平成23年9月定例会 第2回岩手県議会定例会 会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案に対する質疑を行います。
 議案第1号は、2011年度岩手県一般会計補正予算(第7号)であります。東日本大震災津波の復旧、復興を中心とする853億円余の補正予算であります。
 第1に、地区合同庁舎管理費1億7、653万円余は、奥州、北上、花巻の合同庁舎に自家発電設備を設置しようとするものであります。県の庁舎は、本来、災害時の対応拠点となるものであります。今回の大震災津波の対応はどうであったか。すべての庁舎の耐震性や自家発電設備などの安全対策はどうなっているか示していただきたい。
 第2に、三陸鉄道災害復旧事業費補助として5億7、500万円が盛り込まれています。補助率4分の1となっていますが、国の補助スキームはどうなっているでしょうか。被災した沿岸の市町村も4分の1負担となるのでしょうか。三陸鉄道復興の3カ年計画ではルートは変えないということですが、津波対策はどうなるでしょうか。三陸鉄道の復旧状況、利用状況とあわせて示していただきたい。
 第3に、災害弔慰金負担金が64億4、062万円余となっています。災害弔慰金の対象件数と額はどうなっているでしょうか。これまでの申請と支給状況を示していただきたい。関連して、震災関連死の申請状況と支給状況はどうなっているでしょうか。
 救助費46億1、281万円余は、応急仮設住宅の維持管理や集会所、談話室の追加設置、災害にかかった住宅の応急修理対象戸数の増に伴う経費、他県からの求償の増額に要する経費を補正するものであります。
 一つ、応急仮設住宅の断熱、二重サッシ、風除室、畳の設置等の対策はどこまで実施されているでしょうか。いつまでに終了する見通しでしょうか。
 二つ、集会所、談話室が設置されていない団地数と、その対策はどうなるでしょうか。集会所、談話室が活用されていない実態がありますが、団地内からの人員配置を含め、改善を図る必要があるのではないでしょうか。
 三つ、応急仮設住宅、団地の維持管理費では、水道の維持管理費、該当の維持管理費が入居者負担となっているのは問題ではないでしょうか。入居者の共益費の負担はどうなっているでしょうか。
 四つ、住宅の応急修理対象戸数はどうなっているでしょうか。修理できるものは最大限修理して再建を図ることが合理的であります。宮古市のように、県としても独自の補助が必要ではなかったでしょうか。今後も活用できるのでしょうか。
 第4に、環境放射能水準調査費が1億5、733万円余の補正となっています。モニタリングポスト6台、サーベイメータ3台、ゲルマニウム半導体検出器1台を新たに設置、確保しようとするものであります。これまでに予算化されたものはどうなっているでしょうか。県は既に市町村が実施している地上5センチメール地点での測定と、毎時1マイクロシーベルトを超えた地点についても除染の対象とすると見直したようでありますが、検査体制はどうなるでしょうか。今後の検査スケジュールを含めて示していただきたい。
 第5に、地域医療再生臨時特例基金積立金が15億円計上されています。これは具体的に何に使われるのでしょうか。前年度の国の補正予算で120億円が措置されていると思いますが、あとの105億円はどう具体化検討されているのでしょうか。
 被災地医療確保対策事業費として3、036万円余が計上されています。今回の補正の内容と、これまでの取り組み状況を示していただきたい。
 第6に、生活福祉資金貸付事業推進費補助が2億4、847万円余の増額補正となっています。市町村社会福祉協議会に対して84人の生活支援相談員を増員配置しようとするものであります。6月補正での118人と合わせると202人の配置となります。被災者の孤立化、孤独化、孤独死を防止する上で重要な取り組みだと考えます。これまでの実績、取り組み状況、課題はどうなっているでしょうか。
 今回の補正では、内陸の市町村社会福祉協議会にも配置する計画ですが、内陸に避難している被災者の状況はどうなっているでしょうか。この事業は少なくても二、三年間以上は継続されるべき事業と考えますが、どうでしょうか。また、人件費はどうなっているでしょうか。
 第7に、老人福祉費6億7、019万円余の補正について質問します。被災高齢者グループホーム等利用料負担軽減事業費補助の対象者数と軽減額はどうなるでしょうか。被災地の介護施設の被災状況と復旧の状況を示していただきたい。被災地高齢者友愛支え合い事業は、高齢者の孤立化、引きこもりを防止し、高齢者の社会的な活動を促進するために、老人クラブによる仮設住宅の高齢者への訪問活動を行おうとするものでありますが、被災地の老人クラブの実態はどうなっているでしょうか。実効性のある事業でしょうか。
 第8に、生活保護総務費1、394万円余の補正について質問します。義援金の受給によって生活保護が打ち切られることがあってはならないことですが、県内で打ち切りの例があるでしょうか。あったとしたら、県としてどう対応しているでしょうか。
 第9に、簗川ダム事業費が2億8、385万円余の減額補正となっています。減額の中身とつけかえ道路整備事業の進捗状況を示していただきたい。大震災の中で、ダム事業は凍結し、見直すべきではないでしょうか。
 津付ダム事業費も3億705万円余の減額補正であります。事業の見直しを表明しているのでありますから、全面的に見直すべきではないでしょうか。
 第10に、警察施設災害復旧費として交通安全施設災害復旧事業費10億5、037万円余の補正となっています。交通信号機の復旧は住民の安全にかかわる緊急な課題であります。6月補正ではわずかに36基分しか措置されませんでした。その復旧状況はどうなっているでしょうか。今回の補正分は被災したすべてが対象となると思いますが、いつまでに復旧する見通しか示していただきたい。
 警察本部職員の超過勤務手当6億8、931万円余が増額補正となっています。大震災に対応した超過勤務に支給することは当然でありますが、これは超過勤務全額に相当するものでありましょうか。県職員全体の超過勤務手当の増額分は12億8、024万円余となっていますが、これは実態を反映したものでありましょうか。
 以上でありますが、答弁によっては再質問をいたします。
〇総務部長(加藤主税君) まず、県の庁舎におきます災害時の対応及び安全対策についてでございます。
 今回の災害による被害状況は、一部壁等の亀裂やガラス、床の破損があったものの、建物の倒壊などはなかったということでございます。
 県庁舎及び15地区合同庁舎につきましては、災害対応の拠点として情報収集や災害復旧対応を行うことになりますが、今回の大震災の際には、県全域における停電が発生したため、自家用発電設備を有しない7地区合同庁舎につきましては、可搬型発電機の確保や、近隣の庁舎における対応を余儀なくされました。また、自家用発電設備を設置しておりました合同庁舎の一部におきましても、設備の不具合により同様の対応を余儀なくされるなど、十分な対応ができなかった面がございます。
 自家用発電設備につきましては、花巻、北上及び奥州の3地区合同庁舎に新設するための補正予算を計上しているほか、一関、遠野、釜石及び宮古の4地区合同庁舎におきましても、本年度、既存の設備を更新中でございます。引き続き、計画的にその他の庁舎における新設、更新を進めてまいりたいと考えております。
 また、耐震性の確保につきましては、本年度、花巻地区合同庁舎で改修工事を実施中でございますが、今後、耐震性能の低い残り8棟の改修につきましては、計画的に進めてまいりたいと考えております。
 次に、県職員全体の超過勤務の実態についてでございます。3月11日発災以降、東日本大震災津波からの復旧、復興に全庁を挙げて取り組む中で、職員の超過勤務につきましては、前年度と比較いたしまして増加しているところでございます。このため、今年度前半における超過勤務の実態を反映した支給を行えるよう、必要となる超過勤務手当の増額補正を提案しているところでございます。引き続き、震災対応により超過勤務が増加している状況を踏まえ、例年以上に超過勤務の実態把握には注力していきたいと考えております。
〇政策地域部長(千葉茂樹君) 三陸鉄道災害復旧事業費補助に関してでありますが、三陸鉄道の復旧に係る国の補助スキームにつきましては、正式にはまだ決定していないところではありますが、国が2分の1、自治体が2分の1負担する新たなスキームとする方向で調整中と伺っているところであります。自治体負担2分の1につきましては、県と沿線8市町村が折半することとしており、全体額から見ますと、県と市町村がそれぞれ4分の1を負担することとなります。しかしながら、県負担及び市町村負担につきましては、国が特別交付税を現年度に交付することで、限りなく実質負担をゼロにする方向で調整中とも伺っているところであります。
 また、津波対策でありますが、津波により被害があった路盤につきましては、のり面を従来の石を敷き詰めました岩座張り工法からコンクリート張り工法に改めることで津波からの強度を高め、また、避難路を整備することで利用者の安全確保を図ることなどにつきまして、国、県、市町村、運営会社等で現在検討しているところでございます。
 次に、復旧状況でありますが、比較的被害が軽微でありました北リアス線の宮古-小本間及び陸中野田-久慈間につきましては、3月中に運行を再開したところでありますが、その他の区間は国の全面的支援がなければ復旧が困難であるため、復旧に向けた工事は現在行っていないところであります。なお、今議会に提案しております補正予算案を御承認いただきました時点におきまして、直ちに復旧工事業務に着手したいと考えております。
 次に、平成23年4月から9月までの利用状況でありますが、運行区間が、御案内のとおり、震災以前の3分の1程度でありますため、15万人弱の利用にとどまっており、昨年同期に比べまして約7割の減となっているところでございます。
〇理事(廣田淳君) 災害弔慰金についてでありますけれども、支給対象件数は6、666件、金額は250億1、250万円と見込んでおります。支給状況につきましては、10月6日現在で3、950件、117億8、750万円支給されております。支給対象、これは支給見込みに対しましては、件数ベースで59.3%の支給率となっております。
 災害関連死の実態と対策についてでございますけれども、市町村におきましては、災害関連死の可能性のあるものが133件のうち、災害関連死として支給した件数が9月22日現在で18件となってございます。県としましては、災害関連死の判断が困難な場合等におきまして、災害弔慰金等支給審査会の事務を市町村から受託し、市町村を支援したいと考えておりまして、今議会におきまして、災害弔慰金等支給審査会の受託に係る議案を提案しているところであります。可決された場合は、速やかに災害弔慰金等支給審査会を開催し、審査を行っていきたいと考えております。
 次に、応急仮設住宅の追加整備についてでありますけれども、断熱及び二重サッシにつきましては、断熱性が低い約7、700戸の住宅につきまして追加工事を行っており、これまでにすべて完了しております。また、すべての住宅を対象としました風除室の設置と、入居者の希望に基づき対応しております畳敷きへの変更工事等につきましては、11月中の完了を予定しております。
 次に、応急仮設住宅の集会所、談話室等の整備、活用についてでありますけれども、集会所、談話室が設置されていない団地数につきましては、全部で319団地のうち174団地となってございまして、これらにつきましては、近隣の公民館等の既存施設あるいは空き住宅の利用によって対応していきたいと思っております。
 集会所等の活用につきましては、県では、応急仮設住宅運営に当たってのガイドラインを市町村に提供しておりますほか、団地内の遊具、ベンチ、プランター等コミュニティスペースを確保するよう進めているところであります。また、9月末現在、各市町村の社会福祉協議会に生活支援相談員を101人配置いたしまして、各仮設住宅団地を満遍なく訪問するなど、自治会、コミュニティ活動のきめ細かな支援を行っているところであります。
 応急仮設住宅団地の維持管理費等についてでありますけれども、集会所等の水道料、団地内の街灯の電気料につきましては、市町村の負担とするか、あるいは入居者の負担とするかは各市町村での判断にゆだね、対応をお願いしているところであります。浄化槽、受水槽の電気料等の共益費についても、同様に市町村に対応をお願いしているところであります。
 住宅の応急修理に係る補助、これは災害救助法に基づくものでありますけれども、10月12日現在、申し込み受付件数2、789件のうち1、980件、71%で修理を完了したところでございます。国で定めている応急修理の限度額52万円につきましては、当面の応急修理に必要な額として国が告示しているものでありまして、本県としましては、この限度額を基本として応急修理を実施しておりまして、県としての補助はしておりません。今後の応急修理につきましては、被災者が避難所から自宅へ早期に帰宅できるよう、7月8日付の市町村あて通知によりまして8月1日を申し込み期限としているもので、既に締め切りとしているところであります。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 環境放射能の測定機器についてでありますが、今年度上期に県が発注した策定機器の納入予定時期は、サーベイメータ8台が今月下旬、モニタリングポスト3台が12月、ゲルマニウム半導体検出器1台が2月となっております。今回の補正予算による測定機器を加えますと、年度内にサーベイメータが計13台、モニタリングポストが計10台、ゲルマニウム半導体検出器が計3台となる予定でございます。これらによりまして、県全域をカバーする空間線量率の測定体制が整うとともに、水道水、土壌及び農林水産物等に含まれる放射性物質の検査体制が大幅に強化されることとなります。
 除染対策に係るスケジュールにつきましては、各市町村がそれぞれ定めておりますが、今後におきましては、市町村の除染実施計画を踏まえ、その対策が円滑に進められるよう、今月下旬に納入される予定のサーベイメータを活用して測定や除染を支援するなど、市町村との連携を一層強化してまいります。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、地域医療再生臨時特例基金積立金についてでありますが、国の平成22年度補正予算により措置された地域医療再生臨時特例交付金については、本県、宮城県及び福島県の被災3県に対しそれぞれ120億円が確保され、そのうち15億円については、被災地の医療機能を回復するために緊急的に必要である場合には、前倒しの交付が可能とされているところであります。このことから、本県では、国庫補助の対象外の経費となる仮設診療所の整備や運営に対する支援、被災医療施設の応急的な機能回復の支援を図ることとしたほか、調剤薬局も含め国の災害復旧費補助の対象とならない施設について、当該補助に準じる措置により、その復旧を支援することとしております。
 本県分として確保された120億円のうちの残りの105億円については、被災地における医療提供体制の復旧、復興を図るための追加支援策を初めとし、災害時の医療提供体制の確保及び三次医療圏を対象とした全県的な医療課題の解決を目的とした施設設備整備、人材育成等のハード、ソフトの事業に充てる方針であり、関係団体等の意見を伺いながら検討を進めているところであります。
 次に、被災地医療確保対策事業費についてでありますが、今般の大震災津波により医療機関が甚大な被害を受けた気仙地域に県が整備した仮設診療所のうち、岩手県医師会が被災地の支援のため、内陸部から医師等のスタッフを派遣して休日等を中心に診療を行うものについて、その運営に要する経費を補助しようとするものであります。
 また、これまでの取り組み状況についてでありますが、仮設診療所については、県立3病院の仮設診療施設も含めて、医科19カ所、歯科14カ所、合計33カ所を設置する計画で、現時点で県立3病院の仮設診療施設を含めて、医科16カ所、歯科10カ所、合計26カ所が診療中であり、おおむね11月までに設置が完了する見込みであります。
 次に、生活支援相談員の増員配置についてでありますが、6月補正予算で措置した相談員118人については、9月末までに予定の人数の配置を終えたところであります。これら相談員については、既に応急仮設住宅入居者を中心に、在宅被災者も含めて巡回相談に当たっているほか、被災者の孤立防止等のため、地域住民等が協働で会話や食事を楽しむ場として設置するサロンの運営を支援するなど、活発に被災者支援活動を展開しております。
 一方、課題としては、被災者支援に当たる関係機関、団体とのネットワークの強化や在宅被災者の状況把握、被災者情報の共有などがあると考えております。
 内陸部に避難している被災者の状況につきましては、いわゆるみなし仮設住宅といわれる民間賃貸住宅等の契約件数や応急仮設住宅の設置状況などから推計しますと、少なくとも1、750世帯が避難していると見込まれ、こうした被災者に対応するため内陸部にも相談員の配置を行うこととしたものであります。
 また、設置期間でありますが、被災者の生活再建を支援するためには、応急仮設住宅が解消されるまで、議員御指摘のように、一定期間は継続されるべきものと考えており、国に対して人件費や事務費の継続的な支援を要望しております。なお、人件費につきましては、生活福祉資金貸付事業推進費補助の中で、所要額全額が国の負担で賄われているものであります。
 次に、老人福祉費についてのお尋ねについてであります。
 まず、被災高齢者グループホーム等利用者負担軽減事業費補助についてでありますが、本事業の補助対象者は、認知症高齢者グループホーム等の利用者のうち、市町村が利用料の免除対象者と認定した500人程度を見込んでおり、また、その軽減額は国庫補助制度のある特別養護老人ホーム入所者等の食費、居住費等基準費用額を目安として考えております。
 次に、被災地の介護施設の被災状況と復旧の状況についてでありますが、県内405の入所、居住系の施設のうち117施設が被災しており、そのうち全半壊と、被害が大きく一時的に使用不能となった施設は14施設であります。これまでに半数の7施設は既に事業を再開しているほか、5施設については国庫補助を活用して事業再開を計画しているところであり、2施設については事業再開の意向がないと伺っております。
 次に、被災地高齢者友愛支え合い事業費についてでありますが、まず、被災地の老人クラブの実態については、震災前には約1万4、000人いた会員のうち、7月末の取りまとめでは409名が死亡または行方不明となっており、老人クラブ事務所も含め、家屋の全半壊など建物被害もありましたが、被害の少なかった地域を中心に、仮設住宅に入居する高齢者への友愛活動や運動会の開催など徐々に活動を再開するとともに、県老人クラブ連合会では、被災地の老人クラブと協力し、全国から寄せられた元気袋を配布し、安否確認を行っているところであります。
 この事業の実施に当たっては、これまでの老人クラブの活動実績と同世代による支え合いのノウハウを生かすとともに、被害が大きい地域には内陸の市町村老人クラブ連合会が支援を行いながら訪問活動を行うなど、地域の実情に応じて顔なじみの高齢者による見守り活動に取り組むものであり、被災地の高齢者自身が役割を持って主体的に参加することによって、新たなコミュニティづくりの一端を担っていただくことができるものと考えております。
 次に、生活保護総務費についてでありますが、義援金等の生活保護制度における取り扱いについては、災害等によって損害を受けたことにより臨時的に受ける補償金、保険金または見舞金のうち、当該被保護世帯の自立更生に充てられる額を収入として認定しないこととし、その超える額を収入として認定することとされております。その取り扱いにより、平成23年9月30日現在では、生活保護が停止または廃止された世帯は110世帯が報告されておりますが、その内訳は、義援金等を受給することを契機に自立し、保護辞退の申し出のあった12世帯、義援金等の収入から自立更生に充てられる額を差し引き、その超える額を収入として認定し、廃止となった95世帯、停止となった3世帯となっております。
 県では、義援金等の適正な取り扱いが行われるよう保護の実施機関を指導しており、保護の廃止等を行った場合は自立更生計画書等の提出を求めて、その内容を審査しているところであります。
〇県土整備部長(若林治男君) まず、簗川ダム建設事業についてでありますが、減額補正は国庫内示差額によるものでありますが、主なものは、NTT中継所の移設補償やダム本体の一部調査設計等の減額となっております。
 つけかえ道路の進捗状況につきましては、平成22年度末で、国道106号の進捗率は事業費ベースで約95%、県道盛岡大迫東和線は事業費ベースで約83%となっているところであります。
 ダム事業につきましては、昨年度、検証対象ダムとなったことから、国の検証要領に従って検証を行いまして、大規模事業評価専門委員会の審議の結果を踏まえ、県の対応方針を事業継続と決定し、本年4月に検証結果を国に報告したところであります。
 国では、この報告内容につきまして、本年7月に、国で設置いたしました有識者会議に諮り、その審議結果を踏まえて8月に国としての対応方針を継続と決定したところであり、今年度から新たな段階としてダム本体関係の調査設計の一部に着手する予定であります。
 次に、津付ダム建設事業についてですが、国の検証対象ダムとなったことから、昨年度検証を行い、県の対応方針を事業継続と決定した後に、東日本大震災津波により、はんらん防止区域の一つであります陸前高田市街地が大きな被害を受け、ダム検証時点の社会状況と大きく変化したことから、津波対策施設の計画や陸前高田市の復興計画を踏まえて気仙川の治水対策手法等の再検討を行い、大規模事業評価専門委員会での審議をいただいた上で国へ報告したいと考えております。検証が終わるまでの当面の間は、国からの検証要領に基づきまして、現在進めているつけかえ国道397号の整備等にとどめ、ダムの本体に係る設計等、新たな段階に入らないこととしているところであります。
〇警察本部長(樹下尚君) 6月補正でお認めいただきました信号機36カ所分につきましては、すべて契約済みでありまして、10月中には、2カ所を除き滅灯状態が解消する見込みであり、残り2カ所につきましても11月上旬には解消する見込みでございます。
 今回の補正でお願いしております残る信号機につきましては、市街地が大きく被災した地域で復旧時期を検討中の若干の箇所を除きまして、年内には滅灯状態を解消したいと考えております。
 これらの信号機が復旧するまでの間、交通流量等を勘案しまして、必要性の高い交差点につきまして、警察官による交通整理や臨時の一時停止標識を設置しまして、あわせて、交通安全広報を実施しながら交通事故防止に万全を図ってまいりたいと考えております。
 それから、超過勤務手当についてのお尋ねでございます。今回、増額補正をお願いしております超過勤務手当6億8、931万円余につきましては、震災対応で不足が見込まれましたことから、これまでの支給額、今後の体制及び超過勤務時間数の見込みから必要額を計上したものでございます。
〇37番(斉藤信君) 今の答弁を踏まえて、知事に3点お聞きしたい。
 一つは、応急仮設住宅で集会所、談話室が319団地のうち174団地で設置されてない。半分以上設置されてないんですよ。私は、仮設入居者の孤立化、孤独化を防ぐ最大の保障がこの集会所、談話室の整備であり、この活用だと思いますよ。ぜひ、まだ設置されてないところを最大限整備するという方向で取り組むべきではないか、これが第1点です。
 第2点、地域医療再生臨時特例基金なんですけれども、この15億円の中に高田病院仮設診療所の入院病床の設置経費が入っていると思います。いつまでに高田病院の入院病棟は設置されるのか、これを示していただきたい。
 第3点目、義援金が理由で生活保護が110世帯で打ち切られたと。私はこれは極めて重大だと思いますよ。大体、津波の被害ですべての財産を失っているわけですよ。わずかな義援金が理由で生活保護が打ち切られることがあってはならない。義援金というのはそういう性格のものではない。そういう意味で、義援金が出されただけで12世帯。義援金が生活費を超えてしまった、それが95世帯ですか。こんな評価を被災者がするわけがないんですよ。これは行政指導ですよ。やっぱり本当に被災者が生活を再建するという点で、この義援金は再建のために使われるべきで、日常の生活費に回ってないんですよ。生活保護が切られたら、医療扶助も受けられない。被災者がさまざまな扶助を受けられないのですよ。私は、こういうことがあってはならないと。この実態を知事自身がしっかり把握して、改善に取り組むべきではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) まず、50戸以上の仮設住宅団地において集会所、談話室を設置し、そうでないところについては、近隣の公民館でありますとか仮設住宅のあいているところを活用する等という答弁が先ほどありましたが、幾つかの仮設住宅団地では、集会所、談話室をつくるということも聞いております。いずれにせよ、仮設住宅団地のいわば新しいコミュニティの中に住んでいる皆さんが工夫をしながら、さまざまなコミュニケーションの方法を工夫していただき、県としては、それをしっかり支援してまいる所存でございます。
 それから、高田病院の仮設の入院施設については、医療局としては来年1月末の完成を目指して取り組んでいくと聞いております。
 それから、生活保護については、これは、成熟した民主主義国として、さまざまなトラブル等があったとしても、まず、食べるには困らないということをすべての国民に保証するという制度であり、これがあるがゆえに、さまざまなトラブルに直面しても希望を失うことなく生活をしていくことができるという生活保障の一つの重要な制度と理解しております。
 また、生活保護という制度は、その制度の性格上、常に生活保護の行政側と受給者側とのきめ細かなやりとりの中で、自立、働いて稼いでいくことができる、また、さまざまな人のつながりの中でお金の融通を確保して新たな一歩を踏み出していくことができる、そういった自立への促しということも絶えず行われている制度と理解しておりまして、今回の災害という、一面非常に生活を脅かす危機的状況ではあるのですけれども、そこでさまざまな制度的な支援金、また、善意によって新たな自立に向けての一歩を踏み出すことができるのであれば、そこはどんどん踏み出していただきたいとも思うわけであります。
 もちろん、そこはきちんときめ細かにお一人お一人の状況を踏まえた上で判断されなければならないわけでありますけれども、ただ、制度的にこの義援金等の災害時におけるそうした臨時の収入をもって、一部を収入に充てるという計算の仕方については、過去の日本における大災害でもとられている方法、手段と理解をしております。
〇37番(斉藤信君) 義援金が理由で110世帯が打ち切られたと。私は、ぜひ実態を把握していただきたいと思うんですよ。既に、障がいを持った方が義援金を理由に切られて─義援金なんていうのは、あと1カ月、2カ月でなくなってしまうんですよ、これは。確実になくなっちゃうんですよ。本来なら生活再建に使わなきゃだめなんですよ。そうしたら、こういう方々はいつまでも生活再建ができませんよ。生活再建のために国民に支給しているわけだから。そこで、私はきちんと把握していただきたい。
 医療局長、県立高田病院、40床という報道もありますが、そういうことでよろしいですか。
〇医療局長(遠藤達雄君) 高田病院の仮設の入院施設についてでございますけれども、敷地の関係もございまして、当面、大体40床程度を目途に建設を進めてまいりたいと思っております。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 御質問かどうか。(斉藤信議員「質問ですよ」と呼ぶ)であれば、答弁させていただきたいと思います。
 今回の義援金等について、まず、それを収入として判断をする根拠でありますが、義援金というのは、その性格は、災害によって損害を受けたことによって受け取る金銭でございますが、その全額が被災者の方の心身の苦痛を慰謝するものだけではなく、災害によって失われた生活基盤の回復という生活保護の意味合いが大きいと考えられるということで、自立更生に充てられた経費以外は収入として取り扱うという基本的な考え方が示されておりまして、それが、知事が先ほど申し上げましたとおり、過去の災害─これは阪神・淡路大震災ですとか、あるいは新潟県中越沖地震の際も同様の取り扱いをしているところでございます。
 それで、生活再建に使われる必要があるというその考え方は、まさしく議員御指摘のとおりでございまして、認定をする際に自立更生計画というものをきちんと出していただくことになっております。それで、例えばどういう形で生活再建に義援金を使うんだということを確認いたしまして、それについては認定をしまして、それは収入としては見ないと。それをどういう形で認定をしたかということにつきましても私どものほうにも資料が来ることになっておりますので、確認をしながら、決して生活再建に結びつかないような形でこの事務が進められることのないように取り扱ってまいりたいと考えております。
〇議長(佐々木博君) 次に、小野寺好君。

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