令和5年2月定例会 第24回岩手県議会定例会会議録

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〇45番(工藤勝子君) 自由民主党の工藤勝子です。今定例会において、一般質問の機会を与えてくださいましたことに感謝を申し上げ、通告に従って質問をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは最初に、知事就任から4期16年の評価についてお伺いいたします。
 平成19年4月に達増知事が誕生し、県政を担ってから4期16年が経過しようとしております。知事は、就任当初から四つの危機、人口減少問題、県民所得の低迷、雇用の低迷、地域医療問題を取り上げ、危機を希望に変えると訴えてきており、今定例会の知事演述でも数値的な成果の紹介がありました。
 しかし、この間、地域においては、急激な人口減少や少子高齢化によってさまざまな影響が生じております。
   〔議長退席、副議長着席〕
 地域住民の生活を支えてきた地域公共交通は路線の変更や廃止が相次ぎ、商業施設の撤退、JAの再編、小中学校、高等学校の再編も行われました。農村地域では、ここ数年、子供が一人も生まれない地域もあり、中心市街地ではシャッターがおり、空き家問題も抱えております。
 そのように地域の活力が失われつつある中で、それぞれの危機が希望に変わったと言えるでしょうか。県民の暮らしが本当によくなり、幸福につながっていると言えるでしょうか。知事は県民の幸福の実感をどのように認識し、それを踏まえて、この16年をどのように評価されているのかお伺いいたします。
 また、現在、県民が直面している危機をどのように捉えているのか。16年前の岩手県の危機と変わった点や変わらない点について、どのように認識されているのかお伺いいたします。
 この後の質問は質問席から行いますので、よろしくお願いいたします。
   〔45番工藤勝子君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 工藤勝子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、4期16年の評価についてでありますが、知事に就任当時、人口の社会減が6、000人を超え、県民所得の低迷や厳しい雇用情勢が深刻さを増す地域医療など、岩手県は危機に直面しており、こうした危機を克服し、県民が希望を持つことのできる社会を実現すべく県政を推進してきたところであり、県民意識調査によりますと、生活満足度や幸福実感は上昇してきているところであります。
 主な指標を見ますと、1人当たりの県民所得が平成19年の237万円から、令和元年には278万円と1.17倍に増加し、全国平均の増加率1.04倍を上回っております。
 雇用情勢については、正社員の有効求人倍率が平成19年の0.31から令和4年12月には0.96と0.65ポイント上昇し、全国平均の上昇幅0.42ポイントを上回っております。
 人口10万人当たりの医師数や人口の社会減についても、平成19年と比較して数値は改善していますが、これらの抜本的な解決には、地方のみならず国を挙げた取り組みが重要であり、地域医療を担う医師の確保や地方重視の経済財政政策の実施を強く国に働きかけてまいりました。
 このように、県全体では各種指標が改善されてきておりますが、地域によって人口減少、少子高齢化の状況や、それに伴う課題等がさまざまであることにも十分配慮しながら、岩手県民の知恵と力を結集した第2期アクションプランのもと、地域の底力を全面的に引き出して、誰もが希望を持って、お互いに幸福を守り育てることができるよう、政策を強力に推し進めてまいります。
 次に、現在の危機に関する認識についてでありますが、16年前、岩手県は、人口の社会減の拡大や国民所得に対する県民所得水準の乖離の拡大、厳しい雇用環境など、深刻な危機に見舞われていました。このような危機は岩手県固有の問題にとどまらず、国の、ともすれば地方切り捨てにつながりかねない格差拡大型、いわゆる新自由主義的な政策に起因していたものと考えております。
 一方、現在に目を転じますと、人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響、円安やロシアによるウクライナ侵略に端を発した物価高騰等、県民生活に大きな危機が及んでいます。
 これは新自由主義的な政策に加え、東京一極集中の是正と分散型社会の構築が進まなかったことや、金融緩和が維持される中で内外の金利差が拡大し円安が急激に進行したことなど、国全体の政策による部分も相当程度ありますことから、今こそ内需拡大型の経済構造改革や地方重視の経済財政政策を積極的に進めていくことが必要であると認識しております。
〇45番(工藤勝子君) 御答弁ありがとうございました。人口の社会減の中で、女性の社会減が非常に多いということが大きな課題だと思っております。いわて統計白書によると、令和2年、県の常用労働者1人平均月間現金給与総額は、男性が産業計で33万7、000円、女性は21万8、000円余、給与格差は11万8、000円となっております。この課題はどのように捉えているでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 今、岩手県と東京都との若い女性の賃金格差を紹介されたと思いますけれども、これは日本全体、地方と東京都にはそのような格差があるところでありまして、それもあって、まち・ひと・しごと創生法のもと、東京都への10万人の人口流入をゼロにするという、国と地方が力を合わせてそういうことをやろうとしていたわけでありますが、しかし、この間、東京オリンピック、パラリンピックもあって、むしろ東京都の経済は、さらに地方よりも相対的によくなって、賃金格差がそのような状態にあるということは事実なのかと思います。
 岩手県としては、そういった賃金格差を縮小するよう、県内の企業も努力するよう努めたり、また、賃金とあわせてさまざまな働き方、雇用環境の改善によって、総合的に魅力ある職場となるよう努めてきたところであります。
 最近聞くことでありますけれども、製造業関係の工場は女性も働けるよう育児施設を工場内に設けるなどの工夫をし、また、製造業関係で、高校を卒業しての初任給が非常に高く、若くして高収入が期待できるような職場もあり、そういった企業に引けを取らぬよう、小さい企業や昔からある企業も賃金格差をできるだけ少なくしたり、あるいは賃金以外、1日6時間の働く時間でもいいし、結婚、出産、子育てと両立しやすい働き方を工夫できるよう努めているというところもありますので、岩手県内のそういう傾向をさらに進めていきたいと思います。
〇45番(工藤勝子君) 知事は、確かに県民所得は全国の8割から9割まで上昇をしているというお話をされました。その中で、先ほども労働者のお話がございましたけれども、全国と比較しますと、岩手県は4万円も低いのです。そして、全国32番目の賃金であります。さらに、1人平均月間総実労働時間は148.2時間、全国は135.1時間で13.1時間長いのです。都道府県別では、この労働時間は全国第1位であります。つまり、県は賃金が安く、そして労働時間が長いということが社会減の一つになっていないか、知事はどのように考えていますでしょうか。
〇知事(達増拓也君) おとといの本会議でも答弁しましたように、岩手県における労働時間の長さというのは、まず、働く条件として魅力の低さにつながりますし、また、生活との両立という面で、結婚、妊娠、出産との両立が難しく、少子化にもつながっていくということで、県としては、総実労働時間を減らしていくことを民間や各団体と連携をしながら進め、数字は改善はされているところではありますけれども、これは、まだまだ進めていく必要があると思います。
〇45番(工藤勝子君) 私も何回も議会でお話ししてきましたけれども、岩手県には、やはり女性が魅力を感じる企業が少ない。確かに、自動車産業、ものづくり産業は多いのですけれども、例えば、ITとか医療、福祉系の企業の誘致を進めるべきだと言ってまいりました。
 そういう中において、中小企業においては、やはり女性のライフステージに応じた取り組み、例えば、くるみんとか子育て応援企業がまだまだ少ないと思っています。これを倍にするという考えはございませんでしょうか。
〇知事(達増拓也君) くるみんは、どんどんふやしていくべきだと思います。女性活躍支援のえるぼしについては、数で東北1位、そして、割合で全国2位となっておりまして、女性活躍支援の取り組みが今、先行している形ではありますけれども、子育てのくるみんの普及もさらに進めていきたいと思います。
〇45番(工藤勝子君) 全庁で取り組む少子化対策ですので、ライフステージに応じた子育て応援企業をぜひ倍、倍とふやしていくように、県のほうでも一生懸命取り組んでいただきたいと思っています。
 有効求人倍率は全国を上回る1.19倍であります。雇用問題は新型コロナウイルス感染症の後を受けて回復してきておりまして、改善されていると思っておりますが、今、企業が求めているのは、人材不足の課題だと言われております。この人材確保に対してはどのような取り組みをされるでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 人手不足が今、県全体共通の課題というところは大事な問題でありまして、いわてで働こう推進協議会、県と経済、産業関係団体、雇用関係団体、そして、大学や高校のトップに集まっていただいて取り組んでいるその原点も、人手不足を解消するためにも働き方を改革し、賃金などの条件もよくして魅力を高めていかなければならないという問題意識が原点となっております。
 まずはそのような各会社の魅力を高めていくということ、それから、せっかくどんどん魅力が高まっている会社がふえてきていますし、また、全国的な大きな企業で、条件がすごくよくなってきているところがあるにもかかわらず、県内の若い人たちに知られていない、また、その親御さんなど家族にも知られていないという問題がありますので、これを周知するというところがかなり重要であります。
 そして、人材育成というところも大事でありまして、希望する職に県内でマッチングできるような人材の育成というところにも力を入れております。
〇45番(工藤勝子君) それで、最後の医療の課題でありますけれども、確かに勤務の医師数が37人ふえております。これは奨学金の効果があらわれてきていると思っております。しかし、医師の偏在や産婦人科、小児科の診療科の医師不足は、今の少子化に影響していると私は思っております。総体でこの四つの危機は希望に変わったと捉えているか、知事にお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 改めて16年前を思い出しますと、この四つの危機のそれぞれが、人口の社会減については、6、000人台の社会減であったというだけではなく、それ以前から年々1、000人ずつ人口の社会減がふえて、そして、7、000人近くにまで拡大していて、これはそのままいくと、もう1万人を超えるところまでいってしまうのではないかという危機があり、国民所得に対する県民所得水準の乖離の拡大も、もともと岩手県は国民所得の8割水準の1人当たり県民所得水準だったのに、その8割を切って7割台になってしまった。それがさらに減っていくのではないかという危機感がありました。それぞれ悪化がとまって、そして改善をしていったというところで、そこには危機を希望に変えたということが言えると思います。
 著しく低い雇用の水準が、今は有効求人倍率が大体1を超えるようになってきたというところ、これも危機が希望になっていると思いますし、医師不足問題についても、16年前は地域医療崩壊、病院がもう成り立たなくなったり、また岩手県においても、当時の県立病院勤務医の非常に厳しい、きつい勤務状況から、一斉に県立病院からやめていなくなって、岩手県の地域医療が一気に崩壊する可能性もあったところでありますけれども、そうはならずに、下支えされながら、医師の数が徐々にふえてきているというところで、まだまだ求められるところは多く、課題は大きいわけではありますけれども、このままではもう岩手県の地域医療が崩壊するという危機はなくなって、どうやって岩手県の医療を改善していくかという希望を持って進めるようになってはいると思います。
〇45番(工藤勝子君) 大変御丁寧に御答弁ありがとうございました。
 次に、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランについてお伺いいたします。
 先日公表されました第2期政策推進プラン最終案の冒頭では、第1期の成果として、県全体における主観的幸福感の平均値が、5点満点中3.43点から3.51点に上昇した。また、幸福、やや幸福と感じる県民の割合が52.3%から56.6%に上昇したことを紹介し、それぞれの政策分野において成果があらわれてきていると総括しています。
 しかし、これはあくまでも平均値の割合に着目した分析であり、全ての県民の主観的幸福感が一様に上昇していることを示すものではないと思います。幸福を実感できない県民も存在しており、こうした方々の個々の要因について丁寧に把握し、施策に生かしていく必要があると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) いわて県民計画(2019〜2028)において、県民一人一人がお互いに支え合いながら、幸福を追求していくことができる地域社会の実現に向け、主観的幸福感に関連する12の領域をもとに、10の政策分野を設定し、幸福を守り育てる施策を展開しております。
 県では、県民の幸福に関するさまざまな実感を県民意識調査で把握し、岩手県総合計画審議会に設置した、県民の幸福感に関する分析部会において分析を行っております。
 分析部会では、年齢や性別など属性ごとの実感の動向にも着目しながら、分野別実感が低下した要因や継続的に実感が低い値で推移している要因を分析していただいているところであり、県はその結果を受けながら、毎年度の政策評価レポートの評価結果に反映させ、そして、第2期アクションプランの策定に当たっても活用しているところであります。
 今後も、県民のさまざまな課題の解決に向け、県民の幸福に関する実感を分析しながら、県民一人一人に寄り添った取り組みを進めてまいります。
〇45番(工藤勝子君) 公表されました政策評価レポート2022におきまして、具体的推進方策の状況を見ますと、203の推進方策中172、約85%が順調、またはおおむね順調と評価されておりますが、人口問題において特に重要な人口の社会増減や合計特殊出生率については、目に見える形で成果が出ておりません。県の取り組みレベルでは目標がほぼ達成しているにもかかわらず、なぜ目指す成果に結びつかないのか、その要因と対策についてお伺いいたします。
〇政策企画部長(小野博君) 人口減少と県の取り組みの関係についてでありますが、本県の人口減少は、自然減と社会減が相まって続いております。自然減では、高齢化とともに未婚化、晩婚化や、仕事と育児の両立の困難さなどを背景とした出生数の減少が進み、また、社会減では、全国的な人口の東京一極集中のもとでの本県における若者、女性を中心とした転出超過が生じるなど、さまざまな要因が複雑に関係して推移しております。
 これまで各要因を踏まえた人口減少対策に取り組んできたところでございます。幾つかの要素については成果が見えてきておりますが、人口の社会増減や合計特殊出生率の改善のためには、県はもとより、市町村、団体、企業などのあらゆる主体が一体となって取り組むことが必要であり、また、取り組みの成果が目に見えてあらわれるまでに時間を要するものもあると認識しております。
 こうしたことを踏まえまして、第2期アクションプランでは、性別にかかわらず活躍できる環境づくり、移住、定住の促進、結婚、妊娠、出産、子育てなどの各ライフステージに応じた総合的な取り組みを打ち出したところでございます。市町村や関係団体と連携して、粘り強く取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 人口減少の背景には生きにくさがあり、これを生きやすさに転換するということが重要とされております。では、岩手県の生きにくさとは何なのか。生きやすさに変えるために何をどのように取り組もうとしているのかお伺いいたします。
〇政策企画部長(小野博君) 人口減少の背景には、先ほど申し上げましたように、自然減や社会減などのさまざまな要因が複雑に絡み合っているものと考えられます。
 国の出生動向基本調査によりますと、理想の数の子供を持たない理由としては、子育てなどにかかる経済的な負担が最も多くなっておりまして、子育て世代における経済的負担の軽減は喫緊の課題となっております。
 本県におきましても、希望する就業、就職のしにくさや、結婚、出産、子育てのしにくさといったさまざまな経済的、社会的困難に直面し、これらを諦めなければならないといったような、いわゆる生きにくさが解消されない状況があると認識しております。
 こうした生きにくさを生きやすさに変えていくため、令和5年度当初予算案では、高校生等へのライフデザインの形成支援、若者、女性を対象とした開業支援貸付制度の創設、若者、女性に魅力ある雇用、労働環境の整備、結婚を希望する県民への支援体制の充実、不妊治療に要する治療費や交通費の助成、第2子以降の3歳未満児を対象とした所得制限を設けない保育料等の無償化や在宅育児支援金の創設、経済的に困窮している高校生等への大学等進学支援に向けた奨学金の創設など、結婚、妊娠、出産、子育てなどの各ライフステージに応じた総合的な取り組みを強化していこうとしているところでございます。市町村、企業、関係団体、県民と一体となって強力に進めてまいります。
〇45番(工藤勝子君) 若者とかいろいろな支援のお話がございましたけれども、私は生きにくさというものをもっと幅広く捉えていくべきではないかと思っております。社会減もそうですけれども、自然減にも目を向けるべきではないかという私の提案であります。
 令和4年、自死された人数は262人、前年比63人増という速報値が発表になりました。令和3年は男性が全体の7割を占め、それも40代、50代です。働き盛りの人たちが自ら命を絶っているわけです。これはまさに岩手県の生きにくさではないか。自殺率というのは、秋田県の次は岩手県、常にこの辺にいるわけです。全国的に下がっている中で、岩手県も下がっていると言いながらも、なぜこのレベルにいなければならないかというのは、まさに岩手県の生きにくさではないかと思います。
 そういう点からも、がん、心疾患、脳疾患においても、全国と比べたら格段の差があります。多いのです。そういう中において、ぜひ市町村と連携して、自然減を減らすためにも、岩手県総健康づくりみたいなことを提案して、ここで自然減を減らす必要もあると思いますが、知事はどのように考えますでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 高齢者の皆さんを健康にというのは非常に重要なところでありますので、健康の康の字を幸と書いた健幸づくりというのは、いわて県民計画(2019〜2028)の11のプロジェクトの中にも入っておりまして、そこにも力を入れてまいりますし、自殺については、これはおととし、全国でもまれに見るような急激な自殺者数、自殺率の低下というのが岩手県に見られたわけでありますが、翌年の去年、減り方が減って全国順位が上がった形になっております。おととし、去年を合わせますと、全国から見て大きく減ったということは続いているのですけれども、いずれにせよ、自殺の背景となる生きにくさというのは今すぐ解決しなければならない問題でありますので、そこにも対応してまいります。
〇45番(工藤勝子君) その辺の取り組みもしっかりとやっていただきたいと思っております。
 時間が過ぎてきておりますので、GX、DXについては委員会のほうで質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
 持続可能で希望ある岩手を実現する行財政研究会からの提言がございましたが、私としては、第1期アクションプランでは、少子化、人口減少対策の成果が見えない中で、第2期アクションプランにおいては、現実を見据えつつ、5年後、10年後の岩手県のあるべき姿として、県民が希望の持てるような新しい政策プランをどのように組み入れてきたのかお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 行財政研究会からの提言内容の反映についてでありますが、この報告書は、県の中長期的な行財政構造の特徴や抜本的な行財政改革の方策等について取りまとめたものであります。
 第2期アクションプランの策定に当たりましては、市町村や多くの各種団体等から意見聴取を行って、その結果を反映させているところでありますが、人口減少対策の強化や、持続可能な行財政基盤の構築に向けた取り組みなど、報告書の内容を反映させているところであります。
 報告書には、早期に着手できるものや中長期的な取り組みを要するものなど、性質に応じて時間軸が異なる内容が盛り込まれておりまして、県立病院や県立高校については、将来にわたってより質の高い医療や学びを県民に提供していくために、今後、県民的な議論も進めながら取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 知事は人口減少対策について、東京一極集中の是正を課題として挙げられておりましたが、東京一極集中の是正に向けて、県からどのようなことを国に要望し、国はどのように対応してこられたのかお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 人口減少対策には、地方の創意工夫による取り組みとあわせて、全国的な課題である東京一極集中の是正が不可欠であり、国による大胆な取り組みが必要であります。
 県では、地方重視の経済財政政策の実施を初め、地方への移住、交流の促進や政府関係機関の地方移転、高等教育機関の地方分散など、多岐にわたり地方に人の流れを生み出す政策を訴えてきたほか、地方の独自の取り組みを後押しする財源の確保などを繰り返し要望してまいりました。
 国では、まち・ひと・しごと創生法を策定し、地方交付税の充実や地方創生推進交付金の創設、東京23区の大学の定員抑制などの政策をとってきたものでありますが、いまだ東京圏への人口の転入超過に歯どめがかけられていない状況であり、一層の取り組みを求めてまいります。
〇45番(工藤勝子君) 県北地域は宮城県に出る人たちも多いというデータが出ておりますので、宮城県であったならば岩手県にとどまることも可能だと私は思っておりますので、そういう東京都だけではなくて、東北各県も見ることも非常に大事ではないかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 県・市町村人口問題連絡会議が開催されてきたものと認識しております。これまでの成果と課題についてお伺いいたします。
〇政策企画部長(小野博君) 人口減少対策の推進に当たりましては、市町村と県が課題や方向性を共有し、連携して取り組みを進めていくことが重要でございます。県ではこれまで、県・市町村人口問題連絡会議等を開催いたしまして、自然減対策や社会減対策について、情報共有や意見交換を行ってきたところでございます。
 これまでの市町村と連携した人口減少対策の取り組みといたしまして、保育所等の待機児童の減少、それから、高卒者の県内就職率の上昇、県外からの移住、定住者の増加等につながったところでございますけれども、コロナ禍や全国的に東京一極集中に歯どめがかからず厳しい状況が続いていることから、第2期アクションプランにおきましても、人口減少対策に最優先で取り組むとしているところでございます。
〇45番(工藤勝子君) 重点事項をオール岩手で推進していくため、県と市町村、関係団体との連携を一層強化すると言っております。今もお話しされましたけれども、連携強化のために具体的に、どのような役割を新たに担っていくのかお伺いいたします。
〇政策企画部長(小野博君) 人口減少対策に最優先で取り組むことが重要でございますので、県と市町村、それから関係団体等が連携し、共同で取り組む方向性を明らかにし、県内外の関心を高め、理解と参画を促し、地域の人口減少、少子化の状況や地域特性等にもきめ細かく対応し、政策の実効性をより高めていきたいと考えております。
 例えば、産学官が参画しております、いわて未来づくり機構や、いわてで働こう推進協議会におきまして、来年度からの取り組み方針に子育て支援や若者、女性に魅力ある職場環境の構築などを掲げ、人口減少対策に向けた全県的な取り組みを進めていただくこととしたところでございます。
 また、従来の県・市町村人口問題連絡会議に加えまして、毎年度、市町村と県がトップレベルで意見交換を行い、取り組み内容等を共有するなど、緊密に連携を図りながら、オール岩手で人口減少対策を強力に進めてまいります。
〇45番(工藤勝子君) 人口減少対策の推進体制について、岩手県人口問題対策本部をベースに各部局間連携で施策を推進する考えのようですが、人口減少対策については、しっかりと人口減少対策部のような組織を設置して専門に取り組むことが施策の実効性を高める上で非常に有効と考えますが、専門的な組織の設置について、県のお考えをお伺いいたします。
〇政策企画部長(小野博君) 人口減少対策につきましては、政策企画部が所管いたします岩手県人口問題対策本部をベースに、いわてで生み育てる支援本部における自然減対策、いわてで働こう推進本部における社会減対策の相乗効果を図り、取り組みを推進しているところでございます。
 第2期アクションプランの初年度となります令和5年度からは、新たに企画理事を設置し、少子化対策全般を集中的に進めますとともに、関係部副部長及び関係課長で構成する少子化対策監を設置しまして、各部局の専門性を生かしながら、全庁一体となった少子化対策を推進することとしております。
 こうした全庁を挙げた推進体制によりまして、結婚、妊娠、出産、子育てなどのライフステージに応じた総合的な施策、それから、若年層の県内就職の促進に向けた取り組みを強化いたしまして、実効性を高め、相乗効果を図りながら人口減少対策を強力に推進していく考えでございます。
〇45番(工藤勝子君) 次に、4広域振興局体制による地域振興についてお伺いいたします。
 盛岡、県南、沿岸、県北の4広域振興局圏を将来の自治体と見立てた地域振興、岩手四分の計に基づく4広域振興局体制が、平成18年度の県南広域振興局設置から始まり、枠組みを疑問視する意見や、県民の生活圏と乖離した枠組みに課題を指摘する声もありましたが、平成22年度、盛岡、沿岸、県北の広域振興局設置をもって完成したところであります。
 それ以降、東日本大震災津波や台風災害等からの復旧、復興、県北沿岸振興に4広域振興局体制のもとで取り組んできましたが、現地の沿岸広域振興局や県北広域振興局がどのような役割を果たし、地域振興の責任者である広域振興局長の意思決定によって、実際どのような取り組みが行われてきたのかお伺いいたします。
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) 復興や県北沿岸振興における広域振興局の役割等についてでございますが、広域振興局では、管内市町村との意見交換や圏域の懇談会の開催等によりまして、圏域の課題やニーズの把握に努め、広域振興局長の裁量で執行できる地域経営推進費や、戦略性が高く県域全体の振興を図る広域振興事業を活用し、圏域の実情に応じた実効性のある施策を講じてきたところです。
 復興や県北沿岸振興を進めるに当たり、沿岸広域振興局や県北広域振興局におきましては、商談会や首都圏等での物産展の開催を通じた被災地企業の販路拡大支援、復興で整備した新たな交通ネットワーク等を活用した農林水産物等の小口混載による物流体制の構築、食産業やアパレル産業など地域産業の業容拡大などに取り組んできたところでございます。
 来年度におきましても、沿岸広域振興局では、例えば、大学と連携した効率的な養殖技術の開発でありますとか販路拡大に向けたPRの推進による県産サーモン養殖の確立と販路拡大、また、県北広域振興局では、あまちゃん放送10周年を契機としたロケツーリズムの推進など、県北、沿岸地域の産業振興や地域活動の活性化に取り組むこととしております。
 今後におきましても、広域振興局長のリーダーシップのもと、独自性や機動性が発揮できる広域振興局が一丸となって、地域課題等に的確かつ柔軟に対応してまいります。
〇45番(工藤勝子君) 県全体の喫緊の課題であります人口減少対策への広域振興局のかかわり方について、これまでの実績と今後の方針を伺いたいと思います。
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) 人口減少対策への広域振興局のかかわり方についてでございますが、広域振興圏における地域振興に当たっては、それぞれの地域が置かれている状況や地域資源の特性をしっかりと捉え、地域の強みを伸ばし、弱みを克服する施策を講じていく必要があると認識しております。
 広域振興局では、進行する人口減少に対応するため、これまで管内市町村と連携した移住相談会の開催、児童、生徒を対象とした職業体験や管内企業による出前授業の開催などのほか、滞在型観光コンテンツの開発による交流人口の拡大、県内市町村や関係団体との子育て支援に係る連絡会議等を通じた情報交換など、自然減対策や社会減対策を行ってきております。
 喫緊の課題であります人口減少対策の推進に当たりましては、市町村との連携を密にし、部局横断で取り組んでいくことが重要でありますことから、引き続き、広域振興局が住民に身近な市町村と力を合わせ、地域振興プランのもと、結婚や子育て支援、移住、定住や若者の地元定着の促進など、さまざまな主体等と連携、協働し、強力に取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 私は、いろいろと取り組んでいると思っておりますけれども、知事にお伺いいたします。知事演述において、広域振興局の話が一言も出てきませんでした。市町村やそれぞれの団体組織との連携は話されましたが、このくらい重要な仕事をしている広域振興局の評価と、そして位置づけを知事はどのように考えているでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 知事演述では、それぞれの広域振興局の具体的な個々の政策ではなく、広域振興局全体の総論的な取り組み姿勢を述べ、ただし、県北、沿岸地域に関しましては、沿岸地域は特に東日本大震災津波からの復興もございますので、特記事項的に述べたものであります。
 広域振興局のあり方として、一つ示唆的なのは、県組織の仕事のカイゼンのコンクールを毎年やっておりまして、いいね!アワードというタイトルなのですが、ことしもグランプリや、3位を取った部署は、広域振興局の中にある部署というところがあります。
 広域振興局において、それぞれの専門分野の現場に密着しながら働いている職員たち、そして、全体を統括する企画部門、総務部門の職員、連携をしながら、エリアとして地域行政を見ていく、どうしても本庁においては縦割りの分野ごとの取り組みがメインになっていくわけでありますけれども、市町村ごと、さらには複数市町村にまたがる広域的なところへの働きかけや、また、一緒に仕事をしながら、一緒に問題点を発見し、解決に取り組んでいく、そういう形で日ごろから市町村要望も聴取するというか共有していく姿勢、やはりそういったところに広域振興局というのは機能していると思います。
〇45番(工藤勝子君) 広域振興局長の裁量で執行できる地域経営推進費の予算が令和元年度は6億円、年々削減されてきております。令和5年度当初予算案では4億5、000万円と、ここ数年で4分の3に減少しております。広域振興局が役割を果たしていく上で、今述べられたように、さまざまな事業をする上で支障がないでしょうか、お伺いいたします。
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) 地域経営推進費についてでございますが、地域経営推進費は、広域振興局が圏域の目指す姿の実現に向け、いわて県民計画(2019〜2028)に係る各種施策を実行していくとともに、大規模な催事の開催など、その時々の社会的な動向等を踏まえた特別枠の設定も行いながら予算を措置してきたところでございます。
 追加的に設定いたしました特別枠として、近年では、令和元年度の三陸防災復興プロジェクト2019や、ラグビーワールドカップ2019岩手・釜石の開催、令和2年度、令和3年度の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催があり、これらの催事と連動した各種事業を行い、地域への波及効果をより高めることができるよう対応してきたところでございます。
 地域経営推進費の予算確保とその事業執行に当たりましては、市町村からの要望や地域の関係団体等との意見交換などを通じて、課題やニーズの把握、必要となる予算の確保と戦略的な取り組みの展開に努めているところであり、今後におきましても、引き続き、広域振興局長の裁量により、圏域の目指す姿の実現に向けて、機動的に地域の特色ある事業を展開できるよう取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 結局、予算が上がったときは、国体だとかラグビーワールドカップの大会があったときであります。私は、見直すべきではないかと思っているのです。市町村に一番近い自治体として、市町村と連携をとりながら地域課題、人材育成に取り組む広域振興局であります。知事はこの予算を少し見直そうと思いませんか。
〇知事(達増拓也君) 日ごろから各分野の現場での仕事を市町村と共有している県の職員たちの工夫、そして、分野ごとの活動を統括するような経営企画部門や総務部門の知恵を合わせながら、広域にマッチした予算をうまく工夫してもらっていると感じているところでありまして、さまざま、ああしたほうがいい、こうしたほうがいいという御意見は伺いながら進めていかなければならないと思っておりますけれども、基本的な枠組みとしては、この地域経営推進費というものを活用していければと思っております。
〇45番(工藤勝子君) 出先機関である広域振興局の職員の士気を高めていくためにも私は必要なことだと思いますので、御検討をお願いしたいと思っております。
 市町村要望については、広域振興局長が受けて、そして、知事もその要望の場に可能な限り出席すると方針転換しております。単なる同席にとどまらず、知事が直接受けつける形式に市町村要望の原則を改めるべきと考えますが、知事の考えをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 市町村要望については、広域振興局長が市町村からの要望を組織として受け、全庁的に市町村の課題等を共有した上で、次年度の予算編成や政府への提言などを通じて県政の推進につなげてまいりました。
 昨年12月定例会でも答弁させていただいたとおり、令和5年度からは、知事が広域振興局長とともに市町村の要望の場に出席することとしており、今後、各市町村と具体的な日程調整を行ってまいります。
〇45番(工藤勝子君) それでは、次に、農林水産業の振興についてお伺いいたします。
 政府は令和5年度の予算案を公表し、先月、国会に提出しました。農林水産関係予算の総額は94億円減の2兆2、683億円、補正予算8、206億円で、計3兆889億円となり、うち公共事業費は6、983億円とされております。
 新規事業では、畑地化促進助成事業22億円、コメ新市場開拓促進事業110億円等がありますが、県はこの政府予算案をどのように評価しているでしょうか、お伺いいたします。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 県では、これまで国に対し、担い手の確保、育成への支援や、産地づくり対策の充実、強化、水田の大区画化や汎用化を進めるための生産基盤の強化などの予算確保等について要望してきたところでございます。
 国の令和5年度予算案には、新規就農者の経営発展のための機械等の導入支援や、産地の収益力強化に向けた施設整備のための予算が確保されたほか、生産基盤強化のための農業農村整備事業関係予算が前年度を上回って確保されるなど、本県の要望が一定程度反映されたところでございます。
 一方、農業大学校の教育施設の充実強化に向けた事業の創設や、配合飼料価格の高どまりに対応する制度の拡充などについては、現時点で措置されていないことから、さまざまな機会を捉え、国に要望していくこととしております。
〇45番(工藤勝子君) また、食料安全保障上、増産が求められている小麦、大豆、野菜等について、県としてどれくらいの面積を畑地化し、増産に取り組んでいこうとしているのかお伺いいたします。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 本県では、県農業再生協議会で策定した水田農業の推進方針に、小麦や大豆、野菜等を重点推進品目として位置づけ、水田での生産拡大を推進しており、令和4年度の水田での小麦等の作付面積は約8、700ヘクタールと、令和元年度に比べ約540ヘクタール増加しているところでございます。
 小麦等の転換作物の生産は、水稲とのブロックローテーションを基本としつつ、収益性、作業性の観点から畑地としての利用が望ましい場合には、畑地化を推進しております。
 畑地化については、生産者の意向や経営内容、地域の実情等を踏まえて実施していく必要があり、県として目標面積を設定することは難しいところでございますが、1月末時点で、令和5年度の国事業を活用している畑地化面積は、小麦等で約40ヘクタールとなっております。
 県では、小麦等の生産拡大に向け、国事業等を活用しながら、機械、施設の整備や排水対策等を支援することとしており、今後とも、水田を最大限に活用し、生産者の所得が確保できるよう取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 今、地球規模での環境の変化やロシアによるウクライナ侵攻など、食料や生産資材、肥料等がいつでも買える時代から買えない時代へと変化してきており、折からの円安の影響もあって、輸入への依存からの転換が求められております。
 日本の食料自給率は、カロリーベースで2021年、38%ですが、捨てられる食品、いわゆる食品ロスは500万トンを超えると言われており、6割輸入して、500万トンを捨てているという日本の事情があります。
 食料安全保障の重要な指標となるのが食料自給率であります。日本の食料自給率の目標は45%であり、この目標達成のため、食料消費を県産に変えてもらうことが大変重要であると思っております。県産食材の理解を広げ、消費を拡大していくため、県としての取り組みをお伺いいたします。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 県では、県産農林水産物の消費拡大等に向け、地産地消県民運動や、食べよう!いわての美味しいお米。運動を展開するほか、量販店や飲食店と連携したフェアの開催等を通じて、県産農林水産物の魅力の発信に努めてきたところです。
 また、今般、県内の経済活動の活性化に向けて、産学官で組織するいわて未来づくり機構において、安全、安心でおいしい県産農林水産物や食品の地元での消費を呼びかける、今こそ「買うなら岩手のもの」宣言が行われたところでございます。
 こうした動きを踏まえ、県産農林水産物の品質の高さを初め、生産者の思いやこだわりを積極的に発信するとともに、令和5年度は、新たに地元の量販店や飲食店と連携した、いわて食財の日等での消費拡大イベントの開催や、産直施設と給食事業者とのマッチング支援など、地産地消の取り組み強化に要する経費を当初予算案に盛り込んだところであり、県産農林水産物の消費が一層拡大するよう取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 県の令和3年の農業産出額は2、651億円で、全国10位であります。日本の食料供給基地と胸を張って言えるような状況ではないと思いますが、このことをどのように捉えているのか、農業産出額を引き上げるため、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 令和3年の本県の農業産出額につきましては、ただいま議員から御紹介があったとおりでございますが、産出額につきましては、この10年で約300億円増加しているところでございます。一方、本県農業の維持、発展に向けては、さらなる産出額の維持、増加が重要と考えております。
 このため、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプラン最終案に、生産性、市場性の高い産地づくりや高付加価値化、販路の開拓、拡大、戦略的な輸出の促進などを掲げ、令和5年度当初予算案に、野菜等の高収益作物への転換や環境制御が可能な高規格園芸ハウスの整備、飼養規模の拡大に向けた畜舎等の整備への支援とともに、米や牛肉などのブランド化、アジアや北米地域等を対象とした輸出拡大の取り組みなどの施策を盛り込んでおり、こうした施策を積極的に展開し、農業産出額の増加が図られるよう取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 一次産業は農業生産額でははかることのできない農地、水環境など、多面的な機能で大きな役割を果たしていると、私は思っております。また、今、農林水産業に求められているGX、グリーントランスフォーメーション、さらにはカーボンニュートラル、環境と持続可能な豊かな地域づくりでもあります。
 私は、一次産業の発展なくして岩手県の発展なしと思っております。農林水産部の皆さんには、ぜひ岩手県の農業を推進するために頑張ってほしいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 今回、AIの活用等についても通告しておりますけれども、林道にAIを活用しているというお話がございました。いろいろと農業も変わる時代だなと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思っております。
 本県の農業経営体数は、平成27年の4万6、993経営体から、令和2年度は3万5、380経営体となり、5年間で1万1、613経営体の減少となっています。令和4年には3万1、500経営体となり、2年間でさらに3、880経営体が減少しています。
 今日、農業、畜産業を営む法人、個人経営者は、担い手不足や高齢化に加え、肥料、生産資材、飼料代の高騰、また原油価格の高騰にも苦しまれており、経営の悪化からさらなる減少も考えられるところです。県は、今後の農業経営体数の推移をどのように想定しているのかお伺いいたします。
 また、あわせて、目の前の物価高騰対策から、担い手確保やDX、GXの取り組みの支援までを含めて、農業経営体の経営支援に今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 本県の農業経営体の状況につきましては、ただいま議員から御紹介があったところでございますが、同様に、2020農林業センサスを見ますと、従事者の減少や高齢化が進行する一方で、販売額3、000万円以上の経営体ですとか、法人化した経営体の数が着実に増加するなど、経営の規模拡大や高度化が進んでおり、こうした傾向は今後も続いていくものと捉えているところでございます。
 肥料や飼料等の価格が高騰する中で、農業経営体は、生産性の向上はもとより、データに基づく栽培や経営の管理、化学肥料の低減等の栽培体系のグリーン化など、多様な経営管理が実践できるよう経営力を高めていくことが重要と考えております。
 このため、県では、いわてアグリフロンティアスクールによる経営感覚の醸成や、岩手県農業経営・就農支援センターによる法人化等に向けた専門家派遣に加え、DX、GXの取り組みにもなる環境制御技術の導入に向けた技術や化学肥料等の使用量を低減できる技術の習得を支援することとしており、今後とも、本県農業を牽引する経営感覚にすぐれた経営体の育成に積極的に取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 農業経営体数の減少は農業の生産額の減少にもつながっているのだろうと私は思っております。そういう中において、いろいろ県としても補正予算を組んで畜産農家等を支援していただいております。感謝を申し上げたいと思います。
 しかし、今回の補正予算で1頭当たり1、000円と聞きました。倍以上になっている飼料代が、いただかないよりはましですけれども、非常に苦しい状況に私は変わりないと思っております。特に酪農経営者の方々は、実際に私の地域でもやめた人もおりますし、その状況をどのように捉えているのかということもお聞きしたいと思っております。
 今後とも、岩手県の畜産業を守る、畜産県を守る、そういう意味において、もう少し農家の人たちの声をもう一度吸い上げていってほしいと思いますが、もう一度、御答弁をお願いいたします。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 今、県内の、全国の畜産農家にもなるかもしれませんけれども、飼料価格が過去にない高騰というような状況の中で、大変厳しい経営環境に置かれていると承知しております。
 今回、補正予算のほうで提案させていただこうとしている飼料価格高騰対策につきましては、基本的には、国に飼料価格安定対策という制度がある中で、その差額分について、県、あるいは市町村と連携して補填しようという中での、それぞれが3分の1相当ずつ負担し合いながら、なんとか畜産経営体を支援しようという中で設定した金額設定となっておりますので、こういった中で、関係者がいろいろ力を合わせながら、本県の畜産農家のみならず、農業経営体がしっかりと経営できるような取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。
〇45番(工藤勝子君) 次に、本県の農林水産物や食品の輸出状況についてお伺いいたします。
 また、東北地方の先進県と比較して、どのような状況となっているのかお伺いいたします。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 令和3年の県産農林水産物等の輸出額は約48億円と、この5年間で約2倍に増加しております。
 農林水産物等の輸出額については、県ごとに公表の有無や調査方法が異なることから、一概に比較はできないところでございますが、東北6県では、本県のほか、青森県と山形県で輸出額が公表されておりまして、令和3年の青森県の輸出額は約259億円、山形県は約35億円となっております。
〇45番(工藤勝子君) 農林水産省の発表で、2022年、農林水産物、食品の輸出額は1兆4、148億円、今後、2030年には5兆円に拡大、国、地域別では、やはり中国、香港、アメリカと続きます。岩手県は農林水産物合計で42億9、600万円であります。日本全体の輸出額から見ると、0.4%から0.5%であります。県の輸出政策は他県よりおくれてしまったのではないかと思っておりますが、どのように捉えているかお伺いしたいと思います。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 本県の輸出額を見ますと、先ほども御答弁申し上げましたように、50億円弱というような形で、隣県の青森県に比べますと、まだまだこれから頑張れるのではないかというところもありますけれども、一方、5年間の輸出に関する取り組みの額の増加率を見ますと、例えば、本県ですと約1.9倍に増加しているという状況の中で、他県の比較で恐縮なのですが、ほかの県に比べればはるかに高い伸び率を示しているというところもございますので、こういった形で、アジア、北米などを対象に、しっかりと本県の県産農林水産物の魅力を発信するような取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。
〇45番(工藤勝子君) 知事にお伺いいたします。知事は、新春インタビューにおいて、岩手県には世界に通用する農林水産物がある。輸出に関し、円安は好材料であり、こうした有利性を生かしさまざまな対策を講じていくと話されております。知事は昨年、カナダへトップセールスに出向かれましたが、県産農林水産物や食品の輸出拡大に向け、現地で感じた手応えや課題についてお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 昨年12月、農業団体、商工団体とともに、オタワやトロントなど、カナダの主要4都市において、在外公館等と連携し、レストラン関係者や流通事業者、政府関係者に対し、本県の米やリンゴ、牛肉、日本酒等の魅力をPRするレセプションなどを開催いたしました。
 現地のレストラン関係者等からは、本県が環境にやさしい農業を実践していることや、寒暖差の大きい気候を生かして高品質なリンゴ生産を行っていること、日本有数の肉牛産地であることなど、本県への高い関心が寄せられ、さらに、県産食材の品質やおいしさなどが高く評価され、取り扱いたいという希望を多数いただいたところであり、県産農林水産物の輸出拡大に向けて大いに手応えを感じたところであります。
 一方、輸出拡大に向けては、トップセールス等により築いた人と人とのつながりなどを十分に生かし、継続的な取引につなげていくことが重要でありますことから、今回構築した現地とのネットワークやノウハウをしっかりと活用し、カナダはもとより、他の地域などへ県産農林水産物の輸出がさらに拡大していくよう、積極的に取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) やはり知事によるトップセールスは大変効果が大きいと評価しております。そういう中において、今後、知事はどの程度トップセールスを考えているのかお伺いしたいと思います。
 また、令和4年度に国内でのトップセールスはどの程度行われましたでしょうか、お伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 今後の輸出拡大の取り組みにつきましては、輸出事業計画のほか、新たに策定する第2期アクションプランに基づいて、北米、アジアをターゲットとした現地バイヤーの招聘やフェア、商談会などの開催を行い、海外の市場動向を踏まえながら、県産農林水産物の輸出拡大を図り、その中にトップセールスも組み入れていきたいと考えております。
 国内でのトップセールスにつきましては、今、記憶をたどっているところでありますけれども、担当部長から答弁させます。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 知事のトップセールスについてでございますが、具体的な資料については、ただいま持ち合わせていなくて恐縮でございますが、例えば、お米の銀河のしずくや金色の風の新米、あるいは、岩手牛の枝肉の共励会、先だってもワインと組み合わせたセールスというような形で開催させていただいたところでございますが、こういったさまざまな機会を捉えまして、知事にはトップセールスという形で、生産者はもとより、消費者や関係団体のところに出向いていただきまして、セールスを行っているところでございます。
〇45番(工藤勝子君) 記憶にないような状態で残念でありますけれども、私から紹介したいと思っております。
 全農によりますと、令和元年から3年にかけて、米穀分野における知事のトップセールスは、令和3年、東京都でのCM発表会出席のみ、畜産、酪農分野では、令和元年、東京都での岩手牛の集いのみ、園芸分野では実績ゼロと言われております。これが本当に事実とすれば、トップセールスでの効果が大きいとする中で、やはり国内、海外も大事ですけれども、国内戦略にマイナスになっていると知事は捉えておりませんでしょうか。
〇知事(達増拓也君) いろいろなデパートやショッピングセンター、ショッピングモールなど、あちこち行っている記憶はあるのですけれども、ただ、最近は、令和3年とおっしゃいましたか、新型コロナウイルス感染症の流行もあって、残念ながら、コロナ禍前にやられていたようなトップセールスができなくなっているところがあります。
 また、県外への売り込みに当たりましては、県出身タレントでありますとか、県内の地元アイドルでありますとか、そういった皆さんに出ていただくほうが人を集める効果があるとか、そういう場合でも、チラシなどの中ではきちんと知事メッセージも出して、行政として伝えることを伝えるような形も確保したりしているところでありますけれども、トップセールスというものをどのように活用して効果を上げていくか、工夫しながら取り組んでいきたいと思います。
〇45番(工藤勝子君) 世界に通用する農林水産物、食品の輸出を拡大していくためには、大きなハードルがある動植物検疫の対応や継続的な販路開拓など、さまざまな取り組みが必要と考えますが、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 県では、動植物検疫への対応として、輸出先国の衛生基準に対応する食肉処理施設としての認定取得や、輸出先国が求める病害虫防除などの取り組みを支援するとともに、販路の開拓、拡大に向け、海外でのトップセールスを初め、現地の量販店やレストランと連携したフェアの開催、バイヤーの招聘による産地商談会の開催などに取り組んできたところでございます。
 こうした取り組みに加え、令和5年度においては、県産農林水産物の需要が高まっているアジアや北米地域等を対象に、在外公館や現地の販売事業者等と連携したオンライン商談会やECサイトの活用、米や牛肉など多様な品目を組み合わせたパッケージ型プロモーションなどの実施を予定しており、今後も県産農林水産物の輸出が拡大するよう取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 少子高齢化によって国内の需要が低迷しておりますし、さらに、国内の競争が激化していると思っております。そういう中で、ハードルは高いかもしれませんけれども、輸出に期待することが大きいと、私は思っております。
 そういう中において、青森県、山形県に追いつけではありませんけれども、少し目標を定めて、海外輸出戦略ということを掲げて取り組んでいこうという気持ちはありませんでしょうか。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 輸出の取り組みにつきましては、アクションプランにも具体的な令和8年度までの指標を掲げて、それに向けてしっかりと、さまざまな取り組みを進めていくこととしております。
〇45番(工藤勝子君) どうぞよろしくお願い申し上げます。
 岩手県は広く豊かな県土を有し、第一次産業である農林水産業の活性化と発展が大きな課題だと思っております。今日の世界情勢の変化や、コロナ禍によって農林水産業関係団体の代表者は、複数の危機が同時に押し寄せてきている状況と言っております。農業、林業、水産業の担い手として、毎年400名前後が新規就農しておりますが、どれだけの若者が岩手県の農林水産業の未来に希望を持っているのでしょうか。さまざまな課題が重なる不安や国の農業政策への不安を抱えながらも、この先に必ず命をつなぐ食料生産に未来を見つけることができる、明るい光を見出そうと頑張っている若者もたくさんいらっしゃいます。岩手県としては、希望の光の中に新しい光を見出すことができるメッセージを発信すべきであります。
 国による食料安全保障の強化や食料・農業・農村基本法の見直しなどを踏まえながら、岩手県の農林水産業の未来を明確に示す、岩手農林水産業未来ビジョンを策定し、市町村や農業団体、担い手等に対して指針とすべきと考えます。私の最後の願いでもあります。すばらしい希望の持てる答弁を知事にお願いいたします。
〇知事(達増拓也君) 農林水産業振興に向けたビジョンについてでありますが、いわて県民計画(2019〜2028)の長期ビジョンにおいて、意欲と能力のある経営体の育成、収益力の高い食料・木材供給基地づくり、農林水産物の高付加価値化と販路の開拓、拡大、一人一人に合った暮らし方ができる農山漁村づくりを政策推進の基本方向として掲げております。
 そして、第2期アクションプランの最終案においては、農林漁業者の減少、高齢化や資材価格の高騰、食料安全保障への意識の高まりなど、農林水産業を取り巻く環境変化を踏まえ、今後4年間で重点的、優先的に取り組むべき政策のもと、約30の具体的な推進方策を明示しているところであります。
 第2期アクションプランは、市町村を初め生産者団体等からの意見も踏まえ、策定を進めてきたところであり、今後、関係機関、団体と力を合わせ、生産者が意欲を持って生き生きと働き、暮らすことのできる農林水産業の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
〇45番(工藤勝子君) 私は何回もこの農業ビジョンについてお願いしてきたのですけれども、第2期アクションプランの10の項目、仕事、収入に入っている。建物の中で物が流れてきて、そしてそこで組み立てる仕事と、自然を相手に風雪に耐えながらやっている農業の仕事、これは別です。ですから、ここを切り離して、しっかりと組み立てていくべきだと私は考えておりますので、ぜひ考えてほしいと思っております。
 次に、遠野馬の里の有効活用についてお伺いいたします。
 遠野市は、平成10年に遠野馬の里を整備しております。現在、競走馬施設管理事業、乗用馬育成事業、乗用、農用馬繁殖事業、乗用馬ふれあい事業の四つ事業を柱として運営しております。
 施設としては、屋根つき坂路馬場が特徴であり、走路や厩舎、ウォーキングマシーンなど多くの施設を整備しており、遠野馬の里でトレーニングをした競走馬が中央競馬のG1を制した実績もあります。
 遠野市は、岩手競馬の振興、発展に寄与したい意向であり、遠野馬の里を岩手トレーニングセンター(仮称)に位置づけていただきたい考えと伺っております。これが実現すれば、競走馬のレベルアップによってレースの迫力が増し、岩手競馬の魅力が向上して、経営がより安定するとも考えられますし、馬を中心とした地域振興にも拍車がかかるものと私も大いに期待するところであります。
 県としても、馬と触れ合うことができる貴重な施設である遠野馬の里を、県としても多額の支援をしている関係から、県全体で有効に活用していくべきと考えますが、県の考えをお伺いいたします。
〇農林水産部長(藤代克彦君) 遠野馬の里は、競走馬の育成、調教や乗用馬、農用馬の繁殖、改良、乗馬による人と馬の触れ合いなどを目的に、遠野市の出資法人であります遠野畜産振興公社により整備された施設と承知しております。また、これまで地域の馬産振興と活性化に大きく寄与してきたとも承知しております。
 遠野馬の里の屋根つき坂路馬場は、冬の期間も調教が可能なことから、JRA等の競走馬に活用されるなど、競走馬の調教や育成に貢献してきたとも伺っております。
 遠野馬の里の有効活用について、県内では、滝沢市や雫石町、一関市などで乗馬教室やホースセラピーなど、人と馬が触れ合うさまざまな取り組みが行われており、県としては、こうした事例の紹介のほか、岩手競馬との連携の希望がある場合には、岩手県競馬組合にそうした意向を伝えるなど、地域の意向を踏まえながら必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
〇45番(工藤勝子君) ぜひ御支援をよろしくお願い申し上げます。
 次に、岩手県政150周年記念事業についてお伺いいたします。令和8年5月に150周年を迎えることから、令和4年度から令和8年度までを県政150周年記念期間と位置づけ、さまざまな記念事業を実施することとされております。
 現段階では、知事の主導で進められているように感じられますが、150周年という大きな節目であることから、もっと県民から声を聞き、県民みずからがつくり上げ、達成感を得られるような取り組みを進め、今後の県政のさらなる発展を促す機会にすべきと考えますが、記念事業の進め方について知事の考えをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 岩手県政150周年記念事業は、県民の皆様とともに岩手県の歴史を振り返り、本県発展の基礎を築いてきた先人の偉業と努力に感謝し、ふるさと岩手に思いを寄せ、岩手県の未来を展望する機会としていくものであります。
 このため、県民や岩手県にかかわりのある人がこの思いを共感できる取り組みを進めることとし、本県の経済、農林水産、文化、スポーツ、教育、医療、福祉、報道など各界が参画する、岩手県政150周年記念事業実行委員会を昨年設置し、記念事業の企画や実施に取り組んでおります。
 今年度は、記念事業を行っていくために必要なロゴマーク、ポスター、ホームページ等、情報発信の基盤を整備しているところであり、来年度は、特設ホームページや展示パネルの内容の充実、本県の歴史紹介動画の制作など、情報発信を一層進めることとしております。
 記念期間の最終年度となる令和8年度には、5年間を総括する記念式典やシンポジウムを開催し、県民を挙げて大きな節目を祝うなど、関係機関や団体、市町村、県民の皆様がともに参加し、県政150周年記念期間を盛り上げるさまざまな取り組みを実施していきたいと考えております。
〇45番(工藤勝子君) 令和8年度の県域確定150周年には、記念式典やシンポジウムを開催する。今後は、県政150周年記念の冠を付した関連イベントの開催、民間と連携した商品開発により機運を醸成していくと聞いておりますが、今後4年間の事業計画をより詳細にお伺いいたします。
 また、記念事業の予算の総額をどの程度と考えているか、現段階の想定についてお伺いいたします。
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) 岩手県政150周年記念事業の今後の計画と予算総額についてでございます。
 令和5年度におきましては、特設ホームページの内容の充実を図るとともに、本県の歴史を振り返る動画やパネル等による県内各地における県政150周年の巡回展の開催など、情報発信にさらに努めてまいります。
 また、商工団体と連携いたしまして、ロゴマークの積極的な活用や記念商品の開発、販売に着手するなど、150周年記念事業の効果が広く波及していくよう取り組んでまいります。
 また、最終年に行う記念行事には、次世代を担う若者など、広く県民の方々の参画をお願いしたいと考えております。それに向け、意見交換の実施やワークショップの開催も行っていきたいと考えております。
 令和7年度には、1年前のプレイベントの実施、最終年度となる令和8年度には、記念式典やシンポジウムを開催し、県民を挙げてふるさと岩手に思いを寄せ、岩手県を展望する機会にしたいと考えております。
 なお、予算につきましては、毎年度の予算編成時に具体的に検討を行ってまいりますが、事業の効果が発揮できるよう、必要な予算額の確保に努めてまいります。
〇45番(工藤勝子君) 岩手県政150周年記念の期間の初年度である今年度は、いわての子みんなでつくる大きなゆりかごというキャッチフレーズに見合う象徴的な取り組みを県政150周年記念として実施することについて、県の考えをお伺いいたします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 県では今年度から、地域社会が一体となって安心して子供を産み育てられる環境づくりの機運を醸成するため、いわてで生み育てる県民運動を推進しており、この運動を県民みんなで盛り上げていくため、県民から募集して決定した、いわての子みんなでつくる大きなゆりかごをキャッチフレーズとしたところでございます。
 岩手県政150周年記念事業は、県民の皆様とともに岩手県の歴史を振り返り、岩手の未来を展望する機会であり、未来の岩手県を担ういわての子を県民みんなで守り育てる県民運動の趣旨にも通ずるものがあると考えております。
 現在、県民運動においては、メディアとタイアップした広報や、ライフプランコンテンツの制作を進めているところでありますが、引き続き、岩手県政150周年記念事業の目的も念頭に置きながら、事業を実施してまいります。
〇45番(工藤勝子君) 議員として私の最後の一般質問となりました。遠野市の片隅で専業農家のお母さんとして生きてきた私でしたけれども、私の人生の中に、知事や執行部の皆さんと議論を交わす県議会というステージがあったことは、私の一生の宝であります。
 今、女性活躍が言われる時代となりました。この県議会に5名の女性議員の皆さんがおります。次のステージに向かって活躍を御期待申し上げます。
 また、県内においても、さまざまな分野において活躍している女性がたくさんいらっしゃいます。勇気を持って一歩前に踏み出していただきたいと思います。開ける道は誰にでも必ずあります。5期20年間にわたり皆様に御指導いただきましたことに感謝と御礼を申し上げたいと思っております。
 最後に、女性活躍を推進するために、知事から女性活躍のためのメッセージ、方針をお伺いし、私の一般質問の最後にしたいと思います。知事、よろしくお願いいたします。
〇知事(達増拓也君) 工藤勝子議員におかれましては、きょうの質問もそうなのですが、県議会議員として男女共同参画というテーマを重視し、特に、農業現場での女性の地位向上、また、議会議員の男女共同参画の推進、男女共同参画社会を目指す議員協議会の会長としても活躍されたこと、印象に残っております。
 遠野市というこの日本のふるさとのような地域、それは、一見、都会とは正反対の地域というようなイメージがあるかもしれませんが、そういうところからこそ、先進的な男女共同参画の新しい力が生まれ、そして、それが全県、県外にも広がっていったということ、これは岩手県全体もそのように、この岩手県から、県内、全国、さらに海外にも通用するような新しい男女共同参画の道を進めていきたいと思います。ありがとうございました。
〇45番(工藤勝子君) どうもありがとうございました。(拍手)
〇副議長(小野共君) 以上をもって、工藤勝子さんの一般質問を終わります。
   
〇副議長(小野共君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時17分 休 憩
   
出席議員(45名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 高 橋 穏 至 君
10  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後4時38分再開
〇副議長(小野共君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
〇副議長(小野共君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
〇副議長(小野共君) 日程第1、一般質問を継続いたします。高橋はじめ君。
   〔32番高橋はじめ君登壇〕(拍手)

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