令和4年2月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

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〇25番(木村幸弘君) 社民党の木村幸弘です。
 請願陳情受理番号第44号東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の海洋放出基本方針を撤回し、安全な処理、保管方法の確立を求める請願について、委員長報告の不採択に対し反対をいたします。
 この討論に当たって、我が党は、福島県で脱原発運動に取り組み、東日本大震災津波による福島第一原子力発電所事故発災から、子供たちの甲状腺がん対策を初め、このたびの海洋放出問題について、国と東京電力の責任に基づく解決を求め続けている福島県の関係者から、改めてその思いを伺い、海洋放出を強行し新たな苦しみを強い、復興への希望を奪う国の対応は、断じて容認できないとの立場を共有する中で討論を行います。
 昨年4月13日、前菅政権は、トリチウム汚染水海洋放出を決定しました。この決定に対し福島県内の7割を占める市町村議会が、この暴挙に対し反対または慎重に対応する意見書が採択され、福島県内における反対署名は44万筆を超えておりました。
 また、2018年8月に、政府と東京電力は、福島県漁連等に対し、関係者の理解なしにはいかなる処分もしないと文書回答しているにもかかわらず、その約束をほごにするものであります。
 東京電力福島第一原子力発電所のタンクに保管されているトリチウム汚染水の7割が、処分に必要な告示濃度を満たしていない現状であります。
 さらに、2018年に東京電力は、トリチウム以外にも、ストロンチウムやヨウ素等の放射性物質が残存していることを発表しています。あわせて、約1、000基あるタンク内の汚染水の放出期間は、約40年かかると東京電力は認めています。海水で薄めて放出すると言っていますが、トリチウム等の総放出量そのものは変わらないのです。
 東京電力の不祥事やトラブルは、これまでも相次いでおり、東京電力に対するその信頼性は失墜していると指摘せざるを得ません。昨年2月の福島県沖地震で、3号機に設置していた地震計が2基故障していたことを公表せず、また、内容不明のコンテナ約4、000基が敷地内で発見されていること、そして、新潟県柏崎刈羽原子力発電所での核物質防護不備などが挙げられ、昨年3月のテロ対策不備とIDカード不正使用問題等の隠蔽体質や危機管理意識そのものが今日もなお改善が見られないことなど、東京電力に対する不信感は払拭されていないのであります。
 また、昨年12月に、経済産業省と復興庁が作成したALPS処理水について知ってほしい3つのことと題するチラシが、全国の小中学校、高等学校などに約230万枚配られ、学校現場に不安と混乱を招く問題となっています。
 チラシの記述には、汚染水は希釈によって水道水と同じレベルなので、人が食べたり飲んだりしても健康に問題ないとして、トリチウム入りの水を飲む人のイラストが描かれ、体外に排出されるとしています。そして、チラシの下の部分には縮小した文字で、放射線は細胞を傷つけますが、細胞には修復機能がありますと記載されているのです。
 一方的にこのような無責任なチラシが直接学校へ配られたことも到底容認できないものであります。海洋放出を容認し、このようなチラシを作成した皆さんが、まず、みずから、飲んでも影響がないという希釈汚染水を日常の飲食に利用されてはいかがでしょうか。その後、御子孫への影響を含めて安全性を証明していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 福島県の沿岸漁業は、原発事故以降、2012年から始まった試験操業が昨年3月に終了し、4月からいよいよ本格操業に向けた移行期間でしたが、このような時期に、約束をほごにして汚染水を海洋放出することを決定し、新たな風評被害を政府自身がつくっていると断じざるを得ません。
 福島県の漁業関係者からは、損害賠償の問題ではないとして、なりわいを守り、安心して後継者に漁業を引き渡したい、これ以上豊かな海を汚してもらいたくないと訴えております。こうした声は福島県だけの問題ではなく、三陸沿岸漁業関係者を初め、東北の復興のために取り組んできた人々の思いであり、政府や東京電力は、この声に真摯に応えるべきであります。
 改めて、トリチウムを含む汚染水の海洋放出に断固反対いたします。東京電力福島第一原子力発電所事故という未曾有の人為的事故により、ふるさとを奪われ、今なおその暮らしを取り戻すことができない現実を見据えたときに、郷土の再興に懸命に取り組む人々の努力に冷や水を浴びせ、国民を守るべき政府が、故意による二次的加害となるトリチウム等汚染水の海洋放出は、許されないことであります。
 直ちに海洋放出決定を撤回し、陸上保管の継続や分離処分での汚染水の減衰対策を行うことなど、安全な処理と保管方法の確立を強く求め、反対の討論といたします。御賛同賜りますよう、よろしくお願いいたします。(拍手)
〇議長(五日市王君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第63号「水田活用の直接支払交付金」の見直しの中止を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立少数であります。よって、請願陳情中、受理番号第63号は、不採択とすることに決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第44号東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の海洋放出基本方針を撤回し、安全な処理、保管方法の確立を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第44号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第60号介護保険施設における補足給付の見直し中止を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第60号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第61号令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しに関する請願のうち、項目1及び項目3を採決いたします。
 なお、各件に対する委員長の報告は不採択でありますが、各件とも採択とすることについて採決いたします。
 各件を採択と決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、各件は、採択とすることに決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第61号のうち、項目2を採決いたします。
 本件は、委員長の報告のとおり採択と決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、本件は、委員長の報告のとおり採択と決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第66号及び受理番号第67号を採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第66号及び受理番号第67号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第22号から議案第25号まで、議案第28号、議案第32号から議案第36号まで、議案第38号から議案第41号まで、議案第68号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第22号から議案第25号まで、議案第28号、議案第32号から議案第36号まで、議案第38号から議案第41号まで、議案第68号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
   日程第46 委員会の閉会中の継続調査の件
〇議長(五日市王君) 次に、日程第46、委員会の閉会中の継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続調査事件
1 継続調査
  総 務 委 員 会 ・政策評価について
  文 教 委 員 会 ・県立図書館の運営状況等について
  環境福祉委員会 ・岩手県の難病の現状と課題について
  商工建設委員会 ・一般県道大ケ生徳田線徳田橋架替事業について
  農林水産委員会 ・林業技術センターにおけるアミガサタケの人工栽培の取組について
   
〇議長(五日市王君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続調査の件につきましては、各委員長から、お手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。
   
   日程第47 議案第69号副知事の選任に関し同意を求めることについてから日程第49 議案第71号監査委員の選任に関し同意を求めることについてまで
〇議長(五日市王君) 次に、日程第47、議案第69号から日程第49、議案第71号までを一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。達増知事。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) ただいま議題とされました人事案件について御説明いたします。
議案第69号は、保和衛副知事の任期が3月31日をもって満了いたしますので、新たに八重樫幸治氏を選任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
八重樫氏は、現在、保健福祉担当の理事であり、また、これまで医療局、総務部、政策企画部など県職員として長年の経験を有しております。加えて、政策企画部長や総務部長などの枢要な職を経験し、県政全般にわたる諸課題に対する十分な知見を有しているものと考えております。
議案第70号は、佐藤博教育長の任期が3月31日をもって満了いたしますので、同氏を再任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
教育長は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定により、人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもののうちから任命することとされており、佐藤氏は、平成31年4月に就任以来、被災地の教育環境整備や新型コロナウイルス感染症に対応した学びの保障などに精力的に取り組んでおり、教育委員会の会務を総理する教育長に適任と判断したものであります。
議案第71号は、監査委員のうち識見を有する者から選任されていた寺沢剛氏、沼田由子氏のお二人の任期が3月31日をもって満了いたしますので、新たに五味克仁氏、中野玲子氏を選任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
識見を有する者のうちから選任される監査委員は、地方自治法第196条第1項の規定により、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者のうちから選任することとされており、五味氏は、会計検査院において、復興や国土交通分野等の検査を所管する課長等を歴任されたほか、現在は事務総長官房審議官に在任されるなど、国、地方公共団体の財務管理、事業の経営管理や行政運営に関しすぐれた識見を有しており、監査委員として適正な職務の執行が期待できる方と存じております。
中野氏は、盛岡市教育委員会事務局教育次長、盛岡市会計管理者などを歴任され、地方公共団体の財務管理、事業の経営管理や行政運営に関しすぐれた識見を有しており、監査委員として適正な職務の遂行が期待できる方と存じております。
よろしく御審議の上、原案に御同意くださいますようお願いいたします。
〇議長(五日市王君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第69号副知事の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
ただいま議題となっております議案第69号は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第69号は、これに同意することに決定いたしました。
次に、議案第70号教育委員会教育長の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
ただいま議題となっております議案第70号は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第70号は、これに同意することに決定いたしました。
次に、議案第71号監査委員の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
ただいま議題となっております議案第71号は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第71号は、これに同意することに決定いたしました。
   
〇議長(五日市王君) この際、議会運営委員会を開催するため、暫時休憩いたします。
   午後4時9分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 武 田   哲 君
10  番 高 橋 穏 至 君
11  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 千 葉 絢 子 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
午後4時57分再開
〇議長(五日市王君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
〇議長(五日市王君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
〇議長(五日市王君) この際、暫時休憩いたします。
午後4時57分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 武 田   哲 君
10  番 高 橋 穏 至 君
11  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 千 葉 絢 子 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後7時7分再開
〇議長(五日市王君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
   報 告
〇議長(五日市王君) 発議案1件が提出になっております。お手元に配付いたしてありますから、御了承願います。
   
発議案第14号
令和4年3月25日
岩手県議会議長 五日市   王 様
提出者議員 工 藤 勝 子
賛成者議員 米 内 紘 正
千 葉   盛
ハクセル美穂子
   令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しに関する意見書
 岩手県議会会議規則第14条第1項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
〔参照〕
令和4年3月25日
衆議院議長  様
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣
内閣官房長官
盛岡市内丸10番1号      
岩手県議会議長 五日市   王 
   令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しに関する意見書
生産者が意欲を持って作付けし、将来にわたる安定的な営農や農地の維持が展望できるよう、水田活用の直接支払交付金の見直しに当たっては、生産現場の課題を十分に検証した上で制度設計がなされるよう強く要望する。
理由
国から令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しが示されたが、特に、交付対象水田の扱いについては、生産現場から農地の集積と集約を行いながら産地づくりに取り組んできた中で、交付対象から除外される農地が出ることにより、農地の維持が困難となり、耕作放棄地の増加につながる等の声が上がっている。
 また、多年生作物(牧草)に対する戦略作物助成の単価の見直しについては、現在、海外からの輸入乾牧草も価格が高騰している中で、令和4年度からの運用はあまりに急であり、生産現場に混乱を来している。
 よって、国においては、生産者が意欲を持って作付けし、将来にわたる安定的な営農や農地の維持が展望できるよう、水田活用の直接支払交付金の見直しについて、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 今回の見直しにより交付金の対象水田から除外されることにより、農地の維持や農業水利施設の管理が困難となり、耕作放棄地の増加や離農者の増加等が懸念されることから、運用に当たっては、丁寧な説明を行うとともに、生産現場の実態や課題を十分に踏まえて進めること。
2 農地及び集落の維持のため、交付対象水田を畑地化し、土地利用型の営農形態となっても生産者の所得が減少することなく、意欲を持って生産活動に取り組めるよう、速やかに新たな支援措置を講じること。
3 多年生作物(牧草)の扱いについて、畜産農家は自給飼料確保のために水田を賃借しており、見直しにより交付金が削減された場合、賃借料の負担が大きくなり、賃貸借契約の継続にも影響を及ぼすことから、営農計画等を十分に検討する期間を設けること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   
日程第50 発議案第2号水田活用の直接支払交付金の見直し中止を求める意見書
〇議長(五日市王君) 日程第50、発議案第2号水田活用の直接支払交付金の見直し中止を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。川村農林水産委員長。
   〔農林水産委員長川村伸浩君登壇〕
〇農林水産委員長(川村伸浩君) 発議案第2号につきまして、農林水産委員会提案でありますので、委員長であります私から、提案理由の説明を行います。
 発議案第2号水田活用の直接支払交付金の見直し中止を求める意見書でありますが、今期定例会において、請願陳情受理番号第61号令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しに関する請願及び請願陳情受理番号第63号「水田活用の直接支払交付金」の見直しの中止を求める請願が、農林水産委員会に付託され、受理番号第61号については、一部採択、受理番号第63号については、採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
 その趣旨を御説明いたしますと、国は、令和4年度から水田活用の直接支払交付金を見直すことを発表しましたが、その内容は、今後5年間に一度も水張りが行われない農地については、令和9年度以降は交付対象としない。多年生作物、牧草については、従来、播種の実施にかかわらず一律の交付単価で交付されていたが、令和4年度からは、当年産において播種を行わず収穫のみを行うものは、大幅に助成単価を引き下げるというものであります。
 この見直しが実施された場合、転作に協力してきた生産者への打撃ははかり知れず、これらの生産者を交付金の対象から排除してしまうことになるものであります。
 以上のことから、本意見書案においては、水田活用の直接支払交付金の見直しを中止するとともに、農地及び集落の維持のため、交付対象水田を畑地化し、土地利用型の営農形態となっても生産者の所得が減少することなく、意欲を持って生産活動に取り組めるよう、速やかに新たな支援措置を講ずるよう国に要望しようとするものであります。
 以上をもって提案理由の説明といたします。
〇議長(五日市王君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております発議案第2号は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより発議案第2号水田活用の直接支払交付金の見直し中止を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立少数であります。よって、発議案第2号は、否決されました。
   
日程第51 発議案第3号最低賃金改正等に関する意見書から日程第61 発議案第13号ヤングケアラーに対する支援の充実を求める意見書まで
〇議長(五日市王君) 日程第51、発議案第3号から日程第61、発議案第13号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各交渉団体会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより発議案第3号から発議案第13号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、発議案第3号から発議案第13号までは、原案のとおり可決されました。
   
   発議案第14号令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しに関する意見書
〇議長(五日市王君) お諮りいたします。この際、発議案第14号令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しに関する意見書を日程に追加し、直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、この際、発議案第14号を日程に追加し、直ちに議題とすることに決定いたしました。
 発議案第14号を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。工藤勝子さん。
   〔45番工藤勝子君登壇〕
〇45番(工藤勝子君) 発議案第14号につきまして提案理由の説明を行います。
 発議案第14号令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しに関する意見書でありますが、その趣旨を御説明いたしますと、国から令和4年度の水田活用の直接支払交付金の見直しが示されたところでありますが、生産現場においては、農地の集積と集約を行いながら産地づくりに取り組んできた中で、交付対象から除外される農地が出ることにより、農地の維持が困難となり耕作放棄地の増加につながる等の声が上がっているところであります。
 また、多年生牧草に対する戦略作物助成の単価の見直しについては、現在、海外からの輸入乾牧草も価格が高騰している中、令和4年度からの運用は余りにも急であり、生産現場に混乱を来しております。
 生産者が意欲を持って作付し、将来にわたって安定的な営農や農地の維持が展望できるよう、水田活用の直接支払交付金の見直しに当たっては、生産現場の課題を十分に検証した上で制度設計がなされるべきものであります。
 以上のことから、本意見書案においては、今回の見直しにより交付金の対象水田から除外されることにより、農地の維持や農業水利施設の管理が困難となり、耕作放棄地の増加や離農者の増加等が懸念されることから、運用に当たっては、丁寧な説明を行うとともに、生産現場の実態や課題を十分に踏まえて進めること。農地及び集落の維持のため、交付対象水田を畑地化し、土地利用型の営農形態となっても生産者の所得が減少することなく、意欲を持って生産活動に取り組めるよう、速やかに新たな支援措置を講ずること。多年生牧草の扱いについて、畜産農家は自給飼料確保のために水田を賃借しており、見直しにより交付金が削減された場合、賃借料の負担が大きくなり、賃貸借契約の継続にも影響を及ぼすことなどから、営農計画を十分に検討する期間を設けることを国に要望するものであります。
 以上をもって提案理由の説明といたします。(拍手)
〇議長(五日市王君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第14号は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第14号は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、発言を許します。岩渕誠君。
   〔18番岩渕誠君登壇〕

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