平成23年9月定例会 第2回岩手県議会定例会 会議録

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〇34番(熊谷泉君) 自由民主クラブの熊谷泉でございます。
 改選後、初めてとなる定例会において、質問の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様方に感謝を申し上げます。
 震災から7カ月が経過し、死者4、664名、まだ行方がわからない方が1、584名と発表されております。改めまして、3月11日に発生いたしました大震災津波によりお亡くなりになられました多くの方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。
 それとともに、被災された皆様方に対しまして、心からお見舞いを申し上げる次第であります。
 また、先般、15号台風でお亡くなりになられました方の御冥福と、被害に遇われました方々にも、お見舞いを申し上げます。
 それでは、通告に従い、順次質問をしてまいります。質問の中、先ほどの議員の皆様方と一部重複するところがあるかもしれませんが、御了承くださいますようお願い申し上げます。
 まず初めに、改選後の知事の県政運営についてお伺いいたします。
 去る9月11日には、6カ月ほど延期されていた知事選、県議選が行われ、知事も2期目の御当選を果たされました。知事に投票された多くの方々の思いは、一刻も早い復興への願いと重なるものであります。
 震災の復興については10年以上を要すると被災地ではとらえられております。知事は、4年前の選挙から、首長の任期は8年と公約に掲げられておりますが、現時点でも、みずからの任期をあと4年と考えておられるのかをお伺いいたします。
 次に、復興のためには種々の課題が山積していますが、もし、知事みずからが任期を4年とするならば、この4年間の任期中に重点的に取り組む施策は何なのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
 また、裏づけとなる財源確保の見通しはどうなのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、復興財源についてお伺いいたします。
 事業の着実な進展のためには、財源の確保が重要であります。
 政府は、東日本大震災の本格的な復興に向け、2011年度の第3次補正予算の規模を12兆円程度とし、9兆1、000億円を復旧、復興に充当。このうち1兆9、000億円を喫緊の課題である円高対策を兼ねるとしています。
 野田首相は、今後5年間で必要となる16兆2、000億円のうち9兆2、000億円が臨時増税になるとしております。また、所得税、法人税を中心に、またここへ来て流動的な動きもありますが、たばこ税も引き上げるとしております。
 岩手県においても、県復興基本計画の2011年度から18年度までの期間、354事業の事業費を試算し、発表しましたが、それによると基本計画の安全確保に3兆7、000億円、これらには、津波防災施設の整備、復興道路の整備、浸水区域の土地利用、高所移転などハード事業を多く含むとされています。
 次いで、暮らしの再建は2兆2、000億円、これらには、生活再建支援金支給、仮設診療所整備、学校施設の普及整備、災害復興公営住宅整備が含まれています。
 なりわいの再生には1兆4、000億円、これには、水産業の再建、再生、二重債務者解消支援策、中小企業や商店街の再建、再生支援が入っており、これに加えて三陸創造プロジェクトの7、000億円を見込み、合わせて8兆円が必要とされています。
 復興の財源は増税と現政権は示しておりますが、知事は、増税に対しては消極的な発言をされております。一方、岩手県の復興には8兆円を必要と試算されており、知事は、復興財源を具体的にどのように確保されていくべきとお考えなのかお伺いいたします。
 さきの選挙戦においては、県と市町村との連携強化が論点となっておりましたが、現在、市町村要望は振興局が対応するシステムに変更されてきております。各市町村の首長さんたちからは、知事の考えを直接聞く機会が少ないとしている人も多いようです。
 知事は、今回の演述で、県、市町村がしっかりと連携して、岩手県全体の復興に向けた取り組みを進めるとしていますが、市町村との連携をどのようにとられるのか、具体的にお示しを願います。
 次に、東日本大震災の復興についてでありますが、平成22年4月に広域振興局体制に移行してから、この大震災が発生いたしました。沿岸広域振興局は釜石に本局があり、宮古、大船渡地区はそれぞれ部門ごとのセンターとなっております。今回は、三陸全体が被災しており、各漁港、集落等、すべてのところで被害が甚大であります。
 また、各市町村の行政機能も大きなダメージを受けました。これについては、2012年度他市町村からの職員派遣を望んでいて、陸前高田市32人、大船渡市24人、大槌町18人などで、おおむね3カ月以上の中長期支援で、一般職は56人、土木技師などの専門職は46人と、9市町村で計102人の派遣を要請していることからもうかがえます。
 この地域の復興に当たっては、県においても長期にわたってのマンパワーが必要と考えますが、宮古、大船渡地区への人的支援をどのように図られていくのかお伺いいたします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、浸水地域の土地利用についてですが、浸水地域の土地利用については、知事は、各市町村の意向を踏まえてとしておりますが、高台移転等、財源が確保されなければ前に進まない課題であります。
 現地では、住宅も建ち始めているとも聞こえておりますが、国、県、市町村の連携のもとに迅速に土地利用計画を示していかなければならないと考えますが、市町村をどのように支援していこうとされているのか、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、農業政策について何点かお伺いいたします。
 まず初めに、福島第一原発事故に伴う放射性物質の拡大は、本県にも、牛の出荷停止など大きな損失をもたらしました。知事は、これらをどのように受けとめられたのか、また、今後、この放射性物質が本県農業にとり、どのように影響していくとお考えなのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、岩手県は牛の出荷が約1カ月停止され、結果的に県内の子牛市場まで開催が延期されることとなり、繁殖農家まで大きな不安を与えることとなりました。特に、肥育牛の出荷停止は、飼料代の増嵩のみならず、肥育末期の生理から死亡や病気になったものもあり、被害は甚大であります。これらによる被害額はどのくらいとされているのか、お伺いいたします。
 また、これは東京電力に請求されるものと考えますが、農家にはいつごろまでに補償されるのか、今後の流れについて伺います。
 次に、9月20日に出荷停止解除後、初めて首都圏に生体出荷された前沢牛と奥州牛の落札価格が伸びなかったことが報道されております。滞留していた牛を一斉に出荷すると相場が下がるのは推察されますが、原因は、これだけでないように考えられます。
 販売店では、長期にわたり品物が入荷しない場合は、売り場を他産地に変えることも行われています。こうした岩手県産牛肉の価格の低迷に対し、今後、販売促進も含めてどのような対策がなされていくのか伺います。
 次に、畜産農家が利用できずに保管している暫定許容量を超過している稲わらや牧草の処分についてお伺いいたします。これらについて、県では利用自粛牧草等処理円滑化事業費補助として1億9、400万円を予算化したところですが、さきの県の調査によりますと、19市町村の181戸で約600トンもの汚染わらを保管していることが明らかになりました。現在、稲刈りが行われており、農家、新たな稲わら置き場の確保に苦慮しております。これらの稲わらの処理についてはいまだ方針が定まっておりませんが、国、県、市町村で処理方法を協議し、早期に農家に示さなければならないと考えます。今後、どのような手順でこれらが処理されていくのか伺います。また、300ベクレルを超えた牧草類も使用が制限されましたが、これらについて全量を処理されたのか、あわせて伺います。
 次に、本県の放射性物質の影響についての考え方を伺います。
 現在被害があらわれているものは、福島第一原発において3月15日に起きた水素爆発時に飛散した放射性物質の影響のみと考えているのか伺います。福島第一原発においては、破損した建屋を覆う工事がなされていると聞いておりますが、いまだ完成しておりません。本県において、今後も農産物に対する放射性物質による影響が継続すると考えているのか、所見を伺います。
 次に、農産物の検査及び検査体制について伺います。
 ことしは、米、リンゴ等の検査の結果、安全が確認されています。県は、今後、県内全域83カ所の農地の放射線量調査を行うこととしておりますが、その際、高濃度に汚染された土壌が確認されれば、農産物への調査も必要と考えられます。県南部では、合併前の旧市町村別に2地点ずつ、県央と県北では旧市町村ごとに1地点を調査するとしていますが、これとは別に農産物自体の検査も必要と思われます。今後の農産物の検査について、その方針を伺います。また、野菜などの検査する品目とサンプル数によっては検査機器の確保が必要と考えますが、現在の体制で十分とされているのか伺います。
 次に、松くい虫対策についてですが、現在、松くい虫対策は盛岡市からの北上をとめることが命題となっておりますが、紫波町においては東西方向に爆発的な広がりを見せております。被害面積は、高度公益機能森林115ヘクタール、被害拡大防止森林15ヘクタールが認められています。従来の処理ペースでは被害拡大を抑制できない状態であり、場所によっては全山赤く変色しており、感染源になっていることはもとより、山林火災になれば大惨事を招く状態であります。従来の薫蒸処理では対応できない量と考えられ、集中的な伐倒と林地からの搬出が必要と考えられます。対策を伺います。また、これらの被害材をチップや木質燃料として有効活用するべきではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、いわて県民計画について伺います。
 今回の知事選で達増知事は、マニフェストとしてみずからが策定に当たった復興計画と、2018年度までのいわて県民計画の実行を訴えて再選されました。これは、復旧、復興を着実に進めてほしいという有権者の強い思いのあらわれであります。4年前の選挙では、岩手が直面する重大危機として、所得、雇用、人口、医療を掲げておりました。先般の知事の演述では、第1期アクションプランにおいては、本県人口の社会減に歯どめがかかったと述べておられましたが、今回の震災で沿岸部からの人口流出は明らかになっており、果たして県外への人口流出はなかったのか、その実態をお伺いいたします。
 また、沿岸部では、震災により内陸部に移動したこともあり、発災直後、大きな移動があったと考えられ、内陸に移った人たちも、仮設住宅への転居に伴い、多くの方が戻りつつあると推測されますが、復興に伴い、県外または県内の他の市町村に避難されている住民の方々がどの程度戻っていくと考えられるのか伺います。
 さきに発表された平成22年度主要施策の成果に関する説明書では七つの政策の状況が示されておりますが、これらの取り組みのうち、計画どおり進まなかった政策は何か伺います。
 次に、震災後の第2期アクションプラン作成についてお伺いいたします。
 県の行動計画は政策編、地域編、改革編から構成されていますが、特に、震災により沿岸広域振興局、県北広域振興局においてはインフラが大きく変化しており、第2期アクションプランの作成において、基本方向、重点施策などを見直す必要があると考えますが、従来の方針と現時点で大きな差異を生じているものがないか伺います。また、内陸においても、円高と電力供給不安はものづくり産業にとって大きな懸念となっております。第2期アクションプランの作成に当たり、ものづくり産業の振興にどのように反映していかれるのか伺います。
 次に、国体についてでありますが、本年の第66回国民体育大会おいでませ!山口国体は、10月1日から11日まで山口県を主体に18市町で開催されました。議員派遣として高橋但馬議員、小野共議員とともに私も参加させていただきましたので、その経過を踏まえながら質問をさせていただきます。
 開会式は、1日に山口市にある維新百年記念公園陸上競技場で行われ、この場所は国道9号に接しており、交通アクセスもよく、山口県スポーツ文化センター、弓道場、テニス場、補助陸上競技場が隣接してあり、開会式に伴うイベント参加の人員も十分収容できるスペースがありました。開会式場2万4、000人余のスタンドも幾分余裕があったように感じられました。開会式は晴天に恵まれ、オープニングイベント等もすばらしく、本来の目的は達せられたものと感じました。
 山口県は、昭和38年に第1回目の国体を開催しており、今回は48年ぶりの2巡目国体でありましたが、山口県代表選手は816人とされており、昭和38年の大会ではわずか0.4点差で2位となっており、そのことから天皇杯獲得は山口県民の悲願となっておりました。それもあり、開会式最後に入場した900名余りの選手団にはスタンドから大歓声が起こりました。
 今回の国体は、初めに東日本大震災復興支援とうたわれており、3番目に入場した岩手県選手団にも大きな声援が送られました。団長の達増知事は、両手両足を大きく上げて、47都道府県の団長の中で一番力強く行進し、復興に向けた岩手の心意気を示したものと感じました。現地からは、弓道、重量挙げ、カヌー、ホッケー、ボクシング、ハンドボールなど本県選手の健闘が伝えられましたが、全日程を終了した段階では、本県は天皇杯順位で41位と、前年の33位から大きく後退しました。知事は開会式で、900余名の山口県選手団と、2巡目の岩手国体における本県選手団の姿と重なる部分もあったのではないかと思いますが、今回の山口国体に参加されての知事の所感をお伺いいたします。
 2巡目国体をめぐっては、震災後の復興に当たっての財政面での問題も取り上げられておりますが、2巡目国体を開催するに当たり、県予算としてどのぐらいの額が必要と試算されているのかお伺いいたします。また、開催に当たってマンパワーの不足も挙げておられますが、県職員が全体にどのぐらい必要とされているのか、あわせてお伺いいたします。
 最後に、今年度建設予定だったドームについて、今後の見通しについて伺います。
 御答弁によっては再質問をさせていただきますが、以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 熊谷泉議員の御質問にお答えいたします。
 まず、私の任期についてですが、知事が何期務めるかは、究極的には有権者が決めることではありますが、首長の多選には弊害があり、知事は原則2期までが好ましいという考え方には変更はありません。
 次に、今任期中に重点的に取り組む施策等についてでありますが、まずは、復興計画に掲げる安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生の三つの原則に基づき、多重防災型まちづくり、住宅の再建や雇用の確保、企業等の二重債務の解消に向けた支援などの復興に向けた取り組みについて、県はもとより、県民、企業、NPO、市町村などさまざまな主体を結集し、一丸となって着実に推進してまいります。
 また、現在、これからの4年間を計画期間として、いわて県民計画長期ビジョンに掲げる岩手の未来をつくる7つの政策などを具現化するための施策や、復興への取り組みを一体的に盛り込んだ次期アクションプランの策定に向けた作業を進めております。
 この中に盛り込む具体的な施策や取り組みについては、平成22年度の政策評価結果を踏まえ、進捗のおくれが見られる施策については重点的に取り組むとともに、個々の事業ごとに復興に資する優先度や関連性等を勘案し、また、内陸地域の活力が沿岸地域を支えていくことにも十分配慮したものにするよう、全庁的に指示したところであります。
 具体的な取り組みとしては、例えば国際的な海洋研究拠点の構築や、いわてデスティネーションキャンペーンを契機とした継続的な観光産業の振興に向けた取り組み、地域医療再生基金を活用した医療高度化による地域医療の推進、新しい公共支援基金を活用したNPOと市町村等の協働の促進などが現時点では想定されますが、今後さまざまな分野で議論を深めていきたいと考えております。
 また、財源確保の見通しについては、当面、被災地の復旧、復興のために多額の財源を投入せざるを得ず、従前にも増した厳しい財政運営を強いられる状況にありますが、次期アクションプランに掲げる施策を着実に推進できるよう、事務事業や管理経費の見直しを含め、より一層効率的な行財政運営に努めるとともに、各年度において適切な財源対策の検討を行いながら予算を編成する必要があると認識しております。
 次に、復興財源についてですが、日本経済の状況、国際経済情勢の動きなどを踏まえ、国内の消費を拡大し、日本経済を強くする流れの中で復興を推進していくことが重要と考えております。
 国における復興財源のあり方については、基本的に我が国の経済財政政策を担う政府が、経済状況等を十分に踏まえて判断すべきものでありますが、被災地は経済的、財政的に深刻な状況にあり、被災地の負担増加はもとより、消費の減退による日本経済へのマイナス影響を与えないような財源確保策を講ずるべきであると考えております。
 次に、市町村との連携についてでありますが、県においては、毎年度、県政の重要課題について、市町村長と知事等との意見交換会を開催し、直接知事の考えを伝えるなど、市町村との間で共通理解が得られるよう努めてきたところであります。
 今般の震災への対応に当たりましては、沿岸市町村復興期成同盟会の場において、沿岸市町村長と復旧、復興に向けた課題を共有し、共同して国への要望を実施してきましたほか、発災直後及び県復興計画策定時に内陸部の市町村長に参集いただき、沿岸地域と内陸地域が一体となった取り組みを知事から要請したところであります。今後においても、引き続き、市町村復興計画の策定支援や職員派遣などによりまして、市町村との一層の連携を図りながら、県全体の復興が着実に進むよう取り組んでいきたいと思います。
 次に、浸水地域の土地利用についてですが、浸水地域を含む土地利用計画の策定に関しては市町村が主体的に取り組んでいくべきものではありますが、国、県がしっかり連携し、市町村の取り組みを支援していくことが重要と考えております。
 県は、市町村の土地利用計画の策定に当たり、多重防災型まちづくりに向けて、県が管理する防潮堤の高さ等について市町村と検討を進めるとともに、避難体制の構築や市街地整備に係る導入事業の調整など、課題の解決に向けた取り組みを進めているところであります。今後も、まちづくりに必要な事業制度について国に要望していくとともに、関係機関と連携し、市町村に対する人的、技術的支援を行い、早期に土地利用計画が示されるよう支援していきたいと考えております。
 次に、放射性物質の拡大による損失及び本県農業への影響についてでありますが、今般の原発事故により、本県産牛肉からも暫定規制値を超過する放射性セシウムが検出され、国による牛の出荷制限の指示があり、畜産農家では販売収入が途絶えるとともに飼料代等の掛かり増し経費が生じるなど、極めて厳しい経営を強いられているものと認識しております。また、米や野菜などについても、生産者や消費者が大きな不安を持つこととなり、本県農業にとって極めて大きな影響を及ぼしたと受けとめております。いましばらくは牛の出荷遅延や牧草の利用自粛などによる影響は残るものと考えられますほか、引き続き、県産農畜産物への風評被害が懸念されます。
 このようなことから、県としては、畜産農家の出荷遅延対策などを講ずるほか、農地、土壌等の放射性物質測定による安全な農畜産物の生産体制の整備や農畜産物の放射性物質検査結果の公表など、正しい情報発信によって農業者の不安払拭と消費者の信頼確保に努めてまいります。
 次に、山口国体に参加しての所感についてでありますが、先日まで開催された山口国体は、たちあがれ!東北がんばろう!日本を合い言葉に、東日本大震災復興支援第66回国民体育大会として開催されました。
 今回の国体への参加に当たりましては、山口県の皆さんより、被災により練習がままならない本県選手に対し、共同練習の機会の提供や派遣費用の一部負担などの御支援をいただき、深く感謝をしております。総合開会式での本県選手団の入場行進においては、山口県民からの心からの御声援をちょうだいし、また、式典会場の内外で全国の選手団から多くの激励の声をかけていただくなど、スポーツで結ばれる人と人とのつながりを強く感じたところであり、スポーツの持つ力を再認識し、今後の本県の復興に向け、大きな励みともなったところであります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いします。
    〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) 宮古、大船渡地区への人的支援についてでございますが、これまで、沿岸部の広域振興局に対し内陸部から30名の職員を異動するとともに、他の都道府県等からの72名の応援職員を受け入れ、沿岸地区全体の復旧、復興に取り組んできたところでございます。その際、宮古、大船渡地区など本局が所在しない地域に対しましても、本局が所在する釜石地区と差を設けることなく、必要な人員の手当てを行ってきたところでございます。
 また、組織体制の面におきましても、災害復旧事業等を担う特命課長や、被災者からの各種相談に対応する相談支援センターを宮古及び大船渡地区にも設置するなど、本局と同様の機能強化を図ってきたところであります。
 今後、漁港整備を初めとする災害復旧事業の実施等、復興事業の本格化に向けて執行体制の一層の拡充が重要と認識しておりますことから、全国の都道府県等に対し、引き続き職員派遣を強力に要請するとともに、退職した職員の再雇用、民間委託の一層の活用等、あらゆるマンパワーの確保策を検討、実施することにより、宮古、大船渡地区を含め沿岸地区全体の復旧、復興に取り組んでいきたいと考えております。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、牛の出荷制限による被害額と補償時期についてでありますが、これまでの本県の平均的な出荷頭数から見て、牛の出荷制限により4、000頭程度の牛の出荷が遅延していると推定されますが、被害額につきましては、枝肉価格が回復していないこと、出荷遅延が解消していないこと、さらにその期間や程度を見込むことが難しいことから、現時点で推計することは困難でありますので、御了承願います。
 また、東京電力に対する賠償金の請求につきましては、JA等で構成する損害賠償対策岩手県協議会が、これまでに生じた枝肉価格の下落や出荷遅延に伴う損害につきまして、家畜評価額と販売額の差額や、販売時までの掛かり増し経費等の取りまとめを行っているところです。同協議会では、牛の出荷制限等による損害は毎月末に請求することとしており、今月末の請求からは、牧草のほか牛に係る損害などにつきましても請求する予定となっております。東京電力は、先月30日に請求のあった牧草に係る賠償金につきまして、11月末までには協議会を経由して対象農家に支払うとしており、牛に係る賠償金につきましても、順次支払いが進められるものと考えております。
 次に、岩手県産牛肉の価格低迷に対する対策についてでありますが、価格低迷に対しましては、消費者の信頼回復や風評被害対策が重要と考え、県産牛の全頭検査を実施するとともに、新聞、パンフレット等によるいわての牛肉安全宣言など、あらゆる機会をとらえて、消費者や実需者に対して県産牛肉の安全性をアピールしているところです。
 また、販売促進対策として、東京食肉市場まつり2011における知事のトップセールスを初め、各種イベントを通じて消費者に対し直接売り込みを図るとともに、関係団体と連携しながら、量販店での県産牛の取り扱いの拡大に取り組むなど、県産牛の需要と価格の回復に向けた対策を講じていくこととしております。
 次に、汚染稲わら等の処理についてでありますが、処理が必要な稲わらの量は19市町村で約600トン、牧草は4市町村でサイレージに換算して約9、000トンとなっており、また、稲わらや牧草処理につきましては、農林水産省から、生産圃場へのすき込みや一般廃棄物としての埋却、焼却などの方法が示されております。
 本県では、市町村を支援しながら、畜産農家が保管している稲わら、牧草の処理を進めていくこととしておりますが、埋却することにつきまして、引き続き関係省庁の間で調整が行われていること、8、000ベクレルを超過する稲わらにつきまして最終的な処理方法が国から示されていないことから、処理が進んでいない状況になっております。県といたしましては、国に対し、埋却や8、000ベクレルを超過する稲わらの処理方針を早急に提示するよう求めており、提示され次第、この方針に基づき適切に処理を進めてまいります。
 次に、放射性物質による影響についてでありますが、県では、今回の原発事故による本県への影響を把握するため、盛岡市等において、3月14日から空間線量率、3月19日から降下物、水道水の測定を実施しております。空間線量率につきましては、水素爆発後、一時的に上昇したものの徐々に低下し、4月下旬以降は、平成19年度から平成21年度の平均である毎時0.023マイクロシーベルト前後で推移しており、降下物に含まれる放射性物質につきましては5月19日以降、また、盛岡市や一関市等の水道水につきましても4月19日以降、不検出となっておりますことから、本県の放射性物質の影響につきましては、主に水素爆発によるものと推測しております。
 また、県産農産物に対する放射性物質による影響の継続につきましては、これまでの農産物の放射性物質濃度の測定結果から見て、生産物に対するこれまで以上の影響は生じないものと考えておりますが、牧草の利用自粛等は継続しており、引き続き、農林水産物の放射性物質濃度の検査や農地土壌等の測定調査に取り組み、その推移を見守る必要があるものと認識しております。
 次に、農産物の検査及び検査体制についてでありますが、農産物の検査につきまして、県では、米を初めとする農産物等を対象に、県産農林水産物放射性物質濃度の検査計画を策定しているところであり、今後におきましても、農産物等の収穫時期を考慮しながら、牛肉も含めて検査を継続していく考えです。
 また、検査体制につきましては、引き続き県環境保健研究センターや民間検査機関を活用していくほか、この9月には、農林水産省から簡易測定器の無償貸与を受け、県農業研究センターなどに配備したところであり、さらに、補正予算に盛り込んでおります中央農業改良普及センターに配備予定の簡易測定器や農業改良普及センターに配備予定の携帯型の測定器も活用しながら、円滑な検査に努めてまいります。
 次に、松くい虫対策についてでありますが、本県の松くい虫被害対策につきましては、保安林などの重要な松林の保全と被害の北上を阻止することを重点に取り組んでございますが、近年は、防除の対象となっていない被害木等が感染源となって、特に紫波町や花巻市などの被害先端地域において被害が拡大してきております。
 このことから、被害先端地域におきましても、これまでの県南の高被害地域で行われていた松林以外の樹種に転換する事業の導入を図り、森林所有者の協力を得ながら、被害木の集中的な伐倒、搬出を進めていく必要があるものと考えております。
 また、被害木の利用につきましては、平成21年度から製紙用チップとして一部を利用しておりますが、今後は、燃料用としても利用が図られるよう検討を進め、被害材の幅広い活用につきまして、市町村と連携しながら取り組んでまいります。
   〔政策地域部長千葉茂樹君登壇〕
〇政策地域部長(千葉茂樹君) まず、県外への人口流出についてでありますが、沿岸12市町村の本年3月から8月までの半年間の県外への人口移動は、前年同期と比較いたしまして1、579人増加しております。その主な要因は、被災者が県外に移ったことによるものと考えております。
 一方、内陸市町村から県外への人口移動は、県外への転出が減少したことや大震災に伴う他県からの転入などによりまして、前年同期と比べまして1、586人減少しておりまして、結果として、県全体としての人口の社会減は、おおむね前年同期並みとなっているところでございます。
 次に、いわて県民計画で計画どおり進まなかった政策についてでありますが、平成22年度の主要成果の評価におきましては、目指す姿指標については、おおむね達成以上が全体の半数を超え、厳しい社会経済情勢の中で、医療・子育て・福祉分野では一定の成果を上げたものの、産業・雇用、教育・文化の分野におきましては、半数以上の指標がおくれや、ややおくれとなっているところであります。
 計画どおりに進まなかった主な理由につきましては、産業・雇用分野では、世界同時不況や円高の影響等によります製造品出荷額の大幅な落ち込みなどが要因となっており、また、教育・文化分野では、児童生徒の学習定着度状況調査や、児童の体力・運動能力調査において目標値に達していないことなどが要因となっているものであります。
 次に、第2期アクションプランの策定についてでありますが、第2期アクションプランは、大震災津波からの復旧、復興に向け、全力で取り組むとともに、いわて県民計画に掲げております希望郷いわての実現に向けた施策を着実に推進するという観点から策定する必要があるものと認識しております。
 現在、第2期アクションプランの策定に向けた作業を進めており、県総合計画審議会からは、アクションプランの上位計画であります長期ビジョンにつきましては、その基本的方向等を変更する必要はないものとの意見をいただいておりますが、第2期アクションプランの政策編に盛り込む各種施策につきましては、復興に資する優先度や関連性を勘案し、内陸地域の活力が沿岸地域を支えていくことにも十分配意したものにしたいと考えているところであります。
 また、地域編におきましては、特に、沿岸・県北広域振興圏について、復興計画に基づく施策を喫緊の課題として最優先に取り組むことが求められておりますことから、地域編を策定するかどうかも含め、地域の意見をお聞きしながら検討することとしております。
 さらに、改革編におきましても、復興を迅速、集中的に進めるため、限られたマンパワーの効果的活用、組織体制の整備、職員の能力向上、市町村との連携強化などの改革に重点的に取り組んでいきたいと考えております。
 このような考え方に立ちまして、今後、県総合計画審議会や各圏域懇談会などの場を通じ、県民の皆様の御意見を伺い、さらには、県議会の御意見もいただきながら検討を進めていきたいと考えております。
 次に、国体の開催に要する予算と人員についてでありますが、先催県と同様の内容で実施すると仮定した場合、県の予算は開催年度までに約110億円必要と考えられ、また、開催の前年及び開催年におけます県の事務局体制は、おおむね100人程度を見込んでいるところであります。
 現在、市町村及び競技団体におきまして、施設整備や競技会運営等について、さらなる簡素効率化を検討していただいているところであり、一方、総合開会式など県が行う準備等業務につきましても、各種簡素合理化の検討を行っているところであります。
 今後、開会に係る予算及び人員につきましては、その検討の中で積み上げてまいりたいと考えております。
   〔理事平井節生君登壇〕
〇理事(平井節生君) 今後の避難住民の帰宅についてでございますが、被災市町村の復興まちづくりの進展や県内外の社会経済状況など、さまざまな要因があることから、具体的な推計を行うことは困難ではございますが、復興に当たりましては、被災された住民がその地にとどまり、あるいは一時的に離れたとしても、戻ってきて、まちづくりに主体的にかかわり、希望を持って生活再建を進められるようにすることが、何よりも重要であると考えてございます。
 このため、被災者の生活再建や安全・安心な住環境の整備、雇用の確保、地域産業の再生など、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生の取り組みを進めてまいります。
   〔商工労働観光部長齋藤淳夫君登壇〕
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) 第2期アクションプランにおけるものづくり産業の振興についてでありますが、電力につきましては、現在、需給が逼迫しておりますが、東北電力管内の火力発電所については鋭意復旧が進められており、その再稼働などに伴い、次第に緩和されていくものと考えております。
 一方、円高につきましては、仮に今後長期化するとすれば、本県のみならず国内の産業界全体の死活問題となることから、国家的な課題として、国において、速やかにその対策に取り組まれるべきものと認識しております。
 今後、世界経済の安定が図られ、あるいは国の有効な対策が奏功するなど、円高が短期に収束することを切に期待するものでありますが、県といたしましては、第2期アクションプランの作成に当たって、企業を下支えし、強みとなる技術開発と人材育成を産業振興の基軸に据えて、県内企業の競争力を円高など経済環境の変動にも耐えられるよう強化を促進してまいります。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) ドーム建設の今後の見通しについてでありますが、気象条件等に左右されず、計画的かつ継続的にトレーニングが可能な環境整備、また、スポーツ医・科学サポート体制の拡充が必要と考えまして、スポーツ医・科学センター機能を備えた多目的屋内練習施設、いわゆるドームの整備を計画したところでございます。
 ただ、3月11日、未曾有の大災害が発生し、建設費に係る予算の計上を見送っているところでございます。 
 今後におきましては、国民体育大会開催の検討状況や県全体の予算の見通し等を踏まえ、検討していくことになるものと考えております。
〇34番(熊谷泉君) それぞれ御答弁ありがとうございました。2点ほどについてお伺いしたいと思います。
 まず、一つは、汚染稲わら等の処理についてでありますが、実際、農家は置き場所に困っていると伺っておりますが、これは、何か国と市町村の対応がかなり食い違っているというような話で、焼却すれば、それによって放射能の汚染濃度が濃縮されるということと、ある意味、600トンのわらを、すき込めるものはいいと思いますが、もしこれを埋却するというと埋却場所に非常に困難を来す。一般廃棄物としては処理がしがたいというような見解のようですが、宮城県等では、秋になって、わらを収容する場所がないということで、公共用地などを一時確保して、そこへ農家から移転させて、一時保管しておくというような対策も検討されておるようでございますが、県南を中心に、岩手県においてはそういうような対策はとられるおつもりはないか、お伺いいたします。
 また、あともう一点、先ほどのドームについてでありますが、今年中に国体についてはあり方が、開催するかしないかは決めるというふうに昨日、答弁がされておりますが、ちょうど1年が経過して、もし2巡目国体があと数年で、平成28年に開催されるとして、今、そのドームを建てて選手強化をする時期が本当に確保されるのか。これは将来にわたって使用されていくものでありますが、あるいは、そのドームを建てる費用を国体の経費に回すということも考えられるのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 汚染稲わらの一時保管についてでございますけれども、稲わらの処理につきましては、対象となる19市町村では、11市町村が埋却処理、それから、2市町村が焼却処理、2市町村がすき込み、4市町が一時保管を予定してございます。
 先般に予算化していただきました利用自粛牧草等処理円滑化事業では、埋却、焼却、すき込みに要する経費につきまして全額助成することとしておりますが、一時保管の取り組みにつきましても対象とするよう検討を進めてまいります。
 現在、関係省庁や市町村と具体的な処理方法や保管場所などの調整を行ってございますが、早急に処理が進むよう支援していく考えでございます。
〇教育長(菅野洋樹君) 御指摘のとおり、国体につきましては、現在、その開催の可否、仮に開催するとした場合のいわゆる資源の投入方法等、多面にわたって検討されているところでございます。
 そういった中で、ドームの必要性、それから、それの経費のあり方、そういった点についても含めて検討していくことになるものと考えております。
〇34番(熊谷泉君) 終わります。
〇副議長(柳村岩見君) この際、暫時休憩いたします。
午後3時19分 休憩
出席議員(48名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 佐々木 茂 光 君
3  番 小 泉 光 男 君
4  番 清 水 恭 一 君
5  番 佐々木 朋 和 君
6  番 名須川   晋 君
7  番 佐々木   努 君
8  番 軽 石 義 則 君
9  番 後 藤   完 君
10  番 神 崎 浩 之 君
11  番 城 内 愛 彦 君
12  番 福 井 せいじ 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 木 村 幸 弘 君
15  番 久 保 孝 喜 君
16  番 小 西 和 子 君
17  番 高 橋 但 馬 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 小 野   共 君
20  番 郷右近   浩 君
21  番 高 橋   元 君
22  番 喜 多 正 敏 君
23  番 高 橋 孝 眞 君
24  番 岩 崎 友 一 君
25  番 工 藤 勝 博 君
26  番 及 川 あつし 君
27  番 飯 澤   匡 君
28  番 高 橋 昌 造 君
29  番 五日市   王 君
30  番 関 根 敏 伸 君
31  番 小田島 峰 雄 君
32  番 大 宮 惇 幸 君
33  番 工 藤 大 輔 君
34  番 熊 谷   泉 君
35  番 嵯 峨 壱 朗 君
36  番 工 藤 勝 子 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 佐々木 順 一 君
40  番 佐々木   博 君
41  番 田 村   誠 君
42  番 及 川 幸 子 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 渡 辺 幸 貫 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 佐々木 大 和 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
 休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
 休憩前に同じ
午後3時38分 再開
〇副議長(柳村岩見君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。軽石義則君。
   〔8番軽石義則君登壇〕(拍手)

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