令和4年2月定例会 予算特別委員会会議記録

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令和4年3月9日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 中 村 佳 和
議事管理担当課長 藤 枝   修
主任主査 藤 平 貴 一
主任主査 糠 森 教 雄
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 鈴 木 貴 博
主査 阿 部 真 人
主査 刈 屋 江美子
1 説 明 員
ふるさと振興部長 熊 谷 泰 樹 
副部長兼ふるさと振興企画室長兼
県北・沿岸振興室長 箱 石 知 義
参事兼市町村課
総括課長 松 村   達
地域振興室長 小 國 大 作
国際室長 菊池 孝
交通政策室長 高 橋 利 明
科学・情報
政策室長 松本 淳
ふるさと振興
企画室企画課長 大越治仁
ふるさと振興企画室特命参事兼
管理課長 金野賢治
学事振興課
総括課長 米 内 靖 士
調査統計課
総括課長 浅沼玉樹
地域企画監 高井知行
特命参事兼
地域振興課長 熊 谷 克 行
県北振興課長 本 多 牧 人
沿岸振興課長 及川有史
国際企画課長 寺澤敬行 
地域交通課長 小野寺 重 男
空港振興課長 山本章博
特命参事兼
科学技術課長 佐 藤   聡
情報化推進課長 木村幸地 
ILC推進局長 高 橋 勝 重
副局長兼事業
推進課総括課長 高 橋   毅
企画総務課
総括課長 箱 石 知 義
企画総務課
企画課長 大越治仁
特命参事兼
企画総務課
管理課長 金野賢治
計画調査課長 澤 田   仁
警察本部長 森下元雄
警務部長 長谷川 信 栄
生活安全部長 玉澤賢一
刑事部長 吉田良夫
交通部長 田村 剛
警備部長 石 川   康
警務部参事官兼
首席監察官 中屋敷 修 二
警務部参事官兼
警務課長 吉田知明
警務部参事兼
会計課長 米 沢 寿 彦
生活安全部
参事官兼
生活安全企画課長 熊谷秀一
刑事部参事官兼
組織犯罪対策課長 亀山久雄
交通部参事官兼
交通企画課長 板垣則彦
警備部参事官兼
公安課長 仲谷千春
総務課長 永 澤 幸 雄
監察課長 金崎将樹
交通規制課長 佐 藤   普
財政課総括課長 山田翔平
〇軽石義則委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 なお、佐々木茂光委員、城内よしひこ委員、川村伸浩委員及び臼澤勉委員は、欠席とのことでありますので、御了承願います。
 議案第2号から議案第21号まで、議案第26号、議案第27号、議案第29号から議案第31号まで、及び議案第37号の以上26件を一括議題といたします。
 本日は、ふるさと振興部、ILC推進局及び警察本部関係について、延べ22人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしました。
 なお、関連質疑については、目安時間を10分とすること、同一部局の審査において、質疑と関連質疑を行う場合は、その日の質疑の目安時間の範囲内とすることにしておりますので、あらかじめ御了承願います。
 また、これまで同様に、換気のため休憩いたしますので、御協力をお願いいたします。
 初めに、ふるさと振興部長にふるさと振興部関係の説明を求めます。
〇熊谷ふるさと振興部長 令和3年度の政策企画部関係予算について説明申し上それでは、令和4年度のふるさと振興部関係の歳出予算等につきまして御説明申し上げます。
 最初に、当部の予算編成に当たっての基本的な考え方でございますが、令和4年度は、東日本大震災津波からの復興への取り組みを着実に実施するとともに、いわて県民計画(2019〜2028)のもと、ふるさと振興や社会基盤の整備など、県民の幸福度向上を図る10の政策分野に基づく施策を推進してまいります。
 また、三陸や北いわてを初めとする新しい時代を切り拓くプロジェクトの関連事業のほか、DXの推進や関係人口の創出、拡大を図る取り組みなどを積極的に推進してまいります。
 まず、復興推進の取り組みについてでありますが、被災地の高校生等の通学費用の負担軽減支援を実施する公共交通機関を支援する取り組みなどを推進してまいります。
 次に、政策推進の取り組みについてでございますが、教育の分野につきましては、各私立学校の特色ある教育活動への支援などに取り組んでまいります。
 居住環境、コミュニティーの分野につきましては、公共交通の維持、確保と利用促進のほか、関係人口の創出、拡大に向けた取り組みなどを推進してまいります。
 社会基盤の分野につきましては、デジタル社会の実現に向け、産学官金が連携したDXの取り組みの推進や、デジタル人材育成等を実施してまいります。
 次に、新しい時代を切り拓くプロジェクトの推進に向けた取り組みについてでございます。主な取り組みについて申し上げますが、三陸防災復興プロジェクトにつきましては、三陸地域の防災を学習する場としてブランディングしていくための仕組みづくりなどを推進してまいります。
 また、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトにおきましては、北いわて産業・社会革新推進コンソーシアムを中心に、北いわての地域課題に対応する産業振興と社会づくりの推進などに取り組んでまいります。
 それでは、歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の議案のその2の6ページをお開き願います。ふるさと振興部関係の予算は、2款総務費のうち2項企画費の一部、4項地域振興費の一部、5項選挙費、7項統計調査費、8ページに参りまして、10款教育費のうち1項教育総務費の一部、9ページに参りまして、8項大学費、9項私立学校費、これらを合わせまして、総額で172億2、200万円余であり、前年度の当初予算と比較いたしますと、2億4、100万円余の減額となるものでございます。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載しておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。恐れ入ります。11ページにお進みいただきたいと存じます。第2表債務負担行為の表中、当部関係は2、ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン支援費補助であり、これは、同校への補助について、補助交付が翌年度以降にわたることから、債務負担行為を設定しようとするものでございます。
 以上で、説明を終わらせていただきます。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
〇軽石義則委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔、明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋はじめ委員 私は、自治体の行政運営について、最近目にしたこと、それから、いろいろ調査する中でわかったことを中心にお話をさせていただければと思っております。
 まず先月に、大槌町の行政運営に係る不祥事ということで新聞報道がございました。内容的には、議会で議決した条例、あるいは町長が署名した規則、条例については、2020年4月から2021年9月まで条例46件、それから、町長が決裁した規則は36件、これが公告がなされず、効力が発効しない中で、保険料の徴収等が行われたという内容の記事でございました。
 この件につきまして、担当部としてどのように捉えているのか、まずもってお伺いしたいと思います。
〇松村参事兼市町村課総括課長 条例、規則の公布でございますけれども、これは地方自治法の第16条におきまして、当該普通地方公共団体の長の署名、それから、施行期日の特例その他条例の公布に際し必要な事項は、条例でこれを定めるとされております。
 大槌町におきましては、大槌町公告式条例によりまして、条例、規則の公布に当たっては、町長の署名及び町広告板への掲示を行う必要がある旨定めているところございます。
 先ほど委員からお話がございましたとおり、令和2年の4月から令和3年9月までの間、これらの手続が実施されていなかったものと伺っているところでございます。
 このような事態は、地方自治法に違反する事案でございますので、あってはならないものと認識をしております。
〇高橋はじめ委員 これがなぜ起きたかというところが大変重要ではないかと思っております。
 私も前々から、団塊の世代の方々、知見豊富な方々の、技能、技術さまざまな経験のもとに積み上がってきたものが、定年退職とともに失われて、再任用で引き継ぎをされたところもあるのですが、そういった大事なものが引き継がれていかないということにおいて、行政運営についてさまざまな心配されることが起きるのではないかと非常に危惧しておりました。その足らざるところは広域行政で補うとか、市町村合併して大きくなれば、しばらくの間はいいのかもしれませんが。
 そういったことを含めて、この行政運営に支障が起こらないような対応策を考えていかなければならないと思って、たびたび取り上げさせていただいているのです。これが、この一つの町だけの事件なのか、今後、ほかの市町村に波及していくのか、そのところが、どうやってその現状を把握して、あるいは前もって対処していく、そういう仕組みづくりをしていくといったことを進めていかなければならないのではないかと思っているところです。県として、この行政運営の点検、分析、指導と、今回の件も含めて、再発防止策はどのように考えているのか、あるいは進めているのかお伺いしたいと思います。
〇松村参事兼市町村課総括課長 今後の市町村の自治体運営ということでございます。
 まずは、今回の条例、規則の未公布の事案が生じたというここの点についてお話を申し上げますと、今年度から市町村課におきまして、県立大学と連携をして、市町村の法務の関係について、相談支援の体制をつくっておりまして、市町村でも法律の専門的な部署を設けるのが難しい、あるいは職員間の引き継ぎ、育成がなかなか難しいということもありまして、こうした支援を今年度から実施し、また、来年度も継続することにしております。
 また、各市町村の職員でございますけれども、団塊の世代の方々が抜けられて、また、全体の職員の数も減っているということで、職員の能力の向上が必須だと考えております。その上で、例えば市町村からの研修の受け入れとか、あるいは相互交流を通じて、市町村職員の人材育成の支援をしているところでございます。
 また、行政運営に関する個別の課題への対応でございますけれども、さまざまヒアリングなり、あるいは行財政のコンサルティング等、また、現在、総務省等でさまざまな専門分野でのアドバイザー派遣の事業などもございますので、そうしたことの活用も推進をしているところでございます。
〇高橋はじめ委員 法務的なところは毎回必要ということではないので、各町村においても担当者を専門的に置いてというのは難しいだろうと推測もするわけです。そうした場合には、広域振興局や、地域振興センター、そういうところで専門の担当者を配置しておいて、それぞれその域内の相談に応じるような体制も必要のような気がするのですけれども、そういう担当者の配置ということまで踏み込んで検討をされているのか、その辺についてはいかがですか。
〇松村参事兼市町村課総括課長 この法律関係、行政における法制執務の関係は、さまざまな分野にわたっておりますし、法律的な、専門的な知識、経験も非常に必要なものでございます。例えば県の法令については、県の総務室で担当しております。また、市町村につきましては、私どもにもいろいろと御相談があるところでございます。そうしたときには、庁内での専門的に担当している職員に話を聞くとか、あるいは県立大学等にもお話をしながら、市町村の窓口として機能させていただいているというところでございます。
〇高橋はじめ委員 わかりました。
 現状はそのような体制だと思いますが、今後においては、いろいろな面で行政運営について、全般に何が必要なのかということを含めて、体制整備をしていく必要があるのではないかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 二つ目でありますが、皆様御存じかわかりませんが、希望いわて宛てに昨年の9月3日、県議会議長宛てに昨年の10月12日、軽米町から陳情書が届いておりまして、これについて私なりにさまざまな調査をさせていただいているところでございます。中身的には、1億6、500万円ほどの損害賠償というか、県に負担を求めるという大まかな内容であります。
 そうした中で、これは防げない事案だったのかということが私は一番の疑問でありまして、いろいろ見ていく中で、この問題は、土壌汚染対策法に係る3件の形質変更届が未提出であったということです。事業を計画し始める前にこういう必要書類が出ておれば、それに基づいてさまざま想定されることがあって、それらをきちんと解決していけば、こういう事案は防げたのではないか。そういう発想のもとにいろいろお伺いするわけであります。
 (仮称)かるまい交流駅に限らず、福祉施設とか、市町村の町営住宅とか、そういった広範にわたる公共事業におきまして、3、000平米以上の開発行為においてはこの届出が必要であります。それを怠って工事をした場合、罰則が出てくるわけでありました。
 これらについて、それぞれの部署で本来はすべきだと思いますけれども、それぞれの部署がこの法令を知らないということもあるのかもしれませんし、そこは申請時に話をできなかったのかもしれませんが、その辺の一つの事業に対するさまざま関連する法令の届出が必要だということについては、どのような形で周知しているのか、担当課としては、その辺は把握していのかお伺いしたいと思います。
〇松村参事兼市町村課総括課長 今、委員からお話ありました個別の事業に対する法律関係あるいは県の条例関係、この指導といいますか、事業者の方からいろいろな申請などをいただくわけでございますが、そうしたものは関係法令を所管している部局で、法令上の解釈など、あるいは必要な届出などをきちんと確認をしながら、これは市町村も含めますけれども、事業者の皆様に助言等をして、誤りがないような手続をしているものと考えております。
〇高橋はじめ委員 そのところが一番ポイントなのですね。今、国の法律もさまざま新しいものが出てきておりますし、改廃もしょっちゅう行われておりまして、それによってこうした見落とし事例も出てくるわけでございます。
 軽米町のこの届出も、県民の方から指摘があって初めて明らかになったと。そして、工事前にあわてて提出をした。それで、過去にさかのぼったら、これも含めて3件届出がなかった。その前はどうだったのか。4件目のところまでいくと届出があったということで、その4件目以降、3件連続で届出がなかったということであるようです。
 一つは町営住宅、もう一つは市の福祉施設、そして、今回の(仮称)かるまい交流駅ということで、それぞれ扱う部署が違うわけですが、この土壌の形質変更については、法律は同じ法律が適用されているわけです。そういう横断的な法律の適用というところを、誰がどこでどうコントロールしていけるのかというと、そこは、例えば国の法律、担当課が違うと言いつつも、国の法律全般はどういうものが流れてきて、それが、今後それぞれの事業を展開するときにどう影響してくるのかということはきちんと捉えておいて、その部署に連絡をしていくような、そういう仕組みも必要ではないかなという思いもしているのですけれども、その辺はそういう仕組みはないのでしょうか。
〇松村参事兼市町村課総括課長 県の行う事務事業、それから、国から法定受託として受けている事務事業は非常に多岐にわたるもので、県の組織、規則等をそれぞれ役割分担しながら実施をしているものでございます。
 委員からたびたびお話のある土壌汚染対策法の関係につきましても、その担当の部局でしっかりと法律の解釈をし、また、届出について誤りのないように事業者の方に助言をしながら、事業を進めていくことが必要だという認識でございます。
 私ども市町村課といたしましては、逆に、その市町村の職員が、先ほど大槌町の件もございましたけれども、一般的な事務執行の能力とかそういったところをしっかりと身につけていくように、研修なりそういったところのお手伝い、助言をしていくということで考えております。
〇高橋はじめ委員 いずれ市町村課におきましては、市町村と密接に連携して、県の事業も円滑にいくように、それから、市町村の事業も円滑にいくように、いろいろ連絡調整をしながら、アドバイスも含めてされていると思います。これからも大変重要な位置づけになってくるのではないか。市町村の立場に立った思いで、国と市町村とのパイプ役というか、それを進めていただければと思っております。今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 最後にふるさと振興部長にお伺いしたいのですが、現状の県内の市町村の行政運営の状況を、どのように捉えているのか。それに対して、今後、県としてどのように取り組みをしていくかをお伺いしたいと思います。
 先ほども話題に出ましたけれども、人口減少もあるし、職員の採用も、思いどおりにできないということもあるし、それは今度、市町村の行政運営に少なからず影響を及ぼしていくということも含めて、部としての取り組みも大変重要になってくるのではないかと思っていますので、そのことについて所見を伺いたいと思います。
〇熊谷ふるさと振興部長 市町村行政運営のお話がございましたが、県として、いわて県民計画(2019〜2028)を着実に実行して、県民の皆様に幸福になっていただく施策を進めているところでございますが、それを進める中で、市町村と連携し、それぞれの市町村が地域の特性に応じた事業を展開していただくというのが非常に重要だと思っております。
 一方で、委員御指摘のとおり専門職員の採用がなかなかできないとか、そういった人手が足りなくて専門性の発揮ができないとかそういったような部分がございますので、県といたしましては、そういった市町村の実情をよく見て、そして、御相談しながら、例えば広域連携のあり方とか、あとは職員の育成とか、人材が不足するのであれば、必要な職員を、話し合いによって県の職員を派遣するとか、さまざま手法があろうと思いますが、そういった面を含めまして、今後とも市町村と連携して、ふるさと振興部の職務を全うしてまいりたいと思っております。
〇高橋はじめ委員 いずれ、国立社会保障・人口問題研究所の人口の推移等々を考えますと、これから年ごとに大変厳しい環境の中で行政運営をしていかなければならないと思っております。県が掲げるいわて県民計画(2019〜2028)をしっかり県内全域で展開していくためにも、市町村に頑張ってもらわなければなりませんので、ぜひ、今後とも、密接に関係を強化していただければと思っております。
〇工藤勝子委員 県内大学生等定着推進事業についてお伺いいたします。県内の大学等で高度な学問や技術を修得し、卒業される学生の皆さんは、県の各分野において、今後の成長戦略、貴重な人材となると私は思っております。県内の定着は、社会減、また、人口減少対策の一つとも捉えております。令和3年度卒業される県内卒業生等の就職状況について、どのように捉えているのかをお伺いいたします。県立大学が中心になるかもしれませんけれども、男女別でもよろしくお願いいたします。
〇米内学事振興課総括課長 県内における大学生等の卒業生の就職状況についてでございますが、3月4日に岩手労働局が公表した資料によりますと、令和4年3月卒業予定者の1月末現在の県内就職の状況は、大学及び短期大学の国公立私立合わせての数字となりますが、お知らせしたいと思います。
 まず大学でございますが、内定者数は全体で1、403人でございまして、そのうち県内就職率は45.5%で638人、男女別では、男性が218人、女性が420人でございます。短期大学では、内定者数260人のうち県内就職率は69.6%で181人、男女別では、男性が25人、女性が156人でございます。
 続きまして、高等専門学校、国立の一関工業高等専門学校1校ございますが、高等専門学校では、内定者数91人のうち県内就職率は19.8%で18人、男女別では、男性が12人、女性が6人となっております。
 県立大学の内訳でございます。県内就職率の状況でございますが、同じく令和3年1月末現在の県内就職率は、4学部合わせまして47.8%、前年同月比で7.6%の増となっております。
 学部別では、看護学部が63.9%、対前年同月比プラス18.6%、社会福祉学部が50%、対前年同月比2.2%の減でございます。ソフトウェア学部は23.4%、前年同月比6.7%の増でございます。総合政策学部は61.9%で、前年同月比11.4%の増でございます。
 短期大学部は、盛岡短期大学部、宮古短期大学部合わせまして75.8%、対前年同月比10.5%の増となっているところでございます。
〇工藤勝子委員 そういう中におきまして、それが全体的に評価しているのかどうかというところもあるのだろうと思いますけれども、企業が求める人材育成のニーズに対して、これまで取り組みをどのように行ってきたのかということをお伺いしたいと思っています。
 いわてで働こう推進本部協議会の資料に明記されておりますが、社会、経済の環境変化に的確に対応し、高度な技術の承継や、第4次産業革命技術への対応、それに、企業活動を支える多様な人材の確保と育成が必要とされているというようなことがありました。
 そういう中において、商工労働観光部で今まで担当してこられたと思っているのですけれども、いわてで働こう推進本部が、今度、ふるさと振興部に移ってきます。事業化するわけです。その事業内容についてお伺いいたします。
〇米内学事振興課総括課長 県内大学生等定着推進事業費でございますが、人口減少対策の部分でございます。人口減少対策につきましては、現在各部局においてさまざま取り組んでいるところでございますが、これらの取り組みに加えまして、今般新たに、県内大学生等定着推進事業費によりまして、企業、大学間の状況を把握するとともに、これまでの取り組みの課題を検証することによりまして、県内大学生等の県内定着のための新たな取り組みを検討することとしております。
 いわてで働こう推進協議会とか、商工労働観光部で、全体の県内就職率とか、県外からのU・Iターンの取り組み等をしておりますが、さらに、それら取り組みに加えまして、今般、当部といたしましても、内大学を所管しております当部として、新たに定着促進の事業を進めたいと考えておりまして、この取り組みによりまして、さらに、多くの県内大学卒業生の県内定着を図るということで、人口減少の対策の一端を担っていきたいと考えているものでございます。
〇工藤勝子委員 資料をいただきまして、予算額557万円という中で、事業概要も明記された資料をいただいておりました。それをお話ししてほしかったと思っておりますけれども、そういう形の中で事業をするわけです。
 大学等を卒業し県内に就職しない、つまり定着しない根本的な課題をどのように捉えているのかということを私なりに考えてみました。自分が学んだことを生かせる企業が少ないのではないか。都市部と比較して、昨年度もいろいろ議論がありましたが、給与が低いこと、働き方改革が進んでないこと、女性が魅力を感じる企業が少ないこと等だと私は思っているのですけれども、結局、若者、女性の活躍推進は、環境生活部の若者女性協働推進室、いわてで働こう協議会は商工労働部だったわけです。
 県では今度、人口減少、デジタル、グリーン社会、こういうことを最重要課題と挙げているわけです。そういう中において、横断的に各部局で人口減少対策に取り組んでいらっしゃるのだろうと思っておりますけれども、しかし、まとめるところがないのではないかと思っているのです。
 そういう形の中で、このふるさと振興部で、今回、大学卒業等の就職に対する促進を進めていくわけですけれども、ふるさと振興部として、この中に、例えば人口対策室みたいなものをきちんと設けて、各課でいろいろ人口減少に取り組んでいることを取りまとめるといいますか、政策評価をそこでするということをしていかなければいけないのではないかと私は思っているのですけれども、その点についてはどのように考えますでしょうか。
〇熊谷ふるさと振興部長 今、工藤勝子委員から御提案いただきました人口減少対策は、県の最重要課題ということで、今回、新しい横断組織をつくったところでございます。政策企画部が人口減少の担当となりますが、各部、保健福祉部、ふるさと振興部も、交流人口とか、地元定着、そして、大学も所管しておりますので、県内に定着していただくために、高等教育機関と連携した取り組みが必要でございます。そういったことで、昨年度、高等教育機関等連携プラットフォームをつくりまして、産学官で協議しながら、その取り組みの一つとして、県内で求める人材はどういったものか、高等教育で育成するのはどういう人材か。逆に、企業としてはどういう人材を求めるか。そういうようなところの県内定着に向けての検討を、ワーキンググループを立ち上げてやることにしております。そういった取り組みをふるさと振興部でも行いまして、県の横断組織、そして、政策企画部と連携をしながら、人口減少対策に取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 結局、いろいろな資料を見ましても、どこの部局においても、人口減少対策とは言わなくても、いろいろなところで人口減少対策には、例えば子育て支援は保健福祉部のほうでしょうし、いろいろなところで取り組んでいらっしゃると思っているのですけれども、私たちにはっきりと見えないのです。ですから、その辺のところを、各部局で取り組んでいるものをきちんとまとめて、そこで政策評価して出すと。そして、その成果がどうだったのかというところを私たちは出してほしいと思っております。
 県内の高校を卒業して、県外に出て大学等に進む生徒もいっぱいいると思いますが、県外の大学に進学されて、卒業後、県内に戻って就職されている状況もつかんでいらっしゃるのでしょうか。お聞きしたいと思います。
〇米内学事振興課総括課長 県外大学を卒業されました学生の県内就職の状況でございますが、商工労働観光部で所管しておりまして、確認をいたしましたところ、全体の数値は把握できないということでございましたが、県が運営いたします就職情報マッチングサイト─シゴトバクラシバいわてに求職登録をした学生、それから県のU・Iターン就職相談窓口で職業紹介などの支援を行ったという方のうち、県外学生の県内就職者数がございまして、令和2年度からこのマッチングサイトは始まっておりますが、令和2年度は92人、令和3年度は221人となっております。
〇工藤勝子委員 商工労働観光部の皆さんに大変御苦労をかけたなと思っています。そういう中において、ふるさと振興部がまとめました、令和3年度県の施策に関する県民意識調査結果の報告書を見ますと、ニーズ度、つまり安定した就職環境、ニーズは第1位であります。こういうのを高く求めている。ところが、満足度を見ますと、55位とかなり低いわけです。今後ここの安定した就職環境の満足度を上げるような取り組みを今後していかなければ若者も、大学等を卒業した人たちが、逆に、定着しないで他県に出てしまうのではないかと、考えているところでもあります。
 そういう中において、今後、令和4年度─来年度卒業される学生もいらっしゃるわけですが、まず、学生がどのような考えを持っているのかというところをアンケートしてみる必要があるのではないかと。さっき言ったように、自分だけの思いで、こうだから岩手県に定着しないのだというのではなくて、実際に学んだ学生たちが、どういう形でこのふるさと岩手を選んで、ここに定着して仕事をするかというところをしっかりアンケート調査しながら、その課題を見つけて、それにいろいろな形の中で取り組んでいく。そして、企業と一体になって定着を進めるようなことをしなければならないのではないかと私は思っているわけですけれども、いかがでしょうか。そういう調査をしてみようという考えはあるでしょうか、ないでしょうか、お聞きしたいと思います。
〇米内学事振興課総括課長 卒業生のアンケートということでございます。
 委員から御提案ございました、大学の卒業生に対する、例えば県外企業、県内企業それぞれの魅力とか、当該企業を選択した理由とか条件等のアンケート調査につきましては、今、御提案の趣旨も踏まえながら、先ほど熊谷ふるさと振興部長から御説明いたしました、県内の大学も参画しておりますいわて高等教育地域連携プラットフォームの中に、高度教育人材の県内定着推進ワーキンググループを12月に立ち上げて、今、ワーキンググループのメンバーの選定とか、今後の進め方等について検討をしているところでございますが、そのワーキングの中で、各大学共通の項目で調査をするというようなことも検討をさせていただきたいと考えておりまして、そういうアンケート調査の設定等の実施に向けてワーキンググループで御提案して進めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 2000年ころから岩手県は人口減少社会に入っているわけです。あれからもう22年たっているわけですけれども、歯どめがかからない状況、社会減も小さくなったり、またふえたりという形が続いているわけですけれども、この人口減少対策、最重要課題として、それぞれのところでしっかり取り組み、そして、ふるさと振興部でしっかりまとめて、どういう対策を今後どのように進めていったならば、少しでも人口減少に歯どめをかけることができるかというところを、しっかりやって進めてほしいという思いで、今回、質問いたしましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇佐々木朋和委員 私から、公共交通の支援について伺いたいと思います。
 間もなく3月12日からJRのダイヤ改正になります。人口減少に加えて、コロナ禍の影響が心配されますけれども、JR、三セク鉄道、バスの3月のダイヤ改正、減便の状況をどのように捉えているのか。そして、県民生活への影響、コロナ禍が終わって、県民生活が戻ったときの影響をどのように分析をしているのか、こういった改正や減便に当たっては、県は事前協議はしているのか、あわせて伺いたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 まず、県内公共交通事業者における、この春のダイヤ改正における減便等の状況でございますが、今お話ありましたとおり、JR東日本に、3月12日から利用状況を踏まえたダイヤ改正を行う予定としております。具体的には、東北本線一ノ関駅以南の上下一部区間で各1本の運転取りやめ、それから、大船渡線では登り1区間1本、下り2本の運転取りやめ、山田線では上下一部区間の各1本の運転取りやめ、これらが発表されているところです。
 それから、第三セクター鉄道では、IGRいわて銀河鉄道が利用実態に応じて運行期間の見直しなどを行う予定としております。
 それから、乗合バス事業者は、随時、ダイヤの見直し等を行っているところですが、先日、岩手県交通から、4月1日から盛岡地区の22路線で、減便を伴うダイヤ改正を行うことが発表されたところです。
 続きまして、この減便等に伴う県民生活への影響でございますが、新型コロナウイルス感染症の影響でその利用者が減少しているという状況の中で行われる減便を伴うダイヤ改正いうことになりますので、平常時よりは県民生活への影響は小さいものと考えられますが、ただ、便数が減ることになりますので、利用者の利便性が低下することは否めないと考えております。
 それから、コロナ禍後の状況でございますが、令和3年度版交通政策白書において、今後テレワーク等の新しい生活様式が社会に定着することで、全国の公共交通機関においては、感染拡大以前の交通需要に戻らない可能性も予見されていると記載されておりますので、そういった可能性のもとでいろいろ対応について検討していく必要があるものと考えております。
 それから、ダイヤ改正及び減便におけるJR等の検討状況でございますけれども、JR東日本盛岡支社におきましては、ダイヤ改正を行う場合、事前に沿線自治体に対して説明を行っていただいております。その中で、県におきましても、ダイヤ改正の内容については事前に御説明いただいておりまして、必要に応じて、利用者や地元市町村への丁寧な説明と対応、こういったものについて、県からJR東日本に対して要望もお伝えしているところでございます。
〇佐々木朋和委員 厳しい公共交通事業者の経営環境を見れば、コロナ禍に合わせて減便をしても、コロナ禍から戻ったとしても、もとに戻るのはなかなか厳しいのだろうなという予想がつきます。そういった中で、県としては支援策も行なっているわけですから、コロナ禍を見据えて、公共交通の足を維持できるような形で、ぜひ要望をしていただきたいと思います。
 そういった中で、今、いわて県民計画(2019〜2028)を見れば、幸福関連指標でも、第三セクター鉄道、また、バスの1人当たりの年間利用回数が出ておりますけれども、令和2年は、1人当たりの年間利用回数が目標17.5回に対して10.5回だったということでありますし、また、各具体的推進方策指標についてもバスと三陸鉄道のみになっているわけですね。
 しかしながら、JR東日本の減便等も見れば、それだけで指標に入れていくのがいいのかという思いもします。JR東日本は、これまでは新幹線や都会の路線が地方の路線を支えていただいていたわけですけれども、コロナ禍で減収というのがクローズアップされております。その減収が地方路線の存続にどのように影響を与えているのか。また、実際にこういったダイヤ改正や減便にその影響はあらわれているものなのか認識を伺いたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 JR東日本の新幹線と新路線の減収の地方路線への影響でございますが、先月、国土交通省が鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会を立ち上げまして、その第1回会合にJR東日本からの資料が提出されております。
 その資料によりますと、JR東日本の利益構造について、コロナ禍前は、首都圏在来線及び新幹線の黒字で、東北、上信越地域の在来線の赤字を埋める内部補助の構造となっていたと。ただ、コロナ禍で首都圏収入が大幅に落ち込む中、そういった地域の在来線の赤字補填に加え、バリアフリーやホームドア、安全投資などの原資を生み出すことが困難となっている。安全、安心を前提とした事業を持続的に運営するためには、首都圏を含め効率的な業務の再構築を行うことが不可欠であるといったような記載がなされております。
 また、同じ資料の中、これを踏まえた同社の効率化の取り組みとして、今年3月のダイヤ改正において、JR東日本全体の定期列車の約3%を削減するといったことについても記載されているところでございます。
〇佐々木朋和委員 今のような状況を鑑みれば、今後、アクションプランにおいても、あるいは岩手幸福関連指標においても、三陸鉄道、バスの利用促進だけではなくて、JR東日本の地方路線も含めて利用促進策を抜本的に改革していかなければいけないのではないかと思っておりますが、その取り組みについてお知らせをいただきたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 JR線の抜本的な利用促進策でございますが、今お話がありましたとおり、第三セクター鉄道につきましては、これまでも、事業者、県、沿線市町村が連携して、利用促進に積極的に取り組んでまいりました。また、JR線につきましても、北上線や花輪線などは、県をまたいで沿線自治体や地元団体等が連携し、利用促進協議会を構成して、利用促進に取り組んでいます。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりJR東日本も非常に大きな影響を受けているということでございますので、今後、JR路線についてもより一層沿線地域が一体となった利用促進の取り組みの強化が必要であると考えております。このため、JR路線の沿線市町村ともそういった危機意識も共有しながら、既存の取り組み等も参考にし、JR東日本と連携して利用促進に取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 よろしくお願いしたいと思います。
 この利用促進策について熊谷ふるさと振興部長にお聞きしたいと思いますが、今、人口減少対策として、公共交通はそれだから人がふえるという方向ではなくて、人が減っても社会インフラを維持していくという意味で、大事な人口減少対策なのだろうと思います。そういった観点からは、全庁的な動きで、この利用促進策をやっていくべきだと私は思います。
 例えば三陸鉄道であれば、観光の分野から、観光面で利用するためには、自家用車で駅に行って、片道は三陸鉄道に乗って、車も代行でついてくるようなサービスをできないかとか、あるいは働き方改革で、民間事業者では公共交通で通勤、退勤のときも仕事の時間に入れると、そういった改革を行っているところもありまして、そういった働き方改革を推進させることで公共交通を利用させようとか、あるいは今もやっていただいておりますが、グリーンの観点から、この目標を例えば年間利用回数を17.5回と言っているのであれば、通勤、通学は公共交通でという費用を年に18回、あるいは通勤と通学2回カウントされるのであれば9回とか、そういった本当に大々的なことをやって、この利用促進策をやらないと、今までの流れからは変わらないのではないかと思います。ぜひ、こういった全庁的な取り組みをしていただきたいと思いますけれども、所見を伺いたいと思います。
〇熊谷ふるさと振興部長 さまざま御提案いただきました。人口減少、少子高齢化の進行により利用の減少が続いておりますけれども、乗合バスとか地域鉄道等の公共交通機関は、通院、通学、買い物など地域住民の生活の足であるので、その確保は極めて重要な課題だと思っております。コロナ禍でさらに状況が厳しくなっておりますので、運行支援交付金とかを交付いたしまして、公共交通機関の下支えを今やっているところでございます。
 そうした中では、今、佐々木朋和委員から御指摘がありました、利用促進も大事であると思います。今回、クラウドファンディング型ふるさと納税で、三陸鉄道の震災学習列車の中の機器を整備して、より震災学習ができる環境整備に努めてまいりたいと思っております。そういった魅力を高めて利用していただくでありますとか、働き方改革というお話もございましたので、そういう面につきまして、市町村、公共交通事業者とも連携しながら、利用促進策につきましても、引き続き検討してまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、ふるさと振興部が主導的に他部にも声かけて取り組みを行っていただきたいと思います。
 今、その利用促進の部分でいきますと、これは通告しておりませんけれども、今回、コロナ禍で、具体的推進方策指標が変わりました。公共交通の広域バスは、今までは平均乗車密度という補助要件にかかわる部分について指標になっていたのですが、これからは現状値が広域バス路線の運行系統数に変わります。そうしてしまうと利用促進に対する指標が、バスについてはノンステップバスの導入率だけになってしまいます。これでは、利用促進という部分ではなかなか明らかにならないのではないかと思うのですけれども、この指標が変わった目的といいますか、意図をお知らせいただきたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 コロナ禍において利用者数の減少が非常に大きいということで、その状況によっては指標が左右されるというところがございます。今回、そういった見直しを行ったところでございますが、今お話しいただいたような点も危惧されるところかと思いますので、我々が行おうとしていることの目的はきちんと果たせるように、そういう視点を常に持った上で、さまざまな事業は推進してまいります。
〇佐々木朋和委員 今度のアクションプランの改定時には、JRの地方路線も含めて、今言った指摘も含めて、改善を求めたいと思います。
 この分野の最後に、国は、先ほど言っていただいた検討会でしょうか、7月に、鉄道からバスへの転換を含めた方針、また、支援案を出すとしておりますけれども、この国の方針によっては、地方路線がさらに厳しい状況になるのではないかと危惧をしております。県はどのような要望を行っていくのか、お示しをいただきたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 今お話のありました、国が、先般、設置しました鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会でございますけれども、本県におきましては、主にJR路線が検討の対象になるかと考えております。
 先日、国土交通省からこの検討会の議論に資するためということで、各都道府県にアンケート調査が参りました。本県からは、そのアンケート調査において、まず鉄道ネットワークを国の交通政策の根幹として捉え、調整を鉄道事業者と沿線自治体に任せきりになることなく、国においてリーダーシップを発揮し、手厚い支援を準備した上で、国において主体的な調整の関与が必要であろうという点、それから、地方に負担を一方的に強いることのないようにこの議論を進めてほしい。それから、輸送密度等の一律の基準でモード転換を強いることのないよう、鉄道事業者と沿線自治体の合意の上でそういった取り組みが進められるように配慮することが必要であるといったような点について回答をしたところです。
 いずれ、この検討会の議論、JR東日本が赤字路線を運行している本県にとって非常に影響が大きいと考えておりますので、議論によって地方に負担を強いるような結論となることがないように、同様の課題を持つ他県等ともきちんと連携しながら対応していく必要があると考えております。
〇佐々木朋和委員 口調に意気込みを感じましたので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 次の話題に移りたいと思います。先ほど熊谷ふるさと振興部長もお話していただきましたふるさと岩手応援寄付についてでございます。まだ本年度は終わっておりませんけれども、令和3年度の寄付額見込み、また、一般質問のときに答弁いただきましたけれども、クラウドファンディング方式で初めて挑戦をしたということでしたけれども、200万円目標のところ、90万6、000円となったと。これについてどのように総括をして、応援をする意味でお聞きしたいと思いますので、今後につなげていくのか伺いたいと思います。
〇熊谷特命参事兼地域振興課長 令和3年度の寄付見込みについてございますけれども、今年度はふるさと納税ポータルサイトの活用を、1サイトから4サイトに拡充するなどによりまして、寄付の受け入れ拡大を図ってきたところでございます。令和3年4月から令和4年1月までに約3、600件、1億3、400万円余の寄付の申し込みをいただいておりまして、これは令和2年度の同時期と比較しますと、件数で約2.8倍、金額で1.8倍となっております。このようなことから、今年度は約1億5、500万円余の御寄付を見込んでいるところでございます。
 それから、クラウドファンディング型ふるさと納税の総括についてでございます。全国16都道府県66名の方々から御寄付をいただいたところでございますけれども、よく利用する施設なので、ぜひ、気持ちよく使えるように整備していただきたいとか、新型コロナウイルス感染症が落ち着いたら子供を連れて遊びに行きます、楽しみにしておりますなど、御寄付とともに心のこもった数多くのコメントもいただいたところでございまして、事業の趣旨に共感いただいたものと考えております。3月11日から第2弾のクラウドファンディング型ふるさと納税を募集することとしておりますけれども、2月まで実施したいわて子どもの森プロジェクトにおいて、先ほど申し上げた寄付者の反応をもとに今後のプロジェクトの募集に当たりましては、テーマに沿った主体、今回でありますと三陸鉄道になりますけれども、一層の連携を図りながら、情報発信に取り組むとともに、プロジェクトに関連した返礼品の設定などによりまして、より多くの方々から県の施策への理解が得られるよう努めてまいります。
〇佐々木朋和委員 今のお話ですと、令和2年度が1億3、000万円余で、令和3年度が1億5、000万円余になりそうだということでしたね。
〇熊谷特命参事兼地域振興課長 失礼いたしました。令和2年度と比較して今年度の同期比で、4月から1月まで1億3、000万円余ということでございます。
〇佐々木朋和委員 了解しました。
 令和2年度は9、000万円ぐらいでしたか、それが伸びているということでしたので、頑張っていただきたいと思います。令和4年度の寄付項目の変更点、また、先ほどクラウドファンディングの設定という話もありましたが、どういったものをやっていくのか。そして、この募集費が来年度は3、400万円余ということで、1、700万円ぐらい増になっておりますけれども、どのような内訳かお聞きをして、終わりたいと思います。
〇熊谷特命参事兼地域振興課長 令和4年度の変更点についてでございます。現在、来年度に向けて訴求力のある寄付項目の追加設定とか、返礼品の見直しを行っているところでございます。
 また、クラウドファンディングについては先ほどもお話しました、三陸鉄道が取り組む震災学習列車等によるスタディツーリズムについて、沿線の観光地や被災箇所等の動画の制作や、制作した動画を車内で視聴するモニター等を設置する三陸鉄道の取り組みを支援するという取り組みに、クラウドファンディング型ふるさと納税の募集を行うこととしております。
 それから、今後の事業展開の部分でございます。来年度も四つのポータルサイトの活用法とか、県内事業者の販路確保を支援するための返礼品の充実などに努めてまいります。また、本年度、試行的に定期便型返礼品を実施しておりまして、こういったものの本格導入とか、ポータルサイトの機能をより有効に活用した広報の実施、先ほど申し上げたクラウドファンディング型ふるさと納税の活動によりまして、県の施策や県産品のPRなどを行ってまいります。
〇軽石義則委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午前11時05分 休 憩
午前11時18分再開
〇軽石義則委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇郷右近浩委員 何点か質問させていただきたいと思います。4項目ほど通告しておりますけれども、順番を変えて質問していきます。
 最初に、公益財団法人岩手県国際交流協会の役割についてお伺いさせていただきたいと思います。岩手県国際交流協会については、本県の中核的組織との位置づけとなっておりますけれども、県内市町村の国際交流協会の連携の中心となっているのかどうかをお伺いさせていただきたいと思います。
〇菊池国際室長 公益財団法人岩手県国際交流協会が、
中核的な組織として成っているということでございますけれども、岩手県国際交流協会は、幅広い分野における国際交流、協力、多文化共生事業を展開することによりまして、県民の国際理解を深め、本県の活性化を図ることなどを目的に設立されたものでございまして、国際交流団体等の連携支援も大きな役割としているところでございます。
 県内には26の市町村協会がございますけれども、規模や運営体制も一様ではございませんで、基本的な事業が中心である団体から、自律的に先導的な取り組みを実施している団体まで、さまざまでございまして、県協会はそうした実情やニーズに応じて連携支援を行っているところでございます。
 県全体として、国際交流や多文化等を推進するためには、今後、さらに連携を深めていくことが必要と認識しておりまして、協会といたしましても、県民にとって、より身近な市町村協会が、その地域の実情に合わせた活動が行われるよう、連携に取り組むことにしているところでございます。
〇郷右近浩委員 きょうこれをお聞きしたのは、以前から、県の協会としての役割は一体どこにあるのだろうということで、これまでも予算についても拝見させていただいてまいりました。ただ、それをあえて今回お聞きした部分ですけれども、今、ロシアのウクライナへの侵攻ということで、日本政府も、総理大臣の言葉を借りれば、難民の受け入れを考えるような話がある中で、国際交流協会等がどのような形の発信をして、どのような対応をされようとしているのだろうかということで、募金の受付とか、さらには、今回起きていることに対してどのように寄り添っていくかという、そうしたものが見えるかなということで、いろいろ私なりに情報を集めようとしました。
 ただ、残念ながら、岩手県国際交流協会のホームページにはそうした記載はなかったので、それぞれいろいろな活動をされている、先ほどもお話がありました、26の市町村の、国際交流協会の中には、募金の受付とか、メッセージをみんなで送ろうであったり、いろいろなこうした思いを寄せているところがありました。国際交流協会の事業をこれまでもそうしたことで注視してきた中ではありますけれども、県協会基盤強化のための運営費補助2、600万円とか、それを存在させるための補助という形の予算づけといったようにしかどうしても見えない。
 確かに、ホームページを見ると、他の市町村の国際交流協会がやっている事業にリンクを張ったり、紹介したりはしているという中にあって、まとめという意味では幾らかの役割はある、そうしたような部分は見受けられるものの、特に中核都市の盛岡市と、そして、岩手県という中の二重行政的な部分で、一体どっちがどのようにやっていくのか。
 例えば、盛岡市に住んでいる外国人の方への日本語教室とかは、本来的には盛岡市の国際交流協会がやればいいし、また、そういうことはそれぞれの市町村の国際交流協会でもやっている中にあって、そうした事業をやっていたり、さらには、各国際交流協会に対してアンケートを年に3回ぐらいやったりとか、その事業については一部令和2年度で事業終了している部分はあるようですけれども、県の国際交流協会は一体何をやっていくのだといったような思いがあります。
 それなりにきちんとその協会としてやらんとしていることがあって、それがしっかり機能していけば、何事でも、一つでも二つでも前に進んでいくという意味においては、これをなくせという話では決してないのですけれども、しっかりとした県の国際交流協会としての役割をさらに進めていっていただきたいと思うわけでありますが、私のそうした考えに対しての御所見をいただきたいと思います。
〇菊池国際室長 県の協会、市町村の協会、それぞれ設立の目的あるいは趣旨、それぞれの地域における国際交流の事情などに基づきまして、事業を展開しているところでございます。一方、国際交流あるいは多文化教室の推進、これを進めるという意味では、目的は共通するというところでございまして、事業などを進める上で、協働して取り組んだり、広域的に取り組んだりするほうが効果的に場合には、必要な連携を図ってきているところでございます。
 それから、今、委員の御質問の中にございましたウクライナ関係の募金、メッセージにつきましても、どういった形でやるのが広く伝わるかというようなことで、協会の内部で今、検討を進めているところでございます。
 それから、今、盛岡市との二重行政のお話がございましたけれども、例えば、日本語教育を例に取りますと、県の協会とすれば、市町村の取り組みを支援していく。あるいは、まだ開設されてないところに何とか開設されるように支援していくのか、そういった各市町村の協会の状況に応じた形での対応を図っているというところでございます。
〇郷右近浩委員 今、お話はありましたけれども、これまでは26の県内の国際交流協会というさまざまな団体の方々が、確かにそれぞれ例えば外国人の方とホームパーティーをしようというような事業であったり、そのようなことをやりたいからではないですけれども、それがメイン事業であったりする団体。さらには、外国人の方々と日本の方々のコミュニケーションをしっかりとって、地域の何かにさらにいいものにしていこうという方々であったり、いろいろなそれぞれの団体でやっている、その規模であったり、また、考え方であったり、いろいろ違うものがあると思います。
 それをもって、岩手県国際交流協会が、それを例えばどうかするなどということは、そもそも論としてできない。繰り返しになりますけれども、26の団体にしかない。そうすると、それぞれの市町村でない地域については、例えば県の国際交流協会が全体論としてどのような考え方をしていくかいうのはあっても確かにしかるべきかもしれない。
 令和4年度当初予算案の部分で抜き出しましたけれども、例えば委託事業で4、143万円、補助事業で3、149万円、トータル7、293万円といったような予算が県から岩手県国際交流協会に入っております。この中の事業においても、それぞれ26団体でやっている事業に小さいものだとしても直接つけたほうがいいのも、私はあると実感をしています。だから、これは何も県の協会を通さなくてもいいような事業もある。
 本当に効果的に予算を使うという意味においても、そして、国際交流にしっかり資するようなことを考えるにしても、今後は、委託事業とか補助事業をどのような形でやっていくのか。県内の26の団体に対してどのような形をやっていくのかというのをしっかりと考えていかなければいけないと私は考えるわけでありますが、御所見をお伺いします。
〇菊池国際室長 県の国際交流協会の事業でございますけれども、事業性格や、目的はさまざまございますが、例えば、設置しています岩手外国人相談支援センターは、県内どこからの御相談にも応じるということで、県下一円を対象としたものでございますし、それから、事業によりましては、市町村の協会と一緒にやっているもの、あるいは災害時の対応のように、今年度は北上市が県の総合防災訓練の会場になった関係で、協働で実施させていただきましたけれども、そうした広域的な取り組みでございますとか、そういったものも含めて、県は全域を対象とした団体としての取り組みとして、必要な予算を計上したものと考えております。
〇郷右近浩委員 今お話が出たからですけれども、岩手県の地域防災計画における今回の防災セミナーがありますけれども、ただ、それは北上市でやる中で、それを、広域的とは言え、県が全部まとめ方として、北上市でやる必要はなくて、北上市に落として、そして、県は側面支援をすればいい話であると私は思います。
 ですから、岩手県国際交流協会が全くなくていいという話ではない。先ほど言いましたとおり、26団体しかない中で、それをしっかりと県全体として取り組んでいくときに、そのときにどのような形で県の協会として、全体をまとめるか等はあろうかとは思います。
 ただ、そうしたときは北上市が主になるのであれば、北上市にしっかり予算をつけてあげる。そのような形を国際室としてしっかりとやってもいいのではないかと思うわけであります。これについてはちょっと長くなってしまいましたので、これでとめます。ただ、今後も岩手県国際交流協会の予算、その執行、そして、その活動については、また、質問させていただきたいと思います。
 次に、自治体DX推進計画についてお伺いしたいと思います。国では、今は自治体DX推進計画を策定して、そして、自治体の基幹系情報システムの推進手順書をもとに、令和7年度までに共通基盤システムを構築することとしております。
 県内市町村の状況は、そうした中でまだばらばらだと思いますけれども、市町村の実態であり、そして、県の支援状況はどのようになっているのか。また、来年度はどのように推進していくのかお伺いしたいと思います。
〇木村情報化推進課長 自治体DXの推進に係る県内市町村の実態と県の支援についてでございますが、市町村の現状把握のために、今年度実施した調査におきましては、自治体の規模等により情報システムの標準化、共通化やDX推進体制の構築などの取り組み状況に差が見られたところであります。
 この結果を踏まえまして、県では、情報システムの標準化、共通化等に係る先行取り組み事例を他市町村へ横展開を図っているほか、取り組みのおくれが懸念される小規模自治体に対しましては、DXの認識共有、機運醸成のための職員研修、DXの推進方針などの取り組みの支援を行ったところでございます。
 次に来年度の取り組みについてでありますが、引き続き、市町村における情報システムの標準化、共通化に向けた取り組み状況の把握に努めるとともに、国が示す標準仕様書に係る情報提供を行ってまいります。
 また、新たに任用するDX推進コーディネーターの市町村派遣による支援、県内小規模自治体の取り組みの継続的な支援、さらには、岩手県電子自治体推進協議会における電子申請システムAI、RPA等の利用促進に向けた勉強会などの実施によりまして、県内全市町村が着実に取り組みを推進できるように支援してまいります。
〇郷右近浩委員 これは一般質問等でもさまざま御質疑があったわけでありますけれども、今回の自治体DX推進計画でありますけれども、私自身も、特にこのコロナ禍の中で、交付金をそれぞれ出す際とか、いろいろな場面において、国内のDX化がというか、デジタル化がおくれており、そうしたことを背景に、早急にきちんとつくっていこうという機運が高まっているものと認識しております。そのこと自体はものすごくよかったというか、これでやっと前に進んでいくといったような思いで受けとめております。
 ただ、そうした中で、先ほど外部コーディネーター等を派遣するといったようなお話もありましたけれども、自治体の中には、どのように進めていけばいいのかと。国が示している20項目の標準化というか、そうしたものも一体どのようにやっていくという形の中で、さらに、これ以外にも、せっかくのこのいいシステムを使いながら地域の医療をどのようにやっていこうかとか、そうしたような考え等もさらに盛り込んでいくことになっていくと、本当に業務量がものすごいことになっていくと。
 しかも、それぞれのベンダーが、これまでも市町村としてクラウドをしっかりやっていたりしている中で、これを例えば長野県みたいに、県のシステムはこうです、市町村もこういうふうにきちんと一緒にやっていきましょうというやり方がいいのか、それぞれのベンダーにこれをきちんと対応できるようにしてください、そして、最終的にトータルで共通化しますという、今まさに、岩手県はそのような形で進めようとされていると思います。私は、県が主導してある程度県はこうやっていきます、ここを使ってこうやっていきます、このようにしますといったようなものを出して行ったほうがいいのではないかと思うわけでありますが、その点についての御見解をお伺いします。
〇木村情報化推進課長 今、委員からお話ありましたとおり、自治体DXの推進という問題は、まさにコロナ禍におきましても、デジタル技術、データを活用して、住民の利便性向上、それから、新たな価値の創出、そういったことに資する取り組みでありますが、業務の見直し、各種システムの再構築など、全体で推進していくことが必要だと考えております。
 その中で、現状としましては、各市町村におきまして、それぞれ業務システムが、それぞれのベンダーと契約したものを使っているという状況です。ただし、それを国のほうで、先ほどお話ありましたとおり、令和7年度までに標準化するという取り組みになっておりますので、そこは、既存のシステムとの継続的な業務推進というところもそれぞれの考え方があります。そういったところをまずは一通り把握した上で、それをまず優先しながら、そこに対して県としてどのように支援ができるかというところで進めていきたいと思います。
 市町村からは、確かに県のほうが主導的な役割を担ってほしいという意見も来ておりますが、このシステムに関してというのは、まずは一時的には市町村のほうで既存ベンダーと連携して取り組んでいくというのが、県の考えでございまして、それ以外の側面、例えば先ほど申し上げましたとおり、電子申請とか、AI、RPA、そういったさらにデジタル化、業務の効率化に資する取り組みについては、県全体として市町村と連携して取り組んでいくというところを、本県としては推進していきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 市町村からもそのような声があったということでありますけれども、それぞれの市町村において、ベンダーにかなりのコストがかかっているというところもあるということを考えると、今回が、もしかしたら行財政改革ではないですけれども、そこの部分で幾らか資する部分も含めて、せっかく統一するので、そうした中では違う効果もしっかり出てくるのではないかとも思うわけであります。
 プラットフォーム自体、システムとしては全て共有化させるわけでありますけれども、本当に一律的なものになっていけば、そうすると、本当にコスト自体も下げることもできるだろうということの中で、私はそうした市町村の声があるのであれば、そうしたものにしっかりと応えるべきだと、考えるべきだと思いますが、その御所見をお伺いしたいと思います。
〇熊谷ふるさと振興部長 今、委員から貴重な御指摘をいただきました。さまざま同一のシステムを使うことによるメリットは当然考えられるところでございます。一方で、それぞれの市町村においても、今までなれ親しんできたシステム、職員がとっかかりやすいとか、 さまざま既存システムの部分でもメリットがあろうかと思いますし、いわゆるベンダーという微妙な話もあるかと思います。そういった意味で、一義的にはそれぞれの市町村が一番いい方法は何か、それをお考えいただきながら、今のシステムを国のメニューに合わせて統合化する。あるいは、今回を機にどういうふうに変えていくか、そういう部分を御検討いただくのが基本だと思っております。
〇神崎浩之委員 昨日は国際女性デーということでありますが、熊谷ふるさと振興部長、きょうは何の日だかわかりますか。3月9日、サンキューの日だそうです。熊谷ふるさと振興部長を初め新型コロナウイルス感染症で御尽力いただいた県職員の皆様にサンキューと申し上げたいと思います。
 一方、ただすことはただすということでありますが、きのう、広域振興局はそろそろふぐあいが出てきているので機構改革をという話をさせていただきました。広域振興局は、県の施策をつくる上で、県民目線とか、市町村と一番近いということで、非常に役割が強いという話もさせていただきました。ところが、今回の新型コロナウイルス感染症対策の部局横断の体制を見ても、あなたはどこの職員かと言うと、本庁の部の系統から来る位置づけのようでありまして、私、何カ所かの広域振興局長にもお話ししたのですけれども、ほかの職員を使うのはなかなか大変だという認識もあるのです。きのう総務部でも確認をさせていただいたのですけれども、こういうふうな意識があるということは、ふるさと振興部の本庁でも御理解いただいているということですね。災害等は部局横断の先端で解決しなければならないのですけれども、そういう認識が広域振興局長たちにもあるようでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、きめ細かな状況把握ということですが、最終的に本庁が予算を組んで施策をつくっていくわけですけれども、現場、地域の状況がわからないで施策をつくっていくということは、本当に裸の王様のような感じで県行政が動いていくということを非常に心配しております。
 それを補完するのが、それを積み上げていくのが広域振興局の役割だと思っているのですけれども、なかなか現場に行かない、現場の状況を市町村に電話で確認して状況を把握するとか、県民や団体に行って生の声を聞かない、机の上ばかりで仕事をしている。いつからこういうふうになったのかなと心配しているわけです。
 そこで迅速な情報共有とか、意思決定とか、広域振興局が地域の現状を把握して、そして、本庁につなげて、現場の生の声を施策に反映して対応するということが重要だと思っているのですけれども、新型コロナウイルス感染症対応を見ても、なかなかそういう状況ではないと。福祉分野もそうですけれども、商工分野もそうなのです。ということで、この辺の認識と課題について所感をお願いしたいと思います。
〇高井地域企画監 広域振興局の現場の状況把握という御質問でございます。
 広域振興局においては、管内市町村との意見交換とか、圏域の各分野を代表する方々で構成する圏域懇談会のほか、福祉連絡協議会、市町村の観光担当者との情報交換会などの連携会議の開催、ものづくり企業などの管内事業者への訪問など、福祉分野や商工分野を初めそれぞれの部門ごとの意見交換を随時行うなど、さまざまな方法により現場の状況やニーズの把握に努めていると承知しております。
 今お話もありました、新型コロナウイルス感染症対策に関しましても、岩手県新型コロナウイルス感染症対策本部地方支部会議等において、感染状況、感染拡大防止と社会、経済活動両立の取り組みなどについて、市町村、関係機関等との情報共有を何とか図って、こうした現場の情報等は、広域振興局長が庁議や新型コロナウイルス感染症対策本部員会議にオンラインで出席して、本庁と直接共有するという取り組みをしているところでございます。
〇神崎浩之委員 本部員会議であったり、支部会議であったり、本庁は広域振興局から情報を受けているということですが、その現場の広域振興局が上げる情報はどういうところから上げてきているのかということです。広域振興局から本庁はいいです。その広域振興局の出先の職員はどうやってその情報を集めているかわかりますか。商工分野に行ってもわからないです。それは市町村だとか、それは商工会議所だという、データしか確かめていないのです。だから、恐らく福祉分野も新型コロナウイルス感染症もそうです。介護事業者が今どうなっているのか、そういうふうなことも出先の長寿社会なり介護なり子育てなり把握してないです。現場に行ってないのです。
 この辺はどうですか。そういうふうな中で、電話とか書類とか、紙で来たデータで本庁に伝えても、生の声がわからないのです。恐らく新型コロナウイルス感染症に感染した人の話を聞いたことがあるのかとか。コロナ禍で奮闘している医療関係の方と直接話をしたことがあるのか。私はないと思うのです。その辺がもう一つ、どういう状況でふるさと振興部は認識しているのかということです。
 それから、きのうも権限移譲の話をしたのですけれども、こういう災害に遭っても、本庁の職員がなかなか現場に行かないと。それは広域振興局があるからということなのですけれども、権限移譲があるために現場に行けない。そういうことがあるのですけれども、こういうふうな認識についてふるさと振興部はどういうふうに把握しているのかお伺いしたいと思います。
〇熊谷ふるさと振興部長 4広域振興局それぞれ権限を持って局長のもと地域での市町村との連携、団体との連携を行いながら、県の施策の展開を行っていただいているところでございます。
 要は、現場の声という部分につきましては、それは本庁も広域振興局も同様で、現場の声を聞きながら、実際に話を聞きながら、施策を立案していかなければならないと思っていますし、さまざまな機会を捉えて広域振興局の職員も、そういった地域の声を吸い上げていると思いますが、今後も引き続き密着した、各市町村、各団体、それから、新型コロナウイルス感染症におきましても、神崎委員がおっしゃるとおり、やはり現場の声は大事でそれをいかに本庁につなげていただくかという部分があろうかと思いますので、関係部局も含めまして、広域振興局の現場対応につきましては、引き続き、さまざまお願いしてまいりたいと思います。
〇神崎浩之委員 よろしくお願いいたします。
 前にも言ったことがあるのですけれども、本庁で仕事をしていると、特に議会対応をしていると、少し出先に行って休めやみたいな、そんなような空気を感じています。それから、もう一つは、本庁の仕事をしていると、本庁は国の状況、それから地域の状況を見て施策を組み立てるのですけれども、そういう仕事をそのまま出先でやってしまうのです。
 これはこういう状況で、どうなっているのだと聞くと、上からは何も言われていません、下からも何も情報が入っていませんと言われるのです。下からの情報を集めて上に上げるのが、本庁の仕事ではなくて、出先の仕事ですと言うのだけれども、なかなか上からも下からも情報がありません。
 そうではないだろう、下からの情報を集めて、本庁が間違いない仕事をするためにあなたたちがいるのですよと言っておりますので、答弁は要りませんので、その辺、強化していただきたい。私、県の本庁の施策が現場に合ってないような形になったら非常に残念だと思って、お話をする次第であります。
次に、DXの推進について伺いたいと思います。庁内の推進本部は、岩手県DX推進本部会議であったり、いわてDX推進連携会議があったりします。これらの本部はあるのですけれども、その部会、これから先の先の実際ワークする組織をどうやってつくっていくのかという、構想でもいいから教えていただきたい。いつもの知事を本部にして、部局長が集まってというのはいいのです。そこから先の先をどういうふうにしていこうかと思っているのかお聞きしたいと思います。
 それから、民間の有識者の起用ということで、DXアドバイザーとか、ICTアドバイザーがあるのですが、これらはいいのですけれども、どういうふうに活用していくのか、民間の有識者の活用の違い。
 それから、行政の事務のDXは総務部でやって、民間のDXはふるさと振興部でやっていくということで、一体的に機能するために、どっちが司令塔なのかと。部をまたがるこのDXの推進をどうやって進めていくのかということをお聞きしたいと思います。
〇木村情報化推進課長 まず、DXの推進に当たって、今後、いわてDX推進連携会議のあり方についてでございますが、この会議につきましては、オール岩手で、産官学金連携してDXを推進するために、今年度設置したものでございます。
 各分野におけるDXの取り組みと共有、それから、今後のDX推進に当たっての課題、横連携等について議論する場として設置したものでございますが、今、委員からのお話ありましたとおり、今後の取り組みにつきましては、まず部会ということで、当初、四つの部会を設置して、今年度活動してきたところでございます。商工、農業、それから、行政デジタル化、デジタル活用支援というテーマに沿って、部会でそれぞれ情報共有、課題の議論を進めてきたところでございますが、このDXの推進に当たりましては、さらに広く、各分野の取り組みを共有し、かつ連携して推進していくということが必要だと考えております。
 こうしたことから、来年度におきましては、さらに準公共分野と言われます、教育、医療、福祉といった分野、それから、さらにDX、デジタル化が進んでいる分野、これから必要な分野、そういったところの課題を共有、直接検討できる場をつくりながら進めていきたいと考えているところでございます。
 次に、民間の有識者の起用でございますけれども、現在、県では、DXの推進に向けて、学識経験者、民間事業経験者等の外部人材を、DXアドバイザーやICTアドバイザーとして任命いたしまして、県内の企業や団体、市町村等のデジタル化を活用した課題解決の支援を行っているところでございますが、来年度におきましては、DXの推進、これの中核となります最高情報統括責任者となりますCIOに副知事を任命し、CIOを高度な専門的知見から補佐する外部人材としてCIO補佐官を任用するほか、このCIO及びCIO補佐官の下に各分野のDXを推進する外部人材、それから、有識者としましてDX推進コーディネーターを複数名設置するなど、DXを強力に推進する体制を構築することとしております。
 また、情報関連サービス団体、そういったところの 意見も重要であることから、いわてDX推進連携会議の構成団体にもなっていただいておりますが、こうした情報関連サービス団体からも参画いただきまして、行政、民間のDXに係る議論を広くオープンに進めていきたいと考えております。
 もう一点、総務部、ふるさと振興部が一体的に機能するための方策についてでございますけれども、現在、働き方改革、いわゆる電子県庁の構築について、一体的に進める行政分野については、総務部、市町村とか、産業界、各分野のデジタル化につきましてはふるさと振興部で所管しております。分かれてはおりますが、県DX推進本部のもと、両部が一体で機能する体制となっております。また、担当部署につきましては、同一執務内に配置されておりまして、常に情報共有や情報交換を行うような環境になっております。庁内でのDXの推進と、市町村や民間のDXの推進について連携して取り組んでいるところでございます。
 来年度におきましては、先ほどお答えいたしましたCIO補佐官、DXコーディネーターなど、DX推進の体制をより強化しまして、庁内のDXと、民間、市町村におけるDXを強力に推進してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いします。
〇神崎浩之委員 部は違っても、机が隣だということで安心しております。デジタルだからどこでもいいのだけれども、まだまだ隣の近いところで仕事をするというのが重要だと。連携しながらも、どんどん民間部門へのDXの推進は進めていただきたいと思います。
 デジタルとDXとどこが違うのか、何がどうなのかということがあるのですけれども、台湾のオードリー・タンさんの本を読んだら、台湾では、子供とお年寄りを石けんで手洗いさせるために、デジタルでキャラクターをつくって、そして、どんどんデジタルで発信したと。一方、水道や下水道の使用量を確認して、それとマッチさせて、デジタルとデジタルを交差させて、そして、手洗いの励行の啓発をした、その効果を水道、下水道の使用量で確認したということがあって、これが簡単に言えばDXかと思ったりします。
 ですから、例えばこの議会棟もそうなのですけれども、議会に入ったら手洗いしましょうよ、うがいしましょうよというデジタルで何かぴかぴかとついてね。それで、例えばいろいろなところに手指消毒があるのですけれども、その使用量を見るとか、それから、各自こうやってアルコールを持たせられていますから、その使用量の減り方を見て、この議員はさっぱり使ってないなとか、そういうふうなことで両方デジタルの技術で、広報、啓発をしながら、その裏づけを取る。トイレのペーパーの使用量が少ないなとか、ここの会派の部屋はエアコンの使用量が少ないから換気してないのではないか、そういうことをデジタルでいろいろなデータを集めて、それを議会事務局の職員が注意するというわけにもいかないから、それもあわせてデジタルでブブーッとお知らせするとか、そういうこともDXの取り組みなのではないかと思っております。
 時間がなくなってまいりましたので、二つだけお答えいただいて、終わりにしたいと思います。
 産学官民のDXの推進は必要ですけれども、どうやって民間の人たち、それから、学生、そういう方々を取り込んでDXを組み立てていくのか、私は、ITカフェとか、DXカフェみたいなのをやって、雑談しながら各地点とネットワークをつくっていくのが必要ではないかと思っておりますが、いかがですかというのが一つ。
 それから、デジタル人材の育成をどうするかということなので、これも、例えば学生さん、一関工業高等専門学校さんも含めて取り組んでいただいて、地元の雇用にもつなげていただきたいと思いますので、その辺を聞いて、終わります。
〇木村情報化推進課長 初めに、民間の関係者や学生とのDXの推進についてでございますが、DXの推進に当たっては、行政のみで進めるのではなく、民間企業や学生と県民の意見を取り入れながら進めることが重要であると認識しているところでございます。
 こうしたことから、県では、いわて若者カフェや岩手イノベーションベースの活動を通じて、学生や若手起業家と学びや交流の場を設け、デジタル活用やDXに係る意見交換等を行い、DX推進に向けた機運醸成を図っているところでございます。
 今後も、こうした場を通じまして、県民とDXの推進について、意見交換や学び、交流の場を設けていくとともに、いわてまるごと科学館などのイベント、そういったところで県民との交流、それから、セミナーにおいて意見交換の場を設けるなど、委員御提案の趣旨など、さまざまな意見を踏まえながら、DXの推進に取り組んでまいります。
 次に、デジタル人材の育成についてでありますが、県では、先ほど答弁いたしましたが、DXアドバイザー、ICTアドバイザー、そういったアドバイザーを活用しまして、県内におけるデジタル人材の育成、DXの機運醸成に取り組んでいるところでございます。
 また、岩手県立大学ではソフトウェア情報学部に、データ・数理科学コースを設置しておりまして、データサイエンティストの育成にも力を入れているほか、一関工業高等専門学校におきましては、東京大学と連携したAI人材育成講座の開設など、デジタル人材育成に取り組んでいるところでございます。
 来年度は、こうした取り組みに加えまして、DXアドバイザーの派遣、それから、県内の大学等研究機関と企業によるAI、ロボティクスなどの共同開発に対する支援といったものに取り組むことにしております。引き続き、広く意見交換を行いまして、産学の積極的な活動を支援し、デジタル人材の育成の取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時0分 休 憩
午後1時3分再開
〇ハクセル美穂子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後17人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、
質疑、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇千葉盛委員 ハロウインターナショナルスクール安比ジャパンについてお伺いいたします。一般質問や総括質疑でも答弁されておりましたけれども、ハロウスクールとの連携協定の締結を視野に入れているということでありますが、いつごろを想定しているのかお伺いいたします。
〇高井地域企画監 連携協定の時期という御質問でございますが、連携協定締結の相手方としましては、同校を運営する予定となっている仮称学校法人エイチ・エー・インターナショナルスクールを想定しているところでございますが、同学校法人は、現在、認可手続中でございまして、本年3月の私学審議会において審議される予定と承知しております。この学校法人が設立された後、速やかに連携協定の締結に向け、学校法人側と協議を行いっていきたいと考えているところでございます。
〇千葉盛委員 3月ということですけれども、ハロウスクールは地域の特色ある文化、伝統、歴史、産業等に興味、関心を大変持っておりまして、それを教育に取り組んでいくと考えられますが、県の役割として、県内市町村やさまざまな地域と結びつけて、交流促進等を図っていくべきと思いますが、どのように考えているのでしょうか。
 また、特に沿岸地域では、海、漁業、震災復興という特色がありますが、地域との連携交流等をどのように考えているのかお伺いいたします。
〇高井地域企画監 連携、交流促進という御質問でございますが、ハロウスクールは、地域との交流による地域貢献活動にも積極的に取り組んでいる学校と伺っております。
 先ほど御答弁申し上げたとおり、具体的な連携協定の内容や取り組みについては、学校法人設立後に協議を行っていくこととなりますが、例えば、同校の生徒に東日本大震災津波に対する本県の対応や復興について学んでいただく取り組み、また、その内容を広く発信していただく取り組みなどについても提案し、相手方と調整を行っていきたいと考えております。
〇千葉盛委員 3月以降、協定を結んでからということになるということですけれども、そのとおり予算も盛り込んでありますし、もういろいろな話をしていてもいいのかなというのが私の考えではありましたけれども、まだ余り力を入れていないのかというところで、ちょっと残念なのですけれども、私も関係者と話をする機会がありまして、本当に、岩手県の文化とか伝統、芸能に興味を持っていますし、スキーリゾートとかそういうのももちろんですけれども、海側はどうですかというところで、漁業とかそういったところも、海をどう活用していくかというところもかなり興味を示しているところでしたので、そういったところにはしっかりと今後話していく分には、力を入れていってほしいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、ハロウスクールには世界中から児童生徒が集まり、また、世界中に卒業生を輩出しております。さらに、相当な富裕層の方々の集まりでありまして、県がしっかりと岩手県の物や魅力を伝えることができて、そして、学校とともに人やさまざまなネットワークと結びつくことができれば、県内のあらゆる地域、分野において経済の好循環につながっていくと思いますが、どのように取り組んでいくおつもりなのかをお伺いいたします。
〇高井地域企画監 好循環につながる取り組みという御質問でございますが、先ほども御答弁申し上げた震災復興の取り組み以外にも、本県の自然環境や産業、伝統工芸や世界遺産など、さまざまな魅力ある地域資源について、同校の生徒に学んでいただき、情報発信を行っていただくことにより、大きな波及効果が生まれるものと期待しているところでございます。
 そのような効果を高められるよう、学校法人と緊密に連携しながら、連携協定の内容、また、具体的な取り組み内容について、引き続き幅広く検討を行ってまいります。
〇千葉盛委員 先ほど来、そのとおりまだそんなに深い関係性がないということでありまして、沿岸の市町村においてはかなり興味を示している自治体も、地域もありまして、できれば県の役割として、そういったいろいろな地域とかにつないでいくことが望ましいのかなと思うのです。そういう自治体が競争みたいになっては困るのですけれども、それぞれ独自で関係性を持っていってもよろしいものなのか、そういったところについてどのように考えるかお伺いいたします。
〇高井地域企画監 市町村などとの連携という御質問かと思いますけれども、我々も一緒に、学校側とのいろいろな取り組みを進めていきたいという市町村があれば、県でもさらに取り組みを広げられるように、連携してやっていくのは大変重要だと思いますし、我々もそうしていきたいと思っております。
〇千葉盛委員 私が言いたいのは、県を待っていると遅いというところなので、できれば、みんな足並みをそろえてやるのがいいのか、それぞれが積極的に関係性を持っていったほうがいいのというところが、まだ実感としてよくわからないところなので、県にはもう少し頑張っていただきたい。連携協定は重要ですけれども、もっと早い取り組みが望まれるのではないかなというところなので、よろしくお願いします。
 非常に残念だったのが、現状では、義務教育課程の日本人の入学ができないということであります。県では多くの予算も出すわけですし、岩手県にとって非常に価値のある学校ができるわけですので、その岩手県の児童生徒が在籍してほしいという思いがありますが、その辺をどのように捉えているのか。
 また、ホームページ等ですね。私も関係者と話したときは、日本人も入れていきたい、岩手県枠のようなものもつくっていきたいという、将来的な構想だったのだと思いますが、そういった話もありました。現在も、いろいろ資料を見ると、日本人にも募集をかけていて、日本語できちんと記載してあるので、そういったところもありますし、その辺も含めて、ハロウスクールがどう考えているか、おわかりの範囲内でいいのですけれども、どういう構想なのか、御答弁していただければと思います。
〇米内学事振興課総括課長 ただいま千葉盛委員から御指摘ございましたとおり、今回設置されますハロウインターナショナルスクール安比ジャパンにつきましては、インターナショナルスクール、いわゆる外国人学校ということで、制度のほうから申し上げますと、学校教育法の第134条に定めがある各種学校という位置づけで開設をするという申請を受けております。
 学校教育法の第1条に、学校という定めがございまして、これがいわゆる我々日本の法律の中で言う、日本人が通常通っている小学校、中学校、高等学校とございます。これらの学校とは、また違う位置づけということで申請があるということでございます。
 整理としましては、今、御指摘ございましたとおり、日本国籍を有する満6歳から15歳まで、いわゆる義務教育を受けなければならない子供たちにつきましては、学校教育法第17条で、保護者が就学の義務の履行という規定がございまして、いわゆる第1条に規定する、日本の学校に通わせなければならないということになっておりまして、制度上、各種学校には通っても、義務教育を履行したことにはならないということになっております。
 したがいまして、今、申請が来ていますのは、ハロウインターナショナルスクール安比ジャパンが想定している入学対象は外国人の生徒であるという、申請を受けております。現在、開設の始めのときのそういう申請でございます。
 ハロウインターナショナル安比ジャパンの対象年齢は、小学校6年生から高校3年生まで7年間の年齢層が対象になっております。いわゆる学校教育法で義務教育を受けさせる義務がございますのは、中学校3年生まででございますので、ハロウスクールも、その後ろの年齢の日本で言う高校1、2、3年生相当の日本人の方は、当然義務教育の上の学校になりますので、制度上、入学することは可能だと考えております。
 あと、いろいろ考えておりますのは、そこを卒業したときに、一般の日本の学校を終わった同年代の日本人と同様に、例えば日本の大学を通常のとおり受けられるかというところですけれども、いわゆる大学入試の共通テスト等では、このハロウスクールを終了しますと、日本の学校の高校資格は得られませんが、文部科学省が定める日本の学校入学資格についてというものに記載のGCE−A資格レベル─ジェネラル・サーティフィケート・オブ・エデュケーション・アドバンスト・レベルという、イギリスとその連邦諸国において大学入試資格を認めるという資格がございまして、その資格を取得できるようなカリキュラムになっています。そのカリキュラムを取得しますと、一般の共通テスト等の受験資格はあるということでございます。
 ただ、カリキュラムは日本のカリキュラムではなくて、イギリスのカリキュラムですので、その辺で、学力といいますか、共通テストの中身は日本の教育のカリキュラムになっていますので、そういうところでなかなか難しいところがあるかと思います。
 将来的に、開講後何年かたった後に、日本人をというお話はあるかもしれませんけれども、今のところ、設立当初では、今のように、主に前半4年間は義務教育課程でございますので、そちらについては、今のところ義務教育履行を果たせないということで、主に国内にいる外国のお子様、それから、海外のお子さんの対象年齢を中心に募集活動をしていると聞いております。
 将来的に、岩手県から入ると、現行法制度上は高校1年生からということになるかと思いますが、今のところ、学校側、設置者側ではそう考えているのではないかと承知しております。
〇ハクセル美穂子副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いいたします。
〇千葉盛委員 丁寧な説明ありがとうございました。
 まだなかなか日本人が入れないということで、岩手県の子も入れないということで、そこは何とか、今後いろいろハロウインターナショナルスクールとしっかり話し合ってというか、本当に岩手県にとって有益な学校だと思いますので、引き続きしっかりと話し合って、岩手県の子供たちが深くかかわっていけるようによろしくお願いしまして、終わります。
〇岩渕誠委員 私は大きく2点伺います。
 まず1点目は、国際交流についてであります。午前中もちょっと質疑がありましたけれども、今の喫緊の情勢を受けての話をさせていただきます。
 岩手県内にも、ウクライナ人、そして、ロシア人が在住していると承知をしております。この状況と、侵攻前後に相談等あったのかどうかについてお示しをいただきたいと思います。
〇寺澤国際企画課長 県内在住のウクライナ人、ロシア人の状況でございますが、まず人数につきましては、令和3年6月末現在、県内の在留ロシア人の方10人、ウクライナ人の方4人いると承知しております。
 それから、今般のウクライナ情勢に関係した相談でございますけれども、これまでのところ、相談は寄せられてはおりません。
〇岩渕誠委員 地方自治の中で、これからやる質疑はちょっと難しいところはあるのですけれども、国のほうで避難民の受け入れということで、きのう8人入ったということでありました。基本的に、知人と親戚を中心に考えて、その後、人道的に受け入れるというのは国の方針であるようであります。
 そうしますと、実際的には、このウクライナの4人の方を受け入れる可能性はあるわけでありまして、ここに対して常に情報が開かれているかどうか。それから、これは国が本来やるべき話ですから、地方自治として、自治体の役割として、どこまでできるかという問題はあるのですが、情報提供とかこのあたりは、どういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
〇寺澤国際企画課長 本県在住のウクライナ人、ロシア人の方からの相談があった場合には、外国人県民等からの各種相談を受け付けますワンストップ窓口として、県がアイーナの国際交流センター内に設置しております、岩手外国人県民相談支援者センターにおきまして対応していくこととなります。
 また、今、岩渕誠委員御指摘のとおり、ウクライナからの難民受け入れにつきましては、国のほうでは、まずは親族や知人が日本にいるウクライナ人を受け入れるということを想定していると承知しておりますが、仮に本県での対応が必要となった場合には、関係機関と連携をとりながら、適切に対応を検討してまいります。
〇岩渕誠委員 わかりました。
 ウクライナと、友好都市とか友好協定を結んでいる自治体は県内にないわけでありますけれども、2000年代の初めだったと思いますけれども、民間団体の招きに応じて、チェルノブイリの歌姫と呼ばれたナターシャ・グジーさんという方が、県内何カ所かで交流したことがありました。
 それから、大野村出身の元日本兵で、樺太に渡って、終戦後はウクライナの方と御結婚されて、キエーフのすぐ西の都市に在留をされた、現地名イシノスキーさんという方がいらっしゃったりして、交流がないわけではないのです。ですから、そういったところはきちんと対応を幅広に考えていただきたいと思っております。
 一方でロシアのほうですが、侵攻自体は許されるものではありませんが、この在留しているロシア人の保護という観点であれば、これは条約や関係法令、国際法で保護する義務がありますから、このあたりもきちんとしていただきたいと思うわけですが、このあたりについての認識はどうですか。
〇菊池国際室長 県内在住のロシア人の方の保護ということでございますけれども、仮に、そういった状況が必要となれば、本県の場合ですと、札幌市にあるロシアの総領事館が本県の管轄でございますので、そういった機関とも連携をとりながら、必要なことをやっていきたいと思っております。
〇岩渕誠委員 ロシアとの関係というのは、決して友好的にあった歴史ではありません。日露戦争から仮想敵国としてあったわけでありまして、日露戦争でも岩手県人が従軍をして戦死をしているケースがある。
 最もひどいのは、第二次世界対戦で、ロシアはシベリア抑留をしたわけですけれども、特に8月15日の終戦を越えて、カムチャツカ半島の手前、千島列島の一番北の占守島というところ、それから、樺太には、8月18日あるいは8月20日を越えて侵攻をして、占守島の部隊はそのまま応戦をしたのですけれども、シベリア抑留される。樺太でも同様のことが起きている。
 この占守島の部隊には岩手県人も多くいました。私の祖父もそうでした。それから、樺太では、真岡郵便局の女性の交換手が集団自決するという事件もあった。そして、岩手県人8、000人がシベリアに送られて、1、400人が亡くなっている。こういう歴史の上に成り立ってきた交流なわけです。だから、これ全く踏みにじるようなことは許されないということだということは、お話をさせていただきたいと思います。
 そこで、こうした他国との交流、今回の事業でも、雲南省であったりとか、アメリカであったりとか、いろいろな地域との交流事業があるわけですが、緊張関係にあった中でも、自治体間交流は国と次元が違うのだということで、今まで進めてきた経緯があると思います。
 こうした中で、こういう紛争状況の中で、自治体間交流をどう進めていくのかというのは、これは一つの方針をもって行うべきではないかと思っているのですが、このあたりはどうですか。
〇寺澤国際企画課長 今、委員御指摘のとおり、現在の世界は、ロシアのウクライナ侵略によりまして、これまでにない緊張状態にあると認識をしておりますが、まさにこうした状況だからこそ、地方レベルでの国際交流を通じまして、世界の国々、地域と相互理解を深めることが重要だと考えております。
 本県では、高校生を対象としました中国の雲南省との相互交流事業、北米等への派遣事業、さらには、県内の大学、企業、各種団体等を会員とするいわてグローカル人材育成推進協議会におきまして、大学生の海外留学を支援してきたところでございます。
 こうした事業は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、令和2年度、令和3年度は中止を余儀なくされておりますけれども、収束状況や国際情勢を見きわめつつ、次代を担う若者による国際交流を推進するために、早期の再開を検討してまいります。
〇岩渕誠委員 今のは事務的な話です。要は、そういう平和を前提とした国際交流のあり方、あるいは自治体間交流というのは、恐らく見聞を広める、世界に目を開くという意味での国際交流と、この地域と連携をしたいからやりますという二通りあると思うのです。
 そういう中では、前段はいいでしょう。ただ、後段になってくると、これは紛争が前提の中で、今、中国の話が出ましたけれども、例えば、きのうの中国の報道では、海外派兵をするような法改正に中国もいよいよ踏み出している。それから、常にロシアに対してのサポート的な役割もするような構えも見せている中で、自治体間交流の役割として、これが本当にどうなるかというのは、基本は、できるのだったらやったほうがいいけれども、きちんとした大原則を自分たちで持っていて、その中で判断をすることが必要だと思っているのですが、総合ふるさと振興部長どうですか。
〇熊谷ふるさと振興部長 今、岩渕誠委員から貴重な御指摘を頂戴いたしました。確かに、今こういう時世ということで、これまでにない緊張状態にあると認識しております。
 全般的な国際交流につきましては、国際企画課長が答弁したとおりでございますが、そういった難しい部分につきましては、さまざま国とか関係者と議論をした上で、どういうふうに対処すればよいか、基本は友好的な対応だと思いますが、そこは一件一件個別に考えていく必要があると思っております。
〇岩渕誠委員 いずれ東アジアの歴史認識をもって緊張したときも、国は国だけれども、自治体間は自治体間でやるのだということでやったと。それが今につながっていることもありますし、結果として、その緊張状態がほぐれたからいいけれども、そのままやったらどうなるかということもあるので、これは一つ一つ別個な環境ですから、ぜひ、それは深い、そして、幅広い議論と考察、分析をして決定をしていただきたいと思います。
 次に、デジタル関連についてお伺いいたします。これまで、県は、光ファイバーの施設整備、それから、公共Wi−Fiの施設整備を国の事業を使いながら進めてきたと思います。今年度末が、一応の区切りとなるところだと思います。デジタル化を進めるに当たっても、どこまで進んだかというのは大前提だと思います。まず確認をさせてください。
〇松本科学・情報政策室長 光ファイバーの施設の状況と利用状況についてでございます。県では、これまで市町村における国の補助制度の活用を支援することによりまして、光ファイバーの整備を促進してきたところでありまして、今年度末の家庭向け光ファイバーの通信利用可能世帯率は99.79%になる見込みであります。
 山間部などの条件不利地域の一部が未整備となっておりますけれども、市町村からは、住民からの要望がない、あるいは通信事業者による自主整備を待っているなどの現状について伺っているところであり、引き続き市町村の実情に応じた支援を行うとともに、通信事業者に対する整備促進の働きかけを積極的に行いまして、光ファイバーの未整備世帯の早期解消を図ってまいりたいと考えております。
 Wi−Fiにつきましては、総務省の公衆無線LAN環境整備支援事業によりまして整備を続けてまいったところでございます。令和3年度末が事業の期限でございますが、現在、本県では、要望のうち約30カ所が未整備となっておりますけれども、今年度中に整備は終了する予定でございます。
〇岩渕誠委員 光ファイバーに関しては、計画されたようなものは全て終わるということですね。
 その上で聞きます。光ファイバーは今まで高い整備率をしなければいけないけれども、おくれがありましたから、ここまで来たのは評価をしたいと思いますが、問題は、道路に例えると、舗装して立派な道路になったという段階で、問題は、それをどう使われるかということなのだと思います。そういう意味では、この現状で、この高速通信のところに対しての各家庭の接続率が一番重要になってくるかと思うのですが、これについてはどういうような状況ですか。
〇松本科学・情報政策室長 家庭の接続率につきましては、それは事業者ごとの対応になっておりまして、現在、直接県内の接続率についての数値は、申しわけないですが、把握しておりません。
〇岩渕誠委員 ぜひ、把握する努力をお願いしたいと思います。というのは、要は、接続率は何のためにどういう人が使っているかだから、それは交通量調査で言えば、トラックが走っているのか、軽自動車が走っているのか、そういったことを見ないと、光ファイバーそのものが、ともすると、これは使われないと本当に技術革新によってそのまま放置される、遺物になってしまう可能性があるわけです。だから、これだけの投資をしている中で、これをどう使うかということ。
 それから、必要に迫られている部分で言うと、教育の現場とか、今、DXに踏み出そうとしているときに、これを使わせる通信環境がだめだから今まではできないというのが一つの理由になっていましたけれども、通信環境はあるのだけれども、できない理由がもしあるとすれば、それはどこなのかという、次の政策を進める上でも、こういうデータの把握というのは非常に重要なものだと思うのですが、いかがですか。
〇松本科学・情報政策室長 岩渕誠委員お話のとおりだと思います。ただ、光ファイバーの家庭の回線接続につきましては、事業者ごとにそれぞれいろいろサービスがございまして、なかなか多岐にわたっている部分もございますので、今までのところでは一律に把握することはなかなか難しかったところでございます。今後は、事業者に照会する等して、数値を把握するように努めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 次の政策を打ち出すかどうかというのは、データがあって初めてできるものです。特にデジタル化というのは、DXとかいろいろありますが、使わなければ始まらない話でして、このDX戦略、デジタル戦略がおくれると、これは今までの格差ではないぐらいの格差を生み出すというのは皆さんも強く認識をされていると思います。
 PDCAサイクルでもOODAループでもいいのですけれども、とにかく早く次のデジタルに対しての投資や施策を打つためにも、そういった基礎的なところはリアルタイムで把握するぐらいのことをしないと、次の政策につながっていかないと思っていまして、本当に岩手県のあらゆる格差を是正するのか、さらに拡大をさせるのかというのはここにかかっているのではないかと私は思っているのですが、熊谷ふるさと振興部長の認識を伺います。
〇熊谷ふるさと振興部長 光ファイバーにつきましては、私どもが重点的に取り組むDXを支える重要な基盤でございます。今後、いわゆる岩手県のような広い県土で、なかなか行き来が難しい、往来に時間がかかるというところで、高速の回線で情報をつなぎ、さまざまなサービスが生み出していける、そういうところで活用していかなければならない重要な基盤だと思っています。在宅勤務の拡大や、学校ではGIGAスクール構想がありますので、そういったことで、今後、光ファイバーの重要度は増していくものと思っております。
 今、DXの施策を進めておりますので、あわせて光ファイバーの活用につきましても、一体のものでございますので、そこは関係者と認識を共有いたしまして、利便性向上のために活用していただけるように働きかけてまいりたいと思っています。
〇岩渕誠委員 わかりました。いずれ我々の世代は、光ファイバーが入るかどうかというのは重要なのだけれども、Z世代に行くと、光ファイバーがなくても、欲しいのはギガだという、そういうレベルですから、5Gとか6Gの世界の技術になっている。ただ、これだけの投資をしている中で、どういう活用をするのかということと、次の技術におくれないということ、この二つは、光にこだわり過ぎてもいけないし、そのあたりのバランスをとって、ぜひ、政策を進めていただきたいと思います。
〇武田哲委員 私から4点質問の通告をしていましたが、ハロウインターナショナルスクールに関しては、千葉盛委員から質問がありましたので、割愛させていただきます。
 まず、北いわてプラチナシティ推進事業費についてですけれども、今回、新規の事業ということですが、このプラチナシティということは、環境問題、高齢化問題、そういったものに取り組みながら、新たな正のスパイラルを生み出すという形のようですけれども、この事業を行うに当たって、どのようなことを課題として捉え、そして、目標値をどのように設定されているのか、その点をまずお伺いいたします。
〇本多県北振興課長 北いわてプラチナシティ推進事業に当たっての課題と目標の設定でございます。
 北いわてプラチナシティ推進事業を進めるに当たっての課題は大きく二つほどあるのだろうと考えております。一つは、県北地域につきましては、大企業が集積する県南エリアや、震災からの復興に取り組む沿岸エリアと異なりまして、中小の企業、団体、個人の皆さんが地域社会、経済を牽引しておりまして、こういった皆さんを、点を線に変えて、そして、面的な力に変えていく必要があるということ。また、二つ目の課題といたしましては、2050年のカーボンニュートラルに向けた取り組みが進められる中におきまして、北いわてにおきましても、森林資源や風力など再生可能エネルギーが高いポテンシャルを有していると指摘されておりますので、これをポテンシャルだけではなくて、地域経済の活性化にどうつなげていくのかが課題ということで認識しているところでございます。
 こうした点から、このプラチナシティ推進事業におきましては、大きく三つの取り組みを進める予定としております。一つ目といたしましては、昨年8月に設立いたしました北いわて産業・社会革新推進コンソーシアムにおきまして、シンポジウムの開催等によるゾーンプロジェクトの取り組み状況の発信や、再生可能エネルギーの活用、現在、実証事業を行っている北いわてMaaSの活用に係るプロジェクトを展開。
 二つ目といたしましては、令和2年度から、県立大学と連携して実施しておりますコミュニティーや人材育成、それから、再生可能エネルギー等に関する地域課題解決モデル創出に向けた実証事業。
 そして、三つ目といたしまして、東京大学プラチナ社会総括寄附講座との連携によります、地域の豊かさとゼロカーボンの両立を目指す新たな取り組みの拠点形成を進めていくこととしているものでございます。
 これらの取り組みついては、まさにこれから、また新しくスタートするというところでございますので、その目標の設定についても、大事なところは地域の皆さんとともに対応しながら進めていくというところだと思いますので、皆さんといろいろ議論をしながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 それでは、プラチナシティ構想に参加する自治体は幾つぐらいあるのでしょうか。
〇本多県北振興課長 北いわてプラチナシティ推進事業になりまして、先ほど私のほうで御答弁申し上げました、産学官連携の北いわて産業・社会革新推進コンソーシアムにつきましては、北いわての13市町村全て参加しているものでございます。
〇武田哲委員 このプラチナシティ推進事業を進めるに当たっては、同じように、働くなら北いわて、暮らすなら北いわての推進事業費、そして、北いわて再生可能エネルギー推進事業費、こういったものを活用しながら、そして、このプラチナシティ推進事業を進めていくという考え方でよろしいのでしょうか。
〇本多県北振興課長 北いわてプラチナシティ推進事業につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、コンソーシアムとか、あとは県南エリアのモデル事業といったような、いわゆる北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトの基盤を構築するような取り組みを支援するために行いたいと考えているものでございます。
 武田哲委員に御指摘いただいたような、働くなら北いわてといった取り組みとか、再生可能エネルギーの取り組みといった県の事業のほかにも、コンソーシアムの中で、北いわてMaaSとか、再生可能エネルギーの利活用といった取り組みを進めることにしております。
 それにつきましては、まずは、みんなでどういったことができるのかという議論を行いながら、その上で、さまざまな事業に必要な経費については、県としても予算要求をしてまいりますし、民間の皆さんとか、外部資金もさまざま活用しながら、まずは、何をやるべきかということを議論して、それで取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇武田哲委員 働くなら北いわて、暮らすなら北いわて事業推進費、それから、北いわて再生可能エネルギー推進事業費、これらは30万円だけの事業費ですけれども、これらをしっかりと有機的につなげてやっていかないと、それぞれ別個に考えてやっていくと、さらなる相乗効果は生まれないと思うのです。
 そこで、県立大学、東京大学、各大学も入っていますが、ましてや、プラチナシティ構想のオブザーバー会議に東京大学も入っているようですけれども、さまざまな知見をこれから得ていくのかもしれませんが、この三つの事業をしっかりと有機的につなげながらやっていかないと、それぞれ一個一個で見ていくと、どんな効果が生まれたか最後にわからないような状態になると思うのです。今後、これをそれぞれどのように生かしながらやっていく予定なのか、改めてお伺いします。
〇本多県北振興課長 武田哲委員から貴重な御指摘を頂戴したと思います。先ほども申し上げましたとおり、このコンソーシアムを設立いたしました背景として、北いわてでは地域社会、経済を牽引しているさまざまな方々がいらっしゃって、まずはそういった方々をつなげる必要があるといった部分があります。
 また、もう一つは、再生可能エネルギーのポテンシャルを生かした取り組みという中で、いろいろなところで、いろいろな人たちが、いろいろな形で、再生可能エネルギーを生かすようみんなでそれぞれ進もうとしております。そういった取り組みをそれぞれで進めるだけでなくて、つないで、お互いに相乗効果を発揮しながら、北いわてにとってよりよいものにしていきたいというところで、この産学官連携のコンソーシアムを設立したところでございます。まずは、そのネットワークをしっかりつくりながら、お互いのやっている取り組みを情報共有いたしまして、相乗効果を高められるよう、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 プラチナシティ構想を進めるに当たって、シンポジウムとかそういった大会だけで終わってはだめだと思うのです。冒頭の説明にありました中小企業の方々、それぞれが持っているポテンシャルを生かしながらやっていきたい。協議会というのも、また、ちょっとかたいのかもしれませんが、その目標をしっかりと持つことがすごく大事だと感じているのです。
 そして、地元の人たちが関連した企業にどのように就職していくのか、その目標とか、そういったものをこれからつくっていくのかもしれませんけれども、そこのところの見せ方もしっかりと考えていかなければならないですし、参加する企業の人たちもほかのさまざまな企業の人たちも加わることができるような構想にしていかなければならないと思うのですけれども、最後、その点をお伺いして、終わりにしたいと思います。
〇本多県北振興課長 武田哲委員から御指摘いただきましたとおり、このコンソーシアムとした理由の一つは、北いわての抱えるテーマは、再生可能エネルギーや交流人口の拡大のみならず、さまざまな分野に幅広くわたっているのだろうと考えております。
 それぞれのテーマについて、一つ一つ協議会を立ち上げるよりは、コンソーシアムというような大きいくくりの中で、集まりたいときにいろいろな人たちが集まって、その課題に取り組んでいける、その自由性の高さと、フットワークの軽さを求めて、こういったコンソーシアムとしたところでございます。
 このゾーンプロジェクトで大事なのは、その地域の子供たちがこのプロジェクトを進めることによって、この地域いいねと思っていただけることなのだろうと考えております。委員から御指摘いただいたように、そういった意味では情報発信はすごく大事だと考えておりまして、地域の外だけでなくて、地域の中の児童生徒の皆さんは必要に応じて参加もしていただきながら、このプロジェクトを進めてまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、デジタル化の推進についてお伺いいたします。アナログ人間ですので、的外れかもしれませんけれども、よろしくお願いします。
 先ほど来、岩渕誠委員もおっしゃっていましたし、神崎浩之委員も、今までもいろいろ触れられていましたが、5Gについて私の疑問にお答えいただきた位と思います。5Gですね。今、次世代移動通信システムということだそうですけれども、5Gが都心ではもう利用されておりまして、2年くらい前からもうエリアが拡大されているわけです。地方の展開にはまだまだ5Gの基地局の設置が必要だということもあって、限られたエリアで限られた人しか使用できないという状況なわけですけれども、5Gの現在の利用エリアの状況、それからエリアの拡大の見通しはどうなのでしょうか。
〇木村情報化推進課長 5Gなどの情報通信基盤の整備の状況についてでございます。
 携帯通信事業者が公表している5Gエリアの状況によりますと、県内の内陸部においては、盛岡市の中心部、北上市や一関市などの一部地区、沿岸地域におきましては、宮古市や釜石市など、いずれも都市部、市街地を中心にエリア化が進められているところでございます。
 国におきましては、2020年12月に公表しましたICTインフラ地域展開マスタープラン3.0におきまして、令和5年度末までに全国に5G基地局を約28万局以上整備するという方針を示しています。
 また、5Gの早期展開に向けまして、令和5年度までに、5Gの人口カバー率を9割に引き上げる方針を示しているところでございます。
 この方針を踏まえまして、携帯通信事業者の整備が進み、令和5年度末までに、県内においても5Gエリア化が拡大するものと見込まれておりますが、県としては、引き続き県内の整備状況の把握に努めるとともに、国や通信事業者に働きかけや要望を行いまして、5Gの整備促進に取り組んでまいります。
〇佐藤ケイ子委員 今、盛岡市とか北上市とかと本線沿いでもエリアがあるのですけれども、例えば北上市などはキオクシアエリアしか使えないとか、市町村によってもさまざまな差がありまして、国ではこれを大きく進めるということでしょうから、その進みぐあいによってDXの推進もまた変わってきたりして、また、格差の問題とか出ると思って心配していました。
 いわてDX推進連携会議のことですけれども、これは神崎浩之委員も触れられているのですけれども、このメンバー構成の中で、経済団体とか、金融、農協、漁協、建設関係、情報関係、大学、市長会、町村会という方々がこの連携推進会議に入って、さらには、部会を設けているということであります。
 それを推進するためには、岩手県DX推進本部が状況を報告したり、連携させたり、事務局になるのでしょうかね、やるような感じですけれども、いわてDX推進連携会議が設置されて、これまでの活動と、それから、新年度の計画を具体的にどうしていくのか、お伺いいたします。
〇木村情報化推進課長 いわてDX推進連携会議の活動についてでございますが、今年度におきましては、構成団体のトップを対象とした県のDXアドバイザーによる講演の実施、DXの推進や先端技術の導入を通じた地域づくりをテーマとしたセミナーの開催、県内に事業所を置く企業、団体向け、及び県民向けのデジタル化に関する調査などを実施したところでございます。
 また、本会議に設置しました四つの部会におきまして、デジタル化の先進事例や優良事例の共有、デジタル化、DXの必要性の認識共有や課題解決の対応について検討を行ったところでございます。
 新年度については、企業や団体トップを対象としたセミナーの開催、それから、DXポータルサイトを構築いたしまして、DX、デジタル化の優良事例や支援制度の情報発信、さらには、民間企業等のデジタル化、DXに係る優良事例の表彰制度の創設などに取り組むほか、県内研究機関と県内企業によるデジタル化に係る共同研究に対する支援、オープンデータの利活用に係るセミナーの開催などに取り組みまして、本県におけるDXの機運醸成、一層のDX推進に積極的に取り組んでいく考えでございます。
〇佐藤ケイ子委員 新年度もセミナーとかポータルサイトとか共同研究とか、また、新たに展開していくということですけれども、デジタルだけれども、それを進めるのは人材ということなわけです。人材の育成、確保ということで、新年度も市町村行政デジタル化支援事業費550万円ついているわけです。私はたった550万円かと思っております。県とか市町村の人材育成、確保は本当に大事でしょうし、専門人材の採用が大事になってくるわけですけれども、先ほど、CIO補佐官とか外部人材を任用するとかもあるのですけれども、新年度の取り組みはどういうことになるのでしょうか。
〇木村情報化推進課長 新年度のデジタル人材育成の取り組みでございますが、まずは、県、市町村職員を対象としましたDXの基礎知識、業務プロセスの改革等をテーマとしたセミナーを通年で開催することを計画しております。
 それから、各分野のDXを推進する外部人材、専門人材、そういった方々をDX推進コーディネーターとして任用して、県に設置し、DX人材の確保が困難な市町村へのコーディネーター派遣、そういった取り組みをすることを考えております。
 こうした取り組みを通じまして、県、市町村のデジタル人材の確保、育成に努めてまいります。
〇佐藤ケイ子委員 なかなか具体的な姿が見えづらいと思ってお聞きしました。今後、行政側の人材育成もそうですし、それから、地域で活躍するデジタル推進人材を年間25万人つくっていくとか、2024年度末までには年間45万人育成できる体制をつくっていくとか、国の方針とか、今度は、デジタル都市国家構想実現会議とかでは、地方のデジタル化を推進する人材を今後5間で230万人確保するとか、いろいろな人材確保、とにかくどんどん進める方針を出しているようです。
 また、市町村がCIO補佐官として外部人材を任用する場合の経費についての財政措置、特別交付税が出てきているのですけれども、どうも、外部人材の採用が進んでいないように私には見えるのです。県もそうですが、県は先ほど方針をちょっと出したようですけれども、県や市町村のデジタル人材をどう具体化していくのか、もう少しわかりやすく説明できますでしょうか。
〇木村情報化推進課長 市町村におけるデジタル人材の確保ということでございますけれども、県内の市町村におきましては、現在、8市町がDX推進に係るマネジメント、それから、情報システムの調達及びデジタル技術を活用した業務プロセスの改革のための人材として、外部人材を登用しているところでございます。
 また、人材登用の形としましては、採用もしくは企業からの派遣という形で受け入れている自治体もございます。そういった自治体がこの二、三年でふえてきて、現在8市町になっておりますし、その他複数の自治体において、外部のデジタル人材の任用に係る検討を進めていると伺っております。
 どの自治体においても、デジタル人材が不足しているということで、そういった取り組みを進めているところ、先行してやっているところもございますが、今、取り組んでいる、検討しているという自治体もございますので、そういったところに対しては、県でも、先ほど申し上げましたとおりのDX推進コーディネーターの派遣とか、人材確保のための支援というところを連携して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりましたけれども、デジタル人材には、今はIT企業からの派遣とか、外注とか、IT企業に頼らざるを得ないような状況になろうかと思います。今は、IT人材の取り合いが全国でもどこでもあって、本当に大変な状況なのだろうと思いますけれども、積極的な人材活用のシステムというか、人材を採っていくということを進めていかなければならないと思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
 それから、5G活用モデルの具体化についてですけれども、5Gによる地域課題解決モデル構築推進費、今度、2、560万円計上されておりますけれども、この活用モデルの具体化の状況はどうでしょうか。
 総務省の、ローカル5G推進について、去年の状況の資料を見たのですけれども、全国で123の事例が実証実験に入っているようでして、岩手県では、県、矢巾町、紫波町の三つの実証実験が手を挙げているようです。県はMaaSによる交通課題、矢巾町はスマホでこころの相談、紫波町がマンホールポンプ場の管理とかというのがあって、全国でどんどん進められているようなのだけれども、本県では、そのモデルの採択に向けて件数が少ないというか、これから始まるところなのかないうところで、おくれを取っているのではないか、見劣りがすると私は思ってしまったのですけれども、そこはどうなのでしょうか。
〇木村情報化推進課長 ただいま佐藤ケイ子委員からお話のありました5G活用モデルの具体化でございますけれども、国では、民間事業者とか、地方公共団体が独自に5Gシステムを構築できるローカル5Gという制度を2019年12月に開始しておりまして、総務省においては、令和2年度から、農林水産業、自動運転、スマート工場など、さまざまな分野におきまして、ローカル5Gによる課題解決に向けた開発実証を進めているほか、民間事業者や地方公共団体による活用が徐々に進んできているところであります。
 そういった中で、先ほど委員からお話ありました県内の市町村の取り組み、それから、県の取り組みというところも、まさに今、実証として取り組みが始まっているという状況になっておりますし、あわせまして、今年度、県では、東日本大震災津波伝承館に、ローカル5Gの実験用の基地局を設置いたしまして、アバターロボットとか、360度カメラを使用して、県立葛巻高校との間で、遠隔による施設見学、防災学習の実証実験を行ったところでございます。
 こういった5Gの活用というところにまさに取り組み始めたところでございますが、これらの技術は、地域課題の解決に有用な技術だと考えておりますので、今後とも、継続して取り組んでまいりたいと考えているところです。
〇斉藤信委員 三陸鉄道と三陸沿岸地域の振興の課題についてお聞きいたします。
 最初に、三陸鉄道の現状と課題について示してください。
〇小野寺地域交通課長 まず、三陸鉄道の現状でございますが、三陸鉄道は、平成6年に経常損益が赤字となって以降、厳しい経営状況が続いております。県と沿線市町村が設備維持に係る経費を補助することなどで何とか経営を支えているという状況であります。
 さらに、東日本大震災津波、令和元年台風第19号災害、これらによって甚大な被害を受けまして、平成31年運行再開をしたものの、今度は新型コロナウイルス感染症の影響で、令和2年度は過去最大の5億8、000万円余の経常損失を生じるなど、経営環境は一層厳しさを増しております。
 課題でございますが、本県三陸地域の基幹交通であり、重要な観光資源である三陸鉄道は、今後も持続的な運行を続けていくことが何より大切だと思っております。そのために、三陸地域における三陸鉄道の役割、意義、重要性について、改めて、沿線市町村と共有し、連携して、利用促進を図るとともに、その経営を支え、三陸鉄道を活用した地域創生につなげていくことが課題であり、そのための取り組みの推進が重要であると考えております。
〇斉藤信委員 三陸鉄道は、東日本大震災津波からの復興のシンボルとも言われて、5日後に久慈市で無料運行した。宮古から田老も無料運行して、大変地域住民を励ました。さまざまな困難はありましたけれども、見事に3年で再建整備をされた。その後、釜石−宮古間がJR東日本から移管をされて、日本一の163キロメートルの第三セクター鉄道となった。私は163キロメートルには、岩手県としては大変いろいろな意味があるのではないかと思います。日本一の第三セクター鉄道ということと、大谷選手も国内にいたときには最高時速163キロメートル、大船渡高校の佐々木朗希選手は高校時代に時速163キロメートルを出して、もう既に春のオープン戦で時速163キロメートルを投げまして、今シーズンは絶好調。この163キロメートルというのは、岩手県にとっては意味のある数字になっているのではないかと思います。
 そこで、三陸沿岸の復興まちづくりを考えたときに、三陸鉄道をどう生かすかということが私は大変重要な課題になっていると思います。三陸鉄道は、鉄道として生かすというだけではなくて、鉄道を利用することによって地域経済への波及効果も大変大きなものがあります。
 実際に、宮古市は、宮古市役所が駅の近くに移転をされました。山田町は、陸中山田駅前にコンパクトシティ、住宅から金融機関からスーパーから、そういう形で駅中心のまちづくりが進められ、釜石市鵜住居では、鵜住居駅に、釜石鵜住居復興スタジアムもあり、そして、いのちをつなぐ未来館があり、体育館も整備をされる。私はそういう意味で、本当に復興は三陸と一体で今進められてきたと思います。しかし、今、答弁があったように、たび重なる台風被害、そして、新型コロナウイルス感染症で、大変厳しい状況にあるのも事実です。
 そこで、実は最近、次の10年へという冊子に、三陸鉄道を思う方々、県庁の職員の方々もたくさん書いていますが、どうやって三陸鉄道を生かし、発展させるのかというさまざまな提言がされております。このさまざまな提言をどう受けとめているでしょう。
〇小野寺地域交通課長 今、斉藤信委員から御紹介のありました提言書でございますが、岩手大学の齋藤徳美名誉教授初め三陸鉄道を熱意を持って支えようとする方々、それから、三陸鉄道幹部職員などによる寄稿から成っておりまして、沿線市町村とともに三陸鉄道を活用し、被災地のにぎわいづくりといった地域創生に取り組もうとするものであります。三陸鉄道の持続的な運行、さらには、三陸鉄道を動脈とした地域創生、そういったものを後押しする、そういった提言であると受けとめております。
 地域公共交通を所管する我々といたしましても、沿線市町村とより一層連携を密にして、三陸鉄道の持続的な運行を果たしていかなければならないという思いを強くしたところでございます。
〇斉藤信委員 復活した三陸鉄道は上下分離方式、いわば株式会社三陸鉄道は運営に責任を持つ。資産は各県市町村ということになって、株主も、沿岸市町村全ての首長が参加している。まさに三陸沿岸の共同経営と言ってもいいものだと思います。
 そして、一本につながった。いわば、今、必要なのは、三陸沿線の市町村が一体となってこの三陸鉄道をどう生かし、まちづくりを進めるのかということだと思いますが、私も読んでみて、齋藤徳美先生からも直接お話をお聞きしました。齋藤徳美先生は、三陸鉄道が破綻したら復興は失敗だと、繰り返しそう言っているのです。中村社長のさまざまな思い入れ、提言で、私もなるほどと思ったのは、三陸鉄道は住民の皆さんの足としての役割、観光など交流人口の拡大による地域の振興に貢献する二つの使命があると言った上で、三陸鉄道の特殊性は、東日本大震災津波から復活したこと、そういう点でのスタディツーリズム、いわゆる震災学習列車はこういうところに大変大きな特徴があるのではないか。フロントライン学習というのも提起をされております。
 この点でちょっとお聞きしたいのですけれども、この間、今年度でもいいですが、修学旅行、そして、企業、団体の研修旅行、これはどのくらい三陸鉄道が活用されているのでしょうか。
〇小野寺地域交通課長 今、御紹介いただきました三陸鉄道が実施しております震災学習列車は、平成24年から運行をしておりますが、これまで約7万6、000人の方々に御利用をいただいております。今年度につきましては、1月末時点で181件、そして、御利用いただいている方は9、156人になっております。
〇斉藤信委員 修学旅行、その他で内訳はわかりますか。
〇小野寺地域交通課長 申しわけございません。その内訳は、今、手元にはございません。
〇斉藤信委員 陸前高田駅の津波伝承館も、コロナ禍ですけれども、県内外からの修学旅行、団体での参加もかなり多かったということであります。私はそういう意味でいくと、これを定着させることが大変大事なのではないかと思います。
 提言の中では、地域の方に使ってもらうという点では、町内会、老人クラブ、さまざまな地域の会社、貸し切りというのも意外と知られてない。ですから、そういう地域の方々が積極的に活用する。地域に愛され、地域に活用されてこそ長続きするのだと思います。
 もう一つ、私が印象に残ったのは、これは中村社長が話しているのですけれども、三陸の子供たちが自慢できる鉄道にしたいと。彼は実は、自分が勤務した千厩地方振興局のときに、当時の東山町では、町の有名な観光資源である猊鼻渓を中学校3年生全員に、もちろん町の誇りとして体験させているのです。三陸鉄道を三陸地域の宝として、例えば中学校3年生みんなが、そういう震災学習列車にしろ、そういう形で体験をするということも大変大事なのではないか。そういう点では、地域に愛される、いろいろな団体がそういう活動で活用するということも大変大事ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇小野寺地域交通課長 まさに今、御紹介いただきました、子供たちの心に三陸鉄道を深くとどめてもらうといったような取り組みは非常に重要であると考えております。
 これまでも、子供たちを対象とした取り組みとしては、幼稚園児等に三陸鉄道の絵を描いていただいて、乗車の機会、三陸鉄道の列車の中にその絵を飾り、乗車機会を創出するような取り組みとか、今年度につきましては、新たに、これまで余り利用の機会のなかった小学生を対象に、無料の日の設定も行なっておりますし、中高生を対象とした1日フリー乗車券の割引販売、こういったものにも取り組んで、子供たちに対して利用促進とか、マイレール意識を持っていただこうという取り組みも幅を広げてきたところでございます。
 今、御紹介いただきました、子供たちに対する取り組みは非常に重要だと思いますので、今後、そちらのほうも、県と沿線市町村で組織しております利用促進協議会の事業等を通じて、力を入れてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私、もう一つ、次の10年へのところで 大変勉強させられたのは、インバウンドなのです。お隣秋田県の秋田内陸縦貫鉄道では、コロナ禍前までは、台湾からのインバウンドが好調で、2019年は3万5、000人利用した。これは、台湾の旅行エージェントを継続して訪問して関係を築いたと。団体ツアーの受け入れを増やしたと。秋田内陸縦貫鉄道でこれができたわけですから、台湾からは、岩手県でも大変たくさん多くの観光客が来られている。私は、その一環に、震災から復興した日本で一番長い三陸鉄道を体験してもらう、そういう取り組みを、これはポストコロナを想定して、戦略的にやる必要があるのではないかと思います。
 もう一つ、ここにもあるのですけれども、三陸沿線市町村は株主です。ですから、三陸鉄道は自分たちの鉄道なのです。ところが、意外とその自治体の職員が使ってない。担当になって使いました、大変よくなりましたというのもここには出ています。普通なら会社を挙げて、役所を挙げて、可能な職員は三陸鉄道を利用する。そうしてこそ三陸鉄道に対する愛情も、よさもわかってくると思うのです。こういう点はすぐに生かせるのではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
〇小野寺地域交通課長 今、御提言いただきましたインバウンドに関する取り組みは、コロナ禍ではすぐにはなかなか難しいですが、その先を見据えた取り組みの中で、そういった視野も持ち、視点も持ちながら取り組んでまいりたいと考えます。
 それから、沿線市町村との連携につきましては、この次の10年の提言書を、沿線13市町村に無料進呈もなされておりますので、この提言書を一つのきっかけにさせていただきながら、沿線市町村と三陸鉄道に対する意識をより共有し、今お話のあった出張のときには三陸鉄道を使う、通勤に使う、そういった取り組みの拡大につなげていきたいと考えます。
〇高橋交通政策室長 ただいま、インバウンドの関係についてお話がありましたけれども、台湾につきましては、これまでも三陸鉄道におきましては、あまちゃんを見たいということで、台湾の方々はかなり来ておりました。ただ、新型コロナウイルス感染症の影響がありまして、来られなくなったということでございまして、斉藤委員からお話もあったとおり、その点については伸ばしていきたいと思います。
 もう一つは、IGRいわて銀河鉄道と三陸鉄道は、台湾と協定を結んでおりまして、そういった取り組みも進めながら活用して、進めていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 本当に三陸鉄道を愛する方々がさまざまな提言をされております。ぜひ、これを生かして、これからの10年、三陸鉄道も三陸沿岸地域も元気になったと、そういう取り組みをぜひ進めていただきたい。
 最後一つだけ。いわて復興応援隊、地域おこし協力隊の取り組みについて、それぞれの実績、そして、岩手県にその後残って頑張っている方々は少なくないと、評価もされていますが、その取り組みも含めて示してください。
〇高井地域企画監 いわて復興応援隊の取り組みと実績についてでございますが、県では、国の復興支援員制度を活用しまして、被災地の復興や地域振興の支援などを行ういわて復興応援隊を県内外から募集しまして、これまで沿岸市町村を中心に延べ61名の隊員を配置し、令和3年度においては12名の隊員が活動をしているところでございます。
 隊員の取り組みとしましては、交流人口の拡大に向けた広域的なプロジェクトの推進に重点を置き、沿岸広域振興局や三陸ジオパーク推進協議会、三陸鉄道株式会社等に隊員を配置しまして、三陸防災復興ゾーンプロジェクトや、三陸鉄道の利用促進に係る情報発信、オンラインセミナーなどによるジオパークの地域への普及啓発など、地域と連携したさまざまな取り組みを行っているところでございます。これまで受け入れを行った隊員のうち7割を超える方が県内に定住しているというところでございます。
〇熊谷ふるさと振興部長 地域おこし協力隊の活動と実績についてでございますが、総務省の調査をもとに私ども県で集計したところになりますけれども、令和3年度では、32市町村で210名の隊員が活動をしております。
 活動の例といたしましては、例えばブドウなどの果樹栽培や、森林の利用促進を初めとした農畜産業、林業、漁業への従事、それから、体験型観光コンテンツの開発や道の駅開業支援などの観光資源の企画、開発などに関する活動、地域や地域産品の情報発信、PRに関する活動、それから、移住、交流促進に関する活動など、さまざまな活動が行われております。
 また、任期終了後の定住状況につきましては、令和2年度末までに任期が終了した、おおむね1年以上活動した隊員193名のうち約7割の133名が県内に定住しておりまして、この方々は57名が起業、53名が就業、13名が就農等となっております。
 これまでは、岩手県といたしましては、市町村の担当職員との情報交換会、あるいは起業を目指す隊員への起業セミナーなどの開催で、活動を支援しているところでございます。
〇斉藤信委員 復興応援隊、そして、地域おこし協力隊、復興の中で、地域おこしの中で、すばらしい役割を果たして、7割が定住している。恐らく全国トップクラスだと思うのです。そこにも岩手県の魅力があるのではないかと思います。
 東海新報には、この間、陸前高田市で若者が100人陸前高田市に移住していると、こういう報道もありました。この若者の活力を大事にして、この取り組みを進めていただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 ただいま斉藤信委員から三陸鉄道の応援歌を歌っていただきまして、これについては全く同感でありまして、ありがとうございます。斉藤斉藤と申しましても、いささか広うございまして、いろいろな斉藤がある。今の斉藤さんには同調するものであります。
 そこで、大事な点が一つ欠落していると思っています。私は、震災発生以後のこの議会で、三陸鉄道、大船渡−陸前高田間も、あるいは仙台市までも、八戸市までも、一本のレールでつながるような方法が将来の三陸沿岸地域のためになるという論陣を実は張ってきたつもりであります。
 途中からBRTという話が出てまいりまして、大船渡市のまちづくり、陸前高田市のまちづくりのためにはそういう判断もあったのでしょうけれども、我々は将来のものを皆さんに残しておくために、一本のレールであるべきだという論陣を実は張ってきたつもりでありますが、残念ながら、痛恨のきわみであります。将来にいい形のものを、三陸鉄道の運営を含めてお客を呼び込むということ含めて、100万都市の仙台市とつながる、30万都市の八戸市と一本のレールでつながるべき、それが将来のためと言ってきたところでありますが、残念ながら、新聞報道が途中で出まして、現在のさらわれた鉄路を復旧するには470億円かかるというのが新聞に出てしまいまして、そこからこの潮目になって、議論がしぼんできたと思っているのです。実は、古い話になって恐縮ですが、全然関係ないようでありますけれども、東北新幹線のこの延びてきた状況を思い出していただきたいということもお話をしてきました。
 東北新幹線は、大宮駅と盛岡駅間で暫定開業をいたしました。その後、盛岡駅から二戸駅までようやく延びて、それから、秋田県にも延びて、さらには二戸市から青森市を経て、現在は北海道まで行っております。その際に、秋田県と岩手県と青森県は約1、000億円をJR東日本に負担をしているのです。新幹線を延ばすときにこういうお金を負担したところはどこにもないのです。ですから、470億円が何ぼのものだ、1、000億円負担しているのだから、黙って鉄路でやれと言うべきだと言ってきたのですけれども、残念ながら誰も同調する人がなくて、孤軍奮闘したつもりではありますけれども、いまだ痛恨のきわみでありまして、これは後世に残すチャンスを失ってしまったと、今でも悔しく思っております。
 余りいい話ではありませんが、あした質問しようと思っていますが、千島海溝、日本海溝のとんでもない地震が発生して、30メートルクラスの津波が襲いそうだという情報があったわけでありますが、もしかして、鉄路が流されたら、もう一回戻すチャンスがあと一回あるのかと。そういうことはちょっと言いづらい話でありますけれども、こういうことも歴史を知っておいて、次の世代に何を残すのか、我々ができることは何なのかということを常に思いを持っていていただかなければいけないと思います。
 仙台市から三陸沿岸に行こうと列車に乗ります。さあ、皆さんこのいい旅を楽しみましょうねとビールで乾杯をする。陸前高田駅に着いたころはほろ酔いですよ。そのほろ酔いの列車を降りて、荷物を持ってバスに乗って、大船渡駅に着いたら、今度は、また列車に乗っていかなければいけない。そういう旅が私の年齢になると嫌なのです。大多数がそうだろうな。そういうときにこの列車の旅がよくなるのです。それは一本のレールであるべきだと思ってきました。
 そのためには、JR東日本とやりとりをするためには、北東北3県が約1、000億円の負担をしたということをぜひ頭の中に持っていただきながら、今後も、あるいは釜石−花巻ラインがどうなるかもわかりませんが、そういうときの相手をやりこめる理論として、そういうのは準備をしておいていただきたい。これまでの歴史を振り返った中で、押し込むべきは押し込む、譲るべきは譲る、それが交渉術だと思っているのです。今、こういうことを言っても詮ないことかもしれませんが、そういう三陸沿岸、三陸鉄道、そういう連携をした考えをぜひお持ちをいただきたい。
 当時のことを聞いてもしようがないのですが、そういう流れがありましたということをお伝えをしておきたいと思いますが、まず、地域交通課長にもお伺いをして、それから熊谷ふるさと振興部長にも、この際お伺いをしたい。
〇小野寺地域交通課長 今、大変勉強になるお話をお聞かせいただいたと思います。
 今、伊藤勢至委員からお話のありましたとおり、鉄路の強みは、乗り換えなしで長距離移動できるということがまず一つはあると思います。それから、先ほど斉藤信委員からお話のありましたとおり、駅を中心とした地域の活性化を図れるというのは、鉄道事業者が他の交通網等の事業者と比べて優位性を持つ部分かと思います。
 今後、さまざまなJR線に係る議論、午前中の佐々木朋和委員の議論の中でもありましたけれども、今、国でもそういった議論も進められておりますので、伊藤勢至委員からお話のありました歴史、そういったものも踏まえた上で、国との議論なり、そういったものに当たっていきたいと考えております。
〇熊谷ふるさと振興部長 私も貴重な御意見をいただいたと思っております。
 鉄道の復旧に当たって、その当時さまざまあったと思いますが、苦渋の決断と申しますか、断腸の思いであったというところもあろうと思います。ただ、三陸鉄道の部分は、残念な部分もありますが、まだきちんと残っておりますので、盛駅から久慈駅までつながっている、そういう形になっていますので、これを大事にし、三陸の柱、復興の柱として、そして、さらなる発展のために三陸鉄道が継続して運行できるように、私たちも取り組んでまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時28分 休 憩
午後2時47分再開
〇ハクセル美穂子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇千田美津子委員 雪も大分なくなってきたのですけれども、私からは、豪雪地帯における民地の除排雪対策についてお伺いをしたいと思います。
 豪雪地帯安全確保緊急対策交付金事業がありますし、あわせて、地域安全克雪方針策定事業についてお聞きをしたいと思います。
 これは人口減少、少子高齢化が進展するもとで、除排雪作業中の人命にかかわる事故が高齢者を中心に大変多くなっております。そのため、民地の除排雪作業時の死傷事故を防止するために、試行的取り組みと並行して、地域ぐるみで行う自立を見据えた戦略的な方針として、地域安全克雪方針を策定し、豪雪地帯の振興を図るというものでありますが、県としては、この事業の導入についてどのように考えているのか、その点お聞きをしたいと思います。
〇高井地域企画監 豪雪地帯安全確保緊急対策交付金事業についてでございます。
 この事業でございますが、委員からも御紹介いただきました豪雪地帯において、除排雪時の死傷事故が発生していること等を踏まえまして、国土交通省が今年度新たに創設したものでございます。これまで県議会から国等に対して意見書を提出していただいたほか、県においても、北海道東北地方知事会や全国積雪寒冷地帯振興協議会等を通じて、豪雪地帯を対象とした交付金の創設を要望してきたところでございます。
 事業の内容でございますけれども、地域の現状や将来構想などを掲げる戦略的な方針策定を支援する地域安全克雪方針策定事業、それから、もう一つ、この方針策定に並行して進められる体制整備等の取り組みに関して支援を行う安全克雪事業、こういったものがございまして、県としても必要な取り組みを県内で進めていただくよう支援を行っていくところでございます。
〇千田美津子委員 今年度新たに創設をされたということで、現実的にはこれからの周知だと思いますが、市町村にもあらかじめこういう制度についてはお知らせが行っていると思うのですが、この事業に取り組むという意向を示している自治体は県内であるでしょうか。
〇高井地域企画監 当該事業の市町村の取り組み状況でございますが、先ほども御紹介申し上げました今年度の補正で国の予算がついたところでございますが、そういった中で、既に県内で、北上市、滝沢市と西和賀町で、本事業を活用して取り組みを始めているところでございます。
〇千田美津子委員 ことしもかなり雪が多くて、去年、雪のために屋根が潰されたという経験をした方がたくさんいらっしゃって、屋根に上がって雪下ろしをしている高齢者の姿をかなり見受けました。そういった意味で、この事業を積極的に取り組んでいくことが非常に大事かと思いますが、ただ、何でも全て地域でやれということになると大変なものですから、そういう議論をそれぞれのところでやっていく。どうあればいいのかということを地域で考えていく。そのとっかかりになると私も思っています。
 北上市と滝沢市が既にやられているということで、非常に先進的だと思いましたが、ぜひ、事故が起こらないように、そういう手だてとしてこれらが前に進むように、県としても、積極的に周知をお願いしたいと思いますので、その点何かあればお聞きします。
〇高井地域企画監 積雪地帯でのそういった除排雪の問題です。北上市が取り組みを既に始めておりまして、地域関係団体へのヒアリングとか、地域への説明会を通じまして、市全体の方針の策定を進めるといった取り組みをしております。こういった取り組み先行事例を周知しながら、広がるように進めていきたいと思っております。
〇千田美津子委員 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
 2点目は、午前中に質疑がありましたが、地域公共交通、私はバス事業の現状と課題、それから、新型コロナウイルス感染症による大きな影響があると思うのですが、この状況についてお聞きをいたします。
 あわせて、地域バス交通の支援事業を実施しておりますけれども、この現状と課題についてお聞きをしたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 まずバス事業の現状と課題でございますが、人口減少、少子高齢化の進行等によりまして、利用者の減少傾向が続いていた中で、さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で利用者が大幅に減少しており、厳しい経営状況に置かれています。そういった状況の中でも、地域住民の生活の足である地域公共交通の維持確保を図っていくことが、非常に重要な課題であるところでございます。
 それから、新型コロナウイルス感染症の影響ですが、主要な乗合バス事業者3社、岩手県交通と岩手県北自動車、JRバス東北の3社についてでございますが、令和3年4月からことしの1月までの運賃収入、これは新型コロナウイルス感染症の影響が生じる前の一昨年の同時期と比べますと、率で36.4%、額で17億4、000万円余の減少となっておりますので、昨年度に引き続き非常に大きな影響を受けていると言えます。
 それから、地域バス交通支援事業の現状、課題でございますが、この事業は、県の単独補助でありまして、市町村が国庫補助要件に満たないバス路線の運行事業者に対して、当該路線の運行欠損額の補填を行う場合、また、国庫、県単補助路線補助要件を満たせなくなった路線の代替交通を確保する場合に補助しているものでございます。令和3年度においては、14市町村17路線に対して3、616万8、000円の交付を予定しております。令和4年度につきましては、15市町村の18路線分として3、795万5、000円を予算案に提案させていただいているところでございます。
 なお、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、乗車人数が減少したバス路線を維持することが非常に大きな課題であります。今年度は、昨年度に引き続き、この補助事業の補助要件を緩和する特例措置を講じているところであり、令和4年度につきましても、特例措置を講じる予定としております。
〇千田美津子委員 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による乗合バスの事業者への影響で、17億円の減少ということで、本当に大変だと思います。午前中の質疑の中では、新年度から減便になるという答弁もありました。答弁がありましたように、県民の本当に重要な足の確保になるので、県としても最大限の支援をしていただき、これらが継続していただけるように、ぜひお願いをしたいと思います。
 地域バスの支援のほうですが、事業者に対して運行欠損額を補助する広域生活路線維持事業と、補助要件を満たせなくなったバス路線について、市町村が代替交通を確保する場合に補助をする補助路線代替交通確保維持事業という、この二つの事業があるわけです。
 これについては、令和4年度も補助を実施するという御答弁で安心したわけですが、ただ、資料を見ますと、これが令和4年度までとなっているのです。その後についても、令和4年度がよければいいのではなくて、その後の見通しをどのように持っているかお聞きしたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 まさに乗合バス、コミュニティーバスも含めまして、地域住民の足の確保のために必要な事業、施策は、さまざまな環境の変化等もございますので、いろいろと変わってくるかと思います。したがいまして、今行っている事業につきましても、適宜、その取り巻く状況、環境を踏まえまして、見直し等を行っていく予定にしております。そういった適宜の見直しの中で、必要な事業につきましては、きちんと施策として展開できるように、予算案に盛り込めるように、さまざま今後につきましても検討は進めてまいります。
〇千田美津子委員 よろしくお願いいたします。
 それでは、バス運行対策費についてもお聞きをしたいと思います。この対策費の現状と課題についてお聞きをしたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 今お話のありましたバス運行対策費補助は、国庫補助制度に基づいて、広域的かつ幹線的なバス路線の運行事業者に対しての運行欠損額の補助となります。
 令和3年度におきましては、先ほどお話ししました乗合バス事業者3社が運行する38路線に対して、2億7、390万6、000円の交付を予定しております。令和4年度におきましては、40路線に対して、1億7、276万1、000円の交付を見込んでおります。
 なお、この補助事業におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により乗車人数が減少したバス路線の維持を図る必要があるということで、令和2年度に引き続き、補助要件の緩和、それから、補助対象経費の拡充等の特例措置を講じております。したがいまして、先ほど御説明した令和3年度の執行見込み額が令和4年度と比べて比較的多くなっているという状況でございます。
 ただ、これらの特例措置については、国において、現時点では令和3年度までという取り扱いになっておりますので、来年度以降も新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて適用することが必要となることも考えられますので、引き続き、国に対して特例措置の継続につきまして、働きかけを行っていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 いずれ、このバス運行対策費もですが、本当に県民の重要な足になるものでありますので、ぜひ、国に対して強く要望すると同時に、県としても支援を継続するということだと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、最後になりますけれども、新型コロナウイルスワクチン接種市町村輸送機能強化事業についてお聞きをしたいと思います。これまでの県内の取り組み状況をお知らせください。
〇小野寺地域交通課長 市町村が行うのは、タクシーを利用した高齢者、障がい者、妊婦等の方々が、新型コロナウイルスワクチンの接種会場に移動する場合に要する経費のうち、国庫補助の対象外となる経費について支援する事業でございますが、今年度は、県内の17市町村において本事業を活用いただいておりまして、1月末時点の執行見込額は7、776万6、000円となっております。ただ、これは今後の金額の精査の中で減額になっていく見込みとなっております。
〇千田美津子委員 令和3年度事業で、トータルで7、776万6、000円で、取り組んだ市町村が17市町村ということであります。市町村ごとの金額も見せていただきましたが、非常にアンバランスがあって、ある市町村は1、600万円、ある市町村は6万5、000円というような形ですが、その取り組みの中身が、どう違うのか、その点、お聞きをしたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 まず、一つの取り組み事例といたしますと、宮古市におきましては、タクシーの車内にその無料券を置きまして、運転手の方にワクチン接種の状況等を確認していただいて、その運賃を無料にするといったような取り組みがあります。
 ただ、先ほど17市町村と御説明しましたが、16市町村では活用がない状況でございますが、その理由としますと、例えば高齢者のワクチン接種につきましては、集団接種会場のみで行っていると。そこまでの輸送は、国庫補助を活用してシャトルバスを運行して、このタクシーを活用した事業の必要性がなかったといったようなことで、市町村ごとによって差が出ているというものでございます。
〇千田美津子委員 わかりました。バス事業は国庫補助の対象ということで、その差だということはわかりました。
 そうしますと、令和4年度の事業見込みについて、3回目ワクチン接種ということになろうかと思いますが、見込みについてお聞きしたいと思います。
〇小野寺地域交通課長 令和4年度につきましても、予算案として提案させていただいておりまして、まさに今、お話のありました3回目のワクチン接種向けということで、それらに要する必要として、14市町村から7、177万6、000円の活用要望がございましたので、この金額について当初予算案に提案させていただいているところでございます。
〇千田美津子委員 令和3年度事業とほぼ同じくらいということなのですけれども、これらの事業をやってみての課題をもし捉えておられたら、お示しください。
〇小野寺地域交通課長 活用いただいている市町村からは、事業の執行に当たっての問題点について、今のところは特にお聞きしておりませんので、現時点で、大きな課題はないものと理解しておりますが、ただ、ワクチン接種に関する事業でございますので、その状況に応じて、今後、課題等が生じてくることも考えられますので、その際は、実際に事業を行っている市町村の意見、声等もよくお聞きして、適切に対応してまいります。
〇小林正信委員 私は、海洋エネルギー関連創出推進事業費について伺います。まず、この事業の概要についてお伺いしたいと思います。
〇佐藤特命参事兼科学技術課長 海洋エネルギー関連産業創出推進事業の概要についてでございます。
 まずの最初に目的でございますけれども、この事業は、洋上風力発電や波力発電の事業化の支援、推進を行いまして、関連産業を創出することにより、三陸地域の新たな価値創造を目的としているものでございます。
 具体的な事業内容といたしましては、洋上風力発電の事業化を進めるために、洋上風力発電とは何かという理解増進に向けた啓発フォーラムやシンポジウムの開催、それから、現在は、洋野町、久慈市で取り組みが進んでいますが、再生可能エネルギーの導入拡大という視点で、もう少し南のほうの市町村の沖合も調査するための経費を計上しております。
 また、関連産業の創出に向けましては、発電事業者や関連企業への情報発信、それから、専門家を招いての地元の企業向けの技術セミナー、そして、釜石市の地元企業によります波力発電装置の技術開発の支援に取り組んでいく予定としております。
〇小林正信委員 現在、洋野町沖で着床型の洋上風力発電、久慈市沖では浮体式の計画が進んでいると思うのですけれども、現在の洋野町沖、久慈市沖の状況についてお伺いしたいと思います。
〇佐藤特命参事兼科学技術課長 久慈市沖及び洋野町沖の状況についてでございますけれども、久慈市沖の洋上風力発電につきましては、昨年の9月に海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用促進に関する法律の一定の準備段階に進んでいる区域に整理されました。現在、次の段階となります有望な区域の指定に向けまして、漁業関係者と対話を進めているところでございます。
 洋野町沖につきましては、着床式は引き続き誘致を進めておりますけれども、今度は浮体式に取り組むということで、昨年、国が直轄で調査いたします洋上風力発電の地域一体的開発に向けた調査研究事業の調査海域に選定されまして、令和4年度からの本格調査実施に向けまして、現在、国や町とともに漁業関係者に調査概要を説明しているところでございます。
〇小林正信委員 先日の本会議の、中平均議員への答弁で、企業局においても洋上風力発電について取り組みを進めていくといった旨の答弁があったと記憶しておりますけれども、ふるさと振興部としては、企業局との連携、また協力については、どのように進めていくのかお伺いしたいと思います。
〇佐藤特命参事兼科学技術課長 企業局との連携についてでございますけれども、昨年の12月に取りまとめました第2期岩手県海洋エネルギー関連産業創出ビジョンにつきましては、学識経験者や関係自治体のほか、庁内関係部局の一員といたしまして企業局の参画も得て策定したところでございます。
 また、今般の海洋エネルギー関連産業創出推進事業につきましては、財源の一部といたしまして、企業局の環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を一部活用させていただこうと思っておりまして、再生可能エネルギー導入促進や関連産業の創出に向けましては、引き続き企業局と連携を行って取り組む予定でございます。
〇小林正信委員 本事業は、洋野町沖、久慈市沖を後押ししながら、県としても、先ほども御答弁にあったとおり、もう少し南のほうも調査していくというお話もございましたけれども、具体的にどういった形で南のほうに調査を進めていくのか、あるいは、これはいよいよやるとなったときには、県が独自でやるのか、企業等と連携をしてやるのかといったあたりのお話をお伺いしたいと思います。
〇佐藤特命参事兼科学技術課長 再生可能エネルギーの導入拡大に向けました新たな地域における導入の調査についてでございますけれども、これは、洋野町、そして、久慈市とつながっております野田村沖から宮古市沖までを想定いたしまして、風況や海底地質、地形など、あるいは漁業実態などを整理、分析いたしまして、浮体式洋上風力発電の事業化の可能性を探ろうとするものでございます。
 調査の手法といたしましては、これは県の事業でございますけれども、漁業関係者への聞き取り、あるいは既存の学術資料等を分析するような形になりますけれども、これらについては専門家の方にお任せしようかと思っていますが、情報をまとめた上で、可能性があるかないかについて判断をしたいと思っています。
 その上で、可能性が見出された場合は、地域の方々の理解を深めるための取り組みにつなげていきますとか、あるいは国では、再エネ海域利用法の制度にのせるために、都道府県に毎年へ情報提供を求めておりますので、そういった際にも、これらの調査結果を使いたいと考えております。
〇小林正信委員 国のほうでも力を入れて、再エネ海域利用法等も定めて、これは大いに進めていくということでございます。これにしっかりとのっていただいて、ぜひ、県独自の洋上風力発電の推進も進めていただきたいと思っているところです。
 続きまして、地域おこし協力隊活動支援事業について、この事業の概要についてお伺いしたいと思います。
〇熊谷特命参事兼地域振興課長 地域おこし協力隊活動支援事業費の概要についてでございますけれども、地域おこし協力隊の受け入れの拡大、活動の充実、それから、任期終了後の定住に向けまして、市町村及び協力隊OB、OGを核とした全県ネットワーク団体との連携によりまして、地域おこし協力隊の受け入れ市町村職員向け研修会、それから、隊員の初任者研修会や企業セミナー、また、地域おこし協力隊や地域団体等が一堂に会しての活動事例発表会や、活動分野別の研修交流会を開催するほか、協力隊OB、OGによる現役隊員への相談体制の整備などを行ってまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 非常にすばらしい。地域おこし協力隊さまざま悩み等も抱えながらやっていらっしゃるということで、横のつながり等の強化はすばらしい取り組みだと思うのですけれども、その中で、地域おこし協力隊の課題として、コロナ禍で地域の人との交流がなかなかできないとか、また、住居、住まいの問題、報酬の問題等さまざまあるかと思いますけれども、県として、どういった課題があると認識しているのかお伺いしたいと思います。
〇熊谷特命参事兼地域振興課長 地域おこし協力隊に係る活動についてでございます。今年度、市町村、地域おこし協力隊の方々と意見交換、情報交換とか、ワークショップなどを行っております。
 そういった中で、確かに新型コロナウイルス感染症の影響によって活動が制限されているというところはございましたが、着任間もない隊員の方への手厚い支援が必要であること。それから、任期終了後の起業等に不安を持つ隊員がいることなどの課題が聞かれたところでございます。また、同じ分野の活動に取り組む隊員とのつながりが欲しいなどの意見をいただいております。
協力隊の活動支援と定住促進を図るためには、つながりの創出とか、サポート体制の強化によりまして、任期中の活動の充実による満足度の向上に加え、任期終了後の進路を見据え、具体的な準備をしていくことが大切であり、こうした視点で支援をしていくことが必要と考えております。
〇小林正信委員 私も、やはり定着支援が重要と思って、それも質問をさせていただこうと思ったのですけれども、この事業をしっかりやっていただくことで定着支援、先ほど斉藤信委員への答弁では、今でも、7割が定着しているということで、残りの3割をしっかりとフォローしていただいて、できれば関係人口につなげるとか、そういった部分の取り組みを充実させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、ふるさと岩手応援寄付、ふるさと納税についてでございますけれども、これは令和3年度の実績を踏まえた令和4年度の取り組みについては、先ほど佐々木朋和委員への答弁でよくわかりました。
 ふるさと納税の返礼品についても、県としてもかなり頑張って、返礼品をふやしてこられたと思いますし、その取り組みは評価したいと思っております。
 また、先日、岩泉町に行ってきたのですけれども、岩泉町長が、ふるさと納税で一発逆転した北海道の上士幌町の取り組みを紹介した本、北海道上士幌町のキセキという本を熟読されておりまして、岩泉町もふるさと納税を2倍にしようということで取り組みを進めておられました。まずは、2億円を目指してやっていこうということで、1億5、000万円、今、ふるさと納税来ているということでございましたけれども、非常に充実した取り組みだと思いました。
 県の返礼品を見させていただいたのですけれども、一番額が大きいものでも、25万円のものだったと思います。岩泉町では、岩泉松茸狩りと岩泉松茸づくし膳、1泊2日60万円という、非常に充実したもので、これは即申し込みが埋まったそうでございます。これは言ってはいけないのかもしれませんが、お医者さんが取られたということです。これぐらい返礼品にパンチというか、インパクトが必要なのかなと。岩泉町は、自主財源をどうやって確保していくか危機意識を持っておられたと、私も強く感じました。
 県としても、この危機意識、自主財源を少しでもどう確保していこうかという危機意識がまだまだ足りないのではないか。充実させてきたことは認めますけれども、そう感じざるを得ないと思います。
 岩手県にしっかりかかわっていただくような返礼品、関係人口をつくっていただくような、あるいは岩手県を体験していただく。マツタケ狩りのような、そういった岩手県を体験していただくような返礼品も今後必要なのではないかと思うのですけれども、そのあたりの今後の返礼品についての御所見をお伺いしたいと思います。
〇熊谷特命参事兼地域振興課長 ふるさと納税を活用しまして返礼品という話がございましたけれども、この納税制度、生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度として創設された制度でございます。
 ふるさと岩手応援寄付につきましては、寄付者に岩手ファンになっていただいて、継続して岩手県と関わりを持っていただくための契機になるものでございまして、寄付を通じて岩手県とつながる方がふえることは、関係人口の創出拡大にもつながっていくものと考えております。
 例えば、昨年は震災遺構に、本県へ御寄付をいただいた県外の方、全ての方に対して、改めて感謝をあらわすメッセージと、本県の復興の状況等をお伝えする冊子などを送らせていただいたところでございます。
 今後も、ふるさと納税制度を活用しまして、より多くの方々に県の施策や取り組みについて御理解をいただけるよう、寄付項目や寄付の使われ方などを丁寧に情報発信していくとともに、返礼品の送付に際しまして、本県の各種PR情報を添えるなど、寄付を通じて岩手県に末永く関心を持ち続けていただくといったところに取り組んでまいりたいと思います。
 また、現在、返礼品の考え方でございますけれども、総務省が示されている基準に基づきまして、寄付額の3割を上限としまして、また、県産品のPRの販路拡大という観点から、県産ブランドの情報発信に資する返礼品を選定しているところでございます。
 加えまして、昨年8月からは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた県内事業者の販路拡大を支援するために、買うなら岩手のものバーチャル物産展と連携いたしまして選定しているところでございます。これにつきましても、こういったものを、余り華美になるということではなくて、こういった視点のもと返礼品を選定していきながら、取り組みを行ってまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 よろしくお願いします。
 最後に、企業版ふるさと納税の取り組みの充実についてお伺いして、終わりたいと思います。
〇熊谷特命参事兼地域振興課長 企業版ふるさと納税の拡大策取り組みについてでございます。企業版ふるさと納税は、国が認定した地方公共団体の行う地方創生プロジェクトに対して企業が寄付を行った場合に、法人関係税から税額控除するもので、最大で寄付額の9割が軽減される仕組みでございまして、本県では、第2期ふるさと振興総合戦略を地方創生プロジェクトに位置づけております。
 これまで県外企業からふるさと岩手応援寄付への寄付申し出があった際に、企業版ふるさと納税の案内を行っております。
 また、当部といたしまして、いわゆるプロジェクトを構成する事業を実施している各部局に対して、制度の周知、あるいは利用促進に向けた取り組みの働きかけなどにより、活用促進を図ってきたところでございます。
 今後におきましても、引き続き企業版ふるさと納税を活用して、企業との協働での事業を実施を促していくとともに、ふるさと岩手応援寄付へ御寄付をいただいたことがある企業、それから、本県とかかわりがある企業などに対しても、今後は、本県の地方創生プロジェクトと企業版ふるさと納税の取り組みをPRすることなどにより、制度の活用拡大に向け取り組んでまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 令和4年度に新規事業として挙げられております、岩手県150周年の記念事業についてお伺いします。
 盛岡県が岩手県と名称が変わったのが1872年ということで、150周年です。ところが、私の住んでいる当時の磐井県は、岩手県ではありません。150周年とはどこに起源を置いて、その歴史認識をどう考えてこの事業を始めたのかお尋ねします。
〇大越ふるさと振興企画室企画課長 150周年の基準年の根拠についてでございますが、明治5年1月8日に岩手県という名称が初めて使用されてから本年が150周年となること、そして、明治9年5月25日に岩手県が現在の姿となった日から令和8年で150周年となることをもちまして、令和4年度から令和8年度を県政150周年記念期間と位置づけようとするものでございます。
 明治9年の県境確定に係る歴史認識についてでございますが、岩手県史や県のホームページ、いわての文化情報大辞典によりますと、明治4年7月の廃藩置県が行われた際は、現在の岩手県の県域に、盛岡県、江刺県、胆沢県、一関県などが置かれ、同年11月に、改めて、盛岡県、一関県、青森県が置かれ、明治4年12月に一関県が水沢県に改称され、明治5年1月8日に盛岡県が岩手県に改称され、明治8年11月に水沢県が磐井県に改称され、明治9年4月に磐井県が廃止され、磐井県を構成しておりました北部の3郡が岩手県に編入され、同年5月25日に気仙郡、二戸郡が岩手県に編入され、現在の岩手県の形となったものと認識しております。
 150周年の記念事業を進めるに当たりまして、周年行事として100周年が行われた岩手県という名称が使用された日が一つの節目であり、岩手県の県域が確定した日は大きな節目であることから、令和4年度から令和8年度を県政150周年記念期間と位置づけまして、記念事業を実施しようとするものでございます。
〇飯澤匡委員 今、紹介があったように、岩手県の歩みということで、政策企画部が所管している岩手県のホームページに、明治に入り、維新直後には岩手県の行政区画は目まぐるしく変わりましたが、最終的には明治9年─1876年5月に現在の県域が確定しました。岩手県誕生の記念すべき年ですと書いてあるわけです。
 誕生が明治9年です。これから4年後。さっき言ったように、私が住んでいる一関区域は、明治4年には岩手県に入ってないわけです。だから、そこで150周年を令和4年からスタートするというのは、私はいささか説明が足りないと思います。
 その4年間の事業は、これは債務負担行為にも似たような状況で、これ、知事の任期もまたぐわけです。これは、どういう事業をやるのか。この4年間の中に、どういう歴史認識の中で岩手県を説明するかというのが問題なのです。当時の薩長政府によって、私たちが住んでいた磐井県は、陸前と陸中に分断されて編入されたという歴史があるけれども、その4年間で確かな自治があって今の岩手県が誕生した。また、後に、青森県の二戸郡も一緒になった。ここで本当の岩手県というのが確定したわけで、そうした歴史事実をしっかり踏まえた上でやっていかなければだめだと思うのですが、その点についてはどういう事業を展開するのか、明確に示してください。
〇大越ふるさと振興企画室企画課長 事業期間と内容についてでございますけれども、まず岩手県という名称が使用されてから本年で150周年、それから、現在の県域が確定してから、令和8年に150周年を迎えることで、令和4年度から令和8年度までを県政150周年記念期間と位置づけまして、記念事業を実施するものでございます。
 記念事業の実施に当たりましては、名称150周年となる令和4年度から、PRツール作成、情報発信を開始いたしまして、令和8年度の県域確定150周年に、岩手県に住んでいる人たち全てが記念できるような150周年記念事業、例えば、記念式典、記念フォーラム等を展開していきたいと考えております。
 来年度は、県政や産業等の歴史等について特設ホームページやパネル等により紹介するとともに、県等が行う各事業、イベントに、県政150 周年記念の冠を付すなど、既存事業、イベントとも連携をしながら、PRを図ってまいりたいと思っております。
 また、令和5年度以降も、来年度に作成するPRツールを活用いたしまして、ミニ巡回展を実施するなど、令和8年度まで継続して情報発信を展開してまいります。
 また、県の取り組みとあわせまして、民間が主体となった取り組みにも期待をしているところでございます。
 各年度の具体的な事業につきましては、経済、農林水産、教育、医療福祉、報道、議会、行政等、県内の各界の方々に参画いただく実行委員会におきまして検討を行い、5年間の計画を作成をいたしまして、県民の皆様とともに、さまざまな取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 この4年間をどう捉えるかということが問題なのです。この特別委員会室に初代の議長の写真が出ているけれども、明治11年です。県議会もこの4年間の間に開会されてないのです。まだ設置されてない。
 だから、岩手県の歴史をきちんと後世に伝えるのはわかるけれども、しっかりとした歴史を、岩手県が確定したのは明治9年です。
 私が一番懸念するのは知事演述。知事演述の結びに、ことしで岩手県150周年を迎えましたと断言してしまっている。その前段で、皆さんが説明したように、恐らくあなた方が下書きを書いたのでしょう。知事の演述の前段で、令和8年には県境が確定したということは言っています。ところが、御丁寧なことに、結びにと、岩手県150周年になりましたとぴたっと断言してしまっているわけです。これはいささか問題だと思っています。
 ちょっとうがった見方をすると、この4年間、私は県南出身ですけれども、我々は編入された歴史を盛岡中心に書かれるのではないかと。今までも岩手県の博物館にしろ、ほとんど南部藩中心の品物をそろえて、こういう歴史があり、直近の例では、例の飲食店の協力金。あれについても盛岡市限定だと。これは大いに私たちの地域でも問題視されました。
 こういう歴史認識をしっかりした上でやっていかないと、私たちはちょっと我慢できないのです。説明が足りないと思うのです。知事が断言したということは、私は大変問題だと思っているのです。そこの中に思いやりだとか、こうして岩手県が形づくられましたという説明が後段の中にもあったら、100%納得はしないけれども、式典をやるのだったら、150周年というきちんと歴史の節目の中に岩手県という県境が形づけられたときに、私はやるべきだと、こういう考えです。
 それから、この際に申し上げますけれども、明治4年の盛岡県の規模は、確かに人口は6郡で31万9、000人余、それから、磐井県と気仙郡を合わせたこの4郡は20万7、000人。確かに10万人以上の開きはあるけれども、石高とすると、盛岡県は25万3、000石、磐井県は気仙郡と合わせて44万石あった。これだけの経済力の差があったのです。そういうこともあわせてやっていただきたい。
 宮城県の150周年とは違うのだから。岩手県としては、そこは丁寧にこの150周年についてはやるべきだと思うのですが、熊谷ふるさと振興部長いかがですか。
〇熊谷ふるさと振興部長 今、飯澤匡委員から御指摘ありましたが、要は、歴史認識を正しく県民に伝えていくということは、私たちも大事だと思っています。先ほど御答弁いただいた事実につきまして、広く県民に周知いたしまして、岩手県の成り立ちについて丁寧に説明してまいりたいと思っております。
 それもございますし、当時の盛岡県、水沢県の石高の規模の違いも承知しております。
 要は、この150周年の期間の捉え方のお話でございますが、岩手県の名称となってから100年ということで、昭和47年に県政100周年記念事業が行われております。この年─昭和47年の11月11日に、公会堂におきまして、関係者600人が参加して記念式典を行い、県民の歌の演奏とか、県政100年を振り返る朗読、100周年記念表彰などが行われておりまして、県政発展の礎となった先人の偉業、功労を忍ぶ行事を行っていると、これは事実として、名称変更の際にやっております。
 私どもは、今回のこの事業を考えるに当たって非常に悩みました。県域確定が起点でやはり150周年であろうと。ただ、100周年をやったという起点の部分が、そういう事実もあります。事実は事実として捉えなければならないと。県域確定の日が大事だというのは、県政功労の表彰式も、県域が確定した明治9年の5月25日、ここが今の岩手県の姿になった日ということで、この日が最も重要な日という認識のもとに、県政功労表彰を5月25日にやっております。
 そういったことを踏まえまして、それぞれの節目の令和4年度から令和8年度、これを150周年の記念というような形で設定して、スタートはいわゆる普及啓発を中心に行きまして、歴史認識等を周知し、岩手県を考え、今後の岩手県を考えてもらう期間として、意識を植えつける、考えてもらうという取り組みをやりまして、令和8年度に、先ほど企画課長が申し上げたとおり、そういった記念事業を実施したいと。徐々に盛り上げていきたいと、そういう考え方でございます。
〇飯澤匡委員 私も昭和47年の件を調べました。確かに100周年の記念式典をやっています。県議会の議論もどういうのがあったのかと思って調べてみましたら、余りなかったです。
 当時は、千田正知事で、県南出身の知事でしたから、岩手県のユナイトというか結合のために、御本人も盛岡藩士の末裔だということでいろいろな思いがあって、盛岡中心にやらなければ、100周年というのはあったし、県南出身だから、それなりの配慮はしたのだと、このように想像します。
 もう一つ、一関市の平成の合併で、なぜか10周年記念をやらなかったのです。これは、後年、藤沢町が4年おくれて編入したために、それをきちんと配慮したというのです。私は、知事の発言は重くて、結びにああいう断言したということは、非常に寂しいというか情けない話だと。このような配慮をして、演述の中にしっかりと歴史背景を言うのが当然だと思います。だから、私みたいに地域に矜持を持っている人たちからは、やっぱりかということが悪い意味で想像されてしまうということです。
 あと、もう一つ質問しますけれども、委員会か何かつくってこれからやるという話ではなかったですか。その点については、これからどうやるかというのは、たしか本会議の質問であったけれども、結局、何も考えてないということではないかと思うのだけど、いかがですか。
〇熊谷ふるさと振興部長 先ほど企画課長から御説明申し上げましたとおり、初年度はそういった150周年といういわゆる普及啓発、そういう部分の基本となるような、ホームページとか、動画とか、ポスターとか、そういうものをつくりながら、機運醸成を高める取り組みを行ってまいりたいと考えております。
 令和5年度以降につきましては、それらを使いまして県内各地で歴史を正しく伝える、岩手県を考えていただくような、そういうような巡回展等を行いまして、既存のイベント、全国植樹祭とか、さまざま全国イベント等もございますので、そういったところと併催でそういった事業も展開していきたいと思っております。詳細につきましては、これは民間の方々も一緒になって考えていただきたい、一緒に盛り上げていただきたいと思っておりますので、産業界とか、新聞社、銀行、スポーツ団体等で構成されます実行委員会を組織しまして、具体的な事業の中身につきまして、さまざま意見交換をしながら固めてまいりたいと思っております。
〇飯澤匡委員 何かおぼろげな構想の中でしか把握できないのだけど、時間がないので、私は知事の言葉にこだわるのだけど、熊谷ふるさと振興部長、明治9年に岩手県が形成されたと、あなたはこういう認識でいるということでよろしいですか。
〇熊谷ふるさと振興部長 私は、先ほど申しましたとおり、県域確定の日が、今の岩手県の姿になったという日でございますので、こぞって150周年というような形で考える上では、最も重要な日と思っております。
 事業の仕掛けも、そういうような仕掛けで150周年を考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 しつこいようですけれども、あの演述については、その結びにと断定した部分はあなた方で整理されたのですか。
〇熊谷ふるさと振興部長 知事の演述につきましては、次年度の施策の展開として、所信を表明するものでございます。政策担当部と知事のところで作成しておりますが、私どもは、次年度における重点事項とか、重点的な予算、そういったものの材料を出しているところでございます。
〇飯澤匡委員 わかりました。では、私は熊谷ふるさと振興部長の言葉を信じましょう。知事の歴史認識が甘かったと、これだけは言っておきます。やはりリーダーとなるべき人は、岩手県の形成というその歴史をしっかりと捉えていろいろな事業を進めていかないと、いろいろな思いで、これからの地域振興はどうなるのだというのにも発展していくのです。あなた方のふるさと振興部の存在にかかわってくる。こういうことです。やはり歴史は大事だから、たった4年間ではあるけれども、何回も言いますけれども、磐井県は、そこに独立した自治があって、そこの中でやむを得ずこの岩手県になったという。だけど、先人はそれを乗り越えて、こうして立派な県になったと思っていて、常任委員会でも言ったけれども、他県で旧藩対立のような構図がまだ残っているところがあるけれども、岩手県はそれを乗り越えてやったという歴史は、素晴らしい歴史だと思います。だがゆえに、そこのところはしっかりと歴史に刻んでいかないとだめだと、そういう観点で質問をさせていただきました。
 いずれ、結論めいたものはそういうことにしますので、ここに来て、知事を呼べなどと言いません。どうせ満足な答えは返ってこないから。熊谷ふるさと振興部長の言葉を信用しましょう。
 しかし、年次ごとに4年間でやるというのだったら、しっかりとした計画を出すべきだと思います。ことしは370万円か、どれぐらいの予算規模になるのか。最後、それだけ、全体的にどれぐらいの概算を4年間で見積もっているのか、その点ぐらいの腹づもりはあるでしょうから、お答えください。
〇熊谷ふるさと振興部長 いずれ、4カ年分の具体的な事業計画につきましては、これからでございます。初年度370万円でスタートいたします。来年度、要は、どこまでお金をかけるかという部分、基盤をつくりますので、余りお金のかからないような形になるかもしれませんし、例えば、民間とこういう盛り上げ方をしていきましょうということになると、また、それなりにかかってくるかもしれません。
 ただ、最終年度はそういった記念式典というような形になりますので、一定程度の予算は必要と思っております。具体的な金額については、ちょっと御容赦いただければと思います。
〇ハクセル美穂子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇ハクセル美穂子副委員長 質疑がないようでありますので、これでふるさと振興部関係の質疑を終わります。
 ふるさと振興部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、ILC推進局長にILC推進局関係の説明を求めます。
〇高橋ILC推進局長 令和4年度のILC推進局関係の歳出予算について、説明申し上げます。
 初めに、ILC推進局の予算編成に当たっての基本的な考え方について説明いたします。
 国際プロジェクトILC計画については、昨年6月に、世界の研究者によるILC国際推進チームがILC準備研究所提案書を公表し、7月に再開された文部科学省のILCに関する有識者会議では、この提案書等の内容や研究者との意見交換、国際動向等を踏まえて、現時点においては、ILC準備研究所にこだわるのではなく、国際協力による加速器の技術開発を段階的に展開していくことや関係国政府関係者が議論できる環境の醸成などについて意見が交わされ、この2月、見解を取りまとめました。
 この見解を受けて、高エネルギー加速器研究機構は、関係国の研究機関が連携し、準備研究所にかわる枠組みを構築するなどの上、重要な技術開発とILC実現に向けた国際的な機運の醸成を図り、国内でも基礎科学分野の世界的な研究所を設けることの意義などについて理解促進の活動を強化していくとしています。
 ILCの実現には、必要な技術開発の進展とともに、その学術的意義や多様な効果を念頭に社会全体、政府全体で取り組み、日本政府が機を逃さず決定することが必要です。
 県としては、引き続き、研究者の活動を支援し、関係団体と連携して政府主導による国際的な議論の推進と省庁横断の連携体制の強化を国に働きかけながら、建設候補地として必要な調査検討や環境整備に向けた取り組み、県内企業の加速器関連産業への参入促進、グリーンILCの理解促進など、ILCによる地域振興ビジョンに基づいて、ILCプロジェクトを推進し、ILCの実現に取り組みます。
 次に、歳出予算について説明いたします。
 お手元の議案書その2の6ページをお開き願います。ILC推進局関係の予算は、2款総務費のうち2項企画費の一部2億4、000万円余であります。これを前年度の予算額と比較いたしますと、670万円余、約2.7%の減となっており、これは管理運営費の人件費及び事務費の減額によるものであります。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載のとおりであり、説明を省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で、説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇ハクセル美穂子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木朋和委員 質問させていただきます。
 2月25日にKEK(大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構)、ILC推進準備室は、第2期有識者会議のまとめを受けて、KEKは、CERNにおけるFCCに関するフィージビリティ・スタディの進捗も視野に入れつつ、国内外の研究者コミュニティーとともに、ICFAでの意見交換等を通してヒッグスファクトリー実現に向けての世界的な研究戦略再構築に関する検討を進めますと、このようなコメントを発表しております。
 これは、有識者会議がまとめたまとめの部分の昨今の関係国の厳しい財政事情等も踏まえれば、ILC計画の進め方について、提案研究者コミュニティーを中心に再検討する時期に来ているということです。この再検討に当たっては、ILC計画のみに閉じた議論ではなく、現在進められているFCCのフィージビリティ・スタディの検討状況等も視野に入れながら、どのような素粒子物理学、加速器科学の分野の将来像を描き、サイエンスを継続的に発展させていくのか、ILC、FCCも含めてヒッグスファクトリーに関する国際的な研究開発戦略を中長期的な時間軸でどのように再構築していくのか、その戦略の核心を成す課題は何かといったこともあわせて幅広く検討、整理していくことが必要となっていると考えられると。この部分にかかってくるのだろうと思っております。
 そういった中で、この研究戦略再構築の検討というのは、どのくらいの期間をもって行われるものなのか。また、この検討内容についてはどのようなものなのか。これまで、ILCは、このある一定期間、また、線形加速器として、また、大型加速器の中で最も実現性の高い施設として、研究者の中で支持を得て、最優先のものとして捉えられてきましたけれども、今後、この検討の中で、もっと先の部分も含めた将来的な加速器となると、さまざまな加速器があると思うのですけれども、線形だけではなく、円形も含めて、そういった優先度や各施設の位置づけについて再検討をされるものなのか。この点についての分析を伺いたいと思います。
〇高橋副局長兼事業推進課総括課長 今お話ありましたKEKのILCの進め方において、国際将来加速器委員会─ICFAでの意見交換等を通して、ヒッグスファクトリー実現に向けての世界的な研究戦略に関する再構築について検討を進めるとしておりますけれども、その検討期間や内容については、具体的な言及は今のところございません。
 そういう言及はありませんけれども、ILC準備研究所にかわる枠組みを構築し、加速器の開発研究と並行して進めるとしております。
 なお、KEKからは、FCCとILCとでは、技術的段階、実現可能性の段階、想定されるスケジュールが違っており、どちらかを選択するという単純な議論でもないといったような話を伺っております。
〇佐々木朋和委員 FCCについて、今、少しお話がありましたけれども、なかなか聞きなれないフィージビリティ・スタディが開始したということなのですけれども、一体これはどういったような進捗なのか、ILC計画との進捗と比べてどのような状況にあるのか、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。
〇高橋副局長兼事業推進課総括課長 FCCですけれども、ヨーロッパでは、2020年6月に更新されました欧州素粒子物理戦略では、将来の加速器として、周長約100キロメートルの円形の加速器FCCということで、まだ構想の段階ですので、技術的に成立するか、財政的な問題、そういったフィージビリティ・スタディ、要は実行可能性調査をするとなっておりまして、これについての有識者会議の説明では、2027年に予定されている欧州素粒子物理戦略の次の更新に向けて、その調査自体は2025年までにその報告書がまとめられるといった説明がされています。
 一方ILCは、2005年から国際共同設計チームが活動を始めて、全長約20キロメートルに計画を見直した技術設計書を2017年に完成し、ICFAで承認されておりまして、その技術的な検討、準備は進んでいるものです。
〇佐々木朋和委員 今、その御説明をいただきました。一方で、この検討内容については、まだ明らかにされていないということでありましたけれども、このFCCのフィージビリティ・スタディの開始等も踏まえてということは、時間軸について、2025年に一度まとめられるとか、ILCの検討とともに、世界の学者方のコミュニティーの中でそういったスパンでこの検討もされていくということなのでしょうか。今、特出しをして、ILCについても検討されていくということなのでしょうか。
〇高橋副局長兼事業推進課総括課長 議論については、まずKEKが主導して、ICFAに提案して、世界の中でやっていきたいということになっています。
 もう一方では、文部科学省の有識者会議でも、2025年のフィージビリティ・スタディの調査という話は出ています。実際にそこまでが一つの区切りだとか、そういった明確な議論になっているものではないと承知しています。
〇佐々木朋和委員 いずれ、報道では時期尚早という言葉だけが踊って、中身の検討が県民の中にも一般的にはなかなか浸透していないのではないかなと思っております。技術的なところはILC準備室をつくらない中で、別な枠組みの中で進んでいくわけですけれども、今回、文部科学省の有識者会議のまとめによって、ボールがまた科学者コミュニティーに投げられたのかなという印象も受けます。そうしたら、科学者コミュニティーの中で、一回もんで、もう一回再チャレンジということなのかなと思うのですけれども、そこら辺の進捗というか今後の流れ、また期間を県民にもわかりやすく提示をしていただけるように、学者の皆さんと協議を行い、発表していただきたいと思います。
 また、もう一つ、初めての日本の中でも、国際的なプロジェクトということで、合意形成プロセスをどういうふうにしていけばいいのだというのが、文部科学省の見解と科学者たちとの見解とがなかなかかみ合わない中で、今回このまとめの中で、合意形成のプロセスとしてITER計画を参考にすべきと例示がありました。これはどのような合意形成プロセスだったのか伺いたいと思います。
〇高橋副局長兼事業推進課総括課長 ITER計画は、1985年─昭和60年に、米ソ首脳会談で核融合の国際協力が話し合われたことをきっかけにスタートして、アメリカ、ソ連のほか、日本、EUの4極の国際協力プロジェクトとして、1988年から概念設計活動、1992年から政府間協定に基づく工学設計活動が行われて、2001年─平成13年7月に最終設計報告書が完成しています。
 その後、同じ年の11月から、参加国により、ITER機構設立や建設場所選定等に向けた政府間協議が開始されて、2005年─平成17年に建設場所がフランスに決定し、翌2006年に、ITER機構設立の協定が締結されていますので、設計報告書ができてから、機構とか場所の選定のプロセスだったということです。
〇佐々木朋和委員 まずは計画を煮詰めて、場所はその後でということなのでしょうか。
 岩盤的にはここだと言われているものなので、こういった指摘もなかなか当たらないのかなと思います。いずれ、こういったような重要な局面にあっては、文部科学省からのメッセージがあり、経済界からのメッセージがありなのですけれども、県も、相手があることなので、どこまで言ったらいいのかというのはあるのかもしれないですけれども、ぜひ、現状を県民にわかりやすく伝えて、また、前進しただけではなくて、今後の方向性というか、次はどういうようなステップに入ったのだというような具体的なところを示しながら、期間も区切りながら、県民に説明していくべきだと思います。
 最後に高橋ILC推進局長の答弁をいただいて、終わりたいと思います。
〇高橋ILC推進局長 日本政府が決定の前提としている国際的な話し合いがうまく進んでいないというところで、そのままではとまってしまいますので、この有識者会議では、逆に、研究者側に、それでは進め方を少し見直して、先ほど答弁したような形で進めていくということがKEKから公表されたと受けとめております。
 有識者会議では、また、別に、関係国の政府関係者が、各国内で適正な手続を経つつ、それぞれの事情を共有しながら議論できる環境の醸成ということも申しています。
 これというのは、今まで研究者で議論を進めてきたのですけれども、それを今度実現に向けて、政府レベルで、あるいは政府間で議論していくようにつなげていくために、政府というか、行政的な進め方と平仄を合わせるようなことを考えてはどうかという示唆かと思っております。
 令和4年2月16日には、超党派国会議連が開催されておりまして、その中で出席された議員から、今後、ILCを進めるためにボトムアップならどのような方法で予算がつくのか、行政には手続を明示する必要があるといった指摘もありました。
 これに対して文部科学省は、先ほど申したITERのプロセスなども紹介しまして、有識者会議でも議論があったので、今後、研究者コミュニティーと進めていく参考にすると発言しておりまして、そういったことが日本政府として、ILC計画を推進する流れにならないか私どもも注目しています。
 今後は、超党派国会議員連盟からも助言等をいただきながら、文部科学省とも積極的に意見交換を進めまして、建設候補地から政府へのアプローチについて、関係者とよく相談して、具体的なアクションにつなげていく中で、そういった見通しについても、県民の皆様にわかりやすくお伝えできるように努めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 今の佐々木朋和委員の質問とも少し重複するところはありますけれども、論理の関係上、改めてお聞きします。
 ILCに関する有識者会議の第2期の議論のまとめが令和4年2月14日に公表されました。この議論のまとめのポイント、要点を正確に示してください。
〇高橋副局長兼事業推進課総括課長 議論のまとめでは、ILC計画について、この3年間で一定の技術的な進展等は認められるものの、国際費用分担等、ILC計画の今後の見通しを明確にするような大きな進展は見られない。
 現時点においては、誘致に関する日本政府の関心表明を前提とし、かつ提案された規模によるILC準備研究所段階への移行を支持できる状況にはなく、時期尚早であると言わざるを得ないとしています。
 その上で、素粒子物理学、加速器科学分野において、日本は世界に高いプレゼンスを有し、今後も世界をリードする研究成果を創出し、本分野を振興していくことを期待しということで、ILC計画の進め方について、研究者コミュニティーを中心に再検討していくことや、ILC準備研究所にこだわるのではなく、国際協力による加速器の技術開発を段階的に展開していくこと、関係国の政府関係者が議論できる環境を醸成することなどについての見解等を取りまとめております。
〇斉藤信委員 今の答弁にあるように、今後の見通しを明確にするような大きな進展は見られないというのが、大局的に見たら全体の評価だったのだと思います。
 その中で、付言では、日本が世界に高いプレゼンスを有する基礎科学分野は、今後も世界をリードする研究成果を創出しと、こういうことがあるのですが、一方でというところが大事なのですね。昨今の関係国の厳しい財政事情等も踏まえれば、ILCの計画の進め方について、提案研究者コミュニティーを中心に再検討する時期に来ているという、かなり重大な問題提起がされているのではないかと思います。
 例えば、この1年間で、文部科学省が、米国、フランス、ドイツ、イギリスとの意見交換をやりましたね。ここでも財政事情の問題が議論になったと。単純に言うと、やれやれということではなかったと私は受けとめているのだけれども、そういう点では全体としてそういう各国間の協議、協力体制はつくられていないということでよろしいですか。
〇高橋副局長兼事業推進課総括課長 各国とも、今は日本もそうですけれども、研究者の段階の検討、それから、費用分担に関することで、日本も各国とも、それをもって国との協議が体制が必要だということで、その政府間の意見交換等は10月にもちろん実施されていますし、その中で、今回のまとめを受けて、また、今後とも情報提供をして意見交換するといったところの話ができていますので、政府間同士のやりとりはできています。
 ただ、自分の国を研究者と国の間のところをもうちょっと各国ともやってもらって、政府間の交渉のときに、具体的な話ができるようにというところが期待されていると受けとめています。
〇斉藤信委員 先ほども議論はありましたけれども。再検討する時期に来ていると。再検討に当たっては、ここで議論になったFCCの検討状況も視野に入れながらいうことなのですね。
 だから、提起されている再検討の中身を改めて正確にお聞きします。
〇高橋副局長兼事業推進課総括課長 再検討、そのまとめの中では、ILC計画のみに閉じた議論ではなく、現在、欧州で進められている次世代円形衝突型加速器―FCCの検討状況等も視野に入れながら、どのように素粒子物理学、加速器科学の分野の将来像を描き、サイエンスを継続的に発展させていくのか。ILC、FCCを含めたヒッグスファクトリーに関する国際的な研究開発戦略をどのように再構築していくのか、その戦略の核心を成す課題は何かといったこととあわせて幅広く検討、整理しながら、関係国の研究機関の連携を強化して、段階的に研究開発を進めていくべきという話になっております。
〇斉藤信委員 提起された再検討の中身は、かなり大きな、また、重い課題ではないかと私は受けとめております。
 いずれにしても、ILCは国家プロジェクトで、一つは国内での科学者間、国民との間の合意形成もまだ十分ではないのだと思うのです。もう一つは、国際的な協議、協力の体制。だから、全体として大きな進展が見られないという評価になったのではないかと思います。
 私は、国家プロジェクトとして、国民的な合意をつくっていく上で、全国知事会の果たす役割は大きいのではないかと思います。全国知事会は、この間、このILCの計画についてどう議論され、政府に対してどういう提案をしているのでしょうか。
〇高橋副局長兼事業推進課総括課長 全国知事会ですが、平成29年度に本県で開催された全国知事会において、国際科学技術研究拠点の形成、新たな産業集積圏域の創設など、科学技術の振興に関する要望が取りまとめられまして、以降、毎年度、国へ全国知事会として要望しております。
 今年度、全国知事会に対して、ILC計画の実現に向けた国の積極的な対応を盛り込むよう、本県から働きかけまして、これまで個別の事案は盛り込まないということで調整されてきたと伺っていますけれども、ILCについては、全国都道府県議会議長会の要望がありますし、それから、復興庁の期間延長の際の衆参両院の付帯決議にILCが盛り込まれたといったようなことも説明して、国家プロジェクトであることでの実現に向けた対応を要望するものだということで御理解いただきまして、今年度、国への提案、要望にILCが具体的に盛り込まれました。
 今年度は、要請活動はオンラインという形にはなっていますけれども、県としては、引き続き、全国の知事に理解をいただいて、一体となってILCの実現に取り組んでまいりたいと思っています。
〇斉藤信委員 岩手県で開催された全国知事会を契機に、科学技術に関する要望を行って、来年度への要望でついに国際リニアコライダー―ILCと明記をされたと。これは一歩前進だと思います。
 ただ、全国的な議論というか、国民的な議論はまだまだ東北地方、北海道から域を出てないのではないか。そういう点で、これは日本の財政のあり方も絡む問題です。そういう意味で、しっかり国民的な合意形成、議論を展開していくことが必要なのではないかと。それを土台にして、国際的な協力関係、これも私は、ITERの時代と違って、新型コロナウイルス感染症があり、ロシアによるウクライナの侵略があって、世界情勢は本当に複雑、そして、財政的には厳しい、そういう局面を迎えているのではないか。
 そういう点では、少し中長期的に構えた粘り強い取り組みも必要なのではないかと考えますが、高橋ILC推進局長いかがですか。
〇高橋ILC推進局長 ILC誘致の実現に向けては、委員御指摘のとおり、建設候補地近傍だけにとどまらず、全国的な理解、あるいは推進の連携が必要と考えております。
 経済界等においては、東北経済連合会が、隣接の経済界と広域での共同要望などを実施するといったようなことも加えて、地元から日本商工会議所等への働きかけが積極的に進められておりまして、理解もいただき、例えば、昨日、政府主催で開催されました、新しい資本主義実現会議では、有識者構成員の日本商工会議所の三村明夫会頭が、国際リニアコライダー誘致への取り組みについてということで、資料提供と発言をなさったと聞いております。また、そのほかにも、各界の著名人等によるILC100人委員会の活動とか、ILCサポーターズの力添えもあります。
 研究者コミュニティーでは、現在、訪問活動等による国内大学の理解を広げておりまして、県も、先ほど申したとおり、全国知事会等への働きかけを進めているといったところです。
 県としましては、こういった関係者と連携を深めながら、建設候補地ということでの役割を近傍の関係の自治体と一緒に担っていくのだということが重要と考えておりまして、新体制となります超党派国会議連の今後の活動方針等についても、適宜、情報をいただき、また、アドバイス等をいただきながら、全国的な機運の醸成につなげてまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇ハクセル美穂子副委員長 質疑がないようでありますので、これでILC推進局関係の質疑を終わります。
ILC推進局の皆さんは御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後4時14分 休 憩
午後4時32分再開
〇軽石義則委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇森下警察本部長 令和4年度の警察本部関係の予算について、御説明を申し上げます。
 初めに、令和3年度における警察業務の推進状況について御説明を申し上げます。
 県警察本部は、令和3年度の基本姿勢に、県民の期待と信頼に応える力強い警察を掲げ、東日本大震災津波における行方不明者の捜索活動を真摯に行ってきたほか、被災地域のパトロール、巡回連絡など、被災された方々の心に寄り添う活動を推進するとともに、次世代を担う子供や女性、高齢者が犯罪の被害に遭わないための活動を推進するなど、県民の安全、安心の確保に努めてきたところであります。
 県内の治安情勢を顧みますと、刑法犯認知件数は減少しているものの、殺人や強盗等の凶悪事件が発生しているほか、特殊詐欺被害は認知件数、被害額ともに減少はしておりますが、依然として高齢者の被害割合が高水準で推移するなど、厳しい状況が続いております。
 また、交通事故につきましては、発生件数及び死傷者数とも減少傾向にあり、死傷者は35人と記録が残る昭和23年以降最少となりましたが、死者の半数以上を高齢者の方々が占めており、なお憂慮すべき状況にあります。
 こうした情勢を踏まえ、県警察本部では、令和4年度の基本姿勢を、昨年に引き続き、県民の期待と信頼に応える力強い警察とするとともに、活動重点として、被災者に寄り添う警察活動の推進、子供、女性、高齢者の安全を確保するための活動の推進、悪質、重要犯罪の徹底検挙、安全意識を高める目立つ街頭活動及び交通指導取り締まりの推進、官民一体となったテロ対策の推進及び災害等への対処能力の向上、サイバー空間の安全の確保の6項目を掲げ、各種施策を着実に推進することにより、県民が安全、安心を実感できる地域社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
 それでは、令和4年度岩手県一般会計予算のうち警察本部関係の歳出予算について御説明を申し上げます。
 お手元の議案その2の8ページをお開き願います。警察本部が所管します予算は、9款警察費287億2、260万円余であります。これを令和3年度当初予算と比較しますと、19億2、500万円余、率にいたしまして6.3%の減少となっております。減額の主な原因は、久慈警察署等の移転新築に係る警察署庁舎整備事業費の減額によるものであります。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載されておりますので、説明は省略させていただきます。この点につき御了承願います。
 以上で、警察本部関係の予算について説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇軽石義則委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 簡潔にお伺いしたいと思います。
 交通安全施設整備費についてお伺いしたいと思います。本年も8億3、300万円余の予算の計上になっておりますけれども、これまで、さまざまな交通安全施設については、各市町村から要望が上がってくる中で、しかしながら、それぞれの市町村においては、自分たちが望むような形になかなかならないといったような形の受けとめ方をされているのではないかと感じております。
 もちろんそれは各市町村においても、それぞれ数十件ほど要望が挙がっている中で、優先順位をつけながら、そして、それを県警察本部と協議しながら、またさらに絞り込まれていって落ち着くといったような流れになっているということで、私は理解をしているつもりであります。しかしながら、その部分がなかなか見えない。それぞれの市町村が全部優先にしてあるといったような話をすると、何でうちのところにつかないのだろうといったような考え方が、それぞれの市民とか県民の中に広がっていくという中にあって、どのような形で優先基準をつくっているのか、それを要望からどのような形にくみ上げていくか、そのシステムの部分の考え方をお伺いしたいと思います。
〇田村交通部長 交通安全施設整備の流れについてでありますが、管轄警察署において地域住民、自治体等からの要望の把握、道路形状、交通量、交通流、周辺施設の状況、交通事故の発生状況等から、設置の必要性を検討した上で、道路管理者や地域の代表者、交通安全関係者等で構成する交通規制対策協議会に諮った後、県警察本部に上申する流れとなっております。
 上申を受けた県警察本部では、各所から上がってきておりますので、さらに、全県的な時点でいつの時点で交通安全施設の整備によらなければその場所の交通の安全と円滑を確保することができないかなどを検討し、その後に、公安委員会の意思決定を受けて整備することとしております。
〇郷右近浩委員 大体の認識としては理解したつもりでありますが、そうしますと、新しくできた道路であったり、または、交差点であったり、そうしたところは、それまで事故はもちろん起きてないところでも新しく道が発生して、そこで何か危険性というものに対しての地域の方々の認識は、なかなか組み入れられないということですね。
 そこの部分は、その道路を設置するときに設置者との協議の中で、これが必要なのかどうかというような、道路が設置されたと同時にすぐにつけなければいけないのかどうか、県警察本部の中で、そうした判断をしていると思いますが、そのような認識で構わないのでしょうか。
〇田村交通部長 今、委員御指摘のとおり、実際に走ってみないとわからない部分があるのですけれども、事前に地域住民の皆さんからお聞きしたこと、それから、道路管理者との打ち合わせによって危険性をおおむね判断しまして、交通規制を実施しているところでありますが、一番は地域に住んでいる方々の御意見が非常に参考になってくると思いますので、その辺は今後も継続して、連携を取りながら、意見を聞きながら、適正な交通規制の実施に努めていきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 これは、私の住んでいる奥州市や金ケ崎町で、この間、産業道路であったり、さらには、橋ができたりといったような中で、その先の新しく出現した交差点を、地域の方々が、当初から怖い感じがすると。もちろん見なれない新しい道路だからこそ悩ましい部分はあるのですけれども、しかしながら、できる前からの怖いといったような感覚はおおむね当たっていて、そこではやはり事故が起きたりするということで、金ケ崎町の道路についても、数度、物損等の事故があったり、また、さらには、奥州市においても、橋の先のところで人身事故で言えば5件ですけれども、物損で言えばもっとさらに起きているといったような状況になっていると。そうしたところについてはしっかりと対応していっていただきたいと思います。
 また、さらに、今回、この交通安全施設整備費の中で、信号機がどんどんLED化されていると感じております。ただ、LED化されていくのはいいのですけれども、せっかくの古い信号機を捨てないで、ある程度要望があるところに回すというか、どれを回すかという話はあるかもしれませんけれども、そうしたような予算の振り向け等ができれば、もっと要望が出されている場所とか、さらには、県警察本部として判断する部分につけていくような形等もとれるかとも思いますが、古い信号機を更新していかなければいけないという形で、今現在、進めているものなのか。また、さらには、そこの部分は、古い信号機はもう使わないというような方針で進めているものなのか、お答えできればお伺いしたいと思います。
〇佐藤交通規制課長 ただいまの信号機を新しいものにかえたというような更新したものについて、使えるものについては、そのとおり使っていくということで、全てを廃棄しているものではございません。しかし、更新するものはやはりそれなりに年数がたっておりますから、更新基準を過ぎているもの、故障しやすいもの、こういったところは見ながら整備していくことにしております。
〇郷右近浩委員 信号機や横断歩道、もともとのことを言うと、歩道整備であったりと、現在の交通事故から、地域の子供たち、高齢者の方々、住民皆様方の安全を守るといったような施設の整備は非常に大切だと思います。ぜひ、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 また、先ほど警察本部長からもお話ありました、殺人や強奪事件はまだあるといったような認識のお話をいただきました。奥州市においても、最近いろいろあったところでありますけれども、この間、私たち子供のときより、そうしたような事件が非常に多く見られると。私たちが子供のころは、特にテレビの中で、都会のほうでたまに起きる、そうしたようなものだったという認識でありますけれども、それがこの岩手県でも起きるといったような部分について、非常に怖さというか身近なものであるといったような認識をしております。
 そうしたことについて、最近、暴力団みたいな方々は大分減ってきたのかという認識を持っているわけでありますけれども、違う意味でのさまざまな形でのそのような事案等に対して、刑事部長がこれまで感じている中で、どのようにしてこれからまたさらにこれを減らしていくように、刑事部長の御経験も含めてお話をいただければと思います。
〇吉田刑事部長 犯罪の発生の傾向を最初に申し上げておきますと、刑法犯認知件数、いわゆる犯罪自体の発生件数は、岩手県の場合、平成9年をピークとして、その後減少傾向を続けております。今は、数的な減少はずっと続けておりまして、1年間の発生の件数は、ピーク時のおおむね6分の1ぐらいのイメージでございます。
 しかしながら、先ほど御質問いただきましたように、報道される内容、犯罪の傾向として、凶悪性が増しているとか、あるいは子供が被害に遭うというような事案も非常に増えてきております。増えているという表現は適切か、目立っているというのが実態かと思いますけれども、こういった事案、それから、高齢者の方の被害が多いのが特殊詐欺でございまして、これは逆に横ばい、全国的にはことしはリバウンドして上昇しているという傾向がございます。
 こうした新たな犯罪、新たな犯行の手口というものもしっかりと把握すること、分析をすることも大事でありますし、あるいは、先ほど御質問の一部にもございましたけれども、組織的な犯罪も考えていかなくてはならないと思っております。
 そういった観点で、適切にその現状を把握しながら、警察だけで犯罪の抑止は難しいかと思いますので、関係機関の御協力を賜りながら、そういった先制的な警察活動、対策を推進しつつ、発生するものについてはことごとく検挙をする。ことごとく検挙することによって、それが、また、次の犯罪を抑止する力にもなるのではないかと考えておりますので、そういった観点で、犯罪捜査と防犯を連携させながら推進することが重要であると考えております。
〇郷右近浩委員 先ほど、警察本部長の話を引き合いに出させていただきました。殺人であったり、強奪、それ以外にも、もちろん詐欺事案であったり、そうした事案がある中で、本当に刑事畑をずっと歩んでこられた吉田刑事部長のお話をいただいたところであります。どうもありがとうございます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
〇吉田敬子委員 山岳遭難の対応についてお伺いいたします。登山人気を背景に、遭難件数はこの20年で3倍に増えており、全国で年に300人ほどが亡くなっていると伺っております。また、最近では新型コロナウイルス感染症の影響によって、若い層の方々も、今まで登山していない方が低い山であっても、軽装等で山に登って、そういったいろいろな課題が出ていると認識しております。
 まずは、本県において、山岳遭難事案の発生状況についてお伺いいたします。遭難者数、その後の救出状況、亡くなられたとか負傷されている方もおりますけれども、そういったことの推移、そして、どのような目的、これは登山以外のものもあると伺っておりますけれども、その目的での遭難状況についてお伺いいたします。
〇玉澤生活安全部長 県内における山岳遭難事案の発生状況についてでありますが、令和3年中は、山岳遭難が40件発生し、51人が遭難しています。過去5年間では、毎年相談件数が40件前後、遭難者数が50人前後で推移しております。令和3年中の遭難者のうち、死亡された方が6人、負傷された方が19人、無事救助された方が26人となっています。
 令和2年と比較しまして、遭難件数は1件増加、遭難者は7人増加しています。目的別では、山菜採りが13件、登山が12件、作業中が6件、キノコ採りが5件、スキー等を含みますその他が4件となっております。
〇吉田敬子委員 本県においても増加傾向にあるということでありました。
 山岳遭難発生時の遭難救助の流れについては、警察、消防と民間組織等とやられていると伺っております。そこで、遭難者を早期に発見する取り組みについてお伺いいたします。救助体制の整備の状況についてお伺いいたします。
 また、今年度に入って、全国で初めて北海道でドローンを活用した訓練をされたということを報道で伺っておりましたけれども、本県での捜索用ドローンの導入状況についてお伺いいたします。
 あわせて、先ほど人数、件数等についてお伺いいたしましたけれども、本県内で発生する山岳遭難の特徴は、私も資料をいただきまして、特に70代が多いという状況で、60代も80代も多いと思っておりましたけれども、高齢者が多いと伺っておりますけれども、どのような啓発活動を行っているかお伺いいたします。
〇玉澤生活安全部長 遭難者を早期に発見する取り組みについてでありますが、県警察本部に29人体制の岩手県警察山岳遭難救助隊を組織して、関係機関、団体と連携した捜索活動を行っております。
 また、本年1月に、捜索用ドローン1機を整備しまして、危険箇所の捜索や、地上部隊との連携による早期発見に活用する方針であります。
 次に、県内の遭難者の特徴についてでありますが、御指摘にありましたとおり、高齢者の遭難が多く、令和3年中は、約57%を65歳以上が占めております。このことから、交番、駐在所が発行するミニ広報紙による季節ごとの広報、啓発を初め、各種媒体を活用した広報活動等により注意を呼びかけております。
〇吉田敬子委員 山岳遭難救助隊を組織していたほかに、ことし1月になって初めて、本県でもドローン1機を整備されたということで、大変期待しているところであります。もちろん今はまずは山岳救助のほうでやっていっていただくというところであるとは思うのですけれども、山岳救助以外の活用として、災害発生時の情報収集、また、密漁の捜査、産業廃棄物等の不法投棄なども考えられると思っております。
 この広い県土において、警察の機動性を一層高めるため、県内16警察署にある配備の今後ですけれども、今、1機導入されたということで、実績等も踏まえながらだとは思いますが、配備の考え方についてお伺いいたしたいと思います。
〇玉澤生活安全部長 ドローンの配備につきましては、先ほど申し上げたとおり、1月に1機を整備して、これから活用するというところで、まだ実績はございません。けれども、岩手日報に掲載されました岩泉警察署と岩泉町役場が提携しまして、先ほど委員の御指摘あった目的のほかに、行方不明者の捜索とか、災害も含めてありとあらゆることに活用していこうということで、自治体と、本部ではないのですけれども警察署、そういったところの取り組みとかが、ほかの市町村とも、水面下ではございますが、人身安全少年課にちょっと力を傾けながら、お話をさせていただいているという実態にございます。
 それから、ドローンの各所への配備は、私も理想だと思いますけれども、まずはこの1機の活用状況を見ながら、そして、自治体との連携も見ながら、配備していければいいと思いますし、その点はいろいろな御意見をいただきながら、検討して考えていきたいと思います。
〇吉田敬子委員 山岳遭難の場合は、夜間は捜索できないわけですね。それにドローンを活用することで、夜間でも捜索しやすくなるということと、雪山だと天候不順のような場所であっても、ドローンであると入りやすいというような状況で、ドローンの活用は大変有効だと思っておりますので、配備したばかりですので、今後の活用をしっかりしていただきたいですし、ドローンを操縦する方の育成というか、人的資源も大事だと思っておりますので、それについても育成の財源確保についてもしっかり努めていただきたいと思っております。
 次に、登山届の提出についてお伺いいたしたいと思います。登山届は強制ではないのですけれども、提出率が低い状況にあります。いろいろな資料等を見ると、提出するのが面倒であるとか、そこまでの危険性を感じていない、登山届の提出自体を知らない人も中にはいるという状況だと伺っております。
 ただ、登山届は多分北アルプス等では、遭難防止条例によって専用の登山届の提出が義務化されているところもありますが、本県においてはそういったところが山としては一切ない現状ですが、先ほど来、山岳遭難に至った場合というか、できれば至らないことが一番ですけれども、登山届をまず出していくことが、万が一のためにも救出にもつながるということで、登山届の提出は大変重要だと思っております。
 県においての登山届の目的、提出方法についてお伺いいたしたいと思いますし、本県の遭難者のうち登山届を提出している割合について、どの程度と把握しているかをお伺いしたいと思います。
〇玉澤生活安全部長 登山届の目的及び届出の提出を受けている状況についてでありますが、山岳遭難や事故にあった場合の捜索救助活動等を効率的に行うため、警察を初め各自治体や山岳を管理する団体において、登山届の提出を呼びかけております。県警察本部ではホームページに、登山届の様式や提出方法について掲載しております。そして、メールやファクスあるいは郵送等で受け付けをしております。
 次に、県警察本部が受理した令和3年中の登山届でございますが、全部で301件となっております。平成3年中に遭難した40件のうち、警察に登山届が提出されていたのは2件、割合は5%となっております。
〇吉田敬子委員 本県においても5%ということで、やはり低いところだと思っております。登山届をまずは出していただくこと。ただ一方で、先ほどお話しさせていただいたとおり、手間があるわけで面倒だったりするところがあります。
 そこで、登山地図のGPSアプリのYAMAPをつくっている株式会社ヤマップという民間の企業があるのですけれども、これまで長野県、群馬県と登山届情報システムの活用に関する協定を締結しておりまして、これは、個人の登山者がヤマップで作成した登山届が、そのまま警察への正式な登山届として受理されるような仕組みになっておりまして、そのアプリをダウンロードしていただいて、それで、登山届をただ出すだけで、万が一のことがしっかり警察にもすぐつながるということで、大変有効なものだなと思っております。
 このYAMAPのユーザーも、全国で280万人がダウンロードされているという情報もいただいております。そういった意味では、本県においてもこういった企業等と連携することによって、警察、消防の皆さんの負担を少しでも軽減するという意味でも、こういった取り組みを本県でも導入していただくことを検討してはいかがかと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇玉澤生活安全部長 今、群馬県と長野県の事例をお話しいただきまして、そのとおり長野県、群馬県の状況等、あるいは民間企業との連携状況等の取り組み内容を把握させていただきまして、導入に向けて検討してまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 長野県や群馬県は北アルプスと大きい山があるような全国でも登山者の方には大変有名な人気のある場所であるから、率先して活用されていると思うのですけれども、岩手県もやはり登山者が多いですし、登山の人気もありまして、自然豊かな登山を岩手県で、観光も含めて楽しんでいただくためには、一方では、安全、安心をしっかり確保していきたいというところで、こういったところをしっかり取り組んでいただきたいと思っておりますし、検討していただけるということで、大変ありがたいと思っています。
 まずは、その啓発活動も含めて、登山者も、装備も含めてしっかり対応するよう取り組んでいただきたいですし、先ほどの説明で遭難者の目的別で、登山と山菜採りの方の割合も多いということですが、山菜採りの方は高齢者の方が多いというところで、そういった方に対する啓発普及というところが、課題なのかと思います。そうは言ってもそのアプリを導入したとしても、なかなかそれを活用できるところまではいかないので、そこについて、引き続き、今後しっかり取り組んでいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
〇岩城元委員 それでは、警察署庁舎整備事業費についてお伺いいたします。令和4年度2億4、400万円余が計上されております。治安基盤強化のため、老朽化した久慈警察署及び県北運転免許センターの移転新築整備ということになっておりますが、外見上、ほぼ完成しているように私は見受けるのですが、追加整備等があるのかお伺いいたします。
 また、このたびの新築移転整備に関して、設計で留意した点とか、新型コロナウイルス感染症に対応した対策等は取っているのかお伺いいたします。
〇長谷川警務部長 まず、整備状況でありますけれども、予定どおり今年度末で完成を予定しております。
 続きまして、現在新築中の久慈警察署等庁舎整備業におきまして、設計に留意した点についてでありますけれども、まず新型コロナウイルス感染症対策につきましては、多機能トイレ等の衛生器具を抗菌仕様としたほか、庁舎内の空気を清潔に保つための換気設備を設置する等をしております。
 また、バリアフリー等につきましては、県北運転免許センターの庁舎も併設し、多くの県民が利用する警察施設でありますことから、駐車場の一部を一般駐車場より幅の広い区画とし、駐車場から庁舎まで段差のない動線とするとともに、庁舎内部についても、段差のない通路、バリアフリー対応型エレベーターを設置したほか、外国語表記、あるいは絵文字を入れた案内表示の採用等、利便性にも配慮しております。
〇米沢参事兼会計課長 令和4年度における警察署庁舎整備事業の中の久慈警察署の分についてでございますけれども、久慈警察署の新築事業に伴いまして、令和4年度に新たに工事するということではございませんで、旧警察署庁舎の解体、解体に伴い、跡地を売却するための測量、不動産鑑定評価というようなことを令和4年度に予定しております。
〇岩城元委員 バリアフリー等も対応していただいて、ありがとうございます。現在は、たしか県北運転免許センターは2階ということで、エレベーターもついていますけれども、お年寄りとかにはちょっと不便だったと思います。
 それから、次です。令和3年3月に策定されております岩手県警察本部所管施設管理計画(個別施設計画)によれば、警察署については、紫波警察署、遠野警察署など、経年劣化及び設備の陳腐化などが懸念されておりと書いております。今後の計画的な整備が必要となると思いますが、整備計画についてお知らせください。
〇長谷川警務部長 警察署の今後の整備計画についてでありますが、経年による老朽度や狭隘度、また、事件や事故の発生状況の推移や、地域事情等を総合的に検討し、財政事情等を見きわめながら、県当局と協議して、計画的に整備を進めており、現在は、今、委員御指摘の老朽化、狭隘化が著しい紫波警察署と交通機動隊庁舎の一体整備のための準備を進めております。
〇岩城元委員 順次、整備をよろしくお願いしたいと思います。
 内閣府から公表された日本海溝、千島海溝沿いの最大クラスの津波による浸水想定によると、久慈市で16メートル、宮古市で29メートルなどとシミュレーションをされております。
 今後、大地震が起こり得るという視点から、県内各警察署の地震の対策、津波対策をお知らせください。
〇長谷川警務部長 初めに、県内各警察署庁舎の耐震性能についてでありますが、過去の耐震調査において、建築基準法上の耐震基準を満たしていなかった一関警察署庁舎については、平成10年度に耐震改修工事を施工しており、耐震性能に問題がある庁舎はございません。
 なお、平成14年10月に完成した盛岡東警察署庁舎には免震構造を導入しているほか、平成22年に新築した二戸警察署以降に整備した警察署庁舎については、建築強度を一般建築物の1.5倍の躯体構造とするなど、防災拠点としての性能の強化を図っております。
 次に津波対策についてでありますが、現在、市町村が公表しているハザードマップにおける、津波浸水区域に立地している警察署はないほか、新たに庁舎を新築する場合は、津波浸水区域外を選定することとしております。
 今後、市町村が公表するハザードマップに変更があった場合は、それを踏まえて対策を検討してまいります。また、万が一に備え、受電設備及び非常用発電設備を既に高所へ設置するなどしております。
〇岩城元委員 津波浸水想定区域には建ってないということですね。
 ちなみに、震災当時、私は消防団員だったのですが、なかなか警察官の方々が駆けつけられなくて、消防団が独自に避難誘導なり、交通誘導したということもございましたので、そういったこともないように、よろしくお願いしたいと思います。
 先ほど、移転元というか、現在建っている場所の売却のための不動産鑑定評価というお話がありましたので、その件を聞こうと思ったのですが、今後の一般的な利活用というのはこれからどうなっていくのか、一般的な部分でお知らせいただければと思います。
〇長谷川警務部長 跡地の利活用状況の一般的な状況についてでありますけれども、県が策定している県有未利用資産等活用・処分方針に基づきまして、まず利活用について、県の他部局に照会を行いまして、県の利活用の予定がない場合には、地域振興の観点から、地元市町村に有効活用されるように働きかけいたします。それでも活用希望がない場合は、財源確保の観点から、民間等へ売り払い処分をしているところでございます。
 なお、直近の令和3年度の実績につきましては、旧交通機動隊花北分駐隊及び旧交通機動隊水沢分駐隊の土地、建物、旧奥州警察署羽田駐在所の跡地を民間に売り払い処分しております。
〇岩城元委員 県民の財産ですので、有効に利用していただきたいと思います。
 このたび、久慈警察署が新築移転しまして、久慈地域の治安強化、住民の安心感は大変大きく、地元の交通安全協会、また、防犯協会から大変感謝されたということでございます。これをお伝えして、終わりたいと思います。以上です。
〇軽石義則委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇玉澤生活安全部長 訂正でございます。先ほど、吉田敬子委員から、令和3年中の遭難件数について御質問がありまして、正しくは、令和3年中と申し上げるべきところ、平成3年中と申し上げましたので、令和ということで訂正させていただきます。
〇千葉盛委員 大きく2点ほど質問をさせていただきます。
 まずは、ゲームセンターの立ち入り規制についてお伺いいたします。現在、岩手県のゲームセンターでは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例により、16歳未満の者を18時以降に客として店内に立ち入らせることを規制しておりますけれども、規制を遵守させるため、どのような対策が取られているのかお伺いします。
 また、風俗営業の許可が不要であるゲームコーナーでは、どのような対応がなされているのかお伺いいたします。
〇玉澤生活安全部長 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の規制を遵守させるための対策についてでありますが、営業の許可申請及び管理者に対する講習に際して、営業に伴う禁止事項等を説明し、関係法令を遵守するよう指導しているほか、警察職員による風営適正化法に基づくゲームセンターへの立ち入りを実施して、法律に基づく禁止法違反がないか確認し、営業者に規制遵守を指導しております。
 また、来店している少年に対しましても、声かけ等を実施しながら、不良行為があった場合は、少年補導を実施しております。
 営業の許可が不要なゲームコーナーでの対策ですが、管理者の協力を得ながら、通常のパトロール活動や少年補導活動等の各種警察活動を通じて、管理者への指導及び店舗における防犯少年の健全育成に努めております。
〇千葉盛委員 ゲームコーナーでも、声がけしているということなのですけれども、一応許可が不要なゲームコーナーとかゲームセンターも含めて、保護者同伴の場合、また、許可が不要なゲームコーナーと許可が必要なゲームセンターで何か違うものなのか、その辺をお伺いします。
〇玉澤生活安全部長 説明がちょっとうまくできないかもしれませんが、許可を出しているゲームセンターは、県内で54あるのですけれども、専ら高度なゲームが設置されています。
 一方、許可が要らないゲームコーナーは、例えばマッハランドがございますが、マッハランドの一区画はまさに許可の要らない、16歳以下の子供たちでも楽しめるような易しいゲームが設置されております。そういった区別になっております。
〇千葉盛委員 次の質問は移りますけれども、2016年に風営適正化法の改正で、保護者同伴であれば16歳未満でも夜10時までゲームセンターに在店が可能になりましたけれども、全国的にそういうふうに立ち入り規制が緩和、変更されている中で、岩手県では、いまだに変更されておりません。なぜ、岩手県では変更されないで、改正前のままなのかお伺いします。
〇玉澤生活安全部長 風営適正化法の改正に際して、立ち入り規制をなぜ変更しなかったのかについてでありますが、都道府県の条例において、必要な条件を満たせば立ち入らせることができることとされ、岩手県においても、午後6時から午後10時前の時間において、保護者同伴であれば、16歳未満の者をゲームセンター等に立ち入らせることができることとするかというところを、法改正に当たり、平成27年から平成28年にかけまして、県教育委員会等と協議を行っております。
 その中で、緩和することにより、現在の良好な環境が維持できないなどの年少者の健全育成の悪影響が懸念されるとの考えや、年少者の健全育成のあり方について保護者の考え方がさまざまあることなどの意見がありました。結果としまして、条例の改正は行うべきではないとの結論に至ったものと承知しております。
〇千葉盛委員 当時、そういう調査があったということで、私がインターネット等で見たのはちょっと違う調査結果だったのか、緩和に賛成の意見のほうが結構多かったのですけれども、今の言い方だと、確かにそうではない意見ももちろん同じくらいあったのですが。
 ただ、その中で、例えば宮城県は、夜8時までだったらいいよとか、青森県、秋田県は、夜10時までいいよとか、それぞれ緩和の時間帯も決めたとか、他県と比較して、岩手県はそういう意味ではそのまま厳しいままです。私は気仙郡、どちらかというと県境に住んでいまして、まだ岩手県という名称ができて150年たってないらしいのですけれども、お隣の宮城県はそうやって少し緩和しているのに、岩手県のほうが厳しいというのは、ちょっと魅力に欠けるのではないかと思います。最近、複合商業施設もふえていまして、家族連れは結構そういったところに行くのです。そうすると、宮城県のほうが多少緩和されていて、岩手県はちょっと厳しいのではないかという声もあるわけです。
 良好な環境が維持できないというのは、当時、どういう調査でそうなったのかはわからないのですけれども、そのために、ゲームセンターで補導とかいろいろしていて、保護者も同伴の場合の話ですので、そんなに厳しくしたままでなければ岩手県の方々はルールも守れないような方々なのかと、そういったところもどうかと思うのですけれども、今後、条例を改正していく方向性はあるのかお伺いいたします。
〇玉澤生活安全部長 まず、条例の改正についての基本的な考え方ですけれども、少年の健全育成及び善良な風俗と正常な風俗環境の保持のため、慎重に検討していくというものでございます。今、委員から御指摘があったことを踏まえれば、ゲームセンター等の実態をしっかり把握させていただいて、さまざまな意見も聞いて、適切に判断してまいりたいと思います。
〇千葉盛委員 わかりました。さまざまな意見を聞くということで、どういった調査方法があるのか私はわかりませんけれども、これまでゲームセンターを警察も動いて見てきて、いろいろ補導したとか何かしてきたのでしょうけれども、そんなに改善できないくらい良好な環境が失われるほどの状況なのか。保護者の意向は、2016年段階、2015年に調査したのかわからないですけれども、それから結構たっているわけなので、その辺をしっかりと調査していただきたいと思います。
 周りの県よりちょっと厳しいというよりは、同じくらいにしてもいいのではないのかという考え方を持っていますので、その辺をしっかりやっていただきたいのですけれども、もう一度お伺いいたします。
〇玉澤生活安全部長 先ほど、平成27年、平成28年で協議して、結論は改正に至らなかったということですが、私が資料を確認いたしましたら、当時の検討とすれば、県教育委員会を含め、それから、現在は54カ所ゲームセンターがあり、当時何カ所あったのかわからないのですが、全てではないのですが、ゲームセンターの方からの聞き取りなどもしていますし、それから、管轄するところのPTAにも御意見をいただいて、そして、判断したと承知しております。
 委員御指摘のとおり、当時から年数がたっておりますし、岩手県だけが緩和していないという状況を踏まえれば、今、御指摘いただいたところを踏まえて、判断させていただきたいと思います。
〇千葉盛委員 よろしくお願いします。
 次に、震災における行方不明者の捜索について伺います。東日本大震災津波から間もなく11年になりますが、県全体で1、110名の行方不明者がおり、47名の御遺体の身元の特定ができていない状況であります。
 海岸捜索相談会、ミトコンドリアDNA型鑑定などさまざまな方策で行方不明者の手がかりを見つけたとか、身元の特定を進めていることと思いますが、時間の経過とともに、成果を上げるには厳しい状況となってきていると思います。現状や課題をどのように捉え、今後、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇石川警備部長 まず、行方不明者の捜索等における現状についてでありますけれども、被災地の復興工事の進捗に伴いまして、海岸線等における捜索可能な場所は限られてきておりまして、また、捜索の参考となる情報も入手が少なくなるなど、捜索活動も年々困難になっていると認識しているところでございます。
 次に、今後の取り組みについてでありますけれども、今後とも、関係機関と連携しながら、行方不明者の御家族皆様の御要望を踏まえつつ、工事の進捗に伴い、新たに捜索可能となった場所などにおきまして、捜索活動を継続してまいります。
〇吉田刑事部長 身元の確認に関するところを、私から答弁させていただきます。東日本大震災津波身元不明者の身元特定の現状についてでございますけれども、震災発生当初と比較いたしまして、時間の経過に伴い、身元不明者を特定することが困難となってきていることは御指摘のとおりでございます。
 県警察本部では、これまで行ってまいりました各種身元特定のための活動に加えまして、新たに、令和3年度から、ミトコンドリアDNA型鑑定による身元特定に努めているところでございまして、これによりまして、お一人の身元を確認、特定することができたところでございます。
 今後の取り組みについてでございますけれども、これまで行ってまいりました相談会等、先ほど委員から御質問いただいた各種活動に加えまして、科学的根拠が得られる新たな鑑定技術を駆使するなどして、一日でも早く御遺体を遺族に引き渡せるように努めてまいります。
〇千葉盛委員 さまざま御尽力いただいて、本当に感謝だけなのですけれども、先日、宮城県では、行方不明者の捜索を海上保安部と合同で行い、海上では、海上保安部の巡視船や潜水士による捜索も行われているようであります。どうしても見つかっていない御家族は、いろいろなところを捜索してほしいという気持ちになるのですけれども、その中で、今後、岩手県の捜索のあり方として、宮城県のような合同捜索や海上での捜索なども含めて、どのような捜索を考えていくものなのかお伺いいたします。
〇石川警備部長 今後の捜索のあり方についてでございますけれども、県警察本部においても、海上保安庁や地元消防署と連携しまして、潜水活動を含む捜索活動を実施してきたところでございます。
 今後とも、海上保安庁を初め関係機関と連携をしながら、合同捜索を継続し、行方不明者御本人はもとより、一つでも多くの手がかりを発見してまいりたいと思っております。
〇千葉盛委員 被災地の姿も変わってきましたので、そのとおりなかなか厳しい状況、大変な作業だと思いますけれども、引き続き御尽力いただければと思います。
〇斉藤信委員 本会議でも取り上げたのですが、最初に、警察官の不祥事案についてですね。残念ながら、最近も重大な事案が発生しています。令和4年2月23日に、奥州署の特別公務員暴行陵虐の容疑で巡査部長が逮捕されています。これは大変重大な事件だと思いますけれども、発覚の経緯、事件の内容を示してください。
〇中屋敷参事官兼首席監察官 本件の発覚の経緯ですけれども、当該被害者である女性留置者が、被疑者となった勤務員とは別の勤務員に対して被害の申告をしたということであります。事案の内容ですけれども、奥州警察署留置施設の勤務員である当該警察官が、昨年12月ころ、同署留置施設内において拘留されていた女性留置者に対してわいせつな行為を行ったというものであり、特別公務員暴行陵虐罪で2月23日に逮捕しております。
〇斉藤信委員 新聞報道では、容疑者は否認しているということですが、今でも否認しているのですか。
〇中屋敷参事官兼首席監察官 現在の供述状況につきましては、捜査中ということで、答弁を差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 職権を乱用してこうした事件を引き起こすのは、本当に凶悪な事件だと考えますけれども、県警察本部長はこれをどう受けとめ、綱紀をどう粛正しようとしているか示してください。
〇森下警察本部長 今回の警察官逮捕につきましては、被害者の方に、多大な苦痛を与えましたことをまず深くお詫び申し上げますとともに、県民の皆様に対しましても、警察に対する信頼を著しく損ない、失墜させる重大な任務違反行為ということで、大変申しわけなく、お詫び申し上げるところでございます。
 また、今後、発生原因、背景等々、今、捜査中でございますけれども、その結果を踏まえて、問題点を解消していって、同質の事案が発生することがないよう、適正な留置管理業務の推進を図りながら、県民の皆様の警察に対する信頼回復にしっかりと努めていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 私は、本会議でも、県警察本部にかかわって、強制わいせつとか女性に対する不適切な行為とかが多過ぎると指摘いたしました。それが最悪の形で出たのが今回の事件ではないかと思いますので、率直に言えば、県警察本部の体質になっているのではないかと思うぐらい、私は危機感を感じます。本当にこうしたことが再び起こらないように徹底してやっていただきたい。
 もう一つですけれども、捜査資料を20年以上にわたって庁外に持ち出していた事案について、これは所属長訓戒の処分だったと。私は、この程度の処分で済むような事件ではないのだと思うのです。20年以上にわたって捜査資料が庁外に持ち出されていた。これはなぜ持ち出したのでしょうか。何かに使おうとして持ち出したのではないでしょうか。それは徹底して調査されたのでしょうか。そして、その処分が懲戒処分ではない訓戒処分程度で済むという判断をした根拠は何でしょうか。
〇中屋敷参事官兼首席監察官 本件についての調査でありますが、調査につきましては、徹底して行っております。また、本件は、捜査資料等を20年間にわたって保存していたということでありますけれども、これにつきましては、この者が異動期に、分別廃棄する時間がなくて、段ボール箱に入れて持ち出したものであります。要は、処分しないで、異動のたびに自分で段ボールに入れて、それを20年間ずっと異動のたびに運んできたというような事案であります。
 ということで、本件におきます所属長訓戒につきましては、事案の内容及び全国、県内におけるこれまでの先例を踏まえまして、厳正に対処したものであります。
〇斉藤信委員 転勤のたびに持ち出したというのは、これは大変なことですよ。たまたま持ち出したことがあったというなら、これは訓戒でいいかもしれないけれども、20年間にわたって繰り返しやっていたとなったら常習犯ではないですか。これは個人情報ですよね。捜査情報ですよ。これが関係者に渡ったということになったら本当に大変なことになりますよ。私は、訓戒処分で済むような事件ではなかったと思います。これは、身内に甘い体質が出ているのではないか。
 もう一つ、追加してお聞きします。実はこれは令和3年12月22日に処分されているのですけれども、男性警部によるセクハラ行為で、6カ月の減給10分の1の懲戒処分がなされています。かなり重い処分だと思います。ところが、調べてみますと、この事件は、セクハラ行為は平成31年3月の事件なのですよ。平成31年3月の事件が、何で去年の12月22日の処分になるのですか。このことを示していただきたい。
〇中屋敷参事官兼首席監察官 2年以上前の事案がなぜ今ごろ処分になったのかということでありますけれども、この被害に遭った女性が、当時、大げさにしたくないという気持ちもありまして、相談すべきかどうか迷っていたということで、最近なりまして、上司といろいろセクハラについての話をする機会がありまして、その当時と違って、気持ちの整理がついたということで、本件を相談するに至り、捜査が開始されたという経緯であります。
〇斉藤信委員 二つ問題があると思います。一つは、そういうセクハラ行為を受けても、気軽に訴えられるような体制になってないのではないかと。もう一つは、この処分から見たら、6カ月の減給処分ですから、かなり重い処分です。だから、かなりの深刻なセクハラ行為だったと想定されます。
 そういう意味で、私は先ほど言ったけれども、この県警察本部の体質を本当に風通しのいいものに、そして、私はジェンダー平等と言ったけれども、本当に女性を尊重する、そういう組織に、今、本気で改革を図る必要があるのではないか。これは森下警察本部長に聞きましょう。
〇森下警察本部長 まず、セクシャルハラスメントにつきましてですけれども、これを防止するためさまざまな会議等の機会において、指示、教養を徹底してまいっております。今後も引き続き、教養をしっかりやっていきたいと思っています。
 また、男性職員に対する女性活躍のための育児への参加を促すなど、いわゆるジェンダー平等、女性活躍に向けたさまざまな取り組みもしっかりと推進していきたいと思っております。
〇斉藤信委員 私は、県警察本部が、超過勤務の縮減や超過勤務手当を最近は100%支給しているという改善を図っていることは評価していますから、悪いことだけ言いません。そこは指摘しておきたいと思います。
 次は、飲酒運転事故についてお聞きいたします。昨年の6月に、千葉県で下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが衝突して、2人死亡、3人がけがと、大変痛ましい事故があったことは記憶に残っている事件であります。
 そこで、県内における酒気帯び運転、酒酔い運転の実態、この間の推移はどうなっているでしょうか。死亡事故、障害事故も含めて示してください。
〇田村交通部長 酒気帯び運転、酒酔い運転の実態についてでありますが、県内の過去5年間の検挙状況、酒気帯び運転、酒酔い運転を合計しまして、平成29年は359件、平成30年は341件、令和元年は330件、令和2年は338件、令和3年は320件となっており、昨年の検挙件数は一昨年と比較してやや減少傾向にあります。
 それから、死亡事故の関係でございますが、飲酒に起因する死亡事故につきましては、平成29年が3件、平成30年が3件(後刻「2件」と訂正)、令和元年が1件、令和2年が4件、昨年令和3年が2件となっております。
〇斉藤信委員 本当に命にかかわるような飲酒運転検挙件数ですよね。これが、令和3年320件、平成29年は一番多くて359件、300件以上毎年発生しているということに、私は大変驚きました。そして、死亡事故がこの5年間で合計12件、毎年発生しています。負傷事故は、この5年間で106件。ですから、死亡事故と合わせれば118件。飲酒運転は本当に命にかかわる深刻な事件だと思います。
 千葉県の事件で大きな社会問題にもなっていますし、かなり以前に、二戸市の道路で通学中の子供が飲酒運転による事故で亡くなるという痛ましい事件ありました。なぜこういう飲酒運転が毎年300件以上も発生しているのか、根絶できないのか、県警察本部はどう取り組んでいるのか示していただきたい。
〇田村交通部長 飲酒運転等への根絶の取り組みについてでありますが、現在も行っておりますけれども、事故実態や取り締まりの状況の分析結果に基づく、夜間における一斉検問を初め、千葉県八街市の事故におきましては日中でしたけれども、お酒を飲んでいたということがありますので、日中の検問、これらを推進するほかに、コンビニ等を初め酒類販売業者に対して、飲酒運転に関する情報を得た場合の通報を協力依頼するなど、関係機関、団体と連携し、飲酒運転の根絶に向けた取り組みを強化していきたいと思います。
 なお、先ほど、検挙件数でお話ししましたが、私もあれはあくまでも飲酒運転をしている氷山の一角であると捉えておりますので、今後も引き続き、飲酒運転の取り締まりは強化していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、答弁があったように、先ほどの答弁は検挙件数ですから、捕まった件数ですよね。それが300件以上なのです。恐らくこの数倍、下手をすれば10倍になるかもしれない。そして、飲酒運転というのは大体常習です。たまたまの例というのは少ないと思うのです。常習が多いと思うのです。
 千葉県の事件が起きたときに、全国的にキャンペーンも張って、徹底した検問とか何かをやって。本来ならコロナ禍ですから。令和3年は減っていておかしくないのです。それが検挙件数として減ってないのだから、大変厳しい状況にあるのではないかと思います。
 ぜひ、飲酒運転を根絶すること。あわせて、居酒屋等で酒を飲んだり、自宅で飲むこともあるでしょうけれども、例えば居酒屋だったら、飲んだ人に運転させてはならないですよね。これはどのようにやられているのですか。かかわって検挙された例もあるのですか。
〇板垣参事官兼交通企画課長 飲食店等における周辺三罪といいまして、酒類提供等の検挙でございますけれども、手持ちの資料はございませんけれども、数年前に、やはり酒類提供ということで検挙した事例があったようには記憶しております。
 それで、各飲食店に対して、広報のチラシ等を配布しておりまして、例えば、わかりやすいように、飲酒運転はこういう重大事故につながって、大変凶悪な罪であるというようなポスターをトイレに掲示をするとか、あとは、一般社団法人岩手県交通安全協会が主体となっておりますけれども、もし車で行かれた場合には、ハンドルキーパーということで、必ず運転しない人を一人決めて、その方が安全に送り届けるような活動ということで、そのような働きかけも進めているところでございます。
〇斉藤信委員 ぜひ本腰を入れて、居酒屋、飲食店等にもこの趣旨を徹底して根絶を図る取り組みに、取り組んでいただきたいと思います。
〇千田美津子委員 私からは、交通事故抑止対策について、何点かまずお聞きしたいと思います。
 一つは、交通事故死者に占める高齢者の割合が高いと県警察本部長からもお話がありましたが、全事故に占める高齢運転者の割合が増加傾向にあるため、高齢者に対する交通安全対策の強化が必要だと述べられておりますけれども、現状と今後、どう対応されるかお聞きいたします。
 あわせて二つ目、交通警察費ですが、交通死亡事故等の減少を図るため、効果的な交通指導、取り締まりを強力に推進すると述べられておりますけれども、県内の死亡事故の現状についてどう考え、また、新年度の取り締まり方針についてお聞きいたします。
〇田村交通部長 まず初めに、高齢者の交通事故死者の現状についてでありますが、令和3年の交通事故死者35人に占める高齢者の割合は、約7割の24人となっており、自動車運転中の死者と歩行中の死者がそれぞれ7名と多くなっているほか、全事故に占める高齢運転者の割合は約3割となっております。
 高齢者が関係する交通事故を抑止するためには、高齢運転者と高齢歩行者、この双方の対策が重要であると考えており、加齢に伴う身体機能の変化に応じた安全教育等をきめ細やかに推進していく必要があると考えております。
 2点目の交通死亡事故抑止対策の推進で、県内の交通死亡事故等の現状ということでございますが、これにつきましては、交通死亡事故の発生件数や死者数は減少傾向で推移しており、令和3年中の交通死亡事故35件の特徴として、路外逸脱、工作物衝突など、車線を逸脱する事故が15件と最も多く、全死亡事故の約4割を占めている。それから、もう一つは、人対車両の交通死亡事故は7件発生し、全死亡事故の2割を占めている。依然として、飲酒運転による交通死亡事故が発生している。この3点が挙げられ、引き続き、交通指導等で取り締まりを強力に推進し、運転者の安全意識を高めることや、歩行者等との安全を確保することが必要だと考えております。
 交通死亡事故抑止対策の二つ目の新年度の取り締まり方針についてでございますけれども、先ほど3点ほど特徴をお話ししましたが、これらを踏まえまして、交通事故に直結する飲酒運転や横断歩行者妨害など、悪質、危険な交通違反を重点的に取り締まっていくこととしております。特に飲酒運転につきましては、事故実態、それから、取り締まりの状況の分析結果に基づく検問や広報活動を通じて、その根絶に努めてまいりたいと思っております。
 また、交通弱者である歩行者を保護するため、横断歩行者妨害違反の取り締まりを推進するとともに、通学路、生活道路の安全確保のため、可搬式速度違反自動取り締まり装置を活用した速度抑制対策や、安全意識を高める目立つ街頭活動を推進してまいります。そのために取り締まり機器の整備などの必要経費を令和4年度岩手県一般会計当初予算案に計上しているところであります。
〇千田美津子委員 死者に占める高齢者の割合が高い。それから、全事故に占める高齢運転者の割合が高くなっているという点で、私もそのエリアに入ってくるので、本当に我がことのように思うのですが、例えば岩手県の場合、公共交通が拡充されるどころかどんどん減少していく中で、それから、核家族化が進む中で、免許証を返納したくても返納できないという事情もあって、なかなか大変な状況にあります。
 それから、最近の高齢者の事故を見ていますと、ブレーキとアクセルを踏み間違えたという、そういう事案が随分言われます。そういった意味でも安全教育を本当にきめ細かにやっていくという御答弁をいただいたわけですが、本当にそれをどうきめ細かにやっていくのかということが、運転する側、歩行者についても、本当に自分の胸にすとんと落ちるような対応がやられればすごくいいと思うのですが、その辺もし何かありましたらお願いします。
〇田村交通部長 まず、免許更新等で講習も行っておりますけれども、安全教育についてはこれらの講習におきまして、実施しているところでありますし、高齢者対策としましては、警察官が各家庭を直接訪問して、いろいろな部分で注意するようにということで、高齢者の事故は夜間に発生していることが多いので、例えば反射材を直接貼付する活動などを実施しております。
 ただ、コロナ禍の御時世でございまして、相手の方が許容していただかないと、警察官もなかなか訪問しづらいという部分がありますので、高齢者対策、安全教育については住民の方の意思も尊重しながら、実施していきたいと考えております。
〇千田美津子委員 コロナ禍の中で、現場としてもいろいろ大変だと思いますが、私たちもできる限り協力はしたいと思いますので、引き続き、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは3点目ですが、先ほど議論がありましたが、交通安全施設整備費について、過去5年間の整備の現状と新年度の方針についてお聞きしたいと思います。
〇田村交通部長 交通安全施設整備費の推移についてでありますが、平成29年度が7億6、074万円余、平成30年度が7億6、850万円余、令和元年度が7億9、500万円余、令和2年度が9億800万円余、令和3年度が7億8、392万円余となっており、令和4年度は8億3、381万円余を予算計上しております。
 交通信号機の新設につきましても、平成29年度6基1、995万円余、平成30年度が10基で4、358万円余、令和元年度が8基5、277万円余、令和2年度が4基で2、075万円余、令和3年度が4基で2、046万円余となっており、令和4年度は3基1、213万円余を計上している状況でございます。
〇千田美津子委員 交通安全施設整備費全体としては、そう減っているわけではないですけれども、最後に答弁いただいた信号機の新設数が、令和3年度で4基、新年度は3基に落ちているのですね。先ほど来の答弁では、地元の方々の意見が重要だ、それらを聞きながら対応したいという郷右近浩委員への答弁がそうだったのですけれども、今のこの数字を見ますと、全県でたったの3基ですから、県民の意向が反映されているとはどうしても思えないわけです。その点で、 何とか戻してもらうというか、そういう対応が必要ではないかと思いますが、もう一度答弁をお願いします。
〇田村交通部長 信号機新設数が減少しているのはなぜかということでございますけれども、新設箇所数が減少している理由につきましては、交通量、交通渋滞、それから、交通事故の発生状況など、交通環境を総合的に踏まえまして、検討した結果となっております。
 ただ、今後も地域住民の方々、道路管理者の方々の御意見を踏まえまして、必要な場所への設置を行っていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 納得したわけではありませんが、ぜひ改善していかれることを願って、次の質問に行きます。
 先ほど斉藤信委員から、千葉県八街市の飲酒運転による事故のことが話をされました。私は別の観点で、この事故による対応について質問をいたしますが、この現場は、千葉県八街市の登校中の小学生の列にトラックが突っ込み、2人が死亡し、3人が負傷しましたが、現場は、子供たちが毎日歩くにもかかわらず、道路幅は7メートルで、歩道もなく、歩行者のぎりぎりを自動車がすれ違う状況だったと聞いています。この間も、地元の要望がありながら、予算不足のために対策が先送りされていました。
 ですから、これを契機に、警察署、道路管理者、学校が合同で通学路を対象に緊急の点検が行われました。その結果、対策が必要とされた箇所は、全国で約7万6、000カ所、うち学校、教育委員会によるものが約3万8、000カ所、道路管理者によるものが約4万カ所、そして、警察の方々が対応すべき箇所は約1万7、000カ所となっています。そこで、岩手県警察本部が県内で対応すべき箇所数についてお知らせください。
〇田村交通部長 通学路合同点検における県内の状況についてでございますが、県内における対策必要箇所数は908カ所となっており、このうち警察による対策が必要な箇所は171カ所となっております。
 対策の内容といたしまして御説明しますと、ハード対策、いわゆる信号機や横断歩道の新設、横断歩道の塗り直しなどが91対策、ソフト対策として、通学路における交通監視活動や速度取り締まりを初めとした交通指導取り締まりなどが104対策となっており、県警としては全ての対策については、令和5年度中の完了を目指しているところでございます。
〇千田美津子委員 国全体でも、2021年度の補正予算で145億円、それから、さらに500億円ということで、かなりの部分に対応できる状況にあります。また、岸田首相も、2023年度末までに対策を完了するようにと指示をされているので、これについては、ぜひ、可能な部分は前倒しで対応をしていただきたいなと思います。
 それをお願いすると同時に、ゾーン30プラスについてお聞きしたいと思います。警察庁は、国土交通省と共同して最高時速30キロメートル以下の区域速度規制と侵入速度抑制を行うための物理的デバイスの組み合わせによって、生活道路の安全の確保をするというゾーン30プラスを開始しております。これは、歩行者の通行が最優先されて、通過交通を可能な限り抑制することになります。このゾーン30プラスについて、岩手県ではどう検討をされているでしょうか。
〇田村交通部長 ゾーン30プラスにつきましては、昨年度から、国土交通省と警察庁とあわせて実施するということで、ゾーン30のほうは30キロメートル規制ということで、警察が担当しているところでありますが、例えば狭窄とかハンプとかの物理的デバイスについては道路管理者の担当ということで、あわせて効果を出していこうという政策であります。
 岩手県におきましては、現在、本年3月末に花巻市で、物理的デバイスを設置したものが完成予定となっておりまして、県警察本部としましては、各年度に1カ所以上ということで目標を定めております。これにつきましては、道路管理者との打ち合わせ、それから、場所の選定等がありますので、そういう目標となっておりますけれども、いずれにしましても、通学路対策での歩行者の保護は重要でありますので、1カ所以上という目標は立てておりますけれども、それにとらわれず、実現できる部分については実施していきたいとに考えております。
〇千田美津子委員 花巻市で完成するということで、手がけられているということで安心しましたが、ただ、今、御答弁があったように、1カ所以上ということで、そんなにお金もかけなくても対応できるものではないかと思います。子供たちの安全を確保するという点で、本当に大事な施策であると思いますので、ぜひ、連携をして、もっと前に進めていただきたいと思いますので、もう一度お聞きします。
〇田村交通部長 目標は1カ所以上ということで御説明しましたが、あくまでも目標でございます。私も子供たちの命は大切だと思っておりますので、歩行者保護の観点から、ぜひ、できる限りの実施について検討していきたいと考えております。
〇千田美津子委員 よろしくお願いします。
 次に、配偶者等に対する暴力、DVの根絶についてお聞きをしたいと思います。コロナ禍にあって、配偶者等からの暴力が潜在化している可能性があり、暴力の背景も複雑化、多様化しているとの指摘がなされておりますが、どのように把握をされ、また、どう対応をされているかお聞きいたします。
〇玉澤生活安全部長 配偶者等からの暴力の状況についてでありますが、コロナ禍によるストレスや在宅時間の増加等により、配偶者等暴力事案の増加が懸念され、全国的には、相談件数が増加傾向にあると承知しております。
 また、令和3年中における県警察本部における配偶者等暴力事案の取り扱い件数は、前年比12件増加の417件となっております。なお、配偶者等暴力について、原因、動機はさまざまありますことから、個別に対応しているところであります。
 対応策についてでありますが、引き続き、配偶者暴力相談支援センターなど、関係機関と連携、協力して、暴力が潜在化しないよう、広報、啓発に努めるとともに、事案にあたっては、シェルター利用を含めた被害者の保護、一時避難の措置を講じるほか、事件性について検討するなど、被害者等の安全確保を最優先として、適切に対応してまいります。
〇千田美津子委員 引き続きよろしくお願いいたします。
 一点だけ確認をしたいのですけれども、令和3年中の取り扱いが県警察だけで417件でありました。保護命令決定通知が22件ということで、余り多くないと思ったのですけれども、これは、申請をしなかったのでしょうか。どういう状況があって、この程度に終わっているのか、それについてお聞きいたします。
〇玉澤生活安全部長 保護命令決定通知が22件と、令和2年中と比較すると、4件増加しております。令和元年中は31件あったので、令和元年中と比べますと減少ということですが、この数が多いか少ないかということではなくて、先ほど申し上げたとおり、原因、動機は背景も含めさまざまです。端的に言えば、本当に単純なことで起こってしまったり、あるいは複雑な経済的理由から発展したり、これについては個別にしっかりと対応しなければならないのですけれども、適切な対応の中にあって、出てきた結果が22件ということでございます。
〇軽石義則委員長 この際、執行部から発言を求められておりますのでこれを許します。
〇田村交通部長 先ほど、斉藤信委員からの飲酒死亡事故発生件数について、5年間の答弁を求められて、平成30年3件と答弁しておりましたが、2件と訂正させていただきたいと思います。
〇軽石義則委員長 おおむね再開後1時間半が経過をいたしましたが、この後、質疑を表明している委員があと1名となっていることから、質疑を継続したいと思いますので、御了承願います。
〇小林正信委員 私からは1点だけ、通学路の安全について、私も、千葉県八街市の件についてお伺いしようと思ったのですけれども、この飲酒運転の根絶については、先ほど斉藤信委員が質問していただきましたし、通学路の安全点検についても、千田美津子委員が質問していただきましたので、1点だけ。
 通学路の安全をしっかり守る取り組みで、先ほどはゾーン30プラスということで、ゾーン30とハンプを組み合わせるという取り組みです。こういったハード面の整備も重要かと思うのですけれども、スクールガードとか、交通指導員と警察との連携、こういったソフトの部分もやはり重要になってくるのかと思います。ボランティアの皆さんに頑張っていただくという部分も重要と思うのですけれども、そうした具体的な連携とか、また、通学路の安全における具体的な取り組みについて、1点だけお伺いして、私は終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇田村交通部長 県警察においてソフト面の関係ではどういう取り組みをしているかという部分についてですけれども、通学路におきましては、毎朝、ボランティアの方々、それから、交通指導員の方々が、横断歩道もしくは小中学生が通学するところで監視をしていただいているわけですが、県警察としましても、朝の時間帯に交通監視に行くとか、それから、朝夕については、パトカーにおける警らをしているという状況であります。
 また、通学路対策は、警察といろいろな関係団体の連携が非常に必要でありますので、学校関係者、交通関係の方々のほかにも、運転する方々にもいろいろな場面で周知していかなければなりませんので、運転者と通行する方々に対する広報等も実施して、活動をしているところであります。
〇小林正信委員 登下校の児童生徒の安全については、こういったボランティアの皆さんに負うところも非常に大きいのかと思います。本当に時間を割いて着任をしていただいている皆さんに対する県警察としての支援というか、さまざまな連携も充実させていただいて、ぜひ、ソフト面での通学路の安全をさらに強化していただくようにお願いをして、終わりたいと思います。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆さんはお疲れさまでした。
 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後6時7分 散 会

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