令和5年2月定例会 予算特別委員会会議記録

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令和5年3月8日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 中 村 佳 和
議事管理担当課長 藤 平 貴 一
主任主査 佐 藤 博 晃
主任主査 糠 森 教 雄
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 及 川 雄 也
主査 阿 部 真 人
主査 刈 屋 江美子
1説明員
ふるさと振興部長 熊 谷 泰 樹
副部長兼ふるさと
振興企画室長兼
県北・沿岸振興室長 鈴 木 俊 昭
地域振興室長 小 國 大 作
国際室長 菊 池   孝
交通政策室長 渡 辺 謙 一
科学・情報
政策室長 藤 原 由喜江
ふるさと振興
企画室企画課長 大 越 治 仁
ふるさと振興企画室
特命参事兼
管理課長 金 野 賢 治
市町村課総括課長 大 森 健 一
学事振興課
総括課長 米 内 靖 士
調査統計課
総括課長 岡 部 春 美
地域企画監 高 井 知 行
地域振興課長 山 本 洋 樹
県北振興課長 竹 花 光 弘
沿岸振興課長 及 川 有 史
国際企画課長 寺 澤 敬 行
地域交通課長 山 田 智 幸
空港振興課長 山 本 章 博
科学技術課長 佐 藤 光 勇
デジタル推進課長 木 村 幸 地

ILC推進局長 箱 石 知 義
副局長兼事業
推進課総括課長 佐々木   哲
企画総務課
総括課長 鈴 木 俊 昭
企画総務課
企画課長 大 越 治 仁
特命参事兼
企画総務課
管理課長 金 野 賢 治
計画調査課長 藤 島   謙

警察本部長 森 下 元 雄
警務部長 長谷川 信 栄
生活安全部長 菅 野 一 也
刑事部長 玉 澤 賢 一
交通部長 阿 部 裕 一
警備部長 田 村   剛
警務部参事官兼
首席監察官 金田一 正 人
警務部参事官兼
警務課長 吉 田 知 明
警務部参事兼
会計課長 藤 齊   司
監察課長 高 橋 幸 伸
生活安全部
参事官兼
生活安全企画課長 渡 辺 利 美
刑事部参事官兼
刑事企画課長 熊 谷 秀 一
交通部参事官兼
交通企画課長 南 部 一 成
警備部参事官兼
公安課長 金 崎 将 樹
総務課長 黄 川 誓 二
交通規制課長 三 浦 義 明

財政課総括課長 山 田 翔 平
〇佐藤ケイ子委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。なお、高橋こうすけ委員は、療養のため欠席とのことでありますので、御了承願います。
 議案第5号から議案第25号まで、議案第29号から議案第32号まで、議案第34号及び議案第36号から議案第60号までの以上51件を一括議題といたします。
 本日は、ふるさと振興部、ILC推進局及び警察本部関係について、延べ17人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は21分といたしました。
 なお、関連質疑については、目安時間を10分とすること、同一部局の審査において質疑と関連質疑を行う場合は、その日の質疑の目安時間の範囲内とすることにしておりますので、あらかじめ御了承願います。
 また、これまでと同様に、換気のため休憩いたしますので、御協力をお願いいたします。
 初めに、ふるさと振興部長にふるさと振興部関係の説明を求めます。
〇熊谷ふるさと振興部長 令和5年度のふるさと振興部関係の歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 最初に、当部の予算編成に当たっての基本的な考え方でございますが、令和5年度は、東日本大震災津波からの復興への取り組みを着実に実施するとともに、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランに掲げる四つの重点事項のもと、県民の幸福度向上を図る10の政策分野の施策を着実に推進してまいります。
 また、三陸や北いわてを初めとする新しい時代を切り拓くプロジェクトの関連事業のほか、岩手県DX推進計画に基づき、あらゆる分野におけるDXの推進を積極的に推進してまいります。
 まず、復興推進の取り組みについてでございますが、被災地の高校生等への通学費用の負担軽減支援を実施する公共交通機関を支援する取り組みなどを推進してまいります。
 次に、政策推進の取り組みについてでございますが、教育の分野につきましては、各私立学校の特色ある教育活動への支援などに取り組んでまいります。
 居住環境・コミュニティーの分野につきましては、DX等の活用により、次期地域公共交通計画を策定し、住民のニーズに対応した持続可能な公共交通ネットワークを構築するなど、地域公共交通の維持・確保と利用を促進してまいります。
 また、地域おこし協力隊制度を活用し、地域外の人材に地域の振興等に従事してもらうとともに、地域への定住、定着を図る取り組みを実施してまいります。
 社会基盤の分野につきましては、DXやGXに関する将来有望な研究シーズの育成や事業化に結びつく研究開発の支援等を実施するとともに、産学官金が連携したDXの取り組みの推進や、デジタル人事育成等を実施してまいります。
 新しい時代を切り拓くプロジェクトの推進に向けた取り組みについてでございますが、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクト及び活力ある小集落実現プロジェクトにおきまして、中山間地域における持続可能な社会の実現に向け、産学官連携のコンソーシアムを中心に、市町村の先進的な取り組みの横展開やCOI−NEXTと連動して先進的な地域づくりを推進してまいります。
 それでは、歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の議案その2の6ページをお開き願います。
 ふるさと振興部関係の予算は、2款総務費のうち、1項総務管理費の一部、2項企画費の一部、4項地域振興費の一部、5項選挙費、7項統計調査費、8ページにまいりまして、10款教育費のうち、1項教育総務費の一部、9ページにまいりまして、8項大学費及び9項私立学校費でございます。これらを合わせまして、総額で189億800万円余であり、前年度と比較しますと、16億8、500万円余の増額となるものでございます。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で、説明を終わらせていただきます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 それでは、2点質問させていただきます。
 1点目は、私立学校費について質問いたします。前年度予算から減額になっておりますけれども、その内訳と要因について、まずはお聞きいたします。
〇米内学事振興課総括課長 私立学校費の前年度予算額からの減額の内訳と要因についてでございますが、私立学校費の令和5年度当初予算案は、63億8、500万円余でありまして、前年度当初予算額の64億3、100万円余と比較しまして、4、500万円余の減額となっております。
 まず、前年度と比較しまして、増額となっているものもございます。私立高等学校等就学支援金交付金で7、700万円余の増、私立専修学校専門課程授業料等減免補助で4、800万円余の増などがございます。
 一方で、減額の主な事業としましては、まず1点目として、私立学校運営費補助で4、500万円余の減額となっております。1人当たりの補助単価について御説明をさせていただきます。前年度当初予算額と比較しまして、幼稚園では2、240円、1.2%の増で19万5、119円、小学校で4、933円、1.5%の増で34万1、199円、中学校で4、953円、1.5%の増で34万2、802円、高等学校全日制で5、024円、1.5%増で35万656円と算定しております。
 その結果、中学校では前年度比総額で357万8、000円の増、全日制の高等学校では前年度比総額で2、819万6、000円の増を見込んでおりますが、一方で幼稚園では、子ども子育て支援制度への移行で、二つの園が施設型給付園に移行すると見込んでおりまして、それに伴う対象園児数の減少を371人と見込んでいることなどによりまして、前年度よりも予算額が幼稚園については6、881万4、000円の減額となることなどから、私立学校運営費補助で4、500万円余の減額となったものでございます。
 そのほか、私立学校耐震化支援事業費補助で3、400万円余の減額となっております。これは、令和4年度の耐震改修が完了した学校法人があること、耐震改修の進捗による事業費の減によるものでございます。
 また、私学振興会貸付金で5、800万円余の減額となっておりまして、これは貸付見込額の減によるものでございます。
 以上が、主な減額の内訳と要因でございます。
〇軽石義則委員 詳しく説明いただいてありがとうございます。
 これらについては、毎回、関係団体からの要望に基づいて対応していただいているということで理解しておりますけれども、その中でも、幼稚園の部分が耐震化の部分で減額だということですけれども、今年度の予算のポイントと重点的なものについてはどのようにお考えでしょうか。
〇米内学事振興課総括課長 令和5年度当初予算案のポイントと重点施策についてでございますが、まず、学校運営の経常的な経費に対する補助である私立学校運営費につきまして、先ほど御説明しましたとおり、令和4年度当初予算と比較し、生徒1人当たりの補助単価を上げており、幼稚園で1.2%増、小学校で1.5%増、中学校で1.5%増、高等学校全日制で1.5%増と、それぞれ増額を図ったところでございます。
 また、令和5年度当初予算案におきまして、県単独事業であります新時代を拓く特色ある学校づくり推進事業に1億5、000万円を計上しておりまして、各学校の建学の精神などに基づいた特色ある教育活動を支援していくこととしております。
〇軽石義則委員 その考え方について、他県との比較でいいか悪いかというのも、いろいろ評価は違うと思うのですけれども、全国との比較でどの水準にあるのか、また、東北地方の中でも、岩手県の水準はどのレベルにあるのかという部分を教えてください。
〇米内学事振興課総括課長 全国の資料は手元にございませんが、東北6県の比較で御説明させていただきますと、代表的な例としまして、高等学校全日制につきましては、県単独の上乗せ分も合わせまして、岩手県では36万7、000円余になります。それから、青森県ですと35万円余、宮城県でも35万円余、秋田県が37万1、000円余、山形県が37万2、000円余、福島県が37万9、000円余ということで、東北6県では大体中位ぐらいでございます。
 それから、幼稚園につきましては、岩手県は19万2、000円余、青森県、秋田県、宮城県が19万4、000円余、山形県が19万9、000円余、福島県が20万円余という状況でございます。
〇軽石義則委員 水準ですので、比較で中身がどうなのかということ、その金額に合わせた結果が出ているかどうかということなかなか見づらいところもあると思いますし、比較しづらいところもあると思うのですが、関係団体との意見交換の中で、岩手県はもう少し支援していただけないかという声もあるわけですが、その部分についてはどうなのでしょうか。
〇米内学事振興課総括課長 毎年度、関係団体から御要望をいただいております。その御要望の中身を踏まえまして、我々、次の年度以降の政策に反映させようとしておりまして、まず、制度の運営標準の単価につきましては、国の国庫補助がございますので、その伸び率を見ていることと、あとは交付税措置が県の負担分にはございますので、その伸びもあわせて見ているというところでございます。
 また、本県では、特色ある学校づくりに1億5、000万円の補助をしておりますので、それらもあわせまして御活用いただくということで、御支援をしていると考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ、引き続き、それらについても対応していただきたいと思います。
 先ほどの説明の中で、各種専修学校の状況のところを聞き漏らしたので、もう一度専修学校の部分についてお願いします。
〇米内学事振興課総括課長 申しわけございません。専修学校の単価等の資料は今手元にございませんが、専修学校につきましては、国庫補助制度、それから、交付税措置がないものですから、運営費を補助している県としてない県がありまして、本県では大体1万9、000円ぐらいだと思いましたが、その額で毎年度専修学校には補助をしております。
 また、星北高等学園につきましては、大学入学資格付与指定校でございますので、3万5、000円、倍でございました。それをさらに倍増するということで、学習環境の整備、先生方の処遇改善、徐々に生徒がふえているということで、新たに先生の雇用も発生するというところに対応できるように専修学校高等課程大学入学資格付与指定校につきましては、来年度7万2、000円まで引き上げを図ろうとしております。
〇軽石義則委員 専修学校はいろいろ課題もあるようですので、さらに、いわゆる職業人としての即戦力化もあって、地域でも、求められる職業の即戦力を輩出しようということでいろいろ努力をされているようですが、技術を修得するための生徒の数が減っている専修学校もあるようですので、その部分の対策は、商工労働観光部の仕事のかかわりもあって、そちらの関係もあると思いますけれども、それらの連携をとった上で、今後対応していただくことをお願いして、2点目に入ります。
 交通対策についてお伺いします。これまでも質疑が交わされておりますけれども、生活面と観光面等による県内の交通の現状認識をどのように押さえているかお聞きいたします。
〇山田地域交通課長 生活面と観光面における県内交通の現状認識についてでございますが、まず、生活面についてでございます。少子化の影響で通学定期の利用者数が減少しており、また、新型コロナウイルス感染症の影響により受診控えが続いたことで、通院利用者数も減少していると交通事業者からは聞いているところでございます。
 次に、観光面についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、観光利用者数が大きく落ち込んでいるということでございまして、定期外利用者数も減少していると交通事業者からは聞いているところでございます。
 一方で、乗り合いバス事業者におきましては、交通系ICカードやノンステップバスの導入も進められておりまして、利便性の向上が図られてきているところでございます。
〇軽石義則委員 生活面と観光面を切り離して考えることも大事ですし、これから、両方をにらみ合わせながら、いわゆる交通体系といいますか、地域公共交通ネットワークの持続をどうしていくかということも大事な視点ではないかと思うのですけれども、これに伴って、特に盛岡市は新しいバスセンターができて、その拠点でルートをどうつないでいくか、それをどう活用していくかというのは、大事な視点ではないかと思っておりますけれども、この新しいバスセンター開設によって、生活面、観光面で具体的に動きが出てきているのか。それを県の施策の中でどう取り入れていこうとしているのか、考えがあればお示し願います。
〇山田地域交通課長 盛岡バスセンターの開設後の状況についてでございます。
 昨年10月に開設いたしました盛岡バスセンターにつきましては、路線バスの起終点であるとともに、高速バスや路線バスの接続拠点となっているところでございます。盛岡バスセンター内の発着便の乗降者数を盛岡市にお聞きしておりますが、昨年11月の調査結果から盛岡市が推計したところによりますと、1カ月当たり約1万4、000人と見込まれているということです。
 また、盛岡バスセンター内には、飲食店や宿泊施設などが営業しておりまして、こちらも盛岡市の推計によりますと、昨年11月1カ月間で5万6、000人が利用するなど、地域のにぎわい拠点としても機能していると聞いているところでございます。
 盛岡バスセンターの利用者数の増加が、バス利用者の増加にもつながるように、バス利用の利便性を向上させていく必要があると考えております。岩手県バス協会では、盛岡バスセンターに、バス事業者ごとの運行情報を一元的に確認できる、いわゆるバスロケーションシステムの表示機を設置しておりまして、県でも、これに対して運輸事業振興費補助による支援を行っているところでございます。
 それから、ネットワークの接続につきましては、岩手県地域公共交通網形成計画ということで、平成30年度から県で実施しておりまして、接続拠点を大事にしていくことが必要だと位置づけておりまして、実は、この計画でございますが、来年度が最終年度を迎えるといったこともございまして、委員御指摘のような施設拠点としてのネットワークの大切さといったところも、今後をにらみながら、そちらの後継計画の策定に反映させていきたいと考えております。
 今後におきましても、盛岡市やバス事業者と連携しながら、盛岡バスセンターの利用がバスの利用にもつながるように取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 特に盛岡市は2023年に行くべき52カ所の2番目に選ばれておりますので、さらに利便性が高まれば、乗車率も高まってくると思いますし、それらの連携をどうしていくかというのは、盛岡市だけの問題ではなくて、県内全体のプラスにしていくための政策が大事だと思いますので、その点はどうでしょうか。
〇山田地域交通課長 盛岡市が選定されたことによります今後の交通対策についてでございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、これまで、外国人観光客を公共交通の利用者として取り込んでいくことは非常に難しい状況でございましたけれども、盛岡市が、ニューヨークタイムズで2023年に行くべき52カ所に選定されましたことや、いわて花巻空港の台湾便が3年ぶりに運航が再開される見通しとなっているといったこともありまして、今後、インバウンド需要も増加していくと考えているところでございます。
 いわて花巻空港と盛岡市を結ぶバスにおきましては、ICカードが導入されまして、案内板の多言語表記への対応なども行われているところでございます。また、盛岡市の中心街を循環するバスにおきましては、外国人観光客にもわかりますように、バス停ごとにアルファベットと数字を割り振って、車内で英語によるアナウンスも実施しているところでございます。
 今後におきましても、地域公共交通に外国人観光客を取り込んでいけるように、交通事業者や商工労働観光部等とも連携しながら、利便性の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 バス、タクシー、鉄道、飛行機の接続が大事だと思っていますし、広い岩手県の中で、それらのつながりがあるからこそ、さらにいろいろな意味で効果が発揮できると思いますので、それらの接続するための、それぞれの事業者の課題を吸い上げて解決していくことも、県の役割の一つではないかと思いますし、運転手不足で、バス、タクシーなどは使いたくても使えないという状況になっておりますので、それらの対策も含めて、しっかり関係部局と連携して、取り組みをしていただきたいと思いますが、その点はどうでしょうか。
〇山田地域交通課長 今、御指摘いただきました運転手不足につきましても、採用等かなり厳しい状況にあることは交通事業者から聞いているところでございます。先ほども申し上げましたけれども、来年度、岩手県地域公共交通形成計画を策定していく準備を今進めているところでございまして、人流のビッグデータなども活用しながら、そちらの策定作業を進めていきたいと考えているところでございます。効果的な交通体系となりますように、来年度の計画策定に努めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 事業者の状況を把握してもらうのは大事ですけれども、利用者の声もしっかり把握した上で、対策を取っていくことも大事ではないかと思いますので、それらも含めて、取り組みをお願いして、終わります。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木努委員 軽石義則委員の質疑の中で、私学助成のことが出ましたので、私も、きのう、総括質疑の中で星北高等学園の私学助成の話を取り上げましたが、最後まで質疑ができなかったので、それも含めてお聞きしたいと思います。
 去年の一般質問で、私のほかに3人の議員から、星北高等学園に対する助成を国がやれないのであれば、県にやってほしいと、要望書も出ているわけですから、私立高等学校と同額の30万円を超える額について、何とか県で支援してほしいという要望をした経緯があります。
 それを受けて、今度、令和5年度当初予算案で倍増をしたという答弁でありましたし、きのうは、その根拠も示されました。私は、その根拠が全く理解できませんし、そもそもふるさと振興部では、我々がいろいろな場所でさまざまお願いをしている中で、この予算の増額について、どの程度増額をすればいいのかということを検討してきたのか。我々は満額の増額を求めましたが、ふるさと振興部としては、どういう基準で倍増することになったのか。総務部財政課にはしっかりと満額を要望したのか。それとも、最初からこの程度でいいのではないかと、これが根拠なのだということで、その程度の要望しかしなかったのか。答えられるのであれば、お答えいただきたいと思います。
〇米内学事振興課総括課長 専修学校高等課程の大学入学資格付与指定校の単価についてでございますが、昨年来、学校や県議会の皆様からのお話等がいろいろございましたので、検討につきましては、令和3年度から令和4年度の予算に向けて、夏から議論は始めております。昨年度につきましては、令和4年度の予算にはなかなか実現ができませんでした。
 引き続き、令和4年度中に、学校側からも御要望いただいておりますし、議会でもいろいろ御議論がございましたので、それを捉まえて、令和3年度から継続して令和4年度にも、引き続き検討を部内でもしております。3万5、000円という単価につきましては、そもそもその単価は何かというところからいろいろ検討を始めておりましたが、震災前からその単価になって、震災もございまして、単価がそこで3万5、000円に据え置かれたという経緯がございます。そこから、高等学校全日制の単価ですと10倍ということになりますので、果たして、単価を10倍にすることが可能かどうかというところのお話がございましたので、それを検討したところでございます。
 なお、財源措置等もございませんので、いかにそこを捻出していくかということも考えました。それから、どのあたりだと学校が、生徒増、先生方の処遇を改善できるかというところを、我々も、私立学校全日制の高校教師の平均単価等も踏まえて、まず、学校現場の処遇改善ができる範囲で、どこまで引き上げればその改善ができるかという、ソフトの面の学校現場のマンパワー等の処遇改善が図られるのはどの辺かというところで検討をして、2倍相当の7万5、000円まで引き上げを検討して、予算要求したというところでございます。
〇佐々木努委員 そうすると、これは知事までは行ってないということですね。どこまで行っているのですか。
〇熊谷ふるさと振興部長 予算要求につきましては、私どもふるさと振興部予算につきましては、ふるさと振興部で総務部に予算要求を行いまして、最終的な結果は知事査定という過程を踏まえて、県の予算がつくられているものでございます。
〇佐々木努委員 では、知事はそれをわかっているということですね。
 これまで、私は、議場で幾度となく知事の口からあるいは県の方々から危機が希望に変わったとか、誰ひとり取り残さないとか、本当に耳ざわりのいい言葉を聞いてきています。そんな中で、出生数が非常に激減している。子供が少なくなっている。子供が岩手県を捨ててと言ったらあれですが、多くの子供が岩手県を離れてしまっている。そういう状況の中で、今度、県では、これではまずいということで、共同宣言まで出して何とかそれを食いとめようという話になっているのだと思いますが、そもそも言っていることとやっていることが全然ちぐはぐではないかと私は思うわけです。
 不登校が非常に多くなっている。中学校以下の子供たちは、市町村教育委員会が一生懸命支援をしている。そうですよね。県立高校に行ければ、それは県教育委員会が支援できるし、私立高校に行けば、国と県が支援できる。それ以外の高校はどこからも支援が得られない。県は3万5、000円が7万何がしになるという話はしていますが、結局、子供たちがそういう差別を受けているわけです。
 私は、そういうところを少しでもといいますか、そういうところを平等に改善してあげることが、将来的にその子供たちが、岩手県はいいところだなと、やはり岩手県で自分は暮らしていくのだという気持ちになるのではないですかね。
 県としては、倍にしたからいいのではないかと。県議会でも、せめて倍増ぐらいはという話も確かに出ましたけれども、私は同じようにしてほしい。この機会に、本当に何がアクションプランで、本当に人口減をとめるのだと、そういうことをうたうなら、この機会にしっかりそういうところに気を配ってほしい、配慮してほしいと思って、私は質問したときに、これぐらいはできるだろうと思っていたのですよ。せめて、このぐらいは県はやるだろうと思っていたら、ふたをあけたら、この程度です。
 あの程度の金額では、もしかしたら先生はふやせるかもしれませんけれども、そもそも先生方の給料は物すごく低いのですよ。学習機材とかそういうものもそろえられないような状況なのですよ。それが満額措置されて、1、800万円ぐらいでしょうか、それが来たとしても、なかなか運営は厳しい。そういう中で、不登校の子供たちを受け入れて頑張っている。そういう学校に対する支援は、教育委員会がなかなか届かないから、ふるさと振興部がやってほしいと私は期待したのですが、今回の措置は非常に残念でした。私のこの発言に所感があれば、聞いて終わりたいと思います。
〇熊谷ふるさと振興部長 議員の皆様から質問いただき、また、星北高等学園からも要望をいただきながら、実際に、私も学校を訪問して、理事長、校長先生からお話を伺ったところでございます。セーフティネットとして、要は不登校の子を受け入れているという部分、それから、大学入学資格付与指定校ということで、将来に向けて、そういう学習ができる環境になっているということがわかりまして、その上で、どういったところに支援すればいいかというところを考えたところでございます。給料が安くて、人材確保がなかなかできないというお話、それから、教員もふやせないというお話を頂戴いたしました。
 昨日も答弁させていただきましたが、県内私立学校の教員の平均給与、今いる教員をそこまで引き上げつつ、なおかつ、数学とか英語等々の専門学科はなかなか教員の確保が難しいということで、非常勤の先生で対応されているということも伺いましたので、2名程度の増員が可能になるというところで制度設計をいたしまして、7万円余ということで単価を倍にしたところでございます。
 私立学校並みの補助、全額をというお話でございますが、ここは7万円の部分も、従前からの3万5、000円も一般財源で負担しているところでございますが、要は、私立学校並みということにつきましては、全国的な課題と考えておりますので、まずは、私どもで国に対して、こういった大学入学資格を付与する学校につきまして、高等学校並みの補助、それから、地方交付税措置がなされるよう、国に対して要望してまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 私からは、広域振興局の関係で、代表質問でも通告しておりましたが、質問できませんでしたので、お尋ねしていきたいと思います。
 まず、知事が就任時、岩手四分の計ということで、岩手県を四つの広域に分け、それぞれの地域で、地域振興を徹底的に行っていくということを述べられております。知事の発言です。
 この四分の計は、県内四つの広域振興局において、地域経済を活性化し、また、所得の向上や人口流出をとめるといったことにつなげていくと。県と市町村が対等なパートナーとして、いろいろな新しい事業をやっていきましょうという考え方でもあると知事は述べておられますけれども、広域振興局が、この間果たしてきた役割についてお伺いいたします。
〇大越ふるさと振興企画室企画課長 広域振興局が果たしてきた役割についてでございます。
 広域振興局は、広域的な視点で地域の資源や人材を結集し、戦略的な産業振興に取り組むとともに、地域に根ざした効率的な地域経営を行うこととし、12地方振興局体制から4広域振興局体制に再編したものです。
 この間、ものづくりや食産業の分野では、例えば、県南広域振興局における、ものづくり産業を支える人材を育成するネットワークの構築、沿岸局における、食産業事業者に対する、新商品開発及び販路開拓支援等の取り組み、観光の分野では、盛岡局における、地域の魅力ある酒蔵をめぐる周遊観光の取り組み、それから、県北局におきましては、あまちゃん放送を契機といたしました、地域スポットをつなぐロケツーリズムの推進など、地域の特性やニーズを踏まえた、広域的な施策を展開してきたところです。
 また、東日本大震災津波やその後の台風災害におきましては、被災地の広域振興局は、現地対応に専念するとともに、内陸部から被災地等への迅速な人的支援や物資の供給を行ったほか、新型コロナウイルス感染症対策に関しましては、岩手県新型コロナウイルス感染症対策本部地方支部会議等におきまして、感染状況、感染拡大防止と社会経済活動の両立の取り組みなどにつきまして、市町村等関係機関との情報共有、連携を図るなど、広域振興局が機動的に役割を果たしてきたところでございます。
〇岩崎友一委員 さまざま成果みたいなものを含めて御説明をいただきましたが、今の答弁を聞いているとわかりませんが、もともと知事が言っていた、地域経済を活性化し、所得の向上や人口流出をとめるといったことにつなげていく。所得の向上、人口の流出に歯どめをかける、この点に関してはどうなのですか。
〇大越ふるさと振興企画室企画課長 所得の向上のところでございますけれども、各圏域における1人当たりの市町村民所得の状況でございますが、平成22年に、県央で252万7、000円、県南で219万8、000円、沿岸で200万2、000円、県北で204万円であったものが、令和元年度におきましては、県央で287万9、000円、県南で272万9、000円、沿岸で275万8、000円、県北で262万9、000円と、全圏域で増加しております。
 それから、人口流出の件でございますが、各圏域における人口の推移でございます。平成22年度に、県央で48万1、699人、県南で50万7、567人、沿岸で21万7、771人、県北で12万3、110人であったものが、令和2年度におきましては、県央で46万3、186人、県南で46万4、394人、沿岸で17万7、591人、県北で10万5、363人と、全圏域で、こちらは減少しているところでございます。
 今後、人口減少対策につきましては、より一層市町村と連携して対応していく必要がありまして、そのためには、広域振興局の役割がさらに重要となってくるものと考えております。
〇岩崎友一委員 まず所得に関しては、震災復興需要がありましたから、それで、沿岸部が急激に伸びたりしましたけれども、今はもう低下し始めていると。長いトレンドで見れば、実は、県内の格差という部分においては、なかなか縮まっていない現状があります。
 人口流出に関して今後の話もされましたけれども、これまではというと、これまでの政策によって人口流出には歯どめをかけることができなかったということだと思うのです。
 私が何を言いたいかといいますと、工藤勝子議員も一般質問で取り上げましたけれども、広域振興局の予算の関係であります。平成19年度の知事のいろいろな議場での発言を聞いていますと、広域振興局をしっかりやっていこうという思いが相当伝わるわけですね。見ているとそのとおりだと思うのですよ。
 ただ、あれから16年見てきますと、これは、言っていることと全然違うと思っていまして、平成19年以降も、地域経営推進費、当時は平成22年までは地域振興推進費で、広域振興事業費ですけれども、6億円台もあれば、3億円台もあると。直近だと、四つの広域振興局を合わせて5億円台。これだけの事業費で、知事がやろうとしたことができるかというと、私は非常に疑問であると思いますが、この予算について何か見解がございましたら、お伺いしたいと思います。
〇高井地域企画監 地域経営推進費等の予算の関係でございます。
 地域経営推進費も含めまして、県の予算でございますけれども、各広域振興局管内の状況や事業の必要性などについて、本庁と各広域振興局と連絡調整を行いまして、日ごろから課題の把握に努めまして、本庁で予算化を全体的には行っているというところでございます。
 そのうち、広域振興局に関しては、地域課題に則した実効性の高い施策を展開できるように、広域振興局長の裁量で執行できる地域経営推進費とか、戦略性が高く、圏域全体の振興を図る広域振興事業の予算が措置されているという関係性になっているところでございます。公共事業など大きなところは、本庁で予算措置していくということでございます。
〇岩崎友一委員 それはどういうことですか。総務部財政課に予算要求するのは、本庁ですよね。これは、こういった事業をやるという予算要求自体は、振興局からボトムアップで上がってきているという理解でいいのですか。
〇高井地域企画監 失礼しました。
 広域振興局で、独自に予算を工夫して執行していくというのが、例に出しました地域経営推進費や広域振興事業ということで、県全体の予算につきましては、広域振興局で、いろいろな地域事情など、課題等の把握をしまして、それを本庁と連絡調整して、本庁側のほうで予算要求をして、全体的にはやっていくということでございます。
〇岩崎友一委員 よくわかりませんけれども、広域振興局から、こういった事業をやりたいからと、金額的には、例えば沿岸広域振興局からも、3億円、4億円と上がってくると。それを本庁で調整して、その上で総務部財政課に予算要求するという流れですか。
〇高井地域企画監 失礼しました。
 地域経営推進費につきましては、完全に広域振興局の裁量で、各事業の振興を行っていくというものでございます。今年度当初予算案に地域経営推進費とともに4億5、000万円を計上しておりますけれども、そちらの規模感につきましては、我々のほうで、総務部と調整しまして、決めていくという流れでございます。その執行につきましては、広域振興局でやっているということです。
〇岩崎友一委員 私は、執行の話をしているのではないのですよ。予算を組む段階で、例えば本庁で、この金額ですと、ことしも新年度予算案は4億5、000万円ですけれども、これは、その金額ありきで、あと、広域振興局から来たので割り振って決めているということなのか。それとも、広域振興局から、これをやりたい、あれをやりたいとさまざまな事業があって、実はそれが例えば10億円ありましたと。ただ、総務部財政課と協議したら、4億5、000万円しかつきませんので、この中で執行してくださいという形なのか。その予算の組み方の部分はどうですか。
〇小國地域振興室長 今、岩崎友一委員からお話のありました、地域経営推進費と広域振興事業についてでありますが、地域経営推進費につきましては、基本的には、我々のほうで予算要求しております。毎年のように、二百数十事業を各広域振興局で展開しているわけですけれども、これらの状況を見まして、あと、執行状況なども勘案しまして、総枠をおおむね決定させていただいております。
 また、例えばラグビーワールドカップとか、オリンピック、パラリンピックといった全国的なイベントがある場合については、特別枠という形で、追加して予算を確保しております。いずれ、この追加枠につきましては、それぞれ本庁の事業と広域振興局の事業が相乗的に効果を高めて、実効性ある細やかなところに手をさしのべるような形で予算要求をし、執行していただいております。
 広域振興事業につきましては、各広域振興局長みずからが財政当局に予算要求して、予算措置いただいているところでございます。
〇岩崎友一委員 わかりました。
 基本的に、事業費は全然足りないと思うのです。令和4年度ベースで見ますと、沿岸部の地域経営推進費が、四つの広域振興局の中で一番高いのです。1億4、000万円です。1億4、000万円で83の事業をやっているわけです。すごい事業数です。これは1事業当たり、単純に割り直すと168万円です。168万円でできる事業はかなり限られていると思っていまして、本当に、これで所得を上げようとか、人口流出をとめる施策、そういったものにつながるような施策を組めるかといえば、これは極めて厳しいと思っています。今回、補正予算で提案されました2023年に行くべきいわて推進事業費は1億円です。これを高い安いと言うつもりはありません。本気でやろうと思ったら、そのくらいかかるわけです。1億円と言えば、盛岡広域振興局の年間予算より高いわけです。逆に言えば、盛岡広域振興局がそれしか予算を持ってない。
 そして、何が問題かというと、金額が少ないこともさることながら、実は令和2年度、令和3年度の執行率も8割程度なのです。予算も少ないし、それも執行されていないという状況で、四つの広域振興局が、今、有効的に機能しているかと言えば、疑問なのですが、その辺、どのように捉えていますでしょうか。
〇小國地域振興室長 今、岩崎友一委員から御指摘いただきました、広域振興局につきましては、この地域経営推進費、また、広域振興事業、直接的に執行いただいているところでございますが、それ以外にも、本庁の執行する事業と連携いたしまして、効果的に地域に反映させていく、波及させていく、効果を高めていく、そういった取り組みを常日ごろから広域振興局で実施しております。
 財政状況が厳しい折、予算規模についても、前年度と同額という形になっておりますけれども、そういった場合についても、県事業と市町村事業それぞれあるわけですが、市町村事業では、なるべく影響が少ないように、県の事業を圧縮するなどして対応させていただいてきているところでございます。いずれにせよ、本庁と広域振興局が連携しまして、効果的な実施に努めてまいりたいと考えております。
 それから、執行残が多いという御指摘でございます。たまたまではないですが、近年、コロナ禍によりまして、執行しようとしていた事業になかなか人が集まらない、あまり外に出歩けないということがございました。そういったこともあって、執行状況がなかなか高まらなかったという現状がございます。
 加えまして、これは構造的な話ですが、細かいところに手をさしのべるような事業を展開しております。事業数が多いというところがございますので、それぞれが、例えば年度末に数万円という形で残った場合に、それが100事業、200事業となりますと、ある一定規模の大きさになってしまうという構造になっております。いずれにせよ、年間通じて、その都度執行管理を行いまして、今後とも適正な執行管理に努めてまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 最初に戻るのですが、地域経済を活性化して、所得の向上、人口流出をとめるというのが目的であるようですので、知事が平成19年11月13日のホテルロイヤル盛岡、内外情勢調査会の盛岡支部の講演会で、岩手県総合計画の説明をされております。
 その際に、四つの広域振興局を新しいフロンティアにするのは集中の契機、方向性があると。市町村の中でちまちまやっているより、大きい広域の中でどんとやっていこうと。ただ、同時に、それは県という広がりの中でやるよりは、四つに分けたそれぞれの中できめ細かくやったほうがいいということもありましてというような感じですね。どんとやっていくという形で言っているのですけれども、市町村の中でちまちまやっているより、広域振興局がどんとやると言いますけれども、この予算を見ていれば、ちまちまやっているのは県のほうではないかと思ってしまうわけです。
 当時、知事はすごい発想というか思いがあって言ったと思うのですけれども、市町村の中でちまちまやっているより大きい広域の中でどんとやっていこう。でも、この予算で、あの事業数で、単純に1事業168万円程度でどんとやっていますと言うのは、これはおかしいような気がしますけれども、その辺の認識はいかがでしょうか。
〇熊谷ふるさと振興部長 4広域振興局、それから、4広域振興圏につきましては、産業振興による地域経済の活性化を主眼として設置いたしまして、その所管する4圏域、農林水産業とか商工業等、地域の基盤となる産業の連続性、類似性の状況、地域の産業構造の特徴を踏まえて、より成果を上げていく視点で、生活圏よりも広域の圏域として設定し、そこに設置している広域振興局が、産業振興を中心とした地域振興事業を行っていくということで設置されたところでございまして、知事はそのことをおっしゃっているのだと思います。
〇岩崎友一委員 私はそう思わないのですけれども、再度、確認します。一般質問で、工藤勝子議員が予算の増額について質問したら、知事からは否定的な答弁がありましたが、ふるさと振興部としては、増額に関してどのような見解をお持ちなのでしょう。
〇小國地域振興室長 限られた財政状況の折ですので、全庁的な財政規模、執行状況、地域の課題、ニーズ、そういったところを市町村といろいろ議論しながら、その確保については、今後も引き続き努めてまいりたいと思っております。
〇岩崎友一委員 そうすると、どういうことなのでしょう。増額するつもりはないという理解でいいのですか。
〇熊谷ふるさと振興部長 今、小國地域振興室長が答弁申し上げましたとおり、時々の県全体の財政状況がございます。それから、一方で、各圏域が抱える課題等々ございますので、広域振興局、そして、市町村のさまざまな意見も参考にしながら、毎年度の予算編成の中で、適正な予算規模につきまして検討してまいりたいというところでございます。
〇岩崎友一委員 私はこの間ずっと広域振興局を見てきまして、本当に広域振興局を有効活用するのであれば、今は硬直化している状態だと思うのですよ。知事が懸念している硬直化が起きている状況であると認識しています。ですから、予算をふやして、実効性の高い事業を打ち出すか、もしくは、広域振興局体制の見直しも含めて、これをやっていく必要があると思っております。
 最後になりますけれども、一般質問や、きょうのやりとりも含めて、知事が言う、市町村の中でちまちまやっているより、広域の中でどんとやっていこうという、知事の思いを酌めば、この程度の予算で了としてしまえば、知事の思いに応えることはできないと思うので、本当にこれはいかがなものかなということを問題提起して、質問を終わります。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇千葉伝委員 今、岩崎友一委員と執行部とのやりとりを聞いておりました。いわゆる広域振興局の体制と、それぞれの地域で抱えている課題に対しての予算編成、そして、それをどのように使っていくかという中身で、今はいろいろとやりとりしております。
 私は盛岡以北の出身で、県議会議員になってから二十七、八年たちますが、当時から、この問題は、県議会でもかなり質問をさせていただいた。中身は、県全体のバランスを考えたやりとりはしなければならないけれども、地域の課題にしっかりと対応するための予算化をしっかりと考え、特徴的な使い方をやっていかないと、追いつけ追い越せという形にならない。
 当時は、所得の格差とか、そんな表現もかなり使わせていただいたのですが、そういったことを進めるには、今の四つの広域振興局の体制の中で、県北・沿岸地域がおくれている。おくれている中身が、先ほど言った、人口もどんどん減ってきています。それから、それぞれの地域で抱えている課題に対して、ほかに追いつくような所得の分とか、そういったあたりも進めなければならないということで、私は発言してきたつもりなのです。
 今のやりとりを聞いていて、知事が四つの広域振興局にそれぞれ課題を考えて、広域振興局長からボトムアップ的なやり方と、それから、もう一つは、逆に知事が、ぜひここの地域にはこれを進めたいという予算の配分の仕方、これをやるという、言葉上で今まで言ってきたのではないかと、こういうことで、岩崎友一委員が言っているのではないかと私は思います。
 したがって、言いたいのは、これからも含めて、知事が本当に岩手県のことを思って、県北・沿岸地域の振興を図る。副知事まで、県北・沿岸振興のためのトップに据えてやってきても、今の状況から考えれば、私はあまり進んでないのではないかと思います。知事の考え方をもっとしっかりと打ち出す、そのための予算化、四つの広域振興局の中に、特徴づけた予算ということで、私は、県北・沿岸地域に、ほかが例えば100やるのであれば、150ぐらいの予算を投入しないと、そういったことがなかなか進まないのではないかということで、これまで言ってきております。
 ですから、広域振興局長の権限で使える予算と、それから、そうではなくて、本庁あるいは知事が、これにはこれぐらいつけるから、知事が言っている考え方をぜひ進めていただきたい。私は両方必要だと思うのですが、この考え方は、知事の権限なりやり方をもっと進めるべきではないかと思うのですが、どうですか。
〇熊谷ふるさと振興部長 広域振興局予算につきましては、先ほど御答弁させていただいたとおり、地域経営推進費と広域振興事業がございます。地域経営推進費につきましては、広域振興局長の裁量で、きめ細かな対応ができるように予算措置しているものでございますし、広域振興事業につきましては、広域振興局で、広域的な事業を行うのに必要な経費ということで、広域振興局が予算要求するという事業でございます。
 それに加えまして、本庁で、例えば農林とか土木とか保健所の予算とか、行政各分野の圏域全般にわたる予算については、本庁で予算要求し、それを各広域振興局に配分して、執行していただくという予算の流れになっております。
 そういった中で、各政策分野の中で、こういったものの重点をするという部分については、広域振興局予算とは別個に予算要求がなされ、予算措置がなされていくと。そして、広域振興局で執行するという部分もございますので、そこの総体の中で、いわゆる各地方への予算配分がなされているところでございます。
〇千葉伝委員 そうなっていれば、私はあまり文句を言うつもりはないのですが、そうなってないから、私は発言させていただいているということです。
 言いたいのは、地域の特徴的なものをもっと引き出して、それに対して、その地域の課題を取り上げて進めると、ここの分に、その特徴的な予算化を図るべきではないかというのが、私の主張であります。
 岩手県全体を考えて、その予算を配分するといったときに、生活をする分に必要なものはどこの地域にいても必要だというのはわかります。
 ただ問題は、そこの地域の分をもっと伸ばすと。個々の部分の特徴的な予算化、配分の仕方、そこの分を私は、知事が岩手県を本当に考えて、県北・沿岸地域も含めてもっと進めていくということが見えるように、そして、それを広域振興局で、1年、2年、3年かかってもいいけれども、しっかりと結果が出るようなやり方を、私はやるべきではないかと思っております。
 今やっているのは、いろいろ課題とかあるけれども、病気の治療からすれば、割と対症療法に近いような、適当に傷ついたところにばんそうこうを張るような、表現がきついかもしれませんが、そんな感じもしないわけではないと。どこが問題か、どこが患部の大事なところか、手術も含めて、そこに私はしっかりとやっていく必要があるのではないかと思います。そういうことをやっていく知事であれば、私はもっと頑張れというふうに言いたいのですが、そうなってないから、こういうふうな言葉になります。ふるさと振興部長、もう一度、知事の権限についてお願いします。
〇熊谷ふるさと振興部長 県北・沿岸地域の部分ということで、若干お話しさせていただきますが、例えば事業によりましては、県北・沿岸地域に起業立地した際の、要は、特別枠みたいな形で、補助率が多少高い。それから、地域経営推進費におきましても、市町村事業の補助率を、通常ですと2分の1なのを、県北・沿岸ですと3分の2にするとか、そのほかにもさまざま地域の特性に応じて、そういったいろいろ考慮している部分はございます。
 予算にかかわる知事の権限ということでございますけれども、毎年度の予算編成の過程に当たりまして、重点化、要は、予算編成方針を総務部でつくります。そういった中で、来年度はこういうことを重点にしてやります。予算枠はこういうふうな配分の仕方をしますというところ、そこで、当然、総務部も含め全体で来年度の重点化の合意形成がなされて、我々は予算要求し、予算が措置されているところでございます。
 大雑把に言えば、そういうような形で毎年度予算編成されていますので、そういった中で、知事の考え等々が反映されて、予算が編成されている。そして、知事査定を経て、予算が決定されていると理解しております。
〇千葉伝委員 いずれ、言いたいのは、そういったやり方をしっかり進めた上で、成果がしっかり見える形にするようにお願いをしたいということです。
〇佐藤ケイ子委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午前11時09分 休憩
午前11時22分再開
〇佐藤ケイ子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇吉田敬子委員 私からは、国際人材、グローカル人材の育成についてお伺いいたします。
 県では、高校生を対象とした海外派遣研修、そして、学生等を対象にした留学支援、いわてグローカル人材育成事業を行っておりまして、若者の活動支援を行っております。県内だけでなく、今現在、若者の海外志向が、コロナ禍も重なって、海外に目を向ける機会もそうですけれども、もちろんSNS、ネットでは自由に行き来できるようになりましたけれども、実際に行く機会が減っているのが、私は課題だと思っております。
 県内のこういった事業においてのコロナ禍前とコロナ禍後についての現状、県の課題認識について、また、これまで、コロナ禍が始まってから、同じような事業がなかなかできなかったということがありますけれども、来年度の取り組みの方向性についてお伺いいたします。
〇菊池国際室長 海外派遣や留学支援についてのお尋ねでございますけれども、県では、高校生を対象として平成25年度から北米等への海外派遣事業を、平成27年度からは中国雲南省との相互交流事業を実施しておりまして、これまで132人を派遣したところでございます。
 これらの事業は令和2年度から令和4年度まで、新型コロナウイルス感染症の影響により中止を余儀なくされたところでございますけれども、この間、雲南省とは、オンラインによる高校生同士の交流を継続しまして、コロナ禍においても、交流を途絶えさせない取り組みを行ったところでございます。
 それから、いわてグローカル人材育成推進協議会によります大学生の留学支援でございますけれども、こちらは平成29年度の事業開始以降、令和元年度までに、計20人の海外留学を支援したところでございますけれども、こちらも、令和2年度、令和3年度は実施を見送ったところでございます。
 ただ、令和4年度ですが、渡航規制の緩和もある程度見越した上で、通常、年1回募集していたのですが、これを上期、下期の2回に分けて募集、選考を行いまして、現在、留学中の学生を含め3人の派遣に至ったところでございます。
 これらの海外派遣や留学支援につきましては、世界的な往来の再開を踏まえまして、令和5年度からの再開に向けまして、関係者との調整を行っているところでございます。引き続き、関係機関と連携の上、再開を図ってまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 高校生132人、学生等が20名、今年度は上期、下期に分ける工夫をして、短期になっているみたいですが、参加している学生がいることは、今後に期待するところではあります。これまでも御指摘させていただきましたけれども、これらの県内学生からの応募件数が多くないということが、いわてグローカル人材育成推進協議会の中でも課題がありましたし、その協議会に、参加する市町村も全市町村ではないということで、それも33市町村も含めて取り組んでいかなければいけないのではないかということを指摘させていただいておりました。
 県内学生の応募件数が多くない要因については、県としては、どのように認識されているのでしょうか。もちろん周知はこれから一生懸命やらなければいけないのもそのとおりですけれども、県としては、どのように捉えているかをお伺いできればと思います。
〇菊池国際室長 若者の留学等への応募が少ないということですけれども、一般的に申し上げられますのは、全体的な傾向として、日本の若者は押しなべて、内向き志向になりつつあるというのは一つあろうかと思います。
 国内で暮らしていく中では、日本は大変いい国でございますので、海外に打って出ようという気持ちになかなかならないのかというのが全般的にあるのではないかなと思っております。
 それから、当然、新型コロナウイルス感染症のような世界的な感染症で渡航のリスクが生じれば、なかなか意欲をくじかれる部分もあるのではないかと思いますけれども、いずれにしましても、先ほどの留学生につきましては、今年度、御応募をいただけたという状況でございまして、募集説明会や相談体制といったものを手厚くさせていただきながら、応募意欲の向上に努めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 グローバルに実際に世界を見てくることは、特に若いときにこそあると私はさらにいいのではないかという思いです。県も、それについてはその思いがあってこういった事業をやっていらっしゃると思いますので、その周知もですけれども、環境整備は、学校教育でやっているものとは、また、別に国際室がやるという重要性はすごくあると思っておりますので、県民の特に若い世代のそういった海外に目を向けて、さらに、県内に戻ってきてもらえることが一番ですけれども、ぜひ取り組みを進めていっていただきたいと思います。
 先日は、菊池国際室長も同席されて、12月に中平会長とともに、岩手県台湾友好議員連盟で、台湾の大使館と日本台湾交流協会に伺いました。その際にも、パスポートの所持についてのお話がありました。2021年、日本人のパスポート所持率は19.1%で、前年比2.7ポイント減、2年前比4.6ポイント減ということで大幅下落です。日本人のパスポートは、ビザなしで行ける国が世界一だということで、こんなにすばらしいパスポートを日本人が持っていないことは、世界の方から見てもすごくもったいないのではないかということを御指摘いただいておりました。現在、5人に1人もいない先進国最適水準だということを、台湾の副代表の方もお話をされておりましたけれども、現在のパスポートの所持率について、本県の状況、コロナ禍前後で、また、全国と比べてどう推移しているのか、県の課題認識についてお伺いしたいと思います。
〇菊池国際室長 パスポートの所持率などについてでございますけれども、外務省に旅券統計がございまして、この中で、有効旅券数─都道府県ごとの数字があります─は、国勢調査における人口数から、便宜的にですけれども、所持率を試算いたしますと、コロナ禍前の令和元年が、全国平均が約23%、本県が約10%、それから、コロナ禍の令和4年におきましては、全国平均は約17%、本県は約7%となっておりまして、いずれも、全国平均を下回っているという状況でございます。
 このことは、海外に行く予定がない、あるいは、ひいて言えば、海外とのかかわりが比較的少ないという方が多いことを示しているのではないかと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 令和4年速報値だと、全国が17%の所持率のうち、岩手県だと7%ということで、多分、これはワーストのほうではないのかと思います。2020年の段階で、ワースト1位が秋田県、ワースト2位が青森県、ワースト3位が岩手県で9.13%ということで、北東北のパスポート所持率が低いということで、現在も7%で、かなり低いと思っております。3月27日より、パスポートのオンライン申請が可能となるということを伺っておりますけれども、県民が海外へ目を向けるような取り組み、先ほどは、若者についてのお話をさせていただきましたけれども、今後の取り組み方針についてお伺いいたします。
〇菊池国際室長 海外渡航をするには、何かのきっかけが必要であると考えておりまして、県としては、若者向けには高校生の海外派遣とか、あるいは、今年度始めた事業ですけれども、海外で活躍する本県出身者、例えば県人会の方とか、JICA、青年海外協力隊の経験者とのオンライン交流など、こういった授業の実施、あるいは、従来からのものでありますけれども、在住外国人との交流イベントの実施などを通じまして、県民の皆様に、海外により関心を持っていただけるような機会づくりに取り組んでいるところでございます。
〇吉田敬子委員 よろしくお願いいたします。
 岩手県台湾友好議員連盟で伺ったときに、青少年交流事業があって、台湾から日本の高校への留学支援をされていて、受け入れ校について、日本の中でも、東京都、千葉県、関東と京都府、コロナ禍の前は九州でもあったけれども、東北ではこれまではないということで、その費用負担について、佐々木朋和委員も一緒に岩手県台湾友好議員連盟に行っているのですけれども、佐々木朋和委員からも、交流に関する費用についての質問があって、基本的には、食事代も含めて全額、日本台湾交流協会で負担しているので、受け入れ先の高校については負担がないということです。こういった台湾の高校生の受け入れを、ぜひ岩手県でもやっていただけるとありがたいなということでお話をいただきましたし、その際、菊池国際室長も御同席されておりますけれども、この御所見についてお伺いしたいと思います。
〇菊池国際室長 おっしゃるとおり、私もその場におりまして、日本台湾交流協会の取り組みとか、そのほか、政府がやっております青少年交流プログラムが各種ございまして、その中では、学校交流ということで、いろいろな手配をされているものがあるやに承知しております。
 学校現場のスケジュールとかそれに合わせるのに準備が必要だと思いますので、前広に情報などを収集しながら、可能性につきましては、学校、教育委員会なりとお話しさせていただきたいと思います。
〇吉田敬子委員 ぜひ、前向きに検討していただきたいと思っています。5月には台湾便も復活されます。岩手県の観光客の半分近くが台湾からということで、岩手県と台湾はすごく密接なつながりがありますし、日本台湾交流協会も、岩手県とのつながりもぜひとおっしゃっておりましたので、そういうところからも、若い子供たちも海外に目を向けるきっかけを、台湾からさらに別の世界にということもあるかと思いますので、こういう機会を、ぜひ生かしていっていただきたいと思っております。
 地域の振興に貢献するグローカル人材の育成等のために、JICAは釜石市と陸前高田市、ことしに入ってから、遠野市と連携覚書を締結しております。民間企業との連携事業、開発教育支援事業なども展開しております。これらの取り組みについての県の評価をお伺いしたいと思いますし、昨年度の予算特別委員会で、知事に対して、JICAとの協定を結んではどうかという提言もさせていただきまして、その際には、知事から検討していきたいと御答弁いただきました。県として、協定を締結してはどうかと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。
〇菊池国際室長 JICA─独立行政法人国際協力機構の取り組みについてでございますけれども、令和3年度以降、地域振興に貢献するグローカル人材の育成などを目的といたしまして、JICAと連携覚書を締結した釜石市初め三つの市では、これに基づきまして、これまでに18名のJICA海外協力隊が海外派遣前の地域実習を行っているところでございます。
 この18名は全員県外出身者でございまして、それらの市の団体、企業での約3カ月間の実習を通じて、地域に密着して課題解決に取り組む中で、それぞれの地域とのつながりが生まれまして、地域でのグローカル人材の育成、あるいは関係人口づくりに貢献していると承知しており、国内外から多くの復興支援を受けた本県で、こうした活動が展開されることは、大変意義があるものと考えております。
 現在、JICAは実習先の確保などの点から、本県においては、基礎自治体を中心に覚書を締結していると承知しております。県としても、JICAと必要な連携を図っておるところでございまして、今後の県内の動向を踏まえまして、県としての連携方策を検討してまいりたいたいと考えております。
〇吉田敬子委員 先ほど来、高校生とか若者の交流事業、そして、例えば社会人との連携、交流、海外促進、国際人材の育成など、幅広いところで、学校教育の、英語だけではない、外国語だけではない、国際室が担っていただくことはすごく重要だと私は認識しておりまして、もっと積極的に、国際室長も海外の御経験があると伺っておりますけれども、ぜひ、そういったことを生かして展開していっていただきたいと思います。
 最後にお伺いいたしますけれども、スポーツ分野で、県ではスーパーキッズを育成しておりますけれども、英語が、今は小学校から始まっておりまして、県として、グローバルキッズの育成という事業も始めてみてはどうかと私は思っておりました。ハロウインターナショナルスクール安比ジャパンが開校され、県が多額の投資をしておりますけれども、県民にもっと還元していただきたいと思っております。ハロウインターナショナルスクール安比ジャパンとの連携も図りながら、そういったグローバルキッズ、小学校、中学校、高校、グローバルキャンプとかも教育委員会ではやっていますが、そういった継続した事業を国際室でやってみるのはいかがかと思っておりますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
〇菊池国際室長 御提案のグローバルキッズ育成事業でございますけれども、私ども、いろいろ申し上げてきましたように、青少年向けの海外派遣、留学支援、あるいは、これは県教育委員会の取り組みになりますけれども、英語力向上のための語学指導助手の配置とか、デジタル教科書等の活用、小学校教員の英語力指導力向上に向けたさまざまな研修などを行ってきたところでございます。
 吉田敬子委員御紹介のいわてスーパーキッズ発掘育成事業は、オリンピックを目標に、世界で活躍するアスリートを発掘、育成するというものでございますけれども、県教育委員会では、県内で希望する小学生、中学生、高校生を対象に、イーハトーブの森〜英語で未来を拓くワークショップ〜を、ベーシック、アドバンストの2コースで実施しておりまして、外国人講師や、あるいは参加者同士で、未来を語り合うワークショップを通じまして、英語力の向上や、グローバル意識の涵養、グローカル意識の向上に取り組んでいると伺っております。
 参加した生徒からは、外国の方とのお互いの文化を伝え合い、友好的な環境を築くことができた、外国に対する興味がより大きくなった、英語の楽しさを実感したといった感想が寄せられているということでございます。
 県といたしましては、冒頭申し上げました、コロナ禍で中断しておりました交流事業の再開も図りながら、こうした取り組みを通じ、国際人材の育成を図ってまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 県教育委員会でもそういった事業をやっておりますけれども、連携もしながらですね。先ほど取り上げましたパスポートの話ですけれども、もちろんパスポートを持つことだけが海外に向けてということでもないわけですけれども、ただ一方で、足を実際に運ぶためには、パスポートがないと行けないわけです。全国の中でもワーストに入ってくるということは、これからの時代を生き抜くためには、全ての世代において、特に若い世代ですけれども、そういったことが私は必要になってくると思いますので、パスポートのこともそうですけれども、グローカル人材の育成について、引き続き取り組んでいっていただきたいと強く願って、終わりたいと思います。
〇臼澤勉委員 私から大きく2点。
 まず最初に、一般質問でも取り上げさせていただきました、岩手県立大学の理事長の報酬について、まず初めにお伺いさせていただきます。
 公立大学法人岩手県立大学の理事長の給与、これは職責で決めるべきものと認識しておりますが、前職の経歴で決める根拠は何なのでしょうか。お伺いいたします。
〇米内学事振興課総括課長 報酬額の改定理由でございますが、理事長を初めとした役員報酬につきましては、岩手県立大学の役員会議での協議を踏まえ、大学が決定されることとされております。
 したがいまして、現理事長の報酬につきましても、大学の役員会での協議を踏まえまして、大学が決定したものでございます。岩手県立大学の役員は、これまでも、官民を問わず有用な人材を登用してきたところでありまして、その報酬額につきましては、地方独立行政法人法に基づき、国及び地方公共団体の職員の給与、他の一般地方独立行政法人の役員の報酬、民間企業の役員の報酬等の状況を踏まえて決定してきたところでございます。
 現理事長の報酬額につきましても、こうした考えを基本としながら、これまでの経歴等も考慮して、決定したものと聞いております。
〇臼澤勉委員 そのお答えについては、定例会の一般質問でも聞いておりますが、明確なその基準、書き物がないわけでございます。その改定基準の地方独立行政法人法の48条の規定に基づき云々というのは、それは一般的な考え方の話であって、金額のそういった物の考え方はそのとおりだと思うのですけれども、私が聞いているのは、これまで、岩手県立大学の理事長は、民間の方が初代理事長だったと記憶しておりますけれども、その後、代々県のOBの方々が就任されております。
 いずれ、給与というのは大体職責で決まっているものでありまして、その人の能力とか、前職が何だったかとか、そういったもので上がり下がりするということは、基本的に私はないと見ております。
 学長の給与は上がり下がりしているのですか。例えば鈴木厚人学長も、職責で決まっているわけです。あるいは県の幹部も、それぞれ部長、課長、それは職責で給与が決まっているわけでありまして、そこの明確な書き物として、大学の給与の支給に関する規程もいただいておりますが、そこの明確な基準が明記されておりません。改めて、お伺いいたします。
〇米内学事振興課総括課長 臼澤勉委員御指摘のとおり、公立大学法人岩手県立大学役員の給与等の支給に関する規程がございます。その中には、先ほど私が御答弁したようなものは、特段明記はされておりませんので、そこは、役員会議等の協議の中で、理事長の報酬改定の資料等が出た中で御議論をされて、決めていると考えております。
〇臼澤勉委員 知事がこの理事長を任命されているということで、本会議場でも、この報酬を上げるように知事が指示されたのですかということで聞きましたところ、ノーと、本当にこういう一言で言っていただきました。
 まさに、知事は指示してないということであるならば、どなたが、この理事長就任を要請、あるいは報酬額の増額を指示されたのかお伺いいたします。
〇米内学事振興課総括課長 理事長の報酬につきましては、地方独立行政法人法第48条2項の規定に基づきまして、大学において決定しているものでございます。
〇臼澤勉委員 それはそのとおりだと思います。県が決めているわけではない、あくまでも大学の中で決めるというのはそのとおりだと思います。私が聞いているのは、誰がその報酬額の増額改定を指示したのかということであります。
 私が独自に大学関係者に調査をしましたところ、県のほうから、その増額改定指示の要請があったとの情報を得ておりますが、これは事実でしょうか。お伺いいたします。
〇米内学事振興課総括課長 その点につきましては、私は承知しておりません。
〇臼澤勉委員 いずれ、今回のこの報酬額の改定については、大学関係者からの私のヒアリングの中では、県のほうからの就任の要請であり、そして、増額についても要請があったと。知事は、指示はしてないという答弁でした。それはそうなのかもしれません。
 ただ、県が今回の報酬増額については、何らかのそういう要請をしたということであれば、これは、大学の独自性というか、県とのこの関係性は、県の外部機関ではないですからね。独立した大学法人の給与の増額は、あくまでも大学の中で決めるべき話ですよ。
 改めて、その要請、指示があったのか。あるいは、どういう背景でこういう増額になったのか、お伺いします。
〇米内学事振興課総括課長 臼澤勉委員御指摘の件につきましては、私どもとしては承知しておりません。
〇臼澤勉委員 岩手県立大学には毎年35億円の運営費交付金も支給されております。そして、大学の教授の皆様も、今、いろいろ物価が上がって、いろいろな意味で経費も切り詰めながらやっている。そして、今回の理事長の増額の議論を、県議会でこういう議論があったよという話を学生に聞くと、本当かと。そして、学長よりもその報酬額が高いことについて、素直に信じられないというような声を聞いております。
 そういった部分について、県として、当然、大学の話ですから関係ないということなのか、いやいやと、私は、関係はないとは言えないと思いますよ。何らかの県と大学とのそういった働きかけみたいなのがあったのかないのか、もう一回改めて聞きます。
〇熊谷ふるさと振興部長 先ほど、学事振興課総括課長が答弁させていただきましたとおり、理事長の任命につきましては、それは、設立団体の長である知事が行ってございますが、理事長の報酬は、法に基づいて、大学で決定しております。その働きかけがあったかどうかということは、私どもは承知しておりません。
〇臼澤勉委員 大変無責任な答弁ですよ。前任の理事長がまだ任期がある間に辞職をしながら、副知事の就任の2月のタイミングで、こうやって就任の事務が進んでいったということで、県が一切関係してないという答弁を大学の方々が聞いたりしたら、本当に関係者とかも含めて、私は大変傷つくのではないかと思います。
 先に進めますけれども、関係してないということであれば、それはそれとして、県議会の場の中で重要な答弁ですからね。これ、本当にそういった部分については、ふるさと振興部長も、あるいは、今この場にいる委員もこの議論については、議事録にも残りますから、全く関係してない、関与してないというのであれば、私はそのように理解いたします。
 大学における利益相反、これは非常に重要な話にもなってまいります。理事長につきましては、以前、飯澤匡委員からもありました、民間の飲料メーカーの顧問にも就任されていると。その企業のホームページにも、その就任したというところは公開されていますから、そのとおりだと思いますけれども、大学における利益相反の対応方針はしっかりと行っていく必要があると思います。
 大学では、審査委員会設置要項を平成29年に設置しておりますけれども、ここの法令違反の問題ということではなくて、この社会的信頼、社会的重要性の問題を問われているところであります。
 理事長の民間からの金銭的利益受給、あるいはそういった状況はどうなっているのかお伺いいたします。
〇米内学事振興課総括課長 理事長が民間企業の非常勤顧問に就任したことによる報酬についてでございますが、岩手県立大学事務局を通じまして、非常勤顧問として、勤務条件等が本人には提示されていると聞いておりますが、その内容は、企業側の意向で公表しないように求められていると伺っております。
〇臼澤勉委員 全国の各公立大学においても、この利益相反の問題は非常にシビアに捉えておりまして、マネジメント規程も整理しております。私の知っている全国的にも有名な教授の方々にも聞くと、利益相反の扱いは、我々は本当にシビアに大学からも求められるし、どういう民間からどのくらいの金銭を受給しているかという部分を公開しているということであります。各大学の利益相反規程においても、給与と例えば経済的利益関係の具体的内容、金額、これは自己申告いたします。あるいは、どんな受託研究費を受けているとかそういった部分を明示していると。これについて、岩手県立大学を指導するふるさと振興部として、どういうルールでこの辺の透明性を確保しているのかお伺いします。
〇米内学事振興課総括課長 研究されている先生方ですと、科学技術研究費などの外部資金の研究費等につきましては、一緒に研究されている方々のグループの中の資金という形で、一部活用して研究されているということはあると思っておりまして、そういうものも含めまして、研究費とか、あとは人件費等につきましては、毎年度、決算が翌年度、岩手県立大学は県に報告をすることになっておりますので、その内容で見ていることになるかと思います。
〇臼澤勉委員 毎年、岩手県立大学では、定期監査報告で、こういった利益相反取り引きについての調査を行って、直近の調査でも、特に利益相反取り引きは認められないという監査報告も出ているように私は承知しております。ただ、この認められない、問題はないというその判断の根拠というか、これが全く見えないわけです。
 当事者からもそういった申告があれば、そういった委員会の委員の皆様に、例えば私はどこどこの企業からこういった具体的な報酬をいただいていますよと。あるいは、大学とそこの民間の飲料メーカーとのコラボをした例えば商品開発、ノンアルコールのカクテルとかそういった部分の開発も行われたりしているやにも聞いておりますけれども、そうであるならば、その辺の疑念が抱かれないような仕組みをしっかりと担保すべきだと思いますけれども、改めて、全国の県立大学においては、報酬のそういった自己申告制をとって、そういった透明性を確保している。なぜ岩手県ではできないのか、できない理由をお伺いします。
〇米内学事振興課総括課長 先ほど申し上げましたとおり、岩手県立大学の予算編成や決算につきましては、岩手県立大学でしておりまして、それを外部の監査に見ていただいた上で、県に報告をいただいているというところで、現在はやっているというところでございます。
〇臼澤勉委員 議論はこのくらいにおさめますけれども、ふるさと振興部が所管する県出資等法人の役員の報酬額についても、これは、職責で決めるように、県は指導されているのかどうか、お伺いいたします。
〇金野特命参事兼ふるさと振興企画室管理課長 ふるさと振興部所管の県出資等法人は、公益財団法人さんりく基金、公益財団法人岩手県国際交流協会、三陸鉄道株式会社、IGRいわて銀河鉄道株式会社及び株式会社アイシーエスの5法人がございます。
 公益財団法人の役員報酬につきましては、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律によりまして、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況、その他の事情を考慮して、その支給の基準を定めることとされております。また、それぞれの法人の定款におきまして、評議員会で定められることとなっております。
 また、営利法人におきましては、一般的に、業績や企業におけるさまざまな事情を考慮して、役員報酬の水準が検討されているものと理解するところではありますが、会社法におきましては、株主総会の決議により定められるとなっております。
 このように、役員報酬の支給の基準等につきましては、それぞれの団体の経営状況や団体における各種の事情を考慮の上、所定の手続により決定されていると承知しております。
〇臼澤勉委員 そういったことはよくわかっております。
 私が聞いているのは、職責で決まっているものだと思っておりますが、前職の経歴とかで、県のそういった出資法人の例えば役員報酬等々が上がり下がりするのは、少なくとも岩手県立大学の中のほかの方々の報酬とのバランスの扱いがめちゃくちゃになるわけですよね。県出資法人の指導監督要綱についても、第4条の所管部局長の責務においては、役職員の給与等を全般的に検討し、その運営について批判を受け、または、県の行財政運営に影響を及ぼすことのないように、厳正かつ効率的な業務の執行が図られるよう留意しなければいけないということをしっかり書いているわけですから、そこら辺の監督、指導をしっかり注視していただきたいと思います。
 広域振興局体制については、私は1点。先ほど来もいろいろ議論はありますけれども、ふるさと振興部として、今の広域振興局を今後今まで以上に拡大していこうとするのか。あるいは、県庁に財源や人を集約化して、効率的な県の組織運営を図ろうと考えているのか、そこについての基本的な考えをお伺いいたします。
〇大越ふるさと振興企画室企画課長 広域振興局の基本方針でございます。
 現在の4広域振興局体制は、分権型社会にふさわしい自立可能な岩手県を創造していくために、産業の連続性や類似性を踏まえた戦略的な産業振興や、より質の高い住民本位の行政サービスの提供を目指して設定されたものでございます。
 このため、広域振興局の業務の完結性を高め、県民や事業者等の利便性の向上を図るため、行政組織規則におきまして、局長に、所管区域内の出先機関の長への指揮、監督や、助言、勧告などの権限が付与されているところでございます。
 また、予算につきましても、地域課題に則した実効性の高い施策を展開できますよう、広域振興局長の裁量で執行できる地域経営推進費や、戦略性が高く圏域全体の振興を図る広域振興事業の予算を措置しているところでございます。
〇臼澤勉委員 前置きはもう十分理解していますので、そこの方向性だけ。答えがわからないですよ。どういう方向性で行くのか。人口減少で、今後、ますます職員体制についても効率化を図っていかなければいけないと認識しておりますが、そこの方向性について、改めてお伺いいたします。
〇熊谷ふるさと振興部長 広域振興局の目的等につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。そういった役割を果たしていただいておりますし、これから人口減少につきまして、市町村と一緒に取り組んでいかなければならない、それが効果的だと思っております。
 こうしたことを踏まえまして、現在の4広域振興局体制を基本としながら、人口減少社会を初めとするさまざまな地域課題に対応するために、本庁と広域振興局が連携いたしまして、広域振興局の業務体制を不断に見直していく考えでございます。そういったことが必要だと思っております。行政組織を所管する総務部と連携して取り組んでまいります。
〇佐藤ケイ子委員長 この際、昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
午後0時4分 休憩
午後1時2分再開
〇千葉盛副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇伊藤勢至委員 先ほどの臼澤委員の質疑に関連して、まず確認したいことがありますので、お伺いいたします。
 岩手県立大学の初代学長は、たしか西澤潤一先生、この方は光ファイバーに先鞭をつけたことで、あと一息でノーベル賞受賞まで行った有名な方でございました。
 それから、第二次大戦終戦の直前、八木アンテナというのも日本で開発しましたが、これに着手したのは米軍よりも早かったのですね。軍部に提案してきましたが、軍部が取り上げずに、終戦直前になってやっとそれを採用したけれども、体制を覆すことはできなかった。つまり、科学の力を信じなかったということです。
 その中で、もう一つ確認ですけれども、先ほど名前が出ました鈴木厚人先生、こちらは現在の日本国内のニュートリノの学会、あるいは素粒子学会の、まさに最重鎮でございまして、この方もあと一息でのノーベル賞受賞まで行ったという経緯があって、ノーベル賞に次ぐ世界の賞を受賞した方、こういう学長であって、このことによって、岩手県立大学の名前を非常に高める意味があったと、私はそのように思っておりますが、これについて、まず確認させてください。
〇熊谷ふるさと振興部長 ただいまお尋ねがございました初代の西澤学長でありますが、平成12年12月に、日本でもさまざま受賞されていますが、世界的な賞ということで、エジソンメダルを受賞されております。これもノーベル賞に匹敵する賞という形で理解しております。
 それから、現鈴木学長におかれましては、平成27年に、基礎物理学ブレークスルー賞を受賞されております。これも、ノーベル賞に次ぐ功績と理解しているところでございます。
〇伊藤勢至委員 それでは、鈴木学長でありますけれども、まさに岩手県が進めておりますILC─国際リニアコライダーの岩手県誘致の最先端に立って運動を展開しているナンバーワンの学者だと、私はこのように理解しておりますが、それで間違いありませんか。
〇熊谷ふるさと振興部長 私もそのように理解しております。
〇伊藤勢至委員 そうしますと、岩手県立大学の学生たちは、まさに近い将来の岩手県を背負って立つ、金の卵よりも成長しているでしょうから、ひな鳥だと思いますが、そういう人たちに間違った情報を与えるのはよくない。
 したがいまして、ふるさと振興部としては、現在の岩手県立大学の学長がどういう方であるかぐらいは学生たちに教えてさしあげる必要がある、誇りを持ってもらう必要がある、そういうことも気にかけていくべきだと思います。
 将来の岩手県をしょって立つ若い人たちですから、そういうこともするべきだと思いますけれども、それについてはいかがお考えですか。
〇熊谷ふるさと振興部長 まさに岩手県立大学の学生は、これからの岩手県をしょって立つ人材でございます。そういったことで、知事も卒業式、入学式等々で、学生に向けて、さまざま話をする機会もございますし、新入生に対しては、知事講演という格好でお話しする機会もございます。そういった機会も利用しながら、岩手県立大学のすばらしい教育、そして、教授陣、そういったものを学生に伝えていくよう努めてまいりたいと思います。
〇伊藤勢至委員 今、ILC招致のまさに正念場と言えるこの時期に、そういうためにするような議論は、水を差すことはあっても、決してプラスにはならない、そのように私は思います。大多数の方がそのように思うと思います。したがいまして、正しい情報を学生たちにも与えていくべきだと、このように思いますので、今後、そのお取り計らいもぜひお願いをしたいと思います。
 それから、せっかく立ったついでということではないのですが、4広域振興局の編成についていろいろな議論がありましたが、私はそれなりに効果はあったと思っています。そういう面で、質問は、財政担当の山田財政課総括課長に、あなたもしゃべりたいことがあるでしょうから、ストレスをためると帯状疱疹になるようだから、ストレスをためないで、披瀝をいただきたい。
〇山田財政課総括課長 広域振興局関連の予算につきましては、先ほどふるさと振興部から答弁させていただきましたけれども、広域振興局事業、そして、地域経営推進費というようなところで、大きい事業を広域振興局事業でやり、よりきめ細やかに地域の行政課題に対応するための予算を4.5億円措置しているところでございます。
 その際に重要なところは、国の事業、そして、本庁の事業、広域振興局の事業、市町村の事業をどう有機的に組み合わせるか、効率的、効果的に事業を発揮していくかというところが非常に重要だと思っております。
 そのため、その金額というところ、かなり議論がございましたけれども、地域経営推進費4.5億円につきましては、東北各県と比べても、一番多い数字となっております。1振興局当たり1.1億円というところで、福島県と並んでトップの水準、青森県ですと、数百万円レベルといったところもございます。そういった金額の水準というところで、我々が広域振興局の役割を踏まえて予算措置をしているわけですけれども、今後においても、そういった複数の階層、国、県、市町村、そして、広域振興局といったところの複数のプレーヤーというところがさまざまに事業を行いながら、人口減少対策を初めとする重点事項をどう推進していけるかというところで、よりよい執行を目指していくと感じております。
〇伊藤勢至委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〇山田財政課総括課長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇斉藤信委員 この話は、関連質問に当たらないと私は思いますので、いろいろ精査をして対応していただきたい。
〇千葉盛副委員長 今の斉藤信委員の発言については、後日、世話人会で協議したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇菅野ひろのり委員 臼澤勉委員から先ほど質疑がありました、広域振興事業、地域経営推進費の関連で質問をさせていただきます。
 私も、おっしゃるように、今、4広域振興局の体制をどう使って、県北地域とか、それぞれの地域の課題に着目して進めていくのは非常に重要だと思っています。
 その中で、伺っていて感じたのが、先ほど山田財政課総括課長からも答弁がありましたけれども、今回、持続可能で希望ある岩手を実現する行財政研究会も含めて、財政が厳しい中で、ある予算をどう執行していくかというのは本当に御苦労をされて、予算編成いただいたのだと思っています。ですから、先ほどの広域振興事業や地域経営推進費の多い少ないで、この地域振興がどうかと、成否が左右されるのはあまりないと私は思っています。
 そこで、予算特別委員会ですから、そもそも予算編成、執行において、配慮しているところはどういうことなのか、もう一度山田財政課総括課長に伺いたいと思います。
〇山田財政課総括課長 先ほどの答弁と一部重複するところがございますけれども、その単独の事業で人口減少であったり、グリーン、デジタルもしくは安全安心な地域づくりといった、その施策の目的が達成できるとは正直考えておりません。国の事業があって、県の事業があって、市町村の事業があって、そういったさまざまある事業をいかに組み合わせるかといったところに、予算編成においては配慮しておりますし、特に重視して見ているという状況となっております。
〇菅野ひろのり委員 先ほど、グリーンとかデジタルとか、それ一つで効果が出る、今回の予算編成ではないと思っていまして、さまざま組み合わせることで新しい時代に対応していくのだという予算編成をしていただいているのだと思っています。
 もう一点ですけれども、広域振興局の体制は常に議論があるわけで、私もこの体制が全てそれでいいということだけではなく、よりよくするためにどう考えていくかというのは、本当に重要だと思っていますし、特に、この財政が厳しい中で、効率的な体制は検討していく必要があるのだろうと思っています。
 一つ、先ほど広域振興局を本庁に統合するといったような話もありましたけれども、そうしてしまうと、組織や体制を動かしてしまうことになってしまいますし、そのための財政コストも新たに出てくるのだろうと思っています。そういった点において、財政当局は考えられているのかを伺いたいと思います。
〇山田財政課総括課長 組織体制は所管ではないところなので、予算編成、予算の執行という観点から申し上げますけれども、予算編成、予算執行におきましては、その広域性を生かしたそのスケールメリットと、あとは、その一つ一つの地域課題にどう対応していくかという、そのきめ細やかさ、そこをどう調和させるか、どう両立させていくかというところが重要なのだろうと思います。
 その上で、非常に重要なところで、より効率的な執行体制をどう組んでいくかというところは、財政当局としても非常に関心を持って見ておりますし、他県のベンチマークもしているところでございます。
 最近の例ですと、より効率的な予算執行というところを目指して、大阪都構想がございました。2015年と2020年、まさに大阪市で議論を二分したところでございますけれども、府と市に関しては、大阪都構想を進めることによって、その行財政改革の効果が出るのだとしておりましたけれども、一方で、その反対の方々からすると、組織を動かす、体制を動かすことに関して、調査に係る経費、システム改修経費などで、結局、1、300億円ぐらいかかるのだろうというところで、2015年、2020年、二度の住民投票をされましたけれども、それが否決されたといったような経緯がございます。
 効率的な予算執行のみに着目した、そういった体制を動かすといった議論は、かなり慎重な議論を要するのだろうと、他県の事例を見て、思っているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 最後、熊谷ふるさと振興部長にお聞きしますが、先ほど、山田財政課総括課長からもそういった答弁があったわけですが、改めて、今後の広域振興事業、地域経営推進費、これにどのように取り組んでいくおつもりか所感を伺って、終わります。
〇熊谷ふるさと振興部長 まず、広域振興局の体制の関係ですけれども、4広域振興局には、現場を担っている農業部門とか、保健所の部門とか、土木部門とか、現地でなければならない業務を担っているセクションもございます。
 それから、広域的な視点で、市町村と密接に連携することで、より実効性が高まる業務、新型コロナウイルス感染症の対応であったり、それから、災害対応であったり、現地業務があると思っております。繰り返しになりますが、人口減少を重点にやっていくというところもあり、そこはやはり現地が市町村と密接な関連をしながら、さまざま県の事業、市町村の事業を展開していくことによって、より効果的な事業ができていくものと考えていますので、先ほども御答弁申し上げましたが、現在の広域振興局体制を基本としながら、ただ、これでいいということはありませんので、不断の改革は必要だと思っています。
 人口減少の中で、スリム化とか、業務の改善とか、DXも、そういったことで、庁内の業務の縮減につながっていますので、そういうものを踏まえて、常に見直しが必要であると思いますし、広域振興事業、地域経営推進費につきましては、その時々の情勢に応じて毎年度、所要の検討をいたしまして、予算について検討してまいりたいと思っております。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木順一委員 私の記憶では、この4広域振興局は、2000年に地方分権一括法を踏まえて、その前には地方分権推進法が制定されたわけでありますから、その実効性を高めるために、地方でできることは地方でやりましょうと。その延長の中で、この4広域振興局が設置され、今日に至っているものと思っております。
 国の仕事は、外交とか防衛とか、マクロ経済とか、全国共通のものに専念していただいて、地方の身の回りのことは地方でやるようにと。そして、権限、財源も委譲しますよと。要するに、そういう目標のもとに、法律に沿って法律ができて、それに沿って四つの広域振興局が設置されたと、このように私は理解しております。これは、前知事からこの旗を振って、そして、現知事にそれが継承されて、今日に至っているものと思っておりますが、まず、その点についてふるさと振興部長の認識をお伺いいたします。
〇熊谷ふるさと振興部長 4広域圏体制と地方分権という議論の中で、県としても、どういうような広域的な行政をやっていくのかという観点で、そういう圏域の再編、それから、振興局の見直しが行われたものと、そういう流れの中で行われたものと理解しております。
〇佐々木順一委員 そして、この分権が進んだという前提で、県の役割となれば、課題については、市町村優先の原則がありますから、まず市町村でやってくれと。そして、県の仕事は、専ら広域行政に関わるもの、あるいは、市町村でできないものを補完するというのが県の役割だと。その基本的な仕事は、今も私は変わってないと思うのですが、それでいいのかどうか。
〇熊谷ふるさと振興部長 市町村は、基礎的自治体として、住民に最も身近な存在でございますので、そこに密着した行政サービスを展開していただく。県は、それより大きい規模でありますので、市町村を補完する役割、あとは県全体の役割、そして、最近ではなかなか厳しい状況になってきておりまして、小規模市町村などでは、単独で人材確保できない、事業ができない、なかなか構築できないというところもありますので、そこを補完するために、垂直連携とか水平連携といったことで、今後、県はそういった役割も担っていかなければならないと思っています。
〇佐々木順一委員 振興局を四つに分割したのは、たしか平成18年、平成19年ですね。あのころは地方分権の高まりがかなり全国的な関心を呼んで、そういう政治的な機運も高まったときでありますが、あれからかなりの年月が経過して今日に至っております。
 今の状態は、例えば、私も二、三年前の一般質問で取り上げたのですが、いろいろな法律に、この地方を縛るような努力義務とかそういったものがかなりちりばめられております。これは全国知事会でも問題にしておりますが、いろいろ聞くところによると、その努力義務のこの法律に明記されたものが解消されないまま今日に至っていると。簡単に言うと、地方を縛っているということになると思うのですが、現状はやはりそういう状態であります。平成18年、平成19年のあの時点から、分権を目標に、その旗印に向かって、地方分権が進んでいれば、こういうことにはならないと思うのですが、現状はどうなっているのか、その点について、ふるさと振興部長の見解をお聞かせいただきます。
〇熊谷ふるさと振興部長 さまざまな観点があろうかと思います。三位一体改革を初めとして地方に権限委譲というような形で、いい面もあり、また、地方としてはなかなか苦しい部分もあったと思います。
 国の対応のほうも、いずれ補助金という格好ではなくて、自由な交付金という形で、地方に交付する制度も出てきている一方で、全てではありませんが、その中で、計画策定が義務づけられるとか、協議会の開催が求められるとか、さまざま細かい部分で、地方の義務といいますか、それをやらないと、国の採択にならないというような実情もございます。そういったところで、いい面、悪い面があると認識しております。
〇佐々木順一委員 私は悪い面のほうが多いと思うのですよ。要するに、その法律で義務づけられているわけですので、それをこなされなければ、予定された補助金は来ない。自主財源もない中でありますから、皆さんはいろいろな知恵を出して必死になってお金集めしなければならない。そうすると、本来は地方でやらなくてもいいものについても、法律で義務づけられているものだから、あるいは市町村でやるべきものが、都道府県まで義務づけられているものですから、やらなければならないと。でも、やればお金が入るからということも、苦肉の策として、お金集めのためにはやらざるを得ないということだろうと私は思っております。
 いずれにしろ、四つに分けたというのは、地方分権の実効性を確保して、その地方分権がとなえた理念に向かって、この四つの広域振興局が制定されたわけでありますから、それに向かって、今も、岩手県行政は進んでいると。その旗印はおろさないよと、こういうことでいいわけですね。
 要は、もう一回県庁に全部集約するということではなく、地方分権の目標の理念に向かって、地方はどうあるべきか、その目標に向かって、今、県も取り組んでいて、そのための手段として、分権の受け皿として、四つの広域振興局にしたと。そして、今も分権の目標に向かって歩みを進めていると。こういう認識でいいのかどうか、ふるさと振興部長の見解を聞いて、終わります。
〇熊谷ふるさと振興部長 今、四つの圏域に分け、広域振興局を置き、そこでいわゆる地域の経営をしていくと。そこはもう従来の生活圏とは異なって、産業とか農業とかそういう関連性のある、そういった類似性の状況を踏まえて設定し、地域経営を行っているというところでございます。
 先ほども御答弁申し上げましたとおり、今後におきましても、4広域圏、広域振興局を基本としながら進めていくという考えでございます。
〇佐々木朋和委員 先ほど来、4広域振興局の事業についての質疑がなされておりまして、私からも、通告しておりませんけれども、関連をして、1点御質問させていただきたいと思います。
 限られた予算を各広域振興圏で行っているという話がありましたけれども、それを効率的に進めていくためには、アクションプランが重要だと思っておりまして、いわて県民計画(2019〜2028)の地域編のアクションプランを見ると、それぞれの広域圏ごとに違った指標が設定されております。
 その中には、例えば管内の高校生の管内就職率とか、全広域圏で調べて比較するべきものがあっても、それが指標になってないところもある。一方では、この課題は、この地域にとって本当に課題なのだろうかというような指標も見受けられたりするのです。
 そこで、お聞きしたいのですけれども、各広域振興局の指標はどのようにして決定されているのですか。
〇高井地域企画監 アクションプランの地域振興プランの指標について御質問いただきました。
 今、いわて県民計画(2019〜2028)の第2期アクションプランを総合的につくっております。その体系の中で、四つの広域振興圏ごとにプランをつくっておりまして、広域振興局で独自にそれぞれの地域の課題に即して、目標値を定めて、そして、指標につきましては、その取り組みを進行管理するために、よりふさわしい指標を、それぞれ独自性を持って決めているところでございます。
〇佐々木朋和委員 それぞれの広域振興局の課題を進めるために、独自で設定をしているのはいいのですけれども、先ほど例で挙げたように、それが全県の発展につながるという意味では、統一の指標を持ってやるという部分も必要だと思いますし、例えば、例を挙げましたからですけれども、管内の高校生の就職率だったら、県南地域であれば確かにいいのですけれども、例えば一関管内であれば低いとか、それぞれの広域振興局内でもばらつきがあると思うのです。
 そうであれば、この指標の設定の仕方として、各広域圏を盛り上げていくためには、その中でも、区域の中で、例えば割り振って、分けてそれぞれの目標値を設定するなど、よりきめ細かい対応が求められるのではないかという思いもしておりますので、指摘をさせていただいて、通告している質問に移らせていただきたいと思います。大きく3点伺いたいと思います。
 まず、いわて地域おこし協力隊活動推進事業費について伺いたいと思います。
 直接自治体ではない県が主体となって地域おこし協力隊を受け入れることとなった、この理由、想定している所属先、どのような地域課題をやっていただくかお示しいただきたいと思います。
 また、あわせて、どのぐらいの受け入れ人数を想定しているのか伺いたいと思います。
〇山本地域振興課長 県が地域おこし協力隊を受け入れる理由等についてでありますけれども、県では、これまで、起業セミナーなどの多様な研修会、活動事例発表会等の実施のほか、隊員間のネットワーク強化に向けて、協力隊OB、OGを核としたネットワーク組織の立ち上げ支援など、市町村が導入する地域おこし協力隊の活動支援と地域定着を支援してきたところです。
 近年、国におきましては、令和8年度までに、地域おこし協力隊員を1万人にふやすとの目標を掲げ、任用や活動経費等の財源措置など、各種支援策の拡大を図っていること。また、12の県におきまして、本制度を活用し、県が直接採用をしていること、いわて復興応援隊の体制の見直しを予定していることなども踏まえまして、本県におきましても、地域おこし協力隊員を募集、採用することにより、人口減少対策や復興、地域課題の解決に向けた県施策に取り組むこととしているものです。
 この事業におきましては、三陸ジオパーク、三陸DMOセンター、移住、定住の関連業務で計4名の採用を想定しておりまして、三陸ジオパーク及び三陸DMOセンターにつきましては、沿岸地域への配置を想定しているところであります。
 各配属先におきましては、三陸ジオパークにおいては、ジオパークの理解促進や普及啓発などのコーディネート業務、三陸DMOセンターにおきましては、東日本大震災津波や新型コロナウイルス感染症の影響により減少した観光入込客の回復に向けた情報発信、移住、定住関連業務におきましては、移住、定住ポータルサイトなどによる情報発信やイベントの企画などの活動に取り組んでいただくこととして、準備を進めているところでございます。
〇佐々木朋和委員 4名の方を想定しているということで、これは、今のお話ですと、それぞれの所属はあるのですけれども、県職員の身分として配置をされて、あとは、その3年後なりの独自の居場所づくりというか、働き口を見つけたり、起業したり、そういったことを目指していくというイメージでよろしいのでしょうか。
〇山本地域振興課長 県職員として直接雇用することは想定しておりませんで、いわて定住交流促進協議会との間で雇用契約を結び、県が負担金を拠出する形を想定しております。
 ただ、県が採用する協力隊におきましても、市町村が採用する協力隊と同様に、十分なサポート体制が必要と考えておりまして、市町村が採用する協力隊と同様の定着の取り組みに向けたサポート体制はとってまいります。
〇佐々木朋和委員 今お話しいただきましたこの定着に向けた具体的な取り組みがもし決まっていれば、教えていただきたいと思います。
〇山本地域振興課長 定住促進を図るためには、隊員間や地域等とのつながりの創出、サポート体制の強化により、任期中の活動の充実による満足度の向上に加えまして、任期終了後の進路を見据えて、具体的な準備をしていくことが重要と考えておりまして、こうした観点で、支援を行ってまいります。
 このことから、いわて地域おこし協力隊ネットワーク等との緊密な連携のもとで、市町村が採用する協力隊への支援と同様に、協力隊初任者向けの研修会や活動分野別研修交流会の開催、相談体制の整備、活動事例発表会や企業就業セミナーの開催などによりまして、協力隊OB、OGの持つ知見やつながりを生かしながら、県が採用する地域おこし協力隊員の定住促進につながるよう支援してまいります。
〇佐々木朋和委員 直接自治体ではないというところで、拠点間というのですかね、この市町村というより、今度は岩手県という広域なフィールドになるのですけれども、地域おこし協力隊の方も、岩手県のいろいろなところに行って、単独市だけではなくて、広くフィールドワークしていますから、基本的にはいいことだと思うのですけれども、定着についての不安がありますので、ぜひ、そこはサポートをしていただきたいと思います。
 県営住宅を移住、定住のために、目的を広げて活用したりということで、県でも始まっていますけれども、そういったものを活用した地域おこし協力隊の皆さんへの支援とか、あるいは所管部局はふるさと振興部ですけれども、他部局との連携をどのように考えているのか伺いたいと思います。
〇山本地域振興課長 他部局との連携等についてでございますが、想定している配属先を所管する部局との間におきましては、隊員が従事する業務を中心に、緊密に連携しながら実施していくこととしております。隊員がスムーズに地域での活動を行えるように、配属先への必要な情報の提供や、地域おこし協力隊、担当職員向け研修を実施するなど連携を図ってまいります。
 また、隊員の年齢等が合致すれば、県営住宅活用促進モデル事業の活用等も可能でありますので、隊員となる方の希望に応じて、県営住宅の活用につきましても、県土整備部と連携してまいります。
 任期後の県内への定住、定着に当たりましても、起業に向けた支援あるいは就業に向けた情報の提供など、関係する部局との連携の中で対応してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、公共交通について伺いたいと思います。
 まず、地域バス運行支援事業費補助についてですが、一部新規となりました、この広域路線補助の要件や想定する路線についてお示しいただきたいと思います。
〇山田地域交通課長 地域バス交通支援事業費補助の一部新規の部分でございますけれども、令和5年度当初予算案に新たに計上させていただきました、人口減少対策路線確保事業は、国庫や県単独の補助で維持ができなくなってきた広域バス路線のうち、子育て施設や教育施設、医療機関などへの移動手段として維持する必要がある路線につきまして、代替交通を確保する市町村に対して補助しようとするものでございます。
 対象路線でございますが、今後、市町村からの要望を受けて決定していくことになっておりまして、まだ具体的に申し上げられる状況ではございませんけれども、現在、市町村が運行している広域的な元補助路線が対象となると想定しているところでございまして、恐らく5路線程度が対象となるのではないかと考えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 コロナ禍の中で、国や県の要件に漏れてしまう路線が出てくると、議会のほうでも危惧する声が挙がっておりましたけれども、対応していただいたということを、本当に感謝を申し上げたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、地域公共交通再編・活性化推進事業費について伺いたいと思いますが、新たに設置される地方路線対策監の役割、具体的な執行予算事業、ミッションについてお示しをいただきたいと思いますし、あわせて、県の地方路線存続に向けた課題意識についてお示しをいただきたいと思います。
〇渡辺交通政策室長 ただいま、2点ほど御質問をいただきました。1点目につきましては私から、2点目の課題意識については地域交通課長から御答弁をさせていただきたいと思います。
 まず、来年度、交通政策室内に新設することとしております、地方路線対策監についてでございますが、JR東日本が収支を公表した県内ローカル6路線─大船渡線、釜石線、北上線、山田線、八戸線、花輪線─の維持に向けまして、昨年11月に、県と沿線市町で構成するJRローカル線維持確保連絡会議を立ち上げたところでございます。
 また、各路線につきましては、路線ごとに沿線自治体会議を設置しまして、地域の実情に応じた利用促進等の鉄道維持に向けた対策を検討していくこととしております。
 こうした中で、この地方路線対策監は、沿線市町や国、JR東日本との協議、調整を担うとともに、沿線市町と緊密に連携をとりながら、路線維持に向けた活動を活性化させていくことが、その役割であると考えております。
 また、県の予算事業といたしましては、来年度当初予算案の、地域公共交通再編・活性化推進事業費の中で、沿線市町等が行うJRローカル線の維持に向けた取り組みを支援するための事業費、約900万円余を計上しているところでございまして、地域にとって必要な鉄道が維持されるよう、沿線市町と連携しながら、利用促進策等について、検討、実施していく考えでございます。
〇山田地域交通課長 地方路線存続に向けた課題意識についてでございます。
 JRローカル線につきましては、地域住民の移動手段としてのみならず、災害時における代替性や補完性を有しているものでございまして、観光、物流など、地域経済を支える重要な基盤と認識しているところでございます。
 全国的な鉄道ネットワークは、国鉄改革の経緯からも、国がその維持を図るべきだと考えておりまして、国やJR東日本に対しまして、沿線市町と合同で要望を実施したところでございます。また、その存続をより確実なものとするため、地域においても、利用促進の取り組みを尽くしていくことが重要であると考えているところでございます。
 先ほど、交通政策室長からも答弁ありましたけれども、県としても、先ほどのJRローカル線の利用促進の事業に向けまして、沿線市町とともに、地域が必要とする鉄道の維持に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 先ほどの答弁の中で、地方路線対策監には、事業者との協議というのも入っておりましたので、よいと思いました。この前、地域住民でつくります、私の地元の大船渡線の維持、存続に向けた会の準備会に参加をさせていただきましたけれども、私もなるほどと思ったのですが、今、大船渡線も、昔よりも今のほうが設備投資をしていないから遅くなって時間がかかっている。また、車両も少なくなっていたりということで、コスト削減のために利便性も損なわれているという話がありました。
 地域住民や市町村とともに、利用促進の空気をつくりながら、事業者の方にも、それなりのコストをかけてお客様に利用していただけるような環境をつくっていくことを促すということも、大切な役割なのではないかと思っておりますが、この件についてはいかがでしょうか。
〇渡辺交通政策室長 先ほど申し上げましたとおり、役割としては、国あるいはJR東日本との協議、調整を担うということでございますが、この協議、調整の中には、将来的には、交渉ということが出てくることも可能性としてございます。その中で、できる限り地方の路線を維持し、そして、よりよい路線とするために、この地方路線対策監は、総括課長級ということで、それなりの重要な役割を担う職として設置することとしたものでございますので、そういった方向で取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 また、先ほど答弁の中で、要望を事業者に出していただいたという話もありましたけれども、その中に、私が今言ったような、利便性の向上のための設備投資のお願いは入っていらっしゃいますか。
〇山田地域交通課長 先ほどの合同要望につきましては、JR線の収支公表を受けまして、JR線の維持を図っていただきたいということで、そのための国からの支援といったものについても、JR東日本に対してきちんと行っていただきたいといった要望につきまして、行わせていただいたところでございます。
〇佐々木朋和委員 そういった大きな要望だったと思うのですが、ぜひ、設備投資についての要望も、これから事あるごとにしていただきたいと思います。
 また、今回、JR東日本からそういった数字についての公表がありました。私、以前この議会の場でも、アクションプランの指標に、三陸鉄道やバスに加えて、今こういう状況であれば、JR各地方路線についてのKPIも入れていくべきではないかという話もさせていただきました。そのときには、相手のあることで、公表がなかなかないという話でありましたけれども、今回、このように数字も出てきているという中にあっては、その点についても検討されたほうがよろしかったのではないかと思うのですけれども、その辺はどうだったのでしょうか。
〇山田地域交通課長 そのようなお話も承っておりました。合同要望につきましても、必要な情報提供をいただきたいということも要望しております。実際に、それが出てくるかどうかというところはまだわからないところでございますが、今後とも、そういったところにつきましては、JR東日本にお願いをしていきたいと考えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 動いていただいたということで、評価をさせていただきたいと思います。引き続き、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に大卒者の県内就職について質問させていただきたいと思います。
 こちらもアクションプランのKPIに入っているのですけれども、いわてで働こう推進協議会において、各大学から、大学卒業者の県内就職を拡大していくためには、県内出身者の県内大学の入学者の割合をふやしていくことが必要との意見が出ておりました。岩手県出身者については、それなりの方が岩手県に残っていただいているのですけれども、大学によっては、県内出身者が少なくなっているというお答えもあったとお聞きしております。
 そこで、提案として、いわての大学で学ぼう運動のような施策の必要性について、大学関係者の方は言及されておりますが、県としては、どのようにお考えになっているのか伺いたいと思います。
〇米内学事振興課総括課長 県内高校生等の県内就職率向上のための施策の必要性ということでございますが、まず、本県では18歳から20歳前半の若者の県外転出が人口の社会減の大きな要因となっております。そのため、県立高校と大学との連携強化や県内高校生の地元大学への進学意識を高める取り組みなどに早期に着手して、県内大学生等の卒業後の県内就職につなげることが必要と考えております。
 具体的には、いわてで働こう推進協議会を核として、高等学校等との連携の強化を目的として、県内高校生のうち、特に進学希望者に対して、県内企業とのつながりの創出とか、進学後の県内就職を促進するための、高校生の進学後の県内就職促進のための合同説明会の開催などに取り組んでいるところです。
 また、県教育委員会におきましても、高校生に対しまして、大学を会場に、進路意識の高揚と学力の向上などを目的とした、ウインターセッションなどの各種取り組みを実施しております。高等学校と大学との連携や接続を円滑化することによりまして、県内出身者の県内大学への進学の取り組みを実施しております。
 佐々木朋和委員から御発言がございました県内大学に進学しようというような運動につきましては、今、商工労働観光部、県教育委員会などさまざまな部局で、それぞれ取り組んでおります。また、我々の所管ですと、高等教育機関の地域連携プラットフォームで、大学を主体に議論をさせていただいております。それぞれの部局で、今、さまざまな取り組みをしておりますので、それぞれの部局で連携、調整して、今後、進める必要があろうかと考えております。
〇佐々木宣和委員 主観的幸福感と地域振興についてというところで、一般質問でも質問したのですけれども、いただいた答弁では、幸福感に関する分析部会が直近の令和4年と平成31年を分析して、県南地域、県北地域で上昇し、県央地域、沿岸地域は横ばいであると。主観的幸福感と人口動態の推移は、直接的な相関は見られない。主観的幸福を構成する要素は多岐にわたることから、県は動向を注視するということでありました。
 主観的な幸福感を調査したことが、地域振興の政策に反映されてはいないと受けとめていますけれども、その分析することとこれを反映するスピードについてどう考えているのか伺います。
〇高井地域企画監 主観的な幸福感と地域振興の政策の関係で御質問いただきました。
 県民意識調査から得られる主観的幸福感については、総合計画審議会に設置している、県民の幸福感に関する分析部会において分析いただいておりまして、その回答者を居住地別に分けることによって、圏域ごとの動向も把握しているところでございます。
 地域振興に係る施策の推進に当たっては、主観的幸福感とそれに関連する12の分野別実感の動向のほか、社会情勢や経済状況などを踏まえ、市町村との意見交換や圏域懇談会等を実施し、地域の代表や若者、女性などから幅広く意見を伺いながら、地域の課題やニーズを把握するとともに、さらには、企画立案につなげて、地域の各主体と連携して取り組んでいくこととしているところでございます。
 地域振興の施策事業を実施する中においても、多様な意見等を適宜、反映するとともに、現在、策定を進めております第2期アクションプランにおいては、広域振興圏ごとにさまざまな施策を総合的に取りまとめているところでございます。地域の各主体との連携、協働のもと、これを早期に実行に移していくことが重要となってくるものと考えているところでございます。
〇佐々木宣和委員 今は、主観的幸福感というところで伺ったわけですけれども、先ほど御答弁ありましたとおり、今、第2期アクションプランを策定していて、地域振興プランも策定しているというところであります。幸福関連指標がまず一つ肝で、この10年間の計画も進めてきているということだと思いますけれども、具体的にはかった幸福関連指標からこの地域振興プランへ、何か具体的な政策として反映されて、今回、予算化されているものはどういったものがあるのか、伺いたいと思います。
〇高井地域企画監 ベースとなります主観的幸福感、それをどういうふうに政策に反映しているかという御質問でございます。
 それぞれの主観的幸福感に関する、また、その下の12の分野別実感、そういった動向を踏まえて、それらのいろいろな調査結果につきましては、我々、県庁全体で参考にしながら、政策立案につなげているというところでございます。
 一つ一つが直接結びつくというのを、全体の政策のベースにしてやっているというところでございます。
〇佐々木宣和委員 まず、そもそも幸福度がどういったものなのかというので、新しい10年間の県民計画の策定委員会が開かれて、そのときに、ベターライフインデックスをある程度参考にしてつくったということで、国内総生産─GDPに代わるものとして、それぞれの地域の特性などをはかるものになり得るのではないかという話を聞いたように思っていまして、それであれば、圏域ごと、市町村ごとに、どんな特徴が見えるのかというものを自動的にはかれるような仕組みになっていくと、ありがたいと思っていたところであります。
 具体的に、その内容を聞いていくと、サンプル数もある程度限られたところでしかできないという話もあって、広域振興局ごとには把握されているかと思うのですけれども、ただ、分析することと、政策へつながっているかというと、4年間ぐらいかけて、アクションプランを立てているわけですから、そのぐらいのサイクルかと思っているところであります。
 もともとこういう方向だといいなと思っていた、岩手県としての独自性を高めるツールとか、地域の特徴を、ほかの都道府県と違うのはここの部分だなと思うような、ベースになるようなものにはなってないと思っているのですけれども、この点に関してはどう思いますでしょうか。
〇高井地域企画監 さまざま工夫した取り組みをどう進めていくかという御質問かと思います。
 先ほども御答弁いたしました、調査分析結果、非常に大事な分析結果だと思って、それをベースにいろいろ施策を検討しているわけでございますけれども、それだけでは、結局、不足する部分があるということで、これは先ほどの答弁の中でも言いましたけれども、さまざまな圏域の地元の方々等から意見を十分に聞いて、分析結果に加えて、そういう意見を踏まえて、計画とかをつくって、それを実行していくというのが大事ではないかと思っているところでございます。
〇佐々木宣和委員 この幸福関連指標は、ある意味で県行政としてやっていることに対する自己評価というか、その自己評価の精度を上げるために、KPIとか指標自体も考えていかなければいけないというところもあるのですけれども、そもそもサービスを提供する側からすると、受け取る側がどう思うかのほうが大事な話であると思っているので、そういった観点も必要なのではないかと思っているところでございます。
 次に、県北・沿岸振興について伺いたいと思います。
 その成果として、御答弁いただいた内容は、市町村民所得の上昇、県平均との乖離の縮小、有効求人倍率の上昇と答弁されているところであります。先ほど、岩崎友一委員からも質問がありましたけれども、復興工事の影響が令和2年度までは強く反映されると思っているところでありますけれども、これが、所得の上昇にどの程度影響していると考えているのかということ。
 もう一つは、有効求人倍率について、人口減少によって、働く人自体が少なくなっている地域では、これは上がっていくのが当たり前のように思うのですけれども、この有効求人倍率についてどう考えているのか伺いたいと思います。
〇及川沿岸振興課長 ただいま、所得の関係の御質問がございました。
 県北・沿岸地域における1人当たりの市町村民所得の向上等につきましては、製造業や復興需要による建設業が寄与しているものと考えております。また、有効求人倍率の点につきましては、先ほどお話のありましたとおり、求職者数の減少という面と、企業側の求人数の増加といった、両面が要因となっているものと考えております。
〇佐々木宣和委員 今回、人口減少が一つ大きなテーマとしてある中で、東京都の有効求人倍率が高くなると、岩手県から人がいなくなっていくという話もありました。ただ、私が住んでいるような地域だと、もう既に、働く人自体がかなり少ないので、それこそ労働市場というか、マスで考えられるぐらいでも、もうないような状態になっているというのが現状かと思っています。
 例えば沿岸部と内陸部で最近出た数字でも、内陸部と沿岸部を比べると、内陸部のほうが有効求人倍率が高いという話もあって、今度、また、沿岸部から内陸部に行くような人がふえるのではないかと思ったりするのですけれども、これは、結局、人口が減る中で、どこが一番行きたいところなのかというのも自由に選べるようなところになっている中で、選ばれる土地にならなければいけないということを思っているのですけれども、その中で、県行政として、復興事業を非常に大きな金額で取り組んできたというところや、今、新型コロナウイルス感染症対策、裁量がかなり大きかったところで、これが、今後はほぼ縮小していくようなところであります。特に、復興事業における地域振興について、その成果をどう考えているのか、また継続性をどう考えているのか伺います。
〇及川沿岸振興課長 復興事業による成果の関係の御質問をいただきました。
 沿岸地域におきましては、復興の取り組みによりまして、港湾や道路等の整備が大きく進展したところでございます。コンテナ貨物の取扱量の増加とか、企業立地の推進、東日本大震災津波伝承館への誘客の促進など、地域産業の振興とか、交流人口の拡大に向けた取り組みが進んできたものと考えております。
 継続性のお話もございますが、これまでの復興の取り組み、沿岸振興の取り組みにおきまして、三陸地域の多様な魅力を発信しながら、交流人口の拡大に取り組んできたところでございまして、こうした取り組みにつきましては、今後も、継続して実施してまいりたいと思っておりますし、また、昨年度、防災推進国民大会2021が、本県を会場として開催されたところでありますけれども、県では、この大会を契機といたしまして、三陸地域全体を防災学習の場としていくような取り組みもスタートさせるなど、新たな展開につなげているところでもございます。
 今後におきましても、これまでの事業の実績を生かしつつ、さらなる展開につながるような取り組みも進めながら、県北・沿岸振興に取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 今まで取り組んできたイベントなりを継続させて発展させていくというお話なのかなと思います。
関係人口の拡大について、新たな時代を、未来を切り拓くプロジェクトで取り上げられているものでありますけれども、交流人口のプロジェクトで、4年前に立ち上げて、日本初の関係人口データベースをつくり、関係人口先進県になると言われているところですけれども、このデータベースが何をもって日本初なのかというところと、関係人口先進県というのは、具体的にどういった県なのかということを伺いたいと思います。
〇山本地域振興課長 関係人口データベースについてでありますけれども、人交密度向上プロジェクトの策定時におきまして、いつでも岩手県とつながることができる環境の整備に向けて、県外に在住し、本県とつながりのある方々、例えば在京県人会や大学、高校の同窓会等の会員、あるいは移住相談窓口を利用した移住希望者などを初め、各部局が展開している各種の事業に参加した方々など、さまざまなつながりを、同一の関係人口データベースとしてまとめていくということを想定したものでありまして、当時、同様のシステムを構築している自治体がなかったことから、日本初という表現を用いたものでございます。
 次に、関係人口先進県についてでありますけれども、全国的に同様の施策が行われている中にありまして、本県が取り組む人交密度向上プロジェクトを進めることによりまして、本県の魅力ある地域や資源、人材の発信を初め、関係人口に関するさまざまな取り組みが県内で展開され、関係人口の量的、質的な拡大が図られている状況を想定しているものであります。
 登録者を初め、岩手県に興味を持った方々が、岩手県への関心を高め、岩手県とのかかわりを深めたくなるような発信を心がけまして、引き続き、関係人口の拡大を図っていく考えであります。
〇佐々木宣和委員 いわゆる岩手県とかかわっている人のその関係の具体化というような話だと思うのですけれども、一般質問の答弁の中で、各部局が運営するSNSが連携して、世界遺産など共通のテーマに沿った情報を集中的に発信する、地域おこし協力隊の活動紹介、市町村や県内各地域のトピックス等々と言われているところですけれども、その関係の具体化というところで、どのぐらいの人が見るようなコンテンツなり、プラットフォームなりを目指しているのか、数字的な目標はないように思うのですけれども、これはどう考えるのか伺います。
〇山本地域振興課長 具体的な数値の目標についてでありますけれども、人交密度構造プロジェクトにおきましては、岩手県に関心を持つ層、岩手県を訪れる、かかわる層、岩手県に拠点を持つ層のそれぞれの層への効果的なアプローチに努めているところでありますが、関係人口に計上する範囲の定義づけとか、どのぐらいの人数が適切な関係人口であるかという設定の面など、各層の数値目標の設定に当たっては、難しさがあるものと考えております。
 したがいまして、関係人口全体としての数値目標は設定してないところではあるのですが、今後、県の関係人口創出に資する事業への参加者とか、移住相談者数を関係人口として整理するなど、こういったものを指標として用いている他県の事例も参考にしながら、庁内ワーキンググループ等において、議論してまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 いわてのわが1万5、000人のフォロワーがいますか?これを県がやっているのはある意味、割とすごいなと思うようなところもありますけれども、例えば、岩手県のコロナのLINEは20万人というところで、何で20万人登録されているかというのは、必要な情報だからだと思うのです。おっしゃっていることもわかるわけですけれども、広域行政でいろいろな情報が固まっているところも、県がやるような事業で、量的なものから、そこから深いところの質はそれぞれに任せるというのもあるのかなというか、量をまず確保しないと質もないということで、これも、多分、4年前に質疑している話でもあるのですけれども、ある程度見てくれる人の母数がないとつながりもつくっていけないというところでもあります。
 話したとおり、人口減少がどんどん進んでいる中で、ローカルの地域の中だけで人を探すのは、本当に難しいような状態になっているので、県がそういうことをやっていることによって、市町村がやっている取り組みが、全国的に拡散するスピードが速くなって、それを見て、それぞれの市町村に興味を持ってもらうのは、すごくいい取り組みだと思うので、この量的な目標感を持って取り組んでいただきたいところでございます。
 最後に、全般的な話を熊谷ふるさと振興部長に伺いたいと思うのですけれども、今回の部局の御説明に当たっても、復興ということ、今回の四つの重点分野に分けてめり張りをつけたということ、幸福関連指標、10の政策分野、また、新しい時代を切り拓くプロジェクトというところもお話をされたところでございます。
 多様化する課題に対して、いろいろな政策を打たなければいけないところですけれども、私も、毎年、予算のときに、県政報告をつくるのですが、今の分け方で言うと、四つの重点分野で分けられているのと、幸福関連の10の政策分野と新しい時代を切り拓くプロジェクト、あと部局、三つの階層で見るようなところで、それこそ、部局の予算の増減と、こういう新しい事業をやりますということだけで書いていたりするようなところでもあります。複雑化するのを複雑化したまま伝えるのは、なかなか効率がよくならないと思ってもいて、それを解決するために、まるっと大体評価できるような制度をつくるというのが幸福度だったと思っているところでもあります。部局横断とか、クロスファンクションナルチームで課題を解決するとか、いろいろなことをおっしゃっていたり、例えば、先ほども広域振興局のお話もありましたが、複雑化するのをどう解決するために、シンプルにしていくのかという観点で取り組んでいただきたいと思っているのですけれども、熊谷ふるさと振興部長はどう思われるかを聞いて、終わりたいと思います。
〇熊谷ふるさと振興部長 なかなか難しい御質問でございます。行政需要が多岐にわたり、ニーズ、それから、関係するパートナー、団体等も、年とともに広がってきている状況でございます。私ども、人口減少に的確に対応していくために、県の施策をきちんとお伝えすることが大事だと思っていまして、今、まさに、四つの重点とか、10の政策に切り分けたような格好で、事業をお知らせしているところでございます。
 私どもは、可能な限りわかりやすくというつもりでやっておりますが、引き続き、皆さんに御理解いただけるよう、さらにわかりやすく、県の事業が紹介できるよう努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 しっかりと政策を進めていただきたいところでありますけれども、例えばゾーンプロジェクトに関して言えば、これは目標であって、計画にはなってないと思っていたりもしますし、すごく大事なのは、同じ目標感を持って、共有して、行動するという、数字はその行動する前提のものということを思っていまして、そういった考え方で取り組んでいただきたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、市町村要望の関係で、まず御質問したいと思います。
 令和5年度の市町村要望は、知事ができる限り出席するという答弁が12月定例会でございました。できる限り出席するとのことですが、現段階で、全市町村の市町村要望に出席するのかどうかをお聞きしたいと思います。
 また、どの市町村に出席するのかどうかという決め方は、まず、ふるさと振興部で、広域振興局と一緒になって、大体の何かを決めた後に、知事がどこに出席するのかという判断をされるような流れで決められるのかということについてもお聞きします。
 それから、市町村要望自体の会議の進め方についても、どういったような内容になるのか、今段階でわかっている内容を伺いたいと思います。
〇大森市町村課総括課長 市町村要望への知事の出席についてでございますが、委員からもお話がありましたように、令和5年度から、知事が広域振興局長とともに、市町村の要望の場に出席することとしております。今後、ふるさと振興部及び広域振興局と各市町村との間で、具体の日程調整を行ってまいります。
 市町村要望でございますが、例年7月ごろから8月ごろにかけて行われておりまして、来年度のおおむね同じ時期において、知事が対応する他の業務日程も考慮しながら、全ての市町村要望の場に、知事が出席する前提で、知事日程を調整しているところでございます。
 一方で、各市町村と日程調整の結果、都合がつかないという場合も想定されるところでございまして、その場合の対応については、今後、検討していくこととしております。
 次に、市町村要望の進め方についてでございます。詳細については、現在も検討中というところでございますけれども、知事が各地区の合同庁舎等に出向いて、1日に複数の市町村から要望をお受けする形で実施することとして、今、考えております。
 今後、市町村と日程調整を行うこととしているところでございます。
 また、当日の流れにつきましても、今後、市町村と具体の日程を調整した上で、これまでの進め方も踏まえながら、広域振興局が、市町村の希望にも配慮しつつ、具体的な内容を決定していきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 市町村からも意向を聞きつつ、各市町村長と、それから、知事とざっくばらんに意見交換する時間もしっかりと設けられる予定でいるのかというところは、再度、確認したいと思います。
〇大森市町村課総括課長 市町村要望につきましては、各広域振興局でやり方などが微妙に異なっているところがあるのですけれども、それぞれの広域振興局とも、1市町村当たりおおむね60分程度で実施しているというところでございますので、来年度におきましても、同程度の時間を確保して行う方向で、今後、市町村と調整していきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 わかりました。
 知事は、令和2年度9月定例会の私の一般質問で、私が市町村要望に関する質問をしました。ぜひ出てほしいということを質問しましたところ、広域振興局長が知事の名代として、市町村とさまざまやりとりすることについては、かなり機能していると思っていると発言されております。
 加えて、正規の手続を大事にしていくのが行政の基本だと思っている。岩手県における広域振興局長が市町村からの要望を受けるというやり方、それを全庁的に共有しながら、知事、副知事と県の幹部もその情報を共有し、そして、県として統一的な対応をより丁寧に練り上げていくという今のやり方が機能していると考えていると御答弁されています。
 また、去年の2月定例会の私の代表質問でも、同じ質問をお聞きしましたところ、県と市町村との連携は、組織と組織、組織的な相互理解が実現することが望ましいと考えるということで、組織と組織でやっていくという御答弁を再度されています。
 これまでのやり方が機能しているとずっと答弁されてきているのですが、今回、令和5年度は、それを覆して、知事ができる限り全ての市町村の要望に出席されるということになりました。これは、これまでの広域振興局長が共有していたやり方に、何か原因があったということなのでしょうか。知事から、機能していたと思ったけれども、何か問題点があるということで、今回、令和5年度からは、知事が出席して、お話を聞くということになったのか。
 それとも、市町村長から絶対に知事に出てほしいという声が大き過ぎて、なかなか抑えることができなくてこういう判断に至ったのか、どういったことで、これまで絶対に機能すると言ったものを変えるという判断に至ったのか、その点についてお伺いしたいと思います。
〇大森市町村課総括課長 市町村要望の対応見直しの考え方でございます。委員からもお話がありましたとおり、市町村要望につきましては、日常的に、地域の実情やニーズを把握し、それぞれの地域課題に精通している広域振興局長が、組織として受けた上で、知事が副知事や全部局長同席のもとで、広域振興局長から直接市町村の要望について報告を受ける機会を設けて、全庁的に、市町村や地域の課題を把握、共有することによって、次年度の予算編成、あるいは国への政策提言など、県政の推進に反映させているところでございます。
 一方で、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランに基づきまして、人口減少対策を初め、地域がそれぞれ直面する、医療、福祉、教育、地域交通の維持確保、産業振興などの課題に取り組んでいくに当たり、取り組みの実効性を高めていくためには、県と市町村のさらなる連携強化が必要であり、これまで以上に、県と市町村との意見交換や情報交換の機会をふやしていく必要があると考えているところでございます。
 詳細部分につきましては、引き続き、地域課題に精通している広域振興局長が中心となって対応していく、この位置づけには変わりありませんけれども、地域が直面する課題の解決に向けて、知事と市町村長との情報共有、意見交換の機会を一層充実させていくという必要性に鑑みまして、令和5年度から、知事が広域振興局長とともに要望の場に出席する見直しを行うこととしたものでございます。
〇ハクセル美穂子委員 今の御答弁だと、第2期アクションプランをやるということで、それに関する御意見を知事がお聞きしたいというのもあって、こういう形になったと。そうすると、第2期アクションプランが決まってしまうと、練るところはもう終わったことなので、令和6年度からは、もしかすると、知事は行きませんなどということになりかねないのではないかと私は捉えたのですけれども、これからは、人口減少対策は大変なのでずっと行きますなのか、その辺のところはどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。もう一回御答弁をお願いします。
〇大森市町村課総括課長 将来的なやり方については、その都度、改善を行っていくということになろうかと思いますけれども、いずれ、人口減少を初めとする諸課題についての情報共有とか意見交換は、引き続き、これから、まさに第2期アクションプランが来年から動き出すところでございますので、そういった機会は重要だと思っております。その上で、やり方については、その都度、最適なものに見直していくということは、一方ではあるかと思っております。
〇ハクセル美穂子委員 わかりました。
 私は12月定例会で、これを急にやり始めるということは、選挙の年のパフォーマンスなのではないですかと質問をさせていただき、そうではないということをおっしゃっていましたが、先ほどの答弁だと、第2期アクションプランに関する件でということなので、この1年で終わらないような、しっかりとしたものにしていただきたいと思っていますし、これまで、就任した後、何回かはやられているようですが、その後、市町村長と一緒になって、市町村要望を聞くという機会はもうなかったわけですから、まず、県内各地の市町村要望をしっかりと知事御自身が受け取れるような日程調整、それから、全部の市町村に出られるように、ふるさと振興部の皆さんにも御尽力をいただきたいと思います。これまでなかなか伝えられなかった市町村のお声を知事に届けられるように、ぜひ御尽力をいただきたいと思います。
 地域経営推進費関係も、関連で聞きますが、先ほど来ずっといろいろと議論がされてきています。金額のことなどはそのとおりですが、私も、どういった事業内容をどういう割合で、各広域振興局でやっているかという資料をいろいろといただいているのですが、これまで、地域経営推進費でやられてきた広域振興局での事業は、よい事業に関しては横展開していくべきものなども意外とあるという印象を私は持っていたのですが、県で、これは、各地で同様の課題があるから、横展開していくべきだと把握されているのか。把握された中で、県全体に展開されてきているものはあるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
〇高井地域企画監 地域経営推進費に関する横展開の事例という御質問でございました。
 各広域振興局では、圏域の課題やニーズの把握に努めて、地域経営推進費を活用して、地域の課題に即したきめ細かな事業を多数実施してきたところでございます。例えば、教育旅行の誘致とか、商談会、それから、物産展などの県産品のPRなどに関しては、各広域振興局において、他の圏域とか先行事例、そういった取り組みを参考にしながら、みずからの圏域の地域資源を生かして、特色を踏まえて、事業をさまざま実施するようになってきたと見ているところでございます。
 また、近年は、各圏域において、貨物と人と一緒に運ぶような、貨客混載の活用とか、スマート農業、鹿被害対策など、さまざまな実証事業を、この地域経営推進費を使って行ったりしているところでございます。こういった実証結果を踏まえて、可能なものは、ほかの圏域にもその効果を波及させていければと考えているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 今おっしゃったのは、地域コミュニティーとか、観光産業振興に関連する事業だと思いますが、各広域振興局で、農林水産業振興事業の割合が、どこも3割ぐらいあるのですけれども、そういったものの中で、いい事業は横展開しているとかそういったものはあるのでしょうか。
〇高井地域企画監 農林水産業分野の関係の事業という御質問でございますけれども、小規模な事業をいろいろと、実証事業なども実施しているということで、例えば、林道の出荷作業の省力化の実証事業とか、アカマツの活用促進の事業とか、そういった小さめの事業になりますが、農林水産業関係でもいろいろと実証事業などをやって、それがうまくいけばほかでも展開する、あるいはそういうのをずっと積み上げて大きな成果につなげたいと。一個一個ですぐに成果に結びつくというのは違うかもしれませんが、そういった取り組みをしているということでございます。
〇ハクセル美穂子委員 今までお話ししてくださった事業の中で、ふるさと振興部で、広域振興局でやっている事業を吸い上げてきてというか、やっていて、これは全県で、本庁としてもしっかりと取り組んでいくべきだとなって行った事業とか、そういった展開はあるのでしょうか。
〇高井地域企画監 横展開した事例ということでございますけれども、それぞれの圏域で、その特性に合った事業を、それぞれ工夫してやっていただいているということで、大きなくくりでいけば、例えば、食産業振興という言い方で今は広くやっておりますけれども、それぞれの地域に合った食品の販売促進とか、商談会の実施とか、そういう取り組み自体、一つ一つは地域特性に応じて地域ごとにやって、いい事業も出てきて、そういう同じやり方をほかでもやったらいいのではないかということで、真似したり、先行事例を参考にしたり、そういう動きは出ていると思います。
 そういったような形で、我々のほうからこの事業がいいからやってくださいという形よりは、我々の役割としては、そういう情報共有をしっかりするということではないかと考えているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 思いますということなので、例えばこの事業についてとか、しっかり把握されているような状況ではないと思いました。
 私は、広域振興局での地域経営推進費を使った事業は、その土地、土地で特徴のある事業だけれども、私の会派でも、いろいろな市町村を回って、首長からお話を聞くということを毎年やっていますが、そうすると、同じような悩みを各市町村長が持っていて、だけど、そこの横連携がないというのを毎年、毎年すごく感じておりました。広域振興局と広域振興局が同じエリアであれば、同じようにやっていることもありますけれども、広域振興局が、また、隣の広域振興局だったりすると、同じ課題だけれども、そこに共有がないと感じていました。
 これは、広域振興局でとまってしまっているのではないかと私は思っています。これまでの議論の中にも、そういうことを感じられた方が、体制についても質疑してくださったのだと思います。私も、県のほうで、もし4億5、000万円の事業の分しか広域振興局にはなかなかつけられないというのであれば、本当に本庁でしっかりと取り組んでいくべき事業というのを吸い上げて、それを本庁で横展開していくという仕組みを、組織の中に、県の本庁の中につくっていかなくてはいけないのではないかと思っています。その点については、今後も踏まえて、どういうふうにお考えか、お聞きしたいと思います。
〇小國地域振興室長 今、委員からお話があった内容ですが、この広域振興事業、地域経営推進費については、広域振興局長のリーダーシップのもとで企画立案し、執行に努めているというものでございます。
 その企画立案に当たりましては、本庁関係部局、例えば農業であれば農業分野のセクションに、同じものにならないように役割分担をし、それぞれ調整をさせていただいております。例えば、農業、林業、水産業、あとは建設業関係の啓発事業、そういったものも、本庁各部局とは、あらかじめ企画立案の中で、情報共有を図り、調整を図っているところでございます。
 また、その成果につきましても、私どもで、年間数百にわたる事業ですが、実績報告をいただいております。必要に応じて、関係部局とも共有させていただいております。ただ、一方で、効果的にそれが横展開しているかというところまで、なかなか追っていけるわけではないというのも実際にございます。
 そういった問題、それぞれ解決に資するよう、昨年から、広域振興局長と我々の部長以下で、それぞれ共有する場を設けるなど、ざっくばらんに意見交換、顔の見える関係づくりも、それぞれ努めて実施しているところでございますので、そういった中で、それぞれ広域振興局でとまることのないように、全庁で共有し、それぞれ効果的に実効性のある取り組みになるように努めてまいりたいと思っております。
〇ハクセル美穂子委員 昨年から積極的に取り組まれてきているということでした。これは、皆さんを責めるつもりもなく、何よりも、市町村の職員の方に聞くと、広域振興局はすごく密に連絡をとって、いろいろな相談にも乗ってくれているという話を私は聞いています。
 ですから、やっているけれども、それが本庁にきちんと伝わっているのかどうかというのを、私は今、疑問視をしています。そういうふうな状況であるにもかかわらず、来年度から、知事が市町村要望に出ますけれども、これまで一切出てこなかったわけですよ。これは、知事のリーダーシップの問題だと思います。ずっとやってと言ってきた。市町村長のじかの声を聞いてくださいと言ってきて、聞いてこなかった結果、子供が生まれなくなってきて、さまざま減少している。今になって、いっぱい予算つけましたと言っても、ずっと前から、課題は地域にあったはずなのに、それを聞いてこなかった。
 それを、去年からやっているというので、キャッチアップするには、本当に一生懸命やらないと、これまでやってこなかった分を取り返すのはなかなか難しいかもしれませんけれども、本当に出ていただくのであれば、この市町村要望が本当に有意義なものになるように、ぜひ、ふるさと振興部の皆さんにも御尽力いただきたいと思います。最後に、熊谷ふるさと振興部長の所感をお聞きして、終わりたいと思います。
〇熊谷ふるさと振興部長 今、ハクセル美穂子委員から、いわゆる広域振興局の動き、市町村とどういう連携をしているか、そういったものを本庁に吸い上げ、広域振興局でやっている事業、小さい事業ですが、光るものもあると思います。そういったものを、広域振興局との意見交換もしておりますので、そういった場を通じながら吸い上げ、それを全庁に紹介する、また、市町村にも、現場で、広域振興局から市町村のほうへやっているのではないかと思うのですけれども、そういった部分も確認しながら、もし必要であれば、私どもから市町村にもお知らせする、そういったことで、市町村と県、それから、本庁と広域振興局で連携を強めて、人口減少対策をやってまいりたいと思います。
〇千葉盛副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時30分 休憩
午後2時47分再開
〇千葉盛副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 最初に、岩手県立大学の理事長の給与問題について、私は、これは大学の規定に基づいて、大学が自主的に決定するものと、本来、大学の自治にかかわる問題だと思います。
 そこで、参考に、公立大学における理事長の給与、これは個人の額は公表されていませんから、規定上の額がどうなっているか示してください。
〇米内学事振興課総括課長 学長と理事長を、個別に設置している公立大学法人の理事長の給与水準でございますが、2月13日現在で、我々が把握した大学に限りますが、御答弁させていただきたいと思います。
 岩手県立大学におきましては、月額99万7、000円以内となっております。まず、岩手県立大学につきましては、理事長には期末手当が支給されないということでございます。同じく、期末手当が支給されていない大学は、ほかに二つほど規定上調べることができまして、東京都公立大学法人につきましては、1、400万円余から2、000万円余の間の年額でございます。期末手当はございません。それから、横浜市立大学につきましても、1、800万円で、期末手当がございません。
 別途期末手当が支給されている大学で申し上げますと、青森公立大学は月額63万5、000円余、それから、群馬県公立大学法人は89万5、000円余、高崎経済大学は85万円。前橋工科大学70万2、072円、それから、神奈川県立保健福祉大学が月額110万7、000円、今申し上げた大学理事長には、期末手当が別途支給されるという状況でございます。
〇斉藤信委員 今の規定上の額を見れば、岩手県立大学が突出して高いということでは全くないという、事実の問題だけ確認いたしました。
 それでは次に、国によるJR東日本のローカル線切り捨てへの対応についてお聞きします。
 ローカル線切り捨ての理由、国の動向はどうなっているでしょうか。
〇山田地域交通課長 国によるJRローカル線への対応についてでございますが、新型コロナウイルス感染症や人口減少などによる利用者の大幅な減少によりまして、鉄道が有する大量輸送機関としての特性を十分に発揮できない路線があるという状況を踏まえまして、国において、将来に向けた利便性と持続可能性の高い地域モビリティーへの再構築に向けた、有識者による検討会が開催されたところでございます。
 同検討会が昨年7月に取りまとめた提言では、ローカル鉄道の再構築に関し、地方公共団体または鉄道事業者からの要請に基づき、国が協議会を設置し、廃止ありき、存続ありきといった前提を置かずに、協議する新たな仕組みを創設することが適当であるとされているところでございます。
 国では、同提言の趣旨を踏まえ、新たな協議の仕組みを、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に盛り込む方針でありまして、本年2月10日に、同法を改正する法律案が国会に提出されたものと承知しております。
〇斉藤信委員 これに対して、県、市町村の対応状況はどうなっているでしょうか。
〇山田地域交通課長 県内の自治体等の対応でございますが、昨年11月に開催いたしました、県と沿線市町で構成しております、JRローカル線維持確保連絡会議を開催したところでございまして、JRローカル線を鉄道として維持していく基本的な方向性や、国等に対する要望等を実施することを確認したところでございます。
 これを踏まえまして、昨年12月に、県と沿線市町合同で、国やJR東日本に対して、JRローカル線の維持に向けた要望を行ったところでございます。
 また、路線ごとに沿線市町と連携しまして、JR線沿線自治体市長会議を設置することとしております。先日開催されましたJR山田線沿線市町会議では、鉄道の維持に向け、県と沿線市が連携して、利用促進に取り組んでいくことを確認したところでございます。
 他の路線につきましては、現在、事務局を想定している市町や隣県自治体との間で、会議開催に向けた調整を実施しているところでございまして、調整が整った路線から、順次、会議を開催し、利用促進と鉄道の維持に向けた検討を行っていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、国が主導で、赤字ローカル線を全国的に切り捨てると。私は、大変危険な状況になっていると思います。全国で対象になっているのは61路線100区間。国土交通大臣は、全部なくすわけではないけれども、その半分ぐらいなくなるのではないかと言っています。そうなると、国鉄の分割民営化のときになくなった数と同じなのです。それだけの大変なことになりかねない。
 これは、自治体とJRの要望によって協議会を設置されるということですから、自治体が要望しなければ、この協議会はつくられないということですね。
〇山田地域交通課長 再構築協議会の件でございますが、こちらにつきましては、地方公共団体または鉄道事業者の要請に基づきまして、国が主体的に設置するという形になります。その際、国からは、地方公共団体の意見を聴取するという形で、制度設計が進んでいると聞いているところでございます。
〇斉藤信委員 私は決算特別委員会のときにも取り上げたのですけれども、2020年、2021年は、確かにコロナ禍で、JR東日本は赤字になった。しかし、その5年間の中で調べると、JR東日本は大幅な黒字なのです。2017年から2019年まで、9、738億円の黒字です。2020年、2021年は、合わせて6、954億円の赤字でしたが、5年間で見たら2、784億円の黒字だったと。もう既に、2022年度は黒字基調ですよ。だから、赤字を理由にして、今、地方ローカル線を切り捨てるなどという口実は、私は全くないと思います。
 もう一つ指摘したいのは、2022年度3月期末決算で見ますと、JR東日本の内部留保は、2兆8、300億円です。莫大な内部留保もため込んでいます。これだけ利益を上げているJR東日本が、コロナ禍に便乗して、地方ローカル線を切り捨てようとしていることは、私は許しがたい。
 そこで、整備新幹線を整備するときに、盛岡以北の新幹線整備に係る自治体負担、在来線維持の費用負担はどうなったか示してください。
〇山田地域交通課長 盛岡以北の新幹線整備に係る自治体負担についてでございますが、東北新幹線の八戸延伸に伴う沿線市町の負担額も含む本県の負担額につきましては、961億円余と、事業費全体の約21%であったと承知しております。
〇斉藤信委員 私は在来線維持の費用負担も聞いたけれども、それはどうですか。
〇山田地域交通課長 失礼いたしました。
 並行在来線であるいわて銀河鉄道への費用負担でございますが、開業に伴うJR東日本からの資産取得に係る費用や、指令システムの整備費への補助についても合わせまして、これまで県、市町村合わせて約170億円余となっているところでございます。
〇斉藤信委員 整備新幹線で、これだけの地方負担しているわけですね。
 そこで、全国の地方再生の鍵を握る鉄道網を維持するために、日本共産党は三つの提案をしています。これは、県の予算要望でも、私たちは提起いたしました。
 一つは、JRを完全民営化から国有民営化に改革すること。国が、線路、駅などの鉄道インフラを保有管理し、運行はJRが行う、上下分離方式に転換を求めることであります。既に、整備新幹線はそうなっているのです。整備新幹線は、国がJRに貸与する形に、既に一部はなっています。欧州は全部この方式です。
 二つ目は、全国鉄道網を維持する財政的な基盤を確保する公共交通基金を設立して、地方路線、これはバスなどを含めて地方交通への支援を行う。財源は、ガソリン税を初め自動車税、航空関連税などの一部を充てる。新幹線や大都市部での利益の一部を地方公共交通の維持に還流させる。こういう提案をしています。
 三つ目は、鉄道の災害復旧制度をつくり、速やかに復旧できるようにする。実は、大災害のときに、道路とか橋は必ず復旧するのですよ。ところが、鉄道のJRは、この災害に乗じて鉄路を切り捨てる。本当に許しがたい。ですから、こうした災害復旧制度をつくって、鉄路の場合にも、しっかり復旧するような仕組みをつくると。私たちは抜本的なこうした三つの提案をして、県予算要望でも、知事にも示しましたが、この日本共産党の提案について、ふるさと振興部長はどういうふうに受けとめているでしょうか。
〇熊谷ふるさと振興部長 いただいた県に対する要望、提案を見させていただいているところでございます。
 県といたしましても、第三セクター鉄道を含む鉄道ネットワーク、国が掲げる国土強靱化とか、地方創生を推進する観点からも重要であります。
 要は、沿線自治体の意向が最重要だと思っております。そういったことで、昨年11月に、沿線自治体と話し合う場を設け、いずれ、鉄路を維持していく、そうした中でやれること、国に対する要望、それから、利用促進をやっていくのだという話し合いをしたところでございます。
 国鉄改革の経緯からも、国が国策として、その維持を図るべきだというのが、私どもの基本的な考え方でございますので、引き続きそういうスタンスで、これから沿線自治体の個別の路線ごとの協議にも入ってまいりますが、市町村の意見も伺いながら、対応等について検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 JR東日本が、この5年間で見たら、立派な黒字であり、2兆8、000億円超える内部留保をため込んでいます。切り捨てる根拠はないのです。そして、日本共産党は、長期に地方ローカル線を含めて維持できる三つの提案も行いました。ぜひ、これを研究して、大義に掲げて、打開策を示して、この問題の対応に当たっていただきたい。
 次に、マイナンバーカードの問題についてお聞きいたします。
 マイナンバーカードの取得は、法的には、現在、任意だと思いますが、強制する根拠はあるのでしょうか。
〇大森市町村課総括課長 マイナンバーカードの取得に係る法律上の位置づけということで御答弁申し上げます。
 マイナンバーカードは、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律により、住民基本台帳に記録されているものの申請に基づき発行するものとするとされておりまして、取得は任意であると認識しております。
〇斉藤信委員 しかし、昨日の3月7日、政府が閣議決定をして、マイナンバーカードに健康保険証等を一本化するための関連法案を閣議決定いたしました。このマイナンバーの利用範囲の拡大、国民の口座登録の新たな制度も盛り込むと。そして、法律によらない拡大もできる。手続に異論があったけれども、これを決めた。私は、これは極めて重大だと思います。
 そこで、マイナンバーカードの取得状況はどうなっているか。この間、2万円のポイント付与などで、どれだけの財源をかけてきたのかを示してください。
〇大森市町村課総括課長 私からは、マイナンバーカードの取得状況について、ご答弁申し上げます。
 最新の令和5年2月末現在の交付率でございますが、県全体で61.0%となっており、マイナポイント第2弾が開始される前の令和4年6月末時点の38.7%と比較し、22.3ポイント増加しております。なお、全国平均は63.5%となっております。
 また、マイナンバーカードの申請率でございますが、令和4年6月末時点では44.4%でありましたが、暫定値ではございますが、2月末時点では、6月末と比べて34.9ポイント増加し、79.3%となっております。
〇木村デジタル推進課長 私からは、マイナンバーカードの普及及び2万円のポイント付与に係る事業費について、答弁申し上げます。
 県では、国の補助金を活用し、令和元年度から令和3年度まで、国が実施するマイナポイント第1弾及び第2弾の新聞広告やチラシ配布などを実施しておりまして、3年間の事業費総額は1、007万7、000円となっております。
 今年度は、県内16市町村を会場として、マイナンバーカードの交付申請、マイナポイントの申し込みに係る支援会を開催しておりまして、当該事業費は658万9、000円となっております。
 また、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、9月補正予算で措置しました、マイナンバーカードの取得促進キャンペーンの事業費が1億4、900万円となる見込みでございます。これら事業費の総額は1億6、566万6、000円となっております。
〇斉藤信委員 岩手県だけで1億6、000万円、そして、市町村は、それぞれ同じように大変な税金を投入して、なりふり構わずこのマイナンバーカードの普及に取り組んできた。2万円ポイントをもらうためにどういうことが必要ですか。
〇木村デジタル推進課長 2万円のマイナポイントをもらうためには、まずはマイナンバーカードの新規取得ということで、マイナンバーカードを新規取得した後に、選択したキャッシュレス決済で2万円のチャージまたは買い物をすると、利用金額の25%ということで5、000円分のポイントが取得できます。
 さらに、マイナンバーカードの健康保険証としての利用の申し込みで7、500円分のポイント、さらに、交付金受取口座の登録で、7、500円分のマイナポイントということになりまして、合計2万円分のポイントが取得できるということになります。
〇斉藤信委員 結局、個人の情報を提供すればするほどポイントが出てくるという、本当に異常なものです。特に、私は、健康保険証とマイナンバーカードを一体化することが大問題だと思います。医師らでつくられる全国保険医団体連合会は、ことし2月、健康保険証を廃止する理由は一つもない、法案の撤回を厚生労働省に求めました。制度変更によって現場に混乱が生じることを問題視した。申請を忘れた患者が医療機関の窓口で無保険扱いになるといった懸念も指摘しました。
 今の健康保険証で、何ら不都合はないのです。健康保険証は、毎年、自動的に更新される。ところが、マイナンバーカードは5年ごとに更新しなくてはならない。そして、医療やさまざまな情報がそこに集約され、口座まで集約されて、その個人情報を国が利用する。また、条件によっては、民間、大企業にもこれを利用させるという驚くべきもので、国民は情報漏洩を一番心配しています。
 私は、こういう上からの強制はあってはならないと思います。2016年の1月からマイナンバーカードの交付が始まりましたが、7年2カ月たって、岩手県は、交付率が61%ですよ。無理無理こういうことをやってきた。この問題について、閣議決定もされましたけれども、ふるさと振興部長、こういうやり方が民主的なのか、本当に利便性を高めるのか、私は、健康保険証は今のまま使えるようにすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇熊谷ふるさと振興部長 マイナンバーカードの利便性も、これから、いわゆる県民サービス、市民サービス、住民サービスの拡大のために、そういった観点でさまざま使われていくものと思っています。
 一方で、健康保険証等との一体化に向けましては、国民に広く理解が得られること、それから、メリットや安全性について、国において、丁寧に説明を行うことが必要だと思っております。
 マイナンバーカードを持ってない方、取得したくない方、そういった方の意思も尊重して、十分に対応を図ることが必要だと思っていまして、この件につきましては、全国知事会を通じて、国にも要望しているところでございます。
〇千田美津子委員 私からも、何点か質問させていただきます。
 まず、午前中にも質疑がありましたけれども、私立学校の運営費補助についてです。午前中の答弁の中では、小学校、中学校、高校など、約1.5%の伸びがあるということ。それから、東北6県の中では大体真ん中あたりの補助の状況にあるということで、これはこれでいいと思うのですが、ただ、いかんせん、幼稚園の部分を見ますと、東北6県の中で、岩手県が一番低い補助単価になっております。
 今回、全体の予算が4、200万円減額になっているのですが、その理由が、子ども子育て支援新制度への移行で園児が減っているというようないろいろな理由で減ったりする中で、限られた予算を、公立私立問わず、子供たちの通える環境整備に、私は投入すべきだと思うわけですが、いかがでしょうか。
〇米内学事振興課総括課長 幼稚園の補助単価につきましては、岩手県は19万2、000円でございます。それから、青森県、宮城県、秋田県は19万4、000円余でございます。山形県は19万9、000円、福島県が20万円余でございまして、千田美津子委員から御指摘ありますとおり、確かに幼稚園だけを見れば、単価的には本県が一番低い状況になっております。
 千田美津子委員から御指摘がございまして、毎年度、我々も国の伸び率とか交付税の算定の状況等を踏まえて、伸ばしてはおりますけれども、他県と比較すると、少し低いという状況は、確かにそのとおりでございます。今後は、他県の状況等も踏まえたり、国の考え方とか、他県の算定の考え方を踏まえて、どのようにしていけばいいか、検討させていただきたいと思います。
〇千田美津子委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、私立学校の耐震化の現状についてお聞きしたいと思います。これまでの県内私立学校の耐震診断はどのような状況にあるか。また、耐震化支援などの補助実績、それから、新年度以降の見通しをお知らせください。
〇米内学事振興課総括課長 まず、私立学校耐震化支援補助の実績の状況でございますが、これまでの補助実績については、国庫補助事業と県単独事業を合わせての実績でございますが、私立学校耐震診断促進事業費補助におきましては、平成26年度、6棟の診断をしておりまして、540万円余の実績でございます。平成27年度は1棟100万円でございます。平成30年度は4棟で480万円余でございます。飛びまして、令和3年度に1件、耐震診断がございまして、150万円余の実績でございます。
 次に、私立学校耐震改修促進事業費補助の耐震改修のほうですが、平成27年度は3棟、2、000万円余の実績、平成28年度は1棟、100万円余、平成29年度は1棟、35万円余でございます。飛びまして、令和4年度は1棟実績がございまして、1、150万円余となっております。
 続きまして、耐震改築でございますが、平成27年度は1棟、3、333万円余でございます。それから、令和4年度は棟ございまして、2、436万6、000円となっております。
 なお、令和5年度以降の見通しでございますが、現在、耐震改築を行っております、令和4年度からの継続事業が令和5年度にも1校分ございまして、令和5年度当初予算案に896万7、000円を計上しております。継続の2カ年から3カ年の事業になっています。
 それから、令和6年度以降につきましては、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランにおきまして、令和8年度までの耐震化率の目標を掲げておりまして、4年後の令和8年度には、耐震化率94.1%を目指して、耐震化の促進について、補助事業等を活用して進めたいと考えております。
〇千田美津子委員 2026年度までに、耐震化率94.1%を目指すということで、2%程度引き上げていくという方針です。
 それで、全体像を把握したいのですけれども、岩手県内の私立学校の中でどれくらいの建物が危険な状況にあるのか、その状況についてお知らせいただきたいと思います。
〇米内学事振興課総括課長 現在、耐震化が必要とされている県内私立学校の実態でございますが、毎年度、文部科学省が実施しております、私立学校施設の耐震改修状況等調査という全国調査の結果が公表されております。令和4年度4月1日現在のデータでございますが、まず、その調査の対象となりますのは、私立幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等の2階以上または延べ床面積が200平米以上の校舎、園舎、屋内運動場、寄宿舎で非木造のものでございまして、全体で、私立学校の部分としましては、県内に172棟対象がございます。
 そのうち、耐震基準で建築されている棟数は129棟でございます。また、旧耐震基準で建築の棟数は43棟ございますが、そのうち、耐震診断を実施し、耐震性があると診断された棟数が29棟ございます。合わせまして158棟が耐震性ありとなっておりまして、172棟のうち158棟ということで、令和4年4月1日現在の本県の耐震化率は、91.9%となっております。
 全体で172棟のうち158棟が耐震化していますので、残りは14棟でございます。そのうち、当部所管が9棟ございます。残り5棟は、保健福祉部所管の幼保連携型認定こども園でございます。当部所管の9棟は幼稚園が1棟ございます。高校につきましては、五つの高校で8棟が残っております。
〇千田美津子委員 ふるさと振興部の所管は9棟ということで、これから、所有者が計画的に改築、改修をされていくと思いますが、改築となると、かなり膨大な資金が必要になるということで、これについては、計画的に、2026年で94.1%の耐震率を目指すということですので、その目標に向かって、これらが子供たちにとって安全、安心な施設になるように、ぜひ取り組みをお願いしたいと思います。
 それでは次に、バス事業の現状と課題についてお聞きをしたいと思います。
 コロナ禍、それから、物価高騰のあおりで大変な状況にあると思いますが、県内のバス交通事業の現状と課題、そして、コロナ禍等による影響はどういう状況にあるのか、お聞きいたします。
〇山田地域交通課長 県内のバスの現状、課題、それから、新型コロナウイルス感染症による影響でございます。
 乗り合いバスや地域鉄道等の地域公共交通は、人口減少の進行により、利用者が減少する中、新型コロナウイルス感染症の影響による利用者の大幅な減少や、燃料費高騰の影響により、厳しい状況に置かれていると認識しております。
 主要な乗り合いバス事業者は3社でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響で、令和4年4月から令和5年1月までの運賃収入は、新型コロナウイルス感染症の影響が生じる前の令和元年度の同時期と比べますと、29.4%の減少となっておりまして、引き続き大きな影響を受けているところでございます。
〇千田美津子委員 29.4%の減少ということで、引き続き、さまざまな県の支援が必要になってくると思います。
 それで、この間、事業者に対して、広域生活路線維持事業あるいは補助路線代替交通確保維持事業等、県の支援策があったわけですが、これらの事業の現状、それから、今後の見通しについてお聞きいたします。
〇山田地域交通課長 地域バス交通支援事業の現状と課題でございます。
 令和4年度におきましては、15市町村の18路線に対し、3、908万円余の交付を予定しており、令和5年度におきましては、15市町村の18路線に対し、3、845万円余の交付を見込んでいるところでございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、乗車人数が減少したバス路線の維持を図る必要があることが課題でありまして、令和2年度以降、補助要件を緩和する特例措置を講じてきたところでございます。
 また、広域生活路線維持事業の見通しについてでございますが、この事業は、国庫補助要件を満たさなくなった路線につきまして、市町村が事業者に対して、運行欠損額を補助する場合に、その2分の1を補助するものでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、乗車人数が減少したバス路線を維持するため、県の補助要件を緩和する、平均乗車密度4人以上という要件を適用させない特例措置を令和5年度まで延長したところでございます。
 それから、もう一つ、補助路線代替交通確保維持事業がございますけれども、こちらの事業につきましては、補助路線の見直しが進むことが見込まれたことを踏まえまして、令和2年度から実施した事業であり、令和4年度で終了となりますけれども、新たに、人口減少対策として、国庫及び県単独補助の要件を満たさなくなった路線を対象に、市町村が子育てや通学、通院のための公共交通を確保する場合に補助する事業といたしまして、人口減少対策路線確保事業を令和5年度当初予算案に計上させていただいたところでございます。
〇千田美津子委員 午前中の佐々木朋和委員の質問の際に、補助路線代替交通確保維持に代わる人口減少対策路線確保事業が始められるという話があり、これは非常にいい取り組みだと思います。
 ただ、私は聞いていて、どのような見通しかという質問に対して、5路線程度が対象ではないかという答弁があったのですが、今現在、補助路線の部分では、令和4年度は5市町7路線を対象にしていたわけですが、それが縮小されるという答弁だったでしょうか。その辺を確認したいと思います。
〇山田地域交通課長 人口減少対策路線確保事業につきましては、当初、広域路線という要件を設けておりませんでした。そのときには、見直しをされるという路線についてということで考えていたところでございますが、県の役割といたしまして、広域路線を維持していくことが必要だということで、広域路線を対象とすることとなり、今回、5路線の見込みになるということでございます。
 なお、地域内公共交通につきましては、導入する場合の実証運行などにつきまして、地域公共交通活性化推進事業費補助による支援も行っているところでございまして、そちらのほうでの支援という形も考えていきたいところでございます。
〇千田美津子委員 いずれ、地域に欠かせない交通だと思います。
 ただ、さまざまな理由で、乗車密度が非常に少なくなったり、現場とすればそういう苦労があるわけですが、いずれ、さまざまな対応を県がどんどん考えて、地域に合うような補助金体系をつくってきているのはすばらしいことだと思います。いずれ、県民の足を確保するという点で、地域、県民に寄り添ったこういう対応を、今もやっていただいていますけれども、さらに、きめ細かな対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇山田地域交通課長 実情に応じたきめ細かな対応をということで御質問がございました。
 県では、令和元年度から、市町村と一緒になりまして、地域内公共交通構築検討会を開いているところでございまして、その時々に応じました問題に対しまして、市町村と連携しまして、協議を重ねているところでございます。そういったところで課題などを抽出しながら、今後も対応を考えていきたいと思っております。
〇小林正信委員 デジタル化の推進についてお伺いしたいと思います。
 岩手県においても、DX推進連携会議や中小企業のデジタル化支援ネットワーク等、県内における官民のデジタル化に取り組んできたところと思いますけれども、まず、DXを担う人材の育成について、これまでの取り組み状況を教えていただければと思います。
〇木村デジタル推進課長 デジタル人材の育成に関してでございますが、デジタル化の推進には、データやデジタル技術を活用できる人材の育成、確保が重要であると認識しております。
 これは、県においても同じことが言えると思いまして、今年度、県としましては、新たに外部の専門人材ということで、CIO補佐官を初め4名の専門人材を任用し、地域情報化、市町村支援、それから、各業界におけるデジタル化の支援といった活動をしているところでございます。
〇小林正信委員 政府は、令和4年4月に、コロナ禍で、厳しい雇用環境にある女性の就労を助けるという目的で、デジタル人材育成プランを策定しました。官民連携の取り組みを打ち出したということで、このプランの具体的な取り組みとしては、女性のデジタルスキルの習得支援、デジタル分野への就労、全国への周知、啓発等となっております。3年間集中してこのプランを推進するということです。
 愛媛県では、民間のコンソーシアムと連携協定を結んで、3年で500人の女性デジタル人材を育成するとしています。女性の活躍支援また就労支援という観点からは大事な取り組みだと思うのですけれども、岩手県としての女性のデジタル人材育成についてのお考えをお伺いします。
〇木村デジタル推進課長 女性デジタル人材の育成についてでありますが、情報通信技術の発展によりまして、時間や場所にとらわれない、柔軟で多様な働き方の可能性が広がり、地方を舞台に新しい挑戦の機会が生み出されていると認識しております。また、コロナ禍の中におけるデジタル化の急速な進展によって、こういった流れがより一層加速化しております。
 こうした動きは、育児や介護等のライフステージや、生活スタイルに応じた働き方を可能とし、女性の就業機会の創出にもつながることから、デジタルスキルを身につけた女性デジタル人材の育成に取り組むことが重要と認識しております。
 委員からお話ありましたとおり、国では、今年度、デジタルスキル向上とデジタル分野への就業支援という両面の視点から、女性デジタル人材育成プランを策定して、今後3年間、集中して取り組みを推進することとしております。
 県としても、企業における女性が働きやすい職場づくりへの支援とか、若者、女性の起業、スタートアップの支援とともに、産学官が連携してデジタル人材の育成に取り組み、女性が活躍できる環境を整備してまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 女性の就労支援という意味もあり、女性に特化したような取り組みもぜひ考えていっていただければありがたいと考えております。
 市町村のデジタル化については、住民基本台帳の整備など、各業務におけるシステムの標準化等々、市町村におけるデジタル化には課題が多いところと思います。特に、小規模自治体では、ITが得意な職員が少なかったり、デジタル化の人材確保に苦慮している状況を、県としても把握されているかと思います。
 総務省は、都道府県が高度専門人材を確保し、市町村へ派遣する制度を創設する等、市町村のデジタル化を集中的に後押しするとのことです。こうした人材の確保等も含めた市町村のデジタル化支援について県のお考えをお伺いします。
〇木村デジタル推進課長 市町村へのデジタル化支援についてでありますが、各市町村では、現在、基幹業務システムの標準化、行政手続の電子化の取り組みに着手したところでありまして、県としては、引き続き、市町村の取り組み状況の把握に努めるとともに、県のDX推進専門官やDX推進コーディネーター等の専門人材の派遣、職員向けのDX関連研修の共同実施、電子申請システムの共同利用の推進、また、県及び市町村が任用するDX専門人材間のネットワークの構築などの取り組みによりまして、市町村を支援していく考えでございます。
 特に、小規模自治体に対しましては、県の専門人材を派遣しまして、DX推進計画の策定支援とか、デジタルツールの導入に向けた業務フローの見直しによる業務効率化の支援などを重点的に行っていく考えです。
 また、全市町村が参画します、岩手県電子自治体推進協議会において、先進的な取り組みの情報提供、また、必要な助言などを行いまして、全ての市町村において、自治体DXの取り組みが着実に推進できるよう支援してまいります。
〇小林正信委員 ぜひとも、よろしくお願いします。
 今、先進的な取り組みの紹介ということで、この好事例の横展開が、市町村の支援にとっては重要だと思います。例えば、デジタル実装の実例としては、書かない窓口という取り組みです。身分証を持っていけば、窓口で、申請書を書いたりする手間が省けるとか、デジタル化は、誰ひとり取り残さないという理念を持って進めていくべきだと考えております。
 そこで、デジタル格差、デジタルデバイドの解消が重要なのではないかということで、高知県日高村では、スマートフォンの普及率100%を目指して、60代の方が9割、70代だと7割がスマートフォンを持っていると。スマートフォン教室で、アプリの活用等を行って、生活の質を向上させているとのことです。
 岩手県としても、高齢者中心に、こうしたデジタル格差の解消に取り組んでいくべきと思うのですけれども、これまで、どのような取り組みをしてきて、そして、これから、どのような取り組みを行っていくのか、お考えをお伺いしたいと思います。
〇木村デジタル推進課長 デジタルデバイドの解消について、これは重要であると認識しております。
 県におきましては、これまで、国で行っております、身近な携帯電話ショップなどで、デジタル機器、サービスの利用方法を学ぶことができる支援事業とか、デジタル推進委員の展開など、誰ひとり取り残されないための取り組みについて、市町村、NPOと情報共有をしまして、活用を働きかけてきたところでございます。
 また、今年度につきましては、携帯電話ショップのない16町村において、マイナンバーカードの申請とあわせて、スマートフォンの基本的な操作講習を行う支援会を開催したところでございます。
 令和5年度においても、引き続き、市町村と連携し、どういった取り組みができるか検討を進めながら、こうした支援会を実施していくほか、産学官金で構成します、いわてDX推進連携会議において、対応策の検討を進め、通信事業者や大学等とも連携しながら、デジタルデバイドの解消を図っていく考えでございます。
 例えば、大学との連携でありますと、地域課題解決プログラムなどで、学生のアイデアについて学生目線で取り組み、解決策を考えていただきながら、例えば、学生が地域の高齢者にスマートフォンの使い方を教えるとか、そういった地域で取り組むなど、そういう継続性のある取り組みも検討してまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 かゆいところに手が届くような取り組みを考えていらっしゃるということでしたので、ぜひ、これは広げていただければ、また、好事例の横展開という部分も、ぜひお願いしたいと思います。
 次に、海洋エネルギー開発産業創出推進事業費につきまして、先日、中平均委員からも御質問がございましたけれども、現在、久慈市沖が海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律における一定の準備段階に進んでいる区域となっております。
 県としても、次の有望な区域、あるいは促進区域の指定に向けて事業を進めているところと思いますけれども、まだまださまざまなハードルがあるところと思います。特に、地元の漁業者の皆様の理解が進んでいないという状況を伺っておりますし、また、地元漁業者以外にも、大臣許可の遠洋漁業の皆さんなどの理解も図るべきとの意見も検討委員会等で挙がったと承知しております。この漁業者の皆様との話し合い、なかなか難しい面もあると思うのですけれども、久慈市だけに任せるのではなくて、県としても、久慈市と連携をして進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇佐藤科学技術課長 久慈市と連携しました、漁業者への説明状況についてでございますが、今年度、県内の漁業団体、それから、大臣の許可を受けて操業している全国規模の漁業団体に対しまして、延べ18回、久慈市と連携しまして、浮体式洋上風力発電の導入に向けたエリア設定の考え方、漁業との協調、共生について、説明や意見交換を実施してきたところでございます。
 一部の漁業団体からは、漁業に対する影響が大きいとしまして、洋上風力発電の導入エリアや発電規模等について、見直しを求める声が出ていることも事実であります。
 先行利用者であります漁業者との協調は、本事業の導入において重要でありますことから、久慈市と連携しまして、改めて、久慈市沖での漁業の操業実態の把握に努めながら、漁業者への丁寧な説明、対話を継続していきたいと考えております。
〇小林正信委員 まだまだ御理解をいただいていないところもあったり、それを不安に思うのは当然なことだと思います。その漁業者の皆さんの思いも受けとめつつ、しっかり御理解をいただけるような取り組みを地道に進めていっていただければと思います。
 秋田県沖で、国内初となる大規模な商業発電が運転開始となりました。ここに至るまでさまざまな課題や問題があったと伺っておりまして、特に港湾の整備、これが遅れたがために、運転までさまざま影響が出てしまったといったお話も聞いております。
 秋田の洋上風力発電の状況について、秋田県からの情報収集とかは行っているのかどうかをお伺いさせていただければと思います。
〇佐藤科学技術課長 秋田県から直接情報は仕入れていないところでございますが、久慈市沖で事業展開を考えている発電事業者と何度か意見交換をしまして、その発電事業者から得られた情報によりますと、当初、秋田県で想定していた基地港湾の規模では、スペックが足りないという状況もあったようで、国から選定を受けた発電事業者が持ち出しで、追加で港湾の整備をしているような状況と伺っております。
〇小林正信委員 秋田県は、促進区域になっている段階で、今のお話のようないろいろなトラブルがあったやにも伺っておりましたので、岩手県としては、そのあたりのスケジュール感をしっかり整理していただいて、ぜひ進めていっていただければと思います。
 まずは、久慈市沖の実現に向けて取り組みを進めていかれると思うのですけれども、並行して、他海域での可能性を探っていくことも必要なのではないかと思います。久慈市沖以外での洋上風力発電の可能性について、お考えをお伺いしたいと思います。
〇佐藤科学技術課長 久慈市沖以外の洋上風力発電の可能性についてでございますが、風況のポテンシャルが高い県北地域を中心としまして、洋上風力発電の可能性があると考えております。洋野町におきましては、昨年度から新エネルギー・産業技術総合開発機構の調査事業によりまして、風況や気象、海象、漁業実態等に関する基礎調査が行われているところであります。
 また、野田村沖から宮古市沖におきましては、今年度、導入可能性調査を県事業として実施しておりまして、この調査結果や地元市町村の意向を踏まえながら、洋上風力発電の導入可能性について検討してまいります。
〇小林正信委員 導入可能性調査は、環境省の予算で全部できるものでしたか。それとも、県から持ち出しがあるものでしたか。そこを確認させていただきます。
〇佐藤科学技術課長 今年度実施しております野田村沖から宮古市沖にかけての可能性調査につきましては、県単事業として実施しております。
〇小林正信委員 そういった形で前向きというか、先を見てやっていただいていることはありがたいと思いますし、ぜひ、この調査がうまくいくように祈っているところでございます。
 最後に、いわて花巻空港の利用促進事業費についてお伺いいたします。
 事業の具体的な内容と、あわせて、令和4年度から比べて1、160万円の減額となっておりますけれども、この理由についてお伺いしたいと思います。
〇山本空港振興課長 いわて花巻空港利用促進事業の具体的な取り組みについてでございます。
 まず、国内線につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により減少した、航空需要の早期回復を図るため、従来の団体向け旅行商品に加えまして、個人向け旅行商品の造成支援を行いますほか、各就航地のイベント等での路線PR、就航2年目となります神戸線のプロモーション等に、引き続き取り組んでまいります。
 また、国際線につきましては、本年5月に運航再開を予定しております台北線の安定的な運航を図るため、各種媒体を活用したプロモーションや、台北線利用者へのパスポート取得支援など、インバウンド、アウトバウンド双方の利用促進に取り組みますとともに、現在、運休中の上海線の運航再開に向けた働きかけや、国際チャーター便の誘致等に取り組んでまいります。
 もう一つ、1、160万円余の減となっている理由でございますが、その主な理由といたしましては、旅行会社に対する旅行商品造成支援につきまして、コロナ禍からの航空需要は回復傾向にありますことから、冬季に比べまして、一定の需要が見込まれます春から秋にかけての旅行商品への助成規模を縮小するとしたことのほか、神戸線の広告宣伝費につきまして、令和3年3月の就航以降、同路線の認知度向上のため、集中的に行ってきた取り組み内容を整理したこと等によるものでございます。
〇小林正信委員 わかりました。
 岩手県への注目が集まってきて、インバウンドの復活もある中で、岩手県への国内、海外からの玄関口としてのいわて花巻空港の魅力を高めるという点が大事なのではないかなと思っております。
 空港においても、さまざまイベントを打っていただいたり、御努力いただいているところと思いますけれども、例えば空港のイメージソングが、松任谷由実─ユーミンの楽曲が使われております。緑の町に舞い降りて。盛岡市が注目されているこのタイミングで、改めて、ユーミンと空港とのタイアップに着目すべきではないかという意見もいただいたりしております。
 また、空港の利便性とか使いやすさ、また、訪れてみたいと思っていただけるような空港のさらなる魅力化は、運営会社が担う部分も大きいと思うのですけれども、県としてのお考え、取り組みについてお伺いして、終わりたいと思います。
〇山本空港振興課長 空港の魅力化のための取り組みでございますが、現在、県としましては、岩手県空港利用促進協議会と共催いたしまして、随時、空港内において、路線PRを兼ねたイベントを開催しております。
 今年度につきましては、大阪線の就航45周年、また、累計搭乗者数600万人を記念いたしまして、搭乗客のお出迎え、記念品配布などをしたところでございます。
 また、直近でございますが、岩手県空港ターミナルビル株式会社におきましては、今月3日から12日にかけまして、就航先の北海道、大阪府、神戸市のスイーツを販売する、北海道、関西スイーツフェアを開催しておりまして、こちらも好評を得ていると聞いております。
 先ほど、小林正信委員から御発言がありました、松任谷由実さんとのかかわりもいわて花巻空港にございます。そういったさまざまなかかわりをうまく取り入れながら、さまざまな関係機関と連携しまして、イベント等を企画することも、空港の魅力向上につながるものと考えております。これからも、そういったことを、企画、検討していきたいと考えております。
〇千葉盛副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉盛副委員長 質疑がないようでありますので、これでふるさと振興部関係の質疑を終わります。
 ふるさと振興部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、ILC推進局長に、ILC推進局関係の説明を求めます。
〇箱石ILC推進局長 令和5年度のILC推進局関係の歳出予算について、御説明申し上げます。
 初めに、ILC推進局の予算編成に当たっての基本的な考え方について御説明いたします。
 ILC国際リニアコライダー計画については、昨年2月、文部科学省の第2期国際リニアコライダーに関する有識者会議が、ILC準備研究所への移行は時期尚早とする議論のまとめを公表しました。これを受け、4月に、ICFA─国際将来加速器委員会が、日本でのILCの実現を引き続き奨励するとともに、今後、1年間の進展を注意深く見守るとするステートメントを公表いたしました。
 現在は、こうした状況を踏まえ、IDT、ILC国際推進チームが、KEK─高エネルギー加速器研究機構や、国内研究者の組織であるILCジャパンと連携し、国際的な共同研究を推進する枠組みの立ち上げの準備や、国際有識者会議による国際的な費用分担等の政府間協議に向けた検討を進めており、令和5年度の政府予算案には、これに沿った予算が盛り込まれております。
 ILCの実現に向けては、こうした研究者の取り組みとともに、ILCの有する意義や価値を国内外に発信し、国民的な機運を盛り上げることが重要であります。
 県といたしましては、引き続き、ILCの多様な価値を広く発信する講演会やイベント等を、県内外の推進団体とともに実施し、国民的な機運の醸成を図りながら、国に対する働きかけを強化してまいります。
 また、ILCの実現を見据え、県内企業に対する加速器関連産業への参入支援や、建設候補地における持続可能なエコ社会の形成を目指すグリーンILCの理解促進など、ILCによる地域振興ビジョンに基づく、建設候補地として必要な受け入れ体制の整備等の取り組みについても、着実に推進してまいります。
 次に、歳出予算について御説明いたします。
 お手元の議案その2の6ページをお開き願います。ILC推進局関係の予算は、2款総務費2項企画費の一部2億2、600万円余であります。これを前年度の予算と比較いたしますと、1、400万円余、約5.8%の減となっており、これは人件費の減及びオープンラボへの研究機器の整備費の減によるものであります。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載のとおりであり、説明を省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇千葉盛副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 今、説明があったとおりで、令和4年2月に、ILCに関する有識者会議が議論をまとめて、ILC準備研究所段階への移行は時期尚早とされた中で、この間、まずはさまざまできることをやりながら、また、その先に、ILCテクノロジーネットワークも発足させるという形で、動いてきているということ自体はわかっております。
 その中で、先ほども説明ありましたが、県のほうで、大学、公設試験研究機関と企業との共同開発を推進するため、オープンラボ等を活用した技術指導という形で取り組み、準備を進めてやってこられていると認識しておりますが、この取り組みの内容と、さらに、この間進めてきている中で、何かしらいい成果とかができてきている経過等がありましたら、その点についてあわせてお知らせください。
〇藤島計画調査課長 大学、公設試験研究機関等と企業との共同開発の推進についてでありますが、これまでILCの実現を契機としました加速器関連産業の集積を目指しまして、県内企業の加速器関連産業への参入支援のため、専門知識を有するコーディネーターによる企業訪問や技術者向けのセミナー、講習会の開催等による技術指導などの取り組みを行ってきたところであります。
 こうした取り組みにより、例えば公益財団法人いわて産業振興センターが、県内企業との連携のもとに、KEK─高エネルギー加速器研究機構から業務を受注するなど、加速器関連機関のニーズに対応し得る県内企業が着実に増加しているところでございます。
 現在、企業が製作した陽電子源捕獲空洞冷却装置や電磁石などの試作品の性能を評価するための機器を、岩手ILC連携室、オープンラボに整備しておりまして、令和5年度には、この機器を活用し、加速器研究者の指導のもとに、県内企業、岩手大学、地方独立行政法人岩手県工業技術センター等との共同開発を強化してまいります。
〇郷右近浩委員 先日来、宮城県で行われました、岩手県議会・宮城県議会ILC建設実現議員連盟講演会、さらに、3月1日に、仙台で行われました東北ILC推進協議会、こうした中で、山内正則機構長からは、特に、現在、コロナ禍や、さらに、国際情勢の悪化など、各国の協力が得られにくい社会状況下にあって、実現可能性調査が大体2025年までかかるだろうといった発言等があるわけですけれども、私自身も、現在、ILCがこれで前に進むというよりは、今の社会情勢であったり、そうした影響があるのだろうと思っているところであります。
 そうした中で、そこまでの間に、岩手県としても、まだまだやれることをしっかりやっていきながら進めていっていただきたいと思うわけであります。今、オープンラボを活用した技術指導であったり、共同開発等を進めていただいていますし、さらに、機運醸成を行っています。そして、次期ILC自体の実現をしっかりとこの県のための財産としていくためにも、今回も予算案として載せておりますが、ILC誘致を契機にしたまちづくりをしっかりやっていかなければいけないと思うのでありますが、この点についても、内容等をお知らせいただければと思います。
〇藤島計画調査課長 まちづくりについてでありますが、ILCの実現により、建設地域周辺地域には、国内外の研究者を初め多くの関係者の居住や、関連企業の立地が見込まれています。こうした変化を見据えて、ILC立地による波及効果を高めるため、どのようなまちづくりを進めていくかなど、受け入れ体制の検討を進めていくことが必要だと考えております。
 東北ILC事業推進センターでは、ILC誘致を契機にしたまちづくりや、研究者等の居住環境の整備を目指し、令和3年度から本年度にかけて、ILCまちづくりモデルケースの研究を、岩手大学、トリプルエー─一般社団法人先端加速器科学技術推進協議会と共同で取り組んでおり、今年度中に成果を取りまとめることとしております。
 令和5年度は、このモデルケースについての建設候補地周辺市町への説明会やセミナーの開催等により、ILC誘致を契機にした魅力あるまちづくりを促していきます。
〇郷右近浩委員 今回のこれまでやってきていただいた、このまちづくりのモデルケースの研究でありますけれども、今お話がありましたとおり、これから取りまとめということで、そして、その成果報告が上がってくるということであります。
 研究成果報告される内容は、この検討テーマであったり、モデルケースについては、排熱活用、エネルギーコミュニティー、さらに、モビリティー、次世代交通実装、官民連携による国の施策との連携、短期滞在、長期滞在のコミュニティーモデルの検討であったりと、まさに、本当にそれぞれの地域で、このILCをしっかりとこの地域のものとするには必要な部分であります。ぜひさらに検討していっていただいて、それこそがそれぞれの地域のためになっていくと思うのであります。
 ただ、そうなってくると、その関係の市町の総合計画等にもなかったような視点等がかなり含まれてきている中で、令和5年度に、市や町に落としていったとき、それを具体的にどのようにしていくかといった、部分をうまく結びつけていかなければいけないと思うのでありますけれども、その点についてどのようにお考えなのかをお伺いしたいと思います。
〇藤島計画調査課長 まちづくりの取り組み自体は、各自治体によって取り組まれていくものでございます。先ほども答弁しましたが、ILCが実現しましたならば、国内外から多数の研究者、技術者、その家族が周辺自治体に居住することとなります。
 こうした研究者等のニーズをカバーしつつ、周辺自治体の従来からあるまちづくりの課題も解決できるようなまちづくりが展開されることにより、研究者等と地域との協力関係が構築され、多くの価値がもたらされると考えております。
 そのために、周辺自治体のさまざまな立地環境を踏まえつつ、自治体の参画意欲をもたらす多様なILCまちづくりのモデルケースを示す必要があります。ILC誘致を契機にしたまちづくりのモデルケースに、こういったところで研究に取り組んでいるというところでございます。
〇郷右近浩委員 質問した部分で、これからどのように進めていくかという思いもあって聞いたわけであります。これまで、それぞれの検討テーマを、令和3年度に、ヒアリングした対象自治体それぞれがさまざまに聞いているわけでありますけれども、全てのテーマに対して、自治体それぞれから聞いているわけではなくて、例えば奥州市であれば、地域振興プラットフォーム部を聞き取りしたといった形で。その場面、その場面でいろいろ聞いています。
 今回、取りまとめた成果報告を全ての市町としっかりと共有しながら、それをさらに詰めていくことで、みんなの意識が一つになり、このILCをもとにしたまちづくりがしっかりとできてくると思うわけでありますし、そうなってほしいと思って、お聞きするわけでありますので、もう一度、御答弁いただければと思います。
〇箱石ILC推進局長 今、委員に御紹介いただきましたモデルケースの五つのモデルにつきましては、ILCを契機としつつ、この人口減少の中で、新しいDXも含めた魅力のあるまちづくりにつながっていくものと考えております。
 これを、市町村の計画にどうやって落とし込んでいくかということにつきましては、まず、モデルケースを来年度一緒に勉強して、検討して、ステップを踏みながら、それぞれの市町村とその計画のサイクルもございますので、その中で、どういうタイミングでどのケースを入れていくかというのは、一緒に考えながら、取り組んでいきたいと考えております。今の時点で、この計画スケジュールというところまではできておらず、まだこれからということであります。
〇郷右近浩委員 わかりました。楽しみに拝見させていただきたいと思います。2025年まであと2年、しっかりと取り組みながら、前に進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。
〇臼澤勉委員 私からも、ILC誘致についてお伺いいたします。
 今回の議会においては、一貫して、人口減少が及ぼす影響をテーマにしながら、さまざま議論させていただいております。各部局でも言っておりますけれども、岩手県を初め東北地域は、国内においても、人口減少のトップランナーを走っている地域です。そういった中において、このILCがもたらす効果は、非常に期待がされます。生産年齢人口においても、本県は、2045年までには43.2%減ることが見込まれている中において、世界から有能な方々が、この岩手県に2、000人以上、そういった高級技術者の方が在職して、世界中から1万人以上の研究者が中長期滞在することも見込まれているということで、非常にその意義は大きいと思っております。
 しかも、ことし、岩手県においては、東日本大震災津波から12年を迎えて、国内外から、世界からも多くの支援をいただいて、この岩手県が、国際貢献においても、あるいは、これからアジアにおいての平和構築に向けての拠点として、本当に意義深いものが期待されると私は理解しておりますが、改めて県として、ILC誘致に関する意義をどのように捉えているのか、まずお伺いいたします。
〇佐々木副局長兼事業推進課総括課長 ILCの意義ということであります。
 委員からもさまざま御紹介がありましたけれども、その学術的な意義はもちろんでございますし、日本での実現によりまして、大きく期待されているのは、イノベーションの創出と産業の発展、それから、新たな地方創生と、東日本大震災津波からの創造的復興、まさにこういった点につきましては、人口減少社会などの課題にも資するものと考えております。
 それから、アジア初の大型研究機関として、我が国が標榜する科学技術立国のシンボルとなるものと捉えておりますし、総合的な安全保障にも資するものであり、大きな価値や未来をもたらすものという認識でおります。
 県といたしましては、県内外のILC関係団体等々、こうした多様な価値を共有して、その意義や効果をわかりやすく発信しながら、さらなる国民、県民的な機運の盛り上げを図っていくことが重要であるという考えのもとで、さまざまな取り組みを進めてまいったところであります。
〇臼澤勉委員 今回のILC誘致を実現する意義は、岩手県においてそういうさまざまな面から本当に、期待されるのですけれども、我々はまず着実に、誘致実現に向けた活動を、政府当局にも強化をしていくのはそのとおりであります。
 一方で、地元として、先ほども、郷右近浩委員からもお話がありましたけれども、岩手県として、今やるべきことを着実に進めて、積み重ねていくことも非常に重要だと、私は捉えております。
 そういった意味から、令和5年度の取り組み内容、新年度予算においても、県として、取り組みをどのように強化しようとしているのか、特に、その取り組みを強化する点についてお伺いしたいと思います。
〇佐々木副局長兼事業推進課総括課長 ILCの実現に向けましては、今、IDT─ILC国際推進チームで、国際協働による研究開発や、政府間協議に向けた取り組みが着実に進められていると承知しております。
 こうした取り組みに加えて、先ほども申し上げたようなILCの有する価値や意義を広く内外に発信して、国民的な機運を盛り上げることが重要と考えております。
 令和5年度におきましては、引き続き、そうした価値を発信する講演会やイベント等を県内外の推進団体とともに実施し、日本誘致に向けた、国民的な機運の醸成を図りながら、国に対する働きかけを強化してまいりたいと考えております。
 アフターコロナでもございますので、さまざまな関係団体の取り組みが活発化しております。そうした団体との連携、それから、コロナ禍でいろいろ工夫しながら行ってきたような、ウエブ配信の手法とか、さまざまな手法が生まれておりますので、そういった工夫を行いながらやっていくことが大事かと思っております。
 それから、令和5年度の予算に計上したものといたしましては、ILCの実現を見据えた取り組みについても、これまでの成果等を踏まえた強化を図ることとしておりまして、先ほど、藤島計画調達課長からも答弁したようなこととも重複するわけですが、イノベーションの創出に向けた取り組みとしまして、本年度予算で、オープンラボに整備する機器等を活用しながら、県内企業に対する加速器関連産業の参入支援の取り組み、これはかなり充実できるのではないかと考えておりますし、令和3年度から、東北ILC事業推進センターが共同研究として進めているまちづくりのモデルケースについても、新たに外に対して働きかける取り組みとして位置づけられると考えておりまして、東北ILC事業推進センターとともに、建設周辺自治体に展開するといった取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 先日、一般社団法人国際経済政策調査会の吉岡正和先生とも懇談させていただいて、さまざま意見交換させていただきました。吉岡先生からも、東北地域あるいは岩手県においては、技術先行型の企業が非常に多くあり、そういった企業を育てていくことを突破口にして、イノベーションを起こしていく取り組みが非常に重要だとお聞きしました。この地元で、そういった加速器関連産業への参入支援とか、技術指導の取り組み、そういった部分をもっと盛り上げていく、あるいはもう既に、頑張って取り組んでいる企業にフォーカスしながら、県としてやれるもっともっと盛り上げていく取り組みはあるのではないか。
 もっと言うならば、そういった何か企業に対するインセンティブみたいなものを設け、例えば入札制度においても、新たなそういう技術革新の取り組みをやっている企業を、どんどん育てていくということも、県としてやれる部分はあるかと思います。それは、入札制度を所管している出納局なりそちらのほうになるのかもしれませんけれども、県として、そういった企業支援みたいなところをどんどん取り組んでいってほしいなと思いますが、そこら辺の県としての取り組み、あるいは企業支援のインセンティブとか、お考えがあれば教えていただければと思います。
〇藤島計画調査課長 これまで、いわて加速器関連産業研究会などの取り組みを通じて、県内企業の加速器関連産業への参入に向けた取り組みを推進しており、加速器関連機関のニーズに対応し得る県内企業が着実に増加し、現在は、ILCに直接関係する技術の共同開発も行われているところであります。
 こうした流れを加速していくためには、企業の技術力の向上、すなわち研究機関と連携した共同研究の推進が必要と認識しております。現在、オープンラボに、陽電子源等、加速器関連の試作品の性能を評価する機器を整備しているところであり、来年度は、この評価機器を活用して、研究者による企業向け指導を強化するとともに、引き続き、専門知識を有するコーディネーターによる企業訪問やマッチング活動により、産学官による共同開発をより一層推進してまいります。
 また、加速器関連産業の拡大に向けまして、いわて加速器関連産業研究会のセミナーなどを通じて、県内の参入実績、関連技術等を広く発信しながら、新たな県内企業の参入意欲の喚起につなげる取り組みを推進してまいります。
 県内企業が加速器関連産業に参入するインセンティブにつきまして、将来、ILCが実現した際には、直接的な関連技術、機器整備等の受注のほか、実現前の短期的には、いわて加速器関連産業研究会に参加することによる企業間のネットワークの構築、共同研究への参加による技術力の向上、KEK等先端研究機関からの受注などのメリットがあると考えられます。
 また、最先端技術に係る研究者との交流や指導による人的ネットワークの構築、これらによる人材の育成などの人的メリットもあると考えられ、これらのメリットを発信していく必要があり、技術セミナー等を活用し、県内企業に広く発信してまいります。
〇臼澤勉委員 そういったことはよくわかるので、そういったインセンティブを与えるような具体的な、仕組みも必要なのかと思います。
 今、御紹介があったお話なども、私も先般、公益財団法人いわて産業振興センター内で、ILCの陽電子源冷却システムの妥当性評価試験の現場を、先生方と一緒に見させていただきました。まさに産学官が連携して取り組んでおります。県内の企業もシステム開発に取り組んでいるし、岩手大学とか広島大学、あるいはその県の産業振興センター、工業技術センターとかが、連携、サポートしながら取り組んでいます。
 ですから、いずれ、その波及効果を県内の企業にしっかりとまず落とす、あるいは誘致が実現してから動くというよりは、実現することをきちんと踏まえながら、今から企業がしっかりと取り組む、そういった体制や企業を育てていくのがとても重要になってくると思っております。
 今、隣の東北大学でも、青葉山のほうで既にいろいろやっていて、さまざまな企業が入りお仕事をされて、技術力も高めています。こういった取り組みはすごく大事になってきますので、県内の企業を育てるという点からも、ぜひ、関係部局、商工労働観光部などと連携して進めていただきたいと思います。
 先ほども郷右近浩委員からもお話ありました、先般、1月に山内先生の講演会がありました。その講演会に行った際にも、まさに2025年のお話が一つのめどになるというお話もありましたけれども、ICFAの姿勢とか、今後の方向性、さまざま見立てはあろうかと思いますが、県として、どのようにこの前の山内先生の発言等を捉えて、今後、取り組みをしていこうとお考えになっているのかをお伺いをいたします。
〇佐々木副局長兼事業推進課総括課長 昨年、ICFAは、日本でのILCの実現を引き続き奨励するとともに、1年間の進展を注意深く見守るというステートメントを公表しました。
 現在、こうしたことを踏まえて、IDT─ILC国際推進チームが、KEK─高エネルギー加速器研究機構と連携し、国際協働による研究開発の推進に向けた取り組み、それから、政府間協議に向けた取り組みを進めています。現時点で、ICFAの日本でのILC実現を奨励している状況には全く変わりがないのだろうと認識しております。
 それから、CERNのFCC−ee、陽電子型の将来円形衝突加速器については、御紹介もありましたとおり、2025年に実現可能性調査、いわゆるフィジビリティスタディーが取りまとめられるものと見込まれております。KEKの山内機構長も、その講演の中で、誘致判断の節目として紹介しているところでございます。
 県といたしましては、ICFAや多くの研究者が、技術的な成熟度などから、ILCの実現を支持している状況にあるという認識でございまして、IDTが進める二つの取り組みを着実に進展させつつ、タイムリーに誘致を表明することが重要と考えております。
 したがいまして、内外の関係機関と連携した国民的な機運の醸成を図りながら、さらなる関係予算の確保、省庁横断による国家プロジェクトとしての推進について、これまで以上に強く働きかけていくことが重要であろうと考えております。
〇臼澤勉委員 最後にいたしますけれども、まさに、今回のこのILCの実現は、岩手県における新たな産業構造を発展させる好機、契機になっていくと思いますし、現在、先ほどの企業の皆様の活動であったり、あるいはグリーンILCに向けた取り組み、クアオルトという取り組みも、北上中部地域、西和賀町、あるいは、今、奥中山地域とかでのクアオルト事業みたいなものも含めて、動きが出ております。今できることをどんどん着実に積み重ねていく、それを、県として、そういった動きを、積極的にサポート、あるいはともに伴走しながら、取り組みを強化していっていただきたいと思いますが、最後に、来年度にかける意気込みを聞いて、終わりたいと思います。
〇箱石ILC推進局長 今、委員から御紹介いただいたとおり、ILCにはさまざまな意義と価値と、そして、大きな夢があると思います。また、その価値は、繰り返しになりますが、人口減少に向けての大きな処方箋になっていくものと考えております。
 来年度、1年間注意深く見守ることにつきましては、これまでの流れで、一つ前に進んでいると考えております。
 先月、建設地域では、ILC実現建設地域期成同盟会も発足しました。新たな動きも踏まえて、さまざまな関係者と一体となって、本当に実現に向けて、全力で頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
〇千葉盛副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後4時20分 休憩
午後4時42分再開
〇佐藤ケイ子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 最初に、ILCをめぐる国内外のこの間の動向について示してください。
〇佐々木副局長兼事業推進課総括課長 ILC計画につきましては、昨年2月、文部科学省の有識者会議が、時期尚早とする議論のまとめを公表いたしましたし、4月には、ICFA─国際将来加速器委員会が、今後1年間の進展を注意深く見守るといったステートメントを公表しております。
 現在は、こういった状況を踏まえまして、IDT─ILC国際推進チームが、国際協働による研究開発に向けた取り組みとか、政府間協議に向けた検討を進めているものと承知しております。
 また、国内におきましても、コロナ禍に伴う行動制限の解除に伴いまして、関係団体等による講演会など、多様な活動が再開されております。
 さらに、昨年10月には、超党派国会議連の総会が開催されましたし、先月8日には、ILC実現建設地域期成同盟会が設立されるなど、ILCをめぐる動きが活発化しつつあるものと認識しております。
〇斉藤信委員 国際的な動向として、政府間協議に向けた国際有識者会議が設置されて、この間、開催されているようですが、この内容はわかるのですか。
〇佐々木副局長兼事業推進課総括課長 国際有識者会議と申しますのは、各国の研究者の中で、各国の政府機関と話ができる方が集まった、IDTの主導のもとにつくられた会議であります。
 この会議が昨年設置されまして、今、大型加速器を国際プロジェクトとして建設する場合に、どういったプロセスで進めたらいいのかといったような台本づくりを進めていると聞いております。その台本をもとにして、政府間での協議につなげたいという考えのもとに、現在、さまざまな検討が進められていると聞いております。
〇斉藤信委員 私が昨年聞いたときには、国内の動きで、全国知事会も、全国知事会としてこれを政府に要望するようになったとお聞きしました。これは知事が頑張ったということだと思いますけれども、これは、今年度もなされているのですか。
〇佐々木副局長兼事業推進課総括課長 全国知事会の要望につきましては、全国知事会、それから、北海道東北地方知事会の要望として、継続して要望を行っておりまして、令和5年度にも、同様に、強く働きかけるための要望を行うという方向で検討が進められております。
〇斉藤信委員 私のいただいた最近の動向にも、全国知事会が要望しているのであれば、これはきちんと記述すべき、大事なことではないかと思います。
 来年度政府予算で9.7億円のILC関係の予算が提案されているところです。これは一応予算倍増ということですが、この中身、この意義について、どのように受けとめているでしょうか。
〇佐々木副局長兼事業推進課総括課長 令和5年度の文部科学省のILC関連予算案は、御紹介のとおり、前年度比倍増9.7億円でございます。このうち7億円が補助金として、また、2.7億円がKEKの運営交付金のうちのILC関連経費として計上されているということでございまして、文部科学省からは、いずれも、次世代加速器の研究開発を推進するための予算と説明を受けております。
 特に、7億円の補助金でございますけれども、海外研究機関との共同による研究開発を推進すると説明を受けておりますけれども、現在、IDTにおいて、ICFAの承認のもとで、国際的な共同研究開発を推進する枠組み、ILCテクノロジーネットワークの立ち上げの取り組みが進められておりまして、こうした取り組みの方向性に沿ったものと考えております。
〇斉藤信委員 先ほどの議論で、2025年がポイントになると話がありました。欧州原子核研究機構─CERNの設立の経緯と、FCCを含めた最近の動向について示してください。
〇佐々木副局長兼事業推進課総括課長 CERNの設立の経緯と最近の動向ということであります。
 CERN─欧州原子核研究機構でありますけれども、第二次世界大戦で荒廃したヨーロッパを一つにし、科学で平和を生み出すという理念のもとに設立されまして、世界中から研究者が、国や地域、言語、宗教等の垣根を越えて集結し、その核となるLHC─大型ハドロン衝突型加速器の運用によりまして、2012年のヒッグス粒子の発見など、さまざまな成果を上げてきたものと承知しております。
 近年は、LHCの運用による実験のほかに、新粒子の探索やヒッグス粒子の詳細な性質調査に向け、LHCの高輝度化の取り組みや、将来の加速器の検討も進められているものと承知しております。将来の加速器等に関しましては、御紹介のありましたFCC、周長約100キロメートルの円形加速器の技術的、財政的な実現可能性調査を進めていると聞いておりまして、2025年の報告書の取りまとめに向け、検討が進められていると承知しております。
〇斉藤信委員 私、このCERNの経過が大変重要だと思うのです。第二次世界大戦後、荒廃したヨーロッパの再編、統合の象徴、いわば平和の象徴としてCERNがつくられたのです。
 この間の経過の中で、例えば、これは9月6日ですけれども、第110回加速器研究科学研究会に、鈴木財務大臣が、ILC実現は、経済安全保障に寄与するプロジェクトというメッセージを寄せました。私は、ここに違和感をすごく感じました。政府が言っている経済安全保障というのは、安全保障、軍事力強化に、経済も科学技術も動員するというものなのです。こういう発想だったら、私は違うのではないかと思います。
 先ほどの議論の中で、佐々木副局長は、総合的安全保障に資するという話をしました。この総合的安全保障はどういう意味で使われたのでしょうか。
〇佐々木副局長兼事業推進課総括課長 総合的安全保障という言葉、ILCの実現による価値と未来というPRのための冊子をつくって、PRをしているのですが、その中でも使われている言葉ですけれども、経済安全保障というよりは、どちらかというと平和貢献のための安全保障という意味合いが大きい表現になっているかと思います。ただ、総合的ということですので、さまざまな多面的な価値を有するという観点も含めて使われているのではないかと承知しております。
〇斉藤信委員 私は、今、ILCを実現する上で、最大の障害になっているのは何かと考えたときに、これは、岸田自公政権の敵基地攻撃能力の保有と大軍拡です。5年間で43兆円軍事費に投入する。これは、財源がないから、復興特別所得税も流用して、増税期間を延長する。国立病院の積立金、年金の積立金も、軍事費に導入するのです。そして、自衛官とか自衛隊の施設に、今までやってはならないと言っていた建設国債まで使う。これは来年度の話です。ますますILCの一番障害になっているのは財源ですから、こんなに大軍拡をやったら、見通しがなくなってしまうのではないか。
 私は、この大軍拡、敵基地攻撃能力の保有が、まさに平和の象徴であるべきILCの実現にとって、大きな障害だと思うけれども、箱石ILC推進局長はどのように受けとめているでしょうか。
〇箱石ILC推進局長 ILCの実現に向けての大きな課題の一つとしては、今、斉藤信委員がおっしゃられたように、費用の問題と認識しております。その実現に向けましては、先ほど来、御説明させていただいているように、ILCの価値、それが大きくその費用を上回るのだということを、県民、国民の皆さんに理解していただいて、そういうことのもとに実現に向けて頑張っていきたいと思っております。特に平和に貢献するアジア初の国際研究施設というのは、その大きな進める価値の一つであると考えております。
〇斉藤信委員 私は、ILCはあくまでも自然科学の発展に寄与し、生命のそれこそ根源を追求する、そういう研究でもあると考えています。そういう意味で、本当に歴史的な意義を持つし、その研究の場が、この岩手県が適切だと、国際研究者がそのように言っていることが、岩手県にとっては大変重要なことですし、あくまでもCERNと同じように平和の象徴として、国際的にやられるべきだと思うのです。
 ところが、この間、国会で43兆円の大軍拡の議論がありました。敵基地攻撃能力ですから、相手を攻める。攻められたら報復される……(「ILCに関係ないのではないか」と呼ぶ者あり)大軍拡の中身を言っているのですよ。
 実は、自衛隊300基地、2万3000棟、施設の地下化をする。これに5年間で4兆円かけるのです。そういうことまで明らかになっている。私は、これがまさにILCを進める上で、最大の障害になっていることを厳しく指摘をしたい。平和の象徴としてこそ、技術立国たる日本の再建はあり得ると思いますが、もう一言だけ聞いて、終わります。
〇箱石ILC推進局長 委員おっしゃるとおり、ILCには科学技術の宇宙誕生の謎を解明するという大きな命題がございますし、その技術開発の過程で、医学あるいは生命科学、それから、情報通信、さまざまな技術開発、イノベーションを起こす、そういった大きな期待もあると思います。
 そして、繰り返しになりますが、アジア初の国際研究機関として、平和の象徴として、全世界から2、000人を超える科学者がこの東北地方の岩手県に来て、また、岩手県から世界に旅立つ科学者が生まれるのではないかという大きな期待を持って、実現に向けて頑張っていきたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようですので、これでILC推進局関係の質疑を終わります。
 ILC推進局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、警察本部長に、警察本部関係の説明を求めます。
〇森下警察本部長 警察本部長の森下でございます。令和5年度の警察本部関係の予算について御説明を申し上げます。
 初めに、令和4年における警察業務の推進状況について御説明を申し上げます。
 県警察は、令和4年の基本姿勢に、県民の期待と信頼に応える力強い警察を掲げ、東日本大震災津波における行方不明者の捜索活動を真摯に行ってきましたほか、地域の見守り活動や巡回連絡など、被災された方々一人一人に寄り添う活動を推進するとともに、次世代を担う子供たちや女性、高齢者が、犯罪等の被害に遭わないための活動を推進するなど、県民の安全、安心の確保に努めてきたところであります。
 県内の治安情勢を顧みますと、殺人や強盗等の凶悪事件が発生しているほか、特殊詐欺被害が認知件数、被害額ともに増加し、高齢者の被害割合が依然として高水準で推移するなど、厳しい状態が続いております。
 また、交通事故につきましては、発生件数、傷者とも減少傾向にあり、死者数は37人と、記録が残る昭和23年以降最少となった一昨年の35人に次ぐものでありましたが、死者の半数以上を高齢者が占めるなど、なお、憂慮すべき状況にあります。
 こうした情勢を踏まえ、県警察では、令和5年の基本姿勢を、昨年に引き続き、県民の期待と信頼に応える力強い警察とするとともに、活動重点として、第73回全国植樹祭いわて2023に向けた総合対策の推進、被災者に寄り添う警察活動の推進、子供、女性、高齢者の安全を確保するための活動の推進、悪質重要犯罪の徹底検挙、安全意識を高める目立つ街頭活動及び交通指導取り締まりの推進、官民一体となったテロ対策の推進及び災害等への対処能力の向上、サイバー空間の安全の確保、職員一人一人が輝ける魅力ある職場環境の実現の8項目を掲げ、各種施策を着実に推進し、県民の皆様が安全、安心を実感できる地域社会の実現を図ってまいります。
 それでは、令和5年度岩手県一般会計予算のうち、歳出予算について御説明を申し上げます。
 お手元の議案その2の8ページをお開き願います。
 警察本部が所管する予算は、9款警察費274億3、570万円余であります。これを令和4年度当初予算と比較しますと、12億8、680万円余、率にいたしまして4.5%の減額となっております。減額の主な原因は、県警ヘリコプター格納庫等整備及び久慈警察署等庁舎の移転新築に係る警察施設整備事業費の減によるものであります。
 その他の内容につきましては、予算に関する説明書に記載をしておりますので、説明は省略させていただきたく、この点につき、御了承願います。
 以上で、警察本部関係の予算について、説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 それでは、質問させていただきたいと思います。
 最初に、通学路の安全対策についてお伺いします。いつもお伺いしているわけでありますけれども、私自身もさまざまな事故等を見てきた中で、子供たちや、生活者の安全を何としても守りたいというような思いで、いろいろやっていただいているものをさらに進めていただきたい、そうした思いで質問させていただきたいと思います。
 これまで、岩手県警察におきましても、子供たちの通学路や生活道路の安全を確保するために、さまざまな対策を進めてきていただいているものと認識しております。
 そうした中で、平成3年6月28日に千葉県八街市で発生した交通死亡事故を受け、同年8月4日、交通安全対策に関する関係閣僚会議が開催され、通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策が決定されました。対策を踏まえた交通事故防止対策のさらなる推進についての通達が発出されたものと認識しております。
 これは、こうした通学路に車が突っ込んだりとか、さまざま事故があると、そのたびに、通達とか省令とかいろいろな形で発出され、その度に対策をしっかりとってきていただいていると思いますが、まだまだなくならないというのが非常に残念であります。
 ただ、今回、この通達が発出されたものを受けて、岩手県警察としても、合同点検を行い、通学路の安全対策を講じてきていただいていると思いますが、どのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
〇阿部交通部長 合同点検による通学路の安全対策についてお答えいたします。
 関係機関との合同点検で、岩手県警察が対応すべき対策箇所への対応状況についてですが、対応すべき171カ所、195対策のうち、交通監視活動や交通指導取り締まりなどのソフト対策については、令和4年5月までに実施済みであり、令和5年3月末では、全体の96%に当たる163カ所、187対策を実施、残るハード対策が必要な8カ所、8対策についても、令和5年中の完了を目指しております。
 なお、交通監視活動や交通指導取り締まりなどのソフト対策につきましては、1回の実施だけではなくて、継続的に取り組んでまいります。
〇郷右近浩委員 ソフト対策の部分で、交通指導取り締まりという部分も、今お話ありました。奥州市でも、可動式のオービスとか、そうしたものが通学路のあたりを中心にあり、私自身も、あれは見せる抑止力的な効果もあると思いますけれども、それを3台にふやして、県内でやっていただいているという中にあっては、抑止力としてそうした働きをしっかりやっていただければと思います。
 今もお話ありました、ハード対策の中では、ゾーン30など、これまでも岩手県警察においても進めてきていただいている整備がありますけれども、これまでの設置実績と今後の配置予定について伺います。また、ゾーン30以外の安全対策等も考えていることがあれば、お示しいただければと思います。
〇阿部交通部長 ゾーン30等の整備状況と計画についてでありますが、ゾーン30の整備状況につきましては、令和4年度は、陸前高田市米崎地区と山田町田の浜地区の2カ所を整備し、県内では38カ所に整備をされております。
 また、ゾーン30の速度規制に、物理的デバイスを加えたゾーン30プラスについてですが、花巻市四日町地区に、令和4年11月に物理的デバイスの設置が完了し、今後、道路管理者とともに、効果検証を行うこととしております。
 また、ゾーン30プラスとしては、盛岡市の向中野地区と西見前地区、矢巾町の煙山小学校地区を計画しており、現在、地域の住民の皆様や道路管理者との協議を進めております。
 引き続きまして、ゾーン30以外の安全対策についてお答えいたします。ゾーン30以外の通学路の安全対策では、児童の登下校時間帯に、保護誘導活動やパトカー、白バイによる警戒活動を実施しております。
 昨年5月から7月の間、交通事故分析に基づき、子どもを守る1・5(いちご)プロジェクトと命名し、下校時間帯の15時台に、県下一斉の街頭活動を実施しており、下校時間帯の警察署と交通機動隊が連携した活動を強化しております。
 また、郷右近浩委員からございました、可搬式速度違反自動取締装置を活用した取り締まりを行っておりまして、飲酒運転や歩行者妨害等の違反の取り締まりも、通学路において強化をしております。
〇郷右近浩委員 これまで、私自身もこのゾーン30を、ずっと広げていただきたいといった思いで質問をさせていただいておりました。小学校など、そういった教育施設の近くは、生活道路の部分は、私はもう全部ゾーン30にしていいのではないかと思います。幹線道路は、それなりにきちんと流れをつくらなければいけないといった部分は必要だと思いますし、それ以外の、中側の入っていったところなどは、歩いて生活できるような環境をしっかりとつくっていくべきだということで、これをどうにかふやしていきたいと思います。
 ただ、もちろんこれは道路設置者でありますそれぞれの市町村が、そもそもとしては設置をしていくという中で、それに対して、岩手県警察として、地域の方々に説明をしたり、段取りをしたり、いろいろ標識を設置する中にあっては、市町村やいろいろな方々の理解が必要なのだろうと思います。その部分をしっかり何とか醸成するためにも、言い続けていかなければいけないと思っているものであります。
 この間も、令和4年度において、ゾーン30以外の部分でも、通学路関係の速度規制を少し絞ったりとか、いろいろなことをやっていただいていると思います。
 以前に、奥州市についても、学校の近くの横軸1本だけを30キロに抑えて、そこから今度は、そこの地域全体のゾーン30をつくっていくという、地域理解も含めて、話になっていったことを踏まえると、少しずつでも進めていくことが、最終的にはいい形になると思います。
 今、るるお話もありましたけれども、通学路の安全対策は、パトカーとかも出していただいて、朝とか夕方、さまざま啓蒙といいますか、きちんと警察の姿を見せて、まさに抑止の力を働かせながらといったことをいろいろやっていただいています。通学路の安全対策は、全体でみんなでやっていく中で、教育委員会や学校や地域との連携も必要であり、スクールガードなどは、そうした中で一生懸命やっていただいているというのがふえたと思いますが、スクールガード等の取り組み状況、及びそれに対しての警察の関与について伺います。スクールガード自体は教育委員会の所管であるので、直接的に関与はないにしても、そことの関与の部分も含めて、どのように岩手県警察として考えているのかをお伺いしたいと思います。
〇菅野生活安全部長 まず、スクールガード等の取り組み状況についてでありますけれども、スクールガードは、地域住民や児童生徒の保護者によるボランティアで、小学校単位で構成されて、通学路における見守り活動などをやっているとされております。
 また、スクールガードに専門的な指導等を行うスクールガードリーダーにつきましては、市町村の教育委員会が委嘱していると承知しております。
 次に、警察の関与、支援ということについてでありますが、岩手県警察では、スクールガードやスクールガードリーダーを対象として、ぴかぽメールによるスクールガードの活動に役立つ不審者情報の提供を行っておりますほか、各警察署においては、見守り活動を実施する際の留意事項の指導、通学路の安全に関する情報公開、これらを行いまして、その活動の支援等を行っているところであります。
 岩手県警察といたしましては、引き続き、子供の登下校時間帯において、制服警察官による合同での見守り活動を行っていくほか、教育委員会や学校と連携し、スクールガードの皆様の活動支援をしながら、通学路の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 交通部というよりは生活安全部の所管になってくることでありますけれども、みんなで守っていくということをやっていただければと思いますし、また、交通安全を語る中で、信号機の設置が各市町村から特に要望が多いものだと思います。市町村ごとにそれぞれ役場の中で、ある程度取捨選択をしながら、それを警察に協議会で出してということで、さらに、採択されないという場合は、まずは、喫緊の課題の部分からやっていくということになります。
 そうなっていくと、本来はそうでないほうがいいわけでありますけれども、事故があったところしかつかないのかとかと、そうしたような声も出てきてしまうぐらい、なかなか難しい、簡単につかないということを感じております。そのためにも、私自身も奥州警察署に何度かお邪魔しながら、まずは、例えば交通量調査であったり、恐らく阿部交通部長にも以前にお願いしたことがあったと思いますけれども、現状調査であったり、いろいろなデータをつくっていただきながら、何とかそこに設置できないかとお願いしてきました。今回は、奥州市の小谷木橋の東側、特に岩手県内でも騒がれていたところでありますが、そこに信号機設置見込みだという話で聞いて、少し安心しているところであります。
 ただ、そうした中で、皆さん方は、なかなか予算がつかないといいますが、交通安全施設整備費という予算がある中で、もちろんその全てが信号機に回るわけではないのですが、私は、もう少しこの予算の枠をとったほうがいいのではないかという思いも含めて、今回の令和4年度を含めた、まず直近5年間の設置要望数と実績、そして、令和5年度の設置箇所数はどのようになっていくのかお伺いします。
〇阿部交通部長 令和4年度を含めた、直近5年間の信号機の設置要望数と実績値についてでありますが、設置要望数、設置数の順にお答えいたします。
 平成30年度が40基の要望に対しまして10基の設置、令和元年度が36基の要望に対して8基の設置、令和2年度が30基の要望に対して4基の設置、令和3年度が18基の要望に対して4基の設置、令和4年度が27基の要望に対して3基の設置となっております。
 次に、令和5年度についてでありますが、29基の要望に対して、新小八木橋東、金ケ崎小学校南、千徳小学校など計7基の設置を予算計上しております。
〇郷右近浩委員 今、令和2年、令和3年、令和4年と、設置が少なかったという中で、今回、令和5年度、しっかり対応していただいていると思います。しかし、今回のこの設置要望数の先ほど来話があった、40、36、30という数自体は、先ほどもお話ししましたとおり、市町村に寄せられているものだけであって、その中からピックアップし、そして、さらにそれをピックアップされていることを考えると、なかなか歯がゆいといいますか、もう少し予算アップしていただきながら、しっかりと対応していただければというものであります。これは少し要望として、お願いしたいと思います。
 ただ、要望で終わらせますが、その点については、先ほどもお話ししましたが、阿部交通部長とは、そうした中でいろいろとお願いもしたり、奥州市へいらっしゃったときとかにいろいろ御相談させていただきました。子供たちの安全であったり、地域の交通安全、そうしたものをしっかりと守ろうとしていただいてきたと思いますし、同じ思いで、同じほうを向いているのだということを私自身も感じながら、いろいろ相談させていただいておりましたので、そうしたことでしっかりと交通安全といいますか、安心、安全を守るといった部分でお考えがあれば、お話をいただければ思います。
〇阿部交通部長 信号機の設置等につきましては、郷右近浩御指摘のとおり、全てが設置できるわけではございませんが、地域の皆様からの御意見をいただいて、必要なところに、全県的な見地で検討し、設置をして、岩手県の交通安全、交通事故を起こさないように守ってまいりたいと考えております。
〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇名須川晋委員 ただいまの郷右近浩委員のスクールガードのところに関連して、質問をさせていただきますけれども、スクールガードは、朝あるいは夕、子供たちの登下校を見守るという役割かと思いますが、この方々の法律上の立ち位置というところですが、これは、道路交通法第14条第4項、児童または幼児が小学校、幼稚園、幼保連携型認定こども園、その他の教育または保育園のための施設に通うため道路を通行している場合において、誘導、合図、その他、適当な措置をとることが必要と認められる場所については、警察官等、その他その場所に居合わせた者が、これらの措置をとることにより、児童または幼児が安全に道路を通行することができるよう努めなければならないということで、警察官のほかにも、そこに居合わせた方が児童の交通安全を見守るという、法律上裏づけられた人たちですという読み取り方でよろしいでしょうか。
〇阿部交通部長 お答えいたします。
 道路交通法第14条第3項にあります、その場に居合わせた者という部分の解釈でありますが、警察官等と言っているのは、解釈では警察官と交通巡視員とされています。当県には、今、交通巡視員はおりませんが、交通警察官と交通巡視員は、信号機と違う交通整理ができるという権限がありますので、まずは、この警察官等というのがありますし、いわゆる実際に道路に立っていただいている交通指導員はもちろん、その場に居合わせた全ての成人を含むという解釈になっておりますので、交通安全のボランティアで立っていただいている方も全て含むという解釈になります。
〇名須川晋委員 そういうことで、恐らく交通指導員の方、何で車をとめていいのかということを、お互いの善意で成り立っていることですけれども、法律上の裏づけがあるということが、もしかして、交通指導員の方、スクールガードの方、あるいはドライバーもわかってないと思うのです。そこの認識をしっかりと深めることが大事ではないかと思います。
 一般のドライバーからすれば、何でおまえにとめられなければならないのだと思われる可能性があるわけです。道路交通法第14条第3項に法律上しっかり明記された方なのですということをお互いが認識する必要性があり、これから県民に周知していく必要があるのではないかと思いますが、どうでしょうか。
〇阿部交通部長 1点訂正をさせていただきます。道路交通法の条文でございますが、先ほど私、第14条第3項と申し上げましたが、これにつきましては、児童、幼児等の路上遊技の監督、付き添い義務ということでございまして、今、委員から御指摘いただいた部分は、第14条第4項が、通学、園児等の保護義務、第5条が高齢歩行者の保護、同じく第5条で、身体に障がいのある歩行者の保護ということで、第4項と第5項で、その現場に居合わせた者が、道路を通行できるように努めなければならないという義務を規定しております。
 ただ、この道路交通法第14条を根拠に、実際に警察官等ができる、信号機と異なるような交通整理や、車をとめることができるかというと、なかなか一概には言えないと思います。
 ただ、横断歩道で実際に歩行者がいる場合、車が当然とまらなければならないようなところでの保護、誘導についてはお願いできると思いますが、強制力はなく、通行車両の御協力を求める形でやるというのが本旨になると思います。
〇名須川晋委員 信号機を赤のところを行けとか、あるいはその逆はさすがにないと思いますけれども、お互いの善意で成り立っているということです。そういう法律があるということは、もちろん、運転免許証を取る際に勉強しているのかもしれませんけれども、恐らくは忘れ去られているはずですから、一応受けとめ方によっては、おまえに何の権限があるのだということもあると思うので、その辺について、県民への周知が必要ではないかと思います。
 なぜかといいますと、これ、実は、花巻警察署交通課提供の通学路パトロールの会の資料で、花巻警察署の交通課がそういうことを出していただいたようですので、花巻警察署はしっかりとそういうことを周知していただいたということです。ほかのところでもそういうことをしてみてはいかがかということであります。
 以上です。
〇工藤勝博委員 私から1点お伺いいたします。
 交通事故防止と一般社団法人交通安全協会についてお伺いしますけれども、一般社団法人岩手県交通安全協会の果たしている役割を、まずもってお聞きしたいと思います。
〇阿部交通部長 交通安全協会の果たしている役割についてですが、交通事故防止と一般社団法人岩手県交通安全協会及び県内15の各支部は、民間の交通安全活動の中核としまして、子供や高齢者の交通事故防止対策や自転車の交通安全指導等を推進しており、県民の安全を守り、交通安全意識の高揚を図る上で、重要な役割を果たしております。
〇工藤勝博委員 一般社団法人交通安全協会は、一般社団法人ですので、民間の組織という捉え方をされておりますけれども、岩手県警察との大変密接な関係もあると思うのです。協力関係の組織ということですけれども、そういう中で、日ごろから街頭指導とか、あるいは各種集会での交通ルールの呼びかけ、あるいはさまざまな形で事故防止につながるような運動もしています。特に、来月─4月になりますと、新たに入学する児童の黄色い帽子とかランドセルカバーとかを頒布したりする運動も例年かなり密接にやっております。それは、交通事故の防止、あるいは交通ルールの徹底ということで、大きな役割を果たしていると思うのですけれども、ただ、近ごろ、その運営に大変苦慮しているという声を聞いております。
 一つの事例ですけれども、私の住んでいる北岩手地区の交通安全協会の昨年度の決算では、減価償却で積み立てておいた予備費を取り崩しながら協会の運営をしているという状況であります。これらも、県に相談したところ、所管する県の部署がないのだということです。密接に関係ある岩手県警察のほうに何とかお声をつなぎたいという思いで、きょうは質問に立っております。
 特に、交通安全協会の役員など運営している直接の皆様は、ほとんど後期高齢者が多いのです。そういう中で、本当に心配かたがた、ほとんどの役員はボランティアで活動しているということもありまして、これらの今後の運営状況に大変苦慮するということです。
 資料の中には、15ある県内の団体もほとんどそういう状況であり、免許更新時に交通安全協会に加入しない方がふえ、あるいは高齢者が運転免許証を返納するということで、加入者がもともと減ってきて、それが一番の運営費のマイナスになっているということでもあります。
 そして、さまざまな業務委託もしておりますけれども、その収入も年々目減りしていると。もうどうしようという声が届きました。これは、これからのそういう交通安全、あるいは事故防止にもかかわって、先ほども答弁ありましたけれども、交通安全協会の果たしている役割は、大変重要なものだろうと思いますし、この組織を維持していくために、岩手県警察ではどういうお考えなのかお聞きしたいと思います。
〇阿部交通部長 交通安全協会の運営上の課題につきましては、会員の高齢化等により、従来のような活発な活動を行いにくくなっていることは認識しておりますが、岩手県警察といたしましては、交通事故に関するデータの提供、交通安全協会の行う街頭広報、啓発活動や交通安全教室に警察官を積極的に参加させるなど、交通安全協会の活動が効果的になりますよう、より一層、連携、協働して、各種交通安全活動を推進してまいりたいと考えております。
 経営の部分ということでございますが、岩手県交通安全協会の経営状態につきましては、岩手県交通安全協会に対する指導、監督をする立場にはございませんので、申しわけございませんが、お答えは、控えさせていただきたいと思います。
〇工藤勝博委員 そういう状況も重々承知しておりますけれども、この交通安全協会の運営がもう立ち行かないということになると、そういう組織を担っている各地区から出ている役員の方が、当然なり手がないという思いがあります。これを何とか工夫しながら、そういう組織も幾らかでも支援するような方法を、ぜひ考えていただければと思います。一つの収入源としてあった業務委託している、要は、車庫証明などの手数料、それらも従来より幅が狭まってきています。例えば八幡平市ですと、合併前には、松尾村があったのですね。今、合併後も、松尾村は、車庫証明は要らず、旧西根町と安代町は必要だということで、隣同士の町村で何でなのかという声もありました。
 資料をいただいた中では、そういう国の制度で、2012年でしたか、合併前後、それぞれの市町村によっても違うということがありながら、そういうはたから見れば大変不公平感もあるということで、これらも次回の時期を見計らってぜひ改正できるのであれば、改正していただければいいと思っておりますし、また、交通安全協会そのものの存続をしっかり支えるという、何か仕組みを考えていかないと、ますます尻すぼみになって、こういう交通安全の運動もできなくなるのではないかという心配がありますので、ぜひ、お考えいただければと思います。
〇斉藤信委員 それでは、まず第一に、供述調書改ざん、公用公文書毀棄容疑事件について質問いたします。
 昨年の3月に事件の被害関係者の供述調書を岩手県警察の警察官、巡査部長が改ざんし、上司の警部補がそれを容認したというものです。保管すべき変更前の調書を破棄した問題について、12月28日、岩手弁護士会は、公開質問状の回答を明らかにしました。質問と回答について示してください。
〇玉澤刑事部長 まず、岩手弁護士会からの公開質問状についてでありますが、岩手弁護士会が作成したものであり、岩手県警察としてはお答えする立場にございません。
 また、これに対する岩手県警察からの回答につきましては、先方との個別、具体的なやりとりに関することでありますので、お答えを差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 その公開質問状はここにあります。岩手弁護士会がきちんと公開しています。公開質問状はそういうものなのです。市民に公開して、回答を求める。これが公開質問状です。
 6項目の質問項目があります。本件改ざん行為の具体的内容、そして、本件改ざん行為を行った巡査部長、改ざん行為を容認した警部補の氏名及び所属警察署、所属部署。改善された供述調書が刑事手続において利用されたか否か。利用されたのであれば、いかなる手続において利用されたか。本件改ざん行為に関する被疑者、被告人及び弁護人への説明の有無。説明をしたのであれば、いつ説明したか。今後、予定している具体的な再発防止策の内容。第三者委員会等外部の目による調査等の実施予定。この6項目です。
 この6項目に、どのように回答したのですか。市民に公開している公開質問状だから、示してください。
〇玉澤刑事部長 回答した文書の公開についてでありますが、岩手県警察といたしましては、岩手弁護士会からの文書に対する回答でありまして、公開を前提として、回答した文書ではございません。
〇斉藤信委員 それでは、岩手弁護士会は何と言っているか。まともな回答はなく、中途半端な再発防止策が書かれていたと言っています。この事件を通じて、あなた方はどういう再発防止策を出したのですか。
〇金田一参事官兼首席監察官 今回の事案を受けて、岩手県警察がとった再発防止策でございますけれども、再発防止に向けた通達の発出、あるいは本部長名による危機意識共有のための緊急指示の発出、同種事案防止に係る部内共有のための資料発出、加えまして、監察を通じた指導、失敗した際のリカバリーに関する教養資料の改正及びこれらの指示、教養状況の確認等を通じて、再発防止の対策をとっているところでございます。
〇斉藤信委員 岩手弁護士会が、2月28日、会長声明を出しました。岩手県警察における供述調書の改ざんを踏まえ、取り調べの全面可視化を求める会長声明であります。
 この事件について、刑事手続で用いられる証拠が捜査機関によって破棄、改ざんされれば、それによって誤った事実が認定され、ひいては冤罪という人権侵害を生む重大な危機が生じることは言うまでもない。本件は、刑事司法の根幹を揺るがす、極めて重大な事態であると思いますが、この指摘をどのように受けとめていますか。
〇金田一参事官兼首席監察官 本件事案に関する岩手県警察の受けとめでございますが、この事案につきましては、岩手県警察といたしましても、極めて重大に受けとめているところでございます。
 こういった事案を発生させてしまったことについては、非常に残念に思っておりますし、それゆえ、再発防止のための多角的な対策、検討を行って、再発防止に努めているところでございます。
〇斉藤信委員 岩手弁護士会は、今度の事案を踏まえて、捜査機関が行う取り調べを全面的に録音、録画することが必要だと、このように指摘しています。
 全面的録音、録画すべきだという提案について、今、実態はどうなっているのか。今後、この録音、録画をどのように進めようとしているか示してください。
〇玉澤刑事部長 取り調べの録音、録画の実態についてでありますけれども、まず、録音、録画の対象となる事件につきましては、裁判員裁判対象事件などであります。具体的には、殺人や強盗致傷事件などであります。
 このほかに、犯罪捜査規範において、罪名は限定せず、精神に障がいを有する被疑者に係る取り調べ等の録音、録画が努力義務とされております。
 本県では、平成21年4月の施行開始から令和4年12月末までに、裁判員裁判対象事件等については169件、それから、精神に障がいを有する被疑者の事件については344件の取り調べの録音、録画を実施しています。
 なお、事件の詳細等につきましては、個別の事件捜査に関することですので、答弁は差し控えさせていただきます。この内容に沿って、適正に実施してまいります。
〇斉藤信委員 岩手県警察における供述調書の改ざんを踏まえ取り調べの全面可視化を求める会長声明にはこういう指摘がありました。報道によれば、岩手県警察においては、昨年5月、60歳代の巡査部長が事件の被害者の供述調書を誤って破棄するという事案が生じ、さらに、同年8月には、20歳代の巡査長が、事件関係者の作成した反省の趣旨を示す自筆の書類を紛失し、代わりにみずからが作成した同様の書類を決裁書類として提出していた事案が発生しているということです。
 この供述調書改ざん事案後もこうしたことが出ているということは、私は、再発防止が本当は徹底されてないのではないかと思いますけれども、なぜこんな事件がその後も出ているのですか。そして、それにどう対応しているのですか。
〇金田一参事官兼首席監察官 ただいま御質問がありました昨年5月の事案につきましては、警察署の巡査部長が、被害者の供述調書に誤りがあり、新たな調書を適正な手続を経て作成し直したため、もとの供述調書は不要と考え、廃棄したという事案でございます。
 また、昨年8月の事案につきましては、警察署の巡査長が、立件しない軽微な事案ではありましたが、行為者に作成させた誓書─反省文のようなものを紛失したことから、同書類をみずから作成し、決裁に際して提出をしたという事案であります。
 これらは、文書取扱原則の誤認あるいは警察文書の重要性に関する意識が希薄であるなど、いずれも、あってはならないものでありましたほか、特に8月の事案につきましては、捜査自体の影響はなく、また、その内容自体も、虚偽性は認められないものでありましたものの、みずからの失敗を繕うために行ったというものであり、重く受けとめるべき事案であると認識しております。
 加えて、斉藤信委員から指摘がありましたこれらは、3月発生の事案を受け、一部前後はありますが、組織を挙げて、再発防止のための指導、改善に取り組んでいる中で発生しているものでありますことから、これらを受け、私どもといたしましては、再発防止のための取り組みの一層の強化を図るべく、業務主管部門における指導、教養はもとより、本部長みずから、県下警察署長会議や部内の幹部対象の会議等において、事案の重大性や再発防止の重要性について、繰り返し訓示、指示を行っておりますほか、先ほども御説明いたしました再発防止に向けた通達を5本発出しております。あるいは本部長名による緊急指示は1件、部内教養のための資料発出は8件、そういったところを通じまして、再発の防止を徹底してまいりたいということで、対応しているところであります。
〇斉藤信委員 これは森下警察本部長にお聞きします。
 私は、12月定例会の一般質問でもこれを取り上げました。森下警察本部長は、非常に重く受けとめていると、繰り返し答弁をいたしました。非常に重く受けとめている重大な事案だったけれども、この処分は、捜査書類を改ざんした巡査部長は所属長訓戒、それを容認した警部補は本部長訓戒です。懲戒処分にも当たらない、軽い処分で済ませている。
 私は、これだったら、非常に重く受けとめているという言葉だけにしかならないのではないか。そんな重い問題ではないのではないかと思います。岩手弁護士会がこの問題を重大視して、公開質問状を出して、会長声明まで出して、再発防止を求めている事案ですよ。なぜこんな軽い処分になったのですか。
〇森下警察本部長 ただいまの御質問に対しましては、12月定例会におきましても、答弁申し上げておりますけれども、事案については非常に重く受けとめておりますけれども、関係職員への処分については、事案の内容並びに全国及び県内のこれまでの先例を踏まえて、厳正に対処しているところであり、御理解をいただきたいと思います。
〇斉藤信委員 結果的に、懲戒処分にもならない、こういう訓戒程度で済ませていたら反省にならない。これだけ供述調書を改ざんしても、訓戒で済むのだと、こうなってしまうと思うのです。このような処分では全然重く受けとめていることにはならない。
 私は、12月定例会の一般質問で、もう一つ取り上げました。岩手県公安委員会に、いつ、どのように報告したか。岩手県公安委員長は、いつ、どのように報告を受けたか答えませんでした。しかし、私が指摘したように、実は2回報告しているのですが、岩手県公安委員会の記録には何も書かれてないのです。なぜ岩手県公安委員会の記録に、これだけ重大な事案が何も記録されてないのか示してください。
〇長谷川警務部長 岩手県公安委員会の会議録、議事録についてでありますけれども、岩手県公安委員会運営規則第10条に基づきまして、適正に作成されているものと認識しております。
〇斉藤信委員 私が、今回の質問のためにいただいたあなた方の公用公文書毀棄事案時系列、ここにも6月8日岩手県公安委員会へ報告、8月24日岩手県公安委員会へ報告、こうなっているのです。しかし、岩手県公安委員会の議事録に何も書いてないのです。これが適切に処理されたということなのですか。記録するほどの事件でもなかったということですか。このことについて、きちんと答えてください。
〇長谷川警務部長 繰り返しになり、恐縮ですけれども、岩手県公安委員会の議事録につきましては、岩手県公安委員会運営規則第10条に基づきまして、適正に作成しておりますので、御理解いただければと思います。
〇斉藤信委員 非常に重く受けとめている事案です。それを、あなた方は岩手県公安委員会に報告したと言うけれども、記録にも一言も書かれてない。重く受けとめていない証拠ではないですか。
 そして、市民の立場で、岩手県警察を監督する岩手県公安委員会で、議論した記録がないのです。これも、私は本当に重大だと思います。岩手県公安委員会の議事録を考え直さなければだめですよ。もっと市民が検証できるようにするべきだ。
 最後ですけれども、私も、横断歩道の設置、補修についてお聞きしたいと思います。
 向中野地区の横断歩道設置の要望が、数年来、出されて、現場の調査もやっていただきました。必要性も認めていただきましたが、実は、ここは実質通学路なのです。危険だから通学路に指定していないという、そういうところです。いつ事故が起こってもおかしくない。地元の人たちの切実な要望がありましたので、盛岡東署の交通規制課のところに直接要望にも行きました。この設置の具体的見通しを示していただきたい。
 本町通一丁目のある2カ所の横断歩道ですが、ほとんど消えて見えなくなって危険な状態だということです。これは本当に、安全のために横断歩道があるのに、その横断歩道が消えている。こうしたときに、私は、直ちにこういうのは補修すべきなのだと思いますが、これはどのように対応されるのか示してください。
〇阿部交通部長 盛岡市向中野地区の横断歩道の設置要望でございますが、昨年7月に御要望を受けて、管轄する盛岡東警察署におきまして、交通量や横断需要等の必要な調査を行っております。朝の時間帯、特に中学生の横断が多い。車の通行も多いという実態であります。必要と判断された場合には、警察署の交通規制対策協議会への諮問、道路管理者との調整、工事発注といった手続を経ることとなりますために、現時点で、設置時期についてお答えすることは困難であります。
 なお、要望のありました箇所について、歩行者の安全対策につきましては、通学時間帯を中心としました警戒活動等を行ってまいります。
 次に、磨耗した横断歩道の補修についてでございますが、磨耗の進んだ箇所のうち、通学路や公共施設、医療施設付近にある緊急性や必要性の高い横断歩道から優先的に補修をしているところであります。
 令和5年度につきましても、委員の御指摘の箇所を含めまして、緊急性や必要性を個別に検討し、早期補修に努めてまいります。
〇斉藤信委員 わかりました。具体的な事例で、同種のものはたくさんあるのだと思います。しかし、同時に、私が提起した問題は、子供たちの安全にかかわる課題でありますし、本町通一丁目の問題は、それこそ病院、官公庁にも近接した場所ですから、そういう点で、ぜひ、必要なものは早急に解決されるように強く求めて、終わります。
〇千田美津子委員 何点か質問いたします。
 最初に、交通事故抑止対策についてお聞きいたします。
 冒頭、森下警察本部長から、交通事故はどんどん減少傾向にあるということでお話をいただきましたが、私、特に高齢者が絡む事故が非常に多くなっているのではないかと感じています。県内の現状はどのような状況でしょうか。また、対応策について、お聞きしたいと思います。
〇阿部交通部長 県内の交通事故の実態でございますが、特徴としまして、高齢ドライバーが第一当事者、事故の原因者となる人身事故、これは、件数については減少傾向で推移しておりますが、令和4年の全事故に占める割合は、平成25年が20.9%であったのに対し、昨年は32.3%と、10年間で11.4ポイント増加しております。
 また、高齢ドライバーが第一当事者となる死亡事故は増加傾向にあります。令和4年は54.3%を占めておる状況にあります。
 引き続きまして、対策でございます。この高齢者が関係する事故を防止するために、交通安全資機材を活用した参加体験実践型の安全教育により、加齢に伴う身体機能の変化に気づき、安全運転を励行していただく対策を推進しているところです。
 また、高齢者の方に対する広報啓発につきましては、これまで、各種警察活動を通じて実施してまいりましたが、令和5年は、在宅訪問指導プラスと名づけまして、警察官が各家庭の巡回連絡に行く際に指導を行い、また、不在の御家庭については、チラシのポスティングをするなど、交通安全の指導、情報が必要な方に必要な情報が届く取り組みを積極的に推進してまいります。
〇千田美津子委員 交通事故全体は減少傾向にあるけれども、交通事故に占める高齢ドライバーの割合が、令和4年度で32.3%ということで、最高になっているわけです。いただいた資料では、高齢者死者数の割合が62.2%という状況もいただきました。それから、高齢ドライバーが第一当事者となる交通死亡事故の割合が54.3%ということで、これは全国ワーストワンと見ましたけれども、その辺、森下警察本部長はどのように御認識しておられるか、お聞きしたいと思います。
〇森下警察本部長 今、委員から御指摘のあった高齢者の事故、特に高齢ドライバーが第一当事者となる交通死亡事故が50%を超えているという状況については、極めて重く受けとめるべきだろうと思っております。先ほど阿部交通部長から御説明がありましたけれども、高齢者の方に情報が届いているのかというところがありまして、交通部門だけではありませんけれども、必要な方に必要な情報が届くような取り組みをきちんとやっていく必要があるだろうということで、きめ細かく対策をとって、こういう事故がこのあたりで発生しているなど、そういったお知らせをしていきながら、高齢のドライバーの方々に注意を促してまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 私も高齢者の部類でありますので、先ほどお話あった部分は非常にありがたいと思っております。ただ、これまで、コロナ禍の中で、高齢者に直接の指導とかできなかった部分が今までは多々あったと思いますが、いずれ、昨今、新聞報道等も含めて、高齢者が絡む事故が非常に多いということです。私は、ワーストワンを何とか返上する取り組みが必要と思っています。これは、岩手県警察本部の方々の日ごろの点検はもちろんですけれども、県民一体となって、そういうものをなくしていく、そういう広報を、それらを重要視していただきたいと思います。
 それから、森下警察本部長も言われたように、必要な方に必要な情報が届くことが本当に最も大事でありますし、目立つ街頭活動を、岩手県警察の方々がやっていらっしゃると、こちらの緊張感も含めて、非常に大事だと思うので、それらについてはぜひやっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、特に高齢の方々で気になるのは、夕方薄暗くなって、黒っぽい服を着られると、視界に入らないということがあって、反射材の着用の促進、もう少しこれを、本当に大きな運動にしていく必要があると思うのですが、その辺はどうでしょうか。
〇阿部交通部長 御指摘にありましたとおり、高齢者が交通事故の被害に遭って亡くなるのは、大体6割ですけれども、これは10年前から、ほぼ高どまりで、高齢者の方が被害に遭う事故はそのとおり続いております。
 高齢者事故の特徴としまして、これは高齢者だけではないのですけれども、車対歩行者の事故は特に、夕方、薄暮時間帯、日没前後1時間の事故が多くなります。特に日没後の1時間が、分析から危ない時間と出ておりますので、岩手県警察では、その時間帯のパトカー等を出して街頭活動と、あと、今、千田美津子委員から御指摘のありましたとおり、夜光反射材をつけていただくような対策を進めておりまして、夜光反射材につきましては、巡回連絡の際やポスティングする際に、夜光反射材を一緒にお届けするという活動も進めているところでございます。
〇千田美津子委員 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
 先ほど、郷右近浩委員から、信号機等の設置の件の質疑がありましたので、私も若干つけ加えて、お聞きをしたいと思いますが、令和4年度の設置が3基だけで、これはまずいと思っていたら、新年度の設置は、7基にふやしていただいたと。その中に、岩手県内で最も危険な交差点とやゆされた小谷木橋があります。そこに信号機を設置していただくことは非常にありがたいのですが、県内では、この小谷木橋と同じくらいの人身事故数ワーストが盛岡市内にあります。そこは信号機が問題なのではないかもしれませんが、いずれ、そういう危険な箇所がかなりあると思いました。
 全県的な見地で、必要なものを設置していく、それはそのとおりだと思いますが、人命が一番ですので、本当に人身事故が相当起きているとかそういう部分については、私は、できるだけ早期の信号機等の設置を働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇阿部交通部長 交通信号機等の設置につきましては、道路環境、交通流、交通量、交通事故の発生状況等を勘案しまして、設置の必要性、緊急性、また、信号機でなければならないのかという代替性等を、総合的に検討して判断してまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 いずれ、人命最優先で、必要な箇所に必要なものを設置するという方針で、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 先ほどもお話ありましたが、千葉県八街市の事故をきっかけに、合同点検をされて、岩手県内でも、令和5年度中に8カ所やれば、岩手県警察としてやるべき箇所が全部対処されるということで、非常に安心いたしました。
 ただ、合同点検を受けた警察による対策の内容を見て驚きました。ハード対策の中で、横断歩道の塗り直しが51件もありました。この51件は、合同点検を受けなければ、塗りかえできなかったのですか。この全国的な合同点検の意味は、子供たちを守ろうという、そういう観点から関係者が集まって合同点検をしたものです。
 ところが、横断歩道が塗り直しされてなかったために危険だったというところが、何と51件もあったというので、先ほど斉藤信委員からもありましたが、これは通常にやるべきものではありませんか。合同点検をしなければ、横断歩道の塗り直しができないのであれば、予算が全然ついてないということ自体が、大変問題だと私は思いますので、この点を一つ伺います。
 それから、ありがたいのはソフト対策で、交通監視が77件ということで、これは本当に警察の皆さんの監視による件数が一番多いということで、これは理解できるのです。ただ、先ほどの塗り直しの51件が、次の2番目に多い指摘だったので、これはちょっとひどいのではないかと思ったわけですが、森下警察本部長いかがですか。
〇森下警察本部長 千田美津子委員御指摘のとおり、横断歩道とか、消えかかっているところが多々あるだろうと思いますし、何とか全部一気にできれば、本当にいいわけですけれども、予算の都合もありまして、本当に優先順位をしっかり見きわめながら、確実にやっていくということに尽きるのかと思います。財政の中で、できるだけ優先順位をしっかり見きわめて、必要なところにしっかりつけていくということで、御理解いただければと思います。
〇千田美津子委員 いずれ、子供たちを守ることはもちろん、子供施策をこれからどんどん展開しようというときなので、岩手県においては、消えかかった横断歩道がたくさんあるような状況でないということで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、痴漢ゼロ社会の実現、配偶者等に対する暴力の根絶について、お聞きしたいと思います。
 これは、警察本部だけではなくて、さまざまな横の連携でやっていかなければなりませんが、痴漢ゼロはもちろんのこと、配偶者等に対する暴力など、全ての暴力を根絶することが大変重要となっています。
 また、コロナ禍では、配偶者等からの暴力が潜在化しているとの指摘、可能性もあり、暴力の背景も複雑化、多様化しているとの指摘がありますけれども、どのような状況でしょうか。また、今後、どう対応されるお考えでしょうか。お聞きをいたします。
〇菅野生活安全部長 まず、痴漢の現状についてであります。
 行為の態様によって適用する罪名は異なりますが、令和4年中の数値で申し上げますと、正当な理由がなく、故意に他人の胸であるとか、尻であるとか、下腹部であるとかそのようなところに触れる迷惑行為防止条例違反の、いわゆる卑わいな行為の認知件数が19件でございまして、前年比1件の減少でありました。次に、刑法犯の強制わいせつ罪の認知件数が41件で、前年比14件の増加となっております。
 次に、対応策についてでありますが、まず防犯活動については、防犯ボランティアの方々と連携しつつ、交番駐在所、パトカー勤務員による登下校時を含めたパトロール活動や、鉄道警察隊等による駅や列車内における警戒活動を行っております。
 このほか、この種の事案が発生した場合の岩手県教育委員会や学校への連絡に加えまして、保護者等へのぴかぽメールの発信による注意喚起などを行っているところであります。
 また、検挙活動につきましては、事案認知後の早期検挙に努めているところでございます。
 次に、配偶者からの暴力事案についてでありますが、令和4年中の配偶者からの暴力事案の取り扱い件数につきましては328件で、前年比89件の減少となっております。
 配偶者からの暴力事案は、家庭内において行われる場合が多いことから、潜在化しやすいと言われていることにつきましては、先ほど千田美津子委員の御指摘のとおりでございます。
 暴力に至った原因、動機等その背景はさまざまでありますことから、個別の事情に応じて対応しているところでございます。
 次に、具体的な対応についてでありますが、被害者の安全を最優先に、所要の捜査を行うほか、県や市町村など関係機関と連携をして、一時避難など被害者の保護措置を講ずるとともに、その後においても、被害者に対する随時連絡を行うなどして安全確認を行っているところであります。
〇千田美津子委員 先ほども言いましたけれども、こういうさまざまな暴力は、岩手県警察本部だけではなくて、保健福祉部等、本当にみんなで取り組まなければならない事案だと思っています。
 配偶者暴力相談支援センターにおけるDV相談は2、000件くらいありますので、岩手県警察が対応している分も合わせると本当に多いと思います。いずれ、これらをなくしていくために、ますます横の連携が大事だと思いますが、その横の連携で、最近、取り組んでいるところとか、力を入れている点があれば、お知らせいただきたいと思います。
〇菅野生活安全部長 具体的な例として、配偶者暴力ではないのですが、ここ二、三年の児童虐待というところで、岩手県教育委員会とか、児童相談所とか、学校を含めて、そのような現場の対応訓練ということを実施しておりました。
 昨年は、実際に小学校の先生が、児童から相談を受けて、それが児童相談所に通報がなされ、警察官とともに家庭を訪問して、実際に保護者への対応であるとか、児童の保護であるとか、そういう一連の流れの訓練を行っておりました。
 そのようなことも含めながら、配偶者暴力の中には、当然、児童虐待というところも含まれてまいりますので、今申し上げました訓練等を通じながら、引き続き、関係機関、団体等と連携を深めながら、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。警察本部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時13分 散会

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