令和5年9月定例会 決算特別委員会会議記録

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令和5年10月26日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 昆 野 岳 晴
議事管理担当課長 藤 平 貴 一
主任主査 佐 藤 博 晃
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 及 川 雄 也
主査 阿 部 真 人
主査 堀 合 俊 彦
主査 三 浦 訓 史
1説明員
文化スポーツ部長 小 原   勝
副部長兼
文化スポーツ
企画室長 加 藤 勝 章
文化スポーツ
企画室企画課長 柏 葉 保 行
文化スポーツ
企画室管理課長 久 保 和 重
文化振興課
総括課長 武 蔵 百 合
スポーツ振興課
総括課長 鈴 木   忠

教育長 佐 藤 一 男
教育局長 菊 池 芳 彦
教育次長兼
学校教育室長 坂 本 美知治
教育企画室長兼
教育企画推進監 西野文香
予算財務課長 古 川   敦
学校施設課長 佐々木 義 秋
学校教育企画監 度 會 友 哉
首席指導主事兼
義務教育課長 武 藤 美由紀
首席指導主事兼
高校教育課長 中 村 智 和
特命参事兼
高校改革課長 安齊和男
首席指導主事兼
産業・復興教育課長 多 田 拓 章
首席指導主事兼
特別支援教育課長 最 上 一 郎
首席指導主事兼
生徒指導課長 千 田 幸 喜
教職員課総括課長 大 森 健 一
首席経営指導
主事兼小中学校
人事課長 熊 谷 治 久
首席経営指導
主事兼県立学校
人事課長 駒 込 武 志
保健体育課
首席指導主事兼
総括課長 菊 池 勝 彦
生涯学習文化財課
首席社会教育
主事兼総括課長 小 澤 則 幸
首席指導主事兼
社会教育主事補兼文化財課長 佐藤淳一

企業局長 中 里 裕 美
次長兼
経営総務室長 佐々木 真 一
技師長 村 上 敏 弘
経営総務室
管理課長 千 葉 順 幸
経営企画課長 伊 藤 隆 行
業務課総括課長 高 橋   浩
電気課長 白 井 孝 明

会計管理者 木 村   久
会計課総括課長兼
会計指導監 今 雪 博 貴

監査委員 五 味 克 仁
監査委員 中 野 玲 子
監査委員事務局長 藤 澤 良 志
監査第一課
総括課長 及 川 博 英
監査第二課
総括課長 佐々木 良 生

財政課総括課長 佐 藤 直 樹
〇柳村一委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第22号及び議案第23号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、文化スポーツ部、教育委員会及び企業局関係について延べ21人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしました。
 また、関連質疑の取り扱い、換気のため休憩につきましては、これまでと同様でありますので、御協力をお願いいたします。
 初めに、文化スポーツ部長に文化スポーツ部関係の説明を求めます。
〇小原文化スポーツ部長 令和4年度の文化スポーツ部の決算について御説明申し上げます。
 初めに、当部所管の主な事務事業に係る取り組みと成果などについて、総括的に御説明いたします。
 令和4年度は、日本スポーツマスターズ2022クライミングワールドカップ及びいわて八幡平白銀国体を開催したほか、新型コロナウイルス感染症対策や東日本大震災津波からの復興への取り組みを着実に進め、県民みんなで目指す将来像の実現に向けて、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる各政策分野やプロジェクトに沿って文化、スポーツ施策を推進してまいりました。
 まず、健康・余暇分野については、文化芸術に親しむ機会の提供や障がい者の文化芸術活動を推進するとともに、県民誰もが生涯にわたってスポーツを楽しむことができる共生社会の推進などに取り組みました。
 また、新型コロナウイルス感染症への対応として、引き続き、文化、スポーツ施設の感染予防対策や、文化芸術団体の活動継続、再開の補助などを行うとともに、原油価格、物価高騰に対応するため、文化、スポーツ施設への影響に対する対策を行いました。
 教育分野については、文化芸術活動を支える人材の育成や、障がい者トップアスリートを含むアスリートの競技力向上などに取り組みました。
 居住環境・コミュニティ分野については、岩手芸術祭を初めとした文化イベントの開催及び大規模スポーツ大会の開催や合宿の誘致を行い、地域活性化、人的、経済的交流の拡大などに取り組みました。
 歴史・文化分野については、平泉世界遺産ガイダンスセンターを核に平泉の価値を国内外に発信するほか、平泉、橋野鉄鉱山、御所野遺跡の三つの世界遺産の保存活用等を図りました。また、岩手県民俗芸能フェスティバルの開催など地域に誇る歴史、文化資源の活用に取り組みました。
 今後におきましても、デジタル技術等の活用も進めながら、文化、スポーツ振興の取り組みを着実に推進し、県民の文化芸術活動、スポーツに親しむ機会の充実を図ってまいります。
 続きまして、令和4年度決算の概要について御説明申し上げます。お手元の令和4年度岩手県歳入歳出決算書の18ページをごらん願います。
 2款総務費8項文化スポーツ費でありますが、これらの支出済総額は39億1、378万円余であり、不用額は8、269万円余となっております。
 決算の内容につきましては、歳入歳出決算事項別明細書記載のとおりでありますが、説明は省略させていただきます。
 以上で文化スポーツ部関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事の進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 おはようございます。それでは、障がい害者スポーツ振興事業費、また、インクルーシブスポーツ推進事業費も含めてお伺いいたします。
 コロナ禍によって障がい者の皆様方も、本来楽しむべき、また、生きる目的といいますか、生活する上でも大事な事業だと思っているのですけれども、コロナ禍で非常に限られた環境の中での事業進行だったのではないかと思います。現状、感染症法上の位置づけが第5類に移行して、いよいよ表にも出てこられるような状況になってきたと思うのですけれども、まずは、今までのコロナ禍による影響等をどのように把握されているのか、お聞きしたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 これまでのコロナ禍の影響でございますが、県が一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会に委託実施しております障がい者スポーツ振興事業では、岩手県障がい者スポーツ大会を実施していますが、令和元年度の参加人数は2、179人に対しまして、令和2年度146人、令和3年度1、103人の実績でございました。同じく委託しておりますスポーツ教室では、令和元年度859人に対し、令和2年度528人、令和3年度696人の実績となっており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けていると捉えております。
 今後におきましては、感染防止対策を呼びかけながら、岩手県障がい者スポーツ大会やスポーツ教室等への積極的な参加を促すため、特別支援学校や福祉事業所など関係団体に一層の周知を図っていくことを検討しております。
〇軽石義則委員 やはりかなりの影響があったと認識されているということですけれども、いろいろな関係団体とも連携をとって進めていると思いますし、特に、岩手県障がい者スポーツ大会におきましては、社会福祉協議会も含めてですが、それぞれ市町村の支援がなければなかなか思うように進まないともお聞きしています。施設の皆さんが各団体との連携を図りながら進めていると思うのですが、これまで新型コロナウイルス感染症の対策は当然しなければならないのですが、今までやってきたことを一旦やめると、改めてまた再開する際にはいろいろな課題が出てくるのではないかと思うのですが、その部分はどのように把握されていますか。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 障がい者スポーツ振興におきましては関係団体の連携等が必要で、事業を推進する体制整備も非常に大切なものだと考えております。障がい者スポーツ推進体制につきましては、平成29年に一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会が設立されまして、中核組織として推進に取り組んでいるところでございます。
 また、同協会の運営や障がい者スポーツ振興事業等を円滑に推進するため、平成29年度から障がい者スポーツ振興推進員を3名配置しているほか、令和元年度からは、協会内に県からスポーツ振興推進員を駐在させ、同協会と連携体制の強化を図っているところでございます。
〇軽石義則委員 推進員を3名設置ということで、広い県内ですので、その人数で間に合うかどうかというのはこれからのことだと思うのですけれども、一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会も設立されて、具体的な取り組みもされていると思います。各競技団体との連携は大事だと思うのですが、一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会として、各競技団体とどのような形で連携を図っているのか把握はされているでしょうか。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 県では、令和4年度からインクルーシブ推進事業を実施しておりまして、その中で競技団体からも御協力いただきまして、競技ごとの教室を実施しております。そこに協会も入っていただいて事業を進めているところでございます。
〇軽石義則委員 そのような形で支援をしていただいているということで、いろいろ協会も課題を抱えて、やりたくてもできないこと、もっと支援があればできること、みずから努力していることもあると思うのですけれども、さらに支援をしていかなければならないというような声をお聞きしているのか、お願いします。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会におきましては、先ほどお話がありましたように、県の障がい者スポーツ大会開催や、ボッチャなどの体験教室、指導者講習等を実施しております。先ほどもお話しましたとおり、障がい者スポーツの中心的な役割を担っていただいているところでございます。それらをさらに進めるために、引き続き、体制の確保が必要なものと認識しております。
〇軽石義則委員 それぞれスポーツを通じて生活する上で、また、生きる上で目標を設定して、それは大会に出ること、そして、大会に出れば一定の成績をそれぞれ求めていくわけですけれども、スポーツとして、競技として、皆さんが目的として取り組めるような体制をつくっていくのも大事だと思っています。全国障害者スポーツ大会というのも一つの目標、そして、前向きに取り組む大きな事業だと思うのですが、コロナ禍でかなり参加の影響も出ていると思うのですが、全国障害者スポーツ大会の参加、そして、その上での岩手県の選手団の活躍というのは、どのようになっているでしょうか。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 令和4年度に開催されました第22回全国障害者スポーツ大会いちご一会とちぎ大会では、個人競技である陸上競技、水泳競技等に28名、団体競技であるバレーボール等に31名、計59名が参加しております。
 軽石義則委員から御指摘があったように、これまでは第19回から第21回までの大会が新型コロナウイルス感染症の感染拡大で中止、延期になっているところでございまして、令和4年度は久しぶりに大会が開催されたものでございます。
 この第22回全国障害者スポーツ大会いちご一会とちぎ大会では、15種目の金メダルを筆頭に37個のメダルを獲得しまして、第16回希望郷いわて大会に次ぐ入賞数となったほか、バレーボールでは、知的男子チームが本県初の3位入賞となったところでございます。
〇軽石義則委員 そのように活躍し、記録も残しているということです。障がい者スポーツ、インクルーシブ、まさに障がいのある人もない人も隔たりなく、みんなで応援したり、楽しんだり、一緒にスポーツをしたりしていくことが、これからの社会の成り立ちには十分大事な事業だと思っています。ただ、私も県の障がい者スポーツ大会に参加していますけれども、どうも障がい者とその家族、そして、それに関係する団体の皆さんの大会に限られているような、さらに広く県民の皆さんが、障がい者スポーツ大会に出ている選手の皆さんもいて、みんなで応援して盛り上げていこうという機運にまではなっていないような気がするのですけれども、その点はどのようにお考えでしょうか。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 共生社会の実現に向けまして、スポーツ分野におきましても、障がいのある人もない人もともに参加できる機会を拡大していく必要があると考えております。先ほど話がありましたとおり、県でも一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会、関係機関、団体等と連携しまして、スポーツ教室やスポーツ大会などの開催に取り組んでおります。
 さらに、障がい者等が身近な地域でスポーツが気軽にできるように、引き続き、県としても一層取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 これまでもかなり力を入れて取り組んできていると思うのですけれども、まさに障がいがある人も、ない人もという状況を、言葉でも言わなくてもいいような実態、環境にしていくことが私は大事だと思って再三お願いをしてきているのですが、なかなかそこから一歩踏み込めないというか、踏み込んでいない。やっていただいているのは十分理解しているのだけれども、幅が広がっていないと感じております。岩手県はそういう意味では暮らしやすい県で、障がい者の皆さんも県民の皆さんと一緒に、そういう形でスポーツも楽しめるし、一体的な生活にもなっていける入り口なりきっかけだと私は思っていまして、さらに取り組むということで答弁がありましたけれども、具体的にそれをどうしていくかということが大事だと思います。
 ふれあいランド岩手に一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会や担当の皆さんが駐在してやっていただいているのはわかるのですが、県の体育協会と一体的な活動をしていくことによって、障がいがある、なし関係ないスポーツ全体の政策というものにつなげていくことが大事だと思うのですが、小原文化スポーツ部長、どうですか。
〇小原文化スポーツ部長 軽石義則委員の御指摘のとおり、障がいのある方、ない方もともに参加できるということで重要な取り組みだと思っております。今、大会への参加が障がい者関係者だけにとどまりがちになっているところもありますので、そういうところはよく反省しまして、発信をして、いろいろな方に参加していただく、見守っていただくということを心がけていきたいと思います。
 公益財団法人岩手県体育協会と一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会につきましては、役員を相互に派遣し合い、就任し合っていまして、会議などで十分に意見交換をする場もありますので、そうした場でしっかりと団体レベルでの意見交換は深めていきたいと思いますし、大会への参加につきましても、今週末から全国大会が始まりますが、我々副知事以下、現地に参りまして激励を加えるなどをしてまいりますが、そういったことをしっかりと発信をして、県民の方々にアスリートの活躍も含めて応援していただくという機運の醸成をしっかり進めてまいりたいと思います。
〇軽石義則委員 小原文化スポーツ部長の考えが担当レベルにも当然浸透していると思いますし、県から県民の皆さんにしっかり発信して受けとめてもらえるようにしていくことが大事だと思います。障がい者スポーツ大会を運営するには、高校生や専門学校の福祉に関連する仕事をしたいと思う皆さんがボランティアで参加していただいて大会を支えていただいておりますので、その輪をさらに広げていくことによって周知されていきますし、障がいがある、なしという境が消えていく一つのきっかけにもなっていくと思いますので、取り組みをさらに継続していただくことをお願いします。
 もう一点通告していますので、短い時間でお聞きします。
 オリンピックが近づいてきております。岩手県関係者のオリンピックでの活躍というのは県民に大きな力を与えていただいてきましたし、これからもそうなってくると思いますが、これから予定されているオリンピックに育成・強化事業費を向けて取り組んでいらっしゃると思いますが、パラリンピックも含めて、現状はどのような状況でしょうか。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 県では、令和4年度のトップアスリート支援事業としまして、トップアスリートとして24名、ポテンシャルアスリートとして61名を指定しまして、その強化活動に対して582万円余を支援しております。
 パラアスリートの活動支援につきましては、いわて障がい者スポーツ強化指定選手として、国際大会に出場するなどしているA指定選手4名、全国大会に出場するなどしているB指定選手11名を指定し、その強化活動に対し199万2、000円余を支援し、これらの支援を受けた多くの選手が国内外で活躍しております。
 また、オリンピックやパラリンピックで活躍する選手を発掘、育成するため、いわてスーパーキッズ発掘・育成事業や、いわてパラアスリート発掘・育成事業を実施しており、それらの取り組みが日本代表選手等の選出、ジャパンパラ競技大会への出場につながっているものと認識しております。
 これらにより、オリンピック、パラリンピックの活動支援等を実施しているところでございます。
〇軽石義則委員 選手の強化、支援というのは大事だと思いますけれども、選手それぞれも自分たちの生活をした上での競技の強化ですので、そういう意味では、生活面でもいろいろな御苦労をされているとお聞きしておりますし、サポート体制を応援するのも大事な役割だと思っているのですが、企業の支援などについてはどうお考えでしょうか。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 アスリートが活動するためには、やはり活動費用がかかりますので、それらを支援することは非常に大切ですし、あとは、家族等に支援をしていただく部分もございますので、それらにつきましても大切なことだと考えております。特に、パラアスリートの方は親族と一緒に大会参加等をしなければならないケースもありますので、それらも含めて、今、活動支援事業で支援をしているところでございます。費用は結構かかっているかもしれませんが、それらで引き続き支援を続けてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 これまでの経過を見ますと、就職する際にどうしても県外の企業に就職しているオリンピック、パラリンピックの強化選手が多く見られますので、県内でしっかり支えていこうというような機運を高めていくのがまさに文化スポーツ部の役割の一つではないかと思いますので、最後に小原文化スポーツ部長に聞いて終わります。
〇小原文化スポーツ部長 現在でもパラアスリートを含めたアスリートを雇用した企業に対しまして助成を行っているほか、職業のあっせん、求人、就職がスムーズにいくようにハローワークなどとも連携して職業紹介を相互につなぐという事業も行っているところでございます。採用していただいた企業には表彰などを行って、しっかり支えていくということを行っております。
 我々は確かに、つないでいくというのが移住、定住など人口減少対策にも重要な取り組みだと思っておりますので、そこをしっかり続けていきたいと思います。
〇高橋穏至委員 私からは1点、いわてアーツコンソーシアム推進事業の成果についてお伺いします。
 この事業は令和4年度、文化芸術を生かしたまちづくりを進めるため、官民一体により文化芸術の振興の構築を推進しますということで、新規事業で800万円の当初予算が措置されたのですが、途中、530万円に減額され、決算は490万円となっておりますが、この事業内容と成果についてお知らせください。
〇武蔵文化振興課総括課長 いわてアーツコンソーシアム推進事業についてでございますが、この事業が本県としての得意分野や県内各地の特色を生かした魅力ある文化芸術を地域の活性化へとつなげるため、官民一体による文化芸術推進体制の構築等を推進することを目的としております。
 令和4年度の状況でございますが、公益財団法人岩手県文化振興事業団、一般社団法人岩手県芸術文化協会、文化、芸術の若手活動家で構成する、いわて文化芸術推進チームによる、いわてアーツコンソーシアム準備会議を立ち上げまして、コンソーシアム設置に向けて課題整理を行いましたほか、芸術文化に関して活用することの可能な国や市町村、民間等の助成制度などについて調査を行い、官民連携に向けた必要な情報の収集を行ったところでございます。
 また、あわせまして、文化芸術を支える人材育成を目的といたしましたアートマネジメント研修の企画におきまして、この準備会議での議論を踏まえたテーマにより実施いたしまして、県内市町村の文化芸術担当者や文化施設の職員、文化芸術団体の方に御参加いただきまして、関係者の資質の向上、相互交流を図ったところでございます。
〇高橋穏至委員 具体的な事業としては、チームを立ち上げて、チームの中で課題整理をして、そして資源を調べてというような会議と、あと、人材育成の研修、この内容でよろしいのかということ。チームというのは、具体的にはどれくらいの人数でどのような分野の方が、そして、各地域ごとに分散しているのか、あるいは集約しているのか。そして、当初予算のときにもこれを取り上げて質問しているのですが、特に、これは若者や女性を中心にやりたいということで答弁いただいているのですが、どのような感じのチームだったのかお知らせください。
〇武蔵文化振興課総括課長 準備会議のメンバー構成でございますが、まず、若手、女性からなる推進チームにつきましては、障がい者芸術を推進している関係の会社の職員であるとか、あるいは、民間の芸術活動として実際にイベント等を企画している若手の方、あるいは、北上市ですが、文化施設で一般財団法人で働いている方など計6名の方が推進チームとして入っています。そのほかは、先ほど申し上げましたとおり、芸術関係団体等、文化芸術コーディーネーターで検討を行っているものです。
〇高橋穏至委員 今の答弁では準備チームで6名ということだったのですが、具体的に、分野分野の芸術家は入っていないのかと。それから、本格的に動かすチームというのは、準備チームとはまた別個につくるのかどうか、その辺はどうなのでしょう。
〇武蔵文化振興課総括課長 お尋ねのありました各芸術分野の御専門の方につきましては、令和4年度に行いました検討の体制の中では、一般社団法人岩手県文化芸術協会の代表として入っていただいておりまして、各芸術の分野の代表の方には御参画いただいていないものです。
 この先でございますが、アーツコンソーシアムの準備に向けて新たなメンバーで検討を行っていきたいと考えているものです。
〇高橋穏至委員 令和4年の予算特別委員会の審査のときも質問したのですが、これは平成29年度から令和3年度まで委託事業で調査をしてきて、ある程度の方向性が出た中で、今まで5年間かけて5、000万円近く事業費をかけて実施した結果から、新しいものを立ち上げるということでスタートした経緯があったようですけれども、今まで検討した結果と、かかわっている人たちがどうリンクしていくのかと。要は、今まで5年間やってきて、がらっと変えてまた一からスタートなのかというのがその当時も非常に疑問だったのですけれども、その辺は準備チームの中である程度課題が整理されたのかどうかお聞きします。
〇武蔵文化振興課総括課長 過去に実施いたしました事業との関連、それから、その成果の反映についてでございますけれども、平成29年度から令和3年度まで5年間実施いたしました委託事業においては、専門人材の配置による文化施設推進体制の整備や県内各地域の実情の把握、それから、先進事例に関する調査研究、人材育成事業等の分析等を行ってきたところでございます。
 この委託事業によって得られた成果につきましては、現在行っているアーツコンソーシアム、あるいは、アーツカウンシルの構築に向けた議論において、例えば、先進事例の状況ですとか、カウンシルに求められる機能等の整理などをもとに議論を行っております。
 また、人材育成につきましては、これまで実施してきた研修の状況を受けながらアートマネジメント研修を開催しているところでございまして、過去の事業の成果を活用しながら実施しているものと承知しております。
〇高橋穏至委員 準備チームと今回やった具体的な事業としては人材育成、要は、職員研修などということなのですが、目指すものとしては、職員、各地域の資源を生かして芸術を振興させるということで、全県展開というか、全部の地域に展開させて人材を育成していくという方向の事業になるのかどうか。
 当初予算800万円から減額して490万円ほどになっているのですが、令和5年度の当初予算も、実は800万円ではなくて五百数十万円という形で、金額的には規模的に減っているのですけれども、事業をどう展開していくのか見えないと思うのですが、展開していく方向性はどう考えているのか伺います。
〇武蔵文化振興課総括課長 まず1点目、全県への展開の方向性でございます。文化芸術活動については、それぞれの人がその地域、あるいは活躍の場において、御自分の芸術活動をすることができる環境を構築することが第一でございますので、コンソーシアム、あるいはカウンシルでの目指す姿としては、全県展開を捉えているものでございます。
 2点目の御質問でございます。令和5年度の状況でございます。こちらのアーツコンソーシアム推進事業の令和5年度の取り組み状況についてでございますが、令和4年度の検討の流れを受けまして、取り組みを現在進めております。実際に、官民一体の文化芸術推進体制の構築に向けては、その体制のあり方についてはさまざまな御意見などもございますことから、関係団体の御意向などの確認、調整を行うとともに、他県の状況の調査も改めて進めているところであります。
 まず、関係団体の意見を丁寧に聞くことが第一と考えておりまして、引き続き、コンソーシアムの設置を進めつつ、本県にとって望ましい官民一体の文化芸術体制の構築に向けて進めていきたいと考えております。
 また、重要な要素であります人材育成の取り組みにつきましても、今年度もこれからアートマネジメント研修を開催する方向で今、準備を進めております。こういった文化芸術を支える人材の育成には、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 そうすると、人材育成はわかるのですが、活動する拠点を全県展開するとはいいますけれども、岩手県は広いですので、窓口が一本なのか、あるいは、広域振興局で芸術の担当の方もいらっしゃったりするのですけれども、各活動拠点も設けるのかどうか、それによって展開していくのか。事業の推進母体となる組織というものがそれぞれにあって、今つくるコンソーシアムとの関連はどうなっていくのか、その辺はどうなのでしょうか。
〇武蔵文化振興課総括課長 推進体制の進め方についてのお尋ねでございますが、具体的な組織、体制についてはこれから検討ということになっております。先ほど申し上げましたとおり、いずれ、地域によって差が出ることのないように進めるということが第一に大事だと考えております。現在、これとは別の事業になりますけれども、県内の五つの広域振興局管轄の中にコーディネーターを配置して、相談対応ですとか芸術活動の支援などにも当たっているところでございます。こういったコーディネーターの制度もあわせまして、その実績等も踏まえて、今後の推進体制については検討を進めてまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 私からは、まずは、スーパーキッズ発掘・育成事業について伺ってまいりたいと思っております。
 スーパーキッズ発掘・育成事業というのは、世界で活躍するトップアスリートとなる人材の発掘、育成を目指し、平成19年度からスタートしたと認識しております。ことしで17年目を迎えた事業となっております。そんな中、令和4年度予算額1、011万5、000円、そして、決算額が957万6、000円余でございますが、まず、この事業の評価と位置づけについて伺いたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 スーパーキッズ発掘・育成事業の位置づけについてでございますが、この事業につきましては、先ほど委員がおっしゃったとおり、世界で活躍する選手の発掘、育成を目指しまして実施しているものでございます。これまで修了生は520名に上っております。
 この事業を実施しまして、修了生の中では、北京2020オリンピック冬季競技大会において1期生の小林陵侑選手がスキージャンプで金、銀メダルを獲得しておりますし、5期生の谷地宙選手がスキーコンバインドで同じく北京オリンピックに出場するなど、世界大会等へ延べ60名、全国大会等へ延べ436名が出場しまして、世界大会等では延べ176、全国大会では延べ185の入賞をしているところでございます。こうした実績は、この事業の長年の取り組みの成果であると認識しております。
〇千葉秀幸委員 わかりました。そういう方々も輩出されているのですが、今後、よりよい事業にしていただきたいと私は思っているのです。この取り組み内容に目を向けてみますと、現在、小学生が30人、中学生が15人、計45人で活動されているという中において、活動の内容を見てみますと、勉強会等を含めて月2回程度の開催です。月2回程度、そして45人という実態を見て、1、000万円近くの予算、こんなにかかるとは見込めないのですが、1、000万円近くの事業費の内訳についてもお示しいただきたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 先ほど委員からお話がありましたとおり、スーパーキッズ事業につきましては、小学生が各学年30名、中学生が各学年15名の人員で実施しているところでございます。
 この事業につきましては、大きく発掘と育成という事業に分かれておりまして、発掘につきましては、スーパーキッズ生の選考をチャレンジ1、1次選考として県内6会場で開催するほか、最終選考を1回開催しております。育成につきましては、身体と知的能力の開発を行うスペシャルスクールを年6回、さまざまな競技を体験する競技体験トレーニングを年40回程度実施しておりますし、それに加えて、競技トレーニングを10回程度等実施しておりまして、それらを合わせて令和4年度は950万円余の事業費となっているところでございます。
〇千葉秀幸委員 一般論というか、私はスポーツを経験させていただいた中で、勉強会を含めて、ならすと月2回程度の実施で競技能力が向上するとは思えないところがあって、ただ一方で、栄養に関しての勉強会であったりすると日常から継続できるわけですから、こういうものに関しては価値があると思っているわけでございます。改めて、発掘、育成というところを目指しているわけでございますので、告知、募集の時点で、まずは学校単位でも体力測定等々を行っておりますから、一定の基準を満たした人を条件に募集を募るということがあってしかるべきだと思っておりますが、この告知、募集の基準について伺いたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 募集の基準についてでございますが、県内各地からたくさんの運動能力の高い子供たちを募集するため、現時点では基準等は設けず、希望する子供たちがチャレンジに参加できることとなっております。
〇千葉秀幸委員 そういう実態が、実際は広い県土から一堂に会してやるわけでございますから、送り迎えできる方、また、そういった時間、あるいは余裕がある方でないと選考基準に乗ってこないという現状があって、果たして本当に子供たちの発掘、育成につながっているのかと思うところがあるのです。そういうことから、よりよい内容にしていただきたいと思って、これから御提言させていただきたいと思っておりますが、こういう取り組みが他県でも例があるのかについて伺いたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 他県の取り組みについてでございますが、2004年に福岡県でタレント発掘・育成事業が始まっておりまして、本県は2007年に全国4番目に事業を開始しております。現在、全国では39の都道府県、7市区町村、一つの広域エリア、全体で47の団体が事業を実施しているところでございます。
〇千葉秀幸委員 わかりました。この事業が開始されてから17年ということですので、さらにこの事業が有意義になるように取り組みをしていっていいのではないかと思います。例えば、先ほども言ったように、岩手県内で1カ所に集まるというのは片道2時間かかったりするような場所、あるいは、そういう方々もいらっしゃると思います。県北地域、県央地域、県南地域、沿岸地域など大きくブロックを分けたり、ブロックを細かくつくったりすることによって、市町村との連携も必要になるかもしれませんが、そういうきめ細やかな体制を組みながら、しかるべく生徒を発掘、育成していったほうがより効果的であり、この事業の成果が出ると思うのですが、そこについて伺いたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 スーパーキッズ生の送迎が父兄の負担になっているということは承知しております。先ほどお話があったように、競技によっては、盛岡市近辺にかかわらず県内の体験トレーニングを実施しているケースもございますし、スーパーキッズ生にタブレット端末を配付しておりまして、それらのタブレット端末を活用したトレーニングなり講座、あとは、事前の学習のようなことをやりながら、父兄の負担も減らすことに取り組んでいるところでございます。いずれ父兄の負担が減るように、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 この事業に対して能力をつけたいという人、あるいは、本当に能力がある人を発掘するために、父兄の負担もさることながら、自ら希望する人たちが加入できる体制を、事業開始から17年ということでございますので、そろそろ見直しを行っていいのではないかということで提案させていただきましたので、よろしくお願いいたします。
 それから、先ほど軽石義則委員が国体について質疑をされました。希望郷いわて国体から早くも7年目を迎えたところにおいて、令和3年度は開催中止、令和2年度は開催延期、本当に久しぶりの開催だったと思っております。今年度、燃ゆる感動かごしま国体が開催されましたが、昨年度はいちご一会とちぎ国体が開催されております。まずはこのいちご一会とちぎ国体の評価と結果について、お伺いしたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 第77回国民体育大会いちご一会とちぎ国体の評価と結果についてでございますが、本県選手団は、天皇杯成績東北地方1位を目標に、冬季大会と秋の本大会を合わせ37競技587名が出場しまして、2競技の優勝を初め、20競技62種目で入賞し、天皇杯成績30位、東北地方順位2位となったところでございます。
 優勝したボクシング競技、ボート競技のほか、陸上競技、カヌー競技、フェンシング競技、アーチェリー競技でも本県の選手が活躍しまして、2位となったところでございます。
 コロナ禍で活動の制限が続きまして、厳しい結果になることも予想されましたが、最終的に宮城県に39点差に迫る東北地方2位の成績となり、これまでの競技力向上の取り組みの成果があらわれたものと評価してございます。
〇千葉秀幸委員 この間、新型コロナウイルス感染症の影響で開催したくてもできないような実態があったと思います。そんな中、選手の旅費等々もさることながら、PCR検査等を受けないと大会に出場できないというハードルもあったと思います。その辺の令和4年度の新型コロナウイルス感染症対応についてもお伺いしたいと思っておりますし、ことしに関しては5類に移行したということもあって、PCR検査等のハードルもなくなってきたと思っておりますが、その辺の詳細、内訳についてもお示しいただきたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 PCR検査につきましては、昨年度までは事前の検査が必須でございまして、それに加えて、県独自で参加後の検査を実施しておりました。それらの経費について県で負担しております。今年度になりましてPCR検査は必須ではなくなりまして、大会に参加するに当たりまして、PCR検査は実施していないところでございます。
〇千葉秀幸委員 スポーツや国体がふだんに戻りつつあるのかという印象を受けているところでございます。
 話は戻るのですが、具体的な目標を達成するにおいて、例えば、国体競技であると個人競技は点数はそのとおり低いのですが、団体競技だと高いということがありますね。目標を達成するのであれば具体策が必要になってくると思いますが、その辺についてもお示しいただければと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 県ではこれまで、いわて競技力向上事業におきまして、各競技団体に対しまして強化事業に係る経費補助を行っておりますし、ジュニア層の中長期的な選手育成に係る経費補助、あとは、アスリートの県内雇用に向けた支援を行いまして、東北地方1位を目標に取り組んできたところでございます。
 あとは、各国体が終わった後に、各競技団体ごとの強化責任者、種別ごとの監督等を集めまして、団体の振り返りをしまして、次の国体に向けた強化策の確認をしているところでございます。
 あわせて、公益財団法人岩手県体育協会でも振り返りを受けた上で、各競技団体の関係者を集めまして研修をしまして、各競技団体ごとにどのように対応していくかを確認して、次の国体に向けて取り組んでいるところでございます。
〇千葉秀幸委員 今、お話しいただいたのは大会が終わってからの振り返りという点ですね。私が申し上げたのは、この大会に臨むに当たって、どういう具体策を持って臨んだのかという点で質問をさせていただいたのですが、令和4年の国体のその前の段階で既に具体策を持って臨んだという答弁だったのかと思って聞いたところでございます。
 ここで、現場の声を一つお伝えさせていただきたいと思っているのですが、実は、希望郷いわて国体の際、好成績を残すために団体競技においては選抜チームを結成されたと伺っております。それから7年が経過したわけですが、団体競技においては、国体の県大会で優勝されたチームが単独で出る場合、それから、選抜チームを結成されて出る場合といまだに2点あると思っているのですが、選抜チームを結成されている団体種目もあるわけですが、県大会で優勝したにもかかわらず、そのチームから一人も輩出されずに選抜だけで臨まれたという例も事実として聞こえてきております。そうであれば、国民大会の意義であるとか岩手県大会の必要性はどうなのと問われると思うのですが、その辺の実態を把握されているかについて、伺いたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 競技によっては上位チームから選抜しておりますので、必ずしも県大会等の成績だけで決めていないケースがあると聞いております。千葉秀幸委員がお話しになりましたとおり、県代表を選抜チームとするか、単独チームとするかにつきましては、競技団体が本県の強化状況等を踏まえながら判断しているものでございます。選抜チームを県代表とする場合でも、競技団体は県内の主力チーム等と連絡調整をとりながら進めておりまして、今年度の代表選考につきましても、競技団体ごとの競技練習会や大会実績など、さまざまな状況を考慮しながら選手選考を行っていると確認しております。
〇千葉秀幸委員 そうすると、選抜チームを組んでいるのであれば、そもそも順位というのは必要でなかったり、あるいは、そのために鍛錬を重ねてきたチームの思いを考えると、非常にいかがなものかと思っているのです。野球に例えると、9人のスポーツだけれども、優勝チームの5人を中心に組む。そこに肉づけしてほかのチームと組んで選抜ということであれば理解するのですが、実態としてはそうなっていない。いわゆる指導者や団体の指揮官が国体を私物化しているというか、自由にやっているような実態が出てきているのです。体育協会や各団体にお願いしているところはあると思うのですが、そういう実態もあるというところをぜひ監視というか管理、把握をされながら、今後も有意義な国体になればいいなと願っているところでございますが、御所見をいただきたいと思います。
〇鈴木スポーツ振興課総括課長 県代表を選抜チームとするか、単独チームとするかということにつきましては、それぞれメリット、デメリットがありまして、選抜チームであれば県内全域からトップ選手の選考ができますが、デメリットとしては、チームとしての戦術等の調整がなかなか難しいところがあるのがデメリットかと考えております。単独チームの場合は逆に、チームとしての戦術の統一や理解度が深くなりますが、一方、チーム内での選手補強が限られてしまうというデメリットがあるのかと考えております。県代表を決める場合は、そのメリット、デメリットを考慮しながら、単独チームにするのか、選抜チームにするのか、その辺を検討していく必要があるのかと思います。
 いずれ、単独チームにしろ、選抜チームにしろ、国体等でよい成績が残せるような選抜方法を進めていく必要があると認識しております。
〇柳村一委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午前10時58分 休憩
午前11時12分再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇鈴木あきこ委員 私からは、いわて文化芸術王国構築事業費についてでございます。
 この王国、すばらしいと思いました。これは県内の文化資源を周知する目的で、ホームページで、いわての文化情報大事典が作成されています。このいわての文化情報大事典、すごくすばらしいものだと感動いたしました。何がすごいかというと、これを見ると県内全ての地域の文化芸術、そして、歴史も生活文化も全て見ることができる。これは大変すばらしいものであって、特に伝統料理がどこの地域のものであるかが全部明記され、また、さらにレシピまでついている。私もまだつくってはおりませんが、絶対つくりたくなるなと思うようなホームページで……
〇柳村一委員長 質疑は簡潔にお願いします。
〇鈴木あきこ委員(続) 大変失礼いたしました。大変すばらしいものではあるのですが、検索するときに検索しづらいところがありました。伝統文化のところであろうと思うものを検索すると出てこなかったり、伝統文化の中にある郷土芸能が同じ団体が2回出てくるとか、そういうところがありましたので、そこはぜひ整備していただきたいと思っております。
 また、文化スポーツ部で実施しております民俗芸能フェスティバル、また、岩手芸術祭等は、私も参加させていただいたり見に行ったりしておりますが、大変すばらしいもので、県内でいろいろ活躍している方たちにスポットを当てるという意味でもすばらしいものだと思っております。
 そこで質問でございます。いわての文化情報大事典の今後の活用について、また、どのように活用していただきたいかがありましたら教えてください。
〇武蔵文化振興課総括課長 いわての文化情報大事典の今後の活用についてでございます。
 こちらのいわての文化情報大事典は平成14年度から運用を開始しておりますが、本県の文化芸術に関する情報や伝統芸能、民俗芸能のすぐれた技、伝統的生活文化や文化財などの情報をデータベース化して国内外に発信しているものでございます。こちら、令和4年度におけるホームページの訪問者数が41万6、000件余りとなっており、県内のみならず、県外の方にもごらんいただいているものと承知しております。
 こちらのデータベースでございますが、令和元年度にSNS等の活用や、あるいは外国語ページの充実なども行いまして、その後も内容の更新を適宜行いつつ運用しているところでございます。
 平成14年度運用開始でございますので、情報量はかなり蓄積され豊富になってきているという半面、御指摘がありましたように、検索のしやすさ、あるいは見やすさの点については改善が必要であるという御意見も頂戴しているところでございます。今後につきましては、検索機能の向上も含めまして、多くの方に御利用いただけるような形にできるように検討してまいりたいと考えております。
〇鈴木あきこ委員 今、子供たち、小学生、中学生もタブレットを使った授業の中で、地域の文化や歴史を知るということで、こういうホームページも閲覧されているようですので、ぜひその辺の整備をお願いいたします。
 次に、民俗芸能フェスティバルの入場者数をお伺いします。
〇武蔵文化振興課総括課長 岩手県民俗芸能フェスティバルの入場者数のお尋ねでございます。
 こちらのフェスティバルは、民俗芸能団体の日ごろの活動成果を発表する機会を提供し、担い手の誇りと意欲を高めるとともに、県民の民俗芸能に対する理解と認識を深める機会として開催しているものでございます。
 過去3年間の入場者数で申し上げますと、いずれも岩手県民会館大ホールを会場といたしまして、令和2年度は414人、令和3年度は650人、令和4年度は590人の入場者となっております。
 また、コロナ禍の対応と、会場に来られない方にもごらんいただけるということで、令和2年度からライブ配信も行っております。昨年度は延べ1、486回の再生数を記録して、多くの方にごらんいただいているところでございます。
〇鈴木あきこ委員 コロナ禍で、希望してもなかなか会場に来られなかったという方はライブ配信などで見たと思いますし、また、どういう団体が出るかということで、先ほども言いました、いわての文化情報大事典を検索して理解を深めるというものにも使われると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは次に、いわて文化芸術活動の支援事業補助費について、これは令和4年度で終了ということでございましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で文化芸術、また、その中には無形民俗文化財等も含まれると思いますが、その練習や発表の活動が制限され、活動資金が減少するなどの影響を受けました。先ほども言いましたように、令和4年度で終了しているという事業ではございましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた団体に支援事業補助とありますが、後継者不足解消のための活動費や再開に要する経費にも適応になった事例はありましたでしょうか。
〇武蔵文化振興課総括課長 お尋ねのございました、いわて文化芸術活動の支援事業費補助費でございます。
 まず、実績について御説明いたしますと、こちらは本県の文化芸術団体の活動の継続、再開や、新しい生活様式を踏まえた活動の展開に要する経費に対して支援したもので、令和2年度から4年度までの3年間実施してきたものでございます。
 こちらは文化財としての指定の有無にかかわらず県内で活動する文化芸術団体を対象といたしまして、令和4年度は29団体に計1、093万円の助成を行っております。新型コロナウイルス感染症に対応した事業として実施したものでございますので、直接的に後継者不足解消のために寄与したという状況については確認はできないものではございますけれども、例えば、民俗芸能団体につきましては、体験型イベントの開催ですとか、子供による民俗芸能の発表会の開催などに助成した実績がございますので、こういった点におきましては、後継者不足の解消にも寄与したものと考えております。
〇鈴木あきこ委員 大変すばらしい補助事業だと思います。これが継続ではなくて令和4年度でなくなってしまったというのは大変残念だと思っております。まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響を受けて継続できない団体、あるいは、休止してしまって、それをもう一度再開したいという団体がありますので、名目は変わるかもしれませんが、ぜひ令和6年度にこの事業を復活させていただきたいと思っております。
〇木村幸弘委員 私からは、障がい者の文化芸術活動についてお伺いしたいと思います。
 令和4年度のアール・ブリュットの巡回展を2広域圏において開催したということが載っておりますけれども、その開催状況と、これらの巡回展に対する理解増進の取り組み等についてお伺いしたいと思います。
〇武蔵文化振興課総括課長 アール・ブリュット巡回展についてのお尋ねでございます。こちらの巡回展は、県内のすぐれたアール・ブリュット作品の魅力を発信し、障がいのある方の芸術に対する関心を高めるとともに、創作意欲の醸成を図るために実施しているものでございます。
 令和4年度につきましては、県内で大船渡市と盛岡市の2カ所における展示に加えまして、首都圏での展示、さらに、沿岸地域の市町村、団体等が主催する三陸国際芸術祭と連携いたしまして、大船渡市内の防潮堤への展示も行いました。
 県内では31点の作品を展示いたしまして、二つの会場では1、698名の御来場をいただきました。また、ホームページの開設によるデジタル展覧会の実施においては、4、238件のアクセスがあったところです。
 芸術作品の理解増進の取り組みの観点でございますけれども、作品の展示にあわせまして、創作活動の様子ですとか作家の手元の映像なども動画で紹介するなどの工夫を凝らしておりまして、こちらの展覧会に御来場いただきました方々のアンケートでは、97%の方々から、見てよかったという御回答をいただいております。この点におきましては、作品の魅力の発信や理解の促進につながったものと捉えております。
〇木村幸弘委員 このアール・ブリュット巡回展も、今の御答弁を聞いて、大変いろいろな工夫がされてきているということを感じました。そこで、広域圏を中心にしてこれまで開催してきた部分なのですけれども、県内的に言うと、巡回展の実施体制はほぼ一巡しているのか、あるいは、回数等もどのくらいの通算回数になってきているのか、その点についてもお示しいただきたいと思います。
〇武蔵文化振興課総括課長 県内における開催状況についてでございます。この巡回展に関しましては、これまで7回(後刻訂正あり)実施してきております。開催につきましては、広域振興局圏内をターゲットに多くの方に御来場いただける会場を選定しておりますので、市町村単位での網羅という形ではございませんけれども、ショッピングセンターの一角でありますとか、あるいは、交流スペースなど展示を目的として御来場した方でなくても御来場いただける形で開催してきたところでございます。
〇木村幸弘委員 そういう意味で言うと、まだ満遍なくという状況ではないですけれども、主に人が集まる場所であるとか、そういった展示場所の工夫などによって開催場所等が限られてくるのがあるのかと思いますけれども、先ほどデジタルの取り組みなども進めているということですから、そういう意味で言うと、直接会場にお伺いすることができなくても、その辺のところがもう少し県民に広く浸透していくことによって、この作品展をより幅広い形で鑑賞いただける機会をぜひ発信していただければありがたいと思います。
 作品の展示数ですけれども、先ほど31点ということでお話がありました。私も地元の花巻市などで巡回展がある場合にはよく行きますけれども、作家、あるいは作品の内容について、私が行った限りですけれども、ある程度固定化してきているのかという部分も印象として持っています。例えば、巡回された各地域の障がい者の施設、あるいは、そこの地域の活動されている作家など、地域になじみのあるというか、身近な作家や施設などの協力もいただいて、常設展示的な今までの固定された展示内容だけではなくて、そこに各地域の特色を用いたような関係者の作品なども広く展示する機会を設けながら、それぞれの地域で、こういうことをやっている、こういう人たち、この施設から出ているのだなという感じで、より身近なものとして感じてもらえるような工夫などがあってもいいのかと思っていましたけれども、そういった点について、考え方があればお聞かせください。
〇武蔵文化振興課総括課長 アール・ブリュット巡回展の展示数の考え方でございます。これまで既に作家として活躍されている方の作品に加え、この事業を運営するに当たりまして運営委員会を組織しておりまして、例えば、特別支援学校ですとか、あるいは福祉事業所、あるいは精神障がい関係の支援団体の方に運営委員として入っていただいております。その委員の方々に潜在的なすぐれた作品を発掘してきていただきまして、それらを運営委員会の中ですぐれた作品として展示が適当と認めたものをあわせて展示している形でございます。
 木村幸弘委員から御提案いただきました、その地域の作品をあわせて紹介するという発信の仕方については、創作活動をされる障がいのある方については励みとなるものだと考えますので、今後の展示会のあり方、さまざま工夫を凝らして毎年やっているところでございますが、そういった視点も取り入れて検討してまいります。
〇木村幸弘委員 ありがとうございます。
 2点目に、最初の答弁でもお話しいただいたのですけれども、今回、首都圏で作品展が行われたということであります。首都圏で開催するということになったきっかけといいますか、どのような検討のもとで、具体的にどういう形で行われたのか、改めてお聞きかせください。
〇武蔵文化振興課総括課長 令和4年度の首都圏での作品展示についてのお尋ねでございます。こちらは東京都が主催の東京2020パラリンピック1周年記念イベントの会場に本県の5名の作家の作品20点の展示を行ったものです。実際、こちらの会場には約600名の御来場をいただきました。この巡回展につきましては、先ほど申し上げましたとおり、毎年度の運営委員におきまして、さまざまな工夫を凝らしながら、どのような展示を行っていくかということを検討した上で実施しているものでございまして、令和4年度につきましては、東京都でのイベント等の併催で県外の方にも見ていただこうという趣旨で開催したものでございます。
 恐れ入ります。先ほどの御答弁で訂正させていただきます。こちらの巡回展につきましては、令和4年度までが6回で、令和5年度を含めますと7回ということでございます。
〇木村幸弘委員 そこで、こうした県外にも発信をしていくという活動は大変いいことだろうと思います。また、いろいろな方々の目に触れることによって、その作家の芸術活動を支える、また経済的なサポートが生まれるであるとか、いろいろなことにも影響が出てくるのではないかと思いますけれども、そういうことを考えると、今後も県内巡回展もそのとおりですが、そうした県外への発信等、あるいは、そういう取り組みなどについての今後の方針等はあるのでしょうか。
〇武蔵文化振興課総括課長 こちらの巡回展につきましては、令和5年度で7回目となるところでございます。昨年度の来場者のアンケートですと、アール・ブリュットの展示会について詳しく知っていた、ある程度知っていた、聞いたことがあるという方を合わせますと、約78%の方が知っていたと御回答いただいておりまして、巡回展に関する認知度は蓄積されてきたものと思います。
 障がいのある方の芸術活動に関しては、創作活動を支えるということ、創作をしていただく人の裾野が広がること、あるいは、すぐれた作品の価値を発信すること、そして、それが障がいのある方の生涯教育や学習、あるいは社会活動につながるというようなさまざまな側面があると捉えておりまして、それぞれの段階において、県としてどのような役割を担って、巡回展についてもどのような位置づけで発信していくかというのは、引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 次に、文化芸術活動ということで、一つ目には、文化芸術活動の活性化を図るために、公立文化施設等の自主企画力向上の取り組みが行われているわけですが、その実績と人材育成の成果を伺いたいと思います。
 もう一点は、県内4広域振興圏に配置されております、岩手県文化芸術コーディネーターの取り組みの内容、実績についてもあわせてお伺いしたいと思います。
〇武蔵文化振興課総括課長 まず1点目でございます。公立文化施設等の企画能力の向上と人材育成の取り組み等についてのお尋ねでございます。
 こちらは、県では文化芸術を支える人材育成を目的といたしまして、県内の市町村の文化芸術担当者や施設の職員、文化芸術団体の方を対象としたアートマネジメント研修を開催しております。令和4年度につきましては、岩手の文化芸術の今、文化芸術でつくるこれからの岩手をテーマとした研修を2回開催いたしまして、参加者からは、このような研修を受けて、他の団体とのつながりができたことから、具体的な連携事業を提案したいというような御感想をいただいたところです。
 この研修につきましては、これまで令和元年度から令和4年度までの4年間で延べ185名の方に御参加いただきまして、人材の育成につながってきたものと捉えております。
 続きまして、2点目のお尋ねでございますが、岩手県文化芸術コーディネーターの取り組み状況についてでございます。こちらのコーディネーターは、地域の文化芸術活動を支援するとともに、文化芸術と住民の方をつなぐため、県内の四つの広域振興局、地域といたしましては五つですが、こちらに配置いたしております。令和4年度におきましては、各地のそれぞれの地域のイベント等の情報発信や地域の団体の活動支援、相談などに応じておりまして、年度末現在で776件ということで、前年比で148件増の活動状況となっているところでございます。
 あわせまして、このコーディネーターと連携いたしまして、市町村や文化芸術団体などを構成する文化芸術活動支援ネットワーク会議を開催しております。こちらは、令和4年度は、例えば、盛岡広域振興局で行った会議ですと、文化と観光との連携について意見交換を行ったところでございます。
 今後におきましても、地域の実情に精通している文化芸術コーディネーターと連携しながら、新型コロナウイルス感染症の影響からの文化芸術活動の回復を図るとともに、活性化につながるような取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇柳村一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 質疑がないようでありますので、これで文化スポーツ部関係の質疑を終わります。
 文化スポーツ部の皆さんは退席されて結構です。どうもお疲れさまでした。
 次に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤教育長 令和4年度の教育委員会の決算について御説明申し上げます。
 初めに、教育委員会が所管する事務事業の総括的な取り組みと今後の取り組み方針等について御説明いたします。
 教育委員会におきましては、新型コロナウイルス感染症対策を講じながら、東日本大震災津波からの教育の復興と学校教育及び社会教育、家庭教育の充実の二つを大きな柱として、本県教育の振興に取り組んでまいりました。
 まず、東日本大震災津波からの教育の復興につきましては、児童生徒の心のサポートや、本県独自の教育活動である、いわての復興教育の推進などに取り組んでいるところです。また、来月には自然災害や防災、安全を総合的に学ぶ拠点として、岩手県立図書館内に学び合いスペース、I-ルームを開設する予定です。今後も東日本大震災津波の経験や教訓を後世に確実に引き継ぎ、岩手県の復興、発展を支える人材の育成に向けた取り組みを一層推進してまいります。また、児童生徒一人一人に寄り添ったきめ細かな支援に取り組んでまいります。
 次に、学校教育の充実につきましては、昨年4月にはいわて幼児教育センターを、6月にはGIGAスクール運営支援センターを新たに設置し、市町村や関係機関との連携による教育の質の向上に取り組んでまいりました。また、運動習慣、食習慣及び生活習慣の一体的な改善等を図る60プラスプロジェクト、地域、関係機関との連携、協働による全県立高校の学びの特色化、魅力化など教育課題に対応した施策も積極的に展開してきたところです。
 ハード面についても、老朽化した県立学校の改修、改築や、新たな特別支援学校の整備など、社会情勢の変化に対応した教育環境の整備を進めています。
 今後におきましては、教育分野のDXなどを推進しながら、多様なニーズに対応した質の高い学びを確保し、岩手県の子供たちの可能性を伸ばし、夢を育む学校教育の充実に向けて取り組んでまいります。
 次に、社会教育、家庭教育の充実につきましては、コロナ禍において制限されてきた学校や家庭、地域との協働活動や県立社会教育施設における公開講座、体験活動の充実など、教育振興運動と地域学校協働活動を総合的かつ一体的に推進するとともに、県民一人一人の多様な学習機会の提供に取り組んでまいります。
 続きまして、決算について御説明申し上げます。令和4年度岩手県歳入歳出決算書の20ページをごらんください。
 教育委員会関係の一般会計歳出決算は、10款教育費のうち1項教育総務費の一部、22ページ、8項大学費及び9校私立学校費を除いたものと、次の11款災害復旧費5項教育施設災害復旧費であり、予算現額総額は1、311億7、866万円余、これに対する支出済額の総額は1、290億2、296万円余、翌年度への繰越額は11億9、038万円余、不用額は9億6、531万円余となっております。
 決算の内容につきましては、令和4年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので御了承願います。
 以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 それでは、2点通告しておりますので質問します。
 1点目は、児童生徒保健管理費についてお伺いいたします。法に基づいて健康管理、診断等の検査をされておりますけれども、コロナ禍の状況も含めて、検査による現状をどのように把握されているのかお聞きいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 健康診断の結果については、各学校において児童生徒及び保護者に通知し、学校保健安全法施行規則に基づき、治療の指示や運動及び作業の軽減をするなど適切な措置を講じているほか、必要に応じて、学校医、学校歯科医による健康相談を行っているところです。
 また、健康指導につきましては、養護教諭、学校担任を中心として、健康相談や日常の健康観察により児童生徒の心身の状態を把握し、児童生徒への指導や必要な支援、保護者に対する情報提供を行っております。
 県教育委員会においては、毎年度、定期健康診断結果の調査を行い、実施状況及び項目ごとの結果についてまとめており、集計結果については、各県立学校、市町村教育委員会に通知するとともに、関係部局や一般社団法人岩手県医師会、一般社団法人岩手県歯科医師会などの関係機関に情報提供を行っているところでございます。
〇軽石義則委員 それぞれに関係するところとは情報を共有化しているということでありますけれども、それぞれ学校、地域も結果に対していろいろな対応があると思うのですけれども、その中でどういう所見が特徴的にあるのか。精神的なメンタル的なものもふえてきているとも聞いているのですが、それらの部分については、どのような状況でしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 実施の状況についてでございますが、小学校における児童数に対する健康診断を受けた児童の割合につきましては、皮膚疾患98.7%、心臓疾患98.0%、眼科97.7%、歯科98.3%でございます。中学校におきましては、皮膚疾患96.4%、心臓疾患95.9%、眼科……失礼いたしました。改めて答弁いたします。
 小学校における児童数に対する所見があった児童の割合についてでございますが、皮膚疾患2.3%、心臓疾患0.4%、眼科7.6%でございます。歯科の未処置の齲歯があった児童の割合で20.7%。
 中学校におきましては、皮膚疾患2.4%、心臓疾患0.5%、眼科7.4%、歯科13.7%。
 高等学校におきましては、皮膚疾患5.2%、心臓疾患0.5%、眼科7.6%、歯科14.1%の状況でございます。
〇軽石義則委員 それらについても、健康指導を含めてやられているということですし、当然、治療のほうも再検査を含めて指導していると思うのですが、その部分で再検査や治療をしっかりされているものなのか。診断の結果は通知、告知はしていても、その後、治療等ができていない状況はないのでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 やむを得ない事由によって当該期日までに実施することができない場合につきましては、当該年度末日までの間に可能な限り……大変失礼いたしました。改めて答弁申し上げます。
 小学校における受診が必要な児童の受診率は、皮膚疾患50.1%、心臓疾患90.6%、眼科49.6%、歯科52.7%でございます。
 中学校においては、皮膚疾患37.9%、心臓疾患80.4%、眼科33.5%、歯科31.9%。
 高等学校におきましては、皮膚疾患16.3%、心臓疾患93.8%、眼科28.3%、歯科26.7%の状況でございます。
〇軽石義則委員 数字はわかりましたけれども、その数字が出ている背景、なぜそういう数字になっているのかというところについては、分析されているのでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 昨年度等におきましては、コロナ禍における児童生徒の健康診断の実施について、学校医等と丁寧に打ち合わせを行い、会場内の密を避けるなど感染防止に配慮しながら実施してきたところでございます。
 健康診断は学校保健安全法に基づき、毎年度6月30日までに実施することとされておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響に実施体制が整わないことや……
〇柳村一委員長 質問に対して答えてください。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長(続) 大変失礼いたしました。何度も申しわけございません。
 その理由についてでございますけれども、治療費がかかる、経済的な理由によるもの、また、医療機関が遠いために行きにくい、視力、耳鼻科につきましては、様子を見ているなどの理由が挙げられます。
〇軽石義則委員 そういう理由で治療ができないとすれば、治療ができるような環境をつくっていくことも県教育委員会としても関係部局と調整するとか、対応するとかというのは大事ではないかと思うのですが、そういう連携はとれているのですか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 健康診断におきましては、保護者との連携のもとに情報共有をしながら進めているところでございます。また、学校外におきましては、学校医、学校歯科医とも連携をとりながら進めているところでございます。そのような協力を継続しながら、よりよい形で、さまざまな理由が考えられるのですけれども、一人一人それぞれに合わせた形で診断を進めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 それぞれに任せると、経済的な理由といえばそれ以上、前に進めないこともあると思いますし、そういう課題、問題に対応できるような対策というものも学校現場にお願いするだけでは解決できない課題もあると思いますので、しっかり県教育委員会のほうでそれらを把握した上で対応していかなければならないと思うのですが、これから岩手県を担う子供たちの健康を保持した上で次のステップに進んでいただくことは大事な役割で、法でも決められて健康診断を進めているとすれば、治療するまで健全に、健康になってもらうようにしていくのも一つの役割だと思うのですが、その点はどうでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 ただいま委員御指摘のとおり、保護者、家庭、そして医師会、歯科医師会等とも連携を進めながら現状を把握し、それぞれの地域の実情や学校等の状況も踏まえながら、県教育委員会といたしましても、よりよい診断となるように指導、助言を働きかけていきたいと思います。
〇軽石義則委員 当然、健康診断の受診率は100%にしていかなければ、できない理由もあると思いますけれども、診断はできるわけですね。診断の後の受診率、治療にしっかりとつないでいくことは大事な取り組みだと思います。そういう意味では、現場で困っていること、解決できる課題を拾い上げていくことも、当然、今までもしていただいていると思いますけれども、さらにそれらについては、今の数字をお聞きして、県民の皆さんもそういう状況にあるというのはなかなか見えづらいところもあると思います。県民の皆さんにもそういう情報をしっかり、子供の健康の管理は大事だということを伝えることがまず一つ大事な役割だと思います。
 保護者の皆さんと一緒に連携できる部分、もっと言えば、保護者の皆さんを、治療ができないような環境からどう次に進めていくかということが大事だと思います。これは県教育委員会の領域を超えているところかもしれませんので、関係機関としっかり連携をとっていくのも大事だと思いますので、引き続きお願いいたします。
 2点目ですが、体育連盟の強化事業費補助についてお伺いいたします。
 コロナ禍で大会等もこれまで制限されてきて、選手の皆さんは3年間という、中学校も高校も中体連、高体連、それぞれやりたくてもできないような環境の中にあったと思うのですが、これまでの現状をどのように把握されておりますかということをお聞きします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 県中学校体育連盟や県高等学校体育連盟におきましては、基本的な感染症の対策を講じ、生徒の健康第一を考えながら大会開催や強化事業等を実施することとしておりましたが、事業実施地域の感染状況を考慮した遠征の自粛や、都道府県により県外選手の受け入れ判断の違いなどがあり、予定どおり実施できなかった事例が多かったと把握しております。
 また、各競技の強化事業におきましては、感染状況を考慮しながら、複数回にわたり強化計画及び内容の見直しが必要になったところでございます。
 さらには、大会開催や強化事業に携わった担当者においては、感染症の対策を講じながら、安全で安心な競技運営等に大変な御苦労があったものと認識をしております。
〇軽石義則委員 学校現場がさらにもっと大変ではないかと思うのですけれども、体育連盟がその補完なり全体の取りまとめをして進めていただいていると思います。体育連盟そのものがこれからどういう活動をしていくかというのは、今、非常に大事な時期ではないかと思います。働き方改革を含めて、部活動のあり方などもいろいろ議論されております。先般の報道等によりますと、日本郵政株式会社と公益財団法人日本スポーツ協会が地域の指導者の育成などの協定を結んだという報道もされておりますけれども、まさにそれぞれの学校、クラブ活動、地域の活動を含めて、体育連盟がどういう形で大会を運営していくかとか、それ以前に競技を維持していく、選手の強化をどうしていく、そういうことが大事だと思うのですが、その部分については、どのように考えておられるのかお聞きいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 これまでの多くの中学校等の生徒のスポーツに親しむ機会は、学校が運動部活動を運営することで担ってきておりましたが、少子化や教員の働き方改革が進む中、現行の学校単位での活動の継続は困難になってきている状況です。本県においても、単独でのチーム編成ができない学校がふえ、合同チームによる大会参加が多くなってきたところです。
 県中学校体育大会では、令和5年度から地域のスポーツ団体等の大会参加を認められたところであり、高等学校においては、令和5年度のインターハイから、一部の競技が合同チームによる参加を認められたところです。
 中学校においては、合同部活動の導入や部活動指導員等の適切な配置により生徒の活動機会を確保することともに、少子化の中、持続可能な体制や地域実情に応じた環境整備が求められていると承知しております。
〇軽石義則委員 まさにそういう状況だとすれば、体育連盟が果たしていく役割はこれまで同様ではないということだと思いますし、加えて、指導者の皆さんも現場でそれを進めていくにも非常に大変な状況ではないかと思います。指導者がいなければ、当然、競技の向上にはなりませんし、スポーツをするだけで体力保持にはなるかもしれませんが、スポーツに取り組むからにはそれなりの目標、成績というものも求めていくことが一つの向上心にもなると思います。指導者の育成、そして、指導者はいろいろ課題もあるようですが、それらの処遇などについては、どのようにお考えでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 県教育委員会では、全国大会で優秀な成績を上げた公立高等学校を岩手県スポーツ特別強化指定校として指定するとともに、その指導者を対象として研修会を行い、指導者の知識、指導技術の向上を図る取り組みを行っているところでございます。
 今後とも、体育連盟に対する強化費補助や強化指定校への取り組み、部活動顧問等を対象とした研修によりコーチング理論やスポーツ医科学の知見を深め、指導者の質の向上を図ることで適切な部活動運営や効率的、効果的な活動につなげてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 聞いていることが全部わかるような答弁ではなかったのですが、体育連盟のこれまでの取り組みと、現状を把握した上で、これからの体育連盟の取り組みは違ってきていいと思うのです。そのことを県教育委員会からもしっかり体育連盟と連携をとっていただいていると思いますし、そういう意識づけをお互いに持っていかないとだめではないかと思いますので、最後に教育長にお聞きして終わります。
〇佐藤教育長 指導者の育成を含めて、今、まさに部活動のあり方が、国、県、市町村それぞれのレベルで役割を分担しながら、部活動をどうするか、そして、部活動の地域移行をどうするかということを連携しながら取り組んでおりますが、国、県、市町村、それから、今、御指摘のありました関係団体、高体連、中体連、そして、地域の受け皿づくり、こういうものを総合的に進めていく必要があると考えておりますので、県としましても、国の指導もよく見ながらですが、関係団体としっかり連携を図って、今の課題、部活動のあり方、地域移行のあり方について、しっかりと取り組んでいきたい。当然、文化スポーツ部とも連携しながら、しっかり取り組んでいきたいと考えております。
〇柳村一委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時3分 休憩
午後1時1分再開
〇佐々木宣和副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇城内愛彦委員 それでは、中学校のクラブの民間移行、地域移行について、これまでの実績と課題について、今後の課題、状況について、あわせてお伺いします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 これまでの取り組みとしては、関係部局と連携いたしまして、スポーツ庁委託の実践研究事業として、令和4年度は大船渡市、岩手町、葛巻町の1市2町、令和5年度は盛岡市、宮古市、大船渡市、西和賀町、九戸村の5市町村においてモデル事業を展開しております。
 市町村教育委員会や中学校の依頼を受け、担当職員を派遣して地域移行に係る説明や、各競技の指導者、一般社団法人岩手県芸術文化協会の役員、保護者などが集まる会議のほか、県主催の中学生スポーツ、文化活動セミナー等において、地域移行にかかわる説明等を行っているところでございます。
 先行して地域クラブ活動への移行に取り組む市町村に向けて、想定される業務や手続等を整理した手引きにつきましては、本年3月に作成し、周知したところです。
 令和5年10月現在、6市町村30校65の部活動が地域クラブ活動の取り組みを行っているものと承知しております。
 続きまして、課題についてでございます。県内モデル事業での課題については、受け皿として想定される地域スポーツ団体等を整備する必要性があること、協議団体等の連携を強化し、指導者の確保に取り組む必要があること、学校教育の一環として、部活動とは異なる活動であることから、関係者に対して制度の理解促進を図ることが必要であること、そのほか、新たに費用や送迎の負担がふえるため、保護者の十分な理解を得る必要があることが挙げられております。
 県教育委員会といたしましては、これらの課題を踏まえ、他県の先行事例等も参考にしながら、関係部局と連携しながら、岩手県における学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方に関する方針の策定に取り組むとともに、先行して地域クラブ活動への移行に取り組む市町村向けに、想定される業務や手続等を整理した手引きに都度修正を加え、県内外の事例とあわせて周知することで、地域クラブ活動への移行に向けた市町村の取り組みの支援に努めていきたいと考えております。
〇城内愛彦委員 これは全県下に周知徹底して、全県下のあまねく学生、生徒たちが参加できるような仕組みになるにはまだまだ時間がかかると思うのですが、その点はどのように考えていらっしゃるのかをお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 現在、制度、環境整備ということで、県内でモデル事業を展開しております。スポーツ庁の資料等によりますと、令和5年度から7年度までモデル事業が継続されるという内容が示されているところです。そのモデル事業を展開しながら、県内の成果や課題を踏まえ、さらには、全国でも同じモデル事業を展開しておりますので、全国における内容等も確認しながら、岩手県それぞれの市町村によりマッチする仕組み、環境整備を進めていきたい。それに対して支援してまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 制度が周知徹底されるまでの間にはまだ時間があるということなのですが、その間、子供たちに不利益が生じないように、しっかりと見守っていただきたいし、制度だけが先行するような形であってはいけないし、その辺をしっかりと考えてほしいと思います。私も一般質問等で取り上げさせていただきましたけれども、こういうものは、岩手県のモデル事業をモデルケースとして全国に先駆けるぐらいの思い切ったことが必要ではないでしょうか。岩手県は四国4県分といつも言われるぐらい広い県で、子供達の数は減っているわけで、これからどうするかということを考えると、そういう特色ある取り組みというのが必要だと思うのですが、その辺は踏み込んで考えたことはあるのでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 城内愛彦委員が御指摘のとおり、岩手県は広い県土でございまして、それぞれの市町村におきまして、それぞれの実情、特色、強みを持ち合わせております。そういうものを十分生かしながら、なおかつ、市町村単位だけではなく、近隣の地区と合同で進めていくものも考えられると思います。さまざまなケースがございますので、そのようなものを柔軟に考えて、中学生がそれぞれ興味、関心を持った活動ができるような環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 いずれ子供たちはどんどん成長していくわけで、その成長過程において、本来経験できるべきものを経験させてあげられるような環境を目指してほしい。人、物、金、全部子供たちにつぎ込むぐらいの思いがあってもいいのではないかと思って質問していますので、その点についてはよろしくお願いします。
 次に、中体連との連携の状況、土日の大会開催の状況はどのようになっているかお伺いします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 岩手県中学校体育連盟が主催する県大会の開催基準につきましては、県中学校総合体育大会は、7月第3月曜日の海の日を最終日とする連続した3日間に開催することを原則としております。県新人大会につきましては、10月第3日曜日を含む連続した2日間を前期日程として、11月第3日曜日を含む連続した2日間を後期日程として、分けて開催することを原則としております。
 基本的には、土日を含めて大会が開催されているものと承知しております。
〇城内愛彦委員 今後、先生方の働き方改革などが導入されてくると、土日を中心に大会が開催されることもなかなか難しくなってくるのではないかと思っています。その際、平日の場合、民間移行との関係の中で、審判も含めて、スタッフとして一般の方々がかかわることのハードルが高くなってくるのではないかと懸念するところでありますが、そういうことも含めて、大会の開催ができるような仕組みづくりを目指してほしいと思うのですが、その辺は準備として想定はしているのですか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 県中学校総合体育大会の各競技につきましては、大会開催、運営に当たりまして、県内の競技団体から役員、審判等の人的支援や会場確保への配慮と多くの協力をいただきながら進めているところでございます。
 県中学校総合体育大会におきまして、教員だけの審判、役員で運営ということも難しい部分もあります。競技団体、地元の方々の御協力をいただきながら開催しなければいけないというのが実情でございます。
 そのような部分を総合的に考慮しながら、土日開催や平日開催を検討していく必要性があると考えます。
〇城内愛彦委員 わかりました。その点についても、しっかりと関係する方々と調整して前に進めてほしいと思います。
 最後ですけれども、スポーツ少年団との連携はどのようになっていますか。これまでだとスポーツ少年団から中体連の大会というのは、一足飛びには参加できない仕組みがあったわけありますけれども、最近は、競技ごとによってはそういうものも緩和されているように聞いていますが、その辺の状況は把握しているのかお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 岩手県中学校総合体育大会におきましては、令和5年度からスポーツ少年団を含めた地域スポーツ団体等の大会参加が認められることとなり、令和5年3月に岩手県中学校体育連盟が公表した概要によりますと、一定の条件を満たした地域スポーツ団体等が参加を希望する場合、事前に主催者の県中学校体育連盟に登録申請することとされたところでございます。
 今年度におきましては、陸上やサッカーなど9競技21団体が登録が認められ、7月に開催された大会には、そのうち20団体が出場したと聞いております。大会参加条件につきましては、必要に応じて毎年修正等を行うこととしております。県教育委員会においては、県中学校体育連盟と随時情報を共有しており、必要に応じて助言していきたいと考えております。
〇城内愛彦委員 今、スポーツも多様化していますし、子供達の数が減って、特に団体スポーツは組みづらくなってきています。そういうことを考えると、個人スポーツに移行することが今、多くあるようでありますので、子供たちの才能を深く探って強く引き出す、そういう仕組みとすれば、参加条件の修正は毎年行うという話を今、お伺いしましたけれども、先駆けて競技団体にいろいろ話をして、個性を伸ばせるような仕組みはつくっていくべきではないかと思うのですが、後追いではない仕組みづくりはできないものでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 スポーツにつきましては、する、見る、支えるという言葉が今、進められているところでございますけれども、選手として、そして、運営を支える審判、役員の方々、または、それを応援する方々が一体となってスポーツに取り組む必要性がこれからは求められてくるであろうと思います。それぞれの役割というものがあろうかと思いますけれども、関係者が一堂に集まりながら、それぞれの意見を出し合いながら、よりよい協議会、大会を運営していく、つくり上げていくということが大変重要であると認識しております。
〇城内愛彦委員 誰かがリーダーシップを発揮して、コーディネートする必要があるだろうと思うのです。それは県に果たす役割があるのではないかとずっと考えているわけです。各市町村もそうですし、各競技団体もそうですけれども、国で進めるところの民間移行は、もう待ったなしです。その間、子供たちに不利益が生じないようにするというのが、まさに皆さんの果たす役割ではないかと思うのですが、最後に佐藤教育長に今後どうしようと思っているのかも含めてお伺いしたいと思います。
〇佐藤教育長 地域移行を含めて部活動のあり方ということでございます。本県におきましては、令和元年にいち早く、岩手県における部活動の在り方に関する方針をつくりまして、この際、国の地域移行云々に先駆けて、県内のさまざまな有識者も入って検討してきたということもありますし、その関係性、人とのつながりもございますので、そういうものを大事にしながら、各地域でこれから方針をつくるということになっていますので、今、その方針をまさにつくっております。
 部活動のあり方、大会のあり方などは、高体連、中体連、上部団体もあります。それから、競技団体ごとに上部団体もありまして、全国でバランスをとりながらということもあるのですが、地域の状況に応じてということもあると思いますので、そこは関係者にはしっかり伝えていきながら、まさに城内愛彦委員がおっしゃるとおり、子供たちが、不利益をこうむるということがないように、少しでも前進していきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 初めに、学校図書館の機能強化についてお伺いしたいと思います。
 全国の小中学校1校当たりの図書購入費が2021年度は9年前の2012年度より7万円から10万円減って、平均図書購入数も100冊程度少なくなっていることが公益社団法人全国学校図書館協議会の学校図書館調査でわかっていて、大変残念に思っております。
 本県の学校図書館図書標準の達成状況について、小学校66.1%、中学校53.7%となっています。これには市町村格差があって、ゼロ%のところもあれば、100%のところもあります。
 また、図書館資料選定基準の作成状況について、小学校は全国平均41.4%に対し本県19.1%、中学校は全国平均40.3%に対し18.0%、高等学校は全国平均52.2%に対して21.9%となっていて、全国平均の半分以下と大幅に下回る状況になっています。
 さらに、図書館資料廃棄基準の作成状況について、小学校32.4%、中学校31.3%、高等学校31.3%と、こちらも全国平均の半分程度となっています。
 学校図書館の機能強化については、これまでもずっと取り上げさせていただいて、各市町村の学校図書館、私も歩かせていただいていますが、50年前の図鑑が置いてあったり、30年前、50年前とか古いものがずっと置いてあり、子供たちの読書環境を推進していく中で、図書館の図書をしっかり整備してほしいということを訴えさせていただいております。
 各市町村の学校図書館図書標準の達成状況と、図書館資料選定基準の作成状況に対する県の所感を伺います。
 また、学校司書の配置を推進している市町村の取り組みは、そうでないところに比べてどのように進んでいると考えているのか、県の御所見をお伺いいたします。
〇武藤首席指導主事兼義務教育課長 各市町村の学校図書館図書標準についてでありますが、令和2年度学校図書館の現状に関する調査の結果によりますと、本県の小中学校の蔵書数、小中高等学校の図書の選定基準、廃棄基準の策定、学校司書の配置がいずれも全国平均を下回る課題となっており、さらなる推進が求められている状況と認識しております。
 また、学校司書を配置している市町村におきましては、学校図書館図書標準の達成割合が高い傾向に見られること加え、学校図書館と公立図書館の連携による子供たちの学びの充実が図られるなど、子供の読書活動の推進に効果があるものと承知しております。
〇吉田敬子委員 学校司書の配置状況について、各市町村の資料をいただきました。紫波町と奥州市が100%、全ての小学校、中学校に学校司書を配置しているわけですけれども、ただ、19市町村では配置数ゼロということで本当に開きがあって、岩手県ではあしたから1週間が読書週間に設定されていて、県は小学生、中学生、児童生徒に読書の冊数で読書を推進しているのですけれども、中身を充実していっていただかないことには、子供たちの読書環境だけでなく、図書館の機能としても、まだまだ岩手県は格差もあり、もっと進めていっていただきたいと思います。全国平均以下ということで、そこは県教育委員会も認識していただいていると思っております。
 広島県では学校図書館を積極的に利活用した教育を推進するために、学校図書館の物的環境の整備を行って、その成果を検証、普及する学校図書館リニューアル事業というものを実施しています。それぞれモデル校の取り組みをもとに、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の学校図書館の環境整備の推進を図っています。そして、県内各校の学校図書館の見学会もそれぞれ開催されている状況です。
 昨年12月定例会の私の一般質問で、県当局からは、学校図書館は別室登校や特別な配慮が必要な児童生徒などにとっての居場所としての役割をあわせ持っていることから、不登校対策を初めとした多様なニーズに対応できる魅力ある学校図書館として、図書資料等の充実も含めた環境充実に向け、市町村教育委員会と連携しながら各学校を支援していく考えと御答弁いただきました。岩手県子どもの読書活動推進計画は、今年度は令和6年度からの次期計画の策定年度となっていますが、学校図書館の機能強化を図るための施策をお伺いいたします。
〇小澤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 学校図書館の機能強化についてでありますが、県教育委員会では、本県の子供たちが読書活動に主体的に取り組むことができる環境づくりを進めるため、今年度、第5次岩手県子どもの読書活動推進計画を策定することとしております。
 令和5年3月に策定された、国の第五次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画においては、学校等に求められる役割、取り組みとして、学校図書館資料の計画的整備、デジタル社会に対応した読書環境の整備、子どもの意見を反映させた学校図書館運営などが示されており、こうした国の計画を踏まえながら、本県の次期計画策定に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、学校図書館は、読書センター、学習センター、情報センターとしての機能に加え、別室登校や特別な配慮が必要な児童生徒にとっても安心できる居心地のよい空間としての役割も求められることから、その機能を担うことについても、計画に位置づけていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 居場所としての機能を計画に位置づけていっていただけるということも含めて、具体的なものはこれからだとは思いますけれども、ぜひ市町村の学校図書館に足を運んでいただきたいと思っています。学校司書がいらっしゃって、図書館がきれいに整備されているところは、小学校1年生の低学年であっても、どの本がおもしろくて、本当に読みやすいかわかるような配慮がされていて、一方で、全く学校司書がいなかったり、今、コロナ禍でボランティアがなかなか入られていないのですけれども、ボランティアも頑張ってやっていただいている中でも、すごく暗い図書館で、私が行ったのは夏、秋だったのですけれども、4月にせっかく購入した本が段ボールにずっと入ったままで、全然配架されていないのです。古い図鑑や、古いボロボロの本がただ置いてあるというような図書館が今すごくあります。格差も激しいですし、ぜひ皆さんには市町村の学校図書館に足を運んでいただきたいです。
 学校図書館で学校司書だったり、ボランティアも含めて頑張っていただいているところは、校長先生にお話を聞きましたけれども、読書もそうだけれども、不登校気味と言うとあれですが、すごく居場所になっているというお話も実際聞いています。
 私は、総括質疑で教育支援センターについて取り上げましたけれども、不登校の対策の一つとしても学校図書館というのが校内の居場所スペースとしてもすごく重要ではないかということで、ぜひ機能強化を図っていただきたいということで取り上げさせていただいています。ここは次期岩手県子どもの読書活動推進計画の中にしっかり盛り込んでいただいて、例えば、島根県は学校司書配置を行う市町村に実際に財政支援を行ったことで100%の学校司書の配置になったということもあります。そういった財政支援も含めて、学校図書館は今は読書だけではない機能を持っているという視点を持って取り組んでいただきたいと思っております。こちらについては要望として、これからも注視させていただきたいと思っております。
 次に、医療的ケア児への支援についてお伺いしたいと思います。
 県内の市町村立の小中学校の医療的ケア児の在籍状況、看護師の配置状況について、県ではどのように把握しているかお伺いします。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 市町村立小学校の医療的ケア児の在籍状況並びに看護職員の配置状況についてでありますが、令和4年度は六つの市と二つの町において、小学校11校に12名、中学校1校に1名、合計13名が在籍しております。また、医療的ケア看護職員は、小学校に16名、中学校に1名を配置し、児童生徒に医療的ケアを実施しております。
〇吉田敬子委員 数年前と比べて公立の小中学校に医療的ケア児の児童生徒が通えるようになってきていると実感しているのですが、それでもきっとまだまだ当事者の児童生徒さんで公立学校に通いたくても通えないという御家庭からの声も伺っております。ただ、ここには看護師の確保が課題だということは重々承知はしているのですが、例えば、盛岡市は1人の児童生徒に対して任用看護師が2人だとか、滝沢市立滝沢第二小学校も1人に対して3名ということで、そういう市町村もあるということが、資料提供をいただいてわかりました。こういう人材確保については、課題は共有させていただいていると思っているのですが、それについてどのように認識しているか、その取り組み状況についてお伺いしたいと思います。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 学校における医療的ケアを実施する場合の課題についてですが、市町村教育委員会においては、今後、新規に小中学校に医療的ケアが必要な児童生徒を受け入れる場合、医療的ケア看護職員の人材確保も含め、新たに体制を構築することに困難さが生じることもあると捉えております。
 県教育委員会としましては、引き続き、必要に応じて、岩手県立学校における医療的ケア実施指針や、岩手県立学校医療的ケア体制整備事業実施要領を各市町村に提供し、医療的ケアが必要な児童生徒が学ぶ体制づくりを支援していきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 所管は保健福祉部になってしまうのですけれども、昨年度から医療的ケア児支援センターが設置されて、さまざまな相談に対応していただいているのですけれども、そこの相談の中に、保育園では受け入れられなかったけれども、小学校に上がるときには受け入れていただけそうだとか、そういう相談が来ていたり、保育園では受け入れていただいたけれども、地元の小学校だと無理だと言われたというのが結構あるようです。医療的ケア児支援センターを設置してちょうど1年なのですけれども、そこについての教育委員会との連携ということを今後もう少し踏み込んでやっていっていただきたいです。
 教育委員会管轄の幼児教育センターも今、設置されているのですけれども、本来は幼児教育センターは、保育の質の部分もですが、幼児教育と小学校の連携、就学に向けての部分も担っているはずですから、幼児教育センターと医療的ケア児支援センターも含めた、もっと踏み込んだ医療的ケア児の就園、就学支援に取り組んでいただきたいと思っています。これまでの連携など、どのようにされてきているのか、ないのであれば、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 岩手県医療的ケア児支援センターと教育委員会との連携に関してですけれども、今年度から、就学に関する説明ということで、保護者に学校をどのように選んでいくのかというところを中心に教育事務所単位で就学に関する説明を始めております。
〇吉田敬子委員 県内の小中学校で医療的ケア児の児童生徒が受け入れられてきている学校がふえてきているということを当事者の御家庭も情報として知ってきていて、すごくいいことなのですけれども、では自分たちの自治体はとなると、なかなか受け入れられないようだとか、どうしたら受け入れてもらえるのだろうかという情報共有も、もっと各市町村で進んできていただけたらありがたいです。人材確保の問題はあるにせよ、受け入れる土台を市町村につくっていっていただきたいですので、今、6市2町で進んでいるという事例を、それ以外の市町村にも医療的ケア児が、今、250名程度いらっしゃるという県の調査でありますので、そういった広がりをぜひ今後、取り組んでいっていただきたいです。
 いわて幼児教育センターも、そこは余り御答弁はなかったのですが、今後もそこについても連携してやっていっていただきたいと思っております。
 次に、英語力の向上についてお伺いしたいと思います。
 中高生の英語力は、現在、どのように推移しているのか。全国平均と比べてどのようになっているのか。そして、中学校、高校の教員の英語力についてもお伺いしたいと思います。
〇度會学校教育企画監 本県の中高生の英語力の推移についてでございますが、令和4年度英語教育実施状況調査によれば、中学校3年生で英検3級を取得している生徒の割合は、平成30年度23.7%で全国比がマイナス0.2%、令和元年度が23.7%で全国比でマイナス1.4%、令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策のため中止となっておりまして、令和3年度は27.1%で全国比マイナス0.1%、令和4年度が25.4%で全国比マイナス1.9%となっており、全国平均をやや下回る傾向が続いております。
 続いて高校生でございますが、高校3年生で英検準2級を取得している生徒の割合は、平成30年度が20.3%で全国比マイナス0.2%、令和元年度は30.7%で全国比でプラス4.0%、令和2年度が新型コロナウイルス感染症対策で中止で、令和3年度が33.8%で全国比プラス2.6%、令和4年度は35.1%で全国比でプラス4.9%となっており、全国平均を上回っております。
 続いて、中学校、高等学校の教員の英語力の状況についてでございますが、同じ調査の結果において、授業における英語担当教員の英語の使用状況や英語による言語活動時間の状況については、中学校、高等学校ともに全国平均を上回っており、授業を英語を使った実際のコミュニケーションの場面と捉えた指導が行われているものと認識しております。
 一方で、中学校教員の英検準1級の取得率は低いです。高校教員の取得率も全国平均をやや下回っておりまして、今年度の全国学力・学習状況調査の中学校英語においても、全国の平均正答率を下回ったことからも、教員の指導の改善、充実、英語力の向上を促していく必要があると考えております。
〇吉田敬子委員 中学校の英語の先生の英語力がずっと全国のワースト1位の状況が続いているのではないかと思っております。ぜひこれからも向上に取り組んでいただきたいですし、イングリッシュワークショップ、イングリッシュキャンプというのを昨年度からやっているのですが、本来はこれはイングリッシュキャンプだったのがオンラインになってしまっていて、オンラインでずっとやっていくのかと、せっかくつくったのにコロナ禍でオンラインになってしまったなと思っています。子供たちのグローバル、英語力も通じて、もう少し踏み込んで取り組んでいただきたいと思っていますが、きょうは時間がないので今後に続けたいと思います。
〇村上貢一委員 学校給食のアレルギー対応についてお伺いいたします。
 平成24年12月に東京調布市の小学校で、食物アレルギーを持つ児童が給食摂取後にアナフィラキシーショックと思われる症状で亡くなるという痛ましい事故を受け、平成27年3月に文部科学省が再発防止を目的に学校給食における食物アレルギー対応指針が策定されました。本県においても、同年2月に学校におけるアレルギー疾患対応指針が策定され、3年後の平成30年に追加、修正の改定がされ、現在に至っております。
 そこで、学校給食のアレルギー対応について、公立小中学校の対応状況と食物アレルギーのある児童生徒数をどのように把握しているのかお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 食物アレルギーについては、保護者を通じて児童生徒の実態の状況を収集しており、令和5年5月1日時点における学校給食での対応が必要な食物アレルギーのある児童生徒数の割合は、小学校で3.2%、1、676人、中学校で2.5%、710人となっております。
 学校給食における対応として、献立内容の詳細を事前にお知らせするとともに、提供施設の対応が可能な限り、アレルギー物質を取り除いた除去食や代替食を提供しております。また、対応が難しい場合につきましては、弁当の持参等をお願いしているところでございます。
〇村上貢一委員 文部科学省の学校給食における食物アレルギー対応指針の中で、都道府県教育委員会がとるべき対応というものがございます。それは適切な対応推進のために都道府県教育委員会内に関連する委員会を設置し、以下の点などに関して活動しますということでございます。
 それは5項目ありまして、ア、市区町村や学校単位で連携しにくい機関、医師会、消防機関等との広域的な対応の取りまとめや支援を行うこと。イ、関係者の定期的な協議の場を設け、連携体制の構築等に努めること。ウ、学校等で行う各研修会等への支援を行うこと。エ、市区町村の食物アレルギー対応状況を把握し、必要に応じて指導及び支援を個別に行うこと。オ、全ての事故及びヒヤリハット事例について情報を集約し、改善策とともに所管内に周知を図り、事故防止に努めることとあります。これらの点に関して、県教育委員会としてどのように対応を取り組んでいるのかお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 県教育委員会がとるべき対応についてでございますが、保健福祉部と連携し、一般社団法人岩手県医師会や一般社団法人岩手県薬剤師会、公益社団法人岩手県栄養士会、関係部局担当者などが集まる岩手県アレルギー疾患医療連絡協議会において、学校給食におけるアレルギー対応について助言をいただくとともに、栄養教諭や調理師などの学校給食担当職員を対象とした衛生管理推進等研修会などでの指導を今年度6回実施したところでございます。
 また、国の事業を活用し、県の担当職員が調理場を訪問して衛生管理や食物アレルギーの対応状況を把握し、今年度におきましては個別に4カ所で必要に応じた指導及び支援を実施しております。
 さらに、食物アレルギーの事故やヒヤリハット事例について、各市町村教育委員会から報告を受けているところでございますので、取りまとめの上、毎年度フィードバックを行い、事故防止に努めております。
〇村上貢一委員 岩手県アレルギー疾患医療連絡協議会では、どういう御意見が出て、それを今後どのように生かしていくのか、まずはその点をお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 出席された方々それぞれのお立場から現状等の御意見等をいただきながら共有をして、そして、県教育委員会といたしましては、その情報を調理場と市町村等に提供しているところでございます。
〇村上貢一委員 もしわかれば、その具体的なところもお示ししていただければよかったのですけれども、済みません、通告もしていなかったものですから、わかりました。
 あとは、ヒヤリハットの点は、現在、取りまとめというところでしょうけれども、例えば、どういうものが何件ぐらいあるとか、どういう事例があったのかとか、お示ししていただければ幸いでございます。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 令和4年度におきまして、食物アレルギー事故、ヒヤリハット報告につきましては、2件ございました。
 内容についてですけれども、調理場におきまして、当該生徒について、卵の完全除去の指示を受けていたところですが、詳細献立の確認について、家庭からのチェックがなく、担任、本人も気づかずに卵が含まれたドレッシングを喫食したケースがございました。
 もう一点ですけれども、病院を受診したものではございますけれども、学校におきまして、昼休みの後に息苦しさが生じたという事例がございました。後日提出された学校給食管理指導表には、アレルゲンは特に認められない旨の記載がございまして、給食、授業、運動、校外活動での管理は不要ということでした。
〇村上貢一委員 2件とはいえ、それが大事になる氷山の一角かもしれませんので、ぜひその辺はしっかりと今後の対応に生かしていただきたいと思います。
 また、市町村への指導、支援ということで、市町村によってアレルギー対応に格差が生じているようなところも見受けられます。県として指導や支援を行うとともに、また、市町村と連携して栄養教諭の研修の充実といいますか、もっとスキルアップを図るといいますか、ブラッシュアップをするといいますか、そのような点をもう少し強力に推し進めていただきたいと思うのですけれども、その辺の取り組みやお考えについてお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校給食の食物アレルギー対応についてでございますが、平成27年3月に文部科学省が作成した、学校給食における食物アレルギー対応指針、及び同年2月に県教育委員会が作成した、学校におけるアレルギー疾患対応指針に基づき、各市町村教育委員会及び各学校に適切に対応するよう通知しております。
 また、平成30年2月には、県に報告されたヒヤリハット事例の検証を踏まえ、学校におけるアレルギー疾患対応指針を改訂したところです。
 令和2年3月には、文部科学省において、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが改訂され、市町村教育委員会に対し、ガイドラインに基づきさらなる取り組みの充実を図るよう周知してまいりました。
 今後におきましても、学校給食実施状況調査等を通じながら、各市町村及び各校での取り組みについて現状を把握し、設置者、学校関係者、学校給食関係者等を対象といたしました研修会等での情報提供や担当職員による訪問調査での指導、助言を行ってまいります。
〇村上貢一委員 ぜひしっかりとその辺を取り組んでいただきたいと思います。
 また、緊急時の対応としてアドレナリン自己注射薬、エピペンというものがございます。これは、対象の児童生徒は医師から処方されて所持して歩くものでございます。そのエピペンは文部科学省でも教職員が使用することも認められておりますし、その辺はしっかりと共通認識を図っていくことが必要だと思いますし、それに伴い、緊急時の対応の研修のさらなる推進や情報共有の充実を図っていくべきだと思いますが、その点についてのお考えをお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 令和5年2月に取りまとめた調査におきまして、アドレナリン自己注射、いわゆるエピペンを携帯している児童生徒が在籍する学校は、小学校118校、中学校61校、高等学校32校、特別支援学校9校という状況でございます。
 各学校においては、主治医が記入する学校生活管理指導表に基づき、食物アレルギーを初めとする児童生徒のアレルギー疾患について組織的に対応する体制を整備し、エピペンの使用を含む緊急時対応の研修を行っていると承知しております。
 県教育委員会では、エピペンの使用を練習するエピペントレーナーの貸し出しを行い、各学校における研修の充実を推進しており、また、担当者を対象といたしました研修会を開催するなど、学校におけるアレルギー対応について周知し、引き続き、各学校の対応力の向上を促進してまいります。
〇村上貢一委員 今、答弁を聞きながら、そんなにもエピペンを所持している生徒、子供たちがいるのだと思い、改めて、ここはしっかりと取り組まなければいけないところだと認識しております。
 それで、研修ですけれども、新年度が始まって人事異動がございます。そういう中で、学校としては新年度が始まったら早々に研修をして、教職員の共通理解を図るというところが必要だと思うのですけれども、その点の取り組みについてお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 ただいま委員から御指摘のありましたことにつきましては、大変重要なことと考えております。研修の時期であるとか、また内容等につきましても、都度修正を加えながら、効果的な研修となるように、県教育委員会としては、各校、市町村に対して情報提供をしてまいりたいと考えております。
〇村上貢一委員 エピペンはいざというときには子供はなかなか打てなく、そこにいる教職員の方々が打っているような状況が愛知県のほうからも報告されております。注射することが教職員の責任ある行動で、打たなかったことが落ち度と言われる可能性があると言われているようなところもあります。最近よく、空振りしてでもというようなところがありますので、その点のお考えを再度お伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 エピペンの使用につきましては、さまざまなアレルギー症状等によりさまざまなケースが考えられると思います。そういう多様なケースに対応できるような多様な研修、または、学校内における共有をしっかりと進めて、事故等がない環境整備を進めてまいりたいと思います。
〇村上貢一委員 最後に、佐藤教育長にお伺いしたいと思います。岩手県全体としてアレルギー対応が統一的なレベルになって、教職員の皆様が共通の理解を深化、高めていただいて、より学校の生活の中で生徒、子供が学校の給食時間が楽しいと笑顔で明るく楽しく談笑しながら食べられる。そして、安全、安心であるという担保のもとに、しっかりとそういう取り組みを今後さらに進めてほしいと思うのですが、御所見を聞いて、この項を終わります。
〇佐藤教育長 今、村上貢一委員からお話しいただきましたように、学校給食が楽しくて、安全で安心であることというのは非常に大事なことだと思っております。アレルギー対応は文部科学省から指針が示されていて、都道府県に求められていること、そして、市町村、あるいは学校ですべきことがしっかり明記されております。さまざまな方法がございますので、我々としても、都度都度、しっかりとこれを市町村、あるいは学校現場に届くように、それもばらつきのないようにしていくということが委員からのお話でもございましたので、そのように取り組んでまいりたいと考えております。
〇村上貢一委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、学びの多様化学校の設置についてお伺いいたします。いわゆる不登校特例学校の設置についてでございます。
 文部科学省では、令和5年3月に、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策を取りまとめました。その中において、不登校特例校の設置、今は学びの多様化学校と言うところでございますが、この件について、設置に対する県の検討状況や御所見、お考えをお伺いいたします。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校の設置についてでありますが、学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校は、児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成して教育を実施することができる学校であり、基礎学力の定着や社会性の育成、自己肯定感の向上、進学によい影響を与えるなどの効果が見られているものと承知しております。
 現在、全国で24校設置されておりますが、都道府県では設置例はまだないと把握しており、その設置については、各市町村教育委員会等とも連携を図りつつ、国の動向や他県の先進校の事例等の調査を進めていくとともに、不登校児童生徒の居場所の確保をどう図っていくか研究してまいります。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、児童生徒の健康の状況についてお伺いしたいのですけれども、60プラスプロジェクトというものがあって推進されているようなのですけれども、その内容についてです。
 スポーツ庁の全国体力調査によりますと、岩手県内の中学2年生男子は体力合計点で全国2位、小学5年生男子は11位、小学5年生女子は9位、中学2年生女子は4位ということで、全ての対象学年で全国平均を上回っているということでございます。
 一方で、コロナ禍の影響か、全国的には体力が低下している。また、肥満傾向の割合は、小中学生の男女ともに全国平均より高いという報道でした。長年、岩手県は肥満傾向の特徴があります。
 令和4年度から60プラスプロジェクト推進事業が行われ、169万円余の支出額だったようですけれども、成果と課題をお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 60プラスプロジェクトは、生涯にわたって健康的な生活を送るために運動、食事、休養及び睡眠といった基本的な生活習慣の形成を狙いとした事業でございます。これまで取り組んできた運動習慣の形成に対する取り組みに、食習慣、生活習慣の形成を加えた一体的な取り組みを進め、健やかな体の育成につなげるものでございます。
 本事業の成果といたしましては、県内全ての小中学校において、体力向上の取り組みを行っていること、運動時間や睡眠時間及びよくかんで食事をするなどを記録するチャレンジカードの配布により、自己の生活に対する意識の醸成が図られたこと、児童生徒がバランスよく運動能力を高められるメニューを考案し、楽しみながら体力向上を目指す取り組みや、家庭向けの通信を発行し、親子で運動や睡眠、食事の記録を行うなどの取り組みが行われるようになったことなどが挙げられます。優良実践校としてすばらしい取り組みを行った小学校11校、中学校4校を昨年度表彰したところでございます。
 一方、課題といたしましては、この取り組みがより浸透するには、家庭や地域との連携の強化が必要であること、校内における各担当者の連携支援が必要であると捉えております。
〇佐藤ケイ子委員 課題として、浸透しているかどうかということですね。学校の中でも多忙化していますし、これに取り組むというのは現実的にはなかなか難しいと思っております。いきいきチャレンジ、かみかみチャレンジ、すやすやチャレンジ、さまざまなチェック項目で、1学期、2学期、3学期はどうだったかというチェックがされるようなのですけれども、これは本当に難しいと思っています。さらにこれが全体で周知されるというか、学校もそうだけれども、家庭、関係者がこういう取り組みがあるということすらなかなか浸透していないのではないか。この浸透について図っていただきたいと思います。
 そして、見ていましたらば、全国健康づくり推進学校表彰というので、二戸市立仁佐平小学校で全国最優秀校になっているのです。ことし2月に行われた大会のようですけれども、こういうすばらしい取り組みをしている。きりっとした子供の育成のため、口腔機能発達取り組みの運動、食生活習慣を統合した60プラスプロジェクトを実施して、コミュニティスクールとも協働して地域とともに健康づくりを進めていますということで、いろいろな取り組みがあると思うのですけれども、こういう取り組みの事例を紹介して広めてほしいと思っております。この点については、以上です。
 次に、学校給食について伺います。学校給食も市町村によって全く違いますので、県内の給食をどうやって比較するのかということも取り組んでほしいと思うのです。給食の残菜、食べ残しの調査が実施されているのかどうかです。給食の残菜を処分する委託業者がありますけれども、その業者の方々が私に言うのです。学校給食の食べ残しが本当に多い。こんなに残菜があるのですよということをおっしゃるのです。これは北上市だけなのか、県内どこでもどうなっているのだということをお聞きしまして、確かにそうだなと。調査をして、公表されたり比較されたりということはあるのでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 残菜の確認については、提供した給食の喫食状況の把握、今後の献立作成、調理の検討のために必要であり、学校給食調理施設において実施されていると承知しております。
 県教育委員会といたしましては、学校給食の残菜調査は行っておらず、市町村ごとの比較はない状況でございます。
 佐藤ケイ子委員が御指摘のとおり、残菜調査を学校給食の評価として活用することは、とても重要なことと考えており、担当職員の研修の場等において取り上げ、まずは、各調理施設における取り組みを促進してまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 学校給食は市町村ごとに違っておりまして、市町村の中でも学校栄養職員の状況によっても全く違うのですね。おいしいとか、おいしくないとか、それから、栄養職員もそうですし、保健福祉部でも減塩調理を進めているのですけれども、それでおいしくないと。先生方はマイしょうゆ、マイソースを持って、そうしないと食べられないというぐらいの学校もある。みすぼらしい食材の学校もある。すばらしいデザートもつけている給食センターもある。本当に違うのです。また、学校でも給食にかける時間がない。学校の状況によっても大きく違ってきますので、市町村は委託しないといけないから残菜の量は測っているはずなのです。それを比較するというようなことを一回やってほしいと思っています。そういうことで、栄養職員も研修の材料にしてもらいたいと思います。
 また、県教育委員会の職員の方々も、一回、おいしい学校給食のところ、なかなか残菜が多い学校給食のところに食べに行ってもらいたい。
〇佐々木宣和副委員長 佐藤ケイ子委員に申し上げます。質問は簡潔にお願いします。
〇佐藤ケイ子委員(続) 食べに行ってください。お願いします。
 それから、給食費を無償化している市町村はありますか。数をお聞きします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校給食については、学校給食法に基づき、義務教育諸学校の設置者である市町村等において、学校給食の意義や児童生徒の実態及び地域の実情等を踏まえ、その実施方式を総合的に判定しているものであり、本県では、本年度、10市町村が全額無償化、19市町が一部補助を行っている状況でございます。
〇佐藤ケイ子委員 10市町村が全額、19市町は一部補助を行っているということですけれども、学校給食費の平均月額、小学校は月4、167円、中学校は4、758円ということですけれども、多子世帯の方々は厳しいと言っていますし、また、未納者も結構多くて、これも市町村の悩みの種なのです。無償化を県内全体でやるとしたら予算は幾らかかるのか。また、これは市町村の単独予算にならざるを得ないのかと思うのですけれども、財政支援はないという認識でいいのかどうか、お聞きいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 県内の全市町村において全額無償化を実施する場合の年間所要額は、約42億円となる見込みでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、学校給食費の無償化については、保護者負担軽減等のメリットがある一方で、自治体等における財源確保等の課題もあると捉えております。今後の国の動向を注視するとともに、他県の状況など情報収集に努めてまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。今の状況では、無償化をした場合に、国、県の財政支援はないということですね。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が活用できることから、国の動向を注視して、市町村への情報提供に努めていきたいと思います。
 なお、令和5年度においては、国の交付金を10市町で活用しているところでございます。
 現時点におきましては、支援につきましては、不明でございます。ありません。
〇佐々木宣和副委員長 正確に答弁をお願いいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 失礼いたしました。
〇佐藤ケイ子委員 現在では国の財政支援はないと私は思っておりまして、それで、全国的にも国に対して給食費の無償化を求めるという運動が結構あります。県からも、そうした県や市町村が行う場合に国としても財政支援を行うように要望していただきたいと思っております。
〇福井せいじ委員 私も給食についてお聞きしたいのですが、まず、その前に、昨年、令和4年度の決算において、教育費決算額が前年比53億円、37%減少しております。これは高等学校費が約43億円、そのほかに10億円ほど減額になっておりますが、その内容について教えていただけますか。
〇古川予算財務課長 令和4年度の決算額につきまして、令和3年度と比べて大きく落ちているという御質問でございましたが、減になった主な理由につきましては、令和3年度に校舎の大規模改造事業が大きくあって、それが減額になったということが一番大きい理由でございまして、そのほかは、それぞれの教職員の人件費が減少しているというようなものが主な内容でございます。
〇福井せいじ委員 そうしますと、高等学校の43億円の減額、あるいは、そのほかに小中学校でも9億円、あるいは2億円弱の減額がありますが、教育総務費の減額2億円については、どのような内容かわかりますでしょうか。
〇古川予算財務課長 教育総務費の2億円余の減につきましては、教職員人事管理費が5億円強の減、あとは、県立学校のICT機器の整備が9億円弱減となっているものが主な理由でございます。
〇福井せいじ委員 わかりました。
 それでは、給食のほうに移っていくのですけれども、先ほど佐藤ケイ子委員がお話ししましたが、実は、給食の実態ですけれども、完全給食が308校で92.2%、補食給食が21校で5.1%、ミルク給食が11校で2.7%という数字をいただきました。私が考えるのは、この中では、完全給食、補食給食、ミルク給食、こういう給食の違いに不公平感があるのではないかと思いますが、こういうことに対して是正の取り組みの必要性を感じるかどうかお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校給食につきましては、学校給食法に基づき、義務教育諸学校の設置者である市町村等において、学校給食の意義や児童生徒の実態及び地域の実情等を踏まえ、その実施方式を総合的に判断しているものと認識しております。
〇福井せいじ委員 要は、それぞれやればいい、その不公平感については、感じないということでよろしいですか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 大変失礼いたしました。どの地域におきましても、学校給食につきましては、公平な形で進められるべきであると考えます。しかしながら、学校給食法等に定められておる内容等を踏まえながら、進めているところでございます。
〇福井せいじ委員 ありがとうございました。公平に取り組むべきと考えるということで、私もその通りだと思っております。
 さて、最近、非常に食材等の高騰が見られますが、先ほど佐藤ケイ子委員もおっしゃいましたが、小学校で年間約4万8、000円くらい、中学校では今、5万5、000円くらいの平均額で給食費が徴収されておりますが、物価高でこのような給食費の食材高騰に対する取り組み、そしてまた、これは保護者も増額を負担されているのかどうか、こういう実態については、どのように捉えていらっしゃるでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 食材高騰に伴う保護者負担軽減の実施の状況についてでございますけれども、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用している自治体数は、現在10市町となります。また、自己財源を活用しているところは19市町村となります。さらに、現在のところは実施予定がないというところが4市町村となります。
〇佐々木宣和副委員長 保護者負担はふえているのかについて。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長(続) 保護者負担につきましては、高騰している部分につきまして、国の財源、または市町村、地元の財源等を活用しながら対応されている地域が多いです。
〇古川予算財務課長 県立学校の給食の高騰分について、私から御説明をさせていただきたいと思います。
 令和4年度から急激な食材高騰がございまして、国のほうで新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金のうちの物価高騰交付金を措置していただきまして、それらで令和4年4月の給食単価から値上がりした分、上げなければならなかった分に対して交付金を充当して、保護者の負担をふやさない方法をとってまいりました。令和4年度の1年間、そういう形で保護者の負担を激変緩和といいますか、対応してきたところで一旦終了という形だったのですけれども、令和5年3月にまた国から交付金が来まして、令和5年4月から半年間、9月末まで保護者に物価高騰の分を負担させないような取り組みをしてきたところでございます。
 その対応については、年度初めに半年間ということでスタートしておりまして、今、終了しているところですが、県立学校については、主に特別支援学校の給食が対象になっておりまして、特別支援学校は国の就学奨励費といいまして、世帯収入に応じて、学用品や通学費、その中で給食費を充当できるという制度がございまして、8割強の世帯が全額または半額、それらで対応させていただいているという状況でございます。
 市町村については、この交付金を使って実施している市町村もあると思いますし、あとは、完全無償化を進めている市町村もあるやに聞いておりますが、詳細までは把握しておりませんので、申しわけございません。
〇福井せいじ委員 ありがとうございます。食材高騰の影響は出ていると私は伺っております。学校ごとに栄養士がやり繰りが大変だと。例えば、その中でデザートを少し減らすとか、そういうやり繰りをしながら、今、給食を何とか頑張っていこうというふうに聞いていますので、ある意味、こういった物価高の中では、国がそういう措置を行っている。あるいは、県もそういう対応をそれぞれ行っていく必要もあると私は思いますので、考えていただきたいと思っております。
 さて、小中学校の給食費ですが、総額で約40億円弱という話がありました。この中で私が聞いているのは、未納額については年間約2、600万円、0.7%あると伺っております。未納額に対する対応をどのようにして行っているのか。そしてまた、もう一つ、生活困窮者に対する支援の有無について、この2点を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 令和4年度分の給食費の未納状況は、給食費総額の0.7%が未納となっている状況でございます。
 県内の市町村における学校給食費の徴収方法につきましては、21市町村が保護者が直接金融機関への振り込み、1町がPTAが集金を行い納付、1市が今、述べました二つの方法に加えまして、児童生徒が学校に納付する複数の方法で行われているところでございます。学校給食費の取り扱いにつきましては、安心で、そして確実な方法で行われることが大事であると認識しております。
 あわせて、生活困窮者につきましては、就学援助費等につきまして説明を申し上げているところでございます。
〇福井せいじ委員 未納者に関しては、保護者の回収等については、保護者は非常に困っている状況もあります。私が言いたいのは、未納者の取り扱いについては今、答弁いただかなかったのですけれども、これも公平感に欠けると私は思っております。そういう意味で、今、岩手県では10市町村が全額無償化ということでありますが、こういった公平感の担保、あるいは貧困世帯の負担軽減、あるいは、栄養バランスのよい完全給食をとっていただく、そういう観点から、全県無償化に向けた取り組みも必要ではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 県内の状況等を踏まえながら、これからも国の動向等を注視しながら、また、さまざまな機会を通じて要望等をしてまいりたいと考えます。
〇福井せいじ委員 先ほどはそういうお答えをしたのですけれども、県内33市町村のうち10市町村が先ほど言った公平感の担保、あるいは子育て支援という形で取り組んでいると私は考えています。そういう意味では、県も全国トップクラスの子育て支援と言う以上、市町村と一緒になって取り組む、それが私は社会全体で子供を育てるという姿勢につながるのではないかと思うのであります。再度お聞きしますが、その意欲はないでしょうか。
〇佐藤教育長 学校給食費の無償化について、県でも取り組むべきではないかというお話でございますが、これは知事からも答弁があったわけですが、学校給食費の無償化や保護者負担の軽減ということにつきまして、本来、やはり自治体の財政力の差などによらず、全国のどこの地域でも同等な水準で行われるべきだと考えますし、したがって、国全体として学校給食の負担のあり方を抜本的に整理していただいて、財源も含めて具体的な施策を示すように、これは全国知事会でということでもありましたが、全国に都道府県教育長協議会や全国の都道府県教育委員協議会というのがございますが、この7月に学校給食の保護者負担の無償化ということで、今、申し上げたような、国全体として学校給食費の負担のあり方を抜本的に整理した上で、国の責任で具体的に施策を示すことという要望をしておりますので、まずは我々は他県と歩みを一緒にして、全国無償化を実現していただきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今、財源の話も出ました。しかし、私は、最初に、なぜ財源が昨年と比べて令和4年度は減っているのかということを調べさせていただいたわけです。もちろん施設関係の削減もありましたが、子供が少なくなっていく中で、人件費の削減ももしかしたらあり得るかもしれない。もう一度、県の教育費の財源の中でまた見直しをしながら、そういう方向で取り組んでいただくとか、あるいは、市町村と一緒になって無償化について、そしてまた、国にも要望しながら、ぜひ実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。
〇佐々木宣和副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時25分 休憩
午後2時46分再開
〇佐々木宣和副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇佐々木朋和委員 まず、令和4年度のいわて県民計画(2019〜2028)実施状況報告書のうち、いわて幸福関連指標の、特別支援学校が適切な指導・支援を行っていると感じる保護者の割合の指標についてお伺いしたいと思います。
 令和4年度の実績値が66%、目標値が68%ということでしたけれども、第1期アクションプランの令和元年度から令和4年度の数値の推移の受けとめとA評価にならなかった要因、保護者からどのような意見が出されているのか御説明いただきたいと思います。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 第1期の数値と保護者からの意見についてですが、とてもそう思うと回答した保護者の割合は、令和元年度のみ達成度がAとなっておりましたが、その後、令和4年度までの3年間は、達成度がBという状況であります。おおむね目標値に近い割合で評価をいただいておりますが、それ以外の回答をした保護者も一定数いることも承知しているところです。
 主な要因としましては、一人一人に応じた指導、支援が十分に行われていなかったケースが見られたり、保護者との情報共有が不足していたりという課題があったと認識しております。
 保護者からの主な意見につきましては、知的障がいの特別支援学校からは、子供本人の特性に合った配慮をもう少ししてほしいという願いや、肢体不自由の特別支援学校からは、進路選択にかかわる情報をもっと多く伝えてほしいなどの意見が出されております。
〇佐々木朋和委員 特別支援学校、あるいは、特別な支援を要するお子様たちの保護者からは、そういう意見が出ているということで、私も地元でそう感じておりました。マイノリティーというところでありますので、自分たちの課題について世の中が変わっていくスピードが遅い、そういったことを感じている保護者さんが多くいらっしゃると思っておりまして、ぜひこれからも寄り添った対応をしていただきたいと思います。
 この報告書では、令和3年度の実績が63.0%となっておりますけれども、一方で、第2期アクションプランでは、令和3年度の実績が96%となっておりまして、差異があるのです。また、令和8年度までの目標値が96%を継続するということにしておりますが、このところについての説明をお願いしたいと思います。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 目標値を変更した理由についてですが、第1期アクションプランの計画目標値は、とてもそう思うの割合を68%として目標を設定しておりましたが、第2期アクションプラン策定の際、全庁的に指標及び目標値については十分に検討し、適切な目標値を設定すること等の方針が示されております。
 そのため、第2期アクションプランを策定するに当たり、改めて目標値の設定について検討し、そう思うの回答も肯定的な意見に含まれることから、とてもそう思うと、そう思うを合わせた数値を、適切な指導・支援を行っているに対する肯定的な評価と捉え、目標値を96%に設定しているものです。
 目標値設定の考え方につきましては、第2期アクションプランの巻末資料において注釈をつけて対応しているところです。
〇佐々木朋和委員 この指標ですけれども、特別支援学校が適切な指導・支援を行っていると感じる保護者の割合という表現自体は変わっていないですよね。その中で、Aだけを含めていた前期から、Bを含める今期に変わっている。私も、これは見逃してしまったかと思って、説明のときの資料も見たのですけれども、巻末には書いてあったということですが、簡易版を見ると、そこには新規です、変わりますよという表現がないわけです。指標を精査するというのは、より高い目標に向かっていく分にあってはよろしいと思うのですけれども、ある意味、ハードルを下げていくようにも見えるわけです。
 そういう中の変更ということで、我々議員もしっかり気づいてそのときに指摘するべきだったと思いますし、私も、記憶では、特別支援学校が適切な指導・支援を行っているという回答に対して六十数パーセントというのはいかがなものかという指摘をした覚えがあるのですけれども、そういう意味ではないわけですね。そうであれば、とてもというところを60%から70%、80%にいってほしいという思いがありました。
 また、令和3年度はA評価に至らなかった部分を基準にして96%を続けていくという目標が、本当に特別支援学校に通う子たちの環境をよくしていくという指標としてふさわしいのか、少し疑問が残るところです。佐藤教育長はこの辺についてはどのようにお考えですか。
〇佐藤教育長 従来の指標はとてもそう思うの一番上のランクの部分だけを掲げて68%と表記しておりまして、確かに、そうした場合、県民の方から、それ以外はだめな状況なのかという誤解を招くというのも、それはそれでよろしくないということで、先ほど最上主席指導主事兼特別支援教育課長から説明がありましたように、いずれ肯定的な、そう思うという回答も含めて、特別支援学校が適切な指導・支援を行っていると感じる保護者の割合を高いレベルで維持していくのだということです。決してBランクまで入れたから従来より下回っていいのだという趣旨ではございませんので、高いレベルで保護者様から信頼を得るような取り組みをしていくということについては、今後も変わらずに取り組んでまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 今、保護者の皆さんからの信頼をということだったのですけれども、こういう指標の目標値の変更に当たっては、特別な支援を要するお子様方の保護者の皆さんや団体、PTAから御意見を頂戴した上でこのような変更をしているのですか。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 指標の設定に当たりましては、PTAからの要望であったり、学校現場の状況など、さまざまな要因を踏まえながら指標の設定を進めているところです。
〇佐々木朋和委員 踏まえながらということは、Bまで入れて、こういうふうに変更しますよということをお話し合いをされているということですか。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 今回の目標設定につきましては、先ほど佐藤教育長が答弁いたしましたように、68%以外の保護者は不満足なのかという受けとめをされるのではないかというところをさまざまな観点から検討いたしまして、今回の目標設定にしているところでございます。
〇佐々木朋和委員 それは先ほどもお聞きしましたけれども、こういう部分の丁寧な説明ですよね。Bまで入れますけれども、先ほど言ったような、決して寄り添うということをしないということではなくて、高い目標で維持していくことを目標にしているので御了承いただきたいという話を学校のPTAの皆さんとかとお話をしているのですかとお聞きしたのですけれども。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 それぞれの学校現場において、目標値につきましては、学校評価、保護者へのアンケートをもとにこのような目標設定並びに数値の設定について進めておりますので、関連する内容については全ての学校がPTAへの説明を行っているかどうかは確認はしておりませんが、かかわることについては話をしているかと推察しております。
〇佐々木朋和委員 今の話だと、アンケートそのものの話ですか。それとも、指標の変更について話をしっかりしているのですか。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 指標そのものについて、具体的に学校の中で保護者に説明しているかについては掌握はしておりませんが、関連する目標が学校評価の中にありますので、学校評価の結果については、それぞれ各学校の中で保護者に丁寧な説明をしております。
〇佐々木朋和委員 なかなかストレートな答えが出てきませんが、これ以上は責めませんけれども、ぜひそういう部分について誤解のなきように進めていただきたいと思います。こういう変更がある部分については、ほかの新しい費用などは特出しで説明もあったわけですから、その辺については、しっかりと我々議員にも説明いただきたいと思いますし、我々もしっかりと注視していきたいと思います。
 次に、小・中・高等学校の通常の学級に在籍する発達障がい等の特別な支援を必要とする児童生徒への支援についてお伺いしたいと思います。第2期アクションプランでは、小・中・高等学校に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒が増加傾向にあると記載があります。実数とその傾向、トレンドをお示しいただきたいと思います。
 また、特別支援学校のセンター的機能のさらなる充実を図るということで記載がありますけれども、令和4年度の取り組み実績、助言や援助など、どのようになっているのか、また、今後の取り組みもあわせてお示しいただきたいと思います。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 小・中・高等学校に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒の実数についてですが、本県において、小、中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒数は、令和3年度2、835人、令和4年度3、012人、令和5年度3、247人であり、通級指導教室に通っている児童生徒数は、令和3年度1、383人、令和4年度1、464人、令和5年度1、489人と、それぞれふえているのが現状であります。
 小、中学校の通常の学級に在籍している特別な支援を必要とする児童生徒数につきましては、令和4年に文部科学省が実施した調査の結果、学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合が8.8%と前回調査より増加していることを踏まえますと、県内の通常の学級においても増加傾向であると認識しています。
 高等学校に在籍する特別な支援を必要とする生徒の割合は、増加傾向にあります。令和2年度は1、370人、令和3年度は1、422人、令和4年度は1、329人となっており、在籍率は6%弱となっております。
 続いて、特別支援学校のセンター的機能に係る取り組み実績と今後の取り組みについてです。
 令和4年度の取り組み実績は、教育相談実施件数が延べ1、903件、相談者数は延べ5、841人となっております。
 現在、特別支援学校が持っている特別支援教育に関する専門的な知見や経験を生かしながら、小中学校等へ助言や援助を行っている状況であると認識しております。
 今後は、地域の小中学校等の校内支援体制の充実に向けて、支援のあり方や役割などの整理を行いながら対応し、どの地域においても、支援を必要とする児童生徒の適切な学びが推進されるよう努めていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 大変多い相談件数だと感じます。ふるさと振興部の審査で、ほかの委員からお話もあったのですけれども、私立の星北高等学園などには発達障がいの子たちも多いという話もありました。こういう支援については、私立の学校も入っているのでしょうか。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 今回の件数について、私立学校の件数は入っておりません。
〇佐々木朋和委員 今の御報告には、入っていないということでしたけれども、実際には、私立学校についても特別支援学校のセンター的機能というのは入るものなのでしょうか。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援学校のセンター的機能につきましては、地域の小中学校等の要請があれば対応するということになっておりますので、私立学校から、もしそのような助言や援助の要請があれば対応することになっております。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。重要な答弁だったと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 今、通常の学級にも多くいらっしゃる特別な支援を要する児童生徒ですけれども、特別支援教育サポーターについてお伺いしたいと思います。令和4年度の特別支援学校、また、小・中・高等学校の通常学級における活用の実績と、また、よく私も課題として現場から話をいただきますけれども、通学支援への活用について拡大できないかという思いもありますが、所感をお願いしたいと思います。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援教育サポーターの活用実績ですが、令和4年度に活用した学校は、県内延べ28校で251名のサポーターを活用しております。その内訳は、小学校が延べ7校で14名、中学校が延べ2校で45名、特別支援学校が延べ19校で192名という実績です。
 主な活用状況ですが、小中学校では授業の補助や学習支援、特別支援学校では、運動会や校外学習、特別支援学校技能認定会等の行事の補助や給食準備補助となっております。
 サポーターの通学支援への拡大についてですが、サポーターの業務は、授業や校外学習の補助などが中心となっており、教職員とともに活動に参加している状況にあります。スクールバスの添乗につきましては、サポーターの方の了解のもと、学校の教職員とともに添乗する形態であれば活用は可能であると考えているところです。
 サポーターの活用につきましては、引き続き、その役割の範囲の中でそれぞれの力を発揮してもらいながら、各学校の教育活動の推進に協力していただきたいと考えているところです。
〇佐々木朋和委員 確認なのですけれども、今、延べ人数ということは、同じ人が2日来たら2人とカウントするということでよろしかったですか。
〇最上首席指導主事兼特別支援教育課長 そのような形で数を数えているところです。
〇佐々木朋和委員 このサポーター制度なのですけれども、実績値として今、356人の方が登録されているということでした。延べ人数とすれば、1人頭の活動日数に偏りがあったり、または、登録しているけれども、なかなか実際にはボランティアとして活動できていない方も多いのかと思います。
 そういう中で、県としてはこの4年間で400人台にふやそうとしているわけでありますから、活用について、その方の都合もあるかもしれませんけれども、学校との頼み方であるとか、あるいは、先ほど申し上げた通学支援は先生がいるところでないといけないというと、なかなかいる意味がないというか、先生方の負担というところもありますので、または、スクールバスをふやしていくためには、同乗してくれる方も必要だとお聞きしていますので、この部分の拡大について、もう少し踏み込んで考えていただきたいと思います。
 次に、社会減についての教育委員会としての取り組みについて伺いたいと思います。
 令和4年度の高卒者の県内の就職率は73.6%でした。公立高等学校の卒業者の県内外を含めた就職状況、男女別でお示しいただきたいと思います。
〇多田首席指導主事兼産業・復興教育課長 令和4年度の卒業者の就職状況についてでありますが、公立の全日制高等学校の卒業者のうち、男子32.5%、女子19.8%が就職しております。
 就職地域別では、県内就職は、男子71.2%、女子72.5%、県外就職は、男子28.8%、女子27.5%となっております。
 産業別の就職状況ですが、岩手労働局の調査によりますと、多い順に、男子は、製造業、建設業、卸・小売業となっており、女子は、製造業、卸・小売業、医療・福祉、宿泊業、飲食サービス業となっております。
 職業別では、同じく、岩手労働局の調査によりますとは、男子は、多い順に、技能工等、管理・専門・技術、サービス、女子は、技能工等、サービス、事務となっております。
 生徒の進路決定においては、インターンシップや企業見学会等を通して適性や希望を踏まえた上で、生徒、保護者と進路指導担当教諭等が連携し行っているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 私は、中学校費の中で併設型の中高一貫教育について伺いたいと思います。
 併設型一関第一高等学校の人材、進路の状況、附属中学校の入試の傾向について、簡単で結構でございますので、状況をお伺いします。
〇中村首席指導主事兼高校教育課長 一関第一高等学校の進路状況についてでございますが、一関第一高等学校附属中学校は、医師不足などの県政課題への対応や社会の進歩と発展に貢献する次世代のリーダーを育成することなどを基本理念として設置し、中高一貫教育のもと、生徒が深く学び、将来の進路を達成できるよう特色ある教育活動を展開しているところでございまして、一関第一高等学校の令和4年度の卒業生198名のうち190名が大学、短期大学に進学し、そのうち96名が国公立大学へ進学ということになっております。
 また、医学部医学科へは7名が進学するなど、次世代リーダーや県政人材の育成が図られていると考えております。
〇武藤首席指導主事兼義務教育課長 附属中学校の入試の状況でございますが、令和元年度入試までは定員80名、令和2年度入試からは、男女枠を設けず定員70名で募集しております。
 過去5年間の志願倍率は、令和元年度が2.00倍、令和2年度は1.70倍、令和3年度は1.61倍、令和4年度は1.91倍、令和5年度は1.5倍となっておりまして、例年、1.5倍から2倍程度で推移しております。
〇菅野ひろのり委員 医学部輩出、そして、倍率も中学校でいうと1.5倍から2倍ということで、人気であったり、輩出という点では恐らく成果を上げているのだろうと思っています。
 今回、私がこれを取り上げさせていただきましたのが、高校再編にもかかわるのですが、今、令和7年度までの計画ということで進めていますが、私の課題意識として、人口減少が進んでいって子供が少なくなっていくと、中学校なども統廃合して減っていく中で、保護者の方々は早い段階からの教育を求めていくと私は考えています。そうなったときに、中学校の選択肢というものもふやしていく必要があるのではないかと考えています。
 岩手県の高校再編の計画ですと、今は高校のみにとどまっておりますが、令和8年度以降、人口減少や地域の状況を見据えながら、中学校併設型も含めて検討にしっかりと入れていくべきではないかという観点から質問をさせていただいています。
 それで、併設型が県内で立ち上がった理由というのはどういうことだったのか、また、当初の目的に対してその効果というのはあったのかどうか、その辺をどのように捉えられているか伺いたいと思います。
〇安齊特命参事兼高校改革課長 併設型中高一貫校を設置した経緯も含めて御説明申し上げます。
 検討を始めた当時、軽米地区において平成13年度、葛巻地区において平成14年度から、連携型の中高一貫教育が実施されておりまして、中学校、高等学校の教員による授業交流、また、生徒の特別活動や部活動による交流が行われ、地域住民等から大きな関心や期待が寄せられていたところでございました。
 一方で、連携型の中高一貫校は、設置者が異なるということで非常に緩やかな形態でございます。本県における中等教育の一層の充実に向けた方策の検討が必要という観点から、岩手県新しいタイプの学校に関する検討委員会というものを設置しまして、外部有識者から御意見を伺いました。
 その結果、平成18年に報告書が取りまとめられ、より中高一貫教育の特色を生かした形態である併設型の中高一貫教育校の設置が必要であるとの提言を受けまして、県教育委員会において、平成19年に併設型の中高一貫教育校の設置方針を決定、そして、平成21年に一関第一高等学校附属中学校を設置したものでございます。
 その理由でございますが、社会の変化や児童生徒の多様化の現状から、一人一人に応じた多様で柔軟な学校制度の構築が望まれる中、連携型中高一貫教育の成果を踏まえつつ、併設型中高一貫教育を導入することにより、多様なニーズを持つ児童生徒や保護者に対して、中等教育の選択の機会を一層拡大するためということでございます。
〇中村首席指導主事兼高校教育課長 私から、効果についてお答えさせていただきます。
 生徒が高校入試の影響を受けない余裕のある安定的な学校生活の中で、6年間を見通した探究的な学習活動、計画的な進路指導等により、生徒の進路目標が達成できるように取り組んでいるところでございます。
 また、中高合同による学校行事や、文部科学省指定のスーパーサイエンスハイスクールによる探究活動など、広がりのある人間関係の中で、社会性や豊かな人間性、学び続ける力などが育まれ、附属中学校設置の理念である次世代リーダーの育成につながっていると捉えております。
〇菅野ひろのり委員 冒頭、医学部進学等の関係を言っていただきましたけれども、私は、中高一貫の大事なところは、先ほど御答弁だきましたが、ゆとりある6年間の中で、いろいろな体験を積み重ねることで人間としてのあり方、生き方を学んで、個性、創造性を十分に伸ばしていくということが重要なのだと思っています。
 他県の事例を見ると、東北地方で併設型を設置しているのは、青森県や福島県等は1校ですけれども、宮城県が二つ、そして、秋田県は4校設立している。少し古いデータで恐縮ですが、中高一貫教育校は平成25年は全国で450校あったのが、平成28年は595校とプラス145校ということでありました。
 さらに、先進的な事例で言えば、茨城県は知事の考えで、県立高校が特色を出せていないということで2019年に県立高等学校改革プランを策定して、3年間で中高一貫校を10校設置する計画を打ち出し、ゆとりのある中で人間性を育み、新たなものに挑戦する人材の育成を目指したということもあります。
 他県がどうこうというだけではなくて、これから高等学校からの教育だけでは十分行き届かないことがあるのではないかと考えています。情報化社会の中で、早い段階で子供たちも選択肢がわかる段階になっていて、中学生になると、今、人口減少で、例えば、私の地元の奥州市江刺なども中学校が三つ、四つあった中で、今は一つで600人規模の、県下でも3番目ぐらいでしたでしょうか、大規模校になってくる。そうなったときに大規模のメリットはありますけれども、地域での切磋琢磨であるとか、選択が非常に難しくなってくるときに、保護者の声としては、あの学校も選びたかったであるとか、部活動の関係もそうですし、そういう選択肢が求められてくるのだろうと思っています。
 少し長くなって恐縮ですが、その中で、そういったものが進んでいくと、近隣の中学校の影響があると思います。この検討委員会の中でも、既存の中学校、高等学校に大きな刺激を与えるものとありましたが、実際、併設型ができてどういう影響があったのか、伺いたいと思います。
〇武藤首席指導主事兼義務教育課長 近隣校への影響でございますけれども、附属中学校は、開校からこれまで中高が連携した課題研究のカリキュラム編成などの特色ある教育活動の実践と、その成果を広く展開、発信するため、平成27年、平成30年、令和4年の3回、学校公開実践発表会を開催しております。近隣も含めまして、県内各地から参加した先生方からは、中高連携の具体的で効果的な取り組みを学ぶ機会になるとともに、生徒たちが意欲的に生き生きと学ぶ授業の質の高さにも刺激を受けたという御感想をいただいており、本県の中等教育全体の活性化に寄与してきたと考えております。
 今後も、附属中学校には中高連携の先導的な役割を果たすとともに、先進的な授業改善の範を示していただきたいと期待しております。
 また、今年度の附属中学校在籍生徒210人のうち、一関市内小学校出身者は141人で約7割を占めており、その一定数の生徒が附属中学校に入学することにより、近隣の公立中学校の学級編制及び教員定数に影響があるものと考えています。
〇菅野ひろのり委員 影響があるということを答弁いただきましたが、今、県立高校再編計画の中にも一文入っているのですね。中高一貫教育の方向性ということで、併設型については一関第一高等学校への導入の成果と課題を引き続き検証しながら、今後の方向性について検討しますと記載されているわけですが、令和元年の岩渕誠委員の決算特別委員会での質疑と、令和4年9月定例会の名須川晋議員の一般質問でも、中高一貫を検証すべきだという意見がありましたが、県教育委員会としてはどのように考えていますでしょうか。
〇安齊特命参事兼高校改革課長 併設型中高一貫校の検証の件でございますけれども、県教育委員会では、今後も中学校卒業者数の減少が見込まれる中、本県高校教育における長期ビジョンの策定に向けまして、現在、外部有識者を構成員とする、県立高等学校教育の在り方検討会議というものを設置しまして、御意見を伺っているところでございます。
 中高一貫教育のあり方については、当該検討会議の重要な論点の一つとして掲げておりまして、中高一貫教育の成果や課題等を示しながら、その中で、今後のあり方についても議論することとしております。
 また、新たな導入については、成果や課題のほか、先ほどありました児童生徒数の推移や中高一貫教育校を導入した際の地域の義務教育への影響等を十分に見極めるとともに、今後の高校再編のあり方も含め、方向性を検討していく必要があると認識しているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 佐藤教育長にお伺いしますが、前佐藤博教育長の答弁ですと、現在の計画が令和3年から令和7年になっています。その先を見据えた検討に着手する必要があります。次期計画の策定に向けた検討の中で、附属中学校のこれまでの取り組みの成果を確認していきたいと考えていますとのことでした。
 しかしながら、先ほどの計画の中では、非常に簡単に書かれていて、そこまで踏み込んでやる、あるいは、本格的に検討するというような内容には私は余り感じていません。
 先ほど例に出した茨城県などは、知事が特色を出せていないと県下の公立高等学校に対して発して動いているわけですが、佐藤教育長は、中高一貫校、県下での必要性、あるいは必要ないのかも含めて、どのように捉えているか伺いたいと思います。
〇佐藤教育長 一関第一高等学校附属中学校が設置されて、さまざまな成果、課題が見えてきたというのは担当の課長から申し上げたとおりでございまして、現計画においても、その成果、課題等を踏まえて検証していくということでございますが、まずは、新たな県立高等学校再編計画後期計画は令和7年度までということですが、令和8年度以降の計画づくりをするために、今、安齊特命参事兼高校改革課長から話がありましたとおり、その前提となるビジョンづくりに着手したということでございます。その中で、このビジョンづくりには県内外の有識者が入っておりますので、そこに一関第一高等学校附属中学校の成果、課題等を、データを含めて御提示しながら意見交換をしていただく。そういう中で、次期計画にも反映させるということでございますので、そういう取り組みを進めていきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 冒頭に言ったように、人口減少で、これは中高ではないですけれども、小中一貫というのもふえてきているというか出始めていて、例えば、九戸村も全5校の小学校が1校になった。普代村では新たな取り組みとして、義務教育学校ということで、小中六・三制ではなく四・三・二制となるというような報道もあった中で、小学生の人口、急速に子供の数が減って、小学校が統廃合されて、さらには中学校も影響がある。高校再編は盛岡市に集中するからというような大きな理屈の中でされていましたが、そうなってくると、我々、保護者の方も含めて、早いうちに選択肢がある程度限られてきている教育が目の前にあるだろう。
 一方で、子供1人当たりに対する教育費は、バブル以降3万円ぐらいだったのが三十数万円という、データはいろいろあるのですけれども、将来に対する子供たちへの不安があるから、保護者の皆さんはできるだけ教育への投資をするわけです。そうなってくると、早いうちからさらにゆとりのある教育、あるいは、選択肢を設けていきたいという考えがありますから、先ほどの新たな県立高等学校再編計画後期計画の中で、これから検討していくということでしたが、前回スタートするときは、平成19年の前に平成18年3月、新しいタイプの学校に関する検討委員会というのを事前に開かれた中で進めていると聞いておりますので、さらに踏み込んで、具体的な他県の事例も参考にしながら検討いただきたいと思います。
 もう一度所感をいただいて、終わりたいと思います。
〇佐藤教育長 早い段階からの選択肢を用意すべきだというお話もございましたし、そういうニーズも確かにあるのだろうと考えております。先ほど申し上げたとおり、一関第一高等学校附属中学校は相当の成果が上がっているということも事実でございますし、一方で、生徒減少下において、周りの小中学校に対する影響というものも確かにあるという中で、今回、初めての設置ではございませんので、高等学校の再編のあり方のビジョンづくりの段階から検討するということにして、単独の検討委員会を設置するということでは動いておりませんが、いずれ県内外の教育及び教育以外の関係者も相当数入れた場で、しっかり審議していただき、意見をいただくということで進めてまいりたいと思っています。
〇高橋穏至委員 私からは、令和4年度の主要施策の成果に関する説明書並びにいわて県民計画(2019〜2028)実施状況報告書の中の教育にかかわる部分について質問いたします。
 目標を達成できなかった項目を挙げて、その原因についてお伺いするということで通告しているのですが、最初に、意欲を持って自ら学ぼうとする児童の割合の達成度は小学生でDで、特記事項として、意欲を持って自ら学ぼうとする児童生徒の割合、小学生が、児童自ら学級やグループで課題を設定し、その解決に向けて話し合い、まとめ、表現するなどの学習活動について、教員研修を授業改善に関連づける取り組みが効果的に進みませんでしたという特記、そして、授業で自分の考えを深めたり広げたりしている児童生徒の割合も小学生でDで、特記事項は、授業で自分の考えを深めたり広げたりしている児童の割合は、みずからの考えがうまく伝わるよう資料や文章、話の組み立てなどを工夫し、発言や発表する取り組みを授業改善に関連づける取り組みが十分に進まなかった。この授業改善、あるいは教員研修、これらにどう取り組んで、どのように改善していくのか伺います。
〇度會学校教育企画監 小学校段階において、今、御指摘いただきました、意欲を持って自ら進んで学ぼうとする児童の割合と、授業で自分の考えを深めたり広げたりしている児童の割合は、全国平均を上回る形で推移しておりますけれども、目標値を下回る結果となっております。
 児童がこのような姿勢や学び方を身につけることができるような活動に関する教員研修や取り組みを行ってきましたが、授業改善に関連づける取り組みが十分に進まなかったことが考えられます。
 教員研修につきまして、取り組んでいるにもかかわらず授業改善が進まないのは、例えばですけれども、現状として研修で学んだ後に、実際にふだんの授業に生かし切れていないということがございます。そういう声も寄せられております。そういう要因が考えられますので、今後、研修を受けただけではなくて、研修後のフォローアップする体制を構築する必要があると考えておりまして、取り組んでまいりたいと考えております。
 また、授業改善につきましては、各学校において、当然ながらさまざまな調査などの結果から明らかになった児童生徒の課題などについて、原因や要因を探るとともに、その課題解決に向けて、学校全体で組織的、計画的に取り組むことが重要でございますので、そのような取り組みの徹底と、主体的、対話的で深い学びの実現を目指した授業研究の活性化を通じまして、教師の指導の改善、充実と、児童生徒の学習状況の改善に市町村教育委員会などと連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 この項目に関しては、いわゆる自己表現能力、コミュニケーション能力にかかわることで、この能力が高くならないと対人関係もうまくつくれないとか、自分の思いを発表できないと相手を傷つけてしまうとか、さまざまな要因になる非常に大切な能力だと思うのです。
 教員研修をやっているのもわかっていますし、例えば、モデル校を設定して、そこで実際に現場で授業を研究してそれを発表するという取り組みをやっているのも、私も教育委員をやりましたのでわかっていますけれども、果たして先進的な能力開発のプログラムがしっかりとできているのか、それが実践の場に落とし込みできているのかという効果をしっかりと、モデル校の研究授業の発表を見てすばらしいと思っても、それが本当に広がっているのか。モデルでやったところで終わってしまっていないかということを20年くらい前の教育委員のときに思っていましたが、やはり全体で取り組む仕組みが必要ではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
〇度會学校教育企画監 研修や学校発表会の成果などに関して、よく言われるのが、参加している先生方にとどまっている。要は、持ち帰っての横展開だとか周辺の学校に対する波及効果が本当に図られているのか。高橋穏至委員の御指摘のとおりで、やって満足、やってやりっ放しになっている傾向は、少しはあると思っていて、それで、先ほど御答弁申し上げましたとおりなのですけれども、研修をやっただけではなくて、その後に生かされているのかというところの確認が県教育委員会としてもできているのかというと、そこが担当といたしましても不十分だと感じているところでございます。来年度以降、そういうフォローする体制を考えていきたいと思っているところでございます。
〇高橋穏至委員 各エリアには教育事務所があって、指導する先生がいらっしゃるわけで、特に大事な、生徒のスキルを上げるような取り組みに関しては、ほかの学校でもできているかどうかしっかりとフォローしながら、また、広げるということをしていって、全県的にレベルを上げていくという取り組みをしていただきたいと思います。
 そして、次の項目で、自己肯定感を持つ児童生徒の割合がDですし、将来の夢や目標を持っている児童生徒の割合も、小学生、中学生ともD。この要因、特記事項として、どちらも新型コロナウイルス感染症の影響でとまとめられていて、実は、この新型コロナウイルス感染症の影響でというのは、ほかの項目にも全部入っているのです。これでまとめてしまっては、何も発展がないのではないかと非常に危機感を覚えるのですが、いかがでしょうか。
〇武藤首席指導主事兼義務教育課長 自己肯定感を持つ児童生徒の割合についてでありますが、この割合の低下につきましては、全国学力・学習状況調査におきましても全国的な傾向としてあらわれておりまして、新型コロナウイルス感染症の影響が特徴的な要因の一つと捉えているところです。
 自己肯定感は人とのかかわりの中で育まれるものであり、協働的な体験活動を通して子供たち自身の活動への達成感のみならず、互いのよさを認め合うことや、自分も周囲のためになっているという有用感を味わっていくことが大切であることから、児童生徒が多様性を認め合える環境づくりなど、今後、体験活動の質の向上も課題であると認識しております。
 県教育委員会といたしましては、多様な価値観の違いを超えて他者の人権を尊重し、互いに思いやる豊かな心の育成に資するよう、学校現場において丁寧に指導を行うとともに、道徳性の涵養や人権意識の醸成に係る教員研修を充実させ、道徳教育や人権教育を一層推進してまいりたいと考えております。
〇多田首席指導主事兼産業・復興教育課長 将来の夢を持っている児童生徒の割合についてでございますが、令和4年度の調査結果では指標の目標値には届きませんでしたが、全国平均と比較して、小学校で2.8ポイント、中学校で5.9ポイント高い結果となっております。
 児童生徒が将来の夢や目標を持ち、みずからのあり方、生き方を考える意欲や知識を身につける上で体験学習が重要であると考えており、各学校では、自然体験活動や身近な職場の見学、職場体験活動などの体験学習から身近な社会や仕事とのかかわりについて、みずから気づき、現実の社会について考えることで夢や目標を実感する取り組みをしておりますが、その計画が中止や縮小となったことが大きいと捉えております。
 また、学習活動を児童生徒が主体的に自己のあり方、生き方を考えることへとつなげる取り組みが弱かったことも一因ではないかと考えております。
 県教育委員会といたしましては、今後ともキャリア教育を推進し、各学校で計画する総合的な学習の時間や職場体験活動、インターンシップ等、さまざまな機会を生かし、学校の教育活動全体を通じて、児童生徒が夢や目標を持って生きる意欲や態度の形成を推進してまいります。
〇高橋穏至委員 自己肯定感ですが、今、道徳教育や特別活動の中で指導していくという話があったわけですけれども、前の項目で、自分の考えをまとめて表出させるなどのコミュニケーションスキルにかかわるような授業の中でも、課題解決型の授業プログラム、ワークショップ型プログラムといいますか、そういったものを授業の中にも入れていくことで、当然、課題を解決していくためには人の話も聞かなければならないし、自分の考えをそこの中でつくる。
 この授業ではこれをつくる、この授業でこれをつくるという縦割りの授業の考え方ではなくて、総合的な授業展開はこれから考えていかなければならないのではないか。それが実は今度のディープラーニングとかさまざまな要素に絡んでくるのだと思うのです。そこら辺をぜひ研究してほしいと20年間ずっと思ってきたのですが、この事業はこれ、そして、キャリア教育はキャリア教育という形で、なかなかその成果が進んでいかない、相乗効果が生まれていないなと思っていましたので、そこはぜひ研究していただきたい。
 そして、キャリア教育、将来の夢や目標を持っている児童生徒の割合については、私は一般質問でも取り上げたのですけれども、ほかの指標の、自分の住む地域が好きだと思っている児童生徒の割合ということで、中学生だと54%、高校生だと43%ということで、半分は自分の地域のことよりもほかに行ってしまう。そうすると、これが移住、定住に影響しているのではないかと思うのです。
 小さいころからキャリア教育、職業教育だけではなくて、自分の住む地域の伝統、歴史、文化、スポーツなどを含め、全体的な取り組みをしていくことが大事ではないかということで、一般質問で質問した際は、やっていますという答弁だったのですけれども、ここのところも、できない理由に新型コロナウイルス感染症と書いてあるのですが、成果としてはC評価、D評価ですので、一般質問では取り組んでいますという回答をいただいたのですが、そういう取り組みの足りない部分に関しての見解をまたいただきたいと思います。
〇多田首席指導主事兼産業・復興教育課長 自分の住む地域が好きだと思っている児童生徒の割合についての部分でございますけれども、実は、中学生は令和3年度より1ポイント上昇しているのですが、小学生、高校生では低下して、達成度は、小学生でC、中学生、高校生でDとなりました。
 キャリア教育の部分だけではなくて、ここの部分につきましては、復興教育という部分も県内全ての公立高校で取り組んでいるところでございます。しかし、復興教育も新型コロナウイルスの影響等によりまして、体験する活動といったものが制約を受ける形になっておりますので、いわての復興教育の具体の21項目にあります地域とのつながりであったりとか、自分と地域社会についてという部分で、体験的な取り組みによる地域のよさを認識する機会が少なかったのではないかと考えているところでございます。
〇高橋穏至委員 私は一般質問のときにもお話ししたのですが、ここをしっかりと上げていくことが将来の岩手県の人材を育てるということになると思いますので、そのためには教育委員会だけではなく、地域のNPОや各種芸能、あるいはスポーツ団体、さまざまな地域組織と連携しながらこれをやっていく。そして、地域の方とかかわりを持つことによって、地域の人とのコミュニケーションや、あるいは、自分の考えを言う力とか、さまざまなことの向上につながっていくことだと思いますので、ぜひともこれは総合的に進めていただきたいのですけれども、総合的に佐藤教育長からお話をいただいて、終わります。
〇佐藤教育長 コミュニケーション能力、自己肯定感、それから、夢ということで、なかなか成果が思うように上がっていないと。一般質問で御答弁申し上げましたとおり、学校現場でさまざまな取り組みをしていますし、市町村教育委員会及び県教育委員会としてそれを支えるような努力をしておりますが、今、委員から御指摘がありましたとおり、教科ごとの縦割りになっているのではないかとかというお話もありました。まさに総合的な学習時間があるわけですので、そういうところでしっかりと横串を刺すといいますか、そういう教育も行い、地域の応援をさまざまいただいているわけですから、地域をよく知る、これは小学校だと社会科教育などもございますが、そういうことで、意欲を持って前に進めるような子供たちを育てるための教育に、さらに工夫を重ねながら取り組んでまいりたいと思います。
〇高橋穏至委員 横串という話がありました。総合的な学習の時間という話もありました。この時間だからということではなくて、例えば、国語の時間でも使えるものがあるのではないかといった取り組みをしている先進事例もありますので、ぜひそこは教育研究所なり研究機関などでしっかりと研究して、岩手県ならではの効果的な指導法をつくってほしいと思います。
〇千葉秀幸委員 私からは、10款教育費1項教育総務費4目教育指導費にある児童生徒健全育成推進費について伺ってまいりたいと思います。
 まずは、なぜかというと、全国的な問題でもございますし、改めて新聞報道でもありますが、いじめ、不登校問題は令和4年度が最多、本県も最多の数字だということでございます。その中で、先ほどの児童生徒健全育成推進費の中に、いじめ対策、スクールソーシャルワーカー等々、個別の政策が入っていると思いますが、まずは、この政策が幾つあるのかについて伺いたいと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 こちらの児童生徒健全育成推進実施事業でございますけれども、スクールカウンセラー等の配置、あるいは、心と体の健康観察の事業、さらには、スクールソーシャルワーカー等の配置などが含まれている事業でございます。
〇千葉秀幸委員 年々、いじめ、不登校生徒も増加しているので、より支援策を強めていかなければいけないという課題意識を持っております。
 いじめ認知件数、全体で8、256件、そして、不登校児童生徒も2、588件という高い数字になっているわけでございますが、改めて、この増加の要因と評価について伺いたいと思っております。
 あわせて、いじめ認知件数でございますが、例えば、ちょっかいを出された、あるいは、蹴られたと幅広いと思うのです。いじめの定義というのはどこまで吸い上げられてこの数字になっているかについても、あわせて伺いたいと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 いじめ、不登校がふえているというところは、そのとおりでございます。
 まず、いじめの認知件数の増加の要因と評価についてでございますけれども、令和4年度、本県のいじめの認知件数は、小中高、特別支援学校、全ての校種を合わせ8、256件であり、前年度より217件増加しております。児童生徒1、000人当たりの認知件数も70.9件と前年度より3.5ポイント増加している状況でございます。
 このいじめ認知件数の増加の要因といたしましては、文部科学省では、いじめ防止対策推進法におけるいじめの定義や、いじめの積極的な認知に対する理解が広まったことや、アンケートや教育相談の充実などによる生徒に対する見取りの精緻化などにより認知件数が増加したと考えられるとしておりまして、本県も同様であると認識しております。
 そして、いじめの定義でございますけれども、いじめ防止対策推進法では、いじめとは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的または物理的な影響を与える行為であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものと定義しております。
〇千葉秀幸委員 小さなところから徐々に大きくなっていじめに発展するということが大いに考えられるわけです。そんな中、いじめ認知件数を県教育委員会のみが把握していることが大事なことではなくて、改めて、学校現場で、例えば、一つの学校で10人の件数があるのであれば、現場は教師も含めて、10人の生徒をしっかりと把握していることが大事なのだと思います。そうでないと、ケアの仕方、あるいは、寄り添い方が変わってくると思いますから、県教育委員会のみならず、この数字、この人数をしっかりと現場で共有できているのかということについても、改めて確認したいと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 このいじめ認知件数の増加などについての共有でございますが、各種会議、あるいは研修会等でも情報共有を図っているところでございます。また、各学校におきましては、いじめにかかわる校内研修の充実ということで、複数回設定するようにお願いしておりまして、いじめの認知、適切な対処等について、我々教育関係者が共有しているところでございますし、学校においては、校内にとどまらず、保護者、あるいは地域にもさまざまな取り組みを広げているところでございます。
〇千葉秀幸委員 私の聞き方が悪かったのかもしれないですけれども、認知件数を把握しているというか、学校ごとに教師もしっかりとその件数の人数分、生徒のことも含めて把握までされているのかという質問でございました。改めて伺います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 学校ごとに把握しております。校長のリーダーシップのもと、学校いじめ対策組織が取り組みの中核になっておりまして、さまざま、いじめの認知段階から対処のところまで、経過をたどりながら対応しているというところが実際でございます。
〇千葉秀幸委員 取りこぼしのないように、しっかりと把握していただきたいと思っております。
 事業の中身に入ってまいりますが、いじめ、生徒に対応するのにさまざまな事業等があるのですが、一番はスクールカウンセラーの配置なのかと思っております。いじめ、不登校生徒が年々ふえていくのに従って、スクールカウンセラーの配置、人数も年々ふえてきていると見ていたのですが、令和5年度は令和4年度に比べて人数が、大幅という解釈が合っているかわかりませんが、22名減ったというところでございます。これには令和5年度から、月給制等と支援内容が変わったがゆえというお話も伺いましたが、改めて制度についてお示し願います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 スクールカウンセラーの令和4年度、5年度の配置状況の変化についてでございますけれども、令和4年度は、沿岸部の教育事務所管内の学校を巡回しつつ、多様な要請に応える本県独自の巡回型カウンセラー7名と、各学校に配置される配置型カウンセラー73名の計80人を小中高、特別支援学校に配置したところでございます。
 また、本年度からは、沿岸部に配置していた巡回型カウンセラーの仕組みを全県展開し、全ての教育事務所などにエリア型カウンセラーとして14名と、各学校に配置される配置型カウンセラー51名の計65名を小中高、特別支援学校に配置したところでございます。
 これにつきましては、各教育事務所における組織的な対応を強化するとともに、一人一人の子供たちの状況をきめ細かく把握し、支援する体制を整えるためのものでございます。
〇千葉秀幸委員 わかりました。私がいただいた資料によると、定期的訪問、配置率100%とうたっております。もちろん100%にこしたことはないのですが、本当に大事なことは、求める児童に必要とされる時間、しっかりと寄り添えていることが大事なのではないかと思っているわけでございます。エリア型カウンセラーをふやしたということで、人数が減ったとはいえ、よりきめ細やかに対応できているという答弁なのだと思います。
 月給制エリア型カウンセラーがふえたというわけでございますから、相談件数や時間を把握してもらって、この事業がより成果として出てきているのだというデータがあると、今後、私たちの判断材料になっていくわけでございますが、現在、相談件数や1人当たりの生徒にどの程度寄り添えているかというデータまではお取りなのかについて伺いたいと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 まず、スクールカウンセラーの相談件数についてでありますけれども、令和3年度のスクールカウンセラーの相談件数は3万4、283件、令和4年度は3万5、596件と前年度比1、313件の増となっております。
 令和4年度の主な相談内容といたしましては、心身の健康、保健が7、701件、友人関係が4、233件、不登校が4、133件となっております。
 令和5年度の相談件数については手元に資料がなく、お伝えすることができませんけれども、面談内容につきましてでございますが、訪問日当日の面談内容や面談を希望する児童生徒数によって、児童生徒1人当たりの面談時間も異なってまいりますけれども、1人当たり、おおむね授業1単位、1単位といいますのは45分、50分、これがおおよその面談時間となっております。
〇千葉秀幸委員 わかりました。いずれ、いじめは年々増加傾向でございますので、この事業をきっかけに歯どめがかけられるよう、私も期待しているところでございます。
 最後に、私の課題意識としてでございますが、このスクールカウンセラーの緊急スクールカウンセラー等活用事業というのは、東日本大震災津波後から実施されてきた国庫補助10分の10の事業でございます。これが令和7年度でこの事業がなくなるという方向性だと伺っております。いじめ、不登校生徒がふえてきているのですが、こういう制度が手薄くなるのであればいかがなものかと思っております。国の動向も注視しながら、令和7年度以降も手厚くしっかりと寄り添った支援をしていくことがより求められると思いますが、これは佐藤教育長に伺いたいと思います。
〇佐藤教育長 いじめも不登校もですが、非常に増加傾向にありますし、重要な問題でございまして、学校現場では校長のリーダーシップのもと、担当教員はもちろんですけれども、それ以外の教員もチームとして、そして、そこにはスクールカウンセラーやソーシャルワーカーなど、いわゆる専門家に入っていただいて解決を図っております。
 カウンセラー等の費用については、復興ということで10分の10いただいてきた経緯もございますが、今後それがいつまでも続くということではないということは国からも話はいただいております。持ち出しも出てまいるとは思いますが、補助制度はありますので、そういったものを十分に活用しながら、学校現場を支えてまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 よろしくお願いします。
〇はぎの幸弘委員 私からは、歳入歳出決算事項別明細書の343ページにあります市町村学校教育ICT活用促進事業費、1、741万円余ですか、まず、この成果を確認します。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 令和4年度市町村学校教育ICT活用推進事業費の決算額の主な内容でございます。
 主なものとして、まず第1点としては、令和4年6月に設置いたしました岩手県GIGAスクール運営支援センターの設置運営を行っております委託料、およそ1、330万円余でございます。次に、学校におけるICT活用に関し指導、助言を行うICT支援員の任用を行いまして、報酬が大体250万円余、あとは、県教育委員会と県内の全ての市町村で構成する、岩手県学校教育ICT推進協議会でございますが、その開催に関する経費8万円余となっております。
〇はぎの幸弘委員 今、答弁を伺っていますと、名前にも冒頭に市町村と銘打っておりますから、県立学校に頼らない事業と理解してよろしいですか。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 今、委員御指摘のとおり、県立学校のみならず、市町村立学校なども支援対象としております。例えば、岩手県GIGAスクール運営支援センターにおいては、令和4年度は県立学校と矢巾町立の学校を支援対象としておりますし、岩手県学校教育ICT推進協議会におきましても、県立学校のみならず、市町村立学校におけるICT利活用の推進について、県全体として取り組むような内容を推進してきておりますので、県立学校に限らない事業となっております。
〇はぎの幸弘委員 私、先日の一般質問で、ICTの遠隔授業を取り上げて御答弁いただいたときには、県内の一部の小規模な県立高校で合同授業を実施している。あるいは、小学校でも一部行っているという御答弁をいただいていますが、その答弁の中の財源というのもここから出ているということなのでしょうか。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 今、はぎの幸弘委員からお尋ねのありましたこの事業の経費で見ておりますのは、一般質問で佐藤教育長から御答弁させていただいた、県立学校の遠隔教育に係るものは別事業で対応しておりますので、含まれておりません。
 また、その際、御紹介いたしました市町村立の学校で個別に実施している遠隔合同授業につきましても、学校設置者であります市町村教育委員会の予算で行われていると承知しておりまして、この事業には含まれていないところでございます。
〇はぎの幸弘委員 わかりました。一般質問で答弁のあった遠隔授業は、どの予算で実施されているのか確認します。
〇中村首席指導主事兼高校教育課長 県立高等学校における遠隔授業の実施に当たっては、国のコアハイスクールという研究事業がございまして、そこでの国庫の予算を使って配信環境の整備や、配信に係る支援員の経費を支出しているところでございます。
〇はぎの幸弘委員 わかりました。国の事業ということだと、ここには出てこないということだと思います。
 同じく、県内の各小学校でもという御答弁も、恐らくそれは各市町村の予算の中から出ているのでしょうから、ここには出てこないと思うのですけれども、県立高校については、国の事業を活用してやっているということで、県として全く予算も使っていない、かかわっていないということとは私は思いたくないのですけれども、県と各市町村とのかかわりはどのような状況になっているのでしょうか。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 まず1点、補足説明をさせていただきます。先ほど県立学校で行っている遠隔事業は国庫を活用してというものでございますが、県予算に計上しておりまして、先ほどはぎの幸弘委員が御指摘の事項別明細書の343ページ、遠隔教育ネットワーク構築事業費として決算額をお示ししている事業となります。県立学校の分については、こちらの事業ということでございまして、市町村におきましては、ICT活用の取り組みなど県全体として進めるものは、先ほど御質問いただいた事業に盛り込んでおりまして、例えば、令和5年度におきましては、授業とは違うのですが、全県共通の公務支援システム、先生方の公務に係る部分のシステムを共同で調達する経費を盛り込んでいるところでございます。
 また、授業に関しましては、教員のICT活用指導力の向上に向けて、この事業ではないのですが、県立総合教育センターなどでの研修でありますとか、また、岩手県学校教育ICT推進協議会での事例共有、それから、課題解決方法の意見交換などという形で市町村、各学校の先生方の取り組みを支援しているところでございます。
〇はぎの幸弘委員 わかりました。この事業費ではなくて遠隔教育ネットワーク構築事業費のほうでやっていると。こちらは142万円余ということで、私とすれば、一般質問でも主張しましたけれども、岩手県は特に広く、その中に中山間地もある。全てが平地であればまだ交流ができていいのですけれども、実際は峠を越えなければ、私の住む遠野市などは四方八方、峠を越えないと隣の町に行けないということで、ある意味、言葉を選ばなければならないですけれども、子供たちが切磋琢磨できる環境があまりないということなのです。ですから、岩手県の子供たちの学力の47都道府県のランキングも示すように、実績としてなかなか上がってきていないという要因の一つでもあるのではないかと私は思っています。
 そういう意味でも、今、国でもGIGAスクール構想ということで、ハードの整備のほうは結構進んできていると思いますから、もう少しここのあたり、これを言うと予算になってしまいますけれども、百四十何万円は少ないような気がするのですけれども、その辺はどう捉えていますか。
〇中村首席指導主事兼高校教育課長 現在支出している内容につきまして、国の事業の予算で支出できるもの等について制約等がございまして、初年度については、機器の整備ができるわけですけれども、その後につきましては、遠隔授業に係る担当教員が実際に配信先に行く費用、配信先で授業をする必要もございますので、それに係る旅費や、遠隔授業推進に係る外部委員の会議への参加の旅費や、先ほど申し上げましたが、遠隔授業の推進に係って支援員を1名雇用しておりますけれども、この雇用に係る経費ということで、限定されたようなところもございますので、こういう金額になっているところでございます。
〇はぎの幸弘委員 わかりました。そこを細かく追及していますと、だんだん泥沼だと思いますから、この辺でとどめます。
 今、出ました一つのポイントというのは、先生のスキルアップというのも非常に重要だと思っております。令和4年度主要施策の成果に関する説明書の73ページに、ICT機器を活用して効果的な教材研究や授業をすることができる高校教員の割合というような指標名があります。
 こちらについてですけれども、まず、それを見て、率直な感想として、令和4年度の実績値がまだ出ていないようで、それは国の調査結果が公表されていないためだという補足説明があります。国の調査結果というのは、恐らく市町村、県、国と上がっていくと思うのですけれども、そういう意味では、国の正式な調査結果が出ていなくても、県としては事前に捉えられるのではないかと思いますが、その辺はどうなのでしょうか。
〇中村首席指導主事兼高校教育課長 県の指標についてでございますが、この指標は、はぎの幸弘委員が御指摘のとおり、文部科学省が当該年度の3月に実施する、学校における教育の情報化の実態等に関する調査によるものでございまして、例年9月に速報値、そして、10月に確定値が公表されるものでございます。
 国の調査方法でございますが、例年4月に県内の高等学校から県教育委員会に調査報告があり、そのデータを国に報告して、その後、国が公表するまでに国の指示による確認と修正の作業を経て公表となります。
 県教育委員会では、4月の段階で、はぎの幸弘委員が御指摘のとおり、各校の状況を一旦把握いたしますけれども、その後の修正もありますので、10月の公表の確定値をもとに当該の指標の実績値として公表しているものでございます。このため、県で10月に公表する主要施策の成果に関する説明書では、横棒で示されているものでございます。
 また、本調査の一部は文部科学省が昨年12月に策定した学校教育情報推進計画の目標としても扱われていることから、本県における情報化の進捗状況の把握や、他の都道府県との比較も可能なデータであると考え、国の調査結果を県の指標として使っているところでございます。
〇はぎの幸弘委員 わかりました。この指標の調査に当たっては、教員の方みずからの申告のようなのです。私は教員のICT活用指導力における具体的な判断基準を示されているのだろうと思っていました。それに基づいて第三者が評価をして、この人はできている、できていないとやるのかと思ったら、そうではなくて、自分はできていると思う、自分はもう少しかなというような回答を集めているように受けとめるのですけれども、そうなると個人差が出てくると思うのです。十分できていると思っている人がいるかと思えば、遠慮がちな人は、自分はまだまだだと。そうなると信憑性に欠けると思うのですけれども、その辺はどう捉えていますか。
〇中村首席指導主事兼高校教育課長 調査結果についてでありますが、文部科学省が実施している調査は、国が定めたチェックリストに基づいて、当該年度に授業を担当している公立学校の全教員に対して実施しているものであり、各教員が16の項目に対して、できる、ややできる、あまりできない、できないの4段階で自己評価により回答しているものでございます。
 各教員の自己評価となっておりますが、本調査は毎年度、全国の全教員を対象に同一の方法で実施しているものでございまして、調査結果の経年での変化や傾向の把握、他の都道府県と比較できるデータであると捉えているところでございます。
〇はぎの幸弘委員 それでも自己評価には変わりないということだと私は思っていますし、捉え方によって差はあると思いますから、数値的にこれを上回れば、下回ればというのだったらわかりますけれども、それがない以上は、私は疑問があります。
 主要施策の成果に関する説明書では、この指標は令和3年度までに100%の目標値に対して87%と未達となっております。成果説明書を見ると、令和元年度が92%、令和2年度が90%、令和3年度が87%とだんだん下がっているのです。これだと令和4年度がもっと下がるのかと不安になるのですけれども、その点は、特に下がってきた令和3年度の段階で、何か上向かせる努力はされたのでしょうか。
〇中村首席指導主事兼高校教育課長 昨年度までの対策ということについてでありますが、県立総合教育センターにおいて、令和4年度は79の研修講座をICT活用研修として位置づけて、ICTを活用した授業方法等に関する研修を実施するとともに、GIGAスクール運営支援センターを新たに設置して、ヘルプデスク及び学校訪問等により授業等のICT活用に係る支援を行っているところでございます。
〇はぎの幸弘委員 私は、特に遠隔授業は、県立高校も小規模校は確かにありますけれども、どちらかというと小学校が急務なのではないかと思います。そういう意味では、本当は市町村だと思うのですけれども、県教育委員会として、岩手県の学力向上をトータル的に見た場合、市町村とタッグを組んで情報交換、あるいは、必要に応じて指導しながら、特に小学校の遠隔授業を進めるべきだという持論を持っております。
 なぜならば、私の地区、遠野市でも中学校は再編されましたが、小学校再編はまだされていません。これは各地域にとって、小学校があるなしでは地域の活力に雲泥の差が出てくるということで、何とか地域全体で小学校を盛り上げていこうということで頑張っております。郷土愛を育てる学習も大事だと思っています。その意味では、少なくなったからまとめてしまえという短絡的な考えではなくて、子供たちに郷土愛を持ってもらって、大きくなってもその地域で活躍してもらうという意味では、遠隔授業をやる意味があると思うのですけれども、その辺をどう捉えているか所見を伺います。
〇武藤首席指導主事兼義務教育課長 今、委員御指摘のとおり、小学校での遠隔授業についての必要性は、こちらでも認識しているところでございます。小中学校の、特に小学校の統廃合につきましては、市町村の判断ということになるわけですけれども、全ての学校に1人1台端末が配備されていることを考えますと、これを一人一人授業の中で十分に活用していくことを期待してまいりたいと考えております。
 その中で、いろいろな方とつながりながら、いろいろな学校の同じ学年の友達とつながりながら学習を深めていくことは、規模の大小にかかわらず、非常にどの子にも学びの充実につながる取り組みであると考えますので、ぜひそういった小学校での遠隔授業の好事例等につきましても、今、県内でもあちらこちらで始まっているところですので、そういうことを県教育委員会でも発信しながら、充実の推進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇はぎの幸弘委員 最後にしますけれども、遠野市議会でも同じような質問をしてということで前も言ったような記憶があるのですが、前向きな御答弁はいただいているのですけれども、実際に何が行われているかというと、結構見えないのですよ。特に小中学校は各市町村で、県立高校は岩手県ということで区分といいますか、主導権を持ってやるのは、市町村が行うとか、県が行うということで、お互いに遠慮しているのか、今はICT、DXの時代ですし、何よりも学問というのは子供たちの助けになると思うのです。大人社会の荒波にもまれていく中で、そういうことは県がしっかりと主導権を持ってタッグを組んでやっていくべきだと思うのですけれども、そういう部分で今後に期待をして終わりたいと思います。
〇佐々木宣和副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後4時15分 休憩
午後4時36分再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇畠山茂委員 私からは、5項目通告しておりましたが、多くの委員の方々が触れられた部分もあるので、重複する部分は省略しながらお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
 初めに、部活動の指導のあり方についてお伺いします。私は、本県での部活動の外部指導員の導入の状況と、部活動の地域移行の取り組み状況についてお伺いしようと思ったのですが、地域移行の部分は、先ほど取り組み、方向性は説明を受けましたので、ここでは外部指導員の導入の状況についてお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動指導のあり方について、外部指導者の導入について申し上げます。
 市町村立中学校における部活動指導員の配置につきましては、平成30年度、14校14名、令和元年度、51校65名、令和2年度、56校85名、令和3年度、69校106名、令和4年度、68校108名、令和5年度は7月の時点で68校133名となっております。
 財源につきましては、国の中学校における部活動指導員の配置支援事業を活用し、部活動指導員を配置する市町村に対し、1時間当たり1、600円を上限とし補助を行っているほか、交通費や期末手当についても補助対象となり、国、県及び市町村がそれぞれ3分の1を負担しております。
 部活動指導員の配置について、地域によって専門的な指導ができる指導者が不足し、配置までに至らないケースがあることから、市町村に対し、部活動における専門的な指導のみならず、多様なかかわり方の事例を示すなど、働きかけを行っており、平成30年度の導入開始から着実に配置数が増加している状況でございます。
〇畠山茂委員 今の説明で、年々配置がふえているということも理解いたしました。今回、外部指導員の導入は、文部科学省の調査を見ると、担当している部活動の競技経験がないという教職員の割合が45.9%ということで、約半数の方が経験がないまま部活動に当たっているということから、今、教職員の働き方改革もうたわれる中で必要な取り組みだと私も理解しています。
 ただ、見ると課題がありまして、先ほどお話があったとおり、人材の確保と質の問題とありますし、報酬の処遇の問題、先ほど時給1、600円というお話もありましたけれども、これだけでは食べていけないわけでもありますし、それから、自治体の財源、先ほども1、600円の内訳は国が3分の1、県が3分の1、市町村が3分の1ということで、指導員をふやすほど地方も負担がふえていくという面もあって、難しい部分もあるのかと思っています。
 そこで、次にお伺いしたいのは、今回、外部指導員をふやしていきます。午前中にあった地域移行の部分も含めて、特に中学校だと思うのですが、これからの部活道の方向性として、両輪でどちらも求めていくのか、これは移行期であくまでも将来的には地域移行が最終ゴールで、その間、働き方改革も含めて外部指導員という制度はとりあえずの間なのか、これの整合性を説明いただきたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校部活動の地域連携、地域クラブ活動への地域移行が現在進められているところでございます。これまで学校部活動として学校教育の一環として活動が進められてきたところです。その学校部活動の休日の活動を地域のクラブ活動として進めるというものが現在の取り組みでございます。
 しかしながら、それぞれの地域での課題等がございます。そういう中で、必ずしも全市町村が早期に学校部活動から休日の地域クラブ活動に移行が可能かということは、なかなか難しいところもあろうかと思います。
 その中で、移行する前の段階ですけれども、今、学校部活動の地域連携が進められております。その地域連携の中に、合同部活動の導入や部活動指導員等の適切な配置により生徒の活動機会を確保するということが求められているところでございます。
 したがいまして、学校部活動から直接休日の地域クラブ活動に移行されるケースと、学校部活動から学校部活動の地域連携、部活動指導員等を活用した取り組み等を経由して地域クラブ活動に移行するというケース、さまざまなケースが考えられるところでございます。そのようなことで、この部活動指導員といったものが位置づけられているというところでございます。
 少子化の中、持続可能な体制にする必要がございます。地域の実情に応じた段階的な体制整備を進めていく。場合によっては、地域の実情に応じて、学校部活動の地域連携と地域クラブ活動が併存するというような状況も生じるということでございます。
〇畠山茂委員 私の理解も不足していた部分もあると思います。当初の説明ですと、土日は地域移行で、指導員の部分は平日の教職員の負担の軽減も含めてという部分と理解していたのですが、そうではなくて、もう少し幅広く、いろいろなパターンがあるのだという説明だったと思います。わかりました。
 次の二つ目の項目に移ります。
 二つ目に通告していたのは、今後の中学校の少子化による部活動についてということだったのですが、これも前にほかの委員が触れられていましたので、ここでもう一度だけ確認しますけれども、先ほどの説明ですと、令和5年度より中学校総合体育大会でも地域クラブの参加が認められて、ことしの実績の説明がありました。そして、これからの部活動のあり方は、中学生のスポーツ・文化活動の在り方研究会で今、方針を検討している段階だというような説明だったと思います。
 ただ一方で、現場を見ますと、小規模校であったり、この間、文化祭があって近くの中学校にも行ってきたのですけれども、その中で校長先生との会話の中で、1学年2クラス、中学校だと6クラスなのですけれども、そのぐらいのクラス数でも野球部がことしからなくなったというお話もいただいて、その規模の学校でも部活動はいろいろな面で部数を確保するのがなかなか難しい時代に来ているのかという思いを持ちました。
 先ほど合同チームなどというお話もあって、それぞれ市町村では合同チームをつくったり、さまざま努力をしているのですけれども、現実的には、中学校に入りたいクラブがなくて、そのクラブをやりたいがために親御さんが遠い学校に送り迎えをしているという現実も各地域にあって、そういう意味では、中学校の3年間はあっという間ですので、検討も大事なのですけれども、一日も早い方向性は出すべきだと私は思っているのですが、そういう思いはお持ちでしょうか。その点だけもう一度お聞きしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 畠山茂委員御指摘のとおり、それぞれの地域におきまして、さまざまな課題を抱えているところでございます。特に、今進めております全国で展開しておりますモデル事業ですけれども、その中では受け皿の課題や指導者の質と量の確保などが挙げられているところでございます。そのような課題につきまして、一つ一つ向き合いながら対応していかなければいけないという状況でございます。
 地域によりまして、県内でも全国におきましても、それぞれ地域でできるところから進めるというようなものが一つのスタンスになっておりますので、それぞれの地域の実情を踏まえた形で、子供たちの体育、文化、芸術の活動、環境整備をしていくというものでございます。
 したがいまして、時間がかかるところもあれば、また、スムーズに進むところもあろうかと思いますけれども、いずれにしても、子供たちのためによりよい環境をつくっていきたいというものでございます。
〇畠山茂委員 よろしくお願いいたします。
 3点目が学校給食の現状でしたけれども、この部分は、先ほど無償化、あるいは、物価高騰対策の部分は触れられていましたので、ここは省略したいと思います。
 4点目に移ります。またまた学校給食ですが、学校給食の地産地消の取り組みについてお伺いしたいと思っています。
 岩手県は農林水産業など第1次産業が基幹産業の一つとなっています。そしてまた、全国の食料供給県でもあります。ただ、学校給食を見ますと、どうしても地元食材の活用がまだまだ進んでいないように感じます。学校給食の地産地消の割合を高めていくことが地域の産業振興にもなりますし、子供に地元の食材を知ってもらうよい機会でもあると思いますので、ぜひ地産地消の取り組みを全県を挙げてやるべきではないかと私は思うのですが、県内の学校給食の地産地消の取り組み状況をお聞かせいただきたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校給食に地場産物を使用することは、児童生徒が地域の自然、文化、産業等についての理解を深めることができ、食に関する感謝の念を育むなど教育的意義があり、食に関する指導の生きた教材として効果的に活用することができると認識しております。
 県内学校給食における地場産使用につきましては、令和4年度文部科学省調査で、金額ベースの県産食材の利用割合は60.9%であり、令和元年度の58.2%から2.7ポイント上昇している状況でございます。また、全国平均56.5%と比較しても4.4ポイント上回っております。
 県内では、8市町におきまして、学校給食における地場産物等食材料費等に関する助成事業を実施し、活用促進を図っていると把握しております。
 引き続き、各市町村に対しまして、国の補助事業や県内の助成事例の情報提供を行うほか、農林水産部と連携いたしまして、栄養教諭等への理解醸成に向けた研修を開催するなど、学校給食への効果的な利用促進の支援に取り組んでまいります。
〇畠山茂委員 今、答弁では、金額ベースで約60%という数字、思ったより高いと私は思っております。ただ、各市町村では学校給食の地産地消の目標を掲げながら各市町村も頑張っておられます。ただ、現場を見ると、今、学校給食は、どちらかというと各市町村は給食センター方式が多くて、そうすると、委託業者との金銭的な関係も出てきたり、あるいは、職員の関係で機械的に加工品でないと受け付けないような現実もあって、先ほどの私が言っている地産地消の取り組みにはさまざまな努力が必要だとも思いますし、ぜひ行政としてリーダーシップをとっていただいて、60%よりもっと上を目指して頑張っていただきたいと意見だけ申し上げたいと思います。
 最後の質問に移ります。5番目がICTを活用した学校授業の状況についてです。先ほども触れられていましたが、改めて違った視点でお伺いしたいと思います。
 国がGIGAスクール構想をスタートさせてまだ間もないと思います。ICTを活用した学校授業の状況は、私は、学校間、あるいは職員間でまだ格差が拡大しているように危惧しています。一方で、教職員の負担、それから、家庭間での格差が生じていないか、そしてまた、導入においてモラルの問題など発生していないかなど、さまざま問題もあるのではないかと思っているのですが、先ほどの説明では、各地域にICT支援員を配置したり研修会を開催して対処しているという説明もありましたけれども、県教育委員会として地域間、あるいは学校間、教職員間の格差等の問題はないか、どのように認識しているかお聞きしたいと思います。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 本県の学校におけるICTの活用についてでございますが、委員御指摘のとおり、地域や学校によっては、利活用にばらつきが見られる状況となっておりますし、また、学校内においても、教職員によってICTを活用して指導する能力というか、指導力に差が生じている状況と認識しております。
 このことから、県内全ての市町村教育委員会とで構成する、岩手県学校教育ICT推進協議会における課題や活用事例の共有、連携した取り組みなどを行っておりますし、また、今年度からは、各学校の校長など管理職への事例紹介を通じた活用促進の働きかけを直接的に行っているところでございます。
 また、教員のICT活用指導力を向上させていくためには、あらゆる年齢層のより多くの先生方に研修を受講していただくことが必要だと考えておりまして、活用能力、指導力などに差も生じてきておりますので、多様なニーズに応じた研修を展開していく必要があると認識しております。
〇畠山茂委員 先ほども、研修した後になかなか実践に反映されていない、あるいは、フォローが必要だという先ほどの説明もありましたので、ぜひこれからレベルアップをしていただきたいと思います。本を読みますと、これからの時代はSociety5.0ということで、あと10年でかなり科学技術が進歩して世の中が変わっていくという時代のようなので、ぜひ岩手県の学校教育もそれに合わせて、時代に合った推進をお願いして終わります。
〇鈴木あきこ委員 私からは、文化財保護推進費についてお伺いいたします。文化財につきましては、文化スポーツ部と重複するところがあるということで、どこで線引きをするのかわからなかったので、もし県教育委員会でなかったら済みません。質疑要旨を出しまして、別にレクチャーとかもなかったので大丈夫と思っての質問になります。
 県内には国、県、市町村に指定された文化財が多くありますが、特に無形民俗文化財は後継者不足、新型コロナウイルス感染症の影響で休止している団体が増加しております。また、活動資金不足のため、舞に使用する道具、装束の修繕や新調が難しい状況になっております。
 令和4年度の文化財保護推進費が約7、490万円、令和3年度は約6、190万円、約1、300万円の増額になっておりますが、これはどのような事業が行われたのか、金額は結構でございます。大きくお金を使った事業を伺います。
〇佐藤首席指導主事兼文化財課長 事業内容についてでございますが、文化財保護推進費は指定文化財の所有者等がその価値の維持と周知など、文化財の適正な保存及び活動のための事業を行う際に補助を行うものであります。
 令和4年度は、史跡等においてその価値を理解しやすいよう、見学のための園路や看板の設置等の整備を行う指定史跡等総合活用整備事業、また、建造物や美施術工芸品の修理等に加え、火災、地震など災害への対策を行う指定有形文化財修理・防災事業、そして、県内に伝承されている無形の民俗文化財の価値の保護のため記録の作成を行う無形民俗文化財記録作成事業など、計19件に対して補助を行ったところでございます。
〇鈴木あきこ委員 県内は国、県、市町村、合わせるとかなり、かなりとかという漠然な表現しかできませんが、数えきれないほどの文化財があるので、いろいろ事業を実施するのも何を優先順位にするのか大変だろうというところは察しているところでございます。
 また、県内のたくさんある無形民俗文化財についてです。有形はなくならないのですが、無形は継承者がいないとすっかりなくなってしまうので、そのことについて伺います。県指定の無形民俗文化財について、現在休止になっている団体はありますでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼文化財課長 県指定の無形民俗文化財の休止団体についてでございますが、現在、県指定の無形民俗文化財の保持団体は41団体ございます。各団体の活動状況には一定程度、活発、不活発の差はあるものの、休止状態になっている団体はないものと承知しております。
〇鈴木あきこ委員 市町村指定の無形民俗文化財は、資料を見ていくと、休止、休止、消滅というような文字が並んでいるので、県指定の文化財については、活動の不活発、活発はあるということですが、まずは休止しているところがないということで、安心はできないのですが、わかりました。
 先ほど事業の中で、映像等の記録を残すというところがありましたが、次の質問で行っていますかという質問を考えておりましたが、前もって行っていますということでした。昔はビデオも写真もなかったので、昔あったものを現在復活させようと思うと大変難しいことですので、今、ビデオ、写真がありますので、休止、消滅になっていない団体については、できるだけそういうものに記録として残していただきたいと思います。
 また、休止して映像も残っていないところは、各市町村レベルの資料として、文字として残っているのですが、どのように舞っていたとか、装束がどのようだったかというのは残っていないので、そこは映像、写真等に残すというのは大変重要なところだと思っておりますので、これからもその活動をできれば市町村レベルまで持っていって、やっていただきたいという要望になります。
 あと、各無形民俗文化財の団体の装束、使われる道具、これは消耗品になってしまいますが、どこかに発注したら買えるというものではなくて、その団体独自の衣装や道具などで、これを修復するとか新調するというのがかなりの予算がかかるところがあります。ですから、その点も心配なのですが、先ほどそういうところにもお金が使われるというお話だったと思いますが、国、県以外、市町村レベルでも申請をしたならば、その予算はいただけるという事業はありますでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼文化財課長 県指定無形民俗文化財の補助の範囲につきましては、指定を受けた無形民俗文化財の保存のために行われる伝承者の養成や現地公開事業、記録の作成及び報告書の刊行に対し行っているものでございます。道具や装束の修繕及び新調については、対象としていないところでございます。
 しかしながら、道具でありますとか装束等の修繕や新調につきましては、いわゆる民間資本を主体とする財団が行っております助成事業の中で支援可能な場合もございますので、市町村を通じて、その活用に関する情報提供等を随時行っているところでございます。
 今後も引き続き、補助団体等にとって有意義かつ有効な情報を提供してまいりたいと考えております。
〇鈴木あきこ委員 市町村を通して伺うことはできるということでよろしいのでしょうか。ありがとうございます。
 確かに、子供神楽教室といったものに対しては、子供が入っていれば文化庁から補助が出るということは、私も認識しておりましたが、道具、装束に使える支援金がどこかにお願いできるのかわからなかったので、それは各団体にも伝えてまいりたいと思っております。
 それから、無形民俗文化財というのは、先ほど来、委員の皆様のお話の中で、教育や文化や地域のものが大切だというお話がありました。私もそれは非常に思っているところで、各団体では今、後継者が少ないということで、子供たちも一緒に活動しているところがあります。それで、一番いいなと思ったのは、世代間交流ができる。核家族が多い中で、おじいちゃんやお父さん以外のお父さんくらいの人やお兄ちゃんなど、そういう中で子供たちが本当に温かく育てられているということをすごく感じております。
 そういう意味からも、これを教育委員会が推奨してくださいとは言いませんが、地域にある無形民俗文化財でもいいですし、どういうものでもいいので、地域にあるものに触れるという機会をもっと多くして、自分はこの土地で生まれてよかったと、私はこの先、岩手県の子供たちが岩手県に誇りを持って大人になってほしいという思いがあります。
 岩手県民の歌の中にも、岩手 岩手 ふるさと 岩手という言葉がありますが、子供たちが大人になって、岩手県を一旦離れても、私のふるさと、僕のふるさとは岩手県なのだというところを郷土芸能や文化で今のうちに心に種をまいておくということは大変すばらしいことではないかと思っております。
 県教育委員会の皆様、大変すばらしい先生方のお集まりと聞いております。ぜひその力をおかりいたしまして、岩手県の子供たちが健全に成長していけるように、私も頑張ってまいります。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございます。
〇柳村一委員長 答弁はいいですか。
〇鈴木あきこ委員 質問したのでいいかなと思ったのですが、私の意見はどうでしたか、佐藤教育長にお願いいたします。
〇佐藤教育長 鈴木あきこ委員から今、お話しいただいたとおり、小学校、中学校段階から、歴史、文化、伝統芸能、文化財を含めてですけれども、地域のことをよく学ぶということは非常に大切なことだと思います。それが郷土に対して誇りとか愛着を育む、将来大きくなっても、一旦都会に出ることはあっても、また岩手県に戻ってきたいという思いというもそういうところで育まれるのかと思いますので、こういう教育もしっかり市町村教育委員会と一緒になって進めてまいりたいと思います。
〇鈴木あきこ委員 私も勉強してまいります。ありがとうございました。
〇高田一郎委員 私も学校給食の件について、4人目ですけれども、お伺いいたします。通告しておりますので、重複しない程度に質問したいと思います。
 先ほどの議論を聞いていまして思うのですけれども、学校給食というのは教育の一環であって、無償化というのは憲法上の要請なのです。だから、国が責任を持って対応するというのは当たり前だと思います。佐藤教育長の答弁は、私はそのとおりだと思います。
 ここで伺いたいのは、全国知事会も、そして、全国都道府県教育長協議会も、国に対して無償化を求めているというお話を聞きました。それで、国の動向は今、どういう状況になっているのか、もしわかればお示しいただきたいと思います。
〇佐藤教育長 先ほど、令和5年7月に全国都道府県教育長協議会、それから、全国都道府県教育委員協議会でも国に対して要望をしておりますというお話をいたしましたが、国では、令和5年6月16日の経済財政運営と改革の基本方針2023―いわゆる骨太方針、それから、令和5年6月13日、こども未来戦略方針というものが閣議決定されておりまして、その中で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等も含め課題の整理を丁寧に行い、具体的方策を検討するということがうたわれております。
〇高田一郎委員 そのとおりだと私も理解しておりました。私もこども未来戦略を読んでみまして、あるいは、国会での議論を聞いていまして、実態を把握して課題を整理するという中身です。課題というのは何かというと、結局、学校給食を実施していないところも、実施しているところもある。これに対する支援をするというのは公平ではない、そんな議論が行われているのです。
 ただ、私は、かなり国に強く申し上げないとこれは突破できないのかという思いもありますが、ただ、国の検討機関で学校給食の問題が俎上に上がったというのは、全国知事会や全国都道府県教育長協議会など全国の地方自治体からの大きな声、この力だと思うのです。だから、私は、引き続き、国に対して学校給食無償化を国の責任で実施してほしいということを強く求めていっていただきたいと思います。
 私も、全国、県内市町村の無償化の実態について質問しましたけれども、県内の状況は先ほど答弁がありましたけれども、全国の無償化の状況というのは、県教育委員会としてどのように把握されているのか、この点についてお示しください。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 無償化等の全国の状況につきましては、少しデータが古いのですが、平成29年度文部科学省調査によると、当時の全国1、740自治体のうち、小学校、中学校とも無償化を実施は76自治体、割合で4.4%、一部無償化、一部補助を実施は424自治体、24.4%、無償化等を実施していないは1、234自治体、70.9%ということになっております。
 なお、現在、国におきまして、改めて調査をしている状況でございますので、最新のデータが得られると認識しております。
〇高田一郎委員 国の統計は随分古いですね。平成29年度ですから5年も6年も前のことですね。実はしんぶん赤旗で最近全国調査を実施しまして、文部科学省よりも早い調査ですけれども、493自治体です。この1年間で倍増に近い自治体が無償化になりました。これは全国の自治体、1、718自治体のうち28.6%、3割近い自治体が無償化になっているという状況です。岩手県も33のうち10市町村ですから、そのような感じかと思います。
 それから、最近の報道では、沖縄県が再来年度から第3子以降の学校給食費を無償化する。それに続いて、2026年には県の事業で完全無償化を実現するということで検討が行われているということも報道されています。さらにどんどんふえるのではないかと思います。私は、教育的な価値、あるいは少子化対策に大きな力になるのかということだろうと思いますけれども、そこで佐藤教育長にお伺いいたします。
 学校給食の無償化というのは教育的価値、教育委員会から見てどのような価値があるのか、この点、佐藤教育長、答弁できますか。
〇佐藤教育長 学校給食につきましては、それぞれの自治体の置かれた状況によりまして、その方式については選択されてきているというところではございますが、基本的には、学校給食ですので教育の一環という面もあろうかと認識しておりまして、先ほど申し上げましたとおり、無償化、保護者負担の軽減ということに関して申し上げれば、自治体の財政力の差によらず、全国同等な水準で行われることが望ましいのではないかと理解しております。
〇高田一郎委員 私は、基本は国の責任で行うことが大事だと思うのですけれども、国の議論を聞いていますと、なかなか簡単に前に進まないのかという思いをしております。岩手県全体でやるとなると約42億円と。恐らくこれは市町村と連携すればその半分なのかと思いますし、既に就学奨励費制度などで1割、2割の生徒が無償化になっていますので、そこまで大きな数字にはならないと思うのですが、いずれ大きな数字だと思います。
 国の状況も考えて、既に千葉県も第3子以降の学校給食費の無償化を実施していますし、沖縄県も再来年度から実施するということでありますので、せめてこの岩手県で第3子までの無償化などということも前向きに検討すべきではないかと思うのですが、これについては、佐藤教育長からまた答弁をいただきたいと思います。
〇佐藤教育長 無償化につきましては、多額の財源を要するということでございますので、必ずしも、県教育委員会でやりたいと言ってやれるものでもなく、やはりいろいろハードルはございますので、全国の状況は我々も注視していきながら、基本的には全国の団体と横並びの対応を考えていかざるを得ないという状況に今現在あるということで御答弁させていただきます。
〇高田一郎委員 学校給食は教育の一環であり、教育的な価値があるということを議論してきましたので、これ以上の答弁にはならないと思いますけれども、県教育委員会としてさらなる努力をお願いしたいと思います。
 学校給食における地産地消、有機農産別の活用状況についても通告しておりましたが、重複したので、現状はわかりました。ただ、岩手県は、実は農林水産部サイドで地元食材の実態調査を毎年実施しておりまして、それに基づいて学校給食、社会福祉法人等々の給食の地元食材の調達率はどんどん上がっているのですけれども、先ほど誰かがお話ししたように、学校給食は米のウエートが高くて、野菜や果樹は伸びしろがあるような、まだまだ低いですね。先ほど答弁があったように、県教育委員会としての役割、情報提供や、あるいは研修にとどまらない対応をしていただきたいということを要望申し上げておきたいと思います。
 次に、子供の新型コロナウイルス感染症の後遺症にかかわる問題、課題であります。
 新型コロナウイルス感染症の後遺症の子供に対してどう対応しているかという学校現場や保護者からの声も出ております。後遺症の子供たちとどのように向き合ったらいいのか、対応したらいいのか。東京都では、学校や保護者に対して、情報を周知する対応についてのパンフレットを発行したと報道されております。こういうことが大事ではないかと思うのですが、この点についての対応をお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校においては、日ごろの児童生徒の様子から心身の不調等が疑われる場合には、学級担任や養護教諭が家庭との連絡、相談のもと、医療機関の受診の勧奨等をするほか、状況に応じて、養護教諭が中心となって学校医、医療機関等との連絡調整、情報交換等に当たっております。新型コロナウイルス感染症の後遺症においても、必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携するなど、適切に対応していると認識しております。
 国では、厚生労働省において、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状、いわゆる後遺症に関するリーフレットが作成されたところです。県においては、一般社団法人岩手県医師会と連携して、後遺症に悩む方々が症状に応じて円滑に受診や治療が受けられる医療機関を取りまとめ、県ホームページで公表しているところです。
 県教育委員会としましては、後遺症により学校生活に困難を抱えている児童生徒及び保護者に対応するため、必要に応じて厚生労働省のリーフレットや県のホームページの情報について、各学校に周知を図ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 子供の新型コロナウイルス感染症の後遺症の問題については、公益社団法人日本小児科学会によると、1カ月以上続く後遺症の児童生徒の割合は3.9%と言われております。臨床現場からは、感染してから2カ月は安静にしなければならないという指摘もあって、きちんとした対応をしなければ子供の発達にも大きな影響を与えるものだと思います。臨床現場の知見などさまざまな情報提供を今後ともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 ただ、今の子供の後遺症の実態は、なかなか数では把握できないと思うのですけれども、どのような状況になっているのか、もしわかればお示しいただきたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 県におきましては、令和3年度に実施した後遺症調査では、罹患後に6カ月以上継続した主な症状として、11%の方が倦怠感、気分の落ち込み、9%の方が嗅覚障害を認めたと回答しており、全国調査と同様の結果となりました。
 また、厚生労働省が行った調査によれば、感染時期が同一の場合、5歳から17歳の小児が罹患後症状を有した割合は、成人の4分の1から2分の1という結果であったということでございます。本県児童生徒の後遺症の実態につきましても、同様の傾向であると認識しております。
〇高田一郎委員 わかりました。
 最後に、一関工業高校と水沢工業高校の統合問題について、簡単に質問いたします。
 一般質問でも議論がありました。建設場所については地元の大きな関心になっております。県教育委員会として、建設場所の選定についての考え方の方針はないのか、この点についてお伺いいたします。
〇安齊特命参事兼高校改革課長 新設する工業高校につきましては、ブロックを越えた広域の統合であることを踏まえまして、通学の利便性とあわせ、充実した教育活動ができる環境を整えることが必要なことと考え、1学年6学科6学級を収容できる管理教室棟、工業実習棟、屋内運動場、屋外運動場の整備に必要な面積が確保できること、また、生徒の公共交通機関等利用による通学の利便性を考慮すること、また、候補地として適正を欠く法的な制約条件や物理的条件がないことなどを条件として、昨年度、委託事業を実施して候補地を抽出しているところでございます。
 この候補地をもとに、現在、有識者会議により意見を伺っているところでございますが、これは県教育委員会が選定を行う上での参考とするために実施しているものでございまして、県教育委員会としては、会議での意見等をいただいた上で選定することにより、専門的かつ多角的な観点を踏まえた考え方により候補地選定を行うことができると考えておりまして、こうした手続により選定の公平性、透明性を確保していこうと考えているものでございます。
〇高田一郎委員 わかりました。それ以上のことはないのかと思います。
 結局、検討会議で検討した中身を最終的には県教育委員会が決めるのだろうと思いますけれども、基本は地域の合意なのだろうと思いますけれども、その辺の取り組み、スケジュールについてもお伺いしたいと思います。
 最後に、一関工業高校はジュニアマイスター顕彰制度で大変大きな取り組みを行っております。今まで両校で取り組んできた成果を新しい統合高校でも生かすような、県南地域の工業高校の基幹となる高校ですから、これまで築き上げた成果を新しい統合学校に生かしていく、そういう取り組みが大事なのだろうと思いますけれども、そのことも含めて答弁をいただきたいと思います。
〇安齊特命参事兼高校改革課長 立地候補地の決定についてでございますけれども、現在、構成員の方々から意見聴取を行っている最中でございまして、具体の公表のスケジュール等については、今後の検討状況を踏まえて判断していくこととなります。
 なお、計画では令和7年度までの期間中に設置場所、設置時期、教育内容等の検討を進めることとしておりまして、現在行っている設置場所の検討にあわせて、新設校の学びの内容についても検討を進めていきたいと考えているところでございます。
〇多田首席指導主事兼産業・復興教育課長 両校の成果についてでございますけれども、両校とも工業における各分野の専門教育を通しまして、ものづくり産業を担う人材の育成に寄与しております。先ほど高田一郎委員から御紹介いただいたとおりでございますが、資格取得では、一関工業高校が令和4年度のジュニアマイスター顕彰制度の受賞者となりますが、特別表彰17名、ゴールド35名、水沢工業高校においても、特別表彰6名、ゴールド24名等、両校とも県内トップクラスの実績を挙げております。
 将来の統合校におきましては、技術革新に対応した実習や課題研究の充実を図るとともに、新たな学科の設置等により、現在、両校で取り組んでいる産学官が連携した授業や資格取得等において、成果を継承、発展できるように取り組んでまいりたいと思います。
〇柳村一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇中里企業局長 令和4年度の企業局関係の決算等について御説明申し上げます。
 令和4年度の事業運営に当たりましては、中期経営計画に基づき、電気事業では高経年化した既設の発電所の再開発事業に取り組み、工業用水道事業では、新北上浄水場の建設事業などに取り組んでまいりました。
 また、震災復興、ふるさと振興へ寄与するため、いわて復興パワーの取り組みによる電気料金の割り引きや一般会計への繰り出しを行うなど、地域貢献に積極的に取り組んだところでございます。
 まず、認定第13号令和4年度岩手県電気事業会計決算について御説明いたします。
 電気事業会計決算の7ページ、タブレットデータでは決算関係資料10、岩手県電気事業会計決算の7ページをごらんください。
 1、決算報告書(1)収益的収入及び支出ですが、収入、第1款電気収益の決算額は、表の右から3列目、81億9、794万円余、支出、第1款電気事業費用の決算額は、表の右から4列目、60億6、418万円余でございます。
 8ページをごらんください。(2)資本的収入及び支出ですが、収入、第1款資本的収入の決算額は、表の右から3列目、1、567万円余、支出、第1款資本的支出の決算額は、表の右から6列目、33億5、276万円余であり、不足に対して、欄外に記載のとおり、減債積立金等で補填しております。
 次に、9ページの損益計算書をごらんください。下から4行目の経常利益及び下から3行目の当年度純利益が、それぞれ19億2、824万円余となり黒字決算となったものでございます。
 なお、10ページ以降の剰余金計算書等につきましては、説明を省略させていただきます。
 次に、議案第22号令和4年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて御説明いたします。
 恐れ入りますが、別冊の議案その3の5ページ、タブレットデータは、決算関係資料16、議案その3の予算外の5ページをごらんください。
 令和4年度岩手県電気事業会計の未処分利益剰余金、28億8、646万円余のうち、9億5、822万円余を資本金に組み入れるとともに、5億3、379万円余を減債積立金に、6億1、744万円余を建設改良積立金に、7億7、700万円を震災復興・ふるさと振興パワー積立金にそれぞれ積み立てようとするものでございます。
 続きまして、認定第14号令和4年度岩手県工業用水道事業会計決算について御説明いたします。
 工業用水道会計決算の7ページ、タブレットデータでは決算関係資料12、岩手県工業用水道事業会計決算の7ページをごらんください。
 1、決算報告書、(1)収益的収入及び支出ですが、収入第1款工業用水道事業収益の決算額は、表の右から3列目、14億8、192万円余、支出、第1款工業用水道事業費用の決算額は、表の右から4列目、8億7、845万円余となっております。
 8ページをごらんください。(2)資本的収入及び支出ですが、収入、第1款資本的収入の決算額は、表の右から3列目、58億987万円余、支出、第1款資本的支出の決算額は、表の右から6列目、65億5、536万円余であり、不足に対し、欄外記載のとおり、過年度分消費税及び地方消費税資本的収支調整額等で補填しております。
 次に、9ページの損益計算書をごらんください。下から3行目の経常利益及び下から2行目の当年度純利益がそれぞれ4、898万円余となり、黒字決算となったものでございます。
 なお、10ページ以降の剰余金計算書等につきましては、説明を省略させていただきます。
 次に、議案第23号令和4年度岩手県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて御説明いたします。恐れ入りますが、別冊の議案その3の6ページ、タブレットデータでは、決算関係資料16、議案その3予算外の6ページをごらんください。
 令和4年度岩手県工業用水道事業会計の未処分利益剰余金、4、898万円余について、全額を減債積立金に積み立てようとするものでございます。
 以上で企業局関係の決算等についての説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木努委員 電気事業会計についてお伺いいたします。先ほど企業局長から説明がありましたが、令和4年度の純利益は19億2、824万円余、これは令和2年度の22億4、254万円余に次いで、ここ10年では2番目に高い収益だと思っていて、この理由としては、令和4年度の出水率が好調であったこと、これで水力発電の電力量収入が増加したこと、稲庭高原風力発電が最稼働したということによる電力量収入が増加したことが大きな要因だと認識しています。このこともそうなのですが、企業局の経営努力が私は今の好調な収益につながっていると思っておりますので、改めて敬意を表したいと思います。
 その中で、企業局として一般会計に繰出金を行っているということでありますが、一般会計に対しての繰り出しの考え方、そして、ここ5年間の繰り出しの状況について示していただければと思います。
〇伊藤経営企画課長 他会計への繰り出しの考え方についてでありますが、地方公営企業法は、経済性の発揮と公共の福祉の増進を経営の基本としており、その経費は経営に伴う収入をもって充てる独立採算性が原則とされております。
 これを踏まえ、現在、企業局では、地域貢献として、環境保全やクリーンエネルギー導入事業を支援する環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金と、震災復興、ふるさと振興に寄与する震災復興・ふるさと振興パワー積立金による一般会計への繰り出しを行っています。
 平成30年度から令和4年度までの5年間の一般会計の繰り出し実績ですが、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金から約1億2、000万円、震災復興・ふるさと振興パワー積立金から約4億7、000万円、合わせて約5億9、000万円の繰り出しを行ってきたところです。
 このほかに電気事業の運営に大きく影響を及ぼさないことを前提として、総務部からの要請により、令和4年度に新型コロナウイルス感染症対策に取り組む県の施策に対し、別途、約5億円を繰り出しています。
〇佐々木努委員 御説明ありがとうございます。令和5年度においては新型コロナウイルス感染症関連で5億円ということであって、これは令和4年度に2年続けて5億円ずつ支出するという話になっていたということですから、5億円が予定されている。それから、GX関連に6億円ということで、合わせて12億円余の繰り出しが予定されているということで、県財政にとっても非常にいいことだと思うわけでありまして、今、電気事業会計は好調ですから、来年度はさらに、繰出金の増額を期待したいというところですが、今後の繰り出しの見通しについてお伺いいたします。
〇伊藤経営企画課長 今後の他会計への繰り出しの見通しについてでありますが、まず、今年度分といたしまして、環境保全、クリーンエネルギー導入促進の取り組みに約3、300万円、震災復興、ふるさと振興の取り組みに約7、300万円を繰り出すこととしております。
 そのほかに、先ほど佐々木努委員からも御指摘がありましたとおり、総務部からの要請により、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む県の施策に5億円、GXに資する施策に6億円をそれぞれ繰り出すこととしております。
 今後の一般会計への繰り出しについては、これまでの事業の実績及び電気事業の経営状況を踏まえた上で毎年度決定していきます。
〇佐々木努委員 そういう答弁なのだとは思うわけでありますが、企業局も県職員でありますから、今の県財政は非常に厳しい。特に財政調整基金が数年で枯渇するのではないかと言われている中で、財政当局もさまざま、グリーン/ブルーボンド、個人向けの新たな地方債、そういうもので借金をして何とか不足分を穴埋めしようと取り組んでいるという中で、私は、総務部の審査のときも総務部長にお話をしましたが、できる限り自前で予算を確保する努力をしなくてはならない。その中の一つが、私は、企業局の電気事業会計からの繰入金をもっとふやしてもらう努力をするべきだという話もさせていただきました。
 企業局としては、この先、世の中どのような状況になっていくか不透明であるとか、それから、新しい事業を展開するには資本が必要だという考え方はあるとしても、十分に今年度以上の繰り出しを行う余裕があるのではないかと私は理解をしているわけでありまして、他県のことは余り言いたくないのですけれども、新潟県では令和5年度、電気事業会計から40億円の一般会計への繰り出しを行っている。新潟県も財政状況が非常に厳しい県でありますから、そういうものを活用しなければならないという事情があるにしても、40億円という繰り出しを行っている。
 企業局としてもこの辺、よくお考えをいただいた上で、財政当局といろいろ話し合いを進めながら、来年度に向けてはこれまで以上の繰り出しをできるようなことを私は期待しているわけでありますが、局長に所感を伺いたいと思います。
〇中里企業局長 人口減少問題、県の最重要課題ということでもちろん認識しております。また、佐々木努委員から御紹介がありました新潟県の取り組みについても、我々も認識しております。新潟県の場合、少し仕組みが違いまして、価格競争による一般競争入札で売電を行っているということでございます。岩手県の企業局におきましては、将来にわたりクリーンな電力を安定して県内に供給することを基本理念といたしまして、価格のみではなく、販売方法ですとか経営の確実性、そして、地域貢献などといった要素で売電先を決めておりますことから、公募型プロポーザル方式を採用しており、新潟県とは利益水準が異なっているという状況がございます。
 これまで地域新電力を含めた小売電気事業者と協働して、再生可能エネルギーの地産地消、そして、電気料金の割引などに取り組んでまいりましたし、また、震災復興やふるさと振興に寄与する地域貢献にも取り組んでまいりました。引き続き、適切な売電方法を検討しながら、今後も地域貢献に取り組んでまいりたいと考えております。
 その上で、やはり毎年度の繰り出しにつきましては、決算状況、経営状況を踏まえて検討をしていく必要があると考えております。
〇佐々木努委員 多分それ以上の答弁はないと思うわけでありますが、いずれ県にとって人口減少問題が最大の課題であり、最優先課題だと知事が話している中にあって、それに使う財源がなければ、これは絵に描いた餅そのものでありますから、ぜひ企業局においては、今の危機的状況、これからもっと状況は悪くなると思いますが、そういうものを少しでも和らげる、改善していくための拠出繰り出しという役割もこれからは持っていかなければならないのだという認識を持っていただいて、ぜひ来年度は今年度を下回るようなことがないようにお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
〇斉藤信委員 私も企業局が電気事業会計で5年間で11億円弱の一般会計への繰り入れを行ったと、高く評価をしたいと思います。
 それで、ある意味、水力発電というのは自然環境にも左右されますけれども、比較的安定的な事業だと思います。そこで、私は、新規の風力発電事業、太陽光発電事業について、計画目標に対して昨年度はどういう実績だったのか、最初にお聞きいたします。
〇白井電気課長 令和4年度の風力発電事業及び太陽光発電事業の実績についてでありますが、風力発電事業につきましては、風況がおおむね計画どおりであったことなどから、予算上の目標値5、770万キロワットアワーに対しまして、供給実績は約5、858万キロワットアワーであり、達成率は101.5%となっております。
 太陽光発電事業につきましては、日射量が計画を上回ったことなどから、目標値142万キロワットアワーに対しまして、供給実績は約159万キロワットアワーであり、達成率は111.6%となっています。
〇斉藤信委員 次に、新規の水力開発の取り組みについて、6地点の可能性調査の結果、1地点で可能性がある、新年度概略設計の予定だという答弁がありました。新規水力開発の概略設計の状況、今後のさらなる可能性調査はどう進められているでしょうか。
〇高橋業務課総括課長 新規水力開発の取り組みについてですが、昨年度は新たな開発候補地点の検討としまして、6地点で可能性調査を実施し、開発の可能性が高い1地点を選定したところです。
 今年度は、昨年度選定した1地点と、令和3年度までに可能性調査を行ったところから3地点を選定しまして、合計で4地点で新規水力開発候補地点の概略設計を実施しておりまして、主要構造物のレイアウトと設計、それから、発電計画諸元の算出、施工計画の検討、概算工事費の算定と経済性の評価を行っております。
 また、今年度は可能性調査を新たに4地点で実施しており、現地調査のほか、水の取り入れ口から発電所予定地までの水路ルートや最大出力等の発電計画諸元を整理したうえ、概算工事費の算定と経済性の評価を行っております。
 今年度の調査結果を踏まえまして、開発の可能性が高い地点は、今後、概略設計に進めていくなど、開発候補地点の具体化、事業化に向けて取り組んでまいります。
〇斉藤信委員 概略設計が4地点、そして、可能性調査は4地点ということで、かなり積極的に新たな水力発電の開発可能性に取り組んでいる。これもまた評価したいと思います。
 そこで、岩手県は地球温暖化防止対策で、2030年までに57%のCO2削減を打ち出しました。かなり積極的な目標であります。企業局とすれば、県の目標に対応して、主には再生可能エネルギーということになると思いますけれども、どういう目標を持って取り組まれているのかを示してください。
〇高橋業務課総括課長 2030年度、2050年度に向けての目標についてということでございますが、今お話しした新規水力開発につきましては、新規開発に向けて、可能性調査の実施後には概略設計、それから基本設計など、各調査段階で経済性の良否を検討しまして、調査の精度を高めた検討を進めていくことになります。
 現在は可能性調査の段階でありまして、開発地点の選定や事業化の判断に至っていないというところがございまして、現時点において、開発箇所数や時期、こういったところを設定できていない状況です。
 なお、これまでの企業局の水力発電所の建設実績においては、事業化の判断後に施行する実施設計から運転開始までは、おおむね6年から8年を要してございますので、今後の新規開発についても同程度の年数を要するものと考えております。
〇斉藤信委員 目標だけ決めても、その根拠がないとなかなか計画も示せないと思うのだけれども、岩手県が57%の削減目標を掲げている。これはやはり県庁のそれぞれの分野、市町村、事業者、それぞれのところで裏づけをつくっておかないと、県の目標だけで達成できるわけではないので、ぜひこの分野でも企業局が大いに貢献できるようにお願いをしたいと思います。
 次に、新北上浄水場建設の進捗状況と今後の見通しについてお聞きします。進捗状況はどうなっているでしょうか。
〇高橋業務課総括課長 工事の進捗状況についてでございますが、新北上浄水場は、北上工業団地における複数のユーザー企業から提出されました工業用水の使用計画等に基づきまして、中長期的な工業用水の需要量を予測し、平成30年度から令和8年度までの9年間を3期に分けて整備する計画でございます。
 第1期工事につきましては、令和5年3月に工事を完了しまして、令和5年4月1日からユーザーへ給水を開始しております。
 今年度は、第二期工事の契約を締結したところでございまして、土木設備については、沈殿池や配水池などのコンクリート構造物の築造に着手しており、電気、機械設備については、機器設計等を実施しているところであり、おおむね順調に進捗しているところでございます。
〇斉藤信委員 今回の新北上浄水場建設事業の大きなきっかけは、キオクシア岩手株式会社の工場の新設、増設に対応するということだったと思いますが、半導体不況と言われる状況の中で、増設も今、ストップする、早期退職者も募集するという状況になっておりますが、給水の関係で今年度から2万トン給水開始となっているのですけれども、これはそのまま給水されているのか、これも修正があるのか。今後の見通しなどについて、どう受けとめているのか示してください。
〇高橋業務課総括課長 今後の見通しについてでございますが、これまでキオクシア岩手株式会社に対しましては、既設の浄水場から給水しておりましたが、同社による第2製造棟の整備等によりまして、北上工業団地の給水需要が既設の浄水場の給水能力を超える見通しとなったことから、新北上浄水場の整備を進めておりまして、本年4月1日から日量約2万立方メートルの給水能力を増強し、一部給水を開始したところでございます。2万立方メートルはそのまま給水しているわけではなくて、給水能力の増強で、そのうちの一部を給水しているという状況でございます。
 キオクシア岩手株式会社を初めとする各ユーザー企業に対しましては、年数回の訪問を通じて工業用水の使用計画を確認するなど綿密な情報交換を行っているほか、工場拡張を予定しているユーザーに関しましては、関係者で随時、情報交換を行っているところです。
 企業局といたしましては、現在進めている新北上浄水場建設第二期工事の進捗を図りながら、北上工業団地における将来の工業用水の需要に的確に対応できるように、工業用水を安定的に供給できる体制を整えてまいりたいと考えています。
〇斉藤信委員 工業用水の契約については、当初契約した量とその料金で、途中に給水量が減っても、契約の料金が有効になると理解していましたが、それでいいのですか。
〇高橋業務課総括課長 斉藤信委員から、今、御質問のあったとおり、二部料金制をとっておりまして、契約水量と使用水量というのがございます。契約水量は固定でずっといただく、使用水量は使った分、従量でいただくという形になっております。
〇斉藤信委員 せっかく350億円使って、これは3期までの事業費全体ですけれども、浄水場を建設するのですけれども、なぜ太陽光発電が設置できなかったのか、県有施設でいえばZEB Ready以上となっているのですけれども、電気事業会計の利益から考えれば、私は融通も可能だったのではないかと思いますけれども、そうした検討がなされたのか、なされなかったのか、これを最後に聞いて終わります。
〇高橋業務課総括課長 太陽光発電をなぜつけなかったのかというお話でございますが、まず、今回の新北上浄水場の総事業費は、資料にも書いているとおり3期までで196億円ということでございます。
 太陽光発電でございますけれども、建物の屋上に太陽光発電を整備する場合には、強度や構造など、いろいろコスト的にふえるところもございまして、電気事業会計は、先ほどのとおり、潤沢な純利益を出しているのですけれども、工業用水のほうはギリギリでやっているという事情もございまして、今回、設置しなかったという事情でございます。
〇柳村一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 質疑がないようでありますので、これで企業局関係の質疑を終わります。
 企業局の皆様はお疲れさまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。お疲れさまでした。
   午後6時2分 散会

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