制度に基づき、必要性、重要性、緊急性、効率性などの事前評価を実施した上で、公共事業予算の動向等も見極めながら、総合的に判断してまいります。
〇佐々木朋和委員 ぜひいわて県民計画(2019〜2028)、あるいは、人口減少対策の視点からも進めていただきたいと思います。
 この道路も進めていただきたい、また、いわて県民計画(2019〜2028)の観点、人口減少対策の観点からは、通勤の道として県南広域圏内においても、各市町村において社会減対策をしていくということは重要でありまして、一関平泉地区の国道4号の4車線化についても、地元に残りながら通勤の道を確保していくという意味では重要だろうと思っております。これの検討状況と国との調整状況を伺って、午前中で終わりたいと思います。
〇小野寺道路建設課総括課長 一関平泉地区の国道4号4車線化の検討状況等についてでございます。
 国からは、周辺で行われている事業の進捗状況や交通状況等を踏まえて、今後の整備、必要性を検討していくと伺っております。
 県におきましては、内陸部における物流の円滑化、地域間の交流、連携を促進するために、国道4号の整備の重要性を認識しており、令和6年度の政府予算提言・要望におきまして、一関平泉地区も含め国道4号の2車線区間の早期4車線化について国に要望したところでございます。今後とも、機会を捉えて国に働きかけてまいりたいと思います。
〇柳村一委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時3分 休憩
午後1時1分再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇菅原亮太委員 私からは、いわて住まいのカーボンニュートラル推進事業についてお伺いさせていただきます。
 このいわて住まいのカーボンニュートラル推進事業でございますけれども、住宅部門からの温室効果ガスの削減と県民の居住環境の改善を図るため、県内建築事業者への技術支援及び既存住宅の省エネ化に対する補助を実施する事業と伺っておりますが、既存住宅の省エネ化に対する補助について、補助内容と、また、令和4年度の計画戸数、そして、実施した戸数も含めて教えていただければと思います。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 既存住宅の省エネ化に対する補助についての御質問でございます。県では、既存住宅の省エネ改修のための省エネ診断、計画策定及び改修工事に要する経費に対して補助金を交付する、住まいの省エネルギー改修推進事業を実施しているところでございます。
 令和4年度の実績は、想定件数10件に対して7件となっているところでございます。
〇菅原亮太委員 この事業は今年度も増額して実施すると伺っておりますけれども、今年度の上限額と、また、目標戸数についてお伺いしたいと思います。
 また、現在、令和5年6月1日から受付開始していると思いますけれども、現状の状況についてお伺いしたいと思います。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 今年度の状況でございますが、今年度は改修に係る構造補強について補助を拡充いたしまして、補助限度額は最大で183万5、000円となっているところでございます。想定している戸数は10件となっておりまして、また、現在の受付状況でございますが、10月末現在で6件となっているところでございます。
〇菅原亮太委員 昨年と同じような横ばいの状況かと把握しております。この事業に関して、住宅事業者であったり、また、建築主であるユーザーから何か要望等はございましたでしょうか。また、この事業の推進について、そういう関連団体との連携については、どのように取り組まれているでしょうか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 利用者からの声ということで、関係する事業者から国の補助制度などもございまして、そちらと比較して申請手続の緩和をしてほしいというような意見を聞いているところでございます。この点につきましては、申請者が活用しやすい事業となるように、今後も工夫していきたいと思っているところです。
 また、関係団体との連携ということですけれども、例えば、建築士会とか建築士事務所協会等の建築関係の団体、特に事業の周知ですとか、そもそも省エネ住宅の周知などにも協力いただいているところでございます。
〇菅原亮太委員 引き続き、そういう連携を取り組んでいただきたいと思います。今後の事業の推進、普及については、具体的に今後こうしていきたいという取り組みはございますでしょうか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 今後、いろいろ工夫しながら事業を進めていくということでございますけれども、住宅の省エネ改修につきましては、温熱環境の改善による住宅の健康増進の点でも効果があると思っておりまして、それらの省エネ住宅のメリットについて、広く県民への周知を図ることが重要だと考えておりまして、いろいろな手段を使って普及していきたいと考えているところでございます。
〇菅原亮太委員 関連しまして、続きまして、住みたい岩手の家づくり促進事業についてもお伺いしたいと思います。
 先ほど御紹介したいわて住まいのカーボンニュートラル推進事業というのは、省エネ化のリフォームのみの補助となっておりました。新築に関しては、農林水産部の事業で、県産木材を使用した新築住宅に対して最大100万円の補助がある、いわて木づかい住宅普及促進事業といった事業がございます。農林水産部の事業に対して省エネ化をした住宅に上乗せ補助として10万円補助するというのが県土整備部の住みたい岩手の家づくり促進事業であると承知しております。
 この農林水産部のいわて木づかい住宅普及促進事業、令和5年の新築数及びリフォーム数が、新築が計画140件に対して123件、リフォームが計画20件に対して実質9件が今年度の農林水産部のいわて木づかい住宅普及促進事業の実績と伺っております。
 そこでお伺いさせていただきますが、県土整備部の上乗せ補助事業である、住みたい家いわての家づくり促進事業の今年度の新築数、リフォーム数はどのようになっているかお伺いさせていただきます。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 住みたい岩手の家促進事業について御質問だきました。県産材を利用しまして省エネ性能を備えた住宅に補助する県土整備部の事業でございますけれども、こちらの実績でございますが、新築とリフォームが対象になっているのですが、新築が50件、リフォームはゼロ件となっているところでございます。
〇菅原亮太委員 先ほどの農林水産部のいわて木づかい住宅普及促進事業のほうは、上限に達していないということでまだ受け付けていると思うのですけれども、県土整備部の上乗せ補助の住みたい岩手の家づくり促進事業については、ことしで予算上限に達して受付終了だったということでよろしかったでしょうか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 菅原亮太委員御指摘のとおり、10月で上限に達しているところでございます。
〇菅原亮太委員 先ほど御答弁いただきましたとおり、新築50件、リフォーム、ゼロ件ということで、リフォームよりも新築の需要のほうが高い傾向にあると感じております。省エネに取り組みつつ、かつ、定住促進につながる省エネ住宅に対する補助金というのは今後も重要になってくると思いまして、また、ことしは物価高騰で住宅価格が上昇しまして、住宅着工数も減少していると聞いておりますが、参考としまして、近年の岩手県内の住宅着工数の推移についてお伺いさせていただきます。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 岩手県の新設住宅着工戸数について御質問いただきました。住宅着工の総戸数でございますが、令和3年は6、609戸、令和4年は6、585戸となっておりまして、このうち木造の戸建て持ち家の戸数ということになりますと、令和3年は3、493戸、令和4年は3、029戸ということで、総戸数については横ばいのようなところですけれども、木造戸建て持ち家の着工数は減少しているというところでございます。
〇菅原亮太委員 木造住宅は減少しているところで、なかなか家を建てたくても金銭的に建てづらい状況は今あるのかなと感じております。そこを県として後押ししていくということで、定住促進につなげていく必要があると思っておりまして、既存住宅の省エネリフォーム化に対する補助だけでなくて、今後は省エネ住宅の新築についても補助の拡大、拡充をお願いしたいと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 先ほど御答弁申し上げました、住みたい岩手の家づくり促進事業につきましては、農林水産部と連携しまして、新築のほうにも補助している。そういう事業とともに、今後もさまざまなニーズを捉えて事業について検討していきたいと思います。
〇菅原亮太委員 農林水産部との連携事業ということで、県産木材の需要拡大であったり、また、タッグを組んで住宅事業者、林業者、そして、岩手県に住みたい人たちがウイン・ウインになるような、利益になるような施策をどんどん進めていただければと思っております。
 最後に、現在、県内の市町村では、空き家バンクに登録されている物件の購入補助であったり、耐震診断、耐震工事の補助、また、高齢者住宅に対するバリアフリー化の補助というのは市町村で行っているのですけれども、多世帯同居のためのリフォームに対する補助がないというのが今の現状でございます。この多世帯同居のためのリフォームというのは、リフォーム工事後に親世帯の住宅に子世帯が同居するなど、直系親族の世帯数が1以上増加する一戸建て住宅に対してリフォーム費用を補助するというものでございまして、ぜひ本県でも取り組んでいただきたいと思っております。
 社会減ゼロや出生率の向上を目指す中においては、若い人たちが岩手県に住み続けて、また、県外から岩手県に戻ってきて、そして安心して働きながら子供を育てられる環境づくりというのが重要だと思っていまして、実際、夫婦共働きとなると、保育園に預けても、子供が風邪を引いたらどちらかが仕事を休んで子供を見ないといけないというのがありますし、そもそも子供の面倒をそういう理由で見られないから産みづらい、働き続けようかなという方も出てくるかと不安視しております。
 近くに親世帯がいれば親に子供を預けられるから、安心して働きながら子供を育てられるということにつながると思っておりまして、実際、北陸地方で出生率が高い理由は、共働き世帯が多い中で親と同居する人も多いからという意見もございます。実際、岩手県でも共働き世帯がふえていますので、親世帯と同居しながら、働く間は子供の面倒を見てもらいたいという方もいらっしゃると思いますし、実際、住宅事業者に聞いても、生活空間を分けながら一つの家に親と一緒に住むという住宅がふえているということも聞いております。
 この多世帯同居のリフォームに対する補助、東北地方では山形県や福島県も取り組んでいるようですので、このような制度を整えることでUターンの若者の受け皿になりますし、また、岩手県で働いている若者にとっても、そういう制度があると聞けば、安心して働きながら子育てできるかと。そういう結婚や子育てのインセンティブ、きっかけになるかもしれませんので、ぜひ多世帯同居リフォーム、とてもニーズがある制度だと思いますので、ぜひ取り組んでいただければと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 多世代同居へのリフォーム補助というお話でございます。岩手県住宅マスタープランにおいて、高齢者の居住の安定確保といった観点ではあるのですけれども、多世代同居や近居の必要性ということも掲げておりまして、多様な住まい方に対する支援については、他県の事例等も研究してまいりたいと思います。
〇菅原亮太委員 前向きに御検討いただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 それでは最初に、県の第2次地球温暖化対策実行計画改定版では、家庭部門の温室効果ガス排出量削減目標は57%と高いのです。これは住宅関係での削減目標というのはあるのでしょうか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 温室効果ガス排出量削減の目標についてでございます。本県の第2次地球温暖化対策実行計画の改定版の目標、委員から御紹介ありましたとおり、57%の削減目標、これが家庭部門の削減目標となっておりまして、住宅はその一部となっていることで、内訳まではないところでございます。
〇斉藤信委員 家庭部門といえば住宅での削減というのが大変大事な課題だと思うのです。私はしっかり持つべきだと。今も議論がありましたけれども、新築リフォームなどの住宅の断熱化を進める取り組みというのが、国際的に見ても日本はおくれている。そういう中では、かなり思い切った目標を掲げて取り組むべきだと思いますが、どうでしょうか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 地球温暖化に関する住宅関係の取り組みということでございますけれども、住宅関係としましては、高効率照明、高効率給湯器等の導入、新築住宅のZEH化の支援等に取り組んでいくところでございます。目標についてどうあるべきかというのは、今後いろいろと検討させていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 それで、先ほども議論になった住まいの省エネルギー改修推進事業の実績です。令和4年度は10件の予定で7件、今年度は10件の予定で今のところ6件です。中身は、省エネ診断から設計、省エネ改修、今年度は構造補強まで、かなり充実した補助なのだと私は思うのだけれども、それが10件もいかないという理由は何ですか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 なかなか件数が伸びていないところでございますけれども、利用者の方の金額とのバランスで、若干使いにくい面も、金額の大きさとかあろうかと思います。そういうところは、今後も使い勝手がいいような見直しなど工夫していきたいと思っているところでございます。
〇斉藤信委員 分析が足りないと思います。上限はあるけれども、事業費3分の2補助ですから。ただ、10件程度の目標というのはモデル事業で、モデル事業も10件のうち7件、6件ということになると、これは率直に言えば、モデル事業にならない。だから、私は、住宅の省エネをどう進めるかということも再検討すべきだと思います。
 国は充実した新築、リフォームへの事業がかなりたくさんあるのです。例えば、先進的窓リノベ事業というのは上限200万円、補助率2分の1です。これはかなりのものです。これはどのぐらい使われているか、わかるのですか、わからないですか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 今、斉藤信委員から御紹介ありました、先進的窓リノベ事業とおっしゃったでしょうか。国の事業でございますけれども、手元の資料でいきますと、今年度、戸建て住宅で74%消化されていて、集合住宅だと82%の申し込みがあるとホームページで紹介されているところです。
〇斉藤信委員 そうすると、先ほど戸建てで、令和4年度、3、029件のうち74%が利用されているということです。ただ、先進的窓リノベというのはリフォームなのですよ。リフォーム件数はわかりますか。今の答弁、かみ合わないのですよ。新築ではなくてリフォームに補助ですから。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 済みません、今の74%、82%と御紹介しましたのは、先進的窓リノベ事業の10月末現在での国に対する、国の補助金の執行状況、100%になると売り切れという状況の中の今現在での今年度予算、それが手元にありましたので、それを御紹介させていただいたところでございます。
〇斉藤信委員 だから、リフォームの件数がわからないから74%の実態がわからないわけですよ。国も県も一緒になって全体が進めばいいわけだから、国のやっている事業はわかりませんということでは、住宅の省エネは進みません。正確な資料を後でいいから提供していただきたいし、進めていただきたい。
 住宅については、ZEH基準というのは欧米から見たら一番最低基準なのです。それより高い目標を長野県も鳥取県もその他の県も設定をして、本当に高気密、高断熱、太陽光その他を設備した住宅の推進をしていますけれども、これは検討していると言っているけれども、検討状況はどうなっています。いつまでにこれは打ち出せますか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 取り組みの状況でございますけれども、国のほうでは、昨年10月にZEH基準を上回る断熱性能の基準を示したところでございます。
 県としては、この国の基準や先進自治体の取り組みも参考にしつつ、今年度に岩手型住宅ガイドラインを改定しまして、この中にZEH基準を上回る高い省エネ性能の基準を盛り込む予定としておりまして、省エネ住宅の普及に効果的な事業を検討していきたいと思っているところでございます。
〇斉藤信委員 例えば、信州健康ゼロエネ住宅助成金、ここではレベルに応じた、150万円とか120万円とか、こういう助成をやっていますから、それとセットで今後の省エネ住宅の推進を図っていただきたい。
 次に、災害公営住宅の問題についてお聞きいたします。高齢化の状況、集会所の活用状況はどうなっているでしょうか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 災害公営住宅の高齢化等の状況でございます。
 災害公営住宅の65歳以上の高齢者を含む世帯の状況でございますが、令和5年9月末現在で1、478世帯のうち806世帯、54.5%となっているところでございます。そのうち、高齢者のひとり暮らし世帯は502世帯で、全体の34%となっているところでございます。
 また、集会所の活用状況でございますけれども、集会所のある29団地の令和5年度第2・四半期における1月当たりの集会状況の活用状況は、0回が2団地、1回から4回が22団地、5回から20回が5団地となっているところでございます。
〇斉藤信委員 災害公営住宅の高齢化はかなり深刻で、独居世帯が34%ですから3分の1以上です。100戸以上の災害公営住宅に行きますと、毎日のように救急車が来るという話です。本当に東日本大震災津波から12年余たって大変な状況なのですが、本来、コミュニティーの形成の場となるべき集会所が全く使われていない。これは本当に残念なことです。ゼロ回というのが二つ。1回というのが11、2回というのが7、3回、4回が四つです。4回といったって週1回ですから。ましてや、ゼロから1回、2回といったら、ほとんど毎日閉まっている。
 何度も私、指摘するのですけれども、集会所というのは、阪神・淡路大震災のときに孤独死が発生して、これはコミュニティーをつくらなくてはならないというので、その教訓で、比較的大きな集会所には支援員の事務室も設置されているのですが使われていない。
 これは本当に重大なことで、ただ、使われているところもあるのです。使われているところは、例えば、山田町の大沢住宅は20回、ここには支援員が配置されているのです。大船渡市のみどり町住宅は12回、これも支援員が配置されています。盛岡市の南青山住宅、16回、ここも支援員が配置されています。いわば生活支援相談員が配置されているところは行事もつくられるし、人がそこにいますから、いつでもそこに行ける。私は、せめて50戸以上の災害公営住宅には支援員を配置して、コミュニティー形成支援すべきだと思うけれども、いかがですか。なぜそれができないのですか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 生活支援相談員のお尋ねでございます。生活支援相談員につきましては、社会福祉協議会が地域の支援ニーズを踏まえて、4カ所の災害公営住宅、そのほか、防災集団移転先の団地ですとか被災者が通いやすい商店街などに設置して、災害公営住宅の入居者に加えて、持ち家を再建した被災者等も対象に支援を行っていると聞いているところでございます。
 我々としても、集会所を積極的に利用していただきたいと思っておりますので、関係部局と連携しながら取り組みを進めたいと思います。
〇斉藤信委員 毎回そういう答弁なのです。それで進んでいないのですよ。被災者支援総合交付金は、実際に使われずにかなりの部分が不用額になっています。使える交付金があるのに何で使わないのか。お金がないなら仕方がない。被災者支援総合交付金というのがあるのだから、必要なところには配置すべきだと、直接的には社会福祉協議会の支援ですから地域福祉課になると思いますけれども、ぜひ連携をとって、配置しているところとしていないところの違いがはっきりしていますから、本当に時間との問題なので、早急に来年度からできるだけ配置が進むようにお願いしたいと思っています。
 次に、家賃問題ですけれども、収入基準の引き上げを令和4年度に行った。これは一歩も二歩も前進したと評価をしたい。しかし、収入基準の引き上げを行っても対象にならなかった方々もいます。今までの収入超過基準と比べて、引き上げによってどのぐらいの方が対象になり、ならなかった世帯はどのぐらいなのか、このことを示してください。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 収入基準の引き上げの関係の御質問でございます。
 令和4年4月から実施した収入基準の引き上げによりまして、収入超過基準を超える収入のあった74世帯のうち61世帯が収入超過認定の対象から外れたところでございます。
 また、収入基準の引き上げ後も収入超過認定されている世帯は25世帯となっているところでございます。
〇斉藤信委員 それで、収入超過者になりますと最高額なのですよ。住宅家賃が約7万円。たとえ共働きで、今まで頑張って収入がふえてしまった、そういう方々は、収入がふえれば本当は喜ぶのだけれども、災害公営住宅から出ていかなくてはならない。これは食いとめるべきだと。災害公営住宅というのは、所得にかかわらず全ての人が入居できた。だから、災害公営住宅に限定してでも、収入超過になった人も所得に応じた家賃で最後までそこで希望すれば入居できる。残っているのは、今、25世帯ですから、私はそういう措置をとるべきではないか。
 予算特別委員会のときにこれを質問したら、予算の段階ですけれども、収入超過者のうち3世帯は退去したという話でした。だから、最高額の家賃7万円を払うのだったら家を建てたほうがいいとか、民間に入ってもいいとかとなってしまうのです。本当に被災地特例で、この25世帯の方々も希望すれば災害公営住宅で、住みなれたところで、そして、現役世代ですから、コミュニティーの形成にとっても重要な人たち、自治会の副会長などをやった方々がいるのです。そこをしっかり見て、コミュニティーの形成にとっても、そして、住みなれた場所で入居が続けられるような措置をしっかりとるべきだと思いますけれども、いかがですか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 収入超過の関係でございますけれども、被災者が安心して住み続けられるための制度としまして、先ほども御紹介しましたが、令和4年4月から入居要件となる世帯の収入基準を15万8、000円から25万9、000円に引き上げる対応もいたしましたし、高額所得者には退去を求めないという措置も講じております。基本的には退去は求めていないということでございます。こういういろいろな見直しも行っておりますので、今後とも、収入基準引き上げ等に伴う入居者の状況等の把握に努めていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 今、災害公営住宅の入居率は84%なのですよ。空いているわけです。空いているときに出すということがいいのかと。積極的に活用したほうがいいわけでしょう。そういうことも含めて、例えば、陸前高田市では特別公共賃貸住宅制度で中堅層も入れるようにした。今、30世帯ぐらい入っています。そういう措置をとっているところもあるのだから、いつまでもこれを放置しないで解決していただきたい。
 最後、災害公営住宅のコミュニティー形成にとって、最近、ある災害公営住宅で火災防火訓練をしました。ほかのところでもやっています。ただ、私は自治会長に防火訓練をやるのに誰を助けるか、入居者の名簿がないのだと言われました。これは大問題だと思います。入居者の名簿は県が責任を持って提供する。そうすれば、自治会としても何かあったときに誰を助けなければならないかわかるわけです。防火訓練というのはコミュニティー形成のためにやっているのです。そういう今の名簿があるところの現状、その提供、これは何度も取り上げていますけれども、改善をやっていただきたい。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 入居者名簿の状況でございます。令和5年9月末現在で、31団地中11団地で整備されているところと聞いております。
 入居者に対しましては、個人情報の提供の可否なども意向確認を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 11団地で名簿、これは自治会が入居者を全部訪問したりして、ほとんど自力でやっているのです。でも、それができないところが多数なのです。それでいいのですか。火災があったり何かあったときに、誰が責任を持って助けるのですか。
 例えば、救急車がしょっちゅう来る、しかし、その人の困ったときの連絡先が自治会で把握されていなかったら、どこにも連絡しようがないのです。そういうこともありますから、個人情報保護が必要だったら丁寧に指導してやればいいのです。
 そういうことで、幾つか改善すべき課題をきょうは提起をしました。今、電気代も上がって、共益費の問題もあるのです。上がったから上がったというだけにしないで、陸前高田市などは共益費を市が出すということもやっていますので、ぜひそのことも含めて、提起された課題については改善に真剣に取り組む、このことを述べて終わります。
〇高田一郎委員 それでは、私からは、午前中も議論がありましたけれども、県営住宅の問題についてお伺いいたします。
 先ほどの答弁でも、岩手県の管理戸数6、860戸に対して入居率80.21%という答弁がありました。2割が空き家ということになって、その空き家の戸数は1、271という数字だと思います。今の募集戸数と応募倍率の推移はどのようになっているでしょうか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県営住宅の応募倍率の推移ということでございます。令和2年度が1、036戸募集いたしまして、応募倍率が0.43倍、令和3年度は1、003戸募集いたしまして、応募倍率は0.33倍、令和4年度は808戸の募集に対して、応募倍率は0.32倍となっているところでございます。
〇高田一郎委員 1、000戸程度の募集で応募倍率は0.3から0.4ということで、かなり空きがあると思いました。それで、県も公営住宅の空き住戸を有効活用するということで、先ほども議論があったさまざまな事業を展開していました。
 特に県営住宅活用促進モデル事業については、30戸に対して7戸ということで、これは移住対策ではなくて、県内に住む若者を支援するとともにコミュニティーの活性化のための事業だと、考え方は非常にすばらしい事業だと思うのですけれども、わずか7戸ということで、これは情報発信が弱かったというお話でありましたが、しかし、それだけなのかと思うのです。
 家賃については、月額2万5、000円から4万5、000円、駐車場、共益費は別途ですけれども、今、若者の賃金状況といいますか、一昨日も商工労働部でも議論がありましたけれども、今、県内の年収200万円未満のいわゆるワーキングプアが全体の労働者の34.5%、労働者の数として21万4、700人という状況になっております。賃上げ対策も大事ですけれども、若者の生活を支援するという点では、住宅支援というのは非常に大事なのだろうと思うのです。情報発信だけではなくて、制度設計自体にも少し改善の余地があるのではないかと思うのですが、その点についてお伺いしたいと思います。
 あわせて、いわてお試し居住体験事業についても、先ほど議論がありましたので、現状についてお伺いしたいと思います。
 これは移住対策として、1年限りですけれども、大きな役割を果たしているのかなと思うのです。1年限りですから、退去しなければなりません。これはそもそもの目的である移住につながっているのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 2点お尋ねいただきました。
 まず1点目ですけれども、県営住宅活用促進モデル事業、先ほど課題意識として情報発信不足ということも申し上げましたし、高田一郎委員の今の御意見も踏まえまして、制度設計のほうも今後もいろいろと検討すべきところは検討していきたいと思っております。
 それから、二つ目は、いわてお試し居住体験事業、定住状況ということでございますけれども、先ほど佐藤ケイ子委員にもお答え申し上げたところで、繰り返しになってしまいますけれども、令和5年9月末までに18戸は退去したのですけれども、うち11戸が引き続き県内に生活をしていただいているというところでございます。
〇高田一郎委員 退去した人全部が移住したわけではないということなので、その課題も掘り起こしながら対策を、他の部局と連携しながら取り組んでいただきたいと思います。
 それで、この二つの事業は、いわば目的外使用になるわけです。本来、公営住宅というのは、低所得者に対して低廉な家賃で住宅を提供するという福祉的な住宅、側面があると思います。それで、本来の入居対象者の入居を阻害しないで、適正かつ合理的な管理に支障がない範囲でやるというのが目的外使用の考え方だと思います。私は、冒頭述べた空き家の数などからしても、もう少しこの事業を、戸数を含めて拡充をする余地があるのかなと思うのですけれども、今後の展望についてもお伺いしたいと思います。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 モデル事業等の今後の展望ということでございますけれども、高田一郎委員に御紹介いただいたとおり、仕組みとして、公営住宅法の目的外使用という形で本来の事業に影響を与えないような部分でやっています。戸数のバランスということについては、今後とも研究していく課題だと思っております。
〇高田一郎委員 もう一つ通告していたのは、公営住宅入居時の保証人問題です。これは、岩手県の場合は入居するときの前提条件になっていますけれども、これは見直すべきではないかと思いますが、この点についての取り組みをお願いいたします。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県営住宅の入居の際の連帯保証人の問題ということでございます。保証人の確保が困難な方への入居を円滑化していく必要性について、平成30年及び令和2年に国から通知が示されておりまして、本県においても、滞納抑止ですとか残置物の撤去等の原状復旧の観点、そういったことも踏まえて、連帯保証人制度は維持する一方で、連帯保証人の確保が困難な方については、令和2年10月から機関保証制度という形で導入しているところでございます。
 また、東日本大震災津波の被災者に対しては、やむを得ない事情で連帯保証人が確保できない場合は連帯保証人を求めないといった対応もしておりまして、真に住宅を必要とする方が安心して入居できるように運用しているところでございます。
 また、全国の状況ですが、令和5年6月時点で、入居に際して保証人を求める事業主体は26府県、保証人を求めない事業主体が21都道府県となっているところでございます。
 今後は、令和2年度に導入した機関保証制度の活用状況ですとか連帯保証人を廃止した他県の状況等を注視しながら、適切に対応していきたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 県のホームページを見ますと、入居条件には連帯保証人1名か、あるいは、家賃債務保証業者との保証委託契約を結ぶかということが書かれております。業者との保証委託契約というのは、保証料6万円になっているのですね。住宅に困っている方に業者と保証委託をしろといってもなかなか困難ではないかと思います。連帯保証人もなかなかいないということになると、結局、入居できる条件がありながら、保証人や保証料を考えて県営住宅に入ることを諦めるということが起きるのではないかと思います。この点について、いかがですか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 指定管理者から聞く中では、保証人が立てられなくて入られなかったという事例自体は聞こえてはきていないところでございますけれども、そういう問題が生じないように、機関保証制度、最初だけ6万円がかかるのですけれども、そういう制度を用意しつつ、午前中も議論がありました残置物の撤去ですとか滞納が発生するとか、いろいろな問題を総合的に、公営住宅制度自体が大事な仕組みで健全に維持できるように、我々もいろいろと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 そもそもあのホームページを見て、両方難しいとなると、なかなか声を上げられないのです。だから、それを改善すべきだと思います。
 先ほど国土交通省の通知の話が出されましたけれども、国土交通省の通知ではこのように述べています。住宅に困窮する低所得者に住宅を提供するといった公営住宅の目的を踏まえると、保証人の確認が困難であることを理由に入居できないといった事態が生じないようにしなければならないという記述になっています。全国の状況も調査しながらという話が出ましたので、全国の状況、保証人をなくして滞納がどんどんふえたのかということも踏まえて、よく調査をして、しっかり対応していただきたいと思います。
 次に、空き家対策についてお聞きいたします。県内の空き家の現状とその推移はどのようになっているのか、有効活用を促す県の具体的取り組み状況についても伺います。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県内の空き家の問題でございます。国が実施した住宅・土地統計調査によりますと、平成30年調査ですが、本県における空き家は9万3、500戸、住宅の総数、57万9、300戸に対しまして16.1%となっておりまして、その前の平成25年調査が13.8%でしたので、2.3%増加しているというところでございます。
 このような中、県では、市町村や不動産業界を含む民間団体からなる岩手県空家等対策連絡会議を設置しまして、予防保全も含めた空き家対策に関する情報共有ですとか技術的な助言を行うなど、市町村と連携した空き家対策を進めてきているところでございます。
 また、空き家所有者と専門家団体とをマッチングさせる、空き家相談窓口整備事業、市町村への空き家バンク利活用に向けた講習会を実施する空き家情報利活用促進事業、また、若者世代と移住者を対象に空き家バンクに登録された住宅の取得等について支援する、若者・移住者空き家住まい支援事業などにより、空き家バンクへの登録や空き家の流通の促進を図ってきたところでございます。
 これらによりまして、空き家相談窓口の利用件数が増加して、空き家バンクへの登録も進み、改修等への支援件数はふえているところでございますが、引き続き、空き家の有効活用を促す取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 空き家の状況が平成30年で9万3、500件、16.1%、これは資料をいただいたのですけれども、空き家対策法がつくられたのが平成15年ですから、わずか15年間で1.5倍。恐らく今は10万件を超えているような勢いなのだと思います。
 それで、今の空き家が急増している原因というのは、人口減少だけではないと私は思うのです。岩手県の住宅戸数というのは、世帯数の5万件も上回る57万9、300戸となっているのです。新築に重きを置いた税の優遇措置とか、そういうことも背景にあると専門家も指摘しています。新しい法律を踏まえて、特定空き家になることを未然に防ぐような早い段階での指導と勧告、これは市町村に属する仕事だと思いますけれども、あるいは、中古住宅の流通を促す対策とか、リフォーム助成事業などというのも今の規模ではなくて、もっと拡充をして、中古住宅の流通を促す対策が必要なのだと思いますので、これはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、県内の市町村で行われている住宅リフォーム助成事業の実績と効果について、お伺いしたいと思います。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 住宅リフォームに関する助成の事業の関係でございます。令和5年度に助成事業として県内の33市町村のうち31市町村で住宅リフォームに関する事業を実施しているところでございます。予算額は3億6、138万円余となっているところでございます。
 経済的な効果でございますが、令和4年度の実績によると、助成制度の補助額が2億7、169万円余で、それに対しまして、対象工事費が約19億7、000万円と補助額の約7倍、そういう効果があったものと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 県内29市町村ですから、ほとんどの自治体でこの事業が取り組まれているということです。実績も補助実績額の7倍を超える19億7、300万円と大変な経済効果がある事業なのかと改めて感じております。建設関係、住宅関連というのは裾野の広い産業でありますので、今、物価高騰のもとで建設業、住宅関連産業も大変になっていますので、この拡充が必要なのかなと思います。
 例えば、一関市などではもちろん住宅リフォーム助成事業をやっているのですけれども、3、600万円ぐらいの予算になっていまして、5月10日に申請開始して1週間で予算を超えてしまうという状況なのです。206件程度だったでしょうか。ものすごく市民からも歓迎されている事業です。
 例えば、県内の市町村がやっている住宅リフォーム助成事業を県が市町村と連携して取り組むということになりますと、経済波及効果はものすごくて、単純に40億円というような状況になると思います。そういう検討もする必要があるのではないかと思いますが、その辺についてはどのような考えでしょうか。
〇高井参事兼建築住宅課総括課長 市町村との連携という意味におきましては、リフォームとか個人の住宅に係る事業でありますので、一番身近な市町村がまず重要なキーポイントということで、私どもも市町村に訪問して、いろいろ御相談しながらやらせていただいておりまして、実際に、例えばですけれども、若者・移住者空き家住まい支援事業という形で、空き家の改修とかをした補助などは市町村と連携して、かさ上げのような形でやっている補助事業にも取り組んでおります。今後ともそういう取り組みをしていきたいと思っております。
〇柳村一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 質疑がないようでありますので、これで県土整備部関係の質疑を終わります。
 県土整備部、会計管理者及び会計監査の皆さんは退席されて結構です。大変お疲れさまでした。
 次に、お諮りいたします。当委員会に付託されました決算15件及び議案2件につきまして、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において、世話人会で御協議願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 この際、意見の取りまとめのため、暫時休憩いたします。
午後1時54分 休憩
午後6時56分 再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 決算15件及び議案2件に対する世話人会の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
 初めに、議案第22号令和4年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて、及び議案第23号令和4年度岩手県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについての2件は、それぞれ原案を可とすることといたした次第であります。
 次に、認定第1号令和4年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、次の意見、すなわち、東日本大震災津波や新型コロナウイルス感染症の影響がいまだ残る中、原油価格、物価高騰、賃金上昇への対応など、本県経済は厳しい状況に置かれている。
 このような中、県においては、引き続き県民に寄り添いながら支援を継続するとともに、県内の中小企業、農林水産業を初めとした全ての分野で、賃上げや物価高騰に対応できるよう効果的な支援策を講じ、県民生活の安定に努められたい。
 人口減少は県民生活に大きな影響を及ぼしており、人口の自然減、社会減の克服に結びつけるために、令和4年度事業の成果及び効果のさらなる検証に努められたい。
 また、県が抱える課題の多くは、人口減少に起因するものであり、出生数の向上や若者の定住化に向けた子育て支援や女性の社会減対策等、諸施策に国や市町村と一層の連携を図りながら取り組まれたい。
 さらに、医療環境や教育環境等、人口減少の影響を受けるあらゆる分野において、適正かつ安定的な環境整備に努められたい。
 厳しい財政状況にある中で山積する課題に対応していくためには、県財政の健全化が重要である。今後も安定的な財政運営を進めるため、産業振興による県税収入の確保、使用料の見直し、遊休資産の活用、他会計からの繰り入れ等、あらゆる歳入確保策に積極的に取り組まれたい。
 また、これまでの事務事業の効果を検証し、見直しを行うとともに、課題解決に向けた新たな事業の創出にも努められたい。
 支出金額の誤りなどの不適切な事務の発生報告が一向に減少していないことや、入札ミスによる損害賠償事件が発生していることから、内部統制を見直し、必要な執行体制の確保にも留意しながら適切な事務の執行に努められたいとの意見を付し、認定することとし、認定第2号から認定第15号までの14件は、認定することといたした次第であります。
 これより採決いたします。
 お諮りいたします。議案第22号及び議案第23号の2件について、一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇柳村一委員長 起立全員であります。よって、議案第22号及び議案第23号の2件については、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第1号令和4年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、先ほど読み上げました意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇柳村一委員長 起立全員であります。よって、認定第1号令和4年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、先ほど読み上げました意見を付して認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第2号から認定第15号までの14件について、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇柳村一委員長 起立全員であります。よって、認定第2号から認定第15号までの14件については、認定することに決定いたしました。
 以上をもって当委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。
 委員各位の御協力に対し深く感謝を申し上げます。
 これをもって決算特別委員会を閉会いたします。お疲れさまでした。(拍手)
午後7時2分 閉会

前へ 次へ