令和5年2月定例会 予算特別委員会会議記録

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令和5年3月10日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 中 村 佳 和
議事管理担当課長 藤 平 貴 一
主任主査 佐 藤 博 晃
主任主査 糠 森 教 雄
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 及 川 雄 也
主査 阿 部 真 人
主査 刈 屋 江美子
1説明員
文化スポーツ部長 熊 谷 正 則
副部長兼文化
スポーツ企画室長 中 里 裕 美
文化スポーツ
企画室企画課長 佐 藤 卓 也
文化スポーツ
企画室管理課長 佐 藤 竜 太
文化振興課
総括課長 阿 部 美登利
世界遺産課長 佐 藤 淳 一
スポーツ振興課
総括課長 畠 山   剛
冬季国体・
マスターズ
推進課長 松 崎 雄 一

教育長 佐 藤   博
教育局長 佐 藤 一 男
教育次長兼
学校教育室長 高 橋 一 佳
教育企画室長兼
教育企画推進監 西 野 文 香
参事兼教職員課
総括課長 八重樫   学
予算財務課長 古 川   敦
学校施設課長 佐々木 義 秋
学校教育企画監 度 會 友 哉
首席指導主事
兼義務教育課長 三 浦   隆
首席指導主事兼
高校教育課長 中 村 智 和
特命参事兼
高校改革課長 安 齊 和 男
首席指導主事兼
産業・復興教育課長 菊 池 郁 聡
首席指導主事兼
特別支援教育課長 近 藤 健 一
首席指導主事兼
生徒指導課長 千 田 幸 喜
首席経営指導主事
兼小中学校
人事課長 熊 谷 治 久
首席経営指導主事
兼県立学校
人事課長 木 村   基
保健体育課
首席指導主事兼
総括課長 菊 池 勝 彦
生涯学習文化財課
首席社会教育主事兼総括課長 久 慈   孝
首席社会教育主事
兼文化財課長 岩 渕   計

財政課総括課長 山 田 翔 平
〇佐藤ケイ子委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。なお、高橋こうすけ委員は、療養のため欠席とのことでありますので、御了承願います。
 議案第5号から議案第25号まで、議案第29号から議案第32号まで、議案第34号及び議案第36号から議案第60号までの以上51件を一括議題といたします。
 本日は、文化スポーツ部及び教育委員会関係について、延べ21人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしますので、議事進行に御協力をお願いいたします。
 また、関連質疑の取り扱い、換気のための休憩につきましては、これまでと同様でありますので、御協力をお願いいたします。
 初めに、文化スポーツ部長に文化スポーツ部関係の説明を求めます。
〇熊谷文化スポーツ部長 令和5年度岩手県一般会計予算、当部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 初めに、令和5年度当初予算編成に当たっての当部の基本的な考え方でありますが、文化芸術、スポーツ分野におきましては、本県アスリートの国際舞台での活躍を初め、県人の目覚ましい活躍が相次いでおります。
 県人の活躍は、岩手県民としての誇りや勇気、子供たちに夢と希望を与えるものであり、この文化芸術、スポーツへの関心の高まりを岩手県の活力とし、地域の活性化、地域振興につなげていくことが重要と考えております。
 まず、復興推進の取り組みでありますが、国内外の音楽家とのきずなを生かし、交流促進や子供たちとの共演を通じ、文化芸術に親しむ機会を創出するなど、音楽の力による心の復興に取り組みます。
 また、本年フランスで開催されますアマチュアラグビーの国際大会に岩手県チームを派遣し、スポーツを通じた国際交流を推進します。
 次に、政策推進の取り組みについてでありますが、健康・余暇分野では、76回を数える岩手芸術祭を開催し、音楽、美術、文芸など多彩な舞台発表や作品展示を行い、文化芸術の魅力を発信いたします。
 4月にオープンするいわて盛岡ボールパークやクライミング施設などを生かした大会の誘致等を進めるとともに、県民誰もが生涯にわたってスポーツを楽しむことができる共生社会型スポーツの普及・推進に取り組みます。
 教育分野では、トップアスリートの育成に向け、スーパーキッズ事業や指導者の資質向上、スポーツ指導のデジタル化、パラアスリートを含むトップアスリートの活動支援などに取り組みます。
 また、中学校の休日部活動の地域移行については、地域における受け入れ体制の構築や指導者の確保など、教育委員会や競技団体等と連携し、市町村の取り組みを支援していきます。
 居住環境・コミュニティー分野では、大規模スポーツ大会のレガシーを継承し、スポーツ大会、合宿の積極的な誘致など、人的、経済的な交流の一層の拡大を図ります。
 歴史・文化分野では、平泉世界遺産ガイダンスセンターを核に、平泉の価値を国内外に発信するほか、平泉、橋野鉄鉱山、御所野遺跡の三つの世界遺産の連携、交流を図ります。
 風流踊のユネスコ無形文化遺産登録を好機と捉え、民俗芸能フェスティバルの開催など、地域の誇る歴史・文化資源の活用を推進します。
 次に、当部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 お手元の議案その2の6ページをお開き願います。当部関係の予算は、2款総務費8項文化スポーツ費の21億9、400万円余であり、対前年比で18億9、900万円余の減となっております。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載されていますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 次に、債務負担行為についてでありますが、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち、当部関係は、事項3と4の2件であります。いわて盛岡ボールパークの管理運営等に要する負担金及び平泉世界遺産ガイダンスセンターの指定管理者の指定に関連するものであります。
 次に、予算に関連する議案についてであります。当部所管の文化スポーツ施設、8施設につきまして、物件費の伸びに伴い、令和5年4月から、それぞれの利用料金の上限額を引き上げようとするものであります。
 改正する条例でありますが、議案その3の24ページをお開き願います。議案第29号公会堂条例の一部を改正する条例、次に76ページ、議案第36号屋内温水プール条例の一部を改正する条例、93ページ、議案第42号勤労身体障がい者体育館条例の一部を改正する条例、123ページ、議案第53号県民会館条例の一部を改正する条例、129ページ、議案第56号県立体育館条例の一部を改正する条例、131ページ、議案第57号県立スケート場条例の一部を改正する条例、136ページ、議案第59号スキージャンプ場条例の一部を改正する条例、137ページ、議案第60号武道館条例の一部を改正する条例、以上の8件であります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔、明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 私からは、地域スポーツ活動体制整備事業についてお伺いしたいと思います。
 これは、中学校の部活動を今後どのようにしていくかという中にあって、地域移行を行っていくということで、この間、教師の働き方改革等も含めて、さまざま検討されてきたものだと思います。そして、その中においては、昨年6月の有識者会議の提言により、令和5年度から7年度までかけて地域に完全に移行していくという方針で進めてこられたと認識しておりましたが、12月にはガイドラインでそれが取り消しになって、完全移行が努力目標なり推進目標となってきたということです。これ自体は、受け皿関係がまだまだ整っておらず、整えられるところもあれば、なかなか難しい地域がいっぱいあるということで、これは全国都道府県、市町村のいろいろな意見を聞いた中で、このような形になっていったものと思います。
 今回、岩手県においても、そうした中にあって、部活動の地域移行は進めていくという大前提は変わらないにしても、だからこそだと思いますが、令和4年度事業に県教育委員会で行ってまいりました地域運動部活動推進実践研究事業を進めていく中で、運動部活動の地域移行に向けた実証実験として、文化スポーツ部で行っていくという形で事業がつくられておりますが、令和5年度については、どのようなことをやっていこうとしているのか、その点について、まずはお伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 本事業の令和5年度の取り組みについてでありますが、本事業は、令和3年度、令和4年度に、県教育委員会と連携し、国の事業を活用して、3市町で実施してきた実証事業に連動してきた取り組みでございます。
 これまでの市町村が実施してきた実証事業を踏まえまして、指導者への謝金や交通費等への支援や、地域スポーツ団体の活動に必要な事務費、スポーツ用品購入費等への支援のほか、令和5年度は、新たに、地域スポーツ団体と中学校との連携調整等を行うコーディネーターの配置支援などが、国の支援メニューに加えられたところでございます。
 これまでの実証事業で得られました知見も活用しながら、より具体的な課題等について、実施市町村の希望する実施内容に沿って、実証事業を展開するものでございます。
〇郷右近浩委員 この事業を、大船渡市、葛巻町、岩手町で、これまで実証実験をやってきたことは聞いておりましたが、例えばこの事業を進めるに当たっては、そのような実証実験をするところをふやしていって、それを移行させていくという体制をとっていくための今回の事業なのか。
 それとも、これまで拠点校として、先ほど言った1市2町が、それをそのままさらにこれを詰めていくという中で、全体のモデルをつくっていくといった形になるのか。どのような形で進める方向性になっていくのかお伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 令和4年度までの実証事業は、まずは、休日部活動の段階的な地域移行の着実な実施につなげる目的で、県教育委員会と連携し、岩手町、葛巻町、大船渡市で実施したものでございます。
 一方、令和5年度に行う実証事業は、さらに、関係者同士の連絡調整、指導助言等の体制整備に資するために、新たにコーディネーター配置支援という内容を加えまして、地域移行を持続可能なものにしていくことを目指して実施するものでございます。
 よって、令和3年度、令和4年度までの実証事業と、令和5年度の実証事業、それぞれの実施市町村につきましては、そのときの国が示した事業メニューである支援内容と各市町村のニーズが合致したところが行っておりますので、これは、地域移行の進度によって区別されているものではございません。
〇郷右近浩委員 わかりました。進度によって区別されているわけでなければ、この実証事業自体に、先ほどの1市2町以外でも、いろいろなところで手を挙げるなり、どういう形かで参加していくことができるといったものだと思いますが、ただ、この中で、大船渡市で行ってきた、この研究事業ですが、指導者とかそうした方々をたくさん配置することができて、そして、現場の状況を見てこられたと思いますけれども、それぞれの市町村においては、そこまで受け皿がないところは非常にあると思います。
 受け皿がある地域、受け皿がない地域、種目によっても指導者等をしっかりとお願いすることができない地域、いろいろなところがあると思います。そうしたものも含めて、この事業でどのような形かでつくり上げられるような役割も担うというか、そうしたこともやっていくということなのかどうかお伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 大きく申し上げまして、この事業については、まずは、そのきっかけを支援するという意味合いとか、あるいは既に少し走り出しているところの助走の後押しをする形とか、あるいは成功の事例、あるいは課題であったという事例などをいろいろ収集して、横に展開して、それぞれの状況に応じた、各市町村の取り組みにつなげていくという事業になっていると理解しておりますので、そのように当部も支援を進めていきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 学校の部活動を地域でといったことについては、20年以上前のスポーツ庁ができる前ですが、文部科学省が総合型地域スポーツクラブをつくって、将来的に地域に移行をさせるといったことで、あの時代からもう既に、例えば少子化とか、部活動が単独校で組めないといった将来を見越して準備しようとしていました。
 しかしながら、当時は、総合型地域スポーツクラブ自体が健全に育たなかった。もちろん人口的なものや、地域のそれぞれのスポーツに対しての理解など、いろいろなものがなかなかうまくつくれなかった。総合型地域スポーツクラブはなかなかうまくいかなかった経緯で、当時は、私自身もそうした中にいましたけれども、逆に言えば、中体連でも、部活動は学校のもの、というぐらいの感覚があった中で、外部との接触がなかなか共有できなかったといった時代があったと思っております。
 ただ今回、それが、子供たちが少なくて、単独校ではそれぞれの種目の部活動が組めない、もしくは大会に出ることができない。さらに、教職員の方々の多忙解消とか、自分が望まない部活動の指導は両方にとって不幸なことであるといった部分も含めて、このような形で進んできたという認識を持っておりました。
 先ほどの繰り返しになりますが、それを今回令和7年度までに完了させよう、まずは進めようとした部分がなかなか進まなかったのは、どのような形でやればいいのかという思いでいます。受けとめる学校側の混乱についても、ある市町村においては、令和5年度から部活は任意だということで進んでいるところもあろうかと思いますけれども、部活動は任意で、入らなくてもいいと。では、入らなくてもいい人はどうするのか。種目によっては、11人の種目とか9人の種目とか、人が欠けたときに、部活動はどのような形になっていくのか。
 今回、この事業においても、近接校とかいろいろなところと一緒になって,複数校でチームをつくって、大会等にも出るということを中体連でも大分認めているというか、いい方向に進んでいると、私自身も外から聞いて認識していますけれども、しかしながら、本当にどう組めるのかと。隣の中学校とパッケージで組めるのか。上から勝手にあなたたちと一緒にやれという話でもないのだろうなといったところとか、本当にしっかりやっていかないと、当初、国のほうで考えていたスポーツクラブが受け皿になるなどというのは、できるところ、できないところを考えれば、非常に難しい問題だと思っております。
 私の認識では、今回のこの事業についても、岩手県としては、令和4年度については、県教育委員会でそれを一体としてやっていたのを、外でのそういった機会や仕組みをつくるという部分は文化スポーツ部で行って、そして、教育委員会は学校の中に入って、部活動をどうするといったところに対応するような形で、これを切り分けたと拝見させていただいておりました。
 それはそれで、そのような形になったときに、学校側はどこからどこまでやるのか。お互いに、そっちはそっちですよなどという話になったのでは、どちらも見合って進まない形にもなろうかと思いますが、そこの部分の整理の仕方について、どのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 このテーマにつきましては、まずは、現在ある部活動が今後どうなっていくかという大きな流れの中で、その部活動を考えるとすれば、全体を所管するのは県教育委員会であると我々も認識しております。
 ただ、今回国から示されました事業につきましては、内容を見た場合に、実際に進める場合の受け入れをどうするか、そこの支援をどうするかというメニューが入っておりますので、その観点から、そのメニューを多く所管する、そして、受け入れ体制を担う文化スポーツ部が窓口になりまして、その事業に関しては、当部の分は当部が進めますし、教育委員会にかかわる部分については、県教育委員会の事業のほうにその項目を切り分けて進めるというのが大きな流れでございます。これは事業の大まかな考え方でございます。
 先ほど申し上げましたけれども、令和3年度と令和4年度の実証事業の結果に加えまして、令和5年度の事業の成果や課題につきましても、教育委員会、市町村、スポーツ関係団体等とぜひ、密に共有していきたいと思いますし、これまでの実証事業の課題を整理した上で、教育委員会が主体となりまして、県の部活動方針の改定に取り組むことになっていると理解しております。先行いたしまして、学校部活動の地域移行を進める市町村に向けては、業務の手続などをまとめた手引きを作成いたしまして、教育委員会が発行したと承知しておりますので、そのような観点からも、さらに連携を進めてまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 現場で混乱がないようにお願いします。部活動が単独でできない学校とか、種目とか、そうしたものはこれからどんどんふえてくると思います。さらには、学校現場の中で、部活動を見ることをどのようにしていくかということが、今回のこの事業であり、これまでやってこられて蓄積されてきたものがあるとするならば、例えば、中体連との話をどうしていくかとか、さらには、その地域、地域に応じた、しっかりとした受け皿、進め方、これ自体がいろいろなケースがあると思いますけれども、そうしたものをしっかりと構築していって、さらに、その情報を共有しながら、学校としては、子供たちに対してきちんと示せるような、混乱のないような形に持っていっていただきたいと思います。
 以上、要望で終わります。
〇城内よしひこ委員 今、郷右近浩委員からもお話があり、その続きになろうかと思いますが、県内の各市町村の今の準備状況は、どのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 県内市町村の準備状況についてでございますが、学校部活動の地域移行については、当部と県教育委員会におきまして、令和3年度、令和4年度と、国の事業を活用した実践研究を行ってきておりまして、先ほど申し上げましたが、岩手町、葛巻町、大船渡市の1市2町において実施をしてきたところでございます。
 例えば、令和4年度に当部が所管し、実施いたしました大船渡市では、一般社団法人大船渡市スポーツ協会が運営団体となりまして、学校や受け入れ先となる関係団体等と連携し、市内の全4中学校にある五つの部活動において実施し、その結果をもとに、現在、令和5年度からの進め方について、検討を進めているところでございます。
 また、私どもスポーツ振興課では、昨年6月からことし2月にかけまして、県内全市町村のスポーツ主管課を訪問いたしまして、地域の実情をより詳しく把握するための聞き取りを実施したところでございます。
 市町村では、例えば、指導者の確保、あるいは指導者への謝金など、運営に必要な経費の負担、受益者負担の考え方などに対する参加者等の理解など、課題認識を持っておりまして、多くの市町村においては、今後、具体的に検討を進めていく段階にあるとおっしゃっているのが、把握した内容でございます。
〇城内よしひこ委員 これは、もう待ったなしの問題だと思っています。スピード感を持って対応していただきたいと思っていますし、何より、子供たちが混乱しないような体制づくりも必要だと思っています。
 その中で、今のお話で、何となくぼやっと見えてきましたけれども、指導者の確保と、その受け皿は確保できそうなのかどうかお伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 まず、指導者の確保についてでございますけれども、県におきましては、地域スポーツ団体を対象とした指導者の資格取得支援、それから、県内各地におけるスポーツ医・科学、スポーツ・インテグリティに関する研修会の開催や、あるいは講師の派遣などを実施してきたところでございまして、その結果、本県における日本スポーツ協会公認資格取得者数が年々増加しており、現在、3、636名となっている状況でございます。
 次に、地域の受け皿の状況についてでございますが、現在、受け皿として考えられる地域スポーツ団体としては、スポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブ、市町村体育・スポーツ協会や競技団体が挙げられると考えております。
 これらは、各地域によって状況の違いはございますが、県内に、スポーツ少年団は926団体、総合型地域スポーツクラブは59クラブ、市町村体育スポーツ協会は33団体、市町村競技団体は約700団体あるという状況でございます。これらを、これから各地域の実情に応じて、いろいろマッチング等をさせながら進めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 それだけの団体があるのですが、これまでは、中学校のクラブ活動については、中体連がある意味仕切っていました。ただ、今後、そういう形が望めないとなれば、さっきコーディネートという言葉も出ていましたけれども、各団体を、県で、端的に言えば、文化スポーツ部で、新たな仕組みづくりをするべきだと私は思うのです。そうしていかないと、少子化の中で、子供たちがやりたいクラブが、団体スポーツがなかなか組めない状況で、各学校とも組まなければならない、連携もしなければならない。そういうことも難しい状況であるし。自分が望むスポーツが自分の地域になければ、それをどうやって移動していくのかというのも、問題として考えられるわけです。
 一方では、スーパーキッズのようなトップアスリートを育てる、そういうこともあるけれども、才能はどこにあるかわからないわけです。その才能を深く探って、強く引き出すのが行政の大きな役割だと私は思っています。そういう仕組みづくりをしていくべきだと思いますが、今、検討しているのかどうかをお伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 委員御指摘の今の仕組みづくり、それから、何よりも中学生の多様なニーズに応え、可能性を伸ばしてあげることが、一番大事なところでございますので、もちろん当部、当課といたしましても、その辺についての検討を日々行っております。
 まずは、今回実施します実証事業をきっかけといたしまして、横にどう広げられるか、深く検討を進めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 実証事業も国からの補助で行うわけでしょうけれども、せっかく文化スポーツ部があるわけですから、県でも独自に、そういったイニシアチブを発揮して、少し早めに、こういう岩手モデルと言われるような仕組みづくりはしてもいいのではないかと思っています。
 私は、国体が一回済んでしまって、レガシーだけ残って、皆さんは燃え尽き症候群になっているのではないかと思うのですが、積極的なかかわり合いを持ってほしいと思うのですが、その辺について、熊谷文化スポーツ部長はどうお考えですか。
〇熊谷文化スポーツ部長 今年度実施しました大船渡市の実践研究では、大船渡市内の中学校には、常設の陸上競技部はないそうですが、今回、県内4中学校合同の特設陸上部をつくった、その合同部活動の事例でありました。
 毎週日曜日に、20名ぐらいの生徒が集まって、高校のグラウンドを活用して、市内の競技団体の指導者が、短距離、長距離、跳躍や投てき、それぞれの専門の指導者が教えることで、大変有意義な活動ができたということで、指導者からすれば、地域の競技力の裾野の拡大、生徒からすれば、他の生徒と一緒に技術の向上に大変参考になったという、今回の実践研究の結果も出ております。
 この結果については、各市町村に広く共有したいと思いますし、全てがこのようにうまくいくというわけではないと思いますので、指導者の質と量の確保というところは、文化スポーツ部として、地域部活動の移行についての一番の課題だと思いますので、委員の先ほどのアドバイスも踏まえて、今後、検討していきたいと思います。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、進めていただきたいと思います。一方では、教師の働き方改革もあります。そういったことも、この流れの中には大きく起因していると思っていますので、しっかりと対応してほしいし、指導者の確保は、実はとても大事だと思っています。
 そして、今、各地域でスポーツを指導している方々は比較的御高齢の方が多いです。若い方々で、仕事をばりばりしながらというのは、なかなか難しいわけです。そういう方々が指導ができる、取り込めるような環境もぜひつくっていってほしいし、そういうことが、実は子供たちにとっては、大きな刺激にもなろうと思っています。
 あとは、その子供たちが出られる大会は、県教育委員会がやりますけれども、その連携をしっかりとしてほしいと思います。
〇工藤大輔委員 近年、スポーツを取り巻く環境は、団体のガバナンスの強化や、先ほど来質疑が交わされている、部活動の地域移行、プロスポーツの施設基準の高度化等々、かなり変化が大きいと思っています。県内の競技団体においても、スポーツ庁からの指針や中央団体の方針等により、ガバナンスの強化等に取り組まれていると思いますが、現在の県内の競技団体並びに、総合型スポーツクラブや各種団体も多いわけですけれども、その取り組みの状況や、また、その評価、課題について、どのような認識を持っているのかお伺いします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 県内の競技団体や総合型地域スポーツクラブなどのスポーツ団体においては、スポーツ庁長官による、組織の問題事案に係る公正、迅速な調査と説明責任の履行についてのメッセージを踏まえまして、スポーツ団体ガバナンスコードの作成に取り組んでいるところでございます。
 また、公益財団法人岩手県体育協会では、競技団体事務局長会議におきまして、スポーツ団体ガバナンスコード遵守状況に関する自己説明及び公表について説明いたしまして、各競技団体に対し作成と公表をするよう促しているところでございます。
 さらに、県では、スポーツ医・科学サポート事業におきまして、各競技団体、市町村体育・スポーツ協会、スポーツ少年団等が主催する研修会に対して、スポーツ・インテグリティに関する資格保有者を講師として派遣しているところでございます。このように、各スポーツ団体におかれましては、さまざまな取り組みがなされていると認識しております。
 一方、総合型地域スポーツクラブにおきましては、競技団体と比較いたしますと、取り組みがなかなか進んでいないところも見受けられるという課題もございます。このため、今後、公益財団法人岩手県体育協会から研修会の参加や実施をさらに促すなど、働きかけをしていきたいと考えております。
〇工藤大輔委員 このガバナンスコードですが、県内の競技団体に作成を促しているのはそのとおりだと思いますけれども、作成し、公表することが、全部の競技団体でできているのかどうかということをお伺いしたいと思います。
 また、コンプライアンスやスポーツ・インテグリティの向上も、近年、特に目標化されていますが、実際には、暴力行為があったり、さまざまハラスメント行為が散見されるところでもあります。暴力やハラスメントの根絶は絶対進めなければならないわけですが、団体が行う研修やチェックも、未然に取り組む活動としては必要だと思いますし、発生後の速やかな対応が何よりも大事なのだと思います。残念な事件またはそういった事例が発生しないよう、この点については、特に公益財団法人岩手県体育協会を通じながら、徹底しなければならないと思いますけれども、それについて、再度、取り組みをお伺いいたします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 先ほどの団体の公表は、申しわけございません、今、手元に、何パーセントとか、何団体がやっているか、具体的な数字はございませんけれども、ただ、我々の把握しているところによれば、そのスポーツの団体によって実際にばらつきがあることは、否めない確かなところでございます。
 例えば、サッカー、バスケットボール、バレーボールなどは、外部から役員等に入っていただいて、透明性といったところに進んで取り組みがなされているところもございますし、なかなかそこまで行っていないというところも、実態としてあると把握しております。
 それから、コンプライアンス、スポーツ・インテグリティにつきましては、肝の部分でございますけれども、例えば、公益財団法人岩手県体育協会に窓口を設置いたしまして、そちらに、相談をすぐお寄せいただくような体制をとったりとか、あるいは、先ほど申し上げました、折々の会議、研修会等々で、特に取り上げるように、今まで取り組みを進めておりますので、一層強化してまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 選手、プレーヤーが第一の考えを持って進めていっていただきたいと思いますし、そのために、指導者のコーチングの効率化であったり、効果的な指導方法も特に進めていただきたいと思います。
 次に、いわてスポーツコミッションの関係についてお伺いしたいと思います。コロナ禍で、大会や合宿の誘致がここ数年厳しいような状況が続いてきたと思っています。そういった中で、ウイズコロナ、アフターコロナという状況になってきて、この関係を強化して取り組んでいっていただきたいと思いますけれども、これまでの成果と、今後どのように取り組むのかお伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 平成29年度に、市町村、競技関係団体、トッププロスポーツチームなどで連携して設立いたしました、いわてスポーツコミッションでは、これまで、いわて合宿相談会の開催や、ウエブサイトを活用したスポーツ施設の情報発信などの活動を行ってきたところでございます。
 本県における国際大会や全国大会の開催につきましては、平成30年度の26大会から令和元年度は40大会、合宿については、平成30年度の60チームから令和元年度は118チームと、着実に増加していたものでございましたけれども、令和2年度には大会が8件、合宿が60チームと、やはり新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けるものとなってしまいました。
 令和3年度には、大会20件、合宿64チームと、令和2年度に比べると増加しておりまして、令和4年度は現在集計中でございますが、市町村や県外の大学、社会人チームなどの関係者からは、大会、合宿ともに、再開に向けたニーズが高まってきていると伺っております。
 令和5年度は、合宿相談会を継続して開催いたしますほか、4月に供用開始されます、いわて盛岡ボールパークなどのすぐれたスポーツ施設を活用して、ナショナルチームを含めた合宿の誘致に取り組むとともに、今年度開催いたしました、日本スポーツマスターズ、クライミングワールドカップ、特別国民体育大会冬季大会スキー競技会-いわて八幡平白銀国体に続く、大規模な大会の誘致に取り組んでまいります。
〇工藤大輔委員 力強い答弁をいただいたのですが、来年度の予算案を見れば、地域活性化スポーツ推進事業費、これは直接関係するものかと思うのですが、2、560万円余から2、015万円に、約20%減額になっているのですね。これは、昨年も十分な成果をなかなか出せなかったわけですけれども、これから一層進めていくに当たっては、この予算の減額は、取り組みにしては非常に大きいかなと思うのです。実際、このような減額の中で、今、御答弁いただいた内容のものを充実させてやっていけるのかどうかというのが非常に心配ですけれども、ぜひ、効率的に予算を使いながら進めていただきたいと思います。そして、県北・沿岸地域にも、その効果を十分に出せるような、そういった事業の展開を期待したいと思います。
 最後に、スポーツ施設の関係をお伺いしたいと思います。県内には、老朽化しているスポーツ施設、また、多目的室内練習施設、スポーツ健康科学センターの整備のあり方等、これまでも検討されてきていると思いますが、今後の全体的な整備について、取り組みの考え方をお伺いします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 県営野球場を除きますと、現在、県営のスポーツ施設は8施設ございますけれども、そのうち7施設が整備後約40年から50年を経過しているところでございまして、県では、令和2年度から令和6年度までを期間とする、岩手県文化スポーツ部所管公共施設個別計画を策定いたしまして、計画的な修繕、改修を行っているところでございます。
 令和5年度は、令和7年度から始まる次期個別施設計画の策定に向けまして、有識者による検討会を設置し、県営スポーツ施設のあり方について検討することとしておりまして、その費用について予算計上をさせていただいているものでございます。
 また、県では、スポーツ医・科学サポートにつきまして、公益財団法人日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を持つ専門員等を配置するとともに、公益財団法人岩手県体育協会が設置しているスポーツ医・科学委員会と連携して、スポーツドクター、スポーツ栄養士、大学関係者等の協力をいただきながら、県民の健康づくりに係る講習会への講師派遣のほか、選手強化のためのトレーニング指導や、これまで養成したアスレティックトレーナーの現場での効果的な活用など、ソフト面でのさまざまな取り組みを進めており、県民の健康増進や、国内外の大会における本県出身選手の活躍につながっていると認識しております。
 このようなことから、当面は、現行の取り組みの充実、強化を図りまして、事業効果を高めていきながら、スポーツ医・科学サポート拠点のあり方についても、検討していきたいと考えております。
〇工藤大輔委員 県内でも、40年、50年と経過してかなり老朽化している施設が非常に多くて、早急に建てかえであったり、改修、機能を強化させる、あるいは、建てかえられないのであれば、さらに機能を強化させるような改修が必要だと思います。
 また、近年であれば、そのスポーツ施設を核とした地域づくりという観点も重要だと思いますし、そういった取り組みも全国的にも見られます。これまでのスポーツ施設は、プレーする人が中心、プレーできればという環境のものをつくるのが発想なわけですけれども、見る方がどのように感動を持ってスポーツを見られかどうか、競技を見られるかなど、見る側のスポーツ施設の整備も進んでいます。次の計画等作成、または整備するに当たっては、プレーだけではなくて、見る側のそういった環境も整えられるようなスポーツ施設をつくっていただきたいと思いますが、考え方をお伺いします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 ただいま御指摘、御提案いただきましたポイントは、そのとおりだと感じております。スポーツの力を発揮していくためには、実際にやる方、選手のみならず、そこに参加していただく皆さん、観戦いただく皆さんにうれしさがあってこそのスポーツの力と感じますので、次の検討の際には、そのような観点も含めながら、広く検討を進めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 昨日も、野球で大谷翔平選手が大活躍したということで、多くの県民、また、次のステップを目指している選手の皆さんにも、勇気と元気を与えてくれたのではないかと思いますが、現在、県内で、トップアスリートの支援をどのようにしているのかということを、まずお伺いしたいと思いますし、障がい者スポーツも含めて、どのような競技で、どのような方々が活動しているのか、その選考基準や支援内容についてお示し願います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 まず全体といたしましては、小林陵侑選手、岩渕麗楽選手、それから、パラスポーツの阿部友里香選手に代表される本県ゆかりのトップアスリートは、主に企業や実業団等に所属いたしまして、日本代表として国際大会に出場するなど、充実した活躍を展開しております。
 一方、所属先が決まらないアスリートや、国及び中央競技団体からの代表や強化指定まであと一歩となっているアスリートもおりまして、その中には、スポンサーからの資金を得られないアスリートも一部いるために、高いレベルでの競技継続に懸念があることが課題となっております。
 県では、オリンピックを初めとする国際大会に向けました競技力の向上を図るために、トップアスリートや潜在能力、ポテンシャルを持ったアスリートの活動を支援することとして、公益財団法人岩手県体育協会を通じ、遠征費用等の補助を実施しまして、令和4年度は、トップアスリート指定24名のうち、9名が世界選手権やワールドカップ等の大会で入賞を果たしたところでございます。
 また、パラスポーツに取り組むアスリートの発掘と育成を図るために、いわて障がい者スポーツ強化指定選手として、例年15名程度を指定しまして、一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会を通じて、遠征費等の補助を実施しておりますほか、競技力向上につながる競技用具の購入、整備、あるいはコーディネーター派遣によりまして、課題とされます、選手本人と、所属先、医療機関、練習現場などとのネットワークの構築などによりまして、競技環境の整備に取り組んでいるところでございます。
 これによりまして、北京2022パラリンピック冬季競技大会に1名、世界選手権に2名、ジャパンパラ競技大会に8名が出場するなど、成果が出ておりますので、今後とも、障がい者を含めて、アスリートの競技力向上に向けまして、活動支援や環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 支援して、成果も出されているということでありますけれども、そういう意味では、本人の努力や、周りで支える体制も非常に大事だと思っていますが、それぞれ活躍しているアスリートの皆さんは、自分の生活もあるわけです。その上で県民の皆さんの期待に添えるように、一生懸命努力をしていると思うのですが、そういう意味では、県内に定着するための支援もされているということでありますけれども、県外に流出している選手もいると聞いておりますので、その部分、現状と課題をどのように把握されているでしょうか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 県では、アスリートの県内定着を目指しまして、平成25年度から、大学3年生を対象に、企業とのマッチングイベントを開催いたしますとともに、令和2年度から、公益財団法人岩手県体育協会に、アスリート版ハローワーク、岩手スポーツアスリート無料職業紹介所を開設いたしまして、ジョブカフェと連携しながら、年間を通して、アスリートと企業とのマッチングを実施しております。現在、無料職業紹介所には26の企業、団体が登録しまして、令和4年4月には、3名のアスリートが採用になっております。
 一方、障がい者アスリートにつきましても、同様に、岩手スポーツアスリート無料職業紹介所のサポート、特にウエブによるマッチングも可能として御案内さしあげております。こちらにつきましては、障がい者アスリートは、2年連続で参加がないところではございますけれども、広く呼びかけを行っているところでございます。
 県内企業と連携することがとても大事でございますので、障がい者を含めまして、アスリートの雇用を継続するということが、先ほど委員がおっしゃったとおり、生活の部分もございまして重要ですので、今後とも、この紹介所あるいはジョブカフェとも連携して、取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 取り組みをしていただいていることも十分承知しておりますけれども、ただ、就職をした先の企業だけで、全てをフォローできるかといいますと、経済的な面でも非常に大変な状況だというお話も聞いています。そういう意味では、トップアスリートが、どういう種目で、どういう方が活躍しているのか。プロであれば後援会をつくって、そこで支援体制もできると思うのですが、アマチュアだと、そこまでなかなか行き届かないところが多くあって、非常に苦しい生活をしながら、競技力向上に一生懸命努力をしていることもありますけれども、県民の皆さんに、こういう方々が頑張っているのだよというアピールといいますか、告知といいますか、周知といいますか、そういう取り組みはされているのでしょうか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 試合や体育会というところをきっかけといたしまして、これまでも活動あるいは活躍、努力をしている選手につきましては、可能な限り情報を発信し、皆さんに知っていただくような活動をしてきたつもりではございますけれども、それが十分であるかというと、まだまだそこが浸透していないがためにいろいろな現象が出ていると思っておりますので、これからもよりよく進められるようにいろいろな方法を考えながら、進めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 雇用はできないけれども、活動の支援をする経費的な負担は多少なりともできるという方々もいると思うのですね。そういう方々が集まりやすいといいますか、支援しやすいような制度を県が主導して、宣伝することも大事ではないかと思います。それは力になっていくだろうと思いますので、ぜひ、そういうことも考えていただければと思います。
 また、サポート体制がないと、選手一人ではなかなか競技力の向上にはならないと思いますけれども、指導者などの養成、支援の現状と課題がありましたら、お示し願います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 県では、各競技団体の指導者を対象といたしまして、国体に出場する競技の監督に取得が義務づけられる、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格等の取得を支援しているところでございます。
 令和4年度は、20競技団体に対しまして支援を行いましたが、令和4年の10月現在、県内の公認スポーツ指導者資格取得者は2、494名となっており、そのうちの上級資格取得者は497名という状況でございます。
 今後、さらなる指導者の増加、レベルアップが必要でございまして、令和5年度は21競技団体を支援する予定でございます。
 また、障がい者も同様に重要でございまして、障がい者スポーツ指導員の養成につきましては、令和4年度は、日本パラスポーツ協会公認の初級、中級障がい者スポーツ指導員養成講習会を開催いたしまして、25名が資格取得をいたしました。令和5年度は、質、量ともにさらなるレベルアップを図るために、初級、中級指導員養成講習会を、沿岸地区を含む4回の開催を予定しております。
 このような取り組みを進めながら、部活動の問題等もございますので、指導者の質、量の向上につきましては、取り組みを一層進めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。
 2点目に入ります。2019年のラグビーワールドカップを岩手県でも開催して、皆さんにも大変お力をいただいたと思いますけれども、ことしも早いもので、フランス大会が間近に控えておりますが、開催地であった岩手県も、また、連動してその思いを発信していく機会だと思うのですが、その部分については、何か取り組みをする予定でしょうか。
 先ほど、アマチュアチームを派遣するということもありましたけれども、そのほかに何かあれば教えてください。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 釜石鵜住居復興スタジアムにおきまして、2019年大会の翌年度であります令和2年度、令和3年度には、メモリアルマッチを実施いたしまして、大会レガシーを体感、継承する機会を創出いたしましたほか、今年度には、小学生のタグラグビー大会など、既存のラグビーイベントに、ラグビー県いわて2019メモリアルといった冠の名称を付与しまして、ラグビーに対する関心の持続、拡大を図ってきたところでございます。
 それから、ラグビーワールドカップ2019岩手・釜石開催時のボランティアの取り組みが、今年度開催されました日本スポーツマスターズ2022岩手大会やIFCSクライミングワールドカップB&Lコンバインドいわて盛岡2022など、大規模な大会の開催の際に生かされておりまして、ソフト面でのレガシーとしてしっかりと継承しているものでございます。
 先ほど触れさせていただきましたフランスのワールドアマチュアラグビーフェスティバルへの選抜チームを派遣することもございますし、それから、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の際のレガシーを活用いたしまして、釜石鵜住居復興スタジアムで開催する東京都と被災3県が連携したスポーツ交流大会に要する経費を、それぞれ令和5年度の当初予算案に計上させていただいているところでございます。釜石市や一般社団法人岩手県ラグビーフットボール協会と連携いたしまして、レガシーの継承に向けては、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 2019年の大会に向けた県内全体の盛り上がりもすばらしかったし、それが継承されているということでありますが、今回の大会においても、県内でそれぞれの民間団体が、パブリックビューイングを含めましていろいろな計画している状況もあるようですが、それらについて、どのように把握されて、支援体制もどのように考えているのかお示しください。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 ただいま委員からいただきましたとおり、県内の雰囲気醸成も徐々に盛り上がりを見せ始めて、これから楽しみだと感じております。
 ラグビーワールドカップの岩手県釜石開催の際には、民間が主導したイベントであります、盛岡マチナカボールパスリレーに─こちらは軽石義則委員にも随分御協力いただきました─県も参画いたしまして、当日は、知事が参画するなど、大いに盛り上がりを見せたところでございます。
 ラグビーワールドカップ2019岩手・釜石開催後は、ラグビー県いわての定着を目指しまして、令和2年、令和3年には、県内の子供たちの体験や交流を目的に、一般社団法人岩手県ラグビーフットボール協会が実施した、ラグビー体験交流事業等に対して、支援を実施してきたところでございます。
 令和5年度におきましては、ラグビーワールドカップ2023フランス大会が開催されますけれども、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会では、パブリックビューイングの実施などを考えておりまして、現在、釜石市を含む、前回日本大会の際、開催自治体であったところに対しまして、開催希望について、調査中であることも把握しております。
 今後は、民間での取り組みが行われる際に支援の要望があった場合には、必要に応じて、適切に、こちらも一緒になって対応していきたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ、お願いいたします。
ラグビー県いわてということで取り組みをしていただいておりますが、ラグビー県いわてからも、ワールドカップにゆかりの選手が出場できるようになってほしいと強く祈っているのですけれども、そのラグビー県いわてを、さらにどう強化していくかということについて、課題、現状をお示し願います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 今年度、令和3年度に引き続き、ラグビー女子日本代表の合宿が釜石市で実施されました。それとともに、ラグビーワールドカップ2019岩手・釜石開催以来となります、釜石鵜住居復興スタジアムでの国際試合であります、女子日本代表と女子南アフリカ代表のテストマッチが開催されまして、県内外に改めてラグビー県いわてであることを発信できたところだと感じております。
 県では、ラグビーワールドカップ2019岩手・釜石開催により、国内外から高まりました本県への興味、関心の持続、拡大を目的といたしまして、一般社団法人岩手県ラグビーフットボール協会や釜石シーウェイブスと連携いたしまして、公式戦の試合会場等において、ラグビー県いわてのPRブースの設置などを実施したところでございます。
 レガシーを活用したイベントの実施とあわせて、県民、そして、県外に対して、ラグビー県いわてのPRを進めているところでございます。
 一方で、釜石鵜住居復興スタジアムの利活用、それから、釜石シーウェイブスのファンの拡大、県内競技者の競技力向上などがやはり課題であると認識しておりますので、釜石市、県ラグビー協会を初めとした関係団体と連携しながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 今は、まさに野球、そして、秋にはラグビーということで、岩手県の選手が目標に向かって努力していけば、結果は出せるのだと、その体制を県としてもしっかり支えていくのだという発信をさらに強めていただくことをお願いして、終わります。
〇佐藤ケイ子委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午前11時8分 休憩
午前11時23分再開
〇佐藤ケイ子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇臼澤勉委員 人口減対策に伴って、岩手県のスポーツの力は、全国からも人を呼び込む大きな力になると、私は捉えておりまして、そういった視点でちょっとお伺いいたします。
 初めに、県営スポーツ施設の整備、更新の考え方について、今後、どのように進めていこうとしているのか。先ほど、工藤大輔委員からもお話がありましたが、40年、50年、さまざま老朽化施設がふえていく中で、改めて、県営体育館あるいは県営屋内温水プール等、県営スポーツ施設の整備更新について、どのように考えているのかお伺いします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 県営体育館などの県営スポーツ施設は、多くが昭和45年の国体に合わせて整備されたものでございまして、全体的に老朽化が進行しております。これは委員がおっしゃるとおりでございます。
 このため県では、令和3年2月に、令和2年度から令和6年度までを期間とする、岩手県文化スポーツ部所管公共施設個別計画を策定いたしまして、県営体育館や県営屋内温水プールなど7施設について、計画的な修繕、改修を行っているところでございます。
 この個別計画に基づきまして、利用者の安全を第一に、必要性や緊急性を考慮しながら、計画的に維持修繕や改修を進めております。
 今年度は、県営運動公園と県営体育館につきましては、自動火災報知機の設備工事などを行いまして、令和5年度は、県営屋内温水プールの外壁改修工事や勤労身体障がい者体育館の屋上の防水改修工事などの予算を計上しているところでございます。
 先ほどお話し申し上げたとおり、令和5年度には、全体のあり方についても検討していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 令和5年度には、全体のあり方を検討していくということでありますが、部分的な修繕等々の必要性は、それはそれでわかるのですけれども、今後、10年、20年先を見据えれば、今回、いわて盛岡ボールパークの整備を全国で初めて県と盛岡市の共同で事業に取り組まれた。この4月にはオープンするということで、こういう整備のあり方、あるいは今後の維持管理のあり方が今後出てくるのだろうと思います。
 個別施設計画においても、例えば長寿命化対策の効果額がどうなのかというのは、私が以前に聞いたときには、そういった長寿命化の効果についても、今後、検討していくという答弁でしたので、その辺をしっかりと図りながら、今後の整備のあり方について、ぜひ取り組みを進めていっていただきたいと思います。
 先ほども軽石義則委員から、ラグビー県いわてという話がありましたが、本当にここ最近は野球県いわてと言っていいくらい、菊池雄星選手を初め、きのうも、WBCに佐々木朗希選手や大谷翔平選手が出て、東京ドームの観客あるいはテレビを観戦した人が、本当に彼らが出ただけでぐっと岩手県の大谷翔平、そして、岩手県の佐々木朗希ということで、すごく注目を浴びている。そして、海外からも、このトップアスリートが、北緯39度から40度のこの岩手県からなぜ出ているのかということで、非常に注目を浴びております。
 畠山スポーツ振興課総括課長にお伺いいたしますが、なぜ、ここ最近、トップアスリートが、この岩手県の地から出ているのか、所感をお伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 私の所感ということで、お答えさせていただきたいと思いますけれども、臼澤勉委員からお話しいただいたとおり、この部分につきましては、本当に全国から注目していただきまして、テレビやさまざまなメディアからも取材され、全国版の番組等でもこのテーマで捉え、報道されたりしているところでございますので、実は驚きも入っている部分もありまして、本当にうれしい限りだと思っております。
 個人的には、まず一つは、地域の方々、それから指導される方々が、あまり奇をてらったようなことはないかもしれませんが、長年にわたって地道に、本当に温かく子供たちを育てて応援してきた、伸び伸びと育った結果が、大物を出してきたということではないかと思っております。
 それから、WBCに関しましては、横断幕を県庁の前に掲出させていただきました。改めて、本県の3人が、しかも、その中心の選手として活躍することは、まさに快挙だと感じておりますので、その辺もぜひ応援して、進めていきたいと感じております。
〇臼澤勉委員 畠山スポーツ振興課総括課長は、東京六大学でも優勝したときの選手として活躍されていますし、海外で、まさにニューヨークヤンキーススタジアムで、例えばああいうメジャーリーグの球場の雰囲気などを、駐在されているときに体感されてきた、そういった経験知もあると私は捉えていますけれども、今回、いわて盛岡ボールパークということで、野球場という名前でなくて、4月1日から、いわて盛岡ボールパークといったネーミングで施設が使われていくということで、これは大きなメッセージだと思うのです。先ほどの工藤大輔委員の話でもないですけれども、一つの競技をする場という捉え方ではなくて、いわて盛岡ボールパークですから。まさにその地域、あるいは子供たち、あるいは野球に関係のない、まさに公園です。
 まさにボールパークとしての位置づけ、意味合いを、文化スポーツ部ができてから、こういったボールパークをつくって、利用していくという、ここは重大な政策のかじの切り方だと捉えておりますけれども、その辺のお考えについて、今後、さまざまな施設整備という部分についても、地域づくりの活動拠点という部分についても、大きな位置づけになってくるのだと思いますが、その辺の所感をお伺いいたします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 まさに今、臼澤勉委員からお話いただきましたパークという言葉、この意味は本当にそのとおりだと思います。なぜパークか。そこは、ただ野球場、野球をやる場のみではないという意味合いもしっかりと込められているものであるし、私たちもそう思っております。野球以外に、今回の新しいいわて盛岡ボールパークも、いろいろな使い方ができるように、そして、子供たちから御年配の方まで皆さんが楽しんでいただけるように、さらには、生活の中にスポーツが入って、例えば、そこでランニングをするとか、お花見をするとか、幼稚園の運動会ができるとか、そういう身近なものとしてのパークという意味合いを持っていきたいということです。スポーツの施設はやはりわくわくするものでなければならないと思いますので、今後の整備、管理、運営の考え方の中にもぜひ入れながら、検討していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 今、本当に大事なキーワードが出てきたと思います。まさに、わくわく、どきどき、そういう感動する空間を整備していく。そのためには、県独自で整備するというよりは、その地元市町村なり、民間とも、その辺の意向確認とか、ヒアリングもしっかり丁寧にしながら、今後の整備、あるいは維持、管理のあり方というのを協働でやっていく必要があると思いますけれども、その辺のお考えをお伺いします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 今お話しいただきましたとおり、県民の皆様、住民の皆様に一番近いところ、そこは市町村の皆さんでございますので、その地域の本当に望むもの、うれしさに直結できるような進め方が大事だと思います。
 県でも、これまで、定期的に、例えば市町村のスポーツ施設の調査を行いまして、改修が必要な施設や、今後の整備予定等につきましては、個別に確認するなど、今後の連携の方策も含めまして、日ごろから市町村の皆さんと意見交換を行っております。
 また、毎年度、市町村から県に寄せられる要望等を踏まえまして、個別の対応も行わせていただいているところでございますので、今後も、ヒアリングをしっかり行うなど、意思の疎通を図りながら、市町村の御意向を確認していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 今回、県立不来方高校と県立盛岡南高校の再編において、共創の考え方で、県教育委員会、矢巾町、そして、岩手医科大学とも絡みながら、体育館の整備のあり方のようなところも、新年度予算案に計上されております。
 その中で、スポーツ医・科学のサポート拠点の整備のあり方の部分についても、どのように考えているのか。県立不来方高校の体育館の中には、そういった部分の機能も少し付与していくやにも伺っておりますが、今後のスポーツ医・科学サポート拠点の整備のあり方についてお伺いいたします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 県では、これまで、スポーツ医・科学の知見に基づく県民の健康づくりや、競技力向上につきまして、県営スケート場内に、体力測定や実技講習を行うスペースを確保いたしまして、測定結果に基づくトレーニングメニューの提供や、スポーツ栄養、メンタル等に関する研修などを実施してきたところでございます。
 また、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を持つ専門員等を配置いたしますとともに、公益財団法人岩手県体育協会が設置するスポーツ医・科学委員会と連携いたしまして、スポーツドクター、スポーツ栄養士、大学関係者などの御協力をいただきながら、県民の健康づくりに関する講習会への講師の派遣のほか、選手強化のためのトレーニング指導、これまで養成したアスレティックトレーナーの現場での効果的な活用など、ソフト面でのさまざまな取り組みを進めておりまして、県民の健康増進や、国内外の大会における本県出身選手の活躍につながっていると認識しております。
 このことから、当面は、現行の取り組みの充実、強化を図り、事業効果を高めていきながら、スポーツ医・科学サポート拠点のあり方についても検討していく考えでございます。
〇臼澤勉委員 私も、子供のときに、いろいろと身近なところにすごく有能で、将来、本当にすごい選手になるだろうなという方々が、けがとかそういったことで、自分の夢を諦めていく方々が結構いらっしゃいました。
 そういった意味でも、スポーツ医・科学あるいは治療だけでなく、トレーニングの仕方、医学的アプローチによる能力もあり、あるいは心のほうも、メンタルトレーニングについても、さまざまそういった取り組みは、非常に重要になってくると思います。選手だけではなく、指導者においても、そういった拠点ができると、非常に有効だろうと思っておりますので、ぜひ、引き続き、その辺は前向きに取り組んでいただきたいと期待しております。
 最後に、スーパーキッズの事業の評価と課題について、お伺いいたします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 スーパーキッズ事業でございますが、世界で活躍するトップアスリートとなる人材の発掘、育成を目指しまして、平成19年度から事業を開始しております。今年度で16年目を迎えまして、これまでの修了生は452名、現在、在籍者は136名となっております。その時々のトップレベルの指導を取り入れ、進化させながら、年代に応じた効果的なプログラムの提供に取り組んできておりまして、現在は、小学生、U12と中学生、U15の二つのカテゴリーで、発掘、育成を行っているところでございます。
 このような取り組みによりまして、修了生からは、北京2020オリンピック冬季競技大会において、1期生小林陵侑選手が金銀のメダル、それから、5期生の谷地宙選手が出場いたしますなど、世界大会などへ延べ54名、全国大会等へ延べ361名が出場いたしましたほか、中央競技団体の強化指定選手が11名、それから、プロスポーツ選手3名を輩出いたしまして、全国からも注目されるなど、成果があらわれていると認識しております。
 一方近年、応募者の維持が課題となっておりまして、全県からの応募者をさらに増加させまして、意欲や運動能力が高い児童を発掘することが必要であると考えております。
 今後は、今年度から新たに開始いたしましたタブレット端末の活用によりまして、移動負担の軽減、あるいは体験会の開催地をふやすなどの取り組みをさらに進めまして、応募者の増加と活動の充実を図って、将来、その選手たちが、自分に合った競技の的確な選択、それから、中央競技団体からの育成システムにつなげられるような支援を積極的に進めていきたいと考えております。
 済みません。先ほど、所感のところで、一つ、申し忘れたところがございまして、岩手県から、なぜトップアスリートが出るかですが、もう一つ大事に考えているところは、私は県民性というところが非常に大きくあると思います。忍耐強く、辛抱強く、ピンチにも負けないという県民性が、大きく育てているのではないかと思っております。
〇臼澤勉委員 本当に、今、すごく大事な答弁がありました。そういった意味でも、この県民性を育てていく、育んでいくという意味でも、子供たちに、スーパーキッズだけでなくて、スーパーキッズに選ばれなかった子供たちもたくさんいるわけでございまして、そういった子供たちに対して、先ほど来言っていた、大谷翔平選手とか小林陵侑選手あるいは佐々木朗希選手という、このトップアスリートで活躍されている方々との交流事業を、もっと積極的に企画していただきたいと思いますが、最後に、その辺の交流事業に対する考えを聞いて、終わりたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 私どもといたしましても、今、このようなすばらしい時期、環境にございますので、そこにつきましては、なるべく開催したいということで、いろいろな事業を捉えまして、アプローチをしているところでございます。
 スーパーキッズ事業におきまして、本県ゆかりのトップアスリートとの交流については、例えば小林陵侑選手には、今年度開催いたしましたオリパラ報告会のほか、平成29年度及び昨年度に、修了生と認定者に対して激励のメッセージをいただいたところでございます。
 菊池雄星選手には、令和2年度に修了生と認定者に対して、激励のメッセージをいただきました。今年度は、北京2020オリンピック冬季競技大会の銅メダリストの永井秀昭選手の講和を、小学生U12と保護者向けに実施することもございまして、機会を捉えて、交流を行ってきたところでございますので、スーパーキッズの目標や意欲が高まるように、これからも進めていきたいと考えております。
 大谷翔平選手と佐々木朗希選手は、なかなか実現できておりませんけれども、引き続き、機会を捉えて、働きかけに頑張っていきたいと考えております。
〇高橋穏至委員 2点通告していましたが、地域スポーツ活動については、先ほど来、城内よしひこ委員、郷右近浩委員からたくさん質問が出ておりましたので、これは飛ばします。
 文化スポーツ部が担当する人口減少対策と位置づけられている事業について、文化スポーツ部の主要事業に33事業が載っていまして、そのうちの約半分、15事業が人口減少対策事業だという位置づけですが、この人口減少対策に対して、文化スポーツ部の事業をすることによって、どういうプロセスで人口減少の対策になっているのかお示しいただきたい。人口減少対策への貢献度についてまずお聞きしたいと思います。
〇佐藤企画課長 文化スポーツ部が人口減少対策事業として位置づけている事業の成果や貢献度についてでございますけれども、平成27年10月に策定、令和2年3月に改訂しました、岩手県人口ビジョンにおいて、ふるさと振興の4本の柱、岩手で暮らすの項目の中で、多様な文化、豊かなスポーツライフの振興は、地域で人々が豊かで、快適に生活するための基礎を形成するものであると掲げているところでございます。
 コロナ禍におきまして、文化芸術やスポーツの力、その重要性が、改めて認識されたものと考えております。文化スポーツの事業を推進することによりまして、岩手県で暮らしたいと思う人をふやし、流出を抑え、転入促進につなげることが成果と考えているところでございますし、人口減少対策に貢献するものと考えているところでございます。
〇高橋穏至委員 総論ではそうだと思いますが、それを言ったら全部ではないかと思うのですが、どういう観点で、これは人口減少、これは違うというふうに、もっとあるのではないか、あるいはもっと精選してもいいのではないかとも思うわけですが、その辺はどう整理なさったのでしょうか。
〇佐藤企画課長 いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランにおいて、重点事項とされている社会減対策に資する施策の構成事業でございますし、先ほどもお話ししましたけれども、岩手県で暮らしたいと思う地域の魅力づくりにつながると思われる、この15事業について掲げたところでございます。
〇高橋穏至委員 その事業を掲げて、事業の中には、増額しているものもありますけれども、当然、減額しているものもあります。予算編成をする上で、戦略的に、人口減少対策という位置づけの中で、どういう考え方で臨んだのかということをお伺いします。
〇佐藤企画課長 予算の増額、減額の根拠についてでございますけれども、それぞれの事業につきまして、施策の推進状況を踏まえた所要額による増減、また、平泉の世界遺産及び関連遺産等について、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律に基づく地域計画の策定や、取り組み、中学校の休日部活等の地域移行及びスポーツ関連イベントに対応して、新たに事業を構築したものでございます。
〇高橋穏至委員 いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランで位置づけられているからという言葉ではつなげているのですが、実際のところ、それぞれの事業をやるべき目標と経過があって、その中での予算配分となっているのだろうと思うのです。
 そう考えたときに、なぜこういうことを質問するかといいますと、最重要課題で人口減少を掲げて、そのラベルを張ることによって、やっている感だけ出ていて、結局、どれくらい人口減少がとまりましたか、人がどれくらい来ましたかというときに、さまざまな要因が絡み合っていろいろ難しいということで、結局、何も評価できないということに陥るのではないか。もう少し整理してもいいのではないかと思うのです。
 岩手県の魅力度アップ、これは文化スポーツ部と、次の教育委員会の審査でも聞こうと思っていたのですが、それ以外にも、産業とか全てをやらないと魅力度アップにならないから、結果的には、人口流出がとまらなかったときの理由はいろいろあって、分析できないという結果で、今までずっと来ているのですが、そこから脱却できないのではないかという危惧がありまして、そういった意識を持つべきではないかと思うのです。それぞれやるべき事業はみんな大事だと思いますし、そのとおりやらなければならない事業ですが、そういった意識の中で、特にこれはという重点づけ、あるいは、これは外に向けて発信する事業だからという整理をしないと、何でもありになってしまうのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
〇佐藤企画課長 令和3年3月に公開されました、公益財団法人東北活性化研究センターの人口社会減と女性の定着に関する意識調査がございまして、地方に求めるものとして、上位の回答は、若い女性たちが正社員として長く働き続けることのできる企業をふやすとか、多様な雇用先、職場を多く創出するとか、出産、育児のしやすさ、支援体制を用意するという、生活に直結する話となっておりますけれども、その次に、地方に足りていない文化、娯楽を高めることが挙げられております。
 文化スポーツの取り組みを通じまして、我々文化スポーツ部も、地域の魅力づくりを行いまして、先ほど来、答弁しておりますが、岩手県で暮らしたいと思う人をふやして、流出を抑え、転入促進につなげる人口減少対策に貢献したいと考えております。
 他の事業につきましても、貢献するものと考えておりますが、一応当部としては、より重点的に人口減少対策として取り組むものを、今回、対象といたしたものでございます。
〇高橋穏至委員 文脈といいますか、理屈はそのとおりで、何も否定するものではありません。ただ、人口減少をターゲットにして、こうやってピックアップした以上は、何かしら、今この事業で、例えば文化でもいいです、いろいろな魅力を発信したりとか、いろいろな事業をやって、その事業をやった中で、これをやったから実は岩手県に移住したのですとか、そういうサンプルをとるとか、そういうことをしないと、ただ事業をやりましただけではなくて、実際に、総数をつかむことは無理だと思うのですが、そういったことを意識しながら、事業をやることが大事ではないかと思うのですが、いかがですか。
〇佐藤企画課長 委員御指摘のとおりでありまして、我々もそういう意識を持って、今後取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋穏至委員 当然、予算審査があって、決算審査があるわけで、その際に、必ずお伺いしたいと思っています。そのときに、いや、調べていませんでしたということがないようにしていただきたいと思うのですが、熊谷文化スポーツ部長、どうでしょう。
〇熊谷文化スポーツ部長 令和5年度の予算要求において、当部での検討に当たっては、全ての事業で、人口減少対策の視点を持って、文化スポーツ部の事業がどう貢献していくのだという議論を部内で行ったところでございます。
 先ほど佐藤企画課長が説明しましたとおり、岩手県の良質な文化、芸術、歴史あるいはスポーツ選手の活躍、先日のニューヨーク・タイムズの件も、盛岡市の生活文化が評価されたものだと思っておりますが、そうしたことが県のイメージアップにつながり、県民の誇りにつながり、住みたい地域、選ばれる地域のベースの部分になるのだろうということで、文化芸術に取り組む意義があるのだと当部としては考えております。
 そういった部分で貢献できるように、記載した事業をしっかりやっていきたいと思います。
〇高橋穏至委員 ぜひ、その結果にコミットしていただきたいと申し上げて、終わります。
〇佐藤ケイ子委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時55分 休憩
午後1時2分再開
〇千葉盛副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇佐々木努委員 午前中、大分議論がありましたが、私も、県有のスポーツ施設のあり方について、簡潔に質問させていただきたいと思います。
 いわて盛岡ボールパークの建設が、県と盛岡市の共同で行われることについては、私は非常に高く評価をしています。これから、県全体もそうですが、市町村の人口も必ず減ってくるということで、残念ながら、競技人口もふえていかないと思います。そういう中で、スポーツ施設に限らず、そういう公共の施設等は、だんだん集約していかなくてはならない時代に今来ていると思いますので、県の英断は高く評価したいと思います。
 県内には、県有、市町村有含めて5、000ぐらいのスポーツ施設があると言われていますが、それぞれ基礎自治体、市町村で管理し、維持していくものは、市町村がこれまで同様にやっていくのだと思いますけれども、どうしても維持ができなくなる、あるいは、改築、改修の時期に来て、市町村独自の財源では、どうしても新しくすることができないものが出てくると思います。
 その際、今回のいわて盛岡ボールパーク、野球場の建設もそうですが、特に、どこの市町村にもある競技の施設ではなく、県内にこの競技の施設はここしかないというものを持った市町村にとっては、これは大きな財政的な負担になってくると思うのですが、仮に、そういうものが、これから改築の時期を迎えて、どうしても改築しなければならないときに、県として、それを県と市町村が一緒になってつくっていく、その競技の振興のためにつくっていくというお考えに立ってやってほしいと、私は思うわけですが、県は、今回のこの野球場の建設を一緒に行ったという前提に立って、これからどうしていけばいいのか、お考えを伺います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 スポーツ施設のあり方という観点から、まずお答えさせていただきたいと思いますが、来月オープンいたします、今、御紹介いただきました、いわて盛岡ボールパークにつきましては、スポーツ施設として、全国で初めて県と市が共同し、民間事業者の活力を生かしたPFIという事業手法により整備しているものでございます。
 PFIにつきましては、財政負担軽減の面ですぐれるとともに、施設整備や運営に対する民間企業のノウハウの活用が期待できるものです。県内のスポーツ施設は、平成11年の岩手インターハイや、平成28年の希望郷いわて国体・いわて大会に向けまして、競技会場になる市町村に対して県が補助するなど、県と市町村が連携して整備を進めてきましたことから、現在は、県営、市町村営のスポーツ施設を合わせまして、全国大会が開催できる施設を初めといたしまして、各地に多くの施設が整っていると認識しております。
 今後の本県におけるスポーツ施設につきましては、まずは、県と市町村が有するスポーツ資源の有効活用を第一に考え、また、県は市町村で保有していない施設機能を補完するなどの役割を担うなど、方向性あるいは手法なども含めまして、その要請や必要に応じて、市町村とともに、意見交換あるいは検討を進めていきたいと考えております。
〇佐々木努委員 前向きな答弁だと私は捉えました。いずれ、そのようなことが、この10年以内には必ず出てくると思います。
 今、県の施設は盛岡市に集中していますから、盛岡市にある今の県の施設を、例えば盛岡市と一緒にやるということになれば、今あるところ、そして、市町村として、ある程度財政的な体力があるようなところということになってくると思うのですが、盛岡市に限らず、そういう競技施設が県にはその町しかないというものもありますので、その際は、今回のいわて盛岡ボールパークのような手法で、市町村と一緒になってつくるという方向性や姿勢を、できれば、来年度策定するスポーツ振興計画等にも、ぜひ入れていただきたいし、個別の施設計画についても、そういうものに含みを持たせる前向きな姿勢を、ぜひ見せていただきたいと思います。これは要望であります。
 それから、先日のいわて八幡平白銀国体、大変御苦労さまでした。大成功で、よかったと思います。私は、八幡平のジャンプ競技を視察させていただきました。ことしの1月に、4億9、000万円余の予算をかけた立派な矢神飛躍台を見させていただいて、岩手県でもこういう立派な施設で、国体のような大会を誘致できるのだな、実施できるのだなということを本当にうれしく思いました。
 ただ一方で、八幡平市の関係者の方々といろいろお話をさせていただく機会があったのですが、施設は整えたが、競技人口がなかなかふえてこない。特にジャンプ競技をする子供たちが極端に少なくなっているという問題と、それから、立派な施設は、今後、それなりに維持費がかかってくるわけでありまして、果たして、これをずっとこのまま維持していけるのだろうかという不安の声も聞かれました。
 そこで、また同じことを話しますが、県に、この競技の施設がここしかないという競技場なりスポーツ施設については、県有にするとまでは言いませんけれども、私は県がもう少しかかわってくれれば、市町村は大変喜ぶと思いますし、県としても、競技人口をふやす意味では、そういうことも検討してほしいのですが、仮にそうでなくても、市町村と一緒になって運営していくとか、あるいは県としての財政的支援も含めて行っていくということもこれから考えていかなければ、多分、施設の維持は、難しくなると私は思っています。ぜひ、それをやってほしいと思うわけですが、最後に、そのことについて熊谷文化スポーツ部長にお聞きして、終わりたいと思います。
〇熊谷文化スポーツ部長 いわて八幡平白銀国体が無事終わりまして、その過程では、八幡平市と緊密に連携しながら、準備を進めてきたところであります。
 矢神ジャンプ台の件につきましては、今は、県営ジャンプ場の指定管理を八幡平市にお願いしている状況ですが、近接している田山スキー場もありますので、その辺の一体的な管理について、引き続き、八幡平市と協議していく必要があります。
 先ほど佐々木努委員から、県の施設としてということもありましたけれども、その辺の役割分担、連携、協働のあり方、あるいは競技人口、ジャンプ人口、子供たちが減っておりますので、その辺の競技力の向上の面も含めて、八幡平市とも十分検討を進めていきたいと思います。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博委員 佐々木委員から、八幡平市のジャンプ台のお話がありました。昨年の予算特別委員会でも、私もジャンプ台の整備についてお伺いいたしました。
 国体も、無事に大成功の中で終了しましたけれども、施設整備は本当の土台でもあります。そういう中で、地元の八幡平市でも、大変苦慮しながら大会を引き受けるような状況でもあります。施設整備と運営にかかわる市の職員、あるいは競技運営のボランティアの方々も、大変な思いで協力しているという状況でもあります。次の大会には、何とか県からもっともっと支援をいただかなければ、市単独では対応できないという声も伺っております。
 恐らく冬の国体を開催できるのは全国で10県前後だろうと思います。10年間に必ず一度回ってくると。そのときに、岩手県でできないとは言えないと思うのです。逆に、積極的に受け入れる、そういう体制は、ちょっとした工夫でできていくのだろうと思いますので、その辺の今後の見通し、あるいは先ほどの競技人口も、特にジャンプ競技をする人たちが少ない、子供たちも少ないのですけれども、それらをサポートするような仕組みも、当然これから考えていかなければならないと思いますし、逆に、一つの見通しとしては、ハロウ・インターナショナルスクール安比ジャパンの子供たちも積極的に競技にかかわれるような体制もあれば、全国からの注目度もかなり違ってくると思いますけれども、その辺も含めてお願いいたします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 工藤勝博委員におかれましては、このたびのいわて八幡平白銀国体に対するさまざまな御協力もいただきまして、大変ありがとうございました。おかげさまで、成功裏に終了することができました。
 この中で、今回の一つの目玉でございましたが、矢神飛躍台の滑走路のクーリングシステムの整備につきましては、選手、運営側から高い評価、好評をいただきました。これにつきましては、本当に地元の八幡平市を初め、県といたしましても、約5、000万円弱の補助をさせていただきながら、一緒になって整備したということで、また財産が一つふえたなと感じております。
 先ほど御紹介いただいたとおり、現在の冬季国体の開催の状況につきましては、いろいろ雪の不足とか、地球温暖化の関係もございまして、開催する場所が限られてきているのはそのとおりでございます。本県も、スポーツの振興を進めるに当たって、こういう大きな大会を、また引き続き、切れ目なく誘致していくことは大きな目標でございますので、その方向性については、変わりはございません。
 その中で、今回、例えば八幡平市のジャンプ台につきましては、先ほども佐々木努委員からもございましたけれども、特定のスポーツを軸としたまちづくり、地域の振興という観点も、市町村は大きなことと思っていらっしゃいましたので、そのことからも、市町村のお考えをよく聞きながら、それに合わせて、どういう最適な方法がとれるのかということを探って、意見交換して、検討していきたいと考えております。
 競技人口につきましても、先ほど御案内いただいたとおり、オリンピック選手あるいはトップ選手の活躍がせっかく続いて、ここがまさに好機というところでございますけれども、厳しい状況もございますので、さまざまな課題あるいは環境を重層的に組み合わせながら、競技人口にもつなげていきたい、子供たちの興味を引いていきたいと考えております。引き続き、取り組みを進めていきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 大変前に進むようなお話をいただきました。ありがとうございます。
 矢神飛躍台は50年ぐらいの歴史があるジャンプ台でもあります。70メートル級のジャンプ台ということで、今日まで大変多くの選手が育っていることでもありますし、何はともあれ、オリンピックでメダルを取る選手、小林兄弟あるいは永井兄弟が育ったというジャンプ台でもありますし、これを後世にしっかりとつなげるためにも、子供たちはオリンピックでメダルを取ったということだけでも、私も飛んでみたいという思いがあるのですけれども、それを継続するように、さらに、一つは指導者も当然必要なわけですので、教育委員会等も含めながら、そういう選手を育てることと、あともう一つ、あのジャンプ台を冠として、オリンピックでメダルを取った小林陵侑選手が飛んだジャンプ台ということで、何かしら興味を引くような大会もやれたらいいのではないかということを要望して、終わりたいと思います。
〇千田美津子委員 私は3点通告をいたしておりましたが、2点目の地域スポーツ活動体制、いわゆる中学校の部活動の地域移行については、午前中に深い議論がありましたので、これは割愛いたします。
 最初に、地域文化芸術活動支援についてお尋ねしたいと思います。
 岩手県は、特色ある文化資源が本当に多いわけですが、これをいかに守っていく、広く発信をしていくかという点が、これから非常に大事になってくるわけですが、県当局としても、ホームページを運営したり、あるいは文化芸術コーディネーターを配置して、さまざまこれからの活動に資することが書かれてあります。
 これまでの実績はどのようになっているか。それから、今後、具体的に、団体の活動をどう支援していくか、そういう方針についてお聞きしたいと思います。
〇阿部文化振興課総括課長 ホームページ、いわての文化情報大事典についてでありますが、本県の文化芸術に関する情報や、伝統芸能、民俗芸能のすぐれた技、伝統的生活文化、文化財などの情報をデータベース化し、国内外に広く発信しているものでございます。今年度においては、2月末時点で、34万5、000件余りのホームページ来訪者数の実績となっております。
 大事典では、昨年、風流踊がユネスコ無形文化遺産に登録となったことから、県内のユネスコ無形文化遺産の情報を、改めてまとめたページを設けたところでございます。
 今後においても、ホームページの内容の充実を図りながら、ツイッターやフェイスブックなどのSNS、動画サイトなど、多様な情報発信手段を活用しまして、文化芸術に関する情報を国内外に広く発信してまいりたいと思います。
 次に、文化芸術コーディネーターについてでございますが、地域の文化芸術活動を支援するとともに、文化芸術と地域住民をつなぐため、県内4広域圏に配置しているものでございます。今年度においては、情報発信や地域の団体の活動支援、自主企画活動など、2月末時点で、712件の活動件数の実績となっております。
 また、県内各地域で開催している文化芸術活動支援ネットワーク会議は、文化芸術コーディネーターと県が連携して運営しており、今年度は、例えば盛岡圏域においては、文化と観光との連携について、コーディネーターから、話題や情報提供をいただいているところでございます。
 今後においても、地域の文化芸術に精通している文化芸術コーディネーターと連携しながら、地域の文化芸術活動の一層の活性化や、新型コロナウイルス感染症による影響からの回復につながるよう、取り組んでまいります。
〇千田美津子委員 まず、ホームページの活用については、御紹介があったように、風流踊も含めて、非常にアクセスされているということで、スポーツの面もですが、私は、岩手県の場合、本当に文化芸術の部分でもすごく深いものがあると思っていますので、ぜひ、これを充実発展させる方向でお願いしたいと思います。
 それから、文化芸術コーディネーターの配置で、712件の活動が一体どういうものかがなかなかわからないわけですが、ただ、コロナ禍のもとで、各団体が発表する場が本当に減っているわけです。そういう中で、多分、このコーディネーターの方は、文化芸術活動に深い知識と経験を持っている方だと思うので、団体の苦労もよくわかるしということで、いい活動をされているのではないかと思うわけですが、現実、そういう団体とつなぐ役割の中で、会議に参加したとか、主催したとか、どのようなことが具体的に実施されたのか、それ以外に、そういう芽がどのように出てきているのか。
 感染拡大の影響からの回復につながるようにというお話もありましたので、それらについてお聞きしたいと思います。
〇阿部文化振興課総括課長 文化芸術コーディネーターの活動の内容ですけれども、件数の内訳といたしまして、さまざまな文化芸術団体からの相談対応が23%ほどあります。内容については、発表機会の獲得についての相談とか、練習場所の確保、あるいはスキルアップのための相談、助成制度の内容についての相談、鑑賞機会の提供などについての相談等、さまざまな相談を受けて、支援しているところでございます。
 そのほかの活動件数といたしましては、先ほど申し上げたとおり、情報発信ということで、地域の文化芸術団体の活動など、情報を得たものを発信する。これが63%ほどの件数となっております。そのほかには、みずから自主企画の活動をしているといったところで、そちらが14%という内容になっております。
 なお、2月1日時点の新型コロナウイルス感染症の影響調査についてですが、最近になって、活動が活発になってきたとか、感染予防をしながらの活動ですが、会員の練習意欲が湧いてきているといった回復傾向にあることがうかがえます。
 引き続き、コーディネーターとともに、文化活動の支援をしてまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 今の御答弁いただいた2月1日の調査で、担い手の方々も意欲が出てきたということを聞くと、非常にいいことだと思いますが、引き続きの支援をお願いしたいと思います。
 それで、関連するわけですが、最初にも言いましたが、岩手県は文化資源が非常に多様でありますので、岩手県らしいと言われるものが本当にあると思っています。しかし今、過疎化の進行の中で、それから、学校の統廃合で、子供たちがずっと継続していた、これらの伝統文化が消えるのではないかというのがかなりのところで心配されています。これらについては、どのように検討されているでしょうか。
〇阿部文化振興課総括課長 本県には、ユネスコ無形文化遺産の早池峰神楽や、吉浜のスネカ、昨年、風流踊として登録された盛岡市の永井の大念仏剣舞、鬼剣舞を初めとした国内外から高く評価された伝統文化が数多く継承されているところでございます。
 少子高齢化が進展する中で、伝統文化を継承していくために、地域内で、より多くの方に伝統文化にかかわってもらい、担い手を確保していくことが必要であり、また一方で、地域外からの移住者等の参加により、新たな担い手が育つ団体もあり、こういった事例も発信しながら、伝統文化の継承を支援していく必要があると考えております。
 県では、伝統芸能、伝統行事の発表、後継者育成等の取り組みに対し、文化庁事業や岩手県文化振興基金事業を活用した支援を行っているほか、岩手県民俗芸能フェスティバルの開催や、民俗芸能団体同士の若手の方の交流の場を設け、若い世代の誇りや意欲を高めるような機会とするなど、担い手の確保、育成、継承に向けた取り組みを行っております。
 さらに、民俗芸能フェスティバルのインターネットによる映像配信や、いわての文化情報大事典のユーチューブチャンネルにおいて、民俗芸能の動画を収集、公開するなど、岩手県の誇る伝統文化の魅力を発信するとともに、市町村との連携も強化しながら、伝統文化が次世代に着実に引き継がれるよう取り組んでまいります。
〇千田美津子委員 県議会の岩手県文化芸術振興議員連盟の中でも、この間、伝統芸能を直接拝見して、本当にすばらしいなと、そういうものが岩手県にはかなり多いのだろうなと思っていました。ただ、このコロナ禍で、発表し、見ていただく機会が少なくなっているというところが、新たな担い手確保が途絶えている団体もかなり多いので、ぜひ、引き続きの支援をお願いすると同時に、各団体同士の交流の場がもう少しあればいいのではないかと思います。
 実は去年、奥州市の江刺の地域で、団体が呼びかけた発表の場があって、私も行きました。おなかに響くような太鼓の音とか、本当に感動がやみませんでした。ですから、みんなも頑張っているということが、やっていらっしゃる方々にも伝わると、本当にそれが広い形で、こういう新たな担い手を生んでいくことにつながると思っていますので、ぜひ、そういった部分で引き続き進めていただきたいと思います。
 あともう一つ、文化庁の話が出ましたが、文化ボランティア活動の推進もうたっているわけですが、岩手県においては、この活動はどのような状況になっているでしょうか。
〇阿部文化振興課総括課長 申しわけありませんが、文化庁の文化ボランティア活動については、承知しておりません。
 団体同士の交流のところですけれども、現在、毎年行っております民俗芸能フェスティバルについては、県内の各地域から団体を集めまして、発表の場、そして、交流の場を持っているところでございます。
 特に、若い高校生や子供たちが参加している団体の交流の場を設けておりまして、今年度も、フェスティバルは午後からですが、午前中の時間を利用しまして、そういった交流の場を持ちまして、踊りの練習が大変だという話とか、後継者育成をどのようにしているかとか、そういった話題を情報交換しまして、参加した高校生の中には、ほかで頑張っている人がいるということで、すごく感動して、ちょっとうるっとしている方もいたり、すごく効果があると感じたので、来年度以降も、こういった活動を進めていきたいと思います。
〇千田美津子委員 本当に岩手県の深い文化芸術を途絶えることなく、次の世代にもきちんとつないでいけるように、引き続き、さらなる支援をお願いいたします。
 もう一つ、世界遺産の保存と活用についてお尋ねしたいと思います。岩手県には三つの世界遺産、平泉、橋野鉄鋼山、御所野遺跡とあるわけですが、県内で三つあるのは、日本で一番多いということですよね。そういった意味で、保存と活用をしっかりやっていくことが必要だと思います。
 これらを一体的にやっていこうということだと思いますが、現状と今後のあり方についてお聞きしたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼世界遺産課長 世界遺産保存活用事業についてでありますが、県内の三つの世界遺産の適切な保存管理と活用を進めていくことを目的といたしまして、国や世界遺産が所在する関係自治体と連携しながら、世界遺産に係る事業を実施しているところでございます。
 具体的には、平泉につきましては、文化庁や関係市町と連携し、資産周辺の景観維持などの調整、橋野鉄鋼山と御所野遺跡につきましては、構成資産が所在する道県や市町で構成されます、全国的な協議会に参画をしながら、保存管理に対する普及啓発や情報発信のほか、人材育成などの事業の実施をしているところでございます。
 今後においても、各資産において策定している包括的保存管理計画の内容を十分に踏まえながら、国や関係自治体との連携を強化し、資産の着実な保存管理と活用に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇千田美津子委員 今、御答弁いただいたように、岩手県は、奈良県、鹿児島県に並ぶ一番多い世界遺産を有しているということで、その保存管理は本当により慎重に、しかし、大きくアピールをしながらということで、お願いをしたいわけです。
 平泉の部分では、一関市、奥州市も含む未指定の遺産も大変多いわけで、それらを含む保存活用策が、私は大事になってくると思います。ただ、いかんせん、世界遺産を含む中尊寺周辺の管理が、特に県管理の部分で、草ぼうぼうで見るにたえないという指摘が、実は直前にあったものですから、せっかくの世界遺産は、本当に現代を生きる世界の全ての人々が共有する、未来の世代に引き継いでいく人類共通の宝物だと思いますので、ぜひ、それらについては関係市町とうまく連携をとりながら、せっかくの遺産を未来にきちんと引き継いでいただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼世界遺産課長 ただいま、委員から御指摘のございました件につきましては、おっしゃるとおりと認識しております。関係市町と密に連携をとりながら、現状をよく把握しつつ、適切な保存管理ができるように、今後とも推進してまいりたいと思います。
〇千葉盛副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉盛副委員長 質疑がないようでありますので、これで文化スポーツ部関係の質疑を終わります。文化スポーツ部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、教育長に、教育委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤教育長 教育委員会関係の令和5年度岩手県一般会計予算等について御説明申し上げます。
 初めに、教育委員会における当初予算編成に当たっての基本的な考え方についてでありますが、いわて県民計画(2019〜2028)、岩手県教育振興計画の諸計画等に基づき、学びと絆で夢と未来を拓き社会を創造する人づくりの実現に向けて、東日本大震災津波からの教育の復興と学校教育及び社会教育、家庭教育の充実の二つを大きな柱として、長期的な視点に立ち、関係機関と十分に連携しながら、本県の未来を創造していく人づくりに取り組んでいく考えであります。
 令和5年度においては、復興教育や防災教育のさらなる推進、児童生徒一人一人に寄り添った支援体制の充実に引き続き取り組むほか、いわて幼児教育センターを中核とした就学前教育の質の向上、市町村等と連携した学校におけるICTの効果的な活用の推進、生徒の希望する進路の実現のための新たな奨学金による支援と学習支援の拡充、STEAMの視点からの探求的な学びの推進、60プラスプロジェクトの推進、地域との共創による教育環境の充実と魅力ある学校づくり、教育支援センターの設置支援等、多様なニーズに応じた学習機会の確保、社会教育施設におけるICT環境の整備などの重要課題に積極的に取り組んでまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症拡大防止と学校教育活動の両立のための取り組みを、引き続き推進してまいります。
 なお、全体的な方針につきましては、去る2月15日の開会日に行わせていただいた教育長演述で申し上げたとおりであります。
 それでは、一般会計予算の歳出予算について御説明申し上げます。お手元の議案その2の8ページをお開き願います。教育委員会が所管する予算の合計額は10款教育費の1、308億754万円余のうち、ふるさと振興部が所管する1項教育総務費の一部、次の9ページの一番上の8項大学費及び9項私立学校費を除いた1、204億2、953万円余に、次の11款災害復旧費、4項教育施設災害復旧費の3、000万円を加えた総額1、204億5、953万円余であります。これを令和4年度当初予算額と比較しますと、95億9、514万円余の減となっております。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。14ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、教育委員会関係のものは事項欄55の校地整備事業から事項欄58の産業教育実習船代船建造までの4件であり、いずれも工期等が翌年度にわたることから、期間及び限度額を定めて、債務を負担しようとするものであります。
 続きまして、予算に関連する議案について御説明申し上げます。議案その3の118ページをお開き願います。議案第52号青少年の家条例の一部を改正する条例、127ページの議案第54号博物館条例の一部を改正する条例、128ページの議案第55号美術館条例の一部を改正する条例及び133ページの議案第58号野外活動センター条例の一部を改正する条例についてでありますが、これらは物件費の上昇に伴い、使用料等の額や利用料金の上限額を引き上げようとするものであります。
 なお、博物館条例の一部を改正する条例及び美術館条例の一部を改正する条例については、博物館法の一部改正に伴う所要の整備も行おうとするものであります。
 いずれの条例も、令和5年4月1日から施行しようとするものであります。
 以上が、教育委員会の所管事業等についてであります。
 また、県民の信頼と期待に応えるため、コンプライアンスの徹底と、教職員の働き方改革に、引き続き取り組んでまいります。
 以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇千葉盛副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 1点質問させていただきたいと思います。
 午前中にも、文化スポーツ部の審査で地域スポーツ活動体制整備事業について、部活動の地域移行の絡みの部分でお話を聞きました。
 これは令和4年度については、地域運動部活動推進事業という形で教育委員会全体としてつくっていたものが、今回いろいろな予算立ての中で、文化スポーツ部と教育委員会に分かれて、それぞれの持ち分のような形で進めているということです。
 午前中に聞いた中においては、文化スポーツ部では、枠組みであったり、受け皿であったり、外側の体制準備であったりといった部分をしっかりつくっていきながら教育委員会でやっている部分については、中側というか、学校等の現場の部分が教育委員会でやるという割り振りになったと認識しております。
 本来的には、令和5年度から7年度の間に完全移行を目指していくということで進めてきたものでありますが、今回は、努力目標というか、何か推進目標になって、それはガイドラインで取り消されて、少し緩くなって、最後はいつまでに移行するといった部分がはっきりしないような形になってしまっています。
 これまで令和3年度、令和4年度と準備してこられていると思います。そうした中で、今回、文化スポーツ部と教育委員会と分けて事業を進めるたてつけの中で、教育委員会として、運動部活動地域連携推進事業という名前で、どのようなことを進めていかれようとしているのかをお伺いします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 運動部活動地域連携推進事業の取り組みについてでございますが、部活動の地域移行につきましては、令和4年6月の国の有識者会議の提言において、まずは休日の学校部活動から段階的に地域移行することとし、目標時期を令和5年度の開始から令和7年度までを目途とし、この3年間を休日の学校部活動の地域移行に向けた改革集中期間と位置づけたところでございます。
 しかし、全国の多くの自治体や学校の関係者から、地域移行をめぐって、指導者や運営団体を確保できないなどの懸念を受け、令和4年12月に改訂された国のガイドラインにおいては、目標時期を掲げず、来年度は、地域の実情を詳しく把握するための調査や研究を行うこととなったところでございます。
 県教育委員会といたしましては、令和5年度において、スポーツ庁委託運動部活動の地域移行等に向けた実証事業を活用し、地域連携の取り組みとして、複数の中学校で、合同で実施する、合同部活動を行うものでございます。
 また、令和4年12月の国のガイドライン改訂を受け、本県の学校部活動方針である、岩手県における部活動の在り方に関する方針の改定を予定しております。
〇郷右近浩委員 わかりました。
 午前中も、合同部活動に触れた部分がありましたけれども、そちらのほうであったり、部活動のあり方の部分等は、教育委員会で行っていくということであります。
 もともと教育委員会で行った取り組みでありますので、そうした部分であったり、さらには、今回は二つに分けてありますけれども、もともとは、教職員の方々の待遇改善という部分や、子供が少なくなってきた中での部活動のあり方をどうつくっていくか。まさにそれが今の合同部活動や部活動の全体のガイドラインの策定という形になっていると認識していますが、現在、それはどのような形で、幾らかずつでも、どこまで進んできているのか。本来であれば、令和5年度から行っていくといったことを見据えて、準備してこられたと思うのですが、今、どのような進捗状況というか、考え方になっているかをお示しいただければと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 現在の地域移行に向けた取り組みについてでございますが、令和3年度と令和4年度に行ってきました実践研究とともに、来年度の実証事業により県内のモデル事業をふやし、これらの取り組みを、県内各市町村で展開してまいります。
 また、令和4年12月に、国のガイドラインが策定されたことから、県の部活動の方針改定に取り組むとともに、先行して、学校部活動の地域クラブ活動への移行を進める市町村向けに、想定される業務や手続等をまとめた手引きを作成したところでございます。今後の国の動向や県の方針改定によって、手引きに修正を加えながら、情報提供を行ってまいります。
〇郷右近浩委員 わかりましたけれども、私は、両方の部局から聞いて、今、率直に思っていることは、どっちがどっちであるのだろうと思っています。先ほど、文化スポーツ部で、私を含め数名が、この部活動関係のこれからのあり方の部分で質問をしている中で、同じような答弁がいろいろ出てきています。急に国の方針変更で、さらに、県の中での部局に割り振りしたといった部分において、今、過渡期というか、これが予定どおり令和7年度までに何としてもつくるのだと、やらなければならないという話であれば、一気果敢に、とにかく両方の部局の力を合わせてばっと進めていくといったこともあったのかと思います。
 今まさに、急にこれを、令和7年度以降まで、あくまで努力目標のような形で、時間ができてしまっていることと、それから、もちろん問題点があるからこそ時間ができて、その解決を進めていかなければいけないという今の段になって、そして文化スポーツ部と教育委員会でどのように割っていくかという、今まさにいろいろ悩みながら進めていかれるところなのだろうということは、単純に思います。
 ただ、ここを整理していかないと、特に、文化スポーツ部よりも、学校現場、先生たちに本当に身近なところである教育委員会が、しっかりとした方針であったり、考え方を、それぞれの教育現場に示していかないと、混乱は非常に大きなものになるのではないかと思っております。
 そうした意味では、この間の報道によれば、例えば中体連では、複数校の合同チーム関係のものを認めることや、地域スポーツクラブについて認めるような形の考え方が幾らか示されてきていると私は認識しておりますけれども、そこら辺は、例えば中体連とはどのような形で調整していっているとか、そうしたことは、教育委員会でしっかりとやってきただろうし、今度は、さらに詰めていかなければいけないと思いますが、そのあたりどのようになっているのでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 まず、12月に示されましたガイドラインについてでございますが、その中には、令和5年度から令和7年度までの3年間を改革推進期間といたしまして、地域連携、地域移行に取り組みつつ、地域の実情に応じて、可能な限り早期の実現を目指すと示されております。
 現在、教育委員会の事業につきましては、あくまでも学校部活動の中で、これまでも実施してきた部活動指導員の配置につきまして、合同部活動を推進した上での、部活動指導員配置等の取り組みに関する実証事業を展開するものでございます。
 また、文化スポーツ部の事業につきましては、学校部活動から離れた地域クラブ活動への移行に関する取り組みでございます。具体的には、地域クラブ活動と学校をつなぐコーディネーターの配置や、参加費用の負担の支援等の実証事業を行うものでございます。
 中体連の関係についてでございますが、先日、中体連から、県中総体にかかわる地区予選、県大会、東北大会、全国大会のこの一連の大会につきましては、部活動以外に、地域のクラブに所属する生徒の出場を認めるということが示され、進めてきたところでございます。
 この参加条件等につきましては、あくまで日本中体連、岩手県中体連で、検討して、進めてきたものでございます。その内容につきましては、教育委員会といたしましては、必要に応じ助言等をしながら進めているというところでございます。
〇郷右近浩委員 これまでも部活指導員等の配置とか、今回文化スポーツ部からいただいた資料の中で、地域部活動推進実践研究事業があるのですけれども、これまでは、それぞれの地域でも対応ができるかできないかで、1人であったり2人であったり、各中学校であったり、部活動指導員は確かに確実にどんどんふえてきていますけれども、その部分が地域として、全体として、例えば市なら市として実践するといった中で、このような活動の広がりがつくっていけるのかと思っていますので、モデル事業として、しっかりとやっていっていただきたいというものであります。
 今、学校現場でもかなり混乱していると思います。部活動のあり方、それは、逆に言うと、教職員の方々が、働き改革として、これから働き方がどのように変わっていくだろうという中で、なかなか変わっていかないとしか見えないような形になっているし、さらには、子供たちも、部活動にどのような対応をしていけばいいのかと。
 私がよく知っているある市などでも、部活動に関しては、令和5年度入学生は、入っても入らなくてもいいという任意になるということで、そのときに、それぞれの種目が部活動としてきちんと成り立っていくのだろうかと危惧している親御さんたちもいらっしゃいます。
 では、本当にその部活動が次の受け皿まで渡せるようなところまで、しっかりと道筋をつないでいけるのかどうか。それが、今回、努力目標のような形になっていて、令和5年から令和7年の間に調整していくということであったとしても、なるべく早く、どのような形になっていくか、しっかりと見えるような形につくり上げなければならないと考えるものであります。
 今回のこの所管分けであったり、いろいろな状況の中で混乱している部分もあろうかと思いますが、現場にしっかりと即した形で、つくり上げていっていただきたいと思いますが、教育長に所感があればいただければと思います。
〇佐藤教育長 市町村あるいは地域の受け皿となるさまざまな団体、スポーツクラブ等にしっかり情報を伝達していかないと、それぞれの団体がどのような活動をすればよろしいか、さまざまな迷いや混乱が生じているところは否めないと思っております。
 そういったことから、実は、文化スポーツ部と連携を図りまして、つい先日になりますが、公立中学校の学校部活動における地域クラブ活動への移行に向けた手引きを策定しまして、配布させていただいております。
 これは、各市町村において、公立中学校部活動の地域クラブ活動への移行に向けて取り組む際に、市町村教育委員会、あるいは市町村の生涯スポーツ等の部署、あるいは文化芸術を所管している部署において、担うことが想定される業務であるとか、各種手続等を整理した手引きをつくりました。そして、私どもは、今後、各市町村が、生徒の多様なニーズに応じた活動機会をきちんと保障し、それから、教員の働き方改革の推進との両立に向けて、混乱がないように進めていく上でこの手引きを活用していただいて、そして、地域の実情に合わせて資料を活用していただいて、今後、この持続可能な活動等に向けて取り組んでいただけるよう、この手引きを作成し、配布をさせていただいております。
〇郷右近浩委員 わかりました。本当にそうしたことでは混乱がないようにということと、今、手引きという話がありましたけれども、それをどのように使っていくか、しかも、早くにということで、そうした意識をしっかりと市町村と共有しながら、教育にかかわる皆様方として、一緒につくり上げていっていただければと思います。
〇工藤勝子委員 私からは、学校教育におけるICT活用促進事業と不登校児童生徒の状況について、お伺いします。
 令和4年度で、小中高全ての学校に、1人1台パソコンが導入されましたので、授業における活用状況についてお伺いしてまいります。まず一つ、学校のみで使用されている状況について、また、家庭に持ち帰っても活用されているのかということ、そして、このパソコンによって、授業で子供たちの集中力が高まってきているのか、効果をどのように捉えているのかということです。
 また、先生方がいろいろな形の中で、授業に対する負担が軽減されてきているのか、逆に、パソコンを使うことによって、先生方の負担がふえているのか、その辺をどのように捉えているのかをお伺いいたします。
〇三浦首席指導主事兼義務教育課長 ICTの活用状況についてでございます。
 各小中学校におきましては、各市町村によって状況はさまざまでありますけれども、授業支援ツールとか、デジタルドリルの活用など、授業での活用が進められているところでございます。授業で1人1台端末や、あるいは大型提示装置などのICTを活用することで、児童生徒の興味、関心を高める問題提示等がやりやすくなったという声を伺っております。
 また、インターネット上の資料や動画を閲覧することが容易にできますので、学校で学習している内容と、身の回りの生活とのつながりを実感させやすくするなど、児童生徒の主体的な学び、ひいては学習に集中して、粘り強く取り組む力を育むことにもつながっているのではないかと認識しております。
 また、家庭での活用につきまして、これまで、なかなか通信環境が整わないなどの理由から、持ち帰りの実施を見送ってきた市町村が多かったのですけれども、貸し出し用Wi−Fiルーターの整備などが進んでおりまして、徐々に持ち帰りを実施する学校がふえてきていると伺っております。
 こういった端末を、新たな文房具として、子供たちが必要に応じて自分で選択して使えるようにすることで、多様な学習方法を提供し、一人一人が自分に合った学び方で、学びの深まりや広がりを生み出せるようになることが、この端末を活用する効果であると捉えております。
 教員の負担につきましては、導入当初につきましては、なかなかそういった操作に不なれだという教員も多く、戸惑いもありましたけれども、こういった授業等で活用していくことが広まっていくにつれまして、徐々にそういった扱いにもなれてきておりますし、それから、学校内で教員同士教え合って、研修を深めたりとか、あるいは市町村や県の研修等で知見を広げたりという活用によって、教員も、作成したプリントを一度に児童生徒に配布したり閲覧させたりできることによって、そういった授業中の負担が減ったり、授業のそういったことに要する時間が短くなって、授業の内容を深めることができるようになってきているといった声も聞かれるところでございます。
 県教育委員会といたしましても、このICTの効果的な活用によって、児童生徒の主体的、対話的で、深い学びが実現されるように、研修や訪問指導を通して、学校の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 いろいろな形の中で、効果的な活用がされていると私も捉えました。
 そこで2021年、県内における小中高の不登校の児童生徒の状況は2、270人と、前年度より20.2%増になっているとお聞きしました。文部科学省では、コロナ禍によって学校の活動が制限されて、不登校となる児童がふえたとか、生活のリズムの乱れとか、欠席への抵抗感が薄れてしまったと。子供同士の人間関係の形成とか、コミュニケーションが難しいという状況が挙げられております。そういう中にあって、パソコンを利用して、不登校児童が学校と一体となって、家庭で授業を受けている子供たちがどのくらいいらっしゃるのかということをお聞きしたいと思っております。
 また、学校に行かなくても、登校とみなす、出席とみなすと校長先生の裁量で決められることもあるみたいですが、この辺は、県教育委員会ではどのように対応されているのでしょうか。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 不登校児童生徒の自宅におけるICT活用の状況でございますが、本県では、全ての県立高校において、生徒が在宅の場合を想定したオンラインでのショートホームルームの試行やファイルの共有などを、令和3年9月までに行い、オンラインでの指導体制を整えたところでございます。
 ICT活用の具体例といたしましては、県立高校においては、不登校生徒に事業のオンライン配信を行ったり、面談を行ったりしております。また、小中学校においても、1人1台端末を利用して、授業の様子をライブ配信したり、ドリル教材を活用した学習支援を行う中で、教職員がオンラインで児童生徒のドリルの進捗状況を確認したり、関係機関との連携においては、教育支援センターを利用し、児童生徒がオンラインで授業を受けるなどの取り組みを把握しております。
 県教育委員会といたしましては、1人1台端末の整備が進んだことから、児童生徒が学校に登校できない場合においても、生徒の学びを保障するため、オンラインによる授業の配信等を、より一層進めてまいりたいと考えております。
 そして、自宅でICTを活用することによって、出席扱いとされていることについてでございますが、令和元年10月に文部科学省から通知されました、不登校児童生徒への支援の在り方についてに基づき、保護者と学校との間に十分な連携、協力関係が保たれていること。訪問等により、対面指導が適切に行われていること。当該児童生徒が、学校外の公的機関や民間施設において、相談、指導を受けられないような場合に行う学習活動であること。学校の教育課程に照らし、適切と判断されることなどが要件となっており、それに基づいて、校長が適切に判断することとしております。令和3年度の本県の実績といたしましては、小学校で6名、中学校で4名の児童生徒を出席扱いにしたと把握しております。
 今後におきましても、不登校児童生徒に対する学習支援については、本人や保護者の要望等に寄り添いながら、当該児童生徒個々に応じた支援をしていくことが必要であると考えております。ICTやオンラインの特性等を生かした学習支援や体験活動、家庭訪問等を含めたアウトリーチ型支援を行うような体制づくりが、有効な手段の一つと考えられることから、県教育委員会としては、県内の全市町村に教育支援センター等を設置することを働きかけるなど、積極的に教育機会の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 出席扱いツールにはいろいろな要件があることを、私もある程度調べておりましたが、なかなか難しいことだと思っております。そういう中においても、どうしても学校になじめないというか、学校に行けない子供たちを、このICTを使って、出席扱いにするような方向で取り組んでいくことも、非常に大事ではないかと思っているところでもありますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 その中で、今度、学校教育ICT活用推進事業を拡充いたしまして、新規事業として、学校DX支援リーダーを配置する計画と伺っております。支援リーダーの人材確保について、大体どのくらいの支援リーダーを養成しようとしているのかお伺いいたします。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 学校DX支援リーダーでございますが、学校への端末の整備が終わったことから、令和5年度は、GIGAスクール運営支援センターを設置しておりまして、そちらへの参加市町村をふやしていくほか、授業改善を進めていくためにも、指導主事や管理職等を対象とした研修、大学教員のアドバイザー派遣など、全県的な支援を拡充することとしておりまして、そのための牽引役として、新たに学校DX支援リーダーを配置することといたしました。
 具体的な役割といたしましては、ICTを効果的に活用した授業づくりを進める観点から、先ほど申し上げましたGIGAスクール運営支援センターと、指導主事の先生方が共同して、学校訪問して、指導を行う。その支援人材が、連携して助言できるようなコーディネートであったり、指導内容の助言をする役割、また、指導主事、管理職を対象とした研修の企画、各市町村のICT支援員が情報共有をできるような、連携会議の主催などを担ってもらおうと考えておりまして、学校DX支援リーダーに関しましては、1名と考えております。
〇工藤勝子委員 ある先生が、DXとは機械であるというお話をされておりました。つまり、機械でやれることは機械に任せていくと。そして半面、どうしても人がやらなければならないことを人でやることで、仕事の分量が軽減され、時間にゆとりが生まれてくる。まさに、これは教育に関係することでもあるのではないか。全部機械に任せるわけではなくて、やはり先生がいて、そして、情熱的な先生が、子供たちの観察力や指導力や、そして、いろいろな心身のことも見きわめながらやっていくのは、機械ではなくて、まさに先生の役割ではないかと思っています。そういうところをしっかり分けながら、今度はこういうDXを使って教育していくことも必要ではないかと思ったところでもあります。
 そこで、今度、全県統一の統合型校務支援システムの構築が出てまいりました。全県統一という形について、この構築とはどこにどのような形で構築されるのか、この事業についてお尋ねしたいと思います。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 統合型校務支援システムでございますが、こちらは、学校で生徒の出欠管理とか、成績処理、健康管理などの事務処理を統合したシステムを考えております。学級経営に必要な情報の一元管理や、デジタル処理、共有ということが可能になると。そして、それらが、今まで紙処理、また、人間の手作業でやっていたのが、業務効率化ということで、職員の働き方改革にも、効果があるものと考えております。
 この全県統一化でございますが、今まで、市町村によってシステムが違う、またはシステムが入っていないところは、紙処理だったということで、先生方も異動する都度、そのルールを変えていかなければならなかったというところがございますので、それを、全部の市町村で、共通のシステムを導入しようと考えているところでございます。
 これによりまして、共同調達のコスト削減や、将来的には、小中学校のデータと高校のデータを連携させるとか、そういう校種間連携などにも期待しているところでございます。
〇工藤勝子委員 働き方改革も非常に進んでいるかもしれませんけれども、道路が整備されたこともあるでしょうか、通勤している先生方が非常に多いと思っているのです。そうすると、私もそうですが、盛岡まで往復で3時間ぐらいかかるわけです。1日のうち3時間運転していると、それを3日も続けてしまうと、かなり疲れてくると。年齢的な部分もあると思いますけれども、そうなってきます。
 私は、やはりそういう形の中で、非常に時間的ゆとり、心のゆとりがなくなってきている先生も多いのではないかなと思います。ということで、子供たちに向き合う姿勢といいますか、そういうものも見落としている部分もかなりあるのではないかと思っているところでもあります。
 そういう中において、これからの社会に送り出す子供たちを育てていく教育は、まさに重要であり、岩手県らしい教育ということもありまして、非常にたくましい子供たちがいっぱい育っているわけですけれども、先ほど言ったように、どうしても学校に行けない子供たちも、ぜひ、拾い上げて、何とかして授業ができるように、支援センターでもいいですし、今のICTを使った授業の方向でもいいですし、そういうことによって全ての子供たちが、親たちもあまり苦労しないで、家庭でもきちんとできるということができていけば、まさに岩手県らしい授業ができてくるのではないかと思っています。私は、その辺もきちんとやっていただければいいと思って、質問したところでありますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 DXにおける役割について、これは何が一番重要で、そして、どういう部分に一番期待しているのかを伺って、終わりたいと思います。
〇度會学校教育企画監 お答え申し上げます。要は、DXは新たな教育的価値を創出するものでございますけれども、そういったICTの拡充による、その活用の変化によって、例えば、資料や動画等の提示によって、児童生徒の興味、関心を高めたりとか、ネイティブの音声が搭載された外国語のデジタル教科書を活用した学習を行ったりとか、また、児童生徒の考えや意見を、授業支援ツールや大型提示装置を活用して共有し、みずからの考えを深めるとともに、集団としての考えをまとめ、協働的に課題を解決しようとする活動も見られるところでございます。
 また、工藤勝子委員から先ほど来御指摘いただいていますし、先ほど御答弁申し上げたとおり、不登校児童生徒に対するICTを活用した学習支援とか、あとは、新型コロナウイルス感染症により自宅待機となっている子供たちに対するオンラインによる授業配信、また、工藤勝子委員からも少し御指摘がありましたけれども、岩手県は広いですので、広大な県土を有する本県におきましても、小規模校の教育の質の向上とか、多様な学びの充実を図る観点から、5校の県立高校において、遠隔教育のあり方についても検証を行ったりしております。
 ICTは、空間的、時間的な制約を緩和して、今までできなかったような学習活動も可能なものとしております。ICTの活用は、もちろんデジタルでできるものも大事ですし、対面とかリアルなものも大事なものでございまして、決して二項対立ではなくて、これまで、学校や教師の努力によって実現されてきた学びについても、デジタルの強みを生かしてアシストするものでございまして、引き続き、各学校におきまして、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善や、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実が図られるように支援してまいりますし、全ての子供たちを取り残すことなく、学びの充実を図ってまいりたいと考えております。
〇千葉盛副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時23分 休憩
午後2時42分再開
〇千葉盛副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇高橋但馬委員 それでは、部活動の地域移行について伺います。
 部活動の地域移行の背景には、教員の長時間労働問題があります。中学校や高校の教員においては、部活動の指導が長時間労働の大きな要因となっていると思います。子供たちの活動も、先生方の働き方も、持続可能な形で実現させていくことが大切です。休日の部活動の段階的な地域移行及び合理的な部活動の推進は、具体的な方策として打ち出されたものだと示されています。地域指導者、教員、社会人、大学生等々、今後の指導をする候補があると思います。移行に向けて、学校、各指導者への周知について、どのようになっているのかお知らせください。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校、各指導者への周知についてでございますが、県教育委員会といたしましては、これまで、市町村教育委員会や中学校の依頼を受け、担当職員を派遣して説明を行ったほか、公益財団法人岩手県体育協会において、指導者を集めた会議、一般社団法人岩手県芸術文化協会の役員を参集した会、県主催の中学生スポーツ・文化活動セミナー等において、地域移行に係る説明などを行ってきたところでございます。
 また、地域移行に向けて、想定される業務や手続等を整理した手引きを作成し、市町村教育委員会を通じて、中学校に発出したところです。
 今後の国の動向や県の取り組み等によって、手引きに修正を加え、都度、情報を発信してまいります。
〇高橋但馬委員 令和4年の12月に、文化庁、スポーツ庁からガイドラインが出てきて、それから時間もそんなにたっていない中で動かれているのだと思いますけれども、岩手県PTAリーダー研修会におけるQ&Aによると、地域移行になった場合の部の所属はどうなるのかという問いに対して、地域の活動については任意です、希望によりさまざまな団体に所属することになります、ただし、大会参加等については、競技団体への登録規定や各大会の規定により異なることが考えられますとの回答でありました。
 私の息子も部活動をやっているのですけれども、質問するに当たって、その指導者に、現在の地域移行について、少し話を聞いてみたのですけれども、現在は、例えば他校と練習試合をやるのですけれども、この前は二戸市立福岡中学校とか釜石市立釜石中学校と練習試合をやって、それは、コーチとか監督が直接連絡をとって、この土曜日にやりましょう、日曜日にやりましょうということでやってきたのですけれども、地域移行になることによって、この練習試合の仕方もどうなるのかわからないという声があったのですけれども、その辺はどうでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 他校との練習試合のあり方についてでございますが、今後、地域クラブ活動への移行が進んでいくと、地域スポーツ団体のチームと学校部活動のチームによる交流が活性化し、場合によっては、練習試合が組まれていくことが想定されます。
 これまでの学校部活動においては、各中学校の部活動顧問や指導者の間において、打ち合わせした練習試合の日時や会場等の内容について、最終的には、各中学校の校長による許可を受けて、練習試合が実施されているものと承知しております。
 今後、地域スポーツ団体のチームと、学校部活動のチームによる練習試合が行われる際にも、これまでと同様の手続になるものと承知しております。具体的には、地域スポーツ団体の責任者並びに中学校の校長、双方の許可を受け、両者の責任のもと、生徒の体調管理や安全を配慮した上で、練習試合が行われていくものと認識しております。
〇高橋但馬委員 簡単に言うと、今までどおりという認識でよろしいのでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 今、御説明申し上げたとおり、両者の長による許可によって行われるものと認識しております。
〇高橋但馬委員 現在も、校長先生の許可があって、練習試合もできていると思うので、何か非常にわかりづらく伝わっている面があるのではないかと思っていまして、なるべくわかりやすい形で学校等に伝えてもらえると、浸透も早いと思いますので、よろしくお願いいたします。
 スポーツ庁の、休日の部活動の地域移行に係る要素(例)がこのようにお配りされていると思うのですけれども、各関係者の巻き込み・合意形成、運営団体の確保、指導者の確保、その他の環境整備等の県と市町村との役割の大差があまり感じられないのですけれども、このスポーツ庁から出たものではなくて、岩手県として独自に進めるシナリオはあるのか伺います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 岩手県として、独自に進めるシナリオについてでございますが、令和4年12月に改定された国のガイドラインにおいて、県や市町村等が求められる取り組みが示されたところでございます。情報発信や関係団体との連携など、県及び市町村の取り組み内容が重複しているが、それぞれの対象先に相違があるところでございます。
 具体的には、県は、主に市町村に対して、情報提供や周知、県体育協会や県芸術文化協会等の県レベルの団体との連携を図ることを考えており、市町村においては、地域住民や地域のスポーツ、文化芸術団体と連携をして、運営団体を確保していくものと考えております。
 県及び県教育委員会では、先行して地域移行に取り組む市町村向けに、想定される業務や手続等を整理した手引きを作成したところであり、今後の国の動向や県の取り組み等によって、手引きに修正を加え、都度、情報を発信してまいります。
 さらに、本県においては、令和3年3月にまとめられた、岩手県「中学生スポーツ・文化活動に係る研究」有識者会議の提言において、中学生の活動を支える各主体が、ともに中学生の健全な成長のためのパートナーという考えに立ち、望ましい活動、環境の姿の実現に向けて取り組むことが求められていることから、岩手県の中学生が、それぞれの興味、関心に応じた多様な活動ができるよう、関係部局と連携して、市町村等が取り組む、部活動の地域移行を支援していきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 県と市町村、そして、スポーツ、文化、芸術の団体と、学校と情報の共有をしっかり行うことが、移行に対して重要なことだと思うので、その辺をしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 4番目の質問です。市町村、総合型地域スポーツクラブ、民間事業者による休日の地域クラブ活動と、団体、合同の学校部活動の地域連携において、生徒たちのニーズに応えるために、どう取り組んでいこうと考えているのかをお知らせください。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 生徒のニーズに応えるための取り組みについてでございますが、生徒のニーズに応えるためには、県として、地域の受け皿体制の整備が必要であると考えているところでございます。
 令和3年3月に示された、県の有識者会議の提言において、県及び県教育委員会が求められる役割、取り組みが示されており、競技団体、文化芸術団体の体制整備として、県内及び市町村のスポーツ、文化芸術団体への情報提供を行い、地域の実情に合わせた、地域におけるスポーツ、文化活動の場の確保を求めていくこと。
 総合型地域スポーツクラブの活性化として、県広域スポーツセンターへのクラブアドバイザーの配置支援、指導者に対する資格取得支援等により、総合型地域スポーツクラブの質的充実を図っていくこと。
 サポート人材の活用として、県におけるいわてアスレティックトレーナーの養成等により、スポーツ医・科学の知見を有する外部人材を活用して、スポーツ活動等に取り組む中学生のサポート体制の充実を図っていくこと、などの取り組みが示されているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、引き続き、文化スポーツ部と連携して、生徒のニーズに応えるため、中学生の受け入れ体制の整備促進に取り組んでまいります。
〇高橋但馬委員 私が通っていた中学校も閉校になりまして、私たちが生徒だったころは、男子は野球部、女子はバレーボール部、それから、少子化がどんどん進んで、野球もバレーボールもできなくなって、その後はバスケット部になりました。最終的にはバトミントンという個人のプレーをする形になったのですけれども、そういうことのないように、適切な配置により、生徒が活動する機会をしっかり確保するのが、最終的な目的でもあると思いますので、ぜひ、その辺をしっかり取り組んでいただくようお願いして、終わりたいと思います。
〇千葉秀幸委員 まずは、いじめ、不登校について伺っていきたいと思います。
 御承知のとおり、近年、いじめ件数、不登校件数も増加しているという状況にありますので、今後も、コロナ禍であったりすることから、また、より一層いじめ、不登校につながる子供たちがふえないよう、対策をとっていかなくてはいけないと思っております。
 まずは、令和5年度いじめ・不登校対策事業についてお示しをいただきたいと思います。また、あわせて、それにより、県が望む成果についても伺います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 いじめ・不登校対策事業についてでございますけれども、令和5年度当初予算案では、これまで取り組んでおります、岩手県いじめ問題対策連絡協議会、岩手県いじめ問題対策委員会の開催、不登校児童生徒連絡会議の開催に係る経費、いじめ対応・不登校支援等アドバイザーの配置に係る経費に加え、新たに市町村が行う教育支援センターの設置に要する補助経費を計上したところでございます。
 教育支援センター未設置の市町村には、教育支援センターの開設を促すなど、相談、支援体制の強化を図っていくこととしております。広い県土を有する本県においては、ICTやオンラインの特性等を生かした学習支援や体験活動、家庭訪問等を含めたアウトリーチ型による課題解決が有効であると考えており、このような相談、支援を行うための人材を教育支援センターに配置する経費として、補助したものでございます。
〇千葉秀幸委員 今、御説明いただいた中には、不登校等対策推進事業費補助ということで、新たに令和5年度から執行されることについても御説明をいただきました。これに関しては、後で触れていきたいと思いますが、まずは、不登校の児童生徒数をお示しいただきながら、それに対する県の認識についてお伺いしたいと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 不登校児童生徒数でございますけれども、小中高全ての校種を合わせまして2、270人であり、前年度より382人増加しております。本県の不登校児童生徒数は、増加傾向にあることから、専門職と連携した学校の教育相談体制や、学校以外の相談機能の充実を図り、不登校の未然防止や、発生した場合の適切な支援に一層取り組む必要があると認識しております。
〇千葉秀幸委員 今、数字はお示しいただきました。この数字は、不登校生徒数だと思いますが、もう既に学校復帰をされている数は、この中に含まれるのかお伺いしたいと思います。あるいは、小学生が中学校に入るタイミング、あるいは中学生が高校に入るタイミング等々で、復帰されているか等々について、詳細もあれば、お示しいただきたいと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 年度ごとの数値でございまして、復帰等については、詳細は把握していないところでございますが、各学校、あるいは関係機関で、復帰に向けて頑張っているというところでございます。
〇千葉秀幸委員 これから復帰されたり、今は学校に戻ることだけが全てという考えではなくて、社会復帰という考え方になってきましたから、さまざまな復帰のあり方があるのでしょうけれども、比較的しっかりと対応されながら、できれば、その数値も把握に努めていただければと思っております。
 実態が明らかになったところで、ここからは、いじめや不登校を招かないために、どういった対策を行っていくのかについてお伺いしていきたいと思います。
 まずは対策として、スクールカウンセラーあるいはスクールソーシャルワーカー、24時間子供SOSダイヤルについて、それぞれ人員配置の状況について伺いたいと思いますし、24時間SOSダイヤルについては、電話件数も含めてお示しいただきたいと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置についてでございますが、スクールカウンセラーの配置に関しましては、中学校、高等学校、特別支援学校では、令和4年度に引き続き、100%の配置率、小学校は約51%の配置率で、本年度と同程度を予定しているところでございます。
 これまで、沿岸部に配置しておりました巡回型カウンセラーを全県展開し、全ての教育事務所などにエリア型カウンセラーとして計14名を配置し、対応困難な事例を抱える学校の支援や、未配置の小学校への対応を予定しており、全ての学校に対応できる体制を整えております。
 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置に関しては、これまでの訪問型のスクールソーシャルワーカーに加え、全ての教育事務所にエリア型スクールソーシャルワーカーを配置し、指導主事や、スクールカウンセラーと連携することで、教育事務所の教育相談体制の強化を図ったところでございます。
 24時間子供SOSダイヤルにつきましては、毎年、相談窓口を記載して、携行できる名刺サイズのカードを作成し、県内の全ての児童生徒に配布するなど、児童生徒が困ったときに、いつでも相談できる窓口があることを周知してきているところであり、令和5年度も同様の体制を整えているところでございます。
 24時間子供SOSダイヤルの相談件数でございますが、令和3年度の24時間子供SOSダイヤルの相談件数は324件でございます。
 今後におきましても、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを含めた、学校内の教育相談体制の充実を図るとともに、24時間子供SOSダイヤル等、学校以外の相談窓口についても、周知の徹底を図ってまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 配置率が100%だということで、一見、充実しているという評価かとも伺えるわけですが、実際に、例えば数カ月に1回の面談を100%という評価であれば、それは課題があると思っております。
 深い傷を負った人、あるいは軽症な方、さまざまいるわけですが、この人に対しては、例えば1時間でいいけれども、この人に対してはもう少し時間かかるとか、面会する回数も月に1回ではなく、この方はもう少し頻繁に重ねるべきである、本当にそういった取り組みをして初めて寄り添っているわけで、改善につながると思っておりますが、その辺についてはいかがでしょうか。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 各学校におきまして、一人一人のきめ細かい教育相談体制を構築するために、年間複数回にわたりまして、配置しているところでございます。
 具体的に申しますと、小学校、中学校におきましては32回、高等学校におきましては12回などでございますけれども、子供たちのために、時間を十分に相談活動に対応できるように、支援してまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 時間等々の御説明があったのですが、大事なのは、本人にしっかり寄り添えているかという私の課題意識でありましたので、その辺は、今後もしっかりと御対応いただきたいと思っております。
 ここからは、不登校になった人をどう支えていくかという観点から質問させていただきたいと思います。先ほど、新規事業のいじめ・不登校対策事業費は1、700万円、新規で盛り込んだということでございますが、教育支援センターを未設置の11町村においては、これから支援を促しているという御答弁があったわけですが、その11町村の反応はいかがだったでしょうか。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 教育支援センターの設置に係る補助についてでございますが、先月の県教育委員会と市町村教育委員会との意見交換の場において、教育支援センター設置に係るいじめ・不登校対策事業費補助について説明し、現在、取りまとめているところでございます。
〇千葉秀幸委員 ぜひ、全ての市町村で、教育支援センターを設けていただいて、積極的な支援で寄り添っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それぞれの教育支援センターは市町村独自での取り組みとは思いますが、例えば私の地元、奥州市にあるフロンティア奥州という教育支援センターにおいては、目的的な最終方針が、学校復帰への支援を行いますとうたっているところもございます。
 先ほども少し触れさせていただきましたが、学校に復帰するのは当然目指すところであるし、理想だと考えます。ただ一方で、私も、この間、いろいろな委員会等を視察させていただいたのですが、そもそも学校に来る時点で、本人の中では、最大限頑張っていることだという評価にも捉えられますし、学校に行くことだけが全てではないという道筋もこれからつくっていかなくてはいけないと思います。冒頭で触れましたが、社会復帰をどうするかという観点が大切であると思います。県としても、この辺の認識を示しながら支えていくべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 不登校児童生徒は、学校に登校することの結果のみを目標とすることなく、社会的に自立に向かうことが非常に大切であると認識しております。
 教育支援センターなどでも、不登校の児童生徒の悩みを受容し、支援員が教科学習、体験学習などを通して、学習意欲の向上を促したり、あるいは相談員が一緒に宿題や学習を行ったりしながら、交流の場を設けて、社会的な自立に向けて取り組んでいるというところを、今後も支援してまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 よろしくお願いいたします。
 それでは、先ほど来、多くの委員から御質問がある中で、かぶらない程度に御質問させていただきたいと思います。
 部活動のあり方についてですが、令和5年度から、段階的に地域移行への取り組みが3年間かけて行われるというところで、文化スポーツ部の考えはお伺いしたのですが、教育委員会としては具体的にどう取り組んでいくのかについて伺いたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 段階的な地域移行の取り組みについてでございますが、令和5年度は、引き続き、文化スポーツ部と連携して、令和4年12月の国のガイドライン改訂を受け、岩手県の部活動の在り方に関する方針の改定に取り組む予定であるとともに、スポーツ庁委託、運動部活動の地域移行等に向けた実証事業を活用し、さらなるモデル事業を展開することで、地域移行に係る県の取り組みを蓄積してまいります。
 今後も、方針改定や手引きの発出等に加え、県内の取り組み事例や全国のモデル事例を市町村に情報提供することで、本県の中学生が、それぞれの興味、関心に応じた多様な活動ができるよう、市町村等が取り組む部活動の地域移行を支援してまいります。
〇千葉秀幸委員 岩手県でも、モデル事業として、葛巻町や岩手町、そして、令和4年度は大船渡市においても取り組みをしたと認識しております。実際にモデル事業を行って、この岩手県ならではの課題等々も出てきたのだろうと思っております。そのモデル事業を行った上で浮き彫りになった課題をお示しいただきたいと思っておりますし、教員の働き方改革という一つの観点についても、実際に働き方改革にもつながったのか伺いたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 これまでの取り組みにおきまして、学校以外の地域スポーツ施設を活用した事例や、地域の体育スポーツ協会による既存の学校部活動にはない種目の活動が行われた事例など、一定の成果があったところでございます。
 また、葛巻町と岩手町におきましては、保護者に対して、Q&A方式で周知を行い、そして、活動内容については、多人数での練習により、豊富な活動メニューや試合形式の練習を実施し、生徒たちに大変好評であったことを伺っております。また、活動までの移動手段でございますが、町の教員による送迎、また、保護者協力による送迎等が行われたところでございます。
 一方、課題についてでございますけれども、地域スポーツ団体の整備充実、指導者の確保等を初め、さらには、制度の周知等にかかわる説明会を行うなど、関係者への理解促進を図る必要性があること。そして、競技力向上を目指す活動、競技を楽しむ活動など、慎重に活動内容を検討していく必要性があること。送迎にかかわる保護者の負担増が想定されるため、十分な理解を得る必要があることが、課題として挙げられております。
 また、岩手町におきましては、本年度、町の全3中学校、そして、3競技で部活動を実践しております。また、葛巻町におきましては、町内の全3中学校、12競技で、部活動を実践してまいったところでございます。
 このような取り組みを行った中で、町内のそれぞれの中学校における働き方改革について、十分軽減がなされたものと認識しております。
〇千葉秀幸委員 モデル事業ということで、一定の予算もあったのでできたこともあると思いますが、これからは、その予算等々の課題も出てくると思っております。
 ことしから、中総体においても、地域クラブが参加しての中総体になるという話も伺っておりますし、いずれ、ほかの委員からもお話があったとおり、岩手県においては、例えば人口が少なかったりとか、これぐらい広大な面積を擁している、さまざまな課題等々もありますので、ほかの県でも、独自の対策としてとりかかっているようなところもありますが、ぜひ、岩手県の子供たちが、積極的に部活動に携わりながら、長きにわたって、スポーツ等々にも触れられる場面をおつくりいただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。
〇城内よしひこ委員 まず文化財について質問します。
 久慈市における闘牛の県指定について、現在の状況と今後の見通しをお伺いします。
〇岩渕首席社会教育主事兼文化財課長 久慈市における闘牛の県指定についてでありますが、久慈市山形町の平庭闘牛は、江戸時代に塩や鉄などの物資を運んだ久慈・野田街道、通称塩の道に関係する牛の角突きと呼ばれる習俗が起源とされております。牛の角突きは、物資輸送に使われた雄牛同士の角を突き合わせて、群れ全体を統率する牛を決める習俗で、久慈地区の歴史や文化を知る上で重要であるとして、平成28年に久慈市の無形民俗文化財として指定されております。
 県としても、牛の角突きが、本県の歴史、文化を考える上で重要な文化財であると認識していることから、県指定文化財の指定に向けた調査に取り組んでいるところであります。
 次に、現在の状況と今後の見通しについてでありますが、県指定文化財への指定に当たっては、県指定文化財にふさわしい価値を明らかにする必要があり、牛の角突きについては、その起源や来歴、歴史的背景について、専門家を中心とした調査を進めているところです。令和3年度には、久慈市教育委員会と連携して現地調査を行い、文献調査や塩の道関係の資料を実見しております。
 今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響によって、現地調査の実施が難しい状況でありましたが、令和5年度は、他県で継承されている牛の角突きとの関係や、一里塚等の塩の道にかかわる文化財との関連についての調査に取り組み、県指定文化財として十分な価値を持つことを明確に意識していきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 東日本大震災津波の際も、角突きをする闘牛をしている地域と新潟県の旧山古志村などとも交流をしながら、いろいろと頑張ってきているし、飼い続けるのも実は大変なわけでありますので、そういったことをしっかりと指定することによって、その守り続けている方々に対する応援にもなると思うので、前向きに進めてもらっていますが、なかなかスピード感がないので、牛歩という言葉もあるようですが、ぜひ、何とか急いでしっかり進めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
〇岩渕首席社会教育主事兼文化財課長 新潟県長岡市の旧山古志村に継承されている牛の角突きですが、国の重要文化財に指定されているものでございます。久慈市山形町の牛の角突きに関連があると伝わっておりまして、山古志村の牛の角突きとの関連を特に重点として、これから調査していきたいと考えているところです。
 県指定文化財としての価値をできるだけ早く明らかにした上で、早期に指定できるように、調査を進めていきたいと思っております。
〇城内よしひこ委員 これは、地域の振興であったり、観光振興であったり、今度、久慈地区のインターチェンジ付近に、パーキング的な要素も含めて、人が集中するわけであります。その辺は地域の方々も期待しているようですので、ぜひ、PRも含めてしっかりと前に進めてほしいと思います。
 次に移ります。学校のエアコンの整備状況と、あわせて電気の高騰ですが、その対応はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 県立学校へのエアコンの導入状況についてでございますが、令和3年度をもちまして、全県立学校への設置が完了しております。
 高等学校につきましては、全普通教室、保健室、職員室、校長室、事務室などの管理諸室、それから、課外などを行う講義室、パソコン教室等に設置をしております。特別支援学校につきましては、障がいのある児童生徒等の熱中症対策のため、全室に配置しております。
〇古川予算財務課長 学校の電気代の状況についてでございます。令和4年度の県立学校の電気料につきましては、エアコンの整備に伴います電気料金の掛かり増し経費を増額したところでございますが、今般の原油価格、物価高騰の影響を強く受けまして、予算に不足が生じたところでございます。令和4年度は、9月補正予算と2月補正予算の2回にわたりまして、増額措置をさせていただき、最終予算は、当初予算と比較して、県立高校で約38%、特別支援学校を含めますと、約39%も増額となったところでございます。
 令和5年度におきましても、この状況が続くことが見込まれることから、高騰による影響分を考慮した当初予算案とさせていただいたところでございます。
 県教育委員会といたしましては、暑さや寒さ等のために授業に支障が出ることがないよう、適切な学習環境を維持することが重要と考えておりまして、今後におきましても、引き続き、価格の状況を把握して、必要な予算の確保に努めてまいります。
〇城内よしひこ委員 この点につきましては、ぜひ私からもお願いしたいと思います。子供たちが勉強しやすい環境は大事であります。そういった環境をつくっていくのも、県として果たす役割だと思いますので、この点についてはよろしくお願いしたいと思います。
 次に入ります。学校のLED化、省エネの状況はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 学校のLED化の状況についてでございますが、県立学校につきましては、平成30年度以降、校舎改築や新築工事、大規模改造工事の際に、LED照明を整備しておりまして、令和4年度末で、照明が全てLEDとなっている学校は6校でございます。
 引き続き、校舎改築や大規模改修工事にあわせまして、LED照明の整備を進め、省エネルギー化に取り組んでまいります。
 なお、各学校から、既存照明の故障等によるLED照明への改修要望があった際には、随時対応をしております。
 また、小中学校につきましては、文部科学省の学校施設環境改善交付金を活用しまして、大規模改修工事等にあわせて、順次、LED化を進めていると把握しております。
〇城内よしひこ委員 この件につきましては、県庁の方々にもお伺いして、県議会議事堂などはまだ水銀灯があるという話で取り上げさせてもらいました。古い体育館には、水銀灯等をまだ使っているところもあろうかと思いますが、そういったところは早めに改修してほしいと思います。もう製造はしていませんし、そういう準備等も含めて、今後、計画等をつくりながら、前に進めるような考えはございませんでしょうか。
〇佐々木学校施設課長 今年度初め、既に体育館にLEDを導入した学校の情報を集めまして、全県立学校に周知をしたところでございます。我々としても、積極的にLEDは導入していきたいと考えておりますので、これからも、引き続き、学校と連携しながら、進めてまいりたいと思っております。
〇城内よしひこ委員 先ほども言いましたけれども、計画的にこれはやっていくべき課題だと思っています。再々切れてから、では、どうしようと言って、学校を訪問したりすると、体育館で切れたりして、ちかちかした卒業式、入学式を経験したことがあるのですけれども、そういうことのないようにしてほしいと思います。これは計画的に進めるべき課題だと思いますので、善処よろしくお願いします。
 次に、中学校のクラブ活動、部活動のあり方です。これは、この委員会の中では、多くの委員の方々が話をしています。外部、内部の指導者の準備状況はどのようになっているのか、改めてお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 顧問や外部指導者への周知についてでございますが、学校部活動の地域クラブ活動への移行における、いわゆる部顧問や部活動指導員等、指導者への周知についてです。
 県教育委員会といたしましては、これまで、市町村教育委員会や中学校の依頼を受け、担当職員を派遣して説明を行ったほか、公益財団法人岩手県体育協会において、指導者を集めた会議、一般社団法人岩手県芸術文化協会の役員を参集した会、県主催の中学生スポーツ・文化活動セミナー等において、地域移行に係る説明などを行ってきたところでございます。
 また、地域移行に向けて、想定される業務や手続等を整理した手引きを作成し、市町村教育委員会を通じて、中学校に発出したところでございます。
 今後の国の動向や県の取り組み等によって、手引きに修正を加え、情報発信していきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 先ほど来、手引きという話は聞いているのですが、そういったものも大事であろうかと思いますが、これから変わっていくことは既に見えているわけですので、岩手県は、他県と比べて、面積も広いし、子供の数も減ってきて、小規模校はたくさんふえてきています。そういった中で、どういうクラブのあり方にしていくかというのを、まさに岩手モデル、岩手県らしい考え方をしていかないといけないのではないかと思って、去年の12月定例会の一般質問でも取り上げさせてもらいましたが、なかなか前に進んでないと思います。その辺が大事なことだと思っています。常に文部科学省からの指示を待っている受身の態勢ではなくて、事が起こることはわかっているわけですから、しっかりと準備を進めてほしいと思います。
 そこでお伺いしたいのは、中体連との連携、大会があるからこそクラブがあったりする、その相関関係があるわけですが、その辺の関係、あわせて、各大会に参加の条件があり、今後、いろいろな学校が組み合わされて参加する、いろいろな地域から出る可能性はあるわけです。そういったことも含めて、今後どのように考えていくのか、お伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 中体連との連携及び大会参加についてでございますが、県中学校体育連盟においては、日本中学校体育連盟から、令和4年12月に、地域スポーツ団体等の全国中学校体育大会への大会参加に対する方向性について、事務連絡があったことを受け、令和5年度の県中学校総合体育大会への参加要件について、検討を進めてきたところでございます。
 その結果、地域スポーツ団体の大会参加を認めたところでございます。令和5年3月1日に公表した参加要件によると、地域スポーツ団体は、総合型地域スポーツクラブ、スポーツ少年団、クラブチーム、プロスポーツチーム、道場などが運営する団体等が該当し、同一地区の学校に在籍する生徒によるチーム編成、地区大会からの参加を原則としているものでございます。参加要件は、必要に応じて、毎年、修正等を行うと聞いております。
 県教育委員会においては、県中学校体育連盟と随時情報を共有しており、必要に応じて助言していくことを考えております。
〇城内よしひこ委員 才能のある子供たちの可能性を潰さないように、そういう仕組みづくりをしていってほしいと思います。そのことが、皆さんの果たす役割の一番大きな仕事ではないかと、私は思っていますので、ぜひ、その点についてはよろしくお願いします。
 最後になりますが、学生の自死による県教育委員会の対応ですね。岩手モデルの進捗状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 再発防止岩手モデルの策定状況についてでございます。県教育委員会におきましては、学識経験者など外部の専門家が参画した再発防止「岩手モデル」策定委員会を、令和2年11月に設置いたしまして、これまでの会議におきまして、顧問教諭の問題ある指導を防止できなかった理由の解明や、教職員による体罰、ハラスメント等の再発防止のための対策について、議論を深めてきているところでございます。
 直近の2月4日に開催いたしました第8回策定委員会におきましては、顧問の問題ある指導を防止できなかった理由の解明といたしまして、当時の学校や県教育委員会がどのような対応をしていたのかという事実関係や、あるいはその他一連の対応として、不足していた点は何かといったことを中心に協議を行いまして、外部委員、そして、御遺族様等からさまざまな御意見をいただいたところでございます。
 この事実関係や、一連の対応として不足していた点などの整理につきましては、これまでに、外部委員、そして、御遺族様等からの御意見を踏まえまして、関係者への聴取を複数回行い、各自の認識や対応など、当時の状況がより明らかとなるよう、丁寧に作業を進めてきたところでございます。
 現在、第8回策定委員会の御意見を踏まえまして、整理の仕方等につきまして、見直しを検討しているところでございます。
 また、再発防止のための対策という部分につきましては、これまでの策定委員会に提案して、協議してきた個々の措置、例えば、部活動指導者とか管理職向けの研修とか、あとは、1人1台端末等を利用した相談の仕組みなどを試行していくこととしております。
 今後も、外部委員などからの御意見に丁寧に対応しながら、各作業を一層進め、二度とこのような事案を繰り返すことがないよう、実効性あるモデルの策定に向けて取り組んでいくこととしております。
〇城内よしひこ委員 過去、私が商工文教委員長のときに出た事案でありまして、着地点という言い方をすると、亡くなられた方に大変失礼な話になりますけれども、何としても、しっかりといい着地点を見出してほしいと思っております。
 私的には、佐藤教育長にこの間頑張っていただいて、佐藤教育長の間にできればよかったと思っていますが、これは相手があることでもあります。最後になりますが、佐藤教育長のお話をお伺いしたいと思います。
〇佐藤教育長 先ほど、八重樫参事兼教職員課総括課長からも、これまでの取り組み状況を御説明申し上げました。先月には、第8回目となる委員会を開催し、外部の委員、それから、被害者の遺族の方からも御意見等を頂戴し、慎重に検討を進めてきております。
 一方で、時間を要するところでもございますが、私といたしましては、この間、対応できるものは対応していくということ、それから、故人の命日7月3日には、私みずから弔問に伺い、その直後には、臨時の県立学校長会議を開いて、故人の命日に、二度とこのようなことを起こさないよう、改めて、研修会の開催等を行ってまいりました。
 そして、私も学校現場に訪問する際には、学校長から、具体的にどのような研修を実施したのか、その内容等もお聞きし、それから、時間があれば、生徒の授業風景、あるいは部活動の状況等についても確認し、教職員一人一人に浸透するよう促してきたところでございます。
 現在、この岩手モデルの策定に時間を要しておりまして、来年度に引き継ぐ形になりますけれども、先月の学校長会議のときにも、私が特に最後お願いしたのは、この岩手モデルの策定を待たずしても、現在、苦しんでいるかもしれない児童生徒を決して置き去りにしてはいけない。そういった生徒たちを早期に把握して、適切な対応行動をとるように、強くお願いしたところでございます。
 引き続き、このような事案が二度と起きないよう、岩手モデルの策定も進めてまいりますし、学校現場の徹底にも努めていきたいと考えております。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇斉藤信委員 再発防止「岩手モデル」策定委員会の取り組みについて、質問がありました。今まで、8回策定委員会が開催されているにもかかわらず、理由の解明が全く進まない。実は、2月4日の第8回策定委員会で、被害者家族から、事実関係が違っていると、極めて重大な指摘がありました。
 なぜそうなっているかというと、県教育委員会の調査は、加害者側の学校、県教育委員会の関係者の調査しかやってないのです。被害者の関係の家族、遺族の調査はやっていないのです。だから、弁解的な、そういう調査の結果にしかならない。理由の解明、事実の解明に、8回やっても接近しないと。外部委員会からも指摘されましたが、被害者家族、遺族からしっかり調査もして、やらないと、加害者側ばかり調査しても、真実に接近できないというのが、この8回の策定委員会の結末だったのではではないかと思います。その点について、どういうふうに受けとめていますか。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 今、斉藤信委員から御指摘いただきました第8回での協議の中身でございますが、被害者御家族からは、事実関係として整理した部分につきまして、当時の学校における対応状況とか、関係職員の発言などに関して、被害者御家族様が行った調査とか、訴訟上の資料内容と相違があるという御指摘をいただいたところでありますし、それを受けてということだと思いますが、外部委員からも、被害に遭われた方たちの主張も含めて整理すべきとの御意見をいただいたところでございます。
 先ほども答弁させていただきましたが、具体的な整理の仕方につきましては、引き続き、外部委員の参画をいただきながら、検討を進めさせていただきたいと思っております。
〇斉藤信委員 外部委員の意見も聞きながらと言うけれども、被害者家族、遺族、当事者の意見を聞くべきですよ。そして、これは裁判にもなった。県立盛岡第一高校の事件。一審でも二審でも、体罰があったことが明らかになった。仙台高裁では、後輩の元部員が詳細な暴言、暴力の実態を指摘した陳述書が出た。
 しかし、県教育委員会は、一審でも、二審でも、指摘された体罰に正面から向き合ってこなかった。私はここに一番の問題があると思います。だから、顧問教師の処分に4年もかかっているのです。そういう点で、私は、県教育委員会の対応の検証が本当に重要な課題になってきていると思います。今まで、明らかになった暴力、暴言について、県教育委員会はどう対応してきたのか。盛岡第一高校の事件では、学校の調査が捏造だという、そういう疑惑も出ているのです。
 そういう意味で、この暴力、暴言に県教育委員会はどう対応してきたか、県教育委員会の対応の検証はどこまで進んでいるか、このことを示してください。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 県教育委員会の対応につきましては、今、策定委員会の中で進めております事実関係の中で、作業を進めているところでございます。
 確かに、第8回策定委員会の中におきましては、御遺族、代理人弁護士からも、被害者側の資料などについても、どういう処理をしたのかというところにつきまして、しっかりと調査すべきだという御意見もいただいたところでございまして、そういう部分も含めまして、調査を進めさせていただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 これで最後にしますけれども、私は、県教育委員会の対応というのがやはり本丸なのだと思います。そういう意味で、県教育委員会は、裁判で明らかになった体罰、暴力、暴言、これを無視してきたのですよ。そして、裁判が決着したら、これで終わりという対応をしてきた。裁判が終わった後も、最後まで暴力に対応してこなかった。今やっているのは、暴力、体罰に向き合わなかった、学校、県教育委員会の側からの調査しかやっていない。本当にこれは片手落ちで、この間、外部委員からも、根本的に調査をし直すべきだという指摘もありました。もう4年、5年かかっているのだから。
 そして、私がもう一つ指摘したいのは、この1年間で、不適当な暴言で処分された教員が7人もいます。再発防止の教訓が全然生かされてない、徹底されてないあらわれだと思いますよ。そこを、襟を正して、しっかり対応すべきだと私は思うけれども、佐藤教育局長、あなたは策定委員会の委員長だから、これまでの調査、今後の調査をどうするのか、しっかり示していただきたい。
〇佐藤教育局長 これまでの県教育委員会の取り組みでございますが、平成21年度までさかのぼりまして、前任校での学校及び県教育委員会の対応を、関係者からのヒアリング及び訴訟資料等によって明らかにしてまいりましたが、先ほど、八重樫参事兼教職員課総括課長からお話がありましたとおり、第8回の策定委員会においては、被害者の方から、県教育委員会の調査の内容だけでなく、私たちが訴訟で主張した御意見、それから、証拠資料等もしっかり見てくれというお話がございましたので、外部委員の方々とも相談の上、これを整理し、どういうお示しの仕方をするかということについて、今、内部で検討しておりますので、次回の委員会で、その辺を明らかにできるよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 通告している質問の前に、部活動のあり方について議論がありまして、一つだけ確認をさせてください。
 県教育委員会では、令和元年8月に、岩手県における部活動のあり方に関する方針を改定して、部活動の参加を義務づけたり、活動を強制したりしないことを明記したことでありまして、これまでの委員会でも、部活動の地域移行の前に、部活動が任意であること、強制しないことの周知をしっかりお願いしてきたわけでありまして、菊池首席指導主事県保健体育課総括課長からも、昨年の決算特別委員会で、学校、地域によっては、まだ十分に周知されてない部分もあると御指摘をいただきましたので、改めて、さまざまな機会を捉えて、会議や市町村に直接出向いて説明し、理解していただくといった機会等も含めて、今後検討していきたいと考えておりますと御答弁をいただきました。
 今日のこれまでの議論で、県で手引きをつくられているということで、改めて、この手引きをつくる際に、部活動のこれまでのこういった通知、そして、議論を踏まえて、この件についても、手引きの中に入れながら、そして、しっかり説明もしていただきたいと思っておりますけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 指導者の手引きの内容についてでございますけれども、部活動における自主的、自発的な取り組みにつきましては、現在、県のガイドラインにおきましてお示ししているところでございます。
 これにつきましては、今、吉田敬子委員から御指摘がありましたとおり、今後におきましても、さまざまな機会を捉えまして、会議、または、場合によっては、出向きながら、説明を進めてまいりたいと考えております。
 また、地域移行に係る国のガイドラインが示されたところであり、それを受けて、現在、手引きを作成し、市町村、学校に発出したところでございますけれども、国のガイドラインの条項等を踏まえながら、随時、手引きについても変更を進めてまいりますので、その都度、適切な部活動、そして、適切な地域移行の活動につながるような内容を十分盛り込んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 急な質問で申しわけなかったと思うのですけれども、これまでの議論で、地域移行の前の段階で、今の部活動の現状を課題認識として取り上げさせていただいて、御答弁でも、今後そういったところも取り組んでいただいていましたので、改めてお願いさせていただきました。
 通告の質問に入りますけれども、多様な学びの場の提供について、不登校支援についてお伺いいたします。
 先ほど、千葉秀幸委員の質問の中で、教育支援センターの設置状況について質疑がありましたので、割愛しながら御質問させていただきますけれども、来年度、県では、未設置の11町村の教育支援センターを設置するための経費を盛り込んでおりまして、先ほどの答弁だと、現在、取りまとめている状況ということでありました。私はもう既に町村とは話がついていて、町村でしっかり設置していただく意向だと思っていたのですけれども、これは、いつわかるものなのか。今年度中だと思いますけれども、その件についてお伺いしたい。
 あと、教育支援センターを設置するだけではなくて、その質、内容が大事だと思いますけれども、これまでの質、内容の向上の取り組みについてお伺いいたします。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 新規に予定しております、いじめ・不登校対策事業費の補助についてでございますが、先ほど申しましたとおり、現在、取りまとめているところでございまして、今年度中にまとめたいと考えております。
 それから、教育支援センターの質の向上に係る取り組みについてでございますが、不登校児童生徒支援連絡会議などにおきまして取り上げているところであり、今年度開催した会議において、ICTを活用した教育支援センターの取り組みや、教育支援センターと学校、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携に関する好事例を共有するなど、議論を深めているところでございます。
 今後も、多様な学びの場の確保に向けて、教育支援センターの機能強化を支援してまいりたいと考えております。
〇佐藤教育長 若干補足をさせていただきます。教育支援センターの市町村への事業の取り組みですが、これは補助金ですから、補助金交付要綱等を作成しまして、市町村に示さなければなりません。予算が成立して、新年度になってから、そういう事務手続がございます。
 これからの把握になりますけれども、先ほど千田首席指導主事県生徒指導課長からも答弁ありましたが、2月に行った市町村の教育長の方々との意見交換のときには、私からも、直接、未設置の町村の教育長に、こういうものが予算化できましたので、設置に向けて、ぜひよろしくお願いしたいということで、未設置の町村の教育長の方々からは、前向きなお話を受けています。ただ、それぞれの町村におきましても、予算化とか、事務処理手続がございますので、そういった手続を経てからの事業への着手となりますので、補足させていただきます。
〇吉田敬子委員 御丁寧にありがとうございます。教育長からも、未設置の町村にしっかりお話ししていただいたということで、来年度は、教育支援センター未設置のところに設置が進めばいいと思っておりますけれども、先ほどの御答弁の、質の部分でありますけれども、学習支援だけでなくて、校外活動、探究活動とかも私は必要だと考えておりまして、これまでの委員会等でも取り上げさせていただきました。
 他県では、自然体験活動を不登校対策の一つとして実施しており、これは何でかというと、学校を休みがちな児童生徒が、急に、学習支援だけではなくて、自然環境の中で体験活動を行うことで、次の一歩につながる取り組みとして、県立の野外教育施設を活用したキャンプを盛り込んでいたりするのですけれども、そういった校外活動、探究活動も必要と考えておりますけれども、県内の各市町村で、そういった取り組みが進んでいるのか、現状と課題についてお伺いしたいと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 校外活動の必要性についてでありますが、児童生徒の生きる力を育むためには、校外活動等の体験活動により、自然や社会の現実に触れる実際の体験が必要であると認識しております。
 不登校児童生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が、みずからの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指すことが求められていることから、児童生徒一人一人の支援ニーズを的確に把握し、教育機会の確保や居場所の確保に資する取り組みを進めてきたところでございます。
 校外活動について、多様な学びの一つである教育支援センターにおいて、不登校の児童生徒の悩みを受容し、支援員等が教科学習、体験学習などを通して、学習意欲の向上を促し、学校復帰を支援したり、相談員が不登校児童生徒と一緒に宿題や学習を行ったり、料理づくりやスポーツなどを行ったり、交流の場を設けている例もあると把握しております。
 今後、県教育委員会では、教育支援センターの機能強化を支援するとともに、家庭訪問等も含めたアウトリーチ型支援等を推進してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 県の教育支援センターは、今は高校生しか対象になっていませんけれども、こちらでは、そういった取り組みもあるということで、よろしいのでしょうか。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 県で設置しております、県立総合教育センターにあります支援センターでございますが、学習活動のみならず、体験活動にも取り組むメニューがあるというところでございます。不安や悩みなどで学校に行けなくなった高校生のための居場所を提供し、学校復帰や新たな進路実現に向けて、相談、支援等を行っているところでございます。
〇吉田敬子委員 現在、高校を対象にした県の教育支援センターを活用している生徒は誰一人いないわけですけれども、これまでの委員会等で議論もありましたけれども、ただ設置するだけではなく、県の教育支援センターの中身をもっと充実させていかないことには、子供たちがまずそこに興味を持ってもらうための内容が、今までは、私は不十分だと感じております。
 今定例会の臼澤勉議員の一般質問の中でも、県では、オンライン対応もしていきたいというお話はされていましたけれども、ぜひそこもしっかりやっていっていただきたいですが、その中身ですね。校外活動、探究活動をやっていただきたいこと等を思っております。
 その所見をお伺いしつつ、次の質問にも入るわけですけれども、結局、県の教育支援センターで何をやっているのかを、ホームページ上で知る余地が全くないわけです。そういった授業があると言われても、私も少し探したのですけれども、そういった校外活動、探究活動があることも、情報収集としてできないですし、県内のフリースクールについても、県民に周知するために、ホームページ等に掲載すべきと私は考えております。これは、教育支援センターが県内どこにあるかというところも含めてであります。もし県で掲載しない場合は、保護者や児童生徒は、多様な学びの場の選択肢をどのように知ることができると、県では捉えているのかお伺いいたします。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 フリースクール等の周知についてでございますが、文部科学省の民間施設についてのガイドラインによりますと、民間施設は、その性格、規模、活動内容等がさまざまであり、民間施設を判断する際の指針を、全て一律的に示すことが困難であると示されていることから、紹介の仕方等については、検討が必要であると考えております。
 しかしながら、児童生徒への支援の観点から、県教育委員会が開催しております、不登校児童生徒支援連絡会議に出席したフリースクール等の民間団体については、その団体名や取り組み内容を公立学校に情報提供し、児童生徒の多様な受け皿についての情報を共有しているところでございます。
 また、市町村が設置しております教育支援センターについては、そのほとんどが各自治体のホームページで詳しく紹介されており、あわせて、問い合わせなども丁寧に周知されていると把握しております。
 今後も、県教育委員会では、市町村教育委員会と連携を図りながら、児童生徒一人一人の支援ニーズの的確な把握に努め、児童生徒の居場所が確保できるような仕組みの構築に努めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 確かに、どこをフリースクールと特定して掲載するかという基準はあるかと思いますけれども、せめて、その協議会に入っていらっしゃるフリースクールなどの情報を提供していただきたいと私は思っております。
 他県では、例えば不登校の相談会だったり、フリースクール見学会を県の教育委員会でやっていて、これまでも、議会を通じて発言させていただいておりますけれども、県が教育支援センターを各市町村に設置する取り組みはすごく評価いたしますけれども、この教育支援センターが、不登校児童生徒の全ての受け皿になるわけではないです。
 保護者、親御さん、児童生徒が、せめて県のホームページで多様な学びの場の選択肢を知ることができるように、他県では、そういうフリースクールがどういうところがあるかということをすごく詳細に提示しておりますので、こちらについては、ぜひ協議会も通じて、やっていっていただきたいと思っております。
 佐藤教育長にお伺いしたいのですけれども、12月定例会の私の一般質問の際に、教育長にフリースクールを視察されたことありますかということでお話しいたしました際、これまでは、まだ伺ったことがなかったということでありました。そこから2カ月くらいしかないですけれども、実際に、これまで行かれたことがあるのか。次は、佐藤教育局長が引き継がれるわけですけれども、ぜひ一度フリースクールに足を運んでいただきたいと思っておりますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
〇佐藤教育長 12月定例会のときに、答弁させていただきまして、その後も、業務等がふくそうしておりまして、なかなか行く機会はつくれませんでした。
 ただ、矢巾町にある星北高等学園は、一度私のところに訪問していただいて、学校の内容と運営状況等について1時間半にわたって様子を聞いております。
 また、これはフリースクールではございませんけれども、多様な学びの場の確保ということで、私は行けませんでしたけれども、不登校特例校についても調査を進めております。3月には、担当の職員に、名古屋市の私立星槎名古屋中学校に調査に行ってもらいました。あとは、今月の月末にも、東京都内の特例校を調査に行くよう、指示をしております。
〇吉田敬子委員 ぜひ、今後も、不登校対策、多様な学びの場の確保について取り組んでいただきたいと思っております。
 次の質問に参りますけれども、県立美術館の取り組みについてお伺いします。開設から二十数年がたちまして、事業実績について、県としてどう捉えているのか、県立美術館が目指してきたものがどの程度達成されているのか、私自身は、いろいろ他県の美術館の資料等を見ても、事業の展開の仕方とか、具体的にもっと盛り込んでいく必要があるのではないかと思っておりまして、県民にギャラリーを開放するなど、新しい展開にぜひ取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、御所見についてお伺いいたします。
〇久慈首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 
県立美術館についてでございますが、岩手県における21世紀の芸術文化活動の拠点施設として、岩手県出身及びゆかりの作家の作品を中心として、近、現代のすぐれた作品を収集、保管するという基本理念に基づきまして、萬鐵五郎、松本竣介、舟越保武を初めとした作家のコレクションの充実に努めるとともに、常設展の開催等によりまして、本県ゆかりの作家、作品の展示、普及に努めてまいりました。
 また、企画展示室では、平成13年の開館から、これまで国内外のすぐれた美術作品やアニメ、絵本、イラストなど、さまざまな分野の展覧会を開催し、令和元年に開催したジブリの大博覧会では、32万人の観覧者数を記録するなど、多くの県民に芸術、文化に触れる機会を提供してまいりました。
 こうした取り組みによりまして、新型コロナウイルス感染症等の影響はあるものの、年間の平均観覧者数は約8万人となっており、令和4年12月末現在での総観覧者数は184万人超となっております。
 また、作品展示だけではなくて、幅広い年齢層を対象とした体験プログラムなども、積極的に展開しており、県民が文化、芸術に親しむ機会の充実が図られたものと考えております。
 二つ目のところでございますけれども、どの程度達成しているかというお話でございますが、県立美術館では、先ほどお話ししたとおり……。
〇千葉盛副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いします。
〇久慈首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長(続) どの程度ということですけれども、これまでのその取り組みによりまして、その実績を基盤としながら、文化芸術活動の拠点として役割を果たしていきたいと考えておりますし、今後の運営に当たっては、第三者委員会にある美術品収集評価委員会、美術館協議会での意見とか、アンケート等によりまして、県立美術館に対する具体的なニーズを把握しまして、その実現に向けて、事業を展開していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 先ほど来、さまざまな委員から不登校対策の質疑がありましたので、私もお伺いさせていただきます。
 私は一般質問の場で、県教育委員会あるいは県の不登校対策に対する取り組みの姿勢についてお尋ねいたしました。そして、知事に対しても、この不登校対策に対する覚悟についてお聞きしましたところ、知事からは、こういう答弁がありました。
 本県においても、重要な課題だと認識、そして、児童生徒一人一人の支援ニーズを的確に把握するとともに、児童生徒の居場所が確保できるような仕組みの構築、県教育委員会でしっかり取り組むことを期待しているということでありましたが、改めて、具体的にお伺いいたしますが、私、先ほど来からの議論とか答弁を聞いていて、残念ながら、希望を持てないというか、何か会議あるいは教育支援センターを設置するというその姿勢はいいですよ。ただ、それも、市町村ともまだそこまでの実務的な調整がなかなか整ってないということでありました。
 今、県内では2、200人を超える不登校児童がいる。そして、例えば、この教育支援センターを市町村に設置して受け入れるといっても、1割にも満たないわけです。残りの2、000人はどうなるのか。私は、知事が常々言う、生きにくさを生きやすさにといったときに、学校、教育現場における生きにくさの象徴がこの不登校対策なわけであります。県教育委員会として、子供たちのこの生きにくさを、希望のある、そういった生きやすさにどう変えていこうとしているのか、そこを改めて確認したいのです。
 児童一人一人の支援ニーズを的確に把握すると言っておりますが、具体的にどう把握しようとしているのかをお伺いします。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 児童生徒一人一人のニーズを的確に把握するということについてでありますが、学校生活に不安や悩みを抱えている児童生徒の状況に寄り添うことが大事であると認識しております。教職員はもちろんですが、専門的な知見からの支援を図るために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置する取り組みを継続してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 具体的に、今、2、000人ぐらいの子供たちが、実際に生きにくさを感じながら、学校に通えないでいます。そういった子供たちの支援ニーズはどうやって把握されているのですか。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 一人一人の生きにくさについてでありますが、不安や悩みなどについて、丁寧に面談、相談等を行うことが重要であると認識しております。スクールカウンセラーの相談対応人数ですけれども、令和3年度は、3万4、283件でございます。
 内容的には、さまざまなものがございますが、心身の健康、保健に関すること、あるいは友人関係、学校に行きづらいという、不登校等の相談に応じているものでございます。
〇臼澤勉委員 学校にまた通えるようになった実態とか、先ほど来、ほかの委員もいろいろ質問されましたけれども、実態はなかなかつかみかねるというところはあろうかと思います。
 ただ、一人一人のニーズに寄り添いながら、限度があるのは重々承知していますけれども、ぜひ、そこはしっかりと取り組んでいただきたいし、そして、何よりもその仕組みづくりをどうするのか。そして、県教育委員会として、全てに対応できるかというのは、私は限度があると思うのです。
 ですから、先ほど来言っている、フリースクールで、あるいは私立学校との連携も当然あると思います。会議をやって、いろいろ情報共有しているという答弁はありますけれども、私は、さらに踏み込んだ、具体的な学びのセーフティネット対策に取り組む必要があると思いますが、その仕組みの構築に向けた、県教育委員会の取り組みについて、お聞かせいただければと思います。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 学びの支援の仕組みづくりについてでありますが、学校あるいは教員だけでは十分に対応し切れないのは、そのとおりでございます。先ほど来、話が出ております教育支援センター、フリースクール等の民間団体、家庭、地域が総がかりになって取り組む必要があると思っております。そのためにも、今まで以上に連携を強化しながら、仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ですから、具体的な対策、今までにない取り組み、来年度事業でどういう取り組みを予算要求しているのかというところを、具体的に示していただきたい。
 星北高等学園は、こうやって学びのとりでを支えているということで、先ほども教育長は学校の校長等々から1時間半聞いたという話はあります。今回、学事振興課でも、そういった部分で今までの私立学校の助成の部分は、倍増というようなことはありますけれども、具体的にそういった実績、成果、取り組んでいる部分に、県教育委員会としても、何らかの取り組みができると思うのです。
 文部科学省で、専修学校による中核的人材養成事業という新たな事業があるのは、私も情報提供をいたしました。私は、以前、文部科学省の事務次官に、いろいろ相談をしたときに、こういった事業があるので、県としても、ぜひ取り組んでみたらということで、情報提供をしましたけれども、なかなか難しい部分はあるのか、出てこない。これを県レベルのこのスキームをしっかりと学びながら、参考にしながらも、県独自の、県教育委員会としても、この学びのセーフティネット機能強化チーム、高等専修学校のこういった取り組みのようなところを構築する事業、あるいはその不登校のモデル校的な取り扱いも、打つ手は無限だと思うのです。解決に向けたさまざまな取り組みの仕方、あるいは予算計上の仕方があると思うのですけれども、その点についてお伺いいたします。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 仕組みづくりについてでありますが、先ほど来、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの専門的な知見のお話をさせていただきました。各教育事務所あるいは市町村教育委員会の教育相談体制の強化を整備するために、本県独自のこれまでの巡回型カウンセラーの仕組みを、全県展開することを計画しておりまして、エリア型カウンセラーとして進めてまいりたいと考えております。
 各教育事務所あるいは市町村教育委員会の勤務も可能とし、会議や打ち合わせなどにも出席し、一人一人の子供たちの状況を情報共有するなど、これまで以上に連携を図ることが可能な体制を構築してまいりたいと考えておりますし、スクールカウンセラーのみならずスクールソーシャルワーカーにおきましても、エリア型スクールソーシャルワーカーといたしまして、事務所に配置し、会議、打ち合わせ等によりまして、子供たち一人一人を支援してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 この程度にいたしますけれども、いずれ、この不登校対策の問題は、これからの人口減少社会の中において、高校生は、次の社会人に向けてつながっていくような人材でありますから、何らかの理由でつまずいたとしても、県として、県の総合力で彼らをしっかりと支えながら、包括的な取り組みをぜひ求めていきたいと思います。
 続いて、高校再編に移っていきたいと思います。
 県立高校の入試も終わりまして、今、合格発表を待つ子供たちが県内にいっぱいいるのですけれども、今回、定員の充足率、いろいろ下回っている学校もありますけれども、実効性のある定員の充足率に向けた取り組みについて、県教育委員会として、どのように考えているのか、お伺いをいたします。
〇安齋特命参事兼高校改革課長 定員充足率の向上に向けた取り組みでありますが、定員充足率につきましては、3学級以下の小規模校のほうが充足率が低いという現状にございます。そういった小規模校に対して、県教育委員会では、令和2年度から、小規模校を対象とした、高校の魅力化促進事業により、小規模校が地域と連携し、総合的な探究の時間等を活用した、地域理解の学習活動の充実などを図って、魅力ある学校づくりに取り組んできました。
 そういった取り組みにより、生徒の資質、能力の向上を育み、地域や地域産業等を支える人材を育成するとともに、小中学生の地元高校への理解と進学意識の醸成を図ってきました。令和4年度からは、国の地方創生推進交付金を活用して、全ての県立高校を対象として、いわて高校魅力化・地方創生推進事業を拡充しまして、高校魅力化プロデューサー等による訪問指導、また、県立高校魅力化フォーラムにおいて、地域等と協働した探究活動の好事例の共有などを行いまして、高校の特色化、魅力化の取り組みを深化させております。
 各県立高校が自校の特色ある教育活動等について、note等を活用して、積極的に情報発信していくことにより、地域や県内外からの志願者の増加にもつなげていくという取り組みをしているところでございます。
〇臼澤勉委員 各学校はさまざま工夫しながら取り組まれていることは、私も評価したいと思います。
 ただ、この前の持続可能で希望ある岩手を実現する行財政研究会の議論の中においても、この魅力化の取り組みが、子供たち目線で見たときに、本当にその生徒たちが望むような取り組みになっているのかどうかというところも、非常に重要なポイントになるのだろうと私は思います。
 今後、人口が減っていく中においても、生徒ファーストの視点で、学校がどうあるのか、あるいはそこはどんな魅力があるのか、行きたい学校なのか、あるいはここに行けば、どんなことが学べ、自分自身を高められるのかという、そこのポイントが実際にどんな指標で、今後、県教育委員会としても、そこの魅力化の取り組みを図ろうとしているのかお伺いいたします。
〇安齋特命参事兼高校改革課長 各学校で、生徒主体の魅力化に取り組んでおります。生徒それぞれが、主体的に課題を提案し、そして、地域の課題を解決していくという取り組みを展開しているところでございます。
 どのような指標でということでございますが、今年度、魅力化の取り組みに対して、全県立高校で評価システムを導入いたしまして、現在、生徒の自主性、協働性、探究性や地域への当事者意識等を可視化するアンケート調査による評価を実施しております。これによって、客観的な評価、検証を行うことが可能になっております。本年度始めたものでございますので、来年度以降、それを積み重ねることによって、各学校での取り組みを客観的に評価し、その改善に向けて取り組んでいくこととなります。
〇臼澤勉委員 次に行きたいと思いますが、学力向上に向けた高校のあり方の見直しというところでお伺いしたいと思います。
 持続可能で希望ある岩手を実現する行財政研究会の資料で、民間データということですけれども、大学入試センター試験の状況がありました。残念ながら、本県、令和3年度の大学入試センター試験の平均点が490点となって、全国最下位でありました。
 試験の点数とか偏差値が絶対的な指標ではないのは、それは私もそのように思いますが、ただ、大学などの高等教育機関への進学という部分を考えた場合には、この点数というか、県立高校がどうあるべきかという視点においては、非常に重要になってくると思います。全国との比較においても、100点ぐらい差が開いている。東京都に比べると、160点くらいの開きがあり、この現状はどうなのかと思っております。
 これは、別に今に始まったわけでなくて、インターネットで調べたら、河北新報の新聞記事でしたけれども、平成29年とかそのあたりから、ずっと全国最下位になっているということでありました。ここは、一定規模校の学校を残しながらも、多様な科目や部活動の選択肢を示し、そして、進学先の選択肢を広げていく上でも、こういった学力の部分は非常に重要になってくると思いますけれども、県教育委員会として、具体的にどういう改善に取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇高橋教育次長兼学校教育室長 高校生の学力向上ということでの御質問でございます。県教育委員会では、生徒個々の進路希望の達成をまず第一優先課題として取り組んでおります。本県の将来を支える人材の育成につなげるためにも、大学に進学できる学力を身につけさせることは重要なことだと考えております。
 いわて進学支援ネットワーク事業においては、学校の課題に応じた学校ごとの対策講座の開設を支援したり、あるいは複数の高校で合同での課外講座なども取り組んでいるところでございます。
 また、令和5年度当初予算案において、新たに、地域や学校規模による学習機会の格差を解消するために、中山間地域の小規模校などを対象に、大学進学に向けた配信型の講座を実施するための経費、それから、経済的に困窮している高校生で、大学等の進学を断念することがないように、奨学金の創設に要する経費などを計上しているところでございます。
 いわゆる学習面における支援、そして、経済的な面での支援といったものをセットにしながら、進路希望の実現を支援して、各学校のそれぞれの進路目標の実現、達成に向けて、支援してまいりたいと考えております。
〇千葉盛副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後4時25分 休憩
午後4時47分再開
〇佐藤ケイ子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 審議を続行いたします。
〇佐々木朋和委員 まず、校舎等教育施設の建設、改修事業費とその財源について、また今後の見通しについて、伺いたいと思います。
 令和5年度当初予算案に、校舎建設事業費、大規模改修事業費、特別支援学校の施設整備が計上されておりますけれども、令和5年度の校舎等の教育施設の建設、改修に係る総予算額と財源をお示しいただきたいと思います。
 また、今後、老朽化などにより改修や建設が必要となる施設の事業予算の見通し、あわせて、教育の充実に必要な学習機材や部活動施設等の事業予算と財源の見通しについても、あわせてお示しいただきたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 まず、令和5年度の校舎等の整備に係る予算についてでありますが、高等学校につきましては、学校建設費で計上しておりまして、総額21億4、100万円余、財源は、国庫支出金が80万円余、県債が17億円、残りが一般財源でございます。特別支援学校につきましては、特別支援学校費で計上しており、総額3億3、500万円余、県債が2億3、000万円、残りが一般財源でございます。高等学校と特別支援学校を合わせまして、総額24億7、600万円余、財源は、国庫支出金が80万円余、県債が19億3、000万円余、一般財源が5億4、500万円余となっております。
 次に、今後の見通しについてでございますが、県立学校の多くは、昭和40年代から50年代にかけて、児童生徒の増加に対応して整備されておりまして、令和5年3月末現在で、築50年以上の学校が20校、築40年以上が32校となっておりまして、これは県立学校82校舎のうち6割以上を占めております。
 現在、建設後60年の宮古商工高校と、建設後56年の宮古水産高校の二つの学校を一体的に整備するために、設計を実施しておりますけれども、一定程度の整備費用の縮減が図られることが見込まれます。
 また、整備に要する財源ですけれども、国庫補助金を活用しつつ、元利償還金の50%が交付税措置される公共施設等適正管理推進事業債─施設の集約化、複合化を行う場合に活用できる起債─を活用しつつ、通常の整備よりも有利な財源を活用できるものでございます。
 厳しい財政状況のもとではございますけれども、今後、計画している学校の整備では、県南地区の工業高校は、水沢工業高校と一関工業高校の二つの学校の統合による、国庫補助金や有利な起債を活用、それから、盛岡工業高校は、統合後の盛岡南高校の校舎を活用、二戸地区の特別支援学校は、福岡工業高校の校地内に整備しまして、既存体育館を活用するなどによりまして、整備費の縮減等を図っていくこととしております。
 学習教材や部活動施設等の予算につきましては、学校要望を踏まえながら、計画的に整備を進めていく必要があると考えております。
〇佐々木朋和委員 大変厳しいという印象を受けたところでありました。国庫支出金がほとんどなくて、県債と一般財源から、そして、被災地にある高校も縮減せざるを得ない状況というお話も聞きましたし、今後、こういった高校の施設を整備していくためには、統合という手法も考えながらやらないと、自主財源だけではなかなか難しいという状況も、説明の中にはあったかと思っております。いわんや、部活動施設とか、学習教材とかは、本当にそこにお金が回っていくのかというのが、大変心もとないような状況と思っております。
 そういった中でありまして、いわての学び希望基金の活用について伺いたいと思います。
 けさの新聞にも、佐藤教育長が岩手競馬の騎手会から寄附をいただいている姿が写っておりまして、大変ありがたいことに、東日本大震災津波から13年たつ中でも、こうやって一定程度の支援が集まってくる。この流れを私は大事にしなければいけないなと思っております。
 そういった中で、この基金の目的についてですが、いわての学び希望基金条例を見ますと、被災した幼児、児童、生徒、学生等の修学の支援に加えて、教育の充実も挙げられております。先ほど御説明もありましたけれども、これまで、県教育委員会として、教育の充実のために、いわての学び希望基金を活用してきた事例、事業があれば、お示しいただきたいと思います。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 教育の充実のための、いわての学び希望基金の活用状況についてでございます。
 まず、いわての復興教育の推進のため、岩手の復興教育プログラムの改訂や、プログラムに基づく副読本や絵本の作成、そして、沿岸地域における復興、防災教育の推進、児童生徒による実践発表会の開催や、県立野外活動センターにおける、東日本大震災津波伝承館等との連携による復興防災教育プログラムの実施などに活用しています。
 また、地域産業や復興を担う人材を育成するため、沿岸被災地の県立高校の生徒に対する進学、就職支援対策の充実のほか、教育環境の充実として、被災地の県立学校の備品や設備の整備、昨年、供用いたしました、釜石祥雲支援学校の通学用スクールバスの整備等にも活用させていただいたところでございます。
〇佐々木朋和委員 復興防災部の審査で質問させていただきましたが、今、説明いただきました教育施設等整備費は、5年間で2.5億円ということで、毎年6億円、7億円の予算がついている中で、この分量はどうなのかと思います。先ほど言っていただいたような施設整備の状況を考えれば、個人的な意見にはなりますが、いわての復興教育推進事業費に毎年2、500万円ほど支出しながら、こういった中核となるような教育の、まさに学びに必要なものについて、県教育委員会としては、もう少し要望していくべきではないかと思うのですけれども、その辺について御所見はございますか。
〇佐々木学校施設課長 設備整備に要する予算につきまして、高等学校、特別支援学校合わせて、令和5年度当初予算案に9、600万円余を計上しております。委員御指摘のとおり、現状として、全ての学校要望になかなか応えられておりませんで、優先順位をつけながら、計画的に整備を進めているところでございます。
 平成28年度から令和2年度まで、いわての学び希望基金を活用して、産業教育設備等の整備を行っておりますので、産業教育設備等へのいわての学び基金の活用につきまして、令和5年度以降、関係部局と連携しながら、検討を進めていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 今、答弁いただきましたとおり、復興防災部の質疑の中で、令和5年度以降、そういった使い方についても、部局連携をして、検討していただけるということでございました。以降という意味を辞書で引いたら、令和5年も入るということですので、来年度から検討がスタートするということで、私は大変よかったと思っております。
 いわての学び希望基金がスタートして、13年後には、被災当時に生まれたお子さんが大学院生になるまでに使い切るようなペースで進んでいます。でも、それで本当にいいのかなと。私の願いとしては、そうではなくて、新たな目的も足す中で、被災地の教育環境が充実していくこと、ひいては、岩手県の教育環境が充実していく重要なファクターになってくると思っておりますので、ぜひ、この検討を加速させていただきたいと思っておりました。その意味で質問させていただきます。
 被災地を含め、本県の教育課題を最も理解しているのは県教育委員会であり、基金活用についても、優先度の高い課題解決に向けて、効果的に活用できるよう、目的の変更も含め、議論をリードしていくべきだと思っております。
 県教育委員会が、今の本県における教育の課題意識として、どのようなものを持っているのか、また、今後、いわての学び希望基金の活用の方向性について、お考えをお示しいただきたいと思います。
〇佐藤教育局長 教育課題についての課題意識と活用の方向性についての考えということでございます。
 社会経済情勢や教育をめぐる環境が大きく変化してきておりますので、この変化に対応していくことが大変重要だと考えております。特に、人口減少や少子化の進行は、学校教育活動や地域における体験活動などに影響を及ぼしております。
 また、家庭の経済状況による子供の学習環境や進学等への影響が、さまざま指摘されておりまして、生まれ育った環境などによって子供たちの将来が左右されることがないように、学習環境の整備や教育機会の確保が必要であります。
 近年、いじめの認知件数あるいは不登校児童生徒数は、増加しております。子供たちのさまざまな不安や悩みに対応する支援の充実が必要であります。これらの課題解決に向けた取り組みに要する経費を、令和5年度当初予算案にさまざま盛り込んだところでございますが、今後、県の厳しい財政状況下の中で、さらに、教育充実を図っていくためには、財源の確保が重要であります。
 現在、いわての学び希望基金は、基金条例の目的に沿った運用がなされているわけですが、したがって、使途は限定されている状況にあります。来年度から、基金所管部局において、基金使途の見直し等の検討がなされますので、十分議論するなど、連携しながら取り組んでまいります。
〇佐々木朋和委員 今、いろいろ課題を言っていただきました。そういった優先課題に、いわての学び希望基金が寄附者の思いに沿うような形でしっかりと使われながら、発展的に永続していける形で、形を変えながら進んでいくように、ぜひ、検討を加速させていただきたいと思います。
〇高橋穏至委員 私からは、2点通告していましたが、1点目の運動部活動に関しては、たくさん質疑が出ておりましたので、割愛いたします。
 2番目の件教育委員会が担当する人口減少対策事業についてということで、午前中の文化スポーツ部でも同じような内容の質問をいたしました。県教育委員会が担当する事業で、人口減少対策事業の位置づけになっているのが、今回の資料では11事業載っていますけれども、この11事業の人口減少対策に対する考え方は、各事業がどういう成果をもたらすか、あるいはこういうプロセスで人口減少に役立つという流れを示していただきたいですし、その貢献度はどういうふうにはかるのかということをお伺いします。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 県教育委員会におきましては、さまざまな教育課題解決に向けた施策に取り組みながら、県全体の各ライフステージに応じた総合的な人口減少対策にも資するよう取り組んでいこうと考えているところでございます。
 例えば、子育てや家庭教育に悩みを抱える親の支援のための相談窓口の設置、いわて幼児教育センターにおける保育者への研修を通じた、幼児教育、保育の質の向上、放課後子供教室などの児童生徒の放課後の居場所づくりといった子育て支援という側面、あとは、高等学校等就学支援金等による高校授業料の実質無償化や、奨学のための給付金など、高校生等への修学支援といった教育費の負担軽減という側面、そして、経済的な理由により進学を断念しないよう、大学等進学を希望する高校生等への新たな奨学金制度の創設とか、中山間地域の小規模校を含めた中堅国公立大学入試対策としての配信型講座の実施といった、進学支援対策、そして、高校と地元自治体、企業、大学等が協働して、地域等の魅力や課題に触れながら、探究的に学ぶ機会を共創するといった、高校と地域の魅力化の促進という形で、人口減少対策に取り組んでいこうと考えているところでございまして、それぞれの事業におきまして、本来の事業目的とあわせて、効果を検証しながら進めてまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 今出された事業はどれも非常に大事で、人口減少にとらわれず、当然やらなければならない事業だと思います。ただ、今回、私が問題意識を持っているのは、人口減少対策だからといって、ラベルを張ってやるような事業なのかというところです。
 当然必要な事業ですし、それが人口減少に資する。子育て支援の側面から、家庭の教育機会をサポートするとか、そういうのは人口減少ではなくても、当然やらなければならない事業だろうと思います。そうなったときに、人口減少の問題になっている部分と、県教育委員会で取り組む部分の、この課題のすり合わせをどこに持っていくかというのは、きちんと見ておかなければならないと思います。
 先ほど学力の件が出ました。全国最下位ではないか。大学進学率に影響すると。それ一つとっても、例えば北上市は、企業誘致でたくさんの人が転勤で来ます。でも、家庭を持っている方で子供がいる方は、岩手県に来ると学力が下がるからと、子供たちを置いて、大抵、単身赴任というのが多いのです。それは、学力とか学ぶ環境とかそういうのを整えないと移住してもらえないということで、そういった論点をしっかり整理した上で、その効果を検証していかないといけないと思うのです。
 この質問に入る前に、2月に開催されたいわてで働こう推進協議会の資料と議事録を拝見したのですが、その中で、高校のPTAの代表の方から、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランの案で、人口減少対策ではこういうことに取り組みたいという説明があって、学校と教育の部分はあるけれども、いわてで働こう宣言を考えたときに、実際にどうつながっているのかがよくわからないという意見がありました。実際、県教育委員会で行う事業は、当然全部必要な事業だと思うのですけれども、それがいわてで働こう宣言とどうつながっているのかが、イメージできないような雰囲気の感想だったと捉えています。
 そういった意味でも、岩手県ならではの課題解決に向けた、特徴的な取り組みをする必要があると思うのですけれども、その中で、一つにはいわて高校魅力化・ふるさと創生推進事業とか、広い県土で、小規模校がある中で、どうやって学力を確保しつつ、地域の魅力をPRしていくかというのは、そういう意味では人口減少で、ほかの県とは大きく違うというか、趣旨の違う取り組みかと思うのですが、これについては、取り組んでいるというものの、予算は、去年より若干減額してあるわけです。令和5年度当初予算案での予算配分についての増減をどう考えたのかというのをお聞きします。
〇菊池首席指導主事兼産業・復興教育課長 いわて高校魅力化・ふるさと創生推進事業、探究共創事業につきましては、この事業は、生徒の社会人、職業人としての自立と、生徒一人一人の希望する進路の実現を図るとともに、郷土への誇りと愛着、社会への当事者意識等を醸成することで、本県の特色ある地域や産業等の将来を担う人材を育成するため、高校と自治体や地元企業、大学等が協働して、地域や地域産業の持つ魅力や課題等に触れながら、探究的に学ぶ機会を共創する、魅力ある学校づくりへの取り組みを支援するものでございます。
 これによって、生徒が高校卒業後、すぐ就職する生徒ばかりではないのですけれども、地域の産業とか企業に興味を持って、地元で仕事をしてもらうとか、あるいは大学等に進学する生徒であっても、大学卒業後に進路選択する際に、県内あるいは地元にはこういった企業があることをしっかりインプットした上で、進学してもらって、卒業時には選択肢の一つに入れてもらおうということも、検討してもらいたいということで、進めているものでございます。
 それから、予算の減額についてでございますが、これは、この事業を実施する上で、コンソーシアムをつくって進めることになっておりまして、地元の教育団体、企業あるいは大学関係者等が意見交換の場として、コンソーシアムを形成するものでございます。その協議に係る旅費等を措置しているものでございまして、今年度から始めた事業でございますが、現時点で39校に、1年目はコンソーシアムが設置される予定でございます。2年目につきましては、39校でコンソーシアムが設置されたものですから、そこにかかる費用が大分軽減されてくる関係での減額でございます。
〇高橋穏至委員 減額の理由はわかったのですが、これを本当に継続的に、そして、地域等の置かれている事情が違うので、その地域特性に合わせた魅力的な高校、それによって、よく言われるのは、県外からの学生を受け入れたりとか、そして、そこで働かなくても、当然ここで学んで、また出ていくけれども、このよさを発信してもらうとか、そういう事業ですので、コンソーシアム経費しか実は出てないということであれば、あと、実際に動かすための足りない経費は、県教育委員会ではなくて、その運営の部分は、例えば市町村とかそういったところが連携して、出しているのでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼産業・復興教育課長 実際に、例えば生徒が地域の企業見学に出るとか、あるいは地域の方々に学校に来てもらうとかという場合にかかる経費については、この事業の中で見ている部分でございますので、それについては、令和4年度より若干増額になっております。
〇高橋穏至委員 ぜひ、そういった中身を充実させてほしいと思います。
 主要事業について、人口減少という位置づけはないのですが、例えばデジタル人材育成とか、そういった理系分野は、私は一般質問でも取り上げましたが、今、地域の人材として、そういった分野の人材が必要だと思います。それがマッチングすることによって、就職率が上がるということなので、その位置づけも、これはDXにしたから、人口減少とかということではないのではないか。むしろ、人口減少のための事業ではないかとかというのも感じましたので、そういった位置づけをしながら、しっかり取り組んでいただきたいです。
 先ほどの質疑のやりとりで、アンケート方式でその評価をするという話がありました。午前中の文化スポーツ部の審査でも、その評価をしっかりしてほしいというお話をしましたけれども、これは、この魅力化だけに限らず、しっかりとした評価ができるように取り組んでいただきたいのですが、最後にそれを聞いて終わります。
〇西野教育企画室長兼教育企画推進監 今般のいわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランの策定に当たりまして、人口減少社会において、教育、学ぶ機会は、中長期的にそれを支えていく、どの分野の重点分野にもかかわってくる。中長期的に維持、向上を図り続けなければならない分野とされておりまして、そのような考え方のもとに、今般の第2期アクションプランを作成し、令和5年度当初予算案も編成したところでございます。
 対象人数の増減とか、事業の見直し等によりまして、事業費の増減は若干ございますが、委員から御指摘いただきましたとおり、県教育委員会の業務全てが、必要不可欠であり、人口減少にもかかわってくる事業だと思っております。それぞれの事業目的など、また、効果測定も着実に行いながら、事業を進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 私からは1点、不登校対策についてお聞きしたいと思います。先日の総括質疑でも行いましたし、きょうも、臼澤勉委員から同様の質問がされておりましたので、重ならない程度に行いたいと思います。
 質問の前に、今、不登校が非常にふえております。私が小学校、中学校のころは、同級生が270名ぐらいいたのですけれども、3年間ずっと不登校の同級生は1人しか見かけませんでした。今、なぜ、このように多くの不登校が出るのか。いろいろな要因があるのですけれども、世の中も随分変わってしまったと思いますし、これは早く手を打たないと、この先、本当に大変なことになると思います。そういう中で、奮闘されております県教育委員会の方々には、敬意を表したいと思いますが、それでも足りないものがあるとすれば、なお一層頑張っていただきたいと、そういう思いから質問させていただきます。
 先日の総括質疑の中で、高校生年代の不登校の方々について、県としてどのような支援を行っていくかという質問をしました。知事からも答弁をいただいて、その中で、これは、知事がどういう意図でお話ししたかはわかりませんが、県教育委員会の取り組みを支援していくと、最後まとめられています。
 そういう答弁をされたということを前提に、県教育委員会では、高校生年代の不登校の子供たちの支援について、これまで、どのような取り組みを行ってきたのか、そして、今後、どのように取り組んでいかれるのかをお聞きします。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 不登校対策についてでございますが、これまで県教育委員会では、不登校児童生徒一人一人への適切な援助や支援に向けて、スクールカウンセラーを配置するなど、教育相談対応に努めてきたところでございます。
 また、全ての県立高校において、生徒が在宅の場合を想定したオンラインでのショートホームルームや、ファイルの共有など、令和3年9月までに指導体制を整えており、不登校となっている生徒などに対して、オンラインで授業の配信などを行っているところでございます。
 今後の取り組みについてでございますが、昨年10月から、学校教育室に配置いたしました、いじめ対応・不登校支援等アドバイザーは、学校における不登校支援の具体的な手立てなどの助言を行う役割を担っており、4月からは、常勤化することとしております。
 令和5年度当初予算案において、学習支援や家庭訪問等のきめ細かな支援を行う教育支援センターの設置に要する経費の補助を行うこととし、高校生の場合でも、在籍校と連携の上、教育支援センターを利用できるよう、市町村教育委員会に働きかけるなど、相談支援体制の充実を図ってまいります。
 不登校生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、生徒がみずからの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があると考えており、今後も、生徒一人一人の支援ニーズの的確な把握に努め、生徒の居場所が確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 支援ニーズの把握等々については、先ほど臼澤勉委員からもお話があって、県にしっかりとやってほしいという話がありましたので、私はその件については触れませんが、きょうお聞きしたかったのは、これまでも何度も取り上げてきました、今回の予算特別委員会でも、私はふるさと振興部を中心に取り上げてきました。高校生年代の不登校対策を、行政のみではなかなか十分な取り組みができないということで、民間の方々、私立の学校の方々が、県と一緒になって取り組むという中で、星北高等学園の方々のさまざまな取り組みについて我々はお聞きし、そして、その学校に対する支援を、不登校対策や子供の全般的な教育という観点から、県に支援してほしいということを求めました。
 皆さん御承知のとおり、今回、ふるさと振興部では、倍増をしたということで、3万何がしが7万何がしになった。一般の私立高校であれば、30万円を超す支援があるわけでありますが、その5分の1の支援を行うことにしたという答弁を聞きました。
 県教育委員会は主管課ではありませんので、今ここで県教育委員会に言っても仕方がないかもしれませんけれども、もし、主管課が県教育委員会だったら、私は別な答えを出したのではないかなと思います。別な答弁をして、別な対応をしたのではないかと思っているのです。知事部局だから、結局、財源の話とかそういう話に最後はなってしまうけれども、教育の立場からすれば、同じ高校生年代の子供が、通う学校によって支援の額が全然違ってくる。プラス、親の負担も違ってくるという、これは子供だけではなく、親御さんも、何でそうなのだろうという疑問を常に持って、子供さんが、不登校になりそうな、あるいは不登校になってしまったけれども、それでも受け入れる学校があるから、この学校に行った。でも、ほかの子供と同じようにはいかないという非常に苦しい気持ち、悲しい気持ちを持って、子供を学校に行かせ、成長を見守っているということ。
 そういう子供が、実際にこの岩手県にたくさんいて、そして、その学校に通っていることを考えると、県教育委員会としては、県立高校に行っている子供に対しての支援、それは公教育ですから、当然一生懸命頑張るということになると思いますが、結局、それを外れてしまう子供に対しては、なかなか手が出せないというか、支援に限りがあるという思いで、きっと何とかしなければならないと思っているのではないかと、私は希望的観測ですけれども、そう思っているのです。
 そこで、県教育委員会は独立した行政機関でありますから、率直に、私は佐藤教育長にお伺いします。今回の私たちの昨年来からのこの要望、そして、それに対するふるさと振興部の対応について、教育長としてはどのように思われますか。
〇佐藤教育長 佐々木努委員の御質問で、高校生年代の不登校対策をどのような形でやっていくかということでございますが、今回の予算で、教育支援センターの設置を市町村にお願いすると。実は、市町村の教育支援センターも、実際には、高校生の受け入れもお願いをしているのですが、実態面からいくと、小学校、中学校の生徒がいるところに高校生が来るということに関しては、意外と抵抗感があって、なかなかそれを認めてくれていない部分もございます。
 今回の教育支援センターの補助については、高校生年代もきちんと受け入れていただくことも一つの要件にしようかと、今、検討しております。地域において、学校に行けない子供たちが、高校生が居場所をどこに求めるかといったときに、身近な、あるいは地元の小学校、中学校に近いところに教育支援センターがあって、そこに、今、ICT等の機器が入ってきて、オンラインでも学ぶことができるわけですから、そういった意味では、今回、単に予算化して、市町村に教育支援センターをつくってくださいというだけではなくて、実際には、アウトリーチ型というのも、学校に来られない、あるいは教育支援センターにも来られない子供たちには、家庭訪問をするなり、あるいは別な地区の公民館等の施設を使って、そこに来て、そこに訪問型で行って、そして、教育支援ができる、学習支援ができる、その人件費を予算化しているものでございます。ですから、単に未設置の市町村に、教育支援センターをつくってくださいと言うだけではなくて、そこに、高校生の場所づくりにも、ある程度資するような形で運営していきましょうということもビルトインしています。
 それから、星北高等学園の件に関しては、直接的な答弁は、所管外でございますが、実は、つい先日、3月8日に、国の中央教育審議会が答申を出しました次期教育振興基本計画ですけれども、ここでは、誰一人取り残さず全ての人の可能性を引き出すための教育の観点から、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置促進、それから、ICTを活用した学習支援等を含めた、教育支援センターの整備等、そして、社会的自立のための支援の充実が明記されました。
 特に、多様な教育ニーズへの対応と社会的包摂というところには、社会的、職業的自立に向けた実践的教育を行う高等専修学校は、発達障がいや不登校等の特別の配慮が必要な生徒が一定割合在籍し、学びのセーフティネットとして、機能を果たしていること等を踏まえ、その運営に係る支援について、都道府県と連携しつつ、推進していくという答申が書かれました。今後、国の動向等を注視しながら、この支援のいろいろな可能性等についても、しっかり検討していくことが必要だと思います。
 また、本県では、不登校児童生徒支援連絡会議を一昨年度から開催しておりますけれども、令和5年度からは、私立学校を所管するふるさと振興部にも出席を求めて、公と民との連携を深めていく中で、不登校児童生徒の受け皿について、議論を深めていきたいと考えております。
〇佐々木努委員 国も動き出したということで、私が知っている範囲では、県議会も過去に2度ほど、この高等専修学校に対する支援の強化を求めてきましたから、そういう意味では、そういうものが積み重なって、そういう答申になったと思いますが、だからといって、それが確実に国の政策予算に反映されるとは思っていませんし、それが即座に新年度というわけではないと思います。その期間を埋めるために、私は県に頑張ってほしかったということですが、実際に、この倍増はもう決まってしまっているようなものですから。ただ、私はこれからもそれを求めていきます。
 そして、県教育委員会に求めたいのは、本当に子供たちを誰一人取り残さない、どんな子供にもしっかりと同じような教育を受けさせる。そして、健全な心身を持った子供を岩手県で育てていくという思いをぜひ持っていただいて、岩手県人口問題対策本部会議に県教育委員会も当然入っていますよね。そういうところとか、それから、知事が主催する総合教育会議とか、さまざまそういう提案をし、議論する場が私はあると思うので、そういうものが最終的には少子化に歯どめをかけることにつながるのではないかとか、そういうことをぜひお話をしていただいて、そういう本当に困っている方々に、支援の手を差し伸べていただきたい。県教育委員会にはそれができると私は思っていますので、ぜひお願いをしたいと思います。所感があれば、伺って終わります。
〇佐藤教育長 先ほど来、臼澤勉委員や多くの委員の方々から、高校生に限らず多くの児童生徒が不登校になっていて、2、200人を超える数字ということで、これが近年増加してきているというお話がありました。県教育委員会としても、このまま手をこまねいているわけにもまいりませんし、小学校、中学校については、市町村教育委員会が対策、対応等をしなければなりませんが、私どもは、市町村教育委員会と連携しながら、誰一人取り残さないということ。そして、2、200人余の不登校の児童生徒に全く何もしていないというわけではなく、家庭訪問なり、さまざまなプリントを届けたりして、学習支援に努めているところではございますけれども、そういったところの成果がなかなか見えてきていないということで、これは、市町村の教育長とも話し合う機会を持っておりますし、それから、教育事務所を通じて、さまざまな県教育委員会としての支援を行っております。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーは県で配置しておりますから、それは、学校訪問をして、そして、それぞれ一人一人の支援に努めているわけでございます。
 今後につきましても、この岩手県の子供たちをしっかり育んでいくように、さまざま議論を深めながら、積極的に対応していきたいと考えております。
〇高田一郎委員 私は、まず、就学援助制度についてお聞きいたします。今、物価高騰などで、教育費の負担が家計を直撃しております。就学援助制度の徹底とともに、この中身の充実が必要になっていると思います。
 そこで、伺いたいのですけれども、新入学用品などの支給額を、これは物価高騰に見合ったものに引き上げることが必要だと思いますが、現状、実態はどう把握されているのでしょうか。
 私たちは、この間、修学旅行費とか、入学準備金、給食費などを現物給付にするよう求めてきましたが、この間、どのように改善されているのか、まとめてお聞きいたします。
〇佐々木学校施設課長 新入学用品費などの支給額の見直しに係る市町村の取り組み等についてでございますが、就学援助制度は、経済的な事情を抱えた児童生徒の就学機会を保障するという制度でありまして、全国一律に実施されている要保護児童生徒援助とその基準を基本として各市町村が地域の実情に応じて、さまざまな要件で実施している準要保護就学援助により支援が行われているものでございます。
 準要保護就学援助につきましては、実施主体である市町村に対し、地方交付税措置が講じられておりまして、多くの自治体において、国の要保護児童生徒援助費補助金単価に準じて支給されているものと承知しております。
 補助金単価の引き上げにつきましては、これまで、物価高騰等を踏まえて、文部科学省において行っておりまして、それにあわせて、多くの市町村が支給額の見直しを行っているところでございます。
 令和5年度におきましても、文部科学省において、単価の引き上げが予定されておりますことから、各市町村におきましては、この単価の引き上げに呼応するものと認識しております。
 今後も、経済的な事情を抱えた児童生徒の就学機会を保障するために、支援が必要な世帯に寄り添った対応となるよう、市町村と一体となって、適切に運用されていくよう努めてまいります。
 それから、準要保護世帯などへの修学旅行費、入学準備金、給食費の現物給付の改善についてでありますが、これまでも、県教育委員会では、各市町村に対しまして、文部科学省の調査の結果の周知はもとより、認定条件、支給保護等についても、助言等を行ってきております。
 県議会での御指摘などを踏まえまして、随時、各市町村の運用の実態を把握しながら、情報提供に努めてきたところでございます。その結果、いろいろな見直しが市町村において行われてきておりますので、今後におきましても、市町村と連携しながら、しっかりと対応してまいりたいと思っております。(高田一郎委員「どのように改善されてきたのかということを、具体的に質問したのです」と呼ぶ)済みません。後ほど答弁させていただきます。
〇高田一郎委員 支給額の見直しについては、これまでも、要保護の基準見直しに伴って改善してきました。ただ、これをやるかどうかは市町村の判断ですけれども、物価高騰に見合った支給額になるように、ぜひ適切な指導援助をお願いしたいと思います。
 もう一つは、市町村によって認定基準がばらばらで、いろいろ資料で県内の状況を見ますと、生活保護基準の1.0倍から1.5倍と、大きな開きがあります。これによって、それぞれどの程度の収入金額になっているのか、あるいは児童生徒の支給率、県内の市町村はどうなっているのか、この辺についても、答弁いただきたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 市町村における認定基準所得、児童生徒の支給率についてでございますけれども、準要保護世帯などへの就学援助につきましては、真に支援が必要な世帯に寄り添った対応が必要と認識しております。
 各市町村の認定基準所得等については把握してないのですけれども、各市町村では、先ほど申し上げた考えのもとで、それぞれの実情を踏まえ、工夫を凝らした認定や交付が行われているものと認識しております。
 認定に当たりましても、一定の所得基準のほか、学校納付金の納付状態、児童生徒の被服等の状況、保護者の職業が不安定であるなど、学校や福祉部門と連携のもと、生活状態を個別に勘案している市町村もあると聞いております。
 それから、先ほど質問がありました、給食費の現物給付などがどう改善されてきているかということでございますけれども、今年度から、洋野町が、給食費の現物給付を行っております。毎年こういった形で、市町村では見直しを図ってきているものと思います。
〇高田一郎委員 どの程度具体的に改善されたのかという、具体的な市町村の数を聞きたかったのですが、いいです。
 県内の就学援助の支給率ですが、県内33市町村の中では、5%台から23%台と、市町村によっては4人に1人が対象になっている。35人学級のクラスで言えば、2人程度の自治体から8人程度の自治体と、4倍の開きがあります。
 今、子供の貧困率は、7人に1人ですから14%。県内の支給率は5%台から23%で、私は、この制度の対象になってもいい児童がもっといるのではないかと考えますが、この点、どのようにお考えなのでしょうか。
 今、生活保護基準の1.3倍という自治体が多くあります。例えば盛岡市では、両親、子供2人のモデル世帯では、年収330万円程度です。自治体によって大きな格差が広がっているわけですから、就学援助の制度の趣旨からすれば、支給基準をもっと引き上げていくべきではないかと思います。例えば、県内全ての自治体で1.5倍にするとか、それぐらいの改善が今求められているのではないか思いますが、その点はいかがでしょうか。
〇佐々木学校施設課長 先ほど申しましたとおり、準要保護就学援助の認定につきましては、各市町村が、各地域の実情に応じて、さまざまな認定基準等を決めていると認識しておりますので、これからも、各市町村が適切に対応していくものと考えております。
〇高田一郎委員 具体的に聞いたのですが、なかなか答えが返ってきませんけれども、そもそも就学援助制度は、経済的に厳しい家庭に、学校でかかる費用を補助するもので、学びを保障する命綱のような存在だと思います。
 今、人口減少対策の中で問われているのは、子育て世代が一番求めているのは、教育費に対する支援です。地方自治体で何がやれるかといえば、この就学援助を充実させることだと思うのです。市町村の事業でありますけれども、県もしっかりとこの重要性を頭に入れながら、必要な支援をしていただきたいと思います。
 次に、教員の欠員、未配置問題についてお聞きいたします。
 県内の小学校、中学校、高校、特別支援学校における教員の欠員、未配置の状況はどうなっているのか。また、その理由について、どのように把握されているのか伺います。
〇熊谷首席経営指導主事兼小中学校人事課長 教員の欠員による補充者の未配置についてであります。ことし2月1日時点におきまして、小学校では31人、中学校では21人、高等学校では5人、特別支援学校では8人となっております。
 欠員が生じた主な理由であります。小学校では産育休によるものが11件、病気休職が8件、途中退職5件などであります。中学校では産育休によるものが3件、病気休職が4件、途中退職が2件などであります。高等学校では産育休によるものが2件、病気休職が1件、途中退職が2件。特別支援学校では産育休によるものが2件、病気休職が3件、途中退職が3件となっております。
 補充者が未配置になった主な理由でありますけれども、年度途中におきまして、こうした産育休の取得、病気休職、途中退職などの者が出たことに伴いまして、年度途中の補充者となる臨時的任用教員のなり手を確保することが大変難しい状況となっていることによるものであります。
〇高田一郎委員 全体で63人が未配置になっているということであります。これは、数が多いか少ないかという問題ではないと思います。大変多いと思います。今、教員の配置は、教育現場においては、最低限の教育条件の整備だと思います。教育行政の基本中の基本だと思います。だから、こういう欠員、未配置は、本来、絶対にあってはならないことだと思います。
 この未配置になっている問題について、県教育委員会として、どのように受けとめているのか。これは、教育長にお聞きしたいと思います。
 そして、教員不足になることによって、一番子供たちにしわ寄せがいっているのではないかと思いますけれども、教員未配置、欠員に伴う子供たちへの影響について、県教育委員会はどのように考えているのか、この点についても伺います。
〇熊谷首席経営指導主事兼小中学校人事課長 御指摘のとおり、教員の未配置はあってはならないと、私たちも考えております。学校教育におきまして、教員は重要な教育資源、教育環境でありまして、これを十分に整備していきたいと考えております。
 子供たちへの影響でありますけれども、今のところ、欠員が生じている状況ではありますが、ほかの教員、あるいは管理職等が、授業等を担っているところもありまして、児童生徒の教育活動には支障が出ないような状況で推移していると捉えております。今後とも、欠員が生じないような取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇佐藤教育長 学校現場で欠員が生じて、子供たちに影響が生じないように、管理職が対応しているという状況もございます。ただ、それは決して望ましい状況ではございませんし、子供たちに影響が生じないように、どのような形でやらなければならないか。そういうことで、小中学校におきましても、教員の未配置が生じないように、市町村教育委員会と調整しながら、配置に努めております。
 また、昨年来、この話題も出ましたが、産育休等が明らかになっている方については、4月早々から学校に配置できるよう、対応を進めているところです。
〇高田一郎委員 未配置になっている現場では、恐らく先生方が本当に大変な苦労をされているのだろうと思います。担任が配置されずに、先生がころころかわるというか、先生とのコミュニケーションも十分ではなくて、本当に子供たちが不安定になっているのではないかと思います。子供たちの健やかな成長を考えるときに、この欠員、未配置の解消に、県教育委員会は全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 今、教育現場が抱えている、教職員の皆さんの長時間労働、80時間を超える長時間労働がなかなか改善できない。そういう中で、病気の休職者、あるいは早期退職者がふえています。本当にみずからの健康を害しながら、必死で学校を支えているという現実を変えない限り、こういう問題は、また来年も再来年も出てくるのではないかと思います。その認識について伺いたいと思います。教員不足の解決は、教員の負担を減らす、教員の働き方改革です。そして、何よりも先生の数をふやす、定員改善以外にないと思います。ここに力を尽くしていくべきだと思います。
 その点で、県教育委員会の考えをお伺いしたいのですが、教員の採用募集に当たっては、マイナス要因を事前に分析をして、それを加味した大幅な募集を行うこと。そして、代替教員の速やかな確保のために、例えば県独自の教員を採用する。こういう抜本的な対応が必要になってくるのではないかと思いますけれども、これを本当に解消するには、従来のような対応ではだめだと思います。その点についていかがでしょうか。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 委員から御指摘いただいたとおり、教員の未配置、そして、その採用のあり方については、我々としても大変重要な課題だと認識しております。そのために、国とともに、採用試験のあり方について、早期化の検討などを進めているところでございます。
 そのほか、県としましても、訪問する大学の数とかオンライン説明会等の機会をふやしたり、あるいは応募しやすいような形にするために、オンラインの受験申し込みという取り組みもするところでございます。
〇高田一郎委員 最後ですが、教員の負担を減らす上で、総授業時間数を超える授業の見直しも必要ではないかと思います。
 現状については、答弁は要りませんが、標準授業時数まで減らして、先生たちが授業の準備をやる、あるいは子供たちと向き合う時間を保障するという学校現場に変えていくというか、そういうことが必要ではないかと思いますけれども、一言で答弁いただきたいと思います。
〇三浦首席指導主事兼義務教育課長 一定程度余裕を持った教育課程を編成するために、標準授業時数を超えている学校がほとんどでございますが、一方で、大幅に超えて計画をしている学校があるのも事実でございまして、これについては、平成30年度と比較して、前回令和3年度の調査では減少してきているものの、課題だと捉えております。
 県教育委員会でも、標準授業時数を踏まえた適切な授業時数を設定するとともに、標準授業時数を大幅に上回っている学校については、計画を精査した上で、授業時数の見直しを検討するよう、各市町村教育委員会に通知するとともに、教員の働き方改革に配慮した、適切な授業時数による教育課程を編成するよう、いろいろな場を用いて働きかけているところでございます。今後とも、引き続きそういったことに取り組んでまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 きょう、多くの委員が不登校対策を取り上げましたが、私も不登校対策についてお聞きいたします。
 まず、いじめは、小中学校で減少しておりますが、いじめの認知がふえているのは、さまざまな努力の結果であり、これはいいのですが、不登校は、私は大変な問題だと思っています。小学校、中学校、高校とも増加しておりまして、さまざま取り組んでおられますけれども、不登校がふえた原因をどのように分析されているでしょうか。
 対策として、きょうも、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等、専門家による相談活動が重要だと答弁されているわけですけれども、今の専門家の活用は、不登校になってからの対症療法になっているのではないか。私は、そういう点で、もっと事前の改善策が必要だったと考えます。今、高田一郎委員から指摘のあった、教員の欠員の問題とか、標準授業時数の問題、学校現場にいる先生方に余裕がないと、子供たちがなかなか相談できないという実態があるのではないかと思います。
 ですから、そういう根本について取り組む必要があるのではないかと私は思いますが、どうでしょうか。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 不登校の対策でありますが、不登校の未然防止を狙いといたしました、魅力ある学校づくり調査研究事業の実施に努めているところでございます。
 また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等と連携した個別支援の推進、あるいはフリースクール等の民間団体との連携会議等の開催に取り組んでいるところでございます。
〇千田美津子委員 今、魅力ある学校づくりに取り組んできたと言われましたが、どのように取り組んで、どのような効果を上げていますか。
 それから、私が言ったのは、スクールカウンセラーの皆さん等にお世話になっているのは対症療法ではないかということです。事前のさまざまな相談に対応できるような状況をつくっているのかどうかというのが、私は問題だと思います。
 令和2年度に問題行動等の調査が行われました。その不登校児童生徒のうち、学校内外で相談、指導を受けた子供たちも多いのですけれども、実際に、約4割の子供は、誰にも相談しなかったと回答しているのです。半分ぐらいの小学生、中学生は、家族に相談しているのですが、学校に行きづらいと感じ始めたときに、誰にも相談しなかったと答えています。
 これは、低学年で不登校になった児童生徒に、その傾向がより強くあらわれているという調査結果になっているわけですが、私は、誰かに相談できる状況にあれば、もう少し状況は変わるのではないかと思います。ただ、新年度のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置等を見ても、それらはあまりかわりばえしないように見受けられるのですけれども、その点はどうでしょうか。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 魅力ある学校づくり調査研究事業の実施につきまして、児童生徒が不登校になってからの事後的な取り組みではなく、不登校の未然防止に資するため、学校がどの児童生徒にも落ち着ける場所となり、日々の授業や行事などにおいて、全ての児童生徒が活躍でき、子供同士の協働の活動場面を実現したりするなどの居場所づくり、きずなづくりの視点に立った取り組みを推進しているものでございます。先月でございますが、この取り組みを行っております学校による実践発表等も実施していたところでございます。
 今後におきましても、子供たちの不安、悩みを早期に発見して、きめ細かな支援を努めてまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 子供たちの不安や悩みを早期に把握するすべですけれども、例えばスクールカウンセラーですが、令和4年度は、巡回型カウンセラーが7人、配置型カウンセラーが73人で、合計80人配置されているのですが、令和5年度は、確かに週5日勤務の方がふえることもありますけれども、エリア型カウンセラー、月給制の方が14人、そして、配置型スクールカウンセラー、時給制の方が51人ということで、全体で65人、つまり15人減っています。時間数が伸びるから、訪問できる学校が1校ふえるという計算になっておりますけれども、私は、こうやってスクールカウンセラーとして協力していただいた方々を、総数でも減らすことなく、学校現場にもっと配置できるということが必要だと思います。
 小中学校には、年32回の配置をするということで、これまでと変わらないというお話でしたが、これまでと変わらないのではだめなのです。もっと変えていかないと、この状況が本当に改善できない。子供たちが悩みを抱える状況がもっともっとふえてしまう。私はこの辺の改善が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇千田首席指導主事兼生徒指導課長 子供たちに寄り添った支援の強化が必要であると認識しております。エリア型カウンセラーでございますが、学校による相談活動を継続するのと同様に、教育事務所あるいは市町村教育委員会などにおいて、会議、打ち合わせ等について、子供の状況をきめ細かにアセスメントしていくことも重要であることから、そういった時間も確保しているところでございます。
 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、そして、教育事務所、市町村教育委員会の指導主事等と連携を図りながら、子供たちの支援に努めてまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 同じ答弁がなされていると思うのですけれども、教育事務所に配置して、現状をみんなで議論しながら、どう改善したらいいかという議論をしている、そういう有効性はあるのだと思いますが、例えばスクールソーシャルワーカーの今年度の配置が24人、総対応時間数が7、980時間、それが新年度は、エリア型、週4日勤務が6人、そして、訪問型の週2日の勤務の方が12人ということで、実は新年度24人から18人に減るということです。対応時間数は計算上1、260時間ふえるとなっていますけれども、私は、子供たちから見えるそういう専門職の姿が、これでは全然改善にならないのではないかと思います。これは全く机上の計画であって、現場の子供たちが本当に困難を改善するために、相談できる相手が学校で見えないということではないかと思います。
 スクールカウンセラーも、スクールソーシャルワーカーも、同じような考え方のもとで、少し変えたという程度にしか私には見えないのです。私は、できれば常勤で、もっと子供たちにも姿が見えて、そして、相談ができるということを、自分たちが体で感じ取れる、そういうことがひいては不登校をなくしていくという改善につながるのではないかと思います。対症療法ですと、不登校になってしまってから、いろいろな対応の方法はあると思います。ただ、私は、未然の相談活動をもっとできるように、学校現場も、こういう専門家の配置も、しっかり整えていく、これなくしては未然防止にはつながらないのではないかと思うわけですが、その辺、佐藤教育長いかがでしょうか。
〇佐藤教育長 今年度も、さまざまな予算化に向けて、見直しを図ってきております。その結果がこの予算化でありまして、全学校に置けるわけではございません。その中で、可能な限り、どうやって児童生徒等の相談対応に従事できるかということで、エリア型の方式をとって、総対応時間数をしっかり確保しようという見直しを図ったものでございます。
 委員御指摘のように、本来であれば全学校に常勤で配置できるのが望ましいのだと思いますが、これは、さまざま本県でも国庫補助事業、被災地の部分については、10分の10とか、高率の支援をいただきながら、それ以外については、国の補助は3分の1でございまして、これだけ全国的に不登校児童生徒がふえてきている状況であればこそ、本来であれば、国がしっかり対応して、各学校に配置するよう財源の手当てをしていただくべきものだと思います。そういった要望もしているところでございます。
〇千田美津子委員 これで最後にしますが、今、教育長からお話があったように、財政的な面も非常に大きいと思います。ただ、これは全国的な課題ですので、こういうところにお金をかけないでどうするのだという問題になっています。そういった意味で、県としても、子供たちが一番悩みを抱えているわけですから、その現状をどう改善するかにつながるので、もっともっとそういう対応をお願いしたいと思います。
 もう一つ、先ほど、中央教育審議会の答申の問題に触れましたが、前の答申の中で、実は、学校や教員が、心理や福祉等の専門スタッフ等と連携し、分担するチーム学校体制を整備していくことが重要だということで、学校教育法施行規則の一部を改正してきました。
 そういう中で、スクールカウンセラーは、小学校における児童の心理に関する支援に従事するということで、学校教育法施行規則第65条の3において、改善をしています。それから、第65条の4では、ソーシャルワーカーが、小学校における児童の福祉に関する支援に従事すると規定をして、スクールカウンセラーもスクールソーシャルワーカーも学校職員としての役割を期待するということで、こういう規則の改正がありました。ですから、先ほど教育長が言われたように、そういった意味では、本当にこの趣旨に沿ってやるとすれば、学校職員として雇用していくことが求められると思うのですが、もう一度お願いします。
〇佐藤教育長 先ほども少し紹介しました、中央教育審議会の答申ですが、まだ出たばかりなので、詳しく見ているわけではございませんけれども、冒頭のはじめにという記載の中でも、我が国の将来を展望したとき、教育こそが社会を牽引する駆動力の中核を担う営みだと書かれているわけです。
 そして、一人一人の豊かで幸せな人生と、社会の持続的な発展に向けて、極めて重要な役割を有していると書いているわけでございますから、国においては、そのことを実現できるような、財政措置等についても、しっかり対応していただくよう、これは、全国の教育委員会連合会でも要望していく形になっていますので、一緒に訴えていきたいと思います。
〇千田美津子委員 いずれ、県教育委員会としても、可能な限りの努力をお願いしたいと思います。
 時間の関係もあって、ちょっと順番を変えてやります。
 次に、小学校、中学校、高校等のトイレへの生理用品の設置状況がどのようになっているか、お聞きをしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 生理用品の学校トイレへの設置状況についてでございますが、県立学校においては、地域女性活躍推進交付金を活用して開設された、いわて女性のスペース・ミモザの受託団体、NPO法人インクルいわてより提供いただいた生理用品を、各校に配布したところでございます。
 生理用品の設置に当たっては、各校の実情に応じて、トイレ等の手に取りやすい場所に配置し、必要とする児童生徒が、安心して使用できるよう工夫すること。児童生徒に対し、配置の趣旨や利用上のルールを指導するとともに、衛生的に管理することなどの留意事項を示したところでございます。
 令和4年度における学校トイレへの設置状況につきましては、県立学校においては、高等学校43校、68.3%、特別支援学校5校、33.3%、市町村立学校においては、小学校35校、12.2%、中学校29校、19.7%、高等学校1校、100%となっております。
〇千田美津子委員 令和4年度についてはわかりましたが、小中学校、高校もですが、例えば令和3年度からどの程度伸びているかという部分での比較も欲しいので、令和3年度もお願いします。それから、新年度については把握されているでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 令和3年度については、県立学校におきましては42校、66.7%、特別支援学校におきましては6校、42.9%、市町村立学校におきましては、小学校4校、1.4%、中学校10校、6.7%、高等学校は0校でございます。新年度は、まだ把握しておりません。
〇千田美津子委員 県立高校が68.3%、特別支援学校が33.3%に比べますと、小中学校は伸びているのですが、まだまだ到達してないということで、県としても、何らかの支援をお願いしたいと思います。
 それでは次に、小中学校給食費への支援策の実施についてお聞きしたいと思います。物価高騰の中で、令和4年度の学校給食費を値上げした学校はどのくらいあるでしょうか。また、新年度の対応についてお聞きいたします。
〇菊池首席指導主事兼保健体育課総括課長 物価高騰に伴う学校給食費の値上げの実態と、新年度の見通しについてでございますが、今年度、学校給食費を値上げした自治体は、小学校では2市町、中学校では1町となっております。小学校で給食費を値上げした2市町のうち、1市においては、自校給食の7校で引き上げ、その他の学校は据え置きしたところでございます。
 なお、この7校では、年額が増加しないよう、給食回数を減らし、実質1食単価が増額したものでございます。また、小学校の1町、中学校の1町は、同じ自治体でございまして、町内全ての小中学校で値上げをしたものでございます。
 令和5年度につきましては、現在、検討中で、決定に至っていないところでございますが、多くの自治体は据え置きと聞いており、また、一部の自治体では、値上げする方針を示しているところもあると承知しております。
〇佐藤ケイ子委員長 おおむね、再開後1時間半が経過するところですが、この後、質疑を表明している委員があと1名となっておりますので、質疑を続行したいと思います。御了承願います。
〇上原康樹委員 私、最後でございます。よろしくお願いいたします。部活動支援、それから、県立美術館、そして、OB教員の活用という順番で伺って参りますので、お願いします。
 まず、部活動支援ですが、これまで、地域移行の話がたびたび出ておりました。こういう新しい仕組みのもとで、部活動は資金面の上で、どう保障されるのか、支えられていくのか、援助されるのか、この辺をまずお聞かせください。
〇佐々木学校施設課長 部活動につきましては、環境整備を図っております。まず、施設についてですが、部活動中の野球ボール等の飛び出しによりまして、歩行者や住宅に被害を及ぼさないように、防球ネットのかさ上げとか、テニスコート等の人工芝の劣化に伴う剥がれによる転倒防止など、主に生徒等の安全確保のための改修工事を行っております。
 また、部活動の設備についてでありますが、令和5年度当初予算案におきまして、部活動設備整備費として600万円余を計上しております。各学校からの要望を踏まえまして、バッティングゲージやサッカーゴールなど、老朽化が著しい設備や、規則改正に伴いまして更新が必要な設備について、計画的に、毎年度十数校を対象に整備をしております。
〇上原康樹委員 バッティングゲージなど大きなものは、さすがに支援を受けられるものかと思いますが、例えば、野球で言えば、グローブとかユニフォームとか、こういう比較的小さな備品の調達はお金がかかります。昔からそうですが、現状では生徒やその親御さんの負担になっているわけです。物によっては、全部道具をそろえると10万円を軽く突破することもあります。裕福でないと、こういうことはなかなか簡単にできなくなっている時代だと思うのです。ここに格差が生じるのは好ましくないことだと思いますので、県としても、どういうふうに援助ができるか、その辺はお考えになったことはございますか。
 これまで、大谷翔平選手を代表とするようにスーパースターは、大変ぜいたくな恵まれた環境の中で育ったことは事実です。私立の学校という環境、それから、公立という学校、環境はそれぞれ違うでしょうけれども、みんなが注目する選手は、それだけ投資されているのです、期待されているのです。そういう中から才能は芽を伸ばしていく。
 けれども、公立学校の場合は、それぞれの家庭の財力によって環境ががらっと変わる場合もあるわけです。そういうところもよく考えて、援助できることは援助するという仕組みをつくっていっていただきたいと思います。
 そのために、各部活動、各学校、あるいは地域の実情をよく吸い上げて、よく聞いて、今、何を援助しなければいけないのか考えて、対応していただきたいと思います。
 この件についてはこのぐらいにして、次に進みます。
 次は、県立美術館のコレクションについてでございます。コレクションは、美術館の財産と言ってもいいと思うのです。先ほど、岩手県ゆかりの作家の名前がたくさん出てきて、私も懐かしい思いをいたしました。この予算特別委員会の部屋にも、橋本八百二先生、画家の橋本さんの写真が、きょうの県政をじっと見つめております。県は、岩手県ゆかりの作家の作品をそろえていくというお話を、午前中の文化スポーツ部の答弁の中でされていましたけれども、単刀直入に伺います。コレクション選定の基準をもう一度おっしゃってください。
〇久慈首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 
コレクションの選定基準についてでございますが、収集方針等に基づきまして、本県出身及び本県ゆかりの作家の作品を中心に収集しておりまして、収集作品は、美術品収集評価委員会における審議を経て決定しておりますが、収集の候補作品については、県立美術館で開催する展覧会の状況や、所有者からの申し出をもとに検討を行っております。
 いずれの場合であっても、作品自体の評価、価値だけではなくて、作家の制作活動の全体像も検討した上で、適切な作品選定に努めております。
〇上原康樹委員 では、新年度の令和5年度の購入予定、作品、作者、購入価格の予定などをお聞かせください。
〇久慈首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 
購入する時期でございますが、例年12月をめどに実施しておりまして、来年度の令和5年度の購入については、現在、検討を進めているところでございます。
〇上原康樹委員 購入された後に、いきなり県民にその情報が提供されるという順番ではなくて、事前に、県は、県立美術館は、この作品、この作家をこうやって収集していきたい、そして、皆さんに公開したいという、そういう美術館の意思を、意図を、なるべく早く県民に広めたほうが、県立美術館の存在意義も高まってくると思うのです。ぜひ、そういう取り組みをお願いしたいと思います。
 それから、これはコレクションですから、しまい込まれる可能性が高い作品が多くなるわけですが、公開展示について、新年度はどういうふうにされていく予定ですか。
〇久慈首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 
県立美術館では、明治から現代に至る本県ゆかりの作家の作品を季節ごとに4回展示がえを行いながら、常設展示室、萬鐵五郎展示室、松本竣介・舟越保武展示室の3室で、コレクションを公開しているところでございます。
〇上原康樹委員 県民へ広く作品を公開するという上で、実際に、その作品を、現物を見せることだけでなく、デジタルデータにして、広く発信するという手もあるわけです。収蔵品のデジタルデータ化は、現在全国で行われているわけですが、県立美術館では、この取り組みどうでしょうか。
〇久慈首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 
デジタルデータ化につきましては、県立美術館の所蔵作品をデジタルデータ化し、ホームページに掲載することによりまして、県民等への情報発信に努めており、令和5年2月時点で、所有している全収蔵作品3、437点をデジタルデータ化しております。デジタルデータ化は毎年実施しており、今後も、随時、掲載データの更新を行ってまいります。
〇上原康樹委員 収録機材の高性能が急速に進んでおりまして、民生用のカメラでも、1億万画素というとんでもない性能を持つようになってきておりますので、こうした機材の性能もよく考えて、データ化をされることを望みます。
 これまで、名だたる岩手ゆかりの作家の名前が出ました。萬鐵五郎を初め、橋本八百二、松本竣介、そして、深沢紅子など、よく知られているところですが、こういう本当に歴史的な作家だけではなく、現在、芽を出そうとしている若手作家の掘り起こし、発掘、こういうことも、アンケートの結果などを見ますと、非常に求められているようです。そうした作業は、今、行われているのでしょうか。
〇久慈首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 
岩手県の作家の掘り起こしというお話ですが、県立美術館では、毎年、本県や東北にゆかりのある作家の企画展を展示しまして、地元の作家の作品や活動の周知、啓発を図っております。
 令和4年度につきましては、IMAをうつす7人-岩手の現代美術家たち-を開催しまして、本県の現代美術家の作品を展示しております。こうした取り組みによりまして、作家、作品の周知、普及を図り、本県ゆかりの作家の活躍の場の創出につなげていきたいと考えております。
〇上原康樹委員 県立美術館が活性化されるためには、この時代に適した企画展の開催も求められていると思います。コロナ禍とかいろいろ閉塞的な状況が続いた中で、県民に、今、ニューヨーク・タイムズ紙の件もありますけれども、岩手県というふるさとを自分たちのものとして感じて、感動を生き生きと表現するという芸術もあっていいと思うのですけれども、その企画展に込める思いあるいは提案はございますか。
〇久慈首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 
まず、企画展というところですが、県立美術館では、本県にゆかりのある作家もそうですし、世界に目を向けたり、国内の作家の方々、こういったところを企画展で開催して、本県の中で、県民に対して披露するということで、いろいろな作家の方々をそういう企画展で紹介していくことに取り組んでいきたいと考えております。
〇上原康樹委員 県立美術館はみんなの美術館だというのは、原点だと思います。みんなが作家、日々は芸術、岩手県はそのキャンバス、激動の時代、つらい時代、難しい時代、それぞれが抱える思いを存分に表現してもらえる場であればいいなと私は思います。今までにない視点で、活動を展開してくださることをお願い申し上げます。
 次に、OB教員の活用ということで取り上げますが、とにかく先生が足りない、欠員が発生する、そういうときに、即戦力として、OB教員の活用がすぐ思い浮かぶわけですが、このOB教員の活用の現状をお知らせください。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 教員不足への対応、それから、退職者の活用についてでありますが、県教育委員会では、定年退職した教職員が再任用を希望する場合、選考を経て、教諭等として任用しているところでございます。
 再任用を希望する者の割合は、増加する傾向にありまして、県立高校においては、令和4年度末に定年退職する、校長、副校長、指導教諭、教諭、合計90名のうち7割以上を再任用する見込みであります。
 令和5年度は、新規に任用される者も合わせて、65歳までの再任用教職員約200名程度が、各高校に勤務する見込みであります。
 また、同じく令和5年度には、臨時的任用をする予定の常勤講師のうち、65歳を超える者は30名程度になる見込みでありまして、再任用の任期を終了した後も、意欲ある者については、引き続き任用しているところでございます。
 これらの取り組みなどによりまして、県立高校において、年度の段階で、教員が配置されない事態は、これまでも、ほぼ生じてこなかったものでございます。
〇上原康樹委員 明るい御答弁ありがとうございます。そうしますと、OB教員の働き方のルール、契約の内容はどうなりますか。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 再任用教員につきましては、60歳以下の教員と、ほぼ同様の勤務体系となっておりますが、一部、再任用短時間勤務ということで29時間とか19.5時間の勤務内容になっている方もいらっしゃいます。
〇上原康樹委員 学級運営のお手伝いまでするという方はいらっしゃいますか。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 再任用教員につきましても、担任を持つ場合もございますし、各学校で、主任を担当している場合もございます。
〇上原康樹委員 そうしますと、なかなか大変なお仕事になりますね。高齢になります。そういう中で、教室での激務の活動になりますと、やはり健康が心配になります。その辺は、どうサポートされますか。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 再任用教員を含めた高齢の方の健康のサポートについてでありますが、管理職が丁寧に面談をいたしまして、健康上問題がないかどうか、十分に状況を把握し、対応しているところでございます。
〇上原康樹委員 そこは、特に手厚くやっていただきたいと思います。
 65歳定年になりますね。そうしますと、ここから先のOB教員の活用は、ますます高齢になっていくものと予想されますけれども、どういう構想、イメージを描いていらっしゃいますか。課題などがありましたら、お聞かせください。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 高齢になりますと、病気とか、家庭の状況、介護等が必要になる場合もございますので、そういったところも十分配慮しながらの任用ということになるかと思います。
〇上原康樹委員 最後に、教育長に伺いたいことがあります。
 OB教員というと、もうすっかり年老いた方というイメージになってしまうのですが、むしろ、私は宝だと思うのですね。人間って、60歳過ぎて、何か大きなものをつかむのではないかという気がしております。非常に繊細な思春期の子供たちを前にして、物を教えることの難しさ、豊かさ、この貴重な体験を、高齢者になっても実現できるという、すばらしい機会だと思うのですが、その辺の値打ちといいましょうか、意義というものを、教育長はどうお感じになっていますか。
〇佐藤教育長 OBの教員でございますが、これまでの長い教職経験、そして、豊富な人生経験が、多感な高校生や児童生徒に対して、非常に参考になるといいますか、人間力といいますか、そういったことを伝える貴重な立場だと思います。
 まさに本県は、そういう高齢の教員が、これまで、岩手県の教育を支えてきた貴重な人材でありますし、大事なマンパワーであると思います。健康で、学校現場で活躍できるうちは、ぜひ頑張って、岩手県の教育のために尽くしていただければと思います。
〇上原康樹委員 年代、世代を超えて、みんな一緒になって、岩手県の教育を進めていただきたいと思います。
 以上、終わります。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇伊藤勢至委員 もう少しおつき合いをいただきたいと思います。
 佐藤教育長におかれましては、今年度をもって後進に道を譲るお考えだと伺いました。惜しむべきだと思います。お互いに、次の世代を育てる役割を持つ者として、まずは、御慰労を申し上げたいと思います。
 佐藤教育長とのやりとりは最後であろうと思いますので、この機会に、1点だけ確認をさせていただきたいことがございます。
 明治維新の政策により廃藩置県が行われ、岩手県が誕生してから150年が経過いたしました。この間の学校制度は目まぐるしく変換をしてまいりましたが、官立の高等教育の先頭は、盛岡中学校─現盛岡第一高校、そして、私立の先頭は、岩手中学校─現岩手高校でありました。その後、官立高校は全県に展開していきました。私立の高校は県と盛岡市を中心に展開し、双方それぞれが切磋琢磨しながら、この岩手県を進展させる人材を輩出してきたものと思っております。
 そういう中で、少子化の問題を考えてのことと思いましたが、将来的には、私立をやめて官立に集中させるべきともとれる意見披瀝がありました。これは、官尊民卑的な、あるいは経済優先の少々乱暴な考え方ではないかと思ったところでございます。
 岩手県内の広い要望に応えられる人材を送り出していくという基本を考えるとき、今後も、官立と私立、ともに相競いながら、実社会に大いに役立つ人材を輩出していくべきと考えますが、現時点での岩手県の教育方針について、佐藤教育長にお伺いいたします。
〇佐藤教育長 学制が始まって、昨年、150年ということで、この歴史があるわけでございます。本県についても、今、委員から御紹介があったとおり、官立の学校ができて、そして、私学が開校しているということ、これはもう歴史の中で、それぞれの存在の中で、多くの本県を支える、あるいは世界に飛び立っていった人材を育ててきたものだと思います。
 岩手県教育振興計画では、公立学校、私立学校も含めた形で策定しております。もとより、私立学校は、それぞれの独自の建学精神に基づいて、そして、それぞれの教育理念で運営されているところでありますし、特色ある教育活動を展開されていると思います。本県の公教育の重要な役割を、私学も担っていると考えております。
 今後とも、そこはお互いの立場から、さまざまな面で切磋琢磨しながら、お互い発展していくべきものと考えております。
〇伊藤勢至委員 佐藤教育長が御就任されたこの4年間は、岩手県にとりましては大変な時期であったと思います。東日本大震災津波からの復興がようやくエンドが見えてきたあたりの御就任でございました。さらには、3年前には、新型コロナウイルス感染症といういまだ経験したことのないウイルスが全国を襲いまして、それに対して、子供たちを守るべき立場の教育委員会といたしましても、医療関係者のみが重点的に披瀝されていますけれども、県教育委員会としても、子供たちを守るという立場で、総合力として対応されてきたことに敬意を表します。
 そういう中で、東日本大震災津波以降の新しい情報といたしまして、今度は、北海道東部の千島海溝、あるいは三陸沿岸に横たわっております日本海溝、ここにマグニチュード9クラスの地震が起こる、それも近い将来にという情報が流れております。
 そして、岩手県の各港湾の場合は、大体北海道の方向を向いておりますので、到達時間、しかも、今度は波の高さ、それらは東日本大震災の津波を超える、あるいは到達時間が早くなる。そういう情報があるわけであります。
 そういう中で、何度かやりとりをさせてもらいましたが、宮城県石巻市の大川小学校では、校庭に九十何人かの子供たちを避難させて、そのまま約50分間放置をしていたと、考えられないことでありますが、その中の3人の子供たちは裏山に避難をして助かったのでありますけれども、それ以外の子供たちは流されてしまった。先生も何名か犠牲になっております。
 これは、津波を知らない、あるいは地震が起きた後どういうことが起こるかを知らない先生方だったと思うのです。これは罪があるわけではありません。ただ、今回の東日本大震災津波を教訓として、岩手県沿岸地域の子供たち、あるいは内陸地域の子供たちも沿岸地域の学校に来ているときに津波が来るかもしれない。子供たちも大事です。そして、先生方も犠牲になっていますから、先生がいなくなっては教育ができない、そういうことも含めて、教育長として、あるいはこれまで県の重要な部署を歩いてきた佐藤教育長といたしまして、次なる世代の方々に申し送っていく一つとして、絶対に犠牲者を出してはいけないということを伝えながら、ぜひ、CDなり何なりで津波の状況、あるいは人が流れる状況、あるいは家屋が流れる状況を見ていただいて、体験はしなくてもいいが、見て覚えるというだけでも、子供たちに次なる指示が与えられるものだと思います。したがいまして、そういうことも含めて、次の世代が、私たちの後に続いて大きくなっていただくためにも、そういうことを残すべき言葉として、ぜひ伝えていくべきものだと思います。
 これまで、佐藤教育長におかれましては、昭和52年、岩手県釜石出納事務所に勤務され、それ以来46年間頑張ってこられた。これには、感謝と敬意を表する次第であります。そして、県議会の議事調査課総括課長をやられたころに存じ上げましたが、我々も、県庁マンの人物評、やりとりをします。あなた方も我々のやりとりをするでしょうが、その中で、佐藤教育長の人柄をお聞きした中では、佐藤さんは、まずは、負けず嫌いの方、そして、粘り強い方、そして、ギブアップをしない方と伺ってきまして、今も、まさにそのとおりだなと思っているところであります。御趣味のゴルフにそれがよくあらわれていると言う方もいらっしゃいました。
 そういう中で、この岩手県を、粘り強く、災害に強い岩手県にしていくためにも、後進の皆様に、これまでの感想も含めた中で、いろいろお考えの点もあろうかと思います。時間はまだ10分ありますので、どうぞひとつ、思いのたけを語っていただければと思います。
〇佐藤教育長 ただいまは、伊藤勢至委員から、大変身に余るお言葉を頂戴いたしまして、本当に恐縮しております。
 本当に、今お話しになったような面は持ち合わせていなくて、特段の能力もございません。私は、目の前のこの仕事に対しまして、精いっぱい努力し続けるという気持ちでやってまいりました。
 特に、教育長としてのこの4年間、本当に私が教育長としてふさわしいかという、なかなか難しいのではないかという思いを強くしながらも、就任したわけでございますけれども、議員各位の御交誼、それから、御理解、御支援、御協力をいただきまして、何とかここまで務めてくることができました。
 この間3年間は、新型コロナウイルス感染症ということで、当初は、科学的知見等もなく、ただただ、どのように対応したらよろしいかということで、急な一斉休業の要請があったり、さまざまな対応を求められました。ただ、ここでは、医師や保健所の所長さん方、そういった専門の方々の御意見等もいただきながら、学校現場、子供たちの安心、安全を守ることをまず最優先にし、それから、学校現場を支えている教職員の安全も確保しながら、子供たちの学びをしっかり保障していかなければならない。そういった学校教育活動を支えていくことに腐心しました。
 当初は、教育長室にホワイトボードを3台並べて、そして、さまざまな情報収集と、お互い、今起きている状況を可視化しながら、対策本部を設置し、支援に努めてきたところです。これは、教育長に就任する前、総務部長として、防災危機管理を所掌しておりました。そこでの経験が生きたものと思います。
 また、さかのぼれば、まさに東日本大震災津波が発生したのは、ちょうど私が予算特別委員長の隣で議事調査課総括課長として補佐をしていた、この予算特別委員会の審査のさなかでございました。その日から、本当に大変な状況を議員の皆様方とともにしながら、議員の皆様方は、議会としての対策本部も設置され、さまざまな情報を提供していただき、そのときにも、議会事務局の職員としてサポートさせていただきました。
 本当に、46年間という、なかなか経験することのない県職員生活でございましたけれども、多くの上司、同僚、部下職員に恵まれて、やっとここまで来られたなというところでございます。本当に、教育長になってからの4年間は、さまざまな面で苦慮する場面も多ございました。それでも、部下職員一緒になって、チーム県議会事務局として、組織として、みんなで議論しながら対応してきたということで、そこは私も本当に助かりました。
 また、議員各位のいろいろな応援をしていただけたことが支えでもありましたし、特に斉藤信委員にはよく鍛えていただきまして、少しは強くなった部分もあろうかと思います。このように、本当に議員の皆様とのさまざまな面での御交誼が、私を育ててくれたと思います。
 そして、何よりも、私の力の支えになったのは、コロナ禍にあっても、子供たちの活躍です。それが一番強く感じます。小学生、中学生、高校生、そして、本県の学校を卒業した、まさに大谷翔平選手とか菊池雄星選手とか、海外にまで行って活躍されている。昨夜も、WBCですばらしい活躍をされました。そういった子供たちあるいは県出身のアスリートであったり、あるいは文化活動におきましても、多くの成果を出していただいた子供たちの活躍こそ力になりました。
 また、そういった活躍する子供たちに限らず、多くの子供たち一人一人が、毎日の日々の学校生活の中で、しっかり成長していく姿も見ました。そういったところで、本当に県民にも、勇気と感動を与えてくれると同時に、私自身も大きな力をいただきました。
 そういったことで、本当に身に余るお言葉をかけていただき、また、このような場面で、発言の機会もつくっていただいたことに、感謝を申し上げたいと思います。
 議員の皆様には、教育長演述で述べさせていただきました。そして、教職員に対しましては、私は、意識改革をこの4年間訴えてきました。それは、不易の教育基盤を守りつつ、時代の変化に則した、創造的変革をしていきましょうと。教育の世界では、不易流行という言葉がありますけれども、私は、不易な部分は守りつつ、これから、この世の中がどのように変化していくかわからない時代でありますので、そこに創造的変革をして、対応していきましょうと意識改革を呼びかけてまいりました。
 最後になります。委員の皆様も、岩手県の教育の振興に、ぜひ御支援賜りますよう、また、これまでの多くの御支援に感謝を申し上げまして、最後の言葉とさせていただきます。
 皆さん、どうもありがとうございました。(拍手)
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。教育委員会事務局の皆様は御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時50分 散会

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