令和5年2月定例会 第24回岩手県議会定例会会議録

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〇9番(高橋穏至君) 自由民主党の高橋穏至でございます。請願陳情受理番号第96号原発回帰への方針転換に反対し、原発に頼らないエネルギー政策を求める請願について、本請願を不採択とする委員長報告に賛成であります。
 本請願は、GX実行会議における原発再稼働の加速、60年を超える長期運転、次世代革新炉への建てかえを柱とする原発回帰の計画に反対し、国に対して撤回を求めること、及び脱炭素社会の実現のために、原発からの確実な脱却を目指し、再生可能エネルギーの主力電源化を強力に進めるよう国に対して求めることの2項目を請願項目とし、その趣旨では、本年2月10日に閣議決定されたGX実現に向けた基本方針が、原発を最大限に活用することを含んだ方針となっており、いまだ続く福島第一原発事故後の苦難や教訓を忘れたかのような原発回帰への方針転換であり、改めて、原発に頼らない国産の再生可能エネルギーを重視して推進すべきと述べております。
 しかし、発表されたGX実現に向けた基本方針〜今後10年を見据えたロードマップ〜の中では、エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXに向けた脱炭素の取り組みの基本的考え方として、ロシアのウクライナ侵略によるエネルギー情勢の逼迫の状況、国内のエネルギー価格の大幅上昇に対する事態など、社会情勢の中で、今後、GXを推進していく上でもエネルギーの安定供給の確保は大前提であると同時に、GXを推進することそのものがエネルギー安定供給の確保につながるとして、化石エネルギーへの過度な依存からの脱却を目指し、需要サイドにおいては、徹底した省エネルギー、製造業の燃料転換を求めるなどを進めるとともに、供給サイドとしては、足元の危機を乗り切るためにも、再生可能エネルギー、原子力など、エネルギー安全保障に寄与し脱炭素効果の高い電源を最大限活用するとあり、再生可能エネルギーの活用を第一に述べております。
 そして、今後の対応として14項目掲げてあります。第1項目は、徹底した省エネルギーの推進、製造業の構造転換、第2項目は、再生可能エネルギーの主力電源化、第3項目は原子力の活用、第4項目は、水素・アンモニア導入促進と続き、請願趣旨である再生可能エネルギーから原発への回帰した計画という指摘は当たりません。
 第2項目の再生可能エネルギーの主力電源化では、脱炭素電源として重要な再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、国民負担の抑制と地域の共生を図りながら、S+3E、すなわち安全性に加えて、安定供給、経済性、環境を大前提に、主力電源として最優先の原則で最大限導入に取り組み、関係省庁、機関が密接に連携しながら、2030年度の電源構成に占める再生可能エネルギー比率36%から38%の確実な達成を目指すとしております。
 第3項目の原子力の活用では、その活用の大前提として、国・事業者は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省と教訓を一時たりとも忘れることなく、安全神話からの脱却を不断に問い直し、規制の充足にとどまらない自主的な安全性の向上、事業者の運営・組織体制の改革、地域の実情を踏まえた自治体等の支援や避難道の整備など防災対策の不断の改善等による立地地域との共生、国民各層とのコミュニケーションの深化・充実等に、国が前面に立って取り組むとしており、請願者の趣旨である福島第一原子力発電所事故の苦難や教訓を忘れたかのような原発回帰への方針転換とはなっておりません。
 4月以降に提示されている電力料金の引き上げ額の金額は、再稼働を予定している原子力発電所の運用を前提としており、再稼働しなければさらなる値上げが避けられない状況です。
 私たち自由民主党岩手県議会議員は、令和5年1月28日に、東北電力女川原子力発電所の再稼働に向けた工事状況を視察調査してまいりました。東日本大震災津波でも事故を起こさなかった女川原子力発電所ですが、さらなる巨大地震への備えと福島第一原子力発電所事故を教訓としたさらなる安全対策についての説明を受け、原子力発電の安全対策の実際の状況を知ることができました。
 今回閣議決定されたGX実現に向けた基本方針は、逼迫するエネルギー危機の状況から、安全対策を十分に講じながら原子力発電を活用しつつ、GX実現に向けて再生可能エネルギーを主電源化する方針であります。
 以上のことから、本請願を不採択とした委員長報告に賛成いたします。委員各位の御賛同をお願い申し上げ、賛成討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(五日市王君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第94号「安保関連3文書」改定の撤回と大軍拡・大増税の中止を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第94号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第96号原発回帰への方針転換に反対し、原発に頼らないエネルギー政策を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第96号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第97号物価上昇に見合う老齢基礎年金等の改善を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第97号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第68号岩手県立平泉世界遺産ガイダンスセンターの指定管理者を指定することに関し議決を求めることについてを採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、議案第68号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第99号及び受理番号第100号を一括して採決いたします。
 各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第99号及び受理番号第100号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第26号から議案第28号まで、議案第33号、議案第35号、議案第61号から議案第67号まで、議案第69号から議案第75号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第26号から議案第28号まで、議案第33号、議案第35号、議案第61号から議案第67号まで、議案第69号から議案第75号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
   日程第24 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(五日市王君) 次に、日程第24、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査及び継続調査事件
1 継続審査
  総 務 委 員 会 請願陳情受理番号第95号
 日本全体で解決すべき問題として、普天間基地周辺の子どもたちを取り巻く空・水・土の安全の保障を求める請願
2 継続調査
  総 務 委 員 会 ・県警察の広報と音楽隊について
  文 教 委 員 会 ・県立高校における探究的な学びの取組等について
  環境福祉委員会 ・結婚支援事業の取組について
  商工建設委員会 ・都市計画道路の整備状況について
  農林水産委員会 ・県産木材の流通の状況について
   
〇議長(五日市王君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、各委員長から、お手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   
   日程第25 議案第5号令和5年度岩手県一般会計予算から日程第75 議案第60号武道館条例の一部を改正する条例まで
〇議長(五日市王君) 次に、日程第25、議案第5号から日程第75、議案第60号までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。佐藤予算特別委員長。
   〔予算特別委員長佐藤ケイ子君登壇〕

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