令和5年2月定例会 第24回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。自由民主党岩崎友一議員の発言の撤回等を求める動議についての趣旨説明を行います。
 2月22日の本会議での代表質問において、自由民主党の岩崎友一議員は、先日、日本共産党が党首公選の必要性を訴えた元党職員を除名処分にしたことが大きく報じられました。この日本共産党の言動、判断は、知事が言うかけがえのない民主主義と合致するものなのでしょうか。日本共産党は、異なる意見を持った職員を除名処分にしたのです。これは大問題だと思いますと発言しました。この発言は、事実をゆがめた日本共産党に対する攻撃であり、誹謗中傷と言うべきものであります。
 私が動議を提出したのは、事実をゆがめた発言の撤回と謝罪、議事録からの削除を求めるためであります。
 日本共産党が、当時党員だった人物を除名処分にしたのは、党首公選制を主張したからでも異なる意見を持ったからでもありません。党員は、党綱領と党の規約を認めて入党します。党の規約では、意見が違うことによって組織的な排除を行ってはならない。党内に派閥・分派はつくらない。党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為は行わない。党の決定に反する意見を勝手に発表することはしないと定めています。
 除名処分とした理由は、この人物が、自分の主張を党内で一度として主張したことはなく、突然、党外から本の出版と記者会見という形で党綱領と党規約に反する攻撃を行ったからであります。このことは、赤旗新聞や日本共産党のホームページでも公表していることであります。
 それぞれの政党には、政党の組織原則を定めている党規約があります。これは憲法第21条で保障された結社の自由にかかわる基本的人権の問題です。結社の自由とは、最高裁の判示で、各人に対して、政党を結成し、または政党に加入し、もしくはそれから脱退する自由を保障するとともに、政党に対しては、高度の自主性と自律性を与えて自主的に組織運営をなし得る自由を保障しなければならない。他方、右のような政党の性質、目的からすると、自由な意思によって政党を結成し、あるいはそれに加入した以上、党員が政党の存立及び組織の秩序維持のために、自己の権利や自由に一定の制約を受けることがあることもまた当然であるとしています。
 ところが、岩崎友一議員は、みずから調べることもせず、一部マスメディアの報道をうのみにして、日本共産党は、異なる意見を持った職員を除名処分にしたのです。これは大問題と思いますと断言しました。これは、事実に基づかない、事実をゆがめて日本共産党を攻撃するものであり、誹謗中傷と言うべきものであります。憲法第21条で保障されている結社の自由を無視、否定するものであります。職員を除名処分にしたという事実はありません。明確な誤りであります。
 岩崎友一議員の質問、発言は、テレビ中継されている本会議での代表質問という場での発言でした。公共の電波を利用したという点でも重大であります。さらに、日本共産党に対する質問、発言は、代表質問でありながら、質問項目の通告にもなかったものでありました。事実をゆがめた公党である日本共産党に対する攻撃、誹謗中傷が許されるなら、民主的な討論、議論は成り立ちません。
 地方自治法第132条は、普通公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならないとしています。この無礼な言葉について、専門家の解説では、一つ、他人の私生活にわたる発言、二つ、発言の根拠が不明確である発言や事実と異なる発言、三つに、基本的人権を侵害する発言とあります。岩崎友一議員の発言は事実と異なる発言であり、憲法第21条の結社の自由という基本的人権を無視、否定する発言であります。
 一部の大手マスメディアは、党規約に反したことによる除名処分の事実をゆがめ、一方的に国民を遠ざける異論封じなどと社説等で報道しました。これは、日本共産党に対する攻撃にとどまらず、憲法第21条が保障した結社の自由に対する乱暴な攻撃として、見過ごすことができないものであります。
 日本共産党は、除名問題の事実経過とその理由を丁寧に公表しています。その事実を誠実に見ることもせず、一方的に事実をゆがめて日本共産党を攻撃することは、事実に基づく公正な報道姿勢をみずから投げ捨てたものと言わなければなりません。結社の自由に対する攻撃という我が党の批判に全く反論できないでいるのが実態です。
 憲法学者の小林節さんは、敵基地攻撃能力の保有と大軍拡という事態にストップをかけるために、野党は結束しなければならない。ところが、今、岸田大軍拡の道をとめようと野党の中核で頑張っている日本共産党に、メディアなどのバッシングが強まっています。新聞は第4の権力と言われるような社会的権力です。日本共産党の結社の自由を侵害する行為をしていると言わなければなりません。多くのメディアは、岸田政権の敵基地攻撃能力の保有や大軍拡路線に対して、まともな批判をしていません。日本共産党を攻撃する前に、もっとやることがあるのではないでしょうかと指摘しています。
 こうしたマスディアの事実をゆがめた報道を、調べもせず、うのみにして、公党である日本共産党への攻撃を、テレビ中継されている本会議の代表質問の場で行ったことは、二重三重に許されないことであります。
 以上が、自由民主党岩崎友一議員の発言の撤回と謝罪、議事録からの削除を求める理由であります。民主主義と民主的討論を大事にする皆さんの賛同をいただきますようにお願いして、動議の趣旨説明といたします。
〇議長(五日市王君) これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。米内紘正君。

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